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39回国会参議院1961/10/19

予算委員会 第7号

発言数
383
登壇者
31
会派数
4
開催日
1961/10/19

会議録

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) これより予算委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告申し上げます。  手島栄君が辞任せられ、その補欠として鈴木恭一君が選任せられました。     —————————————

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 昭和三十六年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十六年度特別会計予算補正(特第2号)、以上両案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行ないます。森八三一君。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最初に官房長官に一点だけお伺いをいたします。  いつの国会でも、なるべく早く政府の予定されておる法律案は提案されたいという要求があります。当局でも、当然なことでありますので、善処をするというような見解の表明が行なわれてきております。今回のような非常に短期の国会の場合においては、格別にそういうことが強く指向されなければならぬということは当然と思うのです。そこでお伺いいたしたいことは、ただいままでに提案されておる法律案だけで、そのほかには新たに提案される予定のものがあるのかないのかという点を最初にお伺いをいたします。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) 今日以降提案を予定いたして準備中のものが災害関係十件でございます。それから新産業都市建設促進法案並びにILO関係法律案五件、並びに条約一件は、目下提案につきまして関係省庁等と調整中でございますので、まだ決定を見ておりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 すでにこの国会の会期は本月一ぱいに既定されております。そうして約七〇%に近い会期をすでに経過したという現状にかんがみまして、今お話のような災害関係の新しいものが十件、それにきわめて重要な新産業都市建設に関する法律案だとか、あるいはきわめて国民の関心を集めておるILO関係の法案五件というものが提案されるということになりますると、これは当然考えてみましても、残されておる三分の一、日数にして約十日というこの日数の間には、これは物理的にそういう重要な案件を処理するということは、これはだれが考えてみても当然不可能な問題であろうと私は考えます。そういうことが考えられまするのに、あえてここで提案されようということは、結論的に想像いたしますると、まあ提案をしておくけれども、これは必ずしもこの国会で可否を決するというようなことを期待しておらぬのではないかというようなことも考えられるわけでありますが、そんなでたらめにどうでもよろしいということで提案なさるものではないと思うのです。といたしますると、前後の関係からいたしまして、国会の会期というものは国会がきめるので、政府の介入すべきことではございませんが、議院内閣制という建前から申しますれば、政府としては当然これは与党に連絡して、提案した限りは、その成立をはかりたいというお気持におなりになると思うのですが、その辺の事情を端的にひとつ気持をお伺いしたいと思うのですが。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) 今、森委員御指摘のように、国会もだんだん会期が迫って参りました事情を勘案いたしまして、せっかく相談中でございます。ただ災害関係十件は火急を要しますので、これはぜひとも早く提案していかなければならぬだろうと思います。あとの案件につきましては、先ほど申し上げましたとおりに協議中でございますので、まだ決定いたしておりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 会期が非常に短くなっておりますので、どうしてもその成立をはからなければならぬ災害関係の十件のことにいたしましても、十分審議を尽くすということを考えますると、これはもう物理的に時間の余裕というものはないのじゃないか。その場合に一体どうされるのか。もちろん国会が会期をきめるのですから、政府が国会にとやかくおっしゃるべき筋合いでないことは知っております。知っておりまするが、事実行為として政府はしかるべく協議をなさるはずなんですね。そういうことについて、一体どうお考えになっておるかということなんです。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) したがいまして、今仰せのような事情を勘案して、せっかく調整中でございまして、まだ決定に至っておりませんけれども、今、森委員のおっしゃるような事情は十分勘案して考えておるつもりでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、提案する法律については、政府としては成立を期待するということが前提ですから、物理的にそれが不可能であるということであれば、会期を延長する等についても、要請をなさるということについて今協議中である、こう理解してよろしゅうございますか。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) ただいまのところ、政府として会期延長をお願いするというようなつもりはございません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に、大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。  今年度の当初に預金金利の引き下げということが行なわれました。その後諸般の情勢からして公定歩合の引き上げが行なわれました。最近におきましては、極度に金融が逼迫しておるということは、大臣も御承知のはずであります。そういうことに関連いたしまして、非常に高額なやみ金利が横行しておるという事実も、これも明確ではありませんが、抽象的には御了解になっておると思うのであります。これが日本の経済産業の発達の上に非常な悪影響を与えているということも、現実の問題として否定ができぬと思うのです。このことについて、一体どう取り組んでいかれようとしておるのかということについての所管大臣のお気持をひとつお伺いいたしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 金融の引き締めという政策をとった場合には、どうしても金融の資金壁が足らなくなるというために、やみ金利というものが出てくることは昔からの例でございます。これは結局、今の金融需要の多い原因はやはり設備投資でございますので、これをただ金融面から設備投資を押えようとするだけでは無理が伴いますので、まず、この設備投資の主体である各企業の計画それ自身に対して行政指導をやって、そうして需要を少なくするという方策も必要だと考えて、御承知のように六月からやったものの実態調査を今やって、どれだけ効果があるかということの調査をいたしましたが、民間で自主的に、大きい百五十社の計画は七・何%、八%近い自粛的な設備繰り延べに協力してもらいましたし、もう少しの協力を得れば、大体昨年の一割繰り延べという政府の要請に大体近づいてくるというような情勢になっておりますので、それに伴って金融需要というものもおのずから調整される。一方政府は、必要な成長政策に見合った金融は、設備投資を押えるための締めと同時に、必要な金融はその措置をとるという、そこらの運営は弾力的にやらなきゃならぬと考えまして、引き締めのときではございますが、年末に対するいろいろな金融の手当をやるとか、第四・四半期に対する金融対策ということも、今から私どもはもう考えております。そういうような一連の措置でこれは調整していくよりほかには仕方がないのではないかと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 ただいま大臣のお話のように、設備投資の行き過ぎをある程度是正をするということについて、民間のほうにも要請せられました。関係の民間各企業におきましても、そういう点について相当の協力をするという態度を示しておることも私は承知いたしております。それから中小企業等に対しまして、年末金融関係におきまして、数百億の特別の融資をしようというような構想もありますことは承っております。当然それらの措置は講ぜられると思いますが、そういう措置を講ずるだけでは、まだまだ今の横行しているやみ金利、私が最近伺いました一つの事例といたしましても、工場の誘致だとか、あるいは高速道路の開発等に伴いまして、農地が処分せられ、相当の多額の金が農家に入ったという事実を目当てとして、極端な例といたしましては、自分の金融機関に預金を請うために、自動車一台持っていって、それでひとつお願いするというようなととまで、実質的にやみ金利が行なわれておる。この極端な状況、こういうものについて、もう少し取り締まりと申しますか、そういう点を強化していかなければたいへんな問題が起きるのじゃないかという感じを持つので、が、そういう点どうお考えでございましょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 個人の金を銀行とか、もしくは保険、証券というような金融機関にこれを流させる方向への指導がうまくいけば、そういう問題がないと思いますが、資金需要が多くて、そうして一般金融機関がこの需要に応じられないというようなときになると、どうしても個人のそういう金が動き出すということでございますので、ただ預金金利を少し上げるとかいうことによって解決される問題か今までは大体こういう問題は、税務署を通ずるいろいろな指導によって、なるたけ正常な金融ルートに流させるようなことをやってきたわけでございますが、そういうような傾向が見え出したときでございますので、政府としても、これについてはいろいろ対策を考えたいと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 個人間に行なわれることでありますというと、なかなかそれを突きとめるということも困難でございますし、そういう指導をするとか、監督をするということは、政府の手が及ばないという点があろうと思いますが、正規に認められておる金融機関が、そういうような行動を起こしておるという事実がある。このことについては、当然私は政府として監督上の措置がなされなければならぬというように思うわけでありますが、このことにつきましては、十分ひとつ徹底した取り締まりをやっていただきたい。でございませんと、非常に金融機関内部におきましても、そういうようなことをあえて犯す金融機関と、正常な姿でやっておる金融機関との間に、非常なアンバランスの業務の進行が行なわれるということは非常によろしくないという結果が起きると思いますが、このことについては、特別の注意の喚起を申し上げておきます。  その次にお伺いいたしたいことは、十三日にこの委員会が始まりまして、一連の質疑応答を聞いておりますと、これだけ物価が上がりましたのに、既定の当初予算で既定の計画がおおむね遂行ができるのだというようなお話を承っておりますが、私は、これだけ物価が上がって参りますというと、そういうような結論が導き出されるということは、どうしても常識論として理解できないのです。わずかな物価の変動でございますれば、あるいは工夫をこらすことによって、そういう結果が与えられるかもしれません。しかし、ここまで大幅に物価が土がって参りますというと、既定の計画を既定の予算の中で始末をするということは不可能だ。だから、公営住宅とか公立学校につきましては補正が行なわれておりますので、その補正の内容においては、昨日も論議がございました。でございますけれども、一応そのことは建前として私は了解できる。その他の部分については、そういう結果にならぬのではないかと思う。といたしますと、各大臣のお話は、全くその場限りのものということになっちゃうのですが、大蔵大臣としては、やはりそのことが理解されるというようにお考えでございましょうか、いかがでございましょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) きのうも申しましたように、少しくらいの物価の変動というようなことで、きめた予算というものが動かされるべきものじゃなくて、その既定予算の中で弾力的に処理するのが今までのやり方であり、また当然予算の性質しそういうような運営がさるべきものだろうと思っております。今回の場合は、従来の年に見られたよりも、年初以来の物価の上がり方が少し多いということは確かでございますが、しかしそれによって、今度は予算が追随して国家予算を増すというようなやり方がいいかどうかということは、これは重要な問題だろうと考えます。で、そういう物価上昇の原因というものがどこにあるかということを政府が突き詰めて、これを正常な形に戻そう、行き過ぎを戻すことによって、この物価是正もしようという態度をとっておりまするからして、それに、現状についてこの予算の増額が行なわれるというような方向はとるべきじゃなくて、むしろ逆に民間の批評にもありますように、民間が自粛体制をとって、設備抑制のために締まろうというときに、国が自分の財政や財政融資の方針について、何らの削減措置もとらぬということは、国自身が協力しないことじゃないかという批評も非常に強いときでございまするので、私どもも、できるだけ必要な仕事はここで急ぐ、繰り上げても急ぐということをやると同時に、既定計画内で、少しこれを延ばしても差しつかえないというものは延ばすというような方針を今度はとったような次第でございまして、したがって、その間どうしても必要だという場合に、この実行単価をきめてやる問題もありますと同時に、事業量の圧縮になって現われるところも、あるいは繰り延べになるところも出てくるだろうと思います。これは、むしろそうすることが今の経済の問題に対処する方法でございますので、むしろそれは好ましい傾向だと私どもは考えておりますので、既定計画を変更するのではございません。計画自身はそのままにおいて、実施を少し繰り延べる。一定の単価を出すために、事業の圧縮によっても、その方がいいんだという問題は事業圧縮によってやる。繰り延べることによって対処できるものは繰り延べによって対処できる。既定予算内でそういう措置をとることが、当面政府として一番妥当なやり方だというふうに考えておりますので、この点は少しも私どものやり方が矛盾している、悪い方向だというふうには思えないだろうと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 十三日の木村委員の質問に各省の大臣がお答えになりましたのは、今お話のように、繰り延べだとか圧縮だとかというようなことを措置いたしませんで、既定の予算で既定の計画の仕事はおおむねやれる見込みであると、こういうようなお答えがあったと私は承知をしておるのです。今大蔵大臣のお答えでは、計画は計画として存在をしておるけれども、その実行を繰り延べていくんだということになりますと、今年度の当初に予算を組みましたときの計画とは、やはり狂ってくるという結果が生まれるわけですね。そういうことであるならば私は了解できるのです。できまするが、既定の計画壁をそのまますっかりやるんだということになりますると、それではつじつまが合わぬのではないかということを申し上げておる。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 物価が上がったと申しましても、御承知のとおり、昨年に比べて四コンマ何パーセント卸売物価が上がっておるといいましても、何でそれだけ上がったことになるのか、その一番の要因は何かと申しますと、御承知のように木材でございます。木材が非常に多く上がっているということから全体の物価指数が上がっているだけで、他の卸売物価、こういう特殊なものを除いたものの値上がりというものは、きわめてわずかであるという状態でございますので、物価騰貴があったからといって、国全体の事業の遂行にも差しつかえる部分もございますが、ほとんどやりくりで差しつかえなくやっていける部分というものも相当多いのでございますが、特に木材に関係したものがそういう事情でございますので、学校建築とか公営住宅についてだけ私ども特別の例外措置をとる、そのほかのものは今言った繰り延べ、あるいは実行単価をきめ、それに合わせて若干事業の圧縮があっても、あるいは設計の変更があってもやっていけるというものはやっていくという方針で、各省間のいろんな打ち合わせの結果、大体例外的なそういう措置だけとってくれれば、あとは何とかやれるというような見込みがつきましたので、今回の補正予算で特にこの二つに限ったといういきさつでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますると、結局年度当初に予定した事業の一部というものは遂行されないという結果の起きる場合もあること、それから、そういうような措置によって、政府といたしましては何とかやりくりをして既定の計画を遂行するということになるといたしましても、その関連が地方団体なり、あるいは関係の業者なり、そういう方面に対するしわ寄せとしてもたらされる場合も起きるということがあるんだという結果になることはお認めになりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それはきのうも出ましたことで、あると思います。実際に実施する責任者は地方の公共団体でございますが、政府の補助単価はそういうふうに動かされないものがあっても、あるいは今度のように動かされたものがあっても、実行単価において、実情に合った形でそれを遂行しようという場合に、地方財政に若干の負担がかかるというようなことはあり得るだろうと私ども考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そういうことが表面的にはきれいな言葉で説明されておりましても、結果的には、地方の公共団体を初めとして、関係の実施団体に知らず知らずにしわ寄せがいってしまうという結果として、やはり政治に対する不信の念というものが私は出てくると思うのです。非常にこれはおそろしいじゃないかと思います。でございますから、そういうような政治に対する不信という念を起こさせないようにいたしますためには、はっきりとこれだけは事実を打ち切るのだということを明確におっしゃる、あるいはどうしても緊急を要し、繰り延べ等が不可能な部分については、はっきりと補正をいたしまして、既定の仕事をやるというき然たる態度をおとりになることが、私はむしろ政治に対する信をつなぐゆえんだと思うのですが、あまりごまかしたようなことで、政府だけは始末ができるけれども、しわ寄せばお前たちかぶるのだといったような態度では私は感心しないのですが、どうでしょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 確かにおっしゃられるような問題がございますので、私どもここで関係省の相談によって、この間発表いたしましたように、公共事業を見ますと四百十五億円、これだけは今年度はっきり繰り延べをするというふうにきめて、こういうものだけは繰り延べをするというふうに、実施計画においてもそういう点は一部ははっきりして臨むことにいたした次第であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大臣に、実行単価の修正によってというお話がございますが、これは年度の当初予算をおきめになるときには、またあらゆる角度から検討をして実行単価というものがきまっておる。大蔵省の査定というものが、相当厳密に各方面の実態というものを審査をして適正な額がきまっておると思うのです。それが変えられてもしかるべくやれるということになりますと、当初の予算査定のときに甘かったという感じが出てくるのですが、そういうことではなくて、実行単価の変更だとかというようなことが行なわれるというようなことがあり得るのでございましょうか、物価が上がったときに。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 予算単価というのは御承知のとおりでございますが、これによって予算の積算はいたしますが、しかし、実際においてその地方において実施をいたします場合、国の積算の基礎になっている予算単価どおりにすべて実施しなければならぬ、そういう建前にはなっておりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 もちろんそのことは了解いたしておりますが、物価が下がったときであれば、むだづかいしないようにということも、これは理論的には当然なされなければならぬと思うのです。しかし、物価が上がったときに実行単価を変更するというようなことは、一般論としては通用しないのじゃないか。もしそれが通用するとすれば、最初の実行単価というものにあやまちが犯されておったということにならなければつじつまが合わないような気がするのですが、それはどうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは年度初頭において、その年の物価の値上がり値下がり状況を十分に考えていたすべき問題だと思いますが、御承知のように、ことしの予算編成のときにおいては、本年度の物価というものについて、今実績で出てきたような方向は予想していなかったから、当初予算においてはああいうことになった。しかし、実際において少し変わってきましたので、きた場合にはそれに対処するときの策をとるより仕方がございませんので、それでやっていければやっていくし、いけないものは延ばすということもあり得るし、国としてどうしても無理だ、しかし、既定量を削らせるということをやるべきでないというものについてのみ特別に単価改定をやったということでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私その辺が、事業量の繰り延べをはっきりおきめになったという部分については、これは事のよしあしは別にして、了解いたします。それから公立学校等の予算を補正せられましたものについても、十分私は了解いたしますが、しかし、年度の当初におきめになった予算単価というものが、こういうような予測せざる事態によって変更せざるを得ないということになったときに、物価の値上がりのときに、同じ分量のものを実行単価を変更してやるということになりますれば、当初予算にゆとりがあったということが、しからずんば既定の事業について手抜きをする、もっと簡略なことをやるというようにしなければつじつまが合わない。もしそうだとすれば、これは将来に非常な禍根を残す。この際は形だけは作ってみるが、その耐用命数等についても非常にむだなことをおかすというような結果が生まれるのではないかをおそれるのです。当初予算査定のときの単価というものについて、私は、大蔵当局としては十分精査をしておきめになっておる、そのことに私は信をおいておるのです。それが物価の値上がりの際に、実行単価として変更してしかるべく行なわれるのだ、事業分量の圧縮がなされるならば別ですよ。が、同じ事業分量で単価の変更が行なわれていくということになりまするというと、問題が将来に残されるようになる。そういうことをやっていいのかどうか。これは非常に大きな問題が先に繰り延べになるおそるべき結果が生まれるのではないか、こう思うのですが、そんな中途半端なことをおやりにならぬで、もっとはっきりなさったらどうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) このやり方の内容は単純じゃなくて、いろんな方法がございます。で、設計の変更とか工事の仕方とか、影響のない範囲においてのやり繰りのつくものがありますし、そうでないものは、たとえば一千メートル道を延ばすということがきまっておりましても、その計画は変更しないで、来年度から継続していくのだ、ことしはたとえば八百メートルでとどめておいて、そこまではやってしまうというようなやり方で話がきまっておるところもございますし、実情に応じて、既定予算内で何とかしてやろうという方向でいろいろやっておりますが、まあむずかしい問題は、事実上は事業量の圧縮になって現われている問題が多いだろうと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最後におっしゃったその事業量の圧縮になって現われてくるであろうということでございますれば、これは私了解します。しますが、事業量は変えませんということを担当各大臣ははっきりおっしゃっておるのですね。そこに私は疑問を持つのです。そうすれば、今お話しのように、千メートルのものをかりに舗装する場合であれば、こういう工法でやるということにきまっておるその千メートルをやる場合に、今度はその舗装の厚さにいたしましても、前の計画を変更して薄いものをやってしまえば、これは非常に早くいたむということで、何をやったかわからぬ、非常に国損を将来に予定をすることになってしまうのですね。そういうむだなことをやっちゃいかぬというのが私の申し上げていることなんです。ですから、最後におっしゃったように、事業量が結果的に圧縮されるのだということならわかる。わかるが、事業量は変えぬと各大臣がおっしゃるものだから、それならつじつまが合わぬのじゃないか、こう申し上げておるのです。そこを一体大蔵省はどう受け取って財政支出を処理されていくのかということなんです。千メートルやる場合にどういう工法でやるか、それから千メートルやるのだけれども、もっと薄いものをやって、最初の計画であれば永久のものであるが、今度は十年かそこらでこわれてしまう。今度は格好をつけるためにやむを得ないということは認められるのですか。そうでないとつじつまが合わぬですよ。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 事業計画は変えない、しかし、今年度のこういう措置によって本年度分の事業量というものは、事実上圧縮されることになるという関係になろうと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の大蔵大臣のお話で、十三日の木村委員に対する各省大臣のお答えが修正せられたというように私は理解をいたしまして、この問題はその程度にいたします。  それから、農林大臣にお伺いをいたしたいと思います。最初に、昨日来論議がございましたように、だんだん経済の成長を進めていきまするために、工場が地方に分散されてくるという傾向を見るのでありまするし、政府も、非常に低所得階層でありまする農業従事者の農業外収入というものを取得せしめる、そうして全体的に農業従事者の所得を向上せしめていこうというようなことから地方に分散をするというようなこともお考えになり、奨励をされておる模様でありまするが、そうなりますると、農業生産のほうには、きわめて重要な悪影響が生まれてくることを考えなきゃならぬと思うのです。一つ卑近な例をとりましても、工場から出てくる廃液等によりまして、河川の汚毒から生ずる水産の減退、それが灌漑用水に入りますれば農作物に対する被害というような問題がすぐこれはもう発生をすることは、今までの経過に徴しても明らかであります。そうなりますると、この工場の地方分散ということについては、かなり計画的にやっていかなきゃならぬと思うのです。が、しかし、実際のその問題にぶつかって参りますると、工場を誘致することによってその地域における地価が上がるということが一つございますので、なかなかこれはむずかしい問題。それから市町村等になりますると、それによって、現行の税法では固定資産税の収入というものが市町村の運営の相当の部分を占めておるわけでございますので、そういうような派生的に起きる損害というものには目をつぶってしまって、ただ税収を多くせんがために、こういうようなことで無計画に誘致が行なわれるというような場合もないわけではないと思うのです。その点は、よほどこの農業生産について元締めを預かっておっていただきまする農林大臣としては、相当周到な態度で臨まなきゃならぬと思うわけでありまするが、こういうことについて、一体どういうような心がまえでどういうようにしていこうとお考えになっておるのか。これは現実の農村の実態に即してひとつ御見解をお伺いをいたしたい。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり、汚水に対する対策は、企画庁におきまして、農林水産その他と関係がございますので、これに関する法律の制定も見ておりますが、これはまあごく特定な河川の水の検査をやって、そうしてこれに対してどうするというようなことも遅々としてはかどっていないように私は考えますが、ただいまお話のありましたように、各地におきましてこの問題が出ております。同時に、農薬関係の問題も出ておりますので、常に細心の注意を払いまして、地方に問題があるごとに、これに対応して応急の対策を講じて参っておるのが現状でございます。まあしかし、根本的には、ただいま申しましたように、汚水をどうするかということは企画庁を中心にして研究が進められておる。この研究の結果を待って根本的なものを立てていくということになろうと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私は、汚水の問題を重点的に取り上げたのではなくて、それは一つの例として申し上げたんです。工場が地方に分散せられるという結果、農業生産のほうに非常に重大な問題を巻き起こしつつある。そこで、工場の地方分散ということについては、農業生産との関連において、計画的にこれを遂行していかなければいかぬのではないか。思いつきではいかぬ。ただ、地方の要請があり、税の関係等から工場を誘致したいということにただ追随をしておるという態度ではいかぬのじゃないか。それに対しては、もう少し農林大臣としては計画的な方針があってしかるべきではないかということを申し上げておる。そのことについての御見解を伺っておるのであります。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 私も同様に考えますけれども、現在におきましては、今御指摘の点は、農林大臣の権限におきましては、まあ何とも仕方がない、所管の問題としては取り扱いかねると思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 これもちろん国全体の総合的な観点に立たなきゃなりませんが、農地の転用につきましては農林大臣の所管に置かれておるわけでありますので、そういうような農林大臣の権限に属しておる行為の発動に関連いたしまして、相当強い一つ態度をおとり願う必要があると思うのですが、これは、行き当たりばったりでやるということでよろしいのでございましょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御指摘のような意味合いも多少は考えつつ、実はこれまで、御承知のとおり、五千坪未満の農地につきましては地方庁、五千坪以上のものにつきましては農地局長ということで委任いたしておりましたものを、今回全国の農地転用のものを農林省に集めまして、農地局を中心に、私どももこれに意見を述べて、そうしてあまりに農業生産に支障のあるようなものについては考慮するというようなことでやっていきたい。と申しましても、これは消極的に、出願がありましたものを考えるのでありまして、こちらが積極的に、計画的にどうこうというわけには参りません。ただ、最近私が大臣になりましてから、今も申し上げましたように、農地の転用を中央にまとめましてからは、ほとんどございません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私の伺っておりますのは、その消極的な態度ではなくて、むしろ農業生産を守るという立場から、積極的に何らかの具体的な計画というものを持つべきではないかということを申し上げておるのです。そういうことは不可能なのでございましょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 森さんも御承知のとおり、農林大臣は積極的にどうすればそういうことになりますか。今の私の立場では、農地の転用をしたいという申し出があれば、それがいいか悪いかということでございまして、計画的に、私は、ここならば許せるのだ、こっちへ来いとは、一般の農民の所有しておる所について、現在の農林大臣の所管におきまして、積極的にどうこうということは言いにくいと、こう思うのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 農地の転用については、農林大臣が権限をお持ちになっておるのですから、私は、個人の財産権をどうこうということになりますれば、非常にむずかしい問題とは思いますけれども、日本の国内における農業生産を維持増進して参りまするためには、こういう地点は農業生産用地として確保する。こういう所は、水利その他から考えましても、工場用地にふさわしいというような、何らかの包括的なものでもおきめになって参りますれば、工場を作ろうとする方々もそれに準拠されるでありましょうし、あるいは鉄道の敷設、道路の開さく等につきましても、これは能率的に物事が進んでいくのではないかということをおぼろげながら考えるのですが、そういうことは全然考えることはむだだと、あるいはむずかしいからいけないということなんでしょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) ただいまのお話は、私が最初に申し上げましたとおり、けっこうなことだと考えますが、それは、農林大臣の所管としてやるべきことは多少逸脱しておる。国土全体の計画として、国の方針として、あらゆる角度からそういう計画があることは望ましい姿でございますが、それを一農林大臣の立場において、この方面には鉄道を敷いたらこうなるだろう、この方面の川はどうなるだろうということは考えておりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 好ましいことでございますれば、国務大臣としては、そういうような方向に進んで参りまするように、ひとつ御尽力をいただきたいという希望を申し上げておきます。  その次に、食糧問題につきまして、若干お尋ねをいたしたいのです。その第一点は、大臣がお話しになっておりまするような、自由米というものを認めるということになりますれば、これは、農家が必ずしも政府に売らなければならぬという義務を持つわけではございませんので、私は、高く売りたいというような希望だとか、いろいろな希望によりまして、政府の方に集まってくる時間というものがはっきりしなくなってくると思うのであります。これはもちろん、持っておりますればだんだん変質をするものですから、そう長く持っているというわけにはいかんと思いますけれども、理論的にはそういうことが起こるといたしますると、他面配給につきましては、一定数量を希望する者には現行どおり与えていくということを約束なすっていると、端的にこれを眺めますると、確定数量の配給を約束する。それを補うために必要な数量というものは、理論的には一応不確定であるということになると思うのであります。不確定の数量というものを根拠にして、確定数量の配給を約束するということは矛盾が起きるのではないか、その矛盾をどうして是正していくかということを考えますると、これは、外国食糧については、一応政府が管理をするということをおっしゃっておりますから、外国食糧の輸入によってそのギャップを穴埋めをするということが一つあろうと思います。もう一つは、特別に買い入れをさせまして、政府が一定数量を別途につかもうということも御計画のようでございますので、そういう措置の発動によって、そういうようなことの起きた場合には対処する、こういうこともあろうと思います。そういうような場合には、どういうことによって対処をなさろうとするのか。その辺のお気持をお伺いいたしたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 私が、食管制度についてこういうふうなことはどうであろうかということを申し上げましてから、各方面でお話し合いになっております話を聞きますと、理論的に、こういう場合もあるのじゃないか、ああいう場合もあるじゃないかという御議論が非常に多うございます。私は、米の問題のようなものは、事実の問題でございまして、もちろん理論を超越するわけには参りませんけれども、こういう場合はどうであろう、ああいう場合はどうであろうという、場合として持ち出されるものは、事実を非常に極端に追い詰めた事例をもって議論されている場合が相当にあるように思うのであります。ところが、かねて私が申し上げますとおりに、こんなばかなことを言うと、おしかりを受けるかもしれませんが、米というものは、年に一度取れるものでございます。食べるというのは、一年を通じて食べるものでございます。したがって、一度、九月からおおむね十二月まで、この三カ月の間に取れるものでございますから、取れたものを一ぺんに、三カ月の間に食べるなら、これは、野菜だとか牛乳だとかというものは、これはなかなかむずかしいと思います。ところが、米のように、三ヵ月間に一年分取れる、その一年分のものが、今お話のように、一年分配給するものを三カ月の間に収納しなければならぬものじゃないと思います。ところが、長年の習慣で、しかも現実にも、今お話のとおり、持っていれば金利、倉敷の関係もある。質も変わる、土用をこして米の質が悪くなるというようなことは、もう百も皆さん御承知でございます。おおむね出来秋に政府に売れば一番それが有利であるということは、どなたもおわかりのことでございます。それから先の金利、倉敷一切を政府が負担するのでございますから、したがって、おおむね明年のどんなにおそくも二月、三月までの間に、従来の慣習から申し上げましても、政府に売ろうと思う者は皆売ってくると私は思います。その慣例がくずれるわけでは私はないと思うのであります。特別に何か、これは先高だ、持っていればどうなるという思惑があれば別でございますけれども、そうでない限り、大体において、国内で生産せられたものは、まず政府に売ろうという意欲のある方は、三月ぐらいまでに売っていらっしゃる、こう私は思うのであります。なおかつ、政府は早場奨励金を出す、六月には予約奨励金を出すということをいたしているのでございますから、おおむねここらの植えつけどきから早場奨励金のところで、政府に収納される予定のものは勝負がつくと、こう考えておるのであります。それが、今お話のように、不確定なものとおっしゃいますけれども、私は、第一に、そうは考えておりません。第二には、これもかねて申し上げますとおりに、どれくらいが配給を予約される人だろうか、配給を希望される消費大衆はどれくらいあるだろうかということは、これも続いているのでございまして、それが経済事情等その他によって高低はございます。増減はございます。しかし、その傾向というものはわかっているだろう。そこで、配給に依存される大衆はどの程度、自由米を買われる人がどの程度という傾向がわかる。そこで、米屋さんのほうにしても、買うという意欲のない者に自分が米をたくさん備えておったところで、売れないのでございますから、売れないものを米屋さんが買ってくるわけがない。いずれにしても、作るのはお百姓さん、食べるのは大衆、この間に政府が流す、今のように自由米で流れる、流れ方は二通り、出てくるところと落ちつくところは同じなんでございますから、別にわきにどこにも行くところはないのでございますから、そうして見れば、それは、今お話のように、一ぺんに同じ季節に同時に行くのなら別でございますけれども、取れる時期は一ぺん、食べるのはぶらぶら一年間を通じて食べる。その間にぶらぶら流れていくというのでございますから、そんなにめんどうなことを考えないでも、外米を手当をしなくても、何をしなくても、ただし、生産が異常に変化して参りまして、また、非常に天災等によって少ない、このときには、むろん外米の手当をしなければならぬと私は考えます。需給だけはどこまでも合わせなければならぬ、これは考えます。そうでない限りは、まず今までの従来の流れの傾向に従って、それを今までどおりに政府は管理を続けて参る。ただ、管理にはずれておるものは、今申し上げますように、やみ米と呼ばれるものは自由米というもので流れる、合理的に流れるということでいいのじゃないか、こう考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 まあ大臣もしょっちゅうおっしゃっておるように、事国民の主食に関する重要な問題ですから、あらゆる場合を想定して、石橋をたたいた上にも石橋をたたいて、万遺漏なき措置をしなければならぬというお話、私もこのことについて同感です。ですから、理論的にこういう場合が起きはせぬかということが考えられるとすれば、そのことに対してどう処置するかというくらいのことは、考えておいていいと思うのです。そんな場合は起きないというのならば、これは考えることが間違いですから、これは取り消しされてしかるべきと思いますが、理論的にそういうことが起き得る可能性があるというのならば、それに取り組む態度というものは、石橋をたたくという観念から、当然私は出てこなければならぬと思うのです。今、大臣がおっしゃいますように、一年中かかって食うものだ、取れるのは三カ月か四カ月で取れるのだ、そのとおりでございます。そのとおりでございまするが、現行の規則のもとでは、政府に売らなければならぬという建前でございまするから、それがずっと集まってきておるということなんです。これが自由ということになりますれば、必らずしもそういうようなスムーズな流れというものはない、起きないのじゃないかと私は思います。一年中総決算すれば、これは、あるべきものがあって、食う人が食うから、それはそのとおり、差し引きゼロになるかもしれませんが、時間的には問題が起きる可能性がある。時間的に起きる可能性に対処するという対策がなければおかしいと思うのです。そういう場合に、もし起きた場合にはどうお考えになるかということを私は聞いておるのです。石橋をたたくということなんです。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 私は、起きた場合には、とおっしゃいますけれども、私は、起きると思っていないのでございます。それからまた、起きるときはどういうときに起きるか、起きるときが私には想定できないのでございます。と言いますのは、戦前のように、従前のように、端境期に非常に米が不足をするという、端境期というものに米が不足をいたしません。これもたびたび申し上げますが、前年産米と新穀とがダブります。今はこれから米でいいます端境、十月三十一日か十一月一日にやる、−そのときに古米は減ります。古米は減りますけれども、新米は政府のお倉に現にたくさん入っております。そういうふうに、新米と古米とがダブって参りますから、しかも、早場奨励をいたし、生産を改良いたしました結果、米の生産が非常に早くなっております。御承知のとおり。したがって、従前のまうに、十月三十一日になって、端境期だよ、そのときは米が幾らに減りますよというような計算をする必要が私はなくなってきておると思います。そういう観点から、実は起きるとすれば、森さんのお考えのように起きるとすれば、一体いつごろそれは起きるだろうか、私はそういう想定がつかないのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大臣のお考えのように、起きないとすればしあわせですが、起きるという心配があるのは事実ですから、もしそういうようなことが杞憂に終わればけっこうですけれども、杞憂が現実問題になったらたいへんですよ。だから、そういうことが一部に思考されるとすれば、それに対する対策をお持ちになっておれば、それは使わなくて済むのですから、その場合にはこうするというお考えがあっていいのじゃないですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 今申し上げますように、こういう時期にこういう原因でこういうことになるじゃないかということを御指摘いただいて、そうしてそういうためにこういうことをしておいたらどうだという御親切なお話があれば、それはむろん、私は取り上げて検討いたします。ただ、ゆえなくそういうことは必要ないとは申しません。したがって私は、各方面の御意見を伺っておるのでございますから、これは、ただいま私が申し上げますように、私にはそういう想定ができません。現在のそれはそれで、私はそれを考えていませんとお答え申し上げたんです。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 生産者は、現在の政府の買入価格にも、必ずしも全幅的に満足しておるとは私は思いません。一部には、もちろん満足している人もありましょう。といたしますると、もちろん自由ということになりますれば、高く売りたいという希望を持ちましょうから、そういうことによって、政府に売り渡すことを一応手控えするというような行為は、私は当然起きるだろうと思うのです。そういう場合には、ごくわずかな短期間であったといたしましても、ギャップを生ずることがあり得る。そういうことが慫慂されますると、新聞でもそういうことを言っておりますね。これは、十月六日の毎日新聞ですか。現在は、消費者は手持ちがなくても全然不安を感じない。いつでも配給を受けることができるからである。これは、食糧政策としては最も理想的な状態であるといえないだろうか。そしてそれは、やみ米を含めて、米の需給が均衡状態にあるからである。しかし、やみ米が自由になったとたんにこの均衡がくずれるおそれは多分にある。かりに流通壁の一部でも買い占めて、たな上げしようというものが現われれば、消費者の買いだめを誘発しないとはいえない。均衡状態は、ちょっとしたはずみで、人為的な操作でくずれるおそれがある。こういうことを新聞の論説で指摘しておるのです。私は、こうならぬことを期待いたします。要求いたしますが、こういうことがもし起きたときには考えなければならぬ。その場合にはどうするという対策というものを御発表になることも私は大切だと思うのです。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) その点は、私も最初から申し上げております通りに、消費者、生産者の納得ある、御理解ある御協力がいただけなければこれはできません。法律でしばるより仕方がない。一般の現在の日本の国民諸君が、法律でしばらなければ米の問題について運営ができないような事態かどうかという問題だと私は思うのであります。それほどお互いの問題、政府はこれだけ協力しておる問題、それをなおかつ、法律で処罪するという規定がなければ、国民諸君は御協力できないというならば、現行制度で行くより仕方がない。こう思うのであります。しかし、たびたび申し上げますように、法律があっても運用されてないじゃないか、食管法というものがあっても処罰しないじゃないか、取り締まりをしないじゃないかという状態であると私は思うのであります。お話の通り、消費者が買いだめすれば、すぐ行き詰まります。生産者の売り惜しみは、これは私は、出来秋のことでございますから、それはそう大したことはないと思いますけれども、消費者の買いだめについては、すぐそのようなことをやれば行き詰まります。それはその通りでございます。でございますから、消費者の全面的な理解ある協力がなければいかぬ。その協力を得るためには、常に配給に不安ないという数字的な事実を十分に国民諸君に知っていただく必要がある。それさえ理解さして協力がいただけるならば、私はやれる。幸いにして、今日消費階級には反対を私ほとんど聞いたことがございません。でございますから、御理解ある御協力が願える、こう考えております。一応今のお話のような点については、むろん考えなければならぬことで、その点でございましたらば、十分に私は用意をして、十分に確信がつくまでは踏み切ってはいかぬ、こういうつもりでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 この協力の度合いの問題ですが、これは、一応大臣として、これなら大丈夫と思っておやりになっている。ところがちょうど予算と同じで、そう物価は上がらぬと思ってやつたところが、四割何分も上がって、補正をしなければならぬということが、わずか三カ月で発生するのですね。ですから、お互いにこれは見込みですから、見込みが大丈夫と思ってやるのです。悪意はない。けれども、それが狂ったという場合には、大へんなことになるのですから、予算の問題どころではない。だから、そういう場合にはこういうことをするというようなことがあってしかるべきだと思う。大丈夫と思っても、それが見込みが違ってくる。これは、人間ですから、ないとはいえない。そのくらいの対策はあってもいいんじゃないですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) それはもちろん、そのとおりでございまして、たとえば買いだめが  買い占めがあれば、これには売り渡し命令を出します。国内処置については強力な権限を留保しておきます。さらに、それでも需給上不足がくるというようなことでありますれば、幸いにしてわが国のあまり遠くない所に米の手当は今日可能でございます。かつての戦争後のように世界中探しても米がなかったというときと違いまして、今は買おうとすれば売り米は幾らでもございます。したがって、その手当には私は比較的事欠かない、緊急に処置ができるということも考えないことではございません。しかし、なるべく自給でいきたい。  お許しを願って、もう一点御説明いたしたいと思うことがあります。これまで私は、この制度についてこういうことを申し上げたことはないのでございますが、最近だんだん勉強して参りますと、一番今米の問題について大事なことは集荷にあらずして配給である、さらに消費であるということに私は力を入れなければならぬと考えております。どういうことかと申しますると、今までは米の足らなかった時代であるから集荷に全力をあげておった。農林省の食管制度は米をいかにして集めるかというところに重点を置きまして、集荷に対してはあらゆる施策を講じ、予算の上におきましても相当の金額を使っております。ところが、御承知のとおり最近数年間の豊作と申しますが、八千何百万石、本年のごときは八千七、八百万石というような数字が現実にとれるようになりました。しかも、これは異常な豊作ということでなしに当然、八千三、四百万石は平年作というような見通しになりまして、さらに私は農業基本法その他の施策によりまして、米の増産はどんどん可能である、意図してやって、奨励していくべきであるということになりますれば、増産は考えられても減産されることはない。ふえることはあっても減っていくことはないということであろうと思います。ところが消費の面につきましては、今まで足りないものを配るということでございますから、消費者自身がお互いに警戒をし、検討をし、十分注意をいたしておりましたから、そこに比較的政府が手を抜いてもよろしい点があったと思います。でございますから、現に政府は地方庁間の協力を得て卸し段階までやっております。小売については一応小売を厳正にするために配給量をきめ、配給機構を持っておりますけれども、これらについては相当に手が抜けております。そこに私はやみ米か配給かというような点についてもいろんな御議論が出てくるというのは、そこにあると思います。ところが、これから先の政府の一番力を入れなければならぬ点は、せっかく政府がこれだけの施策をいたしまして、そうして大衆の生活安定に寄与するというところに相当大きな点があるのでございますから、配給の点について細心の注意を払い、十二分の監督をして配給機構を整備するというところに置かなきゃならぬと私は考えます。集荷よりも配給である。この必要なところに必要な値段の米を配給するというところに重点を置いて、これから農林行政はやるべきものであるというふうに考えるのでございまして、むしろ、私は集荷の面におきましては適正な価格を維持するということによって、農民諸君は政府にどんどん売っていただける、こう考えておるのでございまして、むしろ集荷の面よりも、これからは配給の面に重点を置いて考えるべきだというふうに考えておるのでございます。で、それらの点についてはひとつ緊急に私はしかるべき方策を考えたい、こう考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 万が一起きる集荷の不足に対しましては、しかるべき近い地点に購入する米の余裕があるように思われるから、そういうことを考えるということの御見解の表明がございましたので、一応そのことはその程度にいたします。  そこで、特別買い入れの制度というものがございますが、この特別買い入れの制度を発動なさる場合はどういう場合かしりませんが、もしこの制度を発動する場合があるといたしますれば、政府のきめておる買い入れ価格ではおそらく集荷は困難であろうと思いますが、どういうような価格関係でこの制度を運用なさろうとしておるのか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり、農林省から出しました要項は素案でございます。各方面の御意見を承り、研究を続けておる案でございますから、結論的のものでないことはあらかじめ御了承いただきたい。そこに考えましたところのものは、良質米が主としてやみに流れていく。まあ、しいて申せば、等級の低いものばかりが政府にくるというようなことでは適当ではございませんから、そういう際に、良質米について特別に手当をして買い入れしたい、こういう所存でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますると、現行の買い入れ価格というものは品質のことは問題にいたしておりません。その制度を変えて、今後は品質別に価格をきめようということになりまするのか、現行のきめ方の中で、うまいものだけは政府の買い入れ価格よりも同じ等級のものでも高く買うという措置をなさろうとするのか、その点何かございましょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり今一応の等級はつけております。一応の等級はつけておりますけれども、これは量を目標としてやって参りましたことでございますから、完全に質についての格づけがついておりません。その必要な段階が順次くる。そういうものを奨励していきたいと私は考えております。しかし、さしあたって今申し上げましたように、政府のほうに等級の低いものばかりがきて、等級の高いものばかりが自由米に回るというような傾向が万一ありましたならば、特にその際には考えねばならぬだろうという意味で、そういうものを今研究しておるということに御了承いただきたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、現行の建前の中で、等級の上のものを政府が買うとおっしゃいまするけれども、それはいわゆる自由米として別価格で処分がされるという段階なんですから、その実勢価格というものに即応しなければ、そのことの実を上げるということには参りかねると思うのですね。ところが、政府のほうの買い入れ価格はちゃんときまっておる。別価格で買わなければならぬ、こういう措置がなされるというふうに了解してよろしゅうございましょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) そういう必要が起こった場合にやるということでございまして、常時それを考えて、そういうふうなものに応対するということは考えておりません。現に自由米にいたしましても、自由米のことでございますから、御存じのように全国運賃平均もしくはこれまできめて参った品質等についても、別にそれを取り上げて価格はきめておりません。でございますから、そういう点について自由米がこれに入ってくる余地が出てくると私は思うのであります。それらを順次合理化して参るにいたしましても、たとえば、同じ東北にいたしましても、宮城、岩手のお米が一体秋田、山形の米との間に、一方は早場奨励金がついて高く売れる。一方は早場に出て参りませんから安いというようなことが、一体米に対しての現実問題であるかどうかということになりますと、それが早く使うならばよろしゅうございますけれども、そう早く使うわけでもない。同じ時期にそれが配給するお米になるのだというようなことになりますると、そこに割り切れないものが出てくるだろうと思います。それら是正しなければならぬという点があると思います。急にそれをやるというと日本国中大問題になります。現に、不合理である不合理であると考えつつも、現状を変えるということには非常な困難がありますことは、御承知のとおりであります。したがって、そういうものを順次是正していくことが適当じゃないか。もし誤解があるといけませんから……、それを、国全体の米の値段を動かすということは全然考えておりません。そうでなしに、そういう中において、そういう点があるということは森さん御承知だろうと思います。そういう点について考慮する必要があるのじゃなかろうか、こう考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の話題を変えまして、政府のきめておる買い入れ価格は、いわゆる生産者所得補償方式ということで食管法に命ずる再生産を確保する所得を補償する。もちろん、これは具体的には金額については論議があります。建前についてはそういう建前。そういう建前をとるという責任を政府が負うから、その反射的なものとして全部政府に売るべきであるという義務を私は命じておると思う。今度は政府のほうだけが責任を背負って、相手のほうは自由だということになる、形の上では。こういうことが一体経済政策として合理性があるでしょうか。政府は国の責任で、国民の税負担で、ある一定の額というものについて責任を負いますよ。だが、お前たちはそれ以上自由だというような制度というものは合理性があるのかどうかという点、どういうふうに御理解になっているでしょうか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 純理論的に申せば、森さんのおっしゃるようなこともあるかもしれませんが、大体日本の農村の場合におきまして、日本の農村の脆弱性、客観的に、国際的に見て非常に条件の悪いというような点から申しまして、私は政府が義務を負う——義務を負うという言葉は少し言い過ぎでございますれば、米価の維持をして、そうして、農業経営の安定をはかるという農業政策から出発しておることであって、それに対して相手方に義務を負わすというところまでいく必要はないのではないか、こう考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それからその価格の問題ですが、現在のきめられておる一万  一千五十二円五十銭という米価は、一応合理的なものと受け取っておるかどうか、具体的にお伺いします。その第  一は都市近郊労賃を採用するということになっておるのですね。ところが、きのうも本会議で議論があったのですが、公務員の給与は五十人以上の事業所の平均というものをとっております。これをもっと高くしたらいいのではないかという議論があったが、政府は五十人を妥当と認めておるというお話がございました。なぜ五十人にとるかというと、公務員の集団というものは、ある程度規模が大きいということを勘案してやっているのです。そこで政府のきめている価格は全都市、全規模の平均をとっているのです。これが妥当だということには私はならぬと思うのです。米作者六百万中の三百万が政府に売っておるのですから、その売っておる農家に通ずる米価とすれば、都市近郊労賃採用の基準について全然妥当性を欠いておるという感じを持ちますが、大臣はいかがお考えになりますか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) ただいま御指摘のように、全体の中で一部分の者が政府に売っておるということになりますと、妥当性を欠くじゃないかという御議論でございますが、私はこの価格は農業再生産を保障するというところに基本があるのでございます。したがって、農業政策を完全に遂行して参る、農家の経済を安定さすというところに重点があるのでございますから、私はこういう考え方でいいのではないか、こう思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 生産者所得補償方式というものをとる限りにおいて、それに当てはめる算式としては、私は妥当性を欠いておる。それは今の全都市平均というものを当てはめておるところに問題点があると思うのです。といたしますれば、公務員の場合でも全産業、全規模平均をとったらどうかということを私は言いたくなってくる。そういう関係をどう理解してよろしいか、どう受け取っていいかという問題なのです。同じ考えの場合に政府の行なう措置に規模というものをある程度考えていらっしゃるということがあるのですよ。だからこの場合、規模を考えるべきではないかということを申し上げておるのです。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) その要素をなしますものを一つ一つ取り上げて一つ一つ議論いたしますと、これは私は釈迦に説法だと思いますが、それなら生産費補償方式だから全部のものを生産費を補償することにしたらどうだというのも一つの議論だと思います。それの九〇%をとるのがいいか、八〇%をとるのがいいかということが議論の対象になります。いずれも純理論でいけば、生産費補償方式をとることはちゃんと法律に書いてあります。なぜ全般の農家の生産費を補償の金額にされないのか、上の一〇%は捨ててもいいのかという議論もあり得ることかと思います。しかし、そこらはおおよそこの程度が妥当なところであろうということで、積み上げて最終的な米価をきめております。一部の人々は政治米価とおっしゃる人もあるかと思いますが、私はそれによって皆とり方が  きのうも麦の値段を幾らにしたらいいか、協同組合のほうからは七十円が適当だというような議論が出ているそうであります。しかし、同じ牛乳をしぼるにしましても、かかるのは幾らかかっても、出る場合、飼育の状態いかんによって非常に違います。立地条件もあります。全部をとるわけにいかぬと思います。同様に農作物については、いずれも価格の合理性を主張します場合に、どの程度が一番合理性だろうかというところでやらなければ、大づかみに一つ一つ議論していっても、そういきかねる場合があるのではなかろうかという考えで、私は政治をやっていく、こういうつもりであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私は、そういう飛躍した議論を申し上げているのじゃないのです。生産費補償方式という一つの算式を作って、ものを処理しておるのですから、その場合に当てはめる相手は、どの程度のものをとるべきかというところに問題がある。そのことについて同じ政府の中で、行なっておる施策についてある規模のものを考えていらっしゃるということがあるのですから、この場合にもそれを考えるのが妥当ではないかという気持を伺っておるのです。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 私が申し上げるのは、同じ農産物の中でも、この生産費を補償するという原則に立ってものを考えます。考えます場合にも、それに積み上げていくものについては、これについてはこの程度が妥当であろうということで行くべきものである。ただし、それは農林大臣の一存できめるべきじゃない、たくさんの方々の御意見を承り、そうしてその御意見を積み上げていくべきものである、こう申し上げておるのです。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それではもう少しひとつこまかい問題になりますが、同じ都市近郊労賃をとる場合にも、現在の賃金構成というものは、月給とか日給とかというものじゃないのです。そのほかに構成費としてかなりいろいろなものがつけ加えられて、実際の収入というものができているのですね。今度の米価の計算にそういう構成費までも全部省いていることは当然とお考えになりますか、どうですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 事務当局から御答弁させます。

