本会議 第17号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/03/01
会議録
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 公職選挙法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出の公職選挙法等の一部を改正する法律案の趣旨説明を求めます。自治大臣安井謙君。 〔国務大臣安井謙君登壇〕
○国務大臣(安井謙君) 公職選挙法等の一部を改正する法律案について、その趣旨とその内容の概要を御説明申し上げます。 申すまでもなく、民主政治の健全な発展を期するためには、選挙が公明かつ適正に行なわれることがきわめて肝要であります。この見地から、政府はかねてから公明選挙運動の推進に意を用いているところでありますが、なお、選挙に関する諸制度についても改善整備を行なら必要があると考えられますので、第三十八国会において制定された選挙制度審議会設置法に基づき、昨年六月選挙制度審議会を設置し、選挙の公明化をはかるための方策について御審議を願ったのであります。同審議会は、自来半年にわたって慎重に審議を尽くされ、昨年十二月末選挙の公明化のための措置について、政府に答申をされたのであります。政府といたしましては、この答申に基づき公職選挙法等に所要の改正を行なうため、この法律案を提出いたした次第であります。 今回の改正は、従来、現行の選挙制度のもとにおいて、各方面で論議されていましたほとんどすべての問題にわたっており、選挙法の全般に及ぶところの、かつて見ない大改正でありまして、選挙公明化の実現に大きな寄与をするものと信じております。 次に、この法律案の要点について御説明いたします。 この法律案は、公職選挙法とこれに関連のある部分についての政治資金規正法との二つの法律の改正を行なおうとするものでありまして、まず、公職選挙法の改正について申し上げます。 第一は、自由にして公正明朗な選挙を行ない、候補者の政見政策等が選挙人に十分周知されるように、選挙運動の制限をでき得る限り緩和することといたしたのであります。これがために、ポスターの枚数の増加等選挙運動期間中における言論文書による選挙運動のワクを広めるとともに、国会議員の選挙について選挙期日の告示前においても選挙運動のための演説会を行ならことができるようにいたしました。 第二は、現在の選挙運動は個人本位の建前になっておりますが、政党政治の根本からしても、また選挙の公明化を期するためにも、これを政党本位の選挙運動の方向に進めて参ることが必要であると考えられるのであります。これがために、政党その他の政治団体においても、所属候補者のための選挙運動もできるようにその道を開くとともに、その政治活動の制限を大幅に緩和することといたしました。なお、これに伴い確認団体の制度の合理化をはかりますとともに、確認団体に所属しない候補者に対して推薦団体による選挙運動を認めることといたしました。 第三は、選挙公営の拡充強化と合理化をはかることといたしたのであります。このため、公営のポスター掲示場の新設、はがきの枚数及び新聞広告の回数の増加等の措置を講ずることといたしました。 第四は、選挙運動費用の合理化であります。選挙費用の制限額につきましては、これを合理的に引き上げることとするとともに、選挙運動員等に対する実費弁償等の基準額の引き上げをいたすことといたしました。 第五は、選挙違反についての制裁を強化したことであります。すなわち、いわゆる連座制につきましては、従来の総括主宰者及び出納責任者のほか、相当広範囲の地域にわたって選挙運動を主宰した者、事実上の出納責任者及び候補者と意思を通じて選挙運動をした同居の親、子、配偶者、兄弟姉妹で、悪質の選挙犯罪により禁固以上の刑に処せられ、執行猶予の言い渡しを受けなかった者についても連座の対象とするとともに、連座による当選無効訴訟は検察官が提起すべきものといたしました。また、選挙犯罪による公民権の停止を強化し、罪の短期時効を廃止することといたしたのであります。 第六は、公務員の地位利用による選挙運動に対する規制を強化することといたしたのであります。国または地方公共団体の公務員等がその公の地位等を利用して選挙運動を行なうことは、選挙の公正をはなはだしく害するものでありますので、公務員等がその地位を利用して行なう選挙運動及びその類似行為を禁止することとし、公務員が国の選挙において当選人となった場合において、この公務員と職務上関係のあった者がその直接または間接の指示要請を受けて選挙運動を行ない、一定の選挙犯罪を犯して刑に処せられたときは、その当選を無効にすることといたしたのであります。 第七は、選挙に関する寄付等の規制を厳正にすることとしたのであります。これがために、新たに国または地方公共団体から補助金、出資金等を受けている会社その他の法人は、選挙に関し寄付をしてはならないものとし、また、後援団体が行なう寄付及び後援団体に対する寄付並びに後援団体の行事における供応接待等について規制することといたしました。 第八は、その他選挙の秩序を保持するために、郵便による立候補及び被選挙権のない者や重複の立候補等を禁止し、立候補の辞退の時期の合理化をはかり、供託金制度の改善を行ない、選挙管理事務の合理化についても従来懸案になっていました諸般の改善措置を行ならことといたしました。 最後に、政治資金規正法につきましては、ただいま申し上げました公職選挙法の改正に見合いまして、政党その他の政治団体は国または地方公共団体から補助金、出資金等を受けている会社その他の法人から選挙に関し寄付を受けることができないものとしたのであります。 以上がこの法律案の要旨であります。(拍手) ————◇————— 公職選挙法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告が出ております。順次これを許します。篠田弘作君。 〔篠田弘作君登壇〕
