地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/02/02
会議録
○園田委員長 これより会議を開きます。 警察に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。渡海元三郎君。
○渡海委員 川島長官はまだお見えでございませんが、時間もだいぶ過ぎておりますので、質問をやらせていただきたいと思います。 現時の交通問題は、非常時というよりも超非常時の状態でございます。警察庁当局も、このような状態で警察法の改正で今度交通局を設けられることになったと思うのでございますが、むしろおそきに失する感すら感ずるのでございます。当委員会におきましても、この情勢に対処するために、理事会の申し合わせで、本日のこの委員会で道路交通関係の小委員会を設けて、詳細にわたって検討を加え、事態の対処に万全を期せんとしておられるのでございますが、こまかい点につきましてはいずれこの小委員会において検討されると存じますので、私は本日数点にわたる総括的な問題、特に当面する問題等につきまして、簡単に大臣並びに警察庁長官の所見をお伺いしたいと思うのであります。 政府は、臨時交通関係閣僚懇談会を開きまして、各方面にわたる交通行政を、できるだけ総合的に実施しようとされておるのでございますが、実際交通の緩和をはかり、交通事故を絶滅するという問題の直接の任に当たっておるのは地方自治体であります。この地方自治体もあるいは知事の権限あるいは公安委員会の権限あるいは陸運局の権限、東京都は特殊な都制を敷いておりますが、大阪方面へ参りますと区市の問題でいろいろ権限が分かれておるのでございまして、これが総合的に運営されてこそ初めてこの問題の解決に当たれるのじゃないかと思う。幸い安井大臣は、国家公安委員長であられるとともに、自治大臣でもあられますので、この点、現在、分かれておる交通関係の行政が、いかに総合運営されるように地方において努められておるか、また今後どうあるべきか、それらの実情と、これに対する指導の抱負等を聞かせていただきたい。
○安井国務大臣 交通対策に関しまして総合的な行政をやらなければいかぬじゃないか、こういう御意見、御質問であろうと思います。まことにごもっともでございまして、御承知の通り、政府も昨年末から交通に関連する閣僚の懇談会を開きまして、常時それぞれの部門を総合して交通対策を強力に進めていくという態勢をとっております。同様にまた地方におきましても、このことは非常に必要であろうと思います。過般来も特に交通の現在一番やかましい東京、大阪地方を中心にしまして、大阪へも交通関係閣僚懇談会が出かけて参りまして、各機関に集まってもらいまして、この総合的な対策をとること並びにそれぞれの地区でも総合的な対策をとり得る体制を敷いてほしいということを強く要望しておるわけであります。東京、大阪を中心にそれぞれ各機関が総合的な対策等を作って、これに対処していくことに相なろうかと思っております。
○渡海委員 大体そのようにあらねばならないと思うのですが、特に聞いておきたいのは、現在国家公安委員会の地方の公安委員会の所属に属する警察の権限、あるいは知事の名前でありますが、地方にありますところの陸運事務所の問題、これと知事の権限、どこかに権限を一本化して、総合的にやらねばならぬ。単に地方においてもこれらの点について積極的に権限の一元化をはからなければならない、こういうふうに考えるのでございますが、具体的にそのような方途について答えられるものがございましたら承りたいと思います。
○安井国務大臣 お話のように、交通の取り締まりの面から申しましても、車両の検査、車体検査といったようなものは、これは運輸省系統の機関あるいは地方では知事部局に入っておる運輸事務所の系統になっておる。あるいは車体の登録といったような仕事もそれに属しているわけであります。一方路上の検査あるいは路上の交通取り締まりは警察になっておるというようなことから、若干この仕事の分野が分かれておるというようなことがございますが、これはあくまで中央におきましても緊密な連絡を関係閣僚会議でとりながら、やっておる。従ってその方針を地方へも流しまして、地方の知事部局及び交通関係、そして運輸事務所、総会一体の運営ができるように今でも心がけて進めておるわけでございます。
○渡海委員 この一元化は非常に困難が伴うと思いますが、セクショナリズムを離れて、よきことであれば一元化できるように一つ御要望だけを申し上げて、この点を打ち切りたいと思います。 これと同様に現在交通問題につきましては、大きな国の問題でございますので、国民運動の形で盛り上げなくちゃならぬと思うのでございますが、従来の交通安定運動というふうなものは警察がやっておられ、むしろ警察の事業のようにしてやっておられる。ところが現在のこの交通事情に対しまして、各地方におきましても学校でも正課として取り上げて、交通教育をやろうとしておられる、また社会教育としても取り上げようとしておられる。また民間運動としては事故死者ゼロの日を作ろうというふうな運動をやっておられるのでございますが、これらの性質上、むしろ組織ある国民運動全般として盛り上げることが、私は、交通道徳を確立し、この悲惨な状態から国民全部を救い得る大きな力となろうと思うのでございますが、これらの点に対する御見解をお伺いいたしたい。
○安井国務大臣 お話の通りでありまして、この交通問題の解決あるいは交通取り締まりは、ただ取り締まり当局だけがやるのであっては、非常に効果が薄いので、これはあくまでも民間の協力を得ること、あるいは特に運転業務に従事しておる者の素質の向上をはかり、あるいは一般の学校教育等で知識を普及する、いずれも相待って必要なところであろうと思うのでございます。現在も民間の機関といたしまして交通安全協会というものがございまして、これは警察の方面と非常に密接な関係を持って、民間の交通安全運動に寄与してもらっているわけであります。さらに、お話のようにこれを学校教育等で広めて、十分その社会的な認識を得る、こういった面につきましても目下具体案を練っている最中でございます。
○渡海委員 当面する問題といたしまして、現在のどうにもならぬ交通状態の混乱を緩和するために、車種別、時間別の規制をされようというふうなお考えがあるようで、昨日ですか、新聞の報ずるところによりますと、国家公安委員会におきましてもこの方針を了とされたというふうなことが出ておりましたが、この問題はあるいは運輸輸送、鉄道とも関係するものでございます。また生産工場の原料等のことを考えましたならば、工場関係の大きな問題が起こってくるというふうに、非常に各方面にわたる影響を総合的に考えなければならない問題でありまして、困難な点があろうと思いますが、方向としてはぜひ実施をしていただきたい、こう考えるのでございますが、現在お漏らし願える範囲におきまして、いつごろからどういう計画で実施されようとしておるのか、お聞かせ賜わりたいと思います。
○安井国務大臣 交通に関する車種別規制という問題につきましては、これは私どもが最後の手段として考えるべき筋のものであろうと心得ておりまして、それまでにあらゆるできる限りの手は尽くして参りたいと考えておるわけであります。しかしさらにこれ以上混乱するという段階になって参りますと、どうしてもある程度の車種別の規制ということは必要になってこようかと思っておりまして、現在警察当局でこの具体案を練っておるわけであります。しかしお話の通りに経済界に及ぼす影響というものも相当大きなものもあろうと思います。これは私どもその点も十分留意しながら、漸次そういった政策を進めていくというふうに考えておるわけであります。いずれ具体案なり、さらに具体的な問題につきましては、川島長官の方からも御答弁があろうと思います。そういうふうに心得ております。
○渡海委員 川島長官には根本的なことを聞きたいのでありますが、今の話の順序でございますので川島長官にもお聞きいただきたいのでございます。 交通混乱で車種別、時間別の規制をされるということは、やり方いかんによりましては非常に時宜に適した措置であり、ぜひとも善処方をお願いしたい、こう思うのでございます。交通緩和の中で、混乱を緩和するのに、今最も緊急事は、私は駐車を禁止するのが厳格に行なわれることじゃなかろうかと思う。特に自動車の増加を押えるといいましても、営業車その他は相当程度規制を加えることができますが、自家用車におきましてはこれは規制を加えることはできない。しかも自家用車の増高は非常にはなはだしいものがある。だから私は、自家用車の車庫または常置場所の設置を義務づけるということが緊要事じゃないかと思うのでございますが、これは警察に関する件でございまして、お見えになっておるかどうかわかりませんが、運輸省関係の法案であると思いますが、これを義務づけられるような方向で、本国会にでも法案を提出されるような意思があるかどうか。また交通閣僚懇談会の座長として川島長官からそのようなことを運輸省に対して要請されるようなお気持があられるかどうか。この点承りたいと思います。
○川島国務大臣 今の問題はしばしば交通閣僚懇談会でも取り上げましていろいろ検討いたしておるのであります。何としても今日急激にふえた自動車、ことに自家用車なんぞ直ちに路上駐車はいかぬ、あるいは車庫がなければ一切使用まかりならぬということは実際としては実行しにくい点もあるのでございます。そこでこれは私のプランになりますが、東京市内にある官有地、公有地で未利用のものが相当ありますから、そういうものを開放さして、そこを駐車場にするとか、あるいは高速道路を作る際のかえ地などに利用したいといって、今調査をしております。その他いろいろ方法があると思うのでありますが、一方におきまして相当の駐車場の土地というものをあっせんしてやる、それをしながら一切路上駐車はいかぬとか、車庫を持たなければいかぬといような処置を並行してとりたい、こういう考えで今やっておるわけでございます。
○渡海委員 川島長官お見えになりましたので、現下の交通問題に対して深い関心を持たれまして、さきに臨時交通関係閣僚懇談会というものを置くことを提唱され、またこのたび警察法の改正によって交通局を設置するにつきましても、行政管理庁長官として川島長官の絶大なる御支援があったということも聞いておるのでございますが、この交通問題に対する御熱意のほどに対し、私この機会に深い敬意と感謝の意を表したいと思うのでございます。 さて、臨時交通関係閣僚懇談会発足以来まだ数カ月でございますけれども、あるいは遠方の大阪の現地にまで出られて、懇談会まで持たれるというふうな意欲的な活動をされておるのでございますが、こういった活動の中からいかなる成果が今までに生まれつつあるか、また今後この懇談会を通じまして、どのような方向でこの問題に対処していかれようとしているか、現在までの御成果と今後の抱負とについてお伺いいたしたいと思います。
○川島国務大臣 現在交通状態が非常な混乱を来たし危険が続発しておることにつきましては、これは長年にわたりましていろいろな原因が積み重なってこういう工合になったのでありますが、その一つの原因として、交通行政に関する所管省が分かれておりまして、道路整備管理は建設省並びにその下部組織、営業自動車の免許は運輸省、取り締まりは警察庁などにいろいろ分かれておりますし、また自動車製造事業の方は通産省でやっておる。そうした行政機関がいろいろ分かれているところにやはり一つの原因があるのではないかということを世間でも批判しておりますし、私ども行政管理庁長官としてもそういう感じがいたしましたので、とにかく行政関係が一本になってこの交通対策の解決に当たらなければならぬ、こういう考えで臨時都市交通閣僚懇談会を閣内に置いたわけであります。従いまして主たる目的は行政官庁間の意見の調整でありまするが、しかしそれと同時に、交通上必要なことはどしどし実行に移すという推進力になろう、こういうことでありまして、この発足以来、幸いにして関係閣僚である運輸大臣、建設大臣並びに国家公安委員長の三大臣が非常に協力しまして、また事務当局の方も非常に協力いたしまして、従来相当困難だった問題が解決をいたしております。 これは新しい問題でありまするが、阪神高速度道路公団——阪神といいましても、阪神間ではなくて、大阪と神戸の両市に高速度道路公団法という考え方があって、大蔵当局は強く反対しまして、必要は認めるけれども日本道路公団でやったらいいじゃないか、こういう考えでありましたが、これはさっそく閣僚懇談会で取り上げまして、別の公団を作るときめて大蔵当局に強く要請して、これも実現しておりますが、その他日比谷公園と三原橋間の地下道につきましても数年来の問題でありまして、現にこれは国会でも問題になったことなんでありますが、これまた取り上げて解決をいたしましたし、立体交差、踏み切りの整備、車種別の制限、その他一役所限りでできないようなものが、この懇談会によりまして各行政官庁間の意思が統一されまして、どしどし実行に移しております。交通閣僚懇談会として当面やっておりますことは現在の応急策だけでありますが、進んで根本的に都市の交通機構をどうしたらいいか、また交通整理をどうしたらいいかということにつきましては、根本策も逐次取り上げていくことになっております。そういう際には今おる閣僚以外に、関係閣僚として、大蔵大臣、通産大臣、経企庁長官あるいは労働大臣等もお入り願うということもすでに方針としてはきめておるわけであります。
○渡海委員 ただいまの御答弁によりまして、交通関係閣僚懇談会の努力によりまして、当面する問題が一つでも二つでも前進の方向で解決されつつあるということにつきましては、非常に喜ぶものでございますが、ただ、今の御答弁の中で、安井国家公安委員長が関係閣僚として入っている中に名前がありましたが、私は長官が来られる前にも質問をしたのでございますが、実際直接の責任で交通緩和をはかり、交通事故をなくする直接の責任は私は地方自治体にある、地方の警察にあると思う。その意味からいいまして、同一の方でありますからけっこうなのでありますが、ぜひ国家公安委員長の資格だけでなしに、これは私たち委員会の者ともときどき話したのですが、自治省大臣という立場においても、ぜひとも私はこの閣僚懇談会の一員として御発言を賜わりたい、これは要望として申し上げておきたいのでございます。
