決算委員会 第2号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/25
会議録
○委員長(岸田幸雄君) これより決算委員会を開会いたします。 理事の辞任許可並びに補欠互選に関する件についてお諮りいたします。 仲原君から都合により理事を辞したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。
○委員長(岸田幸雄君) これより理事の補欠互選を行ないたいと存じます。現在当委員会においては、委員の変更に伴う理事の欠員は、ただいまの辞任許可により二名の理事が欠員となりましたが、この互選の方法は成規の手続を省略いたしまして、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。 それでは私より林田正治君、北條雋八君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(岸田幸雄君) 次に小委員の補欠互選の件についてお諮りいたします。 北條君の委員変更に伴い、決算の提出手続及び審査方針に関する小委員、虎の門公園地に関する小委員がそれぞれ一名欠員となっておりまするので、この際その補欠互選を行ないたいと存じまするが、この互選の方法は便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、私よりそれぞれの小委員に北北條雋八君を指名いたします。 なお今後小委員の欠員に伴う補欠万選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。 —————————————
○委員長(岸田幸雄君) 昭和三十四年度決算外三件を一括議題といたします。 本件については五月十五日の当委員会でいずれも概要説明を聴取しておりますので、本日は総括質疑を行ないます。 質疑の通告がございまするので、順次発言を許します。
○相澤重明君 総括質疑にあたりまして一言申し上げたいのでありますが、それは委員長理事打合会で各会派のそれぞれお話し合いをお互いにしまして、本日は特に総括質疑でありますから総理大臣初め関係大臣の出席を要求しておったのでありますが、時間の関係も若干あったかと思いますが、大臣の出席できないのをまことに遺憾とするものであります。いずれあとで池田総理が出席をいたしましてから、池田総理に対する政治の姿勢については私からまたとくと話をしたいと思いますので、それはあとに譲りますが、少なくとも衆参両院が構成されておって参議院が軽視をされるような姿というものは好ましくない。こういう点については常に本院として政府には警告を発しておる。でありますから今後は関係大臣は必ず総括質疑には出席をするように、委員長にも一つ特段の御留意をいただきたいと思うのです。 ただいまより昭和三十四年度決算の一般質疑に入るわけでありますが、特に私から大蔵大臣並びに会計検査院長に最初お尋ねをいたしたいと思うのであります。 昭和三十四年度の決算におきまして問題になるのは、翌年度に繰り越した額が非常に多い。それから不用額というものも一体どうしてこういう不用額が出るのか。これは予備費流用の場合、あるいは私どもが常に決算にあたって、国民の血税というものはなるべく効率的運用ということをはからなければならぬ、予算の執行というものは政府にまかされておるのであるから、そのことはやはり国民の立場に立って予算の執行を行なってもらわなくちゃならぬ、こういうことは常に本院で指摘されておることであります。ついてはいま一度大蔵大臣から昭和三十四年度のこのあなたが御説明になったいわゆる翌年度に繰り越した額、それに対する大きな理由は何か。そして億以上の単位にわたる問題について私はやはり御説明を願わなければならぬと思う。それから不用額についても若干の説明はあっても、これだけの説明では、一体不用額というもの、これだけの七十八億余にわたる不用額というものは、一体何だ、一方においては予備費の流用ということを常に本院に提案されておりながら、不用額というものが大きく出ている。こういう点を財政法上の問題点として私どもは毎年毎年決算のたびに政府にこういうことが少なくなるようにという要請をしておったのでありますが、それらに対する政府の態度を御説明していただきたい。 それから会計検査院長には、本事案として会計検査院が指摘しておるこの事案について、暦年度調査してみると確かに不正不当事項というものは、減少しつつあると思う。特に三十四年度は好景気という面もあってその点はたいへんよかったと思うのですが、内容的に見るとむしろ悪質なものがあるように思う。会計検査院としては、全般に調査した件数と指摘された中に出されておらない件数というものはどのくらいであるか。私どもが見ると、まさにこれは指摘されている事項は氷山の一角にすぎない、こういうふうに思うのですが、その摘出された件数というものを御説明していただきたい。そうしてその中で、この会計検査院から指摘されている不正不当事項というものは、どうしたら一体なくなるか、会計検査院としては各省に対する注意もされているのでありますが、それらについての会計検査院が単に政府なり各省庁に対して是正の措置を講ずるよう、に言っても、毎年々々繰り返し行なわれておることについては、これはこのままではいかぬという気持になっていると思う。したがってどうしたら抜本的に不正不当の使用というものはなくなるか、あるいはこうした事案というものは本質的になくなっていくのかということを会計検査院長として御答弁をいただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和三十四年度の一般会計における歳出予算の翌年度への繰越額は三百四十一億円でございまして、三十三年度繰越額が二百四十八億円でございますので、三十四年度の繰越額の方が九十三億円くらい増加したことになっております。 でこの繰り越しについての区分を申しますと、防衛支出金で三十三億五千万、防衛庁の経費で七十億二千八百万、公共事業費で五十九億四千万、官庁営繕費で九億九千五百万、住宅施設費で十二億七千九百万、公務員宿舎の施設費で一億六千二百万、その他が百五十三億八千二百万という数字になっております。 で昨年との比較をしてみますというと、防衛支出金は昨年は三十八億でございましたから、三十四年度は四億五千万以上繰り越しが減っております。それから防衛庁の経費も三十四年度の七十億円は、その前年度の七十五億円に対して五億円減っております。公務員宿舎の施設費はやはり前年度よりも繰り越しは減っておるという形でございますが、その他の部門が一番繰り越しはふえたということになっておりますが、この原因は特に三十四年度に増加したというわけではございませんので、毎年のこの予算規模に対する繰越額の推移を見ますというと、昭和三十年が三・五%、三十一年が三・九%、三十二年が二・五%というふうに、毎年予算に対する繰り越額は比率が低くなって、三十四年度は二・二%ということでございますので、そういう意味におきましては、繰越額が少なくて、できるだけ予算を効率的に使用するという方向へはいっておりますが、御承知のように、予算は当初必要と思ってきめましても、たとえば防衛関係で申しますと、外国から供与するものの引き渡しあるいは艦船の設計というようなものに不測の日数を要したり、あるいは設計変更があったり、事業遂行に伴う補償額の決定が非常に長引く、あるいは用地の買収が当初の予定どおりいかなくて先に延びるというような、もっぱらそういう事情でどうしても当初計画どおりになかなか進行しないというのがおもな理由でございます。 それから不用額のほうは、これも従来からの推移を見ますというと、たとえば昭和三十年度を見ますと、予算の不用額は二百二十七億円ございました。三十一年度が百四十二億円、三十二年度が九十四億円、三十三年度が八十一億円、三十四年度が七十八億円ということでございまして、予算の全額に対する割合は二%くらいからだんだんに落ちて、三十四年度は予算に対して〇・五%の不用額を出しているということで、これもまた不用額の出方としましては年々減って、三十年度あたりに比べれば比率としては四分の一に減ってきておるということでございまして、やはり予算の効率的使用という面から見ましたら、漸次改善されているということはいえると思いますが、三十四年度に出ました七十八億二百七十万九千円というもので、おもなものを申し上げますと、総理府所管で、一時恩給受給者が予定よりも少なかったというために文官恩給費で五億五千百万ばかり不用の金が出ました。また、防衛庁の経費で航空機の購入費が当初の予定よりも少なかった、価格が予定価格よりも少なく済んだというようなことで二億七千万の不用額が出ましたし、また、大蔵省の証券発行額が予定よりも少なかったために割引差額を要することが少ないというようなこと、国債利子の支払いが予定よりも少なかったというようことで、国債整理基金特別会計の繰入額が不用となったものが六億四千六百万というようなところが不用額のおもなものでございまして、他は非常に小さい項目になるのでございますが、大体ある程度のこういう不用額の出ることは避けられないことでありますが、傾向としては年々改善されていっているつもりでございます。
○会計検査院長(芥川治君) お答えいたします。 ただいま御質疑のありました不正不当が減少しているが、全般的にどのくらいの照会をしておるかという御質問でございますが、第一点につきましては、検査報告に掲載いたしましたのは二百九十二件でございまするが、金額にいたしまして十二億九千万円と三十四年度はなっております。そのほかに六千余件照会を出しておりますが、これらは軽微に属する事項でありますので、検査報告には掲記いたしておらないのでございます。 それから、どうしたらよくなるか、抜本的云々の御質問でございますが、これにつきましては年々によくはなってきておると思うのでありまするが、先ほどもお話がありましたように、必ずしも部分的にはよくなってない面も出てくるわけであります。検査院としましては、たえず会計経理の指導を十分やると同時に、機会あるごとに関係各省の責任者の方々に御努力をお願いし、そうして不当経理の発生を根本から除去するようにわれわれとしても努力して参ってきておるわけでございます。今後とも全力をあげまして、不正不当の減少にわれわれとしても努力して参りたいと存ずる次第でございます。
○相澤重明君 大蔵大臣。大蔵大臣が今言った繰越額、それから不用額、これはパーセンテージからいけば年々減っておる、こういう趣旨でありますが、私の言っておるのは、少なくとも国民のいわゆる血税がいかに執行されるかということは、これは国会にとっては非常に大きな関心事であるわけです。したがって、国民に対する責任の度合いからいってやはり急のものでなければ予算化する必要はないわけですから、しかも、当初予算で足りないものを補正で組む、あるいは予備費の流用をはかる、こういう点からいけば、今までのあなたのほうで出された予備費の流用あるいは補正、私どもに提案をしている内容からいって、私はこの繰越額や不用額というものは、そういう観点からいけば多過ぎる、こういっているんです。だからパーセンテージの云々ということになれば、これは一兆億の予算の場合と二兆億の予算の場合と、今日のような事情でくればこれはもうたいへん違ってくることは明らかである。そういうことでなく、われわれが国民の血税というものをどういうふうに効率的に使用するかということは、国会議員としての任務がある。特にその予算を提案をする内閣としての責任というものはきわめて重大である。そういう点からいって私は申し上げたのでありますが、さらにいま少し突っ込んで、それでは昨年度と比較をして確かに総額については減ったということも、私は先ほど申し上げたとおりでいいと思うのですが、その他の百五十三億というものについては一体どういうことなんですか。これはあまりにも款項目の使途というものから本来考えていけば、こういうその他という項目にしわ寄せをすることは、国家財政上から私は面白くない、こういう見解を持つわけです。ですからどうして大蔵大臣はその他の項目にこうした多額の資金というものをしわ寄せをしたのか、こういう点を将来直す気があるのか、それともこれはやはりもう予算が増大すれば当然こういうふうに歴年その他の項目がふえていく、こういう考えになるのか。これは大蔵大臣の予算編成上の問題と関係をしてくることで、きわめて重大であるから、今すぐその内容を御答弁をいただきたい。 それから会計検査院長には、全体として六千件以上、まあ私どもはもっとあると思うのですが、私どもが知る範囲ではまだこれは実は会計検査院が手の届かぬところがあるわけなんです。私どもが現地調査をしてみるとまだいろいろ問題が出てくる。そういう点からいけば、今の会計検査院の指摘事項というものも、私は氷山の一角ではないか、その中で摘出をしてそうして検査をした結果がいわゆる不正不当と認められたものがあなたのほうで特に二百何件というものが掲上されておるわけです。そうすると、会計検査院というもののあり方が問題になる。今、本院でも私ども専門的に法律的にも、また国会運営の立場からも決算審査に当たるということで現在小委員会を持って検討中なんです。これはあとで池田総理にも私はその点はなお政府の考えをただしたいと思うのだが、会計検査院としては明治時代、いわゆる欽定憲法の時代の会計検査のあり方と、戦後のいわゆるこの平和憲法といわれる現憲法のもとにおける会計検査のあり方とは若干違うわけですね。そうすると、何か政府の予算執行にあたっての会計検査院の指摘すること自体がちゅうちょされるのではないかという心配がありはしないか。あるいはそういうことを今度はこれはいけないことだと、こういうことは直したほうがいいということで会計検査院が各省庁に意見を出されても、そのことが実力を持っている内閣とは違う、こういうことで会計検査院がたいへん苦しむ立場にありはしないか。そういうことで歴年の不正不当事項というものがなかなか根本的に消えないというようなことが内容的にあるのではないか。こういう点で私どもは毎年この決算をやってみると、常に文句だけ言っているように、まるで文句を言いっぱなし、実際は毎年々々同じようなことが繰り返される。これであっては決算というものの立場から私は正しいあり方ではないと、こう思う。したがって会計検査院としてもそういうことをお考えになっていると私は思うので、その点の御意見も出してもらいたい。 それから今、大蔵大臣がこの繰越額と不用額についての説明をされたけれども、大蔵大臣に質問をしたように、このいわゆる繰越額あるいは不用額の内容についても、特にこの不用額のその他の項についても少し額が多過ぎる、私は繰越額についてもそのとうりだと思う。したがって会計検査院から考えた場合には一体どうなのか、あなたの場合はどう思う、こういう点も大蔵大臣の答弁のあとひとつ御答弁してもらいたい。
