運輸委員会踏切道整備に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/04/19
会議録
○高橋小委員長 これより運輸委員会踏切道整備に関する小委員会を開会いたします。 踏切道整備に関する件について、調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保小委員 まず国鉄にお尋ねするわけでありますが、昭和三十四年の九月に筑肥線の踏切で発生した事故について、裁判の最終的結論は、当時の乗務員は有罪、こういうことになっているわけです。この内容は、こまかく申し上げる必要はないと思うのでありますが、結局有罪という判決の要点は、運転する者は、そういう危険であるというようなものを発見すれば、いつでも停車できる程度の徐行運転をしなければならぬ。それを怠った。単に緊急汽笛吹鳴、注意を喚起するということだけでは義務として十分でない、こういうことのようであります。そうなりますと、これはなかなか問題があると思うのでありますが、これについて、国鉄当局としては、どういうふうにお考えであるのか。さらには、これは踏切ではございませんが、昭和二十九年の一月に越美南線の橋梁付近で起きましたやはり傷害事故がございますが、これもいわゆる制動距離内に入れば、直ちに緊急停車の手配をとらなければいかぬ。単に汽笛吹鳴だけでこれをやったので、結局そういう傷害事故が起きたということのようであります。であるから、有罪というか、そういうことになっている。こうなりますと、今の運転士に課せられた一つの運転の方式というか、そういうものの中では、結局運転士の自主的な判断でのみこれは結着をつけなければならぬと思うのでありますが、ところが運転取扱心得というか、そういう運転の方式をきめたいわゆる国鉄当局が運転する者に課したところの義務あるいは責任、そういうものの範囲と、この単独の運転士の判断というものは、相当幅がある、こういうことになるので、一方運転取扱心得というか、これは正常な運転を確保しなければならぬという大きな責任が片方にあるわけです。ところが、こういう判決、これは判決が出たのでありますから、是認するほかはない。是認する立場からいって、今の運転取扱心得のいわゆる正常な運転を確保するということと、もう一つは判決から出るところの問題、こういうものの調和なり一致点をどこに見つけるべきかというのは、大きな問題だと思うのです。ついては、こういうものに対する国鉄当局の御見解と、さらには、これもやはり踏切でありましたが、実はこれは二十六年かと思うのでありますが、地方鉄道の無人踏切でバスと電車が衝突した事件があります。これは箱根登山鉄道か何かと思いますが、去年でありますか、やはりこれも一つの判決で今争っていると思うのでありますが、結局一たん停車を怠ったバスが衝突したということなんです。もちろんこの運転上の責任は、当該電車の運転士は責任はないわけでありまして、バスの運転手に責任があるようですが、ただ、損害賠償については、結局この私鉄の会社にやはり一半の責任があるというので、実は損害賠償の折半という判決が出たと思うのです。こういうことになりますと、踏切自体も当然——踏切が一番問題が多いところでありますが、そういう問題も含めて、これは将来にわたって問題が多いと思うのです。踏切整備については言を待たないところでありますが、それ以上に——踏切整備といってもこれは年月のかかる話だし、また将来全部の踏切が防護装置というか、そういうものをとり得るとも考えられないのであります。そうなりますと、反面列車運行と道路交通との問題が出てくる。そういうものについて、やはり鉄道監督局長としてどういうふうに運輸省は考えられるのか、この点を一つお答えをいただきたいと思います。
○中村説明員 最初に、国鉄に対する御質問だけお答え申し上げたいと思います。 福岡高裁の出されました判決は、非常にむずかしい問題と思って、われわれとしてはある意味では困った事態が起こったというように考えております。判決そのものにつきましては、当局といたしましても、組合といたしましても、不服に思いまして、被告人に対する弁護人なども、当局の方の費用をもちまして、今上告の手続をとっておるわけであります。それが最高裁におきましてどういう判決をいただくか、今のところはっきりわかっておりませんけれども、われわれといたしましては、あくまでも、具体的な危険を察知しない限り、注意汽笛をするだけで十分ではないかという立場で、現場の職員の指導をやっております。具体的な危険を察知するかしないかというその判断につきましては、これは乗務員の社会常識と申しますか、常識と申しますか、こういうことに待たなければならないのですが、これにつきまして、若干福岡高裁の判決とわれわれの期待するものとの間にギャップがあるということは、ある程度事実だと思います。従いまして、このギャップにつきましては、われわれは不満があるという考え方を持っておるわけであります。 なお、全体といたしましての運心の改正につきましては、ただいま準備中でございます。ほかにもいろいろ問題がございますので、総合的に慎重な検討を加えて、今年度一ぱいぐらいに成案を得たいという時間的な目標で、今運心の改正を検討中でございます。
○岡本政府委員 ただいま御指摘の問題につきましては、かつて運輸委員会におきましても論議されたところでございますが、そのときにもたしかお答え申し上げたかと存じますが、この判決、つまり通行者側のみならず、鉄道事業者側にも責任ありと判断されまして、この小田急電鉄の踏切衝突事件におきましては、鉄道事業者側も損害賠償の責めに任じなければならないという判決が出たのでございますけれども、これについては、その判決の当否は別といたしましても、運輸省といたしましては、鉄道事業者に対しまして、交通ひんぱん個所には適当なる保安設備をせよということで従来指導して参りまして、先般成立しました踏切道改良促進法につきましても、その交通ひんぱんなる個所というのは、一体どういう基準から判断すべきかということについて、法的に指示を与えておるわけでございます。従って、鉄道事業者の責任追及というものは、社会的に申しまして、その限界にとどめるべきではないか。もちろん、理想的に申しますと、すべての踏切におきましては、通行者側に警告を与える標識なりあるいは保安施設なりが整備されることが望ましいのでございますけれども、現段階におきましては、社会通念に照らしてみて、その程度の限界でよかろう、こういうふうに判断して参ったわけでございます。そこで、そういう判決が出ますと、非常に困ったことに相なるのではございますけれども、現段階におきましては、運輸省のそういう指導方針を改める必要はない。ただし保安施設の整備につきましては、十分万全を期すように指導していきたい、かように考えております。今の考え方を裏づけるものといたしましては、御承知のように、道路交通法におきましては、踏切を通過するものは、一たん停止の義務を課せられております。そういうことから言いましても、鉄道事業者側の責任というものは、そういう限界でよろしいのではないか、かように考えております。もちろん、これは社会、経済情勢の変化によりまして、いろいろ考え方も変わってくるとは思いますけれども、現段階では、さように存じております。 それから今の国鉄の問題にいたしましても、私は必ずしも判決が一貫しておるとは思わないのでございまして、ある時期においての判決は、通行者側の責任を相当追及しておる場合もございます。運転者ではなくて、むしろ通行者側に当然そういう社会的な注意義務を要求すべきであるという判断もございまして、必ずしも一貫したものではないというふうにも、私自身考えております。
○久保小委員 国鉄側にさらにお尋ねしたいのでありますが、この筑肥線の問題は、これはまだ係争中でございますが、二十九年一月に起きた越美南線、これは踏切ではございませんけれども、やはり同様なケースだと思っております。これに対しては、最高裁で判決が上告棄却ですか、そういうようなものが出て、最終結論ということになっているわけです。これはやはり踏切道にも大体同じように及ぼされるようにわれわれは解釈するわけです。ついては、その運転取扱心得につきましても改正される見込みだというが、どういうふうに改正されるのか。これはどうなんですか。
○一条説明員 お答えいたします。現在の運転取扱心得は、正常な列車の運転ができるような状態を前提にいたしまして、取り扱いをきめております。それから異常の事態の取り扱いをきめております。ただ、ただいま御質問がございましたような事態が起きました場合の取り扱いにつきましては、具体的に、この場合はこうというこまかいところまで規定してはございません。と申しますのは、起こり得ますといいますか、こまかいところまで規定することは非常に困難でございますので、心がまえ的に規定してあるだけでございます。従いまして、今後の運転取扱心得の改正につきましてどういうふうにそれを考えていくかというのは、まだ具体的に案を持っておりません。今後研究していきたいと思っております。
