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40回国会衆議院1962/03/06

社会労働委員会 第13号

発言数
43
登壇者
6
会派数
2
開催日
1962/03/06

会議録

中野四郎自由民主党

○中野委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会申し入れの件についてお諮りをいたします。  商工委員会において審査中の新産業都市建設促進法案について、商工委員会に連合審再会開会の申し入れをいたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中野四郎自由民主党

○中野委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

中野四郎自由民主党

○中野委員長 労働関係の基本施策に附する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 過ぐる二十日の当委員会において、板付米軍基地におきまする諸機関の三十名の解雇問題というものがきわめて憂慮すべき事態でございました。そこで、私はそういう点に対しまする政府の善処方を強く要望し、また政府当局においても、この問題に対しまする善処を確約されたわけであります。ところが、新聞の報道するところによりますると、県側が解雇は好ましくないという態度をとったため、米第五空軍を通じて調達庁に、県が米軍の方針に従わない、従って、知事の同意を三月一日中にももらわなければ三月三十一日にこの予告が発効できない、そういうことでまあ調達庁に強く働きかけ、そうして三月一日の夜に、その審を受けて調道庁長官は、長官名で福岡県知事に対して地方自治法第百四十六条に基づくところの業務命令を出した、こういうことが実は紙上で報道されておるわけでございます。ところが、この業務命令というものはきわめて重大な影響を持つものでございまして、私どもは、軽々に業務命令のごときは出すべきでない、出す以前においてあらゆる努力というものが当然行なわれなければならぬ、こういうふうに考えるわけでございますが、こういう状況に対してはどのようにお考えになっておるのか、調達庁長官が命令を出されたわけでございますから、まずもって長官にお伺い申し上げたいと思います。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 ただいまお話しの地方自治法によりますところの業務命令は出しておりません。この諸機関労務協約に基づきますと、人員整理の予告通知日の前日までに現地の渉外労務管理機関は公式人事措置通知書の正式化をする必要がありますので、行政運営上の必要からこの正式化を促進するように福岡県知事に依頼いたしたわけでございます。行政上の依頼でございます。今回の人員整理につきましては、米側としましても二月八日に日本側に通知がありまして、十分前ぶれに通告をしてきておるのであります。このことは、日本側との協議について十分慎重な考慮を払っておるのでありまして、従いまして、相当の期間、日米間において協議を進めてきたのでございます。また、この正式化をいたしましても、その後の予告期間において、配置転換等についても十分米側と折衝することができるのであります。そういうようなわけで、まずこの協約の規定に基づきまして、この公式化を早くするように、地元の郷中に依頼をいたしたというような次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 長官は適当な御答弁をなさいますけれども、地方自治法第百四十六条をごらんいただけばけっこうでございますが、その第一項におきましては、「主務大臣は、国の機関としての都道府県知事の権限に属する国の事務の管理若しくは執行が法令の規定若しくは主務大臣の処分に違反するものがあると認めるとき、又はその国の事務の管理若しくは執行を怠るものがあると認めるときは、文書を以て、該当都道府県知事に対し、その旨を指摘し、期限を定めて、その行うべき事項を命令することができる。」従って、行政指導というようなことをおっしゃいますが、実質的には、今私が指摘を申し上げましたように、文書をもって都道府県知事に対してその旨を指摘して、行なうべき事項を命令することができるということであって、私は実質的には業務命令を出して一向差しつかえない。ところが、業務命令というものは、事を間違えば地方長官というものが裁判の確認によって罷免されるわけですから、これは非常に重大な影響を持つわけです。そこで、たといあなたが業務命令ではないとおっしゃっても、実質的には業務命令と同じような指令が出されておる。それならば、その間においてあなたが具体的にどういう努力をなされたのか、私、この点が非常に重要な問題になってくると思うのです。あなたが行政指導というなら行政指導でもけっこうです。ところが、私どもから判断いたしますと、地方自治法第百四十六条に照らしましても、業務命令と法律的には何ら異なるところがない。しからば、そういう重大な指令にもひとしいような通達を出す間において、あなたが具体的にこの問題に対して一体どういう御善処をやっていただいたか。もしあなたが、そういう重大な指令を出す前に、この指令というものが非常に重大な影響を持つのだ、そういう認識に立っておられるならば、私は当然具体的にあらゆる努力というものが行なわれたというふうに思いまするが、それでは一体具体的にどういう御努力をなさったか、それを一つこの委員会で明らかにしていただきたい。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 ただいま申し上げましたように、先日福岡の知事に出しましたのは、行政運営上の必要に基づきまして出した依頼状でございまして、地方自治法によりますところの業務命令ではございません。このことだけは一つ御了承をいただきたいと思うのであります。その間、当方といたしまして米軍と折衝いたしましたのは、この前の委員会において申しましたように、現地の協議の経過を、聞きまして総括的に米軍に折衝するということで、二月の二十三日に第五空軍の参謀次長のマッカリスター大佐に対しまして、食堂の赤字経常の赤字の補てんを、他に財源を求めて補てんしてもらう、そうすることによって、人員整理の数を圧縮してもらいたい。