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第40回国会衆議院1962/02/23

予算委員会第三分科会 第5号

発言数
222 件
登壇者
19 名
会派数
2
開催日
1962/02/23

会議録

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本日は昭和三十七年度一般会計予算中、経済企画庁及び通商産業省所管、同特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、質疑を行ないます。堂森芳夫君。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 政府にお尋ねをいたすわけでありますが、昨年の予算委員会で、私は、政府が掲げております所得倍増計画、高度成長政策とうらはら関係にあるエネルギー政策について政府の所信をただしたわけであります。当時政府がわれわれに示しておりますエネルギー政策についての一応の長期の見通しというものを、われわれは知っておりますし、この点につい、政府との間に私はいろいろ質疑を繰り返して参ったわけであります。  ところが、昨年のちょうど今ごろ、昭和三十六年度の予算を審議いたしておりました当時から一年を経過いたしました今日、振り返ってみますと、われわれが杞憂したことが、幾つか現実の重要な問題として展開して来ておると思うのであります。その一つ、たとえば当時の通産大臣でありました椎名氏に私が聞いたことの一つは、はたして昭和三十八年の十月までに石炭トン当たり平均千二百円の値下げということが可能であるかどうか、またはたしてそういう値下げが可能であったとしても、石油の値段はぐんぐん下がっていく傾向にある。しかもその供給は世界的に非常に過剰な状態になる傾向にある。こういうような世界的な情勢から見て、石炭の合理化対策というものには前途に非常な不安があるのではないか、こういうことも質問」いたしたのでありますが、当時の椎名通産大臣は、大体そういう予定の方向でわれわれはやれるという見込みを持っておる、こういうふうな答弁をしておるのでありますが、私はまずこの石炭の問題についてお尋ねしたいと思うのであります。  政府の計画では、大体年産五千五百万トンの石炭の生産量を確保しながら、三十八年の十月までに千二百円の値引きをやっていくような状態に持っていきたい、こういうことを言っておったのでありますが、しかしこのごろ、実際に炭鉱において石炭の生産というものは五千五百万トンというよう’な量ではなしに、おそらく、石炭の掘れる最の一番減る時期である一月においても五百万トンぐらいは行って、六千万トンをずっとオーバーして、ことしの夏ごろになると、貯炭に対する金融というものも非常な逼迫状態になってくるというようなことも予想されるのではないかと、まあいろいろな悲観説が言われておるのでありますが、従来政府が掲げてきました千二百円のコスト・ダウンを実行して、そうして五千五百万トンぐらいの石炭は確保していく、こういう方針というものは相変わらずこのまま続けていかれるという見通しを十分持っておるのかどうか、この点につきましてまず伺っておきたい、こう思うわけであります。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 昨年の通常国会におきまして、当時の椎名大臣から、そういう先生の御指摘のような答弁がございました。その後、石炭の合理化遂行にあたりましていろいろな障害が出て参ったことは事実でございます。国会でも問題になりましたようないろいろな諸物価の値上がりの問題であるとか、あるいはベースアップの問題であるとか、運賃の問題であるとか、そういった千二百円引き下げをむしろ阻害するような要因がたくさん出て参りました。しかし、三十六年度におきましては、予定通り、ほぼ二百五十円の炭価の引き下げというものを実行して参っております。ただ、今後この千二百円引き下げを予定通りやり得るかどうかという問題については、業界筋では非常に困難であるということを言っております。しかし、一応、この千二百円引き下げ、五千五百万トンという現在の合理化計画の基本路線、この旗じるしというものはおろすべきではない、すべてこれを中心に現在需要業界との話し合いが行なわれ、すべてこれが基礎になっておりますので、この基本路線についてはこれを改訂すべきではない、こういう考え方に現在立っておりまして、昨年の十二月に石炭鉱業審議会を開きまして、この問題を相当討論いたしましたそのときにおきまして、この基本路線は変更すべきではない、しかしいろいろな新しい事態が生じておるから、この点については、もう一度年次計画というものについて再検討しよう、こういう答申をいただきまして、現在、従来のデータというものは基礎にいたしまするけれども、また全然新しくデータを取り直しまして、年次計画についての再検討をして、新しい事態に沿った計画を作り上げるということでやっております。現在の作業といたしましては、まだ相当時日がかかりますが、ただいまのところは、御指摘になりました基本路線は変えない。しかし、それのテンポであるとか、年次別のやり方についてはもう一度検討し直そう、こういう考え方で進んでおります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 ただいまの石炭局長の答弁によりますと、千二百円のコスト・ダウンということは、一応基本線としてはこれを堅持していく、しかしその千二百円のコスト・ダウンという目標は、先にもっとずれるだろう、こういうふうに理解していいわけですか、どうでございますか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 千二百円の炭価の引き下げという問題につきましては、旗じるしはおろさない、しかし毎年一年ごとに二百五十円下げていく年次計画については再検討を行なう、こういうことになると思います。その年次計画については、これを延期するとか早めるとか、そういう結論を出しておるわけじゃございませんで、最近の最も新しい事態に沿って、データをもう一度取り直して、実態に合った年次計画を確立しようという考え方でございまして、初めからこれを延期しようとか、あるいはどうしようとかいうことは考えませんで、一応実態を洗ってからその結論を出したい、こういう考え方をしております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そうしますると、さっきあなたが答弁したように、諸物価の値上がり、あるいは労務費の値上がり、運賃の値上がり、あるいは電気料というふうな、いろいろな値上がりがございまして、千二百円のコスト・ダウンというものは実際にはむずかしくなってきた、こういうことでございますか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 そういう一面もございます。またわれわれの予想しなかったようなコスト・ダウンのできておる面もございますし、あるいは原料炭と一般炭との関係の手取りの増減の問題もございますので、そういった要素を全部総合して再検討したい、こういうわけでございまして、初めからむずかしくなったからこれを延期しよう、そういった前提で作業を始めておるわけじゃございません。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 それはあなた詭弁ですよ。それはおかしいと思うのだ。きちんと目標通り行くならば、これは再検討も必要なかろう、私はこう思うのですが、どうなんでしょうか。昭和三十三年に大体重油の値段とにらみ合わせて、重油が八千円台でしたか、そういう時代に千二百円、三十八年の十月までにコスト・ダウンになっていけばそれで競合できるだろう、こういう見通しであったと思うのでありますが、そうすると、現在石炭対策というものは、重油の値段と競合させていく、こういう考え方からコスト・ダウンして、どんどん合理化をはかっていくという考え方はもうだめなんだ、こういうことは言えるのじゃないですか。いかがですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 一応そういうことは言えると思います。ただし、やはりそういう油と石炭の値段を一応切り離して考えるが、石炭は石炭で極力合理化をやって、経済ベースに持っていかなくちゃならないという意味の指標として、千二百円引き下げを考えております。  それからもう一つ、産炭地においては、これはいかにしても、やはり油と実力ででも対抗していくくらいの石炭のコストでなければ、いかに重油業界の御協力を願っても事実上困難である。従って、産炭地においては、やはり裸ででも油と対抗できるようにしていかなければならない。そういう意味でも、この千二百円というものは、一応油と切り離して考えますが、やはり一応の経済ぺ-スという角度から千二百円というものは堅持したい、こう考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 私、先刻お尋ねした際に、大体五千五百万トンの線で横ばいで生産量を保持していこう、こういうことがどうも守れぬのじゃないか。近代化には金がかかる。あるいは離職者を出していくということは悲しむべき現象ですが、そういうことも必然的に起こってくる。またそういう人たちにも金がかかるというような理由から、とにかく掘ればいい、無理をして掘っていけば、そこで切り抜けられるというような無秩序な状態が起きてきて、大体五千五百万トンを維持していこうというその当初の計画というものが、うまくいかぬのじゃないか、こういうことをお尋ねしたのですが、こういう方面の見通しはどうでございますか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 この一月は生産が非常に上がっております。これは、毎年冬になると生産ベースが上がるわけであります。一月のベースを年間に直しますと、五千七百万トンくらいになるかと思います。しかし、例年夏になると生産が落ちますし、それから必ずストライキ減産、そういうものもあるわけでございます。われわれは五千五百万トンという生産規模を考えておりますので、これが五千六百万トンになるか、あるいは五千四百万トンになるか、その辺の若干の、四、五%の上下というものは、五千五百万トンという生産規模を考えます場合には、これは一応あり得ることである、そう考えられますが、われわれが当初から考えておりました五千五百万トンの生産規模を、非常に大きく上下するということは、まずあまりないじゃないか、そう思っております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 あなたの答弁では、大体五千五百万トンくらいの生産量というものは保持していけるだろう、こういうような答弁のようでありますが、昨年あるいは一昨年以来、石炭危機というものがいろいろと唱えられまして、幾つかの一連の法律も出されて参りました。また多くの予算的な措置も行なわれてきたわけでありますが、従来からいろいろ言われてきた石炭対策の中の一つの重要なものとしては、山元発電というものがいろいろ言われてきたと思うのであります。また政府当局も、昨年秋以来山元発電ということにいろいろ努力をしてきたようでございますが、その後、昨年の暮れあたりから、ばったり山元発電というような計画が中止されるという状態になってきたと思うのであります。これは電力業界から非常な反対がある。もちろんそのかわりに、石炭はわれわれの方で従来よりも一年に三百万トンくらい余計とってもいいというような話し合いもできたということが、新聞には報道されておるわけでありますが、山元発電というものは、今後は産炭地の振興事業としてやっていくというような方針は、もうこれで中止をしたのですか、いかがでありますか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 今おっしゃいました産炭地発電というものに、大きく分けて二つあると思います。できるだけ産炭地の安い石炭で発電をして、山元で電気を起こして電力を供給するという意味での産炭地発電、これは従来からも実はやっておりまして、この点は今後も産炭地振興の一番かなめとして大いに推進するつもりでおるわけでございます。現に九州でも、昨年度から西日本共同火力会社ができまして、これが今二十二万キロの発電所を建設中でございます。それから現在電発が若松でもやっております。それから常磐火力も現在は大きな発電所を増設中でありますし、北海道でも釧路火力におきまして山元火力を一つ計画したいということで、これもほぼ具体的に構想が固ってきておりますし、山元発電、いわゆる産炭地発電というものは今後もできるだけ一つ努力していきたい、この基本線は、産炭地振興から見ましても、あるいは石炭の需要増大から見ましても、石炭対策の非常に大きなかなめになっておると思います。ただ、いま一つの、昨年から取り上げられました産炭地発電という問題は、従来の計画以上に新しく産炭地発電を大きく百万キロ以上のものを起こして、、これを需要地の阪神あたりまで持っていこうじゃないか、こういう意味での産炭地発電構想は、これは公益事業局長がおられますから、あとで電気のお話は御答弁があるかと思いますけれども、エネルギー懇談会でいろいろな資料を検討しました結果、いろいろ技術的にもまだ多少問題が残っておるし、これは四十四万ボルトの超高圧送電をやらなければならぬということになりますために、経済的なコストの面から見てもまだ検討すべき問題があるので、一応さしあたりは現地火力というものに重点を置いて、そういう意味での産炭地発電の大構想については、これはまた後日よく検討しようじゃないかということで、一応火が消えたという格好になっておるわけでございますけれども、基本的な意味での産炭地発電の問題は、先ほど申したように、石炭対策の非常に大きなかなめでございますので、今後も大いに推進していきたいと考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 ただいまの局長の答弁を聞いておりますと、大体三十年を起点とした石炭政策というものは、一貫して今後もこれを続けていく、こういうふうにあなたは答弁をしておるわけでありますが、しかしながら千二百円のコスト・ダウンという基本的な方針というものは、すでにこわれてきておるのでありまして、今後多くの問題が石炭政策には起こってくるということは当然予想されることでございますから、今後もこれは多くの積極的な施策が必要であることは当然である、こう思うわけであります。特にわが国における国産としてのエネルギー源という意味では唯一の資源でありますし、また供給の安全性という点から考えましても、当然これはわれわれが尊重しなければならない。またこれを対象にしたいろいろな施策を講じていかなければならぬことは当然でありまして、今後も努力しなければならぬのであります。しかしながら、エネルギー問題は世界的な趨勢でありますが、だれでも言っておりますように、扱いの不便な固体エネルギーから流体エネルギー、すなわち石炭から石油へというような傾向が強く出て参っておることは自然の勢いであろうと思うのであります。特にヨーロッパの諸国と日本の事情を比較いたしますと、日本には特殊な激しいといいますか、そういう強い傾向が出てきておりますが、世界的な傾向として、やはり固体エネルギーから流体エネルギーという傾向が出てきておることは、これはもう当然と申さねばならぬのであります。そこで私は鉱山局長も来ておられますからお尋ねをするわけでありますが、石油は世界的な過剰な状態が続くであろう、こういうふうに今日言われておりますが、政府は石油の供給はいつごろまで過剰な状態が続くという見通しのもとにいろいろな施策をやっていかれるのであるか、まずこの点を伺ってみたい、こう思うわけであります。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 石油の世界的な過剰な状況というものは、各方面で言われておりますし、自由諸国においても、あるいはソ連圏においても、石油の開発には非常に力を入れておるそうでありますので、いつまでということは私しろうとでわかりませんけれども、当分の間はこういう状態が続くのではなかろうかと想定いたしております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 私が調べたところでは、この二、三十年間ぐらいは優に過剰の状態が続いていくであろう、こういう工合に言われておると思うのであります。ところがこの石油の値段のことでありますが、それぞれの国が、貿易競争に勝っていく、あるいは産業の発展から考えまして、より安いものをより自由に安易に入手できるエネルギー源を求めることは当然でありますが、そこでこの値段は今後上がっていくという見通しが多いのでありますか、あるいは下がっていくという見通しが多いのでありますか、政府はどういう見通しを持っておられるか、これも伺っておきたい、こう思うわけであります。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 世界的な供給の過剰が当分の間継続するといたしますと、どうしても売り込み競争が激しくなりますので、傾向としては下がっていく傾向の方が強いのではないだろうかというふうに私は考えますが、これについてはいろいろほかの意見があるかもしれません。現実には、日本が各国から買っておる原油の輸入の値段は下がっているようでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 私も下がっていくというふうに思うのであります。ところが世界的に有名ないろいろの学者の意見を調べてみますと、たとえばキール大学の何とかいう教授は下がると言ってみたり、あるいはレピーという人の報告書を続んでみたのですが、何か上がるだろうというようなことを言っておるのでありまして、いろいろ説があると思うのであります。そこで共産圏から石油がどれくらい入ってくるかということが、日本の国だけではありませんでヨーロッパでもそうでありますが、石油の値段を左右する一つの大きなファクターになってきておると思うのであります。そこで大臣が来られましたから大臣にお尋ねしますが、きのうの新聞に、ソ連大使が大臣をお呼びになって石油の輸入についていろいろ話があった、こういうことが出ておりましたが、ソ連の石油が日本にどれくらい入ってくるかということが、一木の石油の値段を左右する大きな一つの要素になるわけでありますから、どういう話があったのか、答弁を願いたい、こう思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 二、三日前にそういうことがございまして、新聞に出ておりますように、日ソ通商協定が大体結論を得たわけでございます。きょうの閣議で報告がございました。それによりますと、今度は今の期間、来年までですが、それを経過すると、その後においては年間三百四十万トン、こういうことで話ができたのでございます。今言われるように、ソ連の原油は、特別な値段というか、非常に安い値段で日本に入っております。ソ連大使館で、大使にそう言って笑ったのですが、どうも日本はソ連の衛星圏でないことが非常に仕合わせのようだ、というのは、ソ連は、ソ連の衛星国に対しては非常に高く売っているけれども、それ以外の地域には非常に安く売っている、日本はその圏外であるから非常に安く手に入っているようだ、こう言って冗談を言いましたら、非常に答弁に困っていたようですが、特別な価格操作をやっている国でありますから、その点を十分御認識をいただきたいと思います。前回の通商協定では、年間百七十万トンという数字であったのでございます。それが今回は、数量をふやして三百四十万トンということで、双方の一致を見たという状況になっております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 私が、昨年の夏、ちょうど国会の海外旅行がありましたので、イタリアに参りましたときに、ENIの会社を訪問しまして、いろいろ質問をしてみたのであります。御承知のように、イタリアはEECに加盟した国であって、加盟国の間にいろんな規制も行なわれるわけであります。ところが、大臣御承知の通りイタリアは、日本と同じく原油が全然といっていいほどとれない国であります。ENIという会社は、大臣よく御承知の通りに、国策会社であります。しかし、このENIは、ソ連と通商協定を、会社としての交渉をやりまして、そしてEEC加盟諸国からは非常な強い、圧迫とまでは行きませんが、むずかしい事情が生じたにもかかわらず、商売だから別だ、こういう立場で、ソ連の原油をどんどん買う、そしてその代償としてENIから石油のパイプ、油送管を持っていく、こういう協定で、ソ連の石油をどんどん買っておるという話を、ENIのある幹部がしてくれました。そのときに私が、あなたの国はEEC加盟の国であって、他の加盟国からいろんな政治的な圧迫がないかと言うと、いや商売は別だから、安いものを自由に買うことはあたりまえのことなので、一つ日本も安い石油がほしかったら、ソ連から買うに限るよという話を向こうがしておりましたが、ソ連石油というものをもっと買っていくということは、通産大臣としてはぜひとも今後もやってもらいたい、こういうふうに思うわけであります。後ほどいろいろお尋ねをしたい関係が、またソ連油との関係で出て参りますが、ただいま大臣から、ソ連から三百四十万トンぐらいの石油を買うようになった、こういうことを報告を願ったわけであります。  そこで、さらに大臣に伺いたいのでありますが、私は、ただいま毎日のように新聞をにぎわしておりますところの石油業法というものに関連して大臣にお尋ねをしたい、こう思って、この質問席に立っておるわけであります。各方面からいろいろな意見が出まして、官僚統制であるとか、あるいは他の産業部面にも統制が及ぶのではないかとか、いろんな意見が行なわれておるようであります。そこで、石油業法を作ろう、こういう考え方に大臣がなられましたその基本的な立場というものはどこにあるのか、これをまず伺ってみたい、こう思うわけであります。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 申すまでもなく、石油はエネルギー源の中心をなすものでございます。最近は、御承知のように、総合エネルギー対策ということが非常に強く主張されておりますし、一面、石炭産業に対する政策とのかみ合わせ等からも、これはひとり経済問題ばかりじゃなく、政治的な問題、時には社会問題にまで発展している、御承知の通りでございます。そういう点を勘案して参り、また将来のエネルギーの拡大、そういう場合に石油が果たす役割等を考えて参りますと、やはり総合的な見地に立って、国家的な意思というものがある程度反映することが望ましいことじゃないか、これが実は基本的に取り組んだゆえんでございます。あるいは時期的にどうこうという議論もございますが、ただいま御指摘になりましたENIの問題であるとか、あるいはフランスにおける石油のあり方であるとか、あるいはドイツのあり方であるとか、各国のものをいろいろ検討してみますと、もうすでに時期は非常におくれておる、むしろこの際に方向をはっきり明示することが、エネルギーの安定供給という面に非常に役立つのではないか、かように考えて、石油業法をただいま成案を得べく最善の努力を払っておる次第でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 大臣からきわめて簡潔に答弁がありましたが、しからば私、個別的にお尋ねしていきたいと思うのであります。  来たる十月から自由化が行なわれて、石油に関しても自由化が行なわれる、こういう段階に進んでおるわけでありますが、現在のままで自由化が行なわれる場合には、日本の石油業界に非常な混乱がくるのではないか、こういう危惧を大臣はお持ちになるのかどうか、こういう点であります。  実は昨年、さっきも話しましたように、イタリアへ行きまして、その次にパリへ出ました。そしてパリで、フランス石油の大きな会社でありますが、そこの首脳部の人に紹介してくれる人があって、会っていろいろ話をしました。私の顔を見まして、ある幹部の人がこう言うわけであります。私はフランス人だから、日本のことはどうでもいいようなものだが、自由化がきた場合に、日本の石油というものについて、どういう施策を日本の通産大臣はするんだろうかということが非常に興味があるんだ、しかし、それはだれが日本の通産大臣をやっても非常にむずかしいことであって、これはなかなか大へんなことなんだ、こういう話をしておりました。そして一番大きな点は、第一、日本の民族資本といいますか、外国から借金はしておるけれども、資本としては入っていないという会社と、あるいは外資が入っておる会社、あるいは外資だけでやっておるような会社というものを比較すると、金利という点で、日本の資本でやっておる会社は、非常に大きな不利な条件を持っておる、それだけでも日本の石油業は大きな混乱がくるのではないかと思うという話をしておったのでありますが、しからば、大臣は、日本でことしの十月石油が自由化される場合には、何か石油業界には混乱がくるような非常な心配がある、こういうふうにお考えなのでありましょうか、どうでありましょうか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 これはいろいろの議論があると思います。場合によれば、混乱もやり方一つでは起こるでございましょうし、あるいは混乱をある程度防ぐ方法もあるだろうと思います。ことにこの実情等については、いずれ石油業法が成案を得た上で、十分専門的に御審議をいただきたいと思います。  ただ、今のような一般的な問題について申し上げてみると、国産原油というものは非常に数量が少ない、むしろ国内エネルギーとしての国産、原油は、石炭、ガスと一緒に考えるべき筋のものだと思います。また国外のもの、ただいまソ連の話が出ておりますが、あるいは英米等からもローンが入っておる、そうすると、やはり英米の系統の原油とのつながりがあるということでありますし、もう一つはいわゆるアラビア石油というふうな特別のものもある。そういうものを工夫して参るのでございますし、また設備自身が、今の姿のままでございますれば、直ちに混乱がくるということはあまり心配しなくてもいい、こういうふうに思います。相手方のやり方一つで、混乱させようとすれば、中小企業の日本の石油業界でありますから、そういううずの中に巻き込まれる危険は、もちろんあることでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 大臣は二十分までだそうでありますから、これはまた途中であれですが、そうしますると、もう時間もございませんから、先へ走ってお尋ねするのでありますが、石油業法は、現在いろいろ新聞に伝えられておりまするが、成案を得て、いつごろ国会に提案されるということになるのでありますか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 大体この三月の上旬には提案したい、こういうことでございまして、通産省の原案はもう作成を終わり、ただいま法制局でいろいろ法文の整理等をいたしておる段階でございます。もちろん与党とも調整を必要とすることだと思いますが、成案ができ次第審議にかけて皆様の御審議をいただきたい、かように考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そこでこの業法と直接関係はございませんけれども、各国がやっておることは国内産の原油の探鉱あるいは精製であるとかいう問題、あるいはまた国内産ではないけれども、自分の国の資本を投じて中近東であるとかいろいろな方面で石油を掘っておる、こういうふうな特殊の石油でございますか、そういうものに対するいろいろな、処置というものが特別になされておることは、これはみんなやっておることであります。ところが私が知っている範囲では、石油業法にはそういうことは何もうたわれていないということでありますが、従来からこうした特殊原油でありますか、そういうものに対する施策が日本の政府には非常に欠けておる。たとえば帝石とかあるいは石油資源開発株式会社を見ますと、これは第二次五カ年計画が来年から始まるわけでありますが、年にわずか四億円くらいの金を政府がつぎ込んでいく、あとは一つ自己資金で借金でやれというような方法をやっているというようなことでありますが、あるいはまたアラビア石油につきましては、これはもう海外でも言われているところの、われわれ日本人が考えるよりも、もっと大きな問題として海外の連中はいろいろうわさしておるのを私も聞いたのでありますが、このアラビア石油は昭和三十七年は六百五十万キロリットルくらいですか、あるいは来年三十八年になると一千万キロリットルくらいはとれる。こういうものをどういう処置をしていくかという問題がやっぱりあると思うのでありますが、そういう国内産の原油あるいは特殊な原油、こういうものを政府が今後どういうふうに処理していくかということについては、問題が非常にあると思うのであります。こういう点についての考え方を伺ってみたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 石油資源開発会社に対して政府が助成をいたしておることは御承知の通りでございます。これはすでに第一次五カ年計画を立てまして、原油にガスとあわせて、大体換算二百万トン、これを第一次目標にして進めておるわけです。国内資源といたしましてはまことに貧弱なものでございますから、これに非常に多額の金をかけて、そして開発いたしますことは、経済的にも相当議論のあることだと思います。もう一つは、すでに民族資本として開発をしておるアラビア石油でございます。これはただいま御指摘のように、一千万トンというものが一、二年のうちに出てくる、こういう状況であります。ところがこのアラビア石油にしましても国内の原油にいたしましても、製油施設を持っていない。今日までは価格等を国際価格にできるだけさや寄せする指導をして参っておりますから、国内原油の合理化もそういう意味で一定の一ちょうど石炭に対して千二百円下げを要求しているように、それを要求させて合理化を進めております。けれども最近の国際原油の価格は、国内に入りますものは大体トン五千円をちょっと下回る程度でございます。これにまで国内原油の価格を下げることはなかなか困難でございます。しかし現存の精製社、製油会社は、比較的高くても、数量が少ないし国内原油であるからというので、行政的なあっせんで国内原油の製油も引き受けてくれております。アラビア石油は一体どうか。大体アラビア石油は、今日まで入っておりますのは、一般に原油の値段が非常に高いかのようにいわれておりますが、これはトン当たり四千五百円で入っております。一般の輸入価格が五千円をちょっと下回った四千九百円かあるいは四千八百円ちょっと、こういうところから見ますと、アラビア石油は、一部宣伝されておるように高いものでは実はございません。だから今日までのところは行政あっせんで、既存の製油会社が引き取ってくれておりますが、将来非常に数量が多くなると必ず問題が起こることだ、かように思います。将来の問題は将来の問題としてこれは考えなけばならぬ、こういうように思うのでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そうすると将来の問題を考えるということでありますが、四千数百円で入る原油であることは確かでありますが、しかしまた何か、私しろうとですが、硫黄が多いから割合安いという場合に、割り損の場合もあるのだという話でありますが、それはそれとして考えていくということではどうもおかしいのでありまして、一体どういう構想を持って今後政府はやっていくのか、その点もう一度。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ちょっと一言だけ申し上げておきます。将来おそらくみずからが製油施設を持つということだろうと思います。ただいまいろいろ準備を進めておるようであります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 ただいま大臣からみずから精製工場を持っていくというような話で、一体どういうふうにして持っていくのか、どうも立ち小便みたいな答弁でわからぬ。そこで政府は、昨年以来石油業法を考えると同時に、何か国策会社を作って、そうしてそういう国内産の原油あるいは特殊原油というものをいろいろと処理していくのだ、それは単なるトンネル会社として作っていくとか、あるいは第二段としては精製をも含めた販売会社として国策会社を作っていくのだ、こういう構想もあるのだと言われておったのでありますが、政府は一体どういうふうに考えておるか、今の大臣の答弁では何のことかわからぬ、もう少しく担当局長から詳しく答弁を願いたいと思います。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。  実は石油の自由化を前にいたしまして、学識経験者にいろいろフリーな議論をしていただきました。今後の石油のあり方について議論をしていただいたわけでありますが、その中で、石油業法みたいなものが必要であろうということが一つと、それからもう一つは、主として特殊原油につきまして、半官半民の国策会社を考えてみたらどうであろうというような意見が出たわけでございます。もちろんその国策会社の中身につきましては、またいろいろな意見がございまして、将来どういう形の国策会社がいいかというような内容については差異がございますが、法律と国策会社について考えてみたらどうかというような学識経験者の意見があったわけでございます。従ってただいまの段階では、国策会社の案は政府の案ということではございません。それを参考にして研究をしてみるという段階に現在ございまして、今後研究してみたいというふうに考えておるわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そうしますると、アラビア石油あるいは北スマトラにしましても、現にもうどんどん油は入ってくるわけでしょう。そういう原油の処理は一体当面どうしていこうというわけでありますか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 北スマトラ石油につきましては、これは外資提携をしている会社も、それから民族系の会社も出資をいたしておりました、また一方その量があまり多くない。さしあたっては年間二十数万キロ程度でございますので、これは行政指導によりまして円滑に引き取られることを期待いたしております。それから一方アラビア石油の方は、三十六年度中に約百五十万キロ出てくるということになっておりますが、これも外貨割当をうしろだてにはいたしておりますけれども、行政指導によりまして、各精製会社にそれぞれの能力に応じて平等に引き取ってもらうことで円滑に話がただいまついております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 話を少しく方面を変えて私お尋ねしてみるわけですが、自由化されましたときに石油産業に混乱がくるかもしれない、こういうことは私はやはり予測できると思うのであります。大臣はそういうことをしゃべると影響がいろいろとあるものですから、特に石油業法を今出そうという直前であるから、いろいろと慎重に答弁をされておると思うのでありますが、私はやはりそういうことはくる可能性が非常にあると思うのであります。特に御承知のように日本の石油精製産業は、その大きなものは外国資本によってぐっと握られておるものもあります。また丸善だとか出光とかあるいは東亜燃料でありますとか、そういうふうな純然たる民族資本の会社もあるわけであります。しかし、安い資金をやはり外国から借りておる。そうしてそういう安いローンの関係で、民族資本の会社といえども、ひもつきの原油を買うという約束ができておる。こういうところに、日本の石油産業が自由化した場合に、いろいろな大きな問題を起こしてくる大きな要素と原因がひそんでいることは私は否定し得ないと、こう思うわけであります。こういうふうな日本の石油産業の事情に対して、一体政府はどういう対策を今後やっていこうとしておられるのでありますか。単なる石油業法を作るだけでは、なかなかそうした資本的な束縛による影響というものは、簡単には処理できないのではないか、こういう点について政府はどういう処置をしていくのでありますか、この点伺っておきたいと思うのであります。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 いろいろ外資の提携について批判はあるかと思いますけれども、戦後のわが国の石油の政策は、外資と提携をすることによりまして急速に復興し得たということは、厳然たる事実ではないかと思います。終戦直後の精製能力は、日産で二万バーレルを割っておったと思いますが、現在は設計能力で百万をこえておるわけでございます。しかも世界的に近代化された精油所が各所にできておるわけでございますが、その一つの大きな原因は、外資と提携をして、資金的な援助あるいは技術的な援助等々によりまして急速に復興し得た。また反面、原油についても、ひもつきと申しますけれども、これはまた立場を変えていえば、安定してそこから入るという利点もあるわけでございます。この辺はそういういろいろな点を考えて、総合的に判断すべき問題ではないかというふうに思います。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 さっきも局長答弁されましたけれども、大体日本の石油の精製能力は一日百万バーレルをこえるのじゃないか、こういうことであります。ところが六割ぐらいしか実働していない、こういうふうに私は聞いておるわけであります。一体なぜ六割しか動かない設備を、日本は海外から資金を借りてきて、あるいは資本として入れてやっているか。外国から資金を借りてくれば安い。だからどんどん借金をして工場設備をしている。そして実際日本の精製能力というのは、世界で第三位だそうでありますね。もっともイギリスあたりは植民地で精製して持ってくる、こういう日本とは建った事情もあるわけでありましょうが、資本主義国家ではアメリカの次の精製能力を持っておる。しかも借金をして、あるいは外資を仰いで作った精製工場の六割しか稼働してない。四割は遊んでおる。そしてこれが自由化されれば、当然そこにこうした遊休設備をフルに動かそうとする努力をしてくるでしょう。そこらに私は今後の混乱をする大きな原因がないかどうかという心配があると思うのです。こういうことをいろいろと質疑いたしておりますと、もう時間もございませんから、委員長が目で、もう時間がないと、こういうことであります。  最後に、公益事業局長に伺いたいと思うのであります。電力業界が非常に資金が足りない。これはもうおそらく局長は非常な苦労をしておられると思いますから、私が今数字をあげてくどくど申すことはなかろう、こう思うわけであります。ところが、この間私、新聞で読んでおりましたところが、電力業界は資金がないので、国内の石油の精製会社と協力をして外国の安い資本を借りてきて、そして日本の国内のいろいろな石油会社と一緒になってコンビナートなどを作って、そこで石油精製をやって、そして借金をしていく。その金を電力の開発の資金にも回そう。そうすると安い油は手に入るし、資金は外国の利息の安い資金を借りてくる。もちろんそうすればひもつきの原油を海外から買わなければならぬ、こういう条件がついてくることは当然でありますが、そういうことになると、さっきの特殊の原油というものを処理する上については、アラビア石油の株主の一つは電力会社でもあるわけでありまして、そういうことをしていった場合に、やはり悪循環が私は非常にくると思うのであります。そこで監督官庁としてのあなた方としては、そういうことが新聞に書いてあるのでありますが、そういう傾向を黙視していかれるのでありますか。どういう態度をとっていかれるか、この点も伺っておきたいと思うわけであります。

