農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/17
会議録
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 家畜取引法の一部を改正する法律案(閣法第三七号)参議院先議を議題といたします。 この際、中野政努次官から発言を求められておりますのでこれを許します。
○政府委員(中野文門君) 中央卸売市場法における類似市場の規制と家畜取引法の一部を改正する法律案における市場外取引の制限との関連につきまして、先般の委員会でいろいろとお話がございましたので、ただいまからその見解を申し上げて御了承を賜わりたいと思います。 去る十三日の本委員会におきまして、家畜取引法の一部を改正する法律案の審議の際に、北村委員から御質問のありました中央卸売市場法における類似市場の規制と家畜取引法の一部を改正する法律案における市場外取引の制限との関連について、農林省としての見解を申し上げたいと思います。 中央卸売市場法につきましては、現行の中央卸売市場は、開設し得る地域としては指定区域、開設者としては地方公共団体に限られ、また開設の認可にあたりましては、その位置、用地の面積、建物及び施設の種類及び構造等を定めた事業計画書、取り扱い品目、使用料、手数料等を定めた業努規程を提出させて適当なものを認可することとし、このような特定なものについて中央卸売市場法に基づく助成及び規制を行なうこととしております。このことは、中央卸売市場が生鮮食料品という一般消費者に日常必要な物資の卸売を行なうために開設される市場であることにかんがみまして、その他の市場の開設を否定する建前をとっていないものと考えられます。 このような制度を前提といたしまして、現行の中央卸売市場法において類似市場を禁止することは困難と考えられます。 次に、中央卸売市場は、その規模、機構、集荷能力等のすべてにおいてその他の市場に優越するものであり、ましてその業努の健全な運営に重大な影響を与えるような類似市場が発生することは考えられませんので、これを禁止しなければならないような事態は生じ得ないと考えられます。 したがって、現存する類似市場につきましては、現行の中央卸売市場法における類似市場の規制措置届出及び変更命令——で対処する立場をとっているのであります。 一方、家畜取引法の一部を改正する法律案の家畜市場の開場日等における市場外取引の制限の規定は、主として産地家畜市場及び集散地家畜市場について、その開場日及びその前後の日において、市場周辺の道路及び空地におけるいわゆる市場外取引の弊害が著しく、このためこれらの家畜市場における家畜取引の業努の健全な運営がややもすれば阻害されることが多かったため、今回新たに設けることとしたのであります。 したがって、この規定による規制は、既設の家畜市場の周辺における新たな家畜市場等の市場の開設を禁止するものではなく、家畜市場の開場日及びその前後の日において家畜市場からおおむね千メートル以内の周辺の区域で当該家畜市場の業努の健全な運営を確保するため必要最小限度の場所を知事が指定して、その場所における家畜取引業者による家畜取引の行為を原則として禁止するものでありまして、きわめて限定的なものでございます。 以上、御説明申し上げます。
○北村暢君 ただいまの回答は、おのおのの法案の説明をされただけのことで、私にはその理解がいかないのですが、いずれも公正取引をするという点に重点があることは、ただいまの説明でもわかるわけなんですが、その公正取引をするということを重点とするならば、中央卸売市場法における類似市場というもの、確かに家畜取引法ではいわゆる産地市場、集散地市場、その市場指定区域は、確たるものがないにしても、その周辺地域は市場というものができる気づかいがないのだ。そうだとするならば、家畜商法によって個人の売買というものを認めておる限りにおいて、そういう点からいけば、私は公正取引をするという度合いからいえば、さらに個人の取引であるから、これは規模においては小さいにきまっておる、しかし類似市場の場合は一定面積のもので、それよりか小規模のものはもちろん自由であります区域内であろうと、何であろうと、自由に取引やって差しつかえないわけです。類似市場といえどもこれは無制限ではないので、一定規模のものについては類似市場として届出をする。それよりか規模が小さいものについては自由に取引できる。そういうことになっているわけです。でありますから、その類似市場というものは、家畜取引の場合よりも、より私は公正取引という面からいけば、これは害がある。こういうふうに判断するのです。ですから、簡単なものであれば、中央卸売市場の場合は、類似市場以外の小規模のものは自由にやって、届出も何にもさせていない。そういうことなんですから、家畜取引法における場合も、そういう小規模のものに、そういう道路上でやったり何かするものは、大々的にやったり何かするわけにはいかないわけですから、そういうものであったとするならば、類似市場さえも禁止できないものが、ごく小規模な簡単な取引というものまで禁止するということは、私は程度の問題からいえば、公正取引の問題からいけば、非常に片手落ちじゃないか、このように思うのです。ですから、今の説明では、両方の法律の説明をしただけで、憲法でいう営業の自由というものを禁止できないのだということの点からいって、中央卸売市場法ではそういうことは禁止できないのだ、こういうのですけれども、私どもは公正取引という面からいけば、できると、こう考えておる。家畜取引法の場合も禁止できるくらいであるから、中央卸売市場法においても禁止できるのだ。私は家畜取引法の禁止しているのを不賛成ではないので、賛成なんですよ。賛成なるがゆえに、中央卸売市場法も、これは類似市場というものを認めるべきでない、こういう考え方。ところが、それは農林省の見解ではいかぬというから、そういう、公正取引により重大な関係を持っている類似市場さえ禁止できないのに、家畜取引法で簡単な小規模な取引まで禁止できるということになると、これは営業の自由というものを保障している憲法の建前からいって、非常に片手落ちでないかと、こういうふうに思うのです。どうなんでしょう。
○説明員(松岡亮君) ただいまの北村委員の御指摘の点は、まず第一点としまして、家畜取引のほうは、取引行為の一時的制限を考えておるわけでございますが、一方御指摘になりました類似市場のほうについては、営業の禁止またはきびしい制限ということを御指摘になっておるようでございます。その間、若干の相違があるかと思います。つまり憲法上の営業の自由に触れる問題としては、類似市場の開設そのものを禁止するということになりますと、これはかなり問題になるわけです。現行の規定でもそれを発動することは非常に困難な問題があるかと思います。ところが、家畜取引法のほうは、取引行為そのものを一時的に制限するということでございますので、その間には相当な差があるかと思います。また実体的に申しまして、類似市場と中央卸売市場との関係は、中央卸売市場は、一方において国や地方公共団体の規制を受けるとともに助成を受けておりまして、現在における生鮮食料品の取引量の、まあ、指定区域におきましては大部分を扱っておる。ところが、類似市場の取り扱い量はそれに比較いたしまして微々たるものでございます。たとえば東京の江東地区で申しますと、東京卸売市場の江東分場の取り扱い金額は大体年間三十億円に上るのでありますが、ここにある類似市場の取り扱い量は六千万円程度でございます。その影響というものはほとんどない。実体的に申しましてもこれにきびしい営業の禁止あるいは制限をするということは、今のところ考えられませんし、困難である、まあ、かように考えておるわけでございます。
○北村暢君 中央卸売市場が公共的性格を持っておって、開設者が地方公共団体である、しかも補助をする建前からいって、相当な取引上における厳格な取り締まり規定があるわけですね。それに対して、類似市場に対しては何らの規定というものはない、自由取引である。そういう点からいって、これはそういう公共性とか、公共団体がやって……。それくらい公正取引というものが重要なんですね、中央卸売市場の。それを、公正取引をできないような形に、類似市場は今取り扱い高がわずかだと言うが、実際問題として荷引きをするにしても、あるいは小売りに売った場合にいろいろな奨励金みたいなものをつけてそうしてやっておる実態でしょう。そうすれば、隣りにそういうものがあれば、中央卸売市場は非常な厳格な中において、手数料だけでやっていけったって、実際問題としてできないことになってくる。取引量の問題で、あなたはそういうふうにおっしゃるけれども、札幌の中央卸売市場の隣りに中央卸売市場より規模の大きいものができて、それがどういうふうな中央卸売市場の運営に大きな影響を及ぼすかということは、これは非常に大きな問題なんです。あなたのおっしゃるような形は取引量が少ないからといって江東の例を出されたけれども、もっといい例もあるんですよ。類似市場があって、公正取引の面において非常な大きな支障を来たすという、ほかの例がたくさんある。そういうものを出さないで、江東の取引所だけ出してそういう答弁をされても、これは私は理解できないと同時に禁止できなくとも、今の届出制を許可制にすることはできないかという問題もあるわけです。許可制にするということを私どもは要望しているのですけれども、届出制よりも許可制のほうが…。許可制にすれば、ある程度のことはできる、これはもうどうしても今の憲法の規定の点からいくと規制できないために、中央卸売市場の取引そのものがやはり乱されていっている。場外で類似市場があって、いろいろな奨励金を出して荷引きをやる特殊なものがあるとすれば、奨励金を出してやるというなら、そっちのほうへいきますよ。そういうものを自由にしておいて、中央卸売市場だけ適正、公正な取引をやりなさいといっても、これはできないですよ。いろいろな、わずかばかりの補助金を出しているだけであって、それができないということは私は非常に納得いかぬし、今家畜取引法のほうは、まあ取引の面からいったらどうかというのですが、もちろん類似市場に類する大きな別の市場ができて、そこで不公正な取引をやっているというのでなくて、道路ばたとか何とかで、それも手数料を払うのを簡略にするというようなことがそこにできている、手数料を払わなくとも取引ができるような程度、そういう程度の、道路で取引ができるような簡単な取引でしょう。そんなものだったならば、中央卸売市場ならば届出制にする必要もない、自由に認めているのですよ。ある程度の規模以下のものは類似市場として届け出る必要はないわけでしょう、政令で定めた坪数の以下のところは、だからそういう小さな取引は禁止するどころの騒ぎではない、届出制もしないし、自由にやって、これを何ら取り締まる規定がないわけですよ、中央卸売市場の場合は。ところが家畜取引法の場合は、これは道路上でやる取引ですから、そんなにべらぼうなものをやるはずはないのですよ。しかし、まあその業者が非常に多いということで、まあ取引する一件当たりの量は少ないだろうけれども、頭数は少ないだろうけれども、数多くやられるというような点は若干あるかもしれません。あるかもしれませんが、それを禁止するということができるくらいであったならば、はるかに公共性のある生鮮食料という、重大なこの取引をやる、そのためにこそ中央卸売市場として特に取り扱っている、この公正取引をやるために必要だからやっておる中央卸売市場で、その許可制なりある程度の自由な取引の規制ができないということは、私はこれはどうしても今の取引法との関係からいって理解できないのです。ほんとうにそう思っておられるのですか。
○説明員(松岡亮君) ただいまお話がありました点につきましては、それはいけないとか、あるいは反対だとか申し上げますよりも、実体的には中央卸売市場に対しまして助成をし、またいろいろな形で指導を加えてその規模も大きくし、漸次伸びて参っておりますが、さらにこれを発展させるというような方向で解決したいというのが私どもの気持でございます。しかしながら、それと同時に、さっきも申し上げましたように、許可制または登録制にすることは絶対に不可能だという点については問題はございますが、それよりも、とにかくこれを、営業を一般的に制限するということにはよほどの理由がなければならぬ。公共の福祉に非常に有害な影響のおそれがある、そういう特別の事由が考えられる場合に許可制をとる、そういうようなことが必要ではないかと思われます。ところが先ほども申し上げましたように、札幌の例を引かれましたけれども、札幌でもなるほど類似市場の問題はかなり問題にはなっておりますけれども、やはり中央卸売市場の取り扱い高に比べますと、ずっと問題にならぬ程度に小さいのでございます。そういうこともございますし、やはりそこはもう少し実態について、これはどうしても有害な影響があるということを見きわめませんと、そこまで踏み切ることはかなり問題があるのではないかと思います。特に中央卸売市場の取り扱い品目は生鮮食料品で、国民の日常生活に直結いたしておりまして、ほとんどどこでも自由に売買できる状態に置くことが望ましくもあり、それが実態でもございます。類似市場なるがゆえにこれを一般的に許可制にするとか、あるいはさらに進んで禁止するということにつきましては、やはり相当な実体的事由を必要とする、かように考えております。
