農林水産委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1961/11/01
会議録
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、小林孝平君が辞任され、補欠として亀田得治君が選任されました。
○委員長(仲原善一君) 農業保険事業団法案(閣法第四六号)(予備審査)、農業災害補償法の一部を改正する法律案(閣法第四七号)(予備審査)、(いずれも継続審査)の二案を一括議題といたします。両案については、すでに提案理由の説明は聞いております。 それでは二案について順次補足説明を求めます。
○説明員(坂村吉正君) それでは農業災害補償法の一部を改正する法律案の内容について補足して御説明申し上げます。 農業災害補償制度は、農家が不慮の事故によって受ける損失を補てんして農業経営の安定に資するための重要な災害対策であり、年々多額の国費を投じておりますことは、今さら申し上げるまでもないことであります。 しかし、最近における土地改良の進展あるいはまた品種の改良、農薬の発達等、耕種技術の進歩等に伴いまして農作物災害の発生態様も著しく変化して参りまして、この制度に対し農家を初め各方面からの批判が高まり、抜本改正を要望する声が強くなって参りました。 そこで政府は、昨年四月以来、各界の権威者や関係団体の代表者を交じえ約一年にわたり慎重に検討を加えた結果、農作物共済を中心として改正案の成案を得ましたので、前国会に法案を提出しましたが、審議未了に終わったわけであります。お手元にあります法律案は、前国会に提出しました法律案と全く同内容のものでありますが、以下その内容を御説明申し上げます。 第一は、画一的強制加入方式の緩和であります。 まず組合への加入につきましては、現行制度のもとでは、一たん組合ができますと省令で定める一定規模、たとえば水稲と陸稲または麦の耕作面積が一反歩以上の農家はすべて一律に組合への加入が強制されており、それ以下のものについては任意加入ということになっております。 今回の改正案では第十六条の規定を改正して、任意加入の幅を広げることといたしました。すなわち、当然加入と任意加入の限界となる農家の規模は、政令で定める範囲で各都道府県内の地域の実情に応じ都道府県知事が定めることといたしました。政令では、北海道は別として、水稲、陸稲または麦の別に一反歩ないし三反歩の範囲とする考えであります。 次に、農家と組合等との間の共済関係についても任意的要素を取り入れることといたしております。これに関する規定は第百四条、第百四条の二及び第百四条の五であります。すなわち現行制度のもとでは水稲、陸稲または麦のいずれかを耕作している農家または養蚕農家であれば任意加入をしたものであっても、農作物共済および蚕繭共済の共済関係が当然に成立することとなっておりますものを、任意加入の組合員は申し込みにより共済関係を成立させることができることとし(第百四条の二)、共済関係が当然に成立するものは第十六条の規定により当然に組合員となる農家だけといたしました(第百四条)。 なお、これに関連いたしまして従来の共済関係の停止に関する制度はこれを整備し、存続せしめております。すなわち農作物共済の共済関係は共済目的の一種類について第十六条の都道府県知事が定める基準に達しておれば、第百四条の規定により、その基準に達しない他の共済目的の種類についても当然に成立することとなりますが、その基準以下の農作物については、第百四条の五により組合員の申し出により、年度ごとに水稲、陸稲及び麦等共済目的ごとに共済関係を停止させることができることといたしているのであります。 さらに、共済目的の種類ごとに、事業の廃止ができる規定を新たに設けました。第八十五条では、組合は原則として農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済の全部を行なわなければならないこととなっておりますが、事業量の僅少な共済目的や、農家経済上さほど重要でない共済目的についてまで、なおこれを強制する必要はないと考えますので、従来きわめて例外的にしか認められなかった共済事業の一部または全部の廃止につき、今回その範囲を拡大し、農作物共済と蚕繭共済につきましては共済目的の種類すなわち水稲、陸稲もしくは麦または春蚕繭もしくは夏秋蚕繭別にその規模が農林大臣の定める基準以下である等、共済事業を行なわないこととする理由がある場合には、総会の特別議決を経て共済事業を行なわないことができることといたしました。なお、このようにして共済事業を一部廃止いたしました場合でも、その後に再び総会の特別議決により事業を開始することはできることといたしております。 