法務委員会 第10号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/10/31
会議録
○委員長(松野孝一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動を御報告いたします。 十月二十七日付大森創造君辞任、豊瀬禎一君選任、十月三十日付加賀山之雄君辞任、大谷瑩潤君選任、十月三十一日付豊瀬禎一君辞任、大森創造君選任、加瀬完君辞任、高田なほ子君選任、以上であります。 ——————————
○委員長(松野孝一君) 理事の補欠互選を行ないます。 理事大谷瑩潤君が一時委員を辞任されましたため、理事に欠員を生じております。互選の方法は、慣例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認め、大谷君を理事に指名いたします。 ——————————
○委員長(松野孝一君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題といたします。 両案については、去る十月二十六日の委員会において質疑を終局しております。それではこれより討論に入ります。 御意見のおありの方は賛否を明かにしてお述べを願います。
○井川伊平君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案並びに検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に対して、いずれも政府原案に賛成いたしたいと存じます。 裁判官の報酬並びに検察官の俸給に関しては、その根本問題にさかのぼって検討いたしますとき、各種の重要な問題の存することが、委員会の審議の経過に徴してもうかがわれるのでありまして、関係当局において、これらの問題をつぶさに研究され、すみやかに成果を得られるよう希望するのでありますが、今次の改正案の要点は、今回一般職の職員の給与が改善されることになっておりますので、これに準じて裁判官、検察官の給与を改善しようとするものであって、適切妥当なものと考えられますのであります。よって政府原案に対して賛成いたす次第であります。
○亀田得治君 社会党を代表して簡単に反対の討論をいたします。 特に私は、裁判官の給与につきまして触れておきたいのでありまして、第一の問題は、現在の裁判官の報酬制度というものは、裁判官の特質に合うように根本的に検討をし直すべき時期に到達しておると考えます。例をとって申し上げますと、裁判官の職務と責任といったようなものは、ほかの職域におけるほど差がないのでありまして、したがって、たとえば審級、あるいは裁判長であるとか陪席であるとか、そういったようなことによって多少の差異がありましても、それほど差等を設けるべき性質のものでもありません。そういったような問題、あるいはまた、法曹一元ということが、司法制度を民主化するために一つのよい制度であるということは、私たちは理論的にも、あるいはまた、米英における歴史的な経過等から見ても、大いに検討していくべき問題であると思いますが、しかし、そういうことを実際に実現するためには、長い間在野の法曹をやって、そうして裁判官になっていく、そういう立場の人に対する裁判官の報酬、あるいは裁判官をやめたときの退職金の支給の仕方、そういったようなことにつきまして、普通の官公吏とはやはり違った扱いというものをしなければ実情に沿わないのであります。こういうような問題点は、ずいぶん前から指摘されておるわけでありまして、私たちは、そういう点について、裁判所がもっと抜本的に思い切って手をつけていくべき時期と考えておるのです。そういうことがおくれておるものですから、たとえば裁判官の数が少ないというふうなことも、これは毎年国会でも問題になるわけでして、司法試験を通ったあとの進み方を見ましても、裁判官の数が少ない。在野法曹に行く人が多い。そのため、裁判官の欠員がなかなか満たされない。定員がふやしたいといいましても、そういう面からの自然的な制約というものがあって、どうにもならない。結果としては、いろんな訴訟事件の遅延という現象となって現われまして、結局は国民に多大の迷惑をかけておるのが現状だと思います。したがいまして、今回一般職の昇給があった。したがって、それに対してまた、スライドしてこちらのほうも同じように上げていくと、こういうようなことを続ければ続けるほど、先ほど申し上げたような、裁判官の特殊性から考えた報酬制度のあり方というものの矛盾というものを、ますます実際は拡大していく結果に相なってくるわけであります。 私は、現在の裁判官の報酬等がいろんな標準から見て低いという点はよくわかっておりますから、若干でも上がること自体に対しては、文句を言うわけではないわけですが、体系自体が間違っておる。これがいろんな人から指摘されておるのに、そのことをそのままにして、同じようなことを一般職に準じてやられていくということは間違いである。こういうふうに考えておるわけでありまして、こういう観点から、特にこの二法に対しまして、反対をするわけでございます。