中西一郎食糧庁業務第二部長

○説明員(中西一郎君) 若干技術的な点にわたりましたので、私から御説明申し上げます。  米価を算定いたします場合の計算の基礎である労賃の評価に関して国家公務員の場合は、五十人以上の事業所の調査をもとにした労賃の比較をいたしておる。米価の場合は、全産業、全規模平均をとっておる。それは妥当ではないのではないかという御趣旨のお尋ねだと思います。公務賃の場合は、労働の同質性といいますか、労働の強度といいますか、そういう点で他産業の中に類似のグループを見出すのにさほど困難ではありません。農業の場合は、労働の性質、強度あるいは男女の性別の構成の比、そういうような点で他産業の側に類似の階級を探すということは、非常に困難であります。そういうような点を勘案しまして、米を政府に売っております販売農家全体の賃金というものを評価します場合に、現在の技術的に許された範囲内では、相手方の産業全体の平均をとっていくということでやむを得ないのではないかということで、そういう技術的な要請から現在の算定ができているものと考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今のは適用の程度の点についてはやむを得ないという御答弁ですが、私が第二にお聞きしましたのは、その単位当たりの額の取り方について、今日の所得の賃金構成というものが、きまった月給、日給のほかに、厚生費的な支出として相当のものが実質賃金的な存在としてあるのです。そういうものを除外して計算することに妥当性があるかどうかということを第二点に聞いたのです。

