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第40回国会衆議院1962/05/08

法務委員会 第24号

発言数
29 件
登壇者
5 名
会派数
2
開催日
1962/05/08

会議録

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これより会議を開きます。  法務行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。河野密君。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 私は株式会社木挽館をめぐる紛争の問題について質問を申し上げたいと思います。  最初にお断わりいたしますが、私は立法、司法、行政、いわゆる三権分立というものがある以上は、それぞれの分野に対してお互いに相侵すことのないようにするということが近代政治の建前であるということを考えるものでありますが、次に私が御質問申し上げますような問題は、いささかその例外に属するかと思うので、一つ当局にもお聞きを願いたいと思うのであります。  私がこの問題を国会の問題にしてほしいということで承知をいたしましたのは、三月末でありますが、私は今申し上げましたような趣旨から、きわめて慎重に考慮をいたしまして、あらゆる方面からこれを検討を加えたわけでありますが、その間にこういう事実が起こっております。もとより訴訟でお互いに争う問題は、これは裁判所の問題でありまして、立法府の関与する問題ではないのでありますが、訴訟の係属している間に、実力をもってその対象物を破壊するという行為が白昼公然と行なわれて、しかもそれを警察官もあるいは消防署も看過しておるという事実については、何かのところで問題にしなければならない、こういうように考えまして、これを取り上げることに決意をしたわけでありますが、そういう趣旨で一つお聞き取りを願いたいと思うのであります。  まず人権擁護局の担当官にお尋ねいたしますが、中央区銀座東六丁目七番地、株式会社木挽館内において、この立ちのきの問題をめぐる紛争が起こっておる。その間に建物の所有者側において、現在係争中のものに対して力づくでこれをぶちこわしてしまったということを御存じであるかどうか、その点を一つお尋ね申し上げたいのであります。ここに写真もありますが、現在借りておりますその建物の内部をこういうようにこわしておるのでありますが、これを一つごらん願いたいと思うのですけれども、こういうような事実を御存じであるかどうか、これをまず承りたい。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 ただいまお尋ねのありました件につきましては、人権擁護局機関といたしましては、まだ本格的には調査をしておらないわけでありまして、情報を集めている段階なのであります。その結果によりますと、株式会社木挽館は、その所有の中央区銀座東六丁目七番地所在の貸ビルに入居している数十軒の中小企業者に対して、昭和三十五年ごろから立ちのき要求をしておったところが、本年二月及び三月ごろ、同会社は同ビルのあき室となった部分などを取りこわしておるということを承知しておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 木挽館の問題につきましては、もっとあとからお尋ねしますが、同じビルでありまして、しかも木造モルタルのビルでありまして、一つの部屋を借りておる。その隣の部屋があき室になったからそれをこわしてもよろしい、廊下をこわしてもよろしいということは、ビル自体の効用からいって私は許されないことだと思う。かりにアパートのあき室があるから、そのあき室は何をしてもいい、こわしてもかまわないというようなことが許されないと同じようなことであって、全体として包括的に一つのビルの効用があるものである。こういうように考えますが、当局はいかがでしょうか。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 この点につきましては、私の方といたしまして、まだ十分その実情を調べておらないので、ここで確定的なことはちょっと申し上げかねるのでございますが、この会社と、その入居者のうち数十軒と話し合いがつきまして、退去した。それで相当あき室がふえたので、管理上の必要ということでその部屋などをこわしておる。こういうことではありますが、一方、現在そこに入居しておる者たちは、そのように一部を取りこわされると商売上の信用をそこねる、あるいは盗難とか地震などの場合の保安上非常に危険であると主張されておるわけでありまして、具体的にははっきり今申し上げられないわけですが、一般的に申しますと、このようにまだ入居者があるビルの一部を取りこわすことが、まだ入居しておる者の生活権を侵害したり、または営業上の信用を害するということになりますれば、これは人権侵害になる場合もある、このように考えておるわけであります。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 管理上と言いますか、実際に実地をごらんになったかどうか存じませんが、これがはたして管理の必要上こわした状態であるかどうか、一つごらん願いたいと思います。   〔河野(密)委員、池田説明員に写真を示す〕

