大蔵委員会 第36号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/04/26
会議録
○小川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の国民金融公庫法の一部を改正する法律案及び網鳥正興君外六十九名提出の国民金融公庫の農地被買収者等に対する貸付けに関する臨時特例法案の両案を一括して議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。田澤吉郎君。
○田澤委員 農地被買収者に対する貸付金と国民金融公庫との関係は非常に大きい政治問題になっているわけでございまして、今回は提案者である綱島先生がいらっしゃっておりますし、本来ならば大蔵大臣の出席を求めて質問するのがほんとうでありますけれども、政治的な問題に関しましては政務次官から明快な御答弁をいただきたいと考えます。 第一番目は、国民金融公庫法の第一条に、「国民金融公庫は、……銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な事業資金の供給を行うことを目的とする。」ということが書いてありますが、この「国民大衆」ということは一体具体的にどういうような範囲であるのか、一つお答えを願いたいと思うのであります。
○天野政府委員 国民大衆ということは、ここに書いてありますように、常識的にいって国民大衆と読めるわけでございます。それならば国民大衆ということを、国民金融公庫でどう限定するかということになりますと、この第十八条二項にございますが、「適切な事業計画を持つ者で、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする」ような立場にある大衆でございまして、しかしながら、その下の方に締めくくりがありまして、「生活困窮者に対する救済資金の供給」というような性格に至らない、事業資金を必要とする、そういうしぼりのかかった方がこの公庫の対象になる、このように了解していいのではないかと思います。
○田澤委員 具体的にどういう範囲をさすのか。
○天野政府委員 一般の金融機関からなかなか借りにくい。しかしながら事業をやる上においてある程度の資金を必要とする、そういう人たちのことをやるわけであります。
○田澤委員 次の問題をお伺いいたします。国民金融公庫の貸付対象となる資金は、法律によれば、事業資金ということになっているが、同公庫では普通貸付のほか、更生資金貸付や恩給担保貸付等をも行なっており、必ずしも事業資金には限定されていないようであるが、同公庫が更生資金貸付や恩給担保貸付等を行なうことができる根拠、及び生活資金まで貸し付けることができる根拠を明らかにしてほしいと思うのであります。
○橋口説明員 ただいまお尋ねがございました更生資金貸付と恩給担保貸付の二点であったかと思いますが、更生資金貸付は、名前は更生資金という言葉を使っておりますが、これはあくまでも事業資金の貸付ということになっておるわけでございます。それから恩給担保に関する貸付でございますが、これはいわば恩給給付金の前払いという性格を持っているわけでございます。実際の取り扱いにいたしましても、二年半分の恩給金額を限度として貸し付けるという建前をとっております。法律的な取り扱いといたしましては、特別立法をいたしまして、ただいま政務次官から御説明がございました、生業資金の貸付に限定するという規定を排除いたしておるわけでございます。その排除しております趣旨は、ただいま申しましたように、恩給資金は本来生活資金だ、従ってそれをまとめて貸し付けるという性格に着目いたしまして、生活資金の貸付を行なうことができるという趣旨で法律の規定ができているわけでございます。
○田澤委員 次に、国民金融公庫の三十六年度中の貸付総額と、それから種類別貸付残高及び業種別貸付残高はどうなっているか、お知らせ願いたいのであります。
○酒井説明員 それでは私から数字のことをお答えいたしたいと思います。 三十六年度中の貸し出しの数字でございますが、これは御承知のように、今お話がありましたが、普通貸付、恩給貸付、更生資金その他ございまして、主力は普通貸付でございます。普通貸付につきましては、三十六年度は千二百三十八億八千七百万円という貸付を行なっております。それから恩給担保貸付、これが百二十七億八千三百万円、その他の貸付が六億七千七百万円でございまして、合計千三百七十三億四千七百万円という貸付をいたしております。もちろんこれは原資といたしましては、相当回収金がございまして、全部含めまして千百三十六億千二百万円という回収金がございますので、新規資金といたしましてはそれほど多い数字ではございません。 次に貸付状況の内訳でございますが、これはパーセンテージで申し上げる方がおわかりやすいと思いますのでそういたしますが、まずその業種別に申し上げますと、製造業——実は三月末が決算期でございまして、まだ正確な数字がとれておりませんので、二月末までについて申し上げますが、大体の傾向は同じだと思います。製造業が三〇・六%、卸、小売が五四%、サービス業が七・六%、その他が七・八%になっております。そのほかに、用途別を申し上げますと、運転資金と設備資金の関係でございますが、これも二月末のところで、傾向は変わりませんけれども、パーセンテージで申し上げますと、運転資金が六五・二%、設備資金が三四・八%になっております。
○田澤委員 三十六年度で、一貸付の平均が幾らになっておりますか。
○酒井説明員 三十六年度——これも二月末までで、決算期の分、三月末までは完全にまとまっておりませんけれども、大体直接扱いと申しまして、これは国民金融公庫の支所が自身で貸し付けますものが、三十万四千円が平均でございます。それから代理扱い——これは相互銀行や信用金庫等七百数十カ所に代理店を設けております。これが平均二十三万八千円。これを総平均いたしますと二十八万七千円というのが、われわれの一件当ての平均でございます。もちろん原則は、法人につきましては五十万まで、個人につきましては二十万まで、ただ別表の業種につきましては、個人で百万まで、法人について二百万までという現状になっておりますので、最高二百万でございますが、今申し上げましたように、大体平均いたしますと三十万程度というのが、三十六年の実績でございます。
○田澤委員 さらに、この公庫の農業融資の現況はどうなっていますか。
○酒井説明員 国民金融公庫といたしましては、いわゆる営農資金につきましては他の系統機関がございますので、それは扱っておりません。ただ私の方といたしましては、たとえば果樹園芸、畜産といったようなものについての若干の扱いをいたしております。その大体の数字を申し上げますと、農業関係といたしましては、件数では一万七千百八十件、金額は十七億九千三百万円。これは主として畜産関係——養鶏、養豚、それから牛でありますとかというようなものが入っておりまして、全体のパーセンテージから見ますと、これは昨年中の残高に対する割合ですが、貸付件数で二・五%、金額で一・七%、平均より一件当たりの金額は小さくなっております。
○田澤委員 次に、農地被買収者に対する融資をなぜ国民金融公庫で行なわれたのか、たとえていいますと、農林漁業金融公庫または特別の金融機関による融資の形で、農林金融の増強に資する方が合理的でないかと思うのですが、どうして国民金融公庫をお使いになったか。
○天野政府委員 農地被買収者の方々は、都会に出ておられる方もございまして、やはり国民金融公庫の性格からいたしまして、ほかの金融機関と比べますとこの方がいいんじゃないかということで、国民金融公庫でやるということにいたしたわけであります。
○田澤委員 さきの答弁にもありましたごとく、更生資金の貸付あるいはまた恩給担保貸付等のごとく、生業資金以外の資金、すなわち生活資金あるいは育英資金の貸付を、どうして今回この一部改正の中に入れなかったか、その点を御質問いたします。
○橋口説明員 先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、更生資金貸付はあくまでも生業資金の貸付ということで、生活資金の貸付はいたしておらないのでございます。それから恩給担保貸付につきましては、現在単行法がございます。その単行法によりまして、恩給担保の貸付を国民金融公庫において行なっておるわけであります。従って、恩給受給者は必ずしも農地被買収者ばかりでなく、国民大衆があるわけでございますから、そういう意味で別の法体系で処理いたしておるわけでございます。また現状におきましても、現在の取り扱いを特に変える必要はないという見解でこのようにいたしておるわけでございます。
○田澤委員 綱島先生、これに対する御見解を一つ……。
○綱島議員 私の方ではこの問題を国民金融公庫に持っていかれたということは予想外であった、むしろ農林金融公庫に持っていくものだろうと思っておった。性格から言えば農林金融公庫に持っていってもらいたいと私どもは思っておった。ところが提案者の方で国民金融公庫へ持っていくということできめられたから、仕方がないから私ここへ来て一部改正の法案を提出した、こういうことでございます。従って、この法案が農林金融公庫に出ようが、国民金融公庫に出ようが、私どもの方ではあえてどちらとも選ぶところはありません。
○田澤委員 次に、国民金融公庫の三十七年度における資金調達計画と貸付計画について御説明を願いたいと思うのでございます。なお、この報告には、先ほど来問題になっております通り農地被買収者に対する貸付の二十億円を予定しているのでありまして、また資金調達計画においても、一般会計から二十億円を支出することを予定しているのでありますが、この二十億円の出資は農地被買収者に対する貸付二十億円のために行なわれているものであるかどうか、これをはっきり御説明願いたいと思います。
○橋口説明員 昭和三十七年度における国民金融公庫の貸し出し計画でございますが、総額千四百四十八億円の貸し出しを予定いたしております。その内訳といたしまして、普通貸付千二百六十億円、恩給担保貸付百五十七億円、更生資金貸付四億円、引揚者国債担保貸付六億円、その他貸付といたしまして、農地被買収者に対しまして二十億円の貸し出しを予定いたしております。これに対する資金調達といたしましては、政府出資金二十億円、政府資金借入金四百六十五億円、回収金等九百六十三億円、合計千四百四十八億円でございます。ただいま御説明いたしましたように、昭和三十七年度におきまして、国民金融公庫は千四百四十八億円の貸し出しを予定いたしておりますが、そのための調達原資の一部として政府出資金二十億円を予定しておるわけでございまして、農地被買収者に対する二十億円の貸付と政府出資とは関係がないわけでございます。つまり千四百四十八億円の貸し出しを実行いたしますために必要な資金として、一般会計からの二十億円をあわせて予定いたしておるわけでございます。
○田澤委員 それでは提案者と大蔵省にお伺いいたしますが、国民金融公庫の農地被買収者等に対する貸付けに関する臨時特例法案によりますと、「農地被買収者等に対する貸付けに充てるものとして出資された資金を限度として、」云々とあり、二十億円の出資がひもつきとされているわけでございます。ところが大蔵当局の提案理由の説明では「公庫の経営基盤の一そうの強化に資するため、」云々とあって、この考え方が矛盾しているような気がするわけでございますが、この点をお聞かせ願いたいわけでございます。
