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40回国会衆議院1961/12/20

科学技術振興対策特別委員会 第2号

発言数
60
登壇者
11
会派数
2
開催日
1961/12/20

会議録

前田正男自由民主党

○前田委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび各位の御推薦によりまして、前回に引き続き、不肖私が委員長の重責をになうことになりました。委員会の運営にあたりましては、皆様方の御支援をいただきまして、つつがなく委員長の職務を全うして参りたいと存じます。何とぞ前回同様、委員各位の御協力と御支援を切にお願い申し上げます。  まことに簡単でございますが、就任のごあいさつといたします。(拍手)      ――――◇―――――

前田正男自由民主党

○前田委員長 これより理事の互選を行ないます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 動議を提出いたします。  理事は、その数を八名とし、参員長において指名せられんことを望みます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 ただいまの齋藤憲三君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田正男自由民主党

○前田委員長 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  委員長は、理事に    赤澤 正道君  齋藤 憲三君    中曽根康弘君  西村 英一君    山口 好一君  岡  良一君    河野  正君  山口 鶴男君 を指名いたします。      ――――◇―――――

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  すなわち、去る十二月十三日より十五日まで開催されました科学協力に関する日米委員会の会議の経過について、説明を聴取いたしたいと存じます。  まず最初に、原子力委員会委員兼重寛九郎君よりお願いいたします。兼重委員。

兼重寛九郎原子力委員会委員

○兼重説明員 ただいま御指名にあずかりましたので、私から御報告申し上げます。  御存じのように、去る六月池田総理大臣とケネディ・アメリカ大統領との会見の共同コミュニケの中にうたわれました三つの合同委員会の一つといたしまして、正式の名称は、ただいま委員長がおっしゃいましたように、科学協力に関する日米委員会でございますが、これから私は、ただ日米科学委員会というふうに申し上げることにいたします。その委員会が、去る十二月十三日から十五日まで三日間、外務省で開かれましたことは御承知であろうかと思います。私は、日本側の委員の一人として外務大臣から委嘱を受けたのでありますが、日本側委員の推薦によりまして、日本側から出る議長ということになりました。最初、この議長というのは、会議のときに議長席にすわっておる間は議長であるが、そのほかの場合はただの委員の一人として働けばいい、こういうふうに聞いておったのでありますが、その後、やはり日本側の取りまとめ役もするような意味を持つものになりましたので、その意味では私が日本側の何か代表的な立場になったわけでございます。しかし、議長席に着いております間は、日本側のために何にもすることができませんので、その間は、今私の隣にすわっておられます茅委員にそのかわりをしていただくようにお願いして進めて参ったのであります。  この三日間の会議の最初に開会式が行なわれまして、日本側では三木国務大臣、アメリカ側ではライシャワー駐日アメリカ大使がそれぞれあいさつを述べられましたが、ライシャワー大使は、そのときにケネディ大統領のメッセージを取り次がれました。日本の池田総理大臣は、そのときは特別に何もされませんでしたけれども、二日目の昼に日米双方の委員を総理官邸の昼食会に呼ばれまして、そのときに、自分が生みの親とも言えるこの会議であるから、その成功を祈ると同時に、自分は十分、それの援助と申しますか、それを助けるつもりであるという意味のあいさつをなさいまして、ケネディ大統領のメッセージに相当することは、その席を利用してなさいました。  あと議事手続を進めますときに、アメリカ側からは、議長は主催国と申しますか、今度は日本側から出すことを提案したのでありますけれども、日本側からは、交互に議長を出す方がよかろうという提案をいたしまして、結局第一日と第三日は日本側から、第二日はアメリカ側から議長が出るということになりまして、日本側からは私兼重が、アメリカ側からはケリー委員が議長を勤めることになりました。  第一日の午後から今度の会議の主題に入ったわけでございますが、議題はあらかじめ日本側の準備委員会で用意をいたしまして、これをアメリカ側に示して了解を得ておったものに従って参りました。たとえば、日米間の科学協力に関する現状であるとか、あるいはそれの隘路でありますとか、そういうふうな分析をしました資料は日本側だけで用意いたしまして、これを茅委員あるいは井上春成委員というような人々から報告をしたのであります。アメリカ側は、今度はそういう資料は全然用意してこないということを初めから申しておりまして、日本側の資料だけによって話を進めていったわけでございます。  この会議でどういう結論を出すかということは、あらかじめ下相談ができておったわけではございませんし、また、必ずどれだけの結論を出さなければならないというふうにも指示されていない関係もありましょうが、双方非常になごやかな気持で、しかし、真剣に協議検討を進めていくことができたのであります。それには、日本側もそうでありましたが、アメリカ側の委員がいずれもそういう会議になれて、かなりユーモアをまぜた話し方をして、会議場の空気をなごやかにするように努めたと思われるような節もございました。ですから、あまりかた苦しいような議論になることはありませんでしたので、そういうような国際会議に初めて出る私が議長を勤めましても、困るような場面は一度もございませんでした。  第二日目には、人物交流と申しますか、科学者の交流の問題でありますとか、あるいは情報、文献の交換であるとか、そういう問題について日本側から報告をいたしました。それに、今度日米間で共同研究でもするという場合には、どういう点に考慮を置いて、また、どういうふうな問題を選ぶべきかというようなことについても、一応の分析の結果を坪井委員から報告をいたしたのであります。  その日に、たとえば何か共同研究の題目を取り上げるというようなところまではついに参りませんで、これが最後の日にわたったのでありますが、その最後の日に、日本側から案を出しまして、太平洋の学術調査、それから太平洋地域における動物、植物、地理学及び生態学というもの、ガンの研究、この三つを選ぶことを提案して、アメリカ側もこれに賛成をいたしたのであります。  こういう三つの研究テーマは、それが最も重要であるからとか、あるいはその解決が最も緊急を要するものであるからとかいう理由ではございませんで、こういう共同研究を進めていくためには、分野によってもいろいろ事情の違いもありますし、今後のやり方については、いろいろ検討をしてみた上でないと実際に着手ができないものであります。そこで、そういうふうな検討を進めて、この次の会議までに、どういうふうなやり方でこれを進めていくことができるかというようなものの検討をするひな形と申しますか、これが成功すれば、またおいおい新たに研究題目を追加していくことが一そう容易になることと考えられますが、そういうものとして今の三つが選ばれたのでございます。従って、純理論的に申しますと、そういう検討の結果は、中にはこれを共同研究の題目として取り上げるのは適当でないという結論も出ないことはないものもあるわけでございますが、しかし、とにかくそういうことはなく、共同研究に発展し得るものという予想はしながら、この三つを選びまして、今後両方の国内で、それぞれの専門家と協議をしながら、両方から出た議長を通して連絡を進めていくというふうな打ち合わせになっております。  そういうので新聞に共同発表もいたしましたし、土曜日に両議長の署名いたしました報告書を外務大臣に提出し、月曜日に三木科学技術庁長官と荒木文部大臣に私お目にかかりまして、その報告書を提出しておきました。それで一応私の任務は終わった形と思うのでありますが、昨日あたりも、今後の連絡方法などについて、かなりの時間を使って打ち合わせをしておる状況でございます。  今後、この委員会の成果が日米両国のために役立つように進むかどうかということは、これから先、この委員会がよく働くかということに大きな責任があるわけでございますけれども、いずれ共同研究でもするというようなことになりますと、両国が対等の立場でこれを進めることは、だれもが一致して考えることでございます。その場合、日本側でいろいろなことが必要になってくる。特に国が負担すべき資金も必要になることは当然予想されますので、そういう場合に、諸先生方の特別な御援助がなければ実を結び得ないわけでございますから、きょうは報告をさせていただく機会をこちらが利用いたしまして、先にお願いを申し上げておく次第でございます。  まだ落ちておるところがあるかもしれませんけれども、初めにあまり長い時間使いますことは恐縮でございます。また、茅委員から追加してもらうこともできますので、私の御報告はこれで一応終わらしていただきます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、科学技術会議議員茅誠司君よりお願いいたします。茅議員。

