逓信委員会 第16号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/03/14
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題として審査を進めます。 質疑の通告があります。これを順次許します。受田新吉君。
○受田委員 郵政大臣の御答弁をまずお願い申し上げます。放送法及び電波法に関係いたしまして、郵政大臣の職務権限の事項について及び今後の郵政政策の点につきまして、お尋ねをしておきたいのであります。 このたびNHKからの予算説明をお伺いいたしましたり、またその事業計画を拝見したりいたしまして、日本の公共放送のあり方を今後どうすべきかという点について、郵政大臣の見解をまづ伺いたいわけです。放送法という基本法には、公共放送と民間放送のそれぞれの特色が盛られていくべきことが規定してあるわけでございますが、放送の自由性、公共性という立場から、民間放送のあり方というものは、これは特に今後検討を要する問題ではないかと思うのであります。現に民間放送は、相当の実績を上げまして、その盛況を誇っている現状であります。放送法の規定によりますと、第一条に明確に、「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ること」が目的とされておるのでありますが、民間放送におきましては、この第一条の規定を、油断をすると、逸脱するおそれなきにしもあらずと憂慮する点があるわけであります。それは、いわゆる娯楽的な放送に重点を置いて、国民の歓心を買うという、そこに力が入れられるという、すなわち営利目的という点に重点が置かれて、結局公共性が失われるという危険はないか、国民に与えるところの教養的なものが薄くされて、うわついた国民への影響を与える危険はないかという、この点を一つ郵政大臣として特に御検討を願いたいのであります。郵政大臣の職務権限で、民間放送が放送法に規定してある目的を逸脱する場合にどういう措置ができるものであるか、お答え願います。
○迫水国務大臣 御説はまことにごもっともでございまして、民間放送の中で、商業主義に走るの余り、いわゆる放送法の第一条の規定に合わないような感じをするようなことになる可能性は、必ずしもないわけではありません。ところが、現在の放送法におきましては、一ぺん波の免許を与えてしまいますと、それを具体的に監督していく方法というものが必ずしも整備されていないのでございまして、結局、現在の段階におきましては、再免許を出すか出さないかというときに、その会社の過去の行状というものを勘案してきめる以外には、実は方法がないようでございます。ただいま再免許の時期の到来しつつあるときにおきまして、再免許をする条件といたしまして、そういうことについての注意を喚起しておる次第でございますが、こういうような問題についても、今度できます放送法等の法制調査会では、何らか議論のテーマになるのではないかと考えております。ただそれによって表現の自由に対する政府の干渉、いわゆる検閲というようなことは絶対にしないようにしなければならない。これは前提たる大原則だと考えております。
○受田委員 再免許の際に、免許の基礎要件に考慮するということになるようでありますが、民間放送といえども、放送の自由性という立場から、大いにその発達をわれわれとしては促進させてやらなければならない。しかしながら、われわれ諸外国の放送事業の実態をしばしば拝見をして帰った者の目から見ると、やはり日本の民間放送のあり方において、いささか国民に迎合する、すなわち娯楽的な愉快な気持を起こさせる方に重点が置かれて、国民としての教養を高めるという点にいささか欠ける点があるのではないかという印象を与える向きもあるわけであります。これは、あなた御自身も、何回か民間放送を、テレビでもラジオでもごらんになっており、お聞きになっておると思う。この点につきまして何らこれに干渉はできない、法理的な根拠はないということでありますが、民間放送の経営者にいたしましても、一応良識を持ってやってはおられると思いますけれども、この放送の自由性を侵さない限度で、番組の編成等に何らかの内部的指導というものが必要じゃないか。内部的な指導を全然しないで、法律の根拠がないからといって野放しにしておくということになり、放送法の第一条の規定から逸脱するという場合お手上げだということでは、監督官庁である郵政省としては職務怠慢ということになる。いかがですか。
○迫水国務大臣 番組というものは、その内容が調和のとれたものでなければならぬという規定が放送法第四十四条にございます。娯楽一方に偏してはいけない、教養、教育その他各般のものがバランスのとれた形で放送されなければならないということであります。そこで、大体どういうのがバランスがとれているとお考えになりますかとわれわれの意見を求められれば、われわれの方といたしましては、教育、教養合わせて三〇%くらいのものが番組に組まれていなければ、バランスがとれているものとは言えないだろうということで指導に努めております。もっとも、かくのごとき意見を言うことそれ自身が、表現の自由に対する統制であると反撃をする一部の人がないわけではないのでありまして、そこらを各方面に御了解を願って、今のところ教育、教養合わせて三〇%程度のものを組んでいることが調和のとれたものである、こういう見解をもって指導しているわけであります。
○受田委員 今の御説のように、内部的な指導というものも遠慮しながらやらなければならないのですか。
○迫水国務大臣 要するに、行政指導といいますか、要望といいますか、法律の根拠に基づいて命令をすることはできない立場におります。それで、せんだっても新聞に載ったのですけれども、その言い方がひどく一方的であって弾圧的であったというので、反撃をしてくるというような事態もないではございません。
○受田委員 お尋ねがあればこの程度のものだということで、お尋ねがない限りは指導しないということになるわけですね。
○迫水国務大臣 気持はそうですけれども、実際問題としましては、お尋ねがなくとも、調和のとれた番組はこういうものだという見解を表明することもあります。
○受田委員 その反撃というのはどういうところから出てきておるわけですか。
○迫水国務大臣 私に直接そういうことを言ってきた人はありませんけれども、先般新聞で見ますと、民放連では、そういうことを言うことが放送内容に対する政府の干渉であるといって、何か反撃をしておるとか、したとか、しつつあるとか、そこはちょっとわかりませんが、そういう記事が載ったことは御承知と存じます。
○受田委員 国全体の立場及び放送の公共性、こういうものに対しての一応の基準というようなものは、やはり行政官庁としての郵政省が基本的なものは持っていなければならぬ。法律にうたってある公共性の範囲はどういうものかということさえも意見の表明ができないような行政官庁じゃ、これは意味をなさぬわけですね。
○迫水国務大臣 今私は、受田さんとの間に、気持の上では意思の違いはないと思うのです。私は、法律に従って——法律上力を持ってはおりません。しかし、行政的ないわゆる指導によりまして、できるだけの努力をして、そういう方向に指導していくということについては十分努力しておる。ですから、行政官庁としては、法律がありますればもっと楽かもしれませんけれども、私は必ずしも法律が絶対に必要とも思いません。そこのところは行政の運用の妙味によってやっていけないこともありませんけれども、今度は法律をたてにとって反撃をしてくることがあるので、それに対しては弱いという実情もございます。民間放送といえども、常識を持っている限界においては、お互いにそこはうまくいくと思うのです。
○受田委員 この法律を施行する責任は政府にあるわけです。その政府が、放送法を施行する上において何らの実力を持たぬような官庁では、これは行政官庁としては権威がないのじゃないですか。
○迫水国務大臣 法律を施行するのは政府の責任でありますけれども、法律を守るのは国民の義務だと私は思います。ですから、公共の福祉によってこういうふうにしなければならぬという第一条の規定は、民放はこれを守る当然の義務があるのでありまして、それを守らなければ民放自身が悪い。ですから、法律の適用を受ける人たちはそれを守る義務をちゃんと考えて常識的にこれを守る、同時にこれを施行する政府は常識的にそれを施行していく、こういうことでなければ、一方は守らぬものに対してどうしても守らせるということになれば、どうしたって法律上の強制力が要る。放送法というのはそこのところが非常に上品にできていると思いますが、常識といいますか、そういうことを前提とした法律に現在できている。それは建前が違って、民放というものは法律を守らないものだとてんからきめつけてかかれば、これに対するような条文も必要じゃないかと思うのでして、そこのところは、この現行法でも、ちゃんと双方それぞれの責務を感じてやれば、うまくいくんだと私は思っています。ただその責務を感じる程度の厚い薄いがありまして、中には目に余るものがある。それには行政指導をしていく、こういうことです。
○受田委員 教育的な番組を三〇%程度の水準までは盛らなければならぬという指導をしておるということでございますが、その通りに守られておる、大体その程度にやっている民間放送は、民間放送会社のうちでほとんど全部か、あるいはそれ以下か、材料をつかんでおられるでしょう。
○迫水国務大臣 厳格に三〇%ということは私は言えないと思いますが、大体その線には一応現在の放送関係は来ていると思っています。
