本会議 第19号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/31
会議録
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案 (農林水産委員長提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。 日程第一、自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。農林水産委員長野原正勝君。 〔野原正勝君登壇〕
○野原正勝君 ただいま議題となりました農林水産委員長提出、自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 自作農維持創設資金融通法は、農地改革の成果を保持するため、金融面を通じて自作農の転落防止、農業経営の安定向上をはかることを目的として昭和三十年に制定せられ、自来農業者に対し、農林漁業金融公庫を通じ、利率年五分、償還期間二十年以内、据置三年以内の貸付条件で、農地または採草放牧地の取得、維持もしくはその細分化防止等のため必要な資金の融通が講ぜられて参りましたことは御承知の通りであります。しかして、本法の制定後、漸次その融資ワクは増額され、農業経営の安定向上のため、特に災害を受けた自作農の経営と家計をその破綻から救済する上において、大きな役割を果たして参っているのであります。 しかしながら、一面におきましては、現行制度の内容と運営の状況を検討いたしますならば、今後改善を要する問題点を数々含んでいることは否定できないところであります。特に、農業基本法の制定を見ました今日におきましては、すみやかに農業基本対策を確立し、農業の生産性と農民所得の向上を実現するため、自作農維持創設資金を含む農業金融制度のあり方を根本的に再検討すべきは当然であります。従いまして、自作農維持創設資金融通法に対し、現下の農政をめぐる諸情勢に適合し得るよう早急に抜本的改正を加うべきものと考えまするが、この際は、諸般の都合により、従来からの懸案事項中、貸付限度額の引き上げについては、とりあえず農林漁業金融公庫の業務方法書を改定することとし、法律事項としては、北海道の農家負債問題の解決に一歩前進する方向に範囲をしぼって、ここに同法の改正問題を取り上げることとしたのであります。この点、議員各位の格段の御理解を賜わりたいと存ずるものであります。 御案内のごとく、北海道の多くの農業者は、過去数年にわたる冷害等の災害その他の原因によって、多額の固定化負債をかかえることとなり、農業経営の維持安定にせっかく努力しているのでありますが、かかる状態から一刻も早く脱却できるよう、多くの農家が立ち直るよう援助いたしますためには、北海道の農家に対し、三十六年度に貸し付ける自作農維持創設資金の貸付条件を、この際、最小限度緩和することが必要であると認めまして、ここに本案を提出することにした次第であります。 以下、本案の内容について申し上げますと、昭和三十六年度に限り、北海道の農業者に対しましては、この法律により貸し付けられる資金については、その償還期間が現行二十年以内とあるのを二十五年以内に、また、据置期間が現行三年以内とありますのを五年以内に、それぞれ延長して、貸付条件の緩和をはかることといたしております。なお、三千六年度の貸付資金に限定しました理由は、次の機会に木制度の抜本的改正が行なわれるであろうことを含んでの措置であることは申し上げるまでもないところであります。 以上、本案を提出した趣旨及びその内容であります。 農林水産委員会におきましては、十月二十七日との案を委員会の成案とすることに決定した次第であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 ————◇————— 日程第二 電気用品取締法案(内閣提出、参議院送付)
○議長(清瀬一郎君) 日程第二、電気用品取締法案を議題といたします。 ————————————— 電気用品取締法案右の内閣提出案は本院において可決した。よって国会法第八十三条により送付する。 昭和三十六年十月二十五日 参議院議長 松野 鶴平 衆議院議長清瀬一郎殿
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員会理事中村幸八君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔中村幸八君登壇〕
