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40回国会衆議院1962/07/10

決算委員会 第27号

発言数
110
登壇者
13
会派数
2
開催日
1962/07/10

会議録

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  派遣委員の報告を聴取いたします。  委員各位の御承知のごとく、去る五月に、当委員会は、歳入歳出の実況、政府関係機関の経理及び公団等国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する実情調査のため、中部地方及び中国地方等の各地に委員を派遣いたしておりますので、この際派遣委員の報告を求めます。第一班西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 私から北陸地方及び中部地方の一部を視察して参りましたことにつきまして御報告を申し上げます。  日時は、去る五月十七日から二十一日まででありますが、調査に参加いたしましたのは、派遣委員としての鈴木委員長及び私と、任意参加をされました山田長司君の三名であります。  今回の視察は、主として北陸地方の開発状況、同じく北陸地方の産業経済の現況及び同地方の交通事情がどのようになっておるかを調査の対象にしたものであります。  まず最初に、長野県より富山に連なる黒部峡谷において行なわれておる電源開発の状況を見て参りました。黒部峡谷には、黒部川に沿って関西電力株式会社の既設の発電所が幾つかありますが、その中でも最も大きく、かつまた難工事といわれておる黒部第四発電所の工事が、昭和三十一年七月から着工されまして、昨三十六年一月に至ってようやく発電機二台が動き始め、目下その完成に全力をあげておるという状況でありました。  わが国の産業経済の発展に電力の必要なことは申すまでもありません。関西電力を初め、東京電力その他の電力会社が、こうした人跡未跡の地に幾多の困難と戦って電源の開発に努力しておられることは、何よりも喜ばしいことでありますが、それにしても、この黒部第四発電所の工事だけでも四百数十億円の建設費がかかり、その費用の一部は、開発銀行を通じて国費が出ており、また、海外からの資金も、開銀や輸銀などの保証によって導入されておるのであります。  当決算委員会といたしましては、公益事業である電気事業が、多かれ少なかれ、国の費用と関係があることからして、これが有効適切に使用されておるかどうかを考慮しながら、その建設状況を拝見して参ったのであります。  北陸地方の産業経済の現状につきましては、富山、石川、福井の三県について調査したかったのでありまするが、日程の都合もあって、石川県内の小松製作所及び東和織物会社など、機械、繊維関係の工場を見て参りました。  石川県庁において、県下の経済事情を聴取し、他の二県についても話が出ましたが、予想外に明るい内容の説明にて、今日までのところ、日本経済の発展が北陸地方にまで浸透しておるととが察せられ、喜ばしく思った次第でありますが、やはり国全体から見まして、この地方はまだまだ後進地域に属するわけでありまするから、企業に要する建設資金や運転資金の調達に何かと問題が多いことと思います。  元来、北陸地方は、豊富低廉な電力が得られるという建前で工場の誘致に当たってきたところであったかと記憶しておりますが、今日では必ずしも北陸地方の電力は豊富低廉ではなく、交通の不便と相待って、今後根本的に考え直さなければならない問題が横たわっておるのではなかろうかと思います。  北陸地方開発審議会もあり、また、日本開発銀行の地方開発局を通じての資金供給も幾分多くなるはずでありまするから、お互いに十分調査研究の上、今後の発展を期待するものであります。  最後に、この地方の交通状況でありますが、これは乗って見ればわかることで、北陸と関東、北陸と関西との関連は、一応順調にいっておるようでありますが、東北地方との連絡あるいは山陰地方との連絡ということになりますと、きわめて不便であります。  申すまでもなく、交通は、電力とともに地方産業の二大要素であり、これが完備されなければ産業の発展は望まれないのであります。  私たちは国鉄の北陸トンネルを視察いたしました。御承知の通りこのトンネルは、敦賀——今庄間十四キロの日本一長いトンネルで、昭和三十二年十一月起工式が行なわれてから今日まで四年有余を経過し、ようやく三十七年三月完成したものであります。この報告を申し上げておるただいまでは、すでにこの中を電気機関車をつけた列車が走っておるわけでありますが、ここが正式に開通したのは六月九日で、私たちは開通直前にここを見て回ったのであります。実にりっぱな明るい気持のするトンネルであります。  今後この地方の鉄道が電化され、複線化されて、ダイヤも大幅に短縮されれば、北陸の夜明けもほど近いことと思われます。  当地方の産業が振興され、天与の風光を生かした観光事業が飛躍的に発展する日の近からんことを期待するものであります。  私たち決算委員会といたしましては、多額の国費がいろんな方面に使用されておることでもありますから、単に北陸地方ばかりではなく、他の地方についても、折あらば視察をいたし、これが十分効果の上がるように使われるよう注視していきたいと考えております。すでに北陸地方についても、会計検査院の検査によって、各省の事業あるいは一部地方自治体の仕事について、不当不正なものとして指摘されておる事柄が、年々少なからずあるわけでありますが、私どもとしては、検査院の指摘は指摘として、十分反省の材料にしていただくとともに、さらにまた、一そう国費の経済効果という点についても、各方面の関心と御尽力をお願いする次第であります。予算の不公平、不能率を正し、決算の厳正を期することが国政調査の目的であります。  以上、簡単ながら御報告申し上げます。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 次に、第二班小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 中国地方班は、派遣委員としての鈴木正吾委員及び私と、任意参加されました宇田國榮委員の三名で、五月十九日から二十二日まで岡山、広島、山口三県下の主要産業施設を中心として調査いたしました。以下順を追って報告いたします。  五月十九日、日本専売公社岡山地方局において、管内概要を聴取し、新設たばこ工場を視察した後、錦海塩業株式会社を視察いたしました。同会社は昭和三十一年十一月から錦海湾をサンドドレーン工法により、延長約手八百メートルの外堤防築造によって締め切り、塩田及び付属施設を建設したもので、三十四年四月から工場、塩田が順次稼動するに至りました。  現在の経営規模は、塩田二百八十三ヘクタール、枝条架面積三十六ヘクタール、合わせて三百十九ヘクタールに達する真空式工場でありまして、塩の生産実績は、三十五年度五万五千トン、三十六年度七万トン、三十七年度は約九万トンに達する見込みといわれます。  御承知の通り、塩業整備の推進により、非能率な旧式塩田が整理されまして、国内塩生産力は百三十万トンから九十万トンに縮小されたのでありますが、本塩田は、わが国第一の規模のものとして、集約的生産によって生産コストを切り下げる努力をしております。出資者は、おおむね香川、岡山両県を中心とする塩業関係者であります。会社側としては、堤防は塩田のためだけでなく、付近町村の高潮防護上重要な役割を果たしているのにかんがみて、政府は財政投融資その他の面で特段の配慮をされたい旨の希望が述べられたのであります。  二十日は水島工業地帯及び音戸大橋を調査いたしました。水島工業地帯は、岡山県倉敷市の水島地区、玉島市の南部、水島港及びその背後地の一帯を総称し、高梁川河口に形成された三角州及び川口付近の遠浅海面を埋め立てて造成された地域であります。ここには戦時中旧三菱重工業株式会社が航空機工場を建設したのでありますが、昭和二十八年から岡山県が工業地帯の造成整備に乗り出し、現在までに四十六億円を投じて三千五百万平方メートルの埋め立てをし、さらに水島港の大型船泊地を水深十二ないし十三メートル、面積百三十四万平方メートル、航路の水深十三メートル、幅員三百五十メートルの浚渫を終わって、六万トン級の船舶の出入りが可能となっております。  これらの地域には、既存の新三菱重工業自動車工場のほか、三菱石油、日本鉱業各製油所、中国電力火力発電所、小野田セメント等が稼動しており、倉敷レイヨン工場の立地が決定したほか、川崎製鉄工場もすでに一部着工しており、われわれはこれらを視察して参りました。  県の計画では、昭和三十七年度以降最終的には四千万平方メートルの工業用地を造成し、水島港の水深を十六メートルにして、十万トン級の大型船の入港を可能ならしめる。工業用水については、高梁川総合開発によって一日百万トンの供給を可能ならしめて、将来ここに石油輸入、精製、鉄鋼生産、石油、製鉄関連化学工業、各種機械生産を主とする一大工業地帯を作り上げる雄大な構想を持つものであります。われわれは、この大事業に対して深甚なる敬意を払いますとともに、今後政府が、物心両面にわたって援助をなされるよう要望したいと存じます。  同日午後視察いたしました音戸橋は、呉市と対岸音戸町を結ぶもので、道路公団が三十五年一月着工、三億六千万円の工事費をもって三十六年十一月に完成し、同年十二月から有料道路として営業を開始したものであります。取付道路を含めた総延長千二百メートルのうち主橋梁部分百七十二メートル、総幅員六・五メートルであり、高潮水位からの橋梁の高さを二十三・五メートルに保って、一千トン級の船舶の航行を可能ならしめていることが大きな特徴であります。  これによって倉橋島は陸続きも同様になり、大型自動車による旅客、物資の輸送によって地元産業の開発が促進できることになるわけでありまして、本年三月末までの営業成績を見ましても、料金収入は計画並びに予定収入を大幅に上回る好成績をおさめております。  次に二十一、二十二日の両日にわたりまして呉、広島、岩国地区のいわゆる広島湾臨海工業地帯の重化学工業を視察いたしました。当地域はもと軍用施設が多かったところでありますので、われわれはこれらの跡地がどのように活用されているかの観点からも見て参ったのであります。  まず、呉の日新製鋼工場は、旧海軍工廠跡十六万坪に、昭和二十六年から広幅帯鋼、ステンレス鋼の一貫メーカーとして発足したもので、年間製鋼能力四十八万トンを有するものでありますが、本年六月には高炉が稼動開始して、鉄鋼一貫作業に入ることになっております。その必要とする工業用水は、現在一日四、五万トンでありますが、設備拡大に備えて三十八年までに大田川から十万トン取水の計画を有し、また、現在の敷地では狭隘なので、広旧工廠敷地のうち七万坪を払い下げ申請中とのことであります。  呉造船所は、当初旧海軍工廠等の施設を借り受けて播磨造船所呉ドックとして昭和二十一年四月発足したものでありますが、二十九年に呉造船所として独立し、三十四年には借用中の国有施設を買い受け、現在七万坪の敷地をもって船舶の造修、各種産業機械、橋梁、鉄骨等を生産しておりまして、三十六年度は八十六億円の生産実績を上げております。戦前、戦艦大和を建造した大船台は、今NBC呉造船部が使用中でありますが、これに隣接する呉造船所としては、その使用期間が終了したときはぜひともこれが払い下げを受けて船台設備の増強をはかりたいとの強い要望を持っております。  東洋工業本社工場は、広島市東部猿猴川に臨む二十五万坪の敷地を有するもので、昭和六年以来マツダ三輪トラック、軽四輪トラック、軽自動車、さく岩機等を主として生産し、現在従業員一万二千人、自動車月産二万一千台、売り上げ月七十億円に達し、業界随一の量産規模を持つ総合自動車メーカーであります。生産は完全にオートメーション化され、各種電子計算機によって生産管理されておりまして、これらと相待って、本工場におる生産性の高度化は業界の模範とすべきものであろうかと思われるほどでありました。  三井石油化学、三井化学、三井ポリケミカル、大日本化成各社の岩国、大竹地区工場は、大部分元軍事施設跡に建設されたもので、いわゆる岩国、大竹地区石油化学コンビナートを形成しております。その生産品目はエチレン、ポリエチレン、ブタノール、ポリプロピレン等、一連の石油化学製品でありますが、おおむね発足後日浅く、最新技術設備によるわが国経済への寄与、活躍は、今後大いに期待し得るものと存じます。  以上、調査の概要を日を追って報告いたしました。今回の調査は、主として岡山、広島、山口三県にまたがる瀬戸内海沿岸工業地帯の代表的なものについて行なったのでありますが、あたかもわが国経済は、設備投資並びに生産規模等について、微妙かつ重大なる調整期を迎えている現在、これら産業の中にも幾多の試練に当面しているものがあることと存じますが、願わくはこれらの困難に打ち勝って、将来のわが国経済の発展に寄与されることを望む次第であります。  調査は、幸いに関係当局並びに各会社の御協力を得て、順調に、十分の成果をおさめて終了いたしました。  以上御報告いたします。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 これにて派遣委員の報告聴取を終わります。      ————◇—————

