農林水産委員会 第41号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/05/08
会議録
○野原委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を行ないます。 治山治水事業十カ年計画の改訂に関する件について発言を求められております。これを許します。丹羽兵助君。
○丹羽(兵)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党共同提案にかかる治山治水事業十カ年計画の改訂に関する決議案を提出いたしたいと存じます。 まず、案文を朗読いたします。 治山治水事業十カ年計画の改訂に関する件 政府はさきの閣議決定による治山治水十カ年計画にもとづいて治山治水事業を実施しているが、その後における経済事情の変動、大災害の発生等の要因により、本計画が事態に即応し難くなっている現状にかんがみ、すみやかにこれに検討を加えて抜本的改訂を行い、国土保全の万全を期するとともに、あわせて農林業生産基盤の確保に資すべきである。 とくに治山事業については予防治山、水源確保等の事業の拡充に意を用うべきである。 右決議する。 農林水産常任委員会 以上であります。 まず、私は簡単に説明を申し上げますが、その趣旨は決議案に十分盛り込まれておりますので、省略をさせていただきたいと思います。どうぞ満場の御賛成をお願いいたします。
○野原委員長 採決いたします。 丹羽兵助君の動議のごとく、治山治水事業十カ年計画の改訂に関する件について決議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。 この際、ただいまの決議に対する政府の所見を求めます。中馬農林政務次官。
○中馬説明員 ただいまの治山治水事業十カ年計画の改訂に関する決議でございますけれども、最近の大災害の発生あるいは経済事情の変動等にかんがみまして、政府におきましてもすみやかにこれが抜本的な改正を加えるように努力を重ねることは当然でございまして、意思を尊重いたしたいと存じます。
○野原委員長 なお、ただいま決定いたしました決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたします。 ————◇—————
○野原委員長 この際、福岡県における降ひょうによる農作物の被害問題について質疑の通告がありますので、これを許します。稲富稜人君。
○稲富委員 私は、降ひょう被害に対する質問をいたします前に、ただいまの治山治水事業十カ年計画の改訂に関する決議に対しまして、中馬政務次官より政府の趣旨をお述べになりましたので、この機会に特に政府に要望申し上げたいと思うのでございますが、政府は、こういう問題が起こりますと、直ちに抜本的対策をやるんだということを言われるのでありますけれども、往々にして、政府から提案される法案というものは抜本的な改正はないので、大ていは一部改正でお茶を濁すというのが多いのであります。そういう意味で、治山治水のごときは、当然現在の日本の地勢その他から申し上げましても、一部的な改正ではいけない、ほんとうに抜本的な改正でなければいけないという点に迫っておりますので、この点は言葉ばかりの抜本的改正ではなくて、事実上の抜本的な改正に踏み切っていただきたい。こういうことを特にこの機会にお願い申し上げまして、このことに対する政府の決意のほどを重ねて伺いたいと思うのであります。
○中馬説明員 河野農林大臣がソ連からお帰りになりましたら、直ちにただいまの御要望については大臣にも御協議を申し上げて、善処をいたしたいと考えております。
○稲富委員 実は去る四月二十一日に福岡県の東部及び大分県にわたり、筑後川を中心といたしまして非常なひょうが降りまして、その結果、福岡、大分両県にわたりまして農作物の相当の被害量を生じているのであります。これにつきましてはすでに農林省におきましてもいろいろ報告が参っていると思うのでありますが、現在農林省で調査しておられますこの被害状況について、この機会に一応承りたいと思うのでございます。
