逓信委員会 第18号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/03/28
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 日本放送協会昭和三十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題として審議を進めます。
○佐藤委員長 この際、参考人招致の件についてお諮りいたします。 すなわち、本件に関し、審査が終了するまで、随時日本放送協会より参考人を招致いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 なお、参考人の人選等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○佐藤委員長 まず、大高政務次官より概要説明を聴取することといたします。大高政務次官。
○大高政府委員 ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出について、概略御説明申し上げます。 日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条の規定に基づきまして、国会に提出いたすものであります。 協会から提出されました昭和三十四年度の貸借対照表等の詳細は、お手元の書類の通りでありますが、その概要について御説明申し上げますと、昭和三十五年三月三十一日現在における資本総額は八十四億九千百余万円で、前年度末に比し二十七億三千八百余万円の増加となっております。また、これに照応する資産総額は百九十九億九千三百余万円で、前年度末に比し四十六億二千三百余万円の増加であり、負債総額は百十五億二百余万円で、前年度末に比し十八億八千五百余万円の増加となっております。 資産の内容を見ますと、流動資産二十七億八千九百余万円、固定資産百五十九億九千七百余万円、特定資産十億一千九百余万円、繰延勘定一億八千七百余万円となっております。また、負債の内容は、流動負債十億五千二百余万円、固定負債百四億五千余万円であり、固定負債の内訳は、放送債券五十四億九千余万円、長期借入金四十九億五千九百余万円となっております。 次に、損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係百四十億五千九百余万円で、前年度に比し二十四億五千余万円の増加であり、テレビジョン関係は百十億九千八百余万円で、前年度に比し六十億七千七百余万円の増加となっております。事業支出は、ラジオ関係百三十八億四千三百余万円で、前年度に比し二十二億九千四百余万円の増加であり、テレビジョン関係は八十四億五千八百余万円で、前年度に比し四十二億四千四百余万円の増加となっております。従いまして、ラジオ関係においては、二億一千五百余万円の当期剰余金を計上しており、また、テレビジョン関係においては、二十六億三千九百余万円の当期剰余金を計上しておりますが、これはテレビジョン放送受信者の予想以上の増加によるものであります。なお、ラジオ、テレビジョン関係の当期剰余金につきましては、その大部分は放送債券償還及び長期借入金返還等の資本支出に充当されております。 以上で概要の説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○佐藤委員長 次に、参考人日本放送協会会長阿部真之助君より補足説明を聴取することといたします。阿部会長。
○阿部参考人 ただいま政務次官から日本放送協会の昭和三十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要について御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、これから補足説明を申し上げることといたします。 まず、財産目録と貸借対照表について申しますと、資産総額百九十九億九千三百五十八万円のうち、最も大きな部分を占めております固定資産につきましては、当年度末百五十九億九千七百八十万円で、前年度末に比べまして、三十六億七千七百八十七万円の増となっておりますが、これは主として秋田外十九局のテレビジョン放送局の建設、岡山外二十七局のラジオ関係放送所の増力工事、前年度に引き続く東京放送会館新館、福岡、札幌放送会館の建設、その他放送設備、機器の整備改善等を行なったものでございます。 また、これに対します負債総額は百十五億二百五十五万円となりましたが、このうち固定負債について申しますと、当年度末百四億五千十七万円で、前年度末に比べまして十九億九千六百七十七万円の増となっております。これは、当年度新規に放送債券を三十億円発行し、また市中銀行から長期借入金として二億九千万円の借り入れを行ない、他方当年度減としましては放送債券において二億一千九百八十万円を償還、市中銀行ほかに対して十億七千三百四十三万円の長期借入金の返済を行なったためであります。 次に、損益計算書について申しますと、まずラジオにつきましては、事業収入は百四十億五千九百二十三万円で、前年度決算に比べまして二十四億五千八十二万円の増となっておりますが、当初の予算に比べますと、八億三千六百五十六万円の減収となりました。これは当年度受信料を月額八十五円に改定いたしましたことにより、受信料収入は増加いたしましたが、受信者数におきましては極力その維持増加に努めたにもかかわらず、年度内において百二十四万の減となりましたため、当初の予算に比べましては減少することとなったためでございます。 一方、事業費は、ただいま申しました収入減に対処して経費の節減をはかりました結果、百十八億九千二百二十二万円となり、前年度決算に比べましては十二億四百十三万円の増となりました。これは、番組面においてテレビジョン放送との連携を保ちつつ、第一、第二放送の番組の刷新をはかりましたほか、国際放送の拡充、受信者普及開発の強化、カラーテレビジョンやFM放送等の放送技術の新分野の研究等を積極的に実施したものであります。 減価償却費は十三億九千百三十万円で、前年度決算に比べますと、九億四千三百三十七万円の増となりましたが、これは、前年度におきまして、財政収支の均衡上やむを得ず繰り延べた償却不足額を取り戻しましたほか、現有資産の老朽陳腐化のはなはだしい状況にかんがみ、特別償却を行なったためであります。 次に、テレビジョンについて申しますと、事業収入は百十億九千八百十万円で、前年度決算に比べますと六十億七千七百六万円の増となり、これを当初の予算と比べますと三十四億五千二百五十万円の増収となりました。これは主としてテレビジョン放送局の開局あるいは増力によるサービス・エリアの拡大に加えて、受信者の普及開発に努めました結果、受信者数が急速な増を示したためでございます。 他方、事業費につきましては、六十八億千五百四十九万円で、前年度決算に比較し三十五億四千五百七十二万円の増となりましたが、これは放送網の拡充に伴いまして、総合、教育両テレビジョン放送とも放送時間を増加するとともに、番組内容の改善充実に努めましたほか、テレビジョン放送局開設に伴う専用回線その他維持費の増加によるもののほか、職員の待遇改善をはかったものであります。 以上の収支の結果、当期剰余金は、ラジオにおいては二億千五百五十一万円、テレビジョンにおいては二十六億三千九百十四万円となりましたが、今後の事業運営にあたりましては、難聴地域の解消、設備の改善近代化、受信料制度の合理化、その他多くの重要諸計画の遂行に努めなければならないと存じますので、公共放送という重大使命と責任に照らし、今後とも一そうの事業の運営推進に努力をいたして参りたい所存でございます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第であります。
○佐藤委員長 次に、会計検査院当局より検査の報告について説明を求めます。平松第五局長。
○平松会計検査院説明員 日本放送協会の三十四年度決算につきましては、書面検査のほか、協会本部並びに大阪、名古屋、広島、札幌の各中央放送局及び福岡放送局の実地検査をいたしました。実地検査の施行率は、収入面ではラジオ四〇・一%、テレビ六一・六%、支出面におきましてはラジオ七四・八%、テレビ八九・五%となっております。検査の結果につきましては、特に不当と認めた事項はございません。 そのほか注意した事項もございません。 以上でございます。
○佐藤委員長 質疑の通告があります。これを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 NHKの決算について若干質疑をいたします。 まず第一に、固定資産百五十九億九千七百余万円でありますが、これは言うまでもなく土地建物がその主たるものであると思いますが、これはいつの評価をもって帳簿に記載したのか、これを評価した時期あるいは評価の基準、そうしたようなものはどういう方法でやっておられるか。あまりこういう問題について聞く機会がお互いにないので、この際あらかじめ聞いておきたいと思います。
○小野参考人 資産の取得の際におきまして、必要な経費をもって帳簿に記載をいたしておるわけでございますが、古い資産につきましてはその後再評価を何回かいたしております。最も近い再評価の時期は、昭和二十六年度に現在行なっております評価方法に基準を変えて参っております。これは、建物で申しますと、鉄筋の建物でございますと、これはおおむね六十年ぐらいの耐用年数に計算をいたしてございます。木造のものでございますと、三十年といったような寿命を算定いたしております。その他、いろいろ放送設備の関係につきましては、設備ごとにその寿命を予測いたしまして、その耐用命数をもとといたしました一定の率で償却をするわけでございますが、現在この資産として計上しておりますそれは、そういった評価の基準に従って集計をいたしましたものが、ここにございます資産額でございます。
