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40回国会衆議院1962/05/07

外務委員会 第29号

発言数
41
登壇者
4
会派数
2
開催日
1962/05/07

会議録

森下國雄自由民主党

○森下委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。河上丈太郎君。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 最近にアメリカ政府が太平洋上において行なわれた核実験に関しまして、国内において非常に多くの不安をもたらしていると思いますので、核武装に関しまする総理の御見解を承りたいと思いまして、次のような質問を申し上げる次第であります。  まず第一にお尋ねしたい点は、沖繩が核武装地区になっておるかどうかということでございます。先日藤枝防衛庁長官が沖繩にはすでにアメリカの核兵器が入っておるというふうな重大なる言明をされたのを新聞で知ったのでありますが、総理は沖繩がすでに核武装地区になっておるとお考えになっておるのでありましょうか、まずこれをお尋ねしたい、こう考えております。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 御承知の通り、沖繩における施政権はアメリカ合衆国が持っておりまする関係上、私が想像いたしまするに、やはり核武装をかの地ではしておると想像をいたしております。  詳しくは外務大臣よりお答えをいたします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 総理大臣のお答えの通りでございまするが、われわれといたしましては、沖繩における米国軍隊が核装備を持っておるということについては、これは全体の状況からいたしましてはなはだ遺憾に存じております。しかしながら、これは、すでにお答えがございましたように、施政権はアメリカが持っておるのでございまして、われわれといたしましては、施政権の返還を強く要求し、核装備そのものにつきましても、核実験の停止を初めといたしまして、核兵器を各国が保有するに至らざるように、核兵器の保有をやめますように世界の世論に強く訴えまして、かかる方向において努力をいたしておる次第でございます。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 核武装地区になっておるかどうかということについてははっきりしないけれども、アメリカの政権下にあるのでそうであろうというふうな御想像のようでございまするけれども、私といたしましては、沖繩が核武装地区になっておるかどうかということは非常に大きな問題がある、こう考えるわけでありまして、従って、核武装されておる地区であるかどうかということは、日本としては、あるいは調査するなり、あるいは明快なる判断をする必要があるのではないか、私はこう考えておるのでありまするが、政府としては、沖繩が核武装地区になっておるかどうかということは、お調べになったこともなければ、単なる想像である、こういう御返事であるのであり  ましょうか。ちょっとお尋ねしたいと思うのであります。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これは先方におきましては軍の機密に属することでありまするので、明確にわが方がこれを知ることはできないのでありまするが、おそらく核装備をしておるであろうというふうに考えられるのであります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 私たち、沖繩が核武装地区になっておるということはこれは非常に大きな問題じゃないかというふうに考える理由は、沖繩はやはり日本の領土の一部であるということは、これはもう明らかな事実だ、こう考えるのであります。日本の領土の一部に核武装の体制ができておるということは、もしもアメリカが沖繩を中心として核武装の活動を始めた際にあたっては、その相手の国と申しましょうかは、やはり日本全体を核武装の攻撃の対象とすることになりはしないかと私は心配をするわけであります。従って、沖繩が核武装地帯になっておるかどうかということは、日本のわれわれの大きな問題である、私はこう考えるわけであります。沖繩だけはそういう関係であるということが、よっていわゆる核武装の活動というものがそう制限されたり、され得る関係にはない、私はこう考えるので、沖繩が核武装されておるということは日本にとって危険な予想をせざるを得ないのであって、そういう意味からいたしまして、その施政権が回復していない沖繩においても、日本政府としては、アメリカの核武装体制の政策に対しては、あるいは抗議をするとかあるいは異議を申し立てるとかいうふうなことは当然なことではないか、私はこう考えまするけれども、政府としてはそれについて何らの政策をとったことがない、こういうふうに思われるのでありまするが、いかがでありましようか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 今日東西の緊張が極東において存在いたしまして、アメリカは、そのために、沖繩に基地を設けて、極東の安全保持のための基地といたしておるのであります。一方、東側におきましても、われわれのかつての領土であった、またわれわれ固有の領土であると主張しておりまする北方領土におきまして基地を持っておる、こういう状況下にあるのでありまして、このことは私どもとしてはなはだ遺憾なことだと思っております。この観点からいたしまして、私どもは、この極東の緊張が緩和されて、そうした条件が排除せられるということを心から望むものでございます。ただ、沖繩の問題につきまして、ただいま河上さんの御所論にございました、沖繩は日本国土の一部であるから、そこにかりにアメリカが核兵器を保有しておったら、日本国が自分の意思によって保有したものと認められる、日本国が核戦争の場合攻撃目標になるのではないか、かような御所論に対しましては、私はそうではないと考えております。御承知のように、沖繩はわが施政権の及ばざる範囲でございますので、われわれの意思によって沖繩に核武装がされておるということにはならぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。それでございますからして、私どもは、沖繩の施政権の返還を要求し、そうして、わが施政権下にありますようになりますれば、そうした事態はおのずから解決すると考えておる次第であります。根本は、やはり、東西両陣営が核を持たず、核戦争というものを永久に地上から払拭し去る、そういう危険のない状態を作るということが一番大切であると考える次第でございます。   〔発言する者あり〕

森下國雄自由民主党