樋詰誠明通商産業事務官(公益事業局長)

○樋詰政府委員 実はこの問題につきましては、まだ業界からわれわれの方には何ら話はございませんが、今先生御指摘のように非常に大きな問題をはらんでおる、こう思いますので、具体的なケースというようなものを想定いたしまして、通産省全体として方針をきめた上で、公益事業である電気事業を指導していきたいと考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 もちろん私は単純なるアウタルキーとかあるいは国家主義とか、そういうことで外国資本は全部排撃しよう、そういう議論を言っておるわけではないのであります。石油産業のような大きな国際的な性格を持った産業でありますから、他のいろいろな国でも、国際産業としての石油産業の性格というものをよく認識した立場でいろいろとその国、その国の産業の方針をやることが当然でありますから、そういう意味で申し上げたわけであります。  いろいろと質問をしたいと思いましたが、もう私の時間は来ましたから、これをもって終わります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 本日は経済企画庁長官と通産大臣にお越しを願って、少しお尋ねをしたいと思いましたけれども、通産大臣はおいでにならないようでありますから、その部分については、予算委員会一般質問に譲らざるを得ないかと思うのでありますが、企画庁の長官もまだ見えないようでありますから、先に少し始めることにいたしましょう。  昭和三十七年度の経済見通しの中で、昭和三十六年度、実績見込みについての設備投資の部分は、九月二十六日ですか、企画庁の発表がありましたときも三兆七千五百億円、十二月に発表がありましたときも三兆七千五百億円、一月の発表も三兆七千五百億円で、その他の部分については、いずれも九月以来多少の異同があるのでありますが、この部分だけは一貫して全然動かない十、十一、十二、一の四カ月間、各種の経済資料は相当な変動を示したにもかかわらず、動かないというのは、これはどういう理由に基づくのか。

中野正一総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○中野(正)政府委員 三十六年度の設備投資の見込みでございますが、御承知のように、これは昨年の六月ごろに通産省で調べ、あるいはその後日銀、大蔵省で銀行を通じて調べましたところが、三兆九千億から四兆ぐらいに行く勢いになったわけです。通産省所管だけからいって一兆八千億というふうになったわけです。これは非常に行き過ぎじゃないかということで、通産省におかれましては、産業合理化審議会を通じて、これの調整をはかる、あるいは日銀を通じて設備の抑制に努める、こういうことになりまして、その結果は、九月、十月ごろにいろいろ調査いたしますと、全体としては三兆七千五百億ぐらいに相当強目に押えて持っていくべきではないか。だから実勢から言いますと、ややきつ目な数字を政府として出すべきであるということで、これは通産省方面にも、そこまでの圧縮は、実際問題として非常にむずかしいという御意見もありますから、そういう政策的な――九月二十六日に、引き締め政策、景気調整政策というものが相当実効が上がるということを見込んで、三兆七千五百億という数字を出したわけでございます。その意味合いで、その後設備投資の勢いは、これは大企業方面でも投資の削減なり繰り延べというものを相当行なっております。しかし、なお相当設備投資の問題というものは根強いじゃないかということで、われわれも心配をしておりますが、しかし調整策は十分浸透し、効果が上がることを期待いたしまして、三兆七千五百億という数字は変えていないわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 長官がお見えになりましたから、ちょっとお伺いをいたしますが、今調整局長に尋ねましたのは、昨年の九月二十六日の企画庁の経済見通しが、設備投資については三兆七千五百億円、十二月十二日の見通しも三兆七千五百億円、一月十六日の実績見込みも三兆七千五百億円、その他のものは全部動いておりますけれども、ここだけ動かないということはどういうことかと今尋ねてみましたら、要するに一種の努力目標として、これは設定をしたのだ、だからこれは動かなかったのだということを今伺いました。  そこで伺いたいのは、一体現在国民経済計算といいますか、こういう格好でお出しになっておるものの性格ですが、経済実績見込み等については、かなり客観的な分析が入ってこなければ――特に一月十六日に御発表になるといえば、すでに第三・四半期を経過しておる段階でありますから、そこでなおかつ努力目標というのは、実はいかがであろうかという気がするのでありますが、やはり現在の情勢としては、これらの問題は、常に努力目標という格好で経済計算が行なわれておるのかどうか。その点を一つ伺いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 この種の計算につきまして、平常の状態でございますれば、過去においてある程度予想さるべき数字は大体確定してくるのではないか。従って、必ずしも、想定された努力的な目標と言う必要はない場合が多いと思います。しかし、昨年来の状況を見ておりますと、経済に著しくいろいろな変動が起こっておりましくしかも、それが高度の成長という一つの要素と、それに伴います日本の産業自体の構造上の変化の現状の問題もございます。従って、それがどういうふうに相関的に影響してくるかということになりますと、はなはだむずかしい問題がございます。しかも、それを受けて立ちます産業人の方面の心理作用の影響というものが、相当私は経済の運営の上には重要だと思うのでありまして、そういう段階におきましては、やはり努力目標と私は言わざるを得ないと思うのであります。そういう意味におきまして、ある意味から言えば、はなはだ残念なことでございますけれども、そういうことでやっていく。それから同時にまた、こうしたアンバランスが起こりましたことを早期に解決していきますことが、政府のやるべき務めだと思います。従いまして、それに対しては一つの目標を立てまして、そしてそれが達成できますように、諸般の政策を集中していかなければならぬというふうにも考えますので、従って、一つの努力的な目標としてそれを達成するためには、政府の諸施策もそういう方向に集中していくというような、政策面からの考慮もあるわけでございまして、そういう意味において本年はそういたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実績見込みは三兆七千五百億円、これは今のでわかりました。来年度の見通しの三兆六千九百億円というのは、どういう形で出て参ったのでしょうか。