○石田説明員 私から御説明申し上げたいと思います。 ただいま稲富先生からお話がございました通り、四月二十一日に全国各地にわたりまして、関東から中部、中国地方の一部及び北九州にわたりましてひょうが降りまして、特に北九州及び中国の果樹においてかなりの被害を見ておるわけでございます。ただいままでのところ、福岡県及び鳥取県等から御報告が参っております。農林省の統計調査部といたしましても、目下鋭意精査中でございます。大体県から御報告の参っております数字は一応私の手元にございますが、現在統計調査部の調査は、果樹関係の被害というのが非常に認定困難な部分がございますので、現在までのところ、必ずしも統計的な意味での最終数字は申し上げかねるわけでございます。福岡及び鳥取の両県は最も大きな被害を受けておるわけでございます。現在までの報告では、一応一億五千万程度の計数と相なるかと思います。まだ未報告の県もございますし、また福岡、鳥取両県におきましても、県報告と統計調査報告との間に若干の開きもございます。これらにつきましてさらに正確な数字を詰めるように、目下努力いたしておるところでございます。
○稲富委員 ただいま統計調査部の被害状況の報告を承ったのでございますが、元来農作物の被害というものは、県側の調査と統計調査部側の調査の被害状況にはいつも開きがあるのであります。これは私ども実に遺憾に思うのでございますが、私どもよく統計調査部等で承るところによりますと、統計調査部等の今日の人員あるいは設備、そういう点から申し上げて十分な調査ができないのだということをよくわれわれに苦情をいわれております。ところが、そういうような不十分の中から調査をいたしますと、その調査を、農林省としては出先の調査が非常に正確なものだという御認定をなさる場合が多いわけです。ところがこの調査の状況というものが、現に今回の福岡県の場合を申し上げましても、福岡県が実態調査をしております被害量とただいま統計調査を通じて農林省に上がっております調査の被害量との間に開きがあるようでございます。こういう問題に対しましては、ただ統計調査部だけの調査の結果によらずして、やはり農林省は、もちろん統計調査部の末端機関ではございますけれども、地方官庁との連携を保って、そういうような被害に対して誤りのないような、できるだけ正確な被害量を収集することに努力してもらいたい、こう考えるわけでございます。こういうことはしばしばありますので、特にこの機会にそのことを申し上げておきたいと思うのでありますが、これに対して農林省当局はどう考えていらっしゃるか、お伺いいたしたいと思います。
○石田説明員 お答え申し上げます。 ただいまお話ございましたように、統計調査で真実を把握するということは非常にむずかしい点があるわけであります。それは今の人的な手間の問題その他各方面に問題がございますが、特に被害調査は事の性質上細部にわたりますし、この計数的把握は特にむずかしいわけでございます。そのためにいろいろな計数の間に異同を生ずることが従来もあったわけであります。ただしこれにつきましては、私どももできるだけ真実に近づくということに努力いたしておりますので、もちろん県等でお調べになりましたものもそれを十分に拝見をいたし、さらに農林省自体において、それをも真実に近づく一つの足がかりといたしましてほんとうの統計を作って参りたいというふうに考えておるわけであります。
○稲富委員 特に今の被害調査の問題でありますが、これは私が申さなくても十分おわかりになっておると思いますけれども、農作物被害というのは、被害をこうむった日から数日たちますと様相が全然変わって参ります。たとえば麦のごときも、被害をこうむって二、三日たちますと別の芽が出て参ります。そうすると見た感じは青々として、被害の実態をつかめないというのが実情なのであります。ところが統計調査部あたりは非常に人も少ないし設備等も不十分なために、往々にして調査が一斉に行なわれないで、やはり数日間を経過してそれを行なう場合がある。こうなりますと調査の実態が非常に受ける感じも違いますし、非常に異なってくる場合があると思いますので、特に農作物被害というものは非常に急を要しますから、そういう点を一つ十分頭に入れておいて、この調査報告に対する対策を御考慮願いたいと思います。 さらに実際の被害状態でありますが、私、実は現地をつぶさに見て回ったのでありますが、ひょうの被害というものは実に甚大なものでありまして、特にあの大きなのが一時間二十分くらいにわたって降っておりますので、カンランのごときは、巻いているカンランが茎ばかりになっている、果樹のごときは全滅である、こういうような状態でありますので、こういう点はつぶさに農林省の方には陳情等が参っておると思いますからそういう具体的な問題には触れませんが、問題はこの対策であります。この対策については、もちろん十分なる報告が来てから政府は対策を講ぜられるであろうと思いますけれども、被害地の被害農民というものはほとんど参っておるような状態であります。