○上林山委員 まあそれが普通のやり方でございます。言うまでもなくこれは商法の適用を受ける評価の方法によってやっておる、こういうことですが、ただ一般の業態と業態が違う。たとえば建物の構造にしても特殊の建物であるわけでありますが、そうしたような商法が原則的にきめた評価の方法でなく、それに加うるにそうしたような特殊な事情、特殊の建物の構造、こうしたようなものは、雑然というとおかしいけれども、商法の規定に準じたやり方をしておるのか、それともそういう特殊なやり方をしておるのかどうか、少しは取り入れておるのかどうか、この点を一つ参考に伺っておきたいと思います。
○小野参考人 必ずしも商法上の原則のみによっておらないわけでございまして、結局、一般の事業主体におきましては、商法の原則によりますことが直ちに税法上の問題になって参ります。NHKといたしましては、それに対して税法上の関係がございませんので、一般の基準よりもむしろ短縮するような方向で考えております。ただ評価そのものにつきましては、おおむね商法上の原則に基準をしながら、いろいろ施設関係については、技術の非常な革新等に備えるような償却方法はいたしておりますが、資産の評価といたしましては、大体世間一般の価値評価の基準に従って評価をいたしておるわけでございます。
○上林山委員 土地の問題についてはもうそれでけっこうだと思うのですが、建物の問題については、商法上の原則と、今お答えになったNHKの建物の構造が特殊であるということを取り入れて評価をしておるのか。ただその評価の仕方はできるだけ適正なものでなければならぬわけですが、二十六年度を基準にして、これは一応この業態に限らず一斎にやったわけでしょうが、それはそれとして、そのほかのやり方も取り入れて評価をしたんだ、こういう御説でありますが、たとえばどういうことを参考にし、取り入れて評価したものですか。
○小野参考人 建物に関しましても、建物の主要部分はスタジオでありますので、スタジオ関係の進歩改善に即応いたしますような度合いにおいて減価償却をいたしております。従いまして、取得の価格は大体は建設に要した経費をそのまま帳簿価格といたしてございますが、ここに集計しておりますものの中には、何回か償却をしたものもございます。その現在の価値は、一般の例よりもむしろ償却を多目にするような状況でいたしておりますので、一般の財産評価の関係よりも、評価額はその意味において現在値としては低くなっておろうかと考えます。
○上林山委員 土地建物の問題はそれくらいにいたしておきまして、特に機械あるいは器具、放送用に使うものは一ぺん耐用年数を短縮したことを記憶しておりますが、これはあくまでも、少しくらい修理したところで再生産のために使えないものが多くあるわけですね。そうしたような建前から、この耐用年数というものは、できるならば何年か前にやったその基準よりも、今日においてはさらにこれを短縮していくことが、質のいい放送ができることになるわけでもあり、また資産、負債の経営の面からいっても、これが堅実なやり方である、こう思うのですが、その後評価の短縮というような問題についてどういうふうにやってきておるか、たしか数年前だったと考えるのです、が、そのときのままであるのかどうか、この点を聞いておきたいと思います。
○小野参考人 ごく最近で申しますと、三十四年度の決算には直接関係はございません。その以前の標準でやっておりますが、三十六年度の予算の減価償却の関係におきましては、大幅に耐用年数を短縮いたしまして、極端なもので申しますと、ここに詳細な資料を持っておりませんが、四分の一くらいに寿命を切り下げたものもございます。おおむね耐用年数を短縮するというような方向で取り扱っておりまして、ただいま御指摘の上林山先生の御趣旨に沿えるような措置をとって参ったのじゃないか、このように考えます。
○上林山委員 これは種類によっては今まで通りでいいのもあるのだけれども、先ほど申し上げたように、種類によってはさらに思い切った短縮をしていくことが私は適当であると思いますので、今後も研究を願っておきたいのであります。 そこで、固定資産の問題はその程度にいたしまして、固定負債の問題について少しお尋ねいたしてみたいのであります。固定負債の内訳は、言うまでもなく放送債券が五十四億九千余万円、それから長期借入金が四十九億五千九百余万円、こういう説明でございますが、長期借入金の利子を平均しますと幾らになりますか。
○小野参考人 おおむね利率は八分見当でございます。
○上林山委員 放送債券は七分三厘でしたね。
○小野参考人 現在七分三厘になっております。昭和三十六年四月から七分三厘になっております。以前は七分五厘でございます。
○上林山委員 これはNHKとしては、対政府の関係、あるいは対その他の経済関係、諸般の事情を考慮して、やむを得ずこういう処置をとっておるとは思いますが、長期借入金は八分で放送債券が現在では七分三厘だ。してみれば、ここに金額が大きいと相当の利ざやというものが出てくる。なお、NHKに許された放送債券の最高額というものは、まだ半分も消化していないのじゃ、ないか、こういうように考えるし、またこの消化の能力というものは、今日の経済事情から相当私は消化し得るものだという見通しを持っておるものでありますが、この見通しあるいは今までの売れ行き、同時に、今年は三十億であったが、来年度は一つどれくらいの債券を売り出すという予想を、ぼつぼつ七、八月にはきめなければならぬ。あと二、三カ月したら大体きまっていく段階ですが、そういうことはどの程度にお考えになっておるか、これを一つ参考に承りたいと思います。
○小野参考人 御指摘の通り、利率の関係から申しましてももちろんでございますし、また、こういった建設資金といたしましては、できるだけ有利な長期の借り入れが必要でございます。その点から申しますと、放送債券は七年で償還でございますが、その他の借入金は、長期借入金と申しましても、最長三年を出ることは困難だろうと思いますが、そのような点から申しますと、発行の余力並びにこれが消化の見通しのあります限り、放送債券に依存すること、が有利でありますことはもちろんでございます。そういう面から、市場のいろいろな状況から勘案をいたしまして、消化一ぱい一ぱいにまで放送債券を発行いたし、放送債券発行で間に合わない分を借入金に依存する、こういうような方針で運用して参っておるわけでございます。 最近の事情を申しますと、三十六年度におきましては、三十五億円の放送債券の発行予定を立てておりました。ちょうどこれを五回に分けまして、七億円ずつ発行、消化が可能であろうと年度当初は見込んでおったわけでありますが、一回、二回は予定通りに七億を完全に消化を見ることができましたが、三回目から、いろいろな業種別による資金の配分関係に、いろいろな配慮をいたさなければならないようなことになりまして、放送債券といたしましては、いかに努力いたしましても、七億の予定が四億ということが過去二回続きまして、最後の第五回目のときは、やはり四億ぐらいでないとむずかしいような情勢であったのでありますが、いろいろ努力をいたしまして五億の発行を見ております。それから見ますと、計画から申しまして放送債券では八億円分が発行不能になっておるということでございます。これを借入金に転換せざるを得ないような状況になったわけでありますが、三十七年度の見通しといたしましては、現在のところ大体三十六億円を放送債券に依存しようというような目安を立てておるわけであります。これも相当に努力を要すると思いますが、一応現在のところでは、三十七年度外部資金依存分の五十八億円のうち、三十六億円は放送債券によって調達いたしたいというふうな計画を持っております。
○上林山委員 NHKの、長期借入金よりも放送債券を発行して事業費、建設費等に充てた方がよいというお考えは、これはもう当然のことでございますが、その売れ行きが少し頭打ちになった、だから三十六年度は今報告したような状態で、三十七年度は三十六億くらいの放送債券を売り出す見込みを立てておる、こういう経過を聞いたわけでありますが、これは一応そういうふうにも考えられましょうけれども、私はやはりPRが足りないのじゃないか。これは七分三厘で一〇%引いても六分三厘、今六分三厘の金利というものは、これはほかの公募社債を考えてみても、まさるとも劣らぬものであるという点、同時にこれは途中で抽せん償還をする道も開けておる、相当有利な面があるにもかかわらず、案外これは知られていないために、あなたの方でむしろそれぞれの、取引先という言葉はどうか知らないが、知り合いのところに、これを丁寧にいえば相談的に割り当てておる、悪くいえば無理やりに押しつけておる、こういう形になりがちだと私は思います。だから、こういう点は、その有利である点をもう少し広く需要者なり国民に知らしていく努力が足りないような気がしてならない。この放送債券がいつ売り出されたのか、われわれ逓信委員の諸君で知っておられる人が何人おるか知りませんが、私は残念ながら何年何月に売り出されたということをあまりよく知らぬ。ほかの方々はみんな知っておられるかもしれませんが、そういうような状態で、比較的関心を持っておる者でさえ、第一回はいつ売り出したんだ、消化はどの程度だった、第二回また売り出しそうだというようなことについて案外知らぬですよ。だから、私は、こういう点は、もう少し遠慮をせずに、役人式に考えないで、そういうような意味でPRを遠慮なくされる必があるのではないか、こういうように考える次第でございます。 この問題はこの程度で、次に進みたいのですが、この三十五年の三月三十一日現在の財産目録を見ますと、国際放送関係政府交付金外四千六百四十四万円、これだけが未収金になっているのですね。政府交付金という言葉なんだが、政務次官、国際放送は政府の宣伝機関です。その交付金がどうしてこんなにおくれるのか、未収になっておるのか、不思議でならないのですが……。
○大高政府委員 私もよく存じませんので、ただいまNHKの専務さんに聞いてみましたところが、これが一期ずつおくれてずれて入ってくるというような状況になっておりますので、御承認を願います。
○上林山委員 その答弁は少し私は遺憾に思いますけれども、政務次官は友人だから、やかましく言うのはやめますが、監理局長、三十五年三月三十一日といえば、会計年度では年度末ですよ。会計年度で年度末であるのに、政府が国際放送をNHKに委託してやりながら、それが一期ずつずれるなり、あるいは三月三十一日現在にこれが未収金として計上されるということは、私も長い間予算委員をやっておりますけれども、絶対にそういうことはないとは言わぬけれども、少ない事例ですよ。だからこういう点は私は遺憾に思うのですが、遺憾でないという具体的な説明を、NHKと打ち合わせてもいいから、これは郵政省がお答えにならなければいけない問題です。
