本会議 第5号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/01/19
会議録
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 国務大臣の演説
○議長(清瀬一郎君) 内閣総理大臣から施政方針に関する演説、外務大臣から外交に関する演説、大蔵大臣から財政に関する演説、藤山国務大臣から経済に関する演説のため、おのおの発言を求められております。よって、順次これを許します。内閣総理大臣池田勇人君。 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 諸君とともに新しい年を迎え、ここに第四十回通常国会の再開に臨み、明年度予算その他重要案件の御審議を求めるにあたり、わが国をめぐる内外の諸問題に対する政府の所信を披瀝する機会を与えられましたことは、私の最も欣快とするところであります。具体的施策については関係閣僚の所信表明に譲り、施政の大綱について率直に申し上げたいと存じます。 戦後十七年、国民諸君の努力により、わが国の経済は驚異的復興を遂げ、生産技術も著しく進歩し、国民生活は着実な向上を記録することができました。また、わが国に対する世界の信用は年とともに高くなり、国際的地位もまた向上して参りました。このことは、わが国が、内外に新たな課題と責任をになうに至ったことを意味するものであって、小成に安んじ、安逸をむさぼり、放縦に流れ、闘争を事としては、この課題と責任にこたえることができないものと思います。(拍手) 真の繁栄は、豊かな経済を基礎としつつ、これを貫くに高い精神、美しい感情、すぐれた能力をもってして初めて実現されるものであります。真の福祉は、漫然として享楽すべき贈りものではなく、われわれが営々として追求し、額に汗して建設すべきものであると思うのであります。(拍手) この意味において、私は文教の刷新と充実、特に次の時代をになう青少年諸君の育成が、現下最も重視すべき要務であると信じます。(拍手)政府は、地方公共団体その他教育界の各位と協力して、学校教育と社会教育を通じて、教育機会の均霑、教育内容の向上、教育施設の拡充等に努め、教職員と学生が遺憾なくその本務に邁進できるような環境の整備と、働きつつ学ぶ方々に知識と技能を体得される機会の提供に一段と努力を傾ける所存であります。(拍手)このことは、政府が、明年度の予算の編成にあたり、新時代に即応する科学技術の開発並びに科学技術者の養成とともに、最も力点を置いたところであります。 青少年こそは祖国の生命力の聖なる源泉であり、民族の純潔と勇気を代表するものでありますから、遠大な使命感とゆかしい学問教養を身につけていただきたいと思います。また、教職員諸君は、その職分にふさわしい品格と学識の研摩に努め、父兄と国家の期待にこたえていただきたいと希望いたします。このことが、教師と学生の間を一そう緊密にし、学校教育を真に充実したものにするものであると信ずるのであります。(拍手) 文教とともに、政府が日夜意を用いなければならない問題は、貧困、病気、失業等のため、不幸にして、経済成長の陰に取り残された同胞に対するあたたかい配慮でなければなりません。(拍手)わが国の社会保障は、国民の深い理解と協力を得て、逐年着実な前進を遂げて参りましたが、なお、今後の改善に待たなければならない事項が少なからず残されております。政府は、予算の編成にあたり、引き続き重点をこの分野に置き、低所得層対策と医療保障の充実を中心として、一そうの伸展をはかることにいたしました。 国家社会の秩序の安定は、国民一人一人が、国民生活の支柱をなす民主的な法秩序を尊重し、これを順奉することにより確保されるものであります。国民各位の良識により、わが国の民主的秩序の大本が、堅実な土壌の中に育成されつつあることを喜ぶものであります。(拍手)しかるに一部には、少数者の恣意により、あるいは集団を頼み、さらには誤れる海外の思潮におぼれ、民主的秩序を無視した脅迫的政治活動が今なお跡を絶たないことは、われわれに深甚な考慮と警戒を要請するものであります。(拍手)政府としては、みずからの姿勢と体制に絶えざる戒慎を加えつつ、国家社会のあらゆる分野によき民主的慣行の浸透を促すとともに、一方国法を犯すものに対しては厳正な処断を加えて、国家と社会に対する内外からの破壊活動の根源を除去して参る決意であります。(拍手) 現代の社会における対立は、ひとり思想や政治の領域にとどまらず、労働関係等に見られるように、国民の間における利害の対立が、ときに先鋭な姿をとることがあります。かかる場合、私は、当事者が相互に民主主義に欠くことのできない敬意と寛容の精神を重んじ、事案に対する合理的検討と忍耐強い話し合いを通じて、その対立を解消し、進んで国民福祉の増進のために相ともに協力されることを期待いたすものであります。(拍手)世界の平和を願うものはまず国内の平和を追求しなければならず、国内の平和を願うならば、何をおいても同胞間の不信と憎悪を取り除かなければなりません。(拍手)同胞間の不信と憎悪をかり立てながらいたずらに平和を呼号することは、自他を欺く矛盾であるからであります。(拍手) 国家社会の秩序を確保し、国民福祉の増進をはかるためには、政府においてもみずからその姿勢を正し、戒慎の実をあげる必要かあることはもちろんであります。政府は、綱紀の維持と行政の効率的運営に不断の努力を払っておりますが、今回新たに臨時行政調査会を設けるゆえんは、行政の機構と運営の根本的刷新を期し、国民の願望にこたえんとする配慮に出たものであります。また、選挙制度審議会の答申に基づき、近く公職選挙法の改正法案を提出し、御審議を求めんとするゆえんも、選挙の公明化をはかるため、公明選挙運動の一そうの推進と相呼応して、政治に対する信用を高めたいと念願しておるからであります。(拍手)私は、さらに国会がすみやかに懸案の国会正常化をなし遂げ、国民の負託にこたえられるよう、各党各派の真剣かつ建設的な試し合いを心から希望するものであります。(拍手) 次に、外交方針について申し上げます。 国際情勢は依然険悪な様相を呈し、緊張緩和は、にわかに望みがたい状況にあることは御承知の通りであります。特に、ソ連の核実験再開とこれに続く米国の対応は、平和の空気に対する心理的重圧となっておることもいなめません。しかし、東西の勢力は重苦しい均衡の状況にありますので、愚かな偶発事件の突発しない限り、全面戦争に立ち至るがごとき事態は考えられないことであります。また、ベルリン問題、核実験の禁止問題、軍縮問題等当面の懸案は早急な解決を見ることが困難であり、さらに忍耐強い試し合いとそれへの瀬踏みが繰り返されるものと考えられます。一方、東西間の問題のみならず植民地問題等をめぐっても、世界各地に局地的衝突が起こる可能性もなしとしない情勢であり、現に新たな緊張がアジアの一部に発生しつつあることにつきましても十分注視する必要があると思います。 このような国際情勢に処して、日本は、自国のみならず、アジアひいては世界の平和と繁栄の増進に寄与するため、一そうの明知と勇気をもって、あらゆる機会をとらえ、緊張の緩和と経済外交の推進に努力しなければなりません。そのためには国連を中心としてさらに強力な平和外交を展開しつつ、各種懸案の積極的打開と新しい外交的課題に立ち向かって参る決意であります。 