社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/31
会議録
○委員長(谷口弥三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、国民年金法の一部を改正する法律案(閣法第二二号)、年金福祉事業団法案、児童扶養手当法案、通算年金通則法案、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○坂本昭君 きのうから年金福祉事業団の問題についてお尋ねして参りましたので、最後に一点だけ、一番最後にきのうお尋ねしたのですが、事業と金融と分離していくおつもりであると、そういう御答弁がありましたが、現在厚生年金の積立金を使っていろいろな施設を作っております。それからまた、新宿には有名な厚生年金会館と、こういったものもあります。これらの運営の内容についてはまた別の機会にお尋ねしたいと思うのですが、将来こういう年金の積立金に直接間接関連して作られていくところのいろいろの福祉施設、こうしたものの運営についてどういう方針を持っておられるか、この際承っておきたいと思います。
○説明員(山本浅太郎君) お答え申し上げます。 現在御指摘のようなものといたしましては、厚生団、全社連、船員保険会等の団体がございまして、それに運営をお願いしているような格好でございますが、このような形にもそれなりの運営上の妙味はあると思うのでございますが、将来の姿といたしましては、やはり事業団に類したような組織を考えていくほうが国の施設を管理する形としてはより合理的であろうというような見解で、現在そうした方向で検討をいたしているところでございます。
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
○藤田藤太郎君 大臣に私は承っておきたいんですが、国民年金の問題で一つだけ、もう時間も何ですから……。この拠出年金に未加入の人がだいぶあるようです。七月末二百十五万人ということを聞いている、正確かどうかわかりませんが、年金の問題は未加入ですから、といって、福祉年金は支給しないこのような人々に福祉年金の問題は考えてやってもいいんじゃないか、考えるということでいいのじゃないか。今話したような福祉年金、母子年金そのほかあるわけですけれども、福祉年金の問題は、私はこの拠出制であるなしにかかわらず、社会が保障するという建前に立って、これは共済制度のような格好の年金制ですけれども、福祉年金は、これは別個に独立して社会が保障するという格好で考えていいのじゃないか、こう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 福祉年金は、御承知のように、現在の法制の建前から申しますと、拠出年金制度のまあ補完的機能を果たしているものと思うのでありまして、被保険者であるということを前提といたしましてこの制度ができているように思いますので、お尋ねのような扱いは、別な制度を考えればまた別でございますけれども、今のような建前から申しまして取り扱いがむずかしいのではないかと私は考えます。
○藤田藤太郎君 私は、今の法律で、今のあなたのおっしゃったような拠出制年金と福祉年金という一本の法律に立っているという格好をどういじくっていくかということについては、いろいろ議論があるところだと私は思うんです。しかし、思想としては福祉年金というようなものは、むしろ社会が保障していくという概念にむしろ入るべきものではないか、無拠出ですからね。そういうものを拠出制をやっていないからという理由をつけてあげないという理屈は、少し社会保障の本源にもとるものではないかと考えているわけなんです。今の法律によって議論をすれば、この法律の建前はこうなっていますから、どうも工合が悪うございますというお考えであれば、それはそれだと私は思う。しかし、福祉年金を無拠出として国が社会保障するという社会保障制度の精神というものは、拠出制年金であろうと、なかろうと、私はやるべき筋のものではなかろうかと私は思う。そういう建前から今後進めるべきではなかろうか。社会保障がだんだん進んで参りますと、共済的なものからやはり国や、社会が保障するという格好にだんだん進んでいってこそ本来の社会保障だと私は思う。その精神でなくて、あくまで保険制度や、共済制度という格好で社会保障をやっていくということはですね、少しそれはうしろ向きではないか。前向きの形においては、どこの国でもとっておりますように、社会保障という格好のものは、国や、社会がその人の生活を保障していく、貧乏になるのも、失業するのも個人の責任でない、むしろ社会の責任だ、それが日本の憲法の大精神ではなかろうかと、こう思っていますから、そういう考えにぜひ立って検討していただきたいと思うわけです。ただ、法律がありますから、これはこの法律に関連しているからどうの、こうのというようなことだけで解決すべき問題ではないと私は思う。こういうことを申し上げたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 現行制度の上に立ってものを考えますというと、基本的な問題に触れる要素があるように思うのであります。新しい立場に立って立法論的に物事を考えていくということになれば、確かに検討の価値がある問題であろうと思うのでございます。厚生省としましては、御承知のように、各種社会保障制度について総合調整というような問題も現に取り組んでいるわけでございます。今お話になりましたような点に、制度といたしましても重要な問題でございます。十分ひとつ検討さしていただきたいと思います。
○坂本昭君 次に、それでは通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案、これに関連して、一つ二つ御質問いたします。 まず伺いたいことは、通算年金を受給するための原資になるものは、つまり従来の退職一時金相当額の中から必要にしてかつ十分な額が控除凍結され、そうして通算年金をたとえ一期でも、あるいはまた、何分の一期でも受けるに必要な期間だけ生存をして、そうしてあと死亡すれば一期分またはその何分の一期分だけの通算年金を受けて、それでおしまいとなる。まあ死んでしまえばそれまでだという一つの問題点があります。そこで今回の拠出制年金と関連して実施されるこの通算年金制度の対象となる人、これが通算年金制度が適用される者の数を生命表の上からずっと検討してみますというと、通算年金制度の適用対象となった百人のうち、通算年金ではなくて死亡一時金に該当をして六十才未満で死亡する者の数は二十三ないし二十八人、それから通算年金に該当をして六十才以上に生き延びる者の数は七十二ないし七十七人、これはこの生命表に基づく計算であります。で、この通算年金該当者の中で、通算年金のための凍結原資を完全に受給し終えないで七十五才未満で死亡する者の数は三十九ないし四十人、七十五才以上に生き延びて、もともと全額自分自身のものであるべき凍結原資を完全に回収した上におつりのもらえる者の数が三十三ないし三十七人、こういう計算表が実はあるのですが、これから見るというと、もう通算制度の適用対象者百人のうち、ほんとうにその恩典に浴し得る者は三十三ないし三十七人、その反面に残りの六十三ないし六十七人中二十主ないし二十八人は通算年金の受給に関係がなく、また、三十九ないし四十人は自分自身のものであるべき凍結原資を回収し終えないでおしまいになる人たちであります。結局この通算制度というものは、六十三ないし六十七人の人たちの犠牲あるいは損失において、三十三ないし三十七人が利益を受ける制度とも言えるのではないか、非常な不公平な内容がこの中に生まれてきておるのではないかという点が質問の一点でありますが、この点についてはどういうふうな御見解を持っておられますか。
○政府委員(小山進次郎君) ただいま坂本先生がおあげになりました数字は私手元に持ち合わせておりませんけれども、御発言の筋からしておそらくそのとおりになるだろうと思います。その問題は、結局年金制度すべてに関連する問題でございます。結局一般論におきまして考えれば、一つの制度によって、もらうまでの間に死亡した場合の問題のほかに、受給し始めて、運の悪い人は一月で死んでしまう場合もあるし、また、十五年、二十年というふうにもらう人の場合もある。一月で死んでしまう人の場合、それでも一たび年金の花が咲いたということでそれきりになる。これはずいぶんおかしいのではないか、こういうふうな問題につながるわけでございます。この点についてはそういう角度から見ると、そういうふうな議論が一つあるわけであります。同時に、そこのところは保険なんだから長生きをする人も、また、それほどでない人もお互いに調整し合うのだという考え方があるわけであります。これは今の日本の制度では、傾向を申しますというと、初めはまあ自分の年金権という思想が非常に強うございます。その意味において組み立てから申しますというと、郵便年金に近いものから始まったわけであります。もらい始めて三年たたなかったら三年分だけは渡すとかいうような仕組みだったわけであります。現在の制度はほとんど大部分、やはりそういうふうにこだわっておったのではほんとうの社会保険に反するし、いわんや社会保障の機能が発揮できないということで、そこのところはあまりこだわらぬようにしようということになったわけであります。ただ残っております制度として、農林漁業団体の共済組合の退職年金の制度と、それから市町村職員の退職年金の制度にややそういう思想が残っているのであります。これも時代の流れから見ますというと、逐次一般の制度にかわっていくという傾向で、たとえば市町村職員の場合は、今度地方公務員の退職手金制度に一元化されることで進められておりますが、こういうものは一般の国家公務員、あるいは厚生年金と同じような考え方にしていこう、残るのは結局農林漁業団体の制度だけになりますが、これもいずれそういうふうに改めていく、まあこういうことでございますので、こまかい損得を、あるいは個々の損得を言えば確かにそういうふうな議論はあり得るわけでありますが、そこのところは克服していこう、こういうことになっているわけであります。 なお、十分な原資として控除されたものが、それじゃ早くなくなった人の分はそれだけ残るじゃないかというような議論も一つあり得るわけであります。これはそれぞれの人の控除する金額をきめます場合に、また、実際に年金を受け出してから平均してどのくらいかということで出しておりますので、金額としてはそれで見合うようになっておって、そこに全体として見る場合には損得がある、こういうことになっているわけでございます。 それで残る問題は、この通算年金とそれから一般の年金との間に、まあ一般の年金の場合は、もらっておった人がなくなった場合に遺族年金にかわるということがありますので、今の一般論が非常にきれいに適用できるわけであります。ところが、通算年金の場合は、今のところではこれをまだ遺族年金に転嫁させようというところまで関係制度が了解し合っておりませんで、一応老齢年金にだけとどめておく、こういうことになっているわけであります。これは前回も申し上げましたとおり、障害年金の問題とともに次いでこれは解決される問題になっているわけであります。そういう事情でございますので、やはり今の場合はこの方向でいくことが適当だと、こういうふうに関係者一同考えて、かような決定にしたわけでございます。
○坂本昭君 それからなお、今度の関係法律の一部を改正する法律案の附則の三十九条の件ですが、つまり経過措置としての改正前の退職一時金額の請求権が資格喪失後六十日間に限られている問題、これが附則三十九条の「退職後六十日以内に限り」「組合に申し出ることができる。」と書いてございます。この六十日に限られる問題、これはあまり短期間に締め切るという点はこれは問題ではないかと思うのです。もっとこれを余裕を置くという考えはできないか。このことは農林漁業団体職員共済組合法、この三十八条にもある六十才に達した後資格喪失し、通算年金に該当しない場合、改正前の退職一時金の請求権が資格喪失後六十日間に限られる、こういうことも同じような問題ですが、六十日に限るという点について、これを改めるお考えはありませんか。
○政府委員(小山進次郎君) この点は衆議院の御審議の際にも御議論に出た問題でございますが、この国家公務員共済組合の退職年金制度その他現在のもろもろの制度におきましては、この種の申請の期限というのをすべて六十日というふうにして現実に取り扱っているのであります。退職一時金の現在の取り扱いも六十日以内、こういうことになっているわけであります。で、六十日以内でずっとやってきて、それで支障がありませんのは、実はこれはもう非常にふだんから縁の深いところでそれぞれ仕事をやっておりますので、退職をいたしますというと、すぐ係りのほうからそのことを教えてやる仕組みが共済組合関係の制度ではできているわけであります。そういうような事情からいたしまして、六十日にきめます場合におきましても、関係制度におきまして、これだけ日にちがあればもう十分です、こういうことできまった日にちでございます。ほかの六十日にきまっているということと全然切り離して考えれば、これは六十日であろうとあるいは九十日であろうと、立法論としては十分考え得る問題でありますが、そういう事情があって、関係の制度としてはこれは六十日でいきたい、こういうことできまったものでございます。
○坂本昭君 次に通則法の十三条に支払いの問題が触れてありますが、通算年金の支払いのために統一した事務処理機関を早急に設置する必要があるのではないか、そういう問題がありますが、この支払い事務についての統一機関を作ることについての見解をひとつ伺っておきたい。
○政府委員(小山進次郎君) この点は先生おっしゃるとおりでございまして、いずれにしろ将来の問題としては当然これは一つの機関が取り扱うことが必要であろうと思います。一人の人が一生の間に三つないし四つの制度と関係を持って、それぞれのところから年金をもらう、そういう場合に四つの制度に対して関係を持つことをしないで、一つの支払い機関に請求さえすればすべて事が運ぶというようにすることは非常に必要であろうと思います。この論議をいたしますときも、いずれはそうしなけりゃならぬという点については財務当局を除く関係各省、これは全部意見が一致したわけであります。まあ財務当局はそうなるとまた金の問題があるからちょっと意見を留保させてくれ、しかし、方向としてはわかるということになりまして、いろいろ協議いたしました結果、それではまた支払い件数の少ないさしあたりのところは最終の制度が受け持っていくということにしよう、しかし、将来の方向としては確かにそうだということで、先生御引用になりました十三条に、特に「政令の定めるところにより、政令で定める者に行なわせることかできる。」としてその道を法律の中に作っておく、こういうことになったわけでありますので、将来なるべく早い時期に先生仰せのとおりにいたしたいというのが関係制度すべての念願でございます。
○坂本昭君 次の問題は、この通算制度実施に要する事務費の問題です。この制度を実施することによって、おそらく各制度では給付事務が退職一時金の受給者に関する限り、二倍以上にふえるということはまあ明らかであるし、さらに通算年金、死亡一時金、返還一時金、こういう新しい支給事務がふえるので、それに要する事務費というものは相当莫大なものになろうかと思われます。これに対する国庫補助の問題ですね、これはどういうふうに扱うかという点であります。
○政府委員(小山進次郎君) これは当然筋道として国庫が負担するということが必要なものだと思っておるのであります。現在でも公的年金制度の事務費は国庫が負担しております。ただ公共企業体の年金と、それから地方公務員関係の年金だけは、この国庫負担の仕方がやや迂回的になっておりますので、その点明瞭になりがたい場合があるわけでありますが、筋道としてはこの種のものは全部国庫負担ということで、現実にこのために生ずる増加費用はそれぞれ国の方で出すという建前のもとに、現に厚生年金についてもごくわずかでありますが、若干これを要求する、こういうふうなことになっているわけであります。
○坂本昭君 これは先ほどの支払いについての統一機関を作る問題、それからこういう事務を統一し、また、国がその事務費の補助をする問題、これはまたあとで一括して大臣にちょっと伺いたいと思っていますが、もう一つの問題は、通算年金額の実質な価値を確保するための問題であります。これはまあ国民年金の場合にも、著しい経済の変動にあってはこれを調整するというふうになっておりますが、この通算年金の場合も、最初の掛金を掛けて四十年あるいは四十五年後にあるということも普通に起こることですから、その間の貨幣価値の問題、これをどういうふうにやっていくかと、これについての御答弁をいただきたい。
○政府委員(小山進次郎君) この点は、先生仰せのごとく、実際に支払いを受けるときの問題として当然登場するわけでございます。で、これは筋道としては、当然基本年金と同じように、同じ割合で増額すべきであろう、ここまでは関係制度の考え方が一致したわけであります。ただその増加の費用を全額国にもうおんぶさしてしまいたいというのが一般の議論であり、それから幹事役を勤めておりました者及び大蔵省当局の考え方としては、それはそうはいくまい、やはりそれぞれの制度が一般原則に従って負担をする、その結果もしその負担が過当であるというならば、そのことを理由にして国から負担をもらうという筋は出てくるであろう、しかし、通算年金のものだけは、わしらは知らぬという態度はその制度もとるべきじゃなかろう、通算年金についてもやはり自分の制度に所属しておった分については将来とも増額のための責任は持っていく、それよりもまだ緊切な問題として、それぞれの制度で老齢年金の受給資格期間を満たしてもらっている人の年金額の増額の問題というのが現に恩給でも出ておりますけれども、これは将来の問題としてはしょっちゅう出て参るわけでありますが、それと同じに考えるべきであろう、こういうことでこの点はきちんとまだ関係省の間が意見が一致しておりませんけれども、まあ方向についてはそういうふうな方向で考えるという了解があるわけであります。
