内閣委員会 第11号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/31
会議録
○委員長(大谷藤之助君) これより内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、赤松常子君が辞任され、基政七君が選任されました。 ——————————
○委員長(大谷藤之助君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 なお、要求書の作成等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(大谷藤之助君) 次に、特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。 政府側出席の方々は、林調達庁長官大石調達庁総務部長、中川外務省条約局長、林田漁政部長、ほどなく藤枝防衛庁長官もお見えになります。以上の方々でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 本日は、時間も非常に制約されておりますので、私も要点にしぼって質問いたしますから、答弁されるほうも、手ぎわよく、急所だけをひとつ言ってもらいたい。 一昨日、本委員会で、相当この問題については、基本的な問題について質問いたしましたが、そういう質問を繰り返すと時間がかかりますので、その続きだということで、条約局長が初めて来られましたから、前の私の質問を一応了解されたという上に立って質問いたします。 実は、地位協定の第十八条の第五項(g)項についての問題ですが、これがNATOに準じて条約が締結された。そういうところから、非常に日本の国情に合わないような問題が出てきたというので、昭和三十五年八月二十二日に口上書、ノート・オブ・ヴアーバルといいますか、これが一応取りかわされた。この形式について、簡単な問題ですが、重要な意味を含んでおるので、この口上書、ノート・オブ・ヴアーベルというのは、外交文書として、どれだけの重要性を持つものであるか、覚書とか交換公文とか、いろいろいいますが、口上書というのは一体どういう権威のあるものか、その点をひとつ条約局長から答弁を願いたいと思います。
○政府委員(中川融君) 外交文書と申しますか、政府間でいろいろの国際的な合意をする、あるいはこちらの考え方を向こうに表示するという場合に、いろいろ文書の形があるのでございますが、そのおのおのの文書について、あるいは高下の関係とか、重い軽いの関係とかは特に関係ないのでございまして、その場合その場合に最も適合した形の文書を作るということでございます。ただいま御質問のありました口上書でございますが、これは通例、政府が、自分の考え方、あるいは見解というようなものをはっきりした形で相手国に伝える場合に、よく口上書という形を使うのでございまして、このほかに、たとえば外務大臣の名前でする普通の書簡の形もございます。この書簡の形にしてそれを交換した場合に、これは交換書簡あるいは交換公文という名前で呼ぶのでございますが、口上書という形を使うこともしばしばあるのでございまして、その間に高下、軽重というような差異は特にないわけでございます。
○山本伊三郎君 大体外交文書には、これは形式ですが、出した人、それから相手方、それから出した人の名前、サインというものがあるのですが、これは原文の内容を見ますると、日本の外務省からアメリカの在日大使館、こういうことになっておりますが、だれからだれにあててきたのか、それをちょっとおっしゃってもらいたい。
○政府委員(中川融君) ただいま問題になっておりますこの口上書につきましては、これは日本国政府を代表いたしまして外務省、合衆国政府を代表いたしました在日米国大使館、この両者の間で交換された口上書でございます。
○山本伊三郎君 それはわかっておるのです。それはそう書いてあるのですが、それは外交文書でも、要するに外務省から大使館ということになりますが、普通のわれわれ常識から考えて、外務省でも、出した人、それから受け取った人というものは、やはり署名して捺印しなければ、後日問題になったときには、私はやはり責任の所在が明らかでないと思うのですが、この点がなっていないので、おそらく大使館という、こういう一つの公館から、それから外務省という公館、こういうことで出したといっても、やはりやった人があるのだから、責任者がだれで、どこでどうされたか、この点をひとつ聞いておきたい。
○政府委員(中川融君) たとえば今問題になっております口上書でございますが、この口上書を外務省内で起草して、これを最終的な日本政府の意思を表示しました口上書というものにするまでには、いろいろの関係者がサインをしたり、判を押したり、普通の官庁でやります方式に従いまして、大臣の決裁をとるまでの書類は作るわけでございます。できました口上書が、はっきりした法的な証拠力のあるものとして先方に送られるにあたりましては、外務省の用箋にこれを書いて出しまして、そうしてその際に外務省の官印、公印を押すのでございます。その公印を押したもの、それから口上書には番号がつきますから、その番号、日付、その公印を押したもの、外務省の書簡の用紙、こういうもので、公のもので間違のないものであるということがわかるわけでございます。それから、先方からきます英文のほうの口上書につきましては、これも先方としては、起草するにあたって、同じような手続によりまして起算するわけでございますが、それが起算されましたものが正式の書類としてきますにあたっては、先方のアメリカ大使館の肩書の入りました用紙にタイプで打ちまして、そうしてこの場合、先方はそのおもなる責任者が、署名ではありませんが、頭字をサインいたしまして、そうしてよこすのでございます。この頭字のサインがはたして何人のサインであるかということは、その際せんさくすればはっきりわかるようになっておるのであります。先方からきますものもそういう格好で、これが公のものであるということがはっきりする形になってくる。これが東京におきまして、ここにあります大使館と外務省が口上書を交換するにあたっては、大体そういう形式を踏んでやっております。したがって、それが真正なものであるということについては、少しも間違いはないようにやっておるわけでございます。
○山本伊三郎君 私は、真正であるかどうか、そういうことを疑っているのではないのです。この口上書といえども、地位協定の第十八条の五項(g)項、これから考えると、相当重要性のある文書なんです。これは要するに (g)項を除外するという、日本の国民の大きい利益に影響する口上書ですから、そういう一つの形式があるのですが、少なくとも、そういう重要な文書には、大使館、外務省、そういうものでなくして、やはり個人が責任者になって、向こうはサインするのですが、そういう形式をとるものではないか。私はそれほどとっておいてもいいのではないかと思うのですが、頭文字を調べたらわかるというような、そういうずさんなことでこういう外交文書が交換されておるということについて、私は非常に不満がある。いずれの交換文書を見ましても、やはり責任者のサインがあるはずなんです。これに関してそういうものはないということは、なくても、それは効力があるのだということは間違いないと思います。こういう重要な文書は、われわれとしては、そういうサインなり、あるいはあて名、そういうものがあるべきものであろうと思うのですが、一体これは外務省のだれが受け取っているのですか。だれが責任を持っていのか、それを聞かしていただきたい。
○政府委員(中川融君) 責任を持っているのは外務大臣で、受け取ります方というのは、メッセンジャーが持ってきます場合には外務省の文書課で、これはどこへ参りましても外務省文書課で受け付けまして、文書課の公式の登録簿に登録いたしまして、はっきり記録に残して省内回覧し、こういう大事なものであれば、大臣のところまでこれを伝達するという組織になっているわけでございます。
○山本伊三郎君 こういう文書は、今言われたように、もちろん政府は、外務省だから外務大臣、これは常識でわかるのですが、それではアメリカの大使と、それから外務大臣というような、そういうあて名と受け取りはできないのですか。
○政府委員(中川融君) それはできないことはないのでありまして、先ほど御説明申し上げましたように、外務大臣が署名をする書簡という形もあります。それに対応する在米大使が署名する書簡という形もあります。これは、しかし、大部分の場合、それだけが独立した一つの案件につきまして、正式な意思表示の交換をするという場合に使われるのでございまして、ただいま問題になっております点は、主として条約の条文の解釈に関するものでございますので、こういう場合には、やはり口上書というような格好で、その解釈を、いわば公定解釈をお互いに通報し合うということがよく行なわれるのでございます。なお、そのほかに、もちろん条約と一緒にその解釈がきまります場合には、口上書という形でなくて、合意議事録という形でこの解釈をきめて、そうしてお互いの代表なり、あるいはその代表の補佐の人がイニシアルをする。先ほど申しましたように、正式な署名でなく、頭字を書くということもよく行なわれるのでございます。今問題になっております例につきましては、正式の地立協定ができました際には、まだ双方の解釈がはっきり確定するというところまでいかず、その後約二カ月ほど経ましてこれが確定しまして文書の文換になったものでございますから、したがって、合意議事録という形にとらわれず、口上書という形でやったわけでございます。効力その他においては少しも変わりがないといいますか、心配がないのでありまして、お互いに政府間の意思をはっきり表明しておる公文書でございます。
○山本伊三郎君 まあ時間がないから、これでもまだもう少した、だしたい点があるのです。私は、効力があるとかないとか、そういうことじゃなくて、この問題の取り上げ方がやはり軽視されておったのじゃないかということをわれわれは知るがためにこういう質問をしている。 それで私は、時間の関係で質問を進めますが、この地位協定が締結されて、もちろん第十八条が相当大きな問題となったと思うのです。その際に、いわゆる口上書にあるような問題について、アメリカ側と日本政府とは、どういうことでその点を交渉されたか。この間条約課長にちょっと聞いたのですが、NATOに準ずるということだけで、日本の特殊性というものを全然考慮せずにこの(g)項が入ったのだ、それがために解釈上問題になったのでこの口上書をとりかわした、こういうことでは私は責任があると思うのですが、いわゆる地位協定が締結される途上にあるこの問題が、両国間においてどういう話し合いがされたか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(中川融君) 地位協定をアメリカとの間に交渉いたしますにあたって、この十八条の問題、つまりいろいろ損害が起きました際の民事の補償の問題、これは非常に重要な点であったのでございまして、御承知のように、今回−今回といいますか、先般行政協定を変えて地位協定にしますにあたって、実質的に大きく変わったところの、その中でも重要なものはこの十八条でございます。われわれ日本側の希望いたしましたところは、これが北大西洋条約によって認められておるこの民事損害補償、これと同じにしてもらいたいということがこちらの主張の要点であったわけであります。結局それは先方の同意を得まして今回の十八条になったのでありますが、その際に、問題は解釈の問題でありまして、北大西洋条約の地位協定によれば、これは現有の第五項(g)のような規定があるわけでございまして、これをそのままのみますと、日本のこの零細な漁民の方々が沿岸でいろいろ漁業をやっておられる、これに関連をいたしまして、非常な不便を生ずる、これは十分われわれとしても考えてわかっていたところでありまして、この点については、例外的に北大西洋条約規定によらずに、従来の行政協定式に、一般原則に基づいてやるというようにしたいというのがこちらの要望であったわけでございます。ところが、アメリカとしては、全体の民事補償問題について北大西洋条約の方式をとるという以上は、海事についてだけさらに例外を北大西洋条約と違った規定をして、つまり北大西洋条約諸国に対するよりも、よりよいいわば待遇を日本だけに与えるということは非常に困るということを強く主張したのでございまして、これは日本の特殊事情ということに目をつぶるわけではないけれども、やはり全体としては北大西洋条約そのままの形にしてもらわなければ困るという向こう側の強い要望であったわけでありまして、この間の妥協をはかるがために、結局解釈として、零細な損害については、この解釈のこの例外である十八条五項(g)、これの適用からはずすという原則が交渉中に両方で意見の一致をみたのであります。しかしながら、具体的にどの範囲まではずすことを認めるかという点についての話し合いが、条約締結当時にはきめるに至らなかったのでございまして、これが結局八月二十二日になりまして、初めて合意が成立したわけでございます。原則については、この条約を作りますときから双方の見解が一致していたのでございますが、その具体的な決定がおくれたために、御一緒に国会にお示しすることができなかった。しかしながら、当時安保地位協定が国会で御審議の際に、政府側としても、そういう話し合いになって進んでおるということは御報告したところでございます。われわれとしても、この海事について現在のような規定ができましたことを非常に不満足には思っているのでございますが、十八条全体について北大西洋条約並みの待遇がそっくりそのまま認められましたという別の利益がございますので、この点については、解釈及び実際の運用によって、できるだけ不便を除去しながら進んでいきたい、こういう見地からこの地位協定のこの条文に同意した次第でございます。
○山本伊三郎君 いろいろとそういう説明を加えられますが、われわれはその当事者でないので、そのときの事情は知りませんが、北大西洋条約における関係国と日本との実情の違いということは、もうこれは条約局長も今言われたとおりなんですね。したがって、やはりそういう点が、何でも向こうはNATOのとおりにするのだということだが、やはり日本には日本の実情があるということは、その当時すでにわかっておった。しかし、向こうが強く押し切ったので、やむを得ず認めたのだと、こういう態度では、われわれとして、将来日本の外交の当事者としての態度としては不満なんです。やはりどの条約でも、その国と国の、いろいろの事情を異にする両国間において締結するわけですから、やはりこの(g)項のこの口上書があるからそういうことになるのだと言われますが、この(g)項からこの口上書のような解釈というものは、なかなか普通でも解せないと思う。それがためにいろいろ問題を起こすと思うのですが、われわれとしては、外務当局が、その当時アメリカがそういうことで押しつけたとは言わないけれども、相当強い要請があったので屈服したと、こういうことですが、しからば口上書ではなくして、やはり十八条のどこかに、そういう点がこの地位協定そのものに対して、ただし書きでもいいのですがそういうものを入れられないのかどうか、そうすれば非常に権威のあるものですが、その点はどうですか。
○政府委員(中川融君) この地位協定は、もとより日米両国間の国際協定でございます。したがって、この解釈上、あるいは条文からは少し無理ではないかというような解釈がたとえありましても、それが両国間ではっきりしたし合意でその解釈がきまっておれば、その解釈がこれはやはり客観妥当な解釈として、両国がその解釈によって実施するのでありまして、純論理解釈から、なるほど(g)項から零細な損害を除外するということは、どうも出てこないのではないかという御指摘ごもっともでございます。これは両国の公定解釈で十分この点は救えるということで、しかも、条文を直すということになると、これはほかのNATO諸国に対する振り合い上、どうしてもアメリカとしてはそういう変えた条文に同意することはできないというその当時の状況も、ある意味で先方の立場に立ってみれば、無理からぬ点もあるのでふりまして、そこの点を実際に即して解決するという方法でこの口上書がかわされるということになったのでございます。形式的に申すれば、百パーセント完全なものにするためには、御指摘のように、条約、地位協定の条文それ自体にそういう例外を認めることがよりよかったことは御指摘のとおりでございますが、やはり外交交渉でございますので、必ずしもこちらの言い分布百パーセント貫徹するというわけにもいかない場合もあるのでございますが、そういう場合には、できるだけ実情に即して、実質についてできるだけ支障のないような方法で、しかも、双方が納得するような形に落ちつくという趣旨からこの形になったのでございまして、この交渉当時の状況から判断いたしますれば、ある意味でやむを得ない措置ではなかったかと考えるのでございます。どうぞそういう点を御了承願いたいと思う次第でございます。
○山本伊三郎君 われわれ、まあしつこいようですが、これは単にこの項だけじゃないと考えて言うんですが、口上書によって実質的にはそういう形を認めておる、この解釈で認めておる。しかし、この地位協定の本文、条文としてはそうしなきゃいかぬ、こういうことがちょっと理解できないんです。アメリカにとっては、何も損でも得でもない。もう口上書でそのとおりやっている。それがNATOのとおりに条文を作らなくちゃいかぬというアメリカの主張はどこにあるのかということを私は家は聞きたいのが本音なんです。現実には変わらないんです、言われたように。口上書でも現実は変わらない。それをなぜNATO条約に合わせなくちゃならぬというアメリカの主張はどこにあるのか。日本の特殊性を認めるならば、この地位協定そのものにうたったって何もアメリカは現実に損も得もするものでない、こういうことを私は聞いておる。その点どうですか。
○政府委員(中川融君) アメリカの考え方になるわけでございますが、アメリカとしては、北大西洋条約のいろいろの多くの国と(g)項のような規定を結んでおるのでございまして、たとえば日本とはよほど事情は違いますけれども、オランダあたりでもやはり相当漁民がおるわけでございまして、そういう漁民につきましては、この(g)項がそのまま実は適用されておるわけでございます。しかし、日本の特殊事情ということを考えて、それに例外の取り扱いをしようというところまでアメリカも折れたわけでございますが、それをあまり表立てた格好でこの条約それ自体に書かれることは、たとえばオランダなり、あるいはそのほかの北大西洋条約諸国が、それでは日本にも与えたんだから自分たちにも同じように与えてくれと、条約を改正してくれというようなことになると、これはまたアメリカとしてなかなか収拾のつかないことになるわけでございまして、したがって、そこのところは運用でやる、その運用についての文章は交換しましようということで、この点についての話し合いを妥結しょうということを言ってきたわけでございます。これは実際においてそういう運用でやれるということであるならば、日本としては不満足であるけれども、そういう形でやって実効を期するようにすれば、やはり目的はある程度達するんじゃないかという考え方からこういうことになったのでございまして、やはりすべて全部日本側の希望を達成させるというわけにいかない場合には、やむを得ない措置ではないかとわれわれ考えておるところでございます。
○山本伊三郎君 これは外務大臣に聞いたほうがいいと思うんですが、NATO関係の国々、西独、オランダあたりの例を出されましたが、日本とアメリカとの関係は、西欧、NATO関係の国とやはり違うと思うんです。すべてが一緒に、このほかの事情も同じような形でいっておるならば、私はこれは仕方ないと思うんです。しかし、アメリカと日本の関係は、いわゆる安保条約の関係なんかを見ましても、特殊な関係にある。特に今の政府とアメリカの当局との間のいろいろの関係から言うと、このぐらいはNATOと同じではなくっても、日本も同じ程度はとれるという態度が私は出たんじゃないかと思う。ただ私は、これは邪推しているようで非常に悪いんですが、この地位協定のときには、おそらくそういうことはもう全然気づかなかったんじゃないか。NATO一本でやって、あとから問題が起きてきたんじゃないかという気分がするので尋ねておるのに先ほどの説明では、そういうことでなくて、地位協定の締結の当時からすでに大きな問題になっていた。実は、地位協定で体裁上それができなかったんで、口上書でやり得ると思っていたと言うんですが、私はその点に疑問を持っている。しかし、あまりこれについては時間がないので追及いたしませんが、またの機会に譲りますが、この点は、外務省としても、日本国民の利益というものを代表する以上は、零細漁民の非常に関係のある問題でございます。その点はひとつ今後十分留意してもらいたい、こう思います。 もう一点条約局長に聞いておきたいと思うんです。この十八条の十二項の規定に、戦闘行為によるものはすべて除外される、この条文はすべて除外されるというような意味のものがあるのですが、この点については、戦闘行為というのは一体どういうことであるのか、それをちょっと聞いておきたい。というのは、残念でしたが、この地位協定、新安保条約の改定の当時、ああいう国会の状態で、審議がわが党も国会でできませんでしたので、この点はひとつ明らかにしておきたいと思います。