○川島国務大臣 お説の通りでありまして、これは地方団体の協力を求める必要がありまして、閣僚懇談会には東京都知事に来てもらいまして、話をしたこともあるし、また警視総監にも随時出てもらいまして、そういう方の意見も聴取しながら進めております。
○渡海委員 ただいまのお答えで、大体前進の方向に閣僚懇談会で進めていただいておるということにつきましては了承するのでございますが、今も言われましたように、各官庁に行政が分かれておるということが、この問題の解決の隘路であるということを長官も言われたのでございますが、これを一元化するということは非常に困難でございますけれども、今のような姿でいくより仕方がないのか、それともあるいは総理府の中に交通庁といったような一元化した役所を作ってやるべきではないか。進んでは交通省といったようなものまで作ってはどうかというふうな論もあるのでございますが、今日までこの閣僚懇談会をやって、当面する問題につきまして御尽力を賜わりました長官といたしまして、これらについていかなる御考えを持っておられるか、一言お漏らし願いたいと思います。
○川島国務大臣 交通行政の一元化は理想としてはそうありたいのでありますが、ただ問題は、現在分かれておる交通行政の、どの部分を持ってきて一つの役所にするかということについては、まだ検討いたしておりません。考え方としては一元化がいいと思っておりますが、具体的な案はまだ考えておりません。これは一応応急対策が済みましたら、その問題も進んで考えたい、こう思っております。
○渡海委員 中央における一元化も問題でございますが、長官がお見えになります前に、私は責任者である地方の権限の一元化、総合対策ということも必要でありますので、安井自治大臣の御見解をお聞きしたのでございますが、これらの権限の一本化という点につきましても、閣僚懇談会等の席におきまして、十分禀議の上善処されるように要望したいのであります。 あとの質問者もおりますので、最後に私は取り締まりの件につきまして、現在悪質違反の取り締まりの強化を進めておられ、国民の協力をもって実を上げておられるということを認めるのでございますが、交通違反処理の能率化、これは緊急の問題でございます。いろいろありますが、前に長官は即決のためのチケット制というふうなことをしてはどうかというようなことを言われておりましたが、本国会にそういった成案でもお出しになる御意図があるのかどうか、一応承りたいと思います。
○柏村政府委員 交通違反者に対しまする迅速な処理方策ということは、現状といたしまして違反事犯が非常に多いので、実際に刑事訴訟手続に乗せて裁判まで持っていくというのが、そのうちの一部に限られるというような状況から見ましても、また欧米各国の事例を見ましても、軽微なる違反者についての迅速な処理方策というものは、早急に樹立すべきものであろうと考えておるのでありまして、川島長官を中心とします交通関係閣僚懇談会においても、そういう問題のお話が出ておるようなわけでございまして、私どもとしましては、早急に案を得まして御審議を願いたいと思っております。できますれば今国会にというつもりで鋭意検討を進めておるわけであります。何分にも法律的に非常にむずかしい問題をはらんでおりますので、確約申し上げるわけには参りませんが、私どもの気持としましては、今国会に間に合わせたいという気持で検討を進めておるということを申し上げます。
○渡海委員 ついでに長官にお聞きしたいのでございますが、三十四年の国会であったと思うのでありますが、本委員会にやはり道路交通に関するところの小委員会を設けまして、検討を加えた結果、翌年の国会で道路交通法の改正、というよりもむしろ新しく作り直したのでございます。この状態が非常に変わって参りましたので、またこの道路交通法の新しいものにも——これは三十五年に実施されたのでございますが、手を加えなければならぬ点が出ているのではないかと思いますが、この態勢を現在意図しておられるかどうか、あるいは本小委員会におきまして、これらの点もあわせて慎重に検討されると思いますが、この前やりましたような方向で、本委員会の結論に従って改正をされるということもあり得ると考えておられるのかどうか、この点お聞かせ賜わりまして私の質問を終わりたいと思います。
○柏村政府委員 一昨年の暮れに、現在の道路交通法が制定されたわけでございますが、その後一年以上を経まして、情勢はさらに複雑微妙になってきております。従いまして現行の道路交通法を改正する必要というものは私どもも考えておるわけでございます。しかし現在直ちになすべき問題としては、現行法のもとにおいて早急に実施に移せるようなものを次々に解決していくということが焦眉の問題でございますので、現在としましてはチケット制度、いわゆる軽微な違反に対する迅速な処理方策というものについて法制化の問題は意図しておりますが、その他の問題につきましては、今度こちらにできますような交通対策の委員会等でも御検討を願った上で、さらに慎重に検討して、できるだけすみやかに成案を得たいというふうに考えておるわけでございます。今国会に直ちに道路交通法の改正案を提出するという気持は現在のところ持っておりません。
○園田委員長 阪上安太郎君。
○阪上委員 昨日の新聞によりましても、すでにこの一月中に交通事故による死亡者が九百九十五名、この調子でいきますと昨年の統計をはるかに上回るような悲惨な状態になってくると思うのであります。交通緩和の対策はこの際もう緊急に打ち出さなければならぬことであるのは御案内の通りであります。 そこで私お伺いいたしたいのは、先ほども渡海君が触れられましたように、交通行政の一元化の問題であります。昭和三十五年の五月の十七日に新道交法が通過いたしまして、そのときの附帯決議でやはり道路交通行政の一元化の問題を強く要望し、それからまた昨年の暮れの十二月十四日に長官等においでいただいて、ここでまたわれわれ質問いたしまして、政府の交通対策をただしたわけであります。その場合にも、川島長官の御答弁によりまして、非常にわれわれといたしましては力強いものを感じておったのであります。ところがその後の状態を見ますと、交通関係閣僚懇談会は非常に陽動的な行動をされまして、非常に交通の激甚である大阪市等に出向かれて努力はされております。しかしながら、依然として交通一元化の姿というものがまだ出てきていないことは事実じゃないか、こういうふうに思うのであります。総理府の中に交通対策本部がございますけれども、これはあのときの答弁にもございましたように、やはり各省間の調整をやるところのものでありまして、実際に交通行政についての計画立案、総合的な立案をやるところの機関とはなっていないはずであります。長官も、なかなか調整すらうまくいかないので困っておるのだとおっしゃったのであります。いずれ年を明けて、できるだけ早い機会に一つそういった一元化の方向の組織を作りあげていこう。場合によってはそういった省庁を一つ作ってみたいという考え方が非常に強いということもおっしゃっておったのでありますが、遺憾ながらいまだにそれができ上がっていないようであります。そこで私はお伺いいたしたいのですが、端的に伺いまして、懇談会というようなものにつきましては、ある一つの準備工作ではなかろうかと私は思います。また交通対策本部がそういった程度の機能しか持っていないということになりますと、やはりもう少し強力なものをここに作り上げていかなければいけないのではないか、こういうふうに思うのであります。その意味におきまして、先ほどもちょっと渡海君からもお話がありましたが、交通管理庁というような、各省からピックアップしたエキスパートによって計画立案をやっていくというようなものを、作り上げていくということが必要であると思うのでありますが、それをおやりになる気があるのでありますかどうか、ぜひ一つこの際伺っておきたいと思います。
○川島国務大臣 現在の交通状況は一日も放置できませんので、とりあえず関係閣僚懇談会を作りまして、各庁間の連絡調整をして問題の解決に当たっておるわけでありますが、これはあくまでも懇談会でありまして、根本的の交通対策というわけには参りませんが、現在とりあえずこれをやって相当の成果をあげていると、私はかように自信しているのでありますが、交通行政の一元化につきましては検討いたしております。ただこれを早急に実現できないことは、これはお察し願えると思うのでありまして、現在各庁間に持っておる事務量のうちどれだけを出さして新しい省庁を作るか。つまりどのくらい出すかいなかということをよく考えてみなければならぬのでありまして、今お話のように企画する機関なら、これはすぐできます。私の考えているのは交通の企画ではなくて、実施し得る機関を作ろうということでありまして、相当の時間を要するわけであります。社会党では交通庁を作れという御意見を発表しておりますが、適当な機会に社会党のお考えの交通庁というものはどういうものであるかということもお聞きしたいと思っておったところなのであります。委員会だけではありませんが、適当な機会に一つお聞かせを願いまして、一つの参考にして行政一元化の問題を考えてみたい、こう思っております。
○阪上委員 この機会にわれわれが考えております交通庁の規模というようなものについて申し上げるこまかいものは、まだわれわれとしては持ち合わせておりませんが、要は先ほどいいましたように、総合的な計画立案の機関というふうにわれわれは考えております。 そこで、今長官がおっしゃったような、そういった実施機関というのは、むしろこれは地方自治体がやるべき問題である、われわれはこういうような考え方を持っているわけなのであります。そこで幸いにそちらの方から話が出たのでありまするが、ところがこの交通関係閣僚懇談会、これだけのものさしを当てはめてすべてだというわけにはいきません。先ほども渡海君が触れられたように自治省そのものが入っておるという姿がないのでございまして、そうして国家公安委員長として安井大臣が入っておられる、こういうことなのであります。そのこと自体は必要であります。しかしながら自治省としてこれに入るところの姿がやはり出てこなければいかないのじゃないか。それはなぜかというと、先ほど言いましたように、これを実施するのは地方自治体、公共団体であるという考え方が非常にわれわれとしては強いわけなんです。従って構想といたしましても、たとえば実施機関的なものは地方自治体の中に設けられるべきだという考え方を持っておるわけであります。そこで現在各地方自治体、ことに各都市の中では、御承知のように交通安全都市宣言ということをやっております。このこと自体をお考えいただいても、自治省として大きくこの問題を取り上げ、その熱意を示さなきゃならぬ形なのです。ところが依然として交通政策が、単に警察行政的な、取り締まり行政というような面だけのものを考えられておるということでは、これは十二分にその目的を達成することができないんじゃないか。御承知のカナダのトロント市でありますが、あそこでは都市計画を実施するためのトロント方式を作り上げております。その中に都市計画と交通計画とを完全に一体化したところの考え方が出てきております。現在地方自治体を回ってみましても、交通安全都市の宣言はいたしておりますが、それは全くうたい文句であり、住民がこの激甚な交通災害によってきゅうきゅうとしておるために、これを何とか一つなだめようというような程度の交通安全都市宣言でありまして、実際問題としてそういうことをやってみたって、何をやっているかということなのであります。そうして各都市、各府県が、おのおのの行政区域の中で割拠いたしまして、自分のところだけのそういう交通対策というものだけしか考えていない。それじゃいけないのでありまして、トロント方式のように、一つの市が中心になって周辺のものをかかえ込んできて、少なくとも十二、三の地方公共団体が一本の形になって、これは地方自治体連合といってもいいような姿で交通問題と取り組んでおる。こういった形のものを地方に作り上げ、地方における交通対策の組織を作り上げていく、こういうふうなものをやることがぜひとも必要じゃないかとわれわれは思うわけであります。要するに交通対策の共同処理、これを地方自治体に強く求めて、その組織作りを地方自治体の中に取り上げていく。そうして地方に交通管理庁で作り上げたところの国全体のものをにらみ合わせた総合的な計画立案をおろしていって、しかも受け入れるところの体制が、一つの市であり一つの町であり、一つの村であるという形じゃなくして、その周辺の広域な範囲における自治体の連合のような形のものによって共同処理していく。現在の地方自治法によります一つの事務組合的な形のものをそこに作り上げていく。そういった方向のものを作り上げないとこの問題は解決しないと思う。そこで安井大臣に伺いますが、そういう構想をあなたお持ちであったかどうかということと、こういった構想をおやりになる考え方があるかどうか、こういうことを一つ伺いたい。
○安井国務大臣 交通問題の現実的な解決には、どうしても地方自治体が中心にならなきゃならぬであろうという御説には全く同感でございまして、私ども単に警察だけの立場でこれができるとは思っておりません。ことに地方団体が相当総合的に立案するということは必要なことでございます。現に東京におきましても、東京都の知事を中心に交通対策協議会ができております。せんだって関係閣僚が大阪へ参りました際、特にこの地方自治体の責任者を中心に総合的な地方対策を立てるということを十分慫慂し、またそういう方向に進めてきております。たまたま私は国家公安委員長という立場で言っておりますが、同様に今のような意味で、自治体あるいは自治省関係の指導ということにも十分今後も留意をしてやって参るつもりであります。ただ総合的な計画とかあるいは企画をやります場合、車種の規制であるとか、あるいはチケット制の採用といったようなことにつきましては、どうしてもこれは本庁で企画を立てる必要があろうかと思っておるわけであります。
