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40回国会衆議院1962/07/06

農林水産委員会 第45号

発言数
8
登壇者
4
会派数
3
開催日
1962/07/06

会議録

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。昭和三十七年産米穀の政府買入価格に関し、大澤食糧庁長官より発言を求められております。これを許します。大澤長官。

大澤融食糧庁長官

○大澤説明員 本年産の米価決定の作業、米価審議会の御審議の模様について御報告を申し上げます。  ことしの米価審議会は、御承知のように六月の二十日と二十一日に開きまして、その際麦、それから米の価格決定についての諮問を申し上げました。米につきましては、昭和三十七年産米の政府買入価格の決定にあたり留意すべき事項について米価審議会の意見を求めるという諮問をいたしました。昨年までは米価を幾らにするという数字をお示しして御意見を求めたわけでありますが、ことしからはこういう形で基本的な事項についての意見を聞くという形の諮問に改めました。  そこで、この諮問の意味ですが、これもプリントにしてお配りしてあると思いますけれども、私からその内容を御説明申し上げます。  三十七年産米穀の政府買入価格の決定にあたりましては、昭和三十五年産米以来とっております生産費及び所得補償方式、これで決定したいのであるけれども、この方式の運用の仕方というものについてはいろいろある。そこで、たとえば所得確保ということを重点に置く考え方、あるいは選択的拡大あるいは財政負担を問題にしてこの運用を考える、いろいろ考え方によってこの方式の運用の仕方は変わって参ります。  そこで、一体どういう点に重点を置いて、どういう基本的な考え方からこの運用をしたらいいんだろうか、そういう点で留意せよという点をお聞かせ願いたいということでございます。そこで、この運用の仕方といたしましては、この方式が生まれたときといろいろ事情が違っているという御意見もあるわけであります。たとえば補償さるべき生産費、あるいはどういうものを都市均衡労賃として補償するかということで、適正な限界の農家のとり方についての問題もあります。あるいはまた、この適正な限界の農家についての所得を補償するという都市均衡労賃のとり方についても、従来製造業の全規模をとっているわけですが、小さいものは除けとか大きいものは除けとか、いろいろ意見があるわけでありますが、そういうものについて一体どういうふうに考えたらいいのかということ。  さらに米価体系の問題といたしましていろいろな格差、あるいは加算金があるわけですが、そういうような時期別格差ですとか、あるいは申し込み加算でありますとか、等級間格差でありますとか、その他のものにつきまして一体どういう取り扱いをしたらいいかというような点についての御意見を拝聴さしていただきたいという意味でこのような諮問をしたわけであります。  そうして二十日、二十一日と麦をやりまして、多少米に触れたわけですけれども、さらに昨日まで七月三日から三日間米について御審議をいただきまして、これもお配りしてございますけれども、お手元にあるような答申を得たわけです。  すなわち、三十七年産米穀の政府買入価格の決定にあたっては、「従来の生産費及び所得補償方式によることはやむを得ない。」さらに「各種格差、加算については、手取米価の実態等を考慮し、慎重検討のうえ、その適正化につとめること。」という答申を得たわけであります。これに基づきまして、この答申を尊重いたしましてこれから米価の決定をしていきたい、こう思っております。  そこで、米審の中で各委員から私が今申し上げましたような問題についていろいろ御意見があったわけですが、その主要なものについてかいつまんで触れさしていただきますと、まず大きく分けまして、生産費及び所得補償方式の運用上の問題と、さらにそれに関連したような事項と二つに大きく分けられると思いますが、第一点につきましては、まず適正な限界の農家についてでありますが、これは従来、と申しますか、去年やっております方式は、反当の平均生産費を、反収の方はワン・シグマ引いたものでとってやっている。普通の単なる平均生産費よりはより高い生産費を持つような農家を考えて適正な限界の農家というふうに考えておるわけですけれども、これに対しましては、農業団体で言っておられますような、例の戸数累積をして、八〇%の農家群の生産費、それに地代を加算する、そういうところをとるのが適正な限界農家だという御主張が一つあります。さらに、それとはむしろ相反する考え方かとも思いますが、需給関係というようなことを考えて弾力的に運営するために、平均生産費を下限にして需給事情を織り込む、これはたしか三十四年にやったと思いますが、いわゆるラムダ方式というようなことを考えたらどうだというような御意見が一つ。それからさらに、やはり同じような前提でのものの考え方と思いますが、反当平均生産費を今のようにワン・シグマ以下ということでなく、平均反収以下のものについての平均をとっていく、その反収で割るといったようなことで適正限界農家を求めたらどうかというような御意見が一つ。