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40回国会衆議院1962/03/23

法務委員会文教委員会連合審査会 第1号

発言数
380
登壇者
18
会派数
3
開催日
1962/03/23

会議録

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これより法務委員会、文教委員会連合審査会を開会いたします。  両委員長の協議によりまして、法務委員長の私が委員長の職務を行ないます。  これより人権擁護に関する件のうち、昭和女子大学の問題について調査を進めます。  本日御出席を願いました参考人は、昭和女子大学文家政学部長坂本由五郎君、昭和女子大学幹事人見楠郎君、昭和女子大学学長玉井幸助君、以上三名の方々であります。  参考人各位には、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  参考人の御意見は、委員の質疑に対する答弁の形でお述べを願うことにいたします。  直ちに質疑に入ります。質疑は、通告によりまして順次これを許します。森山欽司君。

森山欽司自由民主党

○森山委員 昭和女子大学の問題に関しまして、最近国会において、本日をまぜて四つの委員会で取り上げられておるわけであります。すなわち、法務委員会、文教委員会、予算委員会分科会及び本日の連合審査会ということになるわけでございまして、一つの問題でこのくらいたくさんの委員会で議論の種となりました問題は、私はあまりその例を知らないわけでございます。大体昭和女子大学というのは私立学校でございますから、私立学校は、私立学校法第一条に掲げてありますように、私立学校の特殊性にかんがみて自主性を尊重する、他面その公共性を高めるという二つの基本方針を基礎にいたしておるわけでございますし、私立学校は国立、公立学校と異なりまして、私人の創設したものでありまして、従って独得の建学の精神や学風を持っておりまして、これを他から妨害されることなく自由に発展させることが第一に必要である。この点から、よい伝統や学風を破壊しないように、行政上にもその自主性を認めてこれを尊重していくことが必要だということが、この私立学校法第一条の制定のゆえんであろうというふうに考えておるわけでございます。そういうことであるのでございますけれども、すでに国会において四つの委員会にかかってこれが論議をされ、本日は学校の首脳部から参考人として意見を聞くという段階になったわけであります。率直に言って、きわめて異例の行き方でございまして、私は、個人的な見地から申しますれば、はたしてこういう行き方を国会がやっていいものかどうかということについては若干の疑念を持っております。特に現在問題になっております事項は、人権擁護局にも提訴され、また裁判所にも裁判の申し立てになっておるようでございます。これらの係争中の事案につきまして、こういうような国会において論議の対象とすることについての適、不適の問題については、私は他の行き方があるという意見もこれを認めざるを得ないと思う次第でございます。  なお、国会の論議以外に、昭和女子大の問題が週刊誌に相当たくさん取り上げられておるわけでございます。私の手元にある新週刊一月二十五日号、新週刊二月八日号、それから週刊実話、女性自身、こういうところにはかなり詳細に取り上げられておりますし、ごく簡単な記事といたしましては週刊朝日にもちょっと書いてあるようでございます。それから新聞類ではアカハタがこれを大きく取り上げておりまして、二月二十六日のアカハタの三面に大きく取り上げております。アカハタは日本共産党の機関紙であろうかと思います。それに日本読書新聞には、一月の一日号、それから二月の十九日号と二回にわたって取り上げておるわけでございます。そのほか、これは別の観点でございますが、全国教育新報の二月二十八日号にもこの問題が取り上げられております。これは大体本問題についての全貌に関する記事でございますが、そのほかに、そのときどきの事件といたしまして、日和新聞紙上にこの昭和女子大問題が記事となって出ておるわけでございます。私自身は、昭和女子大学というものに対する認識、どこにあってどんな学校だというようなことはあまり従来存じておりませんでしたが、国会でこれほど議論にもなり、また新聞紙等にも取り上げられておるということでございますので、関心を持って若干の下調べをして、本日参考人の方々の御意見を伺いたいと考えておる次第でございます。  私は、この機会に申し上げておきたいことは、あくまでもこの事件が、これらの雑誌、新聞等に掲げられたような内容であるのかないのか、真相を究明するというところに主眼を置きたいと思うわけであります。もとより国会論議といたしましては、憲法その他の関係法令との関係ということは重要でございますから、そのことに重点は置きますけれども、その前提となる事実関係についてもある程度の究明をしてみたい。真相は一体どうなんだということについて、まず一つ参考人各位から忌憚ない御意見の表明を得て、その真実の上に立って、どういうふうに事態を解釈していったらいいか、見ていったらいいかということを私の質疑の眼目にいたしたいと思う次第でございます。  ところで、この昭和女子大事件の真相というようなものについて、今私どもの手に入る記事は、大体大同小異でございますが、その中で代表的なものとして新週刊を取り上げたいと思うわけでございます。新週刊は、私から申し上げるまでもなく、世上伝えられるところによりますると、総評が資金的にバップ・アップをし、また総評がこれを応援しておるところの週刊誌だというように聞いておるわけでございます。一月二十五日号には、「政暴法反対は殺人と同じだ」「女の園昭和女子大に起った奇妙な騒動」ということで、実にセンセーショナルな取り上げ方を約六ページにわたってやっておるわけでございます。他の雑誌等に書いてあるところも、おおむね大同小異でございますから、この新週刊に取り上げてあるこの内容について、この機会に参考人の方々から御意見を伺いたいと思います。また参考人は、本日三人御出席のようでございます。学長、文家政学部長、幹事さん、それぞれのお立場で適当な方から事態の真相についてのお話を聞かしていただきたいと思う。なお、関連した事項につきましては、関係官庁の方からの説明を求めたいと思う次第でございます。  この新週刊の記事によりますと、「昭和女子大学といえば、ああ、あの手紙開封事件の学校だな、と誰もうなずくくらいその方面では有名校である。」と、まず書いてある。私は、まず第一番に人権擁護局に伺いたいのでございます。手紙開封事件というようなことがあったかどうか、またあった事実が人権擁護局の指示の対象となるような実態があったのかどうか、まずそれを人権擁護局から伺いたいと思うわけでございます。

稲川龍雄法務事務官(人権擁護局長)

○稲川説明員 私、今般命を受けました稲川でありますが、発令早々のため、まだ政府委員の任命もありませんが、もとの事務整理や何かのごたごた等がありました関係上、従来の経過とかいきさつというものをまだのみ込んでおりませんので、大へん恐縮でございますが、本日は調査課長をして申し上げることを一つ御了承願いたいと思います。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 ただいまの点につきまして御説明いたしますが、実は私は昨年人権擁護局に参りましたので、ただいまのお尋ねのことにつきましては、私は直接担当したわけではないことなのでございますが、古い記録を私見ましたので、その見ましたところを申し上げたいと思います。  この事件は、昭和三十三年か三十四年ころでありましたが、昭和女子大の学生で寮に入っておる者から、東京法務局の人権擁護部の方に申立てがありまして、そして同擁護部でこれを調査したわけでございます。  その申し立ての事実を申し上げますと、当時その寮生二名のところに外部の者から手紙が参りまして、その手紙が寮の学監でありましたか、監督の方だと思いますが、その方あたりから、二人のうちの一人の父兄の方にその手紙が回送された。それにつきまして、その回送前に、学校の当局だったかあるいは寮の監督の方か、それを開封したのではないかという疑いがあるから調べてほしい、こういう申し立てでありました。  それで東京法務局の方では関係者をずっと調べたのであります。相当調べましたが、その申し立ての学生から、この程度で調べはやめてほしいという申し立てがありましたので、結局それで打ち切ったわけでありますが、その打ち切るまでの東京法務局で見ました事実は、結論といたしまして、それを学校当局が開封したかどうかという点につきまして、学校側は、そのようなことは、開封したことはないと言っておりますし、結局それを十分くつがえすに足る証拠がないということの結論でありました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、人権擁護部の調査は、信書開封の事実があったということで提訴されたが、信書開封の事実がないということが人権擁護部の調査の結果によって明らかになったということですな。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 はあ、結局それを証するに足る十分の証拠がないということでありました。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういうことで、信書開封事件があった学校だなということで、いかにも前々からおかしなことをやっておった学校だなという印象の書き始めになっておる。「手紙開封事件で有名になった昭和女子大」、こういうわけですが、学校側はこの問題についてどういうふうに考えているのか、ちょっと伺いたいと思います。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 私は、これは寮の問題で、学校の問題ではございません。直接関知はしておりません。ただ、聞いておりますところによりますと、家庭から、娘の監督のことについて少し不安のことがある、そういう場合には信書のようなものでも、ちょっとそのまま娘に渡してもらってならぬような御懸念のある場合は開封してもらいたいというような願い出もありました。で、さようなふうに取り扱った。とにかく学校では、できるだけ子女の前途にあやまちの起きないようにということをこまかに懸念しておりますものですから、いろいろそういう点からこまかい配慮のもとに信書などの取り扱いがあったことは確かであります。しかし、私の聞いておりますところでは、そういう開封というような事実は絶対にないのであるから、これを訴えられたが、訴えて問題になったのが共同通信とそれから週刊サンケイでございますかが、当時特に大きく取り上げて社会的の問題にされた。けれども、事実はごく小さな——小さなと申しますか、寮における一つの指導上の事柄が社会にそういう問題になって出た。擁護部では、開封ということを認める事実はないから、これは申し出た通りには受け入れられないという御指示であったと言っております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 では次の問題に入りますが、この新週刊に、昭和女子大学は、「すべて、人見氏を取りまくひとにぎりの人々によって事実上運営されている「特殊部落」といわれている。」、「特殊部落」という言葉はわれわれあまりいい印象を受けない言葉なんですが、こういう記事を書いてあるのですが、大学の運営は一体どうなっているのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 お答えいたします。特殊部落というような言葉を新週刊が——新週刊でございましたか、使われたということになりますと、まことにその記者の心持が私には理解できないので、特殊部落というような言葉は、これは実に封建時代のまことにひどい言葉で、今日の辞書には遠慮して載っておりません。特殊の何々という言葉はたくさんありますけれども、そういう言葉は、私自身ここで言わなくちゃならぬから口にいたしますけれども、これは言うべき言葉ではないのであります。実に人間の階級ということに対する非常な錯覚、傲慢という考えが根になければ、こういう言葉は使えない言葉である。だがしかし、新週刊の記者はどういう意味でこれをお使いになったか、私にはまだわかりませんが、前後の記事を見ますと、はなはだしく私どもの学校を誹謗し、悪意に満ちたところの侮辱を与えております。その精神で書かれたとすると、この言葉を使った方は、まことに封建時代の特に悪い種族の人に使う言葉だと私は了解するのであります。けれども、私は善意を持って解釈いたします。特殊の存在である。それは珍しい存在であるという意味でお使いになったものであれば、若干了承できるのであります。私どもの大学は四十一年前に創立いたしました。当時の創立者はかたい建学の精神を持ってこれを打ち立てたのであります。その建学の精神と申しますのは、日本の女性が世界の舞台に立って活躍するのに立ちおくれるようなことではならない。今日の女性教育はまだまだ物足りないのである。女性教育の高揚ということを根本にいたしたのであります。これをするためには、女性の愛情と理解と調和ということを根本にいたしまして、この修養を身につけて出す、そういう学校を作りたい。これは当時まだ塾のような小さな学校でありましたが、この精神が女学校時代から専門学校時代を通じ、今日の大学に連綿として伝わっておりまして、時世が変わりましても、この建学の精神は学内において少しもゆるぎがないのであります。これに共鳴する学生が集まりまして、これに協同したいという同士が教職員として集まっております。待遇や経済問題のいかんを問わず、この精神に共鳴して全学一致で一生懸命苦労を惜しまずに、ほんとうの女性を養成するにどうしなくちゃならぬか、こまかに苦労をして今日続いておりますそれが一体になってゆるぎがないというこの形は、あるいは特殊の形であると言うてよいかもしれないのでありまして、そういう意味でお使いになったのでありますれば、まさにその通りでございまして、決して創立者人見氏一人、その周囲の一握の人なんかでこの大きな今日の大学が経営できるはずのものではございません。全学一致の燃えるような精神があって固まっておればこそ、またこれに共鳴して集まる学生がなければ存在し得るはずのものではないのでありますから、そういう意、味で珍しいとおっしゃって下さるならばまさに了承できることでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 ところが、今回の事件が起きまして、新週刊によれば「今度の事件でさえそのひとにぎりの人たちのほか、ほとんど知らされていなかったというのだから、あきれはてたものである。」こういう記事がある。これは一体どういうふうに考えておられますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 「今度の事件でさえ」とございます。一体これは事件でございましょうか。これが事件になったということは、私はまことに不可思議に感じております。そもそも事件というようなことにこれが成り上がりましたのは、十二月四日のころに出たチラシや何かの記事や何かからこれは事件ということになり始めたと思うのであります。ところが、それは十二月四日のころ、まだ学生を一生懸命で学内で補導をしておりまして、そういう行き方はあなたの前途を誤る、どうか学校の規則に従って静かに勉強するような心境になってくれと一生懸命に補導しておる最中であります。そのときに学生が退学させられた、させられた、こう言うて事件にこれをでっち上げたのでありまして、事件ではないと私どもは思っております。しかし、その補導する他面、また事件のように盛り上がりましてからは、それぞれ私どもの大学内には補導主任会議というものも毎週開いておりますし、またそれぞれの部において、学生課は学生課で、その学生課員の人々と会議も開いておりまして、それぞれの部面において、それぞれの方面のことはみなその部員の人々は周知しております。また教示もいたしております。決してだれにも知らせないでただ一握りの者がやっておる、そんなやり方でとうていこの大学の運営のできるはずのものではございません。ただ、職員は二百名もございます。その人々に全部集まってもらって話をするほどのことではないのであります。でございまするから、ただそれぞれの機関にはかって、その機関は少数の人々ではあります。補導部員と申しましてもまあ十六、七名でございましょう。そういうような人々は絶えず協議をいたしておったのでありまするから、そこにあったようなことは全く無根の事実と言うて差しつかえございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 その一握りの人たちというようなことはなく、関係者はみな知っているんだ。しかし、二百人もおる教職員全部に一々知らせることではないから。そういうお話なんで、事情はよくわかりました。ところが、今度の事件と申しますか、問題は二つに分かれておりまして、一つは講師をやっておった中野さんという方が解雇されたということと、二名の学生が終局的には退学処分に付されたということでございますが、この第一段の中野講師の解雇について、新週刊に書いてあるところによると、「「担任教師にことわらず学生の相談にのった」——ただそれだけのたわいない理由のようである。」 というふうに二ヵ所にわたって載っておるのですが、一体これはどういうことなのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 新週刊にも載っておるそうでございますね。そのほか中野氏自身が今年正月元日にも日本読書新聞に同じようなことを発表しておられると思います。けれども決してそんな理由によって解職を願ったのではありません。ここにもし差しつかえなければ中野講師解職のてんまつを書いたものがございますが、読み上げてよろしゅうございましょうか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 どうぞ。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 「中野講師解職願末書」昭和三十三年十月より中野氏を短期大学部の講師として採用した。中野氏の夫人は本学の卒業生であったので、人見学監は採用以前数回にわたって特に中野氏と懇談して本学の教育方針を説明し十分なる了解を得た上で採用した。その後中野氏は遅刻、早引が多く、学生への伝達事項も届かず、同僚に迷惑をかけていた。昭和三十五年四月学部に転属、その後も期待に反して次に申し述べます解職理由書の三、四、五項に記述された通りのありさまであります。次いで昭和三十六年十一月六日理事会を開き、中野講師が学生の政治活動に関し、学生に虚偽の報告を教唆した事実の究明とその善処方を学監に一任することを決議した。この決議に基づき、学監は翌七日中野講師に休講の通告をなし、十一月十一日の理事会において、休講中の中野講師の動静について説明を行なった。次いで学監は中野講師と面談して休講を指示するに至るまでの経緯を説明した。十一月の、日ははっきりいたしませんが、十三、四日ごろと思います。中野氏夫人が来学、学監に面会、学監が詳しく採用当時からの状況を説明したところ、中野夫人は、それでは主人から退職願を提出させようか、と申しました。学監が同意を表しますと、夫人は、私どもはジャーナリストをたくさん知っているが、これを問題にしても知りませんよ、という言葉を残じて帰宅した。前述の模様を十一月十八日の理事会において学監より報告し、十一月二十九日に至って理事会を開いて、解職の理由書、次に申します理由書に基づいて、これ以上中野講師の教職を継続することは、同講師の短所を頻出させて、本学の学生補導に大きな欠陥を重ねるにすぎないことになるということを憂えて、解職のやむなきに至ったわけであります。よって、人見学監は、その旨を中野講師に通告した次第であります。  これがてんまつでありまして、解職の理由は、一、採用の当初において、本学の方針は中正穏建な女性育成を目的としているから、その方針に反しないよう正邪を明確にして指導し、万一疑問が起きたら、直ちに連絡して独断を慎んでもらいたいという約束をしたが、これに違反しておる。二、毎週開会する補導会議の申し合わせによって学生を補導していたのであるが、中野氏はそれができないので、教務係からしばしば注意されても実行不能なので、補導できないものと認めて教務係の原智子が代行のやむなきに至ったような事情であった。三、昭和三十五年四月、学部に転属、同年六月の安保デモの際にも、学生は研修本位に導いていくべきであるという補導会議の申し合わせがあったにもかかわらず、学生の参加を黙認するかの態度をとって、会議議決に違反した。四、学生は許可なくして学外の団体に加入することはできない、これは学生手帳の二十八ページに第十三項として載っております。次に、学内外を問わず署名運動をしようとする時は事前に届け出よ、これも手帳の十四ページ第六項に示してあります。そういう規則に反した学生があったので、注意を促し反省を求めようとして、その事実があったかないかを確かめるために学生委員に尋ねたところ、その委員は、そんな事実はありませんと、言い張ったのであります。言い張っておいて、その後すぐ中野講師に相談をして、学校に対しては事実を否定しておいたが、それでよいかと聞いたのであります。そのおりに中野講師は適切な指導助言をとってくれることができなかった。五、これは昨年であったか一昨年でありましたか——一昨年であったかと思います。一昨年の十月に中途退学をした学生がありました。その者の学籍簿を翌年の三月まで在学したように作ってくれ、つまり虚偽の公簿を作成してくれということを、学生課に中野講師はしばしば強要しておるという事実もあります。その強要されたのが三十五年の十一月でありますから、中途退学も一昨年、三十五年であります。  以上のような約束違反、補導不可能、会議決議事項の違反、虚偽の教唆、文書の偽造強要というような、教育者としての資格を欠くものであるというので、理事会は、昭和女子大学の教師に適さないものという結論に達したのが、昭和三十六年十一月三十日に解職通知をした理由となっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 解職の理由、てんまつ、今お読みになったのは、きょうのために準備したものですか、それともどこかに出されたものですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 これは文部省の方に提出した書類でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この問題自体は現在人権擁護局に提訴もされておるようですし、裁判所にも係属しておるようですから、この中身に立ち入ろうとは私は思いませんが、ただそのてんまつがちょっと耳ざわりなところもあるのですが、中野講師夫人が何とやら言ったというのをもう一回読んでもらいたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 これは学監から理事会にも報告がありました。その言葉は、私どもはジャーナリストをたくさん知っているが、問題にしても知りませんよ、こういうことであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 今のお話で、われわれ心当たりが出てきたのですが、この程度の問題といってはいかがかと思いますが、ともかく相当数の週刊誌にこれだけ大きく出る、特殊の傾向的な新聞に大きく取り上げられるというところに、私は、今度の事件のいわばある種のマスコミ攻勢というものができている。中野夫人と直接、間接の関係ある一部ジャーナリズムと、私が先ほど読み上げたようなこととの問に、一脈の関連性なしとしないというような印象を実は今受けたわけであります。普通では、なかなかこの程度のことでこれだけ大きく書かれることはないのですが、大きく書かれたには、やはりそれだけの裏があったということを今痛感しましたが、しかし、そのことは私の所感でございまして、事実かいなかの断定はいたしません。  それから、今の中身にはもう入りたくありませんけれども、とにかく中野講師は人権擁護局に対して、教師としての適切な措置を講じなかった、その他の理由で解雇されたのは不当解雇だという申し立てをしていますね。これはどうなんですか、人権擁護局に対する申し立てをしているということについては、どういうお考えであるのか、学校側の見解を伺いたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 どうも中野さんの御意向は私によくわからないので、どういうつもりで人権擁護局へ申し出なさったものだか、まことに理解に苦しむのでございます。ちょっと私が御質問の要旨をよくのみ込めなかつたでしょうか。