○委員長(松野孝一君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して問題に供します。両案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松野孝一君) 多数でございます。よって両案を多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議こざいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ——————————
○委員長(松野孝一君) 政治的暴力行為防止法案の継続審査要求に関する件を議題といたします。
○亀田得治君 簡単に、社会党を代表して意見を申し上げたいと思います。 政治的暴力行為防止法案につきましては、本日議長あっせんによる申し合わせができましたので、継続審議とすることに賛成いたします。
○田畑金光君 私は、民主社会党を代表し、ただいま議題となりました政治的暴力行為防止法案の継続審議について、反対の意思を表明するものであります。 御承知のとおり、昨年の安保騒動以来、淺沼刺殺事件、嶋中事件と右翼テロの頻発を見ました。テロ行為によって、自己の政治上の主義主張に反対する者を殺傷することは、戦前の日本の最も忌むべき風潮でありましたが、これはまさに民主主義の敵であり、議会政治の根底をくつがえす行為であります。暴力から議会政治を守り、民主主義を擁護すべしというのは国民世論であります。現行法のもとにおいて、いわゆる黒幕とか、背後団体を規制することが困難であるとすれば、この際、法の整備を行なうことも必要悪として認めようというのが一般世論の動向であり、いな、むしろ国民世論は積極的に国会がこの問題に取り組むことを期待したのであります。このような背景の中から、いち早く政治テロ行為処罰法案を提出したのは社会党であり、次いでわが党は政治的危害行為防止法案を提案したのであります。わが党は、この種治安立法は国民の基本的人権に触れ、また、大衆行動にも直接関接の影響をもたらすことを考慮し、衆議院においては、超党派的に三党の共同提案にすべきことを主張し、自民、社会両党との話し合いを幾たびか持ったのであります。結果においては、団体規制の点をめぐり社会党との話し合いは不調に終わり、やむなく自民党との共同提案に至ったことは天下周知の事実であります。しかも、衆議院審議段階においては、公聴会における本法律案に対する各階層代表の意見を率直に受け入れ、六点にわたる修正をやったことは御存じのとおりであります。 さらに、審議の段階を通じ、三党共同提案に持っていくことは党の根本方針でありましたがゆえに、いわゆる猪俣私案が提案されるや、わが党はいち早くこれを受け入れ、これによって三党共同責任において政治暴力の絶滅を期するよう主張して参りました。いわゆる猪俣私案は、単なる私案ではたく、実に三党の申し合わせ、三党を代表する各党の幹部間における公党の申し合わせであったのであります。当然社会党は猪俣提案をいれるものと、われわれも世間も期待しましたが、社会党は、共産党、全学連、総評等の突き上げにより、絶対反対、絶対阻止に回ったのであります。議会政党としての態度として、まことに遺憾しごくであります。前国会の末期における松野議長のあっせんにより、本法律案は今次臨時国会に持ち込されたのであります。 これだけの経過と背景を持った法律案であり、しかも、本法律を必要とする日本の政治、社会情勢は、客観的には何らの変化もないのでありまするから、今次臨時国会においては、当然に議長あっせんの精神に基づき、法務委員会の審議はもっとまじめに、しかも、意見の一致を見い出すように努力するのが当然だったと思います。社会党は、議長あっせん案は実質的に廃案になったと同然であるとし、審議を渋り、提案者として最大の責任を持つ自民党は、本法審議について熱意を示さざるのみか、終始一貫取引の材料に供してきたということは事実であります。いやしくも民主主義の根本をささえるべき法律案が、党利党略にもてあそばれ、国会運営のかけ引きの具に供されたということは、国民を愚弄し、国会の権威を失墜する行為にあらずして何でありましょうか。昨日から今暁にわたる自社両党の舞台裏の取引は何たる行為でありましょうか。政党の信義、政党の権威がこれで保持されていると言えましょうか。一方は、政防法案の継続審議を強行すれば実力で阻止し、全法案が流れるとおどかす。他方は、政防法案は実質的に廃案とするから、法律案件は通してくれという。こうして妥協が成立し、その結果出されたのが早朝五時の議長あっせん案であります。これによると、前段においては、政防法案については、各党各派の意見の一致が必要であることを確認し、云々、明白に一党の拒否権を認めているのであります。社会党の従来の態度、院外における反対運動の盛り上がり、また自民党の無責任きわまる事なかれ主義から察するに、次期国会においてまじめに本法律案の審議が行なわれると考えるものがありましょうか。このあっせん案により、政防法は事実上廃案になったのであります。社会党の千葉会長は、けさ七時のNHK放送で、このことを明確に述べておられます。それを万々承知の上で、自社両党の単なる面子保持にすぎない本決議案に賛成することは、私の良心が許しません。わが党は今日まで、共同提案者として微力ながら自民党と責任の一端を分かってきましたが、公党の信義をわきまえず、重要法案を一方的に廃案とするこのようなあっせん案に同調し、いな、推進してきた自民党の態度にかんがみ、わが党は共同提案者としての地位から退くことを明白にするものであります。 わが党が共同提案者たることをやめるについては、あるいは国会法等、法律手続上、若干の疑点が残るかもしれません。しかし、われわれは、今日の心情から申しますと、単なる法律的手続の問題ではなくして、より高い政治的な立場から、あえてこのような態度に出ざるを得ないわけでございます。政治的暴力から民主主義、議会政治を守りたいとのわが党の主張は、今日なお変わりはございません。わが党は、独自の立場において、今後提案措置等を考えて参りたいと思っております。 以上、われわれの立場、見解を明らかにいたしまして、今次決議案に反対することを強く主張するものであります。