中西一郎食糧庁業務第二部長

○説明員(中西一郎君) 御指摘のように、各企業の場合、会社のほうの負担での福利厚生費等があることは御指摘のとおりでございます。ただ、賃金の評価なり算定としましては、賃金部分だけをとらえてそれでしかるべきだと考えております。福利厚生費について、さらに米価という考えかどうかということについては、米作全体が一つの農家の所得を全部カバーするわけでもございませんし、また福利厚生費というものを米価の上でどうとらえるかという点は、技術的にまだまだ十分検討いたしませんと、米価算定の側にも問題がございますし、他産業の方の福利厚生費をどうとらえるかということにもまだまだ問題がございます。  以上のような経緯で、現在の算定方式というものができておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 とらえることが困難だから入れないということは当然の結果にならぬですよ。それはとらえることが困難であれば、困難を克服する努力をすべきである。そういうものが積み重なって賃金というものが構成されている。その賃金を当てはめて計算をしようということですから、半分だけ入れて半分は入れないということで、それで農家の所得を保障しておるなんということは私は全くわかりません。その点をはっきりしていただきたい。これは数字の問題じゃない、考え方の問題ですから。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。  そういうふうな点もございますから、諸般の点を勘案して現在の米価はきめてある。その点は御了解いただけると思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そういう点を考慮してきめておるんじゃないんですよ。これは大臣ベテランですから、かれこれ論議する必要はございませんけれども、最後的にはいろいろありましょうけれども、個々の計算上はきちんときまったものを用いて、それを基礎として計算を具体的に数字的にやっておるのです。これを物理的に計算せられるものの中に一部は入れているが、一部は入れぬということで妥当だということは私は理解できかねる。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 今申し上げておりますように、計算のできるものは計算をして積み上げております。ただし、まだ検討を要するもの、そういう要因がありますことも認めておりますから、最終的に、世間から政治米価と批判されつつも、私は、農林当局としてはこの程度の米価がよろしいという意味でこの米価を積み上げてあります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 この点は、どうしても理論的にはそういう答弁では了解いたしかねます。ぴしっと一つの算式がきまっておって、その算式に当てはめる数字というものを具体的に理論的に提出を願って計算をしておるのですから、その中に把握することが困難であるから落としておるという考え方は、これは私は納得いたしかねる。苦しければ苦しいだけの努力をしてそれを導き出すべきであって、それをできぬから入れぬことがあたりまえだという議論はこれはおかしいですよ。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) もちろん、それが大きな要因でございますれば、これが無視されるはずがありません。ところが、それも今御指摘の点もありましょうけれども、今次の米価で、結論において米価は安い、これじゃ農家のためにならぬという御議論と、われわれが決定いたしました米価に対して、この程度ならいいところだろうという、全体から見て、この程度の米価は適当なりとおっしゃる方のほうが私は大多数だ、こういうことを申し上げた。理論が合わぬからいかぬとおっしゃっていますが、それでございますから、われわれは最終的に諸般の点を勘案して加える点は加え、結論を出していくということでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 これは時間がございませんから——大臣と私とは感覚が違っておるのです。私は最終の米価が妥当性があるかどうかということを議論しているのではなくて、それを導き出すための作業しにあやまちが残されている、それをきちんと計算をしてやった結果どうなるかという問題は別なんです。そういうような納得のできぬ算式ではじいているところに問題があるということを指摘いたしておきます。いずれこれはまた委員会等で十分ひとつ事務的にもきわめたいと思いますが、そういうようなことがあるからいろいろな問題が起きる。そこに米の問題についてとやかくの議論が起きてくる問題があると思いますので、十分ひとつ御考慮をいただきたいと思います。  時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 議事進行について。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間正男君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 呼ばれる前に発言を求めているのです。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 御着席下さい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 議事進行について理事に発言を許さないようでは、今日何もできないですよ。議事進行の発言が許されないでは。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 議事進行ですか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうです。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 藤田君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いきなり委員長は岩間正男君とお呼びになりましたが、私ども理事の間で、いろいろここで昼食にするかどうかの話し合いをいたしましたのですが、非公式、個人的ではありましょうが、与党の一理事からも、大体十一時四十分ごろまでに森君の御質疑が終わらなければ、昼食にしようかという御提案もあったわけでありますが、私どもとしては、結局時間的には同じこと、ここで続けましても、たとえば岩間君のは実績から見ると、おそらく一時前後になりましょう。そうして一時間の食事をとって二時前後から始めるということは、時間的には同じことだと思う。しかし、ここで労働の再生産というか、お互いの健康から申しますと、私どもは、私自身を含めてなかなか電車にゆられ、地下鉄にゆられて朝七時ごろ出てきているわけで、そろそろおなかもすいているわけでございますので、また、見ると中心の要求大臣である自治大臣もお見えになっていないようでございますし、連日の疲労がやや閣僚にも見えているようでございますから、ここらでもってお昼にしまして、政府関係者、委員、報道陣、事務局といったような皆さん、こうした関係者としても適当な時期だろう、かように思いますので、午後ひとつ精力的にやっていくことを提案いたしまして、皆さんの御賛成を得たいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) お諮りいたします。  今日まで理事さんを初め委員各位の非常な御協力的な態度で円満に進んで参りました。もし理事各位の間に、今藤田理事の議事進行の発言の中にあったような御了解があったとすれば、委員長はその理事間の御相談に従います。  それでは、一応御相談の上、一致の結論を得たいと思います。

米田正文自由民主党

○米田正文君 議事進行。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) それではどうぞ。

米田正文自由民主党

○米田正文君 ただいま藤田委員のお話の中に、理事同士のそういうお話もあったというところもありましたが、そういうあれは確かにありましたけれども、それは両者の意見が一致せずして、お流れになった申し合わせでございますから、それを理由にするわけには参りません。それで委員長は、今指名された以上、ひとつ予定どおりお諮り願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは委員長が言われるように相談しよう。そう言われても、岩間君がすっと立てるものではないから、相談しようじゃないか。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 御相談下さい。——それでは理事各位の御意向も察知いたしまして、この間に食事をお済ませいただき、午後は零時四十分から再開いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) これより予算委員会を再開します。  委員の変更について御報告いたします。  武藤常介君が辞任され、その補欠として館哲二君が選任せられました。     —————————————

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 午前に引き続き質疑を行ないます。岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まず最初に、小坂外相にお聞きしたいと思うのですが、一昨日発表された自民党の領土問題に対する正式見解なるものがいかに不当なものであるかは、先日の当委員会で私が指摘をしておいたところであります。すなわち、それます第一に、当時の自民党鳩山内閣及び国内が一致して確認し、日ソ共同宣言の前提となった統一見解を全く否定しているものである。第二に、したがって、日ソ共同宣言そのものをまっこうから否定するものである。この二つの点が非常に重大な問題であります。そこで、私は政府に対しまして、もう一度念を押しておきたいと思います。この自民党の正式見解なるものを政府は支持して、これを確認するつもりなのかどうか、お伺いしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 党並びに政府は一体でございます。党の正式見解を政府は確認し、これを支持いたすものであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは重大な問題だと思うのです。私は、それでは二、三の点で聞きたいと思うのですが、あの正式見解なるものによりますというと、歯舞、色丹、択捉、国後の返還を要求し、千島、樺太も、将来国際会議を通じて返還を要求することができるとしているのでありますが、あなたに特にこの際はっきり答弁願いたいのは、これらの場所は、かつて日本帝国主義の侵略基地であったということ、このことは、世界の平和を望む民主勢力は片時も忘れていないのであります。したがって、最近の日本の軍国主義復活傾向とあわせ考えまして、ソビエトその他の国々が厳重な警戒を怠っていないということは、これははっきり日本政府は銘記すべきだと思うのであります。この点について、あなたはどういう見解を持っておられるか伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最近、日本においで軍国主義が復活しておるということをあなたは言われますが、私はそうは思いません。日本はりっぱな民主主義国であると考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは三十四国会で私が明白に指摘したのです。文部大臣を呼び出しまして、最近のいろいろな事例をあげて明白にしたところです。また、最近の反動的な教育体制を見てもはっきりわかります。世界が厳重に警戒をしているというこの事実を外相は認めなければならぬ、そうして耳をかさなければならぬ。ところが、そういう問題は全然ほおかぶりをしているということでは、私ははなはだ日本の正しい情勢をつかむことはできないと思います。その上に立っての政策というものは、これはもう何する余地はありませんよ。  第三にお聞きしたい。三十四安保国会の審議で、私は安保条約と日ソ共同宣言は両立しないということを指摘しました。そうして実際は事実そうなっていると思うのです。ところが正式見解によりますというと、安保体制と領土問題は別個の問題である。こういうことを言っています。しかし、こういうことは通用しないところの、井の中のカワズの、国際的には全然通用しないところの議論になっている。これをもとにしてこのような見解が出されている。しかも、政府がこれを全面的に支持するというに至っては、たいへんなことです。この点についてどうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私も、しばしば国際会議に出まして、日本の地位というものは年とともに向上しつつあることを、この眼で見ております。井の中のカワズはどちらか違うかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 自分の好きな仲間だけと話をしてきたのではわからない。世界の外交界で相手にされないような形で、井の中のカワズでないと思っていて、実際は井の中のカワズになっているのが日本の外交じゃありませんか。こんなことは問題になりません。とにかくこれは今の質問でも明らかになったと思うのでありますが、政府の見解は自民党の正式見解と同じであるということは明瞭です。これらの正式見解を支持する政府の態度は、平和条約を日ソ間の話し合いで平和的に成立させるという態度ではない。日ソ共同宣言を否定して、ソ連に最後的な通牒を突きつけるにひとしい態度と言わざるを得ないのであります。私はこの点をはっきり確認しておきたいと思います。そうしてさらに次の質問に移ります。  次に私はお聞きしたいことは、池田内閣の高度成長政策が国民生活のあらゆる面に犠牲と深刻な影響を与えつつある。この明らかな事実を否定することはできません。その最も極端な例として、私の直接体験して参りました事実を通じて質問したいと思うのであります。  まず、河野農林大臣にお伺いいたしたい。最近松島湾の養殖カキと輸出用の種カキがほとんど全滅しました。このことについては、河野農林大臣は九月六日、たしか仙台でその陳情を受けられたはずであります。被害の状況はどうなっているか、その後どういう措置を農林大臣としてとったか、この点をお伺いしたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御指摘のような事実がございますので、その原因が那辺にあるか、目下調査中でございます。その調査の結果を見た上で、しかるべく善処いたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林行政、水産行政を守る農林大臣の答弁としては、はなはだたよりのないこれは答弁だと言わざるを得ないのであります。ここには約三千の浅海漁民がいるわけです。家族を含めると一万五千の人たちの生活に関する問題です。この問題をあなたは今のような原因の調査、その調査をやって云々ということをここで言っておったのでは、私はたいへんなことになると思うのです。ことに現在、生計の目途は立っていないのです。カキ、ノリのもう仕込み期になっております。ノリに対する被害についても、これははっきりしない。こういうことで非常にこれは困っている。この実態について、あなたは十分につかんで、その上に立って積極的な対策を私は講ずるべきだと思うのでありますが、まだその調査の結果を待っておるなどということでは話にならない。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のとおり、台風でございますとか、その他の災害に原因するもの等でございますれば、原因が明確でございますし、直ちに政府としても対策はすみやかに立てることができます。善処いたします。ところが、この問題については、一部現地におきまして、東北電力の熱湯の影響であるというようなお話もあるようであります。したがって原因を明確に把握いたしませんで、政府がみだりにこれに対して対策を急ぐというようなことは、かえって結果において将来に同様な例の出たときに困る場合があるということを考えまして、従来とてもこういう場合にはその原因がどこにあるか、何のためにそうなったかということをはっきりいたしまして、その責任の所在を明白にして、政府は善処するということが従来の慣行でございます。したがって、私といたしましては、農林大臣の官職におきましては、今のような態度をとって参ることが適当である。お話のようなことについて、それらの諸君の生活もしくはその方面の事態については、地方長官においてしかるべく当面のごめんどうは見ていただくことになるのではなかろうかと、こう思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう答弁がこの議場で繰り返されているところが日本の政治の特徴であります。新潟の地盤沈下の問題で、私たちこの問題にタッチして参りましたけれども、いつでも一向らちはあかぬのです。原因調査原因調査と、何年かかったってそう言っておって、そうして実際はどうです。地域の住民はこれで非常に深刻な打撃を受けているのです。来年のもうノリの仕入れ期を控えている。それからまあ四億二千万にわたるところの損害を受けている。この人たちは、一体どういうふうに生計を起こすかということはわからない。したがって、原因調査を待っておったのでは、これは話にならないわけです。  私はこの点でお聞きしたいのでありますが、この九月に行政管理庁から水産行政監察の結果報告が、これは水産庁に出されておるはずであります。その中で、沿岸漁業者の所得は総体的に低下していることを指摘して、そのための対策が勧告されていると思うのです。その点から言っても、これはなおざりにできない問題でありますが、これらの勧告に対してどういうふうに農林大臣は処置して参ったか、お伺いしたい。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) わが国の沿岸漁業が実は最近の漁獲、漁撈の結果から非常に衰微をいたして困窮をきわめております。これに対する対策を立てることが水産行政としては一番重要であるというような意味合いから、私、就任以来、鋭意この点に重点を置きまして、明年度予算の編成にあたりましては、漁撈の画期的な計画、つまり沿岸の魚族、魚をふやすということに重点を置きまして、あわせて沿岸における漁撈その他の漁業を整備して参りたいということで、政府として沿岸漁業の魚族の繁殖をもはかるということに重点を置いて行政を進めて参るということで、せっかく準備をしておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今魚族について言われたのですが、このようなカキ、ノリの養殖、こういう面も含むのでありますか。この点明確でありませんので、この点いかがですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) もちろんノリにつきましては、また別に問題がございまして、最近ノリの養殖につきまして非常な新しい画期的な研究の結果が出て参りました。朝鮮等からノリを買わぬでもよろしいというほど、わが国において、低廉にして優秀なノリが取れるような研究の結果が出ております。したがってノリの生産については、新しく何らかの計画を立てて指導しなければならぬだろうというような事態があります。また、カキその他の沿岸養殖につきましても、アメリカとの関係等について、海外輸出の問題、国内消費の問題、それらについて、当然いろいろな問題が起こってきておりますので、これらの処理については遅滞なくやって参りたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう一般的な政策を述べられておりますが、具体的に、たとえば宮城県はカキの生産は相当全国的にも高いほうです。そのカキの七割近くを占める松島湾が、そういうふうに死滅しているという具体的な問題について、何も対処されていない。ここでの論議だけでは問題になりません。こういう点について、もっとこの問題を具体的にやるべきだと思う。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 今申し上げますように、これが東北電力が原因となってこういう事態になったとすれば、その責任を東北電力にしかるべく考えてもらわなければならぬ。その他、汚水によって出て参るものならば、それについての原因も究明しなければならぬ。これが一般の天然現象の結果となったものであるとすれば、これは農林省においてこれが対策を立て、しかるべくやらなければならぬということであると思うのでございます。ところが今申し上げますように、御承知のとおり目下その原因が那辺にあるかということを調査をしており、その調査の結果を待って適切なる措置を講ずる、これよりやりようがないじゃありませんか。決して私はほうっておくわけじゃありません。遅滞なくやります。やりますが、むずかしい問題でありますから、結果の出ぬのに、ただ急いでやれやれと言ったって、だれがやったかわからぬのに、あれもこれも政府がやるというわけにいかぬと私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうやり方が、先ほど言ったように問題をはぐらかしておるのです。このカキの死滅の原因については、もうはっきりしておるのです。私はこれは現地調査もやっておるのです。現地の漁民の話もよく聞いております。第一、これはもう東北電力の代ケ崎火力発電の放流による悪水、融解熱水のためである、こういうことは明白である。第一に、高温や有毒物質やあるいは細菌などの発生によるものならば、湾の奥のどぶどろ地帯からこのような死滅が発生しなければならないはずです。ところが事実は、外海に近い金島とか代ケ崎水道流域に近いところの、海の水のきれいな、条件のよいところから実際は腐食が始まっておるのです。なお、腐食は水面よりも実は深いところから始まっておる。もしも温度によってこういうことが起こるとすれば、こういうことは起こらないわけです。  それから第二にあげることは、代ケ崎火力発電所に遠い、たとえば石浜とか寒風沢とか鰐ケ渕水道流域は被害もわりに少なくて、その速度もわりにおそい。こういう事実からはっきり言うことができると思うのです。去る九月三日に会社側と漁民の共同調査が行なわれて、発電所の放水路から水中に混入した灰が相当流れておること、それが松島湾全般に浮遊していることを双方で確認した事実がございます。この点はいかがですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 今あなたのお読み上げになったようなことでありますならば、私のほうも斯界の権威者を動員いたしまして調査をしておることでございますから、当然結論が出るはずでございます。無理に農林省が、その原因が何であるかということを、だれをかばう必要もないのでございまして、私どもの立場といたしますれば、すみやかに結論が出て、これが解決策を講ずるということが一番いいのでございます。したがって、今お読み上げになったような簡単な——簡単と言ったら語弊がありますが、そういう原因が直ちに明白になっているということは私は了承するわけに参りません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、漁民は待っていますけれども、いつごろの見通しになるのですか。そういうことでは話にならない。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 学界の研究の結果を承らないことには、農林大臣としては処置がない。鋭意研究の結果のすみやかに出てくることを期待をいたしております。期待をいたしておりますけれども、ただ、こういう問題はいつまでにやれ、いつまでに頼むといって結論が出るものとは私は考えません。いろいろな方法、手段を講じなければならぬと考えますから、その結果を待つよりほかに仕方がないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林省で具体的に現地調査をしましたか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 政府委員から答弁させます。

伊東正義水産庁長官

○政府委員(伊東正義君) 御質問の点でございますが、先生おっしゃいましたように、九月ごろからそういう話がございまして、この問題は何が原因かということを、非常に問題がございますので、私のほうとしましては、県といいますか、県の中でも試験場はもちろんでございます。それから農林省に東北海区の研究所がございます。ここと東北大学とに合同の調査を今頼んでおります。これは私どもとしましては、先生おっしゃるとおり、なるべく早く結論を出してもらいたいということで、農林省も中に入りまして、今合同調査を実施中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 通産大臣に伺います。代ケ崎火力発電所の操業状況はどうなっているか、これをお伺いしたいと思います。年月日を知らせて下さい。操業計画……。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 事務当局からお答え申し上げます。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 代ケ崎発電所は、三十四年度に一号機が動き始めまして、三十四年度五億一千四百万キロワット・アワーの発電をいたしております。三十五年度から一号機、二号機が動きまして、一号機が十一億一千七百万キロワット・アワー、二号機が五億七千八百万キロワット・アワー、それから本年度の上期は一号機が五億三千八百万キロワット・アワー、二号機が四億三千二百万キロワット・アワーということで、この発生電力は仙台の変電所に送られまして、他の系統から参ります電力と合わせまして一般の需用に充てられております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題とも関連してはっきりしておると思うのです。第一号機が運転開始をしたのは、御承知のように、今話があったように三十四年十月、そうして実際は昨年の夏から被害が始まって、そうして一割五分から二割程度の被害があった、最初はチリ津波地震の影響だと、地域の人たちは考えておったらしい。ところが、今年になって、昨年十一月に第二号機が運転開始をした。被害が非常に大きくなった。そうして六月ごろからその被害がだんだん見え始めて、八月になってから非常に顕著になってきた。そうすると、この発電量の問題と符節が合うのです。こういう点から考えても、私はこの代ケ崎火力発電所による影響というものは、これはもう今度の原因であるということを推定する非常に有力な証拠になると思います。もう一つあげたいのでありますが、東北電力が、これは自分の非を認めて、実際は地元の代ケ崎の漁民の一部にだけ被害補償をした事実があるはずです。大臣御存じでしょうか。これは何のために被害補償をしたのか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 昨年の末、松島湾内のノリが被害をこうむった、いろいろノリ網について調べてみると灰がついている、こういうようなところから発電所の残灰というか、その灰による結果だろうと、こういうことであったようでございます。しかして、いろいろ漁業組合等と話をしまして、これに対しては見舞金を出して、これは問題が解決した、かように聞いております。同時に、この火力発電所では、灰の処理並びに機器の洗浄液の処理、その他一切海域に流れ出ない全部の処置が今日とられておりますので、カキには関係がない。こういうようなことであり、カキの死滅の原因の調査が非常に困難でございます。ただいま御指摘になりますように、これが火力発電所が運営している結果というならば、非常に簡単に調査も終了することでございますが、この火力発電所で使った石炭の灰は海に出ていかないように、沈澱池が設けられ、あるいは洗浄液の沈澱池が設けられている、こういうことでございますので、完全に海域と区分されております。なお、カキが死んだということでございますから、先ほど農林大臣がお答えしたように、ただいま調査しておるのでありまして、ただいまお尋ねになりましたように断定して、これを火力発電所の責任だと、かように言う何もございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことは、通産大臣がここで頭から否定するというのは、これはおかしいですよ。調査中ですよ。そんな結論を出してしまったところに問題があるじゃありませんか。それはまずいですよ。そんなことを言っちゃね。そんなことを言うべきじゃないですよ。事務報告だ、今聞いているのは。それは政務多端だから、そういうことを聞かれる。それは言いわけですけれども、事務報告だけで、そんなことを聞いていては話になりません。九月六日の両者の共同調査について話したでしょう。灰は全湾に流れている。岡方で確認している。沈澱池とか、濾過池があると、そういうことを言っても。洗浄液、この薬品がわからないのです。それが一体どういうような危険なものか。これはこういう問題について、あなたは御存じないから、そういうことを言われていると思うのです。だから、この問題は、私は真剣に調査しなければならぬ。私はお聞きしますけれども、こういうような被害に対して、当然、河野農林大臣は、私は漁業法の立場をとられなければならぬと思うのでありますが、これについて通産省並びに関係者とどういう今まで折衝をされたか、伺いたい。  それから同時に、現地の漁民のこれに対する要求があると思うのです。これはしばしば漁民大会が持たれて、非常に大きな地方の問題になっているわけでありますが、これについてお聞きしたい。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) ただいまお答えいたしましたように、原因が明確に把握できません。これに対して対策は実はどうこうということはきめていない。ただし、漁民諸君が非常に迷惑しておられる事実は事実でございますから、これについては、地元においてしかるべく検討することをやっておられるだろう、こう考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 漁民の要求を詳しく。漁民の要求を知っているでしょう。

伊東正義水産庁長官

○政府委員(伊東正義君) 補足させていただきます。今、大臣おっしゃいましたように、この原因が何であるかということが問題でございますので、私のほうとしましては、先ほど言いましたような大学とか、そういうようなところと研究、調査をやっておるわけでございます。結果を待ちまして、どういう手段をとりますか、それはその上でと考えております。それから漁民の考え方でございますが、これにつきましては、実はいろいろございまして、東北電力に対しまして損害の賠償をしてくれというような要求もございます。また、生業資金といいますか、経営資金的なものの融資をしてほしいということも出ております。あるいは昨年のチリ津波等において借りました金について、償還の期限を延ばしてほしいというようなことを言われていることもございます。私どもといたしましては、チリ津波等につきましては、これは償還期限が本年にきているわけではございませんので、まだ先のことでございますが、生業資金その他につきましては、天災融資法は実はこういう場合には発動いたしかねますので、特別に経営資金としてこれを融資するという方法は、実は直接にはないのでございますが、県等と連絡いたしまして、県で生業資金の世話をしてもらいますとか、あるいは知事さんが、地方税の減免の問題等いろいろ漁民にも話しておられます。こういう点につきまして、私の方としましては今研究相談中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 漁民の要求の中で、操業をやめてほしいという要求があるはずです。これは新潟でやりましたね。地盤沈下のとき、操業をやってみて、原因を明らかにするというので、これはやったことがある。こういう要求については、これはどうするか。それから補償の要求が出ている。実際これは死滅して生活が成り立たないのですから、これについて、とにかく直接手を打つということは、これはどうしても原因究明の結果などという、ゆうちょうなことを言っておられないわけですね。これはどうするのですか、農林大臣に伺います。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) ゆうちょうなことを言っておられないとおっしゃいますけれども、今、水産庁の長官から申し上げましたような手だてで対処して参るということより仕方がないのじゃないか、こう思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これと関連して伺っておきたいのですが、これはあそこの発電所の設置を決定するときにどういう事前の調査をし、科学的な調査をし、たとえば問題なのは、あの海の浅海漁民たちの産業にどう響くかという、そういう調査をしたのかどうか。そうしてこれは諮問をして、その諮問はこれは農林大臣にするのかどうか、そこのところ、私明らかにしておりませんが、これに対する意見を聞いてやるのが当然だと思う、この点が一つ。  ほかの関係、たとえば文化財保護委員会は、松島は御承知のように今観光地だから、この点から諮問をしたのかどうか、そういうことをお聞きしたい。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 発電所を作ります際には、もちろん地元と十分話し合いをいたしまして、そうしてその御納得を得て埋め立てを行ない、発電所を建設するということにいたしておりますので、そのときに具体的にどういう話であったかということはここに資料はございませんが、十分なる地元の了解を得、また県御当局からもいろいろごあっせん等をいただいてやったはずでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私のお聞きしているのは、地元の了解だけでいいですかということ。こういうものは国家の産業でしょう。この産業について、これを設置するときにどういう影響があるかというような関連において明らかにするのが当然だと思う。そういう諮問をやって、そうして科学的調査をして、その上に立たなければならぬ、これはやったかやらないかということを聞いておるのです。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 発電所の建設は、電源開発調整審議会の議を経て決定されております。その議を経る際には必ず関係各省の御意見を伺いまして、異存のないところで審議会の議とするということになっておりますので、関係各省の……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関係各省というのはどういうところですか、どこを指しているのか説明して下さい。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) こういう場合でありますから、普通の場合でありますと、農林省、自治省、建設省が普通関係各省ということになっておる。必ず電源開発調整審議会にかけるときに、こういう発電所を作るということで御相談をしてやるということでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 農林大臣は許可したのですか。

