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39回国会衆議院1961/10/17

農林水産委員会 第8号

発言数
115
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/10/17

会議録

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これより会議を開きます。  この際、昭和三十六年産甘しょ馬れいしょの原料基準価格並びにでん粉、甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件について、農産物価格対策に関する小委員長に報告を求めます。丹羽兵助君。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 農産物価格対策に関する小委員会は、去る十月十二日の委員会においてその設置を見ましたことは各位のすでに御承知のことでありますが、小委員会といたしましては、さっそく、当面する農産物価格安定法に基づく昭和三十六年産カンショ、バレイショの原料基準価格並びに澱粉、カンショなま切りぼしの政府買入れ価格について調査を行なうため、十月十三日、十七日の両日にわたり小委員会を開会し、鋭意調査を進めて参りましたのであります。しこうして、本日、小委員会といたしましては、本件に関する調査を一応終了することとしましたので、この際、その経過と結果について簡単に御報告申し上げます。  まず、十月十三日には第一回の小委員会を開会し、昭和三十六年産イモ類価格に対する食糧庁第二部としての試算について説明を聴取した後、小委員各位から長時間にわたり熱心な質疑を行なったのであります。  以下、当日食糧庁当局から説明のありました試算の概要と本年の価格算定方式の特異点について申し上げ、次いで質疑の要点を申し上げることといたします。  まず、試算のあらましについて申し上げます。  第一に、カンショの原料基準価格は、歩どまり二二%のもの十貫当たり二百六十円といたしております。しかして、歩どまり一%を増減するごとに十二円を加減することといたしております。従いまして、歩どまり二三・五%のものは六円アップして二百六十六円、歩どまり二一・四%のものは六円ダウンして二百五十四円と相なるわけであります。ちなみに、昨年の決定価格を申し上げますと、歩どまり二一%以上のもの十質当たり二百五十円となっており、三一%の歩どまりに満たないものは歩どまり一%につき十二円ずつ差し引いておりますが、本年は、これを改めまして、歩どまりの商いものに対しても、上昇割合に応じて基準価格を引き上げることにいたしております。この点は本年の一つの相違点であります。  また、この試算は、従来通り農安法政令附録算式によって算定した額、十貫当たり二百六十円を基準としておりますが、本年は特に澱粉の市場価格を算定上の要因として勘案しております。すなわち、当面の澱粉事情から見て、水あめ、ブドウ糖の需要価格として許容される政府買入れ価格の上限は、十貫当たり千五百九十円であるとして、これから逆算してカンショ価格を二百六十円と押えております。  従って、農業パリティ指数の上昇率、米価の値上がり率等によるカンショ価格の値上げ要因は算定上十分には考慮せられていないうらみがあるわけであります。  第二に、バレイショの原料基準価格は歩どまり一五・五%のもの十貫当たり二百十三円としており、カンショの場合と同様に、本年は歩どまりの増減によって差を設けることとしており、歩どまり一%増減するごとに十四円を加減することといたしております。従いまして、歩どまり一六%のときには二百二十円、一五%のときには三百六円と相当なるわけであります。  特に、バレイショの場合は、政令附録算式によって算定いたしますと十貫当たり百九十五円程度に引き下げられることになりますので、本年は過去五カ年平均の澱粉市場価格に大きなウエートを置いて、これから逆算したバレイショ価格、農業パリティ指数の上昇、基本農産物である米の価格の値上がり、カンショ価格の引き上げ等を考慮して、十貫当たり二百十三円と試算いたしておるのであります。従いまして、この点はさきのカンショの場合と多少趣きを異にいたしておるわけであります。  なお、参考までに昨年の決定価格を申し上げますと、歩どまり一五%のもの二百五円ということに相なっております。  第三に、カンショ澱粉は十貫当たり包装込み千五百九十円となっております。先述した原料カンショ価格十貫当たり二百六十円を基準として、歩どまり及び加工経費の上昇を織り込んだものであります。なお、念のため申し上げますと、三十五年産のものは千五百五十円と決定されております。  第四に、バレイショ澱粉は、昨年は二千七十円と決定されましたが、本年は十二貫当たり包装込み二千百円となっております。これも、先述したバレイショの基準価格十貫当たり二百十三円を基準として、歩どまり及び加工経費の上昇を織り込んで算定されたものであります。  第五に、カンショなま切りぼしにつきましては、十貫当たり千二十円となっており、昨年の九百九十円より相当の値上げとなっております。原料カンショ価格十貫当たり二百六十円を基準として、加工経費の上昇を織り込み、歩どまりを昨年の三六%から三六・五%に引き上げて算定したものでありますが、値上げの最大の要因は労賃を一三%高く見た点にあるようであります。  以上が食糧庁当局が試算した内容のあらましでありますが、小委員会といたしましては、以上の試算についての詳細な資料を次の小委員会に提出してもらうこととして、この報告を中心に質疑を行なったのでありますが、当日の質疑におけるおもな論点を要約いたしますと、大よそ次の通りであります。  一、農業基本法制定の趣旨から言って、試算の程度の価格では安すぎる。同時に、農安法自体も、農基法の制定、農業をめぐる客観情勢の推移に即応して検討し直すべきではないか。特に政令附録算式はすみやかに改めるべきではないか。  二、本年産米麦価の値上げ率は約六%となっており、これと対比して算定すると、カンショは二百六十五円、バレイショは二百十八円となる。その点今回の試算はバランスを失しておらないか。  三、政府は従前から価格決定後において原料のイモ基準価格による農民手取りが保証されるような方途を講じようとする意欲に欠けている。告示をしさえすれば能事終われりとする弊害が見られるのではないか。せっかくの支持価格がまじめに農民のためになるよう特段の考慮が必要である。  四、巨額な政府手持ち澱粉も、カンショ澱粉の方は新規用途が見出されたため激減したが、バ澱の方はなお手持ちがふえる一方である。政府の支払いの金利、倉敷料のこと等を考えれば、バ澱も新規用途向けには思い切って安売りした方が国としても得策ではないか。  五、澱粉の新規用途として大きな活路を見出した結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖の販路拡大のため政府はもっと積極策を講ずべきではないか。とりわけ砂糖との強制混用について早急に検討すべきではないか。  六、バレイショもマッシュドポテトーフレーク等新規用途の道が開かれてきている。これら関連企業の育成策について国としても積極策を示すべきではないか。  七、加工費の計算中、副産物収入の評価を実情以上に高く評価しすぎておらないか等でありました。  次いで、十月十七日第二回の小委員会を開会いたしたのであります。しこうして、湯山小委員及び片島小委員より政府に対して質疑が行なわれ、次いで、これらの調査の結果明らかにせられた点を総合し、小委員会としての最終意見を委員会の決議として取りまとめることと決し、案文の作成について協議いたしました結果、以下申し上げます案文について意見の一致を見て、芳賀小委員の発議により、これを本件に関する小委員会の結論とすることと決定いたした次第であります。  今これを御報告いたします。    昭和三十六年産甘しょ及び馬れいしょの原料基準価格並びにでん粉、甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件   首題の件に関し、政府は左記の通り措置すべきである。      記  一、甘しょ及び馬れいしょの原料基準価格については、農業パリテイ指数の上昇率、米麦価の値上率(約六%)等を勘案して昨年より少くとも十貫当り十円程度値上げをすること。  二、でん粉の政府買入価格については、原料基準価格の値上げと同時に労賃、物財費等加工経費が値上りしている情勢に即応し、所要の値上げをすること。  三、価格決定後において、原料いもの基準価格による農民手取が保証されるよう所要の措置を講ずること。  四、政府手持の馬れいしょでん粉についても甘しょでん粉の場合と同様に育成ぶどう糖用に対しては特売措置を講ずること。  五、コーン・スターチ等の輸入にあたっては、国産でん粉と競合しないよう慎重な配慮をすること。  六、マッシュドポテト等馬れいしょの新規用途関連企業に対し、低利長期資金の融通等その育成策を講ずること。  七、育成ぶどう糖の販路拡大を図るため、すみやかに砂糖との混入促進について必要な措置を検討すること。  八、甘しょ、馬れいしょについて、優良品種の育成と普及を図るとともに、でん粉工場及び育成ぶどう糖工場の合理化ないしは生産性の向上について、さらに積極的な補助、助成策を講ずることとし、これがため、すみやかに精糖会社の超過利潤を活用する方途を講ずること。   なお、農業基本法制定後における農業基本政策の要請に即応し、甘しょ、馬れいしょを含む農産物の価格支持と農家所得の向上のための綜合的な価格形成方針につき、根本的な検討を加えるべきであり、この趣旨を実現するため、まずもって農産物価格安定法の政令附録算式の改訂作業に着手すべきである。   右決議する。    昭和三十六年十月十七日      衆議院農林水産委員会農産物価格対策に関する小委員会  ただいま申し上げました文案に基づきまして、本委員会において本件に関し御決議をお願いいたしたいと存ずる次第であります。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 丹羽兵助君の小委員長の報告は以上の通りであります。  ただいまの小委員長の報告に対し何か御発言はありませんか。

田口長治郎自由民主党

○田口(長)委員 ただいま小委員長から御報告になりました昭和三十六年産甘しょ及び馬れいしょの原料基準価格並びにでん粉、甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件の中で、第五の問題につきまして食糧庁長官からちょっと御意見をお伺いしておきたいと思います。  この五の、「コーン・スターチの輸入にあたっては、国産澱粉と競合しないよう慎重な配慮をすること。」、この字句でございますが、小委員長関係ではこの文案で大体カンショ切りぼしの競合物資についても包含をしておる、こういうような御解釈でございまして、私もさように考えるのでございますが、この際食糧庁の御意見をはっきり伺っておきたいと思うのでございます。  御承知の通り、切りぼしの競合物資はマイロ、トウモロコシでございまして、国産の切りぼしが消化されるかどうかということは、一にかかってマイロ、トウモロコシの輸入の数量によって決定する、かような非常に強い競合物資であるのでございます。この問題につきましては、従来から切りぼしとマイロ、トウモロコシとの輸入を抱き合わして国産切りぼしの消化をはかっておる、こういうような実情でございますから、この五のうちには切りぼしの競合物資も含んでおる、こういうふうに考える次第でございますが、その点について一つ御見解を伺っておきます。

安田善一郎食糧庁長官

○安田政府委員 ただいま田口先生からの御質問でございますが、本案は農林水産委員会のイモ及びその澱粉等に関します決議でございますから、これを政府側は尊重をいたしますことは当然でございます。文句の解釈を私の方から申し上げますといいかどうか疑問に思いますけれども、一応御指名ですから申し上げておきます。  コーン・スターチ等というのにつきましては、輸入されるスターチになったもの、それは、原料のマイロ、トウモロコシあるいは切りぼし等は将来は南方から来ることもあるだろう、しかし、輸入にあたりましては国産澱粉と競合しないよう慎重な配慮をするという御決議でございますから、私どもといたしましては、スターチそのもののほか、スターチを作るための各種農産物、澱粉の原料になるもの及び澱粉から生産を再度されるもの、第二次加工品といいますか、あるいはブドウ糖でありますとか、あるいは砂糖でありますとか、てん菜糖でありますとかいうものにつきましても、同様に「等」の中に入る筋合いのもの、こういりふうに思っております。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 本件につきまして、ただいま小委員長からの報告がありました通り、本委員会においてお手元に配付の案文の通り決議することといたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまの決議に対し政府の所見を求めます。中馬農林政務次官。