○篠田弘作君 ただいま趣旨説明のありました公職選挙法等の一部を改正する法律案につき、池田内閣総理大臣並びに関係大臣の所信をただしたいと存じます。 今回の改正案は、ききに設置された選挙制度審議会の答申を基礎として提出されたものであり、同審議会が六カ月の長きにわたって、きわめて熱心かつ真剣に審議に当たられたことにつきましては、私も心から敬意と感謝の意を表するものであります。言うまでもなく、審議会設置法は、第三条において、政府は審議会の答申を尊重しなければならないと規定しておるのであります。との条項によって政府は、答申を尊重すべきであることは明らかであると同時に、審議会もまた、政府に義務を負わせるに足る十分なる答申をなさなければならない責任があることも当然であります。 しかるに、今回の審議会の審議過程において、委員中、憲法学者や法律家の中には、あるいは高級公務員の立候補の制限について、あるいはまた親族を特に連座の対象とすることについて、または総括主宰者や出納責任者が悪質な違反をなした場合、当選人が自動的に失格する点につき、憲法上も近代立法の精神からも疑義があるとの反対論があったにもかかわらず、総会において、一気呵成にこれを通過せしめたと聞いておるのであります。その結果といたしまして、わずかな部分ではあるが、憲法上疑義を持ったままの答申がなされたこともまた事実であるから、行政責任者としての政府が、これをうのみにせず、適当に修正して国会に提出すべきは、もとより当然であります。もちろん今回の審議会の答申は、選挙を粛正して、金のかからない公明選挙を行なおうとする熱意に出でたものであるから、その大部分は、われわれの納得、共鳴できるととろであります。一般的に言うならば、選挙において悪質違反を犯す者の数は、違反を犯さない選挙民及び候補者の数よりもはるかに少ないことは、統計を待つまでもなく明らかであります。しかるに、この少数の悪質違反者のために、選挙全体が汚れたものであるかのように、あるいは議員全体が違反を犯して当選してきたもののような印象を世間に与えていることは、われわれといたしまして、全く迷惑であり、かつ、残念なことであると思うのであります。従って、われわれ選挙に立候補する者の側からいうならば、一刻も早く悪質違反を一掃し、金のかからない公明選挙を行ないたいということは、長年にわたる願いであり、その点において、審議会委員諸君の考え方と全く一致しておるわけであります。しかしながら、立法の精神から言うならば、新たに作られる法律の内容は、あくまでも合理的なものであり、また、すべての点から見て、妥当性を持っておるものでなければならないのであります。従って、憲法違反の疑いのあるものや、近代立法の精神に反するものについては、先ほど述べたごとく、政府の責任において、国会提出前に修正さるべきものであると考えるのであります。池田内閣総理大臣並びに安井自治大臣は、この審議会の答申尊重の意義並びに限度について、いかなる解釈をお持ちになっておるか、承りたいのであります。(拍手) 第二の質問は、高級公務員の立候補の制限についてであります。 選挙制度審議会の答申によれば、国または公社、公団もしくは公庫の法律で定める職にあった者は、離職後最初に行なわれる参議院全国区選出議員の選挙には立候補できないものとするとしておるのであります。しかしながら、憲法第十四条は、「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定しておるのであります。高級官吏の職務を利用した選挙運動の弊害については、私も率直にこれを認めるものの一人であります。しかしながら、その弊害は、法の改正によって、参議院全国区を廃止して地方区一本にしぼるとか、あるいはまた、他の方法によって除去することが本筋であります。たとい、それが公務員であろうとも、憲法に保障された国民平等の権利を侵してまで、同じ国民を高級と下級に法律で区別することは、はたして妥当でありましょうか。(拍手)公務員が職務を利用して選挙運動することに弊害があるならば、当然上下の区別なくこれを禁止すべきものであると思うのであります。(拍手)ことに憲法第四十四条は、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。」と定めておるのであります。この憲法第四十四条の条項に違反することなくして、高級公務員だけに限り立候補の制限をする方法ありやいなや、またそうすることが妥当なりやいなや、池田総理並びに安井自治大臣のお答えを承りたいと思うのであります。 第三の質問は、連座制の強化についてであります。 まず第一は、連座の対象として、新たに候補者の父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を付加したことであります。憲法第十三条は「すべて国民は、個人として尊重される。」と定めておるのであります。この個人尊重の精神から、わが国の長年にわたる古い家族制度は改められ、個人の自覚、責任を基調として社会生活が営まれておるのであります。しかるに、答申においても、政府の提出案においても、このすでに解消されたはずの古い家族制度を新しく持ち出して連座の対象にしようとすることは、時代錯誤もはなはだしいといわなければならないと思うのであります。今日の立法例によれば、親族の取り扱いはこれとは逆に、刑法第百五条のごとく、犯人蔵匿罪及び証憑湮滅罪にしても、「犯人又ハ逃走者ノ親族ニシテ犯人又ハ逃走者ノ利益ノ為メニ犯シタルトキハ其刑ヲ免除スルコトヲ得」と規定しておるのであります。同法には、親族間における窃盗罪及び横領罪についても免責あるいは告訴の規定を設けておるのであります。最高裁は、この点について、人類普遍の道徳原理に基づくものと判決をいたしておるのであります。(拍手) その第二は、答申によれば、連座による当選人の失格は、現行法による総括主宰者及び出納責任者のほか、その範囲を広めて、選挙区において相当広範囲にわたって選挙運動を主宰した者、事実上出納責任者の職務を行なった者、またさきに述べた候補者の父母、配偶者、子及び兄弟姉妹が、買収等悪質な選挙犯罪により処刑をされた場合は、刑事判決の確定により、直ちに効力を生ずるものとすることとなっております。しかしながら、憲法第三十二条は「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と規定しておるのであります。当選人の失格というような、議員にとっても、これを支持した少なくとも数万人の選挙民にとっても、きわめて重大な問題が、裁判の手続すら経ることなく軽々しく処理されてよいものであろうか。これに対し、政府が修正提案したことは当然であるが、政府として、憲法第三十二条の解釈をどう考えておるか、また修正の根拠につき、政府の所信を承りたいと思うのであります。 次は、政府が、親族の連座について、候補者と意思を通じて選挙運動をした親族が、悪質な選挙違反により禁固以上の刑に処せられた場合で、刑の執行猶予の言い渡しを受けた場合を除き連座することに修正したことにつき、最近、世論の中には、過去の実績から見て、執行猶予の条件をつければ、悪質違反者の大部分は連座を免れるから、これでは骨抜きとなって、公明選挙の目的は達せられないという非難があるのであります。