○西崎政府委員 どうも調査不十分で申しわけありませんが、たまたま事務上の手続によって三十四年度そういう事態が起こったというわけでありまして、今後はそういうことがないように善処して参りたいと思います。
○上林山委員 その答弁もこれは適当でないと私は思うのです。事務上の手続によってたまたま三十四年度のものが未払いになりましたという意味はどういう意味ですか。
○西崎政府委員 その点につきましては、後刻調べまして返事をさせていただきたいと思います。
○上林山委員 委員長がやさしい目つきをして何かサインを送っているような気がしますので、私はきょうはこれ以上この問題では追及しませんけれども、どう考えてみてもこれは適当な答弁になっていないと思うのです。三十四年度の分は決算ですから、こういうものがずれていくということは、郵政省の行政事務というものがいかに不親切であるのか、あるいはNHK側にずさんなかねての経営のやり方があるのか知らぬけれども、とにかくいずれにいたしましてもこれはいいことではないわけです。一つ適当な時期にこの問題については御報告を願うことにいたしておきたいと思います。
○佐藤委員長 さよう承知しました。
○上林山委員 そういうような意味から、私がこの前も一言質問申し上げたように、国際放送というものはこれから年次を追って拡大強化されていかなければならぬ事業なんです。だから、この費用については、できるだけ郵政省も——たとえは実時間の放送だけでなくて、前に音楽なりあるいはあとに音楽なり入れるでしょう、実放送以外のいわゆる前の時間、うしろの時間、こうしたような問題も御理解にはなっていると思うのだけれども、そうしたようなものも、やはり郵政大臣代理の政務次官、お聞きを願って大臣にも一つ御報告願いたいのです。 初夏になりますと、もう三十八年度の予算編成の時期になって素案を組まなければならぬ、そういう段階ですから、そうした問題もひっくるめてやっていかなければならぬ。それなのに、未収金になって交付金がおくれているというのでは——しりをたたいてもくれる金は少ない、少ない上におくれて交付している、こういう行き方はやはり適正でないと思いますが、それはそういうふうにいたしまして、三十七年度は今言うようにわれわれ予算を見て知っておりますが、三十八年度は、予想せられる国際放送のふやし方、一本ふやすのか三本ふやすのか知りませんが、そういうことを御研究になっておりますか。もし予想せられるものが大体わかるとすれば、どういう方向に今度は国際放送をふやしていこうと予想せられておりますか。
○西崎政府委員 先般のNHKの六カ年計画におきましても、国際放送の拡充という線が打ち出されておるわけであります。われわれの方としましても、できるだけその計画が実現できるように助成して参りたい、こういうように考えておるわけでありまして、具体的には、御承知のように現在国際放送の問題につきましては、混信問題が非常に多いわけであります。その結果、せっかくの放送の放送効果というものが十分上がらないということがありますので、同じ番組に対する周波数の増加、これは結局一つの番組に使いまする送信機がふえるわけであります。それとか、あるいは電力の増力、こういったような点につきまして、さらにわれわれの方の予算というものの裏打ちを考えて参りたい、こう思っておるわけでありまして、具体的にどの程度の数字かということは、ちょっとまだ申し上げる段階にまで至っておらないのであります。
○上林山委員 具体的な数字はわからないが、三十八年度も、一方向かあるいは数方向か知らぬが、ふやす予定をしておる、こういうように受け取っていいんですね。
○西崎政府委員 まあ方向の問題は、大体もう現在十八方向で全世界をカバーいたしておりますので、その点さらに方向をふやすということは考えておらないわけで、ただその一方向当たりの時間増といったような点は考えて参りたい、こういうわけでございます。
○上林山委員 従来に比べれば、十八方向だから相当カバーされておるということはわれわれも承知しておりますけれども、専門家でないので、まだふやし得る個所があるかのごとく聞いておりましたので、そういう質問をしたわけですが、NHKでは十八方向でもうよろしい、これから先はその時間を長くするとかいうような、あるいは難視聴地域がないようにしていけばいいとか、こういうお考え方だけで、十八でもうピリオドして、頭打ちにして、充実していこう、こういうお考えですか。
○前田参考人 ただいま電監局長が言及されました私どもの第二次六カ年計画によりますと、昭和三十八年度は、予想といたしまして、方向の増加は考えておりません。そのかわりに一般サービスを毎正時三十八分ふやしていくこと、これは一日通算いたしますと、放送時間が二時間増になります。それから同時に各地域向けの周波数をふやしていくこと、並びに送信電力の増強を考えていくこと、これを柱といたしまして、三十八年度予算編成にあたっては、一そう具体的な研究をいたして参りたい、このように考えております。
○上林山委員 次にお伺いしたいのは、差入保証金、説明は建物賃借保証金、こうなっておりますが、その金額が割合に大きい。五億一千万円余り。どういうところを賃借しているのですか。「建物」と特に書いてあるのですが、土地ならばわかるんだけれども、建物の賃借というのは、NHKが借りているのはどこですか。
○小野参考人 建物保証金と申しますのは、いわゆる敷金のようなものでございまして、一応借料は借料として払うわけでございますが、そのほかに、借用いたしますために、前もってそれだけの金を納めておるので、いずれこれは返いてくるわけでございますけれども、そういった性質のものでございます。ただいま五億の該当のそれはどこかという御質問でございますが、日比谷会館のスタジオ及びその付属の関係で一億円、電波塔の社屋の関係の保証金が九千八百万円、第三森ビル、こういうのがございますが、ここの借用に伴いますものが八千五百万円、千代田ビル関係、神戸の国際会館、佐賀の商工会館、その他いろいろ数多くございますが、それらの点につきまして、ただいま申し上げましたような月々の借料のほかに、借りますときに敷金のような形において保証金を入れるのでございます。
○上林山委員 たくさんは聞きませんが、この日比谷会館はどういうわけで借りておるのか。それから森ビルはどういう意味で借りておるのか。千代田ビルはどういう事情なのか。この三つだけをまず簡単に説明して下さい。
○小野参考人 千代田区ビルの関係につきましては、テレビの伸びにつれまして、現在の会館内の中だけでは非常にスタジオの不足を来たしております。そういったスタジオの充足をはかりますために借り入れておりますものが、日比谷でございます。第三森ビルの方は、これはスタジオではございませんが、会館内におきましても、急速に外の方の——それを借りる前にいろいろ整備計画を立てておりますが、何しろもう既存の限られた建物でございますので、限度がございます。そのような面を、内部的にも、今の会館内にスタジオ建設を進めております。それで間に合わないものを、先ほど申し上げました日比谷会館等の外部のスタジオを借りるというような措置をとって参っておるわけでございますが、今のような関係で、会館内において事務室が勢い非常に急迫をして参ります。そういった事務室の関係の居場所のないところを、さらにほかに求めなければならぬというようなことで、第三森ビルの方は事務室の使用のために借りたものでございます。千代田ビルも同様でございます。
○上林山委員 このNHKの建物では、スタジオが起りない、あるいはNHKの事業遂行のために事務室が足りない、そのために借りた賃借の保証金である、これは一応筋が通っておると思います。しかし、第三森ビルの場合は、これはNHKのいわゆる財産目録に載せていい性質のものですか。それは違っているんじゃないかと私は思うのですが、そのNHKの外郭団体がこれは使用しているのじゃないですか。
○小野参考人 これは外郭団体ではございませんで、NHKの事務運行上必要な事務室の充足をはかりますために借りましたものでございます。
○上林山委員 私も、何もやかましく言って、これを決算委員会式に取り上げようという意味じゃないのですが、事情がわかりさえすればいいのです。それならば、あそこでやっているたとえばサービス・センターですか、あるいは共済会ですか、そうしたようなものは、共済会のごときはこれはNHKの直接のものですか。これは間接に関係のあることは私もよく承知していますが、どうなんです。やっておる団体もしくはその事業の内容をもう少し説明願いたい。
○小野参考人 御指摘の通り一部そのような面が使っておるところもございます。これももともとは一応会館内に、そういった事務室の一部を、便宜を与えておったわけでございますが、今のような非常なスタジオの建設の関係につれまして、協会の事務室に非常に不足を来たして参りましたので、外部の建物を借りておりますが、御指摘サービス・センターにいたしましても、また共済会にいたしましても、保険組合の事務所にいたしましても、それぞれ協会との関係における非常に近い、そうでない程度の差はあろうと思いますが、いずれも協会の事業運行に非常に必要なものばかりでございます。しかし、それがゆえに、そのようなものに提供するために、NHKが保証金を入れて、ただで提供することは非常に筋が違うと思いますので、所定の計算をいたしました借料を徴して、外へ出てもらって、そこに居を移してもらうというような措置をとって参ったようなわけでございます。
○上林山委員 時間があれば、この問題はもう少し質疑応答してもいいのです。しかし、あなたの答弁はだいぶ違っているのです。大部分がNHKと間接に事業運行上関係のあるものではありますけれども、最後にあなたが言われたように、これはもう別の団体なんです。だから、NHKがこの財産目録に載せていい財産かというと、これは、私は不正とまではきょうは言いませんけれども、妥当を欠くのですよ。だからそれは財産目録に載せない、何か損金なら損金というような意味で、そういう団体は事業運行上密接な関係があるから、これに補助金を出すとか、何かこれに協力をする態勢は別途に、NHKに余裕があるならば、おやりになればいいのです、同時に、この団体は、大体、そう非常にもうかっているとは言わぬでも、相当もうかっている団体であります。損はしていないはずです。そういうものを財産目録に載せておくことは妥当と思いますか。不正であるか不正でないかということはきょうはお互いやめましょう。やめましょうが、これを財産目録に載せることは妥当であるか妥当でないか、そこだけおっしゃっていただけばけっこうでございます。