○森下委員長 静粛に願います。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 しかし、その相手が、沖繩が日本の領土の一部であって、日本の領土の一部に核兵器地帯があるということで、われわれがその核兵器の攻撃の対象となった場合に、それは何か国際法の違反とかあるいは何とかでもって抗議はできる、そういうふうに考えておるのですか。そうなっても仕方がない、それはやむを得ぬ、こういうふうにお考えになっておるのでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これはもう全然さようなことのあるべきでないという見解であります。あったら抗議をするというのではなくて、日本の施政権の及ばざる範囲にいかなる施設がありましても、これは日本の責任とはならない、これは当然のことだと思います。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 しかしながら、沖繩が日本の領土の一部であって、日本の領土の一部に核兵器が存在している、核武装というものが確立している以上は、相手としては、そういうふうな施政権が云々というふうなことは、私は認めないんじゃないかと思うのです。そういうことを認めなければならぬという義務がまた相手にもあると私は考えないのであって、ほんとうに施政権の復活を政府としては絶えず要求しているとするならば、非常な日本の安全を脅かすような体制があるというふうな場合には、それに対して日本政府はアメリカに非常な抗議を申し出る一つの道徳的義務があるんじゃないか、私はこう考えておるわけであります。かつて日本政府はそういうふうなことを一度もしたこともなければ、また、将来もしない、こういうふうにお考えになっておるのでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 私は、沖繩の状態がいかなる行為の結果こうなったかということから考えてみますると、日本が戦争に負けて、しかも無条件降伏した結果、その後の講和条約によって沖繩の状態というものが今日あるような状態になっておるのであります。すなわち、日本の意思によらずしてああいうことになっておるのでございまして、その限りにおいては日本の責任ではないわけでございます。もとより、今私お答え申し上げておりましたように、私どもとしては核というものの現実の被害者であります。これは世界唯一の被害者であるわけでありまして、この核兵器を行使すること、そのことに対して強く反対しておる、このことに対してわれわれは総力をあげるべきでありまして、現在のそういう状態が何で起きたかと言えば、結局、東西の力関係、そのために起きておるのであります。その力関係のテンションをゆるめる、そうして、そのテンションを危険な武器の行使によって解決しようとすることをやめる、そのことに、われわれはその根本に向かって全力を尽くすべきものである、かように考えておる次第であります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 ただいま、核兵器のいわゆる使用に極力反対する、こういうことを言われておるのであるから、そうするならば、核兵器の使用ということのみでなく、核兵器の地帯を作られるということは非常に大きな問題ではないかと思うのであります。アメリカに向かってそういう主張ができるとするならば、この沖繩における核武装地帯の廃止というふうなことを強力に述ぶべきではないか、そう私は考えるわけです。あなたは今核兵器の廃止というふうなことについては絶えずやっておると言われるわけでありますが、その最も大きな、具体的な、いわゆる核兵器の使用になった場合でなくして、その使用する基礎条件である核武装地帯の廃止というふうなことについて、日本政府はアメリカに大きな抗議を申し込む道徳的な義務があると私は考える。ところが、世界における核のただ一つの被害者であるということで言いまするならば、私は、この日本の安全に非常に大きな影響のあるところの沖繩における核武装地区の廃止というのは当然その中に含まれておる主張じゃないか、こう考える。私はそういうふうに思うのであって、核兵器の廃止について熱心な政府がなぜ沖繩の核武装地区の廃止ということについて努力をしないのでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 その核をやめさせるために核を持たない地域を作る、これはもう非常に必要なことだと思います。そのために、核の拡散防止の決議、これは日本が主張いたしまして提案国になっておるわけであります。それから、核実験そのものの停止、このことも日本が強く主張して国連で決議をいたしております。あるいは核の及ぼす害悪についての調査の決議、いろいろなことをやっておるわけでございますが、問題は、その核を持たないものが核を持たないという地域を拡大することが大事なのか、核を持っている国が核を持たないようにするということが大事なのかということだと思うのでございます。私ども、核非武装地帯を作るということであれば、やはり、核を持っておる国を含めた非武装地帯、このことが必要なんではないかと思っております。今日極東におきましてかりに非核クラブというものを作りますならば、やはりこれはソ連のそうした地区を含めて日本との間にさようなものができることが望ましい。何か自由陣営の側だけでそういうものをするということでなくて、やはり、東西の問題は、テンションのよって起こるところは、力関係の均衡の破れるということが、また、破ろうとしていることがテンションを増していくのでございますから、やはり、そういうものは両陣営ともに共通する基盤に立ったそうした非核クラブというものが望ましい。この核を持っていない国だけが持たぬということを宣言するよりは、持っていない国と持っている国との間に非核クラブができるというふうな方向に向かって努力すべきことではないでありましようかと考えておるのであります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 私は、核のそういうふうな問題についてはあとでまた議論をしたい、こう思っておるのです。そうでなく、沖繩における核武装地区の廃止ということに限って私は今質問をいたしておるのであって、答弁もそういう意味においての御答弁を願わなければ、われわれの議論はどうにもならぬわけです。私は、はっきり、沖繩にアメリカの核武装地区を設けることが日本の安全にとって非常に危険だ、こう考える。そういうふうな重大な危険を持つものを、アメリカがそこに施政権を持っておるからといってそういう体制を作るということに対して、沖繩が少なくとも日本の領土の一部であるということは明らかな事実でありますから、そういう意味において、私は、日本の安全というものを確保する見地から、アメリカに向かってそういう態勢をとったことがあるかどうか、また、その意思があるかどうかということを尋ねておるのであって、そのことに対して何らの答弁をせずして、核が自由国のみならずほかの国もどうとかこうとか、それはまた私はあとで承りたい。