○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、たとえば防衛支出金で見ますというと、駐留軍との交渉に不測の日数を要したというようなことが大きい例になっておりますが、これは外との交渉の問題でございまして、これが意外におくれたということから年度内に予定した工事が全部完成できなかったというような問題がございますし、公共事業費におきましても施設用地の問題で手間取ったというようなこと、こういうことから補償額の決定がおくれて、予定したものの支出ができなかったといったようなことがございますので、これらは今後十分予算が決定したら予算の決定したとうりの進捗ができるように、私どもは極力これは努力したいと思います。 で、私どもは割合にこの会計検査院のいろいろな報告は、予算編成のときはけっこう生かしているつもりでございます。で、指摘された事項については特に予算編成のときは気をつけて、一たん必要と思ってきめたがそれがそうでなかったというような問題が起きましたときには、次にはその項目に一いて特に厳格な査定をやるというような習慣になっておりますので、この報告は生かして予算編成に当たっているつもりでございます。 それからその他の問題の内訳ということでございますが、今事務当局に聞きましても、これは非常にこまかい問題のもう集まりであって、特別大きい項目というものはないものが集まっておるということでございますが、これも結局当初においては必要とされてきめたものであっても不用になったものが現実に出てきている問題ですから、前年度そういう問題が出たというときには、今申しましたように、次の予算査定においては常にその問題は考えろということでやっておりますので、さらにそういう努力を強化して、できるだけ予算の効率使用と、それからほんとうに見方が違って不用になったというような問題については、その次の予算編成でこれが対処をするというような行き方で、これを改善していくよりほかに、事実上は仕方ないのじゃないかというふうに思いますので、そういう方面に努力したいと思います。
○会計検査院長(芥川治君) お答えいたします。 後段のほうの繰越額等の額が非常に多いが、検査院としてはどういうふうに考えておるか、このほうからお答え申し上げます。もちろん繰越額、不用額につきましては、それぞれ手続があってやっておられることと思うのでありまするが、この金額は検査院としては、もちろん国民の税金でこういうふうな金額が多くなるということは望ましいことではありませんので、十分な関心を持っておりまするが、これはあくまで政府に注意をお願いをすることでありまして、検査院として法律的にきめられましたことについて、とやかく、あるいは検査報告に載せる、こういうことには相なっておりません。その点はひとつ御了承おきを願いたいと思うわけであります。もちろん検査院としてはこの金額の少ないことを望むのでありまして、事務的には絶えず注意をいたして今後も参りたいと存じておるわけであります。 それから先ほど来お話のありました、会計検査院の検査は氷山の一角であって、もっと広くやる必要があるのではないかというふうにも受け取れたのでありますが、この点につきましては私どもは全力をあげてやっております。 なお、そのあとに会計検査院のあり方というものにつきまして、当委員会で小委員会を設けられて御検討を始めておられるということもかねがね承っております。私どもも事務的にだいぶ前からこの方面のことは、もちろん検査院といたしても検討をいたしておるわけでありまするが、先ほどお話のありましたように、戦前の会計検査院は天皇に直隷しておりまして、国会とは連絡が全然なかったのであります。当時いろいろ問題がありまして八十年史にも出て参りまするが、国会のほうからは検査官も出席を求めようということになりましたが、検査院のほうは天皇直隷の機関で国会からは独立しておるのであるから出席はいたしかねるということで、明治憲法下におきましては全然出席をいたしておりません。したがいまして国会との関係はなかったわけであります。新憲法、新院法になりましてからは、会計検査院法にも検査官は国会に出席することができる、また国会法にも検査官に出席を求めることができることに相なりまして、新しい行き方として検査院と国会が非常に密接な連絡を、先ほどもごあいさつ申し上げましたように、密接な連絡をとっていって、初めて検査も最もよい検査ができるのではないか、私はそういうふうに考えておるわけであります。 なお、新しい憲法、新しい院法になったために政府から何といいますか、干渉でもあるのではないかというお言葉があったようでありまするが、それは検査院法でははっきり内閣から独立しております。内閣から何ら干渉を受けることもないのであります。それによって指摘件数が減るということは全然ございませんことだけは申し上げておきます。
○相澤重明君 会計検査院長、今の繰越額のその他について、どうも私今はっきりのみ込めなかったが、会計検査院としていわゆる政府の款項目の支出についての点を先ほど私は申し上げたのですが、その他というようなあいまいなことではいかぬ、こういうのが私の言ったことなんです。それについて少なくとも三百二十四億という中で、百五十三億余にわたるものがその他の項ということではあいまいではないか。会計検査院としてはこういうようなものを検査をしてどういうように考えておられるのか、こういう点を聞いておるわけです。だから国の財政支出というものは厳格でなければならぬし、それは大蔵大臣も一生懸命そういうようにやっておるという答弁をしておる。それはわかる。しかし金を出すものと今度検査をするほうとはおのずから立場が違う。同じじゃない。政府のために検査をしているのじゃない。部内じゃない。会計検査院という独立機関。そうであれば、今いった政府のそういう予算執行にあたってこういう点が適切であるとか適切でないとかいうことは、当然指摘をさるべきだ、その中で半分にもなろうとするその他の項ということを出されておってあなたはどう考えるか、会計検査院として。そういうことを聞いておる。 それから最後に、私の言っているのは、政府に干渉されて、そういうことを会計検査院が検査に手心を加えるとか、あるいは意思が弱くなっているとかそういうことを言っているのではない。つまり欽定憲法下と今日の憲法下における会計検査院のあり方は違うから、そういう面で会計検査院のいうことが若干弱く政府に受け取られているのではないか。そういうのが氷山の一角として出されておる件数の中で、なおかつ歴年こういうことが繰り返されておるのではないか、こういうことを私は質問をしておるわけなんです。それに対する会計検査院としての考え方はどうなのか、いま少しその会計検査院としての立場をひとつ明らかにしていただきたい。
○会計検査院長(芥川治君) 私の申しましたのは、言葉が足りなくて御理解いただけなかったかと思うのでありますが、繰り越し等につきましては、その他というのはないわけでありまして、結局繰り越しは法律的に認められておる、そうしてそれによって、それ以上は会計検査院は指摘をいたさぬわけであります。これは会計検査院のあり方という問題につきましても関連があるわけでありますが、あくまで会計検査院は法規に基づきまして法律的、事務的に会計の経理の検査をやる、つまり国の歳入歳出の決算の検査をやる、それ以上のことにわたりましては、なるべくこういう金額の多いということは望ましくないわけであります。で、注意はいたしまするが、検査報告に載せるというところまで参らぬ。で、この検査院のあり方につきまして、これはいずれまた御検討いただくわけだろうと思いますが、私どもの考え方で申しますると、会計検査院は、あくまで法律的、事務的に歳入歳出の決算の検査をいたします。当決算委員会のことを申し上げてはばかるわけでありまするが、少し出過ぎかもわかりませんが、そこで決算委員会がわれわれの法律的、事務的に検査いたしましたものを参考といたされまして、さらにもっと広い範囲あるいは別の面から政治的にお取り上げ願って、そして国の財政監督をお願いするということが理想的な姿ではないか、こういうふうに考えるのであります。大体それでお答えに相なるかと思います。
○相澤重明君 大蔵大臣、今会計検査院長の答弁を聞いておったと思うが、そうすると、あなたの答弁どういうことになるな、さっき言ったやつ。今の会計検査院長の言っておることと、あなたが答弁したこととどういう関係になるか、いま一度答弁いただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 法律的に、繰り越しを出すというものについては、会計検査院は別にその点については触れないというようなことでございましたが、私のほうはなるたけこれは繰り越しを出さぬようにということでずいぶん厳重な査定をやっておるつもりです。御承知のように大蔵省の査定というものはきびしいので有名でございますが、そのときにたとえば予算の概算要求といいましたら、三兆億円の各省からの要求があるというものを、私どもは七、八千億査定を加えてこれを切るという仕事をしますから、その場合にこれは不急であるとか、不用であるとかいうものはむろん各省の要求を認めないという方針でいきますし、さてこれだけはどうしても必要であると認めて金額を査定するときでも、むずかしい問題は毎年こういう例もあるのだから、これだけ金額は必要だが、ことし交渉もおくれるだろうし、天候の事情もあってこれくらいしかやれないじゃないかという査定を加えることが非常にむずかしい問題で、これは今年度これだけのことをすべきだと、していいときまったものは、やはり万難を排しても今年度この事業はするという立場に立って金額を決定しないと、なかなかむずかしい問題で、予測し得ることを勝手に私どもが予想して、内輪に今年度はこれ以上は繰り越しになるといかぬということで切ろうということは、なかなかこれはむずかしい仕事で、できるだけ従来の例によってそこらの手かげんもして、各省との折り合いをつけてはやりますが、しかしやはり必要であり現に当初できると見込まれたものは、それができるだけの予算は計上するということをやらざるを得ませんので、そうしますというと、今のようなやはり実際上繰り越しが出てきたということがあるのでございますが、ここらはやはりずっと今までの実例ございますので、そういう経験に徴して私のほうは手心を加えるものは加えて、できるだけこれが繰り越しというようにならぬように気をつけるつもりでございますが、なかなか技術的にそこらはむずかしい問題があるということで、問題はその出方が非常に多いということでしたら、これは予算の査定の仕方に欠陥があるということが言い得るかもわかりませんが、全予算の中でさっき申しましたように二%前後のことでございますので、まあ私は今までの例をずっと見ましても、最近の傾向は、この点はまあやり得る範囲でずいぶん改善されている実情じゃないかというふうに考えております。
○相澤重明君 大蔵大臣にこまかい点がなかなかわからないようだからひとつ資料提出を願いたい。それは先ほどの、翌年度に繰り越した額の内容をあなたがさっき説明をされたけれども、その他の額というのは、まあ、さっきからいうように約百五十三億余、したがって、それらについては事務当局が知っておることだと思うから、それを当委員会として、いずれ大蔵省関係もこまかくやるからそのときに資料を提出してもらいたい。 それからいま一つ、あなたがさっきお話しになった会計検査院から指摘され、あるいは衆参両院の決算委員会から指摘されたことについては、大蔵省としては重大な関心を持って、次年度の予算編成にあたってはまずそこを重点的にポジションとして考えていく、こういう話があった。三十四年にイタリアのスタッキーニ会社にロケットを発注した、実際には金が返ってこなかった、今どうなっているか。大蔵大臣はやはり防衛支出金だとか、防衛庁の予算執行ということにはきわめて重大な関心を持っているという。外国と日本との取引をする、だから、国の中での会社に発注したとかなんとかというものじゃない、外国に発注したんだ、どうなったか、三十四年度に、これは。今、私は三十四年の決算をやっている。あなた知っていますか。
○国務大臣(水田三喜男君) 今の例は私よく存じておりません。
○相澤重明君 では何にもならぬじゃないか。それじゃあ大蔵大臣のいうことは、そういう私は指摘されたことは十分気をつけて予算執行、編成に当たりますといったって、大蔵大臣知らぬじゃないですか。どうしてそういうことは報告されないのか、なぜ聞かないのか、ちょっとそれを聞いてから答弁しろ。
○国務大臣(水田三喜男君) その問題、経理局長から御説明いたします。
○政府委員(木村秀弘君) 具体的の問題でございますので私から御答弁いたします。スタッキーニのただいまの例の問題の要点は前渡金四千八百万円の回収に関することでございまして、ただいまローマの裁判所で訴訟が係属中でございます。その訴訟の結果を待って措置をいたす、こういうつもりでおります。
○相澤重明君 訴訟が係属中であるから訴訟の結果を待って報告するということか。それはまあ私の大蔵大臣にいっておることは、国の決算を国会が審議するにあたって、内閣が提出権を持っておるこの予算執行が一体どういうふうに効率的に行なわれ、あるいはまた国民の信託にこたえておるかということが重大な関心であるといこれはまあ同じですがね、あなたと。けれどもその場合でも特にやはり日本の防衛庁の予算というものはきわめて多い。だからよく言葉でいつもいわれることは、決算にあたって注意しなければいけないのは防衛庁、それから農林省、運輸省、こういうのは疑獄汚職の巣だとこういわれる。予算があまりにも多過ぎる。だから使い方についても十分気をつけなければいかぬ。よくいう言葉では、何でも買います防衛庁、こういうことをよくいわれるということを常に決算委員会でいわれている。そういうことであるから予算編成にあたっても、大蔵大臣はなかなかたいへんだろうけれども目をつけなければいけないだろう。そうすると、三十四年度に起きたことは、今三十四年度の決算を行なうにあたって、そういう点はやはり大事なことであるから、大蔵大臣は関係大臣から聞いておるだろう。こう議員のほうで思うのはあたりまえだと思う。そういうことで今のいわゆる国際的な問題であるから、訴訟に持ち込んで、そうして国損がないようにしていきたいという立場をとっておると私も確信を持っておる。そういうように思う。政府が一生懸命やっておると思う、思うが、少なくともそういうことが今後起きないようにやはりしていかなければならぬ。これは政府の責任だと思う。だからいま少し、裁判をやっておるというだけではわからぬ、裁判はどんなふうに進行しておるか、相手のイタリアの国の会社はどういうような状態になっておるか、こういう点、いま少し決算委員会に報告してもらいたい。三十四年のことだ。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま申し上げましたように現在訴訟係属中でございますが、現在の段階では例の前渡金四千八百万円の破産財団に対する債権というものが裁判所で認められておりまして、これを保証会社に請求をする段階に至っております。