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 またよく現場にも参りまして詳細調べたいと思っております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 こういうことは、警察署あるいは消防署というような立場から、火災あるいは盗難等の見地から重大な関心事であると思うのでありますが、警察署あるいは消防署は、これに対して何ら抑制手段もとらないし、予防手段も講じておらないのは不思議であると思うのでありますが、これはどういうふうにお考えになりますか。

池田保之検事(人権擁護局調査課長)

○池田説明員 先ほど申しましたように、実情を実はまだ十分見ておりませんのではっきり申し上げかねるわけでございますが、よく実情を調べまして、必要があれば、ただいまお言葉がありました官公方面に注意を促したい、かように考えております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 まだ実情を御調査になっておらないということでありますから、これ以上申し上げませんが、しからば株式会社木挽館というものが、白昼公然とだれが考えても非常識と思われるようなことをなぜやるのだろうか。私も実はこの問題の依頼を受けましてから当事者に会ってみたのでありますが、これははなはだあれですが、この株式会社木挽館というのは、もとの商工省の官吏の諸君が重役になっておられて、官の力をもってすれば、威光をもってすれば何でもできるのだという考え方に立っておるのではないかということを非常におそれるのであります。と申しますのは、取りこわすことをおやめになったらどうですかと私たちが警告したあとでも、なお同じことを続けておるのでありまして、この点納得がいかないので、十分御調査を願いたい。  この問題は、事態はそういうところから出発したのでありますが、不思議に思ったのは、私も学生のころあの辺に親戚があってよく行ったりして事情を知っておりますが、あれは明治の農商務省時代からの国有地であった。その国有地が一体いつから株式会社木挽館という一会社の所有になったであろうかという疑いを非常に持ったわけであります。そこで私は、現在最も問題の多いといわれる国有財産の払い下げの問題に関連いたしまして、これを少しく調べてみたのであります。そこで、私は大蔵省の管財局長にお尋ねしたいのでありますが、この株式会社木挽館が現在所有しておるその国有地をどういう事情で、どういう経路で払い下げられたものであるか、一つお尋ね申し上げたいと思うのであります。

大澤信一大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○大澤説明員 お答え申し上げます。本件の土地につきましては、今の木挽館の前身と申しますか、商工協会というものがございまして、それが昭和二十二年の四月に当時の商工省の許可を得まして、本件の土地の上に堅固な建物を建築、使用していたものでございます。昭和二十四年に至りまして、通産省から、本件の土地を用途廃止いたしまして、それを財務局に引き継がれたものでございます。その後財務局といたしましては、二十五年の四月に商工協会と賃貸借契約を結んだわけでございます。つまり、正規の貸付手続をとって商工協会に貸して参った、こういう経緯があるわけでございます。ところが、その後二十七年の三月に至りまして——その間に商工協会というのは株式会社木挽館に改組いたしたわけでございますけれども、改組いたしましたときに商工協会の事業の一切を引き継いだ、こういう格好になっておりますが、そういうことで株式会社木挽館の方から売り払いの申請を出して参った。この時期が昭和二十七年の三月でございます。売り払いの申請をいたしまして、財務局といたしましては、これに対して売り払い決定をしたわけでございます。売り払いの契約をいたしましたのが二十七年七月三十日、こういうことになっております。適用条項と申しますか、これは随意契約をいたしたわけでございますから、随意契約の適格性を何に求めたかと申しますと、これは予決令の九十六条に特別縁故という規定がございますけれども、それに従いまして特別縁故あるものと認めて売り払いの相手方としての適格性を認めた、こういう処理になっておるのであります。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 二十七年の七月に払い下げの契約をして、二十八年に代金の決済が完了した、こういうことになっておるようでありますが、予決令につきましてはまたあとからお尋ねいたしますが、その時分の一般の取引せられる坪当たりの単価はどのくらいであって、あるいは固定資産評価額はどのくらいであったか、そういう点をどういうふうにお考えになっておりますか。