中馬辰猪自由民主党農林政務次官

○中馬政府委員 ただいまの御決議につきましては、政府といたしましては、十分に検討いたして、御要望に沿うように努力いたしたいと思います。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 なお、お諮りいたします。  ただいまの決議の関係方面への参考送付に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 御異議なしと認め、さように決しました。      ————◇—————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 続いて会議に入ります。  農業近代化資金助成法案、農業信用基金協会法案及び農林中央金庫法の一部を改正する法律案を議題として、まず政府に補足説明を求めます。坂村農林経済局長。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 それでは、農業近代化資金助成法案、農業信用金協会法案、農林中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、説明いたします。  最初に農業近代化資金助成法案についてでありますが、この法律案は、農業者等の資本装備の高度化と農業経営の近代化に資するため、最近充実を示して参りました農協等の組合系統資金を積極的に活用し、農業者等の生産施設の整備をはかることを目的として創設されます農業近代化資金融通制度の根拠となるものでありまして、昭和三十六年度におきましては、この制度により年七分五厘以内の金利で三百億円の融資を行なうことを予定いたしておりますが、以下この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。  第一条は、この法律の目的について規定いたしております。すなわち、第一条は、農業者等に対し、農業協同組合、農業協同組合連合会等の融資機関が農業生産施設等のための長期低利の資金を貸し付けることを円滑にするため、都道府県が融資機関に対して行なう利子補給等の助成措置に対して国が助成を行なうことにより、農業者等の資本装備の高度化と農業経営の近代化に資することをこの法律の目的とする旨を規定いたしております。第二条は、農業近代化資金を借り入れることができる「農業者等」、「融資機関」及び「農業近代化資金」の定義であります。  第一項は、国の助成の対象となる農業近代化資金を借り入れることのできる「農業者等」を規定いたしておりますが、第一号は、農業(この場合、農業には畜産業及び養蚕業を含むものとしております。)を営む者でありまして、有限会社あるいは別途に提案いたしておりまする農事組合法人等でいわゆる農業法人として農業を営んでおりますものもその中に含まれております。第二号は農業協同組合であり、第三号は農業協同組合連合会であります。第四号は、第一号から第三号までの者が主たる構成員または出資者となっている法人として農業共済組合、同連合会等を政令で指定する予定であります。  第二項は、農業近代化資金を貸し付ける「融資機関」を規定いたしておりますが、個人施設については、貸付事業を行なう農業協同組合を中心に、不振単協傘下の農業者、あるいは融資規模が大きい場合等には、信連等の直接貸付をも認めることとしております。それから、農業協同組合等が行ないます共同利用施設につきましては、信連、共済通及び農林中央金庫といたしております。  第三項は、国の助成の対象となる「農業近代化資金」の内容を規定いたしております。これは、農業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化に資するため、さきに申し上げました融資機関が年七分五厘以内、償還期限として十五年以内——これは、先般の通常国会におきまして、十年と十五年というふうに区別をしておりましたけれども、その審議の過程で全部おしなべて十五年以内というふうな御修正がございましたので、御修正の通りに今回は提案をいたしております。据置期間三年以内の条件で農業者等に貸し付ける施設資金でございまして、その細目については政令により定めることといたしておりますが、農舎、畜舎等の農業用建築物、サイロ、果樹だな、索道等の農業用構築物及び農業倉庫、飼料製造施設等の共同利用施設の改良、造成、取得に必要な資金、原動機、耕耘整地用機具、病虫害防除機具等の農機具の取得に要する資金、柑橘、リンゴ、ナシ、ブドウ等の果樹、茶その他永年性植物の植栽に要する資金、乳牛、繁殖用豚等の家畜の購入に要する資金、小規模の農地または牧野の改良、造成に要する資金等を予定いたしております。  貸付限度につきまして、一般の農業者にありましては二百万円以内、農業生産法人等につきましては一千万円以内、農業協同組合等にありましては原則として五千万円以内(この場合特別の理由がある場合において農林大臣が承認したときは五千万円をこえてその承認した金額というふうにいたしております。)でありまして、細目についてはこれも政令で定めることといたしております。  第三条は、このような内容の農業近代化資金に対して行なわれる都道府県の利子補給に対する政府の助成について規定いたしております。  この利子補給補助は、農業近代化資金を貸し付ける融資機関と都道府県との契約によりまして都道府県が利子補給を行なうに要する経費の全部または一部を国が補助するものであります。  補助率は政令で定めることといたしておりますが、従来からの家畜の導入事業につきましては、全額国旗負担を従来もいたしておりますので、従来よりも下げないという意味で、これにつきましては全額国庫負担、それ以外のものにつきましては二分の一を国庫で負担する予定であります。  なお、この政府の行ないます利子補給補助の財源としては、農業近代化助成資金を一般会計に設けまして、その運用益をもって充てることといたしておりまして、別途農業近代化助成資金の設置に関する法律案を提案いたしており、三十六年度には三十億円をこの資金に繰り入れることといたしております。  第四条は、農業信用基金協会の制度に関する規定でございます。  第一項は、農業者等に対する農業近代化資金の融通を円滑にするために、農業近代化資金にかかる農業者等の債務を保証することをその業務とする農業信用基金協会の制度を設ける旨の規定でございます。  第二項は、農業信用基金協会に関しては農業信用基金協会法の定めるところによる旨の規定でございまして、これにつきましては、農業信用基金協会の設立、運営等について規定いたしました農業信用基金協会法案を別途提案いたしておるわけでございます。  第五条は、新たに各都道府県に設立されます農業信用基金協会に対する政府の助成に関する規定であります。  この農業信用基金協会は、農業近代化資金にかかる債務保証と、それ以外の農業者等が借り入れる一般資金にかかる債務保証の双方の業務ができることといたしておりますが、前者つまり農業近代化資金の債務保証に充てるための基金として都道府県が農業信用基金協会に対し出資を行なうのに必要な経費の一部を国が補助するものでありまして、補助率は政令で定めることといたしておりますが、都道府県の出資に要する経費の二分の一を予定しております。  第六条は、納付金に関する規定でございまして、農業信用基金協会が解散した場合には、その都道府県に分配された残余財産の額の一部を、また、農業近代化資金にかかる債務の保証の業務を廃止した場合には農業近代化資金にかかる債務の弁済に充てるための基金の額と農業近代化資金にかかる債務の弁済によって取得した求償権の行使によりその後に取得した金額との合計額の一部を、それぞれ政府から補助を受けた割合に応じて都道府県から政府に納付しなければならないことといたしておりますが、納付金額の算出方法等具体的な事項につきましては、必要が生じた場合に政令で定めることといたしております。  以上がこの法案の内容のおもな点でありますが、附則におきまして、関係法律の規定に所要の整備をいたすこととしております。すなわち、有畜農家創設資金及び農業改良資金制度のうち施設資金がこの制度に統合されるのに伴いまして、有畜農家創設特別措置法の廃止と農業改良資金助成法等の一部改正を行ないますとともに、これに伴う経過措置を整備いたすこととしておりますほか、つなぎ融資措置に伴いまして必要な規定を置きましたこと、農業倉庫に対する不動産取得税の課税に際し農業近代化資金についても農林公庫資金と同様にこれを課税標準より控除する取り扱いをするよう地方税法の改正を行ないますこと等がそのおもな内容でございます。  次に、農業信用基金協会法案でありますが、この法案は農業経営に必要な資金の融通を円滑にいたすための施策の一つでありまして、別に提案されております農業近代化資金助成法案とともに新たに発足いたします農業近代化資金融通制度を形づくるものであります。以下各章について御説明いたします。  第一軍は総則でありまして、第一条に、この法律の目的として、農業経営に必要な資金の融通を円滑にするため、農業協同組合等の融資機関の農業者等に対する貸付についてその債務を保証することを業務とする農業信用基金協会の制度を確立し、もって農業の生産性の向上と農業経営の改善に資する旨を掲げております。  第二条には、この協会の構成員となり、また被保証者となり得る「農業者等」の定義及び「融資機関」の定義を掲げております。  第一号の農業を営む者には、いわゆる農業生産法人を含むことは農業近代化資金助成法案と同様でありますが、農業に従事する者を加えましたのは、主として農家の家族従事者の生活資金等につきましても保証の対象とする必要があるからであります。  第四号の政令で定める法人は、農業共済組合、土地改良区、農業協同組合中央会等を指定する予定であります。  融資機関といたしましては、貸付事業を営む農協、(これには開拓農協、酪農協等の特殊農協も含まれます。)信連、共済連、農林中金のほか、銀行等の一般金融機関につきましても政令で指定できることといたしております。このほか、この協会の法人格その他総則として必要な事項につきまして第三条から第七条までに規定いたしております。  第二章は、この協会の業務について規定いたしております。この協会の業務は、第八条に規定しておりますように、大別いたしますと農業近代化資金に関する債務の保証とその他一般の事業または生活に必要な資金に関する債務の保証とに分かれております。この場合、会員たる農業者等の負担する債務の保証を行なうわけでありますが、農業協同組合が会員でありますときはその組合員は会員と同様に取り扱うよう規定いたしておりますので、特別の場合を除き農業者が直接加入する必要はないこととなっております。この業務のうち農業近代化資金にかかる債務の保証額は三十六年度末において二百億円をこえる見込みであります。このほか、この二つの業務に附帯する業務といたしまして、被保証者についての指導その他この協会の目的達成に寄与する業務をも行ない得ることといたしております。  次に、第九条におきましては、保証業務を行なうための基金について規定いたしております。