逓信委員会 第7号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/12/08
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 この際質疑の通告があります。これを許します。大柴滋夫君。
○大柴委員 このごろ、ほかの府県にもあるかもしれませんが、東京都の各局に対して、俗称トラック部隊というのですが、郵政局並びに監察局から参りまして、働いている郵便局の職員の裏へ立ちまして、一人は何かかちかちとするタイムレコーダーみたいなものを持ち、一人は仕事の勤惰を調べるのでありましょう、もう一人は何か横に行ったりうしろに行ったりしてぐるぐる見ながら局員の勤惰の状況を調べるのか、あるいは励ますのか知りませんが、三人一組くらいになってこれをうしろから監察しておる。しかもそれが一つの局に対して三十人くらいずつ行く。こういうような特別考査班と称するものがありますが、大臣はこれをよく御存じでありますか。
○迫水国務大臣 その実情を私は自分の目で見たわけではありませんけれども、そういう監察官が現地について考査をしておるということについては知っております。
○大柴委員 私は一カ月くらい前、小石川の郵便局でたまたまお目にかかったのでありますが、問題は方法だろうと思うのです。大体郵便局には課長もおればあるいは課長補佐という者がおる。勤惰の状況などというものは十分よくわかるのだろうと思います。それを特に上の方から多数の人が行って、一人に対して三名が、かつて、私ども見たことはありませんけれども、昔のシナにおきまして、クーリーに対してむちを持って追いまくる、まるでこういうような仕事の仕方というものについて、これがはたして今の憲法下、あるいは昭和三十六年のお互いに民主主義を唱えておる政治情勢のもとにあって、ああいう方法が人道的な意味において、あるいはまた常識的な意味においても許されるかどうかということについて、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○迫水国務大臣 そういう考査は、その能率が通常あるべきものと考えられるよりも悪い局に対して、どういうわけで一体こういうふうに能率が悪いかということを考査する目的をもって派遣しているものと思います。従ってそれは考査であって、労働を強制するわけでもなく、従って局員はあるがままの形で仕事をされればいいのでありまして、決して私は人道上とかあるいは常識上許さるべきものであるかどうかというような問題にはなるべき性質のものではないと思っております。
○大柴委員 あなたはそれを現実に見なくてそういうようなことを言っておられますけれども、たとえば大臣なら大臣が何か仕事をしているときに、うしろから大臣なら大臣を非常にバックアップする、何か選挙区の関係の人でも、特に大臣が頭を下げなければならないような人でも来て、迫水はほんとうにやっておるかどうかというようなことを横から見たり縦から見たりして、大体いい気持がしますか。
○迫水国務大臣 非常にむずかしい御質問で、いい気持がするかというような言葉の御質問に対しては、私はそういう立場になったらうるさいなくらいは感ずるかもしれませんが、それで私は別に労働を強制されて、これは何とかしなければいかぬとは私自身は考えないと思います。
○大柴委員 あれはなるほど強制をするだけではないのであります。確かに見ているのでありますが、見ているのと強制する威嚇と両方が入っているわけです。私ども小石川郵便局で見たときには、第一番の問題としては、先ほど申し上げましたように東京郵政局なり監察局なり、要するにその局の情勢は何も知らぬ人、あるいは郵便の振り分けなら振り分けというものに経験があるかないかわからないような人がたくさん来ておりましたが、大体ああいうことをするならば、まず第一に、先ほど申しましたように、局の課長あるいは課長に次ぐ職務の人がおりますが、なぜそれを充てなくて、郵政局なり監察局の者を充てるのですか。
○迫水国務大臣 課長はおりますけれども、自分の仕事で手一ぱいなところもあるのではないでしょうか。従ってそういう能率を考査するというものは、それの方の仕事に専念し得る人を派遣する、こういうことだと思います。
○大柴委員 課長は忙しいというけれども、大体そういうことをするのが郵便局のたとえば郵便課長とか集配課長の職務じゃないのですか。
○大塚説明員 こまかいことでございますので、私からお答え申し上げますが、もちろん部下を監督することは課長の仕事でございますけれども、通常の場合においてなし得る範囲、能力というものを考えまして課長の配置というものはなされておりますので、異常な場合に一人々々についてまでこまかく注意を行き届かせるという場合は、必ずしも課長の能力では不十分だということがあり得るわけでございます。
○大柴委員 しかしいずれにしても、私どもがそこで現場のああいう特別考査員なる者に聞き、あるいは責任者に聞きますと、こういうのであります。こんなことはほんとうにしたくはない、しかしほかに方法がないからこうするのだ、こういうのでありますけれども、私どもが見て、あの方法はとにかく非常に常識はずれだと思っているのでありますが、次官なりあるいは人事部長なりは、大臣はこういうことを見たこともない、あるいは聞いただけではわかりませんでしょうけれども、一体ああいうことがあってほしい姿と思われますか。
○大塚説明員 私どもとしても望ましいことでないことは確かでございます。ただやはりほかに適当な方法がないという場合にはそういう方法をとらざるを得ないのでございまして、現に小石川等におきましても明らかにサボをやっておったという事実がその結果判明をいたしておるような状況でございます。
○大柴委員 それが望ましい方法でないとするならば、ああいうことはおやめになってほしいのですよ。たとえばああいう三十人も五十人もの人がわざわざ腕章を巻いて、朝の八時なら八時にトラックで乗りつける、こういうようなことは何か騒動のもとになるし、しかも常識上考えて非常に人権を無視する傾向が多分にあるのでありまして、ああいうことをもしやるなら、ああいうものを排除しようという運動が必ず私は起こるだろうと思うのです。そうするとそこには、いわゆる入ってこようとする特別考査班とそれを排除しようとするいろいろな運動が起きてきて、必ず問題になると思うのです。問題になってからあなたたちそれはおやめになるだろうと思いますけれども、今のうちにおやめになるつもりはありませんか。今度もどんどんああいう方法でやるのでありますか。
○大塚説明員 私どもも一日も早くああいうことをしなくて済むようなふうになってほしいということを念願いたしておりますが、ただ現在のような状態が続くということになれば、好まないけれどもやらざるを得ないということにならざるを得ないように考えております。
○大柴委員 あなたそういう不確かな返事をしておりますけれども、あれはほかに一ぱい方法があるわけですよ。腕章をつけて何か威嚇的にやらないでも、何も腕章をつけなくてもよろしいだろうし、あるいは特別なものを指定して裏からがんがんやらなくても、幾らも方法があるだろうと思います。私は、これは一つ大臣にお願いしておきますが、ああいう情けない方法、あるいはどこから考えても日本の今の人を働かす方法、あるいは考査する方法、ああいうことをやっておるのは郵便局だけなんです。ほかの農林省だって大蔵省だって、あるいは市役所だって区役所だって、いろいろ問題があってもああいう方法はないのです。それを特にこの郵政省関係だけがやらなければならないという理由はないだろうと私は思います。だから、あまり人からかけ離れたこと、あるいはまた人道上から見てもおかしなことは、ぜひ一つ大臣の力によっておやめになってほしいと思っておりますから、特別な御配慮をお願いしておきます。
○佐藤委員長 次に、森本靖君。
○森本委員 現在、新聞紙上で郵便の遅配問題が非常に報道されておりますし、また日々のラジオ等においてもこの郵便遅配問題が非常に論ぜられておりますが、現在全国的にこの郵便の遅配状況がどうなっておるか、概略を大臣から御説明を願いたい、こう思うわけです。
○迫水国務大臣 私の手元にもらいました書面による報告によりますと、十二月七日木曜日午後五時現在の滞留物数は三百十二万五千通、滞留の起こっております局は百二十六局、こういう報告を受けております。詳しいことは郵務局長から答弁をいたさせます。
○森本委員 十二月七日三百十二万というのは、小包、普通郵便全部合わせてですか。
○西村説明員 この中には小包は入っておりません。小包の方は全国で二万三千ほど滞留しております。
○森本委員 十二月七日現在で普通郵便が三百十二万、小包が二万三千ということでありますが、昨年の十二月七日に比較をしてどういう状況ですか。
○西村説明員 昨年は十二月七日の統計が実はございません。ことしほど綿密に精細に統計をとっておりませんので、残念ながらないのでありますが、十二月八日の分がございます。十二月八日現在で昨年は一応二百十万通、小包の方は今ちょっと記憶いたしません。
○森本委員 この三百十二万という郵便のおくれておるというものについて、この中には速達郵便その他についてはないのですか。
○西村説明員 速達では特におくれておるというものは今のところございません。
○森本委員 そういたしますと、本年の十二月七日三百十二万、小包にして二万三千がおくれておる、こういうことでありますが、この三百十二万、二万三千おくれておるという最大の理由はどこにあるわけですか、これは大臣から御回答願いたいと思います。