そうではないもっと具体的な問題について政府の所見を伺いたいのであります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 先ほどお話し申し上げましたごとく、沖繩は平和条約の結果アメリカが施政権を持っておるのでございます。しこうして、アメリカはこれを軍事基地といたしております。従いまして、核装備をしているかどうかということは軍事機密によりますので、われわれは、軍事基地である結果として核装備をしていると想像いたしておるのであります。しこうして、日本の本土の一部だから、たといアメリカの軍事基地であっても核兵器を持つべきにあらずということを日本は言うべきではないかという御意見でありますが、私は、遺憾ながら、施政権を向こうが持っておりまする関係上、施政権の内容につきましてただいま日本が抗議するということは、いかがなものかと考えるのであります、もちろん、われわれは、核実験を持つこと、あるいは核装備というものを世界からなくしたいという強い念願は持っておることは当然であります。特定の場所につきまして日本が特定の国に対してどうこうということよりも、私は、世界全体として、この実験の禁止のみならず、核装備を撤廃する方向に向かっていくのが道だと考えておるのであります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 それでは、沖繩の問題はこれだけにいたしまして、第二にお尋ねしたいことは、今、日本国民の最大の不安というものは、日本にアメリカの軍事基地があるけれども、それがもうすでに核武装されているんじゃないか、こういう一つの大きな不安がある、こう考える。その大きな証拠として、過日、アメリカの太平洋空軍司令官が、日本も核武装地区であるというふうなことを新聞記者の会見で言ったというようなことも、日本にとっては非常な衝動を与えていることであります。もちろん、それは、国務省があとで取り消したとか、いろいろなことがありまするし、外務省の方でも新聞報道によると取り消されたのでほっとしたということを言っておるのでありますけれども、私は、世界のアメリカの軍事基地の実態を見ますると、ほとんどどこのアメリカの軍事基地というものも核武装されていると思うのです。核武装のないアメリカの軍事基地というものは世界にないんじゃないか、私はこう考えております。最近ラッセルが書かれた書物の中にも、英国におけるアメリカの軍事基地において核兵器の武装化ができているというので、それはもう英国の意思に反してすぐ大きな問題が起こる危険を予想しておるのであって、そういうふうな意味から言って、私は、やはり、今池田さんがおっしゃった通りに、軍事基地であるから核武装体制があるというふうなことも今おっしゃったのでありまするが、私はそれが常識だと思う。私は、そういうふうな意味において、日本の軍事基地が核武装されているという心配が国民に非常に強い、こう考える。ことに、御承知の通りに、新しい安全保障条約というものができて、それはもう国内の秩序維持ということじゃないわけです。極東の平和とか安全とか秩序ということを無視されているのであって、いわゆる沖繩においてアメリカが軍事基地を持っていると同じ性格の軍事基地を持つことを決定したのがいわゆる安全保障条約である、私はこう判断をするわけです。そういうふうな意味からいたしましても、私は、日本におけるアメリカの軍事基地においてはすでに核武装化されておる、こういう判断をしてもいいんじゃないか、こう考える。それが国民全体に大きな不安を与えておるわけです。それに対する一つ御見解を承りたいのであります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 先般米国の太平洋空軍司令官のオドンネルが誤った声明をいたしまして、これは私はっきり申し上げますが、国務省におきましても、また、オドンネル自身におきましても、誤っておるということを確認いたしておるのであります。私は、たびたび本国会におきまして議論せられましたごとく、日本におきしては核武装はしないということをはっきり言っております。アメリカもこれを認めておるのでございます。その点は、私は、ここではっきり、日本におきまして核武装はいたしておりません、将来にもいたさないということを申し上げておきたいと思います。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 もう核武装体制でないただの軍事基地というものの意味というものはほとんどないのじゃないかと私は思うのです。少なくとも、新しい安全保障条約ができてから日本に駐留軍が非常に減少したという事実は何を意味するか。在来の軍事基地の性格が変わってきておる。われわれとしては、駐留軍の非常に少なくなってきておるこの方針というものは、いわゆる核兵器、核武装に変わったという非常に大きな証拠だと、こう考えていろ。先ほどからおっしゃられますけれども、軍事のことであるから秘密だと、こう言われておるのであって、池田君がアメリカが言うからそれを信用しているということだけでは、これはどうも当たらないじゃないか、こう私は考えるわけです。今、司令官の話があとで取り消されたとかなんとか言いますけれども、あれは太平洋における空軍司令官ですよ。太平洋における空軍に関するところの最大の責任者が、いわゆるああいう発言をしたということを、あとで取り消したといっても、取り消さなければならないような事情があったから取り消したのであって、ことに、あの言葉の中には、沖繩も入れていますし、それから韓国も入れていますし、フィリピンも入れています。そういうふうに、アジアにおける軍事基地というものが全部核武装がされているのに、日本だけがその例外だというのは、意味がないと私は思う。今日、いわゆる戦争状態というものが起こった場合に、在来の方式で戦争するということはあり得ない。どうしたって核武装の体制で戦争するほかには道がないわけです。そして、新しい安全保障条約が、極東の安全と秩序を維持するがために、こうなってきている以上、しかもそれに重点が置かれている場合において、軍隊を減らして、そして、問題の起こったときに東亜の安全と秩序を守る軍事設備というものがどこにあるのか。ないじゃないですか。核武装以外にないじゃないか、私はこう考える。ただアメリカが言ったからそれを信用するというふうなことでは、これは政府として無責任だ、私はこう考える。従って、真にアメリカが日本内地は核武装しないというならば、その証拠なり、客観的な事実をわれわれに説明していただきたい、こう考える。