ことに果樹のごときは本年度は全滅でありまして、おそらく来年にも影響があるであろう。しかしながらこれは手入れをしなければ来年もまた非常に影響を来たすからというわけで、全然果実は落ちてしまっている中に来年度の手入れを始めておるというような気の港な状態に置かれておるわけでございます。農民は不安の中にこれが対策を講じておるという状態でございますので、これに対して政府としていかなる方法をとっておるかということを早く示すことが、やはり農民の次の生産に対する希望を持たせる意味において非常に必要じゃないかと思うのです。こういう点から、私は具体的な問題について一つ政府の所見を伺っておきたいと思うのであります。 まず、この地方におきましては開墾地等におきます相当な果樹等があるのでございますが、こういうものに対しましては、やはり国の金融、農林漁業金融公庫等の融資を受けてやっておりますので、これはやはり償還延期及び金利延期等、当然繰り延ばしをしてもらわなければいけないと思うのでありますが、こういうことに対しまして、政府としてどういう処置を指導していくという行政的な考え方があるのであるか、との機会に一つ承っておきたいと思うのであります。
○岡田説明員 ただいまの点についてお答えいたします。 被害の状況によりまして償還が困難になるというふうな場合もございますが、その場合につきまして、公庫資金につきましては、従来、貸し付けましたものを償還する場合に、償還延期等の措置を講ずることができるようになっておりますので、具体的な実情に応じましてそのような措置がとれるような指導をいたしたいというふうに考えております。
○稲富委員 さらにこの被害地につきましては、自作農創設維持資金に対しましても、現在の被害状態で、あるいはこれを手放さなければいけないという問題が起こりはしないかというような悲惨な状態があるのでありまして、こういうことに対しましても、ただいまの国家融資の問題と並べまして、特別そういうような必要のあるというような自作農創設維持資金等につきましては、やはり政府として、具体的な問題が起こってきた場合は十分考慮するというようなお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 ただいまお話のございました自作農維持資金でございますが、これは御承知のように、取得資金のほかに維持資金を従来から相当見込んでおりますので、災害等によりまして問題が起こり、自作農維持のために必要な資金として貸し出し得るというような場合には、これは当然措置ができ得るものというふうに考えております。
○稲富委員 それからまた同じ金融関係でございますが、ただいま被害をこうむっております地方は果樹地帯が多うございまして、ことに開拓地等も非常にあるのでございます。これがために、やはり開拓地の融資に対する問題がおのずから起こってくると思うのであります。これもやはり並べて考えてもらわなければならないと思うのであります。こういうものに対して、一貫して被害対策に対する金融としての処置を講じてもらわなければいけないと思うのでありますが、これもまた今の御答弁のような同じ処置をしていただく、こういうことでいいかどうか、これも一つ承りたい。
○石田説明員 今先生のお話もございましたように、この問題はやはり現在の福岡県及び全体の降ひょうの災害、この全体を十分に把握いたしまして、先ほど来お答えいたしました点もそれに関連いたしますが、これらの対策として、総体の被害の程度等に応じまして——今の県からのあれからいたしますと、相当局地的には大きいと思われます。また他面から申しますと、全国を集計したものとしては、従来の非常に大きな凍霜害等に比べますと、それほどの大きさに集約されてこないというようなことから、農林省といたしまして関係各方面と折衝し、方針をきめて参ります場合に、いろいろな点でおのずから限界もあろうかと率直に申して感じられますけれども、しかし現実の災害額の把握を十分にいたしまして、それに応じて今お話のような諸点に十分対策を講じたいと考えております。
