文教委員会 第24号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/07/10
会議録
○櫻内委員長 これより会議を開きます。 学校教育法に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 大臣が来ておりませんので、大学管理制度の主たる問題はあとにいたしたいと思いますが、管理局長がおいでになったので、今までの懸案事項である名城大学のその後の推移についてお聞きしておきたい。 前の国会において処理に関する法案が成立したわけですが、それに基づく文部省の行政上のその後の措置についてお聞きしておきたいと思います。
○杉江説明員 法律が制定されましてから、この法律に基づく名城大学紛争処理の問題につきまして、文部省といたしまして研究して参ったのでありますが、これが問題の解決にあたって慎重に取り組まなければならない事情が一つ生じたのであります。それは四月早々に名城大学の学長及び理事でありますところの日比野信一に対する訴訟事件の判決がありまして、一応その学長及び理事の地位が仮処分によって否認されたのであります。しかし、直ちに控訴いたしまして、高裁でその執行が停止され、なお最高裁においてもその仮執行停止の処分が認められたのであります。そのような事情がありまして、この紛争解決をこの法律による調停に付議する場合に当事者はだれであるか、またこの法律に要求しておる調停の要件を備えておるかどうかについて慎重な調査研究を進める必要があると考えまして、私ども現地にもおもむき、関係者の多くの方にお会いして、事態の真相をきわめるように努力したのであります。その結果、いろいろな事情があり、その後の変化もあるのでありますけれども、結局においてこの法律に基づく調停の要件を備えておる、こう判断いたしたのであります。 そこで、その前に一方調停の申し出が日比野信一及び小島末吉、若宮寿男、この三氏からございました。しかしながら私どもは、この調停の申し出に基づいて直ちに調停を開始することについてはなお慎重を要すると考えまして、この調停申し出の趣旨及び私どもが調査いたしました結果を、私立大学審議会を開きましてそこに御報告申し上げ、この事件をこの法律に基づく調停により処理すべきかどうかについての御判断をお願いしたのであります。その結果、この事件は調停の要件を備えておるから、文部省としては、職権をもってこの調停を開始すべきである、こういう御答申をいただいたのであります。その答申を受けまして、文部省といたしましては、調停委員の選考をいたし、実は一両日中にこの調停委員の発令及び調停開始の通知をいたすことにいたしております。 以上、概略を御報告申し上げます。
○山中(吾)委員 局長の今のお話で、その後法の執行について熱心に促進方をされておることがわかりましたので、その点敬意を表したいと思います。 なお、調停委員の任命について一両日中に発令があるというような話も実は承ったのでありますが、規定通り一つ早く調停が行なわれるように、任命についてもその他についても促進をしていただきたいと思います。問題は、いろいろとこれからも訴訟とか何かの問題があるそうで、複雑なことは私はわかりませんが、要するに学生のために、あるいは日本の文教政策のために、りっぱな大学を再出発してもらうということが目的なんでありますから、その点の大目的を忘れないで、ある程度の摩擦があり、またある程度の意見の対立があっても、文部省の方においては、いわゆるりっぱな大学を作るということの眼目を忘れないで推進をしていただきたいと思います。そういう将来のことについて何かいろいろ支障を来たすような問題が予想されるならば、差しつかえない程度で、今後こういう問題が起こりそうだということがあればお聞きをしておきたいと思います。
○杉江説明員 ただいまお話しの線に沿って極力努力をいたしたいと考えております。 今後の見通しの問題でございますが、この法律が制定されたということ、そしてこの機会にこの紛争を解決しなければ永遠にその解決の機会を失するだろう、こういうふうな認識はかなり広まり、深まっておると私ども考えております。そしてまた近く発令されます調停委員も、おそらくこれは万人の納得する調停委員の方だと考えております。そのような事情を考えますと、この際いろいろな困難はあっても解決できるのではないかという期待を持ち、また努力したいと考えております。 ただ、率直に申し上げまして、この紛争は訴訟に次ぐ訴訟、あらゆる問題を裁判所に訴えて、それによって解決しようとしながらも、事態を一そう紛糾に陥れているというのが現状でございます。今回の調停はもちろんこの訴訟事件には直接のかかわりはございませんけれども、いろいろなことに関連いたしまして、再びこの訴訟を重ねていくというような事態が一方で進行することをおそれております。しかし先ほど申し上げましたようなこの法律の趣旨及び現段階におきますいろいろな情勢を考えますならば、そのようなことについても良識ある判断が私は期待されると考えておりますけれども、そのような心配は確かにあると考えております。
○村山委員 との問題に関連いたしましてお尋ねいたしますが、五月十六日に例の問題を起こしております大橋さんの方から出した文書がありますが、学校法人名城大学理事会という名前で「御挨拶にかえて」という文書が出ているようであります。その中を見てみますと、今回管理人任命によって行政解決からは文部省は手を引くだろう、だから裁判優先としなければならないということが第一に打ち出してあります。その次に、今裁判にかかっていないところの千葉工業大学が適用の第一号になるのではないか、こういうようなことがこれに掲げてあるわけであります。千葉工業大学の問題につきましては、われわれはこの法律の適用外にあると考えるのでありますが、それらの事情がどういうふうになっているのか、紛争という事態にまで発展をしているのか、そのあたりの事情の説明を願いたい。
○杉江説明員 千葉工業大学の問題につきましては、元理事の坂木さんから調停申し出の申請があるわけであります。しかしながら私どもといたしましては、本来この法律に基づく調停はみだりに発動すべきものではない、立法趣旨もそのようなことでありましたので、これが適用については慎重を期さなければならないと考えております。一方、この千葉工大からの申し出の内容を見ましたときに、いろいろな疑問があるのであります。たとえば申出人がほんとうに紛争の当事者であるかどうかということについても疑問がありますし、それから学校の正常な管理及び運営が現在行なわれていないのかどうかというようなことについても問題があります。それで、この申し出に基づく調停を開始するについて、この法律に規定をしております三つの要件を正確に具備しておるかどうかについて、私どもは多分に疑問を持っており、そしてただいまそれらの点について調査いたしておる段階でございます。もちろんこの法律から言いますならば、この法律に規定されている要件を備えれば調停に入り得るのでありますけれども、そういった疑問が数々あります上に、なおこの法律の立法の趣旨が、みだりに発動すべきものでないというような基本の立場がございますので、そのような点について慎重に研究し、考慮しておる段階でございます。
○山中(吾)委員 名城大学の問題についてはそういうふうな状況によっていろいろと問題はあるにしても、文部省は法の執行について今の状態を進めていただきたい。 初中局長か大学局長来ませんか。
○櫻内委員長 間もなく来ると思います。
○山中(吾)委員 それじゃ、それまでもうちょっと念を押しておきたいと思います。調停委員を任命しまして調停に入って、現在のあの法律の立法上の精神からいって、結論が出るまでにはどのくらいかかるのですか。
○杉江説明員 その見通しは非常にむずかしいのであります。私どもの希望を率直に申し上げるならば、この年内のうちに何とか調停の最終段階に入り、そこでおさめたい、こういうふうに考えておりますけれども、調停の経過によっては必ずしもそういうような早期の解決がむずかしい状況も起こり得るということは心配いたしております。
○山中(吾)委員 希望としては、卒業の時期ということをめどにして努力されるように希望します。 ちょうど次官が来られたから他の問題に移りたいと思います。 工業教員養成所の問題についてお聞きしたいと思うのです。これは新聞を見ると、全国の工業教員養成所の学生たちが、施設その他の改善においてまことに不十分だというので、文部省に対して施設設備の充実と教育を十分してもらいたいという要望を出し、それをやってくれないならわれわれは教育就職を拒否するという強硬な要望が新聞に出たわけであります。それは事実ですか。
○長谷川説明員 お答えします。 工業教員養成の問題で一部話のあることは聞いております。
○山中(吾)委員 話のあることを聞いている程度ですか、それじゃ局長が来ないとわからないですね。
○櫻内委員長 局長はすぐ参りますから、待ちましょう。——それでは継続します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 小林局長にお聞きしたいのですが、これは私は新聞の記事しかわからないのでお聞きするのですが、工業教員養成所の学生が、現在の施設設備については不満足である、これでは勉強ができないので、その設備施設を十分にしてもらわないと、われわれは卒業しても教職につく意思は持てないという意味の文部省に対する陳情というのですか、要求というのですか、そういうものが出ておるという記事なんですが、その辺の事実を御報告願いたいことと、それからその内容についてお聞きしたい。
○小林説明員 工業教員養成所の学生が、これは昨年から開設されたものでございますが、上級生は二年間、一年生はここ三カ月ばかりでございますが、その授業の実施の状況から、ただいまお話のございましたような要望を持って、文部省に出向いておったことは事実でございます。一番大きな要望の点は、第一に、現在の三年制を四年制にしてもらいたいということがございます。これは御承知のように大学に付設されております関係から、四年制に比べて三年制では何となしに劣等感を感ずるというような趣旨であろうと思います。それから、やはり専門科目に対する基礎的な科目が、どうも不十分なように思われるというようなことを申しております。それから四年制を卒業した者との間に、給与の差ができるのではないかというようなことを心配しております。なお教官が、必ずしも十分でないというようなことを言っておりまして、大体私どもが要望あるいは質問として受けました点は、以上のようなことでございます。 なお、施設設備の点についても触れたものもございますが、これは、必ずしも施設設備が不十分だから勉強ができないというような趣旨には申しておりませんで、できるならばさらに充実をしてもらいたいという程度に私どもは承っております。