茅誠司科学技術会議議員

○茅説明員 私が茅でございます。ただいま兼重委員から完璧な御説明がございまして、私から特に追加する点はないように思うのでありますが、せっかくお招きを受けましたのに何も申し上げないのはおかしいと思いますので、いま少し詳しい点について申し上げてみたいと思います。  第一に、今度の会議で取り上げましたのは、先ほど御報告がありましたように、日米相互間における人物の交流をもっと円滑にするという問題、それから第二が、情報、資料の交換をさらに盛んにするという問題、第三番目が、先ほど三つのテーマが出ましたが、そういうような共同研究をするという、そういうことでございます。  この日本側から提出しました人物、研究者の交流という点について、あまり詳しく調べるひまはございませんでしたけれども、表としてはあまり多くないのでありますが、実情としては日米相互間の交流がかなり行なわれております。ほかのどの国よりも、日本とアメリカの方が交流が行なわれておる。しかし、その交流の行なわれ方は、これは次の文献、資料の場合と同じでありますが、全く個々に行なわれておる。研究者も、自分の思いつき、ある研究所の自分の考え方、ある学会の自分の考え方という、全く個々に行なわれておる。そして全体として組織的には行なわれていない。もちろん、その個々に行なわれているということ自体が大へん大切なことでありまして、これが組織的なものを作るということによってゆがめられることは、あってはならないと思いますけれども、とにかく今少し抜け目のないような、全体の方針を考えて交流を行なうことが大事じゃなかろうかというような点で、アメリカ側とも下打ち合わせをしてみますと、この人物の交流と資料の交換ということを、最も重きを置く題目として選ぶのが望ましいのだという意見が出ておりました。こちら側も、もちろん最初からそれを考えておりましたものですから、両方の意見が一致したわけです。  ことに、これは少し立ち入り過ぎた話かもしれませんが、アメリカ側から日本側に来る学者の方が非常に少ない。これは当然のことでありますが、もっとよけいアメリカから日本側に勉強に来ることができるようにする必要があるのじゃないか。現在そういう傾向が少し見えておりますが、しかし、それにはいわゆる来ましたプロフェッサーの、ヴィジティング・スカラの泊まる場所がないというのが非常なネックでありまして、そういう問題等をもっとよく両方から考えてそういうものを作れば、さらに交流がよくなるのじゃないかという試案も話し合われたのであります。しかし、今お話しございませんでしたが、大体テンタチブにきめた案でございますけれども、来年の五月二十一日から二十三日まで、ワシントンで第二回の日米合同科学委員会を開こうということにきめたわけであります。それまでの間に、もっと具体化した話ができるように両方で準備しようじゃないかということになりまして、その中間においては、先ほど御報告がありましたように、両議長、兼重・ケリーのラインを通じて、お互いに連絡をとって準備を進めていくということになったのでございます。  それから、三つの協力研究題目を取り上げましたが、もちろんこれは、先ほど御説明がありましたように、協力の一つのひな型を示すためのものでありまして、これが特に大事であるからといって取り上げたわけではありません。しかし、大体日米間の相互の地理的な立場から考えて、そういう協力が特に日米間において望ましいというようなものとか、特に日本及びアメリカでその科学が進歩していて、両者が協力すると非常に都合がいいといったようなものに頭を置いたわけであります。そういう意味で、そういうものの例としてこの三つのものが選ばれました。これを将来必ず協力研究をするというのではありませんで、することがもちろん望ましいことでありますけれども、条件、いろいろのことを検討しますと、これはあと回しにした方がいいということがあり得るかもしれない。とにかく来年五月二十一日から開かれる合同委員会までに、それぞれの国で少数の専門家を集めて、もっと具体的によく検討した上で話を進めていこうということになりました。  この進めていき方としまして、最初には、ある一部の人たちの間には、いわゆるサブコミッティを設けまして、そのサブコミッティでかなりの話し合いをしていって、結論が出たものを第二回目の日米合同委員会に報告するようにしたらどうであろうかという話が出ましたけれども、今そういう結論に達するのは早い。それよりも、もっとよく準備をした上で、第二回目以後において、必要であるならばそういうサブコミッティを作るというようなことにした方がいいのじゃなかろうかということで、アメリカ側にもずいぶんサブコミッティを早く作ったらいいだろうというような意見もあったようでありますけれども、この提案がいれられまして、ああいう報告をすることになったのであります。  私も、兼重委員と同じように、ごく簡単に申し上げましたが、御質問がございますれば、二人でそれにお答えした方がなおよくおわかりかと存じますので、これをもって私の御報告を終わらしていただきたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田委員長 以上をもって説明聴取は終了いたしました。     ―――――――――――――

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、質疑の通告がありますので順次これを許します。齋藤憲三君。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 きょうは長官も御出席がありませんので、あえて御質問ということではなしに、私の了解できない点についてお話を一つ伺っておきたいと思うのでありますが、これは先ほどの御説明にございました通り、六月のケネディ・池田会談によって、日米科学協力に関する委員会を設けるということになったのであります。その後新聞紙上でいろいろ了知いたしただけで、われわれといたしましては、どういう性格を持ってこれが行なわれるのであるか、その会議が終わった今日でも、これはどういう性格のものであるかがちょっとわからない。と申しますのは、勢い継続的に来年の五月二十一日からアメリカにおいて第二回の会議が行なわれる、これには当然その費用もかかるし、どういう性格を持ってこれが行なわれたのであるか、またさらに継続して行なわれるのであるか、それがちょっとわからぬものでありますから、その性格について、もしはっきりした点がございましたならば、一つ承っておきたいと思うのであります。