すなわち、協会は、以上の保証業務を行ないます基金として、出資金、準備金からの繰入金、保証債務の弁済に充てることを条件として交付される金銭および求償権の行使によって取得した金銭を安全確実に管理することが要求されるわけでありますが、その運用対象ととしましては、信連、農林中金または銀行への預金、金銭信託、国債証券、地方債証券、その他主務大臣が安全確実でありしかもなるべく有利な運用が可能と認めて指定する有価証券に限られることとなっております。このほか、第十条におきまして、毎年度の剰余金は全額を準備金として積み立てなければならないこととするとともに、この準備金は、欠損の補てんに充てるか、または基金に繰り入れる場合のほかは取りくずしてはならないものとして基金の充実をはかっております。  次に、この債務の保証の事業には、農業近代化資金にかかるものと、一般の事業または生活に必要な資金にかかるものとがあり、そのうち、国の助成措置の対象になりますのは農業近代化資金にかかるものだけでございますので、その助成措置の実効を期しますため、第十一条において農業近代化資金にかかる債務の保証の業務をそれ以外の業務と区分して経理しなければならないものといたしました。  農業信用基金協会は、今述べて参りましたような業務を行なうわけでありますが、その実行にあたりましては、信用調査、債権管理等に関して融資機関の機構、能力、経験等を利用することが便利でありますため、第十三条におきまして、債務の保証の決定を除き、その一部を融資機関に委託して行なわせることができることとしております。  第三軍はこの協会を構成します会員について規定いたしております。  まず第十四条におきまして会員の資格について規定いたしております。すなわち、農業信用基金協会の会員たる資格を有します者は、各都道府県の区域に従って、その協会の区域内に住所を有する農業者等のほか、都道府県及び市町村となっております。  次に、会員の出資につきましては、協会の業務の性格上、その財政的基盤の充実は不可欠の要請でもありますので、第十五条におきまして、会員は出資一口以上を有しなければならないものとしております。第十六条におきましては持ち分の譲渡について規定し、第十七条におきまして、議決権については、前国会の衆議院農林水産委員会の御修正通り各一個及び出資一口につき一個の議決権を有するものといたしております。また、この協会の公共的性格にかんがみまして、第十八条におきまして会員たる資格を有する者が加入しようとするときは、正当な理由がないのにその加入を拒んではならないこととしておりますほか、加入、脱退その他会員の権利義務につき第十八条より第二十二条までにおいて必要な規定を設けております。  第四章はこの協会の設立につきまして規定いたしております。  第二十三条から第二十五条までの規定によりまして、協会を設立するには会員たる資格を有する者で協会の会員になろうとするもの十五人以上が発起人とならなければならないこととするとともに、発起人は、定款及び業務の法書を作成し、事前に公告の上創立総会を開き、その終了後遅滞なく主務大臣に設立の認可の申請をしなければならないこととしております。  第二十六条におきましては、この申請があったときは、主務大臣は、設立手続、申請書等に欠陥がなく、また区域を同じくする他の協会がすでに設立しておらず、かつ、その事業が健全に行なわれ、農業の生産性の向上と農業経営の改善に資すると認められるときは、設立の認可をしなければならないことといたしております。  以上のほか、第二十七条におきましては設立認可があった場合の発起人より理事への事務の引き継ぎ、第二十八条におきましては協会の成立の時期について規定しております。  第五章はこの協会の管理について規定いたしております。  第二十九条におきましては定款に記載すべき事項、第三十条におきましては業務方法書に記載すべき事項をそれぞれ規定いたしておりますが、いずれも現在この種の事業を行なっております特殊法人と同様の事項を規定しております。次に、第三十一条におきまして、協会は、定款、業務方法書で定めなければならないもののほか、規約を定めることができることとしております。  協会の役員につきましては、第三十二条から第三十六条までに規定しておりますが、理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上といたしており、その選任につきましては、会員、法人たる会員の役員、会員たる地方公共団体の長またはその職員の中から総会において選任しますほか、農業または金融に関する学識経験者より委嘱することができることとし、広く有用なる人材を求めることといたしております。  なお、第四十三条および第四十四条におきまして、それぞれ役員の協会及び第三者に対する責任及び役員に関する民法の準用について規定しております。  次に、総会につきましては、第三十七条から第三十九条までの規定により招集の方法を定め、議決事項、特別の議決等につきまして第四十五条から第四十八条までの規定において同様の特殊法人の例にならい規定しております。  第六章は解散及び精算、第七章は監督、第八章は罰則について規定いたしておおりますが、いずれもこの種の事業を行なっております特殊法人と同様の事項を規定しております。  最後に、附則につきましては、第二条におきまして、現在各都道府県においてこの協会の業務と同様の業務を行なっております財団法人たる農業信用基金協会が、その寄附行為の定めるところにより、その住所のあります都道府県を区域とする新しい農業信用基金協会の発起人に対して、当該財団法人の権利及び義務を承継するようにと申し出ることができるものとし、この申し出が新協会の創立総会の議決によって承認されたときは、財団法人の権利義務は新協会成立のときにこの協会に承継され、財団法人はそのときにおいて解散するものとし、従来の協会からの業務の引き継ぎの円滑化を期するとともに、第四条及び第五条におきまして、従来農業改良資金助成法に基づいて都道府県が行なって参りました農業改良資金の施設資金に対する債務保証業務も、この資金が三十六年度以降農業近代化資金に統合されることとなりました関係上、協会に移管することといたしまして、そのために必要な農業改良資金助成法の改正及び都道府県がすでに実施しております保証業務の引き継ぎのための権利義務の承継に関する規定を設けております。  このほか、この協会を農林中央金庫の会員といたしますため、農林中央金庫法を改正すること、監督規定を整備するために大蔵、農林両省設置法を改正すること、この種の特殊法人と同程度の税法上の優遇措置を講じますために登録税法、印紙税法、所得税法、法人税法、地方税法について所要の改正を行なうこと等がおもな内容であります。  次に、農林中央金庫法の一部を改正する法律の内容でございますが、第一は、役員に関する規定の改正であります。  そのうち、第一点は、役員の定数に関する第九条の規定を改正して監事の定数を三人以上から二人以上とすることであります。これは、現在金庫の監事三名のうち一名が非常勤であり、常勤しておりますのは二名でありますが、今次の改正以後は常勤役員のみによって業務に専念させる体制をとることが適当と考えられますので、現在の常勤監事の定数である二名に合わせるよう二名以上といたしたのであります。  第二点は、役員の選任方法及び任期に関する第十一条の規定の改正であります。  その第一は、役員の主務大臣による任命制を廃止して、理事長及び監事は出資者総会で選任し、剛理事長及び理事は理事長が任命することとすることであります。これは、役員を構成団体みずからの意思と責任によって選任することによって金庫と構成団体の結合を一そう緊密化し、それを通じて金庫の業務が一そう円滑に行なわれることを期待しているのであります。  具体的な選任の方法につきましては、主務大臣の認可を必要とする定款に規定せしめることとして、その適正を確保することといたしました。  その第二は、理事長、副理事長及び理事の任期を一年短縮して四年としたことであります。金庫の業務運営に構成団体の意思が正して反映されるようにするためには、選任の機会が多いこと、すなわち任期が比較的短いことが望ましいのでありますが、他方、あまり短くては業務に専念すること及び業務の責任の所在々明確にするという点から適当でありませんので政府関係金融機関等の例をも参海の上四年といたしたのであります。  第三点は、第十一条の二の規定を新設して役員の兼職を原則として禁止することとしたことであります。これは、役員が他の報酬ある職務または営業に従事しますことは、金庫の業務に専念する上からも、また金庫の業務の公正かつ中立な運営を確保する上からも適当でないと考えられますので、主務大臣の承認を受けた場合を除きまして、原則として兼職を禁止することとしたのであります。これは、先般の通常国会には全部兼職を禁止するということを考えて提案をいたしたのでありますが、本委員会において審議の過程で修正いたしましたので、主務大臣の認可を受けた場合はこの限りでないということではずして提案をいたしたわけでございます。  今回の改正のおもな点の第二は、第十二条の改正により新たに業務運営に関する重要事項につき理事長の諮問に応ずる機関として理事長が委嘱する審議委員の制度を設け、従来ございます評議員の制度を廃止することとしたことであります。なお、審議委員の定数は十名以内、その任期は四年以内とすることといたしております。これは、金庫の業務の重要性にかんがみまして、広い視野に立った公正妥当な意見を金庫の業務に反映せしめ金庫の業務の適正を確保するために従来の評議員にかわり審議委員の制度を設けるための改正であります。この点につきましては、通常国会に提案をいたしたときには審議委員の任命につきましては主務大臣の認可を受けるということに書いてあったのでございますが、審議の過程で御修正がございましたので、それをはずして提案をいたしております。  第三は、主務大臣の監督に関する規定の整備を行なうことであります。役員の主務大臣任命制を廃止することによってこの面からの監督は行なわれなくなりますが、農林金融の中枢機関としての金庫の地位、役割の重要性にかんがみまして、主務大臣が予防的または補正的な指導監督を行なってゆく必要がありますので、他の金融機関の例を参照の上、主務大臣の監督に関する規定を整備することといたしました。すなわち、第二十八条及び第二十九条の規定の改正によりまして、それぞれ金庫の業務及び財産の状況の報告並びに検査の規定を整備するとともに、従来主務大臣のもとにあって金庫の業務の監視の任に当たりました農林中央金庫監理官について規定しておりました第三十一条及び第三十二条の規定を改正して監理官の制度を廃止し、新たに主務大臣の監督命令に関する規定(第三十一条)及び金庫が法令、定款または主務大臣の命令に違反した場合主務大臣は金庫の業務の停止または役員の改任を命じ得る旨の規定を設け(第三十三条)、監督に関する規定の整備をはかった次第であります。  第四は、罰則その他条文が現状に適さない点がございますので、その整備を行なうこととしたことであります。  以上が農林中央金庫法の一部を改正する法律案の内容でございます。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      ————◇—————    午後一時二十三分開議