○山中(吾)委員 今学生の要望を聞きますと、まことに正しい、学生としてはまじめな要望だと私は思うのです。この点については、この工業教員養成制度を実現するについて、国会の中でわれわれが、そういう欠陥が出るのではないかということを心配をして非常に論議をしたが、文部当局においては、心配がないのだと言って押し通した制度であったはずであります。それで現実の問題として、私は文部当局が再検討すべきではないかということを結論として要望したいし、やはりそれだけの教員養成の特殊性というものを考えて、反省すべきであろうと思うので御質問いたしたいと思うのでありますが、三カ年を四カ年にするということは、これは理科関係あるいは工業教員というのは、一般の文科関係の教員より内容的にももっと充実した教育をしなければ、教員として役に立たない。これはもう常識なんであるが、この点について前の国会において、いわゆるインスタント教員養成じゃないかという言葉で、われわれは少し下品な言葉を言いながら批判をしてきたわけなんであるが、まさしくその事実が現われてきている。一年早く教員に出すか、一年おくれるかという問題ではなくて、教壇に立って、教員としてほんとうに科学技術者を養成できるかどうかという眼目を忘れては、これはとんでもない間違いであると思うので、こういう要望に対して、文部省は三カ年を四カ年に延長する、あるいは私は五カ年にすべきだということさえ考えているわけですが、その要望を真剣に検討されておられるかどうか。私はさるべきだと思うのですが、その点大臣がいないので、局長としての考えを聞いておきたいと思います。
○小林説明員 この工業教員養成所の法案を御審議いただきましたときに、三年制か四年制かという点につきましては、ずいぶんと御議論があったところでございます。私どもといたしましては、従来工業教員の養成課程が工業大学等にございますが、この工業教員養成課程を卒業した者が、現在の技術者払底の状況から、ほとんど全部教員になっておらぬというような状況から申しまして、やはり四年制を卒業した者を工業高等学校の教員に志望させるということは無理であろうと考えて、臨時に新たに養成所を創設したものでございまして、そういった意味から、すでにきまっております三年制を、あらためて四年制にするということは、私どもは本質的にすべきものではないというふうに考えております。なお私どもは、三年の制度でございますけれども、専門科目におきましては、実力においては決して四年制の卒業に劣らない者ができるように、教科目その他で措置ができると思っております。やはりこの点につきましては、工業教員養成所の所長その他の意見を聞いても、大体私どもと一致しておりますので、現在の段階におきまして、三年制を四年制に引き直すということは、しなくてもいいのではないかと思います。
○山中(吾)委員 それは事務的に答弁されるほかないのだから、そうだろうと思うのでありますけれども、本質的に、三年制であるから四年制にできないという考えはおかしいのじゃないですか。戦前においても、専門学校の中で教員養成を、主として一般の三年制の専門学校に対して四年制の高等師範を持ったという例もある。だからそういう本質的な論議として、四年制にできないという考え方だけをおとりになる必要があるかどうか。技術者を養成するという、これについてはまた工業専門学校問題があって、それは僕らはまた批判の立場を持っておるが、科学技術者を養成する学校でなくて、科学技術者を養成する教員の養成施設である。従ってそれを三カ年で即成の養成をするということは、政府が考えておる科学技術者養成の十カ年計画ということからいっても、問題は別であると思うのですね。即成の科学技術者を養成するためにも、教員はさらに優秀な教員を供給しなければ、短期に科学技術者を養成することはできないのだ、そういう論が文部省の教育行政の識見として出なければならぬと思うのですが、局長はそこは間違いをされておると思うのです。科学技術者養成の学校でなくて、科学技術者を早く養成するための教員の養成所なんですよ。その点はもう一つ御意見を聞かないと、あまりにも私の意見とかけ離れておるので、それでは話にならないと思う。
○小林説明員 教員の養成所、四年制がいけないというようなことを私は申すつもりはございませんけれども、当面の工業高等学校の教員の需給状況が非常に逼迫しておりまして、各県とも教育委員会が教員の獲得に非常に苦労しておった実情から、差しあたって臨時にそういう養成所を創設したわけでございます。ただし三年でございますけれども、先ほど申しましたように、専門科目の教授能力あるいは実力においては劣らないようなものを作りたいということで、いろいろな措置を考えたわけでございます。四年制が決していけないということではございませんけれども、当面の実情から申して、それは私どもはほとんど不可能に近いというふうに考えておるわけでございます。
○山中(吾)委員 それでは政務次官に聞きます。不可能に近いと局長はあきらめているわけですが、これは高次の政治的立場で四カ年に引き上げてへ大学の学部と同じところにするんだという方向に持っていかなければ、これは解決しない問題だと思うのです。それはなぜかといいますと、一番初めに、同じ大学の四カ年制度にするとむしろ特典にならないから、三カ年で修業しても、四カ年と同じような待遇で教員の資格を与えるんだというふうな、そういう教員養成に対する誘致政策という考えが動機になって、三カ年制度が論議されてきたと覚えておるわけなんです。ところが学生自身は優秀な者が入ってきて、四カ年でないとわれわれは教育能力を持てないのだ——むしろ学生自身が、三カ年で卒業しないで、四カ年でもっと勉強させろという要望があれば、根本的に考え直していいのじゃないか。誘致政策からいって三カ年にした方がいいという考えは要らなくなってきている、それが一つ。それからもう一つは、卒業したときの給与を大学の学部と同じ給与を与えるかどうかということでたしか論議した。現在、これは局長にお聞きしておきますが、この卒業生の給与は大学の工学部卒業と同じ給与を与えるのか、あるいは短期大学と四年制大学の中間の給与にせざるを得なくなっておるのか、その辺も含んで今度の四カ年の問題を解決しないと、工業教員養成制度の目的はほとんどなくなってくるんじゃないか、そう思うのです。局長から給与のことをお聞きして、そしてあと次官から、この問題についてのこれからの政治的な考えでけっこうでありますから、お聞きしておきたい。
○小林説明員 工業教員養成所を将来卒業する君の給与については、現在のところまだ人事院と折衝中でございまして決定いたしておりませんが、大体三年制の短大と四年制の大学との中間程度にしたいということで私どもはやっております。と申しますのは、山中先生御承知のように、公務員の給与は大体学習年限に応じて段階を持ってきめられておるわけでございまして、卒業したときに四年制と全く同韻ということは、現在の給与制度からは非常にむずかしい問題でございますが、ただそういった、先ほど来申しましたような、きわめて特別の意義を持った養成所でございますので、その給与については、少なくとも三年を卒業した後一年間を勤めた後におきまして、ちょうど四年制の卒業者と同じ年数を経るわけでございますが、その際に四年制の卒業者との間に給料差がないようにしたいというふうに考えておるわけでございまして、大体最初に申しましたように、三年制の短大と四年制の大学との中間というようなことを考えて人事院と折衝をいたしておるわけでございます。
○長谷川説明員 お答えします。から段々御説明申し上げましたように、発足早々学生諸君が、三年制を四年制まで勉強したいという希望はわかります。しかし私の方としても、今局長が御説明申し上げたように、その制度をすぐそのまま今改変するという意思はありません。いろいろ問題のあることについては検討して参りたいと思います。
○山中(吾)委員 これは検討せざるを得なくなると思うので、事務的な立場でなしに、少し高い立場で、教員養成という機関の特殊性からいって検討せられたい。 それから当面の問題として、おそらく来年度についても、教授の定員が不足だという要望もあるそうでありますから、設備、施設、教授、助教授の定員の問題、せめてこれだけは、来年度の予算においては十分に、大蔵省と折衝の過程においてとってやらなければ、ほとんど目的を果たさないんじゃないか。四カ年以上やるべきものを三カ年に、それから教授、助教授の定員が不十分で、半分にも満たないということであるし、設備、施設についても不十分だということになると、せっかく社会党が反対をしたのを押し切ってこういうインスタント教員養成所というものを作って——われわれに対しても面目がないと思うのですね。予算編成前に私は申し上げておきますが、ほんとうに工業教員として教授能力を持つために十分に教育をしてやる予算を盛る決意を持っていただきたい。すでに予算編成の下準備に取りかかっていると思いますが、その点はどうですか、次官、局長、どちらでもけっこうです。
○小林説明員 従来の四年制の国立大学に比べまして、たとえば施設の関係あるいは設備の関係は、私は四年制の新制大学等に比べまして、この工業教員養成所は、予算上比較的十分に措置されている方だと思っております。しかしなお工業教員養成所当局者の意見等も十分聞きまして、そういった面の予算上の配慮ということにつきましては今後十分に努力をいたしたいと思います。
○山中(吾)委員 この新聞を見ますと、四十人の学生に対して教授、助教授、助手各二人となっているが、どこの養成所も半分以下である、こういうように一つ書いてある。それから今局長から話があったように、卒業後の給与については四年制と同等とあったのに——入学案内には四年制と同等だと書いて募集したそうですね。ところが実際には短大と四年制大学の中間に落ち着く方向にいった、こういうことを書いているから、学生の夢とか希望をそいでしまっていると思うので、私は念を押して言っているわけなんで、この辺は政治的な責任というのですか、行政的責任の問題として解決をしなければいかぬじゃないか、そういうように思うので、私、特に強く、批判的に申し上げておるわけなんです。 それからこの要望については、現在の九校が全部同じように要望しておるように書いております。こういう点も考えて、普通に予算をとるというふうな、一般のレベルによらないで解決をすべきであるということを特に申し添えておきたいと思う。 それから将来の問題として、三カ年の修業年限ということから、それは理屈は理屈にしても、給与の関係その他は現在の人事院の準則からいって、学部四年と同じというようなことはなかなか困難である、これはよくわかる。そこで、卒業して一定の期間過ぎるとさらに大学の第四学年というのですか、そこに再入学を認めるとか、何らかの形で工業教員養成を希望して入ったこういう人々に対する措置を考えないと、いけないじゃないかと思うので、そういうことも含んで検討を真剣にしてもらいたい。われわれが意見を法案をもって提案をしたのは、学部の中に工業教員養成学部を置いて、四年にして、そして教員の養成を確保しながら内容について劣らないようにという案を私は出したはずであります。それについて耳をかさなかった。そういうふうなことが常に繰り返されて、施行したあとにおいてこういう不経済なそして非能率的な教育目的を果たさないようなあやまちを繰り返すべきではないと思うので、特に申し上げておきたいと思います。この問題については次のいろいろの機会においてたびたびこの後の文部省の措置についてお聞きするつもりですから、おざなりにお答えにならないで、次の宿題として考えていただきたい。 初中局長まだ来られませんか。
