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40回国会衆議院1962/02/16

予算委員会 第14号

発言数
254
登壇者
17
会派数
2
開催日
1962/02/16

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 それでは、これより会議を開きます。  昭和三十七年度一般会計予算、昭和三十七年度特別会計予算及び昭和三十七年度政府関係機関予算を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際お諮りいたします。  昭和三十七年度総予算審査のため分科会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  なお、分科会の区分、分科員の配置及び主査の選定等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 先般、元の防衛庁長官の赤城きんと、現防衛庁長官の藤枝さんとの間に、ロッキード製造のアメリカ側の負担金の処理について、全く正反対の御答弁がございましたので、これを予算委員会の権威におきまして明らかにするつもりで、いろいろ政府の方の答弁を求めておりまするが、まだ正確な答弁に達しておりません。ところが、この過程で、同じ赤城元防衛庁長官が、衆議院の予算委員会でお答えになった一月あとに、参議院の分科会でまた全く正反対な御答弁がある。これは、赤城、藤枝の両元現長官との間の行き違いなら、いろいろ了承する点もないではございませんけれども、同じ赤城さんが同じ国会の衆参両院で答弁が食い違うとあっては、非常に残念しごくです。私は赤城さんは個人的には十分知っておりまするし、さすがは自民党の総務会長をされるほどありまして、なかなかお人柄な方ではございまするけれども、防衛庁長官として、一月の間に答弁が全く正反対になるような無責任な答弁をされましては、これは国会として見のがしてはおけない。その意味で、この問題の徹底的な究明をし、同時に、責任者である池田総理大臣に御出席を願って、その御所信を承りたいと思って、いろいろ委員長に御折衝をお願い申し上げましたが、ちょうど総理がきょうはおかぜでお帰りになったそうであります。これは、私どもは、委員長が十分誠意を尽くして御折衝下すったことは信じておりまするし、今後もまた信じております。私の発言がいたずらに予算委員会を長引かせるためのものととられましては心外しごくでございますので、この際、赤城発言の行き違いに関する問題は保留いたしまして、次の質問を続行いたしたいと思います。  そこで、藤枝新長官に御答弁をお願いしたいのでありますが、私は、藤枝新長官は、これはもう赤城さんに兄たりがたく弟たりがたく、文字通り船田中さんとは兄たりがたく弟たりがたいでもありますまいが、そういう方でございまするので、決して放言的な御答弁はなさらないと思います。落ちついて、――その場限りにどうでもごまかし答弁でのがれればよろしいといったようなことをされますと、私は東北人特有の粘りを持っておりまするので、二年後でも三年後でもやりまするから、その点十分責任のある御答弁をお願いしたいと思います。  特に委員長にお願いいたしますが、私、この前赤城さんの御答弁を願ったあとにつけ加えておいたことがあるのであります。それは、赤城さんから、「その七千五百万ドルは金で日本の方へよこす、こういうことになっております。」という御答弁があった直後に「これはどうも速記録に書いたことまでしょっちゅう変わりますから、もう変わるのは岸内閣の一つの方針らしいのですが、しょっちゅう変わるのです。」、こういうことを申し上げてある。おそらくは、池田内閣が岸さんの変わる方針まで踏襲されたのではないと思いまするので、変わらざる御答弁をお願いしたい。  そこで、昨日防衛庁から、新三菱と防衛庁とが結びましたロッキード購入の契約書をお出し願っております。これに従いますと、調達区分が四つになっておるようであります。一つはF104Jの製造機の項目であります。第二は組立機、これはノックダウンに相当するものと思います。第三は特定初度部品、第四は初度部品、こういう四つの調達区分に従ってそれぞれ単価が盛られておりますが、相違ございませんか。あとでお取り消しにならぬような御答弁を願います。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 新三菱との契約につきましては、ただいまおあげになりましたような、飛行機の製造の項と、それから、組み立ての問題、特定の初度部品並びに一般の初度部品、この四項目が中心になっておりますことは御指摘の通りでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この中に、製造機区分につきまして、一号機から一七六号機の代価と、一七七号機一機の代価とは単価において違っておる。それから、組み立ての代価も、概算見込みとは書いておりますけれども、一号機から二二号機までの価額と、二三号機一機の価額が、これまた若干違っておる。これは一体どういうわけでございますか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 製造、組み立て、両方に一機だけ価格の違ったものがございます。これは、いろいろ積算をいたしておりまして、非常に小さな端数が出ますので、その分を最後の一号機で調整をいたしておる、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 では、これは、飛行機の性能、製造方法が違うのじゃなくて、積算の仕方がないので、最後の一機にしわ寄せをした、おまけ分だ、大体こう見てよろしいですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 おまけをつけたというのではございませんで、非常に小さな端数が出ますので、それをこれで調整をいたした、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 昨日長官がお答え下さいました、飛行機が現在日本には完成したのが二機、それから、まだ完成しないのが一機、三機とお答えになっておりまするが、相違ございませんか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 昨日申し上げましたのは、あるいは私の言葉が足りなかったかも存じませんが、J一機とDJ一機、これが、解体されまして空輸されて、今新三菱で組み立て中でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あとの一機というのは全然ないのですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 これは、アメリカで組み立てて、それを解体いたしまして、現在海上輸送中で、まだ日本には入っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 海上輸送中というのは、やがて到着する見込みなんでございますか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この計画に基づきますと、三十六年度は一機としてありますが、これは三機特別早く入ってくるのですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 昨日もお答え申し上げたかと存じまするけれども、新三菱に入りまして、そこで新三菱で組み立てをいたし、そうして、みずから試験をいたしまして、完全なものを今度は防衛庁に納めるわけです。従いまして、昨日申し上げました生産計画と申しますのは、防衛庁が受け取りまする機数を申し上げた次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この三機は、Jの場合は一号機、二号機と心得てよろしいのですか、DJは一号機、これでよろしいのですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 三十六年度末に防衛庁が入手する予定のものは一号機でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 両方とも一号ですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 DJの方も一号機でございます。これは、三十七年度に入りまして入手の予定でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 同じ防衛庁の資料でございますが、これもことしいただいたもんです。契約書の前にいただいております。「F104Jの初めの三機はロッキード社で完成し、アメリカにおいて飛行試験および航空自衛隊のパイロットの訓練に使用され、分解梱包のうえ輸送され新三菱重工で画組立てされる。」、こうありますから、これはとうに向こうの方では。パイロットの養成・訓練にお使いになったんでしょうね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 アメリカで、パイロットの養成のために一つ作っているのは、別にございまして、日本で防衛庁で入手します一号機がただいま新三菱に入っている、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 初めの三機というのはどういう意味なんです。特一号、特二号、特三号ですか。今度入るのは一号だと、こう言う。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 事務当局からお答えになったらどうですか、こまかいことですから。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 長官から聞きます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 また間違ってもいけませんから、事務当局からはっきりお答え願います。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 ただいまの点、お答えいたします。  J一号機と申しましたのは、防衛庁が領収する一号機ということでございます。ロッキードの力で生産しております、順序からいきますと、三〇〇一号、三〇〇二号、三〇〇三号とございまして、今度こちらへ参りましたのが三〇〇二号でございます。三〇〇一号というのがございまして、これが向こうで飛行試験をやっておるということでございます。  DJの方は、これは、五四〇一号、五四〇二号とございまして、この間こちらへ参りましたのが五四〇一号でございます。ですから、防衛庁が領収いたします順序からいきますと、先ほど長官から申し上げましたように、今度こっちに持ってきておるのがJの一号でございます。ロッキードが作りました順序からいきますと、二号目になるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これでまた違ってくるじゃないですか。あなたの方の報告には、初めの三機と書いてありますよ。じゃあ初めの一機じゃないですか。事は小さいようですが、防衛庁のやり方が非常にずさんだから私は言うんです。初めの三機と書いてある。あなたの方の資料ですから、わからなかったらごらんなさい。ところが、あなたは、一機は向こうでやっていると言うけれども、二機目はこっちへ入ってきたと言う。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 初めの三機と申しますのは、Jの三〇〇二号と、それからDJの五四〇一号と五四〇二号、この三機ということでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきあなたは、入ったのは五四〇一号が日本へ入ってきたと言うじゃないですか。そうすると、初めの三号ならば、少なくともその数がおかしいじゃないですか。  現在アメリカで訓練に使っている飛行機は何機あるんです。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 訓練では二号でございます。Jの方の、先ほど申しました三〇〇一号と、それからDJの方の工四〇三号と五四〇四号でございます。――はっきり申し上げます。訓練をいたしておりますのが、Jの方の三〇〇三号でございます。先ほど申し上げました三〇〇一号といいますのは、向こうで評価試験を行なっておるというものでございます。先ほど申し上げましたのは間違いました。もう一度はっきり申し上げますと、Jの三〇〇一号は、向こうで完成をいたしまして、ナサールの評価試験その他を実施いたしております。それから、三〇〇二号が現在空輸で三菱に入っているものでございます。それから、三〇〇三号がパイロット訓練に使っておるものでございます。それから、DJの方は、五四〇一号と申しますのが、これが空輸で今度こちらへ持って参りました分でございます。五四〇二号が向こうでパイロット訓練に使用しております。それから、五四〇三号が、やはりパイロット訓練に使用いたしておるものでございます。五四〇四号と申しますのが、すでに完成しておりまして海上輸送中のものでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私はこれ以上は追及いたしませんが、あなた方の方の資料に基づきますと、「F104Jの初めの三機はロッキード社で完成し、アメリカにおいて飛行試験および航空自衛隊のパイロットの訓練に使用され、」と書いてある。そうしますと、私たちの常識的な判断から申しますと、三〇一と三〇二と三〇三は、少なくともこれは向こうの訓練に供されていなければならない。どっちでもかまいませんよ、かまいませんけれども、こんなことを平気ですぐこの間出してくるというずさんなやり方は、今後も気をつけていただきたい。これ以上は私は追及しませんけれども、あなた方の資料それ自体が非常にずさんなものである、どういう点を申し上げておきたい。  次には、この単価の出し方ですが、これは一番問題の中心になるから、あなた方も十分用心して御答弁していただきたいのですけれども、このあなた方の最初出された資料に基づきますと、F104DJの単価は九十八万九千八百三十九ドル、F104Jの方は単価が百十三万五千二百十九ドル、二百機平均百十二万六百八十一ドル、こう出されておりますが、さっきの新三菱の契約書を見ますと、もっと複雑な価格構成があるのですね。簡単なものじゃありません。大ざっぱに複座機が幾ら単座機が幾ら、こんなものじゃないようです。やはり、国会で資料を求めましたならば、数が膨大なんですから、せめてこの契約書に基づいたくらいのものはお出しになりませんと、あとで大へんな食い違いが生ずると思う。あなた方の出されました三菱との契約書を見ますと、製造機代価の概算見込み額は、一号機から一七六号機までは三億三千五百五十八万八千円、これは新三菱の分ですよ。一七七号機は二億三千五百六十二万三千円。組立機の代価の概算見込み額は一号機から二二号機までは千二百四十七万三千円、これは組み立ての代金でしょう。二三号機は千二百四十八万三千円、こうございますが、これが完成した場合の単価というのは、ナサールその他の必要な部品は全部組み込んでの価格でございましょうね。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 お答えいたします。全部Jの方に入っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから、初度部品並びに特定初度部品も全部入っているはずで、ただ、二〇%増さなければならないというのは、補給部分の部品だけだと理解いたしておりますが、相違ございませんか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 お答えいたします。今の数字には初度部品は入っておりません。初度部品は別な数字でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私の言うのは、最初の方の単価ですね、一機当たりの単価の中にはそういう部品は入っておりましょうねというのです。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 最初の単価には初度の部品は入っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 入っていないのですか。たとえば今度出されましたF104DJの単価九十八万九千八百三十九ドル、F104Jの単価百十三万五千二百十九ドルの中には、ナサールその他の部品は入っていないのですか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 これには初度部品は入っておりません。初度部品は別でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 初度部品と申しましたね、今何とおっしゃったのです。特定初度部品というのと初度部品とあるようですが、どっちですか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 それは両方含めまして、この百十二万その他には入っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、これでは飛べないわけですか。初度部品と補給部品とは違うのでしょう。飛行機が一機完全に飛べるようにしたナサールとかサイドワインダーとかその他必要なものは一切そろえての単価じゃないのですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 こういうふうに御理解いただいたらいいと思うのでありますが、その飛行機が搭載いたしますナサールその他の部品は、もちろんその単価の中に――今おあげになりましたJで言いますれば、百十三万ドルの中に入っておるわけでございます。そのほかに、約二割にあたる初度部品を、航空が円滑に参りますように、あらかじめ部品を購入しておくわけでございます。たとえば故障がありましたとか、そういうときに直ちに取りかえられるようなものを三割方持っておるわけでございますが、これは、一機当たりの単価には入っていない、こういうふうに御環解いただいたらいいのじゃないかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私どもは、前のこの委員会の説明では、その二割のものは補給部品という説明を受けた。これは、戦車を特車という言葉で使っている防衛庁のことですから、民間とは別な言葉づかいもございましょうけれども、私の言うのは、補給部品二割を除いて、あとは完全に飛行機が武装して飛べるような形になっての単価でございますねと聞いておる。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこで、今度のこの単価と私どもが国庫債務負担行為を組むときの単価との間に開きがある。これは、最終段階の予算委員会のしかも分科会で横路委員が精細に資料を求めまして、資料に基づいてとっております単価と今度の単価との間に開きがある。これは、はっきりさせるために申し上げますが、あの当時のお答えでは、最終的に複座機DJが百四万七千ドル、詳しく申しますと七千二十七ドルまでお答えになっております。邦貨に換算しまして三億七千六百九十二万九千七百二十円、それから、二十機はノックダウンすなわち組み立てをする機といたしまして百二十八万九千九十三ドル、邦貨に換算しまして四億六千四百七万一二千四百八十円、百六十機分は百十万八千五百三十二ドル、邦貨換算三億九千九百七万一千五百二十円、百八十機を全部平均しまして、百十二万八千五百九十五万ドル、邦貨換算四億六百二十九万四千二百円、これが最終価格としてやはり三十五年のこの委員会でしかも国庫債務負担行為を通す場合に出された防衛庁の資料なんです。今度のは違うじゃないですか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 ただいまおっしゃいました数字は、前の予算要求のときの単価でございます。その後契約を締結いたしまして、はっきりいたしました数字があとの数字でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなた方はしょっちゅうはっきりいたしますと言うけれども、この段階になってあなた方の出しておりますこの結果は概算でしょう、ほんとうははっきりした数字は出ないでしょう。出ないものを出そうと思うからあなたの部下が非常に難儀しておるのですよ。しょっちゅう変わる。変わるのがこのロッキードの価格の特徴とまで言っておる。それは、できないものならできないとはっきりおっしゃって下さい。つじつまを合わしてもしようがない。しかも、この単価は、今お答えになった通り、ナサールその他の部品を全部加えての単価でしょう。違いございませんね。どうでしょう。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 この単価は、契約面におきまして原価計算その他をいたしまして積み上げました数字、契約面におきます概算価格でございます。ナサールも、Jにつきましては入った数字でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私昨日資料をいただきまして大急ぎで採算いたしましたので、あるいは数字に若干の狂いがあるかと思いますが、大きな狂いはないと思います。それによりますと、今度のあなた方の出されました単価とその当時の単価とではこれくらいの違いがある。複座機において百四万七千二十七ドルというのが九十八万九千八百三十九ドルになっております。邦貨換算三億七千六百九十二万九千七百二十円が三億五千六百三十四万二千四十円になっておる。それから、ノックダウンは今度出ておりませんけれども、単座機の方は百十万八千五百三十二ドルが百十三万五千二百十九ドルになっておる。これは逆に高くなっておる。そうして、三億九千九百七万千五百二十円というのは、四億八百六十七万八千八百四十円になっておる。それで、総額平均というのが行十二万八千五百九十五ドル、四億六百二十九万四千二百円が四億三百四十四万五千百六十円と下がっておる。平均価格が下がっておりますとこの価格の総額が安くならなければならないのですが、これは、国庫債務負担行為の六百九十八億ですか、これはちっともくずれていないし、おそらくはアメリカ提供分の七千五百万ドルが若干安くなっておるのだと思いますが、その点はどう理解してよろしいか。単価は下がってきておるが、全部のワクがちっともくずれていない。しかも、部品その他のものは全部見ておる。一体、一つ一つの単価が下がっていって全体の額が下がらないという不合理な話がございますか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 二百機の平均の単価が下がっておるという御指摘でございますが、昨日もお答え申しましたように、DJの単価が前には百四万七千二十七ドルと申し上げたのが、契約において九十八万九千八百三十九ドル、Jの分は百十二万八千五百九十五ドルと申し上げたのが百十三万五千二百十九ドルに上がりまして、単価におきまして百十二万四百三十八ドルと三十五年に申し上げたのが、百十二万六百八十一ドルということで、約二百ドルほどは、さきに申し上げたのよりは上がっております。下がってはいないと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 百六十機分ですか、あなたのおっしゃったのは。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 いや、平均です。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この平均の出し方がおかしいのじゃないですか。ノックダウンは二十機と前にきまっておったでしょう。今度二十三機になっておりますね。どうですか、これは。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 お答えいたします。今の二十三機とおっしゃいましたのは、Jのノックダウンの中に完成機が三機入っているわけです。その三機とDJの二十機と合わせたものが契約書に二十三機として出ておるわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 三機の方はノックダウンじゃないというんですね。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 厳密に言いますると、ノックダウンの、非常に完成機に近いところ、完成機というところになっておるわけでございます。ですから、広い意味のノックダウンには入ると思いますけれども、一応向こうで完成をして、分解してくるという形のものでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 契約書の中では、二十三機は組立機に入っていますね。組立機はノックダウンのことなんでしょう。では、このノックダウンをまた二つに分けますか、二十機と三機と。そういうふうな要因の違ったものをたくさん寄せ集めて平均してしまうから混乱が生じてしまう。そうじゃないですか、長官。平均のとり方が無理じゃないのですか。要因が違ったものをたくさん集めておいて、そして平均を出してきますから、数字が大へん違ってくる。高くなったか安くなったかわからなくなってしまう。どうなんです、これは。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 お話のように、このノックダウンの方式によりましても、いろいろ程度の差があったりしまして、もちろんその一つ一つが多少違うわけです。それを加重平均をいたしまして、そうして割り出して結局平均を出したものでございます。初めからその平均を出したわけではないのでございまして、もちろん、平均幾らかということがいつも問題になりますので、平均を出しておりますが、一つ一つには積算の根拠は持っておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ一つ念のために伺いますが、今度のF104Jのノックダウンの額と、F104DJのノックダウン機があるならば、その積算、まあ基礎までは聞きませんが、トータルを教えて下さい。これは報告にないのです。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 数字を申し上げますと、今のJの三機の単価をドルで申し上げますと、百五十万四千二百六ドルという数字がございます。それから、Jの十七機の方が百三十五万八千六百四十八ドル、この両方を数字で加重平均いたしまして数字を出しますと、先ほどの百三十八万四百八十一ドル、これが出るわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それじゃ、これは防衛庁長官にお聞きいたしますが、あなたのおっしゃるのは、複座機の方は安くなった、DJは安くなった、それから、Jの方は高くなったのだとおっしゃる。これは、複座機は二十機ですね。それから単座機の方は百八十機。そうしますと、安くなった高くなったの違いはありましても、高くなった場合でもやはり同じようなことが起こるのじゃないですか。予算規模がふくれ上がるのじゃないですか。七千五百万ドルと、六百九十八億の国庫債務負担行為は、高くなった単価においてどう処理されましたか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 先ほど申しましたように、DJの方が少し安くなりまして、Jの方が高くなって、平均におきまして、先般三十五年のときに、契約以前でございますが、見積もりを申し上げたときの価格よりも約二百ドルほど高くなっておりますが、この現在申し上げておる数字で契約をいたしまして、あの数字が出ておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その数字が出ていることは見ていますけれども、単価の安いときの予算の総額と高くなったときの総額が、一文狂わず出ているという形が不思議なんです。これはあんたの方の契約書を見ますときちっと出ておりますよ。高くなっても安くなっても間に合う予算ならば、これは、初めからどんぶりがきまっておって、その中のものを勝手に使ってもいいという防衛庁本来のやり方でないですか。高くなったら予算が増すように、安くなったら少なくなってくるのが当然の形なんですがね。それをしさいらしく数字を合わせていることが、なおさら変なんだ。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 お答えいたします。初度部品その他の点で違いが出ておると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 初めから補給品は二〇%ときまっているのでしょう。物価が上がっている場合です。高くなっている。それを、飛行機は高くなったが部品は安くなった、そういうおざなりの答弁はもうおやめなさい。これは、概数なら概数として、全体このワクで押えまして、その中で調和いたしましたなら、それでかまわない。しさいらしく、どんぶり勘定を一々経理に載せるところになおさらおかしいことがある。私はいずれ分科会で項目を一々調べます。ですから、その点は触れませんけれども、どうも、単価が安くなり高くなっても総ワクがちっとも動かぬという、この形の中に私はどうしても納得がいかないものを感ずるのですが、その点はどうですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 日本側の分担の六百九十八億円、アメリカ側の分担の二百七十億円でございますが、その中には、先ほど申しましたように約二割の初度部品を含んでおるわけでございます。従いまして、三十五年に申し上げました平均の単価より約二百ドルほど上がっておりますので、その分は初度部品に食い込んでおるということになろうかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、私たちの理解しております補給部品費は若干減ったというふうに理解してかまわないのですか。二割という線はそれじゃ下ったのですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 完全に二〇%でなくて、一九%幾らに減っておると心得ております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いわば、補給部品というのは実際必要な部品じゃなくて、予算の弾力の地帯として、不足のときはこれを取る、多いときは増す。それじゃ予備費みたいなものじゃないですか。必要な部品ならば予算要求しても増したらいいじゃないですか。安くなったらそれにしたらいいじゃないですか。あなた方いろいろ弁解されますけれども、私はまたあとで質問しますけれども、歴年の会計検査院の防衛庁費に対する検査報告を見てごらんなさい。現にことしもやられているでしょう。要らぬものをたくさん買っておいてと、盛んに指摘されている。今度買うロッキード、国民が非常な疑惑を持っておりますロッキードの予算の、しかも補給品の部分にまでこうしたエア・ポケットみたいなものを作っておいて、取ったり払ったりするようなずさんな予算ではとうてい満足できない。二〇%の部品が要るというなら、はっきり二〇%取ったらいいじゃないですか。予算が不足すればそれから持ってくるということであれば予備費でけっこう。もう少し正確にしていただきたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 予算でお願いいたしております全体の日本側の負担六百九十八億、これにつきまして、また、契約書でごらんの通りに、この契約も最高限をきめました概算契約で、後年度に精算をするというようなことでございます。そういうことでありますので、われわれは初度部品につきましても、二〇%はぜひ必要だということでございます。決して、それは、予備費的な意味ではございませんで、飛行機の円滑なる運航をいたします場合にはこの程度の部品を必要といたしておるわけでございますが、先ほど申しましたように、現実の契約につきまして多少の違いがございました。それは、一部初度部品に食い込んでおるということでございます。決してその初度部品を、予備費的な弾力的な費用に使っておるわけではございません。将来もしどうしてもそれでは足りないというような場合には、あらためて予算その他の御審議をお願いするような場合も出てくるかと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大蔵大臣、今のような答弁で大蔵省はよろしいのですか。二〇%の部品を買うからといった予算から、買っていないから引き去って、値上がり分を充当するといったような予算経理の方法を、大蔵大臣、のみますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今防衛庁長官が答弁されましたように、最高限度額でございますので、これがしまいにいくまでには、今は高くなっておるようでございますが、これはやはり値下げをしていくというような方向で、限度価格内におさめるというような方法をとりたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大臣、どうも答弁がおかしくないですか。はっきり言って下さい。そういうふうに部品費としてとった予算の中から飛行機の値上がり分を差し引いていいのか悪いのか、あとの各官庁も注目して見ていますからね。こんな経理が許されますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはいいことではないと思いますが、しかし、今言いましたように、総体的においてこの範囲内におさめるということを考えておりますので、一時的にそういうことが起こってもやむを得ないことかと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 今言った通り、会計検査院がしばしば防衛庁の予算のことを言っております。実際は大蔵大臣も防衛庁の予算には困っていらっしゃるのでしょう。あなたの顔を見るとわかる。これは同僚の前で困ったとは言えないでしょうけれども……。最初の、どうも思わしくない、おもしろくないということ、まあそれで満足しておきますけれども、まだまだ出てくるのです。少なくとも、今の防衛庁長官の答えで、補給品としてとっておった費用の中から、航空機の値上がり分は払うんだ、この点だけは私確認しておきます。  その次に、あなたの方の単価によりますと、総額はちょうどいい工合に合うのですがね。ちょうど予算全額に合うのです。それは幾らかと申しますと、あなたの方の資料に基づいてやった集計によってみますと、八百六億八千九百三万二千円ですか。六百九十八億六千万円の日本の国庫債務負担行為と二百七十億円のアメリカの分担金を加えますと九百六十八億六百万円になりますね。この八百六億に二割かけますと大体この予算に合うのです。それはいいけれども、あなた方の出してきましたこの契約書を見ますと、国庫債務負担行為の方はきれいに出てきている。初度部品なども全部出てきている。アメリカの分担金の内訳は一つも出ていない。これは契約者は新三菱でしょう。川崎なども、従契約と言っておりましたが、この契約書で見れば、はっきり下請と書いてありますね。あのときは、ロッキード、グラマンのけんかで、川崎が不満を言えば困るから、従請負だ、これは主請負と同じにするんだと言っておりましたが、この契約書では、はっきり下請となっていますよ。だから、あくまでも最後の決済は新三菱が相手だろうと私は思う。そのとき一体アメリカの分担金の七千五百万ドルは新三菱の手によって整理するのか。今大蔵大臣言った通り、完成した暁にこれを精算すると言っている。その段階になって、防衛庁かあるいは外務省がみずからアメリカ政府あるいはロッキード社と交渉に当たられるのか、新三菱にやらせるのか、どっちです。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 アメリカの負担七千五百万ドルにつきましては、日本政府の契約業者である新三菱と米国の納入業者のロッキードとの購入契約がありまして、それが日本側に移りましたことを検収いたしまして、そうしてロッキード社にアメリカ政府から支払われるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そんなことはだいぶ手をやいているからはっきり答えていますが、私の言うのはそうじゃないのです。この新三菱との契約書では、七千五百万ドルの内容については一点触れるところがない。触れていないでしょう。そうすると、七千五百万ドルは海外にある大きなどんぶりとして残っている。この明細な内容は一体防衛庁でわかるのか、外務省でわかるのか、大蔵省でわかるのか、それとも、ガリオア・エロアと同じように、内容はわからないままに、はい、ちょうだいいたしましたという気になっているのか、どっちでございますかと私は言っている。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 先ほど申しましたように、日本政府側が検収いたしまして、そして、それが米国政府に通知されまして、米国政府からロッキード社に支払われるわけでございますから、日本政府といたしましてはチェックができるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 検収するというのは、どの段階で検収されますか。アメリカのロッキード社に行って検収しますか。それとも、新三菱とロッキード社が合同生産をやって、でき上がった飛行機を検収するというたところで、部品はわからぬじゃないですか。ついこの間も五十センチ上からつるした飛行機が落ちてくぼんだやつが直るか直らぬかまだはっきりしないのでしょう。それを、七千五百万ドルというものについて、部品がどこにどう使われているか、一々でき上がってから検収できますか。――これは長官、お答えできないんですね。実際防衛庁は絶えず長官がかわりますので、防衛庁の幕僚あるいはその他の係の方々が防衛庁長官をロボットみたいにして、専門的なものだから手をつけさせない傾向がある。これはよくないです。従って、防衛庁長官は、一年やってできないなら、二年、三年保証をつけてもらって、はっきりわかるまでやらなければ困りますよ。これはできるだけ長官に答えてもらいたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 私の方の駐在官が向こうに行っておりまして、それで、ロッキード社から三菱に渡りましたものについて検収をいたし、それをチェックいたしておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛庁でその七千五百万ドルの内容はわかっているというのですね。何々で七千五百万ドルかという明細書は出るわけですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 そういうチェックをいたしますから、わかるわけでございますが、きのうもおしかりを受けましたけれども、何分、防衛庁の予算を通ずるわけでございませんで、米国の予算でございますので、これは私どもとしては、申し上げることを差し控えたいと存ずるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 七千五百万ドルというのは役務及び何か部品で日本が提供を受けたものなんでしょう。あなた、もらったものまで遠慮されるのですか。七千五百万ドルだと金額をもって援助するならば、七千五百万ドルだけあるかないか調べるぐらいの土性骨を持ちなさいよ。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 先ほどから申し上げましたように、検収をいたすわけでございますから、どういうものが七千五百万ドルの分によって引き当てられたということは、こちらではチェックできるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 七千五百万ドルで何と何を買って与えられたのですか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 七千五百万ドルで買いますのは、複座機、それからノックダウン機の材料でございます。それから、あと、国難機の材料その他エンジンがございます。それから、技術指導関係の経費、そういう経費と、それから、初度部品もございますが、そういうものを七千五百万ドルからもらうことになっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは、アメリカに行っておる防衛庁の方も、まさか出先の方で勝手にやっているわけではないでしょうから、これは本庁が十分押えていると思う。明細書は出るでしょうね。どうですか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 明細はございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 なぜそれがあったらこの契約書と一緒に出さないのですか。新三菱がロッキード社と一緒にやるならば、同時に出してしかるべきではないですか。単価において八百億円、あなた方の出した契約書は六百九十八億六百万円です。黙っていれば、この七千五百万ドル、二百七十億はどんなふうに使われたか全然わからなくなってしまう。すみやかに明細書を出していただきたい。あるならば帳簿でもよろしい。今出して下さい。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 一応それではお出しいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから、外務大臣にお願いいたしますが、この契約書に基づきますと、F104J及びF104DJ航空機の生産に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の取りきめがある。この取りきめの内容を御説明願いたい。これは大臣に説明してもらいますよ。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これは防衛庁が発表をいたしております。そこで、これを申し上げますが、「本年四月十五日次期戦闘機F-一〇四J及びF-一〇四DJの共同生産に関する書簡の交換が藤山外務大臣とマッカーサー在日米国大使との間に行なわれたが、引続き本件共同生産計画の実施に関する細目取極について交渉継続中のところ、両国政府間の合意が成立したので、本日防衛庁で日本側外務・通産・防衛の三事務次官、米側在日米国軍事援助顧問団長ロジャース空軍少将により取極の署名が行なわれた。同取極は、先般の交換公文により了解された事項について日米両国政府がなすべき責務をそれぞれ規定し、F-一〇四J及びF-一〇四DJの出産計画及び仕様書その他の技術的事項に関すること等について日米間において合意された事項を定めたものであり、これによりF-一〇四J及びF-一〇四DJ共同生産計画を実施する運びとなった。」ということであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それだけですか、大臣。共同生産についての詳細な取りきめはなされなかったのですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 こういう発表を申し上げておる内容でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それ以外にはないのですね。七千五百万ドルの内容については、日米両国間の取りきめには何ら拘束されるものはないのですね。これはいかがです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 私の承知しておるのは、そういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、防衛庁長官にもう一点聞きますが、ロッキード社との間のロイアリティは幾らにきまりましたか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 お答えいたします。ロイアリティは、一号機から百号機までは一機につきまして三万二千五百ドル、百一号機から百八十号機までが三万ドルでございます。それから、部品に対して五%幾らでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 三万二千五百ドルですね。これはまたあとで分科会でやりますが、実は、前に塚本装備局長のときに、ロイアリティは出せないと拒んできたのです。では、あの当時の報告は間違いだったと言っていいですね。ロイアリティは国際間のいろいろな関係があるので出すべきものではないということを執拗に言われましたが、これもやはり前内閣の赤城防衛庁長官時代のミスと理解してよろしいかどうか。

