建設委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/12/08
会議録
○委員長(後藤義隆君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 初めにこのたび新たに建設政務次官に就任されました木村守江君から就任のごあいさつをいたしたいとのことでございますので、これを伺うことにいたします。
○説明員(木村守江君) 不肖このたびはからずも建設政務次官に任命されました。もとより浅学非才でありますので、皆様方の特段なる御協力御支援を賜わらなければ、この重責を全うすることができないと存じますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。一言ごあいさつ申し上げます。
○委員長(後藤義隆君) 続いて道路局長の就任ごあいさつを伺います。
○説明員(河北正治君) 私十一月一日付で道路局長を命ぜられました河北でございます。何とぞよろしくお願いいたします。 —————————————
○委員長(後藤義隆君) 次に、先般実施いたしました委員派遣につきまして派遣委員の報告を聴取することにいたします。 初めに第一班水資源開発状況等の実地調査につきまして御報告をお願いいたします。内村委員。
○内村清次君 先国会において可決成立いたしました水資源関係二法及び宅地造成等規制法に関し、琵琶湖を中心とする淀川水系の水資源開発等関連事業、神戸市の宅地造成事業等につきまして、私と村上委員及び滋賀県下については西川委員の同行もお願いいたしまして、去る十一月二十七日から三十日までのわずか四日間でありましたが、京都府、大阪府関係は説明聴取にとどめ、滋賀県、兵庫県は速度を早めつつも現地調査を試みて参った次第であります。以下その概要について申し上げます。 まず、淀川は経済的価値のきわめて高い京阪神地域を貫流しているため、そのもたらす恩恵も災害もともに絶大であります。この淀川の水源には面積七百十七方キロ、湖周囲二百四十キロ、その容積二百七十五億立方メートルという自然の大湖琵琶湖があります。しかしこの琵琶湖も一度洪水を受けますと、その周辺地域は大きな被害を受け、昭和三十四年度だけでも八億円にのぼる災害額を示しております。一方下流の京阪神地方は高度の産業活動地帯であって、現在では各種用水の不足と、地下水の過度なくみ上げによる地盤沈下の問題を生じています。この上下流の悩みを解決するためには、琵琶湖の水位を下げるとともに利用水深を大きくして琵琶湖の調節能力を有効に利用する以外はないとされています。しかし琵琶湖の水位を上下すると、特に滋賀県の中枢部分を占める大津周辺はもちろん、全湖岸にわたって多大の悪影響を及ぼし、多くの難問題を招来するおそれがあり、今後水資源の開発は、上下流地域の密接な連帯と共存と繁栄をはかるべきであると考えた次第であります。 私たちは、この琵琶湖を一周いたしましたが、痛切に感じた諸点について述べてみますと、湖東部には野洲川、日野川、愛知川、天野川など多数の河川が流入し、これらの諸河川の水源山地は、古生層、花崗岩などの古期の岩石で構成されておって、荒廃が激しいためか、きわめて流出土石が多く堆積平町が発達し、近江米の生産地でもあり、中でも野洲川のデルタは最も大きく、対岸堅田との間はわずか一・五キロという湖のうち最も対岸距離の狭いところとなっております。この狭隘地点を利用して締め切る計画案もあるようでありますが、滋賀県は千三百五十メートルの有料による琵琶湖大橋の建設計画案を持っております。これは交通緩和はもちろん、観光施設としても意義あるものとなるでしょう。また琵琶湖流入の河川は、堤防が高く作られ天井川となり、草津川のごときは鉄道が河床の下をトンネルで通過しているありさまであります。 琵琶湖の集水面積は三千八百四十八方キロで淀川全集水域の五二・八%、宇治川の八八・四%に当たり、山地は三五%で比較的少なく、湖水面は流域の一八・六%、平地の二八・七%を占めている広大なものであります。淀川は琵琶湖より瀬田川となって流出し、南郷洗堰の下流で大戸川を合流し、急流となって山間を縫い、京都府へ入って宇治川となり、宇治市にて平坦部となり緩流となり、山崎、八幡付近で桂川、木津川が合流して淀川となって、河口付近で神崎川、新淀川等に分流するのであります。 戦後琵琶湖の調査は昭和二十七年度以来、国土総合開発調査費補助をもって各種調査を行なっておりますが、昭和三十六年度には水産、湖周辺の地質、地下水理、河口、湖沼測量等三千万円を投じて調査を施しております。 ここで既往の琵琶湖、淀川の総合開発事業の経緯は省略いたしますが、昭和二十八年九月台風十三号による大出水を契機として、昭和二十九年十二月河川審議会において、新南郷洗堰、天ケ瀬ダム、福山ダムなどによる洪水調節を根幹とする淀川水系改修基本計画が決定されたのであります。 この計画は下流、大阪、京都及び琵琵湖沿岸の洪水防御を根幹としたものでありまして、一、琶琶湖沿岸の水害軽減、二、瀬田川及び木津川水系砂防の強化、三、宇治市付近の水害軽減、四、宇治川、桂川、木津川及び淀川本川の洪水防御の増強が主要項目となっているのであります。 本目標を達成するために種々の計画案が検討されたのでありまするが、次のごとき淀川治水計画が立てられたのであります。第一は、琵琶湖沿岸の対策、第二は、宇治川の改修、第二は天ケ瀬ダムの建設、第四は高山ダムの建設、第五は木津川、淀川の改修、第六は砂防計画、第七は管理設備の強化であります。本計画に基づいて天ケ瀬ダム建設が大きく取り上げられ、昭和三十四年二月特定多目的ダム法による「天ケ瀬ダム建設に関する基本計画」が告示されたのであります。このダムの建設計画の大要を申し上げますると、洪水調節は標高七八・五メートルから五八・〇メートルまでの貯溜容量二千万立米を利用し、ダム地点の計画洪水量、毎秒一千三百六十立米を毎秒二百二十立米に調節し、淀川三川合流地点における計画洪水流量に対する宇治川から合流堰を毎秒二百六十立米に低減せしめるもので、ダムの構造はドーム型アーチ式コンクリート・ダムとし、堤高七十二メートル、堤頂長二百四十五メートルで中規模のアーチ・ダムであります、しかしダム建設にあたっての難問は水没補償であります。このダムによって水没する面積のうち買収を要する面積は概略百七十二町歩で、京都府八十五町歩、滋賀県八十七町歩となっております。その内訳のおもなるものは田畑三十町歩がすべて滋賀県であり、山林原野百十五町歩のうち京都府六十五町歩、滋賀県五十町歩、家屋百四十戸のうち京都府十三戸、滋賀県が百二十七戸となっております。京都府内の土地につきましては、三十四年十月頃から買収交渉を行ない、三十六年上半期現在で七〇%程度の進捗を示し、府下の漁業補償、鉱業補償等を終了したのでありますが、滋賀県内の補償は事情が相当違っており、現在難航いたしておるのでありまするが、琵琶湖開発問題が今後に控えておる関係から、水没補償は慎重にして早急に解決しなければならぬ問題であります。このため計画が予期以上におくれがちであり、現在原石山取りつけ道路は竣工しておりますが、設備工事、掘さく工事を現在実施中であります。 しかしここに忘却できないことは瀬田川水系の砂防事業であります。瀬田川支流の大戸川、信楽川は明治年間から直轄事業で砂防工事を実施しておるのでありますが、年間事業費が少額であり、聖業の進展は遅々として進まず、現在なおし流の崩壊または荒廃山地より年間平均十五万立米の土砂が淀川本川に流出しておる現状であります。このため天ケ瀬ダムの建設にあたってこれら水源の砂防対策を完璧に期さない限り埋没を早め、機能を喪失するのではないかと考えます。 次に琵琶湖の洪水調節でありますが、瀬田川の疏通力を増加するため、浚渫工事と洗堰の移設工事が昭和二十八年の洪水を契機として実施され、新南郷洗堰の建設はほとんど完成したのであります。洪水被害を軽減するには洗堰の機能を十分発揮して増加された疏通力を有効に利用し、洪水位を低下させる以外に方法はないのでありまするが、大きな水位変動は上には湖辺に洪水被害を起こし、下には低水被害を起こすのであります。現在制限水位を鳥居川量水標でゼロセンチとしておるのでありまするが、洪水無害水位は三十センチであって、別に非常高水位として一・五〇メートルをとり、この水位を基準に湖岸埋め立ての盛り土商及び干拓堤防の築堤高としておるのであります。 しかし湖面低下及び湖面変動に伴う種々の補償は大きな問題であります。たといマイナス一三・〇メートル水位低下を考えた場合、飲料水は被害戸数として約六万戸に達し、大津、彦根市等の上水道を初め広大な被害をこうむり、港湾、船だまり、漁港は浚渫、護岸、防波堤、桟橋の改良や補強が必要となり、湖辺には現在約一・五万町歩の耕地が逆水あるいは地下揚水している関係もあり、施設の改造、新設等を生じ、水産業に与える被害等きわめて広範にわたることとなります。 まさに琵琶湖の総合的開発は難問題を包含しているのであります。滋賀県は琵琶湖あっての県であるといっても過言ではありません。このため県独自で琵琶湖大橋の架橋計画、湖周道路の建設等、その一端でありますが、たしかに観光的資源としてもきわめて尊重しなければならない一大豊庫であります。また長浜港の築造、農林省所管に属する大小の湖の千ヘクタールに及ぶ大干拓事業等、水資源のみならず社会、経済等各方面にわたって内蔵しているのであります。この点水資源開発促進法に基づく基本計画の作成にあたって、利水のみにとらわれず地元知事の意向を十分尊重しなければ、たとい公団が発足し、実施計画を作成する段階において、きわめて暗礁に乗り上げることとなるでありましょう。 次に大阪及び尼崎の地盤沈下についてであります。これは大体御承知のことと存じますが、昭和十年以降で大阪において最大二・〇メートルをこえる地盤沈下の地域があり、中之島付近では昭和三十五年に十四センチの沈下量を観測されております。沈下の起因は工業用水のくみ上げにあるといわれておりますが、大阪市内の地下水揚水量は昭和三十五年調べで約一億トンに達するのであり、その七六%が工業に使われているのであります。このため昭和二十五年から工業用水道の建設を行ない、西大阪の工業地帯に日量約十万トンの給水を行ない、かつ工業用水法に基づく地域指定が行なわれ、井戸の新設制限が東淀川区等に行なわれております。また大阪市地盤沈下防止条例に基づく指定区域を北区、東区等に指定し、規制措置をとっております。現在のくみ上げ地下水を全面的に工業用水道に転換させるためには、各工場の設備の更改に要する費用は約六十五億を必要とするといわれております。また地盤沈下に備えて、大阪市内の河川は高潮対策事業として防潮堤、護岸等のかさ上げが必要となっております。この全体計画は二百九十五億円と見込んでおります。このうち特に緊急を要する防潮提かさ上げ工事の全延長九九・三キロと、特に急を要する排水施設並びに橋梁かさ上げ工事については、三カ年間に百八十億を要して実施しようとするものであり、さらに既設防潮堤の沈下量の大なる地区のかさ上げは、少なくとも二カ年で完了しようとする計画であります。このため三十五年度十キロ余に約八億円を高潮対策事業として投じ、三十六年度は十一キロにわたって十五億余の事業を実施中であります。 また尼崎市の沈下量は昭和三十二年と昭和三十五年を比較すると、工業用水道配水区域は五〇ないし六〇%沈下量を軽減しているが、未配水区域は工場の新増設の影響もあって沈下量が増加しているといわれます。 ここで問題となるのは工業用水等利水事業であります。大阪市は現在淀川下流において毎秒一三六・六七立米の水を利用しております。しかしながら産業の発展と都市人口の伸張に伴い上水道、工業用水等の新規需要は増加の一途をたどり、これを充足するための淀川の水利用が限界に達しており、新規水利権の設定は不可能とされておりまして、淀川の利用水量の画期的な増大をはかるためには、さきに述べました琵琶湖総合開発計画が推進せられ、また木津川水系の高山ダムも現在調査実施中で、毎秒五立方メートルの新規取水が可能となる計画でありますが、当面の需要を充足することはできないばかりか、相当の時日を要するものと見られます。