しかしながら、それが悪質であるか、または厳重なる刑罰を課すべきものであるかどうかということは、裁判所にまかされておるのであります。独立した裁判官が何人の干渉も受けず刑の執行猶予を認めた犯罪について、いわば違反者本人すらも刑の執行猶予を受ける、そういう場合において、当選人までも連座させようという考え方は、一体何を根拠としているのであろうか。選挙を粛正するのが目的なのか、当選人をすべて悪人として連座させようとするのが目的なのか、全く判断に苦しまざるを得ないのであります。(拍手) 言うまでもなく、民主主義は一夜にして成長するものではありません。長い忍耐と寛容によって進歩改善されるものであります。選挙界の粛正もまた同様であって、革命のごとく一夜にして変わるものではありません。選挙粛正のためには、もちろんある程度の罰則の強化は必要でありましょう。しかし、罰則の強化のみによって公明選挙は行なわれるものではありません。選挙公営の充実強化、あるいは個人本位の選挙から政党本位の、あるいは政策本位の選挙に、一歩々々前進することが肝要であると思うのであります。これに対し、池田総理並びに安井自治大臣の所信をできるだけ具体的に承りたいと思うのであります。 最後に、最近世論の一部に、今回の選挙法の改正をめぐって、自民党内において怪しげな違憲論を振り回していることは奇怪であると評する向きもありますが、立法の府において新しい法律を作るに際し、その法律が憲法に適合するものであるかどうかを論ずることは、何よりも重要なことであります。(拍手)憲法第九十七条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」と述べておるのであります。この憲法第九十七条の精神こそ、全国民が心からかみしめ、生かしていかなければならないところであると信ずるものであります。この点に関し、池田内閣総理大臣の所信を承りたいと思うのであります。 最後に、私は政治資金規正の問題について、政府の所信をただす考えでありましたが、先ほどの安井自治大臣の趣旨説明によりまして、ほぼ了解をいたしました。また時間の関係上、これを省略いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 審議会の答申を尊重するかいなかの問題でございます。私は、今回の選挙法の改正につきましては、答申の趣旨を尊重いたしまして、必要な措置を講ずる、すなわち立法措置を要するものは、わが国現行法体系に妥当するよう立法技術上の諸種の点を検討いたしまして、皆さん方に御審議を願うことにいたしておるのであります。結論から申しますると、私は、審議会の答申の趣旨を尊重いたしまして、御審議願うことにいたしております。 また、高級官吏の問題につきましての御質問でございますが、法律で定める職にある者、国、公団、あるいは公社の法律で定める職にある者、こういう答申でございまするが、選挙におきまして一定の公務員の立候補を制限する、禁止する、これは法律で定めると申しましても、なかなか困難な問題であるのであります。私は、こういう特定の者に被選挙権を認めないというふうなやり方よりも、その自分のおりました地位を利用して違法な選挙をするその行為を取り締まることが必要であると逆に考えておるのであります。(拍手)事は篠田さんのおっしゃるように、高級であるとかあるいは高級でないとか、国とか地方の区別をすべきものではないと思います。その行為を取り締まることを考えればいいのであると私は思うのであります。(拍手) また、連座規定の問題につきましても、御承知の通り、従来総括主宰者あるいは出納責任者につきまして連座規定を置きました。今回は審議会の答申の趣旨を尊重いたしまして、その範囲を相当広くいたしました。また、親族の問題につきましては、いろいろ議論があるのでございます。私は選挙におきまして、親族の者の占める役割の重要さを認めております。しかし親族なるがゆえに、せっかく当選した人が直ちに無効になるということは、これはいかにも私は実際に沿わないと考えまして、御審議願うような改正案にいたしたのでございます。(拍手) これを要しまするに、選挙の公明はわれわれの悲願でございます。これを達成するためには、この法案のみならず、今後もあらゆる努力を続けなければならぬと考えておるのであります。(拍手) 〔国務大臣安井謙君登壇〕
○国務大臣(安井謙君) 篠田さんの御質問に対しまして、ただいま総理の御答弁で、おおむね趣旨は尽きておると存じますが、私ども答申の精神は十二分に尊重いたします。しかしながら、これが憲法上の疑義を残すような心配はないか、または立法技術上妥当なものであるかどうか、社会通念上これがはたして正しく通用するかどうか、こういった点につきましては、私ども法律を作ります者の責任上、この答申案に対しまして若干の修正をいたしておることは事実でございます。 高級公務員の問題につきましても、ただいま総理の御答弁の通りでございますが、これを技術的に見ましても、高級公務員の限界をきめるとかあるいは職制が変わったような場合に、これをどうするか、これは事実上とうていこの職名をあげて制限するということは不可能であると判断をいたしたわけでございます。 連座につきましても、親族等を特に取り上げて対象にしておる例は外国等にもございません。そこで憲法上にもいろいろ問題があろうと存じております。しかしながら一方におきましては、審議会では、やはり親族が果たしておる役割を相当重要視いたしまして、本人と分身的であるとか、同一行動をとったような者が単に隠れみのになってはいかぬという精神がございますので、この点をやはり取り上げまして、しかし、これは実際に当たって行き過ぎにならないように、十分なしぼりをかけまして、私ども法案を作成いたしたわけでございます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 畑和君。 〔畑和君登壇〕