どうしても圧縮できない、やむを得ない場合においては、配置転換等を考えていただいて、出血を少なくするように交渉いたして参ったのであります。なお昨日、五日でございまするが、やはり第五空軍に行ってこのような点について交渉したのでございます。そのとき米軍の考えとしては、配置転換等を考えて、出血を少なくするように現地の方にも連絡をするというような回答をいたしております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 過ぐる二十日の委員会においては、私どものこの問題の事態を収拾するためのいろいろな追及に対して、政府としても受けて立って、あらゆる努力を行なうという確約が行なわれました。ところが、今長官のお説のごとく、二十三日にはマッカリスター大佐と連絡して交渉を持ったというような話でございまするけれども、実際には小里労務部長が電話で依頼をした。ところが、日本人同士の交渉でございまするならば、私は電話でもかなり成果があると思います。ところが小里さんが、英語がたんのうであるかわかりませんけれども、一体どういう形で、電話でマッカリスター大作と交渉したのか。私どもは、そういうことが政府の善処であるとするならば、今後政府の善処に対しては一向期待することはできない。しかも、一方においては、実質的には地方自治法に基づく業務命令だと解されるような強い指令を出しておる。ところが、その強い指令というものがどういう影響をもたらすかということは、先ほど申しましたように非常に重大な影響を持ってくる。ところが一方においてはそういう重大な、業務命令でなくても重大な指令を出しながら、一方においては電話で交渉して、それが政府の善処だというふうにお考えになるならば、私どもは政府の善処に対して期待することはできないし、また信頼することができない。そういうことでこういう重大な問題が解決するというふうに甘くお考えになっているのかどうか、この点については、一つ防衛庁長官も御出席でございまするから、防衛庁長官の大所高所からの御答弁を願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 この具体的にただいま御質問になっておりまする問題につきましても、当委員会の御要望もございますし、また、そういう御要望がなくても、こういう問題につきましては、できるだけ実質的な出血のないように努めなければならぬことは、これは政府の責任だと私は思います。もちろん協約上は、予算の不足とか人員の配置の状況等によって解雇することがあることは認められておるのでありますから、今回の米軍のとった処置が協約的に違反だということは言えないと思いますが、とにかく実質的にこうした問題ができるだけ円満に解決するように努力することは、私どもの責任と考えております。従いまして、一々の詳細を私存じておりませんけれども、調達庁といたしましても、特に当委員会の御指摘もございますので、その意味において努力をしたと思います。結果として、なかなか十分な、よい結果が得られなかったことは非常に残念だと思いますが、私、ただいま御指摘がございましたが、こうした問題につきましては、もちろん調達庁長官以下を督励いたしまして折衝を重ねることをいたしますけれども、また、在日米軍司令部の最高首脳部とも今後常に接触を保ち、こうした問題の円満な解決のためには、たとえば予算の増額を司令部全体として考えてもらうとか、あるいは十分やっていける方への配置転換について考慮を促すとか、そういう問題については、私自身も今後努力を重ねて参りたいと考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 防衛庁長官の非常に良心的な御答弁に対しましては、私どもも強く期待をいたします。しかし、ただ、今お言葉の中で私どもが非常にに気になりますのは、それは今日まで調達庁長官がとってこられた行為なり善処に対して、防衛庁長官のお言葉を承りますと、十分努力したと思うというようなお言葉があったわけでございますが、そういう認識ではちょっと困ると思うのです。と申し上げますのは、二十日の日にこの委員会で十分意見々聴取をして、それでは中央はこれを受けて立つべきであろう、政府としてもあらゆる善処を行なうべきであろうというふうにも御答弁いただいた。その後、私は二日の日に、防衛庁長官にも党と一緒にいろいろ御要望申し上げました。その席上でも、調達庁長官は、具体的に非常に努力したというふうな御回答があったわけです。ところが、実際私どもが調査いたしますると、小里部長が電話で一ぺんマッカリスター大佐と連絡をした。今、日本人同士の交渉なら電話でもかなり成果が上がるかもわからぬけれども、言葉のわからない相手と電話で交渉して、どれだけの成果が上がるか。それが政府の言う努力であり、善処であるとするならば、私は満足するわけにいかぬ、そういうことを指摘しておるわけです。そこで、防衛庁長官もそういう点は十分お聞き取り願っておるわけですから、一つそういう認識のしに立って、先ほど答弁いただいたような方向で今後とも努力していただくということならけっこうでございます。一つそういう方向で御努力を願いたいというふうに考えます。  そこで、いろいろ細部につきましては後ほど触れるといたしまして、要は、今日まで、駐留軍従業員にとってはいろいろな問題が次々に派生して起こってきたということは、もう御案内の通りでございます。そこで、私どもは、特にそういう点から、この際政府当局の御答弁を承っておきたいと思いまする点は、こういう次から次にトラブルないし紛争が起こってくるが、そういうトラブルなり紛争の根本的な原因が一体どこにあるのか、その点についてはどういうふうにお考えになっているのか、この点は一つ調達庁長官から御答弁を願いたいと思う。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 トラブルの起こるおもなる原因は人員整理の問題でございますが、人員整理につきましては、やはり部隊の撤退とか縮小とか、その他あるいは業務量の減少というようないろいろの事由がありまして、毎年この米軍の仕事に従事しておりまするところの駐留軍従業員の数もだんだんと整理されてきておる。