わが国外交の基調が、政治的にも経済的にも自由国家群との協調にあることは申すまでもありません。自由世界 の内部において、特に注目すべきことは、旧来の国家主権の考えを修正しつつ、欧州文明の伝統と自由を守るという強い自覚のもとに、西欧六カ国が企図した欧州経済共同体が、急速にその統合の成果を上げつつあることであります。さらに英国その他の志を同じゅうする欧州諸国がこれに参加をはかり、優に米ソ両国に匹敵する新しいヨーロッパを形成しつつあり、米国がこの共同体と経済的な結びつきを一そう強化しようとしておる事実であります。このような自由世界内部における新しい動きに対処することが、わが国にとり、経済上のみならず、国際政治の上においても、今後の新しいかつ長期的な課題となって参りました。(拍手) また、わが国はアジアの一員として、アメリカその他の自由諸国のアジア諸国に対する援助計画との関連を吟味しつつ、これら各国との貿易の伸長に努めるとともに、その経済の平和的建設に積極的に協力すべき任務を持っております。わが国は賠償の誠実を実行と並行して、可能な限りアジアの友邦との間に経済協力の実をあげて参りましたが、タイ国との間に特別円問題の最終的解決を遂げ、ビルマとの間にも賠償の再検討を通じ、新しい協力関係を樹立すべくせっかく交渉中であり ます。 韓国の安定と日本の安全とは深い関連を持っております。私は、韓国が、善隣としていち早く今日の困難を克服し、民主国家として繁栄することを心から希求するものであり、日韓の間に横たわる各種の懸案を合理的かつすみやかに処理して、国交の正常化をはかるべく、目下鋭意交渉を重ねておるのであります。(拍手) 中国代表権問題は、国連今次の総会が、従来のたな上げ方式を捨てて、実質的討議に入りましたことは一つの前進であると思います。(拍手)この問題は、現実に即し、しかもあくまで公正妥当な国際世論に基づいて対処せねばならぬものと信じております。国連加盟国の圧倒的多数が、わが国の提案に同調されたことは、わが国の良識が広く支持されたことを意味するものであり、私は、国連が慎重にかつ公正に本件の実質的審議を続け、賢明と勇気を持ってその解決を見出すことを、アジア及び世界の平和と進歩のために望んでやみません。(拍手) わが国は明治維新以来、みずからの後進性をいち早く脱却して偉大な進歩を遂げて参りましたが、世界の新しい波に進路を誤り、軽率にも無謀な戦争を強行し、悲惨な敗戦を経験したのであります。私は、アジアの友好諸国が、この轍を踏むことなく、それぞれの国民性を重んじつつも、国連を中心としてあらゆる問題の平和的解決をはかる態度を堅持し、すぐれた政治的経済的自立への建設的努力を続けられることを衷心より希望するものでありましてわれわれとしても、あとう限りの協力を惜しまないものであります。(拍手) 北方領土の問題につきましては、政府として、公正な内外の世論の喚起を通じて、わが国の正当な主張を貫徹するよう、今後とも一そうの努力を継続して参りたいと存じます。(拍手)沖繩、小笠原の問題については、日米相互の信頼と理解の上に立って、これら地域同胞の安寧と福祉の増進のため、米国と協力して積極的な施策を講じつつ、その施政権返還の実現を促進して参りたい所存であります。(拍手) 変転する国際情勢に対処して、わが国の安全を保障することは、政府に課せられた至大な責任であります。政府としては、日米安保体制を堅持しつつ、引き続き国力と国情に応じ、自衛力の自主的整備をはかるため、国民の防衛意識の高揚を期待しつつ、さきに国防会議において決定した第二次防衛力整備計画にのっとり、防衛力の内容充実に努めたいと思います。(拍手) 私は、つとに外交と内政は一体不可分のものであるとの確信を披瀝して参りました。内における民主的秩序の確立、自由な経済体制による豊かな経済力の充実によって、初めて、自由国家群の一員であると同時に、アジアの一員であるという立場にあって、世界の平和と繁栄のためにわが国独自の貢献をなし得るものであると思うのであります。(拍手)またかくしてのみわが国の国際的信用の向上を期待することができると思うのであります。(拍手)国際政局多難のおりから、国民諸君が、公明かつ寛厚な精神をもって、政府の外交政策に建設的な批判と協力をお願いするものであります。(拍手) 次に、経済について申し上げます。 昨年の日本経済は、設備投資の著しい増大と消費の堅調にささえられて、きわめて旺盛な拡大を続け、三十六年度の国民総生産は十六兆七千億円余に達し、三十五年度の実績に比し、一四%にも上る成長を示しておるのであります。この結果、国民生活水準の向上、雇用の改善と並行して、貿易の自由化に対応する産業の近代化に顕著な成果をおさめました。しかし他面、この成長のテンポはわれわれの予想をはるかに上回り、内需の旺盛と輸出の停滞による国際収支の悪化を招き、また、消費者物価の上昇、労働力の不足、道路、港湾等の社会資本の立ちおくれが顕著となるなど、経済の各分野に不均衡を生じ、この状態を憂うる世論もまた異常な高まりを見るに至りました。 経済の成長発展は、本来、程度の差こそあれ、生産、流通、消費はもとより、貿易、雇用、物価等の経済要因に革新をもたらすものであります。かつて見ない近代化革命を経験しつつあるわが国経済にとっては、その成長過程においてこれらの経済要因に相当の変動を見ることは、これまた当然のことと申さねばなりません。今日の緊張した事態は、日本経済がその進路を誤ったことから生じたものではないのでありまして、予期以上の経済成長が、われわれの予想を越えた不均衡を引き起こしたものと見るべきであると思います。(拍手)それにしても、あらかじめ起こるべき事態の的確な予見と、これを回避すべき事前の対応策に十分でなかったことは、これを認めるにやぶさかではありませんが、われわれの堅持している経済政策がその進路を誤ったと見る見解には承服することはできません。(拍手)私は、この反省と認識の上に立って、全力を傾けて事態の発展的な収拾に当たり、わが国経済の堅実な成長を推進して参る決意であります。(拍手) 今日、大企業はもとより、中小企業においてもその近代化は非常な速度で進み、その生産性も著しく向上して参りましだ。また、その労働条件は日とともに改善され、その水準は生産性向上の線に迫りつつあり、賃金の構造的格差も着実に縮小を見つつあるのであります。農業生産の選択的拡大と農業経営の近代化は急速な進展を見せ、農業所得も堅実に増加して参っております。雇用構造は顕著な改善を見、失業者は減少し、雇用は増大し、一部にはその不足をさえ訴える状況になりました。 一方、中央地方を通ずる財政力は、明年度の一千二百億円余の減税を加えて戦後一兆円以上の減税を断行しつつも、逐年充実し、行政水準も漸次向上を見つつあります。特に住宅事情は年とともに好転し、一世帯一住宅の実現に着実な歩を進め、環境衛生の状況も目ざましい改善を見つつあります。また、教育の機会と教育の施設は顕著に拡大整備され、生活困窮者や低所得層に対する社会保障は、医療保障の一般的拡充とともに、その改善の跡は見るべきものがあるのであります。 総じてこれらのことは、われわれの経済政策が、国民諸君の協力を得てなし遂げた偉大なる成果であって、九千四百万国民の就業と所得の機会が急速に増加し、その内容が改善されつつあることを物語るものであります。