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39回国会参議院1961/10/30

建設委員会 第10号

発言数
261
登壇者
18
会派数
4
開催日
1961/10/30

会議録

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提案理由の説明を願います。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) ただいま議題となりました国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案につきまして、私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  国土開発縦貫自動車道建設法は、去る昭和三十二年、交通需要の充足、近代的陸上交通網の確立、さらに国土の普遍的開発、国民経済の拡大発展等を趣旨としてその成立をみたのであります。  本法律の制定に基づき、中央自動車道が明年度着工の運びとなっているのを初めとし、東北、北海道、中国、四国及び九州の自動車道については調査が進められているにもかかわらず、ひとり北陸地方のみはその恩恵に浴さず、旧態依然たる裏日本的宿命に甘んじて今日に及んでいるのが実情でありまして、この際何らかの抜本的解決策を講ずることが喫緊の課題であると信ずるのであります。  すなわち、既存の主要幹線道による輸送力は飽和状態であり、これを打開するため阪神、中京及び京浜経済圏に直結する長距離輸送ルートとして、新潟を起点として名神高速自動車道と結ぶ北陸縦貫高速自動車道の建設を必要とするゆえんも実にここに存するのであります。と同時に関係地方住民の多年の念願である本自動車道の新設によりまして、その後進性を打破し、地域格差を是正し、もって本地方の開発を強力に推進するための母胎となしたいと考えるのであります。  ただいままで提案の趣旨を述べて参りましたが、次に内容について一言御説明申し上げます。  現行国土開発縦貫自動車道建設法の別表中、「九州自動車道」の項の次に「北陸自動車道」の路線名を追加し、更に起点、終点及び主たる経過地を加える等所要の改正を行なうことであります。以上が国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案の提案趣旨及び内容でございますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御決定あらんことをお願いいたしまして提案理由の説明にかえる次第であります。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記を始めて下さい。  ———————————

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 次に積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず提案理由の説明をお願いします。

木村守江自由民主党

○衆議院議員(木村守江君) ただいま議題となりました積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を申し上げます。  北海道、東北、信越等積雪寒冷地域は、連年その自然的悪条件により、民生、産業その他あらゆる分野に多大の被害を受け、ために産業経済は著しい立ちおくれを余儀なくされ、民生また安定を阻害されるなど、旧態依然として、いわゆる雪国的宿命を脱却し得ない実情にあるのでありまして、これが抜本的な総合対策は、さきに本国会衆参両院で採択をみました雪害対策促進に関する決議の趣旨において明らかなるごとく、その積極的推進の必要があるのであります。  かかる実態に対処するため、その基本的対策の一つとして、昭和三十一年四月、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法が制定され、自乗同法に基づきまして、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保を特に必要とする主要道路について、除雪、防雪及び凍雪害の防止事業が実施されて参ったのであります。  今日まで約五年に及ぶこれら事業の実績は一応の効果を上げ、これら地域住民の福祉に貢献していることはもちろんのことでありますが、なお今後さらに実情に即した積極的実施推進を必要とすると思うのであります。  すなわち、これら地域における、冬期交通確保の重要性、あるいは貧弱な地方財政力等の現実を直視するとき、対象事業の拡大並びに国庫助成の強化が喫緊の急務でありまして、これこそ同法の目的とする民生の安定、産業の振興のみならず、現在わが国の至上命題となっております地域格差縮小の見地からもまことにその重要性は大きいものといわざるを得ないのであります。  以上が本法案の提案の理由でありますが、次にその要旨について一言御説明申し上げます。まず第一に、本法が施行されてからすでに約五カ年間を経過した今日、いまだに本法の最大の目標とされている冬期間の交通が確保されていない現状にかんがみ、除雪費に補助をしまして冬期間の交通を確保せしむることにしたのであります。  第二に、現在除雪の能率化並びに雪害の防除の上に多大の効果を上げておりますところの、市街地等における流雪溝の整備事業を同法の対象事業として明定し、その実施の促進をはかることとしたのであります。  第三に、同法による道路交通確保五カ年計画に基づいて実施する事業に対する補助率を、同法が「予算の範囲内において、三分の二以内」と規定しているのを、端的に「三分の二」と改め、その引き上げをいたすこととしたことであります。  以上、本法案の提案理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) それでは速記を起こして。    ———————————

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本問題につき質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言をお願いします。

田中一日本社会党

○田中一君 これは提案者の塚原さんに伺っておきますが、中央道というものは道州的な区域に関係なしに使われておるものと私は考えておるのですけれども、したがってここに東北自動車道、北海道、中国、四国、九州とはおのずから異っているものなんです。これはむろん本州がエビのように曲がっている地形ですから、その中央部に縦走する高速道路を作ろうという考えに出発しておりますけれども、この北陸はやはりそのうちの一環であろうという考え方をわれわれは今日まで持っておるわけなんです。そこで、なぜ北陸というものを取り上げなければならないかと申しますと、ちょっと議論があるわけなんですね。名称はなるほど中国とか九州とかいっていますが、これは単なる名称に過ぎないのであって地域を表明するわけじゃないわけなんですよ。その点はどういうお考えで出たわけなんですか。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) ただいまの御質問でありまするけれども、先ほど提案理由の説明にも申し上げましたように、北陸地方の後進性を打破するためには、まず道路の問題に手をつけることが一番よいということで、ほかの地域におきましてはそれぞれ全部できておるのでありますが、北陸だけ私生児的扱いを受けておったものでありますから、今回法案の改正をお願いしまして私生児から脱却さしていただきたい、あくまでも後進性を打破していきたいというのが提案者の考え方であります。

田中一日本社会党

○田中一君 中央通が中央を縦走する基幹道路として、それから北陸にも東海にも結ぼうという考え方に出発しておる、これは御承知と思う、中央道の法律も提案者ですから。たしかそうだと思いましたよ、衆議院の全員でしたからね。そうすると地域の問題じゃないと思うのですけれども、ただ最近前国会でしたか異なっている形になったというのは、東海道の高速道路という単行法が通ったということです。ここでこれと比較すると、中央道の太平洋岸に新しく道路ができた以上、中央道の日本海側の方にも当然道路を作るべきではないか、というようなことになると思うのですが、そういう関係で北陸道も必要だというような点でされておるのですか。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) もちろんそういうことも含まっております。

田中一日本社会党

○田中一君 そういうこともじゃなくて、少なくとも中央道ができればこれに付属する肋骨線として、北陸の後進性というものは中央道によってすべてを集約して発展させるのだという考え方に立って、中央道というものが決定されたのです。ですから、どこまでも中国とか九州とかというような土地の固有の名詞を使ったというのと、おのずから違っておる、こういうことなんです。東海道も一木海津の方の地域も含めた中央道という形になってきたわけです。この提案は衆議院の全員が提案したのですから、あなたも提案者の一人だったろうと思うのです。ただその東海道の高速道路というものはおのずから性格は違っておるわけですね。たった一つしかない今日の縦貫しているところの国道ですね、私はとうてい今日の状態では交通難から救うことはできないというので、現在の一号国道を緩和するために作られた高速道路なはずなんです。これはおそらく、おそらくというか何なら調べてみますけれども、衆議院から出されたところの提案理由はそう書いてあるのです。開発縦貫道路的な構想じゃなくて、交通緩和が主眼になっておるというようにわれわれは考えているのですが、それと北陸道とはおのずから性格が違うとこう思うのです。中央道の早期完成によって北陸の各地が全部低開発地域というものから脱却して、経済的な高度成長というものが考えられるという見方をしているのですが、それと比較してどういう点なんですか。わからないととはないですよ、いろいろの選挙というかいろいろのことを考えた上で、わからないことはないですよ。しかしその区域にそういうようなものが現在ありますが、それをどこにどういう線を引こうというのか、ちょっとわれわれにもわからないものですから伺っておるのですがね。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) 中央道のみをもってしては北陸の後進性を打破することが困難であるという考えを私は持っております。今回は新潟を起点として滋賀に結び、そうして名神高速道路に結ぶというのが考え方でありまして、そういう面からぜひこれに御賛成あらんことをお願いしておるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっとね、恐縮ですがね、どこに線を引くかということを聞かせていただきたいのですがな。現在ある一級国道を……。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) 八号線ですか。

田中一日本社会党

○田中一君 現在ある一級国道をどうするのか、あの西側は海ですし、あとは山岳地帯になるし、山岳地帯のどの辺に国土開発縦貫自動車道法の精神を生かそうとするのか、これは提案者に聞いて、そこまで考えておらんというなら政府から聞きます。どこに線を引くというのです。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) この法案が通りますと調査の段階に入って参りまするけれども、私は決してこの地区の選出でございませんので何ら利害得失はございません。したがって、各地区からの御要望事項を承っております。現に滋賀県等においても大津にするか彦根にするか、琵琶湖の西にするか東にするかでだいぶ問題があるようであります。また新潟あたりでも問題があるようでありますから、これは調査のしできめるほかはないと思います。私の今申し上げることは新潟と滋賀県を結ぶということ以外には私はそのルートについてはよく存じません。調査の結果をまって各地の要望するところに従いたい、かように考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 どうですか、建設省の方では今度の北陸道ですか、北陸自動車道というものは大体どの辺を考えておるのです。調査云々という言葉を使うけれども、大体どの辺が高速道路として適当だという一応の見通しを立ててから調査するはずなんですよ。何も全面的にやるわけじゃないのですから。現在ある国道と並行するわけですね。

前田光嘉建設省道路局次長

○説明員(前田光嘉君) 御提案にかかる北陸縦貫道につきましては、起点、終点及び経過地点がきまっておりますのでその線に従いまして、今後法案が通りますれば調査されると思います。ただ御指摘のように地形の関係上一方側が海でございますのでその中間ということになるかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この改正案の富山市付近、金沢市付近、福井市付近、これは全部海岸ですね。全部海岸といえば海岸ですね。そうすると現在の国道と並行線になるわけですか。そういう考え方に立っているのですか。付近は付近ですが、付近というのはどういう考えを持っておるのか。二重投資になりやしませんか。今日までの東海道と違いまして北陸の場合の道路交通の量その他の実態を調査をした場合に、もしも今ここに示しているような地点を通るならば二重投資になりはせぬかという心配をするわけなんです。

前田光嘉建設省道路局次長

○説明員(前田光嘉君) 経過地点がきまっておりますので、現在の八号国道とある程度並行することはやむを得ませんが、高速道でございますのでその建設なり路線につきましては一級国道と一体といたしまして、全国的な幹線道路網を形成するという観点から調査をしたならと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると国土開発縦貫自動車道の提案の趣旨というものとちょっと離れて参りますね。たとえば四国にしても九州にしても改良じゃないのですよ。どこまでも新設の形で考えられておるのですよ、全部ですね。しかし何といっても地形的に西側は海、今この示したところの富山、金沢、福井等は一種の扇状地ですね。むろんここに産業、文化というものは発達しておりますけれども、しいて言えば狭隘な地域です。そう考えると、実際現在の道路交通の輸送力なり何なりがどういう形になっておるか、あるいは冬期間積雪が多くて常に交通が中絶するような場合があるから、隧道を多くして山の方に持っていくんだというふうな考えに立っておるのか。今法律に示されたような経過地というようなことになると、私はもう少し詳しくこの北陸の各道路の輸送量その他の、どうして作らなければならぬかというやつをひとつ統計なり何なりをもってお示しを願いたいと思います。

前田光嘉建設省道路局次長

○説明員(前田光嘉君) ただいま御指摘になりましたような点につきましては、この法律ができましてから詳細な調査をやりたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 むろん法律が先行するものです。あなた方、行政府にいるものにとって法律が先行するのは当然でありますけれども、なぜそうしなければならぬかということが検討されないことはあり得ないのです。おそらく塚原さんあなたは茨城でしたね。そういう形で北陸の出身の者が来ると今私がちょっと冗談に言ったようなことで追及されるから、おのおの分担を変えて逃げているようないい風習をもって提案されておりますが、それでいいと思うのです。しかし何も地元の当該地区のことをおわかりにならないかたの提案ではわれわれ納得できないのです。まずこれはよく知悉している人、知悉しているのはやっぱり建設省なんですよ。建設省が一応この道路交通の実態というものを委員会に呈示して、こうなっているんだということでやっていただくのがほんとうの提案の理由になると思うのです。ただ前田次長のように法律が通ってから調査します、考えますでは、私が言っているようにそういうぜいたくはおやめなさいと言いたいのです。道路に対する二重投資はおやめなさい、それよりも積極的にやるなら中央道と結ぶ肋骨線の横断道路を建設した方が早いと思うのです。

塚原俊郎自由民主党

○衆議院議員(塚原俊郎君) 先ほど私、利害得失はございませんということを申し上げましたのは、選挙区じゃございませんから申し上げたのであって、しかしこれを提案する一人といたしまして、この間約一週間ほど現地を見て回って参りまして、北陸の方にはお気の灘であるけれども、道路あるいは交通の面で非常に後准性というものを感じまして、また強い御要望もありましたので、妥当だと思って私は提案いたした次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 政府に伺いますが、統計なり何なり出して下さい。実態調査のないことはありませんよ。貨車輸送がどうで道路輸送がどうでと、貨物にするならば。

前田光嘉建設省道路局次長

○説明員(前田光嘉君) 御要望の資料につきましてはただいま手元に持っておりませんが、御要望によりまして調整しなければならぬと思っております。ただこの地区におきましては現在一級国道がございますけれども、将来の交通の発展の状況あるいはこの神域が特に未開発であるという点から考えまして、将来におきましてはこういうふうな高速逆のあることは非常に有意義であろうということはわれわれ考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 前田君の御意見は御意見として伺いますが、やはりあなた方説明するにはあなたの主観的なものじゃなくて、こうこうかくかくであるから、あるいは日ソ貿易が何年ごろからこう拡大するのだ、日中貿易がこうなるのだ、したがって港湾整備、高岡ですか、新富山港を作っている、あるいは新潟においてこういう港湾施設をする、それで大陸貿易はこうするのだというような、やっぱり相当必要性を強調される計画というものが低開発地になくちゃならぬと思うんですよ。ただばく然と——ばく然という言葉が悪かったら取り消しますが、ただ行ってみたらこうだからというのじゃなくて、私はよく知っております、日本の道路網というやつは。大体歩いています、国会が休会になれば歩いております。だからよくわかっております。わかっておりますが、今度調査して云々という地点の場合はいいですが、なぜしなければならぬかということを裏づける資料というものは建設省が準備するのは当然です。大体提案者は政府にそういう資料の調製を要求しなかったのですか。政府はそうすると今度の提案に対しては一切関知せずしてこういう法律の提案がなされたのか。事前に知っておられて、やはりこうしなければならぬという裏づけの統計資料なりを提案者に渡してやったのか、どっちなんです。

前田光嘉建設省道路局次長

○説明員(前田光嘉君) この法案の提案されましたことは知っておりましたが、いろいろな資料を先生のおっしゃいますように明確に調製するいとまがなかったわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうなるとやっはり非常に因るのであって、われわれは行政庁の実態の裏づけがないと、ただ法文だけを提案すりゃいいんだということじゃ納得ができないわけなんですよ。じゃまだ時間がありますから、国会の会期は明日の十二時までありますから、むろんこれは社会党も提案している法律案ですから私どもは賛成せざるを得ません。賛成いたします。賛成するつもりで質問しているのですから、その点はひとつ気になさらずに、さっそく資料を調製して下さい。持ってないわけないんですよ。  もう一つは運輸省にお願いしたいのですが、運輸省の貨物の輸送状況などもひとつ資料としてお出し願いたいと思うのです。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記を起こして。  本案件に対する質疑はこの程度にいたしておきまして、後刻またあらためて行ないたいと思います。    ———————————