○久保小委員 結局問題は、最終的にきちっと運転する者の判断まできめるわけには、実際言って参らぬかと思います。これは当然だと思います。しかしながら、一たん事故が起きた場合に、刑事罰というか、そういうものを負わなければならぬということを十分に考慮して、運転取扱心得はきめなければならぬと私は思うのです。その点は非常にむずかしいと思うのです。しかしながら、今日までの運転取扱心得を一貫して流れる大筋は、列車の運転を正常ならしめるというのが、最高の目標になっておる。でありますから、鉄道職員は、上から下まで一貫して、正常な運行を確保するということにのみ頭がいって、ともすれば、安全運転に対しては残念ながら二次的にならざるを得ない。また、今日のように列車密度が多くなるという場合は、やはりその正常な運行を確保するということにのみ、どうしても力点がいくと思うのであります。ところが、それを忠実に守れば守るほど自分が刑事罰を食うということでは、残念ながら、職員が安心して列車運転を遂行することはできないだろうと思う。 そこで、一つの例でありますが、これは一つの運動の方法としてとった事件のようでありますが、これは四国支社管内で、ことしになってからだと思いますが、去年ですか、いわゆる踏切事故についてかかる判決が出たことについて、やはり自分の責任で運転の確保をしながら、安全運転をしなければならぬ、しかも、今日の踏切の整備状況が非常に悪い、こういうところからいって、全面的に安全運転をしなければ自分の身分を守ることは不可能だという観点から、一つの運動が起きたと思う。これに対して、列車の運行も相当乱れたようでありますが、いずれにしても、処分がなされた、こういう事実があるようでありますが、これはその通りでありますか。
○中村説明員 それは、大体今久保先生のおっしゃった通りであります。四国支社管内でありますが、去年の十二月六日、七日に、組合からの指令によりまして、非常に列車の遅延が多かったということは事実でございます。これに対しまして、今のところ、組合の責任者に対しまして一応処分の通告はやっておりますけれども、弁明弁護の段階でございまして、まだ正式な発令はいたしておりません。
○久保小委員 そこで、通告をしているそうでありますが、組織上から出たところの問題は、本小委員会で取り上げる問題ではまだないようでありますから、一つだけしぼってお尋ねしたいのでありますが、みずから運転したものについても、これは停職六カ月というのでありますか、こういうことを通告しているわけでありますが、これはいかなる観点からおやりになっているのか。具体的には、肩書きは、やはり組合の役員であります。徳島支部の書記長の阿部与幸というのですか、この者に対して、日鉄法三十一条によって、停職六カ月を通告しているわけです。これは十二月六日に列車を自分から運転をいたしておりまして、多少の運行の遅延をいたしております。これはいろいろ一々——私の手元にある資料によりますれば、各遅延理由については、それぞれ上司、上部に対して運転報告をいたしております。この中身から見れば、ことさらに理由なくして遅延したようには考えられないのであります。いずれもこの判決、たとえば越美南線の判決、こういうものを基準にすればこうなるということだと私は思うのであります。これについては、どうも当を得ないのではなかろうかと私は思うのであります。もちろん、運動としてやったということ自体については、これはまた別かもしれません。しかし、みずから運転すればこうなるという結果に対して処分をすることについては、少しくこれは行き過ぎではなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。
○中村説明員 私の方の調べによりますと、確かに徳島支部の書記長の阿部与幸という方に処分の通告はしてございます。ただし、この場合は、高知支部でも、やはり支部の委員長、副委員長、書記長という人々に対して、同様に処分の通告がなされておるわけでございまして、これはあくまでもわれわれの考え方から申し上げますと、組織上の責任を追及したものというように考えておるわけでございます。
○久保小委員 この処分の理由書には、そうばかりは書いておらないのであります。理由書について、私はその正式な文書を手元に持っておりませんが、私が入手した資料によりますれば、こういうふうに書いてあるようであります。この阿部なるものは、「動力車労組徳島支部書記長として、順法闘争(安全運転)の実施計画に参画し、もって列車遅延、列車運休等事態をひき起させる起因をつくったほか、十二月六日第三三六列車及び第三五三列車に乗務し、自ら安全運転と称し列車を遅延させ正常な業務の運営を阻害したものである。」こうなっておりますが、この前段は、なるほど肩書きから見れば、あるいはそういうことに参画してやったのかもわかりませんけれども、これは私はまだ調べておりません。しかし、この後段、「起因をつくったほか、十二月六日」云々の運転については、これは責任を問うておると思う。これは先ほど申し上げたように、私の入手した資料によりますれば、全部理由が書いてあります。そこで、いわゆる先ほど申し上げたように、制動距離内に入れば、今までのような措置だけでは足りない、これが判決の主たる理由であります。結局、いつでも徐行しろ、あるいは急停車の措置に入れ、こういうことだと思うのです。そうなれば、当然かかる結果が生まれるというふうに、私はこの資料では見るわけであります。これは支社長あてに出した資料でありますから、その通りだと思います。こういうことについて、これは別に私は、運動として、あるいは闘争というか、そういうことでやること自体には、もちろんないと思うのです。しかし、実際良心的に運転をし、なおかつ自分自身の身分をそういう刑事罰から免れようとする場合には、当然かかる結果が出ると思う。これに対して、この処罰すること自体は、ちょっと行き過ぎではないかと思うのですが、どうですか。
○中村説明員 実は、私の方も、一応この問題につきましては調べたわけでございますが、現地からの報告によりますと、実際にまだほかにこれだけのおくれが出たわけでございますので、関係した乗務員はたくさんあったわけでございますけれども、そういうものについてはこの際は責任を問わないで、組織上の責任者だけに処分の通告をしたという話になっておりますので、ただいま先生がおっしゃいました、徳島支部の書記長についてそういう処分理由がさらに追加されたということは、実は今初めて伺ったわけであります。これにつきましては、一回よく実情を調査した上で、適当な措置をとらせていただきたいと思っております。
○久保小委員 その問題は、いずれ御調査いただいて適当な措置をとられることを強く希望しておきますが、いずれにしても、この四国の支社長に阿部という運転手が出した運転報告によりますと、この判決を土台にして運転すればかくなるものだという、一つのサンプルだと思うのです。これはお手元にいっていると思うのでありますが、中村さんはお読みになっていないかもしれませんが、関係方面ではお読みになっていると思う。全部これはその通り書いてあります。たとえば一つの例を申し上げますと、「踏切右側より自転車接近気笛吹鳴せるも横断する気配したので徐行」そこで一分四十秒おくれるわけです。これは一つの例です。全部、こういう判決からいえばこうなる、ここまで責任を問う、行政処分までするということについては、問題だと思うのです。だから、こういう点についての解決方法は、先ほど申し上げたように三つある。一つは、やはりこの運転の問題がありましょう。運転取扱心得の置きかえというか、ものの考え方が一つあると思う。もう一つは、これは結局踏切なら踏切のいわゆる整備ということになろうかと思う。踏切の整備が完全でない場合に、単に今の法規だけで強要すれば、しわ寄せは、いわゆる現場末端の第一線のこういう職員にきている。そのことを私は言いたい。これを救済する措置がないとするならば、この責任は追及すべきでない、こういうふうにも逆に思うわけです。そういうことでありますから、これに対しては、もう少し積極的な意欲を示して解決をしてもらわぬというと、安全運転あるいは正常運転はできかねると思う、こう言いたいのであって、これについてさらに何かの方策をめぐらしているかどうか、お尋ねしておきます。