森山欽司自由民主党

○森山委員 この解雇はどういう解雇ですか。不当解雇と言いますから、これはお宅では懲戒解雇か何かでもやって、いわゆる処分的な解雇をされたのか、どういう解雇をされたのかということですね。人権擁護局にそういう訴えが出ていますからね。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 懲戒解雇とかいうことは毛頭ございませんので、学校の教育方針、教育方法と一致していただけない中野講師でいらっしゃることは、学校がそう考えるばかりでなく、中野講師御自身も、あの日本読書新聞にお書きになっておることによりますと、とうてい学校に協力していただける教育方針は持っておいでにならない。御自分認めておいでになる。さような次第でありますから、これは退いていただきたいということで申し出たのでありまして、そのために、私はよく存じませんけれども、何か一ヵ月分の予告手当というものがあるそうでございまして、それも完全に行なっておりまして、中野講師御自身受け取っておいでになります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 不当解雇と言われるけれども、普通の解雇で、基準法上の手続もやっておるのだ、こういう学校側の見解のようですが、ただ、法務委員会で共産党の志賀委員から、人見圓吉学監が、「一片の紙きれに学校の印鑑も何もないもので、十一月限りで退職していただきますというような意味の文書を出している」、 こういうことを言われておるのですね。そういうことを言うと、もう人見学監が勝手に進退をきめたんじゃないかというような感じを受けるわけでございますが、それは一体どうなんですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 決して人見学監が個人として行なった行為ではありません。理事会は数回にわたってこのことを協議いたしました。その協議の結果を人見学監に一任して、これは当時学長が病気でこもっておりましたので、学監は学則によって学長の代理を務めております。つまりそれは人見の名で書かれたけれども、学長代理の役を務めたわけなんでございまして、決して人見氏一人が個人の意思でさようなことができるはずのものではないのでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 しかし、学校の先生を採用するとか解職するときには、役所とは違うけれども、大体辞令みたいなものを出しているというのが通例だと思うのですが、お宅の学校にだってそういう規則はあるのでしょう。ないのですか。その辺はどうですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それは規則はありまして、書式も示してあるのでございます。ところが、それをこのたび、その規則の書式の通りにしなかったということは、これはどうも、ちょっと遺憾に実は思っておりますのですけれども、何しろこの学校の成立が全く塾のようなところで、理解し合った者の集まりでございまして、そうして成り立っております。今日まで、こういうやめて下さいといってやるようなことは、一度もなかったものでありますから、自然そういうことになりましたのであります。今後はこれは考えなくちゃならぬと思っております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 学内の規則で書式をきめてやるというのに、その書式によらなかったというのは、私はやはり学校側としてやり方が大へん不手ぎわであったと思います。しかし、法律的に見れば、民法上の要式行為というような、その要式を踏まなければその意思表示は無効だというような性格のものでもないように思いますから、そういう意味では意思表示自体は有効のように思うけれども、しかし、事件が事件でございますし、今までそういう経験がなくて初めてのことなので、こういう不手ぎわがあったということを学校側が今お認めになるわけでありますが、意思表示自体は法律的に有効なものでしょう。私も二、三十年前に習った民法の原則を頭の中に浮かべて言っておるのでありまして、現在の裁判所、人権擁護局がどういうふうにお考えになりますか、これはそれぞれ独立の立場で御見解が出ると思いますが、それに私どもは最終的には従っていかなければなりません。ただ、しかし一応の要式行為、民法上の要式行為でないにしても、一つの書式というものがきめられておるのに、それをやらないという学校のやり方というものは、これはやはり考えてもらわなくはていかぬのではないかというふうに私は率直に感ずるわけです。もう一回学長さんの方から意見を聞きたいと思います。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 今回のやり方が不手ぎわであったという御指摘をいただきまして恐縮いたしました。まさに今私もそう感じておりますので、今後は十分に注意をしたいと考えます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 人権擁護局の方に提訴されておって、何か指示が出た。日本読書新聞を見ておりましたが、法務局の指示も拒否、あるいはまた指示があったということで、中野講師を昭和女子大に紹介した教育大の下村寅太郎教授が仲介役として学校に乗り込んだというような話があるわけです。その指示があったかなかったかの問題は、この間の文教委員会で、そういう指示はいささかも出していないということが人権擁護局長からわかりましたから、従って日本読書新聞に法務局の指示も拒否というようなのは、これはでたらめきわまる記事だということが明らかになりましたから、この問題はあらためてお伺いはいたしません。しかし、ここで日本読書新聞に、「二月一日、中野氏を昭和女子大へ紹介した教育大の下村寅太郎教授が仲介役として学校へ乗り込み、先ず学部長に、そして人見学監に面談したが、全く話にならないので、愛想をつかして帰っているのである。」こういうことを書いてあるのだが、一体これはどういうことなんですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 その問題でございますが、下村教授は中野講師の恩師でございまして、そういう立場から何とかして円満に解決することができるならば努力したいというような御希望でお見えになったものと思われます。ですから下村教授が白紙還元という言葉をお聞きになっていらしたのか、あるいはそういうことなしにいらっしたのかは実情はわかりません。何とも申しませんのでわかりませんが、多分指導教官であったので、愛情の問題、それから何とか円満に解決をしてもらいたいという御意思でわざわざおたずね下すったのだろうと思います。話題に出ましたことは、何とか円満に復職できないものかという御質問がありました。学監は、それは学校としては今のところむずかしいということをお答えしてお別れしたわけでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 時間の関係がありますから、中野講師の解職問題は、なお多々聞きたいことがありますけれども、この辺で次の問題に移りたいと思います。  新週刊の記事に返りまして、二名の学生の退学処分に関連をいたしまして、UとHという二人の学生に対する取り調べは長時間にわたり、しかも監禁の上脅迫して強制的に退学届を書かせたということをいっておるわけでございます。それからUという学生の場合は、面接時間は一時から五時までやった。かぎをかけて調べた二人の教師がUのまわりで足をがたがたさせ、机をたたいて脅迫し、「責任をとりなさい、民青のメンバーでしょう、かくしたら容赦しませんよ」と脅迫をした。政暴法の反対は殺人と同じだ、こう言った。Hの場合は、五時から九時まで脅迫された。温考館の奥の一室、意味のある言葉を使っております。「署名用紙は誰が持ちこんだのです」「署名した人の名前を全部言いなさい」「あやまっただけですむと思っているのですか」「それが共産党細胞できたえられた黙秘権というヤツですか」戸谷先生ががんがんどなり散らすこと数時間、口出しできないほど口ぎたなくののしった。学生の見ている前でうどんをすすりながら退学届を書かせた。「黙っているのは責任をとって退学するものと認めますよ」と強制をし、「こう書けばいいんです」と、Uの書いた退学届をたたきつけた。彼はもうろうとしたまま何か書いたというようなことでありますが、抜き読みすると、そういう問題になった二人の学生に対する取り調べが非常に残酷なやり方をした。この表題によると、「カギをかけ脅迫された女子学生」、こういう中見出しになっておるわけであります。今私が申し上げたような事項が一体あったんですか。そういうことについて学校側はどういうふうにこういう問題について説明をするのですか。こういうことがもし真実であるとするならば、非常な行き過ぎではなかろうかと思っておるのでございますが、この辺の事情について御説明を願いたいと思います。  二人の学生の処分の問題に入る前に、事実関係をまず明らかにしませんと、われわれが政治的な判断——法律的な判断はまた裁判所、人権擁護局でおやりになるのですが、政治的な判断に誤りを犯すということでありますから、一つ学校側からこの点についての御説明を願いたいと思うのであります。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 まことに、新週刊を初めいろいろな雑誌にさような記事が載っておるということを学生たちや教職員の方から私は聞かされました。非常に驚いたのです。それで私は、補導主任戸谷先生、それからこれに協力していろいろ今度のことを善処してもらった保坂教授、それから学生課長の小川先生などがそこに載っておるわけです。まさか私の信任しておる教授にそんなばかな人があろうとはちと思われぬのであります。けれども載っておる以上は、一応直接その方に聞いておかなければ私の職責が遂げられませんから、その当時すぐこれら三先生を呼んで事情を詳しく聞きました。聞いて、私は自分の手帳にノートしておきましたから、それによって事実を明らかにいたしたいと思います。  まず、長時間にわたって、しかも監禁の上脅迫、強制的に退学届を書かせたというような記事であったのであります。これについて私は聞いたのであります。その答えは、どうもこれらの記事はすべて悪意に満ちたところの捏造であると事に当たった先生は申しております。  そこでUの場合のことについてまず申しますと、面接の時間は午後の一時から五時までと書いてあったそうですか、事実は午前十時過ぎから十二時ごろまでで、あと三十分ほどくつろいで雑談をしたと言っております。それからかぎをかけて取り調べたと書いてあるが、全く事実無根、Uと面接したのは近代文庫の部屋であり、これはふだんかぎなどは用いておらないところであります。  Hと面会したのは温考館、これは常にあまり使いませんから、入り口にかぎがかけてありますから、補導主任がかぎをあけて入ったのでありまして、かけたのではありません。補導主任がHと二人で部屋へ入りまして、少しおくれてから保坂教授が入って参りました。これによってもかぎはかけてないことがわかる。  それから二人の教師がUのまわりで足をがたがたさせ、机をたたいて脅迫したと書いてある記事について聞きますと、ほんとうに驚くべき作りごとでありますということであります。だが、どうもこのことはあとでよく考えてみると、何か初めから計画があってこういうような作りごとをかまえたのではないかと思われる節もある、こう言っておられます。というのは、十一月二十日にUの父が学校に参りまして、同じような言葉で、足を踏み鳴らし机をたたいて娘を脅迫しましたねといって学生課長に食ってかかられたので、学生課長から、静かに事実の通りをお話し申し上げて、このようにお話をしたのだということを申しますと、よく了解され、わびをして帰られたこともあります。ところがまた中野講師の書かれた一月一日の手記の中にも、父兄の抗議、どなり込みによってこのUが復学したというようなことが書いてありますが、Uは決してそんなことで——また復学という言葉もおかしいので、初めから何も学校を退いておりませんので、初めから補導しておりまして、それで補導の通りに従うということを、父と娘と一緒に参りまして、よく心から自分のあやまちを改めることを誓いました。それを文書にもして学校に持って参りまして、これは平生通り授業を受けておりますのですから、復学ではありません。中野講師の言葉によると、父兄の抗議、どなり込みによって復学したというふうに書いてあります。  次に、「責任をとりなさい、民青のメンバーでしょう、かくしたら容赦しませんよ」と脅迫した。これはそんなことではないので、補導主任から、自分の責任についてあなたはどう考えますかと尋ねたのでありまして、責任をとれと強要したのではありません。また、Uの方は、自分から責任をとって退学することに父とも相談済みのことでありますと述べましたから、あなたは今そういう気持になっておるというのならば、それに関連して現在の気持を一応ここへ書いてごらんなさいというて、そこにありましたメモ用紙を渡しますと、ほかにあまり書きませんで、私は退学をしますということを書いた。書いたあとで、明日父が退学願と私どもの集めた署名用紙を持って参りますと言うて帰ったのであります。このことのありました前に、父が学生課長のところへこられて、子供は学校をやめさせて司書の勉強でもさせたいが、学校から証明書を出してほしいというような依頼もありました。また証明書を出すという証明を今すぐここで渡してくれというようなお言葉もあったそうです。そういうことによりましても、Uの父及びU自身がそのころ退学の意思のあったことは明らかなんでありまするが、これは自身退学の意思を持っておったということは考えられるのであります。  それから、民青同に加盟しておるだろう、隠すと容赦しないとか、そんなことを言うはずはない。これは本人自身が少しも隠しだてする必要もなく、自分で初めから入ったことを言うておりますから、そんな言葉を使う必要もないことなんであります。  もう一つ、政暴法反対は殺人と同じだ、だれが聞きましても、ほんとうにばかばかしい言葉でありまして、そんなことを言う人はどこにもあるまいと思うのでありますが、でも、何かそんなことを言われる心当たりがありますかと私は聞きました。すると、こういうことであります。いろいろ話をしてやって、あなたにどんな正しい考えがあってやったことでも、その考えを行動に現わすときは冷静でなくてはなりませんよ、軽挙盲動は思いがけのない結果を生ずることがあります。行動に現わすときは考えなくちゃならないものだという話の例として、ちょうどおりから新聞に報道されておりました池袋の殺人事件のことを例に引いただけのことでありまして、あれは父親が一生懸命娘をかばおうと思うて、ほんとうにこれは正しい心持から出たけれども、結果は殺人となるようなこともあるから気をつけなさい、こういうことをただ例に引いただけのことであります。  それからHの場合であります。五時から九時まで脅迫した、こうありますが、事実は五時過ぎから七時前までの話し合いであります。それから次に、温考館の奥の一室、温考館という建物は二階の一室で、しかも一室、奥なんてところはありませんで、何だか妙な表現であります。  それから「署名用紙は誰が持ちこんだのです」「署名した人の名前を全部言いなさい」「あやまっただけですむと思っているのですか」と脅迫したというのですが、Hは学内の署名には直接関係していないのですから、そんな質問をする必要はないのであります。  それから次に、「それが共産党細胞できたえられた黙秘権というヤツですか」きたない言葉ですが、戸谷先生がどなり散らした、どなたでも戸谷先生に会ってみて下さい、そんな言葉の出る人ではありません。それから、私もこれを聞くときには全く戸谷先生に気の毒であったけれども、一応雑誌に書いてあるから聞きました。全く虚偽であります。  この虚偽の記事とあわせて考えられますことは、Hの父が来校いたしまして、学生課長に対して、数人の教師が娘を取り囲んでおどしつけたと、週刊実話の記事と同じようなことをおっしゃって、まあ大へん学生課長をどなりつけられたわけです。そこで、これも学生課長から、そんなことは決してないのであるといって、Hと補導主任の話し合いの様子を詳しく話して上げますと、Hの父は、やはりその後一日か過ぎて、よく娘に聞いてみたが、私の言ったことは間違いであったとあやまってきております。これもUの場合と同じように、何かそういう工合に表現しまして、作り上げようとする何か魂胆のあってのものではないかと考えられるのであります。  大体以上の通りでございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、「カギをかけ脅迫された女子学生」という見出しの中に書かれたことは全部うそだ、こういうことなのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 全部虚偽でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そういたしますと、それに関連して週刊実話というのにも妙なことが書いてある。週刊実話に、処分学生がふるえる手で退学する旨のサインをしたという記事があるのですが、あなたの方でもしそのサインでもあったら見せてもらいたい。ふるえる手かどうか一目見ればわかるのですから。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 これもでっち上げでございますから、今さら私弁明するのはつまらないような気がするのでありまして、書いておりますものは正確な文字でしっかりと書いてございますし、ふるえる手なんというものじゃございません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、聞きたいことはたくさんあるのですが、実は新週刊の記事のような書き方で昭和女子大問題が全部取り上げられておりますので、項目から申しますと、三人は責任をとって自発的に退学されたとかいうので、十一月二十一日、名簿を消した理由を聞く。Uの父が人見先生に退学の理由を聞く。こらしめのためだと言う。娘の署名用紙は娘が取り戻してきた、と見せたら、人見先生は、これを取り上げて返さなかった。「署名した二十名の学生「新聞記者に取調べの状況を暴露すれば即刻退学させる」とおどされる。」というのがあるのですが、これは一々事情を聞いていると時間がかかりますし、制約もございますから、一言でこれはほんとうかうそかという点だけ言って下さい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 今お読み上げになったようなことは全部虚偽でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、法律的な考え方をやる前に、今日世上流布されておる、特に新週刊によって代表されておる昭和女子大学のこの事件の経過に対する記事は、ほとんど全文うそだ、ほとんど全部虚偽の見地から書かれておるというふうに私は印象づけられるのですが、ここでほんとうかうそか議論してもしようがありませんから、まず次の問題について伺いたいと思う。  問題は、これにはUとかHとか書いてありますが、調べるところによりますと、福森恵美子、原淳子、この二人が退学処分を受けたというところに根本問題がある。これは実は大へんおもしろいのですが、全国教育新報を見ると、原さんについてこういう記事がある。「原さんだが、これは日本共産党が指導している「民青同」のメンバー。原さんの兄さんは立教大学自治会の委員長をしていたがその抜群の闘争経歴がわざわいして就職が思うにまかせず、やむなく日本共産党本部に勤務しているといわれている」だから日本共産党本部に勤務している。妹が退学させられた原淳子ということが新聞に書いてあるが、原さんというのはどんな人ですか、あなた方調べたことがありますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そういうことを聞いておりますが、取り調べるというようなことはいたしておりません。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 森山君に申し上げますが、だいぶ時間を経過しておりますので、結論をお急ぎ下さい。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これから結論に入りたいと思っております。この退学処分をした根拠は、一体どういう根拠で退学処分をしたのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学則に違反したということが根拠になっております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 その学則は何か法律に根拠があるのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それは学校教育法のたしか十一条による施行規則第十三条の項目と全く同じ精神の学則でございます。

森山欽司自由民主党

○森山委員 どういう字句になっておりますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 私どもの学則におきましては、第三十六条「左の各号の一に該当した者は退学に処する。」で、その第四項であります。「学校の秩序を乱しその他学生としての本分に反した者」、 こういう項目です。

森山欽司自由民主党

○森山委員 学校教育法施行規則十三条、これと大体同文でございますね。それを今度は二学生を処分した。一体どういうわけで処分したのですか、この条項に触れるというその処分内容を伺いたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 これは処分をいたしましたおり、その事情を文部省に報告いたしました。その報告の通りに申し上げてよろしいかと思います。  昨年十月中、学内で政治的署名運動を行なった学生があって、調査した結果、無届けで民青同に加入したすBC三名の学生が主導者であることが判明したので、前記三名の学生の属する学級の主任戸谷三都江助教授がもっぱら補導に当たり、人見圓吉教授、保坂都教授がこれに協力した。その結果、三名のうちの一名Aは、自分の行動が学則に反することを認め、民青同を脱退し、今後は政治活動をしない旨を誓ったので、十二月四日から従前通り登校しております。  次にBは、退学を申し出ましたが、補導主任から再考をうながしました。その後父と保証人が来校して、郷里の大学に転学させたいということを申し出で、十一月二十日ころにBは父とともに一たん帰郷いたしました。しかるに、その後再び上京して、住所を明らかにしなかったのでありますが、十二月五日偶然に出会いました玉井学長は、熟慮して、早く学校に帰るようになってほしいと勧めたことがあります。  次にCは、みずからの主義に徹したいから退学したいと申し出ましたが、十一月十五日に、それから同じく二十日、同じく三十日の三回にわたって、熟慮するように促し、よく反省して一日も早く学校の方針に従う心境になって、勉強を続けるような気持になってくれとさとしました。  以上のようにB、C二名の学生に対して補導を続けておるおりから、十二月十五日、ある大学の自治会において、あるいはまた民青同などを含めた十一団体、数十名の人たちが、大挙して学内に押し寄せて面会を強要したことがありますが、その際、この二人の学生が同行して学校へ入って参りました。また外部勢力に協力したりもしておりました。さらにこの二人は、学校に対する事実とは相違したところの不穏なビラに材料を提供したり、あるいは学外の団体の会合に出席して、不穏な演説をしたりしております。一月二十六日、麻布公会堂における、教育の反動化と戦争に対する全都学生集会というところでも、こんなことを言っております。「ちょっとでも動けば退学になるという例をまざまざと面前で見せられ、恐怖心を持つと同時にあきらめを持っている」とか、「昭和女子大の学生自治会は、形式的には学生によって委員が選挙されるが、開票は教師が教務員室に持って行って行ない」などとというように、全く事実無根の無責任なことを堂々と演説しておりますが、かようにいたしまして二月八日に至りまして、この二人が突然登校して、今の言葉で言えば一種のすわり込みというのでありますか、突然教室に入っておったのであります。この日、私と坂本学部長とがこの二人に面接いたしまして、その後の心境はどうであるか、どうか学校の規則に従ってすなおに勉強する気持になってほしいのだがどうだ、と言うていろいろと話し合ったのでありますが、さらに反省の様子がなかったのであります。  これは二月八日がほんとうの最後でございますので、本学では、当初からこの二名の学生に反省を促し、補導によって本学の方針に立ち返らせようと思い、いかなる種類の処分も保留してきたのでありますが、もはやそれも限度に達したと認めましたので、二月十日に教授会を開き、全員一致でB、C二名の退学処分を決定いたしました。十二日に保証人に通知し、同時に学内にこのことを掲示いたしました。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 ちょっと議事進行。委員長にお尋ねしますが、けさの理事会では、あらかじめ四人の質問者、これは四十分ということがきまって全部で百六十分、なお関連質問二名ということを理事会で了解し合ったわけであります。それでこの部屋は午後はどうなっておりますか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 目下調査いたしております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 目下調査中だというけれども、午後はほかの委員会が使うのでしょう。本会議がありますし、午後他の委員会が部屋を使うということになれば、時間的にとても四名の質問と二名の関連質問はできませんよ。十時半から始まってすでに八十分たっているわけですね。そうすると百六十分の半分が一人の質問者によって占められている。私は、森山君が幾ら質問されてもいいと思うのです。理事会の申し合わせに反して幾らおやりになってもけっこうです。今も長々とすでに答弁が用意されまして、原稿が朗読されておる。それだって私はいいと思う。しかし、それならば委員長は委員会の運営について、通告のあった質疑者、すなわち理事会で決定した質疑者には同様に時間を与え、そうして参考人も同様にわれわれの質疑に答弁をするということを確認してやってもらうということでなければ了承できません。委員長の御見解はどうですか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 時間の問題につきましては、後刻あらためまして両委員会の理事打合会を開きまして……。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 理事会できめたのですよ。理事会できめたことが今破られている。守られていない。それをまた再度理事会を招集して時間の打ち合わせをするということでは、委員会の運営はできません。そういうことは困る。私どもも、もっともっと質疑をやりたいですよ。それならそれで、今オーバーされた質疑時間を各委員ともに許すのだ、参考人も、肝臓が悪いとかあるいは老齢だから困難だとか言わずに、今のように率直に答弁してもらう、そしていつでも委員会の質疑に対して答えるという誠意を持って今後継続するのだという確認があれば、私は森山君が何時間おやりになってもけっこうだと思います。あらためて今緊急に理事会を開いてそれを確認し合えば、それでけっこうだと思います。しかし、このままいって、午後になったらこの部屋は他の委員会が使うのだということになり、本会議が始まり、それで社会党の質疑がそのまま打ち切られるというようなことになったら重大です。そのために私は聞いている。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 それでは速記を再開して下さい。

森山欽司自由民主党

○森山委員 先ほどの話を伺うと、政治的な署名運動を行ない、学内の平穏を破ったので反省を促していた。それで補導したが、幾ら言っても改めない。そればかりでなく、公開の会場で学校に対して不穏な行動があって、秩序を乱し、学生の本分にそむいた、こういうことですね。要するに、すぐ退学をしないで、話せばわかるというので何回もやったけれども、とうとうどうしても言うことを聞かないために、やむを得ず退学の挙に出た、こういうように思うのですが、ただその処分理由によると、無届けで学外団体に加入したり請願署名運動をするということが理由になっていますが、こういう場合、あなたの大学では届け出るという定めがあるわけですね。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それは入学の当初にみなに渡しております学生手帳というものがございまして、それに学則の細則とも言うべき学生の心得がしるしてあります。その中に今の項目が載っておるのでございます。「学内外をとわず署名運動、投票、新聞雑誌その他印刷物の発行及び配布、物品の販売、資金カンパなどしようとする時は事前に学生課に届出その指示をうけなくてはならない。」こういう規定があります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 今の処分理由に学外団体というのがありますね。今度の当該の場合の学外団体というのは、具体的に何ですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 民主青年同盟です。

森山欽司自由民主党

○森山委員 公安調査庁来てますか。民主青年同盟は共産党の青年別動隊のように言っておるのですが、はっきりした民主青年同盟の実態を知りたいのですが、公安調査庁はお見えになっておりませんか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 公安調査庁は来ておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 それじゃよろしゅうございましょう。民青同というと有名ですから、これ以上聞いてもしようがありませんから……。  その次に政治的署名というのに該当する今回の事件は何ですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 政防法反対の署名運動であります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 本件の処分の理由は、学生が学外団体、この場合民青同ですが、それに加入したり、署名運動、これは政防法反対の署名運動、そういうことをしたことが直接の動機になっておるのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それは直接の動機ではありません。そういうことを行なう事前に学生課に届け出ることをいたしておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、署名運動をしようとするときは事前に学生課に届け出てその指示を受けなければならないときめていますが、これは憲法の表現の自由というようなこと、あるいは思想の自由というようなこと、あるいは請願権などの保障というもの——この件についてはすでに法務委員会、文教委員会において共産党及び社会党の委員の方から議題になっておるそうですか、そういう保障に違反するものじゃないかという見解がある。学校側は一体これについてどういう見解を持っているか伺いたいと思います。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そういう学則を立てておりますことは、決して憲法に違反した行為とは考えておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 もう一つ、生活要録というのを見ると、いろいろな規定があるのですが、その八の十三を見ると、学生補導という条項に「学生は補導部の許可なくして学外の団体に加入することができない。」 こういうことになっていますが、これは集会、結社の自由、憲法のその条項に違反するのじゃないですか、そういう見解もあるのですが、その点についてはどういう御見解ですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 「学生は補導部の許可なくして学外の団体に加入することができない。」これは私は決して憲法に違反しておるとは考えておりません。

