本会議 第12号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/20
会議録
○副議長(原健三郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 公共企業体等労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
○副議長(原健三郎君) お諮りいたします。 内閣から、公共企業体等労働委員会委員に大川一司君を任命したいので、公共企業体等労働関係法第二十条第二項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。 ————◇————— 昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案中修正の件(内閣提出) 昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害又は同年九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案中修正の件(内閣提出) 昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃 地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案中修正の件(内閣提出) 昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案中修正の件(内閣提出) 昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案中修正の件(内閣提出) 昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案中修正の件(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) お諮りいたします。 内閣から、昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害又は同年九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案、昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案、右六案に対し、それぞれ修正したいとの申し出があります。 通商産業大臣、建設大臣、自治大臣、農林大臣から発言を求められております。順次これを許します。通商産業大臣佐藤榮作君。 〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま提案になりました昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案の修正の件につきまして、修正理由及びその概要を御説明申し上げます。 本年六月の梅雨前線集中豪雨、七月及び八月の集中豪雨に引き続き九月の第二室戸台風は、中小企業者に対して甚大な被害を与えており、その急速な立ち直りをはかるためには、その事業の再建資金の融通の円滑化をはかることが急務と考えまして、先般、本特別措置法案を提案した次第でありますが、その後において判明したところによりますと、本年九月の第二室戸台風により中小企業者が受けた被害は、広範かつ深刻にわたっておりまして、これらの中小企業者の再建を促進するためには、本特別措置法案で予定いたしておりますところの商工組合中央金庫に対する利子補給対象融資金額について、その大幅な拡大をはかる必要が生じてきた次第であります。 従いまして、利子補給融資金額の限度について、個々の中小企業者にあっては一人当たり五十万円とあるのを百万円に、中小企業者の団体にあっては一団体当たり百五十万円とあるのを三百万円に、それぞれ引き上げようとするものであります。 以上、本特別措置法案の修正理由及びその概要を申し述べましたが、何とぞ御承諾あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 建設大臣中村梅吉君。 〔国務大臣中村梅吉君登壇〕
○国務大臣(中村梅吉君) 昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害又は同年九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案中修正につきまして、その要旨を御説明申し上げます。 この修正は、事業主体が、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害または同年九月の風水害であって、政令で定める地域に発生したものにより滅失した住宅に当該災害の当時居住していた者に賃貸するため、第二種公営住宅を建設するときのほか、同年十月二日鹿児島市に発生した火災により滅失した住宅に当該災害の当時居住していた者に賃貸するため、第二種公営住宅を建設するときも、国は、公営住宅法の規定にかかわらず、当該災害により滅失した住宅の戸数の五割以内について、予算の範囲内において、建設に要する費用の四分の三を補助することができることといたしまして、鹿児島市における公営住宅の建設を促進しようとするものでございます。 