おもなものはその三つでございます。  それから、それでは補償すべき所得ということでの自家労働の評価がえの問題ですが、これは従来は、去年までやりました方式は、製造業の全規模の平均をとっておるわけですけれども、これにつきましては製造業全規模の平均をとれという意見、その通りやれという御意見も多かったわけですが、さらに所得補償の趣旨から、適正な規模の製造業の平均賃金をとれということ、つまりこれは、適正という場合に二様の考え方があるようですが、五百人以上というような全く異質のものについては均衡というようなことは考えられないので、五百人以下あるいはその場合に四人以下というようなものを切って、五人から四百九十九人までの均衡を考えろというようなことのお話。あるいはまた逆に、三十人以上をとれ、二十九人以下のような零細なものをとるべきではないというような二様の見解がこれには含まれております。  それからさらにこれと関連いたしまして、従来の方式では反収が上がるとか、あるいは労働時間が下がるというような、いわば生産性の向上があった場合には、特別な所得増をしているという関係もあって、そういうものは生産費価格の引き下げの要素に百パーセント働くわけですけれども、そういうことではなくて、米作の生産性の向上のメリットを価格に織り込むようなことを考えたらどうかという御意見。しかしこれと関連いたしまして、そういうものを織り込むということならば、製造業の平均賃金の織り込み方の方もかげんをすべきである。生産性の向上を半分、それから労賃の上がりの方も半分というように、バランスをとった形でやるべきではないかというような御意見もあったわけです。  それから次に格差、加算の問題ですが、時期別格差につきましては全廃し、あるいは廃止の方向で整理をしていけという御議論と、そのままにしておけという御議論と、もう一つは、多少ニュアンスが違いますが、今までの実績を考慮して、時期別ということでなくて地域別の格差というようなことの方向で整理していったらどうかというような御意見がありました。  それからさらに歩どまり加算につきましては、これは従来の趣旨でやるのがよろしい、これは圧倒的だったのですが、ただその中で陸稲については、こういう加算をやめたらどうかという御意見がありました。  それから、もち米加算につきましては、従来の趣旨により存続するということと、加算でなく、むしろうるちやもちの格差としろというような御意見。  さらに品質格差の問題につきましては、陸稲について従来通りにせよというのと、陸稲については時期格別差ですとか歩どまり格差のない水稲うるちと同じようにしたらどうかという御意見、あるいはまた水陸稲については格差を設けろ。これは消費者価格、払い下げ価格の方で今普通の米が十キロ八百五十円のものが八十円ほど安く売られております。ところが買う方は同じ値段というのではおかしいので、買う方も水稲と格差を設けたらどうかという御意見等がございました。  それから予約加算は廃止したらどうかというお話がだいぶ出ましたが、ただ逆にむしろこういうものを置いておかないとやみがふえるというような御理由で、予算は従来通り続けろというような御意見もございました。  それから、米価の算定方式そのものについては、大体こんな御意見だったわけですが、これと関連いたしまして、消費者価格の問題について、生産者価格と同時に消費者価格を決定するのがよろしいというような御意見、あるいは消費者価格については早急に検討の上この審議会に諮問しろというような点が触れられたと思います。  それからさらに大きな問題としましては、財政負掛の問題、これは食糧管理について政府が負担している大きな支出は一体どういう意義があり、どういう基準であるいはどういう限界で考えたらいいのだろうか、あるいはまたこれはもう単なる行政費なのだ、あるいは社会保障的な支出なのだというようなことで、いろいろ御議論がございましたが、これは諮問のあとで会長さんが特に発言をされまして、食糧管理についての政府の負担する支出の意義を明らかにするように一つやれというようなお話がございました。  それからさらに米穀管理の問題につきまして、配給制度の改善の問題ですとか、あるいはまた生産者価格と現行管理制度というようなものの相互の関連の問題ですとかいうようなことにも触れた御議論がございました。  それからさらに、もち米の管理につきましては、政府以外にも売却するような道を開いたらどうかというような御意見と、従来通りの管理を続けろというような二様の御意見がございました。  それから、予約減税というようなことについても、存続せよというのと廃止せよというのと両方御意見がございました。  簡単に触れますと大体こんなことなんですが、私どもこれを一つ頭に入れてこれから米価の決定に当たりたい、こう思っております。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 暫時休憩いたします。    午前十時五十八分休憩      ————◇—————    午後五時五十六分開議