○受田委員 三〇%程度いっているのですか。もう一つ、これはNHKに関係することですが、NHKの側は、民間放送は国民に非常に喜ばれるような形の放送に力を入れていく。そうすると、NHKとしても、これに対抗するためには、全国放送というような持ち味のよさのある点もありますけれども、一応番組編成等についても、これに負けない、国民に期待されるような編成をしなければならないということに、自然に対抗意識が出る。出演者にいたしましても、民間放送は非常に高い謝礼をする。テレビなどにおきましても、テレビ・タレントの引っぱりだこの現象などが起こっている現状でありますが、そうした出演者を獲得するという点において、これはNHKでお答え願いたいのですが、どういう対策を立てておられるか。民間放送との立場から多少考慮される向きがあるかないか、全然民間会社を考えないでやっていけるものかどうか、お答え願いたいと思います。
○阿部参考人 タレントの争奪というようなことは、NHKとしては少しも考えておりません。NHK独自の立場において、タレントを必要の場合には頼むということであります。民放と競争するために、無用な費用を払ってタレントを獲得するということは考えておりません。したこともございません。
○受田委員 NHKは、従来薄謝協会と称せられて、お礼が薄謝であるということになっている。この薄謝協会という異名をおとりになっておられるこの経歴からいいまして、出演者に対して民間放送などの方が有利な謝礼を出してくれるというような行きがかりから、非常に有力な人を招くのに困難な現状は伺うことはできないかどうか、お答え願います。
○阿部参考人 かつて薄謝協会というような名前をとったことは事実でございますが、現在においては決して薄謝協会とは思っておりません。適当な出演料を支払っておる。むしろある番組、たとえば講演とか、そういう知的なものについては、民放以上の料金を払っているように私は考えております。
○受田委員 民間放送との競争は全然考えていない。それには全国放送というような立場で、末端にまで一つ網を張っている持ち味のよさというものもあるわけでありますが、やはりそこに出演してくる人々にしてみますと、NHKの報いる力と民間放送のこれを押し返す力とのバランスというものが一体とれているかどうかというような、全体の問題にも関係してくると思うのです。NHKは、そういうものは全然関係なくして、現在の公共放送をそのまま続けていって一向支障がない。民間放送の収益も最近相当上昇して、一割五分程度配当するところもできてきているようでありますが、これと十分対抗して公共放送の持ち味を生かすことができる、こういう自信を十分お持ちでございますね。
○阿部参考人 御質問の通りでございます。
○受田委員 そこで、もう一問題を提供したいと思います。今郵政大臣は、民間放送の免許人の、放送法、電波法に違反したときのいろいろな規制は、再免許のときだけであるということでございましたが、そのほかに電波法にも運用の停止規定とか免許の取り消し規定というようなものがあると思うのです。これは郵政大臣の権限ではないわけですか。
○西崎政府委員 電波法の七十六条に、放送法に違反したような場合、三カ月以内の運用停止あるいは運用時間、周波数、電力を制限できる、こういう規定はございます。
○受田委員 その規定は運輸大臣に与えられた権限ではないですか。
○西崎政府委員 そうでございます。
○受田委員 そうすると、郵政大臣は電波法からくるところのこの規定によって民間放送のあり方に対する十分の監督ができるのじゃないですか。
○西崎政府委員 いろいろ番組の問題、経営上の問題について、はたして電波法、放送法の規定に違反しているかどうかということは、非常に微妙な場合が多いわけでありまして、そういう疑いがあるということでこの規定を適用するということは、実際問題として非常に困難でありますので、従来はこの規定を適用された放送局はございません。
○受田委員 郵政省は、こうした電波法の七十六条の規定などに対して、民放等も十分考慮して放送をやってくれるというふうな指導をされる必要がある。こういう規定があるが、従来全然やったことがない、こういう御答弁でございますけれども、やはりちゃんと郵政大臣に与えられた権限があるのです。別に法律の根拠がある。放送法違反というような、規則、命令違反、こういうような場合に、ちゃんと停止とか取り消しとかいう規定がある。やはりこういうちゃんとした根拠があるではありませんか。大臣は、何らそういうものがないのだから、いろいろな注意をするにしても、根拠がないために、むずかしいんだという御答弁でございましたが、こういう規定がある、これに違反をしないようにと、常に注意を喚起する権限があるのじゃないですか。
○迫水国務大臣 さっき私の言葉がちょっと足りなかったようですが、その今の電波法七十六条の権限はあるのですけれども、一体歴然とこういうのが公共の福祉に反しているとかなんとかいう、調和を乱しているかどうかということについて、どうして立証するかという、立証責任がこっちにあるわけなものですから、事実上この法律を適用することは非常に困難であって、事実上の問題としては、この法律を適用する、この条文を適用することはなかなかできないのじゃないか、非常なまれな場合じゃないかと私は実は思います。
○受田委員 まれな場合であっても、そういうことがあり得てはいけないことでありましても、常に行政指導というのはあなたの方のお役所がなさる義務があるのです。行政指導する必要はない、違反をしたと認定したときにこれを処分すればいいんだ、それ以外の場合は黙っていればいいんだというわけのものではないのですね。やはり民放が誤りを犯さないように、常に行政指導をしなければならぬ。それはあなたの責任ですよ。それを怠って、今お説のような形で 実際にそういう違反をしたことがきわめて明瞭なときには処分をする、そういうお答えでは、それは民放側にとっても大へん不安定で、これはいつもそうした法律の執行についての指導を怠っている結果、思いがけない結論が出る場合もあるのです。
○迫水国務大臣 私は、さっきから、行政指導は一生懸命に十分にしておりますと申し上げておるわけです。その行政指導の執行力と言いますか、強制力というものが、法律にそのものずばりの、政府から指導したものに対して違反した場合には、それは処罰するというような規定がありませんから、強制力を持っておりませんから、そこのところはなかなか困難であるということを申し上げておるので、行政指導を怠っているということは、さっきから一ぺんも申し上げていないので、むしろ一生懸命やっているということばかり申し上げているつもりです。
○受田委員 お尋ねがあればお答えするというような程度だということでございました。積極的な行政指導のお答えはなかったわけです。初めの答弁と違うようです。
○迫水国務大臣 根拠として、私の方から心持を言ったわけです。つまり、調和のとれたということは、三〇%教育、教養番組というものが含まれていなければならぬ、含まれていることが調和がとれたんだということは、われわれの方の法律の解釈でありまして、その解釈を私の方はこうだ、こういうことですから、その三〇%を積極的に言ってもいいわけですけれども、心持の上ではどういうことか。調和のとれたということは、それぞれめいめいの判断があるわけなんです。そのめいめいの判断というものが、最終的にどういうものが調和がとれているかということは、あるいは裁判によってきめられるべきものであるかもしれませんけれども、役所側としてはこういうのが調和のとれたものであるという気持でおる、こういうことを言っておる。従って、いや、役所が幾らそう言っても、自分はこれが調和のとれたものであるというふうに解釈する、こういうものが出てくれば、それを強制する方法はないわけです。
○受田委員 放送法第一条の二号の規定の中に、放送の不偏不党、真実及び自律保障の規定があるわけですが、これはまた、放送法四十四条三項には、政治的公平が民間放送に準用される規定もあるわけです。両方とも民間——これは政治的公平とい立場の規定でございますが、四十四条の三項の分は、政治的公平の点については、民間放送には準用されるという法律の根拠があるわけです。これは不偏不党及び真実、自律保障とか政治的公平とかという、こうした規定に違反しているかいないかという判定は一体だれがやるわけですか。
○迫水国務大臣 役所がやります。郵政省がやるわけです。
○受田委員 郵政省というと責任者はだれですか。
○迫水国務大臣 郵政大臣だと思います。郵政大臣がやるとお答えいたしました。
○受田委員 現在はあなたがやるのですね。そういうあなた御自身が、今の法律の根拠がある。四十四条の三項の規定などは、ちゃんと政治的公平という規定がある。その規定に違反しているかいないかということは、あなた御自身が一つの基準を示されているわけですね。あなた御自身にその基準を示す自信がないということになるのですか、この政治的公平の規定も。
○迫水国務大臣 これは、抽象的には、客観的にそういうようなものがあり得るわけなんです。その政治的に不偏不党であるかとかいうことは、客観的にそういう基準があり得るわけなんでして、最終的にはわれわれも、こういうものが不偏不党である、こういうふうなところまでいったら片寄っているということに対して、判断というものはもちろんあります。その判断をわれわれがした場合に、放送局に対してそれを注意するということは私たちはいたします。
○受田委員 政治的公平規定違反というものは、具体的な規定があるわけなんですが、これは民間放送に準用すると、こう書いてある。NHKが政治的公平を誤っても、これは同様でございますが、民間放送もそれが準用されることになっている。そうすると、その判断というのは、あなたの方の判断で違反だとされるのか、あるいはどこで違反だとされるのですか。
○迫水国務大臣 争いになれば、これは当然裁判所が最終的にはきめるわけです。われわれの方としては、われわれの方の見解を示して、こういうのは片寄っていると考えるという注意を与えます。与える立場です。
○受田委員 この規定に違反した行政処分はないわけですか、準用するという場合。
○西崎政府委員 先ほど先生が御引用になった七十六条の規定で、今政治的に不偏不党というこの原則に反した事実が歴然としておる場合には、処分できるわけであります。しかし今までそういう事例はございません。