○橋口説明員 国民金融公庫の現状につきましては、先ほど酒井副総裁の方から御説明がございましたが、国民金融公庫の最近の経理状況を見ますと、資本金に対します借入金の比率が逐年増加をいたしておるわけでございます。のみならず、国民大衆に対するサービスを中心といたしまして、支所その他の機構を整備して参っておるわけでございます。従いまして、経費といたしましては借入金の負担が逐年増加するのみならず、経費の面におきましても逐次増加の傾向にあるわけでございます。従いまして、政府が二十億円の出資を決定いたしました趣旨といたしましては、できるだけ資本構成を是正いたしまして、公民金融公庫の経営基盤を安定させるという趣旨で二十億円の一般会計からの出資を決定いたしたわけでございます。ただいま御指摘がございました議員提案にかかる法案の第三条の解釈でございますが、これは率直に申しましてただいま御指摘がございました趣旨から申しますとこの規定は読みにくい規定であろうかと思います。従いまして、この規定をお書きになりました趣旨等については十分承知をいたしておらないわけでございます。
○田澤委員 次に、貸付のワクのことでございますが、貸付ワクを二十億円とした根拠でございますが、先ほど御説明がございましたごとく、国民金融公庫の貸付の例から見ますと、一件当たりは大体二十万から二十五万円程度の貸付を行なっているとしますと、二十億円としますと八千件ないし一万件に相当するわけでございます。この八千件ないし一万件というものを生み出した根拠はどういうところにありますか。
○橋口説明員 ただいま御質問ございました点でございますが、率直に申しまして積み上げ計算をいたしておるわけではございません。従いまして、二十億という金額を決定いたしました結果、どの程度の農地被買収者に対して貸付が行なわれるかという点については、ただいま先生から御指摘がございました八千件ないし一万件が当面の対象になるということでございます。それ以上の積算の根拠を持っておらないわけでございます。
○田澤委員 次に、提案者にお伺いいたしますが、自由民主党では昨年の十二月十九日に農地被買収者について報償制度と長期の貸付制度を確立するものとして長期貸付制度については昭和三十七年度予算をもって処置するものとすると決定しているのでありますが、今回の二十億円の処置はそのことを意味するのでありますか。提案者にお伺いいたします。
○綱島議員 さようでございます。
○田澤委員 次に、国民金融公庫はさきにも申し上げたごとく、一般金融を受けがたいものに生産資金を融資するものでありますが、生業資金需要者の中で、被買収者をなぜ特別扱いにするのであるかということでございます。またこの二十億を貸付するために貸付の基準と申しましょうか、貸付のための対象を作り出すということは非常にむずかしいことであると思います。たとえて言いますと、貸付額は、被買収者の被買収面積によるようにするのであるか、あるいはまた貧困の度によってそれをきめるのであるかという、いろいろ困難な問題があると思うのでございますが、これらの点に関して提案者並びに大蔵省にお伺いいたします。
○綱島議員 私どもがこの法の趣旨をきめました当時、農地被買収者は非常に困難に陥っている者もあり、従って事業を起こさなければならぬ者もあり、あるいはいわゆる国民金融公庫の生業と認めがたき、たとえば育英資金等に充てたいものもある、こういうものを総括して必ずしも生業という従来の金融機関の定義にははまらぬものでも、このことによって非常な打撃をこうむったものに対して金融処置を講ずるということを決定いたしました。従って、これに充当するためにこういうものを作ったのでございますから、元来はだれに幾らかれに幾らということまでは至っておりませんが、おおよそ被買収者は二百五十万人ございます。このうちの二百万人が一町歩以下の被買収者であります。これらの一町歩以下の人の大部分は、たまたま戦争中によそに行っておってその法律の適用時期にいなかったということのもとに、あるいは不在者であり、あるいは耕作能力を欠く者であるというような事項に該当して、無理やりに土地を取られておる、全く代金というに当たらぬ代金で取られておる、こういうような実情がございますので、これらに対する社会的な総合した考え方から、事業を起こす者もよかろう、事業を起こさぬ者でも非常に窮迫しておる者はこれにも貸そう、こういうようなことから特に事情が特別であるということから、従来の金融系統にはぴったりははまらぬけれども、特に特例を設けてやらなければならぬということでございますから、従来の金融機関のなしておることからいえばもちろんこれは特例法で、特例でございます。特例の実情は今申し上げた通り、それでは一体どういうもので貸していくか、こういうことでございますが、これはいずれ貸付に対するいろいろな業務方法等もきめられるでございましょう。提案者の希望から申しますれば——この際希望を申しておきます。たとえば買収された土地でもいろいろでございます。法律には買収価格は賃貸価格の、田においては四十倍、畑においては四十八倍以下となっております。そこで小作者の代表者、当時の買収者の方の地位にある人が強かった委員会では、二十倍くらいのところできまっておるところがたくさんある、二十倍を割るのもございます。それから割合穏やかなところは四十倍、四十八倍でやっているところもございます。そういう実情等を勘案されて、そうしてこの法の適用の上から非常な被害をこうむっておるような人には、それらを加味して貸付を行なうことを提案者は希望いたします。しかし業務方法書は提案者がすることではなくて、これは政府と金融機関との間でこしらえられることでございましょうから、この際特にそういう希望を申し述べておきます。
○橋口説明員 農地被買収者に対しまして二十億円の生業資金の貸付を国民金融公庫から行なうという方針は、高度の政治的御判断によって決定されたものと承知いたしております。かりに政府原案が実施に移されます段階におきまして、私どもの現在考えておりますのはあくまでも金融でございますから、国民金融公庫の見地から見まして金融ベースに合致するものについて融資を行なうという建前をとっております。冒頭に政務次官から御説明がございましたように、国民金融公庫法十八条の規定によりまして、「独立して事業を遂行する意思を有し、且つ、適切な事業計画を持つ者で、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とするものに対して、」貸付を行なうということでございますので、事業を遂行する主観的な意思を有し、同時に客観的に見ましても適切な事業計画というものに対しまして、国民金融公庫から融資を行なうという一般原則によることといたしております。
○田澤委員 次に、国民金融公庫の二十億の貸付は特別長期低利の金融として、その償還金について、将来の問題でございますが、恩給担保貸付のごとく交付公債等によって相殺して、返還を要しないような措置を将来考えておりますかどうか、綱島先生にお伺いいたします。
○綱島議員 実は私どもも明年度予算においてさような法律及び予算等を計上してこれに臨みたいという考え方で、党においてはさように決定をいたしております。政府もこれに善処する旨の答えをいたしております。さように相なろうと存じます。
○田澤委員 国民金融公庫の貸付額の二十億円に関してはよくわかりましたが、さらに三十八年度以降に何らかのこのような措置がまた行なわれるかどうか、その点の御構想も大蔵省から伺いたい。
○天野政府委員 実績を見まして処置をいたしたいと思います。
○田澤委員 次に、国民金融公庫法の一部改正によって、被買収者に特別に二十億円の貸付を行なうという法律案が当委員会に提案されたことが、新聞あるいは他のニュース機関で国民に知らされたわけでございまして、このことによっていち早く国民金融公庫にその貸付の内容の問い合わせがきているというようなことが聞かされておるわけでありますが、実際にそういう問い合わせがきているかどうか。もしきているとすれば、どのくらいの件数がきているか、それをお伺いいたします。
○酒井説明員 新聞に出ましてからときどき窓口にどうなんだろうという話を聞きにくる方はございます。しかしこれはただ話を聞きにこられた方でございまして、別に融資相談でもございませんので、詳しい統計はとっておりません。それから調査にあたりまして農地被買収者であったかどうかということが判明いたしましたものが、大体この一−三月で百件ほどございますけれども、これで全部だというわけでもございませんし、また農地被買収者として特別にこれを見たのではなくて、やはり事業を転換されて普通の商売をやっておられる、しかしもとはそういうことがあったというような方が百件ぐらいございますが、これは特別に積極的にこちらから伺った数字ではございませんので、実数はどれだけかということはまだつかんでおりません。
○田澤委員 最後に政務次官にお願いいたしますが、ただいまいろいろ答弁を聞いていますと、この法案に対して何か大蔵省が消極的である、積極性を欠くような気がしてならないわけでございまして、私はこの法案に対しては、やはり提案した以上は積極的な態度を持ってこの法の実現のために臨む必要があると思うのでございますが、その点に対するお考えを承りたいのであります。 また提案者に対してお伺いいたしたいのは、生業資金以外の資金すなわち生活資金あるいは育英資金の貸付を行なう法案とするならば、やはりその裏づけ財源が必要であると思うのでございまして、それに対する将来の考え方、またその裏打ちを十分作っていくことが必要だと思いますが、それに対する決意のほどをお伺いいたしたいわけでございます。
○天野政府委員 提案申し上げました法案につきましてはいろいろと研究もし、検討もいたし、その結果御提案申し上げたわけでございまして、できるだけすみやかにこれを通過さしていただきたいというのがわれわれの考え方でございます。
○綱島議員 提案者の方では、もちろんどこまでも立法行為によって、かつて被害を受けた者、妥当性を欠く措置がなされた者等については立法府の責任において改正していくことが民主主義なんで、そのために私どもは選ばれている。その議員の職責に立ってこういうものを出したからといって、これで穴があくようなことはせぬ。金融機関もやっていけるように法的措置を講ずることも当然私どもは実現して参りたい。もちろん農民に対しての措置もできるようにしていきたい、こう思っ ております。
○小川委員長 岡田修一君。
○岡田(修)委員 二、三の点について関連して質問したいと思います。 これは大蔵省並びに提案者のどちらからでもけっこうですが、農地被買収者に対する国民金融公庫の貸付の条件でございます。金利並びに償還期限はどういうふうに考えていらっしゃるのか、御答弁願います。
○橋口説明員 農地被買収者に対する貸付金の貸付金利でございますが、これは現在検討中でございます。大体腹づもりといたしましては、現在の国民公庫の生業資金貸付の最低利率でございます年六分五厘を適用する方向で現在検討いたしております。それから償還期限は、現在普通貸付の業務方法書によりまして原則として三年以内、特別な場合には五年以内ということになっております。さらに例外的にそれぞれ三年のものにつきましては二年、五年のものにつきましては二年延長することができるような扱いもございますので、現在の業務方法書のワク内でこれを活用することによって十分対処できるというふうに考えております。
○岡田(修)委員 私は提案者の綱島先生にお尋ねいたしたいのですが、今の大蔵省から答弁があったような貸付条件で提案者は御満足なのですかどうですか、一つ伺っておきたい。
○綱島議員 やむを得ぬと思っております。
○岡田(修)委員 農地の被買収者は占領行政の非常に大きな犠牲者である、同時にまた今日の非常に安定した平和な農村の姿の大きな支え、人柱となったと言っていい人たち、こういう人たちに対しては今日のわが国の財政状況その他からしてできるだけめんどうを見てやるべきではないか。今提案された国民金融公庫からの二十億の貸付限度は、その人たちの犠牲に対してはまことにスズメの涙にも相当しないようなものだ。こういう人たちに対する貸付が一般のどの貸付の種類に相当するのか知りませんが、恩給担保の貸付でありますとか、その程度の貸付条件でいいかどうか。私はもっとこの貸付条件を緩和してしかるべきである、かように考えるのですがいかがですか。綱島先生のお考えを伺いたい。