伊東正義水産庁長官

○政府委員(伊東正義君) 今、通産省の公益事業局長から御説明がありましたように、大体、電源開発調整審議会でこれをやるかやらないかというときには関係省に連絡がございまして、そこで被害があるかないかというような問題のときは関係省も判断をしてやる、こういうことになっております。本件につきまして、私、どういう意見を述べましたか、今ここでは資料を持っておりませんので即答はいたしかねますが、原則といたしましては、関係省の了解を得て設置するということでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことを聞いているのではない。委員長、注意して下さい。許可したかどうかということを聞いておるのです。資料がないからといって……。この問題は調べなかったのですか、許可したかどうかという、条件なんです。わかっていますよね、これは怠慢だ。

伊東正義水産庁長官

○政府委員(伊東正義君) 今申しましたように、原則としまして各省が同意をして初めてやるわけでありますので、本件、私のほうに漁業権に影響ありやなしやという判断で回って参りましたといたしますれば、農林省としては当然調査をいたしました上で、あるいはどういう条件をつけましたか、今私どもはここで即答はいたしかねますが、オーケーしたと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 実に、そんなことであなた答弁になると思っているのですか、そういうことで。委員会を軽視してはいけませんよ。具体的に、原則を聞いているのじゃない、どうしたかと聞いておる。私は県庁に行って、水産部長に聞いたのです。これは県が文化財保護委員会には諮問したそうです。そうしたら、松島の観光上、風景はそこなわないから大丈夫だという諮問の答申がきた。それから農林省からはこなかったといっています。何にもこなかった、そういうことはめくら判をついたかどうですか、この点お聞きしたい。農林大臣、こういうようなやり方で、あなたのときじゃなかったかもしらぬが、こういうやり方でいいのですか、これで浅海産業を守れますか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。  ただいま通産省の政府委員からお答えがありましたとおりに、県のほうから云々ということはそれはなかったかもしれませんが、電源開発の場合に、どこに発電所を作るという、そのことのよしあしということは、その審議会で審議をしているわけであります。そこにおいて問題になった場合に、農林省は農林省の意見を申し述べるわけでございます。したがって、今、政府委員からお答えいたしましたように、これに関しまする関係書類を調査すれば、当時のいきさつは明瞭になるわけでございます。しかし、今ここにその書類を持ち合わせておりませんから、正確な答弁はしにくいと思いますけれども、当然そこに建設されておりまする以上は、農林省もこれに賛成をして、適当であるという判断のもとに建設されておるということをお答え申し上げたのでございます。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間委員に申し上げますが、あなたの御質問はまだ相当あろうと思いまするが、持ち時間はあと残り二分になりましたので、委員長においては、この前あなたの総括質問の際も相当御便宜を計らったのでございまするが、あとの委員の質問もございまするので、あと他の委員の質問の問題もございまするから、なるべく時間を正確にお守りを願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私はそれじゃその資料を出してもらいたいと思うのです。それからめくら判をついて、通産省から聞いて、電源開発審議会から聞いて、それでめくら判をついてやってしまった。それが適当であると判断した根拠、この点を明確にしてもらいたいと思います。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 後刻調査をいたしまして、委員長を通じて文書によってお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の資料については、この委員会が終わるまで、審議が終わるまでに出してもらうことを、要求してもらいたいと思うのですが、いかがですか。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) この委員会で決定になりますまでに。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 やなあさってまでかかるかもしれませんが。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) そんなに時間はかかりません。すぐ調べるようにします。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間委員、政府はなるべく早く調べて御報告をいたしたいとのことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ということを私は要求しておるのは、実は今後のこれは電力行政等とも非常に深い関係があるし、そうして、ことにこれは通産大臣にお伺いしたいのでありますけれども、電力不足は御承知のように電力白書でも明らかになっております。この冬を越すには大へんだ。そういう中でこれはお聞きしたいのですが、この問題も関連して、どういうふうにこの冬の電力不足を越すのか、そのためにどういうようなこれは今後の電源開発の体制をとるのか。ことにその中で聞きたいのは、火力を主とするのか、水力を主とするのか、そのことです。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 普通の操業状況といたしますと、ことしの冬には三億六千万キロリット・アワーのあるいは電力不足が起こるのじゃないか、これは主として中央地区でございます。これに対しまして、原則として火力発電所は年に一回補修するということになっておりますが、非常に運転状況のいい、しばらく補修を繰り延べてもいいというようなものもございます。そういうものは春の豊水期に補修は繰り延べるということをいたしまして、あるいはできるだけ今電源開発を急いでおりますものの工事、たとえば具体的に申し上げますと、川崎の三号とか、品川の三号、三重火力の四号といったものを、これは春ごろに運転を予定いたしておりましたものを、何とか冬に運転するように、今大馬力をかけて工事を急がしております。こういう電源開発を促進するということと火力補給の繰り延べということ、あるいは東北地帯には幸いにして予定よりも若干余力がございますので、そういうことで、あるいはその自家発をフルに動かすということでやりますと、大体総計いたしまして二億七千万キロワット・アワー程度のものが作り出せるんじゃないか、そう考えております。そこで、不足いたしますものにつきましては、休日振りかえでできるだけ電気を平均して使っていただくということをお願いし、あるいはネオンを消灯するということもある程度やむを得ないかと思っておりますが、休日振りかえと、それから最悪の場合には大口カット、そういうことをやる。しかも、これは全体といたしまして大口のカットもせいぜい〇・三%程度というものにすぎないと思われますので、全体の需給には御迷惑をかけないでどうにか春の豊水期を迎え得る、そう考えております。  なお、今後の電源開発につきましては、非常に最近の需用の増加傾向が激しゅうございますので、一番早く開発できるということ、それからまた最近非常に技術が進んできたというようなことから、主として水力よりも火力のほうに開発の重点は移行せざるを得ないじゃないかと、そういうふうに考えておりますが、水力開発につきましても、今後そういうような計画でございますので、できるだけ合理的な開発を計画して努力していきたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、まあ火主水従というような政策をとるんですね。そうしますと、今後火力発電が非常に強化されてくる。そのときの立地条件としてどういう条件を考えておられるか、通産大臣にひとつ伺いたい。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) もちろん、消費地に近い所を選定するということになります。そういうことを考えて参りますというと、今後は海岸地帯が多くなります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは消費地に近いということもありましょうが、あるいは材料運搬に便利な所といいますと海津が非常に多くなってきます。そうすると、そういう場合に今までの、従来の産業との関連で、これを保護するところのそういう政策が明確に出なきゃならぬと思う。それについての条件、たとえば水力の場合には、これは補償の方法については立法化されていると思う。火力についてはどうなんですか、お伺いします。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのところ、土地の確保等につきまして、いろいろ補償の問題が起こっておると思います。また、漁業権等の関係から、残りの灰あるいは汚水の処理、こういうようなことが条件になってくる、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 立法化の問題、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのところ、そこまでは考えておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはまあ非常に重要な問題になるんで、地域の産業を守るという観点から総合的にこれは考えなきゃならぬ問題だと思う。とにかく電源開発の、電力の問題を中心にして、非常に政府の総合的なエネルギー対策というものが実は確立していない。行き当たりばったり。そうして一方では所得倍増というような形で、非常にこの問題は未解決の問題だと思う。そういうところから、もうとにかく一貫した方針がないために、その結果が全部弱い地元の住民に行っているという実態が、こういう形で私は出ているんじゃないかと思うんです。   これと関連して、経済企画庁長官に伺いたいんですが、国土総合開発の問題は、当然これは経済企画庁長官の仕事なんだ。総合開発ということを言っておりますけれども、これは総合開発にならぬじゃないですか。一方では電源開発をする、そうして二十億の、大体年間の、まあかりに計算しますと二十億の電力を生産し、そのために四億二千万のカキが全滅している。しかし一方では、これは二百工十年も続いたところの先祖伝来の、そうして全国的にも非常に有名になっているカキの生産地である。そのカキがほとんど死滅しております。その損害だけでも、大体計算されるところは四億二千万円だと、こういうことになっておる。単に、しかもこれは補償だけの問題じゃありません。松島にかりに行ってみても、あすこは単にこれはあの風景がいいということではない。この生産と結びついて初めて海というものがきれいだ。祖国の海なんだ。この祖国の海が今全くの死の海になろうとしておる。これは重大な問題です。これは単にそういう問題だけで済む問題ではない。だから、総合開発というのはまさにそういうような形で片ちんばだ。これは総合開発どころか、ちんば開発なんです。そうして現在所得倍増政策に歩調を合わした対策がとられているのですが、この点についてどういうふうに一体国土総合開発の立場から総合的な施策を経企庁長官はおとりになるのか、この点、明確にお聞きしておきたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間委員に申し上げます。あなたの持ち時間はすでに経過しておりますので、質問はこの程度にとどめていただいて、御答弁をお願いいたします。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 国土総合開発は、日本の将来の経済力を充実さして発展させるために立てて参るわけであります。したがって、工業方面に対する改善進歩の道を開いていきますと同時に、農業におきましても当然その立地条件等によって開発を進めて参る、適地適作を進めて参るというような観点に立って、総合的に考えて参るわけであります。これらの施策を総合的に当該地方の進展を見るように考えて参りますが、その過程におきまして、たまたまこういうような状況が起こるというような点については、そのつど調整をして参らなければならぬと思っております。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間委員にお諮りいたします。なお御質問もあるようでございますが、他の委員との関係もございますから、この程度で御質問は御遠慮願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう一問だけ。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) では、もう一問だけ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の、これはやはり非常に重要な問題で、私は実はお聞きしたがったのです。たとえば、国土経済総合開発審議会というのが作られてから十一年になるけれども、全国的な何ら方針はきまっていない。そういう実態がある。それから、今まで三十二回の会議を開いたけれども、これは全く何にもなっていない。こういうことから、名前は国土総合開発などと言っておりますけれども、実際は都合のいいところだけ、しかも今の所得倍増という独占資本強化のこの線だけはピックアップしてどんどんやる。その結果、その影響するところは非常に大きな犠牲を払っておる。こういう実態については私は明確に事実をもって実はお聞きしたかったのでありますが、時間がありませんから、これは次に譲るといたしまして、最後にお聞きしたいと思いますが、これは中村建設大臣と、それから安井自治省長官にお聞きしたい。これはまとめて質問いたしますから、どうぞお答え願いたい。  第一に、今度の補正予算を見ると、災害救助復旧予算などほとんど物の数になっていません。これらの費用は当然住民や自治体などの負担にすべきものではない。全額国庫負担にすべきものだと私は考えるのであります。この点についてどういう見解をとるか。  第二に、復旧も原形復旧というようなことを今までやって参りました。一部改良復旧というようなことを言っておりますけれども、これが根本的に改良復旧をやらなければ、私は、この被害をもうほんとうにだんだんなくしていくということは絶対できないわけです。  第三に、集中豪雨、第二室戸台風でも明らかなように、今度の災害はこれは天災でなくて全く人災です。もうこの結論は明瞭だ。長野の泰阜ダム、大阪の地盤沈下、こういうような問題を一つ一つ詳細に科学的に吟味してみれば、結論は出ます。したがって、政府は当然政治責任を感じて国家賠償法を……。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 岩間委員に申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 愛知では目下裁判に持ち出されて、大阪、長野などでは国家賠償を要求する声が高まっています。これについてどういう見解をとられるか。  第四に、政府はこの責任を痛感すべきなのに、ところが、実際はこの責任をほんとうに痛感していないのじゃないか。今度出されたこの災害基本法を見ても、結局は官僚統制を強化する。その中で災害出動という名前で自衛隊の出動、そういうような形で、実際は一面大衆の行動を抑圧という形で出て参っておる。安井国務大臣には、災害出動に対するところの法的根拠並びにその権限はどうなるのか、この点をお聞きしたいと思うのであります。  せっかく出席していただいて、こんな総括な質問をしまして申しわけないのでありますけれども、懇切丁寧に答えていただきたいと思います。どうもわれわれは数が少ないというので、いつでもこういうような条件のもとで質問をしなきゃならない、こういうことでありますので、この点について十分に答えていただきたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 答弁は簡単にお願いします。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 災害復旧につきましては、私どもやはり国と地方公共団体とがそれぞれ適度に分担をして災害復旧をするのが適当であると考えております。  それから、原形復旧だけでなく改良復旧を大いにやれ、こういうことでございますが、これは原形ということが原則でありますが、原形復旧だけでは不適当であるというものについては極力改良復旧を含めて進めて参る考えで、現在もその方針でやっております。  それから、災害についての国家賠償というお話でございましたが、これは国家賠償法の建前が、種々の営造物の設置または管理について瑕疵があった場合に国家賠償責任があるのでございまして、不可抗力による天災のような場合による損害を国家賠償にするということは、国家賠償法の精神からいいましても適当でないと考えております。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 災害復旧の地方負担につきましては、起債あるいは特別交付税というようなものでできるだけの措置をするようにいたしております。それから、非常災害、緊急災害に対する治安出動といったようなものについては、今度の災害対策基本法ではそれは含めておりません。一般の行政的な措置を総理にゆだねるという規定はあります。治安関係につきましては、警察法あるいは自衛隊法にまかせております。     —————————————

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) この際、委員の変更について報告いたします。  田中一君が辞任せられ、その補欠として、佐田忠隆君が選任せられました。     —————————————

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 藤田藤太郎君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 議事進行について。藤田委員は防衛庁長官の方の御出席を要求いたしまして、連絡がついて、出るから最初に質疑をしてくれということで、御本人もその心がまえでいたわけですが、若干事情が変わってきたようであります。それで、それをどう取り計らいますか、委員長の方でひとつ名案があれば出していただきたいと思うのであります。  なお、御承知のように、持ち時間が非常に少ないものでございまして、御答弁をなさるほうもできるだけ懇切丁寧に、要求大臣は初めから来ていただいておいた方が、質疑の趣旨が十分わかるのではないだろうかと思いまして、出席をこの上とも促進督促をしていただきたいと思うのです。

村松久義自由民主党

○村松久義君 追加の分については、これは質疑をあとに回していただくことにして、審議を進められることを希望します。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 今、衆議院の本会議が二時から始まるので、防衛庁長官は約二十分そこに出席をしたい。どうか、一時に全部の大臣が答弁するわけでもありますまいから、何とか御都合がかないましたら、御出席大臣に対して御質問を願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 やっぱり一緒に聞いてもらって、ということを言っておるんですが……。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) それでは速記をつけて。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、駐留軍労務者のことについて、まず最初にお聞きをしたい。外務大臣にお聞きをしたいんでございまするが、この駐留軍の労務者の直用労務者を、日米合同委員会で十月には政府雇用——間接雇用に全部切りかえるということになって、ところが、それがいまだに実現されていない。どういう事情か。外務大臣は合同委員会の首席代表でありまするから、どういう事情であるか、いつこれが実現するか、聞きたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は合同委員会の首席代表ではございませんけれども、まあ御質問がございましたからお答え申し上げます。この直用にするということは、藤田さんと実は御一緒に長く前からやりまして、ようやく軌道に乗ってきたわけでございます。これは地域協定の第十二条四項によりまして、日本政府雇用に切りかえることになったわけでありますけれども、これは今のところいろいろと両方の事情が折り合いませんで難航しておったんでありますけれども、地域協定に基づく合同委員会において調達庁の代表を日本側交渉担当者に任命いたしまして、目下調達庁と米軍との間に十二月一日を実施目標として鋭意交渉中と承知いたしております。本件の早期円満解決を希望する次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 具体的には、経過を見ますと、十月一日に調達庁長官と在日米軍司令官との間に調印が行なわれて、十月一日から切りかえるということになっておるようであります。担当大臣は防衛庁長官でありますから、この中の事情をお聞きしたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) 直用の間接雇用切りかえにつきましては、ただいま外務大臣もお話がございましたが、われわれといたしましてはぜひ十月一日と考えておりましたが、日米間の合意には達しておるんでございますが、おのおの木国政府との、何といいますか、そうした手続がおくれまして、はなはだ残念でございます。しかし、それらもだんだん進んで参りましたので、少なくとも十二月一日にはぜひ実現いたしたいと考え、目下事務的に進めておるような次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 外務大臣、防衛庁長官にお聞きいたしますが、ここで合同委員会の出先の専門委員として、十月一日にやるということをやっておって、それで今度十二月一日だ、十二月一日が来たらまた次だという格好では、私は話にならぬと思う。少なくとも十一月から実施するということをここで約束をしてもらいたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) ただいまも申し上げましたように、おのおのその政府の行政手続もございまして、その意味でおくれて参りましたわけでございますが、それらの手続もほとんど完了に近い状態になっておりますので、十二月一日には必ず実施するような形で目下進めておるような次第でございます。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) これは藤田さん、よく御承知のように、あなたが総評の議長で、私も労働大臣でやっておった、その当時からの問題なんですね。非常に長い間苦心して、ようやくここまで来たのであります。もう一息でございまするが、今防衛庁長官の言われたとおり、十二月一日にひとつ何とか必ずやれるようにしたいと努力しております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、こういう工合に、出先できちっと取りきめておきながら、これがほごになるというような格好では、こういう状態を繰り返す以外にないのじゃないかと私は思うのです。きょうは予算委員会で、二人の大臣が確約されたのですから、十二月一日には必ずこれはなるということで、こういう状態は再び繰り返さないと思いまするが、ほとんどできているというなら、全般でなしに、たくさんおいでになるのだから、順次早急に話のついたものから切りかえていく、最終は十二月一日に完全に実施する、こういうことをここで確約できますね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、この切りかえに関連いたしまして、諸機関の雇用者に対する基本契約を作らなければならぬわけでございます。それはまあ各機関に共通のものでございますので、一つ一つというわけには参りませんので、十二月一日を目途にその基本協約を結びまして、一斉にやりたいというふうに考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういたしますと、その切りかえの問題について、関連して出てくる問題は、基本労務契約というものが結ばれている。ところが、直用の方々は、この基本労務契約にまで入らないような状態で労務契約が結ばれている。まちまちな状態だと思う。だから、これはその十二月一日までに実施されるときには、基本労務契約の今日行なわれている線に全部上げて、そこで統一して実施するということに了解してよろしいですね。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、直用の分はいろいろ形態が非常にばらばらでございます。したがいまして、現在の間接雇用者に適用される基本協約とは別途の諸機関従業員に関する基本労務協約を結びまして、そして切りかえて参りたいと考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、基本契約に十二月一日から全部、今政府雇用の間接労務者が行なっているものに線をそろえるということは、いつになるのですか。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま申し上げましたように、諸機関の従業員の労働状態と申しますか、労働条件、いろいろ非常にばらばらでございます。ようやく合意に達しました諸機関従業員に関する基本契約というもので、とりあえず切りかえるわけでございますが、今後さらにわれわれ努力をいたしまして、できるだけ現在の間接雇用になっておりますものに適用されておりまする基本協約に近いものに、順次改善をして参りたいと考えている次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 相当劣悪な労働条件も、中にはあるようであります。ですから、その政府の間接雇用に十二月一日にきちっとなったときには、いつ幾日の間までにきちっと基本労務契約に全部適用するというようなことを、私はやはり政府の皆さん方のかまえによってこの問題はきまるのじゃないか。ずるずるやっておったら、十月一日だったというやつが十二月一日に延びたように、これもずるずる延びていく。私はそう思う。だから、その点はきちっと日米合同委員会の中で確約をしておかなければ、私はだめだと思うのです。そうでないと、今のような事態が起きてくる。だから、この点はもう少し明確に、いついつまでにこれをする、こういうことを確約してもらいたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) 繰り返して恐縮ですけれども、今の直用の分については、いろいろの労働の状態が非常に複雑でございます。したがいまして、それに共通する基本労務協約ということでございますので、どうしても現在の間接雇用の分の基本協約とは多少のニュアンスの違いが生じて参るわけでございます。しかし、それはやはりさらに順次改善をする必要がございますので、この直用を間接雇用にまず切りかえをいたしまして、さらにわれわれはこの労働条件の向上のために努力をして参りたい、かように考えている次所出でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そのおっしゃっていることそのものは、そのままでわかるのですけれども、その直していくというのが、いつ直るかどうかというと、ずるずると同じ状態でいつまでもたっていくという私は心配をするから、今いつ幾何までという確約をここでしてもらいたいということを言っている。そうじゃないと、十月一日が十二月になったのでしょう。だから、これは日米合同委員会で、防衛庁長官、外務大臣から、ひとつ決意を述べてもらいたい。