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 昭和三十五年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は、経済企画庁関係決算及び労働省所管決算につきまして審査を行ないます。  まず、経済企画庁関係決算につきまして、概要説明を求めます。経済企画庁政務次官菅太郎君。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 昭和三十五年度経済企画庁関係決算の概要は、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知いただきたいと存じます。  何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 次に、労働省所管決算につきまして概要説明を求めます。労働政務次官加藤武徳君。

加藤武徳自由民主党労働政務次官

○加藤説明員 昭和三十五年度の労働省所管決算の概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、これによって御承知いただきたいと存じます。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 委員各位のお手元に配付いたしております昭和三十五年度経済企画庁関係決算の概要説明及び昭和三十五年度労働省所管決算の概要説明は、便宜会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承を願います。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要について説明を求めます。第一局長秋山昌平君。

秋山昌平会計検査院事務官(第一局長)

○秋山会計検査院説明員 昭和三十五年度の経済企画庁関係の歳入歳出決算につきましては、書面並びに実地検査をいたしましたが、経理の事務的手続について注意をいたしましたほか、特に不当として申し上げるべき事項はございません。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 次に、第三局長中島尚文君。

中島尚文会計検査院事務官(第三局長)

○中島会計検査院説明員 昭和三十五年度決算検査報告に掲記せられました労働省関係の指摘事項について御説明いたします。  第一は、失業保険の給付が適正を欠いておるという案件でございます。これは受給者が再就職しているのに、これに対して保険金を支給した事例であります。全国に六百八十カ所の公共職業安定所がありますが、そのうち九十一カ所を選びまして、失業保険受給者二万一千九百十五人について調査をいたしました結果、その三分の二にあたりますところの六十カ所において、二百六人の不正受給者が発見され、その金額は二百八十六万余円に上っております。都道府県別の表は七十八ページにございます。  次に、失対事業に対する補助金の経理が当を得ないものでございますが、就労していない者に支払った賃金あるいは失対事業に使用しなかった資材費または県が負担すべき事務補助員に支払った賃金、これらを国庫補助金の対象とした事例でありまして、一事業主体当たり十万円以上の国庫補助金の返納を要するものが、十六都道府県において三十七事項、一千百四十一万余円あったのでありますが、一事項二十万円以上のものを七十九ページに表示いたしております。  次は、神戸公共職業安定所の職員にかかる不正行為でございますが、これは就職支度金支給の調査確認事務に従事していた職員が、受給者から就職支度金の受領の依頼を受けたと偽って七十一名の就職支度金合計百九十万余円の交付を受けて領得したものでございます。  第三の是正さした事項といたしまして、労働者災害補償保険及び失業保険におきまして、保険料及び追徴金の徴収不足を来たしていたために、これを是正さしたものでございまして、前者においては四百三十事業場一千五十一万余円、後者においては六百七十三事業所一千四百二十三万余円に上っておりまして、これはいずれも事業主の申告した保険料算定の基礎となる賃金総額が事実と相違しておるのに、その調査が不十分であったことに起因するものでございます。詳細は八十二ページ及び八十三ページの表の通りでございます。  以上をもって終わります。     —————————————

