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39回国会参議院1961/10/30

農林水産委員会 第13号

発言数
155
登壇者
10
会派数
4
開催日
1961/10/30

会議録

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  本日、鍋鶴直紹君が辞任、秋山俊一郎君が選任されました。    ——————————

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 中央卸売市場法の一部を改正する法律案(閣法第二三号)(衆議院送付)を議題といたします。  本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この法律案を作る過程で、農林省から出ております、生鮮食料品の調査会ですか、これに出された資料等を見ますと、昨日の参考人である川野さんが言われるとおり、大体通則的には出されたことは間違っておるとは思いません。大体、この市場法を改正しなけりゃならないという機運の出て参りましたのは、多分もうやめられた渡部次官のころに起きましたいわゆる丸東事件というものが中心になって、いろいろそれを中心にして市場内の諸他の現在の運用というものを見ますと、どうしても完全でないんだ、いろいろそういう点については十分調査をして、そしてそれを直していこうじゃないかということが私は主点だったと思うんです。したがいまして、参議院の数回にわたる附帯決議等にもその動きが明記してあったと思うわけです。こういった動きが明記してある。衆議院におきましては、本年の六月六日に、「政府は、中央卸売市場の卸売業者が兼業を営む場合においても、そのことにより、公共的性格の強い本来の業務の適正かつ健全な運営が」、こういうふうに、市場本来のものをさしますと同時に、現在行なわれておる業務体系、それに相当重点を置いて附帯決議がなされている。出ておりまする資料というものはそういうものでなく、大体において通則的な資料というものは出されている。どういうふうにこれから市場を持っていこうというような点に重点を置かれている。そういうふうに言われておる反面、あなた方の見解としては、この調査会におきまするところの、結論的に見れば、利害関係の代表者だけが非常に多かったために答申がまずいんだと、こういう結論を出しておるわけです。中央市場の組織を手直しするくらいで他に直すことがないのだ。兼業問題とか、業務停止問題とか、手数料とか、そういうような具体的の問題に対してはまあ手はつけられない、こういうことなんですね。そうしてまあこの市場法ができた。これは全くまずい私はでき方だと思う。そういう点に対して、どう局長お考えになっておりますか。私はね、市場法というものは考えてみれば、たいした問題はないようでありますが、少なくとも九千万国民の胃のふを扱っているんだ、最近は。非常に関係するものは、生産者、消費者を通じて非常な重い関係を持っている。たまたま株が少し上がったの下がったのといえば、もう総理大臣を引き出して質問がどんどん行なわれている。九千万国民の胃のふの問題があやふやであってはならないと私は思う。しかもこの法律ができましたのは、大正十二年できたということは御承知のとおりであります。非常に業務合併のために無理な不健全な理想的でない実情のもとに残されておったと思う。いわゆる腐敗事件を起こしたり、いろいろな事件起こしてようやくまとまったのです。だから、そこには幾多のまだ無理が残っている。当時もうすでに無理が残っておったと思う。それがその後経済の変革、消費の変革、時代とともに生産や消費の体系も、場合によりましては根本的に変わっているものができてきた。それが、十二年以来の市場法をもってこれを律せられることは、これは非常に無理があると思うんです。それがただわずかに、これからまあ三十万以上の都市に整備した市場を作るとかなんとかいうことで、事が済む問題じゃないと思うんです。こういう点に対して、当局では局長並びに課長もだいぶ一生懸命のようですから、課長も言うことがあったら大いに意見を吐いてもらいたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘のとおり今回の中央卸売市場法の改正問題の発端は、数年前の丸東事件に発端を起こしまして、現状のままでそのままほうっておくということはこれは非常に困るのじゃないかということで、本院におきましてもそういう御決議がございまして、その結果、調査会法というものが生まれまして、その調査会で根本的に検討しようではないか、こういうことになりましたのは御承知のとおりでございます。その際、先ほどもお話ございましたように、調査会を作って、一昨年、一年間検討いたしたわけでございまして、しかし実際問題といたしまして、四十人からの利害関係者の委員が集まりまして、ほんとうにそれじゃ根本問題をどこまで検討できたかということを考えますと、率直に申し上げまして、これはなかなか十分に理想的な結論が出ているというような姿にはなっていない面もあるかと思います。しかし、いろいろ一年間にわたりまして検討いたしました結果が、調査会の答申として生まれて参りましたのでございまして、その点におきましてはそれは理想的なものじゃないかもしれませんけれども、現状に即しましてといいまするか、御承知のように生鮮食料品でございまして、毎日毎日の国民の生活の必需品でもございまするので、そういうふうなものでございまするから、現状を一応中心にいたしまして、これをとにかく生鮮食料品の取引の場といたしましてりっぱなものに仕上げて参ろうという熱意だけはそれは全部持って、そして審議をいたしましたわけでございます。その結果、調査会の答申がありましたので、農林省におきましてもその調査会の答申を基礎にいたしまして、いろいろ法律改正をしなければならぬ問題は法律改正をし、あるいはその調査会の答申のうちで行政指導としてあるいは行政方針としてやっていけますものは行政指導として法律はやっていくというようなことでいろいろ検討いたしました結果、中央市場法の改正としては今回の程度の改正で、法律的にもやむを得ないじゃないかというようなことで踏み切りましたわけでございます。仰せのとおり、この中央市場法は大正十二年の法律でございまして、非常に古い法律でございます。法律の条文もかたかなで書いてあるというような法律でございまするから、それではほんとうにこれを抜本改正といいますか、全部やめまして、新しく中央卸売市場法というものを、新しい法律を作ったらどうか、こういう御意見も十分いろいろございまして、そういう点につきましても十分に検討をいたしましたが、この法律の中にも、それぞれ体系といたしましては、古い法律でございまするけれども、相当整っておるのでありまして、この点について調査会の答申の一番要点の数点をとにかく織り込むということができれば、それで全面改正をしなくてもとにかく一部改正でもやっていけるのじゃないか、こういうようなことで法制局等でも十分その問題は審議をいたしましたわけでございまするが、そこで、それじゃ調査会の答申の内容の重要な事項はこの法律の一部改正で織り込めるかどうかという問題を、これを中心にしていろいろ検討いたしました結果、この提案いたしておりまするような法律案で調査会の答申の重要な事項は織り込めるのじゃないか、こういうことで、こういうような姿に落ちつきましたわけであります。もちろんそれですから、今の中央卸売市場の一部改正法律案を提案いたしておりまするものが、これが非常に理想的なものだというふうな考え方をいたしておりませんけれども、とにかくこういう性格の市場でございまするから、とにかく一歩でも二歩でも改善するという方向に向かって、あとで足りないところはいろいろ行政指導もございましょうし、それから情勢に応じまして今後またひとつ検討するものは検討する、こういうようなことで進まざるを得ないのではないかというふうな考え方でございまして、何とぞひとつ御理解を願いたいと思う次第であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 まあ、あなたの言われるようなふうに話して参りますれば、これは何でもない話で、何でもない話ですけれども、実際はそのとおりにいかないのだ。いかないでいろいろな障害が出てくる。それで私はまず河野さんに、あなたがこの調査会をするときにどういう資料でどうしてやられたかといろいろ問い詰めてみると、護の資料のほうの関係は部門的に分かれておるから私は知りませんと、こう言われている。そういう中で調査せられたこの法律をすぐ持ってきて、これでいいかと言ったら、なかなかいいと言うわけにはいかない。だから、私どもは何も意地張るわけではありませんが、そういう事情のもとに答申も行なわれ、そしてこの法律というものが一応組まれたのでありますから、それに対してやはり決定的なひとつまあ何といいますか、究明なんという言葉はおかしいのですけれども、意見をお伺いしたり自分の意見を申してみたりしていきたいと思うのです。だから、局長が考えておるように、これを半日や一日で上げようなんといってもとても私は上げ切れないと思う。幾多の事例が存在しておるので声。その存在しているものをほとんど無視してこういう法律を作っておられるのだから、これは技術的になかなか根本的に改正するということは無理でありましょうけれども、それはようわかっております。わかっておりますが、しかしそれでは済まないと思う。こういうふうに考えますが、局長どう考えておられるか。そう簡単にこれは片づけていいのか悪いのか、わしらはとても片づかぬと思う。日限もないことでございますから、片づかないとすれば、何か取り扱い方を別に考えていただきたい、こういう考え方を持っておるのです。これは非常に親切な考え方なんです。これにひっかかっておりましたら、会期を幾らも残さないのに、それこそほかの法案はほとんどこれがためにまるつぶれになる、こういうような危険も考えられますし、そういう点に関してどういうふうに考えておられるか。われわれはどうしてもやらなければならぬと思う、こんなことでは、いろいろ弊害のある現実の取引というものがあるのですから。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、この法案の改正だけでは現実の問題としてはいろいろ問題がございまして、この法律を改正したからといって必ずしも現実の問題が即座に片づくというふうには考えられないと思います。たとえば手数料の問題にいたしましても、あるいはいろいろ兼業の問題にいたしましても現実には非常にむずかしい問題がございます。しかし、衆議院の審議の段階におきましてもそういうような問題も十分論議をいたされましたけれども、結局法律の問題といたしましては、とにかくこの改正案がそういうふうな問題につきましてもいろいろ方向といたしましては一つの方向を示しておる。それからそれを基礎にいたしまして、もとにいたしまして、農林省がほんとうにやる気になって指導を厳重にやっていけば、どちらかといいますれば行政指導の問題が非常に多いと思うのです。だから、そういう面を、十分法律とそれから中央市場の公共的な性格というものを十分頭に置いて農林省がほんとに行政指導をやっていく、こういうことでいけば、それは逐次現在のその問題は片づいてくるという方向に向かうんじゃないか。ですから、そういうような意味で農林省は本気になってとにかく取り組んでほしいと、こういう御要望が非常に強いのでございまして、私どもはその覚悟でこの法律を審議をし、上げていただきます以上は、ほんとに真剣にこの問題を、現実の問題を片づけるために取っ組んで参りたいと思っておるのでございますので、ぜひひとつよろしくお願いいたしたいと思うのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの清澤委員の質問の点で私もひとつ尋ねたいと思いますが、まず臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案の提案理由の説明をひとつ読んでいただきたいと思うのですが、それから始めないというとこの問題は解決しないと私は思っているのです。そこには、この調査会を設けるに至りました理由といたしまして、「中央卸売市場の開設、取引機構、取引方法などに関する現行制度につきましても、生鮮食料品の流通事情の変化にかんがみまして根本的に検討すべき点が多いと存ずるのであります。さらに生鮮食料品の卸売市場としましては、中央卸売市場法の対象とならない一般の消費地卸売市場及びこの水産物の水揚地に開設されておりますいわゆる産地市場がきわめて多数ありまして、現に流通上重要な地位を占めているのであります。」ということで、中央卸売市場だけでなしに、生鮮食料品の卸売市場全体に対して調査をする、そしてその状況が非常に変わってきているので、根本的にこの調査会で検討するんだ、こういうことになっておるわけです。これは、この調査会は先ほども清澤委員から出ておりますように、丸東問題から端を発しましての三十三年の法律改正、そのときにおける衆議院、参議院における附帯決議等からいたしまして、根本的に検討するんだ、こういうことでわざわざ臨時の時限立法を設けて、その立法によって調査会というものを設置して検討する、こういうことで検討をされたはずであります。  そこで、今度の提案理由の説明を見ましても、今の局長の御説明をお伺いいたしましても、行政措置でやる部分が相当ある。したがって、生鮮食料品全体の問題について今回の答申の趣旨に沿って改正するのは中央卸売市場法だけでよろしいんだ、こういう理由になっておりますね、そうしますというと、これは一般の消費地における卸売市場並びに水産物の産地市場、それから食肉関係もあるわけですが、こういう市場に対してはこれは行政措置でいくので、法律的には立法措置は考えておらないと、このように理解してよろしゅうございますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘の問題でございまするが、おっしゃるとおり、生鮮食料品の市場対策調査会を作りましたときに、考え方はいろいろ流通市場等の関係もありまして、抜本的にこの中央卸売市場の制度を考えたらどうか、それには水産物の産地市場それから地方市場という問題は当然ございますので、そういうようなものもあわせて検討するように、こういう御趣旨もございました。ですから、そういう御趣旨に沿いまして調査会におきましては、大体中心は消費地の中央卸売市場中心でございますけれども、その他に一般消費地の卸売市場の問題、それから水産物の産地市場の問題、そういうような問題もあわせて検討いたしましたわけでございます。  そこで、分類をいたしまして申し上げますると、まず青果物とそれから魚につきましては、消費地中央市場としての問題はこの中央市場法で一応片づくわけでございます。魚の産地市場の問題につきましては、同時に調査会でも検討いたされましたけれども、これは、あるいは、たとえば漁業協同組合の共同出荷であるとか、そういうような問題が一緒にからんで参るのでございまして、そういう問題を同時に取り上げますると、いわゆる中央市場法という姿でやっていけるかどうか、これは根本的に検討すべき問題があるわけでございまして、この問題は調査会におきましては、産地市場の問題はそういう特殊性がございまするから、別途に一つこの問題を検討すべきである、こういう大体の方向といたしましてはそういう結論が出まして、そこで水産庁におきまして特に水産物の産地市場の問題について、別途に取り組みまして、あるいはその法体系でいいのか、別の法律を作らなければいけないのか、それからどういう方向で持っていくのか、そういう問題と取り組んで検討いたしているのでございます。したがいまして、ですからこの問題につきましては、別途に法的にあるいは新しい制度を作るか、あるいは何らかの法改正をやるか、そういう問題が必要になった場合には、当然法律でこれはお願いするということになろうかと思うのでございます。  それから、畜産物の問題につきましては、これは肉ということになりました場合には、従来の考え方にやはり沿いまして、中央卸売市場というところにこれを取り込んで、大体取引できますように、こういうような方向で検討いたしたのでございまするが、何しろ畜産物のそういう取引の形態が、青果物とかあるいは魚と同じような段階まで進んでいないわけでございます、現状から言いまして。そういう状況でございますので畜産物については、やはりある程度現状に即して、青果物や魚に比べてはある程度不満ではあろうけれども、現状に即応したもので、いろいろ規制を強化していく、こういうふうに、だんだん高度に発展さしていく、こういうことで出発せざるを得ないのではないか。こういうことでこの中央卸売市場法の中では、畜産物が中央市場として現在でもやっていけるような、そういうようなところを考えつつ法律改正をやったらどうかというようなことで、たとえば取引方法にいたしましても、特定物品といたしまして、特にせりとか入札とかでなければならぬというような原則にこだわらないで、業務規程である程度の別の方法を考えられるようにしようということを考えましたし、それから東京の例で申し上げますると、芝浦の中央市場、肉の中央市場ということを考えました場合に、これが畜産の中央市場であって、これは分場だという考えではなかなか実際には合わないのじゃないかというふうなことで、従来の規定ですと分場ということでないとだめだったのでございますけれども、分場といわぬでも、肉の中央市場だ、こういうことが言えるように、この点も畜産物の実情に合わせまして法律改正をやる、こういうことを考えましたわけでございます。そこで畜産物については、そういうような状況でございまするので、青果物や魚と同じようにはなかなかいかぬと思いまするけれども、できるだけこの中央市場法の規定に沿って、取引が公正にできますように持っていきたい、こういう考え方でございます。  それから地方の卸売市場の問題、これは非常に大きい問題でございまして、調査会におきましてもいろいろ御要望もございましたし、それから検討もいたされましたが、しかし一応とりあえず青果物、生鮮食料品については、流通上非常にウエートを占めますのはどうしてもやはり中央市場ということで一応考えたらどうかというようなことで、結論的なことは調査会においては見送られたわけでございます。しかし現状を見ますると、だんだん生鮮食料品の流通の問題ということが地方でも非常に問題になって参っているのでございますので、私どもといたしましては、地方市場の問題につきましては別途の法制を考えざるを得ないのじゃないかということを考えているのでございます。できますれば、この中央市場法の中に地方市場、一般消費地の市場の問題を取り上げようと思っていろいろ検討したのでございまするけれども、これは法律論といたしまして、法制局ともいろいろ検討いたしましたけれども、中央卸売市場という体系の中で、そういうことを考えることは、非常に法律論として工合が悪いということで、できればこれは一本の法律を別に考えなければできないのじゃないかと思うのでございます。そういう状況でございまするので、その法律を別途に作りますまでには、もう少し地方の実情も調査をする必要があると思うのでございまして、とりあえず、この中央卸売市場法におきましては、周辺市場という条項をひとつ——これは非常に法律的には無理があるかもしれませんけれども、入れまして、中央卸売市場の取引と関係があるからということで、周辺の消費地の卸売市場につきましての改善措置命令を農林大臣がやれる、こういうことを一応考えたわけでございます。この規定で考えておりまするのは、たとえば京浜でいいますれば、もうほとんど関東一円くらいのものは周辺地区ということで考えられていいじゃないか。それから名古屋なら名古屋、あるいは京阪神ということを考えますれば、中国とか近畿、中部地方はやはり周辺地区ということで考えられるので、みなそういう中央卸売市場の取引に密接な関係を持っておる市場というような意味で、そこで改善措置命令もやっていける。こういうことで、中央卸売市場の体系の中で一歩踏み出して、とにかく地方的にも、こうなっている問題をこの線で片づけようか、こういう意欲を出した条文を入れましたわけでございます。この問題は、各県でも非常に関心の深いところもございまするので、別途によく至急に検討をする協議会を持ちまして、どういう姿にしたらよいのか、そういう問題を至急に私ども検討いたしたいと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの局長の答弁では私はだめなんで、これは大臣に来てもらわなければ、そういういいかげんな答弁されたのでは非常に迷惑すると思うんですよ。それじゃあなた、この提案理由の説明を書き直さないとだめですよ、今のような答弁ですと。この提案理由の説明、これは次官が読まれたものをあなた読んでみれば、はっきり書いてあるですよ。「政府といたしましては、この答申の趣旨に沿って、生鮮食料品の卸売市場の整備改善を進めるべく諸般の措置を講じて参る所存でありますが、同答申を具体化するための立法措置といたしましては、中央卸売市場法を改正して、中央卸売市場の開設及び整備の計画的推進をはかるための規定を新たに設けるとともに中央卸売市場における業務の適正かつ健全な通常を確保するため、現行規定を整備強化する」必要があるから、これを提出した。そして、そういう点からいって、今局長の答弁しておるように、この一般市場というものが別途に立法措置を要するとか、あるいは産地市場というものについて立法併置を要するとかというのであるならば、答申の趣旨に沿って改正するのは中央卸売市場だけだということでなければ、答申というものの趣旨に沿ってやったということになると、答申そのものの趣旨が実は生かされておらない。今度の中央卸売市場法の改正では十分でないということは今局長が説明したとおりですよ。ところが、今のこの提案理由の説明を見ましても、趣旨に沿ってやっているんだ、こういうことになっておる。でありますから、今度間に合わないものは別途にやるとか何とか言ってもらわなければ、この提案趣旨の説明からいくと、そういうことにはなっておらない。  それから、先ほどの説明からいきますと、周辺地市場というものが初めて今度の法律改正で出てきた。この周辺地市場という毒薬は、今までの中央卸売市場法には出てこなかったものです。しかも、それが今の御説明のように、中央卸売市場の周辺地区ということは、東京の周辺地は関東一円である。あるいは大阪の中央市場の周辺市場というのは近畿一円である。こういうような考えでいくと、今の答弁の中で消費地の一般市場、地方市場というものと周辺地市場というものが一体どういうふうに区別されるのか。これは指定するということだけになっているけれども、そういうことであれば、一般市場も周辺地市場も区別がないではないかという感じがするんです。したがって、そういうことだというと、この中央卸売市場というものでそういうものを含めて改正が困難だとするならば、生鮮食料品全般についての取引の基本的な法律にかえて、中央卸売市場も一般市場も、それから産地の市場も、こういうものを含めた総合的な生鮮食料品の市場法の改正ということも、この答申から基づいて当然あるべき姿だと思うのです。したがって、この答申の精神というものは、私は今度の法律改正だけでは十分ではない。一部は、中央卸売市場についてだけは改正できるけれども、他の問題については含まれないのでありますから、それが含まれないということで、それは方法はないのだ——中央卸売市場の改正だけで考えるから物事は解決しないので、生鮮食料品の根本的な問題を検討するあの調査会を設けて一年間検討して、農業であれば農業基本法に該当するようなものがほとんとうは出てこなければならないはずなんです。そういう根本的な検討をやったはずなんです。それでなければああいう調査会というものは必要ない。生鮮食料品についての根本問題を調査するからといって、国の経費を使って一年間あれだけの学識経験者なりそれぞれの代表を集めて検討したはずなんです。地方市場から、産地市場から、肉に至るまで、全部入っておりますよ、あの調査会のメンバーには。そういうものを設けて、出て参りました答申というものに対してこたえる根本的な抜本的な法律改正というものが、大正十二年のかたかなまじりの「何々スヘシ」とかというような法律の一部改正で根本改正だなんということになっては、私は意味がないと思う。したがって、これは根本改正というものはする必要がなかったのかどうなのか。大正十二年ころの考え方で、その後何回か改正をしてきて、それで事足りるとするものであるのかどうなのか。そういう考え方に立ってこういう中央卸売市場法の一部改正というような形で出てきたのか。しかも産地市場等のことについては水産庁にまかせて私のほうでは検討していないようなことを言っている。そういうことで、根本改正である農業基本法に匹敵するような根本の調査会を設けてやった筋からいっても、私はどうしても納得いかないわけです。内容的に入りましていろいろこれから質問申し上げるのですけれども、まずこの法律案を提案するというその心臓の強さですね。驚いておるわけなんですね、実際。こういうもので根本改正だなんて言われたって、とても私どもは納得いかないと思うのですがね。どうなんです、それは。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃられるとおり、調査会におきましては、根本的にこの生鮮食料品の市場問題、流通問題を検討しろ、こういうことになって検討して参りましたのでありまするが、なかなか先ほど申し上げましたように、抜本的といいましても、どこまでが抜本的であるのか、非常に問題があるのでございまして、ただ調査会が業界の方々も入りまして、この調査会の答申のような、ここまで踏み込んだ意見の統一ができた高いうことは、これはなかなか、今までに初めてのことでございまして、実に今までに前例のないようなそれほど、それでも一生懸命調査会としても検討いたしたと思うのでございます。ですからその内容をとりまして、私ども政府といたしまして、法律問題としてこの問題を、調査会の答申を取り上げました場合に、とにかく中央卸売市場法の中身といたしましては、ここに取り上げましたようなもの、まあそういう内容のものが中央卸売市場法の内容のものでございまするし、また中央卸売市場法とは別途の問題として、調査会の答申の中にも今後やらなければならぬ問題が含まれておりますわけでございます。と申しまするのは、消費地の市場の問題であるとか、あるいは魚についての産地市場の問題であるとか、そういう問題が含まれておりまするが、これらにつきましては調査会でほんとうに突っ込んだ意見の一致といいまするか、検討までできておりませんで、突っ込んだ検討の結果がまあその調査会としてはできておらないわけでございます。で、これは中央市場を中心にして調査会の審議が大体動いて参りました。そういう実情でございます。そういうことでございますから、私どもも中央卸売市場法の改正といたしましてはまあこういう内容のものを織り込みまして、産地市場の問題、それから消費地の市場の問題というものは、別途にこれはとにかく考えなければいかぬ、こういうことで勉強をいたしておりますわけでございます。  それから現在の法律、大正十二年のかたかなの法律は、私どももこれでいいとは思っておりません。ですから、今後いろいろ流通の状況その他によって、またこういう時々刻々変わって参ります経済情勢でもございまするし、特に生鮮食料品の問題、流通の問題というのはだんだんウエートを増して、非常にまたまた考えなければならぬ問題がどんどん将来起こってくるであろうと思うのでございまして、いろいろ何かそういう機会を見まして、全体といたしましては私どももああいう古い法律はなるべく近代的な法律に直したい、こういうつもりで考えておりますが、今回の改正につきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろ検討いたしまして、調査会のおもな中央卸売市場についてのその改正の問題点につきましては、一部改正でとにかく織り込める、こういうことでございまするので、一部改正でまあお願いを申し上げた、こういう経過になっておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この法律は今来議しておりますけれども、これは前の通常国会で答申があって、一年越しで三月ころ検討されて、四月か五月にこれは提案になったはずですね。ですから、今審議しているから、そういう状態なんですが、それではこの法案は一部改正でいくという方針に変わったんだから、そういうことであるならば、今局長のおっしゃっておるように、産地市場なりあるいは一般地方市場なりというものについて、答申の線に沿うて——答申に明確な回答が出ていないというけれども、出ていないことはない、ちゃんと出ておるのです。一般地方市場についても中央卸売市場に準じて改善整備をこれは都道府県知事がやるようにせよということははっきり出ているのです。中央卸売市場は農林省で農林大臣の監督権に基づいてやるだろうし、それから一般地方市場については都道府県知事が中央卸売市場に準じて改善整備をやるのだ、こういうふうにやりなさいといってはっきり出ております。水産物の産地市場についても答申は明らかに何項目かにわたって指示をしておるのです、答申をしておるわけです。したがって、これは二年越しで検討されておるのですからね。大体、答申があってからもう一年半以上たっておるわけです。産地市場について検討中ということのようでございますけれども、一体、素案か何かできておるのですか。そういう検討をされた素案なら素案というものを出していただきたいし、それからこの一般市場についても検討をしておるというのだったならば、その素案を出してそういうものを総合して一部改正なり、新たに地方市場の法律なり、産地市場に関する法律なり、そういうものに分けて、総合的にこの答申にこたえよというのですから——一方のものでまとめるということはそれも方法としてあるでしょう。あるでしょうけれども、あるならあるように、そういうものが今こういう段階でこういうふうになっておるというものが出されなければならないと思う。したがって、この中央卸売市場法の改正が重要であり一年越しに出てきた、一年間検討した結果出たということであるならば、それでは水産物の産地市場のは来年の通常国会に出すのですか。  それから、一般市場の法律というものを新たに設けるというようなことも、さっきそういうようなことで検討しなければならないということだったようだけれども、来年の通常国会に間に合って出せるのですか、そういうことがはっきりするならば、私はこの答申に基づいて総合的に生鮮食料に対する根本方針というものが趣旨に沿うて出てくるということで、理解をします。しかしながら、あとのことは、行政措置でやることが非常に多いのだから、答申に基づく法律改正はこれ一つなんだということになるというと、私はこれはどうも理解できない。産地市場の問題は、水産庁で検討しておりますことは知っております。知っておりますけれども、これは水産庁で検討すると同時に、経済局の所管の問題です、この答申は。大体において経済局の関係人が担当してやった問題です。それに対する答申ですから、だから農林省のほかの部局で担当しておるから間に合うか間に合わないか、そっちのほうはおれは知らないということではこれは話が成り立たない。そういうことだったならば、大臣でも——政務次官がおられるからひとつ政務次官どのように把握されておるのか、そういうものを早く出してもらわなければ、審議しろといっても総合的に審議できないですよ、これはどうなんですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 私から…。