○綱島議員 できるだけ長期で、できるだけ低利の方を希望いたしますが、この問題は元来根本的な処置をするということを前提として、三十七年度にとりあえずということでございますので、まず三十七年度はこういうことでがまんしよう、こう考えております。 特にこの際一言申し上げておきたいことは、自作農創設維持法及びこれの施行に関することでございます。この法律を作りましたのは昭和二十一年の十月二十一日でございます。ところがこの法律において不在者だとかあるいはその他耕作に耐えぬ状況あるいは家庭の状況とか、いろいろな状況というものは、すべて二十年の十一月現在で決定することにしておった。そのために、戦争中だからやむを得ぬというので貸しておりまして、労力がないために前田まで貸しておる者がたくさんございます。戦争が済んで帰還したからお返しを願いたい、ああお返ししましょうというので、二十一年の春にはもはや植え付けておるものあるいは十月の二十一日にはかま入れをしておるものもあるのです。それを二十年の秋現在が貸し地であったということのために強制買収をされておる。ではこういうものが異例であるかというと、この方が多いのであります。大体一町歩以下の地主というものは、一町歩以下を今まで地主と呼びなしてきたことが私は驚くべきことだと思う。農村において一町歩ぐらいのものはみんな営々として数年にわたって求めたものであります。これは地主と言うには当たらぬと思うのです。なるほど資本主義において最も憎むべきもの、最もウィーク・ポイントとされるものは不労所得であります。その不労所得の二大支柱は金利と地代であるという議論は、十八世紀後半から十九世紀にわたって非常な論争をされた問題でございますので、この点をなるべく少なくしようとする政策をとったことは相違ございませんが、農地においてのみこれが多少行なわれた。金融の利息などについては世界で日本ほど高利な国はございません。かつて私は、ユダヤ人といわれるサッスーンの子会社というか、投資しておったヒレル・ウント・アシケネージという会社の法律顧問を十三年ほどしておりました。しかしこの連中は金を貸すのは三分二厘で貸す。そして期限が来ても返せぬようなときには貸し足しをいたします。それでも管理状態が悪いと思うと、事業を受け取って自分で経営いたします。それでちゃんとりっぱな産業に返れば、元利を計算して取れば、事業自身はもとの持ち主に返しておるわけです。私は、こういうことは日本の金融機関においては見習わなければならぬ世界の金融の形態だと思う。生産を起こすような線で金融をするのか、金融機関が回収しやすいようにするのか、いわゆる高利貸し的金融をするのか、生産的金融をするのかということによって、非常に資本主義の内容が変わってくると思う。これは今後日本においては、金融機関の諸君はよろしく社会におけるおもな責務を知られて、特にこの法案などについてはそういうことを承知して、一つ善処されたいと特に希望する。そういうものについては、わが党は日本の将来を担保するに足るような政策でいきたいと思いますから、来年度においてはりっぱな策を立てて善処したいと考えております。
○岡田(修)委員 ただいまの綱島提案者の御説明では、来年度さらに次の措置を講ずるのであるから、本年度はこの程度で納得せざるを得ないということでございますので了承いたしたいと思います。さらにこまかい点ですが、農地買収者が国民金融公庫に貸付を申し込んだ場合の審査、これは内容がよかろうが悪かろうが、あるいは貸付の能力があろうがなかろうが、無条件に貸し付けられるのかどうか、その点、国民金融公庫はまだそこまでお考えでないかもしれませんが、一応の考え方をお伺いしたい。
○酒井説明員 御承知のように、国民金融公庫は国民金融公庫法及び政府の指示、御監督のもとに運営いたしておるのであります。今われわれが伺っておりますところでは、貸付に際しての審査は、やはり普通貸付と同じように成業の見込みがあり、償還の見込みが確実であるという、いわゆる金融ベースに立った審査をするということでございまして、農地被買収者であるからといって、特別な扱いを審査においてやるということはないのじゃないかというふうに私どもは聞いております。
○岡田(修)委員 けっこうです。 ————◇—————
○小川委員長 金融に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。
○横山委員 金融問題は今の焦点でありますが、きょうはいずれ総理大臣を初め各大臣の御出席を求めることになっておりますから、具体的な問題でお伺いをしたいのであります。 きょうの新聞を見ますと、下請の支払いがますます悪化をしておることを報道しております。中央会は二十四日の下請代金の支払い状況の調査を発表いたしましたが、それで見ますと、大体昨年の夏までは九十日が普通だった手形期間も百二十日になっておる、手形支払い一本の会社がふえる、一流親企業も、手形期間は九十日でも、検収期間を長くしたり、代金支払い日に全額払わなかったりする例が多いということになっている。こういうような、下請代金の支払いが非常に悪くなったことに対しまして、本国会では下請代金の遅延防止法の改正をいたしたわけであります。しかし、それだけではとうてい不十分なことは言うまでもないことであります。そこで政府はこの金融問題についての対策をするべきでありますが、根本の経済情勢の認識に閣僚間において欠けるところがありますために、結局具体策がきわめて不十分である。それどころか、年末の中小企業金融の買いオペの売り戻しを一生懸命に始めておるという状況なんであります。こんなことを行なわしておりますと、終局的には少し延びてはおりますものの、五月、六月、七月にかけて、中小企業に対する大へんなしわ寄せがくると予想されるわけであります。今四月、五月、七月の三回に分けて、年末の買いオペの売り戻し額が総額三百五十億円にきまったそうでありますけれども、そういうようなことをしておって、一体中小企業金融を緩和するという考え方がないのか、これからどうしようとするのか、まず総括的な御意見を伺いたい。
○天野政府委員 お説のように、中小企業の金融に対しましては、従来一番苦心をいたしておったところでございまして、政府関係三公庫に対するいろいろな措置とか、また市中の金融機関に対する融資比率の確保であるとか、また揚超期に対する買いオペの措置であるとか、いろいろ中小企業金融について一番力を入れて今日までやっておるところでございます。あまり波のないように、しわの寄らないように、またできるだけ円滑に参るようにというつもりでいろいろとやって参りたいと思っておるわけでございます。
○横山委員 政務次官、抽象的なことを言わずに、今売戻し額がきまって回収しようとしているのですよ。あなたの言うのと逆に回収しようとしている。回収すれば引き締まるのはあたりまえじゃありませんか。だから、どういうふうに改善をしておるのか、具体的に今やっていることを言って下さい。
○佐竹説明員 中小企業金融に対するいわゆる買いオペを昨年の秋以来実施したわけでございますが、これに対する回収に入っておるのではないかというお話でございます。御指摘のように、まさに四月、五月、七月にわたりまして、これを三回に分けて回収をする計画を立てておるわけでございますが、これは御承知のように、昨年十月、十一月と実施をいたしました当時から実は予定をされておりましたところでございまして、その買いオペレーションの趣旨というものは、いわゆる年末金融の疎通ということにあったわけでございますので、年末の季節的に集中いたします資金需要というものに対処するということで、もともと短期の運用ということは予定されておったわけであります。幸いにいたしまして、年末の需要期も無事平穏に乗り切ることができたわけであります。そこでこれは四、五、六、七の間におきまして財政収支の状況その他金融情勢全体を見まして、同じ回収をいたしますにしても、これが中小企業に何らかの悪影響を与えることがあってはならぬわけでございますから、その辺十分考慮をいたしまして、まず四月には五十二億円程度、五月に大体百七十億程度、六月は財政収支も引き揚げがかなり見込まれますので、これは休みにいたしまして、七月に至って残りの百二十億を売り戻す、合わせて三百五十億円を回収することにいたしておるわけであります。先ほど政務次官からもお話がございましたように、中小金融につきましては昨年来多額の政府資金も投入をされております。また市中金融機関の中小企業向けの融資比率も引き続き三〇%以上を維持されておるということで、中小企業に対する資金の供給というものに十分な配慮が行なわれておる状況でございます。現在これを売り戻すことをいたしましても、それによって中小金融が悪影響をこうむるということはあるまい、かように実は考えておるわけでございますが、今後五月、六月と状況を見まして、その情勢に応じて、必要があれば昨年の秋以来実行いたしましたような中小金融に対する対策をこれまた弾力的に考えて参らねばならない。いずれにいたしましても、それは今後の情勢をよく見て対処する、かように考えております。
○横山委員 私は全く認識不足もはなはだしいと思う。たとえば商工中金を例にとってみましょう。ことしはたしか三十五億のワクですね。一応短期の百十五億が返済期にある。それを引いてしまって——返すべき条件が、売り戻し条件付になっておるのだから、これは返せというふうにあなたの方ではやっているそうだ。最終的にその百十五億がどういうことになって売り戻しの計画が立ったか、御返事をいただきたいのだけれども、どちらにしても、今商工中金が計画を立てておりますのは、各支店に平均大体五億円か六億円。それを十二で割りますと純増は一カ月わずか四千万円くらいですよ。そうしたら一体どういう貸付ができますか。私どもも仕事が仕事だもんだから、ときどき商工中金へ寄ったり、あるいは金融の話を聞いて、ときには相談に乗ったりするのですけれども、商工中金はまるきり貸すことを考えてないです。それよりも、二百二十億の商工債券の消化に全力をあげている状態です。前も私は言ったのですが、一体商工中金というところは金を借りるところか、それとも金を貸すところかどっちだ。あなたの話によれば、まことに平穏無事で話がスムーズに進んでおるということだけれども、商工中金の実情を一ぺん調べたらどうです。私はあなたに百十五億の売り戻し条件付の返済がどういうふうに確定をしたか、それをお伺いしながら、商工中金の事情をあなたはよく御存じなのかどうか伺いたい。
○佐竹説明員 ただいま横山先生の御指摘の商中に対する短期の財政資金の回収の問題、これはどちらかと言いますと、理財局の問題になるかと思いますが、とりあえず私から商中の現状並びに計画について申し上げます。 商工中金の三十七年度におきます貸出計画、これによりますと、延べ貸出で約五千六百億円を予定いたしておるわけでございます。これに対して、三十六年度の当初の計画におきましてはこれが約四千億円でございました。従いまして、その間約三割八分の増加を見ることになっております。これは延べの貸出でございますので、純増ベースでこれをさらに見ますと、三十七年度の計画は三百六十五億円ということでございまして、これは三十六年度当初の計画三百十億円に対して五十五億円の増、すなわち、約一割八分の増加ということに相なっておるわけであります。御承知のように、これは国民公庫、中小公庫を通じまして、いわゆる三機関の新年度計画は大体いずれも一割八分増ということでそろっておるわけでございます。従いまして、特に商工中金が苦しいということは、この数字からは出て参らないわけでございます。 そこで、先ほどお話のございました三十六年度中に運用されました財政資金の短期の分を三十七年度に入って回収するということ、これにつきましては、四−六の間に四十億程度を回収する。残りの分につきましては、これは七月以降の時期になるわけでございますが、そのときの金融情勢を見て回収する、かようなことに相なろうかと思いますが、それらにつきましては、むしろ貸元でございます理財局の方からお答えするのがあるいは適当かと思います。