鈴江康平科学技術事務次官

○鈴江説明員 お答え申し上げます。  私も池田総理と大統領との話し合いがどうなっているか、詳細は存じません。この問題は、具体的には向こうの国務省と外務省との話し合いによって進められたと思います。ただ、閣議了解を得ました事項といたしましては、この委員会は、要するに、両国政府に勧告する機関であるということを明記しておるわけであります。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 ここにアメリカ委員長のドクター・ケリーのあいさつがございます。「われわれの仕事は、合同諮問機関として日米両国の科学を振興するため協力計画の可能性を探究することである。われわれは、両国の科学者と技術者とによってお互いに関連のある科学上の問題を見きわめ、両国政府にこれを勧告して、その奨励と支持を受けることに努めるであろう。この意味でわれわれは諮問機関なのである。」こう書いてございますが、これで間違いはないわけでございますか。

鈴江康平科学技術事務次官

○鈴江説明員 ただいま齋藤先生から御朗読がありましたように、決定機関ではなく、勧告機関でございまして、両国政府に対しまして勧告いたしまして、それの尊重されて行なわれることは希望いたしますけれども、何らの決定権もないわけでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、この日米両国の科学に関する委員会というものの、この諮問機関としてのいわゆるあり方というのですか、私はよくわかりませんが、大がいの諮問機関でありますと、外務省とかあるいは科学技術に関しては科学技術庁というふうに、諮問機関として政府に勧告するだけの権限を持つという会議でございましたならば、これはどこかによりどころがなければならないと思うのでありますが、それはどういう立場にある諮問機関であるか、一つこれを御説明願いたいと思います。

角谷清外務事務官

○角谷説明員 この委員会は、ちょうど兼重委員がお話しになりました通り、六月の池田総理とケネディ大統領の共同声明にうたわれておりまして、この共同声明をもとにしてでき上がったものでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 その共同声明によって、いわゆるアメリカの大統領、アメリカの責任者と日本の総理大臣池田さんとの、責任ある地位における共同声明によってでき上がった日米科学に関する共同委員会というものを、一回ぽつんとやって終わるものでなくして、両国の科学に関する――アメリカのケリー委員長の言葉を言うと、ポテンシャル・エナージーという言葉を使っているのです。これは継続的にやっていく。だから来年の五月に日本から委員を向こうに派遣するということになれば、これは当然国費をもってまかなっていかなければならない。まさか、ほかから自弁で行くという人もいないだろうから、どうしても予算と関係を持ってくるだろう、こう思うのですね。そうしますと、結局この諮問機関というものの性格をはっきりして、長年の間、継続的にこの諮問機関の存続をはかっていくとかなんとかいうことをきめておかないと、来年の五月二十一日からアメリカでもって第二回の委員会を開くんだ、こういっても、一体そういうものに対するところの予算措置ができておるのかできておらないのか。一体これはどういう性格を帯びて今後運営をしていくのか、そういう点がはっきりしない。そういう点を、私はこの際承っておきたいと思う。ただ外務省が、国際儀礼的に一回相手国の委員と日本の委員とを集めて会議を開いて、それはそこでいいのだというような問題として、われわれとしてはこの問題を取り扱うわけにはいかないわけです。いやしくも科学の共同的な力を探査し合って、将来両国の繁栄の基礎をここへ見出そうとするにおいては、相当長い期間とそれから相当の財政的な裏づけがなければ、こういうものは行なっていけないのではないか。そういう点に対して、現在においては主管である外務省は一体どういうふうに考えておるか、これを一つ承りたい。

角谷清外務事務官

○角谷説明員 ただいま御指摘になりました通り、本委員会は一回限りのものというようには考えておりません。これはまた来年もいたしますし、将来にわたって、日米科学協力を増進する目的のためにこの委員会が存置されるべきものでございます。これに要します経費につきましては、予算におきまして、必要な経費はこれを国会の御審議を経て得たいと思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、この日米両国の科学に関する委員会の予算措置というものは、三十七年度以降は外務省で措置をしておられる、要求しておられるということでございますか。

角谷清外務事務官

○角谷説明員 その通りでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 外務当局でこの両国の科学委員会の長期計画遂行を建前としての予算措置も講じられておるということでございますから、私といたしましては、なるべく効果的にこの委員会が継続されることを衷心から希望するものであります。  なお、これは内容について、私の誤聞であるかどうかわかりませんが、この日米両国の科学委員会においていろいろの問題が取り上げられ、検討を加えられた中に、日本の南極観測の問題があったと聞いておるのであります。これは御承知の通り、南極条約の締結について承認を求めるの件という政府の提案理由の説明を一ぺん読んでみますると、日本は、南極観測によって握り得た基地に対しては相当の責任があるように考えられるのであります。日本政府は、いろいろな関係からこの南極観測を一時打ち切り、地球観測年が終わってしまったからかとうか私よくわかりませんが、世界は宇宙観測に入って、ますます力を入れて南極観測――むしろ南極を足場として宇宙の開発をも行なわんとする意気込みにあるように思われるのであります。これに反して、日本はいろいろな事情があるのでございましょうが、南極観測の打ち切りを今行なわんとしておるのであります。これに対して両国間の委員会において、アメリカ側は、日本は南極観測を打ち切るべきじゃない、協力してでも何とかそれを継続する方法はないのか、アメリカはできるだけこれに協力をしてもいいという申し出があったやに聞いておるのでありますが、別段これは秘密会議でもないでありましょうから、その問の御消息を一つお漏らし願えるならば、この際承っておきたいと思います。

