商工委員会金属鉱山に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1962/03/16
会議録
○中村小委員長 これより商工委員会金属鉱山に関する少委員会を開会いたします。 金属鉱山に関する件について調査を進めます。 前回の金属鉱業に関する政府の説明について、質疑の通告がありますのでこれを許します。齋藤憲三君。
○齋藤(憲)小委員 金属鉱山に関して御質問を申し上げます前提として、鉱業法規定の鉱物中、この小委員会で主として取り上げる金属というものは、どの限界であるか、御答弁をお願いいたします。
○川出政府委員 この委員会で取り上げます鉱物は、むしろ政府側よりも委員会側でおきめになることが適当ではないかと存じますが、やはり一番大きな問題になりますのは、日本の鉱業では銅が、これは生産額におきましても、あるいはそれに従事している雇用の数においても非常に大きいと思います。それからその次は鉛、亜鉛というのが日本の金属の大宗をなしておると思います。そのほかマンガンでありますとか硫化鉄鉱でありますとか、金属ではございませんが、今後非常な難問を持っておりますのは硫黄でございます。硫黄は現在二十四、五万トンの生産でございまして、埋蔵量はきわめて豊富でございます。自給度は一〇〇%で、輸入は現在のところ全然いたしておりません。それから自由化も延ばそうと思っております。しかしながら、価格があまりにも違い過ぎて、関税ではどうにもならぬくらいの差がございますので、これを今後どういうふうに持っていくかというのは、非常にむずかしい問題でございます。これは金属はでございませんが、そういう問題を硫黄は持っておるわけであります。それからあとはタングステンでありますとかモリブデンでありますとか水銀でございますとか、いろいろな鉱物がございますが、鉱産物は石炭と違いまして、みなそれぞれの特徴を持っておりまして、対策も必ずしも一律にいかない面がございます。この前御説明したと思いますけれども、関税対策にいたしましても、鉱物によりましては関税割当制度をとっておりまして、これは実質的には輸入の割当をやるわけでございますので、現状とあまり変わらないような格好で保護されるものもあります。銅のように一本関税で暫定的に引き上げていこうというのもございますが、それぞれの鉱種別の態様によって対策も若干ずつ変わってくるかと思います。しかし結論的に申しますと、金属鉱物の中で一番問題をはらんでおるのは銅、鉛、亜鉛であろう、特に銅であろう、その他のものでは、硫黄をどういうふうにするかという問題が、今後の大きな問題ではないかというふうに思います。
○齋藤(憲)小委員 そうしますと、この第三条の鉱物を規定している中に、今御説明がございました以外に鉄と砂鉄はどうですか。
○川出政府委員 御指摘の通り非常に大切な鉄の資源だと思いますが、ただいま言い落としたわけでございます。
○齋藤(憲)小委員 この十月から石油が貿易の自由化品目に入るということで、今石油業法というものが非常に問題になっている。この法定鉱物に規定されている金属の中で、貿易の自由化品目に指定されているものと、まだ指定されてないものがあるわけですか。
○川出政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたしますが、現在自由化されておるものは、鉱産物の中ではウエートとしては八割近くが自由化されております。と申しますのは、たとえば銅鉱石は自由化されております。これは銅鉱石を自由化しても、輸入する人は鉱山でございます。鉱石でございますので、それを製錬できる設備を持っておる鉱山が輸入しているわけでございますが、自由化したためにどうという影響はないわけでございます。それから鉄鉱石も自由化されております。それから鉛鉱石も自由化されております。亜鉛鉱石も自由化されております。石灰石は自由化されておりますけれども、これは入っていない、国内で自給している。それから、これは国内にないと思いますが、ボーキサイト、それからコバルト、すず、銀等が自由化されております。
○齋藤(憲)小委員 その貿易自由化品目に指定されておる中で、現在の関税その他で国際比価的に見て、日本の鉱山として将来も稼行していける立場にあるもの、及び現状のままではとうてい将来やっていけないもの、そういうものの調査類別というものが当局にございますか。
○川出政府委員 ただいま全部即答はできないわけでございますけれども、その調査はできております。
○齋藤(憲)小委員 その資料を一つ御提出願いたいと思います。 それから、もう一つお伺いいたしますのは、きょう本会議で可決になりました通産省設置法等の一部を改正する法律の中で、従来の地下資源開発審議会を廃止して、鉱業審議会を設置する。これは地下資源開発審議会をなぜ廃止し、鉱業審議会を設置したのか、そのおもなる改正の目標、それを簡単に伺いたい。
○川出政府委員 現在の地下資源開発審議会は、主として、というよりも、百パーセント技術的な問題を中心にして審議をしておる審議会でございます。従って、委員になられておる方も、大学の教授を初め、技術関係の人ばかりでございます。もちろん通産省からも鉱山局長は参加いたしております。ところが、自由化を前にし、あるいは自由化後につきましても、鉱山のあり方等については、単に技術的な面からだけでなくて、もっといろいろな角度からこれを発展させる政策を確立する必要があると思いますので、その技術問題も含めまして、鉱業審議会ということで、もっと広い立場からいろいろ鉱山関係に関する重要事項を調査審議するという意味で衣がえをしたわけでございます。
○齋藤(憲)小委員 私当局にお伺いいたしたいのは、従来日本の金属鉱山行政として、通産省の行政組織の中で鉱山局というものがあって、鉱山行政をおやりになる。それから実際に鉱山の実態を現地で調査追及をしていく立場にある地質調査所というものが、工業技術院の中に付属させられている。この鉱山局と地質調査所との行政がつながっていないように考えるのでありますが、実際には鉱山行政を行なう場合に、日本の鉱山の実態及び将来の見通しというものを立てるときには、これはどうしても地質調査所の権能によってこれを判定していく以外に、日本の行政機構の中には方法がない、こう私は思うのでありますが、この鉱山局が、ある意味においては石炭が切り離されておる、または地質調査所が工業技術院に付属させられておる、そういうような体制で、ほんとうの意味における鉱山行政というものが可能であるか可能でないか、こういうことに対して、一つ率直な御意見を承りたいと思うのであります。
○川出政府委員 戦前、地質調査所は、鉱山局に付置という格好であったかどうか記憶いたしておりませんが、そういう格好でございましたが、戦後、工業技術院に各試験所、調査所を集中いたしまして技術行政をやることになっておると聞いております。ただいまの御質問につきましては、同じ省内でございますので、鉱山行政の遂行にあたりましては、調査所と密接な連絡をとって現にやっておりまして、予算等についても、事前によく打ち合わせをしましてやっておるわけでございますので、現在のところ支障はないというふうに考えております。