○北村暢君 どうもそういう答弁では納得できないのですが、まあこれは中央卸売市場法がかかったときにやりますがね。ですが、現実にそういう指導をするというのだったら——指導もやっておられるわけですよね。ところが江東の市場を見てもわかるように、また江東市場は建設している、そのやさきにもうすでに隣に類似市場の予定地を買って、そうして類似市場を開設する、そういう実態があるわけでしょう、こういう今まで幾つか卸売市場がたくさんあって、そうして新たに中央卸売市場ができる、どうしても統合ができなくて残ったとか、あるいは従来から類似市場がある、そういうものについて、今直ちにやめろといっても、それはもうなかなかむずかしいものだ。今度のは何か吸収するような法律改正もやったようですけれども、そういうような実態にあるならまだ話がわかるのですけれども、新しい中央卸売市場が今できるという所の隣にすぐ類似市場ができる、黙って見ていなければならぬわけですよ。混雑することもわかっておるだろうし、公正取引の妨害になることもわかっておる。行政指導でもできないわけでしょう。類似市場ができて黙って見ていなければならないのです。今のところ、届出さえすればいいのですから。そういうばかげたことはあり得ないと思うのですが。ねそれは公正取引に、量だの何だの全然取引に支障がないというなら別ですよ。あなた方そうおっしゃられるけれど、中央卸売市場法に基づいて中央卸売市場で適正に取引が行なわれているかどうかというと、行なわれていないじゃないですか。そういうものがあるために行なわれていないのですよ。今度の法律改正やったからといって、業者は笑っているのですよ。大体公正取引なんて、こんな法律作ったって法律なんか守らないのだ、守らないような法律を作ったって、それはあなたしょうがないのだと言っておりますよ。それくらい公正取引が、国民生活に重大な関係のあるこの生鮮食料の取引が、中央卸売市場という市場で適正に行なわれていない。行なわれているなら文句は言わない。行なわれていないのです。行なわれていないのに支障がないという理屈はないでしょう。適正取引が行なわれるように、やはり類似市場というものに何かの規制を加えるということは……。あなた今、届出制なり許可制なりなんて全然できないということはないでしょう。重大な支障があるというならば、公共性なり公正取引の上において重大な支障があるというならば、これは何か規制処置ができる、そういうこともあり得るだろう、こうおっしゃるなら、現実の問題としてそういうことはあり得る。これは公正取引が中央卸売市場で行なわれていない。行なわれていればいい。行なわれておるなら、それがあっても、なおかつ規模が大きいし、それから信用度からいっても類似市場なんか問題なしに公正取引が行なわれているんです、こういうことならいいんですけれども、そうじゃないんですね。そうじゃないんです。公正取引が現実に行なわれていない。そのために、だいぶ何回か中央卸売市場法を改正して参りましたけれども、今日なおそれで公正取引が行なわれていないんですよ。それは、やはり、この類似市場という自由に認めているものが隣りにすぐあるからそういうことになる。ですから、私はそういう点からいえば、やはり何かの規制処置を講ずべきであるというふうに思うんですが、これが憲法の営業の自由の点からいって禁止規定はできないんだと、こういうふうな言い逃れをしておるんですけれども、何か私どもはそこに割り切れないものがある。まだこの市場関係の中には、旧来の慣行であるとにかく親分子分式なものがあって、そしてそれらの圧力によって行政がうまくいかない実態にある、こういう状態ですよ。これをやはり取引というものを近代化して合理的にやっていくということは、これは行政庁として、農林省が監督官庁として、しかも法律に基づいてやっていく場合にあいて、私はもう少し思い切ったやはり政策なり行政というものをやるべきだと思うんです。これはもうそういう取引にできてないですよ。したがって、まあ生鮮食料というわけでもない、今の家畜なんていうものは今どうのこうのというわけじゃない、もちろん衛生的からいっても何からいっても、それは生鮮食料の鮮魚や何かの取り扱いなんからいったら、もう全然違うです。そういうものですら千メートル以内の取引を禁止するということができるわけでしょう。しかも一方においては、家畜商法という法律があって、七万なんぼの個人の家畜取引の登録した業者がおる。そういう人の取引というものは自由なんですよ。自由である反面において、その市場の公正取引、しかもそれは公共団体ばかりでない。大部分のものは、農業協同組合とか、公共団体というようなものはごくわずかでしょう。そういう自由な市場ですよ。中央卸売市場から比べればずっと自由な市場ですよ。それに対して周辺について制限規定が設けられるというのに、それよりかはるかに重要度の高い中央卸売市場に制限規定ができないということは、これはどう考えても理屈が通らないと思うんですが、ね憲法の解釈からいったらどうなんですか。憲法の解釈からいって、どうしても中央卸売市場の営業の自由ということで禁止規定が設けられないということなんですか。どうなんですか。
○政府委員(吉國一郎君) 内閣法制局の第三部長であります。ただいままでの御質疑と、これに対する農林省の答弁で、政府側の見解としてはもう尽きておると思いますけれども、補足的に申しますと、憲法では第二十二条で職業選択の自由を保障し、また第二十九条で財産権を保障しておりますので、これによりまして、憲法のあらゆる通説といたしまして、営業の自由が日本の憲法においては保障せられておるということになっております。その営業の自由といえども、あらゆる場合においてすべて侵害できないということではございませんで、憲法の第十二条でも、国民に保障されました自由と権利とは必ず公共の福祉のために利用すべき責任を負うということを規定してございまするし、また第十三条においても、国民の生命、自由及び幸福追求に対する権利につきましては、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とするとしてございますが、それはあくまで公共の福祉に反しない限りであるということがございますので、公共の福祉上の要請がございまするならば、営業の自由といえども合理的な制限は可能であるということが、これまたただいままでの憲法学上の通説でございます。いかなる場合具体的に営業の自由を制限し得るかということは、その固々の場合につきまして、具体的な事情をそれぞれ比較考量いたしまして決定しなければならない問題でございますので、抽象的に申し上げることははなはだしく困難でございますけれども、この中央卸売市場におきまする類似市場の問題につきましては、これは政府側のあるいは見解が、実体認識として問題があるという御意見があるとも存じますけれども、政府側の実体認識といたしましては、類似市場が存在することはもちろん認めておりますけれども、その類似市場によりまして、中央卸売市場というものの機能が害せられまして、生鮮食料品の公正な価格の決定が阻害され、したがって生鮮食料品の適正かつ円滑な配給に支障を生じまして、国民生活に重大な影響を与えるというような事態はないというのが、政府側の認識でございます。もしその類似市場の存在によりまして、中央卸売市場におきまする生鮮食料品の取引に、今申し上げたような重大な支障が生じましたような場合におきましては、これまた類似市場を設けているというそのこと、そのもの、あるいはその類似市場の中におきまする卸売業者等の活動につきましても、その営業の自由を制限して、一定の規律に付せしめる必要が生ずるかもしれません。ただいまのところでも、第二十三条におきまして、類似市場に対しまして農林大臣が一定の監督命令を発することができるようになっております。これは御承知のように、類似市場におきまする業務の公正を確保し、または類似市場において卸売の業務をしておりまする者に対しまして、販売もしくは販売の委託をなす者を保護する必要があるという場合に限られておりますけれども、一定の範囲内におきます監督命令は認めておりまして、これに対しまして、その命令をきかない者に対しては業務の停止を命ずる。業務の停止にさらに違反する場合においては刑罰をもって臨むという体制になっております。これをさらに北村委員の仰せられますように、許可制にするというようなことも、前提条件が変わりますればもちろん可能であると思います。先ほど申しましたように、類似市場における卸売業者等の活動によりまして、中央卸売市場におきます生鮮食料品の適正かつ円滑な配給機能というものに重大な阻害をせられまして、国民生活の安定に重大な支障を生ずるというような事態が生じます場合には、その類似市場の営業というものを制限しなければならない。その制限の方法として、一定の基準に該当する者しか許可をしないとか、あるいは原則として禁圧的な態度をとるとか、あるいはまた、そこまでいかないで、軽い気持で許可基準を設けまして、いわば登録制度に近いような範囲内の許可制度をとりまして、許可した上でそれに対して一定の規制を加えるというような、いろいろな方法が考えられると思いますけれども、それはあくまで営業の自由というあの憲法で保障しております態度と公共の福祉とのかね合いの問題でございますので、ただいままで政府で考えておりますのは、類似市場というものといえども営業の自由を保障せられているわけでございますので、その保障を今よりも侵害するに足るだけの前提条件はまだ熟していないというのが政府側の認識であるというふうにお考えいただきたいと思います。
○森八三一君 今の説明で了解しますが、そうすると、私はこの二十七条の改正は賛成なんですが、法制局の見解でいくと、家畜の取引について千メートル以内云々ということは、公共の福祉に反するという度合いが生鮮食料品の場合より強い、こういうような見方を持っておられるのですか。
○政府委員(吉國一郎君) この家畜取引法の一部改正によりまして、第二十七条の二の規定を置きまする点につきましては、先ほど農林政務次官からお話がありましたとおりの説明でございますが、これも補足的に申し上げますと、産地家畜市場及び集散地家畜市場の開場日とその前後の日において、その市場周辺の道路等におきまして市場外の取引の弊害が著しく強い、その弊害によりまして家畜市場における家畜の公正な価格の形成が阻害されておる、その阻害されておることによって生じまする弊害が、その周辺におきまする一定の期間内のかつ一定の地域内の市場外取引を禁圧することによって生ずる害よりもむしろ大きいということで、その市場外の取引を一定期間一定の地域について禁圧することによって公共の福祉が保障せられるという見解をとったわけでございます。
○森八三一君 僕の聞きましたのは、生鮮食料品の場合に類似市場なりあるいは類似市場よりもっとこまい取引というものが市場の周辺において行なわれておる、それによって生ずる公共の福祉の阻害と家畜取引の場合における開場日その前後の間に市場外において取引をするということの弊害と比べてみて、生鮮食料品の場合にはまだ禁止に価しない、それほど公共の福祉を阻害しておらない、家畜の場合にはそれが非常に顕著だからこういう地域を限ってやるというように理解されておるかどうかということなんですよ。生鮮食料品の場合には非常にこまい取引が現に存在しておる。それは市場における公正取引を阻害もしないし、公共の福祉にも反しない、こう理解せられる、だから禁止ができない。だが家畜の場合には千メートル以内で開場日の前後に行なわれると非常に公共の福祉に反するから禁止をするというように受け取った、こういうことでしょう。そういうふうに理解されておりますか。
○政府委員(吉國一郎君) 今のお話でございますが、その営業の自由を侵害いたします場合に、その侵害によって得られまする公共の福祉上の利益と申しますか、それと、その侵害そのものとの大きさの比較考量の問題でございます。したがいまして、家畜取引法の今度の二十七条の二によって、公共の福祉上一定の侵害が考えられて、公共の福祉に対する阻害が生じておるので、その阻害をなくするために、いわば営業の自由を侵害するわけでございますが、それと、それから中央卸売市場の類似市場の問題と並行的に比較することは私は困難ではないかと思います。中央卸売市場の場合には、許可制等によりまして制限を加えなければならない程度に類似市場によって公共の福祉が阻害されておるということがないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、家畜市場におきますこの場外取引の問題と中央卸売市場におきます類似市場の問題とを直接に比較するということは、ちょっと私は困難ではないかと考えております。
○森八三一君 どうもそこのところ明確に……。第二十七条二の改正は私はけっこうと思っておるのですよ。もう少し強くしてもいいくらいに思っておるのです。聞き方が非常に、是と信じておることが非というようなふうに聞こえるような説明の仕方があるので、苦しんでおられると思うのですが、このことが、憲法にいう営業の自由を認めておる趣旨にはこの改正が反しないのだということであれば、生鮮食料品のような場合に、類似市場以外においても取引が行なわれておるのですね。そういうことを禁止するということも可能ではないか、こう思うのですが、そういうことについて法制的な立場からどう理解されるかということを聞いておるのです。それが発展をしていくというと、類似市場についてもさらに規制を加えてもよろしいのではないかというところまで次に発展していきますからね。これはきょうここで二十七条の二の改正には反対ではないので議論する必要はない。これは中央卸売市場法の改正のときにやってよい。ここであまり時間をとるとよろしくありませんから、こういう点があるということを法制局の方では十分御研究を願って、四、五日のうちには中央卸売市場法がかかりますから、もう少し明確な答弁を御研究願っておきたいと思います。私はきょうここでそのことを質問する趣旨ではないのです。