現在、全使用水量、毎秒一三六・六七トンのうち、六五%は大阪市内河川浄化用水八八・五トンに着目し、浄化用水の効率的使用によって、毎秒十トンを節減し、当面の需要に転用することの計画があります。尼崎市においても昭和三十四年度から三十七年度にわたって総工費約二十三億円、毎日二十万トンの神崎川を水源とする工業用水道事業を施行中であり、さらに三十七年度以降、淀川水系、猪名川水源を確保し、両方合わせて毎日二十四万トンを供給する計画もあります。なるほど現地を視察いたしまして明瞭でありまするが、市内の排水機関等はさらに拡大強化せられて、汚水処理の問題も重要であると痛感いたしました。 最後に神戸市の宅地造成はきわめて目ざましい建設を行なっておりまするが、本年十一月六日現在におきまして、神戸市傾斜地条例による届け出総数は八十五件で、その造成面積三百七万余平方メートルでありまするが、このうち未着手及び工事中のものは六十件で二百七十四万余平方メートル、すでに工事を完了したもの二十五件、三十三万余平方メートルを算するのであります。この大規模に行なわれておる宅地造成の六月豪雨以前の届け出件数は六十一件で総面積二百七十四万余平方メートルであり、四百七十ミリという豪雨によって場外にまで及んだ被害面積は二十五万余平方メートルに達し、このため一千五百八戸の罹災戸数と死者十二人を出したのであります。この起因は異常豪雨であったことばかりでなく、宅地排水の不備、現場の施工管理の不十分その他構造物の不完全等があげられておるようであります。特に灘区六甲台町は死者六名を出し、崩壊土砂量は約三千立米で、家屋全壊が六戸、半壊が六戸を出したのでありまするが、すでに緊急防災工事を行なっているほか、被害土砂の搬出条例監督処分として、七月神戸市は勧告を行なうとともに、一部の被害者から自己の全壊家屋の証拠保全を神戸地裁に申請を行なっておるほか、被害者が共同で受注者川崎興産株式会社に直接損害賠償を請求中のものがあります。また刑事上の問題として業務上過失致死及び条例違反の疑いで捜査の上、書類送検されているものもあります。この被害地は最急傾斜度は三十八度であり、神戸大学の校域に近い傾斜地でもあり、被害者から十月に被害地跡を緑地化されたい旨の強い請願があったようであります。いずれにいたしましても、宅地造成等規制法が実施せられ、その施行において万全を期さなければ、傾斜地における宅地は災害の危険にさらされることは必然であります。 なお、これら宅地造成地はいずれも傾斜地で、その地質は細粒と粗粒とを問わずきわめて風化性に富み、降雨の浸透性が大でありまして崩落性が強い地域であります。そのため崩落を防止し逓減する施設として砂防工事が大きな役割をもつものであり、今後一そう砂防工事の促進が必要であることを痛感いたした次第であります。 出張いたしまして各地の要望のあった問題を二、三点指摘いたしておきたいと思います。 その一つは阪神高速道路の早期建設と、新規に公団を設立して建設することが必要であるというものであります。この高速道路の建設計画は阪神地区の交通混乱の危機を救うと同時に、名神周速道路と連帯して交通網の整備が必要であると考えられるからであります。また北陸縦貫自動車道路の路線指定について長浜市から陳情がありました。 その二は高潮対策事業地盤沈下対策の促進については、早期建設の促進のみならず国庫補助率の引き上げを要望され、さらに京都府下の災害復旧についても促進の要望がありました。 その三は、琵琶湖大橋の建設に対する要望と、神戸を起点とし淡路、四国、九州を結ぶ南日本国道計画に関する件等でございます。 以上御報告いたします。
○委員長(後藤義隆君) 次に第二班大分県下災害復旧事業等の実情調査につきましてお願いいたします。
○小平芳平君 第二班として、私は後藤委員長とともに、去る十一月七日より四日間にわたり大分県下の集中豪雨の被害状況を調査して参りました。以下その概況を御報告申し上げます。 まず日程についてであります。七日の夜東京を出発し、翌八日は門司より国道十号線を下り、中津市より大分県に入り、杵築、安岐、武蔵など国東地区の現地を視察、翌九日は仏崎電車事故現場より県庁に立ち寄り、知事その他係官より被害概況の説明を聴取し、後、大野川をさかのぼり、大南、鶴崎、三市、野津から臼杵、津久見の各現地を視察、翌十日は佐伯市郊外を視察、各所において地元住民より災害状況の説明を聴取、あわせて幾多の要望事項を承ったのであります。 今次災害の原因は、十月二十六日朝、奄美大鳥の西方に発生した低気圧が急速に発達しながら鹿児島県に上陸、未曾有の集中的豪雨を伴いながら束九州を通過したことによるものであります。すなわち二十五日夜半より大分県下に降り出した雨は、二十六日夜半までに降雨量四百ミリをこえ、特に国東半島両子山付近においては五百ミリ以上が推計され、大野川沿岸においても一時間最大八十三ミリを記録するに至ったのであります。同県における気象災害はそのほとんどが台風によってもたられているのでありまして、十月下旬において低気圧の通過によってこのような大雨を見たことはいまだ例がないといわれております。気まぐれな低気圧の予報は困難なこととは思いますが、大分地方気象台がこれらの大雨を全然予報し得なかったことは、地元民の大きく口惜しむところでありました。 このように何の前ぶれもなく突如として襲ったこの豪雨は、県下全域にわたって予想外の被害をもたらし、その総額は八十三億四千万円の巨額に達したのであります。内訳は配付いたしました表(1)のごとく、農業関係被害二十七億九千九百万円、土木関係被害二十三億三千二打万円に上り、その他農地、商工関係被害がおのおの十億円前後、ほか住宅、林業、水産、文教、衛生関係等全分野にわたりその惨状はきわめて深刻なものがありました。 また一般被害につきましては罹災総人員は八万七千人に達し、死者は仏崎電車事故と合わせて六十一名、家屋の全壊流失は二百戸をこえ、浸水家屋は二万戸に達するなど膨大な被害となり、大分市を初め三市五町に災害救助法の適用を見たのであります。 今次災害の特色といたしましては、まず地域的に二つに分けられることであります。国東半島、両子山系より、流れ出て伊予灘に注ぐ各河川のはんらんのもたらした国東地区の被害と、大野川、大分川の両河川支流のはんらんのもたらした大南地区の被害とであります。 第二はこれらのはんらん溢流河川はいずれも中小河川であることであります。平時は水量も少なく部落の中央を流れ、田畑では灌漑用水として住民の生活に直結している河川なのであります。 第三は、被害額内訳からも察知できますように、農業関係に多大な被害をもたらしたことであります。水陸稲を初め、雑穀、果樹、工芸作物から、桑、家畜に至るまで全農作物に及び、被害面積は三万四千ヘクタールに達し、県下全耕地面積の約四割に当たるのであります。特に稲の刈り取り後、乾燥中に流失した被害は大きく、収穫皆無面積は一千八百ヘクタール、冠水一日以上は二方六千ヘクタールに達し、流失を免れた稲も倒伏、腐敗などのため品質は極度に低下しているのであります。このような特色を持つ今次の災害は、大型台風時のそれと異なり、個人災害が非常に多いことに注目しなければならぬと思うのであり、これら復旧対策にあたってはこの特殊性を十分に把握することが必要と考えるものであります。 次に公共土木関係被害の概況について申し上げます。配付いたしました表(2)でありますが、県工事分、市町村工事分を合わせて二十三億三千万円に達したのであります。内訳は河川関係被害が最も大きく、荒木川、安岐川、武蔵川等国東地区を初め、桂川水系の大田村地区、判田川、米良川の大南地区、北鼻川の鶴崎地区、臼杵川の臼杵地区等を中心に、県下全域にわたっているのであります。また道路、橋梁関係被害もおもに国東地区に集中し、国東、安岐、武蔵町等は、二級国道中津別府線、その他の路線寸断のため一時は孤立状態となり、物資輸送のためのかえ道、仮橋架設等には自衛隊の昼夜兼行の援助が大きく感謝されておりました。砂防関係被害は全部が県工事分でありまして、その約七割は国東地区に集中しているのであります。これらの被害はいずれも局地的集中豪雨の激甚地に著しく、中小河川の突発的な増水に対する土木施設の耐久性の乏しさが目立つのでありまして、復旧にあたっては単に原形復旧にとどまることなく、災害関連事業予算を大幅に増額する等、改良復旧を全面的に行ない、恒久対策としての中小河川の本格的治水方策の必要を強く感じたのであります。 次に視察いたしました災害地の惨状を二、三申し上げようと思います。 まず杵築、安岐、武蔵、国東の地区についてであります。この一帯は国東半島の南東部に当たり、高山川、安岐川、武蔵川、清流川等を中心に、両子山系より流れ出る未改修中小河川がほとんど例外なくはんらん溢流し、土木施設を崩壊し、人家を襲い、田畑は砂れきの堆積により荒れ河原と化した惨状が至るところに点在し、当時のすさまじさを物語っておりました。川沿いの灌木や橋脚にとり残された稲を集めて、所有田に応じて分け合ったという説明を聞き、収穫を前にした深刻な農民の心境に打たれたのであります。安岐町におきましては、町中を流れる安岐川の大道橋に上流沿岸の流失家屋三戸の流木材がたまり、水は堰とめられ溢流し人家に及び、川沿いの家屋は二階まで浸水するに至ったのであります。また荒木川との合流地点でははんらんした水が大分交通国東線を寸断し、防潮堤を砕き海に流れたのであり、このため町内外は廃墟と化し、二十名の死者を初めその惨状は目を覆わしむるものがありました。県南東部の大南地区におきましては降雨量は五百ミリに達し、大野川を初め判田川、北界川等八カ所の河川はんらんが相次ぎ、戸次、判田地区の平坦部で千七百戸が浸水、千六百ヘクタールの田畑が冠水するに至ったのであります。特に当町におきましては行政上不可欠とされている有線放送の施設が、全域にわたり壊滅的被害を受けており、復旧には概算九百七十万円を要するということであり、自治省ほか関係各庁面の善処を熱望しておりました。 その他これらの地区において共通して望んでおりましたことは、被害の甚大性にかんがみ復旧事業につきましては高率補助の特別な措置を講ずるとともに、補助災害復旧事業費の地元負担分に対する低利融資の実施その他各種の税の減免と交付税、起債の増額等でありました。さきの国会における災害関係特別措置法案の議決にあたり、次期国会において、九州災害についても法適用の措置を講ずべきであるとの決議がなされたことは、周知のとおりでありますが、被害地方公共団体におきましては、あまりにも広範な被害のため国の大幅な財政的援助を熱望しており、来たる国会におきましては一刻も早くこれら立法的措置を講ずるよう努めるべきだと痛感した次第であります。 最後に、本県におきまして特に強かった一般的要望事項について順次申し上げます。 まず河川管理の問題でありますが、今次の災害が未改修の中小河川に集中していることにかんがみまして、中小河川改修事業の大幅な促進と復旧事業にあたっては改良復旧を原則とし、特に木橋の復旧にはすべて永久橋とし、また潜水橋は河川管理上不適当でありますので、抜水橋の採用を要望するものでありました。特に臼杵市の昭和橋、佐伯市の稲垣橋等の永久橋架設を強く要望されたのであります。 第二に、災害復旧事業の進捗についてでありますが、まず調査、査定を迅速に実施し、復旧事業がすみやかに完了するよう必要措置を講ぜられたいとのことでありました。現在災害復旧事業の進捗率が緊要工事についても初年度三〇%であり、完了までに三、四年を要するのでありますが、この間にたびたび重ねて災害を受けており、民生の安定にも大きな影響を与えるのであり、緊要工事については二年くらいで完了するよう予算的措置を講ぜられたいとの要望でありました。 第三は、設計単価の問題であります。今次の災害により労力及び木材等復旧資材が不足し、価格が高騰しており、現在の承認単価では工事施行が不可能でありますので、早急に実情に合った設計単価に改定されたいとの要望でありました。 第四に財政的援助についてであります。今次の災害に対しての災害特別措置法の早期適用とともに、地方財政の窮状を考慮し、県工事十五万円未満、市町村工事十万円未満の復旧事業もぜひ国庫補助の対象に取り上げていただきたいとの要望でありました。これらはいずれも不安におののく地元住民の真摯な要望であり、国及び地方公共団体が一体となっての、総合的かつ計画的な防災行政の整備の必要を痛感したのであります。政府におきましてもこれら要望事項につきましては十分に考慮され、必要なる行政措置を早急にとられんことを強く要望し、あわせて一日も早く災害地の復興をされんことを祈りつつ報告を終わるものであります。
