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39回国会衆議院1961/12/08

地方行政委員会 第17号

発言数
84
登壇者
13
会派数
2
開催日
1961/12/08

会議録

園田直自由民主党

○園田委員長 これより会議を開きます。  この際、消防庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。藤井消防庁長官。

藤井貞夫消防庁長官

○藤井説明員 このたび、はからずも消防庁長官を拝命をいたすことに相なったのであります。長年にわたりまして行政局長在任中におきまして、ふつつかな私にお示しをいただきました御好意に対しましては、衷心より感銘を覚えておる次第でございます。  新しい仕事は、私、全くのしろうとでございますが、任務の重要性にかんがみまして、一生懸命に勉強したいと考えておる次第でございます。従来同様の御支援と御鞭撻をひとえにお願い申し上げまして、簡単でございますがごあいさつにかえさしていただきたいと思います。      ————◇—————

園田直自由民主党

○園田委員長 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  先般、北九州地方並びに近畿地方における災害等による地方自治、財政の運用及び五市合併等の実情調査のため派遣しました派遣委員より、この際報告を求めます。第一班纐纈彌三君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 先般、第三十九回国会閉会中に行なわれました委員派遣による国政調査につき、私から九州班の調査結果の概況を御報告いたします。  調査班の一行は、園田委員長、金子委員、阪上委員、門司委員と私との五名、これに曽根、白石の両調査員を伴い、去る十一月二十日より二十四日までの五日間、福岡、大分の両県にわたり、主として北九州五市合併問題の進行状況、産炭地市町村の行財政の実情、及び去る十月大分県下を襲った集中豪雨による災害が市町村財政に及ぼした影響の三点に目標をしぼって調査して参ったのであります。  非常に忙しい日程でありましたが、現地関係者の熱心な協力により、ほぼ所期の調査目的を達して帰還することができました。また福岡県では多賀谷真稔君、滝井義高君の両代議士が、大分県では当委員会の二宮武夫代議士が、わざわざ案内の労をとられ、調査の上に多大の便宜を与えられました。あわせてここに感謝の意を表する次第であります。  調査の結果は多岐にわたりますので、ここでは今後の問題として検討を要する点、早急に措置する必要の認められる点など、二、三の問題点を拾い上げて委員各位の御参考に供し、あわせて政府当局の注意を喚起したいと思います。  まず北九州五市合併問題から申し上げます。  五市合併の問題はかねてからの懸案事項でありましたが、最近急速に実現の機運を盛り上げて参りましたことは御承知の通りでありまして、この間の事情並びにこれに伴って必要とされる国の立法措置等について、現地の意見を聞くことが今回の調査の目的でありました。  現地には、五市の議会及び執行部の代表者をもって構成される北九州五市合併問題連絡協議会が結成されて、その事務局も、県から派遣された職員を局長として設置され、着々と準備を進めており、また福岡県議会も、大都市制度調査特別委員会を設けてこれに協力するなど、活発な動きが看取せられたのであります。われわれは門司市においてこれら関係者のお集まりを願って、説明並びに要望事項を聴取したのであります。  合併への熱意が最近急速に高まってきた原因としては、わが国四大工業地帯の一つとしての北九州地帯の産業が、近時産業界における技術革新の進行、立地条件の変換、特に背後地たる炭鉱地帯の衰退等により、他の地帯に比して相対的に停滞の方向に向かいつつあること、これが打開のためには、政令指定都市となることによって、地域開発のための国庫資金の引き出しを容易にし、また合併によって、公共投資につき地方債のワクの拡大をはかるとともに、むだを排除して、これを有機的、統一的、計画的に施行し、投資効果を高めることなど、工業都市としての再開発の必要性があげられると思うのであります。  しかし、それぞれの沿革と伝統を持った既成の五都市が対等の立場で合併することは他に例を見ないところであって、それだけに、合併の推進には種々の問題が累積しているようでありまして、合併の条件として次の三点が強く要望されておりました。  その第一点は、五大市並みに地方自治法第二百五十二条の十九の規定による政令指定都市として指定されたいこと。第二点は、新市への移行の円滑化、建設計画実施の推進等のため、市議会議員等の任期と定数の特例、地方税等に関する特例、合併に伴う協議条項の担保、旧町村合併促進法及び新市町村建設促進法に規定されている国の財政的援助等に関する特例措置の一部適用、その他を内容とする特例法を制定されたいこと。第三点は、地方開発のため制定を予想されている新産業都市建設促進法のごとき特別の法律が制定される場合には、北九州五市を指定地域に指定されたい。大体以上の三点であります。  以上の要望のうち、特に戸畑市からは合併の際の協議事項を忠実に履行せしむることが市としての唯一の希望条項であるとし、これを法的に担保してほしいと強調しておりました。