○櫻内委員長 伊藤調査課長、西村中等教育課長が見えておりますから……。
○山中(吾)委員 それじゃ課長に聞きます。 きょうの新聞を見ますと、今度の学力テストの目的の中で教育条件の整備というものをはずして、教育水準、指導要領の改善に資するという目的だけ残したというふうに記事に載っておりますが、それは間違いないのですか。
○西村説明員 お答えします。昨年度の学力テストの経験にかんがみまして、本年度は目的を簡明にしぼりまして、本年度の学力調査の目的は教育課程の改善と学習指導の改善に資するという目的にいたしました。調査の目的といたしましては、去年やりました調査の中にありました教育条件の整備というのをはずしてございます。ただしかし、その結果の利用につきましては、教育条件の整備にも役立てるということは当然のことだと思います。
○山中(吾)委員 教育条件の整備をはずした理由はどうも私はわからないので、それを一つ詳しく説明願いたいと思います。
○伊藤説明員 教育条件の整備につきましては昨年いたしまして、本年は昨年とそれほど各学校の教育条件が変わっていないという前提もございますので、昨年の資料がいただいてありますので、本年の成績をとればこれで結果の利用の際には使える、そういう背景のもとに事務の簡素化もあわせてこれで行なえるという観点から調査表では省いたわけでございます。
○山中(吾)委員 大臣も局長もいないので、課長にいろいろ論議しても仕方がないのですが、前の国会において教育条件を整備するということを一番大事な問題のように論議をして大臣が答弁もしておったし、それについて質問の三分の二くらいを費やしたはずだと私は記憶しておるのです。単に子供のテストを見るということになると、劣等感、優越感を作るとか、いろいろの問題があるということを含んで論議をして、現在の六・三制の整備というものは、僻地、都市において非常に違うのであるから、やはり全国一律にテストをして教育条件の整備に資するということが最大の目的のように説明をされておったわけなんです。そのものを捨てるということはどうもあまりにも定見がないし、識見がない。何か政治的目的に便宜的に、目的をはずしたり加えたりするような印象を与えるので、そういう態度はふまじめだ。はずす理由が今あなたのおっしゃったように去年一回やってみたら大体わかったから、そんなものではけしからぬと思うのです。ほんとうにそういう程度でおはずしになったのですか。
○伊藤説明員 あの昨年の教育条件と学力の関係につきましてはただいま機械集計にかけまして詳細に分析中でございます。教育条件の中の生徒の学力と家庭の経済条件とか、それから生徒の学力と身体障害者の学力の関係とか、こういったものは比較的集計が簡単なものでございますので、すでに中間報告で出しております。それから教育の地域的な向上とそれから学力の関係等につきましても、すでに中間報告で出しましたわけでございます。ただしかしながら、さらにそれ以上個々の教育費とか、理科の設備とか、図書の冊数とか、教員の数とかと学力の関係につきましては、何分資料が膨大なものでございますので、ただいま鋭意集計をしておりまして、この夏にはその結果が出て参ります。その結果が出て参りましたら、それをすぐ使うべきように、利用の形にまとめて公表をいたす予定でおります。従いまして、第一年目の調査がこの九月ごろに完成の予定で進んでおるという実情でございますので、この教育条件の整備のための資料調整は非常に努力して今こまかい検討をしておるわけでございまして、それに追っかけ次年度に教育条件の調査等を学力の関係でいたしますのは、昨年の調査もございますし、続いてそこへいきましても一年の間に学校の施設設備の状況はそれほど変わっていないという観点から、事務の簡素化という点も配慮いたしまして落としたわけでございまして、これは決して調査の観点から軽視するわけではないのでございます。
○山中(吾)委員 そうすると、教育条件の整備についてはもう調査済みだ、これで十分だということで本年度のテストの目的からはずした、こういうことですね。
○伊藤説明員 決して十分というふうには申しておりませんが、必要に応じましてはことしの結果を昨年の教育条件の表の中に加えまして検討するという含みを残しております。この簡素化の方を立てまして教育条件の方はことしは省いたという程度でございまして、決して軽視しているわけではないのでございます。
○山中(吾)委員 軽視とかそういう問題ではなくて、私が一番問題にするのは、教育条件の整備ということがこのテストの重要な問題だ、それをこれからはずしたなら、大体条件の整備についての資料ができた、すなわち大都市と僻地、漁村、その他においては設備施設、教員の有資格その他について非常に差があるということが明らかならば、来年度の予算においてそのテストの結果によって予算に明らかに出さなければならぬ。それを私が目的として今質問しているわけです。それをあれだけの問題を起こして教育界にも犠牲を出しておる。そういう中でテストをただして、それで終わりだというのなら、これは一種の自己満足で、天下を騒がして何の目的か、騒ぐなら騒ぐだけの効果が出なければならぬ。一番大事なことは、われわれ国会の立場からいいますと、教育条件の整備に役立てるという目的から、いろいろな弊害があってもいつも批判しながら見ているわけです。ところがその教育条件の整備をテストの目的から排除した。そして予算面に何の形も出ないようなテスト、エネルギーの浪費をどうしてするか。これは大臣に聞かなければならぬと思うのですが、あまりにも便宜主義である、あまりにも良心的でないと思うのですね。それを私は聞きたいから言っているわけです。
○伊藤説明員 調査結果の行政への適用の問題につきましては、私の方で調査の結果を出すたびごとに各関係局課の方と話し合っておりまして、はっきりしてきたものにつきましては、漸次予算措置も講ぜられるというふうに考えておるわけでございまして、さらにこの詳細なる分析が出ましたら、一そうこれは教育行政に利用さるべきものだというふうに信じておるわけでございます。
○山中(吾)委員 次官にお聞きしますが、今、課長の答弁によると大体テストによって——その前にも抽出テストで条件の整備のテストを一部している、さらに十分にするために全面テストをやるという荒木文部大臣の答弁であったわけです。そして、第二回目のテストにおいては、目的を達したからはずしたということなので、当然に条件整備、いわゆる教育条件の地域格差の解消のための結論が出ていると思うのです。予算編成の前にはそれは必ず提案されなければならぬ。それを来年度の予算に実現をする責任をおとりにならなければいかぬと思うし、速記録を読めば必ずそのためにやるのだと答弁をしているので、今、調べておりませんけれども、そういうことからいって、テストの結果、昨年までの教育条件の格差についての解消の予算を来年度に責任を持ってお出しになるべきだ。そうでなければ、われわれに対してもうそを言っているし、これだけ騒がしたことが何のためだかわからぬと思うので、その点についての次官の考えをお聞きしておきたいと思うのです。大臣が来れば大臣にも聞かなければならぬと思うのですが、次官にお聞きしたい。
○長谷川説明員 ただいま課長から御報告ありましたように、最終のテストの結果は全部集計はできておりませんが、中間報告などについて私たち毛承知しております。そこで昨年の全国一斉学力調査の模様を中間報告の段階で拝聴しておりまして、山中委員のおっしゃるように、予算措置としてやらなければならぬ問題を私たちは多々見つけておるのであります。そこに学力調査の意義が生まれてくるようにしたい。中間報告の段階ですけれども、たとえば、やはり僻地を持っておりますところの東北、北海道、こういうところが学力が落ちているということなどもわかりますし、それから育英制度においてもう少し拡充すべき問題があるのじゃないかという原則論などについて、大体話が私たちの間についておりまして、こういう問題は非常に検討した上に、三十八年度の予算において私たちの方で手当するものはするというふうなつもりになっておる次第であります。
○山中(吾)委員 大臣が来られたので、大臣に質問をいたしたいと思います。今、テストの問題について質問しておったわけです。それは昨年のテストの目的の中に、教育条件の整備という目的を非常に重視して出されて、そういう答弁を大臣はされておった。今度は教育条件の整備の目的をはずしているわけです。それで今までの質疑応答では、教育条件の整備についてはテストによって大体判明しておるからはずしたという事務当局の答弁であります。そこで、そうならば予算編成前に農山村と都市の教育条件の格差の解消のための資料が出るはずでありますし、来年度の予算にこの教育条件整備のためのテストの成果が出なければならぬ。これだけ天下を騒がしてきた問題でありますから、ただテストをして自己満足をしているだけでは済まされないだろうと思う。ことに今年度のテストから教育条件の整備の目的をはずしておる点からいいましても、その点は完成されたものとして具体的に予算化の方向にすでに進めるべきだというお考えでその条件の整備の目的をはずされたのであると私は推察する。そこで予算編成前の現在お聞きしておかなければ意味がないのでお聞きするのですが、昨年までのテストの成果に基づいて学力の差というものが大都市、漁村、山村と非常に違っており、教育条件の整備の必要というものが明らかになってきておるわけでありますから、予算面において十分にそれが具体化するように大臣は責任を持っておられるわけであります。それをお聞きしておきたいと思います。大臣が更迭になろうがなるまいが、少なくとも責任ある申し送りはすべきであると思いますので、お聞きしておきたいと思います。