野原正勝自由民主党

○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日の会議において、河野農林大臣の出席を要求し、しばしば折衝したのでありますが、今日に至るも出席がございません。まことに遺憾に存ずる次第でございます。  この際、足鹿覺君より議事進行に関する発言を求められております。これを許します。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私はこの際、本委員会の運営につきまして若干委員長の所見をただすとともに、われわれの今日までとった経過を申し上げ、さらに委員長において最善を努力してもらいたいと思うものであります。  そもそも今回の委員会が招集されるに至りました経緯については、昨日の委員会においても同僚委員から発言のあった通りであります。要は、本年産生産者米価の決定にあたって、従来の慣行を政府が一方的に破り、米審を非公開といたしたことに対し、わが党議員の栗林三郎君より、六月一日の本委員会において、河野農林大臣に所信をただした際、河野農林大臣は、みずから進んで、国会において十分御論議をしていただき、これを十分尊重する用意のある旨を発言をされたのであります。従って、われわれも委員長とともにその発言を重視し、かつまた全国のこの米価問題に関心を寄せる生産農民はもちろんのこと、全国民の眼はこの委員会に大きく注がれて、期待をしておったのであります。にもかかわらず、昨日一日を空費し、さらに本日再三にわたって出席を要求いたしたにもかかわりませず、米価決定に対する当面の最高責任者である河野農林大臣は、ついにこの議場に姿を現わすに至らなかったのであります。われわれはこの間条理を尽くし、時間をかけまして、その出席を今日に至るまで待ったにもかかわらず、本委員会を軽視あるいは無視するがごとき不遜な態度に出たことに対しましては、われわれは断じてこれを許すことはできないのであります。従いまして、われわれはこれが問責について、重大な決意を実は持っておったわけであります。すなわち問責の決意については、「昭和三七年産米価決定に当り、米価審議会は前例を破って非公開とし、六月一日開催の本委員会に於いて河野農林大臣は自から発言して米価は国会に於いて審議され度い旨明らかにした。したがって全国民は米価審議のため召集された本委員会を注目し、且期待したにもかかわらず農相は遂に出席を拒否している。これは自からの発言の責任を負わず、所管大臣として無責任のそしりを免がれないところである。よって本委員会はその不信と責任を問はんとするものである。」旨の決議をする重大な決意をわれわれは持っており、また与党の諸君の中にもおそらく、党籍は異にいたされましても、われわれのこの気持については同感の向きもあろうかと私どもは推定しておるのであります。まことに遺憾千万であることをここに明らかにいたしておきたいと思うのであります。  さらに第二点につきましては、本日食糧庁長官から、米価審議会の諮問の趣旨及び審議会における若干の審議の模様、あるいは答申の趣旨等について、説明があったのであります。われわれはその説明を聴取いたしまして、まことに食管法の精神を一方的に乱るものである、かような印象を深くいたしますとともに、その反省を促したいと考えたものでありますが、この機会に明らかにいたしておきたいことは、食管法三条によって、生産者米価は再生産をはかることを旨とする、かように決定をされておる。その算定方式としては土産費所得補償方式に基づいて先年来算出され、決定をされて今日に至っております。従いまして、それに対する諮問を具体的にすべきであるにもかかわらず、三つの点について諮問を発しておる。つまり、生産費所得補償方式によるべきか、あるいは選択的拡大条項に基づく方向によって運用さるべきか、あるいは赤字等財政負担の点からこのことしの米価決定については法の運用をはかるべきかといったような、全く食管法第三条の趣旨に反する諮問案を発し、しかもそのような内容について趣旨の説明を行なっておるのであります。これは明らかに食管法第三条の精神に基づく諮問であるとはわれわれは考えがたい。このような大きな矛盾を持っておりますがゆえに、答申といたしましては、生産費所得補償方式によるもやむを得ないというがごときかつて見ざる答申がなされておるのであります。従いまして、これについては農業団体から、委員長においてもすでに御案内の通り、各種な立場からそれぞれ切実な要求が出ておるのでありますが、われわれといたしましては、少なくとも午前中来自民党の農林委員諸君にもお話を申し上げ、委員長もまた委員長としての立場からあっせんをされ、そうして少なくとも実現可能な最大公約数としての米価算定に対する当委員会の意思決定を行ない、そして河野農林大臣をしてみずから言わしめたことにつき、当委員会の意向を明らかにすべきであると考えたのであります。その点について、種々話し合いをいたしましたが、先ほど党内においてそのようなことは困難である旨のお話がございました。ここにその実態を明らかにしておきたいと思うのでありますが、すなわちこの問題につきましては、昭和三十七年産米価格等に関する件につきまして、日本社会党並びに民社党はお互いの共同の立場に立ちまして次のような案文を当委員会に上程をいたし、そして各位の満場一致の御賛成のもとに、農林大臣をして傾聴せしめ、これを本年産米の価格に正当に織り込むべきことを期待しておったのであります。今われわれが考えておった案文についてここに朗読をし、明らかにしておきたいと思います。   