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 これより質疑に入ります。西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 企画庁の次官にお尋ねします。  本委員会が東北開発株式会社の審議の結論として決議をしたわけなんでありますが、これに対処する企画庁の基本的心がまえ、これはどういう心がまえでお受け取りになられましたか、まず伺いたい。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 本件に関しまする当委員会の御決議の趣旨を体しまして、条を追うて逐次実行に移しつつある次第でございます。まだ今後やることもたくさん残っておりますが、すでにある部分は実行に移しておる次第でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 これを実行するにあたりまして、国家公務員としておる人と会社の役員という形で残っておる人と、あるいは他の公団、公社、そういうところに転職された人々と、いろいろありますが、その全体を考えながら決議の趣旨にこたえるという方法をとられなければならぬと思うのです。そういう立場から今まで関係各省とどういう連絡をなさってこられたか、全体的にそういう相談を持たれたかどうかということ、そういうようなことはどういうことになっておりますか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 関係者の責任の追及の問題でございますが、最初にそのことをちょっと申し上げてみたいと思います。  御承知のように、東北開発株式会社の事業の不振と申しますか、乱脈ということは、根本的には、幹部にその人を得ず、社内に派閥の対立がありまして、お互いにせめぎ合っておる、お互いに疑惑を持ち合っておる、こういうことが非常に大きな原因でありまして、ために成績が上がりません。ついに汚職まで発生するに至りましたので、まずこの幹部の人事を刷新することが第一と考えました。また、それが同時に責任を追及する大きな方法と考えましたので、御承知のごとく理事の任期の終了を機会にいたしまして、改選の機会に前理事は全部御退任を願ったわけでございます。しかし、御承知のごとく、新総裁におかれましても、役員全部、監事を含めてまでの総退陣では、事業の一貫性を欠くから、何とか監事だけは残してもらいたいという御要望がございましたので、監事のお二人は残ってもらいまして、山中さんは副総裁になってもらいました。しかし、この監事の皆さんも、責任がないとは申されませんので、監督官庁といたしましては、この当時の二人の監事につきましてどういうふうにするか考えたのであります。御承知のごとく東北開発株式会社の監事につきましては、職員と違いまして懲戒の規定がございません。不適任と見れば解職をするか、あるいは解職に準ずるような御退任を願うか、これ以外に方法はございません。さりとて、そのままにもできませんから、経済企画庁長官が六月の十二日、当時の両監事をお招きいたしまして、口頭によりまして厳重に訓告を与えた次第でございます。  なお、これは会社側でございますが、官庁側の当時の監理の責任者でございました東北開発株式会社監理官の浅間君に対しましては、今の両監事に対するやり方と均衡をとりまして、経済企画庁長官より、同日に厳重に口頭の訓告を発した次第でございます。  なお、この監督体制を強化する意味におきまして、従前は監理官に手足がございませんでしたが、今般予算もいただきましたので、監理官づきとして七月一日をもって二名の職員を、うち一人は補佐でございますが、配置をいたしておる次第でございます。会社側におきましても、それぞれこれに応じまして御処置をなさっておりますが、今御質問ございませんからそれははずしておきまして、後刻質問によりましてお答え申し上げます。  それで今、おやめになりました前理事諸君の行方の問題などを含めて御質問だったと思いますが、いずれも御出身の関係向きに対しては、こういう意味で退職をお願いしたことは御伝達をいたしました。しかし、それらの人を御出身の向きがどういうふうにまた拾い上げてお用いになりますかにつきましては、特にこうせい、ああせいということは申しませんでしたが、こういうふうな意味で御退任を願ったということはお知らせしてある次第であります。それ以上のことは実はいたしておりません。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 新聞面によりますと——今、厳重なる訓告ということでございますが、口頭による戒告と新聞には出ております。戒告ではなくて訓告をやったということでございますね。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 口頭による訓告でございます。前監事に対しましては、今申しましたように懲戒の規定がございませんから、戒告もしくは戒告に準ずる御退任を求めるには、まずこの手以外にはないということでございます。それから、それに準じまして、公務員であります前監理官に対しても、同様の口頭による厳重なる訓告を行なった次第でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 会社の役員関係は、公務員ではないので、それは任命権者が罷免権を発動するとか、それに準ずる措置を発動するとか——今おっしゃるようなことしかできない、それをやることは不適当であると御判断になったわけでしょうが、この懲戒的な処置として罷免ということをやるまでに至らなかった、それを発動するには至らない、こう御判断になったことは、一体どういう根拠に基づいておられるのか。そこのところ、いろいろ御検討なさったと思うのでありますが、それについてお話を願いたいと思います。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 理事も監事も一体となっての更迭ということも一応考えましたが、新総裁を中心に再建をするという積極面を考えますと、どうしてもだれか一、二の方は残っていただいて、従来のいきさつをよく知った人が、しかも公平な立場で発言のできる人で、派閥抗争の渦中に巻き込まれないで、しかも会社の状況を見ておった人が、一、二残ることがぜひ必要と存じまして、特に新総裁からも御要望がございましたので——そうすれば監事にお残りをいただくことがいいのじゃないか、こう考えました次第でございます。  いろいろこの点につきましては、監事の責任の問題もございましたけれども、御承知のごとく、当時の会社の内部の事情は、率直に申しますと、実は監査もできない乱脈と申しますか、もうひどい状況でありまして、要するに理事間の対立、派閥の抗争ということで、正規の機関運営ができていないという状態、これはまず理事の総更迭を行なった上でなければ、ほんとうの意味における監査もできぬような状態であったわけでございますので、そういう意味で、理事の任期満了に伴う総退陣ということをまず第一の大きな仕事として、そうして私どもといたしまして、これで大きな一つの粛正の第一歩を踏み出し、ある意味において責任問題も明らかにいたしまして、その上は監査役のお二人にお残りいただいて再建の方に協力していただく、こういう形が当時の会社の状況に対しては一番適当でないかと考えましたので、こういう処置をいたした次第でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今のお話は、当委員会の決議が出る前にすでに行なわれておる処置なんですしだから、当委員会の決議以後に、どういう工合に——そういう厳重なる訓告程度におさめた方が一番いいと御判断になったその基礎というものはどうか。前の考えを継続して、やっぱり前の考え通りでやっていくことが正しいのだ、いいのだというお考えかどうか。その点どういうことなんですか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 今お話しのように、当委員会で問題になります前にとりました私どもの処置は、当委員会のいろいろ御決議にかんがみまして正しかった確認をした次第でございます。それはそれとしての方向は貫く一方、そういう関係者の相当部分が汚職によりまして司直の追及も受けておりますから、それはそちらにおまかせをする。それで今の残りました監事につきましては、お残りをいただくけれども、厳重な警告をして、大いに今後は発憤をしていただくということでちょうどよろしい、そうして監理官の方に関しましては、今のに準ずるような処置をいたしまして、しかも会社につきましては、部内の粛正なり、派閥の解消なり、統一の保持なりということにつきましては、こちら側からいろいろ御要求をいたしまして、会社内部におきましてはいろいろな処置をしていただいております。御要求がありましたら、また別に当局から御報告をいたさせますが、そういう意味での会社の監督、責任の追及、綱紀の粛正については、相当会社側でも成績を上げておられるように存じておるのでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 関係各省に連絡をされたというのは、どこどこにどういう形式で連絡をされたのですか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 細部のことは、私も今ちょっと記憶をいたしませんが、それぞれそういう処置をいたしましたことを、口頭か文書かなにかで連絡をいたしたのでございます。その細部のことはよく存じませんが……。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 ではどなたかわかりますか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 今、当時の関係のところはどうしたか聞いているそうでありますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それから東北開発株式会社の今年度の株主総会が行なわれたわけだろうと思うのですが、その株主総会に、国を代表してだれが出て、どういう行動をしたか。株主総会において、あれだけの不始末は相当追及されなければならぬはずだと思うのです。その責任というものは、相当株主総会の名において追及されなければならぬ、こう思うのですが、だれが出て、どういう発言をしたか、株主総会においての行動、それについて御発言願います。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 監理官が出席をいたしておりますが、今ちょっと連絡に出ましたから、帰りましたら御報告をいたさせます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 あれだけの赤字を出した、それはもう不可避的な原因による赤字ではないということでありますので、それの責任というのは理事のだれにいくのか、全体の責任であるか。これは株式会社であるから、そういう法的な問題から言いまして、次官は一体どう考えていらっしゃるか。十数億円の赤字を出したが、それは決して不可抗力による赤字ではないということですから、相当責任は追及されなければならぬのですが、その責任はだれに帰属するのか、理事全体に帰属するのか、そこのところはどうですか。いつまでその責任は継続するのか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 申し上げるまでもなく、総裁、副総裁等を中心といたしまして、これはやはり理事全体の責任だと思います。ことに理事会等が正規に開催されて、正規の機関運営をいたしておりません。派閥抗争に明け暮れして、社業の前進に向かって集中いたしておりません。その間に事件がいろいろ生じましたので、理事全体にその責任を負っていただく。監査の任に当たる監事も責任を免れることはできないと思います。また、監督官庁としての監督責任も、これは免れることはできません。ことに監理官として現場に臨んでおりまして、しょっちゅう会社に接触をいたしていますところの責任は、これは免れぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 これは道義的な意見であるか、常識的な意見であるか、法規的な意見であるか、あなたのおっしゃることは……。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 これは法律的及び道義的両方の意味での意見でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 吉田さん、どうですか。