○畑和君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本日趣旨説明のありました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、以下数点にわたって池田総理並びに安井自治大臣に対し質問をいたさんとするものでございます。(拍手) そもそも各種選挙が公正に行なわれ、民意を正しくそのまま反映させることは、民主主義の根幹であることは今さら言うまでもないところでございまするが、残念ながら日本における従来の選挙は、腐敗選挙の連続でありまして、その傾向は回を重ねるごとにますます激しさを加えつつあるのであります。特に一昨年十一月の総選挙での違反件数は、全部が一万七千余件、そのうち買収、供応、利害誘導等の悪質犯は、実に全体の八割、すなわち一万三千三百五十件に達したのであります。選挙の粛正、清潔な政治を望む声がほうはいとしてわき上がってきたことは、むしろ当然のことでありまして、池田内閣といたしましても、しぶしぶながら公選法改正を政府の重要課題の一つとして取り上げざるを得ない立場となり、このため、昨年選挙制度審議会が設置せられたのでございます。しかも、今次選挙制度審議会は、その設置法第三条に、「政府は、審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」と明記することによりまして、従来の総理府令によって設置せられておった選挙制度調査会と比べて、はるかにその権限と責任が大きくなりました。ここにこそ今次審議会の設置の画期的な意義があるのであります。昭和二十四年の第一次調査会から、昭和三十五年解散した第七次調査会に至るまで、何回となく調査会から答申がなされたにもかかわらず、それが法的に政府を拘束しないため、ほとんど答申がそのまま採用されたことはなかったのでございまするが、今回こそは、政府は審議会の答申に法的に拘束されることになったのでありまして、それなればこそ、日本の良識を集めた審議会の委員各位も、選挙の公明化、清浄な政治実現への悲願に燃えて、熱心に討議を続けられまして、昨年十二月二十六日、定数是正、選挙区制を除く自余の点につき、政府に対し第一次答申をされたのであります。われわれは、これら審議会各位の熱意と努力に対し、あらためてここに深甚なる敬意を表する次第であります。(拍手) しかるにかかわらず、政府は、これら審議会の熱意を踏みにじり、第一次答申以来何と二カ月を経た今日、しかも、答申のうち最も重要な幾つかの柱を骨抜きにいたしまして、本院に提出して参ったのであります。(拍手)このことは、ネコを描いて、しいてトラなりとするたぐいでありまして、かかる政府の態度は、われわれの断じて許すことのできないところでございます。(拍手) 私は、まず、政府の答申無視の最も重要な三点につきまして、答申と本政府案とを比較しつつ、答申無視の実体を明らかにし、具体的に担当大臣たる安井自治大臣に御所見を伺い、さらに総括的に池田総理大臣の御所見を伺いたいと存ずるのであります。 第一に、連座制強化の問題でありまするが、答申では、連座の幅を広げるとともに、連座関係者の有罪判決の確定と同時に、当選した候補者が自動的に当然失格するということにして、連座制の実をあげようと意図いたしたのでありまするけれども、本政府案では、関係者の有罪判決確定後、検事が当選無効の訴訟を提起しなければならないということにいたしましたため、刑事判決確定までに相当な日時を要する選挙違反裁判の実情のもとにおきましては、刑確定後の検事の訴訟提起によっては、当選無効にしようにも、すでに任期が切れておるというような結果となることが多いのでありまして、実質的に連座の効果を失わしめることとなるのでございます。このように自動的当然失格の線がくずれ去ったのは、連座関係者の刑事判決確定によって、本来刑事責任のない候補者が自動的に当然失格するというように、裁判によらないで刑罰にひとしい処置を受けることは、憲法第三十一条に触れる、憲法違反の疑いがあるということが理由とされておるごとくでありまするが、これは決して憲法に違反するものではないと私は考えるものであります。なぜならば、連座失格は憲法第三十一条にいわゆる刑罰ではないからでございます。さらにこのことは、審議会のメンバーの中に宮沢、田上両氏のごとき権威ある憲法学者も含まれておりまして、それらの人々も憲法違反とはならないとして答申に参加しておることからも明らかであろうと存じます。(拍手)なぜ答申を大幅に変えたかということにつきまして、一つ自治大臣の見解を承りたいと存ずるのであります。 また、親族の連座については、答申の考え方は、罪九族に及ぶという封建思想への逆行だ、かように反対する者もありまするけれども、かかるお粗末な理解の仕方は、答申の精神を冒涜するもはなはだしい、かく言わなければならぬと存じます。なお、候補者の父母、配偶者、子、兄弟姉妹が、当該選挙につき悪質違反を犯すだけで足り、答申には、そのほか何らの条件もしぼりもないのでありまするけれども、本政府案では、大きな後退を示しておりまして、候補者と同居し、かつ、意思を通じて、悪質違反により、禁固以上の刑に処せられ、しかも、最後に執行猶予でなく実刑となった場合にのみ、候補者が連座するということにいたしまして、五つのしぼりをかけましたために、せっかくの親族の連座規定も、実際には何の役にも立たない空文と化してしまったのであります。前回の衆議院選挙違反者百七人中、百四人が執行猶予となり、また、前回の参議院選の違反者九十八人中、九十七人までが執行猶予となっておる最近の判決の傾向をもっていたしますならば、他の条件を考慮に入れないでも、この規定で連座する者はほとんどないというような結果になると思うのであります。(拍手)これではたして、政府案は答申を尊重したと言い得るかどうか、これでも骨抜きでないと言われるかどうか、自治大臣の意見を承りたいと思うのであります。(拍手) 第二は、高級公務員の立候補制限の問題でございます。高級公務員で参議院議員に当選した者の数は——衆議院はやめておきます。前回十名、前々回八名、一番多いときは一度に十三名を数え、現在議席を持っておる者が十六名だそうでございまするが、それらの大部分は、在職中国家権力と地位とを利用し、全国にまたがる関係業者に資金と票とを割り当て、事前運動をやり、いわゆる一億円選挙をやって、ほとんどことごとくが当選をいたしておる現状でございます。この弊害を除かんとして、答申では、職務関係のつながりの特に深い一部高級公務員の退職後三年間の立候補を禁止しておるのでありまするけれども、政府は、立候補制限は憲法違反の疑いありとの理由のもとに、立候補そのものには何ら制限を加えることをせず、ただ、職務利用の事前運動が違反に問われて有罪となった場合、当選失格するということに変更し、しかも、対象を、公平の名のもとに一般公務員にまで拡大することによって、答申の趣旨を全然すりかえてしまったのでございます。一定の地位の人が、さらに次の他の一定の地位につくことも法律で制限しておる例はほかにも幾らでもありまして、決して憲法第二十二条、職業選択の自由保障違反とはならないと私は確信いたしておるのであります。前にも申し述べました通り、審議会の憲法学者も憲法違反ではないと答申しているにもかかわらず、政府が、一部少数説をとって、しいて憲法違反なりとの理由のもとに、答申の趣旨をすりかえたことは、国家権力を利用することによって保守勢力を温存せんとするものでありまして、きわめて遺憾にたえないと思うのであります。