○政府委員(中川融君) この地位協定の、ただいまの御指摘になりましたところの戦闘行為とを非戦闘行為というこの戦闘行為というのは何であるかということでございますが、これはこの地位協定のもとになります安保条約におきまして、そういう戦闘行為が起こり得る事態を予想しております。つまり安保条約の第五条によりまして、日本の領域に武力改撃が行なわれた場合には、日本もそれからアメリカもこれに対処するために行動するということが書いてあります。そういう日本の領域に武力攻撃が行なわれたような場合には、この行動の結果、この日本の国内に戦闘行為が行なわれたわけでありまして、そういう場合には、この地位協定の一般の規定にはより得ない、いわゆる非常事態でございます。国際法的に申しましても、平時の国際法の適用はないわけでありまして、戦時の国際法の適用が出てくる事態になるわけでございます。そういう事態にはこれはまた別個の基準で考える、こういう意味でございます。
○山本伊三郎君 そうすると、非戦闘行為のみに適用する。逆に言うと、これは戦闘行為の場合には適用はしないとこういうことになる。この戦闘行為というのは、今言われたように、日本が攻撃を受けた、それに対してアメリカが動く、その行為に限定される。たとえば韓国なりその他の方面でいろいろ戦闘行為が行なわれる。それが日本に基地を与えられているのですから、もうすでに基地を発するときには戦闘行為であるとか、日本の領海をはずれるまでは戦闘行為ではないのだ、いわゆる日本の中にいるときには、これは非戦闘行為である、こういうことが分離できるかどうか、その点どうですか。
○政府委員(中川融君) それはできると思うのでありまして、現実に砲火を交えまして、現実にぱちぱちそこで武力の衡突をやっている、そういう事態が戦闘行為でございまして、日本から、たとえば非常に仮定の問題になりますが、韓国なり、あるいはその他の区域、日本以外の所でアメリカも入ったいわば戦闘行為が行なわれていると仮定しまして、日本の基地からそこに向かって、たとえばアメリカの飛行機なり何なりが飛んで立っていく。その際に、日本のたとえば民間に被害が偶然にあったとか何とか、そういう場合には、これは韓国においては戦闘行為でありますが、日本の飛行場を立っていくというその行動だけについて見れば、別に戦闘行為が行なわれているわけではないのでありまして、非戦闘行為であると、かように考えます。したがって、この地位協定にいう戦闘行為というものが行なわれます場合には、日本国内において現実に武力衡突が行なわれている、そういう事態を予想しておる規定であるわけであります。
○山本伊三郎君 日本の政府はそういう解釈をしているのですが、アメリカとしては戦闘行為に変わりはないのです。もうすでに日本の基地を立つときには、これは戦闘行為であるとわれわれは常識で考える。日本の領土内においてぱちぱちとやらない限りは、これは戦闘行為でない、これは日本が言うかわからぬが、アメリカ軍としては、すでに日本の基地を立つときからこれは戦闘行為である。日本としては、これは宣戦布告をして戦闘をしておらないけれども、アメリカはすでに戦争といいますか、その場合に日本は戦闘行為でない、向こうは戦闘行為だということで混乱が起こったときはどこで判断しますか。
○政府委員(中川融君) この地位協定を現実の場合に適用するにあたって、両者の意見が合致しない場合にこれをどう処理するかということは、この地位協定の中にも合同委員会という制度が設けられているのであります。そこにたくさんの分科委員会がございまして、そこらで常に地位協定の適用についての問題を協議しておるのであります。解釈上の相違というものは、合同委員会の席において、十分お互いに検討し得るわけでありますが、しかし、ただいま御指摘になりました条文の非戦闘行為というもの、これに見合う戦闘行為というものの解釈、これについては、私は、アメリカといえども異存はないと考えておるのでございまして、非常にそういうことで解釈の相違が起こるということは私は予測しておりません。もし万一、かりにそういう事態が起きたとしても、これは十分ただいまのような方法で解決できるのであります。事柄の趣旨から見て、要するに、現実にぱちぱちと軍事行動が行なわれるというような場合には、国内的にも戒厳令なり何なりしかれることになるのでありまして、そういう場合には、一般の生命財産の補償というものも、必ずしも平時のようにはいかないのだという思想からこれが出ているのでありまして、日本に戦闘行為がなくて、韓国なり、外にある、日本自体は、いわば中立の状態にあるというような場合にこういう条項が適用になるということは、論理からも、どうしても考えられないわけでございます。
○山本伊三郎君 くどいようですが、論理から考えられないということで、私は、こういう重要な問題を外務省が軽率に考えておるということは、私は間違いを起こすと思うのです。アメリカはそんなことは言わないのだということは、いつも日本政府の言うことですが、だれしもこれから見ると、これは日米両国が共同して戦闘行為をやるとか、そういうことはないのです。この規定から見ると、非戦闘行為に伴って生ずる請求権のみについて適用するというのであるが、その戦闘行為は、アメリカだけの戦闘行為といえども、これは適用されるということに考えるのですが、この点についてアメリカはそう考えぬということではなくして、そのときになってからということではおそいのです。したがって、この点について私はこれ以上追求しませんから、適当な機会に解釈を明かにしてもらいたい。アメリカがこう言っておるのだ、これははっきりしてもらえるかどうかこの点ひとつ。
○政府委員(中川融君) 現実に、もちろん戦闘行為はまだ行なわれてないのでありますから、ほんとうの仮定の問題として、あるいは純論理の問題としてどう解釈するかということについて、アメリカ側に意見を聞いてみるということはやってみて差しつかえないと考えております。
○山本伊三郎君 一応注意しておきますが、条文とか条約というものは、現実に起こってからくるものじゃないのです。ものの起こらぬ前にこういうことがあるべきだという提示のむしろ協定をするものなのですが、起こってからひとつ相談するというのじゃなくて、この地位協定を、これはこういう解釈であるということは、やっぱり外務省でも自信のあるものが私はほしいと思う。これだけじゃない、いろいろ問題がありますが、時間の関係で一応これだけで打ち切りますが、その点をひとつ十分考えてもらって、これに対するアメリカ軍の解釈を聞きたい。それだけひとつ申しておきます。 次に、調達庁にひとつお聞きしたいんですが、この口上書によりますと、これは衆議院で問題になりましたから、一つだけ聞いておきます。二十トン未満の船舶と、二つ条件として、二千五百米ドル以下のものに限るということになっておるんですが、この点はものの性質上、この口上書なり条約の性質上、船舶の二十トンという制限だけでやらなければ、非常に事務の取り扱い上も困るじゃないか。ドル円為替の変化や何か、いろいろ二千五百米ドルといっても、なかなかそう確実にはかれないと思いますが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(林一夫君) 御承知のように、口上書は二十トン未満であるということと、二千五百米ドル以下のものであるという両者の要件を満たす必要があるわけです。要するに、これは零細漁船の多い日本の特殊事情にかんがみましてこういうような取り扱いをしたのでございますが、この米ドルの計算ということは、おっしゃるとおり、これはなかなか簡単にはいかないと思うのでありますが、まあこの事案もそうたくさんあるわけではないので、十分手をかけて調査すればわかることと、こういうふうに私どもは考えております。
○山本伊三郎君 これはアメリカが、いろいろ協定書にもなっておるんですが、私の言うのは、日本政府としては、いろいろ先ほど条約局長から、アメリカの言い分に対してずいぶん聞かされましたが、この分くらいは二十トンというトン数だけの制限で、二千五百米ドルという損害価額の問題は撤廃したらどうかと思うのですが、その可能性があるかどうか、こういうこと。
○政府委員(林一夫君) この二千五百米ドル、これは日本円に現在直しまして九十万円程度でありますが、この程度がいわゆる本案に規定する特殊海事損害に腐しない、小損等としてはこれくらい適当であるということでこのような取り扱いになったのでございます。私どもはこの程度のものが適当であると、こういうふうに考えておるわけであります。山本伊三郎君 あとを急ぐので、もうこれくらいでおこうと思うのですが、いくらでもあるのですが、残念ですが、まあ一応これで終わりますが、衆議院でもいろいろこれは問題になっております。今後これについては相当問題が出てくると思う。なお、一昨日聞くと、まだこれに該当するものが一件もなかった、こういうことらしいのです。しかし、将来は相当問題が出てくると思いますので、調達庁としては、この点については十分親切に取り扱いをしてもらわないといかん。で、水産庁の方も見えておると思いますが、これはもう漁民に対する大きい問題ですから、水産庁としてこれに対する万全の対策といいますか、そういうものが行き渡っておるかどうか、これだけひとつお聞きしておきたい。今申しました調達庁のこれに対する法律案が成立したあとの問題について、それの心がまえとか、そういうことについてちょっとお聞きしたい。これは調達庁長官に。
○政府委員(林一夫君) もともとこの法律は、アメリカの事情に通じない、あるいは風俗、人情も異なるこのような被害者に対して補償の援助をするということが目的であるのでございます。まあそういうような建前から、十分その目的を達するように、親切にこれは協力しなくてはならない、こういうふうに考えております。
○政府委員(林田悠紀夫君) 水産庁といたしましても、九月の十九日に調達庁長官と水産庁長官が都道府県知事に通達を出しまして、十分こういう問題が起きた場合の補償措置について万全の措置を講ずるということをいたしておるような次第で、今後におきまして十分努力をいたしたいと考えます。
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入りますす。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○山本伊三郎君 私は、日本社会党を代表して、本案に反対の立場から意見を述べます。 一昨日と本日の私の質疑の中で明らかにされておるように、いかほど政府が弁解されても、この地位協定第十八条五項(g)項については、日本の国においては、これはもう日本の立場からすると不利益であることは、これは明らかであります。それがためにこういう法律を作って、調達庁がまたいろいろとお世話しなくちやいかぬ。こういう点は、地位協定締結の際に、日本の立場をはっきりと主張できなかった、こういう点にはわれわれは非常な不満を感じております。したがって、今後の運用については、防衛庁、調達庁長官も非常に親切にやると言っておられますけれども、基本的に、やはり新安保条約に伴うこの地位協定については、わが党としては承認できない、こういう立場において私は反対をいたします。
○委員長(大谷藤之助君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ——————————
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔「速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 次に、臨時行政調査会設置法案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。政府側出席の方々は、犬丸事務次官、岡崎行政管理政務次官、原田行政監察局長、井原監察審議官、ほどなく川島国務大臣もお見えになります。以上の方々でございます。 御質疑のおありの方々は、順次御発言願います。
○横川正市君 本法が衆議院の審議段階でいろいろ問題点を指摘されまして、基本的には、社会党もこれを作られることに対して賛成の意を表明いたしたわけでありますから、私も、いわばこの行政調査会法が制定されて、運営上一点の疑義をなからしめるようにいたしまして、少なくとも将来問題の起こらないという、こういう点を確かめる意味で二、三質問いたしたいと思います。 まず、この調査会立法が三十九年の三月三十一日限りとするということでありますけれども、この調査会の持っております複雑多岐、しかも、責任の度合いの重い点を勘案いたしまして、この期間までに大体この調査が終わるという見通しを実際上立てられたのか、それとも、一応の期間として三十九年の三月三十一日までとされたのか、この点をまずお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 御質問の点につきましては、この調査会で取り上げまする基本的事項というものにつきまして、そう数多くやるという考えは持っておりません。きわめて基本的な重要な問題のみを取り上げるという考え方で、三年間、三十九年三月三十一日限りで終了できるという見込みで作っておるわけでございます。実は、通常国会にこの法案を提出いたしまして、通常国会におきましては、未成立のまま、本国会に再提出をいたしたわけでございます。当初の予定よりはおくれて発足しなければならないような事態になっておるわけでございます。したがって、特別の工夫をいたしまして、できるだけこの法律で定められる期間内に終了するように努力する考えでおります。
○横川正市君 私は、この調査会の持っております非常に困難性というものを、当面非常に強く感ずるわけであります。それだけに、また、この調査会は権威と権限を持つ結果になるだろうそうすると、その権威と権限のもとで実際の調査が行なわれるということになれば、調査期間というものは、これは厳重に守られなければならない、こういうふうに、三段論法じゃありませんけれども、考えるわけです。従来の調査会その他の内容を見ておりますと、非常に権威がないままに期間延長がしばしば問題になるわけであります。この調査会に関しては、私は、まずそういうことがあってはならぬという心がまえが心要なのではないだろうか。そこで、この調査の終了する三十九年三月三十一日というのは、相当決意を持った意味で、この期間内に調査を完了する、こういうふうに私どもはとっていいのかどうか。これは局長よりか、長官から聞いたほうがいいのじゃないかと思うのでありますが、ことに困ることは、これは三十九年三月三十一日まであなたが長官でいるかどうかわからぬ。あなたの決意というのは、実はまあ次の長官の決意であり、あるいはその次の長官の決意であると、こういうふうにいかないと、この調査会立法というのは非常にあやふやになってしまう危険があるわけですよ。そういう意味で、少なくともこの期間を制定された以内に責任を持って調査を完了する、こういうことがはっきり言えなければならぬと思うのでありまして、そのことが速記に残って、三年後に私どもがまた審議をするということになった場合に、一体何なんだと、こういうことのないように私はしたいと思うわけですが、その点からもう一度所信をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 国会の御承認を得まして、幸いに設置法が成立をいたしますれば、なるべく急ぎまして委員をお願いしたい、こう考えております。行政管理庁なり総理府が主体じゃございませんで、委員会主体に動くのでありまして、たとえ行政管理庁長官がかわっても内閣がかわりましても、委員会というものは今後二カ年半現存するのでありますから、内閣なり長官なりの異動によって委員会の活動の性格が変わるということはないと私は考えております。それから、むろん三十九年三月三十一日までに調査を完了し、結論を出して国会の御承認を得るようにいたしたいというのが初めからの計画でありまして、その期間内に所期の目的を達するようにわれわれも、努力いたしますし、新たにお願い申し上げた委員の各位にもこの趣旨をよく徹底いたしまして、勉強していただきまして、期限内にできるようにいたしたい、こう考えております。
○横川正市君 その点了承をいたしまして、このお言葉に間違いのないように運営に責任を持っていただきたいと思います。 そこで第二点目は、この委員は、それぞれ委員七名、それから調査員が五十名、そのうち民間人と、それから行政機関職員とがそれぞれ十名と四十名で構成をされるわけでありますが、この中で委員も調査員も非常勤で任命をされるということになっておるわけであります。この非常勤でいいかどうかという問題と関連をして、私は、現在憲法調査会の資料が私どものほうに届いております。非常に積極的な論議を今行なって、その速記録を読ましていただいておりますけれども、その内容の可否については問題にいたしませんが、それほどに同等程度にこれは審議をされるものと、こういうふうに考えていいかどうか。その場合に、この行政機構の現在の複雑性や、それからサービスが非常に衰えている点やら、いろいろ指摘をされて、そうしてそれの改善のためにこの調査会が持たれるわけでありますけれども、この調査員というものを任命をして、そうしてあらかじめきめられたメンバーでもって審議をすることがいいのか、それとも、委員に権限を持たせて、隋時行政官の出席を求めて質問をする、行政官の出席を求められたときには、まあ大体出席をする、こういうような機構上の取りきめをしていくことのほうがいいのではないか、こういうふうにも思うわけでありますけれども、大体この非常勤の調査会委員、専門委員、調査員で事を運ぶということについて、長官としてどのように、お考えになっているのか、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 調査会が成功するかしないかは、全く委員並びに専門委員、調査員の人選のいかんにあるのでありまして、私どもはりっぱな委員なり専門委員、調査員を集めて所期の目的を達したいと、こう考えておりますが、これは時限立法でございまして、専門のこれのみにかかる人を置くということは、人選の上にも相当困難がありますので、やはり非常勤にしてひとつやりたい、こう考えているわけであります。それから、この調査会の一つの特徴は、調査会自体が調査する権限を持っていることでありまして、これはどこかの条文にあるわけでありますが、今お話しのとおり、必要ならば行政府の関係官を呼びもしますし、進んでこっちから出て調査もするという権限を持たせてあります。あくまでもこの調査会は、私どもがリードするのではなくて、委員を中心にして活動し、委員の総意によって新しい行政機構を作りたい、こういう考えなのであります。
○政府委員(山口酉君) 委員が直接行政機関を招致して調査したほうがいいのではないかという御意見でございます。この点につきましては、これは委員自体も、これは委員会としまして調査権を持っているわけでございますので、お話のような運営もおそらくされるものと存じます。ただ、専門事項につきまして専門委員が調査をする、このように考えております。
○横川正市君 実は、私はこういうふうに機構を考えているわけですよ。この七人委員会というのは、これは相当まあいろいろな意味で最も適任者が選ばれるのだと思います。が、しかし、最も適任者を常勤として求めることは困難である、これはおそらくそういう結果になるのじゃないかと思います。そこで、それを補佐する専門委員は事実上常勤職にして、そうして資料の提出、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる項目の中に、各行政機関のスタッフを、これは固定化しないで、常に出席を求められるようにしておいたほうがいいのではないか。というのは、私は、現行の行政機構というのは、もう何回この委員会で指摘しても、どんどんふくらまってくるわけですよ。これはおそらくこの行政機関職員の所掌をしている各役所のおそらく重要なポストにいる人たちが入るだろうと思います。そうしたら、現行ふくらまっていく行政機構を所掌している職員が事実上調査員になって入っていって、一体違った意見を出すことができるかというと、非常にむずかしいと私は見るのですよ。だから、少なくともこの委員というものの任命については、大物をもってこなければいけないから、これを常勤にすることはむずかしい、そうすれば専門委員を、これは私は時限立法でありますけれども、大体常勤と同等程度の取り扱いをして、そうして行政機関の職員その他については、非常に広範に権限範囲によって招致して意見の開陳や資料や説明を求める、こういうふうに機構をしておかないと、これは人情として談合される結果にならないかと心配されるわけですが、ことに委員七名では、大物であっても非常勤でありますし、おそらく相当現役から離れた方だと思いますので、ほんとうの力を持つのは専門委員ということになるわけですから、専門委員が事実上の調査をして、そうして七人委員会というのが判断を下す、こういうふうになれば、そこには人間的なつながりというものは、ある程度なくしておいたほうがいいのではないか。そのためには、常に行政機関の責任者は、呼ばれたら自分の意見を言う、あるいは資料を提出するというようにその機構をしておかないと、運営上、私は結果的にどうも思わしくない結果にならないか、竜頭蛇尾に終わらないか、こういう心配があるわけでありまして、その点の運営をどう考えておるか、お伺いしたい。
○国務大臣(川島正次郎君) 専門委員は、行政機関の職員からよるのじゃございません。一般民間人からお願いをすると、こういう方針になっておるわけであります。ただ、調査員のほうは事務の補助機関でありますからして、一般の学識経験者並びに行政機関の職員、こういうふうにこの法律にも書き分けてあるわけでございまして、委員は、行政機関の中からよるという意味ではないのでございますから、今の御懸念のようなことは万あるまいと、かように考えております。これは七条と八条でもってはっきり使い分けをしておるのでございます。