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 オドンネル米太平洋空軍司令官は、キャンベラにおいて言ったことは自分の発言が新聞記者に誤解せられたのである、こう言っておるのでありまして、自分の発言を取り消しておるのではないのでございます。このことにつきましては、アメリカ国防総省についてわれわれ調査を依頼いたしましたるところ、さようなことはない、日本に核武装の事実はないというふうに否定しておるのであります。われわれは、日米安保条約におきまして、御承知のごとく、核兵器等の持ち込みについては事前協議をするということになっておりまして、わが国の政府は核兵器を持ち込ませないということを政策としてとっておるのであります。従いまして、これが持ち込まれる場合には事前協議の対象となり、しかもそれはこれを拒否し得るということになっている。政府は拒否するという方針でございます。この点は、客観的に見て、条約上の根拠に基づくものでございますから、言えると思います。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 やはり、アメリカが核兵器を持ってこないと言うからアメリカの言うことを信用するほかはないという以外に、何らのそれを立証するような客観的な事実の御説明がないのを非常に遺憾に思っております。しかし、なぜアメリカの駐留軍がその駐留の数をずっと減らしてきているか、この減らしているという事実、しかも、いろいろな今までの軍事基地というものがだんだん変更されているという事実、そういうふうな事実は何を意味するかというと、新しい核武装を基準としたいろいろの客観的な事実だと、こう私は判断するものであります。だけれども、今の外務大臣の御答弁では、いわゆる客観的な話というものはアメリカ政府が言ったとか国務省が言ったとかいうことだけであって、何でもかんでもアメリカの言うことは信用しておいでになる政府ですから、それはごもっともかと思うけれども、国民は、全然ないという一つの大きな客観的な説明というものを強く要求していると思います。ただアメリカの言うことを信用するだけでは国民は安心しないと私は思うのであって、そういう点について、もっとはっきりした、国民の心配がないような、そして将来核兵器の問題か起こっても日本はそういう渦中から安全であるという大きな一つの証明というか、そういうものを田代に与えることが政府の大きな責任じゃないか、私はこう考える。今の御答弁では私は満足できません。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 日本の基地におきまして核兵器が装備されていない客観的事実を示せ、しかも日本への駐留軍は減ってるじゃないか、だからこれにかわるのに核武装をしておるのじゃないか、こういう御質問でございますが、客観的事実といたしましては、われわれは、先ほど外務大臣が答えましたごとく、安保条約によりまして、お互いが、日本には核武装はしないということをはっきり言っておるのでございます。それを信用するのがだめだというふうなことになりますと、この条約を否定するようになる。私はこれが客観的事実であると申し上げておきます。  なお、日本への駐留軍の減少は、主として陸上部隊でございます。これは、われわれの自衛隊が年々増強されまして、その必要がだんだん少なくなって参りましたので、アイク・岸会談におきましてきめられました漸減の法則によって減っておるのであります。陸上部隊が減ったからかわりに核武装をしたのじゃないかということは、これは誤った想像であるということを私ははっきり申し上げておきます。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 そうすると、極東に問題が起こった場合に、アメリカの軍は日本の軍事基地をどういう意味において使用するとお考えになるのでしょうか。私が先ほど申した通りに、いわゆるもう非常に遠い、あるいは中国であるかソ連であるかわからないけれども、ともかく非常な遠いところに問題が起こったときに、それに対してアメリカ軍が動くといった場合に、現在の軍事機器の発展の見地から考えてみて、他の方法があるでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 この日米安保条約によりまして米軍が日本に駐留いたしておりますが、これは自衛のためでございます。わが国の安全を守るということが大きな目標でございます。遠いところに何か問題があったらどうするか、これは、そうした場合の出動については事前協議の対象になるわけでございまして、これはわが国の意思によってその場合にどうするかということをきめるわけでございます。わが国といたしましては戦争に巻き込まれないという方針をとっておることは、御承知の通りであります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 それは、国内の維持だけで日米安全保障条約ができたとはわれわれは考えない。先ほど申した通りです。いわゆる性格が変わってきている。国内のことはもう問題ない。そうではなくして、いわゆる極東における平和と安全ということがあの条約の主なる要素であって、それは沖繩におけるいわゆる軍事基地をアメリカが持っておると同じ意味において、日本の国に軍事基地が設けられておるのだ、こう私は考えるのですけれども、それはどうなんでしょう。間違っておるのでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これは日本の憲法のワクがございます。これはそうした平和憲法のワクのない国の場合とは違うと思います。日本に駐留する米軍というものは、日本国の主権のもとにおける制約、日本政府の考え方による制約というものを受けるわけでございます。このために事前協議の条項がございますし、日本政府の意思によりましてこれはいかんともすることができるのであります。私は、そういう点は性格が異なっておる、かように思っております。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 それでは、次に問題を移しますけれども、総理の核実験禁止に関する基本的な態度についてお尋ねを申し上げたい、こう考えるわけですが、総理はことしの施政方針の演説の中で日本が自由国家群の一員であることを述べられ、かつ政府の方針として日米安保体制を堅持しつつ防衛に努力したいというふうなお考えがあるわけなので、こういうお考えの基礎をなすものは、いわゆる世界の平和というものが両陣営の力の均衡によって保たれておるというふうなお考えにあるのではないか、こう考えるわけですけれども、総理はどういうふうにお考えになるでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 お話の通り、私は両陣営における力の均衡が今の世界の平和を維持していると考えておるのであります。