藤枝泉介自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(藤枝泉介君) 現在の労務基本協約にいつ一緒にするかということを、現在お答えする段階ではないのでございますが、われわれは最大の努力を払いまして、この向上のために努力をいたしたいということで、御了承いただきたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは早急ということですね。外務大臣、どうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御意見のことはよく承知いたしておりますから、できるだけさような線に沿ってやらせるようにいたしたい。私は、御承知のように、合同委員会の直接の担当者じゃございませんが、御意向はよく伝えておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは外務大臣が直接の担当者じゃないことは知っております。しかし、合同委員会のあなたが日本側の首席代表ですから……。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) そうじゃないのです。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうですか。それじゃ、とにかく二人の大臣がここで、早急にこの労務基本契約の問題についてやるということを確約されたと了解をいたします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 日米合同委員会は、私は直接は関係していないのです。首席代表でもなんでもないのでありますが、外交的な面から、日本の国会においてこういう御意見があったということは、よく伝えておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今度は経済企画庁長官にお尋ねをしたいと思うのです。日本の経済が、この予算委員会でも論議されましたように、また政府はいろいろのところで言われているわけですが、この急角度な生産拡大、経済成長していると言われる。それでまた事実生産指数を見てみましても、設備投資を見てみましても、非常に過大なものがつぎ込まれている。それじゃ需要の面はどうかというと、需要の面はとんと伸びていない。そこで私は問題があるんではないかと思うのです。生産と消費のバランスというものがとられないで経済がどう発展していくのか。私は皆さん方御存じのことでありますから——たとえばヨーロッパ経済開発機構の基本にしている労働生産性と賃金上昇率と同じにして物価は横ばいにする、これが経済の日々繁栄する道である。現実には賃金上昇率がどの国も高うございます。しかし、日本はそうでなしに、生産力も拡大するし、労働生産性も急角度に上がっているけれども、たとえば賃金はどうかというと、ここで昨年度の問題を総理大臣からこの予算委員会で言われていますように、生産性が五年間に五三%上がっている、賃金は三七%だといわれておりますけれども、労働省その他から出てくる資料を見ますと、実質賃金はもっと下がっている。なぜかというと、物価が上がっておるから実質的には労働者の賃金、生活は下がっているというのが現状ではなかろうかと私は思うのであります。こういうことでは今この予算委員会でも議論されましたように、結局過剰生産という問題が出てきている、出てこようとしている。せっかく国民の、国内の資金を調達して設備拡大をやる、設備が十分に回転せぬと、それを操業短縮でとめていくというような経済のやり方というものは、私はなかなかわれわれには理解できないし、国民からいえば、非常に不満なところだと私は思う。ですから、生産と消費のバランスをとるのには、何といっても私は完全雇用と社会保障制度を引き上げることだ、この道筋が立ってこなければ経済は日々発展しない、私はそう思う。ですから、十年倍増計画も政府は発表され、その中心になるのは藤山経済企画庁長官でありますから、そこらあたりの、生産と消費のバランスをどうとって経済を発展させていくかという問題についてのお考えを伺いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 生産が伸びていきます場合に、賃金の上昇がそれに追いつかない、あるいは下回っている、そういうことで将来よろしいかという御質問だと思います。むろん生産の拡大をやって生産率が伸びております場合にも、そのときの時期によりましていろいろ違ってくると思います。今日のように非常に急速に設備投資の意欲が旺盛でありまして、急激な膨張をしておりますときには、いわゆる景気上昇期と申しますか、そういうときには概して賃金のほうが生産率よりも落ちておる。しかし、下降期のような場合になりますと、賃金のほうがむしろ上昇しておって、生産率に並行するか、あるいはこれより高い場合がある。こういうことが、長期にわたって見ておりますと、そういう傾向があります。われわれといたしましても、むろん生産の拡大をはかって参ります場合に、消費が十分でなければならぬのでありますけれども、しかし同時に、日本の産業の現状から申しますれば、外国から原料を入れて、そうしてこれをまかなって参りますのでありますから、国内消費と輸出というバランスを十分に考えて参らなければ今日のような事態も起こってくるわけでございます。したがって、消費を刺激する、あるいは消費力を持つために賃金を上昇させるということ、そのこと自体は望ましいことでございますが、しかし、やはりそういう時期によって、あるいは伸びの程度によってその点はかげんして参らなければならぬ。十年先にやはり生産の伸びと同じように賃金が上昇していくことが望ましいことむろんでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 たとえばここに労働週報というのがありますけれども、金の五年間の、三十年から三十五年までの指数は名目賃金三四%、実質賃金二四%と出ております。それからまた今年の五月をとりますと、名目賃金二〇%、それから実質賃金八%しか上昇してないという統計が出ている。ところが、労働生産性にいくと、五月ごろになると六〇%近くになっているということなんです。貿易の自由化によって関連産業の設備拡大が云々というお話が通産大臣からございました。だから、そういうところだけ拡大するけれども、生産は拡大するけれども、消費の面については、一つもどう上げていくかという問題について触れられてないじゃないか。私はこの前ここで議論いたしました、個々の労働者の賃金そのものについて議論が発展しましたけれども、たとえば最低賃金の問題もございましょう、社会保障の問題もございましょう、または国家公務員の賃金もございましょう。そういう形の賃金上昇という問題、社会保障の問題というものが国で、需要の問題については国のやはり突っかい棒によって経済がすなおに伸びていくという手当をしなければ、バランスがとれないのではないか、こういうことを私はこの前から申し上げている。だから、その点について長官はどうお考えか、聞かしてもらいたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 将来の国民消費生活のあり方というものについても、われわれは十分な検討をして参らなければならぬと思うのでございます。そうしてお話のように、消費のもととなるものは賃金であること、これは当然のことでございまして、その賃金の水準のいかんによって消費の状況も変わってくると思います。したがいまして、長期にわたりまして適当な賃金の上昇を日本経済の中において見て参りますことは必要でございます。ただ、賃金を引き上げるというようなことについて、国家自身が何かてこ入れをしてということ自体は問題があると思います。したがいまして、やはり生産性の向上とそうして経営面における合理化、そういう面からして十分離業の基盤を育成しつつ、できるだけその所得を、資本ばかりでなく一勤労者にも配分していくという意味においても、賃金の問題を考えていかなければならぬと思うのでありまして、そういう意味において、今後のあらゆる日本の産業経営者にもやはり十分な自覚を持っていただきたい、こう思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、まず貸金の問題に私は触れましたけれども、しかし、もう一つやはり問題に触れなければならぬのは、完全雇用の問題です。この完全雇用をどうして達成するかというのは、私は各国がとっているように、人間にかわって機械が生産するのだから、機械が生産をだんだん高めていくのですから、労働時間を短縮していくのだということが私は施策の中で考えられなければならぬ。私たちの国には基準法というのがあるわけですから、土曜、日曜休み、四十二時間制というのが産業国といわれる国でたくさんとっている例であります。今ここで六十時間以上働いている人が、農林業で三百九十六万、非農林で七訂三十七万、一千万からが六十時間以上働いている。それでなければ生活ができないという実態、こういうこと、潜在失業者が一千万といわれているこの事態をどう考えるか。完全雇用を政府はいつも言っておるが、どういうふうに道筋を立てていくか。農業基本法をこの前の国会で通されましたが、あの中で五百万の農業労働者を工業に転向するということでありましたが、この前の国会ではその道筋についてはお答えがありませんでした。だから、藤山長官と農林大臣それから労働大臣もこれに関係してお答え願いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 労働の雇用量を拡大していくといいますことは、基本的にはこれは産業の拡大ということが一番大きな要素になると思います。御承知のとおり、第一種産業——今日の日本の現状から申せば、農業方面だけで養える人口というものは、やはり、将来相当な農業の生産性を考えてみましても、農業そのものの本質から見まして無理があると思うのであります。そういう第一種産業に従事しております労働者を第二種産業のほうに、あるいは第三種産業のほうに持って参らなければならぬと思います。そういう意味においてやはり工業各方面の発達あるいは拡大ということが必要になってくるのではないかと思うのでございます。で、そういうことをやって参ります過程に、ただいまお話のように、オートメーション化あるいは合理化、そういうことでもって従来の工業そのものの労働力がむしろ合理化によって減る段階じゃないか、そういうことであるから、完全雇用を考えていくためには、何か時間的な処置もあわせて考えたらどうだろうかというのが御意見のように思います。私は、現在、少なくとも日本の産業経済の発達の過程から見ておりますと、まだまだ第二種産業において私は、十分な合理化をいたしましても吸収力があり得るのだと考えております。で、時間の問題等につきましても、これはむしろ完全雇用をやるという立場よりも、むしろ労働の再生産を労働者自身が十分にやるように、健康を保持し、力をたくわえるという意味から、将来、やはりまず考える問題で、失業問題の対策として、いわゆる世界的にいわれておりますような四十時間というような問題をまず取り上げるよりも、そういう面のほうが私は大事じゃないかというふうに考えるのでございます。その点、若干藤田委員とは意見が違うかもしれませんが、そういうようなことで今後の産業の拡大、発展に伴って、しかもそれを国土開発によって適正な地域的配分を加えながらやって参りますれば、将来の問題はそうむずかしくなく解決していくのじゃないか、こう考えておる次第であります。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) お尋ねの点、農業労働力が都市にどういうふうに流れていく姿を考えたらいいか。これは農業基本法の線に沿って考えられるべきことでございますが、ただ一つここで御注意いただきたいと思いますことは、わが国農業の現状に考えまして、これを長期にわたって農業の構造を改善するということは、私は必要であって、早急に求める姿を求めることは適切でないというふうに考えております。したがって、私の考えといたしましては、農村の現状を保持しつつ、これに対して適切なる保護政策を加えつつ、一面において将来の設計をして参りたいということを考えております。ところがその中におきまして、御承知のとおり、今日の経済界の実情にかんがみまして、農村労力が、私の腹づもりで申しますれば、むしろ多いくらいに、都市に移り過ぎているくらいに実は行っておるのじゃないか、こう考えておるわけでございまして、そのために労力が都市に流れて、そうしていわゆる兼業農家と申しますか、というような実態が各地に現われておるというのが今日の現状でございます。しかし、基本的に考えますことは、今申しますとおりに、将来の日本農業のあるべき構造を想定しつつ、漸次それに移行して参りますようにしていきたいということでございまして、決して無理してどうする、こうするということは適当でないというふうに考えておりますので、お答えになるかどうかしりませんが、そういうふうに私は考えてやっていきたい、こう思っております。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 労働大臣といたしましては、完全雇用の達成と労働条件の向上ということは、労働政策全体の中で最も重要視いたしておるところであります。そうした見地から、労働時間の短縮というようなことにつきましても、これを適切な方法、適切な速度でと申しますと、まあ弾力的に漸進的にというような言葉に置きかえ得るかとも思うのでありますが、そういうようにして短縮が行なわれていくということが望ましいと考える次第でございます。しかし、日本の産業全体を見渡しますと、まあ規模別にも、また産業の性質によっても、いろいろの差異がございまして、大企業等におきましては、労使双方で話し合って漸次そういう方向にいくということが望ましいと考えておりますが、一方、中小企業等では、なかなか企業の脆弱な面等もございまして、早急に参らない事情もございます。そこで格差の是正というようなことを考慮しつつ、いろいろの産業、あるいはいろいろの規模の企業等において、事情の違う面も十分考えながら、先刻申し上げましたように、全体といたしまして弾力的、漸進的に労働時間の短縮ということにいくことが望ましい、こういうふうに考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今お聞きしておりますと、経済が発展していくから、その中で自然に吸収していくのだというお話でございます。どうでございましょうか、今年の春の学卒を見て見ますと、求職と求人との関係は、求人のほうが倍近くございます。しかし、この労働経済指標に出ておりますように、中高年の労働市場というものは、就職したものは二〇%ぐらいです。農村の学卒の方々が新しい職場につかれるものはありますけれども、農業労働者が転向する受け入れ態勢というものは全体の——これだけ人手不足云々といわれておりますけれども、二〇%しか就職できていない、この状態であります。その、できた人も不安定な臨時工か日雇いですね、また社外工という状態でございます。たとえば炭鉱の労務者にいたしましても、非常に深刻な——炭鉱の合理化のために三十八年に十一万の炭鉱労働者が首を切られる。これはほとんど中年の労働者でございます。この受け入れ態勢はないわけです。政府は四十五年度に雇用者三千二百三十五万、労働力人口四千八百六十九万ということを掲げられておりますけれども、どうしても不安定な状態じゃなしに、保障した状態、安心して働ける状態の中で雇用の場につけていくという形のものが、この経済計画、倍増計画の上で計画されなければ私はならないと思う。私はただ、不安定であろうと何であろうと、どこかで働いて生存しておれば、それで一人前だ、雇用ができているという格好にはならない。そういう見地に立って三人の方々、農林大臣、長官、労働大臣、もう一度お答えをいただきたい。通産大臣にもこれに関連してお尋ねをしたいのですけれども、この零細商業というのは最近デパートであるとか、または大きなスーパーマーケットといいますか、そういうもののために、一個それができると何十軒か倒れていくということで、生活の道を立てなければならぬという状態、これもやはり雇用労働者の吸収という条件が理屈の上から出てくると思う。ですから、そういう面からいきまして何といっても労働時間の短縮によって完全雇用の道をどう計画的につけていくかということがなければこの問題は解決しないと私は思う。そういう立場からもう一度御意見をお聞かせ願いたいと思う。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま日本の現状から申しますと、すべての発達がある意味において急激な発展を遂げているだけにアンバランスの状況が各所に起こっております。お話のように大企業が相当な求人要求をもって臨んでおりまして、その方面に相当参りますけれども、中小企業においては全国各地を歩いてみましても、ほとんど人を得られない。そのためにたとえば輸出雑貨をやっております業者のごときは、注文を受けても労務者が得られないために受けられないというような状況も起こっておるわけで、こういう面だけを考えてみますと、中小企業のやはり賃金のみならず住宅その他の設備、いわゆる厚生的な関係を十分に満たすことによって求人の人が中小企業にも迎え得るのでありまして、こういう面においてはそういう方面の住宅、厚生施設等の問題について十分に政府としては意を用いて参らなければならぬのではないかと思います。そういうふうにいろいろな面でまだ全部の急激な発展のためにアンバランスが起こっておりますから、そういう点を直して参らなければならぬと同時に、中高年層の問題にいたしましても、日本の民間の賃金体系というものは必ずしもこういう状況になってくると適当であるかどうかということはこれは産業界でももう一ぺん考えていただかなければならぬのではないか、そういう点に触れなければ中高年層の問題というものはなかなか解決しにくいのではないか、こう思います。そういう面についてわれわれも考えて参らなければならぬので、お話のようにただ労働時間だけを短縮するということによってこれが吸収する唯一の方法だと私考えませんし、また労働時間の短縮というものは先ほど申し上げましたように、やはり勤労者の翌日の再生産力を養うだけの十分な肉体的条件を整えるための必要から見て、そういう問題を取り上げる方がまず前提じゃないか、失業問題だけのためにそういう問題を取り上げるよりも、そうじゃないかというように私は多分に考えておるわけであります。

河野一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 日本農業の現状におきましてその経営を家庭的にやっております。これをはたして最終的にその方法のみでいくべきかどうかということにつきましてはいろいろ議論の存するところでございまして、われわれといたしましては法人化、協業化という道も開く所存でございます。そのいずれにいたしましても、農業の特殊性から考えまして、時間が非常に多いというようなことも先ほどお話がございましたが、しからば年間通じて全部十時間以上の労働をしておるかというと必ずしもそうじゃなかろう、これはいずれも農業の特殊性によるものでありますから。さればといって、これについてこれだけ正しいという意味じゃなしに、そこに明年度以降において農業経営の根本的な改変、すなわち構造の改変をやって参りたい。将来の青写真を書きましてそうしてこれは地方の実情によるところの経営の改善を全面的に企図いたしたいということで、今せっかく努力し、なお案を練っておるところでございまして、いずれ次の国会で御審議願うつもりでございます。いずれにいたしましても、この労力問題につきましては現にいろいろ御指摘があるかもしれませんが、青壮年層が都市に流れて労力が弱体化しております。これらにつきましても深く憂慮する点でございまして、これらにつきましては新しく起こってくる畜産、果樹、園芸等の将来の見通しを明確にいたし、これに対して相当の資本投資をして、そこに青壮年層の新たな労力を吸収して参るようにしていきたい。いろいろ問題はございますが、何分今の農業のことでございますから、あらゆる角度から検討してそしてなるべく適切な将来の農村の建設に努力いたしたい。労働問題等についても考えていきたいと思っております。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 中高年令求職者の就職難あるいは炭鉱離職者の窮状等について実例をあげてお話があったのであります。労働大臣といたしましてはこうした事態を深く憂える一人であり、それぞれの施策は講じておりまするものの、御指摘のようにそれだけで解決ということはなかなか困難なのが日本の現状であろうと思うわけであります。そこで政府の諸施策全体、経済諸政策全体の総合的な運営の中において解決していかなければとうてい全面的な解決はむずかしい。かように私も考えておる次第でございます。ただし、それにいたしましても、みずからの所管いたしまする労働行政の中においての努力はより一そう強く進めていきたいと存じております。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 経済の高度成長、これはもうたびたび説明いたしておりますように、ひずみができてもそれを意に介しないでどんどん進めていくと、こういうものではございませんで、どこまでもそのひずみあるいはしわ寄せが起こらないように、別な表現をいたしますれば、経済各部門の格差がないようにということを絶えず注意して参っておるわけでございます。ところで同時に、この高度成長の際にしばしば見受けるのに、産業構造の変化あるいは先ほど御指摘になりますように、百貨店、スーパー・マーケット、商店街、こういうような点から零細企業が非常に犠牲をこうむるんじゃないか、こういう事態が起こる、起こりやすい。そういう場合に一体どうするのか。これらにつきましてももちろんその事業を遂行するという場合においての保護、助長の援助はもちろんいたしますが、不幸にいたしましてその職場を変更するというような場合においては、この高度経済成長の過程におきましても円滑な労働力の推移ということを念願いたしまして、そういう意味の指導、あっせん、これは労働省とも十分連携してそういう処置をとっていくべきじゃないか、かように実は考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は時間がないから前段の説明をしなかった。この前の予算委員会で総理や長官とも質疑をしておりますから繰り返さなかったわけでありますけれども、何か労働時間を短縮したら何でもできるんだというようなことをたてにとってあなた方は答弁をされた。そんならば生産性と賃金の上昇とのバランスの問題をなぜわしがあげたかということは、あなた方よくお考えになったらおわかりかと私は思うのです。だから、経済の成長ということもあるけれども、生産、経済が成長ずる中で、失業者がない完全雇用の道筋を、不安定職場でなしに安定した条件のもとでみんなが喜んで生活をしていくという道は、何としても今のような状態に置いておいてはどうにもならぬじゃないかと私は言っているわけでございますから、時間がありませんからこれ以上言いませんが、よくその点はお考えをいただきたい。ただ、方針だけ出してこっちだ、こっちだとみんな前に進むけれども、しわ寄せするのはみんな労働者にしわ寄せされているという格好では、私は所得倍増論でもなかろうかと思うのです。物価値上げでまだ苦しめられているという結果しか出てこないということを憂うるわけであります。  もう一つ長官にお尋ねしたいのでありまするが、もう一つの条件は社会保障だと私は思う。社会保障というのは慈善や恩恵じゃないと思う。経済が発展するためにも社会保障というのは私は重大な要素だとこれを思っているわけであります。ですから、外国の例を一つとってみましても、社会保障がどれだけ多くつぎ込まれているかということはもう明らかなんです。そこで、完全雇用と社会保障を向上して生産とバランスをとっている。そういうのは、世界中の国がそうやっている、日本はそうではない。ドイツの大体十何分の一です。それからフランスの約十分の一になりますか。日本が全部入れて一人当たり四千七百八十四円、ドイツが五万三千三百十八円、フランスが四万六千五百九円、イギリスが三万九千三百十二円、イタリーは二万七百五十六円という社会保障費を出しているわけであります。国民所得から出てきた社会保障費、一人ですよ。そういう工合にして生産と消費のバランスをとって、一方においては四十時間労働制によってみんなが手に合った仕事をしながら社会に貢献する。一方において働けない方々には社会保障でそれだけの生活を上げて生産と消費のバランスをとる。この社会保障するという、慈善事業でも恩恵でも何でもない、この考え方が貫かれていないからこういう結果になっているのだと思う。だから、長官と大蔵大臣それから厚生大臣はこの社会保障についての考え方をお聞かせ願いたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 社会保障が慈善事業でない、また全然別個のものであることは私も承知をいたしております。今後日本の経済が発展して参ります場合に、十分な社会保障制度をあわせて考えていくということが必要であることもこれは当然でございます。ことに日本のような国情におきましては、私ども中小企業の問題を取り扱ってみましても、中小企業のうち、特に零細企業という名をつけておるような部面については、単純な経済上の問題だけで、はたしてこれが維持発展できるかということは、私は相当疑問があるというふうに考えております。したがって、そういう部面においてもやはり社会保障の充実ということが零企細業の一面の立場を十分に救っていくという一つの方法だと思うのでございます。それにプラス経済的な要因が加わってくる中以上の中小企業になりますと、経済的な問題だけで解決できるのです。そういうように考えております。したがって、社会保障制度全体をこういう十年計画を立てて参ります場合に、十分尊重して参らなければならないことは当然でございます。今日、自由民主党としても社会保障の問題については、体系ではある程度私は整ってきておると思っております。ただ給付率等、内容につきましては今後経済の発展段階に応じて逐次改善をして参りますことは当然なことだと思います。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 答弁はなるべく簡潔にお願いいたします。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 社会保障についての考えは全く同様でございます。今、私どもは日本経済の強みというものの一つは、最近日本の中間層が非常に安定し、堅実化したということを理由の一つに数えております。と申しますのは、一定の購買力を保障された浮動しない中間層が強くなるということは日本経済に波を打たせない、これが一番大きい要因になることでございますので、そういう意味で私どもは、この国の中で中間層が非常に数が多くなってきたということを日本経済の強みの一つとして数えておるのでございますが、同様に、そこまでの生活を持たない層に対する社会保障政策ということは、国民経済的な目から見ましても、これは重要な経済政策でもあると同時に、一方高度の政治目標ということにも合致するわけでございますから、あなたの言われるように恩恵的なものでもない。社会保障政策を強化するということは、それ自身はもう国民経済全体から見た不可欠な一つの基本政策だというふうに私どもは思っております。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 社会保障につきましてのだんだんのお話でございますが、社会保障の整備充実をはかって参りますことは、これは私は日本国憲法の理念に基づいて当然のことだと思います。われわれといたしましてはこの整備強化のために極力努力して参らなければならないと存ずるものです。また、お話にありましたように、社会保障はこれを受ける人たちの直接の関係だけでなしに、その制度を通じて経済の成長、発展の上にも、大いに貢献するものと私は存じている次第でございます。したがって、社会保障の整備をはかりつつ、経済の成長をはかる、また、経済の成長、発展を通じて、社会保障を一そう整備していく、こういうような心がまえで進んで参りたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は今、日本の四千七百八十四円、ほかのところも、恩給費を含めた数字を言ったわけですが、それじゃ、各国の国民所得がどうなっているかということも実は申し上げたいと思うのです。イギリスは個人で三十四万四千七百二十六円、国民所得一人当たり、フランスは二十五万九千三百九十五円、ドイツが二十六万七千百八十九円、イタリーが十四万六千二十五円、日本が一九工七年の数字で九万七百九十六円になっている。三十五年度は、昨年度、一九六〇年度は十五万六千円という国民所得の一人平均が日本では出ているわけです。どれだけ日本が向上しているか。具体的な所得保障の、年金の問題、医療制度の問題ですね、その他の福祉行政についても、これだけの国民所得の中で、これだけの社会保障を上げて、老後の所得保障をやって、病気になったときは医療制度で守っていっているというので、私は各国そこに力を入れているということをどうぞ一つ銘記をしていただいておいて、そうして経済計画を立てるにも、行政をおやりになるにもいかにして日本の経済が上がったり下がったり、上がったり下がったりするのでなしに、すなおに日々向上ということを考えるにはどうすればいいかということを十二分にお考え願いたい、こういうことを私は特にお願いしておきたいと思うのです。  それで私は最後に、今日の日本の港における荷役の問題について、港湾荷役の問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。運輸大臣にお尋ねします。今、平生の場合ですと、日本の港に船が着いて四日か五日くらいで荷役が完了するというのが普通の状態でありますが、今日一カ月も二カ月もかかって船がたくさん港に停滞しているということがありますが、どういう状態にあるか、各港の状態をお知らせいただきたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) お答え申し上げます。今年の六、七月ごろから主要港における船だまりが急激にひどくなって参りました。名港によって若干は違いまするが、大体長いものになりますると一カ月近く滞船をするというようなものができて参っております。東京港、横浜港それから名古屋、神戸、大阪港が主たるものでございますが、定期航路は今日どうやら滞船することなしにいっておりますが、貨物船、特に鉄鉱船あるいは飼料、こういったような種類のものがどうしても滞船の日数が多くなって参っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは数字をあげて言ってもらわなければわからぬじゃないですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 詳細な各港における数字は、ただいま手元に持ち合わせておりませんから、必要とあれば後刻資料としてお渡しをいたしたいと存じますが、大体平均をいたしまして、私の感じでは十日ないし十五日くらいの滞船があるだろう、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 十日ないし十五日というようななまやさしいものじゃないですよ。運輸大臣は現地の事情をお知りにならないのですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私は各港とも視察いたしております。  私の申しましたのは平均の数字でございまするから、したがいまして長いものになりますると一カ月あるいはそれをオーバーをするものも生じておると思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これはちょっと数字をあげてやっていただきたいと思います。  それから運輸大臣にお尋ねしますが、何が原因でこうなっているかということ。どういう工合にお考えになっていますか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) この原因は急激な輸入貨物の増加であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 運輸大臣は輸入貨物の増加ということだけをおっしゃいましたが、そうですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 輸入貨物が本年の初めころまでであれば、私はこの滞船の状態は生じていないと、かように考えております。輸入貨物が増加をいたしましたために、したがって、はしけも足りない、あるいはバースも足りない、労務者も足りない。ことに一番苦慮しておりますのが労務者でございますが、しかしこの原因を生じたのは輸入貨物が多くなってきたというのが主たる原因であると思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私の調べたところによりますと、大体港湾荷役に参加しているのは港湾労働者常用労働者が二〇%、それから日雇い労務者が八〇%、こういうことで港湾荷役が行なわれておる。ところが、その常用労働者は働いておるけれども、日雇い労務者の八〇%というのがその半分も集まらない。なぜ集まらないかというと、十三時間労働、場合によってはもうカン詰にしておいて四十八時間ぶつ通しで仕事をさせる。そして手配師その他を通じて来る労務書は十二時間ぶつ通しで働いても八百円足らずしか賃金がもらえない。仕事が終わってからも、ふろの設備もなければ何の設備もない。こういう状態では、私は労務者が寄ってくるはずがないと思う。これが一番大きな原因。それは輸入貨物がふえたことも一つの原因でございましょうけれども、それが一番大きな原因だと私は思っておるのですが、どうですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私の調べでは、荷役労務者が以前よりも減少してきたからこの滞船を生じておるとは見ておりません。荷役労務者の数はこれはそう減じてはおりません。この輸入貨物の増加に伴う荷役労務者の増加ができていないということが原因である、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 はっきりしないじゃないですか。  労務大臣はどうですか、今の港湾労働者の就業状況、待遇の状況というものが、あれでいいかどうか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) お取り違いをいただくと困るのでありますが、私は今日の港湾労務者の状況があれでいいとは決して思っておりません。また、今日の状態で港湾労務者がほうっておいて得られると、かように思っておりません。したがって、今日の港湾の荷役を推進させる、滞貨をなくしていくということの一番大きな施策は、やはり労務者対策が大きな施策の一つであると、かように考えているわけでございます。  今お尋ねになりましたのは、滞船を生じてきたのは何が主原因かとおっしゃいましたから、これは輸入貨物の増加が主原因である、それに伴って労務者をふやしていかなければならないわけでございますが、今申し上げますような状況で、なかなかふえるのに困っている、したがっていろいろな施策も必要でございますけれども、労務者対策というものが、非常に重大な一つの問題である、かように申し上げました。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 戦前等の例に比較いたしまして、最近の港湾荷役の労務者の労働条件があまりよくないというのは私も事実だと思います。そこで、これらのことに留意して施策を行なわれなければなりませんが、条件だけでなくて、作業が非常に危険を伴うという事実もある。また一部御指摘のように労務管理上やや近代性を欠くような点も私は否定できないと思う。これらの点をよくするために労働省といたしましても、できるだけの施策を推進いたしており、また一面、何としても荷物もふえていることであるから、そういう労務者を集めなければならないというので、それについては住宅をどう確保するかとかなんとか、いろいろこれと関連することも進めておりまして、ごく最近においてもこうしたことのために予備費を出しました事実も、これは十分であるかないかは別として、もう御承知のとおりでございます。  なお、手配師等の話もございましたが、これを排除するために、すでに幾つかの港でも今までよりはかなり前進した施策もとりましたし、労働者の便利のために六大港に寄り場を作って、今あなたの御指摘のようなことによっての労務手配ということをなくするような措置、これら等も講じておる次第でございます。いずれにいたしましても、こうしたことをより強力に総合的に推進していきたい、かように存じております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 運輸大臣にお尋ねいたしますが、今の滞船の具体的な事情それから労務者がどういう関係になっておるかという資料を、事務当局でお持ちでしょうから、御説明願いたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) おそれ入りますが、もう一度お述べ願いたいと思います。ちょっと聞き取りにくかったので、お述べ願いたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 先ほど具体的な平均はこれくらいだと、勘だと言われたけれども、具体的な資料を事務当局でお持ちでしょうから説明して下さい。