北村暢日本社会党

○北村暢君 政務次官だよ。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 私から経過だけ御説明いたします。  お話のとおり水産物の産地市場につきましては、経済局におきましては、中央卸売市場につきましての機構の問題を担当いたしておりまするので、今のところ現実の問題といたしましては、そういうようなことでございますので、この調査会は一応全体として一緒にお世話をいたしましたけれども、具体的にその産地市場の問題ということになりますと、これはどうしてもいわゆる漁業協同組合等のウエートが非常に大きくなって参りますものですから、そこで水産庁でこの問題は検討しようということになりまして、調査会が終わって、この法案をどうするかという問題が一応出て参りました段階で、水産庁において産地市場の問題を具体的にひとつ検討して、これについての結論をつけようじゃないかという、こういうことになっておるのであります。しかし、水産庁の今の調査、審議の段階は、実は検討の段階はまだ具体的にどうするかという結論までは出ていないようでございます。といいますのは、産地市場にもいろいろの形態がございまして、それを調査し、それから大体把握をいたしまして、どういうような法的な規制をやったらいいかという問題はこれはなかなかむずかしい問題でございますので、容易に簡単に結論がなかなか出ないという状況であろうかと思っております。  それから、消費地市場の問題につきましては、これは私ども、都道府県知事が何か法的ないろいろ改善とか規制とか、そういうものができますようにということでいろいろ検討したのでございまするが、その場合に実際問題といたしまして、その別の法律を作らないと、この問題はなかな片づかない、法律的にいいまして片づかない問題で、中央市場法の改正だけでは片づかない問題でございますので、その問題は最近その関係の県、一番問題に熱心な県を集めまして、いろいろ問題点を調査いたしまして、そうして今後どういう姿で持っていくかという問題を至急に検討しようと思っておるわけでございます。だからその結果によりまして、今後どういう措置を講じますか、法的措置を講ずるか、あるいは特別の立法をするか、そういう問題も至急に検討いたしたいと思っておるわけでございます。私が行政指導による分が非常に多いというふうに申し上げたものは、その産地市場の問題とか、あるいは地方の消費地市場の問題とか、そういう問題ではございませんで、このほかいろいろ運営の面で行政指導の面が非常に多いのでございまして、そういう点を申し上げたのでございますので、その点ひとつ御理解をいただきたいと思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連。どうもおかしいのだな。この前、参考人の川野さんに一番先にそれを聞いたのだ。今実際の状態というものは、畜産、水産、果樹——青果、こういうふうに現実は分かれておるのだ、これに対してあなた方どう考えているかと言ったら、この中央市場法一本で大体総合的に解決はできると思う、こういうお話だった。そうすると当然その答申が——まだ見ませんけれども、そうあるべき答申になっているだろうと思う。そこのところを私は一番先に聞いたのだ。現在の実際としては、畜産はこれからできる市場だ。水産並びに青果というものは、これはもう現在分かれておるじゃないか。神田は青果であって、築地は大体水産中心でやっておるじゃないか。こういうふうに分かれておるのだから、そういったものを中心にして別別に考えるべきことについてどう考えるかと言ったら、この中央卸売市場法でいいんじゃないか、こういう御答弁だった。そこで、どうもこれは先生がそういう答弁をせられるというのはおかしいから、一体どういう資料のもとでどういう調査をせられたのだ、いろいろの資料や実情によって結論が全く違ってきますから、それをお伺いして、それからいろいろの人が聞いたしまいに、各部門ごとに分かれておりますために、私はそういうこまかしいことはわかりませんでした、こういう御答弁だった、そう思うのです。ところが、今の局長のお話を聞いておりますと、そうじゃなくて、そういうものはもう結倫づけられて、今現在水産庁でそういうものを考えておる、こういう御答弁であった。ちょっとこれは違ったところがあるように私は考えられる。考えられるということは、これはよけいな話になるようでありますが、たとえば兼業問題をかえってゆるめられた。これはいわゆる非常な業界の問題になっている。水産の兼業問題。そうでしょう。これはわしよりあんたのほうがよう御存じだと思う。業界では問題になっている。かえってこれをあなたのほうではゆるめられた、こういうことになっている。そういうものが出るわけはないのです、われわれの観点に立ちますならば。だから私はこの奥原さんの書かれた「水産物価格政策の事例」という、この中にある、売手市場になっていて、もう特定水産品については売手市場になっている。売手市場という公定取引の市場というものがあるでしょうか。こういうものがはっきりとした事例で出て参りまするならば、これは結論は大体どうするというものが出なければならぬ。届出にするというようなことで、あとで農林大臣がこれに許可をする、こういうふうに書きかえられている。かえって悪くなっている。兼業は禁止の条項になっている。わしらこういうことがわからない。こういう弊害があるから、それらのものに対して実際的な今現在の市場のあり方をどうしてきたら——今出ているいろいろの問題があるでしょう、ゲンコツがあったり奨励金があったりいろいろな問題が出ているでしょう。あるいはあのとき一番問題になりましたのは、生産者の支払代金に対する保証としてどういう形で財務的な保証の道をつけるか、あの時分いろいろ議論した中に出て参りましたことは、国も金を出す、したがって、手数料の中から大部分を法律をもって集めてそうしてこれを貯蓄して、そういう場合のことに充てるというような考え方も述べられた、そういうようなものを検討していただく、そうしてそういうものがまず解決をせられる、こういうことに考えておったが、そういうものに対してはかえって改悪をせられて改善になっておらぬ。だから、先ほど私が申しましたとおりに、原則的な市場のあり方というものについては、ずいぶんよくあなた方も説明をしておられるし、それに対しては相当の答申も出てきておる、こう私は考えます。それを基本にして一部改正をしておられる、こう私は解釈しているのだが、これじゃわれわれが三十三年来どうしても市場のあり方を改正してもらいたい、実情に沿わぬものがたくさんあるから、こういうことに対しての回答が出ておらないわけなんだ。出ておりますか、出ておらぬでしょう。あの類似市場の問題だってそうです。この間もちょっと家畜取引の問題でたまたま芝浦の畜産市場の問題に触れたのですが、野放しです。そうして類似市場の問題をあなた方に聞けば、なにもう五千万か三千万だというような御答弁になっている、そうじゃないです、実際は。大阪のごときはほとんど同額の金額に達する類似市場というものが発達しているのです。こういう資料まで間違ったものを出してやらんければならぬ理由はどこにあるのですか。私が先ほど申し上げたとおり市場の問題は国民の命です。重大な問題なんです。それがしかも生産者、消費者を通じ、同時に業者の生活問題にも通じてきておる。現に水産のごときは奥原君が説明をせられるとおり、もう売手市場になっている、独占段階になっているのだ。そういうものが市場の中に巣を作って、はたして市場機能が完全な正当価格を出せるのか出せないのか、まず御答弁を伺いたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり市場の問題は法律問題だけではなくて、非常に実際問題として問題があるわけでございます。今先生おっしゃいましたように、たとえば奨励金の問題であるとか、あるいはそのほか手数料の問題であるとか、あるいは取引のいろいろの姿の問題であるとか、そういうものがあるのでございます。しかし、それらのものを法律できちっとこれを画一的にきめてかかれるかどうかということはこれは非常にむずかしい問題でございます。たとえば奨励金の問題一つをとりましても理想的に申し上げますれば一奨励金などというものは卸から何も生産者に出さぬでもいいじゃないか、そういうことをやること自体が非常に不明朗なのじゃないか、こういう御意見もございますが、それでは法律で奨励金をぴしゃっと禁止するという、そういう法律的措置をとれるかどうかということは、これはなかなか実際問題としてむずかしいのじゃないかと思うのであります。即座の問題としては、非常に生産者にも、影響ございますし、そういう点もありまして、非常に法律的にぴちっと法文だけで片づけるという問題が、割合にそういうものでないようなものが多いと思います。だから届出の問題にいたしましても、たとえば兼業の問題を法文上きちっと禁止しろということを、こういうことをいたしました場合に、それじゃ現実の、実際の生鮮食料品の卸売あるいは仲買い、そういうものをやっております方々が、そういうことのために非常なやはり経済的な、何といいますか、混乱をある程度起こすというようなことが、ほんとうにそれじゃ卸売市場を中心とした生鮮食料品の取引に現実の問題としていいのかどうかという問題は、なかなか検討しなければならぬ問題であろうと思うのでございます。そういうような状況でございまするので、私どもいろいろ検討いたしまして、それは兼業といったような問題は、本来からいえば、禁止をして、やらないでもいいのじゃないか、押えてもいいのじゃないか、そういう気持でいろいろ検討いたしましたし、そういう先ほど申し上げましたような問題もございまするので、目的をほんとうに達すればそれでもいいのじゃないかというふうに考えまして、現状では兼業の実態を十分には把握してないというような状況でもございまするので、兼業は全部きちんと届出をさせまして、そうしてそれにつきまして検査を、特にこれは兼業をやっているものについては検査を厳重にいたしまして、そうしていやしくも兼業をやっていることによって、卸売品の経営にいろいろな影響を与えまして、生産者にこれは迷惑をかける、あるいは消費者に迷惑をかけるというようなことが起こりませんように、十分ひとつ監督を厳重にして参りたい。そうしてそれで非常に工合が悪いときには、新しく条文も入れまして改善措置命令が出せるようになっておりますし、改善措置命令を出しまして、そうしてそれでも工合が悪い場合は業務の停止もできますし、役員の解任命令も出せる、こういうようなことで、現実に即しました法律の手当をしたらどうか、こういうようなことで考えたわけでございます。で、どうも全部が全部で法律で全部割り切るというような問題でないものが多いわけですから、非常に不十分な点もあろうと思うのでございますけれども。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 先ほどからあなたに聞くところによると、こっちとこっちがしょっちゅう食い違いになっているのだ。法律で規制せなくてもできるようなことを言うてみたり、いろいろの業界の状態で法律規制が無理なようなお話をせられたり、どこが何だかさっぱりわからないのだ。こういうものは行政措置で指導ができるのだ、そんな簡単なものなら法律に作ることもしごく簡単だと思う。よほど厳重な法律でよ作っておかなければ、なかなか今の兼業問題などはそう簡単に片づかないと思うのですよ。あなた方だって経験せられたでしょう。あなた方の原案は、兼業問題をひとつ禁止する、こういう態度で私は原案が出されたと聞いておるのだ。ところが、それがなかなか片づかない。片づかないうちに、修正案で大臣の認可、こういうようなものができ上がった。そうなって、法律のそこにちぐはぐが出てきている。そのすきに、現在卸売業者でもって船を四隻持っておる者が、また一隻ほんのわずかのすきにちゃんとこしらえているのだ。問題になって、あなた方が直したい、こう考えておるすきに、それも片づかぬうちにちゃんともうできているのだ。今の法律のうちに、問題のまっ最中に、一隻できているでしょう。法律がきまった瞬間に、こういう原案ができる瞬間に、届出をもって大臣の許可だというその瞬間に、また一隻ふえているのだ。こういう実情をわれわれ考えますときに、それはとても局長幾らがんばってみても、なかなか局長の言うようながんばりじゃだめですよ。あなたが幾らそうわれわれに言うたっても、なかなかそううまくしゃばは動いておりません。世の中そう動いておりません。いろいろな情実や弊害というものがそこにつきまとっております。だから、そういう状態であればこそ、現在の市場が売手市場である、自分で気に入らぬ値段なら引っ込ませて、しまえ、競売しなければいいじゃないか、そんなものをどう規制するんだ。われわれが企図するのは、そういう市場本来の目的まで果たし得ないようなものをひとつ変えてもらいたいというのが、これが丸東事件を中心としたあとの問題なのだ、あるいは何も悪いことをしているのじゃない、いいことをしているのだとは思わない、自分の当然取るべきところの手数料、そのうちからいろいろの経費を出して、そうしてめんどうしなければならない、それが一つの、まあ言うてみまするならば、違法行為になっているのだ。何もそんなことをしたい者はないんだ、ないけれども、しなければならない現実があるからするんです、商売人として。私は決して商売人がすることを、それをいいとか悪いとか言いかねますよ。しないで済むように直してくれるのが、私は市場を管理するあなた方の任務じゃないかと思う。それを研究してもらいたかったんです。そういうものに一つも手をつけてない。そこに私はこの市場法を徹底的に皆さんと一緒にいま一度練り直し、われわれの手によって練り直してみたい、こういう熱意がわいてくるんです。そのことがはたして全体の上にいいかといえば、決していい効果を持ちません。法律であったか何かの中にちゃんとありますよ。生産者のほうでもあるいは市場側でも不当なものの要求等をしてはならない。強大な組織を持った出荷団体の役員中、十数万円の金額をいろいろの名目で要求をして、その金の中から一銭の金も生産農民には割り返しもしなければ、その実際の仕事もやらない、こういう者が出てきている。いろいろそういう弊害が山積しているのじゃないか、現実の市場の中には。これはみんな市場業者として困っている。市場業者が困っているくらいですから生産者も困っているのだ。そういうものがなぜ改められぬか。それを改めてもらいたいというのが三十三年の所期の私は目的であったと思うんです。それだから丸東事件のようなものもできるんだ、こういう結論であったと思うんです。そういうものは少しも考えてない。これについてどうお考えになりますか。これでこういうことが片づきますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃることにつきましてあるいは誤解があるのじゃないかと思って、失礼でございますけれども申し上げますが、ただいまおっしゃいましたような問題につきまして一つも手がついてないとおっしゃいますけれども、実は兼業問題といいまするか、卸売業者が健全なる経営体になりまして、そうして安心して生産者が出荷ができますように、それから消費者も安心して買えますように、こういうところが中央卸売市場の一番大事な問題であろうと思うのでございます。ですから、そこで、兼業の問題につきましても、これは十分いろいろ検討をいたしました。調査会におきましても検討いたしましたし、それから調査会の答申をいただきまして、政府の内部におきましても十分検討いたしましたわけでございます。そこで、たとえば例におっしゃられましたように、卸売会社が漁業をやっておるというような問題もございますが、その漁業をやっておるがために、自分の荷物があるために卸売の公正が期せられないというような問題は現状ではあまりないのじゃないかと思うのでございます。問題は、その経営自体が非常に、たとえば漁業なんというようなものがあるいは考え方によっては不安定な面もございまするから、そういう点で卸売業者の経営に非常に影響いたしまして、あるいはあぶない非常な不安定な状態になるというようなことがありますると、これは生産者に対して非常に大きな迷惑がかかるのでございまして、もちろん量が、自分の作っておりすまる量がだんだんふえて参りますれば、もちろんそれが公正な取引を害するという問題も起こりましょうけれども、現状の段階では経営の安全というところに一番重点を置いて考えるべきではないかというふうに考えているのでございます。そういう観点からいたしますると、とにかく現在の状態では届出によって状態をきちんと把握をいたしまして、そうして検査を十分にいたしまして、その兼業の業務が卸売の本来の姿に、本来の業務にどういう影響を与えているかということをはっきりとつかみまして、場合によったら経理の区分でもきちんとやらせまして、そうしてやっているとか、それでも間に合わない場合には改善措置命令を出すという新しい条文も入れましたし、それから役員の解任命令も、それから業務停止もできるわけでございます。そういう監督措置を講ずることによってその問題を解決をしたらどうかというふうに考えているわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この法律の提案にもありますとおり、適正な価格を求めるというのでしょう。それがためにせりまでやって、そうしてせり、入札等の方法をもって適正な価格を求めるということが中心にならなければならない。——いいかね、私の言うのをよく聞いて下さいよ。適正な価格をそういう方法までやって設けねばならないその市場が、今言うたような売手市場のようなものになって、ほとんど独占的な商売が行なわれるとしたならば、そこに適正な市場価格というものが形成できるのかできないのか、これは子供でもわかるだろうと思うのです。私は何も生産者の経営がいいとか悪いとかということを言っているのじゃない。市場本来の使命が果たされるか果たされないか、こういうことなんです。そのことをもう水産庁の前のあれが言うているのだ。ある部分のものについてはもうそこまで行っているのだ。だからわれわれは水産物価格対策のいろいろな事例を中心として考えなければいけない、こう言われているのであります。経営の問題じゃないのです。市場運営の問題なんです。そういう弊害の出ているものになお加えて兼業等を許される。だんだん自分の持ってきたものをだんだんやってしまう。だから漁連では今の場合沖買いであるとか生産市場などは要らないのだ。直接生産者としては要らないのだ。生産者としても沖買いなどは要らないのだ。沖買いとは一体何だ。そうやって集めたものを大きな力でそうして市場に持ってきて自分の気にいらなければ売らない。こういうことならせりも何も要らない。そこまでいっているのに、まだ魚をとることを五隻も六隻もよろしい、これはおかしいじゃないか。そういうものがあるから兼業というものについて、もっと考えなければならぬ、こうわれわれは言うのだが、兼業があっていい場合もあろうし悪い場合もあろうし、また前からやっていてそれをすぐとめるわけにいかない場合もあろう。だから、そういう段階になってなお自分の魚を自分でとるものをどんどんどんどんふやしていったら、これが満足な市場の運営というものになるかならないか。そういうものはちっとも直っていない、こういうことを言うているわけです。兼業問題はそこから出てきております。私はある意味合いにおいて兼業ということも、農協のやっているあれも一つの兼業の変形だと思う。変形兼業だと見ている。こういうものは私は別に差しつかえないと思う。ああいう形のものがあっても、何も独占的にこれをやろうとしているのじゃないのですから。一方は意識的に独占を行なっているのだ。これじゃ仲買いも立たぬし、小売も立たぬことになる。独占禁止法なんという法律も要らないことになる。そういうものを少しも直さないで、ただ形式的な市場理論に立った通俗的なものの直し方をしているのがこの法律じゃないかと、われわれはこの通俗的な原理の上に立った運営の悪いところをどう直すか、こうしてもらいたいというのが当時のわれわれの願望だった、こう言っているのですよ。それは何もしていないじゃないか。今現在いろいろありますでしょう。あなた方も指摘せられているように、現実の仲買い、小さいところの仲買いと大きなところの仲買いと、あるいは小売商の参加の問題、築地市場のような大きなところと、まあ新潟や長岡のようなこんな小さいところとでは、これはもうみんな参加組織も全部違ってこなければならない、業態の運営によって。そういうものについてはひとつも考えていないということなんだ。この間もここで、いつだったか話したことがありますが、われわれが何か市場問題をお話するに際しても、卸売、それから仲買いがやっている卸売行為と委託卸をやっている現在の小売人とどう区別していいか、なかなか区別のつかないような問題さえ出てきているのだ。だから名称の変更というようなものも出てきている。これらに対しては何ら考えておらないでしょう。実際問題としては私は相当考えなければならぬ段階に来ているのじゃないかと思うのだ。これだけ数の多い小売人を全部参加させるなんというわけにもいきませんでしょうし、大体、市場には大量集中することによって一定の価格を出す、そうしてやることが一番いいことだ、こういう書きっぷりなんです。大量のものをこれを卸していくとしまするならば、数多い小売人じゃ、これは片づかぬでしょう。品と人と場所とによって私はそういうものは考えなければならないと思うのです。そういうふうに時代とともにいろいろに形式が変わってきている。あるいは加工品のごとき——鮮魚などにつきましても、統計を見まするならば、年々鮮魚が減ってきて、加工品に移っているのだ。外国などで見ると、ずっと加工品がふえている。そういう状態の中の加工品等に対しましても、千年一日の考えを持っている。加工品がなにせりすることが要りますか。またせりなんて要らないのだ。ちゃんと生産者はわかっているのだから、幾らということが。だが、市場であれを扱いますことは、生産者がわかっておりましてもこれは悪いことじゃないと思う。だから、それらに対しては現実的なやはり考え方が必要じゃないかと思うのだ、実際の取引を中心にした——私はないかと、こう思うのです。そういうことをひとつも解決していない。これに対してどうお考えになりますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘のように非常に問題があるのでございます。ですから、そういう問題につきましては、御指摘のように法律問題でないようなものもございます、ずいぶんこれは。ですから、たとえば加工品の問題であるとか、そういうような問題も、これは実際御指摘のように最近非常に加工品のウエートが大きくなって実は参っております。ここ数年間で三倍くらいになっております。まあ実際問題といたしまして、その加工品をどういう工合に扱うかというような問題につきましては、各市場々々によりましても、いろいろ状態が違うのでありまして、こういう点は開設者を中心にいたしまして、各市場々々でいろいろ検討をいたして、その状態に合うような扱いをいたしておるのでございますが、大部分加工品等についてはせりはいたしておりません。あるいは卸を通しておるもの、あるいは通さないようなもの、そういうようなものもございまするけれども、そういうような状態でございまするので、こういうものはやはり実情に応じて行政指呼といいまするか、そういう点に十分ウエートを置きまして考えていくべき問題じゃないかというふうに考えておるのでございます。  それから仲買人の問題等につきましてもおっしゃるとおりでございまして、場所によっては、それはどうしても仲買いを置かなければさばけないような実情のところもございます。しかし、場所によっては仲買いというものはもう要らないので、小売りが直接卸からせりをして買ったらいいじゃないか、こういう事態もございますので、必ずしも法律上仲買いを置かなければならぬというようなことにするのはどうかと思うのでございまして、中央卸売市場法の中には、仲買人を置くことができる、こういう規定がございますが、それは、その開設市場の実態に応じて業務規程をもって置かなければならない、置くということをきめれば、その地帯におきましては仲買人をどうしても置かなければならないのだと、こういうことになるのでございますので、いろいろなその点の御要望もございましたので、ずいぶん検討いたしたのでありますが、現実問題といたしましては、そういうようなことで解決をしていって、そうしてとにかくあまり非常な混乱が起こらないような姿でできるだけ改善していくように、一歩々々、毎日々々改善していくというふうに努力すべきじゃないかというふうにまず考えておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 清潔先生生からいろいろ広範にわたって質問がありましたが、私はこの一つ一つの問題ごとにお尋ねしていきたいと思うのですが、  まず、先ほど一般消費地における地方市場、一般地方市場ですね、これについては資料を整備して検討するということのようでございましたが、ここで非常に因っている地方市場の問題について、具体的にお話を申し上げまして、ひとつ早急にこの地方市場の問題についても取り上げてもらいたい、こう思うのです。というのは、この地方市場は、現在やはり一番問題になるのは、過当競争等の問題が相当業者間においてあるわけです。というのは、この問題は、この類似市場の問題でもあとで申し上げたいと思うのですけれども、北海道に、新たに札幌に中央卸売市場ができた。ところが、そこにおける類似市場というものは、指定地域内においては届出すれば類似市場というものはできる、こういうことで、現実にできてしまっておる。ところがこの札幌に中央卸売市場ができる以前は、地方の一般市場は、道の地方条例によりまして、生鮮食料の卸売業務を行なうものは、これは条例によって許可制になっておるわけです。したがって、知事の許可を受けないものは開設することができないことになっておる。ところが中央卸売市場が札幌にできて、類似市場が届によってできてしまった。これにならって一般の、札幌以外の指定区域以外の地方市場のところに、いわゆる地方市場の類似市場的なものがどんどんできてきた。それは知事の許可を得ないものができてきたわけです。これは北見市の場合もそうでありますし、小樽市の場合においてもそうなんであります。今までは地方条例によって許可しないものは開設できなかったわけなんですが、ところが、類似市場というものができたので、これに見ならって、北見市にも新たに知事の許可を得ない市場を開設するものが出てきた、したがってこれは許可しないのですから、道としてはこの市場は公認の市場じゃない、したがってこれは閉鎖するか何かするか処置をしなければならない問題が出てきた。そこでこれを、無許可の一般市場の類似市場的なものができたのでありますから、これを自由に開設されることになっては道条例違反だとこういうことでもって道当局は市場の審議会に諮って、そして処理のあっせんをいたしたのです。そうしてこれを道条例違反だということで検察当局に告発をする、こういうところまでいったわけなんです。ところが告発しても勝ち目がない、というのは、道条例等で許可制にしておっても、無許可のものが開設しても、これはどうしても類似市場等の関係からいって、中央卸売市場の指定区域内における類似市場が自由だというような点からいって、一般市場に許可のないものは開いていけないというようなことについては法律上非常に問題が出てきた。したがって、これは裁判をやっても、道当局が検察庁に告発しても、裁判に持っていっても将来勝つ見込みがないということでもって、これはついに何かあっせんをして処理をしなければならなくなってきた、こういう問題が北見市にも現われて参りましたし、小樽にも実は出てきたのです。したがって、新たに中央卸売市場の指定区域というものができますというと、今までそういう類似市場というようなものはなかったわけなんですから、北海道には……、ところが類似市場というものがいいということになり、中央卸売市場でさえ類似市場は届出さえすればいいのだということになれば、一般市場で許可だなんということはおかしいじゃないかということが当然出てくる。ところが全国的に見ますというと、地方条例でもって許可制をとっておるところ、こういうのがずいぶんたくさんある。そういう点からいって、これはただひとり北海道だけじゃなしに、九州等においてもこういう事態が出てきておる、大分市にも別府市にも同じような形が出てきた。そうして北海道の例によってそういう出てくるものに対して押える方法がない、こういう問題が実は各地において出てきたのです。あなた方が、中央卸売市場法によって一その整備をするために、その指定区域を広げれば広げるほど、こういう矛盾が地方一般市場において出てくるのです。この類似市場の問題は、ひとり中央卸売市場の問題ではなくなっておる。これはあとでそのほかのいろいろな事例をあげて、類似市場がいかにまずいかという点について申し上げたいと思いますけれども、そういう影響が今日出ておる。地方市場で今一番問題になっておるのは、そういうものがどんどん次から次とできてくることによって、乱立することによって、過当競争になる、その結果、適正な取引というものが、公正な市場の秩序というものが、維持されないような状況になってきている、こういう事態が出てきていて、この地方市場におけるこういう過当競争というものが非常にまずい結果になっている。でありますから、将来中央卸売市場法の整備、今度の整備をすることになっておりますから、それによって整備をして、どんどん指定地域が拡大されていくということになりますというと、今言ったような、地方市場が、卸売業者が乱立したような形のものを今度中央卸売市場ということで収容していかなければならない、非常に困った問題が、将来、皆さん政府が今考えておるその中央卸売市場の拡張ということにおいて、この地方市場をほうっておくことによって問題が起こってくる可能性が十分あるのです。