茅誠司科学技術会議議員

○茅説明員 お答え申します。  その問題は、こういう経過でございました。日米間で協力すべき問題、協力した上で成果の上がる問題というのを一応リストを作った。その中に南極観測の問題を含ませました。そして、その説明には緒方文部事務次官が当たりました。その説明をしてしまったあとで、いま少し補足する必要があるというので、私は前から南極観測に関係がありましたものですから、発言を求めまして説明をしたのであります。向こうからは、進んで自分の方でこういうことをどうということは、その会議の席ではなかったのであります。こちらで申しました点は、これは私が正確に吐露できるかどうか知りませんが、私の記憶している範囲で申しますと、日本で南極観測を一応打ち切るというのは、観測船宗谷というものの問題、これは海上保安庁の船でございますが、それが大へん古い船であるということと、航空要員、ヘリコプター二台で物資を運びますので、航空要員の訓練の問題が非常にむずかしい問題になっておりますので本年は休まざるを得ない、一応越冬隊員を送らないということにしたけれども、われわれとしてはこれを続けたい希望を持っておって、将来もっと永久的な計画を今検討中である、それがまだできていない、それで、その中間においてアメリカからいかなる協力を請うかということはまだ相談ができていないので、ここでは申し上げられませんけれども、こちらには統合推進本部というものがあって、目下それを検討中であるから、いずれ当方の話のつき次第、御相談申し上げることがあるかもしれないということを私は申し上げました。向こうはそれに対してはうなずくという程度でありまして、言葉の上での発言はなかったのであります。これが先ほど申しました三つの項目のうちに入っておらないのは、これはお互いが専門家に委翻して、事情を調査するなんという必要のものではなくて、こちらには統合推進本部というはっきりしたものがあり、目下検討中でありますので、これは全くそこだけで検討して、そうして学術会議の南極観測特別委員会とも連絡をとりながら、どういう協力の方法が最も望ましいかということが出てくるのだと思います。そういう線でやっていきたいというので、特にあの報告書等にはそれは書かなかった、こういう次第であると私は考えております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 この問題は、当委員会といたしましても今初めて御質問を申し上げることではなくて、重大な関心を持っておる問題でございますので、いずれこの次の機会に政府当局にも質問いたしたいと思いますから、この点でやめておきたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 二、三の問題についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、先ほど齋藤委員からお尋ねのございました日米科学委員会の性格に関する問題であります。  お答えによりますと、六月における池田・ケネディ会談の結果による、いわゆる共同声明の結果として、両国政府の勧告機関としてこれが持たれた、こういうお話でございます。しかし、私どもといたしますと、ほかの国々と同じような形で科学協力なりあるいは科学の合同委員会なり、こういうものが持たれておるという状況でありますならば、必ずしも問題ないと思うのでありますが、各国との間にそういった機関はいまだ設置をされておりません。そうして日本とアメリカとの間には、御存じのように安保条約が締結されており、その項目の中には、はっきりいわゆる安保体制におけるところの日米の経済協力というような問題が明記をされております。そういう形の中で池田総理がアメリカへ行きまして、ケネディ大統領と話をする、そうして経済協力の具体的な機関である貿易経済合同委員会の設置をする、あわせて科学協力に関する機関の設置を決定するという形になりますと、そこにはおのずから、先ほど御説明のございましたような、さらっとした性格ということでなくて、何かそこに根深いものがある、一つの考え方というものがあって、この機関が設置をせられたというように考えるのであります。  そこで、お尋ねをいたしますが、科学技術庁は、六月の池田・ケネディ会談の事前に、日本の科学の総合的な調整をつかさどる科学技術庁に対して、こういった機関を設置するということがあらかじめお話があり、また、科学技術庁としても、従来から科学技術についてはあらゆる国々との国際協力を深めなければいかぬ、そういう観点で仕事を進めてこられたと思いますが、そういった方針と照らし合わせてこのような機関の設置が必要である、こういうようなふうにお考えになって、そのような意向を総理に対して表明をせられたのか、そうではなくて、全く無関係にこういうものがぽんとおりてきたのか、こういう点を一つ御説明いただきたいと思うのです。

鈴江康平科学技術事務次官

○鈴江説明員 お答え申し上げます。  実は私ども科学技術庁といたしまして、池田総理とケネディ大統領との会談の内容は全然知りませんでした。あとからそういうことを伺いました。また、外務省からそういうお話を承っておったわけでございます。そういうことで、事前に知らなかったということをお答えいたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 外務省にはお話があったのですか。

角谷清外務事務官

○角谷説明員 外務省にお話とおっしゃいますのは、事前に米側というのですか。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 アメリカ側からでも総理府からでもけっこうです。

角谷清外務事務官

○角谷説明員 総理の方から特に外務省に御諮問があったということは、私聞いておりません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうしますと、池田さんが個人として何か相談をしてきめた、そういうことのようです。そこで、学術会議の議長さんがお見えになっておられますので、お尋ねいたしたいと思うのですが、そういったように科学技術庁も全く何も知らなかった、そうして突然こういうものがきまった、それに対して、結局会議に臨む委員の方々を選定しなければならぬというようなこともあったのでありましょうが、外務省の方から学術会議にこの問題に対するお話があったそうであります。これに対して学術会議ではいろいろな角度からの御検討をせられた、こう聞いておるのでありますが、政府からどのような連絡があって、それを受けて学術会議は、一体どのようなその性格に対する議論をなされたのか、お聞かせをいただきたいと思います。

和達清夫科学技術会議議員(日本学術会議会長)

