逓信委員会電波監理及び放送に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/02/14
会議録
○秋田小委員長 これより会議を開きます。 電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。廣瀬正雄君。
○廣瀬(正)小委員 FM放送の必要性、つまりこれはFM放送のラジオ全体における地位にも関係のあることであります。これはただいま郵政省のFM調査会でも種々御検討中だとは考えたわけでございますが、その中間報告によりますれば、このFM放送は、第一に混信、雑音の救済策として必要ではないだろうか。これは最終的な結論が出ておるわけではありませんけれども、そのような強い御意見が出ておるようでございます。この混信とか雑音というのは、九州とか四国、裏日本がその被害地だろうと思うわけでございます。ところが、このFM放送というのは、いわゆる三番目の、最後の放送のメディアでありまして、よほど大切に取り扱わなければならない、新しい任務を持った独自のりっぱな媒体でなければならないというふうに考えております。従って、雑音、混信の救済に使うということは、非常に惜しいような気がするわけでございます。私どもは、電力の増強等によって、この雑音とか混信とかいうものは救済ができはしないだろうかということを考えるわけでございます。特にその救済策として使うのは惜しいような気がするわけでございます。電力の増強で救済ができないかということが一つと、それからまた、そのような雑音、混信の該当地はどのくらいあって、波をどれくらい必要とするかというようなことにつきましての見通しを承っておきたいと思うのでございます。
○西崎政府委員 今廣瀬先生からのお尋ねでございますが、この中間報告に、まず必要性のまっ先に今御指摘のように混信対策あるいは難聴対策という面を取り上げるわけであります。この必要性三つあげてありますが、必ずしもまだどれを優先させるかということについては、何ら結論が出ていないわけでありまして、今後十分調査会でも検討したい、こういうふうに考えておるわけであります。ただ諸外国の例を見ますと、沿革的には、このFM放送というものは、混信対策という面から、欧州、それからアメリカ、ともに導入されたというようないきさつがあるわけであります。 それから、わが国における混信状況あるいは難聴状況、これがどういうふうになっているかというお尋ねでありますが、実はちょうどこの六月一日とというのが放送局に対する一斉再免許の時期になっておりまして、これは三年ごとにくるわけであります。その際、従来の例によりますと、今お話しの標準放送あるいは中波、このチャンネルの再編成をやっておるわけであります。今回も当然今お話しのように、この三年間に、九州であるとか裏日本であるとか、あるいはその他の地区にもございますが、外国混信を受けているところが相当ありますので、こういったものをできるだけこの中波によって、すなわち中波のチャンネルの入れかえであるとか、あるいは今お話しの増力であるとか、そういったことによってこの救済をして参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。ただその場合に、もちろん今申しましたように、中波の混信とか中波の難聴というものは、まず一次的には中波によって解決するということが基本的な考え方であると思いますけれども、必ずしもそれだけで解決できるかどうか。またもう少し長い目で見た場合に、と申しますのは、外国混信というものが、日本の近隣諸国における放送網の建設が進むにつれて、年々歳々激化してくるわけでありますので、もう少し長い目で見た場合に、日本の中波の放送というものが、はたして中波だけで救済できるものかどうかといった点についても、できれば考えて参りたい。こういうわけで、FM放送と中波の今度の再編成という問題とが関連しておるというわけで、今鋭意研究を進めておるわけでございます。なお、具体的に混信状況がどうとか、波の状況はどうなっておるかということにつきましては、できましたら資料で一つ提供した方が正確なものができるのでいいのじゃないか、こういうふうに存じます。
○廣瀬(正)小委員 それでは、調査会なりあるいは電波監理局長としては、現在の中波の混信、雑音は、第一義的にFMで救済すべきものであるというお考えでなくて、中波のそうしたものは電力の増強をもって救済することを第一に考えなくてはいけない。FMは他の方面に最も有効に使わなくてはいけない。外国の例云々ということをおっしゃったのでありますが、外国の例が必ずしも私は踏襲されなければならないいい例とは思いませんので、先例を改善いたしまして、たとい外国でこのFMを混信救済に使っておりましても、日本は日本独自の行き方があるのではないかと思いますので、あなたの御真意は、FMというのは、やはり第一に中波の混信、雑音救済のために使うべきじゃないというお考えは持っていらっしゃるわけでございますね。そこで、そのことと、もう一つつけ加えてお尋ねいたしたいことは、このNHKの強大電力あるいは民放の増力など、どの程度に力を注いでおるかどうか。つまり中波に対する混信、雑音の防止と電力増強の関係はどういう程度に検討されておるか。私は寡聞でございますけれども、何人かの人のお話を聞きますと、外国の混信なんというのは、FMを使わなくても、電力の増強で解決ができるのだというような意見の持ち主もあるわけでございます。ただいまお尋ねいたしました事柄につきまして、どういう検討が進められておるか、また将来のそうした見通しにつきましての御意見を承りたいと思うのでございます。
○西崎政府委員 先ほども冒頭に申し上げましたように、調査会の審議はまだ問題点を指摘したという程度以上に進んでおりませんので、私は、意見ををいろいろ申し上げるということは差し控えた方がいいのではないか、こう思うのでありますけれども、状況だけそういうわけで申し上げさせていただきますと、先ほど申し上げましたように、いずれにしても外国混信あるいは難聴地域対策というためには、まず現在の中波の再編成ということが必要であるわけでございます。そういう意味におきまして、NHKとしましては、強大電力放送というものをどう考えるか、あるいはまた民放におきましては、もちろん周波数の変更も考えなければならない。増力の問題も場合によっては考えなければならぬ。ただ民放の場合には、御承知のように、増力という場合には、これは放送秩序の問題にも関連して参るわけであります。と申しますことは、大体民放は電波量によって規定されておるのは御承知の通りでありますが、この電波量をきめる場合の有力な要素として、電力というものが取り入れられておるわけであります。特定の局だけ増力するということになりますと、これが今申し上げました放送事業としての競争の問題にも関連してくるわけなんです。そういうわけで、民放の増力というものにつきましては、そういった既成の放送秩序に重大な関連が出てくるという意味で、慎重に考えなければならないわけでありますけれども、しかし、いずれにしましても、混信対策という至上的な要請があるわけであります。当然これは民放に対しても増力問題というものを考えざるを得ない、こういう情勢にあるわけでありまして、今こういった問題につきまして、具体的な作業を進めておるわけでございます。
