地方行政委員会 第7号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1962/02/06
会議録
○園田委員長 これより会議を開きます。 地方財政に関する件につきまして調査を進めます。 昭和三十七年度地方財政計画について政府より説明を求めます。安井自治大臣。
○安井国務大臣 ただいまお手元に配布いたしました昭和三十七年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和三十七年度地方財政計画の策定にあたりましては、地方財政の自主性及び健全性を一そう強化することにより、地方財政基盤の充実をはかるとともに、国と同一の基調により財政の弾力的運用に配慮しつつ、投資的経費の財源を充実して、産業経済、交通の発展に比し、立ちおくれた地方行政水準の向上をはかり、かつ、地域格差の是正をはかることを目標としておるのであります。 すなわち計画策定の具体的な方針といたしましては、 第一に、地方財政の一そうの健全化を促進するため、地方交付税の繰入率の引き上げを行なうとともに、国、地方公共団体間の税源再配分を行なって、地方独立財源の強化をはかる反面、国税、地方税を通ずる減税措置の一環として、地方税においても負担の軽減合理化をはかることといたしました。 第二に、国民経済の発展に比し立ちおくれを示している産業関連施設、交通施設、文教施設、環境衛生施設等の地方行政施設の整備を促進するため、投資的事業にかかる経費の財源を充実するとともに、地方公営企業の拡充を期し、地方債についてもその資金を増額することといたしました。 第三に、地域格差の是正をはかるため、財政力の貧弱な地方公共団体の財源を充実して、その行政水準の向上を期することができるように、地方交付税制度を改正するとともに、辺地にかかる公共的施設の総合的かつ計画的な整備を促進することといたしました。 第四に、地方財政の秩序を確立するため、地方公共団体間の負担関係の適正化及び税外負担の解消の促進を期し、所要の財源措置を講ずることといたしました。 以上のような方針のもとに、昭和三十七年度地方財政計画を策定いたしますと、その歳出歳入規模は二兆二千八百五十億円となり、昭和三十六年度地方財政計画に比して、三千七百二十四億円の増加となる見込みであります。 次に、歳出及び歳入のおもな内容について簡単に御説明申し上げます。 第一に、歳出について申し上げます。 その一は、給与関係経費であります。 給与費につきましては、(一)地方公務員の給与改定の平年度化に伴う経費、(二)等学校の教職員の増加等法律制度の改正等に伴う職員の増加に要する経費を確保するほか、(三)昇給に伴う給与費の増、(四)退職年金制度の改正に伴う共済組合負担金の増等を見込むとともに、議員、委員等の給与費の算定方法についても、その適正化をはかることとしたのであります。その結果前年度に比し千二百十三億円増加し、総額八千四百四十億円と見込まれるのであります。 その二は、給与関係経費を除きました一般の行政事務に要する経費すなわち一般行政経費であります。この一般行政経費のうち (一) 国庫補助負担金を伴う経費は、生活保護費、結核予防費、中小企業近代化促進費、農業構造改善事業費等国庫予算の増加に伴い前年度に比し、四百二十八億円を増加し、総額二千三百十六億円と見込まれるのであります。 (二) 国庫補助負担金を伴わない経費は、一般行政事務の増加等の事情を勘案して算定いたしました結果総額二千二百四十五億円となりました。 また、PTA寄付金等税外負担についてはかねてからその解消合理化を促進して参っているところでありますが、明年度はさらに百億円の解消のための財源を計上することによりこれが推進をはかり、もって地方財政の秩序を確立いたしたい所存であります。 その三は、公債費であります。公債費につきましては、昭和三十六年度において将来の財政健全化のために行ないました既発行地方債の一部についての繰り上げ償還は、昭和三十七年度においては高等学校生徒急増対策事業費の増加等の事情にかんがみこれを行なわないことといたしました。この結果、公債費の総額は、繰り上げ償還相当額百六十億円の減及びその他の公債費五十三億円の増を差し引きまして九百五十三億円となりました。 その四は、道路、橋梁、河川その他公共、公用施設の維持補修費であります。これにつきましては、各種公共、公用施設の増加等の事情を考慮して六十億円の増額を行ないました結果、その総額は五百七十四億円となりました。 その五は、投資的経費であります。