文教委員会 第18号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/04/06
会議録
○櫻内委員長 これより会議を開きます。 村山喜一君外八名提出、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。村山喜一君。
○村山議員 ただいま議題となりました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 御承知の通り、働きながら学ぶ青少年に対し、教育の機会均等を保障する目的をもって、戦後制定されたこの法律は、発足以来すでに十年になんなんといたしておりますけれども、これらの教育のための施設設備の拡充強化、教職員の待遇の改善等はいまだ必ずしも遺憾のない状態にあるとは申されません。 一昨年第三十四回国会において、政府の提案にかかる本法律の改正を見ました結果、定時制教育及び通信教育に従事する校長及び教員に対して、昭和三十五年四月一日から、七%の手当が支給されておりますが、この定通手当を支給する根拠は、定時制教育及び通信教育の複雑困難性にありとし、これらの教育に携わる校長及び教員に対し、その労に報いて、専心その職務に精励できるようにするとともに、優秀な人材をこの方面に誘致確保して、もって定時制教育及び通信教育の振興をはからんとすることが、政府の意図でありました。 この改正案の審議に際し、衆参両院の文教委員会において、定時制教育及び通信教育における複雑性と困難性とは、教員についてのみ当てはまることではなく、これらの学校に勤務する事務職員についても同様の事情にあるから、定通手当の対象はすべからく事務職員にまで拡大すべきであるという趣旨の主張が繰り返されたのでありますが、このことは、夜間において授業を行なう定時制課程の事務職員については、特に強調されなければなりません。 すなわち勤労青少年の特殊性による事務の繁雑困難は、一般全日制とは比すべくもなく、しかも夜間勤務は全く特殊勤務であって、その勤務時間も大体午後二時から十時半にまで及ぶのでありますから、一週間にわたり、連日家族と夕食をともにできない実情にあり、かつ、各校とも非常に定員不足でありますために、その事務量も絶えず過重になっておりますばかりでなく、軽微な疾患なども押して出勤しなければならない事情にありますことから、往々健康をそこねる結果を招いている現状であります。 以上述べました理由により、この際、夜間の定時制課程の事務職員、その他の職員に対しましても、教員と同様に七%の定通手当を支給いたしますことが、その労に報いるとともに事務能率を高め、ひいては、定時制教育の振興に資するゆえんであると考えられますので、ここに改正案を提出いたした次第であります。 改正の主要点は、第五条及び第六条の定時制通信教育手当の対象に、本務として夜間において授業を行なう定時制の課程の事務その他の職務に従事する事務職員その他の職員に限って、これを加えることとしたことでありまして、その他若干の字句の改正をいたしております。 また、この法律の施行に伴い、地方公共団体が公立の高等学校の実習助手及び事務職員その他の職員の定時制通信教育手当に関する条例を制定するにあたっては、これらの職員が夜間勤務手当その他の給与として現に支給を受けている額を下廻らないよう必要な経過措置を定めることといたしております。 なお、この法律は昭和三十八年四月一日から施行することといたしております。 何とぞ、十分審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。 ————◇—————
○櫻内委員長 山中吾郎君外八名提出、学校教育法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。山中吾郎君。 —————————————
○山中(吾)議員 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概略を説明申し上げます。 御承知の通り高等学校、盲、ろう学校等に勤務しております実習助手は、その職務の重要性が増してきているにもかかわらず、身分の安定と待遇の改善は不安定であり、学校教育法には何らの規定がありません。 科学技術の急速な発展に対応し。科学技術者及びその教育者の社会的需要が急速に増大しておりますことは、一昨年十月に出されました科学技術会議の答申でも明らかになっております。 昨年第三十七回国会において成立いたしました国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案並びに教育職員免許法の一部を改正する法律案は、これらの要望にこたえるためのものであることを、政府はその提案の中で述べているのであります。 