○受田委員 歴然としているという基準というものは、郵政大臣がおきめにならなければならないものである。よそがきめるわけじゃないのですよ。郵政大臣は、だから、政治的公平を欠くという基準は一体どの程度のものかという判断基準というものは、あなたのところになければならない。あなたはどういうところをお持ちになっておられますか。
○迫水国務大臣 それが非常にむずかしいところなわけです。抽象的に一般的にすべてのケースに適合するような基準があれば、おそらくその基準を法律に書くでしょう。具体的な一つの放送、たとえば安保条約のときの実況放送というものをやった場合に、その実況放送の内容が不偏不党であるかどうかと判断していくわけですから、基準というものはなくて——ないといいますか、一般的な基準というものがなくても、そこは判断といいますか、心証といいますか、そういうことだと思います。従いまして、その判断に基づいて行政処分をする場合には行政処分をする、行政処分をした場合に、それに対して反対の訴訟が起ってきた場合には、最終的には裁判所が判断をすることになると思います。従って、われわれとしては、一応の判断をして、これは不偏不党の原則に反していると言って注意する。また今、西崎君の言った、歴然としてその情が非常に重くて、かりに反対訴訟が出てきても、それをこちらの方で証明し得るという自信がある場合には、行政処分をおそらくするでしょう。今までそういう事例はないと言っておりますけれども、おそらくするでしょう。そういうふうなのが実際のところでございます。
○受田委員 第一段階の注意するというのは、注意の過程でどの程度のものをされたか。今処分をしたことはないとおっしゃったが、これは政治的不偏公平に反するというので、注意された事例があるかないか。
○迫水国務大臣 政治の不党とかなんとかいう問題として注意したのは、私が大臣になりましてからはありません。
○受田委員 前はどうです。
○迫水国務大臣 前にもないと言っています。ただずっと前に、お尋ねになりました内容の問題、調和がとれているかとれていないかという問題については、注意したことはあります。
○受田委員 その放送の実態を、テレビを見、ラジオを聞いて確認されて、調和がとれているかいないか、あるいは政治的公平を欠いているかどうかということを、それぞれどこでだれがごらんになるわけですか。地域々々であるわけですか。
○迫水国務大臣 私どもは直接モニター制度を持って監視しているわけではございません。しかし、そこは非常に便利な世の中でありまして、新聞にもいろいろ出てきますし、投書もあります。電波審議会の委員さん方の御意見もありますし、そういうようなものを総合すれば、あの放送局はややバランスが悪いなということは、おのずから判断がついてくるわけであります。
○受田委員 放送法のみならず、電波法の第一条にも、公共の福祉を増進するという義務規定があるはずです。この電波法、放送法の第一条にはっきりと放送電波の公共性が義務づけられている。従って、その義務違反をやるということに対して、郵政省が、非常な寛大といいますか、怠慢であるとかいうことになると、これは行政官庁としての責任を今度は逆に追及されるわけです。この二つの法律の第一条の公共の福祉規定、こういうものを、法律の番人であり法律の施行者である郵政大臣が常に頭に置いておかれないと、放送事業全体の問題としての一つの大きな支障が起こると思うんです。どうですか。
○迫水国務大臣 その通りですから、始終頭に置いております。
○受田委員 始終頭に置かれていないようです。大臣の頭の中にはあまり関心がないようですが、これは日本国民に与える影響が非常に大きい問題でございますから、この二つの法律の第一条の規定を十分法律の施行者として心得ておかれなければならぬ。 それからもう一つ、最近における民間放送会社の成績は非常に向上してきているという。これは非常にいいことです。私大いに歓迎すべきことだと思うのですが、それぞれ全体の会社の資産内容及び配当率というようなものも私資料としてお出しいただきたい。大体、配当の方で例をお聞きしたいのですけれども、民間放送会社で配当率はどの程度からどの程度までありますか。大まかなところでけっこうです。
○西崎政府委員 最高一割五分でありまして、最低はまだ無配のところが一、二ございます。
○受田委員 職員の待遇等も相当改善されておると思うのですが、それは国家公務員の基準から見て相当高いところに置かれているかどうか、これもお調べになっておるだろうと思いますが……。
○西崎政府委員 世間的には放送会社の給与というものは非常に高いというふうにいわれておりますけれども、御承知のように、放送会社は、学歴構成と申しますか、学校出の人の占める比率が非常に高いということも念頭に置かなければならないのでありますが、とにかく企業といたしましてそう悪い方ではない、いい方であるということは言えると思いますし、またその具体的な資料につきましては、先ほどお求めになりましたものと一緒に、あとで提出させていただきたいと思います。
○受田委員 電波というものは、非常に高い公共性を持った水とか電気とかいうようなものと同じように、国民全体に与える福祉の基本になるものですね。そうしたものを利用する者に対して、今のところ免許という手続を通じて、特定の人、特定の経営者にこれが与えられている。この電波を使用するということについて、現在のところ無料ですね。
○西崎政府委員 免許に伴う手数料といったようなものは取っておりますけれども、税金的なものは取っておりません。
○受田委員 電波を使用するということになりますと、その免許された者だけが無料で使用する、免許されない者は使用することができないということになりますね。
○西崎政府委員 その通りでございます。
○受田委員 そこで、電波を使用する者に対して、国が無料で使用させているということに対して、非常に高率の収益を上げるに至った場合、その高い公共性を持っている電波を使用する人々に対して、これによって利益を受けたということに対する何らかの報酬というか、受益的なお返しというようなものを考える必要はないかどうか。
○迫水国務大臣 電波を免許するときに免許料を取るべきじゃないか、あるいは電波の使用税といったようなものを課すべきじゃないかといったような意見はあります。それも放送法の改正のときにおそらく審議のテーマの一つになるのじゃないかと思うのですけれども、現在のところにおきましては、もうけたものをできるだけ社会に還元するように、すなわち番組内容をよくするように、そのほかたとえば学校に対してテレビをできるだけたくさん寄付するというようなことを考えている放送局もありますし、その他得てきたところの利益を社会にできるだけ還元するように、目下指導に努めている次第です。
○受田委員 これはごく特定の企業に対して電波の使用を無料でさせているわけですね。そういうことに対して、暫定的にそういう期間が続くとしましても、高率の利益を上げるに至った場合に、無料で天下の公器である電波を使用する人に対して何らかの責任を負わすというその考え方は、筋として郵政大臣としてはどういうふうにお考えになっておるか、原則的な問題として一つお答え願いたい。
○迫水国務大臣 私は、電波を特定の人に免許して、それを根拠にしてやっておるから、従ってその企業に対しては特別な高率の税金を課さなければならぬという考え方は、必ずしも成り立つ考え方ではないように思います。
○受田委員 成り立つ考えではない。どういう根拠からそう仰せられるのですか。
○迫水国務大臣 電波の免許料というものを取ることと、年じゅうそれによって利益を上げているから、高率のより付加的な税金を取るということとは別問題なんです。営業体である以上、ある特殊の業体であるがゆえに付加的な税金を取るということは、一体どういうところに根拠を求めるのか。従って、私は、電波使用税というようなものはどうも理論的に成り立たないんじゃないかという感じを持っていますけれども、必ずしも私はこれを研究した上で申し上げているのではないので、もう少しよく研究して、場合によっては訂正するかもしれませんけれども、今卒然としてのお尋ねでございますから、私も卒然として私の現在頭の中にある感じを申し上げた次第です。
○受田委員 これは卒然としてというわけでなくして、これはすでに世の議論にもなっている一つの問題です。郵政大臣たる者、こういうものは原則的に考えられるものかどうかぐらいのことは、ちゃんと……。あなたは郵政行政の最高責任者ですからね。 今度FM放送の出願が三日くらい出ておるようでございますが、この中に新聞社が相当入っているようですが、どのくらい新聞社が入っていますか。
○西崎政府委員 通信社も含めまして約六割でございます。
○受田委員 FM放送は新聞社が経営していいことになっておるのでございますか。
○迫水国務大臣 受田さんの御質問は、新聞社に対して免許をやる意思があるかという御質問ではなくて、新聞社といえども免許を申請する能力者であるかという御質問ですか。
○受田委員 それは両方含まれているのです。
○迫水国務大臣 第二点の問題は、これはまだ将来の問題でありますけれども、新聞社もFM放送の申請をする能力者であることは確実です。
○受田委員 民間放送をやる場合に、企業の資本関係でございますが、新聞社等の占める資本比率というものに何か制限があるように私思っておるのですが、それはどうなっておりますか。
○西崎政府委員 今大臣からお話しされたように、FM放送につきましてはまだそういう規定はないわけでございますが、現在の民間放送に対する免許方針という点につきましては、マス・コミが地域的に独占されるのは好ましくないということからしまして、これは内規的なものでございますが、一地域におきまして新聞とテレビ、ラジオ、この三事業が同一のものによって支配されるのを排除しているわけであります。それで、その支配とは何かということになりますと、今先生が言われました人的な制限、これは役員の問題です。それから資本的な制限、これは資本の十分の一以上所有することが支配である。こういうふうに規定しておるわけであります。