○中村説明員 実は、列車の正常運行確保という問題と安全運転という問題は、確かに先生のおっしゃいますように、ある面では矛盾した面がございます。なおまた、むずかしい問題は、やはり列車が普通の場合でございますと、列車の運行が乱れるということも、また安全運転のできない原因にもなるというような問題に関係がございますので、そこら辺のバランスをどうとって現場を指導していくかということは、われわれとしては常に心を痛めている問題でございます。特に、実は最近の鷲津で起こりました事故につきまして、今本社で査問委員会を作って、私もその委員の一人になってやっているわけでございまするけれども、この場合なんかも、やはり列車の正常運行確保という問題とそれから安全運転という問題との間のギャップというものが、ある程度出てきているんじゃないかというようなことも、本社といたしましても、その査問委員会の経過を通じて反省をいたしまして、まだ査問委員会の結論は出ておりませんけれども、審議の経過におきまして、そういう問題もわれわれとしては十分考えなければいけないのじゃないかということを反省いたしております。従って、今後そういう問題を含めまして、安全運転と列車の正常運行の確保という問題をどう調和していくかということにつきましては、われわれとしては真剣にこの問題と取っ組んで、ぜひ結論を出していきたいというように考えております。
○久保小委員 そこで、もう一つお尋ねしたいのは、越美南線の事件でありますが、これはもう最終結論でありまして、禁固で執行猶予だと思うのでありますが、こういう場合は、職員の身分というのはどうなるのですか。
○中村説明員 部内的には、従来のままでございます。
○久保小委員 こういう場合、結局私が言いたいのは、従来のままだと言うが、機関士としては、実際いって乗せ得られないのじゃなかろうかと思うのです。それは乗せますか、いかがですか。
○中村説明員 従来通り乗っているはずでございます。
○久保小委員 それはそれでいいと思うのでありますが、ただ、こういう刑罰が、執行猶予二年でありますから、実際に問題はないと思うのですが、この間までにおけるところの精神的な苦痛、あるいは将来にわたってやはり何かしら一生つきまとうものがあると思うのです。こういうものに対して、当局自身の責任——当局自身の責任といっては語弊がありますが、実際に、先ほど言ったように、第一線の個人にいろいろなしわ寄せがきているわけですから、それに対して、もう少し何か別途の方法があるのかどうか、そういうものをとっておられるかどうか。これは全然ないですか。ただ単に今までの職場に置くというだけでありますか。
○中村説明員 判決が出ますまでは、先ほど申し上げましたように、当局側の負担で弁護士をつけたりいたしまして、いろいろ間接的な援助と申しますか、そういうふうなことをやったわけでございますけれども、出ましたあとは、特に不利益な扱いはしないというのが、せい一ぱいではなかろうかというふうに思っております。
○久保小委員 それでは次に参ります。 鉄監局長にお尋ねしますが、先ほどの小田急の問題ですが、これは無人踏切であったと思うのでありますが、この無人踏切の基準、いわゆる踏切保安設備の基準、こういうものは、現在はどうなっていますか。
○岡本政府委員 踏切道改良促進法に基づきまして、運輸省令でその基準を示しておりまして、大体交通量、列車回数によりまして基準をきめております。
○久保小委員 今度は促進法ができましたから、その基準というものを省令で設定したようでありますけれども、それ以前は、私鉄に対してはどうなっておりましたか。
○岡本政府委員 御承知のように、地方鉄道建設規程におきまして、これは運輸省令でございますが、交通ひんぱんなる個所には相当の保安施設をなすべしという規定がございます。この規定は、つまり事業者の自主的な判断にまかされておるきらいがございましたので、昭和二十七年でございましたか、運輸省におきましては、広範な交通量調査をいたしまして、行政指導上の方針としまして、交通ひんぱんな個所とはかくかくの交通量があるところであるというふうなことで、通達を出しております。今回の法律に基づきます省令による基準は、もちろんその後の新しい情勢を加味しました調査に基づきまして作りました基準でございまして、もっとシビアになっておるはずでございます。
○久保小委員 そうしますと、当該事件ができた当時は、大ざっぱな通達だけであって、その認定はいずれも当該鉄道事業者というようなものにまかせていたから、こういうことの責任を問われる、こういうふうにも考えられるのですが、今度は、結局促進法によって基準を確定すれば、交通量に見合って、これは第何種という指定をするわけですね。でありますから、そういう指定が法的に行なわれた場合は、当該事件のような責任はあり得ない、こういうふうにも解釈してよろしゅうございますか。
○岡本政府委員 踏切道改良促進法に基づきまして、新しく法律の裏づけを持った基準を出しました場合に、はたしてそれが免責条項に該当するかどうかということでございますが、私は、もちろん心理的には、裁判官が判決を出す場合に相当影響はすると思いますけれども、法律上当然にそれが免責の根拠になるということはあり得ないのではないかというふうに考えます。つまり裁判官の独自の判決の根拠を左右するものではあり得ない、かように考えます。
○久保小委員 裁判官の心証を聞いているのではないのでありまして、いわゆる促進法に基づく省令で保安設備の基準をきめて、基準通りにやっておれば、その鉄道事業者は、たとえば今後かかる事情が起きた場合には、免責条項の一つにはなりはしないか、こういうふうにもわれわれは思うわけです。その点は、鉄監局長としてはどういうふうにお考えになるか。
○岡本政府委員 私個人としましては、先ほどお答え申し上げましたように、免責条項にしてもらいたいと思います。しかし、そういった希望は持っておりますけれども、はたして裁判官がそういうふうな解釈の上に立ってやってくれるかどうか、これはまた別問題であるということを申し上げたわけでございます。
○久保小委員 保安設備の基準というのは、これが最低というか、最大の場合は相当ありましょうから、いわゆる最低の保安設備であって、その最低を怠った場合に初めて責任問題が出るというふうにも考えるわけです。一つの法的基準を示して、その基準に合ったことだけはやっている。それ以上にやっているかいないかは別として、基準に合っていることをやっておりながら、なおかつ責任を問われるということが、どうも常識としては——裁判官はいかなる心証で判決を下すか、これはわかりませんけれども、常識としてはそういうふうになりはしないかと思いますが、その点はどうですか。
○岡本政府委員 私どもの常識としては、そうだろうと思います。ただ、これも先ほど申し上げましたように、通行者と鉄道事業者の、特に鉄道側の、運転者側の注意義務との関係につきましては、従来判例がまちまちでございまして、ある裁判官によりますと、動力車が非常に危険であるということは、社会的に当然是認されてしかるべきであって、従って、通行者側としても、それが動くものであるから、非常に危険なものであるから、万一の危険を予想して、当然注意を払う義務があるのだというふうな解釈に立って、むしろ通行者側の義務を強調した判決もございますし、また、もっぱら人命の安全の見地から、われわれとしましては、客観的に見て過酷と思われるような、運転者側に注意義務を要求した判決もございますし、いわば一貫したものはないということから見ましても、今先生のおっしゃいましたように、常識的に見て、そういった限界に鉄道事業者側の注意義務をとどめるべきだというふうには、私は考えております。
○久保小委員 鉄道ができた時代とは、時代がだいぶ変わっております。特に戦後の道路交通あるいは鉄道の運行も、これはどちらも頻度が多くなっているというのが事実でありますから、今日では、一つのものの考え方には、一定の基準を置きかねる時代だと思うのです。しかしながら、結局大量輸送を確保しなければならぬという建前の鉄道、軌道の場合は、他のものとやはり区別した形をとらぬと、一つの混乱が起きると思う。でありますから、ここでいろいろ申し上げることはどうかと思いますが、少なくとも運輸省としては、そういう一つのものの考え方、これはやはりきちっときめていただかぬと、鉄道、軌道の事業者というもの、あるいはこれを運転する者自体に、多大の不安を与えるのではないか、こういうふうにわれは考えるわけです。ついては、そういうものの考え方を、近き将来御研究になって出す考えがあるかどうか。いかがでしょうか。
