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39回国会参議院1961/10/27

本会議 第12号

発言数
42
登壇者
11
会派数
5
開催日
1961/10/27

会議録

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。    ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、  社会保険審査会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。内閣から、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第一項の規定により、石井通則君を社会保険審査会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。  本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。    ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第一、昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長小幡治和君。    ———————————   〔小幡治和君登壇、拍手〕

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 ただいま議題となりました昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  本法案は、政府において本年十月一日から実施を予定しております国家公務員の給与改定と生活保護基準の引き上げに伴い、地方団体において、国家公務員に準じ地方公務員の給与改定を行なうため必要な財源、及び生活保護費のうち地方団体の負担に属する経費の財源を保障する必要があり、とれがためには、これらの経費を普通交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入しなければならないので、その基礎となる単位費用について、本年度分の特例を定めようとするものであります。  その内容は、給与改定を実施し、及び生活保護基準を引き上げた場合の関係経費について単位費用を再算定し、これを本年度の特例単位費用として、現行の単位費用にかえて適用すること、この法律の施行前すでに本年八月に決定された昭和三十六年度分の普通交付税の額は、同年度分の普通交付税の額の概算交付額とみなすものとすること等がその要点であります。  地方行政委員会におきましては、十月五日安井自治大臣から提案理由の説明を聞いた後、数回にわたり、公立学校建築補助単価の引き上げと本法案の単位費用の特例との関係、補助単価引き上げの計算の基礎となった労務賃金の見積もり方、公立学校増設計画の地方財政へのしわ寄せ等、多くの問題点について、政府当局との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録によってごらんを願いたいと存じます。  十月二十四日質疑を終結し、二十六日討論に入りましたところ、秋山委員は日本社会党を代表して、本法案に反対の旨を述べられ、反対理由として、今回の公務員給与の引き上げは、実施時期その他内容において不完全であり、また、地方団体の一般財源に対する措置も不十分である等の点をあげられました。かくて討論を終わり、採決の結果、本法案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。へ 〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第二、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運営委員会理事天埜良吉君。    ———————————   〔天埜良吉君登壇、拍手〕

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 ただいま上程になりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、改正案の要旨を申し上げます。現行法では、日本国有鉄道の業務にかかる現金は国庫に預託することを建前としておりますが、この改正案は、国庫に預託された額が大蔵大臣の定める一定の金額以上である場合は、その超過額を国債で保有し、あるいは資金運用部に預託することができるように改め、国鉄の資金の効率的な運用をはかることができるようにしようとするものであります。委員会の審議におき幸しては、日本国有鉄道の業務にかかる現金及び預託金の実情、大蔵大臣の定める限度額等について若干質疑がかわされました。その詳細については委員会会議録により御承知願いたいと存じます。  以上で質疑を終了し、続いて討論に入りましたが、別に発言もなく、直ちに採決に入りましたところ、本法律案は全会一致をもちまして原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。  ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第三、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、  日程第四、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長大谷藤之助君。    ———————————   〔大谷藤之助君登壇、拍手〕