このため高等学校の産業教育において実験、実習が重視されるようになり、実習助手多年の要望でありました教育職員免許法が改正され、実験、実習を担当する実習助手は上級免許状の取得にあたって、助手としての経験年数をもって教育職員の経験年数とみなされる特例が認められ、実習助手の職務が教員の職務と同様のものであることが法的にも裏づけられるようになったのであります。 しかるに教育職員の身分関係を規定する学校教育法には、実習助手についての規定がなく、その他の職員として扱かわれ、同法施行規則(文部省令)第六十四条の三で実習助手の職務のみを規定しているのであります。このため教育公務員特例法でも教員に準ずる職員の取り扱いを受けており、研修等について不利な条件下にありますし、女子教育職員の出産に際しての補助教員の確保に関する法律の適用から除外されております等、待遇等で幾多の不利益をこうむっているのであります。 今後科学技術の発展に伴い、高等学校における実験、実習がさらに重要視されることは明らかであります。この際学校教育法を改正し、実習助手の身分を確立することが、産業教育の振興に資するゆえんであると考えられますので、ここに改正案を提出した次第であります。 改正の主要点は第五十条第二項に「実習助手」を加え、第三項として新たに実習助手の職務を加えることとしたことでありまして、この改正に伴い地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正いたしております。 なおこの法律は、公布の日から施行することといたしております。 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。 ————◇—————
○櫻内委員長 予備審査のため付託されております高等学校の建物の建築等に要する経費についての国の補助に関する臨時措置法案及び学校騒音防止工事費交付金法案の両案を一括議題として、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。参議院議員米田勲君。
○米田参議院議員 ただいま議題となりました高等学校の建物の建築等に要する経費についての国の補助に関する臨時措置法案について、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。 御承知の通り、戦後のベビー・ブーム期に生まれた子供たちが、中学校を卒業して高等学校へ入る時期、すなわち昭和三十八年度から昭和四十年度へかけての三年間は、高等学校への進学希望者が急激に増加することが予想されます。さきに文部省が発表した数字によりましても、昭和三十八年度から四十年度にかけては、生徒が年々四十万人、五十二万人、三十一万人と増加を続け、昭和四十年度のピーク時においては、昭和三十五年度に対比して、百二十三万人増加することとなっております。もっとも、この就学率の見方は、昭和三十五年度の中学卒業生の六〇%が高校へ入学した実績をもととして、昭和三十八年度以降六〇%、六一・五%、六三%と予想しており、いささか伸びの見方が甘いと考えられる点もございます。 それにいたしましても、この膨大な増加生徒を収容するには、相当の建物、設備の新増設並びに校地の買収が必要であり、その総費用は、昨年末の文部省発表で千七十億円、全国知事会発表で千五百七十億円となっております。この両者の数字の相違は、知事会案が、実態に基づいて建築単価を文部省案より高く見たこと、また一教室当たりの収容定員一割増を画一的に見込めないため、新増築建物坪数を多く見たことによると思われます。 ところで、政府がこのたび決定し、国会へ提出した昭和三十七年度予算を見ますと、いまや文部省の高校急増対策の計画は第一年度からくずれ去り、わずかに国庫補助金十三億円、一般起債五十億円、地方交付税算入九十一億円、計百五十四億円で、当初計画の約半分にすぎないものとなっております。 この政府の決定に対して、全国知事会を初め、多くの父母の集まりでは、非常な不満を示し、修正を要求しております。すなわち、一般的に財政が好転してきていると言われる各都道府県側も、このような国の措置では、とうてい父母の願いを実現することはできないと、繰り返し政府の善処を要望してきました。また全国の父母たちは、この終戦っ子たちが、小学校入学以来ずっといわゆるすし詰めに悩まされ、従って十分な教育も受けられず、その上激烈な入学試験競争に追い回されているのを見ては、じっとしていられないと自然発生的に高校増設運動や高校全入運動に立ち上がり、これを組織するようになっております。全く、この終戦っ子の親たちは、小学校でも中学校でも、校舎、設備、備品等の不足から、やむを得ず、多くの父兄負担を背負ってきた人々でもあります。 