森山欽司自由民主党

○森山委員 いろいろその他憲法との関係を伺いたいと思うのですけれども、この際他にも関連事項がありますが、時間の制約がありますから、残念ながら、これらの問題についてそれ以上深めることはいたしませんが、学校側は憲法違反でない、こういう見解を持っております。この生活要録、学則と申しますか、それについて文部省は一体こういう条項は憲法違反と考えておるのかどうか。事は重大ですから、私学といえども自主性を重んじることはぜひとも必要です。しかし憲法のワク外のことをやることまでは許されない、こう思うのです。これらの学内の規定というものは憲法に違反するという見解があります。それについて、学校側は違反しないと言っておりますが、文部省はどう考えているのか、明快な見解を伺いたいと思うのですが、いかがでしょう。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 学校が学生補導のために学生の学内、学外における行動についてどの程度の一般的な規制を加えるべきかどうかという問題は、学生補導上きわめて微妙なむずかしい問題でございます。学生補導というのは、一言に申しますならば、本人が自分の意思を持って自律的にみずからを規制できるような状態になるために、ある段階においては他律的にそれを規制し、自律的なものに移行していく、その成長を遂げさせる過程でございます。従って、その学生の現在の成長の過程において、どのような範囲に一般的な規制を加えるかということを明確にしなければ教育の方法論というものは成り立たないわけであります。従って一般的な原則から、すべての学生に対していかなる規制も加えてはならないということであるならば、教育指導の余地はないわけでございます。さりとて、学生に対してそのような規制を加えたことが、結果的に学生の成長発達を促す効果を持つかどうかということによってその規制の可否を判断すべきだと思います。従って、ただいまお尋ねの点につきましては、私どもは、それぞれの大学が、自分の大学の学生に対する教育方針として確信を持っておやりになっておられます以上、それが明確に法令の規定に違反したり、重大な弊害を起こすことのない限りは、大学の教育方針を尊重したいというのが文部省の考え方であります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 そうすると、大学の自律性、自主性を尊重する。そういう中身において現在の昭和女子大学の、今お話のあったような学則は憲法違反になり、憲法に抵触する、そういう見解は持っていないということですね。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 学内、学外の学生の行動について、あらかじめ届け出て、その指示を受けるというものは、学生の行動が教育的に取り返しのつかないミステークを起こさないようにするための教育的配慮という観点から見れば、私は教育上の立場として行き過ぎではないと思います。しかしながら、学外の団体に加入することを一般的な禁止事項として、これを許可制にすることが、はたして教育指導上も適当かどうかということについては、私も疑問を持つわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 今の問題は、届出ということになっておるのですから、憲法違反かどうかが問題になっているので、あなたの方が、現在の昭和女子大の生活要録その他のことが憲法違反だという、事務当局としても見解を持っておるかどうか、その点はやはりはっきりと言っておいていただいたらいいと思うのですが、事務当局は、どんな考え方を持っているのだということでいいです。これは憲法違反のことを学校がやっているということになりますと、私どももこの点は考えなくてはいけませんから、この点ははっきりと……。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 現在の規定に盛られておりますものが、その文章そのままを読みますと、いろいろ誤解を受けたり、運用をあやまれば重大な支障を来たす危険性はございますけれども、私どもは、現在の条文そのものが直ちに憲法違反になるとは考えておりません。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 森山君に重ねて申し上げます。簡潔に結論をお急ぎ下さい。

森山欽司自由民主党

○森山委員 その他、いろいろ伺いたいことがありますけれども、時間の制約で許されませんから、一項目私は学校側に御注意ないし希望を申し述べたいと思います。  この生活要録の六の六に「学内外をとわず署名運動、投票、新聞雑誌その他印刷物の発行及び配布、物品の販売、資金カンパなどしようとする時は事前に学生課に届出その指示をうけなくてはならない。」と書いてあります。署名運動のことはわかりましたが、投票をしようとする際に、事前に学生課に届け出、指示を受けなければならぬ。これは、ちょっと読むと、何党のだれに投票したということまで、一々学生課に届け出て指示を受けなくてはならないようなことに聞こえる。そういう事実はないと思うが、ちょっとそういう誤解を招く。おそらくどの会社その他におきましても、投票するときは、会社を休むとか官庁を休むとかという場合、あるいは遅刻するという場合がある。そういう際に投票するからおくれます、あるいは休みます、そういうことは例があることで、おそらく常識的に言えば、この投票というのはそういう意味の、投票する際におくれるとか、あるいは休むとかいう際の届け出のことだ、こういうふうに私は理解しておるが、このまま読むと、どうも何党のだれ兵衛に投票したかが問題のように聞こえるが、こういう点はちょっと誤解を招くおそれがあると思うが、学校側はどう考えているか伺いたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 今読んでみますと、やはりちょっとこれはあいまいで、投票という二字は削った方がよいかと今は考えます。と申しますのは、これに書いてあります理由は、先ほどお話のありますように、学校を投票のために遅刻する学生もあります。欠講をしなくちゃならぬ者もあります。また郷里に帰って投票するために欠席する者もありますので、あらかじめそれを知っておきませんと、欠席、出席の整理に困りますので、これを公の欠席と認めるという意味でここに書いてあるので、どうも意味を取り違えるおそれがありますから、新しい学生手帳からはこれを取り除くことにいたしております。

森山欽司自由民主党

○森山委員 これで私の質疑を終わりたいと思いますが、今度国会においても、この問題が異例の取り扱いを受けている背景から見ると、さっき、退学された学生の兄さんが共産党本部に勤めているとか、あるいは解雇された学校の先生の奥さんが、やめるときに、新聞記者を知っているから、それでいいのかというようなことを言い残していくというようなことで、大がかりな取り扱いになっていると思います。しかし、先ほど来の話の大筋は、大体あなた方の言わんとするところは、おおむね私どもも了解をいたしました。ごもっともだと思う点もあります。ただ一、二私が指摘いたしましたように、解雇される場合に書式がある。その書式を重んじないでやったとか、それから今読んだ投票というようなことも、私などは大体そういう意味だろうと常識的に理解するが、今の世の中は、なかなか常識だけじゃ動きませんから、ある立場をとると、別の誤解を生ずるようなこともありますから、そういう点は、学校側としてやり方を変えなければならぬ点は、私は変えていただかなければならぬ、こういうふうに考えているわけです。  この際、最後に一つだけお伺いしておきたいのですが、今度の法律問題につきましては、今裁判所にも係属しておりますし、人権擁護局の問題にもなっておりますから、私はここにあまり深入りした議論はいたしませんし、こういう席でやることは不適切だと、私は個人的にはそういう見解を持っております。しかしその前の、事前の事実関係について、世上伝えられる、特に総評の機関紙である新週刊のごときは、私が質問した事項に関する限り、ことごとく虚偽であったと御説明があったことは、驚くべき事実であります、これについて学校側は、一体黙っているつもりかどうか、これをこの際あなたの御意見を承りまして、私は質疑を終わりたいと思います。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 新週刊は一応読みました。初めは読みませんでしたが。学生や、職員や、私を思うてくれる多数の知己などが、しきりに私に申し出ております。あんなことを書かれているが、あれで学校は黙っているのか、あなたはそれでいいのか、こういうふうの質問を受けておりますが、いいとは思わぬけれども、さりとてこれをどうするか、正しいものは時がくればはっきりわかるわけだ。(「つじつまが合わぬ」と呼ぶ者あり)どこが理屈が合わぬか、今は議論するところではありませんから、もし論ずる機会があったら私は論じます。どちらが理屈が立たぬか、論ずる機会を作ってもらって、堂堂と論じましょう。しきりにそういうふうに私に勧められる方がありますけれども、私はそんなことに一々抵抗している必要はないから、静かに時のくるのを待っている、こういうふうに言っております。言っておりましたけれども、いかにもそのままではいけないということをおっしゃる方がだんだん多くなってくるのです。それを、私があくまで拒絶しておっていいのだろうかどうか、実は今迷っております。これはどうしても大ぜいの人々の声を聞かなくちゃならないというときを、私が自分で決断ができましたら、これは堂々と一つ訴え出る。私はどうも法律上の手続等のことを、自分では存じませんものだから、どういう方法でやるかは皆さんのお知恵を拝借いたしますが、これは何と申しましてもそのままで通るような記事じゃないのです。それをそのまま押し通して社会が——私はこう思っている。めくら千人目あき千人の世の中です。決してこの記事を全部、その通りかい、昭和というのはひどい学校だとお考えになる方は、千人、千人とすれば半分、半分です。そんなことはないと私は思っておりますから、黙っておっても差しつかえないとは実は思っておりますけれども、しかし、これではどうも社会のためにならないという考えができたときには、しっかりとした態度でやって参ります。

森山欽司自由民主党

○森山委員 どうも長い間老学校長からきぜんたるお心がまえを承りまして、まことに心強い次第でございます。私どもが助言、御忠言申し上げましたことについては、十分これを肝に銘じられまして、改善すべき点は改善して、建学の精神に沿って邁進をしていただきたいと思います。なお、同僚議員に対しましては、長時間にわたり質疑をお許しいただきまして、まことにありがとうございました。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 今、新週刊その他につきまして、学校の名誉を棄損するという意味で、しかるべき法の制裁を要求したらどうかという質問がありました。私も、ぜひそれをお勧めしたいと思います。今あなたは徹頭徹尾新週刊の記事が虚妄であることを説明されましたが、私のところへ集まってきております材料は、どうもあなたの説明と大へん違っておる。一人々々の生徒の供述が相当きているわけです。それから手紙もきております。今あなたが説明されたことと大へん違うのであるが、私は、学生なり生徒なりの名前をあげることに対して実はちゅうちょしている。本人のしかるべき同意を得ないと、ちょっとここにあげられません。あげると、すぐまた諸君がこれに制裁を加えるというおそれが多分にあるわけです。学校は絶対学生に対する生殺与奪の権を持っていますから、まあ戦争中の捕虜みたいなもので、うっかりしたことは言えない。そういう私どもに実は立証上の困難があります。しかし、あなたが名誉棄損なり何なりで訴えられて、裁判所の問題になり、警察庁の問題になったなら、ほんとうのことが続々出てくるのじゃないか。その意味におきましても、私はこれは名誉棄損として告訴されたらどうかと思う。新週刊のみならず、日本読書新聞、婦人ジャーナル、それから東京タイムズ、それからインテリに広く読まれている世界、週刊朝日、みな一様に書いてある。そこで、そういうものに対して名誉棄損なり、あるいは学校営業の妨害なり、これで一つ告訴されて事の黒白を明らかにされた方がいいと思うのであります。まるででたらめで途方もないことを言うておるということになれば、やはり学校の名誉を守らなければならぬ。それを今までなさらぬことに対しては、われわれは了解ができないのでありますが、とにかく私どものところへきております資料から見ましても、今あなたの答弁したような実情じゃないと思うのです。今最後の問題になりました学生手帳、これに書いてあります昭和女子大学の学則、これが今問題になりましたが、「学内外をとわず署名運動、投票、新聞雑誌その他印刷物の発行及び配布、物品の販売、資金カンパなどしようとする時は事前に学生課に届出その指示をうけなくてはならない。」とある。「内外をとわず」というのですから、衆議院の選挙、参議院の選挙の投票する際には一々届け出なければならない。今までそうやっているだろうと思うのです。一体こういうことに学校の方針の片りんが現われている。これが憲法違反じゃないと思っていらっしゃるところに問題がある。一体選挙の秘密投票というものは民主政治の根幹であります。憲法の大原則であります。その投票さえ学校へ届け出てその指示を受ける。社会党、共産党の候補者に投票するなんということがあれば許可されないかもしれない。自民党に投票しろという指示を与えられる。一体そんな学則を持っているのがほかの学校にありますか。これは氷山の一角なんだ。学則にこういうことが書いてある以上は、実際の学生の指導に対してはどういう態度でやっているか、思い半ばに過ぎるものがあるのであります。そこでこれは文部大臣に聞きたいのだが、私は文部大臣を要求しておったけれども出てこない。一体投票に行くのに一々学生課に届けてその指示を受けなければならぬという学則というものは、憲法の精神に違反しているのか、していないのか。もちろん、学校の学則は憲法よりも上なんだということを説明しておられるのでありますが、それじゃ話にならない。しかし、まさか文部省はそんな見解じゃないと思うのだが、一体こういう投票を学校の自治にまかせるようなことは憲法違反じゃありませんか。あれはそれこそ一種の政治活動だと思う。教育基本法の精神に違反しないか。教育基本法は民主政治の確立が基本になっている。憲法の精神を受け継いで教育基本法ができていることは明らかだ。この憲法や教育基本法そのものの精神に違反するような学則は一体認めていいのかどうか。これは抽象論じゃない、具体的なんだ。投票をやる際には届け出る。今学校側はいろいろ説明していますが、それはこれが問題になってからこの問題が指摘せられ、それから学校でだんだん態度を変えつつあると思うのでありますが、現行の学則そのもの、この投票の件について文部当局はどう考えますか。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 さっき御説明申し上げましたように、現在の学則の文章の中に、そのままの文章では誤解を招き、運用を誤れば弊害を起こすようなものがあることを私は申し上げております。しかしながら、ただいまのお尋ねにつきましては、投票について学校が指示を与えるというのは、学校当局から私ども文章について見解を聞きました場合に、投票に行く場合の本人の出欠その他の行動について、学校の授業との関係についての指示を与えるという意味なんだという説明を従来聞いております。ただいまお尋ねのように、それがどの政党に対する投票をもし指示するというような意味であるならば、これはおっしゃる通りに重大でございますが、御承知の通りに教育基本法の中に、学校が特定の政党を支持しまたは反対する教育をすべきでないことは明記されているわけであります。そのような前提の上に立って学校が学則を設け、これを運用しておられる立場を私どもは信頼して差しつかえない、かように考えておりますが、さっき申し上げたように、文章上の表現としては非常に誤解を受ける内容であるということは、学校当局にも申し上げておる次第でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 どんな文句があっても、それを都合のいいように解釈すればそれでよろしいという態度なら仕方がない。投票する際には届け出ろと書いてある。今言ったように学の内外、これがもし時間のためならこんな学則に書かぬでも、幾らでも提示もできるし、それこそ幾らでも補導ができるわけです。そんなことを学校の規則の中に書いておるということは、はなはだ異常であろうと思うのです。こういうことから私はこの学校の指導方針というものについて実は疑惑があるわけなんです。  そこでなお、その関連といたしまして、本年二月九日及び三月一日に、この昭和女子大学の学生が国会の傍聴に来た。そうすと、その傍聴に来た学生を呼び出して、何のために傍聴に行ったか、傍聴券はだれからもろうたか、持っていった荷物は一体どこに預けたか、そういうことを一々聞き出したというのであります。そういう事実があるかないか、一つ御答弁願いたい。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいの御質問にお答えいたします。そういう事実はございませんです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 だから諸君を正式に証人として呼んで、そうして質問したいということを考えておったのだが、自民党の諸君は賛成しない。われわれ今言ったように、一々学生の名前をあげて事実を明らかにすることは相当困難になっている。それだから、諸君の良心に従った答弁を期待するより仕方がない。責任を持って答弁してもらわなければ、あれもありません、これもありません、それでは困るのです。これは現にあるのです。二年の被服学科の生徒が四、五人調べられた。補導主任は内田武という教授、その言うたことも全部わかっておる。お前たちが成績がよくないのは国会なんか傍聴するせいだ、どこから傍聴券をもらったか、そうしてしかもこの傍聴をしたと称する生徒の試験の答案は、一般の生徒の案答と別な方に特に四、五人だけは取り除いて重ねてあった。非常に生徒は恐怖している。こういう事実、それを全然否定なさるかどうか、一体内田武という補導主任はいるかいないのか、補導主任がそういうことをしたのかどうか、お聞きになったのかどうか、二年の被服学科の生徒が傍聴に来たことがあるのかないのか、その事実を答弁して下さい。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 内田教授は補導主任をしております。詳しくは私聞いておりませんけれども、何か今度の試験のときには成績が非常に悪かった、全般的に悪かったが、特に悪い学生が四、五人あったので、それでその学生を呼んで聞いてみたところが、議会の傍聴に行ったという話を聞いております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 さっきの前言とは違うではないか。あなたはそういうことは絶対にないと言った。そうすると、今あなたの御答弁だと、国会の傍聴に行ったことについて、内田という補導主任が質問していることは事実でしょう。(発言する者あり)君に聞いているのではない。そう騒がなくてもいいじゃないか、幾ら学校と打ち合わせをしたからって。だから、学校当局は自民党と十分了解がついているから、法務委員会あるいは文教委員会なんかこわくも何ともない、そして生徒に揚言しているということがある。そういうことを裏づける態度をとらない方がいいよ。そうすると、二年の被服学科四、五人の生徒が、国会を傍聴した事実があるのですかないのですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 それは先ほどお答えしたように、内田教授に聞いてみましたところが、試験の成績が非常に悪かったので、調べたところが、四、五人の学生が傍聴に行ったらしい、こういうことは聞いております。それ以上私どもで調べたことはございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 なおそのことについて、ここにおられる人見楠郎教授は、学生に対して、中野先生とか社会党とかいうものは、国会で騒ぐ以外に何にも手段がないのだから、あんなものは勝手に騒がしておけということで学生に大みえを切った、自民党と連絡をとっているから何も心配ないと大みえ切ったが、あなたはそういうことを言ったどうか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 どこでお聞きになったのか知りませんが、私はかつてそういうようなことは一言も申しません。出たところを探そうとも思いませんが、私は、そういうことについてまことに初めて伺います。私自身の口からは毛頭申したことはございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 証人として証言していただくと非常によかったのだが、どうもそう言われると、私どもの方もどうしようもない。あなたが証人ならば、偽証としてわれわれは問題にできるのですが、書いたものでないし、言わぬといえば、聞いた人を今度は法務委員会に出て証言してもらうよりほかにしようがない、これは次回にいたしましょう。言わぬなら言わぬということだけ聞いておきましょう。こういう国会傍聴なんということは、学校が指導して傍聴させているのですから、こういうようなことを問題にするということで、この学校の傾向がわかるわけであります。  それから福森恵美子、原淳子と称する学生を退学させられたのはいつなんですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 二月十二日。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 ところが退学させる前に、この学生の出席簿は赤線で消されておった。これはどういうわけで、いつごろですか、赤線で消したのは。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学校の事務の取り扱いのことを詳しく御説明をしなければわからないかもしれませんが、出席簿と申しますのが二つございまして、その一つは便宜的な一時的なもので、どういうものかというと、これは学科別になっている出席簿でございます。これは学科別と申しますと、先生方がそれぞれみなかわりますので、その先生が授業の初めに、これから講義する学生がどういう出席の状態であるかを知るために一々名を呼んで講義を始める。この学科の先生というのは、講師で、一週に一度おいでになる方もありますし、そういう方が相当多いのであります。そういうお方が名を呼んで出席をおとりになるのでありますが、さてこの学生は、実はそういう無届けで他の団体へ入るとか、無届けで学内で政治運動をしたとかいうことによって学校が今補導中です。そしてその補導の方法といたしまして、家庭でよく反省して、その反省の心持を一つ書き出してくるか、あるいは口で一日も早く言うてくるようにという指導をしております。そのうちの一人、福森というのは、郷里からお父さんがおいでになって、どうも東京の大学で学ばしておくのは家庭で不安であるから郷里の学校へ転学させたいというのでお連れ帰りになっておりました。そういう状態でございます。そこで当分学校に出席をしておらぬことがはっきりわかっておりますので、それを学科の先生が一々毎時間の初めにお呼びになるのでありますから、これは便宜的に当分そう呼んでいただかないしるしとしてつけておいたのであります。もう一つの本出席簿というのは、日時別の出席簿で、これは参考として後日に残る出席簿なんであります。そのほかに学籍簿というものがございまして、その者が退学になれば学籍簿には退学のことがしるされます。ところで、その木出席簿及び学籍簿は何ら手を入れない、もちろん処分してないのでありますから、手を入れるはずがないので、ほんの便宜的、一時の覚えの出席簿にそういうしるしをつけた、こういうわけなのであります。これでお答えになるかと思うのですけれども、もう一つ先ほどの御質問の中に私に関することがありましたので、これを説明申し上げてよろしゅうございましょうか。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 ちょっと答弁が長いのですが、私どもに伝えられたものによると、昨年の十一月十六日に岩浅という哲学の先生が休講になって、戸谷という先生が講義に入った。そのときに赤線で出席簿の三人を抹消してあった。それは福森、浦井、原じゃないかと思うのですが、そのとき戸谷さんは、三人は自発的に退学届を出したという説明をされた。ところが、退学届を出した覚えはないので、引き続いてフランス語の内藤先生の時間を受講しようとしたところが、戸谷先生が教室から出ろ出ろということで争ったということになっておるが、それを全部否認なさるとすれば、これはもうやむを得ない。これにはちゃんとその学生のあれがあるから、法務委員会で真相を明らかにするとすれば、学生側のその他の証人を呼んで調べなければわかりませんが、私どもの報告はそうなっておるわけであります。ですから、すでに退学になる前にこういうふうな取り扱いやった。そういう事実はないという御答弁ならばそれ以上どうしようもないのであります。  なお本年の二月十二日に退学させられた。十三日に掲示されたわけですね。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 十二日掲示。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 やはり十二日ですか。これは先ほどの委員の質問に対して、学則第三十六条第四項でやったというのですが、学内の秩序を乱したというのは抽象論ですが、どこに退学の主因があるのか具体的に簡単に言って下さい。これをお尋ねするのは、学校教育法の第十一条にも、生徒の懲戒権は学校に与えてあるけれども、退学なんということに対しましては非常に厳重なしぼりがかけられておるのです。そうでしょう、これは学生にとっては死刑の判決みたいなものです。ですから、よほど重大なる学校の秩序を乱したことでなければ退学という処分はできないことが、学校教育法にも、その施行規則にも、その精神を見ますると明らかです。学校教育法施行規則第十三条を見ましても、退学というようなことは重大な処分であります。その精神からして、一体この二人の生徒を退学させるさような重大な事実があったのか。学則三十六条の四項が抽象論でよくわからぬのです。何が学校の秩序を乱したのか、重大なこの生徒の退学の理由です。この生徒は入学以来いずれも誠実に勉学にいそしんだまじめな学生であると聞いております。学校の秩序を乱し、学生としての本分に反するような、どういう行為をやったというので学校はそれを認定されたか、具体的にどれがいけないか、退学という価値判断に値する事実があったのか、それを一つ指摘していただきたい。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 玉井参考人。なお、玉井参考人に申し上げますが、御説明は簡潔に願います。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 二人の学生は初めから自分で退学させろさせろということをしきりに強調いたしましたが、これはどういうことであるか、私にはよくわかりません。もう数回、学校に退学させろといって迫りました。けれども父兄のことも考えまして、そんなにあなた方が自分一個で言うもんじゃないというて、どこまでも本学の精神に沿うてくれるようにと頼んでおった。ところが、ついにその機が得られないことは先ほど申し上げましたが、簡単に言えとおっしゃれば、先ほどの説明でもう済んでおると思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 学校教育法施行規則の第十三条に、いわゆる退学させられる場合のことが書いてあって「性行不良で改善の見込がないと認められる者」これに当たっていますか、当たっていないか、具体的に聞きましょう