加藤実運輸省港湾局港政課長

○説明員(加藤実君) 今ちょっと持っております資料が、御質問のお答えにそのまま合うかどうかちょっとわかりませんけれども、一応ごく最近の情勢を申しますと、十月の九日におきましては、六大港、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、関門の合計のいわゆる滞船が百五十二隻になっております。延べ船舶が待ちました時間が、八百七十一時間ということになっております。  それから、あとは労働者の数でございますが、これはことしの、ちょっと今実は資料を持っておりませんで恐縮ですが、四月現在といたしまして、常用労働者がちょうど五万名だと記憶しております。それから常用労働者に対する日雇い労働者は、常用労働者に換算しますと約三万名、合わせて八万名ちょっとだと、こういうふうに記憶しております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 労働省はこの港湾労働者の実態をお調べになっておりますか。なっておりましたら、その実態を御報告願いたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 詳細なる数字等は政府委員から御答弁いたします。

北川俊夫労働省職業安定局調整課長

○説明員(北川俊夫君) 労働省の調査によりますと、三十五年の六月で六大港におきます常用労働者の数は四万六千九百二十二名でございます。これを貨物量と比較いたしますと、三一三年を一〇〇といたしますと、三十五年の場合貨物量が約一四七、労働者はそれに対しまして、数は指数にしまして一〇三、七でございます。したがいまして、われわれの考えでは、貨物量の増加に対しまして労働者の数がそれほど伸びておらない、こういうところに問題点があるかと存じます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 日雇いはどれくらい。

北川俊夫労働省職業安定局調整課長

○説明員(北川俊夫君) 日雇いは正確に——これは登録の日雇いその他いろいろございますので、比率で申しますと、大体六対四、四が常用で六が日雇いこういうことであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この対策をどういう工合に立てたらよいか、私は日本経済との関係からいっても、非常に重大な問題だと思うのです。ですから、運輸大臣、労働大臣は、その荷のふえたことについては、設備拡大がありましょう、設備の拡大整備ということが一つある。しかし労務者対策についてはどういう処置をすれば——イギリスにはドック・レーバーというのが保護されておりますが、日本では港湾労働法というのをわれわれ出しましたが、なかなかまとまっておらないのですが、どういう処置をとったらいいか御所見を承ります。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 労働対策は主として労働省でやっていただいておるわけでございますが、私のほうで見ているところでは、まずさしあたって住宅対策が何よりも緊急な対策であると思います。そうしてさらにその他のいろいろな福祉施設、同時に労働者の待遇改善賃金の水準がまだ現在では低過ぎる。それから船内荷役等につきましては、非常に重労働であり、また危害をずいぶん受ける点が多いわけでありますので、そういう意味から、やはりそういった労働に対する技術的な訓練ということも必要であると思います。かように考えて参りますると、いわゆるはしけ業者、港運業者の今日の港運料というものがやはり低きに過ぎる、そういうゆえんをもちまして、先般調整貸金のある程度の上昇を認めたわけでございますが、しかしながら、荷主との間に割り引きをしたりいたしまして、許された調整賃金そのままにもらっていないという慣行が今までございます。こういうものをなくして参って、そうして大きな意味における待遇改善をはかっていかなければ港湾労務者の十分な確保はできないと、かように考えております。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 六大港へは千二百名ばかり今年度は労務者を集める、こういうことで着々その成果を上げるようにいたしているわけでありますが、来年度は二千名ばかり、こういうような話を運輸省からも受けておりますので、そういう予定で諸般の準備も進めております。これらの労務者確保と関連いたしまして、非常に労働に危険があるとかなんとか、いろいろ問題があって、普通の労働者と違って国の配意も特別に行なわなければならぬ面もございますので、港湾労働審議会といったようなものも従来労働省を中心としたものはございましたけれども、これを内閣のほうに置いて、いろいろの施策を、より総合的に、より強力に進めるというようなことにしてもらうことが適切だろうというので、そういう方向へ今動いている次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は労働者の今の環境その他は、内閣でおやりになってもらえるということですからけっこうですけれども、早急にこれはやっていただきたいと思うのです。  大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、経済の発展する上において、船の設備その他に枯渇している面があるようでございますが、大蔵省としてはこういう対策をお考えになっておりますか、港湾の設備拡大その他について。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 緊急を要するものとして、とりあえず十億円ぐらいの事業をここで繰り上げてやらなければならぬという問題が運輸省のほうから出て参りましたので、これに要する資金は、緊急のものと認めて予備費で支出するという措置をとって協力しております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もう時間がないようですから労働大臣にお尋ねしたいのですが、この港湾労働者の港湾労働法というものを国会で二、三回審議しているのですが、ILOの決議にもあるとおり、港湾労働者をいかに守っていくか、これは何といっても各国との交流、貿易の問題については、港、船を通じて、これが中心でございますから、だからその第一番の先頭に立っている港湾労働者がこういう状態では、私は日本の経済に重大な影響があると思う。だから何といっても設備拡大の問題は、今、大蔵大臣がお述べになりましたが、総合的に内閣でおやりになりますが、この労働対策の問題も内閣でおやりになっていただくべき問題ではないか、特に港湾労働者を守る法律といったものをお出しになる考えはございませんか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 先ほど申し上げました審議会は、私といたしましては、こういう問題は当然含む——含むどころではない、これがその中でも非常に大事な問題として扱われることを期待しておりますし、また、そうなるものと信じております。したがって、そうしたところから出て参りまする結論によってただいまの法案を出すかどうかということも考慮して参りたいと考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっと、その港湾審議会というのは、正規の審議会になっていないのですよ、まだ。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) そこで、それを有効に活動してもらえるような審議会にし、その審議会の答申を待って、先刻申し上げましたような措置もとっていきたいと、こう考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは、正規の審議会に早急にして、そこで結論を出して今のような方向を考えたい、こういうことですね。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) すでに内閣でもそういった話も出ておる次第でございます。仰せのようなことにするようにこの上とも私努力をいたしたいし、また他の関係閣僚各位においても御理解あるものと私は期待いたしております。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 村山道雄君。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 私は最初に、中小企業対策に関しまする基本的に重要な二つの問題につきまして、通産大臣、大蔵大臣にお伺いをいたしたいのでございます。  最初に、中小企業基本法の制定についての御決意を通産大臣にお伺いいたしたいのでございます。政府の所得倍増計画が所得格差の是正をその基本方針の一つとしておられますことにつきましては、われわれもこれに賛意を表しておる次第でございます。しかしながら、総所得増加の段階におきましてその格差を是正するということは、これは、政府がそのまま放置しておいたということでは、実現はいたさないのでございます。大企業と中小企業との格差にいたしましても、いわゆる先進地域と低開発地域との格差にいたしましても、また商工業と農業との格差にいたしましても、政府が思い切った特段の助長保護の政策をとるのでありませんければ、それらの格差は、縮小いたすどころではなく、反対に拡大するものであることは、これは自明の理であると存ずるのでございます。そこで政府は、農業に対しましてはすでに農業基本法を制定いたし、低開発地域に対しましては、東北開発促進法その他もろもろの法律を制定されまして、その所得格差の是正をはかっておられるのであります。ひとり中小企業と大企業との格差の是正に対しましては、中小企業基本法の制定の声を聞くのみでありまして、いまだその実施を見ておらないのでございまするが、これは、中小企業者にとりまして片手落ちのことではないかと存ずるのであります。一面におきまして、最近における経済界の情勢は、ますますその重圧を中小企業者に加えようとしておるのでございまするが、政府の基本的な思い切った施策を待望いたしまする声がちまたに満ちておるのでございます。もちろん農業に比べまして、中小企業につきましては、基本法制定についていろいろと困難な事情のあることは承知をいたしておりまするし、また中小企業そのものの複雑な性格についてもよく承知をいたしておるのでございます。しかしながら、事態は非常に急迫をいたしておると存ずるのでございまして、政府の慎重審議を待ち切れない事情にあるのでございます。問題が困難複雑でありまするだけに、遷延を許さない現状であると存ずるのでございます。そこで、早急に御審議の上、おそくとも来たるべき通常国会には中小企業基本法の御提案を熱心に希望いたすものでございまするが、通産大臣の御決意のほどをお聞きいたしたいのでございます。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 経済の高度成長、あるいはまた貿易の自由化、そういうことを推し進めて参りまして、最近特に私どもが対策に苦心いたしておりますものは、御指摘のとおり中小企業対策でございます。で、この観点に立ちまして、中小企業に対する基本法をぜひとも作りたい、かように考え、その諸準備を進めております。しこうして、ただいま村山委員から御指摘になりましたように、一口に中小企業と申しますが、まことに複雑多岐でございます。また、当委員会を通じての質疑応答にも見られますように、あるいは零細企業と申しますか、いずれにいたしましても、第一、第二、第三、この産業部門の各部門にある中小企業、それに対する対策としての基本法を制定するのでございますから、その対策もそれぞれに適するように考案しなければならない、かように考えますと、なかなか実態の把握並びにその案をまとめる上におきまして非常に困難があるわけでございます。しかし、ただいま各方面を督励し、また政党側の要望も、与党である自由民主党ばかりでなく、社会党あるいは民主社会党等からも強く要望されておりますので、ぜひともこの中小企業基本法を作りたい、こういうことで準備をいたしております。  そこで、見通しの問題になりますが今までしばしばお答えいたしましたように、まだ次の通常国会に必ず提案し得ると、こういうところまでの諸準備が進んでおりません。ところが、この基本法の制定と同時に、ただいまの高度成長あるいは自由化の進行につれ、また最近の設備抑制等の問題から、金融の面等から、中小企業はいまだかつて見ないような難局に当面しておると思います。この緊急措置の問題と基本的対策の問題、これは必ずしも一つでなきやならないものだ、かように私ども考えておりませんので、これは分離し得ると、かように思いますので、基本法については十分実態を調査し、把握し、しかる上で法の制定をしたい。また緊急、応急の処置としては、今日等閑に付すことのできないもの各部門にわたりましてそれらの対策を講じて参りたい、かように実は考えて対処する考えでございます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 それでは次に、中小企業の金融対策につきまして、通産大臣と大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。  年末までの全国の中小企業者に対しまする金融は、このたびの災害分を含めまして、財政投融資が三百五十億、このうち五十億が災害分であると聞いておるのでございます。金融債の買い上げが二百億、合計五百五十億が予定されておると伺っておるのでございまするが、これでは何としても年末を乗り切れない実情にあるということを聞くのでございます。われわれ自由民主党におきましても、中小企業者の困難な現状を打開いたしますために、少なくとも一千億程度に融資のワクを広げていただきたいということを政府に要望をいたしておるのでございまして、この点につきましては、通産大臣及び大蔵大臣におかれましても、十分御配慮をいただいておることとは存ずるのでございまするが、この際、両大臣からはっきりした御見解を承知いたしたいのでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 与党からそういうお話のあったことも承知しております。御承知のように中小企業の金融問題ということは一番大事な問題でございますので、私どもも十分こめ点に気をつけて、今非常に強い行政指導もしておるときでございます。で、中小企業に市中の金融機関から融通している金額は、少なくとも五兆円以上に及んでおる現状でございますので、もし市中金融機関がかりに一割でも引き締めを中小企業に対してやったというときには、中小企業の金融量は五千億も締められる、こういう事態になって、たいへんなことでございますので、昭和三十二年の引き締めのとき、結果として相当中小企業に金融のしわ寄せがいった実情もございますので、今回は特にそういうことのないように、まず市中の金融機関が貸し出し比率を落とさぬように、むしろこれをこの際上げてくれという指導を、全金融機関にただいましております。と同時に、国も年末のために政府機関に対して手当をしよう。で、現在きめておるのは、とりあえず今おっしゃられた五百五十億円くらいの資金手当を考えておりますが、これは例年の年末手当に比べて大体三倍の量でございますし、政府機関全体の資金から見ましても、これだけの量は一割以上になることでございますので……。問題は、政府資金の手当も私どもは実情に応じてすると、がしかし、政府の資金というものの比重というものは非常に軽いのですから、問題は一般の市中金融機関が中小企業に金を詰まらせぬようにという指導の方が私どもは大切だと今考えております。で、こういう引き締めをやっておるときでございますので、中小企業に貸し出し比率を落とさぬようにという指導をすると、今、むしろ少ししわ寄せが大企業にきている、大企業の金融が詰まることによってこれが系列下請会社に対する支払いの遅延とかいうような形になって、これが中小企業にはね返ってきているという実情も見られて参りましたので、金融の引き締め基調は変えない、これはどこまでもやって参りますが、しかし問題は、行き過ぎた設備投資に対する一つの私どもの考え方でございますので、必要な運転資金をとめるというような事態になりますというと、問題がいろいろ出てきますので、私どもは金融の引き締め基調は変えないと同時に、やはり金融の操作も一本やりではいかぬ、必要な年末の運転資金に事欠かせぬような配慮というものも十分しなければならぬ、そこらの弾力的な運営は十分気をつけてやって参りたいと考えております。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま大蔵大臣から基本的な政府の考え方を詳細に説明されましたので、私から重ねてはお答えをいたしません。私は中小企業の業界が、いわゆる金融の引き締めのしわ寄せを受けないように今後とも注意するつもりでございますし、あるいはまた、貿易自由化に備えての近代化等におくれを来たさないよう、絶えずまたこれを注意して参るつもりでございます。輸出金融等におきましても、公定歩合引き上げの際にかかわらず、やはり金利は引き下げるというような方向がとられておりますし、また一般金融引き締めの際にも、例年にない年末対策としての資金が確保されております。もちろんこれをもって十分と申すわけではございませんし、ただいま大蔵大臣がお答えいたしましたように、さらに絶えず注意をいたしまして、今後一そう弾力的運用に重きを置いていきたい、かように考えております。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 次に、私は去る七月末以来約四十日間本院より派遣されまして、四名の同僚議員と御一緒に東南アジア、中近東十七カ国、その後シリアが独立いたしましたので、今では十八カ国を視察して参ったのでございます。その際の見聞の中で、政府の御意見をお伺いいたしたいと思います事柄を、時間の制限もございますので、特に重要と考えておりまする幾つかの点のみにつきまして、外務、通産、文部、大蔵の四大臣に質問いたしたいと存じます。もっとも、その中でも特に重大な問題と考えておりまするタイの特別円の問題、あるいはビルマの賠償問題などは、目下外交折衝中であると承知いたしておりまするので、ここでは触れないことにいたします。ただ、総理大臣の訪問前にぜひ解決してきていただきたいという要望が現地において非常に強かったことを申し上げておきたいと存じます。  私たちがイラン国王のモハメッド・リザ・パーレビ・シャーに面接いたしましたときに、パーレビ国王は、第一に欧州共同市場ができたために、わがイランの対ローロッパ輸出は非常な打撃を受けておる。このアジアに共通する大問題の打開策について、アジアの先進国である日本も指導的な立場で考えてほしい。アジア諸国の会議を開いてもいいのではないかと思うと申しました。第二に、低開発国の開発に先進国の援助が必要であるゆえんを説きまして、日本も今や先進国の仲間に入って大いにわれわれを援助してほしいものであると思うと言って結んだのでございます。  そこでまず第一に、欧州共同市場対策としてアジア諸国が協調すべきであるというこの基本的な考え方に対しまする外務大臣の御見解を承知いたしたいのでございます。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 欧州共同体が非常に強固になって、ことに一次産品を主たる輸出物といたしまする中近東、東南アジア諸国に相当な影響があり、したがってそれに対する対策を考えなければならないという気持が、ほうはいとして動いておりますことは、村山さんのただいま御指摘のとおりであると私ども考えております。したがってまた、アラブ経済共同体の構想、あるいは東南アジア連合というようなものも一時構想として上っておることも承知いたしておりまするが、何せこの欧州共同体自身にいたしましても、ああいうものになりまする前には非常に長い歴史を経過いたしておりまするので、私どもは今直ちにいろいろ経済発展の段階について相違いたしております東南アジア諸国が、直ちに会議を開いてそういうものができるかということになりますと、この点については若干問題があるかと思います。しかしながら、ただいま私も申し上げましたような認識において、全く村山さんと同感でございまするので、そういう貴重な御意見を十分研究さしていただきたいと考えております。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 次に、パーレビ国王の申しました第二の点、すなわち日本の低開発国援助の問題でございまするが、私はこれを技術援助と資本援助の二つに分けてお尋ねをいたしたいと思います。  まず、技術援助についてお尋ねをいたしますが、これらの諸国におきましてわが国が現在行なっておりまする技術援助は、きわめて好評でございまして、今後とも引き続いて強く要望されるものであると考えるのでございます。そこで、現地の要請しておる人材をその希望いたしておる時期に送りまして、もし現地が希望いたす場合には、相当長い期間滞在せしめることが必要となってくるのでございまするが、現在の実情は、この現地の要望に十分沿っておるとは言いがたい実情にあるようでございます。で、私の記憶に残っておりまする一例をあげてお尋ねするのでございまするが、セイロンにおきまして日本から派遣したおもちゃ製造の技術指導者が、現地人から非常に喜ばれておりまして、現地人ももっとおってもらいたい、現地政府ももっとおってもらいたい、本人もそんなに現地で懇請をされまするので、自分は滞在を延期してもいい、そこで大使から滞在の延期を日本政府に要請をいたしましたが、これがなかなか聞き入れられないので大使も困っておるという話を聞いたのでございました。この問題はその後政府でどういうふうに処理をされましたか、一例でございますが参考のためにお伺いいたしておきたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 技術援助の大事なことは御指摘のとおりであります。そこで、ただいま御指摘になりましたセイロンの玩具製造の指導の問題でございますが、これは当初三カ年という長期の指導でございまして、そうして現地でさらにこれを一年延ばしてくれということで、この希望に沿って一年延ばすということで問題は解決したと、かように私どもは伺っております。その後現地からの交渉は何にもないのでございます。で、絶えず注意をいたしまして現地の要望に沿うようにあらゆる困難を克服していく、というのが私どもの態度でございますから、ただいまのようなお話を御披露願いますことはたいへん今後の行政上の参考になりますので、ありがたくお礼を申し上げます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 次に文部大臣に一、二点お伺いをいたしたいと存じます。  一々現地の実情をあげまする時間がないのは残念でございまするが、これらの地域では技術指導を非常に熱望いたしておりまするが、これにこたえまするためにも、また現在ややもすれば前途に光明を失いやすいわが国の青少年に希望を与えますためにも、青少年に海外進出のための訓練を施されまして、少なくとも日常会話のできる外国語——東南アジア地方では少なくとも簡単な英語が話せることが必要であると申しておりまするが、こういうものを修得させまして、必要な技術を身につけて、情熱をもって、また腰を据えて低開発国技術指導のために働かせる。このことは現在の日本にとりまして最も時宜にかなった施策であると考えるのでございまするが、こういう点につきましての文部大臣のお考えを承知いたしたいのでございます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  お説ごもっとも拝聴いたしました。ただ現実は、仰せのような求めに応ずるような施設、設備等が特別にございませんので、今後に向かって努力をしたいと思います。実際の当面の課題の一つとしましては、一部に各種学校の形ではございますが、おっしゃるような目的に応ずるような態勢を作るべきだというので、寄り寄り具体的に進行中でございます。これは英語もさることながら現地に参ります技術指導員等は、現地語が修得されていないための不便がまた非常に多いとも承っております。で、特にその必要に応ずることを主眼としまして、もちろん英語等も教えることを含みといたしまして、今申し上げるような具体的計画が進行中でございます。これに対して極力協力をいたしますと同時に、行く行くは因みずからもそういうものに協力をしますと同時に、国の施設それ自体として考える価値がある課題じゃなかろうか、というふうにも思っておるような次第でございます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 なおこれらの低開発国からの留学生の受け入れにつきましては、先日この委員会で北條委員の御質問がございましたので省略をいたしますが、ただ一点この機会に文部大臣にお伺いをいたしたいのでございます。  現地では文部省の留学生には帰りの旅費を支給してくれないということが、至るところで問題になっておったのでございます。これは一つは予算の組み方の問題であるとも考えるのでございまするが、先日もこの委員会で文部大臣は、せっかくの好意があだにならないように工夫をしたいという趣旨の御発言がございましたが、来るときの旅費は出しておいて帰りの旅費は滞在中に貯金をしろということでは、どうも向こうから来た人たちには感じがよくないようでございます。それで、もしこれが事実であるならば何とか御工夫になってしかるべきではないかと存ずるのでございまするが、文部大臣のお答えをいただきたいのでございましす。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話の点は御指摘のとおりでございます。片道しか支給いたしておりません。そのことに対します不満等も文部省といたしましても十分聞かされまして、考え合わせておるところでございます。三十七年度予算では今御指摘の点について、片道だけじゃなしに往復旅費を支給するという建前で概算要求もいたしておるような次第でございます。なおこの現状としましては、東南アジア、中近東方、面から現に留学しております人数が二百十七名、欧米、オセアニア州関係が三十九名ということに相なっておりますが、片道の旅費を支給しておりますのは東南アジア、中近東の関係の分だけでございます。その他は何と申しますか、国際間の相互主義で、向こうが往復旅費をくれるならばこちらもという式でやっておるわけでございまして、それは従来どおりのやり方でいくといたしまして、中近東、東南アジアのことは一番初めに申し上げましたように、現在は片道ですが、来年度以降は往復旅費をやることにして今の御指摘にこたえたいと、かように存じております。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 ただいまの点につきまして、大蔵大臣からも御所見を承知いたしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私のところへは最近留学生からきわめてまじめないろいろな手紙が参っております。で、自分たち留学生の仲間の中で非常に不満を持った者もある。せっかく日本で留学生のために金を出してやってくれるのなら、これは不満のないようにやはりやってもらいたい。それができなかったら今の人数を半分にして、あとの半分にそれだけのものを手当してくれるなら、これは日本を去るときに日本に対していい感じを持って出られると思うが、そこらの点は考えてくれというようないろいろなまじめな、要望もきておりますので、東南アジア等からの留学生というものに対する配慮については、私は来年十分考えたいと自分自身でも思っております。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 次に資本援助についてお伺いをいたしたいと存じます。  東南アジア、中近東諸国は日本の資本援助を非常に強く希望いたしておるのでございます。率直な気持は、今さらイギリスはいやである、アメリカもイギリスの仲間である、そうかといってソ連や中共の援助を受けるとあとがおそろしいというような考え方で、日本あたりが援助してくれると最も無難であるという考え方ではないかと考えるのでございます。  その顕著な一例といたしまして私たちがビルマのウ・ヌー首相と面談をいたしましたときに、彼はきわめて熱心に、ビルマに肥料工場を設置してもらいたいということで、そのための日本の援助を要請いたしておったのでございます。そこでこの点に関しまして、地元ラングーンの日本商社の人たちにその意向をただしてみたのでございまするが、いわゆる中立国ではいつ企業の国有化が行なわれるかわからないという不安がありまするので、本社のほうではなかなか話に乗ってくれないという意見が非常に強かったのでございます。そこで私はこのビルマの具体的な問題がどうなっておるかということについては、ここではお尋ねいたさないのでございまするが、この問題に関連して私はこういうふうに考えたのでございます。もしこのようないわゆる中立国で将来企業の国有化が実行され、しかもその際の国の買収価格が不当に低くありまして、損失を招いた、そういうときには日本政府が、直接にか、または海外経済援助基金等を通じまして間接に、その損失を補償するという約束をするというような措置を講じまして、積極的に企業投資をやらせてはどうかというふうに考えたのでございまするが、この私の考え方に対しまする政府のお考えをお聞かせいただきたいのでございます。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今、ビルマの問題は具体的には聞かないということでございますが、低開発国、あるいはその他政局——政情が安定していない国におきましては、企業経営の危険負担をいずれが負うかということで、協力意欲を阻害しておる例もしばしばあるのでございます。それに対処するために、三十一年に新たに海外投資保険制度というものが研究されまして、これによりまして対策を講じておるわけでございますし、また企業採算の問題につきましては、すでに御承知のように輸出入銀行あるいは海外経済協力の基金、これらを通じましてできるだけ問題の解決をはかるように制度として一応整備されて参ってきました。で問題は、制度そのものが整備されるということでなしに、やはり具体的問題を取り上げて、そうして相手国の納得のいくような処置をつける、これが望ましいことだと思います。最近のビルマ等との交渉、これはもう外務省が中心になってやっておりますが、通産省に話が持ち込まれたものを見ますると、むしろ中共国境との近くにおいて、いわゆるビルマの奥地開発、こういうようなことについていろいろ協力方を要望されております。これらの問題もただいま申し上げますように企業採算なり、あるいは基本的に危険負担を経営者だけにまかさないように処置をとること等によって、それぞれの見通しをつけて参る、かようにいたしたいと考えておる次第でございます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 第三番目に私は、東南アジア、中近東との貿易の振興につきまして、三つの点をお伺いいたしたいと存じます。時間の関係がございますので三つ一緒にお尋ねいたします。  その一つは、アメリカのとっておりまする、ICA援助によりまするバイ・アメリカン政策に対しまする日本政府の対策についてお伺いをいたしたいのでございます。特にベトナム共和国、いわゆる南ベトナムにおきましては、アメリカのICA援助をたくさん受けておりまするために、アメリカ商品の輸入が優先をいたしまして、日本商品の輸入が途絶をするという状態に陥っております。日本の商社は非常に困っておるのでございまして、アメリカの政策も一応はやむを得ない措置とは考えられるのでございまするが、このような特殊の地域に対しましては、日本政府からアメリカに対して何らかの例外措置を要請されてしかるべきではないかと考えるのでございまするが、この点についての外務大臣の御所見を承知いたしたいのでございます。  その二は、見返り輸入物資の日本における利用方法の研究についてお伺いいたしたいのでございます。低開発国、たとえばイラクにおきましては、石油を除いては、デーツ——ナツメヤシの実でございまするが、このデーツ以外には輸出できる商品が何もないのであります。しかも石油は外国資本に支配されておりまするのでイラクの利益にはならない。そこで日本商品の見返りとしてデーツの輸出を強く要請をいたしまして、日本がこれに応じないというので、しばしば日本商品の輸入停止の措置をとっているのでございます。日本商品の輸出が必要であります以上、これは一例でございますが、イラクについて申し上げますると、デーツの日本国内における利用方法の科学的研究を本気でやる必要があると考えるわけでございまするが、これに対する政府の御見解を承知いたしたいのでございます。  第三の点は、農機具の輸出についてでございます。カルカッタの展示会において、日本の農機具はきわめて好評を博したそうでございまするが、西独やソ連の農機具は大農法を前提といたしておりましたので、インドでは不評でございました。すると西独は日本の農機具全部を模写いたしまするし、ソ連は陳列品全部の買収を申し出たという事実を聞いて参りました。このまま放置いたしますと、やがて西独、ソ連に販路を食い込まれると考えるのでございまするが、政府はどのような対策を講じ、たまたま好評を博しているわが国製品の販路を確保しようとされるのでございまするか、承知いたしたいのでございます。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 三点につきまして逐次お答えさせていただきます。  まず第一点のICAの援助問題でございますが、これは昨年発表されましたいわゆるドル防衛の措置の一環といたしまして、バイ・アメリカンという方針がICA援助についてとられることになって参りました。今御指摘のように中近東方面への輸出の減少は、当初予想はされたところでありますが、実際に本年六月以降特に漸減の傾向が見られるのであります。わが国としましては、このアメリカのドル防衛の根本方針についての理解はできるのでありますが、何分にも今御質問の趣旨にもありましたような点を強く考えまして、一そう輸出の増進をはからなければなりませんので、このバイ・アメリカン方針の廃止ないし緩和方につきまして機会あるごとにアメリカ側に要請をいたしているのでありますが、今後ともたとえばこの十一月に開かれます箱根の日米貿易経済合同委員会においても、そういう問題に触れて大いに深く話し合いをしてみたいと考えております。  次に、中近東方面の貿易はややもすると片貿易になる。これは御指摘のとおりでございまして、大体これらの諸国の外貨獲得はもっぱら第一次産品の輸出に依存しているわけでございます。しかしながらこの第一次産品というものは、そもそも歴史的に関係の深い欧州諸国の需要に見合うように作られて開発されたものが多いのでございまして、わが国の需要には必ずしも適合しないものが多いわけでございます。したがって第一次産品を主とするこれらの諸国に対しては片貿易になりがちでありますわけでございますが、わが国においてはわが国の需要に見合うような開発を行ないまして、それぞれの産品の品質あるいは価格等について、われわれの考えも知ってもらうとともに、根本的には経済技術協力の推進をいたしまして、これらの国の産品市場をそれぞれ開発するということに、わが国としても積極的に努力すべきだと考えております。  御指摘のイラクのナツメヤシの需要、これなどは近年いろいろ関係方面で御研究をしていただきまして、輸出がとみに増加いたして片貿易の是正に貢献いたしている次第でございます。これは通産あるいは農林当局ともよく連絡いたしまして、この需要の開発に大いに御研究を願うことにいたしたいと思います。  第三点の、わが国の農機具等が非常に好評でございまするが、この好評であるのは特にわが国に対してだけでなくて、これを見ましたる諸国において、あるいは共産圏あるいは西独等もこれを模倣していく。したがってわが国の特権的地位もその面において薄れつつあるという実情も、これはわれわれとして注目いたしているところでございますが、これらの点につきましては、いろいろわが国としてもさらに見本市その他を先方において行ないましたり、あるいは技術訓練センターを設けたり、あるいは技術研修生の受け入れをしたりなど、いろいろとわが国の産品に対する認識を深めたり、あるいはそれらの諸国において特に需要される産品を見つけだしたりするというようなことに特に努力を払って参りたいと思っておる次第でございます。なおこれらの諸国との通商関係は、安定した基礎の上におきまするために、条約上の通商条約その他を逐次締結いたしておるような次第でございます。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま外務大臣からお答えがございましたが、南ベトナムのICAのこの問題は、三十五年の一−六月と三十六年の一−六月を比べてみますると、三十五年が千八百五十九万ドル、これに対しまして三十六年は千百七十三万ドル、かように減っております。またしかし、これは減っておりますが、一般の通常貿易の面は非常に拡大されまして、三十五年の一−六月は、昨年はわずか二百三十一万ドルでありましたものが、本年は千七百五十九万ドル、いわゆる通常貿易のほうでは非常に拡大しておる、かような結果になっております。  ところで、御指摘になりましたように、南ベトナムでは非常に日本商品の評判がよろしい、南ベトナム自身がアメリカに対しまして、ICA資金といえども日本を除外することはまずい、自分のほうの国としては、日本製品がほしい、こういうことを強く要望している、かように聞いておりますので、箱根における会議等におきましても、さらにその点を私ども主張する考えであります。  第二のデーツの問題、あの国からはデーツとほしブドウが最近強く要望されております。ところでこのデーツを輸入することは、輸入業者といたしまして利益がない、時に損失をこうむるということで、なかなかデーツは思うように入ってこないのです。そこで最近通産省は、イラク向けに輸出いたします輸出業者から一定の割合で調整金を徴収いたしまして、デーツの差損をその調整金でまかなっていく、補っていくという措置をとりまして、両国間の貿易拡大の方法をとっております。  また第三点で、カルカッタにおける農機具の展示会、これは大へん評判がよかった、これをいろいろ模写したとか、写真をとったとかというお話がございますが、また事実そういうことがあったようでございますが、それだけでは実は問題にならない、さらにそれが製造をし、そして日本商品と競争するような問題になれば、いわゆる工業所有権の問題になるだろう、かように考えます。いずれにいたしましても大へん評判のよかったことは、私ども市場拡大に役立つことだ、かように思っておるわけでございます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 最後に在外外交官の給与の問題についてお伺いいたしたいのでございますが、この在外外交官の給与が、昭和二十七年制定以来、そのまま据え置きになっております。在外の特に中級以下の人たちは、大体生活上もいろいろと困難をいたしておるのでございまして、早急に改正をされる必要があると存ずるのでございますが、その点につきまして、外務大臣、大蔵大臣の御意見をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 外国に勤務いたしておりまする外交官のいわゆる在勤俸は、昭和二十七年に御指摘のように制定せられたものでありますが、これは外交再開に備えまして、急速に準備した関係もありまして、比較的低位に定めているのでございますが、それが今日に至るまで十年間そのままに放置してございます。この間に物価の変動等もございまして、たとえばアメリカ等においては、この十年間に四割給与が上がっているのでございます。そういう関係で、非常にわが外交官が生活する上に士気にも関しまするし、特に若い官補等でございますね、とられたばかりの人が勤務地において、たとえばニューヨーク等に参りますと、同期に大学を出て、三井物産とか三菱商事に奉職した商社の人に比べまして、半分とは申せませんが、それに近い非常に低い給与で外国に勤務するということになっております。この点はぜひひとつ改めていただきたいと思いまして、今予算等について大蔵省と折衝いたしておる次第でございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ただいまの問題は、来年度の予算に関係して外務省から要望が出ておりますので、私どものほうでは今検討している最中でございます。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 関連。ただいまの村山委員の質問に関連いたしまして、ただ一点だけ簡単に質問を許していただきたいと思います。  村山委員が申されたとおり、対外経済協力のうち、特に技術協力は、大きな資金援助と異なって、日本にとってふさわしい分野になるに違いないが、今後さらにこれに力を入れていく必要上、対外経済協力の実施に当たる機構の整備と、現内閣の方針としてやっていくというお考えがあるかどうか、この点実は、私はこの間の自分の質疑の中で聞きたかったのでありますが、時間の都合上差し控えたのでありまするから、この機会に政府の方針をお伺いいたします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの御指摘の点は、われわれとしても非常に重要に考えておりまして、ぜひ強力な機構を整備したいということで、目下関係の各省間で、いろいろ御相談を願っている次第であります。     —————————————