この生徒急増の原因は、言うまでもなく戦争であり、その責任は、終局的には国がとるべきもので、教育尊重を標榜するわが国としてはこの際、問題解決のための抜本的施策を講ずる必要があります。そこで、この三年間の生徒急増期を限って、臨時にこれに対処するため、国は特に高校の新、増築費並びに校地買収費を補助すべきであるとして、本法律案を提出した次第であります。 本法律案のおもな内容といたしましては、昭和三十七年度から昭和三十九年までの間の公立高等学校の建物の新築及び増築の費用の二分の一、校地買収費の三分の一を国が補助すること、私立高等学校にも、政令でこれを準用することができる旨規定しております。 従いまして、私立高等学校に対しても、この急増期間を限り、公立高等学校と同程度に、国が補助の措置を講ずることを強く期待するものであります。 次に、ただいま議題となりました学校騒音防止工事費交付金法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、駐留軍及び自衛隊の使用する航空機の発達に伴い、これら基地周辺の居住者が物質的、精神的、肉体的な損害を多大に受けておりますことは、御承知の通りでございます。 特に、学校教育における航空機の騒音による被害の状況は、本委員会の調査並びに委員派遣報告によっても明らかにされております。例えば、板付航空基地周辺に所在する学校の児童、生徒にありましては、聴力の低下はもとより、著しい学力の低下、進学率の低下を招いておりますが、この最大の原因が、騒音の増大及び騒音によるたび重なる授業の中断にありますことは申すまでもありません。 現在、駐留軍基地周辺の学校教育施設に対しましては、昭和二十八年に制定された日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律に基づき、騒音防止対策工事が施行されており、他方、自衛隊基地周辺の学校教育施設に対しましては、昭和三十三年防衛庁訓令第百三号に基づき、騒音防止対策工事費補助金が交付されております。 しかしながらこれらの国の措置を見ますと、その進行状況はまことに遅々としたものであります。すなわち、鉄筋改築A3級防音工事を要する学校百七校に対して、現在なお、その約八九%九十五校が工事未了という実情であります。 特損法が施行されて約九年を経過した今日、その間、航空機の発達に伴う騒音防止対策工事の対象校が増加したとはいえ、あまりにも低い実績といわざるを得ません。さらに、補助対象の範囲の中に校舎等を騒音場所から移転する場合の校地の買収費、新築防音鉄筋工事費、建物内の防音装置、換気装置等の修理、更新費及び所要の電力費等が入っていないこと等、きわめて不十分でございます。 児童、生徒の年令は、人生においてその基礎を形成する最も貴重な期間であります。その時期における教育が、国の微温的な施策によって阻害されていることはきわめて遺憾なことでございます。 このような実情にかんがみ、これら基地周辺における学校教育の正常な実施を確保するために、国は学校施設の騒音防止についてすみやかにかつ完全な措置をするよう本案を提出した次第でございます。 次に本法律案の内容について申し上げます。 その主要点は、駐留軍及び自衛隊の航空機の使用等によって生ずる騒音場所に所在する学校教育法第一条に止める公立及び私立の学校の正常な授業を確保するため、その校舎、講堂の騒音防止のために必要な防音装置工事、鉄筋工事、移転に伴う建築並びに校地の買収、換気装置等の修理更新並びに所要の電力にかかる諸経費等について、また、大学、高専以外の公立学校にあっては、騒音場所における新築にかかる防音装置工事または防音鉄筋工事にかかる諸経費について、国は当該学校の設置者に対し、学校騒音防止工事費交付金を交付することであります。その他、国は本法施行に必要な事務費を都道府県に交付すること、現在防音工事を必要としている対象校舎等については、昭和三十九年度中に工事を完了すること、本法の施行に関する事務は文部省の所管とすること等を定めております。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○櫻内委員長 各案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○櫻内委員長 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。 