○齋藤(憲)小委員 それでは一つ、一番金属鉱山としての重要性を帯びておる銅について御質問を申し上げますが、今その銅鉱が貿易自由化品目に指定されておって、そして現在の関税によって外国から来る銅鉱と競争ができるという立場にある含有パーセンテージというものは、一体どの程度に押えておられますか。
○川出政府委員 輸入の銅鉱ですか。
○齋藤(憲)小委員 いや、日本で採掘する銅鉱が、外国と匹敵するパーセンテージというものを、どの程度以上の鉱石から見込みがあるというふうに押えておられますか。たとえば山でもって銅鉱を稼行しておりまするときに、二%含有のものは採算ベースに乗るとか、あるいは二%以下のものはとうていこれはズリとして捨てなければならないとか、そういう大体の限界が鉱山界には私はあるんじゃないかと思うのでありますが、その程度を一つお知らせを願いたい。
○川出政府委員 現在、わが国の銅鉱の平均品位は一・二%でございます。それを〇・一五%上げまして、一・三五%にしたいというのが、当面の探鉱をする目標にいたしておるわけでございます。 それから、それでは現在の鉱山が、どのくらいのコストであれば成り立っていくかとうかという問題が、輸入鉱石にからんで御質問があったかと思いますが、現在銅の地金の建値はトン当たり二十八万円でございます。これは海外相場の変動に伴って上下させる仕組みになっておるわけでございまするが、現在、海外から銅地金を買いますと、シフで二十四万から二十四万四、五千円のところであとうかと思います、現在の海外相場で。それに対して、現在の関税は一〇%でございますが、自由化後はこれを従量税に直しまして、二年半の間はトン三万円、あと二年で二万七千円に下げまして、そのあとは、そのときの情勢によって検討をするということで方針をきめておりますから、自由化後、さしあたってはトン三万円の関税で保護する。現状よりは引き上げることになります。そういたしますと、低く見て二十四万円プラス三万円で、二十七万円でございます。しかし国内に入ってきてからいろいろな輸送費とか、そのほかのチャージとかあるいは利益も見込まなければなりませんので、これが相当の額に達しまして、見当では二十八万円弱くらい、場合によってはこす場合もあるというくらいのところが、現在の相場を前提として、自由化した場合にどのくらいで地金が入ってくるであろうというところでございます。 それから、鉱石を輸入いたしておりますが、この鉱石は無税であります。自由化いたしております。しかし世界で流通いたしておりますフリー・マーケットで買える銅鉱石は、二十四、五万トンしかないわけでございます。ほかはみな、イギリスなりアメリカなりベルギーが海外で開発した山はひもつきでございますので、それぞれの国に輸入されるわけでございます。これは銅鉱石という形ばかりでなくて、粗銅の形であるいは現地で製錬をして輸入しておりますから、自由に買える鉱石というのは二十四、五万トンで頭打ちになっておるのでございまして、これを西独と日本とアメリカ三国で奪い合っているわけでございます。従って、地金よりは値段が高くなっておりまして、日本は国内の建値が高いために相当高くて引き合うということで、各国から非難を受けておるような現状でございます。しかし、それでも地金に直して二十五万円見当の輸入鉱石を無税で入れて、そして国内の鉱石とまぜて使っておるというのが現状でございます。それでコストの問題になりますと、これは非常に微妙な問題もありますので、私もよく承知しておりませんが、大体二十八万円くらいであれば、成り立たない山もありますけれども、相当のものはやっていけるというふうに見ておるわけでございます。もちろん今までよりは企業の収益は相当減ることになるというふうに思います。
○齋藤(憲)小委員 そうすると、パーセンテージ、製錬所持ち込みで一%なんぼですか。
○川出政府委員 それは国内の……。
○齋藤(憲)小委員 ええ。
○大木説明員 現在海外から輸入しておりまする銅鉱石は、選鉱いたしました精鉱を輸入いたしております。品位はおおむね二〇%とか二五%というようなものが、鉱石の形で入ってきております。これは無税でございます。それを製錬所でもって製錬をいたしまして、外国鉱だけの仕上がり原価というものを想定いたしますと、先ほど鉱山局長が御説明のような二十五、六万であろうというような想定ができるわけであります。国内鉱は、お話のありましたように、元鉱品位一・二で、それを選鉱いたしまして、大体約一五%くらいあるいは一八%くらいのものに仕上げて、それを製錬所に送鉱しておるわけでございます。それの仕上がりが相当割高であるという格好になります。それで、元鉱品位を上げればそれだけコストが下がってくるという格好に実はなるわけで、一・二%のものを一・三五%に上げるという探鉱の努力をやっておりますが、それによるコスト・ダウンは、私どもの計算によりますと、ほかの条件が全然変わらなければ、それだけの品位を上げたことによって、一万数千円のコスト・ダウンができるだろうという計算になります。これは、ほかの条件が全くそのままの状態で計算した場合であります。そういうような状況であります。合理化の余地があるのじゃないか、特に品位の向上による合理化の余地があるのではないかということを考えております。
○齋藤(憲)小委員 それは日本の銅山で採掘をして、それを製錬所に持ち込んでいった場合に、製錬所の買い取り値段というものは、一%含有パーセンテージでなんぼで買うのですか。今鉱山局長の御説明によるというと、大体採算的に平均すると一・二%、その場合に一%含有しておる鉱石と、やはり二%、三%、四%と含有率が違うに従って、製錬所引取値段というものが違うわけですね。それと今のお話によりますと、外国から二〇%ないし二五%の富鉱を輸入してくる、これとの比較というものは、日本の低品位銅鉱というものを山元から製錬所に持ち込んでいって、この輸入鉱石と角逐して十分山が生きていくという値段であるかどうかということです。
○大木説明員 御質問の趣旨を取り違えて大へん失礼いたしましたが、銅鉱の買鉱条件ということになるわけであります。銅の輸入鉱石の買鉱条件につきましては、銅の地金の価格が、世界的に大体統一された水準のものが発表されております。これと同様に鉱石の価格も大体発表されております。これは専門的に申しますと、EMJキスポート・リファイナリー・プライスというものがありまして、その値段に大体合ったものを買って参ります。これはやはり一ポンド何セントという相場になっておりまして、それによって銅鉱石の値段がきまってくるわけであります。それを輸入いたしまして製錬する。国内鉱の場合は各製錬所が同一条件をとっておりまして、熔錬費が四千二百円、これは精鉱トン当たり四千二百円、それから製錬費が電気銅トン当たり二万二千五百円というものを、各製錬所が山に支払っているわけであります。それによって計算して買鉱条件が成り立っておるのであります。
○齋藤(憲)小委員 さっきの鉱山局長のお話によりますと、世界的に銅鉱というものは頭打ちになっておる。あまりたくさんない。それを各国でもって奪い合いをしている。だから銅鉱石をたくさん輸入しようと思っても、世界的に銅鉱石の生産というものは限界がある。ところが日本の銅の需要はどんどんふえておる。それですから日本の山というものは、ある意味においては世界の銅鉱石を輸入しようと思っても、限界があるので、やりようによっては、これは貿易の自由化品目に指定されておっても、山の稼行というものは、割合に安泰して稼行がやっていけるというふうに、さっきの御説明では私感じたわけなんですが、そういうことですか。