○和達説明員 申し上げます。  外務省からこのお話を聞きましたのが、八月であったと記憶いたします。学術会議におきましては、この委員会のことを学術会議の総会におきまして検討いたしました。その総会におきまして、学術会議は、科学の国際協力に関する委員会であるこの日米科学協力委員会には非常に関心を持っておる、であるから、学術会議は、必要によりそのつど、日米科学協力委員会との協力のあり方及び具体的内容に関して本会議の自主的立場から検討し、対処するものとするという決議、そしてまた、学術会議は、総会において決議した科学の国際協力についての本会議の見解を基本とし、――この本会議の見解というものは後ほど申し上げます。日本の科学者の意思を尊重しつつ、日米科学委員会に臨む、このために、会長は、日米科学委員会に会長の資格において参加するということを決議したのであります。学術会議の国際協力に関する見解といいますのは、これを要約いたしますと、科学の国際協力は平和への貢献を目的とする、科学の国際協力は全世界的であるべきこと、科学の国際協力に際しては、自主性を重んずべきこと、科学の国際協力は科学者の間で対等に行なわるべきこと、科学の国際協力の成果は公開されるべきことということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ただいまのお話に対してお尋ねしたいと思いますが、科学協力の基本的な問題として平和への貢献が重要である、全世界との交流を行なうべきだ、こういった結論を出されたことは、高く私は敬意を表したいと思うのです。  そこで、お尋ねをいたしたいと思うのですが、平和への貢献、ですから、従ってこの科学協力は平和的な目的であるべきだ、非常にそれはけっこうであると思うのです。ただ、私どもが現在の日本の憲法のもとにおける、あるいは科学技術基本法にも明らかにその点は明示されておりますが、そういった問題を厳格に考えておりまする日本と、アメリカの方では、平和への貢献といいましても、非常に私は範囲が広いのではないかと思うのです。御存じのように、アメリカは、力による平和の維持ということを、やはり一つの国の方針にいたしておる国であります。そうなりますと、力による平和の維持ということを考えれば、日本が考えるような平和目的での科学という問題と、アメリカで考える平和に貢献する科学という問題とでは、私は非常に内容が違ってくるおそれが多分にあると思うのです。しかも、お話によりますと、日本の科学技術庁でいろいろ検討せられたというようなことでなくて、単に池田さんがアメリカに行ってケネディとヨット会談か何かされた結果、ぽんと出てきたというような問題であります以上、そういった点に対して私ども懸念を禁じ得ないのでありまして、こういう点でも学術会議では議論があったのではないですか、その点を一つお聞かせいただきたいと思うのであります。  それから、全世界との交流の問題でありますが、私はこれは当然であろうと思うのです。そこで、学術会議がそういった方針を出しました以上、科学技術庁としては、一つでは、アメリカとの交流の道は開けたといたします以上、学術会議のそういった意思を尊重して、政府におきましては当然それにこたえる方向、特に学術会議では、東独との科学の交流については非常に不便であるので、これを改善するために政府は努力してもらいたい、かような決議もしておると聞いておるのでありますが、そういったものを受けて、政府としてはどうするおつもりでありますか、政務次官からお答えをいただきたいと思うのであります。同時に、この日米の科学委員会が持たれた以前に、日本の科学の総合調整をはかる機関に何らのお話もなく、ぽんときめたということについては、事務次官は事務次官の立場でしか言えないと思うのでありますが、政務次官としては、私はおのずから一つの見解というものがあるべきだと思うのでありますが、この点もあわせてお答えをいただきたいと思うのであります。

山本利壽自由民主党科学技術政務次官

○山本(利)政府委員 これは、内閣の首班として池田総理が渡米せられて、ケネディ大統領と会ってきめられたことでございますから、その方針に従って科学技術庁としては動いたわけでございますけれども、先ほど来お話しのありましたように、この目的というものが平和への貢献とか、そしてまた、全世界を相手として広くこういうことが行なわれるということはけっこうなことでございますから、漸次にはその方向に向かっていくべきものと思いますけれども、まず最初に、日米間においてこういう催しをスタートしたばかりでございますから、今後この種の会のあり方、あるいはその成果を見ながら、漸次拡大されていくべきものであろうと考えるのでございます。

和達清夫科学技術会議議員(日本学術会議会長)

○和達説明員 学術会議におきまして、ただいま先生のお話しになりましたようなことを、長時間をかけて熱心に討議いたしました。その結果が、先ほど申し上げたような結果になったのでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも先ほどの次官のお答えはやや抽象的であったのでございますが、そうしますと、科学技術庁としては、同じ政府機関だから、総理がきめてきたことについては、しょうがないということのようであります。しかし、学術会議の意向にありますように、全世界との交流については努力をされるということでありますが、具体的に、たとえば西側の国々と呼ばれる国にも、アメリカ以外にいろいろな国々があります。また、東側といわれている国々にもいろいろな国があり、しかも、科学が非常に進んでおる国もあります。御説明なされました茅さんが、かつて学術会議を代表されてソ連のアカデミーといろいろとお話をされたということもございます。いろいろな形で他の国々との交流、国際協力、こういうものを進める道というものは、私はあると思うのです。それに対して具体的な構想というものはございませんか。ただ進めていくということではなく、こうあるべきだと思う、具体的にはこうしたい、こういうような構想があったら一つお示しをいただきたいと思います。

山本利壽自由民主党科学技術政務次官

○山本(利)政府委員 先ほども申しますように、今回の日米会議というものが発足したばかりでございまして、しかも、初めから全世界にわたって各国とのこういう交流をしようという構想のもとに案を立てて出発したものでございませんので、との次にはどこの国とするとか、どういう形でやるとかいうようなことについては、まだ庁内においては具体策を立てておりません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうするとあれですか、また総理が今度ほかの国へ行って、共同コミュニケでも発表しなければ結局問題にならぬ、こういうお考えですか。そうじゃなくて、科学技術庁の方として、やはり、まあ科学技術庁としての考え方はこうだということを出すべきだと思うのですが、いかがですか。

山本利壽自由民主党科学技術政務次官

○山本(利)政府委員 おっしゃるように、各国とも科学技術ということについては今懸命の努力をしておる際でございますし、わが国としてもその例外であるべきはずはございませんから、順次そういったような点について研究を進めて構想を練るべきだと考えますけれども、長官もきょうは御出席でありませんし、私もそういう次の段階における具体策について聞き及んでおりませんので、今後は、今御質問のありましたように漸次進んでいくべきものだと私は考えますが、具体策を申し上げる段階ではございません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いろいろ私ども懸念をいたしておる問題について、若干御意見を申し上げました。本日はこういう機会でもありますから、これ以上は申し上げることを避けたいと思うのでありますが、ただ、御説明をされました、また、議長をなされました兼重委員、それから茅委員のお二人にお願いを申し上げておきたいと思うのであります。  御報告いただきました限りにおきましては、あくまでも平和への貢献ということを基本にいたしまして、熱心な御討議がなされたように推察をいたしました。どうか私どもが懸念いたしております点を十分配慮をいただきまして、そして、ほんとうの意味におきまして平和のための両国の科学を交流するという観点に立ちまして、今後ともそういう点を厳格に守って、会議を進めていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。

兼重寛九郎原子力委員会委員

○兼重説明員 ただいまのお話の筋は、私ども、自分たちとしては十分了解しておるつもりでございます。たしか平和を目的とするとか平和目的とかいう形容詞がついておりますが、万一それに反するようなことがあれば、また私どもがそれを承知しなければ、実行には移らないことでございます。そういうふうなことが起こるとは全然予想しておりませんけれども、そういうことがかりに万々一あったとしても、私どもは、ただそれに引きずられるようなつもりではありませんことを申し上げます。

茅誠司科学技術会議議員

○茅説明員 兼重委員と全く同意見でございます。平和という解釈が、先ほどのお話で、こちら側と向こう側で違うという点を御指摘になったと思いますが、私もよくそれに気づいておりまして、自分側の平和ということでこれを考えていくつもりであることを申し上げます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 それでは、この問題に関する質疑は、本日はこの程度といたします。      ――――◇―――――