○相澤重明君 まあ経理局長に答弁をさせてもその域を出ないと思うのだ。したがって、本事案については防衛庁から正式に委員長のほうに経過てんまつ書をとってもらいたい。それを私ども委員のほうに配付をしてもらいたい。場合によってはこれは政府の責任になりますから、ですからそういう点については、ひとつ委員長のほうからあとで防衛大臣のほうに話してもらいたい。 次に、時間の関係もあるし、総理大臣もやがてお見えになると思うから、いま少ししぼって大蔵大臣にひとつ聞いておきたいと思うのですが、今、日本の国内で軍事基地がたくさんある。特に終戦後平和宣言を発して旧軍港都市転換法という法律ができておる。これらの地域、横須賀、舞鶴、佐世保、呉等のこの地域の事情を調べてみると、戦後日本の人口は累増しておる、非常に多くなっておる。あるいは住宅、工業の発展もしておる。にもかかわらずこれらの四軍港地域においては人口の増加というものがない。政府はどのくらい、これらの四軍港が人がふえたり、あるいはその財政上豊かになっておるというようなことがわかったら、ひとつ答弁をしてもらいたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 旧軍港都市についてはそういう問題がございますために、一時その経理が問題になり、昭和三十二年でしたか、これに基地交付金というものを国が支出する、その後、最初五億円でございましたが、この金額はいわゆるつかみ金みたようなものでございまして十五億円に増額しています。そうしてあとは、その基地が廃止されたことに伴い、人口は減り財政が困るという事情に対応して、この旧施設その他の維持そのほかにも要したいろいろな費用というものは、これは必要経費に認めて交付税の算定の中にそういうものを入れ込んで計算して、基地の交付金額を決定するという形で解決してきておるのがきょうまでのいきさつでございます。
○委員長(岸田幸雄君) ちょっと待って下さい。 ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(岸田幸雄君) 速記を始めて下さい。
○相澤重明君 今途中で物議をかもしたけれども、これは委員長に断わっておくが、野党四派は意見が一致している。総理大臣以下、大臣が出ないときにはほんとうはやってはいかぬ。そういう慣行を参議院が作ってはいけない。とにかくこの参議院というのが軽視をされがちなんだ。衆議院のほうが大臣が多い、だから衆議院優先ということになる。こういうのが参議院の、やっぱり今までの二院制の中に常に指摘をされていることなんだ。それをあなたが委員長になって、今までの慣行をさらに悪くしようなんということでは、これは野党が言うこと聞きませんよ。与党が勝手にやったらいい。自民党だけでやったらいい。けれども、それじゃ国会運営がならぬから私どもが協力しているわけだ。だから、そういう点について、議事の途中で大臣が一人もいなくなっちゃうというような決算委員会なら、全くやらぬほうが私はいいと思う。だから、そういう意味で、大蔵大臣も残っていただくことになったから私続けるが、ひとつこれは委員長、あなた自身がやはりそういう参議院の慣行を私は尊重してもらいたい。
○委員長(岸田幸雄君) 御意見はよくわかりました。
○相澤重明君 それでは大蔵大臣、先ほどあなたに申し上げたのは、旧四軍港の都市転換についてのあり方としてお話をしたんですが、あなたもお話しのように、基地交付金というものが出されておっても、それは実際つかみ資金にすぎない。今年度十億ですね。で、三十四年度——私は三十三年度、三十四年度ずっと決算をやってきてみて、これではなるほど今日の横須賀、呉、佐世保、舞鶴というような都市の人たちは苦労されるだろう。どうしたらいいのか。そうしてやはりそこに必要なことは、産業の発展ということで、工場誘致等の問題がそれぞれの都市で要請をされている、政府にも陳情されている、こういうことからくれば、今日のこの四軍港の、旧四軍港のこの悲願というものを、私どもは国全体で考えてやるべき段階ではないか、こう思うので、今三十七年度の予算編成作業中であるから、大蔵省はこれらの旧四軍港の都市に対して、どのくらいの資金をあなたは出そうとするのか。やはりそれはつかみ資金で、まあ十億なり十二億なりというような考えでいるのか。それとも産業誘致をして、他の都道府県あるいは市にも劣らぬような繁栄をさせる、こういう考え方に立って、今要求をしている四十億、そういう資金に近づけようとするのか。あなたの予算編成上の考えを聞いておきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 来年度の予算編成は、私どもこの臨時国会が終わってからすぐに取りかかるという方針で作業を進めておりますので、まだ来年度についてどうするという考えは今のところ固まっておりません。ただ、今産炭地の振興をどうするかとか、あるいはどこをどうするというような、別個に個別にいろいろな取り上げられている問題がございますので、これはまた個別にいろいろ解決していくということをするのがいいんだろうと思いますが、この基地交付金というようなものは、これが成立するときのいろいろ関係者との了解もございまして、これはこれで特別のものとしてやる。しかし、やはり全般に地方交付金をきめるときに、ここには特殊な需要がございますので、この特殊需要は算定の中に入れて考慮をするという運営をやっておりますので、やはりこの全般的なやり方の中でこれを特別考慮するという方向が方向としては私は正しい。その点は十分考える。それから基地交付金は、やはり従来のとおりの了解でこれは全く別のものとして考える。そのほかにこれを特別に振興しなければならぬとかいうようなものは、今同種のいろいろのものがございますので、これはまた別個な考慮をすべきものであって、交付金というものを特に増額してやるという方向は、これは適当じゃないというような考えを持っておりますが、まだ来年度に対する方針は今のところかためておりません。
○相澤重明君 まあ大蔵大臣の三十七年度の予算編成については今全くコンクリート化していないという、それはよくわかります。けれども、まあそういう点で、旧四軍港の地域がいかに苦労をしておるかという点については、大蔵大臣も承知をしておるようだから、関係の向きとよく相談をして、そして他の都市と違うような、減っていくようなことはやはりさせないで、繁栄するように努力してもらいたい。 続いて、同じような問題になるけれども、これはいまひとつ大きくなると思うのですが、日米安保条約に基づいて地位協定ができておって、そしてそれぞれの基地を提供しておるのですが、私が九月三十日の本会議で総理大臣初めあなたにもお話をしたのですが、その中で、政府は、基地問題等閣僚懇談会や、あるいは周辺問題の対策協議会をそれぞれ次官等を中心に持っているわけですね、大臣関係あるいは次官関係で。そこで非常にたくさんの問題を提供しておるのは、先日も防衛庁長官も中へ入ってだいぶ苦労されたが、北富士の演習場の問題だとか、あるいは小牧の問題とか板付とかあると思うのですね。私の地元の神奈川県でも大和の問題、厚木航空基地あるいは横浜の上瀬谷の海軍通信隊の問題がある。これが政府でもそういう対策委員会を持たなければならなかった大きな要素だと思うのですよ。そこで今日までこれらの閣僚会議なり次官会議で、その今言った基地の問題についてのそういう懇談会あるいは対策委員会、そういうところでどういう結論を出そうとしておるのかですね。あるいは出したのか、一つ聞いておきたいと思う。 それで問題は、私はきょう特に質問の中で、要旨で、あなたのほうや郵政省に、あるいは自治大臣にそれぞれ通告をしておいたのは、たとえば上瀬谷の場合には海軍通信隊の基地があるために、国民の所有地があってもそれを使えない。その周辺は国民の財産というものが正当に使われない。たとえば家を建てようとすると建築基準、そういうもので押えてしまう。国民の財産を侵害をしておる。こういう問題については当然政府が積極的に取り上げて措置をすべきなんです。だから神奈川県議会においても、あるいは知事も、また横浜市長も横浜市議会でも政府に善処方を要望しておる。地域住民は怒り心頭に至っておるということは、これはもう政府も十分気をつけなければならぬと思う。あるいはけさの朝刊でも新聞に出ておったと思うのですが、米軍のジェット機が墜落して、静岡ですか、非常に苦労されておる。私がこの前申し上げたのは、大和でやはりジェット機が墜落をして、人もなくなり、あるいはまた多くの財産をなくしておる。こういうようなことで、こういう問題を早く措置をするように、これは個々の問題でなくして、全体の、日本全体として政府が考えておくべきことではないか、こういうことを言っておるわけです。そういう中で、大和の場合にはラジオもテレビも見えないし、波になってテレビは見えない。ラジオは聞くことができない、電話も聞くことができない、こういうようなことを言ったら、この間迫水君が本会議の答弁では、放送法の中でNHKについては料金を減免することができないというような簡単な答弁をしておる。そんなことで一体基地問題についての懇談会を政府の閣僚が持っても、あるいは次官の諸君が集まって対策協議会を作ったって、そんなもの何もならない、こういうことになる。したがって、そういう点について政府はもっと住民の福祉、財産、こういう問題については積極的な対策があってしかるべきである、こういうことを私は申し上げたのです。そういうことは今どうなっていますか。先ほどの、この決算の上からいけば、アメリカ側との交渉の中で艦船を作るとか、あるいは飛行機を作るとか、そういう発注の問題が延びて、予算の効率的運用ができないで、繰り延べなり不用額が多く出ておる、こういう一面はあっても、国民の生命財産というものが侵されているということからいったら一体どうなる。政治というのは国民の生命財産を守ることが、これが最も政治の重要なことなんです。こういう点について、一体この政府の中にある基地等周辺問題対策協議会あるいはその閣僚の基地問題等閣僚懇談会、どういう会議をやって結論を出したのか。大蔵大臣は特にさっきもお話しのように、金をせびられているのだね、予算をよこせ、こういうふうにあなたにはずいぶんいわれると思う。だから、大蔵大臣は一体どういうふうに考えるか、それから防衛庁、調達庁も今どんなふうにやろうとしておるのか、あわせて答弁をしてもらいたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 特にこの基地問題について閣僚懇談会ができました理由は、基地の問題に伴っていろいろ起こっている各種の被害の防止とか、懸案のあるいは解決とか、こういうようなものが相当解決しなければならぬものが今たくさんございますが、これを解決するために、なかなか一省だけでは解決できないというものが非常に多くて、関係省が全部協力しなければ解決できないというような問題が非常に多うございますので、そこでこういう懇談会を持って、この施策をひとつ統一する、そしてこの解決をもっと早くはかっていくという必要からできたものでございますので、今後はこの懇談会の議題に次々にいろいろな問題が出て参りますので、それを解決していこう、さしあたり、どういう問題があるかということについては、今おっしゃられたような問題も全部私どもは聞いておりますが、同時に一度に解決するというわけにはいかないので、最も急を要している問題というふうに、順々にこの懇談会では取り上げて、きょうまで幾つかの解決をしてきましたが、さらに問題化しているものというようなものがこの懇談会に順々に議題になってくる予定でございますので、関係者間でこれを相談して解決していくという方向で私どもは今後の懇談会の運営をやっていくつもりでございます。いろいろ問題の所在は聞いております。おりますが、今まで一省だけでやれませんでしたので、各省が集まって解決策をだんだんきめていく、こういう方式でやっていこうと思います。
○相澤重明君 関係者の答弁……。
○政府委員(林一夫君) 基地問題につきましては、ただいま大蔵大臣が御答弁になりましたように、このごろの基地問題は政府全体の問題でございまして、防衛庁あるいは調達庁だけで解決することのできないような問題が多くなっております。先ほどお話しになりました上瀬谷、厚木の問題というようなものは、ことにそのような要素を多分に含んでおります。われわれ調達庁あるいは防衛庁だけではどうしても解決できないということで、内閣審議室を中心にしましていろいろ協議して参ったのであります。あるいは最近、五月でしたか、基地周辺等対策協議会とか、あるいは基地問題等閣僚懇談会というものが設置をされた。こういったような会議にかけまして、大きな問題として政治的に解決を進めておるような段階であります。 具体的に申しますと、困難な問題は、上瀬谷につきましては、御承知のようにあの広い地域について地役権の設定を要求してきた。これはもうほんとうに地元の土地所有者に対してはたいへんな影響を与える大きな問題でございます結局住宅を制限するというような問題になりますと、これは大きな人権に関する問題であり、各省庁に関係する問題でありまするので、かねてから内閣審議室あるいは周辺等対策協議会等においてこの問題を取り上げて目下検討いたしておるのであります。まだ、問題が問題だけに、結論には成案は得ておりませんが、今後はなるべくこの地元の方々に迷惑をあまり及ぼさない、そういうような見地に立って知恵をしぼって努力して参りたい、こういうふうに考えております。 厚木の基地問題でございまするが、これもやはりあそこの周辺に高度の障害物があっては支障があるというようなことで、その高度の障害物を制限してもらいたいというような軍の要望があるわけであります。これを現在のところでは、たとえば附近の高い樹木というようなものは、補償をいたしまして伐採をする、あるいは飛行機の進入表面にありまする住宅家屋というものは、補償を出しまして移転してもらう、これは希望者でありますが、そういうような対策を講じて、なるべく地元の方に迷惑を及ぼさないような方法で、高い障害物の制限をいたしてきておるわけであります。これも根本的な解決の方法ではない、やはり根本的な解決の方法というものはもう少し大きな手を打たなくちゃならない、こういうように考えております。現在内閣審議室を中心にしていろいろの方策を協議いたしております。 以上のような事情であります。
○大森創造君 関連して。林調達庁長官が立たれましたから、私のほうから関連して一つお伺いいたしますが、水戸の射爆場の問題ですね。これ長官つとに御存じだと思いますが、その後の経過並びに次官の連絡会議や閣僚連絡会議を持っているようでありますが、このことを議題にしてひとつ早急に取り運んでほしいと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(林一夫君) 水戸の射爆場の問題であります。これもお説のとおり地元から非常に強い要望がありまして、あそこにあると危険である、ことに将来あそこは原子力センターとなるべきところであるというようなことで、かねてからそういう要望があるということは伺っておりますし、しばしば陳情を受けておるのであります。これを現在よそに移転するということは非常に大きな問題でございまして、なかなかそう簡単には参らない。ただ私どもとしましては、地元の強い御要望がありますので、軍のほうにはかねてからその点は話しておるのであります。軍としましても、他に適当なかわりがあれば移転してもいいというようなことは言っておるのであります。他にかわりを、代替施設と申しましょうか、他にかわりの場所を与えるということは、これはまたなお困難な見通しでございまして、これも今後大いに関係省庁と協議して、具体的に進めていかなくてはならない大きな問題であると、こういうふうに私どもは考えております。