吉田剛総理府事務官(経済企画庁総合開発局参事官)

○吉田説明員 監理官のことについて申し上げますと、監理官は総会に出席して意見を述べることができるという規定がございます。従いまして、総会においては、株主ではございませんけれども、監理の立場で一応その理事会に対して意見を述べる、出席をするという権限だけは持っておるわけでございます。ただし、それ以上意見を述べましても、理事会の決定なり、あるいは会社意思の決定というものを、監理官がその総会において是正するというようなところまでは入れないだろうというふうに考えられます。従いまして、結局、総会におきまして、不当である、あるいは総会以外の理事会において、不当であるというふうに考えられたことは、監督官庁として、ある程度の発言は法的には可能である。ただ、その結果、それをくつがえすというところまでは、実は法的には考えられないのではないかというふうに思うわけでございます。  それから、従前も、実はそういう会議には監理官はずっと出席しておったわけでございます。現在でもしばしば総会その他に出ることにいたしております。その場合には、いわば監督官庁としてこちらの考え方をある程度開陳するという程度に、まだ現在のところはとどまっております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 監理官はそれとしましても、こういう結果に対する責任というものは全理事にある。それは理事の職を退いても継続する。これは法的に、道義的にその通りだと監理官はおっしゃるが、それでよろしいですか。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 法律的に一生継続するかどうかというようなことを私はよう申しませんでございますが、法律的に申しますならば、理事を、実質上の解任にひとしいところの、任期に際しての御退任を願ったことによって、法律的には何と申しますか、つまり理事者としての責任は終わっておると思うのでございます。もし刑事事件で追及されることがありましたら、これは刑事責任は別でございます。道義的には、こういうふうな国策会社の運営をあやまられました方というものは、やはりやめてしまえばそれまでだと言われては困りますので、責任を感じていただかなければならぬのじゃないか、こう常識的に思うのでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 決議云々にかかわらず、株式会社ですから、法的に全理事が責任をとらなければいかぬ。しかもその責任は、その職を退いた後も継続するということがはっきりするならば、これは決議云々にかかわらず、そういう措置が株式会社のあり方として行なわれなければならない。その責任の追及をこれでやめるということは、株主総会できまってしまえばともかくとしまして、だから株主総会にだれが出て、だれがどういう発言をしたか、これは国がほとんど出資をしているのですから、国の発言というものは決定的なものを持っているわけです。ですから、第一段階としては、株主総会において相当強い行動、発言というものがあってしかるべきではないか、こう思うのです。それが、ただあれだけの結果の締めくくりとして、しゃんしゃんと行なわれるようであっては困ったことではないか。一体監事の職務上の失策というものは、他に転出すればそれがついていかない、こういうところに非常に問題があるわけであります。しくじったらほかに移してしまえばいいということになるので、それも監事の責任のあり方の問題として相当問題ですが、事は株式会社でありますから、法的にはっきりそういう点というものは、責任の帰属という問題があるでしょうし、株主総会においても強く処理せられるべき問題だと思うのですが、そういうことが十分になされないとすれば、全く決議というものが生かされていないということになるので、第一段階として私は、今年度の株主総会において、それがなされなかったとすれば、全然生かされていないのではないか、こう思うのです。そうして今度は行政処分的なものは厳重な警告、こういう程度で、ただしかりおく、これは履歴にも何にも残らぬということになって参るわけでございます。  そうすると、私たちがあれだけ真剣になって審議をし、そうして今までに例を見ない決議をせざるを得なかったというわれわれの決議の趣旨というものが、どこにも全然生かされていないじゃないか、こういうことになるわけです。  あまり深追いをするようなうらみがありまして、私も好ましくないのでございますけれども、どうもそういうものの責任の帰属というものが明確でない。このことは公団、公社とかがどんどん作られていく現状で、国家公務員は国家公務員法及び人事院規則によって行政的な処罰をされる、職務上のそういう規律というものもあるわけですが、株式会社なら、株主総会において、その事業経営が善良なる管理がなされなかったということならば、責任が強く追及される。だが中間の公団、公社、国策会社的なものは、もうどんなことをやっても、あとはただ幽霊のごとくすっと消えてしまうということであるとするならば、公団、公社というものを立てることそれ自体が問題であり、また、そういうものの監督規定というものは相当考え直さなければならないのじゃないか。こういうことから、私はこの問題を今深追いになるような気持もしますけれども、問題としておるわけなんです。  それで、この始末につきましては、当委員会としてどういう意思を持つかということは、先ほどの理事会においては大方の意見は、こういうような何が何やらわからぬような締めくくりでは、当委員会の決議にこたえたとはいえないという意見が多数であったわけです。それで、私の質疑はこの程度にしたいと思うのですが、ただ二点だけ残されておる問題がある。  一つは、他の関係省にどういう形でだれがだれに連絡したかということ、これは、関係省はこの前自治大臣が参りましたときに、東北開発株式会社の決算審査の結果、こういう決議をして、当時の責任者である山本氏は、あなたの監督下の公営企業金融公庫の理事をしておる。それは大へんだ、彼は厳重に調査しますということを言っておる。だからあそこには連絡があってしかるべきだ。それから農地開発機械公団というのは松本理事が転出しておる。農林省関係の監督権限に対する連絡もあってしかるべきではないか。こういうことを考えるわけなのでありますが、その点一つあとで答えてもらいたい。それからもう一つは、本年度の株主総会にだれが出て、どういう発言をしたかといろことを明確にしてもらいたい。  その二点について保留にしまして、大体私はその件についてはこの程度にいたしたいと思うのですが、ついでですから今度は労働省の所管局長にお尋ねしたい。  一つは、高等学校、中学校今年度卒業生の採用について、経済変動に基づいて、その採用決定者が、相当多数の者が待機をさせられておるということでありますが、これについて全体の調査というものはできておるかどうか。私がいただいたところでは、八幡製鉄、富士製鉄広畑、東海製鉄、愛知製鋼、日本鋼管、こういうところが概略出ておりますが、その概況について一つお話しを願いたい。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 新規学卒の就職を待機させられておるということについての情報でございますが、まずその前提といたしまして、新規学卒についての職業紹介の状況につきましてお話を申し上げますが、新規学卒につきまして職業安定所がタッチしておりますのは、中学の卒業生でございます。この中学の卒業生の就職待機につきましては、この前の不況のときに、紡績関係のいわゆる十大紡で、この間新聞に出た八幡、富士のような状況が一度ありまして、それ以来私たちは、この新規学卒の中学生につきましては、こういうふうな待機の関係で期限をきめない採用は、今後は職業安定機関としては取り扱わない、必ずいつまでに、また、各本人にはいつ採用するという時期を明示するようにという行政指導をやって参りまして、今日この新規中学卒業生については、そういうふうな採用決定だけをして、いつ採用するかということについての不安定な状態におりますようなことはございません。  今度の八幡、富士におきます新規学卒は、われわれ職業安定機関で取り扱わなかった高等学校の新規卒業生についてのものでございます。この新規高等学校卒業生の職業紹介につきましては、一部安定機関でやっておりますが、大部分各高等学校が独自に自分で職業紹介をやる、安定機関には届出をいたしまして、その届出に基づいて会社と直接取引をして職業紹介をやったのでございます。ことに八幡につきましては、御承知の通り新聞に出、われわれが調べても新聞に出ました通りでございまして、大体において九州の八幡製鉄所におきまして、作業職の採用の二千五百名のうちで五百名を採用しまして、あと二千名足らずが今待機の関係になっております。  それで、御連絡があるまでもなく、われわれといたしまして、いろいろ八幡製鉄の方と話をしましたところ、直ちに各採用決定者に対して、必ず会社としては採用する予定である、非常に緊急な金融引き締めによって採用予定が今のところつかぬから、いましばらく待ってほしいというふうな連絡を学校にいたしまして、さらに本人にも通知を出させる。しかし、それにつきまして、われわれの方で、そういうふうないつまでも待つ、期限を定めずして、そういうふうなただ待ってほしい、必ず採用するからというのじゃ、やはり社会が許さぬじゃないかということで、今折衝しておりまして、大体において逐次この秋から来年の三月までには必ず計画的に採用するからというふうな計画案を今作って、各人に通知するようにいたします。こういうような連絡でございます。  それから富士製鉄、それと富士製鉄と密接な関係にございます東海製鉄につきましては、調査いたしましたところ、大体これは七月ごろまでに採用する、こういう通知が各本人に、八幡と採用条件が違いまして、ありました。従って、その七月以降延ばした分につきましては、若干のいわゆる技能修得手当というふうなものを月三千円ずつ出す。これは私たちの指導でございません。会社の独自の決定で、できるだけ早く就職決定をするというふうに各人に連絡しておるようであります。これは日本鋼管についても大体同じような処置をとっております。  それで、ほかの部面にも調査いたしましたところ、四月に全部採用しなくて、若干五月、六月に延びたところは、紡績で一、二会社がありました程度で、現在のところそのほかでは問題はないというふうに考えておりますが、あるいは調査漏れがあるかもわかりません。私たちの調査したところにおいては、大体この鉄鋼三社を中心にした高等学校の採用についての延期、しかも八幡につきましては、採用のときに、はっきりいつに採用するということを言わないで採用したということで、今、行政指導をしております。大体今私が申し上げたようなところまで進んでおります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうしますと、中卒は待機命令で無期延期というものはないのですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 今回調査しましたところでは、各県からの報告によりますと、ございません。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 これは大きい会社に就職して本人たちは喜んでおる。それで、何とかして早く就職したいと思っているのだろうけれども、待機命令がいつかは本採用になるのだろうと思って待つ者が多いのじゃないかと思うのです。ところが、愛知製鋼が辞退百四十七、こういう工合に出ておりますが、これはどうしたことなんでしょうか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 こまかい事情はよくわかりませんが、愛知県は非常に求人難でございまして、おそらく愛知製鋼が、そういうような金融引き締めで、生産制限によって採用できないために、県の方と会社の方で、ほかの会社の方へ本人たちの就職の振りかえができたために、そういうふうな希望を取り消したというふうなことだろうと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 次にお聞きしたいのは、学校で就職をあっせんするということは、職業安定所から全然縁が切れるのじゃなくて、それは法に基づいて一部分担させる、こういう届出認可とか、そういう形で行なわれるのであって、これは職業安定行政のワク外だという工合には言えないし、便宜的に一部分担させるけれども、結局究極の責任は安定所にあるのではないかと思うのですが、その点はどうですか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 この高等学校の届出による職業紹介活動につきましては、もちろん安定法の規定によってそういうふうにしておるわけでございまして、高等学校が職業紹介をやっていることについて、今日とういうような社会問題になるような職業紹介のやり方については、私たち職業安定機関を預かる責任者といたしまして、当然今後指導改善していくべきだ、こういうふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それから次にお聞きしたいのは、求人があってそれに応じて試験を受けて、合格の通知を受けた。受けたときには、それにこたえていろいろな書類を整えて出す、こういうことになるのだろうと思うのですが、一体雇用契約の成立した時点というのはどこなんだ。私がこちら側に有利に考えると、採用だという通知がいって、それに対していろいろな書類を整えて出した。その時点が契約成立の時点ではないか。しかもその文書の中に、四月一日からなら四月一日からとかなんとか入っていればその時点になるかもしれませんが、一体こういう場合の採用決定の文書の形式というものは、法的にどういう工合になっておるものか。もしかりに、その採用の通知をよこして、それにこたえてそこで契約が成立した、契約の成立期限というものはその文書の中に明示されている年月日、こうなれば、多分四月からという工合になっているだろうと思うのですが、四月から雇用契約は成立するのだ、こう見なければならぬのではなかろうかと思うのですが、そういう採用の手続的なあれは、文書の関係や何かはどうなっておりますか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 先ほど申し上げましたように、八幡につきまして調査しましたところ、その採用の決定通知を学校に対して、以下の者について試験の結果採用することに決定した、本人たちに知らせてほしい、もしも本人たちが辞退するような場合にも一つ連絡してほしい、こういうふうにまず最初に連絡をしてございます。それからあと、各延期の者につきまして、今度はまた学校に対して、最近急に金融引き締めになって生産制限をしなければならぬようになったので、作業職の関係につきまして当分採用の決定がおくれるから、一つその点各本人に知らせてほしい。こういうことで、どうも採用決定というだけでございまして、いつから就業させるという、いわゆる採用する決定日が八幡については書いてございません。  それで、先ほど申し上げましたように、こういうふうな採用の決定の仕方は確かにまずい。われわれは、この前三十八、九年のときに、新規中学生の採用のときに十大紡について非常に苦い経験をしたことがあった。しかもこの高等学校の者につきましては、指導監督する立場にありますけれども、やはりこういう事例が今までそんなになかったわけでございますので、その点われわれの方も行政指導が行き届かなかったというふうに考えております。  それから法的な解釈といたしましては、監督課長も来ておりますので、こまかいことはまた御質問によってお答えいたしますが、やはりそういう期間を定めない、四月一日なら四月一日、五月一日なら五月一日就業させるという採用決定通知のないのは、大体採用のいわゆる労働契約の予約であるというふうな解釈である。七月一日なら七月一日に採用する、そういう採用決定通知だと、七月一日のそういう到来を条件としたいわゆる労働契約というふうに解釈するのが、従来の基準局の慣例肴ございます。  この解釈につきましては、職業安定法の方には何も書いてなくて、やはりこれは基準法関係から解釈していかなければならないのではないか。また、事実そういういろいろの今までの法律の解釈や通達につきましては、基準局の方で所管をしておるような状況でございます。しかし、労働省の方の運営の態度といたしましては、今申し上げましたような解釈をとっております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 採用に応ずるという書類をこちらの方からは出していないのですか。初め書類を整備して出せという工合になってくるのではないかと思いますが、それはどうなっておるか。それから、八幡は採用通知だけで期日の明示がないということでありますが、他の会社は期日の明示があるのかどうか。期日の明示があった場合には、その日からもう雇用契約は成立した、こう解釈すべきか。この三点について監督課長の方から伺いたい。