○吉岡説明員 御承知のように、商工中金に対する短期の貸付のうち年度越しになっておりますのが百十五億でございます。一応そのお約束として返していただく時期は、三十七年の四月から始まりまして九月までに各月ならして返していただくことになっているわけであります。これは国民公庫あるいは中小公庫についても同じような問題があるわけでございます。そういう意味で、一応お約束通り返していただくつもりでおるわけでありますが、先ほどからお話がありますように、今後の金融情勢その他によりまして、銀行局その他と十分御相談をしたいと思っている次第であります。
○横山委員 そんなことをおっしゃるけれども、現在商工中金の窓口に行った場合に、四十億は返すことになって いる。あとの七十五億はどうなるかわからぬから、これは一応ないものとして考えなければならぬ、こういう態度で窓口はやっておる。しかも金がないから債券を買ってくれ——だから、貸すことよりも商工中金は借りることに全力を注いでおるのです。かりにそういうベースで推移した場合に、あなたの方では、貸付実績はそうないじゃないか、だから七十五億は少なくしたっていいじゃないか、こういう話をするつもりですか。これでは年間の商工中金の計画が立たぬではありませんか。商工中金へ行った人が、七十五億がないという立場において議論されているのだから金が借りられないのです。今私が申しました通り、年間一支店当たり平均五、六億である。月にならして小さいところは二千万円、大きいところで五、六千万円、そんな純増で新規需要に応じられますか。だから、もう画一的に前年実績よりも減らす、こう言っているわけです。ばかばかしい話だけれども、佐竹さんは、三十六年度出初は三百十億だから五十五億ふえていると言うが、これは計算の話であって、三十六年度の実績が幾らで、それと今年と比較しなければだめじゃありませんか。一割八分の増加なんというものは数字の問題であって、全然なまの話をあなたはなさっておらない。これでは問題にならぬと思う。だから、政府としては七十五億を減らさぬでもよいという立場で資金計画を立てさせなければ、窓口はもう断わることばかりです。あなた、一ぺん商工中金の窓口に一日すわっておってごらんなさい、担当者がどういうことを言っているか。とにかく前年より減らして下さい、新規のことはお断わり。それが証拠にこれだけしか予算がありません。それよりも商工債券を買って下さい。割当ですよ。所員全部割当で、お前は幾ら、お前は幾らといって担当している。そんなばかげたことが政府金融機関としてありますか。どうですか、もうこの四十億を回収することが決定をしたというなら、私はこれだってばかばかしい話だと思うけれども、あまり言わないが、少なくとも七十五億を返すのか返さぬのか、売り戻しをやるのかやらぬのか、そこのところをはっきりしなければ窓口は仕事ができない。七月になったら考えましょう、九月になったら情勢の推移を見て、そんなことで窓口で仕事ができますか。
○佐竹説明員 七十五億を回収するかどうかという点につきましては、ただいま吉岡次長から申し上げましたように、資金運用部としてはこれをお返しいただくという約束になっております。そこで私どもは商工中金の資金繰り等を見ておりまして、これを一体どの程度いつ回収をしていくのがいいか、これは先ほどの理財局のお話のように、現在まだ確定しておらぬわけであります。そこでやはり全体の金融情勢あるいは商工中金の資金繰りの状況等を見て、その上でもし必要があればそのときに措置をするということでございまして、今からこれをことしは返しません、あるいは返さぬでよろしいと言うわけには参らぬと思います。それはもともと昨年商工中金に対して運用されましたときにそういう話し合いになっております。 なおつけ加えさしていただきますと、先ほどの四十億を返すのもはなはだもっておかしいじゃないかという御指摘でございますが、この四十億の点につきましては、従来はいわゆる短期運用というのは三月三十一日というところで切れまして、これは横山先生には申し上げるまでもないのでございますが、いわゆる会計年度で切っておる。そこでこれはいかにも経済の実態に合わぬじゃないか、つまり短期の同じ借り入れにしましても、四月なり五月なりまでいけば、いろいろ商品の回転その他で償金の返済ができるというものが相当ある。それを非常に機械的に会計年度というもので切るためにそこに無理があるじゃないか。従って、これを二、三カ月延ばすということがむしろ経済の実態に合う、それは運用方式としてはやはり同じ短期運用なんだということなら、何も会計年度にこだわる必要はないじゃないかというようなこともありまして、そこで初めて昨年いわゆる年度越し短期と称するものやっておるわけでございます。
○横山委員 私の言うことにはっきり答えなさいよ。私の言っているのは、きょう、現在局長もおいでにならぬようだが、おいでにならぬのはおいでにならぬ理由があって、経済閣僚懇談会をやっておる。だから私はがまんをしておる。何で経済閣僚懇談会をやるか。経済情勢が非常に予想と違ったからやっている。その違ったことが窓口に現われている。だから下請の支払いが悪化しているということを各所で報じておる。現に商工中金においては、窓口は金を貸すことよりも民間から金を借りること、商工債券の消化に全力をあげておるという事態、それを七月になってから考えましょう、八月になってから考えましょうという言い方があるかということです。四月の問題が法律的にどうのこうのということは今聞く必要はない。今の情勢が心配だからこそ、閣僚も意見が分かれて議論をしておるじゃないか。七十五億を返すのか返さぬのか、売り戻しをやるのかやらぬのかということは、今きめるべきことなんです。今きめなければ商工中金では計画が立たぬと言うんです。全部断わると言っておる。中小企業者は困っておるということなんです。それをどう思うか。もう七十五億の売り戻しの問題についてすみやかに決定して、商工中金の窓口が円滑に進むようにやらせるべきだという、その判断を聞いておるのです。
○佐竹説明員 七十五億を売り戻すということについては、そういう約束になっておるわけでございます。
○横山委員 約束は知っていますよ。
○佐竹説明員 いや、私が申し上げておりますのは、七十五億を売り戻すということは決定すべきであるというお話でございますが、その点ではそういう約束はすでにできております。できておりますが、実際の計画の状況、これが七月、八月ごろの情勢がどういうように動くか、これによって、またそのときにもし必要があればここで問題としては提起されてくるだろう。しかし現在の段階でどうかとおっしゃられますと、それはそういう約束になっておるということでございます。
○横山委員 何ぼ言ったらわかるのですか。なるほど条件は七月が期限である。しかし七月に七十五億が入ってくるか、入ってこぬかによって、商工中金の今の仕事の仕方が違うのです。何べん言ったらわかるのですか。七十五億が入っていなかったら——年間の計画がわかってやらなければならぬでしょう。七十五億入ってくるなら、今から計画を立てて貸すこともできるでしょう。七十五億が入ってくるか入ってこないかということは、商工中金の作業に重大な影響がある。商工中金なんかどっちを向いたっていいけれども、それによって手形の支払いが悪くなっておる現在の情勢が救えるか救えないかということなんです。そんな形式論ではだめですよ。
○佐竹説明員 どうも私のお答えの仕方がはなはだ悪いために非常におしかりをいただいておるわけでございますけれども、何分にも七十五億の問題につきましては、約束は約束としてある。しかし、その約束が履行できるかできないかということは、やはりそのときの経済情勢によるわけであります。少なくとも現在の段階におきましては、御承知のように四月の状況をごらんになれば、決して商工中金が非常に窮迫しておるという状態ではもちろんございません。ただおっしゃるように、七十五億を取り上げられるということになるとなかなか大へんだぞということで、あるいは内部でいろいろと検討しておられる向きもあるかもしれませんけれども、しかしそれは現実に七月なり八月になりまして、実際にそれをどうするか、もちろんお返しいただく九月までという期限がございますが、それを七、八、九の三カ月間の情勢を見て、これをどうするかということはまたそのときの状況で考えていかなければならぬ。あるいはまたさらにつけ加えさしていただきますと、七、八月の金融情勢から見て、中小金融に対するさらにまた新しい対策を打たなければならぬというようなことが起こってきますれば、当然そういう問題の中に吸収されることも考えられますし、いずれにしましても、そのころの状況等を見ませんと、ただいまから直ちにこれを回収せずと言うこともなかなかむずかしいかと思います。
○横山委員 政務次官は私の言おうとしていることがおわかりですか。
○天野政府委員 大体わかるわけでございます。
○横山委員 大体じゃ困るよ。
○天野政府委員 全部わかるわけでございます。そこでなかなかむずかしいところでございまして、ただ現段階で七十五億はもういいのだというわけにもいきません。金融がはなはだ苦しいということはわかっておりますけれども、苦しいところは苦しいなりに何とかめどをつけてぐるぐると回るようにすることがむずかしいところでございます。従いまして、商工中金でなかなか苦しいということはわかるのでありますが、ただいま佐竹財務調査官が言ったようなことは一応の建前といたしまして、いろいろと今後研究をしながら対処していかなければならないと思います。
○横山委員 わかっておるならもう少し親切な答弁をしなさいよ。それなら逆に聞きましょうか。商工中金は、年度の計画を立て、支店に対してまた窓口に対して指示を与えるに際して、どのくらいの金をことし使ったらいいかということをやはりやらなければならぬでしょう。その際に七月ないし九月ごろ七十五億の売り戻しが行なわれるという立場に立つ場合と、行なわれないという立場に立つ場合とでは、明らかに作業の仕方が違うでしょう。それはわかるでしょう。それだったら、今の商工中金の窓口へ行って、話を聞けば、仕事のしようがない。一番安全値を見つくろった場合においては、七十五億は売り戻しをやるという立場に立たざるを得ないわけですよ。それを商工中金がいや返せなくてもいいという立場に立って作業をしたら、下半期の商工中金の金融がずっと苦しくなることはよくわかっているあなた方が——それなら佐竹さん、聞きますけれども、あとのことはめんどう見るから実勢に合わせて貸していけ、そう言って下さればそれで済む。大体においては取り上げるのは原則だぞということを言うならば取り上げられるという前提に基づいて貸さざるを得ないでしょう。実勢に合わせて、場に応じて貸していけ、あとはわれわれが考える、そう言ってくれればいい。どうでしょう。
○佐竹説明員 その点は、商中はもちろん何と申しましても中小金融疎通のための専門金融機関でございますから、中小金融の疎通について円滑にいくように考えて運営して参らなければならぬことは申すまでもないわけであります。従いまして、三百六十五億という全体計画があるわけでございますから、これに基づきまして資金の申し込みに応じて査定を考えていく、さればといってもちろん全面的に申し込みに応じておったのでは、これはこのワクでは足らぬことは御承知の通りでございますが、従来やって参りましたような度合いにおいて、中小金融の疎通に遺憾のないように、商中として運営をしていくということを私どもとしては期待をしておるわけであります。
○横山委員 わかりました。いいですね、あとで口は災いもとと言わぬようにしてほしいのですよ。私もそんなにめちゃくちゃに貸せとは言いません。今までの実績、実勢に応じて貸していくのは当然だとおっしゃるのですね。 ではもう一つ確認をしておいてもらいたいのだけれども、商工債券の消化を割当でめちゃくちゃやっているのですよ。それはやはり考え直してもらわなければいかぬ。商工中金が商工中金の利用者に対して、去年のうちは二割くらいだと言っておったけれども、三割からずっと上がって、商工債券の無理な消化をさせておる。商工債券の消化については利用者に対して無理はさせないというように約束していただきたい。