○受田委員 人的構成は。
○西崎政府委員 役員の数としましては五分の一以上です。
○受田委員 どうも率直に答弁ができないようですが、五分の一以上になったら——新聞社の役員が民間放送の役員の五分の一をこえたら支配ということになる。それから資本も十分の一をこえたら支配と見る、こういうことですか。こえたということですね。
○西崎政府委員 その通りでございます。
○受田委員 そうすると、今郵政省が、地方の地域的な関係で、マスコミのある特定のものがそれを支配するのを排除する目的でそういうことをやった、こういう御答弁だと了解してよろしゅうございますか。
○西崎政府委員 そういうことでございます。
○受田委員 FM放送と民間放送とのそうした関係は、FM放送は民間放送として考えないことになるわけですか。
○迫水国務大臣 今電波局長が御説明いたしましたのは、現在のラジオ会社及びテレビ会社に関する内規でございます。FMの問題はこれは今後の問題でありますので、いかなるものに免許するか、それからマス・コミ支配の問題をどう規制するかということは、今後基準を作るものでありまして、現在FMについては今申しましたものがそのまま適用になるということでないかもしれません。
○受田委員 民間放送の規定がそのまま適用されることにならないかもしれないということになると、大体民間放送の規定が適用される公算があるが多少ずれるかもしれないという意味で、原則的には民間放送が適用される。こういうことになるわけですね。
○迫水国務大臣 結果において同じ結果になるかもしれませんが、FMについては別個の系統の内規を作りたいと思っております。
○受田委員 そうすると、FM放送は民間放送というワク内に入るものかどうかということを、もう一ぺんはっきりしてもらいたい。
○迫水国務大臣 当然これは民間放送のワク内に入るのですが、民間放送という言葉はNHK放送以外の放送という意味であって、現在の民間放送は営業的にFMをやっておりませんで、今までは中波及びテレビですから、中波及びテレビの会社については、さっき言いましたような内規を立てました。しかし、今度はFM放送をする会社に対してどういう内規を立てていくかということは、これから研究すべきもの、こういうことです。
○受田委員 大体中波にしましてもFMにしましても、経営のあり方というものにおいては根本的に相違するわけじゃないのですから、中波の場合は民間放送にこういう規定を置いたが、FMの場合は資本の問題などは大幅に変えられるというような公算が実際あると思うのですが、大体原則的なところを御答弁いただけば、およそ見当がつくのです。
○迫水国務大臣 たとえば、さっき申しましたように、新聞社の申請が六割を占めておる。新聞社それ自身にFMの波をかりに免許することがあるとすれば、それはどういうことになるでしょうか。一〇〇%になるわけなんでして、その内規というものが、一体適用する余地があるのかないのか、そういう問題も出てくるわけでして、それですから、先ほどの受田さんの御質問が、新聞社はFMを経営する能力があるのか、こういうような趣旨のご質問もちょっとあったようですけれども、そういう意味からの御質問だったかと今にして初めて思うわけでありますが、そういうことですから、このFMについてただいまの内規はそのまま適用していくかどうか。中波は少なくとも新聞社に対してはやらない。新聞社そのものに対してはやっていないわけです。別個の会社にやっている。しかも、十分の一の株を持っているのは、支配権とみなしている。こういう建前で、別個の会社——今度はFMを要求している新聞社は、新聞社そのものにFMをくれといっているのですから、それに対してやるかやらないかということは、これからきめる問題なのでして、今のような御質問に対しては、ちょっと私はお答えができないわけです。これからの問題です。
○受田委員 郵政大臣として、えらい何だか奥歯にものが詰まったような御答弁ですね。大体の基本的なものは、これは中波であろうとFMであろうと、原則的に私そう相違するものでないと思う。だから、FMの場合には、新聞社に経営させるということがあり得る、こういうことになるのですね。そうすると、あなたの御答弁では、そういうこともあり得るということですね。
○迫水国務大臣 私はあり得るともあり得ないとも答えをする段階ではないと実は思うのです。現在FMについてのどういう免許の基準をやるかということを研究しておる最中ですから、あり得るともあり得ないとも言う段階ではありません。ありませんけれども、今抽象的にあり得るかと聞かれれば、あり得るとお答えしてもいいのですけれども、それが直ちに新聞社にはFM免許することになるのだというふうにとられたら、それは困る。つまり、あり得るとも、あり得ないとも今のところは言えない段階というふうにお答えするのが、一番正確ではないかと思います。
○佐藤委員長 受田さん、ちょっと御了解を求めたいのですが、実は参議院の本会議で、切手売りさばき問題で、十一時半か十一時三十五分に大臣の答弁があるそうですから……。
○椎熊委員 関連して。 FMの実験放送を今NHKに許しているですね。NHKは非常に大きな犠牲を払って、大規模に実験放送をやっておるのですが、これで将来許される場合にNHKが除外されるというようなことがあるはずはないと思います。NHKだけは優先的にされるものだと理解してよろしゅうございますか。
○迫水国務大臣 FMについては、私は率直に言うと、現在の段階では実験のデータはやや不足しておるように思います。たとえばステレオ放送というものは一ぺんもまだ実験をしたことがありませんので、こういうものはNHKにやってもらうことが適当ではないかと実は考えております。今、椎熊さんのお尋ねは、NHKには優先的にFMの波をやると了解していいかということですが、私は今ここでもってそれを答弁させられるのは非常に困ると思うのです。
○椎熊委員 そのくらい答弁をしておいてもいいと思う、あれだけ金を払わしておるのだから。
○迫水国務大臣 FM全体につきましては、NHKの問題を含めて、目下FM調査会を中心にして結論を出すように努力をしておりますので、さよう御了承を願いたいと思います。
○椎熊委員 どうもそのくらいのことは率直に言っておかれた方が、まじめに実験をやっておるのに対して張り合いのあることだと思うのです。今大臣が、それは当然そうなりましょうね、くらいのことを言っても、実害はちっともないと思う。だれが聞いても当然のことだと思うのですが、それも今の段階で言われないとなれば、腹で了解することにいたしまして、これ以上は申しません。
○受田委員 それでは大臣に対する質問はこれで終わりまして、あとはNHKの方にします。
○佐藤委員長 それでは上林山榮吉君。
○上林山委員 郵政大臣に時間の都合でお伺いしますが、三十七年度NHKの予算はおおむね妥当である、こういう意見書がついて当委員会に提出されておるわけです。おおむね妥当であるというのをどういうふうに解釈しておられるか。少なくとも最善ではない、最善ではないがおおむね妥当である、こういうような印象を受けるわけですが、具体的にいってどういう意味ですか。
○迫水国務大臣 私は、そういうような場合に、役人の立場で使用する常套語と——おおむね妥当というのは常套語と考えまして、これはけっこうであるという意味であると思っております。
○上林山委員 それは、頭のさえておる大臣にしては、あまりにも無難な答弁だと思うのです。少なくとも、最善ではない、最善ではないが妥当だということは、もし許すならば、こういうところはこういうふうにしたいのだけれども、現状ではやむを得なかろう、ただ、まあまあこの辺で、こういう趣旨のものだと私は解するのですが、解釈のしようによっては最善であると見てもいいという御答弁は、残念ながらこれはその場限りの御答弁ではないか。われわれをして言わしむれば、この予算を見て、もっとこうありたいということがあるのですよ。NHKの予算はもっとかくあるべきだということをわれわれは具体的に持っております。持っておるが、最善であると見てもらってもかまわないという御答弁はちょっといかがわしいと思うのですが、どうですか。そうして、同時に大臣なり事務当局の方で、私が今言ったように、たとえば国際放送をもう二本くらいふやしたかったのだけれども、現段階ではこれはやむを得なかった。その他いろいろ具体的にあるのではないかと思いますが、いかがですか。
○迫水国務大臣 最善ということですけれども、これは絶対的最善というものはあり得ないので、あるスタンド・ポイントから、観点から立てば、こういうふうに言った方がよかろうという意見も出てきましょう。他のスタンド・ポイントから見れば、こういうふうにした方がよりいいだろうという議論が出てくるだろうと思いますが、私がおおむね妥当であるということをつけましたのは、このまま国会が御承認下さっても郵政大臣としては異存はございません、こういう意味でございます。
○上林山委員 私はその御答弁はあまりにも無難な御答弁だと思いますけれども、参議院が呼んでおるというものですから、議論をあまり広く展開しないのですが、たとえば先ほど具体的に指摘した国際放送は、今の程度で、たとえば電波を持っておる一流国の国際放送に比べてNHKの放送は十分である、こういうふうにお考えですか。
○迫水国務大臣 私は、現在の予算全体のバランスの上からいいまして、この程度のお金をかけて国際放送をやるということは、他とのバンスラから考え、NHKの世帯から考えて妥当な程度だ——十分ということは一体何を基準にして十分なのか、私は、妥当なところである、多々ますます弁ずるという感じはしますけれども、この辺のところがちょうどいいところだろう、こういうふうに思います。
○上林山委員 この議論はもう少し具体的な例を引いて、あなたと大局的な立場から質疑をかわさなければ、私も納得しないし、あなたも納得されないだろうと思いますので、適当な機会に私はこの問題だけをお尋ねしたいと思います。