○清澤俊英君 今の説明を聞き、提案理由の説明を見ますと、ここの場合はこう書いてある。「家畜市場の開設日およびその前後の日に家畜市場周辺の一定の場所で原則として家畜取引を行なってはならない」とこうなっておる。そうすると、たまたま道路などでやるということは、道路で一定ということはちょっと考えられない。その日の状況でいろいろな所に変わるのだと思う。ところがその反面、今の説明でいきますとその設定せられた家畜市場のわきへ市場を作っておる、これはいいというのだ。これの方がかえって弊害がないと、こういう解釈はおかしいと思う。これこそ固定した一定のものを、市場を作るのですから、市場だってこれは規則はないのですから、十坪なり二十坪の所で針金を張りさくを作ればこれはそれで済むんです。金はほとんどかからない。これは一定でやるのです。一定の場所は、かえって御説明になった市場というものに類似するような家畜市場が認められて、多くの場合臨時であり、道路である、こういうようなものがとめられると、こういう説明はどうも納得できないがね。だれもここのところは納得できないのです。それがどれくらいの支障があるかということなんだ。よほど重大な支障がなければだめだということになる。片方は一定の場所です。そこは作るのです。片方はこの説明を見ますと、今申し上げました通り、家畜市場周辺の一定の場所で、原則として家畜取引を行なってはならない、だからわれわれの解釈は、ちょうど類似市場を中央市場のわきへ作ると、こういうようなことができないのだ、こう解釈して、今、北村君からいろいろお伺いしておるのです。それはいいんだが、道路でやるのはいけないと、これはもう少し納得のいくように……。法制局のお方などは市場取引はどんなでなければならないということはおわかりにならないので、私はある程度までそういう法律が適用せられておるんじゃないかと、こういうことを常に考えておるのです。なぜかといいますと、浴場などは距離を定め、人口の密度を定めて、そうして許可するとかしないとかということで、一つの許可制になっておる、環境衛生の関係上。だから、そういうものもあるの、だから、したがって、これはいずれ中央市場法のときに問題になると思いますけれども、臨時市場等の問題が相当の問題になると考えられるんじゃないか。営業の自由で絶対できないと、こういう解釈なんだ、今までは。——ちょっと今までの解釈と違ってきているんです。営業の自由から絶対できないということは、何かわれわれが過去における審議の過程で聞きましたのは、進駐軍が駐留した時分、そういう強力な解釈をして、そうしてやったんだ、こういうことをわれわれは聞いておるんです。そういう話は聞いておるんです。だが、あなたの言われるような解釈をとっていかれるとしますならば、ちゃんと環境衛生にあるのだ、浴場取り締まりが。これは五百メートルですか、距離として五百メートルか、大体の標準が、密度として何千人だか、この中に二つの浴場を作つちやならない、——許可制です。と私は思うのだ。法律が改正にならない限り、それがまだ生きておるはずだ。ところが、今の次官の統一説明だというのを聞きますと、どうもわからない。われわれが問題にしたのは、一定の場所で原則として家畜取引は行なってはならないことにしたことでありますと、こういうのだ。道路が一定だろうかどうか。そんなことは、どうも一定なんという場所で、道路でやるなんということは、これは考えられない問題ですよ、大体の場合。それはどうなんです。
○説明員(保坂信男君) ただいまお尋ねのございました家畜市場の問題につきましては、改正案でお願いしております趣旨は、先般来申し上げましたことで、ただいまも御指摘がございましたように、家畜市場の周辺地域で知事が指定しました道路とか広場での個々の取引を禁止をいたしておるわけでありますが、先般も若干触れてお尋ねがございましたが、臨時市場ができますような場合につきましては、これもまた三週間以前に所定の取引方法なり具体的な内容を届け出なければならない規制があるわけであります。そういうようなことで、たまたま届け出まして、それがかち合っているというような場合におきまして、それも一応は取引市場としての形態を備えた取引でありますから、そういうようなものは法的には成り立ち得るというふうに思うわけであります。実際問題といたしましての指導なりといたしましては、そういう弊害がないように、また全体としても家畜市場の多過ぎるのを整備して参ろうという趣旨でありますから、そういうことは事実問題としてはあまり起こらないと思いますし、また起こっていないと思いますが、臨時市場のような場合に、法律解釈論としては、そういうことがあり得るというふうに思います。
○清澤俊英君 それは、この間も藤野さんが臨時市場の問題を質問しておられたでしょう。私は、ここの二十七条だかの臨時市場の規定は、これはもう古い伝統の中で、既存の市場として非常に発達した一つの体型を持った市場のことを言っているのではなくて、臨時市場として届出してやれということは、よそのことは私ら見聞が狭いからわかりませんが、新潟県等におきましても、昔から椎谷の馬市あるいは栃尾の馬市とか、大体昔は馬が中心でしたから、今でも名前は馬市になっておりますが、ヤギも出れば豚も出るし、和牛も出る。それから直江津の、これもやはり草市と言うているんですが、ほとんど最近は和牛でやっている。こういうようなことで、年の一つの行事として行なわれる。これは遠くは数十里のところを馬を引いて何千人の農民が集まり、三日間ぐらい非常な盛大な市が行なわれておる。私は、二十七条の臨時の規定は、そういうものをやる場合は、三週間でも五週間前でもできるでしょう。もうちゃんと日取りがきまっているのだから、一つの行事として。だから、そういう場合には、三週間前にやれということであって、今の北村さんの質問しておられるこの場合とは違うのじゃないかと思う。これはほんの臨時である。しかも道路のごときは、最近自動車が非常に頻繁に通りますので、やたらの所で、大道上であの大きな牛を引きずり出して私はおそらくせりなどはできない実態じゃないかと思う。あなた方がこれを許すとしてみましても、警察ですか、道路取り締まりの関係上、これは私はできないのじゃないかと思うのだ、現実においては。そういうものを取り締まって、そうして固定したる、第一回の説明によると、一定の場所で開く家畜市場は、これは許可する——これは許可じゃない。やっていたっても何でもないんだ。みずから業務規程も作るでありましょうし、取引規程も作るであろうし、こういう御説明があるので、そういうものができるならば、類似市場も当然できやせぬか。そうすれば、今ここに経済局の企業課長さんもおられますから、一番問題になっているものが片づきはせぬかと、こういうようなわれわれ同僚北村君も考え方なんです。それができれば、まことにわれわれとしては歓迎するのです。それこそ市場整備をする上に、まことに私は、取引上の慣行など、いろいろなものが整備していかれるので、いいじゃないかと実は思っておる。反対しているんじゃないですよ。だからはっきりとして、こういう解釈によってそれができるんだ、こういう法律上の解釈をきりっと与えていただきまするならば、われわれ中央市場法を審議するときにまた別の態度でやり、ほんとうの業者が要望しておるその線を改良することがてきるんです。こういう建前でお伺いしているんですから、何だか押しつけたような、その場はったりのような御解釈だけじゃ、なかなか私どもは納得しかねる。実質に沿わない御解釈をして、法律はこうなるんだ——大道で大体できますか。どんないなか道でも、少なくとも市場のあるような所は都市に近い場所です。その近い場所でそんなことができますか。たまにあったとしますれば、それは農道だろうと思う。農道ぐらいのもので、九尺か六尺ぐらいの道だろうと思う。牛や馬を入れる余地もないだろうと思う。おそらくそれが現実じゃないかと思う。それは取り締まるんだ、こっちのほうは取り締まる何ものもない。これではどうも私は納得しかねる。いま少し納得せられるような実際の解釈を一つお願いしたい。こういうことなんです。
○説明員(保坂信男君) ただいまお尋ねのありましたように、市場の周辺地域の道路というような場所で実際に家畜市場が別に成り立つというなことは、実体的には起こらないというふうに思います。
○清澤俊英君 起こらないとは言わない、無理だと言うのだ。
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(仲原善一君) それじゃ速記をつけて。
○清澤俊英君 この家畜市場、大体だんだんとこの法案の中にもちょっとその意味は盛られていると思いますが、第十五条の改正などは、将来において、地方の家畜市場と、食肉市場というものは法律がないから地方でできませんかもしれませんけれども、それに類似した食肉市場的な機能を果たすものが併用せられる、俗に言う枝肉センターという名前で開いてくる、これはいいとします。そこで問題になるのは、来年から、この三十七年くらいになると、五、六年の間非常に困難したが、東京の芝浦の市場において一応畜肉市場もでき上がる。それに併用して家畜市場もお作りになるような構想がある、こういう話なんです。それは家畜市場のほうも併用せられる。これはやられたほうがいいと思うのです。そこで問題になるのは、ただいま七十五名ですか、七十五の卸、屠殺、販売業をやっている人たちが、中央市場法による中央市場のいわゆる卸業者になる。これは委託卸業者、名前を変えれば委託卸業者になる。そこで、そうなりましたあとの今の卸業者というものが、これは大体鮮魚等の場合におきますれば、仲買いという形に変わるんだろうと思う、仲買いという形に。鮮魚の場合には、そういう人がみんな仲買いになっている。仲買商として実質の卸業をやった。ただ青果物の場合は、旧慣によって小売商もせり台に立つことができる、こういう形になっておりますが、鮮魚の場合は大体において仲買いがやっている、こういう形になっている。そこで芝浦の場合、これが仲買いという一つの機能を与えて、そしてその市場では現在小売りしている今までの商習慣による系統販売というのですか、系統的な商習慣を持った小売商というものもこれに参加することができる、こういうふうにお考えになっているのだと、これは非常に私は混乱に入るのじゃないか。だから現在の卸売人という、卸、屠殺、販売人ですね。これが資格はどういうことになるのか。これが、かりに自分でやはり地方から牛を買ってきて、それを、名前を変えないとめんどうですから特別の名前をつけますが、委託卸売業者のところに委託屠殺してもらって屠殺は自分でやってもいいし、とにかくそこでやって、自分で出したものを、またみずからそこで分金を払ってせりをやって持ってこなければならぬ、自分で出したものを持ってくる、そういう形になるでしょう、市場からいえば。よそでつぶしてきて、それをその市場の中で売るわけにいかないのですから、よそから自分で荷を引いてきた、農民から買ってきた牛を市場の中でつぶして、それを市場を通じて売るわけにいかないのだ、今の規定はそうなっている。今度芝浦でできるのは、中央市場法に乗っている。そういう行為は禁止されている。そういう一つの関係を整備して参りますには、一体どういうような整備の方法をお考えにたっているのか、これは私は非常にむずかしい問題がそこに残っているのじゃないか、非常なむずかしい問題が出てきている。私は、長い将来においては和牛が——私の言う和牛というのは役牛ですが——だんだん農業機械の発達によって新潟県などはほとんどなくなりました。ことに肥育牛いわゆる食肉牛に変わってきております。そうなりますれば、したがって家畜取引の方法などが全面的に変わってきて、そうしてやはりある程度まで、指導の仕方によっては、農協等を中心とした共同出荷というような形で理想的なものができ上がるのじゃないか、それは現に豚に現われている。昔はみんなあれは仲買いがあって、それこそあなた方が言われているように、農道でかごに入れて看貫にかけてみんな持って行ったものだ、最近はそういうことをしないで、大体われわれが見ているところでは、農協の共同出荷で片づけている。だから今までの和牛——役牛を売ったときには、かわりがほしいのです。役牛であるから、売ればかわりがほしいのです。そういう場合に、農民自身は牛に対しまするところの知識がないのです。いい悪いの知識がない。したがいまして、自分の信用した博労といいますか、あなた方の言葉では家畜商といいますか、家畜商に対する信頼度が高かった、親の代から出入りをしているのですから、今度はおれのところの牛もだいぶ年をとったから、いいのがあったらかえるようにしてくれというようなことで、相当家畜商の活躍の場があったのでありますが、今度はそれがないのです。いかに自分の育てた牛が公正な値段で売れるか、こればかり考えている。だから、別のものができ上がるのでありますから、今申しました中央市場のその動き方ですね、それに対して一体どうお考えになっているのか。また、この間も行って聞きますと、牛肉のほうは大体三〇%が農協で、そうして七〇%はまだその七十五軒の商人が出している、豚のほうは大体四、五〇%出していることは間違いない事実だと思いますが、そこで、今これを改正しようということは、そこら辺のところがどういうふうに変わりますのか、今の卸商というのがどの線でとどまって、そうして今の混乱をどうして防ぐのか、こういうことですがね。
○政府委員(森茂雄君) 芝浦の例をあげて、現実に迫っている芝浦の中央卸売市場への整備についていろいろ御疑問なり御注意をいただきましたが、先生の設例のごとく、集めてきた者が屠殺に出して、そうして生肉を、整備された卸会社に販売を委託して、そうして今度は売りさばきをします。いわゆる中央卸売市場の卸人に対して、また向こう側に回ってその仲買いの今度は資格で買うということになりますと、何といいますか、販売を委託した者が、そのせり、入札を通ずるといえども、また向こうの買う側にまた立つということになってしまいますので、何といいますか、卸売会社を設けてそうしてせり、入札をやる意味が、委託した者だけで、また相手方に全部仲買いで立ってしまいますと、結局何をやったのだか意味がなくなる。そこで、それぞれ業者の意向に応じまして、その同じ販売を委託する者とそれからせり、入札に参加してやる仲買いになる者と同一人がそういうことにならぬように、それぞれ業者側の希望に応じて役割をぴしゃっと分けまして、そうしてその他また売買参加者が出ると思いますが、そういうようなことで、卸が、せり、入札をやって売る中央卸売市場の市場操作をやるのに、せっかくそういうことで公開的にやるわけでございますので、もともとそういう趣旨でやる意味が十分徹底するように、資格につきまして両役を勤めることのないように、これはやはり強制するわけにいきませんですから、はっきり区別してやらないと、先生のおっしゃるとうり音意味もないことになると思います。
○清澤俊英君 ちょうど市場法の大家、そこに経済局長おられるが、仲買人が自分のものを出荷してまた自分がせり落とすというような行為は、今の中央市場法ではできないのじゃないですか。どうなんです、ここは。
○説明員(鈴木一美君) 御説明申し上げます。 現在の中火卸売市場内における仲買人につきましては、業務規程で荷引き行為を禁止してございます。したがいまして、今の肉の関係につきましても、収容の際いろいろむずかしい問題はあるかと思いますが、結論的にはかような方向において解決し、卸、仲買いの職業分化をここに明確にするというようにやらないと、先ほど局長から御答弁がありましたような結果になると思いますから、そのようなことに方向づけていくのも一つの方法かと思います。