○佐竹説明員 まことにごもっともなお話なんでございますが、私どもとしても基本的な考え方としてはまさにそのように考えております。ただ先生百も御承知のごとく、この商中債の消化状況というものが今なかなか思わしくない。そこで私どもとしては、そういうふうに利用者に無理に持たせるということになりますと、歩積み両建の変型のようなことにもなりかねないわけでございます。そこで極力そういうことは避けるようにという意味で、たとえば銀行その他の金融機関あるいは農中あるいは保険会社、そういったようなところでできるだけこれを持っていけるように、協力方を昨年来実はいろいろやってきておるわけであります。その意味において今後ともそういう面の努力は十分いたしまして、できるだけ利用者の方々に御迷惑をかけることがないように努めたい、かように考えております。
○横山委員 国民金融公庫はまだいい。しかし中小企業金融公庫といっても代理貸しをやらせる場合においては、もう金融機関が人のふんどしで相撲をとっておる。つまり政府の資金で、そのふんどしで貸した額のある一定割合を預金させておる。こんなばかなことは周知の事実ですよ。まだ国民金融公庫の方はそんなことは全然ない。そして商工中金が零細金融のめんどうを見切れないから国民金融公庫の消化が伸びる。こういう金融も国民金融公庫に移りつつある。ですから、とにかく金を借りたければ、その言うことをある程度聞かざるを得ぬ。私どもがどんなにここで歩積み、両建はいかぬと言っても、商工中金がやっておることは歴然たることじゃありませんか。あなたはそらぞらしく歩積み両建にまぎらわしいことはいかぬと言うが、まさに認識不足か、そらぞらしいと思う。ですから私からこんな言い方はおかしいと思うけれども、少なくともこの一定割合以上には厳としてやらしてはならぬという指示をあなたの方からさせなさいよ。それから商工債券の消化について割当をするがごときことは厳に戒めよ、こう言って下さい。
○佐竹説明員 その点につきましては、従来とも商中に常時指導、監督と申しますか、そういう面で話をしておるわけであります。割当をするというようなことははなはだ好ましくないことであります。そういうことのないように他の面で消化を進めていくという努力を今後も引き続いてやって参りたい、かように考えております。
○横山委員 他の面でということは、政府がやりますという立場にならなければだめです。私はさっきからくどく言っておるけれども、とにかく実勢に応じて貸せという指示をして下さい。今の中小企業金融が非常に困難であるおりから、商工中金に対し非難が集まっておるときであるから、無理のないように実勢に応じて貸し出せ、同時にあわせて商工債券の消化について無理をしてはならぬ、この二つを政府は商工中金に言うべきです。それであって初めて、あとになってそれじゃこの売り戻しの問題は政府がある程度のめんどうを見てくれるのだということがはっきりする。それをえらくそらぞらしく、七月になったら、八月になったら考えましょう、そのときどきの情勢によるということを言っておったのでは、商工中金の仕事ができません。商工中金の仕事ができないばかりではなくて、中小企業者が商工中金の利用ができません。一番しわ寄せが中心になっておりますこの商工中金の仕事は麻痺状態であります。いかにして断わるか、断わることのうまいやつが成績を上げておるというばかばかしい状況です。こんなばかなことが政府金融機関にありますか。この貸し出しについては、資金不足を理由として断わるということのないように、実勢に応じて貸し出しを引き続きやれということと、商工債券の消化については利用者に無理をさせないようにしろ、それを今して下さい。私の言うように七十五億は約束できないというなら、今その二つを商工中金に指示して下さい。
○佐竹説明員 商中債の消化につきまして、利用者に無理にはめ込むというようなことのないようにということは、実はかねがね商中に対しても指導いたしております。ただ問題は、何分にも資金源のかなりの部分を金融債に仰いでおる関係で、商中としては、なるほど政府にいろいろたよる一面もありましょうけれども、しかし自力で何とか一つやっていきたいというような気持があって、その気持のあふれるあまり、あるいは時には御迷惑をかけるということも起こりかねないかもしれませんが、そういうことのないように、この点は、私どもとしては従来に引き続きまして、今後も十分指導いたして参るつもりであります。 なお貸し出しの計画の方でございますが、横山先生御指摘のように実勢に応じて貸せ——問題は実勢とはどういう意味かなかなかむずかしいところでございまして、私どもの先ほど申し上げましたことは、従来商工中金が利用者に対して融資をいたしておりますそのベースと申しますか、状況に、突然ここで断層ができてもいけない。それで三百六十五億円という年度計画があるわけであります。そういう年度計画に沿って中小金融の疎通に遺徳のないように持っていく、こういうことかと思います。
○横山委員 私の言うことを、実勢に応じてやってくれるのですか、くれぬのですか。あなたは従来と言いますけれども、従来よりぐっと引き締めておりますから、今実勢に応じて貸せということと、商工債券の消化というものについて利用者に無理をさせないようにしろということをやってくれるのですか、やってくれぬのですか。
○佐竹説明員 同じことを繰り返して非常に申しわけございませんけれども、利用者に迷惑をかけるというようなことのないようにという点は、もう従来もやっております。従って今後におきましても、もちろんこの点は十分承知いたして指導上遺憾ないようにいたしたいと思いますが、同時に貸し出しの方でいわゆる実勢に応じて——言葉の意味がなかなかむずかしいわけでございますので、はたしてそういう言葉を使っていいのかどうかわかりませんけれども、ともかく中小金融専門の機関として設立された政府金融機関でございますから、その制度の趣旨に沿った金融をやるように、こういうことは従来も言っております。ですから、たびたび申しておりますように、その点につきましては今後同じ態度で私どもは臨んで参りたい、こういうことでございます。
○横山委員 今やってくれるのか、くれないのかと言っている。現在の状況というものが、私は繰り返し言うのだけれども、何のために今局長がここに来ないのか、各大臣が経済情勢について意見が違って議論をしているからでしょう。七月や八月のことじゃないですよ。今ですよ。だから従来もやっておるじゃあかぬというのです。今商工中金の窓口へ行って、あなた一日立っておったらどうですか。今がいかぬから、七十五億というものができぬなら、私が百歩も千歩も下がって言っているように、せめて実勢に応じて貸し出せ、無理に引き締めるな、そうして預金や商工債券の強制的なやり方をするな、今やってくれということを言っている。
○佐竹説明員 横山先年のおっしゃる趣旨を十分尊重いたしまして、その線で商工中金を指導して参りたいと思います。
○横山委員 それじゃあなた、かたく約束をされたのでありますから、私はここしばらくの間に窓口を一、二回りまして、あなたはうそを言う人間であるかどうか、商工中金の本店から支店へ行って、私は支店であなたがどういうことをなさったか受けとめてみますから、それがあって約束を守らぬようだったら、口先だけの、からだは大きいけれども、目方は軽い、そういうふうに考えますから、特に私はきょうは声をからしてそれを言いたい。政務次官にお伺いしたがったのですけれども、わざわざあの人に強く言ったのですから、おわかりでございましょうね。特に私は最近痛感していることでございますから、政務次官、今の質疑応答を了解をして十全にやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○天野政府委員 よくわかっているところでございます。また佐竹財務調査官の言っていることも御了解願えると思います。中小企業金融機関として、また特に商工中金について、できるだけ利用価値が高まるような方向でいろいろと指導して参りたいと思います。
○横山委員 政務次官にお願いをしたいのですが、これだけ声をからして何回も同じことを繰り返しておるのですから、ぜひそんな佐竹財務調査官と私とのまん中をとってまるくお話をするようなことは避けて、話がわかったときには、私が責任を持ってやるというふうに言って下さい、どうですか。
○天野政府委員 先ほど佐竹財務調査官の言った通りであります。
○横山委員 それではお願いします。 それから根本的な問題に触れるわけでありますが、現在の政府の中小企業金融機関に対する根本的な行政方針が、私はどうも不十分だと思う。政府の三機関に対しては、全体の中小企業金融の一割くらいしかないわけですね。あとはそれぞれの市中の中小企業金融でやっておるわけですが、今までは市中の中小企業金融というものが脆弱であるから、補完金融としてやってきたという立場なんですね。ところが相互銀行もそれから信用金庫も信用組合も非常な発展をしてきたことは御承知の通りであります。そこで一体、今後の政府の方針として、これは根本方針ですが、私どもはさらに政府三金融機関としても飛躍的に拡充をしろと言っておるのだけれども、将来は民間機関を育成強化して政府金融機関の分野を徐々に縮小していくようなお気持があるのか、あるいは民間の金融機関の発展を抑制して、政府金融機関に集中するおつもりなのか。ここのところは議論の分かれ目でありまして、まだ原則的なことですから、その前にやるべきことはたくさんあるのですけれども、根本的には一体どういうふうにお考えなんですか。それを一ぺん私は前からぜひお伺いをしたいと思っておりました。
○天野政府委員 市中の中小企業専門金融機関の助長育成ということに力を入れております。それと同時に政府関係の三機関につきましては、これも力を入れていく。どっちに比重があるかという問題でなくて、両々相伴いまして中小金融が円滑にいくように育てていかなければならないと思っております。
○横山委員 まあそういう御答弁になるだろうとは思いますが、しかしそれだけでは、私は情勢の推移に追いついていないと思う。最初三公庫が出発いたしましたときには、全く落ちこぼれというような感じでございましたが、最近においてはそうでなくして、政府の金融機関というものは、一つの指導的な役割をするようになっておると私は思います。それが証拠に市中金融機関でやれるものであっても、やれないものであっても、必ずしも断わらぬ。同時に三公庫が持っております役割というものは、一つのモデルとして、歩積み、両建をとらないという意味においてのモデルとして、あるいは金利が安いというモデルとして、市中金融機関に影響を与えておることは間違いのないことだと思う。それで将来の問題として徐々ではあるけれども、どっちの方向へ向いていこうとするのか。政府としてはそういうことはお考えにならずに、それこそ両々相待ってということであるか。その辺の基本方針はないのですか。佐竹さんどうですか。