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 次に宅地造成等規制法案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。政府から法務大臣、民事局吉田参事官が出席しております。それでは御質疑の方は御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 法務大臣に、まあ大体御質問申し上げる点は御了承になっていらっしゃると思いますからひとつ親切に答弁してほしいのです。それは今提案されております宅地造成等規制法案が大きく私権に対する制約を行なおうとしているわけです。この点が第一。第二の問題は、なぜこうしなきゃならなくなったかと申しますと、御承知のように神戸市における六甲山の宅地の崩壊、これは宅地の崩壊ですよ。それから横浜市における、神奈川県下における宅地の崩壊等から、善意の第三者の生命財産をおびやかしているという点について、何かこれは因果関係がありまして、がけ地の下に住まなきゃいいじゃありませんかということも一つの片っ方の言い分になるかもしれません。そうしたらがけ地の上にそんな危険な状態で新しく造成してくれちゃ困りますよということも一つの言い分になるわけです。それらのことを技術的な今まで何も規制する方法がないから今度新しくこの法律案が提案されたわけなんです。で、神戸の一つ例をとりますと六人からの人間が死にました。そうするとこれはまあ民事上の損害賠償の訴訟を起こせば裁判所が聞いてくれるでしょう。同時に神戸市は宅地造成の技術的な、行政的な条例を作って、これを規制しているわけであります。今度いよいよ法律でこれが固められてくるわけなんです。その際、善意な人たちが国の法律で規制された宅地造成、あらゆる条件が技術的にもこれを規制して参っておりますけれども、それを完全にそのとおり行政庁も監督をし、指導してこれでよろしいといって完成までを保障したものが崩壊した場合には、その下におって生命財産を失った人たちに対する救いの道はないだろうか。むろん国家賠償法がございますから、もしもその被害者がこれは当然国の責任だという一つの認定をすれば、国家賠償法をもって民事の訴訟を起こせばいいわけなんですが、それだけでは足りないのじゃないかという気がするわけなんですね。そこでこの法律が提案されると同時に、建設省の住宅局に対しては国家賠償法によるところの訴訟の判例というものをまあ十くらい探せといったのですが、まあ三つくらいでかんべんしたわけなんです。それぞれ判決がくる前に妥協というか和解をしておるわけなんですね。今まで野放しの場合にはこれは民事損害賠償の請求でもっていいと思いますけれども、今回国家賠償法を適用するような——それはもう被害者は訴訟を起こすわけですからね。けれどもそれだけでも足りないのじゃないか、何か救う道がないだろうかというところにわれわれ当委員会としても各自みんなそういう考え方を持っているわけなんですよ。何とか方法がないかという点が第二のわれわれの疑問なわけです。それをちょっと伺いたいと思うわけです。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 今回の宅地造成等の規制法案に関連いたしまして、こうした従来法律で特別な義務を命じておらなかった、それに対して今度新しくこういう制度を作るについては、従来の所有者というか管理者もしくは占有者等に対して、酷にわたる問題じゃないかというのが第一点の御質問のようでありますが、その点は確かに仰せのとおりの事態に相なると思います。しかしながらただいまも仰せになりましたように、各地におきまして近年頻発いたしました宅地造成の不完全な工事等のためにその災害が起こったということが、あまりにも理論的にもはっきりしておる場合が少なくありませんので、こういう事態に対処するがためにはいわゆる公共の福祉のために、その隣接の人たちの受けるであろうところの危険をあらかじめ防止しておくことが適切である、というので今回のこの法案を提出するようになった次第でございます。  この点についてはなるほどいろいろな新しい義務を命じますけれども、これは一方において公共の福祉の上から他の人たちにも迷惑を及ぼすことでございますから、やむを得ずこうした措置に出ているのでありまして、この点は関係者としては当然忍んでもらうのがしかるべきではないかとかように考える次第でございます。  今後のこうした場合における損害賠償等の問題について、何らかの方法が考えらるべきじゃないかということにつきましては、この法律ではあるいは仰せのような十分な対策はまだ立っておらないかもしれませんけれども、しかし立法論としては仰せのような何かほかにそうした新しい大きな義務を命ずる、あるいはここにすでにできてしまっておる、それが当該地方の条例に従った規格によってやっておる、それがなお不十分だから改善しろとか、あるいはさらに追っかけて工事をやれというような場合には、あまりにも酷じゃないかという点もございますが、こうした場合においても立法論、政策論としては考えられぬことはないのじゃないかと私も個人の立場としては思いますが、今回の法律の建前としてはすべてこれらを一律に考えまして、公共の福祉のために所有権あるいは管理権、占有権に対して新しいそうした義務を命じておるのであると、かように私は理解しておるのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 御承知のように憲法二十二条でははっきりと居住の自由というものを保障しているわけです。それを今度の法律によって、あるいは公共の福祉に反するという理由でもってこうせいああせいという負担をかけるわけですね。と同時に、とれがかりにもう二十年、三十年というような長い間そのままで公共の福祉に反しないというように、まあ認定されたという慣習でもないだろうな——そう認定されたままになっているという場合だな、これはもうその場合にはあらためてこれをこうしなければならぬ、この法律によってこうしなければならないんだと言われた場合にはどうなりますか、その責任は。というのは、この法律案にこういうことが出ているのですよ。第十六条に「改善命令」というのがありますね。たとえば丘にある家が今まで十年、まあ二十年、三十年、四十年もの長期にわたってそこに自分が居住して、自分の宅地として持っておった。ところが、そのうちにそのがけの下の方にかりに人家が密集してくると、あらためて公共の福祉の義務に反すると、くずれた場合には下の人たちの生命財産をおびやかすではないか、だからこれを石垣、石積みにしろというかりに命令をする場合、これは改善命令ですよね。そういう場合、これはこの法律によってきめられたものであって、そうしてそれに服さなければこれは懲役に行くんです、この法律の罰則は。十六条の違反は懲役だったな。これは酷じゃないかということになるわけですね。それじゃ私は、このがけは占有しているのだ、三十年、四十年今まではちっとも害はありませんでした、まあ石ころなんか落ちたことはありたかもしれませんけれども、そのときは田んぼだったから一向差しつかえなかった、憲法二十二条の居住の自由というものは、ここで認められておる。ところが、最近のように土地の造成業者がどんどん出てきて下の方の畑地を宅地にして、住宅の集落が形成されるようになった。その場合にそれはけしからぬ、すぐ石垣に直せ、こういうことではこれはどうもたまったものではない。こういう場合どうですか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 実は私この法律はまだあまり内容はよくは存じませんから、あるいは間違っているかもしれませんが、この条文の上でもごらんになりますように、第十六条の第一項に書いてありますその改善命令を出す場合の条件と申しますか前提になるものは、「必要な擁壁又は排水施設が設置されていないか又はきわめて不完全であるために、これを放置するときは、宅地造成に伴う災害の発生のおそれが著しいものがある場合においては」といっておりまして、すなわち全然排水施設がないとか擁壁がないか、あるいはきわめて不完全であり、これを放置すれば災害の発生のおそれが非常に著しいのだ、というような場合だということをまず前提として考えておりますし、またその命令を出す場合におきましても、「その著しいおそれを除去するため必要であり、かつ、土地の利用状況等」にかんがみて「相当であると認められる限度において」というふうにまあいろいろ条件でしぼってございますから、仰せになりました今設例されましたような場合でありますと、相当長期間三十年、四十年の間何ら災害がなかった、しかしまた仰せのごとくその下のほうに新しい宅地がだんだんできてきた、そうすると従来は下になかったから大したことはなかったのだが、今度は下にどんどん宅地ができてきたから、上のほうの何十年来大したこともなしで済んだところでも、何らかの施設をしなければならぬということが起こってくると、こういうことになります。そうするとその場合に隣地あるいはその近傍地の状況の変化によって、おのずから従来の平穏公然と何事もなくやってきたところでも、ある程度やはりその土地なり部落なりというものがだんだん開けて参れば、従来全然排水施設がなかったが排水施設をぞひ一つこしらえてくれというくらいなことは、これは社会通念から考えましてもやはりそれくらいのことは、土地所有者に考えてもらってもいいのじゃないかとこう思いますし、のみならず必要最小限度といいますか、そのおそれを除去するために必要であるという、その必要の限度というところでしぼっており、また「土地の利用状況等からみて相当であると認められる限度」とこういうふうにしぼっておりますから、だからそうこの場合にこの条文によって、あまりにも社会通念上考えて無理な義務、無理な改善命令を出す場合は私はないんじゃないかしらん。あるいはどうしてもそういうことが必要な場合には仰せのように何か国も少し考える必要が起こりやせぬか、これは個人的な考えでございますが、私はそういうような気持がするわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 むろんこの法文の内容については法務省でも相当建設省のほうへ相談に行って、答弁の抜け道、のがれ道は十分考えておられると思うのですよ。しかしながらそれをこえて実体論としてこういう個所が多いのですよ。それも、指定しなければいいんです。その指定をしなければ一向差しつかえない。ところが現在宅地造成業者というものがもうたくさんいます。そうしてまた宅地難からくるところの要求も多いわけなんですね。ひどいではないかというようなところもどんどん宅地にしているわけなんですよ。そのために宅地ができてしまえば——それも指定地区外に宅地ができてしまった場合でも、指定すればそれがその区域になるわけですね。強制されるわけなんですよ。どうしても強制されるのです、当然。たしか私は記憶しておるのですがね、森林法による山腹砂防というものは、民有地であろうと何であろうと崩壊の危険がある場合には、国が直接山腹砂防を施していると私は思うのです。たしか記憶違いじゃないと思うのですよ。そうしているはずです。したがって他の第三者がそういう危険と感ぜられるような環境であった場合には、やはりその前地主、何十年とおった地主が、そのために相当巨額な金銭の負担をしなければならないようにもつてくるようなことは、私はよいとは思っていないのですよ。最近はことに神戸、横浜等の市街地は——これは市街地になった場合ですよ、市街地ですよ、市街地にだんだんなってしまうわけです、下のほうはね。こういう個所が多いわけです。この問題で六甲山脈というかあの周辺をずっと歩いてみました。至るところがこういう環境になろうとしておるんです、市街地化しつつあるんです。それが五万円以下の罰金だから、一万円払って知らぬ顔ということじゃ済まなくて、六カ月以下の懲役にまで……、こういうことになると、これは相当大きな私権に対する侵害であり、かつまたそういう山林を持っている所有者、長年住んでおるという人たちには都心にも住めないというような後進性の零細な職業か、あるいは古い、自分のきこり小屋を守っているというような人たちが多いんですよ。そんな現金負担にたえられるものじゃないわけです。そういう人々の生き方にとっては桃源境であったのが市街地化されて、ますます自分たちのいい環境というものを脅かされてきつつあるんです。これが現状なんですよ。そう考える場合にはどうしてもこの法律だけのことでもって私は済まないんじゃないかと思うんです。自分が作った危険区域じゃないんです、他の金を持っている連中が作った危険区域なんです。これはどうしてもこのままの内容、法文だけでは私は納得できないような面がたくさんあるんじゃないかと思う。法文の上から見れば、おそらくあなた方はそのほうの専門家だから逃げ道はちゃんととっていると思うんです。なおそういうことがあったならひとつ訴えたらいいでしょう、訴訟を起こしたらいいでしょう、こういうことになる。まあ、裁判でものをきめるということは、これはよい政治じゃないです。社会通念で、裁判の判決というものが国民の頭にあって、こういう例ならこうなるんだ、自分はこうしよう、というのがやはりよい社会の姿なんです。これは参事官、もう大臣にばかり伺っても困るから、参事官ひとつ何かそういう点について……。私が質問している気持はおわかりになったと思うんですよ、もう大臣はわかっていると言うんだから。——このままでいいと思いますか。こうなっているから、もう、いいと言う以外にないぜろうと思うけどね。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) おっしゃるとおりでございますが、こういうような状態になった場合には、この所有者なんですけれども、宅地の所有者としましては他の宅地の所有者に対して災害の発生を予防する義務が本来あるわけなんでございます。初めは田んぼであってあまり危険は感じられなかった、そのうち宅地ができて参りまして危険が生じてきた、といった場合でありましても、つまりたとえばがけの下のほうに宅地を持った人、つまりそこに住宅をかまえた人は非常な危険を感ずるわけでありまして、そのがけの所有者に対してがけがこわれないように、つまり災害の発生を防止するような方法を講じるように請求する権利が民法上認められているわけなんです。で、この十六条の改善命令というのはそういう場合に働いてくるものなのでありまして、ですから、本来この宅地の所有者としてやらなければならない民法上の義務がある者に対して、被害者になろうとする者にかわって都道府県知事がこういう改善命令を出そうとすることだろうと思うのです。ですから、もし民法の当事者間の権利義務だけにまかせるといたしますれば、そのがけの下の住民が自分で訴訟を起こして、損害の発生の防止の請求をするわけなんでございますけれども、住民が非常にたくさんあるとしまして、しかもその住民が一々訴訟を起こすだけのいとまがないと言いますか、その費用がないというようなことでありましたならば、住民がみずから訴訟を起こすというよりも、都道府県知事が乗り出しまして改善命令を出して災害の発生を防止させるというほうが適当じゃないかというふうに考えられるわけでございます。そういう意味でこの改善命令が出されているというふうに考えるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そのがけの上に一軒のうちができている、あるいは集団として社会が形成されている場合、それから下に住んでいる人は自分から進んでそこに宅地を造成した、もとは宅地じゃなかったんですね、そういう危険な所にあえて宅地を持ってきたわけです。その場合でもやはり上のそのがけを持っている所有者が強制されることになる、それが民法の精神だと言うならば。事、好んで高圧線の下へうちを作る人はいないんです。高圧線の下へうちを作ったらたとえば医者なんかでいうと心電図なんか狂っちゃうわけです、高圧線の放電があってね。それが入って送電線をどけろどけろと、こう言った場合どうなりますか、送電線があるとその下だからむろん地価も安いです。そこへ医者が病院を開いてそれで心電図が狂っちゃって感じない、けしからん、これどけろと。やはりそういうときはどちらを守るべきかと言うのです、日本の民法というものはどちらを守るべきかと。平和に四十年、五十年、人里も離れているような所へ自分のうちを持って住んでおった、平和な生活をしているんです。にかかわらずそこに金を持っている連中がどしどし移住してくる、四十年、五十年なかったけれどもあるいは今後あるかもわからない、災害と称するような現象が起こるかもわからない、だからこうせいと言った場合、そうしてまた改善命令が出された場合、懲役に行こうが罰金を取られようが、そのがけを作るには数百万かかるからしませんという場合には、だれがそれをしなきゃなりませんか。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) お尋ねの四十年も五十年もの間何もなかったというような所でありましたならば、この場合には該当しないと思うのであります。そこが宅地でなくてたとえば田んぼである場合でありましても、がけくずれのために稲が損害をこうむるという場合もあるわけでございます。ですからそういう宅地でない場合でありましても、災害の発生を防止する義務というものがありましたならば、宅地ができても同じだということになると思います。そういう場合に改善命令というものが出されるということになるんだろうと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律は市街地たらんとする土地も入っているんですよ。今のような政府の住宅政策では、もうことごとく宅地たらんとする所です。市街地たらんとする所なんですよ、ことごとく。それなら逆に今度はここに宅地を作ってはならないときめるほうがもっといいわけなんですよ。今まで四十年、五十年災害も何にもなかったやつが発生するのが今の現状なんですよ。集中豪雨なんてのはそういうものなんです。四十年も五十年も何もなかった所に三時間に六百ミリとか八百ミリとかの雨が降ったために災害が起きるのです。私はそうして市街地たらんとして宅地を造成するよりも、危険区域というようなものはしないほうがましです。逆にそういうものを規制したほうがましですよ。あなたは実態をお知りにならないからそういうことをおっしゃるけれども、六甲山のがけ地などは八十メートル、六十メートルというところがたくさんあるのです。そこに今度政令できまるところの高層の構築をしてごらんなさい、がけに何百万円かかるか。その場合に一体だれがそれを負担するのか。その命令をきかなければ罰金または懲役。あなたはどうか知らぬが、私なんかは何十万円だって払いませんよ、払えないですよ、そういう場合があったら。それならば市街地にすることを禁止したほうがずっとましです。どちらに対して救うために民法はあるんですか。今言うようなケースの場合ですよ、どちらのものを救うために民法があるんですか。これは相隣関係として非常にむつかしい問題です。南側に三階、四階の家を建てられて今まで何十年と太陽の光で照らされておった家が、全然光の来ない家庭になってしまうという場合でも、これはやむを得ませんというように現在なっておりますよ。それに対する損害賠償というのはありませんよ。おれの敷地におれが十階建てるのが何で悪いんだということになります。災害等の場合には原因者が負担することになっているのです。聞くところによると、イギリスでは二十年間太陽の光を享受していると、これは法律じゃございませんが、社会通念としてその太陽の光線を保護されるというような慣行があるそうです、日本ではそれがございません。現に第二国道の中原地区には十階建ての大きなアパートを唐画に向いて東急電鉄という会社が作っています。全然その陰になるところは道幅四メートルぐらいの道路があるきりです。前面は自分の事蹟ですから建築基準法からは自由に十階が建てられる。何を保護するためにあるんですか、民法は。今言うとおりそんなに人が住まなければ自分のところは安泰なんです。それより以上に宅地を求める人が多いんです、今の日本の政策でいきますと。当然お前が負担するのだということではどうもこれは納得しないなあ。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) おっしゃいますように、所有物の妨害排除、妨害の予防のためには社会通念上必要と思われる程度であることは、これはもうおっしゃるとおりであろうかと思います。ですからこの十六条におきましても、この「災害の発生のおそれが著しいものがある場合に」というように「著しい」という言葉が入っておりますし、また「土地の利用状況等からみて相当であると認められる限度において」、つまり社会通念上無理でないという程度においてということはいわれているわけで、これはやはり民法の妨害予防の場合と同じ気持じゃないかと思うのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 その場合には下に宅地の造成をするほうを制限したほうがもっといいんですね、そのほうが。どう思います。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) そういう危険な場所に宅地を作れるか作れぬかという問題は、これはまた別の問題であろうと考えられます。

田中一日本社会党

○田中一君 砂防法の砂防施設区域というところには建造物が作れぬようになっているんですよ。森林法の保安林しかり、砂防法の指定地域には構築物その他はできないことになっているんですよ。制限という考え方はあり得るんです。この法律には制限というところは一つもない。それは他の法律で制限されるものは規制されておりますけれども、宅地あるいは市街地だけがあらゆるものに優先して、あらゆるものより強い力を持っているなんということはあり得ませんよ。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) どういう個所に宅地を作ることを許可するかどうかという問題は、今の民法の問題とちょっと違うと思うんです。