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 小柳勇君。小柳君、あなたの発言をわずらわしまして後、待つことかなり久しいのでございます。いろいろな御都合もあったと思いまするが、——御質問をお願いいたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 おかしいですよ。委員長、今の言葉を削らなければ発言しないよ。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ちょっと、誤解を与えるから、委員長、議事進行について。今の委員長の言葉を、どうこうじゃありませんが、ただ、私どもの社会党の質問者がいたずらに待たせたような印象を与えていたことは、まことに私ども理事の不徳のいたすところでございます。しかし、これにはわけがございまして、村山さんがおやりにならないということで、小柳さんにやっていただこうといって交渉している最中に、今、村山さんがやっているというのです。それじゃ、従来予算委員会の理事会でも、持ち時間、村山君三十分、これに掛けることの二二〇%——すなわち、十二割ぐらいは持ち時間にプラスするのが従来の実績だと、持ち時間に答弁がありますから……。そうすると一時間と六分、約一時間十分でございますね。そうなれば、きょうはこれはもうできない、四時半過ぎますので。きょうは残念ながらできないということで、小柳さんは所用で、ここを立たれていたわけなんです。しかし、様子が急に、与党の都合か、変えられましたので、急遽私のほうも迎えに、探しに行ったわけでございます。したがって、時間の空白は許しませんので、申し合わせがありますように、せめて五時ぐらいまでは、ひとつがんばってやるようにということで、小柳さんも了解されておりますので、しかるべくお取り計らいをいただきたい。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 委員長から申し上げます。  時間がおくれましたので、五時に終わりたいと思いまするが、質疑応答の状況によりましては、若干延びることもあり得ると思います。御勉強をわずらわします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 委員長、さっきの冒頭の発言を取り消して下さい。おかしいですよ、そういうこと。僕に、初めから注意するなんて、越権ですよ。冒頭の発言、取り消して下さい。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 小柳勇君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと取り消して下さいよ。おかしいよ、委員長。そんな、初めてここにすわったのに、冒頭からそういう言葉を、失礼ですよ。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) なお、委員各位に御注意を申し上げます。質疑応答の模様によりましては、予定の時間があるいは縮み、あるいは延びることもございますので、次回に質問される方には、なるべく御出席を願って、待機を願うようにお願いいたしたいということを申し上げておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 一番冒頭の発言、何とか言いなさい。失礼ですよ。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 速記録を見まして、委員長の発言に不穏当のことがありますれば取り消します。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣に質問いたしますが、労働大臣は責任ある経済閣僚として先般産炭地、特に石炭不況地帯を視察して帰られました。その実情について、大臣としてごらんになったそのまま、なまの姿を御報告願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 私は急遽産炭地域、特に筑豊地区に参りまして実情を視察いたしましたのでございますが、前日の夜中に着きまして、朝七時から午後にかけて飛行機に間に合うためのぎりきりの時間、−午後二時までというきわめて短い時間でございましたので、あまりに詳細に調査視察等を行なうことはできなかったのを残念に存ずる次第でございますが、直方、田川、飯塚といったような地区を大急ぎでめぐりまして、いろいろの事情を調査し、労使、また地方自治体の責任者等ともいろいろ話し合いまして、実情の把握に努めた次第でございますが、一々どの地区においてどうということは申し上げませんけれども、つとに私は、いろいろの報告を受けており、現在こうした地区が非常に困窮した事情にありますことは認識をいたしておりましたのでございまするけれども、実際に参りまして、自分の目で見て、非常に事態が深刻であり、したがってこの深刻な事態に処して、政府はすみやかに適切な措置を講じなければならぬということを痛感して参った次第でございます。向こうに参りまして受けました私のなまなましい感覚からいたしまして、今申し上げましたような措置の促進について努力をいたしたいと存じますると同時に、あと追って通産大臣、大蔵大臣、あるいは自治大臣も行かれるような運びになっているようでございますから、これらの関係閣僚各位もそれぞれ実情を見て、多くのものを感じ取って帰られると思います。労働省は労働省として対策の促進を急ぎますと同時に、総合的対策の樹立につきまして、これらの人々ともいろいろ打ち合わせをして、御期待に沿い得るようにいたしたい、かように存じておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 事態は非常に急迫しておりまするが、お帰りになりまして、閣議なり経済閣僚懇談会なり、そういうふうな機関に御報告なさったのかどうか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 羽田の飛行場に着きまして、直ちに総理大臣と連絡をとりまして、総理大臣のもとにかけつけまして報告を行ない、また、その後まだ閣議がございませんので、正式の閣議においての発言はいたしておりませんが、いずれ明日閣議がある場合には、この報告を行ないたいと存じておりまするし、また、そういう正式の会合の席ではございませんけれども、大臣室等で会いました他の閣僚各位には、詳細にというわけには参りませんけれども、概略程度のことを申し上げて、事態の急迫している事情を訴えている次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まだ閣議は開いてないようでありまするが、大臣がお帰りになりまして、今日まで救援のためにおとりになりました措置なり、自分の、労働省内においておとりになりました措置、そういうものにつきまして、今日までおとりになりましたそういう問題について、お話し願いたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 帰りましてすぐに労働省内の次官、局長等は、夜でございましたが、飛行場に待機させておりましたので、飛行場におきまして、直ちに私のなまなましい感覚から生じた考え方において、事務的に打ち合わせるものは打ち合わせをして、促進をはかるような措置をとりました。外に向かってということでございますと、実は今までとの実情については大蔵大臣、通産大臣、あるいは私というような者が実情を把握する必要があろうという観点から、出かけようというようなこともございましたが、向こうに参りまして、石炭で持っていたような町が、廃山が相次いで起こるというようなことから、非常に窮迫しているような事情にかんがみて、地方自治体の責任者や、あるいは議会の代表者と話し合ったこと等が頭にございましたので、総理大臣に、この点については自治大臣にも認識を深めてもらって、対策を講じていただく必要があろうというようなことを申し上げましたところ、総理大臣も、それはしごくもつともだというので、直ちに安井自治大臣に連絡をされて、安井自治大臣も多分都合つくようになればおいでになると思うのです。若干そういうような、私の所管内のことは申すに及ばず、それ以外のことについても、必要であろうと思うことはいたしたつもりでございます。なお、その後労働者、あるいは経営者等で——と申しましても、まだその間一日しかございませんが、参られた人にはさらにその後の事情を聞き、きょうも現地から見えた人たちにさらに陳情等も聞いたりなどいたして、いずれにいたしましても、すみやかなる施策の推進に向かって努力をいたしておる所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣が見られてわかりましたように、今、緊急の問題は、山が閉山になりまして、失業保険も切れかかっている失業者、それから山の経営者自体が、金がないために経営ができないという小山の経営者、そういう目の前で没落しつつある人たちがいるわけですが、そういう姿はごらんになりましたか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) そういうまざまざとした姿をかなり見て参ったつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先般炭鉱労働者の諸君がたくさん参りまして、大臣にも切実な陳情をいたしました。その中で、最低の生活保障のために、一万二千円ぐらいのことをひとつ考えてくれないかという要求がございましたが、切実なその姿を見られて、大臣はその後どのような措置をとって参りましたか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) ただいまお話のような陳情も、幾つか申された中に、強調されていた一件として承りましたわけでございます。その点につきましては、政府といたしましては、できるだけ最低賃金制の普及には努めているわけでありまするけれども、石炭産業についてのそれにつきましては、まだ最低賃金審議会で正式に取り上げてはいなかったのでありますが、これは私が出かけます前に、関係閣僚の協議会で幾つかあの問題を検討した中で、特に急いで処置しようということを申し合わせました幾つかの中に、まず最初に現われて参りました問題の一つでございます。これにつきましては、急遽、中央最賃の委員長でありまする中山伊知郎氏が旅行中でございましたが、旅行先まで連絡をいたし、中央最賃委員会においてこの問題の検討を願うように話を進めた次第でございます。この二十五日にはその総会といいますか。この二十五日にはその総会といいますか、会議が行われまして、どういうように進みますか、私といたしましては、できるだけ御勉強を願って、すみやかに御検討願いたい、こういうように存じておりますが、今お尋ねの点につきましては、そういうような措置もとっておるということを御理解いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣、今の問題ですが、あの実情をごらんになりまして、家族をたくさんかかえて街頭にほうり出されている失業者、閉山された山の人たちを見て、一万二千円という最低保障の問題について、大臣、個人的な意見でよろしゅうございますが、いかにお考えでございますか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) あの悲惨な状況を見まして、私は非常に憂えておる一人でございますが、一万二千円が高いとか安いとかということを、たとえ個人的な意見にいたしましても、速記録の残るこの予算委員会で私が申しますと、審議会に諮問いたしました趣旨からいたしましても、何か私の発言によってある程度の制限が加えられたような印象等も与えます。したがって、私といたしましては、まあおそらく中賃の審議会で労、使、公益、三者構成によるところの小委員会に付託されて、結論を急いでいただくということになるのであろうと思うのでありますが、そういう事態もございますので、私は私なりに考えておるのでございまするけれども、どうぞひとつこの席で、個人的意見にもせよ、私から、それが高いとか安いとかいうことを申し上げることについてはお許しをいただきたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中質が二十五日に開かれまして、早急によい結論が出るように期待いたしながら通産大臣に質問いたしますが、九採が先般閉山になりまして、今、大正鉱業がまた閉山の寸前にあります。この問題で大臣もいきさつは御存じと思いまするが、これからどうしようとされるか、大臣の御見解を聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ休山、廃山等が出て参ります。よくその実情を把握しないと、一様にはなかなか申し上げかねるのでございますが、御承知のように、石炭産業対策の基本といたしましては、スクラップ・アンド・ビルドの方針をとっておりまするが、その意味においての廃山というものについては、もうすでに実施したものもございますし、そういう意味で経営者とも話を進めるものも今日残っておると思います。そういうような問題以外に、今回の大正鉱業の問題は、これとは別個のもののように私考えます。大手十八社のうちの一社であり、しかも二千名の労務者を擁して、炭質もりっぱな炭鉱だ。これが経営にいろいろの理由等があり、今日のような不況に当面しておるのか。あるいはまた、金融その面自身で非常な圧迫を受けておるのか、それぞれの原因があるだろうと思います。で、こういう点を十分究明いたしまして、こういう大正鉱業などは将来りっぱにやっていける、また、いかなきゃならない山のように思いますので、そういう結論に到達すれば、そういう意味で私どももこれを存続さすように協力をしたい。ただいま事務当局を督励し、いろいろ各方面、金融方面等とも話し合いを進めておるような実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、この今の石炭不況対策については、単に労働大臣、通産大臣の問題だけじゃないわけです。その金の問題で相当のめんどうを見てもらいませんと産炭振興ができないのですが、大蔵大臣の決意を聞いておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今、石炭問題は、特に閣僚協議会ができて、検討しているところでございまして、こういう形でやればいいという一つの具体策が決定いたしますれば、それに対する必要な資金の措置というものは私どもいたすつもりでおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣、今の問題の最後ですけれども、この最低賃金保障の問題については見解は承りましたが、離職対策なり職業訓練の問題で、たとえば八幡、小倉などの職業訓練所が、金を若干かければもっと活用できる面があるわけです。資材あるいは教育の問題、そういう問題について見て帰られたと思いまするが、そういう問題について、この問題について最後に大臣の御見解を聞いておきたいと思います。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 私は、時間が許せばそうした施設の実情も見、また、それに携わっておりまする者の意見も聞いて帰りたいと思ったのでございます。先刻申し上げましたような次第で、炭鉱の非常に深刻な事情を見るということ、そして直接のその関係者の人たちの話を聞くということだけで時間が一ぱいでございまして、職業訓練の状況等については、その場所へ行って見てくる時間のなかったことを遺憾に存じますが、しかし御指摘のような点は大いに強化して、差し迫っておりまする事態に対処する必要があろうということを強く感じておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 人事院勧告について人事院総裁に質問いたします。  人事院勧告が出て参りましたが、実際は五月の勧告が十月になりまして、衆議院、参議院の会議でも問題になりましたように、ほとんどもうこれを勧告を受けた公務員も喜んでおらない。むしろ不信がありますし、私が人事院の職員になってみまするならば、莫大な金をかけて相当の労力をかけて出しましたこの人事院勧告というものが、内閣の方針によって一蹴されたという、私自身まことにふんまんにたえないのでありますが、総裁の御見解を聞いておきたいと思います。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 勧告の内容につきましては、御存じのとおり、勧告どおり認めて下さったわけでございまして、実施時期が十月になりましたことについては遺憾と存じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総裁、ただいま勧告どおりだということですが、内容については、四月の実態を調査して五月からの勧告でありますから、私どもの見解としては、もう勧告にせっかく力を尽くされた職員の皆さん、あなたの部下の職員のされた仕事というものは、もう内閣ではほとんど一蹴されておると考えるわけです。しかも、昨年の勧告も同じようなことをなされておる。私はこの前の春の予算委員会でも問題にいたしました。それと同じようなことをまたやっておられるが、総裁、それについてもなお間違いないと、あなたの勧告されたものを政府としては十分に取り上げてあるとお考えですか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 昨年も今年も勧告の内容につきましては、まあ俸給表の改訂そのほかにつきましては、政府におかれて勧告どおり認めて下さったわけであります。実施時期につきましては、ただいま御指摘のように十月になりましたわけで、これは先ほどのお話のとおり遺憾に存じまするけれども、人事院といたしましては、財政権を持っておるわけでございませんので、これは現在の制度の建前上、一つの勧告権の限界の問題じゃないかと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 技術的な内容についても衆議院参議院で相当問題点が出されました。そのような技術的な問題についても、なおこれでよろしいという御見解でございますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘のように、勧告の内容につきまして各方面からそれぞれのお立場におきまして御批判がありますことは事実でございます。また、各方面それぞれのお立場に対して御満足を得られておらないことも事実でございます。しかしながら、人事院といたしましては、公務員法の精神に基づきまして、誠意を持って、自主性を堅持しながら勧告いたしておりますので、今後ともこの方針に従う努力をしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 五月の勧告のが十月に実施されて、なおこれでよろしいというような、総裁のそういうようなものが、内閣に対して力になっておらぬのじゃないですか。公務員は今五千円を要求して——この勧告によって予算に組まれておるにかかわらず、一律五千円を要求して皆さんにも陳情しておるはずです。この前の春の公労協の裁定のときには、裁定が完全実施されたために、公労協のそういうような紛争はせぬで終わった。あの声を聞いて下さい。人事院総裁がもっと内閣に対してしっかりした見解を持っておらないからそうなったんではないか。もう一回総裁の見解を聞きます。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 人事院の勧告が、たとえばただいまのお話のように、公務員組合の御要求に達しておらない。これは事実でございます。しかしながら、人事院といたしましては、もとよりこの勧告に直接関係いたしました当事者として、勧告が実施時期、ともに完全に実施されることを望んでおりますることは、他の何人にも劣らぬつもりでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、勧告制度と申しまするか、これはまあ率直に申しまして、人事院といたしましては、一つの公務員の給与の問題として公務員法の精神に基づいて勧告を出すわけであります。これについて政府が国政全般と申しますか、あるいは経済の問題から一つの御批判があるわけで、これは率直に申しまして、やはり勧告の限界と申しまするか、制度上の問題がございまして、決して、人事院の者といたしまして、事態を率直に申し上げておるだけでございまして、結果がどうなってもよいということは毛頭考えておりません。その点はぜひ誤解のないようにお願いいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連。そういたしますと、しばしば言われている点は、政府としては勧告を、これを尊重したとおっしゃるわけで、小さい声をして大蔵大臣はあとのほうで、ただし時期については五月を十月にいたします。と、このほうも尊重したようなしないような、こういうような御表現なんであります。人事院総裁とされましては、ひとつのかちっとした時期というものが大きな要素である、これは財源を伴うだけに大きな要素である。したがいまして率その他については尊重したと言えるが、しかし実施時期については、これが無視せられた、言葉をかえれば、人事院勧告はこれが完全に実施せられなかった、まことに遺憾であるというふうに言わざるを得ないのが人事院総裁の立場ではないだろうか。このように私ども受け取るわけでありまして、一応勧告したが、あとはどうなっても自分の責任ではない。したがって遺憾にも残念にも何ともないというふうにしか取れない。その点はどういう御信念に立っておられるのか。この際承っておきたい。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) この問題は昨日も本会議の席上で申し上げましたとおり、ただいま御意見ございましたとおりでございます。実施時期につきましては確かに勧告を受け入れなかった点がありましたが、それに対して決して人事院はどうでもいいとは毛頭考えておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 人事院総裁、くどいようですけれども、あれだけの——まず経緯から聞きましょう。どれだけの経費をかけて、どういう事業所を幾つ動かして幾らぐらいの金をかけてあれを調査されたか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 大体経費でございますが、人事院関係の経費、それから統計局の経費、地方の経費ははっきりわかりませんが、大体総計一千九百万円程度。それから人員は、大体これも人事院、統計局、あるいは地方の人数を合わせまして、約二万三、四千ぐらいになるのじゃないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 所得倍増計画で、計画だけでも七・二%、総理の話によりますと九・二%ですから、もう計算せんでも九・二%ぐらい毎年もう内閣のほうで勝手に予算を組んで上げたらいいんだから、今おっしゃったようなことは、技術的にも労力的にも、経費的にもむだじゃございませんか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) この給与の問題は、先ほどの説明のように相当多額の国費を要します。また公務員といたしましては、非常にこれは切実な生活しの問題でございます。したがって、この勧告の内容を、政府あるいは国民各位に御納得を願いまするためには、若干の経費の御迷惑をかけましても、皆さんの御納得のいく調査方法によって出すのがいいわけであります。その点につきまして相当の経費を要しますことは御了承願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その皆さんの御納得のいくという勧告が、残念ながらここに総理大臣に対する要求書が出ております。総評の太田議長、それから公務員共闘の鈴木力、これは給与大臣と総理大臣に要求しているのですが、人事院勧告に対しては納得できないと書いてある。だから一律五千円を要求すると書いてある。ここではいろいろ納得いくように勧告するというけれども、そのあなた方の勧告すると出したその五月一日が内閣から一蹴されて十月一日になっているじゃないですか。これを見ても、これでなければならぬということで出したがけられたから残念ではございませんかと言っておる。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) この問題は先ほど申し上げましたとおり、残念に思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣、給与担当大臣として、公務員のこういうような切実な要求に対してどういう御見解ですか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 公務員行政という見地のみからいたしますと、私もまた五月一日から実施ということならより望ましいと思うわけでございます。率直に申し上げます。ただ政府といたしましては、いろいろその他の事情を勘案して総合的に判断をしなければならぬ、これまた内閣全体としては当然であると思うのであります。そこで国民経済等をにらみ合わせまして、政府において相当時間をかけまして鋭意検討の結果、ついに総合的判断の結論が国会へ提出いたしましたようなああいうような姿になって出たという次第でございます。この総合的結論が出ました以上、閣僚の一人としての私は、この結論に対して忠実であるということは御理解をいただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 きのうの本会議で総理大臣は、公務員についてはその職務によって給与を支給する。労働大臣は民間の給与のあとを追っていくのが公務員の給与であると答弁されました。今でもその見解に変わりありませんか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) さように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公務員と民間の労働者と、働く者の給与の問題が常に民間よりもおくれていかなければならぬという公務員のその給与は、どういう給与でしょうか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) おくれていかなければならぬというように考えておるわけではございませんが、現在の機構上からいたしますと、時期的にはさようになります。しかしこれは私といたしましては、労働条件の漸次向上していくことを望んでおりますから、実際にさような事態の起こることは望まないのでありますが、理屈からいきますと下がる場合にはやっぱりおくれて下がると、こういうことになる。そこで先ほど前提として申し上げましたように、そういうことは私は望んでおりませんし、したがって予想もしないのでありますが、今のような機構でいろいろ調査をされて勧告があってということになりますと、勢いあとを追っかけるということになりますが、この若干のズレは遺憾ながらいたし方ない、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣、この五月から十月になりました実施の時期がズレました原因は大蔵省にあると思うのですが、大臣いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 関係大臣の間で内容の尊重はきまりました。実施時期は重要な問題でございますので、これは閣議で決定したと、こういういきさつになっております。で、きょう官公労の代表者が皆来まして、どうも政府は諸般の事情からという説明だが、諸般の事情というのはどういうのか少し説明をしてほしいというから、私はきょう説明をして参りました。(「納得したか」と呼ぶ者あり)納得しました。ということは御承知のように、これは問題は昨年出ました——従来人事院の勧告があった場合に、公務員の給与は翌年の予算編成期において訂正するというのが例でございまして、ところが昨年初めて例を破って、遡及勧告というものが出たので、これをどう取り扱うべきかということについては、いろいろ問題が出たことは御承知の通りと思います。予算が三月に国会において承認されると、すぐ四月、五月にさかのぼって予算を直さなければならぬという事態は、国会の予算編成権との関係はどうなるか、あるいは公務員の給与制度自体が、これは常に年度の途中でさかのぼるということをして、それを慣例とするようなことがあり得ることがいい状態かどうかというような制度論の問題も出ましたし、さらにもう一つは、国の財政でございますが、自然増のあるときはこれはむろん楽でございますが、二、三年前のように、当初予算で予定した財源もなくて、財源に大きい赤字を出したということもあるし、こういうときには、勧告があっても、国として実施できないという状態もあります。  かりに国の財政がよかったというときにも、今度は国が実施した場合には、大ていこれは地方もこれに準じてベース・アップが行なわれることになりますし、またそれに伴って一般官公吏と歩調を合わせて、国のいろいろな政府機関というようなものも最終はこれに準ずるような形で行なわれておりますから、この影響するところが非常に大きい。したがって、国の財政だけはよくても、地方財政の実情はどうか、早晩これがもとになって、均衡是正が行なわれるという国の各機関の財政はどうか、途中で予算を直せるだけの余裕があるかというようなことも、私どもといたしましては慎重に全部を総合的に検討しなければならぬ。  こういうようないろいろな考慮から、昨年は十月一日、勧告があってから二カ月目でございましたが、十月一日に実施するのが昨年の場合は至当だというふうにきまって御承認を得たわけでございますが、今年度も同じような勧告が、同じような時期に同じような条件で参りまして、そうなりますと、毎年これは人事院の勧告は年次的に行なわれるということも、私どもは将来の問題として予想されますし、そうすれば、これに対して政府も年次的に、これを年の中途で実施するということもあり得るだろうと考えますと、昨年いろいろ御検討願っておりますので、昨年十月一日実施ときまりましたから、これを年次的に行なうとすれば、本年もちょうど一年を置いた十月一日にやることが適当ではなかろうか、昨年の措置に準じて今度も十月一日に行なうことが適当だ、こういう結論に相なって、閣議がこれを決定した、こういういきさつでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣も御存じのように、人事院勧告は、標準生計費やあるいは他産業の労働者、民間産業の労働者との比較などで勧告されておると思うのです。今大蔵大臣の答弁を聞きますと、役所の都合ばかりで、公務員の給与がきまっておるというような印象を受けますが、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、本来ならば、公務員の給料は人事院の勧告だけでやるべき問題じゃなくて、政府自身がこれはきめる権限を持っているものですから、政府にも、こういうものの大きい調査機関を置いてきめる、先にきめるということも、これはいいことじゃないかと思っておりますが、御承知のような今のような制度になって、専門的に民間との給与比較を研究されて勧告をするとした場合には、政府は、なるたけその勧告を尊重するようにという人事院制度ができまして、そうして行なわれている。建前がそうなっておりますから、したがって政府部内に、特にこの一般官吏の給与を民間との比較において年中研究するという機関を今実際に欠いておる。しかも人事院が勧告されたものの内容も十分審査し、これを訂正するという能力に欠けているというときでございますので、やはりやり方としては、専門的にこれを扱っている人事院の勧告を待って政府が措置するというやり方でいくよりほか仕方がありませんし、またそれでいいのではないかと思っております。  政府の都合だけを考えているというわけではございませんで、実際の運営として、そういうふうにされることが適切じゃないかと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣、言葉じりをとるのじゃございませんが、人事院勧告がなくても、政府が決定する権限があるとおっしゃいましたですが、どういうふうな法的根拠でそうおっしゃるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 法律の根拠じゃなくて、政府が行政の責任者として、官吏の俸給をすべてきめる権限は政府にあると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理大臣の本会議の発言、今の大蔵大臣の発言、そういうものが公務員の給与体系、給与というものを非常にゆがめておると私は思います。労働者の働く職員の給与体系というものは、これは私が言うまでもなく世界共通、職員とその当事者とが相談して、そうして対等の原則できめるように、これはILOの条約にそう書いてございます。今政府が勝手にきめて幾ら出すというような思想が、この勧告を五月から十月にずらす、そこに年々現われていると私は思います。その点、大蔵大臣、もう一回一つ見解を聞いておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今、現行制度が、こういうふうになっておりますから、政府も、それに従ってやることが実際問題としては適当だろうというふうに考えておりますが、この制度と違って、人事院勧告とか何とかいう、人事院というような制度はもう要らないのだ、政府自身が責任を持ってそれだけの機関を置いて、公務員の給与について常に研究して適当な給料をきめるようにと、こういう制度に直すというなら、政府はそういう機関を置いて直すというのなら、これはどうにでも職制については、国会の御承認さえあればやれることだと思っておりますが、政府は、今ある現行制度を尊重して、その現行制度の運営によってやっているというのでございます。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 大蔵大臣の言われたことに私が口を出すのもいかがかと存じますが、大蔵大臣の申しました本意は、人事院勧告を尊重しつつ政府の責任においてきめる、こういうような気持を、少し言葉が足らなかったのじゃないかというように存じますので、御了承いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今大蔵大臣は、知っておってとぼけられると考えられますから、もう少し質問いたしますが、先般のILOの理事会で、日本の公務員、地方公務員及び公共企業体職員に対する給与の問題のきめ方がいろいろ論議されたときに、日本ではストライキ権をとっておきながら、ほとんど給与の問題については権利を守っておらない、そういうことが論議されておるのです。今大蔵大臣の、政府が勝手にきめるのだというような思想が、ILOの理事会で論議されておるのですが、この点について、もう一回一つ大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そういう問題がありますから、日本では人事院というものがあり、この勧告を待って政府が給与の公平化をはかっておるという制度になっておりますので、私は、ですから現行制度が今できている以上は、これによって、政府がこれに従って、これを尊重していくことが適当じゃないかと言っている次第でございます。そうかといって、それじゃ全部勧告通りにやらなければならぬかと申しますと、そうではございませんで、今労働大臣が言われましたように、できることなら勧告をすべて尊重すべきでございますが、今言ったように期限の問題とかいうようなものは、いろいろな事情から判断してきめなければならぬ問題でございまして、これは政府の判断で適当と思う措置をとるよりほか仕方がないんじゃないかと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公務員の給与の問題について、もう少しございますが、時間もないようで、地方公務員の問題で自治大臣に。この地方公務員に、すぐこれははね返って参りますが、交付税の特別措置などの実施を、自治相はどのような熱意を持っておられるか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 地方公務員の給与につきましては、御承知のとおり国の公務員に準じてこれを行なうという建前になっておりますので、自治省もそれに合うような措置をしておるわけでございます。今回の十月からのベース・アップによりますと、大体三百六十二億程度の予算が要ると、そのうちに国の義務教育の半額補助が六十九億程度でございますので、二百九十三億が地方の純負担になります。そのうち交付税を支給しなきゃならぬ団体というものを対象にしまして計算しますと二百十億程度になります。これを今回の補正予算で二百十三億の補正を組んでおりますので、これで十分足りると思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の、自治大臣が言われたように、その程度の金で済むように、五月から十月に実施時期を延ばされたんでありましょうから、ことしはそれでやれるでしょうが、来年度ですね、七百億ぐらいになるかもわかりませんが、来年度地方の交付税について、特別に考えておられるか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 来年度は、いろいろ計算いたしてみまして、今の特別交付税等で所要額になりますのが、大体今の倍程度、四百億前後だと思っておりますが、これは、来年は交付税そのものの増額もございますし、また地方団体の増収といったようなものもありますので、一般の公共事業費その他の行政費とよくにらみ合わせまして、そごのないように措置をいたすつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいま特別に措置をするということに受け取りましたが、特に産炭地——石炭の不況地などですね、人件費も相当困窮いたしておりますが、そういうところには特別に配慮されるのか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 産炭地等で、今度の石炭対策上でいろいろ非常に経費を要する団体もございます。これをよく調べまして、これには特別交付税あるいは起債といったような点で十分の措置をいたしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣、この前の予算委員会でも質問しましたが、地方の市町村では、人事委員会も公平委員会もないところがあるわけです。国家公務員については、人事院勧告が出ましたが、地方のほうでは、市町村の長が自由裁量でやっておると思いますが、その点いかがですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 仰せのとおりに、今地方の町村——弱小町村の中には、まだ公平委員会を設置してないものもございます。しかし地方公務員の給与につきましては、国の公務員に準じてやるべしという地方公務員法の規定もございます。自治省としては、その点十分の指導をやっておるつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣、この間のこの予算委員会で、地方の実態について調査を願っておいたのですが、自治省で調査をされたのかどうか。今の人事委員会の機能とか公平委員会の設置とか、調査してもらうように、この前の予算委員会で要求したのですが、いかがですか。