そういう問題について、あなた方はどういうふうに感じておられるのか、この点まずお伺いいたしたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘のように、類似市場の問題、それから地方市場の問題、そういう問題は、たとえば札幌の例にございますように、中央市場を開設したことによってまた非常に新たな問題が起こっているということを、私どもも聞いておるのでございまして、こういう点に関連をいたしまして、どうしてもこれはやはり地方市場の問題を全般的に規制し、あるいは改善できるような、そういうものがぜひとも必要であろうと思っております。で、そういうような意味で、いろいろ検討はして参りましたが、どうもやはり時間的には、なかなか今回そういう問題を法律の体系までいたしまして提案するまでに至っておりませんので、まことに遺憾で申しわけないのでございますけれども、急いでそういう問題をその関連においてひとつ検討いたしたいと思っております。で、実は率直に申し上げまして、私、今まで都道府具の当局というものは、どちらかといいますと、市場の問題というようなものには割合に関心が、ほかのたとえば生産や何かの問題に比べて、どちらかといえば薄かったような感じがあるのでございまするが、そういうようなことで、県でも条例を作ってはおりますけれども、条例によってほんとうにそういう市場の問題に取っ組んでおります県は割合少のうございます。最近はしかし、先ほど申し上げましたように、生鮮食料品の流通問題というものを非常に関心を深めて参っておるのでございまして、先般も各県の担当者が参りまして、ぜひともこの問題を農林省と一緒になって検討をして、知事の権限をもって規制なり改善ができるように、それからそれに対しては国ができるだけ援護ができるようにというようなことで、非常に真剣なお話でございまするので、私ども、至急に関係者をもってそういう問題の検討をひとつ至急に進めたいと思っております。で、そういう過程におきまして、今御指摘のような問題も、ぜひともひとつ、すっきりとした姿に解決したいというふうに考えています。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今申したように、中央卸売市場法を拡大していくことによって、地方市場が混乱を起こしてきている、こういう問題が起こってきているということは、あなたは今、都道府県の知事が、まあ整備をする、監督をする、こういうようなことを言っておるけれども、逆に監督ができないような形になってきている。実際問題として問題は逆になっている。そういうような現象が起こってきている。この点はひとつ十分に考えてもらわなければ、早急に手を打たなければ、問題はあなた方が意図している方向と逆な結果が出てくる、混乱が起こってくる、こういうことですよ。これをひとつ十分考えていただきたい。  それから地方市場の重要性というものについて言われましたけれども、実は今まで私どもが聞いておるところによりますというと、いわゆる青果物というようなもの、まあ水産の産地市場もこの一般市場に含まれているわけですが、とにかく、自由に生産者と消費者が、生産者にもよく、消費者にもいい、こういう自由な取引ができるものは、それなりに規制することなくやらしたほうがいいじゃないか。したがって、政府の施策として行政的なそういう規制なり何なり加える必要はないじゃないか、地方市場においてはそういうような感じを強く持っておるんだということは、私ども従来聞いておるところなんです。なぜ、これについての法律を制定しないかということで、そういう法律をもってわざわざ規制する必要はないじゃないか、こういう意見を実は聞いておるのです。ところが、今言ったように、過当競争で非常に混乱を起こしている。そのために、生産者に非常に迷惑をかける。信用力から何からいっても、乱立気味で、仕切り金も払わないというような者、倒すような者も出てくる。こういうような事態があることは、もう事実なんです。ですから、したがって、中央卸売市場のように、いろいろ監督、規制を強化しておる中なら、それなりでいいのですが、そういう事態で、地方市場というものは、私は、そういう自由な形で非常に適正な規模で、しかも適正な取引がなされておる、こういうふうには私どもは判断していないのです。非常に業者自身が、過当競争で困っておるということは、はっきり言っておる。しかも、それらの問題について、この生鮮食料を取り扱っておるのは、今、中央卸売市場は六大都市を初めとする十八都市ですか、に設けられてある。こういう状態で、この資料によりましても、十五万以上の中央卸売市場法を将来適用していくというものが、まだ相当多数、十五万以上の都市でも相当あるわけでございます。これが年に二カ所か三カ所ずつ拡大していくとしても、これは相当の年月を要するわけです、十五万以上の都市においても。これはどのくらいあるのですか。十五万以上がどのくらいありますか。これは勘定すればわかるわけですが、とにかく、相当数ある。それと、その中央市場と現状において比較をして、地方市場というものは、大体市場数にして二千五百六ある。これは資料によってはっきりしておるわけです。それから卸売人数は二千八百五十三人あるわけですね。そういうような点からいって、この卸売市場の数からいっても、それから卸売人の数からいっても、非常に圧倒的多数であります。これが大体取り扱い金額としては、おそらく中央卸売市場が全体の四割かそこら辺じゃないかと思いますが、これはそちらのほうで資料を持っておると思うのですが、とにかく、取り扱い数量においても、金額においても、相当な額を取り扱っておる。これが条例のあるものがわずかで、先ほども局長みずからが言っておるように、各都道府県でこれの流通問題に非常に熱心じゃない、等閑視されて、条例すらない。全然無法状態でもって放置されておる。こういう状態にあるのですね。したがって、これは何としても私は、この政府の施策として、今後、中央卸売市場を拡大していく意味からいっても、この地方卸売市場の幾つかは、将来、中央卸売市場になってくるのですから、それが中央卸売市場になったときから行政として取り扱うというのでは、そのときに必ず混乱が起こる。それはもういい例が、中央卸売市場を指定区域として実施をした。ところが、なかなか、あなた方が理想と考えておる単数制を主張しても、単数の卸売人にはならない。そういう事態が出てきておる。結局、それは、その土台が非常な過当競争があったり何なりして、そういう一気に中央卸売市場のような形に行かないような形になっておる。行政としては全然放置されておる。こういう状態にあるからなんです。したがって、これは、この答申でも言っておるように、都道府県知事が中央卸売市場に準じて整備をやるべきだ。ところが条例すらないという状態にある。こういうことでは、この行政というものに対して、私は、非常に抜けている点がある、したがって、これはもう先ほど言っているように、早急にこの一般市場の問題については取り上げてもらわなけりゃならない、このように思う。  それからもう一つは、地方市場で非常に問題になっているのは、やはり資本の支配の問題なんです。きのう来も出ておりますように、大資本が今市場の支配権を持っている。資本的に資金の力でもって市場を支配する形というものが非常に強く出てきている。一方、先ほど言ったように過当競争なんですから、そこに資本の力の強い卸売人が出て参りますと、これは自然淘汰されていくのはもう間違いない。そういうような形になって、過当競争という問題に含めてこの資本支配の問題が出てきている。したがって、ある九州の一部の都市における市場の卸売人ですね、開設者、これらの人はどういうことを言っているかというと、もう自分らの、個人あるいは会社の施設ですね、これはもう地方の市場というのはそういうのが多いですから。その自分の施設というものを無償でもって市か何かに提供いたします、そして開設者は、ひとつ市町村、地方公共団体にしてもらってけっこうだ。そしてもう極端に言うならば、公営でやってもらってもよろしい、われわれは月給取りでいいから、ひとつ正しい取引がなされるようにしてもらいたい、こういう要望すら出てきておる。それは、今日非常に大きな資本の力というものが出てきている。それに対抗し切れなくなってきている。こういう実態なんです。したがって、そういう面からいって、みずからを守るという立場から、そういう声すら今日聞かれておるんです。われわれは、いさぎよくこの卸売人というものを、個人的な会社あるいは個人というものの地位というものを投げて、できるならばもう無償で建物も何も提供いたしますから、ひとつ市町村の職員になって、そしてせりなり何なりやらしてもらいたい、こういう意見すら吐く。これが有力な人ですよ。そういう人すら実は現われてきているんです。そういうようなところからいって、地方市場というものは、今日いかに国民生活の消費の面、あるいは生産者の面、こういう面において、行政から置き忘れられておるかということがあるわけです。こういう点について、今まではおそらく、経済局長はまあ早急にしなければならないと言っているけれども、おそらく何にもない。今あなたに地方市場について、来年これらの法案なら法案を出すということにおいてひとつ資料を出せと言ったら、もう何にも持っておらぬでしょう、おそらく。そういう実態なんです。それくらい農林当局は、政府は、こういう中央卸売市場が重点で、地方市場というものに対して今日手が回らなかったというか、何というか、そういう実態にあるわけです。しかしながら、今日地方におけるこの流通問題における一般市場というものは、非常に大事な時期にきている。根本的にやはり考え直さなければならない時期にきているわけなんです。そういう点、われわれ非常に市場問題に暗い者ですからこういうことを覚えているんですよ。それなのに、農林省が中央卸売市場法の一部改正だけで——これはもう答申になってから約二年たつわけですからね、二年たって、その対策なしに今日ずらっと出てくるということ自体、私は非常に心外に思う。しかも関係業者が非常に多いわけですから、そういう整備というものがなされることを非常に望んでいるわけです。それが無視されて、わずかに十八都市における中央卸売市場というものだけが対象になっている。まあこれから拡大するにしても、そういうものである。でありますから、生鮮食料全体についてのせっかく検討をやったのですから、そういう意味から言って、私はこの地方市場という問題について、もう少し関心を持ち、積極的にこの対策を立てて、まあ先ほど来言っているのですが、来年の通常国会あたりに間に合って、地方市場法ですか、何かというようなものが出せる自信がおありなのか。先ほども聞いたのですが、その点だけは何かこう答弁をぼやかしているようですから、はっきりお伺いしておきたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘の点は全くそのとおりでございまして、私どもも今まで、何といいまするか、生鮮食料品の問題といいますると、一応出荷対策の問題とか、それについても十分じゃございませんが、ある程度その手はつけておりますけれども、それと、あとは中央市場の問題、大体それに限定されていたと思うのでございます。しかし、いろいろ農業の実体も変わって参りまして、生鮮食料品というようなものは非常にウエートを持って参るのでございまして、地方的にも非常に大事な問題になって参っていると思うのでございますので、そういうような意味におきまして、御趣旨の点十分くみまして、至急に検討をいたしたいと思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連。局長、こういう事情知っておいででしょうか。どんなふうになっているか、北村君が話していることを。今初めて北村君からお聞きになったのですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) あるいは先生方と同じように詳細に知っているかどうかわかりませんけれども、いろいろ地方的には話を聞いて存じております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そこで、おわかりであったならば、こういうことは考えられませんかね。市場を初めて整備統合した場合には、現実の市場関係者が合同出資のような形でひとつ卸売商をやって、これは旧来の伝統あるまあ問屋さんとしてですが、それがまとまったのだが、この段階においては、私はまだ整備というものに対する観念がそう乱されておらないと思うんです。ところが、今、北村君が指摘しましたような状態が出て参りましたことは、巨大な資本が市場内へ入ってきて、それが市場を独占する形になっている。それはあなたの方はよく御存じだろうと思うのです。  たとえてみまするならば、大洋系のものが私の調べただけでも、東京の大都魚類会社百六十億円、大都魚類がこれは名古屋ですが八十億、大都が京都で八十億、新港魚類これが約八十億、その他九州の魚市場会社。戸畑あるいは福岡、佐賀ですか、こういうところに鹿児島水産三十億というようなものができておって、佐賀でもあり、大津水産といって大津にもあり、こういうふうに系列化して市場を占領している。だから今のような問題が出る。だから市場法を改正するといったら、やはり市場経営の資本というものもある程度制約する段階にきているのじゃないかと思う。何でもかまわない、株さえ持ったら、だれでも持てるということは考えられないのじゃないか。このことについては、かつて丸東事件の起きましたときに、江東だか何かに高利貸しが市場を経営している。高利貸しが市場を経営して公正な価格をとっていくなんということは、これは考えられないと思うのです。そういう事件が起きているのだ。そういうようなものが資本攻勢でどんどん入ってきて、完全な市場というものができるのだろうかどうか。まず市場構成に対する、まあなかなかむずかしい問題だと思いますが、やはり一種の規定が要るのじゃないかと思う。これじゃ、こういうものでもってもう網を張ってしまって、そしてでき上がるものはどうかといいますならば、だんだん生産費の確定したカン詰め、いわゆる練り物というようなものに変わってきている。それが系列化した市場取引の中に行なわれてきまするならば、これはもうとうてい完全な市場操作というものはできない段階にきている。だから私は河野さんに聞いたのです。そういうことをあなたお聞きになったかと聞いた。知らないと言う。なぜ知らない。御存じだったらなぜそういう資料を出して、こういうものを検討したらどうだろう。なぜして下さらない。大事なことをほうっておかれる。全く私ら不満にたえない。御存じでしょう、あれはどこだったか、高利貸しがやっておって丸東のようなことをやろうとしたことがあるのです。そういう資本が入っていいのか悪いのか。そういう点に対してどうお考えになっているか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、市場におきまする卸売人の資本の構成は非常に影響するところは大きいと思うのでございます。で、最近御指摘のように、いろいろ大資本会社の系列のものが相当支配的な地位を占めているようなところもございます。たとえば東京都においては、これはもう全体の比率から申し上げますれば、これは支配的だとは申し上げられませんけれども、地方の都市によっては、そういうようなところがございます。しかし、実際問題といたしましては、これをそれじゃ今の経済状態のもとにおきまして、どういう工合に法的に規制ができるかという問題になりますと、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、たとえば大阪というような例を、魚で例をとってみますると、あそこは大水と魚市という二つの大きな会社がございまして、大水は日水系である、それから魚市は大洋系庁と、こういうレッテルが張られております。しかし、現実に資本の形態を調べてみますると、大水にしてもそれから魚市にいたしましても日水、大洋の資本の持ち株というやつは一五%か二〇%でございます。そうすると、そういうものに対しまして、これは大洋系統だからどうだとかこれは日水系統だからどうだとかときめつけてやっていけるかどうかということは、なかなか現状ではむずかしいことでございます。ただ、魚は自分の系列にとにかく一生懸命引きますから、たとえばどういう地帯のものは大体日水系に集まり、それからどういう地帯のどういうものは大体大洋系に集まる、こういう系列が、ある程度できておりまして、そして荷物のほうに競争が起こっておる、こういう状況でございます。それから内容を見ましても、これもやはり日水系だ、これは大洋系だというレッテルがありますけれども、中身を調べてみますと、資本関係ではとても問題にならない。というのは、たとえばその人間が日水におった人だ、その人間が大洋におった人だというような問題もございまして、なかなかそこら辺の、何と申しますか、監督というのはむずかしい問題がございまするので、実際に即しまして、実情に即しまして、ひとつそういう問題は私どももできるだけそういうことのために弊害が起こりませんように、今後とも検査等の段階を通じまして、十分指導をやって参りたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大体、北村君や清澤君の質問で重要な点が究明されたと思いますが、この際、二、三点について明らかにしておきたいと思います。  今度の中央市場法の改正はまだ十分なものではない。非常に複雑な市場のことであるから、さらに一そう精査をして完全なものに仕組んでいきたいということで、この改正法が万全なものであるとはお認めになっておりませんので、近く万全なものにするための措置がとられなければならないと思うのです。そういうお気持で臨んでいらっしゃると思うのですが、そう理解してよろしゅうございますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、この点はこの改正で中央市場いわゆる生鮮食料品の流通問題について万全であるとは思っておりません。要するに、一面におきましては生産者の出荷態勢といいますか、そういう面が非常に大事な問題もございまするし、ですからこの問題はこの中央市場に参りましたときのそのときの機構の問題と取引の問題が大体重点になろうかと思うのでございまして、そのほかに、先ほどもいろいろ御議論のございました地方市場の問題も非常に大事なウエートを持っておりますので、この問題はやはり別途に検討しなければならぬ問題であります。それから魚につきましては、特に生産地の産地市場の問題であります。こういう問題は、とりあえず中央卸売市場という姿とはまた別途の考え方が必要だろうと思いますので、この問題も検討中でございますので、そういう問題等いろいろ相待ちまして、生鮮食料品につきましての流通対策といいますか、そういうようなものができ上がるというふうに考えておるのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 こうしますると、その場合に、中央卸売市場というものに一応まず限定をして考えられますることは、もちろんこの法律の生まれておる趣旨が、公正な価格の決定と明朗な取引をするというところに法律の持つ意義があると思うのです。その意義を達成して参りますために、現在のいわゆる卸売業者と申しますか、その性格を今の実態のままにしておいて、そういうような目的が達成せられるとお考えになるのかどうか、私は理屈ではなしに、現実が今のままの性格を存置しておいたのでは、とうていこの市場法の所期する目的を達成するわけには参りかねるということを考えるわけでありますが、今回の改正が抜本的なものでない、近く法の趣旨に沿うようなものに仕組んでいかなければならないということについて取り組んでいこうということでありまするならば、その際に、そういうことについてのお考えはどうかという点をまず最初に明確にしておきたいと思います。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 現在の中央卸売市場の中の卸売人の性格でございまするが、これは非常に性格といたしましては、先ほどおっしゃいましたように公正な取引、公正な価格形成、こういう大事な問題がございまするので、どちらかと申しますれば相当公共的な色彩を持ったものでなければならないというふうに私は考えておるのでございます。しかしながら、現実の段階におきましてはこれをそういうようなはっきりした姿に法律上なかなか広きにくい面もございまして、今までの実情もございまするので、そこでいろいろ監督規定その他のいろいろの規制の面で、そういう面におきまして公共的な性格をできるだけ与えていこう、こういう努力をして参りましたわけでございます。またこの場合、新しく今度の法律改正で、卸売人の許可の場合に条件を付することができると、こういうことを書いておりますけれども、新しく入れたのでございますけれども、この点は、予想といたしましては、たとえばある地域におきまして単数の卸売人ができた、こういう場合のことでございますけれども、この場合においては相当中身にまで入り込みまして、そして監督していきませんと、独占のための非常な弊害を起こすという面も一面考えられますので、そういう点が起こりませんように、ひとつ十分条件等におきまして、公共的な色彩を与えるようにという意味で条件を付することができるということを考えたわけでございまして、方向といたしましては、相当私はそういうような性格にだんだん近づけていくというふうに考えるべきじゃあるまいかというふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、方向としては公的な性格を持たせることが適当であるという御見解であるといたしますれば、近き将来にさらに技本的なものに仕組んでいくというようなことを取り上げられまする場合には、そういう方向に向かって整備がなされる、そうだといたしますれば、単数、複数という問題は解消するのではないか、今のような性格のもとにおける卸売業者だから、その間における競争と申しますか、公正な競争を行なわしめるための複数制というものが考えられてしかるべきとは思いますけれど、公的な性格を持つものということになりますれば、それが不正な取引をしようはずはございませんので、むしろ卸売業者は単数制にすべきである。それによって決してそこに独占の弊害が起きるものではない。公的なものであれば独占ということに通じないと思うのですが、いかがですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、理論的に申しますれば、ほんとうに公的な機関になった場合にはそういう問題は起こらないと思うのでございます。しかし、実際問題といたしまして、それでは、たとえば市町村なら市町村が卸売をやるということを考えました場合に、これは現実問題として生鮮食料品のような非常に迅速を要する仕事に、そういう公共団体がほんとうの取引の中心になってこれをやれるかどうかという問題、これもやはり実情によって検討しなければならない問題だろうと思う。そういうようないろいろな問題がございますので、そういう点もひとつ十分検討いたさなければならないと思っておりますけれども、現在において、なかなかそこまで市町村公営というようなところまでは、なかなかいき切れない面もあるのではないかと思っておりますので、いろいろ今後の推移等も十分見まして、実情等も考えまして、十分検討いたしたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 必ずしも市町村が直接いたしませんでも、あるいは公団のような形というものも考えられると思うのです。公的な性格というものをもう少し強度に取り入れていくという制度というものを、私はどうしても考えなければならないと思う。そうだといたしますれば、必ずしも複数制をとらなければ市場の目的が達成し得ないということにはならぬと思うのです。そういうふうになりました場合に、実際の取引の段階で、必ずしも全部のものにそういうことを共通せしめようとは思いませんけれども、ある一定規模の市場におきましては、やはり取引の敏速、適正というようなこともありますし、荷さばきの問題等もありますので、いわゆる現在の仲買人の制度というものを、そういうことになるといたしますれば、公的なものに仕組んでいくということに考えませんと、そこに私は問題が起きると思うのです。現在でも置くことを得だから、それでよいんじゃないかと、こうおっしゃるけれども、現在の卸売業者が、ときによると仲買人のような行為をやっていると思うのです。実態としては。そこに仲買人がある、そうして小売業者も同列に並んで参画できる、いかにも建前としてはいいようではありますが、実際の問題としては、私は複雑化しておって公正な取引を妨げておると思う。でありますから、卸売業者という者は公的な性格を持つものというふうに変革されるということでありますれば、その場合には一定の規模を持つ市場における仲買人という名は、これは正確に荷さばきをする機関としてこれをはっきり認めていく。もちろんその場合にも、その仲買人が不公正なあれがあってはいけませんので、その仲買人の仕事に専念するという意味において、明確に私は兼業禁止のもとに仲買人という者を公的なものに仕組んで、制度として法制化していくということを考えたらどうかということを思うのでありますが、いかがでしょうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、卸売人の性格をどう考えるかということとも関連する問題でございますので、十分そういう問題を今後将来問題として検討いたしまする場合には、御指摘のように仲買人という者がどういう役目を果たすか、こういう面もはっきりといたすべきではないかというふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 第三点に、北村君から御質問がありましたが、この法律が漸次拡大して実施をされるということになりますると、類似市場の問題も非常に複雑になってくると思うのです。それはそれとして別個に考える、急速に考えてみようというお話ですけれども、法律の実施拡大によって類似市場というものは届出によって簇生をしてしまう、そのあとに法律が追っかけていくということになると、それをまた整理するということ自体が非常にむずかしくなってくる。だから、そういう事態が発生しないことをここで考えなければならないと思うのです。そういう点について、これからひとつ考えましょうでは、考える場合に、非常に問題が複雑になって、また手がつけられない。いやおうなしにそういう実態というものを認めていかなければならぬ、こういう事実が起きてくるように思うのですが、それはどうお考えですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御指摘のように類似市場の問題は、中央卸売市場の問題を考えます場合に、非常に困った問題でございまして、私ども非常にむずかしい問題で困っているわけでございます。中央卸売市場法の中には開設のときには閉鎖命令ができますけれども、その後におきましてはそういうような措置がとれないというようなことになっているのでございまして、中央市場の性格上、まあ現在の制度としてはやむを得ないかとも思うのでございまするが、ただ、これをほうっておくというわけには参りません。ですから、したがいましていろいろ行政指導の面におきましても十分そういうようなものの防止に努めるということはもちろんでございまするけれども、ただ、一番いいことは、やはり中央卸売市場に持っていけば、一番設備もりっぱで、それから公正な取引ができて、値段もりっぱな値段がつくのだ、こういう姿ができることが一番大事なことだろうと思うのです。中央市場というものの性格上そういう性格にできているのでございますので、そこで私どもといたしましては、十カ年計画でとにかく中央市場の整備をやっていく、こういうことを重点に考えているわけでございます。神田の市場を見ましても、築地の市場を見ましても、非常にそこは狭くて乱雑で、設備も老朽化しておりまして、能率が落ちているのでございまして、こういう点をほんとうに直していく、本気にそういう問題に取り組んで、あすこに出荷すれば生産者が一番安全なんだ、こういう姿にどうしても持っていかなければならぬ、こういうことを私ども非常に真剣に考えているのでございまするので、そういう点、今後ともよろしく御指導をお願いしたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 中央市場に出荷すれば、生産者としては、もともと無条件委託で出すのですから、信頼ができるという基本を確保するために、現在の卸売業者の性格というものを明確にじなければ、今のままにしておいて、そうして信頼しなさいといっても、これは信頼のしようがないと思う。実際問題として。ですから、先刻来お尋ねいたしておりまするように、今度の改正というものは抜本的なものではない。どうしても近いうちに手をつけなければならぬということをお考えになっているのでしょうが、その時期をなるべく早くして、そのときには中央市場における卸売業者という者は、これは完全な公的なものに仕組みかえる。その場合には単数でいいと思うのです。そうしてその中にいる荷さばきその他をいたします仲買人という者を、はっきり一定の規模以上のものについては認めて、小売業者と仲買業者と卸売業者が三つ同じようなことをやっているという変な形にしないで、明確にするということも考えなければいかぬと思うのです。同時に、そういうことが完成するまで現在の制度でいきまするというと、他日そうなった場合にはというときに備えて、あらかじめ届出だけで類似市場の開始ができるということになれば、どんどんそういう既成事実を作ってしまう。行政指導とか何とかおっしゃいましても、利益のためにはなかなかそういかぬと思うのです。ですから、そういう既得の一つの権益を確保していくために、かえって混乱をしてしまう。ですから類似市場につきましては、現在までに生まれているものはやむを得ませんけれども、今後のことにつきましては、やはり何か許可制をとるとかいうような制度を考えておかぬというと、他日整理をすることはいたずらに複雑にするということだけではないでしょうか。