○廣瀬(正)小委員 雑音、混信の救済策として、どうしてもFMを新しく割り当ててやらなければならないというような場合には、すでに割り当てております中波は当然返還させるもの、またさせなければいけないものだと私は考えるわけでございますが、そういうことにつきまして、調査会はどのようにお考えになっていらっしゃるか、まだその検討の途中だからというふうにおっしゃると思いますけれども、もう三月末までに結論を出さなければならぬのでございますし、これは相当大きな問題でございますから、見通しだけでもけっこうでございますから、承りたいと思うのであります。私は、先刻申しましたように、FMは最後の放送の媒体でありまして、大切にしなければならない、また標準放送と並んで新しい任務を帯びた独自のりっぱな媒体である、中波と並行すべきものであるというように考えますから、番組などもFMでなくてはできないというような独自のものを持たなければならないと思っておるわけでございます。従いまして、雑音、混信の救済策として、補完的に使うということは、非常に惜しいような気がいたすわけでございます。従いまして、やむを得ずどうしてもFMをその面に使わなくちゃならないという場合には、当然中波を返還すべきものだと考えるわけでございまして、これは非常に大きな問題でありますから、調査会長の次官に一つ御答弁をお願いしたいと思います。
○大塚説明員 先ほどから電波局長がお答えしておりますように、混信あるいは難聴救済策としてFMを使うかどうかということ自体も、まだ調査会としては結論が出ていないわけであります。従いまして、欧州その他の沿革的なあれから見ますと、そういう面から使われ出したという歴史でございますけれども、日本でそういうふうに使うか、あるいは中波にかわる波として全面的にこれにとってかわるように使うか、あるいは中波と並んでさらに足りない放送媒体を補うという意味で全面的にFMを使うのか、いろいろ使い方がございまして、いまだそれのどれをとってやるかということは、調査会としては結論を出していないわけでございます。従って、難視聴救済策として、あるいは混信救済策としてFMを使います場合に、中波の波を取り上げてしまうかどうかというようなことについては、御承知のように混信は夜間が多いのでございまして、昼間は大体中波でも聞える。ただ夜になると混信がひどくなって、中波では聞えないという場合が非常に多いわけでございまして、そういう場合に、昼間も中波の使用を禁止して全部FMでやらせるか、あるいは夜間だけFMということにするかどうか、いろいろ使い方はあると思いますが、まだそこまで私ども議論を煮詰めておらないわけでございます。
○廣瀬(正)小委員 今の問題は、今日の段階で議論しましても、そのような御答弁しかいただけないと思っております。議論がどうしても並行的になるのではないかと思っておりますが、私は、先刻申し上げましたように、FMというものは、新たな、そうして最後の放送媒体として、放送の世界では独自の立場をもって、ラジオにおいては中波の標準放送と並んでいつまでも存在するものと考えておるわけでございます。従って、FMの特質を生かしまして、音楽放送に新機軸を開くとか、たとえばステレオ放送などはさまっておるわけでございますけれども、そういうこととか、または放送行政の面から申しますと、従来民放などでは特に等閑視されておりました恨みが非常にありました教育教養放送でありますとか、経済、政治放送でありますとか、あるいは周知報道の放送でありますとかいうような方面に、特に活用すべきものであると考えておりますが、それにつきましての御見解はいかがでございましょうか。
○大塚説明員 先ほど申しましたように、大体日本の今の放送媒体というのが、現在のテレビと標準放送とで十分かどうか、さらにFMというものをこれにつけ加えて、全面的に放送媒体として使用する必要があるのかどうかという問題、また広告費その他から見て、そういう余地が日本の経済にあるのかどうかというような点等から考えて、はたしてFM放送を第三の放送媒体として、全面的にテレビ及び今の中波ラジオと並んで採用すべきかどうかという点をきめなければならぬわけでございまして、まだそういう点を私ども実は結論を出しておらないわけでございます。従って、今の廣瀬先生の御質問に対しまして、どうもまだ確定的に答弁をいたしかねる段階であります点を、一つ御了承願いたいと思います。
○廣瀬(正)小委員 そこで、現在一部におきましては、標準放送やテレビを経営いたしております経営者が、FMをあわせて三者一体として経営しなければならない、つまりFMの免許を優先的に民放等において考えてもらいたいというような主張があるようでございますけれども、私は、先刻来の私の主張からいたしまして、それは非常に誤りである、FMという独自の放送の経営者は、従来の標準放送にもテレビにも何ら関係のない、その放送に最も適当な人を選ばなくちゃならない、つまり構想を新たにしてFMの経営者を選定すべきであるというような意見を持っておるわけでございます。これまた、あなた方に御意見を伺っても、まだわからないというようにおっしゃるのじゃないかと思いますけれども、一応私のそういう考え方はいかがでございましょうか。
○大塚説明員 これは非常にむずかしい問題でございまして、現在テレビあるいは中波放送をやっておりますいわゆる既設放送事業者から、FMというものは少なくとも当分収支相償わない、従ってこれをやるには、自分たちのテレビ等でもうけた金の一部をこれにつぎ込んでやることが必要なんだ、従って、自分たちに兼営させることがFMの放送内容を豊かにし、金のかかった放送ができることにもなり、これの普及を促進することにもなるのだというような意見もございますし、また他面FM放送を全面的に採用するということになると、いずれ現在の中波ラジオというものはそれにとってかわられることになる、従って、中波放送のみをやっております既設業者というものは、FMを兼営しないとつぶれることになるから、FMを当然その中波の業者にやらすべきだという議論もございます。それから、今先生のおっしゃいましたように、新規の業者にやらせるべきで、既設業者にやらせるべきでないという議論もございます。いろいろございまして、私ども、結局FMを放送全体の体系の中でどういうふうに使うかということとも関連をする問題でございまして、今のところ、先ほどから申し上げておりますように、それについての結論はまだ出しにくい状態にあるわけでございます。