○荒木国務大臣 今山中さんのお話は私もその通りに思います。だれが担当しましょうとも、学力調査の結果に基づいて、いわば日本でただ一つの悉皆調査に基づく合理的な根拠が得られたわけでございますから、教育条件の改善のためにこれを活用するという心がまえで臨むべきことは当然のことと心得ます。教育条件の改善ということを調査目的から除きましたのは、できれば毎年そういうこともやりたいものと思いますけれども、実際問題としますと、大へんな手数がかかりますと同時に、また考えようによれば三年なり五年なりに一ぺんくらい昨年と同様のことをやり、その中間は今度やりますような単純化されたものでやるというその組み合わせも妥当なやり方ではなかろうか、こういうふうに考えました結果が、御案内のようなことしの調査になったわけでございます。蛇足ながら申し添えておきます。繰り返し申し上げます。中間報告が一応出ておりますが、さらに精密な分析調査が行なわれつつあります。それも参考にいたしまして、極力学力テストの結果を予算等につきましても具体的に現われるように努力したいものだと心得ております。
○山中(吾)委員 責任のある大臣の御答弁として聞いておきたいと思います。予算面に出ないようなテストならば、私はこういう無理をしてやるべきものでない、そういう信念から申し上げておるわけで具体的に現われることを確信をいたしておきたいと思います。 次に大臣が来られましたので、大学管理制度についてお聞きいたしたいと思います。参議院選挙の途中に突如として池田総理大臣が日比谷の公会堂において、大学制度の再検討ということを演説の中で発表された。それが新聞紙上に発表になって、がぜん政治問題になってきたと思うのでありますが、これについて、これは日本の文教政策で重大なことでありますので、確認をしなければならぬ問題があるからお聞きしておきたいと思うのであります。そのときに池田総理大臣は、大学が革命の手段として利用されておるということを言いながら大学の管理制度の再検討ということを言われておる、この点について文部大臣としても同じお考えなのか、まずそれをお聞きしておきたいと思います。
○荒木国務大臣 総理がどういう言葉でどういう気持で言われたかは直接その場にいませんで、新聞報道を通じて知るだけでございますが、しかしながら大学制度全般につきまして検討を加えべき課題であるということは卒然と起こった問題ではなくて、山中さんも御承知の通り、前の松田大臣の当時、三年前にその再検討の必要を感じられまして、中教審に具体的な目標を掲げて諮問をされております。昨年組織編成や目的、性格等についての中間報告が出されたことも御案内のごとくであります。ことし管理運営についての中間報告が閥もなく出されるであろうと期待されておるわけですが、一部新聞にスクープされまして載っておるようでございます。そういう経過を経ておりまして、卒然として大学制度全般の検討がばれる、ことさら参議院選挙を目ざしてどうだという課題でなくして、元来数年前から具体問題として再検討が続けられつつあった、そのことがはしなくも総理の言葉から片りんとして出ましたから、卒然と出たように受け取られたというだけであって、課題としては本来あるもの、そういうふうに私は心得ております。 革命の、手段として云々ということは、私も一部にはあるのじゃないかという疑惑は持っております。しかしながらただそれだけで大学制度が再検討さるべきだということでなくして、再検討の根拠、理由は、先刻来申し上げますような、そういういわゆる政治的な課題ということでなくして、もっとまともなじっくりした、大学制度それ自体を、学問の研究の自由あるいは大学の自治というものを堅持しながら、その目的を達するのにもっとよりよき手段方法はないかという意味合いにおける再検討、そういう問題として取り上げらるべきこと、中教審の答申が出ますればもちろんなるべくすみやかに中教審の答申の線を基本といたしまして、具体的な措置を講ぜねばならぬ立場に私はある、こう理解しておるわけであります。
○山中(吾)委員 文部大臣と池田総理大臣が十分に話し分いをしてああいう演説がされたとは私も思っていないのでありますが、こういう大学制度というものはもっと冷静に国家百年の大計として検討すべきものであるのに、ああいう参議院選挙のときに、選挙対策のようなムードの中で、総理大臣が革命の手段云々というふうな言葉を使いながら扇動的な表現をするということは、私はまことに遺憾だと思うのです。これは政治的に取り扱うべき性格のものでないのに、政府みずからが政治的に取り扱う端緒を作ったと私は考えるのですが、まことに不適当だと思うのです。しかもまだ答申が行なわれていない。その前に一国の総理大臣が、しかも文部大臣の意見を十分に聞かないで言うというふうなことは非常に軽率千万だと思うのですが、文部大臣としてはどう思われますか。
○荒木国務大臣 私は、今申し上げました通り、総理が発言したからといって、それが卒然として選挙対策ムードのもとに行なわれてけしからぬとは思いません。大学管理制度一般の検討をなしますことそれ自体は重大な政治課題であると思います。それを一国の総理としてあるいは一党の総裁として十分に検討を加え、取り上げて実施したいという意向を漏らすことは、国民に対しての当然の責任であり、むしろ中教審の審議の全部が答申となって現われてはおりませんけれども、目的、性格等はすでに昨年出ておることだし、すでにしてことしも今申し上げた通り管理運営についても答申がなされんとしつつあるということは現実の問題としてあるわけですから、それを念頭に置きながら、本来大学制度そのものが十七年間一指も染めないままに、検討されないままにきたそのことが適切でない、だから検討したいという意思表示をしますことは、私は一国の総理として、一党の総裁として当然のことである、こう心得ます。この問題は何もそうしさいに打ち合わせてその上で発言をするとかせぬとかという問題でなくして、一つの重大なる政治課題として、責任のある立場において発言しますことは当然であり、妥当である、かように考えます。
○山中(吾)委員 一国の総理大臣として発言するととはいいのです。時期が悪いと言うのです。そういう時期、大体こういう文教政策——選挙の不利、有利は別ですよ、そういうことは別なんです。大学制度の根本のいわゆる学問の自由と思想の自由という憲法に触れるような問題を、しかも文教政策の中核であるものを、そういう時期に発表するなんというふうなことは軽率千万である。私はまじめな意味においてこの問題を取り上げているわけなんです。取り上げること自体は、それは諮問をしておる問題でありますから、意見を述べるのはけっこうでありましょう、しかしそれを責任持って言うならば、一応答申が出たあとで言うことはわかる。そういう意味において、この教育問題をことごとく一つの党派性を持って取り上げ過ぎるということは、日本の文教政策のためにまことに寒心にたえないのであります。政府自身がそういう端緒を作るようなことを始めると、問題は別問題になると思うので、私はこの問題について遺憾を表明しておきたいと思う。 次に文部大臣に意見をお聞きしておきたいのですが、憲法に保障しておる思想の自由と学問の自由、これと大学の自治についてどういうふうにお考えになっておるか、お聞きしておきたいと思います。
○荒木国務大臣 これは簡単に即席の定義みたいなことを申し上げることは、私自身軽率だと思います。もっと検討を加えて、責任のあるお答えは他日に譲らしていただきたいと思います。 しかしながら抽象的に言い得ますことは、大学で学問の研究をやることそのことに、政治が無用の容喙をすべからず。大学の運営というものは学長、教授会あるいは評議会等の機関がすでにしてあります。もちろんその責任権限の限界が不明確である点はあるようでございますけれども、抽象的に言いまして、大学内の管理運営について、原則として大学固有の機関が責任を持って当たるということは、これは当然のことと心得ます。ただ今申し上げますように、学長であれ、教授会であれ、評議会であれ、沿革的な一種の不文法的に秩序だった管理運営方式が確立されておりますところもございましょうし、そうでないところもある、現実問題としてはある。確立されたと考えられておりましても、旧憲法時代からのやり方そのものがすべていいかどうかということは、検討すべき余地があろうかと思います。主権在民の憲法のもと、大学が主権者と全然無関係であり得るかどうか、私はあり得ないと一応思いますけれども、具体的にしからばどうだということはもっと検討させていただいてお答え申し上げたいと思います。
○山中(吾)委員 大臣の御答弁の意味が十分わからないのでありますが、別な角度でお聞きしたいのですけれども、憲法に保障された学問の自由、研究の自由を守るためには大学の自治というものは前提条件として絶対必要であると私は考えるのですが、その点はいかがです。
○荒木国務大臣 元来大学の自治なる概念が学問の研究の自由ということをもととして出てきた沿革を持っているということは、聞かされております。しかしながらその大学の自治という概念の内容が具体的には必ずしも輪郭がはっきりしていない。そのことのゆえに、大学によっては、極端にいえばピンからキリまでの差がある。そういうのが今の実情かと思います。従って大学人の良識の立場に立っても、また主権者たる国民の立場に立っても、いずれからいたしましても客観妥当性がある大学自治の概念は、その行動半径は何ぞやということが戦後十七年目の今日は国民の前に明確にされ、その明確な線に沿って大学が学問の研究と大半の自治とを密着させながら国民の期待にこたえ得るような動きをしてもらいたいというのが、私は国民一般の願いじゃなかろうかと思います。そういう要望あるいは期待にこたえる意味において明確な制度が立てられてしかるべし、そういう意味で検討を要する課題と心得ておるのでございまして、しからばもっと具体的にどうだとのお尋ねであるとするならば、もう少し検討さしていただいてからお答えをさしていただきたいと思います。
○山中(吾)委員 抽象的な御答弁なので、わからないわけですが、そうしますと、文部大臣としては大学管理の問題については現在は一応白紙の立場でおる、具体的にどうだというお考えは持っていない、そういうようにお聞きしてよろしいのですか。
○荒木国務大臣 そういうふうに御輿解いただいてけっこうでございます。だからこそ、前の大臣のときではございますけれども、検討すべき課題であることは常識上だれしも異存はないところだと思うのでございます。私もそう考える一人であります。それであればこそ中教審に諮問をして知恵を拝借に及ぼうとしておる。その答申を待ちまして、客観的な立場で御検討をいただいた三年間の成果に基づいて、われわれも啓蒙されながら、その他中教審以外の名論卓説も、愚論も、ことごとく拝聴に及びまして、とるべきはとり、捨つべきは捨てるという態度で臨むべきだ、かように心がまえを持っております。
○山中(吾)委員 愚論も採用するというのは……。 そこで、どうも文部省の関係の諮問機関であるかそうでないか、意見を聞くべき機関が多岐にわたってわからないのですが、いわゆる中教審のほかに大学管理運営改善協議会が、これは文部省の中の大学学術局内にあり、そのほかに、こういう問題において常に意見具申をしておるところの学術会議もあり、国立大挙協会もある、大学基準協会もある。これを全部開くということを、いわゆる名論愚論もお聞きになるということで言われたことかどうか知りませんが、要するに衆知を集めて、単純に中央教育審議会の意見を金科玉条としてお考えになるというお考えではない、こういうふうに聞きましたが、そうですか。