○阪上委員 ただいま東京都の例が出まして、交通対策協議会でございますか、そういったものができ上がっておるとおっしゃるのですが、私が今申し上げたのは、そういったいわゆる単なる協議会ではないのであります。実施機関としての一部事務組合なり市町村の連合組織あるいは関係都道府県の連合組織、従ってそれにはちゃんとした議会を持っておる。各都市から出てきたところの何名かの議員によって議会を持っておる。そこで当該交通対策関係の予算等も編成していく。それに対して、決定しますれば各都市の負担は、それぞれの都市の規模によるところの負担をいたしまして、それによってこの交通対策というものを推し進めていく、こういう構想のことを私は申し上げております。申し上げるまでもなく、トロント市あたりでは、公衆の輸送事故、こういったものについてもそういった方式で統一化している、こういうようなところまで進んでいるわけなんです。そういった協議会、議会を持ちまして、そしてあれは十三の自治体によって連合体ができておるのでありますが、二十五名の議員を選出しまして、びしびしとそういった問題を解決しておる、こういう状態であります。私が申しておるのは、ただ単に東京都の中に対策協議会——連絡協議会みたいなものだと私は思うのでありますが、そんなちょろこいものじゃなくして、ほんとうに激甚な交通を緩和していくための施策をどんどんぶち出していく。ぶち出したならば、それをびしびし実施していくという形のものを強く地方自治体の中に作り上げる必要があるのじゃないか、こういうことを私は申し上げておるのです。この点どうです。
○安井国務大臣 お話のような形のものが確かに将来要ると思いますが、さしあたって東京を中心にして考えますれば、首都圏整備委員会、これは直ちには交通問題のための委員会じゃございませんが、東京を中心にした数県を網羅した総合的な計画、この中には今後交通問題をも当然対象にしたそういった実施機関が置かれるようにこれから進められていかなければならないと思うのであります。さらにほかの都市につきましても、今そういったような機運が盛り上がっております。自治省としましては、例の一部事務組合の形をさらに拡大いたしまして、広域な自治体相互の関連をした行政運営というものをもっと組織づけるように目下検討中であります。
○阪上委員 次に、私は川島さんがおやりになっておる臨時交通関係閣僚懇談会において討議されて、そして大体実施しようということにきまったところのもの、これは一月の十六日だったかと私存じておりますが、その中で、この前われわれがいろいろと長官に要請をいたしたのでありますが、だいぶ多く取り入れられておるように私は思うのであります。その中に二、三まだ取り入れられていないもの、たとえばあの際お願い申し上げておったのは、学校教育を通じて学童に対する交通安全教育をやれということなんであります。これは先刻申し上げた附帯決議の中にも強く衆議院では要請しているわけなんであります。それに対しては、学童の登下校の対策というものを、もっと強硬に進めなければならないという結論をあなたの方でお出しになっておりますが、依然として学校教育そのものの中に、そのものをそのままずばりと取り上げていこうという形のものがまだ出ていない。そこでこの点について、この前の質問では長官は、今のところ閣僚懇談会のメンバーとしては文部大臣は入っていないけれども、それは非常に考えなければならぬことだから、強くその点を文部大臣に勧告と言われたか何と言われましたか、そういうことをしよう、そういうことになっておったのでありますが、これをこの懇談会で取り上げられなかった理由といいますか、なぜこんなことを簡単におやりになれなかったのかどうか、こういうことを私は一つ伺ってみたいと思います。
○川島国務大臣 自動車の直接関係のものをとりあえず取り上げなければいけないということで、実施に移していまして、今の学童に対する交通道徳の教育というようなところまでは手が及ばなかったのですが、近い将来に取り上げまして、ぜひ一つ実施いたしたいと思います。
○阪上委員 非常にくどいようですが、御存じだと思いますけれども、運転手の素質がいいとか悪いというような問題も、やはりもとをたどっていけばここに落ちついてくるわけであります。小さな子供の時代から、交通道徳とか交通安全の教育というものを進めておきませんと、習い性となりまして、いつまでたっても直らない。いろいろな免許状を渡す場合に試験等をいたしてみましても、そういうところまで見抜く、あるいはそういうところに規制を加えることは、非常に困難だと思います。でありますので、やはり学校教育を通じて、子供のときから交通規則なり交通安全のいろいろな教育をやっていくという考え方を、この際われわれはしっかり持たなければならぬ、こういうように思います。ことに私は、前々から警察庁にその点を十数回にわたって申し上げておったつもりであります。諸外国に行けば、ただ単に児童の公園があるというだけではなく、今言った交通に対して非常な関心を持っておりますので、各所に交通公園というものがある。そして実際に三輪車に乗せ、あるいは小型の単車に乗せ、あるいは小型の自動車に子供を乗せて、子供みずからが運転して、交通巡査がそれにちゃんとついておって、ゴー・ストップ、その他あらゆる交通の規則というものを体験さして身につけさしておる。そういうものをなぜ一つお作りにならぬかということを、私は今まで再三言ってきたわけであります。反対すべき理由がありませんので、長官はいつでもそれに対しては何とか一つやりたい、こうおっしゃっておりますが、いまだにおやりにならない。これで三年ほどたっておる。私は単なる児童公園も必要であるけれども、そういうものを作り上げていく、そしてごくわかりやすい交通遊びというものを子供の中に広げていく、そういうことをぜひとも僕はやってもらいたいと思うのであります。今長官は、そういう点についてこの次は一つ考えよう、こう言っておられるのですが、これは時間をおきますとだめであります。だんだんそれだけ損をする。川島さんなんか力を持っておられるのですから、思いついたらこんなものはぱっと思い切ってやってしまう、これくらいおやりにならなければいけないと思います。 ただ一つ問題になりますのは、文部省の中で、そういうことを正式に教科課程の中に取り入れてやるということについては反対だという意見があるやに伺っておりますが、どなたか文部省の方おいでになっておりますか。
○園田委員長 文部省は来ておりません。
○川島国務大臣 私は文部大臣とこの問題でまだ懇談をいたしておりませんが、おそらく文部大臣も反対なかろうと思いますが、懇談をいたしました結果を適当な機会にまた御報告申し上げ ます。
○阪上委員 それから次に、これまた附帯決議等で非常に強く要望しておりました交通警察官の資質の向上の問題であります。と同時に、この際応急対策として考えなければならぬことは、警察官の配置転換ということが一応必要になってくるのではないかと思うのです。機動隊がおりまして、そうしてあれは日ごろは何をやっているか知りませんが、何か集団デモ行為なんかに顔を出してくるのでありますけれども、平時ああいったものをもっと有効に使う必要があるのではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。大阪では何か機動隊を今交通整理のために使っておるということを私は聞いておりますが、こういった配置転換をおやりになる考え方がありますか。
○柏村政府委員 交通警察官の資質向上につきましては、常々御注意もあり、われわれとしても非常に大事なことだという考えのもとに鋭意進めておるわけでございます。また交通警察官の配置転換、専任の交通警察官として配置転換する点は、各県において必要に応じてやるわけでございますが、先般来お願いいたしておりました三カ年一万人増員の計画におきましては、そのうちの四千名を交通警察に回す。さらに必要に応じて、各県において実情に即した配置転換を考えるというようにいたしておるわけでございます。機動隊につきましては、これを全部交通の方に配置転換するというわけには参りませんが、必要な場合におきまして、時々これを運用いたしておるような次第でございます。
○阪上委員 増員についても私はまだ問題があろうと思います。全国に配ったときに一体それが何名になるか、各府県の規模によって違ってくると思います。そんなものは私はわずかな数じゃないか、こういうふうに思いますが、そのことはあとにいたしまして、今機動隊の配置転換ということは非常に問題があるというのですが、どういう問題があるのですか。
○柏村政府委員 機動隊を交通の専従に全部回してしまうということは、ちょっと今考えられないということを申し上げたのでございます。
○阪上委員 私が申し上げておるのは、配置転換ですから、臨機にそれをやれというのではありません。要するに現在の機動隊の定員を減らして、そうして減らした分だけを交通の方に持っていくというような措置ができないかということです。
○柏村政府委員 現在の機動隊の数は、必ずしも十分と申せない状況でございますので、むしろ今回計画いたしました増員のうちの大部分をそれに充てるようにいたしたいと思っておるわけであります。
○阪上委員 私が申し上げておるのは、機動隊というものは、平時訓練しなければならぬことは私は事実だと思います。しかし逆に一般警察の中から、そういった非常の場合における機動隊の編成というものは、臨時の編成というものができるのではないですか。そういった方向を考えることができないかということです。
○柏村政府委員 専任の機動隊員というものは数が非常に少ないのでございますので、機動隊員でない者を必要な場合に機動隊的に使えるような編成というようなものも考えておりますし、そういうものは、もちろん、さらに機動隊の専従員も必要に応じて交通取り締まり、交通指導の面に充てるようなこともやっておるということを申し上げておるわけでございます。
○阪上委員 いろいろ機動隊の立場、一朝有事の際における十二分に活動できる形のものを考える場合に、それを彼此融通するということはいろいろ問題点が出てくるかもしれない。しかし今交通事態だって非常時です。これは非常災害です。室戸台風のときよりもよけいに死者が出ているじゃないですか。こういった場合に、そうかたくななことを言わずに、相当やはり彼此融通して使うくらいなことは考えたらどうですか。現に大阪はやっておるのですよ。それで私はそういうことによってでも別に大して大きな支障を来たしてこないと思うのです。その上にさらに私は増員すべきだと思う。何かこの間新聞等で拝見いたしますと、長官の考えでは、いよいよこれは大へんなことになってきたので、さらに罰則を強化するというようなことを書いてあった。私は、現行法を守る警察がさらに罰則を強化するというのはどういうふうに強化するのか非常に不思議に思った。取り締まりの強化なら話がわかるけれども、罰則の強化ということはおかしいのではないかと思う。私は現在の現行法の道路交通法によりましても、あれで忠実に取り締まればそれでいいのではないかと思う。何も罰則を強化する必要はない。ところがそれを忠実に取り締まるところの警察官の手不足だという問題なんです。あるいは手不足ばかりじゃなく、機械化されていないという問題も出てきます。交通管理の近代化というようなことをいってみたって、何一つできていない。警視庁に行って聞いてみたら、何か交通状況をラジオでもって知らす、そのもとをのぞいてみたら、何か電話で一々情報を集めて、その電話で集まった情報を今度出すときには、すでに十五分ぐらい経過しておって、一ぱいたまっておったと思った道路に自動車がなくて、今度ほかの道路に自動車がたまっておる、そんなものに金の三億や五億使うのは何でもないことだと思う。罰金の問題についても、三十五年度は四十四億から私は出ておると思います。本年度は六十億を突破するのではないか。その中からでも出せば、そんなものは簡単に済むものだ。なるほど形式としては大蔵省を経なければいけませんけれども、そこを非常にしぶっておる、こういうことなんです。ですから私はそういったものをほんとうに完備することによって、初めて道交法というものは十分に実施できる。罰則を強化するというようなことはあれは間違いですか。
○柏村政府委員 私は阪上委員の御見解と全く同じでありまして、取り締まりを強化するという方針はとっておりまするが、罰則を強化するなどと申したことはございません。また今お話に出ました機械化の問題につきましても、今検討を進めておりまして、できるだけすみやかに機械的な設備によって敏速に交通の渋滞を防ぐような、緩和するような方策を考えたいと、今せっかく検討をいたしております。大体もう構想はできておりまして、今お話のように金さえ出ればできるというような状況になっております。 それから罰金が相当額とられておるのに、その一部でも回せば簡単ではないかというお話でありますが、これにつきましても、たとえばイタリアなどにおきましては、すでに法律でその罰金の一部を交通の安全施設に使わなければいかぬというような規定もあり、またドイツとかフランス等では、直接その地方団体が徴収いたしますので、そういうものがほとんど交通警察の面に活用されるという状況でありまして、そういう点から見ると、わが国の罰金と交通施設というものについての関連性は非常に薄いわけでございます。しかしわれわれとしては、今お話のような御趣旨に沿って予算の獲得にも努めておりまするし、きょうは幸い川島大臣もおられますし、そういう面で大蔵省あたりもそういう理解を深めていただければ大へん仕合わせだと思います。
○阪上委員 私もそれを質問しようと思ったのですが、ほんとうにおっしゃるように、今川島さんここにお見えになっている、私はこのくらいのことは、一つもう措置してもらいたいと思います。それはいろいろな会計方式等もございましょうけれもど、入れるなら入れてやればいいのですが、そういうものから出てきたところのその額だけはやはり交通対策費として回していくという考え方を持ってもらいたいと思います。この際一言所見を伺っておきたいと思います。
○川島国務大臣 財源の問題でありませんで、交通対策上必要とあれば当然一般財源から出しまして、必要な施設をすべきでありまして、警察の方でそういう考えがありますれば、三十七年度予算でなければ補正予算を作ってでもこれは解決をしなければならぬ。私は大蔵当局と警察との間に立ちまして、適当に善処をしていきたいと思います。