大谷藤之助自由民主党

○大谷藤之助君 ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案外一件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  大蔵省設置法の一部を改正する法律案の要点は、  第一に、最近におけるわが国貿易の急激な伸展と為替・貿易の自由化に伴う関税政策の重要性の向上に顧み、事務処理の効率的な運営をはかるため、主税局税関部を関税局に昇格させようとするものであります。  第二に、財務局職員の資質能力の向上をはかるため財務研修所を、また、各省庁等における会計事務の改善に資するため会計事務職員研修所を、それぞれ独立の附属機関として設置しようとするものであります。  第三に、印刷局及び税関における官房の制度を、内部統制の充実強化をはかるために、総務部に改めようとするものであります。  第四に、最近の経済金融情勢の推移にかんがみ、大蔵大臣の諮問機関である金融機関資金審議会の設置期間を昭和三十八年三月三十一日まで延長しようとするものであります。  次に、当委員会における質疑のおもなるものを申し上げますと、税関部を関税局に昇格させる根本的な理由、最近における貿易の趨勢、貿易自由化と金融引き締め政策の貿易に及ぼす影響、財務、会計両研修所の機構と研修人員、金融機関資金審議会の委員の人選方法等でありまして、大蔵大臣及び政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、別に討論もなく、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。    ———————————  次に、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案について申し上げます。  本法律案は、衆議院において修正議決の上、本院に送付されたものであります。  まず、政府原案の内容を申し上げますと、本邦内における昭和二十年九月二日から昭和二十七年四月二十八日までの占領期間中に発生した連合国占領軍等の行為等によって負傷し、または疾病にかかった者、及び遺族であって日本国籍を有する者に対し、療養給付金、休業給付金、障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金及び打切給付金を支給しようとするものでありまして、これら給付金の額、支給を受ける権利の認定等に関し規定を設けるほか、遺族の順位、手続等に関し、所要の事項を規定いたしております。  右の政府原案に対し、衆議院におきまして、第一に、右の六種の給付金のうち、休業、障害、遺族及び打切の各給付金の支給額を、それぞれ増額することといたしております。すなわち、政府原案の支給額の積算根拠では、平均基準日額を百五十円として計算しておりますが、それを二百円に引き上げて計算いたし、また遺族給付金を十五万円から二十万円にするなど、それぞれ増額する修正が行なわれております。第二に、昭和二十年八月十五日から同年九月一日までの間にも類似の被害が若干ありましたので、これらについても本法を適用する旨の修正が行なわれております。  当委員会における質疑のおもなるものを申し上げますと、本法律案の適用者について、政府はその実態を把握しているかどうか、また、調査の結果、これら被害者等が今後増加することはないか、休業給付金はいかなる根拠によって算定したのか等でありまして、防衛庁長官及び政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、塩見委員より自由民主党を代表して、次の附帯決議案を付して賛成する旨の発言がありました。  塩見委員提出の附帯決議案を朗読いたします。   附帯決議  占領期間中における連合国軍等の行為等による被害者等については、本法による支給額の程度をもつてしても、必ずしも十分なものと認め難い。よつて政府は、各種給付金の額について更に検討するとともに、本法の運用にあたつては、被害者等の立場を十分に尊重し、事務処理上遺漏なきを期せられたい。   右決議する。  次いで山本委員より日本社会党を代表して、本法律案及び附帯決議案に賛成の旨の発言がありました。  採決の結果、本法律案は全会一致をもって衆議院送付の原案どおり可決すべきものと決定し、附帯決議案も全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、右の附帯決議に対し、藤枝防衛庁長官より、本附帯決議の趣旨を十分尊重して善処する旨の発言がありました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、大蔵省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。  ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第五、オリンピック東京大会の馬術競技に使用する施設の建設等のための日本中央競馬会の国庫納付金等の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長仲原善一君。    ———————————   〔大竹平八郎君登壇、拍手〕

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 ただいま議題となりました北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、北方地域、すなわち歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の旧漁業権者等の置かれている特殊な地位等にかんがみ、これらの者に対して特別の措置を行なおうというのであります。  おもな内容について申し上げますと、  第一は、本法の特別措置の対象となる北方地域旧漁業権者等の範囲を、北方地域の地先水面につき旧漁業法による専用漁業権またはこれを目的とする入漁権に基づき漁業を営む権利を有していた個人、北方地域において定置漁業権または特別漁業権の免許または貸付を受けていた個人または法人の構成員もしくは出資者たる個人、昭和二十年八月十五日まで引き続き六カ月以上北方地域に生活の本拠を有していた一般元居住者等としようとするのであります。  第二は、特別措置の実施機関として北方協会を設立し、その業務の財源に充てるための基金として、償還期限十年、利率年六分の国債十億円を交付しようとするものであります。  第三は、北方協会の業務は、北方地域旧漁業権者等に対する低利の事業資金、生活資金の貸付とし、この貸付は、個人に対する貸付のほか、北方地域旧漁業権者等と関係のある漁業協同組合その他の法人、北方地域旧漁業権者等の福祉の増進を主たる目的とする事業を行なう市町村をもその対象として貸し出すほか、北方地域に関する諸問題の解決の促進をはかるため必要な調査研究及び啓蒙宣伝を行なうこととしております。  委員会の審議におきましては、提案理由に述べられている「わが国固有の領土」の意義、北方協会の業務のうち、事業資金の貸付条件、生活困窮者に対する貸付条件、北方協会の資金繰り等について質疑がなされたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  なお、本案の審議の経過にかんがみ、委員長より次のごとき要望がなされました。すなわち、「本法案の第二十二条北方協会の業務範囲中、第五号「北方地域に関する諸問題の解決の促進を図るため必要な調査研究及び啓もう宣伝を行なうこと。」については、領土問題等政治的な活動をしない趣旨であると説明されておりますが、なお不明確な点がありますので、今後本法の運営にあたっては絶対に政治的な活動をしているという批判が出ないようにすることを要望し、注意いたします。」  かくて質疑を終了し、討論に入り、須藤委員より、「領土問題については政府の弁明を了承できない。また北方協会を通じて政治的な意図があると思われる」等の反対意見が述べられ、大矢委員より、「領土問題、北方協会の政治的活動の余地、生活困窮者の救済等について、政府は公正な運営を期するというので、消極的に賛成する」旨の意見が述べられました。  かくて討論を終了し、採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。  核実験禁止に関する決議案(近藤鶴代君外二十三名発議)(委員会審査省略要求事件)  本案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。近藤鶴代君。    ────────—    〔近藤鶴代君登壇、拍手〕