野原正勝自由民主党

○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農業近代化資金助成法案、農業信用基金協会法案、農林中央金庫法の一部を改正する法律案を一括議題として質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、政府側の出席が悪うございますから、今出席なさっておられる方で足りるような分だけを質問して、あとは残してもらいたい、このように思います。  一番にお尋ねしたいのは、基本法の中には農林金融のことについて触れていないわけですね。基本法の素材になった調査会が出しておる「基本問題と基本対策」の中ではこういう趣旨について触れてありますけれども、基本法の中では農林金融の問題について今後どういうあり方でなければならないということが触れてない。この点についてまず一番に御質問をしたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 農業基本法の中におきましては金融の問題については触れてないというお話でございまするけれども、第四条の財政上の措置、こういうところで、第一項は、「必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」ということがありまして、二項におきましては、「政府は、第二条第一項の施策を講ずるにあたっては、必要な資金の融通の適正円滑化を図らなければならない。」という条項があるのでございまして、基本法でもうたっておるのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それは基本法を施行するには実際に金の裏づけがなくてはいかぬということを言っておるだけであって、いろいろ交通整理を言われておる農林金融のあり方について具体的に示されておらないわけですね。そういうあり方についてお尋ねをしておるわけです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃいます通りに、具体的に農林金融というものがこういう方向であらねばならないということは基本法には触れてはございませんけれども、これは、基本法におきましてたとえば構造改善であるとかあるいはその他の重大な方向が示されておるわけでございまするけれども、この線に沿いまして、金融といいまするものは、いろいろそういう仕事が進むに従い、それに応じまして、それを助長しあるいは援助していくような金融措置というものが当然考えられなければならないことでございますので、実際の仕事の進み工合によって、それに応じた合理的な金融施策を講ずる、こういう趣旨でございますので、基本法に具体的にこういうことが書いてなくても、実際問題といたしましては、基本法の精神で金融の措置を講じていく、こういうようなことになろうかと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が申し上げておるのは、そういうことではなしに、系統金融なりあるいは制度金融、こういうものの関連、そうして、どういう形でそれがからみ合っていくのか、そういうことを聞いておるわけです。基本政策では、今後の農林金融は系統資金を大体主体にして、制度金融はこれを補完をしていく程度にとどめたい、農林金融もできるだけ金融ベースに乗ったものにして運用をしていくという方針を出しておるのですね。だから、そういう考えでこの農基法を今後施行するについては、農林金融はそういう方向で今後やっていく、そういうふうに理解していいものかどうか、伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 農業基本法のもとをなしますところの「農業基本問題と基本対策」といういわゆる基本問題調査会の答申におきましては、農業金融の問題につきまして、第一に行政投融資、第二番目に組合系統金融の問題、こういう取り上げ方をいたしておるのでございまして、やはり、農業の構造改善をやっていくというようなことを考えます場合におきましては、これは相当国が投資をしてやっていくという考え方が非常にウエートを持ってくると思うのでございます。そういうようなことから、行政投融資はもちろん拡充して参ります。そうして、きわめて長期・低利なものを農業につぎ込んでいく、こういう考え方が当然必要であるわけでございます。一面、組合系統金融におきましては、農業協同組合の系統内部に相当の資金があるのでございますから、これを効率的に農村に還元していくというような考え方を同時に考えていったらどうか、こういう考え方が出ておるのでございます。大体現在私どもの考えておる方向もこの線に沿うて考えておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうじゃないでしょう。系統金融を主として、制度金融を従というか、それを補完する方向でやっていくというのが基本政策ではっきり出されておるでしょう。従って、そういう方向について農基法でも考えておるから、今度の近代化資金というようなものがその方向によって出てきておるというふうに、基本政策を読みますと私どもは理解せざるを得ないのですが、どうでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 現在の制度を申し上げますると、御承知のように、国が直接の資金を使いまして、きわめて長期・低利の金を融資しようという制度は、これは農林漁業金融公庫の融資でございます。それに、一面、もう一つ極端なものは、ほんとうの組合系統金融でございまして、いわゆる本来のプロパーの組合系統金融というようなものがあるのでございますが、その間に、いろいろ組合の現在の金利ベースあるいは貸付条件等ではなかなか農業にこれを使えないという面もございまするので、特殊な目的のために国が利子補給をし、あるいは損失補償をするとか債務保証をするとか、そういう援助の手段を講じましてやっておりますのが、いわゆる制度金融であるわけでございます。ですから、そこで、農業投資について国が相当のウエートを持つということは、私は当然のことであろうと思うのでございまするが、一面、組合にあります金をどうして農村に還元して農業の改善に役立たせるかということを考えました場合には、これは本来から申しますれば組合の金でございますから、おっしゃる通り、組合が組合系統金融というものを軸にしたらいいじゃないか、こういう考え方もあろうと思うのでございますけれども、それでは農業の面から見てなかなか需要にこたえきれないという状態にあるわけでございます。従いまして今度の近代化資金というものは、とにかく農業投資をさせるために国が利子補給あるいは債務保証という援助をいたしまして、そうして組合のある程度の自主性を生かしつつ国が援助をして組合系統金融を農業投資に向けていこう、こういう考え方をとっておるのでございまして、これは基本問題調査会の考え方と矛盾するものではないわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、農業基本法施行について、今後、その資金需要と申しますか、農業が基本法の内容から言って今後どういうふうな形で伸びていくんだ、それには何年間でどれだけの金が要るのだといったような、そういう資金需要の点で一応の青写真があったらお示しをいただきたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 今後農業基本法の線に従いまして農業の近代化が進んで参りまする場合にどれだけの金が要るかということでございまするが、これは、いわゆる公共投資、公共事業に対する投資の問題もございまするし、その他民間の一般の金の需要もございまするし、あるいはその中間に政府が援助をいたしまする金融のそういう面もあろうと思うのでございます。そういうようなものをいろいろ計算いたしまして、正確にどれだけのものが要るという具体的、数字的なものを現在申し上げることは、あるいはいかがかと思うのでございまするけれども、大ざっばに申し上げまして、大体、来年度、三十七年度の見込みといたしましては、農林漁業金融公庫の資金につきましては、農業の近代化が進むにつれまして、需要として、現在農林省で大ざっぱにはじいておりますところは、六百ないし九百億程度、それから、この制度、いわゆる農業近代化資金の制度によって融資をいたしまする分につきましては、一応ことしは三百億でございまするけれども、五百億程度というふうに踏んで今後いろいろ大蔵省と折衝をしていこう、こういうことを考えておるわけでございます。もちろん、いろいろ農業の進み方によって資金の需要というものが変わって参るのでございまするので、今、これだけのものがきちんとあればこれで十分間に合うんだというようなこと、あるいはこれでは足りないんだというようなことは、具体的にその正確なお答えはできないと思うのでございまするけれども、だんだん動きを見ながら必要に応じた資金の供給をやっていくように万全を期していきたいと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 調査室から出ております資料によりますと、大体一つの指標を出してあるわけですね。そこで、これによりますと、所得倍増計画に基づく農業投資所要量の計算として、農林漁業金融公庫に依存する中長期施設資金は次の通りとして、三十六年から四十年、年間約九百億、四十一年から四十六年、約千五百億。それで、今出された来年度の六百億から九百億というのはこういう見通しで出されておるわけですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃいます調査室の資料といいますのがどういうものか私存じませんけれども、金額的に何億だという実額でこれを申し上げることば、まだいわゆる公定版になっておりませんので差し控えたいと思うのでございまして、一応私どもの考えておりますのは、伸び率年率、そういうようなものを大体基礎にいたしまして考えておるわけでございます。それで申し上げますると、農林、水産の合計では大体二・八という伸び率を一応頭に置きまして、その基礎で来年の資金量というものも考えております。そういう実情でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 農業は非常に特殊な産業でございますから、資金の点については長期・低利ということがもう絶対必須条件そこで、政府として大体長期・低利の一応の標準はどの程度を考えておられるか、ちょっとそれを先に伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 御承知の通り、現在国が直接の融資をいたしております農林漁業金融公庫の金利は三分五厘から七分五厘、こういう範囲でいろいろの業種によって実行いたしておるのでございまして、期間については、長いものは二十五年程度のものがあるわけでございます。それで、長期・低利といいまして、農業面でどれだけの期間が必要であって、どれだけの金利がいいのかということは、これは非常にむずかしい問題であろうと思うのでございます。近代化資金におきましても、御承知のように、この前の国会のときからの審議の経過でございまして、近代化資金の金利が七分五厘のベースは高いじゃないかという御意見もございますので、いろいろとその後も検討いたしております。しかし、農林漁業金融公庫というようなものが今申し上げましたようなそういう状態でございますので、それとのいろいろな関係、バランスもございます。それから、国の全体の金利との関係もありまして、はたしてどの程度に押えるのが農業金融としてはいいのかということは、これはなかなか絶対的なものとして言うことはできないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。一面、それで、農業部門としてどれだけの金利の負担ができるか、こういうことを一つ突っ込んで検討してみなければならぬのではないかということで、私どももいろいろ検討いたしておりますが、これもなかなかむずかしい問題でございまして、あるいは、部門によっては、金融なんというものではだめなんだ、これは完全に補助金でなければできないのだという結論になるのでございますし、あるいは、考えようによっては、金利負担もある程度できるというようなものもありまして、なかなかむずかしい問題でございまして、まだ相当時間はかかると思いますけれども、私どもも、そういう面で、今後近代化が進むにつれまして、やはり農業の金利負担というものは経済的に見ましてどれだけのものを出したらいいかということを一つ慎重に検討してみたいというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私がお伺いしたのは、大体、外国の例もあって、これぐらいが常識的に出てくるという線が私はあると思うのです。これは、言わなくとも、池田総理だって三分にでも二分にでもしたいということをおっしゃっているくらいですから、大体のあなた方の常識的な線で考えていらっしゃる姿をお尋ねしておるわけです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 常識的な感覚という点でございますと、現行のいわゆる農林漁業金融公庫の金利あるいはまたいわゆる近代化資金の金利等が必ずしも農業に対して十分な安い低利な金利であるというふうな感じはいたしません。しかし、今申し上げましたように、全体の経済の情勢ともにらみ合わさなければならぬ問題もございますので、とにかくこういうことで全体のバランスをとりつつ発足してみよう、こういうつもりで考えておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が聞いているのは、長期・低利の大体常識的な線を聞いておるんであって、先にそんなにあやまられる必要はないんです。そういうことを私聞いていないんです。  そこで、問題の近代化資金ですが、大体、近代化資金のねらい、目的といいますか、そういうものについて伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 先ほど、補足説明のときに御説明申し上げましたように、農業の近代化を進めるために資金の供給を十分にいたしていきたい、こういう趣旨で考えた制度でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大体いろいろな近代化資金に付属しておる資料を拝見してみまして、第一は農用施設を拡充していく、これが中心の目的であろうと思う。それに付随をして、間接的な効果として、現在いろいろ言われております系統資金の改善というか合理化、こういうものをねらっていらっしゃるように見るわけですが、そうでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通りでございまして、現状が農業協同組合系統に相当の農民の金があるわけでございまするので、この金を、本来から申し上げますれば、先ほど申し上げましたように、農協系統金融として農村に還元できれば一番いいわけでございまするが、それが現在の状況では貸付条件等がなかなかそれに合わないような状態でございまするので、これをとにかくできるだけ国も援助をして、そうして農民に還元できますと同時に、農業協同組合系統においてもできるだけ合理化をして、そのうちからもとにかく農業に還元ができる体制をとっていってもらいたい、こういうような趣旨で援助をして、農協の合理化ということにも役立たせよう、こういうことであわせていろいろ指導して参りたいというように考えているわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで、中身でございますが、一応系統資金の三百億を動かす、そうしてそのために都道府県などが行なう利子補給についてそれの一部あるいは全部を補助する、こういう内容になっている。そこで、今年度の予算から見ると、近代化助成資金を設けて、一般会計から三十億を入れて、そうして三十億の資金運用益でやっていく。そうすると、年六分と見て三六十八ですから一億八千万円、そうして、事務費か何か知りませんが、それから一千万円を引いて一億七千万を大体三十六年度の利子補給の予定額にされておる、そういうことでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 前通常国会に提案いたしましたときにはそういう趣旨で提案をいたしたわけでございまして、今もその考え方は変わっておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、一億七千万が利子補給の予算額で、家畜導入分のやつは二分、それからそのほかは一分。そうしますと、それから逆算をすると、大体百七十億が実際に動く金というふうになってくるわけですね。湯山委員から要求されました資料を見ましても、三十六年度は貸付額は百五十億というふうに出ておるわけですが、この三百億と百七十億あるいは百五十億との関連について一応御説明願いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、三十億の金を六分に運用しますと一億八千万でございますが、これは予算上では時期のずれ等がございましょうからということで一億七千万という予算を計上しておりますわけでございます。また、実際の運用面におきましては、かりに通常国会におきまして法律が通りました場合におきましても、最初の年でございますから、実際の貸し出し等はある程度ずれるわけでございます。ほんとうに貸し出されてくるのは、最盛期に入って参りますのは七、八月以降というふうに考えておりましたのでございます。そういう予定をもちまして大体組んで参りまして、一応三十六年度として締め切りますのは十二月末で締め切って、その分に対して利子補給をするという考え方で一応考えて参りましたものですから、平均残高大体三百億の半分、こういうことに見込みをつけたわけでございます。そこで、この半分のものがあれば利子補給財源としては十分でなかろうか、こういうふうに考えたわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 次にお伺いしておきたいのは、貸付の対象となり得る有資格者の具体的な数、農家が幾ら、生産法人が幾ら、農協が幾ら、具体的に数を一つ……。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 貸付の対象になりますものは、農業者、農業協同組合、農業協同組合連合会、そのほかこれらが構成員となっておりまするところの団体でございまするので、大体、農民といたしまして、どういう工合に見まするか、とにかくこの資金を借りようとする農民が、必ずしも初年度全部の人間が借りるとは思いませんし、農業協同組合も全部の農業協同組合がみんな軒並みに借りるというふうにも考えていないのでございまして、そういうような意味から、初年度は大体三百億程度という予算で見込みをつけたわけでございまして、実際の数がはたして借りる農家であるかどうかということは問題でありますけれども、農民といたしまして、一般に言われておりますように六百万農民ということでありまするから、大ざっぱに申し上げますれば、いわゆるその農民は全部借りられるということになるわけでございます。それから、農業協同組合といたしましては、現在総合農協が一万二千ございます。そのほか専門農協の数を入れますと相当の数になる、おそらく三万ぐらいになるのではないか。私今数字を正確に覚えておりませんが、大体その程度になるのではないか。そういうものは大体主として貸付対象になるものというふうに考えていただいてよろしいのではないかと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今お伺いした点は、借りようと借りまいと、有資格者について、農家が幾ら、生産法人が幾ら、農協は幾ら、連合会が幾ら、あるいはそのほか対象になっておる土地改良区とか農業共済組合、たばこ耕作組合、そういった一応の有資格者の数を、この次でもよろしゅうございますから、はっきり示していただきたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 まことに申しわけありませんが、今教字がございませんので、この次までに調べてお答えいたします。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 この際暫時休憩いたします。    午後一時五十一分休憩      ————◇—————    午後二時五十一分開議