以上が、この修正の要旨でございます。 次に、昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案中修正につきまして、その要旨を御説明申し上げます。 本年六月から九月にかけての梅雨前線豪雨、第二室戸台風等による災害につきましては、さきに国会に提出いたしました昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案によりまして、公共土木施設の災害復旧事業費に対する国庫負担率の引き上げ等の措置を講ずることといたしましたが、その後、北海道等におきまして、本年十月上旬の水害により公共土木施設について激甚な被害を受けたのであります。政府といたしましては、かかる災害の状況にかかんがみ、すでに国会に提出いたしました昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案について本年十月上旬の水害を加え、十月上旬の水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等につきましても、本年六月から九月までの災害の場合と同様の措置をとり得るようにいたし、災害復旧等の促進をはかることといたしたのであります。 何とぞ御承認のほどをお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 自治大臣安井謙君。 〔国務大臣安井謙君登壇〕
○国務大臣(安井謙君) さきに提出いたしました法律案におきましては、本年の災害を受けた地方公共団体に対し、地方債の発行の特例を認め、さらに農地等の小災害復旧事業にかかる地方債について国が元利補給を行なうこととされておりますが、その後の災害の発生状況にかんがみまして、十月上旬の水害につきましても、これらの特例を適用するとともに、本年の災害を受けた公共土木施設及び公立学校施設につきましても、国の特例措置の一環として、小災害復旧事業債について国が元利補給を行ない、もって被害を受けた地方公共団体の財政運営と小災害復旧事業の円滑化をはかろうとするものであります。 以上がこの修正の理由であります。 次に、この修正の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方税等の減免により生ずる財政収入の不足を補うため、または災害対策に通常要する費用の財源とするために、地方債をもってその財源とすることができる地方公共団体及び農地等の小災害復旧事業にかかる地方債について元利補給金を交付する地方公共団体に、本年十月上旬の水害を受けたものを追加しようとするものであります。 第二は、公共土木施設及び公立学校施設の小災害復旧事業債の元利補給であります。これは、公共土木施設については、一カ所の工事の費用が、道府県及び五大市については十万円以上十五万円未満、その他の市町村については五万円以上十万円未満、公立学校施設については、一学校ごとの工事の費用が十万円をこえる災害復旧事業に対して発行が許可された地方債について、国がその元利償還金の百分の三十八・二に相当する額の元利補給を行なおうとするものであります。 なお、この種の地方債については、元利償還額の二八・五%ないし五七%が地方交付税の基準財政需要額に算入されますので、交付団体においては、国の行なう三八・二%の元利補給金と、あわせて元利償還額の六六・七%から九五・二%に相当する部分の財源が関係地方公共団体に付与されることになるわけであります。 また対象となる団体の指定は政令にゆだねられておりますが、従来の例に準じ、財政力に比し被害の著しいものを指定いたす予定であります。 第三は、以上申し上げました改正に伴い、地方債の引き受け、起債許可の協議及び政令への委任に関する規定について、必要な整理を行なおうとするものであります。 以上が、昭和三十六年五月の風水害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案の修正についての理由及びその要旨であります。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 農林大臣河野一郎君。 〔国務大臣河野一郎君登壇〕
○国務大臣(河野一郎君) ただいま提案になりました昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案中修正の内容について御説明申し上げます。 この修正は一十月初旬北海道南部に発生した水害の状況にかんがみ、この水害を、この法律案に規定する農林水産業施設及び開拓地の入植施設の災害復旧事業並びに災害関連事業に関する特別の助成措置の対象となる災害に加えることとするものであります。 次に、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案の修正の内容を御説明申し上げます。 この修正は、昭和三十六年五月から九月までの天災による被害農業者に貸し付けられる経営資金について、次の二つの特例を追加するものであります。すなわち、タケノコの生産をおもな業務とする被害農業者に対して貸し付けられる場合で、その貸付資金のうちにタケノコの生産に必要な資金として貸し付けられるものが含まれる場合の貸付限度を三十万円とし、償還期限を七カ年とすること、及びもっぱら果樹の栽培を業とする被害農業者に果樹の栽培に必要な資金として貸し付けられる場合の貸付限度額を五十万円とするものであります。 