○坂本昭君 この際、大臣に三つばかり伺っておきたいのですが、今の通算の問題でも出てきましたし、それから現在の政府の国民年金の場合は、これはわれわれの言うような所得比例方式に従った保険料ではありません。しかし、厚生年金の場合はこれは所得比例方式の、男子の場合だと標準月収の千分の三十五というふうになっているんですが、大体、こうした社会保障に関するものが保険制度をとるということについては、これは私たちの社会党の方針としてもこれを支持しているものであります。多数の人たちの拠出によって個人的な、経済的な不幸を助けていこうという、そういう考えから保険制をとる、そして、その保険制の中では、健康保険の場合は千分の六十三という率をかけて、これは一応は企業主と労働者とが折半――まあ組合管掌の場合には企業主がはるかによけい出す、これは労働協約によって変わってきているところもあります。それから失業保険のような場合は千分の十四、今の厚生年金は千分の三十五、労災のような場合はこれはまあ事業所によって千分の一から千分の百二十五と、いろいろ違いはあるけれども、いずれも保険制をとっておる。そして、労災の場合は、これは労災保険そのものの歴史的事実からいっても、企業主が全部負担しているわけですね。こういうふうにいろいろな制度の中で保険制ということは、私はいいと思うのです。そして、私たちはいわゆる構造改革論的に、この労働者の側の保険料を逓減さしていく、具体的に言うと労働協約を通じ、そしてその労働協約の前進に見合って今度は立法的にこれを措置していく、そして千分の六十三から千分の五十にし、あるいは千分の五十の中の労働者の負担分を千分の二十五から十にし、五にし、さらにゼロにしていくと、こういう考えを私は持っておるんです。これについてはおそらく政府の皆さんとしては、保険制についてはわれわれと同じ考えだと思うのですが、それに対する労働者の負担に対する考え、将来保険制度の中での国民の負担する責任額、こういうものについて大臣はどういうふうに考えておられるか、ひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 保険の方式というものは今お話にもありましたとおりに、私はやはり社会保障の一つのやり方として十分存在の意義があり、今後ともにこれを変えていくというふうな考え方は持っておりません。ただ、今の負担の問題でございますが、これも一面においては制度の充実をはかっていかなければならぬ、向上をはかっていかなくちゃならぬというような場合において、いわゆる労働者の諸君の実際の負担というものが重過ぎると、こういうふうな姿が出て参りましたときには、またそれに応じた考え方もしていかなくちゃならぬ。同時にまた、経済の成長、国民所得の増大という場合に、被保険者の諸君の所得の増大ということもやはり考えていかなくちゃならぬわけであります。したがって、実質には、お出しになる金は変わらないけれども、負担の割合というふうな点からいえば軽減されるというふうな場合も、これは私はあり得るだろうと思うのであります。やはりそのとき、その時代に応じまして、労働者に過重な負担をかけて、そうして保険制度を維持していくというような考え方はもちろん私どもとりませんけれども、適正な負担はやはりやっていただかなければならぬ、ことに、労働者の諸君の所得の増大ということが私どもといたしましても大きな目標の一つでありますので、そういうことを通じまして相対的には負担が軽減せられるという場合も考えられることでございますし、一がいには言えないと、こういうふうに私は考えております。
○坂本昭君 まあこれは結局、灘尾さんの政治的ないろいろな思想や考えと私たちの考えの基本的な差になるので、ここではこれ以上深く議論しません。ただ、軽減することもあり得るとか、そういう消極的な考えでははなはだわれわれとして困るので、私たちとしてはそういうふうな保険料を、労働省農民の側の負担をずっと減らしていく、最終的にはゼロにする、まあソビエトの場合はこれがゼロになっているわけですね、ゼロになったときからわれわれのほんとうの社会保障が出発していくというふうに考えておって、そんな考えから福祉年金については、これは全力をあげてやっていきたい、そういう考えもわれわれのそういうものの見方から生まれてくるので、大臣のようなお考えだというと、なかなか福祉年金を今度一生懸命やってやろうというようなお考えは出てこないので、そういう点はきょうここでは議論しません。次は、保険料を取るというと、結局積み立てられて一つの基金ができていく。特に年金の場合は莫大な積み立てができて、そして、この積立金を算術的に計算して、それに基づいて何年後に支払いをしていくというこの積立制の考えが出てくるわけですね。これについては私たちは、積み立てていって、その積み立てしたもので払うんじゃなくて、賦課方式をとれと、その時代の若い人たちに老人を直接見てやるという賦課方式をとるべきである、そういう考えを持っておったので、この際、今までのような積立式がいいか賦課方式がいいか、実はほんとうの敬老といいますか、養老といいますか、皆さんの言われる孝行の精神、灘尾さんも文部大臣をやっておられましたから、道徳問題には詳しいので、その敬老の精神から言うと、積立制度というものはおかしいと思う。自分で積み立てて自分の老後を見る。ちっとも養老や敬老の精神がない。やはり現在のわれわれに賦課して、金持にはうんと賦課して、貧乏人には少なく賦課して、現在の年寄りを見てやる。そのほうが私はほんとうの灘尾かつての文部大臣の道徳教育にもかなっているのではないか。つまり積立制度か、賦課方式かについて原則的にどういうふうにお考えになっておられるか、ひとつ伺っておきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 年金について今お述べになりましたような問題がやはり一つの大きな問題になっているのではなかろうかと思います。ただ平凡に、単純にといいますか、あるいは実は高等数学が必要なのでございましょうが、そういう形で、おっしゃるような積立式と申しますか、そういう形でいくのがよろしいのか、あるいはそのときに応じただけのものを、そのときに出して上げる、あるいはそれは将来の人の負担になるということもありましょうが、そういう方式がいいのか、こういう問題は、私は年金制度に対する一つの大きな問題点として論議せられているところと思うのであります。そういう問題があることは、私も実は聞いているわけでございます。こういう問題について今私は実は自分としての結論は持っておりませんが、問題があるものとして、私もまた厚生省もかような問題については、今後ともにやはり研究を続けるべきだ、こういう考え方をいたしております。今直ちにどちらがどうとかこうというふうな結論を申し上げるだけの私には知識もなければ、用意もないということを、率直に申し上げておきたいと思います。
○坂本昭君 それはどうも、年寄りを大事にするという道徳的な問題から言うと、これは賦課方式のほうがいいのです。ほんとうの精神にかなっているのです。大臣が知識もなければ、用意もないと言うのは、はなはだこれは逃げ口上であって、この点は事務当局はやはり事務的に懸命に努力しておられますが、理念としてはやはり政治の立場にある大臣としては十分検討していただきたいのです。 以上のことから、保険料さらに積み立て、こういったことからきのうもちょっと申し上げたわけですが、基金を統一する問題が出てくるわけです。各種の年金や健康保険、いろいろのものがあります。それを統一して、この通算年金のところでも問題になってくるわけです。ばらばらのものを、どこかで統一しなければいけない。行政的にも困る、事務的にも困る、また、財政的にも困る、こういう点で、これは一体将来どういう方向に持っていくか。実は私たちも野党の立場にありますけれども、いつでもかわって行政をとれるように検討いたしておりまして、私たちは社会保障省という考えを持っている。それは社会保障省というものの中でこれらの各基金をやはり統一していこう、統一していって運営していこうという考えを持たないというと、とてもこれはできないのですよ。今のように、熱心でかつ優秀な年金局長さんすらも、いろいろな問題があると言っておられるとおりです。だから、これについて、将来、社会保障省というふうな、各種の社会保障に関する基金の統一、事務的な、行政的な、支払い機構も含めた、そういう社会保障省といったような御見解を当然お持ちになってしかるべきではないか。そのことについての大臣のひとつ御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) わが国の社会保証制度がだんだん、おかげさまで進んで参ったわけでございます。まだ、これを諸外国に比べますと、非常に見劣りのするものであることは、率直に認めざるを得ませんけれども、おかげさまでだんだん進んで参りまして、その方面の仕事がかなり伸びて参りました。と同時に、今お話のように、各種の制度が、いろいろ沿革、事情を異にして発展して参った関係上、非常に複雑になっておることもいなめない事実であります。したがって、仕事の運営の上から申しましても、そこに非常に複雑多岐にわたる問題があって、能率を阻害する、あるいは公平的見地から申しましてもおかしいというような問題もございましょうし、是正を要する問題が多々あるわけでありますので、社会保障制度の、今後、堅実な、しかも合理的な発展をはかって参りますためには、かなりその仕事はむずかしくございますと同時に、重要であります。そういう意味におきまして、行政機構の問題として、社会保障省というふうなものを作ったらどうかという考え方は、これは確かに、皆さんもおありだろうと思いますし、私どもとしましても、将来、そういう方向にいかなくちゃならぬのじゃないかというような考え方を、現に私はいたしておるわけでございます。今、具体的なものを持っておりませんけれども、制度が発展するにつれまして、やはりそういうふうな行政機構という問題も考えていかなければならないのではないかと、こういうような考え方をいたしております。 また、いろいろな制度につきましての御批判でございます。これは、私ども全く同じように考えております。いかにもいろいろな制度が並立しておって、通算年金制一つとらえてみましても、非常に複雑めんどうなところがあるわけでございます。そういうことがございますので、だんだんと各種の制度間のあんばい、調整をはかっていくということが、この場合当然なさなければならない目標ではないかと思います。さらに進んでは、すべての制度が、あるいは、一元化する時代が来れば、もっともよろしいのじゃないかというふうにも考えますけれども、なかなか、そこまでは容易にいかぬといたしましても、少なくとも、もっと整理する、もっと調整し、もっとあんばいするということについては、当面の私どもの課題として、これは勉強しなくちゃならないと思います。現に、政府部内におきましても、諮問機関等におきまして、御検討願っております。私どもも、やはりおくれないように勉強して参りたいと、かように存じておりますので、御了承いただきたいと思います。
○小柳勇君 私二つばかりお伺いしたいと思いますが、一つは、支給開始年令の問題であります。今厚生年金に加入している労働者などから意見が出ておりますのは、支給開始年令を五十五才に引き下げてくれないかという意見があります。私ども検討いたしまして、これには若干の問題もありまして、たとえば退職年令の引き上げなど、五十五才が妥当であるか妥当でないかということについては問題がございますが、そういう意見、要求が相当あります。その支給開始年令の五十五才という要求があるにもかかわらず、この通算老齢年金の支給開始は、国民年金は六十五才、その他の年金は六十才となっております。この国民年金の六十五才については、しばしばここで質問もかわされましたが、この六十五才とその他の年金の六十才との五才の差、そういうものを将来どうされようとするか、これが第一です。 それからこの厚生年金の六十才の支給開始を五十五才になすというような検討がなされているかどうか、まずこの二点について質問いたします。
○政府委員(小山進次郎君) まず、あとのほうの問題から申し上げたいと思いますが、先生も仰せのとおり、かつて五十五才であった支給開始年令が、その後の検討の結果によりまして、この前の厚生年金の大改正の際に、全部の一致した意見に基づいて六十才になった。こういう経緯で現在の六十才という支給開始年令になったわけであります。この点は、各国の年金制度を見ましても、やはり方向としては六十才ないし六十五才の間に支給開始年令があるようでございますし、それから国民の平均余命等から考えましても、これはやはり方向としては適当ではあるまいか、かように考えているわけであります。ただし、個々人にとってみるというと、またなかなかつらい面があるということも考えなくちゃならぬわけでございます。そういう意味合いにおきまして、厚生年金につきましても、将来の問題としては、やはり一種の希望に基づく繰り上げ減額制度というものを採用する、これは現在すでに公共企業体の退職年金制度で採用しているわけでありますし、また、国民年金でも今回採用しよう、こういうことにしているわけでありますが、そうなれば、これは十分検討を経た上で結論を出すべきことでありますけれども、方向として、厚生年金において、ことさらそれを採択しないという理由は希薄になるわけでありますので、おそらくそういうものが考えられる可能性は非常に強いと思います。そうなれば、五十五才と六十才との間隔という問題は、これは解決するわけでありまして、残る問題は、年金額が充実して参れば、おのずから適当に自然の調節がつく、こういうことになるわけであります。 それから通算年金におきまして、国民年金から受けるものが六十五才、ほかのものが六十才となっておりますが、これは国民年金と他の年金とを合わせまして二十五年になった場合に受ける年金につきましては、ほかの年金に所属しておった分は六十才から受け始めるのであります。国民年金の分を六十五才から受けるということで、それぞれ固有の制度の渋みとそのまま同じになっているわけでございます。なお、繰り上げ減額の制度のあります場合には、希望に応じてさらにその分を繰り上げすることができる、こういうことになっているわけであります。問題は、国民年金と厚生年金との間に、六十五才と六十才というふうに五才の間隔のある点についてでございますが、これは社会保障制度審議会が答申をされる場合にも、ずいぶんと御検討になった問題でありますけれども、一つは、被用者年金の場合には、労働者は職を離れてしまうともう生活の手段が全然ない。ところが、国民年金の対象には農民が非常に多いわけでありまして、ある程度稼業として生産手段を持ってやっている。その意味において、実際上働ける間は長いというような事情が一つと、もう一つは、保険財政的な考慮でございますが、六十五才と六十才とでは、保険料に対する関係が非常に違って参る、保険料はある程度低くしなくちゃいかぬ、こういうような事情から、六十五才ということになっているわけであります。
○小柳勇君 そうしますと、公共企業体の共済組合年金の五十五才支給開始というものが、近い将来に六十才になるような構想はございませんか。
○政府委員(小山進次郎君) これは、さしあたりのところ、私どもの所管でありませんので、あまり立ち入ったことはいかがかと思いますけれども、私どもの承知しているところでは、少なくともこれを繰り上げよう、つまり五十五を六十に繰り上げようという考えは、関係者の間に今のところないように聞いております。
○小柳勇君 第二の問題は、この間説明された中で、老齢年金の受給率が非常にアンバランスがあります。違いがあります。まず、なぜこういうような違いが出るのかということを、厚生省の立場から御説明願いたいと思います。
○政府委員(小山進次郎君) これは、結局一生の間に、どなたにも職場の移動、あるいは職業の移動ということがあるわけでありますけれども、厚生年金が非常に効率の高い制度になっておりますのは、どの職場に行きましても、原則として五人以上の被用者を使っている事業所に働いておれば、厚生年金という単一の制度の適用が受けられる。その意味において受給資格期間というものがフルに生きる可能性が非常に高いわけであります。ところが、それ以外の制度は非常に限られた範囲の人を対象にしておりますので、一生を国家公務員で過ごすとか、あるいは生涯を農業団体の職員で過ごすということであれば満たされますけれども、農業団体の職員から今度会社、工場のほうへ変わっていったということになると、そこで切れてしまう。そういうような事情からいたしまして、範囲の狭いものを対象にしている制度ほど効率が少ない。こういう事情から、農林漁業団体の退職年金制度がわずかに一割強程度の受給率になっている、こういう事情でございます。
○小柳勇君 そうしますと、その保険経理が違ったものを一緒にやっているので損得が相当あるわけですね。損得については何か見てありますか。
○政府委員(小山進次郎君) 今度の通算のほうは全部を生かすという前提でできておりますので、この通算の年金を受けるに必要とする費用というのはどの制度の場合でも共通になっているわけであります。その分だけをそれぞれの制度から出してもらって、残りはそれぞれの人にそのまま退職一時金として渡してもらう、こういう事情が、ある制度におきましては、今までもらっておった退職一時金の六割か七割くらいが引き続いて受けられる。ある制度になると従来の退職一時金の五割程度しか受けられない。つまり退職一時金の額によってその間の調整がついていく、こういうことでございますので、損得は全然ないと、全部同じだと、こういうことになるわけであります。
○小柳勇君 厚生大臣に最後の質問でございますが、厚生年金をかけておったたとえば駐留軍労務者などが退職いたしまして、かけ捨ての年金が相当ある、私は資料を出すように再々要求いたしておりますが、概数しか出ておりませんが、私の記憶ではたしか七十億ぐらいあるのではないかという予測があるわけです。そういうものについては、こういう際に特別に別途にこれを世に出して別途の使途を考えるべきだと考えているのですが、そのようなことについてのあるなしと、もしあるとすればどうするか、こういう点についてまず大臣から、それから局長からお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、まだ事情をつまびらかにいたしておりませんので、政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(小山進次郎君) これは駐留軍の労務者に限らず、ほかの人すべてについてあったわけでありますが、つまり二十年間にならないで職場を離れてしまったという人の場合には、そういうことが非常にあり得るわけであります。ただし、駐留軍の労務者として五年間勤めてやめた。いかにもそれはかけ捨てになっているような格好のようですが、その人がほかの会社なり工場に就職いたしますと、同じく厚生年金の適用を受けておりますので、前の五年間というのは現在の制度でも完全に生きているわけであります。その意味におきまして、おそらく先生仰せのような問題は、その後勤めているところが特殊なところでなく、厚生年金の適用を受けるようなところであれば、それは完全に生きていると、こういうことになるわけであります。