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 改善の見込みがないということは、まず自分の母校である学校を、学外の演説会場で、ないことをあるかのごとくに発表して誹謗するというようなことは当たると思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから「学力劣等で成業の見込がないと認められる者」これに当たりますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それはまだ学力のことを私自身はよく調べておりませんから、よくわかりませんが。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから「正当の理由がなくて出席常でない者」これに当たりますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 出席常でないということはなかろうと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから「学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」これに当たりますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 当たります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、あなたの見解は、学校教育法施行規則第十三条の一号、四号に当たるということになりますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 大体そうですか、四号が主でございますね。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、学校の秩序を乱したというのはどういうことをしたのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 ビラに種を出して、学内にそのビラを持ち込むようなことをやった、あるいは他の大学の自治会へ入って行って、その大学から学校へ抗議を申し込まれるような事実があった。そういうようなことは秩序を乱し、学生としての本分にそむいておる。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、学校を誹謗するようなビラをまいたというのですか、あるいは安保条約反対というようなビラをまいたというのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学校を誹謗するようなビラ、それから学内を正常に保つことのできぬようなビラをまいた。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 学校を誹謗するビラ、あるいは学校の正常な運営ができないようなビラ……。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学生に正常な勉強のできないような、そういうことを引き起こすようなビラをまいた。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それからほかの学校の自治会に入ったということも言われましたが……。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 自治会の部屋へ無断で入って行って、何か相談を持ちかけるようなことをやったそうであります。こまかいことは聞いておりませんが、その学校の当局者から学校へ抗議を申し込まれております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、この退学した学生がよその学校の自治会へ出かけて行って、そこの人たちと話をした。そこでそのたずねていった学校から連絡があったというのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そうです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 どういう連絡ですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 こまかい言葉は私知りませんが、そういうことは困る、あなたの学校にそういう学生がおります。こういうことです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それはどこの学校ですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 申しません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 言われないのですか。どこの学校の自治会へ行って、どこの学校から連絡があったのか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 言わなくてよいと思っております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それが「学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」、この中に該当するわけですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そうです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 なお、福森、及び原の両女子学生に対しては、昭和三十六年十一月三日ごろ、同人らの特殊傾向、国会請願署名集めについて調査をし、同人に登校停止を言い渡しておることがありますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 登校停止を言い渡した、これはどういうことを意味なさるのかわかりませんけれども、先ほどから玉井参考人からいろいろお話がありましたように、前後二十八回この三人の学生に指導を行なっております。Uという学生に対しまして、本人に四回、父に三回。それからFという、新週刊に名前の出ておりますのが多分これにあたると思いますが、本人が八回、うち学長みずから話し合っておるのが二回、保証人が三回、父親が二回。それからHという、もう一人残るのがそうでありますが、本人に四回、うち学長及び学部長が、——先ほどのFも学部長が一緒でありますが、四回、Hについてはいろいろ話し合い指導をし、なおかつ父に対して二回、母、兄などに二回、これだけの話し合いをしております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 その話し合いはどういう意味なんです。父兄を呼び出して、学校からどういう要請があったのですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 今度の署名活動を無届けで行なったということについて注意をしたところが、自分たちは無届けで行なったということについての反省を促したところが、一人の学生は——これはもし時間がちょうだいできれば事こまかに申し上げたいと思うのでありますが、一人の学生は、みずからそういうことを行なったし、責任があるから退学をしたいというようなことを申し出ておりますけれども、それは学校をやめることであるかどうかということについて慎重に考えなければならないし、本人の申し出だけではならない。また、学校の規定としては、生活要録にも書いてあるように、退学形式としては保証人の父親が連署して願い出るということになっておるのだし、慎重に考えて、でき得るならばこの学校の勉強を継続するように、この大学における修学を継続するようにということを申しております。これは他の二人についても同じくでありまして、最後の最後まで、あなたはこういうことをしたからけしからぬ、学校をやめよ、あるいはこれでもって学校に来る必要はないというような指導はただの一度も行なっておらないのであります。  先ほどからお話がいろいろ出ますけれども、従来の新聞雑誌に出たものなどをあわせ考えますと、どうしてそういうふうに話がはずれていくのか、私たちはまことに不思議に思います。そうしたことはもちろん人の口から耳に伝わり、それがまた口から耳にいくのですから、いろいろ誤りもあろうとは思いますけれども、われわれの学校でそうしたわずかなことについて、これは取り立てていえばほんとうにささやかなことだと思いますが、そのことですぐ退学処分にしなければならぬなどと全教授のだれもが考えたことはないのでありまして、そういう話し合いをしたことはありません。ただ問題は、学生が学内のルールに従ってきちんとした生活をしようじゃないか、そういう一つの行き方のもとにこの学校は成り立ち、それを求めて入ってきた学生たちだと私たちは思いますし、そういう学生たちを全学の教員が共同で指導しておるのだと思っておりますから、従ってその気持になってくれれば問題はなかった。それは三人のうちの一人の学生が、ほんとうに親も子も今後一生懸命学業に専念しますと言ったあと、その学生がついぞ一度も譴責処分も受けていなければ警告も受けてないはずであります。そういう実情を知っていれば、他の二人も、自分の立場をどう保てば学校に帰って勉強を続け得たかということはよくお考えいただけたのではないかと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 この学生が、試験を受けて切磋琢磨して入学したその学校を、退学したいというのはどういう理由なんですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 一人は、今申し上げましたようにもとに戻っております。もう一人は、父及び第二保証人が参りまして、自分の娘を東京にこのまま継続して置いておくことは自分としては不本意であるから郷里に連れて帰りたい、一両日中に郷里に連れて帰るつもりだが、ついては自分の郷里、これもはっきり名前は申し上げませんが、郷里に帰って近所の大学に転校したいけれども、その手続について好意的に取り計らってもらえないかという話がありましたので、そういうふうに親元でお引き取りになって近所の大学に行くのならばけっこうです、協力いたしましょうという話し合いもありましたし、それから後にその父、娘などに教授も会いましたけれども、やはり同じようなことを繰り返しておっしゃっております。別段、私たちが呼び出してどうのこうのというのではなしに、ごく自然な話し合いの中にそういう話は幾らでも出てきますし、友だちに対しても、父親は、二、三ヵ月間休養させるということで連れて帰るということも話しております。もう一人の学生に対しましては、この学校では政治活動をしないということになっておるのだから、そういうことについては一応考え直して、今回のことはともかくとして、今後学業を継続するようにと話しましたけれども、本人がどうしても私の道を行くと言うものを、私たちがそのまま引きとめておくわけにも参らぬと思う。それを私たちが退学にしたとか、しないとかいう話を持ってきたこと自身が非常に不可解であり、捏造であり、歪曲だと私は思う。それが……。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 あなたに聞いたのは、退学をしたいという学生はどういう理由で退学したいと言っているのか、それを聞いているのですから……。ちょっと穴弁過ぎるのだが、それを簡単に。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 本人が自分の道を進みたいからこの大学をやめたいと申しております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、自分の道というのはどういうことであるか聞いてみましたか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 そのことについては私も先ほどから言っておりますけれども、話の行きがかりとしましては、学業を捨てて自分の信念に生きていくということであろうかと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 自分の信念に生きようとしても、学業を捨てなくてもいいわけじゃないですか。学業を捨てなければ自分の信念に生きることができないような学校の対策に対して退学を申し出たのじゃないかと思われる。ここに問題があるのですよ。学校は教育基本法に書いてあるように、信念を養成し、真実を発見する場所なんです。自分の信念に生きるということと、学校生活ができないということはどういうことになるのか。学校生活こそ信念に生きる者のよりどころでなければならない。それが憲法の精神でしょう。良心の自由、研究の自由、思想の自由、それが学校で保つことができないということは、これは実に容易ならざることだと思うのです。実社会においてはいろいろそういう場合がありましょう。しかし、学校こそは、この教育基本法を見ましても実に明白に書いてある。憲法の基本精神を受け継いだりっぱな教育の憲法としてここに教育基本法というものができてあるわけです。それをごらんになればすぐにわかるでしよう。一体どういうことが教育の中心であるか。「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。(教育の目的)教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行なわれなければならない。」そして「教育の方針」として「教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」この教育基本法の根本の精神から見るならば、生徒が政防法に反対ならば、その信念何も曲げる必要もない。憲法で保障されている請願、何もこれをとめる必要はない。学生が自主的に是なりという方向に進むことが、何がゆえに学校はそれを抑制しなければならぬか、はなはだ私どもは疑問なんです。この学生がわざわざ苦労して入学したその学校を、信念に生きるためにやめなければならぬというのはどういうわけか、それを説明して下さい。これは学長から説明してもらいたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 私は、学生の言うた信念というのが、学校の規則などに従うようなことは私にはできないのだ、自分の思う通りのことをやりたいのだというのが学生の信念であったと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 事は具体的でなければならぬ。政防法反対の署名運動をしたということから問題になってその学生が圧迫せられておるわけです。そうして正式に退学せられないうちに赤線で出席簿は消されてしまい、そうしてほかの講義を聞こうとすれば退席を要求される。それは政防法の請願に署名したということなんです。それだけで何がゆえに学校が圧迫するのか、そうされたら、そういう学校の態度では自分の信念に生きることができないということになるわけです。そういう問題ですよ。政防法に関する問題なんというものは、いやしくも大学の学生ならば、いいか悪いか、そうして反対なら反対の請願に署名するくらいのことは、どこの大学でも許されておることなんです。それを一体弾圧して、そのために注意人物とされ、赤線で出席簿は抹消される、聴講しようとすれば退席を命ぜられる、こういうことではこの学校には踏みとどまれないということが、この信念に徹する意味において退学しなければならぬということの原因になるのじゃないですか。要するに、政防法の署名をしたということが発端なんです。彼女がそういう自由を許してもらいたい、その自由さえ許されないというところに信念に生きることができないといって退学の理由があるのじゃないですか、それをただ枝葉末節のことから信念に生きられないと言ったわけではない。事はそれからきている。これは良心の自由、思想の自由、請願の自由として、ことに選挙権を持っている学生のごときは当然許されるべきものなんです。それをさっきも言ったように、学生課にまで届けろというような規則を作った学校だから、自分たちの信念に生きることができない、それで退学したいと言うて出たわけです。非常に苦労して入学した学生が、何らの理由なしにみずから退学を希望するはずはない。学校の空気そのものに耐えられなくなったんじゃないか、そこをお尋ねしているのです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 お尋ねのポイントがたくさんありますので少し答えさせていただきます。  まず第一番に、今お説のことは、大学のあり方としてはごもっともだと私は承知しております。しかしながら、日本にある大学が全部同じ方法で教育されなければならぬということは私たちは考えておりません。私学というものは、公共の福祉に反しない限り学校教育法、教育基本法の中で生きていくものであります。その中で私たちはこの学校として一つのルールを定めてこれで生きていこう、これで学んでいこうときめておるのでありますから、その中において生活する意思のない者は昭和女子大の中には入ってこないがいい、よその大学といえども同じだと思います。この点が私学の特色でありまして、この点一度御理解を願っておきませんと、あとの話が続かないのでありますが、自分で積極的にやめるということを申し出るのはおかしいじゃないかとおっしゃるが、私も全くおかしいと思うのであります。全くおかしいことをなぜ繰り返すか、私たちは、何か作為がない限りはこういうことはあり得ないと思います。こちらでは退学しない方がいい、親とよく相談してきなさい、この学校で学業を継続しなさいということを何回も繰り返して話しておるにかかわらず、なぜ退学処分にさせないのだということを進んで言うこと自身が、まことにお話しのように私たちの方にも不思議きわまることだと思います。  それから先ほど、政防法に署名したから、だからこの問題が起きたとおっしゃいますが、政防法に署名をした人間がほかに十七名ばかりおります。この者については何ら処分が行なわれておりません。それから、今度のこの政防法に署名したから問題を退学まで持ち込んだのでもなければ、署名させたから退学まで持ち込んだのでもありません。そのことについては、政治活動を学内で行なうときには、それが右翼思想であろうと左翼思想であろうと、われわれの学校ではいけないことになっておるということを入学の当初に申し渡してある。そのときに、もし学校についていけない、自分はその道を進みたいと思うならば、そのときに学校をやめるべきであって、入学当初に私たちが申したときに、何らこの人たちから反対もなければ、質問もなくて通り過ぎてきたものが、なぜ二年か三年たって今日問題になるか、これについては、私たちの方でも本人にじっくりと聞いてみたいと思います。  もう一つは、赤線を引いたということでありますけれども、これは先ほどもお答えがありましたように、本人の当時含まれておりますクラスの空気としましては、むしろそれは意外なことであったということを他の十数名の者が感じたようでありまして、三人の学生は責任をとりなさい、われわれは学校にわびようということを、その直後、この署名活動について話し合ったときにお互いに話し合った。そういう空気で、すでにクラスの中から三人が遊離しておった。その気持の上に毎時間々々々呼ばれるのでは困るというので、赤線を引いたというところが先ほどお話がありましたが、その引いた時期でございますけれども、その時期が本人——その一名の者は、親と保証人が来て引き取ると言ったあとでございます。その時期がもしその前であればいささかこれは筋が通らぬと思いますが、そのもう一人の方は、本人がどうしても退学するということを申し出て、それで十七日でしたか、十八日でしたか、十一月でございましたが、そのころに形式的なものに、日ごろ教室に置いてある時間ごとの出席簿に赤線を引いたからといって、私たちが処分をしたのではないということは、学校の教務事務をおわかりの方でしたら御理解いただけるものだと思います。私たちの方でもって、そういうことのために全学で直ちにこの者を処分したということにはつながらないと今でも確信しております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 十何人署名したが退学はさせない、処分はしなかった、その通りでしょう。学校が父兄を呼び出し、生徒をおどかして、そうしてあやまらせた。そこで退学は二人だけで、ほかの生徒は助けた。そこで問題を起こした学級主任の先生、戸谷といいましたか、この先生が生徒に、あなた方はほんとうに人見先生に感謝しなければいけない、人見先生ですからこのような寛大な処置をおとり下さったのだ、普通でしたらこのくらいのことでは済まされないと思います。この事件をお聞きになったときに人見先生は一晩お眠りにならなかった。私はね、申しわけがなくて申しわけがなくて、先生の御身体のことを考えると、どうしていいか、どうおわびしていいかわけがわからなくなってしまいます、と言って泣き出したという。こういうことが生徒の供述に出ています。とにかく政防法反対の署名をした、みんな首を切られるところが助かったのである。これは実に人見先生——人見先生というのは、ここに出ている人見先生だか、お父さんの学監のことだかわからないが、人見先生の実に御寛大な処置だ、涙が出て仕方がないような御寛大な御処置だと言っている。そうしてこの戸谷という先生が、申しわけがなくて申しわけがなくてどうすることもできない。四十年の伝統において政治活動なんかやったことがない、そうして左系の学生なんて一人もいない、四十年の学校の歴史を汚してしまって、何としても、もう申しわけがなくて仕方がないと言っている。ちっと度が過ぎやしませんかね。これがほんとうだとすれば、度が過ぎやしないか。こういう実情なんだ。そんなことはないとおっしゃれば、それもしようがないが、ただ、いかにこの学校が時代離れをしているかということと、そうしてその先生なるものが実に奴隷のごとき存在じゃないかと思うのだ。人見なる理事長か何かにとにかく足を向けて寝られないような先生ばかりだ。これで一体大学の自治なんかどこにあるか。文部省からすると、大学経営のボスが大いに自治権をとっているのか知らないが、学内に自治も何もない。まあ、私立大学の長所であり、短所でありますが、学校の経営者側に非常に強力な発言権があって、教授側というものはロボット的な存在にされている。ここに大学の自治権をフルに振り回すところに私立大学の欠点が出てくると思うのでありますが、とにかくこういうふうな空気というものが学生には耐えられないと思うのだ。それで退学したいということを言い出したのではないのか、いやそうじゃないのだとおっしゃればそれまででありますが……。  そこで、なお今度はこの中野という先生ですが、これも解職のやり方については、落度があったということを言っておりますが、一事が万事、これによっても、人見という学監がいかに威力がある人であるかということがわかる。教授なんてものは何だかロボットみたいなものである。しかも、学長でもないこの人が便せんにちょこちょと一筆書いたもので学校の先生の首が飛んでしまう。こういうやり方、学校経営の仕方、これはあなた方が何と言おうとも異常ですよ。私どもはそこに問題があると思う。学校には校務処理規則というものがありますか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 参考人各位に申し上げますが、御説明は簡潔に願います。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 校務処理規則はございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 その第八条には、教師の任免は「理事会の議を経て学長がこれを行う」とありますか。教師の「解任の辞令は本規定付属の様式第二号による。」という規定をしておりますか。どうなんですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 第八条に、「教師の嘱任、休職及び解任は理事会の議を経て学長がこれを行う。」それから第九条に、「教師の嘱任、休職及び解職の申請には本規定付属の様式第一号による申請書を用いる。」第十条に、「教師の嘱任、休職及び解任の辞令は本規定付属の様式第二号による」こういう規定がございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 中野という先生の解職は、この手続を経たのですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 この手続は経ておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それはどういうわけです。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 今までこういうことがなかったのでございます。それで先ほど森山委員からの御質問に対して答えましたように、従来辞令を出すとかいうことをやっておりませんものでしたから、そこで人見学監——先ほど学監のことについてお話がございましたが、学監は学長の代理をすることができるようになっております。ちょうど学長が病気で寝ておりましたので、学監が学長にかわったわけでございます。そこで学監が手紙の形で解職の通告をしたわけでございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 なおその校務処理規則、教師任免規定第十七条には解職の理由というものが列記されておりますが、その解職の理由のどれに当てはまるのですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 第四項でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 四項は何というのです。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 「理事会において解任の決議のあったとき」というのであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 解任の決議はいつありましたか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 最終的には十一月の二十九日でございます。その前に、この件につきましては理事会に三回ほどかけられて協議をいたしました。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 その議事録みたいなものはありますか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 議事録はございます。ただいまここには持っておりませんけれどもございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから学監が学長の代理をするということはどこの規則にあるのですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 それは校務処理規則の中にございまして、校務処理規則の中に役員服務規定というのがございます。その第四条に「学監は学長を補佐し学長事故あるときはその事務を代行する。」とあります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、普通学長代理、学監人見何がしというて、学校の印を押すという形式を考えられますが、ただ人見何がしの名前で万年筆で書いて、印も何も押さぬでも、それは正式のものですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 従来、先ほど申しましたようなふうでございまして、私どもとしては正式なものと考えております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そういようなことが、それでいいんですか。人の首を切るのでしょう。学長代理、学監何のたれがしといって、学校の印形を押してやらない。ちょちょっと万年筆で走り書きして、印形も何も押さないで、人の首を切ったことになるのですか。そういうことをこの学校はやっているのですか。今まで例がないならば、なおさら慎重にやらなければならぬでしょう。どうしてそういうふうな簡略なことをやるのです。ですから人権尊重の意思がないということの表明なんだ。学生でも、教師でも、学校経営者のボスが自由に退職させたり、首を切ったり、そういうことができるという考えがあるのですよ。それが思わず現われたんです。諸君は、われわれの言うことに対して否認されておる。それに対してわれわれは立証することは今日はできない。一々学生なりその他の人を証人としてあげなければ反駁ができない。ただし、この解任辞令だけは、これの現物を中野氏が持っているから、諸君はそれを否認しないでいるのだ。しかし、これは氷山の一角で、全部こういう精神でこの学校は運営されておる。中野講師の言によれば、就職するときに、この学校は保守の学校だ、それを承知かという念を押して入れるんだということです。一体保守とか革新とかいうようなこと自身が政治問題じゃないですか。大きな政治問題じゃないですか。みずから保守の学校である、政治活動をした者は一人もないし、左派系も一人もない、そういうことをみずから揚言することは、みずからは一体、階級的政治的な立場に立っていることを表明しはしないか。中野講師が就職するときに、そういうことを人見学監から念を押されて就職したと言っているが、ほんとうかどうか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 人見学監から聞いたところによりますと、中野講師をお願いしますときには四、五回にわたって懇談しております。本学校は穏健中正な女性を養成する学校であるからということをお話しして、もし指導上で疑義が起こったら、そのときはいつでも相談してくれ、そういうふうに何回となく懇談をして、そして採用したというふうに承っております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 穏健中正なんてあたりまえです。過激な学校なんてありはしない、学校の経営者は。そんなことはない、これは保守の学校だ。言いかえれば自民党系の学校だという意味なんだ、そういう意味なんだ。それだから左派系の学生は一人も今までなかった。それが学校の歴史を汚したような政防法反対の署名者が出てきて、何としてもこれは許すことができない、こういうふうな学校の態度、ここに私は問題があると思う。これは先般も明らかになったのですが、学校の政治活動禁止は、学生じゃなく、学校当局、学校の経営者側が政治的な色彩を持ってはいけないというのが、学校教育法の精神なんです。諸君はそれをはき違えている。自分の方は大いに政治的色彩を濃厚にしてやっておる。東京都知事の選挙があると、自民党の候補者である東さんの奥さんを呼んできて講演させて、一票頼みますと女の生徒に言わせている。そういう活動をやっている。それがいけないのですよ。それが学校教育法に違反している。自分たちが違反しておつて、学生だけは政治活動してはならぬ。まるで法律の精神をはき違えているのじゃないかと思うのだ。どうなんです。政治活動を禁止するということは、学校経営者側の、あるいは学校の教育関係者側の問題で、学生を禁止しているのじゃないのですよ。どう理解しているのですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいまの政治活動の問題でございますが、むろん学校自体も政治活動をすべきものではないと同時に、学生も、本学の学生としては政治活動をしないように、そういう方針を私どもはとっております。これは文部省からの通達にも、学生が少なくとも学内において政治活動をすることは好ましくないという通達が来ています。そういうことであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 だからそれが憲法の精神を全然理解しておらない、教育基本法の精神を理解しておらないのです。いかなる政治思想を持とうが、いいわけなんです。いかなる語順をしたっていいわけなんです。学生だから、選挙に際して投票するにも学校の指示を受けろ、請願するにも学校の指示を受けろ、一体このようなことというものは憲法の精神に違背した行動——文部省に聞きますが、どういう通達を出していますか。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 昭和二十三年十月八日に、文部次官から各国立の高等専門学校、教員養成学校の校長に対して、学生の政治運動についてという通達が出ております。その中に、今関連のある点を申し上げるならば、学生が政治に理解を持ち、進んで参政権を責任を持って行使し得るようになるために政治の研究、批判の自由は学校内においても尊重せらるべきである、これが第一項であります。第二項は、しかしながら、学校教育法に定める学校は、学問教育の場であって、政治的闘争の舞台であってはならない、従って学校は政治的中立性を確保し得る学園の秩序を維持しなければならない。かかる秩序を乱すような学校内の政治的活動は許さるべきではない。これを文部省の見解として参考に供するという通達でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それは官立の学校に出した問題であるが、その精神はいい。だから政治を研究することは何にも差しつかえない。請願することが、その文部省の通達で禁止される政治運動に入るのですか。

西田亀久夫文部事務官(大学学術局庶務課長)