野原正勝自由民主党

○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 最初に、先般いただいた資料についてお尋ねいたしたいと思います。  前国会で近代化資金関係法案が不成立であったために、農林省としては適当な行政指導をしておられますが、その行政指導された結果、それぞれの県においては政府の指示に従って近代化資金の要領に基づくそれぞれの融資を開始しておるし、そういう指導をしておると思います。いただいた資料の中では、多い県は総額六億とか四億とかいうのがありますし、あるいは少ないところでは二十万くらい、全然書いてないところもあるというような資料で、拝見しますと全くまちまちになっておるように見受けます。これについては、農林省の方で大体どの県はどの程度というような目標あるいはワクを御指示になったのかどうか、もしなったとすれば、百五十億のワクをどんなふうに各県に指示をなさったのか、それを伺いたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 お配りいたしました資料におきましては、各県でやった実績を取り上げてございますので、報告のないものがブランクになっておるわけでございます。実際各県のやっております状況は、今まで最初から非常に一生懸命やって融資をいたしておりますものもございますし、いろいろ準備等で時間がかかりましたものもございまして、大体十月ごろになりますとある程度もっと貸し出しも実現できておると思うのでありますが、残念ながらこれは九月二十日現在でございますから、そういう関係でブランクのところが多いわけでございます。ただ、農林省といたしましては、一応三百億というワクを持って近代化資金を発足させようと思っておりましたが、法律が通らなかったものでございますから、一応安全性を見まして百五十億という半分のワクで、各県の要望に応じまして半額の割当を一応いたしまして、その範囲内で問題の近代化資金の趣旨に沿って実施するように指導いたしております。ですから、各県百五十億冊のワクについては一応配分いたしております。その範囲内で実行したものがここにあがってきておるということになっております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 その百五十億配分のワクの県別の資料をできればお出し願いたいと思います。これで見ますと、たとえば愛媛あたりは六億というようなことになっております。これはもう農林省の方でお示しになったワクをオーバーしておるのじゃございませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 農林省といたしまして愛媛県に割り当てました額は五億一千万でございますが、実際の実績では六億でございます。しかし、これは御承知の通り半分でございますから、あと法律が通りましたら百五十億の割当をやる、こういうことにしておりますので、全体としてはそうオーバーした数字ではあるまいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういたしますと、法律が通るまでの間の約一億ばかりのものは県の方で負担する、利子補給についてはこういうことになるわけですね。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 もちろんそうでございますけれども、ただ、実際問題としては、県でも利子補給を具体的に、負担しておるということはあるまいと思います。ほんとうに法律が通らなくなれば、それはまた善後措置を講じなければいかぬと思いますけれども、法律を通していただくということで考えて参りますれば、利子補給しますのは十二月末とかあるいは年度末、こういうことになりますから、ここで一応今後利子補給をしましょうという予定のもとに融資をあっせんしてやっておる、こういうことになるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それから、県によって、この法律の説明の中でお示しになったような県段階で一分というのじゃなくて、もっと大きい利子補給、つまり二分で半額国が補助するという影ではなくて、実際は三分とかあるいはそれをこえて県財政の中から一分以上の利子補給をしておる県があると聞いておりますが、そういう県は相当たくさんございますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 現在の段階では統計的にはまだ集計はいたしておりませんけれども、各県とも相当積極的でございまして、いわゆるこの近代化資金でいう純粋な県費負担の一分以上に、あるいは二分とか三分とかいう負担をしようというような県が相当多い状況でございます。また、末端の町村におきましても相当積極的でございまして、一分、二分というようなものを利子補統しよう、こういう態勢をとっておるところが大部分でございます。ある県によっては、町村会が決議をいたしまして、いろいろ連絡をとって利子補給については協力をしていこう、こういうようなことでやっている県もございます。実情はそういう状況でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、申し上げたいのは、何も法律が通らなくても、ちゃんとそういうふうにやっていっておるのだから、しかも政府の意図とした以上のものが現実においてはなされておるという事実もあるということは、あとでそれに関連してお伺いしたい点がありますので、ここでその点だけはっきりさせておきたい。  それから、地方財政計画ではどれだけこれに対応する予算が見込まれておりますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 地方財政計画におきましては、この利子負担分と、それから信用基金協会に対します出資でございます。そういうようなものにつきましては、地方財政需要に見込んで計画をいたしております。一応、地方財政計画で、中央で見込んでおりますのは一分でございますけれども、利子補給分といたしまして一分のものを見込んでおります。最小限度一分でございます。  それから、先ほどお話がございました、法律が通らなくても県あるいは市町村もやっておるじゃないかというお話でございますが、これは、何とか法律を国会で通していただきたいという希望のもとに、通った暁にはとにかく国からも援助があるだろう、こういうことを見込んでいろいろやっておるわけでございまして、だから、もしこの法律が通らないということになりますと、その分が全部市町村負担あるいは県負担ということになって参るのでございますから、非常に重大問題になるのじゃないだろうかというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 県段階では今のような地方財政計画に見込まれておる部分があると思いますけれども、市町村段階ではないのではございませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、町村段階におきましてこれに対する利子補給を積極的に指導するというつもりで最初から組んでおりませんものですから、町村の地方財政計画以上には見込んでおりません。しかし、実態に応じまして、町村で余裕のつく範囲でできるだけ積極的にこれを進めようということで各町村とも努力をしてやっておられるようでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ですから、市町村段階は、法律が通る通らないとは全然関係なくやっておる、今の局長の御答弁からしてもこういう結論になるわけですね。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 その点は、お言葉を返すようでございますけれども、国も県も一分ずつ利子補給をするし、それから、国が金を出してまで債務保証をやろう、こういう制度ができた暁には、町村等には、できるだけ利子補給を積極的にやろうじゃないか、市町村の当事者は大体こういうお考えのようでございます。ですから、その制度と離れて、これだけを取り上げて自分のところだけでやるということで考えているとは思われません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そうすると、こういうことになりますね。この近代化資金法がかりに通ったということによって、現在市町村は国民健康保険だとかいろいろ赤字を出していますが、しかし、その上に、財政計画に見積られていない、財政需要に見積られていない別な負担、つまり市町村としては赤字をこれによってさらに増加するという現象が実際問題として起こってくる、そういうことになるのではございませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 いずれにいたしましても、町村が農業に対して非常に積極的になっていることは事実でございまして、国やあるいは県におきましてはやはり無理をして利子補給をやろうということは考えておりませんし、赤字の町村におきましても、その範囲のやりくりでいけるところはとにかくできるだけやっていこうということで考えておるのでございまして、町村単位に持っていきますと、利子補給をたとい一分にいたしましても金額としては大きなものではございません。そういうようなことで、私どもとしては、できるだけ農業に力を入れるという意味で、農林省は非常に積極的に考えているのであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、県段階でも今おっしゃった程度の資金、たとえば六億なら六億というのに対しての一分の利子補給なら、年間通じたとしても六百万円そこそこです。今政府の御計画のように、あと半分足らずということになれば、これは県財政としては全く小さい額だと思います。その小さい額についてもなおかつ国は見ていこう、こういうことなので、そうすれば、それよりもっと財政力の弱い市町村に対して、やはり県に対するのと同じような措置がこの中では配慮されなければ、私は考え方としてはむしろ逆じゃないかという感じがいたしますが、将来市町村の利子補給に対して国が補助をするというようなことは考える余地はありませんか。あるいは、そういうことは考えたけれども、実現しなかったということなのでしょうか。これはどうでしょう。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 その点は、実は、この制度を考えます場合に、県単位におきまして債務保証協会というものを作りますので、そういうようなことで県が中心になりまして県単位で一応考えて参ったわけであります。そこで、県の費用に対しまして補助をする、こういうことにしているわけでありますが、これを市町村につきまして画一的に、たとえば何分の利子補給をしろとか、あるいはどういう負担をしろということを申し上げることはなかなか酷な問題ではないかと考えましたので、市町村におきましてそういう意欲があり、あるいは財政的な余力のあるところは、それはできるだけ協力してもらいますけれども、これを制度として市町村が幾ら利子補給するという制度に持っていくことは、なかなかむずかしい問題があろうと思います。そういうような関係で、一応県というものを相手にいたしまして考えたわけでございます。実際の実施の状況等を見た上でそういう問題が起ころうとは思いますけれども、現在の段階では一応県を対象にして考えたいというふうに思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 現実の問題としては、先ほど局長が御答弁になったように、町村長会が申し合わせをして、全く道義的な拘束力を持って実施しようというようなことになれば、この実施は必ずしも市町村財政が豊かであるとかあるいは赤字であるとかいうことによってどうこうされるのじゃなくて、ほかがやるのだからどうしてもやらなければならないというような形になって、法律と同じような拘束力が出てくると思います。そこで、全部に実施されるという形じゃなくて、実際に町村が利子補給した場合には、国がその件の半分なら半分を負担するとかあるいは一分以内を負担するとか、そういう措置はとれないことでないし、他の方面では現実にそういうことをしている例もあるわけですから、局長が当初そこまでお考えになっておられなかったような、それほどの熱意が市町村で盛り上がっているということならば、それはむしろ助長していくという体制をおとりになることが、私は今の市町村財政の実情から見て正しいのじゃないかと考えますけれども、そういう点は御検討になる余地はございませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 現在まだこの制度が発足いたしておりませんが、できるだけ早く発足させていただきましたら、実施の状況を見まして、いろいろ考慮して、今後の問題として検討したいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、市町村がそういうふうにずいぶん無理をしてでもしんぼうしてやっているのは、近代化資金というものの宣伝が相当きき過ぎたと思うのです、正直に言って。ところが、実際、先般の通牒によって各府県で実施段階に移ってみると、当初期待しておったものとはずいぶん期待はずれであるというような不満が私ども各所で聞かれるわけですが、政府に向かってのそういう不平不満あるいは期待はずれ、そういう声をお聞きになったことはございませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 具体的に実施の段階に入っておりませんので、具体的な不満というものはまだあまり聞いておりませんけれども、ただ、金利の問題であるとかあるいは実施の運用について円滑適正にしてもらいたい、そういうことが希望として出ておるようでございます。また、融資のワクの問題等につきましても、もっと拡大すべきじゃないかという意見もぼつぼつあるようでありまして、そういう点も十分一つ来年度予算の問題として検討いたしたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そのいろいろ言われておる中で基本的な問題も含まれているわけです。というのは、はたしてこれくらいの資金で、近代化ができるかどうか。一体政府は農業の近代化ということをどう考えているのだろうかというような基本的な疑問も農民の間には出て参っております。また、農協あたりの指導者の中にも同じような意見が出て参っております。  そこで、この法律を拝見してみますと、私自身もそういう点、では大へん妙なことだと思うのは、法律の題目は農業近代化資金助成法となっておりますが、ところが、目的はどうなっておるかと申しますと、農業を近代化するという言葉は書かれておりません。第一条の目的は、農業経営を近代化する、こういう書き方がしてございます。農業の近代化というのは大へん大きな問題ですし、経営の近代化というのはその中のほんの小部分であるというように私どもに見ておりますが、そうだとすれば、農業近代化資金という名前はいかにもはったりの名前のような気がいたします。どうなんでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、農業の近代化と申します概念は非常に敷衍した概念が多いと思います。中身につきましては、御承知のように、農業基本法で示された方向、あるいはその前にさかのぼれば基本問題調査会でいろいろ検討された方向というものが今後の一つの農業の近代化という問題になるのでございますから、そういうものを実施をしていきます場合におきましては、いろいろな問題が具体的な問題としてあるわけでございます。たとえば、所得をふやすとか、あるいは構造改善をやるとか、あるいはそのほか生産面につきましては選択的拡大であるとか、そういう問題がいろいろ出て参るわけでございまして、それらを全体を通じまして、概念的には農業の近代化、こういう工合に言っておるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そういうふうなときに近代化資金とこう申し上げますと、いかにも農業の近代化、いわゆる農業基本法で進めていこうというそのものが全部これでカバーされるという印象を与えるきらいがあるというふうなことは私も感じております。ですから、実際問題といたしましては、農業の近代化を進めていくにつきましては、もちろん、先ほど申し上げましたように、国の投資も相当ございますし、あるいは国の融資もございますし、そういうふうなものも十分拡充していかなければなりませんし、それから、系統金融なら系統金融についての拡充もやっていかなければならぬ。そういう金融血だけを取り上げましてもいろいろな面があるのでございまして、それらが相待って農業の近代化を進めていく、こういうことになろうと思うのでございます。たまたまここには農業近代化資金、こういうような言葉が出ておりますけれども、これは、二面におきまして、今までいろいろの制度金融がありましたものをある程度統合をして、そうしてここに農業協同組合系統の金を使ってこれを農業の近代化のために再投資できるようにしていこうというねらいを持っておるのでございまして、名前としては近代化資金という言葉を使っておりますけれども、あるいはその名前が勝ち過ぎるかもしれませんが、今後の農業の発展の問題とも関連いたすものですから、そういうふうな意味で御了承をいただければ幸いだと考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 局長の方からそういうふうに率直に言われると、あと言うことがないわけですけれども、農業基本法では農業の近代化ということは言っていないと思います。第二条にも、御存じのように、農業規模の拡大、農地の集団化、家畜の導入、機械化、農地保有の合理化、それから経営の近代化、六つの項目があげてございます。この六つのものを構造改善と総称するというただし書きがございます。それからたどって、法律の用語というものは一貫性を持たなければならないというような観点から見て参りますと、基本法では、その六つの中の一つ、経営の近代化、この部分がここで取り上げられておる近代化資金の目的、こういうふうに把握されるのじゃないか、こう思うわけです。ところが、今の御説明を聞いてみると、そうではなくて、その中には、規模の拡大の問題もあるし、家畜の導入の問題もあるし、機械化の問題もあるし、従って、もう少し幅を広げて言えば構造改善につながるものだ、こういう御説明もあって、これは、基本法の述べているところと、それからこの近代化資金助成法で述べておられるところとでは、同じ経営の近代化という言葉の概念がかなり食い違っているのじゃないか、こういうことになるわけですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、農業基本法におきましては、農業経営の近代化、こういう言葉が使ってあるのでございます。しかし、実際問題といたしまして、農業経営の近代化とは何かといえば、農業の近代化と言いましても内容としてはそう変わらないようなものになるのではないかと思うのでございます。ただ、それと、一つの制度の看板でございますから、看板というものは、最初からあまりみみっちいことを考えるよりも、看板は大きく掲げて、その目標に向かってできるだけこれを充実していくことが必要ではないかと思うのでございます。発足当初におきましては、御指摘の通り不十分なところもございます。しかし、今後このいわゆる近代化資金というものを中心にして系統金融の充実にはできるだけ努力をしていこう、こういうようなつもりで考えておるのでございまして、今後十分その名前にふさわしいように充実をしていきたいと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いずれこれは大臣にお聞きしなければならないと思いますが、私が今この問題でこだわっておるのは、大臣は、先般当委員会において、構造改善資金というものを考えておる、金利も近代化資金よりも安いように私はそのとき聞いておりました。今の構造改善資金という大臣の構想と、それから、今ここで局長は、経営の近代化といったってやはり農業の近代化だ、こういうことを言われますが、その農業の近代化というのは構造改善を抜きにして考えるわけには参りません。そうすると、来年度から発足させようと考えておられるその構造資金とこの近代化資金とは一体どういう関係を持つのか。それから、この近代化資金が経営の近代化ということを目的としておる、こういうことであれば、基本法ではこれらを含めて構造改善と定義づけておるわけですから、そうすると、当然大臣の考えておる構造改善資金というものの中には近代化資金も概念的には包含される、こういうことになって参りますので、その関係をまず近代化資金の立場から明らかにしておこうというので今までの質問をしたわけです。ただ、残念ながら大臣がいらっしゃいませんから、それじゃ局長に、一体構造改善資金というのはどういう構想でどういう内容のものか、今ここでお聞きしてお答えいただけるようであればお答えいただくし、そうでなければ、大臣がお見えになってから今の二つの関係はお聞きしたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 大臣の御答弁があるいはどういう言葉で答弁されたのか私存じませんけれども、いわゆる構造改善資金という制度を別途に作ろうという考え方は現在のところございません。近代化資金の制度はこれをもり立ていこうというつもりで考えておりますが、ただ、来年度の予算の問題といたしまして、構造改善のための指定町村というものを指定をいたしまして、そこに集中的に国の資金等もつぎ込んで、そして十カ年計画で構造改善を逐次達成させていこう、こういうことを考えておるのでございます。その際におきまして、そういう指定町村におきまして、いわゆる近代化資金だけではなくて、現在残っております制度で農業改良資金の技術導入資金というのがございます。これは国の金をそのまま貸すのでございまして、現在の資金のワクは大体二、三十億のところでございますけれども、無利子であります。ですから、これを充実して、技術導入資金と近代化資金を抱き合わせ融資をいたしまして、その構造改善の指定町村においては実質的には五分前後の金利で使えるような、そういう方向に持っていきたいと考えておるのでございます。おそらく大臣の構造改善資金というお話もそのことであろうと思いますので、その点はこの近代化資金の制度と矛盾するものではないわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうことだとこれは大へん問題になると思うのです。構造改善というのは基本法によって進められていく。大臣も基本法の上にプラス・アルファだという答弁をここでしておられます。そうすると、構造改善資金は、大臣の答弁によれば、別途考えるのだ、近代化資金についても、その中で、近代化資金というのは今までのをただ寄せ集めただけのものだという軽い意味の御発言がありましたけれども、これは、そうではないにしても、局長の言われるような程度の構造改善資金というのであるならば、構造改善ということを農業基本法で示してある通りに把握していないことになるわけです。これもまた近代化資金と同じように羊頭狗肉以上のものになるわけで、これは、むしろ、ここで局長からいろいろ御答弁いただいてそれをもとにして判断するよりも、大臣に直接お聞きした方がいいと思いますから、この点については留保いたします。一つ委員長もそれを御了承願いたいと思います。  そこで、局長に続いてお尋ねいたしたいことは、今言われたような意味の近代化ということ、近代化と言う以上は、どういうふうにしていくのだという構想がなければならないと思います。というのは、もう明治、徳川時代から畜舎を作るなんということはやっておることです。畜舎を作るにしても、あるいは家畜を買い入れるにしても、ブドウのたなを作るとかナシのたなを作るということは何も近代化をしなくても昔からやっておることなので、同じ畜舎を作るあるいは果樹の植栽をするあるいは果樹だなを作るということが近代化の路線に沿ってなされなければこの近代化資金の意味はなさないし、それから経営の近代化をはかっていくという目的にも沿わないわけです。そこで、近代化というのはそういう一つの方向づけが必要ではないかと思うし、また、そういうことは当然考えておられることだと思います。そこで、近代化資金助成法で近代化というのは一体どういうことなので、具体的にはどういう構想をもって進めておるものか、これをお伺いいたしたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、近代化の方向といいますものは、当然、現在の路線、農業基本法におきまして示された方向が一つの今後の農業の近代化の方向であろうと思うのでございます。  そこで、たとえばそのもとをなしますところの基本問題調査会の基本対策におきましても、今後の農業の対策の方向づけとしては、所得の均衡をはかるということと、それから生産性の向上ということ、それから構造改善、こういう三つの方向を打ち出しておるのでございまして、この目標に向かいましていろいろの諸施策がとられるわけでございますが、それらが一つの近代化の方向として考えられているわけでございます。  そこで、この近代化資金の助成法におきましては、いわゆる金融の部分の一部をここで担当するわけでございまして、ここにおきましては、これらの目標に向かって農業の近代化を進める場合には、何といたしましても、資本の装備が、これが非常に現在の農業は低いのでございまので、資本装備の高度化ということを一つのねらいにいたしまして、そこで設備に対する融資をやっていこう、こういう考え方でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういう場合に、貸付の対象になる事業なり、あるいは対象になる施設、設備、これが羅列的になされておりますけれども、そういう羅列されたものをそういう方向でちゃんと方向づけをしていく、ただ畜舎だから対象にするというのじゃなくて、その畜舎がどういうふうに使われていくか、この農家はどうするために畜舎を建てるのだ、そういう経営内容に立ち入った判断をしなければ、ただ単に畜舎だとか果樹の新植だとかいうことだけでは近代化という方向に必ずしも合致しない、こういうことになってくると思うのですが、それはどうでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通りであろうと思います。従いまして、実際の運用面におきましては、たとえば、町村等におきましても、農業委員会、農協あるいは改良普及員その他がいろいろその村におきますところの農業の計画を立てるでございましょうし、あるいは、県におきましても、地帯別あるいは県一円、市一円等いろいろの方法で農業の近代化を進めて参るのでございます。そういうようなものに即応いたしましてこれらの資金が配分されますようにということで指導いたしたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、もしそういうことであれば、ある農家が将来転業する可能性がある、あるいは所得倍増計画に従って二・五ヘクタールの自立農家になる、こういう見通しがつかなければ、見通しのつかない農家に対しては近代化資金は貸付はできない。今の近代化という路線を守っていくということになればこういうことになるのではないでしょうか。しかも、そのことに関しては、先般出ておりました農業近代化小委員会の報告の中にも、近代化をしていくのに一番重要なことば、まず手をつけなければならないことは、大圃場の整備、農業担当者の養成、そういう成果のおくれるものに早く手をつけるべきだということを指摘しております。そのことが前提にならなければ、ただ果樹園を作るとかあるいは牛を買うとか、そういうことだけを対象にしても、五年もたってほかの方に移っていくとか、あるいは農家でなくなるとか、こういう構造改善の進行状態いかんによっては、せっかく入れた資金がむだになるという場合も考えられるわけで、この近代化資金がほんとうに近代化のために役立つということのためには、むしろそういう構造改善の方を進めていく、あるいはこれに対する見通しを立てるということでなければ、やはり、思いつきばったりの、効果のない資金、自創資金か維持資金か、そんなものに類するものになってしまうのではないか、こういうことを心配するわけですが、そういう点についてはどういうふうにお考えでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、考え方の方向といたしましてはそういう考え方で融資もやっていくということでなければならないと思うのでありますが、現実問題といたしましては、末端におきましては、必ずしもそういうことのためだけで、ほかのものにはたとえばこういう設備をやるためにどうしても貸せないというようなことで縛ってしまうこともどうかと思うのであります。ですから、考え方は、そういう指導方針を大体頭に置きまして、実情に応じまして、農民が現状においても資金需要において困らないようになるべく対処していくという考え方で運用すべきではないかというふうに考えておるのでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 もし局長の言われるように現実の事態に対処するためにやっていくのだということを言われるとすれば、それはもはやその中には経営の近代化とか農業の近代化というワクはなくなって、そういう要素もあるけれどもそうではなくて、今困っているそういうものに対しても何とかするのだ、それがあとでどうなるかということはまた別の問題だ、こういうことになってしまうおそれはありませんか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 現実の問題に対処するという意味で申し上げたのではございませんで、考え方といたしましては近代化の方向でもちろん考えなければなりませんけれども、ほんとうにそれに付随いたしましていろいろな問題が起こっておるのでございまして、それでは末端にいった場合に必ずしもそういうものを全然片づけないでいられるかということを考えますと、なかなかそうはいかないであろうと思うのであります。だから、そこら辺は、指導方針といたしましては、農業の近代化ということで、原則としてそういう考え方で運用すべきものであるというふうに考えますけれども、実情に応じてやはりこの問題はいろいろ起こって参りましょう。