○小柳勇君 厚生年金適用の職場に就職しておればそういうことがありますが、多数の者が厚生年金の適用の職場に働いてないという報告を受けているわけです。もしそのような正確な情報が入っておらないとすれば、私のほうでも調査しますが、ひとつ厚生省のほうでも御調査願って、しかるべく処置するように考えてもらいたいと思います。 それから最後に、これは要望でございますが、先般説明を受けて勉強しておりますが、非常に広汎な問題であって、なかなかよく頭に入りません。これは、ほかのこれに加入している組合員の間にもそういう問題があろうかと思いますが、PRなり、これをわからせるために、いろいろの資料その他の方法を講じていただきたいと思います。 以上で私は質問を終わります。
○藤田藤太郎君 この前もちょっと聞いたんですが、私は思想というものをひとつ聞いておきたい。この通算制の思想ですね。他の年金から厚生年金に手直しをして、そうして通算するわけですが、死亡一時金というのは、この年金でいくと、給付までのときには、死亡一時金が出ますと、一回以上もらうと死亡一時金はなくなりますね。そこで、その思想というものをひとつ聞きたい。社会保障の中でこういう思想はどうとらえられているかということが一つ。それからもう一つは、特に一定の金額を順次複利計算してかけていくという実態と、それから一定の金額を凍結してそこに持っていくという考え方とに大きな差異が僕はあると思うのです。だから凍結してそこに持っていった場合に、一回でももらえば、死んだらなくなってしまうということに私は大きな不満が出てくるのではないか。だから一つ一つかけていくのと同じ額になるであろうけれども、しかし、凍結――一定の二十万円とか二十何万円という金額になりますね、その金額を凍結しておいて、一回分もらって、死んだらゼロというところに、私はやはり通算の不満があるのではないか。だからこういうものは手直ししていかなければならぬと思うのだが、その第一段の問題と第二段の問題を聞いておきたいと思います。
○政府委員(小山進次郎君) 先ほども申し上げましたように、年金はこれは生存年金になっているわけであります。老齢年金のほうも。したがって、生きている人の生活を保障するということに一番忠実な姿勢というのが、そのことに関する限りは一番効率の高い制度になるわけであります。そういうような趣旨からいたしまして、厚生年金も国家公務員の共済組合の退職年金でも国民年金でも、すべて年金をもらったあとに死亡した場合には、死亡一時金というものは出さないという考え方をとっているわけであります。そうして、そういう場合に、今度遺族がおって生活に困ることのないようにということで遺族に対する年金というものを出す、こういう考え方をとっているわけであります。これについては、先ほど申し上げたように、これには遺族年金というものに転化することが今のところない、そこが問題だということをさっき申し上げたわけであります。その点が前回申し上げた障害年金の問題と並んで、措置を各制度において講じていかなければならぬ問題だ、こういうことになるわけであります。 それから、あとからのお尋ねの問題は、結局国民年金制度において毎月保険料を納めていく人の場合と、保険料を前納する人の場合の問題と全く同じになるわけであります。したがって、あらかじめ必要な原資を最初に積んでおくのと、それから毎月納めていくのとの間に別に損得はな、こういうことになるわけであります。
○藤田藤太郎君 そこらあたりが非常に問題なんです。ほんとうは対象者にしてみると、問題になるわけです。たとえば自分の生命をはかる人はないと思います。はかる人はないと思いまするが、被用者年金には遺族年金というものがある。遺族年金のある被用者年金から国民年金に一定の原資を凍結して持っていって、一カ月か二カ月もらって、ころりと死んだらゼロだというところに問題がある。思想の関連性において問題があるということです。そうでしょう。僕はそれを言っているわけです。二段階に質問したけれども、一つにすればそういうことです。遺族年金のある年金制度に加入して、通算の利益を生かすために、年金通算の法律ができて、一定の原資を凍結して国民年金になって、一カ月分、二カ月分もらったらゼロというところに問題がある。だから、そこでぼちぼちためていたものと凍結したものと同じだといえば、それは同じでしょう。同じでなければ保険経済が保てないわけですから同じでしょうけれども、その同じということで、片方の段階においては遺族年金のある年金でいく、こういうととろに問題がある。だから、私はこのような問題はやっぱり何らかの形で解消をする努力をするのか。あなたのおっしゃるように、生命のある間の生活保障というものを徹底的に貫くというなら貫くように各年金もそういう格好で貫いていくという、それなら私はやっぱり相互扶助的な保険制度から社会保障的な年金制度に転換をしていかなければならないと私は思うのです。そういうところに問題があるから大いにそれを考えてもらわなければならぬと思う。どうなんですか、そこのところ。
○政府委員(小山進次郎君) 私の申し方が不十分だったと思うのですが、私は大いに努力をしたいということを申し上げているのであります。ただし、これは関係各制度がみんなその気持になってくれなければいかぬわけでありまして、結局その解決のためにはそれぞれもう少し持ち分をふやすということが必要なわけであります。老齢年金が今度遺族年金に転化し得るために必要な増加原資というものがあるわけであります。それは持ち出してもやはりそういうふうにしてほんとうの国民皆年金の実を上げようじゃないかというところに関係各制度がいってくれなければいかぬわけであります。今の姿はとりあえず老齢年金についてはまあやっとここまで不承々々ながら持ってきた、こういうわけであります。次の問題は、引き続いてそこまで持っていく、障害年金の問題についても同じように解決をしていく、これが残された問題で、厚生省としては今後とも幹事役として努力をしていきたい、こういうことでございます。
○藤田藤太郎君 まあ法律ができると法律は一人で歩くわけですから、しかし、その肝心な問題が法律の上に載っていなければ、その政府や厚生省の今後やろうとしているその考え方というものは一つも出てこないわけですね。そうでしょう。だからこの法律が通るときには何らかの形でそのような問題点というものをぴちっと出して、こういうものはやっぱり計画的にどう処理していくんだという考え方が、私はこの年金がきまって歩くときにはそういう考え方が私は出てこなければいかぬのじゃないかと思うのです。だから、こういう質問をしなければならぬことになってくるわけです。それで手っとり早く言えば、それだけの原資が必要だということで逃げるだけでは事はおさまらないということです。手っとり早く言えばそういうことだと思います。そういうことだけでは事はおさまらないのでありますから、そこのところあたりはやっぱり計画の中で、こういう計画でいくんだと、原資の関係においてこれだけのこういう計画でいくんだという考え方が前へ出てこないと、表面に現われた問題だけの法律が勝手に一人で歩いていくということになるわけですね。そこのところあたりが皆さんの不満なところなんです。私もこれを議論すればたくさんありますけれども、まああまりいたしませんけれども、問題点だけは明らかにして置いて、そうして厚生省も、いろいろ問題が出てくると思います、他の被用者年金もあれば労災保険のような問題も関連してくるでしょうし、いろいろの問題が出てくると思いますけれども、しかし、生存をしている個々の人格の人そのものを社会保障によって守っていくというなら、それに合わしてあらゆる問題を――国民が今のようなことではもう非常に不満が出てきているところだけれども、そういうものをどういう計画で直して行くのかということだけは、やっぱり日々努力してこういう計画でいくのだということだけはここではっきりとしておいてもらわないと私は困る。きょうここでイエスかノーかという、この法律を変えるか変えないかという、今日押し詰まりましたから、そこまで議論はいたしませんけれども、しかし、そういうことは、いつ幾日にどうするかということだけはひとつ構想を出して置いてもらいたい、大臣。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お尋ねの御趣意はごもっともだと思います。ただばらばらに年金制度があるものをなるべくむだのないように被保険者のために有利にという趣旨のもとにこんな制度を作ったわけであります。その制度を作るに際しましていろいろ解決すべき問題があるわけだと思うのでありますけれども、それが全部は解決し得なかったという、未解決の問題が残されているというのが先ほど政府委員がお答えを申し上げました趣旨だと思います。したがいまして、厚生省としましては、そういったふうな未解決の問題につきましてさらに努力を重ねて各方面の御納得を得られる合理的なものに改善していくという方向で努力いたしたいと存じます。
○坂本昭君 次に、児童扶養手当法案について伺いたいと思います。 最初に、生別母子世帯約六万世帯と思いますが、こうした資料も法案参考資料には実はついていないさらにその母子世帯の約六万の方の生活がどういうふうになり、その収入がどういうふうに、あるいは就職がどういうふうになっている、あるいは生別の原因がどうなっていると、こういうものを一括した資料をひとつ出していただきたい。で、この資料を出していただくお約束ができ、今、簡単ならば説明がいただけるならば、これはもうそれだけで簡単に省略いたしますが、いかがですか。
○政府委員(大山正君) 母子世帯の数につきましては先般の補足説明で申し上げましたが、ただいまお話しありましたように、約六万世帯がこの対象になるわけでございます。それからただいまお話のありました各種の資料につきましては、去る昭和三十一年に行ないました資料があるのでございますが、だいぶ、五年ほどたっておりますので、実は本年、ただいまお話のありましたような調査を、あらためて五年目ということでやっております。年度内にその集計がまとまるはずでございますので、その機会に新しい資料を差し上げるようにいたしたいと、かように存じます。
○坂本昭君 それではその資料ができてからひとつぜひ見せていただきたいと思うのですが、次の問題は、この国民年金の取り扱いの問題の中で、生別母子世帯の問題が出てきて、現実の問題として非常に大きな役割、大きな要素を占めているということでこの法案が出てきたのですが、どうも従来の児童対策といいますか、乳幼児対策と申しますか、特に灘尾大臣は前に文部大臣もされたので、そういう教育面と児童の保護育成、保育の問題等については専門家として一つのお考えを持っておられようかと思うのですが、どうも厚生省の児童に対する考えというものは、なるほど児童福祉法には基づいているけれども、この児童福祉法で対象とする児童という考えは、生活保護の対象としての児童、そういう面でいつも取り上げられておって少なくとも近代的な感覚のもとにおける児童、そういう考えのもとに取り扱われていないきらいが非常に強い。その結果たとえば生活の豊かな人たちは子供を幼稚園にやる。豊かでない人たちは保育園にやる。おのずから日本には幼稚園と保育所という二つの制度ができて、一方は文部省、一方は厚生省に所管する、こういう矛盾が生まれてきている。私はこの際、児童対策、乳幼児対策、こうしたものを根本的に改める必要があるのではないか、そう思うのですが、これは大臣の御見解を承っておきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 児童に関する問題でございますが、この問題の取り扱い方につきましては、私は坂本さん御指摘のとおりに、従来いろいろあったと思うのであります。たとえば文部省のほうの側で教育というものをやっておりますが、その文部省のほうの仕事がだんだん年令的に下がって参りまして、そして学齢期以前の子供まで文部省が心配しなけりゃならぬという方向が一つある。それからまた、従来は文部省のほうのシステムでは取り扱わなかった児童を、最近は教育の面において取り扱うようになってきた。こういうふうな傾向も出てきておるように思います。従来はそういうふうにいわゆる学校教育ないし文部省系統の仕事として、未発達に属しております部分が厚生省系統において取り上げられてきたという沿革もあろうと思います。どちらかといえば厚生省のほうがまず手をつける。それがだんだん進むにつれて文部省のほうの教育のほうが年令的に下のほうに下がってくる、こういうふうなことで、現実問題としてどちらが一体どうなんだというふうな御議論も起こるような事態になってきておると思います。この辺につきましては、今後の調整を要するものが少なからずあるように思うのでありまして、いわゆる教育という面から取り上げていったほうがより適当であるというものについては、これは文部省系統の仕事としてお扱いを願って差しつかえないと思います。しかしまた、そこまでいきません場合には、どうしてもほっとけないものは、厚生省が何とかしなければならぬという立場から手をつけざるを得ないということになってきますから、これはその問題の発展の過程において両者の間の調整をはかっていかなければならないかと思います。幼稚園の問題、保育所の問題、これはだいぶ古い問題であり、いまだに両者が併立しておるような形になっておる。そもそもの起こりから申せば、保育所のほうはいわゆる勤労世帯を対象にして、まあ託児所という言葉で表現せられておったものが今日発展してきている。この内容を見ますと、一がいに託児所的性格のものでもない、幼稚園的性格もずいぶん入ってきているものもあろうかと思います。まだその辺に関する相互の調整というような点について、はっきりした整理がついていないというのが現状であろうかと思いますが、だんだん仕事が進むにつれまして私は両者の間においてそれぞれ特色を生かして、児童の教育あるいは児童の保育あるいは児童の保護ということに漏れのないように、遺憾のないように進めていくのが私どもの仕事じゃないか、かようにも考えておる次第であります。現状は御指摘のとおりにまだそこらが十分に整理されていない、調整されていないというものがあるということは、私も認めざるを得ないと思います。しかし、われわれといたしましては、お互いに縄ばり争いをするとかなんとかということでなくて、ほんとうに子供のためになるようなシステムが発展するように考えて参らなくちゃならぬと、かように存じておる次第でございます。
○吉武恵市君 ちょっと関連でおそれ入りますが、簡単に。今坂本委員から御指摘になった点は、実は私も非常に日ごろから感じておる点なんです。この点は文部大臣もおやりになり、厚生大臣もおやりになった灘尾さんのことですから両方の点はおわかりになっていると思うのですが、今はお言葉にもあったように、保育所は大体勤労者を対象としてやっている。それから幼稚園のほうはそうでない面でやっているというお話ですけれども、大体国民の大多数というのは勤労者階級なんです。その勤労者階級が保育所が充実しておればそこにやりたいのだけれども、充実しないからまあ近所の幼稚園にやるという面がかなりあると私は思う。それで保育所はただ子供を預ければいい、幼稚園は教育を主体にすべきだというのは、それは観念的には分かれますけれども、子供を預ける身から見れば、託児所であってもやはり教育に重点をおいて子供を預けるということでなければならぬと思うのです。ですから、国民の側から見れば保育所であっても幼稚園であっても同じく子供を預ける者はよく預かってほしい、教育してほしいという気持で、別に私は区別はないと思う。ですから、要するに、施設が充実していないから近所にある幼稚園にやるとか、あるいは近所にある保育所にやるというふうな関係になってくるのじゃないかと思うのです。それで役所の関係は私もよくわかることで、文部省は文部省の観点から見ていかれる。それから保育所は厚生省のほうから見ていかれますけれども、やはり受ける国民の側から見て物を考えませんというと、もう初期の時代はいいんですが、今日のようにほとんど大部分が勤労大衆で、そしてしかもそれは共かせぎである。そうすれば子供をどっかに預けたいという気持でいっぱいなんです。それで、私は保育課長にも一度直接お目にかかって話したこともあるのですが、もう今日のような状態になれば福祉関係というものは生活保護の対象というところからもっと飛躍して、一般の勤労大衆を相手にした一つの大きい幅の福祉事業にも発展していいときじゃないかと思うのです。しかし、それはただ子供を預けるというところじゃなくて、同時にそれはその内容においては教育の点に重点を置いていただいて、その点くどいようですけれども、私も非常に同感の感じがしております。 それからもう一つの点は、これは私は坂本委員と一緒に鹿児島に行ったときに感じたことですけれども、労働紹介所のすぐ近所に保育所がある。ところが、その系統はどうかというと、これは労働省が福祉事業団の経費を持って作っているのですね。厚生省じゃないのです。やっている仕事は同じなんです。それで聞いてみると、施設も悪くないのですが、結局保育所が近所にないから紹介所に子供を連れて行って、そこで預けて働きに行く。そして帰ってきて夕方その子供を連れて帰ってくる。国民の側から見れば、厚生省の保育所であろうと、労働省の保育所であろうと、どこであろうと、安くて、そしてつまり安全に教育してくれるところを欲している。つまり施設が足りないからそういうものが出てくるので、これはひとつ、まあわれわれにも責任がありますが、とくとひとつ御考慮いただいて拡充をしていただきたい。その点私も同感です。
○小柳勇君 今のに関連して私も質問いたしますが、実はお昼に陳情を受けたばかりで、十分に勉強しておりません。また、担当局長にも連絡をとってお聞きすればいいのですが、それもできませんが、福岡の遠賀市の市会議員が参りまして陳情したのですが、措置児童の取り扱いについて厚生省はもう少し、今吉武委員が言われたように、金をかけて生活保護の家庭やあるいは失業者の家庭や貧乏人の家庭をもっとあたたかくやってくれと、したがって、下の階層のほうにもう少し金をかけてくれぬかというような陳情がございました。それで今全国的なものが私よくわかりませんので、ことし使っております予算と、それから措置児童の各ランクの費用を、それをまず御説明下さい。