○廣瀬(正)小委員 ついでにもう一つ私の意見をつけ加えさしていただきたいと思うのでございますが、標準放送とテレビを兼営しておるから今の放送がうまくいっておるというように考えて、先刻申しましたような主張をなしておるようでございますけれども、私はむしろ反対の意見でございまして、兼営をやっておりますから、第一にはテレビが偏重されまして、ラジオが軽視されるという現在の傾向を生んでおりますし、また第二には、ラジオもテレビも競争が非常に少ないから、独善に陥って、番組が非常に劣悪であるというようなこともいえるのではないかと思いますし、さらにもう一つつけ加えて申しますならば、マスコミの独占ということは民主主義にも反するものであるということを考えておるわけでありますので、経営者の選定につきましてはよほど慎重であるべきだと思っております。 そこで、お尋ねいたしておきたいのでございますが、FMの割当につきましても、かつて何年か前に、テレビの予備免許のときにやったように、ラジオ、テレビ、FMの三事業独占の排除でありますとか、そういうようなあのときの条件が私は現在でも生きておるのではないかと思いますが、あのような精神の条件がまだ生きておるのかどうかということと、それからまた、事業の独占を排除する意味で、同じくテレビのときにやった複数局支配の排除の条件も必要であるかと思っております。そういうような条件が、私は、先刻申しました条件と並んで生きておると思っておりますが、この点はいかがでございましょうか。
○大塚説明員 おっしゃられますように、新聞とテレビ、ラジオの兼営の問題、あるいはテレビ、ラジオの複数局の支配の問題というのは、マスコミ独占の問題、あるいは放送媒体の利用者といいますか、所有者をなるべく分散することが望ましいというようなことから、現在におきましては、そういうマスコミ独占あるいは複数局支配を規制する方針が生きておるわけでございます。
○廣瀬(正)小委員 いろいろほかにございますけれども、先輩同僚が、少し議題を逸脱しておるというようなことをおっしゃいますので、その点につきましては後日に譲りまして、私のきょうの質問はこの程度にとどめておきます。
○秋田小委員長 議事進行についてお諮りをいたします。 実は前回の小委員会のあとで、この小委員会の、特にFM放送に関する質疑を能率的にかつ有効ならしむるために、問題点を有志の方でいろいろ御検討願いまして、一、二、三、四にわたる条項を、系列的に、また理論的に配合せられて御決定なさいました。その結果につきましては、印刷に付して各小委員のお手元にあらかじめ配付をいたしておきましたが、議事進行の有効、能率化のために、その順序に従いまして議事を進めたいと思いますが、いかがでございましょう。それを御賛成願えるならば、それによりまして、今日のところは、ラジオにおけるFM放送の地位をどういうふうに考えるか、これを小分けにいたしますと、標準放送の補完的地位とするか、標準放送の混信または難聴救済策とするか、(2)標準放送の代替的地位とするか、(1)の補完的地位にとどめず、ラジオの中心的存在とするか、(3)標準放送と並立的な地位とするか、標準放送とは異なる機能を果たすものとするか、これらの点に、本日のところは大体論点をしぼって御質疑を願いたい、こういうふうに取り扱いまして異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田小委員長 それでは異議なきものといたしまして、大体その線に沿って御質疑を進めていただきたいと存じます。 質疑の通告がありますから、その順序に従いまして継続いたします。森本靖君。
○森本小委員 まず、私は、この間の小委員会において、次長の石川君だけしか出てきてなかったので、重大なポイントが抜かっておりましたので、今大塚次官の方から答弁がありました、要するに、現在の郵政省におけるFM放送の調査会というものは、大体現在の中波放送の補完的な役割としての調査を進めていくという格好にあるやに見受けられるわけであります。しかし、将来かりにFM放送が現在の中波ラジオ放送に全般的に取りかわった場合にはどうなるのか、こういう問題をもあわせて、私は、現在のFM放送の調査会が検討するものなりと、こう考えておるわけでありますし、また、現在まで単に小さな範囲内における補完的な役割としての調査をやっておったとするならば、私は、そうでなくして、今後のFM放送の調査会というものは、要するにFM放送が中波放送に取ってかわる場合もあり得るという想定のもとにおける調査を進めていかなければならぬ、こう考えるわけでありまするが、その基本的な問題について、まず会長から御答弁を願っておきたい、こう思うわけであります。
○大塚説明員 先ほど申し上げましたように、標準放送の補完的地位だけを考えて研究しておるという問題ではございませんで、標準放送に取ってかわるものにするか、あるいは補完的なものにするか、あるいは、ここにも書いてありますように、標準放送と並んだ、ほとんど標準放送と同一内容のようなものを総合番組局として、要するに標準放送の波が足りないものを補うというような意味で使うかまあこの三つのあり方のどれをとるべきか、またそのうちの一つ、二つを兼ねてやるべきかというようなことについて、まだ研究段階でございまして、いずれとも結論が出ていないという状態でございます。
○森本小委員 そこで、本日の小委員会としては、私は、この前の小委員会からは一段と進んだものと解釈をしておきたいと思うわけであります。と申しますのは、この前の小委員会においては、石川次長がはっきりと、この補完的な役割を果たす、そういう点についての調査を進めておるという意味の答弁があったわけであります。これは、私並びにその他の同僚諸君の小委員から質問があったわけでありますけれども、当時次長の責任の度合いにおいては、それ以上の答弁がなかったわけでありまして、本日の会長の答弁としては、やはり補完的な役割をするのか、あるいは取ってかわるものとするのか、あるいはまたそれを両建にするのか、そういうことも含めてFM放送の調査会としては調査をしていく、こう御答弁があって、私は、その点については、前の小委員会の答弁と、本日の小委員会の郵政省としての答弁が、やはり若干違ってきておる、こう解釈をして進めていきたい、こう考えるわけでありまするが、その点についてはよろしゅうございますか。
○大塚説明員 先ほど私が申し上げた通りでございまして、ただ、欧州等におきまして、FM放送が混信または難聴救済の手段として用いられたという沿革的な話が非常出ましたので、その部分がわれわれの間の研究討論の中でだいぶ多かったという意味で、まあその面が重視されておるというような誤解を受けたかと思いますが、基本的には、先ほど申し上げましたような、三者どれにするかということは、目下結論が出ていないという状態でございます。
