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40回国会衆議院1962/04/17

運輸委員会観光に関する小委員会 第3号

発言数
62
登壇者
16
会派数
2
開催日
1962/04/17

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。  本日は、観光に関する件、特に国土美化促進に関する問題について、御出席の参考人各位より御意見を承ることといたします。  この際、参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席下さいまして、まことにありがとうございました。本問題につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本問題の調査の上に貴重な参考に供したいと存じます。  本日の議事について申し上げますと、議事の都合上、まず、各参考人の方々から約十分程度の御意見の開陳を願うこととし、全部の参考人の御意見の開陳が終わったあと、各小委員から参考人の各位に対し質疑を行なう予定でありますから、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。なお、発言は、小委員長の指名順に御発言を願うことといたします。  なお、戸塚参考人は、所用のためおそくおいでになる、大体十二時前後だと思いますので、小委員の質疑の途中で御意見を聴取する場合もございますので・あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。  なお、参考人の御都合によりまして、議事の順序が多少変更する場合もございますから、議事の進行につきましては、小委員長におまかせ願いたいと存じます。  それでは後藤参考人よりお願いいたします。後藤文夫君。

後藤文夫財団法人新生活運動協会常任理事

○後藤参考人 私は、ただいま委員長から御紹介のございました後藤文夫でございます。新生活運動協会の役員をいたしておりますので、この委員会に出てお話を申し上げるようにというお招きをいただきまして、まことにありがたく存じておるわけでございます。  国を美しくする運動といったようなことは、あらためて私がここでくどく申し上げるまでもないことと思いますが、国会の方でこの問題をお取り上げいただいて、国民全体に対してこの運動に対する大きな刺激をお与えいただくことができますれば、非常なしあわせであると考えておりますので、出席してお話しする機会をお与えいただきましたことを心から感謝いたしております。  日本の国土は、元来きれいな国土であるとわれわれ自身が誇りとしているだけでなく、世界各国の人たちがうらやむほどのものであります。ただ、この国土が、どうも近来の日本人の生活のよくない習慣と申しますか、むとんちゃくと申しますか、そういうことから、ずい分きたなくされる事実がたくさんございます。皆様方がこれじゃいかぬということはわかり切ったことで、言うだけやぼのようなことでありますけれども、さて、なれてくると、何となく関心が薄くなるというようなことで、日に日にきれいなところがきたなくされる事実がございます。この機会にこれを改める大きな空気を巻き起こしたいものである。国民みずからがわかり切っておって、やらなければならぬと思っておることでありながらも、何となくその実施が十分にいかないというのでは、このままほっておきますれば、かえってきたなくなったことになれっこになるふうな傾きがありますので、新生活運動協会では、とにかく一つ声を上げて、一般の関心をもう一度大きく呼び起こしてみたいということで、この運動を新生活運動協会が声を立てて言うことにいたしたようなわけであります。  申すまでもなく、この運動は、国民一人々々が自分で自覚をして自分でやっていくということが、第一の条件であります。だれかやれといってやらせられるという問題ではなくして、自分たちがみずからやるという機運が起こることが第一で、国民の心がまえがここで新たになって、国土をあらゆる角度できれいにしようということにならなければならぬと思うのであります。しかし、それと関連しまして、やはり政治、行政方面の働きも、大きくこれに呼応していかなければならぬ。また、ものによりましては、行政の働きがむしろ先行しなければならぬことがたくさんあると思われるのであります。それがどうも十分にいっておらない。国民の方でやりたいと思ってもやり得ないというような場面が、行政関係ではたくさんでございますので、こういうことについても、行政方面の注意を十分に喚起をしていただきたいと思うのでございます。  この国土美化ということ自体は、日本人にはむしろ性分に合ったことで、日本人こそきれいにする、清潔をとうとぶ民としてわれわれの誇ってきておったところであります。また、実際、いろいろな面で日本人はずいぶんきれいにすることが好きなことは、事実であります。これがどういうものか、公衆の集まる場所になると、この日本人のいい性格がぼかされて、かえって逆にきたなくすることを一向気にかけないような風が見えますことは、必ずしも日本人の本来の性質からきたものではない。よく人は、こういうことについては、一種の日本人の国民性が、どうも自分のうちだけはきれいにするけれども、一歩外に出ると、外をきれいにすることはしないんだということを言うのでありますけれども、必ずしもそういうことではなかったと思います。古来、日本人が自分の家の周囲をきれいにするとか、自分のうちの前をきれいにするとかいうことは、やってきたことであります。ただ、近来は交通が盛んになり、自分の郷土を遠く離れたりして、自分の郷土であり、自分のうちであるという感じを持ち得ない場所に大ぜいの人が集まってくるということですから、きたなくすることを気にかけないような一時の風が起きておるのではないか。これは、各方面がこの際一斉に力を合わせて、またきれいにしようじゃないかという機運が起これば、この習性は必ずしも直りにくいものではないと私は思うのでありまして、国土美化運動は、何も新生活運動協会が唱えてみんなに呼びかけて、それでやってもらうというのではなくして、やがては国民自身のほんとうに心から出た習慣ということになすこともできようと思いますので、どうか今申したような点につきまして、国民に対して、国会の皆さん方がほんとうに国民の指導的なお立場におられ——国会の任務を私が申し上げることはありませんけれども、国会からの呼びかけというものは非常に大きな力があることと存じますので、この機運と空気とを盛り上がらせて、国民みずからも、また国民のために奉仕する役目を持っております行政の機能も、これに呼応して、この際一つ国土美化という問題を大きく推し進めていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。今後二年半ばかり先には、オリンピックの国際競技が東京で行なわれますので、その機会には、外国の人たちも大ぜい日本に参るわけであります。お客様が見えるということであれば、うちをきれいに掃除をしておくのが日本人の昔からの心がけでございますので、こういう機会に、日本の国土をきれいにするという機運を巻き起こして、これを末長く続く習慣にするということにいいチャンスでもあると考えますので、新生活運動協会が、やはりこの機会をとらえてこの運動を呼びかけましたのも、さような意味もあるわけであります。どうぞ皆さん方におかれましては、申し上げるまでもありません、よくおわかりをいただき、また御熱意を持っていただいておりますことと存じますが、この上とも一つ十分なお力添えをお願い申し上げたいと考える次第でございます。  簡単でございますが、私の話はこれでごめんをこうむりたいと思います。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 ありがとうございました。次に、三橋繁治君。

三橋繁治東京都下谷清掃事務所職員

○三橋参考人 東京都下谷清掃事務所の三橋でございます。  便所がどうもきたないというような意見でございます。今水洗になっておりますけれども、水が足りないので、——出してもらえば一番いいと思っております。水がないのが一番困ると思います。四月、五月ころまでは人間が多く出ますから……。水をもっと出してもらえばいいと思います。今水洗になっていますけれども、家庭のようなああいうやり方だと、たまったのがあふれちゃってしようがない。もっと深くやって水を出して、ずっと流れるようにしてもらいたいと思います。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 三橋さん、あなたがこういうお仕事をなすっていて、こういう点がけしからぬ、こういう点をこうしたらいいじゃないかというようなことを、ざっくばらんにおっしゃって下すってけっこうですから、一つやわらかい気持でやって下さい。

三橋繁治東京都下谷清掃事務所職員

○三橋参考人 便所の数をふやしてもらいたいです。今のところ、人が出るので足りないで……。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 数が足りないということが致命傷なわけですね。

三橋繁治東京都下谷清掃事務所職員

○三橋参考人 はい。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 それじゃ、また委員からいろいろ御質問がありますから、そのときまたいろいろ御質問に答えてもらうことにして、そのほかに、何かこういうことをしてもらいたいとか、こういうことをすればいいということは、どうでしょうか。

三橋繁治東京都下谷清掃事務所職員

○三橋参考人 今の共同便所について、今人が多いので……。家庭用の便所のようなあれならばまずいから、コンクリートで下にぐっと流れちゃうようにすればきれいになるんですが、ただ水が少なくて……。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 それでは三橋さん、あとで委員の方から具体的な質問も出ると思いますから……。どうもありがとうございました。  次に、岩切章太郎君。

岩切章太郎日本観光協会運営審議会委員

○岩切参考人 岩切章太郎でございます。国民運動には、旗を振る者とその旗のもとに実際にやる者と両方がいると思いますが、私は、いなかで実際にやる方の側を担当いたしておりますので、ささやかなことでありますが、実際にやりました実例を具体的にお話申し上げまして、何かの御参考に供したいと思います。  紙くずの問題が、非常に大きな問題としてクローズ・アップされて参りました。私、宮崎で「こどものくに」という遊園地を持っておりますが、平常二、三千人、多いときには七、八千人入る遊園地でございますが、入った皆さんから非常にきれいだ、紙くずが一つもないと言っておほめをいただいておるわけであります。初めからこういうわけではなかったので、終戦後などはずいぶん苦労いたしたのでございますけれども、何とか一つ戦ってみようじゃないかといって、散らかすと片づける、いたんだものは修理をする、けがれたら塗る、こういうことを実行してみましたところが、だんだんきれいになりまして、しみじみと人をとがめたらだめだ、やはり自分でやるほか仕方がないということを痛感いたしまして、非常に元気を出しまして推し進めて参ったわけであります。  広告が一つもないというので大へん御評判をいただいたわけでありますが、なぜ広告をとらなかったかと申しますと、広告のない遊園地を一つ作ってみたいという希望もございましたのと、もう一つは、どうしても広告をいただきますと、勝手に塗りかえができない、広告がなければ勝手にいつでも塗りかえることができますので、そういうことになって参ったのでありますが、一番困りましたのは紙くずかごでございます。紙くずかごがないと、幾らきれいにしようといってもどうにもならぬのでありますが、紙くずかごは非常に景色のじゃまになるのであります。多くなければ役に立たない、多くするとじゃまになる、この矛盾をどうして解決しようかと思いまして、いろいろ考えました結果、薄い緑で塗りまして、半分地下に埋めるということをやってみました。そうすると、たくさんちり箱を作っても、景色のじゃまにならない。ちり箱というものは、遠くから見える必要はないので、紙を捨てようというときにそばにあればいいのでございますから、それが大へんしあわせになりましたわけでございます。  もう一つは、初めはみんな散らかったあとで片づけておったのであります。しかし、こうなりますと、いつまでたっても片づきませんので、途中で片づけるという方法を実行してみました。たとえてみますと、子供が弁当を開きますと、その付近に集まったおばさんたちがずっと片づける。初めの子供は散らかしますが、あとの子供はおばさんと一緒に片づける。こういう習慣をずっと続けておりますうちに、みんなが片づける習慣ができました。私は、デモクラシーというのはいい習慣を作ることだと承っておるのでありますが、そうしていい習慣をつけますうちに、いつとはなしにそういうことになって参ったような気がいたします。近ごろでは、学校の修学旅行がきますと、先生が別れるときに、これは「こどものくに」だから、もし散らかすと笑われるぞ、こう言っていただきます。そうしますと、子供が散らかさずに片づけるようになります。そういうことから、私は、こういう結論を出しておるわけでございます。育ちのいい子供というのは——あの人は育ちがいいという人がございますが、育ちがいいという人は、いつもきれいなととろにおりますから、きたないということが非常に気になる。だから片づける。育ちの悪い人は、子供のときから非常にきたないところにおりますから、きたないということに無関心である。従って、平気で散らかすのではないか、こういう感じがいたしました。でございますから、一つきれいなところを作りますと、子供が育ちがよくなる、きたないことがいやになる、こういう傾向になるのではないか、こう思いまして、近ごろでは、宮崎市に橘公園というのがあります。それも、大へん子供が散らかさなくなりましたのは、育ちがよくなったのではないかと心ひそかに喜んでおるわけであります。  もう一つは、今も掃除のことをお話をいたしましたが、病を病なきに治すという言葉がそのままずばりでありまして、散らかしてからあとでは、子供たちはきたないということになれてしまいます。でありますから、ちりかごにいたしましても、ちりかごの中に一ぱい入っておるときたなくなるのでありますから、ちりかごも、いつも片づけておかなければならない。そうしますと、非常にきたないということに敏感になりまして、美しくするということに非常になれてくる。こういうことで初めて私は美しい環境ができ上がるのではないか、こういうふうに考えます。結局は、まず美しい環境を作り上げて、きたないということがいやになるような習性をつけるということが根幹になるのではないか、こう考えて、ささやかな努力をいたしておるわけでございます。  しかし、何と申しましても、これには相当費用が要りますので費用をうんとかけることが必要なのでございますが、この前も、東京の宮城前の広場は紙くずが一ぱいだと新聞紙上に出ましたけれども、あれももしいつもきれいにしてありまして、ことに多いときには特別なアルバイトを雇いまして、一人入りますと次の人が入るのでありますから、入らないようにしておきますと、私は自然にきれいになるのではないかという感じがいたします。散らかすものは紙くずばかりでございませんで、たとえば野立ち広告——日本くらい広告の多いところはないのであります。野立ち広告の問題も、各県で野立ち広告の条例ができておりますけれども、それを実行する予算が足りませんために、どこか一つ出ますと、それをすぐに撤去させるといいのでありますが、きれいなところに一つ出ますと、非常に効果的ですから、ほかの広告業者に誘惑を感じさせます。そういうときに、片っ端から処理されれば、よくなるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけであります。  もう一つは、美しいものをますます美しくするということでございますが、これは一つの自然林がありますと、自然林の美しい景色がございますから、それをもうちょっと手を入れますと、大衆がわかるような美しさになります。そうしますと、次々に美しいものができてきますので、私は、切り出しと植え足しという方法で、そういう仕事をいたしております。今までの日本の景観は、点から点というのであったのでございますが、それを今日は点から線に広げなければならないのではないか。さらに、その点から線に広げたのが面にまで広がって、初めてスイスのような美しい国土ができるのではないか、こういうふうに考えて、いなかでささやかな努力をいたしておるわけであります。  こういうやさきに、本委員会のような先生方が大きくこの問題を取り上げていただいて、一つの世論を起こしていただきますことは、私はほんとうにありがたいことだと思っておりますが、どうぞその勢いで強く世論をかき立てていただきたい。国土美化ということは、非常に大きな問題でございますから、先生方のお力で、できるならば、総理大臣の施政方針の中に一言言及していただくところまでお進めいただきますならば、きゅう然として日本の国土が美しくなるのではないか、こういうことを考えておるわけでございます。先生方のお骨折りに心からお礼を申し上げまして、今後の御健闘をお願いいたします。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 ありがとうございました。  次に、ダンパー参考人にお願いします。フレッド・ダンパー君。