小鴨光男労働基準監督官(労働基準局監督課長)

○小鴨説明員 ただいま三治局長からお話しした通りの解釈をとっておりますけれども、採用通知の中に雇用契約の締結あるいは赴任の日、そういうものが入っておりますと、そのときから具体的な労務を提供し、また、これに対して賃金を支払うという雇用契約がそこから開始されるというふうに解釈しておりますが、八幡の場合には、たしか私の記憶では、そのような具体的な日というものが書いてないと記憶しております。従って、これが一種の採用の内定あるいは赴任の日がきまっておらないところの採用通知書というふうなことになろうかと存じますので、これにつきましては、具体的な労働関係がまだ開始しておらないところの労働契約締結の予約というふうに解釈されるのではないかと考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうすると、今の点は、期日の明示あるものはそこから雇用契約は成立した、それは労務提供を拒否する側に責任がある。待機しろということは労務提供を拒否するわけですね。そっちに責任がある。期日の明示がある場合にはそういう工合に解釈が成り立つ、これでよろしいですか。

小鴨光男労働基準監督官(労働基準局監督課長)

○小鴨説明員 いわゆる雇用契約が締結された日というのが、具体的にいつになるかというのは、もっぱらこれは当事者間の約束あるいは会社側の社内の規則あるいは従来の慣行というようなことから具体的に判定しなければならぬと思いますけれども、一般的にはそういう雇用契約締結の日あるいは赴任の日というようなものが具体的にきまっておれば、そこから労働契約が開始されるのではなかろうかというふうに解釈しております。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 やはりこの高等学校の今度の問題になりました富士製鉄そのほかも、採用通知にははっきり四月一日とか七月一日というふうには記載してないようであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 もう一つは、採用通知の来たときに、こちらの方が書類を整備して出しているという、こういう形式はとられていないかということですが……。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 失礼しました。これにつきましては、やはり学校に、辞退する場合には一つ本人によく言って連絡してほしい。連絡がなければ採用決定を承知したものと認めるというふうな、いわゆる採用決定の場合には各個人の了解書は一々全部取っておりません。従って、そういう筆記試験や身体検査、まず筆記試験をやって合格して、それから合格通知を出して、さらにまた身体検査、こういうふうなことをやっているから、会社とすれば、当然本人たちは採用を決定すれば了承する、しかし特別な者があるいは出るかもしれない、そういう場合には、学校が一つよく本人と連絡して、辞退者について連絡してほしい、こういうふうにしております。採用決定の方も、本人たちにそれを知らしてほしい、こう言うだけでございまして、本人たちのあとのいわゆる承諾書その他身分関係や何かを表わすいろいろな書類の提出は何もしておりません。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今、期日の明示がないということになれば、雇用契約は、その後出社しというか、そして労務契約書あるいは身元保証書とかさまざまのものを提出したその時点からということになるか。しかし常識的に言いますと、三十六年度卒業生といったら三月に卒業して四月一日から就職するのだということは、これはだれでも考えることであって、採用通知を受けた者もさように考えているし、世間の常識もそうだということになるわけです。だから、そこに明示がないにしても、そういう解釈というものははっきり成り立つわけにはいかぬのだろうか。明示のあるなしにかかわらず、これはやはり四月から採用するのだ、こういうことになっておるのだということ、これはだれでもさように解釈しておるわけなんでありますから、そういう解釈はとるわけにはいかぬか。