○清澤俊英君 今言われるとおりです。仲買いが荷を出すわけにいかない。業務規程にきめられている。そこは非常に重大ですから、ひとつ市場課長と相談して、そこをはっきりさして、同時に、今までの卸人というものを仲買人として、これが、出たものを自分で落としてきて、そうして今持っている小売店ですな、商業何と言うのですか、それはルートと言うのですか、自分の商範囲とでもいいますか、それに小売りするようにして、小売り参加は相当考えていただかぬと私は非常に紛糾してくるのじゃないかと思いますが、その点どうお考えになっておりますか。そういう整理はもう来年できるというのでしょう。三十七年です。
○政府委員(森茂雄君) 御指摘のとおりその点は截然と区別して行なわれなければ紛糾しますので、十分東京都とも相談いたしまして、御指摘のように円滑に行なえるように努力いたしたいと思います。
○委員長(仲原善一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないものと認めます。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。 ここでしばらく休憩し、午後は一時に再開いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————————— 午後一時四十三分開会
○委員長(仲原善一君) 委員会を再開いたします。 午前に引き続き、家畜取引法の一部を改正する法律案(閣法第三七号、参議院先議)を議題といたします。 本案につきましては、午前の委員会におきまして質疑は終了されております。 それではこれより討論に入ります。 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○櫻井志郎君 私は、ただいま議題となっております家畜取引法の一部を改正する法律案について修正の動議を提出して本案に賛成するものであります。 まず案文を朗読いたします。 家畜取引法の一部を改正する法律 案に対する修正案 家畜取引法の一部を改正する法律 案の一部を次のように修正する。 第十五条ただし書の改正規定及び 第十五条に二項を加える改正規定を 削る。 第十八条の次に一条を加える改正 規定中「第十五条第一項」を「「第十 五条」に改める。 第三十五条の改正規定の次に次の 改正規定を加える。 附則中第六項を第九項とし、第五 項を第八項とし、第四項の次に次の 三項を加える。 5 当分の間、家畜市場の一の開場 日において家畜取引の目的物とす べき家畜の頭数がその家畜市場の 売場施設の状況からみて著しく過 多と認められる場合においては、 第十五条の規定にかかわらず、あ らかじめ、開設者が農林省令で定 めるところにより都道府県知事の 許可を受けて業務規程をもって定 めた売買の方法によることができ る。 6 前項の許可には、条件を附する ことができる。 7 前項の条件は、家畜市場におけ る公正な家畜取引及び適正な価格 形成を確保するために必要な最少 限度のものに限り、かつ、当該開 設者に不当な義務を課することと なるものであってはならない。 続いてその理由を簡単に説明いたします。 現行法におきましては、その第十五条において家畜の売買の方法はせり売りまたは入札の方法によることを原則とし、ただし種畜など特殊な資質を有する家畜の売買その他せり売りまたは入札が著しく不適当と認められる場合は他の方法によることが認められておるのであります。ところが、今回の改正法律案は、この十五条を改正してせり売りまたは入札の方法以外の方法によることができる場合を拡大して、家畜の入場頭数が市場設備に対して多過ぎる場合等、せり売り及び入札の方法によることが著しく困難な場合もせり売りまたは入札以外の方法によることができることとしようとするものであります。もっともこのようなときには農林省令でその方法を明示し、またこれを許可する場合、条件をつけることができることを明文化しておるのであります。しかしてこのような改正を必要とする理由として、さしあたって尾道市における広島県畜産農業協同組合連合会が開設している尾道家畜市場をその対象とするためであることとされておるのであります。 なお、この市場も近く予定の整備計画が完了することになっているといわれております。事情はいずれにしろ、前に述べましたような今回の改正は、せり売りまたは入札の原則を後退せしめ、累を他に及ぼすこととなることが懸念され、妥当とは認めがたいのであります。しかし、尾道市場におけるような現実を全く無視することも必ずしも適当でないと認められますので、市場の狭隘のためによる例外措置は暫定的のものとするため以上のような修正を提案した次第であります。
○委員長(仲原善一君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより家畜取引法の一部を改正する法律案(閣法第三七号)について採決に入ります。 まず討論中にありました桜井君提出の修正案を問題に供します。桜井君提出の修正案に賛成の方の挙手を求めます 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲原善一君) 全会一致でございます。よって桜井君提出の修正案は可決されました。 次に、可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲原善一君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって修正すべきものと議決されました。 この際、委員長及び理事打合会で協議をいただきました本案に対する附帯決議案を、便宜私から提案し、委員各位の賛成を得たいと存じます。 まず案文を朗読いたします。 家畜取引法の一部を改正する法片 案附帯決議案 一、政府は速かに家畜市場の再編整 備に関する全面的な計画を確立 し、その完遂を図り、家畜市場の 育成指導に努め、これが監督取締 に遺憾なからしめ、以って家畜の 公正な価格の形成とこれが円滑な 取引の促進を期すべきである。 二、今回の附則の改正による措置 は、真に已むを得ないものに止 め、取引の公正を期せられる場合 に限り、しかして、飽くまで暫定 的のものとし、遅くも昭和三十八 年度末までには正常な取引を行な うことができるよう、政府は市場 施設の整備に最善を図るべきであ る。 右決議する。 以上が案文でございます。 別に御発言もなければ、この附帯決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任を願いた いと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 中野政務次官から発言を求められております。この際これを許します。
○政府委員(中野文門君) ただいま家畜取引法の一部を改正する法律案につきまして修正御可決に相なり、さらに附帯決議が行なわれたのでございます。農林省といたしましては、附帯決議を尊重いたしまして、御期待に沿いまするよう善処いたしたいと思います。
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて下さい。 それでは次に、肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第二〇号)を議題といたします。本案は去る十三日衆議院より送付され、本委員会に付託されました。本案についてはその提案理由説明及び内容の概要についての補足説明はすでに聴取済みであります。 それでは本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。(「なし」と呼ぶ者あり) 本案については本日はこの程度にいたします。 ——————————
○委員長(仲原善一君) 次に、家畜商法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)及び家畜改良増殖法の一部を改正する法律案(閣法第二五号)を一括議題といたします。 両案は去る十三日衆議院より送付され、本委員会に付託されております。なお、両案ともすでに提案理由の説明及び補足説明を聴取いたしております。 それでは両案に対する質疑を行ないます。
○北村暢君 今度の法律案の目的が家畜商の資質を向上させるという目的が一つあるようでございますが、その考え方の中で、家畜商の個人的な取引という問題と、いわゆる今後における畜産の振興に伴います点からいって、生産者の共同出荷とかあるいは市場の公正な取引、こういうような点からいって、取引が、個々の取引というものは古い商行為で、どちらかといえば好ましくない慣行というものが残っておる。こういう点からいって、今度の法改正の趣旨もできておるのではないかと思うのですが、一体、個人的なこういう取引というものを今後奨励というのか、そういうような気持でおられるのか、私どもとしては資質を向上して家畜商の個人的な取引というものが、どちらかといえばだんだん衰えていくのではないかとこういうふうに思うのでございますが、考え方として、一体どういう考え方でおられるのか、この点ずお伺いしておきたいと思うのですが。
○政府委員(森茂雄君) 提案理由の補足説明のときにも申し上げましたが、全国で約七万五千のいわゆる家畜商がございますが、われわれといたしましては、現在全国におきまして中小企業等協同組合法に基づいて、家畜商も商業協同組合または連合会を組織しております。そういうような団体などを通じまして、組合員の技術の指導、改善あるいは家畜の共同購入、共同販売など、また必要によりましては資金のあっせん等をいたしまして、家畜商がその取引につきまして社会的に品位を向上して、そうして公正な取引に向かうように努力いたしたいと存じます。
○北村暢君 まだちょっとわからないのですけれども、そういうような家畜商の組合なり何なりというものが出てくるのでしょうが、流通の過程においてそういうものを簡素化し、合理化していくという方向ですね、そのことによって生産者の生産者価格と最終の消費者価格というものとの中における中間的な経費というものを、私はなるべく少なくしていくというようなことが望まじいんじゃないか、先ほども清澤委員からも言われておりますように、そういう点からいくと、どうしてもそういうものを簡素化していくということが必要だ。で、日本くらい生産者価格と末端の消費者価格との間の経費のよけいかかっている国はおそらくないんじゃないかと思う。ものによっては約三倍ぐらいになっているわけですね。したがって、そういうような点からいえば、どうしてもこれは将来合理化していかなけりやならないんじゃないか、こういうふうに思っております。したがって、この家畜市場等につきましても、生産者保護のためにあるのかどうなのか、こういうことをひとつ明確にするという意見が出ている。今のある流通というものをそのままの形で是認していくということは、決して消費者に安い肉を食べさせるということにならない。しかも清澤委員も言われているように、今後は農業も機械化して畜力というものはほとんど減っていくのですから、役畜は減って、初めから食肉用の牛を作っていく、こういうような傾向にいくことはこれは間違いないことです。そういう中で、しかも貿易の自由化ということで太刀打ちしていくということになると、私はやはり流通過程というもののもっと徹底した合理化の方法があってしかるべきじゃないか、そのように思うのです。そのような点からいくというと、この七万五千からおる家畜商というものが、流通過程においてどういう役割を果たしているかということをやはり十分検討してみる必要があるのではないかと思うのですね。それで、これを中間的な仲買までもいかない個人のあれでしょうから、これを全部なくするなんといったってもちろんいかない、農家の庭先で売買が行なわれる場合、これまで監督し何しようたってできないことですから、それはできないにしても、こういう家畜商法で登録制でやるものと関連して、この流通機構における共販体制なり何なりというものの農民の指導というものは、私は出てこなきゃならないのじゃないか、畜産振興と同時に、生産者に対するそういう指導というものがなければならないのじゃないか、こう思うのです。そういうような点からいって、今現状よりよくしようという気持はわかるのだけれども、この家畜商法との関連で、何か畜産局で一体そういうような特別な流通上の措置というものが考えられているか、この点は乳価にしましても、生産者価格と消費者価格の間に非常に差がある、これはもう非常にだれしも疑問に思っているところです。そのほかの農産物にでも、流通面は非常に欠けているのですから、今まで行政があってなきがごとしなんで、そういう点では改善する余地があると思いますがね、何かそういうものを畜産局で考えておられるのかどうなのか、これをひとつお聞きしたい。 ——————————
○委員長(仲原善一君) この際、委員の異動について報告いたします。 本日、亀田得治君が辞任、その補欠として高田なほ子君が選任されました。 ——————————
○政府委員(森茂雄君) 農林省といたしましては家畜の生産者団体が行なう共同出荷、あるいは共同購入などの共同事業を推進するように、農協の本来の使命から、またその近代的、合理的な取引を推進させるために、農業協同組合に対しまして、その家畜に関する購入事業等について肉用牛の導入事業だとか、それから今後法制化されまする農業近代化資金などの援助をいたしまして、生産者団体の共販という体制を確立して参ることを一つの方法として考えております。しかしながら、生産者団体によりまするこれらの事業は、現在流通過程ではそれほど大きい比重を占めておりません。六大都市への生産者団体による共同出荷量は、総出荷量に対しまして役肉用牛では七%、豚では二〇%前後でございまして、その共同購入の割合では肉用牛でも三〇%、役肉牛、馬の全体と合わしても八%、豚では全体的にいってわずかに一〇%にすぎないのであります。そういうような状況でありますので、一そうその生産者団体の共同出荷、共同購入についての助成等をいたしまして、生産者自身の自覚あるいは団結による活動を促進して参りますが、現状といたしましては、家畜の主たる媒介者としての各家畜商が、現在その流通上重要な役割を果たしておりますし、今後もまた家畜商が果たす役割も大きいと存じまして、家畜商の資質の向上をはかりまして、本法では優良な家畜商の育成というようなことで、家畜の取引の近代化を推進いたしまして、両方相待って家畜の流通過程を改善して参ろうというわけであります。したがいまして、家畜商につきましても、各都道府県で先ほど申し上げました、法制による中小企業組合を組織しているものが二十八で、あと任意の組合がほとんど各県にありまするが、これらも法制化いたしまして、資金手当等もあっせんいたしまして、そして安定した取引あるいは団体組合内のいろいろな取引についての資質の向上等についての事業も促進していただきたい、そういうようなことで、両々相待って取引の合理化等によりまして、中間経費の節減をはかると同時に、その取引業者の安定もはかっていきたいと存じているわけであります。