○岡本政府委員 時代の変遷と申しますか、それに対応しての新しいシステムというものを生み出していくべきものだとは思いますけれども、現段階では、まずこの程度で参りまして、つまり踏切道改良促進法に基づく責任を鉄道事業者側の責任の限界としたいと考えております。しかし、仰せのように、道路交通量はますますふえていく一方でございますし、また、鉄道事業者に対する責任の要求の仕方も、世論的に見まして、いろいろ変わってくると思います。一方では、鉄道事業者は、危険な動力車を運行して事業を営むものであるから、いかに公共事業であるとはいえ、やはり一般の交通量が激増してきて、社会的不安をしょっちゅう起こすということは許されない。だから、もっと根本的な保安の方策を講じてしかるべきだということになるかもしれないと、私は考えております。従って、今の程度の保安施設のやり方では、とうてい世論が承認しないという時代がくれば、もっと根本的な手を打っていかなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、運輸省といたしましては、この問題は、等閑にできない問題でございまして、真剣に取り組んで、常に最善の方法を打ち出すように心がけていきたい、かように考えております。
○久保小委員 それでは先に進みましょう。 そこで、踏切道改良促進法に基づく政令で保安基準というか、保安設備の基準をお示しになったわけであります。これはもとである促進法は、時限立法でございますか。それとも恒久立法でございましょうか。
○岡本政府委員 これはいろいろ見方はございますけれども、第三条でござらんのように、昭和三十六年度以降の五カ年間においてその改良の方法を定めて指定するものとするとございまして、われわれ立法するにあたりましては、非常に踏切道の保安施設の整備がおくれておりますので、それをこの五カ年間に一挙に挽回しまして、踏切道の交通安全を期そう、こういう趣旨で立法作業を進めましたので、そういういきさつから見ましても、一応時限立法と考えていいのではないかと存じております。
○久保小委員 そういうことになると、時限立法の中で保安基準を恒久的にきめるということになりますね。いかがですか。
○岡本政府委員 この保安基準といいますか、設備の基準は、この五カ年間に改良されるものについて妥当するものでございます。
○久保小委員 この設備基準なりあるいは構造基準なりというものは、少なくともある程度半恒久的な形にしなければいけないだろうと、私は思うのです。五年やそこらの基準というものは、あり得ないのではなかろうか、ここにこの法律の混迷があるわけであります。結局われわれ自体が申し上げたいのは、この踏切道の改良を今ある法律で五年間で画期的に直していこうという気がまえは了とするが、それが完全に将来にわたっては必要ない、といっては語弊があるが、将来は将来だというなら別でありますが、少なくとも基本的なものを含めるならば、当然踏切道の改良も含めてこれは恒久立法にすべきであったのではないか、こういうふうに思うわけであります。この点はどうですか。
○岡本政府委員 仰せの通りでございまして、当初は、そういう恒久立法を考えたわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、踏切道の事故が非常に多うございまして、急いでこれを改良する必要があるというふうに考えましたし、また期間を限りまして緊急に整備するということと、それに対応して、ある程度その間国庫なりの補助も仰ぎまして、緊急にやろうという考え方があったものですから、やはり期間を限定した方がよかろうという考え方にもなったわけでございます。恒久法にするかどうかにつきましては、この五カ年間の成績も見まして、新しい形の恒久法を作ることになるであろう、かように考えております。
○久保小委員 われわれは、少なくとも一応の基準を示して、それに基づいて整備を促進していくということでありますれば、将来できるものの基準にもなるわけであります。あるいは今日数多くあるところの踏切道全体に対して、やはり逐次やっていく。これは実際言って、法律ができたから、すぐに五年間で全部なくなるわけじゃございません。これまでお話がありましたが、五年間の予想でも、全体のごく小部分、こういうふうに思うわけであります。そこでわれわれは、お話もありましたが、恒久立法に置きかえる時期ではないか、こういうことで、いつまでも五年間というのは、すでに三十六年度は、第一次指定は、なるほど年度としては二月にございましたが、実質的には三十七年度からなんです。そうなりますと、すでにこの法律の中身は、一年も過ぎて、四年間ということになります。実際に第一次指定を完成するにも、その最終的な年度までかかるではないか、こういうふうに思うわけであります。でありますから、私は、別にそれを非難するわけではございませんが、少なくとも恒久立法に置きかえる時期だ、こういうふうに思うわけであります。これについては御再考をいただきたい。五年間たったらまた考えましょうというのじゃなくて、少なくともそういう基本方針は明示して、政府なり国の態度というものをはっきりしてやっていくこと自体が、先ほどのような事故の問題についても、同様な問題がありはしないか、こう思うわけであります。 そこで、大蔵省の海堀主計官にお尋ねするわけでありますが、踏切道改良促進法に基づくところの補助の問題でございますが、補助に対しては、政令で指定する鉄道、軌道の事業者の中で、さらに政令に定めるところの基準に基づいて助成をすると、こうあるわけなんです。ついては、それはどういうことかということで先般運輸省当局にお尋ねしたところが、なるほどいろいろございました。そこで、結局鉄道事業者の中でも、赤字のもの、経営の困難なものに対してのみこれを助成するのだ、こういうことでありますが、これはどういうことでありますか。もう一ぺん大蔵省のお考えをお尋ねしておきたい、こういうふうに思います。
○海堀説明員 鉄道軌道事業といいますか、そういう事業は、本来公益的な事業であるとともに、また、すべての事業がそうでありますように、社会的な安全とか、そういった社会秩序を守っていくというか、そういった責任がその企業自体にあることは、当然のことだと思います。従って、踏切を整備するとか、あるいは安全に運転するとかいうこと自体は、そういう事業者自体の責任といいますか、本来そういう事業を許可されて行なう事業者の責任であろうと思います。本来からいえば、国が踏切を整備するとういことではなくて、本来そういうことが必要であれば、事業者自体が自己の責任においてやるべき筋のものであろうと思います。ただ、踏切の整備が、現在の交通事情とか、そういうことに対して非常におくれておるということのために、緊急に整備を必要とする事態になっており、他方、事業者の中には、そういった責任を果たすについて力が足りないものもあろうかと思います。そういった力の不足するものについて国が助成措置をとるというのが、この助成の性格だろうと思います。
○久保小委員 あなたがおっしゃることも、一つの理屈というか、理論だと思います。なるほど、企業自体の責任で安全運転を確保するというのが、当然の義務だと思う。しかしながら、新しくこれからやってやろうというような場合は、当然危険な場所には、立体交差なりそれに適応した設備を十分つけなければならぬ、こう思うのであります。ところが、従来ある踏切道の中には、いわゆる鉄道企業者のみの責任ではなくて、交通量の増大、あるいは都市構造の変貌、こういうようなところから、対外的な問題からも、相当踏切道の改善が必要になってくる場合が一つあるわけです。それからもう一つ、きのう細田委員が別な委員会であなたにおっしゃったようでありますが、結局鉄道、軌道の今日の特に固定施設の問題、これは道路と比較した場合に引例をされましたが、道路あるいは港湾、空港、こういうものもございますが、そういうものと比較した場合に、はたして公共的な立場からいって、その企業自体の責任で全部まかなわせるということが妥当であるかどうかというのが、非常に問題なんです。そういうことも一つ考えなければならぬ。それからもう一つは、結局企業自体の経営の問題であります。経営が苦しくなれば、これを楽にするのは、自体で解決するのには、何といってもいわゆる運賃の値上げというか、運賃収支を増大するということだけで、それ以外に方法はございません。しかし、これは、対外的に、利用者に対して、大衆に対して、やはり影響がある。あるいはひいては物価全体にも影響が出てくるということでありまして、その調和をとるのが一つの補助政策というか、そういうか、そういうものだと思うのであります。そういう観点からするなら、単に赤字であるからこれはめんどうを見てやろう、その程度はやろう、しかし、経営自体がいいから、これは少し考えものだということだけでは、今日の踏切道改善ということにはならぬと思う。経営自体というか、たとえば踏切道を立体交差にした場合、これは何らの運賃収入というか、企業自体の利益は生むものではない。