○迫水国務大臣 年末どのくらいの郵便物が出てくるかということについて、郵務局当局で一応の見通しをつけまして、これに対処する方策を立てました。それには、一つは物的な施設の増強であります。もう一つの要点は、それに対する要員、労働力をどういうふうに措置するかという計画であります。労働力の方の計画というのは、現在の従業員が十分によく通常の能力を出して働いてくれることを前提とし、その上に現在の従業員がある程度の超過勤務をすることを前提として、それでも足りないところをアルバイト延べ百二十万の動員ということによって補う、こういうかまえを立てまして、そのかまえが実施できれば郵便物の滞留はまず起こらないで――それは若干部分的に、郵便物が急にふえたというふうな特殊な場合はあるにしましても、ほぼ円滑に推移していけるもの、こういう計画を立てておりました。しかるに、現実の問題では、先月の十九日以後、組合が闘争態勢に入りましたために、現在超過勤務をいたしておりません。同時に組合の方の指令によってできるだけ物をためるようにという、ことに立ち上がりにおいて滞留物数を増加して、争議の主導権、闘争の主導権を自分の方が握らなければいけないという、きわめて露骨な物をためるという指令を出しておりますから、私は、その通りになってきておるのじゃないか、結局今日における滞留の最大の原因は組合の闘争にある、こう考えております。
○森本委員 この滞留の最大の原因が組合の闘争にある、今そういう大臣の御回答でありますが、私は、超過勤務をやっていないから、そのことによってある程度の郵便物がたまるということについては、これはもう大臣と同意見であります。超過勤務というものをやらなければ郵便物がはけていかないというふうに郵政省が計画をしておるものであるとするならば、それをやらない場合には当然これは郵便物がたまる。しかしそれ以外に郵便物を極力何らかの方法においてためろというふうなことを指令し、それを実行に移しておるというようなことは、一体具体的にどういうことですか。そのことは超勤を拒否すれば郵便物がたまるということであって、それ以外に事を起こし、事を行なうということについてはないはずであります。もしそれが現実にあるとするならば、それはちょっとおかしげな話でありまして、ただ超勤を拒否すればその超勤を拒否しただけのものはたまるということは、これは当然のことであります。それ以外に故意に何か特別の争議行為をやっておるというようなことを大臣は感じておるようでありますが、それ以外に故意にやっておるというようなことがありますか。
○迫水国務大臣 私は実はこういうことは初めての経験ですけれども、いわゆる闘争態勢というものに現在組合は入っておるのだと思っています。私の方は別に闘争している意思は毛頭ありませんけれども、先方の状態は闘争態勢に入っておる。闘争態勢に入った場合には、ほんとうに普通の気持だったら、ふだんよりも忙しいのだからもうちょっと一生懸命やろうというときに、ことさらに平常能率の維持というような言葉が書いてあるのです。忙しいときだけれども忙しいからというのでそう調子を上げるな、できるだけふだんの通りやれ、そういうようなことで全体的に能率の下がる傾向は、闘争態勢に入ったら私はやむを得ないのだと思います。能率の下がる態勢にあるということが郵便物のたまる一つの大きな原因だというように私は思いますし、それから電話指令等があったということも聞いております。これは組合の方では公式に否定しておられますけれども、現実の姿として局によりましてはそういうことが起こりつつあるということは――組合の指令があったということは私はここで断定はしませんが、しかしそこに何かあるのじゃないかなという疑問を持つことは事実であります。
○森本委員 大臣ともあろう者がそういう非科学的な、だれかに聞いた、断定はようしない、そういうふうなあやふやしたことを私は言うべきではないと思う。だから超過勤務を組合側が労働基準法の三十六条によって拒否をする、そのことによって郵便物がたまる、それならば三十六条協定を結べばそれで終わる、こういうことになるわけであります。それ以外に何らか平常以外にサボっておるとか、サボっておるのじゃないかとか、そういうことを大臣ともあろう者が想像でものを言うということはもってのほかである。あなたの感じはそういう感じであるとしても、それなら私が大臣は大悪人であるという感じを持っておって、どうもあの大臣は大悪人であるということを口で言ったとしたら、あなたとしても感情を悪くすると思う。そういうことはちゃんとれっきとした科学的な証拠というものがあって公然と言うべきであると考えるわけであります。私は、現実の問題として組合が労働基準法によるところの三十六条の協定を拒否しておる、そのことによって郵便物がたまるということは、これは認めざるを得ないし、またその通りである。しかし、それ以外に組合がこそこそ非合法的に法律を侵してまで何かやっておるというようなことは、私はないと見ておるわけであります。その点については大臣もいわゆる感じでものを言わないように、ここはやはり公式の場でありますから、そういう点は一つ今後とも御注意を願いたいと思うわけであります。もしかりにそういうあなたのおっしゃるような非合法的な指令というものが完全に出され、そうしてその通りであるとするならば、その具体的な資料と証拠というものに私はお目にかかりたい。そうすれば私の方もちゃんとそれを正確に調査をして、そうしてそうではないのだと、ここに初めて論争になるわけであります。しかし今の大臣の御答弁では、論争に値するところまでまだいかないわけでありまして、大臣の感じでありますから、それはそれとしておきます。 そこで問題になりますことは、やはり郵政省としては、この年末のいわゆる年賀郵便というものを十億内外もうすでに売り渡しをしておる。そういう関係からいくとするならば、少なくともアルバイトの百二十万人というものを動員をすると同時に、従業員の超過労働に依頼をして、そうして年末年始の郵便の滞貨をはかして、国民にサービスを展開したい、こういう段階にきておるわけであります。そうなって参りますと、ここにやはり郵政従業員には御苦労であっても、年末年始にはぜひ一つ超過勤務をやっていただきたい、こういうことになるわけであります。その場合に組合側としてはあまり好ましくはないけれども、そういうことであるとするならば、国民のサービスのために一つ超過勤務をやりましょうということになると思いますが、そこに郵政省と全逓労働組合との間に、何らかの意見の衝突があるのではないということが考えられるわけでありますが、組合と郵政省との間において意見が大きく食い違っておるという点は何々ですか。
○迫水国務大臣 組合側からは年末に主目標あるいは副次的なということで、数項目の要求が出ておりまして、組合が重点を置いておる要求というものは、いろいろ組合の幹部の話なんかを聞きましても、ほぼ四万人、三万九千三百九十三名の増員と、仲裁裁定の組合側の要求の実施ということが一番の重点になっているのではないか、こう思っております。そこで四万人の増員の問題につきましては、私はほんとうに誠意を持ってこれを一つ検討しようという考え方から、先々月になりますか、十月二十七日に、具体的な書面による要求を私自身が手交を受けましたときに、人員の問題というものは、政治的に、腹をたたいて引き受けたというような話にならないものだし、加えて二で割るというようなこともできないことだから、その積算の基礎というものは、三万九千三百九十三という端数までつけておられるのだから、おそらく十分基礎があるのだと思うから、その積算の基礎を示してほしいということを私は言いました。このときの私の心持は、従来の郵政大臣はどういう考え方でおったか知りませんけれども、少なくとも私自身はほんとうにまじめに相手にしようという感じでありました。ところが現在に至るまでまだその積算の根拠というものは出てきませんで、何か人事部長の話なんかを聞いたり、あるいは社会党の先生方のお話を聞きますと、これは政治的に解決すべきものだというようなお言葉です。私は政治的という言葉の意味が、正確なる数字的な方程式の分析による根拠はなくて、何か加えて二で割るというようなことが政治的だとすると、少なくとも人員の問題についてはそれは不可能なことなんだ。少なくとも定員というものをきめるには不可能なことなんだというふうに考えておりますので、それはできない相談だ。しかし何とかこの点について早く話し合いをつけて、一日も早く超過勤務をしていただいて、年末を円滑に、国民に迷惑をかけないように――これは組合だって郵政従業員である以上は、国民に迷惑をかけることはできる立場ではないと私は思います。お互いに、私の方は組合の責任だと言い、向こうは省側の責任だと、責任のなすり合いをしている時期ではなくて、もう全く国民のために郵便を円滑に疎通せしめることが、縁あって郵政事業に従事している二十数万の人の共同の責任だ。もちろん私を含めて共同の責任だと思っておりますから、一日も早く妥結するようにということで、人事部を督励して精力的に団体交渉をやってほしいということを希望しておりますが、今日までの段階におきましては、どうもその点が、私が熱願いたしておりますように話が進んでいかないように思えますのは、まことに遺憾にたえないところであります。