近藤鶴代自由民主党

○近藤鶴代君 ただいま議題となりました核実験禁止に関する決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明いたします。  初めに案文を朗読いたします。     核実験禁止に関する決議   最近ソ連が、核実験停止に関するジュネーヴ交渉の継続中にもかかわらず、突如として一方的に核実験を再開し、これに対応して、米国もまた地下における核実験を再開したことは、それがいかなる理由目的によるものであるにせよ、国際関係を激化し、究極には人類破滅の危険をもたらすものであつて、本院の深く遺憾とするところである。殊にソ連は、すでに二十回以上の実験を重ね、更に五十メガトンの核爆発実験を予告し、世界各国の反対にもかかわらず十月二十三日遂に超大型の核爆発を強行したことは、世界世論を無視する一大暴挙であり、われわれは強くソ連に抗議するものである。   本院は、核実験禁止が世界の恒久平和を願う世界各国民の強い要望であることにかんがみ、すべての国が核実験の実施を即時停止するとともに、関係諸国がこの際有効な国際管理を伴う核実験の停止に関しすみやかに合意に達し、あわせてこれを契機として、核兵器の製造、貯蔵及び使用の禁止の協定を締結するよう強く要望する。   右決議する。  以上であります。  次に、趣旨を御説明いたします。  御承知のように、本院は、昭和二十九年四月、第十九回国会における決議を初めとし、すでに四たびにわたって、原水爆の禁止とその実験の停止を要請する決議を、いずれも全会一致をもって採択し、これを関係諸国及び全世界に向かって宣明して参りました。これら四たびの決議を採択するにあたっての趣旨説明並びに討論を通じて、核兵器及びその実験に反対する私どもの一致せる悲願は、余すところなく表明されたのであります。  すなわち、本来そのはかり知れぬエネルギーをもって人類の未来に無限の希望と可能性をもたらすべき原子力が、現実には、米ソを両極とする二大陣営のとめどない核兵器の開発競争を引き起こし、勝者、敗者の別なく、全人類の生存をも危うくするがごとき恐怖の世界を作り出しております。冷戦の激化に伴う国際緊張の増大により、今や全人類を底知れぬ不安と絶望に陥れているのであります。相次ぐ核実験そのものが、地球上に死の灰を降下せしめることによって、私どもの生命身体に現実の危険を加え、また、放射能量を増加せしめる結果、遺伝により、子孫の幸福に対しても、きわめて憂うべき影響を及ぼすような事態は、何としても私どもの見のがし得ないところであります。過去四たびにわたる本院の決議も、世界唯一の被爆国としての日本国民の悲願の表明であったのであります。  このような意味において、昭和三十三年秋、米英ソ三国が、それぞれ核実験を自発的に停止し、ジュネーヴにおいて核実験停止のための会議を開くに至ったとき、私どもは、全世界の人々とともに、心からこれを歓迎したのであります。その後、フランスが原爆実験を強行するという不幸な事件はありましたが、米英ソの三国が二年十カ月にわたって核実験を停止してきたことは、世界の人々に一縷の希望を抱かせるものでありました。  ところが、本年六月、ウィーンでのケネディ大統領とフルシチョフ首相との首脳会談において、フルシチョフ首相は、再び六カ月の期限付でドイツ・ベルリン問題の解決を提起し、続いてソ連は、自己の方式による解決を押しつける態度を明らかにしてきたため、米ソを中心とする国際関係はますます緊張し、国際的危機が叫ばれるに至りました。私どもは、平和を念願する全世界の人々とともに、深く心を痛めて参ったのであります。  このようなとき、ソ連は突如として、八月三十日、核実験再開を声明し、わずか二日後には、中央アジアにおいて第一回の大気圏内の実験を強行し、今日まで中央アジア及び北極海において二十数度の核爆発を矢つぎばやに行なっております。この事実は、本年三月二十一日、米英ソ三国の間で再開された核実験停止会議が現に進行中であるにもかかわらず、ソ連は、一方において核実験の準備をひそかに進めてきたことを物語るものではありますまいか。ソ連が連続三回実験するに及び、米国もまた、研究室及び地下の実験を再開する旨声明し、九月十五日、ネバダ州において地下実験を行ない、すでに三回に及んでおります。このようにして、全世界の人々の願いもむなしく、今や再び核実験競争の事態が出現するに至ったことは、私どもの深く遺憾とするところでございます。(拍手)  ことに、フルシチョフ首相は、第二十二回共産党大会の席上、五十メガトンの核爆発実験を行なう旨予告し、これに抗議する世界世論を全く無視愚弄するかのように、十月二十三日、ついに超大型の核爆発を断行するに至ったのであります。このような超大型の核爆発は、軍事的必要よりは、むしろ軍事力の誇示をもって、関係国のみでなく、世界世論に対し心理的圧力と恐怖を与え、あくまでも自国の主張を押し通そうとする力の政策以外の何ものでもありません。常に平和共存や全面的完全軍縮を口にしながら、自己の利害目的のためには、国際信義も、世界世論も、人類の安寧幸福も無視して顧みない、天人ともに許さざる暴挙と申すほかはなく、(拍手)私たちは限りない憤りをもって、この暴挙に対し強く抗議せざるを得ないのでありまして、いかなる国によるものであれ、また、いかなる目的によるものであれ、核兵器の実験には絶対に反対するものであります。これ以上、死の灰の降下と放射能量の増加を黙視することは、人類がみずからの手で、みずからの、そしてまた、みずからの子孫の首を絞めるにひとしいものであります。私ども日本国民は、身をもって原爆の惨禍を体験し、さらに、水爆実験による放射能の被害をこうむったものとして、声を大にして訴えなければなりません。しかも、単に一国家、一国民という立場を超越して、人類全体の生存と幸福を守るため、人類の英知に訴うべき最後の段階に至ったものと考えます。  この際、まず、すべての関係国が、あらゆる核実験を即時停止するとともに、さらに、実験の停止を恒久的基礎の上に置くために、関係諸国が有効な国際管理を伴う核実験停止の協定を結ぶことこそが、現下の国際緊張を緩和し、平和の破壊を阻止し、また、人類の生命身体に対する現実の障害を排除する上において、何ものにも優先すべき喫緊事であり、私どもは関係国に対し、これが実現のため、あらゆる努力を払うことを強く要請するものであります。  究極兵器の無限の開発競争によってもたらされるものは、防衛の安全感ではなく、むしろ全人類破滅の絶望感であります。私どもは、核実験の即時停止と禁止協定の実現を強く要請するとともに、それによって生ずる国際緊張の緩和と国際的相互信頼感の回復を契機として、核兵器の製造、貯蔵及び使用の禁止の協定が一日も早く締結されるよう、心から希望するものであって、これこそが、実に人類の生存に残された至上の急務であります。  私は、本決議案に対し、本院が全会一致をもって御賛成あらんことを、提案者一同を代表して、心からお願いする次第でございます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。須藤五郎君。   〔須藤五郎君登壇、拍手〕