中野正一総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○中野(正)政府委員 実は三十七年度の設備投資はどの程度にいくか、これはもちろん今長官がお述べになりましたように、本年度の努力目標として三兆七千五百億くらいにおさめるということになりますと、どうしても本年度の第四・四半期あたりからカーブが、たとえば十-十二月くらいに最高になっていって、一-三月には三兆六千億円台に落ちてこないと、年間として三兆七千五百億にならないわけでございます。従って、一-三月くらいから少しずつ設備投資の勢いが衰える。ただ、その場合に、各社の計画を見てみますと、やはり計画の削減というよりも、繰り延べというようなものも相当部分ございます。それからまた、電力あたりは、どうしても着実に需要は伸びますし、相当発電施設等の増強をやらなければなりませんので、これはことしよりも相当設備投資はふえる、こういう基幹部門等にはそういう問題もございます。そういうことで、いろいろ通産省あたりの話を聞いてみましても、われわれが事務的に一応計算をいたしたものは、三兆七千五百億の横ばい程度じゃなかろうかという数字が出たわけでございます。それをもとにしていろいろ計算をいたしてみますと、どうしてもこれは国際収支面に悪い影響が出てくる、こういう計算が出まして、これは貿易自由化等を控えて、あるいはそういう基幹部門等の設備増強の勢いというものが相当強いのですから、これを相当押えて、設備投資をスロー・ダウンさせないと、どうしても国際収支がバランスしない。特に下期国際収支の均衡という至上命令があるわけでございますので、その意味で企画庁といたしましては、関係省に相当強力なる行政指導をお願いする、また、産業界、金融界等の協力を得て、特に金融方面からの調整ということにも期待をいたしまして、三兆六千五百億という、これも今長官の言われた努力目標的な意味合いにおいて、そういう計画を立てたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は過去における経済見通しを少しこまかく分析してみますと、三十一年、三十二年、三十三年、三十四年、三十五年、三十六年まではこういう形になっております。三十一年は、当初の見通しに対して実績見込みが三二%増です。当初の見通しに対して実績は五五%増です。三十二年は、当初に対して実績見込み一七・七%増、実績が二六・一%増、三十三年、これが一番近いわけでありますが、それでも見通しと実績見込みの差は四%でありますが、見通しと実績の差は二一%あります。三十四年度にきますと、見通しと実績見込みの差が三二%、見通しと実績の差は、驚くなかれ六〇%ございます。三十五年度では、見通しと実績見込みは四二%、見通しと実績で五三%です。一体これだけ見通しと実績見込みと実績が違うということになると、これは私は、数字を発表すること自体が、かえって人々を混乱させるもとになるのじゃないかという感じがいたしてなりません。そしてこれの差額を見てみますと、三十一年で実績見込みと実績の間が二千四十六億円、三十二年度で一千百二十二億円、三十三年度が二千三百六十六億円、三十四年度は三千八百二億円、三十五年度が二千百九十五億円、こういうのが過去における金額上の差であります。実は三十三年度というのは、御承知のように、前回のリセッションの後段の段階に当たるわけでございますが、ここでも実は実績見込みと実績の間が約一七%くらい違う。この差が二千三百六十六億円あったわけでございますが、過去の一連のこういう経過を見ながら、さらに現在の鉱工業生産のあり方、あるいは資本財出荷指数のあり方を見ておりますと、私は、皆さんのおっしゃる努力目標は三兆七千五百億円でよろしいかもわかりませんが、実績は三兆八千五百億円にはなるのじゃないか、私はかように思いますけれども、長官は一体どうお考えでしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話のような過去におきます状況が、私どもから申しますと、前途の見込みというものに対していろいろな要素を集めてやりましても、その結果はやはりいろいろな違いが出てくるので、こういう形において出すのがはたしていいのかどうかということを、実は若干疑問に思うのでございます。しかし、例年予算編成にあたりましても、一応の指標を作る必要がございます。ですから、全然そういうものを出さないということも、あるいは目標を立てないということもいかがかと思います。従って、少なくとも本年度においては、あらゆる政策をそこに集中して、そして、そういう大きな違いのないようなところに持っていくし、また、そのこと自体が、経済運営の一つの目標にならなければならぬという意味で、私は明年度の見通しというものを立てることにいたしたわけであります。従って、そういう面について、お説のように、日本の経済というものが、革に政策的に高度の発達を遂げるばかりでなく、国民意欲の上からいって、相当意欲的な精神力が加わっておりますので、そういう面から見ましても、やはり今申し上げたような立場で将来やるのが適当ではないかというふうに、実は私個人として考えておるのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、私は、この過去の実績を見ながら、一番ぶれの少なかった三十三年度は、実は予算の上で見ますと、前年度当初予算と比較をいたしまして、財政投融資等を含めて、そうして、この年は経済基盤強化資金等がございますから、こういうものを除いてみますと、予算規模の差というものは、約八%ぐらいの増になっておるわけであります。そういう予算規模で、目標も、前年度における、実績見込みをお出しになった一兆五千八百十億円に対して、一兆三千一五百九十億円という非常に低い見通しを立てて、経済の成長率もきわめて低く見積もって、それでなおかつ、結果としては二一%の設備投資の増加があった。こういう過去の実績から見ますと、今長官は、いろいろな問題は非常に行き過ぎる傾向があるから、控え目に押えての努力目標で政策を集中したいとおっしゃりながら、本年度の予算では増加額が約五千八百十五億円、財政投融資を含めてございます。特にこれは自己資金分を含めればさらにとかえるわけでありますが、一体この矛盾はどういうふうにお考えになるのですか。見通しでは押えに押えて、政策はそこに集中する。しかし、国の予算は二一%も全体としてふえている。一般会計だけでは二四%でありますけれども、その他を含めて二一%ぐらいふえている。こういう形で、はたして今のおっしゃるような、政策が集中しておるというふうに理解できるかどうか、ちょっとその点を一つ伺っておきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 経済の上から見まして、予算がどの程度の規模であることが適当であるかということは、相当いろいろな面において問題があると思います。今回の予算が大型であるのか、あるいは今言ったような抑制的な立場に立っているとすれば、これでいいのかというような問題が、むろん一つあろうかと思います。私自身考えてみますと、今日日本の経済を貿易バランスの上で改善をしていくということが、一つの大きな命題でございまして、それにはある程度設備投資も押え、あるいは輸入も抑制していかなければならぬという一面もございますけれども、同時に、他面におきまして、今日起こっておりますいろいろなアンバランスというものをある程度訂正しなければならぬということも、これまたやむを得ない仕事じゃないかと私は思います。高度の成長をして参ります場合において、社会保障の関係というものをある程度充実さしていくということも、安定的な成長をやって参ります場合に、徐々にやります場合と違いまして、かなり急激な成長をしたものでございますから、そういう面の補足もしなければならぬ。また、過去におきまして、これは議論になりますけれども、公共投資というもの自体がおくれておることも事実でございます。その結果がいろいろな面に現われてきております。でありますから、そういうものも、国家としては、ある程度この際是正していくような方向をとって参らなければならぬと思うのでありまして、そういう意味においては、それらの必要な予算というものをある程度組んで参りますことは、少なくともただいまの財政収入の上から組み得る範囲内においては組む必要がある。ただ、しかし、それを完全に実行いたして参ります場合に、今申し上げましたように、一つの目標を立ててわれわれやって参るわけでありますから、その目標が完全に遂行されるように、運営において調節をしていくということが相当必要ではないかというふうに考えるのでありまして、そういう意味においては、今回の予算そのものが必ずしも不適当であると私としては考えておらぬのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 企画庁の長官が不適当であるとお答えするわけにはいかないでしょう。ただ、私は、経済問題というのは、今ここで論議をしまして、またこの秋なり来年のこの席で伺えば、一体いずれの考えが正しかったかということは明らかになると思います。私は、実は二年前、この予算分科会で、当事菅野さんが企画庁長官をしておられたときに、今日の問題について相当触れました。機械輸入等は当然ふえるはずだということに対しては、きわめて楽観的な御返答でありましたけれども、事実は私が申し上げたような姿になって参りました。昨年の五月ごろに、迫水さんが長官をしていらっしゃるときにも、設備投資の増高について政府はすみやかに対策をとるべきであると申し上げましたけれども、新年度予算早々であるから、もうしばらく経過を見るとおっしゃって、今日の事態になっておるわけであります。そこで、私は、今おっしゃった振りかえの分は、実際の経済の中に入ってくるわけではございませんから、本年度の予算を調べてみますと、来年度に対する増加分の寄与率で見ますと、個人消費が八二・二になりまして、政府支出が五一・一%、要するに、これが余りました部分の差は、在庫投資の部分で調節をするという格好になっておるわけであります。近年ずっと見ておりますと、大体政府支出の寄与率は、三十五年、三十六年で一六・三%とか一九・八%、そう大きなウエートを占めていなかったわけでありますが、来年度の場合には五〇%をこえる寄与率を示しておるということは、これはやはり日本経済にきわめて大きな影響を与えるものだ、こういうふうに理解せざるを得ないわけであります。そこで、実は二十四日にならないと通産省では一月の鉱工業生産指数がわからない、こういうことになっておるようですが、さようなら少し通産省側はわかりますか。

中野正一総理府事務官(経済企画庁調整局長)

○中野(正)政府委員 今御指摘のように、一月の鉱工業生産指数は、先ほど通産省へ確かめましたら、あす発表するそうでございます。ただ、私たちがちらっと聞いたところによりますと、一割近く十二月からは下がっておるわけなのですが、季節調整をいたしますので、三〇〇をこえるということで、われわれが想定をいたしておりましたより生産は高いようでございます。ただ、これは、私前から申し上げておりますように、やはり二月ぐらいに相当影響が出てくるんじゃないだろうかというふうに見て、実は一月はもう少し低くいくかなという感じを持っておりましたが、あすは正確なことが発表されると思いますが、われわれの想像よりは高いことは間違いないようでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は十一月の鉱工業生産指数が二九九・三、この間大蔵委員会で伺ったときには、十二月二九三・六とおっしゃっていましたが、確報は二九六・七でございます。そこへもってきて、あしたになればわかりますが、三〇〇をこえるということになると、これは私、この間から申し上げておりますように、本年度の設備投資が三兆八千五百億円をこえるであろうということは、ほぼ私は予想ができると思います。そういたしますと、これはもうあと二月、三月で勝負はきまるということになりますか。もうきょうは時間がございませんから、在庫には触れませんけれども、在庫の問題については、私は、日銀の考えよりもさらにきびしいところへ来るくらいになりはしないか、今年度の諸般の経済計画は、大体三月になれば、いかに困難になるかは明らかになるんじゃないかと思うのであります。その際に、一つ私は問題を考えておきたいと思うのでありますが、結局今の日本の経済は、鉱工業生産が伸びて、設備投資がふえる場合は、問題は、国際収支の面でつじつまが合う格好で出てくる。もしこれが皆さんの御期待のように下がってきたとするならば、過剰生産の格好で問題は逆な面に現われてくるのではないか、こう思います。そこで、皆さんのお考えの通りにもし下がっていったとしたならば、大体最近の限界資本係数を調べてみますと、これは日銀の方の計算で調べてみますと、大体一・九六ぐらいに最近三、四年はなっておる。二と押えましても、昨年の設備投資を約三兆八千億とするならば、三十七年度の生産力化してくるものは一兆九千億円あるわけでございますから、経済見通しの中で出されておる九千億円というGNPの増加に対して一兆円の余りが出てくる、結果としてはこういうことになってくると思うのでありますが、この一兆円の増加、生産力の余りというものは、稼働率が下がることで調整ができるかと思います。しかし、稼働率が下がれば、企業採算は悪くなる。いずれにいっても、非常に困難な条件にある、こう思いますが、これらについて企画庁長官はどう考えておりますか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話のように、実は私ども予想しているより生産が割合に低下して参りません。九月以来若干低下してきましたけれども、ここへきて上がってきている。その点を実は心配をいたしておるのでありまして、特に一般的に楽観ムード的なものが現われておるような気がするわけでありまして、そういう状態では、相当やはり心理的な影響から見て、生産活動というものが必ずしも抑制されないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。どの程度に操業率が落ちるか、御承知の通り、大体八五%程度の操業率というものは最高の操業率であり、昨年度におきましては、大体その程度の操業率が、多少の前後はございますけれども、維持されてきておる。これが七五、六%まで落ちることをある程度考えていかなければならぬ。ただ、それが七〇%を割るような――過去三十三年のときにはそういう状態が一時起こったのでございますけれども、そこまで下がらない程度において、ある程度下がっていくことが必要ではないか。それには、お話のように、非常に困難な状況がくるということは予想される。私自身の考えでは、ある意味において、早い機会に相当困難な状態に直面する方が、むしろ回復が早いのではないか、従って、いたずらに楽観ムードがこの際起こりまして、そうして安易な道をたどりますこと自体が適当ではないのではないか、こういうふうに考えておるのでございます。そこいらに対しまして、まだ若干――今までの下降的な状況から、今後、一月に上がりましたような生産状況がどの程度二、三月に続いていくかというような状況によりましては、相当政府としても戒心をして参らなければならぬのではないかというふうに考えておるのでありまして、この辺の状況をどういうふうに判断し、また、どういうふうにその状況に対して対応するかということが、明年度の問題を考える上において一番重要な問題ではないかというふうに存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 大体、なぜこういうことが起きつつあるかというまず第一の根本は、池田総理の発言だろうと思うのです。池田さんは、ともかく問題は少しも悪くなっていないのだ、何を見てもいいじゃないか、心配は要らないのだということを、常に声を大にしておっしゃっていますし、それから予算自体がそういう形できわめて大型のものが組まれてくれば、やはり国民は、特に国民といっても、シェア拡大に狂奔しておられる産業にたずさわる諸君は、過去において、日本でシェアの拡大を政府の言うように遠慮をしてもうかったためしがないというのが日本の過去の歴史でありますから、どうしてもこういう現象が起こるのではないか。ですから、池田さんがおやめになればそれで済みますから、問題は簡単でありますけれども、国民自体は、そう簡単にわれわれはやめるというわけにはいきませんか、もっと政府は責任を持った態度で処理していただかなければならないと思う。そこで、こういうような設備投資というものの増高を、現状では金融によってのみ操作されておるという感じがいたします。通産省では産業合理化審議会でいろんなサゼスチョンを出しておられるのですが、この通産省の行政指導によるコントロールというのは、具体的にはどういうふうに出てくるのか、どのくらいの力があるのかを、この際、大臣がいらっしゃらないから、どなたかお答えを願いたい。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 合理化審議会の資金部会で、各業種ごとに設備投資の内容を検討いたしまして、いろいろ調整をやっておるわけでございます。これが実現されるためには、金融機関等の協力はもちろん必要でございます。そういう点で、通産省として金融機関に協力を依頼しております。一方、工場に対してでありますが、調査の段階を通じまして、いろいろ工場の計画の立て方について、現在の情勢を勘案して、投資の繰り延べをすべきものはするようにという指導をやっております。また、特に技術導入というようなものに関連するものにつきましては、技術導入の認可に際しまして、そういう設備投資の動向をも勘案して、資金部会の調整計画の中に入っておるようなもの、これは認可いたしております。そうでないような、調整のワクをはみ出るというものにつきましては、技術導入について繰り延べといいますか、認可をおくらすようにいたしておる、そういういろいろな方法をとって行政指導をやっております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 今伺ったような程度では、大してほんとうにコントロールできるようなものではないと私は思います。私、六月の資料しか持っていないのですが、産業合理化審議会の資金調整部会で、一兆七千九百四十八億円という三十六年度の設備投資に対して、継続分が一兆千七百三十八億円、新規が四千九百七十五億円、これを見ますと、継続が大体七〇%くらい、それから新規が三〇%くらいというのが、この時点における設備投資の動向です。これをちょっとこまかく調べてみたのですが、最近の設備投資が生産力化してくる段階というのは、非常に限界資本係数がふえてきたということに関連をして、大体企画庁の資料から推算をされておるようでありますが、全産業で一年以内が三七%くらい、二年以内が三三%、残りが三年以内で一〇%、三年以上が一九%というような格好で、非常に最近は工事の計画は長くなっておる。特に著しいのは自動車だろうと思いますが、輸送機械などは全般に二年以内が四〇%、三年以上は五〇%くらい、竣工見通しが狂うというようなことで、非常にこの問題が長期化をしていますから、実はちょっとくらい指導をしたりしても、長期の工事にこれだけかかっていて、多額の借入金をしてやっている企業が、繰り延べ、繰り延べといっても、繰り延べによって生ずるところの大きな金利負担を含めての採算コスト低下に果たして耐えられるのかどうか、私はこの点に非常に大きな疑問がある。この間、日銀の総裁に来てもらって大蔵委員会で聞きましても、とても金融だけではしりぬぐいはできません、何とか一つ財政の面についても国会で御配慮を願いたい、日銀総裁自身がこう言っている。これがほんとうの声だろうと思うのですが、そういう点について、企画庁長官は、経済のいろいろな通常の中心におられるわけですから、責任のある態度といいますか、今後国民に迷惑のかからないような経済の運営方法について、何かお考えがおありかどうか、一つ伺いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 設備投資の抑制と申しますか、繰り延べと申しますか、そういうような調節をしていくということについては、お話のように、通産省の方も非常な力を入れて、各業界それぞれの方々を個別的に呼ばれまして、そして、その間の調整をとられておるようであります。また同時に、民間におきましても、今日までのような状況でもって果たしていいのだろうかという反省が、民間自体にも起こってきております。同友会その他を中心にして、そういう自主規制をやろうじゃないかという動きも相当活発になってきております。ただ、お話のように、それじゃそういうことだけにまかせて政府が安閑としていいのかというと、そういうわけにはやはり参らぬと私どもも思うのです。従って、今後の経済の状況によりましては、政府自体が、財政を通じあるいは金融を通じて、その操作に協力をしていくという必要が起こり得る場合があるのではないか。しかし、これはなるべくそういう事態が起こらぬでいくことが望ましいことでございまして、従って、できるだけ引き締め的な政策をやらなければならないのだという、いわゆる抑制的なムードという言葉はいかがかと思いますけれども、そういうようなことで指導して参らなければならぬのではないか、こういうふうに私としては考えておりますし、また、そういうような状況も、今後の推移によりましては、あるいは財政運営について弾力性を持たなければならぬのじゃないか、こう存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、今おっしゃったように、財政を弾力的におやりになるということですが、一体、どういう状況になったら財政をコントロールされるのか、それをちょっと長官に伺います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 その点は、私だけで答弁いたしますことは、あるいは少々無理かと思いますけれども、しかし、企画庁という仕事を預かっております私の立場からいえば、今日以後、たとえば今の生産の活動なりあるいは設備投資の勢いというものが、引き続き自主規則なり、あるいは行政指導なり、あるいは今日までの金融的処置によっても、なお必ずしも適当な効果を上げ得ないというようなことが現われて参ります場合には、そういう方法を政府自体も考えていかなければならぬことじゃないか、こういうふうに存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 もし四月一日から新年度予算が発足をして、さっそくにこの新年度予算を締めなければならぬということが起きたときは、これは政府はどういう格好で責任をとることになるでしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 必ずしも、新年度早々すぐに締めなければならぬというようなことは、まあ考えられないと思いますけれども、しかし、年間を通じて、今後の状況いかんによっては、ある程度私は弾力的な運営をする必要があるのではないかというふうに考えるのでございまして、これは至上目標でございますたとえば輸出入――今回主として起こっております問題というのは、やはり輸出入のバランスがある程度合うということが、非常に重要な問題でございまして、これが合っていきますれば――他の原因もまだないとは申しません。しかし、この大筋が合っていきますれば、あるいはそう窮屈なことを考えないでも、若干の諸般の注意を払っていけばいけるのじゃないか、その辺は、もう少し努力目標がどの程度に達成できるかということを見た上でないと、何とも申しかねるわけなんでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 輸出入ば、現在すでに在庫の食いつぶしが行なわれておるわけでありますから、結局、そのあとで上がってくる上がり方の問題になると思うのです。上がってきてから締めたのではおそいのでありますから、問題は、常に政府のやり方が後手々々に回っておって、そのタイム・ラグだけ余分にひずみが大きくなっているのではないかという点に問題があると思うのでありますから、私は、そういう点で、政府が参議院選挙があるからあれこれやりたいということもわかるのですが、選挙は選挙、国民の受ける被害は被害でありますから、そこらはやはり冷静なる処置をしてもらいたいと思います。  そこで、最後に、長官も二十分でお立ちだそうですから、長官に伺っておく点で、少しきめをこまかくいたしまして、現在過剰が予想されるものは、これは企画庁の皆さんの方の資料で見ても、輸送機械が、もし設備投資が大体同じくらいでいくとするならば、これはちょっとグラフでわかりませんが、三三%くらい、一般機械が二四%くらい、鉄鋼一七%というような格好で、どうも少し余力、過剰が出てくるというふうに、皆さん方の月報でも出ておるわけですが、私、一番当面問題になってくるのは、自動車産業は非常に重大な時点に来ておるのではないか、こういうふうに思います。国際競争力ということで、ともかく設備投資は非常に盛んに行なわれておりまして、シェアはおのおのが拡大の一途に走っておりますが、二面では、都市交通は、御承知のような格好で限界に来て、車庫がなければ入れないということになるならば、現在車庫を各自が持てるほどに都市で余裕の土地があるかというと、大きな問題がありますし、ここで自動車の国内需要というものは、ある程度チェックをされてくる条件が、社会的間接資本の関係から顕著に出てくる条件が片面にあります。片面には、さっき申し上げたように、三年、四年の長期の設備投資によって量的な合理化体制、自由化に備えて一生懸命やっておりますが、問題は、量的なな面ではなくて、経済的な面、要するに、採算とコストの面、コストと採算とを合わせるため、ある程度生産をどうしても高くしておかなければならぬという面からくる矛盾が、企業全体として集約的にもし出てくるとするならば、この自動車産業の過剰生産によって起こるところの循環的な過剰生産の波及というものは、相当日本の経済に大きな影響を与えるのではないかと私は思いますが、その点について企画庁長官に伺いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御承知の通り、自動車産業というものは、現在ある意味から言えば、育成の段階にあると申しても差しつかえないと思います。従いまして、日本の自動車産業をある程度確立していくためには、また、輸出商品として確実にそれを成立さしていくためには、ある程度国内の需要というものがあって生産ができる。それによって改善もできるし、あるいは優良な機械を入れてコスト低下もはかり得る、また、材質その他の高度化もはかり得る、こういうことで、ある程度の国内消費は、やはり自動車産業のようなものには必要なのではないか。ところが、御承知の通り、今日では自動車産業は相当そういうふうに伸びてきて、国内需要が満足されてきますと、道路の問題という関係から、お話のように、もうある程度これ以上やったら交通が麻痺してしまうというようなことになり、場合によると、自家用はなるべく制限したらどうだというような議論さえ出てくるような状況でございます。従って、自動車産業そのものが、このまま単に数量を上げていくというだけではなかなかむずかしゅうございますし、一面から言えば、自由化の問題もあるわけでございまして、従って、そういう点に非常な困難があろうと思います。ただ、これは、私も自動車産業そのものについて非常に詳しいわけではございませんけれども、最近の自動車産業の改善と申しますか、業自体の進歩というものは、相当な勢いで進められてきたことは事実でございまして、従って、これは対米輸出はやっております。やっておりますけれども、こんなものを大きく期待できません。しかし、後進地域の方面に対しては、ある程度私どもは将来の見通しを立てていけるような段階にきているのじゃないか。むろん、価格の面について、たとえばドイツのフォルクスワーゲンその他と競争して完全にいくともまだ思えない点もございます。しかしながら、同時に、日本のような悪い道路の上を走るようにできた構造のものと、非常になめらかな道路の上を走る構造のものと、違う点もございまので、そういう面も考え合わせまして、自動車工業の育成と同時に、少なくとも維持していくというような点については、十分こまかい施策をめぐらして参りますれば、ある程度維持していけるのではないか。それ以上に大きくすることがこの際すぐにできるかどうかは別として、少なくもそのくらいまでの段階にはきているのではないかというふうに考えておるのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 今のことでよくわかりましたが、実は最近砂利トラが非常に走って普通に歩いていられない。このごろの流行の言葉ではありませんが、上を向いて歩くわけにはいかぬというような実情が現在出ておるわけであります。これは何によるかというと、設備投資問題にも関連しているわけでございます。そうした今の交通事情の問題、あるいはピルがどんどん建って、上から物が落ちてきたりするというようなことで、国民生活には、経済的な面だけでなく、そういう人間生活の上にまで設備投資の重圧がかかっておるのではないかと思います。この点については、私は、経済企画庁では、もっと設備投資に対して国民の立場に立って指導をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話のように、今日の事態には設備投資が原因してくるものが非常に多いわけでございますから、企画庁としても、その面に相当な注意を払って参らなければならぬと思うのでありまして、そういう点は、お説の通り、少なくもこの時期には十分考えて参りたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、石油の設備投資についてちょっと伺っておきたいのですが、現在の日本の石油の精製能力は、現在の時点で大体日産何バーレルくらいですか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 石油の精製設備能力、いわゆる常圧蒸留の設備能力でございますが、三十六年の九月の統計によりますと、設計能力で日産約百万バーレルでございます。それから実稼働能力で九十万を若干こえているところでございます。現在処理しておりますのが七十万をちょっと割っておるところでございますので、稼働率は八割弱ではないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 この三月ぐらいになると、大体どのくらいになる見通しでしょうか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 今外貨割当がございますので、それによりまして需要の伸びに応じて認めておりますが、私、今三月末にどのくらいになるか、資料を持ち合わせておりませんけれども、今投資の抑制をいたしておりますから、それほど大きく伸びていないのじゃないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 投資の抑制でどの程度に伸びが今落ちついているかわかりませんが、生産の方については、皆さんの方では、日産六十八万二千バーレルくらいに押えるような行政指導をしておられるわけですか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 外貨の割当予算面でございますが、これにつきましては、昨年の後半からの引き締め政策によりまして、生産の伸びが少しスロー・ダウンして参りまして、需要の見通しが、外貨予算を編成した当時より若干変わって参ったものですから、それに合わせまして割当をカットするというか、繰り延べると申しますか、そういうような行政指導をいたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうすると、それは生産に対する抑制指導ではなくて、輸入に対するコントロール、こういうふうに理解していいのでしょうか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 それは両方に影響して参ると思います。輸入が減りますから、従って、処理量の方も減ってくる、生産の面も減ってくるというような次第になると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 ちょっとそこがよくわからないのですが、輸入が減れば生産が減るということは、終局的にはそういうことになるでしょう。しかし、石油だって在庫があるのでしょう。今石油の在庫はどのくらいでしょうか。一カ月ぐらいの在庫だろうと思いますが、在庫があるので、五%減らしたらぴしゃっと生産が五%減る、そういうふうにいくものでしょうか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 ただいま御質問のございました通りに、輸入の方は長期的な観点でそういうふうになると思いますが、直接には生産の調整になるかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、今皆さんの方は、石油精製の設備のプランは大体今のままでいいのか。産業合理化審議会でチェックをされているのは、一般の流通機構の方に比重がかかって、の方はあまりチェックしていないようですが、今の伸び方でいいのかどうか、ちょっと伺いたい。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 現在自由化を控えまして、石油精製業界は設備投資が実は非常に旺盛でございます。従って、産業合理化審議会の資金部会のときにも、流通設備の抑制だけではなくて、精製設備の方も抑制いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 精製設備の抑制というのは、もちろん金額で少しありますが、それは資金関係で抑制をするのか。今度は皆さんの方は石油業法でいろいろと制限項目が出ているわけでありますが、これはもし、石油業法がどういう格好かわかりませんけれども、通ったとするならば、今度はもうそういう輸入調整というようなことはやらないで、直接やる、こういうことになるわけですか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 石油業法は現在まだ検討中でございまして、成案は得ておりませんが、自由化になりますと、外貨の面でチェックするわけには参りませんから、かりに石油業法の中に設備抑制の規定が入りますと、そこで需要に見合って押えるということになろうかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 今後のそういう石油の問題、さっき堂森さんも触れられたのですが、今度の問題の中に、三つ問題があると私は思うのです。一つは特殊原油の問題、国産原油、それからその他の安定供給というものがあるだろうと思うのですが、今からそういうことをおやりになって、六百五十万キロ、一千万キロ入って、これが消化できるという確実な見通しがあるのでしょうか。ちょっとそれだけ伺って、質問を終わります。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 六百五十万キロというのは、アラビア石油の本年度の数量かと存じますけれども、現在行政指導中でございまして、非常に困難な点があるかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 行政指導中で困難な点があるということだけ――それはそうなんでしょうが、困難な点があるということだけなのでしょうか。