これはどうお考えですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり今のままの届出でできる類似市場の問題をほっておくということは、これはなかなか将来に禍根を残すというようなおそれもあるかと思うのでございまして、これをそれでは許可制をとるとか、あるいは禁止をするとかいうことが考えられないだろうかということで、いろいろ検討してやってきたのでございまするけれども、この点もなかなか今の中央卸売市場法の建前からいうと、そこまではっきり割り切ることはむずかしいというような、政府部内の法制局の議論等もございまして、そういう関係で、私ども実は困っているのでございまして、何とかそういうような意味で、たとえば今回の改正にも類似市場をできるだけ合併させていく、そういうようなことで中央卸売市場の中の卸売人と合併する。そういうことで、合併の場合におきましても、特別な税法上の措置をとるとか、非常に一、二の問題でございまするけれども、そうしてできるだけ何とか類似市場の解消に役立たせるようにということで、十分ではございませんが、一歩とにかくそういう方向に踏み出しておく、こういうことでございまするので、今後、十分ひとつそういう問題を検討いたしたいと思いまするが、現在の段階では、まことにその点は私どもも不十分であると思っておりまするが、十分ひとつ努力をいたしたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 他に質問もおありですから、私はこれでやめますが、とにかく今度の中央卸売市場法の改正は、これは全く微温的なもので、法律が所期しておる目的を達成するためには非常に遺憾な姿の改正である、これは申し上げなければならぬと思うのです。非常にすべてがむずかしいんですから、やりやすいところから順次手をつけていくということでお考えになっている意味もわかります。わかりまするが、そんな遠い将来まで放置されるべき問題ではないと思います。今私のお尋ねいたしましたことには、大体方向としては同感であるというような見解を表明されたことでもありますので、これはできれば次の通常国会あたりには、そういうようなすっきりした法律に改正するという手続を、ひとつ御研究を願いたいと思う。それまでの間、今お話になりました、いろいろ政府部内でも研究したけれども、これはおそらく憲法の営業の自由とか何とかということだと思うのですが、そういうようなことからなかなか規制するということが、類似市場についてはむずかしいということだと思いまするけれども、何かそういうことについて、先般、家畜関係の市場の問題を論議いたしました際にも、一部、これは日を限るとか、市場の周辺の地域を限定して、そのときには取引をやっちゃいかぬというような規制が加えられておる法律があるんですね。これをもう少し拡大していくと、何かその辺に一つの解決点があるんじゃないかと思うのです。中央卸売市場の設けられる地点からあまり近い距離ではいけませんけれども、十キロとか五キロとか、そうい広範な地域内においての取引はいかぬ、こうやれば、全面禁止をしたわけじゃなし、そういう地域に持って来なければ取引はできるのですから、それを離れてしまえば産地なんですからね。ですから、畜産の場合には千メートルということで一つ規制をした。その千メートルがいいとすれば、もう少し拡大して、五キロ、十キロまでふやしていっても、これは理屈の上では問題にならぬのじゃないか。ですから、そういうような何か規制を設けるとか、とにかく他日類似市場というものを整理していきたいというのであれば、その類似市場の整理の妨げになるようなことを今ここで作るということはおかしいと思う。解決を困難に導く種まきをするということはいかぬですから、ひとつそういう点を考えていただきたいという感じを持っております。  これは全部希望でございますけれども、この希望がひとつ早く実現されるように、ほんとうに考えてもらわなければいけません。ただこの場だけ、しかるべき機会に、なるべく早く善処しますというのではいかぬので、ほんとうに考えるということを期待いたしまして私は質問を終わっておきますが、ほんとうに真剣に考えていただきたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 先ほども申し上げましたように、御指摘の点はすべてごもっともな御意見でございまして、私ども今の中央卸売市場法がいつまでもかたかなのままの昔の法律でこのまま通るとは思いませんので、いずれ根本的にこれを全面改正をするという時期もできるだけ早くやらなければいかぬというふうに考えておるのでございまするので、十分ひとつ御趣旨に沿いまして検討いたしたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、類似市場の問題について、森委員も質問されておるのですが、この問題について、この前、家畜取引法の改正のときに論議をいたしたわけですが、そのとき松岡参事官の説明によりますと、この類似市場で取り扱っているものは、中央卸売市場で取り扱っているものからいって、金額的にも微々たるものである、したがって、中央卸売市場の取引に対して大した影響はないのだ、したがってこれを規制したりなんかするということ、これは目下のところそういう方向にはいかないのだ、こういう現在の届出制というようなものからこれを強化して許可制にするとか何とかいうことにはいき得ないのだ、こういうことで答弁があった。その中に、江東分場——東京卸売市場の江東分場の取り扱い金額は大体年間三十億で、そこの類似市場の取り扱い量はわずかに六千万円程度である、こういうことを言っておりますけれども、これは私は非常におかしいと思って調べてみました。それから札幌の類似市場の場合も、中央卸売市場の取り扱い高に比べますと、ずっと問題にならないほど小さいのでございます、こういうふうに、答えて、類似市場がいかにも中央卸売市場の取引に影響ないかの答弁であったわけです。それを調べてみましたところが、東京の場合の江東分場の、わずか一これは名前は言いませんが、二つの類似市場だけで六億五千万でございます。六千万円の取引高だと、こう言っておるのですが、これはまことに誤りで、こういう数字ではないと思います。したがって、これはひとつ調査をして、あの答弁が間違いだったならば、速記録を訂正してもらわなければならないじゃないかと思う。札幌の場合を見ますと、札幌の類似市場と本場との取り扱い高は、中央卸売市場が——これは青果の場合でありますが、中央卸売市場の取り扱い高が、これは三十四年度でしたが、十四億であります。ところが類似市場の取り扱い高は二十五億で、中央卸売市場よりも多いです。これは。したがって松岡参事官の答弁では、札幌はもう非常に比較にならないほど少さいものだ、こう言っておるのでありますけれども、これはどういう資料に基づいてああいうお答えをしておるのか、現実に札幌の類似市場は中央卸売市場よりもはるかに十億程度多いのであります。そういうような点から言って、非常に答弁に誤りがあるじゃないかと思う。なおあれで正しいというのであったならば、そのようにひとつ、間違いであるのかどうなのか、私の調査したのとでは非常に違いまするので、もっ一ぺんはっきりした答弁をいただきたい。まあその点についてお答え願いますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 先般の本委員会におきまするところの松岡参事官の答弁で、江東市場の類似市場が六千万円程度と、こういう答弁があるようでございますけれども、これは私どもの調査も正確なものはございません。正直を申しまして。そこで、六千万円といいますのも、大体見込みという推定の数字であろうと思います。私どもの調査では、江東の、名前は申し上げませんけれども、ある類似市場と思われる会社の一番大きな会社の取り扱い量が六千万ということでございますので、あるいはそれを六千万程度というふうに申し上げたんじゃないかと思っておるのでございます。なお、実際の数字については、私どもあるいは違った数字があるじゃないかと思うのでございまして、この点は十分市場当局に当たりまして、もう少し精細に調べてみたいと思っております。  それから札幌の問題につきましては、仰せのとおり三十四年は十四億、全体の取り扱いは。それから私どもの調査では三十五年も十四億でございます。で、これにつきましては、私どもで札幌の市場当局から調査をいたしたのでございまするが、市場当局の調査では、類似市場の取り扱い高は五億程度であるという報告がきておるのでございます。最近は、これがさらに減りまして三、四億程度になっておるのじゃないかという報告を受けておりますが、何しろ類似市場でございますので、正確な統計的な把握ができませんので、この点私どもももう少し精細に一つ調べてみたいと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、言っておる数字はずいぶん違う。今もそこから数字を持ってきましたが、これはどこかの一つの店の取り扱い高が六千万円であったというだけで、そのほかに二億取り扱っておるものもあれば、そのほかにもたくさんあるのですよ、江東の場合だってね。したがって、私が先ほど指摘したその資料の中にもはっきりそういうものがある。したがって、江東全部で六千万円というような答弁ははっきりしておるのですよ、これはこういうふうに書いてありますよ。速記録を読み上げましょうか。「東京卸売市場の江東分場の取り扱い金額は大体年間三十億円に上るのでありますが、ここにある類似市場の取り扱い量は六千万円程度でございます。その影響というものはほとんどない。」、こう言っておる。そういうふうに答弁しておりますよ。こんなばかげた答弁をしておりますから、それだからほとんどないと言っておる。それから札幌の場合も、これも取り扱い量はずっと少なくて問題にならない程度であると、こう言っておる。ところが、札幌のこの青果の類似市場というのは、これは私も十何年住んでおりましてよく知っておるのでありますけれども、これは円山というところにある朝市がこの類似市場になってきておる。そして、中央市場のすぐ近くに大きな類似市場というものを作って、取り扱い高ははるかに類似市場の方が多いのですよ。そういう今のあなたの答弁だとすると、少ないようなことを言っておりますが、これは多いのですよ、調査してごらんなさい。はっきりしておりますよ。そういうような点からいって、いかにあなた方の持っておる数字というものが不正確であるかということは、これはもうはっきりしておるじゃないか。そのくらい類似市場に対しては、事実あなた方は行政的に何もやっていないくらいしかやっていないのだ。だから、こういう松岡参事官のような答弁になってくるのだけれども、東京における四百六億の青果の取り扱い高のうち、類似市場で取り扱っておるものが五十億あるといっておる。これは二十四市場で五十億ある。それから大阪は中央卸売市場が百二十億、それが類似市場の取り扱っておるものが百億あると言っておる。それから札幌は先ほど言ったとおりですが、広島の場合は中央卸売市場が七億六千万円程度で、類似市場がこれもまた二十四億といっている。類似市場のほうが多いのです。したがって、広島の場合は御存じのようにこの中央卸売市場をやっておる場所が悪いのです。類似市場のほうが港に面していて場所が非常にいいところにある。したがって、荷物は中央卸売市場にいかないで類似市場のほうによけいくる。したがって、広島においてはもうこの類似市場を本場にして、今の中央卸売市場を分場にしなければならない、こういうふうな問題すら起こっておる。したがって、この類似市場というものに対する政府のあなた方の認識というものは非常にあやしげな認識しか持っておらない。そういう実態にありながら、類似市場というものが中央卸売市場の取引に問題にならぬ程度のものである、こういう認識は絶対にない、私はこういうふうに思っている。したがって、この点については、あなた方は反論できるならばいつでもしてもらいたい、私は事実に基づいてあなた方とこれは争います。そういう点については、これは事実そうなんですから、そのほかに取り扱い高については今申し上げたような形なんですが、それ以外にこの類似市場が中央卸売市場に非常にいろいろな影響を与えている。そういう問題について、これはもう類似市場の問題で個人的な名前を出すことは避けたいと思いますけれども、江東分場の非常に近い隣接地、ある配給所のそこの類似市場が何回か責任者の名前が変わって、ついに倒産してしまった。そうして仕切金の未払いというものが乱脈であった、こういう事象が出ている、結局、中央卸売市場のそういうような点からいって非常に大きな影響を与えたという事例がある。そのほかに、甲府の、これは中央卸売市場ではないわけですけれども、甲府の場合は、これは調査員が現実に行って調査してきた問題ですけれども、これは魚の関係で、これもある一市場が倒れてしまった。したがって、この出荷者に対して代金を払わなかったために、甲府の魚市場が、これが十二あるわけですけれども、それが全部魚が築地からストップされていかなかったことがある、こういう問題が起こっておる。それから東京のある類似市場、これも千住であります。千住の近くの類似市場で、これは歩戻しをやっている、買出人に対して三分から四分くらいの歩戻しをやっている。したがって、この歩戻しの問題が結局買出人を引きつけている。とにかく一カ月まとまれば幾らかというものが歩戻しで返ってくる、こういう取引が行なわれている、そういうことで、これは三分から四分の歩戻しということはこれは常識じゃないのです。卸売人の手数料というのはこれは五分か六分でしょう。そのうち三分から四分買出人に歩戻しをするといえば、これはどこからかそれ以上のものを取っているに相違ない、こういう問題もある。そのほかいろいろ歩戻しの問題、それから先ほど問題がちょっと出ております出荷奨励金の問題、このことによって、類似市場がそういうものをやっているという点について、あなた方は、これを届出制にして業務の内容を検査することもできるし、業務の停止命令もできる、一体あなた方は、この二十一条二十二条、二十三条、特に二十三条のこの条項を適用して業務停止をやった例が一回だってあるのかないのか、これを聞いておきたい。そういうような点からいって、これが中央卸売市場における取引の問題にしても、いわゆる仕切金の改ざんの問題が出てきている。これがやかましい問題で、この委員会でも何回か論議になってきている。公正な取引が行なわれておらない。改ざんの問題が行なわれておるという事象について非常に改められましたよ、改められましたが、今日なお中央卸売市場においてすら改ざんなしとは断言できないと私は思う。改ざんが行なわれておる。こういう実態があるのにかかわらず、公正取引が行なわれておらない。そういう点からいけば、類似市場というものが、いかに中央卸売市場の取引というものに対して影響を持っているかということははっきりしている。今の局長の答弁からいいますというと、この問題は法制局とも相談をしたが、しかしながら、今の段階では、この届出制というものを許可制とか、よりきつい線に持っていくことはできない、こう言っておるけれども、家畜取引法の審議の中に法制局の第何部長かが来て、私の質問に対して答えているところによるというと、中央卸売市場の公正取引に重大な影響があるようであるならば、この類似市場に対して許可制ということもあろうし、また、もっと強い制限規定を設けることも憲法違反じゃないということを言っておる。一にかかって類似市場というものがいかに中央卸売市場の公正取引というものに対して影響を持っているか、悪い影響を持っているかということの事実認識なんです。あなた方は影響ないと、こう言っておる、ところが私はあると言っておる、ここに違いがあるのですよ。中央卸売市場の取引に影響があるとするならば、これは当然、類似市場というものはもっと強い立場において規制をしても憲法違反じゃない、そういう論拠が出てくる。ところがあなた方は、この条項を、この二十二条、二十三条を改正してこういう規定を設けたときに、これを設けるについても相当圧力があったはずです。類似市場からあったはずです。今日なおこれを改正して正しい取引ができるように持っていけないということについては、私どもはこの相当な圧力はあるかもしれないけれども、しかし、これは思い切ってやらない限り公正な取引というものはできない。その限りにおいて生産者も消費者も迷惑をする、こういう結果になるわけですよ。したがって、この類似市場の問題については、あなた方の今までの説明では私は絶対了承できないし、今私が申した点からいっても、これはなおざりにできない問題なんですよ。これを何にも解決しないで、中央卸売市場の公正取引をやろうだなんて、そんなことを何ぼ法律でうたってみたところで現実の問題としてできない。あなた方がこういう類似市場を、こういうふうにほうっておいて、先ほどあなた方はこの公正取引をやるために卸売人に対していろいろな制限規定を強化しています、この四つの点にわたって強化しているでしょう。とにかく役職員の解任もできるようにした、卸売に対する、公共性を持っているということにおいて、卸売人に対する監督規定を強化する一面において、どうしてこの類似市場というものを、それだけ害のあるものを今のままでほうっておかなければならないのですか。したがって、卸売人の人などは、こういう一方的な締めつけばかりやられて、片っ方には、すぐ隣りにやりほうだいにさしておくものがあって、一回もこの業務停止をやったこともなければ何もやったことがない。法律にうたわれているけれども、実際に行なったことがない。規定があるからということだけで、この監督を厳重にする、強化するということについては了承できない。したがって、法律はそういうふうに制定するならしてみなさい。私どもは、これは守られるか守られないかわからないと言っているが、やってみなさい。そういうふうに法律で規制できない問題に発展してくる。これは非常に問題はデリケートなんですよ。政府の方針が類似市場ならば取り締っていくという、改ざんというものをどうしてもなくしていこうという熱意というものが出てくるか、こないかによって——丸東の問題が起こったときに、あれだけここの委員会でもってたたかれてたたかれて、改ざんというものが減っていったじゃないですか。それがちょっと手をゆるめると、またもとへもどってしまうということが起こり得る。したがって、監督だけ強化されて手足を縛られて、そして片っ方に重要なものをほうっておいて、自由競争やれ自由競争やれ、信用だけでやれと言ったって、これはできないことだ。したがって、これは非常に矛盾している。その点からいって、私は今度の法改正において絶対これは了承できない問題だ、これにあなた答弁できますか、一体。これ一回でも処分したことがあるのですか、答弁して下さい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 類似市場の問題につきましては、先ほどからいろいろ御議論がございましたように、非常に私どもも実態の把握がなかなか十分にはできておりません実情でございまして、その点はまことに遺憾に思っている次第であります。また、それに関連いたしまして、この前の委員会の答弁で、江東の市場が六千万円ということを申し上げたそうでございますが、これも私が調査が不十分でございますので、その点は十分調査いたしまして、必ずしも私は、あの実情からもってしては六千万円とは思っておりません。だから、この点はこれは取り消させていただきたいと思います。  なお、札幌、大阪その他についても、いろいろそういう実態もございまして、全体といたしまして生鮮食料品の融通のうち四〇%が大体中央市場という状況でございますが、残りのものについては地方市場で動いているもの、あるいは類似市場業者の扱っているもの等があるでしょうが、そこら辺が正確に把握できておりませんので、今後はひとつ十分調査いたしたいと思っております。なお、類似市場につきましては、今申し上げたような状態でございまするので、この点は卸売業務に対しまして非常に影響を与えるというふうに私どもは見ております。したがいまして、何とかこれをそういう影響を与えないようにしたいということで、施設の整備、それから中央卸売市場のほうの整備、あるいは合併の促進とか、それからたとえば御指摘ございました広島のようなところにおきましては、その実態がもうおっしゃるようなことの実態でございまするので、できるだけそういう類似市場というようなものは、これは中央市場という姿に吸収をいたしまして、それで吸収するなり、そういう姿に直すなりいたしまして、そうして全体として公正な取引ができますように、そういうようなことで持っていきたいと思っていろいろ指導いたしているわけでありまして、今後非常に問題がございまするので、十分調査もし、検査もし、全力を尽くしてこの問題の解消に努めたいと思っております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 先ほど北村さんと森さんの類似市場における許可規程といいますか、そういうようなものを早急に作れという、こういうような要求に対して、局長は、そういうことについては政府も困った問題であるから、目下検討中で、その問題については対処していくのだ、こういう答弁をしている半面、中央市場の整備計画を十カ年で遂行して、何かそういう中へ吸収していくのだ、こういうような答弁と二色しているのであります。だから、この点をはっきりと明確にもう一度御答弁願いたい、こういうことであります。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 今後類似市場の問題につきまして、どういう法的措置を講じていくかという問題については、私どもも真剣に今後の問題として検討いたしたいと思っております。いろいろ法律論がございまするが、検討いたしたいと思っております。しかし、現実の問題といたしましては、なるべく中央市場というものができましたら、それを開設いたします場合には、その中に入って、そうして中央市場という姿で取引ができますように、そういう方法で指導したいというふうに考えているわけであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 そうしますと、今度の調査会の答申に基づいて、本来ならば抜本的な改正をするのだけれども、現在のところ、時間的にも、あるいはその他の条件にも制約されてできないから一部改正をやったのだ、こういうように受け取れるわけです。そこで、しからばそういう局長の答弁だとすれば、一体、中央市場の整備計画を十カ年で遂行していくという、そのことが正しいとするならば、一体、農林省ではその中央市場の整備計画をたとえば毎年、今年二つやるとか、どこの地区を三つやるとか、あるいは三年目には、かりにどういうように幾つやるとかというような工合に、何かそういう計画はお持ちですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 一応十カ年計画で、今後十五万以上の都市に対しまして、これは全部が全部とは申し上げられませんが、大体そのうち七割程度の三十二都市を新設の対象にして、一応のこれは目標でございます。それを対象にいたしまして整備を進めていったらどうかと思っておるのでございまして、本年度は、新設につきましては、大宮の肉の市場と、それから新潟の青果物、水産物の市場、これが大体新設に対しまして補助金を交付したのでございまして、これもまだ継続で、ある程度補助金は続けます。あとは数カ所の改造につきましての補助金の交付をいたします。今後も具体的な計画のもとに進めたいと思っております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 まことに計画は了承されるのですけれども、一応了解しますがね、何かいろいろ生鮮食料の流通過程上、何か手ぬるいような感じがするわけです。したがって、今まで清澤さん、あるいは北村さんからいろいろ質問があったように、なかなか類似市場の取引の問題が、公正取引上からいっても、あるいはその他の状況から見てもよろしくない、こういう意見が出ているわけなのです。そのことはあなたも認めているわけなんですよ。したがって、そういうような情勢はなおよけいに出てくるということを私は思うわけなんです。御存じのように、今度、農業基本法が制定せられたわけなんです。その中には、農業基本法の制定によって、いわゆる農業者でないものも、合名会社あるいは有限会社、合資会社というようなものが農村に出るわけなんです。そうすると、この人たちは、こういう会社は、従来の農協とか、あるいは農業者によって作られた農業生産法人とは違って、すぐに金融資本と一応結びつきがあるわけなんです。先ほど清澤さんの話でも、江東市場とかで高利貸が支配していたというような実例もある。したがって、いわゆるそういう農業生産法人が、将来特に金融資本と一緒に結びついて、地方の類似市場に進出するという問題が出てくる。さらに政府の工場分散によって地方の都市も相当人口がふえてくる。こういうような問題を考えまして、そこにおける全体的ないわゆる国民の食生活というものが、最近米麦からずっと変わってきて、たとえば水産地帯は果樹をたくさん食べるようになるし、果樹地帯においては水産物を食べるようになる。そうすると、地方の類似市場というものはますます取引が激しくなるということになると、これはそのままにしておきますというと、いわゆる公正取引の面から見ると、ますます複雑化、多様化してくるということが考えられる。そのときに、いわゆる中央市場だけの整備計画で持っていくということについては、ちょっと私たちとしては疑問が出てくるということが考えられるわけなんです。こういう点について、やはり類似市場を何か規制するというような方向を考えるべきことが至当ではないか、こういうふうに思うわけなんですけれども、この点についてどう考えますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、中央市場だけの整備計画をもってして十分に生鮮食料品の問題が解決するとは思いませんので、先ほどから申し上げておりますように、地方市場の問題につきましても至急にこれはいろいろ検討いたしまして、これにつきましても、たとえば施設の整備であるとか、あるいはその取引の改善であるとか、そういう問題も十分やっていけますように、できるだけ至急に検討いたしたいと思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ちょっと考えが甘いのではないかと思われるんだがね。ということは、とにかくに自由にいろいろな仕事ができるところは、北村君が指摘したとおり商売がしやすい、そこへ集まる傾向が強いんですよ。ただまあ、表から見ますと、公式な市場というものが少し信用が高いからそこへ集まる。だがしかし、類似市場というものがあることがどうもいけないから、これらを合併させるのだ、ここまで考えていられるが、片方じゃ合併を一生懸命させようとする中に、片方ではどんどんでき上がる。仙台でも今それで許可しないでしょう。三年も札幌では一市場にするためにほうっておかれた。それほど動いているんです。そういうものを放置しておかれて、一方で合併々々といったって、これはこっちを合併しているうちにこっちにできやしないか。ほんとうに合併して、そういうことが正しいということになれば、一方において規制をして、もうそういうものは容易にできない。こうして合併をさせる、合併に持っていく、こういう形をとりますれば、それは合併の実も上がると思うんだ。どうもそこに矛盾があるのじゃないかと思うんです、私は。そうでしょう。合併が一つできたと思えば、もうこっちのほうにまた一つできる。私は新潟あたりはなかなかむずかしい問題じゃないかと思うんです。三十くらいあるところなんです、いわゆる問屋市場です、甲府の地方市場が問屋市場であるがごとく。そうして年に一つずつつぶれているのです。これはとてもたいへんな話じゃないか、年に一つずつ破産者ができておる。だからちょっと気のきいた料理屋は全部築地へ買いにくる。品物のいいものが集まらない。こんな不便な状態にあるものを、地方市場としてこれを完成させるためには、これはほんとうに考えなければならない問題だと思う。その三十がすぐまとまるだろうか、これはなかなかまとまらぬと思うのです。とすれば、直ちに一つのものがまとまって力の強いものができれば、そこで反逆児ができて、また類似市場を作る。これじゃ百年たってもできませんから、整理がほんとうであるならば、厳重な一つの類似市場の規制をやって、そうして整理に移るなり、このほうがいいのだという金融の処置を講じたり、いろいろな特殊の、ほんとうの商売上の特殊の利益を与えて、そうしてそこへ集まってくるようにしまするならば、それは整理はできます。そういうことをやらないで、ただ話し合いで整理しろなんていったって、それは商売上の問題ですよ、なかなか簡単に私はできないと思う。そうしてみまするならば、即刻にここで修正をするなり何なりして、そうして類似市場はもう許さない、このくらいの方針をきちんと立てていかれて、そうして監督を強化していきまするならば、ひとりでにあれするのではないかと、こう思うんです。今のようなやり方だったら整理なんてできっこないと思うんです。しかも、それがだんだんと資本的に動いてきておるときに、そんなことがそうたやすくでき得ないと、こう思うんですが、その点どうお考えになっておりますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、類似市場の問題については、私どももこの法律で十分とは考えておりません。おっしゃるとおり手ぬるいかもしれません。しかし、それかといって、それではここで類似市場を全部禁止するとかいうようなことを急に考えましても、いろいろ補償の問題であるとか、そういうような問題にからんで参る問題もございまするし、なかなかむずかしい問題でございまするので、とにかく一歩でもいいほうに進む、こういう意味で私ども真剣に努力をしたいと思っておるのでございまして、この法律改正案も、とにかくいい方向に向かって一歩でも二歩でも進もうという私どもの努力をひとつ買っていただきたいと思っておる次第であります。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。    ——————————