以上の改正によりまして、強制加入制度が相当緩和されることとなりますが、この際、第二十九条のような行政庁による組合の設立命令の規定は、農家の自主性を尊重する見地から好ましくないと考えましたので、削ることといたしました。共済関係の問題については、以上のほか第百四条の三及び第百四条の四等若干の技術的な改正を行なっております。 第二は、農作物共済における農家単位収量建引受方式の採用と補てん内容の充実であります。現在の方式は一筆単位収量建方式でありますが、災害を受けた農家の所得の補てんという見地から、これを原則として農家単位収量建方式に切りかえたわけであります。関係の条文は、第百六条及び第百九条であります。すなわち現行の一筆単位方式においては各耕地ごとに見て三割以上の減収があれば共済金の支払いを行なうこととなっておりますものを、改正案では農家単位方式でありますので、被害のあった耕地ごとの減収を農家ごとにまとめてみて、その減収量の合計が、その農家全体の基準収量の二割をこえることとなった場合に支払いを行なうこととした次第であります。 損失の補てん内容につきましては、現行制度では、水稲を例にとりますと、全損の場合の共済金は、百五十キログラム、一石でございますが、一石当たり最高約五千円、最低約千五百円でありますが、改正案では最高七千円、最低三千円に引き上げ、その充実をはかることといたしました。 この農家単位収量建方式の採用は、今回の改正の大きな柱となっておりますが、直ちに全部の組合がこの方式に移行することも無理な点もあるかと思われますので、附則第十四条で例外を設けまして、耕地の分散度、耕作規模別農家の分布状況及び最近の被害の発生状況等を勘案いたしまして、都道府県知事が指定する組合等につきましては、なお三年間は現行の一筆単位収量建方式によることができることといたしております。なお、この場合の共済金額はおおむね現行どおりとする予定であります。 第三は、組合等の共済責任の範囲を拡大し、その自主性を強化することとし、これに伴い共済保険設計の改善をはかったことであります。現行制度は組合等の共済、連合会の保険、特別会計の再保険という三段階制になっており、末端の組合等ではわずかに共済責任の一割を実質上分担しているにすぎないのであります。したがって、農民の掛金もその相当の部分が連合会に納められることとなっておりまして、最近における農民のこの制度に対する不満も、組合等の運営が適切に行なわれがたいこと等もその原因の大きな部分はここにあると考えられるのであります。一方、最近における農作物災害の発生態様の変化から見て、都道府県段階に危険のブール機能を持たせるよりも、市町村段階で設計の個別化を行ない、通常災害の全責任を持つこととするほうが実態に即するとも考えられますので、農作物共済につきましては、従来連合会で持っておりました通常災害の責任の全部を組合等におろすこととし、これを越える異常災害については、事業団の保険に付するという二段階制を原則とすることにいたしました。したがいまして、従来都道府県段階の連合会を中心になされておりました保険設計も、市町村段階での設計に個別化されるわけであります。これによりまして末端の組合等の事業の責任体制が確立されることとなるのでありまして、これに伴い、基準収量の設定や通常災害の損害評価につきましても、組合等の自主性を尊重することといたしており、組合等は、農業保険事業団が農林大臣の認可を受けて定めました準則に基づき基準収量を設定し、損害評価を行なうことといたしております。しかし、組合等だけで通常災害責任を引き受けるのに心配がある場合もありますので、この場合においては第百二十三条に規定してありますように、組合等は自己の通常責任の一部を連合会の保険に付することができることといたしておりまして、その付保する割合は、連合会と組合等が協議して定めることといたしました。これに関連する条文として、第百七条の料率の規定、第百二十三条の連合会の保険の規定及ひ第百三十三条の政府の再保険の規定を改めたわけであります。なお、この際第百九条を改正しまして、従来明確でなかった基準収量、減収量及び植付不能等の場合の取り扱いについての技術的な規定を整備いたしております。 以上のように末端の組合等の任務を強化して参りまして、組合等が責任と自主性を持つことにより、この制度の適正、円滑な運営を期待しているわけであります。 第四は、農作物共済の料率の設定方法及び共済掛金の国庫負担方式の改善であります。農作物共済の料率につきましては第百七条に規定されておりますが、さきにも申し上げましたとおり、現行制度が都道府県段階を中心に仕組まれております関係上、料率もまた都道府県段階においてその過去二十年間の被害率を基礎としてまず都道府県別の標準率が設定され、これを都道府県内の危険階級別に割り振って基準率を定め、これを下らない範囲内で組合等がその区域または危険階級別の地域ごとの共済掛金率を定めることとなっております。