川出千速通商産業事務官(鉱山局長)

○川出政府委員 実は実際の問題の中心は、急激にふえるというところにあるわけでございます。日本の需要の伸びに応じて生産が出て参りますと、その辺の問題は非常に処理しやすいわけでございますけれども、三十六年が百五十万、その次が六百五十万ということになりますと、年間で五百万急に市場に進出してくるというところに困難な問題があるかと存じます。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 企業局次長にお伺いをいたしますが、見返り資金の資産について、数字だけをお伺いいたします。まず、お伺いしたいのは、米国対日援助物資等処理特別会計、これは昭和二十四年から始まっておりますが、その対日援助物資等処理特別会計の中に価格補給金は幾ら入っておりましたか。見返り資金じゃございません。そのもとの方です。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 対日援助物資等処理特別会計で受け入れました価格調整補給金は、総額で五百八十六億八千九百四十七万二千二百九十三円、円以下は切り捨てでございます。なお、昭和三十四年度は、貿易特別会計の援助物資勘定に受け入れた額を合計しております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 昭和二十四年からの一般会計、特別会計並びに予算説明等によりますと、昭和二十四年には六百十六億円、二十五年には五百八十六億円入っておることになりますが、その処理特別会計の方に入った一般補給金、その中から見返り資金会計の方に移っておるはずですね。今答弁をなさったのは、見返り資金に入った金額だろうと思います。私が申し上げておるのは、対日援助物資等処理特別会計に入った、いわゆるわれわれの税金から払った価格補給金というものは、幾らになっておるかということを聞いておるわけです。もっと千億こえるだろうと思いますが……。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 援助物資処理特別会計、二十四年度の貿易特別会計援助物資勘定に入りましたのは、先ほど申しましたように五百八十六億円余でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それじゃややこしい問題ですから、そのもとになる米国対日援助物資等処理特別会計の方は抜きにいたします。  それではあらためてお聞きいたしますが、見返り資金に入れられた金額の総計は幾らですか。そのうちに国民からとった売り払い代金は幾ら、それから今申された補給金は幾ら、合計幾ら、その点をもう一ぺん伺っておきたい。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 援助物資の売り払い収入といたしましては二千七百二十億九千二百二十九万八千四百二十七円でございます。価格調査補給金が、先ほど申しましたように五百八十六億八千九百四十七万二千二百九十三円でございます。合計しまして三千三百七億八千百七十七万七百二十一円になるわけであります。このうち、見返資金特別会計へ繰り入れましたのが三千六十五億七百七十万八千九百九十円でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そうしますと、ガリオア、エロアの返済の財源の基本になっている三千六十五億円の中には、国民からとった売り払い代金が概算二千七百二十億円、それから税金の方から回った価格調整補給金が五百八十六億、かように概算として受け取ってよろしゅうございますね。間違いないですね。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 その通りであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これでガリオア、エロアの返済財源のもとが明らかになって参りました。念のために、その五百八十六億を年度別に一つお伺いしておきましよう。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 これは、二十四年度は、先ほど申しましたように貿易特別会計の援助物資勘定に受け入れたのでありますが、四百五十億五千七百五十七万七千四百九十七円、二十五年度は百三十三億三百四十八万四千三百九十一円、二十六年度が三億二千八百四十一万四百五円でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 その補給金が何々に使ったかということはあなたの方でわかっておりますか。たとえば三百六十円の単一為替レートになったときに、食糧に幾ら補給金を使ったか、肥料や飼料に幾ら使ったかという数字はわかっておりますか。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 食糧が五百二十億九千四百万円余でございます。銑鉄が十三億八千万円、石炭が十二億四千六百万円、肥料が二十五億四百万円、鉄鉱石が五千七百九十九万円、繊維が十八億八千六百万円、その他が四千二百万円。ただ、それに対しまして昭和二十五年度で前年度の補給金精算差額を戻入れいたしておりますのが五億三千二百万円余ございますので、それを差し引きますと、トータルで五百八十六億円になるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 大体明確になって参りました。  私は、ここに昭和二十八年の、通産省の当時あった臨時通商業務局の資料のものを持っておりますが、それには詳細その内容が書いてあるのです。その臨時通商業務局資料というものを御提出願えませんか。冊子か何かあるはずです、いかがでございましょう。これは昭和二十八年のエコノミストにあった記事ですが、日本資本主義講座にも同じ資料が載っておる。これはどこから出たかといえば、通産省臨時通商業務局資料よりです。大体あなたの今のなにと合うている。その資料が多分あると思いますから、できるだけ見つけて提出をしていただきたい。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 ただいま手元にはございませんが、調査いたしまして、あれば提出いたします。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 次に、お伺いしたいのは、かくて見返り資金の資産は三千六十五億円になっておるのでございますが、お答えになりましたように、その中には、五百八十六億円という一般会計から補給された価格補給金が加わっておる、これは明確になりました。そこで、お伺いしたいのは、三千六十五億円から、債務償還その他だ千四十九億円昭和二十七年までに支出をなさっておるようであります。そうですが。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 その点は通産省では所管いたしておりませんので、私の方からお答えいたしかねます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これは、当時見返り資金の分までは、あなたの方の企業局の主管ではございませんでしたか。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 対日援助物資等処理特別会計から見返資金特別会計に繰り入れるところまでを通産省で所管いたしておりました。従って、見返り資金からどういうものに支出するか、あるいは支出したかということにつきましては、通産省では所管いたしておりません。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 繰り返してお伺いしますが、見返り資金の資産を産業投資特別会計に引き継ぐところまでがあなたの方ですか、そうじゃございませんか。見返資金特別会計は、これはあなたの方の所管でございましたね。見返資金特別会計というのは、予算の説明その他にはずっと通産省所管として説明もあり、その所管の中に予算は計上されておりました。だから、昭和二十七年までに使った分については、私はあなたの方が主管じゃなかろうかと思いますが、どうですか。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 米国対日援助見返資金特別会計は、これは大蔵省の所管でございます。たしか特別会計法の中にそういう規定があったと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 私図書館できのう調べたのですが、全部通産省の所管として特別会計は説明があっているのです。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 通産省で所管しておりますのは、貿易資金特別会計、貿易特別会計、それから米国対日援助物資等処理特別会計でございます。先ほど申しましたように、米国対日援助見返資金特別会計は大蔵省の所管でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そうしますと、千四十九億円を昭和二十四年を中心として使用をなさった、復金債六百二十四億何千万円を中心として使用なさったのは、あなたの方じゃなかったのでありますか。そしてまた、一千四十九億円使用した額をこれを見返り資金から落としたのは、あなたの方じゃございませんか。もう私の方の見返り資金の資産じゃないといって落としたのは、あなたの方じゃございませんか。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 通産省ではございません。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 なければ、また別の方でお伺いいたしたいと思います。  大体事務当局から聞きますのは、以上でございまして、なお、両大臣お見えになってからあわせてお伺いしたいと思います。午前中はこれで打ち切りたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 午後は本会議終了直後再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十分休憩      ――――◇―――――    午後四時八分開議

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  経済企画庁及び通商産業省所管について質疑を続けます。井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 通産大臣に一言確認を願いたいと思っております。午前中大臣がいらっしゃらない間に、見返り資金の資金内容をお伺いいたしました。よく言われている三千六十五億円の見返り資金の中に、援助物資の売払代金が二千七百二十億円、それに加えて価格調整補給金、これは一般会計から出したものが五百八十六億円、合わせて三千六十五億円になっております、という答弁を得ておるのでありますが、この点を大臣に確かめておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 その点は、事務当局から連絡をいただいておりますが、ただ、今御指摘になりました数字はちょっと違いはしないかと思うのでございますが、合計した金は三千三百七億円、以下省略さしてもらいますが、億で申すとそういう数字です。それを特別会計へ繰り入れた場合に、このうちからガリオア物資並びに軍払い下げ物資及び余剰報奨物資等の合計を見ますと、三千六十五億ということになるのです。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 特別会計から受け入れた金は合わせて三千三百七億円、そのうちから実際見返り資金に受け入れた内容は三千六十五億円になっておる。そこに若干の差があるからという御説明のようでございます。しかし、若干差がありますのは、事務費とかなんとかの費用に使っておるものだと思います。そこで、一般会計から受け入れたいわゆる価格調整補給金というものの五百八十六億円は、若干比率でいけば減るかもしれないけれども、大体それに近い数字が見返り資金の三千六十五億円の中に入っておる、かように了解して差しつかえないでしょう。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 一応もう一度事務当局から説明させたいと思います。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 端数は省略いたしますが、援助物資売り払い収入が二千七百二十億円、価格調整補給金受け入れ額が五百八十六億円、合計いたしまして三千三百七億円というものが援助物資関係の収入でございまして、そのうちから三千六十五億円を見返り資金特別会計へ積み立てたわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そういたしますと、そこに二百何十億かの誤差がある。その比率で見ますと、大体七%か八%の差というものは、五百八十六億円の補給金の中からも出てくるのではないか、あなたの説明はそういう意味でございましょう。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 差額は輸入諸掛りとか事務経費等でございます。従いまして、五百八十六億円の補給金が幾ら三千六十五億円のうちに入っておるかという点につきましては、比率的なものを考えて、それが入っておるであろうということも言い得るかもしれませんが、実際のところは、三千三百七億八千万のうちから三千六十五億を特別会計に繰り入れたということでありまして、五百八十六億円のうちどれだけが見返り資金特別会計へ繰り入れになったかということについては、はっきりしたことは申し上げるわけにはいかぬと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 どれからどうしたかわからぬから、常識的にはその比率の七%程度の誤差があるから、補給金も五百八十六億円まるまる入ったとは言えないということでしょう。だからこういうものを少し引けば五百五、六十億くらいは補給金として入っておる、こういうことでしょう。

伊藤三郎通商産業事務官(企業局次長)

○伊藤説明員 常識的といいますか、比率で見れば、今、井出先生の言われたようなことになるということであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これ以上の点は、この第三分科会の問題ではございません。ただ大臣に特に念を押しておきますのは、当時の見返り資金の経理は通産省でございましたから、その点を念を押しておいたわけでございまして、この問題は今後ほかの委員会で発展されるだろうと思います。念のために確かめた次第でございます。  次に、きょうはあとにたくさんの質問者もおられますので、物価と独禁法の関係、それに地域格差を若干お伺いいたしたい。幸い実力者の両大臣そろっておられますのでお伺いをいたしたいと思います。  第一に物価の問題、これは詳しいことはあとでわが党の物価対策の委員長が控えておりますから、一点だけお伺いをいたしたいと思います。これは一昨日、きのうにかけて大へん政府でも論議されておるようであります。まずお聞きしたいのは、通産大臣は、物価問題については、卸売物価よりも消費者価格を抑制しなくてはならぬところに重点を置いておられるようでありますが、それはどういう意味でありますか、お伺いをいたしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 物価と申します以上、消費者物価とか、あるいは卸売物価だとか、かように分けて云々する筋ではないのでございますが、ただいま論議が比較的集中されておりますのは消費者物価の問題じゃないか、こういう意味から、私、消費者物価というものについて特に対策を立てたらどうかという話をいたしたわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでは通産大臣は、この重大化した物価問題について、消費者物価を押えれば、物価の問題については対策としては大体十分だ、完全ではないけれども大体よかろう、こういうふうなお考えですか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 それもちょっと感覚が違いますが、最小限度のものがそこにあるだろうということを、実は指摘しておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 普通、景気が悪くなって参りますと、卸売物価がどんどん下がってくるのが常識でございますが、今度の場合は、どういうものか卸売物価が下がらないのであります。若干暮れには下がりましたけれども、一月、二月にかけてまた上がりかけておる、下げ渋っておるということは事実であります。鉄鋼あるいはセメント、紙その他反発しておるものもあるようであります。これはやはり今までの何回かの不況の経験にこりて、生産調整あるいはカルテル行為と申しますか、共同行為と申しますか、そういったことで値を下げないような努力が払われておると思うわけであります。物価問題を解決するには、やはりこの点に力を注がなくてはできぬのじゃないか。製品の原材料などというものを下げないで、単に消費者物価ばかり押えるということになりますと、中小企業、零細企業は非常に困る立場になってくる。そういう業者は、買う場合にはなかなか値は下がらないけれども、小売物価は押えられて上げられないということになると、そのしわは中小企業、零細企業に寄ってくるのではないか。そこに今度の物価問題のむずかしさもあるし、大事な点がありはしないかと思う。この点は企画庁長官にお伺いいたしたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 今回の場合におきまして、ただいま通産大臣言われましたように、当面消費者物価の騰勢というものが著しいのでありまして、これに対する対策を当然やって参らなければならぬ。従って、それに相当重点を置きますことが、現在家計を預かっておる主婦の方々などの要望にもこたえるゆえんだと思います。しかし物価問題自体というものが、消費者物価だけであろうとはわれわれ考えておりませんし、経済成長の過程におきまして、全体として卸売物価及び小売物価というものを通じてそれが安定的に進んで参ることが必要だと思います。ただいまお話のありました、卸売物価が下がらないでもって、小売物価だけを抑えれば中小企業に影響が起こるじゃないかという御質問でございます。むろん今回の場合のいろいろな原因を見て参らなければ、今回だけの問題について何とも申し上げかねますけれども、しかし原則としては、やはり卸売物価も下がり、従って小売物価も下がっていくというのが当然望ましいことである、これは申すまでもございません。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでは通産大臣にお伺いいたしますが、卸売物価も下げるような、たとえば独占物価と申しますか、大企業のもの、そういったものにも、下げるという政府の行政指導が必要ではないか、やはり卸を下げておかなくては、いつも総理が言うことですけれども、小売ばかり押えたのでは困ることになるわけですから、そういう行政指導が必要であるとお考えになりませんか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 安い物価がよろしいということは、みんなそういうことを言われますが、物価のもう一つの大事な点は安定するということだと思います。そういう意味の業界の指導は、私どももいたしておるわけであります。最近の統計その他からもうすでにお気づきのように、いわゆる卸売物価なるものはやや下がって、その後横ばいの状況にあるというのが現状でございます。従いまして、一部高くなっている、上向きのものについての批判が特にきびしいのだ、実はかように考えております。あるいは生産資材、先ほど鉄鋼やセメントというようなお話が出ておりますが、こういう生産資材については、私どもは、数量並びに価格の面で経済の拡大に支障を来たす、こういうような事態が起これば、もちろんそれに対する対策をとるべきである、かように実は考えておるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 公取委の方にお伺いをいたしますが、最近、鉄鋼その他において、今までお聞きになったと思いますが、もっと下がらなくてはならないものがなかなか下がらない、もちろん業者で自主的に生産調整その他努力はしているでしょうけれども、それにしても、カルテルと申しますか、共同行為と申しますか、そういうことで値が下がらないという事実がいろいろと言われておりますが、公取委の方ではどういうふうにお考えになっておりますか。