○横川正市君 山口さん、それでいいんですか。
○政府委員(山口酉君) 大体横川先生の御意見のような運営になるつもりで構成しておるわけでございます。実は、専門委員というものが中心になって活動をいたしますが、これはただいま大臣から御説明がありましたとおり、外部の方にお願いをしなければならぬと思っております。しかも、これは相当高い程度の専門家を選び、これに手足となって作業的な事務をいたしますものは、これは常時必要でございますから、その専門委員みずから使いたいという人のほかに、行政管理庁その他の職員を作業要員につける、これが調査でございます。それで、この専門調査員が中心になって調査を進めまして、そのやり方としましては、横川先生の御意見のように、調査権を持ちまして、各省の人たちをそれぞれ必要に応じて招致する、あるいは必要な資料の提出を求めるというようなことで調査を進めていく、このように考えております。
○横川正市君 この形からすると、私は、この中で委員が七名選ばれて、それから専門委員が十五名で、大体五部会設けられて、それは学識経験者の中から選ばれる、ここまでの中で、少なくとも私どもの考えることは、一つの調査会の中心をなすものと、こういうふうに見るわけですよ。 そこでその調査員というのは、これは事実上は、そうすると民間人から十名とか、それから行政機関職員から四十名というのは、これは現在の行政府の中で主要なポストにある人たちではなくて、いわゆるビジネスマンで有能な人を選出する、こういうふうに考えるならば、事務機構の強化、こういうことになるわけです。ところが、そうではなくて、現行行政機関に携わっている者をこの中に入れるということになると、私は委員会それ自体が非常に権限は持っておるのに、その権限は逆用される力がここに出てこないかというふうに心配をするわけです。その点を指摘しておるわけなんです。
○政府委員(山口酉君) その点につきましては、私どもの考え方も全然同一でございまして、この調査員は各行政機関を代表したような人たちを集めるということではございませんので、これは作業を、担当されるというつもりで、作業的に有能な人を集めたい。ただ、できるだけ経費を切り詰めて実施するという関係で、こういう方々を、現実の問題として、全然行政機関外から求めるとしますと、時限立法の関係もあり、非常に困難も伴うし、なかなか有能な人が得られない。そこで、まあ兼務の形で有能な作業要員をつける、これが調査員でございます。ですから、横川先生のお考えになっているような趣旨で構成しているのでございます。
○横川正市君 その点了承いたします。 三つ目の問題でありますが、これは先に公務員制度調査会のような組織が作られ、あるいは、また、それに付随する委員会等も構成をみているわけでありますが、一番問題点になるのは、これは私は、この委員会が、おそらく人によっていろいろな形のものに変わるのではなくて、最高の結論が、だれから見ても異論のないものとして出される。これはまあ抽象的でありますけれども、実は抽象的に言わないと、非常にいろいろ理屈をつけなければいかぬから抽象的にいいますけれども、委員会の結論は、だれから見ても異存のないものだといわれるような結論を出す、これが最終目的でなければならぬというふうに私は思うわけであります。そのことは、行政をある程度簡素化され、それから権限その他についても、最も国民にサービスのできるような改正が必要になってくる。だから、結果からすれば、機構は、権限の中にその機構があるのではなしに、それが統一されることによって国民にサービスが十分に行き渡る、こういうふうに機構が改正されなければいけない。いわば一言にしていえば、官庁の民主化をしなければならないということになるのだろうと思うわけであります。そこで問題になるのは、そういうものが出てきたときに、現行の行政機構と、それとをつき合わせて、そうして新しい機構に変えるというときに、必ず問題として起こってくるのは、要員問題であるとか、あるいはそれぞれの身分の問題であるとか、配置転換の問題だとか、いろいろの問題が出てくると思うのでありますけれども、そういうようなものにまでその委員会は触れるのか、それともすっきりと割り切った意見だけがこの委員会として出されるのか、そのいずれを期待されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 御意見のように、調査会は七人で構成されておりますが、まあ非常に一般の調査会等から見ますと少人数でございます。もちろん十分この七人の方々で討議をしていただいて、こういう調査会の性格といたしまして、従来一般に運営されておりますように、皆さんの御意見の一致したものを求めていくという運営の方法になるのが最も自然であると考えております。機構の改革等につきましてそういう問題が出て参りました際に、それを具体的にどういうふうに扱っていくべきかということについても、おそらくはただ理想を掲げるというだけでなしに、専門調査員等も配して専門的な調査をすることでございますので、その具体的な実施の方法についてもやはり討議されることと存じます。また、その結論も出されることと存じますが、ただ、その結果を扱うにつきましては、先般来国会におきまして申し上げてありますように、行政整理の問題でありますとか、公務員の身分の変更の点でありますとかいうことにつきましては、そういう従来申し上げましたような趣旨で政府といたしましては取り扱いをいたしたい、かように考えております。
○横川正市君 具体的な問題で二、三それに関連してお聞きいたしますが、たとえば行政機関が、事務の急激な増加に伴うとか、あるいは運営上たとえば分割したほうがいいとか、そういうような事態が起こってきているところについては、これはこの委員会の結果としては、分割をするということもあり得るのか、それとも、またその逆に統合をすると、こういうこともあり得るのか、そういうような問題までも論議をいたしますかどうか。それとも、現在ある姿のまま簡素化をし、サービスが改善される、こういうふうに審議をされるのかどうかその点はいかがですか。
○政府委員(山口酉君) この調査会の趣旨が、第二条で明瞭にいたしておりますとおりに、行政の全般的な検討を行ないまして体質を改善していきたいということでございますので、その調査されました結果を今からこまかく予想することはできませんけれども、相当機構的にも変更を加える必要があるものがおそらくは指摘されることと存じます。まあ統合とか、あるいは分割するということも考えられるわけでございます。趣旨といたしましては、行政の体質改善、全般的な運営を能率化するというところに重点がございますけれども、しかし、やはり運営だけにつきましては、やはり限度がございますので、所期の目的を達成するためには機構の変更にも及ぶということがあり得ると存じます。
○横川正市君 それはどの程度かということで、ひとつ具体的にいいますが、たとえば労働とか厚生とか警察制度とかを入れて、自治省を昔のような大きな役所にするのか、内務省のような格好にするということも考えられるのか、あるいは小さいことでいえば、中ぐらいな統合といえば、電通と郵政省とはメモランダムで分割をされましたけれども、しかし、同一企業であるという性格を持っている企業であるというところから、これはもとの性格に返した方がいいとか、簡素化の意味でです。あるいはまた一省でいってみれば、郵政のようなところは、関東の郵政局なり、あるいは東京の郵政局なりというような、事務増その他によって分離したほうが実際上の経営がうまくいくとかというふうにいわれるのか。まあ大、中、小取りまとめて三つの具体的例を出したわけでありますが、そこまで突っ込んで話される点ですね、これは私は、ここから離れてしまうと、七人委員会の考え方で、とてつもないことが出てこないかという懸念をする必要はないかもしれませんけれども、これはおそらく七人委員会の意見にほとんどまかせきりになってしまうう、あるいはそれに権限、権威を持たせるということになりますと、相当国会での論議も激しくなる、まあこういうことになりますので、どういうような規模のものくらいならば大体話されるだろうくらいの点だけは明らかにしておいていただきたい。
○国務大臣(川島正次郎君) 現在の行政機構が多岐複雑になりまして、国民に非常に不便、迷惑をおかけしておるのであります。その点は共管事項が多いということであります。一つ許可、認可をするにしても、各省各庁にまたがるということ、それぞれの話し合いがつかなければ認可ができない、それがために認可、許可もおくれがちです。また、責任の所在も不明確であります。それで、こういうことをひとつ根本的に考えまして一本なものにしたい。したがって、部局の統合分離等も当然起き得るわけであります。これは当然やらなきゃならぬことがあろうと思います。たとえば港湾行政一つ見ましても、運輸省と建設省と両方でもって所管を持っているのであります。常に両省で争うために、なかなかうまくいかない、事務が非常におくれる。これをいかにして港湾行政を一体にしていくかということを研究しなければならない。今お話のように、省を統合するとか新しい省を作るとか、大きな統合、中の統合、小さい統合とお話がありましたが、まあそういうことまで一々考えているのではございませんので、根本的には各省のセクト主義というものをなくなして、共管事項というものを整理して責任体制をはっきりしようということが一つのねらいでございますから、そういう意味での統合、整理はあり得ると思っております。
○横川正市君 そうすると、たとえば水の問題が出たときに、それぞれの役所がまあ権限争いをする、そういうようなことのないように、水は建設だとか、あるいは厚生だとかいうふうに、水の問題については、もう一つの役所で全部やれるのだと、こういうふうにやるのか、それとも、一つの問題が出たら、必ずそれには幾つかの役所が関係しているから、大体同じような性格のものならば上を一本にして、そうしてそれぞれの所掌を分割しておいたほうが非常にまあうまく行政が動くじゃないか、こういう見方と二つあるわけですよ。私は、大臣の言うように、現行のあるがままの姿の中で行政を簡素化するのか、それとも、もう一歩進めて、省の統合等も考えて行政の簡素化というものを考えるのか、この点が明らかになればいいわけですよ。両方含まっているように山口さんはまあ言うわけですが、その点をちょっとお聞きしたいわけです。
○国務大臣(川島正次郎君) 私は、まあこれからどういうふうに行政機構が変わるか、調査会の審査の結果でありますからして、今から申し上げにくいのでありますが、今お話した両方の面が出てくるのじゃないか。水の問題にしましても、各省なかなか主張がございまして、今度御審議願っておる公団を作るにしても、長い間かかってようやくまとめて、しかも、あれができてうまくいくかというと、私そう考えない。やはり各省でもってそれぞれ権限を持っているのでありますから、そういう場合に水行政というものは一木の役所でまとめるのか、それとも、違った方法でもってお互いのセクト主義というものを排除するような形でできるのかどうか、そういうことを研究してもらうことが今度の調査会の目的でありまして、あらかじめ私どものほうがこういうふうにしてもらいたいのだといって調査会にお願いするのではなくて、調査会の創意工夫によって新しい行政機構を作りたいということなのであります。
○横川正市君 そこでまあ問題になるのは、行政機構をいじる場合に、幾つかの意見があってなかなかまとまりにくいということが出てくると思うのです。そこでまとまりやすいということになれば、人の問題からまず考えるべきである。この点でこの七人の委員を選ばれたり、専門委員の十五人を選ばれたり、民間から十名の学識経験者をお選びになる場合、おそらく私は、行管としてはいろいろこのお願いをするのに苦労をされるのじゃないかと思う。その苦労が今言ったような問題で、たとえば水だからいいけれども、内務省のようなものが設置されるような結論が出たときには、当然国会では混乱をいたしますね。あるいは防衛庁を防衛省にするというような問題が起こったときにも混乱いたします。しかし、そういうようなものが事前に委員会の中で消化されるのには、人の構成ということになるわけです。この構成の問題には、大臣としては腹案を持たれておるのですか。それとも、腹案はなくて、この調査会立法ができてからいろいろ検討してみて適当な人を選ぶということなのですか。それとも、人選については、もっと与野党間それぞれ話し合いの場所等を設けて、そうして将来紛争の種になるような、そういう答申の出る一方的なものにはしない、こういうふうにお心がけになるのか、その点をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 個々の人選については全く考えておりません。ただ、根本の方針としましては、各方面の有識者の人にお入り願いたい、一方だけを代表する人で固めないで、各方面を代表するような人をお願いしたい、こう考えております。そうするほうがいい、案を得られましょうし、また、できた案を実行する上においても、有力に推進ができるわけでありますから、そういうふうにただいま考えておる次第であります。
○横川正市君 私は以上で質問を終わるわけでありますが、一番初めに申し上げましたように、この調査会設置法が理想を持って生まれたけれども、竜頭蛇尾に終わって、いつの間にか権威を失い、委員会は霧散してしまったということになりますと、この目的は達せられぬことになるわけですから、目的を達するということになれば、これほど困難な仕事を請け負われる人には非常に気の毒だというくらいにこの問題は困難だということになるわけです。少なくとも、私どもはこれの成功を期待するわけでありますが、まず当初生むときにどれほどの困難がありましても、生む悩みをまずなめて、そのことが将来結果的によかったと、こういうふうになるようにまず心がけてもらって、そうしてこの調査会の発足をしていく、こういうふうにしていただきたい。 それからもう一点は、現行の官庁機構というのは、これはあだやおろそかのものではないと思うのです。これは大臣がお考えになっていられるとおりに、非常に困難、複雑、しかも、いろいろな権限が分割、分離されておりまして、これほどむずかしいものはないと思う。そういったところの現状にとらわれて、結果が非常にまずくなる、こういうことにならないような運営をぜひやってもらわなければならぬ。この点を最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 横川さんのきわめて適切な御意見であると思いますので、そういう点も十分尊重して人選を適当にやりたい、こう考えております。
○伊藤顕道君 前回に引き続いて長官にお聞きしたいと思いますが、時間がありませんから、一、二点にしぼって以下お伺いしたいと思いますので、簡単にお答えいただきたい。 この前もお伺いしたのですが、なお納得いかないのは、行政機構運営を簡素化、合理化するということになると、当然に人員に過剰を生ずる。そこで、政府のお答えでは、人員整理は行なわないといっておるわけですが、そこのところがまだ納得しがたいわけです。なお、ある程度の人員を整理すれば、残った公務員の労働強化ということが理論上当然出てくるわけですね。こういう点についてまだ納得のいく解明をいただいていないので、この点をさらにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 調査会のねらいは行政の簡素、能率化でありますが、それが直ちに人員整理に結びつくとは私ども考えておりません。現在行政部内をずっと見ますと、非常に忙しいけれども人員が少ない、ひまだけけれども人が多いという、いわゆるアンバランスが非常にありまして、そういう地ならしは相当やらなければならぬかと思いますけれども、しかし、公務員を整理をして、公務員の既得権利を奪ってその生活権を脅やかすようなことは絶対にすべきことでもないし、また、この調査会のねらいでもございません。ただ、今後とも当然やることでありますが、特に来年度の予算編成について考えているのですが、毎年各省とも公務員の数が非常にふえて参ります。現に三十七年度の予算要求では一般公務員四万六千人増員の要求があります。こういうことはなるべくひとつ今から認めないで、公務員が自然にふえることはなるべく押さえていきたい、こう考えておりますが、従来ある公務員の定数を減らすというようなことはこの調査会の目的でもないし、またそれをやるつもりもないのであります。ただ、先ほど申し上げた配置転換等は、これはまた起こるかもしれませんけれども、人員整理のことは全然考えておりません。
○伊藤顕道君 人員整理については、しばしば長官言明されておるので、それを極力信頼したいと思いますが、ただ、問題がさらに残るのは、将来業務が増加していく、しかし、増員は行なわないということになると、これはどうしても労働強化になるのじゃないか。増加する業務には、それ相応の人員が必要なわけです。その増加する業務に対して、人員はふやさない、こういうことになると当然残った人で増加業務を担当しなければならぬ。そういうことになれば労働強化ということが理論上当然出てくるわけです。この点について解明していただきたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 今までのやり方ですと、行政機構はそのままにしておいて、事務量のふえただけ人間を増していく、こういうやり方ですからして、ただ人員がふえる一方なんです。それで行政機構というものを根本的に変えまして、もっと簡素化して役所の仕事の量というものを減らす。たとえば認可、許可事項等も整理して、非常に減らしてくるということになれば人員はそうふやさなくても間に合うのであります。今までのとおりにやっていきますと、今までの行政機構ならば仕事がふえる一方でありますから、それに従って人員の増加は当然伴うのでありますけれども、行政機構のやり方を変えれば、人員増加はしなくても、役所の仕事は完全にいくし、また、一般国民に対しも便利を与える、こういう考えに立っております。
○伊藤顕道君 なお、行政機構並びに運営の簡素化、合理化については、今回が初めてでなくして、戦後相当に政府としても手を打っておられたわけです。ちょっと調べてみますと、戦後だけ拾ってみますと、臨時行政機構改革審議会、行政機構刷新審議会、行政制度審議会、行政審議会、さらには臨時公共企業体合理化審議会、こういうふうに、各種の審議会が、十数回にわたって学識経験者を集めて貴重な答申を繰り返してきたわけです。にもかかわらず、今日あまり成果は上がっていないわけです。そこで今度の調査会という運びになったと思うわけですけれども、ただ、どうして成果が上がらなかったということ、那辺にその原因があったかということを解明しないで今度調査会に入っても、また同じことを繰り返すのではなかろうか。したがって、どこに一体原因があったのか、こういうことが一番大事だと思うのです。そういう反省の上に立って今回の調査会を進められていかなければ、とうてい所期の成果は期しがたいと思うのです。この点を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(川島正次郎君) 従来の行政機構の改革を見ますと、行政機構の根本方針は変えない、ただ部局の整理をする、あるいは人員整理の場合にも、パーセンテージでもって各役所の各部局に割り当てて天引式にするということでありますから、幾年か後にはまた元に戻る、こういうことになるのでありまして、それでは目的を達しませんので、今度は行政機構の体質を根本的に変えようということであります。それで、前にも各役所の不必要とみた課を相当多数廃止したのでありますけれども、それが今日では過半数は元へ戻っている。しかも、その戻り方が、課を廃止したときに課長をなくなして、課長のかわりに参事官とか審議官とかというものを置きました。いつか課長ができて、課長を廃止したときできた参事官、審議官をそのまま置いてありますから、結局は人間が膨張した結果になったというようなことでありまして、それでは目的は達しないのでありまして、行政の根本を変えよう、従来と全くやり方を変えようということが今度の調査会の考え方であります。従来は、ただ人員整理にしても、按分比例によって各省から天引きするということでありましたが、そういうやり方はしないのだ、必要のときにはふやすのだけれども、必要のないときにはふやさない、不必要のときは減らして、必要のところにこれを配置転換させる、こういうことが必要だということを考えているわけであります。
○伊藤顕道君 時間がもう参りましたから、最後に一点お伺いしますが、今お話のように、基本的な考え方から根本的に改革する、そういう考え方はもちろん正しいわけですが、ただ、幾つかの審議会等が設けられて、行政の機構、運営の合理化刷新等、こういう点を企画したにもかかわらず、成果が上がらなかったことについては、私どもはこう考えるわけです。やはり政府首脳の各行政官庁に対する統制力の不足があったのではないか、あるいはまた各官庁の、それぞれの抵抗があったのだ、たとえば勧告をやっても威令が行なわれない、こういうことも相当反省の中から出てくるのではなかろうか、そういうふうに考えられるわけなんです。こういう点についてはいかようにお考えになって、いかように反省し、その反省の上に立って今回の調査会を活用しなければならぬ、そういうふうに考えるわけです。こういう点についての態度をひとつ明らかにしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 確かに従来の行政機構の改革の場合に、何といいますか、官僚機構といいますか、そういうものの抵抗がありまして、いろいろ壁にぶつかってできなかった場合もあります。今回は政府と国会の方々の御協力を得て、また、世論の支持を得て、一体となりましてひとついわゆる官僚機構の壁というものをぶち破って目的を達したいと、こう考えております。ただ政府だけで旗を振らないで、広く国民にも呼びかけるし、ことに国会の皆さんの御協力を得まして、与野党を問わず、御協力を得て前進させたい、こういう考えを持っておるわけであります。