生むものではないのでありますから、そういう観点からも一つ考え、これはもう少し国として、全体的な立場から今日の問題を解決するということで、補助というか、そういうものをやるべきではないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○海堀説明員 非常に一般論になって恐縮なんでございますが、一般的に事業を許されているという私企業が、その許されているのは、やはり公共の福祉といいますか、安全といいますか、そういうものの中で許されているのでございまして、それが社会の変遷とともにその条件が変わってくるということはあり得ます。その場合に、自動車交通量がふえたのは、私鉄の責任ではないから、踏切を作らなければならなないのを国が助成しなければいけないというふうな考え方には、政府の現在の施策は立っていないのでございます。たとえば工場が非常に多くなったために河川が汚濁する。それがために非常にその水の害を受けるということで、汚濁水の規制の法律を出す。従来そういう規制をしてなかったのでございますが、各工場にその排水する汚水の量、性質を規制する法律が出ておるのは、御存じの通りと思います。これも初めに一工場の場合には、別にその汚水が出ることによって川は汚染しなかったわけでございますが、次々に工場が建っていく。それは初めにできた工場の別に責任ではないはずでございますが、そういう集積によって川が汚染するために、初めからございました工場も含めまして、その排水する汚水の性質を規制するということになって、これも各工場の責任において、国家の助成なしに規制をさしております。さらにちょっと例は飛ぶかと思いますが、いろんな集団生活のために、食品衛生につきましても、だんだんに基準がきつくなってきております。これなんかも、初めに食品屋を開いたときの設備では足りないように、だんだん法律上の規制が進んでおりますが、これもやはりそういう社会的な事情の変更に基づいて、公共の福祉に逆らわない範囲で営業を続けるという趣旨から規制されておりまして、これも各企業者の負担になっているのは、御存じの通りと思います。一般的に言いまして、そういうふうに私企業がある営業を続けるのは、やはりそこに与えられた条件が変更されれば、変更されたに応じた公共の福祉を守るための措置は、当然必要なんでございまして、原則的に言えば、各私企業の負担であろうと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、急速に整備を要する。しかも、その中の、自己の力だけではあるいはその整備に支障があるというものについて、特に国家が助成措置をとりましたのが、今回の措置でございます。
○久保小委員 あなたが工場汚水の問題をとられましたから、私も一つ例をとって申し上げたいのでありますが、私学振興法に基づいて、今日助成をいたしております。そういうことを考えると、やはり同様かと私は思うのです。さらにもう一つは、あなたの論法から参りますと、国鉄も含めて——国鉄はちょっと違うかもしれません。私鉄の問題になりましょうが、企業自体の責任で全部やるのが原則だ、こういうことです。原則をずっと広げていって、それだけだということになりますと、それじゃ、この企業自体がそういう設備をやるならば、自分たちの列車なり電車の運行は、極端な例ですけれども、その間はやめるということが可能かどうかという問題ですね。これは実際に言って不可能な話であります。それからもう一つは、さっき申し上げたように、一般の交通量が多くなって——これは踏切道というのは両方の共有でありますから、鉄道、軌道の通行量が多くなった場合の保安設備、これは当然鉄道なり軌道が考えることになりましょう。しかしながら、両方とも多くなって参りました。そういうところが問題が多い。そうなりますと、両部面においてこれはやるべきであって、企業自体が赤字であるからということは、理由には私はならぬと思うのです。赤字であるが、しかし早急にやらなければならぬから補助するというなら、この補助金は——いろいろ補助の形式もあるようでありますが、これは将来企業がよくなれば返してもらおうじゃないか、こういうことになります。こういう論法も、逆説として成り立つわけです。私は、そうじゃなくて、今工場の問題と鉄道、軌道の問題を同列に置くことは、実際どうかと思うのであります。いわゆる私企業の中でも、やはり公共的な立場を貫かなければならぬということが一つある。運賃にしても、一々これは認許可というか、そういうものがある。運行にしても、やはり運輸省というか、政府の免許というか、認可が必要である。営業の改廃についても同様、あげればこういうことがあるわけです。しかし、そういうことは別にしても、今申し上げた道路の交通と軌道の交通との両方の責任において解決しなければならぬと思う、しかし、道路の交通そのものは、これは残念ながら鉄道、軌道の経営とは関係がない。だから、その部面については当然国が助成をしていかなければならぬ事態だと思うのです。私は、あなたのおあげになった工場汚水の問題は、ちょっとぴんとこないのです。私学振興法というか、そういう法律があって、私学にも助成をしているようであります。これは学校教育、特に義務教育以外にも、いっていると思うのです。そうなった場合には、同じような立場から、私企業なるがゆえに、その授業料の値上げで全部やれというふうには御解釈にならないからやっておる。公共の福祉ということになれば、あまり区別がないだろうという論法にもなる。いかがですか。
○海堀説明員 今、公益事業というか、公共的な事業であるために、ほかと性格が違うというお話がございました。もちろん、いろいろな面の規制も受けておりますが、同時にまた一公益事業なるがゆえに、それが公益事業として成り立っていく保護を受けているはずでございます。たとえば自由企業であるならば、競争線が幾らできてもいいはずでございます。これは採算を考えたわけで、許認可の際に、必ずそれらが成り立ち得る条件のもとに許していくというふうに、公益事業なるがゆえの規制と同時に、やはり社会的な保護といいますか、そういうものも受けております。だから、直ちに、その事業についてあることをさせる場合に、国が補助すべきであるという結論にはならないのじゃなかろうかと思います。私鉄などをとりますと、相当高配当をいたしておるところもございますし、そういうものにつきまして、その私鉄が公共の福祉上必要とする施設、その事業を遂行するについて必要とする施設につきまして、国が全般的に助成しなければならないというふうには考えられないのでございます。 それから、道路との関連でございますが、これにつきましては、私詳しくは知りませんが、これはやはり道路管理者と鉄道の監督官庁と話し合って、適正な負担を相互にとるべき筋合いのものだろうと思います。
○久保小委員 あなたといろいろお話ししていても、なかなか尽きないのでありますが、先ほどおあげになった競争に対する規制がされているじゃないか、こういうお話がありました。大体御存じの通りだと思うのでありますが、これは成り立たないから、実際においては競争はないのですよ。これは草創の期にはございました。しかしながら、今日の時代には、一つの線路のわきにこれと競合するような路線を申請するものはない。交通業は、将来、どっちにしろ一本になるという特性を持っております。どっちが勝つか、負けるか、勝負しようというのなら、申請します。それ以外であったら、今日は出さない。たとえば最近の武州鉄道などは、競合路線のように考えているかもしれませんが、あれはそうではなくて、あのあたりを開発しよう。競合路線たり得るものでなくて、一つの開発というのです。これは鉄監局長に聞きますが、そういう面での保護は、最近ございますか。競合路線が出てきたが、企業が競合してどっちも成り立たないから、これは却下したというような例がございますか。
○岡本政府委員 今、詳細なデータを持ち合わしませんが、もちろん、仰せのように鉄道企業というものは莫大な資本金を必要といたしますので、めったにそういう事態は起こらない、かように考えております。