○政府委員(大山正君) ただいまの小柳委員の御質問にお答えいたします。現在本年度の予算におきまして保育所に措置しております児童一人当たりの費用は、全国平均で一カ月千三百円ということに相なっております。これが地域あるいは保育所の規模によりましてそれぞれ異なりますが、平均いたしますと月額千三百円、父兄から徴収いたします金額は生活保護の階層をA階層と言っておりますが、これはゼロ、結局ただということでございます。それからB階層、これは生活保護ではないが、市町村民税も所得税ももちろん、税金を一切納めておらないという階層でございまして、これは月額百円でございます。それからC階層と申しますのが市町村民税は納めておるが、所得税は納めておらないという階層でございまして、この階層はC階層のうちの所得区分によりまして月額三百五十円とそれから四百五十円と六百円とこの三段階になっております。それからただいまお話のありましたD階層、これは所得税を納めている階層でございますが、D階層は保育料も全額ということになっておりますので、平均すれば千三百円、地域と規模によってそれぞれ違うという建前になっております。ただいま御指摘のありましたのは、そのD階層が今後保母さんの給与のアップその他でだんだん保育料が上がっていく、それを全額納めるのは非常に苦しいものがある、これをもう少し減額できないかという趣旨のお話しであろうかと思うのでございますが、私どもも今後保母さんの給与等相当ベース・アップする必要があると思いますし、保育料もだんだん上がって参りますので、所得税を納めておるD階層も分けまして下のほうについては一定の定額で押えるという措置をとることが適当である、かように考えまして、来年度予算におきましてはそのような考え方で予算の要求をいたしております。
○小柳勇君 来年度の予算はあるのですが、D階層を二段階に分け、第一階層は千三百円と書いてあります。第二階層はリンク制と書いてあります。福祉協会の要求は最高千円にしてくれと言っているのですが、それぐらいのことができないんでしょうか。
○政府委員(大山正君) 先ほど申し上げましたように、本年度におきましては全国平均が千三百円になっておりますので、本年度はそれで一応納めているという形になりますので、来度年以降ふえる分につきましては、D階層の中でも下の階層は取らない、千三百円でくぎづけにする、こういう考え方で予算を考えておるわけでございます。
○小柳勇君 さっき吉武委員がおっしゃったとおり、託児所というのは一般には生活困窮者といいますか、幼稚園にやらない人がやる、あるいはもちろん施設が近所にないのでという人もありましょうけれども、一般にそういうことですからABCDなどと分けましても市町村民税の多寡などなかなかたいへんでございましょうから、この四段階を一緒にしてもっと国が金をかけて、今吉武委員がおっしゃったような方向に検討する意思はございませんか。大臣からひとつお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来吉武委員初めいろいの御意見が出ておりますが、私は現在の保育所というものについてはいろいろあると思っております。都市の保育所、農村の保育所等で内容的に見ましてもいろいろ違った点があると考えます。で保育所であろうが、幼稚園であろうが、子供の健全な育成をはかってゆく、子供を守ってゆくということにおいては、私は同様でなければならぬと思う。ただ、現実にその子供を持っていらっしゃる家庭というものの生活の状態あるいは勤労の状態というふうなことで、普通の幼稚園に預けるわけにはいかない、そこに何か特色のある施設に持っていかなければならぬというのが私は託児所なり今日の発展した保育所だと、こういうふうに思うのであります。いわばその子供さんを持っておられる家庭の状況というところに区別があるわけでありまして、子供本位にものを考えました場合においては、これは両者同じだと、同じでなければならぬ。もしかりに保育所のほうに取り扱いの粗末な点があるとするならば、これは改めなければなりません。また、かりに保育所のほうはむしろいわば社会福祉的な精神でもってやっていただく、幼稚園のほうは何か単なる教育的施設みたいなことでやっていらっしゃるということになれば、むしろ幼稚園のほうに対しましてももっとあたたかい取り扱いがほしいというふうなこともお願いしていいんじゃないか、その点は共通な要素があろうかと実は思うわけであります。だんだん発展して参りまして、ほんとうに勤労者の方の、たとえば夫婦共かぜぎというふうなところの子供さんを預かるところもあります。農村等に参りますというと、実は幼稚園があれば幼稚園へ入れるというふうな家庭の方も一緒に保育所へやっておる。また、農村あたりでは幼稚園を作るよりも保育所を作ったほうが財政的にも楽だと、こういうようなところから保育所の形において経営していられる面もある。したがって、幼稚園と保育所の間には非常な開きのあるものもございましょうし、中にはほとんど中身の同じものだというふうなものもあろうかと思うのでありますが、そこらの実情につきましてもよく調べる必要もあると思いますが、やはりそろそろこの幼稚園と保育所というものについての二元的な行き方というものについて政府としても検討しなければならぬ段階じゃなかろうか、かように私は考えておる次第でございます。 それから今の保育所の保育料といいますか、父兄の負担等につきましては現実に高過ぎる、あるいは負担力が少ないために保育所の内部の施設というか、措置というものが十分でない、こういうふうなきらいも私はなきにしもあらずだと思うのでありまして、その意味におきましては、政府としましては、保育所における政府が負担すべき措置費と申しますか、そういうものの増額を今日まではかってきておる、昨年もある程度やりました、今後もこの努力は継続するつもりでおります。また、職員の方に対する処遇の問題も大きな問題として現に取り上げられておるわけでございます。決してまだ満足すべき状態には至っておりませんが、政府としましても、この職員の処遇改善についてももっと現状を調べまして、それだけまた保育所なら保育所における措置内容というものが向上するようにやって参りたい。こういうつもりで現に努力をいたしておるところでありますが、昨年来特にその点につきましては、厚生省といたしましては、一つの重点を置きましてやって参っておるわけでございますから、来年度以降におきましてもこの方向でもってもっともっと保育所の内容を整備する、また、保母さんたちがもっと楽しく働けるようにいたしたいというつもりで努力をいたしておる次第でございます。御了承をいただきたいと思います。
○小柳勇君 時間がありませんので、私ももう質問いたしませんが、ただ最後に児童局長にたとえば所得税を納めている人といいましても、失業多発地帯におきましては所得税を先月まで納めておりましても、すぐもうその回切りでなくなって参ります、そういう場面もございましょうし、今大臣の言われた趣旨に従ってひとつ緊急に考えていただきたいと思うんです。大牟田とか田川とか、そういう地帯については緊急に考えていただきまして、子供を託児所に置いて母親が初めて仕事に出られる家庭もありましょう。そういう家庭が心配がなく働けるような措置を緊急にとっていただけるように要請いたしておきます。
○藤原道子君 私は今のに関連して、ひとつ保育所の問題、いま一点だけお伺いしたいのです。 大臣の先ほど来の御答弁で、私は大臣の精神はよくわかった。けれども、厚生省として将来の児童対策というものをどう考えてらっしゃるか。大臣がおっしゃるように、富める者と貧しい者との子供が差別があっちゃいけないと思うのです。児童福祉法ができるときにも、児童教育の一本化ということがずいぶん問題になったのです。私どもとしては低年層というのですか、小さいうちを保育所として、その上になったときに、学齢前一年ぐらいを義務的に幼稚園幼児教育というふうにもつていくべきだと思ってるのですが、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 教育については、教育行政を担当したことがあるというだけのことでございまして、別段専門的な知識も何もございませんけれども、現在教育の方面から考えますれば学齢期に達して小学校に入る前の子供につきまして、さらに教育的な手を伸ばしていこう、あるいは言いかえますれば、年令をどこで限るか、いろいろ問題がございましょうが、いわゆる義務教育の年令をもっと下げるというような方向についての検討は今日私は文部省方面においてはなされている、かように考えております。
○藤原道子君 その児童教育の一年引き下げるということは、これはいいんです。しかし、今の幼稚園と保育所のあり方について私はこれを一本にしてほしいと思うのです、問題は。幼稚園には、国立の場合の附属なんかには、ずいぶん国家の費用が出ている。ところが、保育所には出てない。出てないということはないけれども、国の補助としては少ないのです。そこで問題は措置費が非常に問題になっている。高いのです。二人子供を預けた場合には二千円、三千円近いものを取られておると、働いている母は働いている金がほとんどその方へ取られてしまうというような状態にある。ところが、一面において保母さんの給与が非常に低いのです。保母になり手が最近なくなってるのです。そういう場合に将来保育所の増設がずいぶん問題になっているのに保母さんが得られないとなったら一体保育所の運営はどういうふうにやっていくおつもりであるか。保母の充足に対してどういうふうなお考えを持ってらっしゃるか。これはずいぶん問題だと思うのです。高等学校卒業してさらに二年学校に行って、それで六千円だの七千円だのという保母さんの待遇で、これで保母のなり手がなくなるのはあたりまえだと思うのですが、大臣、あるいは局長は将来の保母の充足をどう思っているか、保母の手当をよくしていとうということになれば措置費を上げようということになる。それでは保育所に預ける母の立場は非常に困っていく。だから国が幼児に対してのもっと根本的な対策をお立てになって、国庫補助をもっと増大しなければやっていけないのじゃないか。ところが、一面において、今年の様子を聞きますと、一カ所保育所を建てるのに予算が七十万円しか出ない。七十万円でできるでしょうか。国庫の補助ですね。ところが、予算は取ったけれども要望が多いから百ヵ所取ったもので二百カ所作らせるというような方法をとってるやに聞いているのですが、それではたして地方の要望にこたえておるとお考えでしょうか。もっとその点について大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) だいぶ痛い御質問ばかりでございますが、幼稚園については別に国からは助成はいたしておらないと思います。大学の幼稚園は国立だから別ですが、保育所については曲がりなりにも国のほうから援助をいたしておるわけでございます。これがつまり十分でないというところに先生のおっしゃる問題点があるわけです。われわれもこの措置費の増額、実は私はこの間まで民間のほうの社会事業関係者の一人としてやっておりまして、むしろ政府に向かって措置費の増額を要望しておった一人であります。ですから、この措置費の増額ということは極力努力をいたしたいと思っておるわけでございます。 それから保母さんの待遇の問題、確かに私は現在の待遇ではお気の毒だと思っております。そういうことでありますので、特に本年度以来保母さん方の待遇改善ということについて、政府としても力こぶを入れておるわけであります。決してそれがまだ十分なところまではいっておらぬと思いますけれども、待遇改善の熱意を持って政府はおるということ。それから保母さんの養成という問題については、もっといい保母さんをたくさん得られるようにという意味合いにおいて、当局においてもいろいろ検討いたしておるところでございます。ただ、この待遇改善の問題で私がざっくばらんに申し上げますと、最近は公務員のベース・アップかあるというようなときには国会にもお願いをいたしまして、こういったふうのところで働いておられる方々に対するベース・アップも同じようにやっていこうということできておるわけであります。現に先般の補正予算におきまして、国家公務員のベース・アップの予算を組みました際にも、この種の施設に従事しておられる皆さん方のベース・アップを同じようにやっていくということで予算の補正をお願いしたわけであります。ただ問題は、国家公務員の場合には民間の給与というもりが標準になって、そうして国家公務員は上げるという形になっておりますが、残念ながら社会福祉関係等におきましては、どちらかと言えば、民間の施設の方が給与が悪い、その点に非常に悩みがあるわけでございます。一応七%なら七%上げるとじゃこっちも上げるということをやりましてももとが違うというところに実は頭の痛いとこりがある。さような点につきましても極力努力をいたしまして、何とか公私の施設の間におきましても、待遇の問題についてあまり隔たりのないような方向に持っていきたいというつもりで今後努力さしていただきたいと思うのです。先生のおっしゃる御趣意は十分御了解をもちろんいたしております。極力御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思っております。
○藤原道子君 もともと低いのですから、このままでいったっていつまでたっても追っつかないんです。だんだん希望者がなくなるんですよ。検討している、検討しているといっても、いつまでたっても結論は出てこないんです。これでは近い将来に保母はなくなる、看護婦もなくなる、社会施設に働いている人たちの志願者はほとんどなくなっていく。これで社会保障が充実していくことができるかどうか、これは非常に問題だと思うのです。大臣は幸いにして非常にこの点については御熱心のように私は見ている。したがって、ほんとうに納得のいくような線を出して、子供たちの将来のために厚生行政として見るべきものがあったという結論が一つほしいのです。私は保育所問題についてはもっともっと――何やら時間がありませんのでしゃくにさわるけれども仕方がない。で、日をあらためてお伺いいたします。
○坂本昭君 春のときと違って三万円引き上げたときに伴う予算が幾らふえたかということ、扶養手当の支給事務委託費が幾らになったか、その単価がどうなっているか、これをまず簡単に御説明いただきたい。
○政府委員(大山正君) 一万五千円が三万円になりましたために必要な金額は八百四十三万円と推算いたしておりますが、本年度三カ月分の予算につきましては、既定の予算の範囲内でまかなえる、かように考えております。 それから委託費につきましては、市町村の事務取り扱いにつきましては一件当たり五十五円、これは国民年金の金額に合わせております。それから郵便局を窓口にするわけでございまして、郵政事業の特別会計へやはり繰り入れることにしておりまして、それは国民年金と同様、一件当たり三十円ということにいたしております。
○坂本昭君 両方とも非常に事務費が少ないことはまことに遺憾でございますが、次に伺いたいのは、支給条件の中の父の廃疾、この廃疾の意味であります。これは四条の一項の三に別表として指摘されているその中に父の廃疾の説明があります。「身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静」、この条件の中でお尋ねしたいことは、長期というのは一体どの程度をいうか。それからこの中に精神に関することは、精薄は含まれているかどうかということ。それからもう一つお伺いしたいことは、この支給要件の第四条の一項の五の「政令で定めるもの」ということの中にはどういうものが含まれてくるか。それから同じこの四のところの「父の生死が明らかでない児童」、たとえばお父さんが長い間拘禁されている、そういうような場合は含まれるかどうかということ。さらにこれはもっと基本的な問題ですが、義務教育以前の子供に限定していますが、これを十八才以下にしなかった点はどういうことであるか。それから四条の第二項の四に、「六年を経過していないとき。」というように六年ということを区切っているこの理由。それから九条の所得制限、所得制限がたしか十三万円ですね。これは母子年金の場合は三十万円じゃなかったかと思うのですが、これは不公平ではないかという点。以上個別的に御説明いただきたい。
○政府委員(大山正君) 第四条第一項の第三号にあります「廃疾」の内容は別表でございますが、この別表は国民年金の一級とそれから厚生年金の一級というものをとったのでございまして、十一号についての御質問でございますが、これは厚生年金と全く同じ取り扱いにしたい、かように考えております。したがいまして、やはり傷病になりまして三年たってなおらないというような場合に、これを適用するというように考えております。 それから精薄につきましては、厚生年金の取り扱いを引っくるんでおりませんので含まないということになるわけでございます。 それから五号の「政令で定めるもの」につきましては、一つは父から遺棄されておるような場合。それから第二の場合といたしまして、御指摘のありました長期拘禁――法令によって長期拘禁されているような場合には政令で定めるようにしたいと考えております。それから法律では法文上父ということになっておりますので、法律文による子供、あるいは認知された子供に法律上は限定されるわけでございますが、政令におきましても、法律上の父に限らず事実婚に基づく認知を受けていない児童というようなものもこれに含ませたいというふうに考えています。それからなお婚姻によらない児童、いわゆる未婚の母の母子状態にあります場合もやはり含ませるほうが適当ではないかというように考えております。この点は特に衆議院社会労働委員会の附帯決議にもそのような趣旨のことがございますので、その点で考えて参りたい、かように考えております。 それから義務教育以前の子供に限って、十八才にしなかったといいますのは、母子福祉年金と同じ条件にいたしたのでございます。 それから第九条の所得制限の十三万円につきましては、やはり母子福祉年金と全く同じでございます。 それから第四条第二項第四号の「六年」といたしましたのも、これやはり母子福祉年金と同様でございますが、この労働基準法その他の遺族補償その他は六年分ということで支給されているという建前からいたしまして、その支給されている六年間は支給しないが、それを経過した以後において支給する、こういう考え方でございます。