○小野参考人 趣旨から申しまして、そのような団体に対してNHKのいわゆる財産に属するものを無償で提供するということは、これは非常に妥当を欠く事柄であろうと思います。そういうようなことで、ここしばらく、暫時の間、一時的に、しかも有償で、所定の借料を徴しまして使用させておるというようなことで、ただいまそのような関係の部分のものも含まって、この財産目録に上がっておりますが、このこと自体が、これはどこからいっても間違いのない妥当なものだ、こう言い切れるかというと、これは多少……。
○上林山委員 妥当を欠くかどうか聞いているのです。
○小野参考人 私は、今の限りにおきまして、有償であるということ、在来会館がその一部を使用させておる、これが会館の事務室の逼迫につれまして、一時おり場所を移転させなければならぬということで、無償でなく、将来いずれはそれらの団体が事務室を持つべきでありますけれども、それまでの間暫定的に有償でそこを使わせるということにつきましては、妥当を欠くものとは考えておらないわけでございます。
○上林山委員 三十四年度の決算ですね。今は三十六年度ですが、三十六年度現在はどうなっていますか。小野参考人 現在は、その当時の全部ではございませんが、一部はまだ第三森ビルを使用しておるというような状況になっております。
○上林山委員 今五億一千万の保証金に匹敵する家賃を取っておりますか。あなたは、経済的に換算されて五億一千万円をNHKが保証金として納めた、それに匹敵する家賃を今の入っている団体から取っておられますか。
○小野参考人 大体においてそのような計画をいたしまして、世間一般に妥当だと考えられる借料を徴しております。
○上林山委員 それならば、やむを得ませんから、その家賃の数字を、後刻でようございますからお出し下さい。これは正確にいいますと、僕はできるだけ遠慮して質問しているつもりですけれども、あなたが非常に慎重な態度でお答えになる結果、かえってよけいに質疑をしなければならぬようになってしまうのですが、これは妥当を欠くと言われた方が私はいいと思う。妥当を欠く、だからその善後処置を今後研究してとりますと言ったところで、われわれはその後あなたを責めようなどという考えは持っていないので、こういう公な席上での発言というものは、お互いそういうところに気をつけてやるべきものではないだろうか。これは妥当を欠くのです。おそらく前の契約だってそうだろうと思うのです。NHKには貸す、しかしまた貸しは困りますよということは、おそらくどこのビルでもそういう契約になっています。もし契約違反だと言われたらどうなります。保証金などというものにはまた文句をつけられますよ。だから、こういう際はNHKが中に入って、前のビルの経営者と話し合って、いわゆる保証金は代替してもらえばいいじゃないですか。保証金はその入っている人たちが出せばいいじゃないですか。そして結末をつけていくということが、どの点から考えても私は妥当な処置である、こう思うのです。それは出発の当時におけるNHKの事情というものは、これは相当考えていいものだと思いますけれども、今日に至っては、NHKは金が足らない、金が足らないといって、放送債券を出し、長期借入金をし、放送料金もいろいろと整備をし、さらに建設もいろいろ急がなければならぬ、こういう時期なんですから、五億一千万といえばこれはやはり大金です。だから、そういう処置は私はしっかりやっておく必要があるのではないかと思いますが、会長どうですか。
○阿部参考人 私どもこまかいことは存じておりませんけれども、こういうことになった事情は、私の記憶するところによるとテレビ・センターでございますか、あれがことしあたりでき上がっておれば、そういうふうな御指摘のような問題は解消します。ところが御承知のようになかなかあの地所がまだ完全に戻ってこない。そのためにもたもたしておるようなわけで、御指摘のように方々にビルを借りるとかなんとかいう、いろいろ苦しい措置をしてきたことなので、あるいは詳しく調べてみれば御指摘のように妥当を欠くようなことがあるかもしれませんが、一つこの際はできるだけそういうことがないように私は引き締めたいと思います、そういう点で御了解願っておきたいと思います。
○上林山委員 さっきから申し上げるように、私は決してあげ足を取ってあなた方を苦しめようという魂胆は全然ございません。だから、安心して、今の質疑応答を聞かれておったのですから、質疑応答を聞いていると適正妥当でない点があるようだから、研究の上、会長としては、もしそういう点があれば善処しますというぐらいおっしゃった方が私はいいと思います。私はこれは申し上げれば具体的にいろいろ質問できるのですけれども、やめます。しかし、こまかいことだからといっても、五億一千万は、会長、こまかいことじゃないですよ。五億一千万は保証金なんです。そういう金の問題ですから、私は今言ったような気持で質問をしているのですが、質疑応答を聞いていると妥当を欠くような点があるようでございますから、調べた上でそういう点があれば善処しますと言えば、これで質問をやめます。それでないと何か最後がしり切れみたいになりますので、一つ遠慮なく会長おっしゃっていただきたい。
○阿部参考人 いろいろ御質問もあるようでございますが、問題点もあるように考えますから、よく調べまして善処するようにいたしたいと思います。
○森本委員 本件に関する質問は次会に譲りますが、ちょっと資料をお願いしておきたいと思います。 先ほど資疑応答にもありましたが、この土地の十六億九千八百十二万四千六百三十一円ですか、これは時間がかかってもけっこうでありますので、内訳をできるだけ詳細に一つお出し願いたい。そうしないと、私たちの方としては、こういうふうに出されても、これが適当であるかどうであるかという評価ができません。建物もほしいところでありますが、そういうふうな資料を要求いたしますと非常に困ると思いますので、とりあえず土地だけ全国的な状況を見て見たい、それがはたして今の土地の価格に徴してみて妥当であるかどうであるかということを私の方でも研究してみたい、こう思いますので、この土地についての全国的な評価額というものをそれぞれによってお出しを願いたい、こう思うわけであるります。 それから、先ほどの保証金の問題でありますが、それは一つ資料といたしましてこの五億一千万円の内訳をお出しを願いたい。 それから、もう一つ、雑収入の二億九百二十四万円でありますが、これだけの説明ではわかりませんので、この雑収入の内訳をできる限り詳細にお出しを願いたい。 それから七十五億四千七百七十八万円の物件費の内訳でありますが、これを一つ、この次に説明してありまする部門別に分けて、資料としてお出しを願いたい。 以上、資料として要求しておきます。
○佐藤委員長 よろしゅうございますね。さよう取り計らいます。
○森本委員 一つだけ聞いておきたいと思いますことは、実は昨日、郵政大臣が、民間放送の問題に関連いたしまして閣議で報告をして、発表をしておりますが、その中で、NHKに関連をする問題が一つありますので、NHK当局の見解を正確に聞いておきたいと思います。 これは、大臣がどう言ったかこう言ったかということについては、大臣に直接聞いてみなければわかりませんけれども、各新聞の解説におきましては、あたかも放送法四十三条の項が労働争議にも適用されるような意味のことを書いてありますので、この点については、私たちとしては、放送法を解釈する建前からいきまして、この四十三条については、NHK協会当局については、これは当然四十三条において拘束させるものであるけれども、しかし争議の場合においては四十三条が適用されるものではない、こう初から解釈をしておるわけであります。昭和三十年のときに私が当委員会において質問をしたときにも、そういうふうに解釈をしておったわけでありますが、この点についての解釈を協会当局から聞いておきたい、こう思うわけであります。もし会長から答弁が願えれば幸いでありますが、会長がなれてないということでございましたら、副会長からでも、協会としての統一した見解を聞いておきたい、こう思うわけであります。
○阿部参考人 民放についてのことは私関知しません。同時にまた郵政大臣のお話についても私関知しておりませんが、放送法の解釈については、森本委員と私全く同感でございます。
○佐藤委員長 この際、午後一時まで暫時休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時十四分開議
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 郵政事業、郵政監察、電気通信並びに電波監理及び放送に関す件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを順次許します。森本靖君。
○森本委員 先日の夕刊に、大臣の発言といたしまして各紙に載っておりますることは、民間放校の労働組合が、各所においてストライキが起こっておる。だから、こういうものについては、公共的な立場から、将来この民間放送のストを規制するという意味において、放送法を改正を考えなければならぬ、こういうことを閣議に報告して、閣議で了承を得た、こういうのが新聞に載っておるわけでありますが、少なくとも放送の問題については相当重大な問題を含んでおるわけでありますので、各紙ともかなりこれをスペースをさいて報道をいたしておりますが、まずその閣議に大臣が報告をいたしましたその真相を一つ御発表願いたい、こう思うわけであります。