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま上程された決議案に反対するものであります。  この決議案は、平和の真の守り手であるソ連政府を中傷し、国際紛糾に油を注ぎ、そのことによって核実験そのものの解決への道を閉ざそうとしているからであります。この決議案と、さきのソ連政府声明、さらに、昨日発表された池田首相あてフルシチョフ首相の書簡を比べて見るがよろしい。フルシチョフ書簡は、次のごとく述べております。「われわれがこの処置をとったのは、長い間の熟慮のあとであり、諸国民間の平和の確保という理想を重んじるものには、だれにもかかる心の痛み、悲痛の愚なしにはとれなかったということを強調したいと思います。」こう述べているのであります。これは、平和を愛好するものの真実の声であり、ヒューマニズムに満ちたものだと考えます。諸君もこの真実の声に耳を傾けて、ソ連核実験再開の真の意義を冷静に受けとめるべきであります。(発言する者多し)ソ連が核実験再開を余儀なくされた原因は、ベルリン問題であります。私は、去る九月、ソ連訪問のあと、さらに視察団を率いてベルリンに行って参りました。そこで私の知り得たことは、アデナウアー・ケネディ会談によって、ベルリンに暴動を起こす計画が話し合われたことであります。(発言する者多し)アデナウアーは、これを十月に起こす計画を立てたのであります。そして、この暴動を前にして、アメリカ、イギリス、フランス、西独軍隊が、すでに戦争体制に入っていたことであります。暴動が成功するならば、それを口実に東独侵略が行なわれ、核戦争に発展することは不可避でありました。そのために、西独軍隊はNATOの秘密計画文書MC96によって核武装されていたのであり、事態はまさに、りつ然とするほどの危機に直面していたのであります。ソ連政府の断固たる態度と、これに応じた世界の平和諸国民の努力によって、この核戦争の陰謀は押えつけられたのであります。(議場騒然)だれが一体、核戦争を起こそうとしたのか。だれが一体このアメリカと西独の戦争冒険主義者を押え、世界に話し合いへの光明を作り出したのか、今日、事態は全く明瞭であります。  本決議案は、この天下周知のことから国民の目をそらせるものであります。おそるべき核戦争の危機から日本国民と世界を守るために、真に原爆実験のない世界を作るためには、今日、戦争、の一切の根源を取り除くこと、諸国民の努力はこのことに集中されなくてはなりません。それこそ全面的かつ完全軍縮の要求であり、アメリカの原爆基地を日本から取り除くための安保条約の破棄でなければなりません。  戦前戦後、断固として平和の旗を掲げ、いかなる困難弾圧にも戦争に反対してきた、日本における唯一の政党日本共産党は、この立場から本決議案に断固反対するものであります。(拍手)    ———————————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 加藤シヅエ君。   〔加藤シヅエ君登壇、拍手〕