○坂本昭君 もう一つ二十一条の「(事務費の交付)」のところですが、「事務の処理に必要な費用を交付する。」この必要な費用の単価というのは先ほど言われた一件五十五円と三十円ということなんですか。
○政府委員(大山正君) 市町村に対しましてはただいま御指摘がありましたように、一件五十五円でございます。都道府県に対しましては庁費、あるいは人を雇います費用、その他旅費――監督のための旅費といったそういったような事務費を交付するようにいたしたいと思います。
○坂本昭君 その内容はあれですが、今度の予算の中には盛られておるわけなんですね。
○政府委員(大山正君) 本年度予算として三カ月分組んでございます。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは速記を中止して。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。 委員長の手元に村山理事から国民健康保険の国庫負担等に関する決議案が提出されました。本動議を議題として、その趣旨の説明を求めます。
○村山道雄君 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表しまして、国民健康保険の国庫負担等に関する決議を提案いたします。決議案を読みます。 政府は、国民健康保険の現状にかんがみ、左記の事項について、措置すべきである。 一、国民健康保険に対する国庫負担をすみやかに大幅に引き上げること。 二、昭和三十六年度における医療費引き上げに伴う保険料増徴分については、本年度内において全額国庫補助の対策を講ずること。 右決議する。 提案の趣旨は説明を省略します。 何とぞ御審議の上、御可決下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(谷口弥三郎君) 本決議案に対し、賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致でございます。よって本動議は可決いたしました。 この際、灘尾厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまの御決議の御趣意につきましては、政府はもちろんこれを尊重いたしまして極力善処いたしたいと思っております。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) では、引き続き年金関係五法案の質疑を続行いたします。御質疑がもしあれば――それでは、ほかに御発言もなければ、これをもって質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。 次いで討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、討論中にもお述べを願います。
○坂本昭君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております国民年金法の一部を改正する法律案等五法につきまして反対の討論を行なわんとするものでございます。 その理由は、本年度から国民健康保険並びに拠出制の国民年金が全面的に施行されることとなり、それに伴いかねてわれわれが全国的に反対の意思を表明し、かつこれを実際的な運動として展開して参りましたその結果、政府は今回一部の改正案を提出して参ったのでございます。なるほど若干の進歩はございますけれども、残念ながら根本的な点におきましてわれわれの主張する国民年金法と相いれざるものがありますので、反対討論をいたす次第であります。 第一点は、依然として二十才から百円、三十五才から百五十円といういわば悪平等のこの原則が続けて行なわれているということ。また、支給開始年令が六十五才から引き下げられて六十才にはなりましたものの、このきわめて少ない年金額がさらに六十才支給において減額されて行なわれるというこの点。また、第三点は、いわゆる四十五年後における三千五百円支給という金額。なるほど先般来の御説明によると、この三千五百円という金額は、四十五年度というものを目標としたものではないとされておりますけれども、いかにも今日の実情において、特に池田内閣の所得倍増計画、高度成長経済政策の中におきましてあまりにも少ないという点でございます。 次の点は、積立金の自主管理の問題であります。膨大な積立金が国民年令のみならず、厚生年金保険においても今まで積み立てられてきておりますが、この積立金の所有権並びに管理権は、私はこれを積み立てる労働者や農民のものであると考え、そのために基本的な自主管理の組織並びに制度が樹立されなければならないと確信をいたしております。そういう点におきましては、まだまだわれわれの賛成をすることのできない法律案の改正でございます。 さらに、福祉年金に関しましては、内容がやや改正されてきた点もありますが、まずその金額の少ないこと、特に政府の方針がこの福祉年金に重点を置いてこれを強化育成をするという、そういう趣旨が十分に徹底していない。われわれは、今日国民年金法はよい法とは認めていません。むしろ悪法ではないかとさえ考えている。しかし、この中で福祉年金だけは何とかして全力をあげて伸ばしていきたい、そう考えておりますが、今回の改正の中にもその点が十分に生かされていない。そういう点はまことに遺憾とするところであります。 次は年金福祉事業団法案についてでございます。従来、厚生年金保険の積立金並びに今回から積み立てられる国民年金の積立金、これらについてのいわゆる還元融資、これが厚生年金につきましては従来ほぼ一五彩でありました。これが今回二五%に引き上げられて参りましたことは、いわば一つの前進ではあります。そうしてこのような過程の中から今回事業団が生まれてきたのであります。とはいいますものの、わずかに二五%しか還元されていない現況におきましては百パーセントの還元を要求するわれわれとしては、とうていこれに納得はできないのであります。 次の点は、なるほど従来の厚生年金の還元融資は転貸債の形式をとっておりましたのが、今回この事業団を通じて直接の貸付になったことは私は合理化されたということは認めます。しかしながら、いかにしても直接貸しの金額はあまりにもわずかで、また、その事業団運営につきましては、これについては委員会でもしばしば議論されましたが、理事長あるいは理事その他を通じて完全に民主化された形跡がない。あるいは今後われわれの意見に基づいて評議委員会を作ったり特別な運営審議会を作って、この年金積立金に拠出をしている労働者や農民この人たちの代表も入ることになるでしょうが、現段階においては理事者の中に入っていない、加えられていないということもわれわれが強く不満に思うところでございます。今後民主的な運営をはかり、資金のワクを拡大し、また、利子も目的に従って安くする、こうしたことを将来に期待いたしまして、残念ながら現段階における事業団法に対しては反対の意思を表するものであります。 次に、通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案につきまして反対の意見を申し上げます。 今回、多年の審議を通して、いわゆるじゅずつなぎ方式として一応論理的、実際的な体裁を整えて参りましたことについてはわれわれも了とするところがあります。しかしながら、本日もいささかふれましたとおり、通算年金な受給するための原資として従来の退職一時金相当額の中から必要な額が控除、凍結をされ、そうしてそれが通算年金を一期あるいはまた、その何分の一期でも受けるに必要な期間だけ生存して後死亡してしまえばその一期分あるいはその何分の一の期分だけの通算金を受けて、それでおしまいになるという、いわば死んでしまえばそれまでだという一つの根本的な問題が残っているのであります。かくて結果的には先ほども数字をあげましたが、三三ないし三七%の人が恩典に浴して、六三ないし六七%の人たちのいわば犠牲の上にこの通算年金という制度が立てられる不公平があくまで残っている、こうした点についてわれわれは賛意を表することができないのでございます。 最後に、児童扶養手当法案につきまして反対の意見を申し上げますと、そもそも基本的には生別母子世帯の扱いにつきましては、これは国民年金の補完として今回生まれてきたのでありますが、考え方の基礎がもっと国際的に新しい見地に立って家族手当あるいは児童手当、こうした見地からこれは始まるべきではないかと考えるものであります。でわれわれは、今日の賃金体系が年功序列賃金体系から、だんだんと能率給的に変わりつつある現実を認めます。そのゆえに、たとえば最低賃金制についても、夫婦単位の最低賃金制を考えなければならないではないか。そして定年制というものをはっきりして、六十才を定年とした場合、定年以後の人たちは年金をもって生活をさせる。そして定年以下の人たちは、夫婦単位の最低賃金の上に積み重ねられた能率賃金によって生活をさせる。そしてその子供については、これを児童手当として完全な金額を支給する。これが世界の今日の情勢であります。したがって、われわれは児童手当については、場合によれば最低賃金に応ずるところの四千円、五千円といった高額を出すべきである。にもかかわらず、今回の児童扶養手当法案におきましては、基本的な出発点が違う。さらに支給額もあまりにも低額で、月額児童一人八百円というあまりにもお粗末な点でございます。 以上の点につきまして、私は今回の五法案につきまして反対の意見を申し述べるものでございます。
○相馬助治君 ただいま議題となりました五法案について、そのうち国民年金法の一部を改正する法律案並びに年金福祉事業団法案に対しましては反対の意思を、残された三法案に対しましては賛成の意思を民主社会党を代表して表明いたします。 まず、国民年金法の問題でありますが、ともかく今の時代におきまして、自民党内閣がこの年金制度を考え、老齢福祉年金をも含む年金制度を実現せしめたということに対しましては、私はこれに対して率直に敬意を払うにやぶさかでありません。問題はその内容であって、一体現在の物価、それに自民党が申しておりますところの経済の高度の成長を意味する所得倍増計画、これら一連の政策と見合った場合におきまして、はたして国民年金の支給額の現行三千五百円及び老齢福祉年金というものが妥当であるかどうかということに対しましては、大きな疑念なきを得ないのでございます。したがって、本改正にあたりましては、当然年金の一元化という抜本的な施策をその底といたしまして、これらの支給額について大幅の改正を行なうべきことを期待いたしたのでございますが、その趣旨はここに成立をいたしておりません。したがいまして、私どもといたしましては、本法の改正がきわめて善意の意思に基づくよき方向に向かっていることを認めながらも、本改正に対して残念ながら賛意を表しかねるものでありまして、反対をいたします。 次に、年金福祉事業団の問題でございますが、御承知のように、これらの積立金というものは、被保険者や、事業主から集めた零細な保険料の集積でありまするから、これをいかに運営するかということはきわめて重大であって、その際、年金福祉事業団を作るということはきわめて適切であると存じます。しかしながら、問題は、その積立金の性格を考えまするときに、本法においては二五%の還元融資を示しておりまするが、これは積立金の性格そのものからいたしまして、全額還付すべき筋のものであることは論を待ちません。しかもまた、この資金の性格からいたしまして、当然その対象には労働組合等をも含むべきものと思考いたすものでございます。しかもまた、その貸付の実態の運営、その他につきましては、きわめて民主的な運営がとられなければならないけれども、この法案の示すところによっては、はたしてその民主的運営が保障されるかどうか疑念なきを得ないので、われわれはこの事業団の今後の将来についてしばらく監視する必要を感ずるので、あえてこの際は、これまた残念でございまするが、反対をいたすものであります。 他の三法案については、賛成でございまするが、脅威の討論は省略いたします。
○委員長(谷口弥三郎君) 別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 まず、国民年金法の一部を改正する法律案(閣法第二二号)を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 多数でございます。よって国民年金法の一部を改正する法律案(閣法第二二号)は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、年金福祉事業団法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 多数でございます。よって年金福祉事業団法案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、児童扶養手当法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 多数でございます。よって児童扶養手当法案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、通算年金通則法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 多数でございます。よって通算年金通則法案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 多数でございます。よって通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
○村山道雄君 私は、この際、ただいま可決すべきものと決定いたしました法律案のうち、四法律案に対しまして、各派共同の附帯決議案を付する動議を提出いたします。附帯決議の本文を読みます。 第三十九回国会 参議院社会労働委員会 昭和三十六年十月三十一日における国民年金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は国民年金制度の重要性にかんがみ左記事項につきすみやかに検討すべきである。 記 一、1 各年金の年金額を大幅に引き上げること。 2 老齢年金、老齢福祉年金の支給開始年齢を引き下げること。 3 福祉年金の給付制限を緩和すること。 4 保険料、年金額、給付要件、受給対象等すべての面において社会保障の精神に従つて改善すること。 5 右の実現のため大幅な国庫支出を行なうこと。 二、特に左の事項については可及的すみやかに適切を措置を講ずること。 1 保険料の免除を受けた者についても、拠出年金を支給すること。 2 年金受給要件に達しない者の実納保険料がその被保険者のものとして確保されるようにすること。 3 各種福祉年金額を大幅に増額すること。 4 老齢福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金、障害福祉年金、児童扶養手当等の本人所得制限額十三万円を十五万円以上に、引き上げること。 5 夫婦とも福祉年金をうける場合の減額制度については、これを廃止すること。 6 内科疾患に基づく障害に対しても障害年金、障害福祉年金を支給すること。 7 年金加入前の身体障害については、広く社会福祉施策の全体系のうちでその保障を確保するみちを考究すること。 8 老齢福祉年金、障害福祉年金における配偶者所得制限を緩和又は廃止すること。 9 拠出制年金未加入者にも福祉年金を支給する途を考究すること。 右の実現のため、国庫支出を増額して措置すべきである。 右決議する。 第三十九回国会 参議院社会労働委員会 昭和三十六年十月三十一日における年金福祉事業団法案に対する附帯決議 一、政府は、年金福祉事業団の資金わくを明年度以降において、大幅に増額するよう措置すべきである。 二、政府は、年金福祉事業団の融資対象施設の範囲を拡げ、住宅その他被保険者の福祉増進に資する施設をも、その融資対象とするよう措置すべきである。 三、政府は、年金福祉事業団の業務運営の円滑をはかるため、関係者をもつて組織する運営協議会のごときものを設置するよう措置すべきである。 四、年金積立金については、その特殊性に即した運用をはかるため、政府は明年度以降資金運用部資金に、他の資金と区別して年金特別勘定を設けるよう努めるべきである。 右決議する。 第三十九回国会 参議院社会労働委員会 昭和三十六年十月三十一日における児童扶養手当法案に対する附帯決議 一、政府は、本制度の実施にあたつては、その原因のいかんを問わず、父と生計を同じくしていないすべての児童を対象として、児童扶養手当を支給するよう措置すること。 二、政府は、児童手当又は、家族手当につき世界各国が施行している現状を検討し、社会保障のたてまえに立つて実施するよう努力すべきである。 右決議する。 第三十九回国会 参議院社会労働委員会 昭和三十六年十月三十一日における通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議 一、政府は、公的年金制度の被保険者の配偶者について国民年金が任意適用であるため、これらの者についての年金の通算が効果的に行なわれにくいこと、および現状において退職する女子被保険者が結婚等のために一時金を必要とすることにかんがみ、将来の情勢の推移により、退職一時金又は脱退手当金と通算年金との選択についての女子五年の経過期間については、これら期間経過前に、この事態対処する適切なる措置を講ずること。 二、政府は、通算措置により資格期間満了前に脱退する者についての従前の制度における不合理な点が必ずしも充分調整せられていない現状にかんがみ、すみやかに所要の改正措置をとること。 三、政府は、各種被用者年金を通算する基本となっている厚生年金は、世界各国の例からみても又他の被用者年金と比較しても余りにも低額であるから、すみやかに大幅な改善措置を講ずべきである。 右決議する。 以上四法律案に対する附帯決議案の提案の趣旨は、説明を省略いたします。何とぞ慎重御審議の上、御可決下さいますよう、お願い申し上げます。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは、村山君提出の附帯決議案四案を本委員会の附帯決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致と認めます。よって、村山君提出の附帯決議案四案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。 この際、灘尾厚生大臣より発言を求められております。これを許可いたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま全会一致をもって御決議になりました附帯決議につきましては、政府は誠意をもって検討いたしたいと存じます。