○迫水国務大臣 新聞の記事の扱いはやや事柄の事実とは違いておりまして、昨日記者会見をいたしたときに、私は閣議でこういう発言をしたということをまず報告しました。それは、労働大臣に向かって、現在民放の関係における全国を統一したような争議行為がある、しこうしてその重点は九州に向けられているやに見えて、福岡の西日本テレビ、熊本放送及び鹿児島、MBC、こういうところは電波の波がとまっておるような状態である。こういうような状態について、それぞれ経営者の方から私のところに報告があったから、君たちはまだ、労働対策とか労働争議に対処する方法というものについて、きわめて未熟であり、そうしていろいろもう少し考えたり、うまくやったりしてやらなければならぬ点があると思うけれども、それは経験もないことであるから、この際労働省に報告をして、よくその指導を受けて、適当に措置するようにということを経営者に対して私は言ったから、おそらく労働省に対してそういうことは申し出があるのであるから、労働大臣はよく心得てそれを指導してほしいということを、閣議で労働大臣に申しました。そのことを新聞記者に報告をした後に、私は、こういうふうな状態になって、波が公共的なものである。たとえば学校——これは学校の話はそのときしたかどうか、ちょっと忘れましたが、私の頭の中では、公共性のものというのは、たとえば学校放送もしている。それをいきなり放送がとまってしまうようなことになれば、学校の教育にも差しつかえるような状態で、要するに公共的なものについては、争議もおのずから、自分たちは公共事業の従事者、公共的な立場にいるんだという、円満なる良識のもとに行なわるべきじゃないかと私は思うんだが、こうやって電波がいきなりとまってみたり何かするというような状態では、そういうことに対処する放送法の改正なんかという問題も、次に今国会で御審議中の放送関係法制調査会、ああいうところの一つの研究のテーマになるであろうと言いまして、言いかえまして、なる場合もあるだろうと思う、こういうことを私は実は申しました。新聞記者諸君が、最初になるであろうと言ったところは非常にいいけれども、なることもある、場合もあるだろうと思う、と、だいぶぼけてきましたねという話を、そこで雑談的にいたしたのが真相であります。従いまして、閣議で報告をいたしましたのは、放送法の問題を閣議では報告はいたしておりません。それは、新聞記者会見のときに、私の感想として新聞記者諸君に述べたのでありまして、閣議では、労働大臣に対して、しかるべく放送関係のこういうものについての指導を頼むということを申した次第でございます。
○森本委員 一応新聞記者会見と、それから閣議で報告をした事項については今の答弁でわかりましたが、ただかりに大臣がそういうふうな発言をしたといっても、新聞が一斉にこれを取り上げて、こういうふうなストをやるということについては、将来放送法の改正を当然調査会の中で考えていかなければならぬであろうというふうな意味の発言をするということは、やはり大臣としてこの争議に対して一つの威嚇行為になるということは、私は言えると思うのです。これは前から大臣が言っておるように、この放送法と電波法の改正というものは非常に重大であるから、その調査会というものをこしらえて、その調査会においては、その委員の人選についても慎重であらねばならぬ、委員の人選についても各界からこれを選んで、そうしてこの調査会にまず審議をしてもらう、その結果により政府としては考える、こういうことを言っておるわけでありますので、私はその通り放送法の改正については考えておるわけでありますが、その調査会がどういうことをやり、どういうものをきめようということについては、これは調査会自身のきめることであり、それに対して大臣が、一応希望であっても、こういうことも調査してくれるであろう、重要なポイントになるであろうということを言うということは、今までの大臣の発言からすると、ちょっとおかしいのじゃないか。希望条件にしても、たとえば軽い気持であったにしても、今までの大臣のこの委員会におけるしばしばの言明とはちょっと違う。どうも自分に都合のいいときには、公平な審議をしてもらう、こういうことを言っておきながら、自分に都合の悪いときには、やはりこういうことをやってもらわなければならぬということを言うのは、大臣、得手勝手過ぎて、その本心がちらほらと出ておるのじゃないかというふうに考えるわけであって、また特に今争議のまつ最中に、そういう争議をやるならば放送法の改正についても考えてみなければならぬというような意味の——正確にそうでなくても、そう取られるような新聞記事になるような発言を大臣がするということは、やはり争議行為に対する威嚇行為、あるいはこれに対する間接の介入ということに取られても私は不思議でない、こう思うわけで、放送法の改正問題とこの争議行為の問題とはおのずから別である、こう考えなければならぬと思う。だから、争議そのものに対して、労働省が労働省という立場において、これを正しい労働運動の方向に指導するということであるとするならば、それにも若干の疑問がありますけれども、そういうことであるとするならば、また話が別になってくるわけであります。そういう問題と放送法の改正という問題とは全然別個である。放送法の改正については、大臣がこの委員会でしばしば言明しておるように、この現在の——これも通るか通らぬかわかりません。わが党がこれはしつこく反対いたしておりますので、審議未了になるかもわからぬ運命にあるわけでありますが、いずれにいたしましても、あの法律が通ったならば、あの法律に従って公平に審議をしてもらうというのが大臣の真意であって、その中にこういうようなことを入れてもらおう、どうしようこうしようというようなことは、大臣は現在の段階においては一切言わない、こういうことが本心でしょうか。
○迫水国務大臣 私も、争議行為と放送法改正の問題とは全然別個な問題である。当面の争議行為に対してそれを威嚇するような意図は毛頭ありません。それから、そのときの、きのうの会見を聞いた記者諸君もうしろの方におりますけれども、おいででしたからちゃんと知っておると思いますけれども、最初私は確かに、放送法改正ということも議論になるだろう、こういうことを言ったのですけれども、今森本さんのおっしゃるように、これは例の調査会に対してあらかじめ一つの希望的意見を言うことになるなということを反省しましたから、直ちに言いかえまして、調査会において問題になることもあるだろうという言葉を訂正じて、調査会の方が問題にすることがあるだろうと思うという言葉に訂正したところが、新聞記者諸君から、だいぶ最初からするとぼけましたねとからかわれたいきさつもございますので、私は今、森本さんのおっしゃる通りに、調査会に対してワクをあらかじめはめておくとか、あるいは調査会に対して特に希望を言っておるとかという立場では決してございません。
○森本委員 そういう点で一応その点については了承いたします。しかし、これはくれぐれも大臣に言っておきますが、放送法とか電波法とかを改正するとかしないとかということについては、あなたが考えている以上に、日本のマスコミは重大な関心を寄せているわけであります。しかも民主主義の基本的な立場に立つとするならば、これは軽々に発言すべき問題でないのでありまして、一つこれにこりて、今後はこういう発言についてはしかと慎重な発言をするように、特に大臣に要望しておきたいと思います。 それから、もう一つ大臣に聞いておきたいと思いますが、これも言うたかどうか知りませんが、新聞には、労働大臣に対して、民間放送労組の中には違法行為も見られるので云々、こういうことを要請した、こういうように書いてあるわけですが、これは事実ですか。
○迫水国務大臣 経営者側から私に話がありましたときには、マイクロウェーブのスイッチを組合が勝手に切ったというようなことを言った人もおります。そして、経営者側から私に対する報告には、数々の違法行為があるということを言ってきましたので、私は、労働大臣に対して、会社側から私に対しては、組合側にも違法行為があるというような話もあります、ついては経営者のあるべき立場をよく指導して下さいと申しました。それは情報として労働大臣に言ったのでありまして、私は違法行為があるということを認定して言ったのではありません。
○森本委員 情報としてでも、こういうことを大臣が大臣に対して話をするという場合には、的確な資料と的確な材料があって発言すべきものであるというふうに解釈をすべきであって、事実違法行為があるとするならば、これはまたこの問題として別途に審議をしなければならぬ問題でありますが、その違法行為があるかないかもわからぬのに、あるやに聞くが一つ善処してくれというような大臣同士の話というものは、これはちょっと私はおかしいと思う。だから、もしそういうふうな違法行為がほんとうにあるというようなことを大臣が信じておるとするならば、その資料を当委員会に資料として御提出を願いたい。私の方は私の方の情報を伝ってその真相を究明し、それがうそであるかほんとうであるか調べてみたい。またほんとうであるとするならばどういうところに原因があるか、将来どういうふうにすればこれがなくなるか、こういう建設的な方向に持っていかなければどうにもならぬわけでありますが、少なくとも法律を犯してはおるような行為があるという発言を大臣がするということ、二、三の経営者の言をかりて、それをそのまま情報として相手の大臣に対して伝えるということはちょっと軽率ではないか。もしそういうことがほんとうにあるとするならば、その経営者から的確な資料として文書でもって受けて、そして電波監理局としても事務当局があるわけだから、それを詳細に調べて、こういうふうな事実があると認定した場合には、これに対して監督官庁としてはどういうような措置をとるということにならざるを得ないだろうと思うわけです。そういうふうな違法行為があるとするならば、そういうようなことになるかもしれませんけれども、あるかないかわからぬという段階において、そういうふうなことを大臣が労働大臣に要請するということは、これに行き過ぎではないか、こう思うわけであります。私の信ずるところによりますと、民間放送の労働組合が違法行為をやっておるということについてはほとんど聞いておりません。かりに正確に違法行為があるということであるとするならば、私はその違法行為というものを明確に資料としてお出しを願いたい。そうでなければ、そういうことは今のところありませんとはっきり言ってもらいたい、こう思うわけです。