そういう整理されてきておるところに大きな原因があると思うのであります。当方としましても、この整理につきましては十分にその理由を確かめ、はっきりした理由がない場合においては極力その整理を少なくしていく、やむを得ない場合においては配置転換等をお願いしまして、出血を少なくしてやるというような方針に基づいて従来折衝をしてきておるのであります。そのようなことで、今までいろいろのトラブルがあったのでありますが、おもな原因はそういうところにあるのであります。そういうようなことにつきまして、合理的な解決をはかるように努力して参っておるわけであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 少し私の質問に対してピントがはずれたような答弁に終わったと思いますが、私どもが言っておるのは、そういう人質整理等をめぐって、いろいろなトラブルが起こってくるわけであります。それは何も人員整理ということではなくて、その人員整理をめぐっての日米の共同管理の原則、あるいはまた事前協議の原則、こういう原則というものが貫かれぬというところに問題があると思うのです。根本的な原因というものは、私が今申し上げますように、日米両国における共同管理の原則が貫かれぬ、あるいはまた事前協議の方針というものが貫かれぬ、そういうところにトラブルの原因が起こってくる。そこで、そういう問題を一切解決するためには、まず日米両国間におけるところの事前協議の方針、さらには共同管理の原則、こういうものを確立するということが、とりもなおさず人員整理の問題等における事態を円満に解決するという一つの大きな根拠になるわけですから、そこでこういう紛争の根本的な理由というものは、今私が申し上げるように事前協議なり、あるいはまた、共同管理の原則というものを貫かれぬところにあるという、そういうことを御理解いただいておかぬと、いつまでたっても解決しない。そういう理解の上に立って今後政府は善処される。そうすると、今後事前協議という方針が貫かれ、あるいはまた、日米の共同管理という原則が貫かれる。そうすれば、こういう事態が円満に解決されるということですから、こういうことを見失うて幾ら政府が善処されようと言っても、私は、今日の紛争というものはいつまでたって本尽きぬと思うのです。それで一体、そういう事前協議たりあるいは日米共同管理の原則というものが確立されているのかどうか。まさか確立されておるとはおっしゃらぬと思いますけれども、そういう点についてどういうふうに御理解願っておるのか、一つ御所見を承りたい。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 御承知のように、基本労務契約なりあるいは諸機関労務協約におきまして、共同管理の原則というものは確立いたしておるのであります。従いまして、この共同管理の原則に従いまして、私どもは十分このような人員整理というような場合においても事前に協議をいたしまして、十分意思の疎通をはかって、このような問題の解決に当たっておるわけであります。その協議の際におきましては、先ほども申し上げましたように、人員整理については極力これを縮小する、またやむを得ない場合において配置転換をはかる、あるいは転職をはかるというようなことで、十分協議して折衝をしているわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私は率直に言って、事前協議の方針なり日米共同管理の原則というものが確立されることが望ましい、ところが、現時点においてはやや不十分な点がある、そういうことのために起こってきたのだから、今後そういう方面にはさらに一そうの努力をしたい、こういうふうに言っていただくと満足するわけですが、現時点においても日米共同管理の原則というものが確立されておる、事前協議というものはスムーズにいっておるというような認識であると、私どもは、今後こういう問題が解決するということについては、大きな期待を持つことができぬわけです。そういう点に、現時点においてはやや不十分なものがある、それらについては、今後政府が一体となって努力して、改善していこうというのなら、私どもは将来に大きな夢を持つことができる。ところが、現時点においてそういうことが確立されておるという御理解に立っておるとするならば、実は今後政府の善処については期待はできぬわけです。どうも私どもは、長官が男前を下げることがおいやで、ここで適当な御答弁をなさるのかどうか知らぬけれども、私はやはり率直に、過去に不十分な点があるのならある、そういう点については今後十分努力するということについては、はっきり言っていただかぬと、どうも私どもは今後政府の善処については期待することができぬのです。  時間がございませんから端折っていきたいと思いますけれども、三十七年の一月五日に、調達庁長官が各都道府県知事に出された文書の中に、次のように明記されておるわけです。すなわち、「法律上の雇用主は、日本側である。すなわち、従業員の就業上の規則および労働条件は、調達庁の同意なくしては、在日米軍は、これを変更することを得ず、この意味において、日米双方は対等の立場におかれていること。採用、解雇等の人事措置は調達庁が正式なものとした後において、在日米軍が調達庁の名において、これらの通知を従業員に対して交付するものであること。」実はこういうふうに調達庁長官は都道府県知事に対して通達をなさっておる。ところが、今度の板付における解雇予告の手続を御承知かとうか知らぬけれども、板付の場合は、アメリカ軍の署名だけで従業員に渡されておる。これは大体お聞き及びだと思いますが、そういうことでございますと、明らかにこれはあなたが都道府県知事に約束されたこととは違っておる、こういう点を一体どういうふうにお考えですか。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 まず第一点の共同管理の原則は、先ほども申しましたように協約によってきまっておる。この原則に基づいて、共同管理につきまして合理的なトラブルの解決をはかっていくように努力しておる。もちろん過去において、協議の間において意思の疎通を欠いたと思われるところもある。