久保忠雄防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 一応現在は、先ほど私が申し上げた通りにやっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛庁長官、御承知でございましょうけれども、グラマン機とロッキード機が機種選定について非常に争っておったときに、しかも大勢がグラマン機に決定しそうになった場合に、その当時の国防会議の事務局長の広岡さんが、ロッキード社の値段は非常に安いけれども、この会社は各国でこういう手口を用いて、それぞれの国が大迷惑をしている会社でございます、おそらく注文をとるときは安くとるだろうけれども、売りつける段になったら値段が値上がりしますよということをはっきり答えておるのですよ。その点が、ロッキード社の価格の推移を見ますと、明らかに今思い起こされる。私はグラマン派で毛ないしロッキード派でもございませんが、国費の乱費を防ぐためには、こういうふうな性格を持ったロッキードの、しかもアメリカ政府から受け取る七千五百万ドルの使用内容だけははっきりとお押え願いませんと、これはアメリカにおいてはとんでもない大どんぶりになりますから、その点だけは私ははっきり御注意申し上げておきます。  そこで、承りますけれども、一体今度参りました飛行機の離着陸の場合に要する滑走路の長さは何メートルですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 滑走路につきましては、しばしば前の防衛当局からもお答えいたしましたように、二千四百メートルで十分でございます。しかしながら、人命並びに機体の安全を考えますならば、事情が許せば、さらに一二百メートルほど延長した力がよりベターだということはお答えをいたしておるかと思いますが、現在でもさようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 滑走路はゴムじゃないのですが、相当延びましたね。二千メートルでいいと言ったのじゃないですか。いつ三百メートル延びたのです。二千メートルで十分飛べると言っている。

海原治防衛庁参事官(防衛局長)