○鶴園哲夫君 前回フーヴアー委員会との関連におきまして、さらにまた十回ほどにわたります戦後のこの種各種委員会等の答申等の経過から、私どもが心配いたしておりますことにつきまして種々伺ったわけでありますが、続きまして、若干残りました点を伺っておきたいと思います。 それは、一つは公務員の能率を増進する、あるいは奉仕の向上をはかるというのがスローガンです。また、本調査会のねらいの一つになっておるわけでありますが、私は、今の官庁におきまして能率を増進するという、そういうマネージメントの原理、あるいは能率の原理というものを役所に一体適用して効果があるものかという点について、実は疑問を持っているわけであります。それは言うまでもなく、官庁の組織というものは、政策を立案する種々の情勢あるいは材料等を把握し、その判断の上に立ちまして政策を立案する、法律案を作る、予算案を作る、財政的なそういうものを作るというようなことが大きな仕事になっているわけであります。で、大体通常国会が開かれますと、それで手一ぱいであります。そうして三月に予算が上がる、そうして法律案、政策案その他が、大体六月ごろ上がる。そうしますと、もう七月には翌年の政策、あるいは法律案なり、あるいは予算を作っていかなければならない、こういう形になっていると思います。したがって、そういうところに対して、能率を向上するとかいうような原理というものは、一体当てはまるものかどうか、むしろ逆効果があるのじゃないかという私は感じを持っている。したがって、私としましては、そういうような、能率を向上する、あるいは奉仕を向上さしていくという場合におきましては、従来長い間の役所の慣行でありますところの、官が統治しているという長い間の経験、あるいはその伝統というか、官治主義というものからやはり脱却していかなければ、能率の問題というものは、現実の問題として場所を得ないのじゃないかというふうに思っております。つまりきまった政策を実行する、きまった法律を施行する、きめられた予算を執行する、こういう役所でありますれば、能率の向上とかいうものもその場を得ると思いますが、今の役所の場合には、なかなかそれがなりがたい。したがって、アメリカなりイギリスと同じようなふうに、やはり公務員の今の全体の動きというものを変えなければいけない。同時に、これは立法府の強化、あるいは政党の強化というものと伴っていかなければ、この問題はなかなか前進しないのであります。一般によく能率だ能率だというふうにいわれるのでありますけれども、私そういう疑問を持っておりますので、その点について、専門である山口局長でもよろしゅうございますが、伺っておきたいと思っております。
○政府委員(山口酉君) 御意見のとおりに、企画官庁における、特に日本の企画官庁における能率の向上の問題については、非常に困難がございます。民間のオフィス・マネージメントの理論と申しますか、そういう経験というものを直ちに持ってきて役所に適用するということは、その行政と企業との差という本、質的な問題がございまして、非常に困難がある。そこで、やはり役所には役所に適する方法というものを特別に研究する必要があるわけでございます。しかし、実際には、民間の企業におきましても役所におきましても、これは一つの組織活動でございますので、やはり組織の活動としての共通的な面も相当ございまして、すべてこれは適用外だという程度のものではないと存じます。民間で相当最近オフィス・マネージメントにつきましても研究が進んでおりますし、実践の経験も積んでおりますので、そういう経験を土台にして、これを行政部面に適用するという研究の余地はかなりあるものと考えておりますが、今度の調査会においては、そういう適任者の方々を専門委員にお願いして、ひとつ十分検討していただきたいと思っております。もちろんこの現業的な部門、あるいは直接国民に接触いたします窓口的な第一線業務につきましては、相当やり方によりまして能率的になることが考えられるわけでございますが、企画的な官庁においては全然できないかと申しますと、まあ企画官庁の業務といたしましても、やはりその仕事の前後には、相当作業的な面があるわけであります。たとえば資料を整備する仕事でありますとか、あるいは計算事務とか整理の事務とかたくさんございまして、そういうものをうまく総合使用することによって企画事務も能率的になるわけでございます。一般的に、どうも企画官庁には能率向上なんということは考えられないという議論も行なわれておりましたけれども、最近では、大体企画官庁等においても、非常に困難な面はございますけれども、しかし、相当可能な面も多いということをいわれておるのでございます。そういう点について十分今度の調査会で検討をしていただきたいと考えております。 それから、立法府の問題というような非常に大きな問題も、もちろん国の行政全体を能率化する上において重要な要素をなすと存じますが、今回の調査会につきましては、政府の責任といたしまして、でき得る範囲内でできるだけの努力をいたしたい、このような考え方で、国会御自身御検討になるということはもちろん望ましく考えておりますけれども、この調査会におきましては、政府自体がみずからやるべきことをまずやろうという考えで計画いたしておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 この問題につきまして、ただいま企画官庁という形で、非常に限られたところが企画的なことをやっておられるような御印象のように受け取れるでありますが、私はそう見ていないわけであります。少なくとも、係長から係員を含めまして、そういうような実情にあるわけであります。全組織をあげて予算を編成する作業に入る。それはいろいろなデータを調査し、あるいは情勢を判断して、そうして予算を作る、あるいは政策の——きわめて限られておりましょうが、そういうものを作って、それが積み重なって課に統一をされ、あるいは局に統一をされ、省に統一をされるという形で運営されているわけであります。しかも、その仕事がほとんどを占めるというのが一年間の仕事だと思うのです。きまった法律の施行なり、あるいは予算の執行なりという面についての力というものは、これは御承知のとおり、公務員の全体の力からいいますれば、それは二割か三割くらいの力じゃないいと思うのです。その意味で非常に問題があるというふうに私は思っております。しかし、この問題で今ここで論議をしようと思わないのです。 次にもう一つ、この間も伺ったのでありますけれども、従来の経緯から見まして、ことに戦後を取り上げてみますと、戦後の経緯から見て、簡素化するのだ、あるいは能率を高めるのだということが、結局技術的な公務員の管理面というところに陥ってきたのじゃないか、それ以外にどうもできなかったのじゃないか。で能率の向上なり、あるいは簡素化なりというものについて、行政組織の改善、行政運営の改善というものについては、ほとんど行なわれてきていない、戦前と全く同じといってもそう過言では私はないと思うのです。その意味では戦後十数年にわたりましたこういう意味の政策というものが失敗をしてきている。今回こういうような形で、公務員の技術的な管理面というものじゃなくて、あるいは公務員制度というものによる能率化ではなくして、従来失敗をしてきたところの行政組織の改善、あるいは行政運営の改善というところに根本を置いておやりになるということでありますので、私どもとしましても、その点については賛意を表するものであります。しかし、これは過去十回にわたる答申の経過から見まして、この点なかなか私どもといたしましては、おっしゃるとおりに、そうかというふうに受け取れない面があるわけであります。またもやきわめて技術的な、技術管理面に堕するおそれがあるというふうに私は思っております。その立場から特にここで指摘をいたしまして、行政管理庁の注意を喚起し、今後の善処を求めたいと思っておるのでありますが、これは最近こういう単なる技術的な管理面というものが強化されてきておる傾向があります。それに多少拍車をかけておりますのが官庁と、中にあります組合との関係であります。それぞれ組合がありまして、それぞれまた不満があり、不平があるわけであります。そういう場合に、ややもしますと官庁的なものが入る、あるいは権力的なものが入る。したがって、これが技術的な管理の強化という方向にどうしても流れてくる。特に近年そういう傾向が強い。しかも、労務管理に必要であるということでありますと、一ぺんに局によっても何百というようなポストが安易にとれる、労務管理という形でポストがとれるというようなことから、さらに一そうそういうような雰囲気を、私は盛り上げられておるように思うのです。したがって、今後の能率の改善なり何なりというふうにおっしゃいますが、そういうところに従来陥ってきたし、今後も陥るのじゃないかという懸念を深くしておるものであります。しかも、それらはいずれも何らの効果をも生んでいない。たとえば、あまり長くなりましても恐縮でありますが、一つは勤務評定というものがあります。一体この勤務評定というのがどういう方向をさしておるか。私は、能率が上がって、能率をどんどん高める者は地位が上がってけっこうだと思うのですが、そういうような官庁では毛頭ないわけです。今やられております種々の技術的管理面というものは、すべて官庁の中におきますところの学歴の極端な尊重というようなことで頭を打って、何らの効果はない。むしろ、より一そう公務員の中に非常な憂うつさと不平さを持ち込んでおるというふうに思っております。私は従来からの経緯からいって、そういう方向に陥る危険性があるという点から、再度重ねて長官なり山口局長の御意見を伺っておきたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 御指摘のとおりに、従来、組織運営が改善されなかったという事実がございまして、まあ能率の問題といいますと、結局、すなわち公務員の問題であるかのごとくとられておった点はまぎれもない事実であると思います。しかし、やはり従来、組織運営の改善につきましても、かなり指摘はされておるわけです。ただ従来、各種審議会、調査会等で指摘をされましたものを振り返ってみますと、やはりそれが実際にうまく改善されていかなかった原因があるように思うのでございまして、非常に抽象的に理想的なものをうたっておりますけれども、これを根拠づけるところの理論が十分でございませんし、さらにそれを、それでは具体的にいかに改善すべきかという、改善についての具体的なそれぞれの組織の態様に応じた指導的な指針が与えられていないわけです。判こが多過ぎるとか、あるいは責任範囲が不明確であるというような、非常に抽象的なことだけを指摘されておりますので、これを非常に錯雑な行政の各組織の中で具体的にどう改善するかということになりますと、ただいたずらに議論を生んで実効が上がらなかったというような点を反省しておるわけでございます。そこで今度は、単に公務員のために能率が悪いというようなことではなしに、組織運営が悪いために能率が上がらない面が非常に大きいという従来からの御指摘の線に沿って、それをさらに具体的にどう改善すべきか、責任体制を明確にするということであれば、かような組織においては、その責任体制というものはどういうふうな工合に改正するのが一番いいのかというようなことを、従来のまあ官庁のみならず、民間でもいろいろ経験がございますので、そういう方面の組織に関する専門家に御依頼をいたしまして、そして官庁でも役所のほうでも、非常に仕事の内容、性格が違っておりますから、それぞれ違った性格に応じてどういうふうな具体的な姿をとるべきかというような点を、特に今度は重点を置いて研究していただこう、このように考えておりますので、まあ御指摘の線と非常に一致しておると思うのでございますが、従来、公務員の仕事のしぶりとか、あるいは公務員の身分的な管理ということに能率の結果を求めましたけれども、そういうことでなく、今度は組織運営の方法というようなところに視点を変えまして、この点を十分検討いたしたい、かように考えております。
○鶴園哲夫君 私は、ここでもう一ぺん学歴の問題について申し上げておきますが、これは前の内閣委員会でも、給与のところで問題にいたしましたのですが、今回人事院が、民間の三等級あるいは三等級、つまり局長級、課長級という学歴を発表いたしました。その学歴を見ますというと、局長級の大体三分の一が大学出、それ以外は大学を出ていない。課長級でいいますと、圧倒的に大学を出ていない者が多いのであります。で、官庁におきましては、こういうことは夢にも考えられないわけでありまして、入ったときから、すでにその地位というものがきまっておるわけであります。よほど気違い病院に行くかどうかしない以上、大体きまっておるというのが今の官庁のやり方だと思っております。そういうところで能率を上げろとか、あるいは精一ぱい仕事をしなさいと言ってみたところで、これは始まらないことじゃないかというふうに私は常日ごろから思っておる一人であります。したがって、そういう面の打開というものが、はかられない以上、なかなか能率の向上というのは困難じゃないかというふうに思っております。なお、これらの学歴の問題等につきましては、戦後におきましては、学歴というのは、これは資格ではないわけであります。また、上級職、中級職、初級職という公務員試験をやっておりますが、これらはいずれも資格試験じゃなくて、国家公務員法でいいます採用試験であります。しかし、これはいずれも資格というふうにはっきり位置づけられておるように思われます。慣習として位置づけられておる、学歴は単に経歴であります。公務員試験は、これは採用試験であります。ですが、官庁の中における学歴というものはたいへんな尊重、そういうところで、能率を上げればどうだこうだ、よくなるのだという話をしてみたところで、入ったときから行く末はきまっておるのですから、そういう点の打開がない以上、私は、公務員に対して能率向上をいわれましても、これは単なる念仏にすぎないのではないか、公務員にとっては馬耳東風だというふうに言いたいわけです。ですが、これは長い間の七十年、八十年にわたります官庁の中における制度であって、戦後これはなくなりましたけれども、依然としてこれは維持され、さらに近年強化されつつあるという実情でありますが、これを打開していく、あるいはこれを取り除いていくという、そしてその職場の中に自由な競争という考えが出てこない以上、私は、公務員に対して能率向上だとおっしゃってみても、馬耳東風ではないかというふうに思っているわけです。この点についてひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 学閥を打破いたしまして、人材本位に人を登用しょうという考えは、まことにそのとおりでありますけれども、今度の調査会はそこにはねらいがありませんで、行政機構の問題であります。今のお話は、公務員制度として考える問題だろうと考えます。私の考えているこの調査会におきましては、それには触れないでもって、行政機構だけを取り上げて検討いたしたいと、こういうことなんであります。しかし、お話はわれわれも常に痛感しているところでありまして、ごもっともの点であります。これは別の角度から、また別の方法でひとつその問題は取り上げて検討する必要があるかと思います。この調査会では、それは取り上げる範囲ではないと思います。
○鶴園哲夫君 今の長官の説明に対しまして、確かに今回の調査会は、公務員制度の問題について触れられないという点を前回も答弁しておられますし、そのように要望いたしますが、そのようにひとつ運営されるように希望いたしますが、ただ私、学歴の問題を出しましたのは、これは公務員制度ではないのじゃないか。これは単なる過去からのいきさつなりあるいはそういうような残滓にすぎないのだという感じを持っているものですから特に出したわけですけれども、確かに、もしこれが、おっしゃるように、公務員制度ということに関係があると問題になりますがそうではないと思っておりましてお尋ねしたわけですけれども、公務員制度にお触れにならないということで、私どもとしては、その点については賛意を表し、今の問題については、ひとつ制度とは別だというお考えをもちまして御努力を願うようにお願い申し上げておきたいと思っております。 以上をもちまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 それでは、これより討論に入ります。山本伊三郎君から、委員長の手元に附帯決議案が提出されております。本附帯決議案については、討輪中にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、原案並びに附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
○山本伊三郎君 私は、本案に対して、次の附帯決議を付して、賛成の立場から若干意見を申し上げたいと思います。 両日にわたる本調査会の質疑の中で、大臣からるると説明があり、答弁があったのですが、特に官僚組織の打破、こういう点に力を入れて答弁されたことについては、わが党もこの点については賛成であります。さすが大臣の経歴からいって、大胆卒直に言われたことについて、私は敬意を表したいと思います。しかし、実際問題として、長い閥官僚統制になれた日本の行政機構というものは、そう簡単に官僚組織というものが打破できないと思うのです。したがって、本調査会が設置されて、これが運用にあたっては、その点にひとつ重点を置いてやっていただきたいと思います。 なお、附帯決議を先に朗読いたします。 臨時行政調査会設置法案に対する附帯決議案 本調査会は、行政制度及び行政運営の改善に関する極めて重要な目的をもって設置せられた趣旨にかんがみ、政府においては委員の人選にあたっては超党派的に公正を期し、更に重要問題についての審議に当っては全会一致を原則とすること。なお、本法案審議の過程において政府の言明せる通り公務員の人員整理、並びに公務員の身分変更を行なわないこと。 右決議する。 この決議に現われておりますように、また、大臣もたびたびこれについては答弁をされております、が、いわゆる公務員制度、公務員の身分、人員整理というものとこの本調査会とは、全然無縁のものであるということがはっきりと答弁されております。また、政府の立場もはっきりしておりますので、私は、本案についてはなお疑義の点もあります。わが社会党においても、この点については衆参においていろいろ論議をいたしましたが、問題はありますけれども、大局的立場に立って、先ほど大臣が言われましたように、日本の行政機構の弊害の第一である官僚組織を打破するのだ、こういう点にわれわれは賛意を表しまして本法案に賛成すると同時に、附帯決議を提案した次第であます。
○塩見俊二君 私は、自由民主党を代表いたしまして、臨時行政調査会設置法の原案並びに山本君からただいま御提案になりました附帯決議に対して、賛成の討論を行なうものであります。 本調査会は、行政制度及び行政の運営につきまして根本的な検討を加え、そうしてこれを改善しようという、まことに重大な使命を持って設置せられたものであると考えるものでありますす。ただいまの審議の過程におきまして、長官からはその重要性を強調せられ、また、非常に力強い御決意のほども承っておるわけでありまして、どうかこの調査会が十分にその機能を果たせられまして、りっぱな成果をあげられ、その成果が具体的に行政制度、また、行政運営に実現をするように善処方を特に要請いたしまして、私の賛成討論といたします。
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。臨時行政調査会設置法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました山本伊三郎君提出の附帯決議案を議題といたします。山本伊三郎君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 多数と認めます。 よって山本伊三郎君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、川島国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(川島正次郎君) 附帯決議の御趣意は、しばしば私が当委員会で言明した内容と一致しておるのでありまして、今後調査会の運営にあたりましては、附帯決議の趣旨に従いましてやるようにいたします。
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 ——————————