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 世界の平和というものは両陣営の力の均衡に保たれておるという根本的な考えから見ますると、あなたがケネディ大統領なりフルシチョフ首相にそれぞれ書簡を送られて日本の国民の悲願を訴えられておるので、非常にけっこうなことである、こう私も喜んでおるわけです。しかしながら、ケネディ大統領が池田さんにあてたその書簡の中で、こういうことをケネディが言われているように見るのでありまするが、私はこのいわゆる核実験を再開するという決定が米国国内でも国外においても多くの人々に失望を与えることを知っていますが、自由世界全体の軍事的安全の保障のために今やこの実験が必要になったのだというただ一つの、そして決定的な事由に基づいておる、こういうふうな言い方をされておるのでありまして、私は、世界の平和というふうなものは力の均衡によって保たれるというふうな考え方というものは、これはいつでも軍備を拡張するときに使われる概念だと、こう考える。世界の歴史において、軍縮の場合に力の均衡論から軍縮論はかつて見ないのであります。従って、この世界の平和というものが力の均衡によるという考え方をとりまするならば、私は、ケネディ大統領に向かって、実験を廃止せよ、実験をやめろというふうなことはなかなか言いにくいのじゃないかというふうに考えるわけです。ことに、このアメリカ大統領の書簡を見ますると、自由国家群の軍事的安全保障のためという言葉があるわけです。そうなって参りますると、自由世界に日本は属しておる、こういうわけでございますね。従って、大統領が核実験を再開する理由というものは、日本を含めた自由世界全体の保障ということに相なるとなると、日本のためにやっているのだと、こういう判断がアメリカにあるのではないか、こう考えるわけであります。ことに、先般私の同僚の岡代議士が、過般国会で決議した核実験の反対の決議文を持ってアメリカに参り床して、アメリカの原子力委員のある人と会ったときにそれを示したところが、その委員は激怒いたして、アメリカで実験をやっているのは日本のためにやっているんだ、ぐずぐず言うな、こういうふうなことであったと私は聞いておるのであります。ケネディさんのこの書簡は抽象的であって非常に礼儀深い表現を用いておりますけれども、このケネディさんの言葉というものは、原子力委員会の人が岡君に言った言葉と同じことではないか、私はこう考える。そういうふうに考えて参りますと、先ほどから総理もあるいは外務大臣も日本が核兵器の、実験に反対する努力をしていることをいろいろ申されておりますけれども、はたして政府のお考え方でうまくいくのかどうか、これは非常に疑わしい。五日のこどもの日に総理が子供さんとお会いしておるのをたまたま私はテレビで見た。非常におもしろい話をされたので傾聴をいたしたのでありますが、その中の一人の小さい子供が、日本が核兵器の反対の訴えをやっているがうまくいかぬじゃないか、どこに原因があるかというふうな意味の質問したので、私は驚いた。池田君は、それに答弁して、日本はいろいろやっているんだけれどもうまくいかない、今度は中立国に向かっても大いにやるんだというふうな御返事をされておるのでありますけれども、この一人の少年の質問というものは、日本国民の大きな質問であると私は考えます。なぜ日本がこれほどやっていながらなおこれを実現できないのか、こういうことに私は強い関心を抱いておるのであります。  私は質問をするよりも一つ結論を申し上げたいと思いますけれども、力の均衡に立っての考え方では、この核実験の廃止というふうなことは不可能だと考えるわけであります。おそらく、池田君が懇切な手紙をフルシチョフに出しても、フルシチョフは、日本というものはアメリカの味方だ、アメリカの代弁者だ、どんなうまいことを言ったってこれはアメリカの利益を中心とする考え方だ、こう考えていると私は思う。ところが、アメリカも、日本がどんなことを言ってみても、おれは日本のためにやっておるのであって、そんな日本人のこれを禁止するなんということに耳を傾けられない、こういう関係である。だから、私は、ほんとうに核実験の禁止に成功し得るかどうかという大きな問題というものは、日本が中立的な体制をとるということが一番基本だと信ずるのであります。これ以外にこの問題を日本が解決する道なしと私は考える。皆さんは社会党の中立政策を非難しておりますけれども、私はこれ以外に真の日本の立場を訴える体制はないと思う。私は、そういうふうな意味において、総理の御所見を一つ伺いたい、こう考えます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 だんだんのお話、河上先生のお気持はわかりますが、私は、いかなる国であろうが、そしていかなる理由であろうが、絶対に核実験は禁止、または核保有の禁止までいかなければならぬと懸命の努力をいたしておるのであります。幾ら努力しても、力の均衡である限り核実験を停止することはできない、こういう御結論でございますが、私は、今の情勢から申しますと、ジュネーブの会議におきまする八カ国の提案等につきましても、大体、核兵器の実験禁止、あるいは核兵器の保有禁止まで進む前提としての実験禁止につきましては、今米ソ両国としては一にかかって査察の問題にあるのだと私は考えておるのであります。これはとてもできないから、日本が中立になったらこれができる、こういうお考えでございまするが、私はたびたび申し上げておりますごとく、日本の置かれた立場から申しまして、地理的にも、また経済的にも、また政治的にも考えまして、中立をとるということは、この中立の意味にいろいろな意味がございますが、私は日本の国是としてとるべきでないと考えておるのであります。非核地帯を作るとか、あるいは世界には同盟国を作らないという中立の国もございますけれども、そういうものがあったからといって、中立国がふえたから核実験はやめるのだというふうなことは、私は現段階では言うべくして効果がないと思います。やはり、執拗に実験禁止の努力を世界各国に呼びかけて、そして、今問題になっておるのは査察の問題でございますが、査察の問題をほぐしていって実験禁止に進むことが適当であると考えております。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 今総理からお話がありましたが、ジュネーブの今回の会議においてあれが成功にいくかどうかというところまで行ったのは、やはり中立国の大きな力だったと思うのです。それで、池田君のような考え方で、もしも世界の両陣営が、一方はソ連圏に、一方はアメリカ圏に属して、まっ二つに割れたと仮定してごらんなさい。これは大へんなことですよ。戦争以外に道はないわけです。