文教委員会 第7号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/31
会議録
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動につき御報告いたします。去る十月二十七日、鍋島直紹君、小柳牧衞君、梶原茂嘉君及び豊瀬禎一君が委員を辞任され、その補欠として堀本宜実君、安井謙君、青柳秀夫君及び大森創造君が委員に選任されました。 また、二十八日、宮澤喜一君、青柳秀夫君、安井謙君、加藤武徳君及び堀本宜実君が委員を辞任され、その補欠として、苫米地英俊君、谷村貞治君、小柳牧衞君、鈴木恭一君及び野上進君がそれぞれ委員に選任されました。 また、本日、大森創造君が委員を辞任され、その補欠として豊瀬禎一君が委員に選任されました。 以上であります。 ——————————
○委員長(平林剛君) この際、理事の補欠互選につきお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在、当委員会に理事が一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないます。 互選の方法は、成規の手続を省略し、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、委員長より豊瀬禎一君を理事に指名いたします。 ——————————
○委員長(平林剛君) この際、継続調査についてお諮りいたします。 本委員会においては、今期国会開会以来、教育、文化及び学術に関し調査を行なって参りましたが、問題が広範多岐にわたるため、いまだ調査を完了するに至っておりません。したがいまして、今期国会が開会いたしまして後も継続して調査を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。 つきましては、本院規則第五十三条により、議長に提出いたします継続調査要求書につきましては、その作成、提出等の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 なお、本調査事件に関連して、委員派遣を行なう場合の要求書の提出その他の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。 なお、調査事項、日時等につきましては、理事と協議の上、決定いたしたいと思いますので御承知願います。 ——————————
○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。 開会前、理事会を開き、協議いたしました結果、本日は、まず、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題とし審査を進め、次いで、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし審査を行ない、さらに、学校給食従事職員の身分保障に関する請願外七十四件の請願を審査いたすことに決定を見ました。 以上、理事会決定の順序に従いまして、本日の委員会を運営いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう運営いたして参ります。 ——————————
○委員長(平林剛君) それでは、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、この際、発言を許します。
○矢嶋三義君 本法律案について若干お時間をいただいて要点をお伺いいたします。 まず、先般、御要請申し上げておりました資料が提出されました。御苦労でありました。この資料について若干伺います。 まず、この校長、教員のほうで一万三千五百四十六人増員になるという資料が出されておりますが、この都道府県別の増減の数の動きを見ると、非常にその都道府県の生徒数と、それから校長、教員の増加する数とは、必ずしも正比例しておりません。かようにこの定数が増加する点についてアンバランスがあるのは、どういうところに原因があると把握されているのか、お答えを願います。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは従来、乙号基準がございまして、十分に財政保障ができなくて、乙号基準のせいぜい一四、五%にとどまっておりました。各県の財政事情も違いますので、まあ一つは交付税によって確実に保障するという方法がなかったから、こういう結果になったのではなかろうかと思います。特に今回、まあ法律にいたしましたので、法律によって、ある基準を設け、これによって財政保障をいたしますれば、こういうアンバランスはなくなるものと期待しているわけでございます。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、少なくとも、この法律の水準に達するために必要な財政措置は政府の責任においてなされる、かように了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりでございます。
○矢嶋三義君 さらに大臣にお伺いいたしますが、過渡的な規定として、昭和三十八年三月三十一日までの間に、その現に定められておる教職員の定数を下回らないようにしなければならないとか、あるいは教職員定数に達することとなるように努めなければならないと、都道府県に、あるいは市町村に義務を課しておりますが、必然的に都道府県または市町村がそれをなし得るだけの財政措置が昭和三十七年及び三十八年にとられ、中央でもとられる。それを受けて都道府県、市町村は必ずこの条章に従いやらなければならない明確なる義務が課されておる、かように了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりでございます。
○矢嶋三義君 内藤初中局長に次にお伺いいたしますが、先般の資料の中には、養護教諭の都道府県の配置状況、数の資料を出していただきたいと要請いたしましたが、養護教諭を別に分離してはここに出してありません。校長、教員の中に含まれておりますが、この養護教諭の配置状況も、都道府県では相当アンバランスがあると思うのですが、御承知のごとく、定数の中に養護教諭は入っております。本法実施によって、常に本委員会で問題になって参ったのですが、養護教諭の増員というものが行なわれる見通しを立てておられるのか、また、そういう行政指導をされようとお答えになっておられるのか、本日は最終日でありますから、あらためて本日資料を要求いたしませんが、資料にかわってお答えいただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 養護教諭につきましては、全体で二百名ほどの増員になっておるわけですが、各府県別に見ますと、先ほど来お述べになりましたように、アンバランスがあるわけでございます。全体といたしまして、総数は最後の欄に出ておりますように、各府県とも相当数の増になっております。したがって、この職種別の定員が少なくとも現状を下回らぬように、これが改善について十分な指導をして参りたいと考えております。
○矢嶋三義君 その言葉の限りには了承できるのですが、しかし、非常に不十分な内容を持っておると思います。あとほど、校長、教員の定数算定法については触れますが、この算定方式では、教員もそうでありますが、特によく要望されておる養護教諭の増員というものは、よほど強力なる行政指導をしなければ、私はなかなか容易にできないというように、かように判断しておるわけです。そこで、関連して一本として承るのでありますが、小中学校の場合は、養護教諭は、学校教育法の百三条で、置かないことができるということになっておるわけです。法施行されて十年も経過して、なお附則があるということは非常に好ましくないことだと思っております。というのは、二十八条で置かなければならぬとなっておるわけですからね。これは小中学校の場合。高等学校においてはこの附則で置かないことができるとはなっていないわけですね。青年後期のああいう高等学校の学生の養護ということは非常に重要であり、小中学校ももちろんでありますが、高等学校においてその増員が非常に叫ばれておることは御承知のとおりです。したがって、それを確保するためには、この教員の定数の算定方式にやや、あとで指摘しますが、不十分な点もあると思いますが、しかし、文部省として、その増員をはかることが必要である、強力なる行政指導をすることによって、その目的がある程度達成されるというような判断のもとに、この法律案の審議を仰いでおると、こういうことですね。そこで、文部大臣、あらためて確認いたしますが、ただいま内藤局長が言われた点を実現するために、強力なる行政指導と財政措置をされるということを御確認願っておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 極力努力をいたします。
