運輸委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/11/01
会議録
○委員長(前田佳都男君) ただいまより委員会を開会いたします。 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 本日は、先月二十六日発生した大分交通の事故の報告を願います。
○説明員(佐藤光夫君) 去る十月二十六日大分交通におきまして、死者三十一名、重軽傷者——会社の報告によると三十六名という重大なる事故が起きましたことは、まことになくなられた方々にお気の毒にたえないと思い、われわれとしても、非常に遺憾な事故でございました。さっそく調査にかかっておる段階でございますが、さしあたり、現在までにわかった点をかいつまんで御報告を申し上げたいと思います。 状況その他につきましては、お手元に資料としてお配りしてございますが、かいつまんで申し上げますと、事故の発生しました当日は相当な豪雨でございまして、会社は、保線係員等を総動員いたしまして警戒に当たっておったわけでございます。ところが、たまたま、不幸にして大分市田ノ浦付近を九八列車二〇五号車が通過しました際に、がけくずれによりまして、先ほど申し上げましたような不祥事故を生じたということでございます。 われわれとしましては、累次の事故の発生を防止するために、十月二十七日付をもちまして、関係の業者はもちろん、全国の地方鉄道、軌道、索道事業者に対しまして、さらに災害の防止のために施設の点検、あるいはこれらの異常天災時における巡回の強化というような点につきまして注意を喚起しておる次第でございます。 直接の原因といたしましては、豪雨のための地盤のゆるみによるがけくずれということでございますが、これのがけくずれの防災施設の整備につきましては、従来から現地においてはいろいろ調査をしておったようでございまして、この事故が起きました地点より大分側におきましては、昭和三十二年度コンクリート壁による厚さ三十センチの防護施設を作ったというような事実もあるようでございますが、たまたま当該地点には相当強い岩盤があるので、そういう必要がまいというような判断で施設がなかったというような点がこういうような事故を起こした直接の原因というふうに考えております。 なお、詳細につきましては、現在調査の段階でございますので、判明次第またお許しを得まして御報告をさしていただきたいと思います。
○委員長(前田佳都男君) 何か御質疑はございますか。
○中村順造君 ちょっと質問しますが、三十センチの防壁があったというのは、どこなんですか。
○説明員(佐藤光夫君) これは現地の少し大分寄りの地点でございます。
○中村順造君 今いろいろこういう不測の天候異変によって事故があるというのは、これはある程度不可抗力の点もあるかもしれませんが、実際技術的に専門家がそういう所を見れば、ほんとうに不測のものかどうかということは非常に問題があるわけですよ。がけくずれがあるとか、落石があるという所は、これは専門家が見れば大体わかるわけですよ。あらかじめそういう所をちゃんとマークして、豪雨があったという場合には、そこに付きっきりに付けるという方法はいろいろあると思う。それをその場合はやられていないと思う。やられていないからこういう事態になっている。事故が起きたあと、あなたのほうでいろいろ通達をされておるようだが、これは半ば天災であると同時に、半ば人的に防ぎ得る可能性のある問題だと思うのです。われわれも現地を何回も通ったことはありますが、そういうふうに、がけくずれのおそれがあるということは、集中豪雨のあった場合には、あらかじめ人がそこに付きっきりに付いておるというような方法をとれば、こういう事故はなかったと思うのです。事故が起きたあと責任を追及するということは、問題があるかもしれませんが、そういう点については十分、ただ一片の通達を出しただけでなしに、その通達がどういうふうに実施をされているかということは、やはり今後の問題として、あなたのほうで監督しなければならぬ。 それからもう一つ聞きますが、こういう場合に、やはり弔慰金だとか何かは、会社が犠牲者に対してはどういう程度のことをやっているのですか。
○説明員(佐藤光夫君) 会社は、なくなられた方に対しまして花輪を差し上げると同時に、五万円の香典を差し上げております。負傷者に対しましては、お見舞のくだものを差し上げているとともに、入院費用の負担を申し出ているという報告が出ております。
○中村順造君 それは五万円が適切であるかどうかということは別にして、やはり今言ったように、半ば天災であると同時に、やはり防ぎ得る可能性のあったものであるとわれわれは考えるわけです。だから、なるべくあとに問題の残らないように、犠牲者に対して、遺家族に対しては、特に新聞紙なんかの報道するところによると、前途春秋に富む学生諸君が、ちょうどそういうふうな大雨で、学校を早く引いて帰らせなければならぬ、そういうふうな非常に現地の状況としては緊迫した様相の中に、しかも犠牲者はそういうふうに前途のある若い学生が、高校生なんかが犠牲になっているというから、遺家族等に十分手厚い、やはり会社としては誠意を示さなければならぬ、こういうふうに考えているから、そういう点についての監督も遺漏のないように私どもとしては要望しておきます。その点はどうなんですか。