○大谷瑩潤君 私は、参議院同志会を代表して、政治的暴力行為防止法案に対し、継続審議に賛成いたしまするが、簡単に理由を申し述べます。 防止法案については、自民、社会両党間に条件付お話し合いがあったと聞いていまするが、同志会としては、議事運営上、かような申し合わせ等は悪例を残すと思いますので、すべて無条件継続審議という趣旨を明らかにして、賛成をいたします。
○辻武寿君 私は、無所属クラブを代表して、ただいま議題となっております政防法案を継続審査に付することに賛成いたします。 この法案は、すでに先国会以来の案件であり、また世論の注目を集め、この国会においても、成立か廃案かをめぐって与野党が鋭く対立し、ことに昨日以来院の運営の正常化を阻害したことについては、まことに憂慮にたえなかったところであり、われわれとしても、微力ながらこの法案の円満な処理について苦慮して参りました。幸いにして継続審査に付することにより、正常な運営が確保されるならば、そして、その見込みがついている今日、私は自民、社会両党のこれまでの経過に不満を持ちつつも、この件についての継続審査に賛成いたします。
○委員長(松野孝一君) 他に御発言はございませんか。——なければ、本件についてお諮りいたします。 本院規則五十三条により、政治的暴力行為防止法案の継続審査要求書を議長に提出することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松野孝一君) 多数と認めます。よってさよう決定いたします。 なお、要求書の内容、手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(松野孝一君) 次に、軌条上の車両の運転等に関する業務上の過失刑事事件の審判の特例に関する法律案外四件の本付託の法律案の継続審査要求を議題といたします。 本院規則第五十三条によりまして、軌条上の車両の運転等に関する業務上の過失刑事事件の審判の特例に関する法律案、会社更生法の一部を改正する法律案、労働関係訴訟における労働組合の当事者適格に関する法律案、裁判所職員臨時措置法の一部を改正する法律案、売春防止法の一部を改正する法律案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(松野孝一君) 継続調査要求についてお諮りいたします。 検察及び裁判の運営等に関する調査は、従来より調査して参りましたが、会期も切迫し、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条により、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の内容、手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(松野孝一君) これより請願の審査を行ないます。 請願第二九号、鹿児島県大根占簡易裁判所庁舎建築等に関する請願、請願第三〇号、鹿児島県大根占検察庁庁舎建築に関する請願、請願第二五九号、横浜地方裁判所小田原支部等の合同庁舎改築に関する請願、請願第九六一号、新潟県佐和田町に新潟地方裁判所相川支部等移転に関する請願、請願第三五号外五件の皇室をひぼうする者々処罰する法律制定に関する請願、請願第一四四号外五件の皇室の尊厳をおかす者を処罰する法律制定に関する請願、請願第一一八号外百十四件の政治的暴力行為防止法案反対に関する請願、請願第三六九号外十四件の政治的暴力行為防止法案反対等に関する請願、請願第三八六号外一件の政治的暴力行為防止法案の慎重審議に関する請願、請願第四六四号、政治的暴力行為防止法案及び第二次防衛計画反対に関する請願、 以上百四十九件を議題といたします。 速記を中止いたします。 〔速記中止〕
○委員長(松野孝一君) 速記を始めて下さい。 それでは、請願第二九号、鹿児島県大根占簡易裁判所庁舎建築に関する請願、第三〇号、鹿児島県大根占検察庁庁舎建築に関する請願、第二五九号、横浜地方裁判所小田原支部等の合同庁舎改築に関する請願の三件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付することを要するものと決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松野孝一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(松野孝一君) 速記を始めて。 閉会中は、十一月三十日午前九時五十分に理事会を、午前十時に委員会を、十二月一日午前九時五十分に理事会を、午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会