田中一日本社会党

○田中一君 違います。もし民法が悪ければ直せばいいんです。多くの、たとえば十人の国民がそれが正しいと言ったからといって正しいわけじゃございません。一人の者でも生きているという存在は一番尊いんです。巨人の者がお前死んだほうがいいと言ったからといって死ねるものじゃない。そういうふうに国民の権利というものはみんな持っているはずなんです。しかし相当山の奥——と言っちゃおかしいけれども人里離れたところのがけ地に自分のうちを持っておった、ところがだんだん文化というものが伸びてきて、あるいは宅地のほしい人間がふえてきてだんだん侵食してくる。危険区域もかまわずそのがけ地の下へ市街地が伸びてくるという場合に、その擁壁その他の施設というものをその土地を持っておるがけ地の上にいる人が強制されるということになりますと、市街地を作るということのほうが優先するような形になっておるわけですね。あなたのほうの、何といったんですか、自分の環境とというものがそこなわれてくるから来ちゃ困るということは言えぬでしょうし、それはどういう工合に解消したらいいんです。単に宅地を造成する者の保護という面じゃなく、市街地たらんとするような要素の土地が自分の足元まで伸びてくるためにそういう義務が生ずるということは、これは何か違った方法で救う道はないだろうかということなんです。これは民法の問題とは違いますよ。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) どういう場所に建築を許可するかということは、建築基準法のほうできめられることだと思うのであります。その結果そういう危険な個所にも建築してよろしいということになりましたならば、これはやむを得ないところであろうかと思いますけれども、その場合に隣地者に対してどういう請求権があるかといいますと、やはり社会通念上相当と思われる措置の請求ができるわけですから、この十六条の改善命令もその範囲において命令が出されるということになるのだろうと思われます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは住宅局長に一ぺん、今僕が法務大臣並びに古田参事官に質問したことに対する考え方を一つ……。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) この第十六条の改善命令につきましては、先般も御説明申し上げましたように、また先ほど法務大臣からもお話しがございましたように、「著しいおそれを除去するため必要であり、かつ、土地の利用状況等からみて相当であると認められる限度において」という規定がありまして、これは言いかえますると、義務を履行するための負担というものと、これによって保護さるべき利益というものとを比較考量いたしまして、その限度において改善命令を出すということでございます。したがいまして先ほどお話がございましたように、ある個所を改善するために何百万円も要するというような問題は出てこないものであろうというように考えるわけでございます。したがいまして民法で考えておりまする思想と、ここで考えておりまする相当の限度という思想とにおいて食い違いがあるというふうには考えておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長は、この法律を作るために各市街地、既設の市街地、それから未開発の市街地、また市街地たらんとする地点を全国的に歩いてみましたか。私なんかたくさん知っているのですよ。そういう地点を調べてみましたか。一番私が今質問しているのに該当するような地点はそこだ、というように例をあげてみて下さい。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 全一面的な調査というものは完了しておりません。しかしながら、具体的ないろいろな例につきましては、建設省としましては承知しておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 どういうところが、一番今私が質問しているような——それは多少極端ですよ。極端なところを質問しているのですが、そういうところがないと思っていますか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) おっしゃるような点もあるとわれわれは考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、そういう場合にはこの法律だけでもって解決せられるのだというように考えていますか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) その点につきましては先ほども申し上げましたように、相当の限度においてだけ、個人に対する負担を課するということでございまして、それによってもその地方の、あるいはその区域内の防災ということが完全にできないという場合もあると思います。その場合におきましてどうするかということにつきましては、これはそういうところにこそ公共投資をやるということで、われわれは考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、そういうところには公共投資をやるということがここには明文化されていないわけですね。所有者の負担だけを限度というもので区切っておるけれども、公共投資をやって公共団体がそれを安全に整備するのだということは明文化されていないわけですね。していないならばそうしたらどうですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) そういう点につきましてはたとえば砂防をさらに充実する。あるいはまた市街地の防災というようなことも、前にも前例がございますし、そういう問題が将来公共投資の面において考えられてくるだろう、こういうように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 またもとに戻るけれども、危険がないということによって存在したところの自分の所有地ですね、これが他の行為によって危険が起きた場合には、その責任はどこにあるのですか。それが今まではちっとも危険がないのです。危険はだれにも感じさせないのです。しかしながら他人の行為で、たとえば下にだんだん市街地を作ってきた、その場合の上のところは危険になってきますね。その責任はどこにあるのですか。宅地を守ることにきゅうきゅうとして、善良な居住者に対する私権の侵害というものが非常に多いのじゃないかと思うのですよ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) ただいまのようなお話の場合におきましては、その原因のあるほうに対しまして、当然それを除去する義務が出てくると思いまするけれども、たとえば何十年来も自然のままの状態で置いてあった。しかもその間ひとつもこれを原因にして災害が起こっていないというような場合におきまして、下に市街地ができたから直ちにそれに対して命令を発するというようなことは、この法律を作る際に考えておらなかったのであります。ということは、自然のままで何十年も放置されておって、しかも災害が起こらないというような場合においては、それに特に命令を課するということはしないということになっております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは一つの発見です。前進というか明確になったわけですがね。そうすると居住の既得権、いわゆる憲法二十二条の居住権というものを持っている、これが一番強いものであって、それを脅かすところには適用しないということは、これはそういうところに市街地の造成を認めないということなんですね。それでいいんですか。そういう将来長い間持っているところの局住権というものを脅かすようなところには、宅地の造成等は認めない方針でいくのだということなんですか。あなたは実際を知らないのですよ。実際を知らないから作文のしでこうああと考えているけれども、実態というものを調べてでなければ国民ははなはだ迷惑するのですよ。ましてや今後これによるところの政令なり通牒を出すのでしょう、運営というか、実施にあたっての。これはとっても危険な点がたくさんあるのですよ。それでこの法律ができてあとのいろいろな意味のトラブルは、民法上というか私権の上のトラブルは、裁判でみんなおきめなさいということはいけません。そういう法律は避けるべきです。社会通念としては、われわれの生活というものは、全部民法によって一つの権利というものを保障されているわけなんですよ。一々六法を調べてこうじゃないか、ああじゃないかというような不安な生活はしたくないのですよ。こういう法律ができて私権を相当侵したり、あるいは相隣関係で相手のために自分が金銭的な負担をするとか、あるいは自分の立場が危険になるとかいうような法律は作るべきものじゃないのです。この宅地造成等規制法案というものは、どれをつかまえても自分たちの生活というものは安泰なんだ、特殊なこういう場合には、ということだけでもって説明されるのであって、こういうものができても、少しも自分の生活には影響ないのだというようなことにならなければいかぬです。あまりにも、今次の災害によって起こったいろいろな問題を、根本的になくそうというところに自分の気持がいってしまって、善意な国民の生活までゆるがして、また不安を与えるようなことがあってはならないですよ。もう少し簡明にして、もう少し詳しくかくかくのものは公共団体がやるべきだと、こういうことまで明文化するべきですよ。これはおそらく大蔵省は承知しないでしょう。自治省も承知しないだろう。しかしそういう形にならなければ、いたずらに法律を作るべきものじゃないですよ。これからまだまだあと二時間ばかりこの問題でもって質疑いたします、たくさん持っていますからね。これは重大な問題なんですよ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 私どもこういうような法律を作る場合におきまして、決して居住権を単に侵害する、そういうことによって災害を防止するだけを極度に考えるというようなアンバランスのことを考えておるわけではもとよりありません。居住権のお話もございましたけれども、その地帯が最も安全に、しかも快適に生活ができるということが終局の目的でありますから、決してその居住権をないがしろにするとか、あるいはまた居住者の気性をそんたくすることなしにこの法律を強行するというようなことは毛頭考えておりません。運用上につきましては十分に注意をいたしまして摩擦の起こらぬように、しかもほんとうの意味での私権が尊重されるように、そういうことを考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうするとこの十六条の問題ですがね。「かつ、土地の利用状況等からみて相当であると認められる限度において」、その限度はどっちにかかる限度ですか。費用負担の限度か、規模の限度ですか、構造の限度ですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 限度と申しますのは先ほど申し上げましたように、義務の履行のための負担というものと、これによって保護さるべき利益というものを比較考量いたしまして相当と考えたところということでありますから、その費用等につきましてもこれを考える、あるいはどの程度の工事を必要としているかというようなことについても考える。そういう意味での限度でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、ここにはっきりとこれは建設大臣から答弁していただきたいんだが、この限度をこえるような工事なり負担なりというものに対しては、これは当然公共の福祉のためには公共事業がこれを負担すべきであるというような解釈、またそのような政令、そのような通牒でもってこの法律を運用するのかどうか、するならするということをここでひとつ明言していただきたいんです。今、住宅局長の説明を聞くとそうならざるを得ないと思うんです。大蔵省いないかな、大蔵省の宮崎君いるから建設大臣ちゃんと答弁して下さい。自治省いないかな。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 従来も都市防災といいますか、一般民間の投資だけでは災害防止のできないというところには、都市防災というのを御承知のとおりやっておりまするわけで、この場合におきましてもこの明文に明らかでございまするように、災害の防止のために必要であるということが前提であるので、必要であるほかに土地の利用状況にかんがみて「相当であると認められる限度」ということは非常に抽象的でありますが、こういう表現以外にはないとわれわれは考えるわけですけれども、その土地の利用価値とかあるいは工事費とかいうものと勘案をして、相当の範囲で改善命令を出すということでありまして、どうしてもそれがそういう災害を防ぐのに民間の施設だけにたよるということは適当でないと認められるものは、従来もやってきたとおりにやはり災害防止のために、たとえば山くずれに対して砂防工事でやるのと同じ意味で、本質的にはそういう意味において都市においても災害防止の工事を公共事業でやらなければならない場合もあると思うのです。その具体的な事例はどうかと言われるとなかなかむずかしいんでありますが、まあ従来も都市において災害の防止で民有地に対して公共事業でやっておる部分もありますから、そういった観念でこの条項を御判断いただければ、あとはまあ行政指導とか行政的な配慮というもので、あまりかっきりと書き切れませんからこうなっていますけれども、行政的な配慮が必要であると思いますが、そこらは調整してやっていく以外に方法はないと思うんです。

田中一日本社会党

○田中一君 どうもわかったようでわからぬような……。できない場合には公共投資をするんだということを書いたっていいじゃないか。判断々々と言うけれどもそういう災害を防止しようなんという判断は大蔵省が承知しやしないですよ、今までの例だって。もしそうなれば一万分の一は場合によっちゃ承認する。陳情者がたくさん来ればしょうがないというので承認するけれども、一般の行政庁が自分の行政区域内のそういう防災なんということは考えないですよ。だから建設大臣そう言っても全く「であろう」なんですよ。けれども出すほうが出さなきゃできやしないですよ、災害に対する復旧は。これは法律が厳としてあるからやりますよ。だからことごとく防災ということは災害待ちなんですよ。災害になれば命がけで、人の生命財産を失ってこれはたいへんだということで金を出すようになっている。そういう仕組みなんですよ、大蔵省の予算のつけ方というのは。ここにその限度があるならば、危険だということを感ずる、申告する、危険だということをだれが判断する。むろん行政庁が判断し、建設省へ来てそれから大蔵省へ行って、じゃあそれはあぶないから出そうじゃないかということになって実を結ぶんですよ。そういう点もっと明確に、当然そうした限度を越した場合には、公共事業がむろん危険の度合いというものはいろいろな機関で判断するのでしょうけれども、当然公共投資として行なうのだという言明だけしてくれればいいんだ。限度を越えた場合には援助するのは公共事業として援助するんだ、ということをはっきり答弁してくれればそれでいい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 新しく宅地造成する場合には、たとえそれを造成することによって非常に高価な投下資本になりましても、これは安全なものにするように指示をしなければなりませんし、それに従って膨大な擁壁や排水施設やを作って、なおかつ採算の合うという所だけが宅地に開発される。したがって採算の合わないような高いなにを作る場合には、もしそれが眺めがいいから、工事費は高くついても地価は幾ら高くついても、やろうという希望の人が出てくれば別でありますが、そういうことになっていくわけで、新しく宅地を造成する分と、すでにこの法律の施行の前から宅地でこういった事情にあるもの、あるいはその後の変化によって著しく危険が感じられてきたものとの差別は、これははっきりしておいていただきませんと、あれもこれも公共事業投資をするということに誤解されてはたいへんなわけなんです。この十六条に規定いたしておりますのは、ここに明らかにされておりまするように一種の改善命令でございますから、やはり改善命令にはおのずから関係の土地の利用状況というものからみて採算もどうにかとれるという、「相当であると認められる限度において」改善命令をする。こういう改善命令の天井というものをきめておきませんと、何でもかまわずに都道府県知事が改善命令を出されたら、それはその関係の所有権を持った人は非常な迷惑をする場合も起こりますから、そこで天井の限度というものをきめてあるわけです。なおそれでも非常に災害のおそれのあるという場合には、これは国または地方公共団体の相協力した力によって改善をしていく、国は全体として、また地方公共団体も全体として災害を防ごうとする努力をする義務があるわけですから、そういう範囲のものについては公共事業をやらざるを得ない、こう私ども考えておるわけです。

田中一日本社会党

○田中一君 宅地造成に伴う防災を私は言っているのではない。宅地造成をするために、善良な、もうさっき住宅局長が言ったように、自然のままにあった自分の環境がそこなわれて、それに隣接する人もやはり擁壁なら擁壁を作らなければならないということをしいられる、そのために。ことに山口県下のあの光とか広島県の呉とか、あの辺毛相当あります。神戸市内にも相当あります。横浜にもあります。まだありますがね。自然な平和な生活を営んでおる者はその隣接するところへ宅地造成をどんどんやられたために自分の環境がそこなわれる。そのために排水溝とかなんとかいうけれども、今まで何でもなくがけから流していたのでしょう。下に宅地造成されたために、自分のところにそういうものを強制されるという場合にはどうするかということが質問の最初だったのです。条文にあるように宅地造成する場合の防災は当然のことです。これはその法律ができれば規制されますけれども、何十年と持っておる自分の宅地の隣接されたところに、宅地造成されたために起こりますこの防災施設というものは、どうなるかということです。その場合には今の公共事業として当然その限度までは、さっき大臣が言っているように、自分のところが多少とも利益になるならば利益は利益として見るが、あとのものは公共事業として行ないます、こう言ってくれればいいのです。行ないますと言ってくれればいいのです。平和な自分の土地を自分で持っておったところが、いろんな資本家がそこへ宅地造成を利益をもうけるためにどんどんやってくる、そのために自分の環境がそこなわれる。今まではどんどん流しておったのです、水が流れておった。その水があふれるために困る。そこに排水溝を設けて排水をやれ、擁壁を作れと言われたときに、その人たちをどうするのだ。だから改善命令というものは、ここのところ数年来政府の住宅政策の貧困からくるところの宅地の造成というものに限っておらないわけです。この部分は当然やったっていい。以前の宅地に対してどうするかということです。以前の宅地造成によって起こりましたものをこの法律によって規制されるという場合にはどうするか。これをだれが負担するかということをさっきから法務省の方にもそれを聞いておったのですが、大臣おそく来たから僕の質問がわからない。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 今のお話の場合だと私はこう思うのですが、なるまど……。

田中一日本社会党

○田中一君 私はこう思うということは、建設大臣として思うのですか、中村梅吉として思うのですか、はっきりして下さい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) それはもちろん建設大臣として。

田中一日本社会党

○田中一君 そうですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 地続きあるいは関連がありまして、甲の所有地と乙の所用地とある、乙の所有地はすでに宅地になるなりなんなりになっている、今田中さんが説明されたような場合、隣りの地所が宅地開発をするということによって、あるいは隣りの地所が宅地開発によっていろいろそういう排水の問題だとか、あるいはかえってそのために従来は安全であったのにもかかわらず乙の方まで危険になる、こういう場合はたしかにもうたくさんあり得ると思うのです。そういうときには宅地造成の基準を指定するときに、その隣接地の分までやはり指定するものだと思うのです。こういうのは関連して隣接地も安全のために工事しなければ宅地開発をしてはならぬということで、宅地開発の条件をおろすときに、もうすでにそういうことまで現地調査をすべきであると思うのです。したがってその場合は私は公共投資の問題は起こってこないと思うのです。新しく開発する者に対して条件をちゃんとその分までつける、隣接の分までつけるということはあたりまえだと思うのです。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、そのような場合には禁止をするということですね。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 禁止でなく、条件を履行すれば許すということです。

田中一日本社会党

○田中一君 条件を守れば許すということは、条件を設けて禁止するということです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 禁止ではありませんけれども、条件を守りきれない人はそういう危険なところの宅地造成はできないということになる。

田中一日本社会党

○田中一君 禁止をするということですね、そういう場合は。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 裏から言えばそういう結果になる。