○西田説明員 学生が市民として請願権を行使することは、この問題には直接関係はございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 ところが、昭和女子大学の規則は学の内外になっている。すべてが学の内外。今の、文部省は市民としてやるのは差しつかえないと言うが、学校はどうなんです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私たちも全く同意見であります。ただ、昭和女子大学生の名において、あるいは昭和女子大学の名において政治活動をするということについては、学内はもちろんのこと、学外でも困ります。しかしながら、一個の国民として行なうことについての制約を加えたことはございませんです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それはおかしい。一体ある一人の人間が、昭和女子大生としてやったのか、市民としてやったのか、どっちです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 それは一人の人間が国民であり、それから東京都民であり、それから昭和女子大の学生であるように、一人の人間が幾つかの肩書きを持っておることはあり得ることであって、その肩書きの活用の仕方であります。それを一々私たちが調べるわけではありませんけれども、本学の学生の名において行動することについての規制であって、そのための生活心得であり、何もこれをもって国民の義務あるいは請願の署名のようなものを禁止しようという意図は、私たちは毛頭初めから持っておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そういう答弁を委員会でやるけれども、学生に対しては、あなた方はそういう態度をとっておらぬのだ。あなたのお父さんというのも相当のつわものだが、あなたも相当のつわものだ。学生はいつもあなたに畏怖の念を持っている。せがれの時代になったらどうなるか、なお心配している。反省しなければいかぬですよ、あなた。そんなうまいことを言うてはだめだ。学校におけるあなたの態度というものは、まるで君、親玉のような態度をとっているらしい。  そこでなお言うが、一体学校では、学生に対して学生の尾行をさしている。そうして民主化運動なるもののスパイをさしておる、こういう問題がある。それは尾行された学生からみな言ってきている。これは学校の方針としてそういうような指示をしたのか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私は、ここで誠心誠意お答え申し上げましても、何か私が作りごとを言っているかのようにお受け取りになるのではないかと心配しますけれども、私は実際正真正銘申し上げまして、そういうことはあり得ないことだと思います。そしてそのことがどういうふうな経緯であなたのお耳に伝わったかを私は伺うことができないのが残念でありますけれども、そうしたことがはたして今の世の中に行なわれていいものかどうか、お考えになっていただきたい、私はこう思うのです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 学生を呼び出してあなたと対決させます。私はそんなことを言うているのではない。その名前を列挙してきている、手紙がきています。しかし、この名前を明らかにすると、例の調子でまたやっつけられるから、かわいそうだから私は言わぬのだ。でたらめで言うているのじゃないんですよ。そんなでたらめな答弁は困る。ちゃんとわれわれ証拠を持ってやっている。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私もでたらめを申しません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 私のところには、たくさんの尾行された学生の名前がみなあがっています。手紙がきている。いずれそういう人たちを、今度は法務委員会を開いてあなたと対決させましょう。今否認するなら否認して——だから私は告訴してもらえばいいと思う。そうすれば、みな検察庁なり裁判所で関係人を調べて、われわれが名前を言わぬでも、検察庁なり裁判所が証人として調べてくれるから。そうすると尾行が明らかになると思う。今ここで私は、その学生のよろしいという承諾を得ないで名前をあげることをはばかるために、あなたをぎゅうという目にあわせられない。はなはだ遺憾だけれども仕方がないのだが、学生は、いたずらにないことをあると言ってきておりません。一人や二人の学生ではない。あなた方が考えなければならぬことは、今大学の中にはうはいとして民主化運動が起こっていますよ、学生の間に。これをキャッチして善導しなければ、昭和女子大学なるものは吹っ飛んでしまう。それを昔通りの石頭で指導しておったって始まらぬ。それを私は警告します。学生をスパイに使ったとなれば、あなた方非常に答弁に窮するだろう。否認される気持もわかりますけれども、事実は事実としてある。だからこれは委員長に要求しますが、これはもう一回か二回続行してもらいたい。そして今度学生側のそういう人たちを呼んで、その真相を明らかにしてもらいたい。こういうことを否認するから、まるでわれわれがでたらめな質問をしているような答弁をする。諸君がそういうまるで徹頭徹尾否認される、そうするとわれわれがでたらめな質問をしたようになる。だから言うのだ。ちゃんとある。手紙もきている。名前もわかっている。だからこれは出るところへ出れば明らかになる。それであなたに聞いている。でたらめの質問をあなた方を傷つけるために言うているのじゃない。私どもは材料があって言うているわけだ。時が来たれば明らかにしなければならぬ。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 何回でも申し上げますけれども、いかにどのような資料がおありになりましても、ないものはございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 私の質問はこれで終ります。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 谷口善太郎君。

高橋英吉自由民主党

○高橋(英)委員 議事進行について。われわれ同僚のことをとやかく言うのもどうかと思いますが、私ども品がない方では国会中で一番定評のある者で、リストに載っていると思いますけれども、それで私どもは、参考人や証人の人にあまり侮辱的な言辞を発しないつもりでおりますが、これからどういうことになりますか、猪俣老はああいうふうな人ですから、自分の思い通りにならぬと自然言葉も激しくなるのでしょうけれども、今後も質問に対する思い通りの答弁が出ない場合があるのじゃないかと思いますが、あまり言葉が激しくならずに、やはり礼をもって接するというようなことにお願いしたいと思います。委員長から一つどうぞ……。

米田吉盛自由民主党

○米田委員 議事進行。傍聴人が参考人の発言とか、いろいろなときに嘲笑的の笑いをやるというようなことは、私は侮辱だと思うのです。こういうような傍聴人は退席させてもらいたい。   〔「賛成」「反対」と呼ぶ者あり〕

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 本会議が二時から始まります。私が質問を始めますと、お約束の時間だけでも半分になります。それから皆さんも、諸先生方もおなかがすいていられるので、お昼を食べてから、本会議の後にさしてもらったらいかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 本会議後、直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時四十四分休憩      ————◇—————    午後三時五十分開議

牧野寛索自由民主党

○牧野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  人権擁護に関する件のうち、昭和女子大学の問題について調査を進めます。  質疑を続行いたします。谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 三人の参考人のお先生方、大へん御苦労様でございます。私、共産党の議員でございまして、多分あなた方は共産党の幹部をごらんになるのは初めてじゃないかと思います。午前中からのお話を承っておりまして、私も、これはどえらい学校があるものだということを初めて知りまして、そこらにつきまして両方で初めての興味のある対決になるようでありますが、若干のことを聞かしてもらおうと思います。  ただ私は、午前中の自民党の委員がおっしゃったように、あなた方の中で起こった事実について聞くのじゃなくて、外の、新週刊というような雑誌の調査をするというような態度ではやらぬつもりであります。また端的に簡単に聞きますから、時間も無限なわけじゃないのですから、イエスかノーかをお答え願えばけっこうだと思います。  最初に伺いますが、学生たちの処分の理由、けさからのお話の中でわかったのでありますが、二月十二日付で掲示されましたものがございますが、ここに書いてございます通りが処分の理由でございましょうか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そこに書いてある通りでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 ここに書いてありますものによりますと、「無届で学外団体に加入且つ学内において政治的署名運動を行い学内の平静を破ったので反省を促しつつあったが改俊の情がないのみか公開の会場その他において木学に対する不穏な言動により秩序を乱し学生の本分に反いたよって学則第三十六条窮四項により退学に処する」こう書いてあります。これはこの通りでございますね。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 その通りでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そこで「無届で学外団体に加入」というふうに言っておりますが、どこの団体のことでしょう。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 先ほど御質問がありましたのに答えたはずでございますが、民青同という団体だと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 民主青年同盟、民青同盟と言っておりますが、これに入ったことがどうしてわかりましたか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学内で署名運動をしておるということも私は知らずにおりました。ところが父兄の方から、どうもこういうことをうちの子供なんかに勧められるので、子供も学業が手につかぬで、学内がどうも動揺しておって困るというようなことを夕飯のときかなんかに話したらしいのであります。それで父兄の方から学校へ、そういうことを言うてこられ、それで初めてわかりました。届け出てないでやっておるから知らずにおりましたが、それで初めてわかりましたから、そこでどういうやり方をしておるかを調べた結果、民青同に入っておるという者が、自分で入っておることを言うたのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 父兄から話があって、そこで調べたら本人がそうだと言った、それでわかったというお答えのようであります。民青同盟は憲法で保障された一つの団体だと思うのですが、その点どういうふうにお考えになるでしょうか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 よく存じませんが、その通りであろうと思っております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この憲法で保障された団体に学校で勉学する学生が入るについて届出を要するということになっているようでありますが、憲法第二十一条、結社の自由を規定した規定は御承知でしょうな。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 承知しております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 大へん失礼ですが、そこで玉井先生、条文をお読みいただけませんでしょうか。ここに憲法を持っておりますから。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 では、それを見せていただけば読みますが、暗記はしておりません。私、ちょっと目が悪うございますので、かわって読んでいただけませんでしょうか。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私が読んでもよろしいですけれども、ぜひ先生に読んでいただいた方が非常にはっきりするように思うのです。便宜がよろしいから私が読みましょう。憲法二十一条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」こう書いてございます。憲法で保障された団体に学生が入る場合に届け出しなければならぬ、そういう規定をされたその学校の権限はどこからきましたか。届け出しろというふうにおきめになった権限はどこにありますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 学生は学内において勉学に努めることが主でございまして、その勉学は、他日社会に出まして種々の結社等をみずから作ることもありましょう、また結社に入ることもありましょう。いかなる結社に入るのが自分の信念を通すのに最もよいところであるかというようなことをはっきり認識する力を養うのは、学生時代のことだと思っております。学生時代には努めてそういうところへ入るというようなことは——今民青同を申しておるのではありませんですよ。どういう結社でありましても、心をそういう点に向けないで勉強する方がいい。これが学校で考えていることなんです。さようなわけでありますから、そういうところへ入ろうとするときには、届け出て学校とよく相談をして、これは入ってよかろうか悪かろうかということを相談した上でということなんでありまして、決して入ってはならぬという制限などはいたしておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それはあなたの御見解でありまして、私の伺っておりますのは、一つの学校に対して、憲法に保障しているものを越えて届け出なければ入ってはならぬという規定をする権限を与えたのは何だ。どういう法律に基づいて、どういう根拠に基づいて、そういう権限を学校が行使されたかということであります。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 入ってはならぬというような規定はいたしておりません。ただ他の団体に入るときにはあらかじめ申し出なさいという学則であります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 届け出をやれということが書いてある。無届けでやったということが問題になっているのです。届け出をやれということを学校がおきめになっていらっしゃる。それが一体どういうところから、そういう権限を皆さんはお持ちになったのですか。憲法ではそういうものを認めておりません。制限してはならぬというのです。届け出てやるという権限を学校がお持ちになった法律的根拠は何ですか。あなたの考えじゃないのです。法律的根拠です。簡単に言って下さい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 どうも法律上の知識がありませんので、法律上の根拠は、私今申すことは、実際正直にできないのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そうしますと、法律上の知識がないから今申すことはできないとおっしゃるのですが、法律上の知識なしに、そういう権限が学校にないことを知らないでこういうことをおやりになったのですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 法律にそのような制限があろうとは実は思っておりませんのです。だから、知識がないと申しましたのは、こまかいことはわからぬ。ただ国家の法律に、学校が学校教育のために必要なことを考えて、そしてそのように学校が教育のためにそれを行なっていくということは、法律にそむくようなことだとは実は思っておらなかった。それで……。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 こういう規定をされることが法律に反するということを御承知なかったとしますと、お取り消しになりますか、反していないという考えですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それを私はただいまは知識が十分にないから、もし反しておりましたら私は刑を受けます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 どうも玉井先生、お答えがちょっとちぐはぐになるのです。というのは、刑を受けるとかなんとかということを私は言っておるのじゃなくて、憲法に自由が保障され、その自由が保障されておることを、学校が自分の教育上必要だからということを理由にして、その憲法に越えるような制限を加える権限が一体どこから出てきたか、そんなものはないはずです。そこのところです。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 憲法に自由が規定されてありますなら、学校は、自分の教育をよくするために自由に学校の規定を作ることも憲法は保障しておると私は考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 先生、そういうことじゃありませんよ。それはむちゃくちゃでありまして、憲法は国の基本法なんです。こんなことを先生に言うてまことに失礼ですけれども、国の基本法なんです。根本原則なんです。もしもそれが公共の福祉に反する場合なら、あるいは基本原則を侵さない程度で、しかも公共の福祉があったとすれば、そこに若干の制限をするということはありますよ、ほかの面では。ですけれども、学生が学校で勉学するということ、学生も、学生であるとともにつまり国民ですから、この学生に対して憲法上の規定になっておるものを、原則的なものを制限するという権限は学校に、いかにあなたはおっしゃってもあり得ない。あると思っていらっしゃるとすると、何か根拠がなければならぬ。あなたの主観で、われわれとしてはこう思っておるということからやられたのではかなわぬのです。そこのところはどうでしょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 いろいろお説を承りまして、根本的にはおっしゃることはよくわかります。しかしながら、私たちは、その憲法の範囲において国会できめられました学校に関する教育法の規則がございます。その教育法の中の施行細則に基づいて、私たちは本学の教育方針というものを明確にした本学の学則がございます。学則の中の第一条「本学は女子最高の教育機関として又学術文化の研究機関としての使命に鑑み」それ以外に目的はございません。「善を尚び美を愛し真を究めて文化の創造と人類の福祉に貢献する婦人を育成する事を目的とする。」私たちはこの学則を作りまして、大学設置を認可申請いたしました。これを文部省において設置が許可されたからには学校教育の基本法に基づいている大学だと信じております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなたの方の学則は憲法に優先しますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 この学則と憲法とどっちが優先するかということにはずいぶん私は苦しめられました。で、何か私が学則は憲法に優先すると言うた、こういうことを新聞なんかに書いてあります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そういうことを聞いているのじゃありません。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 またこの委員会でも、さきにそういう断定がありました。私はまことに遺憾に思います。しかし、これは事実なんです。事実が誤っておる上に御判断をいただいたのではどうしても正確な御判断がいただけないから事実を申し上げます。  二月十二日学生処分の告示をしますとともに、学生の一人が私の部屋に参りました。質問がありますと申しました。お入りなさいと申しますと、二十数人の学生があとを追ってがっと入って参りました。私を取り巻きました。それで、それはよろしいから何が質問かと申しますと、学則と憲法とどちらが優先するか、こういうことです。私は、こういう言葉は初めて聞きましたので、どうもちょっと理解できない、私はこう申しました。どうも私はそんな言葉は使わぬ、これはどうも意味のわからぬことじゃないか、だから私は使わないのだ。しかし、もしあなたの質問が、学則で処分したか憲法で処分したかということを聞くなら、私は学則で処分したと答える。で、そういう学則で処分したということを、学則は憲法に優先した、こういう意味に使うならそれはいいかもしれないけれども、私は、まことにまぎらわしいから使わないよとはっきり言うたのです。ところが先ほど猪俣委員が、私が学則の方が憲法より偉いものだというようなことを言っておった、こういうような表現をなさいました。そういうふうに間違うから、私ははっきり学生に言葉の使い方というものは注意しなさいと言うた。私は使わないとはっきり言ったのです。そして一応承認して帰りました。ところが、それから二日目に、学生集会を開いていろいろの疑問を学校に聞きたいと言いますから、よろしいと言うて学生全部の会を開きました。すると同じことを聞いた学生が、先日先生は、学則は憲法に優先するとおっしゃったが、その意味を詳しく説明してほしい、こういう質問が出ました。そこで私は驚いたのです。一般的な意味でそういうふうに使うと、さっき猪俣委員がお考えになったようなあやまちを生ずるのだ、注意をして私は言ったのであります。でありますから、再び繰り返してそれを言う必要がないと思いましたから、いや、私は学則は憲法に優先するとは言わないよ、こう答えた。すると間髪を入れずに、二十人の証人立って下さい、そしてその集会にあらかじめ場所をきめておいたようです。実に私は驚きました。すると二十人すっと立ちまして、おっしゃいました、おっしゃいましたと、もう圧倒するのであります。どうも私、非常に驚きました。こういうのが自治会というようなものであるとすると、大へんなことである。何か多数でもって一人の者の言うことを圧倒してしまうような形になる。私は非常に驚きましたので……(「質問に答えてない、感想ばかり言って。」と呼ぶ者あり)事実を言っているのです。感想ではありません。事実を私は申し上げているのです。(「質問に答えてもらえばいい」と呼ぶ者あり)質問に答えております。こういう状態というものが一体どうしてできたものであろうか、これではいよいよその学生を教育する上には、これは考えなければならないという考えを強くしたわけであります。学則、憲法の問題はそういうわけであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 委員長、参考人に御注意願いたいと思いますが、私の聞いたのは、そういうことを玉井さんがおっしゃったとか、おっしゃらなかったという事実問題を聞いたのではなくて、学校の学則というものは憲法に優先するというお考えを持っているか、持っていないかということです。持ってなければ持ってないと、こうおっしゃっていただきたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 優先という意味が私にはわからないのです。はっきり説明して下さい。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 憲法で規定され、保障されている権利を、今人見さんのおっしゃるところによりますと、学則によって制限することは当然だというお答えなのです。憲法にそう書いてあったとしても、学則がそうなっているからというお考えなのですから、従って学則が憲法に優先するというお考えかどうかということを私は聞いている。具体的にここで言えば、憲法に認められた団結権、結社の自由というものが、学則によって、つまり届け出しなければならないという制限が与えられている。これに触れると退学処分になるのですね。そういう学則があるのです。これがつまり憲法と学則との関係になりますが、憲法に優先するとお考えかどうかということです。それはイエスかノーかを答えて下さい。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 そういうことに対してイエスかノーかという簡単なことでは答えられないのであります、私たちは立場が違うのですから。学則が憲法に優先するというような考え方は持っておりませんが、憲法の中に定められた法律の範囲内において定められた学校で、しかも憲法に触れることがきめてないならば、その範囲内における生活ルールというものは——学生はその学校の中においては、少なくともその学校の学生である限りにおいては、学校のルールにまず従うのが第一ではなかろうかという意味においては申し上げますけれども、それが上位にあるか、下位にあるかという意味での優先ということは、私たちは考えておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 憲法の範囲内できめられた法律の規定に基づくとおっしゃるが、どういう法律がありますか。憲法で規定しております結社の自由を制限することができるという法律はありますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 そういう規定は何もございませんということを知っております。ただ教育基本法、学校教育法、それから学校設置に関する、これに関連する法律の範囲内でということを申し上げたのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 教育基本法も、学校教育法も、その施行細則も、そういうことを書いてありません。憲法で規定されたもの、基本的人権を制限していいとは書いてありません。書いてあったらお示し願いましょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 基本的人権の問題に触れた規則は、私たちの学校には、先ほどから申し上げておるようにございません。そのどこをおさしになるのか、もしこれでもってまだおわかりにならないのでしたら、もう少し質問のポイントを明確にお示し願えれば、お答えいたします。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 無礼なことを言っちゃいけません。たくさんあります。たくさんありますけれども、この問題でも非常にはっきりしている。どこかの団体に入るのは国民の自由なんです。保障しているのです。それを、一つの学校が届け出しなければいけないということをきめているでしょう。これはどうです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 本学の学生でないならば、それは自由でございます。本学の学生が、本学の学則に従ってこの学校を求めて入ってきた場合には、この学校の中の生活について、この学校のルールに従わなければならないのは、私は当然だと思いますし、それが学校の特色というものでございます。ただし、これが公立学校、国立学校の場合は、私はおのずから違うのかもしれないと考えますけれども、その点をいろいろ私の方から申し上げたいのは、私立の大学で、女子だけの特殊な教育をしていきたい、そういうことが私たちの学校の本旨でございますから、その女子の学校の中において、先ほど申し上げましたように、学術文化の研究機関としての使命に徹するということで私たちは進めていきたい。その段階において特殊な政治団体に入っていい、悪いということは、学校の中の規定もございませんし、それから今までの指導の中にもそういうことはございません。ただ問題は、それが政治的に右であろうと、まん中であろうと、左であろうと、それから文化機関でも、よいものであろうと悪いものであろうと、いろいろ考えて学生の本分にプラスになるものであるならば、私たちはこれを今までとめたこともございませんし、それから今度の問題については、入ったか入らないかではなくて、入るについての届け出の問題を、私たちは一番重点を置いてやっておるのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 参考人のお答えが、何か特に私の質問をそらすような、逆に私の方からそう言いたいと思うのですが、そういう立場を持っていられますが、制限しているということは、今あなたのおっしゃる通りに、届け出しなければならぬということをきめているのでしょう、そのこと自体が制限だというのですよ。届け出なんかする必要はないのですよ。なぜしなければならないのですか。どこへもする必要はないのです。警察へもする必要はありませんし、どこもありません。それが憲法に保障された権利なんです。それを、一つの学校がそういう制限を加えるという、そういう権限を一体学校はどこから見つけてきたかと聞いているのです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 お尋ねの意味は、制限ということであります。私たちは制限とは考えておらぬ。これを指導と考えております。指導の問題と制限とは紙一重でございまして、その点が根本的にあるいは見解が違っておるのかもしれません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 冗談言っちゃいけませんよ。指導の問題だとあなたはおっしゃる。これに反したから首を切ったじゃないですか。罰を加えているわけだ。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 届け出をしなかったから首を切った、どこにその事実があるのか、私は、私の知っている範囲では見当たらないのでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 ここに書いてあります。さっき私は読みました。「無届で学外団体に加入」と書いてある。それで幾つか並べてある。政治的署名をしたとか、学内の平静を破った、反省を促したが改悛の情がないと書いてある。この改悛の情の問題はあとで聞きます。根本的には、無届けで学外の団体に加入したこと、無届けで学内において政治的署名運動を行なったこと、これが学内の平静を破ったというので、あなた方が反省を求めたと、こういうのです。それで改悛の情がなかったというのです。根本にはこれがあるのです。だから、この点はあとで聞きます。  次に、それでは私、続けます。学内において政治的署名運動を行なったということが問題になっているのでありますが、政治的署名運動というのは、この場合、具体的に事実としてどういうことなんですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 今お読みになりました、なるほど句読点がございませんから、どういうふうにお受け取りになるか、これは人によってあるいは違うのかもしれませんが、私の意味は、申し上げます。「右者無届で学外団体に加入且つ学内において政治的署名運動を行い学内の平静を破ったので反省を促しつつあったが」という、そこまでは続くのであります。その反省を促しているところは、処分でも何でもないのであります。ところが、それから引き続いて、公開の会場においてというところへ結びつくので、私たちはこの問題で、この学生はやむを得ない、しかしなおかつ補導しようというので、このことがあってから後も補導をしておったのであります。そして自分はどうしてもこの行き方を変えないと言うから、それほどまでに主義主張が違うならば、この学校に入ってこれ以上学業を継続することはいけないということであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そういうことを聞いているのじゃないのでありまして、この掲示の中に、「無届で学外団体に加入」したということを書いてあります。それから「政治的署名運動を行い」と書いてある。だから私はその一つ一つを聞こうとする。この場合政治的署名運動を行なったという意味はどういう意味ですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 政防法の反対署名を集める仕事を学内で行なったということでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 大へんはっきりお答え願ってけっこうです。そういうふうにお願いします。そのときの署名簿を見たことがございますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 見ております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 どういう内容のどういう種類のどういう署名。これを御存じでしょう、ごらんになったのですから。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 今ここに持って参っておりませんので明確なことは存じませんが、今度政防法ができるについて、これの成立に対して反対をする者は署名をしてほしいという趣旨のものだと心得ております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 どこがそれを言い出した、その文書の発意者はだれですか。ただそれだけじゃなくて請願用紙でしたよ。どうですか、その点。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 確かにどこの何とは書いてございません。私たちはその請願書を学内で署名をさせて回ることについては政治的活動と心得ております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 どこのだれとは知らないが、請願を集めて歩くことそのことが問題だとおっしゃるが、私が聞いているのは、どこのだれが発意した、あるいは請願書であったか何であったかということを聞いているのです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 その点現在明確にはしておりません。資料を見て正確にお答えしたいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 知らないとおっしゃると厄介になりまして、私も質問がやりにくくなる。請願書です。それを御存じなかったですか。なしに、知らずにおやりになったのですか。請願書に署名するのか御存じなくておやりになった。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 請願書であることは、そのとき見て私一応知っております。ただ、こまかい点を私今ここで明確にお答えできないと申し上げたのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 憲法に請願の自由のことが書いてあるのは御承知ですね。請願をやった者に対しても圧迫を加えたり差別待遇をやってはならぬということが書いてあることも御存じですね。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 知っております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 知っておって、このことはどうして学校で問題になるのですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 先ほどからるる申し上げましたようなことで、私たちは、学内においてある考えの者が——たとえば色にしましょうか。黒い意見の者が学内でその賛成者を求める、また白い意見の者が学内でその意見の賛成者を求めるというようなことが重なり合いますと、三つどもえ四つどもえになって、学内がそうしたことでいろいろもまれることを私たちは憂えておりますので、そうしたことを一切排除したいと思って、右であろうと左であろうと、黒であろうと白であろうと、そういうことは学内においてしないということがこの学校の規定であるということを学生に申し渡してある。その範囲内での生活ですから、皆さん方のように外からごらんになると、あるいは不思議かもしれませんが、学内の、学校の教育指導の面からいえば、これは一つの私たちの侵すべからざるルールでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 まことにごもっともですが、大へんな学校ですな。これも大へんなことだと思いますけれども、そういうお考えの上に立って学校運営されたり何かしているのですが、これは超憲法的なものですな。実際感心しました。びっくりしました。ところで伺いますが、政防法の法文をごらんになったことありますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私は存じております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 御存じならば、政防法とはどういう法律だか御承知だと思いますが、その点はどうでしょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 概略を存じております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 さっきに関連しますが、その請願用紙、署名したものですね。これは学校に今でも持っていらっしゃいますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 その写しを持っております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 本物はどうです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私は今それ存じません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 学校の幹部の方々は三人とも、どうなったか御承知ないですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 みな同じでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 御存じないとすると、これまた私聞きようがありませんけれども、あれは民青同盟が発意して請願に賛成の人を、求めた署名でして、そこに署名した人は請願する意図で署名しております。それを学校が取り上げて、幹部の皆さんが、どこにいったかわからぬ。没収された。なくした。知らないのです。管理しておらぬのです。一体こうなるとどうなります。国民の請願権に基づいて、国民が請願をやるためのそういう書類をこしらえた。それを一つの私立学校が取り上げて、どこかへやっちゃった、知らぬというのです。どうします。その人々の請願権をあなた方は不当に圧迫し、それに対して非常に不当な行為をやっていることになります。ここへ請願署名用紙を出しなさい。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 大へんきついお言葉であります。しかしながら、そのときの話は、御存じないといけませんので申し上げたいと思いますが、一人の学生が請願の署名を集めた。そうして三人の学生の署名を集めました。ところで、それを学校に提出して、学校では本人も、それに署名した三人も、実は今までどこから出て、どういう意図でなされておるか知らずにやったのだけれども、これがそういうものであるならば私たちはそれを撤回しますという気持で提出されたものと思っておりますから、こういうものを取り上げたとは私たちは考えておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 民青同盟のものです。それを取り上げたのです。没収したのです。請願権を破壊しているのです。大へんな問題じゃないですか、それでも平気ですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 大へん重要な問題に差しかかったようでありますけれども、私たちは、私たちの学校の中で、なぜに民青同盟が活動しなければならないのか、なぜそれを活動させなければならないのか、私たちはそれを考えておらないものですから、民青同盟のものを取り上げた、それであとは管理していなかった、そういう考え方は毛頭持っておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなたは持っていようといまいと事実がそうなんです。私は法律を知らぬからといって法律をのがれられぬと同じで、あなたが知っていようと知っていまいと、学校がそれをやっている。事実がそうなんです。そうしますと、学内の教育行政の問題で、一歩を譲って皆さんのおっしゃるような学則が正しいにしても、民青同盟の諸君が昭和女子大の中へ入って署名をやってはいかぬ、あるいは東京大学の中へ入ってやってはいかぬ、国会の中へ入ってやってはいかぬ——それは国会のこういう議事をやっている最中のところに入ってくれば問題になりますけれども、休んでいる間に職員諸君に署名をしてもらう、だれがどこへ行って署名しようと自由です。どうしてそれを取り上げて——もし学生が私どもこれをやりましたが、間違えましたと言ってあなた方に出したにしても、学校当局としては、当然返すべきじゃないですか。それはどこへいったかわからぬですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 これは民青同盟のものであるから返してくれ、あるいは民青同盟の紙であるから返してくれと言われない限りは、本人が提出すれば、それは学生と教師の間の学校内部の問題だけだと私は心得ております。それが今のようなお話になりますと、大へんいろいろ複雑になって参りまして、私どももいろいろなこの問題以外のことでも、これからは一々気をつけなければならぬことになると思います。私は、今のところは、これは学生のものを取り上げたとか、それから民青同盟のものを取り上げたというよりも、これでもって本人が一応自分のしたことに対しては今後は改めますという意思表示であったので、これが出されたからそれでよろしいと私どもは善意に解釈しているだけであります。   〔牧野法務委員長代理退席、竹下文教委員長代理着席〕