○久保小委員 ただ、未開発地区というか、全然ないとこには、競願という方法は当然に出て参りますよ。しかし、あるところには、無謀にもそういうものはあり得ないとわれわれは見ておる。もっとも主計官の方では、いろいろ事例があるかもしれませんが、それがありましたら、あとで参考のためにお教えをいただきたいと思います。 それからもう一つは、私鉄などは高配当しておると言われますが、私は、その面は税金で巻き上げろ、と言っては語弊がありますが、税金で吸収しろ、それだけ益があるなら、それに見合った税金をとる方法を考えてほしい、こう思うのです。高配当した面は全部吸い上げて、そしてこれをそういう面に継ぎ足していくということの方が、妥当ではないかと思う。この鉄道には補助する。一つには補助しない。しかし、この踏切一つとれば、踏切を改善しても、営業収入には何らの影響はない。ふえやしない。こういう実態がございますれば、消極的にならざるを得なくなる。そこに国の政治があると思う。だから、そういう利益の上がった会社からは、御遠慮なく税金をとっていただきたい。しかし、踏切道の改善については、公平の立場から国の施策としてやらせる。やらせるからには、やはり国として何がしかの助成をしていくというのが当然じゃなかろうか。計画を出して基準をきめて、お前はこの通りやれといっても、向こうは消極的にならざるを得ない。しかし、赤字なら補助してあげる、それ以外には補助しないというのでは、少し話が違うのではないかというふうにわれわれは考えているわけです。 そこで、次の問題に入りますが、自治省の方にお尋ねします。結局今度の促進法によりますれば、立体交差は、国鉄関係だけでも四百カ所といいましたか、それから建設省から出て参りましたもので参りますと、千八十八カ所というふうになるわけです。この立体交差を、いわゆる構造改善をするわけですが、これに対して、結局固定資産税の対象になるということでは、これは鉄道事業者にとっては大へんな苦痛だと思うのです。費用も分担しなければならぬ、固定資産税もとられる、それが多くなるということになりますれば、非常に問題が多いと思うのであります。ついてはこういう部面について——私は全体的に別な考えを持っておりますが、この部面だけでも、税金の対象から免除する、こういうことの方が、より促進の方向に向かうのではないか。当然地域に対してもやはり道路交通の改善になるわけでありますから、そういう面での考えも必要かと思うのでありますが、これに対して、どういうふうにお考えでありますか。
○佐々木説明員 踏切道改良促進法の規定によりまして、立体交差化計画によって建設されました立体交差化施設につきましては、今回の地方税法の改正におきまして、その立体交差化施設に対する固定資産税の課税標準につきましては、道路管理者が負担した金額につきましては、課税標準から控除するという方式をとりまして、本来の地方鉄軌道が、その線路施設として立体交差化施設を行なわないという場合においても、当然負担すべき設備費に対応するものについては、固定資産税を課税する、こういう方式に、今回の地方税法の改正で取り扱われることになったわけであります。
○久保小委員 私、うかつでまだ勉強してないのでよくわかりませんから、もう一ぺんお話しいただきたい。
○佐々木説明員 立体交差化施設を建設いたします場合には、それが道路の交通量その他の問題から、踏切を除却いたしまして立体交差にするわけでございますが、その場合に、道路管理者が負担すべき金額と、それから地方鉄軌道業者が負担すべき金額とがあるわけであります。それで現在の扱いは、その立体交差化の施設が、全体として地方鉄軌道の所有になっております場合には、その立体交差化施設の建設に要した経費全体が、固定資産税の課税対象になっておったわけであります。それを改正いたしまして、課税標準の金額からは、道路管理者が負担した金額に相当する部分を控除する。従って、地方鉄軌道業者が本来その立体交差化に要した経費のみを固定資産税の課税対象にしていくという方式にしたわけでございます。
○久保小委員 わかりました。結局これは改善といえば改善でしょうが、ここまでは当然のことなんです。道路管理者が負担した分についての費用に見合ったものは、課税対象から除くということになりますね。そうですね。これは道路管理者も共同負担でありますから、自分で金を出したものくらいのところは税金をとらぬ、これは当然だと思うのです。これは当然なことであって、私が言いたいのは、あとの地方鉄道軌道業者が負担した金額についても、これは免除していくべきではないか、こういうことなのです。それが当然ではなかろうかというのです。道路管理者が負担した分だけ課税対象から除くというのでは、どうも当然過ぎるほど当然の話であって、あまり新味がない、こういうように思うのです。これは概算して年間どのくらいの課税額になりますか。それはおわかりになりますか。
○佐々木説明員 この踏切道改良促進法の立体交差化計画に基づいて建設されます部分は、今後できますものについての問題になりますので、現在私どもが運輸省等から資料をいただきまして、算定いたしますと、この立体交差化計画が完了した場合におきましては、税額にしましておよそ一億程度の軽減というふうに考えております。
○久保小委員 それじゃ、課税額はどのくらいになりますか。軽減はわかりました。一億程度の軽減というのですが、課税される額はどの程度になりますか。
○佐々木説明員 私どもが計算しておりますのは、おそらく本来の課税額のうちの八割程度が軽減になるであろうというふうに予想いたしております。
○久保小委員 八割くらいというのだから、これは逆算すればわかりますが、われわれとしては、そういう政府が計画を立てて、しかも道路管理者との共同の責任でやるものが多いのであります。そういう場合には、道路管理者の負担分は除くというのは、これはそういう自治体が関係するところでありますから、当然ではなかろうかと思うのでありますが、少なくとも地方鉄道軌道が、あるいは国鉄が負担した部分についても、これはやはり免除して促進してやるのが当然ではなかろうかと思います。これは税収の問題にからむわけでありますが、今お尋ねすれば、全体としては大した額ではない。そういうことを考えれば、このくらいの積極さが必要だろう、こういうように私は思うわけです。 〔小委員長退席、細田(吉)小委員長代理着席〕 これは、いずれにしてもあなたの方は税金確保ということの係でありますから、これを軽減する方にはあまり賛成ではなかろうかと思うのでありますが、ただ問題は、先ほど来申し上げておるように、道路あるいは鉄道の交通を円滑化する、あるいは安全を確保するということが出ておるのでありますから、やはりそういう面での配慮は必要であろうと思うのです。そういう問題についての鉄監局長といいますか、運輸省は、どういうふうに考えられますか。あるいは建設省としてどういうふうに考えられますか。これを一つお答えをいただきたいと思います。
○岡本政府委員 税制につきましては、特にかねてから関係方面といろいろ折衝いたしておりまして、この立体交差化施設にいたしましても、先ほど自治省の方からお答えがありましたように、今回の地方税法の改正で非常に減税していただきましたし、また平面交差の場合の保安施設に対する固定資産税にいたしましても、これを免除していただくというふうに相なっておるのでございます。運輸省といたしましても、相当この面についての改善は見るべきものがあったというふうに考えております。
○高田説明員 道路管理者の側で負担いたしましたものにつきまして租税を課さぬという御方針については、私どもとしても、大へんけっこうだと思っております。
○久保小委員 私が申し上げておるのは、積極的な意味で、全体として課税対象から免除すべきであろう、こういうことがとられなくては、やはり政策として生きてはこないのではなかろうかという意味を申し上げておるわけです。大蔵省なり自治省なりは、また別の考えを持っておられるかもわかりませんが、国がいわゆる立体交差化の計画を立てて指定するのでありますから、こういうふうに直せというのですから、しかも、それは異議があれば言ってこいということになっておりますが、指定されれば直すのは当然であります。また事故でもできれば、先ほどのような裁判になります。国が指定をする限りは、国もまたその責任の一半は負わなければならない。地方自治体としても一半の責任はある。そういう面からいって、やはり税対象というものも、これは自分の責任ということも一つあるわけですから、これは全部免除するのがほんとうではなかろうかということで、お尋ねしておるわけです。それに対してどうかということなんです。鉄監局長、いかがですか。
○岡本政府委員 もちろん運輸省といたしましては、全面的に免除していただきたいという考え方は持っておりますが、政府全体としての財源に関する考え方もございますし、こういった改正でまずまず妥当であろう、かように考えております。
○久保小委員 時間もそうたくさんとれませんので、一つ建設省にお尋ねしますが、われわれの考えを先般非公式にお伝えといいますか、不完全ながらお伝えしてあったのですが、特に先ほど申し上げたように、前国会で成立した踏切道改良促進法は、時限立法だということであります。しかも、設置基準というか、そういうものは、半恒久的な性格を帯びながら、やはりこれに基づいて出しておるということでありまして、われわれとしては、先ほど鉄監局長が言われたように、やはり恒久的なものに置きかえて持っていかなければならないであろう、こういうふうに思うわけです。ついては、その中で、恒久的な立法とすれば、当然今の負担区分ですね。道路管理者と鉄道軌道事業者との間の負担区分というものは、大まかながらきちっとこの法律の中に定めることが当然ではなかろうかと思うのですが、そういうものの考え方については、いかがでございましょうか。