フレッドダンバー株式会社朝日イブニングニュース社嘱託

○ダンパー参考人 私はダンパーと申します。私の日本語はわずかの言葉しか知りませんけれども、これを繰り返して使うことにしていますから、聞き苦しい点がありますけれども、一つよろしく認めていただきたい。  実は私は日本に来て、もう十六年になります。十六年の間、好意的に私は日本全国を見させていただいております。北海道から南は沖繩まで、ほとんど各地を歩いております。いろいろ各地を見ますと、きたないところもあればきれいなところもあります。そのきれいなところというのは、なぜそういうようにきれいになったかということを考えさせられます。たとえば日本のことわざでいえば、お金はお金をかき集めるということがあります。これは日本だけではなくて、世界中の共通のことだと思います。そしてもう一つ、世界中の共通の問題として、ごみはごみをかき集めるということが、これはどこでもあるのではないかと思います。それですから、きたないというところは、東京を例としますと、東京といえば大都会だから、人間が多いのだから、こういうところはごみごみするのはしようがない。そのしようがないというのをほっておけるかおけないかということを、私は考えなければならないと思います。なぜならば、東京駅でも、狭い暗いところではごみが集まる。けれども、同じ東京駅の中でも、地下鉄というものがあります。あそこは広々として明るくて、そうきたなくはございません。皆さんここにすわっておられても、机の上に灰皿がある。もし灰皿がなければ、床の上にタバコを捨てたり、マッチを捨てたり、そういうことは日本人だけではないのです。どこの国の人でもそうするのです。日本人は公衆道徳は知らない、こうおっしゃっておられるけれども、私としては、日本人みたようにきれい好きな国民はないと思います。ほんとうにきれい好きであります。ですから、きれいにしようと思えばできるのです。現在でもすでにやっています。ただ、そのチャンスを与えるか、与えないかの問題だと思います。たとえば、けさの朝日新聞に、銀座の方では自治会の長が人を雇って清掃している、掃除をさせておるということが出ておりました。それでありますから、その気持自身が起きるか、起きないかということが、問題ではないかと思います。  それで、私も参考人に立たされて、いろいろ外国の例を聞かれるのだと思いますけれども、外国の例が日本に適しておるか、適していないかというのは、これは問題にもよりますけれども、外国には、議員たちも、いろいろ僕よりもっともっと専門家の方々も、各国を回っております。すでにいろいろな書類も出ております。それを結局参考になさるか、なさらないかということが、一番問題ではないかと思います。たとえば外国を例にしますと、外国では道徳というよりも、罰金制というのが相当あるということであります。日本では、まあどう言いましょうか、デモクラティック過ぎると思います。認め過ぎると言いましょうか、法があんまりきびしくはございません。たとえばパークしても、罰金取られるときと取られないときと——のがれるとうまい工合に法をのがそうというところの、法をのがれるのを認めている、というふうではなくて、まあやさしく法のがれをやれるというところがあると思います。たとえば、僕は今井町に住んでいます。あそこには今度オリンピック道路というものができるようになるのです。そのオリンピック道路ができるというので、そこに住んでいる方々は、ある一部分の人はもうすでに立ちのきをして、そうしてこわされて、もうこれは空地になっております。けれど、片っ方の方では増築をされているんです。なぜ増築されているんでしょうかというと、やはりそれだけの立ちのき金をもっともらえるから、そういうふうに増築されているんです。そうしてそれは正々堂々と、どこかの許可証をもらってやっている。どこの許可証か知りませんけれども、それはやはり正式の許可証と思います。それを立てて増築しておられるんです。それですから、そこの法の曲がりというものを許されるということが、これは一番いけないんじゃないかと思います。それは今井町の方だけではなくて、明治神宮の方でも、きのうも見てきましたのです。  それから外人として日本に来て、結局きたないうといふうに言われるところがあっても、美しい、美しいといって帰られる人が一番多いのです。なぜかというと、やはりきたないところは日本だけではないのです。外国にもあります。皆さん外国に行っても見ておられると思います。それですから、法というものは、まあ少し甘やかし過ぎているという点があると私は思う。外国では、どう言いますか、何か道かどこかでけがさせた場合なんかは、人に害を与えた場合には、結局賠償金というものを相当取られるんです。それですから、そこにごみを置いて、そうして不衛生で病気になったら、そこに置いた者は、結局法律で賠償を取られるんです。そうして賠償金といっても、日本みたいにわずかの、ほんとに最低限度ではなくて、相当莫大な金額になるのです。そこの金額の差で、甘えさし過ぎているということではないかと、私は思います。  もう一つは、日本ではどこに訴えたらいいかということが、一つのわからない点があるのです。たとえばこういう議会の方では、私は初めて述べます。けれど、同じテーマで私は過去五、六年間にいろいろの会に出席しました。同じことを繰り返して話してます。けど、これが届いているか届いていないかということが疑問になるのであります。それですから、これは、実行したいか、実行したくないかというのは、結局各人の、日本人全体がやるべきことではないかと私は思います。  ざっくばらんとおっしゃられたので、私はざっくばらんで話しました。どうも恐縮。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 次に、山下参考人にお願いいたします。山下三郎君。

山下三郎日本国有鉄道東京鉄道管理局職員

○山下参考人 皆さんおはようございます。私、現在東京鉄道管理局東京車掌区の所属でございまして、東海道線に乗務しております。現在経歴二十三年でございます。私は、車内の清掃美化という立場から申し上げてみたいと存じます。  皆様から車内が非常にきたないと常に言われておるのでございますが、全くその通りでございます。私ども国鉄では、車内清掃の態勢を整えてやっておりますが、なかなか思うようにいかないのであります。そのために皆さんからいつもきたない、きたないとしかられておるのでございますが、そこでまず最初に、車内がどのような形においてよごされているかという、その実態を申し上げ、次に、国鉄はそれをどういうふうにして掃除しているかということを述べまして、最後に、私なりに考えましたことを御参考までに申し上げてみたいと存じます。  列車や電車の中がどのようにしてよごされているかと申しますと、日本人は、どうも通勤のとき以外汽車や電車に乗りますと、ものを食べる人が非常に多いのでございます。ことに行楽の旅行をされる方、それから遠くの方に旅行をされる方、そうして家族連れで旅行をれさる方、しかも、その中でグループや団体で旅行される場合が、最もよごし方がひどいのであります。それは私どもも、また皆さんもそうなんでございますけれども、団体やグループで旅行をしますと、お互いにいろいろな御馳走ものを用意してきまして、それを車の中で皆で分けあって食べて楽しむという形になりますので、そうすると、旅の車内は非常に楽しくいくのでございますけれども、あとの食べがらが非常にたくさん出て参ります。その人たちの召し上がるものは、大体まず弁当、お茶を筆頭にしまして、酒、ビール、それからジュース、サイダー、くだもの、お菓子類、ゆで卵、アイスクリーム、チューインガムなどであります。  それらの食べがらが今度はどのようにして捨てられるかと申しますと、中にはきちんとして非常によく始末して捨てていただく方がございますけれども、次に申し上げるような捨て方をする人が大勢あります。  まず、弁当の食べがらはどういうふうにして捨てられるかと申しますと、食べ散らかしのまんまで、ひもでくくらないでいすの下にほうり込んでしまう。お茶は、せっかく飲もうと思ってお買いになったのでございましょうけれども、飲まないで残ったまま、いすの下やそこらにほうり出したままでございます。それからくだもの類なんかは、駅や車内で売っている品物には必ず紙袋がつけてあるのでございますけれども、その袋はそのままどこかへほうり散らかしてしまって、食べた食べがらは、もうそこらへ皮なんかもほうり捨ててしまう。中にはひどいのになりますと、ミカンを食べまして、その一袋々々食べたやつをあちこちばらまいて捨てられるのでございます。ブドウの皮を一つずつもいでぽんぽんぽんぽんそこらへまかれるのです。それから今度は、アイスクリームの食べた食べがらというのは、まずふたをとりますと、ふたをぽっと捨てられる。アイスクリームのふたの裏にはクリームがついてておりまして、これがぺたっと床についてしまいますと、なかなかはがれないのです。それから菓子のあき袋、あき箱なんかは、みなそれをそのままそこらへ散らかしてしまいます。そしてチューインガムなんかは、最近ではだいぶ紙に包んで捨てる方が多くなっておりますけれども、まだまだそのまま吐き出してしまう方がある。一番困りますのがゆで卵のからで、これをぽろぽろと欠いて、それをそのままそこらへ落とされてしまいますと、そのからが伏さったままで床に落ちますと、なかなかとれないのです。一つ一つ拾わないととれない。ほうきで掃いてもとれないのでございます。そういう実態で、だんだん車内がよごされて参ります。それで、たばこを吸う人は、灰ざらが目の前にありながら、またすぐそばにありながら、その中へ吸いがらを落とさないで、そこらへ捨ててしまわれる。それで汽車の中が混んでいようと、混んでいまいと、幾ら混んでいても、禁煙という札がなかったら、ぷかぷかやられまして、その車にいる人は、煙幕の中にいるような状態になってしまいます。  それからこれはちょっと余談でございますけれども、ジュースやビール、ウィスキーなどを飲まれたからを窓から捨てる人がある。これはいつの日でしか、平塚付近だったと記憶いたしまますが、行き違いの湘南電車の窓ガラスを割ってしまいまして、運転士がけがをしまして、非常制動をかけてやっと難をのがれた。あるいは踏切で待っていた人にぶつかってその人がけがをした、線路工手がけがをした、そういう例がたくさんございます。そのうちに、飲んで歌って、今度は大トラが出てくるし、そうかと思うと、今度は洗面所あたりへ行って、洗面器の中にやってしまわれる。ひどいのになりますと、つば吐きの中にやられまして、これは管が細いので、すぐ詰まってしまうのです。途中駅で通すといっても、細いのでなかなか通りませんので、結局その車に乗っているお客さんたちは、洗面所を使うことができない、そういう状態になってしまいます。それから今度は、電車なんかでございますと、電車は車掌がなかなか回っていきませんので、これは終着駅に着いて駅員が発見するまで掃除されないんです。そうしますと、その車のお客様は、あの臭気ふんぷんとした感じの中で、結局終着駅まで持っていかれてしまう、そういう状態でございますので、これはもう汽車に酔って、あるいは電車に酔ってもどされる人は別でございますけれども、酒に酔ってもどされる方は、先ほどフレッドさんがおっしゃっておられましたが、ほんとうに五百円ぐらいの科料処置もいいのじゃないかと思うんです。やはり酒を飲んで自分の気持が悪そうになりました場合は、とにかくどこかでおりて気持をよくして、それから乗っていくくらいの気持があってもしかるべきじゃないかと考えます。  それから長距離列車の場合なんか、込んで参りますと、通路に新聞や雑誌を敷いてすわり込んだり、寝込んだりしているようなお客さんがある。そして、これは四等寝台だと言っていばっておられます。そういう状態で鹿児島発の「霧島」なんかの例をとりますと、九州線が満員で、そうして山陽線が満員で、先ほど申し上げましたような状態でよごされてしまって、通路に寝られて、それで東海道がさらに満員でございますと、次に私申し上げるのでございますが、国鉄が幾ら掃除しようと思っても、どうしても掃除ができないのでございます。  では、私ども国鉄ではどのようにして掃除をやっているかと申しますと、数年前までは、各客車区や駅で国鉄の職員の手で掃除しておりました。汽車や電車の中には列車手というものが乗務しておりまして、すいている区間を見てせっせと掃除してきたのでございます。ところが、国鉄も人件費が切り詰められました関係上、やむなくこの清掃業務を民間の業者に委託しました。そうして客車ヤードの掃除も、それから車内の掃除も、みんな民間清掃会社の清掃員が乗り込んでやっております。このやり方は、各列車ごとに清掃を必要とする区間を統計的に見て指定しまして、これを本社は各支社に指定して配分し、これをさらに各局に指定し、各局は今度は責任駅、区をきめ、また清掃会社にその業務の量を指定しまして、これに労賃を決定して役務契約を結んでおるのであります。ところが、先日この役務契約をやっておるところに行きましたところが、現在その労賃と申しますのは、労働省の基準による四百八十円でやっているそうでございます。これをこえますと、会計検査院からしかられるのだそうです。そのために、結局四百八十円、月二十五日で計算しまして一万二千円でやります。そのために、一万二千円ですと、現在東京あたりで掃除しているのをごらんになって御承知と思いますけれども、腰の曲がりかけたおじいさんや未亡人のおばさんたちを雇うのが精一ぱいだそうでございます。そういう人たちで掃除をしてもらいますと、わずかな折り返し時間で、湘南電車などを掃除するにはとても間に合わないのです。それで非常に困っているそうでございます。  それから、給仕の乗っております車は、それぞれその乗っております給仕が清掃しております。先生方はみな特別一等車、寝台車に乗っておられますので、この給仕が掃除しておりますから、あまりきたない車には乗っておられないと思いますけれども、まず給仕の乗っております車は、現在のところ、どうにか掃除はできておるようでございます。  次に、私なりに考えました車内の美化対策に関して、申し上げてみたいと思います。  座席定員で、あるいはそれに近い乗車状態で列車が運転されている場合は、ただいま申し上げました国鉄の清掃態勢で、何とか掃除もできるのであります。しかしながら、季節的に混雑する時期のことを考えますと、どうしてもこれはお客様方に協力していただくほかはないのであります。先ほども申し上げましたが、たとえば鹿児島発の急行「霧島」の場合を見ましても、九州線、山陽線、東海道線、全部が満員でございまして、全く掃除する区間がなく、また、先ほど私が車内のよごれ方を申し上げましたが、そういうよごれ方でよごれた車内で、東京までお客さんは来てしまいます。ほんとうにごみ箱同様の汽車にお客さんを乗せて、東京まで来るような始末になってしまうのでございます。先日、この四月、五月が旅客サービス向上運動を国鉄は実施しておりますので、東京駅で列車に乗り込み清掃をやっていただく人たちの職場に行きまして、一つまた今年も旅客サービス向上運動をやっているから、御苦労さんですけれども一生懸命きれいにして下さいねと申しましたら、専務さん、国鉄は私たちにばかりきれいにしろ、きれいにしろ、掃除しろと言うけれども、お客さんがあんなによごされたんではとっても追っつきませんよ、なぜ国鉄は、お客さんたちにももう少しよごさないようにと言ってくれないのです、と言われました。もちろん、私ども、国鉄、あるいは交通道徳協会、新生活運動の方々から呼びかけていただいて一生懸命やっておりますけれども、やって下さらないのはお客さん方なんで、それを言おうかと思いましたけれども、いや、おっさん、済まないけれども頼むよと申しましたが、この声は、ほんとうに実際に掃除しているおばさんたちの心からの願いだと思うのです。消防ポンプを幾ら作っても、火事をなくしなければ何の役にも立ちません。汽車の中のごみもやはりその通りではないのでしょうか。私は、あの修学旅行の電車とその生徒さんたちを見ていただきたいと思うのです。引率される先生方の指導力によって、学校ごとに多少の差はあるのでございますけれども、車内をよごさないようにする、きれいにしようという点において、少なくとも八〇%から九〇%の成功をおさめております。従いまして、団体で旅行される方、あるいはグループで旅行される方たちは、団体で旅行される方はその幹事さんが、グループで旅行される方はそのリーダーとなる人が、また家族で旅行される方はそのお父さん、お母さんたちが、この先生と同じように指導されたなら、ずっと汽車の中はよくなるのじゃないかと思うのです。また、国家全体で考えました場合には、国民はこの修学旅行電車の生徒であります。政府や国会議員の方々は先生です。私は、この政府や国会議員の方々、すなわち先生方が、国民を引率して、この国民の生徒の指導に率先して当たっていただいたならば、おそらく日本の全列車が、修学旅行電車と同じように、少なくとも汽車の中を美しくするという点においては成功するのじゃないかと考えるのであります。  大へん失礼いたしました。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 ありがとうございました。  次に、藤原参考人にお願いいたします。藤原保君。