○大森創造君 射爆場の問題については、今の林さんの御答弁の経過は私もわかっておりますが、われわれ地元の者として、調達庁、防衛庁、外務省、科学技術庁、各方面に陳情に参りますというと、調達庁のほうはまた格別に御熱心でございますが、その他の省庁のほうはさっぱり冷淡でございます。われわれが行きますというと、そのつどやらなくちゃならぬというようなお気持を出すようでございますが、調達庁、防衛庁を除いては格別冷淡でございます。これは問題が非常にむずかしいことはわかっておりますが、こういうむずかしい問題を解決するために各省庁の連絡が必要である。単に防衛庁のみではだめだ、調達庁のみではだめであるから、関係省庁の次官の連絡会議や、それから大臣の連絡会議が持たれるだろうと思いますから、そういう高度の段階においてこのむずかしい射爆場の問題をぜひ解決するように要望いたします。待っておりますから、ひとつ、らちのあくような結論を出していただきたいと思います。終わります。
○相澤重明君 大蔵大臣に先ほど御答弁をいただいたわけですが、実際に防衛庁の予算、あるいは日米合同委員会の中において検討したものについて予算をつけなければならぬと、こういうものもあるわけですね。そういう中で、今のような実際に国民の生命、財産というものが侵害をされるという、こういう場合には、やはり積極的に私は日米合同委員会の中に持ち込むべきだと思うのですよ。ですから上瀬谷の問題について、アメリカ軍の司令官は、これは日本政府がやればできることだ、私どもも決して回避をしておるんじゃないと、こういうような答弁をしておるのですね。そうすると住民から見れば、結局は政府の職務怠慢、こういう非難は免れないのですよ。ですから私どもとしては、大蔵省が予算々作る場合に、単に大砲のたまを何発、潜水艦を何隻ふやすんだ、こういうふうなものでなくて、やはり国民の生命、財産に関係するものについては、これを早く取り上げて、そして私は予算編成の中に生かすべきだと、こう思うのですね。ですから、この日本全体の中で、今言った政府の考えているものをまとめるのであるから、そういう基地問題等の対策費というものを、政府は、プール計算といいますか、そういうものを作る考えがあるのかないのか。この際ひとつ基本的な問題だから私はお伺いしておきたいと思うのです。どうですか、せっかく閣僚懇談会を持っても、あるいは事務的に次官の諸君が集まって対策協議会を持っても、そういうものは生きてこないということになると、私は、ただ単にお茶飲みの会に終わってしまう、こういうことになると思う。そういう点を、大蔵大臣として、そういうふうなことを——自治省なり、あるいは防衛庁なり調達庁なり、外務省、そういうそれぞれの立場で話があると思う。そういう点のいきさつを、あなたのほうのそういう考えを、私は聞かしてもらいたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 従来からも、損害の補償、あるいは積極的に政府の仕事として負担していくべき仕事の経費とかいうようなものは、これは予算に計上しておりますし、今後もこれは同様に、必要な予算はどんどん計上して参りますが、特に今まで厄介な問題で、未解決で、予算を出そうとしても出せなかったという問題が多うございますので、こういう問題が、こういう懇談会そのほかを通じて話がきまれば、私のほうではこの予算化は当然これはやるべき仕事でございますからやりますし、また、そういうものを予想して一定の経費というものを調達庁に計上してございますので、これが不足な場合は、また必要に応じて対処する方法を臨時にとるということで、従来もやっておりますし、今後もそういうことでやっていけるだろうと思っております。
○相澤重明君 そこで、ひとつ大蔵大臣に、資料を提出してもらいたい。これは防衛庁の項を審議するときに必要ですから。先ほどもお話しのように、防衛庁のそれぞれの繰越額あるいは不用額等も出て、御答弁いただいたのですが、当初、昭和三十四年度に防衛庁が要求をした額は幾らか。政府の作ったのは、政府が決定をした額というものは、私どもの手にありますから、ですから防衛庁が要求した額は幾らか、その内容をひとつ資料として提出を願いたい。これは過年度の問題ですから、今になって機密を要する問題ではないわけですね、予算要求ですから。そういうところをひとつ私ども委員にわかるように資料を提出してもらいたい。 これはなぜそういうことを私が申し上げるかというと、いつでも委員会で問題になるのは、やはり先ほどもお話ししたように、従来予算が多過ぎて、使途があまりに乱脈をきわめる。とにかく決算委員会の一番横綱は防衛庁だ、こういうことをいわれるわけです。そういう点について、防衛庁の三十四年度の当初要求した額は幾らであったか、これを資料として提出を願いたい。委員長から大蔵大臣に要求をしてもらいたい。大蔵大臣答弁をして下さい。
○国務大臣(水田三喜男君) 三十四年度予算に対する防衛庁の概算要求でございますから、この資料はお出しできます。
○相澤重明君 そこで、私は先ほど申し上げたように、非常に基地周辺についても住民が困っていると申し上げたのですが、林君の今答弁の中で、地役権設定という言葉が出ている。これは与党の皆さんも関心を持っていただきたいと思うのですが、アメリカ側から地役権を設定されるというのは、そういう要求があったというのは根拠は何か。 それからその場合に、一体わが国の財産、あるいは国民のそういう私有財産、こういうものに対する補償というものはだれがするのか。こういう点を、今、日米合同委員会の中で日本政府は求められているのだから、その点をいま少しく明らかにしてもらいたい。そうでないと、基地を持っているところの各都道府県というものは非常にこれは迷惑をする。全くアメリカ側の補償、あるいはまた日本政府がそういう支出をしても、実際にはその適用範囲というものは、きわめて小さい。その上に地役権の設定なんという大きなワクを出されたら、全く日本国民の生命財産というものは侵害されることは明らかです。こういう点で、今内閣に出されている問題をひとついま少し明らかにしてもらいたいと私は思う。
○政府委員(林一夫君) 地役権設定を要求する法律的根拠でございまするが、これは地位協定の第三条であります。
○相澤重明君 きのうも当委員会で、そういう条約、協定あるいは法律根拠というものでいろいろ検討を進めておったのですが、どうも今の林君の言うような日米安保条約の第三条あるいは第四条、関係施設等の提供あるいはそういう問題について安易な解釈に流れておるのではないか。おそらく、これは与党であろうと野党であろうと、国会議員がその内容をもし詳しく知るようになったら、これはもう地元へ帰ると大変だぞという気持になってくるのじゃないか、こう思うのですよ。ですから地役権というものを、一体日米安保条約を締結するときに政府が考えておったのかどうか、おそらく私はないと思うのですよ。新たにここにアメリカ側から求められておる。こういうふうに私どもは理解をするわけです。今林君は安保条約の三条を出されておりますが、これはきのうもずいぶん議論をしたところなんです。この中に、そういうことが安保条約審議のときに出されましたか。おそらく今ここに決算委員として出ている参議院の者もなかなかこの点は……。この条約そのものからいくと、私はそういう点はないと思う。新たに求められておる。こういうことになると、少し政府の考えが甘過ぎはしないか。こういう点を私は指摘をしたいと思うのですが、林君としては、政府、いわゆる外務大臣なりあるいは防衛庁長官なりが、あなたのほうに説明はどんなふうにされているか。あなたの第三条です。第三条は、これは読んでみれば簡単だね。それだけでもってあなたは地役権を簡単に設定できるものと考えますか。専門的な言葉になると、私も専門家じゃないから、この際もっと国民に広く知らしむるために明らかにしてもらわなければならぬ。そういう点が、政府の考えはどうなんでしょうね。御答弁いただきたいと思うのです。
○説明員(田中弘人君) 協定の交渉のときの経緯でございますが、協定の三条は、御承知のとおり、周知地域における米軍の権利ということだけを旧協定は規定をいたしていたわけでございます。ただし、米軍がみずからその権利を行使するということは、単に形式的にも適当でございませんし、それから当時実際問題として、日本政府に要請がありまして、日本政府が適当な措置をとっていたというのが実情でございます。そこで新協定におきましては、米国の要請に基づきまして、施設の運営それから米軍施設への出入の権利を1便を確保する措置を日本政府の責任においてとると、こういうふうに規定をいたしまして、末段に米軍は施設に対しては出入をすることのできる基本的な権利がある。これは自分が何かするという意味ではございませんが、その基本的な権利を確認をする、こういう書き方をいたしたわけでございます。したがいまして、地役権の設定にいたしましても、その他の方法にいたしましても、米軍の施設の運営をはかるという目的のために、日本政府として適当な措置をとる義務がある。これが協定の解釈であると、こう了解をいたしております。 それから経費につきましては、二十四条に規定がございまして、施設提供関係の経費は日本側の負担である、こういうふうに新協定において規定をいたしまして、地位協定では分担金の規定がございましたのですが、これは削除いたしまして、施設提供及びそれに基づく経費は日本側の負担である、こういうふうに改定をいたしたわけでございます。
○相澤重明君 これは田中参事官、(「審議官だよ」と呼ぶ者あり)審議官か、まあよくわからぬが、このいわゆる条約協定の中から、文書を日本語で読むというと今のような解釈にならない。これはやはり外務省がそういうふうに解釈しようとしている。こういうふうに、これは私はむしろ当決算委員会として、これから国民の生命財産というものがいかに重要であるかという立場からいけば、この安保条約の解釈を、単に外務省の一官僚によって解釈をされては困る。それで、もちろん条約協定等については外務委員会等で関係の常任委員会でやるでしょう。あるいはまた国会自体においても検討しなきゃならぬと思いますが、私はその決算上の立場からいって、予算の効率的な運用と国民の生命財産のために使用する国民の血税、こういう立場からいくと、今言ったような範囲というものはきわめて問題を投げかけておるのではないか。特にその地役権設定なんていうことは新たに出てきたわけだ。地役権設定なんていう言葉はない。この条約に地役権なんていうのはないのです。そういうないものを政府が——政府というよりは外務省の人たちが、新たに日本にいかにも地役権があるような考え方で答弁をされるということは、私はたいへんこの国会の中でも問題があろうと思う。この点については私はいま少しくやはり関係大臣に、これは国会としては究明をしなければならぬ問題だと思うのです。したがって、きょうはそれ以上のことは私は追及しませんけれども、外務大臣にこの点は明らかにしなければならぬので、委員長から、この条約協定についての地役権というものはどこから出てきたのか、そういう地役権なんていう言葉が条約上一つもないにもかかわらず、そういうことを作ったということについては、国会に対する侮辱である。国民に対しても大きな背反行為になると思う。そういう点からいって、私はそういうことのないように願いたいと思うが、ひとつ委員長のほうから、きょうは大臣がいないので、大臣にこの中の地役権というものはどこの条文から出てきたか、またそういうことをやる意思があるかないか、やる意思があるということになったら、与党の諸君でもびっくりすると思う。その点をこの際私は委員長に要請しておきます。この中にないのだからないのだと言っている。今答弁したところによると、そういうようなことを交渉の中に、あるいは相談の中に、そういう話が現在日米合同委員会にそれが求められている、求められているのだから、これはないわけですね。今までの条約協定の中になかった。そういう点からいうと、私は相当国会に対して問題点を提供されたと思う。ですから、これは後日外務大臣にその真意を私は、与党の諸君からもむしろ聞いてもらったほうがいいと思う。野党の社会党の相澤さんからということになると、かえって誤解を生むことになるので、むしろ与野の諸君からそういうことを聞いたほうが、決算上ははっきりする、これは。そういう意味で、私はこの問題については保留をしておきましょう。
○説明員(田中弘人君) ちょっと補足させていただきたいと思いますが、先ほど私の申し上げましたことを、三条について詳しく申し上げなかったわけでございますが、この中に、日本政府が適当な措置をとるという、そのとる方法は、関係法令の範囲内で必要な措置をとるというふうに規定をいたした。したがいまして、地役権の問題も、アメリカにそういうことを約束をしているとかという、そういう性質の問題ではないわけでございます。日本政府が関係法令の中でとり得る措置の中で、地役権の設定というようなことを、日本の国内法令に従って考えられるのではないか、こういう形で問題は出ているわけでございます。 したがいまして、協定そのもので地役権の設定を約束をいたしているわけではないわけでございます。その方法は日本政府にまかされているということでございます。ちょっと補足を申し上げます。
○相澤重明君 今の答弁は答弁として、先ほど申し上げたように、条約協定の中に地役権というものはない。これははっきりと日本語の条文で書いてあるから、ないことはないのだから。そこで、今のような解釈がどういうふうになるか。こういうことについては、国会としては重要な問題であるから、一応外務大臣をあとで呼んで、そうしてお互いに十分意見を交換し、あるいは考え方を聞きたい、こういうことでこの問題を終わります。 そこで、具体的な大蔵大臣に対する措置の問題として私はお尋ねをしておきたいのですが、先ほどもテレビ、ラジオ等の問題を私は申し上げたのですが、三十四年度の日本放送協会の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、こういうのが三十六年六月二十一日、会計検査院長から内閣総理大臣に提出されておるわけですね、会計検査院長。そこで三十四年度の決算が提出されておるのですが、この中で受信料の未収金、こういうのがテレビジョン、あるいはラジオ等についてここに私どもに出されておるのだが、これはどういう内容なのかよくわからぬ。ただ項目だからわからぬが、少し説明をしてもらいたい。あんたのほう、これわかるでしょう。会計検査院長から内閣総理大臣に出されているのだから。
○国務大臣(水田三喜男君) これは郵政省所管の問題でございますから、郵政省の政府委員から答弁させます。
○政府委員(西崎太郎君) 三十四年度の決算、その中に受信料の未収金があるが、これはどういうことかというお尋ねでございますが、これは毎年新しく受信契約をいたすわけでありますが、その契約者の中で受信料を払っていただけない方、この率をいっておるのでございまして、これは毎年やはり現在の放送法上の受信料制度という点にも問題がありまして、契約はしていただいても、受信料を払っていただけないという方がある程度出ておるわけでございます。
○相澤重明君 会計検査院長から答弁さして下さい。