すなわち、学校教育に関する件、教科書に関する問題について参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻内委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選及び出頭日時等、所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻内委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○櫻内委員長 この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 すなわち、文化財保護に関する小委員会を設置し、調査を進めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻内委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、小委員の員数、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻内委員長 御異議なしと認めさよう決しました。 なお、委員の異動等に伴う小委員の補欠選任等並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻内委員長 御異議なしと認め、よう決しました。 ————◇—————
○櫻内委員長 学校教育に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
○村山委員 これは京都の伏見区の深草中学校で起こっておるところの問題であります。そこに育友会というのがあって、PTAの組織になっておるそうでありますが、中村吉郎という会長がおられるようであります。その中村吉郎氏が会長の名をもちまして先生方の調査表を各家庭に送って、基本的な人権を侵害しておるのではないかというようなことで、法務局の人権擁護課に関係者が提訴をしておるという問題であります。たとえばこの調査表の内容を見てみますと、学力テストに問題が発生をしておるわけでありますが、この調査表に、深中から去ってもらいたいと思われる先生の名前と理由、それから何先生が何月何日どこで何時ごろだれに学力テスト反対についてどのようなことを言ったかという問題や、さらに好ましくないと思われることは、あなたの知人で学力テスト反対の保護者があれば、その人は何町何番地のだれですかというような一般地方住民の思想調査まで、この中村会長が調査表を各家庭に送りまして集めておる。しかもその集まった調査表を市の教育委員会に提出をして、先生たちの不当な人事異動をやってもらうように、人事に対して干渉をしようとしておる事件であります。深草中学校は学力テストが行なわれたところの学校であります。しかしながらそれに対して、会長その他の学力テストに賛成の人たちが学校当局に乗り込みまして、先生方を悪者の集団のように印象づけて、その先生たちを守るためにかけつけました労働組合その他は、その先生たちの態度決定についてはいささかも介入しませんし、また暴力的な行為に出たわけでもありませんし、実質はこの学校は学力テストが実施されたわけなんです。だからこれだけの問題ですと、一応済んだことでもあるし、何の問題もなくて終わったということになっておるわけですが、その後において、会長がそういうような名前のもとに調査を進め、それを市の教育委員会の方に届けに行くというようなことをやり、片一方民主教育を守る会というのが生まれまして、先生たちの不当処分、不当配置の防止あるいは会長の行動について批判をしていくというようなものに対して、三千名の署名運動を行なうということで、昨年の十月二十六日に行なわれました学力テスト後において、三月の十日になりますと、中村という育友会の会長が総会において不信任案決議を受けるという事態も出ておるし、人権擁護課に提訴をするという問題が出てみたり、非常に混乱があるような状態になっております。たとえば、その実行委員会を会長が招集をいたしまして、それに対して傍聴をしたいということで三名のおかあさんたちが出かけていったところが、会長は一一〇番に電話をして、パトカーを呼びまして、四人警官がやってきて、その傍聴にやってきた婦人を連れ出すというようなことまで行なわれたという情報が入っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、そういうようなねじ曲げられたところの事実や、あるいは人権無視に通ずるようなことや、さらにまた大きな問題として考えなければならないのは、市の教育委員会が当然行政権については持っておるわけでありますが、そういうような人事異動等に関連いたしまして、これらの不当な人権違反と思われるような資料を持ち込んで、そして好ましくない先生、自分のめがねにかなわない先生は追い出してやるんだというような方向にPTAが動かされていくということは、非常に好ましいことではないと考えるわけであります。そういうようなことに対しまして、文部省がもし調査をしておられるのであれば、それらの問題について報告を願い、あるいは調査をされていなければ、一般的にこの問題についてはどういうふうにお考えになり、さらに事実等を調査されなければわからないのであれば、その後に対するところの調査、指導等についての態度を承っておきたいと思うわけであります。