○海原政府委員 お答え申し上げます。  ただいま大臣から申し上げましたように、F104のための滑走路の距離といたしましては、二千四百メートルで間に合うということでございますけれども、いろいろな条件がほかにこれを許すならば、さらに三百メートル程度延ばしまして、二千七百メートル程度の滑走路にいたしますことが、何ものにもかえがたい人命の尊重と、高価な機体の保護のためには必要であるということは、昨年の国会におきまして、内閣委員会において私からたびたびお答えいたしております。と申しますのは、現在アメリカに訓練に行っております学生の体験を聞きましても、各国から来ております学生が着陸いたします場合に、着陸時のスピードを落としますために、パラシュートのようなものを引っぱるわけでございます。これが、日本の学生は非常に技量がよろしゅうございまして、六人が六人毎回常に開いておりますが、よその国から来ておりますものは、六割程度開かない場合がある。そういうふうに、いろいろと予期しない事故の原因となるような事態が起こりますので、そういうものに備えますためには、さらに一段と慎重であることが望ましい、こういうふうに私どもは考えまして、先ほど大臣からお答えいたしましたように、ほかの条件が許すならば、さらに三百メートル程度延長したい、このように考えておる次第でございます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 淡谷君、あなたの持ち時間はあと約五分でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 だいぶ答弁が詰まっておりますから、少し延ばして下さい。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 いや、そういうわけには参りません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 五分かっきりしかできませんか。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 その点は、十分に委員長として善処しますけれども、延ばすという約束はできません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 はい、わかりました。それじゃ、そのことはまた分科会でやりますが、これは前にはそうじゃなかったですね。私は人命に関することですから、別に無理やり詰めろとは申しませんけれども、一体二千四百メートルの滑走路を持つ飛行基地が日本に何個所あります。

海原治防衛庁参事官(防衛局長)

○海原政府委員 航空自衛隊の使用いたします飛行場におきましては、千歳と小牧が二千七百メートルです。それから二千四百メートル以上ございますのは、松島、浜松、小松、新田原、以上四カ所が二千四百メートル以上ございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この飛行機が完成した暁には、そういう基地をもっとふやすつもりですか、このままで間に合わせますか。

海原治防衛庁参事官(防衛局長)

○海原政府委員 昨年七月十八日に決定いたしました二次計画におきましては、F104のための飛行場といたしまして、北部地区に一基地、中部地区に二基地、西部地区に一基地、これで七飛行隊を収容する予定でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうもいろいろお話はございますけれども、滑走路をもっと長く持った航空基地を、もっと今御指摘の各華地以外に作りますかというのです。具体的に何個所できるのです。

海原治防衛庁参事官(防衛局長)

○海原政府委員 現在自衛隊が使用しており、また建設を考えております飛行場以外には、新たなものは考えておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 なお詳しいことは分科会に譲りますけれども、結局この新しいロッキードの最後の精算はいつされますか。概算々々として追ってきておりますが、この契約書に基づきますと、一機納入するたびごとに代金を払うとしてある。ただし前渡し金が払われておる。従って二百機の全部が完成したときに精算をするかどうか、この点をはっきりしておきたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 大体三十九年の初めごろを目途といたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大蔵大臣に、最後にお聞きしたいのは、防衛庁の予算のあり方であります。おそらく防衛庁の予算ほど繰越明許の多い費目はないであろうと思います。藤枝防衛庁長官も大へん練達清廉な方でありますから、すでにお気づきだろうと思いますが、ちょっと繰ってみてもわかるのです。まず器材費、通信機器購入費、編成装備品費、教育訓練費、装備品等維持費、航空機修理費、車両修理費、武器修理費、艦船修理費、弾薬費、運搬費、警戒管制組織設計事務委託費、試作品費、研究用機械器具費――航空機とか航空機の施設くらいまでは考えてもいいでしょうけれども、教育訓練費さえ繰越明許をとらなければできないくらい、そんなずさんな計画をやっておるのですか。どこの官庁にそんなことがありますか。しかも、これを毎年いろいろやっておるのにさっぱり直されていない。一体どういうわけです。

石野信一大蔵事務官(主計局長)

○石野政府委員 繰越明許費の項目が多いのじゃないかというお尋ねでございますが、これは、内容が外国から品物を買いますとか、あるいはただいまのたとえば訓練費等につきましても、教材を買うとかいうような関係がございまして、性質上繰越明許費にはなっております。ただ明許費としては、その費目は全部繰越明許になりますが、実際の繰り越しは少なくなっておりまして、三十五年度は確か三十二億程度で、繰越明許費の費目の金額の合計をいたしますと、八百七十億になりますけれども、そういう意味では、繰り越しそのものは少ないわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 費目のとり方をもう少しお考え願いたい。  会計検査院来ておりますか。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 会計検査院、来ております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ちょっとお尋ねいたしたい。これは大蔵大臣にも聞いていただきたいのですが、ことしの決算報告書を見ますると、どこか大学の構内に井戸を一つ自衛隊が掘ったということで、会計検査院がこれを指摘されておる。つまり大学の井戸を使えばいいのに、自衛隊が独自の要らざる井戸を掘ったという指摘がされております。これは、しかしごく小さいのです。今、自衛隊は民間航空基地を一緒に使っておる例が相当出てきました。この場合に、航空機の施設費などは一体どっちで分担するのが正しいのか。これは会計検査院、一つお答え願いたい。井戸一本ではないんですよ。  ついでに申し上げますが、新島のあの埠頭の問題です。当然に離島振興か何かでやらなければならない埠頭を、基地を作るための方便として自衛隊が金を払っている。こういう事態が会計検査院法からいって許されるかどうか、あなたにお聞きしたい。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 お答えいたします。  検査報告の指摘事項が小さな問題だという御指摘がありました。これはお考えのいかんによってどうとも考えられる問題で、われわれとしては、不必要な経費であろうと考えた次第であります。  なお、民間航空基地を自衛隊が使っている問題は、ただいま直接検査の担当から聞いておりませんので、何ともお答えいたしかねます。  また、新島基地の問題は、離島振興費でやるべきではないかという御意見、これもちょっとここで即座に申し上げかねるのでありまして、それが費目が適切であるかどうかは、これは三十六年度の問題でありますから、これから検討いたしまして、三十六年度の決算において検討をいたしたい、かように考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 会計検査院の方にもっと正直に言ってもらいたいのですがね。防衛庁の予算に対するいろいろな疑惑とまで申しませんけれども、不合理な点は、国民がたいてい承知をしておるのです。大きいものには案外検査院は手をつけておらないですね。大きいものだって、かじれないわけはないですよ。大きいものをかじった例は、軍艦をかじった山本権兵衛のシーメンス事件以来枚挙にいとまがないです。元気を出してやはり防衛庁の大きな予算にも、国民の疑惑を解く上にも、一つあなたの勇気がほしい。やろうとしたことはありますか、一体。あんなに騒いだグラマンの問題、ロッキードの問題、今指摘しました通り、今度のロッキード購入に対してはさまざまな、価格の点や数量の点、特にノックダウンの数とそれから製造機の数、これのやりとりで単価が違いますから大へん違ってくるのです。こういうものを一ぺん国民の疑惑を解く意味において、会計検査院、明確に手を入れてみるような御意思はございませんか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 お答えいたします。  防衛庁の経費は、国の会計の上に占める比率が非常に多いことは、当然御承知の通りであります。従いまして、会計検査院といたしましても、防衛庁経費の検査には相当力を注いでおるつもりであります。その内容の複雑、また絶えず新規なものが出てくるという点につきまして、十分な努力は払うつもりでおり、従来も払ってきましたし、また将来も払うつもりであります。  なおただいまお話のありましたロッキードの問題などは、もちろんこれから三十六、七年度、あるいは八、九年度、この将来にわたっての検査の上で、相当十分な検討をしなければならないと思っております。従来も、船の問題にしましても、飛行機の問題にしましても、できるだけの努力を払って価格の検討その他をして参りまして、不当と認めた事項は、検査報告に掲げた次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 御配慮によりまして、だいぶ時間が超過したのを感謝します。  そこで最後に結びとして申し上げますが、防衛庁長官に念を押したいのは、ロッキードに関してはこれ以上予算の追加要求はないのでしょうね。あと二年……。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 現段階においては、これで十分やっていけるものと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう一点、基地の数もふやさぬということを今昔われましたが、これ以上ロッキードを飛ばすために、特にそのために荒地をふやすこともないでしょうね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 先ほど防衛局長からお答えした通りでございまして、現在計画をいたしておりますもの以外に、新しくやろうという考え方はございません。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 淡谷君、時間がかなり超過しておりますから、簡潔に願います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大蔵大臣、いろいろな大臣の見込みによりますと、防衛費は、第二次防衛整備計画が完成するまでに、大体三千億と見込んでおるそうであります。これは企画庁長官がおいでになると、その見込みを聞くのですけれども、まず大蔵省としても、大体この防衛費は三千億円どまりでとめようというお考えかどうか、要求があればもっとふやすつもりかどうか、念のために伺っておきます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 御承知の通り、第二次防衛計画を作るときには、やはり国の財政との関係を考慮して、そのワクからもこの計画を相当制限しておるというような事情にございますので、大体今予定しておりますように、五カ年間の計画の総額は一兆一千五百億円ないし一兆一千八百億円、この間において第二次計画を実行しようというふうに考えておりますので、新規にふえるものはその中で、三千億までは今のところいかない予定でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 じゃ、以上のお約束をはっきり覚えておいて、私の質問を終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 それでは続いて山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は主として交通、運輸関係につきまして、それぞれ関係大臣に御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、陸運関係について御質問を申し上げたいと思います。政府は昨年新しい輸送力増強五カ年計画を発表されて、実行に移されておるわけでありますが、その五カ年計画の基本は、いわゆる所得倍増計画に合わしての輸送力増強五カ年計画、こういう説明をたびたび受けて参りました。ところがこの所得倍増計画は、この国会当初から政府の施政演説あるいは本予算委員会における質疑応答等におきましても、これはそのようないわゆる国民所得倍増計画という政策によりまして、各所に非常に大きな断層をもたらして参りました。それにつきましては私はことさらにここで追及しようとは思いませんが、とにかく輸送力増強五カ年計画の基本にのっとって、新たに国鉄の新幹線の建設等が進められておるわけでありますが、この新線建設は政府はしばしば予定計画年度内にこれを完成するということを言明されておるのでありますが、私の見るところでは、いまだに土地の問題等も全面的な解決を見ていないような状況にもあると聞いておるのでありますが、この進行状況につきまして一応御説明をお願いしたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 東海道新幹線の進渉状況は、おおむね所期の計画通り進行をいたしております。土地の取得、敷地の買収につきましては、全体の約八〇%を完了いたしました。また工事につきましては、約六〇%の区域にわたりまして、今工事の進行中でございます。三十八年度末までには完成可能であるという見通しでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの御説明によりますと、約八〇%の土地の収用は終わっておると言われまするが、私は、今までの土地の収用はきわめて容易にできたかと思いますが、そのあと二〇%残っておる土地の収用こそ、一番困難なところにきておると思うのであります。過般の土地収用法の改正などによりまして、土地の収用手段というものを簡略化することになっておるのでありますが、現在ではその新しい法律に基づいて、名神国道の大津におけるインタチェンジの土地収用を、初めての新法を適用して収用するということが報道せられておるのでありますが、もしそういうことになりますと、これはきわめて短期間に収用はできるわけでありますけれども、その土地所有者との間における話し合いの場というものはきわめて縮められてくることになる。それはこの新幹線を建設するにあたっても、私は工事の進行に非常な支障を来たすばかりではなく、政府は得たり賢しとして、その法律をたてにとって土地の収用を強行するということになれば、これは収用される者が、国家権力のために非常な被害をこうむるということにもなるのでありますが、一面考えると、俗にいわれておるごね得ということもあるのでありまして、その間における調和というものはきわめて困難な状態になると思いますが、その残っておる土地の収用についてどういうお考えであるか、運輸省並びに建設省の御意見を伺いたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 土地の取得には間々非常に困難を来たす場合がございます。残っておる二〇%の区域は、全部が全部というわけではございませんが、その中には相当困難なものもあろうかと存じておりますが、しかしながら、できるだけ土地所有者、関係者との話し合いによって解決をいたしたいと思います。しかし、あの新しい土地収用法もできたことでもあり――しかし、そうだからといって、むやみにそれを振り上げてというわけではございませんが、もっぱら社会の良識、通念に従いまして、一般の方々から、なるほどと思われるような収用方法をいたして参りたい、さように指導監督をいたして参る所存でございます。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 実施機関でございます国鉄の方で、昨年成立いたしました特別措置法の適用を申請をして参ります場合がありますれば、われわれの方としましては、新幹線の重要性にかんがみまして、審議会の議に付して、特別措置法を適用する重要事業に取り上げたいという気持はありますが、現在のところ、国鉄の方では、そういったような手続をとらなくても進行のできる見込みでやっておられるようでありますから、今後の推移を見たいと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 この土地収用に関しては、特別の措置法もできておりますが、私は特に社会通念といいますか、それを逸脱しないように、またそれをたてにとったいわゆる強権の発動は極力これを避けて、合理的な解決をせられるように要望しておきたいと思います。  次に、新幹線は予定通り実行されるといたしまして、現在一番問題になりますのは、ローカル線の電化並びにディーゼル化についてであります。これにつきまして本年度の計画は、この輸送力五カ年計画とあわせましてどのように計画されておりますか、お伺いしたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 ローカル線の電化及び複線化も、計画の級に沿うて今進行をいたしております。詳細な数字が御入用でございましたら、後刻申し上げたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その計画につきましては、あとで分科会もあることでありますから、資料にして提出願いたいと思います。  次に、私は、鉄道建設等に関する投資のあり方についてお伺いをいたしたいと思うのであります。  年々すし詰めの輸送機関を走らせておるのでありますが、これの緩和策につきましては、いろいろ手を加えましても、実質的にはこの設備投資資金の不足等によって、きわめて困難な事情にあります。かてて加えて、政府は、金融引き締めを実行いたしましてから、私鉄等におきましても、工事費の削減、繰り延べを強く要請しておるようでありますが、こういうことでは、幾ら計画はりっぱなものを立てましても、これを実行するふとは不可能であります。大蔵省は、一体この設備投資に対する金融の考え方は、どういう考え方を持っておられるか。また、設備投資をただ単なる借入金のみに依存しておるような、状態では、健全な経営とは言えないのでありまして、適切なるやはり自己資本の増加ということを考えなければならぬと思うのであります。これは、ひいては運賃のあり方にも関連をして参るのでありますが、これにつきまして大蔵省はどういう考えでおいでになるか、運輸省はこの設備投資の資本のあり方についてどういう考えをお持ちになっているか、この二つについてお伺いいたします。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 国鉄の建設計画につきましては、国鉄側とも十分協議しまして、必要な計画を特に抑えるということは、交通事情の今日から見てしないことにいたしまして、計画通りの実施をさせる。そのために必要な財政投融資は、特に今回は、鉄道に対しては相当大幅な考慮をしておるのが現状でございます。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 国鉄の設備投資に限定をしてお答えを申し上げますが、ただいま大蔵大臣のお答えがありましたように、国鉄の輸送力増強五カ年計画に基づきまする設備投資は、おおむねその線に沿いまして、今日金融引き締め等の政策がありますにもかかわらず、これらの投資は確保されておるわけでございます。ただ輸送力増強の五カ年計画が日本の経済の伸長の速度にはたしてマッチしているかどうかという点は、御承知のように、経済の伸長がときに非常に早くなりまするので、従って若干その中において改訂を要することがあろうかとも考えております。同時に、国鉄自身の投資のほかに、民間投資も導入をして、そして国鉄のやるべき仕事をやって適当だと思えるようなものもございまするので、そういう面につきましては、国鉄が国鉄自身の資本を投資し、他の資本を導入をしてやっていくという方法もただいま考えておるわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 国鉄を中心に御答弁がありましたが、この輸送力の増強は、国鉄だけをもって解決すべきものではなくて、いわゆる地下鉄、あるいは私鉄等にも、それぞれ五カ年計画あるいはその後の計画を提出させて、これが実行のための指導を運輸省はしておられるのであります。ところが昨年の末には、国鉄においてもやはり金融引き締めによる経費の削減額を私どもに発表されましたし、私鉄等におきましても、その金融引き締めのための工事壁の削減、延長等を強く要請されておるというのでありますが、これは事実でありますか、どうか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 金融の引き締めのために、特に国鉄の予定工事をおくらせるとか、あるいは私鉄の当然やろうとしている計画を抑えたということは、これはございません。ただ私鉄等におきましては、金融の関係、あるいは今日の私鉄の財政状況等によりまして、やりたいことをやるのになかなか金融がつけにくい、またやりにくいという状態は、これは現存いたしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 この交通機関の輸送力の増強のためには、もっと投資を強化すべきであるし、私鉄等においての株式資本の適正化のためにも、私はもっと力を入れるべきだと思うのであります。事業内容等はどんどんふえていくにもかかわらず、資本は少しもふやしていかないような会社もあるわけであります。そのようにして高い資金を算入して建設をしておいて、そして会社が利益が上がらないから運賃値上げをせよというようなやり方は、これは厳に慎ますべきである。そして適正な資本、適正な借入金による工事を進めて、輸送力の増強に当たるならば、政府ももう少しこれらの融資についても低金利融資を考えるべきではないかと思いますので、この点については特にお考えおき願いたいと思うのであります。  次に、都市交通の抜本策についてお伺いいたしますが、今日の都市交通の麻痺状態にあることは、これはもうだれもが認めるところであろうと思うのであります。しかるに、今日政府においては、なるほど東京都においても、大阪においても、その他の主要都市においても、地下鉄の増強策等はとっておられるようでありまするけれども、しかし今日の交通状態を緩和するにはよほどほど遠いものがあります。もう少し、この地下鉄の増強等については、その速度を早めるべきではないか、このように私は考えるわけでありますが、政府の考え方をただしたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 全く同意見でございまして、主要都市、ことに東京、大阪等の通勤輸送は非常に混雑をきわめております。一般の路面交通を緩和するという意味から考えましても、地下鉄あるいは高架鉄道の促進をはかって参らなければならぬと考えております。地方鉄道が都心に乗り入れるということ、あるいは地方鉄道と国鉄または地下鉄との相互乗り入れを考えるというようなためにも、相当の資本を必要といたすわけでございますが、地下鉄につきましては、今年度から利子を補給するという意味合いで、一億八千万ほどの補助を出すことにいたしまして、今までの地下鉄の新設をさらに促進をいたしたい、かように考えております。  資金の面におきましては、地下鉄におきましては、できるだけ低利の資金をあっせんするようにいたしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 地下鉄の強化によりまする交通緩和の策は進められるとして、今日のような道路状態においては、今やかましく言われて問題となっておりますのは、路面電車の問題であります。これを廃止するというようなことは、一朝にしてなかなかできるものではございません。しかし、だからといって、今日のような自動車の交通の輻湊する状態において、これを野放しにしておくということは、非常に交通事故を増加する原因にもなり、危険千万なことである。従ってこれに見合うような措置をとっておく必要があり、今からその措置のためのいろいろの従業員の養成その他の指導を行なわなければならぬと思うのであります。  そこで私はお尋ねをいたしますが、この代替機関であるトロリー・バス等の対策について、どういうお考えを持っておられるかお尋ねをいたします。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 路面電車は、将来といたしましては、できるだけ路面電車をはずして、そして地下鉄あるいは高架等に変えていかざるを得ない、かように考えております。今日の地下鉄の建設を促進いたしておるのもその趣旨でございます。しかしながら、これはなかなか急には参りませんが、その方針でできるだけ早くいたして参りたい、こう考えております。  路面電車をトロリー・バスに変えるということは、これはある程度の交通の緩和になるかもわかりませんが、しかしながら、トロリー・バスもやはり路面を相当使用いたし、しかも輸送力はそう大きくはございません。従って、今日路面電車をトロリー・バスに変えていくといろ方針を促進する考え方は、私は持っておりません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 建設大臣にお伺いしますが、今日のような自動車の輻湊しておる時代において、都市における信号による交通操作というものは、これはもうすでに時代おくれだ、今日のような自動車の輻湊しているときに、一分一秒といえども停止する区間があってはならぬ。これが自動車の輻湊している大きな原因だと私は思う。そこで道路を建設する場合においては、ただいま火京都においてもオリンピック道路など、道路の建設が非常に進んでおるわけでありますけれども、しかし五年先、十年先というのではなくて、今日のこの自動車の輻湊している状態の中において、近代的な道路としての設備に欠けておる。言いかえますと、重要な交差点等においては、立体交差その他の措置をして、自動車の停止時間をなくするということが私は必要だと思うのですが、今見ておりますと、道路の建設については、そういったような近代的な道路計画というものは少しも立っていない。まるっきりお手上げの形でありますが、一体これをどう考えておられるか伺いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 御指摘の通り、今の自動車交通の現状は、そういった交差点における麻痺状態、あるいはネックというものが非常に重要な問題になっておるわけでございます。そこで私どもとしましては、極力こういうような状態の改善に努めたいと考えておるわけで、目下オリンピック関連事業として施行いたしております環状七号線は、重要地点三十数カ所にわたりましてほとんど全部完全な立体交差で築造すべく、目下これらの作業も進行いたしておるのでございます。この道路ができ上がりますと、一つのサンプル的な、代表的な道路になりますが、そのほかに、都心部における交差個所につきまして、何とか早く立体化をはからなければならない。御承知の通り、都内の道路は、ほとんど全部部の管理する道路でございます。また国直轄の国道が通っておりましても、これはみな都道との交差になりますので、東京都に督励をいたしまして、立体化の必要か個所、また可能と見られる個所等調査をさせております。すでに九十数カ所におたりまして立体化の個所等も摘出をいたしておる次第でございますが、国の方としましては、祝田橋を初め、立体化を進めまして、すでに予算措置も進んでおるところもございます。私どもとしましては、非常に困難なことではありますが、最善を尽くしましてこの立体化を進めて参りたいと思っておる次第でございます。ただ、路面電車との関係等もございまして、非常に大事な場所でありながら立体化のむずかしいところがございますが、大体これらの具体的な調査は、東京都を督励し、あるいは場所によりましては警視庁、私の方の道路関係の者が相協力して、現場検分等をいたしまして準備は進めておるのでございますが、とにかく今日まで非常におくれてきておることは事実でございまして、今後一そう努力を払って参りたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 次に、農林大臣にお伺いをいたします。  農林大臣は、農業基本法などを作って、農村の近代化ということに大いに力を注ごうとしておられますことは、私のよく承知しておるところであります。しかし私の見るところでは、どうも農村の既存の経済状態については、その実態を把握していない向きが多いのではないか。一体この農村の近代化、開発のために、農林大臣は、どういうようなお考えをお持ちか、一つ基本的なものをお聞かせ願いたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣

