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39回国会参議院1961/10/31

外務委員会 第9号

発言数
25
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/10/31

会議録

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件。日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、  以上衆議院送付の四件を便宜一括議題として、前回に引き続き質疑を続行いたしたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 質疑というほどのことでもないのですけれども、採決の段階に入る前に、一つ確かめておきたいことがあります。今度のガット関係の二つの文書は、事後承認ということになっているのでありますが、本件の場合、その事後承認ということの妥当なりやいなやということについては、これは、採決の際申し上げたいと思うのですが、それに入る前に一言申し上げたい。  憲法は、事後承認の制度を認めているけれども、これは決して無条件ではないことは言うまでもない。時宜によりという条件付きであって、しかも、時宜によるという条件を満たしているかどうかということは、これは、政府の一方的な判断のみによって決せらるべきものではないと思う。承認するやいなやは、内容の問題とともに、この条件の充足の問題とともに、国会において客観的に判断して決せられるべきことだと思うのです。しこうして新憲法の制定過程を見ますと、マッカーサー司令部の示した条約条項の案の文言では、承認の客体となるものの範囲を広く書いてあった。現行憲法では、これをそれに比べると、もっとしぼって書いてある点などから見ても、この事後承諾の条項は、特に制限的に解するのが立法の趣旨に合致しておると思う。また、この規定の運用を政治的な面から見ましても、この事後承諾条項の発動は、きわめて慎重にするのが妥当だと思うのです。この点については、今までも、政府も、この委員会でも、この間小坂大臣も一応述べておられますけれども、これは、採決に入る前の今の段階において、この点についての憲法の規定の解釈運用上大事な点であるから、この際、特にこの点について、政府の見解を確めておきたいと思う。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) ただいま杉原委員のお述べになりました点、全くわれわれも常から考えているところでございまして、あくまでもこの事後承認という制度は例外的な便法と申しますか、抜け道と申しますか、ほんとうに万やむを得ない場合のための要するに制度であります。したがって、この方法を用いますことは、真に客観的に見ましてもやむを得ない、まことに次の国会の御審議まで待つことができないという、ほんとうにやむを得ない事情がある場合にのみ限るべきである、かように考えておるのでございまして、従来からも、その方針に沿ってやってきております。昭和三十年以後の約六年間、一ぺんもこれが行なわれていないという事実も、その政府の方針をある意味で裏書きしていると思うのでございます。今回お願いいたしました二件は、いろいろ御説明申し上げましたとおり、真にやむを得ないものであると、これに当たると考えましてお願いしておるわけでございます。将来の問題といたしましても、やはり従来どおり、あるいは従来にもさらに増してこれは厳格に解釈していきたいと考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私のは質問ではないが、今の杉原委員の御指摘は、きわめて適切だと思います。私どもとしても、これが今度一つの先例みたいになって、今後この種の事後承認というものが安易に扱われては困りますので、厳にこの点については、政府としても今後再びかかることのないように、かりにある場合も、これはもうほんとうに万やむを得ないということを厳格に堅持されることを希望いたしておきます。答弁は要りません。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 これは、今度事後承認は始めてとおっしゃったのでございますか。それと昭和三十何年……ちょっとよく聞こえませんでしたが……。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) これは、前回にも御説明したと思いますが、従来、新憲法になりましてから九件、事後承認をお願いしたケースがあるわけでございますが、その最後のものを昭和三十年にお願いしたわけで、その後六年間実はこれをお願いしたことはなかったわけでございます。今回が六年目にいわば初めてまたお願いするわけでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 私記憶いたしておりますが、たしかこの委員会において、こういうような御発言が前にも——ずいぶん前でございましたけれども、やはり事後承認ということはなるべくやめてもらいたいという御発言があったように記憶しておるのでございますけれども、これで六年目にまた一回めぐってきたという御答弁でございますけれども、今回のよくよくの事情というのは、どういうことでございましたのでしょうか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) これは、実は再三にわたりまして、アメリカに対して、ことしの七月一日から大豆の自由化を実施するという約束を政府がきめておるわけでございます。したがいまして、先般、通常国会の最後の段階におきまして、ああいう政治上の情勢から、この政府が御承認をお願いしておりましたガットの二つの案件がついに通過を見ないまま国会が終わってしまったという事態に直面いたしまして、この大豆の自由化の数次にわたるアメリカとの約束にもかかわらず、これをおくらすか、あるいは事後承認という例外的な手続をとることによってアメリカとの国際的な約束を果たすか、こういう実は岐路に政府は直面したわけでございまして、政府におきまして、慎重にこれを検討いたしました結果、これは、従来からの長いいきさつがございますので、ことに自由化という非常に大事な問題を控えておりますやさきでもございましたので、これは、やはり例外的な便法ではございますが、憲法に認められました時宜による事後承認の手続によることによって、アメリカに対する政府のいわば約束をやはり果たすことが適当である、こういう見地に踏み切ったのでございます。われわれとして真にやむを得ない事態であったと考えるのでございますが、また今後こういうことを繰り返すということは決して考えていないのでありまして、やはり真にやむを得ない事態のみに限る、ほんとうの例外的な措置である、かように考えておる次第であります。