田中一日本社会党

○田中一君 裏も表も同じですよ。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 関連質問。率直に申しますがれ、これは大臣もその他の人々もですよ、まだ認識されてない不足な点がたくさんあるんです。これは言うまでもなくこの必要性を最も痛感しておる立場に立つ者は、私は率直に言って横浜市の者なんですよ。だが同時にまた裏から言って不安を感じておるのも横浜市の者なんだ。さっき田中さんの日本のいろいろな状態を調べたかという質問に対して、住宅局長はまあ大体は調べたと言われるけれども、ただあなた方が一回り回って見たところでそんなものはつかめようはずはないのです、言うまでもないことですが。横浜及びこれは神戸もそうですけれども、少なくとも大都市の中では大阪とか名古屋とかというようなああいう平坦な土地と違いまして、横浜のごときは山また山なんですよ、町はその谷底にあって、よけいな話ですけれどもこれが大都市だ、人口百四十万を持っておるところの横浜市だと教えるとびっくりするほど、どこにそんなものがかくれておるかというほど山また山をなしておる場所なんです。したがって今後いろいろ宅地のこういう事業が大きくなった場合に、最も目をつけられたのは横浜であり神戸であるだろうと考える。これはもう間違いないことなんですよ。ところが今までの状態はどうかといいますると、山の上にずっと上がりきっていけばいろいろ広い土地もありますけれども、ほとんどその谷底の間だけに作っておいてそこで相当安心して住んでおったんですけれども、必要上どんどんどんどんやって日本中で横浜が一番大きく最近造成されておるでしょう。ほとんど一カ月といわずもう一週間ごとに様態が変ってくるほどたいへんやられておるという現状です。こういう中にあって、さっきの言葉を繰り返すようですけれども、申し上げたいのはこんな状態ですと、今後作られる人々よりも今まで住んでおった安泰であった人が、今後作られる土地に対して規制を加えてもらいたいという要望をするが、さてやって作られてみると、みなこれはわれわれの立場はどうなるだろう……、途中で申し上げますと建設大臣はそういうような場所については今までのものも加えて、区域指定をやったらいいだろうという話があったんですけれども、そうしますと当然今までなんでもなかった人々までが、たとえば改善命令等にまで及んでこなければ、これはものにならんわけですわ、そんなことは。これは実際この案がもっと期間のあるものならば、少なくとも立法者の方だけでも二、三口横浜をひとつ見てもらえば、私はそのとおりだと思う。今、田中委員が言われたような状態、なるほどこういうところを言うておったのかということが一目にわかるようになってくるんですけれども、ともかく時間の迫られた今日の時点において、しかも政府側の頭というものはただ紙の上で、あるいは頭の上で考えられておるからピントが合わないのです。  まあ、こういうことを前提として申し上げまするが、今までやったところで今までは三十年も五十年も安心であったというのは、もうその上には大きな木があったり、場合によれば森林等をなしたりしておって、まあせんだってのようなああいう集中豪雨はどうかしらぬが、何十年の間というものはびちんともしていなかった、これが実情だった。安心しておったんですけれども今のように木は切られる、そしてどんどんされますると、上の人々の問題よりか下の人々の不安がこれが非常に高まってきた。まあ一つの例として申し上げますると、この点がなんとか私あとで申し上げまする点が考慮されないとするならば、住み馴れた何十年もおった土地なんですけれども、命にはかえられないから早く田舎のほうに逃げてしまおうというような人々すら今日相当出ておるのです。実際問題なんですよ、これは。こういうことなんですね。ところがこの法案の中で見ますると区域を指定する、そしてそこで調査する、立ち入りをするというような場合においては、借地権者及び地主というものは特別な理由がない限り、これを拒むことはできないとされておるわけですけれども、それらの直接の地主でない、さっき申し上げた下の人々には同意を求めるのでも何でもない、これでは関係ないということになってしまっているわけですからね。そういうことになっているのですよ、この法案でいきますと。したがって上の人々の新しく造成される土地については、いろいろなやれ擁壁がどうであるとか排水施設がどうであるとかというようなことで、危険のないようには努めるけれども、それでもなおかつ不十分であれば途中において改善命令等をやってするけれども、それにもかかわらず、なおかつ神様がやった仕事じゃないのですから、これが大きく及んできた時分のこと、この損失については一体どこがどう見てくれるんだということなんですよ。まあ住宅局長はこういうような場合においては、あるいは公共投資等の問題でも考えたらいいだろうというようなあれですけれども、それは部分的ならいいが、くどく申し上げたように横浜のごとく大部分がそういう土地柄においては、これまたそれもいうだけのことであってできる話ではないということになるわけなんです。そこで起こるか起こらぬか知れぬ、相当念を入れてはやるだろうけれども、そういう場合になおかつやった場合において、国がこれだけの聞かない者に対してはやれ一年の懲役だ、十万の罰金だとか罰則を設けてある、一つの義務づけがあるのですから、片面にやはりそういうときに際しては国の責任といいますか、義務といいますか、具体的に申し上げますと、造成主あたりがとても負担にたえられないような場合、補助ないし補てん、端的に申し上げますと、そういうようなことについて何かお考えにならなければ、起こる起こらぬの問題の前にいろいろなそうした不安、公共福祉のためにやるなんていったって、あべこべに公共の福祉を害するような危険性がたくさん出て参りますので、そのことの不安を訴えているわけなんです。結論として申し上げますが、これだけのことをやらせるのですから、何かそういうことについての国が一面責任的なものを持って安心して造成をさせ、この法案を皆が歓迎していくという格好にしないと、先だっても申し上げたことですけれども、一体これはどうなるだろうと、こうやっておりまするならば法案自体がボイコットされる心配すら出てくる。まあよその地域の方々にはあまり何か私が大げさに言っておるかのようにお聞きになるかしらぬけれども、そうじゃなくして、まことになまなましい現実に立って言っているのですから……。そこでそういう造成主がなすべき補償、これに対する補助ないしは損失の補てん、こういうことについてお考えにならないかどうか、こうお聞きしたいのであります。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) いろいろと細目にわたって御指摘をいただいてわれわれ感謝をいたしておる次第であります。大体率直に基本的なことを申し上げますと、実は豪雨災害のときに私ども憂慮いたしまして、さっそく住宅局長に神戸及び横浜周辺の現状を視察をさしてつぶさに検討させたわけでありますが、まあその結果、今宅地造成が非常に激しい時代で、何といっても都市に人口の集中する度合いに比して、日本の国土というのは限られておるものですから、危険な個所に宅地が造成されておる、これをほおっておけばたいへんなことになるということで、まあこの法律案の立案に着手をいたしました。世論も大体この方向で早くやるべきだということが起こって参りましたのでこの立法を考えたわけでありますが、ただ立案をする者が現地を全部実情を知っているわけではなし、まああらゆることを頭の中に描いて想定をいたしまして、その想定のもとに一応立法化を行ない、規制の道をはかり、災害を起こさないようにしていこうということでスタートしたものでありますから、もちろんこの法律案自体にも私は今後運用してみますと改善を要する点が多々出てくると思います。そういう点をお気づきをいただいて今議論をしていただいておくことは非常にありがたいことでございますが、同時に施行をいたしまして、こういった新しい構想の立法は随時実情に即したように改善をしていく必要があると私は思うのです。基本としては、しかしぜひこれは今のうちに早くやっておきたい。  それともう一つ、田上さんから今御指摘のありました今後の造成にしても、あるいは既設の宅地にこの指定地域になったというために改善命令を出す、これに何か資金的な補助か何かの道を考えたらどうかと、そういう考えがあるかどうかというお尋ねでございましたが、この点につきまして私ども検討したわけでありますが、私有地であり、また私有権に基づく宅地の造成でございますから、どうも国の公けの補助というのは適当ではないのじゃないだろうか。ただしかしそういった強い条件を国が加える以上は、あるいはまた今議論になっておりますような改善命令をする以上は、必ずしも資金の豊富な人ばかりがやるわけじゃありませんから、資金的な融通の道は考慮する必要があるのじゃないかということで、実はこの法律案に並行いたしまして予算要求としましても、来年度はぜひ住宅金融公庫にこういった必要の場合の資金融通のワクをほしいということで、予算要求はいたしておる段階でございます。今後のこれは折衝に待つわけでございますが、ぜひ私どもとしてはそういった資金的な援助が必要な者に対しては、住宅金融公庫として融通のできるような道を開きたいと、こう思っておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 先ほど大臣が、規制区域内で隣接の危険度を解消しなければ、自分は宅地造成を行なおうとして申請しておる者に対する許可はしない、条件をつけるということを言っておったのですが、この法律のどこを見ても規模、内容についてそういう条件をつけなきゃならぬという条文は一つも見当たらないのです。そうすると、それこそ私の心配しておる問題が、もしかりにそういうことを運営の面でやろうとするならば、非常に危険な問題が起きてくるわけなんですよ。この宅地造成工事規制区域内というものはおおむね既成市街地じゃないのです。市街地に指定した場所にもあるでしょうが、あるいは今後市街地に指定しなきゃならないような環境になる場所もあるでしょうが、少なくとも宅地造成をしようという申請人に、他人の持っておる土地までもとやかくしなきゃならぬということは条件づけられていないわけなんです、ここに。構造上もそういうことになっておるなら、これは非常にうれしい。先ほども吉田参事官等に質問をしておったのですが、相当な二十メーターぐらいのがけ地がある、その下に新しく田んぼや荒れ地、原野を宅地造成をしておる。それで、これはもうどこでもいいのです、市街地たらんとすればいいのですから、市街地になるのは十年先、三十年光でもかまわない、市街地たらんとすればいい。市街地に指定されるほうが先だというのではなくて、なんだっていい。その場合に、その背後のがけ地というものがあれば、その宅地の造成には擁壁を整備せよという条件をつけるならば、これは望ましいことなのですよ。善意な人が宅地造成のために自分の生命財産をおびやかされることがあってはならぬ。また擁壁の整備を義務づけられることがあってはならない。今の建設大臣の御説明が、それでいいならば僕は非常にうれしい。それを実はしなければならない。おそらくそれはできやしませんよ。それこそ下に——下というとおかしいけれども、低い所にいる人たちの土地に……、宅地造成業者が六甲山の回りに全部コンクリートの擁壁を作るということになると、とてもできっこない。不可能です。そんなことになったら、また宅地造成業者は非常なえらいことになる。単価が上がってくる。事実そういう条件をつけてくれればうれしいのですよ。そういう危険区域はたとえば宅地造成規制区域としても宅地造成業者がこれに対しては手をつけなくなります。いわゆる制限地域にならざるを符ないということです。宅地造成業者というものは利益のために宅地造成をやるのです。国家社会のためにやるのではないのです。そういうことをやるのだというのであれば、それならそれでもって一応善意な人たちがたくさんな負担をしないでも済むし、またいろいろな罰金を取られなくても済むからいいわけなのです。そうすれば現血あるところの宅地造成業者も、おのずからこれは宅地造成禁止区域だという気持になりますからそこは手をつけない。僕が先ほどから心配しているのは、隣地の薄意な人たち、あるいは高い所の人たち、隣りの人たちが、この災害防止のための施設というものをしなければならないように強制されては困るということを言っているのです。この法律では既成宅地にまでも改善命令が出せることになっているのですよ。何年前に造成された宅地に対して改善しようとするのかひとつ聞いておきましょう。何年前に行なった宅地造成に対して改善命令を出されるのか。三十年、四十年も安泰に平和に自分の土地に住んでいる者が、その隣接する所に宅地造成をしたために、自分の宅地に災害防止の擁壁または排水施設等を作らなければならないと強制される場合がある。——これは大臣は見ていないな、この法案は。見ていない人に答弁を求めても困るのだ。実際を知らない。あなたは行政区分をすればいいと思っているかもしれないけれども、国民には大きな負担がかかるのです。自分の平和な生活に変動が来るのです。ゆすぶられるのですよ。これは平地に持とうという宅地造成じゃないのです。農地を地目転換してそれで宅地にしようという者に対して言っているのではないのです。宅地に不適格なところを宅地にしようというために災害が起こりやすくなるからこの法律でもって規制しようということです。必ず防災というものはこの事業を行なう場合には必須条件なのですよ。これがねらっている所は必ずあるということでしょう。だからいろいろな厳重な構造基準をもってやれと言っているのですよ。その場合に今あなたが言っているように、あなたが宅地を作るときに、あなたの隣りの上に、個人の田中なら田中の家がある。その敷地にコンクリートの擁壁を作りなさい、作らなければ許可しませんよ、こうあなたに言っているのです。やってくれるようになってくれればけっこうだ、上にいる僕は安心ですよ、安心のはずですよ。それが上の者にお前の土地だからお前が当然やるのだ、こうなると私は困ります。何十万、何百万という擁壁なんかは作れません。そのために監獄に行ったって作れませんと言います。どこまでも監獄にぶち込まれても何百万という金は出せません、できないとうっちゃっておきます。そうすれば危険がある。そうすれば先ほど住宅局長が言っているように、公共投資でもってそれを国なり公共団体がすべきじゃないかという財源の議論がなければいかぬのです、もう少し明確に。それから実態に即したこれを運用をこれからまかせるのですから、政府に。その場合に文書だけ、法文だけでもって解釈されては困るのです。これは大臣のは自分の……、これは建設大臣じゃなくて言ったのだろうと思う。その場合には背後地のがけに擁壁を作らなければ、下の宅地造成は認めません、許可しませんということは、私が念を押して「禁止ですね。」と言ったら、裏と表の場合だと、その発言は重大なんです。そうしてくれればいいのです。そうしてくれるならば一向差しつかえありません、危険はありませんから。また高い所にある私の宅地は、中村さんが直してくれるのですから、別にいいのです。それがそうじゃなくて、下に宅地を作る、擁壁があぶない、所有者である僕に対して擁壁を作れと言った場合には、私はできません、そこが一つの問題。今度はできないと言ったら監獄へ行け。それで帰ってくると、しません、またぶち込むならぶち込みなさい。何べん入っても何百万という金はできない。その場合にどうでしょうか、罰するだけが能じゃないのです。法律というものは罰するために作るのじゃないのです。当然そういう場合には、国民社会です、市民の集団です、公共投資で行なうのが当然じゃありませんか。先ほどあなたが言っているように、民有林でも砂防法による山腹砂防というもので防災工事を行なっているのです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 前段のお話ですが、私は宅地造成をある土地についてするために、隣接地に非常に被害を及ぼすおそれがあるじゃないか、それを一体どうするのだという先ほどのお尋ねでございまして、今もそのことのようでありますが、さような場合には隣接地に迷惑のかからぬような許可の際の許可条件をつける、これは当然だと思うのです。そのためにその造成資金が非常にかかりまして、造成の価値がないという場合には造成されない。なおまたそれは用途にもよるでしょうが、価値があるという場合にはきつい条件を受諾してでも造成をされるということになると思うのです。したがって二条の二号にございますように、「土地の形質の変更で政令で定めるもの」、「形質の変更」というのは、今説例をされましたように、がけ地で上には従来から宅地を持って住宅その他施設があった。下の土地を切り土して宅地造成をするとかいう場合には、もちろん下で宅地の造成を新たにする人が、上の土地の安全を期するように、形質の変更ですからしなければならないし、盛り上をして下のほうに危険を加えるような場合には、盛り土が安全であるような擁壁や、あるいはそこに水がたまるために土砂くずれを起こす危険性がある等の場合には、排水の施設とかいうことが当然許可をする場合の条件になってくると思うのです。その条件がきつ過ぎたら禁止と同じではないかと言われてみますと、なるほど裏を返してみれば禁止に値いする場合もあるかもしれませんが、とにかく安全を期するような許可条件をつけるというのがこの法律の建前でございまして、多分「形質の変更で政令で定めるもの」という中にはそういうものが含まれると思うのです。政令準備をしておる事務当局からこの点は明細お答えをさせたいと思いますが、われわれとしましては、とにかく新しく造成される土地の安全と、それによって関連をする周辺の隣接地の安全ということも、その許可条件の中で考慮さるべきである、こう考えておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それはたとえ所有権が異なっているものでもやるということですね。所有者が異なっている場合でもしなければならないんですね。させるのですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 他人の土地についてさせるということは、話し合い等が行なわれないと無理かと思います。したがって、切り土をする場合でありましても、よその土地の部分までは切れない。切る土地は自分の土地の中で切り土をし、そうしてその切り土をした所には上が安全なように擁壁を作らせるとか、排水溝を作らせるとか、あるいは下のほうに対しても同様の勧告をしていくべきで、ただそこで、上の人と下の人とが半分に出し合おう、擁壁はこうしてくれればいいと話し合いがつけば別でありますが、話し合いがつかなければ、やはり造成される土地の所有者の責任の範囲内において実施させるべきである、こう思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば三十メーターのうちの十五メーターだけ下のうちの土地、あとの十五メーターは上の人の土地だ、自分のうちの擁壁を十五メーター作った、上にはまだ十五メーターある。その場合に上は前々から自分で平和に暮している宅地ですから排水も何もしていない。集中豪雨でもあればそこにどんどん土砂と一緒に流れ込むかもしれません。そうすると上も作らなければ困るということを行政庁では命令するんですか、上の人に。今までは宅地がない、下に何もない、原野だった、田んぼだった、幾ら水が落ちようと一向差しつかえなかった、差しつかえなくて二十年、三十年住んできた。そういうところに土を切ってそういう要素が生まれてきた。また浸透水もあった。しかしながら、擁壁を作ったために逆にふくれてきた、地面の中が。そうして土砂が落ちるようになった。排水が悪くなるために土砂が弱い所へ出てくるんだという場合ですよ。上の人はどうしてもあと十五メーターの擁壁を作らなければならないのですか。そういうことは強制できないんじゃないかと思う。強制したんでは上の人は迷惑ですよ。そういうような条件のところが今後宅地の造成規制区域というものに多いのです。そういうところが非常に多いのです。平地なんというものはちっとも考えなくていいんですよ。がけ地が多いんです。またがけ地でなければなくなってきているわけですよ、造成するような土地が。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) そういう排水施設などは、当然、上の人の水でありましても、あるいは上の地所に降った雨水でありましても、それを処理するだけの施設は、やっぱり下の者に宅地造成をする場合に、私は条件として許可すべきだと思うのです。  ただ問題は、今御指摘がありましたように、傾斜地の中腹が地境であるという場合は往々あり得ると思います。そういう場合にはやはり下の傾斜地の中腹が地境であって、それ以下の、それより下を所有した者が宅地造成をする場合には、やはり自己の所有地しか切り土はできないと思う。その自己の所有地を切り土をして、上の傾斜地がなおかつ安全なように下へ擁壁施設を作らせるというのがこの許可命令をするときの条件の中に当然入ってくるべき事項で、そういったことによって隣接地に迷惑をかけさせないようにするのか必要だと、当然その許可条件に入るべきであると考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長それでいいのかい。それでいいんだと問題があるのですよ、まだ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) ただいまお話のように、傾斜地を切りまして、切り土をしまして宅地を造成するということになりますると、今お話のように上には既存のものがあり、下の所に作るわけだということになった場合におきましては、切るわけでありまするから、その切った切り上によってその斜面が安全であるかどうかということは、下の新しい造成主の当然行なうべきことであります。したがいまして、今大臣がおっしゃいましたように、その切り上をやる場合におきまして、安全性を保つような技術的基準というものがあるわけでございまするから、その技術的基準が先ほどお話のようにだんだんきつくなる、地域によりまして非常にきついものになる。それは府県知事に規則として付加することを委任してございますので、それによってその地域が非常にきつい技術的基準でなければ許可が得られないというような状況になりますると、事実上、経済的にペイいたしませんから禁止と同じような状況に相なるだろう、こういうふうに考えておるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、のりが相当あって擁壁を作らぬでもいいと常識的に考えられておった土地ですね、また、下に宅地がなければ多少土砂が落ちても一向差しつかえないのだというような状況の場所ですね、そういう場合に下のほうで相田な宅地造成をした場合、その場合にはやはり今言ったように、必須条件として擁壁を作らなければならぬということになりますか。そのために上のほうの高い所に住んでいる人の宅地に対して、排水なり排水溝なり、集水溝なりを作って下に水が落ちないようにしなければならないと義務づけられることもあり得るでしょう。その場合には下の原因によって高い所の宅地に対して改善命令が出されるかもわかりません、出されるのですか、改善命令が。そういうことはあり得ますか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) そういう場合に改善命令を出すことはあり得ますけれども、その場合の費用負担ということが問題になると思います。あるいはだれがそれを施工するかということが問題になると思います。これは第十六条の第二項におきまして、その災害の発生の著しいおそれが生じたことが他の者の行為によってそうなったんだということが明らかな場合におきましては、その者に工事をやらせることができるというような、そういうような規定があるのでありまして、これがかりにこの命令どおりにいかない場合におきましても、当然費用の求償という問題は出て参りますから、その間のバランスは十分にとれるものと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 上の人が排水溝、集水溝、そんなものを作っちゃ困ります、私のほうは一向差しつかえございませんから困りますと拒否する場合には、その高いところに住んでいる人に対してこの法の適用、罰則はあるのですか。改善命令というのは人間じゃないのですから、物に対する改善命令ですから、私は今は差しつかえございませんと、そんな排水溝、集水溝を作っては困りますといった場合には、どっちが処分を受けるのですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) ただいまの場合におきましては、もとよりその当該宅地の所有者等に異議のない場合におきまして、都道府県知事が命令をすることができるということになっておるわけでございますから、じゃ、もし異議があったときにはどうなるかと申しますと、その場合におきましてはそこに求償権が発生いたすことは当然でありまするから、その求償権に基づいて費用の負担は原因者からとるということに相なると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 費用の問題じゃない、そういう溝を作っちゃ困ると言った場合、そういう地形の変更をされちゃ困ると言った場合はどうなりますか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) そういう場合におきましては、代執行の規定の準用等によりまして問題はないと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、高いところに土地を持っておる人はどうなるのです。高いところに住んでいる人に対して集水溝を作れという命令が出るわけですね。費用の負担じゃないのですよ。そういう芝生の庭にそんなものを作っちゃ困るというような場合、あるいはぴっちりと家が建っておる場合、そういう場合にはどうなります。拒否した場合にはその人に対して罰則が適用になるのですか。高いところに住んでおる者に対して改善命令が出るわけでしょう。下の者じゃない。上の者でしょう。物件に対して命令が出るのでしょう。齋藤君に対して田中一の宅地に集水溝を作れという命令が出るのじゃないでしょう。田中一に対して改善命令が出るのでしょう。拒否すればやはりかかるのですか、どうなんですか。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) がけの上の宅地が従来からあって、その下に切りくずしまして、下に……○田中一君 切らなくてもいいのです。下に宅地を作る……。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) 切りくずすほうから申しますと、切りくずして宅地を作るという場合でありましたならば、むしろ上のほうの宅地のほうが危険にさらされることになるわけでございます。そういう場合におきましては、むしろ下のほうの宅地の所有者にこの命令が出されなければならないと、こういうふうに考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 そういう命令が下のほうに出、上のほうの人に排水溝なり集水溝を作れと、水路を作ってよそに持っていけという命令が出るのですか。下の人が上の人の宅地に対してこういう改善しろという命令が出せるのですか。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) 下の宅地の所有者に対しましては、自分の土地の分については第一項で、それから上の所有者の土地については第二項でいくということになろうと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 いやだといったらどうなりますか。上の人は私のほうは影響が一向ないからいやだといった場合にはどうなりますか。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) 第二項の異議のある場合でしたら、この命令は出せないということになります。