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、原子力行政に関する問題等について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。齋藤憲三君。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 だいぶ時間も経過いたしましたから、当面の問題について、簡単に事情を伺っておきたいと思うのであります。  それは、十四日の朝日新聞に、水戸射爆場米軍演習を再開、那珂湊市民ら米側へ抗議という記事がございまして、先月の二十日に誤射事件があったために米軍が演習を中止しておったのを、さらに十三日から演習を再開した、これによって地元住民が非常に動揺しておる、それで茨城県知事が総理に、地元民の動揺が大きいので、すみやかな返還が実現するよう米軍との折衝を進めてほしいという陳情をしたという記事があるのでございます。実はこの記事が出ます前、国会閉会中、清瀬議長が茨城県の東海村原研を視察しましたときに、関係方面からたくさんの陳情がきた。当時、私委員長代理をいたしておりましたので、議長室に呼ばれまして、実は原研の視察をしたところが、この水戸射爆場の誤射事件について地元からたくさんの陳情書が出た、これは当然科学技術振興対策特別委員会の問題であるべきだと思うから、早急に委員会においても善処せられたらどうか、議長としても、非常な関心を持ってこの問題の解決に一つ努力をしたいという御意見がありました。しかし、通常国会が開かれますと、特別委員会は本会議の議決を必要とするのであって、国会開会中に特別委員会の議決があり次第、委員会が開かれたならばこれを議題として、特別委員会においても一つ大いに善処をしたいということを私は議長に御回答申し上げてありましたので、本日幸いにも本委員会が開催せられましたので、この問題を一つ私から提案いたしまして、その後この水戸射爆場の返還問題はどういうふうになりつつあるか、これを当局から、しっかりとした御説明を承っておきたいと思う次第でございます。

高野藤吉郎総理府事務官(調達庁不動産部連絡調査官)

○高野説明員 去る十一月二十日茨城県那珂湊市に起こりました米軍機による機銃誤射事件は、まことに遺憾なことであると存じます。誤射事件が起こりました以後、演習の再開に至りました経過を御報告申し上げ、かつ、ただいま先生から御質問の水戸射爆難場の返還問題について申し上げたいと存じます。  二十日事故が起こりまして、翌日二十一日、調達庁といたしましては直ちに在日米軍司令官スマート中将に対しまして、かつまた、同日施設特別委員会が開催されましたので、その席上におきましても米側に申し入れたのでございます。その趣旨は、まず、事故発生の原因を直ちに究明すること、同時に、将来にわたるこれが防止対策を講じまして、この防止対策が講ぜられるまでは演習を中止すべきだという趣旨の申し入れをしたのでございます。米軍からは、同日直ちに日米合同委員会米側代表のプライス少将から、日米合同委員会の日本側の安藤局長あてにこれが回答がございました。その趣旨は、この事件に関しまして、米軍並びに合衆国としてはまことに遺憾の意を表しおるわけであります。第二は、この誤射の原因を究明するまでは、とりあえず演習を中止する。それからなお、水戸射爆撃場の代替地を探すために、日本政府と十分協力する態勢にあるという趣旨の三点を述べて参ったのでございます。  その後、政府といたしましては、十二月五日に、施設特別委員会を通じまして、日本側から正式に米側に文書をもちまして返還要請をいたしました。その間、米側といたしましては、この事故発生の原因を調査中でございました。なお、司令官は八日の日に現地の水戸に参りまして、岩上知事さん、それから宮原市長さん、各関係の方々にお会いいたしまして、本事故に対しまして衷心から遺憾の意を表明いたしたわけでございます。翌九日、司令官から岩上知事並びに宮原市長に書面を渡しております。その書面の趣旨は、この事故に対しまする遺憾の意と、それから調査が完了した、従って、米側としましては、この事故を起こしました機種の訓練は、この防止装置が完備するまでは中止いたしまするが、それ以外の訓練は近く再開いたしたいのでよろしくお願いを申し上げるという趣旨のことを、書面で知事並びに市長さんにお伝えしたわけでございます。その後十二日に米側から演習通報が日本側にございまして、十三日から演習が再開されたわけでございます。  こういったような経過でございまして、政府といたしましては、水戸射爆撃場を施設といたしまして条約上提供いたしておりまする建前上、米側から申しておりまする原因が、調査が完了いたし、この事故を起こしました飛行機の防止装置を今後完備するまではその種の訓練を中止し、それ以外の訓練を再開いたしたいということは、条約の建前上、これを断わるということは適切な措置ではないというふうに考えておるわけでございます。  もとより、この水戸射爆難場の問題は、数年来返還問題が地元から非常に出ておることは先生も御承知の通りでございまするが、その経過を申し上げますると、三十一年十二月に、当時原子燃料公社用地といたしまして、射爆難場の土地の一部返還要求を出しております。その後三十二年四月には、上記のほか、科学技術庁長官からのお申し入れがございまして、やはり一部返還要求を申し入れております。その後、原研等の隣接いたしておりまする関係上、防止策といたしましては、三十四年、いろいろ訓練の方法、たとえば標的を海上に移動するとか、あるいは飛行方法をいろいろ改善するとか、そういった措置が、合同委員会を通じまして日米間において行なわれておったのでございます。その後三十六年、本年の五月二十三日に、米側から施設委員会を通じまして、代替地にこういう条件の代替地を日本側が提供してくれるならば、米側としましては返還に応ずるという趣旨の提案をいたして参ったのでございます。それから本年の六月に、当科学技術委員会の決議のお申し入れがございまして、これを施設特別委員会を通じまして米側に申し入れております。その後今回の事故になったのでございまして、政府といたしましては、今回の事故を契機といたしまして、先ほど申し上げましたように、今月の五日、施設特別委員会を通じまして強力に返還要求をいたしておるわけです。それに対しまして米側からは、前に一応代替地につきましていろいろ条件を出しておりまするが、米側といたしましても、この条件の緩和等につきましては積極的に日本側に協力するということでございまして、現在政府といたしましては、この代替地の選定に、米側とも協力して、懸命の努力をいたしておる次第でございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 この問題は、ただいま御説明がございました通り、われわれも返還を希望してから、もう相当の年月を経ておるわけでありますが、たびたび問題を引き起こして、そのたんびに、当委員会といたしましても強力な返還要求決議を行なったりしておりながら、いまだに解決をしないまことに遺憾な問題であります。日本の原子力平和利用体制が、かくのごとき危険な状態のもとにおいて行なわれておるというがごとき印象を一般国民が持つということは、米国側にとっても私は非常に不利なことだ、こう思いますから、なるべくすみやかに、たびたび強力な折衝を重ねられて、この返還の問題が解決するように一つ御努力を願いたいと思うのであります。  いろいろまだ御質問申し上げたい点もございますが、それはいずれあとの機会に譲りまして、ただ、委員長にお願いを申し上げておきたいことは、わざわざ清瀬議長がこの問題に思いをいたしまして、特別委員会でよく審議を重ねて強力に問題解決の道を見出すように、また、それに対しては自分も協力を惜しまないというお話がございましたので、本日特別委員会においてこの問題が提案され、当局の答弁も聞いた。それで議長のこの問題解決のために大いに協力をしてもらいたいということについて、今後お話し合いの上、なお、さらに強力な適当な方法があったならばそれを国会の意思として、衆議院の意思として実行していくという方法を一つ御協議願いたいと思うのであります。  この問題についての私の質問はこれで終わります。