そういうことを私考えておるのでございまして、これは機械的に厳格に考えて運用ができるか、まず実際問題としてはまだ動いておりませんので実情はわかりませんが、いろいろそういう問題が起こっているのではないかというふうに心配いたしておるのであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私が申し上げたい点は、近代化資金というものは、ほんとうに近代化のために計画的に貸し付けられていく、それは系統資金であるにしてもあるいは政府資金であるにしてもそういう一つの方向に対して貸し付けられていくべきものであると思いますし、それから、現実に今とにかく困っておるのだという事態に対しては別途考慮する余地があると思います。そうしないと、この資金そのものの性格がぼやけてしまって、二兎を追い三兎を追ってどちらもものにならない、そういう例は今までにもずいぶんあったと思いますし、またそういう二の舞をするのではないかということを心配しておるわけですが、そういう今おっしゃったような困っておる者に対してどうこうということまでもここで見ないで、そういうのは別途考えるということの方がこの資金の性格から言えば正しいんじゃないでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、ものによっては別途にたとえば農林公庫から貸すとかあるいは自創資金がいいかという問題もございまするけれども、たとえば設備に対する融資におきましては、大体今まで家畜の導入資金であるとかあるいは農業改良資金の施設資金であるというような制度がございまして、こういうものをやめまして近代化資金一本でいこう、こういうことで今度考えておるわけでございますから、全部が全部、近代化のための計画が立って、こういうもので必ず近代化されるんだという見通しがつかなければこれは家畜も飼えないという状況で非常に厳格な運用をいたしますると、実際の農民の側におきましてはいろいろ問題が起こるんじゃないかということが憂えられるわけでございます。ですから、そこら辺は実情に応じまして考えていきませんと、非常に窮屈になってしまいはせぬかということを心配しておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私が今言っておるのは、もう議論になりますからよしますけれども、近代化資金というものは近代化のために使う。それから、別に、今の家畜を求めるとか果樹を新植するということ、これは近代化と無関係にあると思います。昔もやはり果樹も植えたし家畜も買い入れたわけですから、近代化されなくてもそういう現象があったわけですから、そこらは別途に考えていくということの方が、基本法による政策を進めていくということから言えば筋が通るのではないか、これの中へそういうものまで含むということには問題があるということを申し上げておるわけで、それは御了解がいくと思うのです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 御指摘の点は非常によくわかるのでございましてほんとうに理想的にこのいわゆる近代化資金の制度を推し進めていく場合におきましてはそれは理想的にはそういう考え方であろうと思うのでございます。しかし先ほど申し上げましたように、現実問題といたしまして、今までありました制度をやめましてこの制度に吸収しているという面もございまするので、それらのものが農業の近代化に役立たないでかえって逆行するんだということであれば別でございまするけれども、農業の近代化に役立つものでありました場合には、やはりある程度のものは実情に応じて運用した方がいいんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。まだ、制度そのものも、とにかくこれから発足させようというところでございまして、いろいろ不十分な点もあろうと思うのでございまするがそういう点を今後いろいろ運用の面を見まして改善を加えて参りたいというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 この法律の目的も、今のようにあいまいな点がございますし、それから資金の貸付の仕方にしても必ずしもすっきりしていない、非常に問題が多いということを一応指摘しておきたいと思います。  なお引き続いてお尋ねいたしたいことは、先ほど、楢崎さんの質問に対して、局長の方からは、端的に言えば、そのつどだ、将来の動きを見てみなければ何年向こうでどうということは言えないというような御答弁でございましたけれども、それは私は間違いじゃないかと思います。近代化という考え方はすでに一つの概念になっておりますし、それに向かってこういうふうにしていこうということについては、所得倍増計画等でもある程度、いい悪いは別として明確にされております。そうすると、そういう形の自立経営なりあるいは協業経営なり、あるいはまたあれに示されたような水田の面積の拡大あるいは畑地の集団化、そういうことをやっていくとすれば、それには大体どれだけの資金が要るんた、——その構想が変わることは認めます。けれども、現在大体考えておるところのものを達成するためにはどれだけの資金が必要である、そのためには政府の方からは、まあ一兆というのですか八千九百億か、とにかくそれだけの財政資金を考えておる、それから系統資金ではそれに対してどれだけのものを考えておる、そこで両者相待ってこれだけのことができていく、ここまでのことは、幾ら変わっていく情勢の中にあっても明確にしなければ、一体何のためにこういう法律を出すのかわからないことになるわけです。と申しますのは、来年のことがわからないのです。来年のことを今局長は五百億ぐらいということをおっしゃいましたけれども、その保証もなされておりません。あるいは来年の通常国会がまた何かで混乱して先般の国会のようになれば、それさえ保証ができない。再来年のことはなお怪しい。そういうことでは一向近代化資金にはなりません。むしろ、近代化資金などというものは、こういう単年度会計じゃなくて、長期の見通しに立って、そうして政府の方もこれだけはもういじらないのだというくらいな根幹ができなければ、これは局長もこの心配な点をお聞きになっておると思いますが、どこまで続くのか、その点についての不安も、農民の中にもあるいは農協の中にもあるわけです。ですから、こういう点についてもう少し明確に、将来変わるかもしれないけれども現在の構想は大体何年間ぐらいを見通しておるのだ、十年なら十年、十五年なら十五年、その間の資金の動きはこういうふうに見ておる、これぐらいのことはどうしてもここで明らかにしてもらわなければ、これは法律の審議にならないと思いますので、一つ明らかにしていただきたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、今後の農業の近代化を進めて参ります場合に、これに伴いまするところの資金計画というものはきわめて必要なものでございます。しかし、実際問題といたしまして、あるいは所得倍増計画等では一応の公共投資の資金等の予定は考えてはおりまするけれども、実際にそれではこういう融資その他の面でどれだけの金が要るかという問題は、農業の近代化を進めて参りまするいわゆる実態的な施策、たとえば畜産はどういう工合に進んで参るか、あるいは果樹はどういう工合に進んで参るか、機械化はどういう姿になって参るか、そういうものが具体的に固まって、それに続いて資金というものはこれらの達成のために必要になってくる、こういうようなことでございますので、現在の段階で全体としてそれは何年内に農業の近代化がどういう姿まで進みますというところまで公にこれを申し上げる段階までには詰まっていないと思うのでございます。そういう状況でございますので、一応、私どもといたしましては、農業のいわゆる伸び率等を中心にいたしまして今後の資金の需要を考えて参りたいというふうに考えておるのでございます。もちろん、近代化に伴う資金需要としては、いわゆるこの近代化資金だけではございませんので、その他の政府の直接の融資等もございます。それからもう一つ考えなければならないことは、農業協同組合の資金を原資にいたしまする制度でございまするので、農業協同組合の資金源というものが今後どういう工合に動いて参るかということもある程度の見通しを持たなければならない問題でございますので、そういうことともいろいろ関連が、ございますから、今のところ、そういう農業の伸び率等を基礎にいたしまして、農協の資金の実情等を考えまして、そうしてこの制度を一つ伸ばして参りたいというふうに考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 今局長の御答弁になった内容について、私もなおあとでお聞きしたいと思っておったわけです。今年度が三百億、来年度五百億、そういう形で系統資金を使っていけば何年持つものか、これもあとでお聞きすることにして、今お答えは要りません。あとでお答えいただきたい点です。これは非常に重要な点ですから、もしできれば資料にして出していただけばいいと思います。  それよりも、先ほどの問題に返りますけれども、伸び率は二・八%、それから、将来畜産は何倍に伸ばす、果樹はどれだけ伸ばす、米について一割ぐらいしかふえない、こういう将来の一つの青写真というものは所得倍増計画の中にはっきり示されておるわけで、果樹がどうなるとか、畜産がどうなるとか、そういうことは全然今白紙じゃないわけです。そこで、現在のあの倍増計画に示されてあるところまで到達するためには、この資料の中では、政府資金の方は大体八千九百億ということがいわれておるわけですけれども、われわれは、それじゃ足りないじゃないか、特に、農地の取得だけでも、二兆になるか三兆になるか、とにかく何兆という金がかかるじゃないか、こういうことを申しておるわけで、これらの点は、これからきめていくという問題じゃなくて、現在きまっておる、青写真になっておる中で、それらの資金がどれだけ必要かということくらいは大体おわかりになっておられると思うわけで、その点だけでもお示し願いたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 これは、所得倍増計画の中における見通しといたしましては、増加率を、たとえば畜産等におきましては基準年次を一〇〇といたしますと三一六、それから耕地につきましては基準年次の一二一・九、そのうち果樹については二三三・八、そういうような一応の見通しの数字はあるのでございます。従いまして、これは一応の目標であろうと思うのでございまして、この中で具体的な施策と相待ちまして明年あるいは明後年の計画を立てます場合にはあるいは食い違いがありましょうけれども、一応はそういうことだろうと思いますので、これらを頭に置きまして融資のワク等の問題は考えて参りたいというふうに考えておるわけでございます。   〔委員長退席、大野(市)委員長代理着席〕 ただ、私申し上げましたように、その年その年によってその通りのものが実行されるというわけじゃございませんので、資金というものは、あくまで実態的な計画に即応して考えられるべきものでございますので、そういう実態的な計画が固まりましたら、それに応じて資金というものを考えていく、こういう態勢で私どもは考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 その御答弁は大へん私は不満なんです。全体としては農業経営の近代化をはかっていく、その近代化の一つの内容として二・五ヘクタールの自立農家を百万戸造成する、それらの内容についてもいろいろあったわけです。それにはどれだけのワクが必要だ、その中で今の系統資金はどれだけ動かせる、その残った分はどうしても行政投資に待たなければならない、そういった大ざっぱな、何割はどうだというようなことくらいまででもわかっていなければ、農協資金を資金源として活用するといっても、一向その計画が立たない。そうすると、来年やまるんじゃないか、あるいは、政府資金の方がゆとりが出てくれば、もう利子補給してまでそんな金は使わぬということになってくるのじゃないか、いろいろな問題が出てくると思います。そこでできればこれも、全体としてどのくらいの中で大体どれぐらいを出せるか、腰だめでけっこうですが、ぜひ資料としてお示し願いたいと思うわけです。  それを一つお願いしておいて、先ほどの御答弁に返って参りますが、農協資金源をどれぐらい見ておられるのでしょうか。今のように三百億なら三百億、来年五百億なら五百億として何年ぐらい続くでしょうか。砂漠の川というのがありましたが、初め流れ出してすっと消えてしまうということになりはしないでしょうか。どういうふうにお考えになっておられますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 現在の状況は、三十五年の十二月末現在で農協の預金が大体八千億ございます。それは末端農協でございますが、ことしの見込みといたしましては、ことしの十二月現在では大体一兆に達するのではあるまいかというふうに考えておるのでございます。しかし、その中で現在までにほんとうに農民に融資をされておりますものはきわめて少ないのでございまして、大体三千億というふうに踏んだらいいのじゃないかというふうに考えておるのでございますが、そういう状況でございますので、今後いろいろ農協の合理化、強化、そういうものをはかりまして、農協の預金は少なくとも現在よりも低下するようなことはない、今後ますます伸ばしていくという方向で考えまして、とにかく貯金を全部貸すというわけには参りませんので、ある程度最低の底があるのでありまして、これだけのものは短期でも長期でも突っ込んで見まして大体ずっとコンスタントに金として残っておるというような面がございますので、そういう点をいろいろ検討いたしますと、少なくとも五、六百億から七、八百億程度のものは数年間とにかくやっていけるのではあるまいかという見通しを立てておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 数年間というのは、今の四千億というのを基礎にふまえて、いろいろその間の返済等もありましょうけれども、大体現在四千億というものが見込まれるから、そうすると八百億ぐらいずつならば五、六年か七、八年は持つだろう、こういう意味でございますか。あるいは、四千億全部は使えない、その中の三千億なら二千億ぐらいだ、そうすると五百億程度で五、六年かそんな程度は持つだろう、こういう御観測なのでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 非常に大ざっぱに申し上げましたのでおわかりにくかったと思うのでございますが、かりに初年度三百億円、二年度以降五百億円として一応の試算をいたしてみますと、大体八年目ないし九年目がピークになります。そのときの貸付残高が二千五百億、そういう状況でございますから、これは農協の原資の問題とも関連はございますけれども、現状のままでおりましても五百億の融資というものは八、九年間は続けられる、こういう実態になるわけでございます。ですから、これを増額いたしましても、年限はある程度短縮いたしましてもこれは続けられる。