投資的経費につきましては、産業基盤の充実強化、生活環境施設の整備及び地域格差の是正が強く要請されていることにかんがみ、特にその充実に意を用いたところであります。 (一) まず国の直轄事業に伴う地方公共団体の負担金は、前年度に比し六十三億円を増額し、三百五十三億円を計上いたしました。 (二) 次に国庫負担金を伴うものにつきましては、道路整備事業費、治山治水事業費、港湾整備事業費、住宅対策費、災害復旧事業費等の増によって、前年度に比し九百五十一億円の増となり、総額は四千七百七十一億円と見込まれるのであります。また国庫補助金を伴わない地方独自の事業費につきましては、産業経済の発展に比し立ちおくれた道路、港湾等の整備、所得水準の向上に即応した環境衛生施設の整備、地域格差を是正するための辺地にかかる公共的施設の整備等に要する経費を中心として、前年度に比し四百六十二億円を増加いたしますとともに、昭和三十八年度から昭和四十年度までの高等学校生徒の急増に対処するための経費百五十三億円及び補助を伴わない災害復旧事業にかかる経費の増加八十八億円を見込みました結集、昭和三十七年度の規模は二千八百二十億円となったのであります。 なお、以上のように投資的経費の増額を行ないますとともに(一)辺地にかかる公共的施設の総合整備を促進するため、別途所要の措置を講ずることとし、(二)また、地方交付税制度を改正し、投資的経費の算定方法に改善を加えるとともに、財政力の貧弱な地方団体に対し財源を傾斜的に増額する措置を講ずることといたしたいのであります。 第二は歳入であります。 その一は、地方税収入であります。 地方独立財源の一そうの増強をはかるため、国税所得税の一部の道府県民税への移譲、たばこ消費税の税率の引き上げ等、国、地方公共団体間の税源再配分を行なうこととするとともに、国税、地方税を通ずる減税の一環として、地方税においても住民負担の軽減合理化をはかることとし、住民税においては低額所得者、事業税においては中小企業者に適用される税率を緩和ないし引き下げ、料理飲食等消費税、電気ガス税等についても大衆負担の軽減を行なうこととしたのであります。 これらの地方税制の改正を考慮して、地方税全体の収入は前年度に比し千六百八十九億円の増加となり、総額は九千三百九億円と見込まれるのであります。 その二は、地方譲与税であります。さきに申し上げました国からの税源移譲の措置に対応して、入場税の地方譲与の制度は廃止することといたしておりますが、この減収を考慮して地方譲与税全体で、前年度に比し百十二億円の減少となり、総額は三百十二億円と見込まれるのであります。 その三は、地方交付税であります。臨時地方特別交付金を廃止して、地方交付税の繰入率を二八・九%に引き上げることといたしておりますが、この増収を考慮してその総額は四千五百八十一億円と見込みましたが、このうちには、昭和三十六年度国の補正予算で追加となった地方交付税のうち、昭和三十七年度に繰り越すことを予定しております九十九億円を含んでおります。 その四は、国庫支出金であります。国庫支出金は、義務教育職員給与費国庫負担金二百五億円の増、その他の普通補助負担金二百九十六億円の増、公共事業費補助負担金六百七十四億円の増、その他失業対策事業費補助負担金の増を合わせて、全体で前年度に比し千二百十億円増加し、総額六千百八十四億円となっております。 なお、昭和三十六年度より施行されることになりました後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律に基づく昭和三十六年度施行にかかる公共事業の補助事業分にかかる国庫負担金のかさ上げ額は、百二億円でありまして、昭和三十七年度施行にかかる直轄事業につきましても、地方負担額は相当の軽減を見ることとなっております。 その五は、地方債であります。地方債につきましては、前年度に比し百九億円を増額し、その総額は八百七十九億円としたのであります。このうちには昭和三十八年度から昭和四十年度までの高校生の急増に対処するための高等学校施設整備事業債五十億円及び辺地にかかる公共的施設の整備のための地方債十億円を含んでおります。 また、明年度における地方債といたしましては、地方財政計画に計上いたしましたもののほか、交通事業、電気事業、水道事業等にかかる公営企業債を、前年度に比し百八十六億円増額して九百六十一億円、港湾整備事業、簡易水道、下水道事業等にかかる準公営企業債を前年度に比し百二十四億円増額して四百六十四億円、さらに厚生年金還元融資及び国民年金特別融資にかかる地方債百七十五億円を予定しております。 従って、地方債の総額は二千四百五十億円となり、前年度に比し四百五十億円の増加となっております。 