(拍手)われわれは、もとよりこれに満足することなく、さらにわが国経済の近代化とその構造改善のために、ますます精力的に施策し、経済の地域的構造的格差を解消して、われわれが希求する近代福祉国家としての骨格を作り上げて参る所存であります。 私は、これら一連の大きい成果につき国民諸君が冷静に正しい評価を加えられることを希望いたします。(拍手)同時に、かかる成果がもたらした各種の不均衡の存在とその是正の方途についても、十分な理解を持っていただきたいと存ずるのであります。(拍手)われわれはすみやかにこの不均衡を解消しなければなりませんが、このことが成長途上にある農林漁業や中小零細企業に対し不当な圧迫にならぬよう心がげるとともに、受難期にあります海運事業や石炭産業等に対しても周到な配慮を加え、さらにはその後において経済の沈滞を招くことのないよう十分留意して参る所存であります。(拍手)従って、これら不均衡是正の措置は、いたずらに成長を抑制することによってではなく、建設的かつ発展的に進めて参ることがわれわれの課題であると信ずるのであります。(拍手)そしてこのことは、われわれの創意と工夫、決意と行動によって可能なものであり、ただにその実行が可能であるばかりではなく、その過程を通じて日本経済の新たなる躍進を約束することになると考えるものであります。われわれが明年度の予算編成にあたり、従来より推進してきた基本政策の地道な拡充をはかることをその方針として堅持したゆえんもここにあるわけであります。 物価は、わが国経済の近代化による生産性の向上と流通秩序の改善によって、私は遠からずその上昇傾向を食いとめ得ると確信しております。ただ、生産性の向上に均霑し得ない物資ないしはサービスの価格についてはその合理的値上げを容認しつつ、消費者ないし利用者の所得増加の一部をもってこれを吸収し、全国民が公正に経済成長の恵沢に浴するよう配慮して参りたいと存じます。(拍手) 道路、港湾その他の社会資本の充実は、もっぱら政府及び地方公共団体の任務でありますが、治山治水の事業、環境衛生の事業とともに、政府がその予算の編成上最も重点を置いたところであります。特に交通対策としては、国民諸君に交通秩序の尊重を求めつつ、道路、鉄道、駐車場の整備等国民の期待にこたえる諸施策を強力かつ周到に進めて参る考えであります。 私は、わが国の国際収支の均衡を本年秋ごろまでに達成するという目標を打ち立て、経済の伸びをやや控え目に見積もるとともに、国際収支改善の対策を打ち出しました。この対策が、国民諸君の協力を得て、漸次予期した効果を上げつつあることを報告できることを喜ぶものであります。(拍手)また、IMF当局よりの借り入れも成立の運びとなり、当面外貨繰りの懸念は一応一掃されました。もとより、国際収支については、引き続き慎重な態度を堅持し、輸出の増進につき一そうの工夫と努力を必要といたしますが、これまでの経過から見て、私は、日本経済の実力に十分の自信と期待を持ち、政府の慎重な施策とこれに対する国民の協力を得れば、われわれの目標が確実に達成できるものと確信いたしておるのであります。(拍手) 諸君、新しい年も、たんたんたる泰平を楽しみ得る年ではありません。国際情勢は平穏ではなく、国内的にも多くの問題が解決を待っております。しかし、これらは、日本国民が、新たな歴史的時代を創造するために与えられたとうとい機会であり、課題であると思うのであります。(拍手)問題のないところに進歩はなく、困難を克服することなくして飛躍と発展を望むことはできません。(拍手)新しい年に臨み、新たな課題の挑戦を前にして、私は、国民諸君とともに、このような覚悟を新たにするものであります。 進歩と繁栄が謳歌されておる欧米諸国にあって、その反面に遊惰と頽廃の風潮に対する反省と警戒が叫ばれておりますが、わが国においては、決してかかる憂いのないよう、政府としてもその施政上十分戒めて参る所存でありまするが、国民諸君に対しましても一そうの御奮発を期待いたすものであります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 外務大臣小坂善太郎君。 〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
○国務大臣(小坂善太郎君) 第四十回通常国会に際しまして、外交に関しまする政府の所信を申し述べたいと存じます。 ここに新しい年を迎えたのでありまするが、過去久しきにわたるベルリン問題をめぐりまする東西両世界の間の状況は依然として重苦しい緊張と対立を続けておるのでありまして、その間ベトナムその他の諸地域におきましても、局地的紛争発生の危険が絶えず予想されるなど、世界平和確立への道は、遺憾ながらいまだけわしいものであると認めざるを得ません。 今日国際連合は、すでに百四カ国の加盟を見ておるのでありますが、残念ながら国際連合自体、ある意味では東西抗争の舞台となり、世界平和機構としてのその本来の機能を十分発揮するに至っていないこともまた事実であります。しかしながら、第十六回総会におきましては、関係国間の話し合いの結果、軍縮、核兵器実験及び大気圏外平和利用に関する国際会議が再開されることとなりました。今後とも国際連合が種々の試練に耐えて、よくその本来の機能を発揮し得るためには、すべての国がひとしく国際連合憲章の目的と原則を尊重し、あくまでこの機構を盛り立てていくという態度に徹することこそ肝要なのでありまして、わが政府は率先国際連合に協力し、その育成強化に努めることをもって外交政策の重点とするものであります。(拍手) 世界の平和が維持されるためには、すべての民族が、みずからの自由な意思に従ってその生活を築いていくことが必要であります。この意味において、今日アフリカ大陸において多数の独立国が誕生し、さらに引き続いて本年もその数を加えんとしつつありますことは、御同慶の至りであります。わが国は、植民地の住民が抱く独立への願望に対しましては、常に十分の同情と理解を有するものでありまするが、同時に、このような願望は、あくまで平和的手段によって達成さるべきものでありまして、目的のいかんを問わず、いやしくも武力によって事を解決しようと試みるがごときは、国際連合の目的と原則に反するものでありまして、直接世界の平和を脅かすものとさえいわざるをえないと思うのであります。 軍備の拡張と核兵器の生産、その実験等は、全人類の平和と福祉への悲願外世論の向こうところを注視しつつ、極東の安定と世界平和に貢献するとの方針のもとに、この問題を具体的に検討して参りたいと考えております。(拍手)なお、中国大陸との貿易問題につきましては、双方の国民経済が必要とする物資の交流が拡大されることを望むことは申すまでもありません。 わが国の最も近い隣国である韓国との関係につきましては、多年にわたり懸案解決のための交渉が続けられて参りましたにもかかわらず、いまだ国交の正常化を見ておりませんことはまことに不自然な状態であるといわなければなりません。幸いにして韓国新政府は、わが国との国交正常化に非常な熱意を示して参り、昨年十月より第六次会談を開始いたしておるのであります。特に昨年末には、朴国家再建最高会議議長が訪日して、池田総理大臣と忌憚なき話し合いを遂げることによって、相互の理解を深め得たことは、会談の前途を明るくするものであります。政府といたしましては、懸案の解決に今後一そうの努力を傾け、遠からず国交の正常化を実現いたしたいと考えております。 