○森本委員 今、大臣の言った定員の問題については同感でありまして、これは省側の言い分と組合側の言い分を足して二で割るというようなことをやるべきではないのであります。社会党の先生方というお話がありましたが、そういうことを言う社会党の代議士はおらぬはずでありまして、もしそれが事実であるとすれば、私の方で調査いたします。今の大臣のお言葉はちょっとすべったのではないかと思いますが、おそらくわが党におきましてはそういう発言をする人はいないはずであります。これはやはり科学的にちゃんとそれぞれ根拠を示して、郵便物が何ぼある、これについては配達時間が何ぼかかる、だから人間が何人要る、こういうふうにちゃんと科学的に積み上げていって、これは現実に何人要る、こういうことになるわけでありまして、その点については私は大臣と全く同感であります。 それならば、早く国民に御迷惑がかからないように、現実に郵便物がこれだけある、去年から見るとこれだけふえてきている、だからこの郵便の配達にはこれだけの人間が要る、内勤についてはこれだけの人間が要るという正確な数字というものが必要になってくるわけであります。そういう点については省側と組合側とが完全に意見が一致するまで熱意を持って話し合いをしなければいかぬと思うわけでありますが、私が横から見ておりますと、そういう話し合いはほとんどなされていない、こういうふうに考えるわけであります。この際、私は一言申し上げておきたいと思いますことは、大臣は自分の部下の行なっておることがすべて自分の考えておる通りにいっておるというふうに思われておるかもしれませんけれども、現実にはそういっていない。まだ組合側と省側の話し合いはほとんどなされていない。なぜなされていないかというと、その大きな原因は、これは非常に抽象的になりますけれども、組合は、少なくとも労使は対等の立場において交渉すべきである、こういうような考え方に立って臨んでおる。ところが事務当局の方は、おれの方が組合よりも一段偉いのだ、おれたちの言うことを聞くという前提に立って話し合いを進めなければだめだ、こういう考え方に立っておることは間違いない事実であります。そこで現実に定員の問題について何名というところまでの話し合いが全然なされていない。私は少なくともそういう話を早急に煮詰めていく必要があるのではないかと考えるわけであります。大臣はそういう話が組合と事務当局との間において進められておるものなりと解釈しておりますが、私の聞いたところによりますと、たとえばこの間総評の幹部の諸君が大平官房長官のところに行って、三十七年度の予算要求が一万一千七百名では少ないからこれは何とかならぬか、こういうことを言ったところが、官房長官はああいう人でありますから、さっそく郵政省の事務当局にこれは何とかならぬかという話をしたところが、郵政事務当局の方がけんもほろろに一万一千七百名で上等でございます、それ以上は要りません、というようなことを官房長官に言ったということを聞いておるわけであります。現実の郵政省の状況からいって、今の概計要求で全く満足しているという郵政省の事務当局の考え方であるとするならば、もう話は全然御破算になってしまう。郵政省が一万一千七百名という概計要求を出しておるのは三十七年度の予算要求を出しておるわけであります。組合側が三万九千何ぼと言っているのは、三十六年度においてもこれだけの人間が要る。これだけの人間が要るけれども、郵政省の従業員の超過勤務とオーバー労働によってこれをカバーしている。あなたは首をかしげているけれども、超過勤務の協定が完全に無協定でこれがなされておるかというとそうじゃない。十一月十九日まではやられておるわけであります。そういう点を組合は言っておるわけであります。だからそういう点を省側と組合側がもっと早く話し合いをして解決の方向に近づけるべきであると私は考えるわけでありますが、そういう点については、大臣の考える通り、両方が一生懸命話をしてまだ話をする余地が残っておるとするならばわれわれは望みが持てるわけでありますけれども、てんで話がまだ進んでいない。どだい話に乗っていないという現状になっておるわけであります。そういう点、大臣はどうお考えですか。
○迫水国務大臣 今の御答弁に入る前に、さっき社会党の先生という話がちょっと出たのですが、少し言葉が足りなかったかもしれませんのでつけ加えておきますが、社会党の先生が、加えて二で割れとおっしゃったのではない。しきりに政治的解決をしろ、こうおっしゃった。それは私は、もし政治的解決というのは加えて二で割るということだったらそれはとてもできないことだと言ったのでありまして、社会党の先生が加えて二で割ることをせよとおっしゃったのではありませんから、ちょっと釈明をいたしておきます。 それから今の点は、私は実に残念だと思うのです。あなたは、うちの人事部長以下団体交渉の当事者が私の思う通りにやってないのだ、対等の立場でなしに、言うことを聞けという立場でやっておると言われますけれども、うちの人事部はひどく対等的であって、私は昔の役人根性からいったら人事部長というのはそんなものかなという感じがするくらい対等的でありまして、こういう労使対等で話し合いができるということはいい格好だというふうに感じておるのです。ただ組合の増員問題につきましては、とにかくなるべく十二月に入らないうちに妥結をしないと年末に非常に困るということで、十一月中に話をつけようじゃないかということをまずそのときに私は申しまして、原則としては組合側も承認されました。従ってそういう人員問題なんというものはなるべ早くやらないと、これは数字の問題ですし、かりに私が納得する数字が出てきてもそれはそれで私はまた政治工作も政府の部内でしなければならぬ立場ですから、これは総予算が押し詰まるときまで持ってこられたのではやりきれないと思いましたものですから、早くやってくれということを十月二十七日に言っておるわけであります。とにかく数字が出てきているのですから、あしたにでもこれはこういう計算になっているのだということを言ってくれるだろうと私は考えておりました。それで人事部長に何べんも、言ってきたか言ってきたかと聞きました。そうすると、組合側は闘争態勢に入ってからでないと説明はしないと最初言っておったそうです。これは私は聞いたことですから……。それで闘争態勢に入るのはいわゆる超過勤務三六協定の切れる十一月十九日ということらしいのです。やっと十六日に概括的に説明があった。それ以後、私が聞いておりますところでは、これは言い過ぎであとでいかぬかもしれませんが、率直にいますと、組合側はどうも人員の問題については話し合いを避けておるような感じがするという報告を私は受けておる。人事部長は、私があれほど強く言っておるのですから、それを避けておるとは決して思いません。それで今日の状況になっておる。そこで私としては、とにかく今の段階になってきてしまって、これから人員を詰めて話し合いをしていくという時間がここにあるだろうか、とにかく超過勤務三六協定を早くやっていただかなければ年末年始というものをどうするのだ、こういうことなんですから、これは一体どういうふうに組合の方では考えておられるのか。政治的という言葉がちょいちょい出てくるわけでありますけれども、私の知識が少ないせいか、政治的解決の方法というものは一体どうすればいいのだ、だれかこういうふうにやればいいのだという妙案を教えてくれればいいなと実は考えておるくらいに、この問題には悩んでいるのです。今の三万九千三百九十三という数字は、自分の方は各局から集めた数字だからこれは正しいのだから早くのめと言われても、ああそうかと言ってのむことはとてもできません。そういうような数字をかりに私がのんでも、予算の問題で大蔵省をどうして通しますか。ですからそういうようなことについては、とにかく具体的にやらなければいけないのに、組合は一体どうして私の情熱を込めた願いに対してこたえてくれないのか、実はまことに遺憾に思っております。
○森本委員 これは、たとえば組合側の三万九千三百九十三名という数字にしても、あるいは郵政省側が三十七年度の予算要求に出しておるところの一万一千七百名でも、これは非常に開きがあるわけであります。そこで、組合側の要求の三万九千名というものは、現実に各職場の実態から定員を割り出してきているわけです。それに対して省側の方は、これは全く机上ででたらめな計算をしておるところもあるわけです。もしそういうことに対して違うと言うなら、私が現場へ行って、お宅の郵政当局とはっきりと対決してもいいと思う。あなたの方の一万一千七百名というものは、昭和三十七年度の予算要求に対して、机上における予算要求をしておるわけです。現場の実態を調査しての一万一千七百名という予算要求じゃない。これはあなたが首をかしげても、郵政当局の予算要求の内容はそうなっている。各郵政局がそれぞれ各郵務部において、物数だけをはじいて出してきておるわけです。それが、その後におけるところの物数の増加、あるいはその局の実情、そういうものについての調査をしてこの予算要求をしておるわけではない。だから、そこで意見の食い違うのは当然だ。組合側が現場の実態としてあげてきている予算要求というものと、あなたの方が出している予算要求というものは、いずれもが正しいということを言い張っても、それぞれ理屈はあるわけです。それぞれの理屈はあっても、その上になおかつ現場の意見というものと、郵政当局が机上において出したところの意見というものと組み合わせて、お互いに話し合いを進めていく、現実の問題としてはどれだけ定員が必要だということを、話し合いを進めていくことが必要である、こういうことを私は言っている。その必要であるところの話し合いというものが、ほとんどなされていない。 それについては、そもそもこの郵便事業というものは、昭和二十五、二十六年当時から比べると、郵便物というものは倍になっておるわけです。ところが、実際の定員というものは十分の 一以上もふえていない。それをオーバーする点については、確かに機械化の点もあります。それから合理化の点もございます。機械化、合理化についてはやっていかなければならぬ。さらに局舎の施設改善、そういうこともやっていかなければならぬ。ところがそういう点については、やろうにも、郵政事業特別会計のワク内においては今日までやれなかった。だから郵政省の幹部諸公としては、とにかく従業員に、何とか一つ、労働オーバーでも何でもかまわぬからやってくれ、やってくれということで今日まできた。ところが今日ダイレクト・メールというような郵便物がどんどんふえてくる。どうにもしようがなくなったというのが今日の現状です。 そこで、昨年たまたま料金の値上げが出てきた。われわれはああいうような料金の値上げをするというよりか、一般会計から入れて、そして郵政事業特別会計を根本からやり直す、こういう意見でありましたけれども、一応与党の賛成によって料金の値上げが出てきた。しかしこの間の料金の値上げについても、今の郵政事業特別会計のワクにおいては、焼け石に水というのが現状であります。これは私が前にも言ったように、そこに郵政事業特別会計というものの無理がきているわけであります。これを根本的に解決をつけない限りにおいては、この郵便遅配という問題は解決がつかない。たとえば、この郵便料金を値上げをするか、あるいは一般会計から郵政事業特別会計に若干の金をほうり込むか、あるいは昔のように逓信事業として、電信電話、郵便を一緒にして、電話事業の収益を郵便の方の赤字に回すか、この三つの方法しかない。