○委員長(後藤義隆君) ただいま派遣委員の方の報告に関し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。 なお政府関係当局から山内河川局長、河北道路局長、経済企画庁より曾田総合開発局長、玉置参事官、行政管理庁より山口行政管理局長、原田行政監察局長、大蔵省より宮崎主計官が出席しております。御質疑の方は順次御発言を願います。
○内村清次君 きょうの委員会で私たち派遣委員は、先ほど報告いたしましたように、水資源関係二法に対する調査の結果、それから地盤沈下の問題や、あるいはまた宅地造成の問題で調査をいたしましたその案件につきまして、実はきょう水資源関係では、特にその法律の窓口になっておられる企画庁に対しまして質問をしたいと思って、長官を委員会に来ていただくように、要求したのでありまするが、どういう御都合でしたでしょうか、御出席がないようですが。
○説明員(曾田忠君) 長官はきょう金曜日でございますので定例閣議がございまして、あと引き続いて会議があるように聞いておりますので御出席ができなかったのでございます。
○内村清次君 きょうの委員会には御出席できないわけですね。
○説明員(曾田忠君) さようでございます。
○内村清次君 それでは、実は大蔵省の方も予算編成で非常に忙しいということを内々聞いておるわけですが、きょうは特に時間を割いて御出席をいただきました宮崎主計官もみえておられますから、そのほうから二、三点質疑をしたいと思います。 私もこの休会中に同僚委員とともに災害地の視察に参ったわけです。特に今回は三重県に行って参りましたが、御承知のごとく三弦県は伊勢湾台風から相当な被害を受けておりますし、先般の六月、七月の集中豪雨でも相当な被害を受けております。特にまた山腹におけるところの土砂崩壊からくる被害が引当大きかったという点で、砂防の現況を見に行ったわけですが、宮崎さんも御承知のように砂防の問題につきましては、これはもう災害たびごとにその重要性は国会で論議され、当委員会におきましても相当決議もするというような事態を積み重ねて今日まできておるわけです。そこで、山腹のいわゆる治山と治水との二つに分けまして決定せられておりまする予算額は、大体農林省の方で五カ年計画で千三百億ですか、そうすると、治水十カ年計画においては九千二百億、この予算額がきめられておるのです。そこで、この千三百億の予算の中において、時々の災害で起こるところの災害防止のための予算を査定する上において、宮崎さんのほうでは農林省のいわゆる申請によるところの荒廃地の治山予算ですか、これはどういうような形で査定されていくのか、この点を一つお聞きしたいと思うのです。
○説明員(宮崎仁君) 治山につきましても、砂防事業と同様に、三十五年に治山治水十カ年計画が策定せられまして、これによりまして、三十五年度以降十カ年に千三百億円の投資をするということがきまっておるわけでございます。したがいまして、予算の組み方といたしましては、この十カ年計画に沿ってこれを計画的に進めていく、こういうことが基本的な考えでございます。三十六年度の予算にあたりましては、この千三百億の十カ年計画の前期の五カ年計画、これは五百五十億を計画的に実施していくということで相当の増加をいたしたわけでありますが、具体的な山腹の荒廃地復旧の問題、あるいははげ山の防止というような問題になりますると、林野庁当局のほうで個々の個所ごとに工事計画をお立てになりますので、大体大蔵省といたしましては、そういった計画に従って予算のワクというものがきまって参りますと、農林省のほうの個所ごとということに従いましてこれを実行して参ると、こういうことで考えております。したがいまして、まあ端的に申しますれば、そういった計画の総体のワクということと当年度予算のワクとを比較しながら、財政的な限度ということも考えましてきめる、こういうのが実態でございます。
○内村清次君 前期五カ年計画で五寸五十億と、その基礎数字というものは腹の中に入れて、そうしてまあ工事個所別によって判断して予算額を査定していくのだ、まあこういうようなお話ですが、その個所別の荒廃地の予算査定というものは何を基準としてやっていかれますか。
○説明員(宮崎仁君) ただいま申し上げましたようなことで十カ年計画で策定されまして、三十六年度予算も組みましたわけですから、要求がほとんど私どもの査定といいますか、予算を組んだものと同じ考え方で出ておりますので、三十六年度予算は全部要求どおり見ております。
○内村清次君 いえ、主計官、私が聞こうとするところは、まあたとえば鈴鹿山脈のその山のどこかが今回災害でやられた、で、そのやられた山のこれを復旧せなくちゃならない、あるいはまたそれを治山をやっていかなくちゃならない、まあ植林をやっていくというような、復旧の予算の査定としてはどういうふうなお考え方でやっておられるかということです。
○説明員(宮崎仁君) ちょっと私思い違いをいたしまして、計画に基づきます当初の予算をお話しをいたしましたけれども、具体的にことしの災害に伴って緊急に治山工事をやらなくちゃならないという問題は、年度の実行の問題として出て参ります。現在の予算の組み方といたしましては、そういった当該年度に発生いたします崩壊地の復旧ということに当てるために、事業費にして五億数千万円のまあ一種の予備費でございますが、緊急治山事業費というものを組んで、これは事業費で五億数千万円でございまして、予算額は三億七千万円程度の予算でございます。通常の年でございますと、大体この予算の中で林野庁のほうで災害の発生状況を見て具体的に工事を採択いたしまして手当をして参ったわけでございます。通常のやり方でありますると、発生した崩壊地の復旧というものは相当の金額が必要でありますけれども、緊急治山の仕事といたしましてはおおむね四年ないし七カ年というぐらいの計画を立てておるようでありまして、その初年度分として必要なものを、今申し上げました緊急治山費から支出をされる、こういう建前になっております。 で本年度の状況は、御承知のように非常に梅雨前線豪雨以下大災害がありましたものですから、そういった既定の予算ではまかなえないということで予備費の支出をいたしました。さらに前国会におきまして御審議を願いまして成立いたしました補正予算におきまして、二億数千万円の追加をいたしております。こういった当年発生災害の予算の組み方と申しますのは、林野庁のほうの現地査定の結果というものを一応基礎にいたしまして組んで参るわけでございます。 で今申しましたように、査定としては四カ年——七カ年ぐらいでやる工事の全体計画を組んで参りますので、それを当該年度でどのくらい出すかということはこれは予算のほうのワクの都合もございますから、その際に林野庁のほうに御相談してきめて参るということでありまするが、大体は御要望の線にほぼ近いものをいつも認めるということでありまして、個々にこの荒廃地復旧の工事費が多いとか少ないという議論は、どうも大蔵省といたしましてもそういったこまかい技術的な問題になりますると、私どもわかりませんので林野庁のほうのお考えに合わして予算措置をしていく、こういうのが実情でございます。
○内村清次君 まあよくあなたのほうの査定上の御計画や、実際査定しておられるところの現況も、経緯については大体わかりましたが、まだ私が質問しようとするのは農林省のほうから、たとえば三重県下において今回の災害でどれほどの山腹の荒廃がなされたんだ、だからして山腹の荒廃を何カ年間かの計画で——あなたのおっしゃるのは四カ年ないし五、六カ年間の計画によって年次の予算計画を立ててやるんだ、こう言っておられるが、農林省のほうからどういうような申請がなされ、その申請のなされた全体の、すなわち荒路地の予算をどういうものを基準として査定されていくのか。たとえて言いますが、荒廃百種はこれくらいだ、何方ヘクタールだというようなことをもっていくと、まあその一ヘクタール当たり幾らだというような積算からきて、その申請に基づいて今までほとんどが農林省の申請どおりやっておりますと、あなたのお話ですけれども、そうやったやり方で査定せられていくのかどうか、ここですよ、問題は。この点はどうですか。
○説明員(宮崎仁君) 治山の工事につきましての積算は、今御指摘のように一応崩壊地面積一ヘクタール当たり幾らというような見方をいたしておりますけれども、実際の工事計画はそういったもので組まれているわけではございません。まあ予算として全体の金額を表示する際に、何ら数量的表示がないものでありますから、一応一ヘクタール当たりの単価というようなものをとって大方の目安をつけておる。現在では七十万ちょっと欠けるくらいだと思いますけれども、もちろん私どももそういった荒廃地復旧の予算をつけます場合には、全体の荒廃地の発生がどれだけあって、そしてそれに必要な工事費が幾らだということから、一ヘクタール当たりの平均の単価というものはどのくらいになっているだろうかという検討はいたします。しかしながらこういった当年度の発生災害について、個々に予算を配らなきゃならぬわけですから、そういう際になって参りますと、百五十万円もあれば二十五万円もあるというのが実情であります。それを七十万円でみんな切っちまえというわけには参りませんので、したがいまして全体の復旧に必要な額というようなものについては、実情は大蔵省は査定をいたしておりません。ただ今申しましたように、そのうちで当面措置を必要とするといういわゆる緊急治山という範囲は、これはそれぞれの渓流の実情なり何なりからみまして、林野庁のほうの担当の技術者の方がここにこのくらいの工事を今後やればよろしいというような、何といいますか緊急治山の全体の査定額というものを出して参ります。それをただいま申しましたように、下流の状況などを見まして早急にやらなければならぬところは、二年でやらなければならぬとか、あるいは山奥で比較的長い期間を要してもよろしいというようなところは七年という場合もあります。そういうところは予算のワクの関係から見て、もう少し繰り延べができないかと相談をいたしますけれども、大体技術的な工事計画については、大蔵省として特に査定ということはしてないというふうに御了解願っていいかと思います。
○内村清次君 私はやはり災害直後におきまして、大蔵省のほうは災害の調査に行きましょうし、いろいろな査定上につきましては、大蔵省が予算をつける上においては主になって現地調査もやられるわけですから、私は正確な基礎数字の上に立ってそういった予算というものはできているものだと、こう信じておったのです。しかし今お話を聞くと、大体は私たちも大蔵省は相当正確に考えているなということは考えますけれども、しかし重要な点でどうも予算の査定にまだ正確でないというような感じもするわけですよ。この問題は、私行政管理庁もきょう来ていただいておりますから、監察局長からちょっとお伺いしたいのですが、行政管理庁はこの予算執行の後の工事の状況や、あるいはまた全体的治山の状況につきましても、これは監察されているものと思います。この状況はいかがでございましょうか。