このため組合等にとりましては、必ずしも被害の実態に合わない面があるのであります。そこで、今回は組合等の過去十数年間の被害率を農家単位方式に換算して、組合等ごとに料率を設定する予定であります。また、組合等の区域内で被害の出方が異なる等のため、料率を細分する必要がある場合には、あらかじめ事業団の承認を得た上で、各地域ごとに掛金率を定めることといたしております。 共済掛金の国庫負担に関しましては第十二条、第十三条に規定されております。まず国庫負担割合についてでありますが、従来は、一つの都道府県内では、その都道府県の共済掛金標準率によって定められる国庫負担割合をすべての組合等に一律に適用しておりました。しかし今回の改正で組合等に通常責任を保留させることとした結果、基準共済掛金率も組合等の被害率を基礎として定めることといたしましたので、直接組合等ごとに国庫負担割合をきめることとしたのであります。この際、従来の通常災害、異常災害については半額国庫負担、超異常災害に対しては全額国庫負担という建前に基づきまして、総体として現在の国庫負担割合六二%をそのまま維持することとし、基準共済掛金率の高低すなわち被害の高低に応じて負担割合を法律の別表で定めることといたしたのであります。この表では最低を二分の一とし、超過累進の方法によって国庫負担の割合を定めているのでありまして、これにより、従来の国庫負担の不均衡、不合理の面が是正されると考えております。 次に、共済掛金国庫負担金の交付方法についてであります。今回の改正では、国にかわり事業団が国庫負担金の交付を行なうことといたしました。この場合、事業団を国とみなして補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律を準用して、その取り扱いの適正化を期するとともに、組合等に対する交付金の交付も農家からの共済掛金の徴収度合いを勘案して行なうこととし、事業運営の適正化を期することといたしました。 第五は、共済掛金の割引と水稲についての病虫害防除事業の推進であります。最近では病虫害防除技術も著しく進歩いたしましたので、その施設が完備すれば、特定の病虫害を除き防除がおおむね可能となっております。したがって将来の問題としては、一般の病虫害を共済事故からはずすことも考えられるわけでありますが、今直ちに全国的に病虫害を事故からはずすことも問題でありますので、病虫害防除態勢の備わった地域の組合等を指定して、特定の病虫害を除き、病虫害を共済事故から除外し、共済掛金のうち病虫害に対応する部分を減額することができることといたしました。第八十五条第四項、第八十六条第二項がこの規定であります。またこのような病虫害防除事業を行なう組合等に対しましては、第十四条の二の規定によりまして、国は減額した共済掛金のうち農家負担部分に相当する額を防除費の一部として補助することができることにいたしております。 第六は、事業団による保険事業及び再保険事業であります。現在の農業共済再保険特別会計に代わり新たに農業保険事業団を設立することとしておりますので、これに伴い蚕繭共済、家畜共済については、事業団が従来の特別会計と同様そのまま再保険事業を行なうことといたしておりますが、農作物共済については事業団が組合等の共済責任を直接保険することとなるわけであります。これらの関係の規定は第五章でありまして、それぞれ、規定の整備を行なった次第であります。 以上御説明いたしました点が今回の改正点でありますが、そのほか農業共済団体の組織及び運営に関する条文を若干改正しております。すなわち組合の総代選挙に選挙区を設けることができることとしたこと及び組合役員の選任規定の追加、共済目的の種類ごとの事業廃止を決定する場合は総代会にゆだねることができないこととしたこと、現在定款で定めて実施されている延滞金徴収についてその根拠を明確にしたこと、農業共済組合の共済事業にかかる事務の一部を農業協同組合に委託することができるようにしたこと、共済掛金等にかかる権利の消滅時効は現在一年でありますが、これを三年としたこと、組合の合併、市町村の廃置分合等の場合の規定を整備したこと等であります。 なお、第百四十三条の二及び第百四十四条に都道府県及び中央の保険審査会の規定がありますが、今回の改正で事業団の業務が保険及び再保険の二種類になりましたので、その名称を、都道府県農業災害補償審査会及び中央農業災害補償審査会に改めました。 次に、この法律案の附則でありますが、大別いたしますと、施行期日、経過措置及び関係法律の改正の三項目となっております。このうち経過措置につきましては、この法律案が成立いたしました場合、事業団の設立が予定されております昭和三十七年二月一日に施行することを予定いたしております。