○荒木国務大臣 中教審が制度上の基本的な立場においてこの問題について取っ組んでいただく機関であると思います。従って中教審の答申が基本線。そのほかにいろいろございましょうが、それはアクセサリー的な意味において、その中でも取り入れらるべきものは今申し上げた通りむろん取り入れていくべきだ。基本線は中教審と心得ております。
○山中(吾)委員 アクセサリーとか、愚論とか、例によって文部大臣の放言が始まったわけですが、それは取り消すべきだと思うのです。そういうことを言えばこの問題は解決しませんよ。これは、話は具体的に進みたいと思うのですが、大学の自治という中には、具体的に考えると、学長の選考というのは大学のいわゆる教育、研究、学問の探究というものに従事しておる人々によって選ばれるということを含んでおると思いますが、これはいかがですか。
○荒木国務大臣 それはもちろんそうだと思います。大学の学内の意思を尊重して選ばれるというその意思を表示する人々がどういう人であるかということが問題だと思います。それについても中教審で冷静に御判断をいただいて、答申がちょうだいできると思います。
○山中(吾)委員 学内で選ばれることは当然であるということを大臣言われた。人によるということではなくて、こういう人を選んだならば、学内の選び方がどうだ、いい人を選べばいいのだ、それでは答弁にならぬと思うので、大学の自治の概念の一つの柱として、学長は学内から、人のいかんにかかわらず選ばなければならぬという制度、これが大学自治の一つの柱かどうか、これをお聞きしておるので、今の答弁はその通りだということでよろしゅうございますか。
○荒木国務大臣 原則としてその大学に現におる人の中から選ばれるということが望ましいとは思います。これは常識的にそう思うわけです。ところが、不幸にして人がいなかったとする。その場合に、広く人材を求めるという自由もまた大学の自治の一部として考えられてしかるべきではないか。これまた常識論でございまして、最終的な意見は差し控えさせていただきますが、中教審あたりで論議されることを仄聞いたしますと、そういう御意見もあるやに承っております。もっともなお話だという気持はただいまのところはしております。
○山中(吾)委員 どうも大臣は理解をされておられないと思うのです。学内の選挙機関で選ぶということで、選ばれる人は現在その大学の教授である人もあればどこかの大学の教授である人もある。選ぶ機関はいわゆる学内の研究者の構成された機関によって選ぶべきであるということについてお聞きしておるので、その学内におる人を必ず学長にしなければならぬということは、少しも私の質問の中には入っていないのです。それはよろしいですね。誤解があるとすれば、そういう意味で言っておるのではなくて、選挙機関というものはその大学の教育、研究をしておる人によって網羅的に構成された機関でなければならぬ、こういうことです。
○荒木国務大臣 最初お答えしたのが今のお尋ねにお答えしたつもりでしたが、疑義がありそうな再質問でございまして、取り違えました。 もちろん選挙というやり方でやった方が適切であろうと私も思います。同時に有権者はだれだという問題になってくると思います。有権者は、教授会がその点に関する管理機関と現在はなっておると承知しておりますが、教授会というならば、読んで字のごとく教授が集まって有権者として選挙するということが本則じゃなかろうか、それをどの程度まで広げることが許されるかというふうなことになりますと、今明確にはお答えいたしかねますけれども、学内の有権者が網羅的にとおっしゃいましたが、網羅的にということは学生まで含めてすべてということも言う人があるようでございますが、それはもちろん少なくとも適切じゃない。教授以外どの程度まで含めたがいいかということになりますと、中教審で検討してもらう以外にない点だと思っております。
○山中(吾)委員 構成の内容に入りますと、大臣も答弁することが軽率なことになると思いますから、これ以上聞きません。ただ教授会だからといって、現在の日本の大学の構成というものは、教授の定員がないから、五十になっても助教授でおる、専任講師もおるわけで、いわゆる研究者としては上下がない、そういう実態というものをお知りにならないと、軽率に教授会だから教授の会だというふうなことでは、大学の問題について非常に認識不足だと思うので、その点は軽率な影響力を与えるようなことはあまり言われない方がいいと思うのです。問題は、中教審の中間答申に対して、きょうの新聞だと思いますが、大学管理運営改善協議会、会長日高第四郎氏側の意見を聞いたが、その意見によると、大学管理運営を今素朴に考えておる文部省の考え方のように画一的にやるべきでないというようなこと、それから教授会についても、いわゆる教授に限定すべきものでないという正当な意見も述べておりますし、また教授会を中心として運営すべき精神も説いております。これを十分尊重されてそして結論を出されるかどうか、これをお聞きしておきたいと思います。
○荒木国務大臣 それはさっきお答え申し上げました通りでございまして、米本線は中教審の線が基本であり、そのほか法律によって設置されております委員会、審議会等も御指摘のようにあるわけですが、その立法の趣旨に顧みた範囲において形式上も尊重さるべきことは当然であり、そうでないといたしましても賢論は進んで取り入れるという心がまえであるべきであろう。先刻申し上げた通りに考えております。
○山中(吾)委員 それから中教審の答申が当初七月中旬ごろと予定されていたが、日高協議会などの意見を反映されるために時期をおくらせて九月ごろに持ち越す予定である、こういう新聞の記事が出ておりますが、大体見通しはその通りですか。これは大臣がわからなければ局長でけっこうです。
○小林説明員 管理運営の問題につきましても、すでに昨年の暮れから相当長期間審議して、だんだんに案を固めつつあることは事実でございますが、やはりたとえばただいま御質問にございましたように管理運営協議会等の意見も聞くというようなこともございます。また主査をしておる森戸辰男氏が海外に外遊されたということもございまして、だんだんおくれて参っております。なお御承知かとも思いますが、ただいまの十六特別委員会は管理運営の改善のほかに、組織、編成あるいは入学試験というものも一括して諮問をされておる特別委員会でございまして、この中教審の特別委員会としては、それらの審議を一応終わったところで答申をしたいという御意向のように承っております。はっきりしたことは聞いておりませんが、大体そういうような御意向であるというふうに承っております。
○山中(吾)委員 そうすると大体九月ごろの見通しだということですね。
○小林説明員 的確な時日はわかりませんけれども、大体そんなふうではなかろうかというふうに承っております。
○山中(吾)委員 最後に文部大臣にお聞きいたしたいのですが、新聞の記事の中に、学内において学長が選考された場合に、不適当な場合には文部大臣が拒否権を持つようにするということが再検討の方向の中にあるような記事があったのですが、その点についての真偽をお聞きいたしたい。
○荒木国務大臣 まだ文部大臣という立場では正式に中教審の中間報告をちょうだいいたしておりません。たまたま新聞に一部が出た、新聞を通じて知るのみでございまして、正式には存じません。従って今お尋ねの点につきましても今後の検討の上のお答えに待たしていただきたいと思います。
○山中(吾)委員 一応白紙であるということなので、方向は持っていない。 そこで念のために最後に質問しておきたいのですが、憲法の問題として学問の自由、思想の自由という一つの新しい規定ができて、しかも学問の自由というのは、アカデミック・フリーダムを日本語に訳して、大学の自治と翻訳してもいいものを学問の自由というふうな表現になっておるので、当然大学の自治というものを、沿革からいうと、憲法の規定の内容に含んでおる。これはまず確認をしなければならぬと思うのです。そこで教育基本法の中にも一党一派に偏するいわゆる教育というものが否定されておるわけなので、ことに大学の真理を探求するという性格からいって、学長、教授の実質的な任命権とか人事権というものを一つの政党の責任ある文部大臣が何らかの形においてタッチするということは、憲法的にいっても、教育基本法からいっても、私は違反だと思う。そこでこういう学長の選考について文部大臣が——荒木文部大臣は自民党の領袖なのですから、そういう党籍のある者が文部大臣の席につくという一つの制度があって、国家組織法があって、その人が一方にいわゆる学問の自由というものを保障しておる大学の責任者である学長を不当であるとして拒否するという制度は、これは違憲だと思う。教育基本法からいってもこれは違法だと思うのですが、この点は明確にしておきたいと思うので、大臣の御意見を聞いておきたい。しかしそれについては結論を持っていないなら持っていないで、それはやむを得ないと思いますが、一応こういう問題があるのだということははっきりとしておく必要があるので、最後にお聞きしておきたいと思う。かりに大臣が、そういう学問の自由を保障しておるところの大学の責任者の任命というものについてタッチをするというならば、文部大臣は就任をすると党籍を離れたいわゆる文部大臣という制度が一方に前提とならなければならぬというふうに私は考えるのであって、そういう意味を含んで御質問しておるわけであります。
○荒木国務大臣 学問の自由を保障しております憲法は、私はそのまま受け取っております。教育基本法で教育の場は、あくまでも政治的に中正でなければならぬということも心得ておるつもりでございます。党籍は離脱いたしておりませんが、教育基本法の求める趣旨に沿って歩きます限り、党籍を離脱したのと似たような状態じゃなかろうかと私は思っておるのであります。そういう心がまえで合後も臨みたいと思っております。
○山中(吾)委員 答弁にならないのですよ。そうでなくて、これも一つですが、いわゆる大学の自治というものを前提として、大学の学長の人事権を政党政治の一員として党籍を持っておる文部大臣が——文部大臣自身はりっぱでありますから、実際の行政は一党一派に偏しない、これはけっこうでありますし、われわれは否定も何もしないのですが、制度的に聞いておるわけですが、——そういう一つの現在の前提として学長の任命について文部大臣が実質的にタッチをするということは、憲法上の問題になると私は確信をする。それについて大臣に一つの識見があればお聞きしておきたい。白紙なら白紙でけっこうです。そういう意味です。