○宮地(茂)政府委員 ただいまのお話の京都市におきます育友会会長の動き等のことにつきましては、今この席で村山先生から初めて耳にするところでございますので、十分私の方で事実を掌握いたしておりません。従いまして、おっしゃいますような内客があったかどうかという点を、まず文部省といたしましても調査をしてみる必要があろうかと思います。従いまして、その点につきましては、十分さっそく調査をいたしてみたいと思います。その結果でないと、はっきりしたこれに対する考え方を申し上げにくいと思いますが、一応一般的な問題といたしまして、かりにそのようなことが事実であったとすれば、中正であるべき人事の問題に干渉し、または行政に干渉する、あるいは思想調査と疑われるようなことをするということは、一般論としては、好ましいことではございませんし、避けなければならないことと感じますので、そのようなことが、調査の結果事実であるといたしますれば、文部省といたしましても、適切な行政指導を加えていかなければならない、このように現在のところは考えます。追って調査の後はっきりした答弁はさしていただきたい、そのように考えます。
○村山委員 ただいまの御答弁で了承いたしましたので、すみやかに調査して、こういうようなことが生まれないように、一つ市の教育委員会なり、府の教育委員会を通じて指導をされますように要望を申し上げておきたいと思います。 それから、あと一点だけお尋ねしておきたいのですが、これはこの前教科書の内客につきまして、私、社会科の小学校の六年生の教科書の中で、憲法第九条第二項について触れておるのが一つであって、七種類のうち六種類までは触れていないということを申し上げました。ところがそれに対して、あとで個人的な形でございましたが、教科書課長を通じて、福田初中局長から私のところに、いや、それは間違いであって、七種類のうち三種類が触れております、四種類が触れておりません、こういうような答弁をいただいたわけであります。そこで私は、もう一回ことし現に採択をされている教科書を全部調べてみましたが、やはり私が申し上げておりますように、この問題について触れているのはただ一種類だけであります。あとの六種類は全然触れておりません。そこで私は、ここに全部内容を調べて、どういうような取り扱いをしているかということまで調べ上げた資料を持っておりますが、私に対しましてそういうようなことを耳打ちをされました初中局長、きょうおいでになりませんけれども、各教科書ごとの名前、出版、発行の会社名、それから政治の問題についてどういう取扱いをしているか、国民の生活の問題、社会の動き、こういうようなものに対してどういうような表現の内客になっているかということを、私は私なりに資料を持ってはおりますが、私に対しましてそういうふうにアドバイスをしてもらいましたことが間違いでございますので、教科書課長等を通じまして、それらの七種類のうち三種類は九条二項について取り上げておるというその数字を具体的に証明ができるような資料を、この次の委員会のときにお出しを願いたいと思うわけであります。委員長を通じまして、資料要求をいたしておきます。
○櫻内委員長 善処いたします。 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 実習助手の法律的性格といいますか、そういう点について疑問があるので、お聞きいたしておきます。 実は大学の実習助手の方々がこの間来られたのであります。私も十分に研究していなかったのでありますが、実習助手は現在の法制の建前からは教育職員になっていない、われわれは職務内容その他から実質上教育職員であるという確信を持っておるのだが、現在の法制的立場ではそれがあいまいである。まことに遺憾だという意思表示をしておったので、私はもっともだと考えます。その点について、現在の法制的立場から、大学の実習助手、高等学校の実習助手についての御見解をお聞きしておきたいと思います。