○中村幸八君 ただいま議題となりました電気用品取締法案につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 近年、一般家庭における電気用品の急激な普及に伴い、不良電気用品による火災等の事故も漸増している現状であります。本案は、かかる実情にかんがみ、右の電気による災害等を防止する目的をもって提出されたものでありまして、その内容は、電気用品の製造、輸入及び販売業者について、規制を設けるとともに、従来国で行なってきた型式認可に要する試験を、国のほか民間にも指定機関を設け、試験を行なわせることにしたこと等であります。 本案は、去る十月二十五日当委員会に付託され、翌二十六日より審議を行ない、三十日に至り質疑を終了しましたので、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 通商に関する日本国と ペルー共和国との間の協定の締 結について承認を求あるの件 (参議院送付) 日程第四 日本国とインドネシア 共和国との間の友好通商条約の 締結について承認を求めるの件 (参議院送付)
○議長(清瀬一郎君) 日程第三、通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第四、日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長森下國雄君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔森下國雄君登壇〕
○森下國雄君 ただいま議題となりました通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、並びに、日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。 まず、ペルー共和国との通商協定について申し上げます。 ペルー共和国との通商関係につきましては、戦前の通商航海条約が昭和九年にペルー側の通告により廃棄せられまして後、両国間の通商関係を律する基本的条約はありませんでした。しかるに、その後両国間の通商関係の緊密化とともに、経済協力の促進のためにも、出入国を初めとする通商上の待遇の保障を約する通商協定の締結が必要であると認めまして、政府は、従来行なって参りました予備交渉に基づき、本年三月よりリマにおいて正式交渉を開始し、さらに、五月にペルー大統領の日本訪問を機会に、東京で折衝を続けました結果、最終的妥結を見るに至り、五月十五日東京においてこの協定及び議定書の署名調印が行なわれました。 この協定は、関税、為替管理、出入国、滞在、内国課税、財産権、事業活動等につき最恵国待遇、工業所有権につき内国民待遇の相互許与、商事仲裁判断等を規定しております。 次に、インドネシアとの友好通商条約について申し上げます。 インドネシア共和国との国交関係は、昭和三十三年、日本国とインドネシア共和国との間の平和条約が発効することにより正常化を見るに至りました。この平和条約において、両国は、貿易、海運、航空、その他の経済関係を、安定した、かつ友好的な基礎の上に置くために、条約または協定を締結するための交渉をすみやかに開始すべき旨が合意されておりますので、昨年九月スカルノ大統領の日本訪問を機会に、池田総理大臣と同大統領との間に交渉の早期開始のことに意見が一致しました。よって、十一月、わが方より条約草案を提示し、本年四、五両月にわたり、ジャカルタで予備交渉が行なわれ、次いで六月より、ジャカルタ及び東京において正式交渉に入り、折衝が重ねられた結果、妥結を見るに至り、七月一日、東京において、この条約及び議定書の署名調印が行なわれました。 この条約は、出入国、滞在、身体財産の保護、出訴権、財産権、財産収用、内国課税、事業活動、為替管理、輸出入制限、関税等につき、最恵国待遇を相互に許与することを骨子としております。 この条約の成立により、両国間の友好通商関係が一段と促進されるもの〜期待されております。 との二案件は、九月二十八日予備審査のため本委員会に付託され、十月二十五日参議院において承認され、同日本委員会に付託されましたので、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。 この二案件は、十月三十日討論を省略して採決を行ない、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたした次第であります。 以上、報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 両件を一括して採決いたします。 両件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件は委員長報告の通り承認するに決しました。 ————◇————— 国会議員の秘書の給料等に関する 法律の一部を改正する法律案 (議院運営委員長提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、議院運営委員長提出、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事佐々木秀世君。 〔佐々木秀世君登壇〕