○委員長(岸田幸雄君) 今内閣総理大臣が御出席になりましたので、総理大臣に対する質疑を先に願いましょう。
○相澤重明君 それでは今会計検査院長に質問しておったところですが、総理大臣がお忙しい中おいでいただいたので、総理大臣にひとつ御質問申し上げたいと思うのですが、そこで総理には御質問をする前に一言苦言を呈しておきたいと思う。あなたも大へんお忙しいことはよくわかっておる。しかし私は、本委員会を開催するにあたって、総理大臣並びに関係国務大臣は決算委員会には当然出席をすべきである。したがって、閣僚は忙しいのであるから、事前に日程等も通知をして、そして御出席を願うようにしておった。本日は、総理は衆議院の関位もあっておくれたようでありますが、他の諸大臣がほとんど出ておらない。今あなたが御承知のように大蔵大臣だけなんです。これは今までの決算委員会であなたがいつも、政府としては誠意を持ってそして参議院にも臨んでおるという御答弁をいただいておることは全く相反する立場が当委員会に出ておる。これは歴代の決算委員長が与党の中におるわけです。私も六年これをやっておるから、一番よく知っておる。そういう中で今回が一番悪い。この総括質疑を行なう決算委員会の中で、総理大臣初め関係の国務大臣が出ないというのは今回が初めてです。一体総理大臣は、二院があるかもしれぬけれども、参議院の予算委員会については、少なくとも全精力をあげて御出席になる各大臣も多いと思うのでありますが、決算委員会にはどういうわけで欠席が多いのか。これはまた総理大臣に聞いておかぬと、内閣のことですから、あなたのやはり責任者としてのひとつお考えをこの際承っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 各閣僚初め私も、できるだけ委員会の求めに応ずるように努力いたしておるのであります。何分にも御承知のとおり相当多忙をきわめております。そういうところで御要望に沿い得ない点はあるかもわかりません。われわれは努めてそういうふうに努力をいたしておる次第でございます。各閣僚におきましても、要求がありますれば、それを満たすよう努力して参っておると思いますし、今後も一そう努力さしたいと思います。
○大森創造君 関連。今の総理の答弁で了承いたしますけれども、それを実行していただきたいと思います。衆議院と参議院と比べて参議院はどうのという理屈は申し上げませんが、予算と決算と見た場合に、予算のほうにのみ総理大臣以下大臣が集中してこられる。これは万障差し繰り、予算のほうは出る、決算委員会のほうは、衆議院と参議院といわず、大臣の出席が必要であるにかかわらず、出ることが少ない、今相澤委員が言われたとおり。今度は締めくくりの決算委員会であります。一人の大臣しか来ない。そういうことを、今の総理の答弁で了承いたしますから、そのことを自今実行していただきましょう。これは悪習慣でございます。自民党、無所属、社会党と超党的にひとつ、これは参議院の決算委員会として。だから武州鉄道の汚職がある、あるいはその他の汚職もありまして、締めくくりの委員会として、こちらの要望があれば、いろいろお忙しいと思いますが、自今予算委員会を上回る出席をお願いしたいと思います。
○相澤重明君 そこで、私は決算審査について総理に最初にお尋ねしておきたいと思うのです。 それは当決算委員会におきましても、明治時代のいわゆる欽定憲法のときと、戦後の今日の憲法下の時代における国会のあり方、こういうものはやはり決算の審査の仕方とか扱い方についても違ってきているのじゃないかということで、やはりお互いに勉強しようと、こういうことで今決算委員会の中に小委員会を持って検討しているところであります。衆議院においても三十四年に各界代表者を招いて、そうして参考意見を徴しながら一つの審査の方針というものをきめているわけであります。そういう中で私は総理大臣に特にお尋ねしたいのは、いつもあなたは、ほんとうに野党ともよく話し合い、国民の各位に政府の考え方というものを十分知ってもらう、非常に親切な態度をとっている。そうして国会運営についても摩擦が起きないように、国会正常化あるいは国会ルール、慣習をよくしていこう、慣行を樹立しよう、こういう御努力をされていることは、私もよくお話を聞いているわけであります。そこで私は、この間の九月三十日の代表質問の中でもあなたにお話しをしたわけでありますが、国会正常化、あるいはそういう国会運営についてよりよい慣行を樹立しようという場合には、やはり与野党がお互いに話し合える場、与野党が議席によって、いわゆる国会役員の数もきめていく、そういう中で、わけても大事なことは、予算は政府の提出案件でありますから、政府が責任を持つということは、私はそのとおりであるし、予算委員長を与党が出すのはいいと思います。しかし、決算は、少なくとも内閣が提出をした、国会で議決された予算を執行する責任が内閣にある、その使ったものを、自分が使ったものを自分で調べておったのじゃ、これでは自画自賛になってしまう。こういう意味で決算委員会というものは、野党が少なくとも役員になって、そうして政府が公正な立場でその報告をし、決算の審査をしてもらうというのが、私は最もよい方法ではないかと考える。ですから、この国会ではもちろんできませんですから、あなたのお話にあったように、与野党がよく話し合って、次期通常国会からはひとつ努力しましょうということに両党の間になったようでありますが、たとえば、私はこういう決算の審査にあたっては、野党の私がたとえば決算委員長になっても、池田さんが総理大臣にそのままおいでになっても、変わりはないと思うのですよ。国会の与党と野党と別にけんかをする相手ではない。要は国民の信託にいかにこたえるかという、いわゆる国民の血税というものがどうりっぱに使われておるかということに重点があるわけでありますから、そういう国会正常化という問題について、予算と決算との委員会のあり方というものについて、総理はいかにお考えなるか、ひとつこの際承っておきたいと思う。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、相澤さんの意見には大体今までよく合っておったのでありますが、この問題につきましては、必ずしも合いません。三権分立のあれからいきまして、政府の提案するものですから予算はどうだ、そうして今度審査する決算のほうは野党でやるというふうな理屈は出てこない。これは国会自体でお考えになるべき筋合いのもので、政府との関係ではないと思います。
○相澤重明君 ものの言い方としては、総理の言うこともうんと、こういうことになると思う。しかし、現実には政治ですからね。そうすると、政治というものについては、やはり多数決ということでいくわけですね。だから、そういうことから今までの運営がなされておると、役員というものが与党からたくさん出るわけですから、そうすると、実は与党だけの使い方になる。その締めくくりも与党だけで終わってしまうきらいがあるように思われる。そういう点で、私は賢明な総理大臣だから、そういう点については、なるべくひとつ与野党が話し合えば、国民にも、国会というものがほんとうに国民のために働いておるのだ、こういう立場を示すようにしていくという考えを持っておるのではないか、こう実は思ったのです。残念ながら、少し池田総理と私は意見が違うようだけれども、私の言うのが正しいというように思うが、あまり独善的になってもいけませんので、ひとつあなたにも再考を願いたい。あなたは単に総理大臣だというだけでなしに、党の総裁でもありますから、国会できめるべきこと、そのことは間違いありません、私どももそう信じておるが、国会できめる場合にも、与野党の話し合いの場であるから、そういう場合の予算と決算のあり方というものを、きちっとものをする、そういう場合には、こういうことが私はよろしいのではないかと、こういうように思ったので申し上げたのですが、これは御検討いただいて、次の質問に移ります。 先ほどいろいろ条約改定お問題では、外務省の責任者がおらぬので、審議官だけの答弁で、これはいずれあとで外務大臣に御出席いただいてお話を聞こうと思うのですが、特に私のきょうの質問の中では、政府が内閣の中に基地対策についての閣僚懇談会を持っておるわけです。それから、次官等を中心に対策協議会を持っておる。そこで、非常に基地問題についてはたくさんの問題を投げておる中で、私、神奈川県ですから、神奈川県の厚木の基地だとか、あるいは横浜の上瀬谷の通信隊の基地であるとか、こういうところで基地の周辺が、基地そのものじゃないのですよ。基地があるために、その基地周辺の国民の生命財産というものが非常に問題になっておる。それはジェット機が落ちて、そして人がなくなったということもあるし、家がなくなったということもある。あるいは爆音によって、そして実際に病人なんかが非常に治療に困る。あるいは今質問中だったのは、テレビやラジオあるいは電話、こういうものが、見たり聞いたりするのに非常に困る、こういうような問題を、これは単に神奈川県の問題だとか、あるいは福岡県の問題ではないのですね。日本国全体の立場で考えていかなければならぬということで、対策協議会なり閣僚懇談会を持たれておると思う。したがって、そのお考えを早くやはり出すことが、国民の期待にこたえることだと思う。そうすると、一体、今の対策というものはどのように進んでおるか、こういう点、これはつとに予算の関係にもなると思うのですよ。それで水田大蔵大臣にもお尋ねしたのでありますが、まだ目下相談中、検討中という域を出しておりません。けれども、住民にとっては、これは毎日の生活の上に大きな問題がある。ですから、総理大臣としては、そういうせっかく政府の中に閣僚懇談会なり基地対策協議会を持ったけれども、一体どういうふうに予算の上に反映をさせようとされるのか、この点はひとつ総理大臣のお考えをやはり聞いておきたいと私は思う。
○国務大臣(池田勇人君) 敗戦後、この問題は非常に重要な問題であったのでございまするが、どうも何と申しますか、対策その他につきまして手抜かりがあったり、また事前によくやるということでなしに、押せ押せでずっとぐずぐずしておるのが実情でございます、大切な仕事でありながら。したがいまして、先般閣僚懇談会を設けて、お話のような点を、早く民意を聞きながらやっていくように、閣僚懇談会のみならず、党の内部に、私は、委員会を設けまして、検討願っておるのでございます。全国各地の問題も私少しは存じておりまするが、こういうものは早くしないと、かえってお互いが迷惑をする。話を早く解決し、また両方で建設的な意見でやっていけば事も楽に済む。それがじんぜん日を過ごすために、問題が非常にむずかしくなるということは、もう多年の経験でございます。できるだけ早い機会にその現場現場に適切な方法を講ずるということは、閣僚懇談会にも、また党の委員会にも、大蔵大臣にも言っておるのであります。一文惜しみの百文失いということが私はこの問題に特に多いと考えまして、早急に片づけるように指導いたしておる次第でございます。
○相澤重明君 北富士の演習場は藤枝君が非常に努力してとにかく解決した。これはいいことだと思うんですね。しかし、今の私の話の中で、横浜市の上瀬谷の通信隊基地の問題、これは土地の住民はがまんできない。とにかく自分の土地へうちを建てようったって建てられないんですよ。あるいはテレビを見ようと思ったって、アンテナを立てちゃいかぬということになっておる。こういうことになると、一体、国民の財産権なんというものはどうなるんだ。基地を提供しておる、基地内のことは別としても、基地外における国民の財産というものが、これは使っちゃいかぬ、これは通っちゃいかぬなんていわれたら、一体国民の財産権なんというものはなくなってしまう。こういうようなことで、もうがまんできないから、実力行使するぞと、こういうような純真な農民や居住者が怒り心頭に達しているということなんですね。だから、おそらく官房長官のところにはずいぶん陳情もきていると思う。神奈川県の内山知事なり、あるいは県議会なり、また横浜の半井市長なり、あるいは議会の人々も、地元の住民から……。それを、今総理の言うように、とにかく今ここで手を打てば打てるものを、とにかく、のろのろやっていってしまえば、だんだん政府に対する不信や、あるいは政治に対する不信になってくる。また、国民自身もそれは非常な迷惑な問題だと思うんですよ。そこで、総理のお話のように、早く解決する、こういう建前をとるなら、私は総理大臣が、全部が全部やれったって、これはなかなかできない。各省分掌もあるんだからできないけれども、内閣の一番番頭だから、大平君は少し総理のお手助けをするということで、今総理の言うように、たとえば上瀬谷のような問題、どうします。あなたのところにはずいぶん陳情が来ていると思うのだがね。そういう点、総理、大平君から聞いて、実際に、たとえば上瀬谷の司令官は、これはもう日本政府の仕事ですと言っているのですよ。私のほうでは、もう異議はありません。いつでも、たとえば補償するというならば、それは話はお互いにしましょうじゃないか、あるいはこの地域については、どうするということをやりましょうじゃないか、私のほうはいいのです、それはあなた方、日本国の政府の問題でしょう、こう言っているのだ。 そうすると今、総理のせっかくお話になったことも、実際には、どこかでパイプが詰まっているということになる。そういう点どうですか、総理、ひとつ拍車をかけてやっていただけますか。それから官房長官は、そういう点で、いろいろあったと思うから、その点も補足的に説明してもらいたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私のところへ来ましたものにつきましては、私は自分で電話をかけたり拍車をかけております。たとえば鳥取県の境、鳥取県のほうはうまくいったのですが、島根県かどうこう——島根県のほうは、私が知事その他に言う、こういうふうにして解決の促進方をはかっておるような状況でございます。横浜の今の問題も聞いてはおりますし、各地の問題も聞いております。 しかし何分にも私一人、また官房長官、だけというわけにもいきませんし、私は調達庁その他の機関につきまして、少し検討し直さなければ、あなたのおっしゃるようにパイプが詰まっておるとは申しませんけれども、十分うまく出ない点があるのじゃないかと思いますから、そういう点も、官房長官とも話をして、物事を積極的にやるような気持でいかなければいかぬということを話し合っておる状況でございます。