○矢嶋三義君 それは承っておきます。 次に、実習助手の項ですが、これを見ますと、北海道、さらに大阪、兵庫、岡山、広島、こういう道府県においては、この実習助手等が減員になっておるんですね。それで、科学教育あるいは産業教育の振興とともに、実習助手の増員ということは日本の教育界の長い間の熾烈なる要望であったわけです。本院でも、先国会で決議をしたことは御承知のとおりですね。来年の予算編成にあたって、行政府においては、われわれの決議を尊重して概算要求をなしていると思うのでありますが、この法の制定によって、今私が読み上げました道府県において実習助手の減員を来たしたという理由はどこにあるんでしょう。また、教育の現在のレベルを下げないためには、先般も大臣が私に言質を与えましたように、現員確保をするための措置と、それから行政指導をしなければならないと思うんですが、その点において責任を持つことの確認と、その原因が奈辺にあるかという点についてお答えいただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 数府県において実習助手の減を見ておりますのは、その原因は、一つは、実習助手の中で、実習助手の補佐のようないわゆる雇用人に類するものが相当多いのでございます。そこで、△のしるしが出ておるんですが、全体としては実習助手のほうで三千名の増員をいたしておるのでございます。それから、これをどうして確保するかという問題ですが、各府県別の総数を見ていただけますれば、各府県とも、教職員、実習助手、養護教諭、事務職員を含めまして、これまた相当、増になっておりますから、現状を下回らぬように格段の指導をして参りたいと思うのでございます。
○矢嶋三義君 この法案について私が最もにわかに賛意を表しがたい幾つかの点のうちのこれは一つです。確かに御指摘のとおり、二千九百九十五人ふえておりますが、しかし、これではもちろん不足するとともに、最もこの法案の欠陥として指摘せにゃならぬ点は、非常に先進県として時代に即応するように熱心にやって参られた大阪、兵庫、あるいは岡山、広島、さらに北海道、こういう道府県において減員を来たすということは、私はこの法律案の一つの致命的な欠陥だと思う。それはあなたにすれば、現在、雇員とか、いろいろおられるからとかいうが、そういう方があって初めてその学校の教育が行なわれているわけですからね。先般、現状からダウンすることは絶対ない、保障するんだということを、第一回の質疑のときに大臣は私に言質を与えたわけです。当然のことだと思うんですね。私は、この欠陥はやっぱり第十一条の制定の仕方にあると思うんです。十一条、ここで生徒数が三百一人から千二百人と、かようにして、それから千二百人以上というような数字をとっておりますが、この数字のとり方が適当でないのと、さらに決定的な欠陥は、農業、水産に関する学科、工業に関する学科について算定の方法を補正しております。その補正にあたって、「当該学科の数に二を乗ずる。」とか、「二を乗じて得た数に一を加える。」とか、「当該学科」という数をとっていますが、ここにクラス数というものを、学級数というものを補正の際に加味していないという、こういう単純な計算方式に、助手を置かさなくちゃならぬというあなた方の意図にもかかわらず、機械的計算をした場合に、こういう不合理なことが出てくると思うんですね。だからこの点については、近く私は、大臣言明からいっても是正さるべきであり、特にこの助手等の増員については今後配慮しなけりゃならない。それが日本の科学技術の振興と産業教育の進展に欠くべからざる一つの大きな要素であるというように断言してはばからないんですが、大臣の所見並びに決意を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のとおりと私も理解します。努力をいたします。
○矢嶋三義君 内藤政府委員の答弁を求めます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、先ほど申しましたように、この法案には吏員相当職以上を対象にいたしておりますから、事務職員の場合におきましても、実習助手の場合におきましても、吏員相当以上の者がこの法案の対象でございますから、したがって、それ以下の者は別途に財政保障を考えていきたいと思います。
○矢嶋三義君 その別途に財政保障を考える。法で許さなければ、その方法は一つの便宜手段としてはあると思うんです。しかし人件費を学校費、特に物件費等によってまかなうというような形態というものは正常でないと思うんですね。正常な解決からいうならば、当然、算定方式を修正、手加減しなければならぬものだ、かように私は指摘いたしておきたい。 ちょうどあなたからお答えがありましたが、次の項の事務職員に入りますが、これについても同様です。公務員として任用されている方々に比べれば、この表に出ているように二千百四十三人ふえるんでしょう。現在の定数八千五十四人では高等学校の運営ができないというので、正式公務員以外に何人かの方々が働いて初めて学校が保たれているわけですね。したがって、この表では二千百四十三人ふえているというけれども、実際においては現在と変わらないような結果になると私は判断をしております。この表の中でごらんのとおり、大阪において十八名、岡山において二十七名、事務職員が減員になっている。この点もまたこの法案の一つの私は欠陥だと思うんですね。で、御承知のごとく、学校教育法の二十八条では、事務職員を置かなければならぬとなっているわけだね、「置かなければならない。但し、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」となっている。「特別の事情のあるときは、」となっている、こういうその条章を、十数年間もこれを活用といいますか、そういう法運用をして、いまだに小中学校に事務職員を置いていない学校がある。高等学校もそれに準じて、その分校、小さい学校等において特に事務職員が少ないということは、教師の負担を重くして、学校の教育効果の向上に支障を来たしていると思うんですね。大体、法の運用を誤っていると思うんです。事務職員四千や五千ふやすのに、今の日本の予算規模から一体幾らの予算が要りますか。この法の二十八条の趣旨からいくならば、当然、小中学校の各校にも事務職員を置かれていなければならない。小中学校の源泉徴収の場合、税金まで引いてくれるわけですからね。国税庁の出先機関のような仕事もするわけです。だから、当然各学校に置かなければならぬと思います。ところが特別の事情があるという活字を十何年間も使っているということは、これは私は行政府の法解釈と運用を誤って怠慢だと思うんです。これは教育効果を上げるという点において、非常に重要な日本の小中高等学校における一つのポイントです。今度の高等学校の事務職員の点について、よほど私は増員されるかと思って参考に資料を出していただいたところが、今指摘したとおりなんです。大臣に伺います。この二十八条の立法趣旨ですね、これを生かす、そして学校の教育効果の向上をはかるという立場から、先ほど言いましたように、源泉徴収までやっているわけですからね、そういう事務まで。小中学校には事務職員を必ず置く。どの学校でも一人は置く、高等学校の事務職員も、現在、地方財政法を改正しても、PTA等で若干置いておりますそういう方々をむろん公務員にするということは、地方財政法の改正の趣旨から当然であるとともに、私はあまり大きなことは言いませんが、もう一段の増員というものをはかられなければならない。そういう必要性があるということを私自信を持って発言し得ると思います。これについての大臣の所見を承るとともに、特に大阪、岡山等の減員を来たす、こういう府県について、本法案が首切り法案に絶対になってはならないと思う。これは最も危惧されているのですね。そういう点についての所見と、大臣の第一回の私の質問に対する答弁に対する裏づけとしての御確認を一つお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のように、学校教育法の定める原則の方向に一歩々々近づく努力をせねばならない立場にあると思います。特別の事情がある場合というのが、むしろ原則的に行なわれ来たっておる今日までの実情は、御指摘のとおり好ましいことではむろんございません。ただ、戦後のいろんな条件整備のために追われておったということをせめて申し上げるほかになかろうと思うのでございますが、まあ幸い、初めてこの通称定数法が法律として制定されますことを機会に、今後年々の努力によって原則どおりに行なわれるような努力をして参りたいと思います。