何とぞ御承諾あらんことをお願いいたします。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 六件を一括して採決いたします。 この六件はいずれも修正を承諾するに御異議はございませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、承諾するに決しました。 ————◇————— 日程第一 臨時石炭鉱害復旧法の 一部を改正する法律案(内閣提 出) 日程第二 石炭鉱山保安臨時措置 法案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第一、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、日程第二、石炭鉱山保安臨時措置法案、右両案を一括して議題といたします。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長有田喜一君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔有田喜一君登壇〕
○有田喜一君 ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案外一件について、石炭対策特別委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 まず、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、鉱害復旧事業を円滑に推進するため、現行法の有効期間を十年間延長するとともに、天災等の不可抗力により発生した鉱害の復旧等特定の応急工事は、国及び地方公共団体の費用をもって施行することができること等を規定したものであります。 本案は、九月三十日当委員会に付託され、十月七日佐藤通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来数次にわたり慎重な審議を重ねたのであります。昨十月十九日に至り、質疑を終了し、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、鉱害発生の予防、終廃山後の鉱害処理の円滑化等を強く政府に要望する附帯決議を付することに決しました。 次に、石炭鉱山保安臨時措置法案について申し上げます。 本案は、最近相次いで発生する炭鉱災害を防止するため、石炭鉱山の総合的調査を行ない、保安確保の困難な鉱山を休廃山せしめ、もって鉱山の保安を確保することを目的として提案されたものであります。 その内容のおもなる点は、一、通産大臣は、石炭鉱山の実態につき総合的な調査を行ない、保安に関する事項の改善勧告をすること、一、勧告を受けて鉱業を廃止する採掘権者等に対しては、石炭鉱山整理交付金を交付すること、一、交付金額の範囲内で未払い賃金、鉱害賠償費の債務弁済を行なうこと、一、本法の有効期間は二年とする等であります。 本案は、九月三十日当委員会に付託され、十月七日佐藤通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来数次にわたり熱心に審議を重ねたのであります。昨十月十九日に至り、質疑を終了し、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、鉱山保安法の抜本的改正、本案施行により発生する炭鉱離職者の雇用の確保に関する万全の措置を強く政府に要望する趣旨の附帯決議を付することに決しました。 以上、御報告申し上げます。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 オリンピック東京大会 の馬術競技に使用する施設の建 設等のための日本中央競馬会の 国庫納付金等の臨時特例に関す る法律案(オリンピック東京大 会準備促進特別委員長提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。 日程第三、オリンピック東京大会の馬術競技に使用する施設の建設等のための日本中央競馬会の国庫納付金等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。オリンピック東京大会準備促進特別委員長島村一郎君。 〔島村一郎君登壇〕
○島村一郎君 ただいま議題となりましたオリンピック東京大会の馬術競技に使用する施設の建設等のための日本中央競馬会の国庫納付金等の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の理由とその内容を御説明いたします。 オリンピック東京大会の開催については、かねてから国会といたしましても、数次にわたりその準備促進について態度を明らかにして参ったのでありますが、本案は、この趣旨に沿い、同大会の馬術競技のために使用する諸施設の整備をはかるため、日本中央競馬会の行なう競馬の開催及びこれに関する国の納付金について特例措置をいたそうとするものであります。 すなわち、わが国における馬術競技の健全な発達に寄与することをもその任務とする日本中央競馬会が、オリンピック東京大会に協力することは適当であると存ぜられますが、三年後に控えました大会を支障なく開催いたしますには、同競技に使用される諸施設を手抜かりなく建設、整備いたす必要があるのであります。