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) この際、お諮りいたします。  農林水産政策に関する調査を閉会中も継続して調査するため、本院規則第五十三条により継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。なお、要求書の作成等につきましては委員長に御一任いただいて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。    ——————————

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) それでは、先ほど来議題といたしておりまする中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題にいたします。  質疑のあるお方は順次御発言を願います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいま農林経済局長は、類似市場の問題は中央卸売市場の取引に相当重大な関係がある、まあこういうふうに御答弁になっているのです。ところが、この問題についての家畜取引法のほうの一部改正の審議の際の松岡参事官の答弁によりますというと、類似市場というものは取扱い量においても金額においても少なくて問題にならないものだ、したがって類似市場というものは中央卸売市場の取引にさしたる影響はないのだというような印象を受ける答弁をしておるわけなんです。印象を受ける答弁をしておる。したがって、これはただいまの局長の答弁と違いますから、私はこの問題が出たときにやろうと思ったのですけれども、問題が別ですからやめたのです。それで、法制局の意見を聞いたところが、法制局の意見は先ほど申したとおり、中央卸売市場の公正取引に重大な影響があれば、また類似市場というものについての制限の程度というものは強くも弱くもなる、こういうことなんです。したがって、もしそういう重大な影響があるという判断に立つならば、現行法の二十二条、二十三条、こういうものについて、事実認識が皆さんの場合はあまりないということの建前に立っておるのですから、あるということになれば、それじゃこの条項について改正する意思があるのかないのか、この点を、今改正案を提出されておるのですから、あると言うと修正するということになるから、それはあなた方はちょっと応じられないでしょう。しかしながら、森委員の言われているように、ごく近い将来において根本的な改正をするという意思があるのかないのか、これだけはひとつはっきりお答え願いたいと思います。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 先ほど私がお答え申し上げましたように、法律的な見解といたしましては、現在の中央卸売市場法の建前からいたしまして、類似市場の存在が公共の福祉に著しく反するとか、あるいは中央卸売市場の存立を危うくするというような重大な影響、重大な弊害があるというような場合におきましては、あるいは類似市場を禁止するということができるような、そういう方法をも考えられるかもしれんということが法制局の見解でざごいます。ですから、そういうような実情におきまして、普通の状態で、いわゆる一般的に考えられるような普通の状態の弊害の認識をもってしては、これはなかなか現行の中央市場法では困難ではないか、こういうことを法制局の見解として言っておるのでございまして、そういう点、あるいは私どもといたしましても、そういう中央卸売市場を根本から危うくするような、そういうような弊害があった場合には、何とかこれは禁止するなり、あるいはその他の措置がとれるようなものが必要であろうと思います。そういう御趣旨に沿いまして、至急にそういう問題につきましても、今後の法律改正の機会に、できるだけ、ある程度すっきりしたようなものにするよう検討いたしたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの答弁では、あるかないか検討してということのようですが、しかし、この中央卸売市場の最大のやはり目的は、正しい取引が行なわれるということ、公正な取引が行なわれるということだろうと思うのです。ところが出荷奨励金なり、歩戻しというようなことが行なわれて、しかもそのために、手数料という問題との関連で、正しい手数料の徴収だけにとどまっていない、これが中央卸売市場の取引に影響してきている。先ほども言ったように、中央卸売市場といえども、今日改ざんが行なわれていないという保障はない、このことは、これはあなた方自身が認めているところなのです。口には言えないが認めているところなんです。私も聞いている。そういう点からいって、市場において改ざんが行なわれるということになると、これはたいへんなことですよ。それはこういう場面で言えるか言えないの問題だけれども、もしそれが行なわれているとするならば、一カ所でも二カ所でもそういうものが行なわれているとするならば、あなた方は直ちに業務停止なり何なりをしなければならないほど重大な問題だ、そうでしょう。ところが、現実にある、これは。私にそういう事実を示せというなら示してもいいけれども、これはある。そういう点からいって、これは重大な支障があるのですよ、公正取引に。そういう認識にあなた方は、立たなければならない。十分調査してみてというが、調査しなくともあなた方は、関係者はよく知っているはずなんです。法制局の意見は、そういう事実認識に立っておらないのですよ。公正取引が行なわれることに重大な支障があるかないかということは、それほど重大な支障はない、こう判断しているのですよ、法制局は。したがって、これはこの程度でよかろうといっている話なんですよ。法制局は法律上の解釈から言っているのであって、あなた方は行政をあずかっておるのですから、監督権は持っておるのですから。実際に類似市場の調査自体が、今聞いてみても不十分でございますという答弁でょう。不十分なものでわかるはずがない。そういう、影響しているかしていないかということは——実際にはしているのです、そういうことが法制局にわかっていないのです。したがって、法制局の意見というものはそういう意見になって出てくるのですよ。したがって、あなた方の法制局に対する事実の説明というものが非常にまずい、だからこういう改正というものが、積極的な改正というものが出てこない。これを許している限り中央卸売市場の公正取引なんというものは成り立ちませんよ、実際問題として成り立たない。これはもうこれ以上言いません。しかしながら、これは重大な問題でありますから、よく検討されるといいますから、そのときにひとつやってもらいたいと思います。それに関する資料がほしいのだったら、私のほうからあなた方のほうに教えてあげてもいい、ここではどういうふうにやっておるということを教えてあげてもよろしい、そこへ行って調査してごらんなさい、調査の方法は何かあるだろうと思う。実際ある。そういう点でひとつやっていただきたいと思います。  それから次に、仲買いの取引機構の問題について御質問いたしたいと思いますけれども、現在の卸売人というものは、いわゆる生産者と出荷者の公正な販売取次機関だ、こういうことが農林省の昭和三十二年の五月の二十八日の次官通達で出ているのです。そういう言葉を使っている。したがって、これはどういうことを意味するかというと、現在の卸売人というのは、いわゆる委託販売の、委託競売ですかの原則に立っている、こう見て差しつかえないわけです。この点については市場対策の調査会でも卸売人の性格についていろいろ論議があったはずであります。先日も参考人に対する質問がありましたように、この卸売人とせり人とが一緒であっていいのかどうなのかというような問題、こういうような問題についても確かに論議されたはずなんです。そういう中で、答申としては委託販売だ、こういう形が出ているわけでございます。したがって、これは明らかに開設者は地方公共団体で、卸売人は生産者の出荷されたものに対して委託を受けてせりをやる、そして仕切り金を清算していくのだ、こういう建前に立っている。明らかにこれは荷受人であるわけでございます。したがって、この荷受人であるのでありますが、どこの青果会社あるいは無数の関係を見ましても、その会社の名前に卸売とか何とかいう名前はついていない、法律上の問題として、卸売人といいものが荷受機関になっている、こういう実態なんです。したがって、これはやはり仕事の実態からいって、それじゃこの卸売人というのは、一体どういう定義を下すのか。この点について、名称の問題についても、卸売人と仲買いの問題については、名称については検討しなさいということになっておるわけですね、答申においても。したがって、いかなる検討がなされて今度の改正案にその問題が出てこないのかどうか、検討されなかったんじゃないかと思うのですが、出てこないところを見ると、検討されなかったんじゃないかと思う。私はやはり、この現状における実態に即応した名称にすべきである。そういう点からいって、逆に仲買いの問題について、名称について検討をしますというと、この仲買いという名前がどこから出てきたかということ、こういう点についても明らかでないのでございますが、そういう点についても、仲買いというのは一体どういう性格のものなのか、そして今の市場の機構の中においてどういう役割を果たしているのか、で、仲買いという名称が適切なのかどうなのか、こういう点についてまずお伺いいたしたいと思います。で、こういう点についてよく検討されたのかどうなのか。検討された経過について、まず御説明を願いたいと思います。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、市場におきます卸売人、仲買人の名称の問題が、実際の仕事の面と関連をいたしまして、これは調査会におきましても非常に議論になりました問題でございます。で、調査会におきまして、卸売人、それから仲買人という問題、実態の究明と、それから名称をどうしたらいいかという問題がいろいろ議論になりましたわけでございますが、これは御承知のとおり、戦争前から、とにかく卸売人、それから仲買人、そういう名前をもって市場の中身が一応の秩序が保たれて参りましたわけでございまして、これが戦争中あるいは終戦後でございまするが、終戦後も魚の統制、それから蔬菜の統制、こういうようなことがございましたときに、荷受機関という名前が一応生まれまして、そうして荷受機関が、まあその従来の卸というものにかわりまして荷受機関というものがありましたわけでございますが、それがだんだん元に戻りまして、卸売と、それから仲買いというような制度が復活して参っておるのでございます。で、御指摘のように、卸売人といいまするものは、生産者の委託を受けまして、これを市場内で、せり、あるいは入札で販売するわけでございますが、これを従来、大体市場の中でも卸売人と、こう言って参っておるのでございまして、仲買人はその卸からせりまたは入札でこれを買いまして、そうして市場の中で分荷をし販売をする、こういうことになるわけでございまして、実態的に見ますると、仲買人といえども、これは何といいますか、卸という観念に入らないことはないと思うのでございまして、あるいは実態的には卸行為じゃないか、こういう感じがするのでございます。で、そういう実態でございまするし、それから仲買人という名前そのものも、現状におきましてはいろいろ問題があるというような、業界の方面の御意見もございまして、これは調査会においてもいろいろ審議をしましたが、結局、調査会で結論が出なかったわけでございます。そうしてまあこの名称については、とにかく検討するということで農林省に預けられた。ですから、その調査会の意見を私どもも受けまして、省内におきましても、ずいぶんこれは検討したのでございますけれども、これもなかなか歴史的な問題もございまして、非常にむずかしいものでございますので、従来のとおりの卸、仲買いという言葉を使って、今回の法律改正には名前の改正まではなかなか入れられなかった、こういう実態が率直な御報告でございますから、なかなか卸の立場、それから仲買いの立場、その両方ほんとうに端的に現わすような、両方にぴったりするような名前がなかなか出てこない、こういう実態でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 検討を委任されたようでございますが、むずかしくて結論が出なかった、検討したのだか、しないのだか、あまりはっきりわかりませんが、今の答弁からいたしますと、あまりやっていないようでございます。したがって、この十五条の六ですか、「開設者必要アリト認ムルトキハ仲買ノ業務ヲ為ス者ヲ売買ニ参加セシムルコトヲ得」というのですね。これが仲買人に対する法律の規定なんです。したがって、開設者が必要ないと認めれば、これは置かなくてもいいものである、こういうことなんですね。それが原則になっておるわけです。ところが、この現在の仲買いの実態を見ますというと、仲買いのない中央卸売市場というのはほとんどない。これは大きいところでは、横浜が青果の場合、仲買いというのがないわけですね。そのほか、新しくできた比較的六大都市以外の市場には、若干、仲買いのない分場なんかもあります。しかしながら、この仲買いというものの数からいっても、これは膨大な数でございます。これは集計してもらえばわかるのですが、東京だけで二千二百、横浜で百五十三、これは鮮魚だけですね。青果のほうはないわけです。それから名古屋が二百、京都が四百七十一、大阪が千百二十四、神戸が三百四、札幌が二十六、仙台はまだこれは開始しておらない。そのほかもずっと仲買いというものがありまして、中央卸売市場全体で四千九百三十九ですか、合計で、青果からすべてを含めて四千九百三十九の仲買人というものがおるわけです。したがって、いかに中央卸売市場における仲買人の地位というものが、取引の機構の上において重要であるかということも、この数字を見ただけで、はっきりいたしておると思う。現実の問題として、横浜等においてはこの仲買いというものはいないのでありますけれども、それじゃ、ほんとうに仲買いの行為が行なわれていないがというと、これは程度の差にもよるのでありますけれども、横浜でも仲買いがないわけじゃない。これは小売りのいわゆる買出人の力の強い者が実は仲買いの役割を果たしておる。したがって、仲買いが全然統計数字には載ってきませんけれども、ないわけではない。小売りがその形をやっておるのです。したがって、これはもう、そういう点からいえば、仲買いのない市場というものはない。それは地方における小さな規模において、いわゆる買付人が仲買いを必要としないところももちろんあります。もちろんありますが、しかしながら、相当規模の中央卸売市場として指定するようなところには、圧倒的にこれは仲買いというものがあるわけでございます。しかも、その仲買いというのは、局長も触れられておりますように、ほんとうの中間のぴんはね機関的なものであるかというと、そうではなくして、実際行ってみてびっくりしたんですが、築地等において小売人が実際に仕入れをする場合に、この卸売というものを通したほうが——通さなければまた取引が成り立たないような形になっておる。これはなくていいというものではないんです。省略できるかというと、絶対にできない。で、あなた方から言わせれば、築地の例をもって必要だという、必ず置かなけりゃならないという理由はない、それは置かなくていいところもあるじゃないか——これは例外的にあるんですよ。例外的にあるが、現状における中央卸売市場の圧倒的部分は仲買がほとんど全部ありますよ。ほとんど全部あるということは、こっちのほうが原則じゃないか。ないところがまれなんですよ。そのまれなものが今は原則のような形になっておるのであります。したがって、これは関係者の非常に強い要望もありまして、この「売買ニ参加セシムルコトヲ得」ではなくして、置くものとする、例外的に必要でなければ置かなくてよろしいと、こういうふうに改めてくれという意見は、これは対策調査会の中においても主張されたことなんです。参考人としての意見も、きのうも主張せられたところなんです。そういうような点からいって、この仲買いというものが、かつては、やはりいわゆる一般にいう仲買い的なもので、そういう取引機構の中における古い形の取引の機構として考えられたことは確かにあると思うんです。しかしながら、今日における仲買いというものが、市場の中における構成員として、しかもあの市場というものが、非常に昔のしきたりからいって、かつてはやはり封建性の非常に強いもので、取引そのものにも旧態依然たるものがあった。ところが、仲買い自身が今日非常に時代の移り変わりというものに目ざめて、真剣に情操教育等をやって努力している。そして、ほんとうにやはり取引機構の中におけるりっぱな役割を果たすべく、いわゆる自信と誇りを持っている。それは市場の中における買手と売手との関係において、現在の卸売というものは荷受け機関でもって荷を受けて、委託を受けて、そしてせりをやるだけである。それに対して、ほんとうに市場における価格形成というものは、この仲買いによって価格形成というものがなされている。こういう事実について非常な誇りを持っている。したがって、その価格形成における重要な役割を果たしているために、そういう点からいって、社会的な地位というか何というか、そういうものの自覚の上に今日仲買いそれ自身が非常な苦労をして、使用者に対しても情操教育がなされ、あの混雑の中に整然と正しい価格形成ができるように、いかにしてやるかということについて非常な苦労をしている。しかも献身的な努力をして、今日その改善の跡というものが非常に強く出てきている。そういうような点からいって、従来の感じにおける仲買いというようなもの、こういうものは全く適しない名前になってきているというのが実情だろうと思うんです。したがって、そういう点から言うならば、私はこの取引機構の中における構成員として仲買いがなければ取引そのものが行なわれないような状態にある。そういう点からいって、はっきり市場内における開設者、それから今の荷受けである卸売人、これを名称的に言えばどういう名称になりますか、元請卸売人とでもいうか、この仲買いというものが実態的にも卸の業務というものをはっきりやっておる。こういう点からいって、実態に即した名前に改めるべきである、こういう要望は、これは仲買人という名前が悪いから要求するだけにとどまっていない、市場の機構の中における実態からいって仲買いという名称そのものが不工合である、こういうことです。そういう点からいって、この不合理な名前というものは検討して改めるというのですから、これは改める方がいいと思う。これには税金もかからないし、予算も要らないのです、これは。したがって、これを調整できないような農林省で、市場行政をやりますなんて大きなことは言えないと思うんです。こういう金も何もかからないことこそ直せる。しかも、実態に沿わない名称にしろといっているのじゃない。実態に沿った名称にしろといっているのですから、無理ないことだと思う。なぜこの改正案に出せないのですか。こんなものを出せないで、抜本的改正だの、答申案の線に沿いましただのと言っても、だれも承知しないです。これはどうなんです、一体。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおりです。北村委員のお説もごもっともであると思いますし、それから私どもも市場の実態からいたしまして、それではこの仲買人という従来の名前も実態に即してこれは直してもいいのじゃないか、こういう考え方を、率直に申し上げまして持っております。しかし、いろいろその間、この法律案を作るまでの過程におきましても、私もずいぶん仲買いの業界や何かと、どういう名前がいいのかということでいろいろ実態的にも検討をいたしました。いろいろ懇談もいたしました。しかし、これはなかなかその市場の従来の卸売人の関係もございまするし、そう簡単にいい名前は出て参りませんので、まあとにかく一応現状におきまして、仲買いを置かなければならぬような、そういうようなところにおきましては、業務規程できちんと仲買人を定めて置いておりますし、まあ先ほどお話しございましたように、横浜を除いて五大都市、それから福岡の魚と、それから札幌というようなものは大体仲買いを置いておりまして、その他の大阪の分場であるとか、川崎市場、呉、高知、それから佐世保、千葉というような、そういうところでは青果物でも仲買いがおりませんし、鮮魚の場合でも広島、呉、高知等においては置いていないという実情でもございますので、今の法律論として考えた場合には、仲買人が中央市場の法律の中に出ているのでございまして、これは実態的にどうしても仲買いを置いた方がいいというところにおきましては、開設者とよく話をして、今後開設する分につきましても、仲買いを置くということで考えていったらどうかというふうに考えられるのでございまして、さような意味からいたしまして、とにかくまあ仲買人の規定につきましては、いじる段階まで参らなかった、こういうところで、このところが率直なところでございます。いい名前がありましたら、場合によっては懸賞募集でもしようというようなことまで一応議論がいったのでございまして、まあそういうような経過があるのでございますが、なかなかピンとくる名前が出て参りませんものですから、こういうことになりましたわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連。これは実態そのものを名前にしたらいいのじゃないのですか。今のいわゆる卸売業というものは、だからさっきも言ったように、ここで何か言うときでも、実態の卸人、荷受けの卸人なんと言って、速記録は困っているんだから。ちょっとわしのようにしゃべること下手なやつには速記は始終困っておる。そういう繁雑を避ける上からいきましても、荷受機関なら荷受機関、委託卸なら委託卸と名前をつけてもらったら、ここでは何を言うといったって楽なんだ。そんなことは私は簡単なことだと思うのだ。実際の問題としての今の仲買いというものが卸売業をやっているのだから、昔の問屋さんなんだから、そういうものが集まっている卸売会社の名前が生まれたのかもしれませんが、今日に至っては、だから問題はもう私は解決してもいいと思うのだ。それをいやでも何かめんどうなことを考えておられる。ちっと進歩した荷役機関は荷受機関だとみずから称しておるのだ。みずから自分が荷受人であると称しておるが、卸売人だと称しておりません。あの人達が言っているとおり荷受機関だと言っておる。これほどはっきりしていることはないと思う。だからあなた方のほうで解決する気持があれば、私は割合楽だと思うのだ。ところが課長なんかはがんとして、そういうことは絶対させないなんて実にけしからぬ。けしからぬですよ。それはどうなのか、きめなさいよ。そんなことはここでちゃんときめて、もし何なら大臣にでも来てもらって、必ずこの次は名前も変えてやると言われれば、私らの考えもあります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 仲買人の問題は、局長、名称やそういうものでなくて、実際、重要な機関として市場に必要なものであるから、したがって、その位置づけをしろということですよ。その位置づけをはっきりしてないのだ。この旧法の十五条の六ではね。だから、そういうことに重点を置いてやはりきめるべきだと、こう言うわけですよね。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、これは名前の問題と、それから位置づけの問題と両方があろう思うのでございますが、ただいま申し上げましたように、位置づけといたしまして仲買を置かなければならぬという規程を、どうしてもこの際入れなければならぬかどうかという問題につきましては、この点も十分いろいろ検討いたしたのでございますけれども、実態的には仲買の必要なところについては、十五条の六の規定によって、各開設者が業務規程できちんとした資格をきめて置いているわけでございます。したがいまして、現在、仲買を廃止をするというようなことを考えている開設者はあるまいと思います。それから今後出て参りますような都市につきましては、どちらかといいますれば、割合小さな都市、東京や大阪などに比べれば小さな都市が多いと思うのでございます。そういうふうなところにおきましては、必ずしも仲買を置くという実態ではないと思います。むしろ置く必要があるというところは置いてけっこうでございます。そういうものがあるのでございますので、今この際、名前の問題と合わせて、これはやはり考えるべきじゃないか、こういう感じもいたしまして、この際の改正としては見送りましたわけでございます。もちろん、実態に合うように、この必要なところには仲買を置くということを必要でございまするし、それから名前につきましても、実態に合わせるように私は直すほうが適当じゃあるまいかという感じもいたしますが、今後の問題といたしましては、十分それはその趣旨に沿いまして検討いたしたいと思っております。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 速記を始めて下さい。  ここでしばらく休憩、六時三十分から再開いたします。それでは休憩いたします。    午後五時五十四分休憩    ————・————    午後七時十一分開会