○政府委員(大平正芳君) 今、総理が言われましたような趣旨に基づきまして、従来御案内のように調達庁を中心にいたしまして、基地並びに基地周辺の問題を御処理を願っておったのでございます。それで調達庁といたしましても最善を尽くしているわけでございますけれども、お互いに未経験の新しい問題が次々出てくるわけでございます。 したがいまして、従来の官庁の慣行で処理できるという性質のものではないということと、それから政府のほうも民間のほうも、あれよあれよと新しい事実が出てくるものでございますから、これはどういたしましても、調達庁だけにお願いをしている——最善を尽くしておりますけれども、それだけで、今、相澤委員のおっしゃるような工合に、事実に即して具体的に解決をはかっていく上において十分でないと思いまして、それで閣僚懇談会並びにその下部機構を作ったわけでございます。 そうして今、私どもが何をやっているかと申しますと、全国にたくさんの基地並びに周辺の問題をかかえておりますが、各地区につきまして、今までどういう問題が生起しておって、どれが片づいて、どれが未解決の状態に放置されているか。これに対しまして、その地域の方々の御要望はどうであるか。相当広範な調査でございますけれども、それを一応手にとりまして、一つ一つしんぼう強く片づけて参る、政府全体の力で片づけて参らなければならぬと、そういう気持でせっかく作業をいたしているわけでございます。しかし何におきましても、お金がなくてやれる仕事はございませんで、どういたしましても、これは本格的に予算の問題に関連をして参りますので、こういった経費は防衛庁、あるいは調達庁というところに計上すべきものか、それとも何かまとまった御処理を大蔵大臣にお願いたしまして、機動的な流用の仕方がないものか、そういったことを今大蔵当局ともお話合いをいたしておるわけでございます。 私どもは政府全体の力で、先ほどご指摘のように政治の信用の問題でございますから、全力をあげて事実に即した御解決を申し上げなければならぬという願望におきましては人後に落ちるものではございません。政府全体を率いてその全体の機関が動きやすいような仕組みを考えて、そうしてこれに師撻して参るという意味において、どうすべきかという点を、せっかく今研究いたしておるわけでございまして、その仕事を懈怠しておるわけでは決してないのであります。
○相澤重明君 総理大臣の時間があまりありませんから、できるだけしぼって質問したいと思うのですが……。 そこでこれは総理大臣、結局調達庁の職員も少ないのですよ。科学調査百させようといっても、実際には、なかなか人が足りないからできないのですね。だからやはりもっと、政府がせっかく内閣の中に、そういう機関を設置して努力をするというなら、やはり科学的にも調査をしなければいけないと思うのですね。そういう場合に、何しろ調達庁の職員が少ないので、実際には政府が幾らそういうふうに思っても、下のほうの行動が伴わない。こういうところにやはり欠陥があると思うのですよ。政府もやはり科学的な調査の結論を見なければ、ただ単に言葉の上だけでは、なかなか言えないと思うのですね。私は、そういう点の苦しい面もあると思うのです。ですから、もっとこういう基地問題等の関係のあるところには、実際に政府の仕事ができるように、私は調達庁の職員をもっとふやすべきだと思う。これは予算では、どうしても政府の職員の定員を削ることが、大蔵省のまあ一番大きな問題点だなんと言っているけれども、そんなことじゃなくて、問題はそういう、いかに国民の生命財産ということを守ることが大事かということに焦点が向けられれば、そのスポットの向けたところをやはり取り上げていくと、こういうことは、やはり内閣に持たれたことでありますから、もっと職員をふやして、そうしてそういう国民のために働けるようにしてもらいたいと私は思う。それがパイプが詰まらないことだ、パイプを通すことだと思うのです、一つは。 それからいま一つは、そういう中に、具体的に上瀬谷の問題とか厚木の問題とか、あるいは小牧とか板付とか、全国の問題が出ているのだから、それに対する裏づけを私はしなければいけないと思うのです。裏づけをしないで、ただ単に、それはもっともですねと、こういう答弁をしたところで、国民は生命財産を侵されているのですから、そういう点にはならぬと思う。 そこでひとつ私はこの際、総理にも聞いてもらいたいのだけれども、三十四年度の決算報告が、たとえばこの日本放送協会の決算が、ここに出されておるわけです。あなたに、総理大臣に出されているわけです。そういう内閣総理大臣に会計検査院長から出されておる中にですよ、中に、普通の場合でも、今答弁をされたのですが、ラジオ、テレビ等の未収金というものはあるわけです、これは普通の場合でも。だから当然そういう電波の障害、あるいは飛行機の飛ぶことによってそういうふうな受信ができなかったり、あるいは聴視が不能というような場合には、私は検討する余地があるのじゃないか、こういう点を実は指摘をしておきたいと思うのです。ですから、会計検査院長に説明をさせるということも、これは大事なことですが、まず私は内閣自身が、そういう対策協議会なり閣僚懇談会を持っておって、しかもそのことが切実な問題であるならば、取り上げて、こういう法律あるいは規則等に基づいてなし得ることは最大限の努力をすべきである、こういうように私は思うのです。そういう問題として私はこの今の電波の障害の問題についてはどうするのか、あるいは住宅の建築基準を米軍が地域外についても、なおかつ干渉をすると、こういうようなことについては、これは私は早急にたださなければ、何といっても池田内閣に対する不信の念というものは消えないと、こう思うのですよ。 ですから、そういう点について総理もたいへんだと思うのだけれども、お考えをひとつ聞かしてもらいたいと思うのですね。
○国務大臣(池田勇人君) ラジオ、テレビの聴視その他についての被害状況は、私は一回聞いたことがある。どれだけの被害があるかということを調べたと思います。結論は聞いておりませんが。それからまた、建築その他につきましての、いろんな制限等によりまするところの住民の被害等につきまして、今後十分そういう点を研究いたしまして対策を講じたいと思います。
○相澤重明君 それでは、総理大臣がそうおっしゃるので、私は結果を早くしてもらうように、一つ促進してもらうことを希望しましてこの問題終わりたいと思います。ただし私は、その結果いかんによっては、そうはいきませんからね。だから総理大臣のとにかく誠意は、私は汲んでおきたいと思う。だからそのことは総理大臣が、そういう指示をされれば、官房長官はこれはやっぱり促進をして実際につけるということになるわけですね。そういうことでひとつ、それは了承しましょう。 その次に、この前の総理大臣や官房長官に、私やはりお話ししたことですが、国家賠償法の改正ですね。法律的には、きわめて簡単な六条ですが、実際には三条しか適用がないわけですね。この国家賠償法というのは、国または公共団体の公務の行使にあたる公務員が、「その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」こういうことになっておる。ところが私は今の場合、これだけの条文では非常に範囲が狭いので、国家賠償法を改正して、今日の賠償法だけでは、私は国民の生命、財産というものは守れない、いわゆる今日は文化災害というのが非常に多いということは、おととし私が横浜の金沢の東洋火工の爆発の問題で質問しました。それからその次に京浜第二国道——歌にある第二国道ですね。火薬の爆発の問題をお話ししたわけです。そういうときに、経営者も支払い能力が全部ないわけですね。それからたとえば仕事をしておった者は亡くなっていないわけです。だから支払う者はない。そうするとお見舞金だけになってしまう。当時、池田さんも通産大臣で非常に御苦労されたわけですが、そのために火薬については、爆発物に危険、注意をするようにということで、自動車が走るときに、火という字を書いて注意を喚起をしておる。あるいは警察なりその監督官庁の注意もしておる。こういうだけであった。しかしこれはあくまでも保険制度の問題ですね。これは保険料をかけてもらって、そして保険を被害者に与えるというような、まあ単純なものなんですよ。しかしこれはやはり限度がありますね。ですから私は、あのときに申し上げたように、とにかくあのときの場合でも、東洋火工の爆発によって受けた被害というものは六千万以上のもの、それから子安通りについても、とにかく二百四十人からの被害者が出ておる。こういうような話をしておる。そういう点で、列車のスピードが出、あるいは自動車のスピードが出てくる、あるいは航空機のジェット機の競争時代になってくる、こういうふうなことになると、米軍の特別損害を受けたような場合には、それぞれの条約、協定があって補償ができておる。その他の問題についてはないわけですね。そういうことからくると、今単に保険料をかけて、その保険料によって支払うというような程度では、やはり国民の文化的な生活というものを私どもが憲法上保障することにはならぬと思うのですよ。 したがって、大蔵省の推定によれば、今年度も二千五百億から三千億の税収自然増というものが見込まれると、こういうようなことを言うんだから、少なくともそういう文化災害に対する制度あるいはそういう立場というものを、私は考えていく必要があるんじゃないか、今次臨時国会では、災害対策について政府も出しておるし、私も一そういうふうに希望しておるわけです。そのことについては意見が一致しておるわけです。しかし残念だが、そういうものから除かれておるところの大きな谷間というものがあるのですね。これはやっぱり国政の上からいけば、法律上そういう措置を講じ、また予算上も講じてやらなきゃならぬではないか。そうすると漠然としたそういう文化災害については、国家賠償法というものが私は、改正をして、その政府が国民の生命、財産を守ってやるには一番いいんではないか。こういうことに対しては、残念ですが、国家賠償法という問題についての改正する意思があるかないかという点を大平さんにも総理にも、私はお話をしておったところなんです。 したがってそういう点について、次期通常国会以降政府としても、たくさんの問題はあろうとも、国民の立場に立って、こういう点について、どういうふうにお考えになるか、この間いただいた御答弁は、検討をいたしますという総理大臣の誠意ある御答弁だったのですが、きょうは少しく、あまりにもたくさん関係が多過ぎるから、私は決算委員会のほうでは、先ほども悪口を言ったのですが、防衛庁は予算が多過ぎるから、何でも買います防衛庁とよくいわれる。それでイタリアのスタッキーニ会社にロケットを発注しても、それが買えないで、そうしていわゆる詐欺にかかってしまって、現在は、イタリアの国の相手の会社に対して裁判をしておる、こういう報告だけは受けておる。そういうような問題があるから、むしろ国民の生命財産のために、国費というもので十分まかなえるようにすべきではないか、そういう根拠に立って、国家賠償法の改正というものを行なうべきではないか。こういうふうに私は理論づけをずっと研究をしておったのだが、政府のひとつお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(林一夫君) 政策の問題は別としまして、法律的な考え方を先にちょっとお答えしたいと思います。 御承知のように今の国家賠償法は、憲法十七条を受けまして、新憲法が施行とともに制定されたものでございます。これはやはり憲法十七条の建前から申しまして、いわゆる公務員の行為、国家の使用人である公務員の行為、あるいは国家が作ったいろいろな一連の工作物とか施設、こういうものが原因となって、一般に迷惑をかけておる、そういう場合に対して、国が補償をする、この損害賠償の建前でできておるわけでございます。 したがいまして、第一には、今お話にございましたが、国家賠償法の第一条は、公務員の違法な行為、故意または過失に基づく行為というものが規定してございます。 第二条の方の工作物の損害は、多少その点は違いまして、いわゆる無過失賠償的に考えられておりますが、大体そういう建前であります。 そこで一般の民間、今仰せられました火薬の爆発というような一般の民間の企業の起こした災害、これは御承知のとおり民法で今解決する建前になっておりますが、しかし、これは、だんだん社会が発達して参りますと、相当大きな災害が起こる、それを起こした、原因を作った企業者が、とても賠償できないという問題は当然起こって参ります。そういう場合に、それをどう解決するかという問題になってくるわけでございます。 第一に考えられますのは、今やっておりますいわゆる保険制度、お互いに平生から金を積み立てて、それをいざ起こった場合に、その保険から払う、場合によっては、国家が再保するという場合もありますけれども、そういう考え方でいくわけでございます。すぐにそこに、国家が出てくるということは問題があると思いますが、御承知のように、そういう災害でも、非常に今までにもあまり経験はないし、今後場合によっては、大きな災害が起こる可能性がある例の原子力の問題、これについては、学者なんかも相当集まりまして検討した結果、御承知のような原子力の損害に関する賠償法はできております。これは最終的に、一定の限度をこえた損害に対しては、国家がめんどうを見る建前になっております。相澤委員がおっしゃられる点は、そういう点を広、げたらどうかというお説だと思います。 これは、なかなか重要な問題でございまして、いろいろのそういう社会に起こった国民の生命財産に対して影響を及ぼすものについて国が責任を、直接的責任を持つものは国家賠償法がありますが、それでないものについて、直接的には、第一次的には民間の者が責任を負う。あるいは不可抗力である災害のようなもの、そういうものについて、どうするかということは、非常な問題でございまして、これはむしろ国家賠償法の法体系からいえば、国家賠償法というよりは、一種の災害補償法というような考え方になってくるのじゃないかと思います。原子力については、ああいう考え方をとるについても、非常に議論のあるところでございまして、慎重検討を要するとわれわれも考えております。しかしだんだんこういう社会が発達して、いろいろ危険な事業ができて、危険が、いろいろ起こってくる可能性がある場合、それをどういうふうに解決して、国民の被害を填補していくかということは、これは大きな問題でございます。今後、私どもも十分検討しなければならない問題だと考えております。
○委員長(岸田幸雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岸田幸雄君) 速記を始めて下さい。