○稲富委員 それで、特にこの機会に農林省に申し上げておきたいと思いますことは、ただいまもお活がありましたが、全体の被害量からいえば従来のような広範にわたる被害量より少ないかもわかりません。しかしながら、局部的の被害が非常に多かったということにおいては、被害農民個々というものは非常に大きな打撃をこうむっておりますので、全体としての被害総額はたとい広範にわたっておるものよりも少額であっても、個々の被害農民の被害というものは非常に大きいのでございますから、こういう点は十分実情に即した対策を講じていただきたい、こういうことをこの機会に特に申し上げておきたい。往々にいたしますと、どうも農林省なんかの考え方というものは、非常に広範にわたりまして大きな被害がありますと、被害農家に対する問題は非常に真剣に考える。ところが部分的な問題に対しては、全体の被害量が少ないからということで軽んぜられるおそれがある。しかしながら、被害をこうむった農民自体から申しますと、やはり打撃においては変わらないのでありますから、こういう点はそういうことのないように、十分一つ考慮の中に入れて対策を講じてもらいたい、こう考えるわけでございますが、これに対してどういうようなお考えをお持ちになっておりますか。
○石田説明員 今のお話、災害の考え方といたしまして、小さい被害であるからといって軽んずるということは全然ございません。ただし、先ほどお話し申し上げましたのは、たとえば天災融資法の適用にいたしましても、国民経済的な規模というような原則がございますし、その他、要は中央・地方においておのおの分担していろいろ施策を講じなければならない場合がございますので、そういう場合に局地的なものについては地方的な措置もまた十分に講じられなければならないというような点はあろうかと存じます。しかしながら、われわれといたしましては、もちろん県庁等、地方の当局とも連絡をとりまして、全体として農民に対する対策が遺憾のないようにいたして参りたいというふうに考えております。
○稲富委員 これに対して天災融資法は適用してやろう、こういう考えをはっきりお持ちになっておりますか。
○石田説明員 いま少し実情を把握いたしませんと、その点は何とも申せないと思いますが、ただいままでの県の御報告によりましても、現在の計数におきましては、従来の実例に徴しますと適用はなかなかむずかしい点があろうかというふうに考えております。
○稲富委員 そとに非常に問題があるわけです。先刻申し上げておりますように、全体の被害総額が非常に少ないがために、これに対して十分天災融資法の適用も受けられない。ここに矛盾がある。実際の被害をこうむったおのおのの状態から申し上げますと、個人の被害というものに対しては非常に大きなものなんです。その点は、やはりあなた方が全体の被害額が少ないからといってこれを軽んずるということはそこにあるわけで、この点を私は申し上げておるわけです。この点に対しては十分考えて、天災融資法の適用をもってこれに対して十分な処置をとる、こういう考えで臨むという心がまえが必要じゃないか、こういうことが考えられるわけです。
○中馬説明員 今回の特に北九州方面の果樹の被害につきましては、写真あるいは文書等で十分に私どもも承知をいたしております。特にただいま申されたように、被害の面積はいかんともあれ、その質の問題におきましては未曾有の被害があるように思われますので、ただいまの天災融資法を適用し得るような方向で検討を進めて参りたいと考えております。
○稲富委員 この機会に一つお尋ねしたいと思いますのは、御承知のように農村の成長部門として畜産及び果樹というものは相当に注意をされております。ところが期待の果樹に対する被害というものは年々繰り返しておるわけなんです。しかもこれが農業災害の対象外にあるという問題もあるので、将来農業災害補償法に対する果樹の問題についてどういう考え方を持っておられるのか、この際承っておきたいと思うのであります。
○岡田説明員 果樹の天災につきましては、御承知のように従来から農業共済補償問題の一環といたしまして、果樹に対する災害補償をするかどうかというふうな点につきまして、検討をいたしておる段階にあるわけでございます。
○稲富委員 この問題は、これはもうずいぶん前から要望されておることなので、政府もこれに対しては検討するんだと言われているのです。ところが、この果樹の災害というものは毎年あるのです。しかも農林省といたしましては、果樹は成長部門として非常に期待をしている。現に農林省においては、設置法の一部改正をやって、果樹局まで作るというほどの熱の入れ方なのです。農林省が果樹というものをこれほど積極的に成長部門として取り扱っておるときに、この問題に対してはまだ考慮中であるというがごときは、私は農林省としてあまりにも熱意がなさ過ぎるのではないかと思う。だから、これに対しては同じような御答弁ではなくて、もっと具体的な方法を考えていただきたいと思うのであります。私は先ほどからのそういうふうな御答弁を実に遺憾に思いますけれども、今後十分これと取り組んで、早急にこの問題に対しては結論を出していただく、こういうことに一つ踏み切っていただきたいと思うのでありますが、結論を承りたいと思います。