田中一日本社会党

○田中一君 問題は災害防止のために行なう施設をいっているんでしょう。もしそのために大きな災害が予想されるというふうに考えた場合には、命令は出せないとすると一体どういうことになるのですか。集中豪雨でもあって、今度の六甲の災害でもそうです、集中豪雨があったために今まで何ともなかったところがくずれたのです。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) そういう場合の措置ということは別に考えなければならないかと思いますが、この十六条の改善命令の出せる範囲ということを私は御説明申し上げました次第でございまして、ただ、この命令としては、せめてそれだけでもやろうというつもりであろうかと思うのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 そうでしょう。建設大臣、災害防止のために施設をやろうというのにもかかわらず、この法律だけでは不十分な点もあるのです。今の負担の問題はいいです。負掛の問題は了承すればできる。災害防止ということが主眼ならば、そういう施設を全部しなければならないのです。だからどうです。そういう場合は、それも下の人と上の人がいつも犬猿ただならぬような仲の悪いやつもあるだろうし、下の人に三メーターのがけ地に八メーターのでかい家を建てられたらえらい迷惑だ、とんでもないやつだということになったら何も聞きはしないということもあるだろうし、建築基準法によって高さの制限というのは、限界というか、三十三メートルなら三十三メートルあるわけだから、だからそういうことをやはり考えなければいかぬと思うのです。どうも宅地造成の規制だけを先行して、宅地を作るということだけ先行して、隣接の市民の物質的にも精神的にも不利益というもの、物質的にこういう点でかりに補えるとしても、精神的にも非常な不利益を受けるということがあり得るのです。どこでもあり得ることです。あり得るものはやはりそれを除去しなければならぬと思います。それでなおかつ災害防止のための必須条件としても、技術的な施策はしなければならないということになるわけですね。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 関連して。先日の委員会で、今の改善命令と罰則についてですが、何十年も安全に住んできたところで、そこで行政官庁ではそこは危険だから改善しなさいというと、ところが住んできた人は、いや、もう何十年も住んできたのだから大丈夫だという、そういうような場合はまず勧告をする、災害防止のため必要な措置を勧告する場合がある。それからその住んでいる人が自分でもなるほどこれは少し危険だと思う、だけれども金がなくてできない。そういうような場合には金融公庫の融資を大幅にふやしてやっていきたい。こういうようなことがあったわけですが、またきょうのお話ですと、限度をこえた改善をしなければならないような場合には公共投資を考えている、というふうになりますと公共投資、それなら改善命令を出す、あるいは勧告をするといってもそれは公共投資でやってくれたらいいじゃないか、あるいは改善命令出されても公庫融資が当たらないからということになりはしないかと思うのです。結局公共投資にもはずれて、公庫の融資にもはずれた人だけがこの罰則の適用を受けて懲役や罰金になる、そういうような結果にならないですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) ただいまのお話の最後のところは、公共投資からもはずれ、かつ防災融資ももらえない者だけが懲役にというお話でございましたが、まず、罰則は懲役だけではないのでありまして、懲役または罰金ということになっておりまして、事実裁判におきまして懲役までいくというのはあまりないであろう、罰金が多いであろうと思いますけれども、ただ、防災に対する融資の問題も、制度が新設されますならば、改善命令を受けた者に対して重点的にといいますか、最優先的に融資をするということを考えておりますので、運用上におきましては今御心配になってるような点がないように、したがって罰則を無理やりに適用するということがないように指導していきたい。こういうふうに考えている次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そこは言い直します。懲役または罰金になる。そうすると公共投資にもはずれ公庫の融資にもあたらない、自分のお金もない、そういう人は直すにも直しようがないのです。そういう人は懲役はないであろう、おそらく罰金だろうという、今お話がありましたが、それは裁判の結果でないとわからないと思うのですが、そういうふうな罰せられることが予想できないならば、この罰則は意味がないじゃないですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 罰則が意味がないとおっしゃいますが、これは故意に、いろいろな条件があるにかかわらず、命令に従わないというような者もございますので、その意味がないということはないというふうに私思います。  それから今お話のような、非常に困窮と申しますか、そういうような状況での改善という問題につきましては、やはりそのようなところでありますれば、周囲の土地の利用状況等から考えてというようなことで相当緩和された措置が出てくると思いますので、そういうような点あれこれ考えますると、まあ御心配になるようなことはないのではないかというように私どもは見通しをしております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 改善命令を受けても故意に直さない、そういう場合には罰則の適用があるということはわかりますけれども、なんですか、今、後段でおっしゃったことは、そういうお金のない人の住んでるところならば、ほかに土地がありそうだということですか、どういうことですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 変な話でございますが、本来罰則というものはこれの適用がない、これに該当する者がないということを念願としてできているものでございます。したがいましてこの法の執行をうまくやるならば、この罰則に該当して罰金等の適用を受けるというような者が出てこないだろうと思うのでありますが、なんにしましても、この改善命令というものは、国の機関としての都道府県知事が法律に基づいて発する命令でございますから、それに違反する者があった場合におきまする罰則というものを明定しておきませんと、これは法を執行する上におきましても非常に障害を生ずることがございますので、こういうものを規定いたした次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 ですから、その点はもちろん国の行政機関の命令に従わなければならない、だから罰則があるのだということはわかります。だからといって限度を越えた場合は公共投資するとか、ある人は公庫の融資で改善することができたとか、ある人は公共投資の方にも入らないし、そこに非常に行政官庁の認定次第や何かで不公平が起きませんか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 限度を越えた場合において公共投資というお話でございますが、これを裏から読んでいただきますと、個人に負担をかけられる限度というものはおのずからある。したがって個人の経済的負担において改善をするということは、やはりこのような制限をつけなければ酷であろうということから出てくるわけであります。したがいましてこれをまた逆に申しますれば、公共投資として投資すべきものはどの程度のものからするのかということは、またこういう問題と関連して別な感覚からくるのではないかと思うのであります。前例もございまして、先ほど大臣からもお話がございましたように、公共投資をやりました例としましては、たとえば下関等で災害があったときに問題になったのでございますけれども、はち巻と申しますか、山腹にはち巻きをいたしまして土砂がくずれぬように大がかりな擁壁を作った、そういうようなことはあるわけであります。その擁壁と擁壁の間の個人の所有地についてはみずからの負担においてがけくずれがないように措置をして、下関全体が災害を受けないようにというような国と公共団体と個人の協力によって災害防止の目的を達したという事例があるわけでございます。こういうものをわれわれは念頭において先ほどのような御説明をした次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その個人の負担の限度と言われる点が非常に問題だと思うのです。それはその人によってその限度は幾様にも違うわけです。で今御説明の下関の場合、そういうような場合をこの法律なり何なりに基準か何か出ますか、あるいはすでに出ておりますか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) この限度を考えます場合は、この義務を履行するに必要な負担経費と申しますか、これによって保護される利益というものを考慮するわけでございますから、その限度において命令を発するわけでありますから、個人の負担というものは過重にならないように命令が出されるという考え方であります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 ですからこの個人の負担が過重にならないように何らかの基準なり何なりが、行政官庁の方から示されますかどうかと聞いておるんです。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 指導いたします場合に十六条の執行については十分に気をつけて、各都道府県知事に指導通知を出したいというふうに考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 指導する場合にその限度を示すということですか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 限度を個々具体的にきめるということは、この法律の趣旨からいきましてもケース・バイ・ケースできまってくる場合があると思いますので、考え方が十分に浸透して間違った判断が行なわれないように行政指導をしたい、こういうことでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その判断が間違っているかいないか、そういうことをお聞きしておるのではなくて、個人の負担する限度がある、それは当然考えられます。ところがその個人の負担の限度というものは非常まちまちだから、そこで何らかのこういうような条件のときに公共投資をするのだ、というようなことがどこかできめられるかどうかということをお聞きしておるんです。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 個々の場合におきまして、そこで義務を履行するための負担というものと、その改善命令を執行することによりましてどういう利益があるのか。災害防止といいましても、どの程度救われるのかということをかれこれ比較勘案いたしましてきめていくのでありまするから、個人の負担限度はこれこれだというように画一的にきめることは困難かと存じます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 要するに都道府県知事の認定次第ということですね。ですから、その場合うまく認定してもらった人は、罰則の適用のおそれがなくなるし、認定にはずれた者は罰則適用のおそれがある、そういう結果になるわけですね。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 言葉をかえて言えば、そういうことになります。

田中一日本社会党

○田中一君 第十三条の六項をちょっと説明して下さい。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 第六項の規定は、「都道府県知事は、第二項又は第三項の規定により」と申しますのは、第二項は、工事の停止命令等です。それから第三項は、使用の禁止あるいは制限といったような命令です。  そういうような必要な措置を命ずる場合におきまして、「過失がなくてその措置をとることを命ずべき者を確知することができない」という場合、また、「これを放置することが著しく公益に反すると認められるときは、」都道府県知事は、「その者の負担において、その措置をみずから行ない、又はその命じた者若しくは委任した者に行なわせることができる。」、こういう規定でございまして、ここに書いてありますように、都道府県知事が、相手方がわからないという場合に、そいつを放置することもできないという場合がありましたときには、これを都道府県知事が、自分でその措置をやる。しかし、その費用負担は、その命令を受けるべき者に負担させる、こういう趣旨でございます。「この場合においては、相当の期限を定めて、その措置をとるべき旨及びその期限までにその措置をとらないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行なうべき旨をあらかじめ公告しなければならない。」というのは、事前に、このような公告をして、しかる後みずから施行するということにしませんと、不都合を生じますので、このような後段の規定を設けたのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、放置することが著しく公益に反すると認められていながら、都道府県知事がその仕事を行なわないでおった、そして起こった災害の責任はどこになるの。また、もう一つは、そうして都道府県知事が工事の執行をやって、それでかつ災害が起こって生命財産に害を与えた場合には、その責任はどういう形でとられるのか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 都道府県知事は、単に確知することができないだけでなしに、放置することができないという場合におきましては、今おっしゃるように、このような措置をみずからしなければならないわけであります。  それをもし、懈怠いたしまして、たとえば放置することが著しく公益に反すると認められながらにもかかわらず、もしそれを放置をしたということになりますると、知事が責任を負うということになると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これは規制区域内のがけ地をうっちゃっておけば危険だ、危険だという場合に、その当該者がわからない、その所有者がわからぬ場合に、都道府県知事がじかに施行する、そうして、なおそれが災害があった場合の責任は、やっぱり仕事をした都道府県知事が責任をとるわけですね。そういうことにならざるを得ないでしょう。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) そうです。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、じゃ都道府県知事が命じて、それで、その所有者が施行し、災害があった場合には、その責任は、所有者である施行者が責任とるんですね。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) しなかった場合ですか、した場合ですか。

田中一日本社会党

○田中一君 した場合です。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 命令があって、それによって命令を受けた者が施行した。しかるにもかかわらず、災害が起こったという場合におきましては、その命令を受けた者には責任はございません。

田中一日本社会党

○田中一君 ないとするならば、その場合には、だれが責任をとるんです。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) その監督処分の権限を持っております者は、都道府県知事でございまするから、都道府県知事が、監督処分の権限を行使するにあたって懈怠がありまするならば、都道府県知事は行政上の責任を負う、こういうことになります。

田中一日本社会党

○田中一君 それでは、もう全部都道府県知事にやってもらうんだな、都道府県知事がやるんだよ。そうすればみんな喜んで、これを守りますよ。施行してくれて、そうして、そのために地価が値上がりになるならば、平気でもってやってもらいますよ、みんな。そのほうがずっといいね。その危険な区域が危険でなくなれば、これはたいしたものですよ。責任は都道府県知事がとってくれるなら、全部やってもらいたいんですよ。そういうことを、またしなければならないよ、ほんとうは。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) そう申されましても、たとえば第一項の許可の取り消しは、これは他の者にやらすことはできませんし、第二項のたとえば工事の停止とか、あるいは第三項の使用の禁止というようなことは、やはり当事者が工事を停止することが、最も第一の先決でございますから、命令をして、その上、さらに相手がわからないというような場合だけ知事がやるのは、やはり妥当な措置だろうと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 十八条「(報告の徴取)」「都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内における宅地の所有者、管理者又は占有者に対して、当該宅地又は当該宅地において行なわれている工事の状況について報告を求めることができる。」の当該宅地、それを報告しなければならぬ義務があるわけですね。いやなことですね。どういうことを調査を求めるか知らぬけれども、実測しろの測量しろの、土地の実況を報告しろでは、とてもたまらぬな。これは公知の問題というんではないんですよ。「当該宅地において行なわれている工事の状況」これはいいでしょうね、許可したんだから。しかしながら「当該宅地」、当該宅地というのは、造成を申請する当該宅地じゃございません。その他の宅地も、それに含まれるものと思う。そんなものまでも報告しなければならぬ義務があるんですか。では十八条の罰則は、どうなっているかす。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) この十八条の規定は、当該宅地の状況あるいはまた当該宅地において行なわれている工事の状況、この二つについて、所有者なり占有者から報告を求めるということでございまして、たとえば宅地について、一般的な概況がどうなっている、あるいは擁壁の現況はどうであるとかいうようなことも、まず工事者から報告をとりまして、それによって現地の調査もするということのほうが順序立っていいだろうということで、との十八条を規定したわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 こうしてね、善意な宅地の所有者がですよ、一々自分のところの宅地の報告をしなければならぬ、区域内のね。区域内の宅地の場合には報告しなければならぬという義務を負わされる。得があるのですかね。そんなにまでもしなければならぬものですかね。とんでもない話ですよ、これ。費用もかかるのですよ、費用も。そういうものを、自分の宅地の状況なんというものは、土木屋さんなり建築屋さんならば、報告もできるかもしらぬけれども、これはもう、どういうものを報告受けるかしらぬけれども、危険区域、これが危険な状況が、危険な場合には、いろいろな意味の報告を要求されるかわからないですよ。そしてそれが五万円以下の罰金じゃかないませんなあ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 報告を徴取するということは、知事が必要に応じてやるわけでございまするから、おっしゃったように、全面的に一斉にとるとか、あるいは非常に金額がかかる報告をとるとかいうようなことには相ならないかと思います。もとより知事におきましても、現地の調査をいたすわけでございます。それと報告の両方の制度によって、その区域内の現況を十分に把握して、そうして災害等が起こらぬように、それぞれ必要な措置をするという考え方でございます。その点は差しつかえないかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長、もっとはっきり言って下さい。一向差しつかえない問題ではないか、言って下さい、口の中で言わないで。  で、内容がね、どういうものを報告受けるか知らぬが、政令できめますか。こういう程度のもの、金のかからないものだ、簡易なものだ、坪数だけである、地番地だけであるとか、入れるのですか、政令で。——これは政令になっていないなあ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 政令事項でございませんから、政令に規定するつもりはございませんが、ここでとろうとする報告の中身は、たとえば宅地については、一般的な概況でありますとか、あるいは現在擁壁がどうなっておるかというような程度のことでございます。それから工事のほうにつきましては、現に工事を行なっているわけでありますから、その進捗状況が、どの程度いっているかというような報告をとるという程度に考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 この工事の状況はいいです、これは当然しなければならぬと思うのですが、宅地の場合に、たいへん骨が折れますね。そうして出さない場合には、一日おくれたら五万円以下の罰金をとられるのか何か、よく、これは各条例できめるのでしょうけれども、それにしても、書き方がわからぬというような御婦人もいますよ。家の者などは、本人がおらないのでわからない。それで五万円以下の罰金をとられたんじゃかなわないな。こんなものだということを、はっきり明示できないのですか。地番と坪数ぐらいなら、大体まあわかるでしょう。けれども擁壁といったところで、擁壁にも程度がありますよ。コンクリートの擁壁があって、それが一体厚さがどのくらいあるものか。そんなことを言ったってわかりはしないのですよ。それでいいならそれでいいけれども、こんなものを強制されるというのは、はなはだ不可思議だと思うのですよ。こんなことまでも強制されなければならぬ。これは住宅局長の考えているのは、新しく造成される土地内の宅地なんという考え方に基づいて立案したのかしらぬけれども、何十年となく住んでいる宅地までもやられたんじゃかないませんよ。そういうものは実測なんてしていないのですよ。そのために、実測したために、何だ坪数があすこは百二十坪のはずだったのが百八十坪あるじゃないかと言って、税金取られたら、虚偽の申請しますよ。大体動かないところほどなわ延びがあるのです。動くと、売買すると、ほんとうの実測図ができますけれども、大体、持っていやしませんよ。へたに、そんなもの実測されたら、えらいことになっちゃう。税金が高くなります。まあ、それが正しいんだということは、私どもはわかります。そんなにまで、むずかしい問題をお調べになるのですか。簡単なものなら、簡単なものだと書いて下さい。こういう程度のものをやるのだと書いて下さい。何といっても、五万円以下の罰金なんという罰則を作られて、これをやるなら、内容を明らかにしてほしいんだ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 本条につきましての報告の内容につきましては、政令事項でございませんので、先ほど申し上げましたように、政令では規定しないと申し上げましたけれども、実際の行政指導におきましては、今の御質疑のように、どの程度の報告を徴取するかということを、通牒等で明確にいたしたいと思います。そうしませんと、罰則の適用もあることでありますから……。

田中一日本社会党

○田中一君 どうもね、罰則をつけられている問題、まだありますよ、これから質問するのですが、それは内容が明らかでないことを義務づけられるということは、これは容易ならぬ問題ですよ。これは、なるほど悪意な宅造業者もいるかもしれません。われわれは、全部善意だと見ているのですよ。ましてや三十年も四十年も、あるいは孫じいさんからでも、代々あるような土地までも調査せいなどと言われて、あるいは税金には関係ないなら関係ないということを明記するとか、そうしませんと、よく、これはなわ延びが、中村さんご存じでしょう、なわ延びは必ずあるものなんです、動かないものは。百二十坪だといって登記所に入っているけれども、事実は百八十坪だったというようなことがたくさんあるよ。大体、昔はそういうものだ。ことに、がけ地の場合は、がけ地の、のり面積までいったならば、そのとり方によっては、とんでもない大きな土地になってしまうのです。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 十八条の中の当該宅地の状況、まあ工事の状況につきましては、問題はあまりないと思いますが、宅地の状況につきましては、現在の宅地の状況で、危険があるかないかということの判断をするだけのことでありまするから、その程度の報告を求めたい、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 こういうものは政令ではっきりしなきゃいかぬです。通牒なんかでやっちゃいかぬです。国民に、不当に義務を押しつけるというものは、やっぱり政令ではっきりしなきゃいかぬですよ。そうすべきものですよ。今、これは吉田参事官に聞きますが、そうして、こういう罰則を含む強制されたものの内容というものは、この明らかじゃない内容ということは、これは非常に民法上どうですか。ほかにこれに、僕が今質問しているような問題を、民法の上でもって、どういう工合に今までの判例としてありますか。たとえばおやじが留守でわからないと、金がかかるというような場合、どういうことになっております、今までの例は。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) この問題は、民法の問題じゃございません。刑事の問題でございまして、私の職責の範囲外と考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 こういうものは、やっぱり政令でもってはっきりと、内容はかくかくだ、こういう内容、こういう内容と、これを書いて出すという工合にするのが、ほんとうのことですよ。ふえますよ。みんな、これ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) ただいまの点につきましては、直接政令事項ということに書いてございませんけれども、二十二条のいわゆる実施政令ということがございますので、まことに重要でありまするから、実施政令の中で、詳細に規定するようにいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 この二十六条の「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前三条の違反行為をした場合においては、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。」これも重大な問題なんですよ。一体、使用人その他の従業員というものの範囲は、雇用関係のうち、どこにどういう雇用関係で、それを認定するか。きょう私が庭の掃除をさすために、職安から一人の人を頼んで、その労働者に頼んで庭掃除をさした。これは雇用関係は結べているのです。したがって使用人、従業員の範疇に入ると思うのです。  少なくとも罰金刑を科するというようなことを強く打ち出しているのなら、その使用人とは、どういう形のどういう契約を結んで、どういうものがどういう条件で結ばれているものが使用人というか、従業員というか。これを明らかにしなければいかぬですよ。  ということは、使用人が犯した過失あるいは違反というもの、従業員が犯した過失というものが、それは雇用しているものが命じた場合はどうなるか。そうすると、両方が罰せられるということになるのですね。その行為者を罰する。これは刑法にある。行為者が罰を受けるのは当然です、刑法上では。しかしながら、命令したものがあった場合に、これは、その従業員であるなら、これは行為者として罰せられるという理由は非常に希薄になると思うのです。双方ともに罰するということは、これは非常に強いです。したがって、この代理人は、法律の代理人としてみましょう。従業員の場合は、どういう範疇のものが従業員か、明確にしていただきたい。  この点は吉田さん、使用人その他の従業員というのは、民法上、どういう形式を踏んでいるものが従業員となるか。これはまた、刑法になると、おれはわからぬ、答弁できないと言うから……。刑法だってわかっているでしょう、君。それが、二重に罰せられるということになると、これは問題です。はっきりして下さい。はっきりと。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) この従業員というのは、もちろん雇用関係に基づいて使用されている者を言うと思うのです。この二十六条の両罰規定は、刑罰規定には、どの法律にもついております。私、この点について、正確なことは存じておりませんけれども、たとえば庭掃きをしている雇われた従業員が、この報告義務の際に、うその報告をしたという場合に、直ちに、この刑罰が働いてくるものじゃないだろうと思います。やはり報告義務をなすべき職責を持った従業員が、この行為をした場合に、その法人が刑罰を受けることになるのだろうと想像しております。