○川出政府委員 銅鉱石の自由化では影響がないということを申し上げたわけでございまして、地金の輸入につきましては、相当な影響があるというふうに考えるわけでございます。先ほどの銅鉱石が頭打ちではないかということでございますが、これは自由に買える銅鉱石が二十四、五万トンで、あまり伸びが少ないということを申し上げたわけで、ございまして、アメリカとイギリスとベルギーが海外で開発している鉱山の生産というものは、年とともに伸びておるわけであります。しかし、これはそれぞれのひもがついておりまして、自由にその鉱石を販売するしかけになっていないわけでございます。これはアメリカなりイギリス、ベルギーの国が利用するという、フリー・マーケットに出ないわけであります。地金の輸入は、これは需要者が直接地金を買うことになりますので、鉱山に対して影響がくるわけでございます。鉱石の自由化は、これは鉱山が使うわけでございまして、むしろ安い原料を手に入れて、国内の高いものとまぜてやるという点でメリットがあるわけでございます。
○齋藤(憲)小委員 そうすると今の御説明によると、輸入銅の原鉱石も、現在においては日本の銅鉱石よりも安いのですか。
○川出政府委員 ずっと安いわけであります。
○齋藤(憲)小委員 これをパーセンテージで比較するとどのくらい安いのですか。日本の銅鉱石は、たとえば二〇%を含んでおるところの非常な富鉱である。ところがこれに対して外国からくる二〇%の富鉱とうものは、どのくらいの値開きがありますか。
○大木説明員 その辺の比較は実はなかなかむずかしいのでありますが、国内の平均の電気銅換算によります仕上がり原価を計算してみますと、国内鉱は先ほどお話がありましたように二十八万円程度が仕上がり原価ではないか。これは多少の利益は含まれると思います。それに対して輸入鉱だけを処理した場合の仕上がり原価を考えてみますと、もちろん鉱石代金が安いためにそれだけ安くなるわけでございますが、それが先ほど申し上げました二十六、七万円だろうということになるわけであります。その辺の差は、輸入鉱を入れた方が、それだけ鉱石価格が安いために安く仕上がる。同じ製錬所で処理しておりますので、製錬費は全く同一でありますが、そういう関係に相なると思います。
○齋藤(憲)小委員 どうもちょっとわからないのですが、そうすると製錬所を持っておるところの銅山というものは、結局日本の銅鉱を相手にしておったのでは、精銅の価格というものは外国の銅よりも高くつくから、外国から直接需要者が輸入すると、その輸入精銅によって日本の製錬所がつぶれていく。そこに外国の安い原鉱石を輸入すれば、幾分電気銅の値段を安くし得るというメリットがある。ところが鉱石というものは、限界があってなかなか持ってこれない。だからそういう立場からいくと、この製錬所というものを中心として考えれば、日本の銅の原鉱石をずっと安くしないと、製錬所が立っていけないと言う状態に落ち込んでくるということなのです。
○川出政府委員 国内の生産はなるべく維持するというのが鉱山会社の方針でもあります。政府としても同様の考えであるわけであります。しかし一方、需要は鉄と同じで伸びる一方でありますので、この鉱石はフリー・マーケットにあるものばかりではなくて、鉱山会社がみずから海外に進出をして、そうして開発して入れておる鉱石も徐々にふえて参ります。それから今回、海外開発会社を作りまして産銅六社その他の会社が協力し、国もこれに海外協力基金を通じて出資をする、そうして海外で大きな銅その他の鉱山の探鉱開発をやっていくという政策をとっておるのは、そういう点に意味があるのだと思っておるわけであります。
○齋藤(憲)小委員 それは海外鉱山開発株式会社を作って、それから海外経済協力基金からも出資を願って、いろいろ銅山に従事しておる者が力を合わせて、海外の銅鉱山を開発してやっていくということは、将来の問題でありまして、これができるかできないか、できるといたしましても、はたして海外の銅鉱山というものを大きく開発していけるかどうかということは未知数です。ですからそれは問題外として考えて、鉱山局長のお話を承ると、現在、世界的に銅鉱の開発というものはひもつきであって、その銅鉱というものを各国でもって引き取っていく。しかし、それが日本の銅鉱から比較をすると安いから、これを輸入してくれば日本にメリットがくる、銅の精錬所では日本の高い銅鉱とそれをまぜて電気銅を精錬していくと、多少は値段が安くなる、こういうお話なんですね。そこで私のお伺いいたしたいのは、銅の需要はどんどん伸びているから、外国の電気銅よりも日本の銅が少しくらい高くても、これは大丈夫、将来に需要があるという見通しをお立てになっておるのか。銅鉱山というものは各国ひもつきでもって開発しているから、なかなか安い銅鉱石というものは日本に入りにくいけれども、この銅鉱石を世界各国が自国へ持ち帰っていって、そこで電気銅を作って、その値段は日本よりは安い。しかもこれは買おうと思えばたくさん買えるものであって、その電気銅を輸入することによって日本の精錬というものは下火になって、これによって将来性がないという見込みを立てておられるのか、これは一体どうなんですか。
○川出政府委員 そこが肝心な問題でございまして、これがやはり銅地金の輸入関税を幾らにきめるかということにつながる問題でございまして、需要業界の立場は、アメリカにしても、イギリスにしても、西独にしても、イタリア、フランス、どこの国も銅地金に関税をかけていないわけでございます。従って、トン当たりおそらく二十二、三万円の銅を使って機械なり電線なり伸銅品を作っておるのではないかと思います。そういう安い銅を使って加工品を作っている国と競争をしなければならない国内の需要業界の立場からいいますと、銅はなるべく安くしてもらいたい、よその国はトン当たり二十二、三万の地金で機械なりその他のものを作っておる、われわれは現在でも一〇%の関税を銅地金について課せられておって、国内の健値はそれよりもさらに高い、それで自由化されたら、われわれはとても競争していけないというのが需要業界の非常に痛切な言葉であります。しかしながら政府としては、関税を今の一〇%のままで自由化したら、これは相当大きな影響がくる、まして需要業界の言うようにこれを〇%にする、あるいは五%にするということだと、破壊的な影響が鉱山業界にくるので、これは絶対にいかぬことであるということで、鉱山業界の最後に主張したトン当たり三万円、これは暫定でありますが、それを需要業界との間に立って二年間もみにもんで苦心惨たんしたあげく認めたわけでございます。従って、トン当たり三万円というのは、需要業界にとってみると、世界各国よりも非常に高い銅地金を使わざるを得ないという羽目になっておるわけでございますけれども、これは国内の資源の安定供給という面から非常に大切でございますので、どうしてもがまんをしてもらいたいということできめた次第でございます。そういうことで、関税を引き上げることによって国内の銅を支持する政策をとっておりますので、ただいま御質問のございましたように、精錬所の方はだんだんつぶれていってしまうということにはならないと思います。しかしながら同時に、国内の鉱山の掘鉱を活発にして、少しでも品位を向上して国内の銅地金のコストを下げるということに努力をしなければならないと思います。同時に、国内の資源には限度がございまして、戦争中採算を無視して大増産をやりましたときも、電気銅にして十万トンそこそこでございます。現在毎年国内の鉱山の生産は伸びておりまして、三十六年は九万トンくらいになっております。しかしこれをさらに上回った生産ということは、銅資源の賦存状況から無理でございまして、やはり十万トンくらいで継続していくことになるのではないかというふうに考えております。あまりこれをふやしますと、資源の方が枯渇してしまいます。そうして必要なものはなるべく海外を開発して、これは将来の問題ではなくて、現在各企業は戦後十数年の間に相当開発を進めております。しかし、各個の企業だけで開発を進めるのにはおのずから限度がございます。今後は相当規模の大きいものが協力して海外を開発していく、そうしてコストの安い鉱石を入れて、精錬所の能力もふやして、コストも下げていく、そういう方針をとっているわけでございます。