○岡田説明員 御意見に沿いまして、できるだけ早急に結論を出すように努力をいたして参るつもりであります。
○稲富委員 さらに、この地方はタバコの被害が相当あります。これは所管が大蔵省関係でございますので、農林省に御要望申し上げるのは適当かどうかわかりませんけれども、きょうは大蔵省の関係官が見えておりませんので、私は大蔵省に直接聞きたいと思っておりましたけれども、どうか農林省から被害の状況等は十分大蔵省の方にも連繋をとっていただいて、これに対する対策等も十分考えていただくような方法をとっていただきたい、こういうことをお願いしておきます。 それから麦及び桑の被害が相当多うございます。これに対しましては、これは農業災害補償法の適用を受けますので、直ちに被害調査等をやり、被害の非常に大きかったところに対してはこれに対する対策を講じなければいけないと思いますので、こういうことに対しましても、県及び地方の方から要望がありました場合には、従来のようにおくれないように、急な対策を講じていただくようこの機会に一お願い申し上げたいと思うのでございますが、これに対しても、この機会に農林省の意のあるところを承っておきたいと思います。
○岡田説明員 先ほど総務課長から申し上げましたように、現在統計調査部で最終的な被害の調査をいたしておるわけでございますので、この調査がまとまり次第、これに対する措置を至急に講じまして、時期を失することのないような措置をとるように、最大限の努力をいたして参りたいと考えております。
○稲富委員 融資問題その他に対しては大体御意見等を承ったのでございますが、野菜その他果樹の樹勢を何とか早く回復しなければいけない、こういう問題がありますので、こういう点に対しては何とか助成措置等を講ずる必要があるのではないかと思います。融資の面は今申し上げましたように、当然やらなければいけないと思いますけれども、これは果樹なんかの問題のときにはしばしば論議になる問題でございますが、こういうことに対しても、どうも今までの農林省の考え方というものは、融資一本で片づけようというような考え方が非常に強い。ところが実際被害をこうむったものは、二年間も果樹の被害をこうむって収穫皆無であるというようなことでありますので、これに対しては樹勢回復その他についての助成措置等も必要であると思うのであります。こういうことに対して何かお考えがあるかどうか、また今までそういうことをやったことがあるかどうか、そういうこともあれば一つ承っておきたいと思います。
○石田説明員 ただいまお話のございました樹勢回復用の肥料等の助成をせよというお話でございますが、災害のたびにそういった問題が出て参ります。従来、二、三年前まででございますが、樹勢回復用肥料等について若干の補助を、非常にわずかなものでございますがやった事例がございます。ただしこれは非常な零細規模の補助金でありまして、まだ必ずしも十分とは申せないかと思いますが、いろいろな融資措置等が他面で講ぜられておるというようなこととも関連いたしまして、最近におきましては、たとえば昨年の第二室戸台風の場合にも、いろいろ要求がございまして検討を加え、関係当局とも再三にわたって打ち合わせたわけでございますけれども、その際には樹勢回復用肥料の補助金は出ておりません。従いまして最近の事例に照らしますと、御要望はかなり強くございましたが、関係当局とも十分連絡をとりまして討議をいたしたいと思いますけれども、最近の事例におきましてはこれらの補助金が出ている例はあまりないというのが実情でございます。
○稲富委員 この問題は、今の御答弁にもありましたように、以前はそういうことがあるのでございます。ところが最近は融資一本になってしまって、そういうことが度外視されておるというような状態であるわけであります。しかしながら被害農民というものは融資だけではやっていけませんので、やはりその意欲をわき起こすという意味からいっても、多少にかかわらず何かそういうような助成方法をとることが必要ではないかと思うのであります。これは一つ農林省といたしましても再検討していただいて、何らかの措置をとられるようお考えいただきたいと思うのであります。