○荒木国務大臣 ただいまでも学長の任命は、閣議の決定を待って発令いたしております。形式だけだと言われますけれども、制度のどこにも実質に触れてはならないということはないと学者で言っておる力もあるようであります。そういうことで私自身最終的な意見として申し上げる段階ではむろんございませんし、検討をさせていただきたいと思います。ただ文部大臣という立場のものは、私という具体人によって趣味的に行なわれるべきものではない。私は、自民党に籍を置いておりますが、自民党の党籍にあるがゆえに、それだけで動くべきでない、法治国日本においては、憲法、教育基本法その他教育に関連を持ちまする法令の範囲内において行動すべきものである。それが必然的に教育基本法の第何条かが指摘しておりますように、政治的に中正でなければならぬということに集約される。幸いにしてその線でいくのが自由民主党の教育の基本線だと考えてもらっておりますから、いささかの矛盾も感じないで今日まで参っております。今後ともそうあり得ると思っております。
○山中(吾)委員 答弁の中で一党一派に偏していないと言っておりながら、自由民主党の基本線に従っておるというのは矛盾撞着です。そこに問題があるのです。あくまでも私は制度的に質問をしておるのです。 いずれにしても、日本の大学問題について戦前から学問の自由を制限するという事例は、滝川事件にしても、山川総長事件にしても、森戸事件にしても、あらゆるものが人事権と密着をして学問の自由、研究の自由が拘束されてきた。これは厳然たる歴史的事実なんです。そういう立場に立って考えるときに、日本のいわゆる学問の発達、自由の発達、そういう面からいって、大学の管理制度については、時の政治権力がタッチできるというふうなことは、厳に慎むべきものである。これは国家百年の大計として、あるいは大学教育における本質論として、真剣にお互いに論議しなければならぬ、こう思うので申し上げておるのでありますから、この点については、もちろん中教審、学術会議その他の意見を徴して、最も正しい結論が出されなければならぬし、出すではあろうと思いますけれども、今のようなお互いに軽率にものを判断をしないで、この問題については真剣に大臣も——大臣は更迭しても慎重に結論を出すべきだということを切に私から希望申し上げておきたいと思うのであります。 ことに中教審の構成を見ましても、どうも実業界の人ばかりが多いような格好であって、ほんとうに学問思想について純一無雑に探究しておるような人々の意見が反映するような構成が少ないように思う。そこに問題があるのであって、この問題は、超党派的に、そのときどきの利害打算によらないで結論を出すべきであると思いますので、念を押して切望して、私の質問は終わりたいと思います。
○櫻内委員長 関連質問を許します。村山喜一君。
○村山委員 大学の管理運営に関する改善案の中で、中教審の原案がスクープされたような話を大臣からお伺いをいたしたのでありますが、六月の二十日に中央教育審議会の大学管理制度特別委員会の改革原案が突如として発表をされました。これは中教審の総会にかけたものでもございませんし、そういうような原案は、どういうような形の中で国民の前に出されてきたのか非常に問題視いたしておったのでありますが、これに対しまして、新聞におきましても、この中教審の態度なり特別委員会の態度は非常に軽率であった、こういうような批判がなされて参りましたことは御承知の通りであります。特別委員会の原案のままに急に漏れるようになった。漏らしたのは一体だれなのか。六月二十日という投票日の前に、池田総理が五月二十五日に大学管理制度の問題を参議院選挙の第一声として発して、それに対しまして相呼応するがごとき立場から出されたのではないかという見方もされるわけでありますが、中教審に対するところの所管省であります文部大臣並びに大学学術局長に対して、この中教審が原案を突如として国民の前に示したところの真意はどういうようなところにあるのかということをまず第一に伺いたいのであります。と申しますのは、いい見方で考えるとするならば、中央教育審議会の原案を国民の前に明らかにして、そうして国立大学協会の報告書なりあるいは日本学術会議の政府への勧告、さらにまた大学管理運営改善協議会のそういうような意見を聴取してみる、こういうような考え方で原案を出した、こういうふうにも考えられないでもないと思うのであります。ところが、今まで日本学術会議の政府への勧告という形で意見書が出されております。そういうような意見書あるいは国立大学協会の第一常置委員会の報告書、こういうようなものの全文をながめてみますと、学術会議のその意見は、完全に中央教育審議会の原案の中からは無視されておる。そうしてまた、国立大学協会の意見も、どうも十分に反映をされていないわけであります。もちろんあと先のこともありましょうけれども、中央教育審議会がこういうような原案を突如として出した。だれが出さしたか、またどうしてそれが漏れたのか、そういうような点について事務当局の方でおわかりになっているのであるならば明らかにしていただきたい。
○小林説明員 六月十八日でありましたか、一部の新聞に中教審の特別委員会の試案というようなことで発表されました。その後二、三の新聞に、さらに数日後——二十日でごさいましたか、多くの新聞に出たわけでございますが、これを見ますと、やはり新聞それぞれによって多少の違いがございまして、一斉に漏らしたものではないわけであります。先ほど大臣のお答えの中にもございましたように、これは新聞社にスクープされたものでありまして、文部省はもとより、中央教育審議会も発表した、まして投票日の前に発表したというようなものでは全然ございません。どこのルートから漏れたかということにつきましては、文部省内でもいろいろ検討いたしましたが、現在のところまだその真相はつかめておりません。事務的にも非常に驚きましていろいろ検討いたしましたが、それはあとの祭りでございまして、手の打ちようがなかったわけでございます。従ってだれが出さしたとか、特別の意図があったとかいうようなことは全然私どもなかったと思っております。
○櫻内委員長 松前重義君。
○松前委員 私は通信教育について伺いたいと思います。 通信教育は、教育の機会均等の実現に対して非常に重要な役割を持つものであります。これは、最近における世界的な傾向として各国とも非常な力を入れておるところなのであります。従って、通信教育の手段について、いろいろマス・プロダクションの手段というような方法として、最近におきましては放送による通信教育が行なわれる、こういうふうなことで、いわゆる学校に通わなくても、電波によって、あるいはテレビ等によって通信教育を行なう、こういうふうな、家を作らぬでも、僻村にあっても、あるいはどんな山間僻地にあろうとも、スイッチをひねればちゃんと学校の講義が聞けて、一定の所定の課程をふれば卒業資格が与えられるというような、この方法はまことに今日において必要な手段であると実は思うのであります。 そこで、今度はNHKがこのような教育に非常な力を注ぐことは、これまたまことにいいことでありまして、われわれとしては双手をあげて賛成するところであります。そこで、NHKは放送法によってできておる協会であります。すなわち公共企業体である。従ってNHK自身が学校法人ではないために資格を与える学校放送はできないということになっておる。ところが、学校法人なるもので放送を持っておるものはないわけでもないのでありますが、これは全般的にすべての学校が放送を持っておるとは限らない。こういうようなことで、NHKが高等学校の放送をやるために、また資格を与えるために、NHK以外に学校法人を文部省との間に話し合いをして作って、そのプログラムを全国放送に流すことによって高等学校の通信教育をやる。そうして別にできた学校法人なるものが卒業免状をやる。こういうような仕組みが現在行なわれておることも、少なくとも教育の機会均等という方向に対する意欲の現われであると私は思う。ところが、これに対して私が文部省と電波管理局に伺いたいことがあるのであります。まず第一に、放送法による日本放送協会のあり方であります。日本放送協会は先ほど申し上げたように学校法人ではない。従って資格をやるわけには参らない。それで別の学校法人を作ろうというお話であります。ところが別の通信教育学校法人なるものは先般の文部省提出の法律によって一応認可される態勢に今日なってきておる。その学校法人なるものは自分の所定のカリキュラムを組んでそして授業を始める。放送によるか何によるか知らぬけれども、とにかくあるカリキュラムによって授業をやる。そのいわゆるカリキュラムを編成するという責任は学校法人にあるわけです。そうでなければ学校法人としての卒業資格をやるわけには参らない、こういうことであります。ところが放送協会がもしこの学校法人の放送をそのままやるということになりますと、プログラム編成の責任は学校法人にあってNHKにはない。従ってNHKとしてのプログラム編成に対する責任のない、ただ、電波を貸してやるという商売——商売でもないが、そういうような役割を演ずるにすぎないということになる。このいわゆるプログラム編成の責任の所在というものが問題になるのであります。その点についてまず電波監理局から伺いたいと思います。
○石川説明員 ただいま先生お尋ねの番組編成の問題でございますが、この点につきましてはNHKが番組の編成をするという従来の建前をそのまま継続していくことになろうかと思います。それで学校法人の通信教育はそれでは何のために行なうか、これをNHK側から申し上げますと、従来から教育放送番組の充実には多年努めてきたわけでございますが、やはり受信者の直接の声と申しますか、スクーリングあるいは添削指導その他を通じてでなければやはり番組がよかったか悪かったかというようなことは十分に把握できない、やはり番組を向上させるためにはスクーリングを通じてやるのでなければ十分にはいかない、こういうことがこのたび学校法人を設立するに対しましてNHKが出演をすることになった一つの大きな理由でございます。
○松前委員 これは放送法に対する非常に重大な問題が含まれておると思う。要するに、今のような御説明によりますと、NHK自体がカリキュラムを組むということになる、スクーリングは学校法人がやる、こういうことになると、一体、今度文部省にお尋ねしますが、みずからカリキュラムを責任を持って編成しないような授業というものを受けた生徒、そういう責任のないいわゆる学校法人というものがあり得るかどうか、学校法人というのは授業の責任をすべて負わなければならない、それをよそがやったやつを勝手に自分があれはよろしいからそれでもってやってしまうというようなこと、そんな自主性のない学校法人が許されるならば、これは実に手軽な学校法人になって、先生も何も、添削指導する先生が少しおればよろしいということになってしまうじゃないか、その点はどういうふうに文部省はお考えでありますか、そういうことが許されるかどうか。