三治重信労働事務官(職業安定局長)

○三治説明員 先ほど監督課長がお答え申し上げましたが、こういうことをはっきりするように、今後もわれわれの方で職業安定局としてしなければいけませんが、しかし、こういうふうな会社側の態度というもの、また、この書類をずっと調べてみますと、どうしても法律上の解釈としては、やはり労働契約の予約としか解釈できないのじゃないかというふうに考えております。  御説のように新規学卒を採用決定したわけであります。普通四月に採用するならば、大体三月くらいにいつから入社してもらう、いついつまでに出てほしいという通知を出せば何も問題がないわけであります。それが五月になり、七月になり、また秋になるということになれば、やはりそこに何らかの、いつ就業してもらうというふうな何らかのしっかりした連絡がなければ、子どもたちがかわいそうだというふうに思います。従って、労働省としては、こういうふうな子どもや新規学卒の採用のやり方について、いま少し研究して、こういうことのないように、会社側にも慎重な態度をとるという方向に指導していきたいと思います。  もちろん八幡製鉄、富士といえども、従来も大量採用した場合には、一番おくれたときで七月に最終者を採用した例もあった。必ずしも全部が全部四月に全員一緒に採用ということは従来の慣例もなかったようであります。ただ、今度のように八幡製鉄が特に非常に大量採用して、しかも今もって今日まではっきり入社時期をきめなかったということについては、会社の方もいろいろ事情もあろうけれども、やはりいま少し考慮をする余地もあるし、改善するやり方もあるのじゃないかということで、種々折衝しました結果、近く各本人にそういうふうな旨を連絡するというふうなことであります。全体とすれば、来年の三月までには最終的に必ず就業させますということでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうしますと、期日を明示しないで採用するというやり方は、今後改めさせるということは、あなた方の仕事であるということ、それから、現実に宙づりになっておる諸君を早急に、早い機会にこれを採用せしめるということ、その二つはぜひ一つあなた方のなすべき仕事としてなさるべきだと思うのです。  それから、採用期日明示はほとんどないと言うが、もしあれば、その期日以降は雇用契約が成立して、使用者側の意思によって労務提供を拒否しておるのだから、そこには基準法上の手当が行なわれなければならぬと思うのですが、その点どうですか。

小鴨光男労働基準監督官(労働基準局監督課長)

○小鴨説明員 ただいま御指摘の点について、具体的にそこから労働契約が発生するというふうになれば、当然基準法の適用によって種々の問題に対する権利が与えられるというふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それでは終わりますが、こういう状態はかわいそうですから、早急に解決するように最大の努力を願いたい。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 さっきの第一の点、退任理事のその後の人事のことにつきましてのお話が中心点だと思うのでございますが、退任されました理事は、御承知のごとく、最初に御就任を願いますときに、それぞれ推薦の母体がございますから、就任のときには推薦の母体から、この理事に御就任を願うことにつきましていろいろ御推薦もあり、こちらとの人事の折衝があったわけでございます。おやめになるときには、そういう方面へ当然説明をして御了解を求めておるわけでございます。たとえば、山本理事が大蔵省の系統からということになりますれば、推挽でやりましたものですから、その後御退任になれば、こういう事情で今度やめてもらいますということは官房を通じて話をしてございます。ただし、人事折衝でございますから、文書の形で残っておるものはほとんどございません。人事選考の過程の口頭の連絡が主になるわけでございます。ただし、その退任された理事を今度任用されますところは、必ずしもその推薦母体とは限りませんので、任用されますところ、しかもそれが政府の人事権の関与しておる人事であります場合には、必ずしも前の推薦母体にこちらがお知らせしたように通じてはおりませんが、しかし、これは政府の人事でありますから、当然この退任された理事を新たに用いられます当局は、これはもう前歴をお調べになるはずでございます。これがおわかりにならぬような人事当局は、当局としての意味をなしませんから、それは十分おわかりだと思いますし、またそういうお問い合わせに対しましては、私ども率直に、こういう事情でやめられたということは答えております。従いまして、知らずにやったということは、私は事実はそうでないと思うのでございます。あればうかつだと申さねばなりませんが、結局その点において、なお大方の御批判を受けるようなことがあるとすれば、これは政府の人事政策がまずいことでございましょう。ある公的機関においてそういうやめ方をした人、成績の上がらなかった人を、また他の機関で御任用になる場合には、そういう点を考慮して十分慎重な人事をなしていただくことが必要であると思うのでございまして、そういう意味では、もし御批判を受くべきものがあれば、政府として十分考えなければならぬ、こういうふうに思う次第でございます。  第二の株主総会の問題につきましては、御承知のように、あとで財前監理官からお答えいたしますが、監理官が書類の御提出を事前に受けまして、事前に十分そういう点について意見も申しまして、その点において第一次的な監理を加えております。それから、株主総会にも出まして状況をよく監視をいたしております。そういう意味で総会に関しまする前後の監理官の行動につきましては、ただいま本人から御説明をいたさせます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 監理官の行動を聞くのじゃないのです。株主としてだれが出たか、そしてその人がどういう発言行動をしたかということなんです。

菅太郎自由民主党経済企画政務次官

○菅説明員 株主としましては大蔵省の財務局長が国を代表して出ております。そのほかに監理官が監理官として出席をいたしております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 監理官のなにを聞こうというのじゃないので、その株主として出た人が株主という権限を持って出ている。その人がどういうあれをしたかということですね。それは監理官が出席したならばそのことはわかると思う。そのことに限っているのです。あなたの行動や何かを言うのじゃない。

財前直方総理府事務官(経済企画庁総合開発局東北開発株式会社監理官)

○財前説明員 五月二十六日、仙台におきまして株主総会が開かれまして、そのときの出席者は、株主といたしましては、大蔵省の財務局長並びに各県の代表及び一般株主が参加いたしました。この株主総会の状況を若干御報告させていただきたいと思います。よろしうございましょうか。  今回の株主総会は、決算並びに授権資本の拡大及び新株の割当、理事の候補、これが議題でございました。議事に入ります前に、総裁の方からあいさつという形で、るる決算委員会において指摘されたこと等につきまして御説明がございまして、議事録が一部ございますが、これらの事件につきましては、会社運営の衝に当たるものといたして深く反省し、今後決算委員会の決議の趣旨を十分尊重するとともに、事件関係者の処分はもちろん、当該事件発生の原因を徹底的に究明し、今後かかることの再び起きることのないよう綱紀粛正し、健全な社風を振興することに努めたい所存であります云々という形で、相当長時間にわたって、御指摘を受けたこと並びに今後どういうふうに再建をしていくかという決意の披瀝をされたわけでございます。これに対して一部株主の間から、たしか、このように決算委員会で指摘を受ける、あるいは検察の手が入るというようなことによって、今後の新しい事業が非常に萎縮して参るのじゃないだろうか、そういうことについて非常に具体的なあれをあげて御質問がありまして、そういう御質問に対して総裁といたしましては、御心配ごもっともだと思います。私たちは、それに対してなるたけそういうことのないよう万難を排して新しい事業の推進に当たりたいというふうな決意を披瀝されたわけでございます。この前の決算委員会のときもちょっと御説明申し上げましたように、株主総会の主たる議事は決議事項にありまして、決議を求める事項につきましては、あらかじめ大株主——これは大蔵省だけではございませんで、一部の株主の方にも御連絡があるようでございます。御連絡をし、大体議案の御説明並びに御了承を得てかけておる。監督官庁といたしましては、ことに本年度におきましては、決算の問題が非常に重要なものであるというふうに感じましたので、相当綿密に決算のあれにつきましては、会社の原案に対しまして、こちらの意見を申し述べまして、修正すべきところは修正してもらうという措置をとりまして、私の方も了解し、それから株主諸公も了解をして、それで株主総会を開く。従いまして、株主総会の席上におきましては、賛成か不賛成かという決議の求め方をして進行して参るわけでございますけれども、全部の議事につきまして異議がございませんで、一つ総裁を中心にしてしっかりやってくれという御発言でもって無事終了いたしたわけでございます。  御報告申し上げます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうすると、三十六年度の決算というのは、完全に株主総会で承認されたのですね。