○迫水国務大臣 郵政大臣といたしましては、民放の労働争議に介入する権限もなければ意思もございません。ただ私は、日本の民間放送の波がとまったりなんかするということは非常に困ったことですから、一刻も早くこれを解決する。それについては、それを指導するのは郵政省でなくて労働省だ、労働争議の問題ですから、私の方でなくて、一般的な問題として労働省だと思いましたから、労働大臣に、よく指導して早く解決に導くようにして下さい、それで経営者の方からはあなた方の方に指導を受けにやるようにしますから、ということを私は言ったのです。そのときの言葉のあやで、経営者の報告の中では、違法行為があるというような話もしておりましたということをいっただけで、私の方は違法行為があったということは決して確認しておりません。経営者から違法行為があったということを一方的に言われたのを、労働大臣にそのままの形で、経営者がこう言っていますからということは軽率であるというなら、これは軽率であったということは私は認めまして——そういうことを私が言ったって、政府内部の話だから差しつかえないように思うのですけれども、それが軽率であるというなら、軽率であったということを認めます。
○森本委員 それはちょっと大臣おかしいと思うのです。あなた方が一応内密なら内密において話し合いをするということなら別ですよ。少なくとも新聞に公然と大臣と大臣同士の話として発表せられるような内容について、明らかに大臣が違法行為があるかもしれぬということを言うということは、非常に大きな影響力を及ぼすことは事実なんです。あなたが福永労働大臣と友だちだから、個人的に秘密裏に話をしたというなら別ですよ。しかし、少なくとも閣議の間においてこういうような話し合いをして、その結果が新聞に発表されるという場合は、明確な資料と判断とを持って言われるべきものである。大臣としては非常に軽率である。この点については、私は、福永労働大臣とあなたが自民党内の閣僚としてひそひそ話にこういう話が出たというなら、私は何も言いません。少なくとも公然と新聞にこういうふうに発表になるようなことについては、はっきりとした的確な資料を持って言うべきである。こういうことを私は言っておるわけです。そういう点では、私は、郵政大臣としてはちょっと軽々しい発言である、こう考えておるので、あなたが軽々しい発言ではない、今もってああいうことを言ってもいいというように考えられておるとするならば、これは非常に大きな間違いである。軽々しく考えるならそういうふうに私語をすればいい。しかも公言をしなければいい。こういうふうに公になることは非常に大きな影響力を持つということを言っておるので、あなたの大臣という地位を十分考えてもらわなければ困ると思うのです。参議院議員迫水久常ではなく、郵政大臣ですから、その点を私は言っておるわけです。重ねてこの点について大臣の答弁を願っておきたいと思います。
○迫水国務大臣 福永労働大臣に対してこの問題を報告し、そうして指導を頼んだ際に経営者側からの話によると違法行為もあるということであるからと言ったことは事実です。それをまたそのまま非常に正直に、新聞記者諸君にもこう言ったということを話したことも事実でございまして、そういうことは、私の頭では、実は違法行為があるかないかということは、これは労働省が調べる、それからお互いの間の問題であって、自分の関係じゃない、こう思っておったのですけれども、これは参議院議員迫水久常ではなく、郵政大臣迫水久常がいやしくも違法行為というような言葉を口にすることは非常に影響力が大きいから、今度後めという森本さんの御忠言については、つつしんで拝聴して今後慎みます。
○森本委員 これは大臣が言ったとは載っておりませんけれども、各新聞では、あたかも大臣が言ったような法解釈をしながら解説をしておるわけです。というのは、先ほどの件で放送法の改正問題についての大臣の真意はわかりましたが、民間放送る規制する場合に、現在の放送法においては、放送法第四十二条においていわゆるNHKについては規制することができるけれども、民間放送についてはそういうことがないから考えるべきだというふうな意味の解説が、それぞれ新聞記事に載っておるわけであります。これは非常に大きな記事し誤解であろうと思うわけであって、放送法の四十三条というのは、御承知の通り、これは協会側に対するその責任の規制であって、労働争議によるところの問題についての規制ではないわけであります。そういう点については、全く新聞に載っておるところの解説記事というものは間違っておる、四十三条というのは協会自体の問題であって、日放労が争議行為を起こして放送がとまったといった場合については、これはいわゆる四十三条の第一項には当てはまらない。第二項によるところのこうこういうことで放送がとまりましたということについては、事後に電波監理局にNHKとしては報告をする必要があるかもしれませんけれども、あらかじめ四十三条の第一項においてこれを規制するということはあり得ない問題である、こう私は解釈をしておるわけでございまして、実は先ほど大臣がおられませんでしたけれども、NHKの会長にも聞きましたが、全く同感であるという答弁を得ておるのでありますが、大臣としてもこれを明確にしておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○迫水国務大臣 私は、四十三条第一項に、「但し、不可抗力による場合は、この限りでない。」というただし書きがついておりますね。労働争議の結果とまったことが不可抗力なのかどうかという解釈の問題であると私は思います。私は今決してこの四十三条が労働争議によってとまった場合も適用があるということを主張しておるのではありませんけれども、私は、その問題はまだ定説のある問題ではなしに、もう少し研究しなければならぬ問題のように思っております。
○森本委員 それは大臣の答弁がおかしいのであって、これは毎年の国会の速記録を一つ十分に読んでいただきたい。それから放送法ができたときの四十三条の条文を読んでいただきたい。今私が言った通りの解釈です。それから改送法についての解釈も全く今の私の解釈であって、それは西崎君がどういうことをあなたに教えたか知らないけれども、そういうことをかりに事務当局がもし教えたとするならば、もってのほかだ。彼も次長の時代からこの問題については十分知っておるはずなんです。この四十三条の項については、これは日本放送協会自体が放送をとめたりあるいは放送局を廃止をしたり、こういうことをする場合にはこれが必要である、こういうことであって、日本放送協会と全然別個の人格を有する日本放送協会の労働組合が労働争議として行なう場合については、この第一項については当てはまらぬわけであります。これはもう法律の解釈は当然そうなるわけです。それを今ごろになって、あなたが大臣のときに、この法律の解釈を違うなんと言うことは非常におかしいと思う。だからそれは阿部会長の方がもっとはっきりしているわけです。私の所説の通りでございますという答弁をしているわけです。ところが、大臣が今ごろになって違うと言うことになると、大臣とNHK当局の解釈が全く違うということになる。そんなばかげた話はないのです。四十三条の解釈こそ私は明らかにしておいてもらいたい。ただし、第二項にあります。「その放送を休止したときは、」云々ということでありますけれども、これは自分が休止をしなくても、他が休止をした場合であっても、その報告は、郵政省に対してはNHKとして事後に行なわなければならぬということは、二項に明確に出てくるわけであります。しかし、第一項が、こ労働争議によるところの放送協会の放送がとまることについては適用がないということは、これは明らかなんです。うそと思ったら、衆参両院の専門員からずっと調べてごらんなさい。今ごろになって大臣がそういった発言をするというのはけしからぬ。これははっきりしておいてもらいたい。
○迫水国務大臣 私は従来のいきさつを心得ずにおりますけれども、卒然としてこれを読むと、放送を十二時間休止することはできない。これは理由のいかんにかかわらず休止することはできない。ただし不可抗力による場合はこの限りでないというので、労働組合の労働争議の場合は休止してもかまわないのだということは、この条文から出てこないのですが、結局不可抗力による場合はこの限りでないというところに入るという御解釈ですか。
○森本委員 この四十三条の項というのは、放送協会は、郵政大臣の認可を受けなければ、その放送局を廃止しまたはその放送を十二時間以上休止することができない、こういうことですよ。だから、本来労働争議という建前からいけば、NHK当局はそういうことをやってもらったら困るけれども、本来の職員がストライキをやって放送がとまるというときは、場合によっては第三者を雇って放送を続けるということがあり得るわけでしょう。普通の事業においても、労働争議のときにはそういうことはあり得べき問題なんです。そういうところの、経営者としてのNHK協会に対する法律の規定であるということは、これを見たらもう歴然としているわけですよ。だから、NHKの協会当局がとめようということを考えたときには、この項が当てはまるけれども、それと全然別個の人格を有する労働組合がストライキによってこれをとめようとする場合には、NHKの経営者としてはそれがとまらぬように努力をするところの必要があるわけです。それは労働争議の解決をつけてとまらぬようにしょうし、あるいは別個の全然違ったものを雇ってきて放送を継続さすということもあり得るし、それはまあ一番いいのは、労働争議を解決をして、円満に放送が再開されるということが一番いいわけでありますけれども、いずれにいたしましても、第四十三条の第一項というのはそういうことを言っているわけですよ。だから、そのときに、日本放送労働組合がやることがこの四十二条の第一項に当てはまるということは、全くこれはおっかぶせた解釈であって、間違った解釈である、こういうことを言っているわけです。
○迫水国務大臣 四十三条が日本放送協会の労働組合に適用がないということは、私もそうだと思います。つまり、労働組合が波をとめるということは、この条文では適用がない。しかし、労働組合の争議の結果波がとまってしまった場合に、協会の責任として十二時間休止したということが許されるかどうかということは、その労働争議が不可抗力であったかどうか、こういうことになるのじゃないかというのが私の解釈であります。