○宮地(茂)政府委員 今おっしゃいました点は教育公務員特例法に規定する、いわゆる特例法の対象になる職員であるか、そうでない一般の国家公務員法で規制される職員であるか、その点を限界といたしまして、自分らは教育公務員特例法の対象となっておる一般の教授、助教授あるいは高等学校では教諭等々と同じであるから、特例法の対象の公務員にすべきであるというお説であろうかと思いますが、御承知のように教育公務員特例法は、一般の国家公務員法、地方公務員法の特例を規定いたしたものであります。従いまして、特例法の対象になりました職員は、大学には事務を扱います事務局長その他事務員もおりますが、そういうものは純粋な事務をやるのである、教員ではないということから、今おっしゃいました実習助手のようなもの、これは職制としましては技術員とか技能員とか、あるいは教務員とかいうことで呼ばれております。大学では学長、教授、助教授、講師、助手以外の職員ですが、今言いましたような技術職員、技能職員、教務員で、従ってこれらは行政職一、行政職二とか、俸給表も違ってくるわけですが、そういうことになっておりますので、これはもちろん大学の職員ではございますし、また純粋な事務ではなくて教育的な仕事に従事する職員ではございますが、教育公務員特例法の対象となる職員ではない、このような扱いになっております。
○山中(吾)委員 大学実習助手について先にお聞きしますが、大学の実習助手については、学校教育法の五十八条において、明らかに教育職員として明示をされておる。高第学校の場合は明示をされていないのでありますけれども、これは明示をされております。すなわち、第五十八条に「大学には、学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない。」こうなると助手というのは学校教育法上明確なる教育職員である。ところが教育公務員特例法の中の第二条には、これを抜かしておる。学校教育法上は教育職員であるが、教育公務員特例法においては教育職員でないということから事務職員扱いになっておる。非常に法制全体として矛盾があれば直ちに改正しなければならぬと思う。その点は助手というものに対する考え方が明確でないからこうなったのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。
○宮地(茂)政府委員 私先生のおっしゃることを先ほど若干誤解しておりました。先生が実習助手とおっしゃいますものですから、高等学校の実習助手と。——大学では、先生のおっしゃるのはいわゆる助手、それをちょっとはっきり聞き取れなかったのですが、大学の助手と申しますのは、今学校教育法五十八条をお引きになられましたが、これは実習助手ではなくて大学の助手の意味と存じますが、そういう前提でお答えいたします。五十八条の助手「助手は、教授及び助教授の職務を助ける。」とはっきり書いてあります。この助手について申し上げますと教育公務員特例法の二条に掲げる者になっておりませんが、この教育公務員特例法施行令の二条で、「大学の助手については、法に規定する大学の教員に関する規定を準用する。」ということで、準用職員になっております。いわゆる普通に教育職員といいます場合は、法律的にはっきりいいます場合と、若干俗称いわれる場合と、法律上の扱いでどうだという場合、違いますが、私ども法律的に教育職員と申しますのは、教育公務員法の対象になっておる者、従いまして助手はこれの準用を受けておる職員でございますので、教育職員というふうに考えていいものと存じております。ただ高等学校の実習助手につきましては、特例法の準用職員にはなっておりません。これは大学の場合で教育職員といいます場合、大学の助手というものは、教えること自身はいたしませんけれども、高等学校のいわゆる実習のビーカーを振ったりガスをつけたり、いろいろ事務をやるそういう者とは違って、教授、助教授がやります研究なり教育と一体となったような仕事をしますので、大学の助手の方と高等学校の実習の助手とは性格的に若干異なる。従って大学の助手は教育職員というふうに法律的にも考え、そのような処遇をいたしておるわけでございます。
○山中(吾)委員 これは時間がかかるなら次に譲ってもいいと思うのですが、大学の、いわゆる実習助手でない助手、学校教育法に明示されておる助手は、今教育公務員特例法の二条にはない、しかし特例法施行令の第二条においては「大学の助手については、法に規定する大学の教員に関する規定を準用する。」準用するという言葉は性格は違うけれども同一法規に適用するという意味であることが大体の法解釈のわれわれの常識なのです。従って第二条において「準用する」という規定があるがゆえに、大学の助手はいわゆる教職でないのだ、異質の性格のものであるが、同一の法規を準用すると規定しておるがゆえに、逆に教育公務員特例法によっては教育職でないということを明らかにしているのじゃないですか。あなたの説明は逆になる。そうならないですか。
○宮地(茂)政府委員 教育公務員特例法の二十二条に「教育公務員以外の者に対するこの法律の準用」とございまして「国立又は公立の学校において教員の職務に準ずる職務を行う者、」中略いたしますが、これらについては「政令の定めるところにより、この法律の規定を準用する。」ということで、この教育公務員特例法の直接の適用対象者としての職員ではございませんが、その特例法の規定に根拠を置きまして、準ずる職員として政令で規定されております。従いましてこれらについては規定を適用される者と準用される者、もちろん法律的に違いますが、実質は適用される適用条項を準用されておりますので、実質的には教育公務員の扱いを受けておるというふうに考えられると思います。