○阪上委員 それから次に、安井大臣にお伺いいたしたいのですが、最近新都市建設ということが非常にやかましく言われております。それがどうも交通を激化する方向の役割を果たしているような印象を受ける。たとえば大阪府が建設いたしております千里山ニュー・タウン、その他大都市周辺の衛星都市においては、各所に団地ができております。ところがこれらの中に住んでおる人々は、ほとんどその母都市であるところの東京とか、あるいは大阪市とかというところへ通勤するわけであります。これはニュー・タウンといっておりますけれども、あんなものはニュー・タウンの概念に入るものじゃございません。あれはベッド・タウンであります。最近諸外国でやられておりますところのニュー・タウン計画というものは、決してああいうものを頭の中に置いていない。むしろ大都市から人口の集中、工業等の集中を排除していこう、あるいはそれを未然に防止していこう、むしろ大都市から隔離して、そこへ居住する人は、その場所において住居を与えられるとともに、職場を与えられていく。従って、当然中小企業、団地等はその周辺に集まってくる。そういう形において、近距離であるか遠距離であるかは別といたしましても、そういう大都市との隔離を目的として新都市計画というものが進められておる。ところがどこが奨励しておるのか何しておるのか知りませんが、地方自治体がやっておるものを、あるいは公団がやっておるものをながめてみましても、全くベッド・タウンを作って、ますます交通を輻湊させておる。こういうような都市計画なり、住宅計画が、交通計画と全く無関係にそういうものが存在しておる。こんなものに莫大な投資をやっておる。これはやらなければならぬ仕事であるかどうかについては、なかなか問題点がありますが、もう一歩改善すればこの問題は解決する。ところが何とかの一つ覚えのように、ベッド・タウンを作ればニュー・タウンという考え方で、それに対して莫大もない起債をぶち込んでみたり、だんだんと交通を緩和するどころか逆の方向に持っていっておる。世界各国ながめてみても、今どきそんな交通を輻湊さすためのニュー・タウンというものを作っておるところはどこにもありはしません。このことについて抜本的な規制を加える必要が私はあると思う。この点は長官からもそれから安井大臣からも一つお伺いいたしたいと思います。
○安井国務大臣 お話の通りニュー・タウンというものの構想は、決して大都市の周辺にベッド・タウン式のものを発達させようという気持は毛頭ないのであります。お話の通りに大都市の人口自体を分散させるに役立つような隔離された都市の形成、こういうことを考えておるわけであります。ただ、数年前からできております首都圏整備委員会等で最初企画されましたときに、いわゆる衛星都市という考え方、これは東京中心にかなり近い都市の開発ということが、最初一応考えられた時代がございました。しかし、これはそういう考え方であってはいかぬということに切りかわっておりまして、都市の近辺にそういう新しい町を起こしてやっていくということは、今現に制限をいたしておるような状況であります。 それから、ベッド・タウンの問題でありますが、これももう今おっしゃる通り交通混雑の原因に大きくなっておることは事実でありまして、これにも相当な制約を加えなければいかぬ。しかし、何分住宅が足らぬので、どうしても作る。差し迫った場合、やむを得ないでできる場合もございますが、主として東京なんかでも、今むしろ東京の中心地帯のあき地に高層建築によってアパート建築を進めるという方へ順次切りかえをいたしておるようなわけであります。
○阪上委員 私はそれでいいと思います。ああいうベッド・タウンを郊外に持っていくよりも、そういうベッド・タウンはむしろ高層建築で都内の中に建てた方がいい。向こうに持っていく場合は産業配置を考えて、そして産業とともに移していく、だから、そこに住んでいる人は職場まで歩いていけばそれでいいのであって、全然外へ出る必要はないというふうな状態にやはりこれを持っていかなければならぬ、こういうように思うのであります。ところがお話がありましたように、いまだにどんどんそういった団地が建っているように私は思います。この点はぜひとも一つ何らかの規制を加えなければいけないのじゃないか。これに規制を加えることは別に憲法違反だというようなことはないだろうと思うのであります。長官どうでしょう。
○川島国務大臣 東京の人口を疎開することにつきましては、行政管理庁と建設省といろいろ協議いたしまして、とりあえず東京に置く必要のない地方的官庁並びに試験場、技術調査所みたいなものは、これを地方に疎開するということを閣議決定いたしまして、各それぞれの役所でどういうものを東京から排除するかということを検討して、ただいま行政管理庁に報告して参っております。これは東京の近郊ではなくて、少なくとも百キロ以上離れた土地へ新市街を作ろうということでありまして、しかもその新市街の考え方は、ただ東京から疎開した官庁だけでなしに、文化的、魅力的な新しい市街を作りまして、一般の市民もそこへ居住しようじゃないかという程度のものを作ろうじゃないか。言うならば、公務員で恩給でもとっている人ならば、あそこへ行って住もうじゃないかという魅力のあるものを作ろうじゃないかということを今計画しております。
○阪上委員 次に、この前問題となっておりました時差出勤であります。先ほどちょっと渡海さんの方から質問がありましたが、これはどこまで進捗しておりますか。
○川島国務大臣 この時差出勤の問題は、閣僚懇談会で取り上げまして、官庁はもちろん、民間にもこれを推奨しておるわけであります。すでに東京都庁はこれを実行しておりますし、それから各行政官庁も実行に移しておるのですが、その実行の仕方につきましては、それぞれの官庁にまかしておりますからして、総合的にここで今結果を御報告するだけの資料を持っておりませんが、これも適当の機会に御報告申し上げますが、とにかく時差出勤を実行いたしまして、国電並びに私鉄電鉄等の交通緩和をはかろう、こういうことで一生懸命やっております。
○阪上委員 懇談会の方で決定したのは、通勤、通学輸送対策として時差出勤、通学の徹底をはかること、こういうふうに判然とうたわれております。長官にこういうことをお伺いするのは私はちょっと筋が違うのじゃないかとも思いますが、今各官庁にまかしておるとおっしゃるのですが、時差出勤を各官庁にまかしたのではこれはできない。これはもっと総合的に取り上げなければできるものではない。たとえば京阪神あたりの駅へ参りましても、駅に看板がかかっておるのです。時差出勤に御協力を願います、こう書いてある。看板が出ておるだけです。こういうような考え方では、まだ真剣に取り組んでおる考え方とは私は言えないと思います。いつか申し上げましたように、そういった各官庁、それから経営者、労働者、こういったものを交えたところの常設の委員会を作って、それが真剣にこの問題と取り組んでいくという形を作り上げないと、これは完璧を期せられないのじゃないか、こういうように思うのであります。
○川島国務大臣 時差出勤につきましては、官庁と交通機関の関係がまちまちでありますからして、一様に中央から指定するわけに参りません。従って、それぞれの各官庁にまかしてあるのですが、ただ閣僚懇談会できめましたことは、時差出勤を実行しまして、かりに三十分おくれて出勤した者が、その三十分分居残りしなければならぬかどうかということです。それは居残りしないでもいい。退庁時間には帰ってもいい、こういう指示はいたしております。これは統一いたしておりますが、実行方法はそれぞれで特異性がありますからして、それぞれの官庁で実行するように私の方から推奨しているわけであります。
○阪上委員 これまた外国の例を引くわけでありますが、時差出勤についてはなかなか問題が大きいのであります。そうして経営者の側に言わしても問題があるし、通勤する労働者の側に言わしても問題がある。こういうことでもって、なかなかこれが完璧を期するわけにはいかない。しかもその隘路になっているのは、今ちょうどおっしゃいましたが、労働時間の問題なんです。しかもその労働時間が一日の労働時間の問題にしぼられてくる。わが国のように八時間労働制をとっておるというようなことになりますと、ある者は朝非常に早く出て、ある者は夜非常におそく帰らなければならないという例が出てくるのです。しかしこれが六時間くらいの労働時間制になりますと、七時から十二時まで、これが始業、それから一時から六時まで、これは終業、その間におけるところの時差出勤のほんとうの幅というものが労働時間の短縮によって出てくる。それがもし行なわれないということになれば完璧は期せられない、ある程度の時差出勤ならできるということにとどまる、こういうことになっております。話は非常に大きくなりますが、そういった面までお考えになっておりますか。長官どうですか。
○川島国務大臣 ただいま私が答弁しておる通り、時差出勤の実施によりまして、おくれて出勤した者にその時間だけさらに残業させるということはしなくてもいいという措置をとっているわけであります。ですからして、御心配のようなことは相当処置をしているわけであります。
○阪上委員 それじゃ一つ最後にお伺いいたしたいのですが、それは予算の問題であります。交通対策関係費というようなものについて少し伺ってみたいと思いますが、もうすでに予算は編成されてしまっておる。予算委員会にかかっておる。そこで先ほど自治大臣からのお話がありましたが、実施機関としての地方自治体、これに対して思い切った財政措置をしてやる必要があるのではないかと思うのであります。この点についてお考えになっておりますか。あなたは先ほどから私が質問申し上げたときに、地方公共団体にいろいろなことを実施させたいというふうに同意していただいておるのであります。そのこと自体はそれでいいのでありますが、しからば財政措置は一体どうするか。もうすでに今の予算の中では、先ほどありました京阪神高速道路でございますか、そういった一部のものは取り上げられておりますけれども、交通対策全体の応急対策費というようなものをここに一項設けて、それに対してどんどんぶち込んでいくというようなものの考え方——しかも本年度はすでにもう予算が編成されているのでどうにもならぬということであるならば、来年を待つというわけにはいかないので、そこに何らかの財政措置を行なわなければならぬと思うのでありますが、これについての何か構想を持っておりますか。
○安井国務大臣 交通対策のための応急措置費という形での予算を格別組んだわけじゃございませんが、交通関係全般を対象にいたしました、たとえば警官に機動性を持たせるための装備の充実でありますとか、あるいは待機のための寄舎であるとか、そういったものにつきましては、通信網も含めて予算が足りないから今交通問題を自治体がやっていけないというような状況にはしていないつもりでございます。しかしまだまだ足りないものがある。たとえば関係閣僚懇談会等でも出ておりました交通関係の情報、通信機械といったようなものも、実は最近警視庁からも要請がありまして、たとえばことしの予算にも来年の予算にも載っておりませんが、東京、大阪にはぜひこれを早急に設置しようということで、今も川島長官からお話がありましたように懇談会でもきめまして、今早急に事業計画を立てておるようなわけでありまして、財政上どうにもならないというようなことは決してないように措置をいたしております。
○阪上委員 それじゃ伺いますが、閣僚懇談会で出た結論の中にこういうことがあるんですよ。阪神高速道路公団の設置、これは先ほど御説明がありましたように予算措置があります。三原橋——日比谷間の自動車道路の建設、これもありましょう。ところがたとえば立体交差あるいは構造改良というような形で踏切の指定基準等についての、運輸省、建設省両省の共同政令が公布された。公布されただけではこれは動かない。動かすためには地方自治体がこれを負担しなければならない。それとも国が費用をやることになっているのですか。そういうことに対して何ら地方財政に対するところの財政措置がない。これは一体だれがやるのですか。
○安井国務大臣 私少し勘違いしておりまして、取り締まりの方の施設にちょっと重点を置いた御答弁をいたしましたが、そういった一般的な問題につきましてもごもっともであります。いわゆる立体交差、踏切の整備あるいはガード・レール、こういったものにつきましては、三十七年度はむろん相当な予算量、これは各省、建設省その他にもわたるものがたくさんございます。それは当然地方の負担を伴うものでありまして、そういった点は十分配慮した予算を組んでいるつもりでございます。
○阪上委員 予算を組んでいるとおっしゃるのですが、その具体的なものを一つ示して下さい。自治省のどこに組んであるのですか。
○安井国務大臣 御承知のように自治省自体が予算を組むわけではないのでありまして、これはたとえばガード・レールとかあるいは立体交差ということになりますれば、建設省が企画しました予算で、それがさらに自治体に渡っていくということであります。あるいは警察につきましては、今のような通信あるいは装備の施設を警察で持っている。あるいはその他いろいろな補助費の関係につきましても、十分総合的な交通対策を配慮しているということで、自治省自体が自分で今交通対策のために幾らかの予算を組んでいるというような形のものは持っておらないわけです。
○阪上委員 その通りでありまして、従ってこれはどこで組まれるか、建設省あるいは運輸省等で負担してくるわけでありますが、そのほかに地元の負担があるでございましょう。これに対するところのものは野放しですかということを聞いている。
○安井国務大臣 これは御承知のように自治省が個々の件についての金を出すわけではございませんが、財政全体の立場からこれに対する交付税の必要な団体に対しては交付税、あるいは起債の面で補なうものについては起債の面を、それぞれ財政的に手当をするように考えております。
○阪上委員 そこなんです。それを私は先ほどから聞いているのです。そう言われるべきだと私は思っているのです。それで地方交付税なりあるいは起債なりという形で考えられなければならないと思うのですが、その配慮が今できているかということを聞いているのです。
○安井国務大臣 これは今の交通対策のいろいろな施設につきましては、範囲が御承知の通り非常に広い。建設省もあれば運輸省もあり、あるいはその他の機関もございますが、それに対しましての必要な配慮は相当やっております。たとえば不交付団体に対する起債につきましては、手落ちのないように今度は考えているつもりであります。