政府は、昭和三十七年産米穀の買入価格の決定に当っては、最近における物価、労賃の苦しい上昇の事実にかんがみ米作農家の所得の確保、福祉の向上を重点として生産費及び所得補償方式の運用を図るべきである。   従って、  一、基本米価については農業者団体の要望の線に即し農家庭先渡し、正味一五〇瓩当り一二、七六八円以上とすること。  二、予約申込加算、概算金払、時期別格差、歩留加算等の各種加算金及び格差等は従前通りとし、これを廃止ないしは圧縮しないこと。    なお、もち米加算についてはその需給が逼迫している実情にかんがみ、水陸稲ともこれを適正な加算額とすること。  三、予約減税措置は、昭和三十七年産米に対しても引続き実施すること。  右決議する。このような趣旨のものを、先ほど来申し上げましたように、るる御説明を申し上げ、少なくとも六月一日の河野農林大臣の言明を、われわれがほんとうに真剣に当委員会で検討の結果をまとめ、その言明にこたえ、これを政府が取り入れるべく最大公約数を得たいと努力をいたしたわけでありますが、はなはだ残念であります。  しかし、われわれはこの案を原則的に今最大公約数としてここに提案することを申し合わせ、民社党とも打ち合わせたわけでありますが、われわれといたしましては、またほんとうの原則的な立場については、まだこの算定方式の根拠になる点が明らかでない、これを明らかにする必要がある、かような立場から、政府は、昭和三十七年産米の生産者価格の決定にあたり、次の事項について大体これを算定の基礎に置くべきである、かように考えておるのであります。  その一つは、食糧管理制度についてでありますが、「現行食糧管理制度はこれをあくまでも堅持すること。」  その二は、米の政府買入基本価格の算定についてでありまして、「(一)算定方式は、バルクライン八〇%による「生産費および所得補償方式」とすること。(二)米作のための自家労賃は製造業規模三〇人以上の労働者の賃金によって評価すること。(三)雇傭労賃は雇農の所得を補償するため右の自家労賃と同様に評価すること。(四)女子労賃は男女同一労働同一賃金の原則にもとづいて評価すること。(五)都市農村間の物価差はみないこと。(六)米価決定後、物価・賃金等が上昇した場合には、これに応じて追加払いを行なうこと。」  その三は、昭和三十七年産米の生産者価格等についてでありまして、「(一)昭和三十七年産米の政府質入れの生産者基本価格は、正味一五〇キログラム当り一四、六〇〇円とすること。(二)時期別格差、歩留加算ならびに陸稲、西南暖地早期栽培米の取扱いについては現行どおりとすること。なお、もち米加算は、もち米の生産を確保できるよう水陸稲とも適切な加算額とすること。(三)予約申込加算、予約売渡米に対する減税措置(所得税および地方税)および概算金は前年どおりとすること。(四)消費者価格については現行価格をすえおくこと。」  その四は、米価審議会についてでありまして、「米価審議会はこれを公開し、その民主的な運営のもとで価格を諮問すること。」  このような基本的な、われわれといたしましては考え方と立場を持っておるにもかかわらず、本年のいわゆる異常にも近い労賃、物価の上昇、これに伴う産業間の格差の拡大、これをいかにして圧縮し、解消せしめていくかということになりますならば、つまり最も端的に農産物の四九・五%を占める、いわゆる五〇%を占める米価について、まず政府が誠意を示して、いわゆる所得の格差解消のための具体的な方途としてその誠意の一端を米価に現わすべきである。それなくして、いたずらに農業基本法において所得の均衡を得せしめるなどという美言麗句を並べましても、農民は信用いたさないのであります。そういう面からわれわれはこのような原則的な考え方を持ち、しかもこれを強力に今日まで推進し実現すべく努力したにもかかわらず、なお忍びがたきを忍んで、少なくともこの切実な農民の要求に対しては、お互いが党派を越え、話し合いをし、しかも少なくとも一応一万二千七百六十八円を最低とする線をまず出して、との点において与野党の意見の一致を見、政府の善処を要望する、そういうきわめて建設的かつ具体的、現実的な態度をとったにもかかわらず、これらの点については、何ら政府当局を代表する農林大臣の出席がない、そして、この切実な農民の声を聞き、農林大臣が善処する機会をみずから放棄したことにつきましては、われわれは今後においても、その責任を追及いたし、この趣旨を全農民に向かっても明らかにしていかなければならないと考えておるのであります。  いわんや第三点におきましては、基本米価と手取り米価の錯覚を利用して農民を欺瞞せんとする傾向が顕著に最近の数字に現われてきておるという事実であります。これは去る六月の二十四日に「米価は一万二千円台で一致」という見出しにおいて、「東北遊説中の自民党前尾幹事長は山形県新庄市で「生産者米価を百五十キロ当たり一万二千円台にすることは党としてまとまっている」と語った。」と伝えられておるのであります。これは日刊の権威ある農業専門の報道機関に伝えられておるのであります。すでにこのように今日まで一応の一万二千円台というものの台をきめておきながら、しかも米価審議会には口をぬぐって、先ほど私が述べたような食管法にも定められない越権の諮問行為をなし、またその説明を行ない、そして現実においては基本米価において少なくとも最低一万二千七百六十八円を要求しておるのに、米価は一万二千円程度を実現をすると言い、あたかもこの要望にこたえるがごとき態度をもって欺瞞せんとするような言動は、私は公党の立場からとるべきものでないと断ぜざるを得ないのであります。