○佐藤委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 どうぞ速記を。 受田新吉君。
○受田委員 今度の御承認を願いたいというこのNHKの予算書を拝見して、問題点を指摘したいのごでざいます。NHKは今度新しく受信料収入を建設資金に三十億ほど回す。こういう御説明をいただいておるわけですが、去年までは受信料収入というものは全然建設資金に回されなかった。本年度の予算で初めて九億ほど新規の予算を組んだわけです。今度三十億とこういうふうに飛躍的にふえているのですが、これはどうですか。受信料をそういう収入があるなら下げて、建設資金は従来通り別に借入金とか放送債券をふやすという方法でおやりになる方が、国民に大いに喜ばれることだと思うのですが、これはどういういきさつであったか。
○小野参考人 お答え申し上げます。 在来の経緯を申し上げますと、昭和三十五年度の予算までは、当該年度の受信収入を直接建設資金に充当した例はございません。三十六年度予算におきまして、御指摘の通り九億三千万円を建設所要資金に予算上充当いたしております。三十七年度予算におきましては、ただいま御承認を受けるべく御審議をいただいております案の中には、三十億の受信料収入を建設所要資金に充当いたす計画になっておるわけでございます。これは御指摘の通りでございます。この点に関しましてはいろいろ御意見もあろうかとは思います。そういったような建設関係のそれは外部資金によってやるべきだ、自己資金のそれは、在来といえども、——の受信料収入を直接当該年度の建設資金に充当いたしましたのは三十六年度以来でございますが、自己資金といたしましては、そのほか毎年繰り入れたものはございます。これは他の公共企業体においてもやっております。減価償却引当金というようなものがございまして、これは自己資金として建設の所要原資に充てております。これと外部からの借り入れ資金を合わせて出しておるわけでございます。この点につきましては、理念上そういうようなことがはたしていいのかどうかという問題と、いま一つには、財政の現状に関しまして、具体的の措置といたしましてそういうことをする必要があるのかどうか、こういう二点の問題があろうかと思います。理念上の問題といたしましては、一般の企業におきます——かりに公共関係の事業でありまして、電気事業、ガス事業といったようなものが、かりに営利でこれをやっても、しかし事柄が公共性の強いものであって、公共事業の概念に入っておるわけでございますが、これはやはり相当な利益金が上がるわけでございます。いろいろ公共料金としての厳密なる計算をいたしましても、なおかつ利益金が上がるわけでありまして、これの集積がございます。そういうようなものをもって充当するということは許されることでございましょうが、料金計算の中にそういうものを入れていいかどうかということになりますと、利益金の関係もありますので、いろいろな会計上の措置としては問題もあろうかと思いますが、NHKといたしましては、当該の受信料収入を充当いたしましょうと、また借入金でやりましょうと、収入の財源は受信料以外にはございません。しかも営利を許されておりませんし、利益を計上いたしますことは、これはやるべきではないと思います。そういう意味からいたしますと、借入金もいずれ元利償還は受信料の収入をもって充当しなければならぬ。そうしてみますと、借入金、自己資金に関しましては、いずれNHKの建設、これの運営に要する経費は、すべて受信料収入でやっていかなければならない。一時いろいろな関係で建設資金の原資を大幅な借入金に依存したことは事実であったと思いますが、いずれはこれは聴取者の納められる受信料収入をもって元利を払わなければならないわけでございます。そういうような面から申しますと、理念上それがよくないということはないと思います。ただ建設も、いろいろ放送法の命ずるところによりまして、全国普及を急ぐ関係上、それと現状とのかね合いにおきまして、年度間の建設の範囲が、ある期間非常に多いときと、さほどそれに比較するとないというようなときがあります。そういう場合における長期の見通しに立ちました負担の公平、こういうものは見なければなりませんので、繰り入れ分に対する一定の基準と申しますか、限界はあろうと思いますが、理念上、これを投入してけしからぬ、こういうことにはなるまいと思います。三十七年度は三十億の投入を予定いたしております。それは、将来の財政の推移等をも考慮いたしまして、そういう面から算定をいたしたわけでございますが、現在の見通しに立って申しますと、毎年増収はございます。増収はございますが、この推移は将来だんだんと狭まって参る趨勢にございます。かりに今の予想を申し上げますと、三十七年度は三十六年度予算と比較いたしまして百億の差がございます。三十七年度から三十八年度になりますと、六十四億ぐらいしか見込めません。さらに三十九年度になりますと五十四億、そのように下がって参りまして、六カ年先の四十二年度には三十一億くらいがせいぜい見込める。その先になりますと、さらにずっと狭まってくるわけでございます。 そういう状況と同時に、現在は建設の関係ではもっと規模を大きく促進しなければならない時期に遭遇いたしております。そういう関係で、この所要資金をすべて借入金の方に依存するということになって参りますと、借入金といたしましても、現在すでに三十六年度末において百八十億の負担を持っております。これは、将来の趨勢から申しますと、四十二年度末におきましては、二百五十二億くらいの借金をかかえることになっておりまして、その当時所定の債務償還のために積み立てまして保有しております額は、わずかに五十八億くらいしかないわけであります。そういうような面を考えますと、別途借入金の調達関係につきましても、財政上非常に問題も生じてくるわけでございますので、将来受信料収入をもって、これを完全に元利を償還し得る限度を守って参らなければならないと思います。そういうことで、割に増収の幅のある時期におきまして借入金をいたしましても、いずれは受信料収入から返済するわけでありまして、割に増収の多い時期に、そういった面を借入金でなく自己資金によって調達いたしたい。かたがたあわせまして三十七年度の建設の規模は百三十億でございますが、いろいろ金融界の事情等から申しますと、さほど多くの外部資金が計画をいたしましても現実には調達が困難だという事態に遭遇いたしまして、百三十億の置局その他の計画をいたしましても、これは紙にかいた絵に終わる危険もございます。そのような金融情勢等をも考えまして、三十億の受信料収入充当の策定をいたしたわけでございますが、これによりましても、三十七年度に外部資金に依存いたします額は、およそ六十億に近い額になるわけでございまして、この調達も相当な努力を要することになろうかと思います。
○受田委員 三十億の借り入れをふやすか——放送債券の発行余力はまだあるのじゃないですか。この放送法四十二条による発行余力はあるのじゃないですか。
○小野参考人 放送債券発行の余力といたしましては、かなりの幅があります。現在放送債券を発行し得ます額の限度は、放送法第四十二条によりまして、最近における会計検査院の検査を受けました純資産額の三倍までは発行してよろしい、こういうことになっておりますので、現在三十六年度末における借入金の残高百八十億のうち、放送債券によるものが百二十五億くらいございます。これから比べますと、来年度法律の許す限度一ぱい一ぱいに借りるといたしますと、四百七十八億は法律上発行できる。まだ差額が三百十七億と非常に大幅でございまして、この限度額に対しまして放送債券を現に保有しております額は、およそ三三%くらいでございますので、余力はあるわけでございますが、しかし、これは余力はありましても、これを将来償還し得る見通しのもとに立てていかなければならないと思います。
○受田委員 放送債券などは、放送事業に対して国民に認識を与える上においても、私は非常に好感を持たれると思うのです。それで安定した国が保証する債券と同じことですから、そういう意味では放送債券の発行余力がまだすばらしくあるわけなんです。それで三十億をちょっぴり加えるくらいのことは、あるいは借入金を少しふやすくらいのことは、軽くできることなんです。わざわざ受信料収入から三十億という大幅な建設資金への使用ということは、これはやはり受信料を負けてくれてもいいじゃないかという国民感情が巻き上がる危険があると私は思います。これは受信料を掃く取り過ぎておるのじゃないか。去年よりも受信料が百億もふえておる。そうすると、ふえた分をこっちに三十億も回したということになると、受信料をもっと負けてくれという国民の疑惑といいますか、不安というものを私はこの予算書では解決できないと思います。今承っておりますと、年次計画でこれがだんだん消えていく方向にあるわけですから、今ぽっと頭をもたげて急速にのし上がるようなこの受信料収入の使用ということはおやめになられて、放送債券など国民が歓迎しておるもので、一つ国民にも——「放送債券」と電車や汽車の中にも出ているし、NHKに協力したいという気持を持つ者も相当あるのですから、そういう方面で努力をされて、長期借入金をふやす。それから今の放送債券の償還のための積立金も、その分だけふえるくらいなことは大したことではないのですから、考え方として、NHKがお立てになったこの予算案は、この点において私は納得できないと思いますが、いかがですか。これは国会に修正権があるのですから、都合によれば御修正申し上げてもよいわけです。