○森本委員 だから、そのときは、協会当局がいわゆる労働問題を円満に解決をつける能力がなかったのか、あるいは解決がつけ得る見込みがあったにもかかわらず能力がなかったのか、あるいは組合がむちゃを言ったとか、そういうことについての判断は、これはまた別個になってくるけれども、労働組合としてはない、こういうことになるわけでありますので、この解釈は明らかにしておきたいと思うのです。 そこで、そうなると、一応大臣に、ちょっとおもしろいことを大臣が答弁しましたので、私が引っかかるような質問をいたしますが、もしそういうことになるとするならば、民間放送においていわゆるストライキがやられて、そうして放送がとまった。そうすると、これは再免許のときに、その経営者のいわめる免許の基準としての今までの業績、その業績の中に当てはまるかどうか。こういうときには都合のいい不可抗力ということになりますか。
○迫水国務大臣 私は、民放の経営者に対して、公共の波をその会社に、電波法あるいは放送法の精神に従って運用するもとにおいて免許するのであるから、その資格を十分に備え、その使命を全うしてもらわなければならないのだ、こういうことを常に申しております。そうして、労働管理能力がかりに悪くて、その会社がその目的を達することができない。かりに——仮定の問題ですから、しっかりここのところをよく聞いていただかないと困るので、新聞社の見出し的に、いきなり、再免許のときに取り消すことあるべしというふうにやられると、非常にまた誤解が起こるのでして、ここのところを非常に、私、言葉を注意して言っているつもりですから、注意して聞いていただきたいと思うのですけれども、そういうようなものは、やはり再免許のときの一つの要件じゃなかろうかと私は今思っておるのです。しかし、それは私は、再免許のときに、ストライキをやったような会社にはもう免許しないのだというようなことは決して言っておりませんから、その点はよくなにして、本質に照らして考えなければならぬ問題である、こう思います。
○森本委員 これは昭和三十年の本委員会においても相当論議をせられた問題でありますので、大臣が新しい解釈をいろいろ言うから、私は大臣の解釈を聞いたわけでありますが、そういたしますと、これは大事なことでありますので復習いたしておきますが、労働争議があってとまったからといって、そのことによって直接再免許云々ということはないけれども、その経営者の能力全体としての再免許の際の、これが再免許をおろす際の一つの成績の資料にはなるということは言える、こういうことですか。
○迫水国務大臣 なり得るということです。なるというのではなしに、なり得るというところに一つ……。
○森本委員 まあ大体私の質問に対する回答が出ましたので、同僚委員に譲りますが、最後に、最初に申し上げましたように、これから先もこういう問題がいろいろ起ころうと思いますので、こういうような放送法とか電波法とか、事マスコミに関する電波、放送に関する問題については、大臣も一つ慎重に発言をせられ、特にこれは選挙を控えてこういろいろな問題を言うこと自体は、私は、大臣にとってもあまり利益にならぬと思う。だから、世間を騒がせて名前が売れるからいいということなら別ですけれども、しかし、こういうことであまり名前が売れるということはよくないと思いますので、一つこういう点についての発言は今後慎重にお願いをしたいということを特に要望しておいて、私のこれに対する質問は終わります。
○佐藤委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 私も同じ問題で若干質問したいと思って用意してきたのですが、今大臣と森本さんとの間の質問応答を聞いておりますと、まことに和気あいあいたるもので、あんなふうに私はうまくいくかどうかわかりませんけれども……。(笑声)しかし、私非常に正直ですから、新聞の報道の内容と実際の真相は違っておるという点を今大臣が強調されたわけですけれども、そうだというふうにその点は認めますが、そうしますと、新聞記事にはこう書いてある。労働組合が電波を管理というような状況であってはよろしくないから、というふに言っているわけです。従って。大臣は、この労働組合が電波を管理するというようなことは言わなかったのじゃないかと思うのですが、そうしますと、この点は非常に問題になっておりますので、新聞記事に現われたことと大臣の言われたことと違っておるなら、労働組合の今度のストライキあるいは争議で電波を管理しているというようなことをおれは言ったことはないのだというふうに、取り消しをなさる必要があるような気がしますが、どうですか。
○迫水国務大臣 今度の争議の実態において、労働組合が電波を管理している事実ありと言っことはありません。しかし、それはちょっと一言い過ぎたのかしれませんけれども、将来こういうものをいいかげんにほったらかしておいては、労働組合が電波を管理するような事態が起こらないとも限らない、そういうような心配も私はあるような気がするという話はしました。
○谷口委員 大臣は、えらく将来のことを心配していられるのですけれども、今問題にしておりますのは、新聞記事によって、労働組合が電波を管理するというような不当なことをやっているというふうに世間には伝わっている。だから、大臣のおっしゃったことを誤解をして新聞記者がこういうふうに書いたのかもしれぬし、まあ今あなたの話を聞くとそうらしいのだ。しかし世間にはそういうふうに伝わっている。同時に、労働組合としては、不当な圧力としてこれを受けておる。きのうもこのように、大臣のところに民放の労組からの抗議書が行っているわけす。これはお読みになりましたか。ここにもはっきり非常にその点大事な点として言っておりますが、大臣が判断の根拠としている、組合が電波を管理しているという事実は無根だと言っております。そういうふうに、誤解にしろ何にしろ世間では受け取っており、労組では受け取っておる。従って、この場合、将来こうなるだろうというふうなお考えからおっしゃられたにしましても、現実の社会生活なりあるいは政治生活の上では、世間ではあなたがそのように言ったということで、そういうふうに受け取られて、そうして労働組合に対する世間の目も、それから労働組合自体も、それによって非常に不利な立場に追い込まれているのは事実なんです。従って、それははっきりとそういうことを取り消しされる必要があると思いますが、その点はどうですか。
○迫水国務大臣 抗議文というのは実は私の方には正式には受け取っておりませんで、私は、新聞社の方から、こういうものをクラブに発表になったといってもらったのを読んだのでして、谷口さんお持ちのと私のと同じものであるかどうか私はよくわからない。しかし、どこまでも私が申し上げましたのは、現在電波を労働組合が管理しておるのだという事実を断定的に私は言ったのじゃなくて、管理をしているかしていないかということはこれは事実の問題でございますから、別途に、そういう不当な行為が行なわれておるかどうかということについては、労働省等で調べる問題だと私は思います。ただ将来、こういうようなことをほっておけば、あるいは組合が電波を管理するような事態が起こるかもしれないというような危惧の念を持っているということを私は新聞記者に話したことは事実でして、それが記事に出ていく上において、そういうよう誤解を生ずるような記事になったことは遺憾でありますが、決して私はそういうことで威嚇も何もしたわけではなくて、事実を事実として言った。私が言いましたことは今申し上げました通りのことでございますので、よく了解を願いたいと思います。
○谷口委員 つまり労働組合が電波を管理しているという事実があると言ったのじゃなしに、そういう事実はないというふうに大臣は認めていらっしゃるわけですね。
○迫水国務大臣 あるかないかということは、私は現在進行中のもろもろの争議において、どこかの局でもって組合が電波を管理するような行動があったかないかということは、あるともないとも私は言っていません。
○谷口委員 それでは先に進みますが、将来こういう事態が続くならば、労働組合が電波を管理するという事態がくるおそれがあるというふうにおっしゃるのですが、こういう事態というのはどういうことですか。——質問の内容がよくわかりませんか。現在は電波を管理しているという事実はない、またあるかないかということも知らぬ、しかしこういう事態が続けば将来そういうおそれがある、こういう事態、そのおそれがあるというその内容はどうなんです。
○迫水国務大臣 管理者がしっかりしないでいると、組合がだんだんに力を持ってきて、そうして電波を自分の管理のもとに出すというようなことも起こりかねないであろうという危惧を私は持ったのです。
○谷口委員 今の争議の内容では、要するに労働組合の方が、労働法その他によって認められております争議権なりあるいはピケを張る権利、こういうことをいっておりまして、一部分民放の電波がとまったという事態なんでありまして、そのことについての責任は、先ほど森本さんが法律論で何か大臣が教えられたように受け取れたのでありますが、はっきりしております。従って、労働組合が持っておる権利によりまして、ストライキをやったり、あるいはピケを張ったりする結果、電波が出なくなるということは、管理と違うでしょう。管理はあくまでも電波を出している側にあります。労働組合の方は、とまるとまらないという問題につきましては、現実にとまりましても、そのことについての責任は労働組合にはないのです。労働組合は労働争議をやる権利の上でやっておるのでありまして、別個です。そのことについて、もし電波をとめたくないというなら、さっきお話、がありました通り、これは経営者の側において労働者の要求を聞くなり、あるいは別途にスタッフを集めてやるということになります。管理の問題と違うと思うのです。それは将来労働組合が強くなり、労働組合や労働者が権利を取って管理するということがおそらく将来あるかもしれませんが、そんなことは今の段階では問題にならないことでありまして、そのことを大臣はきわめて遠い将来のことを考えて言っているのじゃないと思います。ストライキの中で電波がとまるという事態をもって、労働組合が管理するというような、そういう一般に不法を行なうというように世間が受け取るような発言をすること自体が、現在ストライキをやっている労働者諸君に対する大きな圧力になるもので、圧力にならぬとあなたはおっしゃっておるが、あなたの気持はそうじゃないかもしれませんが、現実の問題として圧力になっておる。労働組合はそれについて抗議しているわけですが、そういう点はどうなっておるのですか。