○河野国務大臣 御承知の通り、わが国の農村は、従来国策に順応するという建前から、条件の悪いところに、保護助長の農政のもとに経営をやって参ったものを、近時とみに自立農業もしくは他産業の発展に順応して、格差なく、成長せしめようという方向でやっておりますので、そこに農業施策の緊急を迫られております。そこでわれわれといたしましては、わが国の、この北から南へ非常に条件の違いまする立地条件にあるのでございますから、これをまず第一に適地適作、地域農業の完成というような意味におきまして、その土地その土地に適応した農業を育成して参ろうという基本の理念に立ちまして、また別の角度から、御承知の通り、いわゆる成長農業と申しますか、国民の食生活の変化等を基盤にいたしました畜産、酪農等の需要にこたえまして、これらの農業を充実し、さらに同様な意味におきまして、果樹、園芸、蔬菜というようなものが非常に需要が多いので、しいて申せば、これらもうかる農業というようなものを取り入れまして、そうして基本的には機械化し、合理化し、共同化、協業化した経営、これらのものをその中に取り入れて、農業経営の安定をはかっていこうということで、鋭意努力をいたしておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 なるほど今申されますことは、これは原則としては当てはまる部分もあろうかと思いますけれども、実際には、農民の実情というものを十分に把握されていないのではないか。今日の農村の現状というものは、そうなまやさしいものではございません。半失業状態は、今なお続いておるのであります。一方政府の認められるように、近代産業は非常に高度化、成長化しておる。しかし農村も、最近は、都市の生活の進むにつれて、今までのような非貨幣経済ではやっていけない。いわゆる農村の現状は、やはり都市と同じように貨幣経済にだんだん移行しつつある、こういう状態であります。今までの非貨幣経済で農村をささえ、純粋な農産物のみで農民の生活をささえることはできません。いかにくだものをお作りになっても、あるいはまたその他近代需要に合うような農作物を作られても、それのみで農村はささえられるものではない。従って、どうしても貨幣を狩る手段というものを曲辰村は持たなければならない。直接労働力を提供して、わかりやすく言えば、月給を取って農村の農産物の収入とミックスした生活を営まない限り、都市の生活に追いついていくことは困難である。従って、この方策を立てなければ、いかに近代需要農産物を作るといいましても、それでもって農村生活というものはできないと私は思いますが、農村はどういう工合にお考えになっておりますか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○河野国務大臣 御指摘のように、そうした農業は、近年の農業経営調査等によりますと、比較的経営の裕福なものという数字が出ておるくらいでありまして、われわれといたしましては、もちろんこの狭い農耕地でございますから、この中に工場誘致等によりまして、比較的労力を要求いたしますものを、都市の近郊のみならず、地方にも工場の分散誘致等によって、一部はその方面に吸収をし、兼営農家というものにして、家族の一部は工場等に就職をして金銭収入を得る、一部は従来の農業を機械化することによって経営をして参るというようなものを、むろん経営の中には十分考えてやって参るつもりでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこで私はお尋ねをいたしますが、あなたが今認識をされておる通り、農村におけるこの経済を近代化いたしますため、一つは、都市への人口集中を排除するため、どうしても工場分散ということをやらなければならないし、政府もその方針をとっておられるようでありますが、実際に見てみますと、工場を作るとすれば、土地がつぶれるのは当然であります。ところが、この土地を住宅に充てるとか、あるいは工場を建設するとかいうために農地をつぶしていく――なるほど、これは無計画に、みだりに土地をつぶして食糧生産を阻害するようなことは、私は厳に慎しむべきだと思いますけれども、しかし、あまりにも農林省の規制がきついために、思うように工場を誘致することができなくて、実際に私の方でも非常に苦しんでおるところがあります。一体農相は、この土地をつぶすと申しますか、使用変更する場合、工場等をいなかに建てる、そのために何万坪からの土地がその敷地となる、農地がつぶれるということがありましても、これはやはり誘致しようとするその農村衛星都市の発展のために、早急に解決してやるべきでないかと思いますが、非常に厳密な規制をされておるということを聞きますが、その実態はいかがですか。方針をお聞きしたい。

河野一郎自由民主党農林大臣

○河野国務大臣 農地の飲用の問題につきましては、今お話しのように食糧増産その他に支障があるから押えておるのではございません。実は政府におきましては、昨年の十一月、御承知のように、設備投資があまりに行き過ぎておるということにかんがみまして、現在は輸出産業、公共用施設を除いたものについては、なるべくこれを当分の間少しがまんをしていただいて、そうしてある程度貿易のバランスの合うようになりますまで規制をして参ろうということでございまして、いずれこの規制を解除する日は遠くないと思っておるのでございます。さらに誤解のありませんように、もう一ぺん申し上げますと、公共用もしくは輸出産業、これに必要な工場用地は、今でも許すということにいたしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その方針が事実といたしますならば、所は申しませんが、私の承知しておるところは、これは種類をいえば軽電産業でありますが、最もこういうものは工業用水も要りませんし、従って河川の汚染もありません。しかも、輸出産業として重要な産業であります。こういうものに、農林大臣がおっしゃるようなことではなくて、農林省は一蓮托生に取り扱っている、これは事実があります。こういうことでは農林大臣のお考えと違うじゃありませんか。一体これはどういうことなんですか。事情をお聞かせ願いたい。

河野一郎自由民主党農林大臣

○河野国務大臣 従来でございましたら、御承知のように、こまかいものは県、やや大きなものは地方の各農地局長に、この取り扱いを一任いたしておったのでございます。ところが、今のように規制をすることにいたしましてから、これら地方において十分審査をいたしました上で、これを本省の農地局長の手元で一つにまとめて、今申しました線で順次許可をして参るということにいたしておりますから、どこのどういうものか存じません、その処理がどこに回るかわかりませんけれども、今私が申した線には決して違いはございません。現に、私も順次許可をいたしておる事実を承知いたしておるのでございます。その線でやっておりますから、もし何かありましたら、特別に調査をいたしまして間違いのないようにはいたします。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その方針を一つ堅持して、適当な処置をして、農村の開発のために努力をせられるようにお願いをいたします。  次に、私は運輸省にお伺いをいたしますが、このようにして農村の近代化のために努力すべきであると思いますが、一面から考えますと、先ほど申しましたように、都市と農村の生活の格差を縮めていくというためには、農村と経済地帯との交通機関を整備するということが、今日農村に一番望まれておる急務であります。しかるに、今日の交通機関の状態というものは、きわめて貧弱な状態にあります。これはいなかの人でありますから、おとなしければ捨てておいてもよいというものではないと私は思う。そこで、都市と農村との間における交通機関の整備普及についての方針は、どういう方針をお持ちですか、お伺いしたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 先ほどお話に出ました、たとえば国鉄の整備五カ年計画も、大体主要幹線を主にいたしてやっております。地方のローカル・ラインについては、ディーゼル化とか、あるいは電化等もやっておりますが、しかし、五カ年計画のワク内では十分でない、かように私は考えております。ことに新線の建設になりますると、当初の間は不採算線が多いわけであります。地方におけるローカル・ラインも不採算線が多いために、これの改善、改良というものが非常におくれておるわけであります。都市と農村の格差をなくしていくというためには、そういう角度からさらにもう少し検討する必要があろう、こう考えております。これは国鉄の将来のあり方だと私は思っておるのであります。また、国鉄以外の地方鉄道、これは大体採算に合いませんとやれませんから、地方鉄道に、今おっしゃいまする都市と農村の格差をなくすということをあまり多くは期待はできない、かように考えております。そうなりますると、他の交通機関は、やはり道路によらなければ相なりません。建設省において道路五カ年計画を促進しておられますが、これらは地方道についても将来さらに伸ばしてもらえるものと考えておりまするし、私ども、この上を走るバス等の問題につきましても痛切に感ずるわけであります。御承知のように、山村におきましては、バスの料金にいたしましても、勾配が非常に高いために、一割ないし三割の割増しをいたしておるわけでありますが、これらの道路が改良されて勾配が少なくなってくるということになれば、料金も下がるわけでもありますし、今までバスの入らないところにバスを入れていくということもできるわけでありますから、そういう方向によりまして、交通不便な農山村の改善をはかっていきたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこで、私は建設大臣にお伺いいたしますが、なるほど、道路整備五カ年計画に基づいて、名神国道あるいは中央道等の道路の建設については、主要幹線については非常に努力を払われておるのでありますが、私は、今日のそういったいわゆる幹線道路の整備と同時に、主としてこれは地方道になりますが、都道府県道、これの整備を急がなければ、今日均衡ある経済を発展させることは困難だ、このように考えるのであります。しかるに、今日の道路政策を見ておりますと、なるほど、国、地方というように所管は通うといたしましても、もう少し地方道、いゆるローカル・ラインを整備するための施策を強く実行されなければならぬと思うのでありますが、建設大臣のお考えを一つ承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 考え方といたしましては、御指摘のような考え方でわれわれ努力をいたして参りたいと思いますが、ただ問題は、一級国道あるいは二級国道等の国道が、全国主要地点を結んでおります幹線をなしておりますものですから、幹線ができるということが、地方道を生かしていく上に非常に基本をなす一つの問題でございますので、現在の五カ年計画としましては、五カ年計画以内に、全国の重要地点を結んでおります一級国道全部を改修及び舗装を完了する、同時に、二級国道につきましても極力進めて参る予定でございます。五カ年計画の経費の配分につきまして、その際に、やはり山口さんのお考えのような点をわれわれ十分検討いたしました結果、一級国道には四千六百二十九億、二級国道に二千四百五億、地方道に五千四百九十六億、そのほかに地方単独分が三千五百億ほどありますので、大体比率の配分としましては、これで適正であろうか、かような角度に立って進めて参っておりますが、今後とも地方格差是正の重要な使命を達成するしには、御指摘のような線に沿いまして努力をして参りたいと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 政府の来年度の道路投資につきましては、予算を拝見いたしまして承知いたしておりますが、毎年そのようにして道路の予算は計上されては参りますけれども、しかし、実際には農村へ参りますと、明治初年以来少しも手を加えられない県道、府道がたくさんあるわけであります。わずか三メートル九十ないし四メートル五十、こういったような道路に近代的な大きなバスが、はなはだしいところでは朝夕のラッシュには五分ごとに走っているという状態であります。これでは、私は、農村のいわゆる開発などといいましても、あるいは農村生活の近代化に努力をするといいましても、これはできないことだと思うのです。ですから、たとい地方道でありましても、いま少し、私は、幹線道路に重点を置くとともに、ほとんど放任状態にあるこれらの道路を、早急に六メートル五十のいわゆる基準道路に切りかえるべきである、所管が違う通わないという問題では今日ない、このように考えるわけでございます。従って、私は大蔵省にお伺いをいたしますが、一体、その地方道路の改修のために、予算上どういう支出指導をされるか、一つ大蔵省の考え方を聞いておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 道路の五カ年計画におきましては、御承知の通り、国道と地方道の計画比重もきまっておりますが、そのほかに今おっしゃられたようた問題がございますので、地方財政とのにらみ合わせから、ここ五カ年間に大体地方の単独事業としての道路費を三千五百億円今計画の中に予定している、こういうことでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、そういう概念的な答弁では、私の質問に対する答弁にならないと思うのです。道路ほど、今日あまりにも府県における財政のいわゆるアンバランスによる弊害というものが出ているところはないと思うのです。ある府においては、山間に至るまで舗装が行き届いている。そうしてほとんど基準道路に改修されている。ところが、一つ県道の境を越えて他の県に入ると、全く明治以来手もつけられない状態にある。しかも、それは広大な地域を持っている府県に多い。これはいわゆる税制の面からする自治体収入のアンバランスにあるということが、私は言えると思うのですけれども、従って、政府としては、道路政策においても、やはりこれらの府県に対して均衡のとれた道路予算を与えてやるべきだと私は思う。ただ単なる画一的な机上の考え方ではこれは解決できません。その予算の重点配分についてどういう考えがあるか、私は大蔵省に尋ねておきたいと思うのであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは国の補助においては、御承知の通り、傾斜配分をするというようなことで対処しておりますし、また、政府の出します地方交付金、これによって地方格差をなくするような配分が考慮されておりますので、この両面から不均衡というものを是正するよりほかには仕方がないだろうと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、予算面からいたしましてもきわめて不満でありますが、今申しますように、これの適正配分について特に考慮をせられるようにお願いをいたしておきます。  次に、お尋ねをいたします。運賃行政のあり方についてであります。今日の運賃はこれはさきの国会においても公共負担法などをわが党は出して、これが通過を要請したのでありますけれども、不幸にしてまだこれは取り上げられて通過をしておらない。ところが、最近の運賃はだんだんと値上げをされていく。そうして、乗客の輸送力の増強、サービスの向上、あるいは施設の拡充、あるいはまた保安の強化、資金の需要ということについては、私は、枚挙にいとまのない、際限のないものだ、このように考えるのであります。しかも、交通量はどんどんと増加して、一そうダイヤ面の頻度を要求されておる、こういうような状態にあるのでありますが、そこで、私は、基本になる運賃行政について、一体運輸省はどういうお考えでおられますか、今さらあらためてその基本をお伺いする考えはありませんが、しかし、昨年もやかましく言われたことでありまして、これは私どもだけが言っているのではございません。新聞等におきましても、今日の運賃政策は、全く国の当然負担をすべき経費までも乗客に背負わせておる、こういう声が非常に強かったことは、大臣も御承知の通りだと思います。すなわち、日本の産業、文化の向上、普及、進歩のためには、学生をたくさん養育していかなければならないことは、国家の至上命令だと思う。ところが、そのためには、特定運賃の割引など、高額な割引をする。そうしてその資金の需要に応じるために、国鉄においても運賃値上げが実行される。その運賃値上げが、すべて普通乗車券の購入者にしわ寄せされておる。これは言いかえると、国家の要請によって学生を通わせる、そのために特定の運賃割引をやる、ところが、それではこれは採算に合わないことは当然の話です。そこで、今度は運賃の値上げをして、そうして一枚普通切符を買えば、その中で何割かのいわゆる奨学資金を出しているようなものである。これでは私は、国はまことに無責任千万だと思うのです。ですから、必要があるなら、当然、私は、それに対しては、国鉄、私鉄を問わず、その分を国家がカバーしてやってこそ、初めて責任ある行政と言えると思う。ところが、それをしないでおいて、ただいたずらにその運賃を引き上げて、そうして普通旅客にのみこれを着せようというのは、私は矛盾もはなはだしいと思うんですけれども、一体どういうお考えか、これを聞いておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 お尋ねの点は、定期運賃の割引率があまりに高い、従って、その分を一般乗客に負担をさせるということは不合理ではないかというお尋ねだと存じます。確かに、今日の私鉄、国鉄を問わず、運賃の割引率が相当高くて、従って、定期旅客の運賃では採算がとりにくいという現状でございます。従って、若干一般旅客にその負担のしわ寄せがきているということはいなみ得ないわけでございますが、しかし、この方針をいつまでも続けていくということは不合理であると政府も考えております。従いまして、そういった定期旅客の運送のために施設の改善をしなければならないというような場合には、必要に応じまして低利な政府資金をあっせんする、あるいはまた固定資産税等におきまして、公共のための施設と見られる限度におきましては、今回の税制の改正におきましても、相当の除外を認めて、課税対象外に驚くことを認めたりいたしております。私鉄等におきまするこの運賃割引率を今までの通りに据え貫くかどうかという問題もございまするが、それらもあわせ考えまして、今後そういった社会政策的な負担を、ただ私営の会社に負担をさせるということのないように、また、これが一般の他の利用者にしわ寄せのいかないように考えて参りたい、徐々にその方針をとっていきたいと考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、何もこの特定運賃率を変えろと言っているのじゃないのです。そういうふうにとられることはまことに迷惑千万でありまして、別に運賃の割引率を引き上げろとかなんとか言っているわけではない。今日そういうことをしなくても、私は、税制面からも、あるいはまた戦前にありましたようないわゆる補助政策などによって、国家が当然負担すべき、そうして適正な運賃を設定してやるべき要素というものは幾らもあると思う。公共事業だ、公共事業だと言いながら、国鉄の施設を初め、私鉄の私企業――たとい私企業であっても、公益性があり公共性があると、こう言っておる。そうしておいて、他産業並みにどんどん、固定資産税やあるいは営業税など、各種の税金はそれ並みにとっていく、これでは運賃を引き上げざるを得ないという結果に私はなると思う。せめて戦前並みのいわゆる免税をやっても、私は、決して、これが営利事業に協力するものだとか、あるいは政府が非難を受けるとかいうことではないと思う。そのことによって運賃が低廉に置かれるということになれば、どれだけ助かるか。しかるに、今日は全然それがなされていない。これは運輸省もこの考えだろうと私は思うのですけれども、大蔵省の考えはどうですか。こういうようなものを排除して、大衆負担の軽減をはかってやるという親心を示されてこそ、私は、公益性があるということを政府も言って大きな顔ができると思う。こんなことをしておいて、そうしてやれぬから運賃を上げろ、運賃を上げろというのは、あまりにも国民生活というものを考えない処置である、冷酷な処置だと私は思うのですけれども、大蔵大臣はどう考えられますか。   〔委員長退席、青木委員長代理着席〕