さらにソ連との関係につきましては、昨年夏ミコヤン副首相がフルシチョフ首相の池田総理大臣あて書簡をもたらして以来、特にわが北方領土の問題をめぐって、両国首相の間に両三度にわたりまして書簡の交換が行なわれて参りました。ソ連側は北方領土問題はすでに解決済みであると一方的に断定し、さらに、日ソ両国間に平和条約を結ぶためには、わが国が日米安全保障条約を廃棄することが必要であるとの宣伝を、わが国内で広めるべく意図しておるのであります。政府といたしましては、北方におけるわが国固有の領土に対する国民こぞっての愛着を無視するごとき妥協は一切行なわず、今後ともわが国の正当な主張を堅持して参りたいと考えております。(拍手)もとより、貿易や文化の交流により日ソ善隣関係の増進に資することは政府の方針とするところであります。 次に中南米諸国との関係につきましては、昨年はプラード・ペルー大統領、フロンデシ・アルゼンチン大統領の訪日があり、その際通商航海条約その他諸協定並びに諸取りきめの締結を見まして、これら諸国との関係を一そう緊密ならしめ得ましたことは、まことに喜ばしいところであります。わが国としましては、今後とも貿易、経済協力及び移住を通じまして、中南米諸国との協力関係を一そう推進して参りたいと考えておるのであります。(拍手) 今年のわが国外交の重要問題の一つは、経済外交の積極的推進であります。 わが国は現在、健全経済成長政策を進めつつ、当面の国際収支上の困難を克服し、かつ、貿易・為替自由化を促進するという立場にありまするが、そのためには、何よりも輸出振興に力を注ぐことが肝要であります。(拍手) 政府は、ガット三十五条援用を初めとする、わが国に対する通商上の差別撤廃を強く要望して参りましたが、昨年十一月のガット総会におきまして本問題の重要性が一そう広く理解されるに至り、一部の国がガット三十五条援用を撤回いたしたのであります。また、昨年八月以来、イギリス、フランス、イタリアその他の欧州諸国とも対日差別の撤廃につき交渉を行ない、その結果、今後わが国の対西欧貿易は、相当程度の増進が期待されるのであります。私は、本年こそはぜひとも対日差別撤廃の年といたしたいと考えておるのでございます。(拍手) この点に関しまして私が特に申し上げたいのは、わが国の業界と欧州諸国の業界との接触を密にして、相互の意思の融通をはかるということが非常に重要であるということであります。すなわち、欧州諸国の業界におきましては、わが国の実情にうとく、そのために対日不信と猜疑心がいまだ根深く残っておるのでありまして、これが対日輸入差別継続の根源をなしておると見られるのであります。これを解消するためには、政府、民間相協力してまず輸出体制の整備にさらに工夫をこらすととともに、各国の業界とも一そう積極的に接触をはかるよう努力することが望ましいと思われるのでございます。(拍手) 欧州における経済共同体の発展は、近年まことに目ざましいものがあります。ことに、イギリスを初めとして、他の欧州自由貿易連合の諸国も、これに加入ないし連合するための交渉を始めるに至りました。そこで、ここに米ソ両国に匹敵する強大な経済圏の出現が予想されるのであります。米国も共同体との貿易関係を強化するため、相互に関税の大幅引き下げをはかっております。また、欧州諸国に米国カナダを加えた経済協力開発機構も、昨年十月以来活動を開始いたしております。 このような動きに対して、政府は従来から西欧諸国との経済交渉を強力に推進するとともに、共同体の対日通商政策をできるだけ自由なものにするように、共同体当局との間にも種々話し合いを行ない、関係の緊密化に努めております。また、経済協力開発機構については、わが国もその活動に積極的に協力すべきであり、関係国の理解を得られるものと信ずるものでありまして、現に同機構の開発援助委員会に参加しておる次第であります。 欧州経済共同体と米国という二大工業圏の経済的紐帯の強化されることが予想されておるのでありまするから、わが国といたしましては、これに対処するため十分な心がまえをもって準備を進める必要があると思うのであります。(拍手) わが国が発展途上にある諸国、特にアジア・アフリカ諸国の産業開発を援助し、その発展に寄与することは、これら諸国との関係を緊密化するのみならず、それら地域の安定、ひいては世界の平和にも貢献するものであります。政府は昨年インド及びパキスタンに対し、総計一億ドルに上る借款を供与し、かつ、その他の諸国に対しても経済技術協力を積極的に推進してきたのでありますが、さらに本年度は輸出入銀行、海外経済協力基金等の資金の充実、海外技術協力事業団の設立などによりまして、これら諸国に対する経済技術協力の体制をますます強化、充実する考えでございまして、そのため、コロンボ・プラン、国連関係諸機関との協力に努めると同時に、他の先進工業諸国との積極的協調を重視している次第であります。(拍手) またこれら諸国よりの一次産品の買付増加については、わが国の貿易自由化の進展とともに、種々困難な問題を生じているのでありますが、政府といたしましては、これら諸国に対する経済技術協力の推進と相待って、その買付増加について一段と工夫をこらし、相互の経済関係の一そうの増進をはかりたいと考えております。(拍手) 世界の諸民族が相互の理解を促進し、親近感を深めますことは、世界の平和に寄与する重要な方途であります。政府は、かかる見地からつとに、わが国の文化と国民生活の実態を広く世界に知らせるべく努力して参りました結果、わが国の文物に対する関心は今や全世界を通じて著しく強まって参ったのであります。同時にまた、私は、わが国民においても、複雑微妙な国際情勢に対する関心をさらに深め、諸外国、諸民族の事情をよく知るとともに、国際社会におけるわが国の立場を正しく理解することが、国家間の協力を促進する上にも、きわめて重要であると考えておるのであります。 申すまでもなく、外交は、国内世論と密接に結びついたものでありますが、今後思想、経済、文化その他あらゆる生活の面を通じて、国民に対する国外からの働きかけも、いよいよ激しくなるものと予想されるのであります。私は、国民各位がこの複雑な国際情勢について正確な認識を持たれ、世界の平和とわが国の繁栄とを目的とする政府の外交方針を、今後とも一そう強力に御支持下さるよう切に要望する次第であります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 大蔵大臣水田三喜男君。 〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 本年は、国際収支の均衡を回復するという当面喫緊の課題にこたえるため、引き締め政策を堅持しつつ、経済の成長に伴い顕在化するに至った各面における不均衡の是正をはかり、長期にわたる国力発展の基礎を充実すべき年であります。 顧みまするに、政府は、昨年半ばより国際収支改善のため、一連の政策を実施し、内需の抑制と輸出の振興に努めて参りました。しかして、その効果はようやく経済の各分野に浸透し始め、輸入は高水準ながらも落ちつきを示し、卸売物価は軟化し、企業の投資態度にも慎重さが加わるなど、漸次景気鎖静化のきざしがうかがえるに至りました。 