○矢嶋三義君 断片的になりますが、時間の関係がありますから次々に個別的に承って参ります。それは、先ほど教員数の算定方式を言ったわけですが、この点は内藤政府委員から御答弁いただきますが、この法案で生徒数の算定方式を一人から三百人まで、三百一人から七百五十人までとこういう段階に分けて、そしてある特定値をもって除して、そして数を出すようになっている。しかも、その場合、生徒総数というものを非常にウエートを置いて算定して、学級数というものを算定のファクターに入れていないところに、機械的に計算した場合にいろいろ問題が起こると思います。そして、この方式で言うならば七百から八百程度の規模の学校、これは比較的多いと思うのですが、そういう学校はやや不利なような数字が出てきているところに若干の欠陥がある。だから生徒数と学級数ですね、若干補正の措置を講じていますけれども、しかし、農、工、水産というようなところは一学級四十人編制ですね、それから普通科のほうは五十人編制ですよ。だから総数が同じでも学級数は変わるわけですね。それに対して若干の補正措置はしているけれども、その仕方が不十分だから、だからその結果として工業にも不満が出てくる、農業、水産学校にも不満が出てきて、この点が一つの私は問題点だと思うのですね。こういう点について局長はどういう見解を持っておられるか。私はまあ今後の問題として、この法案が百パーセント十分だとは思いませんけれども、しかし、普通科の高等学校、それから商業の専門教育を行なう学校に比べて、工業、農業に若干不利といいますか、過少な点があると思うのですね。それらが今後近い機会にさらに合理的な算定法に基づいての是正措置を研究する必要がある、かような私は見解を持っているものですが、政府委員はどういう見解を持っておられますか、お答えいただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 生徒数で算定する方式は現在世界の通則になっているわけでございます。で、義務教育諸学校のような場合には、学級というものは、これはどうしても見なければならない要素でございますが、高等学校の場合には、現在でも交付税の単位費用は生徒数一本でございます。生徒数というのは最も確実な数でございますが、学級数になりますと比較的それに主観的要素が入りますので、学級の増減が恣意的に行なわれていく傾向があるわけでございます。今日までのところ、乙号基準にいたしましても、甲号基準にいたしましても、学級じゃなくて、五十で割るとか、四十で割るとかいう方式をとって、それが基礎になっておりますが、これはあくまで、府県へ配当する場合には実際の学級数を明確に把握して、学級数に応じて適切な配分基準を立てるのが私は妥当だと思います。ただ、国の段階で交付税でどういうふうに保障するかといいますと、生徒数というのが唯一の基礎になるのではないかと、こういうように考えるのでございまして、この点は、従来は省令の場合にも五十で割るとか、四十で割るというような方式をとったのでございます。今回の場合に、農業、工業に御不満があるということはよく承知しておりますが、普通課程に比べまして農業、工業はできるだけ優遇したつもりでございまして、これで大体、農業、工業につきましては甲号基準にほぼ同じでございまして、現状から見ますと、工業が二五%のアップになっておりますし、農業は二八・五%ぐらいのアップになっている。普通課程はこれに比べて一〇%ぐらいでございまして、むしろ普通課程、商業からもやはり高いところからは御批判が出ております。ただ、農業、工業、水産につきましては生徒数が、生徒数だけでもいけませんので、実は同じ一学級であっても生徒数の多いところ、あるいは農業規模の大きいところには、政令でさらに補正を考えておりますので、できるだけ実情に即するような計画を立てていきたいと思いますし、各府県がソースを保障された暁におきましては、できるだけ学校の実態、今御指摘のとおり実際の学級数を把握して、その学級数に応じて配分計画を立てるのが至当でございますし、また、そういう指導をして参りたいと思っております。
○矢嶋三義君 大臣に御答弁願いますから、聞いておっていただきたいと思うのですが、私は今の内藤政府委員の所論には二つ大きな反論がある。一つには、生徒数によってやるのは各国大体慣例だ、わが国においても交付税の単位費用を生徒数でやっておる。この交付税の単位費用を生徒数に非常にウエートを置いて計算するところに、小規模学校の多い都道府県なんかは不利になってくるわけですね。若干補正してくれても。だから、学校規模というものは種々雑多なんですから、だから、生徒総数に非常にウエートを置く計算方式に依存し過ぎると問題があると思う。この点が反論の第一点。それから都道府県内という単位で計算してあるから、その都道府県内で学校単位で計算するだろう、これは当然です。私は法律を制定するならば、高等学校だったら学校単位で法律そのものを作るのが最も正常な形だと思います。しかし、あなたのところでは行政区域単位で都道府県でまず生徒数で出す、その都道府県ではですね。その都道府県では学校単位にする。これは当然そうなってきましょうが、だから都道府県でも分校等が多い県と、そうでないところが違います。だから、この算定方式というものが決して十全のものではないと思う。時間がないから申し上げませんが、たとえば、詳しいことを申し上げませんが、第九条で補正に当たって一・二五とか、一・〇七五という数字は使っておりますが、その根拠は大体わかりますけれども、この数字は絶対的なものでないと思います。だから、まあこの法律を通じて、やはり工業、農水産にはさらに若干の補正を考慮する必要があると、どうしても私は考えられてしようがありません。そこで、この項に対する結論的な質問ですが、第九条の第二表のところに、「政令で定める学科」と出ていますが、政令で委任されたものもあるわけですが、そういう政令の制定、その運用に当たって、この算定方式で欠陥のある面をカバーするだけの配慮を、具体的には工業とか、農水産方面で配慮してしかるべきだと思う。その点に対する大臣のお答えを承っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、基準でございますから、政府委員から申し上げたように、普遍的な基本的要素は生徒数であるということはほんとうじゃないかと思います。さりとて、今度は学校の規模等は御指摘のとおり都道府県おのおのまちまちであるというのが実情であろうと推察されます。その学校の規模の実情も無視できないことも御指摘のとおりでありまして、それは都道府県で実情に即して調整しなさいという考え方に立っておる。しからば、その調整能力は具体的にあるかないか、その限度いかんということが問題の点だと御指摘になっておるかと了解するわけですが、そういう具体的調整につきましては、何さま法律制定第一歩において十全の措置もいたしかねるのが実情であったろうかと思いますが、御指摘のことも念頭において今後に向かって改善して参りたい、検討さしていただきます。
○矢嶋三義君 一応その答弁を了として、時間が経過しますからもう数点伺います。 それではまず第一番に伺いたいのは、学校図書司の問題ですね。書司教諭は教諭の数に中に入るが、十分任命していないことは御承知のとおりであります。だから、先国会でも学校図書館の運営に携わっておる学校図書司の身分並びに給与の問題について本委員会で附帯決議等がなされたことも文部省としては御承知のとおりです。それで、この法案の中に高等学校に現在勤めております図書司の方々に何とも規定がないが、いかように考えるのかと伺ったところが、高等学校費で見られるということですが、どういうふうに見られるのですか、お答えいただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 本法律は先ほど申し上げましたように、法律案は吏員相当職以上を対象にしておりますので、司書の中で司書教諭に該当するものは当然司書教諭になるわけであります。また事務職員の吏員相当職の者は吏員相当職に格づけして事務職員として発令がされる。そうでないいわゆるPTAで負担したような方、あるいは雇用人に類する者は、これは高等学校費の中で物件費と並んである程度の人件費を見込まなければならないと思います。これはたくさん農場等にも農夫がおりますし、またそれ以外にもいろいろ吏員相当でない職員もおりますので、これは学校の種別によって非常に算定の仕方が困難でございますから、これは交付税の積算の場合にこういう経費を十分見込みたいし、また交付税の補正係数におきましてもこういうものを考慮して、一般の高等学校費の中でこれは考慮してみたい、こう考えております。
○矢嶋三義君 内藤局長の答弁は一応は了承しますけれどもね、オーソドックスの行き方ではないと思う。しかも、非常にそれは困難性を伴う問題だと思うのですね。 で、大臣に伺いますが、私が指摘するまでもなく、学校図書館法の第三条では、学校図書館は必置の義務になっておる。それから、第五条では、司書教諭を置かなくてはならぬと義務づけがされておるわけですね。ところが、教員の定数からいって司書教諭は任命されていない。しかし、実際は図書館は高等学校にどこでもあります。それでは、事務職員としてこれを消化するか。事務職員の数も足りないから、消化できない。それで結局、事務職員でもなければ教諭でもないほかの身分の人が、必置されなければならない学校図書館で実際その業務に携わっておる。そうして子供にサービスをしておるということです。したがって、そういう職員の身分化というものは一日も私は急がなければならないと思う。それから、その配置について法的根拠を与える措置がとらるべきだと私は思うのです。あまり目につかない一面でありますけれども、早急にその身分、配置の法的基礎を与えなければならない問題だと思うのですが、私は大臣の見解を承ります。政府委員の、交付税の補正等について物件費と並んでその点を確保しようということは、今の法の運用において一つの具体的便宜手段、技術的方途として考えられるけれども、それであってはならないと思う。この点についての大臣の御所見を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この話の筋はわかるような気がいたします。何さま、本来の教職員定数すらもが、成り行きにまかされたような状態で今日まで来ておりました。高等学校に対して、一応おもな職員につきましては立法措置がとられた段階にやっと到達したわけでございまして、一挙にここまで行き得なかったことは残念ですが、実情やむを得ない点を御了承いただきたいのであります。そのほかの事務職員等でお話しになったこととあわせまして、今後の検討に待たしていただきたいと思います。今といたしましては、学校毎に千差万別の状態でありますから、一括、包括してどうするということを、明確な結論まで到達し得ないままに、学校費の中で極力まかなう一括した措置以外にとり得なかったわけでございまして、今後の検討に待ちたいと思います。