藤原保東京都上板橋緑地事務所東京都技師補

○藤原参考人 皆さんお早ようございます。  私、東京都上板橋緑地事務所に勤務しております藤原と申します。私は、常々外部にばかり勤務しておりまして、皆様方のようにすらすらと演説のようなことをすることはとうてい不可能なことでございまして、ところどころ詰まりながらも、自分の過去数年間やり来たったことを少しばかりお話しして、参考人としての職責を果たさせていただきたいと思っております。  私は、東京都に奉職させていただきまして、もはや三十年近くにもなりますけれども、至って何にもわからないものでございまして、ただただ上野公園に昨年までおりました関係上、上野公園の荒れる、よごれるという声がたまたま大きく聞こえてくるのでございます。それならば、上野公園はどのようにして現在のようによごされたり荒らされたりするかということについて、ちょっとお話を申し上げたいと思います。大体上野公園の荒れるという原因につきましては、まず、上野公園と日比谷公園と対照してみまして、上野公園の場合は、外郭に中小企業がたくさんあり、かつまた問屋街がひしめいておるのでございます。その中で、要するに台東連盟とか何とかいうようなことで野球熱が盛んになりまして、野球を盛んにやっております。ところが、その野球に対する野球場というものが、ほんとうの微々たるものしかないのでございまして、現在のようでは、野球はするけれども、要するに野球そのものをやるのに使う広場もなし、野球場もないのが現状でございまして、あのかいわいにおいでになる人は、御承知かと思いますが、朝早くから自動車に乗って何十人という店員さんが乗り込んできて、朝薄暗い四時ごろから、自分の場所をとりながらも、広場という広場は全部野球一色に変わってしまうのでございます。そのボールが池に飛び込み、芝生の中に入り、植え込みの中に入り、それをとりに入るがために荒れていくのでございます。それと同時に、上野公園は、隅田などと並んで昔から花の名所でございまして、花見になりますと、要するに上野公園の面積に比例して、出る人が相当量多いんじゃないかと思います。お花見をいたしましても、むしろの用意もなし何もないのですから、家族の皆さんおいでになっても、ゆっくりとお弁当を食べるところもないようなわけでございます。  こういうところに出たことがないので、上がってしまって言いたいことも言えないのでございますが、お花見でも上野においでになった方は、——この中には一おいでになった方はないと思いますけれども、先生方は自動車をかって遠くの方に出ていかれるから、上野の山に来られるような方はあまりおられないと思いますが、要するに、下町階層の貧民階級の人たちは、遠くへ出られないがために、せめて上野公園あたりで一日のレクリエーションを楽しもうというような気持で、たまたま上野においでになられる。その場合において、たくさんの人が出てくる。紙くずは山、あるいは腰かけも足りない。すべてのことが足りないので、ことしあたりのお花見でありますと、とにかくごみかごの何十倍あっても足りないのが現状でございまして、それで、ことしなんかも、ごみかごがあまりにも足りないので、補助かごというようなものをそばへ置きましたですが、その補助かごも一晩にしてなくなってしまうような状態なのでございます。それというのも、お花見に来て要するに一ぱい飲む。飲んだ人たちがいたずらまぎれにどこかに持っていってしまうのもありますし、要するに、上野公園は、浮浪者が現在でもたくさんおりますが、終戦以後ずっと続けて浮浪者がたくさん散在しておるのであります。そういう人たちのいたずら、要するにいろいろなあれもございますでしょうが、公園の外、町中にいったり、あるいはほとんど姿が見えなくなったりするような状態なのが、現状でございます。それと同時に、不忍池のほとりなんかをごらんになった方はおわかりかと思いますが、どういう意味でやるのですか、腰かけを端から据えてあるものをみんな起こしてしまったり、あるいは不忍池の中にはうり込んでしまったり、きょう直してまたあすやるというようなことがあるし、まあやらないようなこともございますですけれども、どういうことからそういうことをしなければならないかという原因は私どもにはわかりませんが、それを何とか見つけたい、要するに直してもらいたいという気持はありますけれども、夜の仕事で、夜まで出ていってやるわけではないのですから、全然それをつかむこともでき得ないような状態でございます。  それと同時に、上野公園には手洗い所が大へん少ない——少ないわけではないのでございましょうけれども、お花見にあまりにも人が大ぜい出過ぎるがために、間に合わないわけでございます。一昨日ですか、私、板橋の方へ行っておりますが、この参考人としてのあれで何か参考にならないかと思いまして、一回り日曜日に回ってみたのでございますが、まず、手洗いの前には行列を作っておるのでございます。その中には、子供なんか、がまんし切れなくなって、お父さん、お母さんたちが子供を横へ連れ込まなければならないというような状態にあるのでございます。それを何とかいま少し方法を考えていただければと思います。  それと同時に、上野は東京の中で一番多い、一日延べ三百台ぐらいの観光バスが入っておりまして、その人が入るときは何とか方法を考えてもらえないものかと、上司にいろいろお話ししますけれども、やっぱりそのときは必要だけれども、あとまた平常通りに返ってしまえば、そういうものも必要ないわけなんでございます。いつも上野公園がきたない、よごれる、荒らされるというお小言をちょうだいいたしておりますが、そういった機会をはずしてしまえば、上野公園も、そうひどく荒れておる、よごれておるというふうにも感じておりません。それは自分がそういう仕事に携わっていた関係上、そういうふうに思うのかもしれませんが、平常に返れば、そうひどいところでもない。  それから、一昨年ですか、上野公園も新規に改造がなりまして、以前のハス池のところが、今度は新しく噴水のできた池に変わりましたですが、この池なども、どの程度まできれいに現在のままで保っていかれるかということは、今後の管理のいかんによってでございましょうけれども、上野公園の現在として私たちの考えで見ますときに、現在の噴水は、何といいますか、ルンペンの洗たく場、行水の場所みたいなものに変わっていくのじゃないかと私らも考えているのでございます。それだけに、上野公園には浮浪者や何かが集中しているということは、私たちにはどういうことで集中しているかということはわかりませんけれども、現在まだ上野公園周辺にはそういったあれがありますから、上野公園をきれいにきれいにといわれても、一般の皆さんの道徳心を待ってきれいにしていただくよりほかに方法はないと思います。  私としては、こんな程度で失礼させていただきたいと思います。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 次に、田中参考人にお願いいたします。田中御幸君。

田中御幸日本花いっぱい協会理事

○田中参考人 私が、花いっぱい協会というものを考えまして、ものの美化ということを考えましたことにつきましては、人間の美化というものが、礼節というものと愛情というものとに深いつながりがあるというところが、私の一番のねらいでございます。やはりものはきれいにいたしますということによって、人間の愛情というものも生まれて参りまするが、礼節ということも守られて参りますということを——ちょうど十年前に私は信州の松本へ参りましたときに、この花いっぱい協会というものを生み出します原因を作ったのでございます。信州松本でこの花いっぱい協会というものが最初に行なわれておりましたが、信州あたりへ参りますと、あそこは大へん町というものが整備されておりまして、きれいになっております。といいますのが、どんなみぞのような小さなところにでも、きたない川っぶち、それから団地のようなところにでも、みんな花を植えておりますので、自然そういうところは、きれいにするという気持がやはり人間にはございますから、きれいにいたします。現在私が住んでおりますところも、東京といたしましては、昔ならば郊外にあたるような下馬で、へんぴなところでございます。今でもそうでございますが、片一方には小さなきたない川がございますが、その川の片一方には、桜の木なんかが少し植わっておりますと、やはり人間は不思議なもので、そこはよごしませんのですが、きたなくほうりっぱなしにしている草原のところは、みんなごみを持って参りまして、ごみの山ができるのでございます。きたなくなっていると、幾らしましても、そこがごみの山になりまして、やっとことしの春でしたか、昨年の末くらいから、そこにものをきれいにいたしましょうという立て札が立ちまして、御近所の方々がそれを少しずつきれいにしていらっしゃるようになりましたら、やはり人間はそこをよごさなくなって参ります。そういうふうに、やはり人間は、きれいにしていくということで一つの礼節というものが守られて参りますし、先ほどからいろいろな参考人の方がおっしゃっておられますように、大体日本という国は、車内におきましても、公園におきましても、ものを散らかしたり、ごみを捨てたりということを平気でするということは、長い日本の歴史が——私も日本人なんですが、恥ずかしいことで、そういう礼節が守られないということは、過去からあまりそういうきたないところを美化するということの精神がなかったものですから、自然にそういう礼節というものを忘れてしまったような生活が続いてきたんじゃないかと思うのでございます。日本の人間が、今申し上げましたように、礼節というものと愛情というものと美化というものがみんな一体のものであるということは、私は、この花いっぱい協会というものをこしらえまして後に、いろんなことでそれを知ることができたのでございます。福島県のある片いなかの方の学校だそうでございますが、そこは一時は暴力学校だなどといわれた学校だったそうでございます。そういうわけで、先生さえも暴力にたじたじとしていたというような学校が、校内の美化ということで花を植えるということをいたしましたら、子供たちの精神が一ぺんに変わってしまって、その学校の生徒は、暴力なんということは忘れて、そして花というものを作っていく、それに一生懸命になるようになった。今度はあべこべに先生の方が、あるときにはびっくりしてしまった。何かその学校の少し山になったような上の方に、きたない木がはえている原っぱのようなところがあったそうでございます。夏の日に、幾日も雨が降りませんときに、そこがほこりできたなくなってしまって、砂ぼこりが、山ですから立ったと思います。先生が知らないうちに、子供たちが寄って、バケツのリレーで水を運んでいた。何をするんだと先生が尋ねたら、先生、ああいうふうにしてきたなくしておいたんじゃ木がかわいそうじゃないかというわけで、子供たちがみんなバケツ・リレーで水を運んで、山の方へ持っていって、木のきたなくなっているところに上からかけ、下に水をやらした。人間は、そういうふうになってくると不思議なもので、暴力というものは全然ふるわなくなってしまった。それで私が、花いっぱい協会の今日になります前の、毎日新聞社の事業部にありましたときの花いっぱい協会のときに、頼まれて参りまして、その子供たちをより以上に激励して、今後とも——ものをきれいにするということはやはり礼節と愛情とを生むということをはっきり知ったから、これ以上にもっと国をきれいにする、自分のところだけでなくて、よそもきれいにするということの精神を養うために激励してほしいというわけで、私は、その学校の修学旅行で東京へ参りましたときに、その宿舎へ参りまして、激励の一言をなにしてきたわけでございます。  そういうわけで、やはりものをきれいにいたしますということが、ただ単にきれいにしますというより、人間の愛情と礼節というものとが結びついているということを考えますと、今日の日本をもっと美化するということが、やはり人間の礼節と愛情というものを深めることになるんではなかろうかと思いますので、まあオリンピックも近く控えておりますれば、日本人の悪い、そういう町をよごしましたりすることも、国土を美化していくとともに、その心をこれから養う修養というものをしなければならないんじゃないかと思いまして、国土の美化ということに対しては、そういう意味で、私は、この花いっぱい協会も単に花を植えるというだけのものでなく、やはり精神というものをそこに植え付け、咲かせていかなければならないというようなことを考えておるのでございます。  大体そんなようなことでございます。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 ありがとうございました。  次に、秋田参考人にお願いいたします。秋田貞男君。