○委員長(谷口弥三郎君) なお、議長に提出する報告書の作成などにつきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、衆議院において修正議決されましたので、まず、その修正理由について説明を聴取いたします。修正案提出者石橋衆議院議員。
○衆議院議員(石橋政嗣君) ただいま議題となりました社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正部分について、その趣旨を御説明申し上げます。 本修正は、自民、社会両党の共同提案にかかるもので、その内容を申し上げますと、中央社会保険医療協議会の構成員二十人のうち、公益を代表する委員四人の任命につきまして、さらに両議院の同意を必要とすることとしたことであります。 その理由は、最近における医療費問題の混乱の現状にかんがみまして、以上の措置をとることによって、公益委員の権威を高め、同協議会の公正妥当かつ民主的な運営をはかり、同時に、適正な診療報酬の確立を期し、ひいては今後のわが国の社会保険の伸展に役立たしめようとするものであります。 以上簡単でありますが、その趣旨を御賢察の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(谷口弥三郎君) これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○小柳勇君 石橋議員に質問するまでもないと思いまするが、私どもはこの八、八、四の構成に対しては非常に疑問を持っておったわけです。その四が、国会で議決するということによって、どのように四と八とのウエートを増すか、見解をお聞きしておきたいと思います。
○衆議院議員(石橋政嗣君) 私どもといたしましても、やはり三者構成であります以上、三者同数の委員をもって構成すべきが妥当ではないかと考えたのでございますが、いろいろ事情もございましてこのような形になったわけでございます。なお、国会の同意を得るという形をとりますれば、今までも医師会あたりが問題にいたしておりましたように、直接厚生省の影響力を弱めることもできるんじゃないか。いわゆる、そういう意味において、公益委員の権威が高まるのではないかというような意図を十分に持ちながら実は修正をいたしたわけでございます。したがって、人数の点では、ややわれわれといたしましても率直に申し上げまして不満を持っておるわけでございまして、現在のところ、この程度の修正しかできなかったことをひとつ御賢察願いたいと思います。
○相馬助治君 石橋議員に二点だけお尋ねしたいと思います。 この公益委員について国会承認事項といたしましたことは、この種諮問機関の中ではきわめて珍しい例のように私は考えるのですが、他との関係はどのようになっておるかということが質問の第一点です。 それから質問の第二点は、一口に諮問機関と申しましても、社会保障制度審議会のように、日本の最高の知能の水準の者を集めて最高の答申を期待する性格のものと、それからただいま議題となっておりまする諮問機関のように、利害関係者の代表者を集めてその話し合いの場における公益委員としての性格を持っているものと、これは明らかにその性格が違うと思うのです。そこで、厚生省関係の他の審議会等もあるその中で、特に本審議会においてのみ国会承認事項とした積極的な理由があらば承りたい。 以上二点、質問いたします。
○衆議院議員(石橋政嗣君) 二点の御質問でございますが、大体関連性を持っておるのではないかと思うのでございます。私たちのほうで、この公益委員を選ぶ際に国会の同意を得るというようなケースは、ほかにないのではないかと最初思っておりましたが、調べてみました結果、公企労法関係の仲裁委員会も大体これと同じような形がとられておるようでございます。また、その仕事の内容から見ましても、一面似たような点があるのではないか。まあそう考えまして、大体扱い等につきましても公企労法の仲裁委員会の場合をそのまま今度の場合にも利用させていただいておるというふうな形になっておるわけです。すなわち、この中央医療協の場合も、三者構成――片一方は支払い側、片一方は医療担当側と、利害関係が明らかに反する。したがって、そういう意味で相殺される面がありまして、その中間に立つ公益委員の権限が非常に強くなるわけでございますが、これは仲裁委員会の場合の労使公益という立場とちょうど似ておるのではないかというふうに存じておるわけであります。したがって、この公益委員の権威を高めることによって、従来のいろんな紛争も幾分片づいて円満に運営されるんではないかというような考慮から、実はなされたわけであります。――今、仲裁委員会と申しましたのは、公共企業体等労働委員会の誤りでございますので訂正させていただきますが、これを大体準用させてもらっておるような次第です。
○相馬助治君 訂正されましたが、仲裁委員の場合には一種の裁判権を持っているので、これは明らかに違うと思ってお聞きしたいと思ったのですが、労働委員ということですから若干事情は違ってきますが、労働委員会の場合におきましても、三者構成で、その公益委員というものは仲裁委員会ほどではありませんが、一種の裁判権に似た権限を有しておるのであって、若干今の説明は若しいように考えるのですが、とにかくそのことについて私は意見を申しておるのではないので、ただそういうふうな根拠によってできたということが石橋議員の御説明によってわかったから、この点は了解します。 次に、先ほどの社会党側の委員の質問に対して、この制度が官僚勢力を押えることになる。具体的に言えば、厚生官僚を押えることになる。これは若干力関係でこういうこともあるが、逆に言うと、国会承認事項というけれども、先般の某委員のごとく、野党側が必死の反対をしたのだけれども、あれこれ理屈を言っているうちに、いつの間にやら政府から出てきた原案どおりに通過して、わけのわからない形で承認された例を御存じだと思うので、これは何を言うのだと言えば具体的に言いますが、石橋さん御存じだと思うのです。そういたしますと、一体、この力関係でこの種の国会承認事項ということが、逆に厚生官僚の勢力を温存することになる危険性がないか、こういうことをおそれるのですが、一体、修正者はどういうふうに考えますか。もっとも、修正者の意思を離れてできた法律は、法自体が力を持つのですから、これは運営の問題でありまするから、これは常識的に考えてそういうことも予想されはしないかということを修正者に対して率直に承っておきたいのです。
○衆議院議員(石橋政嗣君) 先ほど私答弁の中で申し上げたわけでございますが、従来この中央医療協のボイコットを医師会がやっております理由の一番大きなものは、監督権を持つ厚生省が一面支配者側でもある、そういう厚生省の影響力があまりに強過ぎて、一方的に結論が導かれていく可能性があるので、そういう医療協には入れないというようなことを盛んに言っておったわけです。そういう点、私どもも率直に見まして、やはり指摘されるようなところが若干あるのじゃないかということを懸念いたしておったわけでございます。そういう懸念を少しでも薄めるためには、この際、国会の同意を必要とするというふうにしたほうがいいのじゃないかと実は考えたわけであります。 国会の同意を得るような形にすれば、それでは厚生省の直接の影響力が薄くなるかどうかという点、これはやはり国会議員たるわれわれが、今後、十分運用上注意していけばできるのじゃないかと実は考えております。現在、衆議院の場合におきましても、各種の審議会委員を選ぶ場合に、ややともすれば各省のひもつき人事になりがちな委員の選出にあたって、国会の良識ある超党派的な角度から、誤りのない人選をやらなくちゃいけないという気持が非常に最近強くなっておりますので、そういう面も今後十分に生かしていきたいと実は私ども考えてやったような次第でございます。
○坂本昭君 まず厚生大臣に伺いたいのです。今回の提出されたこの法案、いわゆる中央医療協の改組の問題、これは前任者の古井厚生大臣が最も苦労された問題であります。そうして私自身、ちょうど古井大臣の任期中に、社会保障制度審議会の一員として、この問題には私自身も一生懸命、医療の合理化と民主化のために努力をいたしたつもりであります。 そういう点でまず伺いたいのは、この間、提案理由の説明をいただきましたが、社会保障制度審議会に諮問いたしますということについて、大臣は説明をされましたが、どういういきさつで諮問するに至ったかということの実態をほんとうに知っておられたのかどうか、私は非常に疑問だと思うのです。あの当時、医療費の問題は、これはもう昭和三十二年から健康保険法の一部改正のとき以来ずっと問題になってきておる。さらに甲乙二表、一・五%の引き上げの問題から、さらにだんだん深刻になってきて、去年以来医師会と厚生省との対立はのっぴきならぬところまできておった。そのときに、この社会保障制度審議会に諮問せざるを得なくなってきて、ほかにいい解決方法はない、そしてまたこれは諮問するのが必要であるということで諮問をするに至った。その間の経過について現大臣は十分に前任者の意図を受け、また、経過を認識しておられるかどうか、まずその点をひとつ伺っておきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 古井前大臣が社会保障制度審議会に諮問を発せられるに至りました当時の事情、経過等につきましては、私は承知いたしておるつもりであります。
○坂本昭君 そうであったとするならば、あとでまた重ねていろいろ伺いますけれども、ほんとうにこの審議会の審議された結論を厚生省としては尊重しているかどうか。また、ここにはいろいろと「すみやかに改組すべき旨の答申をうけたのであります。」そしてまた、改正の第一点として、「社会保障制度審議会の答申の線に沿いまして、」云々と書いてあります。みんな私から言ったらでたらめなことですよ。いいかげんなことでありますよ。なぜかと言うと、「すみやかに改組すべき旨の答申をうけた」ときにはこれは一つの答申じゃないのですよ。もう一つ大事な答申があった。内閣に臨時医療報酬調査会を作る、そしてルールをきめる。そしてもう一つ中央医療協議会も改組する。こうした二本立ての答申、そして医療制度の、特に医療費の合法的な算定等、医療費決定の民主的な運営、これが基本的な答申だったのですよ。ところが、この間の説明を聞くというと何ですか、「すみやかに改組すべき旨の答申をうけた」たったこれだけにしぼっている。私は、こういうことは実に知らぬものをごまかすことであって、当時の事情から言って、これだけをあげて理由とせられたということ、説明せられたということは、私は非常に不満であって、大臣は十分認識をしておられない、私はそう判断します。いかがでございますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、社会保障制度審議会の御答申につきまして私なりに尊重いたしておるつもりでございます。また、その社会保障制度審議会の答申が、ただいま御審議を願っております医療協の改組に関する法案と、いま一つは医療報酬算定のルールを確立するための内閣に設置される調査会のほう、この二つの御答申だったということもよく承知いたしております。これにつきましてはいろいろ御批判を受けて、私も各方面からおしかりを受けておるわけでございますが、御承知のように、古井厚生大臣が社会保障制度審議会の御答申を受けて、前の国会に医療報酬の調査会、それからこの医療協議会に関する改組法案というものを御提出になりましたわけでございます。その当時いろいろこの両法案については御意見があったように伺っております。特に医療協の改組法案については関係の向きから相当強い御反対もあり、御修正の意見もあったように伺っておるわけでございます。国会末期の混乱の結果どちらも流れたということでございます。私その後に古井大臣のあとを受けまして、この国会に臨むことになったわけでございますが、私はやはり前大臣が前国会に御提出になりましたこの二つの法案をその趣旨に沿って提案をするつもりで出発いたしたのでございます。ただ、前の国会におきましていろいろ御意見があり、御修正も御希望もありということでございますので、そういうふうな問題について全然考えないで、ただ前のとおりだということで出しましても、これはなかなかこの国会において御審議を願う上においても非常な支障を生ずるのではないか、かように考えましたので、関係の向きとも御相談をし、また、検討もいたしたわけでございますが、医療報酬調査会に関しましては今回の国会に提案すべくいろいろ相談をいたしましたけれども、ついに意見の調整を見ないで今日の段階に至ったということでございます。また、医療協に関する問題につきましては、これも坂本さんよく御承知と存じますけれども、いわゆるこれに関係する向きの支払い者側と申しますか、そういったふうの側の皆さん方が政府の案に不賛成であったわけであります。ただ、肝心の医療費問題を論ずる最も大きな要素をなす片一方、すなわち受け取り側におきましては前からあのような反対があり、御修正の御意見もあったわけです。その点についていろいろ協議もし、検討もいたしました結果、私率直に申し上げますけれども、一つの話し合いの結果として原案を若干修正することが適当であると考えたのであります。その修正がいかにも医療制度調査会の御答申と違っているのじゃないか。こういう意味でまたいろんな方面からおしかりを受けたわけでございますが、私として考えますならば、御諮問を申し上げ、御答申をいただく、それに基づいてその趣旨に沿って政府が責任を持って考える、国会に提案すべく行動に移ったという場合におきましてその間にいろいろまた支障が生じてきておる問題があるというふうな場合におきましては、もちろん政府がその答申の趣旨を没却するような案を作るとか、全くその根本から変えたような案を作るということはこれは政府としてとるべき態度じゃもちろんないと思います。しかし、その答申の大筋においてその答申の趣旨を尊重して若干の修正を加えて出すというととは、これは現実の政治の場に乗ってきたものの取り扱いとしましては御容認願えるのじゃなかろうかと、かように考えたわけであります。したがいまして、今回の国会に対しましては医療報酬に関する調査会、これは私の所管じゃございませんけれども、この医療報酬の調査会につきましては、ついに意見の調整を見るに至らずして今日に至っておる。医療協につきましてはいろいろ話し合いをしました結果、私から申せば前の御答申を大筋においては私はそう狂わしたつもりはないのでありまして、大体その御趣旨をとって、しかも現実と、言葉が適当であるかどうか存じませんけれども、私としましては妥協をいたしまして、そうして、話し合いをつけて国会に出したわけでございます。これは責任を持って事に当たらなければならぬ私の立場といたしましては御容認願えることじゃなかろうかと、こういうふうに考えたわけであります。見る人によりましていろいろ御意見もあろうと存じますが、私は決してこの社会保障制度審議会を無視するとか、軽視するとか、あるいはその御答申を根本的に変えるとかいうふうな心持でやったのではないのでございまますけれども、まあこれに対しましていろいろ御批判を受けて当惑いたしておるのが今日の状況でございます。