○北村暢君 ただいまの説明によりますと、やはり家畜の取引行為の中においては、家畜商の占める地位というものは、絶対に無視できない重要な役割をしている。生産者の共同出荷なり、共同行為というものは徴々たるものであるということは、もうはっきりしたのですが、ところが家畜商の取引というものが非常に前近代的な取引であるということは、これはもう否定できないと思うのです。非常に古い慣行によって取引が行なわれているということだろうと思うのです。したがって、私はほとんど八〇%から九〇%のものは、共同出荷というような形には、あるいは共同組合を通じての取引ということには、なっておらないようでございますから、したがって家畜商の地位というものは、非常に現状では無視できないものである。ところが、それが今言ったように非常に前近代的な取引が行なわれている、これは大へんなことだと思うのです。ですから行政としては、私はやはりその共同出荷なり生産者を保護できるような形の施策というものが、積極的に行なわれなければならないり思うのですが、それがまだ非常に不十分である。そういう意味から今度の家畜商というようなものも講習会の制度を設けて、そしてその課程を終了しれ者でなければ免許を与えない、こういう一つの方法というものを考えたようでございますが、この免許というものも非常にむずかしく、よりむずかしくなるということだろうと思うのです。したがって、家畜商の資質を向上するということにもなるのでしょうけれども、そういうことの着想としては、どちらかといえばこの家畜商というものができにくくなる、まあ旧来の、何といいますか、慣行による思わしからざる商取引というものを改めていこうという気持がここに現われているのだろうと思います。その改正の趣旨は了とするのですが、一体、この講習会というのはどの程度の権威のあるもので、どのような規模のものを考えておられるのか、これは講習会の課程を終了するといっても、講習会がどれだけの権威のあるものなのか、これについてはさっぱり今度の法律ではわからないようでございますが、どの程度のものを考えておるか、その点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(森茂雄君) 現在のところ、具体的には都道府県それから学校教育法による大学で畜産学科のある大学あるいは全国を区域として設立されている民法法人で、家畜の取引きその他畜産に関する相当の学識経験ある技術者を有する団体などが開催する講習会ということを考えております。 講習会の内容といたしましては、大別して学科と実習に分けまして、学科は一般学科と専門学科にいたしまして、一般学科では主として関係法令を中心として一般商取引に関する基礎知識並びに家畜取引業者としての必要な知識を講習することをいたしました。専門学科では主として家畜を中心とした学科、たとえば家畜の改良とか登録に関すること、家畜の伝染病並びに疾病及びその判別方法、家畜の悪癖とか家畜の品種等についての知識を講習させたい、こういうことで考えております。
○北村暢君 これはそうしますというと、そういうところに設けるというのですが、これは何か国が指定したり、資格といいますか、何かそういうようなものを考えるのですか。都道府県に講習会をやれというのか、大学にそういうものを設けろというのか、そういう技術者のおる民間の団体等についてそれをやりなさいというだけで、一体こういうものの経費だの国の補助だの、そういうようなものは考えておられるのですか。
○政府委員(森茂雄君) もちろん講習会の経費も予算で編成しておりますし、それから農林大臣が講習者をただいま申し上げたようなものについて指定することにいたしております。
○北村暢君 そうすると、講習は一講習会どのくらいの予算ですか。それと、この講習会ということで、しかもこの免許ということに関連をいたしておりますから、この講習会の程度というものがやはり均等化されていなければならないと思うのですね、非常に優秀な講習会があったり非に名ばかりの講習会というようなものがあってはこれはいかぬと思うのですよ、免許と関連するのですから。そうでないと免許というものは不公平になりますから、ですからそういうことをどの程度に考えておられるのか、その講習会の内容というものは一体どんなものなのか、なお講習会というのはどのくらいの期間で、どのくらいの講習をやり、地域によっても違いましようけれども、その家畜商の人数その他によって主産地のような所と非常に少ない所とありましょうから、それにしてもどういう規模のものでどの程度のものを考えているのか。
○政府委員(森茂雄君) 先ほど申し上げましたとおり、一般学科と専門学科に分かれまして、特に家畜の伝染病疾病、またその判別方法、それから家畜の悪癖、家畜の品種などについての知識、それから家畜の一般取引に関する基礎知識並びに必要な知識を約三日間の予定で開催して、最近におきまする畜産業の発展に伴いまして、人工受精とかそれからいろいろ疫病処理とかいうようなことで必要となっておりまするので、十分そういうことで受講者に積極的に指導して参る、こういう考えであります。
○北村暢君 先ほどの三日間ということですが、先ほどの質問で一体三日間でどのくらいの経費を見ているんですか、一県におそらく一カ所ぐらいのものだろうと思いますが、しかし全国の全県にやるわけではないだろうと思うのですがね。どういう程度の規模でこれを考えておられるのか、経費は一体どのくらい見ておられるのか。
○政府委員(森茂雄君) ただいま考えておりますのは、指導する人に謝金を出すために全体として五十万組んでおります。受講する人たちは、おおむね受講料として五百円徴収することにいたしております。
○大河原一次君 この講習会、三日で行なわれるというのですが、講習会が三日間なら三日間の地方の指定の講習会を受けた場合に、これは自動的に免許というものが與えられるものかどうか。というこりは、今七万五千の家畜商がおるわけですがね、いわゆるこの中には例の何といいますか、僕たち聞いておる馬労とかそういった者が入っておるわけですね。こういう方々は、現在は一応免許を受けておるわけですから、ところがこういった方々がこの講習会を受けあるいはさらに講習会を受けた結果として、さらに試験制度を採用された場合に、結局既得権が失われるという危険性もあるんではないかというように考えられるのですが、だから講習会を受けた場合に、自動的に免許が與えられるのか、それとも講習が一応終わった、三日なら三日の講習会が終わった後において、新たに講習を受けた過程において試験制度がとられるのかどうかという、この点を一つ。
○政府委員(森茂雄君) この講習会を設けておるゆえんのものは、最近非常に畜産の技術もいろいろ進んでおりますし、そういう意味で特に奨励的といいますですか、充実的といいますか、一般学科と専門学科を親切に指導をいたしまして、十分聞いていただけばそれによって試験かどうのということじゃなくて、出ていただければそれでけっこうだ、こういうことで方針をきめております。
○大河原一次君 そうすると、現在の七万五千人という方々は、一応全部講習会を受ければ既得権が剥奪されるということはないわけですね。
○政府委員(森茂雄君) 講習会についてそういうことであります。既得権を剥奪することはございません。
○森八三一君 第一点は、北村君の質問にもありましたが、講習を都道府県知事が主催する、それから農林大臣が指定した団体ですか、二つの講習会のあれがあると思うのです。その場合に、後者の方の団体がやる、指定する機関ですか、やるというのは一体どういうものを予定されておるのですか。農林大臣が指定したものを行った場合というのがありますね。これは何を指定するのですか。
○政府委員(森茂雄君) 私どもとしては、原則として都道府県に講習会をやってもらう予定にいたしておりますが、日にちの都合上、あるいは受講者の便宜上、非常に数がいろいろ、病気だとか都合で出られないというようなことのために、講習を受ける人の対象が非常に少ないという場合に、畜産会とかあるいは農協中央会とか、そういうようなところなりを指定いたしましてやっていただく、こういうふうに考えております。
○森八三一君 そうしますと、今の「農林大臣が指定した者」というのは、ただいま予定されているのは、畜産に関する農業協同組合もしくは畜産会というものを予定しているので、今中小企業等協同組合、仲間同士の作った組織が、それがやるという場合は予定していないというふうに、はっきりしてよろしいのですか。
○政府委員(森茂雄君) ただいまのところ、私どもの予定しておりますのは、ただいま申し上げた団体あるいはその地に特別に畜産学科を設けられた大学がある場合におきましては、大学に委託することもありますが、現在のところ、仲間の組織した組合でやっていただくということは考えておりません。
○森八三一君 それから大河原君からも質問されましたがね、この講習に出ればただ機械的に、出たということだけで家畜の公正な取り引きをやるのに十分な知識なりというものを吸収できたと認定ができるかできぬかという問題があるのですね、極端な議論をすれば、三日間も講習に行って、ずっと三日間眠っておっても、来さえすればいいということでは、法律改正の趣旨に沿わないと思うのです。ですから、そこで資格認定をしている証明書なんかやるのですね、その証明書をやる限りにおいては、発行した者は公正に取り引きができるということについて認定をしなければ、無批判で出すということは、証明書の発行者は無責任だと思うのですが、それはどうなるのですか。
○政府委員(森茂雄君) ただいまの状況では、むしろ講習会は、資質を向上さしていく、こういう意味で、講習をするほうも眠っていただかないように、非常に充実した講師陣を整えまして、そうしてやっていく、その講習会によって、最近におきまする畜産技術の向上部面とか、あるいは取引関係のいろいろな法令とか手続とか、およそ取引に必要な近代的な問題になっている事項なども十分、眠っていただかないように、充実した講習をやりたい、こう考えております。
○森八三一君 もちろんそういうことを期待して講習をやることは、講習をやる限り当然なことなんですよ、証明書出すのでしょう、ですから証明書を出すということは、証明書を発行するほうは、もらった人が家畜の取引について公正なあれができるということの認定がなければ、証明書を出すという勇気は持てないと思うのですがね、ただ講習を受けさえすればそれで十分な資格があるということを包括的に認めて——ただ講習を受けるだけなら問題ありませんがね、証明書を出すのですからね、その証明書というのは、受けたという証明書じゃなくて、取引の公正なる活動ができるという内容を僕は証明するという意味がなければならぬと思うのですよ、だとすれば、何かそこに一つのあれがないと無責任に証明書発行までをするということですが、それでいいんでしょうか。あなたが証明書を発行なさるという立場に立った場合に、その相手側がこの法律運営の上に十分技能を発揮できるということを認めて初めて出せるのであって、そうであるかないかわからないということでは、証明書を発行するものとしては非常に不安定なことなんで、責任を感じないで出すというのはおかしいと思うんですよ。希望は希望、期待は期待でいいんですが、しかし、その結果というものは確かめなければおかしいように思うんですが、家畜の取引はその程度でいいということなんですか。
○政府委員(森茂雄君) ただ朝のぞいて翌日またのぞくということじゃなくて、実地も学科も十分聞いていただいて、そうしてわかっていただくということで、終了書を出すわけでございますので、事実上の問題といたしまして、実質的にほとんど講習を修得しなかったというような判定になりますれば、これはお説のとおり簡単に出すわけにいかぬということになりますが、そういう事態にならないように、われわれとしても指導して参りたいと存じます。
○森八三一君 その三日間来たという証明書ならばこれは出せますよ。三日間来たというだけの証明書は出せるけれども、三日間来たということはお話のように、その講習の内容というものを会得したということの証明書でしょう。会得したかせぬかということを判定しなければ、趣旨に沿う証明書というものは僕は出せないんじゃないか。三日間来ましたという証明書ならこれは出せますよ。けれども、そのあとで仕事をやっていただくんですから、そのやるのにふさわしいことを習得したかどうかということを判定をしなければ、ここにいう証明書というものを発行することは少し早計ではないか、こういう感じも持つんです。別に何も七万五千名の方に、今後おやりになろうという方の門戸を閉ざそうということではなくして、この取引というものを公正にし、また、生産者にもその他の方にも正しい結果というものが出てくることを期待する改正なんですから、その趣旨に沿うような手続というものがなければおかしいんじゃないかという気がするんですがね。
○政府委員(森茂雄君) 趣旨としては御指摘のとおりでありますが、やはり何といいますか、一つの問題を講習会のあとで出しまして、それで合否を決定するということも問題でございますので、やはり一々最終には面接して、まだわかっていないことはよくお話をしてそうして、十分講習会の内容等について御納得をいただいて終了書を出したい、こういうふうに考えております。