秋田貞男財団法人日本修学旅行協会常務理事

○秋田参考人 私、日本修学旅行協会の秋田でございます。  御承知のように、修学旅行は、教育課程の中に位置づけをされまして、重要な教育行事となっておるのでございます。教室におきまして学んだものを実際に見聞して、教育効果をより以上上げる。同時に、平素学校内で行なっております生活指導を校外に持ち出し、体験させる。あわせて学校の思い出を豊かにする。このような要素が修学旅行に含まれております関係上、文部省におきましても、中等教育課においてあらゆる機会に修学旅行をより以上効果を上げるように御指導をされておると思いますし、一方学校におきましては、先生方が十二分の研究をされまして、出発前の事前指導というものを徹底的に行ないまして、さらに終了いたしますと、反省会を兼ねての事後指導を行なっております。私ども修学旅行協会といたしましては、全国都道府県の教育委員会にお願いいたしまして、研究校を指定して、そこで研究していただいて、これらの発表を行なう機会に、道徳問題などを特に取り上げているのでございます。一方、日本観光協会の国土美化運動に数年来参加させていただきまして、この機会に子供に実際に国土を美しくするための行事に参加をさせて、その結果を私どもの機関誌に載せる。また最近では、新生活運動協会の国土美運動にも協力させていただいているようなわけでございますが、何と申しましても、本年度修学旅行に出る在籍生徒数からしてみますと、小中高を合わせまして約五百六十万人という膨大な数字になるのでございます。そうなって参りますと、修学旅行におきまして、先生方が完全な事前指導を行ないましても、旅行中最もりっぱな生活をするというのには、やはりある程度の限界があるように考えられます。そこで第一に、何と申しましても家庭の協力、つまり家庭における子供のしつけというものが、やはり修学旅行に現われてくる、こういうことが申し上げられると思うのでございます。そういう面で、家庭におけるしつけというものがきわめて大事である。  第二は、環境を整備するということであろうと思うのであります。特にその中で、設備をよくするということは、最も大切なことだと思うのでございます。さいぜん山下さんから修学旅行生の電車に対しておほめの言葉をいただきましたが、国鉄が非常な親心で修学旅行の専用電車というものをお作り下さいましてからちょうど四年目になるわけでございますが、その間、列車中における生徒の生活が非常な改善を見ているのでございます。そういう意味におきまして、まず、いい環境を作るということに力を尽くす必要があるように考えられます。特に私ども、子供のとき修学旅行に出ますと、お弁当の類は、ほとんど弁当箱を持って参りました関係上、持ち帰ってきた。最近の子供は、ほとんどが経木に入ったお弁当箱を持っているのでございます。従って、これだけを見ましても、まず包装紙、それにはし袋、はし、弁当の上についておりますレッテル、それに経木の箱、これが一つの学校が参りまして、一ぺんお昼の御飯を食べますと、あの経木の弁当箱が、四百ないし五百というような数になって出て参ります。こうなって参りますと、大きな紙くずかごを用意したくらいでは、なかなか整理がし切れないのでございます。この機会にぜひ御研究いただきたいと思いますことは、紙くずになるようなものを販売している業者の方に、紙くずを出さないような研究をしていただくことも、呼びかけていただければけっこうだと思うのであります。一つの例といたしまして、チューインガムの問題がございまして、だいぶ国鉄が大きな被害を受けました結果、チューインガムの中に、食べがらはこの紙で始末をして下さいというのを印刷させました結果、非常な効果が上がっているということを聞いております。こういう例から見ましても、業者に協力してもらうということについて、これは非常に大事なことだと私どもは考えております。  次に、おとなの旅行生活をよくしてもらいたい、こういうことを呼びかけていただきたいと思うのであります。やはり何と申しましても、旅先で修学旅行生の参ります目的地を調べてみますと、ほとんどが有名観光地なのでございます。そうなって参りますと、そこでおとなの旅行している生活態度というものが、子供に非常に大きな影響力がございますので、おとなの旅行生活の指導ということにつきましても、十二分の御関心を持っていただきたい。  言い落としましたが、環境の問題につきましては、野立ち広告とか、あるいは町中における看板類の問題も、当然お取り上げいただけるものではないかと思うのでございます。  以上の点を考えてみますと、これ以上国を美しくするということを考えます場合におきまして、やはり大きな国民運動というようなもので呼びかけていただかない限りは、なかなかその成果は期し得られないのではないか、私どもはこのように考えております。どうか皆様方諸先生の御協力によりまして、正しいことをするのに非常に勇気が要るというような、この事態を改善していただきたい、こういうことをお願い申し上げます。  時間に制限があるようでありますので、この程度に私の意見をごく簡単にかいつまんで申し上げた次第であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 次に、片岡参考人にお願いいたします。片岡義信君。

片岡義信財団法人交通道徳協会理事長

○片岡参考人 私は、交通道徳協会で、交通道徳という立場から仕事をしておる者でありますが、本日の機会を与えられましたことを非常に感謝いたします。  国の印象というものを外国の方が来てどこから受けるかと申しますと、やはり大きな要素は、交通機関、汽車がきたないとか、きれいだとかいう問題であると思います。また、旅行者でなくても、都会生活の二〇%は交通機関の中で過ごされておるということを申されますので、これは非常に国土をうるわしくということと国民の清潔な生活ということは、ともに交通機関に関係があるというふうに考えるのであります。そういう立場から、交通機関と、また東京都というものを例にとって、どうしてこれを美しくすることができるかというようなことを申し述べてみたいと思うのでありますが、今までの参考人の方々から、私の申したいことは大体申され尽くしたようにも思いますけれども、繰り返しにならないように考えながら、お話ししてみたいと思います。  どうしたらうるわしくすることができるか、その一つには、まず理事者、管理者が率先して実行するということ。それからこれは一つの大きな政治ではないかと思うのですが、きたなくしている悪循環があると思うのです。この悪循環を断ち切るということが、現在のこの状態を——状態については十分言い尽くされたようでありますけれども、悪循環を断ち切るということが、第二の問題ではないかというように考えるわけでございます。  理事者なり管理者が率先してここで実行すると申しますと、たとえば鉄道、バス、いろいろありますけれども、かりに国鉄をとってみますと、先ほど山下さんからも車掌としての立場からお話がございましたが、国鉄がまず車内をきれいにするということを——これは非常に旅客も悪いのでありますから、苦しいのでありますけれども、相当思い切ってきれいにするということを実行しなければいけない、こういうふうに思うのであります。また、車掌さんも非常に苦しい、やりにくい、勇気が要りますけれども、やはり旅客に注意をする、これは外国あたりではかなりはっきりやっているそうでありますし、また、先ほど罰金のお話も出たのでありますが、場合によっては罰金の問題も、これは東京都なりまたは車内についてもあると思うのでありますが、勇気を持って注意をするということを実行するということが大切じゃないか、こういうように思うのであります。そこで、国鉄についてどういうふうにやっておられるかというお話が、先ほど山下さんからもございました。私も聞いておりますが、昨年は、国鉄をきれいにする運動ということで、昨年の七月に国鉄自身が何億という金をかけてやった。私は、これに対して非常に敬意を表しておるのでありますが、まだ、それでも駅なり車内なりは、毎日新聞等にも見えておりますように、今お話もありますように、きたないという実情にあります。しかし、勇気を持ってやられたということには敬意を表しますし、また先ほどお話の四月、五月のサービス運動、これは親切という立場から非常に国がうるわしいという感じを与えるものでありますが、この運動をやっておられるということにも感謝するものであります。こうしてこの悪い状態を理事者がきれいにするならば、そのきれいにしておるところへきたないものを持っていくということは何となしに気がとがめるというような、悪循環が今度はいい循環になりまして、きれいにしてあるところへきたないものを捨てるというのはいやになる、悪いというような感じが起こってきて、きれいになるのじゃないかということを私は感じます。  先ほど田中参考人からもお話がありました。それから東京都を美しくというようなことにつきましても、東京都が思い切って、これは自治体でございますから、東京都の財政でありましょうが、同時に、東京はいわば日本の国の代表でありますから、そういう方面のことはわかりませんが、国家が補助するとか、金を出すとかいうこともあっていいのじゃないか。思い切ってこの清掃をやる人夫を入れる、あるいは外国にはりっぱな機械もあるそうでありますから、機械化して、掃除機を買って入れてやる。そうしてもっときれいにしまするならば、市民がこれをきたなくするというようなことを何となしに気がとがめるというふうになって、いい循環が起こってくる。こういうふうに私は考えるのでありまして、やはり市民がきたないとか、悪口を言っておるその心理状態からは建設的なものは生まれてこないのではないかというふうに思うのでありまして、みながきれいにしたいと思っておるというような気持を持ちながら、この悪循環を断っていくということにしたいと思います。  それからパトロール等をもって市内のきたないところを調べて歩いて、ここはこういうふうにきたないというふうなことを指摘してやるのもいいのではないかと思います。私のところで出しております機関誌に、篤志家がありまして、どこがいい、どこがきたないという写真をとりまして、よこしてくれた人があります。こういうふうな人もありますが、パトロールしてどこをどうしたらいいということを研究することもいいのではないかと思います。  それから外国についての話がありますが、ロンドンのハイドパークというようなところは非常にきれいである。私は行ってみましてきれいだと思ったのでありますが、そこの近くに住んでおった人に聞いてみますと、実際に聞いたのでありますが、やはり非常によごれるそうであります。ところが、紙くずなどでよごれるのを克明に掃除するということをやっておるそうでありまして、ハイドパークには、私は知りませんでしたが、英国を清潔に——キープ・イングランド・クリーンという立札が立っておるそうであります、そういうふうな立場で、外国が必ずしも初めからきれいだということにはならないのではないかと思います。これは理事者についての話であります。  次には大衆の協力を得る方法ということについて考えてみたいと思うのですが、これは私は、物的設備と精神的な心がまえということで考えてみたいと思うのであります。私のところで実行しておりますものを申し上げますと、まず国鉄の主要駅に公徳箱——私の協会も金がございませんので、スポンサー等を入れておりますが、公徳箱と称して、くず箱を駅に置きまして、それに「きれいにしましょう、みんなの駅舎」ということを書いております。それから吸いがら入れを作りまして、主要駅に置いて、そうしてみんなにこれを利用してもらう。それから公徳袋というものを作りまして、くずを入れてもらうということをやっておるのですが、これは修学旅行の生徒に、こういう袋を配りまして、そうして生徒が御飯を食べたあとのくずをこの袋に入れて、そうしてくず箱まで運ぶというようなことをやりましたり、また急行の列車等にこういうふうな袋を配りまして、そうしてくずを入れてもらうというようなことで、一つの呼びかけ、そうして実践と教育をやろうということを実行いたしております。最近には、皇居前が開放になるということを聞きまして、そこにくずかごを百ほど寄贈することを申し入れました。これも新しい皇居前をきれいにしなければならぬという立場から、われわれは考えておるような次第でございます。  それから次には人間教育の問題でございますが、先ほどもお話がございましたように、子供のしつけ、これは家庭と学校でしつけをやる。小学校などの教育は、非常に大事ではないかと思うわけでございます。また、修学旅行の前に、映画を持って小学校、中学校を回りまして、旅行中の心がまえということでお話と映画を見せることを実行しておりますが、これは学校で非常に喜ばれておりまして、毎年二百校ぐらいやっております。それから教育映画を作成いたしまして、そうしてこれも学校に見せたり、テレビにかけたりというようなことをやっておるのであります。  次には、具体的に人間を作るという立場から、鉄道少年団というものを結成しまして、相互の友愛とそれから公徳心を育てるという立場から、一つの少年団体を作りまして、そして実際に実践する手兵というとおかしいのでありますが、そういう実行をするリーダーを作っていこうというふうに考えております。  それから夏の休みを利用しまして、環境のいい場所で交通道徳教育キャンプというものをやりまして、そして実践と訓練をして人間を作っていく、小さいときから人間を作っていくということが、回りくどいようで、実践的方法ではないかというふうに考えているような次第でございます。そしてこれらのもので駅の清掃活動に出ましたり、また、国鉄やその他の非常に忙しい年末の旅行者の多いときに、駅の清掃のお手伝いをするとか、客の誘導を手伝うというようなことをやっているようなわけでございます。こういうふうにしておきまして、オリンピックのときにこれらの人々が手伝いをするとか、またリーダーになってほかの人を指導するというようなことができるわけで、また、美しい鉄道を作り上げる、それがまた美しい国家を作り上げることができるというふうに考えるわけでございまして、根本的には美しい社会、人に迷惑をかけない社会を作り上げる、これが民主主義だと思いますけれども、そういう教育が必要であるというふうに思うわけであります。  もう一つは、一般大衆への呼びかけでございますけれども、私の方で、テレビを通じて夏冬の非常に混雑期に車内をきれいにしましょうということを呼びかけているのでありますが、これらのことは、今教育テレビ等を使っておりますけれども、私は、いつも思うのでありますが、こういうことはNHK等にお願いして、そして金のかからないようにして国民の教育をしていただくということをぜひお願いしたい。その他漫画でありますとか、あるいは各駅にポスターをかけるとか、懸賞募集のポスターとか、川柳を募集するとかいうようなことで、国民に一つの関心を持ってもらうというようなことをやっているような次第でございます。  そういう方面で、何分財政的にも微力でございますけれども、私どもは、根本的なことは、この交通道徳、人間の教育——物的設備も必要でありますが、人間の教育ということが大切と考えまして、そういうふうにやっております。  本年も、京王電車でむすこさんが踏切で結婚の二週間後になくなったという人が、香典の一部を交通道徳の高揚に使って下さいといって、私のととろに涙を流しながらお話をされたのでありますが、交通機関の今日の問題は、いろいろありますけれども、根本は交通道徳というものが根本になるのではないかと考えまして、皆様にぜひ御協力をお願いしたい。こういう機会を与えられましたことを重ねて感謝いたしまして、私のお話といたしたいと思います。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 これをもちまして九人の参考人の御意見を承ったのでありますが、戸塚参考人が間もなくお見えになると思いますので、現在おいでになる参考人各位に対しまして、委員の方から御質疑をいたしたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、現在出席しております政府関係の諸君は、運輸省の観光局長の梶本君、厚生省の観光専門官の林君、文部省の学校保健課長高橋君の御三方でございます。念のため申し添えておきます。  質疑の通告がありますので、これを許します。簡牛凡夫君。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛小委員 ただいまは、参考人の皆様から、この問題について非常に御苦心をなすっておられますこと、また、非常な成果を上げておられます実情なども聞かせていただきまして、非常にありがとうございましたが、皆様のお話を伺いながら感じますことは、日本の国民が、公徳心がない、あるいは公共性に欠けておるというようなことよりも、もっと国やあるいは社会が、この問題についての考慮が足りない、施設を十分にすべきものを、敷備を怠っておる、また、予算などを当然かけなければならないところに、これを考えていないというようなことが、皆様から言われております。なお、外国などの例から見ても、こういうような国土をけがす、また公衆の行楽を妨げるというようなものに対しては、当然処罰をすべきじゃないかということなどもございますが、それらの話を伺いまして、私ども、今日までにこの問題を国会で取り上げることがなかったということは、非常に自責を感ずるものでございます。おそいとは申しながら、オリンピックの開催を数年の後に控えまして、ここで日本は全国的にこの問題を取り上げなければならぬということ、それは先ほどもお話がありましたように、まず行政が先行する必要があるということでございますが、確かに国会においても、これは法律を作るというような問題も残されておると思います。国においても、総理大臣が先頭に立って、すべての行政機構を動かして、地方自治体などであれば、隣組やあるいは自治班などを全面的に動員して、その環境を整備するということに、国と国民と人手を惜しまず、経費を十分に投じて、日本の国の清掃、浄化に国民総決起をすべき時期であろうと考えます。富士山などがごみのために年々その高さを増しておるというようなことさえもいわれておりますが、私は鎌倉に住んでおりまして、まあ観光地でございます。この間の日曜などは十万以上の人が出ておりますが、山といわず、人の寄るところは、毎年捨てられた紙くずやあきカンなどで足の踏みどころもないような状態でございます。それがまたことしはさらにそれに積み重ねられて参りましょうが、今のままでは、ちょっとだれか篤志の人が努力をしても、とても手の及ばないという状態でございます。国があげて、一ぺん国のすみずみまでも徹底して浄化をするというような決意で臨まなければならぬじゃないか。そういう意味で、この観光小委員会でこの問題を取り上げましたのも、まず国会としてなすべきこと、さらに政府に迫って、政府の決意を促して、この大問題を解決する。ただ国をきれいにするというばかりでなく、皆様のお話の通り、国民の心がまえを、もっとほんとうに公共ととも生きておる、この公共心を養い、公徳心を高めていくということは、政治の、あるいは教育の眼目でございます。こういうような国の醜態をそのままに放置しておくということは、政治、教育の一大欠陥を暴露いたしておるのでございます。われわれ政治に参与しております者も、強く自責を感ずるものでございます。そういうような意味で、この委員会で取り上げましたこの題問は、国会全体の問題としても、また政府の問題としても、全面的に考えてもらいたいのでございますが、皆様からごらんになって、政府はこうしなければならぬのだ、国会はなぜこういうことをほうっておくかというような、何か具体的な御指示でもございますれば、お教えをいただきたいと存じます。