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 委員会を再開いたします。  畜産物の価格安定等に関する法律案(閣法第四八号)を議題といたします。  本案の提案理由の説明及び補足説明はすでに聴取いたしております。なお、本案は去る二十七日衆議院において修正議決され、本院に送付され、本委員会に付託になりました。  それでは、まず衆議院における修正部分の説明を、便宜政府委員より聞くことにいたします。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 畜産物の価格安定等に関する法律案につきまして、衆議院で修正がありましたので、その修正の趣旨の説明を申し上げます。  本法案に対する衆議院における修正点は次の六点であります。  第一点は、第二条第二項の「指定乳製品」に「れん乳(政令で定めるものに限る。)」が加えられたことであります。政府原案におきましては、事態に応じて政令で他の乳製品の追加指定ができることとしておりますが、練乳につきましては、これによる余剰乳調整の必要性の大きな地域もありますので、直接法律に規定することとされたものであります。  第二点は、政府原、案第三条第一項第一号の「安定下位価格」のうち原料乳及び指定食肉については、これを「安定基準価格」とし、これに関連する条文の整理がなされたことであります。原料乳及び指定食肉につきましては、今後これらの生産を拡大し、畜産の振興をはかるためには、価格がそれ以下に低落しないことを目的とする安定価格の水準は、これらの再生産を確保するに足るものとする必要があり、そのためには、安定下位価格とするよりも、安定基準価格とするほうが妥当であるとされたものであります。  第三点は、第三条第四項の安定価格は、政府原案では一律に「生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮して定めるものとする。」とあったのに対し、原料乳または指定食肉の安定価格については、「これらの再生産を確保することを旨とし」て定めるという規定が加えられたことであります。これは前述の安定下位価格を安定基準価格と修正された考え方とも関連しまして、畜産の振興及び農業所得の安定をはかるという観点からの修正であります。  第四点は、第六条に第八項として、「農林大臣は、第一項の指定乳製品の生産の委託について模範契約例を定めることができる。」旨の規定が加えられたことであります。生乳生産者団体が行なう指定乳製品の生産の委託の適正かつ円滑な実施に資するよう、委託契約について模範契約例を示して指導しようとするものであります。  第五点は、第八条第一項の畜産物価格審議会の委員数は、政府原案で二十人以内となっていたのを、二十四人以内とされたことであります。衆議院農林水産委員会におきまして、審議会の委員のうちに国会議員を加えるべき旨の附帯決議が付され、これに応じて委員数が増加されたものであります。  最後の第六点は、第五十四条に新たに「政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、事業団の債務について保証することができる。」旨の規定が加えられたことであります。これは、政府の債務保証によって事業団の信用力を高めて事団の資金調達を円滑ならしめ、価格安定についての事業能力を強化する趣旨であります。  以上が、畜産物の価格安定等に関する法律案に対する衆議院における修正の趣旨であります。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 以上で衆議院における修正部分の説明を終わりました。  それでは続いて本案の質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 本案に入らない前に、本案と関連があるただいま説明を受けました修正案について、ちょっとお伺いしたいのですが、安定下位価格を安定基準価格に修正されたということですが、この安定下位価格と、安定基準価格というものの相違点はどこにあるか、その点をひとつ説明していただきたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) この修正の趣旨御説明でも申し上げましたとおり、安定価格の水準は、これらの再生産を確保するに足るものとする必要がありますので、そのためには、安定下位価格という字句の言葉は適当でない、それよりも、むしろ安定基準価格という言葉のほうが妥当である、こういうことでありまして、第三点に関連して、政府原案で「生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮して定めるものとする。」とあるのに対して、安定価格については、これらの再生産を確保することを旨とし、」ということが加わったことも関連していると存ずるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 ただいまの安定基準価格と、安定下位価格の、何と言いますか、解釈についての説明はありましたけれども、それならば、安定基準価格が決定される一つの条件というもの、今の御説明の中では生産条件あるいはその他経済事情等を云々といいますが、具体的に聞きますと、じゃあ生産条件というものの中には、どういう要素が含まれているか、その点を御説明願いたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 畜産の現在における生産関係は、自給飼料、あるいは濃厚飼料、いろいろ事態、経営条件によって非常な変化があるものでありますので、生産条件の一部には、ある程度農林省のほうで生産費の調査をいたしておりますが、これは、わずかに七百七十戸の調査でありまして、そういう意味におきまして生産条件は、原料乳地帯、市乳地帯、あるいはその方々の土地の状況によりまして非常に違っているわけであります。違っている状況をどうやって集約的に押えていくかということになりますると、いろいろ因子のとり方でむずかしい問題ではあると思いますが、やはり生産費、それから経営関係——経営関係と申しますと一頭飼いから数頭飼い、またそれ以上飼っておる関係もありますが——そういうような関係等であります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 それからこの経済事情云々という問題もありますが、その経済事情、あるいは経済変動というものはあるでしょうけれども、それも具体的にひとつ説明していただきたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) いろいろ従来農林省で価格決定をやる方式がありまするが、経済事情と申し上げますと、一般物価、あるいは一般物価の指数の変動の状況、その他流通事情、それから需給関係等を反映する諸般の要素を経済事情として考慮する、こういう意味であります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 私は、特に酪農等の場合を考えますと、今、米価の問題等を比較した場合に、米価の場合においては、特に一時間当たりのいわゆる労働量が、いわゆる時価ですね、いわゆる労働者の方々の労務賃金等が、ある程度取り入れられておるわけですね。そこで、そういうものと比較しますと、酪農の場合は、米価の場合の労務費が三分の一にもならぬだろうという、こういうことがいわれておるので、そういう点が一体どこまで、どの程度まで生産費の中に、あるいはまた所得保障というものの中に含まれておるかどうかということを考えるからお聞きしたわけであります。  そこで、大体修正案の問題についてはわかりましたけれども、少なくとも、私は、畜産物価格の安定ということは、基本法でうたわれたいわゆる構造改善政策の大きな柱、農業基本法の一つの大きな柱になっております生産政策、あるいはまた構造改善政策の二つの中に当然考えられてきておると思うんですよ。したがって、今後の国民の消費水準の高まりによって、畜産に対する需要が非常に伸びてくるということが考えられて、この線を取り入れることこそが、いわゆる農家の所得の増大になるものであるということも考えられて、そういった意味から、特に強く農業基本法の中には構造改善政策というものが取り入れられて、これによって農家所得の増大をはかっていくんだという、そういう政府の考え方については、私どもはよくわかるわけです。ただ、私どもは構造改善それ自体に対してはいろいろ意見は持っておりますが、われわれといえどもやはり畜産の奨励をはかって、今後農家の所持を増大せしめるんだという考え方に対しては、変わりはないわけです。それだけに、やはり構造改善から打ち出すところの畜産奨励という面をそれだけ重要視しておるならば、同町に、やはりこの畜産物に対する安定というものを十分に考えてやらなくちゃならぬ。したがって、私どもはいわゆるこの畜産物価格の安定を考えた場合には、やはり先ほどもちょっとあなたが言われたように、生産費並びに所得保障というような、そういう考え方に立った上でのいわゆる畜産物価格の安定をぜひ考えるべきだと、まあかように考えておるんですが、今出された考え方が、修正案の中では、そこまでいかぬのではないか、まあこういうふうに考えざるを得ないのであります。  そこで私は、この第一章の第一条ですね、この「(目的)」の問題を考えると、「この法律は、主要な畜産物の価格の安定を図るとともに乳業者等の経営に必要な資金の調達を円滑にすることにより、畜産及びその関連産業の健全な発達を促進」せしめるという、まありっぱな条文が含まれておるんですが、この条文ですね、「(目的)」の条文を考えると、何かやはり当初出された農業基本法に対する考え方ですか私はあの当時農林大臣にお伺いして、この農業基本法のこの考え方、前提になっておる条件等を勘案すると、今後の農家の所得を増大せしめる、農業の所得の増大をはかり、他産業との均衡をはかるといっているけれども——あの条文や目的の前提をなすものは、「国民経済」の「発展」に「即応して」という言葉が使われておって、何かしら私は、他産業の繁栄を背景として農業自身の所得増大をはかっていくのだという、そういう印象を与えられたわけで、非常にこれに対しては十分に私は納得することができなかったのですが、ちょうどそれと同じような考え方が第一条の目的の中に入っておって、やはり生産農民、畜産農民自身の所得増大というよりかも、むしろ関連産業としての他産業の面を強く考えておるのではないか、こういう印象をこの条文の中から受けるのですが、一体どこに比重を置いてほんとうに畜産農民の所得を増大せしめるための畜産物価格の安定を考えられておるのであるか、あるいはこれとの関連にある関連産業部面を強く考えられておるのではないかという印象を受けるのでありますが、この点に対する明確な御説明をひとつ願いたいと思うのであります。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お話のように、本法律では、おもなる畜産物の価格の安定をはかることを一つの目的としておりますが、食生活あるいは経済事情の発展に伴いまして、畜産業界は、それの加工部面においては非常な発展をしているわけであります。もちろん第一義としては、農民の経営を安定させる、畜産物の生産の拡大、所得の安定をはかりまするが、他方においては、畜産物からできまする加工産業等の発達もはかりまして、そうして消費を伸ばしていくという観点から、ここに書いてありまする「畜産及びその関連産業」とは、畜産物を原材料といたします各方面の加工産業あるいは食生活の関係等の健全な発展を期待いたしまして、生産の拡大と同時に、それにマッチした需要の促進ということ、両々相待って帯産物の振興を期しようということであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 そこで、いろいろ当初本案の中に考えられた、いわゆる「安定上位価格」と、今度は「安定基準価格」ですか、というふうに訂正された。この中で畜産物の安定をはかっていこうという考え方ですが、私は、よくこれに対しては納得はいきませんが、やはり今度は安定上位価格というのはあるのですね。安定上位価格と安定基準価格と二つに分かれるわけですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) そのとおりであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 原料乳の問題があるのですが、第二章の安定価格の中に原料乳の問題があるのですが、原料乳に対しては上位価格というものはないのですね。これは同時に、次に合わせてお聞きするのですが、原料乳の上位価格というものが含まれていないのはどういうわけですか。この場合に、いつも問題になっている市乳については野放しでいくのかどうか、この問題、ひとつ関連せしめてお伺いしたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) ここで原料乳と申しておりますのは、第二条で定義いたしておりまするように、製品の原料である生乳を指しておるわけでございまして、本法におきましては、原料乳を材料といたしまして生産されます指定乳製品の調整保管あるいは生産者団体による生産計画、またそれに基づく調整保管、そうしてその価格を維持するために指定乳製品の事業団体による買い入れということでありますので、指定乳製品につきまして上位価格がありますれば、それで原料乳について、むしろ原料乳の基準価格から指定乳製品の下位価格が算出されまするから、一方において指定乳製品の上位価格さえありますれば、原料乳と指定乳製品——指定乳製品は原料乳の製品でありますので、それで足ると、こういうことであります。  後段においてお話のありました市乳、いわゆる飲用牛乳でありまするが、これは、ある地帯では、原料乳と飲用牛乳と、ある程度プールされた価格形成が行なわれておりまするが、非常に大都会などにおきましては、飲用牛乳はその消費部面におきまして、それなりに価格が形成される強い状況になっております。ただずっと過去の状況を見ますると、原料乳の価格が低落する場合は、市乳の価格も低落すると、そういうようにある程度関連がありまするので、原料乳対策を講じまして、もって市乳価格対策を講じようというわけであります。ただ、お話のように、飲用牛乳の価格形成は、飲用牛乳の需要の促進、あるいは都市集中の傾向等によりまして、相当原料乳と違いまして高い価格を形成されておる現状でありまするので、この本法ばかりでなく、行政措置として市乳の対策等も、さらに講じていく必要があると思うのであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 その問題については、十分なこまかいことも調査しておりませんが、あとで御質問申し上げようと思いますが、そこで、原料乳、あるいは指定乳製品及び指定食肉のいわゆる価格の問題が出されて、安定上位価格、あるいは安定基準価格という、二つのいわゆる安定帯価格が作られたと思うのですが、この場合問題になるのは、私は、やはり前の繭の問題をよく考えるのですが、かつて繭が昭和三十三年のときですか、非常に暴落いたしまして、せっかく法律できめられた、いわゆる安定下位価格というものが守られなくて、貫当たり千二百円が千円程度まで落ちたということが、まだ記憶に新たなものがあるわけです。そういう場合を考えますと、再びこういったような安定下位価格が設けられているけれども、それが十分に守られ得るかどうか、そういう問題が一番心配になるわけですが、この法律案によって、いわゆるそういうわれわれの心配ばかりでなく、一般国民が心配されるいわゆる安定帯価格というものが、それが上位にしろ、下位にしろ、十分守られ得るという確信があると考えられるかどうか、そういう点について、ひとつ当局の考えを示めしていただきたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お話のように、繭の問題で苦酸をなめたことは、過去において、われわれとしては記憶に新たなところでありますが、そういうような関係も十分考慮いたしまして、今回、木事業団が発足いたしまして、そうして安定基準価格が決定されるということになりますれば、われわれといたしましては、本法の第三十九条にうたってありまするように、事業団は指定乳製品について安定基準価格で買い入れることとし、その価格が安定上位価格をこえて騰貴するような場合には、事業団はこれらを売り渡す、それに対する指導をして事業団の万全な活動を促進いたしまして、繭のような事態が再び起こらないように努めたいと存ずるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 そこで私は、安定上位価格というものが、いろいろ先ほど言ったような生産事情、あるいは経済的な事情云々というようなことから考えられてくると思いまするが、まず当初において、安定上位価格というものはどの程度にきめられ、さらにまた、安定基準価格というものが——基準価格の条件は先ほど示めされたようですが、いずれにしても、上位価格と下位価格のこの値幅というものがあると思うのですが、それは繭と同じようにこの上位価格と下位価格——安定基準価格との間における、いわゆる値幅というものを、どの程度に考えられておるか、具体的に御説明願いたいと思うのです。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) われわれが過去の乳価を検討いたしましておる現状では、御配付いたしました畜産局関係の資料でも御存じのように、年間やや微動してはおりまするけれども、えらい暴落というものは三年ないし四年の間に大きく起こっておるわけであります。われわれといたしましては、そういう大きく暴落し、あるいは大きく上昇する幅をできるだけ圧縮していこう、理想は一木でいくことでございますが、極力圧縮していこうという考え方でいろいろ資料を整えておるわけでありますが、かつまた農民の生産事情等も考慮し、一方において消費者の需要増進という方面も考えまして、上位価格をあまり高い価格で決定いたしますと、また需要が停滞するということも考えられますので、従来の幅を極力圧縮しまして、そうしてその間の中へ追い込んで、そうして生産も安定し、消費も増進するという目標で考えております。ただ具体的にどうかということになりますと、いろいろ御議論のあるところでございますので、われわれといたしましては、また、畜産業界、乳業界に初めてこういう国家的な、オフィシャルな値段が決定することでもございますので、価格審議会に十分学識経験のある方々の御参画も得まして、そうして決定方式等十分御検討していただいて、万遺憾なきを期したいと存ずるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 できる限り値幅を圧縮していきたいというその考え方はよくわかるのですが、現状において、現時点において具体的に考えられた場合に、これは差しつかえなかったらお聞かせ願いたいと思うのですが、現状において上位価格をどの程度に、あるいは下位価格をどの程度にきめるべきだということを、現状認識の上に立って、差しつかえなかったらお聞かせ願いたいのですが、具体的に価格を明示して……。できませんかそういうこと。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 政府事務当局の部内でも、いろいろほかの農産物、米麦、テンサイ、繭、その他いろいろな物資についての価格決定方式がありまするが、われわれのほうの部内でもいろいろ検討しておる最中でございまして、具体的に安定の幅が何円であるかということは、現状においてはまだ決定しかねているところでございます。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 そこで、先ほどの質問に戻るのですが、いわゆる安定上位価格並びに安定基準価格は、これは結局今の御答弁からいっても目的価格になるわけですが、その場合やはり、何といっても問題になるのは、私は米と同じように比重を持つことができないにしても、やはり生産費に対する考慮というものは十分にこれは考えなければならぬと思うのですがね。何といっても、少なくともあなたたちは構造改善によって、これによって農家の所得を増大せしめるのだという農業基本法の目的にも沿わなければならぬわけですから、その場合には、私は価格である限りは、生産費に対する考慮というものは十分に考えていただくべきではないかと思うのですが、この生産費に対する考慮、先ほどちょっと触れられたようですが、十分了承するところまでいっておりませんので、いま一度生産費に対する考慮というものを、具体的にお聞かせいただきたいと思うのです。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連してお伺いしますが、農林省の三十六年度、三十七年度の原料乳、豚の枝肉、これの価格算定をなされて予算要求をされておるようでございますが、三十六年度、三十七年度の予算要求の価格の算定方式といいますか、これをひとつ資料として出していただきたいと思うのですが、資料として出せるかどうか。この点ひとつ御答弁いただきたいと思うのですが……。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 一応予算要求の基礎として算出されたものでありますので、資料はございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 出せるのか出せないのか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お出しいたします。  大河原さんのお話の生産費関係でございまするが、農林省で数年来調査をいたしておりますが、そういうような生産費関係も一つの参考資料とはなると思いまするが、現在の調査の対象戸数が七百七十戸でございまして、特にホルスタインの生産者が多いわけでありますが、それの全部が三十四年度の調査でも五百七十五戸でございますし、かつその生産費の調査としても、一頭飼いのやつが二百八十四一尺二頭飼いのやつが百九十八戸、三頭飼いが五十二戸、四頭飼いが二十二戸五頭以上が十九戸というわずかな例でございますので、これらのことは一つの参考資料となるわけでございますので、そういう点は十分参考資料として検討いたしたいと存じます。ただ、現実に米のように五千戸なり七千戸なり調査いたしておりませんので、来年度ではぜひ範囲を拡充いたしまして、そうして適正な生産費の検討をいたしたいと存じておるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 やはりその問題と関係するのですが、この法文の中に、第五条に、原料乳がいわゆる乳業者から買われていく場合に、やはりこういう問題が心配されておるのですが、いわゆる修正された安定基準価格に達しないままに買われるような、そういう危険のある場合、これに対して何か「勧告することができる。」というのですが、この場合、いわゆるこの勧告の場合、公表しなければならぬわけですが、この公表というものは実際的に効果のある公表というものが考えられるかどうか。