佐藤基公正取引委員会委員長

○佐藤(基)政府委員 ただいまのお話は、いわゆる管理価格問題に関連するものと思っておりますが、管理価格の問題は、独禁法におきましては、それがいわゆるカルテルということを通じて行なわれるものならば、当然私どもでやるのであります。しかして私の方といたしましては、常にそういう点について注目しておりますが、カルテルということでなしに、いわゆる管理価格というものが下に硬直性があるということは考えられるのでありますが、現在の独禁法においては、直接これを規制することは困難かと存じます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 合法性ぎりぎりの点で、その限界に非常に困っておられると思いますが、独禁法を作った精神から考えますならば、やはり主管省と打ち合わせて、そういう疑いのない指導をやられるのが正しいのじゃないですか。そういう努力をなさったことがございますか。

佐藤基公正取引委員会委員長

○佐藤(基)政府委員 ただいまのお話でありますが、これは主として通産省との関係において起こる問題でありまして、通産省との間には密接な連絡をとりまして、お話のような趣旨で折衝を続けておる次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 物価問題はこの程度に終わりたいと思いますが、通産大臣は消費者物価中心にお考えになっておる、企画庁長官はそうでないと新聞に出ておりますし、どうも意見が必ずしも一致しておるようには考えられません。それは企画庁と通産省の持って生まれた性格でしょう。これはやむを得ぬところもあると思います。ただ、一つ努めてそういうふうに仲よく常に話し合いをしてもらいたい。  次に、貿易の自由化をめぐって、特にEECの問題から独禁法の改正問題が日程に上ってきたようであります。――頭をかしげられるけれども、通産大臣、あなたはこの間経団連のどこかに行かれて、改正の必要があるというような演説をなさったと私は聞いております。しかし私は、貿易の自由化とかそういったことが必ずしも独禁法を改正しなければならぬということではないと思う。安い品物が入ってくるという場合に、独禁法を改正して会社を合併しなければならぬ、何しなければならぬとしたところが、意味がない事態が私は多く起こってくると思います。そうでないような顔ぶりですから、それでは一つはっきりしておきたいと思いますが、通産大臣は、独禁法改正、いわゆる貿易の自由化その他に関連して世間でいろいろいわれておる独禁法の改正、消費者を守るいわゆる倫理的な基本法である独禁法、これを改正なさるお考えがおありでしょうか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 独禁法につきましては、予算委員会の質疑で私の所信を明確にいたしてございます。ただいまの御指摘のような基本法でございますから、軽率に取り扱うべきことではないということをはっきり申し上げております。同時に、ただいまいろいろ変革が行なわれつつあるその実情、そういうもとにおいて将来を一体どう考えるかというような点は、今後の実情、その発展、それによって考うべきことだ、これは実は明確に申し上げておるので、誤解はないと思います。独禁法の改正が日程に上っておるということは当たらない。また私が経団連でお話しいたしました際に、EEC諸国等でとっておる経済界の変動といいますか、大会社の合併などが、ドイツでもイギリスでもその他の先進国でもいろいろ行なわれておる。わが国自身も、外国がやっておるからこれをやらなければならぬという、こういう知恵のないことをお勧めするわけではないが、将来の問題として、いろいろ体質改善ということ特に留意さるべきじゃないか、こういうことは実は経団連でお話ししました。それが直ちに独禁法改正につながるものだ、かように御指摘になることは、実は私としては……(井手分科員「迷惑だ」と呼ぶ。)迷惑と申しますより、意図しない事柄でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでは通産大臣の御意思はわかりました。参考のために企画庁長官の独禁法についてのお考えを承っておきます。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 大体ただいまの通産大臣の言われた通りに考えておるのでありまして、特別にEECその他の問題でこれを改正するなどということは考えておりません。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 公取委の委員長にお伺いいたしますが、あなたは、今まで話されたように、自由化に伴う企業の合同とかあるいは提携の強化であるとか、そういった意味で最近一部に独禁法の改正が唱えられておるけれども、しかし現行法でもそういう企業の提携とか合併も可能である、その大事な基本法である独禁法は改正の必要はないという御見解のように承っておりますし、今幸い両大臣からは同じような意見がございましたが、世間では独禁法がどうなるだろうという心配がございますので、大事なあなたの立場ですから、改正の必要のない理由を、一つこの際はっきりしておいてもらいたいと思います。

佐藤基公正取引委員会委員長

○佐藤(基)政府委員 最近EECの発展が非常に大きくなり、また一方わが国におきまして自由化が進んでくる、そのために企業の体質改善と申しますか、対内経済力、対外経済力、競争力というものを高めることが当然必要であります。それに関連しまして、企業単位が小さいからこれをある程度大きくするということは考えられるわけであります。しかしながら、合併につきましては、独禁法におきましては、一定の取引分野における競争を実質的に制限するような合併はいかぬということになっております。そこで、今自由化に伴う企業単位を大きくするということとこれがどういう関係になるかという問題になると思います。私といたしましては、独禁法に触れない範囲において企業が大きくなる、合併するというのは、何も反対すべき理由はない。しかしながら、独禁法に違反するような、すなわち、一定の取引分野における競争を実質的に制限するような合併ということになりますと、合併したものは、やはり、何と申しましても、人情と申しますか、自分が非常に強い地位に立つと、創意工夫をこらして企業努力をやっていくということがどうしても弱まる。これでは、自由化の問題なり、あるいはEECに対処する問題としても非常に不適当でありますし、いわんや、独禁法においてはこれは禁止するところでありますから、そういうことは経済的にも不適当なことであり、法律的にもいかぬのでありますから、独禁法を改正するということはとうてい考えられないと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 あなたは日本経済の民主化の番人ですから、一つ今の答弁はしかと守っていただきたいと強く要望しておきます。  次に、地域格差について若干お伺いいたしますが、企画庁の事務当局でけっこうです。  所得倍増計画を作りましたときに、既成工業地域とベルト地域、これのいわゆる国の公共投資の配分は幾らでございましたか。その当時も四大工業地帯あるいはベルト地域に対する国の公共投資が非常に多かった。これを、所得培増計画では、全国平均にならすように、地域格差をなくするようにしようというふうに私は承っておりましたが、当時はその既成工業地帯とベルト地帯の公共投資の比率は幾らであったか、それを倍増計画ではどういうふうに改めようとなさったのですか、それをお伺いいたします。

向坂正男総理府事務官(経済企画庁総合計画局長事務代理)

○向坂政府委員 所得倍増計画のときには、基準年次が三十一年度から三十三年度になっております。そのときの平均で見ますと、公共投資の地域別配分ですが、三十一年-三十三年の平均で、既成工業地域が三四・七%、それからベルト地域が三〇・二%、開発地域が一〇・八%、その他の地域が二四・三%ということになっております。それで、これを三十六年から四十年の所得倍増の前半期、その間に、既成工業地域では公共投資の比重は減りまして二八・八%、それからベルト地域で非常にふえまして四〇・八%、それから開発地域はほぼ横ばいで一〇・九%、その他が一九・五%と若干減ることになっております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 所得倍増計画では、一部に集中されるのではなくて、開発地域その他にもなるべく公共投資をやろうという趣旨であったと思います。それでは、三十五、三十六年どういう努力がそれに払われたでしょうか。いわゆる三十六年の公共投資の配分にはどういう努力を払われたでしょうか。

向坂正男総理府事務官(経済企画庁総合計画局長事務代理)

○向坂政府委員 現在までのところ、統計がそろいませんので、三十四年、五年、六年については、先ほど申し上げた地域別配分に相応する数字はまだできておりません。暫定的に建設省の所管に関してだけは一応三十四年、五年について集計したものがございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 問題は三十六年ですが、四大工業地帯とベルト地帯に集中するのを、――一時はベルト地帯にかなり来ることはやむを得ないことですけれども、それを開発地域その他に多く回そうという地域格差の解消の問題は、これは藤山さんにお聞きするのですが、私は、どうも努力が払われたとは思いません。そういう所得倍増計画を立てて地域格差をなくしようとするなら、公共投資はやはり今後の開発地域その他に重点が行くべきであると私は思いますが、それは企画庁ではどういう努力をなさる方針であるのか、各省に対してどういう指示というか何かをなさるのか、それがなくては何の役にも立たぬのですが、どうですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御承知の通り、公共投資の配分が全体的な開発計画に即応して参りますことが、地域格差の是正、そうして総合的な日本の国力の発展という上において必要であって、従って、倍増計画においてそういうようなウエートの異同と申しますか、若干の違いを出してくるわけでございます。ただ、今日の実情から申しますと、地方に対しまして相当な公共投資をするというようなこと、あるいは四大工業地帯あるいはベルト地帯というものが若干行き詰まっております現状から見ますと、効率的にどうしても即時解決しなければならぬような点が多分にあるわけでありまして、そういう意味から言いますと、倍増計画にうたいましたような直接の配分のウエートの置き方というものは、必ずしもその通りに進められてないというきらいはございます。しかし、そういう面は、今申し上げました通り、やはり、将来にわたってそういう点に重点を置きながら、地域格差の是正、地方開発というものをやって参りませんければ、行き詰まっておりますような工業地帯そのものの疎開というか、抑制というようなこともできないわけでありますから、漸次そういう方向に進めて参らなければならぬものだと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 そうしますと、地域格差の是正、この所得倍増計画による公共投資の将来の配分については、現在のところは逆になっておる。四大工業地帯、ベルト地帯にむしろ集中されておる。この間までは、全国の国と地方の公共投資の六五%が、――このあなたの方のあれにもありますが、この点と線だけに六五%集中されておるのです。これは通産大臣も関係が深いですよ。点と線、少しの小さな丸、これが四大工業地帯ですね。これだけに従来は六五%国の公共投資をやっておった。それが、今日は、数字はわからぬとおっしゃいますけれども、私は七〇%をこえておるかもわからぬと思うのです。それは数字はわかりません。それはいつ解消なさるおつもりですか。ことしでなく、来年からなさるのですか。それは、いや船ごみがどうのとおっしゃるかもしれませんが、それではできませんよ。その決意はどうですか。

向坂正男総理府事務官(経済企画庁総合計画局長事務代理)