○佐々木秀世君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由を説明いたします。 本案は、今般の特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対応して、国会議員の秘書の給料月額現行三万円を三万二千七百円に、昭和三十六年十月一日から増額改定するものであります。 何とぞ御賛同下さいますようお願いいたします。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 ————◇————— 女子教育職員の産前産後の休暇中 における学校教育の正常な実施 の確保に関する法律の一部を改 正する法律案(参議院提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、参議院提出、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員会理事八木徹雄君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔八木徹雄君登壇〕
○八木徹雄君 ただいま議題となりました参議院提出、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過とその結果を御報告申し上げます。 本案の要旨を簡単に申し上げますと、 まず第一は、法律の題名を、「女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律」と改め、新たに、幼稚園の教育職員を本法の対象に加えたことであります。 第二は、国、公立学校の教育職員が出産する場合、臨時に補充される教育職員の最低任用期間は、少なくとも十二週間を下らないこととし、私立学校もこれに準ずる措置を講ずるように努めることと規定したことであります。 その他、関係法律を整備し、施行日を「公布の日」と定めております。 本案は、十月十八日当委員会に本付託となり、翌十九日発議者代表北畠教真君から提案理由の説明があり、今三十一日、本案に対する質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 内閣委員会外十五常任委員会並び に災害対策特別委員会、公職選 挙法改正に関する調査特別委員 会、科学技術振興対策特別委員 会、石炭対策特別委員会及びオ リンピック東京大会準備促進特 別委員会における閉会中審査の 件(議長発議)
○議長(清瀬一郎君) お諮りいたします。 内閣委員会外十五常任委員会並びに災害対策特別委員会、公職選挙法改正に関する調査特別委員会、科学技術振興対策特別委員会、石炭対策特別委員会及びオリンピック東京大会準備促進特別委員会から、次に朗読いたさせます各案件について、閉会中審査いたしたいとの申し出がございます。参事をしてその案件を朗読いたさせます。
○議長(清瀬一郎君) 各委員会において、ただいま朗読の案件につき閉会中審査するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○議長(清瀬一郎君) この際、暫時休憩いたします。 午後二時三十四分休憩 ————◇————— 午後九時十一分開議
○議長(清瀬一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ————◇————— 石炭産業危機打開に関する決議案 (有田喜一君外二十四名提出) (委員会審査省略要求案件)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、有田喜一君外二十四名提出、石炭産業危機打開に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 石炭産業危機打開に関する決議案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を求めます。有田喜一君。 〔有田喜一君登壇〕
○有田喜一君 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党及び民主社会党三派共同提案の石炭産業危機打開に関する決議案について、三党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 石炭産業危機打開に関する決議案 現下の石炭鉱業の危機は、前途に大きな暗影を投げ、また重大な社会問題に発展しつつある。 この危機を打開し、わが国石炭鉱業を安定させるためには、政府はすみやかに総合エネルギー対策を確立して、エネルギー全体の中に占める石炭の地位を明確にし、その恒久的な安定を図るとともに、政府、石炭経営者、労働者、石炭需要者その他関係機関が強い協力体制を確立し、適切な対策を強く推進することが必要である。 