○説明員(原田正君) 私どもは今お話のありましたような諸点につきましての監察をいたしておりますが、実は砂防関係等の監察は昭和三十年——三十二年ごろに、公共事業の現地監察あるいは水系別の公共事業の監察等をやりまして、その際における三、四の問題点というのが出ておりますが、問題の主要なものは、各省の関係事業と相関連する事業の間におきまして調整が十分にとられておらない、こういうようなことであります。これが主要なものでありまして、これに基づきまして、それらの個所につきましての勧告をいたしているのであります。それに基づきまして、建設あるいは農林省から今後一そうそれらの事業の計画あるいは実施について、調整を十分に行なって遺憾のないようにしたい、こういうような回答でございます。これは比較的古いものでありますので、最近におきまして、三十六年、本年度の第二四半期におきまして国土開発に関します監察を実施いたしまして、現地の調査を九月までに終わりまして、中央の監察並びにそれらの取りまとめを現在いたしております。この中におきまして今のような問題がいろいろ出てくるものと考えておるのであります。 そのほか今の調整の問題に関連しましては、三四半期の監察計画におきまして、兵曹競合行政に関しまする監察という項目を取り上げまして、現在実施をいたしております。それらの監察の結果を取りまとめまして、これらの点につきましてのしっかりとした結論を出したいと、かように現在考えておる状況でございます。
○内村清次君 監察局長の御答弁によると、一度は水系別に農林省及び建設省のやっておるところの行政上の工事施行について監察をしたのだ、しかしその報告は今後連絡をとってやると、こういうような報告がきた、勧告の点においては、どうも行政上連絡がとれておらぬじゃないかというような点は確かに認めたのだ、こういうような御答弁ですね。で、またその連絡をとっていきますという各省の報告に基づいて最近こうやってその結論を出しつつあるのだ、というのが御答弁の要旨だと思うのです。そうすると、行政監察局は各水系ことに——まあこれも全国というわけにはいかぬだろうと私は思うのですが、その水系別に治山及び治水の問題を監察された際に、どういうような基本的な態度で監察をされたのか、どういうようなすなわち法律、またどういうようなことに監察の主眼目を置いて、そして実際施行せられておるところの工事自体について監察をされたのか、この点をひとつ伺いたいと思うのです。
○説明員(原田正君) 最初の公共事業の現地監察につきましては、公共事業の計画、実施等が合理的に、しかも適正に行なわれておるかどうかと、こういう点に主眼点を置いたのでございます。それから水系別の公共事業の監察におきましては、特に相関連する事業であるところの連綿調整というものが緊密に行なわれておるかどうか、ということに重点を置いて監察をいたした次第でございます。
○内村清次君 その相互の連絡がとれておるかどうかというようなことの基本があるはずですよ。何のために連絡調整をするか、建設省はどういう仕事をすべきである、農林省はどういう仕事をすべきであるという基本があるはずです。その点はどういうふうに考えておるか。ただ話し合いだけした、どっか両省の出先機関が話し合いをした、それだけでいいというものじゃないと思うのだな。
○説明員(原田正君) ただいま申しました監察の主たるねらいを現地の実施状況の監察に置きましたわけでございます。したがいまして現地の工事の実施状況を見ますと、それがうまくいっておらぬ、非常に遅延しておる、また計画相互の間において、あるいは実施状況相互の間において非常に矛盾がある、あるいは前後撞着がある。まあそういうふうな実際の状況を見まして、何がゆえにこういう問題が起きたかということを突き詰めて参りまして、いろいろ検討して参りますると、こういうことにつきましては、各省庁間の連絡をさらに緊密にすることによってこれを避け得たのではないか、そういうふうな諸点が発見されたわけであります。したがってそういうふうな事実につきまして今後十分留意するとともに、現在改善し得るものにつきましては予算措置その他におきまして是正をはかるようにと、こういう趣旨の勧告をいたした次第であります。
○内村清次君 いや、私はそれだけでは足らぬと思うのだな。監察局の、しかもあなたのほうの局長としての御答弁から考えてみますと、それだけでは足らぬと思うのです。何かあなた方はやはり基本を持って、そうしてその基本の上からどこが足らない、どこが持ち分を侵しているのだ、どこがその工事をおくらせているのだというようなことを発見していかないと、私たちはせっかく国民の税金で、しかも毎年毎年くるところの災害の防除という問題に取り組んでおる今日とといたしましては、足らないと思うのです。だから足らないところと私が申しますのは一体何か、その点を解明していただきたいと思うのだ。どうですか、その点具体的でもよろしい。どういうところが足りなかったか、どういうところが連絡が足りなかったかという具体的なお話でもよろしいのです。何か基礎としてあなた方は心得ておらなくちゃならぬ問題があるはずですよ。
○説明員(原田正君) 今手元に具体的な事例を実は持っておりませんのでございますが、しかも相当、三十年——三十二年ころの実施の古いのでございますので、詳細な事実を私は存じておりませんが、当時の報告書の中から一、二の事例として申し上げますと、たとえば岩手県の当時の事例でこういうふうな問題が上げられております。農林省におきまして、建設省の所管の通常の砂防事業としまして計画しておりました砂防堰堤の工事につきまして、上流部の林野庁で実施すべきところの山腹砂防計画がない。建設省としましては砂防堰堤工事を計画しておったけれども、上流部の林野庁の山腹砂防計画がない。そういうところでことによりますと、しかも造林も無計画に漫然と行なわれておる。こういう状態でありますると、この工事の目的を達成するということが十分にできない。したがってこれらについては、砂防事業としての総合的な見地に立っての事業を行なうべきではないか、それが欠けておるではないか。こういうような事実が一つの事例でございます。 また宮城県下におきまするある事業におきまして、県の事業主体として砂防堰堤工事を計画しておりましたものが、当初の計画の築堤地点に、林野庁所管の治山卒業の山腹工事が別個に施行されて、したがって宮城県の建設省所管の砂防事業の実施個所を別個にまたその下流に実施をする、というふうに余儀なくされた。こういうことによって非常に事業上のむだが生じた。そういうふうな事例。こういうふうな事例等が幾つか指摘されておるわけでございます。現在詳細なデータを持っておりませんので、以上一、二の事例を申し上げました。
○内村清次君 そういう指定は、私たちはこれは正しい指定だと思うのです、そういうあなたの仕事は。しかし私はあなた方に要望しておる、また質問しておるところの根拠というものは、またその奥にあるわけですね。それでいやしくも行政監察局が行政上の区分を明確にして、工事施行にあたっての現地の仕事を監察する上においては、やはり一番奥にあるよってくるところの原因というか、もとをはっきりと握っておらないと、いつまでたってもそういうようなことは尽きないのです。で、あなたのほうの監察の際に、ただまあ現地にこういった工事が起きておる。これは農林省と建設省の連絡が不十分だ。しかもあなたの言われたように奥地の治山という問題、少しも計画が立ってない。建設省の工事に農林省が長吉をしておるというようなその事態だけ言っておっては、これはだめですよ。私はだめであるということをほんとうに悟った。このたびの、これはあとで河川局長にも私は聞きたいと思いますけれども、もう何回ここの委員会で口をすっぱくして根本から直していかなくてはいけない、こういう観点に立って、そうして災害防除の見地からこの委員会は熱心に取り上げておるにかかわらず、やはりあなた方が監察されると、今局長が言われたような具体的な酔態がたくさん各県にあると思うのです。が、しかし管理庁自体が、根本は一体どういうふうなところから来ておるかということの把握が、御答弁にまだならない。私が言えば、あなたはそれは知っていましたよ、こう言うかもしらぬけれども、しかしこういうような委員会においては、やはり私が先ほどから根本をあなた方に説明を頼んでおるのだから、どういう根本の思想から、また法律あるいは閣議の決定からその監察をやっておるんだと、関係各省の区分というものはこういうふうに明確にしていかなくちゃならぬ、この見地からこういった監察によって具体的な事態が発見されて、これは関係各省に勧告しておりますというような御答弁が出てこなくちゃならぬけれども、それがまだ出てこない。だからして、私は申し上げますが、もうこの砂防の問題というものは、砂防法の制定は一体いつあったのですか、砂防法の制定は。明治三十年ですよ、三月三十日、明治時代から砂防法の制定というものがある。そうしてもうそれから大正、昭和と、しかも今日までこの問題がなおざりにされておるじゃないですか。明治三十年の三月三十日に砂防法の制定がされて、明澄三十年三月二十五日には、当時の内務省関係、まだ建設省ではなく内務省関係の一局長からこの砂防法の法案の説明がなされておるのですよ。こういう起源からずっと来て、一番大事なことは、私はこの昭和三年の閣議決定の事項であると思うのです。この閣議決定の事項というものは明確にどういうふうに把握しておられますか、局長は。
○説明員(原田正君) 建設、農林両省間の申し合わせ事項が十分守られておらぬという結果として、前に申し上げましたような事例が起こっておるのではないか、両省の権限調整のためには昭和三年の閣議決定、それから昭和四年の内務、農林同省の申し合わせがある、そういうようなことは当時監察を実施しました担当官としては十分承知の上監察を実施したわけであります。しかしながら最初に申し上げましたように、今申し上げました事例は、特にそのことのための監察を実施したのではなくして、ほかの目的にありました監察の中に三、四の事例があがったという程度でございましたので、私どもとしましては、お話のような根本的な問題の解決というものがきわめて重要であるというので、実は三四半期に取り上げております共管競合行政の監察というものは、特に長官も非常に重要視されまして、いろいろな問題がいつまでたっても根本的に解決されない、したがってこの際に十分な資料を集めて、その上に立って十分な検討を加え結論を出していきたい、こういう意味で現在共管競合の行政監察をやっているような次第でございます。私どもはその結果に基づきまして、十分な徹底した措置なり方針なりが確立されるように持っていきたい、かように現在考えておるような次第でございます。