○阪上委員 私は何もそういった公共事業的なものばかりでやれということは言わないのです。そんなことを言ったって今までやったためしがない。今やっとこんなものを二、三取り上げられてやっているだけなんです。在来からなぜ単独事業でどんどんやらせぬかということを言っている。このことを自治体に行っていろいろ聞いてみれば、この間も閣僚懇談会で行ったときにどんな話があったか知りませんが、地方自治体が自分みずから交通対策をどんどん押し進めていこうという考え方はない。大騒ぎしておったけれども、ない。突き詰めていけば国に依存する考え方しかない。そんなものの考え方でやっているということで、自治体を責めるわけにはいかない。その根本原因は何かというと、財政の問題なんです。だから国に依存していく、その場合に自治省あたりがもう少し考え方を改めて地方自治体に交通対策関係の事業をどんどんやらすような方向へ持っていく必要があるのではないか。そのためには、交付税も、年々歳々自然増がありまして、相当な額に達しておるのですから、これをやはり一つの財源として、しかも今緊急問題になっている交通関係事業のために自治体がほんとうに自分の力でやっていく。財源的な援助というのはおかしいのですよ。交付税なんというものは自治体の財源で、国の財源じゃないのですから。そういう配分なり何なりの方向というものを考えていく。あるいは起債につきましても、昨年より四百五十億ほどふえておりますけれども、その中に今、当面問題になっているようなこういったものをやっていく単独事業債なんというものはほとんど認めていない。そんなものはないのですよ。だから閣僚懇談会だとかなんとか大騒ぎしておっても、その裏づけになるところの財源措置というものは全然考えられていない。ことに大部分の仕事というものは地方自治体がやるのですから、二百億や三百億くらいの金は毎年出してもいいのじゃないでしょうか。あるいは起債でそのくらいのものはどんどん認めていったらいいのじゃないかと思うのです。どうしてもいけなければ元利償還は政府で持ったらいいのです。そうしたもう少し熱意のある自治省の態度というものがわれわれは望ましいと思っているのです。 繰り返すようですが、地方自治体に行ってごらんなさい。もうお手上げだといいながらも、自分たちでは何ら解決することができない。仕方がないので、交通安全都市だとかなんとか、金のかからぬうたい文句ばかりあげておる。なぜもっと思い切って財政援助なり助成の措置をしてやらぬか。私は先ほどからこういう仕事は自治体がやるのだということを言っておるのですが、ただ財源の配分が間違っておりますために、国と地方との間でこれだけのことをやるだけの財源が与えられていない。それを何とかしてやるというのが、私は自治庁が自治省になった見せどころじゃないかと思うのです。何とか本年これについて思い切って起債というものをこの際与えていく。今直ちにそういう交付税でいきなりどうこうするわけにいかないと思いますが、そういったものの考え方というものをお持ちですか。私はぜひやってもらいたいと思うのです。
○安井国務大臣 これは財源の問題でありますから、これなら十分だ、もう余って何でもできるというふうには、国全体、地方自治体を通じて言えないと思います。これはいろいろな、まだ金がないからできないといったような問題はあろうかと思いますが、少なくともことしから来年にかけての予算の面におきまして、たとえば高速道路にしましても、地下鉄にしましても、そういった面への起債あるいは補助費、あるいは今御指摘の単独事業といったようなものにつきましても、これは相当画期的なものがありまして、これはオリンピックの道路とも関連いたしますが、金の面よりはむしろ技術の能力の面、あるいはその土地の取得の面、この方面への配慮の方が強いのでありまして、そういう意味で自治体にもっと強力な行政指導をやれというお話もごもっともだと思いますし、やりたいと思いますが、今非常に金の面だけに制約されて、やりたいことも何にもできないというような状況ではないと私どもは思っております。しかしまだ足りないところはむろんあります。それから特に起債の方面について十分な配慮をしてやらなければいかぬということもごもっともでありますので、そういう点につきましては今後も十分考えて参りたいと思います。
○阪上委員 技術の面と言われますけれども、たとえば阪神高速道路公団の場合でもそうでしょう。自治体に能力がないとはいえないのですよ。公団でやれと大蔵省はいうけれども、無理やりにそんなことをやっておったらひまがかかってしようがない。だからこれは一つ自治体の設置する地方公団、こういった形においてやっていきたいということでやっと認められたのでしょう。そんなことをやるくらいの能力はあるのですよ。やはり金がないのです。たとえば、地方自治体において今問題になっておるところの例の交通信号機ですか、全く作りたいのです。山ほど作りたいのですが、どこでも金がないのです。交通信号機をつける技術なんて大したことはない。そういうことを考えてみると、一、二の例でありますけれども、やっぱり安井さん、これは金の問題ですよ。これを考えてもらわなければいけませんよ。ことに最近では、どうも自治省の考え方は受益者負担的なものの考え方が非常に強い。何でもかんでも受益者負担。どこから入ってきた思想か知らぬけれども、当然公共事業でやらねばならぬ仕事まで、受益者負担の考え方でやっておる。それが統計的に五七%くらいは公共事業で当然やらなければならぬものを、受益者負担の理念に基づいて、住民負担の考え方でやっておる。下水道事業にいたしましてもそうです。それができなければ財政投融資の形で公営企業債というような形で持っていく。当然公費でまかなってやらなければならぬ仕事をやっておる。こういう交通対策というものは、当然そういう形のものであってしかるべきだと思う。それを、先ほどおっしゃったように、何かこう財政投融資の形でやっていくというような考え方は、われわれとしても一歩譲歩しておるのです。けれどもなおかつやはり起債、事業債等でもっとこれをやってくれ、ここまで譲歩してあなたに頼んでおる。ぜひともやっていただきたい。このことを最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○園田委員長 阪上君の質問中、文部省関係の答弁を求めます。上野初等教育課長。
○上野説明員 お答えいたします。交通安全の教育の徹底という問題は、学校教育の基本的な課題でありまして、私どもの方でも三十年に詳細な通達をいたしまして、学校、委員会等において指導の徹底をはかられるように、各種の事項をお知らせして協力を願っておるわけでありますが、今度学習指導要領の改訂をして、小学校につきましては、昨年の四月から新しい教育内容によって全体の教育が行なわれているわけでございますが、新しい学習指導要領におきましても、教科におきましては、ことに社会科において、一年生から安全教育の指導、特に交通安全についての詳細な指導を行なうように、内容に規定してございます。それから二年、三年につきましても、あるいは五、六年につきましても、発達段階に即しまして、交通の規則を守ることや、危害予防等について指導するように定めてございます。それから道徳につきましても、一年生から生命の安全、交通の安全の習慣を形成するということについて指導するようになっております。 それからもう一つは、特別教育活動というものがございますが、この中の学級会活動あるいは児童会活動という、子供たちが自主的に自分たちの身の回りの問題を解決する活動の時間があるわけでございますが、そういう話し合いの場におきましても交通安全の問題が取り上げられるようになっております。 それから体育におきましては、第六学年に交通規則の徹底あるいは事故防止についての諸知識を与えるというふうに今度の基準がなっておりまして、これによりまして、一年生から新しい教育内容で、交通安全につきましても学校の全教育活動を通じて指導するようになって参っておるわけでございます。ただ、こういうふうになっておりますが、最近事故が非常に多くなってきておりますので、私どもといたしましても、これからもそういう方面の指導について、いろいろな教材を加えて指導の徹底をはかるようにいたしたいと考えております。現在、警察庁で監修をされました子供の交通安全指導参考書というのが全国の学校にすでに配られております。それから各地方で交通安全のカリキュラムを、そこの地域の実態に即応していろいろ作って、学校それぞれに工夫をして指導の徹底をはかる、あるいは警察官においでいただいて、規則の解説をしていただくとか、あるいは子供たちを道路へ連れていって横断の仕方を指導するとか、そういうことが従来から行なわれてきておるところでございますが、今後につきましてもこの点の充実をはかって参りたいというふうに考えております。
○阪上委員 もう一問、それではお伺いします。 今の件について、先ほど子供の交通遊びということを言っておりますが、そういう場所を作るということについては、あなた方、どういうふうに考えておられますか。
○上野説明員 場所を作るという問題は非常にむずかしい問題でもあろうかと思いますが、危険な路上等では遊ばないようにするというようなことを指導内容には掲げてあります。それで、学校の中や校庭の中、できるだけそういうところで遊ぶようにする、あるいは公園とか安全なあき地で遊ぶようにするというふうに指導するように、私どもとしてはやっておるわけでございます。
○阪上委員 青山学院でこの間校庭の中で事故を起こしている。私の言っているのは、そういう意味のものじゃない。教育と結びついて子供、特に児童に安全教育をやっていく。しかもそれはただ単に目から、あるいは耳から教えるだけじゃなく、実際に体験してみせるという、そういう交通遊びの場所というものを作る必要があるということなんです。日本にだけない。諸外国ではどこにもあるのです。そういうものの配慮をあなたたちはどう思っておるかどうかということ。聞くところによると、先ほどもちょっと伺ったのですが、文部省でそういうことをやる、どういうことか知りませんが。警察官が教育するということはけしからぬという考え方を持っておるかもしれませんが、やはりもち屋はもち屋、やはり専門家にやらせなければいけないというふうに私は思っておるのですが、何か反対するというような空気もあったようです。今のお話ではそれはないことになっておるが、そういう場所を作らなければいかぬということについて、そういう配慮を持っておられるかどうか。
○上野説明員 交通安全について、できるだけ近くに安全な指導できる場所があれば、それを利用してやる。学校としてもいろいろな工夫をして、そういうところを見つけて指導するということが大切だというふうに私ども考えておりますし、そういう面につきましても推進するように指導して参りたいと考えております。
○阪上委員 文部省というのは、文部大臣以下、頭の固いのばかりおって……。今私が言っておるのはそういうことじゃない。そういうものをやる場所というものを常設的に置く必要があるということを言っておるのですよ。そこらのあき地を利用してというようなそんなことじゃだめです。やはり信号機をちゃんと作って、そして実際の交通道路を作ったような公園を作って、子供に小型自動車の運転等をやらせて、遊びながら交通道徳なり、それから交通の規則なりというものを身におさめていく、こういう形の場所を作る必要があるということを言っている。あき地でもって遊ばせる、そんなことを言っていない。
○上野説明員 御趣旨を私誤解しておりまして、そういうようなあれがあれば非常に望ましいことでありますし、私としてもそういうふうにありたいと考えております。
○園田委員長 太田一夫君。
○太田委員 最初に川島長官にお尋ねをいたしたいと思います。 臨時都市閣僚懇談会が逐次持たれまして、いろいろなことを御相談になったというニュースは承っておるわけでありますし、先ほど来お話も聞いておりますけれども、たとえば電車は撤去しなさいとか、あるいは右折禁止だとか、一方交通だ、あるいは路上放置の禁止だとか、通行禁止区域を拡大せよとか、こういうような、あれもいかぬ、これもいかぬというようなことをきめておるだけでは根本的対策にならぬ。その中で、特に先ほどおっしゃったのが日比谷から三原橋の間の地下鉄建設計画、これが一番ポイントになる政策だと私は思いましたが、こういうことは、積極的な手というのが打たれていかない限り、防ぐ方に回っていては百年河清を待つにひとしいと思うのです。そこであなたにお尋ねをいたしますけれども、この地下鉄建設計画は、新聞などに伝えるところによりますと、それは結局夢ではないができないのではないかということを言うておりますけれども、この日比谷から三原橋に行くという地下鉄建設計画を中心にしまして、大都市の交通緩和策は地上から地下へと移すという基本方針、これをあなたは積極的にお進めになるという、そういう心がまえを持っていらっしゃるかどうか、あるいはその見通しがあるかどうか、こういう点について一つお尋ねをいたしたいと思います。
○川島国務大臣 何としましても、道路面積が非常に少ないのでありまして、それを効率的に使うのには地下を使うことはもちろんですが、上の方、空中も使わなければならぬ、こういうことでありまして、地下道を作ると同時に道路上あるいは郊外電車、山手線の上に新しく高速道路を作ろうというような考え方もあります。京浜間の第一、第二国道の上に、さらにもう一本道路を作ろうという考え方もありますが、しかしこれはまだ考えとしてお互いに懇談している程度でありまして具体化してはおりませんが、とにかく東京の道路を立体化しようということで、すべての施策はこれから進めていきたい、こう考えております。