○委員長(大谷藤之助君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。 政府側出席の方々は、福永国務大臣藤枝防衛庁長官、入江人事院総裁、瀧本人事院給与局長、増子公務員制度調査室長、小野防衛庁人事局長、松浦行政局公務員課長、以上の方々でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 前回の質疑に続きまして、残りました問題について御質問申し上げたいと思います。 前回は研究職の問題を取り上げておったのでありますが、この研究職の問題につきましてまずお伺いをいたします点は、研究補助職であります。現在の研究職薄給表の七等級、六等級、ここに研究補助職という名前が使われておるわけでありますが、この研究補助職が種々問題があるという点であります。それは、これが考えられました昭和三十一年前後のころから今日まで六年くらいの年月を経ておるわけでありますが、この間にこの研究補助職という考え方が固定されたという点から種々問題が起こっておるように思っております。つまり五、六年の間におきます研究施設の非常な高度化なり、あるいは近代化というものに伴いまして、この研究補助職の勤務というもの、あるいは仕事というものが非常に変わってきておるという点は、これは否定できないことだろうと思っております。したがいまして、この研究補助職の問題について、これはいつまでも研究補助職でいいんだ、大体研究員よりも一つ低い段階で、六等級、七等級のところでいいんだというような固定した考え方ではなくて、もっと現状に合った、さらにこれから新しく近代化し、さらに高度化していく試験研究施設というものに沿ってこの補助研究員というものを考えていく必要があるのではなかろうかと思っておるのです。のみならず、このような状態の中で研究員と研究補助職というものが一体になりまして、あるいは分業によりまして、共同によって、研究というものが行なわれているという実態も顕著に現われているわけでありまして、そういう意味で、私は、研究補助職の問題について、すみやかに政府なりあるいは人事院が検討されまして、今後の試験研究の発展に阻害にならないような措置をおとりになると思うわけでありますが、これらの点についての政府並びに人事院の見解を承りたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 研究補助職につきましては、ただいま御指摘のように、確かに研究公務員と研究補助職とが一体になって研究の成果をあげておるという点は事実でございます。この問題は、ご存じのとおり、新聞あたりでもごらんのとおり、科学技術庁長官から、研究公務員の処遇改善につきまして、最初研究職と補助職を別の俸給にせよというような要望がございました。しかし、人事院といたしましては、ただいま御指摘のような線もございますので、別個の俸給表にするということはいかがかと思って、一緒の俸給表でやりましたわけでございます。もちろん、これはご存じのとおり、俸給は職務と責任によってできるわけでありますから、全然職務を無視するわけにはいきませんけれども、御趣旨の点はわれわれも十分考えまして、今後検討いたしたいと思います。 〔委員長退席、理事松村秀逸君着 席〕
○鶴園哲夫君 政府はどうでしょうか。増子さんから承りたい。
○政府委員(増子正宏君) 研究職員の俸給表につきましては、ただいま人事院総裁から御説明がございましたが、政府といたしましても人事院の調査研究の結果に待ちまして、その改善をはかっていくようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 どうも政府のほうの御答弁は通り一ぺんのように思いますが、これは従来から人事関係につきまして、各省と人事院の間の定期的な会合なり、あるいは日常折衝なりが行なわれておりますが、その場合に行政官がそういうことを担当しているわけであります。したがいまして、試験研究機関なり等々についての情勢の把握に非常に暗い面がある。この間もこの内閣委員会で機構の問題を論議いたしましたときに、国務大臣が、局長で自分のところの試験研究機関に一ぺんも足を運んだことがない者があるという発言をなさいましたが、確かにこの試験研究機関におる研究職の人たち、あるいは研究補助職の人たち、こういう人たちの行政に暗い面があるというふうに思っております。そういうことが、今申し上げました補助研究員という形のものが、何か六年、七年前の固定した考えの中にいつまでも閉じ込められておるという感じを持っております。そこら辺について政府はもう少しはっきりした見解を持つべきじゃないかと思うわけです。この点について、再度政府の答弁を促しますと同時に、続いてお伺いをいたしますが、研究職、試験研究所の等級別定数というものを見てみますと、全部私のところに参ってておりませんが、私のところに参っております定数を見てみますと、これはもうほんとうに放置されてあるのじゃないかという感じすら抱くほど等級別定数というものの改善が全く行なわれていないように思うのです。たとえて言いますと六等級をとってみますというと、六等級の二に在籍している研究者あるいは研究所の人たち、その人たちのほとんど全員が五等級に上がる資格を持っている、こういう実態がはっきり出ているように思うのです。こういうことは、どうも試験研究所の問題についても、政府は何か不明な状態におかれているのじゃないかという私は懸念を持っているわけでございます。これは公務員制度調査室長にお伺いしても少しはずれたようなことになるかもしれませんが、各省の間でも−直接には各省の問題だと思います。ですが、いずれにしましても、全体としてそういう疑問があるのじゃなかろうかと思いますので、もう一ぺん等級別定数の問題を含めて、政府、人事院の見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(増子正宏君) 各省のいわゆる人事当局におきまして、あるいはそれぞれ業務上の上司の面におきまして、各種の試験研究機関等の実情をあまり知らないというような傾向といいますか、そういう点御指摘になったわけでございますが、この点につきましては、私どもといたしましては、直接それらの人事行政の実施面にタッチしているわけでないことは御承知のとおりでございますので、御指摘のような点につきましてお答えする材料は持っていないわけでござますが、ただ、各省におきましては、御指摘のような試験研究機関の充実強化という点につきましては、私の承知している範囲におきましては、それぞれ相当努力をしているというふうに考えておるわけでございます。もちろん不十分な点はあるかと存じますが、それらは今後いろいろな連絡の機会に御趣旨のような点を私どもとしましては十分注意して参りたいと思います。 なお、試験研究機関の等級別定数でございますが、これは御承知のように、人事院におきまして、各省との折衝といいますか、各省との話し合いをした上で決定いたしておるものでございますので、この点につきましても、われわれといたしましては、直接それにタッチしていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、各省といたしましてもそれぞれの実情を十分述べ、できるだけの努力をしているのではないかというふうに考えているわけでございまして、今後人事院におかれまして、それらが実情に適したように是正されるであろうと考えているわけでございます。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの研究職の問題でございますが、先ほど総裁から答弁いたしましたように、試験研究機関も漸次その内容が充実して参り、また、研究員の職務というものが非常に重要になっております。また、従来いわゆる研究補助職員といわれましたものの職務内容も、場合によりましては、御指摘のように、非常に高度化しているという実情があろうかと思います。また、研究機関によりましては、やはり職務内容がまことに補助的であるというものもあると思います。今回この法律を通していただいて、研究職が新しい俸給表によるというときにおきましては、御趣旨のようなことも十分考慮に入れまして、また、これは将来の問題としても、もちろんわれわれ十分研究いたす所存でございまするが、いわゆる研究補助職員という中におきまして、研究補助職員として有能な方はやはり上位の等級に進む道を開こう、また、研究補助職員の中に、もうすでにその人が専門家の研究員と見なして差しつかえないというような場合には研究員として処遇をしていこう、このように考えておるわけでございます。ただいま御指摘の、六等級に在職する者が上位の等級の資格ありというようなお示しがあったわけでございまするが、これはまあ研究員としていく場合と、また、研究補助員として上位の等級に進みます場合は、多少事情も異なろうかと思うのでありますが、要は、現在あります研究補助の方々につきましても、従来の取り扱いよりも有利な取り扱いをいたしたい。全体といたしましては御趣旨を十分考慮に入れまして善処いたしたいと、このように考えております。
○鶴園哲夫君 今回研究職俸給表を変えられまして、現在七等級である者を六等級になさるわけですが、それは現在の二等級と三等級を一緒にいたしまして、そしてこれを三等級というふうになさるわけですが、その場合に、新しくできました俸給表の二等級と三等級、この間の壁が非常に固くなるのではないか、つまり従来は研究職俸給表は行政職俸給表の(一)に類似した形になっておったのでありますけれども、今回教育職の(一)に類似した形に変えられたわけでありますが、そうしますと、新しい俸給表の二等級というのが教授というところになる、三等級が助教授というところになるという見方が成り立ち得ると思うのでありますが、そういたしますと、この二等級と三等級との壁が非常に厚いものに急速になってくるんじゃないかという感じを持っておりますけれども、そこら辺についての見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 御指摘のように、研究職俸給表は、今回等級区分というものを、従来の組織に着目いたしました等級区分から、研究能力ということに重点を置きまして等級区分の切り方を変えたわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のように、新二等級というものは、大体研究能力等におきまして教授、それから新三等級というものは助教授というような考え方でございます。ただ、大学俸給表とこれは完全に一致はいたしておりません。というのは、大学俸給表におきましては、大学教授、助教授、講師、助手という段階になっておりますが、それが一々対応するようにはなっておらないのであります。で、今回の二等級につきましては、新二等級と三等級の壁が厚くなるのではないかという御指摘でございまするけれども、むしろわれわれといたしましては、従来の二等級と三等級の壁をぶち抜いた、むしろその間はスムーズに、安心して研究に従事していただいて、しかも、そこで等級の壁がなく昇給し得る、こういうことが一つのねらいになっておるわけでございます。で、新二等級と新三等級との関係におきましては、これは大学におきましても研究所においてもそうでございまするが、その研究所が最も研究能力を発揮するようにということが念願であるわけでありまするけれども、そのときに、その研究所が二等級の人が過半数でなくちゃならぬというようなことにもならないのではなかろうかというように考えておるわけであります。したがいまして、二等級と三等級との間に、従来どおり等級の昇級という問題は残りはいたすのでございまするけれども、これはやはり今後その研究所が研究能力を上げるという目途に応じましてこの二等給、三等級の配分を考えていく、今回特にこれの壁を厚くするというような考えはとっておらないわけであります。
○鶴園哲夫君 研究職の場合におきまして、所長あるいは部長、室長という壁が非常に厚いように思っております。これは私、種々問題があるように思いますし、また、研究所におきましても疑問にいたしている点が多いわけであります。それは申すまでもなく、部長になる、あるいは所長になる資格なり、あるいは能力があったといたしましても、また、なかったといたしましても、いずれにいたしましても、研究に生涯を傾けていく、研究に精神を打ち込んで熱情を燃やしているという人たちにとっては、どうもこの壁が厚い所長なり部長なり室長という考え方は、種々弊害があるのじゃなかろうかというふうに私は思っているわけであります。それは所長になりますと、これはもうほとんど研究から離れるわけであります。さらに部長もまた研究から遠のくわけであります。つまり研究に生涯を打ち込もうという人たちにとりましては、所長なりあるいは部長になるということをきらう面だって、これはないとはいえないと思う。ところが、今の俸給表のあり方というのは、所長にならなければ、部長にならなければ、室長にならなければ月給は上がらないという形になっておりますから、どうしても室長なり部長なり所長というものになる、そうしますと、おのずから逐次研究から遠のいていくという、これを今の給与表というものが奨励をしておるというような感じすら私は受けるわけであります。私はこういうふうなシステムが必要であるということは否定するものではありませんけれども、しかし、四十になりましても四十五になっても五十になっても、研究にその生涯を打ち込んでいくという人たちにとっては、これは部長にならなくても、あるいは所長にならなくても、その研究を評価して、逐次給与が上がっていくというような考え方があっていいのじゃなかろうかというふうに思うのでありますけれども、そこら辺についての人事院のお考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 実は、今の問題は、全く鶴園さんの御見識が中心になりまして今度の等級を変えましたので、従来お話のとおり、行政組織的になっておりますのでは、研究能力がありましても、所長にならなければ月給は上がらない、これを改善するために今度変えましたのが、むしろ研究職俸給表の改善の思想的中心だと申せるわけでございまして、そこで、具体的な方法といたしましては、ただいまお話のように、やはりおのずから組織体でありますから、研究所には所長なり部長なりというものは必要でありますけれども、所長とか部長になりませんでも、研究能力に応じまして、一つの仮称でございますが、たとえば上席研究員とか、あるいは主任研究員とかというふうな、一つの所長同等、あるいは部長同等というふうな定数を設定いたしまして、それで今の御趣旨のとおりの方向で待遇の改善なり研究の向上をはかりたいと思っているわけであります。
○鶴園哲夫君 私、そういう面のあることを否定するわけではございませんけれども、一等級は場長の職だ、二等級は場長並びに部長の職務、三等級は室長である、室長にならない以上三等級になれない、あるいは部長にならない以上三等級になれない、それにならなければ給与は上がらないという状態になっていることには間違いない。しかも、その壁は非常に厚い、それは先ほど申しましたように、資格があるにもかかわらず上の等級に上がれない、これはポストがないということ、部長のポストがない、室長のポストがない、所長のポストがないということじゃなかろうかと思うのであります。ですから、私の申し上げているのはそうではなくて、研究に生涯を打ち込んでいくという人たちにとっては、これは部長になれば、当然ある意味の広い研究といいますか、事務的な問題というものまでふえますが、そういうものをやりたくない、生涯ひとつ研究に打ち込んでいきたいという人はいるわけですね。しかし、そういう人も、どうしてもやはり部長にならなければ給与が上がらないから部長にならざるを得ない、部長になりますと、どうしても研究から遠のいていかざるを得ない、あるいは所長になれば、これはほとんど研究から遠のく、私は場長というのはもう少し違った人をもっていったほうがいいと思うくらい研究から離れてしまう。そういう人が一番給与がいいという考え方も少し妙なものだというふうに私は思っておるわけです。ですから、研究能力、研究に生涯打ち込んでいくという者にとって、室長なりあるいは部長、場長というものにならなくても、その年令に応じ、研究に応じ、給与を上げていくというお考え方はとれないのかどうかという点を伺っておるわけです。
○政府委員(入江誠一郎君) 大体お説のとおりでございます。ただ、組織体でございますから、しきたりと申しますか、やはり研究所という一つの組織体上、おのずからそこにワクといいますか、限度というものはございますけれども、今度は御存じのような等級別の一つの職務評価といいますか、職務の内容を規定いたします人事院規則を作ります場合にも、そういうふうに今までのような所長とか部長とかいうようなものに重点を置かないような御指摘の表現の方法も考えてみたいと思って考えておる次第でございます。大体御趣旨のような方向で何とか工夫ができると思っております。
○鶴園哲夫君 この問題はもう少しまだまだ論議をしなければならぬ問題だと思いますけれども、次に、今回俸給表の措置で、行(二)の人たちの中から行(一)に移しかえられるわけでありますが、この問題につきまして伺いたいと思っております。それで今回行(二)から行(一)へ移しかえられます人たちについて、二つの顕著な問題があります。 その一つは、切りかえられるわけですけれども、行(一)に切りかえられることによりまして、もとのまま行(二)におったほうが有利だという人たちが相当たくさん出てくるようなことになっておるんですね。五等級は二十二号俸ありますが、この中で今回行(一)に切りかえることによって有利になる人は六号俸であります。しかしながら、あとの十六号というのはいずれも不利になる。それから四等級は十九号あるわけですが、この中で有利になりますのは僅かに二号俸、あと全部不利になる、以下同じようなことであります。この問題が一つ顕著な問題でありますし、もう一つは、一号下の者と上の者が一緒になるところがたくさんございます。五等級でいいますと、八号俸が一緒になる。四等級では四号俸、三等級では十六号俸、十六号俸におる人たちが一緒になる。つまり今までは一号下だったんですが、その人が上の者と一緒になる、こういうところが非常に大きな問題として出て参っておりますので、これらの点につきまして人事院の見解を承り、さらに是正方を、これはもう法律ではなくして、運用によって是正できる面が相当あろうと思っておりますので、それらの点についてひとつ伺いたいと思いますが、それは現在の五等級の九号俸の人たちは現在一万四百円の本俸であります。これが行(一)に切りかわるわけです。行(一)に切りかわりますと、一万七百円というふうになりまして、三百円ほどアップするわけであります。ところが、行(二)にそのまま残っておりますと、一万一千五百円という上がり方になるわけでありまして、つまりこの五の九の人は行(一)に切りかえることによりまして、約八百円ほど行(二)にそのまま残った場合よりも不利になるということになるわけであります。これは五の十につきましてもそうですね。八百円、六百円、七百円、四百円というふうに損をすることになっている。金額は少ないようなふうにお感じになるかもしれませんが、本俸が、二万円前後の人たちであります。本俸が二万円前後の人たちが八百円少なくなるということは、これは大へんなことでありますし、また、かりに三百円にしましても、あるいは四百円不利になるにいたしましても、本俸がやはり一カ月に一万円前後、あるいは一万五千円前後という人たちでありますから、これは相当大きな、四%も五%も不利になるというような形になってくる。これにつきまして、人事院といたしましては、一年間最低千円上げるということだからして、最低千円は保証するというふうになっております。ですが、翌年からはこれはなくなるわけでありまして、千円、八百円なり、四百円なり、三百円なり不利になっていくことは、二年目からずっと不利になったままになっていくというふうに考えられるわけです。したがって、これらの点について、私はもう少し運営上是正の方法が考えられていいのではなかろうか、こう思っておりますので、その点について伺いたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘の二点でございますか、まず第一点のほう、今回行(二)の中にいた場合よりも、行(一)に切りかえられた場合のほうが相当不利になるのじゃないか、数が号俸にして多いのじゃないかというような御指摘でございます。ただいま御指摘の五等級九号俸におきましては、切りかえられます形はお示しのとおりでございます。こういう状況になりますのは、これは現在の行(二)の俸給表のほう、これは採用いたします最初のほうが行(一)に比べて有利になっている俸給表の体系から出て参っている問題でございます。今回タイピストを行(一)に移すにつきましては、そういう問題は必然的に避けられない問題でございますけれども、しかし、あまりに食い込むような形で多くの方が給与の増額がありまする場合に、こういう方たちが反対に不利になるというようなことは、どうも非常に好ましくないという考えから、ただいま御指摘のように、切りかえ時にあたりましては少なくとも行(一)にかわっても千円は給与がふえるというような方向で切りかえようということにいたしたわけでございます。なるほど御指摘のように、この千円の保証というものはそういう職員が行(一)に切りかわりまして昇給して参りますと、それで吸収していくということになるのでございますが、しかし、その職員はすでに行(一)に入ったのでございまするから、行(一)の職員と同じような昇給をしてもらうということは、これはまあ行(一)に入った以上はやむを得ないということでなかろうか、まあ切りかえのときの不利はカバーしようということでございます。