木内四郎自由民主党

○木内四郎君 今のに関連して伺いますが、今の条約は、両院で承認を得なかったので、衆議院の段階ではどういうふうに審議されたのですか。参考のために伺います。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 四月の下旬にこれは国会に提案されまして、衆議院外務委員会では、数回にわたって御審議がありました。最終の段階に外務委員会は御採決になったのでございます。しかしながら、本会議が結局開かれ得ないという事態になりまして、したがって、本会議で可決されるまでに至らないうちに国会が終わってしまった、こういう状態でございます。

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) ほかに御発言もなければ、四件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより四件の討論に入ります。御意見のおありのかたは、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 速記をつけて。  別に御発言もないようでございますから、四件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより四件の採決をいたします。  まず、第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)、以上の三件全部を一括して問題に供します。三件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 総員挙手、全会一致でございます。よって三件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)の本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 挙手多数でございます。よって本件は、多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま承認すべきものと決定いたしました四件の議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 次に、請願の審査を行ないたいと存じます。  お手元に資料を配付いたしましたから、便宜、この資料に掲載された順序によって審査を行ないたいと思います。−  まず専門員から、請願十四件についての説明を聴取いたします。

結城司郎次常任委員会専門員

○専門員(結城司郎次君) まず、請願第六号、在日朝鮮人の帰国協定延長に関する請願の趣旨を御説明いたします。  在日朝鮮人の帰還業務は、一昨年九月開始以来円滑に行なわれてきたが、帰国希望者はなお数万人にのぼる現状であるので、政府は、帰還協定の延長またはその他適切な措置を講じ、帰還業務を今後も続けられたいというのが請願の趣旨でございます。なお一言、補足的に説明させていただきます。帰還協定は、昨年十月に、本年十一月十二日まで延長されております。  本請願は、六月二十九日付でありますが、その後七月二十九日、北鮮赤十字社長から一年間再延長の申し入れがあり、これに対し日赤社長から、七月十一日同意の旨返電し、これにより来年十一月十二日まで延長されることとなっております。  なお、昨年協定延長の際、日本側からスピード・アップの要望を出しております。すなわち、帰還船一号の収容能力一千名に対し、毎船千二百名くらいまでを運ぶように希望したのでありますが、当局の説明によりますと、実績はむしろ反対で、毎回四百名ないし六百名どまりとのことであります。なお、現在までの帰還者数は、七万三千余とのことであります。  次に、請願第二六七号、日韓、日中漁業協定締結促進等に関する請願について申し上げます。日韓、日中漁業協定の締結を促進させ、拿捕抑留中の漁船及び乗組員の帰還問題を即時解決されたいというのであります。さらに、韓国関係については、日韓会談中は拿捕事件が起きないよう、安全操業について暫定的措置を講ぜられたく、また、韓国側の不法拿捕による船主並びに船員のこうむった損害は、全額国家補償とせられたいというのであります。  なお、一言、補足的に説明申し上げますが、日中間では、昭和三十年四月、第一回民間漁業協定が一年の期限で締結され、三十一年及び三十二年、二回にわたり更新されました。三十三年更新交渉の際、中共側は政府の補償を要求し、不成立に終わり、その後無協定の状態であります。ただし、避難協定は、現在も有効の趣であります。  次に、請願第一五九号、日中政府間貿易協定締結促進に関する請願の趣旨は、日中間の貿易関係は、昭和三十三年以来途絶状態にあり、このままでは、わが国経済の発展、特に地方産業の中枢をなす中小企業の発展には重大な支障を来たすものである。ことに最近、中国をめぐる国際情勢は大きく転換しておるので、中国の地位を全然否認し続けることは、国際動向とアジアの大勢に沿わないものがある。よって政府は、すみやかに政府間の貿易協定を締結し、日中貿易の全面的再開の措置を進められたいというものであります。  次に、請願第三四三号、沖繩における人権問題解決方に関する請願であります。趣旨説明の前に、御参考までに、補足的に一言説明申し上げますが、沖繩人権協会は、六月、沖繩訪問の国会議員団に対する人権問題についての請願書を準備いたしました。