○矢嶋三義君 一応大臣の答弁を了として、積極的に検討され、改善して大きく歩を進められるように、御要望を申し上げておきます。 次は、この法案の中で指摘さるべき欠陥の最たるものでありますが、それは本委員会に法律案要綱として皆様からこちらに提出されました十一項の、昭和三十八年四月一日から昭和四十四年三月三十一日までの暫定措置、生徒急増期間にすし詰めを許すということは、この法律案の最も遺憾な点だと私は思う。行政府として予算関係もあり、いろいろ苦慮された点はわかります。わかりますけれども、この附則の第五項、この運用をすれば、昭和三十八年、三十九年に高等学校に入った者は、もう一年から卒業するまでずっとすし詰めでいきます。だから、昭和三十八年あるい昭和三十九年に入学する特定の子供については、この法律案が無関係になってくる。いわゆる終戦後のはしりの人ですね、気の毒だと思う。そういう人々には、だからこの点何とか、その終戦処理の一環として、こういう昭和三十八年、三十九年に入学する子供は、高等学校に在学中ずっとすし詰めで勉強しなければならないのを解消したいと念じはしましたけれども、文部省のほうでついに解決することはできずにこういう法案として出ておりますけれども、この点、建物とも関係があると私は思うが、大臣も胸を痛められている点だろうと思う。これから来年度予算を編成するのですが、まず建物が必要でしょう。そうして子供を収容しなければならないわけですから、そうして教師ということになりましょうが、この来年度の予算編成も本格段階に入りますが、この終戦処理の一環としてきわめて積極的な姿で、この昭和三十八年、三十九年、このころに、この年次に高等学校に入学する子供に教室と教師を与える、こういうお気持で来年度の予算を組むとともに、この点よりよい法律を最大限運用されなければならないと、かように私は今かたく信じているところですが、大臣の御所見と、今後のあなたのとられるべき態度、行動についての決意を私は承っておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 生徒急増の問題は、毎度申し上げておりますように、これは、ことに高等学校については、都道府県が設置者だから、都道府県まかせで適当にやりなさいというべきではない。一種の終戦処理の問題が最後に高等学校の急増として現われてくるわけだから、国も都道府県と一緒になって、こういうめぐり合わせになった児童生徒に対し、あるいはその親たちに対して、誠意をもって努力を払うべきだという論理構成で今日まで参っております。その考え方で来年度の予算とも取っ組みたいと、むろん考えておるのであります。 ただ、この法律案の定数基準を定めるにあたりまして、施設設備の問題もむろんその主たる原因でございますが、今までの高等学校の生徒数に対しておそらく四割も五割も増加してくるという一時的な現象が現われるわけでございましょうが、その場合に、全部に対して少なくとも今までと同じような施設設備を提供するということは、望ましいことではありますけれども、国及び公共団体の財政面、さらにはそのピークが過ぎました後の生徒の急激な減少ということをあわせ考えました場合に、気持としては、急増期間中といえども平常の場合と同じくらいにはという、願いごととしてはそういう気持を持ち続けるにいたしましても、現実にはどうもそうにも参らない。それを約一割と押えて、気の毒だけれども、一割くらいのひずみはかんべんしてくれという気持を率直に表わしたつもりで御審議願っておるつもりでおります。これはどうでもいいということではなしに、今申し上げた両面のことを考え合わせて、やむを得ざることと御了承願いたい。国民におわびする気持と、私どもの担当しておる者どもの窮状をうったえて、それでもそれは一応の基準でございますから、あらゆる努力を払ってその一割が内輪にいきますような努力はむろんやらねばならぬと思いますけれども、一般的には一割の水準でかんべんして下さいというようなことをお願いしておるわけでございまして、そういう意味で一つ御了承いただきたいと思っておるわけでございます。
○矢嶋三義君 さらに伺いますが、この条章、項は、最低ここまでぜひやらなければならぬという線を引いたのであって、文部省としては、設置者の御都合がつき、また熱意があれば、さらによりよい方策をやってほしいということを期待しているものと、かように読むわけですが、大臣の御所見いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん、お話のような気持に立っております。
○矢嶋三義君 関連して再確認しておきたいと思いますが、このベビー・ブーム対策として高等学校の急増がはかられるわけですが、設置者は非常に財政的に苦慮しております。したがって、永久的とは言いませんが、この終戦処理の一環としての急増対策に対してのみは、高等学校の普通科を含め、増設に対してその施設の整備に国が補助の方途を開く点について、荒木文部大臣の時代に、あなたは政治的生命をかけても努力されるという見解を表明されて参っておるわけですが、いよいよ来年度予算の編成段階に入って参りますが、そのあなたのお考え、決意というものは、今日もなお変わることなく、今後も持続されるものであろう、かように私は拝察しているわけですが、念のために確認していただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今日も変わりありません。
○矢嶋三義君 もう二、三点ですが、次の質問は、第一回の委員会において、衆議院の修正案についての質疑のときにちょっと触れたわけですが、小中学校の場合に統廃合というものが非常に行なわれて、各地方でいろいろのトラブルを起こしておることは皆さんが十分御承知のとおりです。この法律案が成立した後に、これを運用していくにあたって、設置者を都道府県と限定しました。それから、生徒数においてもある規制を加える条章があります。この運用を誤ると、小中学校の場合に統合等で起こったトラブルが、高等学校の場合に起こるおそれがあるというように私は杞憂しておるわけですが、そういう点については、教育の機会均等という立場から、さらに高等学校教育の充実発展という立場からも、そうそう法解釈運用はなされないように、文部省で責任をもって行政指導されるものと、私はこの提案理由を拝読しておるわけですが、念のために大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話のとおり、この法案を出しました意味は、そもそも現在よりも教育効果を上げたいという考え方に立っておるのでありまして、この法律が出たことによってそれが低下することはむろん許さるべきではないし、したがって、そんなことは御懸念のようなことが起こらないように指導することも当然と心得ております。
○矢嶋三義君 次に、御要望によって出されました「高等学校生徒の急増見込みに関する資料」、これについて一点伺います。これは昭和三十四年から昭和四十五年に至る間の入学率の数字が出ていますが、この表を見ればおわかりのように、三十四年から三十六年まで上昇カーブを描いて、三十七年、三十八年と急激にダウンしています。そうして昭和四十二年ごろに六六%と、ようやく三十六年度の線へ復帰する形になっています。四十四年で七〇%となっておりますが、これも三十七年、三十八年、三十九年ごろに高等学校の入学試験を受けて入学する学齢児にとっては一生一度のことであり、非常に気の毒ですね。その原因は、六一%、六〇%、六一・五%と、昭和三十六年度に比して約六%もダウンした、こういう線であなた方が満足しておるところに欠陥があると思うんですね。四十四年に七〇%になっていますが、都道府県別に下に資料がでていますけれども、これを見ても明確なように、もう七〇%をこえておる都府県もあるわけです。四十四年に七〇%というこの目標数字は低きに失するのじゃないですか。そうして、この急増対策に伴っての学校の増設を一体どの程度文部大臣は今考えておられるのか、その数字。それとともに、私はこの方面の専門家から伺ったんですが、大体千二百校くらいの増設をしなければならない、そういう必要があるということを承ったんですが、大臣の認識を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的なことでございますから、政府委員からお答え申します。
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在の進学率、昭和三十四、五年のところをとったわけですが、それが三十五年で五九・九%、三十四年が五六・八%でございます。三十六年が六六・三%となりましたのは、中学校の卒業生が百四十万という最低の数字になっておりまして、三十八年は二百五十万に上るわけでございます。実は、三十六年は中学卒業者が一番低いので、むしろ相当生徒数をかり集めたという表現が適当ではなかろうかという気がいたしておるのでございます。そこで年々の数字を見ますと、三十六年度以外は、大体五九・九が一番高いのでございまして、それを基礎にして三十七年が六一、三十八年が六〇という数字をとったわけでございます。で、最終年度の四十五年に七二%という数字を見込みましたが、これは大体私どもはこれでいいんではなかろうか。 実は、現在の進学率を保証するという観点から、各府県別に資料をとりました。その数字を見ますと、全体で百二十万、三年間に収容しなければならぬという結論になったのですが、そのうち四十万は私立学校、残り八十万は公立で見る。八十万のうち新設が二十数万、三万か四万か出ております。既設の学校の拡充が約四十万程度でございます。残りの十八、九万のものがいわゆる一割のすし詰めに該当するわけでございまして、新設と拡充合わせて六十数万を公立で収容する計画でございます。で、これからの見込みでございますが、一応四十五年の長期展望をいたしておりますので、今後この事態にもちろん変更がありますれば、これはそのつど修正して参りたいということでございます。