財前直方総理府事務官(経済企画庁総合開発局東北開発株式会社監理官)

○財前説明員 はい。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そうなれば、あとは、その株主総会においては、その経営の任に当たった理事諸公の管理というものは、まあ問題はあるけれども、これは非難するに当たらない、こういうことにきまったということになるわけですね。善良な管理をやったというまでには至らないにしても、まずまずというような工合の承認の形になった。そうすると、当委員会の決議というものは、完全に株主総会では認められなかったということになってしまうわけですがね。

財前直方総理府事務官(経済企画庁総合開発局東北開発株式会社監理官)

○財前説明員 私、申し落としまして大へん恐縮でございますが、当委員会で御指摘を受けました土地の問題、あるいはセメントのから売りの問題等、経理上の前年度、三十五年度における決算をどう処理するかということにつきまして、種々検討いたしました結果、本年度決算において修正を加える、ただし、これは御指摘を受けた趣旨もございますので、その御指摘のあれをどういうふうに処理したかということをはっきりさせるという目的をもちまして、財務諸表の形式の外ワクにフット・ノートとしてその旨を記載するという措置をとって、こういう点は、御指摘を受けたことに対してこういう措置をとったということがはっきりわかるようにいたしまして、株主総会に提出されたわけでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そういう手続、処理なんかはとにかくとしまして、三十六年度決算を承認したということなんでしょう。そうなれば、あとはその経営についての責任はここで打ち切るのだという株主総会の意思というものが現われたのだ、こういうことになるのじゃないですか。どうでしょうか。その点は一つ検討してもらおう、あとでまたいずれ機会があるでしょうから。  それから、こういう不始末は、前理事の責任であり、その責任というものはどこまで継続するものかという法的な問題も一つ——常識的な、道義的な発言ではなく、法的に検討してもらって、それで次会かいずれかの機会でやってもらいたい。  それから他省への連絡というものは、推薦母体が大蔵省に連絡するなんということは、国民の知ったことじゃないのです。そういう内輪のことをどうこうなんということは知ったことじゃない。ただ、ここの決議というものは、その対象者が他の公団なり公庫なりに行ったにしても、その責任というものを追及する決議であるから、それの監督官庁に、正式な形で、決算委員会でかような決議が行なわれたということが連絡されるべきである。そういう連絡をどうしたかということなんです。私の聞きたいのは。まあその点につきましても、当委員会として、そういう問題を残しながらなお話し合ってみなければならぬと思いますが、そういうことで、大体きょうはやめて、もっと準備してもらって、もう一度お聞きしなければならぬと思うのです。  ただその場合に、退職金の件が決議されておりましたが、これは新年度予算に退職金というものが盛られて、それが株主総会で承認されましたか。

財前直方総理府事務官(経済企画庁総合開発局東北開発株式会社監理官)

○財前説明員 先ほど申し上げましたように、株主総会であれしたのは決算だけでございまして、予算につきましては株主総会の決議を必要としない事項でございます。明年度の予算には一応計上してございません。なお検討事項として保留いたしてございます。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 昭和三十五年度経済企画庁関係決算及び労働省所管決算についての本日の質疑は、この程度にとどめます。      ————◇—————