○齋藤(憲)小委員 くどいようですが、そうすると、ちょうど日本の銅というものは、日本国内の石油みたいに、需要から見ると、日本の原鉱石というものも少ないし、それからそれが割高になっている。それを精錬したところの電解銅も高い。しかし需要は日本国内にはたくさんあるから、どうしても輸入しなければならぬ。輸入すると安いものが入ってきて、日本の産銅界というものは、この輸入価格によって押されてしまって、将来性がありません。だから、ここで一つ日本の国内の銅の鉱山及び精錬所を保護していくと同時に、需要者にはなるべく安い電気銅を使わして、そうして電気製品の国際市場における競争にうちかつようにしなければならない、こういう現在の状態になっていると言わなければならぬわけです。そこで一体政府としては、国内の銅資源の調査というものに対しては、従来どういう手を国家として打ってこられたのであるか、この点を一つお伺いしたい。
○川出政府委員 銅資源の調査につきましては、先ほどお話のありました地質調査所が中心になって活動しておりまして、現在確認しております埋蔵量は百三十万トンくらいでございます。
○齋藤(憲)小委員 大体地質調査所に命じてその銅鉱石の埋蔵量を調査せられたと言いますが、私の知っている範囲内におきましては、地質調査所の予算というものはきわめて貧弱であって、その貧弱な中からいろいろな地下資源に対しての調査費が分散されている。だから、銅鉱調査というものに対して地質調査所をもってやらせたといいますが、どのくらいの規模で今までやってこられたのであるか。
○大木説明員 調査所の予算は、昭和三十六年度で一億一千六百万円、これは特別研究費でございます。三十七年度の予算が一億八千百万円、幾らかふえております。この特別研究費と申しますのは、いろいろな費目に分かれておりまして、たとえて申し上げますと、エネルギー対策、技術の研究というものは、技術開発とかそのほか技術関係のいろいろな調査費あるいは天然ガスの調査研究、これは構造性ガスの調査、こういうものが入っております。そのほか産業廃水の処理の技術調査あるいは工業用水の調査の基本的な調査関係が含まれております。御指摘の資源調査につきましては、特に銅鉱を対象にしての調査は実はございませんですが、三十六年度の予算で計上されておりますのが、特定地域の五万分の一の地質図幅の調査がございます。そのほかに大陸だなの地質調査、これは主として海底砂鉄が対象になっております。そのほかドロマイト資源の調査がございまして、今申し上げました資源調査関係が鉱山局の資源採査に密接に関係いたしまして、これの予算の使用については鉱山局とよく連絡をとりながら実施しておる内容でございます。そういうわけで、地質調査所は主として基礎的な研究を実施しておりまして、これは世界の近代国家を見ましても、大体国立の地質調査所がございまして、大体国土の地質的な構造を明らかにいたしまして、地下資源開発の端緒を国民に知らしていくというのが地質調査所の役割であると考えております。そういう基礎的な資料を国民に提供いたしまして、地質の精密調査をやっておりますが、それだけでは採鉱には実は不十分、資源のあり方については実は不十分でございまして、鉱床の有無とかあるいはその鉱床が稼行する価値があるかどうか、この問題はこれはその後の問題でございまして、その問題については通産省の鉱山局が主として補助金行政をもって実施しておるわけでございます。地質調査所と鉱山局の役割の分界点と申しますか、その辺のけじめは非常にむずかしゅうございますが、大体地下資源を見つける端緒を一般的に国民に知らしていくというのが地質調査所の役割であり、それをもとにいたしまして業界自身が国の、特に鉱山局の援助を得て、採鉱を促進していくというのが現行の保護政策ではないか、こう考えております。
○齋藤(憲)小委員 今地質調査所の特別研究費、三十六年度は一億一千六百万円ですが、三十七年度はこれは一億八千百万円になった。ですけれども、この特別研究費の中の大きな項目は、これは炭層ガスの調査であるとかあるいは可燃性天然ガスの調査であるとかいうのに大きな金額が占められておる。特にこの昭和三十七年度の特別研究費の中の一億円というのは、これは可燃性天然ガスの特別調査費なんですよ。そうすると、それを差し引くというと、わずか八千百万円というものが残って、八千百万円まるまる銅鉱調査にかけたって、これ以上一体どうにもなるものじゃないわけですね。今一メートル、ボーリングをやれば一万円かかるという時代でありますから、八千万円かけたって八千メートルということになるわけであります。でありますから、私はあえて抗弁するわけじゃありませんけれども、地質調査所に、日本の銅というものの重大性を認識して、大きな金をかけて日本の銅鉱の賦存状態を今まで調査をさしたということにはならないんじゃないか。民間側からここに銅鉱床があるらしいからといって委託調査でも要求してくれば、地質調査所がそこへ出かけていって調査をしたという実績はあるかもしれないけれども、国家が銅の重要性を認識して、思い切って地質調査所をして日本の銅の埋蔵を調査させたということは、過去においては私はないんじゃないか、こう思うのでありますけれども、その点は一体どうですか。
○大木説明員 今御指摘の通りで、私の知る限りにおきましては、まとまった銅鉱調査はやっていないと思います。ただ、業界からの受託調査を依頼されまして、これによって地質調査所が技官を派遣して調査をした例はあるのではないかと存じております。先ほど御説明申し上げましたような特定の費目がすでにきまっております。砂鉄あるいはドロマイト、そういうものがきまっておりますので、それの計画に従って調査所は調査を続行しておるわけであります。