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 人見先生、あなたもりっぱな大学の幹部です。今あなたのおっしゃったようなことは、われわれは悪い言葉ですが、三百代言的な言葉と言う。学生が出した、この学生が取り返すと言わぬ限り、わしは出さぬという理屈だ。しかし、そういうことを言うべきじゃないんじゃないですか。正しくないのだということであったら、なるほどそうだったか、学校の秩序ではいつもそういうことをやっているから、何も思わずにやったんだけれども、なるほどそうだった、それでは返しましょうと言えませんか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 取り上げたという意思がございませんので、どうしてもそこのところは見解の相違だろうと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなた方は今そう言ったじゃないですか、学生が出したから、学生が返せと言わぬ限りどうにもできないんだ。取り上げたか出したか別として、人のものがあなた方の管理の中に入っている、最初はそれを知らぬと言うのです。いろいろ話を突き詰めていったら御承知であって、ちゃんとあなた方が持っていることを言外にあなた方言っているじゃないですか。それはいけないことだということを言っている。その点についてどうだということを聞いている。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 二つの点があると思います。一つは、取り上げたか出したかということで、重大な問題で、取り上げたにしても、それから出したにしても同じだということには、私どもは決して受け取っておりません。それから、それを保存しておるか、また、そのことについて知っておるかということであって、私は保存については今存じませんということを申し上げただけであって、何もそれでもって私が万事心得て、ここでもって違ったことを証言しておるということとは結びつかないと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 こういうことで押し問答していると時間がたつばかりでありますが、この点最後に一つだけ念を押しておきます。取り上げたか、学生が出したかは別として、学校がそれを現に保管していられるということは、保管されたか隠されたか知りませんが、少なくとも学校の責任で学校の手に渡っているのだから、それはそういうことをやっておくことは大きな間違いであるということについて、それをお認めになってお出しになるかどうかということです。その点を一つ念を押しておきますが、どうでしょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 どうしてもここのところは、教育の世界と皆さん方と違うのじゃないかというような感じがするのです。指導の段階において、私たちが本人の将来の人格の向上、学力の向上ということを中心にしてする場合に、今のようなことが本人のプラスにならないことであるならばなんですが、その問題について幾らお答えを迫られましても、私どもは、現在のところは以上申し上げた通りでございます。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 ちょっと関連して。どうも大へん重大なことについて法律をお知りにならないとおしゃいますが、法律、ことに刑法というものは、知らないからといって済ませられるものではございません。請願法にはっきりこう書いてあります。第六条に「何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」昭和女子大にどういう学則があろうとも、細則があろうとも、請願をやったために他の学生と異なって追及を受けたりすることはないし、そういうことを追及してはいけない。いいですか、これが一つ。もう一つは、請願法の第三条には、請願書というものを非常に重大に扱われておりまして、その行く先についてもはっきり第三条に規定してあります。「請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。「それから第二項に、「請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。」第四条は、ほかの官庁が受け取った場合にも、請願書だけは、これは自分のところでありませんと突っ返すわけにはいかない、ちゃんとその請願書の行く先にその官庁は届け出る義務を規定しております。これほど重大なものなんです。その請願書を、あなた方は、本人の自由意思によって出したと言われますが、官庁でさえそれを出す義務があるのに、あなた方は今までそれを保管しておられるのですか。もしそうだったら、これは重大ですよ。どうなりましたか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 今の、法律を知らないでも法律に従わなければならないということは、私たちの学校の学生も、学則をたとい入学の当初に知らなくても、その学則に従って行動することと全く同じことだと思うのでございまして、よくわかります。しかしながら、この請願のことについて追及してはならない。私たちは最初から、けさほどから申し上げておりますように、このことについては追及処罰の対象にしたことはございません。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 大事な点は、その請願書を別の官庁が間違って受け取ったら、その当該官庁に出すべき義務があるのです。あなた方はその請願書を今どうされたか、それをお聞きしておるのです。もしあなた方の方に、学生が、これは間違っておりましたと言って、かりに出しても、学校としては、当該官庁に出すべきものですが、どこにどうしておられますか。それをお伺いしておるのです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 現在私は、それはどこにあるかは存じません。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 請願書は、それほど重要なものですから、どこにあるか知らないでは済みませんよ。お出しなさいと言わなくても、本人が、説明をしたら出したと言われるのですね、出したらあなた方のどこかにあるはずだ。どこにあるか知らないで済みますか。これほど重大な書類であるということを私から説明を受けて、あなたが了承されたならば、これは重大な書類でありますから、法律にそういうことが規定してある以上、私どももさっそくその当該官庁に出しましょうと言われるのが当然でしょう。もしあなたのおっしゃる通り、どこにあるか知らないということを請願書についてやられたならば、これは重大なことですが、知らないと言われますか。当該官庁にお出しになりますか、お出しになりませんか。それをはっきりと言って下さい。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 先ほどからるる申し上げましたように、コピーは見ておりますが、実物については存じません。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 そういうことでは済まないですよ。あなたはさっき何と言われた。私は因縁をつけているのじゃないですよ。自分の方が何も言わないのに、事情を説明したら学生の方がそういうものなら署名するんじゃなかったから出しますと言ったなんていうことを言われている。しかし、署名捺印しておる書類ならば、あなた方がそれをどこに置かれたか知らないでは済まない。早速帰って探します、そして当該官庁に出します、あるいは本人に返すとか、こういう処置をとらなければいけないものです。その請願書が途中でこういうことになったら、これは後日重大な問題になる。だから私はあなたに勧告している。どうなさいますか。行方をちゃんと責任を持って探しますか、出してもらったものだから、本人なりあるいは発案者なり、そちらに返しますか、あるいは官庁に出しますか、これのどれをやられますか。それをはっきり言って下さい。   〔「総理大臣級の志賀さんが……」と呼ぶ者あり〕

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 現在その行方を私は存じません。いずれ善処いたします。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 総理大臣級の志賀さんがこういうことにというような声も出ておりますが、総理大臣級が論議しなければならぬほど重大な問題であります。  あなた方の学生指導資料その一ですが、学生の疑問点を解明しようというのがありまして、その中に、先ほどからおっしゃったように、政防法反対であるからいけないとは言わない、党派思想の左右を問わずいけないのだ、それを初めから言いますと、「本学学生は政治活動を行なうことは入学当時指示してある通り禁止されている、政防法反対であるからいけないのではなく党派思想の左右を問わず政治活動はいけない」これはあなたもさっきおっしゃいました。そうここに書いてある。本学学生は政治活動は全面的禁止なんですね。それは一体どういうところから出たんですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 お言葉の通りであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 その学校が、学生の政治活動禁止ということをそういうふうに一方的におきめになった権限は何に由来していますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 先ほどから権限、根拠ということをおっしゃるのでありますが、どうも何回申し上げても、私たちは一応先ほど申し上げた範囲の中において、私たちの考えで一つの理想の人間像を描いておりまして、その範囲に学生を善導したいと心得ております。それ以外に根拠と申されましても、特に何も申し上げることはないようであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それだったら法治国家じゃないですか。憲法があって、法律があって、それに基づいて国民は生活している。ところが、あなた方の学校では、学校の範囲——範囲じゃありません、内外だと言っておりますけれども、そこであなた方の思う通りにやるのであって、どんなことをきめられてもかまわないという言い方だったら、それは法治国家じゃありません。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 ちょっと度忘れしまして名前を申し上げかねますが、得手勝手なことを教育しておるじゃないかというような意味に受取れるのであります。得手勝手な教育方法というのですが、私たちは文部省の大学設置審議会を経て正式に国家からこれを設立してよろしいという許可を得た学校のつもりで、学校教育法に基づいている学校だと今まで信じておりますし、現在においてもかたく信じております。ですから、私たちが法的根拠がないということは一体どこにあるのか、先ほどから意味がわかりかねるので、もう少しお教え願いたいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 お教えするというと大へん失礼になりますけれども、法律に、学校が政治的に中立でなければならぬということは書いてあります。学生が政治活動をやってはならぬということは一つも書いてないのです。そんな規定はないのです。教育をやる学校自身に対しては、非常に政治的に公正でなければならぬし、中正を発揮しなければならぬということは法律に厳重に書いてあります。ところが、学校の方では、午前中に猪俣さんがおっしゃったように、なかなか政治活動をやっていられるようだ。東知事の奥さんを呼んだという話がさっき出ましたが、学生に政治活動を禁止するということはないのです、法律のどこにありますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 政治活動をしてはならないということが書いてないとおっしゃる、私も、どうもそのように記憶しております。政治活動をしてよいとも書いてない。それもはっきりしておると思う。  もう一つ、けさほどのお話が出ましたから申し上げますが、この前の委員会でも出ておりましたが、東夫人を呼んで「わが夫を語る」という題で選挙演説させたということであります。どこからお聞きになったか知りませんが、「わが父を語る」山川健次郎氏のお話をしていただいたのであります。父と夫とは大へん字がよく似ておりますので、どういうふうに伝えられたのか私は存じませんが、そうした意味での政治活動は私たちは何もいたしておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それは夫であったか父であったかは別としまして、今までの話の中で皆さんはそう言っているじゃないですか。学生の政治活動をやらさぬ、政治活動をやってよろしいと書いてないとあなたはおっしゃる。あの条文は、学校の教育における中立性、あるいは政治教育の問題では、適当な政治教育はやらなければならぬけれども、学校が特定の政党を支持したり、あるいは特定の政党に反対したり、そういうことをやってはならぬと書いてあるのでありまして、学生のことはないのです。ないということは自由なんです。そうじゃないですか。その点はこの前も論議になりまして、文部大臣もその点はっきりしました。文部省もその通りだと。学校に対しているんだ、つまり理事者であるあなた方に対しているんだ。あなた方は教育の上で、共産党を支持せよ——私は言うてほしいと思いますよ。しかし、共産党を支持せよとかなんとか言うことは、教育の内容でもいかぬし、またそういう教育行政をやってはならぬということを書いてある。学生がやってはならぬと書いてないことは、憲法の基本的な原則に基づいて自由だということなんです。ところが、あなたの方では、本学は学校へ入学するときから政治活動を禁止してあるのだ、こう言っている。これはやはり、さっきから優先という問題が出ておりますが、優先というのは、憲法で規定してある基本法の範囲内で法律もでき、われわれの社会生活もあるのでありますが、その憲法をはみ出して、ある個人、ある法人、これがきめたことが憲法で規定してあること以上に有効だというふうに考えようとすることが優先だということでありまして、そういう立場をあなた方がとっておられるのは、これは何とおっしゃっても間違いなんです。その点どうです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 先ほど教育基本法第八条の問題が出ました。大へんおもしろい議論であります。教育基本法第八条が、今御説明のような意味であることは私も十分に承知しております。ただ、その学校内において、学生たちに、やはり学生の修養と勉学とだけに専心しようということを私たちは言っておるのであって、その第八条そのままをそっくり学生に当てはめようとは私たちは申しておりません。なお、大学が政治活動をしてよいと、もしかりに言ったとしても、私は、自分の学校ではそれを抜きにした学校教育をしたいと考えて、今もそのつもりでおるのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなたのお説を聞いておると、天皇制時代の天皇みたいなもので、何でもできるんだ。憲法で何を書いてあろうと、法律でどう規定されてあろうと、そんなことは問題ないのだ、そう思うからやるのだ。学生諸君は気の毒だと思うのだ。何千人いるか知りませんが、そういうめちゃな考え方で学校が成り立つとしますと、なるほど私もびっくりしましたが、聞けば聞くほどますますびっくりするということになります。  まだいろいろありますが、改悛の情がないというのは、これはあなた方の得意とするところだが、これはどういうことですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 この両人の学生は、しばしば面接をいたしまして、面接の回数等はそこに記録があると思うのですけれども、十分に納得してくれるように、心をこめて話し合ったのでありますが、どうしても学校の言うことを納得してくれませんので、これではもうどうもわれわれの力でこの二人を学内において修業を続けさせることはとうていできないというふうに考えざるを得ない、まことに悲しいことでありますけれども、そういう結果に到達したのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 涙の出るようなお話で、まことに感動いたしましたが、改悛の情というのは、悪いことをやった場合に、大いに先生方から御訓戒をいただきまして、改悛の情になるかならぬかということが起こるのですが、悪いことをやっておらぬのです。悪いことをやっているのは学校なので、だから、改悛の情どころじゃなくて、学校が改悛の情を持つかどうかというので、反対運動なり抗議の運動が起こるわけなんです。これはほんとうにもとからはずれてしまっています。悪いことをやったなら、これは大いに改悛の情という問題も起きてきます。また御訓戒も大いにけっこうだ。憲法に保障され、法律によっていろいろ保障されているこの基本的な人権なんです。請願にしましても、どこかの団体に加入する問題にしましても、いや届け出なければならないの、あるいはここへ入ってはならないの、政治活動をやってはならないのという、そういう制限を受ぬのが基本的人権だと書いてあって、これを国民は戦って守っていかなければならぬということを憲法には書いてあるのです。先生、子供たちはそういう教育を受けてきたんです。それに反するようなことをやっていることに対しては、子供たちは、実際の中において学校の方が改悛しなければならぬという気持を持っている。これがわかりますか。おわかりにならないのだろうと私は思う。全く根本的に違っていると思う。ここに昔、私が生まれた当時になりますが、明治三十三年の治安警察法というのがある。お互いに年をとっておるから知っております。私なんかこの治安警察法でずいぶんやられた。これにはこう書いてあります。「政事上ノ結社二加入スルコトヲ得ス」として掲げておりますが、官公私立学校の教員、学生生徒及び未成年者などをあげております。これらは、政談集会に会同するとか、あるいはその発起人になるということすらやっちゃならぬと、こう書いてある。これは治安警察法です。こういうふうに学生だ、教員だ、未成年者だ——当時の未成年者と言いますと、徴兵検査以下ですからね、これらが政治活動をやったり、政談演説会を聞きに行ったり、政治結社に入ったりすることはけしからぬというので禁止しておった。こういう法律は、全く日本の民主主義に反する悪法だというので、これを廃止したのです。ここのところの歴史的な社会の発展の意義を、先生方はどう思います。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 今の御意見でありますけれども、私はそのまま是認できぬのであります。そのときの社会の人々が——現在でもそうですか、会社に勤めたい人は会社に勤め、銀行に勤めたい人は銀行に勤める。それは年はとっているけれども、学生になりたい者は、事情が許せばあらためて学生になれる。それから思想についても、右でも左でも、黒でも白でもよろしい。これは全く自由でありますが、私の学校に入ってくるときには、この学校の教育方針というものは、四十年来確立されているのであって、それでよかったらお入りなさいという、選択の自由は学生自体にある。それだけの自由を持った者が自分で選んだ学校に入ってきて、入ってきたが最後、自分の思うように直せ、そういうものは私学じゃないのであります。そのカテゴリーの違いが、今の御意見、現在この学校について論ぜられているところの御意見との差になるだろうと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そういうお考え自体が、大へんな間違いなんです。それはいろいろな学校があってよろしい。大いに内容の変わった学校があってよろしい。それはバラエティがあってよろしいけれども、おのずからその全体の範囲には限界があると思う。これが一つです。いろいろ内容の変わった、独立性を持った学校があってもよろしいけれども、そのために憲法に反し、法律に反するような、そういうことをやっちゃならないということが前提条件になりますよ。そうでなかったら、法治国じゃありませんよ。その点を私は言っている。請願権に制限を加える、政治活動に対して制限を加える、これはやらさぬ、そういうやり方は、憲法は許しておりせまん。どうです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 なかなか議論が終わらないようでありますが、政治活動がいいか悪いかを私たちは言っているのじゃなくて、政治活動をするか、学生の本業に徹するかということで私は議論しているのでありまして、そこのところが違うのだということを先ほどから申し上げている。学生が学業を放擲してやる必要はないと私たちは思うから、学生自体は学生の本分を尽くそうじゃないかということでありまして、政治活動のよしあしを、私たちはかつて論じたことはありません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それじゃ伺いますが、署名した場合に、他の学生たちが勉強していることに障害になるような場所、あるいは状態でやりましたか。その点はどうです。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 その一つだけを取り上げてごらんになれば、何でもないことだと私もそう思います。しかしながら、それに関連する事柄は、決してそんな単なるなまやさしいことじゃございません。私はそう思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 たとえば、「公開の会場その他において本学に対する不穏な言動により秩序を乱し学生の本分に反いた」、公開の場所その他とはどこです。具体的に言っていただきましょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 一月二十六日麻布公会堂において、これは一部の資料のようでありますが、「教育反動と戦争に反対する全都学生集会に参加しよう」、「教育の反動化と戦争に反対する全都学生集会 一月二十六日午後三時半 昭和女子大不当処分反対学生連絡協議会、三多摩学生諸自治会協議会、都立大学自治会、立教大学級委員会、教育大教・文・理・農各自治会、東大文学部学友会委員長、東大教育学部自治会副委員長、理科大自治会副委員長、早大一政自治会委員長、お茶の水大学自治会、東外大自治会」というチラシが出ておりましたし、「反動文教政策と学生戦線の統一 日本共産党東大学生細胞」という名前で出ておりましたのにいろいろ説明がありまして、「戦争と教育反動化に反対する討論集会に参加しよう」麻布公会堂、四時から六時まで、まだこれに類したものが幾つか私も散見しておるのでありますが、こういう名前で配られたこの会合の席上であります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 たいへんいいことですよ。そういうビラが出るところ、そういう集会へ行ってこういう問題を言うことは非常にいいことです。あなた方は、もし共産党のアカハタでもごらんになったらおそらく卒倒されるだろうな。きのうも文教委員会で文部省を廃止せいという意見が出ておりました。文部省を廃止する意見まではいかなくても、文部大臣の権限を別な委員会に取り上げろという意見も出ました。あたりまえのことです、そんなことは。それを何か悪いことのように思って、鬼の首をとったように言っているところにあなた方の時代錯誤があるということを私は言うのでありますから、それに対するあなたのお答えはけっこうです。   〔竹下文教委員長代理退席、上村文教委員長代理着席〕  次に、もう私は時間がありませんので中野講師の問題について一、二お聞きします。それだけでやめますが、さっき猪俣さんが中野講師の解任についての不法性をだいぶ皆さんの話の中から引き出されておるわけですが、これについて一点だけ伺っておきます。さっきおっしゃったような理由はこの教育新聞に出ております。この中の解職理由の第二項に、「毎週開会する補導会議の申合せによって学生を補導していたが、中野氏はそれができないので教務係からしばしば注意されても実行不能なので補導出来ない者と認めて教務係(原智子)が代行の止むない事情であった。」というのが、さっきも皆さんからお読みになったところであります。そこで私、一伺うのでありますが、この原さんに代行したという、このことについて担当の坂本さんに伺います。その間の事情を伺いたい。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 中野講師が短期大学部の講師であった、補導主任として学生にいろいろの連絡をしたりあるいは指導したりすることがなおざりになってしまうので、やむを得ず教務の係をしております者がそれの代行をしなければならなかった、そういう事実があったのであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 原さんという方は教務係ですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 短期大学部の教務係をいたしておりました。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 責任を持ってそうおっしゃれますな。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 さようでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 教務係は大橋紀子さんではないですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 大橋紀子先生が教務係をしておりましたが、原智子さんもやはりこれに協力しておりました。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この中野先生の問題は、今法廷で争われておる問題でありますから、いずれ、はっきり法廷でされると思いますが、しかし、はっきりここでそうおっしゃられれば、それは私はそうですかと引き下がるより仕方がありません。しかし、原さんは実際に代行を認められたのですか、あるいはそういう形式をお持ちになっていらっしゃるのですか、その点を伺っておきます。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 原智子さんがその代行をしたところがあるわけであります。もっともそれ以外の人も代行した事実もあります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私はたくさん持ってきたのですけれども、もう時間で、大へん同療諸君に申しわけないことをいたしましたから、一応これで切り上げようと思うのでありますが、しかし、午前中からいろいろ伺いました森山さんの質問のように、ちゃんと初めから打ち合わせたとだれが考えても見られるように長々と質問をし、長々と答えることの中ではっきりしたことは、学生の処分の問題にしましても、それから中野先生の解任の問題にしましても、これはさっきのお話じゃありませんけれども、全く悲しいことには、あの戦争が終わってから十幾年、新しい憲法のもとで、政府も反対党も、国民全体が非常な苦労をして守り続けておる——もっとも政府はずいぶん守らぬところがありまして、あなたとよう似ておるんだが、つまり日本の民主主義というもの、日本の新しい憲法に規定されております基本的な人権というもの、これをあなた方の学校は、学校の特殊性という名前において何でもできるという立場ですべて破壊しておることから起こってきております。従って、学生諸君を退学処分にしたり、あるいは中野先生を解任したりしたということは、むしろ皆さんの方に非常な不当があるということは、私どもは非常に明らかだと思う。特に政治活動の自由の問題につきましては、どんなことをあなたがおっしゃっても、学校にどういう規則をおきめになっておっても、それによって政治活動の自由を制限したり圧迫したりするようなことがあるとするならば、あなた方はおきらいになると思うけれども、全人民の問題として徹底的に皆さんのやっておることに戦います。共産党が今度の事件に火をつけたとか、共産党があなた方の学校を牙城にするんだとかいううわさが飛んでおるようであります。そうですよ、やりますよ。牙城にします。これほど日本の新憲法が、一つのささたる私立学校の二、三の連中によってじゅうりんされておる。見のがすわけにいきません。徹底的にやります。これは当然だと思います。学生諸君もやるでしょう。他の学生諸君も一緒にやるでしょう。労働組合の諸君もやるでしょう。そうしなかったらいかぬ。そこらは私ははっきりこう言っておく。皆さんは大いに困るだろうけれども、そういうことになるのは当然である。そういうことをあなた方がやっているんだということを最後に言って、私の質問を終わります。大へんどうも失礼しました。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 いろいろ私の学校のことにつきまして足らないところを指摘していただき、いろいろ蒙を開いていただいたことを感謝いたしますが、私は現在の学生運動をながめまして、全国の学生運動が、自分の本業をおろそかにしているために、まことに悲しむべきことには学力の低下を来たしておるということは、全国の大学関係者の異口同音に言っておるところでありますし、社会に出てそのまま役に立たない学生がたくさんいることを私も認めます。そのために私たちは、できるならば、私の学校に入った子供は私たちのできる範囲で彼らの将来のためによき力を与えてやって、日本のために、全世界のために役立つ人間にしたいということだけは、私たちの学校の本旨でございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 やめると言いましたが、私はこれだったら一言言っておかなければならない。無礼なことを言うな。どこに学生諸君が社会活動をやったために学力が低下するとかなんとかありますか。何ということを言うのだ。これは国会ですよ。君の学校の学生や教授を集めたのと違う。学生諸君は新しい教育のもとでりっぱな人材が出ている。君の学校こそ、あの寄宿舎の制度なんか見てごらんなさい。あれは監獄と同じだ。そういうことをやっているのだ。恥ずかしくないか、何ということを言うのだ。   〔「国会の参考人に対してそんなことを言う権利があるか」と呼ぶ者あり。〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長代理 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 どうも先生方、大へんおそくまで御苦労さまでございます。私、社会党の議員でありますが、前に文教委員会の席上で、第七号の議事録をごらんになったと思いますが、取り上げました。この内容は、今、人見先生そこにお持ちでありますので、ごらんになったかと思いますが、学長、学部長、あるいは人見先生、ごらんになりましたか。どうでございましょう。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 三人とも一応拝見しております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私は昭和女子大の教育というものがどういうふうに行なわれているか、実情は中に入ったことがないのでわからないわけです。しかし学則あるいは学生手帳の中から、あるいは学生たちが私たちのところに言って参りますいろいろなこと、そういうようなものから一つの推察をして、それに基づいて論議を進めているというのがはっきりした事実でございます。従いまして、中には行き過ぎた点があるかもしれません。思い過ごしがあるかもしれません。そういうことで質問の点についても失礼にあたる点があるかもしれませんが、そこは御了承願いたいと思うわけでございます。  まず第一にお尋ねをいたしたいのは、昭和女子大は大学であります。大学であるけれども、ほんとうに大学らしい大学として教育が行なわれているのであろうか、この点が初めに懸念されるわけです。大学らしい大学として教育が行なわれているということを皆さん方ははっきりとお認めになりますかどうですか。これはまず学長さんにお尋ねをするのがやはり至当だろうと思いますが、玉井学長、御意見をお聞かせ願いたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 私どもは、その自信のもとに行なっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 これは私が取り上げたことにも出ているわけですが、選択教科というものを学生が自分の希望に応じて講義を受ける。この場合に必須科目ばかりやって選択教科がない、こういうようなことをよく聞くわけです。そのことにつきましては議事録の中にも取り上げておりましたが、実際学校の教育はどういうふうに行なわれておりますか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいまの御質問でございますが、私どもの大学は、やはりほかの大学と同じように、学科目が必修科目と選択科目とに分かれております。比率から申しますと、ほぼ五対五くらいの割合でございます。必修科目というものはもちろん全部やらなければならないものでございます。選択科目の選択でございますが、高等学校を出たどかりの学生がこれを選択するということは、合理的に、かつ適切に選択するということは非常に困難なことでありまして、他の大学における例を聞きましても、しばしばその選択を誤るというようなことを聞いておりますので、私どもは選択科目を必修科目と同じようにやはり全部学生に履修させるように、学生が入学しました当初に学生によく話をしまして納得させて、そういうふうな取り扱いをしておるわけでございます。従って選択科目をみな学生が履修しているわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、実質的に自分の研究するものに対して学生自身がみずから授業科目の中において選択教科を選ぶ権限は学生にはない、結果的にこういうことになるのですか。その点はいかがですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 さようでございます。つまり、学校が先ほど申しましたような理由でかわってこれを選択して、それを履修させる、その方がかえって現在の私どもの大学においては学生の研修を十分に達成することができる、そういう考えのもとに私どもはそういうふうに指導しております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 文部省、見えておりますね。これは大学設置基準に違反いたしませんか。