大澤信一大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○大澤説明員 当時の書類から見ますと、売り払い価格は坪一万三千円と見ております。それの積算の根拠をいろいろ見て参りますと、当時富裕税関係の評価基準がございまして、それを参考にいたしておった時代でございますが、富裕税の財産の評価基準から出しました価格が一万四千四百円、それから相続税のうち土地の評価基準から見ましたものが一万二千六百円、固定資産税の評価基準より見ました価格が一万六千二百円、こういったものを参考にいたしまして評価をいたしたわけでございます。念のため精通者の意見をとったものがございますけれども、それは一万二千円になっております。あれこれ参酌いたしまして、先ほど申し上げました一万三千円という評価をいたしたものでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 これは坪当たり一万三千円で払い下げられたが、その一万三千円の根拠は相続税あるいは富裕税というようなものを中心に評価されたというのでありますが、私たちの調べたところによりますと、中央区の固定資産評価額表によりますと、昭和二十七年のその契約の成立した当時、これは通産省の用地と農林省の用地と両方にまたがっておりますが、両方とも三万八千八百円ということであります。それから興信所が調査したところによると、その当時の売買価格は坪当たり十二万円、勧銀の調査によると坪当たり十五万円、隣接地の東急ホテルが取引された額が二十七万円、こういう額になっておるのであります。一般に取引されたあれに比べるのは無理だといたしましても、固定資産評価額表に三万八千八百円となっておるものを一万三千円でこの払い下げを受けた、不当に安い価格で払い下げたと考えられるのでありますが、これに対してどういうふうにお考えになるか、これを承りたいのであります。

大澤信一大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○大澤説明員 手元には先ほど申し上げました資料しかございません。先ほど御質問の中に出ましたようないろいろな当時の売買実例その他の資料につきましては、今初めてお伺いしたような次第でありますが、なお私どもの方でもう一度当時のそういった資料を広く集めてみまして、その上で、これが当時の適正な評価額であったかどうかということの判断に努めたいと思います。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 もう一つお伺いしますが、その時分に政府を代表してその契約書に調印をした人はだれですか。

大澤信一大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○大澤説明員 当時の契約の担当官は、関東財務局長でありました井上義海氏です。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 その契約の当事者は、関東財務局長である井上義海氏、間違いありませんね。この井上義海という人はどういう人か、大蔵省では御存じだと思いますが、私の知る限りにおいては、井上義海氏は、同じような国有財産を不当な廉価で払い下げたかどによって、汚職の問題を起こして、懲戒免官になった人だと思うのでありますが、これは間違いないでしょうか一

松永勇大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○松永説明員 井上義海氏がどういういきさつでやめられたかということは、私、担当者でございませんので正確には存じませんが、懲戒免官でないことは事実でございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 昭和三十一年に印刷局長時代に、警視庁の捜査二課の取り調べを受けて、家宅捜索を受け、留置をされて、その結果、免官になったという事実は、これは誤りですか。