そういう点は今後十分に注意しまして、十分に協議の実効を上げるというようにいたしたい、こう考えております。  なお、私の名前において出しました通牒において、人事管理その他について、十分事前に協議をしてきめるというふうな通知をいたしております。従いまして、たとえば人員の整理というような場合におきまして、その他の場合におきましても人事管理に関することにつきましては、十分に現地労管が米軍と協議して、遺憾のないように、トラブルが起こらないようにやっていただくように十分注意しておりますし、今後そのように十分注意してやっていきたいというふうに考えております。  なお、先ほど予告通知書を米軍の名前において渡したということでございますが、これは調達庁において渡したのでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あなたの県知事に対する約束というものは、「採用、解雇等の人事措置は調達庁が正式なものとした後において、在日米策が調達庁の名において、これらの通知を従業員に対して交付する」、「正式なもの」というふうに御理解になっておるのかどうかということです。これは協約でも諸機関の、おっしゃる協約です。これを正式のものとするためには、日本側のサインが必要だ。そういうものをアメリカ軍に持ち込んで、アメリカ軍が従業員に渡す、これがあの協約に明記されておる内容です。ところが、今度の場合には、日本側はサインしておらぬですよ。アメリカ軍だけがサインして渡しておる。それは、少なくともあなたが県知事に約束された内容とは異なっておるわけです。そういうことで、あなたが県知事に、業務命令でないとおっしゃるけれども、業務命令にひとしいような指令を出す資格がございますか。県知事に対しては自分の約束と間違ったことをやっておるのに、この事実についてはどうですか。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 だれの名前で出したかという技術的な問題でございますので、私からお答えいたしますが、労管所長の名前をもって正式化したものを、今度整理になる労務者に渡しております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは事実判定ですがね。私は現物を見ている。そこで、現地ではこれを無効だと言っているんですよ。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 労管所長の正式化するという手続がおくれました関係上、軍において、諸機関において、労管所長の正式化していない解雇予告通知書を出したことは事実であります。その出したものについての効力の問題もあると思いまするが、私どもといたしましては、労管所長が正式化した文書を解雇予告通知書として出さなければいけないという見地に立っておりますので、労管所長が正式化した文書を労務者に手渡しました。手渡しを了しておると思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あなたは現物に対して御理解があるのかどうかわかりませんけれども、当初出された予告書は、アメリカ軍の署名だけであって、労管事務所長の署名はない。少なくも調達庁長官が都道府県知事に約束された事項とは相反しておるわけです。それで現地では、それは無効だというような  いろいろの疑義があるものだから、おそらく早く判を押しなさい、それがいわゆる新聞紙上でいわれておる業務命令という格好になったかもしれませんけれども、いずれにしても、従業員が最初入手したところの書類というものはアメリカ軍だけの署名だ、これは事実ですよ。私はその書類を見ているんだから……。あなたはごらんになったことがないでしょう。そうしますと、これは少なくとも調達庁長官が都道府県知事に約束された内容とは異なっておるわけなんです。自分ではそういう違法行為をやりながら——それは法律じゃございませんから違法行為ということが適切かどうかわかりませんけれども、そういう約束に反した行為をやりながら、県知事に対しては強い指令を出すということは、そういうような全く相矛盾したことが許されるかどうか。私は、こういう点は許されぬと思うのです。その点は、私の言うことが正しいことですから……。私は現物を見ておる。あなたはいろいろ報告を聞いておっしゃっているけれども、私の言うておることが正しいのですから、もう答弁の必要はございません。ただ、そういう誤った行為をなさっておるということを私は本委員会で明らかにして、防衛庁長官に十分お聞き願って、この点については終わりたいというふうに考えます。  それから、これもやはりいろいろ人事問題をめぐっての紛争の原因の一つというふうに私は考えますが、信義の問題でございます。それは昨年の十二月、協約改定にあたって県当局がアメリカ軍に対して、協約改定をすることによって今後人員整理の見通しがあるかないかというふうに回答を求めたところが、人員整理の意図はございません。そこで、県当局は安心して締結をした。ところが、数カ月を出ずして人員整理が行なわれたということになると、これはどうも信義々疑わざるを得ないのではないか。こういうことで今後お互いに疑心暗鬼で交渉すれば、今後いろいろな事態が起こってくると思いますけれども、そういう交渉というものは必ずしも円滑に運ぶわけには参らぬであろう。それで私は、そういう信義というものをお互いに堅持して、そして交渉に当たっていくことが、こういういろいろなトラブルを防止する一つの大きな条件になるのではなかろうかというふうに考えるわけです。こういう点についてどういうようにお考えになっておるか、一つ簡単でけっこうですから、お答えを願いたい。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 当時直用でございました労務者を政府雇用に切りかえるという交渉が進展いたしておりました際、私どもといたしましては、米軍に対して、政府雇用切りかえにあたって、人員整理を出すというようなことは避けてもらいたいという折衝を強くいたしたのでございます。