村山松雄文部事務官(大学学術局大学課長)

○村山説明員 大学設置基準におきましては、大学の履修方法といたしまして、一般教育、それから保健体育、外国語、専門教育おのおのにつきまして、いかなる単位をいかように履修すべきかという基準を定めております。学士を得るためには、合計いたしまして百二十四単位以上を必要とすることになっておりまして、この百二十四単位の内容が、学科の性質に応じまして適宜講義、演習、実習等に配分され、適当な選択科目も加味して履修することが望ましいこととされております。しかしながら、どの程度選択科目をやるべきか、あるいは実習なり実験をどの程度の割合で加味すべきかというようなはっきりした基準はございません。従いまして、合計百二十四単位、一般教育、保健体育、外国語、専門教育にわたって設置基準に定める科目を履修すれば、一応合法的には相なります。そういう意味で、昭和女子大学の学則を拝見いたしますと、設置基準違反という点は見当たりません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 届けられた学則で見た場合には、そういうようなことは言えますが、実際どういうふうに運営をされているかという実情について、私はこの前委員会の席で、大学設置基準に違反をしている疑いがある、だからそれについて事実を調査しなさいということを言っておきました。その後調査されましたか。

村山松雄文部事務官(大学学術局大学課長)

○村山説明員 先般の文教委員会で御指摘がございましたので、昭和女子大学から学部長がお見えの際、その点につきまして事情を承りましたところが、一応選択科目は設けておるけれども、ただいま坂本学部長が参考人としてお述べになりましたような見解からいたしまして、学生の自由にまかせないで、大体大学の方でガイダンスをしたところによって履修させておるというような御説明がございました。それ以上、直接大学についての実情調査はいたしておりません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 文部省に対する責任追及は後日いたしますが、きょうは参考人の先生方がお見えになっておりますので、先生方に主として御質問申し上げます。  大学の授業の形態、これはセミナーの方式をとる場合、あるいはディスカッションの方式をとる場合があると思います。私たちが聞いておりますのは、昭和女子大学は講義一本の方式だ、こういうふうに聞いておりますが、文科系の学科と、それから家政学部ですか、これを学科としてお持ちになっておいでになるようでありますが、そういうような上から考えて、いわゆる授業の方法、これはどういうふうにやっておいでになのですか。ディスカッションやセミナーをやるような方式をおとりになっていらしっゃいますか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 御存じの通り、ただいま大学課長からもお話がありました通りに、大学における学科目は、その履修方法といたまして、講義と、それから演習と、実験実習の三つに分かれております。私どもの大学におきましても、講義と演習と実験実習と、この三につ分けて、学科目の性質によりまして、あるいは講義、あるいは実験実習、またあるいは講義と実験実習を加味する、並行して行なう、そういうような方法をとっておりまして、割合から申しますならば、私どもの大学におきましては、演習が一番多くなっております。ただいまお話のセミナーというのは演習の一つの形態であると存じます。私どもは特にセミナーという名前はつけておりませんけれども、演習、この中におきましてセミナーの方法を取り入れてやっておるわけであります。むろん講義の科目もあるし、そういう演習の科目もありますし、実験実習の科目もある。この三つに分かれておるわけであります。ことに私どもは、先ほど申しました通り、演習に重点を置いていることは、とりもなおさず、セミナーの特色をここで生かしていこう、こういう意図でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私が聞いているのが間違いであれば幸いだと思う。特に文科系の学科あるいは社会科学の学科、こういうような学習形態の場合は、セミナー方式やディスカッションの方式をとらなければ教育が行なわれないというのが常識ではなかろうかと思う。そういうような点からいったときに、今の坂本学部長のお話では、演習に重点を置いてやっているんだ、そういたしますと、そういうような施設はあるわですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 施設と申しますと、どういうことを意味するかのか、よくわかりませんが……。

村山喜一日本社会党

○村山委員 じゃ言いましょう。教師が学生に対して一方交通のような形の講義方式で教育をやっていく、そういうような普通の教室のような施設と、あるいはみんなが集まって討議をやっていくような施設、こういうようなものが学校には当然なければならないわけです。そういうような施設がありますかということをお尋ねしているわけです。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいまの御質問でございますが、演習と申しますのは、やはりその中に、先ほど申しましたように、セミナーの方法を十分に取り入れてやっておりますので、従って、ただ教師だけが講義をして、それで終わるという方法ではございません。学生の意見も聞くし、また学生同士の意見も出てくる、そういうことになっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 次に、学生の人格というものをどの程度あなた方はお認めになっておいでになるのかということ、これは非常に重大な問題であります。大学は、学生を一人前の学徒として処遇しているのか。それとも先ほど人見先生の話の中に出て参りましたように、女子だけで特殊な教育をやっている、こういうような言葉がありました。そういうようなことや、あるいは発言の中に、私たちが預かっている子供たち、こういうような表現の仕方があるわけであります。その考え方あるいは学則さらに学生手帳、こういうようなものを私が拝見いたしまして感じますのは、学生を一人前の学徒として取り扱いをされているのであるか、どうもそうでないような状態で、この問題が起こりました根本的な原因というのはそこにあるのではないか。学則は、学校側が私立学校の特殊性に基づいて一方的にきめていくんだ、学生はそれに従っていきさえすればいいんだ、これが教育なんだ、これは高等学校以下の教育であります。私は、学生手帖の中に書いてあるいろいろなものを見まして、戦前の女学校の姿を思い出さずにはおられないのでありますが、そういう意味において、学生の人格というものをどの程度あなた方はお認めになった上で学校の共同体というものをお考えになっておられるのかということをお尋ねしたいのであります。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 先ほど子供という言葉があったのでということが引き合いに出ましたので申し上げますが、私は、実は幼稚園の子供も小学校も全部責任を持って引き受けておるものですから、あるいはそういうことが出たかもしれませんが、そのために大学の学生までいわゆる子供扱いにしたということでありますと、誤解を生じやすいと思いますので訂正いたしたいと思います。  学則を定めることにつきまして——これはあるいは私の読み違いかもしれませんが、読み違いであったら訂正いたしますが、前の文教委員会でしたか法務委員会でしたかに出ておりました中に、大学の自治というものはということで、学生も入っていろいろ規則をきめるところに自治がある、そうでなければ自治がないというようにあったと思うのであります。今のお話も何かそれに近いような感じがいたしますが、もしそうであるとすれば、私たちは学生とともに相談して、そして学生たちはこれでよいということで、ある範囲をもって今まではきめてきたのであります。ただ、過去にきめたものを現在の学生がどう思っているかについては、これは時間的なずれがございますから、いろいろ考えなければならぬかもしれません。私たちが過去で承知している範囲では、たとえば寄宿舎の門限時間というのがあります。門限時間について、一度ゆるめろという意見があったので、学生に全くまかせっぱなしで相談した結果、七対三くらいの割合で、門限はやはり今まで通りでよいという決定をしたことに、いささか私の方が驚いたこともございます。それのように、一部の者が現在のでは子供じみておるという説がありましても、場合によってはそうでない者もある。その比率につきましての正確なことは今ここではっきり申し上げかねますけれども、この大学に、この寄宿舎にぜひとも入りたい、前入っていたねえさんがよかったから、親戚の者がよかったからぜひ入りたいということが実に圧倒的に多いこともこれは事実なんです。私たちここで誇張して申し上げるのではありません。やはりこういう行き方でいこうという者が相当数あるということも、今までの新聞雑誌はともかくといたしまして、一般外部からきびし過ぎるんじゃないかといわれながらも、みずからそれを求めておるという者が非常に多いということに、私たちはやはり前にきめたままでよかろうではないか、こういう意味でこのまま踏襲してきておりますことはございますようです。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私たちが大学の自治というものを考えた場合には、これは学生の自治というものは一体どうなければならないのかということは、当然大学の自治の範囲内において考えられなければならないというのが私の基本的思想なんです。なぜかなれば、大学というのは一つの国家、社会の別な社会ではない。やはり日本国憲法に従わなければならない義務があり、私学といえども教育基本法なりあるいは私立学校法に従わなければならない、そういう義務があるからであります。しかもその中において、学生の自治というものは、教育を受ける、あるいは大学において研究をしていくその自治という大学の自治の中において考えられていかなければならない、こういうような考え方に出発をいたしますと、当然みずからを規制するものがなければならない。それはやはりその半面において、大学当局が学生を一人前の学徒として考えていかなければならないという構想につながって参ります。そしてまた、そういうような考え方であるならば、当然教授、大学の理事者、あるいは学生、この三者が共同で一つの学問の共同体を作るべきである。こういうような考え方に立って私は質問を申し上げているわけなんです。そういうような点からお答えを願いたいと思うわけでありますが、いろいろ今まで各委員がそれぞれ質疑がなされました。私は、大学教育の教育以前のものがあるのではないか、これはもちろん学生側の中にも行き過ぎがあったかもしれません。しかし学校当局が、やはりほんとうに学生を一個の一人前の学徒として処遇しようという考え方に基づいておったか、この点が今まで現われて参りましたあなた方の説明やあるいはいろいろな関係の書類を見まして、そういうふうに思わざるを得ないのがまことに残念でありますが、それに対しまして学長の御見解があるならばお答えを願いたい。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 私どもは、ただいまお言葉の通りに、学生は一つの人格者として認め、そして学生と教授と学校の理事者、ともに理解しあつた中で教育をしていこうということを考え、またその方針を続けてきております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 ところがいろいろ私たちのところに集まります資料を見ますと、先生のそのお気持が必ずしもおっしゃる通りになっていないように印象づけられるわけです。これは今まで論議されて参りましたのであえて私は申し上げませんが、端的にお尋ねをいたしたいと思います。  裁判が行なわれている三人の学生の地位保全の仮処分(玉井参考人「三人ではありません」と呼ぶ)二人ですか、この学生の裁判の結果、これがきまりましたら学校側——はこの裁判は学校当局にとってはまことに残念でありましょうが、私は、最高裁の判決その他から調べまして、必ず学生側が勝つであろう、こういうように想定をいたします。そういたしますと、これについては法治国家である以上は、学校側はその判決が下りましたら、それに基づいて教育を続けていかれることになると思いますが、いかがでございますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 ただいままだ決定しておらない問題でございますので、あらかじめそれについて私は見解は述べません。結果が生じたときに善処いたします。

村山喜一日本社会党

○村山委員 あなた方は、学長の裁量権に基づいて、学校教育法並びに施行規則に基づく児童、生徒、学生に対する懲戒権があるということでその懲戒処分をなされた。退学処分をされて、憲法に定めております教育を受ける権利というものを、そういう学校の秩序を保持するという立場において処分をされたわけです。しかしながら、今まで行なわれておりますいろいろな判例の上から出て参りました結果は、残念ながら、学校当局はそういうようなことを期待しておられないかもしれないけれども、学生の持っておる教育を受ける権利というものは侵害することはできない。こういうことになってきた場合において、あなた方は、自分たちの学校においては、この学生を教育していく力はもう尽きたのだ、われわれは、三十八回ですか、その処分をするまでの間に懇切丁寧に指導をしてきたけれどもできなかったのだということで、最後の断を下した、こういうように説明をされました。しかしながら、法治国家である以上は、そういうような判決が下ったら、当然あなた方の学校において、気に入らないかもしれないけれども、私立学校においても教育を受ける権利というものは学生にあるわけですから、それに従って教育をしていくという取っ組みをされなければならないことになるわけです。そうなりましたら、あなた方は当然それに従って教育をされるべきであるというのが、これが法治国の建前であろうと思いますが、どうでありますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 そのときになりまして、そう学生が改悛の情がはっきり現われましたら、学則に従いますということをはっきり申しましたらば……。