○迫水国務大臣 私は別に労働組合に圧力をかけようという意図をもって言ったのではありません。しかし、労働組合の方がそれで圧力がかかったという感じを——私はそういうふうに圧力をかけたことはないと思うのですけれども、こういうふうな抗議文で圧力をかけたということを言っていますから、圧力をかけたと向こうで思うなら思うで、私は圧力をかけた意思は毛頭ないと申し上げておきます。
○谷口委員 そこらが非常に問題になるところでありまして、経営者と労働者が対等に労働条件のことで紛争をする、労働者はそれを貫くためにはストライキをやったりピケをやったり、いろいろやる権利を持っておる。その権利を行使してみんな自分の要求を貫こうとすると、経営者の方はその要求に対していろいろな態度をとる。そういう紛争の最中に、大臣がああいう発言をすることによって、労働者は不当なことをやっておるのだというふうに世間に思わせたり、あるいは思わせるような発言をすること自体、労働者としては困るのですよ。何か悪いことをやっておるように世間では見ますから、これは圧力になります。そういうことが結果として生まれてくるのであって、大臣の発言としては非常に重要なことになる。そういう点は、大臣は知らぬ知らぬとおっしゃっておるが、大臣なかなかうまいんですよ。そういうことを十分計算してやっておられるというふうに考えざるを得ないような事態がたくさん起こってくる。そこら辺はやはりはっきりとしてもらう必要があるような気がいたします。
○迫水国務大臣 私は割合に単純にものを言う方でありまして、今谷口さんのおっしゃるように、それからそれへと考えて、うまく圧力を適当にかけてやろうというような意思は決して持っておりません。
○谷口委員 きのうの御発言は、閣議の中での御発言にしろ、そのあとの新聞記者との会見の御発言にしろ、私どもは実際は大臣のお考えの本質的なものの一つの現われだと思います。氷山の一角という言葉を使えば一番簡単ではないかと思いますが、これがいろいろなことで現われておる。この点が私どもにとっては困るし、また労働者にとっては重要な問題だと思います。私は時間があまりありませんから詳しくは申し上げませんが、先ほども森本さんが言っておりましたが、民放の労務管理が悪かった場合には、これが再免許の一つの条件になるだろうというようなことは、昨年の十二月十五日の全日本放送広告会の例会か何かの発言の内容として伝わっておると思いますが、その中でも大へん問題になる点があります。それは、今の点もそうでありますが、国会の中で野党が騒ぐくらいな番組内容にすべきだというような御発言をしておられるということであります。しかもこれは再免許にかかっておりますから、一方には労働組合に対する労働基本権といいますか、ストライキ権といいますか、その権利に対する大きな圧力になると同時に、一方には民放の経営者に対しても圧力になっておるということは、民放連合の事務局長のどなたかの発言があった通りであります。そういう点に対して再免許の問題が審議されるということになってくると、大きな圧力になってくる。これはまた民放の自由な行動に対して権力が介入してくるということになる。これは私が言っておるのではなくて、民放連合の事務局長が言っておるのであります。そういう発言もやはり考えざるを得ない。ですから、大臣は、私はそういう気は毛頭ないのだとおっしゃるけれども、労働者の側あるいは民放の業者の側が、そういう意味では大きな圧力として受け取っておるということは事実であります。そこらはあなたがどうおっしゃっても、どういうお考えであろうと、事実としてそういう作用をするという点の責任は免れるわけにはいかないと思います。
○迫水国務大臣 私は、経営者の方に味方をして労働組合の方の圧迫するというような考えは毛頭ないのです。私は、経営者に対しては、ただ労働組合と闘争をするということでなしに、そこのところは労務管理によって労使の関係を正常化することによって、会社をうまく運営するようにということを要求いたしておるのでありまして、私がこういうふうに何か言ったことが労働者に対する圧迫というふうにとられておっしゃる谷口さんの御意見に対しては、ああそうですか、私はそういう気持はありませんということを申し上げる以外には、ちょっと道がないと思います。
○谷口委員 それでは伺いますけれども、読売テレビの闘争です。ことし一月ごろに会社側が読売テレビの争議の実相を訴えるというパンフレットを出しておりますが、このパンフレットの最後の方に、各界の声というものがありまして、そこで大阪の公安調査局の責任者がこれについてものを書いている。その中でこういうことを言っているのです。このような民放のストが起こるのは人事管理が悪いからだ、今後われわれも人事管理に協力したい、民青同盟などは、採用前にわしの方でわかっているから、ちゃんと言ってくれれば、そういう者が入らないようにする、また放送の自由を守る委員会というのがありますが、この委員会は、共産党のフラクションが作ったものであって、危険なものである、こういうことを書いておるのであります。これは同じ政府機関ですが、こういうふうにして、ストライキをやりますと、悪い人間を入れるような下手な労務管理をやるなら、わしらは協力して初めから言ってやる、それから放送の自由を守る会は、これは共産党のフラクがやっているからけしからぬというような態度でもって、労働争議に介入しておる。こういうやり方につきましては、大臣は、郵政大臣であると同時に同じ閣僚の一人ですから、同じ政府部内の大臣が一こういうふうにしてストライキに対して介入している事実がある、これはやはり正しくないというふうにお考えになるなら、大臣、こういうやり方について何らかのお考えがありますか。
○迫水国務大臣 ただいまの御質問に対しては、私は郵政大臣としてここへ出てきておるので、答弁する内容を何も持たないのであります。
○谷口委員 郵政大臣として答弁する内容を持たないとおっしゃるのですが、この事実について御存じないということですか。
○迫水国務大臣 そういう事実があったかどうかということも知りません。
○谷口委員 それは御調査いただきたいと思うのです。実際に、公安調査局が、民放で労働者と経営者との間に経済要求について紛争があった、そのことについて、お前ら労務管理が下手だから、民青同盟なんか入れるから、それはわしが知っているから、先に言えばちゃんと言うてやるというような言い方をして介入しておる。これはあなたは郵政大臣として今おるからとおっしゃるけれども、政府の閣僚の一人ですから、そういう意味では日本の憲法や民主主義を守る上で非常に不法行為であると私ども思うのですが、そういう点、あなたの実際の管轄内に起こっている問題ですから、十分調査していただきたいと思います。 それから、これは調査会を設置する案が出ておりますが、調査会で審議される内容などについては、大体これまでの委員会で若干討議があったんじゃないかと思うのですが、特にきょうの問題と関連しまして、大臣は労働組合が将来電波監理などを不法にやるということもあり得るというおそれも持っていらっしゃるとすると、そういう見地に立って放送法の改正をお考えになるのじゃないかと思うのですが、そこらのあなたの構想と申しますか、そういうものをお漏らし願いたいと思います。
○迫水国務大臣 その委員会は、現在放送法にきめてある免許の基準とか免許の方法とか、そういうような問題について放送法全般にわたって——ずいぶん古い法律でありますから、今の時代に合うように、そのいろいろな経験を取り入れた改正をするという点を一つ審議してもらいたいと思っておるのでございます。
○谷口委員 これはことしの予算ですと、約百万円くらいですね。何か五千三百万円の要求をしたけれども、百八万円くらいしか認められなかったということを聞いておりますが、これで活動できますか。
○迫水国務大臣 百八万円というのは、委員会の委員の手当、旅費その他の事務費の若干でございまして、五千何百万円というのを要求しましたのは、海外に行って世界をずっと全部見て歩く費用とか、いろいろ理想的な格好を描いて五千三百万円というのを要求しましたが、大蔵省で認められませんでしたので、現在の庁費を差し繰って、ほかにできるだけの努力をしたいと思っております。
○谷口委員 この問題にあまり深入りいたしませんが、特に私どもこれに関連して非常に気にしておりますのは、放送法の根本的な改正で、放送基本法とか日本放送協会法の改正というもの、それから民放の改正、それから電波法の改正、そういう範囲のものを今のあなたのお考えでおやりになるとしますと、特に労働運動の面からいいますと、今の郵便法第七十九条ですか、業務の妨害をした場合の刑事罰の規定が今ありますし、それから鉄道営業法なども改正して、そういう方に持っていこうとする面があるようでありますが、どうも郵政省の現在のやり方では、そういう問題も入れていくのではないかというようなおそれをわれわれは非常に持っております。現にすでに三十三年の闘争の責任者の刑事罰が行われました。ああいうことは法律の上で若干規定していこうというお考えをどうも大臣は持っていらっしゃるのではないかというように考えますが、その点はいかがですか。
○迫水国務大臣 その点は全然白紙でございます。
○谷口委員 白紙と言われると仕方ありませんが、今度の民法の闘争に対する大臣の御発言が労働者に対して大きな圧力になって参りまして、労働組合の側ではむしろ大臣の不当労働行為じゃないかという説さえ出ております。そこで、きょうの大臣のこの委員会における発言で、きのう閣議で発言された発言の内容、そのあとになさった記者会見の御発言の内容というものは、かなり誤解があって、大臣の言う通りではない、従って、労働組合は電波監理を勝手にやっているということを大臣が断定されたわけではないということが非常にはっきりしました。しかし、このことは、先ほどから繰り返しておりますが、やはり労働者に対する不当な圧迫として作用しているということを強調して、大臣もやはり慎重な態度でやっていただきたい。いやしくも労働組合の運動に介入しているがごとき、脅威を及ぼすような発言はよろしくないという点ははっきりしておきたいと思います。これで終わります。
○佐藤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時九分散会