しかして、必要施設の建設、整備には多額の資金を必要といたしますので、昭和三十七年一月一日から三年間、全競馬場を通じて年二回の範囲内において農林大臣の許可を得て臨時に競馬を開催し、その競馬の国庫納付金についてはその全部または一部を免除することとし、これによりオリンピック東京大会の馬術競技に使用する諸施設の建設、整備をはかろうというのが本案の趣旨であります。 オリンピック東京大会準備促進特別委員会におきましては、昨十九日賛成多数で本案を委員会提出の法律案として提出するに決した次第であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。 ————◇————— 日程第四 国民年金法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第五 年金福祉事業団法案(内閣提出) 日程第六 児童扶養手当法案(内閣提出) 日程第七 通算年金通則法案(内閣提出) 日程第八 通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第四、国民年金法の一部を改正する法律案、日程第五、年金福祉事業団法案、日程第六、児童扶養手当法案、日程第七、通算年金通則法案、日程第八、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。 ————————————— 国民年金法の一部を改正する法律案 年金福祉事業団法案 児童扶養手当法案 通算年金通則法案 通算年金制度を創設するための関係 法律の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長中野四郎君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔中野四郎君登壇〕
○中野四郎君 ただいま議題となりました五法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、国民年金法の一部を改正する法律案について申し上げます。 国民年金法は、昭和三十四年、第三十一回国会において成立し、すでに同年十一月から福祉年金制度は施行され、また、本年四月からは、拠出制度について保険料の徴収が開始されたことにより、本法は全面的に実施される運びとなったのであります。しかるに、本法実施の過程においては、各方面からいろいろ改善の要望が寄せられて参ったことにかんがみ、その改正法案が第三十八回国会に提出されたのでありますが、審査未了となりましたので、今回、さきに本委員会で修正された内容を取り入れ、再度提出されたものでございます。 以下、本案の内容について、まず、拠出年金に関する事項よりその概略を御説明申し上げます。 第一に、老齢年金の支給開始年令は、現行六十五才であるのを、六十才に達すれば繰り上げて年金を支給する道を開いたこと、第二は、保険料の免除を受けるなど、保険料納付期間が不足のため、老齢福祉年金しかもらえない人に対しても、新たに六十五才から七十才までの間、特例による老齢年金を支給すること、第三は、準母子世帯に対し、母子年金の例によって準母子年金を支給すること、第四は、障害、母子、準母子及び遺児の各年金の受給資格としては、三年以上の保険料の納付が必要であったのを改め、これを一年に短縮すること、第五は、遺児年金の額を、現行の老齢年金額の四分の一相当額から二分の一相当額まで引き上げ、最低保障額を現行の七千二百円から一万二千円に引き上げること、第六は、保険料を三年以上納付した者が死亡した場合は、その遺族に対して、保険料納付の期間に応じて、五千円から五万二千円までの死亡一時金を支給すること等であります。 次に、福祉年金に関する事項の第一は、拠出年金における準母子年金と同様に、準母子福祉年金制度を設けること、第二は、義務教育終了前の子、孫、弟妹の生計を維持する場合の福祉年金の所得制限額十三万円に加算される額を、現行の一万五千円から三万円に引き上げること、第三は、母子福祉年金は、同一世帯に二十五才以上の子がおっても、今後は、その子に一定額以上の所得があるときに限って支給停止をすること、第四は、福祉年金の支給制限について、一昨年の伊勢湾台風に際して制定された特別措置法の内容を恒久化すること等であります。 次に、年金福祉事業団法案について申し上げます。 本年四月からの拠出制国民年金の発足により、国民皆年金がようやく実現の運びとなりましたが、その主柱である厚生年金や国民年金の積立金は、昭和三十六年度分のみでも、厚生年金は一千四十億円の増、国民年金は初年度三百億円に達すると推定されており、この両年金の積立金の運用は、年金制度の今後の発展にきわめて密接な関係を有する問題であります。よって、これらの融資を円滑に実施するため、今回新たに年金福祉事業団を設置せんとするものであります。すなわち、本事業団は、特別の法人として、本年度においては還元融資の総ワク三百三十五億円のうちから、地方公共団体以外のものに直接貸し付ける分として五十億円がこれに充てられることになっております。 本案は、このような事業団設立の趣旨に基づいて、事業団の目的、融資の相手方や融資の対象となる事業等の範囲を定めるとともに、事業団の組織に関すること、予算、決算その他会計の方法、事業団の業務についての厚生大臣の監督等について規定いたしているものであります。 