(拍手)この点、自治大臣の見解を承りたいと考えるものであります。 第三は、政治資金規正の問題でございます。政治の腐敗、選挙の腐敗が、政党への政治寄金が規正されていないところに多く起こり得ることにかんがみまして、答申では、政治資金規正の対象を国から財政投融資、補助金あるいは助成金、交付金、利子補給等を受けておる特別の関係にある会社等の法人にまで範囲を広げ、選挙に関するといなとを問わず、広く政治献金を禁じようといたしましたのに対し、政府案では、政治寄金は「当該選挙に関し」てのみ禁止したため、わずか文字では七文字の追加だけでありまするけれども、答申の目的、趣旨を全然没却する結果となり、そのため、実際に選挙資金のための献金でも、選挙には関しない一般の政治献金だと言いのがれ得る抜け道ができ、従前とさっぱり違いがない、完全なざる法と化してしまったのでございます。(拍手)自治大臣、これでもあなたは答申を十二分に——さっき十二分にと言われたが、十二分に生かされたと言われるのか、決してざる法でないと主張されるのかどうか、明確な一つ御答弁を願いたいのであります。 以上、特に重要な三点につきまして申し述べまして、自治大臣の所見を尋ねた次第でございますが、政府は総じて答申を大きく変更いたしました。むしろ答申を無視するにもひとしい本改正案を提出して参ったのでありまして、これは設置法第三条それ自体に反することはもちろん、設置法審議の際にも、また、さらに審議会の第一回の総会冒頭の総理のごあいさつの際にも、総理が繰り返し述べられた答申尊重の言明にも、はなはだしく反すると思うのでありまするけれども、総理はこれについてどうお考えになっておられるか。これでも答申を十分あるいは十二分尊重したと言われるか、そういうおつもりかどうか、その辺を承りたいのでございます。 次に、総理にお伺いいたしたいことは、答申から本政府案決定までの道筋、経過についてでございます。私は、少なくともほかの一般の法案と根本的に性格を異にいたしまする本政府案に関する限り、設置法第三条に基づいて、政府は答申を尊重して、答申通り法案化して提出すべきであったと考えるのでありまするけれども、政府は、その前に与党に相談した結果、逆に吹き上げられました。説得どころか、説得されて、その圧力に屈して、答申を大きくゆがめる結果を招来したのでございます。しかも、自治大臣が、こともあろうに、派閥の何個師団かの会合に案を持ち回ったというに至っては、むしろさたの限りであり、不見識もはなはだしいというべく、(拍手)政府は筋を通さず、その取り扱いの順序、方法に大きな誤りを犯したものと考えるけれども、この点に関する総理及び自治大臣の見解を承りたいのでございます。 審議会は、政府の答申取り扱いの順序、方法の誤り及び答申無視の事実に対しまして、明らかに不満の意見を表示して政府に抗議し、長谷部忠委員のごときは、辞意を表明して、ついには、定数是正の問題は答申するが、その他は、政府の反省を求める意味で審議を中止すると決議するに至ったことは、先般御承知の通りでございまするが、この一連の事態は、他に類例を見ないところでございまして、事きわめて重大であると考えるのであります。政府は、このことにつきましていかに反省し、この事態をいかに打開する考えか、総理の御所見のほどをお伺いいたしたいと存ずるのであります。(拍手) 次に、ついでに聞いておきたいのでございまするが、第一次答申を尊重しなかった政府は、近くいやでもおうでも答申されるところの第二次答申、これはやらないとかやるとかいっておりましたが、結局これだけはやる、あとはしばらく政府の行き方を見守るということになった。従って、近く第二次答申として定数是正の問題が答申されて参ります。その答申に沿って、政府は今度こそ、その第二次答申をそのまま国会に提案するお考えかどうか。聞くところによりますると、安井自治大臣、今これだけでも、第一次答申だけでも大もめにもめておるから、第二次の定数是正という問題が出てくるとハチの巣をつついたようになるから、従ってまあまあしばらく第二次は待ってくれと、こう頼んだようです。ところが設置法の附帯決議には、選挙区制の問題は別として、そのほかの問題はできるだけ早く答申してもらいたい、こういうような附帯決議がついているはずです。そういうことを言っておるのだけれども、ともかく、ああいうことで第二次答申として近く定数是正の答申が出て参りまするが、またぞろ答申を無視するようなお考えか、その通り答申を今度あらためて採用いたしますというふうに出て参るお考えか、総理の決意のほど、腹の中を聞きたいのであります。 従来の経過一切から考えてみまして、政府・与党には、選挙をきれいにしようなどという熱意がないとしか考えられない。審議会は、要するに政府のショーウインドーにしかすぎなかったのではないか、適当にお茶を濁そうとすることが、総理を初め政府・与党の本心ではないのか、こういったような政府不信の見解が最近の審議会内の支配的な空気のようでございまするけれども、単に審議会だけでなく、われわれも残念ながらそう思わざるを得ないのであります。そこで、総理は、それら政府不信の声にこたえて、深く事態を反省し、本改正案を撤回し、あらためて答申に忠実な改正案を出し直す考えはないかどうか承りたい。 最後に、私は、政府が本改正案を撤回しない以上、わが日本社会党は、近く審議会の答申をそのまま尊重した内容を持つところの修正案を提出し、高まりつつある世論を背景として、政府案とわが党修正案と、いずれが是か非か、審議の過程を通じまして対決する決意であることを表明いたしまして、私の質問を終わる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。 政府といたしましては答申に基づき、その趣旨を尊重いたしまして、わが国現行法上の体系に妥当するよう立法技術的に検討を加えまして、最善の案として御審議願うことにいたしたのであります。一部におきましては違っておるところがございまするが、その点につきましては先ほどお答え申し上げた通りでございまして、大部分につきましては答申通りに相なっておるのであります。 そうしてまた、今回提出に至るまでにつきましての措置についていろいろ御批判がございましたが、今の政党内閣である関係上、私はこういうことをすることは当然なことと考えておるのであります。 また、今後の審議会の問題でございまするが、審議会は従来通り御審議を継続なさることを期待いたしておるのでございまして、今後いかなる答申が出ますか、答申のあったときに善処することといたしたいと思います。(拍手) 〔国務大臣安井謙君登壇〕