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 国有財産の増減及び現況に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。山本猛夫君。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 私は、突然のことでありまして、用意もございませんで、本来鈴木正吾君がお尋ね申し上げたいということでございましたが、鈴木正吾君が十二時からやむを得ざる他の会議のために私に引き継がれまして、鈴木正吾君のお尋ね申し上げたいという要旨、要点につきましてお伺いをいたしたいと思う次第であります。  お尋ねをいたします用意といたしまして伺っておきますが、日本国憲法第八条によりまして天皇個人に私有財産権ありと認めてよろしいか。認められるのか、認められないのか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 天皇にも私有財産は一部ございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 一部あるということは、どういう解釈でございますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 憲法の八十八条に、すべて皇室財産は国有とす、というのがございますが、この憲法をきめられた際のいろいろの解釈などを当時の方に聞きますと——記録もございまするが、そうした場合に、この財産という中には、陛下のお手元金とか、お身回り品とか、そういうような日常使われるものは含んでいないということですから、その部分については私有財産があるということです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 私有財産権に関する限り、一般国民と相違するような印象を受けますが、その点についてはいかがですか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 一般の国民とは相違していると思います。というのは、この八十八条にこういうような制限がございまするが、一般の国民についてはそういう制限がありませんし、なお、憲法八条の方に、贈与されるとか、あるいは贈与を受けられるという場合も国会の議決に基づかなければならないという制限がございます。そういうような制限が一般国民以上に加わっているということは申すことができます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、憲法によって規定づけられた国民の確保しております権限等と相違するような印象を受けますが、日本国民の一人としての個人である場合は、権限をすべて憲法によって認められていると思いますが、そこに国民の疑惑がわきやしませんか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 今申しましたような制限がやはり憲法によってきめられている。憲法において、一般国民の権利義務を認め、それに対する制限がまた憲法においてされているのでございまして、これは憲法に基づいてそういうことがございますのですから、これは別に特に憲法上疑問はないと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは次に、皇室経済法及び皇室経済法施行法による皇室財産とはどういうものをさしていますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 今、皇室財産とおっしゃいましたが、皇室財産はございません。国有財産のうち皇室の用に供する皇室用財産というものがございますが、そのことじゃないかと思いますが……。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、瓜生次長は、日本国憲法第八条によって天皇個人にも私有財産権があると言われたのでありますが、皇室用財産というのは、その中には私有財産権というものは含まれておらないと解釈してよろしゅうございますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 皇室用財産は国有財産でございまして、これは天皇の私有財産ではございません。国有でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではお尋ねいたしますが、国有財産法の第十三条の二項「皇室用財産とする目的で財産を取得し、又は皇室用財産以外の国有財産を皇室用財産としようとするときは、国会の議決を経なければならない。」そうして第二項の中のただし書きにうたっておりますること等が規定されておりますが、これは、それでは今伺いました御解釈で私有財産としての解釈にはならない。こういうことでございますね。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 これは私有財産ではございませんので、やはり国有財産のうちで皇室の用に供する財産というものをどうするかということについての制限がきめられておるわけであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは伺いますが、この間新聞で私も拝見いたしましたし、鈴木正吾君がきょうお尋ねをいたしたいという焦点になりました具体的な問題、かつて皇族でありました東久邇さんの訴訟事件の中に——これは新聞記事でございますから真偽のほどはわかりませんけれども、天皇から賜わったものである、よってこれは東久邇個人の私有に属すべきものである、こういうことで訴訟が提起されておりますが、これは御承知ですか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 承知いたしております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そこで、久邇朝融さんの場合には、私有財産として国も認め、何人も認められた結果、これは第三者にもうすでに譲り渡されておりますね。かつて皇族であった時代に住んでおられた邸宅、これは御承知でございますね。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 そういうようなことがあったように聞いております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これとどういうふうに違うのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 どこの点がどなたのどの部分とどう違うかという御質問でございましょうか。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 久邇朝融さんの住んでおいでになったものは、あなたは聞いておるというふうにお答えになっておりますが、私有財産になって、そして私の記憶が間違っておりませんければ、全く個人の私有財産として飯野という人に譲り渡されているんですね。それと今、東久邇さんが訴訟を起こしておいでになります国有財産に編入されている、かつて皇族であった時代に住んでおられる敷地、邸宅ですか、こういうものと——かつてはいずれも、久邇朝融さんは久邇宮家という現職の宮さん、東久邇さんは東久邇宮という現職の宮さんであった時代に、同じように住んでおいでになったものが、片方は私有財産としてもうすでに一般人に売却されてしまっている。片方は国有財産として編入されて、自分の私有権の及ぶところではないんだ、こういう格好になっているわけですね。こういうのは、どういうことでそんなふうになっているか、御承知ございませんか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 この久邇家の方の土地につきましては、これは終戦のときにすでに久邇宮家の私有財産たる土地として持っておられたわけです。従って、終戦後もずっと変化なく私有としてそれを持っておられた。ここに皇室財産は国有とすという中には、これは宮家の財産は当時入らないという解釈で、別に天皇がお持ちの皇室の財産、いろいろ各宮家の方で持っておられるものについてはこれに含まないということでございましたので、久邇家では持っておられたものをそのまま——もちろん財産税などで相当お出しになっているのはございますけれども、しかしながら、私有として引き続き持っておられ、従って、所有権に基づいて処分することもおできになったといろことでございます。それから東久邇稔彦さんが今お住みになっております高輪南町のところは、これはずっと戦前から御料地として天皇陛下がずっとお持ちになっておる土地で、それを戦後、東久邇さんが以前住んでおられた麻布市兵衛町の邸宅なんか焼けてしまってお困りになっておる。そういうようなことから一時そこにおいでになることを認められたということで、東久邇さんが前からそれを所有なさっておったというものではないわけであります。そこで東久邇さんは、これは天皇から賜わったものだというような主張をなさっておるのでございますけれども、いただかれたというような証拠は全然ないものですから、そういう点で訴訟になっておるわけであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 今の皇室経済法施行法は、私の記憶によりますと、昭和二十二年の一月にできている。そこで、あなた何もかも御承知のように受け取れますけれども、それではそれ以前に行なわれた天皇陛下からの授受というものと、現行の皇室経済法施行法の解釈によるものとの間に、何か相違がございますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 この皇室経済法は終戦後にできたものであります。こういうことを申し上げるとおわかりになると思うのですが、ちょうど終戦は昭和二十年の八月十五日でございますが、それから総司令部が入って参りまして、総司令部から皇室財産に関する凍結の覚書、総司令部の承認を得なければこれをいかなる形でも処分してはいけないという覚書がございます。それは終戦の日にさかのぼっておりますが、そういうふうなものがあり、なお昭和二十一年、その翌年の六月には皇族に関する覚書というようなものがございます。いろいろ天皇のお持ちになっておるものを皇族に譲渡したり貸し付けをしてはいけない、そういうような禁止の覚書が出ております。そのうちに昭和二十二年の五月三日にこの新しい憲法が施行になって、その際にすべて皇室財産は国有とするということで国有に移ったわけであります。ちょうど二十二年の一月のころは、新しい憲法が施行前でありますけれども、すでに公布になって、それに対する準備としてこういうふうなものができたと思います。ですから、いわゆる終戦前とあとの大きな皇室の変化というものがここに現われておると思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、事はきわめて重大な問題でございますから、私も代理質問でございますので、深くお尋ねをいたします用意もございませんから、この程度にとどめたいと思いますが、それでは瓜生さん、今、東久邇さんが訴えをお起しになっておりますことは、宮内庁の方のお考えでは、間違っている、こういうことでございますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 これは裁判できまることですから、ここであまりはっきりしたことを申し上げるのも遠慮しなければいかぬと思いますが、われわれの今までの考えでは、どうも根拠資料がございませんので、法律的にはあの御主張は無理だというふうに考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、きわめて重大な案件でございますので、以上申し上げました中で、憲法上天皇はなぜ私有権が制約せられるのであるか、私有権が制約せられておるにもかかわらず、皇室経済法の第二条のただし書きの第一項には「相当の対価による売買等通常の私的経済行為に係る場合」という条項がございます。「相当の対価による売買等通常の私的経済行為に係る場合」というようなただし書きなどありまして、国民が疑惑とする点が多々ございます。さらにまた、天皇は人間宣言をされているにもかかわらず、憲法の条項だからといってなぜに一般国民と同じように私有権というものを確保することができないのかという点等、皇室経済法のあり方につきまして多々疑惑の点がございますので、当委員会におきましては、いずれ本質問を企図いたしました鈴木正吾君等から、これから種々国民の疑惑とする点等につきましてお尋ねを申し上げることでございましょうから、これらにつきまして、ことに国有財産法第十三条二項の解釈等について資料の御提出を願いたい。委員長にお取り計らい方を願いまして、きょうはこの程度で質問を打ち切っておきます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 関連して。今の御質問の点は、経過も何も私はどこの場所がどうなっているかわからないのですけれども、今、天皇が財産を所有される場合には、国会の議決が要る、こういう御答弁でしたね。そうなると、今度人様に贈与する場合には、贈与権というのは天皇にあるわけですか。この点はどうなりますか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 憲法に「国会の議決に基かなければならない。」こうありまして、それの条文を受けまして皇室経済法施行法という法律がございます。その第二条に「天皇及び法第四条第一項〔内廷費を受ける皇族〕に規定する皇族」これは皇太子殿下、義宮全部含めたものでありますが、「天皇及び法第四条第一項〔内廷費を受ける皇族〕に規定する皇族については、これらの者を通じて、賜与の価額は三百七十万円、譲受の価額は百二十万円とする。」この範囲内では一々国会の議決を経なくてもいい。これをこす場合には国会の議決が要る。従って、先年皇太子殿下が御結婚になりましたその際に、国民の方からいろいろお祝いを差し上げたいということがございました。しかし、この百二十万円の制限をどうしてもこしますから、あの際に、お祝いのために譲り受けられることについては差しつかえないという議決を得たわけであります。そういうことになっております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 皇室財産は国有財産だ、こういうことになると、私はさっき申し上げたようによくわかっていないのですけれども、土地とか建物、そういう場合にこれは当然国会の議決を経て、皇室の用に供するという議決が受けられて皇室用財産になる。それでは天皇が人様に贈与する場合に、これはできますか。やはり国会の議決が要るわけですか。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 ここの皇室経済法にいっておりますのは、そういう国有財産の皇室用財産をいっているわけではございません。主として毎年の内廷費、現在年額五千八百万円の内廷費がございますが、その中でたとえばいろいろな災害なんかの際にお見舞などをなさいます。そういうのは内廷費でお手元金として入る中からお出しになる。そういうものも全部三百七十万円をこす場合には国会の議決を要する。国有財産になっておる皇室用財産については、天皇陛下としてどうなさるというようなことはできないわけでございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 できないという。たとえば那須の御用邸とかいろいろありますね。そういう土地というようなものを御入用で取得なさる場合には国会の議決を要する。その金額は限界があるでしょうが、国会の議決を経て皇室用財産になるわけでしょう。今度それを人様にやる場合には、ただやれるのか、議決を経なければやれないのか、こういうことを聞いている。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 これは国有財産の中で皇室用財産として、皇室用としても要らなくなったという場合には、皇室用財産解除の手続をとるわけです。そうしますと、国有財産のうちの普通財産になり、そういう皇室用じゃない財産になる。そうすると大蔵省の方の所管になりまして、大蔵省の方でこれを適当に処分される。従って、役所の管轄からいいますと、宮内庁としては、これは要らなくなったという場合には、皇室用財産解除の手続をとってきめていただいて、大蔵省の方へ所管がえをして大蔵省に出し、処分されるのは大蔵省の方で適当になさるということになります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、ここで新しい憲法の施行前の問題か、後の問題かというのが問題になるでしょうが、土地とか建物とかいうものは入り用がなくなったならば、それは国有財産に所管がえされるわけですね。従って、天皇さんからお前さんにやる、こっちへやるということは、新憲法の施行後はあり得ないことですね。

瓜生順良宮内庁次長

○瓜生説明員 新しい憲法では、要するに国有財産の所有主は国民です。国です。天皇じゃございませんから、従って所有者ではございません。昔の御料地ですと天皇が所有者でございましたけれども、国有財産たる皇室用財産については、処分権を天皇陛下はお持ちじゃございません。

鈴木仙八自由民主党

○鈴木委員長 本日はこれにて散会をいたします。    午後零時五十分散会

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