○太田委員 そういう点に力点を入れてこれから閣僚懇談会をなさいますと、非常にいいことになると思うのです。あれもいかぬ、これもいかぬということでは何ともならない。そこで大づかみに見まして、今の都市、特に東京、大阪を中心に見ますると、都市交通の混乱というのは自動車が多過ぎることなんです。それからもう一つは、先ほどお話がありましたけれども、人間の移動が激しいわけです。都心に住めばいい人が郊外に郊外にと、郊外に多く住みます関係上、どうしても朝晩のラッシュ・アワーというようなものが出てくる、こういうことが一番問題なのです。そこで自動車が多くて、人間が多くて、道路と交通機関が少ないんだから、これは混雑が起きるのがあたりまえなんです。そこで事故が起きる。そこであなた方警察庁の方で道交法をお作りになって、あちらへ行っちゃいかぬ、こっちを通っちゃいけない、早く言うならば、自動車は東京都の中に入れぬ方がよろしい、こういうことになってくるわけです。ですからそういう基本的な問題を解決して、当面は当面として何か取り締まるような規制を加えなければなりませんけれども、早急にできることは積極的にやっていくという態勢が必要だ。その点は今おっしゃったように山手線の電車線の上にもう一つハイウェイを作るとか、第一、第二京浜国道が二階建になるとか、非常にけっこうなことなのです。そういうことは私はぜひ一つやっていただきたいのです。 そこで建設省にお尋ねをいたしますが、建設省はどうなんですか。その道路を作るということについて、どの程度の用意があるか。予算によりますと、本年度道路の整備費というのはたしか三百七十四億、四百億足らずの増加だと私は考えておりますけれども、そんなわずかなものでは、とても今の各地方の全国的な要望にこたえるわけにはいかないと思うのです。そういう点、建設省としてはいかなる対策をお持ちでございますか。
○鶴海説明員 都市局が所管いたしております街路事業について申し上げますと、三十六年度の予算が二百八十三億強であります。これに対しまして三十七年度の予算額は三百八十億強であります。九十七億の増になっておるわけであります。
○太田委員 それが九十七億、そんなちょっとやそっとのものをふやしたところで、どうして二階建の道路ができますか、山手線の上にハイウエイができますか。日本国の中の東京、大阪ないしは中京地区のそういう混雑が救われますか。とにかくアメリカは、アメリカの国を最初に作ったときは何だったですか。あの建国のスローガンの一つは、国家をしてただ鉄道を作らしめよ、その後は鉄道が国家を作るであろう。有名な言葉でしょう。鉄道を作っておいてから国家を作れ、国家をしてただ鉄道を作らしめよ。鉄道という交通機関に全力をあげたのが今日のアメリカ文化、アメリカ経済、アメリカ国家の繁栄なんですよ。今日日本の国家の一番大事なことは、政府はただ道を作ればいい、道を作りなさい、政府をしてただ道を作らしめよ、その後は道が産業を、経済を作るだろう、こういうことになるでしょう、その道に対して何ですか百億足らずの増額は……。
○川島国務大臣 岸内閣時代に道路五カ年計画を一兆億で立てました。池田内閣になりましてから道路の現況にかんがみましてすっかりこれを改定いたしまして、三十六年から出発しまして五カ年二兆一千億の予算でやることになっております。今建設省が申し上げたのはその範囲内のことを申し上げたのですが、私の先ほど申し上げた都市道路の立体化なんという構想は全く別でありまして、これは別に財源を求めなければならぬことなのでありまして、まだ立体化は青写真の程度でありますが、これを実施に移すときには別に財源措置をするということになるわけであります。従って今申し上げた経費の中には、そういう立体化の経費は全然入っておりません。
○太田委員 青写真、非常にけっこうなことだと思うのですが、これはぜひ実現さしてもらいたい、実行予算をつけていただきたいと思うのです。それじゃ、青写真の程度であって財源措置はこれからだとおっしゃるのですが、財源措置のつく見通しは何年ごろですか。
○川島国務大臣 大体技術的に山手線の上に道路ができるかどうかという研究もしなければなりませんし、また実施方法につきましてもいろいろ問題がありますから、すぐに実施はできません。これから研究するのですが、かりにいよいよ実施することになったら、財源は一般財源からとるかあるいは別に財源を求めるか、また公団様式にして有料道路にして、全く違ったやり方で必要な財源を求めるか、いろいろあろうと思いますが、まだそこまでは考えておりません。とにかく都市の立体化をどうしてやるかということを技術的に今考えておるところでございまして、それが確信を得れば今度は財源措置をしよう、この二段になるわけであります。
○太田委員 そういうことだろうと思うのです。従って一つの例をとりますと、首都圏整備委員会は何やっておるか知りませんが、新橋からハイウエーが東京駅に向かってありますね、あの高速自動車道路は一体いつつながって実際に活用されるのですか。あれなんか、はたから見るとすし屋とそば屋とビフテキ屋とバーと喫茶店と食堂を下に作っただけでしょう。ああいうふうにいつまでも野ざらしになっているような道で、しかもその下では毎日事故が起きておる。こういうところにも何かしら青写真はあるけれども実行ができぬというような弊があるような気がするのですが、その点もっとテンポを早められまして、一日も早く交通の立体化をはかられる必要があると思います。
○安井国務大臣 何か新橋の高速道路が遊んで、いつのことやらわからぬというお話でありますが、この羽田までの高速道路の計画はオリンピックまでにつながる予定になっておるわけであります。
○太田委員 オリンピックまでと言うが、何かオリンピックのときになると交通が殺到するから羽田までそれを作る、だから羽田から中心の東京駅へ来る人のためにあの道を作るという意味に聞こえますが、そうじゃないでしょう。これは東京中心部の交通の緩和策としてできた一環のものでしょう。それをオリンピックなんというゆうちょうなことを言っているが、今日もう困っているじゃありませんか。
○安井国務大臣 高速道路を作るにしても、これは土地の獲得から漁業補償からあらゆる困難をしのいで——オリンピックという言葉は悪かったかもしれませんが、時期的にどうしても二年以内にこれを完成させる、そういう意味で高速道路あるいは地下道、地下鉄、これは決して夢の話でもなければ架空の話でもなくて、それぞれの計画が進んでおるわけであります。ただ川島長官なんかのお考えのように、さらに空中も使う、もっと地下もうんと利用するといった第二次的な計画もこれからさらに考えていかなければならぬ段階じゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○太田委員 その点、お急ぎいただきたいと思います。いつまでも、道を作るといって食堂を作っておっては困るのですから、その点一つ十分お考えいただきたいと思います。 そこで、これは川島長官にお尋ねいたしましょう。先ほどの立体交通論からいいまして、空にヘリコプター、道路には高速道路、地下には地下鉄、こういうことになるわけですが、盛んに東京、大阪、名古屋あたりが中心になりまして、先般来あなたの方に対しまして、地下鉄を整備するための法案、地下鉄を作るには金がかかるから何とか負担を少なくするために特例措置を講じてもらいたいという地下鉄建設補助法制定についての陳情が、非常に強く繰り返されておると思うのです。そういうものに対しまして——これは二十億もかかるというのだが、そう簡単に金というものはできるものではない。またできたところで、それが簡単にペイできるものでもない。名古屋市が三十五年以降四十年までの地下鉄の収支の見込みを立てたときに、キロ二十億などというのは大へんだ、三十五年度の収入が四億一千三百万円あって、金利の方は三億八千四百万円だ、従って全体の計算では四億二百万円の赤字が出る、これがずっとこういうふうに続くわけなんです。昭和四十年に至りましては名古屋から東山までの地下鉄を予想しまして、八億三千四百万という収入に対しまして、支払い利息は六億四千六百万、総体の決算では九億九千七百万の赤字だという予想を立てまして、何とかしてこれは金利を下げてもらわなければいけない、どう考えても四分以上の金は使えないという結論を出した。そこで金利を何とか補助していただいて四分で使える金はできないか、これが大阪にしても名古屋にしても東京にしても一番のかぎだということを言っておりますが、長官、いかがですか、それに答えられる用意はございますか。
○川島国務大臣 私はそんな話はまだ聞いておりません。初めて伺ったのですが、主として大蔵省の問題で、大蔵大臣、運輸大臣等と相談をすることにいたしたい。
○太田委員 運輸省の増川さんどうですか、何かそういうことでお聞きになっていらっしゃるのはございませんか。
○増川説明員 ただいま初めて伺いましたことでございまして、今後十分検討をさしていただきたいと思います。
○太田委員 安井大臣、自治省の方には、この三市から、交通緩和するために地下鉄を作る、その金利の方は大蔵省なり運輸省なりが特例法を作ればよろしい、しかしあなたの方には不動産取得税、固定資産税の関係があるからそれを免除してくれということを言っておりますが、これに対してはそれに応ずる用意があるのですか。
○安井国務大臣 こういう非常に無理な、工費のかかる工事をやって地下鉄を通ずる場合には、今後固定資産税も免除するような措置をとるようにいたしておるわけであります。
○太田委員 不動産取得税は。
○安井国務大臣 公共的なものに対しましては、不動産取得税についても十分な考慮をするという建前で、今技術的にこまかい説明は私覚えておりませんが、十分な考慮をするようになっておるはずでございます。
○太田委員 十分な考慮をなさればけっこうですが、本年度出された地方税の改正案を見ましても、これは特に限定されたほんのわずかなところに固定資産税の若干の免除があるだけで、不動産取得税のことなんか、地下鉄に対しては全然触れていませんよ。ところが、先ほど来承りますと、臨時閣僚懇談会にもその問題が出ておらないというようなことになりますと、都市を立体化する、地方の方ではこういう考え方でやっているのに、だれか押えてしまっている。運輸省が押えているのかあるいは大蔵省が押えているのか、どこかで押えてしまって、大事なところでそれが出ていかぬということでは、一日も早く立体化を作るということはむずかしくなってくると思う。川島長官、そういう地下高速鉄道建設補助特別措置法案というものに対する要望が、東京、大阪、名古屋等、大都市において強いということをぜひ心にとめておいていただいて、それが必要なら、よし、それをやるから君たち早く作りなさい、こういうふうに早く踏み切っていただきたいと思うのです。三原橋から日比谷だけの問題ではありません。東京には高速度営団の大きな構想がありますけれども、それが伸びいかないだろうと思うのです。それをやりなさい、こういうふうに政府も援助するからやりなさい、補助するからやりなさいと、具体的な激励策を考えていただかなければ、これは地下鉄化なんというものはできません。 そこで、今度は警察庁の長官柏村さん、そうすると私は地下鉄がどうもなかなかできぬような気がするのです。今のように自力でやろうということに対してもまだあまり措置が考えられておらない、こんなことでは地下鉄ができなくて、人がどんどん朝流入してきて晩には帰っていく、こういう非常に混雑が大きいときに、どうして都内の交通を確保するかという大問題。そこであなたの方は道路交通法を唯一の手がかりにして、あれを金科玉条として守って、あれをなるべく厳正に実施することによって何とか交通秩序を立てていこう、交通事情に応じていこうということでありますが、私は逆説があるのです。それは、あなたの方で非常にきらっていらっしゃる都電をもっともっと増強すべきではないか。都電増強こそ今日当面の急場、ラッシュ・アワーないしは非常な交通混乱を救う唯一の解決策ではないかと思うのです。そういうことについてあなたはお考えになったことがありますか。
○柏村政府委員 都電の問題につきましては、首都の交通審議会等においても検討をされておるところであります。原則としましては、やはりこれだけ自動車が輻湊しておるときにおきましては、都電というものは逐次撤去していくべきものである。少なくとも、あまり利用率の多くないところにおいては、すみやかにこれを撤去するということによって交通緩和をはかっていくべきであるというふうに私は太田さんと逆に考えておるわけであります。
○太田委員 どうもこれは困った御意見で、増川さんがいらっしゃるが、タクシーを増車して、混雑を助長する、自家用車をどんどん走らせて混雑を助長する。タクシーにしても、自家用車にしても、一人が交通するときに占拠する率は一体どのくらいです。大きいでしょう。ああいう大きな車にただ一人乗っている。運転者が一人いて、最低二人ですけれども、二人通るためにあれだけ広い、何畳間というものが要るのでしょう。電車はどうです。すし詰め運転だ。あれがだんだんまま子扱いされ、運転回数も減ってきて、そして都市の交通がさらにタクシーなどに転化して混雑していると思うのです。一体都電というものはどれくらいで走っているのです。都電のスピードというのはどのくらいだと考えていらっしゃるか。専門の方でよろしい。
○木村(行)政府委員 系統によって違いますが、平均十数キロであります。
○太田委員 しからば自動車は。
○木村(行)政府委員 都市によって違いますが、都内におきましては四十キロが最高制限になっております。それ以外に道路によって違いますが、平均二十数キロじゃないかと思います。
○太田委員 木村さん、交通局ができればあなたはそちらにおいでにならないかしれないけれども、今までは自動車のことをおやりになっていらっしゃったでしょう。もう少し専門的な話をして下さい。三十キロだ、四十キロだというような最高スピードの制限はそこにあるでしょうけれども、実際の実行スピードというものは、もちろんそんなスピードじゃありません。これは十キロです。交差点が幾らもあるでしょう。その平均したスピードが都内において十キロといわれておるときに、歩く人は時速五キロ、自動車は十キロ、電車は十三キロ、わかりましたか。
○木村(行)政府委員 大へんおそれ入りました。私は大体の勘を申し上げたので、手元に数字がありませんから推定を申し上げましたが、あるいは太田さんの方が正確かもしれません。