しかしながら、引き締め政策が所期の成果をおさめますには、なおしばらくの時日を要するのでありまして、実勢として、引き続き大幅な赤字を示しております国際収支の先行きについては、いまだ予断を許さないものがあります。すなわち、輸入は数カ月にわたり頭打ちの傾向を呈しているものの、わが国経済の規模が著しく拡大していることを考えますと、輸入水準の大幅な低下を期待することは困難であります。のみならず、今後における貿易・為替の自由化の影響や、設備投資等の内需の動向いかんによりましては、再び増勢に転ずるおそれもなしといたしません。 一方、輸出につきましては、米国景気の上昇、西欧諸国における差別的な対日輸入制限の緩和の動き等、国際環境には好転の気配も感じられます。また、過去の設備投資が生産力化し、引き締め政策が浸透するに伴って、輸出余力が増加することも十分期待されるところであります。その反面、米国におけるドル防衛政策や、西欧経済の拡大速度の鈍化、地域的な経済統合の動き等を顧みますれば、必ずしも楽観を許さない要因も多いのであります。 わが国経済の国際的な信用を保持し、対外支払いの必要を満たすため、外貨準備の確保に遺憾なきを期することはもとよりであります。一時二十億ドルをこえたわが国の外貨準備は、その実勢において、最近までに六億四千九百万ドルの減少を見たのでありまして、米国市中銀行からの二億ドルの借款の取りきめ、及び米国輸出入銀行の保証による一億二千五百万ドルの借款契約の交渉もこの趣旨に出たものであります。さらに、国際通貨基金に対し、さきに申し入れた三億五百万ドルのスタンド・バイ取りきめも、本日の理事会において審議される運びとなりました。従って、当面、外貨の資金繰りにはいささかの不安もないものと考えます。しかしながら、これらの借款はいずれも短期のものでありまして、長期にわたってこれに依存することは許されず、できるだけすみやかに返済することを要するのであります。 このような情勢に顧み、政府といたしましては、昭和三十七年度下期中に国際収支の均衡を達成することを経済運営の第一の目標とし、財政金融政策におきましても引き締め基調を堅持することといたしております。 もちろん、引き締め政策の浸透過程におきまして、中小企業等にしわ寄せが行なわれることのないよう、従来にも増して慎重に配慮する所存であります。また、国際収支の改善にあたりましては、単に内需を抑制し、間接的に輸出の拡大を期するのみならず、輸出振興策を推進して、積極的にその伸長をはかることも、けだし当然であります。 予算の編成におきましても、ただいま申し述べました基本方針に基づき、昭和三十六年度につきましては、多額に上ると見込まれる租税の自然増収等を剰余金として極力後年度に繰り越すことといたし、昭和三十七年度予算につきましても、厳に健全財政の方針を堅持して編成いたしました。のみならず、その執行にあたりましても、経済情勢の推移に応じ、弾力的に対処して参りたいと存じます。 他面、わが国の現状におきましては、国土の保全、産業基盤の強化、生活環境の整備等、社会資本の立ちおくれを是正するとともに、経済、社会の均衡ある発展を推進し、もって長期にわたる国力発展の基礎を充実することの必要性が痛感されております。これがため、公共投資の充実、社会保障の拡充、雇用対策の強化、文教の刷新、科学技術の振興、及び産業間、地域間の格差の是正などの施策を進め、さらに、租税負担の軽減合理化をはかることがきわめて緊要であります。 従いまして、昭和三十七年度予算及び財政投融資計画においては、健全財政の方針を堅持しつつ、従来から政府が重点を置いて参りました重要施策を着実に推進することを主眼として、これらの要請にこたえることとした次第であります。 以下、今回提出いたしました昭和三十七年度予算について御説明いたします。 一般会計予算の総額は歳入歳出とも二兆四千二百六十八億円でありまして、昭和三十六年度当初予算に対し四千七百四十億円、すでに成立いたしました補正予算を加えた予算額に対しては三千七百四十三億円の増加となっております。 また、財政投融資計画の総額は八千五百九十六億円でありまして、昭和三十六年度当初計画に対し千三百四億円、改定後の計画に対しては七百七十三億円の増加となっております。 政府が特に重点を置きました重要施策についてその概略を申し述べますと、第一は、国、地方を通ずる減税を中心とする税制の改正であります。昭和三十七年度におきましては、三十六年度に引き続き、税制の体系的な整備、改善をはかり、租税負担の軽減に努めることといたしております。すなわち、中小所得層の負担軽減を主眼として、間接税及び所得税を中心に、国税において平年度約千二百億円の減税を行なうこととしたのであります。 間接税につきましては、戦後減税が見送られがちであったため、その負担が全般的になお相当重く、また、課税対象相互間にも不均衡が目立っていることを考慮し、この際、負担の適正化をはかりつつ、相当大幅な減税を実施することといたしました。 すなわち、酒税につきましては、広く大衆が飲用する酒類において、現行の小売価格をおおむね一割程度引き下げることを目途として全般にわたって税率の軽減を行ない、また、 一部の高価な酒類に対する従価税率の採用、その他酒税制度の合理化をはかることといたしました。物品税につきましては、最近における消費内容の変化、零細企業対策等を考慮して、相当数の物品に対する課税の廃止、税率の引き下げ及び免税点の引き上げを行なうことにより大幅な負担の軽減をはかることといたしました。 さらに、入場税につき、現在の三0%ないし一0%の税率を、一率に一0%に引き下げるほか、通行税、印紙税、トランプ類税につきましても、それぞれその負担を軽減することといたしております。 直接税におきましても、所得税につき、中小所得者の負担の軽減をはかるため、基礎控除及び配偶者控除の引き上げ、税率の緩和、青色専従者控除の拡充、寡婦控除の引き上げを行なうとともに、寄付金控除制度の創設、生命保険料控除の引き上げ等を行ない、相続税につきましても、遺産にかかる基礎控除を引き上げることといたしました。 さらに、税制の体系的な整備の基礎として、各税法を通ずる基本的な法律関係を明確にするとともに、納税者の利益に着目しつつ、争訟制度や利子税、加算税制度等の改善、合理化をはかるため、この際、国税通則法を制定することといたしました。なお、企業年金に対する税制を初めとして、各税を通じて所要の整備を行なうことといたしております。 また、国税、地方税を通ずる税源配分を適正化し、地方税源を強化するため、所得税の一部をさいて道府県民税に移譲し、たばこ消費税の税率を引き上げ、これに伴い、入場税の地方譲与の制度を廃止することといたしました。 このほか、地方税におきましても、住民税、事業税、電気ガス税その他につきまして所要の減税を行なうことといたしております。 歳出面の施策としましては、まず、社会保障関係費であります。 わが国の社会保障制度は、年々充実の一途をたどっており、特に、昭和三十六年度におきましては、その画期的な拡大をはかったのでありますが、三十七年度予算におきましても、引き続き諸般の施策を推進、強化して経済発展に応じた国民生活の均衡ある向上と社会福祉の充実を期することといたしました。(拍手) すなわち、生活保護基準の引き上げを行ない、児童保護その他社会福祉費を増額いたし、国民健康保険の療養給付費に関する国庫負担割合を引き上げ、医療保障の改善をはかることといたした次第であります。