この三つの方法をとらずして、まあまあということで日々、年々やってきて、結局ついにここに矛盾が重なって今日のような郵便遅配になってきているわけです。その矛盾を何とかなくしていって、国民に郵便のサービスを展開しようというのが、今の組合の考え方であろうと私は考えております。それを、今まで郵政事務当局というものは何もせずに、毎年々々まあまあということでやってきて、今ごろになって事務当局の責任を組合に転嫁して、何をこしゃくな、組合が何を言うかということになってしまって、この郵便遅配の責任というものを全部組合にかぶせてしまって、何もかも組合が悪いのだ、こういう方向に今日なっておるというのが、今の郵便遅配の現状であります。 しかし、そんなことを今ごろになって言うたところで、この年末には間に合わない。とにかくこの年末には、郵政大臣としては年賀はがきを一月一日に配達します、国民大衆にこういう約束をいたしまして、十億万枚というものを売っておるわけであります。だから郵政大臣としては、一月一日ないし二日には、年賀はがきを配達する責任と義務が国民に対してあるわけであります。だから一月一日に年賀はがきが配達できるように、やはり措置をしなければならぬわけです。そうなってくるならば、少なくとも従業員との間における超過勤務の問題を、とにかく当面の問題として処理をしなければならぬ。処理をするためには、やはり何といたしましても定員の増員問題について解決をつけなければならぬ。それをつけるのには、やはり今から話し合いを熱心にしていかなければならぬ。その話し合いを全然やっていないという今日の現状が、われわれとしては非常に残念である。早く話し合いをして、そして円満な解決をつけて、国民に明るいお正月を迎えるようにやってやるのが、私は郵政大臣の任務じゃなかろうか、こう思うわけであります。何だか大臣の話を聞いていると、何でもかでも組合が悪い、組合が悪いからだめだというふうに聞こえるわけですが、組合にいたしましても、これは日本の国民ですよ。国民大衆の一人ですよ。組合の諸君だって、やはり国民のことを考えていろいろのことをやっていると思う。だから組合が全部悪いというような印象をまず払拭をして、やはり事務当局が反省すべきところは反省をして、組合も若干悪いところがあれば、こういうところが悪いのだと率直に言って、郵政事業の中における事務当局とそれから労働組合というものがお互いに意思疎通をはかって、そしてその上で国民にサービスを展開するというのが任務じゃないですか。そういう方向に一つ郵政大臣がぜひ御指導願いたい、こういうことであります。
○長田説明員 先ほど郵政省事務当局の、労使関係に対する態度についてお話がございましたが、私ども労働条件につきましての団体交渉、あるいは労働協約の締結につきましては、大臣も先ほど申し上げました通り、もちろん対等な態度でやっているつもりでございますし、また交渉等について、ことさらに拒否したり避けたりするような気持は全くありません。ただいま問題になっておる増員につきましては、これは性質上は団体交渉事項とはいえないと思っておりますが、しかし組合側が今次年末闘争で第一の項目として掲げておりますし、遅配の問題とも結びついて世間にも御迷惑をかけているというようなこともございますので、性質上は団体交渉事項ではないにいたしましても、十分に話し合うべきだという大臣の御方針も受け、私どももさように考えておりますので、十月二十七日に増員の要求書が出まして以来、その内容を早く説明してもらえないかということで、たびたび申し入れたわけでございます。たびたび申し入れましたが、まだその時期ではないというようなことで、十一月十六、十七日あたりにその説明がございました。以後は、いろいろ話し合いについての折衝がございましたが、私どもの方でそういう話し合いの申し入れに対して、断っわたしりたことはないわけであります。内容の説明の仕方などについて、若干向こう側と見解を異にした点はございますが、話し合いをことさらに避けたり何かしたことはないと思っております。最近は特に熱心に双方話し合いをしているところでございますけれども、三万九千何名とそれから一万一千七百名との差の問題につきましては、どうしても考え方の食い違いがございまして、たとえば三万九千名の中には、欠務のあと補充の人間も入っているようでございますし、特に夏とか年末年始の繁忙期を除いた平常の月、九月ごろの日による繁忙というようなものは、私どもは超過勤務でやってもらうつもりでおりますけれども、そういうようなものもあまりはっきりいたしませんが、前後の説明などからいたしますと、私どもとしてはそういうものも定員で要求されているように判断せざるを得ないわけでございます。数字の突き合わせになるわけでございますが、私どもの方で超過勤務でやるべきだと考えておりますものがどのくらいあるのか、あるいは欠務のあと補充の部分が何名くらいになるのかという面がなかなかわかりません。一万数千局から集めたものが三万九千だということで、その三万九千については十分自信を持っているのだ、あるいはその出し方は一般的にどうして出したのだということはわかりますが、数字を突き合わせるのに十分な資料がなかなか得られない実情でございます。しかしこちら側の内容等につきましての説明を目下進めている段階でございます。もとより森本先生のお話のように十分に話し合いをしていくつもりでいるわけでございます。
○森山委員 関連して。先ほど森本委員のお話に、郵便の数が非常にふえた、その割合に人がふえてないということを言われましたが、私も最近テレビを見ておりましたところ、全逓の委員長も同じようなことを言っておる。要するに、昭和二十四年ころに比較して郵便物は倍くらいふえたが、人はそれほどふえないということを言っておるわけです。実際実情はどうなっているのか。一見一般の人から見ますと、組合の言っていること、森本委員の言っていることがもっともらしく聞える。はたして事実はどうなのか。二十四年を基準にしてとる見方は、どういうふうに考えていったらいいのか、そういうところをまず第一点として、この際郵政当局の御見解を承っておきたいと思います。
○西村説明員 今、手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんので、精密な数字に基づいての御説明はちょっといたしかねますけれども、たとえば昭和二十四年に比較して物数はこう伸びた、それに対して定員はこれしか伸びてない。ですから物数が伸びるだけ定数も伸びなければいかぬということに、一応しろうと考えでは考えられるのでありますけれども、実は物数が伸びまして、それに正比例して定員が伸びなければいかぬという理屈はないのであります。わかりやすく申しますと、一軒の家に手紙が今まで一通だったのが、ダイレクト・メイルその他が増加して、たとえば五通になった、そういうときにやはり一人の人が同じ手間で配達はいけるのであります。内部作業におきましても手あき時間に吸収されるという面もかなりあるわけでございますので、わかりやすく言いましても、そういった点から見ましても、物数が倍になったから定員も倍にならなければならぬという理屈にはならないわけでございます。私どもの方には、長い間調査して築き上げました定員の算出基準というものがございます。最近またこれを新しい観点から是正をしまして、ごく新しい算出基準を作り直したのでありますが、それに基づきまして来年度の定員の要求をいたしておりますので、これが確保できますれば、業務の正常運行は期待できるというふうな見解を持っておる次第でございます。
○森山委員 昭和二十四年が基準になりますが、二十四年ごろのいわゆる定員なるものをどういうふうに見ておられるか、これは郵務局長でも人事部長でもけっこうですから、お聞かせ願いたいと思います。
○長田説明員 二十四年ころの郵便事業の定員のことにつきまして、今、私、正確な知識を持っているわけではございませんが、非常に総括的に申しまして、終戦後相当引揚者などを受け入れたりするような関係もございまして、しかも郵便物数は戦前の状態と比べまして激減をしておったようでございます。数字的に今はっきりその問題を申し上げるだけの資料を手元に持っておりませんので、その点は御容赦願いますが、物数は減り、一方人員は引揚者などを新しく加えて、引揚者を加えなくても運行ができるような状態になっておりましたところに、さらに引揚者が入ってきている。あるいはその他軍の廃止やなんかもあったりいたしまして、少しずつ人間はふえている。そこへ二十四年の行政整理がございまして、郵政省で約二万くらいの減員があったわけでございます。第一次の行政整理でございます。私どもも当時その行政整理には関係しておりましたが、事業別の定員の面では十分詳しくは存じておりませんけれども、当時業務量と人員との比率がぎりぎりの状態であったとは考えておりません。その後第二次、第三次の行政整理がございまして、それらの際には第一線の郵便局の減員は極力率を低くするように郵政省としては考えておったはずでございますが、それでも各郵便局におきまして各事業とも若干ずつの減員はあったわけでございます。しかし結果論だけ、形の上のことだけ申し上げますと、私ども定員が不足のために郵便が非常におくれ出したのは、第三次の行政整理がございました昭和二十九年、あるいはそれの直後の昭和三十年ごろにそういう現象があったということは、これは不明のいたすところかもわかりませんが、そういうことはあまり聞いておらないわけでございます。 大へん総括的で、正確なあれではございませんが、その程度しか御説明できません。
○森山委員 今伺いますと、物数増が直ちに定員増ということにはならないというお話でございますが、その点まことにごもっともだと思います。かつ基準にしております昭和二十四年というものは、むしろ郵便物は少なくて、しかも人員が過大であった。そのときと比較して現在のいわゆる組合の四万名要求の根拠にこれをいたしまして一般世論の支持を得ようとしているのですが、お話を伺いますと、そういう比較ははなはだ不適当なものであるというふうに感じるのであります。こういう点について意外にも組合側の言い方が俗耳を打つきらいがございます。郵政省当局としては、郵便事業の現状というものをもう少し国民にわからせるようにしなければいかぬ。そういう点について怠慢な点がむしろあるのではないかというふうな感じがいたしますが、いかがですか。