後藤文夫財団法人新生活運動協会常任理事

○後藤参考人 皆さん方からもいろいろお話があるかと思うのですが、最初に私が皮切りに簡単に申し上げます。  国土をきれいにするという問題は、いろいろなところに関係がありますが、根本は、今の教育の問題に帰する。教育といっても、学校教育が第一ですが、この子供が育って大きくなるまでは、だいぶ年限があります。子供だけがよくなってもいけません。子供がよくなればおやじまでよくなるという関係もあると思いますが、やはり成人に対して呼びかけて、おとながまず反省をすることが必要だろうと思います。それには、やはりいろいろな公共的な立場を持っておられる方々、またその人たちの仕事をする場、そういうところがやはり模範を示すことが必要であろうと思います。東京には、このごろ大きなビルなどがたくさん建ちまして、掃除なども非常によくできるように、掃除専門の会社などがあってやっておりますが、大きな建物及び公共建物の中や周囲は、きれいであります。しかし、一歩外へ踏み出しまして町中の方になりますと、道路わきのごみ箱がいつもあぶれておるようなことが非常に多い。私は、このごろ新生活運動協会に関係して、ふだんから気がついておりますが、よけいと気をつけて見ますと、東京の町の相当舗装もりっぱにできて、自動車の盛んに通るようなところでも、道わきのごみ箱があふれておるというようなのが、非常に目につきます。それから、あのりっぱな舗装道路が、きれいに、水でも流して、外国のようにずっと夜中に洗いでもしていたら——ちり一つ落とすのでも気がとがめるようにきれいになっておるのを外国では見ることができますが、日本の舗装道路は、両わきにごみや土がたまっておって、それえ一歩越えて歩道の方になりますと、またよけいごみがある。ああいうところは、ぜひ一つ行政機関の方が——先ほどもいろいろお話がありましたが、この際思い切って、費用がかかると言っても、そう大した費用じゃありませんから、一ぺん国民の一般の習慣なり気分というものを立て直すのには、ある時期にやはり一斉にそういう方面にも力を入れることが必要だろうと思うのです。これは、だらだらと長く経費を使っていけば、何年かかってもあとからあとからごみはたまるようになりますから、思い切って、一年あるいは両三年の間に、きれいにしましたら、あとに残るきたないところというのは、今度は目について、どうしてもきれいにしなければならぬようになるのじゃないかと思うのです。これは政治やあるいは行政の面で、先ほど簡牛先生からもお話がありましたが、費用は幾らかかるといっても、そら何百億なんというものを一ぺんにかけるという問題ではないと思いますから、これは思い切って政治、行政の方で費用をかけても——国民に対して清潔運動を実践しろというからには、実践するための費用なり、施設なり、便宜なりというものを十分に与えるという態度を示してやっていただきたいと思います。  もう一つ、お話がだんだん参考人の方々から出ましたが、広告が目につく。これはだれもの気がついて、多年やかましく言っておることでございますけれども、なかなか始末がつかぬ。これにはいろいろ事情もございましょう。今あれを取り除くといったら、いろいろな経済関係も、便不便もありましょうけれども、今日交通関係をやかましく言う方面では、広告の問題をやかましく言っておりますが、何かこの際に、実はあの国土をけがしていっておる広告というものを思い切って一つ整理して、一年前に行った人が外国から来て見ると、日本はきれいになったというふうにしていただきたいと思います。これにはあるいは法律などを必要とすることなどもあると思いますし、いろいろな点で困難や何か生じては来ようと思いますが、これには一方で大きな世論を喚起して、そういう機運を国民の間に作って、行政並びに政治がやりやすいようにするということは必要でありますから、新生活協会などは、及ばずながら旗振りをしまして——同じようなことを考えて、すでに実践して成績を上げておる協会等もたくさんありますし、何も新生活協会だけが言い出したというのでなくて、もうたくさん皆さんが努力して下さっておりますが、何となくそれがやはり局部に偏しておって、どうもなかなか成績が上がらない。これが大きな運動になるためには、もう政府、国民総ぐるみで一つこれはやるんだという機運を大きく巻き起こしてもらいたい。それにはやはり政治、行政の方も、率先しておやりになることを一つ勇敢にやって、国民に勇敢にやれという実を目に見せつけていただきたいとお願いする次第でございます。  簡単でございますが、一応申し上げておきます。

岩切章太郎日本観光協会運営審議会委員

○岩切参考人 簡牛先生から大へんお力強いお話をいただきまして、非常にありがたく思っております。私は、先刻もお話申し上げましたように、いい例を一つ作ってみなくちゃならぬというので作ってみました結果、日本人の心情が、美しさを愛する非常にいい気持を持っておるのだということをしみじみと感じました。と同時に、そういうことをいたしておりますと、日本じゅうで同じような考えでやっておられる方がたくさん見つかるような気がいたします。何だか日本の至るところにそういった空気が大きく生まれつつあるような感じがいたします。この機会に、政府の方で一つ力強く御推進をいただきますならば、必ずこれは効果を現わすものと確信をいたします。  なお、それと同時に、全国を一斉にやるという大きな動きももちろん必要でございますが、東京に一つの例をとりますと、東京のうちに何カ所かほんとうに理想的なものができますと、小さいところではございましても、その一つの理想的な場面ができる、紙くずのないところができるということが、非常に大きな力になりまして、それをまねる人がたくさんできてくるのじゃないかという感じがいたしますので、大きく国民的運動を御推進いただくと同時に、どこでもよろしいのでございますから、モデル・ケースを何カ所かずつ推し進めていく。これは割合にできやすいことでございますから、そういうことにもお力をお添えいただくならば、大へんけっこうなことじゃないかと思いますので、よろしくお願をいたします。

片岡義信財団法人交通道徳協会理事長

○片岡参考人 先ほど私が申し上げましたことから広めまして、少年団のことを申し上げましたが、母親、婦人の団体というものに具体的に働きかけるというか、お願いをしまして、そして実践をするような方向へ進めていくということが非常にいいことではないか、こういうふうに思います。  それから、すでに観光協会等にあるかもしれませんが、東京都なら東京都のどこが悪い、あるいはどの広告が非常に醜いとかいうようなことを指摘して、その一緒に考えていく委員会、と申しますと大きいかもしれませんが、あるいはモニター制といいますか、そういうようなものでも作りまして、そして具体的にものを処置していくというようにしていきますと、小さいところからほぐれまして、だんだん大きな方面への目が開けていくというふうになるんじゃないかということも考えます。

フレッドダンバー株式会社朝日イブニングニュース社嘱託

○ダンパー参考人 ただいま岩切先生から東京をモデル・ケースにするということをおっしゃいましたのですけれども、実際は、宮崎の方はもっとモデル・ケースではないかと思います。実は私は、先ほど話しましたように、日本をほとんど全国回っております。美しいところもだいぶ見てきました。しかし、実際言うと、東京近辺が一番きたないということを私は感じる。それはなぜかというと、私の個人の思いですけれども、東京というものは、ほんとうの江戸っ子はもういない。東京の人間は、みんな各地から来ている者だ。それですから、日本人とすれば、旅に行けば、旅の恥はかき捨てということが一番の原因ではないか、私はそう思います。それですから、結局東京をきれいにしようと思ったら、東京に住んでいる人は東京を愛しよう・東京の人間は、東京で住む、東京で暮らしていく、東京で金もうけるわけだから、東京を愛しましょう、東京を暮らしにくいところでなしに、暮らしやすいところにしようという気持を持つべきじゃないかと思います。  それからもう一つは、東京で工事を見ますと——これは政府の方に投じて下さいと言われたのですから申し上げますけれども、東京というのは、工事がなかなか進まないという町です。何かだらだら、だらだらしているところが見えます。ほかの土地へ行けば、なるべく早く工事をやっておられます。それですから、そういうごみを長く置くことが、結局ごみ捨て場というところになるのではないか、そういう気持も感じも起きるのではないかと思うのです。それですから、だらだらをせないということを一つ考えていただきたい。  もう一つは、官庁の方々に悪いのですけれども、普通の事務所に行けば、今きれいにしております。整頓しております。官庁の方に行けば、新しい建物でも、半カ月でも、もうもとの通りのきたなさになるのです。おそらくこういう官庁の方も、自分の家に行けば、自分の家はきれいにしているのです。それは一つの国民の看板であるのですから、そこをきれいにして、どこでもきれいにするということは大事ではないかと思うのです。たとえば、予算がないと政府の方ではよく言われるわけですけれども、予算をもう少し与えれば完全になるというところがあります。ですから、切るのはそれはしようがないと思いますけれども、ある程度はよく見ておいてあげないといけないと思う。たとえば私の知っているのは、観光協会ですが、これは外国に宣伝する力も余地もないのです。結局外国における事務所だけをまかなっていける力、金しかない。ですから、いろいろ日本のための宣伝をする力も持っておられない。  もう一つ、たとえば先ほどの建物の立ちのきの例を言いましょう。あれはもう少し金を出せばもうすでに二、三年前から解決したものではないでしょうか。毎年これを引き延ばしていくほど、その金額は上がっていって、応じられないということになる。それはむだな金ではないでしょうか。そういうむだをやられるのはいけないと、私も思います。それですから、そういう今まで残ってやっておられるところは、自分はお金はもうかるのですけれども、周囲の方々は、それはみんな税金でまかなって、それをあいつはうまくやっているのではないかというだけの目で見ているんです。怒る必要があるんではないでしょうかと思うのです。皆さん議員たちも、税金を払っておられるのです。そういう人たちの一人のために大目に見るのは、これはいけないと思うのです。それですから、なるべくむだのないように、もう少し考えていただきたいと思います。