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました核実験禁止に関する決議案に対しまして、賛成の意見を述べたいと存じます。(拍手)  去る二十三日、ソ連のマリノフスキー国防大臣は、当日のソ連共産党大会で、ソ連が五十メガトン級の超大型爆弾の実験を行なったことを確認し、さらにソ連の専門家は、五十メガトン爆弾の威力を実証したことを言明したというニュースが、モスクワ発のAFP電報によって伝えられました。私どもは、この爆弾が五十メガトンであるのか、それに近いものであるかの詳細のことは、まだ聞いておりませんが、これが超大型の核爆弾の実験であったことは各国の観測所によって記録されたところであります。この種の超大型爆弾は、爆心から十二キロ以内の木造家屋、六キロ以内の鉄筋コンクリート建築を完全に破壊し、死の灰は限りない広い地域に降下されると伝えられております。ましてや、その範囲に居住する人間は、地上最大の惨酷な死に方によって抹殺され、放射能障害が人間の肉体を苦しめ、さいなむありさまは、われわれ日本人が皮膚をもって感得いたしているところでございます。広島、長崎に落とされた原爆は、この大型に比較いたしまして二千五百分の一にすぎないと言われているにもかかわらず、一瞬にして二十数万の死傷者を出し、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律による健康手帳の交付を受けた者は二十三万五千人に及び、あの恐怖の日から十六年を経過した今日、すなわち昭和三十六年度において、なお全国を通じまして七十人余の死亡者があったことが報告されております。私ども日本人は、原爆の脅威を私どもの近親者の死によって悲しみ、おそれ、また、その後の米ソのたび重なる核実験による放射能のちりは、気流に乗ってわれわれの国土の空をおおい、地面に落下し、雨が降れば雨水を通して、あるいは畑につちかわれた野菜、くだもの、さては水中に住む魚介類等、私たちの生命をささえる食品の中に潜入して、私たちの体内に侵入してきているのでございます。ことに、この障害は私たちの骨の中にも食い込んで、懐妊した婦人が放射能に侵されるときには、不気味な様相を呈した奇型児を生むということさえあると報告されております。したがって、今日世界の平和愛好者の心を強くゆさぶる核兵器製造、貯蔵、実験を中止させようとする大衆運動も、もとは、東京の片すみに住む一にぎりの主婦たちの悲願から出発したものであることは、皆様御承知のとおりでございます。  私は、ソ連首脳者が、五十メガトンとかいわれるこの種の大型爆弾が純軍事的にあまり意味がないという点で科学者たちの意見が一致しているというようなことがいわれているとき、何を好んで、世界の良識を代表する世論を無視して、このような実験を行なったのでございましょうか、その真意を疑うものでございます。(拍手)日本が国連において提出した五十メガトン実験中止決議案が、日本、カナダなど八カ国提案として、去る二十日、国連総会政治委員会に正式に上程され、七十五カ国の圧倒的な多数をもって可決された事実を、フルシチョフ首相は一体何と見ているのでございましょうか。(拍手)  さらに私が遺憾とするところは、フルシチョフ首相は、一九五九年九月十八日の第十四回国連総会の本会議場において、歴史的な大演説を行ない、宇宙時代における人類のあり方を示すものとして世界の注目をひいたのでございます。そうして、そのとき彼は、四年以内に完全軍縮を実現しようと叫び、もし西欧側が全面的完全軍縮に直ちに応じられないなら部分的軍縮について交渉する用意があると述べ、現実的な目標をも示して、四千語からなる軍縮宣言を発しているのでございます。国連に期待をかけ、平和共存を呼びかけ、冷戦の終結に積極性を示したフルシチョフ首相その人が、二年後の今日、その期待をかけているとみずから言っている国連で、五十メガトン実験だけはやめて下さいと全人類共通の悲願が盛られた決議案の可決に一歩先んじて、この暴挙をあえてしたことは、みずからの平和的指導者としての地位、そして、その言論を、みずからの手によって抹殺するものであり、との不信行為は、まさに国連における大国の指導者としての彼自身の自殺行為ともいうべき遺憾しごくなことであります。(拍手)  ソ連は、ガガーリン少佐を生み、チトフ少佐を育てて、人類未開の宇宙圏を飛行することに成功し、ソ連の科学的成果は、思想の相違を超越して全世界の驚嘆と拍手をあびたのは、ついせんだってのことではございませんか。私どもは一九六〇年代を科学の躍進の時代と信じ、その成果が人類の平和と幸福の目的に寄与されんことを念願しているものでございます。したがって、宇宙飛行計画において科学的に最優位を世界に誇示し得たソ連首脳者は、もし科学の進歩とこれにふさわしい英知に輝く人間精神の高揚とを合致させることに成功するならば、新時代の指導者たる栄誉ある地位は彼らに与えられるものでございましょうに、その期待を裏切ったことは、返す返すも残念しごくでございます。  今回の実験が、現下の東西勢力の対立関係において、破壊兵器製造競争でソ連が優位を獲得し、さらに自国の支配下にあるソ連衛星諸国を威圧するのが目的であるなら、確かに一応の成功を見たといえるでございましょう。しかし、人類が営々として築き上げていくところの文化は、力の恐怖政治のもとでは花を咲かすことができないのでございます。(拍手)もしソ連首脳者が真にその優位を世界に示したいなら、五十メガトンの破壊兵器の威力ではなくて、二十数億のこの地球上の住民が安心して生活できるところのイデオロギーとその方法を身をもって示すべきではないでしょうか。それこそ私たちが求めて求めてやまないところなのでございます。  しかし私は、この決議案を支持いたしますにあたりまして、いたずらにこの一事のみをとらえて攻撃することによって満足するものではございません。核実験停止を叫ぶ者は、同時に、全面的完全軍縮を提案しなければ建設的態度とはいえないものでございます。国連で今すぐ取り上げられなければならない緊急事は、厳格な国際管理を伴う全面的な完全軍縮の問題でございます。この問題をおろそかにして、核実験のみを取り上げるならば、米国もまた地下爆発または大気を汚染しない実験などと称するものを考えて、これを実行せざるを得なくなるのではないかと心配いたすものでございます。そこで私は、あらゆる大国が軍縮問題に参加することによって、原水爆弾などというものを無用の長物とする日を来たらさなければならないと信ずるものでございます。(拍手)そのためには、国際場裏において、二つの陣営の冷戦を解消する方向に導くことのできるような、強い自主独立の基礎の上に立つ中立の国々の存在が考えられなければならないと思うのでございます。わが社会党が積極的中立外交を叫ぶのも、ここにその意義があるのでございます。ケネディ米国大統領は、去る九月二十五日の国連総会の演説の中で、この夏ベオグラードで開かれました中立諸国首脳会議を高く評価いたしております。そして、これらの中立諸国が完全軍縮の計画を支持しているのは、ソ連のためでなく、米国のためでなく、まさに人類の問題として認識しているからだと言っております。  平和は人々の心の中から発するものであるといわれております。けれども、世界の恒久平和は、単なる感傷によって得られるものはなくて、あらゆる社会悪、権力亡者と戦う勇気を必要とするものでございます。われわれ日本人があの原爆の洗礼を受けた犠牲をむだにしたくないなら、国連における日本代表は、他国に率先して、核兵器の恐怖から世界の人々を解放するために、冷戦から超越した外交をもって世界平和に貢献することを念願して前進すべきだと私は思います。このことを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)    ———————————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 曾祢益君。   〔曾祢益君登壇、拍手〕