また、国民年金におきましては、拠出制年金について、保険料免除者に対する国庫負担を開始するとともに、福祉年金につきましては、所得制限の緩和、他の公的年金との併給など、改善措置を講ずることといたしております。 さらに、雇用対策の面におきましても、労働力移動の円滑化をはかるための措置を講ずることとし、特に、炭鉱離職者援護対策につきましては、雇用奨励制度の創設、住宅対策の強化等、格段の配慮を加えることといたしました。 以上、社会保障関係費の総額は二千九百七十六億円となり、昭和三十六年度当初予算に対し五百十五億円の増加を示しております。 なお、文官、旧軍人遺族等恩給費につきましても、この際、所要の是正を行なうこととし、また、社会保障拡充の一環として、住宅、上下水道等の生活環境の積極的改善をはかることといたしております。 経済成長の基礎条件の整備でありますが、最近における大都市を中心とした交通輸送事情の逼迫に顧み、まず、道路整備につき、五カ年計画の強力な実施に必要な経費を計上し、新たに、阪神高速道路公団を設置して、道路交通の円滑化に努めることといたしました。また、港湾についても、その整備を促進し、船込みの解消等をはかるとともに、国有鉄道、電信電話施設の計画的拡充のため、所要の資金措置を講ずることといたしております。 さらに、農業基盤整備につきましても一そうの充実をはかり、また、用水需要の増大に対処して、水資源の急速な総合開発をはかるため、水資源開発公団の事業資金の確保に努めることといたしました。 治山治水対策におきましては、昭和三十六年災害の復旧の進捗を最重点として、災害復旧費七百三十七億円を計上しており、既定の五カ年計画に沿った治山治水事業の遂行と相待って、国土保全施設の強化に遺憾なきを期することといたした次第であります。 以上、公共事業関係費の総額は四千五百二十二億円に達し、昭和三十六年度当初予算に対し九百三十八億円の増加と相なっております。 文教を刷新充実して人材の養成に努め、科学技術を振興して現下の要請にこたえることは政府の重大な責務であります。 これがため、教育水準の向上と教育環境の改善に特に意を用い、小中学校における教職員数の充実と施設整備を引き続き推進すると同時に、高等学校生徒の急増に備えて、校舎の整備につき所要の資金措置を講ずることといたしました。 また、今回、新たに国立の高等専門学校を創設することといたしましたのは、大学、高校における理工系学生、生徒の増募、教育施設の充実と相待って、産業の発展に伴い必要とされる技術者の確保に遺憾なきを期するためであります。 さらに、各省試験研究機関の研究体制の強化、国産新技術の開発、原子力等の重要研究を推進して、科学技術の一段の飛躍を期することといたしております。なお、育英奨学、低所得者子弟の就学援助につきましても引き続き配慮いたしましたほか、新たに、義務教育の教科書について財政負担の方途を講ずることといたしました。 以上、文教及び科学技術関係費の総額は三千五十三億円となり、昭和三十六年度当初予算に対し四百八十二億円の増加となっております。 貿易の振興につきましては、海外市場調査、国際見本市などの事業を一そう拡充するとともに、日本輸出入銀行に対する財政資金を増額して、貸付規模を千二百五十億円とし、もって輸出の増強を期することといたしました。 また、対外経済協力の面でも、海外経済協力基金に対して六十五億円を追加出資するほか、新たに、海外技術協力事業団を設置する等の措置を講じ、長期にわたる輸出市場の確保に努めることといたしております。 農林漁業の振興につきましては、その基本的政策に即して、成長農産物の選択的拡大、経営の近代化、生産基盤の強化等の施策を着実に推進し、農業構造改善事業の本格的な実施をはかることとしております。 また、農業近代化助成資金による系統資金の活用を一そう促進するため、融資ワクを五百億円に拡大し、一部金利の引き下げを行ない、農林漁業金融公庫の資金の拡充とあわせて、金融措置に遺憾なきを期することといたした次第であります。 中小企業につきましては、その経営の安定強化に資するよう、中小企業近代化の促進と小規模事業対策の推進に一そう努めることといたし、また、中小企業金融対策を充実するため、中小企業信用保険公庫に対する出資を増額するとともに、財政投融資において千百二十五億円の資金を投入し、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の貸付規模を拡大することといたしております。 石炭鉱業の安定強化は、エネルギー及び雇用対策の面から見て、今日きわめて重要であると考えられますので、合理化の推進と離職者対策を中軸とする石炭対策の展開をはかるため、百三十五億円を計上いたしております。 地方財政の内容は、幸いにして著しく改善されつつありますが、昭和三十七年度におきましては、国、地方を通ずる税源の再配分を行ないましたほか、昭和三十五年度以降当分の間設けられた臨時地方特別交付金の廃止を行なうことといたしたのであります。他方、地方の行政内容、住民福祉の向上をはかるため、地方交付税率を〇・四%引き上げることといたし、また、地方団体の起債ワク拡大の措置を講ずることといたしております。 地方団体におきましても、経費使用の合理化をはかり、財政健全化の努力を続けられるよう希望するものであります。 財政投融資につきましては、以上、それぞれの項目において御説明いたしたところでありますが、計画の策定にあたりましては、輸出の振興と中小企業金融の円滑化に重点を置くほか、引き続き住宅、上下水道を初めとする生活環境施設の整備に努め、農林漁業の振興、地方開発の推進、及び道路、港湾、工業用水等、産業基盤の強化に特に配意した次第であります。 なお、この際、昭和三十六年度の補正予算について申し述べたいと存じます。 昭和三十六年発生災害に対しましては、さきに一般会計予算補正第一号をもって対処いたしたのでありますが、その後の災害の発生、調査の進捗に伴い、既定予算に不足を生ずることとなりましたので、義務的経費に関する国庫負担の不足補てん、その他緊急やむを得ない経費とあわせて、近く補正予算として御審議を願う所存であります。 金融面におきましては、御承知のように、昨年来公定歩合の引き上げを初めとする一連の景気調整の諸施策が講ぜられて参りましたが、国際収支の均衡を回復するためには、引き続き引き締めの方針を堅持して参ることが必要であります。もとより、金融の引き締め措置は、できるだけ摩擦や困難を避けながら、円滑に運営されるべきものであり、また、引き締め自本も、国際収支改善の目標が達成せられるに伴い、逐次正常な姿に立ち帰るべきものであります。政府といたしましても、これらの事情に十分配意しながら、今後、日本銀行と緊密な連携を保ち、情勢に応じて機動的、弾力的に臨んで参る所存であります。 特に、本年一月から三月までの財政の大幅な揚超期におきましては、日本銀行による買いオペレーションを通ずる財政資金の活用によって、これに対処することといたしております。また、金融の引き締めが経済的に弱い面にしわ寄せされないよう、中小企業金融対策としては、昨年末に総額八百億円に上る財政資金による手当てをいたしましたが、さらに、適宜所要の財政資金を追加し、政府関係金融機関の資金量の増加をはかるほか、中小企業向け貸し出し促進のため、市中における金融債等の買い入れを行ないたいと考えております。