○内村清次君 まあ問題を指摘して申しますれば、あなたのほうでは的確な御答弁があるんですけれども、私が聞こうとすることは、昭和三年の閣議の決定の事項、四年の次官通達の事項、この事態というものがまだ解決されておらない、何回もこの席上、これは宮崎さんもだいぶこの点については、この委員会で論議されたことは十分知っての上で、予算の査定の問題も考えておられると私は思うのですけれども、監察のほうもこの問題は監察官自体は十分腹に置いて監察をしたんだと、こうおっしゃっておられれば、私は何も申し上げる点はないわけです。ただその具体的に出ました事態というものは、あなたのほうの監察は正しい、各省間というものは連絡をして、そして予算執行というもの衣公正にこの次官通達に基づいてやるべきであると、こう私たちは期待をするわけです。ところが実際に現地に行ってみますると、これは大へんなことですわ、三重県一県の——私たちは今回は相当日数もとりまして、現地を山奥からずっと行って見て参りまして、見てみますると、もうすでにここの写真にあるとおり、あとで見て下さい、こういう大きな堰堤というのが県の林務部において国の補助をもらってどんどん出てきよる、あそこの水系もたくさんありますよ、申し上げてもよろしゅうございますが、たくさん水系はある。その各水系を私は見てきましたが、こんなにたくさんの農林省で作った堰堤というものがある。しかもこの一つ一つの堰堤の工事を水系別に、しかもまた裏側に重なっておる山の荒廃地の状態から見てみましても、これは渓流工事としては農林省の行き過ぎだという堰堤がこのとおりです。ここにあるとおりです、行き過ぎである。特に私はびっくりしたことは、建設省の砂防堰堤が渓流の中に二つある、その二つをはさんで農林省の林務堰堤というものがことし作られておる、こういうふうな個所も見受けておりますよ。何のそのゆえがあって、建設省が砂防堰堤として、渓流堰堤を作っておるのに、その下流のほうに林務堰堤というものが必要であるかということでさえも、これはどうも私は理屈に合わぬ、こういう堰堤の作り方は三重県だけではございません、長町県もそうです。長野県は私は六月の集中豪雨の際にもずっと行ってきましたが、やはりそこもそのとおり、山梨県もそのとおり、岐阜県もそのとおりです。今度行きました滋賀県にもそういう事態があります。これは全国これを見ていったならば、この閣議の決定または次官通達というものからみると、どうも現地においては連絡がとれておらない、しかもむだな予算というものがそこで使われておりはしないかという感が深いのです。で、堰堤をたくさん農林省もやりあるいは建設省もやれば、住民は非常に安心じゃないかと、そういうような理論構成ではいかないです。私はやはりここはもう科学的に山形の調査をして、そしてやるべき急所に堰堤をこしらえていく。そうなれば私は国費というものの節約にもなりましょうし災害防除にも役立つものであると、私たちはそこまで各省の調査あるいは技術というものは発達しておるものと思うのです。しかし残念ながら、今日見てみますと両関係省間の工事の区分というものがまだ連絡もとれておりませんし、実際において区分が明確になっておらないというきらいがあるのです。この点を一つ宮崎主計官も認識していただきたいと思うのです。この点、そうして私は予算をいわゆる閣議決定の事項に従って、また緊急的な災害防除の問題につきましては、災害防除の予算を的確にひとつ公正に出していただくことが一番大事なことではなかろうかと、こう思うのです。 そうしますと、私は宮崎さんにちょっとお尋ねしたいのですが、今回のこの十カ年計画において砂防関係は七百三十億の予算が一応きまっておるようです。しかし、私はその七百三十億の予算の決定自体というものについてはどうもまだ不可解な点があります。と申しますのは、二十八年にきまりました全国を調査いたしました、あの十カ年計画の比率から考えてみますと、これは農林省のほうは予算総額を一と見ましても、建設省の砂防の予算というものは、一・六八にならなくちゃならぬ形になっておると思うのです。それが昨年策定されましたところの治山治水の十カ年計画の比率から見ましても、どうも少ない、これが根本原因です。で、その少ない上に、ただいま言ったような工事の区分というものがまだ明確にされておらない。行ってみますると、県の林務部では予算が余ったからこれを施行するのではないか、というような疑いのある工事がなされているのです。そうしてそのやるべき、いわゆる治山関係のはげ山の植林だとか、あるいは荒廃地の手直しだとか、こういう問題はもう三年も四年も、どうかすると六年も七年もそのままに荒廃地は依然として残っておるのですよ。残っておるにかかわらず、出過ぎて、建設砂防の先のほうに林務部が堰堤を築くというような、そういう予算の使い方をやっておるのです。ここですよ、問題は。一方ではどんどんどんどん荒廃地からまたさらに速度を増して被害面積が大きくなっていくような様相が多分にあるにかかわらず、そこには何ら手を入れておらない、こういう現状ですよ。この点は、宮崎さんは予算の査定をされて、現地のほうの監察まで要求するのは無理でございますけれども、そういう点はお聞きになりましたですか、今まで。
○説明員(宮崎仁君) ただいま内村委員のだんだんの御指摘を拝聴しておったわけでありますが、御指摘の点は私どもまことに悩みの種としておるところでございます。昭和三年の閣議決定、それから四年の次官通達というものは私どもも十分承知しております。その文章で一応はっきりしておるじゃないかといえばはっきりしておるようでもございますけれども、つらつらそれを読んでみますと、よくわからないという面もございます。それで具体的に砂防と治山の工事の区分というものをどこで分けていくかということになりますと、私は長いこと公共事業の予算をやっておりますけれども、ほんとうのところは失礼ですが、わからないのが実情でございます。しかしそれでは実際の計画の配分にあたっても、また予算の査定にあたってもこれは因りますから、したがいましてこういう問題については、ひとつ関係の省で十分に話し合いをして、個々具体的な個所まで調整をとってもらうということが必要であるというふうに考えておるわけであります。 そこで、ただいまの私どものやり方といたしましては、ただいま十カ年計画の配分の御指摘も出ましたけれども、それにつきましても私は河川審議会に幹事として何回か出席させていただきまして、その際に十分調整をしていただくように要望いたしまして、その結果両省の担当官あるいは課長さんの間で二、三カ月にわたって図面その他によりまして調整をしたその結果がこれである、というふうに私どもは聞いておるわけであります。 それから毎年度の発生災害につきましては、急を要することでございますから、十分な調整ができておるかどうかは相当問題があるかと思いますけれども、具体的に予算をきめる対象になります先ほどの緊急砂防あるいは緊急治山の工事計画というものにつきましては、建設省と農林省のほうからそれぞれ出て参りますけれども、私のほうでそれを予算化いたします前に、両担当課長にお願いをいたしまして、十分調整をとっていただく、円滑にやっていただくということをしておるわけでございます。現に、本年度の発生災害につきましても、つい最近大体の話し合いができましたけれども、その前に砂防課長と治山課長の間で十分お話し合いをしていただいて、両省でこれで両方ともよろしいというものを基礎にして私どもは考えていく、こういうやり方をいたしております。まあ公共事業につきまして、こういった所管による競合といいますか、あるいは調整を要する問題というのは、この砂防治山のみならず、海岸につきましても御承知のようなことでございます。あるいはダムの問題と、いろいろございます。それぞれにだんだんそういった問題は合理的に解決される方向に進んでおると私は考えております。砂防治山の問題も、ただいま御指摘の、たとえば下流に相当大きなダムを作るということが果して適当かどうかということになりますと、これは議論はいろいろあると思います。ただ災害が発生した直後に緊急に工事をやるというような場合には、私技術はそう十分わかりませんけれども、適当なところにある程度大きな堰堤をまず設けるということが最も効果があるのだというふうに聞いております。現在こういった工事のやり方は、先ほど申しましたように、十カ年計画というのが一応基礎になりまして、そうして当年度の発生災害といいましても、多くの場合は十カ年計画の繰り上げ工事だ、上流に荒廃地なりなんなりありまして、やろうと思ったところが今度の災害でくずれてしまったということで、では緊急にやりましょうという場合が多いわけです。そういうことになりますると、従来その工事を実施しておった所管の官庁が、そういう渓流は一応責任をとってやるのだということも、工事実施上の便宜ということからいいますと一概に否定できない面もあるようでございます。そういう点も、私どもは今後とも一つ何か合理的な基準によって分けられるようにしたいということは毎度考えております。また両省にもいろいろ機会があるたびにフリー・トーキングもいたしましてやっておるわけであります。 私これは印象を申し上げては恐縮でございますけれども、両省の担当官の間あるいは課長さんの間の話し合いというのは、非常に協力的で円滑にいっておるというふうに思っております。これはほかの事業を例にあげては恐縮でございますが、他の公共事業で同種の例がある場合に比べまして、非常に協調的だというふうに感じておりますので、それはいろいろ具体的に見ればまずい点も多々あるかと思いますけれども、非常に努力しておられることは私ども認めざるを得ない、こういう立場でございます。 —————————————
○委員長(後藤義隆君) 委員の異動について報告いたします。 十二月八日付、武内五郎君辞任、戸叶武君選任いたしました。 —————————————
○委員長(後藤義隆君) 内村君続けて下さい。
○内村清次君 宮崎さん、あなたの答弁には非常に含みもあります。私もそれは、この問題に心血を注いでおる委員の一人といたしましては、相通ずる点もあります。ありますが、あなたのおっしゃった両省の、たとえば砂防課長や治山課長がよく話し合いをしていく、しかもこれは他省に見られないところの円滑な話し合いが進んでおるのだ。また予算査定の上には両省の話し合いの基礎の上に立った予算要求に対して目を向けておるのだということは正しいのです。これは非常に正しい。正しいが、しかし先ほど言われたように、私も発言いたしましたが、砂防堰堤の先に林務堰堤があるというようなことは、これはまた技術的に見まして、私もそれが正しい、あるいはまたこれがいけない、こういうふうに断定はいたしませんよ。しかし私たちの知っておる範囲内におきましては、これはむだだ。しかも緊急砂防の際においては、山元に崩壊があるけれども、まずその先のほうでひとつ、とめようじゃないか、土砂を食いとめようじゃないかということも、これは考えられるでありましょう、現地によっては。でしょうけれども、いやしくも砂防堰堤が二つもあり、しかもそれが渓流からはずれて、しかもそれが本流に流れつつあるような大きな河川に、大きなところにこの堰堤が——林務堰堤があるということは、ちょっと私たちは理屈では解けないなぞです。しかもそのできました本源を聞いてみると、これは決して工事自体におきましても、緊密な連絡のもとに作られた堰堤じゃない。両省において、各課長は緊密な連絡をとっておるけれども、各県に行ってみますると、そうでないというところに、まだやっぱり本省の努力にかかわらず、現地においては、まだそういった不連絡のところがあるのです。だからして管理庁のほうも、ここをつかれたことと思うのですね。だから、私はこういう点は、やはりどちらが正しいという判定は、これはおのずと、もうその衝に当たっておる者といたしましては、やっぱりわかっておるはずだと思うのです。 だからして、私が宮崎さんにお願いしたいことは、これはひとつ、先の問題ですけれども、あなたの御答弁をひとつ促して、時間が大切ですから、もうこれでやめますけれども、先ほど緊急砂防として、そういった個所も、いいか悪いかしらぬが、あるのだと、こういうようなお話であります。で、私があなたに申し上げたいことは、今年災害によりまして、これはまあ、たくさん災害があったのだが、緊急砂防の予算としては、全体どれだけ出しておりますか。
○説明員(宮崎仁君) ただいまちょっと資料を持っておりませんので、正確な数字を申し上げるわけに参りませんけれども、たしか当初予算が三億四千万程度あったと思います。これに対しまして、梅雨前線その他の災害がございまして、前回の補正予算におきまして一億程度の追加をいたしておるわけであります。それ以外に予備費が若干出ております。そういったところだろうと思います。その後十月の豪雨がございまして、今までの支出金額では不足をいたしまして、今後予備支出を必要とする、こういうふうに考えております。その金額につきましては、まだ具体的に幾らになるかというところまできまっておりません。実は、つい先週でございましたか、その本年度発生災害の全体の姿について、砂防並びに治山の全体の工事計画がきまった。これをまあ四年程度でやろうかというくらいの話し合いが進んでいるところであります。 それによりますと、砂防関係は大かた今回の発生災害と、特殊緊急治山と砂防ということでやります六、七十億の数字であったと記憶いたします。それ以外の特殊緊急砂防にならない——つまり特殊緊急砂防と申しますのは、御承知のとおり起債の特例が認められるのでありますが、それ以外の県の工事がまだ相当あるということでありますので、今後相当の予備費追加が必要である、こういうふうに考えております。