曾禰益民主社会党

○曾祢益君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました核実験禁止に関する決議案に対して、賛成の討論を行なおうとするものであります。(拍手)  去る八月三十日に、ソ連は、ちょうど核実験禁止に関するジュネーヴ会議がまだ継続中であり、しかもこの会議にアメリカが新しい提案を出すことによってこの行き詰まりを打開し、明るい核実験禁止協定の将来が展望されるという時期にあたりまして、突如といたしまして核実験再開の一方的決定を通告したのであります。しかも、その後ソ連が現実に世界の世論を無視して行ないました核実験の相次ぐ連続的な強行によりまして明らかになったことは、この実験禁止をやるための話し合いの途中に、きわめて大規模なる核実験の一連の爆発実験の準備を完全にやっておったということであります。私は、ソ連がこのように、言っていることとやっていることの間に大きな矛盾を示している、そうして、ソ連のやることには何とはなしにおそろしい、何とはなしに底が知れないという、こういう感じを与えたことは、否定できないと思うのであります。西側の核戦争の準備云々ということを再開の口実にしておりまするけれども、むしろソ連はそういう意味で奇襲をやりそうな国ではないかということを、中立国やその他のいずれの陣営にも属さない国々に、大きな不安を与えたことは否定できないと思うのであります。  第二に、大気の汚染という、こういう形による実験を強行しておきながら、自分の国民に対して、どういうところで、どういう規模で、いかなる程度の大気の汚染を伴う実験をやるかということを全く知らしておらないということであります。これはまことに驚くべきことであります。私は、核兵器禁止のわれわれの、いな全人類の悲願が実るためには、ソ連の国民が、ただ核兵器の惨禍だけでなく、この核実験が人類に及ぼすおそるべき結果をはっきり知ること、そうして、政府の政策に対して国民が反対するようなことができ、われわれの毎年やるところの原水爆禁止の世界の大会が、すべての国民によってソ連の領土内で行なわれるようになったときに、初めて私はほんとうの核実験停止並びに核兵器の禁止ができるのでないかとすら思うのであります。  また、このソ連の今回の核実験再開は、日本の原水爆禁止運動にも大きな影響を与えたと思うのであります。すなわち、今や、ソ連の核実験再開は、これは平和のためだからいい、アメリカの核実験再開だけはいけない、こういうような、とらわれた見方の人たちが、もはや国民の批判にさらされて、そういう誤れる核実験反対あるいは核禁止運動ではいけないという、正しい世論が起こったことは、この暗いニュースの中の唯一の朗報だと信ずるのであります。(拍手)  私は、かく申しますが、ただ単にソ連だけを非難するつもりで言っているのではないのであります。お互いに真に平和を愛し、真に自由を愛する日本人たる以上は、どの国がいかなる条件でいかなる理由でやろうと、核実験の再開なり開始はいけない、これがわれわれの基本線でなければならないと信ずるのであります。ソ連が先にやった、確かに悪い。ソ連が核兵器において優位を持ったほうがいいとは私どもは考えておりません。また、地下爆発実験と大気汚染の実験との相違は、われわれもよく承知している。それにもかかわらず、アメリカがこれを契機として核兵器実験再開に踏み切ったことは、これまた遺憾千万であります。何となれば、このようなことは必ずや悪循環を起こしまして、その結果は、この決議案文に明瞭に示しているように、国際緊張の激化と、遂には人類を滅ぼす核兵器による戦争の危機を増大するからにほかならないのであります。(拍手)  この点について特に政府に私は強く要望したいのは、政府が、アメリカに対する言葉とソ連に対する反対の言葉のニュアンスを変えないように、はっきり日本国民の正確なる反対の意思を、アメリカにもぜひ伝えるととが必要だと信ずるのであります。  