○齋藤(憲)小委員 そうしますと、日本の銅というものに対する実態と過去における銅というものに対して行政庁としてやられてきたところの実質というものは、だんだんわかってきたわけですね。ですから、私今までの御説明によって承りますと、銅というものは日本としては非常に大切なんだけれども、過去においてはわずかの探鉱奨励金を出したということと、それからわずかの地質調査所におけるところの調査ということをやったということだけで、あとは全部鉱山業者にまかせきりであったということですね。こういうふうに考えなければいけないわけなんです。ところが、鉱山業者の立場からいきますと、一つの山を持ってそこにある施設を持ち、それから製錬所を作り、それからたくさんの鉱山従業員を擁して、そうしてその山に埋蔵されておるところの鉱石の量というものを常に安定に考えて仕事をやっていくという立場に立つと、たとえば一つの山に対して一つの製錬所があるという仮定のもとにものを考える場合と、それから製錬所を持たない、単なる採掘だけを目的としている山というものと、二通りあることはあるのでありましょうけれども、普通の採掘を目的としておる山というものに限定しても、今稼働しておるところの従業員の能力に比較して、何年分の埋蔵量をつかんで、山というものは稼働していくのが定石であるかということは、当局でお考えになってあるわけですか。たとえば、まずある一つの山を発見して、そうしてこれを探鉱していった、そうするとここには大体二百万トンの鉱石というものがある、これを千人でもって稼働していくと、十年間この鉱脈というものは採掘可能である、あるいは二十年間鉱脈が続く、その安定した山の稼働埋蔵量というものは、一体何年問続くということが目標なんですか、山を稼行していくときに。
○大木説明員 現在通産省におきまして主要鉱産物の埋蔵鉱量調査をやっております。これは法律に従ってやっておりますが、現在の結果では、各鉱種によって、非常に総鉱量並びに稼行命数が違います。今御指摘の銅で参りますと、総鉱量に対しまして、現在十六年分の稼行命数を保持しております。ただ、確定鉱量にしぼりますと、約五年ぐらいになります。それで一般的に鉱山を開発する場合の基礎になっております埋蔵鉱量の算定でございますが、一般的には、それに投下いたしまする設備の償却年数に見合う年数を保持しておりますれば、一応開発のめどがつくということに相なるわけでありまして、主として予想鉱量におきまして十五、六年が稼行対象の命数ではないかというように考えております。ただ日本のは、長期にわたって探鉱する余力がございませんので、ある程度の鉱量を見つけますとすぐ開発にかかる。それで、開発しながら探鉱を継続していくというような操業方針でありまして、稼行の中間においてまた新しい鉱床を発見していく例がたくさんございます。それは特にアメリカ等の鉱山の実態と非常に違うわけでございまして、アメリカあるいは欧米諸国では、最初に相当の探鉱費を投下いたしまして、十年あるいは二十年とか、相当の鉱量を抱えて、一ぺんに設備を投下いたしまして、掘り尽くしてしまうというような方法をとっておりますために、規模も非常に大きい鉱山が出て参りますが、日本におきましては、その辺の探鉱費が十分に投下されませんので、とりあえず始めていくというような稼行の形態をとっておると思います。
○齋藤(憲)小委員 今お話しのように、鉱山業の安泰というものをはかるには、大体二十年くらいその山の稼行目標を持ってないと、その山というものは非常に不安定になるわけですね。たとえて申しますと、秋田県の尾去沢なら尾去沢でもって鉱山を稼行している。そうしますと、大体埋蔵量というものが二十年を切れたら直ちに町なら町に警告を発しなければならないわけですね。二十年間たってその山を掘り尽してしまうと、その鉱山を中心に生きている町というものはつぶれるのです。ですから鉱山をそこでもって営んでおるというものは、大体今お話のように十五年なら十五年この山は続くぞ、十五年の生命というものは、山をやっている立場上からいろいろ調査してみると、そこに埋蔵量があるから大丈夫だ、十五年たつとこの山というものはあぶないぞくらいは、やはり警告をしないと、いきなりもう掘り上げたからおさらばだといったら、そこの自治体というものは破壊されてしまう。そういう点で、山をやっておる人は、常に埋蔵量というものを新しく発見して、安泰な鉱山の仕事を継続していかなければならないわけなんです。そういうことになりますと、これはある意味においては、膨大な探鉱費というものを常に山にかけていなければ、安泰した山の仕事というものはやっていけないということになるわけなんです。そういう点について、今お話を承りますと、日本というものは一つの鉱床を発見すると、すぐそこでもって仕事を始めていく。それはいいでしょう。それは一年たてばつぶれるか二年たてばつぶれるか、その間にやる人はそこでさよならしていけばいいわけですけれども、そこでせっかく職場を得た者は、もう一年か二年でもってまた失業状態に陥っていく。ですから、行政指導として、私は常に考えていることは、ある一つの山を発見して、そこでもって稼行をやっていくときには、やはりこれに対して政府は何らかの処置を講じて山の、実態というものを分析しないと、幾らたくさんの山があったって、いつつぶれる山であるか、命脈がある山であるか、さっぱり山の実態というものがわからぬのが、日本の山としてはほとんど大部分じゃないかと私は思うのです。だからこういう点に対して、一体鉱山局としてはどういうお考えを持っておるのか。単に鉱業権が確立して、試掘権が確立して、そうして試掘をやっている。試掘の時代はいいとして、これを採掘転願にしてきて、いよいよ採掘検をここに与えて——採掘権は永久権でありますから、採掘権によって山の稼行をやらせるというときに、山の実態を当局としてはどの程度見きわめをしておられるのか。そういう行政処置を今までなされておるかどうか、これを一つ承りたい。
○大木説明員 鉱山が調査段階を終わりまして、開発に移行する場合、国はいろいろチェックをしなければならない点は、鉱業法の鉱物開発という第一条の目的に従ってやることになるわけであります。そこで試掘権から採掘権に転願の場合は、もちろん試掘が実際に行なわれておったかどうか、その結果稼行に耐える鉱量があるかどうかということを調査いたしまして、採掘転願を許可するという格好になっておりますが、採掘になりまして、その後開発に移行いたします場合に、国の資金を必要とするような場合がたくさんございます。そういう場合は、もちろん御指摘の埋蔵鉱量の調査をいたしまして、またその品位の点も調査いたしまして、将来にわたって稼行に耐えるかどうかという点の調査を行なった上で、国家資金的な援助もやっておるわけでございます。あまり厳重な規則を設けてやっているというところでは実はございません。