○迫水国務大臣 できるだけ現在までも努力はいたしているつもりでありますけれども、なお足りない点があることはまた事実でございますので、今後一そう努力をいたします。 なお、ちょっと発言をした機会に、先ほど森本さんのお述べになりましたことについて、私、伺っておりまして言いたいことがずいぶんたくさんあるのです。 ただ一般的に、郵政省が要求しております一万二千名と、組合の言っている四万人とを対照して考えて、その開きが大き過ぎるとかなんとかいう話がちょいちょい出てくるわけですけれども、私はこれは直ちに比較すべき性質のものではないのではないか、実はそういうふうに思っているのです。というのは、四万人というのは九月の物数を基礎とした昭和三十六年度に不足している数字、こう言われる。われわれの方は来年度の定員の要求なので、それを比較してどうこうということではなくて、一万二千名の根拠はどうか、四万人の根拠はどうか、別々な問題だと思っているのです。それでそういう立場で人事部の方も組合の方に話をしているはずです。ところが組合の方のお話では、それじゃ一つ省側の一万二千人の話を聞こうという話になって、どうもそこのところが混同しているのではないか、こういう定員というような問題は、何人お前のところにやるからこれだけのサービスをしろ、こういうのも一つの定員のきめ方でしょう。逆に言って、これだけのサービスというものに何人の人が要るかというふうにサービスの内容をきめて定員をはじくのも一つの方法です。たとえば、日曜配達というものはもうやめるのだということになれば、これで定員に直ちに響いてくる。小包というものを請負に出すということにすれば、定員に直ちに響いてくる。そこで、一体どういうサービスというものが内容なのか。こういうものは、ですから組合の四万人要求というものも年末忍々の際ものをためることを背景として力でやるべき性質のものでないのだということをこの前も私は組合の方に言いましたけれども、もう少しほんとうに郵便を愛するという熱情が――その要求書の中にも出ていました。それならほんとうに一つしっかりした根拠ではじき出すべき性質のもので、団体交渉の、争議の対象になるべき筋のものでないように私はつくづく思うのです。そういうようなことをここで議論していても、もう焦眉の急です。元の緒方総裁なら爛頭と言われるのですが、私は焦眉しか知らぬですけれども、爛頭の急務ですから、ここで一刻も早く組合との間に話し合いをして超過勤務を、三六協定を結んでもらうようにしなければ、もうどうにもこれはなりません。私は、姿勢をくずすことはいたしませんけれども、組合との話し合いを誠意を持って続けるということは言葉の通りでありますので、全逓の大先輩である森本さんにおかれても、一つその間のことをよく全逓に話をされて、仲裁裁定というものがもうそろそろ出てくるのじゃないかと思いますが、仲裁裁定が出てきたような機会が一つの機会じゃないかと思いますので、この際一つ全逓の方でもこだわらずに、いわゆる闘争という立場でなしに、国民の公共のためという、そういう責任をわれわれがしょっているのだという立場から一日も早く省側と話し合いをつけて年末年始円滑に運行ができるように、もしできることなら、ごあっせんをお願いしたいということを言いたいくらいな気持でおる次第でございます。
○森本委員 最終的に双方が努力をして、とにかく年末年始の郵便が円滑に国民にサービスせられるように努力するということについては私も大いに賛成でありますが、ただ大臣は何かちょっと、今の言葉の端々をとらえるわけじゃないですけれども、誤解をしておるのじゃないかと思います。おそらく労働組合の諸君にしても、親子二代、三代にわたって郵便事業を行なってきておる者も相当あるわけです。また郵政事業を愛するという観点からいくとするならば、失礼だけれども、一年や二年でおかわりになる大臣よりも、もっともっと私は郵政事業を心から愛しておるのじゃないか、こう思うわけであります。また事実、私も長い間、二十何年おりましたけれども、今でも私は全国の郵便局へ行った場合、自分の家に帰ったような気がするくらい私は郵政事業を愛しておるわけです。だから郵政事業を愛して、その事業を通じて国民にサービスをほんとうに展開しなければならぬということで今日までやってきたけれども、いわゆる事務当局の無為無能というか、歴代の政治家の無策というか、そういうことが積み重なって郵便遅配という現状になってきておる。これを何とかしてもらいたいというのが私は組合の考え方でなかろうか、こう思うわけであります。まあそういうことをここで議論しておってもこれは始まらぬわけでありますから、とにかくこの問題については郵政大臣としても、一月一日に配達するという条件のもとに十億万枚の年賀はがきを売っておるわけでありますから、また年末年始の郵便というものが国民に正常にサービスせられるということが郵政大臣の任務であるわけでありますから、そういう考え方からいくとするならば、労使双方にいろいろの言い分がありましょう。ありましょうけれども、その話をどんどん煮詰めていって、一日も早くすみやかにこの問題が解決ついて、そうして一つ明朗な新年を迎え得るという形にぜひしてもらいたいというのが私たちの偽わらざる考え方であって、別にここで私は定員問題をどうこうきょう本日論じようという考え方ではございません。だから、とにかく一日も早く解決をつけて、国民にサービスを展開しろということは、これは私は与党、野党問わず国会の意思であろう、こう考えるわけであります。この意思を体して、一つ大臣としては十分に御努力を願いたい、あらゆる点について全力をふるってもらいたい、こういうことでありまするから、他意のない質問を私はしておるわけでありますから、大臣から最後にこの問題について御回答願っておきたい、こう思うわけであります。
○迫水国務大臣 今、森本さんの仰せられた通り、焦眉の急であります年末年始の対策、郵便をうまくはかしまして国民の期待に沿うということは、もちろん私の責任です。しかし、三十万郵政職員がみんなこれの、何といいますか、責任という言葉が重過ぎるなら任務というふうに私は思いますので、ここで部内であっちがよい、こっちが悪いとけんかをしているべきではなくて、お互いにこの際定員の問題というものは慎重にまじめに取り上げて研究するし、解決をつける努力をすることを私はちゃんと胸の中に考えているわけです。しかし、これを闘争の用具として使うというようなことはやめて――やめてという言葉は悪いですけれども、考えて、そうして、一日も早く労使話し合いをつけて、三六協定を結んで、そうして具体的に三六協定が結ばれなければはかれないのですから、その点一つ全力をあげて努力したいと考えております。
○森本委員 最後に、もう今の質問でやめようと思ったけれども、大臣がひっかかるようなことを言うから――そういうことを言うているとやはり解決がつかぬわけです。だから、定員の問題も、ここにひっかかっている問題もすべて虚心たんかいに大臣と組合と話し合って話をつける、こういう方向において御努力を願いたい。私は今直ちにどっちがよい、こっちがよいということを言っているわけではない。それを大臣がそういう考え方に立つとするならばなかなか解決がつかぬ。だから、それも何もかも一切含めて解決をつけて国民に明るいサービスを展開するという方向において大臣に御努力を願いたい。私はその内容について最後にどうこうということに触れているわけではない。触れていれば一日やっても議論になる問題でありますから、それを政治的に、あなたが政治家として手腕をふるって解決をつけろ、こういうことを言っているのでありますから、大臣としては、お説のように解決の方向に努力をいたします、その答弁でよいわけですよ。
○迫水国務大臣 全力を尽して努力いたします。
○森本委員 最後に、この間佐藤委員と一緒に九州方面を行政視察したときにちょっとした問題がありまして、特にこれは大臣に若干関係があるようでありますので報告書に載せておこうと思いましたけれども、こういう問題は速記録に残すよりか一応正式の委員会において質問をしておいた方がよろしい、こう思いましたので聞いておきたいと思いますが、実は熊本県と鹿児島県の境に長島という島がある。そこに第二次チャンネル・プランにおいてテレビの置局を郵政省は指示しているわけです。それに対して熊本放送から、牛深、水俣地区に対するテレビのチャンネル・プランによるところの申請が出ているわけであります。ところが、鹿児島放送がこれは熊本放送の越境だということにおいて反対運動をしている。どうも大臣も鹿児島出身だから鹿児島の方に味方をしているやにうわさをされているわけであります。この問題はそういうふうに熊本放送とか鹿児島放送とかいう問題ではない。現地の問題を聞いてみると、郵政省が第二次のチャンネル・プランを示した場合に、その第二次チャンネル・プランによる波におおわれる地域、どこからどこまでがサービス・エリアであるということにおいてチャンネルを割り当てているはずである。だから、チャンネルを割り当てるときに郵政省の考え方に基づいて許可をすれば問題がない。それを鹿児島だ、熊本だと言うからテレビの問題が政治的になる。だから、郵政省が第二次チャンネル・プランにおいて牛深、水俣地区に対する割当をしたときには一体どこをサービス・エリアにするというつもりで発表したかということを明確にすればもはや争いがない、それがほんとうの行政である、こういうようにわれわれは考える、こりいうことをはっきり言っておきましたが、大臣、今の私の回答についてどうですか。