現在の世界の緊張が緩和される一つの重大なる原因というものは、両陣営に属さざる中立的な体制というものが強まるか強まらないかにある、私はこう考えるわけであります。現在のジュネーブの会議におきましても、中立国の力というものは非常に大きい、しかし、まだ中立国の力が弱いから最後の成功的な結論は出なかったのだ、こう考えます。ことに、あの会議について、あるいは私の間違いかも存じませんけれども、日本政府があの会議に出たいというふうな申し込みをしたと聞いておる。そして、アメリカは賛成したけれどもソ連が反対したというのが、出られなかった理由ですね。それは明らかな事実であります。ソ連圏の方は五カ国、アメリカの方としては五カ国、中立国が七つですか八つですか出ておる。そこへ、アメリカに関係を持っておる、アメリカ側といわれる日本一国を加えるということは、緊張が破れることで、当然これは拒絶するわけであります。日本が今のようなアメリカ追従の外交政策をとっておるということが、あの会議に対し、日本が世界における原子爆弾の唯一の被害者であり、そしてこの日本国民の情熱、悲願というものを訴える機会がなくなった。あのときにあたって、日本が世界における唯一の被爆国として真剣に訴えて、世界の世論を変えていくという積極的な努力をでき得なかったということは、結局日本のそういう関係にあったと判断しなければならないので、非常に残念にたえないことであります。私は、池田君とは考えを異にして、いわゆる世界の緊張を緩和する大きな動力というものは、両陣営に属さざる中立的な勢力というものが伸びるか伸びないかにある、こう判断をするわけであります。わが社会党の中立政策は、その見地に立っての政策であることを私は強く申し上げたい。そういう意味において、日本政府が原爆の禁止ということをほんとうに願うならば、日本の外交政策の一大転換をする必要があると私は思う。国民に対して道徳的責任が日本政府にある、私はこう判断をするものであります。その意味において、ぜひとも政府の政策の転換を強く要求をいたしたい、こう考えておるわけでございます。  その他いろいろ申し上げたいこともございますが、日本が受けました原爆における被害というものは二つあると私は考える。一つはいわゆるアメリカの核武装体制における一つの大きな結果でございます。それは長崎と広島に投ぜられたことでありまするが、一つは核実験による一つの弊害であります。日本の悲劇というのはこの二つの性格を持っておる。一つは核武装地帯あるいは核武装そのものをなくすという、一つは核実験の再開をなくすという、この二つの大きな目的を持っておると考える。であるから、この二つの目的を達するという見地に立って私たちはこの問題の処理に当たる必要があるのではないか、こう考えるわけであります。そういう意味におきまして、われわれの核兵器に関しまする考え方というものをわれわれとしてはそういう二つの点から考えていく必要がある。今われわれとしては、先ほど申しておられました通りに、日本は世界に向かって非核武装の宣言というものをすべきではないかと考えるわけであります。先ほど、アメリカが云々、どこがどうとかいっても、ほかの国にとってはいわゆる日本が核武装をしているかどうかわからないというようなときでありますから、ただ日米安全保障条約があるから、そして事前協議の規定があるからそういう問題は解決するというふうなお考えであるけれども、この際日本が世界に向かって非核武装の宣言をみずから率先してやるということが、今申し上げたようないわゆる核武装の廃止、そして核実験の廃止、この二つの目的を達する一つの大きな道ではないか、私はこう考える。あくまでも、世界に向かって、日本は核武装反対だということを強力に示すということが、この問題の一つの大きな前提ではないか、こう考えまするので、政府としてはそういうふうなお考えがあるでしょうかどうでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 世界における唯一の被爆国であるということは世界各国が認めております。また、核に関しまするいろいろな国連での会議におきましても、常にわが国は指導者の立場に立っておるのであります。また、ただいま会議中でありまするジュネーブの十七カ国の会議にも、私は、先般、五、六日前でございますが、せっかく米、英も八カ国の提案に対してその提案を基礎として出発しようというところまで来ておりますので、特に参加の十七カ国に対しまして特別にこの会議が成功するよう呼びかけて、ただいま各国より日本の努力に対して謝意を表するという手紙も昨日ておるような状況でございます。  また、国連のみならず、われわれは、昨年の秋の列国議会同盟会議におきましても、わが国の国会議員の代表より核実験禁止の提案をいたしました。アルゼンチンもこれに同調して参りましたが、圧倒的多数をもちまして可決いたしたのであります。列国議会同盟会議におきまして、ほんとうに日本の態度を多とし、ことに、議長のピサネリはソ、英、仏、米四カ国をみずから回りまして、その列国議会同盟会議の決議を説明し、禁止を要請したような状況でございます。  今非核武装の宣言をすることは別にやぶさかではございませんが、その気持は、もう過去数年来、世界各国非常に日本の努力を知り、そうしてまた、多としてくれておるのであります。私は、こういう場面をもっともっと進めていきまして、われわれの悲願を達成するよう今後とも努力いたしたいと考えておるのであります。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 総理の御答弁に補足さしていただきたいと存じまするが、ただいま御答弁の中にありました現在ジュネーブにおいて交渉会議をいたしておりまする十七カ国に対しまして、私ども、総理の命令によりまして、日本政府といたしまして去る三日から五日の間に、かかる要旨の口上書を伝達いたしました。簡単でございますから読ましていただきます。  一、日本政府は、ジュネーブにおける核兵器実験停止問題に関する十八カ国軍縮委員会の成り行きを重大な関心をもって注視してきたが、貴国政府が協定成立のため多大の苦心と努力を払ってきたことに深い敬意を表する。しかし、その努力にもかかわらず、同委員会での交渉がなんら具体的な成果をあげず、昨年秋のソ連の核兵器実験再開に引続き、米国も最近実験を再開したことはまことに遺憾であり深く失望している。  二、日本政府は、このようにして核兵器実験競争の悪循環がつづくことをおそれており、現在の同委員会での交渉が更に継続され、参加国の相互理解と互譲によってなんらかの協定が成立することを切望し、今後の貴国政府の尽力に大きな期待を寄せている。それに関連し、米ソ両国とも八カ国の提案を交渉の基礎の一とする用意があることを明らかにしたことは極めて注目に価するが、同案は、米ソ両国間の意見対立の焦点となっている効果的な国際管理については少なからず明確さを欠いていると考える。  