○齋藤(憲)小委員 それは、鉱業法の改正も近く来国会には提案されるというお見込みだそうでございますから、この金属鉱山の試掘権、採掘権に関しましては、そのときに論議を重ねたいと思いますけれども、私の従来知っております範囲内においては、試掘権の許可及び試掘権から採掘転願の場合においても、きわめてそういう点に対しては責任がないやり方をやっておられる、こう私は思うのであります。試掘権の許可に関しましては、何も鉱床の賦存状態の実態というものも、私は検討を加えてないだろう、こう思う。ただその試掘権の出願があれば、これを今許可していくということが手一ぱいであって、はたしてそこにはどういう鉱床があるか、あるいはそれがほんとうに出願に合う、いわゆる経済的価値がある出願であるかどうかということに対しても、この試掘権を許可する場合においては、通産局長は、経済的価値がない出願に対してはこれを却下することができるという条項もありますけれども、おそらくそういうことは行なわれたことはないだろうと私は思う。ましてその試掘権から採掘権への転願があったときも、はたしていかなる試掘を行なって、そうして鉱床の実態を見きわめて、これがほんとうに採掘転願に価値のあるものであるかどうかということの現場調査などというものは、行なわれたのもあるかもしらぬけれども、大半は行なわれていない、私はこう思うのです。でありますから、日本の中小鉱山の実態というものを見ますと、埋蔵量の把握であるとか、それから鉱山稼行の実態というものに検討を加えてみると、もうきょう命があって、あした命がないようなものがたくさんあるのじゃないか、こう私は思うのです。そこへこの貿易の自由化の波が押し寄せてきているのでありますから、この中小鉱山というものを、貿易の自由化の波に対応して命脈を持たせて、そうして日本の国内の金属鉱山というものの実態と把握しようとするには、これからが第一歩を踏み出すのであって、今まではさっぱりわからなかったんじゃないか。それは、この鉱山は自分の力でやっておりますから、ある程度はそれはわかっておるかもしれない。秋田県の小坂鉱山のごときは、もう一時は廃山だ、こういうふうに覚悟をして、そうして新たに考えられ出したところの、抗道に水を流し込んで、そうしてそれを鉄くずに吸収せしめ、胆礬の吸収をやって一時命をつないでおる間に新しい鉱帯というものが見つかったから、まずは息を吹き返した。こういう大鉱山においてしかりでありますから、中小鉱山においては、山の実態というものを把握して、十年命脈があるとか十五年命脈があるとかという、安泰した稼行をやっておる鉱山というものは、私はほとんどないのじゃないか、こう思うのです。それに向かってきて貿易の自由化でございますから、これはもうだれが考えたって、よほど徹底したところの施策をこれから鉱山行政としてやっていかなければ、山というものはほとんど全部つぶれてしまうということになります。こういう点に対しましては、鉱山局として今後どういう施策をやっていかれようということをお考えになっておられるか、その点を一つ承りたいと思います。
○川出政府委員 自由化に対しましては、いろいろな方策があるかと存じますが、子算面からは、先ほどからお話が出ておりました探鉱の補助金、新鉱床探査補助金と申しております、これを積極的に活用をする、この制度がだいぶ前からできておるわけでございます。三十六年度が約一億、三十七年度、現在御審議を願っております予算案では三億にふやすことにいたしまして、額が当初の要求より少のうございましたので、大きいところは遠慮していただくことにいたしまして、中小鉱山を中心に交付をしたいということでございます。しかし、この額はもちろん十分でございませんし、自由化の影響を受けるのは中小鉱山だけでなく、大企業に属する鉱山も同様に影響を受けるわけでございます。日本の大企業に属する鉱山といいましても、世界的に見れば中小規模でございます。今後そういう面で積極的な推進をはかりたいというふうに考えております。
○齋藤(憲)小委員 もう一つだけできょうはやめます。 中小鉱山に対する探鉱助成金は主として抗道を延長するための助成である。今見つけたところにひ押しをしていく助成金なんです。それは山の命脈を延ばすといっても大した効果はない。その日暮らしを助けていくという点についてはある価値があるかもしれない。しかし、一つの山を確保していく場合には、このひというものは一体どういう性質を持っておる鍵であるかということを検討していくには、探鉱助成金で坑道を三百メートル延ばしても四百メートル延ばしても、その実態はつかめるものではないと思います。それにはどうしても地震探鉱をやるか、電気探鉱をやるか、あるいはボーリングをやるという近代的な探鉱技術を応用していかなければ、山の実態はわからない。占領中にアメリカ人の専門家が日本でやっているのを見ると、実に精細なボーリングをやっている。そしてその結果初めてその鉱量を把握することができる。探鉱助成金で三百メートル延ばしてやってみても、上がった坑道におけるいわゆる上盤、下盤についた鉱量くらいは把握ができるが、深度五十メートル下がったときに、このひはどういう状態で賦存しているかということは少しもわからないわけです。 そこで、一つお伺いしておきたいのは、先ほど来、海外の鉱山開発のために一つの会社を作っておやりになる構想があったのでありますけれども、日本の国内の中小鉱山を一ぺん国家の力で検討して、その実態を見きわめるということになると、まず国外の鉱山開発に対する一つの機関を作るのと同じく、国内においてもいわゆる石油資源開発会社みたいな、日本の国内における中小鉱山の実態を国家の力で検討していくという機関をこの際政府で作らせて、これによって思い切った電気探鉱、地震探鉱あるいはボーリングをやって、山それ自体のほんとうの姿を早く把握していくということが、国内の中小鉱山を救っていく一つの道だと考えられるのでありますが、こういうお考えをお持ちになっておるかどうか、一つ御返答をお願いしたいと思います。
○川出政府委員 むずかしい御質問でございまして、実は自由化を前にして探鉱活動をいかなる方法でやったらいいか、いろいろ考えたわけでございます。その一つに、探鉱を主とすそ事業団を作ったらどうかという案を検討いたした段階もございます。しかし、事業団を作るには相当むずかしい問題がございますし、事業団を作れば、自分で探鉱すると申しましても、全国的各地それぞれのところは皆鉱業権者がきまっておりまして、これに共同鉱業権者となって探鉱するということも、コマーシャル・ベースの話でございますので、なかなかむずかしい面もあるのではないか。これを強制的にしようとすると、それはまた鉱業法の問題にもなってむずかしい問題もあるわけであります。そういうことで現行の制度がございますものですから、それを拡充をしていくのが最も実際的であるということで、探鉱補助金、新鉱幹探査補助金の増額に踏み切った次第でございます。なお、そういうような構想につきましては、今後も検討はしてみたいと思っております。
○齋藤(憲)小委員 私の申し上げたのは、どうせ鉱業法も改正をしていく、従来の試掘権のあり方、それから採掘権のあり方、特に試掘権から採掘転願をする場合に、今までのような無制限な許可をやらないで、その試掘権から採掘権に転願する要求をしてきたときに、国家がこれを許可する前提として、国家の力でその実態を調査してやる、そしてほんとうに採掘する価値ありと認めたものに対しては採掘の許可をしてやって、そして探鉱奨励金であるとか、探鉱助成金であるとか、そういうものをつけてその山の育成をやっていく、これが私は合理的だと思うのです。しかし、今までは、試掘権をやると先願だけがたっといのです。そこに物があろうがなかろうが、とにかく先願権を持った者が権利を保有しておる。しかも、試掘権の性質としては、二カ年間と期限を限っておるのは、二カ年間にここにいかなるものがあるかということを探鉱試掘するという権限を与えたのです。しかも、試掘はしていなくて、自分が何かもっといい権限を得たいとすれば、二カ年間税金を納めておいて採掘転願をやる。そしていろいろな理由をつけると採掘権がもらえる。そういう山の鉱業権のある意味においては乱用ということでは、ほんとうの鉱山の育成はできないと私は思う。ですから、試掘権というものを与えて二カ年間、あるいはさらに二カ年間の更改をやる。四年間たって採掘権の要求をしてきたときには、国家がこれに対して近代的な調査能力を持ったものを送ってこれを調査して、なるほどこれは採掘可能の山であるという見通しのもとに許可して、それから助成措置を講じていく。そうすれば大きな山ができるかもしれない。そういうことをやるために、そういう機能を持たしたある一つの機関を別に作るお考えはないか。また、今の地質調査所の機能をもっと拡大強化して、その地質調査所にそういうことをやらせるか。一体今の鉱山局にどれだけの調査機能があるかというと、仙台に行ってみても、福岡に行ってみても、あるいは広島に行ってみても、従来私の体険した範囲内においては、採掘転願をやっても、そういう徹底した調査をしてから、これは価値あるものだといって許可しておる例はきわめて少ないと考える。そういうお考えはないかということを伺っておる。