○国務大臣(安井謙君) お答えいたします。 親族の連座に関しまして、自動的な失格の点を検事の提訴を待ってやるとしたのは不届きじゃないか、こういうお話でございますが、この問題につきましては、審議会の中におきましても、法律専門家の委員の方々はひとしく、検事の提訴を待つべきものであるという御見解が強かったのでございます。(拍手)従いまして、私どもは法律専門家の意見を取り上げまして、これを採用したわけでございます。 なお、先ほども申し上げましたように、外国にも例のない親族だけを特別連座の対象にするといったような法律を作ります以上は、これがやはりほんとうに候補者と意思を通じておるとか、悪質であるとか、実刑が確定をしておるといった程度の条件があるのでなければ、これが乱用されることは、厳に慎しまれるべきものと私どもは考えておるわけでございます。(拍手) なお、非常に骨抜きにされたように申されますが、この連座規定は、三つの項目が出ておったのでございます。すなわち、総括責任者の範囲の拡大、出納責任者の範囲の拡大、それから親族の適用、この三つのうち、二つは完全に取り上げまして、さらに最後の非常にデリケートな問題があります点につきまして、十分な検討の結果、こういった案ができ上がったわけでございます。 高級公務員につきましては、先ほど申し上げました通り、地位利用をして当選をはかったり、はからせたりするのがいかぬという精神であろうと存じます。これは高級、中級、下級を問いません。また公務員の中央、地方を問わないと存じますので、全般に罰則を適用して、なおその事実があれば失格をする、こういろふうにいたしたわけでございます。 政治資金の規正の問題につきましては、御説の通りに、政治資金全般に対する規正の答申でございました。しかしこの法律は、御承知のように非常に広範なものにわたっておりまして、しかも選挙法の改正を目的にいたしておるのでございまするから、各項にわたりまして選挙に限るということで、あまり間口を広げないようにいたした次第でございます。 なお、各方面の意見を聞きましたこと、その他の点につきましては、総理の御答弁の通りでございます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 法案の趣旨の説明に対する質疑、とれに対する答弁は以上にて終了しました。 ————◇————— 日程第一 相続税法の一部を改正 する法律案(内閣提出) 日程第二 印紙税法の一部を改正 する法律案(内閣提出) 日程第三 トランプ類税法の一部 を改正する法律案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) これより本日の日程に入ります。 日程第一、相続税法の一部を改正する法律案、日程第二、印紙税法の一部を改正する法律案、日程第三、トランプ類税法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 ————————————— —————————————
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小川平二君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔小川平二君登壇〕
○小川平二君 ただいま議題となりました相続税法の一部を改正する法律案外二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず第一に、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近における資産価額の推移等の実情を考慮して、遺産にかかる基礎控除額を引き上げる等の改正を行なうものであります。すなわち、この控除額は、従来百五十万円に相続人一人当たり三十万円を加算した金額でありましたが、これを二百万円に相続人一人当たり五十万円を加算した金額に改めることとするものであります。 なおこの改正によれば、相続人五人の標準世帯におきましては、その遺産額が四百五十万円程度までは課税されないこととなります。 次に、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案のおもな内容は次の通りであります。 まず第一に、零細な記載金額の手形に対する納税の負担と手数を省略し、取引の円滑化をはかるため、約束手形及び為替手形については、現行の免税点の一万円を五万円に引き上げるとともに、記載金額十万円以下の手形について、現行二十円の税率を十円に引き下げ、さらに一覧払いの手形、外国通貨表示の手形等についても、現行二十円の税率を十円に引き下げることとし、なお自由円表示の手形についても、新たに外国通貨表示の手形と同様に、十円の税率とするものであります。 次に、相互銀行及び無尽会社が発行する掛金通帳を新たに印紙税法上に掲名することとし、あわせて、税率を現行の二十円から十円に引き下げるものであります。 次に、印紙納付にかえて認められている一定表示による現金納付の方法については、増資による新株発行の場合には、現行法では、払込期日の前に印紙税を納付することとなっておりますが、この際、株券数の確定時である払込期日に印紙税を納付する方法を採用することとしております。 次に、トランプ類税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案のおもな内容は、税率の改正であります。 すなわち、トランプ、花札等については、一組につき現行六十円を四十円に、合成樹脂製のマージャンについては、一組につき現行千円を五百円に、牛骨製のマージャンについては、一組につき現行四千円を三千円に、それぞれ引き下げるとともに、反面、象牙製のマージャンについては、一組につき現行六千円を八千円に引き上げようとするものであります。 なお、納税方法を他の間接税と同様に、原則として、申告納税制度に改める等、所要の規定の整備を行なうこととしております。 以上、三法律案については、審議の結果、去る二月二十七日質疑を終了し、直ちに採決を行ないましたところ、いずれも全会一致をもって原案の通り可決となりました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 三案を一括して採決いたします。 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 日程第四 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(清瀬一郎君) 日程第四、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ————————————— 郵便貯金法の一部を改正する法律案 右の内閣提出案は本院において可決した。 よって国会法第八十三条により送付する。 昭和三十七年二月十六日 参議院議長 松野 鶴平 衆議院議長清瀬一郎殿 —————————————