こういう点、非常に心配される点じゃないかと思うのですが、これに対してひとつ。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては、都道府県行政を通じまして、十分その安定基準価格を支持するようにいろいろ指導いたしていきたいと思います。特に原料乳を安定基準価格に達しないで買い入れる、あるいは買い入れるおそれがあるという当該乳業者に対して、特別に農林大臣なり都道府県知事が勧告して、そうして大いに公表するわけでございますので、私どもといたしましては、十分そういうような対象である乳業者の名前等を公表いたしますので、相当の効果はあると存ずるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 それは、この前の繭の場合もそうだったのです。そこで、私ども繭糸価格の安定に関する臨時措置法というのですか、二回か三回にわたってやりましたが、あの場合にも僕たちが心配したがゆえに罰則規定を設けるべきじゃないかということを言ったことがあるわけですが、この場合は罰則規定がないですね。私が申し上げましたのは、このような危険があり、実際的にはすでに買われてしまった場合もあると思うのです。その場合に、何らの拘束すべきような方途が講じられていないと、先ほど私が申し上げたいわゆる勧告なり、その勧告の公表というものも、実際的には何らの効果がないという場合がある。そうなれば、次から次へとそのような安定価格、基準価格以下で買われていくということがあり得るのですが、そういう点を明確に押え得る方途というものが講じらるべきじゃないかと思うのですが、今あなたの御答弁では、そういうものがないようにできるであろうということですが、私はそれでは効果ある公表にはならぬ、勧告にはならぬと思うのです。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) ただいまのそういう五条の具体的な事例の場合におきましては、乳業者もそういう事実について世間にさらされることでもございますし、われわれとして、本法はその安定基準価格を維持するということが大きな目的でございますので、そういう事実がありますれば、そうしてかつその勧告に応じないというような事態に立ち至りますると、実は原料乳の生産、飲料牛乳の生産に対しましても、生産者と乳業者と一体となって生産に協力するということでなければならぬと存ずるわけでありまして、むしろ私どもといたしましては、そういう公表の事実ということだけではなしに、その価格を支持していく一つの場所でそういう価格がくずれますと、これは全般に及ぶ問題でありますので、特に契約を大きく事前からはっきりさしておきまして、そうしてその価格支持に努めよう、こういうわけでございますので、われわれといたしましてはその一つの方法ではございまするが、あらゆる措置を講じましてそういう乳業者も安定基準価格で買えないような事態がないように、安定基準価格で乳業者が買っていただければ、その計画が認定さえ受けておいていただければ、事業団がその製品について買うのでございますので、相当効果が発揮できて安定基準価格が維持されるものと考えておるわけであります。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 今の大河原委員の御質問で、私もちょっと一言だけ聞きたいのですが、たとえば例をあげて言いますと、いなかの小都市で、小都市を消費の対象にしておる牛乳生産者がおる、これはたくさんそういう者がおるわけですが、そういう者を仮定した場合に、安定基準価格を公表して、それ以上で買うように勧告しても、その勧告というものに従わなければならぬ罰則があるわけでなし、一方、生産者側がどこか近くに加工工場でもあれば、またその加工工場でどうでもできるという方途もあるのですが、そういうことがないいなかの酪農組合、その酪農組合の消費の対象というのは、その付近の小さな町です。そういうことをとり上げた場合は、私はこの法律ではなかなかきめつけができないのじゃないか。これが非常に心配になる一つなのですが、どうなんでしょうか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 乳製品を作る工場は、いろいろ粉乳、バター等を作る工場から簡単にできます加糖練乳等を作る工場等、いろいろの工場の設備能力等において非常に段階があるわけであります。御設例の小さな都市における飲用牛乳が売れない場合に、原料乳としてこれを加工に回す能力がない、加糖練乳でもできないというような場合においては、やはりその他の工場等で維持するほか、やはり乳業施設が全般的に充実されていくということが必要だと考えるわけであります。で、今回の衆議院におきまする、練乳を乳製品に初めから法律に入れていったゆえんのものは、やはり中小企業等で加糖練乳等を相当作っておる、そうしてバター、粉乳等を作っておらない施設が相当地方でありますもので、かつそれが酪農農民の対象工場である地方が相当ありまするので、政令で指定することをやめまして、法律に引き上げたゆえんのものも御指摘のとおりでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大河原委員の質問と多少重複するかもしれませんが、衆議院のほうで安定下位価格を安定基準価格と修正された。そうしてその修正された基準価格とはどういう趣旨のものかということも三条かにうたわれております。うたわれておりますが、農林省が原案として下位価格と上位価格をおきめになって提案されたときの下位価格とは、一体どういうものを構想されておったのですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 生乳の価格は過去において非常に変動が多かった状況でございまして、配付いたしました資料の二十五ページにもありまするとおり、三十年から三十四年までをながめましても、三十九円になった場合もありますし、いろいろ上がりまして五十円に上がっておる場合もあるわけであります。そういう意味におきまして、先ほど申し上げましたとおり、その変動の差が非常に著しく、生産農民に影響を来たすところ大でありまするので、極力その幅を圧縮すると、しからば下位価格をどの程度圧縮するかということでございますが、過去の変動につきましていろいろ計算はいたしておりまするけれども、計算の準拠といたしましては、過去の価格の変動状況あるいは生産費の移動状況等をも考えまして、予算の要求には一応算定はいたしておりまするが、最近における状況といたしましては、相当強い価格が、全国的に需給関係をも反映いたしまして、動いておる状況であります。したがいまして、この安定基準価格の決定は非常に重要なことだと考えるわけであります。下位価格が基準価格になりますると、意味合いといたしましては、安定価格をきめる場合に、「再生産を確保することを旨とし」という意味からいいまして、従来一応算定いたしましたる幅が、やや下が強目に上がってくると、こういう意味合いが含まれておると考えるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私のお伺いいたしましたのは、衆議院で修正されたことは、ここに文書をちょうだいいたしましたし、その修正した趣旨というものも現われておりますからわかるんです。わかりますが、原案をお作りになったときの下位価格というのは、一体どういうことを構想されおったのかということなんですよ。修正後における考えははっきりしました。原案のときにはどうお考えになったかということなんです。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 過去の推移価格を算定いたしましてそうして上がった幅と下がった幅と、それぞれ幅があるわけであります。逆にいいますると、上がったところと下がったところとのまん中の線があるわけであります。そういう幅を極力圧縮するということで、変動格差といいますか、変動差というものを算式としては——いわゆる言葉として普通言っております標準偏差の下をとった、下位価格としては。ということであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、原案をお作りになったときの考え方というものは、再生産を確保するとか云々のことについては全然意図されないで、過去における実勢価格の幅というものを極力圧縮するということで、一定の算式のもとにはじき出すという考え方であったわけですね。今度修正によって基準価格という表現に変わって、その基準価格というものは、再生産を可能ならしめるものでなければならぬということになりまするというと、衆議院における修正の結果というものは、原案をお考えになったときの構想と、全然これは内容的に変わってきますね。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 少なくとも再生産を確保することを旨として定めるということでありますので、そういう意味合いにおきましては、従来の算式にさらに再生産を確保することを旨とするという考え方を加えて算定方式をきめるということになると思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、そういうことになると思いますということを、そうするためにはどういうような方法をもって対処されようとしておりますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お話の点でございますが、先ほど来申し上げておりまするとおり、乳製品あるいは指定食肉あるいは原料乳等につきまして、わが畜産業界で初めての価格ラインを引いたのでございます。そういう意味におきまして、私どもといたしましては、いろんな計算方法はございまするけれども、いろんな計算方法から、生荒寺のできるだけ再生産を確保することを旨としつつ、また需要の増進、消費の増進等も旨としつつ、特に価格算定方式は政令できめることにいたしておりまするけれども、政令できめる前に、価格審議会等の議を経まして、十分万遺憾なきを期したいと存ずるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 修正の趣旨説明という文書に、下位価格という表現を安定基準価格と変更したことの趣旨が好いてございますが、それには、これらの再生産を確保するに足るものとする必要があるから変えた、こういうんですね。ですから、今まで役所の方で原案をお作りになるときにお考えになっておった先刻の局長の意図と、全然これは内容的には変わってきておるのですね。その変わってきているものを議決をされて、それを実施をしなければならぬ責任の衝にお立ちになる行政の府としては、この趣旨が実現されるようなことをお考えにならなければならぬわけですね。そういうことをお考えになる義務があるのですから、その義務に対応していくためにはどういうふうなことをおやりになろうとするのかという構想を聞いておるのですよ。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 今の御質問の、私どもの考えております第一点は、生産費調査を拡充することであります。そういたしまして、単なる寡少な例でなく、統計調査部等の調査ももっと充実いたしまして、われわれといたしましては、「再生産を確保することを旨と」するという以上は、そういう明文が入った以上は、そういう趣旨を具現する価格でなければなりませんので、生産費調査をまず十分に充実することであります。それから結果として、もう一つは、われわれが従来まで考えておりました上下の間に安定するという安定帯の幅が、やはり具体的にいいますると、こういう軸なり、こういう精神で値段をきめるということになりますると、偏差の下の方がやや上に上がってくる、こういうことが当然出てくることと存じます。そういう意味におきまして、私どもといたしましては特に生産費の内容の農家所得の充実ということに腹から努めなければならぬと存ずるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そのことは当然なことですが、その結論を得るまでには相当の時間が私は必要だと思うのですよ。その間、本法がかりに成立をして、実施になるというときまでに、今お話しいただきましたような当然のことを措置するためには、必要な的確な生産費調査というものを完了し得る可能性があるかどうか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) ただいまあります、たとえば一例を北海道にとりまするが、北海道に行なわれておりまする生産費調査は、八十五戸つかんでおりまするが、一頭飼いでは二十四戸、二頭では二十匹戸三頭では十二戸四頭では十戸五頭以上飼いでは十一戸の戸数をつかんでおります。そういたしまして、八十五戸では農家生産費が一升当たり三十九円九十銭であります、昭和三十四年におきまして。八十五戸平均では一升の生産費として統計調査部で公表をした生産費調査の八十五戸平均では三十九円九十銭でありまするが、その場合の二頭飼いでは、二十四戸に調査しました生産費は五十円四十一銭であります。二頭飼いでは四十二円七十一銭であります。それから三頭飼いでは四十二円二十四銭。四頭飼いでは三十六円四十五銭。それから五頭以上では三十四円五十二銭になっておる現状であります。で、押えた例が非常に少ないわけでございまするが、これは三十四年の調査の結果でございますので、三十五年、三十六年等もいろいろな指数でこれを修正をして、ある推定価格というものを出さなければなりませんが、事例が非常に少ないわけでございますが、こういう事例は一つの大きな参考資料になると存ずるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その場合に、事例としておあげになったのは、自家労働貸金はどういう計算で行なわれておるのか。八十五戸平均の場合でいいのですよ。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 自家労働でありますると家族労働費となりまするが、家族労働費は、労働時間を一時間単位として集計する場合は、実労働時間を把握することにいたしております。そうすると、実際に雇われた場合に一人前の賃金に対して、どの程度の賃金が得られるかを推定いたしまして、そうしてそれに〇・八とか、〇・六掛けなどをいたして統計調査部の集計ではやっております。それで、家族労働の評価に用いる賃金といたしましては、その地方の農業臨時雇い賃金、その地方で最も多い通常の農業臨時雇いの現物まかないを加算した男女別賃金より計算しました実労働で計算することを統計調査部でやっておりますが、これは今申しました生産調査の計算方法であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今おっしゃったこと、八十五戸平均の場合は三十九円九十銭が生産費になっている、こういうお話ですね。この三十九円九十銭というものが出て来た根拠になっている平均のその自家労働貸金は、抽象的ではなしに具体的に幾ら入っているのですか。一時間当たりでいいですよ。今この大切な町間をむだにするわけにいきませんから、今実績としておあげになりました北海道にも事例がある、その他にも事例があるというお話でしたが、これはあとでようございますので、そういう事例を農林統計調査部であなたの方に御提出になつておれば、その事例について、今申しましたようなことのわかるような資料を、あとでけっこうですから、参考のためにちょうだいいたしたいのです。  その次に、そういう安定買い入れ価格というものが変わって参りますると、安定上位価格を別に定めようとする場合に、その安定上位価格とはどういう算式で定めようとなさるのか。今までは過去の実勢というものを考えてその下位価格のズレをなるべく圧縮するというような標準偏差方式によって下位価格をきめようという一つの方式があつたのです。今度はそういう方式ではなくて、基準そのものは、生産費を基礎として再生産確保を旨として価格がきまってぐる。その上に安定上位価格というものがまた存在するわけですね。その安定上位価格というものはどういう方式でお定めになりますか。今までであれば、その下位価格も上位価格も過去の、実勢を反映せしめて、そうしてその標準偏差でやれば、それが妥当か妥当でないかは別として、これは機械的な数字は出てくると思うのです。今度はその基礎として、その基準価格が、全然そういうものを離れた別の方法できめられる。そのきめられた上にまた上位価格というものがきまってくる。その上位価格だけは今までの考え方と同じように過去の実勢価格を標準偏差方式で求めて、上位のほうもなるべくふれをなくするという考え方になると、基準価格との関連において非常に矛盾が私はあるような気がするのですがね。上位価格は一体どうおきめになりますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お話のように安定基準価格という言葉になり、価格決定の場合に再生産を確保することを旨としてということで、いわゆる下位価格という、言葉が安定基準価格と変わりましたので、われわれといたしましては、今までの算式の標準偏差のほうをとっていいのか、あるいはその他の方式によって、上位価格をきめていいのか、十分検討いたしたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 検討するといいましてもね、その法律によって上位価格をきめなければならぬでしょう。検討というのは何を検討なさるのですか。今までは下位価格と上位価格で一つの算式があって、きちんと当てはめて、過去の実勢を反映せしめるという構想があったわけですがね。今度はその下位価格が変わったのですからね、それに見合う上位価格というものは一体どうおきめになるか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 今までの考え方は標準偏差の上と下ととるということでございましたが、下のほうは再生産を確保することを旨として定めるという考え方でございますので、従来のままでは標準偏差の上を上位価格とするということでいいのか、その他の関係も考えましてやるのがいいか十分検討いたしたい、こういうわけであります。現在のままでいけば、そういう標準偏差をとった場合の上位価格ということになりまするが、それだけでいいのかどうか、十分価格審議会の意見も徴して考えたいと、こういうわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 この点は非常にむずかしい点で、私もまだ相当きわめたいと思いますが、まあ先の問題へ移っていきます。  その次に、加工の委託をやるということが今度の法律には示されておりまするが、そうしてまた、それに対しては相当、政府のほうでは、加工の委託のあった場合にはゆえなくして断わってはいけないというようなことまで法律には書いてございまするけれども、これは絶対に義務のあるものではないのですね。受託をしなければならないという強制はないのですね。そういたしまするとね、基準価格よりも価格が下がっていくというおそれのある場合に、加工の委託をしようとしても、その具体的な取り運びのできないという場合も存在するわけですね、理論的には。そういう場合にはどうなさいますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 本法によっては安定基準価格を維持するのが法律の一つの目的でございますので、安定基準価格で買わない、かつ生産の委託にも応じないということになりますると、その工場はその工場で買ってもけっこうでございますが、生産者としては困るわけでございますので、その他の、ほかの工場等で、指示してもまた聞かない、こういう場合は、政府としては、この価格指示の法律では、そういう工場はもうこれはこの国家的な法律に、国家の制度をしいたのに協力しないということでございますので、その工場で作った製品については、われわれとしては責任を持たないわけでございます。そういうようなこと、あるいは資金その他等のあっせんにおいて、規制といいまするか、そういう措置で処置するとともに、ほかのほうの工場へ、どうしても聞かないということになりますれば、ほかのほうの工場等を——都道府県事業団、われわれとしてあっせんいたしまして、その工場で加工委託なり、あるいは安定基準価格で買い入れていただくようにしていただく。元来、生乳等の取引につきましては、普通生産者といたしましても、ある集乳範囲に基づきまして契約をいたしておるわけであります。そういうことでありまするので、おそらく乳業者としても協力していただけると思いますけれども、お設例のようにどうしても聞かないということになりますれば、他工場でその原料乳を処理するようにわれわれとして努力するより仕方がないと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますると、常識的に考えられまする経済行動半径を出て、よそのほうまで持っていかなければならぬという事態に逢着しますね、そういう場合には。その場合に、一定の集乳地域よりも遠隔の地に運ばなければならぬという事態が発生した場合に、その処置はどうなさいますか。端的に申しますれば、そういう遠隔の地に運ぶ等の場合には、別途にその運賃等を助成するという道をお開きになりまするかどうかという問題なんです。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては、特にまた修正でも説明によって加えられましたように、いろいろ模範契約例とかいうような条文が入りましたが、われわれとしてはそういう事態がこないように極力努力いたしたいと思います。乳業者としましても、そういう事態になりますれば、その工場というものは、こういう価格制度の、一方において拒否するとともに価格制度の保護を受けないわけであります。そういうことのないように努力いたしたいと思います。ただお設例のように、そういう事態が万が一起こった場合、あるいは災害等でそこへ持っていけないというようなことが起こった場合、事業団等で適当な処置をいたしたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、適当な措置という言葉では非常に融通のある言葉ですが、今私は極端な設例をしたのです。また局長からは、付加して、災害等の場合というような御説明も加えられまして、そういうような場合には、事業団等において適当な措置と申しまする適当とは、その場合に常識的に想定される余分な費用というものはめんどうを見てやるんだと、こういうように理解してよろしゅうございますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 本法は、生産者も乳業者も協力してこの価格支持に努めていただく、こういう趣旨でありまするので、われわれとしては極力それでやっていきたいと思います。ただ、お設例のような事態になりますれば、本法の目的とする安定価格の支持が、生産者の責でなくて不当な過重——過重といいますか、負担が加わる、生産者の責でなくて加わるということになりますので、本法の運用上、常識的にいってもこれは適当な助成等の措置を講ずる必要があると私は考えております。