○森本小委員 これはあとから審議していく過程において出て参ると思いますが、ヨーロッパ諸国においても、ドイツ、特に西ドイツ等においては、これは補完的な役割でなしに、主体的な役割をFM放送が果たしておるわけでありまして、それに対して中波が補完的な役割を果たすという、日本とは若干違った情勢にある国もあるわけであります。そういう点についてもだんだん明らかにしていきたいと思いますが、そこで、まず私は、資料として要求をしておきたいと思いますることは、世界の各国において現在使っておりまするFM放送のいわゆる周波数帯の内容とそれから受信機の普及数、それから、それに比較してのいわゆる中波の発達状況というふうな、諸外国におきまするFM放送と中波放送とが、だれが見ても比較的比較しやすい方向の資料を一つお出しを願いたい。それからもう一つ、これもあまり専門的に資料を作りますとみな見ませんから、バンドの幅が大体、中波から短波ずっと全部の周波数帯が日本においてどういうふうに使われておるか、そうして具体的に日本でFM放送に使えるところのバンドはどの程度であるかというふうな資料を、一般向けのする資料を一つ作ってもらいたい。これはむずかしいようでありますが、頭のいい方でありますので、そういう資料でお願いしたい。それからもう一つは、現在の中波放送とFM放送が放送された場合におきまするサービス・エリアの比較であります。これは電力の相違によっても違ってくると思いますが、これがしろうとが見ましても比較しやすい方向に、このサービス・エリアの違い方、それから夜間、昼間というふうに、現在の中波とFMとのサービスエリアの違いというふうなものを、一つわかりやすいような資料でお出しを願いたい、こう思うわけであります。そういう資料が早急にできるかどうか、その資料によって、非常にこの問題については影響が変わってくる、こう考えておるわけでありますが、どうですか。
○西崎政府委員 そのうちの一部につきましては、この中間報告の中にも資料として載せておりますけれども、全部まとめて、できるだけこの次の小委員会までに提出いたしたい、こう思っております。
○森本小委員 それから、このFM放送と中波のラジオ放送の送信所を具体的に作る場合の、そういうものの経費の比較というふうなものもできませんか。同じ出力で、大体サービス・エリアがこの程度であって、その場合に、中波の場合にはどの程度の経費がかかり、FM放送の場合にはどの程度の経費がかかる、こういう形の比較的比較しやすい具体的な表というものは、何か一つを標準にとって出ませんか。
○西崎政府委員 FMにつきましては、現在どういうのが標準の局だという適当なサンプルもありませんけれども、大体諸外国の例であるとか、今までの国内における実験局、こういったものを資料にしまして、どの程度正確なものが出るか知りませんけれども、できるだけ信頼の置けるものを作りまして出したい、こう思うのであります。
○森本小委員 私は、その資料が出てから、これから先のFM放送と中波の標準放送との間を比べてみると、一番わかると思いますが、ここでわれわれが頭の中で考えておるところによりますと、私は、結論的に申し上げてみますると、大体ラジオ放送というものは、将来FM放送にかわっていくべき運命にあるのではないかという気がするわけであります。しかし、その場所、その放送の内容によっては、中波のものが生きてくる場合もやはりあり得るのではないか、こういう気がするわけであります。そこで、具体的に、大体このFM放送と今の中波標準放送と比べた場合に、電力は大体同一程度と見て、サービス・エリアにどの程度の相違がありますか。
○西崎政府委員 これはFM放送にどういう周波数を使うかということによっても変わって参るわけであります。一応諸外国の例のようにVHFを使うと仮定した場合には、結局現在のテレビ放送とサービス・エリアは大体同じだ、それよりも多少伸びる程度だ、こういうふうにお考えいただいていいのじゃないか、こう思います。
○森本小委員 現在、たとえば八十メガサイクルから九十メガサイクルということを考えておるようでありますが、八十メガサイクルから九十メガサイクルまでの間になるとした場合には、今のサービス・エリアが、実験局の発表からいきますと、そんなに劣るとは私は考えたくないわけであります。ただ山間地帯その他について、比較的遠距離等については、これは考慮を要する点があると思います。そこで、サービス・エリアがいわゆる標準放送、今の中波にそう劣らない、こういうことになるとするならば、次はFM放送とこの標準放送との相違というものは、私はやはり設備費になるのではないか、こう思うわけであります。この設備負担費用というものがFM放送は著しくかかるということになれば、これは別でありますけれども、そういう点については、あなたの方の調査会としてはどういうふうに審議をしておるわけですか。
○西崎政府委員 実は率直に申しますと、まだそういった具体的な経済的な面まで突っ込んで研究いたしておりません。これからその点を一つ重点的にやって参りたい、こういうふうに考えております。
○森本小委員 その点については、次の小委員会までに、今私が申し上げた資料を御提出を願いたい、こう思うわけでありますが、そういたしますと、そのサービス・エリア、それからさらに設備の問題ということになってくると、同時に、このFM放送といわゆる中波との――ラジオがそうなって参りますと、具体的な内容がどちらがいいか、こういうことになってくると思うわけであります。こうなって参りますると、これは率直に申し上げまして、音質、それからその内容等においては、当然FM放送の方が質としては非常によい、こういうことになろうかと思うわけでありますが、その点はどうですか。
○西崎政府委員 FM放送と中波放送のサービス・エリアはどうかという点につきましては、これは先ほど申し上げましたようにいろいろ地勢によって違いますので、一がいに関東地方で中波とFMが大体同じ程度のサービス・エリアがとれるからといって、それが全国的に適用できるわけではございません。ごく一般論として申し上げますれば、やはりそれは中波の方がサービス・エリアは広い、こういうことは言えると思います。それからFM放送は、もちろん中波と比べますと音質が非常によいということは、もうだれしも異論がないところであると思います。
○森本小委員 むろん私が最初に申し上げましたように、音質あるいはその放送の質の内容というものは、FM放送の方が非常にいいということは明らかでありますが、ただあなたがおっしゃったように、山岳地帯その他については、 これはサービス・エリアが中波には及ばない点が出てくるということは当然であります。ただしかし、その場合、かりに今の中波放送に対して、FM放送が音質と内容の質がよろしいということになって、総体的に今の放送局がだんだんこういうふうに切りかえられていくということになった場合、そうすると、今度は今のような中波放送という形でなしに、たとえば四国地方なら四国地方の山岳地帯あてに、あるいは今の電力会社みたいに、一地方に一つないし二つの、FM放送の行かないところをカバーする大電力の中波放送を行なうということは、当然やり得るわけであります。だから、質の内容から行くとするならば、FM放送が当然発達をしていっていいじゃないか。その逆にFM放送の補完的な立場に中波放送の大電力を使うということが、今の西ドイツが考えておるやり方であります。