もっとその内容を明らかにし、できる点はできる点、できない点はできない点、なぜできないか、その点を明らかにする責任が私はあったと思うものであります。そういう点についても、いまだ米価はきまっておりません。従ってここ数日中に政府も決意するでありましょうが、そのようなことではなくして、真に農民が要求しておる声に耳を傾け、また権威ある今日までの具体的な算定基礎に基づいてなすべきである、かように私は申し上げてはばからないのであります。  第四点として私がこの際一応申し上げておきたいことは、いわゆる財政負担の問題からくる低米価の責任を政府が農民に押しつけんとする傾向であります。食管法四条においては、皆さん方も御案内のように、いわゆる消費者米価は正常な家計費に基づいて定めると書いてあるのであります。何らこの生産者米価と消費者米価というものには相互的に関係はないのであります。当初から食管法の明文通りやっていけば赤字の出ることは当然であります。赤字が出ないのが不思議なのであります。その赤字が、よしんば千億をこそうと二千億に達しようと、法が現存しておる以上は、その精神にのっとっていくのが当然ではありませんか。しかもいわゆる学識経験者と称する一部の人々の中から、食管会計の赤字を理由に、この責任を生産者米価に押しつけんとするがごとき、いわゆる生産費所得補償方式を弾力的に運用云々という微妙な表現によって、そのしわを農民に寄すがごとき論議が多く行なわれたということは、まことに遺憾にたえません。この点については、十分委員長も耳を傾けていただき、この委員会を通じて委員長として政府にもあるいは米審会長等にも、十分われわれの意のあるところを通じていただきたいと思うものでございます。そういう点につきましては、私はまことに遺憾千万に思うものであります。  最近、ここ数日来、米審が開かれましてから今日までの状況を見まするのに、まことに理解しがたいことがあるのでございます。この点を私は最後に申し上げておきたい。米審を非公開にした。いわゆるこれには新聞記者も入れない、われわれ国会議員も入れない、こういう秘密会だとわれわれは当時から考えておった。現実国会議員で入場を拒否された人もあるやに聞いておりますが、最近の新聞紙を通じて見ますると、どの新聞を見ましても、その真摯な議論の賛否両論、その正当であるかそうでないかは別として、議員のおもなる意見というものが、いわゆる公平に新聞紙を通じて発表されるならけっこうでありますが、特に政府の考えておらんとすること、あるいはその政府の考えに同調せんとするがごとき委員の発言や見解のみが多く紙面をにぎわしておるという事実、そして何かそこに一つのムードを形成して、そしていわゆる政府が現在考えておることがいかにも妥当である。その内容の不備なり欠陥をいわゆるガラス張りの中で審議することを避けて、一つの要領として報道機関を通じて盛り上げていく。たとえば秋に新米が出てくるころにはおそらく消費者米価の値上げが起きるであろう、こういう趣旨のことを各紙は一斉に伝えております。なお、これに対して政府の財政負担の趣旨いかんということについては、消費者の立場もあり、生産者の立場もあるというような、一国の農林大臣で、いわゆる米の大家をもって任ずる河野農林大臣が、食管法第三条と第四条との関連を知らざるがごときことを公言をしておる。そういうことがまた伝わっておる。また、現在政府が考えておるような低い率の米価ですらも、東北その他の地帯においては逆ざやが起きるであろうなどという、まことにわれわれが聞いても噴飯にたえないような議論をしておる向きもあるやに聞いておる。これに対しては、消費者米価の値上げをもってこたえるなどというようなことを暗に持ち、その消費者米価の値上げが実現しなかった場合においては、食管制度の危機がくるかのごとき脅迫めいた一つの威圧的な感をわれわれ農民階級に与えて生産者を威圧せんがごとき態度は、全くいわゆる政府としての国民の公正な機関としてとるべき態度ではないと思うのであります。一部の人々の立場に立って、その人々の趣旨を中心にいわゆるPR、報道関係を巧みに利用して、いわゆる今日の盛り上がった農民の期待を欺瞞せんとするがごとき態度につきましては、断じてわれわれはこれを容認することはできません。おそらくこのような結果で進行いたしていきますならばまた再び抗議集会となって現われ、さらにこの問題を通じてわれわれは政府を強く糾弾することにやぶさかでありません。もし今にして政府が反省していくならば、少なくとも米価の決定を臨時国会まで延期すべきである。その間に世論によく耳を傾け、また臨時国会においてもわれわれのこの国会の場においてわれわれとしては十分論議をし、その結果においてこれをきめてもおそくはないと思います。私どもは今日まで河野農林大臣のとられた措置につきましては、先刻来申し上げました通りまことに憤激をすら覚えるのであります。もしこれが国会開会中であるならば、われわれはあえて不信任案の提出も、退陣要求決議案の提出も辞さない決意を持つものでありますが、残念ながら閉会中であります。どうか委員長におかれましてもこの米価決定を急がずして、臨時国会まで持ち越す。その臨時国会において、国民を代表して出た新しい参議院議員の諸君もおられましょう、また私どももその間に十分に地方民の声を聞き、お互いが真摯な態度に立って公正妥当な米価を決定すべきであるということを私は最後に申し上げまして、私の発言を終わりたいと思います。(拍手)