○迫水国務大臣 この問題は建前の問題として、過去において一つの県に本社を有するテレビ会社が他の県の範囲内に塔を建てたという先例がない、こういう一つの事実があります。それからまた、そういうようなことはできるだけ避けた方が、物事が紛淆しないでよろしいという考え方が基本的に存在いたします。従いまして、この問題はこれからもう少し慎重に考えまして、現在NHKもどこに塔を建てるかということが一つの問題なんです。民放の塔は大体NHKと同じところに建てるという方針でございますので、NHKにもいろいろ考え方があるようでございます。もし県の上で境がない日本でありましたら、あるいは長島でいいかもしれません。しかし厳然たる熊本県、鹿児島県という県の境がある以上、そうして県境を越えて塔を建てた先例がないという一いの事実、今後においてもそういうことは紛淆があるから――これはたまたま私の出身地である鹿児島県に問題が起こっておるのですけれども、岡山県と広島県の間にだってそういう問題は起こり得るのであります。そういうことでございますので慎重に検討をいたしておりますが、今あなたのおっしゃいましたように、エリアはどういう意味であったかということを発表したら問題は解決するじゃないかという、事ほどさように簡単でもないと思うのです。
○森本委員 大臣、そういうことをするから電監の行政が混乱をするのですよ。第二次チャンネル・プランを出すときは、そのチャンネル・プランによるところのサービス。エリアというものを郵政省は考えて発表するわけです。そうでなければ第二次チャンネル・プランというものは意味をなさぬわけであります。第二次チャンネル・プランで牛深、水俣地区というふうにちゃんとしたサービス・エリアを考えて発表しておるわけであります。だから第二次チャンネル・プランによるところの郵政省のサービス・エリアがどこからどこまでだということがはっきりするならば、その方向によって許可をすればいいわけであります。それを今ごろになって、それがどっちを向いておったかわからぬ、鹿児島県の方が多かったか、熊本県の方が多かったかわからぬ、慎重に検討するなんということを言うから、両方がますますけんかをするわけであります。こういうものは政治問題ではないのです。技術的にこれははっきり解決をつけるべき問題なんです。大臣が今のような答弁をしておると、私は第二次チャンネル・プランそのものを再検討しなければならぬということになりかねぬと思うのです。そういうことになると、これは相当大きな問題になってくるわけであります。私が言っておるのは、それはあなたが言ったように他県の放送にまたがるということは今までなかった、また事実ない、そういうことはあってもあまり芳しくないということはよくわかりますよ。わかりますが、それはまあ若干だ、他県にこういうものが若干越えた、しかし最大のサービス・エリアというものはその片一方の地方だということになると、そのチャンネル・プランを指示したときのエリアがどこであるかということが一番問題になる。それを電監局長の西崎君がはっきり言えばそれで問題は片づくわけであります。ところが大臣がそういう回答をするものだから、今ごろになって西崎君がどうもサービス・エリアは再検討、こういうことになるから混乱をしてしまう、そんなことではいかぬということを言っておるわけです。だから今のような大臣ののらりくらりとした答弁では、第二次チャンネル・プランというものは意味をなさぬ、もう少し技術的にはっきりすべきである。私は、だから熊本放送がいいとか鹿児島放送がいいとかいうことを言っているわけではない。第三者的に物事を考えた場合に、第二次チャンネル・プランの方向に従ってこれは処理をすべきである、こういうことなのです。この大原則には大臣間違いないでしょうが川
○迫水国務大臣 私は事ほどさように簡単にこの問題は解決がつかないと思っております。
○森本委員 事ほどさようにつかぬというよりも、大臣よく聞いてもらいたいのですよ。第二次チャンネル・プランを郵政省が発表したのは、たとえばこの地区にはここからここまでの範囲に何ぼのメガサイクルにおいてこれを与えるということでやったわけなんでしょう。大臣そうでしょう。まずそこから聞いていきます。
○迫水国務大臣 実はきょうこの話がここで問題になるということを思いませんでしたから、よく電波局長の意見を聞いてそつのなき答弁をする準備がございません。非常に私としてはそつのある答弁になるかもしれませんのですけれども、チャンネル・プランというものを、現在のきめられた第二次チャンネル・プラン、それを実施すれば当然長島に行くというふうになるのだという前提でお話しになっていらっしゃるような感じがするのですけれども、そういうことでは私は必ずしもないと思うのです。そこら辺のところを、技術的な問題についてよく一つ担当者の見解も聞きまして御答弁をしないと、ちょっとまずいのではないかと思います。
○森本委員 それではそのことについて一つ最後に大臣に言っておきますが、こういう問題はそれこそ政治的に解決つけようとすると、かえって混乱をするわけであって、やはりこの問題は技術的に解決つけた方がいい。要するに第二次チャンネル・プランを発表したゆえんというものは、それぞれのサービス・エリアとそれに対するところの問題をきめるためにチャンネル・プランを発表しておるわけでありますから、そのチャンネル・プランの通りやったって、その中にどこそこのところがちょっと入るということになれば、それを技術的にどう解決をつけるということにしていくべきであって、この第二次チャンネル・プランが根本から危ぶまれるという論議になってくると混乱をする、こういうことでありますから、一つこの点については十分に西崎君とも聞いていただいて、そしてこういう問題こそ政治的に解決をつけずに、技術的に行政的に解決をつけなければなかなかめんどうなことが起こるということを警告しておいて、私の質問を終わります。
○佐藤委員長 森山欽司君。
○森山委員 先ほどの森本委員の質問に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思います。 第一番は、今回の遅配の原因が組合の闘争ということに基因するという大臣の御答弁であります。その闘争の内容という一点は超勤拒否ということにあるのだ。しからば一体郵政省は平素どのくらい職員の超過勤務というのをやらしているのか。われわれは超過勤務というのは毎日一日一時間か二時間くらいやらせているような印象を受けているのですが、一体平素平常時においてどのくらい超過勤務をやらしておるのか、その辺の事情を承りたいと思います。
○長田説明員 平素超過勤務を職員にしてもらいますについては、労働基準法三十六条による超過勤務の協定を結ぶ必要がありますが、結んでもらえない期間などもございまして、普通の状態として考えますと、年末首繁忙あるいは夏季繁忙などを除きまして、普通の通常の月では、大体郵便事業の職員について月平均四時間前後でございます。
○森山委員 月四時間というのは非常に少ないと思いますが、間違いないのですか。
○長田説明員 全国平均いたしまして、郵便職員については四時間前後であります。
○森山委員 他の業種では大体どのくらい超過勤務をやっておるか、資料はございませんか。
○長田説明員 ちょっと今手元に私その資料を持って参りませんでしたが、労働省の統計調査部の資料が出ておりまして、それによりますと、ほかの電電公社の職員あるいは国鉄の職員それから民間の各種製造事業等の職員の超過勤務の時間をとったのがございましたが、それらと比較いたしまして、たしか七つか八つくらいの業種と比較した資料だったと思いますが、郵便関係の職員の月平均四時間というのは最も少ない方に属しておるという記憶がございます。
○佐藤委員長 ちょっと森山君、御了承願いたいのですが、大臣が予算のことで閣議の方へ行かなければならぬのですが、谷口さんが大臣にちょっと聞きたいというから……。
○森山委員 私も大臣に聞きたいことがあるのですが。
○佐藤委員長 それでは森山欽司君。
○森山委員 それでは大臣にお伺いをいたしたいと思います。事務当局にはまだ残っておりますが、大臣にお伺いいたしたい一点は、定員問題というようなことは、私の理解する範囲では公共企業体等労働関係法によりまして、正規の団体交渉の対象にならない項目だというふうに理解をいたしておるわけです。この種の労使間の交渉の対象にならない事項をたてにして闘争を組むという組合の行き方についてはどういうふうにお考えになっているか、伺いたいと思います。
○迫水国務大臣 私も、その定員をきめるということの最終の決定をする立場というのは省側、われわれの方にありまして、これは団体交渉の事項ではないと考えております。しかし、当面私の頭の中にありますことは、そういう理論を一応超越いたしまして、定員の問題というものも、要するにみんなの人が能率を上げる立場から、実際現場で働いている人の意見を聞く必要もある、こういうような考え方から、私は特にしゃちこばっていない立場をとっております。万一、どこまでもこれは団交事項であって、その定員の問題が解決をしなければ――解決しないという言葉は悪いですけれども、要するに四万人をのまなければ妥結には至らずにいつまでも三六協定は拒否するのだという方向をかりに組合がとった場合には、それは私は別個な態度をとりたいと思っておりますが、現在の段階におきましては、しゃちこばらずに一応意見を聞いてみよう、そういう立場をとっておる次第であります。