したがいまして、ただいま御指摘の五等級九号俸は、なるほどそのままで比較いたしますると八百円の切り下げということになりまするけれども、われわれは、この切りかえにあたりまして、千円は保証するということでございまするから、これはよほどそこは緩和される、まあせいぜい百円程度ということに相なろうこのように考えているわけでございます。それにいたしましても、まあ千円の保証をするということは、全体を通観いたし、行(二)から行(一)に切りかえられる人々の給与の下がり方を一方に検討し、なおかつ、そういう方々がもし行(一)に初めからおったとしたならば、行(一)の職員はどういう序列であるということもあわせ考えまして千円という線を出したのでございます。しかし、御指摘のように、そういうふうにやりましても、なおかつある方々につきましては、五百円以上というのは出て参りませんけれども、そういうものが少し相対的に落ちるというものが出て参ります。そういう方々につきましては、これはわれわれいろいろ研究をいたしてみて、これ以上救済する余地がないかどうかというので、いろいろ研究したのでありまするけれども、そういう方々は、個別に各等級、各号俸につきまして全部当たってみたのでありまするが、おおむねそういう千円の補償をいたしましても、なおかつ五百円程度、あるいは四百円程度というような差が出て参るというような方々がどういう等級、号俸に在職しておられるかというようなのを見てみますと、大体等級の高い方あるいは号俸の高い方というようなことになっております。これは個別に、場合によりましては切りかえの前にもう資格が出ており、また、等級別定数に余裕があるという場合におきましては昇格し得る道がある、こういうように考えられます。しかし、これは人事院が自分でやれることではないのでありまするので、所管各省庁におかれましてそういう問題を抱えておるところと相談いたしまして、そういう問題を救済して参りたい、このように考えておるわけでございます。あくまでこれは行政的措置としてそういうことをやりたい。 しかし、今百円、二百円というような差の方々につきまして一々それをやるということになりますると、かえって行(一)に従来から在職しておられる職員との間に、また別の意味のアンバランスというものが起きてくるというようなことがございますので、まあこの辺は千円の保証ということで一応がまんしてもらうよりしょうがないのではないかというように考えております。なお、切りかえにあたりまして、従来同一でなかった、すなわち、ある一つの号俸とその次の号俸というのが切りかえられた後に行(一)のある等級の同一号俸に入ってくる、見かけ上そういうようなものがございます。これは何も行(二)から行(一)に移るときだけにそういうことがあるのではないのでございまして、行(一)の内部におきましても、昇格する場合に、三つの号俸から一つの号俸に昇格するというような場合もあるのでございます。これは現在の俸給表の形態上やむを得ないのでございまするが、それに対しましては、従前われわれは、従来の前後の序列をくずさないように、規則に基づきましてその昇給期間を調節するという措置をやっております。したがいまして、今回の行(二)から行(一)に切りかえまする際にもその方法を準用いたしまして、前後の序列をくずさないようにいたす、もっとも、前後の序列をくずさないようにいたすといいましても、これは従前どおりの一年の間隔でやれるかといいますと、そうは参らないのであります。これは俸給表上そういうところがところどころあるというのはやむを得ないことでございまして、そういう方法でこの問題は解決いたしたい、このように考えております。
○鶴園哲夫君 ただいまの御答弁の中の前の答弁でございますが、つまり今回行(一)に切りかえることによって不利になる人たち、これは各等級、各号俸どれだけの在籍人員があるかという点は不明でありますけれども、ほぼ推定いたしましても、私が先ほど申し上げましたように、五等級で二十二号俸あるのですが、そのうちの実に十六号俸の人たちが不利になるということになるわけですし、さらに四等級の場合は十九号俸あるわけですが、その中で十七号俸の人たち、そこに在籍する人たちは不利になるということであります。しかも、これを人事院が、お話のように、一年間最低千円アップするということだからして、千円だけは保証するということになりますけれども、翌年からそれはなくなるわけでありますから、そうしますと、損をしたままの形になって、その場合に、今、局長がおっしゃいますように、行(一)との振り合いが問題になるというお話でございますが、しかし、御存じのように、技能職の人たちは、従来からそうでない人たちに対して一号程度有利に取り扱われておったわけでございます。そういう観点等からいいますと、今回こういうふうに不利になる人たちが非常に多いということでは、千円の保証だけでは片づかない問題として残るのではないか、したがって、私は昇給期間の短縮等の措置をとられまして、これらの人たちを何とかしなければならないのではないかと思っているわけです。そういう措置がとれないものかどうか。これは人事院の問題ではなくて各省の問題だというお話になりますがこれはやはり政府のこういう俸給表を是認し、尊重されておられるわけでありますけれども、政府としましても、これらの点についての慎重な配慮が要るのではないか。せっかく行(一)に職種を移してもらったけれども、圧倒的多数の方たちが、不利になる、これはどうも政策としては非常にまずいというふうに思うのですが、もっとすっきりした御答弁をいただきたいと思うのです。昇給期間を短縮するというような措置はやれないのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまお示しの、各等級、各号俸の行(一)に移った場合に不利になるというところの数をお示しになったのでございます。俸給表の形式上はお示しになったような数になるのでございまするけれども、われわれのほうで調べているところによりますると、一号から最高号俸までは人がいないということがございまして、事実問題としては、それほど現在いる人々で切り込むという場合はそんなに多くはないというように一応計算をいたしております。なお、先ほど申しましたように、千円は保証いたすという措置をとってありまするから、先ほどのお話のように、八百円というようなことは、これは切りかえの際には出て参らない。例外的に、三等級の相当高い号俸に五百円、千円の措置をしましてもそういうものが出て参りまするが、こういう個別の事例につきましては、個別に各省庁と相談をいたして善処いたしたい、このように考えているわけであります。 なお、このタイピスト等の切りかえにあたりましては、十五級時代に、これは三十二年以前の話でございまするが、その当時におきましても、行(一)に比べまして、初任給あたりがお示しのように有利であったわけでございます。現在そういう人が受けておられまする行(二)の俸給額を三十二年当時に引き直してみまして、三十二年当時から現在の行(一)の俸給表を通ってきたらどういう現在の等級号俸になるかという、そういう方法でわれわれは切りかえをやるつもりでおるわけでございます。これは法律、規則に書いてあります。そういたしますると、そういう方々が行(二)で初任給が行(一)に比べて有利であるという、そういう有利性は持ち込んだままで切りかえるということになるのでございまして、もし、かりにそういう方が初めから行(一)に、十五級時代からおられたとするならば、現在の切りかえよりはまだ低くなるであろう、これは従来の行(二)の方の職務内容が変わりまして行(一)に切りかえられる場合には、そういう方向で切りかえておりますので、今回の切りかえよりも低くなるということがあるのでございます。これはやはり行(一)と行(二)の違いでございまして、行(一)に入ったらば、その行(一)の一つの序例で、全体の調和の中の一つの序列を占めていただくということにするよりいたし方がないというふうに思っております。なお、今申し上げましたような方々は、今回の切りかえに対しまして不利なわけでございまするから、そういう方々につきましても、今回の切りかえ方法を準用いたしますときに、多少調整の措置をいたそうと思っております。昇給期間の短縮等によって、人事院規則の範囲でできないかという点が御質問の主要点でございます。その点に関しましては、われわれかねてそういうお話を承っておりますので、いろいろ研究をいたしてみたのでございますけれども今回の切りかえは附則のほうに書かれておる範囲でやるということになっておりまするので人事院で実施いたしまする場合、昇給短縮という措置が正面からはとりにくいような形に今回の法案はなっておるのでございます。したがいまして、そういうことができるというふうに今私が申し上げるわけにいかないのでございますけれども、実情に即しまして各省庁と相談しながら、実情の行政的措置によりまして、でき得る限りの措置をいたしたい、これで御了承願いたいと思います。
○鶴園哲夫君 政府にも伺っておきますけれども、そういう措置をぜひとっていただきたいと思うのですが、増子さんいかがですか。
○政府委員(増子正宏君) この行(二)から行(一)に移しかえることに伴ういろいろな取り扱いにつきましては、人事院から人事院の原案が出ましてから、私どもとしましてもいろいろ検討いたしたのでございます。非常にいろいろな従来からのいきさつその他を考慮いたしますと、必ずしも何といいますか、一本で割り切れる措置というのはむずかしいわけでございまして、彼此勘案した結果、この法案になっておりますような内容がこの際としては一応妥当といいますか、ほかにより適当な方法が考えられないということで決定いたしたものでございますが、したがいまして、全体としてはこの線でいけるのではないかということでございましたが、ただいま御指摘のような点につきましては、人事院当局からもいろいろお話がございましたように、各省の実情等に基づきまして、人事院と相談の上、できる限り円滑に切りかえができるようにしたいものだというふうに看ておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 次に、先ほど瀧本給与局長が御答弁になったのでありますが、今回一号下の者が上の者と一緒になるというところが、実に約四十二号俸ほどあるわけです。ですから、数が非常に多いわけです。したがって、これについて六カ月以上経過している者については、昇給期間を三カ月短縮するということで是正の道をとっておられますけれども、これでいけるのかどうか。問題はないのかどうかという点を伺っておきます。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの問題でございますが、非常にこの数が多いようなお話でございましたけれども、先ほども私が申し上げましたように、各等級の初号から最高号俸までは人が分布いたしておりませんので、現在在職人員がおりまする各等級の号俸の間で見て参りますると、その数はそれほど多くはないのではなかろうかというふうに心得ております。で、ただいまお示しの、われわれがやろうと思っております案、これは決して満足なものとは思っておりません。現在一号の差がついております者がその差が縮まるのでありますから、決して理想的な方法とは思っておりません。けれども、現在の俸給体系が漸次変化して参りまして、やむを得ずそういう場所が出て参ったのでございまするから、その矛盾を最小限にとどめていくという意味におきましての措置でございまして、将来にわたりましてこういう問題が解消されるような俸給体系が作られることが、より好ましいと存じますけれども、現在の体系ではこのようにいたしていくことが、その以外の号俸とのバランスをくずさないゆえんである。現在の場合におきましては、決して理想的とは申しませんけれども、やむを得ず現在こうやらざるを得ない。で、それだけはやろうというわけでございます。
○鶴園哲夫君 今回行(二)の二等級、それから一等級、この人たちが行(一)の六等級に切りかえられますが、その場合に現在行(二)の二等級なり一等級といいますと、やはり係長的、そういったようなものに類した仕事をしておられる人たちですが、それが六等級に切りかえられるわけですけれども、これはその後何らかのすみやかな措置をとられるものかどうか。何かそこの措置をしないと妙な形になるように思うのですが。
○政府委員(瀧本忠男君) 今回の切りかえにあたりまして、御指摘のように、一等級、三等級、それを行(一)の六等級に一応切りかえるという措置で、機械的に切りかえを考えておるわけでございます。しかし。御指摘のように、タイピスト等で一等級になっておられます方々で、事実上係長的な仕事をしておられる方もおるわけでございまして、そういう方々は、切りかえ後におきまして五等級に昇格さすと、こういう措置をとりたい。それは、そのタイピスト等の職務の実情を見まして五等級に切りかえたい、そういう予定をいたしております。
○鶴園哲夫君 行(二)の三等級、タイピストあるいはパンチャー、この人たちが七等級に切りかえられるわけですが、在籍の実情からいいますと、七等級の八、九、十、十一というところに相当多数切りかえられるようです。そういたしますと、今日七等級の八、九十、十一というところには在職者が少なくなっているわけですね。そこに行(二)から一ぱい切りかえられるその人たちが行く先を心配する。六等級はどうなるだろう、われわれだけ取り残されるのじゃなかろうかという懸念もあると思うのです。それについてすみやかに等級別定数というものを判断されて善処される必要があると思うのです。その点についてはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(瀧本忠男君) 御指摘のように、行(二)の三等級から今度の行(一)に切りかえられまして、八、九、十までにいく方々がおります。で、この八、九、十にいく方々がおりますけれども、この昇格という問題は、一斉にある号俸から上の号俸に上がるということではないのでございまして、やはり上の職務の等級に定数の欠員があるという場合に、上位の等級にそれぞれ資格のある方々が昇格していくということになる。この実情は、やはり各省庁によりましていろいろな実情がございます。今お示しのような例も、場合によってはあろうかと思いまするけれども、各省庁それぞれ違った実情になっております。したがいまして、われわれといたしましては、もちろん今度行(二)から行(一)にかわりましたタイピストを痛めつけようという気持はさらさらございません。これは行(一)にかわりましたのでありますから行(一)の補助職員と同様に取り扱われるということは当然のことだと思っております。したがいまして、そういう観点より等級別定数を考えて参りたい、決して今度切りかえられたタイピストを特に不利に取り扱うというつもりはございません。これは従来行(一)におりました職員同様に取り扱って参りたい、昇格等につきましても、同様の措置ができるよう配慮して参りたい、このように考えております。
○鶴園哲夫君 その研究職並びに行(二)の問題について伺ったんですけれども、あと一問でこの問題について終わりたいと思います今回行(二)から行(一)の方に切りかえられる四つの職種ができたわけです。その場合に、今後行(二)の職種から行(一)に切りかえるという検討を進められるかどうか、理論的にいいますれば、これは当然進められてしかるべきだと思うのであります。ですが、そこら辺の検討を進められるかどうかということと、もう一つは、これは一つ忘れましたので、追加して御質問申し上げておきますが、それは行(二)に十年、十三年、十五年というふうにおられて、今回行(一)に切りかえられた人たち、この人たちの問題につきまして、従来から御承知のように、行(二)の職種から行(一)へという主張の一つは、長く勤務するに従って行(二)が悪くなる、したがってという主張が大きな理由の一つであったわけです。それで十三年なり十五年も勤めて今回行(一)に切りがえられた人たちは、その意味では不利なっておる。そこで、三十二年に今日の俸給表ができましたときにさかのぼって再計算されておるのかどうか。職種は変わっておるわけでありますから、再計算してしかるべきだと思いますが、再計算なさっておられるかどうか、その二つを伺っておきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 今後といえども、やはり職務内容ということにつきまして十分検討いたしたいと思っております。で、今直ちにそれでは具体的に検討するものがあるかといえば、これは今のところはないと思っておりまするけれども、やはりその職務内容に適した俸給表が適用されるということがこれはもう正しいことでございまするので、そういう意味におきまして今後も十分検討いたしたい。なお、個別の問題といたしまして、ある特定の職員が行(二)を適用されておる、あるいは行(一)が適用されておる、それが不当ではないかというような問題も、これは事実問題として出て参ると思うのであります。そういうことも十分慎重に検討いたしまして適切な措置をとりたいと、このように考えております。 それから、長年行(二)でタイピストをやっておられました方々で行(一)に切りかえたときの話でございますが、切りかえの原則は先ほど申したとおりでございます。ただ、先ほどから申しておりまするように、行(一)にかわりました場合のやはり序列の関係がございます。で、この行(一)にかわりまして昇格した後において、三十二年当時、もしその方が行(一)におったとしたならばどうなるかという問題、そういう職員を想像いたしてみまして、あるいはそれより上の号俸を占めておった方と比較いたしまして、かえって逆転するというような場合が技術的に少し出て参ったのであります。そういう場合には、やはり行(一)にかわりましての序列ということが大切でございまするから、そのような場合には、その逆転関係がないように多少調節をいたしておる、こういう次第でございます。
○鶴園哲夫君 行(二)の今後の問題につきまして、今、滝本局長の御答弁がありましたが、これは、三十二年に行(二)という俸給ができましてから今日まで約五年間ほど運営されてきたわけですが、今回四つの職種、約五千名の人たちが行(一)に切りかわる。私は、そういう意味では行(二)という俸給表というものはくずれてきておるというふうに見ておるわけです。しかし、ここで今この問題についての論議は省略をいたしますけれども、本格的に行(二)の問題についての論議を今後やりたいというふうに思っております。きょうは省略いたします。 以上で、私、研究職と行(二)の問題についての質問を終わります。
○横川正市君 防衛庁の給与の中の、これはたびたび問題になったと思うのでありますが、今はおそらくそれほど全般的な問題でなくて、個々の問題に関係してきておると思いますが、三尉の人を採用する場合に、都道府県その他の機関を通じて、高校卒業者ということで入ってくる場合と、それから年令的に何年か部外経験がある場合、これは職階によって、いわゆる階級差によって給与の差をつけておらぬようであります。前歴計算ということは全然しないのか、それとも一級上位に上がる期間を短縮するのか、その点はどういう計算方式になっておりますか。
○政府委員(小野裕君) ただいまのお尋ねで、お話の趣旨では、一般隊員の二士であろうと思います。一番若い隊員だと思いますが、二士を採用いたします場合は、学歴のいかんを問わず、同じ俸給からスタートいたしております。
○横川正市君 そうすると、年令とか部外経験とかいうものは、三等陸士ですね、三等海士、三等空士というような場合には、全然基準計算の中に入れないで、採用時は八千円、こういうふうにずばりきめる、こういうことですか。
○政府委員(小野裕君) そのとおりでございます。
○横川正市君 これは二等陸士、それから一等陸士、大体兵の位というんですかね、これは大体どのくらいの期間を終えて階級はかわるわけですか。
○政府委員(小野裕君) 大体三士から二士になりますまでに一年、二士から一士になりますのにおよそ一年、一士から士長になりますのに二年と、大体の基準でございます。
○横川正市君 そうすると、この一等陸曹、それから二等陸曹、三等陸曹、これは海空同じでありますけれども、これと、それから陸士から一級上位に上がっていく場合の賃金というのは、これはたとえば陸士長の場合の月俸一万六千二百円は、三等陸曹の場合には同給がなくて一万六千五百円というのがあるわけでして、これは昇給差と、それから一階上位に上がる場合の真近上位との関係というのが、これはさらに食い違っておるわけですが、この俸給それ自体はどういうふうにきめられているのか、全く陸曹と陸士長の場合には、もう関係なしに上がった場合には、直近上位はなくて、それに見合う給料のあるところに該当させる、こういうことになるわけですか。
○政府委員(小野裕君) お話のとおりでございまして、階級が上がりますと、階級の初号にいくのが必然ではございますけれども、前の階級で上の階級の初号よりも上までいっておりました者は、それに見合うところに限定されます。
○横川正市君 そこで、ちょっと防衛庁長官にお聞きしたいのですが、たとえば三等陸士に入る場合であっても、学校を卒業して何の技術も持っておらないで募集に応じて入ってくる場合と、それから民間である程度の技術を持って入ってくる場合とで、これは直接三等陸士でなくて、三等陸士にという格好に格づけをするのですか。それとも、もっと技術検定を行なった上で一等陸士にしたりあるいは陸士長にしたりする、こういうようにするわけですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 三等陸士、海士というのは、十五才のいわゆる少年自衛官と称するもので、これは中学卒業生であります。それから普通に採りまする最初は二等陸海空士なんでございまするが、これは中学卒、高校卒を問わず、十八才になりました者を採用する場合に、いわゆる二士、二等陸海空士になるわけでございます。