特にこの政府雇用に切りかえが終わりますと、整理になる労務者は、軍の直用の時代と違いまして、政府から、たとえば特別納付金というような特別な退職にあたっての利益も得るわけでございますから、できるだけ政府雇用に切りかえた後に、どうしても人員整理が出る場合には、切りかえの前に人員整理をやるということでなしに、切りかえ後にひっかかるようにしてくれという折衝を軍にやったのでございます。軍といたしましては、現在のところ直用にして大きな人員整理の計画はない、ただ、軍自体にいたしましても、あるいは諸機関の労務者にいたしましても、事情が刻々に変わっていくというような軍独得の事情もございまして、ずっと長い将来まで人員整理を行なわないということは約束できない、年々大よその見当について、調達庁といいますか、日本政府あてに人員整理の計画表等も送ってきておりますけれども、それが往々にして相当食い違うことがあるわけでございます。そこで私どもは、今先生の言いましたように、切りかえにあたっては軍としてはそんなに大きな人員整理は持っていない、計画はないということは言っておりましたが、これが軍の都合でその後において人員整理が行なわれるような場合には、できるだけ早目に日本政府にも通知をしてもらいたい、そしてお互いに事前協議に入りたい、こういうことを言ってきたわけでございまして、その線に沿ったといいますか、協約上では、人員整理の予告通知を発出する十日前に軍から通告をすればいいことになっておりますのを、相当以前に、今回の問題にいたしましても二月の八日に向こうから通告をしてきて、そうして日本政府との折衝に入りたい、こういうことを言うてきておるわけでございまして、その点は、今回、軍としても相当良心的に日本政府に対して通告をしてきておる、私どもこう考えております。もちろん、ずっと人員整理ということがなしに済まされればそれに越したことはございませんけれども、今回の人員整理が、予算が足らないというような決定的な事由によって行なわれるということであれば、日本政府としても、この申し入れに対して十分な討議を行なった上で協約に従って手続をとらざるを得ない、こういうことになったわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間がありませんので端折って申し上げますが、私は、今小里部長がおっしゃっておるように、アメリカ軍の方が良心的であったというような御理解については承服できません。私はむしろお互いに信義を重んずる、少なくとも交渉過程におけるところの約束というものについては、お互いにどこまでも信頼し合っていく、こういう方針というものが堅持されなければ、お互いに疑心暗鬼で、腹のうちに何を考えているかわからぬというようなことで、今後の交渉というものはスムーズにいくわけにはいかない。少なくとも十二月に改定されて、二月にはもう解雇予告をやるというようなことでは、これは困るのであって、たとえば長い月日の中で情勢の変化等もございましょう、そういう中で新しい事態として考えられるということなら別ですけれども、十二月に協約を締結する、そして二月には予告をする、こういうことでは困る。そこで私は、むしろアメリカ側に対して、お互いに交渉の中で約束したことについては、それ相応に約束を守るという態度で臨んでほしいという要望をアメリカ軍にやっていただく、そのことが、今後お互いに交渉する過程の中でも、円滑に話を進める一つの大きな条件になるというふうに考えておりますが、今小里部長は、アメリカ側の方が良心的だ、そういう理解では困ると思うのです。もう時間がございません。そこで具体的な問題に入って参りたいと思いますが、今の点は、一つ今後アメリカが良心的だからなんという、その程度の理解度で臨んでもらっては困るということを一つ念頭に置いて下さい。これは林長官、よろしゅうございますか。  そこで、これはこの前の委員会の論議の中で触れたわけですが、今度の三十名のウエートレスを解雇しよう、そしてセルフ・サービス制度に切りかえよう、これは一体だれの意思でそういう方向になってきたか、その点を一つ明らかにしていただきたい。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 この前も御説明申し上げましたように、この諸機関の運営は、これを利用しますところの兵隊等の拠出金によってまかなう、あるいはそこから生まれる収益でまかなうということでやっておったのであります。この食堂が最近赤字が累積しておる、このような状態においてさらに兵隊の負担を高めるというようなことはとうていできない、兵隊の方としては、この際負担を上げてもらうのは困るから、セルフ・サービスでやりたいということを現地の司令官に申し出たのであります。そのようなことを現地司令官が判断いたしまして、この食堂の三十名のウエートレスを解雇するということになったのでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この空軍省規則によりましても、諸機関の運営については基地司令官が担当しておったわけです。これは空軍省規則の中でも明らかにされております。そこで、結局諸機関運営委員会の責任は基地司令官が持っておるわけですから、基地司令官の裁量によって判断されるわけでございますけれども、少なくとも現地では、現地の兵はやはりウエートレスがおった方がよろしいと言っておるのです。ただ、一ドル二十五セントの拠出金を上げてもらうことは困る。しかし、上げなければ、やはりセルフ・サービスよりも女の子にサービスしてもらった方がよろしいのだ、こういうように言っておるのです。そこで長官、どうも現地の実情を——これは私は議事録で読んだのですから間違いないと思いますけれども、そういう現地の状況といものの認識がどうも欠けておられるのではないか。そういう認識で何ぼ中央で責任を持ってもらうとおっしゃっても困る。やはり現地の実態というものを十分御認識していただいて、そうしてアメリカ軍と交渉していただく、これならけっこうです。これは相手のあることですから、できることとできないこととありますよ。けれども、そういう正しい認識に立って交渉していただいて、できない場合については、私どもも、これはいかんとも仕方がないと思う。ところが、不十分な認識で交渉してできぬとおっしゃっても、私どもは満足するわけにいかぬ。