次に、児童扶養手当法案について申し上げます。 父母の離婚後、父と生計を異にしている児童、父と死別した児童、父が廃疾である児童等につきましては、これらを育てる家庭の所得水準は低い場合が多く、児童扶養のかてに多大の困難が見られるのであります。かかる事情に対し、社会保障の一環として、母子家庭の児童及びこれに準ずる状態にある児童について一定の手当を支給する制度を設け、これによって児童の福祉の増進をはかろうとするのが本法律案の目的であります。 そのおもなる内容について申し上げますれば、 まず、第一に、支給の範囲でありますが、この手当は、父母の離婚、父の死亡等の理由で義務教育終了前の児童を母が監護しておる場合、及び父母のない義務教育終了前の児童を父母以外の者が養育している場合に支給するものであります。ただし、すでに公的年金制度による年金を受けている場合、または、その所得が十三万円に、児童一人につき三万円を加算した額以上である場合等には支給しないことになっております。 第二に、児童扶養手当の額でありまするが、児童一人の場合は月八百円、二人の場合は千二百円、三人以上の場合は、千二百円に三人以上の一人につき二百円を加算した額を支給するものであります。 第三に、児童扶養手当に関する費用は、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することになっております。 次に、通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 国民年金制度の創設により、全国民は、本年四月からいずれかの公的年金制度の適用を受けることとなったのでありまするが、従来、多くの公的年金制度は、大部分相互に関連もなく創設され、実施されて参った関係上、各制度の間を移動する者については、いずれの制度からも年金制度による所得保障が行なわれない欠陥があったのであります。この両法案は、新たに各公的年金制度相互間の通算規定を設け、国民が老齢または退職に際して、あまねく年金を受けられる道を開こうとするものであります。 次に、そのおもなる内容について申し上げますれば、第一は、各公的年金制度の加入期間を合算して二十五年以上であるか、国民年金以外の被用者年金の加入期間を合算して二十年以上である者に対して、国民年金においては六十五才から、被用者年金においては六十才から通算年金を支給することであり、第二は、通算年金の額は、国民年金においては、国民年金の被保険者期間に応じて定められた額、他の被用者年金においては、厚生年金保険の老齢年金額と同様の水準の年金を支給することであります。なお、被用者年金における従来の脱退手当金、または退職一時金との調整についても規定を設けておるのであります。 以上五法案は、九月二十五日本委員会に付託され、各委員より熱心なる質疑が行なわれ、審査の結果、昨十九日質疑を打ち切りましたところ、日本社会党八木一男君外十名より、国民年金法の一部を改正する法律案、年金福祉事業団法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案の三法案に対する修正案が提出され、八木君より趣旨の説明が行なわれました。 次いで、討論の後、採決の結果、修正案はいずれも多数をもって否決され、五法案は多数をもって原案の通り可決すべきものと議決いたした次第でございます。 なお、通算年金通則法案を除く四法案については、それぞれ附帯決議を付することに決したのでありまするが、その内容については会議録で御承知願いたいと存じます。 以上、御報告を申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。これを許します。河野正君。 〔河野正君登壇〕
○河野正君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出、国民年金法の一部を改正する法律案外四件について、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手) 今日の日本の政治の実態は、経済が成長し、国民の所得が増大すれば、国民の間の所得格差がだんだん縮小していくという、池田総理の施政構想に基礎を置く模様であります。しかしながら、それはものの一面であって、ものの両面を見る正しい構想ではないのであります。特にわが国の労働力の流動は、きわめて困難であります。終身雇用制、年功序列型の賃金制度、特殊な退職手当制度、企業別の労働組合、世界無比の大きな賃金格差、その上に、かてて加えて住宅難等々、流動をはばむあらゆる悪条件が重なっておるのであります。しかるに、そういった悪条件というものを打ち破ろうとする努力というものが全く行なわれておらないのが今日の実情であります。一方におきましては、極貧層に近いボーダー・ライン層、すなわち、準要保護世帯に属します人々というものは、厚生省の調査によりましても決して減少をしておらないのであります。従って、池田内閣がこのような半面と積極的に取り組まない限り、いわゆる所得倍増計画も貧乏の追放には何ら役立つものではないのであります。御承知のごとく、池田総理は、口を開けば社会保障の最優先を強調して参られました。このことは、かつての、貧乏人は麦飯を食えと言った、いわゆる麦飯論と対照的であった言葉だけに、国民は非常に大きな期待を持ったのであります。