私は日本に直ちにこれを適用せよとは言いませんけれども、地勢並びにその他の状況がよく似た西ドイツと日本と比べた場合には、かなりこれは参考になる問題ではないかというふうに考えるわけでありますけれども、こういう点については電波監理局長はどう考えるかということ。 それから、いいことはわかっておるけれども、標準放送の補完的地位にするか、あるいは混信または難聴地域の救済策とするか、根本的にはこれがかわり得ると言明できないということは、現在の中波放送を行なっておるところの設備その他について、一体これをどうするのか、あるいはまた現在の受信機を持っておるものについて一体どうするか、こういう問題になってこようかと思うわけであります。そういう点については、今言った大電力の、しかも今のようにあっちにもこっちにも中波放送の放送局があるということでなくして、FM放送の行かないところをカバーするという大電力の中波放送が全国に二十くらいできる、大体その程度で私はカバーできるのじゃないかという気がするわけでありますけれども、そういうふうな点を具体的に検討してみたことがあるかどうか。象の表をなでるみたいに、ああでもこうでもという報告をすることはいとやすいけれども、それを一つの政策的に結論をつけていくとするならば、やはりそういうことを考えていかなければ、いつまでたってもなかなか結論が出てこない、こう思うわけなんです。私は、今申しましたように、私なりの考え方に基づいて、しかも西ドイツなんかにおけるやり方を参考にして考えてみると、だんだん日本としてもそういうふうな結論になってくるのじゃないか、こう考えておるわけでありますが、その辺のことについて、電波監理局長としては、技術屋の総元締めでもありますので、どう考えているか聞いておきたいと思うわけであります。
○西崎政府委員 先ほど大塚会長からもお話がありましたように、一体中波とFMとの関係をどう考えたらいいか、この両者は共存するものであるか、そうでないものか、そこらの点がこの問題の基本的なポイントじゃないか。それで、こういった点について、よその先進国は一体どういうふうに考えているのかということについて、実は私も非常に関心を持っておるわけなんですが、これは多分に個人的な意見になって恐縮でありますけれども、まあ私としては、今森本先生が言われたように、ローカル放送はFM、地域的あるいは全国的、あるいはまた将来は国際放送、こういうものが中波の分野になっていく可能性が非常に大きいのじゃないか、こう考えておるわけであります。これは別に役所の意見でも何でもございません。ただ電波監理局長個人の意見でございますが、そういうふうに考えております。
○森本小委員 だんだんあなたの考え方がわかって参りましたが、将来、現在の短波放送以外に、中波放送を、電力を増力して、東南アジアあるいはまたアジア各方面に対して、エリアの及ぶ限りにおいて国際放送に使い得るということについては、これは私も前から言っておることでありますし、すでに諸外国はやっておることでありますので、特に地理的にヨーロッパの状況と日本の状況とはだいぶ違いますけれども、欧州各国においては、国際放送というものは中波を非常に使っておるということは事実である。フランスにしても、ドイツにしても、それぞれ数ヵ国語で中波放送をやっておりますが、しかし、あそこと日本とはだいぶ状況が違うので、かりに日本で国際放送を中波放送にするとすれば、五百キロ以上の出力にならなければならぬかと思いますけれども、日本も短波だけが国際放送であるというようなことでなしに、せっかく東南アジアに対するそういうところの中波放送を使うというこについては、私はこれはある程度賛成でき得ると思いますが、ただ、今電波監理局長が言ったように、ローカル放送という点と全国放送ということを一体那辺に分け得るのかということになると、これまた問題をこまかく検討しなければなりませんけれども、単に今言ったように、全国放送、 ローカル放送と分けられたと思いますけれども、私はそういう考え方よりも、より一歩進んだ現在の、たとえばNHKが行なっておりまする全国放送くらいのことについては、あるいはローカルも含めて、この程度の放送についてはFM放送でやれるんではないか、そういう現在の各地における放送局がやっております程度のものはほとんどFM放送に移行する、そうしてそのFM放送が全国的に行なっておりまする中においても、さらにその中でもう一回ローカルを含んでおらない全国的に聞かさなければならぬというふうなものについては、地域を限っての電力を増力して中波でこれを補っていく。要するに私の考え方はFM放送を中波放送において補う、今の考え方の中波をFMで補うということでなしに、日本のラジオ放送網というものを一通りFM放送でカバーして、そうしてそれができないところを中波放送でカバーし得る、こういう形が非常に中波放送に対しても経済的ではないか。今の中波放送のやり方については、確かに私は非経済的なところも多いと思うのです。この間のテレビのチャンネルのときから、あれを振り返ってみますると、まだあと相当微電力でテレビについてはカバーしなければならぬ難視聴地域がたくさんございます。ところが、たまたまFMラジオ放送ということになりますると、それを、先ほど来の話にありますように、中波の出力の大電力においてカバーすることができる可能性があるわけであります。そこに今のテレビの難視聴地域とFM放送の難聴地域との相違が出てくるわけであります。私の考え方は、はっきり言いますると、標準放送をFM放送と並行的に行なうということでなしに、全国ラジオ放送網というものは一応FM放送において確立をせられるのではないか。しかしそれが地理的にいけないところについては中波放送でカバーするということがよくはないか。その中波放送についても、今のようにあっちこっちぽこぽこ小さな局をこしらえるということでなしに、一つの大電力でもってそのできないところをカバーする、こういう形で初めて経済的な条件もよくなってくるのではないか、こう考えるわけでありますが、いずれにいたしましても、私がまず逆に聞いていきたいと思いますることは、今のラジオとテレビのチャンネルの状況からいきまして、標準放送をそのままにしておいて、その上にさらにFM放送を並立的に行なうということは、日本の経済力からいっても、放送事業の内容からいっても、また国民がラジオを聞く時間の持ち合わせというところからいっても、これ以上FMと中波を並行的に並立をさせるということはおそらく不可能である、こう考えるわけでありますが、この点についてはどうですか。