○楢崎委員 関連して伺いたいのですが、ただいま稻富委員から一応問題を出し尽くされておりまして、つけ加えるべきものはないのでありますが、しかし答弁の内容で、一、二点まだ問題があるようですのでお伺いしたいと思います。 先ほどの果樹共済の問題でございますけれども、お話の通り、これは長い間の懸案事項になっておる問題であります。それを今もって検討中であるという答弁だけでは、これはわれわれは納得できません。大体どういう方向で、たとえば必要であるという態度で、あるいはやりたいという態度で検討しておる、しかし問題はどこにあるのだというような、もう少し前進した答弁でなくては、長年かかったこの段階においてまだ検討したい、善処したいという答弁だけでは話にならない。もう少し内容について誠意のある御答弁をいただきたい。
○岡田説明員 昨年来、農業共済の一環として果樹に対する災害補償を行なうかどうかというような点につきまして、各地の実情を調査いたしまして、数字的な整理をいたして参ったわけでありまして、三十七年度におきまして予算にも計上いたしまして、これについて整理をいたしまして、それが最終的に可能であるかどうかという点について検討をいたすということになっておる段階でございます。
○楢崎委員 再度の御答弁ですけれども、全然話にならぬのです。担当の局長なり課長でないから適切な御答弁をいただけないのかもしれませんが、次官もおられることだし、もう一歩進んだ御答弁を、次官あたりからでもお伺いできたらと思います。
○中馬説明員 先般来、河野大塩においても、この問題についてはなるべく早く結論を出すようにということでありますが、ただ技術的に見ましても麦とかあるいはその他のただいまの共済物に比べて値段の変動が非常に多いということ、それからそのときどきの生産の数量というものにも他の農作物に比べて非常に変動が多いということ等にかんがみて、事務的にこれを詰めるということに多少難点もあるように事務当局からは聞いておりますが、しかしこれは非常に必要な問題であるし、もう二年くらい前から実験的にはこれを各地区で試みておりますけれども、いまだ制度的にこれを確信を持って数字を申し上げるという段階にきておりませんので、この点は一つお許しを願うことにいたしまして、なるべく一つ早い機会に、最終的な結論でなくとも、大体の見通しだけでも一つ近い機会に御発表申し上げたいと考えております。
○稲富委員 今の果樹共済の問題は、いかにも中馬次官は検討されておるようなことを言われましたけれども、実際上検討されていないのじゃないですか。しかも数量等が非常に変動を来たすとか価格が変動を来たすとか言われておりますけれども、数量のごときは大体見当がつくんですよ。ただ、変動を来たすということは、天災の被害が非常に多いから非常に変動があるということです。それだけに非常に必要だという問題が起こってくるわけです。何年の二十世紀はどのくらいの収穫があるものだという見当はあるはずなんです。そういう点が十分検討されていないのじゃないか。ただ検討しているとおっしゃるだけで、十分検討していないのじゃないかと私は思うのです。今まで問題になっておるけれども、検討していないから、今後取り組んで検討するなら検討するとはっきりおっしゃればいいので、検討するということをおっしゃるが、一つも結論が出てないからわれわれは熱意がないのじゃないかというわけですから、あなたの方で今まで十分問題になっているけれども、ほんとうに真剣に取り組んでいないのだ、今度農林省の設置法も改正される構想になっているのだし、しかも果樹に対しては相当な成長部門として農林省もこれを高く評価しておる、こういうような時期だから、これに対しては一つ十分取り組んで実現したいという意思を持っておるなら持っておると、こういうことを明らかにしてもらうとわれわれもいささか期待を持てるわけなんです。何年間も同じ答弁を繰り返しているから、われわれはいつまでも政府はこれに対する熱意がないのだ、こういう結論をつけざるを得ないのです。この点を一つ十分、あなたの方のほんとうの腹を承りたいと思う。
○中馬説明員 先ほども申し上げましたように、いつ、どういう正確な数字を発表するということのお約束はできませんけれども、必ず近いうちあるいは非公式にでも皆様方には一つ御発表申し上げて御相談をいたしますし、次の予算編成期においては必ず農林省としての正確な態度を発表いたしたいと考えております。
○稲富委員 この問題につきましては近い機会においてあなたの方で一つ具体的な方針を立てて、そして果樹共済に対してはどういう要綱を持って臨むのだということをお示しになることができるかどうか、この点を一つ承って、お示しになることができるとするならば、近い機会にそれをお示しになるまで一つこの問題は保留をいたしまして、政府の熱意を聞きたい、こう思うわけです。