今申し上げるように、運営については、なるほど空軍省規則によっても司令官が持っておることはわかります。ところが、兵隊の意思というものは、やはり今申し上げたように、ウエートレス・サービスがあった方がよろしい、これが兵隊の意思ですよ。この点は十分再認識をして、一つ軍交渉に当たっていただきたい。  それから解雇の理由でございますが、一体解雇の理由というものはどこにあるというふうにお聞きになっておるのか、この点を一つ明らかにしていただきたい。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 予算の不足でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、現地における交渉の議事録を見ましても、次のようにアメリカ軍の司令官は述べておるわけです。司令官の判断として、ウエートレスのサービス業務を廃止することになった、長年働いた者を解雇するのは気の毒だが、財政上司令官の決定によってやむを得ない、こういうように、司令官もあなたのおっしゃるようなことを言っておる。ところが、そういうことが解雇の理由とするならば、私は非常に大きな矛盾があると思う。というのは、アメリカ軍も、大体月に十四万円程度の赤字が出ておるという。私どもは若干積算の基礎が違いますけれども、大体十万円程度の赤字が出ておるのじゃないかというふうに理解する。そうすると、赤字だから全員三十名にやめてもらうということにはならぬ。十四万円なら十四万円、私どもは十万円というふうに判断しますけれども、それだけの赤字ならばそれだけを減らす。そうして赤字をなくしていくということなら話がわかる。十四万円の赤字が出るから、三十名ずばっと首を切るという理屈にはならぬ。それは少し話が飛躍し過ぎておると思う。赤字が理由ならば、何とか赤字の分だけは押えよう、そういう理屈ならわれわれはわかると思うのですよ。十万円かそこらなら、たとえばベースを二万円としまして、三十人のうち五人か六人どこかに配転すれば、二応諾機関運営というものは赤字なしで済むということですね。ですから、十万円とか十四万円とか、赤字が出たからずばっと三十名やめろということは、話が少し飛躍し過ぎておるというふうに思う。そういう点はどういうふうに御理解になっておるか。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 予算の不足の点につきましては、私、実は昨日も統合司令部の労働課長並びに空軍の人事部長であるミスター・エリスというのに来てもらいまして、統合司令部で折衝いたして参ったのでございますが、今河野先生の言われますような予算の不足分だけに見合う人員を整理すればいいじゃないか、そういう話も、きのうの数時間の私と軍との話し合いの中で出たわけでございますけれども、軍としては、本来下士官、兵はセルフ・サービスが本体である、ただ今まではウエートレスを雇ってそれにサービスをしてもらう、こういうことが経済上何とかやりくりができてきたけれども、今後は赤字が累積してどうにもやっていけないということになれば、ここで一部セルフ・サービスにし、一部ウエートレス・サビースにするということはできない、ここでやはり制度全体を切りかえざるを得ない。こういうことで、形態としては、もちろん今までの金の範囲内で何とかやりくりができていけば、先ほど来先生の言われますような、ウエートレス・サービスを続けてもらいたいという兵隊の意向があるということはその通りでございますけれども、どうしてもそういうふうな点を今後継続していくことができない、予算の関係でますます赤字が累積する、従って、ここで制度全体を切りかえざるを得ない、一部残して一部新しく、こういうことができないという見解のもとに第一食堂と第六食堂全体をセルフ・サービスに切りかえざるを得ない、こういうことになった由でございまして、私どもとしては、長年勤めてきた従業員でありますから、できるだけ人員整理を圧縮して、何人でもいいから残してもらいたい、あるいはほかに配置転換もはかってもらいたい、こういうことを強く申し入れたのでございますが、第五空軍の責任者といたしましては、現地の司令官も、この食堂に働いておる女子従業員はほんとうにりっぱな人たちばかりだ、できれば何とかして救いたいという見解で、きのうの話は、個々の労務者についてそういう話し合いをしたこともあるような発言をしておりました。そういうことで、現地の司令官としてもできるだけ犠牲者を少なくしたい、配置転換もはかりたい、こういうことで従来もやっておるし、今後も努力したい。ただ、職種の関係でなかなか思うようには参らない点もあるというようなことを、きのう相当詳細にわたって折衝もいたしたのでございまして、今回は、制度自体はやはり切りかえざるを得ないという見地に立って、全員解雇ということになった模様でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私は、どうも調達庁当局が不勉強だと思うのです。と申し上げるのは、たとえば現地ではこういう不謹慎な話も行なわれている。というのは、今のウエートレスは、大体十年選手が非常に多いのですよ。年をとって、しかも月給が高い。この際一ぺん制度を改めるということでやめさして、やめさせればあとは若い女の子で、しかも安い月給で雇うことができる、こういうことを交渉の過程の中では言っているのですよ。ですから、制度を改めるとかなんとかいうことではなくて、今申し上げるように、実態というものは、こういうことを言っては失礼になるかもしれませんけれども、どうもおばあさんクラスで、しかもそれが月給が高い、この際やめてもらえば、若い女の子で、しかも安い月給で雇うことができる、こういう不謹慎なことを言っている。こういうことで、はたして労働者の権利が守れますか。これはきわめて重大なことだと思うのです。そういう実態をあなた方が認識なさって、しかも、政府がこの問題の解決のために御尽力いただくということでございますならば、相手側のあることで、なかなか困難な問題があるかもしれぬ、そういうことについて無理を言うとは私ども思わぬのですが、ところが、どうも不勉強で認識不足、そういう形の中で折衝されたって大して効果を期待することはできぬ、それが実態です。こういうことについてはどうですか。