○矢嶋三義君 時間がないから、聞いただけにしておきます。この資料でもう一点承っておきたい点は、都道府県別に進学率が出ていますが、宮崎県の三七・七%というのは最低で、他の都府県に比べて著しく落ちているわけですが、この三七・七%という宮崎県の進学率は間違いない数字なのかどうかということと、どういうところに原因があるのか、参考に承っておきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 宮崎の数字は間違いないものと考えております。お説のとおり、一番低いのでございます。で、その原因はどこにあるかと申しますと、やはり地方の財政の中で、財政が非常にアン・バランスでございますので、ある程度交付税で調整はいたしておりますけれども、不十分だということは否定できないのでございます。それから、一つは県民の進学に対する要望もあろうかと思うのです。全体の水準を上げるように、特に低いところには文部省も指導いたしまして、平均に持っていくように今後指導して参りたいと思います。この法案が通過いたしますれば、少なくとも人件費及び経常費の面においては確実に保証されますのであとは学校の新設に要する臨時費の関係でございますから、補助金なり起債なりして財政措置を講じまして、こういう低いところが高い進学率になりますように積極的に指導して参りたいと思います。
○矢嶋三義君 お約束でありますから、この一問で終わります。最後の質問ですが、ただいまの宮崎県の三七・七%、こういう数字はおそらく自治省大臣は知っておられると思いますが、所管文部大臣としては、自治省の大臣にも機会があるときにはこういう数字も話しして、その総合的な施策で、こういうひどいアンバラがなくなるように私は施政というのものはなさる、行政指導をなさるべきものだと思うのです。この点については大臣に御要望申し上げておきます。 最後の質問というのは、先般の委員会でもちょっと触れたのですが、この法案の中に私学関係のことが若干活字には出ておりますけれども、その私学関係の落ちているというところは、そういう方面の方の不満があるとともに、一つの欠陥であると思う。しかし、これは第一次の法律ですから、それはやむを得ないと思うのですけれども、文部大臣に承っておきたい点は、この私学との格差是正その他について考慮する用意が文部省にはあるということを答弁され、条章にうたわれておりますが、明年度の予算編成にあたって、具体的にこの法律制定後における公立の高等学校と私立高等学校との配置並びにその較差是正等をはかるために、国としてどういう基本的態度において助成措置をとっていかれようとするのか、この点を承って、お約束でありますから、私は質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一般的には、平常の場合でございますと、従来の考え方でそうたいした弊害もなかろうと思うのですけれども、ことに今の生徒急増の時期に際会しておりますことと、さらには技術革新に応ずる人材養成という角度から、私学の公共的な協力度合いは今までよりもっともっと多く国民全体の立場から期待せざるを得ないという事態に即しまして、それ相応の国としての私学に対する援助ないしは協力をして参りたいという考えで臨んでおるわけであります。
○岩間正男君 時間がないので、私は簡単に一点だけをお聞きしたいと思うのです。それは、今矢嶋委員が質問された一学級の定数の問題と関係するのですが、大体この法律によると、高校の普通学級は、これは五十人ということですね。これは小学校が現状では五十六人、中学校は五十四人ですか、これと比べてどうですか。大体これは非常に現状やむを得ない財政的な理由だということでやられたと思うけれども、理想的に考えたら、一体何人くらいが望ましいと考えておるか。これは文部省はそのような一つの案を持っておるだろうと思う。その点を大臣に伺いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答え申します。
○政府委員(内藤誉三郎君) まあいろいろ実情は違うと思いますけれども、現在の日本の国情から考えますと、小中高等学校四十人くらいが望ましいと考えております。
○岩間正男君 これは諸外国の例なんか調べましたか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 諸外国の例も調べまして、イギリスが大体四十名前後でございます。アメリカは三十名から三十五名程度。アメリカが一番よろしいのでございますが、しかし、この定数は、教員との比率を見ますと、二十一人か二人に一人ずつの割に平均はなっておりますので、この点から考えますと、二十一人と申しますると、イギリス、西ドイツのレベルに達しておりますので、教員定数から見ればそれほど支障はないと思います。
○岩間正男君 そういう弁解的な答弁は要りません。教員の数でなにするなんと言ったって、これは当然高校なんかはいろいろな専門の科目があるので、それだけの教員数を確保しなければならぬというので、当然専科の先生が要るわけでしょう。そういうところから見ると、二十何人なんて、それは弁解的な答弁になるので、それは要りません。わかっている。 これは、あなたは今イギリスとかアメリカをあげたのですがね。まあたとえばソビエトなんか調べましたか。そういう点、社会主義国のことをもう少し調べて下さい。もう四十人というような高等学校はないだろうと思う。私の言ったのは理想案なんですからね。これは四十人なんてできないので、私がこういうことをお聞きしているのは、実は一学級の生徒数の問題というのは教育の理想を決定する問題で、単に量の問題じゃない。これは文部大臣、しっかり聞いてほしいのです。終戦前のすし詰め学級というのは、われわれの見るところでは、やはり軍国主義の温床だった。ところが、これは依然として解消されていない。五十人のすし詰めでもって大量生産の教育をやった。だからこそ、あの大東亜戦争のときにやすやすとあの子供たちを招集することができたと私は考えている。もっと徹底的な教育で、そうしてほんとうに個性を尊重して、さらに自主的な子供の能力というものをほんとうに育てていくというような教育体制をとっていれば、私はもっと人権の尊重ということは、これはあり得たと思う。こういう点から言っておるのでございまして、したがって、この問題については、今度の法案でせっかく定数をきめるのに五十人、こういう格好になっておるのですが、この点は根本的な私はこの法律案の最大欠陥じゃないかと思うのです。 それと関連してお聞きしたいのですが、今のたとえば四十人という案を立てられる。これは私たちはもっと低くなくちゃならない。私は、正常で三十人という子供、これはいなかで六十人という子供を教えた経験者としても発言しているわけです。やはり具体的に民主的な教育を打ち立てるのには、もう三十人こえたら心理的にも不可能です。私は科学的調査の上でこれは言うことができる。そうすると、今の高校の四十人などということは、これは私は言えないと思うんですが、一応あなたたち四十人を立てられた。ところで、これを実現するために、私はここで問題にしたいのは、先ほど矢嶋君が問題にしましたあの点です。つまり、急増対策、この急増対策のとき、なぜ、かりに五十人なら五十人を貫かなかったか。これを貫くか貫かないかで、その後におけるあなたたちの立てている案に近づくことができるかできないかという、私ははっきりとこれは決意のほどがわかると思う。ところが、今の財政の問題で、五〇%、六〇%の増加があるんだ、したがって一方では校舎を建てるけれども、しかし一割程度はかんべんしてもらいたい。国民にさっき文部大臣あやまったわけだね。しかし、あやまられたって、これはしようがない。教育の施策が悪いんです。こういう点について、もっと私はこの機会にこそ努力すべきだ。そうしたら、はっきりその先の、これは四十五年ですか、四十五年度からそういう体制に近づく。あなたたちの発表した、四十五年から普通科は四十人ですか、それからほかの農、工、これは三十人という案を立てていられるんだが、それは数学的に明らかに実は今案がないんでしょう。これは案があれば、時間があれば見せてもらってなお検討したいんですが、これも先の宣伝にはなっているんじゃないかと考えるわけだが、少なくとも今の急増対策は、これははっきり、私は、やめる。そして少なくともこの法案で定めた原則だけは最小貫くという決意があるかないか。そのことによって、私は、はっきりとあなたたちのいわば望ましい体制に近づく努力があるかないか、熱意があるかないか、こういうことがはっきりすると思う。この点について、われわれは、特例と関連して非常に重大に思っておるんですが、この点どうなんです。先ほどのような答弁を繰り返されたんでは話にならないのでありますが、この点、聞きたいんです。文部大臣、どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一学級の数はなるべく少ないほどいいと思います。その目標を念頭に置きながら、当面急増に直面しておりますことに対して、不満足ながらやることで精一ぱいであります。軍国主義の云々ということでイデオロギッシュにいろいろ申されますけれども、われわれはそんなことは念頭にございません。現状に即し、実行のできることを誠実にやりたい。そういう意味では国民一般は御理解下さるものと信じております。