○山中(吾)委員 そうすると形式的には教育職員でないのだとやはり結論が出るのじゃないですか。学校教育法には教育職員とはっきり書いてあるのですよ。
○宮地(茂)政府委員 学校教育法の五十八条は、別に教育公務員だとか教育職員だとかいう——言葉じりをつかまえるようで恐縮ですが、そういう明文で書いておるのではございませんで、「大学には学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない。」といったようなことが一項の規定で、以下それぞれの職員の職務内容が掲げられておるわけでございます。これを山中先生は教育職員というふうにお呼びになっておられるのであって、五十八条はだから教育職員で、教育公務員特例法の二条の「教育公務員とは」云々とそういう関連づけをされますことは、ちょっと答弁に窮するのでございますが、五十八条は学校に置かれます基本的な職員、その職務内容を掲げておる。教育公務員特例法では、公務員の身分、扱いとして、国家公務員法がありますが、それだけでは工合が悪いという点について、特にその必要な職員を教育公務員として二条に掲げたという関係になりますので、学校教育法五十八条に書かれておる職員と教育公務員特例法二条の定義の中に書かれておる職員が直接に結びつかなければならないという法律的な直接の関連は出てこないのじゃないかと思います。
○山中(吾)委員 言葉じりをつかまえて工合が悪いんだが、言葉じりじゃないわけです、これは法律解釈の問題だから。それで五十八条に「学長、教授、助教授、助手及び事務職員」と書いているから、事務職員以外の一つの職種のグループを上に掲げておるわけです。私はそれを教育職と見たんですよ。ここに教育職という熟語はない。しかし「及び事務職員」ですから、事務職員じゃない、教育に従事する職員であるということが、大体そこの列記した姿から見ると、一応解釈用語としては教育職と言えるのではないか。それで形式的にも五十八条に大学の助手は教育職と、ここの教授、助教授、助手の系列の中にいる職種だ、そうしてその教育に従事するものに対する特別の特別法として教育公務員特例法というものができておるのだから、この特例法に教職にあるものが規定をされるのが常識であって、そこからはずしてしまっているのはどういうわけだということが私の疑問なわけです。はずしてしまったその理由は、あなたの御説明では助手は必ずしも教職ではないのだ、準ずる職にすぎないのだ、こういう説明のように聞こえるわけなんです。それならばこの助手というのは教職でもない、事務職員でもない、第三の職かというふうなことになると、そういうものはこの法律構成のどこにもない。しかも職務として第五十八条に「助手は、教授及び助教授の職務を助ける。」と明らかに書いてある。ここからいって実質的にも助手は教育に従事する、準ずる職員ではなくて、ずばり教職に従事するものだということが明らかじゃないですか。そこでこの建前から言えば、教育公務員特例法の第二条からはずしているということがおかしい。そうして施行令では準ずると書いてしまってある。準ずるという場合については、先ほど言ったように、法律常識からいったら性格が違うものを同一法律に適用する場合である。ここに専門家の上村さんもおるからあとでお聞きしてもいいと思うのですが、おそらくそうだと思う。そういう関係の中に助手の待遇その他が非常に不利になっておるし、きのう来た人も北海道大学助手農学博士前田隆と書いてある。学位までとっている。それはおそらく大学の教授、助教授の定員がないから助手になっておるだけの話であって、そうしてその助手そのものが、今言ったように学校教育法に明示されておるのだけれども、これを教職その他に準ずるというふうな取り扱い方の法律それ自体がおかしいのではないか。これは改正をすべきものであるというお答えをするのならまたそれでいいのですが、現在のあり方で助手というものがやはり完全な教職でもない、事務職員でもない中間的な第三的なものであるというふうにすることが妥当として、現行法でいいのだというふうにお考えになるならば、また次にもう少し深めてここで論議をして結論を出していきたいと思いますが、その点はどうですか。