(拍手) なお、経済情勢の変化に伴い、昨年後半以降、株式市場及び公社債市場にもその影響が見られるのでありますが、政府といたしましては、長期の安定した産業資金調達の場としての株式市場、あるいは公社債市場の育成強化が、日本経済にとりきわめて肝要であることにかんがみまして、これら市場の健全な発達のため、一そうの工夫と配慮を重ねて参りたいと考えております。 さらに、私は、国際収支改善のためには、この際、貯蓄の増強を一段と推進する必要のあることを強調いたしたいのであります。政府におきましても、国民貯蓄組合を通ずる預貯金の非課税限度及び郵便貯金の預入限度を五十万円に引き上げるとともに、税制面における優遇措置を講ずるなど、貯蓄増強のため格段の努力をいたす所存であります。 最近、国際金融の面におきまして、各国間の協調の態勢は着々と強化されつつあるのであります。今般、国際通貨基金におきましては、短期資金の移動が主要工業国の国際収支に好ましからざる影響を及ぼす場合等に対処し、国際通貨制度の安定を確保するため、主要工業国十カ国から、総額六十億ドルに及ぶ各国通貨の借り入れに関する具体案を決定した次第であります。わが国も、主要工業国の一員として二億五千万ドルの分担を期待されているのでありますが、この種の取りきめに参加することは、わが国の国際的信用を高め、発言力を強化する機会でありまして、わが国といたしましては、所要の準備を整えた上でこれに加わり、国際収支の許す範囲内におきまして協力して参りたいと存じます。 貿易・為替の自由化につきましては、政府は、すでに自由化率を本年九月末までに九〇%程度に引き上げる方針を決定いたし、昨年十二月には七〇%の自由化を達成したのであります。しかして、とのような自由化の進展は、内に対しては、企業の体質改善、産業の合理化、コストの引き下げを促進し、国際競争力の強化に貢献するとともに、外に対しては、世界貿易の拡大に寄与するという国際的要請にこたえ、わが国に対する輸入制限の緩和にも資するところがあったのでありまして、政府といたしましては、今後も、国際収支の改善と相待って、自由化促進計画に基づき、その推進をはかって参りたいと存ずるのであります。なお、その際、わが国産業に及ぼす影響に慎重な考慮を払うことは当然でありまして、関税率につきましても所要の調整を行なうことといたしております。 低開発国援助は、国際社会の一員としての責務であると同時に、わが国の貿易拡大のためにも大きな意義を有するものであります。政府は、従来から各種国際機関へ参加するほか、二国間の取りきめによる援助の推進にも努めてきたのでありますが、引き続き国力に応じ積極的に努力して参る所存であります。 終わりに臨みまして、私は、わが国経済の直面する難局に対処するためには、政府の努力はもとよりでありますが、経済界を初め国民全体の理解と協力が不可欠であることを強く訴えたいのであります。 まず、産業界に対しましては、輸出の振興こそわが国経済の繁栄と成長を約束するものであることに深く思いをいたされ、一段とその意欲を高揚し、不断の努力を尽くされることを切望いたすものであります。また、大局的判断に立って、自主的に設備投資を抑制されるなど、経済調整の主たるにない手としての自覚に徹せられるよう強く期待するものであります。(拍手) 国民各位におかれましても、極力、用を節し、費を省いて、貯蓄の増強に努められるとともに、進んで国産品を用い、外貨の節約に寄与されるよう切にお願いする次第であります。 幸いにして、国民各位の深い理解と心からの協力が得られますならば、諸施策と相待って、旺盛を続けております内需もやがて落ちつき、輸入は鎮静し、輸出は増加し、国際収支は、昭和三十七年度下期中には必ずや均衡を回復し得るものと深く確信いたしております。その暁にこそ、引き締め政策は、その功をおさめ、その使命を達成したことになるのでありまして、金融も次第に正常な状態に立ち戻り、わが国経済は、著しい停滞に悩むことなく、国民の活力にささえられて、健全な成長を見るものであることを信じて疑わないのであります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 国務大臣藤山愛一郎君。 〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は、当面する内外の経済情勢とこれに対処いたしまする所信を明らかにいたしたいと存じます。 最近の経済情勢を見ますと、昨年来実施してきました景気調整策の効果がようやく経済の各分野に浸透しつつあり、卸売物価は全般に軟化し、出荷の停滞並びに製品在庫の増大傾向が現われ始め、民間企業の投資態度にも慎重さがうかがわれるようになって参りました。このように国内経済が落ちつきを取り戻すに従いまして、国際収支面では、輸出入信用状収支はかなりの黒字を示すようになって参りましたが、経常収支は、依然としてなお多額の赤字となっている実情であり、従って、国際収支の均衡回復には、なお相当の期間を要するものと考えられ、前途はいまだ楽観を許さないのであります。従いまして、本年においても、国際収支の改善を第一の目標とし、引き続き引き締めの基調を堅持して内需の抑制に努めるとともに、輸出の振興に特段の努力をすることが必要であります。 政府は、去る一月十六日、昭和三十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度を決定し、発表いたしました。この政府の経済見通しは、単なる予測ではなく、政府、民間を通ずる政策と努力とを前提とした見通しであり、いわば努力目標というべきものであります。従いまして、この目標を実現するためには、輸出の振興、輸入の抑制、設備投資の調整、財政金融上の諸施策などが適時適切に行なわれるとともに、これらの諸施策に対する民間各界の積極的な協力が要請されるのであります。 私は、今後の経済を運営していくにあたりまして、特に重要と考えまする若干の点について見解を申し述べ、国民各位の御理解と御協力を得たいと思います。 まず第一は、輸出の振興についてであります。国際収支改善のためにはもとより、わが国経済が長期にわたって成長発展するためにも、輸出の伸長は不可欠の条件でございます。 本年のわが国の輸出をめぐる国際環境について考えてみますと、米国の景気は引き続き上昇を続け、これに伴い、低開発諸国も漸次停滞を脱する方向に向かうものと期待され、また、先進諸国における対日差別待遇の問題も若干好転のきざしを見せておりますが、他方、西欧経済の上昇鈍化、米国のドル防衛問題、地域的経済統合強化の動きなどがあり、また、国際競争は一そう激化することが予想されるのでありまして、決して安易な楽観は許されないと思います。このような国際環境の中にありまして、政府の経済見通しで見込まれておりまする四十七億ドルの輸出を達成するためには、政府、民間を通じましてあらゆる努力をこれに傾注しなければならないのであります。政府は、すでに税制、金融、保険、経済外交等各分野にわたる輸出振興策を実施して参ったのでありますが、海外経済協力の促進とともに、輸出振興には今後とも特段の努力をいたす所存でございます。 また、貿易外収支の赤字が国際収支悪化の一因となっておることにかんがみまして、海運、観光収入の増大についても、輸出振興とあわせて極力その方策を講じなければならないのでございます。