山下三郎日本国有鉄道東京鉄道管理局職員

○山下参考人 私は、外人さん専用の便所をやはり整備していただきたいと思います。御承知のように、現在諸外国からの観光のお客さんが大ぜい見えておられますが、この方たちの便所として整備されておりますのは、ホテルとか、京都の駅、あるいはほんとに限られた場所でございます。全国の各観光地に、やはり便所が必要だと思うのです。主要駅、それから列車内——列車内は、若干外人さん専用の便所ができているのがありますが、これは外国の方と日本人とは、御承知のように、生活様式が違いますし、国民的な習性も違いますので、日本人はこの便所できれいだ、大丈夫だと思いましても、外人さんはそれではやはりいけない。もう外人さんなんかは——終戦直後、米軍の専用列車なんかで、キッチンと便所がすぐ隣合ってあった。それでもあの人たちはきたないと思わないし、またキッチンと同じように便所もきれいになっている。それくらいのところでないと、あの方たちは苦情を言われるのであります。従いまして、これは外人さん専用の便所を設備する必要がやはりあるんじゃないかと思うのです。オリンピックも控えまして、そろそろ作られてもよろしいんじゃないかと考えます。  それから、御承知のように国鉄は非常に予算が詰まっておりまして、この国土美化の問題で国鉄自体でやろうといたしましても、五カ年計画、新幹線の計画、それに加えて赤字線区の新設等で、とても予算が出ません。どうしてもこれは国鉄に、美化に対する予算の配賦をお願いしたいのです。これは私どもほんとに末端のこういう一車掌ですら、こういうことを思っているのです。その美化に対して使った金については、会計検査院で、そんなにうるさく言ってもらわないことです。会計検査院で一々やられますと、どうしてもこの金を使えないのでございます。この二点を一つお願いしたいと思います。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 政府側から小平総務長官もただいまお見えになっておりますから、念のため……。  なお、参考人の方たちには、昼食の時間を過ぎてはなはだ恐縮でございますが、このまま会議を続けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 それでは、三橋さんに一つお尋ねしたいのですが、三橋さんは一日に何時間ぐらい仕事をされて、何軒ぐらいお回りになられますか。

三橋繁治東京都下谷清掃事務所職員

○三橋参考人 二人で、昼前では四時間くらい、一日だと八時間。五つほど回ります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 藤原さんにお尋ねしたいのですが、実は私も四月一日に——これは四月一日ですが、うそではない、ほんとうの話なんですが、上野公園に行きまして、公園と動物園に参りました。それから後楽園に行って見て驚いたのですけれども、確かにあなたの言いました通り、人が多過ぎると思うのです。人が多過ぎて、結局動物を見るにも、公園を歩くにも、押され押されなんです。売店に行っても、売店の方は売るだけに一生懸命で、あとの片づけばほったらかしなんです。こういうふうに考えてみますと、あなたは、ごみの問題、あるいは手洗いの問題、いろいろ言われましたが、私も考えると、どうも公園が足りないんじゃないだろうか。たとえば動物園なんか人を入れ過ぎるんじゃないかと思うのですが、あなたはだいぶ隅田川にもおられ、上野にもおられて経験が多いようですが、あなたの率直な感じをもう少しお聞かせ願いたいと思うのです。

藤原保東京都上板橋緑地事務所東京都技師補

○藤原参考人 上野公園の周囲には、ほとんどそういった広場もなし、何もないわけです。そこへ人がひしめいて入っておる関係上、掃除どころの騒ぎじゃないわけです。それに終戦後は、公園専従の作業員がほとんどいません。現在では、失業対策事業に頼って清掃や工事の小さい部分なんかやっておるのが、現状なのであります。ですから、ごみの山になっても、そのよごされるそばから片づけることはなかなか不可能なのであります。と同時に、翌日になるとか翌々日に回される関係上、雨でも降られると、その清掃なんか非常に長引くわけです。ですから、いま少し公園でもふやしてもらうとか、広場を多く作ってもらうとか、それと同時に、トイレのようなところも、もう少しふやしてもらってやっていけば何とかなる。というのは、ふだんは上野公園にしても、そんなに人がひしめいてあまた出るわけではないのであります。日曜だけがたまたま多いのでございます。その点は、入れるのが多過ぎるからといって、入場料をとって入れるのは動物園だけでありまして、公園の一般の方は別に入場料をとっているわけでないのでありますから、制限することは不可能じゃないかと思います。そんな関係で、いま少し上野公園に類似したところを作ってもらうとか、あるいは現在上野公園に接近しておる谷中霊園のようなところもございますから、あれでもほかへ移してもらって、あっちの方へ上野公園をいま少し延長していただけば、すぐにきれいな、かつまた、そう人も混雑しないような公園ができるんじゃないかと思っております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 ただいま戸塚参考人が御出席されましたので、この際、戸塚参考人より意見を聴取いたしたいと存じます。  戸塚参考人に申し上げますが、九名の方の御意見の発表は終わりました。あなただけ残りましたので、時間は幾らでもけっこうですが、十分程度に要約いたしまして、御意見の発表を願いたいと思います。

戸塚文子評論家

○戸塚参考人 ほかの方たちとあるいは重複するかわかりませんけれども、国土を美しくするための考え方が、私は二つあると思います。一つは都会地でございまして、もう一つは観光地、こういうふうに二つに分けて考えられるかと存じます。都会地の場合は、それをまた二つに分けますと、一つは屋内の場合、たとえばビルディングの中、それから住宅の中から出ますごみとか、きたない紙くず、その他のもの、それの処理、それから道路、公園、そういった公共の場所を通行する人たちが捨てなければならないごみの処理、二つに分けられると思います。  まず、都会地の方は、何と申しましても、家庭内のごみは、その回収というものを自治体でやって下さらないと、うちの中にたまりましたごみを今めいめいのうちで焼き捨てることはできませんので、どうしても川へ捨てる、あるいはあき地へ持っていって捨てる、駅の構内なんかへ捨てるとか、人の目に立たないところに持っていってごみを捨てますので、東京などは非常にきたなくなりました。ですから、これは都の方で、あるいは市町村、そういう自治体でもって、ごみの回収をするための予算をたくさんおとりになって、トラックなりそういう運搬の道具をたくさん作って、ごみの量に応じて回収する回数をふやすということを早急にやっていただければ、家庭の人たちがごみを不法投棄する、川や何かに捨ててよごすということがなくなると思います。それが一つです。これはぜひ一つ公共体にやっていただきたいわけであります。  それから公園とか道路、そういうところを歩く人やあるいは乗りものに乗る人たち、一定のところにいない人で、途中で紙くずや何かを捨てたくなった場合、これもやはり設備が必要でございますから、もっと数多くのちり箱とか紙くずかごで、あるいは灰皿つきの紙くずかごというようなものを美しいデザインの容器で町の要所々々、つじつじに、郵便ポストの数よりはもう少し多いくらい備えつけておいて、それにちり紙なり何なりを捨てるということにしまして、往来へ捨てないようにすれば、道路がきれいになると思います。同時に、そういうふうにきちんと設備ができましたら、不法投棄をする人から罰金をとるようにしたらよろしいと思います。文明国では、大がい塵芥や紙くずその他を散らかしますと、罰金を取っているようでございます。たしかロンドンでは五ポンドと書いてありました。それからアメリカは、州によって違うかと思いますが、十ドルとか十五ドルとか書いてありました。やはりそれは紙くずを散らかしたら罰金を幾らとるという掲示が大きく出ておりまして、一種の警告をするわけでございます。その掲示を見ながら、なおかつ設備をちゃんとしているのにもかかわらず捨てたということで、初めて罰金が成り立つということでございまして、今すぐ罰金にされますと、捨てるところがございませんから困るのですが、やはりちゃんと設備をしておいてから罰金をとっていただきたい。その罰金は、なるべくでしたら、もう一度紙くず箱を整備したり、道路をきれいに清掃するような、その目的に沿ったように使っていただければ、なおありがたいと思います。都会地は大体そういうことで、どうしてもお金をかけて清掃していかなければいけない。ことに公共の場所は、公共の費用でやっていただく。しかし、今住宅の周辺なんかも、ずいずんきたなくなっております。国道や県道や区道でない私道あたりも、きたないのでございますが、以前は、習慣としまして、各家庭で自分のうちの前は一軒々々の主婦や何かが掃いたものでございます。商店では、小僧さんや何かが掃きました。しかし、今は共かせぎの家庭も多いし、朝早く起きて道路を掃くという習慣もなくなりつつありますので、ここは思い切って近代化して、清掃会社というようなものができたらいいのではないか。今、ビルディングは、清掃会社が請け負ってお掃除しております。これはごみの回収と同時に、そのあとを掃いたりふいたりきれいにする仕事でありまして、お金を払って清掃してもらっている。この考えを住宅街にも普及いたしまして、町会というようなものが大ていございますから、地域社会の生活単位でもって清掃会社に清掃を請け負ってもらう。紙くずのようなあとで再生のできる、つまり価値のあるごみと、価値のないごみとを町会単位で分けまして、価値のないごみは、自治体のごみ屋さんに持っていってもらう。あとでお金になるような価値のあるごみは、清掃会社にとっていってもらう。あるいはそれが有料であってもかまいませんし、清掃会社がそれを持っていくことによって採算が成り立つならば、ただでもけっこうですが、それはその清掃会社の方で研究してもらったらいいと思います。それからごみを持っていくと同時に、お掃除、掃いたりなんかする整理の方も請負うわけでございます。そういう清掃会社を作って町をきれいにしていく。めいめいがやるという考え方ではないわけでございます。つまり昔は、各家庭がいろいろなことをめいめいでやっておりました。家庭の主婦は、着物まで織ったものでございますが、今は織物会社が織ってそれを買ってくるというわけですから、お掃除もそういう会社組織で請負ってもらって、各個人々々がやらないでもいいじゃないか、そういう時代がきておるのではないかという気がするのであります。  それから都会以外の観光地とか、そういう自然のよごし方、これは最近ものすごうございまして、どなたかこの問いらっした外国の方が、日本の富士山は、地図に書いてある山の高さよりもカン詰のあきカンやそういうもので一メートルくらい高いのではないかとおっしゃいましたけれども、確かにその通りで、あらゆる観光地がごみときたないものでよごされております。さらに行楽のシーズンになりますと、ますますよごれて収拾がつかない状態になっておりますから、これは一つ大きな運動を起こすしかない。行楽の人たちは、幸いなことに、日本では大がい団体というのが多いのでございます。こういう旅行団体、山岳会とかハイキング・クラブ、それからいろいろな団体募集をする旅行会社、そういうところに大きな運動を起こして、ごみを持ち帰る、自分が出したお弁当の食べがらやなんかを持ち帰るという大きな運動を起こす。一方観光地には、大資本が入っております。そういう大資本の観光をやっております会社は、同時に附帯事業として清掃会社を興していただきたい。そうして清掃部門を作って、景色でもうけるのですから、景色をきれいにする。何でしたら義務づけてもいいと思います。あるいは観光地単位でもって何々観光協会というのがございますから、そこに清掃部というものを作って、清掃員を雇ってしょっちゅうきれいにする。同時に、行く方の人は、必ず自分が出したごみは持って帰ってくる。両面作戦でやりましたらいかがなものかと思います。  それから、たとえば列車の中のごみなんかございますけれども、駅弁などの折箱というのも、考え直す時期がきているかと思います。何しろ膨大な観光客が出ますので、昔のようにいすの下に食べがらを入れて下さいといっておりますと、ちょっと行く間にお弁当の食べがらで足の踏み場もないようになりますので、あれをもっとかさばらない——最近はビニールとか非常にいい材質のものができましたから、いつまでも木の折箱でなければ駅弁ではないというような考え方も、古いような気がいたします。観光地で売るものは、かさばらないで、あとの処理のいいような容器を使うということも必要ではないか。あきびんなどもずいぶんかさばるし、あぶないものでございますから、プラスチックか何かですぐぺしゃんこになるような容器を使うとか、そういった工夫も、なるべくかさばらない、ごみにならない。よごさないというようなことも、みんなで考えることも必要ではないか。特に観光地を控えました国立公園地帯では、清掃を組織化するといいますか、きれいにすることを組織化して、これもやはり罰金をとってよろしいと思います。そしてできましたら、その罰金は、紙くずかごを十分に備えるとか、ごみを処理するような設備の充実に使っていただくことができればなおいいのではないかと思います。そうして罰金で、違反者の出ないよう警告しながら捨てさせないようにする。そのうちにみんなの習慣になって、もうごみを捨てる気持がなくなって、忘れてしまう。はなをかんでも紙はポケットに入れる、お弁当などを食べたあとの紙くずや折箱でも、無意識のうちに自分のリュックサックの中に入れて帰るというような習慣がついてしまえば、もう心配がないのですけれども、その習慣をつけるには、やはり五年、十年は罰金の面と施設の面と精神運動の面と三本立でやらなければいけないのではないか。ぜひそれをやってほしい。せっかく世界でも珍しい美しい風土を持っておりますから、これを美しく保つために、三本立ということを私は考えておるわけであります。(拍手)