○岩間正男君 これは再論を重ねても仕方がない問題かもしれませんけれども、結局財源の問題なんでしょう。財源がないというのは、私はよくしばしば今まで伺ってきたんだけれども、財源は決意の中にあるんですよ、これは。だから、そういう点であなたも努力されているかもしれませんけれども、これは財源がないなどということは言わせませんよ。だから、そういう点で私は決意が足りないんだと、こう思うんだ。 で、国民は納得するというのはどういう根拠ですか。納得しませんよ、こういうことでは。実際はまだ、教育のそういう実態までなかなか理解が浸透しない。そういう人は一応ごまかされてしまうかもしらぬけれども、とにかく今日では教育の質、したがって、すし詰め学級に対する全国民の反対運動が起こっているんですけれども、どうしてもこの問題を努力するかどうか、文部大臣の決意というやつが問題になっているわけです。しかし、今のような言い方でやっていけば、やむを得ないという格好で、今のこの特例が生まれる。この法案の中にまるで盲腸みたいに残っていくということは、私は絶対に了承することができないんです。もう一度だけ決意をお聞きして、それでどういう答弁だか、その答弁の結果で……。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 理想状態に向かって邁進したい決意は、岩間さんに劣らぬぐらいの気持は持っております。ただ、残念ながら、岩間さんと違うのは、足を地につけていきたい、それだけが違うのでございます。財源の問題ももちろんございます。しかしまた、納税者の側に立って国費を使うことも、大蔵大臣の専売ではないと思います。がまんのできるであろうという線で財源を活用し、しかも一方において教員組織を整備することも、現実問題としてなかなか容易ではございません。すでに御審議願いました臨時教員養成までも次善の策としてやらなければならないという現状でございますから、そういう実際問題に即して考えます場合に、総合判断の結論として御審議願っている線くらいでがまんせざるを得ないという実情を申し上げているわけであります。そのことは国民一般は、共産党以外の方は御理解いただけると思います。
○岩間正男君 まああなたの答弁の中で、いつでも共産党云々という答弁がある。それはあまり非常識きわまるから、やめておきなさい。 それから、足が地につく云々ということがあったけれども、これは私も予算委員を七年もやっていますよ。財源がない。財源がないではなくて、あなたの努力がそういうものに根本的なところに向けられていないことを知っている。そうでしょう。だから、そこにあるのです、問題は。あなたこそ地についていないのです。そうして金のかかるほうは本気になってもっと努力なさい。それをやればいい、文部大臣は。それなのに、とんでもないよけいなイデオロギーの問題ばかりやっているのじゃないか。そうだろう。そういうことやっているのはあなたじゃないか。地につかないのはあなたじゃないか。具体的に、財政の中で、昨年の自然増だけでもどれだけあるのか。今年の自然増はどれだけあるのか。そういう問題に対して、ほんとうにこれは民族の将来を考えて、子供の将来を考えて、そうして平和教育をはっきり打ち立てるという信念があったら、今のような答弁はできないはずです。ところが、あなたの努力しているのは、きめられたワクで、そうしていわばほんとうに余った残飯からものを取ってくるような形で教育予算をやっている。話にならない。しかし、まあそういうこと議論しても、そういうことは質問時間はないから、これでやめます。
○委員長(平林剛君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。——他に御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「御異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって質疑は終局致しました。 それでは、これより本案について討論に入ります。ご意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。
○豊瀬禎一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案に対し反対をいたし、さらに修正案を提示いたしたいと思います。 先ほど大臣は、私は地に足がついていると言われましたけれども、大臣の足は地について、だんだんと下にめり込んでいって、大地に足をついて伸びようとする施策が足らないということを、まず私は指摘いたしたいと思うのであります。大臣がおっしゃたように、本案の通過をこいねがう声は非常に多いということも、私は現実の姿としてよく承知いたしております。それはしかし、これが理想案として正しいという教育設計から来るものではなく、現実の苦境から少しでも上に上がりたいという悲願であるという点に対する大臣の認識の不足と、文部省の施策の不足が、本案の中に露呈していると私は指摘して差しつかえないと思います。本案の質問に入ります際に、私は、文部省が完全なる中等教育とはいかなるものかということの策定が不十分である。したがって、完全なる中等教育をいかようにして完成させるかという基本政策を持たないことから来るところの本案の不備について指摘をいたしておきましたが、ただいまも申し上げましたように、あらゆる個所に現状を打開しようとする消極的な善意は発見され、ベターの案としては私は完全に否定さることのできない点を持っておることは認めますけれども、新たに法律案として高校の適正配置及び教職員定数の基準を設定しようとする文部省のかまえに対しましては、かなり私は欠陥を持っておると思います。第三十七国会で、私どもは本委員会におきまして政府提出に基づくところの公立の中学校の校舎の新築等に要する経費についての国の負担に関する臨時措置法案を審議いたし、これを可決決定するにあたり、私は本案に対する附帯決議を提出いたしまして本委員会の全会一致を得たわけですが、その附帯決議は、「中学校の生徒急増に引き続き、近い将来、高等学校の生徒急増も必至である。 政府は、この事態に処して、高等学校の施設・設備の拡充整備、教職員の増員確保等について、すみやかに適切な措置を講ずべきである。」との決議をいたしております。私はこの委員会決議に対し、本案はきわめて不誠実であることを指摘せざるを得ません。 第二は、本委員会においてもたびたび学力テストの問題等とからみながら指摘されたことは、中学校の予備校化の問題であり、高校全員入学の生徒父兄の悲願がほど遠いという問題であります。しかも本案は、これら予備校化を醸成しておる根本の原因あるいは全員入学の期待に対してはあまりに遠いだけでなくして、しかも現実かくあるがゆえという理由をもってさらに一割のすし詰めを法律によって認めようといたしております。このことは私どもの第一に指摘しました委員会決議の趣旨と全く相反するものであり、第一に申し上げました中等教育の完成という角度からも、あるいは全員入学の希望、中学校の予備校化を防ぐためにもきわめて縁遠い案と指摘せざるを得ません。 第三に指摘したいのは、本案はいろいろの苦心の跡、努力の跡が見られ、この点に対しましては一応の敬意を表しますが、特に養護教諭あるいは実習助手、事務職員等、現場の中においてある意味では普通科の教育職員よりも恵まれずして労苦をしておる人々に対する配慮が極めて薄いということであります。さらに農業、工業、水産業等のいわゆる専門職にあるところの教職員の充実も、実業教育あるいは産業教育の振興という旗じるしが掲げられておりながら、このことにも前進した案を示していないことを指摘いたしたいのであります。 以上をもって本案に対する反対意見とし、続いて修正案に対する要点の説明をいたしたいと思います。 まず、公立高等学校の設置についてでありますが、原案によりますと、都道府県が設置するものと規定し、市町村については、政令で定める基準に該当するものに限られるようになっておりますが、教育の機会均等の原則から申しましても、設置能力のある市町村においては自由に設置できる現在の状態が望ましいと考えられますので、これを現行のままとし、第三条を削除いたしました。したがって、第二章全体が削除されることとなり、また、第一条中の「学校の設置」及び法律の題名中の「設置」の字句も不要となりますから、それぞれ削除いたしました。 第二は、公立高等学校の学校規模を法律で定めることをやめたことであります。政府提出の原案によりますと、公立の高等学校における学校規模は、その生徒の収容定数が本校三百人、分校百人を下らないものと規定してありますが、このことは、現に存する小規模学校の統廃合の線に直結するおそれがあり、やがては青少年の進学意欲を減退せしめて、教育の機会均等の精神に反するものであると思量いたされます。