(拍手) しかしながら、輸出の増大をはかるためには、根本的には、民間産業における国際競争力の強化と輸出意欲の高揚とが最も重要であります。私は、国民各位が内外経済の情勢を正しく把握し、わが国産業の国際競争力を高めることに努められるとともに、輸出意欲を一そう振起されることを切望するものであります。(拍手) 第二は、内需の抑制についてであります。最近における輸入の動向には落ちつきが見られるとはいえ、鉱工業生産はなお高水準を続けており、個人消費も堅調でございます。政府は、昭和三十七年度の輸入の目標を四十八億ドルと見込んでおりますが、国際収支を改善するためには、三十七年度の輸入を必ずこの程度にとどめることが必要であり、そのため政府は、今後なお相当期間財政金融政策において引き締め基調を堅持するとともに、輸入抑制の諸施策を続ける方針でございます。もとより、これによりまして深刻な影響を受けるおそれのある中小企業等に対しては十分な配慮を払うとともに、経済情勢の変化に即応する労働力移動の円滑化等雇用対策の強化をはかり、引き締めに伴います摩擦や混乱は極力排除するよう努力する所存でございます。国民各位におかれては、冷静に事態に対処する心がまえをもって、投資の調整、消費の節約、貯蓄の増強、国産品の愛用等に協力されることを期待いたすものでございます。(拍手) 内需の抑制にあたり特に申し述べたいことは、設備投資についてであります。技術の革新に即応して産業の合理化、近代化を推進し、産業構造の高度化をはかるためにも、また、本年秋に予定しております貿易の大幅な自由化に対処し、わが国産業の国際競争力を強化するためにも、必要な設備投資はこれを確保しなければならないことはもとよりでございます。しかしながら、他面、最近の経済拡大の過程におきまして、行き過ぎた競争投資が経済の不均衡を生み、国際収支の悪化を招いた主要な原因となったことにかんがみまして、国際収支改善を第一の目標とする現在におきましては、比較的緊急度の低い設備投資は極力これを繰り延べるとともに、自由化への準備体制の確立や当面の隘路打開のために特に緊急を要する投資は重点的にこれを確保し、設備投資全体としては妥当な水準にとどまりますよう調整することがぜひとも必要であります。(拍手)政府としては、極力行政指導を行ない、投資調整が円滑に行なわれるよう努力する所存でございますけれども、何よりもまず民間企業の側における自主的、合理的な投資調整と金融機関の慎重な融資態度が肝要でありますのでこの点につき、特に産業界及び金融界各位の積極的な御努力を期待するものでございます。(拍手) 第三は、物価の安定についてでございます。景気調整策の浸透に伴いまして、卸売物価は全般に軟化を見るに至り、今後も引き続き下降の状況が見込まれるのでございますが、これに反し、消費者物価は依然上昇気味であります。消費者物価は、経済が成長過程にある場合には、労働力需給の関係からくる人件費の上昇、所得増加に伴う消費構造の変化などのため、サービスの価格を中心としてある程度の上昇を見ることは、欧米先進諸国の例に徴しても明らかなように、やむを得ない面もあるのでございます。しかしながら、他方、経済の成長に伴い、工業製品の多くのものについて生産性向上の結果として製品価格の引き下げが可能となる面もございます。従いまして、これら二つの面を総合して、全体としての消費者物価の上昇は、できるだけ小幅にとどめるべく努めることが肝要であります。最近の消費者物価の上昇は、生鮮食料品の自然的、季節的原因による値上がりを除外して考えてみましても、異常なものがございます。政府としては、引き締め基調を堅持するほか、食料品その他の消費物資の供給力の増加、輸送の円滑化、流通機構の整備改善等をはかるとともに、公共料金の値上げを極力抑制し、一般消費者の協力を得て、便乗的値上げを厳に排除していく等適切なる施策を講ずることによりまして、このような異常な消費者物価の上昇を鎮静させなければならないのであります。 御承知のように、昭和三十七年度におきましては、相当大幅な間接税の軽減を行なうことといたしているのでございますが、その減税分のほとんどが消費者の負担軽減に向けられるよう関係各位の御協力を望むとともに、特にこの際、企業家各位が、国際競争の激化に対処して、生産性の向上に努められるにあたり、その成果が具体的に製品価格の引き下げとなって実現するよう努力されることを期待するものでございます。 当面の事態に対処して、引き締め基調を堅持しなければならないことは以上申し上げた通りでございますが、この基調のうちにあっても、同時に、長期にわたって円滑な経済発展をするための基盤を整備することはきわめて重要であり、これが見失われるようなことがあってはならないのであります。特に、最近の急速な経済拡大の過程において。顕著な問題となっておりまする道路、港湾などの社会資本の立ちおくれ、技術者の不足など、経済の各分野に見られる不均衡の是正とわが国経済の二重構造、特に地域間、産業間、階層間に見られる各種の所得格差の是正は、ぜひともはからなければならないのでございます。従って、政府は、先ほど大蔵大臣から詳しく申し上げました通り、昭和三十七年度の予算におきまして、これらの点についても配慮いたしているのでございます。 昭和三十七年度のわが国経済は、貿易の自由化を大幅に促進しつつ、以上申し述べましたような問題の解決をはかっていかなければならないのでございますが、政府の施策が民間各界の協力を得て円滑に進行し、設備投資の適正な調整が行なわれ、輸入が政府の見通しの程度におさまり、輸出もその目標を達成することができますれば、下期には国際収支が均衡基調を回復することが十分期待できるのでございます。 わが国経済は、過去幾たびか国際収支の障壁によって引き締めを余儀なくされました。しかし、そのつど国民各位の努力によりまして、よくその難局を克服し、世界に誇り得る高度の成長発展を遂げて参ったのであります。しかも、前回の引き締め時に比べまして、わが国経済の底力は著しく強まって参っております。従いまして、私は、この底力に加うるに、政府の適切な施策と国民の創意、努力とをもってすれば、今日の事態を早期に克服し得るばかりではなく、再び安定した成長発展を遂げることが可能であり、今日の労苦は必ず明日の繁栄となって報われることをかたく信じて疑いません。(拍手) ————◇—————
○田邉國男君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来たる二十三日午後一時より本会議を開きこれを行なうこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十六分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 池田 勇人君 法務大臣 植木庚子郎君 外務大臣 小坂善太郎君 大蔵大臣 水田三喜男君 文部大臣 荒木萬壽夫君 厚生大臣 灘尾 弘吉君 農林大臣 河野 一郎君 通商産業大臣 佐藤 榮作君 運輸大臣 斎藤 昇君 郵政大臣 迫水 久常君 労働大臣 福永 健司君 建設大臣 中村 梅吉君 国務大臣 川島正次郎君 国務大臣 藤枝 泉介君 国務大臣 藤山愛一郎君 国務大臣 三木 武夫君 出席政府委員 内閣官房長官 大平 正芳君 総理府総務長官 小平 久雄君