○阿部参考人 私は御承知のようにどうも数字には弱いのでございまして、数字的には御説明できませんので、これは小野専務理事から御説明いたしますが、私の考え方を申し上げますと、今小野専務理事が申し上げたように、今NHKの財政が比較的楽だということは、私ども考える以上にテレビの聴視率が飛躍的に増してきたということ、もう御承知のように、本年には一千万をこえるだろうと思いますので、一千万をこえた場合においては、聴視料というものはだんだん余力がなくなってくる。そういう場合において、われわれがやる仕事はほとんど無限に大きいのです。ことに電波の仕事というものは毎日のように革新的に変化してきておる。この新しい進歩に対応するためには、相当の財政的な余力を持っておらなければならない。こういう場合において、今年度において多少の余力があるからといって、それを全部料金を負けてしまって、苦しい状態において今後のNHKの経営をやっていくということは、これはまたたちまち値上げをしなければならないような事態が起こってくることを私はおそれるのであります。どうしても、現段階においては、ここ数年間は安定したそういう料金を策定してやっていかなければならない。それには三十億くらいの利益を建設の方に回して、一つ堅実な経営をやっていきたいということが私の念願なのであります。
○受田委員 この問題でもう一つお伺いしておきたいことは、NHKは相当の建設計画をお持ちなのでございますが、再来年は国際オリンピックが東京で行なわれるわけです。そのときに、オリンピックの国際放送いわゆる中経放送というものが、現在の太平洋ケーブルとか、あるいは東南アジア向けのケーブルとかいうもので即時できることになっておるのかどうか。これは国際的な信用に関係する問題でありますので、NHKの御答弁を願います。
○溝上参考人 オリンピックの場合の国際中継の問題でございますが、これは現在国際間の即時中継という方法といたしましては、理論的には幾つか考えられるわけでございます。現在具体的に考慮されておりますのは人工衛星による中継でございます。ただいまお話のございましたケーブルによる中継というものは、ケーブルの周波数の幅が、現在の国内のマイクロウェーブと同じ程度に幅が広ければ可能性がございますけれども、現在世界じゅうどこでもとてもそれだけ広い幅のケーブルがございません。現在計画されております太平洋ケーブルにつきましても、十分の一あるいはもっと狭い幅のものでございますから、これによって人工衛星と同程度の即時中継ということはできないわけです。従いまして、もしもケーブルを使うにいたしましても、長い時間を使ってずっとおくれた信号を送る。送れることは送れますけれども、即時中継にはならないというような形態の利用方法は、これは太平洋ケーブルができますと同時に、何かそういうふうな利用方法も考えたいとは思っておりますけれども、これをもっていわゆる中継ということにはいかないというふうに考えております。
○受田委員 人工衛星を用いる即時中継というようなことは、これもまだ研究段階であって、現在それが日本の場合すぐに用いられるというわけじゃないでしょう。
○溝上参考人 人工衛星の問題は、この二、三年来アメリカの方で非常に研究が進みまして、それに対応いたしまして、国内的にも人工衛星を利用する通信方法、またそれにテレビジョンの信号をどういうふうにして乗っけるかという問題につきましては、関係方面と協力して研究いたしております。しかしながら、日本自身でロケットを打ち上げるということは考えられません。従いまして、アメリカの打ち上げますロケットを利用するしかないわけです。その計画が具体的に——実験につきましては若干の計画がありますけれども、実用的にどの程度のものがいつアメリカの方で計画が実現するかということにつきましては、まだ確報を得ておりません。従いまして、そういう問題が具体化した場合には、すぐにそれに即応できるだけの態勢を整えたいと思って準備いたしております。
○受田委員 まれに見る国際的なスポーツの大会に、主催国としての対策を私はNHKとしては十分考えておかなければいかぬと思う。これは主催国ですから、その主催国である日本の国がテレビの即時中継ができないような形では、やはり問題があると思うのです。今の人工衛星を用いる場合も研究段階だ、それから太平洋ケーブルもこれを即時用いるという計画は何もない、こういうことになるならば、国際的に見てもやはり一つの問題があると思うので、NHKとしてオリンピック大会主催国としての責任をどう考えておるか。ケーブルの場合においても期待ができるのかどうか。これからそれを研究して再来年までには実現の公算があるかどうかということも、あわせて御答弁願いたい。
○溝上参考人 人工衛星の問題につきましては、近くワシントンで会議がございまして、周波数その他技術的な問題につきましては漸次打ち合わせが進んでおります。また、来年になりますと、正式に人工衛星にどういう電波を使うかということも国際的にきまるだろうと思います。従いまして、そういう問題と同時に、アメリカの方の具体的なロケット打ち上げの計画とあわせまして、もしそれが実現すれば国内的には十分に間に合うという態勢を整えておる次第でございます。 太平洋ケーブルの問題につきましては、太平洋ケーブルはオリンピック直前にでき上がる予定になっておりますから、これはもし利用するといたしましても、先ほど申し上げましたように即時中継にはなりません。この前ローマ・オリンピックでコマどり式の速報をやりましたが、あれのもっと早い式の程度のものならば太平洋ケーブルを利用してできる。その方も並行して準備は進めております。
○受田委員 イギリスの場合、即時中継で成功している実例があるのかどうか。そのほかの国々で即時中継の実績をちょっとお示し願いたい。
○溝上参考人 ヨーロッパの方面で即時中継をやっておりますのは、全部マイクロウェーブで国際間をつないでおります。従いまして、たとえば大西洋ケーブルを利用して中継したというふうに御解釈かもしれませんが、これは先ほど申し上げました太平洋ケーブルを使っておくれた放送をするというのと同じでありまして、即時中継というものはケーブルを通してはできないわけであります。
○受田委員 再来年までにまず人工衛星による即時中継の見通しを一応立てておる。それを直前までには何とかしたいという気持のようでございます。それから、ケーブルを用いる場合はだめだ、小きざみのものでいくという、これしかできないのだという御答弁と了解してよろしゅうございますね。その通りですね。——それでは一応十二時になりますので、おきます。
○佐藤委員長 上林山榮吉君。
○上林山委員 どうも質問がちぐはぐになってしまいましたけれども、私は、大臣の来る前に、NHKに関してだけ二、三の質問をしたいと思います。 まず第一は、中継所をできるだけ作って難視聴地域を解消するというのがNHKの方針ですが、これは予算の関係で十分にできない。そこで、われわれがNHKの考えをただしたい点は、範囲が広いとか、あるいは僻地なり山間地なりが非常に多い場所には、中継車をふやして中継所の増設がおくれてやるのをカバーしていく、こういうような方針を積極的にとっていないように思うのだが、これを積極的にとっていく方針を持っておるかどうか、こういう点をまずお尋ねいたします。
○田邊参考人 ただいまの御質問の中継車を持って参るということは、機械を積んでいって山の上に中継車を置いて電波を出す、そういう意味でございますか。
○上林山委員 そういう意味ではございません。広い地域のところに中継所をできるだけ作った方がいいし、ことに山間僻地のところでは電波の妨害があるから、しかるべき中継所を作った方がいいのだけれども、全国的に見るとそれが予算の都合で不十分であると、われわれは今考えておるわけです。だから、そういう個所には中継車を増車して、その中継のカバーをしていく、あるいは確実な映像が見られるような方法をとる、こういうような行き方をしたらどうかという質問です。
○田邊参考人 今の御質問が私まだよくわからないのですが、中継車を置くということは、電波を出さなければその中継はカバーできないと思いますが……。
○上林山委員 あなたの言う中継車というものは何に使っているのですか。
○田邊参考人 私の方は中継車というものを使っておりますが、テレビジョンのカメラを積みまして番組を製作するだけでありまして、電波には関係はありません。
○上林山委員 今の問題は各放送局なんかで番組を作る意味ももちろんあるわけですが、技術的にはあなたの方が専門的だから、あなたの説に従うけれども、いわゆる中継車という名前、NHKにはそういう言葉はないのかね。
○田邊参考人 中継車と申しますのは、カメラとマイクロウエーブを積んで……。
○上林山委員 それはいいけれども、中継車という言葉を使っていないかというのです。
○田邊参考人 使っています。
○上林山委員 それを答えたらいいじゃないですか。とにかく放送用じゃなくても、地方に行くと、あれがほしいと言っているんだ。山間僻地、非常に範囲の広いところなんか、それを使ったらいいと言っているんだ。あれがないので、非常に困っておるというんだ。中継車という僕の言う意味のものがないなら、こういう意味のものがございますと言うのが、あなた方専門家じゃないですか。そういうことを言ったらいいじゃないか。
○田邊参考人 私どもの方で中継車と申しておりますのは、カメラが数台乗っておりまして、それとマイクロウーブの中継の機械、送信機が乗っておりまして、それを現場に持って参りまして、たとえば野球の中継であるとか、いろいろな催しものなどを中継いたします場合に、現場にそのカメラをおろしまして、マイクロウェーブを適当なところから出して、それを親局に送りまして、そこから番組を中継する、そういうようなのを中継車と申しております。
○上林山委員 最初からそれを言えばいいんだ。中継車という言葉をNHKが使っているじゃないか。NHKが使っている言葉を説明すればいいんだよ。そういうのをふやす必要はないか。それもやはり番組編成だといっても、できるだけ放送に便宜を与えるための中継車じゃありませんか。そうでしょう。それをふやす必要はないというのかね。私は、ふやす必要があるのじゃないか、こう聞いているのです。
○田邊参考人 おっしゃる通りどんどんふやす必要がございます。ただしそれは山の上に置きます。放送局の…。