前田正男自由民主党

○前田委員長 ただいまの齋藤憲三君の御意見に対しましては、われわれ過般海外に参りましたときにも、国防省の次官補とも会いまして、条件の緩和等について話をいたしました。それがこちらに連絡があって、今の報告の通りに、従来の条件も多少緩和しようというふうな通知がきておるようでありますけれども、さらに皆さん方の委員会の御意見を体しまして、委員会としても、また委員長といたしましても、善処するように努力したいと思います。  次に、河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 ただいま齋藤委員からいろいろ御発言がございましたが、そのことと関連をいたしまして、一言、二言お尋ねを申し上げておきたいと思います。  それは、今御発言の内容にございました水戸射撃場の返還問題でございますが、この返還問題が即刻解決するといたしますならば、即東海村の原研の問題も解決いたすわけでございます。ところが、先ほど調達庁からも御報告のございました事故防止対策が完成されるまでは演習訓練を行なわないというような意味のスマート書簡というものが、実は茨城県知事に送られてきたというようなことでございます。ところが、その事故防止対策が完成せられるまでという言葉の中には、私はいろいろな問題があると思うのです。たとえば、今度誤射事件が起こりましたが、誤射事件そのものに対する原因、その誤射事件そのものに対します原因の中でも、いろいろな問題があると思います。しかし、それは軍事上の問題もございまして、私どももその原因のすべてをつまびらかにするわけでもありませんが、単に事故防止対策が行なわれたということだけで演習が続行されるということになりますと、私どもはその事故原因を完全に承知するわけにも参りませんから、そういう認識の相違から、再び誤射事件が起こってみたり、あるいは事故が起こってみたり、そういう事態が当然考えられるわけでございます。  そこで、スマート書簡が茨城県知事の方にも送られたということでございますけれども、しかし、返還問題をわれわれが強力に進めて参りますためにも、そういう返還問題が解決するまでは、一切の演習、事故を起こすような演習というものは停止をしてもらいたいというふうな強い要求を出さなければ、今度のような事故を完全に防止するということはなかなか困難じゃないかと考えるのでございますが、そういうような私どもの意見に対する政府、調達庁の御意見をこの際お漏らし願えればけっこうだと思います。

高野藤吉郎総理府事務官(調達庁不動産部連絡調査官)

○高野説明員 私どもといたしましては、現地から強い声、つまり代替地がきまるまで演習を中止すべきだという声は、承知いたしております。しかしながら、今回の再開の米軍の趣旨は、先ほど齋藤先生に御報告申し上げましたように、事故を起こしました機種の訓練は防止装置が完備するまでこれを中止いたしまして、それ以外の訓練を再開したいということで、十三日から再開をし出したわけでございます。この代替地をきめるまで演習を中止すべきだという声は、確かに私は心に響くのでございますが、これに対しましては、実は先般決算委員会でございますか、大平官房長官も御答弁なさっておられるのであります。やはり条約の建前上、現在一応問題になりましたものは中止いたしまするが、それ以外の訓練を再開したいという向こうの演習を、これ以上断わるということは適切な処置ではない、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 政府がそういう認識であるということは、私は非常に大きな問題があると思うのです。と申し上げますのは、たとえば、今度事故を起こした機種だけが、さらに重ねて事故を起こすということでないわけです。ほかの機種だって事故を起こすことはあり得るわけです。誤射を起こすことはあり得るわけです。そこで、私は、今度事故を起こした機種だけの問題を解決したならば、すべての誤射事件ないしその他の不祥事件が解決するわけではない、こういう理解の仕方をしておるわけです。と申し上げますのは、実は最近、福岡においてもジェット機が墜落いたしました。そのために四名の尊い犠牲者を出したわけでございますが、その際にも五空副司令官のサウサーランド准将が福岡に参りまして、やはり同じような声明を出しておるわけです。そこで、私どもは現地のローチ司令官にお会いして、今度のような事故が起こらぬように、一つ原因が徹底的に探求されるまで演習を中止してほしいという申し入れをした。ところが、サウサーランド准将が現地に参りまして――これは五空の副司令官でありますが、当然司令官を代弁すると思いますけれども、五空の最高責任者が事故の原因が究明されるまで演習を中止するという声明を発しながら、現地の司令官は、必ずしもその最高司令官の声明を順奉しょうというふうな言動に出られぬわけです。そこで、私は、幾らスマート・レターが日本側に送られたといたしましても、その中身については非常に疑惑を持たざるを得ない。たといスマート司令官がそういう書簡を日本政府に送ったといたしましても、私どもは、まことに残念でございますけれども、その実行いたします内容については、必ずしも百パーセント信用することはできない。本来から申しますと、国際信義の問題もございますから、少なくともスマート中将は統合司令官でもありますし、これは日本におけるアメリカの最高司令官ですから、私は、そういう最高の地位にある方が出された書簡については全面的な信頼を持ちたいと思いますけれども、現実にはその書簡の趣旨というものが徹底をしておらぬし、また、運用されておらぬ。そうだといたしますならば、私どもは、やはりそういう事故を完全に防止するためには最善の措置をとっていかなければならぬ、そのためには事故を起こした機種だけの演習をやめてもらう、あるいは事故を起こした機種の原因が究明されるまでは演習を中止するということだけでは納得いかぬわけです。そこで、私が今申し上げますように、水戸の場合は、代替地が見当たれば移すということでありますならば、早急にその問題を実現するためにも、やはりそれまでは演習を中止するのだという、こういう日本側の姿勢が当然とられなければならぬ。これは相手のあることですから、そういう日本側の姿勢をそのままアメリカ側が受け入れるということは、私は考えません。考えませんけれども、少なくとも日本側の態勢としては、そういうきぜんたる姿勢が当然必要ではなかろうか。日本側の姿勢というものがそういうきぜんたる姿勢でなくて、日本側の要望というものが通るはずがない。それはアメリカだっていろいろ作戦上の都合もありましょう、あるいはその他の都合もありましょう。向こう側には向こう側の事情があるでしょうから、私どもがきぜんたる態度を示さぬ限り、なかなか日本国民の要望というものが達成しにくいだろうということは、容易に承知できるわけです。そこで、日本側の姿勢としては、私は、やはりそういうきぜんたる姿勢をもってアメリカとの交渉に臨むということは当然必要だと思うのです。私、不幸な事故や不祥事件というものを再び繰り返さないためにも、日本側はそういう姿勢を当然とらなければならぬと思うのでございますが、その点はいかがでしょうか。