総合エネルギー対策の樹立に当たつては、国産エネルギー源を安定供給源として重視する方針を堅持し、輸入エネルギー源については、長期の見通しを慎重に検討するとともに、石油市場特に石油市価の安定について確固たる措置を講ずべきである。 右の観点に立つて、政府は、当面の緊急な諸問題につき、次の措置を講ずべきである。 一 石炭産業の近代化、合理化を一層促進するものとし、このため必要な資金を大幅に確保すること。 二 流通経費の節減を図るため、流通合理化の諸対策を強力に推進するとともに、流通機構の整備改善を行なうこと。 三 炭鉱労働者の雇用の確保に努めるとともに、労働者の雇用安定については、最大限の努力を払い、転換職場と生活保障のない合理化とならないように指導を行なうこと。 なお、離職者の雇用促進、生活の安定、鉱山保安の確保に一層適切な措置を講ずること。 四 石炭需要の安定的確保を図るため、電力、鉄鋼等、関連業界の積極的な協力を求めるとともに、産炭地および揚地の火力発電の建設を促進すること。 なお、石炭鉱業関係者は相協力して石炭の安定供給の確保に遺憾なきを期すること。 五 産炭地域の振興を図るため、すみやかに振興計画を確定しいこれを強力に推進すること。 六 石炭産業の不振に伴う市町村財政の減収と失業対策費等の増加に対しては、財源補てんの措置を講ずること。 右決議する。 〔拍手〕 以上であります。 御承知の通り、現下の石炭鉱業の危機は、ひとり石炭産業の前途に暗影を投じているのみでなく、一歩誤ればわが国政治、経済に重大な影響を及ぼすおそれがあり、すでに炭産地域において重大な社会問題を醸成しつつあるのであります。石炭産業がこのような危機に直面したのは、エネルギーの消費構造の変革に伴うものでありまして、総合エネルギー対策が確立しない限り、根本的解決は困難なのであります。それゆえ、政府は、すみやかに総合的見地に立ったエネルギー対策を確立し、エネルギー全体のうちに占める石炭の地位を明確にして、石炭産業の安定をはかることが喫緊の要件であります。(拍手)しかしながら、同時に、政府、石炭産業経営者、労働者はもとより、電力、鉄鋼その他すべての石炭需要産業界、金融業界等、石炭に直接間接関係するものすべてが、石炭鉱業の深刻なこの実態を直視して、わが国産業発展のため、相互に負担と犠牲を分かつべきことを根本理念として、水も漏らさぬ強力な協力体制を立てることが必要であります。(拍手)石炭は、外国に依存せずに入手できる国産資源であり、供給の面から見て、きわめて安定して確保できる点にエネルギー源としての重要性がありまするがゆえに、炭鉱関係者は、このことに深く留意し、相協力して石炭の供給にいささかの不安なきよう万全を期せられんことを切望する次第であります。(拍手) 総合エネルギー対策の樹立にあたっては、国産エネルギー源を安定供給源として重視する方針を堅持するとともに、競合エネルギーである石油等の輸入エネルギー源についても、長期的見通しを慎重に検討して、石油市場、特に石油価格の安定について確固たる措置を講ずることが必要なのであります。(拍手) 現在、石炭は、その経済性をさらに高めることが要請されておるのであります。従って、石炭産業の合理化、近代化政策をより一そう強力に推進することは、石炭産業安定のためにも絶対に必要であります。政府は、石炭問題の重要性を認識されて、すでに関係諸大臣を現地に派遣してその対策を進められつつありますことは、深く敬意を表するものでありまするが、政府は、以上の観点に立って、すべての石炭産業関係者に協力と理解を求めて万遺憾なきを期するとともに、当面せる次の諸問題について、有効適切なる諸措置を講ぜられんことを強く要請するものであります。 当面せる問題としては、 まず第一点として、石炭産業の近代化、合理化と資金の大幅確保についてであります。 石炭産業の近代化、合理化政策をより一そう強力に推進するため、予算措置及び財政投融資の大幅増ワク、市中金融の円滑化等を通じて必要資金の確保について遺憾なきを期し、中小炭鉱については特に配慮すること、なお、石炭産業の抜本的対策として、鉱区の調整、未開発炭田の開発、採炭等の機械化による生産体制の集約化等の措置を講ずべきであるというのであります。 第二点は、流通合理化対策についてであります。 流通経費の節減をはかるため、国鉄運賃の負担の軽減、石炭専用船の建造、発着地荷役設備の機械化、共同貯炭、共同荷役の推進、規格売炭の実施など、有効適切な措置を講ずるとともに、流通機構の整備改善を積極的に行なうべきであるというのであります。 第三点は、雇用の安定的確保と離職者対策であります。 