○上林山委員 山の上のことなんか言っておるのじゃないのです。これは言葉の足らぬ点もあるが、専門語はあなた方の方が知っているんだから、そういう趣旨のものはないが、それに似たようなものなら、今言ったような番組を作るための便宜のためにやっているのはある、だからそういうものはふやしたい方針である、こう言えばいいんだ。これが専門家の答弁ですよ。山の上に何も乗っけろと言わないでしょう。私が最初言ったのは、中継所が足らないから、これをカバーする方法として、中継車をもっとふやして便宜をはかったらどうだという意味のことを言ったんだ。そういう意味で言っているのですよ。
○田邊参考人 ごもっともだと思います。またさような方針でやっております。
○上林山委員 次に、この前も大臣に私はお尋ねをしたのですが、郵政当局では答弁があいまいだったと思う。小あいことのようですが、これは非常に大きな問題だと思いますが、今自動車に備えつけてあるラジオは全国で何台聴取料を徴収していますか。
○小野参考人 十二万台でございます。
○上林山委員 それはどうしてお調べになっていますか。
○小野参考人 契約の個々につきまして調べてございます。
○上林山委員 普通は個人の家に行くとNHKと札を打ってありますが、自動車に打ってありますか。
○小野参考人 標示してございます。
○上林山委員 今全国に自動車が何台あると思いますか。
○小野参考人 乗用車といたしましては、いろいろ型の違うものがございますが、それをひっくるめまして、約六十二、三万台登録されておるものがあるようでございます。
○上林山委員 六十二万台のうちに十二万台しかラジオをつけていないとごらんになりますが。最近私は数カ月この問題でずっと注意して見ておるのですが、つけていないのがほとんどで、つけてあるのは残念ながら、まだ一台も見ないのですが、それはあなた正直な答弁ですか、やむを得ないのでこういうふうになっておるというのか、それとも実際お調べになってそういうことをおっしゃっているのか、いかがですか。
○小野参考人 これは担当のところに寄りまして調べました数字でございます。
○上林山委員 十二万台で、八十五円の場合、収入は幾らになります。
○小野参考人 一億二千万円でございます。
○上林山委員 私は、この六十万台というのも、ちょっとあなたの統計はおかしいと思いうのだが、少なくともこの十二万台のかりに五倍としても、すぐ七、八億円の金が出てくるのです。だから、この辺にも——これはお互い冗談半分で委員間では茶飲み話に出た話です。話ですけれども、真剣に考えると、これは私は、経営上やはり一つの盲点じゃないか、こういう気がするのが一つと、今日の交通対策上、いわゆる交通情報を流しておるでしょう。 〔委員長退席、広瀬(正)委員長代理着席〕 だから、そういう意味から、これは無線にするか、今のラジオにするかは警察庁あたりでも研究しておりますが、そのいずれになるかは別としても、私は、これを将来義務づけていくべきだ、義務づけていって、同時にこの収入という面からもこれを考えていかなければならない、こういうふうに考えるのでありますが、これはNHKの経営並びに交通対策の一つの将来の方向をNHK自体というものがお考えにならなければならぬのじゃないかと思う。これに対するお考えを伺いたい。
○小野参考人 前段につきましては、御指摘の通り私どもの大いに悩みのある点でございます。できるだけそのような取りつけましたものはすべて契約をしていただくような努力をいたさなければならないと思います。そのような努力を将来大いに尽くして参りたいと思います。 後段の関係につきましては、御指摘の通り交通事情の現状にかんがみまして、非常に重要な問題であると思いますが、これを何らかの方法におきまして、交通の安全を確保する意味合いにおける規制をいたすといたしますと、勢い法的ないろいろな制度も必要ではないかと思いますので、NHKといたしましては、そのようなことが整備されますことは大いに希望はいたしますが、直接NHKの努力のみをもっていたしましてどうこうするというのは、多少限界を越えるのではないか、このように思います。
○上林山委員 その点は一つ御善処願っておきたいと思います。 次に、私は、海外特派員に関連して少しお考えを伺っておきたいと思います。海外特派員は、どこの地区におきましても非常に真剣に活躍しておられるようでございます。海外放送をときどき私はラジオで伺っておりますが、ああいうりっぱな海外放送が日本におって聞かれる。現地ではどうだろうかと思ってつぶさに見て参りましたが、非常にこれは真剣にやっておられますが、何しろ人が足らない、あるいは現地人を採用する場合でも、費用に制限があって、十分に現地人を採用できない、こういうような面、並びに、これは国際的な視野に立って、各国の放送記者がどういうような待遇を受けておるか、こういうようなことも参考にして、私は十分なる取材ができるように、費用、予算というものはもう少し——これは従来に比してよくなっております。よくなっておるけれども、まだ国際的水準という点からいくと、ちょっと待遇等において見劣りがしておるのではなかろうか、そういうように考えますが、これはどう思っておられますか。
○前田参考人 現在のNHKの海外特派員に対する待遇は、ことしの一月にさかのぼりまして、関係のたとえば新聞社あるいは外務省、商社、それらの待遇を検討し、NHKの特殊性をそれに加えまして、大体水準を最高水準に近い線で改定いたしました。
○上林山委員 これはNHKに限ったことじゃないし、外務省やあるいは海外に在勤する日本人がみな悩んでおる点ですが、たとえば次の任地から次の任地と海外をぐるぐる回っておる、そういうことで、子供の教育というものが非常に支障を来たしておる。そういうような立場から考えて、これはNHKに限ったことではありませんが、私は国家としてやがて考えてもいい問題ではないかと思っておるほどでございます。相当の費用を出しさえするならば、日本で安住して、二、三年のことならば子供の教育ができるような機関、こうしたようなものを考えていく必要があるのではないか、こういうように思っておりますが、NHK等ではそういう御研究をしたことはないかどうか。
○前田参考人 その問題については、私ども研究を重ねました。しかし、現状におきまして、NHKの特派員の子弟のために特別の学校を考えるという点は不可能でございます。 第二は、各関係方面と協力してそういうものを作るという問題は、これは国の外交政策と相手国の関係になりまして、これは国自体のお力をかりなければできない問題だと考えます。 第三には、その子弟の教育のために特別の任地の学校に対するいろいろな入学についての援助を行なうことは可能だと思っておりますが、これについても実際上は限界があるかと考えております。
○上林山委員 どうも大臣が御多忙でこま切れの質問になって残念ですけれども、先ほどのNHKの予算は、おおむね妥当であるという問題は、大臣がいろいろ御答弁になったけれども、具体的に検討すると、われわれはそうでない面が非常に多いので、大臣はこれを最善なりとこう解せよとおっしゃいましたが、これはおおむね妥当であるということは、優良ではないが、まあ良だろう、こういう意味だろうと私は考えて、次の機会に質疑することにいたしますが、とりあえずここで大臣のおる間に質問いたしたいことは、ラジオ、テレビの税金を、当委員会から大蔵委員会等に連絡をいたし、政府もそれぞれ努力をされまして、ある程度下がりました。これはけっこうなことであったと私は思うのですが、この下がった分について、大蔵省方面でラジオ、テレビのセットの値下げを行政指導しているはずであります。しかし、そういう方面の担当は大蔵省ではありますが、直接にラジオ、テレビに関係を持っておるのは、当委員会が大蔵委員会に申し入れをしたように、言うまでもなく郵政大臣にある。だから、そういうふうな意味から、値下げ分について大蔵大臣と協議の上、関係メーカーに対してこれを安くしていいものを作ることは、それだけ需要が広くなることで、ラジオ、テレビを広く国民が見得る機会がふええてくるということになるわけです。そういう意味から、具体的に大蔵省と協議し、もしくは単独にメーカーに対して安くするような措置をとられておるかどうか、行政指導されておるものかどうか、全然ノー・タッチか、一つ聞かせてほしい点であります。
○迫水国務大臣 上林山さんのお話は、きわめてごもっともだと思いますところが、在来機械のメーカーというものと郵政省とはまことに距離が遠うございまして遠いという感じがするのでありまして、今日の段階において今まで物品税の引き下がった分だけ価格の値下げということをすべしということを、してほしいということを私の方から直接にメーカーに申し入れるチャンスはございませんでした。元来これは通産省の所掌の方で大蔵省と通産省の方で主としてやっておりますが、今のお話もありますから、私は通産大臣、大蔵大臣に相談に乗ってもらって、私の方でできることはできるだけしたいと考えます。