○太田委員 川島長官、私が今申し上げたことは、非常におか目八目の話を申し上げておるわけです。はたから見れば自動車は便利だ、便利だが自動車は全体から見るとあまり役に立っておらない。そこで自動車が多過ぎて困っているのが、今次のラッシュ、この交通混雑の主たる原因であるから、なるべく自動車を減らして、都電なり——先ほどおっしゃったのですがバスはいいのです、バスなりという方向にこれを移行せしめて当面の混雑を救うというのが、あなた方の研究される主たるテーマじゃありませんか。そういうことを御研究になさったことはありませんか。
○川島国務大臣 電車につきましては、東京でもある一部分を撤去したいということになっております。何としてもあれが道路のまん中を走りまして非常に交通事故発生の原因になっておるので、大阪などでは電車をよしてトロリー・バスにかえておるところがだいぶあります。トロリー・バスですと動作が自由ですから、比較的スムーズに運行ができるわけであります。東京でも一部トロリー・バスが動いております。そういうふうにかえたらどうかという考えはありますが、電車をこれ以上ふやすということについては、私は未熟にしてそれに対して何とも申し上げかねるのであります。
○太田委員 未熟と御謙遜なさると何とも申し上げられませんけれども、当面の急務を救うためには、タクシーや自家用車をどんなに導入してみたところで何ともならぬと思うのです。だから一番大量輸送機関であるところの都電の活用しかない、ないしはバスの活用しかない、このことを、私は物理学的な結論を持っているのです。政治学じゃありません。物理学的結論ですよ。このことは十分閣僚会議においても御研究いただきたい。なぜ都電だけをまま子扱いしておるか。そうじゃありませんか。都電をどんどんはずしてしまって自動車の交通が便利になったところで、現在東京都内へ流入する七十万台——七十万台といわれておりますが、七十万台、八十万台、百万台、たちまちでしょう。同じことが、同じ混雑がきますよ。そのときはお急ぎの方はどうぞ歩いて下さい。結果は最高スピード五キロの徒歩が最大のスピードであるということになる。だからそういう意味で、私は都電を撤廃するということを今急におっしゃられることは、本末転倒の議論であるということを申し上げたいと思うのですが、これは一つ御参考にしておいていただきたい。 そこで増川さん、一つあなたの専門のことでお尋ねしますが、自動車が今日この混雑の原因をなしておることはよくわかるから、私は自動車を減らして、大体自動車なんかあまり通らない方がいいのですから、閣僚懇談会でおっしゃった自動車の通行制限なんか大賛成、国会の周辺から全部自動車を放逐していただきたい、歩け歩けで一つやっていただきたいと思う。そこで自動車に対する一つの行政でありますが、ターミナル法案というものが昨年できましたね。これはぼつぼつ現実化しておるようですが、さらにこれをもっと大衆化するにはモーテル法案が要ると思うのです。このモーテル法案についてはどうですか。何かそういうことをお考えになっていることがありますか。
○増川説明員 運輸省の中におきましてもそういうような計画を立案を急いでおりますが、なお東京におきましては首都圏整備委員会におかれましても、そういった計画を立てるような準備はいただいております。
○太田委員 建設省の鶴海さん、建築のことでお尋ねいたしたいのですが、よろしゅうございますか。
○鶴海説明員 所管じゃないですから……。
○太田委員 それでは川島長官にお尋ねします。交通対策の権威ですから、交通対策の責任者として一つ行政管理庁長官として所感をお伺いしたい。 それは先ほどもおっしゃったのですが、都内の人口が夜少なくなるというところに一つのガンがある、近代都市の病根がある。だから、都市の夜の人口をふやせ、夜の蝶じゃないですよ。夜の人口をふやせ、これが本来の交通対策の一つの眼目だと思うのです。先ほど来、あき地に何か住宅を作るということを阪上さんの御質問の中で安井大臣かなんかおっしゃっていらしたのですが、非常にいいことだと思うが、建設省には現在住宅公団などありまして、中高層ビルだとか、あるいは土地担保共同住宅という制度がありますけれども、この建築の順位等がありまして、都電の通りに面する商売をやっていらっしゃる方が第一順位にあるわけです。防火地帯、防火建築、都電通り、表通りは第一順位にありますけれども、裏通りになりますと、それ工場地帯だの、それ住宅地帯だのといって、そこにアパートを建てようとしても最低以下に追いやられてしまう。そのために裏通りの住宅のあるところにビルができない。しかも予算がない。土地担保共同住宅という、いわゆる都心にアパートを作ろうとしても、申し込むことはよろしいけれども、なかなか回りませんよ。こんなことでは夜の人口をふやすわけにはいかない。どうしても都会の周辺、郊外の方にベッド・タウン、寝る住宅地帯を作らなければならぬことになるのです。何とかしてそういう建設省の住宅政策をこの際根本的に改めて——中高層耐火建築を商業地域に作るのだという、下が店になっている、よくげたばき住宅とか申しておりますね、ああいうもの以外に、アパートをもっと都心にどんどん作らせる。あき地にじゃないですよ。今、一階とか二階になっているのを、五階か六階に作らせればいいと思う。この方向に政策をぐっと変えてみるという御決意はいかがでありますか。
○川島国務大臣 その問題は閣僚懇談会に初っぱなから取り上げまして、都心の建築を立体化そうということで、必要ならばそれに対する法令も出し、また資金措置もしようということを閣僚懇談会としては取り上げております。御承知の通り、なるべくこれを実行に移すように指導したいと思います。
○太田委員 ぜひ一つ、建設省の方にそのことをよくおっしゃっていただいて、すみやかに三十七年度からでも実行できるように御措置いただきたい。 通産省の佐々木さんにお尋ねいたします。自動車の問題ですが、とにかく自動車がなくちゃならぬでしょう、だんだん人間の足が弱くなったから。それともう一つはぜいたくになってきたから。自動車が要るというのなら、自動車はなるべく小型の自動車でなくちゃならぬと私は思う。それにもかかわらず、このごろはアメリカ車、欧州車をどんどん輸入してタクシー会社にそれを割り当てる、ないしは個人の希望者に対して売る、こういうようなことをやっていらっしゃるが、こういう政策が私は非常に間違っておると思うのですが、この自動車の小型化ということに対する対策はいかなることになっていますか。
○佐々木説明員 現在の道路事情から申しますと、自動車小型化を特に奨励いたしませんでも、おのずから小型化して参っております。実際の生産状況を見ましても、小型車の方が大型車よりもはるかに上回って伸びつつある状況になっております。ただ輸入の問題につきましては、これは観光用の輸入などでございます。これは運輸省の方で割り当てられるのでございますが、結局、外人観光客用ということでございますので、どうしても大型の方を要求されるのでございます。それから一般用につきましても、これも特に大型を奨励する、小型を奨励するということではございませんが、現在のところ、一般用の輸入の方は、大体大型も小型も半々程度要求されておるのでございます。
○太田委員 佐々木さん、あなたはそうおっしゃるけれども、あなたの方と大蔵省とは関係ないかもしれませんが、今度の国会に出された法案を見てごらんなさい。大蔵省は物品税の改正をたくらんでいるのです。物品税の改正をたくらんで、いわゆる大型車であるところの第二種甲類の高級普通乗用自動車、これは現在五〇%の物品税であるのを一〇%下げて四〇%にするという動きがあるじゃありませんか。なぜこれに反対なさらないのですか。
○佐々木説明員 これは税制調査会におきまして、日本の物品税は高いので最高税率を下げろ、こういう税制調査会の意見がございまして、大蔵省の方で、一般方針といたしまして最高税率の五〇%というのをなくするのだ、最高税率を四〇%にするのだ、これは一般方針でそうやるということでございましたので、私の方は、それならば残された最高税率を適用してもらいたい、こういうことでございますから、御了承願います。
○太田委員 これに対して川島さんはどうなんですか。一つの交通対策という面から見ましても、あるいは国産愛用、いわゆる自由貿易に対する一つの政策としても、外車奨励という制度を税制に持ち込むのはもってのほかだと思うのです。五〇%でいいではないですか、高級自動車だけは。何も税制調査会が言ったからといって、その通りにいたしますというのは、かつてその通りの法案が出たことがないのですから、そこだけ、税制調査会の御意向でございますから、五〇%という高級外車のパーセントを四〇%に下げますという、そんなことは詭弁だと私は思う。川島長官どうですか、そういうことは好ましいことではないと思いますが、いかがですか。
○川島国務大臣 大型自動車はなるべく減らすということは私は必要があると思うわけでありますが、輸入車につきましては、相手国との関係もありまして、ある程度はやはり輸入を認めませんと、貿易上に支障が起こりますので、現在自由貿易前でありますが、外貨の割当をいたしておるわけであります。しかし、これは一つ国民に自粛を願いまして、あまりぜいたくな車を使わないようにしてもらうということも必要ではないかと思う。 それから、税金の措置につきましては、私、ここで私限りでは何とも申し上げにくいのですが、御意見としては承っておきます。
○太田委員 そういうふうに、その声を大きく閣僚会議などで言うていただきたいと思うのです。そうしませんと、外車というものがどんどん入ってくれば、都市の交通はさらに混雑に拍車をかけるでしょう。しかも、外車というものはいなかの山道を通ることは少なくて、非常に繁華な都市に集中するのですから、私はそのことをおそれる。なるべくならば、通産省は続けて小型車を奨励するという国策を打ち出して、しかも国産車であるトヨペットとか、日産のセドリックとか、そういうものを最高の自動車だとする、これでいいじゃないのですか。そういうことに政策の重点を置いていただかなければだめだと思うのです。 それから、運輸省の増川さんに道路運送車両法についてお尋ねいたしますけれども、この道路運送車両法にいうところのいろいろな自動車の規定の仕方、小型とか軽自動車とか普通自動車とかの型式の仕方と、道交法の作り方と、それから通産省並びに大蔵省が物品税でいうところの普通自動車とか、いろいろな自動車というものとではその単位がすべて違うのですよ。こういうものは、この際、あなたの方はどこを中心にするか知りませんけれども、規制を、小型とはどれだ、あるいは普通自動車とはどういうものか、大型とはどういうものかということを一本にする必要があると私は思う。あなたの方だって、道路運送車両法にいうところの小型車と小型自動車競走法によるところの小型車とは表現が違う、規制の仕方が違う、こういう点は何とか統制、統一される御意思がありますか。
○増川説明員 自動車の種別の問題でございますが、かつては大体私の方の基準に合わせていただいて定められておったのでございますが、その後、それぞれの仕事の方の関係から、特別な分類というものも行なわれるようになったのでございます。相当ばらばらなものもあるのでございますが、原則といたしましては、それほどの大差は現在もございません。なお、今後こういった問題につきましてはできるだけ調整をはかりまして、統一的にいたす方がよろしいかと思います。
○太田委員 運輸省が道路運送車両法によりましていろいろの規制をするというのが私は中心になるような気がするのですよ。各連絡をとって——同じようなものだからいいだろう、小さければ小型車、大きければ大型車であるという概念で律することはできません。これはこの際よほど統制をとっていただきたいと思います。 最後に警察庁にお伺いいたします。柏村さん、ダンプ並びに砂利トラックの暴走ぶりがまた最近非常に顕著になってきましたね。あれが先回も大きな事故を起こし、二人をたちまちにもみつぶした。こういうふうにダンプの暴走、砂利トラックの暴走が非常にあるのですが、あれは道路交通法ができてから規制されるかに見えましたが、いまだに規制されないのですけれども、あの原因はどうしてですか。また対策はどういうふうにいたしますか。
○柏村政府委員 ダンプや砂利トラの事故が頻発しておることは遺憾に思っておるわけであります。これらについては各府県におきまして重点中の重点にして取り締まりを実施いたしてはおるのでございますが、まだまだその実効をおさめるに至っていないわけでございまして、今後こういう点についてはさらに努力を続けて参りたいと思います。
○太田委員 重点中の重点にして取り締まっていらっしゃるとおっしゃいますけれども、第一線の白バイにいたしましても、交通取り締まり警官は、ダンプとか砂利トラの取り締まりほどいやなものはないと言っております。あれは命がけだ、取り締まる方も命がけ、だから見のがされることが多いのです。その結果、まことにその暴走ぶりが顕著になりまして、あちらこちらで非常に大きな事故を起こし、尊い人命を奪っているのです。あなたの方は、どのくらい砂利トラが事故を起こしておるか、あるいはダンプがどのくらい事故を起こしておるかということは統計も明らかでしょうから、この際、数字を一度御発表いただきたいと思いますけれども、これを安全運転をさせて人命を尊重させるという、あなたの方の規制は大きな覚悟を要すると思うのです。経営者の責任もありますけれども、あなたの方に非常に大きな責任がある。これについてさらに御決意のほどを承りたい。
○柏村政府委員 数字についてはあとで保安局長から申し上げます。先ほど非常に抽象的に申し上げましたが、たとえば砂利トラック等につきましても、ナンバーがよくわかるように特別の背番号式なものをつけさせるというようなことを実行いたして努力はいたしておるわけであります。しかし、先ほど申しましたように、自動車自体の構造の関係上、また運転者の素質の問題、いろいろの問題がありまして、十分に効果をおさめ得ないわけでありますが、この点につきましては今後とも努力を重ねて参りたいと思います。数字については保安局長からお答えいたします。