○政府委員(小野裕君) ただいまの長官の御説明のとおりでありますが、補足させていただきます。特に技術を有する者を採用する場合でございますが、これは一般の隊員として二士で採る場合でございますけれども、曹の階級で一般公募をする制度がございます。特殊な技能者、技術者につきましては、幹部もございますが、幹部並びに曹については、公募陸曹あるいは公募海曹——まあ海に陸であります。空もそうであります。陸曹として一般公募の試験をして採用する、そういうふうにして技術者を入隊させる場合もございます。
○横川正市君 そうすると、特別な募集の期間以外の場合は、技術を持っておっても、それは最初は二等陸士ということになるわけですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) そのとおりでございます。
○横川正市君 そこで、もう一点別な観点でお聞きいたしますが、隊内居住と隊外居住の場合ですね。隊内居住の場内には、これは衣食住が給与とは別に給与計算すれば付加されるという結果になるのであります。それから、隊外に居住する場合にはこれは給料の中からこれは自分で支弁をするということになるわけであります。その場合の被服費は、これは別ですが、食費とか、それから営外居住費というのは給料の中にどれだけ見込まれているのですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 自衛官の給与の方式は特殊な形をとっておりまして、隊内居住者につきましては、一定の計算によりまして俸給を出しまして、さらにそれから今回の改正によりましては三千百円、これは食費の内容の改善を含んでおるわけでございますが、三千百円を引いたものがその自衛官の給与になるわけであります。すべてのいろいろ恩給その他退職手当等の基準になる給与がそれでございますが……ちょっと訂正いたしますが、曹、士という階級におきましては、原則として隊内居住が原則なのでございまして、そういう形で、俸給は今申しましたように、一定の計算方式をとりましたものから、今回の改正によりました三千百円を引いたものが俸給でございます。そして、曹、士のうちの隊外居住者につきましては、その三千百円を営外居住手当として支給いたしておるわけであります。
○横川正市君 大蔵大臣が来たから、この程度にとどめます。
○山本伊三郎君 大蔵大臣の本案に対する担当は特別職になっているわけです。たまたま大蔵大臣ですから、全般にわたる問題についてひとつ御答を願いたい。 〔理事松村秀逸君退席、委員長着 席〕 実は、この給与三法については、予算委員会なり、また、当委員会で、また、衆議院でいろいろと論議をされ、大蔵大臣もいろいろと本会議等でも答弁されているのですが、やはり何といっても、人事院勧告が出されて以後の物価の変動その他から考えて、この案では、公務員諸君が実際にこの物価高によって生活が困っておるという事実は、これは論議の外なのです、したがって、大蔵大臣として、この給与の最後の段階で、政府として何とかこれに対して親心といいますか、そういうものでカバーする方法がないか、これは給与三法全般に通じての問題ですが、その点ひとつ大臣、財政当局という、大蔵当局という立場からもひとつお聞かせ願いたいのであります。
○国務大臣(水田三喜男君) 具体的に申しますと、たとえばどういう考慮ということでございますか。
○山本伊三郎君 もちろんいろいろ方法がありますが、まあ実施時期についてもいろいろ大臣は本会議で言われておりますが、この点についても問題があると思うのです。まあ法律の改正ということは、この段階になっては非常に問題があると思いますが、修正について問題がありますが、たとえば当然に勧告が実施されたら、六月の分もさかのぼってこれは当然勘定に入れておくべき問題です。まあそういうものについて大蔵大臣として、財政措置の問題がありましょうけれども、本案の賛否は一応別として、政府として何かひとつ親心を、これを考えることができないでしょうか、この点について。
○国務大臣(水田三喜男君) 八月勧告を受けて、十月から政府は実施をするときめました。一月から六月、半年間に対する期末手当にさかのぼるということも、十月から実施する以上は、これは不合理となりますので、十二月分からこの期末手当の問題も実施するということでございまして、問題は、さかのぼって五月からやるかやらぬかという問題ですが、かりに五月からさかのぼったとしましても、六月の期末手当というものは過去半年に対する手当でございますので、そのまま人事院の勧告を機械的にどうこうするというわけには参りませんし、十月から実施するという以上は、十二月の期末手当から人事院の勧告に従って実施するのがやはり一番妥当なやり方だと、こういうふうに考えております。
○山本伊三郎君 私は、この法律案を中心に論議をもうすでにずいぶんやってきたのですから、この段階になって法律の改正とか修正とか、そういうものでなくして、おっしゃるとおりに、法律上遡及するとなれば、これは法難案そのものを改正しなければならない。改正といいますか、修正をしなくちゃいけないことになるのですが、そうでなくして、かつてそういう措置をとられたことも、特に物価が上がっておる、年末が非常に苦しいという、こういう事情から、法律的な問題としては別だが、行政措置でとったことも十年ほど前に二、三回あったと思いますが、そういうことをどうかということを聞いている。この点について給与担当大臣せっかく見えましたから、大蔵大臣とあわせて、両方の御意見を、大蔵大臣がそう言ったからわしはそれに同調するというのではなくて、給与担当大臣独自の、ひとつ給与担当大臣の立場で何とか御答弁願いたい。
○国務大臣(福永健司君) 参りましてすぐでございますので、前後の話がよくわかりませんので、ちょっと関係者に聞いてから……。
○国務大臣(水田三喜男君) 今聞きますというと、かつて別に行政措置で金を出した、そういうことをやったという例はないそうでございます。
○山本伊三郎君 これはこういうケースでやったということはないんですが、人事院の勧告がその当時ゼロ勧告が出たというふうなときに、一応そういう各省の措置としてやられたことがあるんです。大蔵省としては統一的にそういう措置をしたことはないかもしれませんが、そういう趣旨で増額を若干したということもあるのです。そういうことをひとつ聞きたい。それをそのままやれという意味じゃない。大蔵当局として、そういう方法が何とか親心として考えられはせんかということを一応聞いておるわけです。
○国務大臣(水田三喜男君) 超過勤務手当を一括払いするというようなことは過去においてあったそうでございます。また、一般の公務員じゃなくて、たとえば三公社五現業というような部門において、規定があっても、それによらないいろいろな措置がとられておるというような実例はあったかもしれませんが、どうも一般公務員部面において、行政措置で特別の金を出すというような方法はちょっとむずかしいんじゃないかと考えます。
○山本伊三郎君 給与担当大臣に聞きますが、たびたび出ておるのですから、そうくどくどと説明するのは私やめますが、とにかく昨年の勧告と本年の勧告を合わしてみましても、物価なり、それから消費番物価、それから生計費から比較すると、本年のほうが上がっておることは、これは事実なんです。どういう説明をつけようとも、数字で明らかになっておるんです。ことに、また最近は、消費者物価が横ばいだといっておるけれども、皆さん方経験されるように、もう野菜でもうんと上がっておる、実際問題として。しかも、あしたからは東京都においては地下鉄が相当値上げされる、だから通勤手当をふやしたんだというけれども、そういうものは実際もうたいした問題にならぬほど上がってきておる。こういう実情から、私は本法律案の問題全般を言い尽くしたから、こういう点で、せめて政府として、自分の使っておる公務員の苦しい生活状態というものが非常に迫っておるというこの実情から考えて、何らかこの点について給与担当大臣として考える余地がないかどうか、こういうことについてお伺いしたい。
○国務大臣(福永健司君) 超勤手当等について先刻御指摘になったような例は、私も記憶をいたしております。しかし、ああいうことは悪例だというように一般にいわれておるわけであります。悪例といわれても、そういうことを考えるのが善政ではないかというような工合の御意見のように伺いますし、私も、実はある程度それがわかるのでありますが、しかし、いろいろなことを含めて閣議で検討をいたしまして、こういう結論になりましたので、この結論が出ました今日におきましては、私も閣僚の一人として、結論に忠実であらねばなりませんし、先刻来、水田さんの言われておりますことも、これもごもっともでございます。今直ちに大蔵大臣が言うのと違って、何らかの措置といっても、何しろ財布のほうは大蔵大臣のほうが握っておるものでございますから、とてもそういう乱暴なことを言えるわけでもございません。しかし、いずれにしても、まあそういう親心というような表現に該当するようなことについてのことも含めて、実は閣議でいろいろ検討した結果ここまできておりますので、現在の段階におきましては、さらにその他の措置ということはきわめて困難であるというように私も観念をいたしておる次第でございます。
○山本伊三郎君 まあ正面切っての答弁はもちろんそうあるべきで、大臣としてはそうだと思いますが、そうなるとこっちも開き直らぬわけにいかないのですね。いってもいわれますが、人事院勧告は、四月に調査をして、五月から実施して初めて公務員の生計が立っていくような勧告をしておるのです。予算委員会でも、入江人事院総裁は、政府が十月から実施したことに対しては、非常に私としては残念であります。その残念というところには、きわめて意味慎重なところがあるのです。それすらやらずに、今私が逆に辞を低うして質問をすると、それはもうだめだ、私はそういうことをみんな知りつつ、この機会に物価も上がっておるのだから、何とか政府として考えるという——今言われましたように、それは邪道だと言われたが、公務員からすると邪道でも何でも、生活をするということがやはり第一なんですよ。これは私非常に失礼なことを予算委員会であなたに言いまして、あなたは月給何ぼもらったか御承知か、そう言ったことを覚えておりますか、実際今の公務員は、皆さん方が学校を出て入られた当時から見ると、非常に私は苦しいと思うのです。しかし、日本は敗戦後非常に経済基盤が薄いし、そういうことでひとつしんぼうしていけということで、日今まで公務員諸君がしんぼうしておると思うのですが、しかも、本年の物価の上がり方というものは非常に大きく、したがって、もうすでにきょうは率直に申しますが、この法律案をもうすでに左右する日なんです。もうこの法律案の質問といっても、きよう以外はできないのです。通ってしまえば、これによって機械的にやられるという、こういう実情でありますので、私は本法律案の内容についていろいろともう質問することを避けたいのです。そういう政府のあたたかい心がなければ、機械的にやって公務員が今後やはり全体の奉仕者として精魂打ち込んでやり得る熱意が出るかどうか、私はそれを訴えておるのです。大蔵大臣は、いわゆる財布を握っておられるので、それはなかなか固いことは、どこの家庭でも財布を擦っている人は固いのです。固いけれども、今の公務員の実情というものはわからないことはないのですね。大蔵省からこれだけの金を出すということは言えないけれども、やはりそこに私は超勤の先払いですか、超勤という名義で出すとかいうことをやられたことを私は知っておりますが、そういうことも各省でやれないことはないと私は見ておるのですね。しかし、これは邪道であるかわかりません。法律案に従ってやらずに、そういう行政措置でやることは、あるいは邪道であるかもしれませんけれども、その邪道でも、私が党を代表して言わざるを得ない状態であることを私は知っております。あまりしつこく言うのもどうかと思いますが、もう一回政府を代表して、大蔵大臣からこの点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) これは財布を握っているからといって、勝手に国民の金を私が使えるものではありません。したがって、給与は全部法律できめられているというくらい厳格にされているものでございますので、したがって、これはやはり厳格に、人事院の勧告に従ったとおりの内容でやるというのが一番正しいだろう。そのほかのいろいろの細工を勝手にしていいというわけには参りませんので、事実上はやりようがないのじゃないかと思います。みみっちい話でございますが、この六月から十二月までの勤務に対する期末手当ということでございますから、人事院勧告も十月から実施するという線を貫くとしますというと、十二月の期末手当というものは三カ月の勤務の問題になる。そうすると率の問題にも響きますが、そういうことは私どもは考えないで、六カ月間勤務したという率で人事院の勧告の配分をここでやるべきだということで期末手当の率をきめたというところで、そう理屈どおりのこともやっていないつもりでございますが、そのほかのやり方というのはなかなかむずかしいと思います。
○山本伊三郎君 えらいみみっちいという言葉をつけて勝手なことを言われましたが、大体給与の支給というのは、そのときの現給によって計算の基礎が立っておるのであって、期末手当もやはりそうするのであって、その本人が在職している以上は、賃金が変わったからといって、変わった間だけ出すということにはなっておらないと思うのですがね。政府はそうなっておりますか。ちょっと法令の根拠を……。
○国務大臣(水田三喜男君) そうなっていないと思います。思いますが、給料を引き上げるということを十月一日から実施するということになりますと、給料は問題ございませんが、期末手当ということについては、厳密にいうといろいろな計算が出てくると思いますが、そういう計算はしないのであります。上がった現給、上がった俸給に対して、全期間分の期末六カ月分の手当を計算して出すということでございますので、厳密なことを言われましたら、人事院勧告のとおりの期末手当の計算というものは、厳密にやれば、もっと率が違ってこなければならぬということにもなるでしょうが、そういう計算はしません。
○山本伊三郎君 大蔵大臣、こっちが低く出ているからといって、勝手なことを言っては因りますよ。自分のほうで人事院勧告も五月から実施せぬ、期末手当というのは、その支給される現時において、会社でもどこでも、期末手当というのは、その支給される現時における給与に対する何%ということになっておるのですよ。あなたあまり勝手な理屈をつけて、何かこれでもわしのほうが若干よくみてやっているのだという恩のきせ方では承知できませんよ。そういう法律規定の根拠はどこにありますか。
○国務大臣(水田三喜男君) 恩をきせるという意味ではございませんが、六カ月の勤務に対する期末手当でございますので、これを厳密にやりましたら、俸給幾らのときの勤務が何カ月であった、それから幾らに上がったあとの勤務が何カ月というような計算に厳密にいえばなるわけでございます。そうじゃなくて、過去六カ月の分を、十月から上がった俸給にかけて計算するということで、それだから少しみみっちい話だがと断わったわけですが、厳密に言うとそういうことになろうと思います。
○山本伊三郎君 あなたがそういうことを言うから、言わざるを得ないのですがね。そういうみみっちいとか何とか、そんなことは問題ないですよ。期末手当とか、あるいは賞与といわれているが、本給を基礎にして出す年間給与については、そういう計算をしている公務員の関係があるか、会社のほうの関係があるか。大臣はあまり勝手なことを言っていると思うのですよ、何も知らずに。だから、ひとつ公務員制度調査室長から、その点はっきり言うて下さい。言いなさいよあなた、大臣の前で。気がねすることはない。
○政府委員(増子正宏君) 期末手当の支給なり、あるいはその支給額の算定につきましては、給与法で、御承知のように規定がございますわけでありまして、その規定の趣旨からいいますと、私どもといたしましては、従来必ずしもただいま大臣が仰せになったような考え方では処理いたしていないわけでございますが、いわゆる厳密な解釈ということにつきましては、私どもどちらが正しいのであるかということは、ちょっと判断をいたしかねるわけであります。
○山本伊三郎君 あなたやはりいわゆる役人といいますかね、先ほど臨時行政調査会設置法でそういう論議があったのですが、私あなたを官僚とはいわないけれども、大臣の言ったことが間違いであれば間違いであるということを言うことがほんとうの忠実な公務員ですよ。今の規定によったらそうなっているけれども、大臣の言うことにも何か結びつけるような答弁は、善良な忠実な公務員としては、それはいけませんよ。間違いなんです。もしそれを計算して出したら、それで合法であるかどうか。もし今大臣のような形で期末手当を出されて、それで給与法の規定に、そうなってそれでいいのだ、不法でない、違法でないと言えるかどうか。もしそれが言えるなら、今まで出してきたやつは全部返さなくちゃならぬ。その点どうですか。
○政府委員(増子正宏君) 私どもの従来の解釈は、先ほど申し上げましたとおり、大臣のお話のようなことではございません。
○山本伊三郎君 僕は言葉にひっかかるのはいやですが、解釈とかそういうものではないですよ。長い間の俸給をあずかる人が、解釈の問題じゃない、そういう制定なんですよ、法律は。そういう制定をされておるのですよ。立法されたときそんなことはないでしょう。また、規定だってそうじゃないのです。大臣がそう言われたから、あなたがかばうことは、私もある意味においてはそれでいいと思いますが、大臣は今じみじみと言われたけれども、それは間違いなんですよ。それだけはっきりちょっと認識しておいてもらいたいのです。
○国務大臣(水田三喜男君) 私が民間にいたときは、全部そういう計算をいたしましたので、少し間違ったような気がします。
○山本伊三郎君 そういうことは本論に関係ないのだけれども、とにかくそういうことで、大蔵大臣としては財政を預かるからあなたがどうこうできるという意味で僕は言ってないのです。そういう言葉じりにお互いにとらわれずに、今の現段階で、やはりどうしたらいいかということで、実は質問しておるのです。どうしても方法がないということであるけれども、われわれとしては、まだ実は年末を控えていろいろ問題があると思うのです。単に労働者だけじゃない、公務員だけじゃなくして、いろいろな問題が起こってくると思うのです。政府もいろいろな施策をされると思うのですが、やはり公務員もひとしくそういう年末を控えて、物価高で困るときがあると思う。そういうことを私は憂えて質問したのですが、これは考えないということでなくして、こういう意見が十分出ておるということも、両大臣が考えていただきたいと思う。 それから次に移ります。実はこの一般職の給与、あるいは防衛庁、あるいは特別職ということに関連があるんですが、これは幸いに両大臣がおられますから、人事院総裁もおられるんですね。人事院総裁に聞いておきたいんですが、長年暫定手当の増額と、それから寒冷地の率の引き上げの問題がたびたび出て、この前の第三十八国会の終わりにも、この問題については、本院において、ある程度これは上げるべきであるという意思が整いかけたんですが、ああいう最後の段階であれが消えてしまった。われわれとしては、もうすでにこの暖房費についても相当問題がありますので、この点については人事院に再々勧告をしてもらいたい、こういう強い要請をしたのでありますが、前の浅井人事院総裁も、ある程度これについては検討するということであって、入江人事院総裁にかわってからは、この問題については、勧告も予算に問に合う時期において勧告をしたいんだ、こういう私は答弁なり言質を得ておると思うのですが、この点について人事院は今どう考えられておられるか、卒直にひとつ言ってもらいたい。
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまの暫定手当の問題と寒冷地の支給割合の増加の問題だと思うのでありますが、まず暫定手当でございますが、暫定手当につきましては、これは三十二年以来の懸案でございまして、御承知のように、人事院といたしましてもいろいろ見解を述べて参りましたが、国会方面その他において非常な御要望の次第もございますし、ただいまお話の、予算に間に会うように私が言明をいたしたということにつきましては、若干意見もございますけれども、とにかく今年末前後までに何とか結論を出したいというので、今せっかく作業中でございます。 それから、寒冷地手当でございますが、これはさきの国会で、御承知のとおり、衆議院と参議院の両方で附帯決議がございまして、衆議院におきましては、御承知のように、同一市町村内の人事交流を円滑にするために寒冷地手当の是正をするように、参議院におきましては、いわゆる支給割合の増加をするようにという両方の、たしか四月と六月とに附帯決議がございました。私どもとしましては、寒冷地手当の問題は、国会の附帯決議でございますから、十分尊重いたさなければなりませんのでございますが、どちらにいたしましても、同時に両院の決議がありましたことでございますから、できればこれを一緒に解決いたしたいと思うのでございますが、ところが、なかなかこれはむずかしいので、率直に申しまして、人事交流の同一市町村内の問題も、これは勤務地主義と居住地主義の問題がからんで非常に困難な問題で、人事院としてもなかなか名案が出ません。それから支給割合のほうは、これ率直に申しまして、人事院の事務的な見解といたしましては、例の支給割合の増加に伴って寒冷地の支給割合は増加いたしておりますし、また、生計費に対するいわゆる暖房増高費というものも別に上がっておりませんし、なかなか両方とも非常な難問でございます。今せっかく検討中でございますが、とにかく暫定手当のほうを先に片づけまして、今の寒冷地の両院の御決議につきましては、次の問題として、とにかく十分検討いたしたいという考えでございます。