三、日本政府としては、従来とも、有効な核兵器実験停止協定成立のためには国際管理の原則が確保されることが必要であるとの見解をもっており、将来科学技術の発達により不要とならない限り、少なくとも核爆発の疑いのある現象が生じた場合、公正な国際機関によって、現地査察などの必要な措置が必らずとられることを明確に保証することが不可欠であると考えている。日本政府は、この点について関係国間でなんらかの合意に達する余地はまだ全く失われていないと信ずるので、貴国政府が有効な国際管理の必要性をじゅうぶん認識し、それを考慮したうえで、今後とも協定成立のため今まで以上に尽力することをあらためて要請する。 こういう文書を出しました。  なお、米ソ両国に対しましては、それぞれ、アメリカに対しては現在の核兵器実験をすみやかに中止するよう、ソ連に対しましては米国の核実験再開を口実として重ねて実験を再開することのないように要請をいたした文書をつけ加えております。これに関する反応は、ただいま総理からもお話がございましたように、各国とも、非常に日本のこの問題に対する努力を多とし、自分らは全くこの線で考えておるというような回答が届いておる次第でございます。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 今そういうふうなお話がありましたけれども、私は、この間の国連においてアフリカの非核武装地帯の決議に日本が棄権をされたのであって、こういうふうな考え方、こういうふうなやり方というものは、日本がほんとうに核武装の絶滅ということを願っておるということに関して非常な疑問を与えることになるのじゃないか、こう考える。政府の説明としては、一部に非核武装地帯を作るのは意味がない、全体でやれなどと言う。全体でそういうことができるならばけっこうなことだけれども、そういう全体でするには、各地区において非核武装地区というものをだんだんに増していくというふうな方法をとることが、皆さんはわれわれの言うことは理想だとおっしゃるけれども、これが現実的な考え方じゃないかと思う。私は非常にこれは遺憾だと考えておる。今その会議に対する要請が人気があるというお話であるけれども、国連の総会においてそういう態度をとったということは、これは世界が日本の真意を疑うことだと私は考える。どうなんでしょう。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 アフリカの非核武装地帯の問題につきましては、アフリカ構成国の中にもこれに賛成しないものがあったのでございます。わが国としましては、もとよりその核を持たないということに対しては賛成でございますけれども、やはり、これは、アフリカというこの地帯においてそういうことがなされることはけっこうでございますけれども、ただ、そのなりにいかない地区もあるわけでございます。アフリカに作るということでなくて、その地帯に非核武装地帯を作るということの原則に賛成いたしますると、やはり現実に核を持っておる国と持っていない国が隣接している地区に、そういう持っていない国だけがその地区で非核武装地帯を作ることがいいかどうかという問題になると思うのでございます。先ほど申し上げましたように、私どもは、核武装しないということは、やはり核を持っている国が核武装しないということになって初めて意義があるのでございまして、その原則、その旗をおろしてはいけない、かように考えておりますのでございます。そういう観点からわれわれはこの案に棄権をいたしたのでございますが、別に特別の意図があるわけではない。今申し上げたような核武装というものをやめることに実効あらしむるためには、持っていない国がやめるということより、持っている国も含めてそういう地帯を作るということでなければならないという私どもの考えによるものでございます。  なお、先ほどの文書に関連いたしまして、私どもは、ソ連がこのことに対しまして非常におもしろい考え方を持っておられるということを知りまして、非常に喜んでおるのでございますが、ソ連も、国際管理の原則というものに反対するのじゃない。問題は、それを口実にしてスパイが行なわれるということに反対するのだ、こういうことのようでございます。スパイがよろしくないことは当然のことでございますので、何らかここに国際的な管理というものに対しての曙光が見出し得たのではないか。このことさえできれば、回り道を回るより、その中心に触れるということの方が必要なのでございまして、これこそ、核実験をやめ、そうして核兵器自体を廃棄するということへの道が開けることと考えております。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 今、外務大臣のお話では、核武装の廃止というふうなことは、核を持っていない国が言ってもだめだというようなお考えのようだけれども、それなら日本がなぜその核武装禁止に対して世界に訴えているのでしょうか。あなたの考え方は、核を持っている国がどうかしなければどうもならぬというふうなお考えじゃないですか。とするなら、日本は持っていないのだから、どうにもできないということになる。私は、核武装をしていない国でほんとうに核武装をしないという大きな世界的な団結ができるということが必要だと思う。核兵器を持っている国が自分の持っているものまで自分でやめるということについては、なかなかむずかしい。こっちが実験をやればこっちもやる、こっちが多くなればこっちもやろう、こういうふうなときに、核兵器を持っている国を含めてそれでこうだというふうなことは、私は意味がないことじゃないかと思う。それはなかなか困難ですよ。そうじゃない。他の一つの大きな勢力が出て、それを抑えていくというふうな体制をとることが問題を解決する道だ、こう私は考える。いかがでしょう。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 私はそうではないと思うのでございます。持たない国がふえていくということは当然必要なことでございまして、さればこそ拡散防止ということを国連でもきめておるわけであります。ただ、持っていない国が集まる、そのことは、それ自体として意味がないとは申しませんけれども、それでは実効はないので、むしろ持っている国自身がやめるような方向にいくにはどうしたらいいかということを考えていきますと、やはり、持っていない国と一緒に持っている国も非核武装地帯を作るということでなければ意味がない。問題は、やはり核心に触れていくことが必要でございまして、核実験をやめるということは、今申し上げましたように、査察の問題が中心になっておるわけであります。何とかして国際的な管理を伴う査察ができさえすればよろしいので、これはもう一ふんばりやるべき段階ではないかと思う。  それから、非核武装地帯の問題でございますが、非核武装地帯と申しましても、結局、そこに持っていないということを査察し得る国際的な機関が必要になってくるのでございまして、どうしても有効な管理を伴う査察、スパイ行為にならざる査察ということが中心にならなければならぬのだというふうに思う次第でございまして、われわれはその問題の解明の中心に向かって努力すべきである、かように考えておるのであります。