○佐竹説明員 基本的には、ただいま天野政務次官がお答え申し上げました通りでございます。なおこまかい点について補足させていただきますと、御指摘のように、現在の全体の中小金融貸し出しのうちで占める三公庫の割合は、本年の二月末で大体九%でございます。約半分を占めておりますものが、御承知のように全国銀行で、相互銀行、信用金庫等におきまして約四割、こういうのが現状でございます。これをもって見ますと、やはり中小金融における民間部門のウエートが圧倒的に高いということを示しておるわけであります。これは従来ともこういうことでございましたが、将来にわたっても、やはり基本的な姿としては、民間金融というものが主になるべきものではないか。ただそれでは足りないという面ももちろんございます。それはいろいろ、貸し出し条件の問題にいたしましても、その他資金の問題にしても、質量ともに問題があろうかと思います。その点では私どもの感じでは、一体その全体の中で占める政府機関の割合というものを何%ぐらいに持っていくのが一番適切なのか。これはむしろ横山先生にいろいろお教えをいただきたいとかねがね思っておるわけでございますけれども、はたしてこれが一五%でいいのか、あるいは二〇%がいいのかという問題になりますと、非常にきめ手がないわけであります。結局はやはりその年その年のつまり財政事情と申しますか、財政の余裕力いかんということで結局はきまってくるのじゃないかということにもなりますので、ただ大きな方向としては、やはり民間を指導いたしますが、現在の状況で考えて参りましたならば、九%で十分足りておるか、もうこれ以上ふやす必要はないのかということになりますと、率直に申しまして、必ずしもそうも言えない、若干ずつこれをふやす方向で考えていく方が、全体として先ほど御指摘の中小金融における一種の模範機関と申しますか、そういったようなリーディング・バンク的な性格もございましょうから、できるだけ漸増の方向に持っていきたい、ただ一体何%までいったらいいかということになりますとなかなかむずかしい問題があろうと思います。そのときの財政事情でこれはおのずからきまってくるのではないか、かように考えております。
○横山委員 私は中小企業金融機関についてすべてを議論したい材料を調査してきたわけでありますが、時間がありませんからきょうは信用金庫を中心に議論をいたしたいと思います。 信用金庫が先般「信用金庫発展の基本方向」というものを作成をいたしたそうであります。その中の第一ページを開きますと、信用金庫の発展の状況が書いてある。全国的に発足したのは昭和二十六年十月二十日でしたが、当時は全国で千五百三十六、資金量は総計で六百九十七億円にすぎなかった。ところが昨年の十一月末の資金量は一兆一千五百億円余に達している。同月末の全国銀行の預金八兆六千五百億円に対比するとかなりなウエートであって、営業形態が普通銀行とほとんど変わらないというわけで日銀が非常に重視するに至った。これらの増大した資金量の使途をそのまま放置しておくことは、金融政策の運営上、量的な面も重要な意味を持つわが国の現状では、今後いろいろと問題が起こることも予想している。また資金量の増大とともに当然要請される資金内容や経営態度の健全化についても中央銀行の立場から十分な意思の疎通をはかりたいとしている。これは日本経済新聞が、日銀が信金の資金増を重要視しておるという記事の材料なんであります。そこで信用金庫は金庫法によって中小企業者を主たる対象として協同組織として地域的な金融機関として設立をされたのでありますが、私はその健全な発展と中小企業金融をより重視してもらいたいという立場から、少し具体的にお伺いをしたいのであります。 まず第一は、一千万円が三千万円に貸付限度の引き上げがなされた、これは私は必ずしも否定はいたしません。こういうことについての立場について否定はいたしませんが、しかしながらこれはいろいろな問題が含まれる。特に私どもの立場から言いますと、上の底上げ、天井を上げたことによって下の方の小口金融というものがどうなるかという点について、どうも疑念なしとしないのでありますが、三千万円にしたことについての政府の見解をお伺いいたしたいと思います。
○天野政府委員 一千万円の限度は二十八年のときに一千万円の限度で貸し出しをしておったわけでございます。現在は三十七年でございますから、その間に非常な開きがありまして、当時一千万円借りておりました中小企業が、順調に経済の伸びとともに成長したとかりに仮定いたしまするならば、一千万円の金というもの、これを今のところに引き直しますと、おそらく五千万円から六千万円くらいにいくのじゃないかというわけであります。特に当時一千万円借りていた中小企業者が成長するということになりますと、もう信用金庫の利用価値もない。それから中小企業の成長発展ぶりが非常に目ざましいものがある、いろいろ検討いたしまして、現段階では一千万円ではかえって低過ぎる、三千万円程度に引き上げるということは適切な措置である。かように判断いたしまして三千万円まで貸出限度をふやしたわけでございます。小口金融については、それじゃ片方にでかいワクが上がったんだから、小口金融の方にしわが寄るようなものじゃないかという御懸念もあろうかと思うのでありますが、裏から考えますと一千万円しか利用できないところは、それに見合った預金しか大体しないのが常識でございますから、三千万円まで上げればまた三千万円まで利用できるという建前からして、いろいろ預金等もふえてくるのは当然であります。従って、一千万円以下の今までの小口金融といいますか、そういう点についてはほとんど心配はないのではないかと思っております。特に零細資金につきましては御承知のように別途金融措置ができるような新しい措置を今度付加することにいたしまして、零細な金融についても配慮をいたしておるわけであります。
○横山委員 少し問題を甘く考えておるような気がしてならぬのでありますが、これと同時に最高金利を三銭に押えるようにということであります。しかし小さい信用金庫側が陰でいろいろと苦情を言っておりますことは、三銭にするかわりに店舗の認可をしよう、営業区域を拡大しよう、最高限度の引き上げをしようということになったようである。そうすればこれらの店舗が増設できるもの、営業区域が一そう拡大できるもの、最高限度の引き上げによって恩恵を受けられるものは、結局大金庫ばかりではなかろうか、そういうことを言っておるわけです。庶民の立場から言いますと、三千万借りられるもの、それはあなたの言うように非常に経営規模なり産業規模が拡大しておるからという理屈はないではないけれども、下に歯どめをしなければ、これはもう資金量というものは上に流れるのが必然なことではないかという点の不安がどうにも避けられない。だから私の言っているのは小さい金庫に対する配慮というものは一体どうなのか、それからもう一つは庶民金融という点について歯どめが十分に考えられてないではないか、こういう点について配慮なさいましたか。
○天野政府委員 小さい金庫につきましては、店舗の増設等いろいろ配慮して、これが伸びられるように指導して参ることになっております。零細金融につきましては、先ほど申し上げましたように、別途措置を講じておりますし、またいろいろ行政指導することによりまして、小口金融についても配慮をするということになっておるわけでございます。
○横山委員 佐竹さんにお伺いしたいのだけれども、三千万円になったということは、今まで三千万円の貸し出しがなされていなかったというふうにお考えでございますか。
○佐竹説明員 従来一千万円が限度でございましたけれども、実際問題としては一千万円超の貸し出しもございましょう。さらに三千万円をこえる貸し出しも皆無ではございませんでした。
○横山委員 おっしゃる通りです。実際それこそ悪い意味において実勢に合わない。今まではいろいろな抜け穴や、あるいは適当な貸し出し、そういうものがその規制の網をくぐって行なわれておった。それをあまり文句が言えないから実勢に合わして三千万円にしたということの方が、私はものの分析としては適当だと思う。それと同じように三千万円にすれば、また三千万円のワクをこえて貸し出しをするということが目に見えておるような気がいたします。この間新聞を見ますと東急くろがね工業に対するある信用金庫の融資は二億数千万円になっておる。その不渡り手形事件が発覚して業界で大問題になった、こういうことはあなた方の目はふし穴でございますか、監督はできぬことでございますか。
○佐竹説明員 はなはだ遺憾なことでございまして、従来とも検査等を通じまして、そういうことを発見いたしました場合には、極力是正させるように指導して参ったわけでございます。ただ何分にも、いわゆる通達の限度というものが御承知のように直接法律に基づくものかと申しますと、法律上の制限はまた別にございます。通達はその中で一種の内ワクのような形で、一種の行政措置として行なわれております。従いまして、それに対する罰則とか取り締まりといったようなものは、これは直接法律事項に基づくものとは、若干そこに相違があることは先生御承知の通りであります。そこで現実にそういう超過貸し出しがあるからそれに合わせるようにしたというお話でございますけれども、そこはつまり経済の実態の方がそういうものを要求してきたのに、いわゆる通達というものがあまりにもかたくなであって経済の実情に合わないためにそういう無理な形が出ている。従って、信用金庫としても、しいて通達違反をしたいとは思っていないと思いますが、何分にも経済の実情が非常に強い力で迫ってくるということでございます。従ってこれは形式的には確かに遺憾なことでございますけれども、実態としてはある程度やむを得ない面がある。そこで、そういった経済の実態に合うような衣もやはりこしらえなければならぬということが、先ほど政務次官のおっしゃった点かと思います。そういう趣旨で三千万円というものができた。それでは三千万円にしたら三千万円超というものがさらに出やせぬかという御懸念でありますが、その点については私どもも実は非常に心配いたしております。そこで、三千万円を一銭一厘たりとも出ないことを期待し得るかと申しますと、これまた先ほどの政務次官のお話のように、十年前の一千万円は今でいうと五千万、六千万に当たらないということもあります。そこで三千万円で全面的に押え得るかどうか、若干の落ちこぼれということがある程度出てきやせぬかということはある程度予想されるわけであります。さればといって、これがあまり多くなってくるということではいけないと思いますので、全体の貸し出しの中で占める三千万超の部分が実際に現在どのくらいあるか、将来にわたってこれがどの程度動くかということをある程度予測いたしまして、適当な比率で、全体のうちの何%以内のものであるならばやむを得ないのじゃないかという考え方もあろうかと思います。そこで全体として何%がいいのかということを実際に検討いたしておりますが、これは実態調査をいたしまして現実の姿を十分把握した上でやろうということで、実は現在調査が進んでおります。この結果が大体五月の半ばから末ごろには出ようかと思います。それをもとにいたしまして、いわゆるアローアンスといいますか、一種の許容限度的なものとして、一定割合というものを出して、それをこえてはならない。一方小口についても同じような問題がございまして、小口の貸出比率というものを確保しなければならぬ。それには全体のうちの何割くらいがいいのか、これも実は実態調査をして、その結果に基づきまして一定比率を設けたい。これは両者いずれも、再び通達を出しましてはっきりさせて参りたいと思っておりますが、現在まだ調査が進行中でございますので、結果が出ておりません。
