法務委員会 第1号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/12/19
会議録
○河本委員長 これより会議を開きます。 まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 理事の赤松勇君及び坂本泰良君が去る十六日委員を辞任されましたので、理事が二名欠員になっております。 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議ないものと認めまして、井伊誠一君及び松井誠君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○河本委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政等の適正を期するため、本会期中において、 一、裁判所の司法行政に関する事項 二、法務行政及び検察行政に関する事項 三、国内治安及び人権擁護に関する事項 以上の各事項につきまして、小委員会の設置、関係各方面より説明聴取及び資料の要求等の方法によりまして、国政調査を実施することとし、規則の定めるところにより、書面をもって議長に対しその承認を求めることといたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○河本委員長 次に、国会法第七十二条の規定による最高裁判所の長官またはその指定する代理者の出席説明に関する件についてお諮りいたします。 今会期中におきまして、本委員会の審査または調査に関し、最高裁判所の長官またはその指定する代理者から出席説明の要求がありましたとき、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○河本委員長 法務行政及び検察行政に関する件について調査を進めます。 この際、九州産業交通株式会社事件のその後の捜査経過並びに一部右翼、旧軍人等による不穏計画及びその捜査経過について、刑事局長より報告を求めます。竹内刑事局長。
○竹内説明員 まず、九州産交の事件につきまして、御報告申し上げたいと思います。 先般この議場で概略の御説明を申し上げたわけでありますが、その後さらに十数名の取り調べを進めて、証拠物件も数点領置いたしまして、鋭意検討をいたしておる状況でございます。本委員会で問題にもなりました関係もあり、かつまた先般参議院の亀田委員から、告発ではないけれども、リベートをもらっておるという疑いもあるということで、福岡の検事長にお出しになりました書面の写しを私どもの方へも回付されましたので、その状況をもあわせて取り調べるように指示をいたしまして、ただいま現地におきましては、これらの問題を含めまして、取り調べを進めておる状況でございます。 なお、聞くところによりますと、福岡の検事長も、調べの内容につきまして、一々指示を与えておるようでございまして、両方の間で必要な補充捜査をいたしておるとのことでございます。 なお、見通しといたしましては、本月末までには結論を出したいということでございます。ただいま結論を申し上げるまでには参りませんが、さような次第でございますので、御了承願いたいと思います。 次に、いわゆる国史会グループのクーデター未遂事件につきましての御報告でございますが、御承知のように、去る十二月十二日、関係者十三名を殺人予備あるいは銃砲刀剣類等所持取締法違反の容疑をもちまして逮捕いたしました。警視庁公安部においてその捜査に当たっておるのでございますが、次いで、十四日午前六時関係被疑者の身柄を東京地方検察庁において受理いたし、まして、同日夜、右十三名について勾留請求をいたしたのでございますが、裁判所におきましては、勾留尋問の結果、十五日午後六時それぞれ十三名のうちの十二名については殺人予備、一名につきましては、銃砲刀剣類等所持取締法違反の容疑をもちまして勾留状が発布せられました。その後十八日、さらに殺人予備の罪名で一名追加逮捕になっておるのでございます。 なお、この十二月十二日の関係者逮捕の際に、被疑者らの住居あるいは職場等関係の場所二十七カ所について押収捜索を行なったのでございまして、約千五百点を差し押えておりますが、その中にはすでに警視庁、検察庁当局から発表されておりますように、ヘルメット三百八十八個、防毒マスク百個、作業服九十九、戦闘帽九十九といったような本事件の重要な証拠品を押収いたしておるのでございます。 東京地検におきましては、これらの事件を受理いたしましてから、検事、事務官等の取り調べ態勢を整えまして、ただいま鋭意取り調べ中でございます。取り調べの結果につきましては随時私どもも報告を受けることになっておりますが、実はきょうの午前、ただいま報告を受ける段階でございましたのですが、お呼び出しによりましてこちらへ参りましたので、検察庁で受理してから後のこまかい報告につきましては、遺憾ながら承知いたしておりません。 この程度で御了承願いたいと思います。
○河本委員長 次に、質疑の通告がありますのでこれを許します。坪野米男君。
○坪野委員 ただいまの刑事局長の御報告について簡単に二、三の点について質問したいと思うのであります。 この政府要人の暗殺計画事件でありますが、この件については今まだ捜査中のようでございますし、やがて捜査が終了した段階で直相が明らかになるだろうと思うわけでありますが、ただ新聞紙上で報ぜられておるところでは、いわゆる政府転覆のクーデター計画の未遂事件だというように大々的に取り上げられた面があります。また一面捜査が進み、あるいは地方行政委員会でも質疑がなされた過程で、そういう大規模なクーデター計画事件でなしに、政府要人に対する殺人計画といいますか、個人的なテロ事件の程度を出ておらないというようにも考えられるわけでありますが、私はこの事件の底にひそむものは非常に重大な問題があると思う。民主主義の根幹を暴力で破壊する、くつがえそう、こういったテロ行為あるいはクーデター計画を考えておるという、こういう思想傾向が非常に問題だと私は思うわけでありまして、表面に現われたこの川南豊作以下の被疑者の諸君の今企てておる事件そのものは未遂、未発に終わったようでありますけれども、その背後にあるものは相当重大な問題があると思うわけで、そういった背後の政治勢力あるいは背後の資金ルート、そういった点についても徹底的な捜査、調査をぜひ推進していただきたい、そうしてこういったテロ事件の根を根絶する努力を警察あるいは検察当局にぜひお願いしたいと思うわけであります。今までの捜査の過程で、この国史会グールプ、旧軍人グループの暗殺計画事件の規模が、伝えられるようなものであるのか、あるいはもう少し根のある相当広範囲な計画に基づいた事件であるのかどうか、そういう点についてもう少し具体的に御報告願いたいと思います。