○相澤重明君 今の林君から答弁されたのは、いわゆる現在の法律にあるものは、それぞれの法律で適用ができる。しかし法律のないもの、適用のできないようなものはどうするかというのが、今の私の質問をしておる中心なんです。それが近代国家になればなるほど、文化災害ともいうべきものが出てくるのではないか。 そこで、それを救済する道を考えなければいかん。それは、たとえば国家賠償法という現在の法律の改正というもので申し上げたのだけれども、林君の言うように、たとえば災害補償法ということになれば、それはそれで一つの方法だと思うのです。私は別に、これに固執しておるわけじゃない。現在でも、豪雨等に対する災害補償も、この国会でもやっておるわけですから、あるいは原子力についても、あなたの答弁したとおりなんです。ですから、今まで考えられなかったことだけれども、近代国家の立場としては、どうしてもこういう、次から次と必要なものが生まれてくるから、それでもなおかつ現在まだ適用のできない、しかも泣き寝入りをしなければならぬというようなことでは、国民の生命財産は守れぬじゃないか。だから、それに対するところの政府の御検討をいただきたいと、こういうことを申し上げておるわけなんです。林君もひとつ慎重に検討するというのだが、慎重に検討することは、もちろん必要でしょう。何も雑にやれということじゃないのだから。しかし、やらなければいけない。これは、私は、国会としての責任の問題であるし、内閣としての責任の問題であると思います。 そこで総理にお答えをしていただきたいのは、今、林君が言ったように、政府としては、一つ早急に立案をして、そして国民の生命財産を守れるように、一つ法律的にも予算的にもお考えをいただきたい。このことを御答弁をいただきたいというのが一つ。 それから先ほど申し上げた、くどいようだけれども、内閣総理大臣に日本放送協会の決算が提出されておって、その中で、私が決算を調査をするところによると、これを準用していけば、今の苦しんでおる人たちにも、かなり政府の考え方というものが、努力をしておることが認められるのじゃないか。そこで、日本放送協会受信料免除基準というのがある。その免除基準を読んでみますと、「天災その他の非常災害があった場合において、受信料を免除すべき者の範囲及び受信料免除の期間につき、郵政大臣の認可を受け、その基準に適合する者の受信設備」こうなっているわけです。だから設備についても、あるいは料金等についても、天災その他の非常災害という場合には受けられるわけです。決算上も、それは出ているわけです。 ところが文化災害ともいうべき、あるいは日米安保条約による軍事基地を提供しているために、ジェット機の影響によりテレビの受信ができない、あるいはラジオ、電話の聴取ができない。あるいは電波の障害による被害がある、こういうようなものは、たとえば法律あるいはその中からくる日本放送協会の基準に基づいても、これはやる気になればできるのですよ。だからやる気になればできるし、この会計検査院長から内閣総理大臣に提出をした、この決算書においても、そういうことはできる、こういうことになっておるのだから、一つ総理大臣も締めくくりの、時間がないから、私の質問は終わるわけだから、そこで、そういう点を検討をして、ひとつ趣旨に沿うように努力をしてもらいたい、こう思うのですよ。 そういう点を御答弁いただいて、総理大臣に対する質問は、私はきょうは時間がありませんから、終わりたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) 順序が逆になって恐縮でございますが、放送協会の免除に関する規定は、郵政大臣のところで検討さしたいと思います。 それからお話の国家賠償法——国家賠償ということになりますると範囲が狭くなる。あるいは昔から賠償ということには、無過失賠償論というのがございます。これは英法系とドイツ法系といろいろな違いがありまするが、今申し上げましたように、原子力に対しまする損害につきましては、これはもう無過失賠償で政府がやるといったようなこと、個人間の賠償問題と社会連帯性についての損害の補償の問題と、これは時代とともに私は変わってくるべき筋合のものであると思います。したがって火薬の問題につきましても、まず火薬業者が申し合わせて、お互いに損害が発生したときに、その賠償の責に任じようというので、二、三の保険会社が主になって、そういう災害の補償のための災害保険というものが設けられたのは、ここ一、二年の問題でございます。花火のような、こまかいものにつきましては、なかなかそれはむずかしゅうございますから、まず政府として、予算で災害の防止にできるだけ努めていこう、こういう段階にまできております。 しかし、社会連帯性の問題からいって、そういう保険だけで政府は全然関係しないか、あるいはある程度政府が関係するかという問題は、時代の進運とともに考えなければならぬし、政府としても、こういう問題は、あまりおくれずに考えていかなければならぬ問題だと思っておるのであります。国家賠償ということでなしに、社会連帯性の問題から、政府はどれだけの役割をつとめるかというところで考えを進めていかなければならぬ問題と思っております。
○北村暢君 私は、総理が四時二十分ということのようでございますから、ごく簡潔に、問題を通告しておりますように、旧地主の補償問題についてだけ、お尋ねをいたします。 この問題について、決算委員会の総括質問で、私がこういう質問をしなければならないということは、私は非常に遺憾に実は思っておるのです。なおかつ、この問題を取り上げなければならないというのは、最近における地主のいわゆる全国農地解放者同盟という団体があって、これの動きが最近目立って問題になってきた。いわゆる十月の十日の日に、日比谷で全国からの旧地主が集まって大会を持った。それで決議をして、政府に対して、あるいはこれの調査会に対しまして要請がなされておる。こういう問題と、これと期を合わせまして、自民党の中に農地問題調査会という党内の会合があるようでございますが、これがまたその大会の終わりました翌日、これの会長から政府に対しまして要請がなされておる、調査会にまた要請がなされておるのであります。そういうような点からいって、この農地の旧地主の補償問題が非常に最近やかましく言われるようになって来たのでございます。 そこで、私がお尋ねいたしたいのは、この全国農地解放者同盟の決議の内容が、買収農地の国家補償は、社会保障でなく対物補償を要求する。これが大問題なんでありますが、そういう決議になっておるわけでございます。この要求について、一体、政府はどのように対処せられるか。まあ聞くところによりますというと、総理は、当然解決すべき問題であるから、政府としても、できるだけ早くこの処置を講ずるようにしたい、こういうようなことを答えたというようにも聞いておるわけでございます。 そういうような点からいって、一体、どのようにこの要求に対して対処せられるつもりでおられるのか。この点について、まずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 農地改革によりまする農地被買収者に対しましては、御承知のとおり、調査会を設けまして実情を調査しておるのであります。まだその調査の結果が出ておりませんで、政府は何もきめておりません。
○北村暢君 もちろんそのとおりだろうと思うのでございますが、そうしますというと、この農地被買収者の問題調査会が来年の六月までの時限立法になっておる。そうして、今、調査の段階にあることは、これはまあ間違いないのでございますが、一体、これは総理府に設けられておるのですか。あなたの所管の中で、この調査会の作業の進行状況——来年の六月までに政府の諮問に対して答申のできるような形にあるのかどうなのか。この進行状況はどうなっておりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 調査会設置法によりまして、農地の被買収者について調査するというので、最近、調査方法についての結論が出たようでございます。七回会議を開きまして、調査する方法の結論が出たようでございます。その調査方法によりまして今後調査を進めていくことと考えております。
○北村暢君 今お伺いしておるのは、調査方法ができたというのですが、もうこの調査会が設置されましてから、約一年半になっておるわけであります。もうそろそろ結論が出てしかるべきでないか。しかも解放者同盟からも、十一月中に結論を出せということで要請があるようです。昨日総会が行なわれまして、急速にその調査会を進めるということで、調査の方法をきめたようでございます。 したがって、私のお伺いしておるのは、この調査会が、もし結論が出ないということであるならば、一年間延長するというようなことも言われておるようでございます。そういうような意思があるのかないのか、お伺いしたいと思いますが、実はそういうことをお伺いするのは、現在のこの調査会の設置の目的は、旧地主の問題について調査するということでございますけれども、この設置法の提案理由の説明にも明らかにありますように、これは被買収農地に対する補償というものは、これはもう当然やるべきでないのだ、そういう考え方で、しかしながら社会保障的な意味において問題があるのじゃないか。これについても私どもは、いろいろ意見のあるところでありますが、とにかくこの法案は、あの安保国会のどさくさに通ってしまっておるわけであります。そういう点から言えば、この調査会の出す結論というものは、おのずから社会保障的なもの、これもあるとすれば、そういう結論の出る調査をする権限しかない調査会だと思う。 それに対して、今、最初に申し上げましたように、地主団体は、明らかに買収農地に対する社会保障的な性格ではなしに、それを補償の形でやれ、こういう要求をいまだに続けておる。しかもこの団体は、自民党とは非常に密接不可分である。ここにもおられるかもしれませんが、とにかく自民党の衆参国会議員二百五十名が顧問になって、密接不離な関係にある。そういう中で、先ほど言ったように、自民党内においても、農地被買収者の農地問題の調査会というものを、特別委員会を設けて党内でも検討されて、したがって、付設してこれが行なわれておるので、聞くところによりますというと、一年間延期するということは、来年の通常国会において、この調査会の設置の目的の中に農地補償ということを入れる、そういう修正に持っていくのだ、そのためには一年間延長しても——安い、取るに足らない涙金をもらうよりも、一年間待っても——農地の補償を受けたほうがいいのだ、そういうような動きがあるということを聞いておるのでございますけれども、政府は、そういう要求に対して、この調査会設置法の提案の趣旨というものを、あくまで守られる意思でおられるのかどうなのか、そういう要求があっても変える意思がないと、こういうことがはっきりいえるのかどうなのか、この点をひとつお伺いしたい。
○国務大臣(池田勇人君) われわれは法律の規定によりまして、今調査をいたしておるのであります。いろんな説に対しまして、今、政府はこうするのだ、ああするのだということをお答えする段階ではないと思います。
○北村暢君 それではお伺いいたしますが、昨日の閣議で河野農林大臣が、この問題に対しまして特に発言を求めて、農林省の事務当局に対して、この問題とはいいませんけれども、今度の農地法改正に伴うこの被買収者のいわゆる旧地主に対する問題についても検討を命じたと、こういうことがいわれておるようでございますが、閣議において、それを了承しておるようでございますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) 閣議の様子につきましては、官房長官からお答えいたします。
○政府委員(大平正芳君) 旧地主にからまる問題を、今御指摘のように農地法の改正問題との関連において事実関係の調査を命じたということだけでございまして、それで、この問題について積極的に政策を提示されたわけじゃございません。
○北村暢君 それでは総理にお伺いしますが、この問題についてのわざわざ法律を設けて、農林省ではなしに、総理府にこの被買収者問題の調査会というものを設置した、こういういきさつからいって、私は同じ問題について、総理府にわざわざ設置しながら、農林省でまたこの検討をするということは、一体どういうことを農林省はやろうとしておるのか。きょうは実は農林大臣を呼んでおるわけなんですが、来ておりませんので、非常に工合が悪いわけなんですが、二十日の閣議後における農林大臣の記者会見における発表におきまして、この問題について、農地法の改正に伴いまして、いろいろ触れられておるのでありますが、この終戦後の農地解放で土地を奪われた旧地主に対する農地補償の問題が出ているが、できれば三十七年度予算に関連づけて補償問題を具体的に研究したいということを言っておる。そしてまたこの犠牲者に対しては、犠牲になった人に対しては、この今度の農地法の改正によって、制度の改変も行なわれることであるから、従来の社会保障的な考え方で対処することを改めて、制度の変化に伴うところの何らかの裏づけとして対策を講ずる必要があればやりたい、こういうことを言われているのであります。 したがって、これは非常に重大なことなんでありまして、従来とっております岸総理並びに長年、論議してきている行き方と政府の答弁と、これは、この河野農林大臣の考え方というものは違うのでありますが、一体、そういうことを記者会見の際に発表しておる。しかも新聞で堂々と伝えられておる。そのために非常に農民は迷惑しておるだろうと思うのですが、一体、この河野農林大臣の記者会見の新聞記事等は総理も見ておられるだろうと思うのですが、これは内閣の意思が変わったと、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、河野農林大臣の記者会見の記事を読んでおりません。内閣といたしましては、従来の法律の規定に基づいて調査をいたしておるだけでございます。
○北村暢君 どうもあなたは、どの新聞を読んでおられるか知らぬけれども、今盛んにやかましく新聞では、日経でも朝日でも出ている問題なんですよ、これは、こういう重大問題について、新聞を読んでおられないというのは、どうもわからないのでございますが、とにもかくにも私は、これは総理大臣として、農林大臣がこういう言動を吐いておる。しかも農林省に調査を命じておる。こういうようなことについて、私は行政の混乱を起こしておる。そういう意味において、総理の閣内における統率といいますか、何といいますか、これは非常に抜けているのじゃないか、こういうふうに思うのです。 というのは、河野農林大臣がおられれば、まあ論議をするところでありますけれども、今度の農地法の改正に伴いまして、その内容的なものを、提案理由等を聞きましても、決して農地の所有の制限を緩和する、あるいは農地の信託制度を行なう、そのために不在地主等も出てくるのであるから、そういうような点で、農地制度の根本が変わってくるのだから、今後この旧地主についても、再検討しなければならない。これが農林大臣の考え方のようでございます。これは私は明らかに農林大臣の間違いだと思っておる。確かに緩和もすることも出ておりますし、信託制度もおりますけれども、それは、かつての物納、高額地代によるこの旧地主の地主制度というものとは、全く次元を異にする問題でありまして、これは同一の次元で論議のできないものである。しかもこの調査会の設置法の中で、はっきりしているように、これはすでに農地の補償という、いわゆる農地改革の犠牲でないということは、これはもう昭和二十八年の最高裁の判決によっても明らかである。その方針は、政府は一貫してとってきているはずなんです。 それでありますから、これはその時点において問題は解決した問題であるとするならば、これは社会保障的な問題である。こういうのが統一した見解で、この調査会については、いまだに総理は、これは変わっていないと私ども思いますが、念のために、これはお尋ねしておきます。 そうしてこの河野農林大臣の考えておられる、先ほど言いましたところの社会保障的な考え方ではなくして、あらためて新たに再検討しなければならない。こういうことのために、農林事務当局に調査を命じたというのでありますが、これは、この法律からいきますというと、社会保障的な問題で、農林省の問題では実はないわけであります。これはまあ協力いたしますから、——質問はあとわずかです、協力いたします——農林省で検討する段階というものと離れている問題である。したがって、これは農業政策の問題ではなくして、社会保障の問題で、これは所管が違うのですよ。そういう中において混乱をして、先ほどの行政上の混乱を起こしておるということは、私は、そういうことなんでありまして、同じ問題について、今総理が何回も答弁されているように、調査会の答申を待つというのは政府の態度であろうと思うのですが、それ以外に、農林省で調査をするというのですか、しているというのですか、これは閣議で了承したようになっておるのですが、これをとめる意思はありませんか、行政の混乱でありますから。