○森八三一君 そうすれば、そういう趣旨のことを明確にしておかなければ、今までの大河原さんの質問に対してのお答えも、形式的に三日間の講習を受講すればそれに証明書を出すと、こうおっしゃったですが、今の御答弁ですと条件があるんですよ。それは面接をしてみて足りないところがなければ、確かに取引をやるのにふさわしい技能を持った者だという判定を口頭試問で得たわけですね。それはそれでいいわけですよ。私は別段試験をやってどうこうというような、何十点とらなければいけないというような必要はないと思う。そうであってもいいんですが、そこまで言う必要ないけれども何かきめてかからなければおかしいじゃないか、こういう感じを持つんですよ。もし局長の御答弁のようなことをおやりになるとすれば、そのことは明確にしておかないと、ただ講習を受ければいい、自動的に資格がもらえる、証明書がもらえるんだということではおかしいんじゃないか、何かそこを明確にしておいていただきたい。
○大河原一次君 答弁の前に明確にしておいてもらいたいのですが、今回の講習会の問題ですが、今すでに免許をもらっておる七万五千人の家畜商を対象とした講習会ということなんですか。それとも新たに、今度新しくおれも家畜商になりたいからというので——その免許をもらっている家畜商という中には、五年も六年も実際面の経験をつけた人がたくさんいると思うんです。今回実際面の技術なら技術を持っている、そういった方々の中に学問的な知識が少ない人もたくさんいると思うのですが、いずれにしても、七万五千人の方々には大なり小な。相当の一応の技術を身につけている人が多いと思うのです。この七万五千人のそういった方々を中心とする講習会なんですか、それとも、おれも明日から家畜商に入りたいという、初めての方もこの中に含まれるのですか、その点をひとつ。
○政府委員(森茂雄君) 現在免許を得ております七万五千人ばかりでなくて、新しくこれからやろうとする場合も講習会を受けることを要することにいたしております。
○森八三一君 僕の質問の答弁を。
○政府委員(森茂雄君) 私どもはこの講習会によりまして、講習会に合格しなかったらばこれは免許を出さない。こういうことの趣旨ではなくて、講習会の内容を十分会得していただくということで、全員合格するように講習をいたしたい、こういうふうに考えております。
○森八三一君 それは講習を企画する限りにおいては、そういうふうに充実した講習をおやりになるということは、それは当然だと思うのですけれども、受ける人にはそれぞれ能力に差異がありますから、希望はそういう希望であっても、受けたほうがその希望のとおりに沿い得るかどうかということについては、僕は疑問があると思うのです。理論的にはあると思う、なければけっこうですが、僕はあると思う。そういう場合も、包括的に全部証明書を出すということでは、この法律の趣旨に沿わない結果が生まれる危険を包蔵している、私はそう思うのです。ですから、何も入学試験のように、何か一定の問題を出してどうこうということでなければならぬという、窮屈なことを申し上げているのではなくて、本法の運営にふさわしい技能なり知識というものを持っているかどうかということが、判定だけはしなければ証明書を出すというのは不見識じゃないですか。証明書ですよ、しかもそれは官庁が出す証明書ですよ。何にも見きわめせずに出すということは、証明書の冒涜じゃないですか。
○政府委員(森茂雄君) お説のとおり、おっしゃるような理詰めで参りましてそうしてこれが全然もう講習会の内容を習得せないんだということになりますれば、残っていただいてでも十分その習得をしていただいて、やはり講習会の終了証明書を出す以上、終了したというような内容を備えた、充実したことでやっていきたいと存ずるわけであります。
○森八三一君 そうだとすれば、そのことを明確にしておかれれば、受講する場合にもその気になって一生懸命にやるのですよ。あとで何か認定する場合が残されているのだということになると、真剣に受講する。もう三日間なら三日間出ておりさえずればいいのだということになると、受講する人の心がまえというものも非常に違ってくるのですよ。だから、そういうことをやはり明確にすることは私は必要だと思いますが、これは法律に入れるか入れぬかは別にして、そういう趣旨というものは明確になさることが大切だと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(森茂雄君) 御趣旨の点はよくわかりますので、私どももそういう充実したことでやって参りたいと存じます。
○森八三一君 それから営業保証金が二万円と一万円とございますが、これはどういう根拠からこういう金額がきまったのですか。家畜の内容も羊のようなものから、乳牛のような非常に高価なものまで、中身は非常に広範にわたっておりますが、それを一律に家畜商として二万円なり、一万円というか、今日の家畜の価格からみますというと、営業保証金という保証の実を持たせますためには、これは私はあまりに低額に失するのではないか、申しわけ的なものであって、これでは保証金の意味をなさないというように思うのです、大家畜になりますとね。ですから、免許を受けようとする人が取り扱うという対象によって多少内容を区別して、もう少し保証金の実を伴なうような額にまで引き上げることが私は実態に即すると思うし、保証の実を備える、こう思うのです。今の金で一万円といいますと、これは問題にならぬですよ。
○政府委員(森茂雄君) 御指摘のとおり、現在子牛の値段でも二万円そこそこするわけでございます。成牛になりますと四万円以上する、こういうような状況でございますが、一方において、実は立案の過程におきましても、五、六万ぐらいのことを考えてはおりましたのですが、急に今免許証を与える条件として多額の金も、また家畜商の負担能力なども考えまして、落ちついたところが二万円となったわけなんであります。したがいまして、御指摘のとおり、そういうことでは十分に保証されないということではございますが、そういう営業証拠金を納めさせまして、そうして家畜取引に関する営業上の責任を明確にいたしたいと存じたわけであります。
○森八三一君 まあないよりはましですがね。けれども、今の額では、私は責任を感ずるということにはなりかねるのではないかと思います。まあこのことはこの程度にします。 その次に、帳簿を作れとか、いろいろなことを命じておられる。それに対して立入検査ができるというようなことを規定してありますが、こういうことは書いてありましても、実際こういうことを実施するにふさわしい機構の整備がうたい文句になってしまうと思う。こういうような監督に関する実をあげていくために、一体、地方庁の機構をどう整備するのか。七万五千名の現在家畜商がいらっしゃる、この上にこういう制度が開けますると、またふえていく可能性もあると思うのです。といたしますると、一府県について千九百人とか二千人とかいう平均数が出てくるのです。そういう多数の方の取引の実態というものを監督して、不正その他の事故が起きないように確かめていきまするには、相当しっかりした機構を持たなければ、実は上がらぬと思うのです。ただ気安めに書いてあるというなら別ですけれども、ほんとうにやるということでありますれば、これは容易ならぬことなんで、予算的にもかなりの措置をしなければ不可能ではないか。私はきわめて重要な成長部門のことですから、ある程度の金を使っても安心して取引のできるというようなふうにしてほしいと思うのです。それにはただ手ぶらじゃいかぬので、何を一体考えていらっしゃるのか、三十七年度予算にでも相当充実をする手段をお考えになっておられるかどうか、その点どうなんですか。ただ書いてあるだけですか。
○政府委員(森茂雄君) 現在の、御指摘のとおりに、家畜商の実態からいいまして、ほとんど帳簿を備えずに、頭の中、どんぶりで仕事をやっているということが非常に多いわけであります。われわれといたしましては、その帳簿を検査して、そうして監督することも、できるだけそういうことはやりまするけれども、むしろ家畜商全体が中小企業協同組合等も組織しまして、みずから自主的に資質の向上に努めていく、そういうようなことで、特に本年度も取引の合理化について、わずかではございますけれども、そういう調査費をいただきまして、むしろ家畜商の取引の充実のほうから、そういうことなども指導していきまして、地位の向上をはかろうというわけであります。と申しますのは、現在家畜商が信用が欠如しているということ、あるいはいろいろな何といいますか、親分子分といいますか、いろいろ古い封建的な関係になっているゆえんのものは、現在家畜商の家畜取引資金の状況からみましても、自己資金によるものが三〇%でございまして、農協あるいは銀行の金融機関から融資を受けているのが二〇%、その他は何とかほかの家畜商から融資を受けたり、あるいは個人金融、知人あるいは加工業者、肉屋等から融通を受けているのが相当あるわけであります。三五%あるわけであります。したがいまして、むしろ金融等を十分あっせんいたしまして、そうしてそれぞれ家畜商が自立的に安定した取引ができるということになりますると信用も向上する。そういうようなことで、各県の団体結成を充実いたさせまして、そうしてみずからの団体で、各個人の内容も充実していく。仲間が悪ければ自分が悪いということになってしまうのでございますので、中小企業協同組合等の組織も全部させて、組織していないのが二十数県ございますが、そういう法的な充実もやらして、帳簿の整備ということよりも、むしろ実は私どもといたしましては、家畜取引資金というような財団法人等も設けまして、融資に対して保証するというようなことも今月末に発足いたしたいと存じます。そういうようなことで、家畜商の地位の安定ということをはかっていって、資質の向上に資したいと存ずるわけであります。
○森八三一君 きわめて理想的なお話なんですがね。そういうことを実践して参りまするためにも、金融機関等が、都道府県なり、政府なりの奨励に従って融資をするという場合には、回収というということが前提になりますしね。その回収の前提を安心させるためには、やはり個々の家畜商がそれぞれ正確な記帳をして経理を明確にしておくということでなければ、これは資金をあっせんすると申しましても、おそらく零細な、個々の家畜商には資金は行かなくて、有力な家畜商だけに低利な資金等が回っていってしまうということで、志と反する結果が生まれると思う。そのためには、どうしても個々の家畜商の皆さんが、そういうような金融ベースに持ってこれるというような点まで発展をしていかなければならない。そこには現実には非常に困難がありますので、監督等を厳重にして、外部的に信用を補完してやるというようなことを考えなければいかぬと思うのですが、これは相当、金の要ることですから、すぐどうこうといかぬかもしれませんけれども、これは相当強く考えてほしいと思うのです。 最後に、取引手数料とか、報酬とかいうのですか、これは無制限なんですね、今の建前では。取引上の手数料、報酬といいますか、こういうものは別に制限を加えていないんですね。
○政府委員(森茂雄君) 制限は加えておりません。
○森八三一君 そこで一つのこれは取引なんですから、大体の目安というものをど、うも今の青果物やその他の取引でも、中央市場の場合にはこれは何ぼという法定的な会高限のあれがありますがね。そういうものを規定してやるということが好ましいのじゃないでしょうかね。その取引金額十万円なら十万円について幾らとか、それはただ金額だけじゃいかぬと思います。小さな動物と大きな動物とは違いますから、動物別にも考えなければいかぬと思いますが、ある程度、取引の手数料等を目安をきめてやるということなんかも非常に大切じゃないかと思います。そういうものがきまってくるというと取引が明朗になってくるので、そういうことがきまっておらぬと、実際取引した家畜の価格に比べて手数料が不明確になって、こみでやってしまうというところに私は問題があると思うのです。ですから、そういうことも一つ考えてみたらどうかと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましても、先ほど申し上げましたような財団法人の家畜取引基金協会なども作りまして、そうして融資をする場合の保証をする協会なども作りますので、やはりそういう機会をねらいまして、組合などとも話して、不当な取引手数料を取らないように、それはもちろん自主的な自覚によることだとは思いますけれども、十分御趣旨の点は指導の面でやっていきたいと存じます。
○河野謙三君 ちょっと伺いますが、現在の家畜の頭数と家畜商の七万五千ですか、これとのバランスといいますか、どうお考えになっておりますか。七万五千というのは家畜商としてすでに多いとういうのか、それとも家畜商はもう少しふえた方がいいと、こういうふうにお考えになっておりますか。それと関連して、今の私の伺うことをさらにこまかく分けまして、かりに全国的に家畜頭数に対して七万五千というものが大体取引の正常化のためにバランスとれておるとしても、地区別に見ますと、家畜は非常に多いけれども、この地区には家畜商が少ないとか、家畜の数は少ないけれども家畜商が従来の何かの惰性で非常に多いとか、こういう家畜の頭数と家畜商のアンバランスの点が地区別には相当あると思うのです。ですから、それは全国的にバランスをひとつ考えて、と同時に、地区別にもバランスを考えるということが家畜の取引正常化に私は非常に大きな問題だと思うのです。もちろん統制によって、家畜商と家畜の頭数を常に一定の率に置かなければならぬというほどのものではございせんけれども、大体家畜の取引の正常化をはかるためには、そこらの一応家畜の頭数と実畜商とのバランスというものをどこに置くかという目安が役所としてあっていいと思うのですがね。どうなんでしょうか。
○藤野繁雄君 その家畜商のうちに二通りある。それはたとえば例を上げてみるというと、愛知県であるとか、千葉であるとかというのは家畜商人が非常に多い。その他のところは商人じゃない個人がやっている、こういうことなんです。それで、商人であるところの法人であるものと個人と二通りある。一体、法人である場合と法人じゃない場合との差はどういうふうになってくるのか。それで、そのうちで専業者というのはわずかであって、ほとんど大多数は農家の兼業である。将来、家畜商というものは兼業でやらせるのか、専業でやらせるのか、それもひとつお願いします。