その一は、雇用の安定的確保につきましては、炭鉱労働者の雇用確保に努めるとともに、労働者の雇用安定については最大限の努力を払い、転換職場と生活保障のない合理化とならないよう指導し、その生活安定のため最低賃金制を確立すること、(拍手)その二は、離職者雇用の促進のため、住宅、移住資金の確保、職業紹介、職業訓練の拡充強化等の諸施策を行ない、再就職にあたっては、中高年令層の雇用を促進するため、雇用補償制度の創設等を講ずること、(拍手)その三は、離職者の生活安定をはかるため、職業訓練手当の増額、訓練中の別居手当の支給、技能修得費と失業保険との併給、訓練終了者に対する就職待機のための保障等の措置を講ずること、(拍手)その四は、炭鉱災害を防止するため、鉱山保安の監督を強化し、保安確保の万全を期すること、その五は、厚生年金の給付、労災補償の改善についてすみやかに検討すべきであるというのであります。 以上が第三点であります。 第四点としては、需要確保対策等についてであります。 石炭需要の安定的確保をはかるため、電力、鉄鋼等、関連業界のより積極的な協力を求めるとともに、産炭地及び揚地に火力発電所を建設して、火力用炭を大幅に確保すること、なお、石炭鉱業関係者が、相協力して石炭の安定供給の確保に遺憾なきを期すべしというのであります。 第五点としては、産炭地域の振興対策についてであります。 産炭地域を振興するために必要な土地及び水資源の確保、産業道路の開発等、産業立地条件の整備、雇用の増大に資する諸事業の経営及びこれらに対する投資その他の助成等の施策を実施する産炭地振興事業団を設立すべきであるというのであります。(拍手) 第六点は、地方自治体への財政措置についてであります。 石炭産業の不振に伴う市町村財政の減収を補てんする措置を講ずるとともに、失業対策事業及び社会保障費の地方負担分について財源措置を強化すべきであるというのであります。(拍手) 政府は、以上の諸施策をすみやかに行なうため、これに必要な法的及び予算措置を講ずることとし、特に緊急なものは年度内にその実施をはかることなど、石炭産業危機打開のため、勇気と英断をもって有効適切な措置をとられんことを強く要望いたします。(拍手) 議員各位は、本決議案に対し、満場一致御賛成あらんことを切望し、提案の趣旨説明を終わります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) この決議案につき討論の通告がありますから、これを許します。渡辺惣蔵君。 〔渡辺惣蔵君登壇〕
○渡辺惣蔵君 私は、ただいま提案されました石炭産業危機打開に関する決議案に対しまして、日本社会党並びに民主社会党を代表して、賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手) ここ数年来、石炭産業はまさに深刻な危機に追い込まれております。斜陽産業であるとか、すでに日没産業になったという言葉すら耳にするのでありますが、炭鉱に働く人々とともに生き抜いてきた私は、この無責任な言葉に激しい憤りを感ずるものであります。 太平洋戦争の廃墟の中から、戦後復興の重責をにない、打ちひしがれた国民に経済復興の光と希望を与えた原動力こそ、石炭産業であったのであります。(拍手)しかるに、戦後わずかに十五年を出ずして、労働者数四十五万人を擁した石炭産業は、現在二十二万人にも減らされ、炭坑節の文句そのままに、月さえ曇らせるような繁栄を誇った炭鉱地帯は、今や、おびただしい失業者を停滞させて、死の町、飢餓の谷間を随所に出現し、去るも地獄、残るも地獄と、悲嘆を深からしめているのであります。 私は、今ここで、炭鉱で働く人々の苦しみの姿に百万言を費やすよりも、「福岡県の炭鉱地帯の学校教育実態」という現地報告書の中に掲げられている小学校三年生の作文の一節に耳を傾けていただきたいと思うのであります。 私たちは山の子供。山はあとわずかでおしまいだそうです。千七百人の人たちは、働くことも食べることもできなくなります。そうなれば、私たちは安心して学校で勉強することもできません。今だって、町の人や都会の人のように、見たいものを見、したいことをして愉快に暮らせる人など、ほとんどありません。それなのに、今私たちの山から、たくさんの人が仕事をなくして去っていかなければならないのです。私たちは今でも貧しいのに、お父さんが働けなくなったらどうしましょう。お父さんは、私が赤ちゃんのころ、主任さんの不注意から脊椎を折ってしまったのです。それからは満足に働けなくなっています。そのために、お父さんは好きだった絵も工作もたばこもやめています。映画も見に行きません。新聞もやめています。それも私たちの本やノートや着物に変わりました。でも、お父さんやお母さんは、みんながりっぱに育つまで、どんな苦しみにも、会社の無理にも、決して負けずに働き続けるでしょう。 この素朴にして深刻な現実のなまなましい姿に対して目をおおうことは、大きな社会問題として断じて許すことができないのであります。(拍手) 石炭産業の現実は、国際石油カルテルによってその価格が政治的に決定される石油にほんろうされており、三十八年までにいわゆる千二百円のコスト引き下げと、十一万人の首切り強行による社会不安の恐怖にさらされておるところに問題があるのであります。