○上林山委員 大臣も御承知かと思いますが、こういう問題については、これは通産委員会でも大蔵委員会でも最初は問題にならなかったのです。言うまでもなく年来当委員会が他の委員会に呼びかけまして、申し入れをしまして、この問題が実現してきたいきさつは、事務当局も十分承知であろうと思います。だから、そういう趣旨からして、今、大臣が御答弁になったように、これは広く国民にテレビ、ラジオを聞かせる。そのためにはセットがよくて安い方がいい、こういう趣旨から当然無関心たり得ない。一つの盲点といえば盲点、やらなければならない一つの点ではなかろうか。こういうように考えるのでありますが、さらに善処を要望するという程度にとどめておきたいと思います。 次に、先ほど問題になりました受田君の質疑でありますが、これは私も実は質問しようと思ってここに用意をしてきておったのであります。それは、放送法は見ようによっては一部ざる法的性格を持っておるのではないか、こういうような考えを持っておるわけであります。そこで、郵政省としては許されたる範囲内でそれぞれ監督をすることにもなっておるし、あるいはまた裁判の結果は罰則にも触れるということになっておるのでございますが、ただ再免許をするときに、それらの実績といいうものを調べなければならない。ところが、今まではそれを調べることができない。大臣も言われたように、新聞とか雑誌とかいろんなのに載ったのを勘案して、行政指導をやるのだとかいういうような程度のことしかお述べになっておらないようです。私は、それで、これは郵政省自体でもいいのですけれども、郵政省以外の権威のある、はたしてこれが公共放送に、あるいは特に民間放送がいい放送をしておるか、偏向放送をやっていないか、あるいは非常識な放送をやっていないかというようなことを見る常置機関を置く。民間人でもいいです。相当権威のある民間人——ただ電波審議会とかああいうものは、それを調べることにはなっていないはずです。だから、そういうような意味で、独立した、たとえばアメリカの七人委員会が最近どうなっているか知りませんが、これは私は数年この委員会で進言するんだけれども、一向腰を上げられませんが、非常にいい機会であると思いますので、七人委員会でもいいが、権威のある第三者の常置機関を設けて、放送の内容を常に聞いておる、見ておる、こういうような制度が確立されていいんじゃないか、こういうように私は考えます。その方面の御研究をされたことがあるか、あるいは今の放送法をやむを得ないものとして運用する程度で十分と思われるかどうか、研究の価値あるとすれば一つ研究をするとか、価値がないならば今のままでいいとか、どちらでも答弁はけっこうですが、お知らせ願いたい。
○迫水国務大臣 十分研究の価値ある問題と思います。ただ、下手にやると、統制といいますか、放送内容に対する統制的な色彩が出てこないように十分の配慮をしなければならぬと思いますので、そういう問題も別途国会の御承認を得つつありまする放送法等の改正に関する調査会、あれのテーマにして参りたいと私は思っております。
○廣瀬(正)委員長代理 上林山君に申し上げますが、大臣はお急ぎでありますから、この程度でいかがでございましようか。
○上林山委員 委員長の御注意がございますから、一点要望だけしておきましょう。これも受田君がおられないが、受田君と私は同じ意見なんです。それは先ほど申し上げた問題ですが、電波は国有ですよ。国民のものなんです。だから、それを一部の者に許可した場合には、これはやっぱり税金といったようなもの、あるいは使用料というようなもの、これはいずれでもいいのでありますが、これを取るべき方向で研究すべきである。ことに民間放送は、無配当のものが一カ所か二カ所あると電波局長が答弁したけれども、ありますか。ほとんどもうないくらいに最近はなっていて、最低五、六分、高いのは一割五分、場合によっては二割配当しようかという相談すら受けているんじゃないか。受けていなければそれでいいんですが、そういうように非常に経営がいいんです。だから、こういう時期に、今大臣が言われたように、放送内容の質を向上させるということも一つの面でありますけれども、私はやっぱり何らかここに、軽い税金でもいいから、軽い使用料でもいいから、一つの何というか——これは私有財産ではない国有財産をわれわれは使っているんだという意識のもとに経営をしていただくべきものじゃないか、こういうような考えから、これは結論は早急には出しにくいでしょうけれどもて研究のテーマとして、一つ将来その方向でお進み願いたい。これは要望です。御答弁があれば幸いです。
○迫水国務大臣 御要望ですから答弁する限りではありませんが、免許の性質という問題ともこれは関連してくる問題じゃないかと思います。いろいろそういう点を慎重に考えまして検討をいたします。 〔廣瀬(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○上林山委員 NHKにお伺いしますが、文部省がことしも約四百台テレビのセットを僻地教育の向上のために提供しております。NHKも従来テレビとかラジオのセットなどを各地の学校に寄付をしておられたようでございますが、そのトータルは幾らになっておるか。
○小野参考人 ラジオの面で申しますと約一万五千台ぐらいを寄贈しております。テレビの方面につきましては、在来はございませんで、三十七年度予算で四百台を計上しておるのでございます。これは将来続けまして、僻地の学校に大体行き渡るように取り進めて参りたいと思います。
○上林山委員 そうすると、文部省が四百台、NHKが四百台、ことしは合計八百台僻地教育のためにテレビを寄付する。こういうことは文部省と連絡をしてやっておられますか、それともNHKはNHKだけでやっておられますか。
○小野参考人 直接に何台ずつにしようというような打ち合わせばいたしておりませんが、現実にはまだまだそれだけの数をもちましてはごく一部にしか行き渡らぬわけでありますので、どこどこへ配付するかという具体的な計画にあたりましては、文部省の配付計画ともにらみ合わせまして、ダブらないようにいたすつもりでございます。
○上林山委員 私は文部大臣にも郵政大臣にも予算の分科会でこの問題を取り上げて注意を喚起申し上げておいたのです。それは十年後はどうなるであろうか、またどうなければならない、こういうテレビ教育に対する青写真というものが私はぼつぼつできていい時期に来たのではないか。それを僻地の子供が困っておるから、文部省は文部省でばらまく、NHKはNHK、民放は民放でばらまく。これはないよりかいいわけですけれども、そういう雑然たるやり方では、私は十年後の日本のテレビ教育あるいはラジオ教育——教育放送というものをどこに持っていくか、これはもうぼつぼつ関係者が専門連絡委員会くらいお作りになって、その方向をきめていくべきである。そしてこの部分はNHKが担当しましょう、この部分は文部省が担当して下さい、もうこういうようにいかなければならない時期です。セットの問題もそうですが、たとえば放送の内容にしても、文部省等と御連絡をしておられますか。それともNHKだけで独自の立場でおやりになっておるか。二つの点をお伺いしたい。
○前田参考人 ラジオの配付につきましては、過去五カ年計画を立てまして、その当時は文部省の調査及び学校放送研究委員会の資料、それから現実にその地域の文化水準その他を勘案いたしまして、昭和三十五年度までに、ただいま小野専務から申し上げましたように、一万五千台の受信機を差し上げたわけでありますが、テレビにつきましては、御審議いただいております明年度予算の御承認をいただけば、明年度を初年度といたしまして、やはりこれまた五カ年計画で全国的にテレビを差し上げて参りたい。この点については、今小野専務が申し上げましたように、さしあたり文部省の配付計画とダブらない措置をとりたいということを考えておりますが、民放自体との連絡は今日まで事実上ございません。しかし、御指示の点はまことにごもっともだと考えますので、放送連合あるいは民放連との接触を保ちながら、その点を調整いたして参りたいと考えております。 それから学校放送、教育放送の将来につきましては、私どもは、ラジオに関する限りは、過去二十七年の経験を土台といたしまして、それからこれからの人口の増加率、地域差の問題その他で専門委員を加えて専門委員と申しますのは、NHKの内部だけでなしに、教育の専門家あるいは地域の教育の機関、その他全国的に網羅した機関をもちまして、その年度の教育方針というものを討議していただき、そしてNHK自体の独立の部門で、その討議の結果を勘案いたしまして、それぞれの方針を立ててきたわけでございますが、教育テレビジョンにつきましても、私どもは、これまでその方針を同様にとって参っております。御審議いただく明年度予算の中では、明年度から教育テレビの放送時間も一時間半増さしていただきたいと考えておりますが、これは主として高等学校教育並びに職業教育の点を強化して参りたいと考えておりますが、これについても、将来、教育テレビジョの局の全国ネットの完成と勘案しながら、過去のラジオの学校放送の経験を土台として、新しい分野で長期見通しの上に立って、この番組編成と放送実施を進めて参りたい、こう考えております。総じてお答え申し上げ得ることは、文部省の担当官をも加え、各大学その他の教育専門家、及び小学校、中学校、高等学校の各地域の専門的な最高権威、及び全国各府県の教育担当の主務官等を加えた全国組織をもって、これを推進して参りたい、このように考えております。
○上林山委員 私は、数年前に比べて、NHKのこの方面に対する態度は、確かに一歩前進してこられたと思って敬意を表しておるわけですが、先ほど申し上げたように、十年後の青写真というものが、段階を踏んでもうできなければならない段階になってきた。私は、文部省の教育の方針も、五年後あるいは十年後は、もうくるっと変わってくるだろうと思う。今度学力テストをやりましたが、算数などは三十五点です。しかも、地域差は、都会と農村では、平均十九点の差です。これを解消するのには、よい内容の教育放送、よい先生を活用した放送内容、こうしたようなものがやはり各学校もっと浸透していかなければならない。学校の教員は、ラジオ、テレビの機械の操作、簡単な故障の直し方、こういうところまで目を注いで、十年後には教育の半分くらいはラジオ、テレビの教育によってカバーしていかなければならないという時代がきて、学校の教員の性質というものが非常に変わってこなければならぬ時期にあると思うのです。だから、NHKは、公共放送、しかも全国網を持っておられるわけでありますから、そういう趣旨から、一段と関係方面と連絡をせられて、一歩も二歩も前進されるように強く要望して、私の質問を終わります。
○佐藤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、明十五日、木曜日、午前十時より理事会を開き、理事会散会後、直ちに委員会を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会