松永勇大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○松永説明員 私、大蔵省におります内部の者として、いろいろ話は聞きましたが、最終的には懲戒免官ではないということに聞いておりますが、なお念のため人事記録の方に調べてみたいと思います。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 個人を追及するのは決して目的じゃございませんから、個人をどうということじゃない。少なくとも問題のあった井上氏が政府を代表する当事者であって、そうして今私が申し上げたような不当な価格で払い下げたという事実は、これは間違いがないと思うのであります。  現在、その木挽館の所有地は、巷間どのくらいで取引されているというふうに——御調査なければ、私の方から申し上げてもいいのですが、先般も新聞に出ておりますように、日本で一番高い土地は、銀座の四丁目のかどの三愛のところ、坪当たり三百五十万、こういわれております。それからあまり遠くない株式会社木挽館が坪一万三千円で払い下げられた。その土地の現在取引されておる価格は、大体坪当たり二百五十万ないし二百七十万といわれておるのであります。この二百五十万ないし二百七十万の土地、この土地を有効に使いたいというのが今度の問題の根源であるように私たちは見るのであります。  そこで、これまた大蔵省にお尋ねいたしますが、先ほどの経過の説明にありましたように、日本商工業振興協会というものが作られて、これは中小企業を育成する、日本の産業の育成に貢献する、こういうことで作られて、その後身として株式会社木挽館なるものができた。それが縁故であるという理由でもって、競争入札によることなく、特別に破格な取り扱いとして、低廉な価格で国有地を払い下げた。それが現在その目的に沿うた運営をしておらないとした場合においては、一体大蔵省はどういうふうに御処置なさるつもりでありますか。国有地を払い下げた目的と全く違った目的のためにこれが利用されておる、違った目的になりつつあるというときには、これは一体どうなさるおつもりでしょうか。

松永勇大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○松永説明員 国有地を売り払います場合には、会計法が示しますように、原則としては一般競争入札を建前といたしております。しかし、会計法及びそれに基づく予算決算会計令にも、随意契約を行ない得る場合は明定いたしておりまして、現在その随意契約をなし得る場合の条項に従って随意契約をいたしております。随意契約をいたします場合に、将来にわたって用途の指定をつけるということも過去に行なったことがございます。しかし、土地なんかにつきまして用途指定をつけます場合に、どういう年限で用途指定をつけるかという問題もございますし、それから最近におきます経済変動が急激であるというような点を考えますと、必ずしもそれに用途指定をつけますことが国民経済的にいいか悪いかというような問題もございます。一面また随契でございましても、売り払う価格は適正な地価であるという建前を私たちはとっております。法律に基づきまして減額で売り払うという場合には用途指定をつけております。長いものは十年という用途指定をつけて現在売り払っておりますが、そうでない時価で売り払ったというものにつきましては、現在は用途指定をつけておりません。過去においていろいろつけたこともあるわけでございますが、先ほど申し上げましたようないろんな点で不合理な点その他が出た事例がございますので、種々検討いたしました結果、現在は、時価で売り払う随意契約については、原則としては用途指定はつけないということにいたしております。もちろん、私たちが普通財産を売り払う場合は、これは一般の商法もしくは民法によって行なわれる売買でございまして、行政処分ということではございません。従って相対ずく、対等の売りと買いということでやらしておりますので、そういうことになっております。  なお、随意契約を適用するということは、産業の保護奨励とか、現在賃貸借いたしております相手方とか、法律、政令がこれを明定いたしております。だから、そういう人間に対して随意契約を適用する際には、賃貸借で貸している相手というのは縁故で払い下げますから、将来その用途に供するとかいうことは、特に私たちは期待しているわけじゃございません。しかし、産業の保護奨励ということである特定の用途に供することを奨励するために売り払うという場合には、その用途に供することが確実であるということを、その売り払いの時点において見通すわけであります。もちろん、その場合にその事業計画、それから資金面、業界における立場、国がそういう業種をどの程度保護奨励すべきかというような点を考慮いたしまして、随意契約の決定をいたすわけであります。従いまして、そのときには、私たちとしては確実にこの目的に供せられるということを確信して随意契約いたすわけでございます。しかしながら、私たちの力の及ばない場合がございまして、売り払った後にそれが転売になるということも絶無とは申しません。また経済の変転によってその後そういう事態になったという例もございますが、現在のところ、そういうやり方でいたしております。本件は今の用途指定の条件をつけておりません。従って売り払ってしまって相手方がその所有権を獲得した後に、今私たちが法的にこれをどうしようということはできないということになっております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 契約による売買であるから用途指定とかそういうことはしておらない、あとからそういうことをすることはできぬ、こう言われますが、時価において売買したとおっしゃるが、その時価というのが、私がさっき申し上げましたように決して納得できる価格じゃない。これは私の方もさらに調査をいたしますが、あなたの方でもお調べ願いたいと思うのです。少なくとも私の考えるところによれば、不当な低廉な価格で払い下げておる。その不当な低廉な価格で払い下げておる理由というものは、従来そこを貸しておる用途目的、そういうものを継承していく、産業の振興とか、中小企業の振興とか、そういう公の目的に沿うた運営をするし、その用途に供するということで、そういう考慮のもとに特別な安い価格で払い下げられたことは間違いがないと思うのであります。それを事情の変化に応じて、時価がその数百倍のものになってきたということで、全く目的と違った用途に利用しようという場合であるとすれば、大蔵当局としては、その国有財産を払い下げた目的に違うじゃないか。かりに法律に根拠があるかないかは別としても、私は、その目的に沿わないものだという点は、国に対する道義的な責任があると思うんですが、その点はどうでしょうか。国有財産をそういうように、あなた方のおっしゃるように安易な考え方で、末は野となれ山となれというような考え方で処分してよろしいのか。私は、これは国有財産を担当しておる者の十分考えなければならない点だと思うのであります。  そこで国有財産の問題をめぐって一番政治上の問題が多いと私は思うのであります。現在もたくさんあります。私は、その氷山の一角という意味において、たまたまこれをあなた方にお尋ねしたのでありますが、国有財産の問題を徹底的にこれは洗わなければならぬ。さっき井上義海氏がたまたま法に触れた問題がありましたが、それはごくわずかのあれであって、法に触れる触れないは別として、そういう事態が私は実にたくさんあると思うのでありまして、この問題は、そういう意味から政治上の問題として究明しなければならぬと思うのでありますが、あなたの言われるように、もう処置したのだから、そのあとどうなるとも差しつかえないのだということは、私たちに納得がいかないのですが、いかがですか。