○政府委員(森茂雄君) 河野先生の前に、御指摘の問題でございますが、年間取り扱い頭数の規模別の家畜商の割合を見ますると、三十頭から九十九頭まで、主としてこれは役肉用牛を扱うものについてでございますが、三十頭から九十九頭まで扱っているのが五三%でありまして、これは中に入った経理的な計算ではございませんが、肉畜、役肉用牛だけから見ますと、そういうのが中庸程度でございますが、これを基礎として、大体標準として指導の面を向けて行っていいかどうかはまだ私ども確信がございません。 それから藤野先生の御指摘の、今後副業と専業とどういうふうに考えるかということでございますが、兼業をする面についてこれを促進して行くということは、取引の面からは好ましくないと思いますけれども、特に何といいますかね、子牛を世話してそうしてそれが飼育されて、今度親牛の飼育されたものとして、親牛と子牛をかえて行くというような現状が一種の繋がり関係でできている関係でございますので、やはり主として中心になっているものについての品質向上をねらって行くということが一番適切な策ではないかと考えられます。
○河野謙三君 現状、年間の中間の取引扱い頭数というのを今御説明がありましたが、その程度の扱い数量ですと、かりに、家畜商商である以上はオート三輪の一台も持たなければならぬでしょうし、月間少なくとも五万円以上の収入がなくちゃいかぬでしょう。そうすると、月に五頭や七頭の取引をしておりますと、極端に言えば一頭扱ったな一万円ぐらい手数料を取らなければやって行けないということに算術計算でなりますね。ですから、先ほど森委員からもお話がありましたが、将来、手数料というものも少なくとも全国画一的にきめるべきでありますし、そのきわめる場合には、少なくとも家畜の頭数と家畜商、そのバランス、その間に平均扱い数量は幾らぐらいというようなことを、ひとつまず政府で原案を作って、その原案のもとにやはり指導されるということが私は必要じゃないかと、こういうふうに思うんですよ。今御説明は聞きませんが、手数料の問題は決して制限していない。おそらく現状は、地区によって非常に家畜の手数料というものはアンバランスだと思う。それはやっぱり家畜の頭数と家畜商の数のアンバランスというものも手数料のアンバランスになってくる。これらも私は希望ですけれども、ひとつこの際に、家畜取引の正常化のためには家畜商の数と家畜の頭数というものについて、やはりこれから畜産の十カ年計画をお立てになり、五年先には家畜商は幾ら、十年先には幾らぐらいなくてはいかぬという一つの立案があってしかるべきだと、私はかように考えて、これを希望するのです。それからもう一つ、先ほどの大河原さんなり、森さんの御質問に関連しますけれども、修了証明書というのは一体だれの名前で出すのですか。何々大学の何とか博士というのか。その修了証明書の権威ですね。私は権威のないものなら別ですけれども、かりにその修了証明書をだれの名前で出すか。それによっては家畜商は必ず額縁に入れて店にその修了証明書を飾りますよ。そうすれば、それが農家に対して信用が非常に大きく左右されるわけです。だから修了証明書の何か権威というものはどの程度にお考えになっているのですか。
○政府委員(森茂雄君) 原則として都道府県で講習をいたすことにいたしておりますので、都道府県が主催してやりまする場合には都道府県。
○河野謙三君 都道府県知事ですか。
○政府委員(森茂雄君) はい。
○河野謙三君 そうすると、知事の名前で修了証明書を出すというと、これは農村へ行くと相当権威のあるものなんです。河野謙三の証明書じゃ権威ありませんけれども。修了証明書でも何でも、知事の名前が入りますと相当権威のあるもので、これは医学士と医学博士というよりももっと私は権威のあるものだと思うのです、医学博士よりも。だから、これはやはり私は修了証明書がそれだけ知事の名前で出す権威のあるものならば、修了証明書をもらう者については何か一つの制限があってしかるべきだと思うのです。これは希望です。それは希望にこたえて何とか権威あらしめるという御答弁がありましたからそれでいいのですが、それともう一つ、講習を受ける人ですね。これはだれでもいいわけですね。その講習を受ける人の資格にも私は多少制限があっていいんじゃないかと思うのです。学歴、経験、何かひとつ一定の制限を置いたほうが、そういう前提のもとにやれば自然と権威が出てきますが、試験はだれでも受けられ、それで三日間講習を受ければ自動的に修了証明書をもらえる、こういうことでは、どうも私はこれに権威づけることはむずかしいと思うのです、せめて試験をして修了証明書を出すのでなければ。講習を受ける人の資格ですね、少なくとも学歴、経験というものをひとつそこにワクを置いたらいいじゃないかと思うのですが、どうですか。それは今のところ、お考えありませんか。
○政府委員(森茂雄君) ただいまのところ免許を受けております者を中心に考えておったものですから、今までの営業権も一方において尊重しなければなりませんし、そういう意味で講習会の運用等についても、やや弾力的なことを申し上げておるわけでございますが、今後営業をやっていこうという者につきましては、特に法律で区別はしていませんけれども、気持としては、既存のものでなくて、今後やっていく者につきましては、御指摘のような趣旨も汲んで運用して参りたいと存じます。
○藤野繁雄君 さっきの僕の返事がないが、さっきの僕の質問は、愛知と千葉は特に定畜商が多い。それで個人でやるのと法人でやるのとはどっちがいいのか。将来奨励方針は個人でやるのか法人でやるのか。それから専業と農家の兼業だが、農家の兼業でやった場合において、農業経営に家畜商をやったためにどれだけのプラスになっているか、こういうふうな点をさっきお伺いしたのであります。
○政府委員(森茂雄君) 現在家畜商の割合といたしましては、ほとんどが個人でございます。ただ、どういう商売でも、それが帳簿の整理とか、いろいろな取引の責任関係とかという関係から見ますれば、小さくとも有限会社とか、そういう近付的な経営をやるような組織がベターであるというふうに考えます。
○藤野繁雄君 今のそれだな。それならば愛知県と千葉県では個人よりも法人が多い。個人でやっているところの場合と法人でやっているところの場合の利害得失を今でなくてもいいですから、あとでひとつ調査して出して下さい。それで家畜商の一体収入というものは年間どのくらいになっているのか、これも今じゃなくてもいいから、大体のもので、大きいものはこれくらいだ、小さいものはこれくらいだ、少ないものはこれくらいだ、こういうふうなものを、あとで資料でいいからひとつ出して下さい。
○政府委員(森茂雄君) 承知しました。
○岡村文四郎君 局長にお伺いするのは無理かもしれませんが、私、家畜改良増殖法という法律そのものに実は疑義があるわけです。私の申し上げることは、第三条の二に、「農林大臣は、政令で定めるところにより、牛、馬、めん羊、山羊、豚」と、こう書いてある。ところが一番困るのは馬なんです。実は私の父親は博労で財産を築いた男なんです。ですから非常に私も馬好きなんです。ところが、ずいぶん苦労しました。そこで、今申し上げますことは競走馬なんです。競馬は最初は日本がサラブレットを入れてやっておったのだ、が中間がどうもうまくない。やっぱりサラブじゃなくてアラブでいいと、こう変えておるわけですが、今度は全部サラブなんです。その中間で繋駕、速歩馬、トロッター、これがいいというので勧められて、今非常に困っておるのは十勝なんです。国内に種馬がありません。御承知のように、種馬というものは、その子に種つけをするのじゃだめなんです。牝馬はおりますが、トロみたいなものはだめになって、今度新しく輸入するには一千万かかるのです。それはたいへんなので、私はようわからぬのですが、河野農林大臣が、農林省所管の馬のうちで競走馬というものはのけていいのじゃないかという考えを持っていちゃ困ると心配するのです。これを見ると、大臣知らないわけじゃないでしょうが、よほど注意しませんと、普通の馬にも——たとえばペルシュロンが非常にいいと言ってやっておった。ところがこれは畑に入れるのはうまくない。それよりも中間の方がいいということになった。今では機械がありますからどうでもいいわけですが、一番心配するのは競走馬なんです。そこで、トロッターが悪いかというと悪いのじゃありません。中間としては能力がありますし非常にいいが、地方の草競馬じゃいいが、中央の公認競馬は馬場が痛んでだめだという。ですから今は地方の草競馬ならやっておる。そこで牝馬は相当おりますが、どうしても買わなければならぬ時代にきておるわけです。ところが、さて簡単にはいきません。一頭で一千万かかるのです。非常に奨励はしてもらったものの、私なんか考えるのに、はてな、家畜改良増殖法と書いてみましたが、ただしをつけて、競走馬を除く、こう書くのが至当じゃなかろうかと考えておる。博労というものは、よく申し上げておきますが、私の弟も博労をやっておりますよ。馬は何よりも好きです。博労というのは、もうけるか損するかの境目は、自分の持っておる馬がたとえ二足三文の馬であっても、二千万、三千万の値打があると考え、また、人の馬はたとえ何千万もする馬であっても二足三文の値打しかないと考えるところにある。ですから、それはやり方が違うのです。これに心配があってね。極端に言われてもちょっと因ると思うのです。馬というものを総括的につかむというふうになると、とんでもないことになると思う。今、中央競馬では、トロッターは馬場が痛んでだめだからいけませんというので、ちっともやっておりませんが、地方では馬場が痛んでもいいからやっておるのです。一番困るのはトロッターの牝馬を持っておる人です。どうしても種馬をつけなければ困るのですが、今買うと一千万なんです。そこで今往生して、どうしたらいいかと困っているのが十勝の協同組合連合会なんです。そこでこんなに陳情書を受けて、どうしたらいいかわけがわからぬ。だからよほど考えぬと、馬と頭に書いてある、一緒に奨励しているが、この始末がつくかどうか心配しているものですから、あなたにお聞きするわけです。
○政府委員(森茂雄君) アミューズメントでやります競馬の馬につきましては、この法律で特にこうだということでは目標にいたしておりません。お家元の大臣のお話では、やはり競争馬は速い馬ということで、サラブレットということで、目的によってそういうふうに分化して参ると思いますが、本法による馬につきましては競争馬は念頭にございません。
○岡村文四郎君 念頭になければ何かしるしておかないと、牛、馬と書いてある。僕に言わせたら、馬、牛と書きたいんだけれども、「牛、馬、めん羊、山羊、豚」と、こう書いてある。今までの議論なら、馬を先に書いて、馬、牛と書くのがほんとうだと思う。ところが馬がこういうふうになっていることは事実なんですから、これは否定しません。競争馬を除くならそうせんと、家畜の改良増殖法の一部を改正する法律なんですから、ちゃんと議論すれば負けますよ。僕はあなたをいたわっているから、そんなことを申しませんけれども、僕は言いませんが、あなたは負ける。そうじゃなしに、やっぱりどこかに穴を作っておく必要があると思うのです。だから何も、競争馬であろうと馬ですよ。なぜやらぬということになった場合に、工夫がみつからぬですから、今のうちに誤りのないように、返事ができなくて困らないようにということを親切に言っておるので、何もあなたをいじめるつもりはありません。
○政府委員(森茂雄君) お話しを聞いていますと、先ほど申し上げた点もいかがかと思いますので、その点は保留いたします。
○櫻井志郎君 今、森委員と河野委員から御意見のあったことですが、講習の問題ですけれども、農林省の関係の法律できめておる講習問題で、実際やっておる例からいうと、私は非常になっていない講習の例を、私が講習生として体得している問題が一つある。飼料法できめておるやはり講習制度があるんですが、これは私のようなずいぶん長い間飼料をやっておる者、それから初めて飼料をやる人も全然同じような講習方法です。内容から言いますと新しく飼料をやろうというものに対しては、飼料というものはいかに道徳的にやらなければならぬか、いかにまた危険なものであるか、そういうものについてもっとびしびしやらなければならない講習が非常に手ぬるい。今度は、これはどうしても来国会に改正したいということを考えておるのですが、今、局長の答弁を聞いておりますと、現に家畜商である者を対象にして考えておった、だから全員が通過するようにやるのだ、こういうお話なんです。そうすると、新しく家畜商になろうとする者で、あるいはその使用人になろうとする者で、この講習を受けようとする者に対しては、非常に講習の内容がルーズになる可能性が、私は別のその制度からいって非常に多いのじゃないか。むしろ厳格にひとつ考えてもらって、現在免許を持っている者でも、その講習に対して試験なる試験をやって、試験が通らなかったら、現に免許を持っている者は猶予期間を置いて、また次に講習を受けさせるというふうな考え方でもとって、講習の内容の成果を実際につかまれないと、全く朝出てきて居眠りして夕方帰っていく。また朝出てきて夕方帰っていくというだけの、全く形式的な講習に終わっている。飼料法でやっている講習は、内容は全くそのとおりなんです。そうして新しくやる者は非常に危険な、人畜に危険を及ぼすようなことがしばしば起こる。私は答弁は要求しませんけれども、講習内容は、やはり新しく試験を受ける者を十分に念頭に置いて、正当な講習を与えて、その講習の成果をあげたかあげなかったかということは何か試験制度なり何かでひとつ考えてもらって、通らなかった者に対しても、もちろん営業停止とか何とかいうことじゃなしに、暫定期間を置いてまた次に講習を受けさせる。二度、三度と追い込んでいけばどんな人でも、ばかでもない限りは——もっともばかでは商売つとまらぬでしょうが、とにかくまじめに講習を受けてその内容をつかもうという努力はしてくれると思うのです。十分ひとつお考え願いたい。