○足鹿委員 それに関連して。中馬さん、数字を僕らは求めておるわけじゃない。どういう構想で果樹共済を進めようとしておられるか。たとえば価格変動に対する共済の行き方というものが一つある、自然災害に対する共済、こういう行き方もある。そこでその後者の場合を一例にとって考えた場合、従来この問題が五、六年前から大きな問題になって、農林省が検討を始めてからでも相当の年月がたって、一番問題になるのは、各都道府県なら都道府県単位に共済事業をやる。ところがどうしてもこれを全国的な再保険をしなければ危険分散がうまくいかない。その問題をどう解決していくかということを、あなた方がどういうふうに検討され、具体的にはどういう構想を練っておるかということをお示しになれば、われわれもある程度あなた方がこういうことも考えておる、この点についてはこういうふうに考えておる、ついてはそれに対する国の構想はこうであって、それに対するもし必要経費が伴う場合はこの程度必要だというような場合に、初めて数字の問題が出てくるのです。いきなりわれわれは数字などを求めておるのではないのであって、大体の、価格共済の場合の行き方と、自然災害に対する共済の二つをやろうとしておるのか、それを一体的にどうかみ合わせていこうとしておるのか、自然災害に対してはどういうふうにして危険分散をはかろうとし、保険設計をどういうふうにしていこうとしておるのか、その過程にあってどういう点が問題になっておって、これを今考えておるというふうな、少なくとも大体の構想程度は明らかにさるべき責任があろうかと思う。それが明らかにならない限り何にもしておらないということになる。
○中馬説明員 先ほど数字と申し上げましたのは、数字を含めての具体的な農林省の方針という意味に御解釈を願うことにいたしまして、大へん申しわけありませんけれども、この次の委員会までに必ず農林省としての大筋の意見といいますか、方針もお示しができると思いますから、お許しを願いたいと思います。
○野原委員長 委員長からも一言申し上げます。 実は本日の議題の内容として果樹共済の問題をあらかじめ知らせなかったものですから、担当の者も来ておりませんので、今政務次官の話もございますので、次の委員会にぜひ一つ相当の用意をしてくるということで、この問題については御了承願いたいと思います。
○楢崎委員 稻常委員から問題点を出されましたから、ただ一点だけお伺いしたいのですが、昨年の第二室戸台風の福岡県の潮風害、佐賀もそうです。特に問題になった自創資金の元金償還の延期については、なるほど道が開けておるが、金利も払えないという事態が起こったわけですね。いろいろ折衝もして参りましたが、今度もあるいはそういう問題が起こるかもしれない。そういう点について、金利の支払い延期というものについてはどのようにお考えか、一点だけお伺いいたします。
○丹羽説明員 昨年自創資金の福岡県におきます償還に関しましていろいろ問題がございましたが、結局お話の筋は、中間据置を設けるか設けないかということでございまして、結論といたしましては、一年間の中間据置期間を設けまして、その問におきまする金利は年賦額の延滞でございますので、ほんとうは四銭ということに相なるわけでございますが、金利の減免も公庫の支店長の権限で軽減できる道が開かれておりまして、昨年の例では一般の延滞の状態でない年利五分の金利にまける、そういう形で処理をされまして、七十九件の申請に対しまして六十五件が申請通り許可され、その残りは申請を取り下げて約定通り払った、こういう経過に相なっております。お話の趣旨といたしましては、年賦額の金利をこの期間において負ける道はないかということでございますが、金利は一般金利にまでは下げることは下げましたが、金利を全然とらないということにつきましては、その道はちょっと困難であろう、かように存じております。
○楢崎委員 今の問題も含めまして、先ほど稻富委員から言われました資金の問題は、災害地にとっては大へん重要でございますから、天災融資法等の問題に関連し、たとい全般についてではなくても、地域は限られておるが、非常に集中的壊滅的な被害の問題でございますから、その辺もあわせて善処をされるように特にお願いいたします。
○野原委員長 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会