○説明員(佐藤光夫君) お話のように非常にお気の毒な関係でございますので、今後の補償その他につきましては、これらは原因等の関係もあると思いますが、適正に行なわれるように、われわれとしても報告を徴し、指導を十分行なっていきたいというふうに考えております。
○重盛壽治君 何としてもこういう不測のできごとに対しては、特に犠牲になられた方々にとってはお気の毒だと思うのですが、まあ中村さんの言われた遺族に対するお見舞の点ですね。これはあれですか、電車のこういう場合には、たとえば自動車の傷害保険みたいな、ああいうのはないのですか。自動車ならば、どの程度の傷なら三万円、この程度ならば五万円とか、あるいは死亡者に三十万円、今幾らになってるか知れませんが、そういうものがあるのですね。そういうものはないのですか。
○説明員(佐藤光夫君) お話のように自動車には損害賠償保障法による強制保険制度がございます。地方鉄道、軌道につきましては、従来補償を要するものは、会社が十分補償能力があるとかいうような関係もあって、制度上そういうものはございません。
○重盛壽治君 私は、そのほうの私鉄の方がきょうは見えておらぬようですが、あってはならぬことかもしれぬ。しかし、あることでもあるわけだね。したがって、そういう場合には、一定というか、何かお見舞を、監督官庁が黙っておってもやれる制度というようなものを作る必要があるのじゃないかと思うのだが、そういう考えがあるのかないのか。もちろん、あなたにそういうことを申し上げていいのか悪いのか知らぬが、大臣の管轄であろうかと思うが、将来やはりこういう問題について検討され、あるいは従来検討なされたことがあるのかどうか、その点一つ。
○説明員(佐藤光夫君) 災害に対する補償につきましては、いろいろ他の関係もあるかと思いますが、私のほうの関係につきましても、将来十分検討すべきお示しのような点であると思いますが、上司等にもそういうお話があったことを報告いたしまして、迅速に検討を進めて参りたい、かように考えております。
○重盛壽治君 どうかひとつ。いずれにしても、俗な言葉でどろなわ式という言葉があるが、日本人の悪いくせかもしれませんが、問題が起きると、それからうろたえていろいろやる。ところが、事前に防ぎ縁る状態もあったかと思うのに、こういうのがちょこちょこ起きるというのは、やはり監督官庁としても十分研究しなければならぬ問題であろうと思います。それらとの関連、それから、今申しましたような、できてはならぬことであるが、不測の事態が惹起した場合には、やはり一定の基準のものが何か差し上げられるなら差し上げられるというような制度を、私は考えるほうがいいと思います。この際、希望条件といいますか、そういう意見を申し上げて、質問を終わります。
○金丸冨夫君 ちょっと私お伺いしておきたいのですが、こういう場合の慣例として、今なくなった方に、香典ということなんでしょうね、五万円というのですから。これはおそらく天災でもありますし、今中村委員の責任論のお話もありましたけれども、これは天災には間違いないと思いますが、そうするというと、あとは出ないということじゃないかと思うのだが、そういう場合に、ほかの鉄道、または国鉄、その他の例からしまして、死亡者に対する金は、香典のほかに、たとえば弔慰金とか何とかいうことで、もう少し出るのか出ないのか。もしこれぽっきりということになれば、大分交通と、それから三十一名の死亡者ということを考えてみると、ちょっと安過ぎると思うのです。もう少し出すべきじゃないかと思うのですが、その点は、例はどうなっておりますかね。おわかりでしたら、ひとつお聞きしておきたい。
○説明員(佐藤光夫君) 先ほど申し上げましたように、本件につきましては、原因のいかんその他にもかかわらず、とりあえず、差し上げる香典という趣旨のようでございまして、会社も最終的なものとは必ずしも考えておらぬようでありまして、詳細な他の例は手元に持って参りませんが、何らかの方法で遺族に対して措置をした例が他にあるようでございまして、その辺は将来会社と遺族の関係者の間でいろいろ話し合いがあるかと思いますが、さしあたって、原因のいかんにかかわらず、差し上げた金であるというふうに報告を受けております。われわれもそういうふうに了解いたしております。
○金丸冨夫君 多分そうだろうと思いますが、ですから、結局天災には間違いないとはいいながら、いろいろの措置等について若干の責任がありとすれば、死亡者と、それから鉄道との間における責任の問題が取り上げられる場合もあるから、私の経験からすれば、かような場合の問題が一応起これば起こる場合、また起こらなければ起こらない場合として、会社としては処置が違うだろうと思う。しかしながら、少なくとも天災の場合においては、いわゆる弔慰金というようなものを考えての五万円であったならば、私は現在の社会通念から考えて、ちょっと少ないのじゃないかと思う。ですから、その点はひとつ督督官庁であられます運輸省におきましても、これを頭に置かれて、よく処置について、双方にあまり無理でない程度のものは取り上げてやるべきではないか、かように考えるわけでありまして、その点をお伺いしたわけであります。よろしゅうございます。
○委員長(前田佳都男君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田佳都男君) 速記を起こして。 ほかに御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。 午前十時三十五分散会