○向坂政府委員 むろん、来年からやるかどうかというような確定的な期日を申し上げることは、それはむずかしいと思います。しかし、御承知の通り、国土開発の総合計画も立て、あるいは新産業都市の問題も今回御審議を願っておりまするし、また、同時に、低開発地域の開発に関する法律もすでに通っておるのでありまして、これらの問題を推進して参りますれば、おのずから地域格差の是正に向かうように公共投資がなって参りますことは当然だと思います。ただ、当面非常に緊急を要する問題が、四大都市を中心にして、あるいはベルト地帯において起こっておりまして、そのこと自体が種々の支障を起こしておりますから、そういう面に若干力が入っていることはやむを得ないことではないかと考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それは高度成長政策の結果ですね。これは明らかです。  それでは、事務当局にお伺いしますが、今企画庁長官が言われた、国土総合開発の計画ではそれを是正するとおっしゃいましたが、それでは、三月末にでき上がるであろうといわれておりまする国土総合開発計画の公共投資は、九州で幾らになっていますか、東北で幾ら予定されておりますか、それをお伺いいたします。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 お答えいたします。  お尋ねの全国総合開発計画におきまする公共投資の地域別の配分の御質問でございますが、現在は、御承知のように、草案という段階でいろいろ各方面の御意見を承っておる段階でございます。草案の中に組まれております数字についてとりあえず申し上げたいと思います。とりあえず道路だけ申し上げますと、全国を一〇〇といたします場合の率でございますが、九州は八ないし一〇、東北が一〇ないし一二、中国が八ないし一〇というふうに今のところ一応考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それを今までの実績と比較して下さい。実績を教えて下さい。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 三十三年度ないし三十五年度の実績を一応建設省からいただいておりますが、これは一般の道路と有料道路、単独事業全部含まれた数字で、ございますが、東北が二・七、中国が八・一、九州が一二・五であります。それで、申し上げたいことは、その内訳は公表されていないかもしれませんけれども、いわゆる一兆円の旧道路整備五カ年計画があったわけでございます。三十三年から三十七年でございますが、それを申し上げますと、建設省の腹づもりの数字でございますけれども、東北が一〇・八、中国が六・九、九州が九・一というような数字でございまして、相当実績の方が後進地域の方では進捗がいいのじゃないかと考えております。おそらくは、首都高速道路とか名神高速道路というものが、用地の関係でおくれて参っておるというような影響もあるのじゃないかと思います。大体以上でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 長官、今お聞きの通り、あなたはさっき国土総合開発計画ではこれを是正したいとおっしゃいましたけれども、後進地域では今日までの実績よりもあなたの方の草案が下がっているのですよ。ふえなくてはならぬのに逆に下がっているのです。今御説明があったように、たとえば九州においては、道路では――私の方では三十三年から三十六年までの実績ですが、一一・二%が八ないし一〇%、港湾では一七・六%が一三%ないし一六%、鉄道は実績八%が六・七%、こういう数字は中国も四国も東北も北海道も同じ状態ですよ。これは、ここにも中国の方がいらっしゃるし、ずっとうしろにも後進地域の方がかなりいらっしゃいます。何も私は地域単位で申し上げているわけではございませんが、地域格差を解消しなくてはならぬ、これが政治の目標であるのに、企画庁自身が逆ではありませんか。実績より草案の方が下がっておる。これはけしからぬ話ですよ。これをこのまま長官が、しょうがございませんと言ったら、大へんなことですよ。これは即座に一つ訂正してもらわなくちゃならぬと思う。まだ草案ですから、これが原案だったら大へんなことです。今あなたの方の事務当局がお話しになっているように、これは草案中の草案だ。しかし、原案は少なくとも実績より下がることはございませんという答弁をあなたはなさらぬと大へんなことになりますが、どうですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 ただいま申し上げましたように、草案を広く世間に問うているわけでございます。従いまして、世間の御意見を伺いまして最終的な確定をすることは、これは当然でございます。むろん、こういう問題はパーセンテージの問題だけではないわけでございまして、むろんパーセンテージが上がっていること自体もよろしいことは、これは当然でありますけれども、しかし、その地域におきます現実の開発計画に即応した問題を適切に取り行なわれるかどうかということが、非常に重要な問題になってくると思います。そういう点については、国土総合開発計画の法案ができますときに、われわれも十分注意をいたすつもりでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 公共投資は先行投資と言われるのですから、あとで追っかけるものではございません。国の施策であります。だから、長官に、実績よりも何%上げなくちゃならぬ、約束しろなどという無理なことは申しませんよ。しかし、少なくとも政治の目標が地域格差の縮小にありますならば、この国の政策であるこの公共投資というものを、少なくとも実績以下に下げることは絶対に相ならぬと思うのです。だから、あなたも、少なくとも実績を下がらぬように原案を作ります、ぐらいのことは言えなくちゃならぬ。言えるはずです。どうぞ一つ……。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 むろん。パーセンテージの上で実績がどうなるかということは、これはやっぱりパーセンテージの上でもできればそうなるに越したことはないと思います。同時に、実際に金額の上でそれが有効に適当に利用されるということも、これまた私は必要なことだと思うのであります。従って、決して私は、何もパーセンテージは下げてもいいんだとも考えておりません。できるだけ後進地域の開発というものに力を尽くして参らなければならぬのでありますけれども、ただパーセンテージだけで御議論を願わないように一つしていただきたいと思うのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 問題はやっぱり金ですよ。金を比較したものがパーセンテージですから。結論はそうなんですよ。私は何回も聞きます。ほかの場合なら私はあなたの立場もありますからある程度でそのままにしておきますが、これはそれだけでは済まぬですよ。地域格差を是正しようというあなたの方で出された所得倍増計画ですよ。これに従っていくのがあなたの方の計画でしょう。これには今後開発地域によけいに行くように計画されておる。それが現実は下がっておるから、これに沿うように、少なくとも実績を下回らない、上回るものにしたい、それくらいは言えそうなものじゃないですか。それを言わなくちゃ企画庁長官じゃございませんよ。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 今申し上げておりますことは、決して実績を下回るというようなことを考えておりませんし、国土総合開発計画であれば当然そうだと思います。ただ、御承知のように、一つの道路計画を立てます場合に、その一キロ当たりの地価の問題もございます。従って、そういうようなことの金額の差から申しますれば、ただ単にパーセンテージだけで、後進地域の開発が進んでないのだ、それに重点を置かないのだという点は、一つ御了解をいただかないとなりませんが、そうでない意味において、実は必要な道路をつけていく、あるいは将来開発のための道路をつけていく。ただし、それだけの同じようなキロ数を作っても、あるいは土地の収用代その他でもって違いますから、金額から言えばあるいはパーセンテージが低い場合があり縁る。そう上がらない場合があり得るということを申し上げておるわけなんで、決して、私は、後進地域開発計画そのものにできるだけ低めなものをやろうというつもりではございません。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 草案ですから、原案を出されるときには、もちろん草案は訂正なさるのでしょうね。そうして、実績を下回らないように計画なさるのでしょうね。それだけ念を押しておきたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 少なくも、実際の運用におきまして、道路の計画その他について実績を下回らないようにやって参りたいと思っておるのでございます。ただ、重ねて申し上げますけれども、たとえば、用地買収が後進地域と四大地域とでは非常に違って参りますから、ウエートを向うに置きましても、あるいはパーセンテージから言うと、そう上がらぬという場合があり得るというだけで、決してそうないがしろにという意味ではございませんので、そういう点を、国土開発計画の総合計画の立案については十分注意して参ります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 一言ではっきり言えば何も問題が起らぬのですよ。ただし書きみたいなことをおっしゃるからいけないのですよ。それは後進地域の方が用地買収は簡単ですよ。だから、一言おっしゃって下さい。実績を下回らないように原案を作ります、それだけ言って下さい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 道路計画その他については、実績を下回らないようにやることは当然でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 これで終わりますが、私はこの機会に一言申し上げておきたいのは、地域格差というものが、これはもう所得を見ればすぐわかる。この間あなたの方から発表なさった生活白書なんか読みますと、鹿児島なんかは全国平均の半分しかない。それもやはり国の施策がおくれておるからです。それと、もう一つは、株でもうけた人、これは、ダウ平均五百円といたしましても、おそらく三兆円くらいもうけておるだろう。計算しますと大体そういう数字になってくるのです。勘定してごらんなさい、大体そういうことになる。一千八百円のときに勘定しますと、四兆円近かったのです。その所得は不労所得です。それから、地価の値上り、これは昭和三十年九月と昨年の九月では、実に四七〇%になっておる。これもあなたの方の統計に出ておるはずです。そのもうけも、一部の地主はおそらく一兆円を下回るような金額では私はないと思う。ものすごい所得が入っておる。これも不労所得です。そして、よくデパートの売り上げが多いなんておっしゃる。国民の所得が豊かになったとおっしゃるけれども、低所得層は、牛肉も買えぬで、鯨の肉でがまんする。そうして、株でもうかったり、土地を高く売ってもうかった人がどうなっておるかということ。これは税制その他の点もありますが、一つ企画庁でもよく考えてもらいたい。こういうふうに、品物が非常によく売れる、あるいは一部に浪費があるという、その中身は、多くの国民大衆がそうしておるのではなくて、一部の不労所得者にそういう浪費が行なわれておるということ。こういう点を企画庁は十分考えてもらいたい。地域格差の解消とただいまの問題、これは通産省にも関係がありますから、両大臣に特にお願いをいたしまして、質問を終わります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 有馬君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 企画庁長官にお伺いしたいと思うのですが、先ほど井手委員も触れられましたように、今度の経済閣僚懇談会に出された物価抑制策、これは通産大臣の方では根本的に練り直さなければいけないというようなことで、――今首を振っておられますが、新聞ではそう報ぜられておる。企画庁長官の方では大体において了承されたという工合いに言っておられるのですけれども、物価政策の基調をどこに置こうとしておられるのか、この十二項目ですか、あげておられますけれども、この中からは私は感じ取れないわけなのです。その点について、物価政策の基調をどこに置こうとしておられるか、企画庁長官の方からお話しいただきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 今日の物価の高騰というものが何に原因があるかということをわれわれまず考えてみなければならぬと思うわけであります。  今日の状態から見ますと、日本の現実の経済の上においては相当いろいろなアンバランスがございます。これが逐次是正されながら経済が成長していく、そうして、あまりに急激な変化がない限りにおいては、お互いに相殺をしながら進んでいくということが考えられると思うのでありますが、ただ、そういうようないろいろなでこぼこがありますところに、あまりに急激な成長が行なわれたものでありますから、従って、そのでこぼこから起こりますいろいろな弊害と申しますか、ひずみと申しますか、そういうものが出てきた。たとえば、貿易バランスの上にもそれが一つ出てきた。物価の面においてもやはり同じようなものが出てきた。そういう面に基本的にはわれわれ思いをいたしまして対策を立てて参らなければいかぬと思うのでありまして、全体としては、この時期においては景気をある程度抑制をしていくことが必要であろうと思います。むろん、それに伴います具体的な施策というものは、いろいろあすこに書きましたのでございますけれども、そういうような方向も打ち出しながら、当面それを解決していかなければならぬ、こう思っておるわけであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 その中でも、公共料金の値上げ対策についてもやはり強調しておられるわけですが、その前の日には、大手十四社ですか、私鉄料金の値上げはやむを得ないだろうということで、運輸大臣もそれを裏書きするような発言をしておられるのです。せっかく総合政策を立てられても、本ぎまりにもならないうちから、根底からくつがえすようなふうに私たちには受けとれてならないのですが、その関連についてお話をいただきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 御承知の通り、昨年以来、急激な経済の膨脹に伴いましていろいろなひずみができております。その一面は、たとえば中小企業なりあるいはサービス業等における労働賃金からのいわゆるコスト・インフレ的要因ができてきておるわけです。また、非常な急激な膨脹のために、輸送設備その他が限界に達しまして、それを改善しなければ流通過程における機構の安全ということも期し得られないというような点もございます。そういうような面からして、すでに、昨年の初頭以来、一昨年来の景気の膨脹を受けて、現実の問題として各種の公定料金につきましての訂正という問題が起こっておるのであります。公共料金の多くのものは、過去相当長期にわたって、三年ないし四年あるいは五年にわたって改定されてきておらないものがあるわけでありまして、そういうものがすでに昨年の春以来問題になっておるわけであります。従って、これらのものをどうしていくか。そうして、実情に即するように改善をして、輸送力の増強なりあるいはその他の公共的な施設の拡充をはかっていく、そうして物価全体あるいは景気全体の調節をしなければならぬという面がすでにあるわけでございまして、これらの問題をどう解決していくかということは、当面やはりわれわれが考えていかなければならぬ問題と思います。しかし、そういうことと同時に、そういう問題を解決しながらも、一方では、やはり来年度消費者物価を三・八%見込まざるを得ないというような状況は好ましくございませんから、できるだけそういう場合においても抑制的な政策をとって、もし必要があるならば最小限にとどめてもらうようにいたさなければならず、また、値上がりを押え得るものであればそれは押えていかなければならぬ。しかし、全部押えられないものであれば、若干そういうものの訂正はいたして参らなければならぬ。でありますから、物価全体の抑制政策あるいは総合対策と必ずしもこれが矛盾しているものだと、私どもそう考えてはおらないのでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 全体的な視野からながめれば大した矛盾はないのだとおっしゃるのですけれども、昨年の東京電力なりあるいは入浴料金なり、そういったものが呼び水になりまして物価の急騰を続けてきた。この経緯から考えまして、総合政策を立てられましたならば、その一つ一つをぴちっと押えていかない限り、物価体系のせっかくの政府の企図はくずれていくのじゃないか。たとえば、間接税の減税に伴う値下げの問題も取り上げておられますけれども、入場税の値下げ分下がるというと、御承知のように、映画その他においては、半分は絶対に値下げはやらないのだということでがんばっておられることは御承知の通りです。こう見て参りますと、せっかく企画庁であげられました物価抑制策が一つ一つくずれて、どれを取り上げてみても実を結ばないのじゃないか、こう考えられるのですけれども、大した矛盾はないのだということで押し切られて、はたして総合的な効果をあげられる自信を持っておられるのかどうか、この点についていま一度お聞かせいただきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 お話のような現実の問題が起こってきておるわけでございます。また、先ほども申しましたように、過去におけるそういうような事情から見て、訂正をしなければならぬものもあるわけでございますけれども、同時に、そういうことが一つのムードになりまして、値上げムードというようなもので、値上げをするのがあたりまえのことじゃないかというような空気が流れ始めて参っては、私は大へんだと思います。従いまして、若干個々のものを訂正していかなければなりませんけれども、しかし、全体としてはやはり総合的な対策を立てる。物価自体の問題は非常に重大であって、この物価の高騰をそのままに放置しておくならば、日本の経済の健全な発展はできないし、かりにもし値上げムードのようなことからインフレのような状態のものが起こって参りますれば、経済の成長が否定されるような形にもなるわけでございますから、従って、やはり、そういうものに対しては、政府として総合的な対策を立てて、現にそういうことをやっていくのだということを示し、また、その協力を得ることが私は必要なんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 通産大臣にお伺いいたしたいと思うのですが、昨年の消費者物価の値上がりの原因には、農産物の価格の急騰なり、地価の暴騰なり、いろいろあると思うのですが、その中でも、大企業で生産性が上昇したにもかかわらず、製品価格が大して値下がりしてないというところに私は問題があったのじゃないかと思うのですけれども、これに対してどのような手を打とうとしておられるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 いわゆる通産関係の物資の生産性が向上いたしました場合に、生産性向上の利益を、在来ならば、労働者に分配するとか、あるいは資本に分配するとか、こういうことを言われておりますが、大へんむずかしいパーセンテージではございますが、やはり、最終消費者にその利益を返していく、こういうことを絶えず経営者もまた労働者にも考えていただきたいと思います。そういう方向になれば、この生産性の向上は相当役立ってくると思います。たとえば、テレビ一つごらんになれば、最近のテレビがどんどん安くなっている、あるいはトランジスターが安くなっている、あるいは繊維も、労賃を相当上げたが繊維製品は安くなっている、こういうようなことが指摘できるわけです。だから、やはり、マスプロの場合の価格のあり方は、最終消費者のところへ均霑さすということが望ましいのじゃないかと思います。比較的これはわかりいいのでございます。ただ、わからない部分で、たとえば生産者自身のところの価格は非常に安いが、小売価格は非常に高い、あるいはそれが加工されて非常に荷いものになる、こういう事柄が経済の問題でやかましくなるのじゃないか。最近、豚肉の値段が安いから、豚肉を少し高くなるような方策をとられておりますが、農産物や何かは、比較的に生産者の価格は安い、しかしながら、それが小売になってきたときに高くなる、こういうところを価格のあり方として問題にすべきじゃないか。いわゆるマスプロの場合と相当違っておるのです。だから、よく問題になることですが、最近セメントが非常に品不足だ、それではセメントの品不足がセメントの小売価格でもつり上げておるか、こういうことを調べてみますると、これはまだないようであります。あるいはまた、鉄鋼の値段をもう少し安くしたらどうか、これは安いに越したことはございませんけれども、今日の価格のあり方から見て、産業の発展にこれが支障を来たしておるというような価格ではない、かように実は思っておるわけでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 今農水産物の問題についても言及になったわけですが、たとえば中央卸売市場を私調べてみましたところが、十五万以上の都市六十八の中で、あるのは二十一ぐらいしかない。こういう状態の中で、せっかく農水産物の価格の安定をはかろうとしても、条件の整備ということが整わない限り、私は、ただ作文に終わってしまうのじゃないかと思うのですけれども、これらに対する施策について通産大臣のお考えを伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 どうも通産大臣がしゃべるのが適当かどうかわかりませんが、農林大臣自身がすでに新聞に発表しておられますように、地方長官の権限でなくて、場合によったら中央政府が関与するような方法も講じたいと言っておられますが、流通機構についてのそういう意味の改革はもちろん必要なことだろうと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 企画庁長官にお伺いしたいと思うのですが、原材料在庫の、いわゆる在庫論争なんですけれども、けさ堀委員からも質問があったようですけれども、この前大蔵委員会で、企画庁の中野さん、それから日銀の高木さんに来ていただきまして御意見を伺いましたところ、若干の意見の食い違いというものが見られるわけなんです。高木さんあたり、大体四月ころまでには云々というようなことで、これは国際収支の見通しの問題について非常に重要なファクターでございますので、この際あらためて企画庁長官の方から、この原材料の問題についてどのように把握されておられるか、その食いつぶしはいつごろ以降になるか、この点について承りたい。これは非常に統計がとりにくい問題で、動いているものもありまするし、そういう点でなかなか把握が困難な問題であって、ぴちっと幾らだと言うことはむずかしい問題かもしれませんけれども、やはり、大体の見通しを立てて、それに対する手当をしない限り、私は、政府としても十分な手当ができないんじゃなかろうかと思いますので、この点についての企画庁長官の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 ただいまお話のございましたように、実は、在庫投資に対する統計というものが、非常に不備と申しますか、不正確なものでございまして、はっきりした実情をつかみ得ないところに基本的には問題があるのだと思いますが、ただ、昨年、御承知の通り、あまり在庫投資がなかったのだという議論も最初はあったわけでございますが、その後の事情から見ますると、やはり在庫投資というものは原材料在庫が相当あったんじゃないか。その程度をどの程度に見るかということが一つの問題なんでございまして、そこで若干見方の相違が出てきておる。それから、同時に、在庫を食いつぶしていきます場合、生産の数量がどの程度に低下していくか、あるいは低下しないで横ばいでいくのか、あるいは引き続き旺盛な生産がいくのかというようなところにあるわけでございまして、従って、今にわかに予測を立てますことはむずかしいことでございますが、御承知の通り、生産が最近落ちてくるつもりでおりましたけれども、必ずしも落ちておらぬような実情でございます。従って、生産が落ちないとすれば、在庫量の問題を別にいたしまして、それを食いつぶしていく速度というものは、やはりある程度早くなっていくのじゃないかというふうに一応とらざるを得ないのでございます。私どもが今まで立てておりましたのは、少なくも年度末以後一億ドルくらいな原料を残していけるんじゃないか、そうして、それを、若干生産の下降を考えて参りますれば、六、七月ころまでは持っていけるんじゃないかというふうに考えておったのでございますが、日本銀行等は、もう少し早く、四、五月ころにはすでにそういうことが底をついて、そうして新しい原料の輸入が起こってくるんじゃないかというふうに見ておるわけでございます。この点は、一月の生産が高かったのでございますけれども、二月、三月が引き続きどうなるかによってやはり考えていかなければならぬ問題でございまして、はなはだ予測が困難な問題で、お答えが非常に不正確なことになって相済まぬわけでございますけれども、今までの経過から見れば、私どもは、日銀の考えよりも若干在庫食いつぶしの期間が長引くのじゃないかというふうに見ておったわけでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 この問題については、私の方でも確たるあれがあるわけじゃないですし、今の経企長官の見通しについてよく記憶いたしておきたいと思います。  次に、輸出入の問題についてですが、目標達成について、私は、政府が掲げられた四十七億ドルの輸出、四十八億ドルの輸入というものは、ただ単にどんぶり勘定ではないと思うのです。それなりの根拠があってこの目標を立てられたと思うのですけれども、企画庁や通産省の局長の方々に来ていただきましてお伺いいたしましたが、この目標達成について、非常に希望的なというか、楽観的なお話をしておられるように聞こえてしょうがないわけなのです。この際お伺いしたいと思いますことは、アメリカ市場、それから東南アジア市場、それからEEC、大体この三つに分けまして具体的にお伺いいたしたいと思いますのは、輸出が伸びる条件というものが、どこにあるかということであります。たとえば、昨年の十一月に箱根会談があったわけですけれども、その直後三週間もしないうちに国際開発局のハミルトン長官がAID資金によるインドの肥料入札について日本を除外する、こういうような動きというものが次々に出てきておるわけでありますけれども、このバイ・アメリカン、シップ・アメリカン政策に対する具体的な話し合いというものはどのように進められておるのか。私たちは、政府が後手々々に回っておるのではないかというように受け取られてしょうがないのでありますが、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今まで具体的な問題でぶつかっておりますのが、AID資金の使い方の問題、もう一つは繊維の問題です。AIDの問題は、ハミルトンさんにもよく話をして、パキスタンの半分に応札できるというのもそういう意味ではないかと思います。アメリカ自身としても、AID資金で日本が非常に困るような状態は作りたくないという、そういう気持はあるようであります。もう一つの具体例は繊維関係で、昨年短期の取引協定をいたしまして、今回またジュネーブにおいて長期取引の会議を持ちまして、同時に、一方の賦課金の問題ということで折衝している。極力、私ども、賦課金をかけないように、これは撤回するように努力しておる。そういう具体的な事例はございますが、総体といたしましては、それぞれの国の事情については認識を得ることが必要でございますから、そういう意味で、対米貿易を拡大するためには、一部の東部地域で相手国の業界と摩擦を生ずるというばかりではなしに、アメリカはまだ広い地域ですから、そういう広い地域に対して各種の商品等で貿易拡大というものを努力して参りたい、かように思っております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 次に、東南アジア市場に関連しまして二点お伺いいたしたいと思うのですが、一つは、東南アジア市場の中でイギリス連邦諸国の動向というものが、EECのあれと関連して非常に問題になってくるのではないかと私は思うのです。これについてどのような見通しを持っておられるかということと、それから、OAECの問題について、三月六日のエカフェの総会、東京であるわけですが、少なくとも政府としては三人委員会の結論を検討されて三月の初めまでには結論を出されるはずですが、それについて、現在伝えられるところでは、積極的にこれを推進しようとするのかしないのか、非常につかみにくいような状況にあります。その点について通産大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 英本国自身は、EECに参加する、そういう方向で話を進めておりますが、おそらく、近いうち、一両年のうちには参加が実現するだろうと思います。そういう場合に、豪州、ニュージーランド等は一体どうするか、ただいまのところでは、これらの動向はむしろ参加をしないんじゃないだろうか、こういう見方もあるようでございます。これは、いずれにいたしましても、近くニュージーランドの副首相が日本を訪問することになっております。そういう機会に十分接触をし、連携を緊密にしたい、かように考えております。  また、OAECの問題でございますが、これについては、過日政府の方針をすでに決定して、事務局へ通告いたしております。エカフェの方で直ちにこれが取り上げられて共同宣言をするという状況にはならないだろうと思います。と申しますのは、エカフェの構成十八カ国の意見も必ずしもまだ明確でございませんし、また、域外の四カ国の動向などもなお検討を要するだろうと思います。政府といたしましては、前向き慎重というのが今の態度でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 その前向き慎重という点ですけれども、経済条件の違う、しかも後進地域の多いところで一次産品を見つけなければならぬ。これらの国々と日本とあれしました場合に、EEC域内の諸国の経済条件とは全然違うと思うのです。ただ、前向きというようなことでお茶を濁さざるを得ない条件にあると言えば言えるかもしれませんけれども、何を期待しようとしておられるのか、この点について再度お聞かせ願いたい。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 もちろん、EECとOAECは、有馬さん御指摘の通り、明らかに違っております。これは、そういう相違があることを私どもは前提として考えますので、同一の経済共同体ができるとは思いません。しかし、EECができ、あるいはアメリカ・ブロックが強化され、エカフェ参加国に対する経済開発等にEECやあるいはアメリカの力が伸びてくる、こういうような場合に、外部からの強力ももちろん必要でございますが、みずからの力による経済協力ということが必要なことだと思います。そういう意味で、エカフェを形成しておる各国がお互いに連携を緊密にする、これは一つの望ましいことだと思います。そういう意味で、OAECというものにある程度の期待はかけてもいいんじゃないか。ただ、問題は、政治形態が違い、経済形態が違いますから、EECのように話が簡単にまとまらないだろう、ここに問題があるわけです。ことに、その中には、私が指摘するまでもなく、モンゴルのような共産国があるし、域外にはソ連もいることですし、そういう意味で、なかなかむずかしい組織だ、かように御了承いただきたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 通産大臣として、また経団連の総会でも、いわゆる財界のトップ・レベルの人たちをEECに派遣するとか、また、経団連の方々からは移動大使というような話も新聞では伝えられておるようですけれども、EECなりあるいは中南米諸国に対する経済外交の推進ということについてお伺いをしたいと思うのですが、私は、通産大臣が言われたような財界のトップ・レベルの人たちが期間はどの程度になるか知りませんけれども行くとか、あるいは移動大使というようなことでは、もはや現在の情勢の中に時々刻々というより急激に移っていく経済情勢に対応できないんじゃないかというような気がするわけです。それは、今度の中南米諸国の日本に対する輸入制限の問題、これは私は詳しく申しませんけれども、メキシコの輸入税の引き上げ、あるいはチリーの賦課税の問題、アルゼンチンにいたしましても、次々に悪条件というものが出てきておるわけですが、この経済外交の推進について、通産大臣と、それから企画庁長官が外務大臣をしておられたときに、移動大使というようなことで構想を発表され、また、実現されたこともあったわけですけれども、私もずっと中南米なりあるいはヨーロッパを回ってみまして、この経済外交が、何も在外公館の諸君の能力が弱いということでなくて、機構上の体制というものが出てこないところに、日本が後手後手に回る原因があるのじゃなかろうか。イギリスなんかでは、二千人のスタッフをかかえて、しかもそこにいる諸君が各国のお役人より権威を持って指導に当たっておるというような情勢の中で、日本はどうかと言うと、ボンの大使館からブリュッセルに出かけていく。これじゃとても追いつかないし、政府のいわゆることしの見通しの問題についても、なかなかそんな体制の中では実現困難じゃないかと思うのでありますが、両大臣から、この経済外交の推進について、具体的にどうすべきかという問題についてお聞かせをいただきたいと思うのです。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○藤山国務大臣 経済外交の推進、これはもう非常に大事なことでございますし、現在の世界の経済がお話のようにいろいろ変わりつつあるものですから、特にそれと接触する必要があろうと思います。従って、移動大使等の問題につきましても、私は必要があると思います。しかし、それは、移動大使だけを出したからそれで済むかというと、そういう意味でないことはむろんでございまして、従って、外務省における在外公館の充実、たとえばEECの本部のあるブリュッセルに対しては、各国がすでに二人の大使を、ベルギー自身とそれからEECに大使を送っておるような実情もございますので、むろん、日本とベルギーとの関係が、他の国とベルギーとの関係よりも政治的にも問題が少ないわけでございますから、あるいはベルギー駐在の大使というものも時間的余裕というものは他の国よりも多いかとも思いますけれども、しかし、EEC自身がヨーロッパの経済の総合的な立場をとってやっておりますと、どうしてもやはりそこに直接の大使を送るというようなことも必要だと思うので、そういう点については、十分な外務省機構の強化ということが経済外交の上では必要でないか。また、私自身の経験から思いまして、そう考えております。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ただいま藤山さんがお答えいたしましたが、もうあらゆる機会をつかまえて、認識していただくように積極的に展開する以外に方法はないだろう、かように思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 時間の制限があるようでありますから、最後にお伺いしたいと思います。  それは、EECあるいは東南アジア、いずれの国に対しましても、私は、目標達成のために、具体的な輸出振興策というものが必要だと思うのでありますが、過当競争の防止に対しましても、輸出金融に対しましても、あるいはジェトロの強化の問題にいたしましても、具体的に取り上げていかなければ問題は解決しないと思いますが、通産大臣に、過当競争の防止策、それから輸出金融、この二点について具体案をお持ちならばお聞かせをいただきたいと思うわけであります。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 御指摘の通りのことが非常に大事なことだと思います。輸出金融について各種の便宜をはかるように今日まで努力して参りました。あと残っておりますのは、いわゆる輸出金融の別ワクの問題だと思います。順次別ワクを作っておることと、実際には合うような金融になっておりますので、業界の要望もある程度達せられたと言うことはできるのじゃないか。しかし、なお不足の点がありますから、これも金融の実際について絶えず注意する必要があります。また、輸出保険等も順次拡大されておりますし、そういう面では便宜をはかっております。迅速な処理等も行なわれております。これらも好影響をもたらすのじゃないかと思います。  もう一つのいわゆる過当競争の問題ですが、これは輸出入取引法等の改正も前国会にさしていただいて、これは相当効果があると思っておるのですが、まだなかなかそれが出て参りません。ことに、私どもの立場はあくまでも自由経済の建前でおりますし、そういう意味から申すと、業界の自主規制というか、お互いの分野を守っていくということ以外にはなかなかないのでございます。そういう意味で、業界と絶えず接触を保ちまして、過当競争に陥らないように気をつけていただく。また、現実にそういう事例にぶつかれば、それについて私どもは直接これに注意を喚起する、こういうことをやって参りたい、かように思っております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 通産大臣に最後にお聞きしたいと思いますが、今度政府は関税定率法の改正案を出されたのですけれども、大蔵省あたりは、貿易自由化に関連しまして、関税の問題については、通産大臣のお考えと、この前発表されたように関税はもう引き下げていくべきだという点で、そこに、貿易の自由化との関連でこれは時間的な問題かもしれませんけれども、若干のズレがあるような気がするのですが、その点について……。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 EECやあるいはアメリカが低関税というか、関税をうんと引き下げる、こういう処置をとっておりますが、一本の場合は、ただいまようやく自由化を進めようという際でございます。この十月で九〇%を占める、ここらに自由化をする場合にある程度の無理がございますから、国内産業に対する保護、これはある程度やっていかなければなりません。だから、そういう意味からは、関税をある程度引き上げるというのが日本の実情でございます。EECやアメリカが関税を引き下げるというのは、もうすでに自由化が進んでいる、あるいは共通関税、関税同盟がEECの結びつきの基礎になっている、こういうところがら、よほどこれらの地域は進んでおるわけであります。だから、日本も自由化を進めて、そうして数年のうちにEECあるいはアメリカの経済に追いついて、関税政策も同調できるように、そこに持っていかなければならぬ、かように実は考えておるのでございます。ただいまの段階で、大蔵省と私たちで言っていることが違ってはいないだろう。もし有馬さんが将来の問題としての低関税ということに私が今日からとらわれておるようにお考えになったら、その点は誤解でございますから、あらためて……。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)分科員 そんなふうに報道されておりましたので伺ったわけです。  私の質問はこれで終わります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 岡田利春君。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 与えられた時間が三十分でありますから、ごく詰めて簡単に御質問いたしたいと思います。私は、輸出検査並びに輸出デザインに関連する問題について御質問いたしたいわけです。  この両法案は、検査法の方は三十二年の五月二日に施行されておりますし、さらにまた、輸出デザイン法は昭和三十四年の四月六日に施行されておるわけです。いずれも、その目的とするところは、輸出貿易の健全な発展をはかるという、こういう前提に立ってこの法案が施行されておるわけでありますけれども、しかし、アメリカ並びにヨーロッパ諸国の場合を検討して参りますと、アメリカの場合でも、大体農産物あるいはまた食料品あるいは医療品等に限っては、政府のこの種の検査方法があります。しかしながら、それ以外については、アメリカもヨーロッパも、こういう日本のような輸出検査法あるいは輸出デザイン法、こういう法律規制というものが実はないわけです。私は、こういう法律が施行されなければならなかったということは、わが国の商業道徳の低下といいますか、非常にこれは遺憾なことであって、少なくとも現政府が自由貿易あるいはまた自由経済ということを原則にする場合に、あまりに芳しくない法律だと実は思うわけです。にもかかわらず、この法律の対象になるそれぞれの輸出に関してしばしば問題になるわけでありますが、私は、まず冒頭に、この両法が果たしてきた役割の現状は一体どうなのか、依然としてやはりこういう法律によって輸出検査あるいはまた輸出デザインについて政府が規制をしていかなければならぬという、こういう立場にあるのか、その見解をまず承りたいと思うわけです。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 御承知のように、各国の貿易競争はなかなか熾烈でございます。これは、わが国の商業道徳が悪いというばかりでは実はございませんで、日本のような国柄に対していわゆるバイヤー自身もよほど反省してもらわないと、十分正しい商業道徳が打ち立てられない、かように思います。そういう意味で、これは国内の商社だけが悪いとは私思いませんが、まま不名誉ながら、この種のものがないと、わが国の信用そのものを維持するということはなかなか困難だという事態があるわけであります。昨年来も一、二件そういう事柄で関係のところから持ち込まれておる話もございます。そういう意味から見ますと、こういうことが必要でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 今、大臣からきわめて抽象的な常識的な答弁を実はいただいたわけでありますけれども、しかし、これは、輸出品のみならず国内に出回る商品であっても工業規格検定の方法を採用しておるし、諸外国では、輸出品のみならず普通一般国内に流通する商品についても、むしろ自主的に業者がそれぞれ検査、検定をしていて、こういう形で、国内で販売されるものと輸出をされるものとそう区別をつけて検査を政府が行なうというようなことは実はないわけです。私は、やはり、そういう方向の方が、ほんとうは本質的に考えれば望ましいし、しかも、単に輸出品だけを厳重に政府が国際信用という面だけからで考えるのではなくして、国内に出回るものであっても、やはり同様に、品質のいいものを商社に提供して、商社を守る、商社行政をより充実したものにするということが、私は望ましいと思うわけです。ですから、検査することがいい悪いという問題ではなくして、むしろ、将来とるべき方向としては、わが国のそれぞれの商品というものは、それぞれ自主的に国内に出回るもの、あるいは輸出に向けられるものも同様の条件のもとに、業者が品質のいいものを輸出し、品質のいいものを国民に提供する、こういう立場に立つことが最も望ましいし、こういう機関もそういう方向に行くべきが将来の問題として望ましいのではなかろうか、こう思うのですが、こういう考え方についてはいかがでしょうか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 外国に行きます場合は、これは、問題になりますのは、外国の意匠の盗用だとか、こういうような問題があるわけであります。その点が過去においてもあったというので、これも注意しているというのが現状であります。国内において、ただいま御指摘のように、消費者保護の立場から、ことに、最近は、広告の時代といいますか、PRの時代になった、あるいは誇大あるいは事実に違うとか、こういうような状況でございますので、消費者保護の立場に立つことが必要であります。だから、今回はわずかながら予算も計上して、消費者が間違わないように指導していこうというようなことをいたしておるわけであります。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 この問題はいずれまた、誇大広告宣伝については今国会に法案も出すことになっておりますし、そういう立場でまた検討できる問題じゃないかと思うのです。この検査法並びにデザイン法に基づいて、今まで政府は、検査法については六年間、デザイン法については四年間、検査協会あるいはデザインのそれぞれの協会に対して補助々をいたしておるわけです。今年の予算を見ますと、補助金が、検査法に基づく場合七百三十七万七千円、さらにデザイン法は六千六百二十一万六千円の予算が計上されているわけなんです。この両法案が施行されて以来、昭和三十六年度までの問に、どれほどの補助金が計上されて支出をされておるか。これは事務当局でけっこうですから、お教えいただきたい。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ただいま担当官を呼びにやっておりますから……。ちょっとこちらの方でわかりかねます。大へん申しわけございません。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 最近、輸出規制の問題が非常に問題になってくるわけです。綿製品を初め、多くの物に数量規制ということが取り上げられておるわけなんですが、最近の一つの傾向として、昨年の四月まではチェック・プライスで最低価格制というものがしかれておって、今まで最低価格を押えてきた晦もあるわけです。昨年の四月にこれが実は廃止されておるわけなんですが、今度通産省でトランシーバー、市民ラジオ関係のデザイン盗用が非常に多いということで、二月一日からこれを中につけ加えてデザインの登録をするように、こういう政令の改正も行なわれておるわけです。ところが、最近の輸出価格を見ますと、昭和三十五年には三十ドルであったものが、三十六年には実に十六ドルという、半額近い額に下がっておるわけです。もちろん、商社の数が三十五年には大体六社であったのですが、三十六年にはこれが一躍二十社にふえている。こういう過当競争の傾向がそれにより一そう拍車をかけておると思うのです。チェック・プライスが廃止されたあとに、特にこういう問題がはっきり出てきておるわけです。わが国の輸出を伸ばすということは非常に大事な問題なわけなんですが、しかしながら、だれが考えても、ソーシャル・ダンピングのような傾向を持つ輸出品の価格の下落というものは、これは決して好ましい現象じゃないと思うのです。そういう立場からしますと、輸出品に対する最低価格の面について一考を要するのではないか、私はこういう感じがするわけなんですが、この点の見解はいかがでしようか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 国内で売られる価格と国外へ出していく価格、そこに差があると、しばしばダンピングというような言葉が使われておりますが、これは必ずしも当たらないのですね。国内におけるアフター・サービスとか、あるいは広告だとか、その他のものも国内で売買されるものにはかかっていきますから、従って、国内はある程度高くてもそれは問題ないと思います。だから、ダンピングという言葉自身は、そういう意味では、ダンピングなりやいなやということを、十分検討する必要はあるだろうと思います。  それから、もう一つは、今どんどん価格が安くなり、安くなっていい品物なら売れそうなものでありますが、こういう事柄が相手のマーケットを撹乱するということも実はいわれるのであります。だから、日本商品はいいが、あまり値段が安過ぎる、どうして日本はもっと高く売らないのか、そうすれば自分たちも反対をしない、その方が利益でもあるじゃないか、こういうような指摘も実は受けるのです。これらの点で業界を指導する余地があるのではないか。これは岡田さんの御指摘の通り、私ども気をつけなければならぬ問題だ、かように思っております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 特に、この問題は、日本の産業構造がやはり二重性を持ち、比較的、こういう輸出関係でも、おもちゃとかあるいはこういうラジオ関係は中小企業が多い、そのことは悪徳外人貿易業者の暗躍といいますか、そういうものを利用して買いたたくという傾向があることを、私は非常によく聞くわけです。この点はやはり厳重に対策を立てるといいますか、そのことのないようにむしろ積極的な対策が望ましいという工合に実は考えておるわけです。ですから、決して安く売るのがいけないのではなくして、そのことがそういう何か人為的なものにつながっておるという面が、こういう部面については非常に端的に現われておる、こういう感じを非常に強くしますので、この点を通産省当局においても特に十分留意をして、対策を立ていただきたいと私は思うわけであります。  次に、数量規制の問題でありますけれども、どんどん売れるものであっても、特に対アメリカに対しては綿製品の自主規制をした、このことがまた問題になっておりますし、また光学機械あるいはトランジスターを初めとするわが国の花形輸出品目についても、こういう数量規制が行なわれておるわけであります。トランジスターのごときはもう第一地域、第二地域、それぞれの地域に、第一地域は大体半期に三百八十万台、あるいは第三地域には二百万台というような規制が実は行なわれておるわけであります。しかし、この規制が行なわれて、それがその規制内にとどまればいいわけですが、そのときの条件によって、規制以外に割当を実施するわけです。ここに今いろいろ多くの問題があると私は思うわけです。大体、こういう数量規制をした場合、数最規制以外に割当をするという場合、これは従来の実績を一応勘案する、こういわれておるのでありますけれども、この割当の実権は商社が握っておる。ところが、注文はたとえばAならAという会社にくる、実際にワクがないから、いわゆるチケットの買いあさりをする、こういうような傾向が実は出ておるわけであります。こういう割当は一体どういう角度から行なわれておるのか、単なる実績主義で行なわれておるのかどうか、あるいはまた、これらの数量規制以外の割当というものは、今日までどの程度行なわれてきておるのか承りたいと思うわけであります。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 今の割当とおっしゃるのはどういう意味かと思いますが、今外国に出ております物が数量が非常に多いということになりますと、相手の国から日本に対してその数量等についても要望が出る、外交交渉を持つ前に、まず業界の自粛数量というものをきめさせているわけでありますので、もうこれは岡田さん御承知の通りに、日本の産業で、たとえばカナダにおいてゴム底の靴が売れるといえば、中小メーカーはどんどん出していく、あるいはトランジスターがどこで売れるというと、その市場に殺到していくということで、短期間に、日本商品のふえ方が実は非常に目につくのであります。実は、私大蔵大臣をやっておりました際に、今でもカナダの大蔵大臣をやっているフレミングが日本に来たときに、日加貿易を拡大しようじゃないかと言った。その翌年、アメリカに参りましたら、君は日加貿易を拡大する、漸増すると言ったな、その通りだ、漸増といえば多くても三割か四割じゃないかと思うが、どうも日本商品は一年間に三倍、四倍と実はふえている、これでは当方追いついていけない、手を上げざるを得ないということを実は申しております。こういう事態が、いわゆる自主規制の面に出て参るようであります。これを外交交渉で、相手方からぴしゃっと押えられる前に、そういう実情にあるなら、昨年同様の数量で一つ話をしようというような意味で、業界の自主規制を指導しておるというのが、今の現状でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 実は数量規制の問題で、最近一番問題になったのは、今大臣が言われたように、トランジスターのごときは、輸出地域というものに対して割当が行なわれておる。そういうことで、非常に厳格な数量規制が行なわれておる一つの例だと実は思うわけです。しかも、これは年間八百万台以上も輸出をされておる。その額は実に四百三十億に上る非常に膨大な額を占めておるわけです。ところが、実際に数量規制として政府が考えておる、第一地域半期三百八十万台、第二地域は半期二百万台、これを合わせて見ても、輸出実績の八戸十六万台、四百二十六億、これは昨年昭和三十六年度の実績ですが、その面から見ますと、規制数量外に相当それぞれ割当をして輸出をしておるわけです。そしてこれが商社に割当をする。しかもそれぞれの業者は、チケットがなければ輸出できないわけです。ですから、勢いどうしても自分で輸出をしたい場合には、チケットの買いあさりをする。従って、公然の事実としてやみで一枚五百五十円出してチケットを買って、そして輸出をする。こういうことが日常茶飯事のように今日行なわれておるわけです。実はこれは公然たる事実でもあるわけです。このような点は、やはりもう少し弾力性を持って、単に商社に割り当てる方法だけがいいのか、もう少し明朗にいくような方向で、若干検討の余地があるような気がするのですが、この点はいかがでしょう。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘の点は、十分研究してみたいと思いますが、現在の実情は、次長から一つお聞き、取りをいただきたいと思います。