しかし農作物共済を中心とした事業関係の改正条文は、水稲、陸稲につきましては昭和三十七年産のものから、麦につきましては昭和三十八年産のものから、蚕繭につきましては昭和三十七年産春蚕繭から適用することとしております。それ以前のものにつきましては現行法によるわけでありますが、明年二月一日以降は特別会計が廃止になりますので、現行法中「政府」とありますものを「事業団」と読みかえて適用することといたしております。改正後は農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済の料率の設定は事業団が担当することとなりますが、事業団がみずから料率設定を行なうのは、農作物共済については昭和三十七年産水稲、陸稲にかかるものから、蚕繭共済については昭和三十八年産春蚕繭にかかるものから、家畜共済については昭和三十八年度加入のものからとし、それ以前のものについては、現在適用になっております農林大臣の設定した料率を事業団が設定したものとみなしてこれを引き続き適用することといたしております。 なお、さきに申し述べました一筆収量建制の暫定適用につきましては、附則第十四条から第十八条までに規定されていますが、この場合の共済掛金の国庫負担はその組合について農家単位制を実施した場合の国庫負担の率を適用することといたしております。 以上が農業災害補償法の一部を改正する法律案の内容でございます。 —————————— 次に、農業保険事業団法案の内容について補足して御説明申し上げます。 この法案は、今次の農業災害補償制度の改正の一環として、設立を予定いたしております農業保険事業団の組織、業務、財務、会計等について規定するものでありまして、事業団と農業共済組合等との間の保険関係及び事業団と農業共済組合連合会との間の再保険関係については、農業災害補償法に規定されることになるわけであります。 なお、本法案は、前国会に提出し、審議未了となりました同じ題名の法案と同一内容でありますが、以下その内容を御説明申し上げます。 第一は、目的であります。第一条に規定いたしておりますとおり、事業団は、農作物共済についての保険と蚕繭共済及び家畜共済についての再保険の事業を行なうこと等により、農業災害補償にかかる事業を分担して、その適正かつ能率的な実施に当たり、農業災害補償制度の円滑な運営と健全な発展に資することを目的とする法人でありまして、従来政府が農業共済再保険特別会計を設置して直接行なっておりました事業を新しく特別法人を設立して、これを行なわしめようとするものであります。 第二は、資本金であります。この法人の資本金は、第四条第一項及び附則第九条第二項に規定いたしておりますとおり、現在の農業共済再保険特別会計において再保険金の支払い財源が一時的に不足した場合に、その不足金に充てるための財源として一般会計から繰り入れられた再保険金支払い基金をそのまま国が事業団に出資することにいたしておりまして、その金額は昭和三十五年度末で約三十三億三千万円となっております。 元来、農業災害補償制度は、保険収支の長期均衡を基本として設計をいたしておりますが、一時的には、支払い資金に不足を生ずることもありますので、この資本金は、あとで申し述べますように、事業団の基金勘定においてこれを管理し、保険金または再保険金の支払い資金の不足に充てるための財源とすることにいたしております。 今後大災害が起こり、保険金または再保険金の支払い額がその年の保険料または再保険料の徴収額を超過するようなことがありましても、この資本金及びその運用益とをもって保険金または再保険金の支払いに充てることになるわけであります。もし、不幸にして、これをもってしても、なお支払い資金に不足を生ずるような大災害が発生いたしました場合は、借入金によるか、または増資によってこれをまかなう予定でありまして、この場合の借入金は、あとにも述べますように原則として政府の一般会計からの借入れを予定いたしておりますし、また増資は、今後とも政府がその全額を出資することとなっております。 第三は、役員及び職員であります。役員は、理事長一人、理事三人以内(本年度の予算では二人)、監事二人以内とし、農林大臣が任命することといたしております。 なお、この事業団の性格にかんがみまして、事業団の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、公務員と同様の取り扱いを受けることといたしますとともに、役職員のうち理事長から事業団の予算執行の職務を行なう者として指名された者については予算執行職員等の責任に関する法律を適用して、国から交付を受けた多額の資金を、いわば国にかわって支出する事業団の予算執行について、職員の責任を明確にし、違法支出を防止して、その適正化をはかることといたしております。 第四は、業務であります。