田中一日本社会党

○田中一君 建設業法の、ことしの春の通常国会で改正した違反者というものの定義は、だれが雇ったものか知らなくとも、その場所におって仕事をしているものは、その禁止なら禁止命令を受理しなければならないように、法律の改正をしたわけです。これはわれわれは……、齋藤君、ちょっと法文は……。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 四十八条……。

田中一日本社会党

○田中一君 「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第四十五条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。」と、同じ文句なんですよ。  そこで、前のこの通常国会で規定した、現場における違反行為、工事中止の伝達者というものが、何条にあったか調べて下さい。基準法何条にありましたか。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) 九条。

田中一日本社会党

○田中一君 九条ね。違反建築物に対する措置、十項だったかな。これには現場において違反行為があった場合に、施主、届出人または請負人、代理人以外に、現場にいる者、雇用関係は結んでいようが結んであるまいが、そこにペンキ屋がおって仕事をしておったら——やめろ、やめない場合は、お前が罰を食うぞということなんだ。これには、われわれ非常に……。了承したのは、相当、一夜にして五十坪、百坪の家ができるというような不法建築が多い、これにのみ適用するのだという説明があり、そういうことも事実を知っているから、了承したんですが、これですら、相当な問題です。  これは何も雇用関係結んでいようと結んでいるまいと、だれが雇おうと雇うまいと、雇用関係というものは、確認は全然しませんよ。そこに現場にいる。ペンキ屋が、ペンキを塗っていたら、お前やめろ、やめなければ懲役——懲役があったかどうか、罰すると、こういう過酷なことをやっている。そういうものと、これとはおのずから違うのですよ。どうも住宅局の考えている法文というものは、ことごとく罪せんがためにのみ、この条文を作っているように受け取れるのですよ。この建築基準法の改正のときすら、僕は、ずいぶん突っ込んで——これはもっとも齋藤局長いなかったけれども、非常に強くやかましく替ったのですよ。使用人でも従業員でも、何だかわからない、わからないが、いた者に伝達して、これを聞かなければ、工事をやめなければ罰する——これにしても、そうですよ。使用人、その従業員という確認する方法を、明らかに政令で示していただきたいのですよ。使用人、従業員だということを確認される方法を、政令で、かくかくの条件の者が、これは使用人だ、従業員だと示しなさい。  また行為者を罰するのは、刑法の精神だから、これは行為者を罰することはやむを得ない。しかし、これを強圧し命じている者がいる場合、その場合には、やはり原因を作った者が——行為者ではないかもわかりませんが、それに対して同様の、同じ罰金刑を科するということになると、これは重大問題です。これは倍でも十倍でも、重刑に処しなさいよ、もし、そんなに罪人を作りたいというのが住宅局長の腹ならば。これはやはり、従業員という者を、なんで、どう確認するかということを明らかにして下さいよ。

斎藤常勝建設省住宅局長

○政府委員(斎藤常勝君) この規定を設けましたときの私どもの考えは、たとえば十三条の第二項等で工事の停止などを命ずる場合に、現場管理者というものを相手方として規定しているわけでありますので、そういうことを予想いたしまして、従業者というような観念を入れたわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 悪いことをする者、違反を犯そうとする者は、計画的に違反を犯そうとして、法の盲点を突いてくるのです。君はだれから言いつけられたか。親方です。親方はどこにいるか。知りません。親方の住所がわからなくても、田中太郎兵衛とは、雇い雇われるという日雇い契約を結んでおる。雇う人間の住所氏名がない場合には、一体従業員としての契約は、どういうことになるのですか。やはり契約に違いありませんねそれはどういうように解釈するのですか。確かに、眼鏡をかけて、マルハというしるしばんてんを着ている親方に雇われた。——山谷のドヤ街でとでもしましょうか。行こうと言って、前渡し賃金をもらい、八百円なら八百円をもらってきて仕事をしている。親方に、これとこれをやってくれと言われてやっている。ところがそれを違反だと言って罰せられる。ところが親方は、どこにいるか。またあすの朝お前を迎えに来ると言って帰った。ここには、トラックで送ってもらいました、というようなのが多いのですよ、違反を犯そうとする者には。ところが、それは住所がわからない。名前もわからないという場合にも、これも契約に間違いないのです、雇用契約に。賃金を払ってもらっておりますから。その従業員、そのドヤ街の住人だけが、労働者だけが罰せられるなんということは、これはおかしい。このようなことは、こういう現場には多いのです。  ことに宅地造成の場合には、宅地造成屋というものがある。一人の人が、この宅地造成を行なおうとすると五十人、百人というものが、ちゃんとすぐ集まってくる。そこで、例の糸に旗をつけてずっと観鑑式のようにやって、一番近くの駅に車を置いて、乗っけて現場に持っていく。十分だと言われて行くと、なるほど車の十分で、相当な所まで引っ張っていく。それは、そういう専門の業者です。で、手をつけの百円でもおかなければ——手つけは百円でもいいのです。百円もらっても、三分の一はむりし取られるのですから。手つけをおかなければ、道の悪い、橋もないような所にぽんとおろされて、お帰りなさいと帰される。とぼとぼほこりの中を帰って、一時間ばかりかかって駅につくというのがたくさんあるのです。そういうことを扱う業者なんです。そういう業者のたまりがあるのです。しかし、そういう人たちはつかまらない、罰せられない。ほんとうの日雇い的な貸金労働者が、現場で罰せられるということはありようがない。私は前の建築基準法の改正のときにも、その点をやかましく言ったのだが、同じことがまた出ている。善意の者が執行猶予になるのです。ことに、命令で強圧してやっている人、思考力が、どうしたってないので、あの人は千円くれるから、あの人の言うことを聞くといって、また千円もらって違反行為をする。それが、罰せられないということは、そんなばかなことはないですよ。そういうことがあり得るのですよ、現場というものは。なぜその場合に追及して、従業員なんというものに対して罰しようとするのですか。それよりも大元の行為を行なうことを命じた者を罰しないのか。従業員は罰せられるけれども、それを命じた者は罰せられない。法人の代表者を罰しない。法人を罰するのだとやったほうが正しいのですよ。いたずらに罪人を作る考えはいかぬのです。そういう人がつかまらぬということは、おかしいじゃないですか。つかまえればいいじゃないですか。違反した者が引っかからぬ。この前も言った。これと同じ例文をここに持ってきている。これはあまり好ましいことじゃない。修正しなさい。会期はあしたまであるのだから、修正しなさい。これはどうも承服できない。この法律は賛成しようとしている法律案です。しかし修正しなかったら賛成できない。同じことをやっているのです。  どうも住宅局の法律は、ここに岩沢さんはいないけれども、罪人を作る法律を作ると言って岩沢さんと話した。もう少しすっきりと……戦争で前線の兵隊ばかりが死ぬのじゃ困るのですよ。善意な人ですよ、これは。再びあやまちを犯す、建築基準法とこれと。おそらくこういう問題は裁判にかかっても、裁判する力は持ちませんよ、この人は。どの程度のものじゃ、法定弁護士なんかつけてくれない。弁護士に頼んでも、こんなものは無罪です。——国家賠償法の適用を受けないかもしれぬけれども、無罪になる。いたずらに罪人を作っちゃいかぬよ。建設大臣は弁護士ですよ。常に弱い者の味方なんです。この前も言ったのです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) これは、実際田中さんの御指摘になりますように、ずるい業者は、自分は雲隠れしておって、そうして従事者の使用人に違反行為をやらせる。そうして処罰の対象から免れよう、こういう行為が、建築基準法改正のころからあったわけです。あの建築の場合におきましても、違法建築をしたやつは、ほとんど本人は、なるたけ雲隠れして、わからぬようにして、そうして違法建築をしてしまう。しかし、この違反建築を取り締らぬわけにはいかない。これを取り締っていくのには、努めて、もちろん行政官庁は、その責任を持って発見に努力はしますけれども、努力をしても、なおかつ発見ができない。そこでやむを得ないから現場で仕事をしている者に対して、この工事は違法であるから、してはならない。この場合でも、違法であるから、してはならないと一定の命令を下したにかかわらず、なお頼まれたからやるという、賃金をもらうからやるということだけで、作業をどんどん進めてしまう危険性がありますから、ちょうど住宅の違法建築の場合と同じように、そういった場合にやむを得ず、そういった働いておる者を処罰の対象にする。こういう処置を講じたわけで、そこまで階段を下りませんというと、行政官庁の指示を徹底させることが、現実において不可能な事態が各所に起こっておる。これを防止して、やはり災害を防ぐために、公共の福祉のために守らせよう、こういう熱心からきておるのでありまして、もちろん処罰をする場合に、好んで代理者や、使用人を処罰するはずはないのでありまして、あくまで本体の、そういう違法行為をあえてしようとするやつを検挙するのが目的でありますが、どうしてもやむを得ない場合に、それもやるぞという、やはり何といいますか、にらみをきかせませんというと、防ぎ切れないということで、そこまでにらみをきかせようという建前でございますから、若干これは今御指摘のように、人夫賃だけもらって、純然たる労務を提供している者を処罰しようという精神じゃありませんけれども、形としては、そこまで下りないと厳守させることができないということからきておるわけでございますから、まあ前回の建築基準法の改正の場合も、この場合も、これは公共の福祉保護のために、私は御了解をいただきたい事項である、こう思っておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 私は了解しませんよ。この前も、中村さんでしたね、これを審議したのは。あなたに申し上げたはずです。大体、かりにあと払い賃金の場合、どうしますか。仕事をしなければ、きょうは金がもらえないのだ。食えないのだ。残飯が買えない。しょうちゅう一ぱい飲めないのだ。その場合に引っ張られちゃったら、本人はどうなるのですか。生活権の問題ですよ。当然賃金不払いですよ、出てこないのだから。この前も、こんこんとそれを申し上げた。しかし建築の場合には、違法建築物件が残っておるけれども、宅地造成の場合は、そうでないですよ。財産的なものは残ってないのですよ。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この場合は、結局、好んでそういうことはなすべきじゃありませんし、また、今御指摘のように、純然たる失業しておっては、めしが食えないから働くという程度の人を処罰の対象には考えておりませんが、問題は、付加した条件を履行させるために、行政官庁の係官が現場で尋ねて、そして何べんも同一人に対して勧告をし、あるいは指令を発してきたのにかかわらず、その工事が進められるということになれば、そこの従事者にいたしましても、なるほど、これだけ役所が言うのだから悪いのだな、悪いということを知りつつやるということになれば、やはり犯罪の幇助になるから、本質的には共犯になるという姿でありますから、これも場合によっては罰するぞというくらいのことがないと、なかなか指示が徹底しない。そういった悪質業者が最近は起こりつつありますから、まあ悪質な業者の場合であっても守らせよう、あるいは工事の禁止を命ずる。まあおそらくそういう場合には、処罰するということよりも、前に工事の禁止を命ずるということが先決問題だと思うのですが、工事を禁止しても、工事は続けられてしまう、危険な宅地が造成されてしまう。こういうことになる場合に、いよいよせっぱ詰って処罰をするぞという伝家の宝刀くらいはないと、守らせ切れないのじゃないかというのが、この立法の考え方でございますから、この考え方は、これはもちろん、問題が具体的に起こりました場合にも、ひとり都道府県知事、五大市の市長のみならず、法務当局等にも守っていただくようにいたしたいと思うのです。このこと自体が、もう一つは自然犯でありませんから、おそらく行政官庁が、これだけ一生懸命念を押したにかかわらず聞かないというような場合に、行政官庁が摘発しなければ、司法関係が発動するということは、自然犯と違って、人を切ったとか物を盗んだという場合と違いますから、発動いたしませんから、結局は行政官庁が、それを告発するかしないかということにかかってくると思いますので、そういう点は、まあ無理のないように行政指導はいたしたいと思いますが、ただ伝家の宝刀だけは持っていないというと、逃げられっ放しに逃げられて、違法を悪意でやるやつは、違法のしほうだいということになっては、せっかくの法律の精神が達成できませんので、何とかこの程度のことは明らかにしておきたいというのが立法の精神なわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 古田参事官どう思う。こういう現状は、政治の貧困からくるのですよ。政治に対する不信感からくるのですよ。こうしなければならないというのは、罪人を作ることのみに専心しておる。憲法の精神は、そんなものじゃないですよ。

吉田昂法務省民事局参事官

○説明員(吉田昂君) どうも、私がお答えするのは適当でないと思うのでございますが、この二十六条という規定それ自体は、行為者を罰するということを書いているわけじゃなくして、行為者を使っている者を罰するという規定なんですから、これ自体はどうということはないだろうと思います。  ですから、問題になりますのは、十三条の五項なんですけれども、建設大臣のおっしゃるように、やむを得ないような場合もあるのじゃないかという気がするのですが、ただ、この場合に、停止命令を受けた者が違反した場合ということになるのじゃないか。ですから、受けてない従業員まで、これが及ぶかどうかということになると、かなり疑問じゃないかという気がいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 質問の継続をいたしたいと思いますが、内々わが会派の理事からの連絡では、委員長におかれて、適当な時期に休憩をせられまして、再開後質疑を続けるようにということでございましたので、そうであれば、私はそれに従いまして、後ほど、会期末でもありますから、最も重要だと思われる点についてのみでも、本件の質疑をいたしたいと思いますが、お取り計らいいただきたい。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記を起こして。  それでは、本案に対する質疑は、一応この程度にいたしまして、暫時休憩いたします。  なお、次は六時半から再開します。    午後五時四十分休憩    ————・————    午後六時五十三分開会

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  水資源開発促進法案、水資源開発公団法案、両案を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は、順次御発言を願います。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 企画庁長官にお尋ねしたいと思います。水資源の二法案も、相当審議を重ねまして、いよいよ結論に近いと思うのでございますが、本委員会におきましても、連合委員会におきましても、発言者のほとんどすべてといっていいほど、促進法のほうの第四条の知事の権限について指摘しておるのでございます。で、しかもなお釈然としないというのは、どうもこの法案に不備があると思うのです。つまり、条文の上では立法の精神が首尾一貫していないように思うのでございます。公団法二十三条では河川法の七条が抹殺されております。そして関係者の不安を招いたのでございますが、同じ河川法の十八条がそのまま残るので、知事の水利権は厳然として存在するのだ、ここに針をさしてあるから——くぎと言いましたかね、くぎをさしてあるから、これで知事の心配は除かれるだろう、こういうふうに中村建設大臣が御答弁になりましたので、流水に関する限りにおきましては、一応関係者の納得がいくと思われるのでございます。そこで、それならば、なぜその根本をなすダムを作る等々の基本計画を立てる場合には、もっと知事の権限を認めないのであろうか、ここでは知事の意見を聞くというだけにとどめておるということが、何としても納得がいかないで、ひっかかるところでございます。この前、菅政務次官からの御答弁では、一つの水域についても、数県の関係を持つ場合、必ずしも全部の同意を得るととが困難な場合が予想されるので、同意とはいたしかねるという意味の御答弁があったのでございます。ところが、一県の知事の同意で処理し得る場合があるのでございまするから、それをも、この複雑な範疇に巻き込んでいくということは、どうもこの問題を安易に取り扱われている、そういうふうに考えられるのでございまして、そういたしますと、大へんにこれは、巻き込まれたほうは迷惑なのでございます。  立法の過程において、こういうことは問題にならなかったのでございましょうか、言葉をかえて申しますと、関係県が数県にまたがる場合と、単独の県の場合と区別をしなければいけないのではないかというようなことは、問題にならなかったのでございましょうか、これを一つ伺っておきたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 知事の意見を聞くというのは、ただいまお話がありましたように、数府県にまたがる場合、そういう例になるかと思いますが、同時にやはり意見を聞いて、積極的に知事の意見を取り入れて案を作るということも考えられるわけでございまして、必ずしも政府の1政府と申しますか、作ったものそのまま賛成か不賛成かというようなことだけでなしに、やはり相談をして意見を聞く、そしてその意見のあるところを入れるということが適当だと思うので、こういう書き方をしているわけでございまして、その点において、先ほどお話のありましたように知事が河川法における権能を持っていくわけでありますから、そういう場合は、そういう許可にならないものを、知事が賛成するわけもございませんし、またそれについて、こういう方法をとったらばいいじゃないか、むしろ金はかかっても何しても、そうしてもらいたいという意見があれば、それを入れるほうがいい。そういう意味に解釈していただいてけっこうと思います。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 長官のお話、一応わかるのでございます。これはたびたび、ここのところはほかの委員から指摘がございまして、伺っているのです。そうしてまた水資源が高い公益性を持っているということは、みなわかっているわけでございまして、これを最も効率的に活用しようというところから、これは国土総合開発の一環として取り上げているのだ、こういうこともわかるのでございますが、どうも公益という、だれも反対のできない美名といいますか、大きな理由のもとに、中央の強い権力が働いて、関係地域の福祉ということが、どうも阻害されたり、圧迫されたりするのではないかということが、その審議の途上でも、ずっとそれが考えられることなのでございます。  ですから、どうしてもこの促進法の四条にこだわらざるを得ないのですね。これは長官も何だびも繰り返して御答弁になったと思うのでございますが、なおかつ、ここにひっかかるというととは、いかにもこの法案の首尼一貫性がない、今のような精神ですね。地域の福祉を阻害するようなことはないのだとおっしゃるけれども、条文に表われておるところは、ただ意見を聞くでございますからね。意見を聞くということは、今おっしゃったように、ただ聞くだけではないのだと言われますけれども、ここで、それならよくよく詰めて伺いたいと思うのですが、あとは、もう御答弁になる必要のないようにしていただきたいと思います。質問を出さないようにしていただきたいと思いますが、それならば、意見を聞くという場合に、四条の場合でございます。基本計画そのほかを立てる場合に、知事の意見を聞くという、その意見という中には、協議をも含みますか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 知事が、そういうことでは絶対にいけないのだということであれば、当然、そういう状況のもとで、それを押して計画を作る一わけにはいかぬのじゃないかと思います。  しかし、それについては、公益上こういう必要もあるから、知事のほうでも、何か便宜的な方法と申しますか、住民の利益を害さないような案があれば、そういうものを示してもらいたい、また、それによって話し合いをしていく、こういうことで、原案を示したからといって、意見を聞くのですから、それに対して、それじゃ全然困るのだということであれば、やはりそれはある程度修正して、現実に合うようにしなければならぬというのは当然なわけであります。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 しかし意見を聞くという場合は、いろいろな計画があるが、これについて、どんなふうに思っておるかということを聞くだけでも、やはり意見を聞いたことになると思うのでございますね。  ですから、今おっしゃるように、いろいろな計画がある場合、そしてまたそこの地域の住民の福祉を考えて立てられた計画は、国土総合開発の中の一環であっても、知事の同意ということは、とてもおいやなようでございますから、同意とおっしゃっていただけないのならば、了解といいますか、納得といいますか、そういうものを得てということが、この意見を聞くという中に入りますか。これは私、繰り返して伺わないのでございますし、しっかりここ、御答弁いただいておけば、一番ひっかかる四条というものは解決すると思うのでございまして、思い切って、ひとつはっきりとおっしゃっていただきたいと思います。そうじゃないと、また何べんでも伺わないとならないようなことになります。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん知事が、原案に対して了解しなければできないわけで、ただ、知事のイエスとか、ノーとかいう問題でなしに、この計画に対しては、これなら了解できる、これじゃ了解できないから困る、しかしその場合には、こういう意見もある、こういう考え方でやってもらったらどうだろうというふうになってくるわけだと思うのであります。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 それではやはりそこは、相談の上一致点を見出して、そして……