山本重信通商産業事務官(通商局次長)

○山本説明員 トランジスター・ラジオの輸出規制につきましては、品種によりまして違う取り扱いをいたしておるわけでございます。A級、B級、C級と三つに分けまして、アメリカにおきまして最も市場撹乱の問題を起こすおそれのある品目、すなわちC級でございますが、これにつきましては一定のワクを設けまして、たとえば、一九六一年の下期には百三十万台、こういうワクを設けまして、比較的厳しい規制をいたしております。A級、B級につきましては、比較的市場におきまして、市場撹乱の問題を起こすおそれが少のうございますので、検査を厳重にいたしまして、この規格に該当するものであって、しかもなお取引系列がはっきりしておるという、そういう条件を整えたものにつきましては、別途ワク外の割当をいたしておるわけであります。そしていわば高級品で、相手のマーケットで乱売競争をしたりするおそれがない、そしてまた、向こうの市場で市場撹乱の非難を受けるおそれがないという品物につきましては、できるだけ、いわば自由に輸出を押ばしていく、こういう趣旨で現在の制度を運用いたしておるわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 私は、なぜ特にこういうことを聞くかというと、これは佐藤通産大臣が大臣に就任されてからの問題じゃなくして、前通産大臣の時代に、きわめて大きな問題になったわけです。特に輸出検査協会関係で、この種の問題をめぐって非常に大きな問題に発展したわけです。たとえば機械器具の検査協会とか、あるいはまた望遠鏡関係の光学機械の検査協会、あるいは玩具の検査協会。しかも、数量規制等については公表されていないのでありまして、これをめぐって、通産省内部には非常な問題が発生いたしたわけです。これは、佐藤大臣はそのしりぬぐいをしなければならぬ問題にも実はなっているわけです。特に、私が非常に不思議に思うのは、これらの検査協会に対して通産省が年々補助金を出し、その監督あるいはまた検査の指導等については強力な監督権を持っておるわけでありまして、人事についても、それぞれの協会の人々は、大体古手の経験のある官吏の人が横すべりで就任をしている、実はこういう実情にあるわけです。ところがこれらの問題をめぐって、特に検査法が施行され、検査の手数料というものが設定されて、この手数料の問題で、それぞれ膨大な数に上る場合には、手数料の額が非常にかさまっていく。こういうような面で、特にそれぞれの小さい業者については、手数料について何とかこれを負けてほしい、こういう要望があったけれども、協会の運営でなかなかいれられない。しかも、それぞれの検査員とそれぞれの業者との間に、いろいろな問題を惹起していることは、大臣も御存じかと思うわけです。ですから、私はこういう検査法やデザイン法がありますけれども、むしろ規制することによって、そういう不測の事態というものが発生をする。そのことがかえって不明朗な結果をもたらし、多くの問題を提起するということになって、どうしてもこれらの問題について、私は相当厳格に、やはり規定通り実施をさせるということでなければ、この立法の趣旨に合わないと思うわけです。そういう点について、特に監督権を持っている通産省として、今までいろいろと出た問題を、一体どのように処理するように考えておるのか。先般も、決算委員会でこれは問題になっているわけですが、この面については通産省としては、今後十分一つ考えていきたい、こういうような意見も出されておりますけれども、私は、単にそういうようなことで処理をさるべき問題ではなくして、より検査に信頼感を持たせ、当初の目的である健全な輸出貿易を発展させるという立場に立つならば、明朗な、だれしもが納得でき得る処理なり処置というものが当然とらるべきではないか、こう思うのですが、いかがでしよう。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 御指摘の通りでございます。私も苦い経験をなめさせられ、また不幸な犠牲者が出ましたが、本来不正を排除し、そして信用を高めるという意味で行なわれた制度でございますので、その趣旨を達成するよう、今後とも気をつけて参るつもりでございますが、制度そのもののあり方について、輸出審議会でも十分審議してもらいまして、さらに実情に合うように直していきたい、かように考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 私が特に要望したいのは、それぞれの検査協会というものが設立をされておって、手数料というものが政令できめられておるわけです。特にトランジスターのごときは、問題になって以来、昨年の八月一日から、三石以上一台十五円当たりの手数料を十三円に改正をする。それと同時に、さらに八ミリ映写機等の品目を加えているわけです。そういう傾向から見ても、やはりそれぞれの検査協会の経営内容について、もう少し通産省は常日ごろ的確に把握しておく必要があると私は思うわけです。そして経営の内容が健全で、余剰金が出るという態勢の場合には、進んで輸出貿易を振興するという立場からも、あるいはまたそれぞれの国内の手数料を下げて、それぞれのコストを下げる、こういう意味でも、的確にそのつど指導が行なわれなければならぬ問題だと思うのです。それがどうも厳格に行っていないような感じがするわけです。だから三つも四つもそれぞれ問題が出てくる。そうすると、三十九もある検査協会全部が、そういう不明朗な状態にあるのではないか、一般の人々にこういう印象を与えることは明らかであると私は思うわけです。そういう監督権を持っておる通産省として、経営内容についてどういう監督をしておるのか。それぞれ一つ一つの検査協会について決算報告がなされて、その面については十二分な検討を行なって指導されているかどうか。事務的なことですが、その点も聞かせていただきたいと思うわけです。