○内村清次君 宮崎さん、私が要望したいことは、緊急砂防費として大体五億円程度の金を出した。だから、そういった金というものは、まあ大きく言えば七百三十億の内金として前払いしたのだ、こういうようなお考え方のようでございますけれども、私たちは、その考え方を全部否定はしませんよ。否定はしませんけれども、しかし先ほど言いましたように、治山の予算を農林省関係一とすれば大体一・六八が正しい砂防の予算の全体の数字だと、こう考えておりまする私たちといたしましては、この緊急砂防の予算を前出しをしたから、あとの予算は残った予算の中から来年度予算というものは作られていくんだ、また再来年度の予算も作られていくんだという考え方は、これは一つ考え直してもらいたい。そうでないと、もう現に県あたりの陳情を見て見ますると、緊急砂防の予算を出したために、来年度の予算、再来年度の予算というものが非常に残り少なくなりて、既定の、今までの計画の中に入れたところの砂防予算というものが非常に少なくなって、施行ができないような個所がたくさん出てきたということを訴えできている県がたくさんあるのです。だから、緊急はどこまでも緊急であり、しかもまた、その崩壊地が今まで予定しておったところが崩壊したか、あるいはまたそのほかのところが崩壊をしたか、これはまた現地の状況による問題でありまするから、十カ年計画の中に予定しておったところが崩壊をしておらない、その他のところが崩壊しているところに緊急砂防というものがなされているわけですからして、残りが非常に少なくなっているという現状を見詰めて、そうして来年度の予算計画をひと?やっていただきたい、この点はどうですか。
○説明員(宮崎仁君) ことしのように相当大きな災害発生がございますと、御指摘のような問題が生じてくるかと思います。治山十カ年計画あるいは治水十カ年計画の建前は、こういった当面の発生災害は繰り上げ工事として考えるということで、理論的にも、そういうふうに説明がつくようになっておりますが、それを変えるということも、なかなか困難であろうかと思いますけれども、もともとこの十カ年計画そのものの実施にあたりましても、災害の発生状況等考慮しながら弾力的にやるという建前で参りました。そういう意味では、河川のほうで問題があるかもしれません。あるいは最近の大阪の高潮対策の問題なども、いろいろ議論になっていることは御承知のとおりであります。私どもはもちろんこの計画に忠実にということを、まず第一原則として考えるわけであります。 しかし災害の発生というものは、なかなか予測できないような問題も生じて参りますので、これはこれとして、いろいろ織り込んで参りたい、こういうふうに考えております。
○田中一君 二つだけ伺います。 先ほど内村委員から質問があった同じ渓流に前後して農林砂防、あるいは河川砂防、両方あるという場合、これは判断は、どういう工合に判断されるのですか。私どもも見てきておりますけれども、一つや二つの例外じゃないのです。計画的にそれがなされていないということですね。それは昭和三年、四年の旧憲法時代の申し合せにももとるし、それからそういう現実というものに対しては、どういう批判をするかということです。それも古い歴史のあるものじゃないのです。最近のものなんですね。これは行管のほう並びに大蔵省としては、どういう判断をするか。今後そういう行き方に対しては、どういう態度をもって臨むかという点を、ひとつ最初に行管、大蔵両方から伺いたい。
○説明員(宮崎仁君) 砂防の堰堤の上流、下流に治山の堰堤があるということは、私も実は今まで、あまりそういったことはお聞きしたことはないのでございます。まあどういった事由によって、それができたのかということをよく御説明を聞いた上でないと、軽々にいかぬということは申し上げられないかもしれませんけれども、私が従来からやって参った計画の考え方、あるいは工事の実施にあたっての一つの基準というような点から参りますと、まことに不思議なことであるというふうに感じております。具体的な問題であるようでございますから、あとでお教えを願いまして、よくひとつ私ども勉強したいと思います。
○説明員(原田正君) 私どもの今までの結果の事例というものは、少ないものでございますから、最初に申し上げましたとおり、現在国土総合開発の監察を取りまとめまして、そこにいろんなケースが、同じようなケースが出てくるかもしれません。なお共管競合監察の結果も出てくると思いますから、それらを検討しまして、しっかり考えて参りたい、かように存じておるわけであります。
○田中一君 そういう現象があるのです。御存じないとしたら別ですが、あったとしたら、それに対する判断をどうするかということを伺っているのです。あり得ないということでなくて、あるのです、現に。
○説明員(宮崎仁君) 砂防と治山の具体的な計画にあたりましては、原則は上流が治山、下流が砂防というのが通常の例でございます。それからよくありますケースとしては、一つの渓流について、いずれかの省が担当するというような形のものはよく承知しております。 そういうことで、基本的にはものがきまっておると、こういうふうに考えておりまするけれども、非常に古い時代にやったようなものが、その中に残っておるというような場合が、これはあるかもしれない。しかしものの考え方としまして、やはり一つの区域というものを、あるいは渓流の流域というものを対象にしての治山工事であり、砂防工事であるべきでありますから、ごく局所の防災効果ということであるならば別であろうと思いますけれども、少なくとも一つの渓流の流域として、あるいは一つの区域を守っていくということで工事計画が立てられるのでありますならば、そういった事例が生ずるのは、まことに理解しがたいというふうに言わざるを得ない。災害の直後に緊急にやることでありまするから、いろいろ困難もあるかと思いまするけれども、私の個人的な感じといたしましては、そういったことは、ひとつ早急に改めるべきじゃないかと考えます。
○田中一君 山内河川局長に伺います。鈴鹿の、何だったか、建設省で作った砂防の下流に、ものの十メートルも離れておらぬところに農林砂防ができておる、それは最近のことなんです。ことしは三十六年ですから、昭和三年、四年のあの両省申し合わせ以前のものじゃないのです。ごく最近のものです。こういう事態を河川局長御存じですか。
○説明員(山内一郎君) よく知らぬのです。
○田中一君 知らぬ……、それじゃひとつ来年度の予算の編成にあたっては、宮崎主計官からも言明があり、場合によれば御案内してもいいけれども、御案内するまでもないと思うから、さっそく現地に行ってお調べ願いたい。それも五百メートル、千メートル、あるいは三百メートル程度離れておるものじゃない、十メートル程度しか離れておらないのです。しいて申しますならば、二重投資ではないかというような感さえ受けるような地点にあるわけなんです。農林砂防が建設砂防の下流にあるんですよ。いいですか、上流にあるということは、これは沢等にはあるかもしれませんけれども、山腹に近い所にある場合もあるかもしらぬけれども、私どもが見たところは下流にあるのです、真新しいものが。これはひとつさっそく、予算の編成に大きな問題がありますから、現地に行って調査していただきたい。地点はお知らせいたします。 それからもう一つ、これは宮崎主計官も御承知のように、七百三十億という前期五カ年計画、治水計画のうち五カ年計画の砂防事業というものは、大体、予防砂防的な性格を持っております。防災事業、いわゆる防災というか、治山治水という面から持ってこようという考え方に立っておるのですが、災害の場合は、砂防施設というものの崩壊とか事故というもの、被害というものは割合に少ないわけなんですよ。まあ若干、床留めといいますか、そういう程度のものは、石が飛んだという例はあります、ずっと見て歩いていますけれども。しかし、砂防施設そのものが崩壊するなんということは、私の知っている範囲ではあり得ない。農林砂防が、農林省が行なった砂防が完全に崩壊した例は、今までに五つ六つ見ております。建設省がやっておる砂防は、大きな被害を受けたということは、例を見ておらぬわけです。そこで、したがって災害復旧という形でもってこの砂防事業を見る場合には、これはないということです。 そうなると、緊急砂防という三億あるいは四億程度のものをもって、そうした改良的な予算のつけ方をせざるを得ないと思うのですが、特殊緊急砂防という形にしても、そういう形でなくて、実際に治山治水のもとというものは、砂防施設が先行するのだという前提に立つならば、どうも緊急砂防とか特殊緊急砂防なんという特定なるものをあなた方、大蔵省が予算をつけるための一つの制度として持たなければ、予防砂防的な施設ができないことになると、そういう考え方を捨てていただきたいのです。というのは、緊急砂防とか特殊緊急砂防という名をつけなければ、起債を認められぬ、それから災害関連事業としても認められないというならば、これはもう河川改修の先を行くものとして、この予算づけの理論といいますか、それを考え直していただきたいと思うのです。災害復旧という事業は、その地点の河川崩壊の場合には、河川を、これは当然原形復旧または改良しなければならぬ、と同時に、必ずその上流には、砂防施設というものが不可欠な条件であるという考え方に立っていただきたい。災害復旧というものが、単なる原形復旧——その河川、破堤した堤防なり何なりを直せばいいのだが、なおかつ上流には砂防堰堤を作らなければ、再び災害を受ける危険がある。災害復旧に対する不可欠な条件として砂防を作るのだということでなければならぬ、それが緊急砂防なり特殊緊急砂防という形でもって、それを予算づけをしなければならぬということは、まだ実際の災害復旧なり、あるいは治山治水事業というものに対する考え方が足りないのではないかというように考えるのです。もしもそういう形において、予算がなんであるというのならば、そういうつけ方を反省して変えていただきたい。これは河川局長、どうお考えになりますか、そういう点は。
○説明員(山内一郎君) 災害復旧は、国庫負担法によって現在やっているわけでございますが、砂防施設の災害復旧の考え方につきましては、いろいろ考え方があると思いますが、現在のところは、やはり砂防施設そのものがこわれなければ、負担法の対象にならないではないか、こういうふうに考えております。しかしそれだけではなしに荒廃したところの砂防施設を新しく災害復旧で全然とっていないかどうか、こういう問題につきましては公共土木施設に関連をいたしまして、たとえば道路とか、そういうものに関連をして道路を復旧するのみでは、渓流を何かやっておかなければ、再びやられるのではないか、こういうような範囲までは拡大といいますか、解釈をいたしまして、現在やっているところでございます。 ただいま田中先生の御指摘の点も、相当研究はしたのでございますが、さらに研究をいたしまして、そういう方向に進めたいと考えております。
○田中一君 法律によって事実というものが制約される現象というものは、——治山治水というものが前進しないということはあり得ないですよ、法律を変えればいいですよ。私は解釈の問題じゃなくて、法そのものを現実に即した治山治水の方向に向かわせるのが正しいのだと思うのですよ。解釈だけでやる必要ないですよ。法律を変えなさい、それはもう本年度の災害で、割合にそういう崩壊地が多いものだから、そういう気持に河川局長もなったと思うのだ、僕は。こういうことは、当委員会では十年来このことを主張し続けてきているのです。法律が悪いなら法律を変えなさい、そうすれば大蔵省も、緊急砂防、特殊緊急砂防というややこしい名前をつけなくとも予算づけができると思うのですよ、これは宮崎さん、どう思うか、法律を改正したならばということをお考えになりませんか。