○福田説明員 NHKの通信教育の問題についてのお尋ねだと思いますが、一般的に学校法人が教育をやります場合に、私立の学校でございますから、学校法人として教育のやり方なり内容をきめるわけでございます。しかしその際に、一定の基準なりよるべきものはあるわけであります。従って、それをどこから借りてくるかというようなことに関連いたしますけれども、かりにNHKが自主的に編成しました番組に従って学校法人で行ないます通信教育の内容は、その編成された内容であっても、それは学校法人自体がおきめになればいいことでございますから、決してそれが法律的にいけないということは言えないだろうと私は考えております。
○松前委員 しからばこういう場合はどうでしょうか。NHKが作られた学校法人というものが一つ別にある、そのほかにたくさん学校法人があります。そういう学校法人が同じようにNHKの番組を認めてそれでよろしいということに自主的に決定した、あなたのおっしゃるように。そういう場合においては、必ずしもNHKが作った学校法人以外のものでも卒業証書、スクーリングその他をやることができるのですか、私は当然できなくちゃならぬと思いますが、その点はどうでしょうか。
○福田説明員 ただいま御承知のようにNHKも高等学校の通信講座を通信によって実施しております。これを視聴しております高等学校も相当たくさんございます。公立の方は御承知のように六十数校ございます。そういうように各学校が通信によるNHKの放送を教育内容として取り込みましても、それは一般的に申して別に差しつかえはない。今おっしゃるようにNHK自体がこの通信教育自体に通信高等学校を設けて、そしてそれによる卒業証書を出すというような建前を今とっておりませんから、一般公共放送として各高等学校に聞いてもらう、こういうような建前をとっておりますから、それぞれの高等学校におきましてそういうものを利用されてもそれは別に差しつかえないであろう、こういうように考えます。
○松前委員 だいぶ事態が明白になってきました。そこで、NHK自身が学校法人でないから、そいつをやるために必要な特定の高等学校を別に作るというようなことはございませんね。NHK指定の高等学校を作るというような現象はございませんね。
○福田説明員 今申し上げましたのは、現在やっております高等学校の通信講座のことを申し上げたわけであります。これからNHKが何か計画しております問題は、独自の学校法人というものを作りまして、そこで通信詩歴をやりたい、こういう計画のようでございます。
○松前委員 そうすると、また問題が新しくなる。私はさっきからそのことを言っておる。今まであなたが答弁されたことはわかります。その通りです。ところが別な学校法人を作って、それが学校法人の責任においてカリキュラムを組んで、そしてそのカリキュラムに従ってそこの学校法人の先の放送を、吹き込んだやつを電波として全国に流す、そういう計画ではないかと私は思うのです。そういう計画の前堤の上に立って私は質問しておるわけですが、いかがですか。
○福田説明員 私も聞いておりますのは、おっしゃる通りの計画だと思っております。一つの独立した学校法人を作りまして、そこで通信講座をやる、高等学校の通信教育をやる。その限りにおきましてはこれは私立でやっております東海電波高等学校のやり方、あるいは近畿大学の付属高等学校でやっております学校法人としての高等学校の通信教育と、私は性質上同じもの、こう考えております。
○松前委員 文部省としてはそういうお考えになっても私は差しつかえないのじゃないかと実は思う。そこで、もう一つ文部省に伺いたいのは、そのカリキュラムの編成、またその授業の、たとえばテープにレコードして出すというならば、そのいわゆる責任は一体どこにありますか。学校にありましょうか。学校法人にありましょう。そうでございますね。
○福田説明員 それはおっしゃるまでもなく学校法人にあります。
○松前委員 そうしますと、今度は電波監理局に伺いますが、放送法に従って電波監理局はそのプログラムというか、カリキュラムを学校法人の吹き込んだプログラムをそのままNHKが出すということになると、電波を特定の高等学校に貸してやったということになりますね。それは放送法に許されていませんね。
○石川説明員 電波そのものは公共放送といたしましてNHKがやっておるのでございますので、その電波を利用いたしまして受信者が聞いて一つの教育をやる、こういうことだと考えます。
○松前委員 それはまことにずさんな考え方です。それは放送法の建前から絶対に許されません。私はそういうことでも必ずしも反対でないのだ。反対でないというけれども、そこに放送法の建前から許されません。たとえば、もしあなたのおっしゃるように許されるとするならば、今度は別な、NHKが作った以外の高等学校がカリキュラムを組んで、私の電波もあなたのところで出しなさい。NHKというものは国民全体のものなんだから、一定の一つの単位の特殊な高等学校にすべての特権を許すものではないのです。幾らNHKが作ったといえども、これは文部省の監督下にある単なる一学校法人にすぎない。そうすると、その学校法人のすべてがみずからカリキュラムを組んで、私のカリキュラムは絶対いいんだ、文部省の規定に従ってやったんだ、これを電波で出しなさいといえば、これも出してやらなくちゃならない、私はそう思うんだ。あなたの理屈はそういうことになると思う。特定の高等学校だけでもってやるというならば、これはNHKとその特定の高等学校との間に、こういう関係に置くんだ、だからこれは特例として設けるんだという法律を持ち出して、そして規定するよりほかに方法はない、私はこういうふうに思うのですよ。だからそとのところに、全国民のものである、すなわち公共企業体であるという概念があって、一会社じゃないのだ。であるがゆえに全国放送を許しているのです。全国のネットを許しているゆえんのものはそこにある。そうすると民間放送というものはローカルですから、これは全国放送を許されない。だからこれは別問題。公共企業体でない。私企業なのです。だからその意味において、あなたの今のような考え方でいくと、それはとんでもない。方々からおれのカリキュラムを出せ、NHKにもっぱら言ってきますよ。幾らNHKが作ったやつだけでやるといっても、単なる一単位の学校法人である以上は、どの学校であっても文部省に対して同じなんだ。文部省は大体そういうふうにお考えいただけると思うのだが、どうでしょう。
○石川説明員 NHKの学校教育番組が公共放送であることはもちろんのこと、その学校教育番組につきましては文教上の諸法令、諸基準に従ってやるのでございまして、それを公共放送としてNHKは流し、それから学園の方はその流した放送を——それは相互に関係いたしますけれども、利用して通信教育をやる、そういう形になるということを先ほど申し上げましたのですが、実態はそういうことだろうと思います。ただ番組について、学校とNHKとの関係はもちろん非常に密接なものがございまして、学校でスクーリングをやることによって今までの放送番組に対する反省と申しますか、そういうようなことをやりまして、そして善後の措置……。
○松前委員 まだあなたは私の質問の要点をごまかしておるのかどうか知らぬけれどもわかっていませんね。私の覆うのは、特定の学校法人のカリキュラムをNHKがそのまま流すというなら、学校法人をNHKが作ろうが何しようが、文部省に対してはほかの学校法人も学校法人なんです。だからほかの学校法人も一つカリキュラムを組んでNHKに流してもらおうといえば聞かざるを得ない。なぜかならば、これは公共企業体であり、特定の学校法人との間にできたところの放送ではないのです。私は法律屋でないけれども、そのくらいの常識はあります。だからほかの学校法人がきたらまた流してやらなければならぬ。その問題は出る。また別の学校法人が、おれのカリキュラムを流してくれといえば、ノーというわけにはいかぬ。文部省の規定に従ってカリキュラムを組んだものならどうにもいかぬ。これはいい、悪いという判断はNHKが下す資格はありません。だからもしそういうことをやるならば、一定の学校法人でNHKの別働隊の高等学校ができるなら、これはそことNHKとの関係においてこの高等学校の放送を学校教育においては流すのだという法律を放送法の中に改正して入れたらいい。それならば話はわかる。そこまでしなければこれはできませんよ。それを国会が認めたらそれでいい。たとえば大学なら大学の通信教育を今度おやりになる。これはUHFのテレビなんかできれば私はある程度NHKもやるべきだと思う。けれども、そういうことをやり出すと、今度NHKが別の大学を作る。学校法人としての通信教育大学を作る。そうしてそれがカリキュラムを組んで流すというようなことになると、ほかの大学はみんなつぶれてしまいますよ。だからこれは非常に大事な問題なんで、高等学校だけの問題でもない。あらゆる問題をこの中に含んでいる。だからNHKが全国放送網を持っているだけ——というのは公共放送であるがゆえに持たしてある。国民全体のものであるからあまねく電波を流さなければならぬと規定してある。あまねくという字がついている。というのは、国民の一人でも電波の恩恵に浴さない者があってはいけないということなんです。そのためにNHKはある。ところがそれが、今のような特定のものとだけ組んでやるということになると、ほかはあがったりになってしまいますよ。だからこれは大へんな問題になりますよ。今まだ多くの人が気づいていないからそうなんですけれども。そうすると、被害を受けた大学やその他学校法人に対してはしかるべく補償するなりなになりをNHKがやったらいい。それを考えるか、法律を出すなら補償問題がからんでいます。だからそこにやはり思いをいたして、もう少し慎重にこの問題と取っ組んでもらわなければならない、私はそう思うのだ。それでもし慎重に取っ組んできまるというなら法律として一つ出してもらう。そうでなければNHKという公共企業体が全国放送網を持っておって、それがここに一つの学校法人を作る。それからまた別の種類の学校法人を作るというふうにだんだんやっていったら、それはとんでもない話になりますよ。またそれがいいというならばそれでいいのです。法律を出して堂々とやらしたらいいと私は思う。そのような問題があるということを一つお考えになって、文部省は電波のことはあまり専門家でないから、それはいいことだと思っておられたのだろうと思うけれども、ここに放送法の建前から問題があるのです。放送法の番人はあなたです。一つその点よくお考えになって、もう一ぺんこれこそ慎重に御審議願わないと大へんな影響を及ぼすと思う。私は多少自分自身のやっておることに関係しておるものだからあまり言いたくなかったのだけれども、どうもどこかでやらなければこれはとんでもないことになるぞと方々通信教育をやっておる側からその声を聞いておる。まだ大学の通信教育は黙して語っておりませんけれども、これは気づいてないだけの話で、いずれ大学を別に作るといったら大へんな問題になりますよ。高等学校だからまだそう問題にしない。だからこの点は大きな社会問題として考えてもらわないと、教育に熱心なことは非常にいいと思うけれども、その建前上非常な困難がこの中に横たわっておるから、その困難除去のために、こういう問題があるということを知って、一つ慎重に処理してもらいたい、こう思うのですが、いかがです。