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) そうです。了解がなかった場合には、一致点を見出すために両方で努力をする。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 どうも、しまいのほうに何か、ちょびっとおつけになるものですから、やはりひっかかってしまうのですが、それは、繰り返して申し上げますが、公益性の高いということは、水について十分みな考えるわけでございます。そういうものを無視してという非常識なことはないと思いますけれども、何と申しましても、総理大臣が、関係行政機関の長に協議してというような、非常に最高の権力で、これは呼びかけるわけでございますから、よほど、ここをはっきりしておいていただかないと、将来に私は禍根を残すと思うのですよ。スムーズにいかないという感じがするのでございまして、だから関係地域の長、つまり知事が代表するのでございますが、その場合、一致点に達しなければいけないわけですね。基本計画を立てる場合がおもでございますけれども……。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 基本計画を作る場合に、知事の了解なしには、基本計画ができないと思います。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 それだけでよろしい。了解します。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 この水資源開発水系の指定、それからその水資源開発基本計画の決定、こういう点について指定をし、また決定していく上には、一つには都道府県のような形で、地元々々の利害関係と申しますか、地元々々の権益の問題とか、そういう問題が一つにはありますと同時に、またもう一つには、国土の総合開発という点から、この点を考えていかなければならないと思います。  そこで経済企画庁のほうで、国土総合開発法による総合開発計画という、その草案というものが発表されておりましたですが、それについて、今後どういうような見通しで、総合開発計画を立てていかれるか。またその計画を、今度の水資源開発との関係についてお尋ねしたい。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 総合計画のほうは、七月に発表いたしまして、そして非常な全国的な問題でございますから、確定的な世論を今聞いておるわけです。その世論のまとまった上で、三月ごろに大体確定的な計画にしていこう、こういうことになるわけでございまして、したがいまして、この促進法ができまして、そういう計画を立てます場合においても、今申し上げたような国土総合開発のほうの意見が決定してくれば、当然それと摩擦のないようにして参らなければならぬということはむろんのことでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 総合開発計画のほうは三十六年度中ですか、その六年度中に成案を得るような作業としては、順調に進んでおる、そういうふうに理解してよろしいですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) そのとおり理解していただいてけっこうでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そこで総合開発計画ができてきますと、どの程度、この水資源開発水系の指定、それから基本計画の決定というものが、すでに、その総合開発計画ができてしまえば、どの程度の意味を持つものなのでしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 総合開発の中の特定地域における水資源の合理的利用という部面は、この促進法が受け持つことになっております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 総合開発計画の中にも水資源についての項目がたしかあったように思うのですが、その総合開発計画の中の水資源の内容が相当はっきりして参りますと、それが先にきまると今度はこちらのほうの水資源開発促進法案のほうでさらにその指定をし、また決定をしていくのに、この条文にありますように国土総合開発審議会の意見を聞いていくという程度で十分にその調整がとれていくものかどうか。といいますのは、国土総合開発法によるところの個々ばらばらの地域開発、地方々々の開発計画の促進法が次々とできまして、そうして非常にばらばらな計画になっている。それを総合開発計画で全国的に統一的な開発をしていこう、という基本線に沿って総合開発計画ができようとするときに、また水資源のほうがこういうふうに別個の計画でやっていかれるものかどうか、その点について。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) ごく簡単に申し上げれば、国土総合開発計画のほうは全体計画であって、促進法のほうはその中の部分的な問題を取り扱う。たとえば京阪神地区における水資源をどういうふうに活用するかということ、そのことは国土総合開発計画の大局的にきめられると思いますが、そうした場合にたとえば淀川水系を開発するのは適当であるという、その淀川水系の開発自体の案は総合開発計画にはそうこまかく出るわけじゃございませんので、これで水系全体の計画が打ち立てられる、こういうことになって両者の関係は全体と部分というふうに御了承いただければ大体おわかりいただけるのじゃないかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この二法案の目的は御承知のようにここに書いてあるとおり、私はこの衆議院の修正案と原案とを区別して考えておりますが、原案の目的は非常に率直に何をうたっているかということ、それから修正案はどこをどう変更したか、どう変ったかということを一応経済企画庁長官に伺っておきたいんです。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 修正案と原案との条文的な違いについては事務当局からまず御説明させます。

曾田忠経済企画庁総合開発局長

○政府委員(曾田忠君) お答えいたします。この水資源開発促進法案におきまする原案と衆議院の修正との相違でございますが、原案といたしましては、産業の発展と都市人口の増加に伴いまして水の需要の著しい増大が見られる、ということを重点として考えて参っているわけでございます。これにつきまして特にいろいろ御議論がありましたのは、たとえば同じ水系の水源地におきまする開発がおろそかであったのじゃないか、そういう御議論があったわけでございます。私どもといたしましてはこの法案の主たるねらいは水の需要の著しい増大が見られる地域というふうに考えておりますが、この法案の第三条にございますように、広域的な用水対策を必要とするというような関係で、水源地域におきまする水の対策といいますものも当然基本計画の中に入っておると考えて御説明申し上げてきたわけでございますけれども、法律の条文上そういう点が不備じゃないかというような御議論がありまして、修正におきましては、第一行目でございますが、「産業の発展」とありますのを「産業の開発又は発展」というふうに字句の修正がございまして、なおかつ「水の需要の著しい増大がみられる」という字句を、「都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域」というように字句を修正してございます。  それからもう一つの問題は、同じように第一条でございますが、原案におきましては、(目的)の中に「水源の保全かん養」という字句が入っていないわけでございますが、修正におきましては「水源の保全かん養と相まって、」という表現がしるされております。そういう字句が入って参っております。  それから第四条の三項の「基本計画には、治山治水」、それから「電源開発について十分の考慮が払われていなければならない。」という点につきまして、「電源開発」の次に「当該水資源開発水系に係る後進地域の開発について十分の考慮が払われていなければならない。」、そういう修正に相なっております。

田中一日本社会党

○田中一君 長宮に伺いますが、この法律案の主目的は利水にあるか、利水という方法論にあるか、産業の開発という目的にあるか、あるいは水源の保全涵養に努めるという国土保全にあるか、あるいは後進地域の開発にあるのか。問題は今日の日本のわが国の各法律の策定、立法の趣旨というものはおのずから総合的なものじゃないんです。たとえば国土総合開発法という法律、これはもう経済企画庁長官の主務でございますからよく御存じでありますけれども、総合という一つの言葉で一切を始末しているんです。これは具体的に何も説明しておらぬです。そこで今申し上げておるのは促進法案の面からみてどこにどういう段階で目的を追求しているか、という点で御答弁を願いたいと思うわけです。それは私は原案のほうが正しいという見方をしているんです。単一な目的を追求するということが一番正しいんです。それがそうでなくて特定多目的ダム法という法律をこれにからましたところにいろんな問題があると思うのです。で、長官は何を主目的としてこの法律案を考えたかという点を卒直に一つお答え願いたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) この法律案は現在における水の需要を確保しながら、さらに増大してくる水の需要に対して合理的にこれを供給し得るということが目的であって、したがって合理的に供給するためには水源の確保なりあるいは治山治水なりもあわせてやらなければならぬのでありますから、目的はそういうところでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 経済企画庁長官、河川法がある、水を運搬する河川というものが河川法においてどういう定義をもって定められておるか、一つ御説明願いたいと思うのですよ。これは曽田君でいいや、無理だから。一体水を運搬する河川というものに対して、どういう目的とどういう条件によってこの河川法は明治二十九年四月八日にきまったか、そうして今日この法律がどういう形で今経済企画庁長官が言ってるように変貌して解釈され実施されているか、という点について御答弁願いたいと思います。そこで曽田君が前の河川局次長だったな、そうじやなかったかな、だから御承知のはずだから御説明願いたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 河川局長から御説明いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 曽田開発局長からお願いしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 現職のほうから……。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 河川法は、河川という自然の流れがございますが、これをまた有効に使うために公害の除去、並びに勝手に水を使いましてばらばらに公益を害さないように、公益の増進といいますか、その二つの目的をもってこの河川法ができたと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると河川法で規定されておるところの水というものは、河川法ではその管理その他の問題をいっておりますけれども、水そのものに対する考え方というものは河川法にございますか。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 河川を公益のためにいろいろ制限を設ける、各私人が勝手にそれを使わないように、やはり河川の水の問題もこの中に入っておるとこういうふうに思います。

田中一日本社会党

○田中一君 河川というのは水の運搬の役目を果たしている、これを河川という、そこで水に対するところの考え方がこの河川法にございますか。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 河川にはその水が流れる敷地と流水と、この両方が河川の中に入っております。

田中一日本社会党

○田中一君 流水に対しての定義は。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 流水の定義ははっきりいたしておりませんが、十七条で流水を使う場合は十七条によって許可を一々とりまして公益のために使う、こういう方向になっていると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この河川法には水利権という言葉がいわれております、この水を利用する権利というものはどのくらいございますか。水を利用する権利というものは、この方法が幾つございますか。たとえば水によって生産する、利用というのは生産です、あるいは漁業権、流木権あるいは灌漑用水、農業用水の問題いろいろあると思うのです。河川法で規定している権利といわれるところの水の利用の権限というものはどういう形で規定しておりますか。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 利用の制限は今の十八条の問題で、十八条の敷地、流水の古川、これによってやっております。

田中一日本社会党

○田中一君 河川法では河水、流れる運搬する水ということをいっているのですが、水そのものに対する権利は河川法ではどうきめておりますか。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 十八条によって一々許可をとって制限をするということになっておりますが、さらに第三条で流水は私権の目的とはなり得ない、これと両方合わせまして公益のために水の利用を規制している、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 むろん水はみんなのものでございます。したがって公益の利用だけが二十九年当時の制定の趣旨であったと思うのです。しかし昭和三十六年の今日、水はそのままの河川に流れる姿でのみ利用する方が効率、効果というものがあるかどうかという面の批判が、あらゆる形で利用の面の上に発展してきたものだと私は考えておる。したがって水資源開発促進法案という法律は何が主目的であるかをもう一ぺん経済企画庁長官に伺います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 日本の産業が発展をいたしていく将来のために、現在までの水を利用しておられる方の水を確保しながら、さらに新しい水の需要に対する合理的な供給を確保していく、こういうことが本法案の目的でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 結局利水というところに結論づけられるものですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん利水が目的でございますが、利水をするためには治水その他資源を確保するということも重要なことだと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 ことしの春の通常国会で治山治水十カ年計画という政府の政策を発表されました。そうして膨大な予算を使って十カ年計画が作成されております。そこでこの治山治水十カ年計画というものは、法律的な何の根拠をもって計画されたかということを説明願いたいと思います。治山治水十カ年計画の法の根拠です。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 治山治水十カ年計画は、結局災害を防除するため及び水資源の涵養も含まれておるかもしれませんが、要するに水をいかにして災害を起こさせないように守っていくかということが治山治水の目的だと思うのです。この目的を果たすのに一定の長期計画を立てて、年次的に実施をしようということがまあ目的でございまして、まあ詳しい田中さんがあらためて聞くのには、何かもう一つ段階があるのだろうと思うのですが、私も庭はそういうふうに心得ております。

田中一日本社会党

○田中一君 私はこの法律案は主として利水を目的にしているところの法律案だと思うのです。したがって、利水を目的とするところの法難というものはほかにあるのです。そこでなぜこういう形の促進法を作らなければならないかということを伺いたいと同時に、私は政府が提案したこの原案を尊重するものなんです。政府が提案しているところの原案ならば筋が通っております。利水を中心としたものであるならば、利水だけでうたっていただきたいのです。河川法その他の法律の欠陥は、利水に対するところの単行法ではないということです。規制がないというところに欠陥があるのです。だから力ずくで、あるいは金があるものが水をたくさん使う、水をたくさん使うならば水をたくさん使うという法律が必要なんです。したがって、水資源開発促進法案というものは利用の面を強く打ち出しているもんだという考え方を持っているのです。  ところが、この修正案を経済企画庁長官ごらんになって、原案と修正案とがどういう変貌を来たしたかということをあなたお気づきにならないのですか。どういう変貌を来たしておりますか。経済企画庁が考えておったところの最初の意図と、修正されたこの案文をごらんになった場合に、性格が根本的に違っておるというところにお気づきにならないのですか。これは社会党が参加して修正したものじゃございません。与党がどういう意図を持ってこの修正をしたか。  私が今ここで委員長にお願いしたいのは、修正案を作成した衆議院の提案者をお呼び願いたいのです。当然政府原案がわれわれの予備審査に参っております。修正された以上、この修正案を作ったところの提案者が参議院の当委員会に来ることは当然のことであります。要求いたします。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) この修正案第一条「産業の発展」というのを「産業の開発又は発展」——将来水を必要とする……。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと議事進行。私は原案を提案したところの経済企画庁長官に伺っておるのじゃございません。これを修正議決されたところの提案者においで願って、その考えられたところを伺いたい、こう思うのでございます。提案者をお呼び願いたい。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) それでは速記をつけて。

田中一日本社会党

○田中一君 この衆議院の修正を拝見しておりますが、衆議院の修正の趣旨をその字句ごとに対比して説明願いたい。たとえば第一条のこの法律は「産業の発展」に対して「産業の開発又は発展」「水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給」を「用水を必要とする地域に対する水の供給」と改め、「特定の」というのを「水源の保全かん養と相まって、」と修正されております。第四条の三項「治山治水及び」からですが、「及び電源開発」を「電源開発及び当該水資源開発水系に係る後逸地域の開発」と修正しておりますが、なぜこのような修正がされたか、そしてこの一番大きな目的、並びに基本計画においてどうしてこういう修正をしなければならなかったか。そしてこの修正が原案に対して同じものであるという御見解か、あるいはこのように変わっておるのだという見解か、詳細に御説明を願いたいと存じます。

木村守江自由民主党

○衆議院議員(木村守江君) ただいま田中委員からの質問でございまするが、非常に詳細に説明するようにというようなお話でありましたが、ただいま田中委員がお読みになったように、それは字句の修正がしてありまして、読んでみれば田中委員もこれは修正した字句のとおりでありまして、その内容もおのずから明瞭じゃないかというようなふうに解釈をまあ考えられるのでありまして、田中委員の御質問の御趣旨がどういうところにおありになるかよくおわかりになっておって聞くように思われますので、なお一応どういうところをお聞きになりたいのですか、不敏にしてわかりませんですからよろしくお願いいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 では一つ一つ言葉について重ねて質問しますが、「産業の発展」という中旬を「産業の開発又は発展」とした修正は、むろんあとに修正されたものともいろいろ関連がございましょうが、この法律案では産業の開発というものが認められておらないという点が指摘されての修正ですか。

木村守江自由民主党

○衆議院議員(木村守江君) ただいま田中さんが言われたとおりでございまして、ややともすれば産業の発展と申しますと、新しく開発するところを含まないのじゃないかというような誤解をされるおそれがありまするのでかように訂正した次第であります。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律は、地域開発の一番の大きな要点であるところの水資源というものを中心にして考えられておるならば、今政府が、これを自治省でしたか、あるいは建設省でしたか、低開発地の開発促進法というものが準備されているように新聞等で見ておりますが、これがもしも提案された場合には、そういう意味の産業開発というものは、その開発計画からははずされる。というのは一つの問題を二つ、三つ、四つ、五つの法律で規制することはあり得ないのです。すべての法律というものは関連をしております。ダブって規制することはございません。たとえば民法というものがございます、民法はあらゆる民事上の諸権利の基本をなしておるものです。現象として一つ一つの問題にとられては、これはいろいろなものがございます。それには刑法は、国民が持つ生存する権利というものを民法できめていながら、それに背反した場合いわゆる罰をきめているのが刑法、そういうふうにいろんな関連をするものがございます。しかしながら一つの目的を全部立法によって締めくくっている法律というものはないと思うんです。そこで、この水資源開発促進法案というその法律案が何を目的にして立てられているものであろうか。または国土総合開発法は機構の問題にとどめておると思いますけれども、内容においては水資源開発促進法案と同じような形で、これは促進という言葉があるにすぎないんであって、目的とするところはちっとも変わらない。基本法を作って早くするかおそくするかという問題です。と言うと、この次に来るところの「水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給」を「用水を必要とする地域に対する水の供給」と変えた理由はどこにあるのでございますか。私は、「著しい増大がみられる地域」というのは結局大都市をねらっているから、それだけじゃ困る、少なくとも水を要求するという地域、いわゆる低開発地域をも入れてそれに持ってこようじゃないかというような気持から、こういう字句に改めたのじゃないかという感じを持つんですが、これはどうなんですか。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) 趣旨は今田中委員の御質問の趣旨と同じように私どもは考えております。この水資源開発促進法案の第一条(目的)は、政府原案では御承知のとおりでありますが、田中委員もあるいは御存じかと思いますけれども、実は後進地域というと非常に言葉が過ぎますが、一つの水系を開発するという場合に、原案の言葉でいいますると何か既成の大都市あるいは大二業地帯だけを目的にしている、もちろんそれも必要でありますが、それに水が収奪されるという言葉をよく聞くのでありますけれども、上流地域あるいは今日政治の大きなねらいとして後進地域といいますか、未開発地域への工業の分散ということがいろいろ問題になっておるときでありまするから、そういうところをないがしろにするような感じのするような法律であるということをよくそういう関係の都道府県、あるいは都道府県知事さん方から各種の陳情がありました。それを受けて社会党さんのほうでも、そういう意味のものにこの法律案として修正すべきではないかといろいろ御議論もありまして、水資源開発公団のほうはともかくといたしまして、この水資源開発促進法案のほうは、やはり国全体として水の資源を開発する必要がある場合が多々ある。ただ今日開発もあるいは発展もしておらないでも、やはり後進地域と申しますか、そういう地域も、工業の分散等による開発等によって水を必要とする場合がある。そういう場合も含めてこの促進法を作っておくべきでないかと、まあ法律を国全体に適用するという意味のものもここに作っておく必要がある。原案でも、必ずしも政府の答弁によりますると、そういうところをないがしろにする、オミットするという趣旨でないという御答弁がありますが、しかし法律はやはり国民全体に安心を与えると申しますか、不安感を与えないというのが建前であるわけです。こういう趣旨で先ほどもお話がありましたが、「発展」というのを「開発又は発展」に改め、したがって著しい増大地域というだけでなしに、用水を将来必要とする地域が出れば、やはりそれを開発するということが必要じゃないか。そうすると、これは余分になりますけれども、「特定」ということだけではいかぬじゃないかと、一連の考え方から衆議院においてはこういう話で試案を出しております。こういう趣旨でありますから御了解を願いたい。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと今の瀬戸山提案者に伺いますが、社会党はこの修正案に対しては賛成して出したものでございますか。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) この案の内容は共同提案ではありませんけれども、内輪話と申しますか、私、国会はよく話し合いをやるべきだという趣旨においてお話し合いの上でこれをこういう案文にしたのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 重ねて伺いますが、社会党もこの修正案には同調して共同提案なさいましたか。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) ただいま申し上げましたように、共同提案ではございませんけれども、案文を作る場合にはそういうことでいたした、こういうことであります。内輪話を申しますが、共同提案にならなかったというのは、あとで、あるいは前に御議論があったかもしれませんけれども、都道府県知事の同意を得るという点だけがこれに入らないということで共同提案にならないと、こういうことにおさまったのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 そういたしますと、この修正案というものは社会党と共同提案ではないのでございますね。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) 共同提案にはなっておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 「水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給」という言葉と「用水の必要となる地域に対する水の供給」という言葉のニュアンスというものは、具体的には今低開発地域あるいは後進地域という表現で期待される地域ということでいっておりますけれども、政府では、これは新聞で見たのでございますけれども、低開発地域の開発促進法案を出そうという準備をしておるということを伺っておりますが、もしもそれらの法案が、今国会には出ないそうでございますけれども、次に出る場合には、当然この低開発地域に対するところの水の供給、いわゆる水を取得する方法は明示されるものと思いますけれども、この法律案にこれをこういう修正をしなければならなかった理由、それはどういう経緯でそうなったのですか。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) 先ほども触れたつもりでありますが、先ほど申し上げましたように、政府原案においては御存じのとおりに産業の発展及び都市人口の増加に伴い」、こういうふうにあるのであります。そういたしますとよく世間で言われておりますように、京阪神、京浜、北九州、あるいは中京、こういうふうな既成の工業地帯だけに水を収奪するねらいではないか、こういうことが国会においても、あるいは国会外においても議論のあったところであります。もちろんそういうところに緊急に水が必要であるということは当然でありますが、この法律案あるいは公団法案によってその改善をしようということもこれは当然のねらいでありますが、それに限っては困るということです。ほかに水を必要とする場合があるのに、そういうところを問題にしないというのは、今日の御承知のような地域開発の問題、あるいは工業分散の計画やあるいはそういうことを今後考えなければならないというときに、しかも水源地帯というようなところは今日まで水は出すけれどもおよそそれは下流において利用されて、その上流地帯は損害を受ける、あるいは後進地区になっているということが非常な不満である。そういうところの開発を必要とするという場合もあり得る。そういうときには、水はやはりそういう地帯にも必要だということで水の留保をしなければならない、こういう議論があるわけであります。したがってこの水源資開発促進法案においてもそういうことは決して不問にはいたしておりませんけれども、それを明らかにするために第一条に明示をしよう、こういうことであります。