○森山委員 私も、公労法の建前から法律論一点張りで押せという意見をここで申しあげるつもりはございません。しかしながら、ちょうど私は昨年の本日郵政政務次官に着任をいたしましたが、ちょうど本日まで昨年も全逓は闘争をしておったわけであります。毎年々々こういうふうに年末になると闘争を繰り返すわけであります。去年の名目と今年の名目は違います。名目が違うだけであって、闘争をやるということが私は問題だと思っておるのであります。従って、闘争というものは一体目的であるのか手段であるのか、私ははなはだ疑念を感じておるのでございます。ここで大臣にお伺いいたしたいことは、こう毎年々々年末になると郵便物をとめて国民に迷惑をかける、こういう組合運動の行き方というものに対しまして大臣がどういうふうに考えておられるか。毎年年末に郵便物が――非常に繁忙期でございます。国民に迷惑をかけないようにというので、忍ぶべからざるところまで忍んで今まで妥結してきたということが、今日のような結果に私はなったと考えておるのでございます。大臣は御着任になられたのは本年に入ってでございますけれども、郵政大臣は人こそ違えずっと続くものでございます。郵政省もそうでございます。郵政省の仕事、これまたしかりでございます。そういう長い目をもって見ますと、今日のような事態は国家国民のためにはなはだ慨嘆にたえないところでございます。そういう長い期間を見渡しまして、当面の事態の収拾についての御見解を承りたいと思います。本年の暮れに国民に最大限に迷惑をかけないようにすることによって、ことしはそれで済むかもしれないけれども、それがいわゆる悪慣行の積み重ねになって、慣行という言葉が適当かどうかわかりませんが、また来年の暮れも――名目は違います、闘争目標は違うでしょう、しかし同じようなことを繰り返すとするならば、これは真に国民のためを考えたことには私はならないのじゃないかという感じもいたすのでございます。その辺についての大臣の率直な御見解を承れば幸甚だと思います。
○迫水国務大臣 この年末一番忙しいときを背景にして、居残り拒否を手段として闘争を組まれるということを聞いたときに、私は実に残念だなと思いました。しかし組合には組合の家庭の事情もあることだしとも思いました。こういうようなことが始終あるということになりますと、新聞なんかでは年中行事ということを書いてあって、省に対しても組合に対してもずいぶん失敬千万な表現だと思うのです。そういうようなことがいわゆる年中行事と世間から思われるようなことになると、これは労使の正しい関係のあり方ではないと私も思います。従ってこういうような問題については、省側も組合側も一つ話し合いをして、いわゆる年中行事というようなことでもって、簡単にという言葉は悪いですが、簡単に片づけられるようなことを繰り返さないようにしたいものだ、これは私の非常に念願としているところでありまして、一つ情熱を傾けて努力したいと思います。ただこの年末、今はもうとにかく焦眉爛頭の急で、ここで何とか一つ組合も超過勤務をされる三六協定を結んでもらうように、そうしないと年末年始に大へんになる、それがいつも頭に一ぱいであります。根本的な問題は、お話の通り両方ともお互いに郵政省の中にいて、郵便事業として国民の負託を受けているのですから、話し合えばわからないはずはない、こう私は確信をいたしております。
○森山委員 重ねて申し上げるようでありますが、願わくは、本年の闘争、いわゆる遅配なるものが本年限りの問題ではないということを十分腹に置かれて御対処されるように希望いたします。
○佐藤委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 時間がありませんし、簡単にやります。事実問題で、一、二点森山委員の質問に関連して大臣に伺っておきたいと思います。 一つは、これは私自身知らないことで、率直に伺うのですが、定員問題で、一政府の方では一万二千名の定員をふやすということのほかに、臨時職員としてもう少し考えてくれるというように新聞なんかでは書いているのですが、そこらの事実はどうでしょう。
○長田説明員 これは来年度の概算要求のことかもわかりませんが、あるいはそうでないにいたしましても、日ごろの業務をやっていきます体制で、本務者と非常勤の者、それから本務者の超過勤務、そういう三木立で仕事をやっていることは事実でございます。
○迫水国務大臣 来年度の予算の要求に、ことしの臨時雇の給料十九億に対して、四十億要求している。一万二千名の本務者のほかに臨時雇の賃金というものを倍以上要求しています。これは実際問題としては、大蔵省を説き伏せてこれだけの予算をとってくるのにはどれほど努力しなければならぬかなと今考えるほどむずかしい問題ではありますが、そういう要求をして、できるだけこれをとってくるつもりでおります。
○谷口委員 つまりそれが新聞に一応出されている約三万名くらいの職員ということになりますか。
○長田説明員 三万名になるかどうか、今ちょっとはっきりしておりませんが、来年度の予算要求におきましても相当数の非常勤者を要求していることは事実でございます。
○谷口委員 それではそれは一応やめまして、先ほど森本委員の質問の中で大臣のお答えになっていらっしゃたのですが、全逓が今度の年末闘争の中で電話か何かで指令を出して、サボタージュをやるような、そういう内容を盛った指令を出した。全逓の方は確認をしていないというようなお話でしたが、先月二十九日付で郵政省はこの問題について特別な通達か何かお出しになりましたか。
○長田説明員 どれが今のお話に当るのか、私ははっきりいたしませんが、ときどき地方と電話連絡なんかいたしますので、事実上電話で話したりすることはございます。
○谷口委員 ここに十一月三十日付の東京新聞があるのですが、これで「郵政省は二十九日午後「全逓本部は年末闘争のため二十五日以後、郵便物のタマリをふやすようあらたに指令した。」それから「サボ行為者には強い処分で臨むよう」と全国地方郵政局長に通達した。」こういう報道があります。これはさっき大臣がおっしゃったことと関連しておりますか。
○長田説明員 地方に通達とかいうことはございませんが、各地からの情報によりますと、どうも郵便物が思うようにたまらないから、たとえば昼間は管理者が職場にいるので、管理者のあまりいない夜間にやるように、あるいは雨や雪の降っている日は十分な理由が立つからたくさん持ち戻れとか、その他郵便物をためる方法について、組合側で何か本部から地方に連絡なり何なりそういうようなことがあつたというような情報を私ども得ましたので、そういうものにつきましては、やはり夜間も管理者がよく気をつけるようにとか、それらの注意を地方に電話でほかの問題のついでに話したことはございます。
○谷口委員 大臣のさっきおっしゃった、電話で組合がそういうサボ行為を指令するということを聞いたので、組合の方は確認はしていないけれどもということで、さっき確かめられておったのですが、このことですか、二十九日の郵政省の通達というのは。その点どうですか。
○迫水国務大臣 さっき私が答弁した中に、ものをためる指令をしておるようだということを申した、それは指令第何号という文書の中にもずいぶん露骨に書いてありますが、今の東京新聞に出ているようなことは電話でやったというようなお話は聞きました。そういうことをすべて含めて言ったわけです。
○谷口委員 そうしますと、組合が指令を出したという事実についてはっきりした確証といいますか、そういうものを郵政省は持っていらっしゃるのですか。この通達の中にははっきりと、「郵便物のタマリをふやすようあらたに指令した。」と書いてある。その新たな指令という具体的なものを郵政省は持っていらっしゃいますか。
○迫水国務大臣 私の方は闘争というふうに考えるのはいやですけれども、組合の方はしきりに闘争々々というものですから、いろいろな情報があって先方の状況がわかったら、管理者側に対しては、こういうことをするかもしれないから一つ気をつけよということを言うのはあたりまえで、別に的確なる証拠がなくても、夜気をつけろということをいっても差しつかえないじゃないでしょうか。それを的確なる証拠がなければそういうことを言ってはいかぬというふうに言われると思うのだが、先回りして答弁するのだけれども、そういう証拠があるかないかという議論から始まると、証拠を持っているかどうかは、人事部の方は持っているかもしれません、持っていないかもしれません、しかし戦い戦いと向こうで人のことを敵なんて言っているのですから、こちらがそれに対して対応策を講ずるのは当然、そのためには情報を流すのは当然だと思うのです。ですから、新聞に書いてある文章にこだわって、証拠がないのにこういうことを言ったのはどうかというお話になってきたら、私は答弁することはできないと思います。
○谷口委員 大臣、ちょっとそれはあなた言い過ぎではないですか。いやしくも相手はやはり労働組合として日本でも有名であるし、同時に責任のある団体です。こっちは政府当局ですから、しかも両者が今いろいろな問題でいわゆる闘争中なんです。問題を解決するために要求する、それに対する折衝も行なわれているし、問題が出ているわけです。その中で相手の団体がやりもしないことをやったかのごとく通達を出したとしますと、これは証拠を見せろといってもおれは知らぬというようなことでやるなんということはとんでもないことであります。まして今人事部長がおっしゃったように内容がはっきりしていますね。雨の日はどうだとかなんとか、そういう指令が出たというふうにいって、あなた方はそういうふうにキャッチしたとして通達を出しておるとすると、労働組合の方は、それはやっていないということをはっきり言っておるわけです。これは大問題ですよ。そういうふうな不信の上に立って、単なるうわさや何かの上に立って、あたかも組合がやったかのごとき態度で政府当局がやるというようなことになりますと、証拠問題というのは刑事上の問題ということはないけれども、これは非常に重大な問題だと思う。そういうことは何も考える必要はないのだ、そういうふうにうわさがあれば、こういう場合には、こういう場合にはということで、指示を与えるのは当然だとおっしゃいますけれども、労働組合がそういう指令を出したということを前提にして、それに対する対策として政府当局がこういう通達を出されたということは重大な問題だと思う。それは笑いごとではないと思う。そういう点ははっきりしておく必要があると思う。証拠なしでおやりになったんですね。
○迫水国務大臣 私はその証拠々々と言われるのは非常におかしいと思う。そういう情報が入ったから情報を流す、これは私はこっちの方の自由だと思う。すべての情報は証拠がなければ流してはいけないということはないと思う。それをこういうふうな話があるらしいからということで通知をしておるのだったら、ちっとも差しつかえないじゃないですか。