高野藤吉郎総理府事務官(調達庁不動産部連絡調査官)

○高野説明員 飛行機事故の起こらぬよう危険防止のためには、あらゆる観点から、また、あらゆる面を通じまして、ただいまお話しのございました御趣旨によりまして、私ども最善の努力をいたしたいと考えております。  なお、水戸射爆場の問題につきましては、やはり代替地を早急に解決するということが一番の問題であると存じまするので、この点につきまして、米側からも前回より条件も緩和して積極的に出て参りますので、今回の事故を契機といたしまして、早急にこれが解決するよう懸命の努力をいたしたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 なるほどお言葉の趣旨は非常にけっこうです。ただ問題は、どういう姿勢で、どういう態度でアメリカに当たっていくか、この点は、私は非常に重要なかぎになってくると思うのです。そこで、御趣旨はごもっともでございますけれども、少なくとも日本側の姿勢、そういう御発言をなさる姿勢というものは、さっき申し上げたように、もっとやっぱり強い姿勢で臨んで、そういう事故というものはすみやかに防止されるように、あいは水戸の射爆場の問題がすみやかに解決されるように、そういう意味で一つ御善処を願いたい。きょうは関連ですから、以上申し上げて、私の質問を終わります。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 ちょっと政務次官がせっかく御出席でございますから、政務次官に、一つ希望をまぜた質問を申し上げておきたいと思います。  最近、新聞紙上をにぎわしております問題の一つとして、対外技術協力の推進に関して外務案と通産案というものが出て、これが一本化をどうして行なうかというようなことで新聞紙上をにぎわしておるようでございます。これは政務次官もすでに御承知の通り、海外の技術協力を一本化して、強力に推進せんとする構想であります。ところが、どうも外務案と通産案というものが出てきて、そうして技術協力ということが強力にうたわれておりますけれども、私の政治感覚からいきますと、こういうものは科学技術庁が采配をふるって、強力に問題を推進すべきものではないかということを考えるのであります。過日訪日をされましたアルゼンチンのフロンディシ大統領の日本に対する要請の中にも、技術協力センターをアルゼンチンに設立することを提案するとともに、日本の企業が同国に進出することを要請、原子工業――これは電子工業だと思いますが、電子工業、原子力平和利用または文化協定の締結の問題などについても今後両国間で話し合いたいと申し入れた、こういう話し合いに池田総理、小坂外相、大平官房長官というような人が出席しておりますけれども、科学技術庁長官の名が見えない。ですから、私といたしましては、科学技術庁というものは、日本の科学技術の全部に対する総合官庁として設立されたということに重点的な価値があるのであって、対外経済協力の観点から技術協力を推進していこうという、その考え方はどの官庁から提案されるといたしましても、要は科学技術庁の科学技術に関する見識というものが、やはり中核をなさなければ実効は上がらないのじゃないか。そういう問題が提案されておる際に、科学技術庁はいかなる態度をもってこういう問題に対処しておられるのか。もしわれ関せずえんでこういう問題を見送っておられるとすれば、私は、科学技術庁の行政において欠くるところがあるのではないか、こう思うのであります。そういう点について、私は、今や科学技術は世界的に急速度をもって進展の歩みを続けておるのでありますから、これにおくれないように日本の科学技術行政を推進して、日本の繁栄態勢を確立しようとするならば、科学技術庁というものは、あらゆる場面に対する科学技術に対して積極的に出ていかなければいかぬのじゃないか、こう思うのであります。これは新聞紙上を通じてだけの感覚でございますから、私の感覚が誤っておるかしれませんが、きわめてその点は、科学技術行政というものが消極的であるというふうに感ぜられますので、この点について政務次官としての御感懐を一つお聞かせ願いたいと思います。

山本利壽自由民主党科学技術政務次官

○山本(利)政府委員 ただいま齋藤委員から御質問のありましたこと、並びにそれに関連して御意見を述べられましたが、私といたしましても全く同感でございます。今世界をあげて科学技術振興を叫び、わが国においてもこの方面に全力をあけようとしており、しかも、東南アジアにおいて、あるいは中南米において、われわれは経済協力をし、科学技術方面において十分な協力をしていこうという場合においては、当然、科学技術庁というものは重大なる関心を持ってそれに対処して、万全の努力をすべきものだと考えるものでございます。いろいろ外交問題につきましては外務省として直接タッチせられる場面もあり、あるいはまた、経済協力と申しましても、通産行政と密接な関係の部分もございましょうから、そういう点についてそれぞれの官庁においていろいろお考えになり、また、御相談になるということをとやかく申すものではありませんけれども、科学技術の協力をするという場合においては、あらゆる場合において科学技術庁というものがタッチすべきであり、最善の努力をすべきものであると考えます。先ほどの問題については、ちょうど外務省、通産省の係官も見えていないようでありますから、その点についての詳細なる御説明はできませんけれども、根本的意見において全く同感であるということを申し上げます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 これは同感の意を表されてもどうにもしようがないんです。いつでも質問すると同感々々と言う。同感の意を表されることは判を押すがごとく同一でございますが、しからば、同感の意を表して行政上に積極性が増すかというと、ちっとも積極性が増さないということでは、とうてい日本の繁栄を将来確立するわけには私はいかないと思う。もっと科学技術庁は勉強すると同時に、あらゆる科学技術の進展の面に対して積極性を帯びていただきたい。まあ予算の内示もあったようでありますが、その内容については私はよく知りません。しかし、いやしくも現内閣は科学技術の振興ということを国家繁栄の基調として掲げておる以上は、科学技術庁といたしましても世間に対して恥ずかしくないような予算を一つ獲得していただいて、大いに行政に積極性を増して、国民の期待に沿うように一つ御努力あらんことをお願いいたしたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田委員長 本日の質疑はこの程度にいたします。      ――――◇―――――

前田正男自由民主党

○前田委員長 この際、お諮りいたします。  前国会閉会中に行なわれました委員派遣の調査報告につきましては、これを参考のため会議録に掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田正男自由民主党

○前田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時一分散会

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