東隆民主社会党

○東隆君 今のに関連するのですが、この第六条の六号の「正当な理由がないのに」と、こういうのがありますが、この「正当な理由」というのはどの範囲ですか。これは、たとえば加工をする余裕がないと、こういうのも理由でしょうし、それから加工料金が安くてそれには応ぜられない、こういうのも理由になると思う。そういうようないろいろの問題があろうと思うのですが、どの程度考えておられますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) お設例の点も一つの理由だと存ずるわけでありますが、不当に加工料を要求するとか、あるいは施設、まだ製品ができる能力があるのに、原料乳を安定基準価格で能力がある場合にも断わる、こういう場合は設例の顕著な例ではないかと思います。

東隆民主社会党

○東隆君 そういう場合のその判定その他はだれがやるのですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 行政官庁でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の場合に、その正当な理由の判断は官庁でおやりになる、私もそう思っております。が、官庁では判断をなすっても、委託されるべき工場ではそれを拒否した、これは法律によっての保護を加えないとおっしゃいますが、過剰なものは事業団が買い入れる、あるいは保管をする等によって価格が全国的に調整されますれば、わがままをいっておる工場も利益はあるのですよね。そうでしょう。非常な利益があるのですよ。そういう工場のものは売れないということになれば別ですが、売れるのですから。つまり供給が一〇〇で需要が一〇〇の場合には問題が起きないのです。供給が一二〇になったとき問題が起きるのですね。その二〇をどこかで始末するということになれば、その対象工場にはちっとも関係なくても市価は維持されるのですからね。何も政府の保護を受けなくても、どこかで調整が行なわれますれば、経済的には恩恵が与えられるのですよ。だから、そうあなたが簡単に考えていらっしゃるように、その工場は政府の買い入れ対象とか何とかにしないと、こう言ってみたって、経済行為としては当然そこに利益が及んでくるのですよ。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私は本法律の運用はなかなか簡単とは考えておりません。やはり生産者団体の共販態勢も十分充実いたしまして、生産者団体が団体的に共販のきづなを強くやっていただいて、そうしてやっていくと同時に、乳業者も生産者あっての乳業者でございますので、十分乳業者も一緒になってこの価格維持をやる、こういうことで努力していってもらわなければならないと存ずるわけであります。そういう意味におきまして、やはり乳業者関係も積極的に本法に協力していただく、で、森先生はいろいろむずかしい設例をいただきますが、やはりこの運用には非常に御指摘のようにむずかしいところがございます。やはりそこは、まあ現時点におきましては、われわれも一生懸命にやりまするが、生産者団体と乳業者、工場関係と十分協力して、従来とも相当協力していただいて、生産者に、酪農主とか、いろいろ施設で努力していただいておるものでございますので、公表等その他世論の応援もなければやはり本法の十分な運用はできないと思います。むずかしい御設例で、なかなか私も頭が痛いのでございまするが、簡単な運用でできるということには考えておりませんが、生産者団体の十分な共販態勢なり、きづなの強固な団結等を期待しておるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 まあそういうように世の中が非常に話し合いで協力態勢ができることは私も希望いたしまするし、そうなきゃならぬと思うのです。しかし、事経済に関しますと、必ずしもそういうようなことにはいかないのですわ。これはなかなか経済問題を離れましても、主義主張の問題でもなかなか話し合うということにできかねる場合がしばしばあるのです。ですからこの点は非常にむずかしい問題であると思いますが、十分ひとつ善処をしていただきたいと思うので、その場合に備えて生産者に行なわせる調整保管というものがまず前提をなしておるのですから、その段階で、ある程度の整備をするのが必要と思うのです。そのためには生産者の団体といいますか、自主調整の指定機関といいますか、そういうものをして冷蔵せしめるとか、あるいは加工せしめるとかいうような施設を持たせるということが、これがわがままをいわせないためには非常に威力を発揮すると思うのです。そうなりますると、話し合いがついて円満にいく場合には、既設の乳業者あるいは枝肉取り扱い業者等をいじめる必要はありませんから、努めてそういう既設の業者との連携においてやっていく、もしそういうような不当なことになった場合には、最後の処置を講ずるというような、何といいますか、きめ手の施設を持っているということが非常に力になると思うのです。しかし、それは使用する場合もあるだろうし、使用しなくても無言の威力を発揮するということになる場合もありましょう。施設としては経済的に非常に不利益なものを持たなきゃならぬことになりますね、そういうことに対する助成の道とか何かお考えになっていますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 過去においてもいろいろ生産者団体として十分努力はして参ったわけでございますが、やはり生産者団体の自覚も少ない場合に、乳業者側で困ったとか、あるいは乳業者側で努力してもうまくいかないというような場合がありましたので、特に入用なことは、やはり夏季等におきまして乳が腐敗するとかいうようなことで、できるだけ生産者の施設につきまして今後予算的に、あるいは金融的に、私どもといたしましては生産者団体と特に中央機関、あるいは県段階との機関とも連絡をとりまして充実していって参ろうと思います。現在の状況におきましては、まだ団体活動も不十分な点が非常にあるわけでございますので、今後とも御指摘の点はまさにあると思いますので十分努力して参りたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に第三十九条ですか、「買い入れることができる。」という規定がありますね。買い入れることができるということは、買い入れない場合もあるということでしょうね。そういうことでは、非常にこの自主調整機関としては不安定で、勇敢に事を進めるということにはなりかねると思うのです。これは買い入れなければならぬとか、無制限に買い入れるとかいうことに変えなければ、この趣旨にはそぐわないのじゃないですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) まあ法文では、これを逆に返しますと、買い入れない場合もあるということにはなりまするが、私どもといたしましては、一番重要な点は安定基準価格を維持するということでありますので、安定基準価格で買い入れなくとも、自主調整保管で十分安定基準価格が維持されるという場合はわざわざ買い入れなくてもいい、ただ、それでも維持されないということになりますると、事業団の出動になる、こういうことで、ゆとりある書き方でございますが、特にそういう点も御注意ありまして、衆議院の方では生産者団体の場合において特に無制限で買い入れる、こういう附帯決議もちょうだいしておりますので、運用上万遺憾なきを期したいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますると、私も当然これは生産者団体が自主調整機能を十分に活用して、事業団にしっぽを持ち込まぬで処理されるという状態を作らにやならぬと思うのですが、万が一そういうような手段によってのみでは目的を達し得ないという事態が発生した場合、当然事業団の方へ関連が起きてくる。その場合に、この買い入れをすることができるという字句をそのままに解釈すると、事業団は拒否し得る場合もあり得るということになるわけでありますが、そういう場合は存在しない、こう理解していいのですね。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては、中央金庫その他の関係方面に十分連絡をとりまして、買い入れができないような事態がこないように十分努力して参りたいと思います。そういう点で、事業団の活動を十分発揮させるためにも、衆議院等で、事業団に対する買い入れについて安定した措置を取れるように、債務保証等の点も加えられたわけであります。これはわれわれの説明によりまして、そういうことであれば、もっと安心した飾り文句ではありますけれども、われわれとしては、中金等とも相談いたしまして、十分手配をいたしておるわけであります。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 関連していると思うのですが、先ほど私、安定基準価格のみについて、ざっぱくに御質問申し上げたのですが、そこで私は、今の問題と関連してみて、安定上位価格の問題ですが、事業団が価格高騰の場合の抑制として、ある一定の、食肉であるとか、指定乳製品の保管量があると思うのです。その保管量というものは、通常需要ですか、一般需要に対してどの程度の割合、やはり保管量が必要であるかどうかということをお考えになっておったら、ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。価格騰貴の場合の抑制として、当然私は一定量の保管量があっていいのではないかと思うので、その点でお聞きするわけです。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私どもの想定といたしましては、仮定ですから、推定で、まだ始まらないのですが、想定としましては、一年間の生産量の乳製品等につきましては、一年間の生産量の約一カ月分。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 同時に、もし安定上位価格が守り得ないような、そういうような状態によって価格が高騰するという場合には、農林大臣は、乳製品あるいは指定食肉を輸入することができるわけですね。その輸入する場合の価格の問題を考えると、その場合は、いわゆるその当時の時価で買い入れるのであるかないか。あるいは関税その他の要素を含む、いわゆる特別価格といったもので買い入れを行なうものであるかどうか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 現在の国際市価は、乳製品等では非常にこちらの価格に比べまして安いわけでございます。そういう時代には緊急輸入いたしまして、その事業団に需要者割当をいたしまして、事業団に直接入るその差額は、事業団の活動資金にするということで、十分消費者側の擁護と事業団の内容の充実とに充てて参りたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に、先刻、遠隔の地から輸送をしなければならぬというような場合には、当然の措置として、自主調整機関といいますか、生産者団体といいますか、それに対して、事業団のほうが助成の方途を考えるというお話がありましたが、枝肉のような場合には、調整機関中に欠減等の問題が起きますね。当然これは。そういう危険を冒して、価格を維持するために自主調整をしておった。ところが、それがどうしても基準価格に達しないために、事業団のほうへ持ち込まなければならぬというようなことになりますると、その場合に自主調整機関としては非常に経済的な損失をこうむるという事態が想定されると思うのです。そういう場合も、前段の趣旨と同じように、事業団がその正当な欠減等に対する損失をカバーしてやるという措置が、私は講ぜられるものと理解いたしておりますが、それでよろしゅうございますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) この制度の運用につきましては、十分常識的に処理して参りたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に、今、大河原委員からも質問がありましたが、必要な場合には大臣の承認を得て輸入の手続が行なわれるわけでありますが、局長もお話がありましたように、外国から輸入される品物は、大体常識的に安いということがいえると思うのです、現時点におきましては。そうすれば、上位価格を上回っていくような危険がある場合にそれが行なわれるのですから、相当な差益があるわけですね。その差益というものは、事業団のほうの活動費に充てるという御説明がございましたが、これは活動費ではなくて、事業団としては、一応計画によって収支が立つはずになっているのですから、そういうふうな別途の収入というものは、活動費ではなくて、むしろこの制度を拡充していくための基金的なものに私は繰り入れていくということに考えなければ、そういうものは事業団の何か経営経費に充足せしめるということになりますと問題が起きると思うのです。その辺のお考え、どうですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましても、そういう財源につきましては、お話のような事業団は、消費増進とか、いろいろ畜産振興を目的とする事業団でありますので、十分その趣旨をくみまして運用して参りたいと思います。雑に扱うことはいたさない方針でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その輸入したものを、事業団を通じて需要者に割り当てるのですね。事業団が輸入したものを需要者に割り当てて取り扱わせる、こういう形になるのですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 事業団を需要者として、事業団に外貨割当をいたすわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今までも、法律制定前に、相当の外国畜製品というものは輸入されて、私どもわかりませんけれども、相当取り扱い機関には利益があったということがわかっておりまするが、本法の制定前に措置されたものは、それはもうそのまま不問にしておきますのか、そういうものに対して何かお考えございますか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 三十五年度におきましては、約二億の差益が出ております。ただ取り扱い団体が、全酪連とか、いろいろ生産者関係の団体が主でありますので、そういう取り扱いの関係から、一ぺん取り扱いますと、相当税金が取られるわけであります。約一億足らずのものが差益となっておりますが、これは事業団に資し、あるいは畜産振興に充てるものとして、相当の、大部分のものを現在の酪農振興基金に拠出していただくことになっております。その他の法律上積み立てなければならぬ分、あるいはほんのわずかでございますが、生産者団体等にもこれは積み立てまして、酪農民の畜産振興に充てよう、ただし、その場合に、政府の指示を受けてやる、こういうことで公平に処理いたしたいと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最後に、直接本法に関係がないかとも思いますが、先般どなたかの質問でありましたかのお答えに、学校給食用の牛乳というものは、学童の体位向上とか、国民の健康保持とかいう問題ではなくて、乳価が下落したときの対策としてやるのだから、乳価がある一定水準を保っているときには、学童給食等は中止をしたいというような意味の御説明があったように思うのです。私は学童給食というものは、やはり継続性をもって通年的にいかなければ、受けるほうの学校も非常にこれは迷惑な話なんで、余ったから使え、足りなくなればやめちまうといったような場当たり的なことでは、大切な児童を扱っている学校の給食としては、私は非常にむずかしい問題が生まれてくると思うのです。ですから、学校給食の牛乳の問題については、数年継続性を持ってやるという方針を確立しなければならぬと、こう考えるのですが、局長の御意向はどうですか。

森茂雄農林省畜産局長

○政府委員(森茂雄君) 今までは畜産物の流通関係について、こういう法律程度のものでもなかったわけであります。そういう意味において、われわれといたしましては、学校給食ではありまするが、過剰対策にも使っておったわけであります。だんだんと制度が固まりますれば、お話のとおり定期的にやることが理想だと思います。私どもも制度が確立いたしますれば十分御趣旨にそってやりたいと存じます。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。  暫時休憩いたします。    午後八時四十一分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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