小里玲総理府事務官(調達庁労務部長)

○小里政府委員 先ほど私が申し上げましたようなことで、今先生の言われるようなことは、私ども聞いておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは、ただいわゆる上澄みだけを聞いて、それが交渉のすべてだという認識をしておられるのは、非常に大きな問題があると思うのです。そういうことについては理解できません。これはきわめて重大なことですよ。これは労働大臣の所見を聞きたいのです。と申し上げるのは、なるほど表面はウエートレスの制度を改める、セルフ・サービスでいくのだ、制度自体を改めたいと言っているけれども、実態はもう十年選手でだいぶおばあさんになった、おばあさんになった上に月給が高い、それでこの際ずばっとやめてもらえば、あとは若い女の子で、しかも安い月給で雇うことができる、こういうことを現地では言っている。私は、こういうことでは労働者の権利は守れぬと思うのです。こういうことについては、労働行政としても許すべからざることだと思うのです。そういうことを聞いたか聞かぬかということについては、労働大臣も問題があるかもしれませんけれども、そういう実態については、労働大臣自身もけしからぬというふうにお思いになると思うのです。いかがですか。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 私は、今お話しの点について、まだ現地の事情を詳細に承っておりません。よく調べてみたいと思っております。お話しのようなことの通りであるとしますると、私どもも、あまりこれはいいことだとは考えません。いずれにしましても、よく調査いたしたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 労働大臣が、調査して善処するとおっしゃっておりますから、労働大臣の誠意に期待いたします。  時間がございませんので、さらに進めたいと思います。なるほど、昨年の協約の締結によって、一応、かつての直川の方々も、政府雇用に切りかえられたということは御案内の通りです。しかし、現実にMLCとIHAの間では、非常に保護の面その他で格差がございます。そこで、同じ政府雇用でございますので、そういういろいろな保護の面その他の格差というものは、是正してもらわなければならぬ。これを是正してもらわぬと、これは絵にかいたもちではございませんけれども、単に政府雇用ということだけで、別に何ら変わったことはない。そこで、これは炭鉱離職者等においても、いろいろ臨時措置法その他で補償等が考えられておる。当然私は、やはり駐留軍労務者についても、具体的にこの補償問題について考えられなければならぬと思う。特にMLCとIHAとの格差の問題、これは一つ解消してもらわなければならぬ。これについてどういうふうに将来御努力願おうとしておるのか、この際所見を伺っておきたいと思うのです。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 二つの契約を比べますと、本質的には大体同じなんです。ただ、諸機関従業員の方につきましては、その実態が特殊性を持っておるというようなことで、やはり手続等において、あるいは簡素化しておる面もあるのであります。このような両者を比較して、今後不合理な点があれば十分検討して参りたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 不合理な点があればと言うが、不合理な点も御認識ないのですか。そういうことでは困りますね。不合理な点については、今後その改善のために努力するということならけっこうですが、今日諸機関労務者とMLCとの間に、いろいろな具体的な不合理があるということについては御認識ないのですか。こういうことじゃ困ります。