ソ連は、ちょうど歴史的な二十二回共産党大会の壁頭のこのフルシチョフ演説において、自分の窓をぶちこわすような百メガトンだけはやらないけれども、五十メガトンのこの爆発実験は、三十一日までに、十月中にこれをやるということを言いました。世界世論がこれに一致反対いたしました。しかし、それにもかかわらず、しこうして国連の政治委員会において、五十メガトンの停止、中止を訴える、このゆるやかな、しかも悲痛な叫びが決議される直前に、ついに、三十メガトンであるか五十メガトンであるかは別といたしまして、少なくとも超大型核爆発実験をついに強行してしまった。まことに遺憾と申しますか、私ども激しい怒りをもってこの事態を迎えざるを得ないのであります。フルシチョフが池田首相あて書簡において、すべて一連のこういうことは、西側の戦争的な行為に対する威嚇的警告であると、みずからそれが威嚇的警告だということを告白しているのであります。私は、ソ連がいかに口に平和共存を唱えても、その実体というものが、このような世論を無視し、何者をもはばからざるむき出しの実力、むき出しの武力、これによって相手を威嚇し、いな、全人類を威嚇し、ついには、社会主義インターナショナルのローマ大会の決議にあるように、この五十メガトンの爆発強行によって人類に対する極悪の犯罪を犯したとすら、インターの大会が言っているのでありまするが、そのような措置をとったということは、まことに遺憾千万と言わざるを得ないのであります。(拍手)しこうして、この数十メガトンの核爆発の実験の結果が、いかに大気を汚染し、いかに人類の生存を危くし、いかにわれわれの子孫におそるべき遺伝的障害を与えるかについては、私は、ソ連は歴史の審判の前にその身をさらしていると信ずるのであります。国際世論の反発は当然であります。私は、このことを強くこの席からソ連に対して抗議したいと存ずるのでありまするが、同時に、この五十メガトンの爆発強行によって、私どもが前から、この国会の当初から各党にお話申し上げ、お願い申し上げておきましたが、自民、社会両党を中心とする各党の話し合いによって、この核爆発実験停止、核兵器禁止に関する共同決議案が、とりあえず、とにかく日の目を見るに至ったことは、私は幸いだったと信ずるのであります。  それでは、われわれはこれから何をなすべきであるか。この決議にも言っているように、まず、とりあえず、すべての関係国による実験の停止、実験の取りやめでございます。ただしかし、問題は、実験のいわゆる自発的な停止だけでは事は済まない。ソ連は、もうやっちまったから自分はこれでいいんだ、やめた、これではアメリカがやることを押さえることにとうていならない。どうしても、問題は、核実験の禁止、をあるいは停止を、国際協定によって確実にすることが絶対に必要であります。そのことによって初めて両方がやるところの悪循環を断ち、あわせて新しい核保有国の出現をこれによって初めて阻止することができることは、御承知のとおりであります。私どもは、今や第五の核保有国が、特に中共がここ一両年中に核兵器を持つであろうというニュースを、大きな衝動を持たずして迎えるわけには参らない。第五、第六の保有国、もしそういうことが無限に広がるならば、もはや、核実験の禁止、核兵器の禁止、国際軍縮といっても、それはとうてい木可能な、野放しの状態になることをおそれるのであります。また、わが国の平和と安全の将来を考えても、特に中国の核武装の問題については、われわれは重大な関心を持たなければならないのであります。おそらくそういう不幸なる事態が、もしくるとするなら、わが国に対する核兵器の持ち込みを含めての日本の核武装化という問題が、政治課題にならないと、はたして断言ができるであろうか。われわれはそのことを考えただけでも、どうしても日本の非核武装のこの基本精神をあくまで貫いていかなければならないと信ずるのであります。同時にそれは、日本の意思だけではどうにもならない。どうしても国際的な意思によって核兵器の所有国がこれ以上広がることを阻止する……