田中一日本社会党

○田中一君 水は特定なる金持ちとか商売人とかに優先すべきものではないことはお説のとおりであります。この法律案、少なくとも水資源開発促進法律案というものは、どの水をどうためて必要に応じて送ろうかという法律案だと思うのであります。いわゆる水の資源と申しますか、水のため池を作るという法律案だろうと思うのです。御承知のように日本は、定期的に南方で発生する雨を持ってくる場合の多い台風が、本土を通過する宿命的な地域になっておるわけです。したがって、水資源というものがそれら災害を含む台風の襲来によって相当多くの量を与えられると思うのです。そこで水の貯蔵、水の製造、水の蓄積によって有効な民族の発展のための資源として用いることは水の征服であると思うのです。この水資源開発促進法案のねらいというものが、少なくとも宿命的に災害をもたらすと同時に持ってくる資源、しいて申しますならば、こういう狭いわれわれ国土の中において、自然がもたらしてくれるところの大きな資源、しいていうならば唯一の資源です。この水資源というものを促進法並びに公団法によって作ろうというところにこれらの法案のねらいがあるはずでございます。水を作ろう、生み出そう、民族の必要な水をむだ使いしないで貯蔵しよう、有効に民族のために使おうというねらいがあろうと思うのです。そうなりますと、当然水をむだ使いしないようにするには、むだ使いにならないような施設が必要であろうと思うのです。そのむだ使いしない方法を考えられるのは促進法であり、水資源公団であろうと思うのですが、これは窮極、水のメーカー、水を生み出すという方法を規制したものであろうと考えるわけです。したがって、ここに水資源の総合的な開発という意味合いから「特定の」という文字を修正して「水源の保全かん養と相まって」という言葉になっておりますけれども、これは当然のことなんです。これは前段では「増加に伴い用水を必要とする地域」云々という利用の面、供給の面、配分の面をうたっておりますけれども、配分をするにはあり余る配分は困るのです、洪水になりますから、災害がありますから。必要なときに必要な分量を供給してもらうことは、民族の発展になり安全になるわけです。したがって、この原案の、「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化」、ここに利用とあり、修正案の保全並びにかん養という言葉は、水の総合的な開発ということで尽きているわけです。おそらく経済企画庁は衆議院の同僚諸君の満足いくようなこの法案の説明をしなかったから、ここまで踏み込んだ修正をされたのではなかろうかと、われわれ同僚衆議院議員の諸君に対してそう理解をしたいと思うのですが、その点は一ぺん経済企画庁長官からなぜこのような修正を受けなければならなかったかという点について、衆議院におけるところの先国会と思いますが、発言の要旨を集約して経済企画庁長官から御説明願いたいと思う。

瀬戸山三男自由民主党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) 企画庁長官からお答えになる前に、衆議院でこの修正案を私ども出しました趣旨を申し上げます。今るる田中委員からお話のありましたとおり私ども考えておるのです。ただ「水源の保全かん養と相まって」というところは非常な、これはこう言いますと形式的でありますが、苦心の作であります。「水源の保全かん養」ということは水を利用する場合に当然のことでありまして、法律に書こうが書くまいがこれはあたりまえのことであります。今仰せのとおりであります。そういうことはあとで企画庁長官からもお答えあると思いますが、衆議院においてはしばしば政府側からも、その点は十分にもちろん考えまた措置をすべきものであるというお答えがありました。ところが先ほども他の面で触れましたように、なかなかこれは残念なことでありますけれども、政治に対する信用がないのでしょうか、あるいは今日までの行政府のやり方について不信、不安感があるというのでありましょうか、関係地方の人々はこの点について非常に不安を持たれる議論があります。特にこう言っては何でありますけれども、相当民社党の議員の各位から強くこの点について御苦心の御発言がありました。そこでさっき申し上げましたように、今、田中委員からお話のように、水を利用するために、もちろんそれを保全しかん養するということは前提になるわけでありますから、法律に書く書かないは別問題であります、当然なことであります。しかもほかの治水計画あるいは治山計画等によって、こういう問題は別途の法律あるいは別途の行政措置によって今日までもやられるし、今後も当然にこれをやるべきことになっておるわけであります。ただしかしここに水資源開発促進法を立て、あるいはそれを実行する機関として公団というものを作るという法律を出す場合に、やはり別の法律、別の行政機構によってやるべき水の保全かん養という仕事を一体となってやるべきである、という当然な主張でありました。その点が必ずしも今度のこの二法案にはぴったりと申しますか、明らかになっておらない。その点が何と申しますか、不安だという御議論が強く言われたわけであります。今、田中委員の仰せのとおりに、これはまあここまでやらぬでもいいじゃないかというような御趣旨でありますが、一面そういうところもあります。しかしそこまで御不安であればやはりさっき申し上げましたように、法律において国民の皆さんを安心させるということが一つの建前である、こういう意味においてここに「水源の保全かん養と相まって」そして総合あるいは合理化をすると、こういうふうにこの字句を入れたと、こういう趣旨でありますからどうか一つ御了解を願いたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 あらゆる推敲、検討を経て、国会いわゆる国民の前に法律案を提案する前には、あらゆる問題点というものを解明して提案されると思うのです。したがって、かかる修正案を出されることについては今、瀬戸山提案者の御意見を伺うと、過去の政治に対する、現在の政治に対する不信というものをこれで払拭しようというように蛇足を加えたというふうにとれるわけですけれども、それはお言葉の中にあった強い社会党の要請とか民社党の要請とかという言葉は、これは蛇足中の蛇足でございます。少なくとも提案されたのは与党の諸君でございます。で、それは言葉の問題を取り上げておるわけではありますけれども、私がそういう問題こそ……日本の唯一の資源といわれているところのこの水資源、われわれ外国に行った例もございます、ことにヨーロッパに行った例もございますけれども、ヨーロッパ、シナ大陸でも水は飲めません。日本のわれわれの国土の水というものは自分の庭先を掘っても一応の水は出る。これは相当いい水が出る。これくらい水に対するところの恩恵というものを日本の民族は気がつかないままに享受しておるのです。この大事な水を扱う現在の法律的な根拠というものが不十分だから、ことにこの水資源開発促進法案という、水を作り水を配給するというこの法律案においても不十分であるという不信感から修正されたものとするならば、これは経済企画庁長官どうお考えになりますか。こういう修正はほんとうにわが意を得たりというふうに経済企画庁長官はお考えになっておられるのかどうか伺って、次の問題に対する質問をいたしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 原案におきましても、衆議院で修正されたような水資源の総合的な開発、総合的なという意味はそういう意味にわれわれも解しておるのでありまして、先ほども御説明申し上げましたように、水のもとが確保されなければ利用ということはないわけであります。したがって水を利用するという意味においては、やはり総合的な水自体の開発ということも考慮して参らなければならぬわけです。しかしお話のようにいわゆる後進地域における産業都市が将来できていくというような場合に、その確保もしなければならぬ。将来の国土開発計画の総合あるいは将来の新産業都市の問題も起こって参りますので、そこに供給する水が必要じゃないかということもありますから、基本計画を作るときにはそういう点も加えていくということがわれわれの考えでもあったわけであります。その両面について私ども十分に御説明申し上げましたけれども、しかし水の問題は御承知のとおり過去に歴史的に水争いその他もございまして、やはりはっきりそういうことであるならば書いておいた方がいいんじゃないか、いたずらな誤解を受けない方がいいというのが衆議院の御意見であったと思います。そういう意味において、私どももこの促進法案の第一条の趣旨に違っているとは思いません。

田中一日本社会党

○田中一君 むろん趣旨には違いないと思います。それは同感ですけれども、一体政府の原案が与党でもって修正される場合も間々ございます。政治家としての藤山企画庁長官と国務大臣としてのあなたと違うニュアンスをもって一つの事態に対処する場合には、違う面が多々あるかもしれません。そこで今の問題はあとに譲ります。  まだ問題があります。そこで次の「特定の」という言葉をけずって「水源の保全かん養」という言葉に変えた。私しいて言うならば「特定の」をとって「水源の保全かん養と相まって河川の水系」云々としたのですが、「特定の」というものを特別中の定めだという解釈をするならばちっとも差しつかえない、特定というものを削除したということは、あらゆる河川にこれをこの水資源開発促進法を施行するのだ、という意図がおそらく修正をされた方々の間にはあったんではないか。そこで「特定の河川の水系」ということを原案として提案された経済企画庁、並びにこれの原案の原案というものを作成したところの建設省の両方の御見解と、これはもう非常に具体的なもので特定というものは何か、何が特定か、どれがあれば、はっきり御答弁できると思うのですが、それと今度「特定の」というものを外した衆議院の修正をされた提案者の方々の意図、目的、範囲、それから「特定の」を削除し、「水源の保全かん養と相まって」という言葉を入れたこのニュアンスと申しますか、これは非常に重大でございます、ほんとうに重大な問題でございますから、これをひとつ詳細にまず提案者から、原案の原案まで作ったと考えられる建設省の方、建設大臣どこに行ったのですか。(「食事に」と呼ぶ者あり)それじゃ河川局長から御説明願い、受けて立ったと私は想像しておりますところの経済企画庁の考え方、それからこれを削除し修正したところの瀬戸山、木村両衆議院議員の考え方、そうしてこれが具体的にどういう方向に行くんであろうか。私ども参議院の同僚の議員ともこの行方には非常に不安を感じております。  日本の河川は河川法に規定しておりますところの河川というものは特定中の特定なんです。そこで河川法で規定しておる河川と、その他群小中小河川はその範疇に入らないので、この水資源開発促進法案にうたいましたところの特定という文字のニュアンス、特定という文字の示すところの河川は一万か七千か、一万だったな山内君、そのたくさんな河川にまでこの法律が適用されるという考え方に考えますと、これはたいへんな問題が起きると私は感じておるわけだ。したがって最初からこの問題について河川局長並びに経済企画庁、勇気を持って修正されたところの提案者のお考えを伺いたいと思う。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) この促進法案によりますとどこからやるかという問題ですが、これは第三条の「水資源開発水系の指定」とまずここから始まってくるわけでございます。したがって水系を指定すればやはり特定という言葉を使った方がいいんじゃないか。単なるそういう意味の特定という意味で原案として入れたこういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると河川局長の考え方はどの河川についてもこれが適用される基本法である、いわゆる河川法にいっておる特定という河川は何条でしたかな。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記をつけて。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、今河川局長の説明は説明でけっこうです。経済企画庁長官、どの範囲までこれを及ぼすのですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 今河川局長の説明されたとおりだと思うのでありまして、これを将来どういう河川を指定していくかということは、さしあたりわれわれの考えでまず着手したほうが適当じゃないかと思っておりますのは利根川水系あるいは宇治川水系。しかし現に九州地方については調査費等も出して、そしてこの閥吉田さんの質問がございましてその方面を急速にやらなければというようなお話がございましたが、調査費等を出してやっておるわけでございまして、そういうような、この法律に基づいて必要とする地域を将来指定していくように考えておるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 河川局長ね、ここにある特定という文字の内容は、どういうことを言っているのですか、具体的に。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) まあ水資源の開発の促進をどの川からやっていくかという、こういう問題が第一に考えられるわけでございますが、それはこの促進法案の第三条によりまして水系の指定をやっている。指定されたものはやはり特定という言葉を使ってもいいのじゃないかというような意味で、単なるそういう意味で、第一条の目的に「特定の」と入れた、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは法制局の局長を呼んで下さい。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。    午後八時二十三分速記中止    ————・————    午後九時四十三分速記開始

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記をつけて。

田中一日本社会党

○田中一君 法制局長は今審議しております法案を御別意ですか。——そこで、あなたの持ってらっしゃるのは原案と衆議院修正というものと両方お持ちですか。——  そこで第一条の二行目ですけれども「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発」この特定という問題なんです。河川局長に聞きますと、特定とは第三条による水資源開発水系の指定された河川が特定の河川という呼び方をしたいんだ、またそれをさしているんだと、こう言うわけです。この特定という言葉はもういろいろ判断の仕方があると思うのです。もしも「水資源開発水系の指定された特定の」という言葉が入りますならば、私は水資源開発水系の指定した水系が特定水系であるということに理解いたしますけれども、普通こういう形で特定の河川水系ということになると、特にこれをその第一条の「この法律は、産業の発展及び都市人口の増加に伴い水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給を確保するため」の河川と申しますと、日本には大体何千河川ございますか、どの河川にも普遍的にいえるものであろうと思うのです。ここに先ほど言ったように、第三条の水資源開発水系の指定されたものが、特定の河川ということになるならば、そういう説明が必要だと思う。そこであなたはこの法律案の中で特定という定義は何をさしているとお考えになりますか。

斎藤朔郎法制局長

○法制局長(斎藤朔郎君) ただいまお尋ねになりましたこの法律案の第一条の修正前にございました特定という言葉の趣旨でございますが、一般的に申しまして特定というのは不特定と対応した言葉でございまして、普通、不特定多数というように使われる場合が多いのでございまするけれども、特定と書いた場合にそれは一個または数個のような少数のものに限るという概念はないと思います。特定であっても多数のものがあり得ると思います。でありますから多数のものであってもその客体が固定しておりさえずれば、それはやはり特定だと思います。多数の特定もございますし、数個の特定もございますし、一個の特定もあろうかと思いますが、特定という言葉自体ではその範囲がきめられぬと思います。  結局それじゃこの法律の第一条にかりに特定という言葉を使ってあれば、その特定の範囲は何によってきめるのかということを考えて参りますと、結局その法案全体をながめまして、その特定の基準になる行為は何かということできめていくよりしょうがないと思うのでございます。特定の仕方としては、たとえば契約の当事者の合意で特定することもございましょうし、あるいは第三者の指定によって特定することもございましょうし、また人間の行為以外の事実で特定することもございましょうから、何によって特定するということは、その法律全体をながめてきめていくよりしようがございません。  それではこの法案の特定の方法としてはいかなる方法が予定されているかと申しますると、第三条の水資源開発水系の指定、この条文によって指定されたことによって特定をする、こういうことにならざるを得ないと思います。もちろんこの第一条の地域の水の供給を確保するために役立つ河川というのは一つに限りませんで、それが数個ありまた十数個ある場合もありましょうから、それらの河川のうちどれかが指定されれば、一個が指定されれば一水系、数個の水系が指定されればその数個の水系が、一条にいわゆる特定の水系、こういうことにならざるを得ないと思いますので、結局、特定という善業がかりにありといたしますれば、その特定は三条の指定によってなされるものだと、こういうように解釈せざるを得ないと考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 今日の、ことにこういう特定というきめ方をするような法律の例はありますか。たとえば建設六法の中でどれととれがそれに該当するのでございますか。

斎藤朔郎法制局長

○法制局長(斎藤朔郎君) 特定という言葉を使っております建設関係の条文で申し上げますと、他にもたくさんあろうかと存じますけれども、ただいま見つかりましたものといたしましては、特定多目的ダム法に特定という言葉が使ってございます。これはもちろん多目的にかかっておる特定でございます。  それではいかなる方法で特定をしておるかと言えば、その場合にはその法律の第二条に定義がございますが、その定義で多目的のいかなるものをいうかということが特定されておる、これは法律自体で特定されておる例になろうかと存じますが、ただいま御審議中の法案に、より近い例といたしましては、国土総合開発法の十条でございますか、「特定地域総合開発計画」、これによりますと、特定の地域を当該地域として指定するという規定がございますから、この場合は指定によって特定地域が特定される、こういうことになろうかと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 せっかくおやすみのところをおいで願って恐縮です。  そこで私どもとういう印象を、印象ですよ、押しつけられておったわけなんです。これは建設大臣並びに経済企画庁長官も、今度この法律で実施しようという河川は、利根川または宇治川の両水系でございます、ということは両三再四繰り返しておったわけなんですよ。なるほど今法制局長の説明により明らかになりました。しかし先入主としてわれわれの考えております二つの河川だということを言っておるのと、ここで特定ということが第三条によるところの指定水系だということになりますと、これはもうわれわれが法律を審議する一切の感覚的な範囲が拡大されるわけなんですよ。まあ言葉の意義並びに法律用語としての慣習というものはむろん今わかりましたけれども、あらゆる水系というものが、これと不可分な水資源公団によって施設、配分等が左右されるということになりますと、別の観点から水資源促進法というものをやらなきゃならぬ、先ほども衆議院の修正された発議者からここへ来て聞きました。これはむろんわれわれの考えていることと提案者、政府の考えていることとの違いはございますけれどもこれは何にも言いません。せっかくのところおいで願ったのですから、これはもう法制局長はけっこうでございます。

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○委員長(後藤義隆君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後九時五十八分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕    ————・————

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