○説明員(宮崎仁君) 砂防事業の本質的な性格論であろうと思います。災害が発生して、事後的に措置をするということにつきましては、現在の公共土木施設国庫負担法によるいわゆる災害復旧、それから砂防や治山の事業を実施するという、いわゆる防災的といいますか、防災的な支出もございます。 そこで、これを法律的にも予算的にも、どういう制度にいくのが一番合理的かということは、いろいろ問題があるかと思います。災害復旧という形で、それを中心にものを考えて参るということになりますると、やはり事前に、予防的に措置をするという防災という面の重点というものが、どうしてもこれは若干後退するということはやむを得ぬかと考えます。実はこの治山治水十カ年計画というものを作るという国会あるいは政府機関の強い御意見もございまして、私どもも賛成をいたしてやったわけでありますけれども、その際にも、私、これは個人的な意見でございますけれども、はたしてこういったものについて、そういう長期の計画というものを具体的に確実にきめてしまうということがいいのか悪いのかという問題は、非常に私は問題があるというふうに感じたわけであります。 そこで、河川審議会の幹事会などにおきましても、具体的な災害の発生に備えて相当の弾力性を持つべきである、そうでなければ、実際には十カ年計画というものは、おそらく守れないだろうということを申し上げたこともあるくらいでありまするが、ただいま御指摘の問題につきましても見方を変えて、たとえば事後的な処理を中心に考えるということになりますれば、それはそれとしての制度もあろうかと思います。しかし私は、今の砂防が直面している問題は、それは災害が非常に大きい際に、これに早急手当をするということも非常に大事でありますけれども、やはりそれよりも、もっと積極的に予防的な面あるいは崩壊地のある面に事前に手を打っていくということに進んでいかなければ、これはなかなか災害の発生というものを少なくしていくわけにいかないというふうに感じておるわけであります。 したがいまして、そういうようなことを重点に、今十カ年計画ができ、さらに予算もそれに応じて組まれていくという形で考えて参りますると、当年度の災害が発生したということに対しては手当をして参る、これはいわゆる計画どおりに計画の個所に予算をつけていくということとは別でございますから、やはりそこに何らかの制度があって、そうして緊急に対処していく。それについては予備費も出せば補正予算も組むというようなやり方で事態に即応した手を打つ。こういうことが必要であろうかと思います。 そういう際に問題になりまするのは、ただいま御指摘もございましたが、起債の問題であります。起債というものは、もらえばよろしいというような地方公共団体の御意見もたまに聞くわけでありますけれども、これは決して、そういうものではないと私は考えております。こういった防災事業のようなものは、効果があると申しましても、本来地方の財政にそう収入の増加をもたらすようなものではないわけでありますから、やはり地方財政上は、本来の基準財政需要によって、その負担をまかなっていくという形で考えるべきでありまして、私どもが、この数年にわたりまして、地方の起債というものを相当制限をして、それをむしろ普通の基準財政需要に繰り入れてみていこうという自治省の方針に同調して参りましたのは、そういうことにほかならないのであります。したがって一般的に治水事業のようなものに起債をどんどん認めるというようなことはいたすべきではないと、こういうふうに考えております。ただ緊急に起こるような需要につきましては、その年度に急に税収入をふやすわけにも参りません。また、それを特別交付税で負担をみてやるといいましても、このほうも限度があるわけであります。そういう点から見まして、こういった災害的なものにつきましての起債制度というものが例外的にあるわけであります。したがって今の特殊、緊急治山といいましても、これはそういった必要が非常に高い場合に、起債の充当度を上げていこうということでありまして、こういった起債は、できることならばないほうがいいわけであります。しかし緊急事情やむを得ないわけでありますから、したがってその起債の元利償還につきましては、さらに交付税上の作業をするということによって、これの手当をしておるわけであります。現在元利償還金は五七%を織り込んでおりますが、この五七%が適正かどうかということにつきましても、私どもの中でもいろいろ議論がありまして、自治省方面にも、もう少し起債のワクを考えてはどうかということを昨年からいろいろの機会に申し上げておる次第であります。 そういうことでありまして、私は必ずしも現在の予算の組み方、起債のやり方というものが、これはいいとは申し上げませんけれども、相当、制度として考えられたものであって、決して、そういう意味でこれはいかぬというほどに言うべきものではないのじゃないか。今後の問題として、いろいろ研究すべきものもございます。ひとつ、御高説を拝聴しながら私どもが直していきたい、こういうふうに考えております。
○田中一君 どうも、すり変えて答弁をしておるようですが、実際起債の問題は、農林砂防には起債を許しておるが、一般砂防には起債を許さぬというのが、今日の現状であります。で、なるほど砂防施設の場合はですよ、いいですか、河川の場合は河川災害があって、十カ年計画外の予算でもって、そういう処理ができるのですが、またその場合には必ず単なる原形復旧という形でなく、改良も含めなければならぬというところから、道路費でもって河川を補修したり、ある場合には改良費を加えて——道路の改良費なんです。単なる原形復旧だけでは災害を守れるものではないんです。けれども、砂防施設そのものは、今河川局長の言っているように、災害がない。したがって災害によって七百三十億という前期五カ年のワクでもって押えられたものなんです。今宮崎君が言っているように、それが十カ年計画なんていうものが、そのまま十カ年でおさまるものかどうかという疑問は私も同感です。確かに同感です、実際。しかし砂防施設というものがなければ、再び災害があるんだということを認めるならば、もうすべて河川の改良あるいは災害復旧というものは砂防施設と不可分——砂防施設と国庫補助による復旧というものは、河川施設というものは不可分のものだという前提に立つならば、これは予防の意味も含めた——予防の意味も半分くらい含まります。含まった復旧工事になると思うんですよ。そういう考えが立たないかということを言っているんです。で、起債の問題は、あなたが言っているとおり、確かに健全財政というものを主に考える場合ならば、それも一応お役人が考える形としてはいいでしょう。しかし国民としては、それじゃあたまらぬ。その思想というものは、災害待ちの思想なんですよ。災害があれば何とかしようじゃないかということなんです。われわれは災害をなくするために、こうしなくちゃならぬじゃないかということを言っているんです。 だからこいつはまあ長い議論になりますから、今御答弁をいただかぬでもいいんですが、この砂防の施設を、七百三十億という予算額が二年ないし二年半くらいで繰り上げて施行せられなければならぬということは、建設大臣も河川局長も、かつて言明したことがあるんです。これは主計局としては、万やむを得ないという予算づけをするつもりですね、三十七年度の予算から。予防砂防的な役割を持ち、かつまた災害復旧というものは、そのものずばりの復旧ということになるならば、その上流に再び崩壊が起きないように、また起きても、土砂の流出がとめられるようにという形の砂防施設を同じ災害復旧事業の不可分の施設として認めるという考えに立つつもりですか、三十七年度の予算づけから。だから七百三十億というものが五カ年に一なってきますと、まあ一年過ぎましたから四カ年ですね、これをあと二年ないし三年で使い切ってしまう、使い一切ってしまわなければ、再び災害を受けるんだという考え方に立ちません一か。建設大臣は、そういう言明を当委員会でしております。
○説明員(宮崎仁君) 治山治水の十カ年計画をもっと繰り上げて早期に完成するように実施してはどうかということは、建設省のほうから三十七年度予算要求の際に、十分御説明を伺っております。 これは、こういった公共投資全体の問題としましても、現在日本の公共投資の水準が皆低いものでありますから、道路しかり、港湾しかり、その他の事業につきましても、みな計画のあるものは計画の繰り上げ、あるいはその事業の増加を要望されておるわけであります。私も公共事業の担当を長くやっておりますので、それぞれの事情も、十分拝聴いたしております。できるだけそういう方向にしてあげたいという気持は、十分持っておるわけであります。 しかし御承知のように、また財政全体の規模の問題もございます。また来年度の予算の編成の基本的な考え方も、こういう問題には大きく影響するかと思います。そういう点で、今いろいろ三十七年度予算の問題として検討をいたしておるわけであります。そうするかとおっしゃいましても、それはいたしますというふうなことは申し上げられないことは残念でございますが、ただいまの御意見も、十分腹の底に入れまして、今後検討していきたいと思います。
○内村清次君 それでは開発局長に一つ。 私が、村上委員とそれから西川委員と水資源関係で調査したことは、先ほど報告書に書いた通りです。そこで実感といたしましては、企画庁の方からも、優秀な参事官もきていただいたわけで、よく現地の状況は見聞された通りですが、ただ問題は、今非常に現地関係で関心を持っておりますることは、一体あの法律ができて、基本計画というものがいつごろできるものであろうか。あるいはまた公団の発足というものが、いつごろであろうかと、そうして公団の実施計画というものがいつごろできるものであろうかと、そういった時期に対して非常に関心を持っておるわけですね。この点につきまして、ひとつ企画庁の方でお考えになっておるところの各時期の点を一つ、それからまあ今までの経過ですね。法律となりました後の経過、この点について、ひとつ御説明願いたい。
○説明員(曾田忠君) お答えいたします。水資源関係両案の法律が成立いたしまして、とりあえず私どもといたしまして急いでおる問題は、審議会の設置でございます。審議会令は先般制定されておりますが、現在各関係省にお願いいたしまして、審議会委員の候補者の御推薦をお願いしているところでございます。間もなく各省から御推薦があると思っておりますが、できれば年内にでも一回程度は審議会を開きたいという考えでおります。 問題はいろいろだくさんございますが、まず第一に、基本計画の策定というのが一つの大きな今後の問題でございますが、率直に申し上げまして、利根川あるいは淀川といいますものの全体につきましての基本計画といいますのは、実は早急には策定は困難であると考えております。たとえば利根川につきましても、一応の水の需給の見通しというのは、なかなか意見の相違もあるのでございますが、それに関係いたしまして、ダムあるいは水路、あるいは河口堰、そういうものの建設をやる、といいますものの、一応現在までの訓育が完了しております限りは、完了に近い程度のものにつきましては、一応基本計画にとりあえず入れますけれども、それ以外の計画も、いろいろ現在検討されつつありますが、そういうものは、相当時期がおくれるのではないかというふうに考えております。同じように淀川におきましても、現在淀川の水資源開発の一番大きな問題は、琵琶湖の開発でございますけれども、これも御承知のように、今後、なお慎重に調査をここ数年の問続けなければ、結論が出ないのじゃないかというふうに考えておりまして、とりあえず基本計画といたしまして策定さるべきものは、いわゆる高山ダムとか淀川の河口堰そういうものがとりあえずの課題とされるのではないかというふうに考えております。 したがいまして、そういう手順を踏みまして、基本計画を作りまして、その中で水資源開発公団の行なうべき事業を入れるわけでございまして、大体来年の三月ごろを目標に、第一次の基本計画を作り、またその内容に公団の行なうべき事業を入れていきたい。したがいまして、経済企画庁といたしましては、現在の段階におきましては、公団の設立は、大体四月一日というふうに一応目安をおいております。なお設立の前におきましても、設立委員の任命等の手続がございますので、そういう関係は、三月ごろから始めたいというふうに、今現在考えております。