もとより、この千二百円切り下げ計画が達成されたとしても、石炭と石油の価格競争を基礎とする限り、石炭産業を安定せしめることができないことは、火を見るよりも明らかな事実であり、昭和三十九年度以降において再び同質の合理化が継続される危険性を大きく内包していることを強く指摘せざるを得ません。従って、今炭鉱労働者と中小炭鉱経営者が払いつつある大きな犠牲が一きわめて少数の巨大資本のみを助ける結果に終わらないよう、石炭産業全体の死活の問題として、ここに政策の転換を強く要望しているのであります。 さらに、先般のIMFの総会で約束を与えた自由化の繰り上げによって、さらに一万四千人の首切りを追加し、炭鉱の買いつぶしを強行して、昭和三十九年度には労働者数十六万二千人とする計画が公然と準備されているのであります。しかも、炭鉱労働者は、他産業の大幅賃上げをよそに、三千円から一万円の賃金引き下げが強行されているのであります。失対賃金を下回る労働者さ、え数多く現存する石炭産業が、さらに底知れない賃下げの脅威にさらされることを、これ以上断じて許すことはできません。池田総理は、首切りと賃下げだけが合理化ではないと言明しておりますが、炭鉱労働者の雇用を安定し、すみやかに石炭産業を希望ある職場たらしめて、うそのない政治を実現すべきであります。(拍手) 転換職場と生活保障のない人員整理は行なわない、地下産業にふさわしい最低賃金制を確立する、激発する炭鉱災害を防止するために保安確保に万全を期する、この三つの課題は、石炭政策を進める前提として解決されねばならない最低限の原則であることを、私はまず第一に訴えておきたいのであります。 第二点として、炭鉱離職者に対して雇用促進と生活の安定をはかることは、緊急の課題であります。再就職のための技術教育の徹底、就職にあたっては前職収入を補償するための雇用補償制度の創設、就職待機期間の生活保障等の確立は、一刻の猶予も許せぬ問題でありまして、政府の強力な施策を要求する次第であります。 私が第三に強調しておきたい点は、石炭需要を安定的に確保することであります。ただ首を切る、コストを下げるという今日の合理化計画の欠陥は、需給計画の裏づけがない点からも指摘できるのであります。 政府は、石炭の斜陽化を宣伝しておきながら、一方で石炭の輸入を計画し、現在、五十万トンの一般炭が豪州や台湾から輸入されているのであります。北海道地方では、今年冬の家庭用暖房用炭が大きく不足するのではないかと憂慮されており、先般発表された電力白書においても、今年冬は三億六千万キロワット・アワーの電力不足が予想されているのであります。なぜ、政府は、国民に対して安い石炭を豊富に供給する政策をとらないのか。ホタルのような炭火の前に国民をふるえさせるのではなくて、赤々としたストーブを国民に与える政治、それこそ、台所に結びついたあたたかい政治であると考えるのであります。(拍手) 今日、エネルギー消費革命は、エネルギーの形態を固体から流体に変化させつつありますが、このことは、安易に、無計画に石油への転換をはかることのみで解決すべき問題ではありません。まず第一に、国内資源たる石炭の地位を安定せしめることにエネルギー政策の基本を置くべきであります。このために、石炭を電力に変え、ガスに変えて需要確保をはかることが、一つの手段としてとらるべきでありましょう。 政府は、三十七年度以降の電源開発計画をすみやかに修正して、火力発電所の大規模な建設に着手し、増大するエネルギー需要に十分対応できる体制の確立に努めていただきたいのであります。今日の技術をもってすれば、需要地における重油専焼火力と、産炭地における発電を超高圧送電線をもって需要地に送るコストは、ほとんど変わりがないといわれておる現在、産炭地における火力発電の建設にちゅうちょするいささかの理由も見当たらないのであって、産炭地発電の推進のために、さらに強力なる施策を講ずるよう要望しておく次第であります。(拍手) 第四に、私は、産炭地域の振興策について触れておきたいと思います。 申すまでもなく、産炭地域においては、社会的、経済的に石炭産業への依存度がきわめて高く、石炭産業の動向は、直接的に産炭地域の経済、社会に波及しており、関係地方自治体をまさに危機的状態に追い込んでいるのであります。このように、多数の失業者が集中的に発生し、自治体を苦境に追い込んでいる地域に対しては、諸外国でも本格的な振興対策に取り組んでいるところでありますが、特にイギリスの地方雇用法は、強力な開発機関を設けてその地域の産業振興を進め、大きな効果をおさめているのであります。高度経済成長政策の欠陥が、地域格差をますます拡大している今日、産炭地域を積極的に振興するための事業団の設立とその財政措置を講ずることは、地域経済開発の観点からもゆるがせにできない重大問題であります。さらに、破滅のふちに追い込まれている自治体財政に対しては、十分なる財政措置を講ずることによって、地域住民の生活に万遺漏なきよう配慮することを強調しておく次第であります。 