○谷口委員 大臣そういうおっしゃり方をしておりますと、あなたが非常にきらっておったが、戦っている最中ですよ。戦いはやはり戦いでありますけれども、両方とも秩序があってちゃんと道理が通らなければなりません。こういう情報があるからといって、それに対する対策として通達を出したのでは、その情報なるものが全逓の組合から見れば、全然影も形もないことなんです。つまりデマなんです。そのデマを相手にして実際上政府当局が自分の管理組織を主体にしてそういう通達を流しておられるということになりますと、世間は新聞にこういうように書きますとどういうふうに考えますか。全逓というものは政府当局によってデマをこしらえられて、そしてデマによって追い詰められるということになります。そういうやり方をやること自体私は問題だと思うのです。そういうやり方は決して労働運動の中にはないのですよ。またそういうやり方に対して労働組合としては抗議しなければならないという問題が起こってくるわけです。あなたは、情報があったらその情報に基づいて、じゃこういうことがあるかもしれないからこうやれというのは当然だとおっしゃいますけれども、労働組合がそういう情報が出るようなことをやっておるなら、それはいいですが、やりもしないのにそれを前提にしてやるとしますと、だれかがでたらめのデマを飛ばした場合、たとえばにせ指令なんか出した場合、どうします。組合に対しては非常に大きな損害を与えることになる。それを政府当局は十分に調べもしないで、確認もしないで、こういううわさが出たからこうだといってやってしまったのでは、それは組合を傷つけるだけじゃありませんか。そういうことで組合対策をやっているということになると、これは話が通ずるものまでが通じなくなる。そういう点やはりはっきりすべきだと思います。
○迫水国務大臣 どうも私は谷口さんのおっしゃることがふに落ちないのです。こういううわさがある、情報があるから警戒せよ、こう言ったときにそういうことの事実がなかったら、ああよかったということで終わると思う。それが組合になぜ一体損害を与えるのでしょうか。現実に損害を与えることはないと思うのです。実際やらなかったら、組合が指令を出してないのだったら、ああそうだったか、それはうわさだったか、よかった、こういうことです。それをなぜ損害を与えることになるか、それはおかしいと思うのです。ですから私はあなたのおっしゃることにどうしても理解がいかないように思います。
○谷口委員 あなたはそういうことをおっしゃるけれども、こういう新聞が出ている。全逓の方は政府がにせ指令を作り上げて、それに基づいてやっているというふうに言います。世間だってそう思うでしょう、やらないのに。政府の方はそうじゃない。そういう情報がある、その情報に基づいて、しかも雨が降った場合にどうだとか、具体的なものを言って、こういう情報があるから、それに対して対策をせいと、またそういう情報を流す、それはあなた、組合に対する名誉棄損になりますよ。そういうことを政府当局が、やってあたりまえだという態度、それは労働運動の中では大問題ですよ。
○迫水国務大臣 私の方も、情報も単純なうわさ程度のものじゃないらしいです。相当の根拠があって、こういうことは確かにありそうだという相当の確信を持ち得る情報が入っているからやったのであって、にせだとかデマをでっち上げたというものじゃない。これは人事部長やなんかちゃんとそう言いますから、私はそう思っています。ですから谷口さん、その問題は一体問題の要点をどこにお持ちになっていらっしゃるのか。お前らはデマを飛ばしたのはけしからぬ、そういうことならばそういうことで御答弁をしますが、決して私の方はデマを飛ばしたのではありません。
○谷口委員 私が聞こうとしているのは、そういう情報が確実な情報であり、組合がそういう指令を出したという確実な情報を政府がつかんでいるなら、それをここではっきり明らかにしてもらいたいということです。労働組合としてそういう不当なサボタージュをやれというような指令が出ておるとすれば、そういうことが事実であるとすれば、ここで明らかにすべきだという問題です。もし、そうでなくて、そういうものも何にもつかんでいなくて、単なるうわさでおやりになったなら、政府は不当だ、そういう点を明らかにすべきだということを私は聞いておるのであって、こういうふうに言うならこう答弁する、ああいうふうに言うならああ答弁するというふうな考え方でやられたのじゃ困ります。判断は私の方でいたします。
○長田説明員 先ほど申し上げましたような警戒態勢を現場にとらせましたのですが、その後各地から上がって参りますこちらの内部の方の情報からいたしますと、やはり夜間に相当多数のオルグが各局に入ってきておるというようなことなどもありまして、私どももそういう電話連絡をいたしましたことは適切だったのではないか、そういうふうに考えます。
○佐藤委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を始めて下さい。谷口委員。
○谷口委員 私は、大臣があえてお前は何を聞こうとしているのだというふうにおっしゃるなら、私がほんとうに言いたいのは、労働組合に対する政府郵政当局の、特にあなたの、敵視といいますか、敵意を持ってやっているという態度はよろしくないということを私は言いたい。労働組合は、労働組合として団結して闘争するという権限を持っておるのです。その上に立っての秩序が考えられませんと、こういう場合には問題の解決は一歩も進まない、両方で敵意を持ってやっておったとすれば、これは話になりません。特に管理者の側が単なるうわさをもって労働組合を世間的に非難されるような、そういう問題を単なるうわさでもって公式に政府部内でそういう通達を出すことによって証拠づけていくというやり方はよろしくない。そういう態度で労働組合に対処することはいけないということを言いたいのです。
○迫水国務大臣 私は組合に対して決して敵意を持っておりません。それは私の平常の言動で皆さん御了解下さることと思います。今お話しになりました中に、お互いに悪意を持ってやったのではないかと、お互いという言葉がありましたが、お互いというのは私の方と向こうと両方だと思います。組合の指令の中には憎しみの心を持てというようなことも書いてあるのです。そういう場合には向こうは悪意を持ってもいいけれどもこちらは好意を持たなければならない、こういうことでは困るので、お互いに戦いということはやめた方がいいというのが私の意見です。ですから今おっしゃいますように、私は決して敵意は持っておりません。
○谷口委員 それでは東京新聞に出ました十一月二十九日の郵政省通達の内容になりました、全逓がこういう指令を出したという文書は、ここではっきりそういうことを証拠があってやったのではなしに、単なるうわさであったということを確言されますね。
○長田説明員 全逓の指令ということを私どもは申しているのではありませんし、こちらも通達というものを出したわけでもありません。先ほど申しましたような内容の指導をどうもやっているらしい、そういう情報を得ました。情報の確度の問題などについては私どもはほぼ確かだということを考えましたので、警戒させる意味で電話で各郵政局に連絡をいたした、そういう状況でございます。
○谷口委員 そうしますと、電話でお出しになった通達というか、情報を流したといいますか、その電話の内容はここで明らかにできますか。
○長田説明員 先ほども申しました夜間を気をつけろとか、あるいは雨のときにこういうことをやっているらしい、そこらをよく注意するようにとか、まあこれらでございます。
○谷口委員 こういうことを新聞記者に発表されたときにははっきり言っていらしゃいますね。それをここで言えませんか。
○長田説明員 今ちょっと手元にありませんので、正確には覚えておりませんが、今申しました二つの点、あるいはそれに若干加えた、要するに気をつけるようにという連絡をしたわけでございます。
○谷口委員 私はこういう角度でもって郵政当局が組合に対して、それこそ闘争をされるとすると、これは問題の解決になるどころか、こういう態度でもってやられるとしますと、逆にますます混乱が深まってくると思うのです。それはさっき大臣がおっしゃったように、いわゆる闘争中でありますから、闘争というのはこれは労働運動の立場からいったら明らかに経営者を困らせるということです。困らせることによって自分の要求を通そうというのです。これは労働運動の建前です。そういうことを労働者の権利として認めてやるのが新しい民主主義の原理です。だからそれはサボタージュをやるかもしれません。超勤もしないということもやります。しかしそういうことまで全逓ははっきり言っておりません。そういうばかなことは言ってはいないのです。そうじゃなくて、全逓は現在の法律の中ででき得る範囲内でやるというにすぎません。明らかに困らせるという立場はとっております。これはあたりまえのことです。これをあたかも犯罪者が犯罪を犯すがごとき態度をもってこれに対処されるということになってくると、こういうばかげたことが出てくる。単なるうわさを聞いて、それでもってあたかも全逓が指令を出したがごとき新聞発表をやって、それで通達を出している。世間全体の憎しみを全逓に集中させるというやり方をやっておられる。こういうやり方をやっておったのでは、これは労働運動のほんとうの根本的な点に政府当局は労働組合に対する憎しみを持ち、労働者に対する憎しみを持っているということであって、事態の解決になりません。こういう点をやはり政府としては考え直される必要があるだろうと思う。特にこういうような、私の言葉でいえば、いわゆる労働運動に対してデマを言っているのと同じです。こういうことはたとい電話で指令をお出しになろうと、あるいは文書で通達をお出しになろうと、新聞記者を呼んで新聞発表をするというようなことは、政府の態度がはっきりします。こういうやり方をすれば問題は解決しませんということを私ははっきりしておきたいと思います。けっこうです。
○佐藤委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会