衆議院より送付されました送付案によりますと、この生徒の収容定員については修正を加え、本校にあっては三百人、分校にあっては政令で定める数を下らないものと規定いたしておりますけれども、なおかつ、ただいま私が申し述べた不安と欠陥を払拭することはできないものと思われますがゆえに、第五条の規定を全面的に削除いたしました。 このことと関連いたしまして、教諭等の数をすべての課程について八人を最低数と定めましたことが第三点であります。 第四は、養護教諭、実習助手及び事務職員の数についての算定方法を改めたことでございます。原案によりますれば、これらの教職員の数は、現行の高等学校設置基準の乙号基準を下回り、現状よりも減少する結果を生ずることが予想されるのであります。それゆえに、これらの教職員について、その算定方法をそれぞれ次のように改めました。 養護教諭等の数は、各全日制課程または定時制課程に一人とし、生徒数が千二百人をこえるときは二人とすることに改めました。 実習助手の数のうち、原案第十一条の一号の数は、各全日制課程または定時制課程に二人とし、生徒数が百五十人をこえるときは、そのこえる生徒数百五十人までごとに一人を加える数とするように改めました。 事務職員の数については、各全日制課程または定時制課程に二人とし、生徒数が百五十人をこえるときは、そのこえる生徒数三百人までごとに一人を加えた数とすることに定め、なお、農業、水産または工業に関する学科を置く各全日制課程または定時制課程と通信制課程を置く学校については、それぞれ補正増員を行うように措置し、これらにより算定した数の合計数とすることにいたしました。 第五は、附則第四項の、実習助手の数についての特例規定について、法案の第十一条第一号についての修正規定に合致させるように字句を改めるとともに、その猶予期間を短縮して昭和三十九年三月三十一日までと改めたこととであります。 第六は、附則第五項から第七項までを、すべて削除したことであります。これらの規定は、昭和三十八年四月一日から四十四年三月三十一日までの間、すなわち、高等学校生徒数の急増期間においては、学級編成を、一学級当たりの収容生徒数を一割だけ増加できること、約一割までの生徒数については、教職員定数を増加させることなく、生徒を収容することができること等の経過措置でありますが、これらの規定によれば、相当長期にわたっての高等学校におけるすし詰め授業を余儀なくし、教師の教育活動の過重をしいる結果、著しく教育効果を減殺するに至るであろうことがきわめて明白に予見できると断定せざるを得ません。このような理由により、これらの規定を全部削除することといたしました。 以上が修正の主要点でありますが、なおこのほかに、各章の移動を整理するために若干の機械的修正をいたしてあります。 この法案第一条の目的にもうたわれてありますとおり、高等学校の教育水準の維持向上に資するためには、このような修正を行いますことにより、初めて真に教育効果の高揚が期待できるものと確信いたします。 何とぞ各党各派の御賛同をいただきますようお願いいたします。
○野本品吉君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま提案されました公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案の修正案に反対し、原案に賛成するものであります。すなわち、修正案の趣旨は、意見として尊重すべきものと考えられるのでありますが、現段階においてこれを実施することになりますというと、国及び地方財政に重大な影響を及ぼすことが予想されるなど、なお今後検討を要する点がありますので、遺憾ながらにわかに賛意を表することができないのであります。これに対して、原案は高等学校教育の水準の維持向上をはかるために必要な教職員数を確保し、あわせて急増期間中の教職員の確保についても、その不安を解消する措置を講じようとするものでありまして、高等学校教育の充実向上に大きく前進の歩を進めるものとして、今日の段階におきましては最も適切な措置であることは、本法案の成立促進につきまして関係各方面から強い要請が寄せられておる事実に徴しましても明らかであります。 以上の点から、私は修正案に反対し、原案に賛成の意を重ねて表明いたしまして討論を終わりたいと思います。 なお、原案に対し、次のような附帯決議を付することといたしたいと思います。以下附帯決議の案文を朗読いたします。 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案に対する附帯決議(案) 一、本法の施行にあたっては、各学校の課程別職種別の現在の教職員数を確保し、絶対に現状を下回らないように措置すること。 一、高等学校職員の現状が準義務制的性格を高めていることと、教育の機会均等の原則とにかんがみまして、本法の施行により、現存の定時制分校の統廃合等を促すことのないように留意するとともに、市町村が高等学校を新設することについての制限は実情に即して措置すること。 一、養護教諭、養護助教諭、実習助手及び事務職員の数は現在過少につき、将来さらに増員充実の措置を講ずること。 一、高等学校生徒の急増期間における施設設備の整備は、終戦処理施策の一環として早急に抜本的施策を樹立し、その充実をはかり、すし詰め教育を極力避けること。 一、教育効果を高めるため、将来高等学校設置基準甲号を指向して努力し、特に農業・工業・水産等の専門課程の教職員の充実をはかること。 一、私立学校の適正配置に留意するとともに、国の助成を強化して教職員の充実をはかり、格差是正に努力すること。 以上の附帯決議をもあわせまして委員各位の賛同あらんことをお願い申し上げます。
○岩間正男君 私は日本共産党を代表してただいまの法案に反対をするものです。原案、修正案ともに反対です。 第一の原案に対する反対の理由は、先ほどの質問でも明らかにしたのでありますが、一学級の生徒数が過大に失する、これは日本の終戦後の教育の改革の精神に沿わない。何といっても量が質を決定する、そういう点で私は基本的にこの問題を解決することは、わが国の教育改革の根本課題だと考えておるものです。そのような点からしまして、先ほどの質問で尽くしましたのでここではその点を省きますけれども、その点が第一の問題です。 第二の問題は、教員定数の算定の仕方でありますが、これは先ほども矢嶋委員が指摘されたように、第一に生徒数の増加に伴って教員数の増加が正比例していない。つまり生徒数が多くなるに従って教師の数が相対的に少なくなっている。この一体根拠というものが明確でない。第二には、定時制の場合の、これは生徒の数でありますが、これは普通高校の場合と比べてここに格差があります。したがって、教員算定をこうのようなことを基礎にしてなされているのだが、この区別は一体どこから来ているか。こういう問題についても、現在の教育行政のあり方がここにその姿を見せているように考えられます。 第三の問題は、これはすでに先ほど指摘された問題ですが、養護教諭、実習助手、事務職員の算定基準に科学的な根拠がない、これは全く目の子算のようなやり方で、当面を糊塗するような形でこれらが設けられております。何人以内に一人という明確な線を私は確保しなければ、真にこのような養護教諭、実習助手、事務職員を置く根拠というものは明らかでないと思うのであります。 以上をもちまして原案に反対するものでありますが、社会党案はその中で、養護教諭、実習助手、事務職員、こういうものについての算定の上におきましていろいろな改善を加えております。さらに第二に、急増特例を全面的に削除する等、このような点での改善の点は認められるのでありますが、現状に即するとはいいながら、一学級の基本すら変えていない、五十人にしておる、この点は、やはり日本の根本的な教育体制の問題と考えて私どもは残念ながら、この点で社会党案に賛成することはできないのであります。したがいまして、原案並びに修正案に反対して私の討論を終わります。
○委員長(平林剛君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって討論は終局いたしました。 これより公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案について採決に入ります。 まず、お手元に配布してある豊瀬禎一君提出の修正案を問題に供します。 豊瀬君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 少数でございます。よって、豊瀬君提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました野本品吉君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 全会一致と認めます。よって、野本君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
○豊瀬禎一君 ただいまの附帯決議につきましては、全面的に賛意を表したものでありますが、なお、盲学校、聾学校及び養護学校の高等部、これは専攻科を含みますが、学級編成、教職員の定足数等についても明らかに本案にありませんけれども、基準が設定されることを強く附帯決議とともに希望しておきたいと思います。この点に関しましても当局の御所見を承っておきたい。
○委員長(平林剛君) 本決議に対する政府側の所見を聴取いたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま全会一致をもって議決されました附帯決議に対しましては、政府といたしましても、その趣旨にのっとりまして努力をいたす所存であります。 なお、豊瀬委員からの御要望も十分考慮いたしたいと思います。