それから、農協自体の原資が今後強化されましてどんどんふえていく、農民の所得が上がりまして農協の貯金がふえていく、こういうことになりますれば、さらにこれは安全性を増してくるということになるのであろうと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 その点、農協の貯金といいますか原資についても、必ずしも私は局長の言われるように楽観できない要素があると思います。むしろ末端の農協では逆な観測をしておる面もあるのですが、どうなんでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 地帯によってはその通りでございまして、たとえば一千万円とか二千万円とかいうような農協もございます。そういう場合に、たとえば農業法人あるいは協業なんか出ますと相当の大きな金を持っていかれるというようなあれもございまして、そういう場合にはもちろん末端の農協におきましてはいろいろ個別には問題があろうと思います。しかし、そういう場合には信連なら信連からの直貸しをするという制度も考えておるのでありまして、全体としての資金需要におきましては、完全に安全だとは申し上げられませんけれども、一応の見通しといたしましては、それほど心配しなくても、この程度の資金ワクでありますれば問題ないのじゃあるまいかというふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 今四千億というのを上手にやっていけばこれぐらいいけるというお話がございましたが、しかし、これからの構造改善に伴って、農家自身が必要とする資金が相当大きくなり、農協へ金を預けることがむずかしくなってくると思います。麦なんかもああいう状態になってくると、この面からの預貯金もだんだん少なくなってくる。今度は自由米というようなことで抜けることになりますと、これまたむずかしくなってくるということで、実際には、現在考えられておる農政の中ではむしろ預貯金は少なくなっていく要素の方が多くて、安定してくるという要素の方が少ないのじゃないでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り、いろいろの個別の問題を取り上げますと不安の面もございまするが、全体として日本の経済が伸び、それから農業経済が伸びていく、こういうような状況でありますれば、農協というものがますますその中で強化をされなければならないという事態であろうと思うのであります。そして、いろいろ自由の経済の面がだんだん取り入れられてくるという状況になりますと農協の力に期待するものが非常に大きいと思います。そういう意味で、私どもも本年度は農協合併助長法というようなものをお願いして制定をいたしまして農協の強化をはかっていくというようなことを指導して参っておるわけであります。その点は、できるだけ、どういう事態におきましても農協がますます強化されて、農民が今後の経済のにない手になっていくという考え方のもとに施策を進めていきたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 確かに農協の強化ということもある程度プラスの条件になるかもしれませんけれども、この場合に重要なのは、農協よりもやはり個々の農家だと思います。その農家の生活の向上をはかっていくということになれば、消費生活の方がふくらんでいくわけで、今の農村の生活実態から見て、機械の導入とか生活内容の向上改善、そういうことを考えていけば、農協がかりに強化されたとしても、その面ではむしろ私は問題が残る面の方が多いと思います。が、これは指摘するだけにとどめておきたいと思います。  あと御質問したい点は、今回の割当、それからあと三百億というもののワクの割当があるということですけれども、それにしても資金が少な過ぎるという問題にこれから触れたいと思うのです。  先ほど、楢崎委員の、対象はどれかという質問に対して、農業者六百万、農協が一万二千、こういうようなお話でございましたが、総合農協一万二千と見ても、これだけに限定しても三百億の資金では一農協あたり二百五十万ぐらいになるんじゃございまんか。現在の割当では一農協当たりどれぐらいになっておりますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ついでに先ほどの楢崎委員の質問にもお答え申し上げますが、大体、有資格者といたしましては一般農家が六百万ございます。それから、農業生産法人が、三十五年三月現在で四百二十四ございます。   〔大野(市)委員長代理退席、委員長着席〕 それから、農協が、これも三十五年三月現在で二万九千九百八十六ございまして、その中で総合農協が一万二千二百二十一、それから特殊農協が一万七千七百六十五、こういう数字になります。それから、連合会ですが、このうち信連と共済連は借り入れ者ではございませんで、貸付者でございますからこれを除きますと、一千九十二という数字が出て参ります。それから農業共済組合が四千三百六、それからたばこ耕作組合が約二百、大体そういう数字になります。  従いまして、こういう数字でございますから、これは今の三百億をこれらの数字で機械的に割りますと、一単位当たりはきわめて小さなものになろうと思います。かりに町村単位で割りましても、町村は三千余りでありますから、これで三百億を割りますと一千万円ということになろうと思います。総合農協数で割りますと一組合当たり百五十万円ということになろうと思いますが、これは当初の年でもございまするし一応三百億ということで予定をいたしましたけれども、今後の実施状況等を見まして、この資金ワクの拡充につきましては来年度以降十分考えて参りたいというふうに考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 広島の例ですけれども、新聞で見たのですから違っておるかもしれませんが、それで見ますと、割当になったのが四億八千五百万円、それから総合農協の数が四百四十、そうすると一農協平均が百万円台にしかなっていない、こういうことが発表になっておりましたが、間違いですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 割当をいたしました金額は四億八千五百万円でございます。これは先ほど申し上げましたように百五十億の割当でございます。従いまして、三百につきましては、大ざっぱに言えば倍になっていると見ていいんじゃないかと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それにしても二百万ですね。それから、かりに来年五百億ということになっても、結局、一農協当たりが五百万にはならない、こういう計算になっている。そうすると、農家に二百万限度で貸せるとか、五人以上の協業には一千万貸すというようなのは、これはナンセンスじゃないですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 機械的に割りますとそういうことになるのでございますが、実際問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる近代化を進めるために、これは県内におきましても町村におきましても相当重点的にこの資金の融資等をやっていく、こういうようなことが実際は行なわれると思うのであります。そういうような意味におきまして、必ずしも機械的に割って少ないからこれは足らぬじゃないか、こういうようなことにはならないんじゃないかというふうに考えております。しかし、実情は、機械的に割ってみまするとそういうことになりまして、これは、資金ワクといたしましても、私は現在の三百億あるいは五百億というものが十分であるとは考えておりません。しかし、この近代化資金需要の状況に応じまして、十分実情に沿いまするように拡充して参りたいということを考えておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 その拡充の範囲も、系統資金に今のような制限があるわけですから、そうむやみに、一農家当たりを一千万にしようとか一億円にしようとか、それは不可能だと思います。今私が申し上げた例などは、これに対してだまされたと非常に強い不満を述べている一つの例を申し上げたわけです。もし、今言われるように、それは機械的に割ればそうだけれども、実際の運営は必ずしもそうばかりじゃないというようなことになれば、自分のところの農協のその資金がほかへ使われて、自分の農協は全然貸し出しができない、こういうことになれば一そうこれは妙なことになるんじゃないでしょうか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 自分の農協の金がほかに使われるということはないと思うのでございます。これはその農協の金を農民に貸すということでございます。ただ、信連の金がそこに参るということはございましょうけれども。従いまして、今の融資のワクが十分であるとは思いません。とにかく、不足をいたしましたならば、重点的に効率を上げるように、一つ、融資の面におきましてもいろいろ指導をいたしまして、そうして今後ますます充実をするように努力をしていくということを考えたいと思っておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それでは、たとえば一千万とか五千万とかいう貸し出しはどういう方法でできることになるわけですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 五千万といいますのは、その共同利用施設に対してでございますから、これは信連の貸し出しでございます。ですから、これは単位の農協から貸し出す金ではございませんので、大体問題ないと思います。  それから、一千万というものは、農業法人等に貸し出すものを一千万というふうに考えておるのでございます。いわゆる協業のための資金でございます。これは単位の農協から出るという建前をとっておりますので、この点につきましては、単位の農協ではなかなかまかない切れないものもあろうと思います。そういう場合には信連から直貸しをするという方法を考えまして、そういう大きな需要に対して単位の農協でまかなえないものは信連の直貸しをできるだけ積極的にやっていく、こういうようなつもりで考えていきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そうすると、三百億のワクは、信連段階ではどれだけ置く、それから末端へはどれだけいく、そういう操作が割り振りのときになされるわけですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 三百億のワクの割り振りにつきましては、私どもは、いろいろ県の事情を異にしておるのに応じまして県に割り当てをするだけでございまして、その中の問題は県におまかせをしようというふうに考えております。県の実態に応じて重点的に運用していくというふうに考えているわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そうすると、県によって、五千万というようなワクは設けないで、もうこれは末端が百万くらいか二百万くらいしかないのだから、こんな少ない金ではどうにもならない、そこで県段階にはとめないで全部やってしまおうということもあり得るわけですね。そうすると、五千万貸すなどというのは空文になるんじゃないですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 今後の農業のいわゆる近代化ということを考えました場合には、どの県におきましても、いわゆる共同利用施設というようなものを無視することができないと思いますので、そういう意味から言いますれば、県段階におきまして、五千万といういわゆる共同利用施設の融資を無視してゼロにして、あとは全部個人融資だというような考え方は、実際問題としてはあり得ないものだと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 あり得ないということはそうだと思うし、むしろ、県の方は、そういう資金をなるべく多くして、県の意図するところへ、政略的というか、そういうことで使うということもできてくるだろうと思います。これは市町村段階でもそういうことがあるいはあり得るのじゃないか。一分の利子補給程度で、その点にも問題があるわけですが、ここで、今日までにいろいろきまった条件があると思います。今ここで申し上げたように、広島あたりも、県段階のはきまっておるし、末端への大体のワクの内示もあったようで、それでずいぶん問題を起こしておる、そういう事実もありますので、県別の今の割り当てられたワクについて、幾つかの県でもけっこうですが、どういうふうに割り振りしたのか、そういう事例をお示しいただきたいと思うのです。なお、単協あたりの貸付の額と、それからその運営の問題があると思いますが、それについても相当問題があると思いますので、資料を出していただいて、その資料に基づいてお伺いしたいと思うのですが、資料をお出し願えますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 仰せの資料は、きょうは間に合いませんが、明朝でも提出いたしたいと思います。ただ、その実際の割り振り等の実情につきましては、まだ各県の実情をそこまで把握しておりません。それから、今度割り当てましたものも、とりあえず半分を大ざっぱに割り振っておるのでありまして、いずれ三百億全体を割り振ります場合に実情を十分に調整しようというつもりで考えておりますので、そういうふうな意味で御了解をいただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 今の資料は各県全体のじゃなくてけっこうです。近くの県なら県できまったところ、たとえば群馬などもきまったようですが、そういうところの動向、大体の傾向のわかる資料でけっこうでございます。それをいただいて、あとまた質問させていただくことにして、きょうはこれで終わりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 議事進行ですが、明日は農林大臣の出席をぜひ委員長から要求してもらいたい。特に、この近代化資金の法案の審議にあたって、先般農林大臣から、近代化資金と違ったようなたとえば構造改善資金云々というような委員会発言も行なわれましたので、これはやはり新たなる河野構想であるかどうかということもこの委員会でぜひつまびらかにしたい点もありますので、明日の審議促進上、必ず農林大臣が出席するように、委員長からぜひお計らい願いたいと思います。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 ただいまの芳賀委員の御発言に対しましては、委員長において政府に十分連絡いたしまして、出席するようにいたしたいと思います。  明日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会

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