○横山委員 一千万では底が抜け、三千万にしたらまた底が抜けそうだ、そんならどうしたらいいかということでもやもやしておる。まことにだらしのない話だと思う。そういう考え方であるから東急くろがね工業の二億数千万円というべらぼうな金も出てくる。そんなばかなことがありますか。どこで歯どめするつもりですか。また、きょうある新聞を見ましたら、これは商工中金ですが、「昨年倒産した某カメラ会社の銀行借入れ七億数千万円のうち約半額の三億数千万円が商工中金の融資だったことが表面化した。中金は担保をとっているから実害はないといっているがとんでもない。」これは商店街連合会の井田会長の談話なんですが「また商工中金の門司理事が退職時の高給のままで富士製鉄に迎えられた。さらに富士鉄は三億の商工債券を引き受けた。ここまでは結構なことだが、中金はこの見返りとして富士鉄の下請企業に十億円融資することになった。中金は合法的だといいきっているが形式はともかく精神は全く非合法そのものだ。中金が富士製鉄に直接融資するのとかわりがなく、これでは白昼、犯罪が堂々と行なわれているのと同じだ。」こういうのであります。こういうやり方は、私は従来ともあり得ることだと思っております。この問題を一体どこで押えられるかということは、私も一ぺん検討したことがあるのですが、表向きは富士製鉄が手形を出す。その下請が手形を持って商工中金に行く。それを富士製鉄と下請が、また陰で富士鉄と商工中金とが話し合ってやっていけば、それこそ白昼堂々と犯罪が行なわれても、何らの文句の言いようがないということになると思う。どんなに中小企業金融を私どもが超党派でやかましく言っても、こういうやり方が行なわれる限りにおいては、全く私どもの努力というものは大企業に奉仕しておるようなものだ。ばかばかしくてしようがない。私は痛感する次第です。先ほどの、くろがね工業についてどういうふうに二億数千万円を貸されたか知りません。それを今探索するのは私の目的ではありません。そんなことは答えてもらわなくてよろしい。よろしいけれども、こういう金庫や商工中金のあり方についてもう少ししっかりしてもらわなければ——あなた方だってそうでしょう。私どももそうですよ。大企業に奉仕するために財政投融資をやっておるようなばかばかしいことはやめなければならぬと思う。どこかでしっかり歯どめをかけてもらわなければ全く意味がない。それでもって下請は金庫や商工中金の金利を負担している。まさに二重の奉仕をしている。こういうばかげたことは何か知恵を出してもらわなければ困ると思うのですが、いかがですか。
○天野政府委員 先ほどの貸し出し限度の問題でございますが、大蔵省としても貸し出し限度を厳守するように今後厳重に指導いたします。また業界とそういう問題について常に連絡をとって、また監査も厳重にやっていきたいと思っております。 後段のことについては佐竹財務調査官からお答えいたします。
○佐竹説明員 ただいま御指摘の東急くろがね工業に対する融資の問題につきましては、実は私どもも非常に遺憾なことだと思っております。これは単に通達に違反するという問題だけでなく、いわゆる自己資本の限度というものとの関係において当然問題になってくる一例でありますが、ただそれにつきましては事柄としては遺憾でございますが、東急くろがね工業は現在整理の段階に入っております。従っていわば過渡的な問題として、いずれ近い将来これを解消するということで実はやっておるわけでありまして、先ほど横山先生御指摘の何を一体歯どめにするかという問題は、やはり何といってもそれは法律に定めるところの限度ということがあります。さらにいわゆる貸し出し対象として中小企業ということがあるわけでありますから、中小企業以外のものに貸していくということであってはいけないわけでありますから、そういう点は検査を通じて十分厳重に見ていかなければならない。もし違反するようなものがありましたら、これはびしびし整理をしていくということで参りたい、かように考えます。
○横山委員 ちょっとここで個人的な問題になって恐縮でございますが、何かくろがね工業の不渡りの問題で、業界の公式の場で大蔵省の某課長さんが業界を擁護するような発言をされたという話が業界の内部で話題になっておるそうであります。どういうことをおっしゃったか私もよく知りませんけれども、大蔵省の課長ともあろうものが業界の中で疑惑を持たれるような発言をなさったといたしますれば、いささか意外な感じがいたすのでありますが、そこにいらっしゃる課長さんかどうか知りませんが、そういう問題を何かお聞きになっておりますか。
○佐竹説明員 ただいま先生お話しのようなことは、実は私も耳にいたしておりませんが、かりに何らかの発言があってそれが取りざたされるとすれば、あるいは解釈その他の問題もございましょうが、もしそういう事実があるかどうか、いずれよく私どもとしても調べてみたいと思います。
○横山委員 繰り返し申しますが、そういう具体的な問題のあらを探し出すのが私の目的ではございませんから、その点は私のこれから言うことをお耳に入れて十分善処願いたいと思うのでありますが、この信用金庫の非常な発展をしてきた陰には各業界の全体の努力があり、また大蔵省の指導の努力があったことについては、私は否定し得ないところであろうと思うのです。それはそれでいいのです。けれども最近陰でいろいろ議論がございます点をここに列挙いたしますと、監督官庁の役人が信用金庫にゴルフへの招待を強要したといううわさがひんぴんと伝えられ、また数十万円も入会金を要するゴルフ・クラブに加入しておる当局の役人も少なくないという、こういう新聞のいろいろな問題や、陰で言われているようなことが、さらに私が今申しましたように、公式の席上においても課長さんが暗にそういうくろがね工業事件に関連して全体を擁護するようなお話をなすったということに裏打ちをされるがごとき雰囲気を呈しておりますことは、私はまことに遺憾なことだ、こういう点については十分善処をお願いしたい。これはまあ具体的な問題を出すのが私の目的ではございませんから、強くこの点については指摘しておくにとどめたいと思っております。
○天野政府委員 ただいま、今の、業界と大蔵省のお話のことが申されましたけれども、私も不審に思いまして業界の責任者に聞きましたところが、その記事を書いた新聞があったということは事実でございますが、非常に信頼を置くことのできない新聞がある意図を持って書いたというふうに了解をいたしております。 それからゴルフとかいろいろお話がありますけれども、これもいろいろ聞いてみましたところが、そういう事実は全くないし、また業界の方でもそういうことをしたことはないとはっきり言っておりますので、念のため申し上げさしていただきたいと思います。なお今後そういうことのないように当方としては厳重にやって参ります。
○横山委員 店舗の問題について少しお伺いしたいのでありますが、信用金庫が非常に資金量があるということに関連いたしまして、最近店舗の増設というものが行なわれる。それはけっこうであろうと思う。しかし結局庶民の積み立てた掛金、預金なんでありますから、おのずから信用金庫のみならず金融機関の店舗のあり方については一つの限界があろうかと思うのであります。最近私どものところにも、市中の目抜きのところに巨大な店舗が昨年か一昨年建ったのであります。実にもう豪華けんらんたるような金融機関であります。最近の設備投資の抑制からいいましても、何も金融機関にかかわらぬことでありますけれども、しかしそれにしても一そう金融機関の建築については十分考えなければならぬことがあろうと思うのでありますが、その点はどういうふうに指導をなさっていらっしゃるのですか。
○佐竹説明員 金融機関の店舗の問題につきましては実は非常に古い問題でございまして、金融機関がいたずらに華美を競って巨大なものを作って、お互いに競争が行き過ぎになるということは戦後いろいろ見られたわけでございます。これは単に信用金庫に限らず、いわゆる普通銀行におきましてもそういう問題がございました。そこでそれについてはいわゆる自己資本に対する不動産の比率というものを一定のレベル以下に押えて参るとかいったような関係で総括的な指導をいたしますと同時に、個々の店舗についてもいたずらに必要以上のものを作る、他行との競争上いたずらに大きくするということのないように従来とも指導をして参ったわけでございます。ことに最近におきまして設備投資の抑制の問題もございます。そこで昨年来金融機関の店舗の建築につきましては、大体現在の閣議決定によって設けられました建築制限のための七人委員会というものがございます。七人委員会の調整というものと十分相呼応いたしまして、一定額をこえるものについては極力その工事の施行を繰り延べてもらうということで実は調整をしておるわけであります。その点、先生の御指摘まことにごもっともなんです。私どもとしてもかねがねその点は考えておるわけであります。今後とも一そうその点について遺憾のないようにいたして参りたいと思います。
○横山委員 おっしゃるような事情ではないということをかたくくぎをさしておきます。 その次の問題は、従業員の問題でありますが、これは公式な署名入りの文書でありますからお名前を出しますが、御代田課長が「金融財政事情」に書いております中で、「遺憾であるのは相互銀行、信用金庫ともに経費の中の重要部分を占め、あくまでも漸を追うて水準が高められるべき人件費について、一挙に急激な増額がなされていることである。」云々「このような安易な経営能度がみられたことはまことに遺憾であり、……」こういう署名入りの論文を発表されております。それからそれを裏打ちして、私の調査したところによりますと、信用金庫の役職員の給与の引き上げについては、定期昇給以外の給与の引き上げを行なう場合には、その引上率が基本給の五%以上になるときは報告するように行政指導が行なわれておるそうであります。ある府県では一度に五%以上は引き上げてはならないといっている。そうすることによって管下全金庫に対して役員給与並びに人事についての不当な干渉が行なわれている。全国五百三十五信用金庫中、労働組合の組織されておるのは百金庫くらいでありますが、監督官庁の指導に反するから定期昇給以外は五%以上の引き上げができないというふうに従業員に言うておるところがある。しかし実際問題としてはそうではできませんので、五%以上を引き上げますと、なぜそうしたかという理由の説明を求められるというような状況だそうであります。こういうようなことは、どうしてそんな抑制をなさるのか、一般論としてまあ金融機関の収支が健全であるようにということはわかるけれども、今もって五%という数字が存在しておることが私は疑わしいと思っておる。国家公務員であっても、人事院勧告は御存じの通り、仲裁裁定でも御存じの通り、こんなときに五%以上になったら報告しろとか、またそれを逆に受け取って、五%しか上げられぬのだという、そういう労使の交渉にそれを利用するがごとき状況は、私は時宜に適しない。いわんやこの御代田さんの論文というものは遺憾だ、こういうような安易な経営をしてはならぬということは、実情に沿わざるもはなはだしいと思うのでありますが、どういう御見解でこういうものをお出しになったのか。
○佐竹説明員 いわゆる給与に対する統制を大蔵省がやっておるんじゃないかということでございますが、金融機関の給与につきましては、大蔵省としては、いわゆる統制ということは実はやっておらないのであります。大蔵省が考えておりますのは、あくまでその金融機関が健全にされる、最終的な目標としては預金者に対して迷惑がかからぬということでございますから、十分に自己資本を充実していく、そのためには経常収支の比率にいたしましても一定の割合をこえないようにということでやるわけでございます。これをことごとく要するに預金者保護というところにあるわけでございまして、決して個々の給与について統制を加えるというようなことは考えておらぬわけであります。ただ、御指摘の五%をこえたら云々という話でございますが、これはやはり一種の報告をちょうだいする、つまり連絡をしていただくということでございまして、それによって統制をするということじゃもちろんございません。これはいわゆる普通銀行につきましても給与の引き上げ等を行なう場合には、事前に連絡をしていただくということが、実は十年前くらいから行なわれておるわけでございまして、私どもとしてはその連絡をいただいて、そうしてその実態の動きを見ておる、こういうことでございます。
○横山委員 これはあなたの答弁も実にそらぞらしいと思うのです。五%という数字が何年前に作られたか知りませんけれども、大蔵省から五%といえば、五%が少なくとも政治的なめどになることは理の当然じゃありませんか。五%以上になったら報告しろということは、五%以上は必ずしも順当な数字ではないということを暗に意味しているじゃありませんか。だから使用者側がそういう数字を使って団体交渉に臨むのは理の当然なんであります。それを、いや、報告を受けるだけだと言う。そんなばかな話はない。それをなぜ事前に報告しろと言うのですか。なぜ事後ではいけないのですか。