本件請願は、その際の請願書と同じものであります。請願の趣旨は十項目あり、相当長い説明がついておりますが、おもなもの二、三だけを申し上げます。  沖繩には、布告、布令あるいは終戦前の日本の法令などが雑然と行なわれており、法律の体系が整っていないので、基本的人権が十分保障されないきらいがある。よって現行の日本法令を適用して、一県としての取り扱いをされたい。高等弁務官はすべての立法案を拒否することができる建前であるが、拒否権発動とその事前調整制度の改善に努力されたい。裁判権を民裁これは琉球人の裁判所の意味と解されますが、これに移譲されたい。労働権を侵害する布令の改廃、公民権剥奪のような差別措置を廃止するよう努力されたい。以上がおもな条項であります。  請願第三四四号、沖繩問題解決促進に関する請願も、前件同様、国会議員団に提出された請願書と同一であります。  趣旨は、祖国復帰の一日もすみやかに実現されることを希望し、また、それまでの過程においても、次の諸点に特別な配慮を求めたいとして、九項目をあげております。たとえば、教育費の大幅援助、教育指導委員の継続派遣、学校における国旗の自由掲揚など、職員組合関係の陳情がおもでありますが、そのほかメースB持ち込み反対、国会への沖繩代表の参加等であり、以上の要望事項実現のために積極的外交折衝を望むというのが趣旨でございます。  次に、請願第四〇三号、核爆発実験禁止に関する請願。趣旨は、米ソが相次いで核実験を再開したことは、非人道的な核戦争を惹起するおそれがあるばかりでなく、実験による放射能は直接人類に危害を及ぼしている。原水爆の惨禍を体験した世界唯一の民族である日本国民は、この種実験には絶対反対すべきである。ついては、政府及び国会は、この意思を強く内外に表明するとともに、関係各国に核爆発実験の禁止を要請し、全面軍縮を押し進め、世界平和の達成に寄与するよう強く要望するというのであります。  次に、請願第四二三号、軍備全廃促進、核実験禁止等に関する請願、この趣旨は、原水爆禁止日本協議会としては、原水爆を体験した唯一の国民として、原水爆の禁止を要求し、特に核実験に強く反対するものであり、人類の平和を達成する道は、軍備全廃以外にないと考える。この立場から、日本政府及び国会のとるべき措置として、次の四項目を要求する。  一、各国政府に率先し、軍備全廃を国連に提案し、その実現に努力し、また国会において、軍備全廃実現の決議を採択されたい。  二、日本は原水爆を保有しないという態度を今国会で明らかにし、実験禁止協定締結のため努力されたい。  三、各国に対し核武装をやめるよう積極的に働きかけ、また、みずからも自衛隊の増加と核武装を中止し、沖繩初め在日米軍の原水爆基地をすみやかに撤去せしめられたい。  四、被爆者に完全な救済の手を差しのべるために、医療を無料にすることなど、現行医療法の改正及び新立法措置を今国会で決議されたいというものであります。  次に、第七七一号、平和憲法の精神を生かし世界の軍備全廃促進に関する請願、これは、同文のものが五件ございますが、その趣旨は、原水爆の恐怖から人類を守り救うために、世界の軍備は全廃されるべきものである。この立場から、平和憲法の精神に基づいて、国際的に軍備全廃がすみやかに実現されるよう、その具体化を内外において積極的に努力することを国会において議決されるように請願するというものであります。  最後に、請願第八〇〇号、ILO条約関係のものが二件でございます。趣旨は二件とも同様であって、いずれもILO条約八十七号の即時批准と国内法の改悪を阻止されたいというものであります。  以上であります。

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) ちょっと速記をとめて。    午後二時五十五分速記中止    ————・————    午後三時二十五分速記開始

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 速記をつけて。  ただいまの請願中、第六号、第四百三号の二件は採択し、その他は留保といたしたいと存じます。

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 次に、継続調査要求について一お諮りいたします。  本委員会におきましては、今期国会中国際情勢等に関する調査を行なって参りましたが、会期中に調査を完了することは困難であると考えられますので、閉会中に引き続き調査を行なうため、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。    ——————————

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 次に、閉会中の委員派遣でございますが、本件の取り扱いについては、便宜委員長に御一任願っておき、必要がある場合は、委員長において、派遣目的、派遣地、参加人員の人選等を定めてこれを行ないたいと存じますが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤鶴代自由民主党

○委員長(近藤鶴代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十七分散会

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