その六は、雑収入であります。手数料、使用料、財産収入等の雑収入につきましては総額を千五百八十五億円と見込みました。 以上が昭和三十七年度地方財政計画の概要であります。これを通観いたしますと、一般財源の順調な増加及び投資的経費の拡充により、歳入においては地方の独立財源である地方税の比重が、歳出においては投資的経費の比重がそれぞれ高まり、地方財政の構造の改善を見ているのであります。 この結果、昭和三十七年度においても、昭和三十六年度に引き続き公共投資及び社会保障の拡充並びに文教の充実の要請にこたえるとともに、産業経済の発展及び国民生活の向上に比し著しく立ちおくれている地方行政施設水準の引き上げをはかっていくことができるものと考えております。 以上であります。
○園田委員長 次に、補足説明を求めます。松島財政課長。
○松島説明員 お手元にお配りいたしました資料により、補足説明をさしていただきます。 ただいま御説明申し上げましたように、昭和三十七年度の地方財政計画におきます歳入歳出規模は二兆二千八百五十億円でありまして、前年度に対しまして三千七百二十四億円の増、比率にいたしまして一九・五%の増加となっております。 次に、歳出の増減中のおもなものについて御説明を申し上げます。お手元にお配りいたしました資料の四ページで御説明を申し上げます。 歳出中増加いたしました経費のうち、給与費関係では総額で千二百十三億円の増でございます。 このうち、給与改定の平年度化に伴います経費の増が六百七十五億円でございまして、給与関係経費の増額中五六%を占めております。 それから、法律制度の改正に伴う人員増が四十五億円ございますが、その内訳を申し上げますと、社会教育主事の増が八百十四人、高等学校産業教育課程の充実のための教職員の増千十六人、高等学校の標準法実施に伴う人員の増が三千八百三人。固定資産評価制度の改正並びに住民税改正に伴います増員が五千二百三十人等がそのおもなものでございます。 なお、その他の給与費の増加のところでb欄に義務教育職員数の指定統計による是正というのがございますが、この数が四千百八十三人。その下の高等学校等の教員数の指定統計による是正が千六百七十七人となっております。なお、その次に掲げてございます宿日直手当引き上げに伴う増は、義務教育関係の宿日直手当を三百六十円に改めたことに伴います増加でございます。 それから、恩給、退隠料及び退職年金の欄でございますが、十月一日から新退職年金制度に移行することを予定いたしまして財政計画では計算をいたしてございます。 既裁定恩給、現在の恩給制度に乗るもの、その分が自然増において三十一億円、年金制度に伴って減少いたします分が三十六億円で、差引既裁定の分につきましては五億円の減でございます。 退職年金制度を実施いたしますために伴います共済組合負担金の増が百二十二億円、この実施に並行いたしまして退職手当率の引き上げが行なわれる予定と相なっておりますので、その分が二十五億円でございます。 次に、一般行政経費について申し上げます。 国庫補助負担金を伴いますものの増が四百二十八億円でございまして、その内容につきましては、先ほど大臣説明で申し上げた通り、大きなものは生活保護費、結核医療費、児童保護費、精神衛生費等社会保障ないしは社会福祉関係の経費の増加が大きなものとなっております。 それから、国庫補助負担金を伴わないものの増では、一般行政事務費の増加状況を勘案いたしまして二百七十四億円見込んでございます。 そのほかに、税外負担の解消に要します経費百億円を増額計上いたしてございます。これは昭和三十五年度の財政計画の際に、これがために九十億円を計上いたしたのでございますが、その分はそれぞれ現在一般行政経費の中に組み込まれておりますので、その分を合わせますと百九十億円となるわけであります。 公債費は百七億円の減でございます。その内訳は、定時償還分が五十三億円の増でございますが、繰上償還をいたしません関係で百六十億円の減となっております。 それから、投資的経費につきましておもなものを申し上げます。 直轄事業負担金は六十三億の増でございますが、これは、先ほども説明で申し上げましたように、後進地域開発のための公共事業の国庫負担の特例に関する法律によりまして、直轄事業につきましては当該の年度分から国がよけい持ちます分を差し差し引いて計上いたしております。その額は具体的にまだ事業がそれぞれ団体ごとに決定いたしておりませんので正確には把握できませんが、前年度で大体七十億円でございますから、おおむねその見当になろうかと考えております。 