松浦功自治省行政局公務員課長

○説明員(松浦功君) 調査したその結果でございますが、単独で設置をしておりますものは千五百六十一、共同で設置しておるものは百九、それから委託をいたしておりますものが千五百九、未設置のものは一部事務組合等を含めまして千四百五十一という数字になっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣、新市町村で給与のアンバランスが非常に著しいわけです。そこで人事委員会も公平委員会もないので、持って行き場がないというところがたくさんございますが、たとえば現業職員などの給与が非常に低い。そういう実態がわかっておりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 最終的には、自治体自体がきめるということになっておりますので、いまだ現在地方の団体によってはアンバランスを生じておるものもあろうかと思います。それは自治体のあり方として、国の公務員と同じように全部一律というわけには参らぬ事情もあろうかと思いますが、しかし基準は、できるだけ引き上げるように指導いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣、ILOの理事会なり総会には大臣は行かれる立場にありますから聞きますが、今の地方公務員の人事委員会や公平委員会の設置がないということで、これもILOの理事会で問題になりまして、日本の政府のやり方がでたらめではないか、こういうような論議が総会でなされておりますが、御存じでございましょうか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) いまだ私、その詳細について承知はいたしておりませんが、ありそうなことに存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣、質問いたします。この外国の国際条約の問題でありますから、ILOの条約で完全実施するかしないかという問題は、当然外務大臣のほうに関係があると思いますが、今のようなことで、日本の地方公務員のストライキ権がないのに、人事委員会や公平委員会が設置されておらぬ、地方公務員の給与などは、一体だれが守るかということを論議されておる。そういう問題について検討されましたか。この間の理事会で問題になっておる。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 外務大臣からもお答えがあろうかと思いますが、日労から、そうした提訴が行なわれて検討をされておるものと私は考えております。したがって、政府も見解を表明するようにいたしておるわけでございますが、それで、今小柳さんのおっしゃったような意味での勧告が来たとかどうとかいうようなところまでは行っておりませんが、しかし先ほど申し上げましたようなことがあるかしれぬというふうに、私は私の勘で思いましたので、先ほどさようにお答えしたような次第であります。御了承願います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ILOの結社の自由委員会かと思いますが、三公社五現業の問題について、若干問題があったように聞いておりますが、ただいまお話のような公務員について公平委員会があるとかないとかいうことが、けしかるとかけしからぬという話が問題になったことはないというふうに聞いております。御承知のようにILOにおいてはスト権の問題について特別にこれを禁止してはならぬというような条約はないように承知しております。八十七号条約にしても、九十八号条約にいたしましても、争議権の問題については触れていないことは御承知のとおりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 委員長、農林大臣帰ったのか。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 大蔵委員会にいきましたから、すぐ呼んで参ります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) さっき小柳さんの質問の官公労が納得したかとの御質問で、納得しましたと言いましたが、これは取り消しておきたいと思います。あまり十分納得しなかったかもしれませんが、政府としては、こういう事情だからと私は誠意をもって説明して、これを御了承願うと言って頭を下げて帰ってきたということですから、納得したとは言い切らないほうがいいと思いますので、取り消しておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 農林大臣、いない。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 農林大臣はすぐ参りますから、その質問は、あとでお答えすることにして、その間、質疑を進めて下さい。厚生大臣もおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣に質問いたしますが、地方公務員に準じて私学などの教員が、このような措置をとらなきゃならぬ、財源がないために授業料を上げるとか、あるいはPTAの寄付を仰ぐとか、そういう措置しかとれない、むちゃくちゃに授業料を上げたら、父兄は困りますが、そういうことについて大臣として特別に措置を、これは権限というよりも、何か行政的にお考えあるか、伺いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  公務員の給与改定に伴なって私学の教員について毛、できれば同じような指貫を講じたいと思うのは、これは人情だと思います。そこで、そういう点から授業料を値上げしたところもある。御指摘のとおり授業料を値上げするにいたしましても、おのずから限度があるわけでございまして、相当私学の経営上は困難をきたしておる向きもあることを承知いたしております。ただ文部省として、これに対してどう対処するかはなかなかデリケートの意味もございますし、国の立場として私学にどの程度までの財政援助をするかということは、私学それ自体の特色から申しましても、これまた限界があろうかと思うのであります。  そこで御案内のとおり、私学振興法を制定してもらいまして、私学振興法を通じて低利長期の資金をあっせんすることによって学校施設設備の充実、経費までも授業料値上げに依存するという度合いをなるべく少なくするという角度から処理をいたしておるわけであります。経常費をまかなうにつきましては、どうしても授業料に依存せざるを得ないものが私学の実態なものですから、窮屈さがあるわけでございますが、それと同時に、私学は民間の浄財を期待して集めて、それによって原則としてはやっていくんだという建前のものでございますから、経常費を国の財政支出によってまかなうということは、原則として適当じゃなかろう。私学の自主性と申しましょうか、特色と独立性を侵す意味もございますから、今日まで、そういうことをしないできている。この建前はにわかに崩すことは、私は問題だろうと思います。  ただ、それにしましても、私学のもちます公共性と申しましょうか、教育について協力していることも事実でございますから、国民的立場に立って、できるだけのことはせねばならない。その一つとしては、技術革新の求めに応ずるためには、既存の国公市立の大学を初めとする施設、設備では十分ではない。ことに私学に依存する度合も、だんだんと高くならざるを得ない。その角度から申しますと、国民全体の立場から私学に特に科学技術者の養成について努力してもらいたいという、いわば頼まねばならない分野がなしとは言えない。だとするならば、国立、公立は、私学と違いがあることは崩さないにいたしましても、その経常費の一部、特に科学技術者の養成に関する部分については、何がしかの国の財政施策によっての援助をするという理由が成り立ちはしないだろうかという考え方から、来年度は幾分その措置もいたしたいと思っているところであります。なお、民間の浄財を集める意味におきましても、法人からの寄附につきましては、税法上の措置を現にとられているわけでございます。そのワクの拡大をこの春は今までの倍くらいに広げてもらうということだけはいたしました。もし、できるならば、やはり税法上の措置といたしましては、個人の生前の浄財の寄贈なり遺贈なりというやり方で、しかも税法上の優遇措置を講ずることによって、民間の浄財を集める手だてもできれば考えたい、かように思っているところであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の私学振興費のあっせんなどに対するこのために生ずる増額については、どのくらいの見当でございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 概算要求いたしましたのは、経常費の補助という立場からは、約六億円を要求いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣、お急ぎのようだから質問いたしますが、今のさっき申し上げましたようなILOにおける問題が地方公務員に対して、しかも地方公務員の中で、当然ストライキ権なり、罷業権、団体行動権を与えてよろしいというようなところがある、そういうものまで一応公務員法でしばってあるというようなこと、それから地方地方におけるアンバランスと、それから下級職と上級職とのアンバランス、そういうものについての非常な不満があるわけです。この前の昨年の地方行政委員会で、地方職員の給与のアンバランスについて早急に措置をしろ、こういう決定があります。御存じでございましょうか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 個々の具体的な内容については、私はまだ十分承知していない点があろうと思いますが、大体、国の公務員のベースに準じた取り扱いをするという建前で、これをやっております。したがいまして、そういったようなものが、しかし、従来の慣習土地方自治体で、まだ御指摘のようなものが残っておる面もあろうかと思います。これは、順次直すように指導もいたし、また基準財政需要額には、この適正な給与費の配分をいたして、だんだんと直していっているつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働大臣、地方公務員の問題につきまして、労働基準監督官のかわりを市町村長がやるところがあるわけです。それは人事委員会がないところは、そのところの長が、この基準監督官の役目をやるようになっておりまするが、御存じでございますか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 人事委員会がやる建前になっておりますから、したがって、人事委員会がないところは、小柳さんがおっしゃったようなことにならざるを得ないというところが出ておると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の地方公務員の問題の締めくくりといたしまして、自治大臣と労働大臣の今までの答弁を聞きまして、地方公務員の身分を一体だれが守っておるか。極端に言うならば、市町村長が自分の考えで身分を、給与を上げたり下げたり、あるいは手当を出したり出さなかったりしている傾向があるのです。こういう問題について、自治大臣並びに労働大臣の見解を聞いておきたいと思います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 確かに御指摘の公平委員会を全部の自治体が持っていない点もあるわけであります。そういった点で、あるいはこれは県の公平委員会が代行しておる部分もございますが、まだそれの不十分なところのあることも承知しております。これは御指摘がこの前もあったと思いますし、順次強い指導をしておりまして、全部置いていく建前をなるべく早く実現さしたい、こう思っております。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) それらの機関が未設置であるところに、すみやかにこれを設置するように労働省としても自治省とともに強い行政指導をしていきたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の末設置というところ、それから設置するというのは、どういうことですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 公平委員会は、御承知のとおりに今の市町村、十五万以下の市町村は設置しなきゃならない、あるいは設置できない場合には県に委託をしてこれを採用しなければならぬ、こういう建前になっておりますが、その委託あるいは設置のまだ未了なものが、不十分なものがあることはもう事実でございます。それは労働大臣もその点を言われておるのだと思いますが、協議をいたしまして、できる限りすみやかに実現さしていきたい、こういうつもりであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣に質問いたします。学校教育の問題で、北九州の騒音防止の問題でございますが、これは南九州では台風などの災害が相当ありまして、災害対策について、今回予算が納まれました。北九州においては、爆撃機などによる騒音によって、学校教育はほとんど中断せざるを得ないような情勢、こういうような問題について、大臣、今までおとりこなりました措置、これからの対策、そういうものをお聞きしたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。飛行場周辺の学校が飛行機の、ことにジェット機の騒音のために非常に障害を受けておるということは、私も承知しております。文部省におきましても、従来から年々積み重ね的に努力をし続けておるわけでございますが、実際の予算措置としますると、調達庁の予算に計上する形になるものでございますから、間接射撃にならざるを得ませんけれども、関係省庁とも十分連絡をとりまして、極力努力し続けておるわけでございます。御案内のとおり、校舎が木造なるがゆえに、騒音が特に浸透してくる。これはいかぬというので、努めて鉄筋あるいは鉄骨の建物に改装するということも、着々実施いたしておるのは御承知のとおりでございます。そうでなくても、特に騒音防止のために特殊の措置をいたしますということもあわせて行なっておるわけでございます。ただ、いわば被害区域というものが、騒音区域と申しますか、飛行機の進歩に従って音もひどくなるために、だんだん広がっていくという傾向も伴いまして、むろん、いわば被害を受けます区域全部にまだ及んでおらないのは遺憾としますが、極力大蔵省にも予算を要求し、調達庁等とも緊密な連絡をとりまして善処したいと思って進みつつあります。なるべく成果を上げますように今後とも努力したいと思っておるところであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 来年度の予算についてどのくらい、概算でよろしゅうございますが、見積もっておられますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと数字を記憶いたしませんので、要すれば政府委員からお答えいたします。

福田繁文部省管理局長

○政府委員(福田繁君) お答えいたします。三十七年度以降におきまして、予算計画といたしましては、約九十二億程度の計画をいたしておりますが、三十六年度におきまして約七億程度でございます。したがって、三十七年度以降におきましては、その約九十二、三億の中で、最も緊急なものを取り上げる、こういうような計画をいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の概算の要求はわかりましたが、北九州で今、戦闘体制に入ったような騒音で勉強もできぬのですが、建設大臣、木造ではだめで、あくまで鉄筋コンクリートでなければならぬということですが、建設省で何か御研究になったことございますか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 建設省としましては、建築研究所におきまして防音建築についての検討はいたしておりますが、北九州等の騒音に対しまして、今お話の出ましたように、鉄筋コンクリート建築等に逐次するということは、非常な有効な方法であろうと言っております。特殊の防音装置をするということも、研究としてはできておりますが、大規模な学校建築等に、はたしてそれが採用されるかどうか、こういう点が実施官庁の今後の態度に待つべきものであろうと考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣にお尋ねいたしますが、ただいま予算はわかりましたが、北九州板付とか芦屋など御存じのとおりです。これは優先順位に入りますか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 板付等、北九州の飛行機の発着は、よそに比べまして一番多い地域でございますから、優先的に考慮をしたい、かように考えております。

小山邦太郎自由民主党

○委員長(小山邦太郎君) 本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。    午後五時三十二分散会

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