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長佐藤虎次郎君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔佐藤虎次郎君登壇〕
○佐藤虎次郎君 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 この法律案は、去る一月二十五日内閣から参議院に提出され、二月十六日、同院において可決の上本院に送付せられたものでありますが、その趣旨とするところは、郵便貯金の預金者の利便をはかり、あわせて貯蓄の増強に資するため、郵便貯金の貯金総額の制限額を引き上げるとともに、積立郵便貯金等の預入金額につき改定を行なおうとするものでありまして、改正の要点は、第一に、郵便貯金の一の預金者の貯金総額の制限額三十万円を五十万円に引き上げること、第二に、積立郵便貯金の一回の預入金額百円以上一万二千円以下を、百円以上二万円以下に改めること。第三に、定額郵便貯金及び定期郵便貯金の頂入金額につき、現行の三千円及び三万円を廃止して、新たに十万円を設けることの三点であります。 なお、施行期日は、本年四月一日となっております。 逓信委員会におきましては、本案の付託を受けまして以来、慎重審議を続けたのでありますが、その状況は会議録によって御承知願いたいと存じます。 かくして、委員会は、二月二十八日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと議決いたした次第であります。 なお、採決の後、委員会は理事佐藤洋之助君の動議により、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党共同提案にかかる次の附帯決議を全会一致をもって議決いたしました。 附帯決議 郵便貯金の預金者貸付制度の創設は、かねて各方面から熱心に要望されているところであるが、郵便貯金が大衆の零細貯蓄の集積であることにかんがみ、長期性郵便貯金を担保とする預金者貸付制度を設けることは、中小企業その他国民の中核層の切実な要望に沿うものであり、預金者の利便、貯蓄心の高揚、ひいては郵便貯金事業の進展のためにもじゅうぶん検討に価する問題である。 よって政府は、速かに、本制度創設の利害得失並びにこれを実施する場合における諸般の措置につき考究すべきである。 右決議する。以上であります。 これをもって、御報告を終わります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長簡牛=夫君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔簡牛凡夫君登壇〕
○簡牛凡夫君 ただいま議題となりました日本観光協会法の一部を改正する法律案外一法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、日本観光協会法の一部を改正する法律案について申し上げます。 日本観光協会は、今後一そう国際観光を振興し、もって貿易外収支の改善を期するため、業務をなお充実強化する必要がありますので、今回政府出資を行なうとともに、業務の範囲を拡大する等の措置を講じようとするものであります。 その要旨の第一点は、日本観光協会の資本金を一億円とし、政府が全額を出資し、必要があるときは追加して出資することができることとし、この資本金をもって、昭和三十七年度中に東京に外国人観光旅客に対する総合観光案内所を開設するための資金に充当しようとするものであります。 第二点は、本協会の運営の適正化をはかるため、会員及び運営審議会に関する制度を整備するとともに、その財務及び会計等に関し、政府の監督を強化せんとするものであります。 本法案は、去る二月七日付託、同九日政府より提案理由の説明を聴取、二月二十八日質疑を行ない、同日討論を省略して採決の結果、全会一致をもって政府原案通り可決した次第であります。 次に、港域法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本法案は、最近の港湾事情の変化に伴いまして、港の区域が実情に沿わなくなったものを改め、あるいは新たに港域を定める等の必要が生じておりますので、港域法の別表を改正しようとするものであります。 改正の第一点は、田子の浦港及び安藝津港について、新たに港域を定めようとするものであります。 第二点は、網走港外十五港について港域の変更をはかるとともに、焼尻港外十七港について、基準物標の名称等を変更しようとするものであります。 本法案は、一月二十五日本委員会に予備付託となり、同月三十一日政府より提案理由の説明を聴取し、二月二十三日本付託となり、同月二十八日討論を省略し、採決の結果、本法案は、全会一致をもって政府原案通り可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 日程第七 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第八 阪神高速道路公団法案(内閣提出) 日程第九 水資源開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第七、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案、日程第八、阪神高速道路公団法案、日程第九、水資源開発公団法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。 —————————————
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。建設委員長二階堂進君。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔二階堂進君登壇〕