○坂本昭君 確かにこのわれわれのすることは、いたずらに法律を作ることではないのですね、大臣言われるとおりに、生きた国民の生活を政治の上で動かしていくことであるには違いないのです。だからその点で新任の灘尾大臣が苦労をしておられる、そしてまた、われわれもこの医療費を算定しあるいは医療費を引き上げる、単価を引き上げるということについては、一部の人が考えているように厚生省と取り引きしたり、与党の一部と取り引きしたりすることによってきめるということは、これはもう絶対に私はけしからぬことだと思います。それだったら政治は要りません。国会も要りません。これでは全く非民主的な政治であって、そういうことは許すことはできない。だから、とりあえずはこの各関係者が民主的な一つの算定の、あるいは単価決定のルールの上に乗ってもらうように政治的な交渉をし、その政治的な交渉が円滑に行くように法律を変えるという措置については私も反対するものではないのです。しかし、といいながら社会保障制度審議会に諮問をした、そうしたその諮問の結果の線には当然沿うべきであって、この先刻の提案理由の説明の中にも、三カ所くらいこの審議会というものが引き合いに出されておる。ただ引き合いに出されながら大事な点を抜かし、ことに今も大臣は臨時医療報酬制度調査会は所管のことでないと、これは私は聞きのがすわけにはいかない。というのは、厚生大臣が諮問をして、その結果として内閣に臨時医療報酬調査会を作りなさい、もう一つは中央医療協議会を改組しなさい、一応厚生大臣の諮問に対して、所管は違うけれども、別のところで一つの問題が答えが出てきているわけですから、それに対して、所管が違うから私は知りませんなどとは言うべき筋合いではないのであって、それはもちろん大臣もこれは御承知のことだと思いますので、ここではひとつ問題をきめていくためには、臨時医療報酬制度調査会はこれを厚生大臣にどうしろということは、これは確かに答弁の責任をとれぬかもしれませんが、もしとれぬというのならば、これは内閣ですから、総理大臣なり、責任者出てきてもらってこの際返答をいただきます。一体これはいつお出しになるつもりか、その辺は一応最初に諮問を発せられた厚生大臣として責任ある答弁をいただけると思うのです。だから、答弁がいただけないならば、場合によれば総理大臣来てもらって御答弁いただくようなことになるかもしれませんが、この二つの社会保障制度審議会の答申した二つの問題のうちの臨時医療報酬制度調査会、ルールをきめるこの制度ですね、これはいつ新しい法律案をもって国会に審議をお諮りになられるか、この際はっきりした御答弁をいただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほどの私のお答えの中に、よけいなことを申し上げてかえっておしかりをこうむったわけでございますが、決して私は医療報酬制度調査会につきまして、医療報酬に関する調査会に無関心なわけではない。最も関心を持たなければならぬ立場におるわけでございますので、この点は私の言葉の不適当な点は御了承をいただきたいと思うのであります。もちろんこの問題につきまして、実際問題といたしまして、この法案を出すか、出さないかというような問題につきまして一番関係の深いのは私でございます。したがって、各方面との意見の調整等につきましても、私がむしろやるというふうな立場におったわけでございます。形式は別といたしまして、そういうことでございますので、その点はひとつ御了承いただきたいと思いますが、私は元来社会保障制度審議会の答申がありました考え方というものにつきましては、何の異存もございません。むしろそうあるべきだという考え方をいたしております。そこまでかりにいかないにいたしましても、現に私どもといたしましては、医療報酬の問題を考えます場合に、現行の医療報酬についてはもっともっと合理化すべきものもあるのじゃないか。もっともっと適正な賃料のもとに報酬をきめるべき必要があるのじゃないかということは、これは考えておるわけでございます。さきにこれは非公式のものではございますけれども、私が受け取り側、あるいは支払い側の皆さんと御懇談を申し上げる際にも、今日、当面緊急是正を表するものもあるが、それは政府部内でひとつ検討して医療協議会にかける。しかし、本則といたしましては現在の医療の実態でありますとか、あるいは保険経済の実態でありますとか、あるいは国民の負担能力というふうなものをさらにお互いによく相談をして、いわば共同調査というくらいな心持でひとつ相談をして調査をして、同じに一つ資料のもとに協議を遂げて、適正な医療を求めていこうじゃないかというような話し合いもあったようなわけであります。したがって、内閣が権威のあるルールを確立するということで、調査会もでき、ここに権威あるルールを確立せられまして、それに基づいて医療協議会が具体的にそのときそのときに応じた適正医療費というものを出していくというこの考え方につきましては、私は何の異存もない、むしろそうあるべきではないかと思うのであります。ただ、現実問題といたしまして、法律の作文はそれはできますけれども、実際これを現実に移す場合には、関係の深い皆さん方のやはり御協力がなければならぬ、また、御納得がなければならぬ、そういうふうな意味合いにおきまして、まだ機熟せずと申しますか、意見の調整がつかないということでございますので、私はその考え方につきましてはもちろんこれを尊重いたしておりますので、今後ともにさらに検討を加えまして、あるいは意見の調整すべきものがあれば調整を遂げて成案を得て、何とかそういう方向に向かって進むべきであろうという考えのもとに今日立っておるわけでございます。その点はそういうに御理解をいただきたいと思うのでございます。医療協の問題につきましては、私といたしましては、なるほど社会保障制度審議会の御答申の趣旨に従って作られました前回国会に提案したあの案ですね、あの案でけっこうだと私は思っております。むしろあの案で出そうと思って努力をいたしたわけでございます。その間いろんな事情によりまして、どうしてもそのとおり出すわけにも参らない。しかしながら、なるべく早くやはり医療協の改組を行ないまして、医療協が円滑に運営できるような時期に到達したいという考えのもとに、多少の修正はこの際やむを得ないので、まずひとつ医療協の改組ができるようにしたい、こういうつもりで実は国会に提案する運びになりましたわけでございます。その間の事情をひとつ御了承いただきたいと思います。
○小柳勇君 議事進行について。委員長、衆議院のほうも最終日で忙しいと思いますので、委員長からお諮りになって、衆議院の石橋代議士、滝井代議士がここに説明員としておいでですが、質疑がなかったら御退席願っていいと思います。
○委員長(谷口弥三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
○坂本昭君 ただいまの大臣の御答弁ではどうも納得できない。それは臨時医療報酬調査会についてはこの関係の人たちのいろいろと了承を得るように努力したが、うまくまとまらないために今のところは提案されていない。しかし、何とかして早い時期に成案化して国会に提出したい、これはどうも社会保制度審議会が答申した趣旨を理解しておられない。私は具体的な例として、イギリスのロイヤル・コミッティ、いわゆるピルキントン委員会の例を申し上げたいのです。イギリスの場合も、これはイギリスの保険医が総辞退をやると、そういう実力行使を前にして特殊な委員会ができ、それがピルキントン委員会として結成されて、三年間の実績の上から、イギリスの医師の待遇についての検討を行なった。そうして、たしかこれは去年のことであります、去年、イギリスの国会では、やはり医療問題が非常に大きな内容として討論されたことがある。これはひとつ大臣のほうでも御検討いただきたい。が、このピルキントン委員会というものは、これは医者だとかそういうものじゃなくて、イギリスの場合は、専門家の人たちが、いろいろな職種の人たちの経済的な待遇を検討し、そうして医療に従事する人とのバランスをどう定めるかということの検討を三年間行なったんであります。日本では、まだ最低賃金さえできていない。そういう中で急にできるはずがないですよ。できるはずがないから、厚生省などに作ったんではまた間違いを起こすので、内閣に作って、そうして一体どういうふうに考えたらいいかというルールを、言いかえれば方向を、せめてそれから出発しようというのです。だから、何も厚生大臣が、医師会や歯科医師会やあるいは労働組合やあるいは日経連あたりと相談する必要ないですよ。一体医師というものはどう待遇したらいいか、医療行為というものをどう評価したらいいか、そういう点で、これはフリー・トーキングの場としてこの委員会を作る。そうして、ルールというものは一日二日でできるものではない、しかし、これをやらないというと、これは医療協議会の今までの例を見てもわかるように、全く合理性と科学性を失した、ただ力の、力と力のけんかになってしまうじゃないか。だから、これをいつまでたってもやろうとしないというところに、いわば厚生行政の、特に官僚制というものが非常に非難されるゆえんがあるのです。でありますから、今のような灘尾さんの御意見では、次の国会になったってこれは出てきそうもないのですよ。こういうことでは、話が違う。衆議院段階においていろいろと約束されたことは、私の聞いているところと話が違う。ちょうど今石橋さんおられますから、私は、そのことについて、石橋さんが御存じならばそれはひとつ漏らしていただきたい。今のようなことならば、私たちはこの法案についての考えを改めます。
○衆議院議員(石橋政嗣君) 私ども自民、社会両党話し合いました場合にもこれは一つの条件になっておるわけです。社会保障制度審議会の答申の中に盛られておる臨時医療報酬調査会の法案が同時に出されるということが、今度の場合出されておらない。したがって、なるべく早い機会にこれを出すということを条件にしておるということをはっきり申し上げたいと思います。 なお、衆議院におきましては、この点厚生大臣からもお約束をいただいておるわけです。次の国会に出していただくということをまあ言明していただきまして、そうして修正可決していることをあわせて申し上げておきます。(「おかしい、さっきの大臣の答弁にはそれはない」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、政府といたしましては、国会に出します以上は国会の御承認を願えるような状態のもとに出したいと思う。現在の厚生省をめぐっておりますこの医療問題に関する情勢というものは、しかく簡単で私はないと思う。そういう意味におきまして、俗にいう根回しと申しますか何と申しますか、やはりいろいろな方面の了解を得て、そうして御納得のいくところで出していくということでないと意味をなさないと、かようなこれは現実であったのでございます。そういう心持をいたしておりますので、検討に日も費しておるわけでございます。成案ができましたら、もちろん国会に提出するということは当然のことでございますが、そういう意味で検討を続けておるという状態にあるということをひとつ御了解いただきたいと思います。社会保障制度審議会の御答申というものに対しまして、そういう現実問題ということを考えないでただ国会に出すということについては、私はよほど考えなければなるまいかと思います。
○坂本昭君 それはちょっとまだ受け取れません。私が先ほど申し上げたとおり、このルールを作るということは、これは一番基本的なことで、今度の社会保障制度審議会が答申した中でも、非常に、何といいますか、高い次元における答申なんです。そうして、これはもちろん厚生省から、この前政府から二法が出されたときに、これは社会保障制度審議会でも再び諮問の対象になって、相当な反対意見もあったのです。これでは諮問の線に沿っていないという意見もあったのですが、社会保障制度審議会としては何も学問を扱うところではないので、将来審議会の考えている方向へ向くならばということで、不満ながらも一応了承した。その了承に対して医師会の人たちの一部の人は、けしからぬと、われわれは社会保障制度審議会に席を置くことはできないというような不満さえあった。あったけれども、社会保障制度審議会全般としては、現実というものをにらみ合わせて、この医療協議会の改組についての一応の原案を了承したのですよ。ところが、そのときには、やはりこの臨時医療報酬調査会というものはついておったのですね。それを今のように、成案を得ましたならばということは、これは私は非常に審議会を無視するもはなはだしいと思うのです。成案を得なければならないのですよ、次の国会までに。次の国会までにこれはどうしても成案を得て、得てやらなければならないのだから、その点を大臣が言わなければ、これはこれからこのあと審議はなかなか困難だと思うのです。成案を当然、この臨時国会でもそうであったのですが、少なくとも次の通常国会には必ず成案を出しますと、そういうことを言っていただかなければ、これは私は社会保障制度審議会の答申の線に沿っていない、いたずらに、ここには線に沿っていると書いてあるけれども、第一今度のこの法案を出すときも、社会保障制度審議会に諮問していない。していないために、この十月二十七日の新聞を見ると、前代未聞の、社会保障制度審議会からの意見書というものが出ていますよ、意見書というものが。これは私は非常な責任問題だと思うのです。したがって、ここでは私は国会の場ですから、意見書のことについては言いませんけれども、今の臨時医療報酬調査会についてルールをきめるという、これを次の国会に出すか出さぬかということは、これは私は今この法案の審議についてのポイントでありますから、明確な責任ある答弁をひとつしていただかなければ、これ以上審議できません。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来申し上げておりますように、私は社会保障制度審議会の答申の御趣意というものについては異存はないのであります。まさにそうあるべきだと、こういう考え方をいたしておるわけでございます。しかし、国会に出しますにつきましては、やはり現実というものをよくにらみ合わせて、そうして現実に即したと申しますか、現実の上において成立し得る条件というものを具備していかなければならぬと思うのであります。そういう意味合いにおきましていろいろ検討いたしておるところでございますので、私成案を得ればもちろん次の国会に出したいと存じております。しかし、成案を得るか得ないかというととは今後の問題であります。そこで、必ず次の国会に成案を得て出すというだけの私は言明をする自信はございません。しかし、その御趣意につきましては私は十分尊重して努力していきたいと、かように考えておるわけでございます。さように御了承いただきたいと思います。
○委員長(谷口弥三郎君) ちょっと速記をとめて。 午後四時五十九分速記中止 ――――・―――― 午後五時二十二分速記開始
○委員長(谷口弥三郎君) それでは速記始めて。 ただいまの問題はあとに回します。
○委員長(谷口弥三郎君) 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑のある方は御発言を願います。
○相馬助治君 厚生大臣に一点伺いたいと思うのですが、この環境衛生法ができてから、この法律案をめぐって関係の業者及びこの法律によって影響を受ける各層から種々な意見が出されておることは御承知のとおりです。しかも厚生大臣は、先般当委員会における施政方針の演説の中においても、環境衛生関係法案によって律せられる業者の問題についても鋭意研究をして善処したい旨の発言がございましたが、この法律案が中野四郎君外十名の発議によって出てきておりますが、なぜ本法が議員提案をもってなされるまで厚生省が着手できなかったのか、これらのことにつきまして事情を概略御説明賜わりたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この法律につきましては、関係業者の間にもいろいろ御意見もあり、御要望もあり、厚生省といたしましてもいろいろ検討をいたしておったところでございます。元来この法律は、御案内のように、議員立法でできました法律でございますので、国会の方面におかれましても、どの問題につきましてはいろいろ関心を持たれ、御検討をいただいておったように承知するのでございます。厚生省といたしましては、この国会にこのような法律案を提出するというところまで準備は進んでいなかったわけでございまして、目下検討をしておる段階だというふうにお答えを申し上げたことがあるように記憶いたすのであります。さような状態でございまして、われわれといたしましては、準備整わずこの国会に政府側からとして御提案を申し上げるところまで至っていなかった、ただ、問題点がいろいろありましたので、事務当局のところでいろいろ検討を重ねておった、こういうふうな状態にあるということを御了承いただきたいと思います。
○相馬助治君 本法がもともと議員提案によってでき上がった法律であるから、今般もまた議員提案によって修正されたものであるという意味だけの答弁であるならば、これはきわめて不満とし、かつ、厚生大臣に対して叱咜しなければならないのですが、準備ができていなかった、こう率直に告白的な答弁をされたのでは、これはいかんともなしがたいのですが、私はこの法律の持つきわめて重要な意義からして、この種法案については政府自身の責任において提案すべきものであり、そのことは議員立法を私は否定しておるものではないのであるから、議員から提案された場合には、早急にこれに歩調をあわせて厚生省の各種作業を進めるべきものであると、かように考えるのです。したがって、この法律案について厚生当局はどのように考えているかということを次の段階において質問しなければならないのですが、ここで提案者を代表して参っておりまする藤本衆議院議員にお尋ねをいたしますが、ただいまの質問と同断のことであって、本法を議員の発議によって修正案を出すに至った経緯について簡単に発議者を代表して承りたいと思います。
○衆議院議員(藤本捨助君) お尋ねの点に関しまして、ただいま厚生大臣から御答弁申したとおりでございますが、御承知のように、本法は昭和三十二年自民、社会両党の共同提案によりまして、成立しておりますが、その後、ただいまお述べになりましたような、いろいろな問題が各関係業者から出されております。つきましては、早くこれは何とかそういうような整備をいたさねばならぬということで、われわれといたしましては、いろいろやっておりましたが、御承知でもございましょうが、前国会におきまして、一応それを整えまして、そして議員提案、と申しますか、本法が議員提案でございますから、その改正等に関しましても議員提案として提出いたしたいと考えました。ところが、会期末非常にいろいろ取り込みまして提案いたしておりません。そこで、大体におきまして、前に提案いたしたいと考えました改正案の内容と同様のものを、今度議員提案の形におきまして、今度は自民、社会、民社三党の提案によって提出いたした次第でございます。
○相馬助治君 その間の経緯はわかりましたが、厚生当局とは十分な打ち合わせがなされておりますか、また、打ち合わせをした過程において厚生当局が難色等を示したような点がございますか、ないしは本改正が不備であり、より積極的に改正されなければならないという積極的な意思等が厚生省当局のどこかから表明されたというような事実がありますか、それらの点について藤本さんにお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(藤本捨助君) ただいま申し上げましたような経緯をとっておりまするが、その段階において常に厚生省といろいろ協議をいたしております。それから、われわれ議員側におきまする考え方と、厚生省側の考え方と何ら背馳するような問題はございません。あるいはまた、今申されましたようなこともございませんでした。ただ一言申し上げまするならば、公取との関係におきまして、われわれは一応前回におきましては適正化規程が員外団において守られないというような場合にどうするかというような問題につきまして、勧告ということを考えましたが、これが今度改正の議題に相なっておるわけでありますが、その場合に規制命令と同様に、公取に協議する必要があるかどうかということにつきまして、一応われわれはその必要はないんじゃないかということにつきまして、考え方の相違とまでいきませんけれども、いろいろ打ち合わせをいたしました。その他におきましては何ら変わったことはございません。
○相馬助治君 これは大事なことだと思うのですが、独禁法適用の排除に関する措置について若干の意見の開陳があったということを今尋ねたのですが、何を主張し、どのように反対され、結果としてどうなったかということをもうちょっと説明して下さい。