○内村清次君 そうすると、公団の発足以前に、この促進法にある審議会を作り、そして審議会の儀を経て、そうして基本計画というものを作る、こういった作業がなされていく。そうすると、公団の発足は四月一日からたといしたといたしましても、まだその後まで基本計画というものは十分な形で作成はやっぱり困難であろうというような見通しですね。
○説明員(曾田忠君) 先ほど申し上げましたように、利根川全体あるいは淀川全体の開発基本計画というものを完全に早急に作ることは、現段階においては、まず不可能ではないかと考えております。特に淀川につきましては、先ほどお話がありますように、相当まだ基本調査も残っておりますし、あと数年は、いろんな調査が必要ではないか。したがいまして、現在計画のできる範囲内におきまして、とりあえず第一次のといいますか、そういう基本計画を作って参りたい。それの中におきまして公団の行なう事業を入れたいというふうに考えております。
○内村清次君 河川局長、実は報告書にも書いてありますように滋賀県といたしましては、その前提として天ケ瀬ダムの補償の問題と政府は十分に取り組んで、そうして滋賀県民が政府の施策は、この天ケ瀬ダムの補償によって、安心をして第二段階の一番大きな水資源の問題に取り組んでも、政府を信用していかれるじゃないかというようなことで、天ケ瀬ダムの問題に非常な注目をしておるという現状を私たちは聞いてきたわけですけれども、現地も見て参ったのですが、もうすでに天ケ瀬ダムのほうは、相当の進捗を見ておる、見ておるにかかわらず、補償の問題は一向に結論が出されておらないというような状態は、それでよろしいのですかどうですか。
○説明員(山内一郎君) 琵琶湖の開発につきまして、まず調査を現在やっておりますが、そのやることにつきまして、天ケ瀬ダムの補償の成り行きということを現在滋賀県の方々が非常に注目をされて見ておられることは私も聞いております。 したがって、慎重に天ケ瀬ダムの補償の解決をしたいと思いますが、いろいろ交渉しておりまして、まずダムの着工はよろしいというところまで進んで、現在着工いたしております。したがって、補償関係も、ダムの着工を見るまでには、相当程度進んでおりますが、なおわずか残されておるところがある。その点につきましては、先ほど申し上げましたように、琵琶湖の開発にも関係をいたしますので、慎重にでできるだけ県の方々の御要望にこたえるように、そういうふうに極力受け入れ態勢並びに今後の補償をできるだけ出すように、こういうような努力をしておる最中でございます。
○内村清次君 そこで県知事なり県会議長が発言する要点を聞いておりますと、天ケ瀬ダムに対して全体的な予算は、これはまあ年度、使っておることですから——工事費を出しておることですから、予算計画は、これは国家予算として計画をされて、数字も出ておることだろうと私たちは推定いたしておりまするけれども、しかし補償を含めた予算額という問題は、まだ建設省の方では確実にきめておりませんですかどうですか。
○説明員(山内一郎君) 工事を始める前には、一応補償額というものを予算の中に入れて着工はいたしております。しかしその範囲内で、どうしても地元の御要望にこたえられない、こういう場合には、やはり計画も変更いたしまして、円満に解決をしたい、こういうふうに考えております。
○内村清次君 予算額を知りたいというのが、そういった関係で、しかもまた円満にこの問題を施行していきたいというような知事や議長の意見のようですから、との点はひとつ、聞きおいていただきたいと思いますね。 それからこれは建設省のほうに聞くのか知りませんが、琵琶湖の狭隘地点であるところの堅田付近で、上湖下湖を締め切るのだという計画案があるというような話が相当県民及びまたその琵琶湖の周辺の住民に対して、大きな反響を呼んでいるのですが、それは事実ですかどうですか。
○説明員(山内一郎君) 琵琶湖の開発につきまして、何か原案がなければやはり地元とのお話もできませんので、原案の一つとして、そういう案を現在出しております。しかしその案につきまして、いろいろ地元の御意見も聞きますし、なお、さらにその案に基づく調査というものを現在続行中でございます。したがって、それらの結果を見ましたあと、そういう計画がはっきり確定をしていく、そういう確定をしていくための途中の段階の一つの案ということで出しております。
○内村清次君 その調査したのちにおいて確定をしていくということはわかりますけれども、ただ締め切るんだということだけが、非常な影響を及ぼしておるのですね。ただ、そういって事実が、どの局長のときに発言されたか知りませんけれども、その影響の度合いを、やはり建設省というものは調査する必要がありはせぬかと思うのですね。特に、こういった琵琶湖の水を下流地域に取るということ自体についても、相当の衝撃があるにかかわらず、琵琶湖を上湖下湖、ひとつ締め切るのだというようなことになってくると、前提として非常な悪影響が——私は決していい影響ではなくて、悪影響がなされておるというような風聞を私は聞いてきたんですけれどもね。案として、筋道として調査中というようなことはいいのだけれども、調査中ならば、なるだけそうやった影響するような問題はふせて、そして県民には、いい影響を与えるようなことにしていかないと、大きな問題に際会して、私は非常に建設省は不利な立場になりはせぬかと、こう思うのですが、その点は、関係下部機関に対しましては、どういうような指示をしておられますか。
○説明員(山内一郎君) ある非常に大きな計画を進めて参る場合に、どこかの段階ではやはり計画の素案といいますか、それを出す必要があると思います。したがって、琵琶湖全体を湖面低下をするということは、もうこれは徹底的な打撃を与えられると思いますので、全部を下げるということはとうてい望めない、こういうような前提のもとにいろいろ構想として考えましたのは、やはり二つに分けまして、一つのほうは従来どおりの湖として使う、一つのほうはその水を利用する、こういうようなことになって参るかと思います。したがって、いずれかは出しまして、その出した反響、あるいはそれに基づく御要望と、こういうものをやって参るのが私は順序ではないかと思いますが、そういうような意味で素案というものが一応建設局から協議会でございますか、そこで御説明をいたした、こういうように私は聞いております。
○内村清次君 次に、地盤沈下の問題は今度は法案を出しますか、どうですか、対策としましては。
○説明員(山内一郎君) 地盤沈下のどういう法案の内容か御質問をお願いしたいと思います。
○内村清次君 地盤沈下の一番原因は地下水のくみ上げだというデータが、これは相当以前から大阪府はとっておるのですね。大阪市もそのとおりですが、九九・九%までは地下水のくみ上げだという断定をもうしておるわけですね。そうすると、地下水に対してその使用の規制その他が必要になってくる。この規制をするところの地盤沈下の対策の法律というものが非常に要望されておる。この点は先般建設省であなたも同席されましたか、大臣の新聞言明では、そこで議せられたところの要点は、ずっと新聞発表しておるようですけれども、地盤対策上の規制法というような法律の点はまだ言明がなかったように私は見受けておるのですけれども、建設省では何とか考えておりますか、どうですか。
○説明員(山内一郎君) ビル用水のくみ上げの規制の法律のことでございますが、これは住宅局で所管をいたしております。しかし話を聞きますと、次の通常国会に出すような準備をされつつあると、こういうふうに聞いております。
○内村清次君 それから道路局長に。京阪神の高速度道路の公団設置の要望が非常に強かったわけですが、道路局としてはどういうお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(河北正治君) 阪神高速度道路公団の設立に関する御質問だと思いますが、それも都市局の方で準備いたしておりますが、やはり建設省でも、先生の言われておるとおりに、この要望が強かったので、都市局の方でその実現に鋭意努力されておるという工合に承知いたしております。
○小平芳平君 時間も大へん経過しておりますから、簡単に結論だけお答え願えたらよろしいのですが、前国会では災害対策の特別委員会が設けられて、全国的な災害対策が種々論議されて、その具体的な復旧対策も立てられたわけでありますが、私どもが視察に参りましてそれから先ほど御報告いたしました大分県下の災害は、ちょうどその国会が閉会まぎわのときでありまして、それから国会が閉会になって、それ以後どのような政府としての対策が立てられておるか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(山内一郎君) 今年度は非常に大災害が続きまして、六月から十月上旬までの激甚な災害につきましては、特別措置法をすでにおきめ願ったわけでありますが、大分県下の十月下旬のやつは入らなかったのでございますが、現在、その特別措置法に入れるように、あるいは改正といいますか、そういうことを準備をいたしております。これは次の通常国会で提出をしたい、こういうふうに考えております。
○小平芳平君 次の通常国会という程度で、もう少し具体的な見通しは立ちませんですか。
○説明員(山内一郎君) 時期の見通しといたしましては、現在も極力準備をいたしておりますので、国会が始まればさっそく提出をするつもりで現在やっております。
○小平芳平君 それから、すでに現地についてもいろいろ建設省自体としても検討されておられることと思いますが、今回の災害の特徴として、非常に県工事あるいは町村工事というような、そういう小河川のはんらんによる小災害が非常に多いわけでありますが、そういう点について、普通の台風の災害対策と違った特別の対策を考えられておりますかどうですか、その点について伺いたい。
○説明員(山内一郎君) 今回被害を受けました小河川につきましては、これは災害関連事業あるいは助成事業、そういうような改良復旧といいますか、そういうほうに重点を置いて現在査定をいたしております。しかしことしの災害をずっと見て参りますると、中小河川の改修が非常におくれておる。こういう点にかんがみまして来年度の治水事業の要求の重点事項の一つといたしまして中小河川の改修の促進をするということで、現在大蔵省当局と折衝を極力やっておる段階でございます。
○小平芳平君 その関連事業としてあるいはまた改良復旧工事を進めて参るという点を、大いに進めていっていただかなければならないと、つくづく思ったわけですが、またそのように報告書にも御報告しておるわけであります。で、まあ、私大分県の地理に非常に暗いものですから——委員長は非常に詳しいわけですが、具体的に申し上げかねる点もあるわけですが、たとえば橋にしましても河川管理の上から木の橋では非常によくない。あるいは潜水橋というちょっと水が出ると水をかぶって、そこが通行できないというような、そういう橋が相当ありまして、それがまた相当な、橋自体も被害を受けておるし、そのためにまた水がはんらんして災害を大きくしたというような実情にあるわけですが、そういう点は相当大幅な改良復旧を認めていただかなければならない。そういう水にもぐるような橋は一切——一切というわけにはすぐ参らないかもしれませんが、抜水橋といっておる普通の橋にかえっていかなければならない。そういうような点についてはいかがですか。
○説明員(山内一郎君) 木橋あるいは潜水橋はただいま御指摘のとおりでございまして、これは災害を受けました場合に、今後の対策としてどうしても永久橋にしたい、こういうつもりでやっております。ただ災害復旧で全部やれる場合も、現在の国庫負担法でもございますし、あるいは災害関連を一緒にやる、あるいは各道路の改良事業の費用を合併するとか、ともかくいろいろな形で工夫をいたしまして、ともかく復旧する場合には、御指摘のような線に十分沿ってやるように、こういうふうに努力をしております。
○委員長(後藤義隆君) 他に御質疑がございませんか。——他に御質疑もないようでございますから、本日の調査はこの程度にいたしたいと存じます。 これにて散会いたします。 午後一時一分散会 —————・—————