松永勇大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○松永説明員 ただいま御指摘がありましたように、国有財産の売り払いについては慎重を期さなければならない、御趣旨はごもっともだと思います。従来もいいかげんにやっておったというわけではございませんが、国有財産の評価につきましては、評価事務が相当専門化されたと申しますか、非常にむずかしい関係もございまして、従来は大蔵省の管財局、財務局の職員がこれをやっておったわけでございます。こういう点につきまして、評価のやり方について、あるいは評価自身について、あるいは財産の利用方法について、高度の熟練の士の御意見も聞くべきじゃないかということになりまして、実は本件を処理いたしましたのは昭和二十七年でございますが、その後になりまして、中央と地方に国有財産審議会を設けまして、そういう熟練の士の御意見も聞いて処理するという制度に改めたわけでございます。従来から、国有財産については慎重の上にも慎重を期さなければならないということで、そういたしました。それから評価につきましても、従来も評価の基準というものはあったわけでございますが、この評価のやり方も、人によって大きな誤差が出るような評価のやり方では困るということで、評価基準の改定をいたしました。昭和三十四年から評価基準の全面的な改定をいたしまして、ある特定のベテランでなければできないというような評価の仕組み、名人芸としての評価のやり方というものを改めまして、ある程度習熟すればだれにでもできるというようなわかりやすい評価に改定もいたしました。そういうことで、国有財産の評価面及びその売り払いの方法につきましては、慎重に心がけて参っておりますが、なお今後もこういう点はさらに一そう慎重を期してやっていきたいと考えております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 今後のことは当然でありますが、過去においてこういう不当な払い下げが行なわれたということに対して、何らかの救済手段がないのか、私たちはこれをお尋ねしたいのでありますが、これはそのまま、なされたことはなされたことでやむを得ないのだ、過ぎてしまったことは過ぎてしまったことだ、こういうことでは納得いかないと思うのであります。国有財産の問題について、なお別の機会にお尋ねしたいと思いますが、同じようなことが至るところに起こっているのであります。なされたことはなされたことだ、先般、東大に運動場として払い下げられた国有地がゴルフ場に使われていた。たまたま東大総長が茅氏のような良識ある人だから、これはゴルフ場はやめましょうということで実質的に救済されるようでありますけれども、そういうことが当然行なわれなければならない。運動場として払い下げたものをゴルフ場に使う、あるいはほかの名目で払い下げたものを全く別の営利のことに使うということがあっても、それは一ぺん払い下げてしまった以上はもうやむを得ないのだ、こういうことでは私は納得がいかないと思うのであります。ことに特別な低廉な価格で払い下げるということは、その目的を政府が公共のものだと考えたからそういう価格で払い下げたのだと思うのであります。払い下げるときには公共の目的を掲げておって、土地の値段が上がった、数百倍になったから、これは一つそれをもって営利の目的にしよう、こういうことであるならば、これは私は許されたいことだと思うのでございますが、これに対する何らの救済手段がないということは、私としてはどうしても納得ができない。大蔵省はこれに対して少なくとも責任を負わなくちゃならぬと思うのですが、重ねてその点をお尋ねしたいと思います。