○西崎政府委員 非常にむずかしい御質問で、またこれも個人的な意見にわたる面も出てくるので、はなはだ恐縮に思います。 その前に、先ほど私が申し上げました点について、ちょっと言葉が足らない点があるので、補足させていただきたいと思います。先ほど、将来の姿として中波は地域的、それから全国的、あるいはまたさらに近隣諸国への国際放送ということを申し上げたのでありますが、これはネットワークを組むことによって全国をカバーする、地域をカバーするという意味ではありませんで、先ほど先生がおっしゃったように、電力を今までよりも大きくして、しかも混信のない、いわゆるクリア・チャンネルというものを割り当てるこによって、一局でもって相当広域な地域をカバーする。結局それによって先生がおっしゃったFMの難聴地域の救済とということも当然可能になってくるわけであります。そういう意味で申し上げたわけであります。 それから、もう一つ、今お尋ねの難問でありますが、要するに問題は、日本のテレビもそうですけれども、ラジオの置局計画というものを長期的に見た場合に、どういうように持っていったらいいかということを再検討しなければならぬわけであります。すなわち、このFMと中波というものを、総合してどういうふうに考えたらいいかということでありまして、この点につきましては、実は私個人としてもはっきりした構想を申し上げられる段階にまだ至っておりません。 ただ、ラジオの番組としては、もう現在で十分ではないかというお話がありましたが、確かに番組が過剰だという見方もあるわけであります。しかし、また一面いろいろと特殊放送、たとえば教育放送であるとか、そういう専門的な番組といいますか、専門的な放送局についての要請も相当あるわけであります。また、地方によりましては、総合番組の局がNHK二つと民放一つといったようなところもあるわけでありまして、そういった地方におきましては、総合番組の局が過剰だという段階にまでは必ずしも至っていないのであります。総合番組の局もさらに並立してもらいたいというような場所もまだ相当残されておるのではないか、こういうふうに思います。
○森本小委員 それは、あなたのおっしゃった通りであります。地方においてはまだNHKの第一だけしか聞けない、また民放が一つだけしか聞けないというところもあります。また、要望としては、現在の総合番組以外に、音楽放送だとかあるいは教養放送、あるいは教育放送をふやしてもらいたい、こういう要望のあることは間違いないわけであります。 ただしかし、ここで私がそういうふうな個々の例をとらえて言うのでなくして言っておるのは、総体的に日本の総人口、総経済力からいって、今の放送というものはラジオ放送においても大体精一ぱいというふうに見るのがほんとうではないか。大体ヨーロッパ各国から見ても、日本のラジオ放送においてもチャンネルが多過ぎるくらいであります。もっとも向こうは、自分の国の放送を聞かなくても、よその国の放送があれだけ小さいところにあるから、たくさん入ってくることは間違いないわけであります。しかし、そういう状況から見ても、日本の場合は、科学的に正確にデータをもってあなたにお答え願いたいということでなしに、あなたが長年電波監理の行政を見ておって、今の中波放送の上にさらにFM放送が今の番組と同じような総合的な番組を放送するということはとうていあり得ない、こう解釈ができるのではないか。それが、今の総合的な番組を、今の標準放送と同じようなものを置くなどということは、一ぱいであり得ない、こういうことになれば、さてFM放送を始めるということになるとどういう放送になるか、そこまではいかないで、とにかく今の総合番組のラジオ放送というものを、さらにこの上に同じようなものをFM放送で放送することは必要がない。これは言えると思うのですが、どうですか。もっとも、今言ったように、第一、第二だけしかないというような、これは個々の具体的な例はたくさんありますけれども、総人口にしたら、一億の総人口の中では知れたものです。そういうことではなしに、総体的に見た場合に、今の中波放送が、ラジオ放送がやっておって、さらにその上にFM放送というものがもう一回今のような総合番組を放送する必要はない。これは私は断定できると思う。これはどうですか。
○西崎政府委員 これも個人的な意見ですが、一般論といたしましては、先生と同感でございます。
○森本小委員 そういたしますと、結局今の放送とすると、FM放送がかりにでき上がるということになるとするならば、FM放送の内容を変えると同時に、かりに並行的にするにしても、中波放送がまた現在のままではあり得ない、こういうことになってくるわけですね。その辺はどうですか。断わっておきますが、われわれもこういうことで審議をしながら、決してつまらない質問でとっちめたり、あるいはそれを手玉にとってどうこうという考えは毛頭ありません。われわれはこういう小委員会を持って、せっかくこのFM放送に対して、大局的な見地から超党派的に、できれば一つの結論を出して、日本の放送行政に一つのいい道を見出したい。前のテレビのチャンネル合戦というような騒ぎが起こらぬようにしたいという一つの考え方を持ってやっておりますので、あなたが長年電波関係に従事しておられて、そのうんちくを傾けた経験がおありですから、そういう点について、個人的でもけっこうでありますから、もし御意見がありましたら、一つ遠慮なしに、会長はほんとうはそういうことを知らぬのだから、どんな答弁をせられても私は何ら差しつかえない、こう思うわけでありますから、遠慮なく御答弁を願いたい。そうしないと、この会がなかなかうまいこと進まぬ、こう思うわけであります。
○西崎政府委員 それでは、研究会という意味で、一つ気安く話させていただきますことをお許し願いたいと思います。 今お話しのように、たとえば東京のようなところでFM放送を開始するとした場合には、先生が言われたように、当然番組の調整といったことを考えざるを得ないのではないか、こういうふうに思います。
○森本小委員 そういたしますと、まずここで私が一つだけ結論をつけていいと思いますることは、現在の中波放送と、それからFM放送とが、現在のような放送形態において再建をするということはあり得ない。かりにFM放送が実施をするにしても、その両建にかりにいくにしても、現在の中波放送というものが縮小されるか、その内容が変わってくるか、いずれにしても、現在のようなラジオ放送というものが、FM放送と中波放送と両建でいくということは、だれが見てもあり得ない、こう解釈をしたいと思うのですが、どうですか。
○西崎政府委員 そう思います。
○森本小委員 私の質問は、まだたくさんありますが、同僚諸君に譲りまして、次の資料が出て参りましてから、次の委員会で質問したいと思います。
○秋田小委員長 橋本登美三郎君。