○川出政府委員 現在のところはそういう案を持っていないわけでございますけれども、そういう必要性等につきましては、鉱業審議会もできることでございますし、検討したいと思います。
○中村小委員長 次は、始関伊平君。
○始関小委員 私は、大蔵省の主計、主税両当局、それから必要があれば銀行局なり理財局に主として質問したいと思うのですが、その前提として若干の問題を伺います。 当面の問題として、自由化後の問題ですが、これは鉱山局長も大へん苦労されて、銅については三万円の関税で当面いくということですが、現在国際相場を基礎にして、そして今度きめた銅、鉛、亜鉛の関税を下げて、そして写真相場ができますね。その写真相場と現在の建値とどういうことになりますか。結論だけでいいですから・−…。
○大木説明員 銅、鉛、亜鉛について申し上げますが、銅が現在海外相場、アメリカ三社三十一セントということで……。
○始関小委員 結論だけでけっこうです。
○大木説明員 国内諸掛りを入れまして、銅の想定価格が二十七万六千円から二十八万二千円程度ではないかと想定しております。鉛につきましては八万三千円程度、それから亜鉛につきましては九万四千円から九万八千円というところで想定しております。現在の建値は銅は二十八万円、鉛が九万二千円、亜鉛が十万二千円でございます。
○始関小委員 そこで、これは自由化になれば、当然少なくともそこまで下がるだろうと思いますが、国際相場というのはどういうものなんですかね。安定しておるのか、非常に変転きわまりないものなのか、その辺いかがですか。
○大木説明員 銅の相場は非常に不安定なもので、ございまして、これは海外の政治情勢あるいは経済情勢によって非常に波がございます。ひどいときは二倍になり、あるいは二分の一に下落することがございます。鉛につきましては、最近あまり大きな変動はございませんが、だんだん下降の傾向をたどっております。亜鉛につきましては、やはり鉛によく似ておりますが、幾らか下降傾向をたどっておるというのが現在の趨勢であります。
○始関小委員 そうすると、今お話しの価格水準の問題と変動に対する問題と二つあるわけですね。変動に対する問題に対しては、あなたの方の資料で見たのですが、関税割当制ですか、特に変動があった場合にはそういうものをかけるつもりなんですか。そこのところをちょっと……。
○大木説明員 現在の暫定関税が国会を通りまして、自由化する時期になりますと、暫定関税がかかるわけですが、海外相場が異常に下落した場合には、緊急関税制度を発動するということになっております。
○始関小委員 そうすると、問題はさっきからお話しの銅、鉛、亜鉛、このうち特にひどいのは銅よりはむしろ鉛、亜鉛の方だと思いますが、この価格水準の違いの問題が主たる問題になるわけです。ちょっと参考のために伺っておきたいのですが、銅山にしても、あるいは銅会社にしても、会社別にいっても山別に見ても、コストは非常に違うはずなんです。私が昔やっておりましたときは二割、三割、もっと開いておった。この水準まで下がった場合に、銅、鉛、亜鉛について採算上問題になる山は一体どの程度になるのですか。二割か三割か価格が下がるということの重要性ですね。どの程度に考えておられますか。
○川出政府委員 ちょっと速記をやめさせて下さい。
○中村小委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○中村小委員長 速記を始めて。
○始関小委員 そこで、これに対処するために、探鉱の助成ですか、こういったようなことを考えられたわけです。さっきからのお話によると相当に額もふえたそうですが、大蔵省が額をふやしたのは、これは大手にはやらない、中小鉱山にやるということであって、ですから、何といいますか、いわば鉱山対策としてやるのではなくて、中小企業対策としてやるのだ、こういうふうに了解しておるのでありますが、その通りですか。
○川出政府委員 三十七年の予算につきましては、産銅六社を対象にしないという事実上の了解がついております。
○始関小委員 ですから、その際におけるあなたの方は、最初はそれくらいにしたい、こういうことだったでしょう。
○川出政府委員 通産省から予算を出しましたのは八億五千万出したわけですが、これは自由化の影響を受けるのは大きいところも小さいところも同じ影響を受けるからというので、全部を含めたわけであります。
○始関小委員 そこで、額だけの問題ではなしに、非常に大きい考え方の開きがある。つまり大手六社にはやらない。ですから中小企業対策的なものとして探鉱助成金を認めるということなんですが、鉱山全般については認めない。こういうところに非常に意見の相違点があるのだろうと思うのです。これは産銅助成のために政府がどこまでやるかという非常に根本的な問題を含んでおるので、むずかしい問題だと思いますが、実情論としてそういった方面に対しては探鉱助成をしなければならないということは、私ども十分理解できるのですが、それに対する理論づけといいますか、これが非常にむずかしいと思います。たとえば金属鉱山界のある社長は、探鉱というものはその部分だけ国営でやれ、今も齋藤さんもそれに近いような御議論を展開されたのですが、こういう点の理論づけが非常にむずかしいと思います。通産省はどう言って、大蔵省はそれに対してどういうふうな理論を展開したのか、そういう点があれば一つこの際聞いておきたいのです。
○川出政府委員 同じ政府の中の問題でございますので、結論といたしましては同じ意見になったという格好だと思います。ただ、当初のわが方の主張は、何べんも申し上げますけれども、特に地下資源の場合は、大手といっても中小といっても同じ影響を受ける。特に石炭と違いまして、銅の場合は中小の小山は必ず大手の製錬所に売らなければならないわけでございます。現在大手は平均の価格よりも中小の小山の鉱石を買っております。買鉱条件において高く買って、そして保護をいたしております。そういう関係にもありますし、影響を同じく受けるわけでございますので、大きいところと小さいところと差別しなくてもいいのではないかという考えでおりましたが、これはまた別のむずかしい問題がございまして、大企業に、しかも現在一割以上の配当をしておる大企業に、国が補助金を出すということは、別の角度から見てはなはだ当を欠く措置であるという意見も、別の立場から成り立つわけであります。三十七年度につきましては中小企業を中心にしてやるという両省間の了解でまとまったわけでございます。