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今の国鉄の輸送コストから見ましたら、私は、これは記憶が誤っておれば申しわけありませんが、運賃査定のときの記憶では、別に定期が安いために普通旅客の料金にそれを割をかけたというようなことは全然ございませんで、輸送コストから見て、あの運賃は大体妥当だと思っております。定期が安いということで、この割引の率がひど過ぎるということでございますが、私個人の考えを言いますと、先日ラッシュ・アワーに車に乗ってみましたが、席が一人ずつ与えられて輸送されるのでございましたら、これは、今の定期は相当安いということが言えるかもしれませんが、ああ詰められていることでしたら、やはりこの定期運賃というものは、そう安いとも言えない問題もあろうと思います。そうかといって、これをもっとここで補助金を出して、運賃体系を整えたらどうかということでございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、鉄道は公共性を持っているゆえにこそ、一兆円以上にしる資本に対しても、別に配当を国が取っておるわけではない。税金も免除しておる。私企業に比べてみましたら相当の恩典を与えてありますので、そのうちで公共負担というものを、鉄道がどれくらいの限度までするのが正しいかということ、この限度の算出は非常にむずかしいものでございまして、公共性のゆえにこそ、特別の優遇をしている国鉄でございますから、これにさらに国費の補給をやって運賃の是正をするというようなことについては、そう簡単にいかないむずかしい問題があるだろうと私は思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、今の答弁はまことに不満だと思うのです。今日、大蔵大臣今も是認されたように、国鉄の収支というものは、ラッシュ・アワーだけをとれば黒字なんです。定期が高度に割引をされておることは事実でありますけれども、その定期利用者の収入を時間的に割って考えてみれば、その安い人で持っているということが言えるのです。ですから、私は、今日の定期の割引率を上げろと言っているのではない。それでもってなおかつ国鉄においてもほとんど赤字線が多いというし、私企業においても今日四苦八苦だという。それならばというので考えてみれば、全部国鉄においても税金はかかっていないと言われますけれども、かかっていますよ。地方還付税ですか、あれを創設されるときには、私どもは運輸委員会において極力反対した。ところが、大蔵省は何と言っても聞かない。もし鉄道が走っているためにその自治体や地方が損をしているというところがあるならば、私は教えてもらいたい。鉄道があればこそ、その地方は発展している。しかるに、なぜ自治体に国鉄が税金を払わなければいかぬのか。地方の発展のために非常な功績を残しているその国鉄から、自治体が還付金を取るなどということ、これはいかに不合理なものかということは、あなたも承知せられると思う。一体どうなんですか。それを調べられたことがありますか。もし鉄道が走っていてその地方が損をするというところがあるならば、私は教えてもらいたいと思う。一体どうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 鉄道が走っているために、地方が損をしているというところはないと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それならば、それに見合う措置をとられて当然だと私は思うのです。これは固定資産税から還付金から何もかも取っている。そんな不合理なものは廃して、必要ならばその資金に充ててやるべきである、あるいは運賃の合理化のためにこれを使ってやるべきである。しかるに、そういうことをしないでおいて、逆に政府が保護しなければならぬものからどんどん取って、自分の責めをのがれようとするがごときは、大蔵官僚独特の責任のがれだ。こういうことではいかぬ。だから、大蔵官僚の独善を攻撃されるゆえんだと私は思う。大蔵大臣はその点をよく考えて、今後の再検討を強く私は要望しておきたいと思う。  次に、私は、交通の安全性についてお伺いをいたします。最近、都市交通におきましては、非常な自動車の混雑のために、大型車の昼間乗り入れなどのきびしい規制を行なわれるということを聞いております。また、自動車の運転手の処罰についても、きわめて厳正な処分をされようとしておると聞いております。私は、もちろん、現在の道路の状況において、今規制しようとしておる大型車の運行を野放しに許そうという考えもありません。しかしながら、あまりにもその規制は画一的過ぎるのではないか。もう少し、大型車の乗り入れをそのように全面的にやるのではなくて、一定の道路に指定道路を作って、そして主としてその道路へ乗り入れをさせる、そのかわりに、その道路については他の車の規制を行なうというような措置をしてやらなければ、これは一つは従業員の労働条件に関連し、一つは運賃の増高を来たす、それがひいては物価の値上げの原因ともなりますし、生産工程からいえば、非常なコスト高を招来する結果になると思いますが、これについて自治省はどういう工合にお考えか、考えをお聞きしたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 交通難の制御のために、どうしても将来一種の車両の車種制限をやらなければならぬ時期があるのではないかと私ども考えておりますが、これは、あくまであらゆる手を尽くした最後の手段でなければならぬと思っております。最近、新聞で伝えられました、あのトラックあるいは大型車の交通規制の問題は、一試案でありまして、決して全面的にこれを実施するわけでもございません。ごく特殊の大型車及び定期便のトラック、これの一部をやるという案を今検討しておるという程度のものでございます。できる限りわれわれはいろいろな方法を講じ、さらに業者の自主的な御自制も願って、できるだけこの混雑を緩和していきたい、こういうふうな方策をとっておるわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの答弁は、検討中だと言われますけれども、四月一日から実施するんだ、すでにその規制措置は確定しているように報道されており、これが一般社会の非常な問題になっておるのです。今日発表されたような規制を強行すれば、大混乱に陥るのですよ。ですから、少なくともそういうような机上の計画によってやるのではなくて、長距離トラックやその他のトラックがどういうものであるかということの実態を把握して、もっと合理的な解決をやるべきである。言いかえれば、今日こういうことになったのは、全く道路政策の遅延に基づくものであって、これは何としても政府はあやまらなければいかぬのですよ。ただ権力で規制することのみを考えて、他の迷惑を考えないという、そうしてそのことによって交通の混雑を緩和するんだというような責任のがれは許されないと思う。一体これはどういうようにお考えになるのか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 せんだって新聞に発表されましたあの計画は、御承知のように、路線トラックを四月一日からやってはどうか、それから特別の長大物は昼間を禁止してはどうか、もう一つ、遊覧バスを、日曜祭日を除いて一日に二時間ばかりやってはどうか、路線トラックの台数にしましても六百台くらいの見当でございまして、これが非常な大問題を起こすとは考えませんが、同時に、あの案は、発表され方はどうであったか知りませんが、まだきめたものでも何でもございません。こういうような方法を一つ示して、業界やいろいろな関係方面と御相談をしたいという下案にすぎないのであります。決して確定したものでも何でもございません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、時間がありませんから、この規制については、ただいま申し上げたように、ああいうような規制のやり方をやるのではなくて、やはりその特定の道路に集中して大型車が入り得る、そのかわり、その道路については小型車などの規制を逆にやる、こういうふうにしてでもやらなければ、これは大へんなことになります。そんなことをやられてはたまらぬですから、これは十分に検討してもらいたいと思います。  次に、私は運輸大臣にお伺いをいたしますが、現在のタクシーの一日の営業キロ数、会社の車の走行キロ数、それから個人タクシーの走行キロ数、これはどういうふうになっておりますか、一つお伺いしたい。   〔青木委員長代理退席、委員長着席〕

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 私は、数字は持ち合わせておりませんし、また、そういった統計もないと思いますが、大づかみに申しまして、会社経営のタクシーの一車当たりの走行キロと個人タクシーの走行キロとは、おそらく倍くらい違うであろう、会社の方が多いであろうと考えております。と申しますることは、会社の方は交代要員を持っております。個人経営のタクシーは交代要員を持っておりませんから、従って、会社経営の方が倍くらい一車当たり走っておる、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは、各地によって違うと思いますが、自動車局長、見えていますか。これは事務的にもお伺いをしますが、各地の個人営業タクシーと会社経営のタクシーとの一日の走行キロはどういうことになっておるか、具体的に私はちょっと知らしてもらいたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 ちょうど今数字が参りましたが、会社経営は一日平均三百六十キロ、個人経営は百八十キロ、ちょうど倍でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、ここで一つ労働大臣にお伺いをします。見えておりますか。今日の交通事故による生命の喪失、人体の傷害、負傷、これは全く見るにも聞くにもたえないものがあると思います。特にいたいけな子供の生命が毎日々々失われているということが新聞に報道されておりますが、ほんとうに親として心をいためることは、私だけではないと思う。そこで、私は労働大臣にお伺いをしますが、自動車従業員の労働時間、労働条件についてどういう指導をなさっておりますか、その基本方針があれば、大臣から一つ……。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 労働省といたしましても、いろいろの業種の中で、特に今お話のありましたようなものにつきましては、重視をいたしまして、従来監督も特にきびしくやっているのでありますが、労務管理や、あるいは労働条件等においても、今御指摘のような結果になるようなおそれのあるものもあるということでございますので、そういうようにいたしておるわけなんでございますが、必ずしも十分、十二分とまではいかないのでありますけれども、監督実施率なども他の業種よりはかなりきびしく、こういうことでございます。御指摘のごとく、相当時間等においても無理をさせているのが、現に今までもあった。これに対しましては厳重な措置をいたしておるわけであります。今後一そうそういうようなことは励行していかなければならない。労働条件も労務管理も改善して、こういう事態のできるだけ少なくなるようなことにしなければならぬ、こういう方針であります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 山口さんに参考までに申しますが、持ち時間はあと約十分でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこで、私は労働基準局長にお尋ねいたしますが、監督行政を厳密に励行する、そうすると、予算がない、監督官の人員が足りない、だからどうにもならなくて、野放しの状態に置かれておる。ある工場でも――ある鉄工の会社ですけれども、これは、私がこの前とったからわかるのです。とにかく一週間に、基本は八時間労働だ、そうして、一週間になんと七十時間の責任居残りをしなかったらば、出勤した時間も欠勤だ、こう言うのですよ。こんなものはまるっきり強制労働ですよ。そこで監督官が行けば、何を言うかというわけで、監督官のようなものうせろなんと暴力でも追い返す、こんなばかげたことをやっているのです。自動車にしてもそうですよ。四十八時間労働から三昼夜労働をやらせているのを監督局長御存じですか。あなた、こんな基準行政なんてありますか。一体基準行政はどうしているか、ここで説明してもらいたい。

大島靖労働基準監督官(労働基準局長)