○鶴園哲夫君 今の暫定手当の問題につきまして給与担当大臣に伺いたいのですが、この暫定手当につきましては、三十二年の衆議院におきまして、内閣委員会で附帯決議がついて、さらに参議院の内閣委員会でも附帯決議がついて、そうしてこの内閣委員会でもたびたび問題になっている。で、高橋元給与担当大臣は、この暫定手当を本俸に繰り入れるという言明を二回ほどこの委員会でやっておられる。さらに迫水給与担当大臣も、同じように暫定手当を本俸に繰り入れるという言明をしておられる。それに対して、私どもとしては、政府の考え方としましても、内閣委員会の国会における附帯決議を尊重し、さらに、また、政府の重要な政策でありますところの地域格差を埋めていく、農村と都市、あるいは小都市と大都市の所得格差を埋めていく、その政策としては、公務員の場合にあっては、暫定手当なるものの処理によってそういう問題がはかられるのだというような趣旨で今まで答弁をしてきておられる。したがって、政府としては、暫定手当について本俸に繰り入れるべきだという見解を持っておられるというふうに確信をいたしているわけです。重ねて伺うのも——重ねて伺うのじゃなくて、三度も伺うので、少しくどいようですが、はっきり政府のお考えをもう一ぺん聞かしていただきたい。
○国務大臣(福永健司君) ただいまのお話しのようなことでございましても、いずれにしても、人事院で結論を出していただきませんと、政府としてはこれを実施に移すというわけにも参りませんので、そういう意味からもただいまの人事院の総裁の答弁を私も聞いておりまして、私も皆さんとともに、人事院に同じような期待をもちまして、その結論を待つことにいたしたいと思います。
○横川正市君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、今回の改正で、公務員の通勤手当は六百円から七百五十円に引き上げられ、対象外の者については百円を二百円に引き上げられたわけでありますが、所得税法に関する基本通達の中に、通勤費は六百円まで課税の対象にしないということがある。この通達は七百五十円までと読みかえて考えていいのかどうか、その点お伺いしたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 今その問題は主税局で検討している最中だそうでございます。
○横川正市君 検討しているというが、ちょっと忘れたのじゃないですか。その取り扱いの問題で、所得税法の基本通達によると、通勤用の手当、定期乗車券その他を交付する場合、その金額月額六百円までの分については課税しないものとするという通達が出ているわけで、これは当然性格上からいっても、七百五十円になったからいとって特別な性格を持つわけじゃありませんから、この機会に大臣として、読みかえるということで発言していただけば、あとは事務処理は、事務担当者がやる、こういうことになるわけで、その点はっきりしていただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) まだ事務的にもその問題は私聞いておりませんでしたので、そういう方向で至急解決したいと思います。
○横川正市君 その方向ということは、ここで大体了承されたというふうに確認いたして、次の質問に移りたいと思います。 今問題になっております暫定手当と寒冷地手当の取り扱いについて、大蔵大臣の、財政上の理由からそういう問題で難行しているという点が、まあこれは正式に聞いたわけじゃありませんけれども、確聞されるわけです。ことに先般当委員会で法律の改正案を提起いたしまして、ことに寒冷地手当については百分の百二十を基準としないで、百分の百二十五を基準とするという改正案を提起いたしたわけであります。その改正する理由については、実はこれは、法律二百号改正のいろいろな問題が今まであったわけでありまして、人事院の解釈は何回か私も聞きました。たとえば、先般の総裁の意見では、率でもってきめうれておるから、ベース・アップに伴っておのずと寒冷地の率も上がる、だから改正する必要はないというふうな意見もあったようであります。しかし、事実上石炭とか寒冷地とかという費用については、これは一般物価と関係なしに固定化され、あるいは値上げがとまっているということではなしに、やはりそれ相当の値上げも行なわれておりますし、あわせて一般の生活水準も上がるわけでありますから、そういう意味合いではこの暫定手当あるいは寒冷地手当については、思想的にやはり変わっていると見るのが妥当なのではないだろうか。ことに暫定手当の場合には、地域給制定当時の地域経済事情とはほとんど事情を異にいたしてきておりますので、この点では、当然私は、人事院は暫定手当に対して、新たな観点からの勧告が出されるものと期待いたしております。ただ、その寒冷地手当については、この点がいささか考え方を異にいたしておるようでありますけれども、大蔵大臣として、おそらくこれは法律改正は議員立法で行なわれるものと思いますけれども、そういう場合に、事情を了とされて、当然私は賛成されるものと期律をするわけでありますけれども、この機会に大臣の御意見を伺っておきたい、かように思います。
○国務大臣(水田三喜男君) これは非常にむずかしい問題で、私が与党の政調会長をしているときに、何かの形でこれは解決しなければならぬと考えて、ベース・アップの行なわれるときに一緒にからんで解決しなければこれはむずかしい、したがって、本俸へこを繰り入れるという方向で、二度にはやれないから、相当長い年月にわたってこの解決をしたいという考えから、たしかあのときは五%を本俸の中へ入れて解決の一歩を踏み出す基礎を私が作ったつもりでございましたが、これはなかなかむずかしい問題で、とうとうそれっきりで、あとが続かないで今日まで残っているという状態になっているものであります。最初これができたときと今では、もうこの意味も全く違っておりますし、むしろ今では都会地に勤務するほうへこういう特殊の手当をつけるのではなくて、不便な僻地に勤務する人へ僻地手当をつけるという、逆の方向へいくのが手当としては本筋だろう、こういうふうに考えますというと、これをどういう形で解決していったらいいかということで、おそらく人事院も勧告案を作るには悩んでいると思いますが、私は、やはりベース・アップというようなときに少しずつこれを本俸に吸収していくという方法でなければむずかしいと思います。今の本俸にこれを機械的に全部加えて解決するということでございましたら、公務員の俸給のあり方というものが、一般の民間給与に比較して、特に特別の開きのないようにという趣旨から今の給与額がきめられておりますので、そういう点から考えまして、この制度を解決をするために、全部機械的にこれを本俸に加えるという措置は、明らかに矛盾を起こしますので、したがって、相当長い期間にわたってこれを本俸に順々に吸収していくやはり基本方針を立ってやっていかなければ、私はその解決はむずかしいじゃないかと思います。背一ぺんその方針で私どもは始めたつもりでございましたが、これはなかなかみな上がるときに、自分の吸収された分だけが昇給されなかったと同じような形になりますので、実際問題としてはむずかしいために、とうとうそのままで終わっているのではないかと考えておりますが、今後これを解決するとするなら、やはり昔私どもが考えたような方式でいくよりほかに実際的な方法はないじゃないかと、私自身は思っております。
○上原正吉君 ちょっと一、二分御質問申し上げたいと思うのですが、人事院の勧告に従いまして公務員の給与を上げるということは、まことにけっこうで、大賛成でございますが、公務員の給与が上がりますのは、やはり民間給与と比較して均衡をとるというばかりでなく、生活費が上がったからという意味が多分に含れてくるものと思うのでございます。そこで、公務員の給与が上がります場合には、すべての給与が上がるのでなければいけないのではないかと思う次第でございます。たとえば恩給ごとき、これも健康で働いているじぶんの給与が基本になって恩給が支給され、あるいは公務扶助料、それからまた共済年金、あるいはその他の公的年金、ことごとく国民の生活費が上がるということについて、公務員の給与が上がりますときには、やはりそれらの公的年金その他の給与もすべて上がならければいかぬのではないかと思う次第でございます。そこで、私どもが念願しておりますのは、公務員の給与逆引き上げますようなことが閣議決定で行なわれるというふうなときには、一緒にすべての公的給与が引き上げられる、こういうふうにお運び賜りたいと思うのでございます。人事院が現職にある公務員の給与だけしか審議しないということは、まことに片手落ちの制度である、かように考えておりますので、この公務員給与のベース・アップに伴いまして、急速に恩給であるとか、あるいは扶助料であるとか、あるいはまた共済年金であるとか、その他の公的年金がそれに比例して上昇するようにありたいと願ってやまない次第なのでございますが、幸いに大蔵大臣も御出席でございますから、これらの点についてどういうふうにお考えであるか、またどんな御用意があるか、この点をこの機会に伺っておきたいと思うのでございます。
○国務大臣(福永健司君) 制度上、実は私はこのほうの担当ではないのでございますが、総務長官の所管になっております。しかし、何人かおりまして、だれもお答えしないのもはなはだ恐縮でございますので、おります三人の中では、私が総務長官に一番近い印象を与えますので、ただいまの点を総務長官によく伝えておきますことで御了承いただきたいと思います。
○鶴園哲夫君 大蔵大臣の御出席を得まして、大蔵大臣にものを言いたいことがたくさんあるのですが、大蔵大臣と防衛庁長官に一つずつ伺いたい。 まず、防衛庁長官に伺いたいのですが、先回この内閣委員会で、防衛庁の自衛官の給与につきまして伺ったことがあるわけです。御承知のように、防衛庁の特別調整額、つまり俗称管理職手当、この管理職手当は、そのほかの各省の管理職手当と率が違いまして、うんと低いのです。その理由は、自衛官の本俸の中に、二十時間に相当するところの超過勤務手当が織り込んである。したがって、その上に管理職手当百分の二十五、百分の十五というのを出すのは、若干二重の形になるからというようなことがあって率をうんと低めている。そこで、私はその点について伺いたいのですが、超過勤務手当の二十時間分というのを本俸に入れてあるとしますれば、期未手当をこれにかけるわけですね、三・四月分をかけるわけですね。公務員の場合は、この超過勤務手当というのは本俸に入っていませんからね。これは期末手当をかけないですよ。三・四月分というのは。ところが、防衛関係の自衛官の場合においては、今申し上げたようにかけるわけですね。これはどうなさるおつもりですか。私は、これについては大蔵省にも言っておるのですけども、自衛官にそういうことが許されるなら、公務員の場合もそういうふうになさったらどうかというふうなことを言っておるわけです。どういうふうに防衛庁長官は考えておられるか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、調整手当の分は、自衛官には超過勤務手当が出ない、その意味におきまして、大体のあれを考えまして、昨年までは一三・八%という調整手当をつけておったのであります。しかしながら、期末手当等がだんだん増額されまして、昨年は三カ月でございます。したがいまして、それのはね返りを考えまして、昨年の防衛庁職員の給与法の改正にあたりまして、その調整率を一二・五%に引き下げたわけです。さらに本年〇・四カ月ふえまして、その分についてはやはり調整をいたしまして、そうして計算をいたしておりますので、そういうはね返り分が非常にダブって入るようなことにならないようにいたしておるわけでございます。ちなみに、先ほど横川委員にもお答えいたしましたが、曹、士の俸給につきましては、そうして出された給与のうちから、今回の改正をお願いいたしました三千百円の食費その他を含めたものを引かれたものが本俸でございます。したがいまして、その分はむしろ自衛官としては期末手当においてマイナスに響いておるという格好でございます。
○鶴園哲夫君 これはいつもそういう御答弁になるのですが、私は常にそういうことに疑問を持っておるわけです。というのは、調整手当については、要するに俗称管理職手当については率を下げておられます。それは本俸に、超勤手当に該当するものが本俸の算出基礎に入っておるから、これは率を下げる必要があるというので下がっている。うんと下がっているんですね。ところが、そう言うと、今度は食費手当はどうだこうだという話をなさるし、私は、管理職手当をそういうふうに切り下げるということは、要するに二十時間の超勤分が入って高くなっているから、だから下げるんだということだと思うんですよ。それじゃ期末手当はどうかというと、本俸にやはり三・四を、おかけになる、だろうと思うのです。そうしますと、一般の公務員より大体一万円ぐらい多いんですよ、平均しまして。その点を伺っておるんです。反対の意を表明をいたします。 討論を終わります。
○国務大臣(藤枝泉介君) それで、先ほどお話申し上げたように、昨年まではこの調整手当が一三・八%あったわけです。それが期末手当のほうがだんだんふえまして三カ月になりましたので、それのはね返り分を調整する意味において、昨年の御改正を願ったときから一二・五%に調整率を引き下げたわけであります。その上に本年はさらに〇・四カ月ふえましたから、その〇・四カ月のはね返り分をまた引いておりますと、こういうことでございます。
○鶴園哲夫君 その点はもう一ぺんやりますが、今の説明、私は特別調整額というふうに申し上げたところが、調整率というような説明でしたから、その点についての理解がいきました。これはもう一ぺんやります。 それから今度大蔵大臣に伺いますが、どうも私、五月一日にされないのを理解がつかないのです。説明は聞きました、小平総務長官から。三つ理由がありました。いずれも私は納得できない。大蔵大臣にもう一ぺんそれを聞きたいと思う。それから夏期手当を来年に回されたのは何といっても理解がつかない。本来なら、昨年の六月民間より低かったのですから、それをどういうわけで来年にされたのか、私は理解がつかないのです。そこのところを聞きたいのですけれども、大蔵大臣から頼みます。
○国務大臣(水田三喜男君) どうも私の説得力が足らぬようでありますが、結局諸般の情勢によって、五月一日勧告であるが、遡及しない、十月一日から実施する、これが妥当であるというふうに決定しましたので、したがって、十月以前のものには一切さかのぼらないということになったわけでございまして、諸般の事由というのは、これはたびたびもう御説明いたしましたが、ひとり国の財政というだけの見地から取り扱えない問題であるという点が一つと、それから去年、官吏の一体給与制度からみて、人事院の勧告に対して、俸給をさかのぼってこれを変更することが制度上どうかという制度上の問題も出ました。それから予算編成上の問題も出て、去年相当これでいろいろ論議いたしましたが、大体やはり十月一日から実施するという去年の措置がまあ妥当であると認められて去年実施したわけでありますが、ことしの人事院勧告も、環境から見て、去年と同じような環境の中で同じような形式の勧告を受けているわけでありますので、問題はもっぱら財政というようなものから見てその余裕があるかということをやりましたが、国の財政には私はある程度の余裕があるということは認めますが、国がこれを実施した場合に、地方公務員もこれに準じて給与改定が行なわれますし、その他のいろんな政府関係機関も、一応一般公務員との均衡の問題が当然起こってきますので、そういうときに他の財政はどうかといういろいろの検討をいたしますと、地方財政のごときは、御承知のように、そう余裕はございません。で、今回も国の自然増の中のいわゆる三税の二八・八%が交付金として地方へ回る、これが財源であって、それ以外に余裕がないというのが実情でございますし、今度富裕府県にしましても、これは交付金は一銭ももらわなくて、それで十月から実施することをきめましても、八十何億の負担というようなことを考えますと、富裕県といえども、この余裕というものはそうなかろうと思いますし、これが五月一日にさかのぼられるということになりましたら、さらに中央地方の財政は五百億円以上の財源を持たなければやれないということを考えますというと、国の財政状態だけではこの問題は処理できないというような事情を考えます。もう一つは、人事院の勧告は、これはいつあるかわかりませんが、もし年次的にこういう勧告が行なわれるとしますというと、それを受けて政府が中途で給与を直すというようなことも、また今後年次的な仕事になるだろうそういうことを考えますと、やはり区切りがついて一年ごとにこれが行なわれるようなことのほうがむしろいいじゃないか、昨年十月に実施したんだから、ことしも同じような形でこられた勧告に対しては、ちょうど一年経過したことしの十月一日から実施するのがまあ妥当だろうということで、最後に閣議でこういうふうにきめた次第でございまして、十月一日でなければならぬという理屈もなかなかむずかしゅうございますが、昨年あれだけ論議されて十月一日ということをきめたんですから、これに準じて今年度はやることが一番無難であるというふうに私どもは思ってこういう閣議決定をしたということでございます。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は一応この程度にとどめます。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 ——————————
○委員長(大谷藤之助君) 次に、第三四号文官恩給受給者の処遇改善に関する請願外五十七件を議題といたします。前例により速記は中止して審査いたします。 速記をとめて。 午後五時五十五分速記中止 ————・———— 午後六時十七分速記開始
○委員長(大谷藤之助君) 速記を始めて。 それでは、ただいま御審議願いました恩給関係四十一件、防衛関係四、共済関係一件、その他三件の請願は、いずれも議院の会議に対するを要するものとして、内閣に送付することを要するものと決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めまして、さよう取り計らいます。 ちょっと速記をとめて。 午後六時十八分速記中止 ————・———— 午後六時四十九分速記開始
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。 先刻に続いて給与関係三法案を議題といたします。 別に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。討論は三案を一括して行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鶴園哲夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま問題になっております給与三法案に対しまして、以下述べます主要なる四つの理由によりまして、反対の意を表明するものであります。 第一に、千七百九十七円、七・一%の引き上げは、生計費の上昇の工合、あるいは消費者物価の上昇の状態、民間の給与の上り工合等から見まして二〇%前後が妥当であるというように考えております。さらにまた、上下格差の問題につきまして、今回ささやかな是正が行なわれておりますが、アメリカやイギリス等に比べまして、日本の上下格差はあまりにも大きいわけであります。アメリカの例でいいますれば、五十年前のアメリカの状態に近いわけであります。その意味で一律に上げる必要があるというふうに考えております。 第三番に、〇・四月分の期末手当につきまして、職員と民間工員との期末手当を平均いたしまして出すやり方については納得できないわけであります。 第三番目に、今回出ました人事院のきわめて不十分な勧告を十月一日から実施されると、いうことにつきましては、全く納得のできないところであります。 第四に、今回の給与の考え方が公務員の消費生活を大幅に抑制をする、実質賃金を切り下げるという結果には結論が出ておりますことについても反対であります。 以上申し上げました主要なる四つの理由によって
○委員長(大谷藤之助君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、特別職の職員の給般に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大谷藤之助君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によって、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を始めて。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十三分散会