野原正勝自由民主党

○野原委員長 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 一言、党の考え方を明らかにするために、発言をいたしておきます。  本日まで昭和三十七年産米価決定にあたりましての政府の米審への諮問並びにその答申、この問題につきましてのまことに遺憾な点は、ただいま足鹿委員さんから両党を代表されましてお述べいただきましたので、詳しくは触れないわけでありますが、その後この二日間にわたる農林委員会の経過にかんがみましても、政府がこの米価決定にあたりまして切実な農民の要求を真摯に考えていただいておるかどうかということをわれわれもはなはだ疑問に思うわけであります。この点につきましてもさきに発言がありましたので省略いたしますが、問題はこの内輪目に見積もられました農民団体の要求を、政府の公約でございます農業基本法の精神に照らしても絶対に具体化されますように努力を払われることを特に要望いたすものであります。  委員長からもきょうまでの不手際もお考えいただきまして、十分な御努力をいただきますことを重ねてお願いをいたしまして、非常に簡単でありますが、内容はほぼ言い尽くされておりますので、意思表示だけをいたしたいと思います。(拍手)

野原正勝自由民主党

○野原委員長 足鹿君並びに玉置君のご発言の趣旨はよく了解いたしました。委員長といたしましてでき得るだけの努力をいたすつもりでございます。  定足数の関係もありますので、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時二十五分散会

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