○木村(行)政府委員 ダンプカーと砂利トラックを一緒にして、統計を申し上げたいと思いますが、昨年の一月から九月までの状況を申し上げますと、この種の車種によっての交通事故の発生件数が一万一千七百六十九件、それからそれによる死者が六百六十一名、それからけが人が五千百二十人、死傷者合計五千七百八十一名でございまして、死傷者の数におきまして、一昨年の統計に比較しまして大体二九%の増加でありますので、非常に激しい増加になります。これに関しましては、ただいま長官が申し上げましたように、警察の方でも非常に重点を置きまして、たとえば東海道一円の幹線につきましては、数県が一緒になりまして、各警察官区ごとに共同して一斉に取り締まりをする。その場合に、この種の自動車の取り締まりというものに非常に重点を指向するということになっております。
○太田委員 大いに重点を置いて規制をするというよりは、よく導いていただき、経営者、運転者双方によってもっと人命を尊重して、自動車運送の公共的な使命を果たすようにしていただきたいと思います。それについてもいろいろの策があるわけであって、ダンプカーなどの事故の多いのは、これは運転台が高いところにも原因があるのです。運転台をもっと低くするように構造を変えたらどうか。物理学的に、心理学的にですよ。こういうことなども十分御研究なさる必要があると思うのです。 そこで、そういう際の罰金のことなんですけれもど、大阪におきまして自動車の組合と経営者の団体とが、その罰金の一部を双方において楽に負担するために何か共済会のようなものを作りまして、どちらも百円なら百円ずつ、同額の金額を拠出して、この道交法の罰金が最近非常に高いものですから、そのものを納めやすくする制度を作ったら、それに対しまして府警は、道交法七十四条違反だといって取り消しを求めたということがありましたが、こういうのは少し干渉し過ぎると思うのです。これに対する所見を一つ承っておきたいと思います。
○柏村政府委員 ただいまお話のような事案があったようでございますが、私どもの考えとしましては、共済組合といいますか、共済会といいますか、そういう共助制度を設けて、やむを得ず起こったような事故についてお互い助け合うということは、これにまで干渉すべき性質のものではないわけでありますけれども、業者において営利本位に考えて、罰金を払うような事故を起こしてもおれが見てやるんだ、従ってどんどん働けというような趣旨に基づいてそういうことが行なわれるといたしますと、精神としてはもちろん七十四条違反になりますし、そういうようなことで労働者を駆使するというようなことは好ましくないという趣旨から、警察の方で注意をしたのではないかというふうに思います。共済会、共済制度そのものについてとやかく言うべき筋のものとは考えておりません。
○太田委員 終わります。
○園田委員長 門司亮君。
○門司委員 大臣は何か御用があるそうですからけっこうです。なお川島さんに一言だけ。今、政府で行なわれておりますあなた方の懇談会が交通問題を考えるときに、私は二つに分けて考える必要があると思うのです。一つは将来への恒久策、もう一つは当面の応急策をどうするか、せっぱ詰まった問題をどうするか、どちらに重点を置いて、そうしてどういうふうに審議されておりますか、その点を一つ明らかにしておいていただきたいと思います。
○川島国務大臣 とりあえず応急策に重点を置きましてやっておりますけれども、むろん恒久策も考えております。ただ恒久策につきましては、現在ある閣僚懇談会だけでいいか悪いかということについてはまだ考える余地がございます。他の機関も必要かもしれませんが、現在は両方とも考えながら進んでおります。
○門司委員 もう一つだけ聞いておきます。これは要求だけでいいと思います。もし今の大臣のようなお考えだといたしますと、私ども非常に心もとないと実は考えております。少なくとも閣僚懇談会が開かれて日本の交通をどうするかということをお考えになっている以上は、何といっても恒久策というものを十分に考えるということが必要である。そのためには、少なくとも今の懇談会というようなものでなくして、私は恒久策としてのものの考え方がどうしても日本に必要ではないか。日本の将来を考えて参りますと、当面の間は警察だとかなんとかいろいろな問題がありますが、すべてはやはり道路計画と運輸計画に置かれると私は思います。狭い日本で効率的に仕事をしていこうとするには、非常に大きな問題があろうかと存じますが、従って、恒久策としてはやはり大きな機関、省なり庁なりというものを設けられて、そこで腰を落ちつけてじっくりやっていただくことが私はこの際必要だと思います。しかし、当面の問題としては、今あなた方がおやりになっております閣僚懇談会でやはり当面の問題は打ち出してもらいたい。従って、今まで開かれておりますあなた方の会議で、どういう問題が取り上げられ、どういう問題が当面の処置として必要かというようなことが議論されて、その会議録あるいは御意見等のまとまったものがございまするならば、一つこの委員会にお示しを願いたい。私どもも、皆さんのお考えとわれわれの考えとがどういうふうになっておるかということ等も一つ検討してみて、そうして当面の問題として取り締まりに重点を置くべきか、あるいは交通全体の問題を考えるべきかということが考えられると思いますので、私がそういう資料をきょう要求するということは少し強過ぎるかもしれませんが、あなたにお願いをして、当面の問題を解決する策としての内閣の意見をはっきり知りたいと思いますので、資料がございましたら、一つこの次の会議までにお出しを願いたいと思います。
○川島国務大臣 閣僚懇談会の経過それから結果、処置等は資料として提出いたします。 それから根本策につきましては、現在ある閣僚懇談会だけでは決して十分でないのでありまして、門司さんのおっしゃる通り、特別の省庁等が必要かもしれませんが、その前提といたしまして、近く交通問題根本対策の審議会を作りまして、国会に提案する予定になっております。これには民間の人にもお入り願いまして、民間の知識を動員して根本策を研究しようということにいたしておるわけであります。
○門司委員 今閣僚関係の方は明らかになりましたので、あとは保安関係でありますが、警察は、今ここに何か警察法の改正を出して、そうして交通局を作るようにするといっておりますけれども、こういうお茶を濁したような、人をからかったようなことで、一体今の交通問題が片づくとお考えになっておること自体が私は実際はおかしいと思うのです。人間はちっともふやさないで、拡張もしないで、ただ名前だけを変えて交通局をこしらえたからといって、今のこの現実の交通地獄の問題が解決するとは考えられない。なぜ一体警察はもう少しはっきりしたものをお出しにならないのか。人間が足りないならば足りないとして、先ほどお話のありましたように、多少の増員はここで加えられるかもしれないが、こういうことが同時に私は考えられなければならないと思う。同時に、今自治大臣は、やむを得ざる用事でお帰りにならなければならなかったのでやむを得ませんが、地方の自治体が、ほんとうに今日の交通事故をなくすことのためにどうするかということについて、協力のできる態勢をこの際ぜひ作っていただきたい。交通局を設けて取り締まりだけをどんなに厳重にしたって、交通事故がなくなるものではございません。交通事故をなくそうとすれば、全体の国民の協力が必要である。今現にモニター制度ですか、十万以上の都市に民間の協力を得る制度を設けておいでになりますが、これはわずかに二十四の都道府県で、百四十二の警察にこの制度が現在設けられていると私は大体記憶いたしております。この制度が一体どういうふうに活用されておるのかということが、一つの大きな問題になってくると思います。同時にまた民間の協力をどういうふうに得ようとしてお考えになっておるか。単に交通局だけできればそれでよろしい、取り締まりの点だけでよろしいというようなお考えでは、いつまでたっても何も解決にならない。そういう点について、民間の協力をどういうふうに得ようと考えられておるか。今申し上げましたモニター制度だけでは私は不十分だと考える。もしその点の構想がありましたら、きわめて簡単でよろしゅうございますから、それだけ一つお答えをしておいていただきたいと思います。
○柏村政府委員 今回交通局の設置をお願いいたしておるわけでございますが、私も、お話しのように、交通局を作ったから万事解決するなどということは夢にも考えておりません。ただ、現在の保安局がいかにも広範な仕事をしており、その中に交通の事務も所掌するということで、一局長ではあまりにも負担が重過ぎるということから、専任の局長を置いて、そのもとに若干の要員をふやすことにとどまりましたけれども、専門的に考えて態勢を整えていきたいということでございまして、これは交通問題解決のための私どもの態勢をいささか整備したというにすぎないのでありまして、解決策というふうには考えておりません。ただいまお尋ねのモニター制度以外に、一般の協力態勢というものをどう組織化していくかという問題でございますが、モニター制につきましては、現在ほとんど各県で設置しあるいは設置の準備を具体的に進めておりまして、現在三万六千名ほどの方に御協力を願っておるわけでございまして、かなり具体的ないろいろアドバイスもいただいておるわけでございますが、こういうものに限らず、やはり全国民的な交通安全運動というものに発展していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。それで、先ほど大臣からもお話がございましたように、中央に日本交通安全協会というのがございまして、各都道府県にもそうした協会が作られて、それが中心となって各地の安全運動を展開いたしておるわけでございますが、幸いなことに、最近単にこうした団体とか機関とかいうもののみに限らず、マス・コミの方面その他各階層において交通問題についての関心が非常に高まって参ったので、こういう機会を大いにつかまえまして、国民全体の交通安全に対する組織化、これはしかし全国的な組織というよりも、むしろ地域々々、あるいは町ぐるみあるいは市ぐるみというようなことでじみちに動いていく必要があると思います。これも各地でかなりそういう運動が展開されつつあるわけでございます。こういうふうな末端といいますか、第一線からそういうふうな組織作りがされていくということによって、全体の効果が非常に上がってくるのではないかと思います。 なお、関係各省において、たとえば立体交差などについては建設省の問題、踏み切りの問題は運輸省の問題と、いろいろございますので、そういう方面でも独自にお考えでございましょうが、私どもも気のついた点はこういう機関とも連絡をとりまして、あらゆる面を総合して施策を進め、同時にまた一般の方の御協力も得ていくというふうに努めて参りたいと考えておるわけであります。
○門司委員 今の答弁でもう一問だけ聞いておきたいと思います。 一般の協力というものが必要でありますが、その中で最も必要なのは業者の協力です。これをどういうふうに求めようとお考えになっておるか。実例を申し上げてみますと、たとえば神奈川県の三崎にあります三崎運送では、会社自身が事故を起こさないという方針で、そうして一定の場所から所定の所まで運ぶキロは何キロだ、その所要時間は幾らだ、それ以下に時間を詰めれば必ずキロ数がオーバーするんだ、いわゆるスピード違反になるんだ、だからスピード違反を出さないという規定を会社自身が設けておいて、そうしてスピード違反を運転手がやらなくてよろしいのだ、それは運転手にたちの悪い人がおれば別ですが、そういうシステムを設けられて、創業以来今日まで、おそらくそういう事故がなかったということが発表されております。私は、やはり業者自身がそういう形であるべきではないかと思う。従って、一般の協力を求めることは、今のモニター制度については私は疑問がある。これはただ単に違反を見つけたのを警察に報告するとかなんとかということで、警察のスパイの役目をするようなことではちょっとおかしくないかと考えられる。そういう協力の仕方でなくして、やはり実際の問題で交通の問題をどう処置していくかということが考えられなければならない。古い例を言えば、子安の火薬の爆発事件などは、一晩に四回行けばよいのを、五回行けば、前四回は一回三百円だが、五回目は五百円の賃金を出すというような規定を会社が設けているものだから、運転手がもう一回運ぼうということで、五回目を運んだところが大きな事故を起こした。私は、やはりこの点については運転手自身の責任よりも、むしろ今日の状態では、使用者側の事故に対する責任と自覚というものが十分でなければならないと思う。従って、国民運動にするとすれば、一般国民の今のモニター制度のような制度でなくて、もう少し私は幅の広い、道徳的の問題をこの中に入れていくような考え方にしていただきたいと思うが、これに対する所見をちょっと伺っておきたいと思います。
○柏村政府委員 ただいまの門司委員のお話はまことにごもっともでございまして、そういう自覚のある業者が相当出て参っておるわけでございまして、たとえばタコグラフというようなもの、これは今強制されておるわけではございませんけれもど、自分の会社のあれには全部つけるということによって成績を上げておられるようなところもございます。そして先ほど申し上げました交通安全協会には、そういう有力なる業者の方などは会員として入ってこられて、そういう方のいろいろの御相談、お互いの啓発というようなことで、今お話のような点も逐次進められて参るのではないか。それともう一つは、やはり歩行者、特に先ほど阪上委員からもお話がありました、子供のうちからの教育というような点に特に重点を指向して参りたい、こう考えております。 ————◇—————
○園田委員長 この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 道路交通対策について調査をなすため、小委員十一名よりなる道路交通対策小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○園田委員長 御異議なしと認めます。 よって、小委員に宇野宗佑君、小澤太郎君、亀岡高夫君、久保田円次君、纐纈彌三君、田川誠一君、安宅常彦君、阪上安太郎君、野口忠夫君、松井誠君及び門司亮君を、また、小委員長に小澤太郎君を指名いたします。 なお、お諮りいたします。今後における小委員の辞任の許可及び小委員に欠員を生じました場合の補欠選任につきましても、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十二分散会