○大島政府委員 先ほど来、交通事業に関連して、特に基準行政全般についてのお尋ねでございますが、私ども対象といたします基準法適用事業所は、もちろん非常に膨大なものでありますが、大体年間各種の監督を実施しております事業所数は、約二十四が専業所になっております。先ほど来お話がありました交通事業関係におきましても、昨年一月から六月まで半年間に大体一万五千事業所くらいやっております。さらに集団指導と申しまして、業者全般に対する指導行政として、やはり二万数千事業所の指導監督を実施いたしております。何分対象が膨大であります。人員、予算等においても制限を受けておりますが、私どもとしては、全力を尽くして厳正な監督を今後も実施いたして参りたいと思います。ただいま山口先生御指摘のような問題につきましても、各般の基準法違反につきまして今後とも是正の監督を続けて参りたいと思いますし、同時に、中小企業の労務管理の近代化、この点につきましては、私どもとしては、監督を中心としながら、指導と援助を加えて、全般の中小企業の労務管理の近代化をはかって参りたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、この交通事故については、単なる運転手の処罰、これだけをもって解決すべきものじゃないと思うのです。解決されるものじゃないと思うのです。こういうような、長距離トラックについていいますと、大阪を出て東京へやってきて、これは往復やるのです。こっちでちょっとも休みがないのです。そうすると、一体何時間ハンドルを持っているかということです。ハイヤー、タクシーなどのごときも四十八時間、今までは三昼夜勤務をやらしているのですよ。これを四十八時間といたしましても、これはどうなります。年間三分の二は会社で寝ているのですよ。三日に一日しか家に帰って寝ることができないのですよ。そうすれば、これは私は、人間として一人前の者なら、ちょっとしまい酒の一ぱいも飲みたくなるのはあたりまえですよ。そうじゃないですか。三分の二職場におらなければならぬというような悲惨なことが一体ありますか。それを監督行政は何もやっておらぬ。そうすれば居眠りが出る、あるいは酔っぱらい運転が出る、これは当然だと思うんですよ。もちろん、それを私は合法化して、いいとは断じて言わない。いかなることがあろうとも、これは人に傷をつけ、あるいは殺人行為とまでいわれるような、そういう悲惨な事故は絶対やってはならない。必ずしも私は良質のものばかりとも申しません。しかしながら、前提条件として雇い主は、このようなな重大な人命を預かり、または他人の人命を預かっておるのと同一の仕事をやらしておるのでありまするから、従って、人間的な待遇を与えてやってこそ、その上でなおかつそういうことが起きる場合には、これは厳重に処分すべきものだと思う。しかし、それをやらないのなら、なぜ雇用者も同断として処罰しないのか、運転手だけを処分して、そうして雇用主は知らぬ顔をしておれば、いつになったってこの事故というものは除かれるものではないと思う。一体これについてどういう考えか、労働大臣、公安委員長からも答弁を願いたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 おっしゃる御趣旨は私も同感でございます。そこで先刻来申し上げておりまする通り、基準法しの監督を厳正にいたします。こういうふうに申し上げ、現にお断わり申し上げたように、十分、十二分とは申し上げませんが、他の業種よりはかなりきびしくやっておるのであります。しかし、現実に御指摘のような事態のあるということは、まだ足らざることありということは、これは間違いありません。そういう観点からいたしまして、より一そうそうしなければなりませんが、何もやってないと、先ほどからおっしゃられましたが、さようなほどのことはありません。決して私どもは、運転手のみに云々ということは考えてないのでありまして、労働省といたしましては、基準法上の監督によって、十分使用者、会社側等にそういう事態の起こらないような措置をとっていきたいと存ずる次第であります。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○安井国務大臣 事故の原因といたしまして、今御指摘のような点が絶無と言えないと思っております。私どももそういった事故の原因を探求いたしまして、過当な労働条件のもとにやっております場合には、これは雇い主に対する責任も追及をする、さらに処分をする、こういう方針でやっております。ただ酔っぱらいだけは、これはいかなる事情がありましょうとも見過ごすおけにはいくまいと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 委員長に申し上げますが、私はまだ質問がありますけれども、運転手の残余の質問は全部省きまして、これだけにします。  そこで私は、ただいままでの答弁で、これは労働大臣よく聞いていただきたいのですけれども、いまだかつて基準監督官が、このハイヤー、タクシーもしくはトラックあるいはバス、これらの会社の労働条件の調査には一ぺんも来られておりません。来られておることを聞かない。私も従業員ですからね。一ぺんも来たことがないですよ。バスの方は、定期バスの方は大体基準法を守っております。だからバスはよろしい。けれども、観光バスだとかあるいはハイヤー、タクシーであるとか、長距離バスでありますとか、こういうような、あるいはダンプカーなど自家用で走っておりますけれども、あれは全部営業しておるのですから類似行為ですが、こういうような不定期的自動車機関については何の監督行政もやられていないのです。これは運輸省の責任があると思うのです。確かにこのハイヤー、タクシーなどの免許をする場合には、労働者のいわゆる労働条件が事故を引き起こすようなそういったような労働条件でなくて、基準法を守り得るようにその誓約書をとって認可すべきだ。これは大体木暮運輸大臣のときに了承されているはずなんだ。しかるに、今日はいたずらに増車はどんどんいたしますけれども、運転手が足りないために、まあ四割くらいは休車しておって走っておりません。だいぶ運転手が足りない。それでも聞くところによると、運転免許基準を引き上げるとかいっておられるけれども、そんなことじゃないんですよ。なんぼ引き上げて五十の人間にしたってだめだ。そんなことで問題は解決しないんだ。大体監督行政について責任のあることをやっていないところに原因がある。監督局へ行けば、予算がありませんので、どうも人員が不足で、ありませんのでと言って、大蔵省に塗りつける、大蔵省の方では、予算は十分やってあるんだ、けれども際限がないからといって逃げる。一体どこをつかまえて責任ある行政と言えるか。私がこう言っている間も人は死んでいるんですよ。これは一体どうするんですか。ただハンドルを持っている者だけの責任じゃありません。酔っぱらい運転にしても、自家用などで会社の社長などが勝手に宴会に行って、帰りがけにふっ飛ばしている。こんなやつは極刑にしてもいいんだ。だけれども、一般の長距離の運転手が、大阪から東京へ来て帰りがけに――二日も三日も自動車に乗っていれば、途中でちょいとおりて、おい一ぱいやろうかという気になりますよ。なぜ途中に中継所を設けて、そうしてそこで運転手、乗務員の交代をさせるような処置をしないのか。私は人道上から言っても、これはしゃくにさわってしょうがないんだ。こんなばかげたことをして、しかもタクシーやなんかどうです、私は全部あの会社をつぶしてしまえと言っているんだ。個人タクシーによる方がよろしい。あんなものは、運転手はどうなんだ、固定給も満足につけないで、歩合給ばかりにして、一日休んだら何ももらえないんだ。それなら個人にした方がいいじゃありませんか。そうすれば八十円の基本料金は六十円で私は十分もうかり過ぎるぐらいもうかると思っている。一体人の自由を拘束しておいて、そして何の保障も与えぬというような、そんなべらぼうなことがどこにありますか。そんなことをするから神風タクシーというようなものが横行する。だから人をけ飛ばすということになるんですよ。しかも四十八時間も六十時間も働かせて、人間としての待遇を与えない。こんなことが世界じゅうどこにありますか。そうして建設大臣に早く道路をよくせよなんと言ったって、道路をよくすればするほど安心して走るから、よけい飛ばしおる。こんなむちゃなことが一体どこにある。もっと労働省も責任ある答弁をしてもらいたい。運輸省も責任ある答弁をしてもらわなければ承知できない。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 御趣旨を体しまして、せいぜい努力をいたします。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 まことにごもっともな御意見だと存じております。先般来、一昨年以来でありますか、神風タクシーでだいぶいろいろ論議がありました際を契機といたしてと私は思っておりますが、相当運輸省もその方に力を注いでおります。従って、そういった待遇があまりに悪いというようなところでは、相当の行政処分もいたしておりますが、私は、これでもう十分やっておるとは申せないと考えております。先般もハイヤー、タクシーの労働組合の方々とお目にかかりました際に、いろいろそういうお話し合いをいたしました。私は、さらに自動車局長に対して、ハイヤー、タクシー等の仮眠施設とか、福利施設とか、労働条件とかというようなことについて、今までどういう指導をしておるかということについて聞いたわけでありますが、一応答えは、やっているという答えでありますけれども、末端まで必ずしも徹底してないであろう、私はかように考えております。従って、さらにこれを徹底さすようにということを、数日前に私も指示をいたしておるわけであります。今後さらに十分気をつけまして、私は、ハイヤー、タクシーの監督は、やはり完全な労務管理という点も考えなければならぬ。もちろん労務管理は労働省の所管でありますけれども、事業監督という面から労務管理に私の方も十全を尽くしたいと、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 いろいろ私は聞きたいのですけれども、時間が超過いたしましたので、これで質問を終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 それでは山花秀雄君。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 私は、労働大臣に労働行政の四、五の点につき質問をいたします。詳細な予算上の措置については分科会で質問することにいたしまして、大体労働政策上の大綱についてお尋ねいたします。  まず第一に、池田内閣の経済政策の中心である高度経済成長の問題でありますが、わが国最近の経済成長は、確かに飛躍的発展をしていることは認めるにやぶさかではありませんが、私は特に政治家として、日本経済の成長発展の目的に、日本国民の生活安定向上に合致してこそ、その意義を承服するものであります。労働大臣はこの点につき、経済発展と民生向上とが一致しておるとお考えになっておられるかどうか、この点をお答えを願います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 御指摘のような点は、私も望ましいと存じます。まあたとえば賃金等について見ましても、おおむねそういう傾向である、これは見方によりまして、十分であるとか不十分であるとかということはございましょうが、おおむねそういうような傾向で伸びていっているというように私は考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 労働大臣は今私が述べました見解におおむね同じような見解を持っている。賃金なんかは非常にいいというようなお答えでございましたが、私は、賃金問題に関しましては労働大臣の意見とはだいぶん異なっておりますが、そこで一般的には、国民生活安定とか向上とかを見る一つの目安は、やはり収入が増加しておるかどうかというであろうと思うのであります。経済成長発展の一役をになっている労働者の賃金問題を、私はここで労働大臣に聞きたいと思うのであります。従来、日本の労働者は、世界各国から低賃金である、こういうそしりを受けていることは御存じの通りだと思うのであります。今日飛躍的経済発展の唱えられておる現状において、低賃金問題が解決されたかどうかという意見を、もう一度労働大臣にお伺いしたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 従来日本の賃金は低いと言われ、また事実私は高いとも思っておりませんが、しかし低賃金低賃金と言われる中にありましても、漸次改善されてきておりまするその跡は、これは明らかでございます。しかし、経済成長とともに適当に賃金等が上昇していくということは、私も望ましいと考えている次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 望ましいと思われる次第でありますと言われましたが、その望ましいという傾向が現われておるかどうかという点については、あとで詳細に質問したいと思います。  昨年箱根で行なわれました御存じの日米経済問題の合同会議の際、アメリカ側の方から、日本の低貸金が指摘された事実があります。この指摘の問題について、政府の詳細な説明を私は聞きたいと思うのであります。多分労働大臣もこの会議に列席されたと思いますが、一つ詳細をお伺いしたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 アメリカから言って参りました当時の低賃金論は、これは一部誤り伝わっておるのでありますが、日本の賃金について相当誤解があるから、こういうことについてタスク・フォース式なものを作って検討してはどうかという意味の提案が事前にあったわけであります。現実の会議におきましては、いろいろその後検討した結果、御承知の通り、日米間の貿易の拡大というようなことを念頭に置いて、より広範な、賃金ばかりではなく、いろいろの労働関係のことについて情報の提供を相互にやろうというような表現になったわけでございます。従って、会議のときに、日本が低賃金である云々ということで、こちらを大いに責めるというような、ないしはそういうことと輸入制限との関連が起こらざるを得ないというような意味においての発言はなかったわけでございます。従って、当初伝わりましたのと、会議における意見の交換というもの、ないしはこれを受けてのこの点に関しての両方で話し合っての表現というものは、だいぶ差があるわけでございます。私どもは、決して日本の賃金の実態を事実と違うように認識せしめようなどということは、特に労働省として考えていないのでございます。ただ実態を認識してもらう。この認識をさせるということによって貿易上の障害を除去していく、こういうことはしなければならぬということであり、そういう努力をいたした次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 貿易の障害は、これはだれが何と言っても、日本の低賃金が大きな原因になっているということはお認め願いたいと思います。これはやはり低賃金と関連する問題でありますが、数年前、西独のエアハルト氏が来日されたとき、同じく日本の低賃金が問題にされたことは、労働大臣御承知の通りであります。エアハルトは、経済成長、国家の興隆は、労働者を大切にすること、こういうようなことを言っておりましたが、私は、この言葉は、われわれ日本にとっても同じく重要視しなければならぬ言葉だろうと考えておるものであります。産業経済の民主化、労働者の経営参加が文字通り労使対等という、共同協力して、産業経済の質的向上のために努力している。これらが基本となり、同じ敗戦国家でありまするドイツにおいては、異常なる経済成長をやっておることは、労働大臣も御承知の通りであります。労働賃金は日本の三倍と、こう言われております。それからストライキはございません。これは御承知の通りであります。労使紛争から生ずる経済的損失というものは、これは非常に大きいものであるということは、日本の経済界にとっても嘆かわしい一つの損失であります。しかし、西独経済の発展と民生の安定を生むに至ったことは、これは衆目認めるところであります。労働大臣は、西独の経済成長と民生の安定と、労働賃金水準が日本よりはるかに高い、これはただいま私が申し上げましたようなことが理由の一つになっておると、こういうようにお認めになるかどうかということを、労働大臣の見解をお示し願いたいと思うのであります。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 数字等につきましては、必ずしも山花さんのおっしゃるままの数字とも私は存じません。賃金等につきましては、三倍までには至っていない。いずれにいたしましても二倍以上であることは事実でございます。  なお、労働者を大切にしなければならぬということは、エアハルトの言を待つまでもなく、私は、当然そうあらねばならぬと存ずるところであります。そういう姿においてドイツが経済の繁栄を招来しております姿に対しては、これは私も深く敬意を表しておる次第でございます。大いにもって模範とし、参考としなければならぬと、こういうように考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 西欧諸国やアメリカ等は、日本の低賃金あるいはダンピングについて長年の間、わが国を非難しておることは、労働大臣も御承知の通りであります。日本の貿易問題を困難にしておる主要な原因であることは、これは何人もいなめないと思うのであります。政府は、これらの事実をどう理解して、低賃金を是正するための基本方策をどう考えておられるか。これは日本の貿易の発展のため、一つぜひ労働大臣の見解をこの際お示しを願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 わが国の賃金が貿易の主要な障害であるという御表現でございますが、これは、そう言い切るのは少し私は、言葉が過ぎていると、こういうように思うわけでございます。相手の国によりまして、過去においてある程度障害となった場合も、もとよりあるわけでございますが、主要とまでは、これは申しがたいと思うわけでございます。最近におきましては、日本の賃金の実態に対する認識も相当に世界各国改まって参りまして、かつてわが国に向けて申しましたのとはだいぶ改まって参っておると思うのでございます。これは、まあ最近の幾つかの実例もあるわけでございますが、と申しましても、私は、決して欧米先進国のそれに比しまして、わが方が高くなったなどと申すのではありませんが、かなり近づいて参ったということは、これは言えると思います。イタリアその他の国に比しましては、さしたる差がないところまで参っておることは、私もこれ自体はけっこうであると思うのでありますが、しかし、決してこれをもって足れりと私は考えているのではございません。従って、これからのわが国の賃金がいかにあるべきかということにつきましては、国民経済の中に適当な均衡を保ち、また、生産性の向上と見合いつつ逐次上昇していくことが、私は望ましい。従って、私どもの賃金に対する基本的の考え方というものは、できるだけ最低賃金等も普及し、また格差も是正し、今申し上げましたような意味においての上昇を期待したいと、こう思うわけでありますが、しかし、国民所得全体の中における賃金という点も考慮いたしまして、いずれにいたしましても、わが国の経済全体の拡大ということとこれは符節を合わせていかなければならないわけであるという点も、考慮しなければならぬと存じます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 労働大臣のただいまの答弁は、諸外国の外交辞令を非常に甘くお考えになっておると思うのであります。現実の実際の問題はもっと深刻な様相を呈しておるということを、これは心して、一つ労働行政を、また賃金問題に取っ組んでいただきたいと思うのであります。  政府のただいまの答弁を聞いておりますと、かつては低賃金であったが、現在はそうでない、これはもうたとえば西欧諸国のイタリア程度までは近づいておる、こういうようにおっしゃっておられますが、それでは次の実態を政府はどうお考えになっておるか、お答えを願いたいと思うのであります。  八千円という一つの貨幣価値、この八千円以下の賃金取得者が、雇用労働者のうちで五百五十四万人おるということは、これはあなたの役所から発行いたしました労働経済指標にも詳しく述べられておる通りであります。全雇用労働者のこれは二五・七%に当たる膨大な人数であります。さらに四人以下の事業所をとってみますと、非常に低い賃金実態が現われておる。四千円前後の労働者がかなりいるというのは、これは否定することのできない事実であります。八千円の水準に達するには、こういう零細企業においては、二十五才程度であるという悲しむべき統計が現われておるのであります。これらの低賃金の事実はきわめて重要なことであると思われますが、これに対して政府のとっておる対策、現在最低賃金法がありますが、この法律は、周知のように業者間協定といわれるものが大体中心になって運営をされておることは、御存じの通りであります。業者の意思一つで金額の決定を見るものでありますが、その結果、労働者の生活費よりも企業の支払い能力、つまり企業本位に賃金の考え方がなっておるのであります。労働大臣は、労働者の賃金水準決定のその基礎は、働く労働者の生計費を中心とするのが妥当か、あるいは当該企業の支払い能力を中心にするのが妥当か、このいずれが正しい賃金体系であるか、その考え方を一つお示しを願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 これは、一がいになかなか言いにくいところでありまして、大企業と小企業との間では現実にかなりの開きがあり、もっとも逐次これも狭まってきておりまするけれども、現在の姿は非常に不満足なものでございますが、今の御質問の主要点は、これは生活ということも考えなければなりませんし、また同時に、労働の質と量という、これに見合ったものでなければならないということ等も考えなければなりませんので、今お聞きになりました、このどちらかとおっしゃいますと、一方的にどちらであるというお答えはできない次第であります。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 生産の質と量ということを私は聞いておるのじゃないのです。その企業採算本位ということを聞いておるのですが、これはどちらでもけっこうです。それは労働大臣は、両者の方にくみしないから、なかなか立場上言いにくいと言われる意味でお答えになったと思うのでありますが、しかし労働省を設置した根本目的は、何と言いましても労働者のサービス省であるというのが私は労働省設置の根本理由、出発点であると思うのであります。そういう立場から一つこれからの労働行政の問題をお考え願いたいと思うのであります。  最近それぞれの地域の業者間で決定された金額を見て参りますと、大体二百三十円前後というように決定されておるのであります。これがかりに二百五十円と見ましても、二十五日の労働日数で計算いたしますと、六千二百五十円ということになるのであります。二百五十円というのは、これはよく見てであります。そこでこの適用人員数は昨年末で百二十万人程度であります。六千二百五十円程度で人たる者の労働力を提供しておる、その労働力提供者としての人たる者のあすの再生産を中心とする生活ができるかいなや。この点最近の家計調査等と関連して一つ明快なる御答弁を願いたいのであります。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 ごく最近では、ただいま山花さんがおっしゃった数字よりも多少上回る二百七、八十円というものもかなりあるわけでございますが、しばらく前までは、お話のようなことでありましたことは私も認識いたしております。これが、今山花さんがおっしゃったような意味においての十分な賃金であるとは考えられないわけでございます。先ほどから申し上げておりまするような意味において、逐次上昇して参ることは望ましく存じております。もっとも最近の若い人の初任給等の実際の額は、ただいまおっしゃた額よりも多少上回っておるようなのが実情でございます。これまた、私、十分満足すべき状態であるという意味で申し上げるのではなく、実態はそうであるということであります。また労働省が労働者に対していかにあるべきかということでのお言葉がございました。けんけん服膺いたしまして、そういう考えで私は処していきたい、こう考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 けんけん服膺していただくことは大へんありがたいことでありますが、最近の若い人の初任給というようなお話がございましたが、おおむねそのお答えの内容は大企業のことをお答えになっておるのじゃないかと、私はかよう推察しておるのであります。  最近政府は、この法律適用者を百二十万人程度から二百五十万人程度までに拡大しよう、どういうような意図があるというように承っておりますが、そのようなお考えがあるかどうか、お答え願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 三十八年末までに、ただいまお話のございましたようなところまで持っていきたいと考え、昨年末で百二十万というようなところへ参っておるわけでありますが、これは、そうは申しましても多々ますます弁ずということでございますから、できるだけ最低賃金制の普及ということは、一応の計画は今申しましたように二百五十万ということでございますが、必ずしもそれをもって足れりとする考えでなくて、できるだけ多くにしていくように心がけて参りたいと存じます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 しかし、こういう業者間協定が一応の標準賃金をきめておりますが、かえってこれが貸金の上昇を妨害するような事実が各所に散見しておるのであります。それは人手不足で、業者の方で賃上げをして労働者を募集しよう、こう考えましても、業者間協定があるために賃上げができない。そこで人が集まらない。かえって業者の方からこういうような声が出てきておる事実を、これは労働大臣御承知かどうかという点。私は率直に言って、現行最低賃金法は、賃金保護というよりも、かえって賃金抑圧の道具となって、法そのものの本質が逆の作用の働きを持っておると思われるのであります。こういう現実の実態を政府は正しく認識されて、最近の初任給なんかもどんどん上がっておると今労働大臣は言われておるのでありますから、この際、思い切って全国一律八千円の最低賃金制の法律を制定する意思がおありかどうか、労働大臣の明快なる一つ御答弁を願いたい。関連いたしまして、今日本の経済がぐっと成長しておる、生産性がぐっと向上しておる。こういう時期に、私は当然八千円の最低賃金制というのは至当だと考えますが、この点、労働大臣の御答弁をお願いしたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 申すまでもなく、最低賃金は最低でありまして、それ以上やってはいかぬということじゃございませんので、お話しのように、最低賃金があるのでかえって賃金が低くなるということは、これはまあ、それが一般的では私はないと考えております。ただ、一部現実とはだいぶかけ離れたようなべらぼうに安いのがずっと前に最低賃金として定められて、そういうのが今おっしゃいますような意味において悪影響を及ぼしているという事実が一部にございますので、これらのものに対しましては、すみやかに現実に即したように改定されるようにある程度の指導もいたしておる次第でございます。なお、ただいまの全国一律に八千円というお話でございますが、この種のことは、ただいまも中賃の方で検討してもらっているところでございます。政府がにわかに全国そういうようにするという法律を出すと言うことは、この段階においては私は申しきれないことであることを御了承願いたいと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 何か先ほどの答弁を伺っておりますと、労働者の賃金はだいぶ上がっておるけれども、しかしまだそう高い賃金とは思われない。そうして初任給もだいぶどんどん上がってきておる。こういうように答弁を承っておりましたが、最後になると、八千円の一律賃金はどうもお答えにくい、前後の言葉のあやと申しましょうか、労働大臣の意向が、これは前後非常に矛盾しておるというように考えますが、しかし、これ以上私は追及しようとは考えておりません。しかし現実の問題として、大都市では一万円以下ではなかなか労働者が集まってこないという現実がある。これは一つ胸に銘記していただいて、今後の賃金問題を一つお考え願いたいと思います。  最低賃金労働者の実態について私は申し上げたい。というのは、この保護されない労働者がたくさんある。これは低賃金労働者というワクの中に入っておる。これは御案内の臨時工、社外工、港湾日雇い労働者あるいは失対労働者、さらに雇用労働者と言うのには多少の疑義がありますけれども、一般的にいう家内労働者。政府も御承知と存じまするが、社外工は常に親方制度のもとに賃金のピンはねをされておるのであります。仕事は本工と同一の仕事に従事しながら、賃金のピンはねをされておるというのが、これが社外工の実態であります。私は、ここで問題にしたいことは、労働基準監督署や職業安定所が、職安法違反や基準法違反の事実を知りながら、これを黙認しておるという一点であります。政府は、常に順法精神を口ぐせのように説かれるのでありますが、一切のこれらの事実に目をおおっておるという、こういうことであります。われわれはこれらの事実を調査に行き、問題を公にしようとすると、あわてて事態の解決をはかるというのが今の労働基準署や職安の大体行政のあり方であります。政府がもっと積極的に監督し、行政指導を正しく行なえば、社外工の生活は一段と向上することは疑いをいれないところであります。この際政府の所信を明らかにしたいと思いますが、もし予算上人手が足りなくて、そこまでどうしても現実の問題として手が回らないと労働大臣がお考えになりますならば、予算計上していただきたい。そういう予算計上には私ども社会党は反対はいたしません。協力をする、そういう決意であります。この点一つ明らかにしていただきたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 御趣旨に沿うような監督行政を推進いたしたいと考えておるのでございますが、今直ちに大量の人員を増加するということも、なかなか困難な事情もございます。従って、現有の人員をもってできるだけ能率を上げて、御趣旨に沿うような措置をまず講じたい、こういうように存じております。ただし、正直に申し上げますが、役所の内部等におきましても、なかなかこれだけの人員では容易でないということは、私もしばしば耳にいたしておるのでございます。なお一そう実情を把握いたしまして、善処いたしたいと存じます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 私は、労働大臣たる者が、省内の仕事の量について今のような答弁をすることは非常に認識不足だと思うのであります。私は助け舟を出しているのです、お気の毒だと思うておるのです。そこで、予算措置を講じてわれわれもこれに協力すると言っているのです。そしてせっかくできた監督署、職安がフルに、うまく運営されるように、一段の努力を一つ誠意をもって払っていただきたいと思うのであります。  また臨時工の場合も、社外工同様の状態であることは、これは政府も御承知の通りであります。政府は盛んに雇用が増加した、こう主張されておるのであります。これは名目的には雇用増加がありましょう。しかし、その実態は、今言ったように社外工であるとか臨時工であるとかいうことでありますから、十分これは検討していただかなくてはなりません。ところによりますと、その職場の労働者の半数以上が臨時工という、こういうべらぼうなところが各所に散在しておるのであります。御承知のごとく、臨時工には退職金だとか、賞与金だとか、厚生施設の利用権もない。その上賃金も、同じ労働をやっておりまして低いというのが実情であります。そこで問題は、数年も臨時工のままで勤務さしておるという現実は、これは監督署でも職安でも調べればすぐに私はわかると思うのであります。こういうことが一体労働行政のしでいいか悪いかということは、これは労働大臣もよくおわかりだろうと思いますが、この際、一つ労働大臣のこういう問題についての所見をお述べ願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 前段御鞭撻いただきましたことは恐縮に存じます。せいぜい努力いたしまして、場合によってはお力を拝借いたしたい、こういうふうに存ずる次第でございます。  なお、後段の点は、同じような質の労働であり、同じような量の労働でありながら、御指摘のような事情によって賃金が大へん違うということは、全く望ましからぬ事態でございます。従って、従来とも、たとえば臨時工を常用化するというようなことにつきましては、労働省も行政指導等を励行いたして参っておるのではありますが、現にそういう事態がまだかなりあるということは、実績から見まして、まだまだ成果が上がっていないのであるということは否定できないと存じます。従って、私どもはなお一そう努力をいたしまして、できるだけこういうことがすみやかに減じ、ないしはなくなるようにいたしたいと考える次第であります。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 日本の経済の実情から、また現実問題として、臨時工の存在が不可欠、これはどうもやむを得ないのだ、私はこういう場合もその業態によってあり得ると思うのであります。もしそうであるとすれば、一歩譲って、臨時工を一日も早く本工にするよう、これは行政指導をすべきでありますが、具体的措置として、ただいま労働大臣も、そういうことはあまりいいことじゃない、こう言われておるのでありますから、せめて二カ月以上採用する臨時工は、雇用主として本工に登用する義務を負わせるようなこと、これは特別立法等の措置をとれば可能でございます。そういう好ましくないことが現実にあると労働大臣も認めておられるし、それを解消するためには、政府がいま一歩踏み出せばこれは解消できるのでありますから、そういう特別立法を措置する、採用する意思がおありかどうか、これは労働大臣の誠意の問題でありますから、一応この際承っておきたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 直ちに特別立法というところまで、実態からいたしまして、なかなかいかがかとも存ずるのであります。その点については、せいぜい努力をして研究したいと存じます。  実態等につきまして、事務当局からも申し上げたいと言っておりますことがございますので、少しお聞きをいただきたいと思います。