○二階堂進君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案外二法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、宅地造成等規制法による勧告または命令にかかる宅地防災工事を円滑に施行させ、防災建築街区内に建設される防災建築物の建設を促進し、また、災害復興住宅及び地すべり関連住宅にかかる貸付金の償還期間を合理化すること等を目的とするもので、おもな内容は次の通りであります。 まず、公庫は、宅地造成等規制法による勧告または命令を受けて、宅地防災工事を行なおうとする者に、必要な資金を貸し付けることができることとすることであります。 第二は、中高層耐火建築物等のうち、防災建築物の非住宅部分の貸付面積を広げることであります。 第三は、災害復興住宅及び地すべり関連住宅の貸付金の償還期間は、現在一律に十八年以内であるのを、耐火構造のものは三十五年以内、簡易耐火構造のものは二十五年以内、その他のものは十八年以内に、それぞれ引き延ばすことであります。 第四に、公庫は、雇用促進事業団法による業務の委託を受けたときは、金融機関または地方公共団体に対し、その委託を受けた業務の一部を委託することができることとすることであります。 次に、阪神高速道路公団法案について申し上げます。 本法案は、最近の阪神地区における交通事情の悪化に対処し、自動車専用道路の飛躍的な整備をはかるため、首都高速道路公団設立の例にならい、阪神地区において、自動車専用道路の建設及び管理を行なら阪神高速道路公団を設立しようとするもので、その概要は次の通りであります。 第一に、木公団は、大阪市の区域及び神戸市の区域並びにそれらの区域の間及び周辺の地域において、有料の自動車専用道路の建設及び管理を行なうことによって、これらの地域における都市機能の維持と増進をはかろうとするものであります。 第二に、公団は法人とし、その資本金は政府及び政令で定める地方公共団体からの出資金の合計額とし、政府は公団設立の際二億円を出資することとしております。 第三に、公団には委員七人及び理事長をもって組織する管理委員会を設置し、予算、事業計画、資金計画及び決算についての議決機関とすることとしております。 第四に、公団の役員として理事長、副理事長、理事及び監事を置き、その任期はそれぞれ四年としております。 第五に、公団の行なう業務は、有料の自動車専用道路の建設及び管理が主たる業務でありますが、あわせて有料の路外駐車場の建設及び管理等も行なうこととし、自動車専用道路の建設は、建設大臣の定める基本計画に従ってなされることとなっております。 その他、公団の財務及び会計につき所要の規定を設けております。 次に、水資源開発公団法の一部を改正する法律案について申し上げます。 水資源開発公団法は、去る第三十九回国会において成立し、政府は四月上旬同公団の発足を目途に準備を進めているのでありますが、今回、公団に対する政府の出資について、あるいは国や都道府県によって施行されている事業の公団への承継等につき、必要なる規定を整備いたそうとするものであります。 以下、その内容について簡単に御説明申し上げます。 第一に、水資源開発公団の資本金を三億円とし、政府が全額出資するものとしたことであります。 第二点は、建設省が直轄で施行している多目的ダム、あるいは国営または都道府県営の土地改良事業のらち特定のものを公団が承継して事業を行なうこととしたことであります。 第三点は、公団が発行する水資源開発債券あるいは公団の長期借入金につき、政府がその債務保証をすることができるものとし、第四点は、公団がその本来の用に供する一定の資産については、不動産取得税あるいは固定資産税を免除しようとするものであります。 右三法案中、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案は一月二十九日、阪神高速道路公団法案は二月五日、水資源開発公団法の一部を改正する法律案は二月八日、それぞれ本委員会に付託され、特に阪神高速道路公団法案につきましては、参考人より意見を聴取する等慎重に審査を進めたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。 かくて、二月二十八日、質疑を終了、日本社会党を代表して児玉、中島両委員から賛成意見の開陳があり、右三法案についてそれぞれ採決の結果、いずれも全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。 なお、水資源開発公団法の一部を改正する法律案には、愛知用水公団との関係についての附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 三案を一括して採決いたします。 三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔櫻内義雄君登壇〕
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案の要旨は、第一に、国立大学に包括されて存続している旧制の国立大学を廃止すること、第二に、東京大学に共同利用の海洋研究所を、また京都大学に経済研究所を付置すること、第三に、東京大学付置生産技術研究所の位置を千葉県から東京都へ変更すること、第四に、函館、旭川、平、群馬、長岡、沼津、鈴鹿、明石、宇部、高松、新居浜、佐世保の十二国立工業高等専門学校を新設することであります。 さて、本案は、一月二十三日当委員会に付託となり、二月七日政府より提案理由の説明を聴取、二月二十三日及び二十八日の両日、本案について論議を行ない、内容の各般にわたってきわめて熱心に検討を加えて参りましたが、その詳細は会議録によりごらん願いたいと思います。 かくて、二十八日、本案に対する質疑を終了、討論を省略して採決の結果、起立多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。 続いて、自由民主党を代表して上村千一郎君から本案に対し、「国立の学校及び研究所の施設、設備について、政府は、地方公共団体及び住民に対し過重な負担を課することのないよう措置すべきである。」との附帯決議案が提出されました。これに対し採決の結果、全会一致をもって可決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十六分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 池田 勇人君 大 蔵 大 臣 水田三喜男君 文 部 大 臣 荒木萬壽夫君 運 輸 大 臣 斎藤 昇君 建 設 大 臣 中村 梅吉君 自 治 大 臣 安井 謙君 国 務 大 臣 藤山愛一郎君 出席政府委員 法制局長官 林 修三君 運輸省観光局長 梶本 保邦君 郵政政務次官 大高 康君 郵政省貯金局長 荒巻伊勢雄君 ————◇—————