○清澤俊英君 今の講習の問題と博労だね、家畜商というのは大体七万五千のうち、博労がだいぶいるのでしょう。そこで、ただいま講習の問題で、森さん、大河原さんの質問が発展して、この法文そのままのようにいったら、講習さえ受ければそれで資格が得られる。初めはこういうお話のようであった。それが何かそれじゃ、今も桜井さんが言われるように、これはどうもあまりに簡単過ぎるじゃないか、こういう話で、それについては十分指導しとか何とかいうめんどうなことを言われたようだが、そこのところははっきりどうなんです。ということは、そういうめんどうなものが要るとするならば、今、桜井さんが言われたように、現在も七万五千の業者、これが全部私は試験でもやったら合格者になるとは考えられない。相当の年配である人がたくさんいる。そのほうがかえって多いのじゃないかと思うのです。そういうような場合、ほとんど不合格者になるのじゃないか、試験でもやったら。何かそれを、何十年もそういう商売をやっている者を、すぐそこに商売をなくさせるというようなことは、これもまた考えなければならぬ。そこの取り合わせにおいてちょっと不明確なものがありますので、どっちがほんとなのか。何かめんどうなことをして、何べんもやるようなやらぬような、そのきまり方によって七万五千の者が相当整理せられる。その整理される者をどういうふうに取り扱っていただけるのかということが次の問題になる。その点どうなんです。
○政府委員(森茂雄君) 講習会の制度の問題につきまして、やはり逆に、戦前に非常にちゃんとした試験制度があったことがあります。それらの点に関連しまして、衆議院でもいろいろ御意見が出たわけであります。非常にハイクラスといいますか、客観的にいいまして、何といいますか、非常に大学も出てハイクラスの方であったとか、全然普通の教育も受けていないという方もありますので、講習会も区別して、技術者として十分修得しておる方は必要な部面だけ講習するというようなことで、できるだけ、受講者によりまして十分体得していただかなければならぬ面を極力調べまして、そうして、ただいま桜井さんが御指摘になったように、目的とするところと手段とが背馳しないように、講習会の問題につきましては十分遺憾なきを期したいと存ずるわけであります。
○清澤俊英君 わしの言うのは、それはそうお考えになることはあたりまえだと思うのです。あたりまえだが、七万五千あるという現在の商売人だ、これがただ講習会という一つの形式をとれはそれでいいんだということでは、これは問題解決しないんだ。指導するということと、それもいけないから相当の資格者を作るんだ、そして、その資格試験に合格しなければ、全部今の資格者であってもこれは廃業させるのだ、一口に言えば。そういうことになりますと、だいぶ違うんですね。だから、この法律からいった場合に、一応講習さえ受ければそれで資格は与えられるかどうかこういうことなんです。そこが非常にあいまいになっているんです。
○政府委員(森茂雄君) 簡単に申し上げますれば、講習会を受講していただければ、内容を修得して講習会を受講していただければ修了証明書を出す、こういうわけであります。
○北村暢君 その問題に関連して。今清澤先生のお伺いしているのは、講習会を受けることによって、受けない者は免許取り消しなり何かすることになるだろう、大体減るんじゃないか、こういうことを感じているんですよね。それと、今度供託するわけでしょう。二万円の供託というんですが、それは安過ぎるという意見もあるんですが、いずれにしても、この二つの面からこの家畜商というものの、名目は資質をよくするというんだけれども、実際は七万五千の中の圧倒的部分というものは農業の兼業である。しかも、それが家畜取引の上においては親分子分というような形で、農家が子分の役をして、年間に一頭から十頭という取引をやっておる家畜商がずいぶんたくさんありますから、そういうような子分のような形でやっておる人が非常に多い。したがって、供託金まで積んでそういうことをやらなくても、そんな供託金なんど積むんだったらめんどうくさいからやらない。一万円も二万円も出してやるより、取引をやってもたいした収入も上がらない、それならばやめようと、こういう者をこの法律の改正によって、何か家畜商の整理のようなものを企図しているんじゃないか。資質の向上ということは考えておられるでしょうけれども、それは法律上の説明でそうなるのであって、実際の腹は、この七万五千の零細なそういうものを何かプッシュしていくというようなことを考えているんじゃないか、こういうような感じがするわけですよ。ですから、この改正した法律が実施された後に、一体七万五千の家畜商というものは減るのか減らないのかということなんです。どういうような企図を持っておられるのか。そこのところをちょっとはっきり聞かしてもらいたい。
○政府委員(森茂雄君) 現在免許証を出しておりますのは七万五千ありますので、こういう規定を設けますれば、現時点においては、これより上回るということは、新しい人が出てくれば別ですが、ないわけでありますが、この制度によって家畜商を減らしていくという積極的な、数の積極的な意思はございませんけれども、これで対象としておりますのは、あくまでも業としてやっている者でございますので、むしろ団体等の組織によりまして、みんなのグループの最終的な牽制作用によりまして資質を向上させていくというようなことでございまして、これによって家畜商を整理していくという積極的な意思はございません。
○北村暢君 整理していくということは考えておらぬというけれども、先ほどあなたは、三十頭から九十九頭のところが五三%、これは役肉用を扱うものが五三%、それを中心に育成していくかどうかということですね。これについては考えはさまってないと言われたけれども、何かしら兼業でやるにしても何にしても、家畜商として一つの業としてやっていく場合において、ある程度の規模でなければこれは採算の点から言ったって何たって、私は業として適正な業とは言えないのじゃないかと思うのですよ。したがって、これでは免許制度になっているわけですから、一頭取引する場合でも免許がなければ取引できないことになっているわけですね。家畜の取引というのはそういうことになっているわけですが、しかし、この資料を見ましても、まあ年間にゼロから九頭までというのが相当やっぱりあるのですよ。二十九頭以下、まあ三十頭以下ですね。そういうものが相当数やっぱりあるわけですよ。そういうのは、これはまあ副業には副業かもしれませんけれども、こういう人がやはり親分子分の中の子分のようなものになって、手足になって農家から一頭、二頭と集めてくる。それがある所に集まってきて、親分の所に集まってきて何頭か取引をする。こういう形態になっているわけですよね。そのために適正な取引と言いますか、というものが行なわれない。家畜には特有の取引が行なわれているわけなんです。したがって、やはり業というからにおいては、私はやはり適正規模でなければ業としてやらないということ、これはやはり今言ったような形で、手足に使われる者が必ず出てくる、その中にさやかせぎが必ず出てくるのですから。それで、その家畜というものがその適正な価格で取引されず、非常に封建的な取引にある。これを是正することが私はやはりこの家畜商法における最大のねらいでなければならないと思うのですよ。そうなれば、やはり藤野さんの言っている法人とか、相当信用程度のある者、しかもこれを見ましても圧倒的に個人でしょう、九九・二%まで個人でしょう、法人というものは〇・八%程度ですよ。そういう構成になっているのですから、そういう中で親分子分が発生する要素というものがあるわけですから、これをやはり断ち切るということ、家畜の取引を近代化するということがこの商法の中に私は出てこなければならないと思うのです。あなたの話を聞いているというと、さっぱり何が重点なんだかわからないのですよ。今の零細のものもそのままでやっていく、決して減らすことは考えていませんなんて、そんなことでは家畜の取引の近代化なんかできませんよ。だからもう少し、やはり免許制度にして、しかも講習会という一つの制度を通らなければ認めないということやら、あるいは供託をしなさいと、こういう。ですから、これはやはり不良なものを淘汰したいという考え方は当然あると思うんですよ。だから、そういうものをやはりそういう趣旨に合うような形で指導がなされなければならないし、したがって、講習会を終了した者に何か免状みたいなものを出すにしても、それはやはり自動車の免許だって実際にやらしてみて免許は出すんだから、しかもこれは自家用車でも、業でやらない人でさえ、生命に危険があるからやるのだろうけれども、とにかくそういう近代化していこうという意欲があるならば、やはり何かの新しく出てくる家畜商というような者については規制する処置をとるとか——まあ既得権としての家畜商というものについては、これはだんだん整理していくので、既得権というものを抹殺するわけにもちろんいかないのですから、そう簡単にはいかないでしょうけれども、少なくとも今後に新しく出てくるものというものについては相当程度のものをやる。それと同時に、やはりこの家畜商の同業組合なんかあるようですから、こういうものの中で何か淘汰していくような形をとるとか、そういう商取引の近付化というものの思想というものが現われてこなければならないんじゃないかと思うんです。そういうことはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(森茂雄君) いろいろ御指摘にあずかっておりまするとおり、藤野先生、あるいは河野先生、北村先生から御指摘になっておりますように、やはり私どもの気持といたしましては、客観的な言葉で表現すれば、資力、信用ある人、それに十分熟練する見込のある人、あるいは熟練している人ということに、客観的な言葉ではそういう方向へ充実していきたい。現在わずか五百円程度の免許料で、非常に家畜商——まあ家畜市場の問題も御討議いただきましたが、家畜商の資質の悪い人がございまして、非常に取引上安定を欠く面がございますので、今回は一応こういうことで御審議を願っておりますが、私どもといたしましては、家畜商も団体を組織していただいて、お互いの資質の向上をはかっていくと、やはりこれも私どもも指導いたしますが、自主的に十分相談をしていただいて、両々相待って、信用ある資質のいい家畜商に育て上げていくということであります。
○清澤俊英君 まあ講習会であれするということになれば、それで一応私の質問は片づいたと思いますので、それの是非はまた別に、今、北村さんなどの言われるとおり、非常に考えなければならぬと思う。 それで第三条の二項の、これも事務的な問題ですが、「従事する使用人その他の従業者として同号に該当する者を置くもの」という点だろうと思いますが、この従事者というのは、どの範囲を言われるんですか。全部これは講習会を受けぬければならないのか。資格者ですね、家畜商の業務に従事する中にはいろいろあるでしょうから、ここにいわれる——大体わかると思いますけれども、「従事する使用人その他の従業者として」、こうなっているんですが、どの範囲の者が講習会を受けぬければならないか。
○政府委員(森茂雄君) たとえば法人で申しますと、法人は非常にわずかでございますが、今後非常にふえてくる傾向にありますが、庶務とか文書とか、そういうような関係について従事している人でなくて、業務で実際上家畜の取引に事実行為として当たることを主としている使用人と、こういうふうに考えております
○岡村文四郎君 お伺いしますがね。非常に御意見もございますが、牛馬商の資格がなければ絶対に売り買いできないということもいかぬと思います。と申しますことは、私のうちで今酪農をやって、登録の上等の牛が十八頭おります。そこで、付近の人は、あそこの子が生まれたらと考えております。いい子が生まれて売ろうとしても、牛馬商を通さなければならぬ、それは損なんです。自分のうちにいるものは、牛馬商がおらなければ売買もできないとなれば、これは口銭だけ損なんです。だから、若馬を買ってきて、そうしてうんと仕込んで、付近にないような仕事をするようになると、人は売ってくれということになる。そうすると売る。そうしてまた若馬を買ってきて仕込んで、よくなるとまた売る。それは博労じゃないけれども、腕前があって、馬を調教してやっておるわけです。僕のうちなんか十四、五万かの牛が一頭おりますよ。それで最高の登録牛でなければいかぬということでやっておるのですが、子が生まれても博労が買うのでなければ売っちゃいかぬという規則じゃ困ると思うのです。そうでないというのならけっこうなんですが、そこまでとめられるというと疑義がありますよ。
○政府委員(森茂雄君) 本法によって対象としておりますのは、家畜の取引を業とする者でございまして、自分が買ってきて育てまして、そうして売るというのを対象にいたしておりません。
○清澤俊英君 この場合、まあ個人でしょう。個人で、細君も始終手伝いをしている。こういうような場合、細君もやはりこの講習会を受けなければ今度は手伝いはできないわけですか。
○政府委員(森茂雄君) 設例の場合はあれですか、主人が買ったり売ったりする仕事をしている。そしてときどき奥さんが手伝うと、こういうわけですか。
○清澤俊英君 そうです。
○政府委員(森茂雄君) 走り使いとか、いろいろ手綱を、おやじを手伝っていくという者は対象にいたしておりません。
○清澤俊英君 もう一度はっきり聞かして下さい。今何と言われたのですか。
○政府委員(森茂雄君) 家畜商の一時的な手伝いをしたりする人ですね。そういう人は対象にいたしておりません。
○清澤俊英君 対象にしておらない。
○政府委員(森茂雄君) はあ。
○清澤俊英君 その次に、まあごく簡単ですが、家畜商と畜肉商が兼業でやっておりますが、この表から見まして千四百三十五、約一割、もっと多いのじゃないかと思いますね。この場合の畜肉商の店員、肉屋さんの店員、これは両方やっているのですがね。これはやっぱり講習会を受けなければならぬか。これはもう現に売買もやります。肉屋の番頭さんはやります。
○政府委員(森茂雄君) 業としてやっておる法人に専門にそれに従事しておる者、これは対象になります。
○清澤俊英君 まあ議論はありますがね。非常にめんどうな問題になりますね、今そういう話だというと。
○委員長(仲原善一君) 両案に対する質疑は本日はこの程度といたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時三十九分散会 ——————————