○竹内説明員 検察庁で調べましたものに基づきまして従来も私意見を述べておるわけでございますが、ただいまのこの段階におきましては、検察庁の調べの内容を承知しておりませんので、意見を申し上げるとすれば、警視庁で調べました内容についての意見ということになるわけでございます。私個人としましてはいろいろな考え方を持っておりますが、もう一両日の後には検察庁の調べもある程度わかると思いますので、その機会に私としまして責任のある答弁をさしていただきたいと思うのでございますが、ただ、今後捜査をしてみませんと、いわゆる集団テロ事件であるのか、あるいはもう少し根のある政治目的を持った、あるいは朝憲系乱の目的を持った、そういういわゆるクーデター式のものであるのかということは、今後の捜査いかんによって結論が異なると思うのでございますが、どうも警察で取り調べを受けておる状況から想像をいたしますと、単なる集団的なテロ殺人だというようなものではなくして、破防法三十九条に該当する容疑も出てくるのではなかろうか、さらに新聞紙等に伝えられているような、現憲法を廃棄して旧憲法の復活をはかるといったような問題になって参りますと、制度としての内閣制度を変更するという目的に出るものという認定ができますならば、内乱予備罪というようなものに発展することも考えられるという推測をいたしておる状況でございます。 さらに、坪野委員の仰せの通り、この種の事件の根本的な対策はいろいろございましょうが、私どもに与えられた任務といたしましては、捜査の段階において真相を徹底的に明らかにすることによって適正な処断をしていくということにある、かように確信しておりますので、検察当局におきましても鋭意その決意のもとに捜査に当たっておるのでございます。
○坪野委員 まだ検察庁としては捜査の緒についた段階のようでありますから、やがて真相が明らかになった後に関連した質問をしたいということで、この程度で本日はとどめておきたいと思います。 それから、先ほどの九州産交株式会社事件の捜査の状況でございますが、最初の第一、第二の告発事件については大体捜査が一段落ついた。あとは、その起訴、不起訴の処分についての検討を進めておられる段階ではないかというように伺っておるわけですが、いろいろ熊本地検の現地においては、この事件は結局不起訴になるのではないか、それも一部事件は立つのだけれども、起訴猶予という処分で落着するのではないかというようなうわさであります。そういった空気が感じられるということを聞いておるわけでありますけれども、会社事件としては相当大規模な事件のようでありますし、それが野田検事正の例のゴルフ場で会食する、ゴルフを被告発人と一緒にするというような不明朗な事件も随伴して起こっておるわけでありますから、そういう過程の中で本件が起訴猶予というような処分に落着するということであっては、非常に検察のためにも疑惑をあとに残すことになりますので、捜査の結果、証拠検討をされた上のことでありましょうけれども、厳正な処分をぜひ現地においてされるように監督をしていただきたいと思うわけです。 なお、この告発事件に関連して、福岡高検の方へやはり告発人の方から上申書を提出いたしまして、その他の会社の内部の横領事件、その他不正事件の上申がなされているわけであります。こういう点についても捜査を高検の指揮のもとにやっておられるとは聞いておりますけれども、もし年内に結論が出ないということであれば、年を越してでもやはりその真相を究明して、厳正な結論を出していただきたい。ことしの一月からの告発事件については、捜査が停滞しているのではないかということから、関係者から結論を急ぐようにというような上申、要望がなされておりますけれども、関連してこういった不正事件がまだほかにもあるということであれば、やはり十分慎重な、徹底的な捜査を進めた上で結論を出していただいた方がいいのではないか。ただ、結論を急いで、どちらかに結論を出すということではあとに疑惑を残すということも考えられますので、やはりただ時間的に急ぐということでなしに、徹底的に捜査を進めていって、厳正に結論をつけていただくということにぜひお願いしたいと思うわけです。 最初に私のお尋ねした不起訴になるのではないかというようなうわさが現地の地検の某副検事から九州産交の会社の人に漏らされたというようなことも伝えられておるわけでありますが、この点について、起訴、不起訴の結論は検事局長からここでお答えはいただけないと思いますが、そういった不起訴になるのではないかというようなことが当局から漏らされたという点についてどうお考えになるか、お答え願いたいと思います。
○竹内説明員 ただいま御指摘になりました結論が何か副検事の口から関係者に漏れておるのではないかというようなお話を、先般十一月三十日でございましたか、参議院の法務委員会におきましても亀田委員から御指摘がございましく私も取り調べ中ですから調査をするようにしておるわけでございます。この結論が決定されるまでの間は、何の関係のない事件でございましても、みだりにその結論を言うはずはないのでございますし、いわんや責任のない、主任検事でない副検事がそのようなことを述べるということは、私ども検察部内の考え方としましては想像もつかない、あり得べからざることというふうに考えておるのでございますが、私自身もこの事件がどういう結末になりますかについてはただいま存じておらないのでございまして、もちろん事件を最終的に決定いたしますについては、取り調べました関係書類はもちろんのこと、証拠品等も綿密に検討して、罪の成否を決定するわけでございます。ただいま福岡の検事長の指導のもとに補充捜査その他をしておる点もあるそうでございます。でございますから、おそらく結論は検事正もまだ持っておらないじゃないかと思うのでございます。意見は言いましても、結論は持っておらない。そういう状況のもとで副検事が漏らすというようなことはどうも想像もできないのでございますけれども、これも今うわさがあるということで調べをさせておりますので、いずれはその事請もわかってくるかと思います。これは関係者、当事者の想像といいますか、推測に出るものではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
○坪野委員 この程度で終わります。
○河本委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十五分散会