○委員長(平林剛君) なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長にご一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 ──────────
○委員長(平林剛君) 次に、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑のおありの方は御発言を願います。
○矢嶋三義君 二点ほど伺います。「高等学校通信教育の学校数および生徒数」という資料をいただきましたね。この資料を三十六年五月一日現在でいただいておりますが、この学校数というのは独立学校数ですか、伺っておきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 課程数であります。独立のみならず併設を含んでおります。
○矢嶋三義君 この法案の審議に入るときに、全日制課程と定時制課程に並べて、通信制の課程が独立し、さらにこの通信制の課程のみを置く高等学校を設けるということは、この法律案の幾つかいい点の中の一つだと、もちろん悪い点もありますがね、それを指摘し、独立の通信制の高等学校は幾つあり、今後どの程度設けられる見通しかということを資料として要求したわけです。この資料、ちょっと違っておりますが、その点お答えいただくとともに、あわせて、この資料から出ておりますように、都道府県で通信教育の現状、非常にアンバランスがある。これは設置者の熱意のいかんによっては差がついてくると思うのですが、この法の改正の趣旨からいって、文部省においては、通信教育の拡充発展、それから都道府県に対しても、財政措置等も含めてこの充実が行なわれるように、適正にして強力なる助言指導がなされるべきだと思いますが、その点について、資料については内藤政府委員、後者の質問に対する所見と決意については荒木文部大臣からお答えいただいて、質問を終らせていただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) まだ法案が通っておりませんから、通信生のみを置く学校は現在認めておりませんので、一校もございませんが、この法案が通過いたしますれば、相当数の学校が、通信制の独立校ができるものと期待しております。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 通信制の高等学校の充実は、まさしく働きながら学ぶ人のための施設として特に力こぶを入れなければならぬと理解いたします。そういう意味で、御指摘のとおり、各設置者に対しましても積極的に慫慂して参りたいと思っております。
○委員長(平林剛君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。──他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認めます。よって質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。ご意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○豊瀬禎一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案に反対をいたします。 この法案の意図するところの、勤労青少年に対して、企業内における訓練を認定していくという基本精神については敬意を示するものであります。私どもが、この法案の意図に対して賛意を表しながら、なおあえて反対する理由の一つは、第一は、現状の日本の企業の実態と、学校教育の制度の中においては、学校制度の長所が助長されるよりも、むしろその制度が破壊されていく危険性を持っておることを指摘いたしたいのであります。本案の審議にあたりましても、あらゆる角度から論及され、また、諸外国の実態等もいろいろ究明されましたが、私どもとしては、企業の担当者が勤労青少年に対して有給休暇を与えながら、完全に定時制その他の学校教育の中に従業員を投入することによってその資質を高め、結果の果実としてその利益を得ていく、この傾向をたどることが最も望ましいと考えるのであります。この方式に全く相反するものではありませんけれども、それを到達しようとする意欲に乏しいということを私どもは痛切に感じ取り、第一に反対いたしたいと思うのであります。 第二に指摘したいのは、これも本案審議の過程にたびたび同僚職員から指摘いたしましたように、現行学校教育諸法規の中において、教育職員は必然的に権限と義務を負わされております。しかるに、企業内における履修の単位を、いわゆる学校教育制度の外における単位を認定しなければならないという義務を、この法律のみをもって負わせていくことは、現行の教育職員特例法やその他のいわゆる教育職員の本来の権利義務関係から、別個の法律を改めて教育職員に対する義務を課せる必要があると思うのであります。本法律案は、その点において不備を持っておると思うのであります。しかしながら、なお、この法案につきましては、とるべきものを持っておりますので、十分、文部省あるいは与党各位におかれましても、私どもが指摘する根本的な矛盾点を解決した後において、あらためて本法律案を提出していただきたいことを強く要望いたしまして、反対意見といたします。
○阿部清美君 私は、このたび政府から提案された学校教育法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党を代表して賛成の意を表します。 その理由を三つの点からら申し述べてみたいと思います。まず第一に、高等学校の通信制の課程の将来の発展を期して、独立校の設置、広域通信制の課程の設置等を認めることができるように整備したことであります。このことは、勤労青少年教育の振興に寄与し、時代の進運に即応するものとして、きわめて適切な措置と思うものであります。 第二には、高等学校の定時制の課程及び通信制の課程と技能教育施設との連携をはかったことについてであります。この措置は、本委員会において審議の焦点となったものでありますが、この措置は生徒の学習の二重負担を軽減し、効率的な教育を施すことが趣旨であると考えられます。このことは、成長盛りの勤労青年の心身の健全な発達に寄与するばかりでなく、学校と産業界の相互連携を密接にし、技能教育の能率を高め、ひいてはわが国の科学技術教育、産業の振興に寄与するところが大なるものがあると信じます。そのような意味から時宜に適するものと考える次第であります。しかしながら、これが適切な運営については、本委員会において十分審議をいたしました点に留意して、いやしくも学校の自主性が阻害されないように、政令、文部省令において明確にしておく必要があると存じます。特に当局に要望しておきます。 第三は、特殊教育に関する規定の整備についてでありますが、いずれも時宜に適し、特殊教育の振興に寄与するものと考えられます。 以上、主として三つの理由から、本法案は勤労青年教育及び特殊教育の改善向上に有効な役割を果たすことなど、時宜に適する措置と考え、本法案の成立に賛意を表するものであります。
○委員長(平林剛君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。学校教育法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 多数であります。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則による諸般の手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(平林剛君) 次に、学校給食従事職員の身分保障に関する請願外七十四件の請願を便宜一括して議題といたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記を起こして。 それでは、ただいま御審査の結果、採択することになりました請願確認のため、専門員より報告させます。
○専門員(工楽英司君) 一九号、二〇号、二一号、二二号、一六〇号、三四一号、四四六号、四六〇号、四六一号、六二五号、九三三号、九八二号、九八三号、九八四号、一〇〇八号、四六五号、四八一号、六〇八号、二九八号、三八九号、四四五号、九四七号、一八号、五四九号、七五五号、九八五号、七六四号、八九三号、一〇二二号、三六号、三六五号、四五一号、四九六号、五五七号、五五八号、五五九号、六〇七号、六一七号、六二四号、六三二号、六六一号、六八三号、七一三号、七一四号、七一五号、七一六号、七五九号、七九〇号、九四八号、九四九号、九五〇号、九五一号、九五二号、九五三号、九五四号、三一三号、四八二号、六九四号、六九五号、六九六号、八六五号、以上でございます。
○委員長(平林剛君) ただいま専門員より報告のありましたとおり、以上六十一件の請願は、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 なお、自後の手続はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 それではこれにて散会いたします。 午後四時十七分散会 ————・————