○佐竹説明員 それはただいま申し上げましたように、預金者保護という見地から健全経営を維持しなければならない。そのためには経常収支率というものについて十分改善を加えていかなければなりません。その場合に、経常収支の中で占める人件費の率とか、あるいは物件費の率というものは当然相関連するわけでございます。そこで、私どもとしては、そういうものの比率がだんだんと上がってくる、そのためにコストが上がる、従って貸出金利も上げなければならぬということになってはよくないことでありますし、同時に、内部留保が十分に積めないということでは預金者に対して申しわけないということから、できるだけ経営を合理化して、自己資本の充実に努めるということがまず基本でございます。そこで、ただいま五%というお話がございましたが、これはたしか三十四年でございますか、二、三年前になるかと思いますが、そのときに通達でそういうものが出されておるわけでありまして、一体五%とは何かということになりますと、これは要するに一つの目安でございまして、いわゆる科学的な厳密な計算をしたわけでももちろんございません。現在でも、実は信用金庫の人件費の比率を見ますと、他の金融機関に比べましてかなり高くなっておるわけであります。そこで、できるだけこういう比率を下げて、自己資本の充実に努めていくということが必要でございますので、経営の能力を越えた、行き過ぎた給与の改定が行なわれることは好ましくないわけであります。これは単に私どもが好ましくないと思うばかりでなしに、ひいては預金者保護という問題にも関連をして参るわけでございますので、できるだけそこは金融機関の経営者の良識に待っておるわけであります。ただ誤解があるといけないと思いますので申し上げておきますが、あくまで私どもとしては給与の問題について干渉しておるわけではございません。これは先生よく御承知のように、労働関係調整法の精神を十分私どもは尊重しておりまして、決して政府は労使間の問題に介入しないということでございますから、終局的には預金者保護という線で見ておるわけであります。
○横山委員 あなた、どうも私と車の歯が合わないのですけれども、あなたが言っているのは全くそらぞらしいと思うのですよ。私の言っていることはわかっているでしょう。五%ですから、しかも事前に御報告を受けて、それはちょっと高いじゃないかと言うこともあるということなんでしょう。そうすると団体交渉で、大蔵省がこう言っておりますということになるでしょう。それをまた望んでいるのでしょう。だから、法律的に問題ないといいながら、実際的には大蔵省がベース・アップに対して制肘を加えておる。問わず語りにあなたは言っておるじゃないですか。しかも五%ということは数年前、実勢に合わないことも承知をしているじゃありませんか。私はもう少し金融機関の経営者を信頼したっていいと言うのです。起こったことについて文句を言うならまだいい。起こる前に文句を言うしかけになっておるじゃないですか。二つの理由、一つは五%、一つは事前、そういうことを大蔵省がそうまでつべこべ言う必要はない。事前に原則的なことを示して言うておいて、事後に、いかがですか、どういうことでしたかということならいいけれども、事前に報告をしろ、しかも五%という低率をもって報告をしろ、こういうようなことは越権行為である。そういうようなことを積み重ねておくから、私が先ほど言いましたが、これも名前はあげませんけれども、金融機関への天下りで、あなたの方の同僚及び先輩が、どういう交換条件でそれぞれの金融機関へ入っておるかということにまで発展したくなる。もう少しこの権限をゆるめなさいよ。金融機関の経営者の責任と自覚を尊重なさい。それを待たずに、やれ報告しろとか、事前にとかいうことはいいかげんにやめてもらわなければならぬ、こういうのです。
○佐竹説明員 横山先生のおっしゃる通りでございまして、私どもとしても実は金融機関の経営者を全面的に信頼して参りたいわけであります。ただ問題は、いろいろ段階がございまして、十分信頼し得るところまで育って参りますと、いわば手放しでいいわけでございますけれども、やはりなかなかそこに至らないような場合もございます。地方銀行等につきましても、実はそういういろいろな段階を経て発展して参っておりまして、将来全面的に信頼し得るような体制が一日も早くくるように私どもは実は希望しておるわけであります。
○横山委員 私の言っておることをやってくれるのかくれぬのですか。五%というばかげたことと事前の報告ということをやめるのですか、やめないのですか。
○佐竹説明員 ただいまの段階におきましては、これを直ちにやめますことはなかなかむずかしいかと思います。決して好ましいことではございません。そこで、一日も早くやめたいわけでございますが、ただ、現状では遺憾ながら直ちに手を放すというのはいささか不安がある。つまり、先ほど申し上げておりますように、預金者保護という大目的があります。それに対して金融機関の健全経営が確立されなければならぬ。これがもう経営者の良識と自主的努力で一〇〇%確保されるということであれば、むろん問題はないのであります。ただ、最近の状況を見ますと、遺憾ながら必ずしもそういう状態に相なっておらぬというのが今日の実情でございます。
○横山委員 そんなことをいって、重箱のすみっこをつつくばかりで、小さなネズミを追っておって、大きなネズミはさき言ったように、どんどん出ておるじゃないか。大きなネズミはようつかまえません、小さなネズミは一生懸命追います、あなた方のやっておるのは、こんなことじゃないか。こういう労使の問題に介入することにきゅうきゅうとしておって、二億数千万円だとか、べらぼうなことが行なわれておるのに、そうして、業界内部からは、大蔵省の方は、公式の場面でこういうことをようなさったというような評判を立てられて、一体どうなんですか。こんなことにきゅうきゅうとするよりも、ほかのことで考えるべきことがあるというのです。それは御返事要りません。あなたの言うことはどうもいかぬ。今の問題は私は越権行為があるということを常にかたく思っておりますから、取り扱い方については今後さらにやりたいと思う。中小企業金融の問題については、一つ一つ整理していきますと、ほんとうにたくさん問題があると思う。私は今の大蔵省のあり方について賛成いたしかねるが、同僚の皆さんにまことに恐縮だからそのくらいにしておきまして、また機会を得たい。 もう一つは、預貸率に関する問題でございます。信用金庫は預金支払い準備金として、預金総額の七五%ないし八〇%以上を保留して、これを現金、預金、コール・ローン、公社債という形で運用する。ところが、結局預貸率を堅持する強い行政指導によって、この支払い準備金の大部分がコール・ローンとして運用される。その実質コール・レートは、日歩三銭以上が恒常化されておる。季節的には五銭以上にもなっておる。現在信用金庫連合会等を通じて、推算七百億円くらい各金庫が直接出しているものを加え、総計二千億ぐらいの中小企業者の預金が信用金庫を通じてコールに出され、金詰まりの金融界に大きな影響を与えておる。これは実情判断として言ってもいいと思う。ただ、こういうやり方によって、結局大銀行や証券会社を通じて大企業の資金となってしまって、中小企業金融の少額な人たちに対して恩恵が与えられておらぬ。同時にそれによって、大きな信用金庫はコールにより高利をとって非常なもうけがどんどん発展をする、小さな信用金庫はそれがうまくいかぬ、格差が非常に増大していくばかりであるという点について少し考えるべきではないか。これはほかに、こうなったにはこうなった理由があるけれども、いささか結果論から言うと、考えるべき点が非常に多いのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○佐竹説明員 信用金庫の流動比率の問題でございますが、これは御承知のように通達をもって一定の比率を保つように指導いたしております。これもやはり帰するところ預金者保護の問題に通ずるわけであります。従って、この流動比率が著しく高過ぎるということになりますと、これは本来中小金融に運用すべき金がそれ以外のところに回るというような問題も起こってこようかと思います。現在におきましては、先ほど先生御指摘のように、大体預貸率が平均いたしまして七五%ぐらいのところになっております。これはこの二、三年来ずっと見て参りますとほとんど動いておらないわけでございまして、二五%程度が流動資産として、有価証券もしくはコールあるいは預け金ということに運用されておるわけであります。この点につきましては、やはり信用金庫の経営の基礎を固めるという意味で、この流動比率というものはなかなか落として参るわけには参らぬ、できるだけこれを維持して参らなければならぬという考え方は、これは従来とも貫かれておるわけであります。全体として、現在資金量が一兆二千億をこえておりますが、貸し出しにかれこれ一兆円が運用されております。一兆円の運用ということは中小金融貸し出し全体の中で占めるウエートから申しますと、現在すでに一五%をこえるという状態になっております。従いまして、私どもはこの流動比率を確保させるということのために信用金庫の中小金融貸し出しというものが不当に押えられておるというふうには実は考えておらないわけであります。
○横山委員 時間がありませんから私の言いたい結論的なことを言いますけれども、さまざまな問題をこれから提起をしたいのです。しかし時間がありませんから言いませんけれども、私の結論としたいことは、行政指導の焦点を少しはっきりしたらどうか。それはこのままでほうっておけば大信用金庫はぐんぐん伸びる。それから中小信用金庫はやっぱりそんなに伸びられない。格差が非常に開くということが痛感をされる。従って、行政指導の焦点を平均規模の低い標準に置いて、そしてコールの問題、大口貸し出しの問題、支店の増設の問題、営業区域の問題、店舗の問題等々についてそういう角度でやったらどうか。あなたの方としては金融機関の自主性をその意味においては尊重するから、資金量のあるものは伸びるのは当然、資金量のないものは信用力がないから仕方がないんだというふうなやり方でなく、全体的に信用金庫業界全般をながめて適正規模といいますか、適正規模というのはだんだん経済の発展について推移するけれども、大体全部の中から標準規模の信用金庫をながめながら、大は大、中は中、小は小というふうにして格差を少しずつ是正するような方向をとったらどうであろうか、これが私の結論なのであります。それを立証するためにいろいろな質問をまだいたしたいのでありますが、時間がございませんから結論だけ言うと、説得力がないようなわけでありますけれども、しかしどうしてもこういうふうにしないといけないのじゃないかと思われるが、いかがでしよう。
○佐竹説明員 信用金庫に対する行政指導の基本方針といたしましては、ただいま横山先生が御指摘になりました点、まさに私どもの考え方とぴったり一致をいたしておる次第であります。いたずらに大きいものだけを見て大きいものに力を入れるということではございません。極力格差を縮める方向で努力をいたして参りたいと思います。
○横山委員 えらく簡単に御賛成を願えまして、ほんとにそうかしらんと思うわけでありますけれども、しかし今の一言が信用金庫行政の上に具体的に現われることを私は期待をいたしたいと思います。この具体的な現われ方については本日時間の関係で質問をすることができませんけれども、さまざまな具体例を私が調査をし、そしてその問題については相当熾烈な私の意見なり調査資料を持っておることを申し添えますから、どうぞ今の全体の調整という行政指導の的確に行なわれるように要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○小川委員長 次会は明二十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十七分散会