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 委員各位の質疑を続けます。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 皆さんから、先ほどダンパーさんからも、罰金の話が出まして、大へん私も同感なんですが、悪口を言うわけなんですけれども、今の政府は、罰金というと、施設をよくする前に罰金の方ばかり先に出ちゃうのですね。今、ポストと同じぐらいにたくさんきれいなデザインの紙くずかごを並べたらどうだという話がありました。公衆電話はたくさんあるのですが、公衆便所はないわけです。昔五十銭持ちながら立ち小便をやるなんという漫画がよく出ておりましたけれども、こういう点から考えると、やはりたくさん紙くずかごを作るなり、あるいは公衆便所をきれいに作る、こういう上において罰金というのは考えられなければならないと思うのですが、この問題について、先ほどどなたでしたか、ほかの方からも出たのですけれども、もう少し罰金についてのお考えといいますか、補足がありましたら、ダンパーさんからお話し願いたいのですか。

フレッドダンバー株式会社朝日イブニングニュース社嘱託

○ダンパー参考人 もし罰金をとられないというのは、これは残念な話と思います。結局外国では、法を守るというのは、自分のふところが痛むのだから法を守るということです。それですから、罰金をとられるというと、金を出す前にこれは注意しようという、その道徳が生まれるというわけです。日本人としては、結局もし罰金制ではいかれないという場合になると、何かほかの方法を考えないといけないというわけです。そうしますと、やはり注意を受けて、これを二、三回無視すれば、これは罰金制度にするか、その限度が何でもあるのです。その限度をこせばこれは罰金になるということを、一般の国民の人に理解してもらうことにはできないでしょうか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 それから野立ち広告やあるいは看板に対する問題が、先ほど話があったわけでありますが、こういうものに対する規制をしなければならぬということはわかるのですけれども、その限度といいますか、範囲といいますか、日本の国は、先ほども言われましたように、法律が出ておっても、その法律がどの程度まで守れるかという運用の点でいろいろ問題があるようですが、私も、概念的には、野立ち広告なりあるいは看板、あるいはネオンもそうなんでしょうけれども、ある程度これは観光の立場から考えなければならぬ。あまりにも商業主義に堕しておるというふうに思うのですけれども、片岡さん、何か野立ち広告に対する御意見がございましたら、ちょっとお聞きしたいのですが。

片岡義信財団法人交通道徳協会理事長

○片岡参考人 私は、先ほどちょっと申し上げましたけれども、委員会のようなものか、モニターのようなものを作って、専門家に見てもらう。色彩感のすぐれた人、それからそういう景色に対する感覚というようなもののすぐれた人なり委員会なりが、ずっとパトロールというか、見て回りまして、この色彩はおかしい、非常に醜悪な感じがするというようなものを指摘して、そうしてそれを排除するというようなことをやっていったらどうか、こういうふうに考えてます。それから野立ちの風致にしてもそうですし、夜間の照明灯も、夜間の風景というか、美観ということもありますので、これなんかも、色彩からくるもの、形からくるもの、いろいろあると思いますけれども、こういうものも指摘して、改善していくというふうにしたらどうか、こういうふうに考えます。

岩切章太郎日本観光協会運営審議会委員

○岩切参考人 野立ち広告の問題でございますが、これは各県に野立ち広告取り締まりの規定があるわけです。九州でございますと、九州各県だいぶまちまちでございましたから、これではいけないから、各県話し合いまして、大体の基準をきめたのであります。その委員会で、どの地区は野立ち広告はやめさせるとか、野立ち広告を作らせるならば、どういう規格にさせるということは、大体きまっておるのでございますけれども、それを取り締まるということになりますと、今度は予算が足らないわけであります。県その他に予算がないというと、明白に違反の野立ち広告がありましても、それをすぐに撤去させませんと、これは非常に目に立って努果的ですから、次々にできてくるわけです。そういう予算がございますと、それを片っ端から処置いたしまして、相当規制できるんじゃないか、こういうふうに考えまして、各県ともこういった予算を追加してもらうようにお願いをしておるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 戸塚さんにちょっとお尋ねしたいのですけれども、実はこの間、この委員会で、厚生省、それから文部省、むろん運輸省にも来てもらいまして、いろいろ質問した中で、文化財あるいは自然美の保護という問題と利用、その調和がなかなかむずかしいという問題が出て参りました。私、一つの例を上げたのですが、たとえば北海道の摩周湖に参りますと、実にきれいな天然のままの景色が見えるわけです。阿寒に参りますと、やはり商業主義的なよごされたものがある。最近の問題といたしまして、伊豆急行ができまして、下田へ参りますと、寝姿山というきれいな山にケーブルができまして、ちょうどいい景色のところへああいうネオンが出ておったりしますと、これはもう少し考えたらどうだろうか。たとえば今起きている富士山にケーブルをかける問題も、富士山の美観というものからどうなるだろうという点で、私たちはしろうとながら心配するのですが、そういう点で文化財保護とか自然美保護、それを利用する、こういうものは、いろいろ人の立場によって違うのでしょうけれども、どういう形で調整をするといいますか、今片岡さんからモニターというような話がありましたけれども、どんな形で——先ほどダンパーさんから言われました話は、オリンピック道路ができる。できるのはわかっておるけれども、立ちのきを片一方でやって、片一方ではその道路で新築をやっている。それは補償料を引き上げるためにやっているんだというような指摘を受けたのでございますが、そういう点から考えますと、今そういうお役所で法律とか何とかいう規定で守ろうとしても、なかなか——私はやはり法律で守るということではなく、国民の常識といいますか、そういうもので守るということの方が必要ではないだろうか。これから観光問題は、最近特に騒がれておりますから、そう思うのですが、そういう点などについてのお考えをお聞かせ願いたいと思うのです。

戸塚文子評論家

○戸塚参考人 実際に今おっしゃったように、富士山ばかりではございませんで、すでに美しい山の土手っ腹へ空中ケーブルなんかたくさん下がりまして、景色はもうそれこそ時々刻々悪くなっております。あまりいい景色を持っているので、その美しさを認識しないで、宝の持ち腐れみたいな形になって、どんどん悪くしても平気でいるわけでございますが、ことに私企業の利益追求のために自然をこわしすぎているのではないだろうか、これでいいだろうかという疑問を非常に持ちます。なるほどそういうふうにすればお金はもうかるかもしれない。山は自然のままにしておいたのではお金はもうからないからというので、ことにひどいのは、山のまわりにさくを結ったり、あるいは道路の途中にゲートを作って、自然に立ち入るのに入場料を取ったりするようなところまでなってきたわけです。観光事業というものは、きれいな景色を見るというよりも、何かもうけ仕事に化している。これを何とか今おっしゃたように常識で食いとめられれば、それは理想でございます。ですけれども、その理想が今や実現できないのだから、法的措置をとってでも自然の荒廃を阻止しなければ、いまに日本じゅうどこにいらっしゃるのでも、入場料なしに入れなくなってくるんじゃないか、何らかのお金を払わなければならない、無料の自然がなくなるおそれがあると思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 そこで、どれから起きるであろう、たとえば富士山にケーブルを張るというようなときに、一体それは賛成すべきであろうか、反対すべきであろうかという点で、この間の寝姿山の問題でも、いいのか悪いのか、なかなか立場、見方によって、言いにくい。そういう点はどうなんですか、富士山のような場合について御意見を伺いたい。

戸塚文子評論家

○戸塚参考人 富士山の場合なんかでしたら、ケーブル・カーがどうしても必要かどうかを、まず議論する必要があると思います。その結果、自然を美しく保ちたいという、何かさっきおっしゃったような委員会でも作って、十分世論を聞いて、それで自然というものは、一たんこわしてしまいますと、家や何かなら簡単にまたつぶせるかもしれませんが——これだって居住権があるからつぶせませんが、人工のものと違って、自然のものは、たとえば一たん富士山の中腹に穴をあければ、なかなかふさげない、もとの形に戻せませんから、十分審議した上で、なおかつケーブル・カーが万人のために必要であるならば、富士山の景観をそこなわないように、つまりどんなにお金がかかっても、地下なら地下を通して、出口は岩で囲ってわからないようにする、そういう作り方があると思う。それならまだよろしいですけれども、そうするとお金がかかるものですから、何でも安上がりに早くやって、早くもうけて回収しようというもうけ主義が優先しているうちは、そういう風潮の間は、反対論が起こるのもやむを得ないのじゃないかと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤小委員 今の問題、ダンバーさん。

フレッドダンバー株式会社朝日イブニングニュース社嘱託

○ダンパー参考人 外国の例をとりますと、地元がこれをきめるのです。日本の例としますと、これは外来の資本が入って、そうしておれのところがもうけておればそれでいいのだ、その気持が多過ぎるということを戸塚さんが言おうと思っていると思います。ですから、地元の人たちに権利か与えて、うちのところをきれいにしたい、美しくしたい、そうすると、外国では、そういうものをやる前にはプランを出して、これはうちの土地にプラスになるか、マイナスになるかということをよく研究した上で、そしてほんとうにこの美しさを守れるか、守れないかという検討をした上でやることになっております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 川野芳滿君。

川野芳滿自由民主党

○川野小委員 各参考人の方々から非常に有意義な御意見の開陳がございまして、得るところも多かったのであります。私は、さらにお尋ねをいたしまして、お教えを願いたいと考えておりましたが、時間が非常に経過いたしましたので、岩切参考人にただ一点だけお伺いいたしたいと思います。  先ほど岩切参考人から、宮崎青島の「こどものくに」における美化問題についての、非常な貴重なる苦心談の御意見を拝聴いたしたのでございます。私も先日「こどものくに」に友だちと参ったのでありますが、「こどものくに」に参りますと、入場料が子供とおとなの区別がなくて、子供の入場料で入れる。すなわち、「こどものくに」は子供だけ入れるところであるから、おとなが参っても子供として取り扱う。こういう意味のもとに、入場料は子供の入場料をとられて私入ったのでありますが、安い入場料で喜んで中に入ったのであります。そして「こどものくに」の見学をしたのであります。さらに食堂に参りまして、ビールを一本飲みたいと考えて、ビールの注文をいたしますと、ここは「こどものくに」であるから、アルコール類は取り扱っていない。そこで係の人に、酒を持参してならばここでは飲んでいいのであるかということをお尋ねいたしましたところ、「ことものくに」は子供だけ入るところである、おとなが入っても子供として入ったのであるから、ここでは一切酒を飲むことは禁止しておる、こういう話を承ったのです。「こどものくに」がいかに清潔になっておるかということは、私が申し上げるまでもない点だと思いますが、そういうことから考えますと、酒がないから美化が保たれておるのでなかろうかというような感も、実は当時したのであります。先ほど藤原参考人のお話を承りますと、上野公園のあのよごれた一面には酒が伴っておる、こういうお話も承ったのでありますが、美化問題と酒というものが非常につながりのあるかのようにも考えられるのであります。岩切参考人は非常に研究家でございますから、こういう点について御研究されておるならば、御意見を承りたいと思います。

岩切章太郎日本観光協会運営審議会委員

○岩切参考人 「こどものくに」でございますが、子供たちにささげた夢の国、おとぎの国という意味で作ってみたのであります。おとなも子供のような気持になって入ってもらうのにはどうすればいいかと、いろいろ考えました結果、子供の小人券を買って入ってもらったらどうかというので、おとなも小人券で入っていただくことにいたしておるわけでございます。そうしますと、子供の自動車がございます、あれにおとなの人が乗せろと、こう言う。いや、それは困ると言ったら、小人券で入ったのだから、乗せぬというのはおかしいじゃないかというので、今はもう自動車も何も全部、おとなも一緒に乗っていただくようにいたしております。  初めは酒を飲んでもよかったのですけれども、酒を飲みますと、芝生がございまして、これは立ち入り禁止をしていないのでございますが、どうも酔っ払って、ときには大の字になっている。これはいかぬと思いまして、酒をやめてもらおうじゃないかということにいたしました。これはずいぶん苦労いたしまして、初めのうちは、一升びんを持ってこられますと、門のところで、「こどものくに」だからと言って一升びんを預かります。そうしますと、先に入った人にかきね越しにその一升びんを渡して入ったりして、ずいぶん困ったのであります。ある人から、お前は酒を飲まぬのだからいいけれども、酒を飲む場所を作っておりながら飲ませぬのはおかしいじゃないかと、ずいぶん抗議を受けましたが、「こどものくに」ですから酒盛りを御遠慮いただきますと、小さい紙きれを渡して絶えずやっておりましたところが、近ごろはみんな酒が飲めないということがわかりまして、一升びんを持ってきた人も、受付のところで言いますと、にこにこ笑って一升びんを預けて入ってくれるようになりました。酒を飲まないようにいたしましたので、大へん園内がきれいになったような感じがいたします。  先刻もお話ししたことでありますけれども、やはりこれは根強くやることだと思います。子供が散らかすのを怒っておる間はやはりだめなんで、すべての施設を絶えず努力しておりますと、みんな協力をしていただくようになりますので、私は、やはり人の性は善だ、みんなきれいなことが好きなんだ、こういう信念を持つようになりましたわけでございます。  まだまだ足らぬところがたくさんございまして、たとえば小鳥をいじめないようにはなったのですけれども、リスを放してみたいのですが、どうもまだリスを放すという自信がつきません。鳥を放ってみたのですが、これも非常にうまくいきかけたのですが、野犬が入って食べてしまうので、これに手をつかねておる。一番困っておるのは、リュウゼツランの丘を作っておるのでありますが、リュウゼツランというのは、肉が厚いので、あれに落書きをするのであります。何をしてはならぬという立て札は一切しておらぬのでありますけれども、そこにはリュウゼツランの落書きをしていただかぬようにちょっと書いてあります。何とかしてこのリュウゼツランの落書きをやめてもらうところまで参りましたら、私は少しは大口を申し上げていいのじゃないかと思いますが、そこまでは参りませんで、酒だけはようやく飲まないということをしていただきまして、大へんしあわせをいたしております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 細田吉藏君。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)小委員 時間がありませんので、私いろいろお尋ねしたいことがございますが、一点だけお尋ねしておきたいと思います。  便所の問題で恐縮ですが、私は、国土美化の問題、あるいはそれよりもっと広範囲な問題になるかと思いますが、外人の旅行者が来て便所が足りない。これは先ほどどなたかお話に出ましたが、外人に限りませず、国内のバスの旅行、それから普通の乗用車による旅行等、非常にふえておると思うのでありますが、途中で便所がないということで、私ども、町のたまにある公衆便所などでも混乱した状態を見受けるのですけれども、やむを得ないから駅へ押しかけていくということかと思うのです。これは駅が迷惑するということもございます。その駅へ行く行かぬは別としまして、バスの旅行者なんというのは、この問題は非常に大きな問題ではないだろうか。ことに御婦人の旅行者が非常にふえておることでありますので、こういう問題につきまして、私ども何とかしなければならぬということをこれまでも考えておるわけですが、ここで特にお尋ねを申し上げたいのは、岩切さん、宮崎県におきましていろいろなことをおやりになっておりますし、特にバスの事業をなさっておるわけですが、特に何か、こういうことはうまくいっておる、こういうようなことがございますれば——多分お困りにはなっていると思いますが、そのようなことがございますれば、お伺いをいたしたいと思いますし、それからダンパーさんなり戸塚さん、外国のあっちこっちの事情もよく御存じでございます。もっとこういうふうにしたらいいのじゃないかというようなことですね。今後自動車旅行者がふえる、また外人の旅行者もだんだんふえてきますと、これは相当大きな問題だと思います。こういう点について、名案といいますか、何かこういうふうにしたらどうかというようなことのお考えがあれば、承りたいと思います。