○始関小委員 大蔵省を呼んでもあなたが言ってしまっては話がしにくいのですが、今でもそう思っていますか。
○川出政府委員 三十八年度は、これは別な角度でまた要求をしたいと思っております。
○始関小委員 そこで大手の産銅六社について年々この程度——十億か何億か知りませんが、この程度の新鉱床探査費といいますか、探査費といいますか、それが出せれば望ましいという数字が出ておる。その想定される数字と大手六社が実際に今日まで出しておる数字とはどんな比較になりますか。今それがなければ、今度大蔵省に来ても・らいますから、それまでに表で配っていただいてもけっこうですがね。
○川出政府委員 ただいま持っておりませんので、あとで調製いたします。
○始関小委員 そこで、さっき局長がおっしゃったように、大手に奨励金をやれという立論の根拠はむずかしいと思いますが、実際問題として思うように出ていないのだという資料が一つと、アメリカなんかは、私はこの前参考人が来たときに申したのですが、やってないと思ったら、やっているというんですね。そこで、鉱業協会から外国の例をたくさんもらいましたけれども、恐縮ですが、アメリカその他いろいろな国で探鉱奨励費を出しておりますね。その概要、特に大手にもやっているんだろうと思います、外国は中小は少ないんだから。アメリカとか各国の探鉱奨励金というか、制度をずっとわかりやすい一表で、ちょっとこれも大蔵省に見せてやりたい。大手は除外されているかどうかという点も含めて、一つ出していただきたい。よろしゅうございますか。
○川出政府委員 さっそく調べまして提出いたします。
○始関小委員 それから、これも一つお願いしておきたいのですが、この前青山先生にお尋ねしたのですが、アメリカあたりでは前には非常にあっさりして、国の助成などというものはやらない鉱山政策をとったと思うのですけれども、変わったのですね。どういう事情で変わったのかということ、それからその他の国はずっと前からやっているなら、その資料にちょっと備考のようなところに書いておいていただきたい。これは大蔵省のおる前であなた方に質問をいたしますから……。 その次に、海外資源探査の問題ですが、さっき鉱山局長のお話で、二十五万トンで頭打ちになっておるとおっしゃるのは、これは現在開発されておるものがそうなのであって、新しい山を開発すれば必ずしもその限りにあらず、今度鉱山業界でねらっている海外資源開発会社を作ろうというのは、新規の山をやりたいということだと私は思っておりますが、いかがですか。
○川出政府委員 必ずしも新規のみを対象としないわけでございまして、中には、ある程度探鉱をしており、相当開発の可能性のある山も対象にいたしております。
○始関小委員 そうすれば、さっきお話しの二十五万トン以外に相当開発の余地がある、こういうことですな。
○川出政府委員 二十五万トンと申し上げましたのは、すでに開発されておる鉱山で、自由市場に出回っている鉱石が二十五万トンということでございます。従って今後開発される山はまだたくさんあるかと存じます。
○始関小委員 そこで、そういう問題に対して、たとえば南ア政府では、精鉱で持っていくことは認めない、粗銅の形でなら認めるというふうなことをいっているようですが、いずれにいたしましても私は精鉱の方がいいと思うけれども、そういう意味での日本の企業の進出を外国の政府あるいは民間がどう考えておるか。相当来てもらいたいというものがたくさんありますか。国の名前を二つ三つあげて、その辺の感じを説明していただきたい。
○川出政府委員 南米——チリとかボリビアとか、そういうところに相当ございます。ビルマにもあります。それからアフリカ地方にもあるというふうに聞いております。
○始関小委員 協力基金、これは出資ですね。これは決定したのかどうか、問題があるとすればどういう点に問題があるかということをお尋ねしたい。
○川出政府委員 現在設立のための打ち合わせをしておる段階でございまして、日本鉱業協会の中に委員会を設けまして、それぞれ鉱山から情報を持ち寄り、かつ会社の機構をどういうふうにしたらいいかというようなことも相談をしておりますが、近くこれを設立の準備委員会に切りかえる予定にしておると聞いております。協力基金の方にも、政府の方からも、それから準備委員会の方からも説明に行っておりまして、基金としても現在のところ同情的な態度をとっておるように聞いております。
○始関小委員 その場合心配のし過ぎかもしれませんが、民間の出資四十億でしたか、そういう点はどうなのでございますか。
○川出政府委員 ただいま計画しておりますのは出資十億円でございまして、そのうち半分を協力基金に期待しようというのが、準備委員会の現在のところの結論でございます。
○始関小委員 それからあなたの方のこの前の「鉱業対策について」の4でございますね。「国内鉱業の設備合理化資金等の確保」という問題がございますが、これについて一体年々の——年々とい5か、どういうふうに聞いたらお答えになるのに都合がいいかわかりませんが、設備の合理化についての所要額と、それから産銅六社なら六社でもけっこうですが、このくらいあればいいんだという額がありますね。それの調達の状況といいますか、実績といいますか、それを償却その他の自己資金と借入金、それから借入金のうちで市中銀行と開銀その他政府機関、こう分けて一つ御説明願いたいのですが、もし資料がなければこれもこの次一緒に配っていただきたいと思います。ななおこの面では非常に困っておられるのかどうかということですね。これを一つ……。
○川出政府委員 ただいま資料がございませんので、至急調製いたしたいと思います。
○始関小委員 たとえば大蔵省に話しても、向こうがこの点については乗ってこないとか、そういう問題はないんですか。
○川出政府委員 これは市中銀行からの借り入れが中心になるかと思いますが、最近の金融引き締めで相当鉱山側にも影響がきておるというふうに聞いております。
○始関小委員 最後に税の問題にちょっと入ります。減耗控除という制度と鉱床補てん積立金というのは、名前が違うように実績もある程度違うのかと思いますが、どこがどういうふうに違うのか。なお減耗控除をやっておる国はどこどこ、鉱床補てん積立金をやっておる国はどこどこか、二つの制度の概要とその相違点と実施している国と、今時間がおそいので説明してもらってもなんだから、これも一つ資料でちょうだいできますか。
○川出政府委員 資料を作成いたしまして、配付したいと思います。
○始関小委員 それから、日本では特別償却というやり方を認めておられる、こういうことなんですね。特別償却というものと、今外国でやっておる減粍控除なり鉱床補てん金なりというものと、実際上どう違うのかということと、特別償却という制度は、日本のほかの国でもそういう制度があるのかということです。特別償却はどういう点が困るのかという点ですね。それも今御説明願えますか。御準備がなければ、一つこの次に資料を持ってきて、その資料について御説明願います。
○川出政府委員 資料に基づいてこの次に説明いたしたいと思います。
○始関小委員 では、これできょうの質問を終わらしていただきます。
○中村小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会