しかるに、所得倍増計画が進展するにつれて、その一枚看板の社会保障はだんだんと精彩を欠き、大きく後退をして、国民に大きな失望を与えて参りましたことも御案内の通りであります。(拍手)すなわち、池田総理は、「私はうそは言いません」といううそを言ったわけであります。 昭和三十四年第三十一回国会において成立を見ましたさきの福祉年金は、きわめて不十分で、給付条件に相当の不合理や欠陥はあったといたしましても、今まで年金制度に関係のなかった老人や母子家庭、あるいは障害者にそれぞれ年金が支給され、これらの暗い谷間の生活の人々に明るい光明を与えたことは、一つの前進であったと思います。と同時に、このことは、自民党内閣より先に国民年金法を国会に提出し、今日生まれた無拠出年金制度の発足の推進力となったわが社会党の功を多としなければならぬと思います。(拍手)これに反して、拠出年金制度たる現行法は、はなはだしく不十分であるのみならず、その組み立てにきわめて大きな不合理を持っておるのであります。すなわち、文字通り社会保障の形態をとったわが社会党案との対比の中でも、数多くの欠陥と矛盾と不合理を暴露するものであったのであります。従って、社会保障と呼ぶにはおよそ縁遠く、むしろ、市井の営利保険的な性格を強く暴露しておったのであります。(拍手)すなわち、今回の改正案は、現行法の持つ本質的欠陥の改善には全く目をおおい、こそく的手段を講ずることによって国民の不平と不満を糊塗しようとするものであって、これは偽善もはなはだしいといわなければならぬのであります。御承知のごとく、憲法第二十五条でも、健康で文化的な生活を保障し、真の社会保障制度を推進する義務を国に与えておるのであります。従って、老人や身体障害者や母子家庭等々の生活上の苦痛をなくし、また、国民の将来の不安を一掃することは、近代国家の政治の信条でなければならぬと思うのであります。 以下、今回の政府案の中で問題となって参りまする若干の点につきまして論及を試みて参りたいと考えます。 その問題点の第一は、保険料が貧富の差にかかわりなく一定額であるという点であります。このことは、社会保障の重要な側面である所得再配分の思想に欠くるものとわれわれは断ぜざるを得ないのであります。(拍手) 第二の問題点は、年金支給額が全般的にはなはだ少額に失するという点であります。このことは、さきにも申し上げた憲法第二十五条の精神に合致しないことももちろんであります。国民は、四十年間の長期にわたり保険料を納め、四十五年後に、現在生活保護を受けている人々と同じ意味の生活が保障されるわけでありまして、全く所得保障の名に値しないことは、これまた論を待たないところであります。(拍手)経済成長九%を豪語する池田内閣が、後日、年金額を改定するというごとき逃げ口上は、われわれの断じて許しがたい点であります。(拍手) 第三の点といたしましては、受給資格の取得期間がきわめて長く、老齢年金の開始時期がおそ過ぎるという点であります。特に、生活困窮者で苦労の多い人々こそ、生理的、肉体的にも早く年をとることは皆さん方も御承知の通りであります。しかも、各産業における企業の合理化、オートメーション化が進むにつれて、生産年令の若年化が必至でございますることも御案内の通りであります。従って、完全な老齢保障を確立するためにも、老齢年金開始の時期は繰り上げるべきものと私どもは強く主張するのであります。 第四の問題点といたしましては、現行法の免除制度が対象者にとってほとんど実効がないという点であります。政府は、国民の批判に対して隠れみのを使っているのでありますが、この免除は全く無意味のものであります。すなわち、元来免除の持つ意義は、保険料を納めた場合と同様な効果を持つものでなければならぬのであります。しかるに、現行法の免除はその効果を持たず、単に保険料の強制徴収を免除されるという意味を持つのみであります。さらにひどいことは、この免除期間には国庫支出が伴わないという点であります。保険料の実際納入可能な中間層以上の人々には三分の一の国庫補助があるわけでございまするが、最もこれを必要とする階層の人々には、国庫支出分のこの三分の一の負担というものが全然考慮されておらぬ点であります。社会保障の一つの大きな支柱である年金に対する国庫支出というものは、所得再配分の性格を持つべきであるにもかかわりませず、これらの事実は、その精神を著しくじゅうりんするものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手) 次に、第五の問題点といたしましては、積立金運用の規定が明確を欠き、さらに貨幣価値の変動に対しまする処置、すなわち、スライド規定がきわめてあいまいであるという点であります。特に、戦後インフレの苦い経験を持つ国民は、現行法のごときあいまいなスライド規定のもとでは安心をして拠出年金制に協力できないということは、むしろ私は当然だといわざるを得ないのであります。なお、積立金の被保険者団体に対しまする還元がきわめて少なく、資金の大部分が依然として大資本、特に軍需に向けられることは、国民を愚弄するもはなはだしいと断ぜざるを得ないのであります。(拍手) 最後に、いま一点指摘を申し上げておきたいと思いまする点は、通算制の問題であります。