○橋本(登)小委員 竹内君があるそうですから、簡単に……。 森本君の質問の前半については大体考え方は一致していますから、ダブらないようにいたしますが、最後の方がよく徹底しないのです。おそらく森本君の質問の意味は、総合番組というものは、全体というより、ある地域においてはもう十分なんじゃなかろうか、従って、そこにFMが新しく割り当てられる場合は、その総合番組というものも、FMもしくは中波番組の内容が決定されたものじゃなくして、そういうことがFMを加えた上でいずれとも決定されるものであろう、こういう意味であろうと思うのですが、そういう意味と解釈すれば、大した問題はない。あえて異議はありませんが、ただもっとわかりやすくいえば、こういうふうに私は考えているのです。今度はテレビ、ラジオや中波チャンネルの再免許の時期になっておる。その時期にはFMが近く実施せられるという前提で、中波、FMを含めたラジオの基本的な方針をきめることが前提じゃないだろうか。もし再免許の場合に、現在の中波を現状のままで再免許をすれば、FMは結果的にここでいうところの補足的なチャンネルとしてこれを扱うという結果になりはしないだろうか。従って、六月か七月のそうした再チャンネルの場合に、少なくともFMの将来の扱い方が決定されて、そこで中波は規定通り、従来通りに認可されるであろうけれども、それは建前上暫定的なものである。従って、このラジオのチャンネルというものは、FMを加えた総合的なラジオ・チャンネルとして将来これを再編成をするんだという建前で、六月なり七月の再免許に扱わないと、ラジオは現状のままでこれを認めて、そうして将来においてこのFMにチャンネルが与えられると、これは補足的な地位あるいは特別な地位で事をきめるという結果になるのです。もちろんこれは調査会としては結論を得ておらないであろうが、西崎君の個人的な見解でもいいのです。その個人的見解を一つお聞きしたい。
○西崎政府委員 私は、先生のおっしゃったようにあるべきである、こう考えます。ただもう一つちょっと補足さしていただきますと、今度の再編成の時期における中波の再編成は、次の三カ年間というものを一応目途にして再編成をするわけでございますが、FMのあり方ということになりますと、次の三年間という意味ではなくして、もっと長期の見通しを立てて、そうしてどうあるべきかということを考えなければいけないのではないか、こう思っております。そうなりますと、長期の見通しを立てるということのために非常にむずかしい点はありますけれども、基本的には確かに先生のおっしゃる通りと思います。
○橋本(登)小委員 当局の方でも、個人的見解からさように考えておられるようですからけっこうですが、最近このFMを何か早くきめたいとか、あるいはチャンネルを決定したいという空気があるようです。もちろんこれは早くできればいいのですけれども、今言ったような工合に、根本的なラジオのあり方としての部面をきめるということになると、そう三月ごろまでに結論を出すということは非常にむずかしいのではないか。まあ目途にしてはおるのですが……。やはり考え方を、中波があって今度FMという新しい波が出てきたのです。これも昔からあったのですが、今度は実用化される。その場合に、中波の番組とか内容とか地域とかを全然ゼロに返すという考え方。そうして、あらゆる点から見て中波にまさるものができたので、ラジオというものをどこのどれに、いわゆるFMに置くか、中波に置くかということを考えるのですから、混信とか難聴地域とか雑音とかという問題でない。FMはラジオの新しい波として、しかもあらゆる特徴を持っておる、こういう意味で、このラジオの地位というものを、今までの中波の番組をひっくずして、結びつけてものを考えておるから、いろいろな誤解が出てくるのではないか。そうではなく、新しい優良な波が出てきたのだ。今までの悪いはがねに対して新しいいいはがねが出てきたときに、全面的に変わると同じように、そういう考え方、もちろんそれには年次計画を必要とするだろうと思う。直ちに受信機がそれに相応するだけふえませんから、そういう年次計画はもちろん持ってけっこうなんですが、少なくともそういう考え方でやらないと、一たびこれを補足的な役割なりあるいは部分的な役割だけで使ってしまうと、あとで非常に困難性が出てくる。従って、FMの使い方といいましょうか、考え方を、基本的方針を、私は、六月のチャンネルの再免許の際、もしくはその前に、FMがこうあるべきものであるという見解だけは、郵政省なり電波監理委員会で明らかにしておく必要があろうと思う。そうしないと、中波の再免許に対しても、非常に不徹底な再免許になってしまう。そういう点で、大体森本君の質問の内容と変わっておりませんが、その点をあらためて注文しておきたいと思います。
○秋田小委員長 竹内俊吉君。
○竹内小委員 大体森本君、橋本君の今のお尋ねで私の聞きたいと思っておった点も尽きておるわけですが、先ほど委員長からお申し出のあった、音声放送におけるFM放送の地位をどう考えるかというので、三つの条件をあげておりますが、この三つのいずれを選ぶかによって、日本の放送事業の調和と進展に及ぼす影響が非常に大きいばかりでなく、国民生活に与える点も非常に重大でありますので、まだ調査会の結論が出ていないのもそのためかと思うのでありますが、これは十分に調査、検討を尽くして、その上で大局に立って決断すべきもので、あまり行政の便宜のために拙速主義をとるようなことは、私は、当を得ないことだ、こう考えておるのであります。なるほど六月の免許の交代期に事柄がきまっておれば大へんよろしいので、郵政当局としてはやりたいところでありましょうが、そういう考え方でなく、日本の放送の将来を十分見通して結論を出すということで、十分時間をかけていただきたいと思うのであります。 大体今のお尋ねで結論が出ていないのでありますから、私がこれから伺うことも、結論を伺うわけには参りますまいと思いますけれども、FMをどう使うかという問題では、大体私は、森本君、橋本君の御意見に同感であります。今の段階では、これを中波の補完的な役目に使うということは、もはや適当でないという考え方が、放送業者の間でももう常識ではないかと思う。しかしながら、中波にも、放送事業の面から見ると、いろいろ難点があって必ずしも完全なものではないわけです。今のFM放送に比べると、よりベターだ、こういうわけでありますから、これをまたいたずらに延ばすことは、文明に対する一種の抵抗みたいなことになりますので、そこが非常に痛しかゆしのところであります。 そこで、日本の中波がこれだけ発達した現状において、かりに中波を全部FM放送に切りかえるとした場合に、その可能性があるかどうかということを検討することが、当委員会における一つの重大なポイントだと思う。そういう点でこれは伺うわけでありますが、それにはいろいろな条件があって、まず、技術的な条件がある。それから社会的な条件がある。その他にも受信者の方の消費経済の面からくる条件がある。受信機のメーカーの生産能力その他の問題がある。幾つか問題があるわけでありまして、そういう可能性についても十分考えないと、いいことでも、可能性のないものはできないわけでありますから、その可能性の条件を一つ一つ検討をしていきたい、こう思いますが、きょうは全部にわたるわけにもいきませんので、この御趣旨に沿うて、この三つの場合の(2)の場合、つまりFM放送を全面的に標準放送に置きかえるという場合の可能性について、二、三お尋ねしたいのであります。 まず技術的な面の第一は、チャンネルの問題だと思いますが、日本が今割り当てられておる周波数で、今のFM放送に向けられておる要望、方々から要望が出ておるわけですが、それを全部まかない切れるかどうかという問題が一つあると思う。先般の局長のお話では、八十メガサイクルから九十メガサイクルまでのものを使うのだということでありますが、それをかりに百KCの間隔によってやるということであれば、九十くらいしかできないものだと思う。そういうものの操作で全面的に置きかえるということが、どういう面から見ても難点がないものなのか。大丈夫だろうということであればいいのですが、まずそこに問題があるだろうと思います。その点はどうですか。