村山喜一日本社会党

○村山委員 学則の問題じゃございません。先生、これはやはり法治国家の立場をとれば、当然それには従わなければおかしなことになりますよ、人見先生どうですか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 そのようでございますが、ただ、裁判にかかっておる現在としては、私は、ここで明確なことはお答えいたすことを御遠慮申し上げたいということを先ほど玉井学長がおっしゃったと思います。私もそういう意味で、ここでもってお答えすることはできませんが、一般的に申せばそれでよろしいのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 中野先生の場合も、一般論としてはそういうようなことが言えますね。この点は、あなた方の処分の方法にしても、おやめを願ったというその方法にしても、手続上非常に問題があったということをお認めになっていらっしゃるのですから、これはなおさらのことだと思いますが、一般論としては、そういうようなことはお認めになってしかるべきだと思いますが、いかがでございますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 前と全く同一ケースと考えます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そこで学則というのをよくおっしゃるわけですが、文部省に届けられたのが学則であると思います。その学則は、学生に対しましてはいつお知らせになるわけですか。入学当時に、こういうような学則がありますということで、学則を学生諸君に示されることになっておりますか、どうでありますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 入学の当初に、オリエンテーションの折によく示しております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 ところが、私たちのところに参ります学生は、この学則は知らないのです。玉井学長は、お前たちは学則を知る必要はないのだ、まじめな学生は学則にひっかかるようなところもないのだから、別に知る必要もないとかいうようなことをおっしゃったとかいうことで、——私の方は昭和女子大の方から学則をいただいたのじゃございません。文部省を通じまして資料をもらって参りました。そうしたら学生の諸君が、この学則については私たちもぜひ知りたいので、一つそれをプリントをさしていただけませんか、こういうようなことを私たちの方に申し出て参りましたので、別に秘密書類でもありませんし、そういうふうにしてよろしいということで了解を与えたことがありますが、この学則は入学当時に知らせることになっているとおっしゃいますけれども、それは間違いじゃございませんか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 間違いではありません。ただお言葉のうちに、私が学生に対して、学生は学則なんか知らぬでもいいと言うたということをこの前の委員会で断定なさっていらっしゃるように見えるのでございます。しかし、そういうことは、私は決して学生に申しておりません。実情を申しますと、私の部屋へ参りまして、学則を見せてくれと申しますから、見せたいと思ったのですが、ちょうど学部の学則が、この処分学生のことを御説明するために教務課長が文部省へ持って行っておったようで、ちょとっ見つからなかったのであります。それで私の部屋に、つづりの中に短期大学の学則がありました。ところが、この三十六条四項というのは、もう短期大学も何も全然違いがないのですから、これを見てくれというて見せました。そうすると、これは短期大学だと申しますから、ここは同じのだからと私が申しましたので、それで一応了承しました。すると学生が、私どもは、学則を知らないために退学をさせられるというようなことではいっときも安心して勉強ができません。こう申しました。そこで私が言うたのであります。あなた方が学則を知らないからというてそんな心配をする必要はないと、こう言ったのであります。決して学則を知らぬでもかまわぬというようなことは言うておりません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 先生のその教育者的な良識は、私は疑うものではないのです。だから、そういうようなことを知らなくても善良な学生は学則で処分う受けるようなことはないはずだと、このようにおっしゃる気持はわかります。気持はわかりますが、私がお尋ねをしているのは、その学部に入りました学生たちは、その学則というものはやはり知る権利がありますよ。それを知らされていないということになってくれば、これは大へんなことになります。今玉井学長は、入学当時に学生にその学則は知らせるようになっている、こうおっしゃいますが、その学則というのは、学生手帳に掲げてありますあの心得のことではございませんか。これは学長にお尋ねするよりも理事者の方に、人見さんは理事をなさっていらっしゃるわけですか。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいま学長が入学の当初に学則を知らせていると申しましたが、それは学則を全部残らず学生に知らせるということでなくて、学生として日常必要なようなことは、オリエンテーションの際に教務課長なりあるいはその他の者が学生に話している、こういう意味で知らせているというわけでございます。  それでついででございますが、この学則は学生手帳にも入れておいた方がよかろうと思われるので、新しい年度からは、学則の、学生に直接必要な部分だけを抜粋して載せるようにいたすつもりでおります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 やはり、この学則が私学の中における憲法的なものであり、そしていろいろな学生が心得というようなものが法律的なものであり、それによって学校が教育指導上の特別権力関係のもとにおける教育形態というものをお考えになっているのであるならば、当然そういうようなものに対しまして学生は知り、知ると同時にそれを順守すべき義務があると思うのでありますが、それをきめる際においては、学生が一人前のいわゆる学徒としての取り扱いを受けていかなければ、大学の自治というものはあり得ないと思うのであります。そういうような点から言いまして、学則それ自体に私は問題はないと思います。文部省に出された学則には、若干問題になるところは、採用のところだけは書いてあるけれども、教職員をやめさせる場合の内容は学則には書いてない。こういうような点は、大学の自治の上において、ほんとうに教授の人たち、先生たちの地位、身分というものが確立しておるかどうかということになって参りますと、私は疑問があると思います。そういう点における若干の問題がありますけれども、いろいろ学生が守らなければならない心得があります。その問題については、世間でこれほどいろいろ指摘をされ、中には、国民の何人も請願権を奪うことはできないんだというような問題が指摘をされております。そういうようなものについては、あるいは投票については、新しい学年度から誤解を与えてはまずいので削るのだ、こういうようなことも文部省を通じましてわれわれの方には耳に入っております。こういうようなものは再検討をされて、そして大学がほんとうに大学らしくなっていくような方向において検討をされるべきではなかろうかと思うのですが、それに対しまして学長の御意見はいかがでございますか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 それは十分に検討いたしまして、もし不都合のところがあり、あるいはまぎらわしい表現というようなものがありますれば、慎重に調査いたしまして、改めたいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 ぜひそういうようなふうに再検討をお願い申し上げておきたいと思いますが、学生は、やはり学校の中にありましては、一つの特殊的な法秩序と言いますか、支配に属するということは、私は否定はいたしませんけれども、しかしながら、それは中世紀的な、あるいは身分的な性質のものではないことは御承知の通りであります。従いまして、どういうふうに学生を教育し、またほんとうに大学の機能を発揮していくかということは、大学教育を憂うるわれわれといたしましても、今日の状態がすべて万全のものであるとは思えない。そういうような点からいろいろ問題があることは十分わかっております。従いまして、この問題を解決していくのは、やはりあげ足とりでなくて、ほんとうに私立学校を健全なものにし、その私立学校が理事者の一方的な意思によってゆがめられたり、あるいは政治的な思惑によって動かされたりするようなことがないように、大学は、やはり大学としての機能を果たしていく上において、教授の人たち、学生の人たちが力を合わせてやっていかなければならないというのがほんとうの姿ではなかろうかと思うのです。きよう参考人の先生がたに来ていただいたのはそこにある。従いまして、私は、今日まで起こっておりますこういうような事態は不幸な事態であると思いますので、これが早く解決することが望ましいことであるという意味において、先ほどの御質問を申し上げたわけであります。  そこで、時間の関係もございますので、私はこれ以上追及をいたしたくないのでありますが、最後にお尋ねをしておきたいのであります。それは私立学校にはよくあることでありますが、理事者の意見というものが非常に強くて、ほんとうに教育をされておる大学の教授の人たちの意見が十分に通らない、こういうようなことがよくあります。今日の日本の私立大学の姿の中においては、ある面においてはやむを得ない点がありましょうけれども、これはほんとうの大学の自治の姿ではないと思う。学則の四十六条に「教授会は左の事項を審議する。」この中において、「教授、助教授、講師及び助手の採用に関する事項」というのがございます。ところが、先ほど説明を願いましたように、やめさせる場合には、理事会が一方的に議決した場合はやめさせていくことができるのだ、これは学則の中にはなくて、校務処理規則の中において規定がされておる。これはやはり学則の中において採用が規定づけられたのであれば、教授会の議を経ないで大学の先生が首を切られていくような格好になるならば、理事者側が一方的に権限をふるえる。そうなって参りますと、教授と学校経営者である理事側との間においていわゆる力のバランスがくずれて参ります。こういうようなことが、えてして私立学校の場合の大学における自治がないと言われるゆえんであろうと思うのであります。こういうようなものは理事の先生が——坂本先生でありますか、お見えになっておられますので、私はお尋ねをしておきたいと思いますが、やはりあなた方が学問の自由、研究の自由、教育の自由というようなものをお考えになる以上は、当然良識ある立場においてこれらの改正をされなければならないと思いますが、大学の先生側としてはどういうような見解で理事会等にお臨みになるのか、その決意をこの際承っておきたいと思います。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 その点につきましてはよく検討して善処したいと思っております。

高橋英吉自由民主党

○高橋(英)委員 ちょっと関連。私は一昨年でしたか、ロックフェラー財団からの招聘でアメリカの学校視察に参りました。昨年は文教委員会を代表いたしましてヨーロッパの方にも参りましたが、欧米の私立大学は、入学、退学、教職員の任命、そういうものはすべて数名の三名か五名の理事によって行なわれておることになっておるようですが、それは御存じですか。そういうことと、行き過ぎの教授会の権限の強化というものが現在非常に日本の教育界を害しておるというような事実を私どもは痛切に感じておるわけです。そういうようなことですが、そういうことに対して、どういうように考えておられますか、欧米の私学の制度というものと日本の現在の制度について伺いたいと思います。

坂本由五郎昭和女子大学文家政学部長

○坂本参考人 ただいまのお話は、私も何かで伺ったのか、読んだのか記憶がございませんが、はたしてそれがいいかどうかは存じませんけれども、とにかく私立大学は国公立の大学とは性質が違いますので、教授会の扱うべき事項にしましても、そこにおのずから開きができてくるものと思っております。本学における規則がただいま御指摘のようなふうになっておりますのも、やはり私立学校の性格からきているものと御了承願いたいと思います

村山喜一日本社会党

○村山委員 国立なり公立の学校においてさえも、大学の自治という上において今日の規定が設けられ、学問の自由、研究の自由が保障されておる。ましてや私学においては、そういうようなものが保障されなければならないにもかかわらず、最近は、理事長であり、学長であるというような経営者が現われておる。私は、それが私立学校法を制定したときの制定の趣旨から見ておかしな状態にあるということを指摘をしたいのでありますが、そういうようなのは意見になりますので、この際はあえてそれをさらに重ねて問題にしようとは思いません。  そこでこれは否定をされるだろうと思いますが、尾行の問題が一つだけその後において出て参っておりますので、私の方からお尋ねをして私の質問を終わりたいと思います。これは名前が出ておりまして、戸谷先生の受持クラスの三年生の総務のある女の子が、学内の民主化運動に関して運動をしておる学生を調査する要請を先生からされたところが、それを断わった。そこで今度は、日文四年生の補導主任である保坂都先生が、一月十日、教室で尾行を指示した。このときに人見楠郎先生も同席をして、もしやってくれる人はここに残って、いやな人は室外に黙って出ていけと言葉巧みに話があったが、だれも出ていく学生はいなかった。さらに、きょうここにおる学生はみなチェックしておいて、ちゃんと卒業させてやるとまで言ったという話を、尾行された学生五人が、一月三十一日人権擁護局へ、二月一日東京法務局へ訴え、二月二日東京タイムスなどの各新聞紙上にこの問題が掲載をされた。こういうようないわゆる尾行についての命令系統といいますか、このような事実があるのかどうか、さらにわび状というのが二月の十三日に掲示板に張りつけられております。日本文化三年生一同、その内容はここで読み上げませんが、このわび状が出るまでの経過、二月五日ごろ、人見圓吉教授の近代文化の授業中に、同クラスに向かって、お前たちは魂まで腐ったのか、何をぼやぼやしておるのかというような説教があったのがきっかけになって、その言葉にクラスの気持ちが動いた。そこで二、三回クラス会を開いて検討して、このわび状が学校の掲示板に張り出された。こういうことになってきたわけですが、それに対して下級生、英米文科あるいは日本文学科の各二年生の四クラスのうち三クラス全体がその他の八クラス有志と会いまして抗議をした。その抗議声明を掲示板に掲示させてくれと代表が小川学生課長に要求したけれどもあっさり拒否された。こういうような事実がございますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 尾行の話の出どころがやっとわかりました。どうも話がわからなかったのです。何を言っているのかと思って——あなたじゃありませんよ、新聞に出たときに。それで一月十日の話ですが、一月の十一日は休暇がとれまして、学生が全部出てくる日でございます。ところが、そのときに私たちのところに入ったいろいろなニュースは——これについてニュースが正しかったかどうか、今になってみるとちょっとおかしかったかなと思うのですが、私たちが聞いたところでは、関西からもこの問題についてたくさんの学生たちが応援隊にやってくる。そして正門のところにずっと押しかけてくるという話があったのです。そんなことはなかろうと思ったのですけれども、万一あのラッシュの時刻に危険な——御承知だと思いますが、玉電の通りというのは非常に朝は危険なところでございますが、玉電の通りというのは非常に朝は危険なところでございます。そこで、そういうことがあってはいけないから、この日だけ、初日だけは学生が三宿の停留所でおりたり、三軒茶屋でおりたり、バスでおりたときに、正門を入るところまでは全部中に無事に入れてやりたい。入ってそれから自由に話させようじゃないか。うちの学生には自由に話させたいけれども、学生たちが何も知らないで来た、そこへ事件が起きたというのでは、はなはだ遺憾なことが起きるかもしれないから、上級生がその日だけは一つ朝早く来て様子を見ていてもらいたいというので、外部からのいろいろな働きかけに対して不測の事態が起きないようにということで、十一日の朝のことだけは確かにこれは頼んだのであります。そのときに門の外、それから停留所へずっと学生がそれぞれ自分たちで位置をきめましていてくれたので、その日はほんとうに事なきを得た、同時にまた先ほどお話し申し上げましたように、何か事があったかというと、実はその日はなかったのであります。私は大へんほっといたしました。その日が済んだときに安心をして中に入ってきたことを今でもきのうのように思い出すのであります。私たちは尾行を頼んだのじゃなくて、外部から何かあったときに、あの交通の激しいときに事件が起こってはならないから門のところまでは見てもらいたいと頼んだことを覚えています。小学校や幼稚園の子供も来る時刻であるし、あの混雑した時刻において正門の前で事故を起こされては困るということで話をいたしました。  きようここにいた者はチェックして卒業させてやると言ったというのは、その日が論文提出の日でございましたので、きよう論文を間違いなく持ってきた者がこの中にいるだろうから、ここにいるその者は全部卒業できるのだなということを話したのが、いつの間にかそのような組み合わせになったようであります。第一の問題につきましてはそれだけお答え申し上げます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 疑心暗鬼を生ずると言いますか、今日までいろいろ学校内外にわたって取りざたされてきたその中において、いろいろ宣伝もございましょう。しかし、この真実はいずれであったか、私はここで追及する時間もありませんし、またそれに対しましては、あなた方は拒否権も持っておいでになるので、これ以上は申し上げませんが、とにかくこういうような事態が出てきて天下に有名になるということは、学校当局においても名誉なことではございません。学生においてもまことに迷惑なことで、学校全体の学生の学力は、こういうような問題が起こることによってほんとうに低下せざるを得ないので、私は、そういうような教育の立場からこの問題を大きく考えているので、一つ、きょう御出席いただきました先生方は学校の幹部である、そういうような点から、この委員会においていろいろ意見が出されましたこと、あるいはまた私が要望申し上げましたことを十分お考え下さいまして、今後の大学教育において、この事態がさらに一つの契機になってよりよいものが生み出されるように、前進の方向において対処していただきますことを要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 関連して。簡単にやります。  ただいま尾行の問題が出ました。けさから法務大臣もおられ、また新しい稲川人権擁護局長もおられます。稲川局長は二十日に就任されたばかりですが、人権擁護局長という職分は、他の法務省の検察官とかなんとかいうのと違いまして、非常に重大な、また別の意味で重大な役目を持っておられます。今尾行をされた五人の学生が法務省人権擁護局に訴えをいたしているそうでありますが、これは事実でありますか。

稲川龍雄法務事務官(人権擁護局長)

○稲川説明員 大へん恐縮でございますが、きょうの午前劈頭に申し上げました理由によりまして、調査課長をして説明させていただきたいと思います。あしからず御了承いただきます。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 ただいまの尾行の問題につきましては、学生側から調査してほしいという申し出が人権擁護局及び東京法務局にありました。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 調査しておられますか。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 調査しております。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 稲川局長は着任早々でありますけれども、重大な事件でありますから、こういうことぐらいは、立ち入ったことは伺いませんから、自分自身であらかじめよくお調べになっておきませんと、私どもも人権擁護局長に今後この問題について、またその他の人件問題について、いろいろと調べて間違ったことをただしていただかなければならないことがあるのであります。  今人見さんは、それで初めてだれが言ったのかわかったというようなことを言っておられますが、これは人見さんに伺うわけではないのです。擁護局長の方でお調べ願いたいことがあります。いろいろなことがまじり合って、自分の言ったことと違うようなふうになっているということでありますが、けさからのお話では、これはやはり人権擁護局で調べて、双方を調査していただかなければならないと思います。  もう一つは、これは法廷にも訴訟が提起されておりますから、いずれはその方ではっきりしましょうが、あなた方が調査なさる上にこういうことも参考にしていただきたいと思うことがあります。ただいま村山委員から人見さんの言われたことについて、そうでないというような意味の発言がありましたが、保坂さんという方が尾行の仕方について詳細にわたって指示をしたというようなことも言われております。そうして事実は、その結果を、けさは傍聴に来ておられたが、小川学生課長に報告を集めることになっておったのであります。こういう点も学生の方をいろいろお調べになればわかると思います。(「いやに詳しいじゃないか」と呼ぶ者あり)共産党にかかったら何でもわかるんだ。それで寮でも、この保坂先生は尾行されている旨の発言をされたようであります。  さらにこの尾行問題が二月二日の東京タイムズに出ましたので、人権擁護局に訴えられたというのがわかって、それから以後は、これからがなかなかおもしろいのですが、保坂さんは、尾行とは黒めがねをかけ、変装してこそこそついていくことであって、当学校でやったのは普通の服装で堂々とやるのだから尾行ではない、こういうことをある人が言っております。それも私どもにはわかっております。さらに保坂先生は、尾行とは下級生と上級生が一定の間隔を置いて歩くことだ、こういうことを言っております。私にも尾行をつけたことがある。国会の中でですよ。それから自民党の園田直君が外務次官をやっておったときにも尾行をつけられたことがある。そういうこともあります。それで、それをとっちめられると、警察の警備局あるいは公安調査庁はいろいろと言い抜けをしますけれども、今ここに二つほどあげてみましたが、これは公安調査庁や警察の公安警備の方でも顔負けするようなおもしろい尾行論を出されておるのです。こういうことでいろいろなことをやられて、それを参考人は、そういうことはないと言われるということです。どうもこれは否定しておられるということになりますと、あるいは法務委員会でも、今後は学生は呼ばない方がよかろうということでありますが、五番町事件のときには、十八才の娘が偽証罪として検察官から告訴されておりましたが、この娘さんを呼んだらなかなかしっかりした答弁でした。その場で検察官をぴしぴしやっておりました。このごろの娘さんはなかなかしっかりしているから、ここに呼んでも差しつかえないかと思いますので、ここで堂々とやってもらうか、——それはそれとして、あなたの方で着任最初の仕事として十分こういうことを調べて下さい。あとであの人権擁護局長はどうもえこひいきがあるということになったら、あなただめですよ。それを最初に申し上げておきます。  ところで、先ほども、朝から猪俣委員初め繰り返し言われましたが、これは私もちょっと聞いたのでありますが、ここにあるビラは「十二月二十六日 昭和女子大学学生課 父母各位」お父さんやお母さんの皆さんに配ったわけであります。「昭和女子大の態度」の中の「事件の経過」の第一に「政防法反対の署名を学友に要請して波紋をまき起こした三名の学生(A・B・C)を補導したこと、」それについて注のイがありますが、「本学は入学当初から教育基本法第八条の2「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」よう、また学外の団体に加盟する場合は許可を要することが示されている。」これは学生手帳に出ておるというのですが、これを私がここにいる村山さんに聞いたときには、これは決して学生のことではない、学生は学校の客体である、ここにいわれているのは学校当局のことだというふうな答弁がありました。後に文部大臣に対して社会党の村山委員が質問されたときに、文部大臣は例によって勇み足をして、私の見解では、学生もそういうことをしてはならないというふうに言われた。そうして、山中吾郎委員に突っ込まれました。文部省の通牒の中にあるといって、今の第八条第一、項の注釈としてその通牒を引用されておるのです。「第二項の趣旨は、学校の政治的中立性を確保するところにあります。もとよりここに規定されているのは教育活動の主体としての学校の活動についてでありまして、」こういうように古いてある。これで荒木文部大臣、大へん困られて、「ただ学校という概念に直接的に学生生徒が——すなわち教育基本法八条二項から直接的に学生生徒に適用されるように申し上げました点が、あまりにも学園内の中立性保持が学校活動のために重大であると思いますので、その点にあまりに急なるの余り、概念的には矛盾をしたことを申し上げたことを反省いたします。」と、この国会において文部大臣が言っておる。ところが、学生課の名前でこういうことが言われた。学生生徒の方にこういうことを要求してはいけない、文部大臣も反省されましたが、どうです。昭和大学の先生方、反省なさいますかどうか。文部大臣も反省されたのだから、玉井先生、ここでさあっとやられたらどうですか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 さあっととはできません。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 私のことが先ほど出ましたので、一言だけ申し上げたい。尾行のときにだれが言ったかわかったとあなたはおっしゃいましたが、私はそういう意味で申し上げたのではない。どのケースを言ったのかわかったという意味ですから、どうぞ誤解のないように……。もう一つ、ここにある印刷物は、教育基本法第八条にこう言ってあるのと同じようにわれわれは学生に言う意味で、文意と申しますか、どうも字が誤ったようであります。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 けさほど玉井先生も言われましたが、どうも学の内外で、投票のことまで学校に届け出をして——届け出するだけではない。午前中から届け出が問題になっておるが、私はなおその上に学校の指示に従うということが問題だと思います。それを玉井先生も森山委員の質問に対して、森山委員が親切に誘導されて、どうも不手ぎわだったですねと言われたときに、玉井先生、さあ、不手ぎわだと言われましたね。そのように、今あなた、これはどうも誤って書いたと言われましたが、これも不手ぎわと認められますか。

人見楠郎昭和女子大学幹事

○人見参考人 ここもどうも文章上の問題でありまして、そういうふうに誤解される方にはやはり訂正をせざるを得ませんが、私たちの書いた意思はそこにございます。  それからけさの投票の問題でありますが、これも私たちはいまだに間違っているとは思わないのであります。というのは、運用上かつて一度もそのようなことをしたことはございませんから、私たち考えておりましたのは、教務事務としての届け出であり、指示であって、それを越えた行動がかつてありますれば、お責めを受けても仕方がないと思います。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 最後に一つ、玉井先生に伺います。玉井先生は、私が中学生のころから学校の教授をしておられまして、私もお名前はそのころから覚えております。もうお年でもありますし、教育者として最後を全うされることを心から希望しますが、どうでしょうか、先生、午前中の中野講師の退職の問題ですね。あれについて、ちゃんと理事者の方で相談してやる、また理事者に相談したが、出したものは紙きれに書いて、人見圓吉と書いただけで、そのほかに学校の印も何もない。こういう乱暴な処置はなかったのでありますか、どうでありますか、今後学校に出なくてもいいという、こういう乱暴なことをされた書類は間違いであった、取り消す、そうして中野講師の復職を認める、どうも済まないことをした、こういうようにさっといきませんか。

玉井幸助昭和女子大学学長

○玉井参考人 とてもさっといくわけには参りません。おわかりのはずと思います。

志賀義雄日本共産党

○志賀(義)委員 きょうは私としては、最後は玉井先生にも、今後のこともありますからお願いしましたが、どらも自分たちは不手ぎわではあったけれども、自分たちのやったことをどこまでも昭和女子大の方々はお通しになろうとしておられるように見受けられます。そういうことをなさいますと、一波万波という結果で、あなた方の御希望とは逆の結果を生じても、それはみずからお招きになったことでありまして、いずれこれは法廷においても問題にされましょう。人権擁護局の調査もありましょう。それはそれとしてその方に当然まかせるべきことだ。立法府としてその内容にまで立ち入る必要はありません。しかし私どもは、法務行政を審査することが国会法によっても規定されておりますから、必要とあれば、またその事態の進展に応じていろいろとまた調べなければならないこともあろうと思います。  これで私の質問を終わります。

高橋英吉自由民主党

○高橋(英)委員 最後に私も一言したいのですが、昭和女子大学というのは全国でも有名な特色のある学校であって、ある一部と言いますか、とにかく中正穏健な思想を持っておる全国民の大部分と言った方がいいだろうと思いますが、その大部分の者から非常に尊敬され、その子女のあこがれの的になっておる学校のように聞いております。現実に私もさように思っておりますが、一例をあげてみますと、いわゆる古くさい言葉にはなりまするけれども、良妻賢母的な教育、そういう意味においてはほんとうにりっぱな学校であるというふうに聞いてもおりまするし、また、今日の日本の一番弱いとされておるところのしつけの問題につきましても、理想的なしつけの制度を持っておられる、やり方もせられておるというふうなので、衷心敬意を表しておるのでありまするから、どうぞますます伝統的な学校の美風を助長せられて、いろいろな問題が起こっても、自信を喪失されることなくして、うんと一つがんばっていただきたいと思いますし、さらに平和な学園、昭和女子大学のようなほんとうに理想的な良妻賢母を養成するところの、育成するところの平和な学園を荒らすような者が今後再びありましても、断固としてこれを排撃せられるように自信をもって邁進せられるように私は希望して最後にいたします。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長代理 これにて本連合審査会の議事は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ長時間にわたり御出席いただき、まことにありがとうございました。  これにて連合審査会を閉じることにいたします。    午後六時二十四分散会

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