すなわち、政府は、今回、通算年金通則法、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案を提出してこの問題の解決をはからんと企図いたしておりまするが、しかしながら、この改正点も、途中職業転換を余儀なくせしめられました人々には、はなはだしく不利を招いておる点を私どもは見のがしてはならぬのであります。自民党は、さきに、「国民はすべて二等列車で」と公約をいたしました。国民はこのことを喜び、大いに期待し、二等切符で二等車に乗車したのでありますが、乗ってみれば、あにはからんや、二等列車とは名のみでありまして、依然として、看板を塗りかえただけの三等列車であったのであります。国民を欺くこと、とれ自民党政府の常套手段とも私は断ぜざるを得ないのであります。(拍手) およそ、社会保障を一度でも口にする政党政治家というものは、現状を打開し、その飛躍的な前進をはからなければ政治を担当する資格がないものと私は考えます。政府は、世の中の批判に押され、また、功を急ぐのあまり、国民の納得を得ぬまま本法を強引に押し切らんとするならば、今後、さらに強大な国民の批判をこうむるであろうということを、私は特に申し添えたいと思います。国民は決して盲目ではないからであります。真の社会保障たる年金制度は、真に国民のためのものであり、国民を欺瞞し、瞞着し、あるいは選挙目当ての年金であっては断じてならぬのであります。 以上のごとく、私は、ここに問題の数点を強く御指摘申し上げ、同時に、強く政府の反省を促し、私の反対討論といたす次第であります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 まず、日程第四につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手) 次に、日程第五ないし第八の四案を一括して採決いたします。 四案の委員長の報告はいずれも可決であります。四案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、四案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手) ————◇————— 公立高等学校の設置、適正配置及 び教職員定数の標準等に関する 法律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、内閣提出、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(原健三郎君) 田邉國男君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題といたします。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員長櫻内義雄君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔櫻内義雄君登壇〕
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及びその結果を御報告申し上げます。 本案は、高等学校の教育水準の維持向上に資するため、公立高等学校の設置、配置、学級編成及び教職員定数の標準等について必要な事項を規定するものであります。 本案は、去る九月二十五日当委員会に付託となり、十月四日政府から提案理由の説明を聴取し、昨十九日質疑を終了、今二十日自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して山中吾郎君から、学校規模につき、より一そう各地域の実情に沿わしめるための修正案が提出されました。 かくて、修正案及び本案について、討論を省略し、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は起立総員をもって可決されました。 次いで、右三党を代表して八木徹雄君から、本案施行についての配慮事項に関する附帯決議案が提出され、採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決されました。 以上、御報告いたします。(拍手) ————————————— 〔参照〕 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案に対する修正案(委員会修正) 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案の一部を次のように修正する。 第五条中「それぞれ次の表の下欄に掲げる数」を「本校にあっては三百人、分校にあつては政令で定める数」に改め、同条の表を削る。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り決しました。 ————◇—————
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会 ————◇————— 出席国務大臣 文 部 大 臣 荒木萬壽夫君 厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君 農 林 大 臣 河野 一郎君 通商産業大臣 佐藤 榮作君 建 設 大 臣 中村 梅吉君 自 治 大 臣 安井 謙君 出席政府委員 農林政務次官 中馬 辰猪君 労働政務次官 加藤 武徳君 ————◇—————