第十九条に規定いたしておりますが、事業団は、農作物共済についての保険事業と蚕繭共済及び家畜共済についての再保険事業を行なうとともに、共済掛金の額を定める基準となる基準共済掛金率等の決定、基準収獲量設定準則、損害認定準則等の設定、あるいは共済掛金国庫負担金の交付等、農業災害補償法等により事業団の業務に属させられた権能を行なうことを本来の業務とし、あわせて、農業共済組合または市町村の行なう共済事業及び農業共済組合連合会の行なう保険事業に関して、各種の援助を行ない、また今後の制度廃展に資するため農業の災害補償に関する調査研究をも行なうことができるようにいたしております。 しかしながら、事業団の人員構成等を考慮いたしますと、現地における損害認定のための実測調査等については、事業団のみでは、短期間の的確な調査を行なうことは困難でありますから、農業共済組合連合会の協力を得ることが必要であると考えまして、準則の制定等のような事業団の権限に属させれらた事項を除き、事業団はその業務の一部を連合会に委託することができることといたしました。この場合には、この受託業務に従事する連合会の役職員も、事業団の役職員と同じく、刑法その他の罰則の適用については、公務員と同様の取り扱いを受けるわけであります。 なお、これらの業務を行なうについての細則的事項につきましては、設立委員が農林大臣の認可を受けて定める業務方法書に規定することといたしております。 第五は、事業団の財務及び会計についてでありますが、事業団の財務の重要性にかんがみまして、予算決算等につき、政府のみならず、会計検査院及び国会の規制をも受けさせることとし、その適正な運営をはかることといたしました。 すなわち事業団は、毎事業年度、その開始前に、予算、事業計画等について、農林大臣の認可を受けることといたしますとともに、決算が結了したときには、財務諸表を作成して農林大臣の承認を受けた上、事業の実施結果を明らかにした報告書とともに、農林大臣を経由してこれを内閣に提出し、内閣は、これにつき、会計検査院の検査を経た上、国会に報告することといたしました。 また、事業団の会計につきましては、第二十七条に規定いたしておりますとおり、各事業ごとに会計区分を行なうことを法律により事業団に義務づけ、損益の処理についても、各勘定ごとに損失填補準備金または積立金として整理し、これを他に費消させないようにいたしまして、保険収支の明確な経理を行なうことといたしました。事業団の事務費は、国がこれを負担することとし、各保険事業の収支との混同を避けるため事務勘定を設け別に経理することといたしました。さらに借り入れを行なうときは農林大臣の認可を受けること、役職員の給与支給基準についても農林大臣の承認を受けること、あるいは余裕金の運用についての制限等の規定を設けますとともに、その他の財務会計の細則についても農林省令でこれを規定することといたしております。そして、これらの会計経理は、会計検査院が国の機関と同様毎年検査を実施することといたしまして、さきに申しあげました事業団の役職員の責任や農林大臣の各種の監督権限の行使等とも相待って、事業団の経理に遺憾なきを期することといたしました。 第六は、関係行政庁の協力であります。事業団の業務の遂行については、農林省及び都道府県、特に農林省の地方支分部局であります各地の統計調査事務所及び食糧事務所並びに都道府県に設置されております病害虫防除所、家畜衛生保健所等の密接な協力を受けなければ、との事業の適正な運営をはかることは困難でありますので、第三十九条で特に「事業団は、農林大臣又は都道府県知事に対して、事業団の業務に関し、助言、資料の提示、その他必要な協力を求めることができる」旨の規定を設けております。 第七は、事業団の発足についてであります。事業団の設立は、明年二月一日の予定でありまして、農業共済再保険特別会計は、事業団成立の時点をもって閉鎖し、同特別会計が有する権利義務は、一般会計に対して有する権利義務を含め、事業団が包括して承継することといたしております。ただし、昭和二十八年及び二十九年に同特別会計の農業勘定の歳入不足を補てんするために一般会計から繰り入れを受け、後に剰余金が生じた場合は一般会計に繰り戻すこととなっております繰入金の残高約百億円につきましては、事業団が国への納付金として納付する義務を負うこととし、附則第十条にその旨を規定いたしております。なお、事業団が承継した財産のうち、同特別会計の再保険支払い基金勘定の残高を国の事業団に対する出資とすることについては、さきに御説明いたしましたとおりであります。 一方、事業団の職員につきましては、さしあたり同特別会計所属の定員百三十六名をこれに振り向けることとし、業務の運営に遺憾なきを期する所存であります。 以上をもって終わります。
○委員長(仲原善一君) 以上で両案についての補足説明は終わりました。両案については本日はこの程度といたします。 それでは本日はこれをもって散会いたします。 午前十時五十四分散会