○高田説明員 道路と鉄道との交差の場合の費用の負担の割合は、現在のところ、御承知の通り、道路法で申しまますと、三十一条という条文がございます。それに基づいて協定をいたしております。現在の実務の実際からいたしますと、国鉄との関係においては一応協定ができておるわけでございまして、これについては、今格段の問題はないわけでございます。私鉄につきましては、確たる基準が決定を見ておらないのでございますが、しかし、随時運輸省の側と御相談を申し上げまして、今のところ指導をお願い申し上げて、個々別々にそれぞれ折衝をして、ほぼそれぞれの点において結論を得ております。今御どういう事態が起こりますか、あるいはお示しのごとくいろいろな問題が起こりまして、道路管理者の側との折衝上いろいろ困難な問題が起こらぬとも限りませんが、現在のところ、一応私どもの方の実情から申しますと、折衝は進んでおるわけでございます。その将来の状況を見ました上で、一つ検討させていただきたいと思っております。
○久保小委員 一つの法律を作って整備計画を示しながらやるという場合には、当然費用負担の問題が出てくるわけです。費用負担は、それぞれの国民というか、事業者に協議をするわけです。これはやはり役所同士の政府部内での協議では筋が違うじゃないか。国民に負担をかけるという場合は、しかも費用を出させるという一つの出発点は、法律に基づいて計画を立てるということでありますから、当然費用分担についても、これは国鉄、私鉄を問わず、あるいは道路管理者の立場に立って考えても、やはり費用負担というのは法において明記すべきであろう、こういうように私は思うのであります。単なる協定というようなことは、これは個々の問題でありまして、全体的にこういう計画を立ててやろうという場合には、少なくとも、費用負担の区分というのは、法律においてその大綱を示すべきである、こう思うわけですが、鉄監局長いかがですか。
○岡本政府委員 考え方といたしましては、仰せのような考え方もあろうかと存じます。ただ、現在運輸省といたしましては、地方鉄道法でもいろいろございますが、なるべくなら自主的な話し合いでうまくきまるものならば、政府があえて法律をもってその分担についての干渉をしなくてもよろしいのではないか、かように考えております。道路法のいろいろな規定の考え方もさようでございまして、もし万一そういう当事者同士の話し合いがもつれまして、いつまでたっても解決がつかないという場合には、主務大臣が裁定の労をとりましょう、こういう仕組みになっておるように受け取っております。目下のところではこれで差しつかえないのじゃないか。ただ先ほど建設省からお話がございましたように、やはり今後の問題として研究はさしていただきたいと存じます。
○久保小委員 研究するということでありますから、重ねてこまかく申し上げませんが、少なくとも道路法によるところのものは、これは個別の問題でありまして、もし紛争が起きた場合には、両省大臣というか、建設大臣が裁定を下すということで、これは当然だと思うのであります。たとえば鉄道事業者が、ある特定のものがこういう踏切を作るとか、あるいは道路管理者がここへ作りたいという、ついては、費用分担について紛争があるという場合には考えよう——自主的な話し合いはけっこうです。これはどこまでも道路管理者なりあるいは鉄道事業者の自主的な発意に基づくところの事業でありますから、それはそれでいいと思うのです。道路法の建前はそれでいいと思うのです。しかし、少なくとも計画を立てて整備あるいは基準をきっちりきめて、これを整備させるということになりますれば、費用負担というものは、やはり国民大衆の立場からすれば、当然役所同士なり個々の打ち合わせでなくて、こういうふうにしなさいという法律的な措置が当然理論的にもなければならぬと私は考えておるわけです。そういう点についても御研究願いたい。 それから、今度出ておる法律は、早い話が、道路法の三十五条ですか、何かにあるもので費用の問題はやるというふうに根源はなると思うのです。でありますから、従来、五カ年計画といっても、まあまあできるだけやろうじゃないか、こういうことであります。趣旨はそうでないということになるかもしれませんが、まあまあこの法律その他のものの考え方を通観しますと、できるだけやろう、従来と同じような筆法でやろう、こういうことであって、当面する踏切の改良についてはいかにも消極的である。助成についてのものの考え方は、先ほど大蔵省にもお尋ねをいたしましたが、どうもそういう点で、政府の責任というか、そういうものについて積極的なものがない。もっときっちりして、ほんとうに気がまえをして、やるならやるように法体系も改めるべきだと私は思うのです。 もう一つは、踏切道の改良促進法でありますから、今のような形でいいと思うのでありますが、踏切道には保安設備がございます。そこには人間の問題も出てくるわけであります。結局第一種の踏切自体、東京都内をとりましても、そこには必ず二人あるいは四人の踏切保安係というか、そういうものがついておる。これを度外視しての問題の解決はないと私は思う。ところが、今日これは道路交通の問題等もからんで、当然のごとく、本来ならば警察官が全部の踏切道に立たなければならない。ところが立つほどの問題ではない。と同時に、鉄道の列車の運行という問題に特殊な問題があるので、これは保安係にまかせておくというのがある。ところが、何らの法的な裏づけがない。列車に対しての問題はいろいろ内部規定がありましょうが、通行人に対しては、何らの、指示権というか、そういうものも与えられていない。去年の暮れでありますが、当委員会が見たところの踏切一つとりましても、踏切の保安係というよりは、道路の交通の整理員になっておるわけです。そうしなければ守れないというのです。これなどはどうとったらいいのか。これは交通警察官の職務権限ではなかろうかと私は見てきておる。たとえば踏切と踏切の間が非常に短い、片方は長くなっておる、踏切が二つ至近距離にあるという場合、単に上げおろしだけやっておればいいのだということでは、実際に通行、列車の運転を確保することはもちろんできません。列車をしょっちゅうとめなければならぬ。そういうことでありますから、この上げおろしは別にやっておるのでございますが、上げおろしの以前に交通整理をしている。結局最後尾の人がちょうどこの間に入るときになると、これを全部遮断しなければならない。これは実際いって踏切保安人の責任ではありません。本来ならば、道路通行なりそういうことから考えれば、これは実際いって踏切保安人の職務権限外ということになる。だから、気のきいた運転手がいて、お前何のためにとめるかと言えばそれまでです。しかし実態としてはこれをやらなければならぬ。さらに、もう一つは、狭いというか、踏切の幅より以上に通行量がある場合、両面にたまっていた場合に、門扉をあければ踏切警手としてはかまわないわけです。ところが、あけただけでは、線路の中間において両方が混雑してだめになるというか、さばき切れない。そのうちに列車、電車が来るということになった場合、その責任はだれが負うかということです。ところが、これはたまたま狭いので、片側は待っている、片側通行しろ、こういうことをやっております。やっておりますが、先ほご言ったように、通行人が法律をたてにして、これに詰問して、お前何の権限があって待たせるのかと言う場合に、これを押えることは実際いってできかねる。そういうことを考えて、当然、踏切保安人というが、そういうものについての条項も法律の中にきめて、やはり交通の円滑、安全という観点からもやるべきではなかろうかと思う。これは鉄監局長どう思いますか。
○岡本政府委員 運輸省といたしましても、仰せの点につきましてはかねて研究したことはございます。これを恒久法として立法いたします場合に取り入れるということに踏み切ったようなこともあったのでございますが、これを時限法と申しますか、そういう格好で取り扱いましたことと、もう一つは、踏切保安員というような制度を設けまして、そういったやや高度の責任、義務をしょわせて、はたしてやっていけるかどうかということについても不安がございまして、もっとこれは研究すべきだということで、ただいまのところでは留保さしていただいておるような状態でございます。将来これを恒久法にするような場合には、当然この問題も採用するかどうかについて、それこそ踏み切らなければいけない、かように考えております。
○久保小委員 責任の問題その他もあるから将来考えるというのでありまするが、現実に先ほど二、三の例をあげた通りの実態でありまするので、これはやはり、なるほどわれわれ自体も、踏切警手というか、踏切保安人に多大の責任を負わすことについてちゅうちょせざるを得ないのであります。しかし、実態としてはそうなのでありますから、これはやはり考えなければならぬと思うのであります。当然これは資質問題もある。資格というか、そういう要件も引き上げていくべきだと私は思うのであります。ついては、警察庁がおいでになっておりますから、交通企画課長に御所見を承りたいと思いますが、いかがでございますか。