○西崎政府委員 この中間報告書にも書いてありますように、世界の大勢からいって、FMに使う周波数としましては、日本としては七十六から九十、こういうところが適当ではないか、これも何も確定したわけではありませんが、そういうふうに御了承願いたいと思います。これだけ使った場合に、どの程度のFM局の数が可能かというお尋ねだろうと思うのです。具体的に東京でこれだけのバンドを使って何チャンネルとれるかという点につきましては、実は今東京の電波塔その他を使いまして、いろいろな技術的な実験をいたしておりますので、その結果を待たないとはっきりしたことは申し上げかねるわけです。しかし、全国的に見ますと、当然現在中波でやっておるもの、これだけを収容することは十分これは可能であると思います。
○竹内小委員 これはかりに全部置きかえるとしても、日本の放送の現状からすれば、これを一挙にやるということはとうてい困難だと思います。今申し上げたような条件と見合って、何年かの計画で進めなければならぬ。その道程においてFM放送は使っていくんだということも、一つの重要なポイントだと思います。今の七十六から九十までとると、百四十までとれますね。それで十分まかない得るというお話で、大へんけっこうだと思いますが、ただ、今の世界の放送の前進しておる方向は、局長よく御存じの通り、もっと高級な放送というか、ステレオ放送、多重放送、こういう方向に向いておる。最近あなたの方からいただいた資料を見てもわかりますように、アメリカにおけるラジオ、テレビの展示会に出てきたものを見ると、ラジオに関しては、全部その方の新しいものが出てきている。あなたの方の資料を見て、私は非常に驚いたほど進歩してきておる。これはFMを取り上げる以上、ステレオあるいは多重方式の放送は、避けることのできない問題だと思うのです。その問題をもあわせ考えて、なおかつ七十六から九十までの百四十を操作すれば十分だ、こういう結論が出てくるようでございますが、個人的意見でけっこうですから……。
○西崎政府委員 今先生のお説のように、世界的な方向として、ラジオはもちろん、テレビにおいても、ステレオ化の方向に向かっておるわけであります。当然、日本が今後FM放送を始めるという場合には、ステレオということを前提にしなければ、あとになって後悔するのではないか、こういうふうに考えます。そういう意味で、先ほど申し上げましたのも、そのステレオを前提にした結論でございます。
○竹内小委員 そのステレオ、多重放送を十分考えても、なおかつ周波数ではやっていける、こういうことであるとすれば、これは、今後FM放送をどう扱うかというわれわれの意思をきめます上にも、重大なことだと思います。日本の代表的な権威者の西崎さんのおっしゃることですから、その通りに受け取ってけっこうでしょうか。よろしゅうございますか。
○西崎政府委員 ちょっと、ここで誤解があるといけませんので、もう一度言わしていただきたいのですが、私が申し上げたのは、現在ある中波の局をFMの方に移行させるという場合に、さっきの七十六から九十までのバンドだけで十分であるが、こういうふうにお伺いしたので、そうであると申し上げたので、皆さん御承知のように、今そのほかの新しい申請、これが全部で三百数十局も出ておるわけでありますが、これは別でございますから、その点は一つ誤解のないようにお願いしたいと思います。
○竹内小委員 それは、今の既設の局といいますが、そのものを移すには十分だ、それはわれわれしろうとにもわかる。ところが、FM放送を取り上げますと、それだけでは済まない幾多の問題をあなた方は現にかかえておるでしょう。それをどう処理するかという問題は、FMと離すべからざる問題なんです。また、日本の放送全体の、何と言いますか、ハイカラな言葉を使えば、放送文化を拡充していく上には、それは一つの条件でしょう。それを取り入れるということは、どう取り入れるかという方法論にはいろいろありましょう。そこで、それはそこまでは手が伸びない、今のものを置きかえるには十分だが、それ以上は手が伸びません、技術的にそれは困難です、こういうことであればあるように、われわれはこれからまたいろいろその点を考えてまとめていかなければならないのですが、重ねてお伺いします。その点はどうですか。
○西崎政府委員 先ほど申し上げた通りでして、前提があったわけです。私がお伺いしたのは、間違っておったかもしれませんが、現在ある既存の中波の局を代替させるのに十分であるかというふうにお伺いしたので、もしそうでなくして、すべての現在ある申請をまかなうのに十分であるかということだとしますれば、それは不可能である、こう申し上げざるを得ないのです。
○竹内小委員 だいぶはっきりしましたが、不可能というその程度は、どの程度ですか。
○西崎政府委員 これは結局チャンネル・プランの問題になるわけでありまして、御承知のように、東京には、FM放送局の申請だけで三百数十局もあるわけです。従いまして、これに対し割り当て得るチャンネルの数というものは、大体さっきのバンドでいきまして見当がつくのではないかと思うのですが、競争率――という言葉を使いますと語弊があるかもしれませんが、非常にそれが高いわけです。しかし、これは何もどこの地区も全部そうだというわけではないわけでありまして、場所によってはそれほど困難でない地区もある。これは非常に抽象論であって、御趣旨に沿わないかもしれませんが、その程度で一つ御容赦願いたいと思います。
○竹内小委員 先ほどの森本君が言った、中波とFMとで長短相補う、中波の方が一応補っていく態勢に将来なるだろうという御意見に対して、局長も大体そうなるだろう、そういうふうに拝聴しましたが、私もそうなるのではないかと思うのですが、それがこれと非常に関係が深いと思うのです。先ほど、中波はしからばどういう地位になるのかという点については、局長は、地域的、全国的、国際的の放送に向けられていくのではないか。地域的というのは、今ラジオの申請の基準が、地域的として府県単位のことを具体的に構想を持っておるから、その府県単位でないという意味で、もっと広い意味の地域、こう解釈しておるのですが、それとこれと相補っていって、日本のラジオの姿を全国にカバーしたものを作っていく、こういう構想だろうと思いますが、地域的というのはそういう意味ですが、私はそうとりましたが……
○西崎政府委員 そういう意味で申し上げたのです。
○秋田小委員長 次会は、来たる二十一日水曜日、逓信委員会散会後直ちに開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十八分散会