○国務大臣(池田勇人君) 農地改革に対しまする事柄は、私は初めから関与いたしております。昭和二十八年の最高裁の判決も存じております。そしてこの問題につきましては、ただいままでお答えした通りでございます。で、農林大臣がどういう気持を持っておられるか、私はこの問題について特に聞いたことはございませんが、農林大臣だって、政府の方針はよく御存じだと思います。詳しくは官房長官から事情をお答えさすことにいたします。
○委員長(岸田幸雄君) 大平官房長官。
○北村暢君 ちょっと、今総理が終わるから、確かめておきたい。
○委員長(岸田幸雄君) 官房長官に答えさしていいんじゃないですか。
○北村暢君 総理だけの、今の答弁で不満だから、ちょっと——今、岸前総理時代から、この問題にとっている政府、内閣としての考え方には変化はないかどうかということについて、はっきりお答えいただきたい。
○国務大臣(池田勇人君) それは、あの法律の規定によりまして、われわれは行動いたしておるのであります。しかしてその法案の議会への提出の理由書その他は、あなたがおっしゃった通りであります。今、岸さんの方針と何の変わりはないということを言わなくても、今、あの法律で調査を進めているということで、私はお答えになっていると思います。
○政府委員(大平正芳君) 念のために、ちょっと補足して御答弁申し上げますが、農林大臣の京都談話が伝えられまして、農林大臣は、この伝えられたようなことで誤解を起こしちゃならぬということで、きのう御釈明の発言があったわけなんです。その御趣旨は、新農地法の改正法案が衆議院に出されている、その提案について責任を持って農林大臣として答弁される以上は、過去の農地制度がどうであったかということをよく承知しておかないといかぬということで、農地解放当時の事情を農林省事務当局に調査さしでおるというだけのことだということで御釈明になったわけでございますけれども、北村委員のおっしゃるように突っ込んだお話ではないと思います。
○北村暢君 それでは官房長官にお尋ねしますが、まあそれだけの閣議における報告ですというと、これは所管庁として旧地主の問題を調査したりなんなりすることは、それは行政範囲内で私は許されると思うのです。しかしながら、この新聞談話で発表されておる中には、先ほども申しましたように、明らかに私が先ほど申しましたように、ただそれだけのことではなしに、来年の予算とも関連づけて、そして農林省で十一月か十二月ごろまでに調査の結果の結論を出して、処置すべきものがあるならばしたい。しかも、それが社会保障的な考え方をあらためて検討したい、こういう意思があるわけなんです。 したがって、今総理から答弁がございましたから、今までの方針に変わっておらないということでございますから、農林大臣が、いかようなことを考えていようと、これは私は総理の答弁を信用いたしたいと思います。 したがって、こういうことを、まあ河野農林大臣は、食管の問題にしましても、肥料の二法の廃止の問題にいたしましても、どうも思いつきに農民を惑わすようなことを、ちょいちょい言って困るわけなんですが、これはもう河野農林大臣の談話として、相当新聞でも大きく取り上げている問題でありますから、こういう点については、やはり閣議の運営を援助しておられる官房長官において、これは厳重に河野農林大臣に、こういう点については注意をしておいていただきたい。総理の答弁が、ああいうことでございますから、私はそれを信用いたしましていきたいと思いますが、そのようにひとつ。きょうは大臣が見えておれば、私直接言うのでありますけれども、残念ながら河野農林大臣は来ていないわけです。これもまた、私は非常に不満でございますけれども、ひとつ官房長官から、厳重に申し伝えるようにしていただきたい、このように思います。
○委員長(岸田幸雄君) 安井自治大臣が出席されましたので、相澤君の質疑を願います。
○相澤重明君 答弁を先に……
○政府委員(大平正芳君) 閣議での河野農林大臣の御発言を、私ども信頼いたしております。
○相澤重明君 安井大臣に特にお尋ね・しておきたいのは、地方自治体に対する交付金の問題でありますが、その中で、先ほどから私が質問の中心にしましたのは、旧軍港の転換法に基づく都市に対する基地交付金額、これについて今年度、いわゆる約十億の予算が出ておるのでありますが、それでは非常に足りないと、こういうことで、先ほど大蔵大臣に質問をしておいた。大蔵大臣も、そういう点十分検討をするということを言っておったのだが、自治大臣として、この旧四軍港都市に対する増額の点について、どういうふうに考えておるか。現在は大蔵省の考えでは大体十四億ぐらいです。しかしこの四軍港の、各機関で検討をして要求を出しておるのは約四十億です。昭和二十六年にこの法律が施行されてから、そして三十二年に約五億、そうしてことしは、三十六年は約十億、つかみ取りですよ、だから基準も何もないのだ。実際は大蔵大臣、自分で、きょうもここで話したのだけれども、実際にこのくらいと、こういうことでつかんで、四軍港に交付しているわけだ。 実際に、この他の都市から比較すると、この旧四軍港は人口もふえなければ、産業の発展というものもきわめて押えられておる形だ。こういう意味で、私はこの決算上から考えていった場合に非常に問題点があるということで、この十億の今年度の予算というものを増額することは当然だということで、大蔵大臣に聞いたところが、大蔵大臣も、そういう点は検討をするという話だったのだが、自治省として、どういうふうにお考えになりますか、これで、この点ひとつ、第一にお答えいただきたい。
○国務大臣(安井謙君) 軍港を初め基地の施設のあります点を総括いたしまして、そういったものに対して、基地の交付金を十億出しておりますことは、お話のとおりでございます。この十億円が多い、少ないという点については、いろいろ御議論があろうと思うのであります。今お話のように、実はこの正確なものさしがはめようがないのであります。 しかし私どもは、そういうような施設があることによって、いろいろと事情もあることでありますし、できるだけはふやしたいという努力はいたしておりますが、今のところ、十億に固定をされておるような状況であります。
○相澤重明君 安井大臣、三十六年度の話じゃないんですよ、三十六年度は十億なんです。三十七年度については、自治省の案もあるのです。それは十億の問題ではないのです。十四億なんです。だから、それを四十億そのままとは私は言わぬけれども、とにかく大蔵省は、さっき水田大蔵大臣の言うように、なるべく予算を削減をしたいというのだけれども、それでもなおかつ、大蔵省もふやさなければならないということを認めておる、だから少なくとも、自治省としては関係都市のことを考えて、実際に旧四軍港の中では、人口がこの三年間前後にずっと調べてみると、横須賀だけですよ、横須賀がたった六千人ふえただけで、舞鶴、佐世保、呉も人口がふえていない、私どもが専門的に調べてみれば、この関係の都市は実際衰微しているわけです。 そういう意味からいって、政府自体が、せっかくのこの法律を作って産業の発展をはかろうということにしておるのですから、力を入れてもらいたい、こういうことで、ことしの予算の十億ということでなくて、予算編成の中における自治省の考えを私はお尋ねしたい、それをあとで答えてもらいたいことが一つ。 ついでですから、いま一つは基地の問題で、閣僚会議なり、いわゆる閣僚懇談会なり、基地対策協議会をもっているわけですね、政府の中に。そこで、この特に私の出身地の神奈川では、横浜の上瀬谷の通信隊、厚木の航空基地、こういうものがあるために電波の障害があり、あるいはラジオ、テレビ、電話等の受信や映像が不十分である、こういうことで関係地区では、建築上の問題等も含んで、ぜひ政府の善処方を要望したい、こういうことで知事なり市長なり議会が、政府に要望を出しておるわけです。その点は、先ほども官房長官も総理大臣もお答えになった、努力するということを私も信用していきたい。 そこで、特にあの場合は、結局自治体に対する予算の問題として提案をするわけですから、そこで自治体に対する交付金の増額について、適正な交付をしなければならぬし、考え方も、地域住民のそういう意思を取り入れる方向にあってほしいと思うのです。その一つの方向として、先ほど私は参議院の逓信委員会に、たとえば日本放送協会のいわゆる三十四年度の決算が出されておる、その逓信委員会の参考書を見れば、この参考書の中にテレビ、ラジオの受信料のいわゆる未収金というものも出ておる、会計検査院から内閣総理大臣に出されておる、こういうことからいけば、これは天然の災害等の場合と、あるいは契約はしたけれども、どうしても払えなくなったということで不払い、いわゆる未収金というものがあると思う。そういうことだけでなくして私の言うのは、そういういわゆる文化の災害ともいうべきもの、あるいは米軍基地を置くために、ジェット機あるいはそうした電波の障害によるところの問題であるから、これはこれらの法律に基づいて準用すれば、たとえば災害対策についても、今回は法律改正をするように、できるのじゃないか、法律を改正してやる、あるいはそういうふうに根本的な対策を作るのが第一条件だけれども、これができないまでも、たとえば日本放送協会のこの規則を、受信料免除基準というものを準用してもできるじゃないか。総理大臣にも、私はさっき読み上げたのです。だから、そういうことは自治大臣として、この地方の自治体の人の要望にこたえるようにしてやってはどうか、こういうふうに思うわけですよ。 だからこの点も、あなたがやろうと思えばできるわけですね、郵政大臣に連絡をとってやればできるわけなんです。できることだから、もしできるならば、私はこの受信料の、そういう減免については、放送協会法に基づき郵政大臣に検討をしてもらうと同時に、この地方の自治団体に法律を準用して、基地の交付金の増額をはかってやる、こうすれば、その地域住民の反対運動というものも、私は緩和されると思うのです。あるいはそういう中で、たとえば建築等の問題については、アメリカ軍と折衝をしてどうするということも、答えとして、私は今の閣僚懇談会なり基地対策協議会の中で出てくると、こう思うわけです。 そういう点を、一番重要な自治省の責任者でありますから、安井さんから、お答えをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(安井謙君) 今の基地交付金でございますが、今お話のとおり、なかなかこの算定の基準も、はっきりしたものがないので非常に困難でございますが、私のほうとしては、一応の基準を定めまして、十四億を要求をいたしておるわけであります。できるだけこれは実現をはかりたいと思っております。 それから基地対策の問題につきましては、お話のとおりに、閣内にも基地対策に関する関係閣僚の会議がございます。できるだけそれによって被害をこうむっておる人方を救済したいということで、これは主として予算は防衛庁を通じて、いろいろな施策をやっているわけでありますが、まだまだ不十分な点もあります。それからまた今御指摘の聴視料であるとか、あるいは電信電話の料金というようなものにつきましても、これもひとつこれは閣内で、私の担当じゃございませんが、大いに郵政大臣等にも、そういう実例等を話して、何か良策があれば考えるように努力はいたしたいと思っております。 なお、固定資産税の問題につきましては、大体、ああいった基地周辺の土地で騒音とか非常に住民が住むにふさわしくないといったような条件がある場合には、その土地の評価について、一定量の減額といいますか、低額な土地評価を認める建前になっております。したがいまして、そういったものは市町村独自の考えで非常に低い固定資産税を課す、あるいは税率を課すということになりますと、市町村がそれだけ減収になりますが、それは法律で認められております範囲内においては交付税で補てんをいたしていく、こういうふうな建前になっております。
○相澤重明君 いまひとつ最後に、安井さんに、これだけはぜひ自治省でがんばってもらいたい、激励をしたい問題が一つある。それは地方公営企業ですね、これはきわめて現在は困難な問題なんです。この地方自治体についての地方公営企業法附則第二項が今一番ネックになっておるわけですね。ですから地方の自治体が発展をしようと思っても、やはり大蔵省に、そういう点を押えられる、それで自治大臣の認可がなければ、今の場合地方公営企業の起債ができないわけですよ、実際。だから、この附則第二項の改正というものは、きわめて地方自治体にとっては、大きな関心事なんです。 そこで私は、ぜひこれは、もう関係自治体が政府に非常に大きく要請をしている問題ですから、その中でも、私は交通問題は、今や文化都市にとっては、一番大きな問題となっている交通、水道ですね、地方公営企業、そういう点について、早急に一つ検討をして、それで自治省が地方自治体の育成強化にひとつ努力してもらいたいと思う。これは私の要望なんですよ。要望だけれども、これはおそらく、ここにおる与党の皆さんといえども、野党もないのです。国会議員は、おそらくみんな地元に帰れば、何とかしろと、こう言って水道や電気、交通の問題は言われると思うのです。 ですから、地方自治体の問題として地方公営企業法について改正をし、特に附則二項については、私は自治省大臣が検討をして、地方自治体の要望に沿うように努力してもらいたいと思うのです。これは、内容をいろいろ話すと長くなりますから、私はあなたが早くお見えになれば、やろうと思って持っているわけだけれども、時間もおそいから、あなたも同じ参議院の仲間同士だし、努力してもらえば、それでいいんだから、そういう点で、ひとつやってもらいたいと思うのだけれども、どうでしょうね、答弁いかんによっちゃ……。
○国務大臣(安井謙君) 地方公営企業体に対して、起債等の面で十分な手当をひとつ自治省でも考えろというお話であろうかと思います。これはもう、御説のとおりでございまして、現在、大蔵省と自治省と協議をした上で、それは一々きまっておるという建前にはなっておりますが、その実態に即しまして、妥当なものであります限りは、まず起債を認めていくという方針を今とってやっている次第であります。
○相澤重明君 それでは安井大臣の誠意ある御答弁で、私は終わります。 そこで、委員長に、今度はお願いをしておきたいのは、二十七日の決算委員会には、きょうのような関係大臣が出ないで質問が十分できない、こういうようなことでは、せっかくの各委員の諸君の努力も水泡に帰するので、ぜひ委員長から、二十七日は関係大臣が御出席いただけるように、ひとつ御手配いただきたい。これできょうの私の質問は終わります。
○委員長(岸田幸雄君) 今相澤君の御希望の点は、せいぜい努力いたします。 それでは、本日の総括質疑はこの程度にいたしたいと存じます。 これにて、本日の委員会を散会いたします。 午後四時四十三分散会