岩切章太郎日本観光協会運営審議会委員

○岩切参考人 バスの問題で、私いたしておりますことを一つ申し上げますと、それは先刻もちょっとお話しいたしましたのですけれども、バスで旅行する人たちのためには、今までは見物をするところだけが施設がしてあったのですけれども、バスで旅行いたしますと、その途中が非常に大事じゃないか。途中が公園のようになって初めてバスの旅行は楽しいのじゃないかというので、ロード・パークというアイデアで、沿道に木を植えたり、いろいろなことをいたしております。たとえば桃の木が何本かある部落がありますと、そこは桃の木に関心を持っておるはずでございますから、その部落にずっと桃の苗を配付いたしますと、ここに桃の部落ができます。フヨウのある部落でございますと、そのフヨウの苗を部落にずっと配付いたしますと、その部落がフヨウの部落になります。そういうふうに、沿道の景観や並木やその他でいろいろ変わって参りますと、バスの旅行が非常に楽しくなるのじゃないかという、そういうことで、ロード・パ一クということで、今までは点と点を結んでおりました観光を、点と線に広げて参っております。できますならば、それが点と線が面に広がってきますと、ほんとうの観光地ができ上がるのじゃないか、こういうふうに考えて、いろいろな施設をいたしております。何と申しましても、自然の景観を美しくすることが非常に大事でございまして、これは先刻もちょっと触れましたが、自然林などでも、一本の木がございますと、地方の人はその木の美しさを知らない。それで、少し周囲の木を切ったりなんかいだしましてその木の美しさを出しますと、みんな部落の人は、なるほどこの木はこういう美しさがあるんだ、それじゃ、この木は自分の近所にもあるんだから、こういうふうにすればいいんだということでやってくれます。自然のうちに美しさを見つけ出して、その美しさを大衆にわかるようにいたしまして、そうして大衆の協力によってその景色を広げていこう、こういうことでございます。ただ私、今までやりましたので非常に失敗いたしましたのは、たとえば日南海岸に、フェニックスの葉がいいので、フェニックスを植えたらきれいな景色ができるんじゃないかという夢を抱いて植えました。ところが、小さいものを植えますと、これは植えた者の夢であって大衆にはわかりませんので、切られたり焼かれたり、だいぶしたのでありますが、やはり一つの大きな木を植えまして景色を作って、こういうふうになるんだということを大衆の夢として与えまして、こういうふうになるんだからこれは大事にしてもらいたい、こう申しますと、地方の人はだいぶそうかといって協力していただくようでございます。そういう点は、修景をいたします上に非常に大きな関係があるんじゃないかと思っております。そういうことを今主としていたしております。

フレッドダンバー株式会社朝日イブニングニュース社嘱託

○ダンパー参考人 ただいまの便所の件ですけれども、外国の方では、自動車は前から多く使われておりますから、そういうサービス・ステーションの中に便所というものがちゃんと備えてあるわけです。日本では、まだまだそういうサービス・ステーションができていないというのが、現在の話です。これは近いうちに、サービス・ステーションに便所をつけるということにもなるでしょう。けれども、外国では、男女を区別されております。日本では、まだまだその点まではいっておられません。けれども、いずれはこれはなると思います。そうしてもう一つは、公園の方では、やはり公園の管理の人たちがずっと回るのです。日本の方では、国立公園といっても、回っておられるか、回っておられないかわからない。私は大へん疑問だと思うのです。向こうでは、公園の責任者は相当熱心に、ぐるっと公園を見て回って、そういうところで便所も見て回って、そうして詰まっておるんだったら、それを直ちに修理する。日本では、いろいろ各県でも、こういう公園の中で便所を作っておられるところもあります。りっぱなものです。けれども、これが一ぺん詰まったら、これはいつごろに直すか、使用できないようになっております。これを一つ考えてほしいと思います。

戸塚文子評論家

○戸塚参考人 日本では、今おっしゃったように、トイレットの設備が非常に乏しい。特にそこへ持ってきて、最近は長距離旅行が非常に発達しております。先日も大阪から東京まで夜行で、バスで旅行いたしましたけれども、その闇夜でございますので、おみやげもの屋さんその他が全部閉鎖しておりまして、トイレットがないのでございます。悲壮な覚悟を女のお客さんはいたしまして、水ものは夕方からとるなというリーダーの注意がございまして、殿方はよろしいのですから大へん不公平でございまして、殿方は随時おとめになって御用をお足しになったのですけれども、女性客は、大体夕方の食事のあとのお茶ぐらいからだんだん節約いたしまして、京都で、ここが最後です、ここで用足しをみんなして下さい、あとは女の方は東京までありませんよと宣告をされまして、ほんとうに東京に近づくころには、私は相当に旅なれて持ちのいい方でございますけれども、それでももうほんとうに気持が悪くなりました。そういう悲壮な思いをしないと、お行儀よく女の人は旅行ができない。それから東京から伊香保あたり行く場合も、一カ所しかないのであります。これは外国の例と比べますと、外国はいつもいい、いいと言うので気恥ずかしいのですけれども、事実でございまして、大体二時間置きぐらいのところに有料のトイレットがございます。これは男女平等に有料でございます。男の方も、野天で無料でなさいません。ですから、両方とも有料で、たしかイギリスが一ペニーかと思いましたが、日本の感覚でいえば十円かせいぜい二十円ぐらいで、いろいろな施設がございます。これは自然の美しいところでございますと、半地下式になっている。屋根だけがわずかに出て、あとは地下室式、都会のまん中も、地下鉄の入口に似ておりまして、地下式になっている。差しつかえないところでは、ただ、岩なんかたくさんあるところには岩で屋根などを囲って、それがまざまざとトイレとわからないように上手にできている。木立の間では緑の屋根とか丸太の壁とかいうふうにしまして、自然と調和よく、たくさん野天にも、町の中にも、有料トイレットがございます。各国ともそうでございます。スエーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ドイツ、みなそうでございます。ハイ・ウェーの横は、ガソリン・スタンドやサービス・ステーションやドライブ・インというようなものにトイレがございまして、それは有料の場合もあるし、無料の場合もある。ヨーロッパは、ほとんど有料でございます。日本でも、ぜひ少なくとも制限時速で走っていたら二時間に一回くらいは、このごろは中年のお年寄りの旅行もふえましたから、まあ二時間に一回ぐらいの割合でとめて使えるような有料トイレットで、管理人と申しますか、番人の方を置いて、——これは中年の女の人で就職したがっている人がたくさんおります。そして就職できないでおります。そういう方を採用していただいて、そこに管理の人を置きます。今まで東京都内にもその他の町にも公衆トイレはございましたけれども、番人がいないで無料となりますと、たちまちよごれてしまって使いものになりません。よごれると、ますます中に入らないで入口でいたしまして、ますますきたなくなるので、どうしてもお掃除をする管理人というのは絶対に必要だと思うのです。その方が入口にいらっしゃるだけで、かなりおよごしにならない。これはやはりその人に悪いという気持がありまして、人情で大事に使って下さる。有料のかわりに、紙とかそういうものを設備したらいいと思うのです。そうすれば、何といいますか、十円なり二十円を払ったことに対する見返りというものができますから、ただ何にももらわないと、日本人というのは十円、二十円出すのも惜しがりますから、紙などを置いて十円でも二十円でも払う、その習慣をつけておいて、今度は殿方がもし街頭でお水を放ったら罰金を取って——私は、必ず罰金というものがないといけないと思うのです。その罰金と、有料で設備のいいものとを並行さしていって、それがちゃんと徹底して、もうだれも罰金なんか払う人はいない、みんなお行儀よくなったら、罰金をやめてもけっこうでございます。最初はやはり罰金でいきながら、だんだんいい習慣に盛り上げて、どなたもとても恥ずかしくて表ではできないというくらいになれば、もうよろしい。それまでの段階を、時間をかけてやっていただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 時間もありませんので、私も便所の話を一つ。大へんいろいろ貴重な御意見がありまして、もうわれわれがお話なり意見を聞く余地がないほどです。ただ便所のことで、先ほど山下参考人から国鉄の経営についてもお話がありましたが、われわれの方の党の中で、実は汽車の便所について改造しようという声が強いのであります。というのは、昔汽車が広野の中を走っております時代は、今のようにたれ流す、といっては語弊がありますが、下に雲散霧消といいますか、そういう格好でいくわけであります。時代が変わりまして、こういうふうになってきては、単に停車駅におけるところの問題だけではなくて、沿線の問題にもなるわけです。さらには保健衛生ということで、線路の保守その他に従事する国鉄の職員等にも問題があるわけです。これは今まで長い伝統というか、そういうしきたりになっておりますので、今でも国鉄の汽車の中には、停車中の用便は御遠慮下さいというだけであって、停車場におけるところの黄金の山を築かないでほしいというのであります。全般的に便所の改造は必要だと思う。そこで、国鉄でも長いことそういう旅客サービス面で御経験の豊富な片岡参考人にお尋ねするわけでありますが、時代はそういうふうになって参りましたので、一部は、今日電車等はいわゆるためる装置を持ったものがあるようでありますが、ほとんどこの列車車両は、旧来のごとく通り抜け方式なんです。これは何とかこの際一つ、国有鉄道でありますから、まずこれから直すべきである、こういうふうに思うのでありますが、いかがなものでしょう。

片岡義信財団法人交通道徳協会理事長

○片岡参考人 私も長い間国鉄におりまして、この点久保先生がおっしゃる通りのお話を長い間憂いてきたわけで、いろいろそれに対して、沿線に村があるとか、あるいは車内に入ってくるとか、実験等のことについても伺っているのですが、やめましてから数年になって、その後技術が非常に発達した。国鉄の技術は世界一とこのごろ言われてきたのでありまして、ちょっと名前は忘れましたけれども、便所の話を私は昔からいわば後輩になる技師の方にしてみたことがあります。そうすると、最近技術的に少し考えております。少し変わってきたものがありますということを言っておりました。それで、私も技術の方でないものですから、詳しくどういうふうになっているかということを明らかにそこまでまだ突っ込んでおりませんですが、非常に研究しているようでありますから、また詳しく後日技術者の方にお尋ねを願ったら……。そういうことを言っておった技術者があるということを、私はヒントに申し上げる程度にしてお許しを願いたいと思います。同感でございます。

山下三郎日本国有鉄道東京鉄道管理局職員

○山下参考人 ただいまのお話で、最近改良したやつが考えられておるのだという話がございましたが、今度御承知の新幹線では、落とさないように装置するそうです。現在ありますのは、通称私どもミキサーと申しているのでございます。と申しますのは、クレゾールの消毒液のタンクが片方にあって、片方に水の入っているタンクがある。それでペタルを踏みますと、まずクレゾールの液の方が先に出てくる。それからがーっと音がしまして、今度は水と一緒に排出しますので、通称ミキサーと称しておりますが、そういうものを現在「こだま」、「つばめ」、ああいう車ではやっております。まだ全部ではございません。一部新しくできる車にやっております。新幹線では、その問題もおそらく解決されると考えております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原小委員長 他に御質疑はございませんか。——この際、参考人各位に対し、小委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり、貴重な御意見を承り、また、各小委員の質疑に対しましても、懇切丁寧にお答え下さいまして、まことにありがとうございました。本問題の今後の調査の上に、貴重な参考となることと存じます。厚くお礼申し上げます。  次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会

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