○藤澤説明員 ただいま御質問の点は、踏切道における保安員がどの程度交通の整理規制を行なえるかという問題とからんで参ると思いますが、多くの場合踏切道におけるこういう車あるいは歩行者に対する保安員の処置は、いわば緊急の事態における処置でございまして、特に法律上の問題として明記することはなかろうとわれわれは考えております。ただし、今例としておあげになりましたように、二つの踏切が非常に接近して並んでおるというような場合におきまして、確かに交通整理的な、いわば警察官の行なわなければいけないような問題がございます。それにつきましては、今後警察官をそういうところに配置すべきであるか、あるいは踏切保安員に、どの程度の資格といいますか、あるいは権限を与えてそういう仕事をしていただくかということについて、検討はしてみたいと思っております。 〔細田(吉)小委員長代理退席、小委員長着席〕 問題は、そういう場合における事実行為だけの問題でなく、それに従わなかった場合の罰則の問題等もからんで参りますので、慎重に検討さしていただきたい、こういうふうに思っております。
○久保小委員 警察庁としては十分慎重に考えておられるようでありますが、われわれが考えているのは、警察官の職務権限を、ごく限られた一部ということで、指示権、通ってはいけませんという制止権は当然与えなければいかぬだろう。ところが今日何らそういう権限がない。踏切道が非常に混雑している。私があげた一つの例などは、当然片方には交通警察官を配置すべき地点だと思うのです。鉄道従業者の責任でやらすべきじゃない。しかし、またそれはなかなかむずしいと思いますが、そういうこともありますが、普通の閑散な踏切においても、心ない通行者も今日たくさんあるわけであります。これに対する制止権、指示権というものは最小限度与えるべきだと私は思うのです。それに対して処罰するかどうかの問題もありましょう。聞かなかった場合にどうするかということでありますが、これはまあいずれにしても、そういう権限の問題もありましょうが、あまりこれは過大に考える必要はない。また踏切保安人に権限を与えれば、当然責任というものがございますから、そういうものを負わせるならば過大に負わすべきじゃないという点から、制止権、指示権は踏切道内におけるところの問題についてだけは与えるべきであろう。これはもちろんいうところの一定の資格要件を付与すべきである。資格要件のないものをそういうものにする、今のような踏切警手、見ようによっては職種としては一番下だというふうな——ほかの職場で事故をやったら踏切に回せ、今日そういう気風はなくなって参りましたが、従来そういう気風でやっているところにも問題がある。そういうところにもある程度権威あらしめるという必要がありはしないか、こういうふうに考えておる。そういうことでありますので、御研究をいただきたいのでありますが、われわれは、やはりそういう人間の問題を含めなければ、ほんとうの踏切道における交通の円滑あるいは安全というものは確保できない実態ではなかろうか。今日踏切は大へん事故がございます。警手のいるところもございます。これはやはり資格要件その他が欠けている面がある、採用の方法も問題がある、こういうところでありますから、これの地位の向上というものもやはり法律の中できちっときめていくことがいいのではなかろうかと考えております。 そこで、時間もだいぶ過ぎましたから、それくらいにしておきますが、いずれにしても、われわれは踏切道改良促進法ができる際にもいろいろ意見を申し上げましたが、こういう交通の実態になってはちゅうちょを許さぬ、あるいは面子にとらわれることなく、関係方面にも御理解をいただいて、われわれは、近くこの委員会を通して、できるならばこの法律案を出したいと思うので、好意ある協力をしてもらわなければならぬ段階だと思うのです。これについてはあとでまたいろいろありますが、きょうはそういうところで終わりにします。
○高橋小委員長 肥田次郎君。
○肥田小委員 私は若干の時間をかりて質問をいたしたいと思いますが、先ほど海堀主計官の話を聞いておりますと、大蔵省の方ではなかなか金を出してもらえそうにない。ただここでいうところの受益者負担という概念ですね。これはどういうふうに考えておられるかということだけをお伺いしておきたいと思います。いわゆる鉄道の踏切におけるところの受益者負担という概念、これは、先ほどの工場の場合の水をよごす、河川を汚濁するというようなことはだいぶ考え方が違うように思うのです。ですから、この受益者負担という新しい概念について、どういうふうにお考えになるかということをお聞きしたいと思うのです。
○海堀説明員 受益者負担といいますか、それは道路との関係ということでございましょうか。——それはやはり道路も一定の目的を持ったものでございますし、鉄道も一定の目的を持ったものなので、立体交差によりまして社会福祉、人命の安全を守りながら相互の目的がよりよく達せられるという場合においては、両者がその分に応じて共同に負担していくということになるのだろうと思います。
○肥田小委員 具体的な例に対してどうだということをお聞きしませんから何ですけれども、ものの考え方として、たとえば地方自治体が一部負担をずる、あるいは建設省が分担するという、このものの考え方というものは、直接大蔵省から補助金として運輸省に向かって渡すような金になるのか、あるいはまたそうでなしに、地方自治体で、あるいはまた建設省で負担をするようになるのか、この違いはあると思うのです。けれども、受益者負担というその概念が出た以上は、先ほどのような考え方で、大蔵省当局としての従来の考え方はわかりますけれども、それだけでものごとを割り切られるということについては、いろいろと支障が出てくるのではないかということを考えるわけです。いずれにしても、大蔵省の方でうんと言ってもらうまでにはだいぶ根気がいると思いますから、このくらいにしておきます。 それから、これは鉄監局長と道路局次長にお伺いいたしますが、踏切道の改良ということの中で、従来ありました踏切遮断機の構造の問題ですが、遮断機の構造というよりも、敷設の条件といいますか、大体慣例によって今まではいわゆる鉄道用地内に遮断機が設置されておる。ですから、今はっきりした数字は忘れましたが、駅構内あたりでは若干広いところがありますけれども、普通の線路では、大体常識的には線路から二メートルぐらいですね。ですから、このことに対してのいわゆる規制ですか、こういう点についてお考えになっておるかどうかということを聞きたいわけです。というのは、いわゆる鉄道用地内の最大限の幅で遮断機を持ったとすると、俗に言うところの遮断機の中へ頭を突っ込む車、それから遮断機のすぐそばでじっと待っている一般の通行人、こういうのがずっとそこへ並ぶわけですね。だから、これをもう少し幅を広げて、線路から五メートルなり七メートルなりくらいの幅を持たしたところに、遮断機をかりに設置するような処置を講ずるということになると、トラックやいわゆる自動車が突っ込んできても、その間に相当間隔がある、こういうことが一つ考えられます。ですから、線路の二メートルぐらいのまぎわへ来てとまるという意識で車を運転してくるから、ときによって突っ込んでくる場合もある。それから、人にしても、遮断機が上がるとすぐ飛び出して、そしてすれ違いの列車にひかれるという事故が起きる場合もある。これらは、要するに、遮断機と列車が通るレールとの間隔が少し狭過ぎるのじゃないか。だから、踏切道に限っては、そういう点を少し考慮して遮断装置をする必要があるのではないか、こういうことを考えます。ですから、これは早急にどうこうというわけにはいかぬと思いますから、今何か検討されている点があれば一つお伺いしておきたいし、それがないのならば、将来そういうことも一つ検討していただく。当然これについては、この費用の分担といいまするか、それらを——それがために、地域的に、いわゆるこの遮断機を設置する用地の買収の負担、あるいは提供の関係、こういうものが出て参りまするから、当然建設省、それから当該事業者、運輸省、こういう関係で検討される問題がたくさん生じて参りまするので、この点についてお考えがあれば一つ聞いておきたいと思います。
○岡本政府委員 実は不勉強でございまして、今日、初めてお伺いいたしました新しい御意見でございますので、十分研究さしていただきたいと思います。
○肥田小委員 時間もありませんから、質問を終わります。
○高橋小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十三分散会