生駒勇通商産業事務官(通商局振興部長)

○生駒説明員 今御指摘のございました点につきましては、私どももかねがね注意をいたしておりますところでございまして、御承知のように年度別の収支予算、決算書というものは私どもの方でチェックしておりますが、そのほかに、現場にあたりまして、検査の実情その他に対しまして、通産省に付置されております工検と申しますが、工器具検査機関を通じまして、そこのエンジニアと共同いたしまして実態を調査いたし、誤りがある場合にはこれを指摘しておるわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)分科員 これで終わりますが、実は相当資料を用意して綿密に質問したいと思っておったわけです。ところが、三十分しか時間を与えられないから、やったのではしり切れトンボになると思うのですが、私はやはり、これらの問題は非常に重要な問題だと思うのです。それぞれ検査協会の最近の決算の内容なり問題点ということについても把握をしておるわけですが、今、ここでは時間がありませんから、その点について論議はできませんけれども、いずれこれらの内容については、別途にお話をしたいと思いますし、ただ、問題は、今日特に輸出貿易の問題が大きな焦点になっており、はたして今年の輸出目標額四十七億ドルが努力目標として達成できるかどうか、このことがわが国の国際収支にも直接影響するでしょうし、あるいは経済成長にも直接関連を持ってくる大きな問題であるがゆえに、これらに関連する問題について、一般の多くの疑惑のないような的確な措置が今日望ましいと思うのです。従ってそういう意味であらためてやる機会もあるでしょうから、特にこの点について、先ほど申し上げた本質的な輸出検査の問題と制度運用、監督の問題について十分再検討願いたいし、これに伴う手数料その他についても十分検討を願って、健全な法の趣旨に基づく運用をはかるように希望しまして終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ただいまのお話、しごくごもっともとお伺いいたしましたので、私、十分関係事務当局を督励して、御期待に沿うように検討して参りたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 与えられた時間は三十分ですか――それでは三十分の範囲内で一つ大臣にお伺いしたいと思います。  肥料の問題はいずれあと回しにいたしまして、またお尋ねしたいと思いますが、私は主として非鉄金属鉱業についての通産省の施策を伺いながら、私の意見を述べて、前進させて参りたい、こう思うのであります。何分三十分でございますから、むだな時間をさきたいと思うのです。本来であれば、私、今思い起こして、鉱業法の成立から今日の鉱業法まで、いろいろな解釈をも加えて、実は質問をいたしたいと思うのです。それはなくなりました武田正憲君の霊を慰めるゆえんであるとも思うのですが、時間が与えられておりませんので、私の意見を先に述べて大臣の御答弁をいただきたいと思います。  大体、天然の資源は公共の利益のために、むだのないように一切利用さるることが望ましいという考え方、その上に立って地下資源を合理的に開発することは、公共の福祉増進に寄与するゆえんであるという考え方で、今日の新鉱業法が成り立っておると思うのでございます。そこで槻鉱業法は、私的企業としては経済的に成立することを条件とすると同時に、公的企業として社会目的に合致する結果を招来するものであるということを求めておるのが、鉱業法の本体だと思うのでございます。この点についての通産大臣の意見をまずお伺いいたしておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりますように、地下資源は十分利用されてしかるべきだと、同様な考え方を持っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 日本の産業の基盤でありまするし、また日本の狭い国土の中に埋蔵されておりまするこの資源を活用する義務が通産当局にあると思うわけでございます。  そこで、これは大臣あるいは御存じかもしれませんけれども、少し勉強の意味で私は教育したいと思うわけですが、実は明治五年に御承知のような鉱山心得が出ております。次に明治六年に日本坑法というのが出て、それから鉱業条例になりまして、鉱業法になっておりますが、鉱山心得というのは太政官布告でありましたために、「鉱物ナルモノハスベテ政府ノ所有トス、故二独リ政府ノミコレヲ開採スルノ分義アリトス」日本坑法は「凡ソ日本国中二於イテ発見スルモノハスベテ日本政府ノ所有ニシテ独リ政府ノミコレラ開採スル分義アリ」これがいわゆる鉱業条例になりましてから、幾らか近代的になりまして、われわれは「採掘」と言いますが、当時の言葉は「掘採」と、こう言っておりますが、「未ダ掘採セザル鉱物ハ国ノ所有トスル」これを受けまして三十八年の鉱業法は「末ダ掘採セザル鉱物ハ国ノ所有トス」ということで、国家権力を非常に強めておったのでございますが、戦後、新鉱業法ができまするときには、占領軍がおりまして、アメリカの影響をかなり受けながら、旧来の伝統を生かしながら、どうして民主的な鉱山経営をやらせるかということで、ずいぶん苦労されて、今の新鉱業法ができたと思うのですが、やはり天然の資源をいかにして公共の利益のために採掘するかということが、鉱業法の本体だと思うわけです。  ところが、今日の鉱山がこれほど開発されましたについては、政府の援助は過去には少なかった。むしろいわゆる鉱夫が、徳川時代から特別待遇を受けました鉱夫が、山を探して歩き、そうしてまた資本を投じた者がしばしば失敗をし、そのあとで安定した鉱区を発見して、そうして企業家が運営をしてきたというのが、日本の鉱業の歴史であると思います。私、今、昔のことを説くまでもないのですけれども、鉱夫が下げておりました革袋をくさりという。これは種袋で、鉱石という種を袋へ入れておりますると、関所ごめんであった。自山の鉱石を皮袋に入れてさげて歩くと、これは関所ごめんで、どこへ行っても鉱山を発見する余地を与えておる。あの封建時代ですらそれだけの待遇をしておる。それがゆえに、各藩の財政なども、今までは農産物にたよっておったのが、初めて鉱物にたよった藩の経済ができたという歴史がある。これを三井であるとか藤田であるとか、あるいは古河が継承いたしまして、日本の産業の基礎である鉱業の開発をはかった。古河さんなどは、なかなか、今の労働政策以上の政策をやっておった。どういう政策をやっておったかというと、古河市兵衛さんは、あの足尾で、たんす、長持を月賦で非常に安く売るということをやった。なぜやったかというと、たんす、長持を長屋へ入れると、鉱夫が転々として移り変わらないだろう、ああいう大きい物を持たせると固着するであろうという労働政策をとってまで日本の鉱業の発展のために尽くしてきた。ところが今や自由化の前に、いわゆる金属鉱業というものが非常な不安の中にあるわけですが、これは農産物と同様に、まことに自由化に対しては弱いのが鉱産物の特質だと思うのです。従来は鉱業法ということで、ある程度保護をいたしておりますけれども、近代産業ほどの保護は行なわれなかった。自力でやってきたということになるだろうと思います。それと鉱夫の熱意によってやられたことではございますけれども、この新しい時代における、いわゆる自由化政策の中におきましては、哀れな状態になりつつあると思うのですが、この点に対して、どのように措置されようとしておりますか、伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 いろいろ教えていただきましてありがとうございました。ところで、今の金属鉱業――非鉄金属という表現をしておりますものが、自由化されると非常に困るだろうということで、今回の予算で特に取り上げましたものが、新鉱床探査費でございます。大きいところは別としても、中小の新しい鉱脈を発見するその予算の保持ということが一つ。今回もそれをさらに拡大したということで、いろいろ努力いたしましたが、不十分な予算になりましたけれども、これは取り上げられた。もう一つは、外国から入ってくるものに対する関税の引き上げ、それによりまして対抗していくということ。それからもう一つは、国内資源がいかにも貧弱でございますから、外国に対して積極的に進出する。そうして、山自身を外国に求める。こういうような措置も指導して参るつもりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それでは不十分ではないか。もう一歩前進する必要があるじゃないか。日本の鉱業は、御承知でしょうけれども、外国と比較して、技術の上からいいましても決して見劣りはしておりません。ことに探鉱等についての技術は相当進んでおると見てよろしいだろうと思うのです。そういう意味で、時間がありませんから私の意見を先に申し上げますけれども、金属鉱物の資源開発公団という形式で、鉱産物の探鉱、開発をすることが一つ。もう一つは、この事業団が鉱産物を買い取りまして、支持価格制度を強めていくということによって、鉱物資源の開発を容易にするということが望ましいのではないか。最近非常に事業団が流行のようでございますけれども、流行だからあとを追うのではなくして、金属鉱業こそがまっ先に、資源の開発と鉱産物の安定の上から、事業団を積極的に作るべきじゃないか。これは決してほかの事業団のように――決して悪いわけではないが、牛乳のようにくさるものでも何でもないのです。必要でないものかというと、常に必要度の高まるものでございます。従ってこれを事業団で支持価格で買い取るということは、非常に増産に力を入れる結果を来たすであろうし、また探鉱をし、あるいは開発するということは、国の資源を見出すことでありまして、日本の持っておる力というものを開発できることでありますから、このために要する経費というものは積極的に通産省が持ち出して与えることが必要ではないか。しかもこれは決してゼロになるものではないわけです。ときには損をしないことにも相なるかもしれない。もっとこういう積極政策をあなたの時代に作るという勇敢さがあってもいいのではないか。こういうことによって、この事業団がさらに進んで外国の鉱山の開発にも力を入れるという考え方をすべきではないかと思いますが、大臣どうですか。やってやれないことはない、勇気があれば。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 勇気は十分持っておるつもりであります。ただ非常に短かい時間でありますので、川俣委員の意図されることが十分御説明できないだろうと思います。私もただいま伺っただけで、直ちに賛成だとは実は申しかねるのであります。  私どもは、基本的に自由経済の立場、この線は実は確保して参りたいと思います。それかと申しましても、石油資源開発株式会社をすでに国内で作っておるのでありますから、ただいまの構想自身に反対というわけでもございません。そういう意味で、もう少し時間をかけてお話も御説も拝聴したいし、また私どもの結論ももう少し時間をかけて出させていただきたい、かようにお願いしておきます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういうようにうまく逃げられることになる。私は別に自由経済を――私どもの立場からいけば修正すべきであるという考え方をしますが、今この問題を論ずる場合に、そこを論じておっては解決になりません。石油資源開発にいたしましても電源開発公団にいたしましても、やっているのです。おくれておるのは、一番先に日本の産業界に寄与いたしました鉱業界がおくれているだけだ。電気にいたしましても石油にいたしましても、日本の産業界からいえばあとです。あとのものが先になっただけです。だからできないということはないはずだと思う。どういう運営の仕方をするかということになりますと、必ずしも私の言う通り聞くべきだとは言いませんけれども、およその構想としては、外国の鉱山の開発にも事業団が積極的に乗り出す。これは政府が乗り出すと、鉱山であるだけに非常に問題が出て参ります。各国とも鉱山については他国の権力を排除するという方向が強いから、民間の事業団という形で進出していくということが望ましいのではないかということが一つ。もう二つは、ここで事業団が価格を安定させるために鉱産物を買い上げていく。買い上げて、安いときにそれ以上低落しないように、一定価格を持つように――鉱山というものは資本を非常につぎ込みまして、普通の工場ならつぎ込んだだけが、もしやめましても、大体その設備は売れるのであります。ところが鉱山というものは、やめますとそれはゼロになってしまうものであります。ですからやめたり企業したりということが許されないのでありますから、採算のとれないときでもできるだけ継続できるように、その鉱産物を買い上げていくということが一番安定したことにかろうと思います。そういう意味で一つの支持価格制をとる――支持価格制というと通産省はあまり喜ばれないかもしれませんが、一定の幅の間において買い取っていくという形をとられることが、鉱業を安定させるゆえんではないか。いかに探鉱資金をあなたが出されましても、先が価格が下がるということになると、探鉱資金というものは必要がなくなる。やはり価格が安定してないところに探鉱費用を出されたところでありがたくないという結果になるだろうと思いますから、やはり鉱産物は一定の価格を維持できるような形をとるために、鉱産物の買い上げ制度をとられ、またさらに国内の資源は、昔は多くの人々の資産上の犠牲、労働の犠牲の上に開発をしてきたのでありますが、この際は積極的に探鉱奨励金等を出されておりますけれども、それをもっと安定せしめたいわゆる事業団が責任を持って探鉱を行なって、そうして着鉱したならば、これを鉱業会社にやらせるというふうに翻り切っていくべきじゃないか、着鉱いたしますならば、これは十分の一か三十分の一になるかもしれませんけれども、相当な価格で売れるのでございますから、開発をするということは国の責任であると思うのです。電源開発と同じであります。石油資源開発と同じであると思うので、もう少し大臣として勇気を、と言ったら語弊があるかもしれないが、大臣としてこのくらいのところまで踏み切ってもいいのじゃないか、ほかの人には頼むというわけにはいかないので勧めないのですが、これは佐藤通産大臣だけに、大蔵大臣もやって参りましたし、このくらいのことはなし遂げる責任があるのではないか、そう信頼してお尋ねをしておるのです。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 だんだんお話がわかって参りました。今国内の非鉄金属鉱山といいますか、これは御承知のように、やはり製練所へ持ってくるわけです。その窓口を通さないと製品にならない。従いまして、石炭の場合とはやや趣を異にしている。今までの業界自身も、山もやる、製練所もやる、同時にまた製品販売というのも、実は大体資本的なつながりがございます。そういう意味で、比較的まとまりのいい業界なんです。だから、これに対してはそれぞれの自主性といいますか、事業の育成に政府が協力することで十分じゃないだろうかというのが、いわゆる新鉱床探査費を補助金として出そうという意味であります。これは、地下資源が国内のものはいかにも不十分でございますから、大会社の場合は、最近見込みのあるものにぶち当てたというような話も聞きますけれども、それ以外の場所で、小さなところにずいぶんあるのじゃないだろうか、その探査費を政府が補助することが必要だというので、実はやったわけであります。この考え方からは、国内に事業団を作るということは、すぐにはまだ結論は出てこないと思います。しかし、国外に対していろいろ外国の山を開発する場合に、それぞれの日本国内にある山の者が出かけて行って競争することは、まずいことだと思う。そういう意味では、国外の山開発にはお互いが提携し合う、そういうことは行政指導でできるのじゃないかということを実は考えておるのです。  それからもう一つは、国内の事業団の場合には買い取れということを言われます。この買い取りという価格支持ということ、これが実は生糸のように日本が国際価格を左右するだけの力のあるものでございましたら、比較的容易でございます。また、そういうことが安定さすゆえんでもあると思います。ところが、非鉄金属の場合は、日本国内資源が非常に貧弱であって、外国のものに絶えず脅威を感じ、最近も電気銅三十八万八千円を三十八万円に下げるというように、外国の相場で国内のものをきめざるを得ない、こういう実情にある場合においては、この買い取りということがあまり意味をなさなくなる。むしろそういう場合には、外国から入ってくるものに対して関税で国内との価格の調整をはかるという行政措置をとることが、自由経済本来の建前ではないか、こういうことに実はなるのであります。なお、私どもこの問題について、この際今日までの結論を御披露いたしましたけれども、重大な社会問題にもなろうとしている現状でございますから、今までのものにとらわれるつもりは毛頭ございません。そういう意味では、先ほど来の御高説も大いに私ども蒙を開いていただいたと思います。十分その検討をいたすつもりでございますので、ただいまのところは、以上のような考え方でございます。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 川俣君、もう一問だけにお願いします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 今結論を出そうとしていますから……。大臣にもっと積極的になってもらいたいと思う点で続けたい点がございますが、時間もないことでございますから、これでやめますが、これは単にこの場限りの検討するということでなしに、真剣に一つ積極的なものとして取り上げて、すみやかだ処置を望みたいと思うのです。私もかって地方のいろいろな鉱山を回って歩きまして、鉱業の何ものかを理解しております。とにかく一時衰微した鉱山を盛り興していくということは苦労をすることでございます。わずかなる国内資源ではありますが、今日の日本の資源というものは、三菱にいたしましても古河にいたしましても、最初はみんな個人が小さな鉱山を見つけた。石田簿英君のおやじさんなどは、今の花岡鉱山の最初の発見者です。当時借金に追われて投げ出していた。それを藤田組が気の毒だというので買い上げて開発をしていったということになるわけでして、発見者というものは非常に大きな犠牲を払っておるわけです。そしてそれが国の大きな資源になっておる。しかし発見しても採掘しなければ資源にならない。その意味でもっと合理的な開発をすることが国の責任であるという建前に立って、この事業団については検討していただきたいと思います。ただここで頭を下げて、やあということで済まされないと思う。どうか年内にでも、あなたがおる間に解決していただきたい。やめてからでは問題になりません。おられる間に目鼻をつけるという約束だけは一つしてもらいたい。私の言う通りのものでなくてもよろしいですよ。そういう方向で検討して目安をつけるというだけの御答弁を得れば、時間でございますからこれでやめたい。不服であれば、まだ議論しなければならぬと思いますので一つ……。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○佐藤国務大臣 簡単に、よろしい、引き受けたと言うのは、ちょっと早計でございます。私、問題が問題だけに、真剣に考えたいと思います。先ほど申し上げましたように、外地へ出て行く場合には一緒にすることが一番望ましい。国内の問題としてはもう少し考えなければならぬ。今の感じで申しますと、いわゆる買い取り機関というものはあまり私賛成しかねる。だからそういうことを申し上げることはいかがかと思うし、今の感じだけで結論を出すことはよくないから、ほんとうにこの場限りにあらずして、よく事務当局の意見も徴し、各界の意見も徴して結論を出して参りたい、かように思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これで終わりますが、事務当局については私どもが行って説明します。事務当局というものは非常な勉強家でありますけれども惰性でよりしかやれないのです。惰性を脱却できないのです。事務当局の方、不服があったら言ってごらんなさい、例をあげるから……。そこで思い切ってこの際飛躍すべきだろうということだけ申し上げて、私の質問を終わります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤主査 本日はこの程度にとどめ、明二十四日は午前十時より開会し、通商産業省所管について質疑を行なうことし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十分散会

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