○衆議院議員(藤本捨助君) これはただいま申し上げましたように、規制命令を出すという場合には、厚生大臣がいたす場合も、あるいは都道府県知事がいたす場合も、環境衛生適正化審議会にかける、公取に協議するということがございますので、その前段のクッションとして罰則もない勧告でございますから、これを省いたらどうかということを考えまして、いろいろ折衝いたしました。その点につきまして、公取との間に厚生省の非常なごあっせんもございまして、四つの問題を出されましたが、大体それを了承いたされました。ですから公取との関係におきましては何ら問題ございません。
○相馬助治君 厚生省当局においてもその点はしかとさようですか。事務当局からの答弁でけっこうです。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいま提案者から答弁がございましたとおり、そのとおりでございます。
○相馬助治君 そうすると、主張したとおりに独禁法関係の問題が解決されたように思いまするが、改正された文面においては必ずしも関係業者が期待しているような結果が得られていないと思うのですが、藤本議員はその点についての御感想はいかがですか。
○衆議院議員(藤本捨助君) これはわれわれも十分とは思いませんが、関係団体におかれましてもまずこの段階においてはこの程度でやむを得ないだろうというような了承を得ております。
○藤田藤太郎君 私は一、二政府に聞きたいと思うのです。今まで環境衛生法というのができるときに非常に問題がたくさんありましたのですが、この環境衛生法ができてからその店の衛生の問題がどういう工合に環境衛生がどう直ってきたか、または業者が基準料金をやって参ったんですが、従業員の給与はどういう工合になって、向上しているかどうか、こういう行政的な問題の実態把握についてお答えを願いたいと思います。 それからもう一つの問題は、これはアウトサイダーの規制を行なうことになっております。そこでこの第六点のところを見ますと、その場合において特定の事業所または事務所の従業員のための福利厚生施設であって当該従業員以外の者の、云々と書いてある、この事業活動が営業の健全なる経営の阻害、云々ということで切られているわけですけれども、この環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の施行について依命通達というのが昭和三十二年に出ておって、生協なんかはずされておりますが、この中で、「当然適用を受けることとなるものであるが、ただ経済的規制をも併せ有する本法の性格にかんがみ、消費生活協同組合、農業協同組合、労働組合その他これらに類する組合等の経営に係るもの又は官公署、会社、工場等において、当該従業員の福利厚生のために経営されるもの等営利を目的としないものを一般の営利を目的とするものと同様に一率に規制の対象とすることは、現実問題として不合理を生ずる点も多々存するので、その特殊性を十分考慮に入れた運用を図ることが望ましく、そのためには、環境衛生同業組合において特に料金等の規制に関する適正化規程を設定するに当っては、いわゆる員外利用等当該施設の本来の目的以外に利用させる部分を除いては、別段の取扱とされるよう指導願いたいこと。従って、法第五十七条第一項の規定に基く厚生省令の制定の場合においてもこれらの営利を目的としないものに係る料金等の規制については、右に準じて別段の取扱がなされる方針であること。」というのが出ておりまするが、このとおりとこのアウトサイダーの規制のこの関係組合のことは理解していいんですか。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいまの前段の御質問でございますが、現在までに全国的に認められました適正化の基準は六種類ございます。それに基づきまして認可されました適正化規程が二十五ございます。現実にその規程が動き出しましたのが、本年の一月からでございまして、したがいまして、御質問の衛生基準が規定の運営によりましてどのように変わってきているか、また、職員の給与等がどのようになってきているかということは、ただいま東京都の組合等につきまして実態を調査中でございます。ここで申し上げる材料を持っていないのであります。 それから後段の福利厚生施設に対する規制命令、あるいは今回の改正案の中にございます勧告の運用について、昭和三十二年に出されました次官通牒の趣旨をそのまま理解してよろしいかということでございますが、私どもはそのように考えているのでございます。これはたとえば生産カルテル方式というような考え方が運用の基礎になっておりますが、この改正案も含めまして、法律の趣旨に沿い、この審議会の御意見を尊重いたしまして、通牒の趣旨に沿って適正な運営をして参りたい、このように考えている次第であります。
○衆議院議員(藤本捨助君) 現行法にあります規制命令でございますが、それは厚生大臣あるいは都道府県知事が出す場合におきましては、この適正化規程が実施された、ところが、員外団の事業活動が、当該組合員の営業に対しまして、健全な運営を阻害するということが第一にございます。 第二点といたしましては、これを放置しますと適正な衛生処置の確保に支障を来たすというような場合が条件としてございます。その場合に大臣または都道府県知事の職権によりまして、その適正化規程を参酌いたしまして、適当に規制命令を出すということになっておりますが、さらにその前段の勧告でございますが、それも同様な条件のもとに行なわれます。そういうようになっております。
○藤田藤太郎君 ですからここに、アウトサイダーの規制からはずれる問題を指摘しておりますが、私が読みました昭和三十二年の通達ですね、ここに書いていることと理解していいのですかということを言っているのです。
○衆議院議員(藤本捨助君) 今お述べになった特定の組合ですね、それに所属する事業所といいますか、事務所といいますか、そういうような場所に設置する福利厚生施設でありまして、その利用が従業員に限る、それ以外の者に利用させない、それから今申しましたような当該組合員の健全な営業活動を阻害しない、あるいはまた、適正な衛生措置の確保に支障を来たさないというような場合におき幸しては、まず勧告はもとよりでございますが、規制命令につきましても適用の一部または全部が除外されます。
○藤田藤太郎君 私の聞きたいのは、この通牒にこまかく書いておりますから今ここに摘出されておる意味は、この通牒に書いてあるような措置をとろうというおつもりですかということを聞いておるわけです。
○衆議院議員(藤本捨助君) それは今申し上げましたような限度がございまして、それによって弾力性を持つ、逆に申しまして、員外の者に利用させておるとかあるいは当該組合員の営業の健全な運営を阻害しておる、それからまた、適正な衛生措置を講ずるのに支障があるというような場合には一部または全部の規制命令または勧告の除外範囲外と思っております。
○坂本昭君 今の五十七条の改正問題について伺いたいのですが、これは厚生省のほうの行政的な意見を直接伺いたい。で、今回の改正案によりますと、特定の事務所、事業所の従業員のための福利施設、言わば企業内福利施設、これのみを従来どおり厚生当局の認定、言いかえれば厚生当局の裁量権によって規制し得ることができるというように改めてきております。で、各種の今まで同列に置かれておった環境衛生関係事業の中から企業内福利施設についての扱いのみを若干優遇した改正になるのではないかということが考えられるわけなんです。そこで生活協同組合あるいは労働団体などでやっておる事業、こういうものとの関連について差別するということは妥当でないというふうに思うのですが、今回のこの法改正に伴って厚生当局としてはどういうふうな行政指導をされるおつもりか、この際伺っておきたい。
○政府委員(五十嵐義明君) 今回の改正案では、先ほど提案者の方から御説明がございましたように、特定の事業所あるいは事務所等でもっぱらその従業員に利用させる、員外者には利用させない、しかもその地域の該当営業と競争関係にない、こういうものについては従来もその取り扱い上特別の取り扱いをしておったわけでございますが、それはこの法律の建前から見ましても当然規制命令あるいは勧告の対象にならないものであるという考え方からこれを第一段階ではずしておくというふうに理解をいたしておるわけでございます。そこで、第二段の問題といたしまして、地域的に同種の福利厚生施設があります場合に、それについて不当な差別待遇が出てきはしないかという問題でございます。これにつきましては、先ほど御質問にございましたように、三十二年の通牒の趣旨もございます。これは運用上先ほど申し上げました計算カルテル方式といったような含みですでに審議会からも意見が出ております。それを尊重いたしまして個々に検討いたしまして、不公平な処理のないように運営して参りたい、このように考えておる次第でございます。
○坂本昭君 つまり、生協だとか労働団体等の行なう事業の場合でも、原価計算の結果、明らかに割引料金を設定することも可能なので、割引料金を基本的に容認する、そういう根拠が示されてはいませんが、この点今回のこの改正にあたってどういうふうにしていただけるか、その点については十分な配慮をしていただけるわけでありますか。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいまの点でございますが、その福祉厚生施設におきまして、公正妥当な合理的な原価計算に立った料金で、しかも同業との間にトラブルなしに運営できるという前提に立ちましては、ただいま先生のおっしゃいましたような弾力のある運営をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは、別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。
○相馬助治君 ただいま議題となった環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、私は以下の条件を付して賛成をしたいと思います。 本法が持つ影響というものは、国民生活に非常に大きなものであって、本法が当初に期待したものは、国民衛生と直接関係のある業態が常軌を逸した不当なダンピングを中心として過当競争が激化せられて、各個の衛生措置が低下し、あるいはまた、その向上改善をはかることができずに施設全般の近代化の問題に反し、そのことが規定料金等についても各個ばらばらの姿を呈して、一方には業者自身、一方には消費者に不利益をもたらすというような結果を来たしているのが現状でありまして、この際、本法を改正して、一つには同業者の組織の強化をはかり、一方消費者の利益を合理的に守らなければならないということは明瞭であって、当然責任ある政府が本法の不備の点をカバーして改正案を提案すべき時期がすでに来ていたと思うのでありまするが、そのことを怠っている間にアウトサイダーの跳梁を許すこととなって、それが業者自身にとっても、一方消費者自身にとっても不利な姿となって現われておるのでございまするから、こういうふうな現状に照らして考えてみますというと、同業組合であるこの組合自身もまた今日組合員の不満動揺を中心として、組織自体が崩壊を意味するような段階になっていて、統一を欠くうらみがあるということは、今、本法の持つ致命的な欠陥が現実に現われて参ったものであるとして、われわれはこれに対して関心を持たなければなりません。したがって、本法の改正が最小限度中小企業団体法に規定している程度の確たるものにしなければならなかったのにもかかわりませず、その改正は若干部分的改正であって、局面を糊塗するような格好にあることは残念なことではありますが、現在の段階において、政府自体が、そういう積極的意思を示さなかったがために、与党である自民党、そうして社会党、民社党、これらの政党が、この段階において、最小限のやむを得ざる改正を、本法によって試みたのだと私は思慮いたすものでございます。したがって、本法は、当然、今後におきまして、適正化規程の自動的発効に関する措置であるとか、独禁法適用の排除に関する措置、先ほど提案者によって、大体目的を達したと申しておりますけれども、この改正案をもってしても不十分であることは、後に証明されると思うのでございます。なお、設備新設制限の問題であるとか、規制命令の自動的発動に関する問題であるとか、税法上の減年に関する措置等をも含めて、この際政府自体が、この議員提案である改正案に満足することなく、将来に向かって調査を断行いたしまして、消費者のためにも、業者自身のためにも、本法の持つ不備、不満を解消すべきものであろうと存じます。しかして、本法は一歩前進という意味合いにおきまして、その方向に賛成をいたしまするがゆえに、私は民主社会党を代表して、本法に以上申し述べた条件を付して賛成し、将来の抜本的改正を期待するものであります。
○委員長(谷口弥三郎君) ほかに御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致でございます。よって環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成などにつきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、医師及び歯科医師の免許及び試験の特例に関する法律案並びに医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案を一括して議題といたします。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。医師及び歯科医師の免許及び試験の特例に関する法律案並びに医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案を一括して問題に供します。 両案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致でございます。よって両法案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成などにつましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) それでは請願の審査についてお諮りいたします。 本日まで当委員会に付託中の請願は百二十件でございまして、専門員の手元において整理せしめて参りましたが、案件が多数ありますので、便宜上さらに委員長及び理事においてあらかじめ検討を行なったのであります。その結果、議院の会議に付するを要し、内閣に送付を要するとの意見の一致を見ましたものを専門員をして報告いたさせます。
○専門員(増本甲吉君) 調査室で御採択をしかるべしと考えるもの、九十七件でございますが、ただいまお手元にお配りしました表に記載のとおりでございます。
○委員長(谷口弥三郎君) ただいま増本専門員から報告をいたしましたとおり、本委員会の決定といたしまする請願は九十七件ございますが、これを本委員会で採択すべきものと決定いたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をつけて。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) 次に継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。最低賃金法の一部を改正する法律案につきましては、会期も切迫し、会期中に審査を終了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査につきましては、従来より調査して参りましたが、会期も切迫し、会期中に調査を終了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認まます。よって、さよう決定いたします。 ――――――――――
○委員長(谷口弥三郎君) 次に、委員派遣要求に関する件についてお諮りいたします。社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。 先刻お話しのありました問題について厚生大臣からの御説明を聞きます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 臨時医療報酬の調査会につきまして、提案の時期についての問題があるわけでありますが、先ほど来申しておりますように、今回は意見の調整を見ませんままに今日まで経過いたしまして提案する運びにならなかったのでございますが、私は社会保障制度審議会の答申の御趣旨というものについては、先ほど申しておりますように同感なんです。その趣旨のもとに調査会を作り、さらにまた、その決定せられたルールのもとに医療報酬が算定されるというふうな姿でありたいと実は思っておるわけで、そういうことでございますので、決してこの医療報酬調査会の答申の趣意を軽視するとか無視するとかいう気持は少しもございません。大いに尊重しておるつもりなんでございます。そこで、その御趣旨に沿って関係方面との意見調整もとり、なるべく早く成案を得、なるべく早く国会に提案する、こういうつもりで努力して参りたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○委員長(谷口弥三郎君) 社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案を議題といたします。ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお、修正の意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案を問題に供します。原案は内閣提出、衆議院において修正されました送付案でございます。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷口弥三郎君) 全会一致でございます。よって社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成などにつきましては、慣例によりこれを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をつけて下さい。 いよいよ本日をもって国会が終わりますが、明日午前十時に当委員室において委員会を開催いたします。それから十二月は、通常国会開会の前日に開催したいと思います。 なお、委員派遣その他については、あす御協議したいと思います。 それでは、これをもって散会いたします。 午後六時二十三分散会