大島靖労働基準監督官(労働基準局長)

○大島政府委員 ただいま先生御指摘の臨時工問題は、臨時工の中でも常用工と業務の態様がほぼ同じくありまして、かつ長期的に雇用される者、こういったいわば常用工的な臨時工、これが御指摘の問題点だろうと思います。従って、かような常用的な臨時工につきましては、基準法上の扱いといたしましては、常用工に準じた扱いをいたして参っております。また、同時に、こういった臨時工の給与が木工に比して低いということ、これは同時に親工場と下請工場との関係等にも同じく類似の問題があるわけでございます。やはり親工場を中心といたしまして、下請事業等もひっくるめて、全般としての労働条件を向上して参る、こういった形の方向をもって指導なり援助をいたして参りたい、かように考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 親工場と下請工場の例をとられましたが、親、工場の中も、ただいま申し上げました点が多々あるということは深く御認識を願いたいと思います。  次に、港湾労働問題についてお尋ねしたいのでありますが、港湾労働で問題になっております焦点は、海上の労賃が陸上の賃金より安いという点でございます。そこで陸上の賃金の方が高いから、海上労働者が最近陸上労働者の方に移行をいたしまして、従って海上の港湾労働者の数が不足している。貿易をいんしんならしめるためにせっかく船が入ってきても、荷揚げが満足にできないというのが、最近の労働不足から生じておる港湾労働の実態であります。これは日本の貿易問題にも関連いたしまして、国際信用の問題にも発展する大きな重要点であります。この問題について労働大臣はどう見ておるか、この際率直に一つお考えをお述べ願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 お話の部門において、労働条件やあるいは労使関係でかなり芳しからぬ傾向のあることも認識いたしております。これにつきましては、自来、ことにごく最近、いろいろな施策を予備費等も出しまして講じておることも、御認識いただいておる通りであり、また、昨年七月あたりの船込み以来、経営者というか、雇い主というか、その方でもだいぶ認識を改めて参りまして、この際御指摘のようなことについて改善をしなければならぬという機運もある程度出てきております。そこで、私どもはこの改善につきまして、この際、こういう時期にできるだけの推進をしていきたい、こういうように考えておる次節でございます。いろいろこれに関する各方面からの意見も拝聴いたしておるわけでございますが、今度また新たにこういう問題につきましての審議会を設置して、この方からの御意見もいただくようなことに進めておる次第でございます、この問題の積極的な解決に向かって一そうの努力をいたしたいと存じます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 雇い主の方も漸次進歩してきた、こういうお答えでございましたが、港湾労働者はおおむね前近代的な組組織、組制度と申しますか、それから手配師等が介在をいたしまして、港湾労働君を抑圧している事実は、これは政府もよく知っておられるところであります。  この問題の解決は、よほどしっかりした対策を立てないと、因襲の深い問題でありますので、大いにやっていただきたいと思いますが、さらにこういう不合理な問題を解決するためには、どうしたらいいかという政府の見解を、この際お聞きしたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 お話のごとく、労使関係等においても、今前近代的という御表現がございましたが、そういったような事情があることは深く遺憾とするところであります。これが近代化について、政府は大いにやらなければならぬわけでございます。手配師等の問題につきましても、ある程度昨年来前進した措置をとっておりますことは事実でございます。ただし十分とは申せないと思います。一そうの努力をいたしたいと存じます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 労働大臣は一そうの努力をすると言われましたが、最近の顕著な例を見ましても、たとえばこれは港湾労働の関係ではございませんけれども、手配師その他の関係は、大阪の西成あるいは東京の山谷のああいう突発事件をお考えになっても、その原因はおもにここに存しておることは労働大臣も御承知の通りであります。日本の貿易の発展のために、国際信用を確保するために、港湾荷役をスムーズにするために、かつまた港湾労働者の生活保護確保のために、しばしば問題になっておりますことは、港湾労働法であります。これは国会でも問題になったことがございますが、この際、思い切って、これらの諸問題を解決するために、港湾労働法を立案する用意があるかどうかということを、労働省の見解を一つお尋ねしたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 先刻申し上げました、まだできてはおりませんが、法律案を出し、予算措置を講じております、新たに生まれます港湾労働問題の審議会等でも、こういったことについてぜひ御研究を願いたいと、まだ先の話でございますが、考えておるわけでございます。そうした御意見等も伺って善処いたしたい、こういうふうに考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 港湾労働問題について近いうちに審議会を設置する、これは一歩前進の形態でありますが、近いうちといっても、その時期ということになりますが、これは一つ労働大臣が在職中に業績の一つとして、ぜひ推進をしていただきたいと思うのであります。  私は賃金問題について論ずる場合、具体的な事実は、まず今どういうような賃金関係が具体的事実であるかというところから論議を進めていくのが、一番妥当であろうと考えるのであります。こういう意味で、日本の低賃金労働者の現実の一端を述べたのでありますが、こういう事実を前提として、最近のいわゆる資本団体である日経連の貸金政策をこの際取り上げてみたいと思うのであります。  日経連の論調は、わが国の貸金は決して低くない、従ってまた大幅賃金引き上げは必要ないということをいっておるのであります。低くないという理由には、厚生施設が完備しておるとか、退職金制度があるとか、外国に例を見ないボーナス制度があるというようなこと等々をあげておるのであります、そこで私が問題にしたいのは、日経連の主張は、確かに大企業本位に見た主張であろうと私は思うのであります。膨大な中小企業にはそういう施設もほとんどありませんし、また退職金、ボーナス等がありましても、ほんの爪のあかほどの微々たるものであるということは御承知の通りだと思うのであります。今日日経連の主張がはたして妥当かどうか、この際、政府の見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 賃金につきましては、私が繰り返して申し上げておりますように、逐次生産性の向上等と見合いつつ上昇していくことが望ましい、こういうわけでありまして、日経連は日経連としての立場でいろいろ言っておりますが、またこれはこれで、私は別にいいとか悪いとかいってもおかしいと思うのであります。総評は総評として、またいろいろ意見を申される。立場々々によっていろんな意見があろうと思います。これを政府みずからが、さようなことを申すのはどうかというようなことを、あまり申したくないのであります。少なくとも日経連が申すことを、すなわち政府ないしは労働大臣がそれを受けて、そのままに考えるというようなことはないのであります。従って、日経連がいろいろ言っておりますことも、それぞれの交渉する相手の組合の諸君等といろいろ折衝されて、現実的には賃金等がきまっていくわけでありますので、これらの点が合理的な根拠に立って円滑に話が進むことをわれわれは望む次第であります。今申しましたような趣旨で、日経連の申しますことと、私の申しますことが違うということは御認識をいただきたいと思うのであります。向こうがいいとか悪いとかいうことは、私はどうも一方の当事者でございますので、ここで申すことはいかがか、こう存ずる次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 今、日経連が言っておること、あるいは総評が言っておること――しかし政府は政府として確固たる一つの行政指導理論というものを、やっぱり打ち立てて、何も日経連の言う通り言えとか、総評の言う通り言えとかいうことを、私はあなたに言っておるのではない。やはり池田内閣の労働政策の根幹として、それをはっきりして、それが日経連と抵触するか合致するかということは、これは問題外である。まあざっくばらんに申し上げますと、自主中立のあなたの見解をはっきりしていただきたいという点、それが言われぬといえば、これは勘ぐるわけではございませんが、どうも言いにくいところが、たぶんおありだろうと思いますから、これ以上私は追及はいたしません。  次に問題になりましたのは社会保障費の国際比であります。今社会保障もあるとかなんとか盛んに言って、日本の賃金は、それを入れると低賃金じゃないということを盛んに言っておるのでありますが、私の調査した限り――これはおもに政府発行のいろいろの刊行物で調査しておるのです。私は疑いたくありません。そこでわが国一人当たりの社会保障費は、諸外国に比してきわめて低い点が現われておるのであります。この点、政府の明快な資料で、私は大体政府発行のいろいろな刊行物で、これを検討して参りますと、諸外国に比べると一人当たりぐっと低い、政府はこれをどうお考えになっておるか。低いか高いか、これは日経連ではございませんから、あまり遠慮なしに一つはっきりしたことを言っていただきたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 賃金につきましては、先ほど来申し上げておる通りで、申し上げたくないということを言った覚えはないのであります。二、三回この席で、ただいまの山花さんの御質問に答えるような形で申し上げている通りでございます。  社会保障費ということでございますが、社会保障費といっても非常に広範なものでありまして、労働大臣限りでは、今の御質問にお答えすることは、ちょっと困難でございます。社会保障ということは、わが自民党内閣でも特に力点を入れているところで、日々その施策の推進をしているところではございますが、まだまだこれからもやることでございますので、池田総理ではありませんが、一つ長い目ごらんいただきたいと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 さらに日経連は、ただいま申し上げましたような私の主張に加えて、今次春闘に大幅賃金値上げというのを拒否していることは、御案内の通りであります。  ここで私が指摘したいのは、賃金と物価の関係問題であります。物価変動を見ますると、毎年一、二%ずつ上昇しておるというのが従来の例であります。ところが、池田内閣の所得倍増政策が始まった昭和三十五年から今日まで、例外な、異常な上昇を示しておるのであります。昭和三十五年度、昭和三十六年度、一体政府といたしましては、どの程度の値上げになっておるかということは、これは労働大臣が労働行政をやる以上は御存じだろうと思いますので、この際お示しを願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 年月、月ごとの数字を必ずしも明らかにいたしておりませんが、今おっしゃいまする両方の上昇の率は、おおむね私は並行しているというように認識いたしております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 私は、従来は一、二%上昇、こう言っていたのです。それが池田内閣が所得倍増計画をやってから、言いかえれば三十五年、三十六年は異常な高騰をしておるのです。そこで、その異常な高騰は一体何%ぐらいになるか、こういう質問をしておるのです。おおむね同じということになりますと、その一、二%に同じという意味のお答えかどうかという一点であります。この点、もう少し私のわかるように御答弁を願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 ただいま事務当局から数字的に申し上げさせていただきます。