○宮地(茂)政府委員 学校教育法ではただいま山中先生がおっしゃいましたようになるほど大学には「学長、教授、助教授、助手」というグループと「及び事務職員」ということで、事務職員と助手以上の職員をそれぞれグルーピングしております。ただ教育公務員特例法の第二条の定義にありますように、特例法の直接適用対象となる職員には助手は入っておりません。これはいわゆる大きくそのカッコのくくり方をどの範囲でするかでございますが、事務職員に対して、大きく分ければ、助手から教授、助教授までは一つのいわゆる事務職員ではないというグループに分かれると思います。ところで次に、それでは事務職員と分けられた教授、助教授、助手までの、山中先生のおっしゃいますいわゆる教育職員、これをまたどのように分類するかという観点でいきますと、教育公務員特例法では、そのうちの直接教育に従事しておる教授、助教授等をつかまえております。直接教育に従事しない大学の助手は、準用職員として、直接特例法の適用を受けるのではなくて準用するふうに分けておる。このように一応法律の建前はなっております。 それでは、こういうふうなことをするから助手の待遇が悪くなるのではないか、また教授、助教授の定員がないから教授、助教授に当然なってしかるべき者が助手でおるのではないかという進んでのお説でございますが、しかしそれはそういうことにはならないと思います。現実に実態を見ましても、助手は直接学生の教育そのもの、教えるということには従事いたしておりません。させてもおりません。ただ直接教えます教授、助教授の仕事に非常に密接な関連のある仕事はさせておりますが、学校教育法に規定いたしておりますように、五十八条にありますように、直接教えることはさせていません。その直接教えられる先生の職務を助ける仕事はさせておるわけでございます。そういうことから職務内容が違います。従って教授、助教授の定員がないから助手というところにはまり込んでおるのではなくて、大学では教授、助教授を必要としますが、同時にその職務を助ける助手としての仕事をする人を要求しておるわけでございます。しかしながら実質的には、大学の学部を卒業しあるいは大学院を卒業した人たちが、講師、助教授になる前段階として助手という仕事をしておる、大部分の人がそういう人であるという事態はございますが、それぞれ仕事も違いますし、また違った職員を大学という機関は必要としておるわけでございます。 それから、そういうふうにするから、教育公務員特例法からも適用職員と準用職員に分けるから待遇がよくないという点も、これは直接結びつかないと思います。それは助手の俸給表は御承知のように教育職俸給表一の適用を受ける職員でございます。一般の事務職員は行政職一とか二とかといったような俸給表の適用を受けております。従って大学では学長から助手まではそれぞれ教育職一の一号とか二号とか、号俸は違いますが、教育職俸給表一の適用職員になっておりまして、明らかに事務職員とは違った俸給表を受けております。 以上のような観点から、まあ中には助手を長くやっておるのは助教授の定員がない、あるいは講師の定員がないので、その講師、助教授の先生がおやめになるまで、定員があくまで助手をやっておるという者が絶無とは思いませんが、一応そういう者が若干はあるといたしましても、建前といたしましてはやはり助手という職員は必要とする、大学という一つの機構の中では必要とするポストでございますし、そこのポストでいろいろ勉強して助教授、教授になっていくという実態も、非常に弊害なく行なわれておる点もございます。そういうことから一人々々を具体的にとって考えてみますと、中には山中先生のおっしゃるような職員が絶無ではないかとも思いまするけれども、さらばといって教育公務員特例法のやり方を考え直さなければいかぬとか、あるいは現在の俸給表の立て方を変えなければいかぬとかいう問題に直接結びついてくるものとは考えません。
○山中(吾)委員 絶無でないと言いますがね。たくさんあるのですよ。お調べ下さい。全国の大学のなにを調べてもらいたい。高等学校の実習助手は授業しています。それは絶無ということは、一万に一人という意味なのか千人に一人という意味なのか、いずれにしてもそれには当たらない。それでこれについては、現実に学位まで持っている者が授業をする資格がないというようなことはいえないのだし、もう少し掘り下げて実態に合うようにすべきだ。助手という名前はなくせというのではなくて、教授、助教授、助手というものは、三つのおのおの違ったような職務を持った者がないと、いわゆる大学の教育というものは不備になるとかいうことはわかる。しかしそういう三つの職種を持ちながら教育職の中の職務の差があっても、現実においては非常に実態に合わないものがたくさんあるので、私は法制的にも改善すべきものが相当あるのじゃないかと思っておるわけです。 きょうはきのうの関係もあって、だいぶ委員長もお疲れのようだしするから、これは次の質問に残しておいて、それから高等学校の実習助手を含んで法案も実は出しておるわけでありますから、次に質問を保留しておきたいと思います。
○櫻内委員長 次会は来たる十三日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十二分散会