それから国庫補助負担金を伴います一般公共事業費九百五十一億円、そのうち災害を除きました分では六百二十四億円の増となっております。この六百二十四億円の増のうち、大きなものは道路整備関係で二百三十五億円の増、治山治水関係で百四十三億円の増でございます。 それから災害復旧事業費では二百七十九億円増加いたしております。昭和三十六年災が非常に巨額でありましたために、その第二年度にあたります昭和三十七年度の災害復旧事業費が増加したものでございます。 それから国庫補助負担金を伴わないいわゆる単独事業は六百八十三億円の増加でございます。このうち災害外の普通建設事業は五百九十五億円の増でございまして、一般増は四百六十二億円でございます。前年度に対しまして二三%強に当たっておりまして、大体公共事業の伸び等を勘案して、この額を算出してございます。 なお、高等学校急増対策分として百三十三億円を計上してございますが、このほかに高等学校関係では、急増対策関係では三十一億円ございますが、その三十一億円はそれぞれ国庫補助を伴います事業でございますので、施設につきましては、普通建設事業の国庫補助金を伴いますものの欄に、設備につきましては、一般行政経費の国庫補助金を伴いますものの欄にそれぞれ分けて計上してございます。 以上、歳出のおもなものについて御説明申し上げました。 次に、歳入の増減事由のおもなものについて申し上げます。 地方税につきましては、千六百八十九億円の増を見込んでおりますが、現行法による増収見込みは千七百十億円でございます。これに対しまして、税法改正によります、いわゆる減税によります減収見込みが二百七十三億円でございます。一方、所得税から県民税への移譲、並びにたばこ消費税の税率引き上げに伴います増が二百五十二億円ございますので、これらを差引いたしまして、千六百八十九億円の増となっております。 地方譲与税は、先ほども御説明申し上げましたように、入場譲与税が百六十二億円の減となり、地方道路譲与税が四十九億円の増となっております。それから特別とん譲与税を含めまして、百十二億円の減となっております。 地方交付税は二八・五%から二八・九%に交付率を繰り上げることによりましての増、並びに自然増収並びに昭和三十五年度分の精算額を含めまして、それに臨時地方特別交付金は明年度よりこれを廃止することといたしておりますが、そのうち昭和三十五年度分の精算分がなお一億八千三百万円残っておりますので、それを加えまして、前年度に対しまして、差引八百八億円の増と相なっております。 国庫支出金は千二百十億円の増でございますが、そのおもなものは義務教育職員給与費国庫負担金、一般の行政事務に対します国庫負担金並びに公共事業の国庫負担金等でございます。 地方債は、一般会計分といたしましては百九億円の増でございます。地方債計画全体におきます増は四百五十億円でございますが、準公営企業並びに公営企業等を除きました一般会計に所属します分の地方債の増は百九億円の増でございます。 その増のうちのおもなものを申し上げますと、災害復旧事業費の増加に伴いまして、災害復旧事業債が七十五億円の増、高等学校施設整備事業債が二十億の増、辺地対策事業債の十億円、これは新規でございますが増、こういうようなものがおもなものでございます。 雑収入では、一応自然増収を六十億円と見込みましたが、退職年金制度実施に伴いまして十月一日以降恩給納付金が廃止になりますので、その分の減四十億円を見込みまして、差引二十億円の増といたしてございます。 前年度規模に対しまして、以上申し上げましたような歳入歳出の増加を見込みました結果は、総額では先ほど申し上げましたように二兆二千八百五十億円となりますが、その歳入歳出の構成はどうなったかということが、六ページの第三表に示してございます。この表によっておわかりいただきますように、地方税の比重が四〇%から四一%に増加をいたしております。税源配分の結果、地方独立税のウエートが高まってきたということが示されているものと考えられるのでございます。 なお歳出の構成におきましては、公債費が本年度五%から明年度四%に落ち、また給与関係経費が三八%から三七%に減っております。これに対応いたしまして投資的経費が三三%から三五%と、高まって参っております。義務的な経費の比重が低くなり、投資的な経費の比重が高くなったということになるわけでございまして、地方財政の弾力性がそれだけ増したものとも言えると考えるのでございます。 簡単でございますが、以上、趣旨説明にかえさせていただきます。
○園田委員長 地方財政計画に関する質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十六分散会