松永勇大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○松永説明員 先ほどちょっと申し上げたのでございますが、国有財産を売り払う際に、安くいゆる割り引いて売るということは、これは法律に基づかなければできないわけでありまして、現在国有財産特別措置法その他の法令によって、減額して売り払い得る場合は明定してございます。その条項に従って売り払いいたします場合には、現在のところ用途指定をつけて、それに違反した場合には契約解除をするということをいたしております。そうでない時価の売り払いの場合には、先ほども申しましたように、実は用途指定をつけておりません。これは先ほども申しましたように、過去においては種々つけた場合もございましたが、いろいろな点で好ましくないこともございまして、その後種々検討した結果は、原則として、時価売り払いの場合は用途指定をつけないという現在の方針になっております。  本件の木挽館の場合は、実は河野先生から非常に安かったじゃないかという御指摘を受けたわけでございますが、これは法律的に割り引いた、負けてやったということには実はなっていないのでございまして、当時の評価とすれば適正な評価であったということで実は売り払ったわけでございます。その実際として適正な価格であったか、安過ぎたということを先生はおっしゃったわけでございますが、当時の売り払いとしては建前上割り引いてないということで売り払ってある。従って、用途指定もつけてないということで現在の段階になったわけでございます。もちろん当時、そういうことでは木挽館は減額して売り払うということは法律上できない性質のものであったのであります。そういうことはやってなかったから、従って用途指定もつけていないということになっております。実質上非常に安かったではないかという点は、私たちも、先生の御指摘を十分これから検討いたしまして、今後の教訓として生かしていかなければならぬと思っておりますが、法律的に申し上げますと、そういうことになっております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 私は、割引をしないと言われますが、実質的に競争入札をすべきものを競争入札をしないで随意契約でやった。それから、それは何によるかというと、今まで貸しておったという縁故によるのだ、その縁故が何かといえば、公共の目的に利用するということであった。こういうことであるならば、実際実質的に、割引をしないと言われるけれども、割引をしたのと同じような払い下げのやり方をしているわけであります。この点は私は十分考えてほしいと思うのでありますが、実際に競争入札をしたならば、時価に近いものでおそらく払い下げられるでありましょう。それを競争入札を避けて随意契約、それは縁故のある者に払い下げるのだからということで、随意契約で払い下げるということであれば、これは実質的に割り引いたことと同じことになるわけです。その点が私としてはどうしても納得がいかないわけであります。しかし、この問題につきましては、時間があまり長くなりますからこの程度にしておきますが、これはこれでおしまいになるわけでなくて、今後も、私の方も国有財産の問題について一つ徹底的に大蔵省の皆さん方と意見の交換をしたいと思いますので、きょうはこの程度にしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 本日はこれにて散会いたします。   午前十一時二十五分散会

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