林一夫調達庁長官

○林(一)政府委員 ただいま申しましたように、二つの協約は、本質的には大体同じであるのでございますが、諸機関従業員の実態というものは、駐留軍従業員と変わった点があるのでございます。そういうような実態からいたしまして、その手続を簡素化しておるというような点もあるのでございます。全般にわたりまして今後検討を進めて参りたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実際今度改定されまして、そしてそのIHAの場合に相当の利点が生まれたというならば、これは裁判管轄権問題というものが解消した、この一点だけですよ。本質的には同じとおっしゃるけれども、形式的には同じであるけれども、本質的には一向改まっておらぬというように思うのです。本質的に改善されたとするならば、これは裁判管轄権の問題だけでず。その他の面では、ちっとも改善されていないと私は思うのです。ですから、同じ政府雇用でございますけれども、MLCとIHA、この両方の間における格差の是正、これについては調達庁長官にまかせるだけでなくて、当然防衛庁長官も、その改善のために努力していただかなければならぬと思うのです。一つ改善の御意思があるかないか、承っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 基本契約と諸機関契約について、諸機関従業員の性格的なと申しますか、機構的な違いから生まれてくる幾つかの問題があろうかと思います。しかし、とにかくいずれにせよ、この諸機関従業員を政府雇用にいたしまして、共同管理という体制を整えたわけでございますので、現時点においては、現在締結いたしました諸機関従業員に関する協約が、やむを得ない妥結点であったと思います。しかしながら、これはさらに改善すべき幾多の問題を持っておりましょうから、その点につきましては、今後も十分その改善には努力いたすつもりでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間がございませんので、結論に入りたいと思いますが、要するに、今日までこの駐留軍労務者の紛争事件というものがしばしば繰り返され、私どももそういう事態については全く遺憾だ、そういうことで、当委員会においても私どもが次々に取り上げたというふうに一つ御理解いただきたいと思います。駐留軍労務者については、何でもかんでもすぐ国会で取り上げるじゃないかというふうな調達庁当局のお話もありますけれども、私どもが取り上げなくても調達庁当局が誠心誠意努力していただけるならば、何も取り上げる必要もないし、私どもがちょうちょう便々と申し上げるまでもないと思います。ただ、私どもが今の政府のやっておられる行動を見ておりますと、どうも満足する点が少ない。そういう意味で取り上げているわけでございますから、一つそういうふうに御輿解いただきたい。  そこで、そういう点と同時に、私どもが今回特に要望しておきたいと思います点は、たとえば、昭和三十五年六月、横田の食堂従業員の解雇問題が起こって参りました場合には、軍側が、いわゆる財政白書というものを発表したし具体的に申し上げると、貯金通帳のごときも投げ出して、そしてこういう実態であるのでということで、誠意を披瀝する形によってこの問題が解決したという経緯があるわけです。そこで、赤字だ赤字だというようなことでなくて、それは赤字が出ましても、諸機関運営委員会でプール計算でやる方法もあるわけです。それは空軍省規則の中にも、そういうことをやってよろしいということが明記されているわけです。ですから、そういう問題が起こった場合には、お互いに具体的な資料を出し合って、そして納得ずくめで交渉を進めていく。また、県も具体的な資料が出てくれば、その具体的な資料に基づいて円満な解決方策を立てることも可能である。そういうことで今後は軍側も謙虚に、そういう問題が起こったときには資料を提出して、誠意を披瀝してこういう問題の解決に当たる、そういう方向で臨まれることを私どもは強く要望するわけです。そういう点についても、今後防衛庁長官の御配慮を願わなければならぬと思いますが、その点について御配慮いただけますかどうか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 駐留軍労務者の問題につきまして、いろいろ紛争があったり、なかなか解決の困難な問題も従来ありました。もちろん共同管理という原則のもとに立ちまして、私どもは万全を期しているわけでございますが、過去の事例において、必ずしもそれがすべて万全であったというほどに私どもも考えないのでありまして、今後米側におきましても、十分そういう誠意と申しますか、信義にのっとって行動してもらうように、われわれも強く要望いたしますと同時に、私どもも努めまして、また先ほど御指摘がございましたが、現地の情勢その他の把握につきましても努力いたしまして、そしてこうした問題を円満に解決するように、またそういう意味におきまして、トップ・レベルにおけるいろいろな相談も進めて参りたいと考えます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 最後に、今防衛庁長官から適切な御答弁をいただきましたが、いずれにしても、こういう次から次に起こって参ります紛争事件を防止するためには、事前協議の方針を貫いていく、あるいは共同管理の原則を貫いていくということが、非常に大きな条件だというように考えます。それについては、内閣でも、基地周辺の諸問題解決については基地周辺に関しまする協議会が総務長官のもとに設立されておる。そういう中で解決していこう。そこで人事問題、労務問題についても、内閣においてもそれぞれ、労働大臣は日本の労働行政の最高責任者という立場、防衛庁長官はアメリカとの諸関係、調達庁長官は窓口となると思いますが、そういう関係ある閣僚の方々が、一体となってこの問題の解決に当たっていただく、そういう体制を作っていただくことが必要だと思うのです。たとえば労働大臣あるいは調達庁長官あるいは防衛庁長官と、各個ばらばらでは足らぬ面も出て参りますから、政府は渾然一体となって解決する体制を確立していただく必要があろう。そういう体制をぜひ作っていただきたいと思いまするが、それについては一つ労働大臣と防衛庁長官から、一言ずつ所信のほどを御披瀝になっていただきたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○福永国務大臣 できるだけ御趣旨のように努めて参りたい所信でいます。一緒になっていろいろ策対を講ずるという意味において、何らか機構的なものを作るかどうかということになりますと、これはまだいろいろ問題もありましょうが、いずれにいたしましても、まずそういう精神で努力いたしたい。それをもって足らないとするならば機構的にも考える、こういうふうにいたしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○藤枝国務大臣 申し上げるまでもなく、中央離対協等もございます。これは離職者の対策でございますが、離職者の出ない方がよりベターなのでございますが、そういう機構もございますし、臨時措置法もございますし、ただいま労働大臣からお答えいたしましたように、機構的にどうするかということはもう少し研究させていただきたいと思いますが、こうした問題を中心にいたしまして各省密接な連絡をとりまして、これらの問題に善処することについては十分努力をいたします。

中野四郎自由民主党

○中野委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明七日午前十時より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後二時二分散会

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