大島靖労働基準監督官(労働基準局長)

○大島政府委員 ここ数年来の消費者物価の上昇は、お話しの通り、さして大きな上昇ではないと思います。ただ、賃金の上昇率は、それを相当程度オーバーいたしまして、従って実質賃金といたしましては、最近実質的には上昇いたしております。さらにごく最近の消費者物価の上昇と最近における賃金の上昇、これを見ましても、昨年来の賃金の上昇は大体一〇%程度になっておりますので、消費者物価の上昇をやはり相当程度上回っております。従って、引き続き実質賃金の上昇は見られておるもの、かように考えております。もっともごく最近の数字については、まだ統計が整備できておりませんので、まだこの点のお答えは差し控えたいと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 ただいまのお答えによりますと、賃金関係はおおむね一〇%ほどの上昇、それに見合う物価というようなお話がございましたが、これは総理府の統計でありますが、昨年十二月現在、すなわち前年同期に比して、これは一年間の統計でありますが、全都市で九%、東京で八・八%上昇、こう総理府の統計は現われておるのであります。これは全体の統計であります。ただ、この内訳をながめて参りますと、野菜関係は七七%ということになっております。菓子、果物関係は一八%ということになっております。比較的富裕階級の副食である肉類とか魚介類というのが、約六・五%程度の上昇が統計に現われておるのであります。住宅関係になりますと二〇%、教育関係が七・五%、家賃になりますとこれが一〇・五%、住宅の修理費が二〇%、こういうように考えて参りますと、全体は全都市で九%、東京で八・八%でございますが、これは富裕階級と低額所得、すなわち、賃金労働者に振り分けますと、やはり食費その他の点から見ますと、賃金の上昇率より物価の上昇率がぐっと大きい。すなわち、物価上昇率の被害――被害と言っては言葉のあやが変でありますが、被害程度は富裕階級は半分こうむって、一般階級は倍こうむっておるというのが、大体の識者の世論になっておるのであります。そういたしますと、物価の上昇率と賃金の上昇率が合わないということになる。言いかえれば、実質的に賃金が幾らか上がっても、実質賃金は下がったということになる。せんだっての大新聞の世論調査によりましても、賃金が上がって収入がふえて、かえって物価騰貴によって生活が苦しくなったという六〇%以上の回答が出ておるということは、これはこの間の事実を如実に物語ったことだと思うのであります。こういうような問題につきまして――とにかく物価の上昇に賃金の上昇が伴っていない。そして働く階級はますます生活が苦しくなっておるという、これは総理府統計の側面から見た一例であります。  また、賃金は生産性とも大へん関係がございますが、生産性と賃金の関係であります。工業生産性は、経済企画庁の調査では毎年平均七・六%上昇しておる。ところが賃金は五・五%しか上がっていないというのが、経済企画庁の統計であります。ヨーロッパ諸国を見ますと、物価がさほど上がらないのに、生産性の上昇率より労働賃金の方がぐんと優遇案として取り上げられて、賃金上昇率の方が生産性上昇率よりも高いというのが、ヨーロッパ諸国の実情であります。私は最近の物価値上げは、一般勤労大衆の生活を圧迫しておる。従って労働者大衆が生活擁護のために物価高に見合うところの大幅賃金値上げを要求しておるということは、これは生きるための必然の要求であろうと考えておるのであります。政府は、これらの労働者が生きんがための要求をするこの賃金値上げについて、せんだっていろいろなことを労働省でも発表しております。まあ行き過ぎがあれば断固取り締まるというような、聞きようによりますと、どうかつ的な意味の意思表示をされておりますが、ただいま申し上げましたように、生きるために必要欠くべからざる賃金の値上げをやっておるこの労働者の態度に対して、これはなかなか先ほど日経連の態度にもお答えにならなかったと思いますが、今言ったように物価の点、それから生産性の点、それから諸外国では物価があまり上がっていないのに、生産性向上よりなお賃金上昇率は上回っておる、こういう労働政策に対して、わが国の労働政策は、欧米諸国の労働政策に見合うような努力を、労働大臣は払うつもりであるかどうかという点をお聞きしたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 政府諸施策についも、多少ともそういうことは言えると思いますが、わけて労働行政につきましては、国際的な視野、世界的な視野にも立って行なわれなければならぬというように、私も存じておる次第でございます。  労働行政につきまして、今次国会の最初にあたりまして、私の所信を関係委員会に申し上げましたときにも、そうしたことを一部申し上げておる次第でございます。ただいま生産性と賃金の推移についてお話がございました。このパーセンテージで、必ずしも並行しているというばかりにはいっておりませんが、おおむね生産性の上昇率が高いようなときには、賃金も上がっているということではございますが、お話のように、一方の年産性の向上の方の率の方が数字が大きかった、最近までおおむねそういう傾向でございます。御承知の通り、三十六年に入りましてからは、逆に賃金の方が若干パーセンテージにおいて上回っているというような現象をも来たしておるわけで、私はまことにけっこうだと思っておるのでございますが、そこで、お話のようないろいろの事情で、労働者諸君が賃上げについてその立場よりの主張をしておりますこと、これは先ほども申し上げましたように、立場々々によってそれぞれ主張なさること、これがどうこうということは私は申したくないのであります。ただ、労働行政をやる者といたしましては、これらの主張についていろいろの折衝、交渉等が行なわれるわけでありますが、合理的な根拠に立って、ぜひうまい話し合いになるようにということを望んでおる次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 最近、政府は、労働省内において新しく賃金部というのを新設されるというようなことを聞いておりますが、もし新設するとなれば、この賃金部を設けるに至ったその理由、さらに賃金部は一体どういうことを目的にして設置しようとしておるか、こういう点を一つ具体的に承りたいと思うのです。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 現に今も山花先生から、賃金はどうあらねばならぬというようなことで、だいぶおしかりをいただいておるのでございますが、私どもは、政府が、今お話のありましたような意味においての何らかの貸金政策というものを推進する必要があろう、こういうように存ずるわけであり、また労働省のこの種の機関が強化されるということは、私は労働者諸君のためになると確信をいたしております。またそうあらねばならぬ、こういうように考えておる次第でございます。  御承知のように、従来は、賃金等につきましては、労働省の大体の行き方は、まあそうだとは言い切れぬと思いますが、当事者間できめるとよくよく深刻な事態になってどうにもならぬ、そういうときに、跡始末のようなことをいたすことが主であったわけでございます。しかし、単に労使の力関係だけでそういうことがきまっていくということになりますと、あちこちにいろいろな問題も起こります。従って、個々の折衝に労働省自体が介入するということは毛頭考えておりませんけれども、合理的な資料、適切な資料等を提供することももとより必要でございますので、従来わが労働省の賃金課というものは、御承知のように、主として最低賃金に限られていた、ある程度そうであります。そこで、一課でそういう仕事を、いろいろお話のありますようなことを大いに推進していくということになれば、従来の姿だけではとてもだめだから、最低賃金を大いに普及するにつきましても、もう少し機構の整備、強化が必要である。同時に、先ほどからお話のように、公正妥当な資料等を整備いたしまして、賃金問題の解決等に資するようにいたしたい、こう考えておる次第でございまして、この点につきましては、かなり初めのうら世論も支持してくれていたように、私は認識いたしておるわけでございます。ただ一部に、その日経連が賃金ストップや何か言ったのと時期がよく似ていたものでありますから、そういう意図のもとに何かするのではないかというような、勘ぐったような活字も見たこともあるのでありますが、これは大へんな間違いであります。私どもの本意といたしますところは、先刻来申し上げておりますようなきわめて公正な意味で、労働者諸君のためにも大いに役に立つような意味においての機構の強化、こういうつもりでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 まことにけっこうな趣旨をお述べになりましたが、先ほど賃金の上昇率につきまして、本年度は生産性上昇率より賃金の上昇率の方がわが国においても上回っておる、まことにけっこうなことであると、いみじくも労働大臣は言われたのであります。一つそういう観点が、今度労働省が新設する賃金部の内容であってほしいということを、この際希望として申し上げておきたいと思うのであります。  労働省は、昨年労働政策大綱を発表しておる中で、中小企業の賃金指導を積極的に行なうとありますが、その後具体的にどういう行政措置を行なったか、また新賃金相場を設けて、それを基準に公正な賃金水準を実現させる方向であると聞いておりましたが、何を根拠に賃金相場をお作りになるのかという一点をお聞きしたいのであります。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 賃金相場というお言葉でございますが、これをあまり積極的にやりますと、また逆におしかりを受けるようなことにもなりますので、私どもは、この点につきましては、深く心して今まで善処してきておりますが、現に中小企業が、賃金において大企業と比べてだいぶ低いという事実は、これはもうはっきりいたしておりますので、労働省といたしましては、従来最低賃金制の普及その他によって、できるだけこれが接近するようにという措置をとってきたところでございますが、初任給、ことに若い人の初任給等につきましては、御承知の通り大企業と中小企業では、かなり接近したところへ参ってきておるのであります。昨今の雇用事情からいたしましても、そういうことになってきておって、大へんけっこうだと思うのであります。ただ、いかんせん中高年令者につきまして、かなり差がございます。従って、こういう点に力点を置きまして、できるだけ格差の少なくなるようにということで施策を講じて参っておるのであります。事務当局から、的にやりましたことについて若干報告をいたさせます。

大島靖労働基準監督官(労働基準局長)

○大島政府委員 中小企業の賃金問題についてのただいまのお尋ねでございますが、全般的に最低賃金制を強く推し進めて参るということ、あわせて最近の中小企業の経営者として一番問題になります点は、初任給が御承知の通り非常に上昇いたしております。この初任給が非常に上がって参りますので、在籍労働者の賃金を、初任給の上昇に伴ってどういうふうに立て直し、調整していくか、こういった点が最大の悩みになっております。昨年私どもの方で、賃金問題について各会社の最も困惑している点、悩みとする点をアンケートいたしたことがあるのでありますが、中小企業の圧倒的多数は、この点を最も困難だといっておるわけであります。従って、そういった点につきまして、最低賃金制の普及と相伴いまして、初任給上昇に伴う在籍労働者の賃金の調整、立て直し、こういった問題についての指導なり、啓蒙なり援助、こういったことを今後さらに続けて参りたいと考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 失業保険の問題でありますが、最近、この保険金積立金がだいぶ蓄積されたというふうに承っております。あるいは数が間違いましたら、あとで御指摘願いたいと思いますが、大体概算一千一百億円ほど蓄積された、こういうように承っております。この金は御案内のように労働者が積んだ金が基礎になっておるのであります。若干事業主の責任において、あるいは政府援助においても積み立てておりますが、元来は失業者のための積立金ということは、これは疑いをいれない事実であります。そこで、こんなに金を残していても、私は仕方がないのじゃないかと思う。今失業給付金は、御承知のように六割であります。適用の給付期間は、大体九カ月を最高としておるのであります。この際、この問題の解決のために、私どもは、給付期間は、勤続年限にもよりますけれども、最高勤続年限の場合には二カ年くらいにして、給付額は八割くらいにして、給付金額は最高千円くらいにして、一つ法律改正を行なって、失業保険を今日の日本の国の経済の実態に合うようにしてもらったら非常にいいと思うのでありますが、先ほども、労働省はサービスの省であるというふうに労働大臣も言われておりますから――働いておる労働者よりも、失業する労働者の生活はより一そう深刻であることは御案内の通りであります。みずから積んだ金でありますから、これは困ったときにはやはりみずからに返ってくる、そうして実情に沿うように一つ失業保険法の改正を、この際やる意思があるかどうか。それに伴って、これに付随して日雇い失業保険手当の問題も、ただいまのいわゆる一般労働者の失業保険に準ずるような適当な額へ改められたらいかがかと存じますが、この点につきまして労働大臣の所見を承りたいと思うのであります。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 昭和三十七年度において、ただいま山花さんおっしゃったような、一千百億円程度になるという見通しをいたしておるのであります。お話しのごとく、この種の金につきましては、大いに労働者、ことに失業者諸君のことを考えなければならぬ、こういうふうに私も考えております。この制度ができまして、三十八年度に再検討するということになっておりますことも御承知の通りでございますので、一応そこのところが区切りでありますから、表向き申し上げることは、そのときになってということでございますが、お話しのように、大体の傾向は見えておるわけでございますから、そういうような観点からいたしまして、将来の給付をどういうようにするかというようなことを大いに考えなければならぬわけでございますが、実は御説のような考え方も一部ありまして、従来そっくりそのまま大蔵省の資金運用部で運用しております金も、雇用調整等の役にも立てるようにというので、今度新しく、額は決して多いものではございませんけれども、特別融資に二十億回すというようなことにもいたしたわけでございます。先生方からごらんになると、こんなことで何だとおしかりがあるかもしれませんが、これをとるのにもずいぶん苦労をいたした次第でございます。しかし来年度は、こういうことに画期的に増額をしてもらいたいと思っておりますが、給付内容の改善等につきましては、今のところ一応三十八年度を目標にいたしておりますので、今年度直ちに改正法律を出すというところまでに、私はまだ踏み切れない次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 ただいまは踏み切れないが、三十八年度には一つ何とかしたい、こういうことですか。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 三十八年度まで私が労働大臣をやっておりますかどうか、やっていないということの方が可能性が多いわけでありますが、今申し上げましたように、一応法律の建前からいたしましても、そこが区切りで、再検討という時点になりますので、それはそれで、だれにいたしましても、そういうときには何らか考えるのではないかと考えるわけでありますが、そのときに法律を出しますとまで言うのはいかがかと思いますが、今のような保険経済の実情でありますので、そのときに検討されるのが、自然ではないかというふうに私は思うわけでございます。  なお先ほど答弁を忘れまして恐縮でございますが、日雇いの関係の方は、一般の失業とはだいぶ保険経済の内容が違いますことは、御承知の通りでございまして、ややとんとんというような――とんとんという数字は、いつかだれかしかられましたので、訂正いたしますが、ややその数字が同じくらいというようなことでございますので、これは一般の失業保険積立金とは、必ずしも同じには論ずるわけには参らない、こう存ずる次第でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 ただいま労働大臣が三十八年度には一つ検討したいと言われたのは、労働大臣一個の御意見ですか、それとも閣議了承の線をここで御答弁になったのですか。この点は聞いておかないと、防衛問題で赤城長官と、ただいまの長官との二年前の話のように、また厄介な問題になりますから、はっきりしておきたいと思うのでございます。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 閣議でそういう打ち合わせをいたしたわけではございませんけれども、法律の建前が、その時点には再検討するということでございますから、政府は、当然この法律の精神を尊重すべきものであろう、こういうふうに思います。閣議では、私は三十八年度のことを持ち出しまして、いろいろ言ったわけではございませんが、ただし、その特別の融資制度を今度始める等のことについて主張をいたしまする際に、まあ山花さんのおっしゃった通りではありませんけれども、御趣旨のような点も一部主張いたしたつもりでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花委員 一段の努力と、もし労働大臣交代される場合には、責任上一つ申し送りの点をお願いしておきたいと思います。  それから駐留軍労働者の離退対策について、なおお聞きしたいと思いますが、もう時間も相当きておりますので、これらの問題は、分科会で詳しくお尋ねしたい。私の質問を終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 明日は正午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後八時十一分散会

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