森下國雄自由民主党

○森下委員長 ちょっと御注意申し上げますが、一時間ということでしたが、一時間過ぎましたので、大蔵委員会の方で総理を待っておるそうでございますから……。

河上丈太郎日本社会党

○河上委員 質問の形ではこれでやめまして、私の意見を一つ申し上げて、総理の反省を促したいと思います。このことについては御答弁は要りません。  私は、世界の核兵器の問題について、最大の責任者はどこかというと、これはアメリカだと考えます。アメリカが核兵器を作り、日本にこれを実験したわけでございます。その当時、ソ連は、御承知の通り核兵器なんかなかった。ソ連は、いわゆるヤルタ協定で日本に戦争をしかけるという約束をしながら、なかなかやらなかった。ところが、核兵器が広島と長崎に投ぜられたので、これはもう大へんだというので急にソ連が兵を進めたものだ、こう判断するので、当時核兵器はなかったものだ、こう考えております。この核兵器を作った道義的な責任をアメリカが反省するということがこの問題を解決する道だ、私はこういうふうに考えます。私は、ヤソ教なんでありまして、非常に宗教的な表現を使いますけれども、最近アメリカから多数のキリスト教徒、クエーカーの人が来ますし、あるいはこの間クリスチャン・サイエンス・モニターの記者も来たのであります。あるいはまた、この次の選挙にデモクラットから上院に立候補しようとしている人、最近そういう人が多い。その際、私は、アメリカの人に向かって、この核兵器を作った責任をアメリカが反省することがこの問題を解決する端緒だ、こう言うている。この間出ましたバートランド・ラッセルの書かれた本でありますが、「人間は将来を持つか」という書物の劈頭にあたりまして、シェークスピア時代の作家の言葉を引用しております。その言葉は、戦争を最初に発明した人はのろわれよ、こういう言葉をバートランド・ラッセルはこの本のとびらに出しておる。この本の中において、核兵器を作った科学者を非難しております。ラッセルがこういう言葉をこの書物の巻頭に掲げた趣旨は何かと私は考える。核兵器を実行した、そうして人類に大きな災害を与えたこの道義的責任というものをアメリカはどう解釈するか。御承知の通りに、私は、アメリカの宗教家に、あなたの国の大統領が大統領になったときに聖書の上に手を置いて大統領の誓いをするが、そういう国柄で、これだけ大きな、もう人類が滅びてしまうかもしれないこういうものを作った最初のアメリカ人というものは、この問題の解決に対して大きな道義的責任がある、こう私は考えているということをアメリカの人に絶えず申しておるのであります。ところが、御承知の通り、これは私の影響とは言いませんけれども、今度の核実験の再開については、アメリカで初めてと言ってよいくらいな反対のデモンストレーションが起こっている。すわり込みが起こっている。彼らはこの核実験の再開を道義的な敗北と考えておる。この間の英字新聞によりますと、ホワイト・ハウスにデモンストレーションがあって、ケネディ大統領の小さいお嬢さんが奥さんに、お父さんはどんな悪いことをしたのかと尋ねたと伝えているのであります。この問題のほんとうの解決というものは何か。私はヤソ教であるので、ヤソ教の人に言うのは、悔い改めるということが必要である、この反看の上に立って核兵器の問題を解決するという態度をアメリカがとることが人類を破滅から救う道である、こう主張しているのであります。これはあまり政治家としての発言ではございませんけれども、私はアメリカの人に向かって絶えずそういう訴えをいたしておるのでございます。今度の再開で、アメリカの中にやはり私と同じような考えが出てきているということ、それが育ってくることを私は心から願うておる。  もう一つの問題について私が申し上げたいことは、皆さんは、先ほどから、日本は原爆の唯一の被害者だと言われておる。世界の平和を求め、原爆の禁止を求めるただ一つの理由である。これは世界のいかなる民族も経験したことがない。日本民族だけの経験だ。しかし、変なことでありますけれども、私はヤソ教であるので、その立場から考えるのですが、日本になぜ原爆が落とされたのか。世界にたくさんの民族があるけれども、どこにも落ちていない。日本にだけ落ちたという理由はどこにあるか。私はその意味を自分なりに解決をいたしておるのであります。それは何かと言うならば、日本が世界の平和をもたらす選ばれた民であるというのが、この原爆の中における意味ではないか、私はこう解釈する。私はアメリカのヤソ教の人にもこう申すのです。ユダヤ民族は神が第一の選民としたけれども、第二の選民はわが日本民族だ、原爆の犠牲を通じて日本民族は平和のために大きな使命を持っておる民族である、これはあの大きな犠牲と災害の中から生まれてきたものである、こう私は言うておるのです。単にそればかりではない。もう一つの大きな事由というのは、日本が平和憲法を持っておるということです。これは世界に類例のない一つの憲法です。原爆も世界に類例がない。平和憲法も世界に類例のないことです。偶然でありましょうか。私はそうは思わない。原爆によって犠牲をこうむり、平和憲法を持っている、この二つの大きな柱こそ、日本民族が世界の平和をもたらす大きな力である、私はこう解釈しておる。だから、日本がほんとうに世界の、平和をもたらし原爆をなくなそうとするならば、一方においてはこの核兵器の災害を忘れてはならない。一方においては新しい平和憲法をわれわれが忠実に守るということ、この二つの柱に立つときに初めて日本の発言というものは世界的な権威を持つものである、こう私は信じておる。しかるに、歴代の政府は、一方は主張するけれども、他の一方を忘れておるようだ。これではほんとうに世界を動かす力はないのではないかと思う。私は、そういう意味において、これは質問する意味でございません、池田君に一つ考えていただきたいという問題を実は提起しておる。日本がほんとうに平和をもたらそうとするなら、この二つの柱の上に立って可能であると私は信ずる。この二つの事実こそ、日本が平和をもたらすために神から与えられたミッションであると私は信じている。日本をして世界平和のために働かせる力であると私は信じている。もうほかのことは申しませんが、私の所見の一端を総理に申し上げまして、総理にお考えを願いたい。  これをもって私の質問を終わります。(拍手)

森下國雄自由民主党

○森下委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会

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