○石川説明員 先生のお話の趣旨はよくわかりましたので、今後慎重に検討させていただきたいと思います。
○櫻内委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 時間がないですから、簡単に一問だけお伺いいたします。 学力テストの問題に関連する問題であります。学力テストの問題につきましては、昨年実施されたときにも反対意見が非常に多くて、大混乱があったのは御承知の通りでありますが、今度の場合でも相当全国に、当の教職員の方々はもちろんのこと、その他市町村教育委員会でも実施しないという決議をされておるようなところが出ております。私京都ですが、京都などはもう知事初めこれに対して大きな疑問を持ち、反対の態度をとっております。こういう中で文部省としては強行される意向でありますので、各地の府県委員会あるいは市町村の教育委員会で、この文部省の方針を実行する上で必要と考えられたのだろうと思いますが、ずいぶん無理な職務命令が出ておるようでございます。私どもの方にずいぶん幾つもの命令通達というようなものも入っておりますが、中には非常にひどいものがありまして、幾つかここへ例を持ってきておりますけれども、特に私の関係しております京都市の教育委員会の出しました通達、これは各中学、小学校の校長さんに教育委員会から出した通達です。これなど非常にひどいものでありますが、こういう通達は文部省の方ですでに手に入れておられますか。特に京都のこの内容なんかは御承知でしょうか。
○福田説明員 京都市で出された通達は私まだ入手しておりません。
○谷口委員 これは一ぺんごらんいただくと大へん参考になると思うのですが、新聞などでも報道されましたし、朝日新聞などはこれにつきまして相当批判的で、こういう通達なり職務命令が通るとしますと、かつて戦前と同じような、あるいはそれ以上の政治的な自由が剥奪されるという問題として論評を加えております。ここに実は私持ってきております。これは七月三日に大橋教育長の名前で出しておる「教職員の服務について」と題する通達ですけれども、処分される行為として三つの項目に分けて、実に十五、六の項目をあげておるわけです。その中にこういうことをいっておるのです。「命ぜられたテスト監督者などとしての職務を忠実に遂行しないこと。」つまりテスト監督者としての職務を忠実に実行しないというのが違反になるといっておるのでありますが、「忠実に遂行するとは、命ぜられた職務をただ単に形式的に行うだけでなく、良心に従ってその命令の目的が達せられるよう最善をつくすことである。」こういう注を入れておるわけです。それから「職員会議等で学力調査反対、職務命令拒否のアジ演説や威嚇的発言を行ない、また学力調査反対、職務命令拒否の決議をさせること。」こういうことを職員会議で発言してはならぬ。それから「放課後あるいは休憩時間等に、児童生徒に対し学力調査反対を表明、指導すること。」こういうことを書いております。これは今申しましたように十数項目にわたって書いておる。私どもこれは大へんなことだと思うのでありますが、こういう職務命令を出す権限を教育委員会は持っておりますか、この点についての文部省のお考えはどうですか。
○福田説明員 その通達の内容を拝見しておりませんので、それについての論評は控えたいと思いますが、おっしゃるようなことをいろいろ書いておるといたしますと、昨年学力調査の際に、御承知のように京都ではいろいろ反対闘争が起こりまして、学校の現場で相当な混乱が起きたことがあるようでございます。従いまして教育委員会としては、そういう昨年の例にかんがみて、学校の現場を混乱に陥らせないためのいろいろな注意事項というものを書いたのではないか、こういうふうに私は今伺って判断をしたわけであります。従ってそういう学力調査を実施するについてのいろいろな注意事項等をやるということは、これはまた一面から考えますと、昨年のことがなければ別ですが、昨年のことがあった関係からそういう注意事項を流してやるということは、やはりある程度親切な場合もございます。私は教育委員会としては適当な方法でそれを事前に通達をしたのだというふうに考えるのでございます。
○谷口委員 去年の経験があって、混乱したので一つうまくやりたいということが教育委員会の気持だったと私も思います。同時にこれは教員の方々が、昨年反対された立場に立って今度は話し合いをやっていこうということで教育委員会に申し出て以来、この話し合いをするという場所を教育委員会が拒否しておるわけだ。そこらのところまできょうは深く堀り下げてお尋ねする時間がないからやめますが、どういうことがあったにいたしましても、こういう通達の内容は非常に大きな問題だと私は思います。たとえばここで良心の問題がありますが、一方の文部省の命令なり要求なりに従うということを良心的にやれというふうにいっておるわけでありまして、その教員の方々の持っておられる教育者としての良心というものはあるわけです。それを制限するというような、そういう通達が出てきますと、これはやはり憲法の上における良心の自由に対する大きな侵害になるというふうに私ども思う。それから教職員の会議でこの問題について論議することを禁止する、もしそれをやった場合には処分の対象になるということを出されました。これもやはり憲法上の問題でありますが、表現の自由というものについての制限を加えているわけです。ましてここで私が読みました、休憩中だとかあるいは放課後なんかに教職員の方々が政治的な活動をやるとかあるいは意見を述べるということに対して、それを禁止するばかりでなく、それをやった場合にはこれは処分の対象になる、こういう内容です。これは大へんなことだと私どもは思うのですが、どうですか。こういう内容のものが出る。それによって一方的に、昨年混乱したからうまくやろうというような考え方はむちゃくちゃであります。処分を内容にした確定な職務命令なるものを出して、憲法に反するようなものを出して、これに違反した場合には処分の対象にするということになってくると、これは大へんなことになる。そういうものに対してその内容の問題はどうですか、文部省はどう思いますか。
○福田説明員 そういう通達を出しているといたしますと、取り寄せましてよく検討してみたいと思います。
○谷口委員 いつもそういうふうに言われて、すぱっとやられるのでありますが、これはすでに京都の方では法務局の人権擁護局へそういう問題について提訴しておりますから、あなたが調べる、調べない前に法務局の問題になると思うのですが、これはほんとうに御存じないのか。実際に文部省としては慎重にこういうやり方を何とか指導する必要があると私は思う。 文部大臣がいらっしゃらないので残念でありますが、さっき文部大臣は非常にいいことを言っております。私感心して聞きました。どう言ったかといいますと、自民党の党籍はあるけれども、憲法や教育基本法に基づいてやる、こう彼は言っておられた。私は大へんいいことだと思う。教育基本法や憲法に基づいて文部大臣が実際の活動をしておるなら、それは非常にいいことだ。もしそういうことを実際にやるなら、憲法に反し、教育基本法に反するようなこういうものが業務命令として出て、職務命令として出して、処分の対象になるものとして出している。これに対しては早く何とかしなければならぬのが文部省としてあたりまえでしょう。ここらはやはりほんとうに御存じないなら早く取り寄せて、この問題についてはっきりした態度を示される必要があると私は思う。そういうことをおやりになりますか。
○福田説明員 今述べましたようになるべく早く取り寄せまして、これは検討したいと思います。 ただ私感じますのは、昨年京都ではこの学力調査の実施について子供を相当巻き込んでやった学校がございます。そういった意味で、この調査の反対闘争のために子供を使って、しかも子供にいろいろ指導し扇動してやったというような学校がございます。そういった意味では、この学校の中で子供をそういう闘争の具に供したり、あるいはまた生徒に対して、それは授業時間中であろうと休憩時間中であろうと、生徒の指導上そういう反対闘争を指導していくというようなやり方、そういうことが万が一あるとすれば、それは教員としては適当なやり方ではございませんので、そういった点を、京都の市の教育委員会はいろいろと事前に注意をされたのではないか、そういうように感ずるのでございます。その点はやはりあくまで私どもは生徒をそういう道具に使うのは絶対に避けるべきだと考えております。
○谷口委員 あなたは詳しいことを具体的におっしゃった。京都ではなるほど昨年幾つかの学校では子供たちが反対運動をやりました。これは教員の方々は教員の立場でおやりになったのではない。教員の関係のないところでやられた。教員ももちろん参加している団体でありますけれども、地労協とかあるいは父兄の団体があります。あるいは部落解放同盟等の団体があります。こういう父兄の方々が子供たちと一緒になって反対している。そういう事実です。それはあなたは御承知の通り。そういうところから教員に対して、休憩中だとかあるいは放課後に政治活動をすることについて全面的に禁止する、こういうようなことを職務命令として出して、それが処分の対象になるというやり方、これでは問題が解決しないでしょう。そういうことじゃない。あなたが御承知ならば——例をおっしゃっているのですから御承知だと思う。そうしますと、そうでないものを教員があたかもやったかのごとくに言って、そしてまたそういう事態が起こった場合には教員の責任であるかのごとく言って処分の対象にするぞということを事前に言うわけでしょう、これはめちゃくちゃです。ですから私はたった三つのことだけ申し上げましたけれども、十幾つある。読んでごらんなさい。こんなことが通れば、朝日新聞の言う通り戦前と同じことになる。ですから取り寄せて検討を加えてもらうことはけっこうでありますけれども、こういう内容が平気で教育委員会の教育長の名前で各学校の学校長へ出されて、そうして先生方はこういうおそろしい戦前以上のファッショ的な弾圧の中でこの問題にぶつかっている。ここのところをはっきりと文部省はこういう通達に対しては態度を明らかにすべきだと思う。あなたは、もしもお前の言うようにそういう内容があるならばこれは事だから大いに調べて見る、こう言っている。こういう内容がございますから調べてもらって、そしてこういう通達が不当なものであるということをはっきりされる必要がある。そういう点、あなた調査されるという、そのことをほんとうに後に聞きます。いつも、これはよく調査して、ということだけれども、一ぺんもその回答を聞いたことがない。私はずいぶんあなたに貸しがある。これははっきりしてもらいます。
○櫻内委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会