以上、私は、本決議案に賛成するにあたり、特に二、三の重要なる点について、政府の強力なる緊急施策を訴えて参ったのでありますが、同時に、石炭産業の恒久対策として、生産体制と流通体制の近代化を推進するよう要求するものであります。生産体制を集約化するためには、錯綜鉱区を整理統合し、休眠鉱区を大規模、総合的に開発するためには、縦坑の開発、採炭、運搬系統の機械化を積極的に推進しなければなりません。生産地でトン当たり三、四千円程度のコストの石炭が、消費地においては一万円以上もするという不合理は、流通過程の整備によってすみやかに打開されなければならないところであります。(拍手)わが日本社会党は、このために、石炭鉱業安定法案を本院に提出しておるところでありますが、政府においても、これらの諸課題を解決するための抜本的な方策を国民の前に明らかにするよう、その決意を促しておく次第であります。 最後に、私は、石炭産業の危機を打開して、これを長期に安定させるために、総合エネルギー政策の樹立を急ぎ、増大するエネルギー需要全体のうちに占める石炭の地位を確立して、安定産業たらしめるために、特段の措置を講ずることを強調するものであります。 本決議案に盛られた数々の施策は、今日、石炭産業、特に石炭労働者が一身にしょわされている犠牲の大きさに対しては、なお多くの不満足なものではありますが、しかし、この決議案を一つの足がかりとして、石炭産業を真に安定産業とするための強力な政策を樹立することが、この国会の動きとこれからの石炭政策の転換を、それこそ祈るような気持で見詰めている炭鉱労働者とその家族の要望にこたえる道であることを強調して、私の賛成の討論を終える次第であります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手) この際、通商産業大臣及び労働大臣から発言を求められております。よって、順次これを許します。通商産業大臣佐藤榮作君。 〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 所信を申し述べます。 わが国の石炭鉱業は、現在まことに容易ならざる局面に当面しております。石炭鉱業が、現在の不況を打開し、近代的な産業として成長していくためには、石炭経営者、労働者はもとより、関係者すべての努力、協力が必要であると考えられまするが、政府といたしましても、ただいま一致の議決を見ました決議の御趣旨を尊重いたしまして、早急に石炭鉱業に対する当面の緊急対策及び長期対策を樹立し、所要の法的、予算的措置を講じて参る所存であります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 労働大臣福永健司君。 〔国務大臣福永健司君登壇〕
○国務大臣(福永健司君) ただいまの御決議の趣旨に沿いまして、石炭産業における雇用の安定、離職者対策、安全の確保等、各般の施策につき万全を期して参りたいと存じます。(拍手) ————◇————— 請願日程 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する請願外三百六十六請願 傷病恩給の是正に関する請願外六百七十七請願
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、請願日程三百六十七件とともに、本日委員会の審査を終了した傷病恩給の是正に関する請願外六百七十七件を追加して一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する請願外千四十四請願を一括して議題といたします。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 —————————————
○議長(清瀬一郎君) 各請願は委員長の報告を省略してこれを採択するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○議長(清瀬一郎君) 諸君、第三十九回国会は本日をもって終了いたします。 今国会は、災害対策の樹立等、当面の諸問題の解決のために召集せられ、会期は三十七日間でありました。 諸君は、連日諸案件の審議に精励され、また議院の円満な運営に特段の努力を尽くされた結果、補正予算、災害関係法律案初め幾多の議案を議了し、よくその成果をおさめることができました。まことに御同慶にたえません。(拍手)ここに、諸君の御労苦に対し深く感謝の意を表する次第であります。 諸君におかれましては、切に御自愛の上、国家の繁栄と世界平和のために一そうの御活躍あらんことを祈ってやみません。(拍手) ————◇—————
○議長(清瀬一郎君) これをもって散会いたします。 午後九時四十六分散会 ————◇————— 出席国務大臣 通商産業大臣 佐藤 榮作君 労 働 大 臣 福永 健司君 出席政府委員 外務政務次官 川村善八郎君 文部政務次官 長谷川 峻君 農林政務次官 中馬 辰猪君 通商産業政務次 官 森 清君 ————◇—————