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 曾祢益君。時間です。

曾禰益民主社会党

○曾祢益君(続) ぜひともこれをかちとって参らなければならないと存ずるのであります。  最後に、核実験禁止協定を作ることは、これからさらに核兵器の禁止が発展し、またいわゆる有効なる査察を伴った実験禁止協定ができることによって、初めて核兵器の禁止の全面軍縮への端緒が開かれることは御承知の通りであります。したがって、この問題を簡単に切り離そうという考え方が間違っている。私どもは、本決議案に、完全軍縮、あるいは一般兵器に関する軍縮について言及されていないことを遺憾に存じます。この点は、政府において、さらに完全軍縮への悲願達成のために努力をすることを強く要望いたしまするが、同時に、ソ連の言っているように、完全軍縮ができるまでは、核実験禁止協定の成立、このようなことはできないという、このソ連の主張に対しては、私どもはこれを完全に拒否して参らなければならないと存ずるのであります。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 曾祢君、時間が超過しました。

曾禰益民主社会党

○曾祢益君(続) 最後に、政府に対し、この原水爆の禁止のこの悲願に対して、ぜひこれが国民とともに、この実現に最後まで真剣なる努力を展開し、目的を達成するように、切にこれを希望いたしまして、私の賛成討論を終わりたいと存じます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  ただいまの決議に対し、内閣総理大臣及び三木国務大臣から発言を求められました。順次発言を許します。池田内閣総理大臣。   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べたいと存じます。  核実験禁止は人類の悲願であり、人類の平和と幸福のためにも、即時その実現がはかられなければなりません。政府といたしましては、すべての国が核実験を即時停止するとともに、関係諸国が有効な国際管理を伴う核実験停止協定に関し、すみやかに合意に達するよう熱望してやまないのであります。このため、政府は、かねてより右の立場に基づき、直接関係国に強く働きかけるとともに、国際連合において積極的役割を果たしつつあるのでありまするが、ただいまの御決議の趣旨を体しまして、世界の平和と人類の幸福のために、今後一そうの努力を払うことをここにお誓いいたします。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 三木国務大臣。   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕

三木武夫自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(三木武夫君) ただいまの御決議にもありましたごとく、わが国は世界における唯一の原爆被災国でございます。したがって、その悲惨なる体験を持っておるわが国として、核爆発あるいは核融合の原理は、これを人類の福祉のためにのみ使う、軍事的利用をしない、こういうかたい決意を持って、原子力基本法等にもその決意を明記いたしておる次第でございます。  この日本国民の悲願をよそにして、今回、ソ連が大型の核爆発実験を強行いたしましたことは、まことに遺憾でございます。いずれの国を問わず、いずれの理由を問わず、善意に満ちた人類の頭上に放射性の灰を振りまくというようなことを弁護する余地はごうもないのでございます。したがって、われわれとしては、御決議にもありましたごとく、将来、核実験の停止、国際的な管理を伴う核実験の停止、さらに進んでは製造禁止、貯蔵禁止、使用禁止、こういうところまでいって、放射能の灰の被害から人類を守ることが絶対に必要でございます。現に、ソ連の核爆発の実験によりまして、将来、日本は相当な放射能の灰の被害を受けることが予測されます。これに対しては、その測定あるいは分析、国民に対する注意等、行政的な措置は講じましても、これはきわめて消極的なことでございますので、やはり根本的な核実験の停止ということが絶対に必要でございます。  そういう意味におきまして、われわれは、できる限り、今後、あらゆる機会をとらえ、また、あらゆる機関を通じまして、そうしてこの目的の達成に努力したいという決意でございます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会

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