これは戸畑市が、三十五年度市税収入人口一人当たり八千五百円、普通会計歳出一人当たり一万五千円という、他の四市に比べても相当高い財政力を持ち、清掃、下水、舗装等について高度の建設計画を実施しつつある現況において、合併条件としてその計画の継続実施を望むことは、住民の立場から無理からぬことと思われるのであります。  なおこの際、ついでに五市の財政事情の一端に触れて申し上げますと、三十五年度の市税一人当たりでは、門司市、小倉市、若松市は、それぞれ五千四百円程度、八幡市は六千七百円、普通会計歳出一人当たでりは、戸畑市以外は一万円ないし一万二千円程度であり、これと比べて福岡市について見ますと、市税一人当たり五千三百円、歳出一人当たり一万二千円ということであり、五市の財政能力の高いことがうかがわれるのであります。試みに一体としての五市と神戸市とを比較いたしますと、三十四年度決算で、市税一人当たり、五市は六千百七十円、神戸市五千四百八十五円、行政費一人当たり、五市は一万百三十八円、神戸市一万一千三百十五円となり、人口は、五市計九十八万人、神戸市百十一万人、面積は、五市四百五十二平方キロ、神戸市五百三十平方キロと、形態的にはほぼ相匹敵する都市となることがわかるのであります。ただ問題は、その質的内容にかかわるのであって、合併の目標を単に現在の産業構造をそのまま拡大再生産するのではなく、その関連産業の発展とか、ヒンター・ランドたる産炭地帯の新産業導入による振興とか、新しい産業構造を開発することによって、時代の変遷に即応する新しい都市に生まれかわることを意図すべきであり、このような構想に基づいて都市計画のマスター・プランを樹立するのでなければ、合併による成果は望めないのではないかという感じがいたしたのであります。もちろん各市ともそのような意図を持たれているようでありまして、合併によります行政の簡素化などは考えていない、むしろ開発行政の推進等機構の拡大を考えているということでありました。  なお、本合併問題に対します福岡県側の意向としては、県としても、この合併が西日本の発展をもたらすものとの観点から積極的に推進してきたいきさつもあり、かつ北九州五市の住民は、もとより県民の福祉を増進するものとの立場から賛成でありました。五市が指定都市となって、若干の行政事務が県から移譲され、また県の財政上も、純県費支出の減四億七千万円、大規模償却資産税、軽油引取税等の委譲十四億五千万円、これに対し県交付税の増が八億二千万円、差引一億五千万円程度の減少となるという計算のようでありますが、大都市の発展は、周辺都市や県自体の発展を促し、県にとって将来財政的にも大きなプラスになると考えているようでありました。本問題については、なおその推移に留意して、その円滑な進展を期待し、これにでき得る限りの協力をすべきだと思います。  次に、産炭地市町村の行財政の実情について申し上げます。  われわれ一行は、本問題については、県において執行部及び議会側から、それぞれ県下一般の概況と産炭地振興についての陳情を聴取し、かつ県下鉱業市町村連盟の代表から要望を受け、さらに打撃の最も深刻であるといわれる筑豊炭田地帯に位置する中間市、田川市、山田市、直方市及び飯塚市を歴訪して、むなしく屹立する閉鎖炭鉱のボタ山、その谷間のいわゆる炭住に滞留して生活保護によって辛くも生活を維持している炭鉱離職者の実情や、鉱害によって荒廃した田畑などを実地に視察して、そのような基盤の上に立つこれら五市の極度に窮乏した財政事情と、これが打開のための切実な陳情を聞いて参りました。事情はやや異なるとはいえ、それなりに苦しい事情にある大牟田市にも参りまして、市長、議長、副議長その他の方々から実情を聴取いたしました。  産炭地市町村に共通した悩みは、第一に、相次ぐ炭鉱の閉山または合理化、石炭産業及び関連産業の極度の不振、離職者の続出、人口の流出等により、税源が極度に枯渇していることであります。  第二に、滞留する炭鉱離職者や炭鉱に依存する事業の不振等によりまする生活困窮者の累積増加に伴う生活保護費及び失業対策事業費等、民生安定経費が著しく増高していることであります。  第三は、急速に斜陽化を深めつつある石炭産業の希望薄き将来性に当面して、立市の基盤を他の産業の導入または開発に求めようとしても、すでに土地は荒廃し尽くし、または交通、用地、用水等の立地条件にも恵まれず、かりにこれが造成をはかろうにも、疲弊した市町村の独力のよくするところではないという、いわば救いなき境地に陥っているのが実情であります。もちろん、市町村当局がこれらの危局から脱出すべく懸命の努力を傾けておられることは、われわれの深く敬意を表するところでありますが、国としても、一日も早く抜本的かつ具体的な施策をもってこれにたえ、すみやかに再起の方途を講ずる必要のあることを痛感いたすものであります。  これら市町村の財政窮乏の一、二の事例を申し上げますと、中間市の場合、市税収入は三十四年度の一億一千五百万円に対し、三十六年度は一億九百万円と漸減し、ことに鉱産税は三十五年度二千三百五十万円が、三十六年度は一千六百万円と激減しており、しかも歳出決算額は三十四年度二億八百万円が三十六年度は三億五千万円と推計されており、その背景には生活保護費が四千四百万円から八千九百万円へと倍増している事実が認められます。田川市について見ますと、市税収入が歳入の二七・五%であるのに対し、歳出の二七・七%は生活扶助費、四・七%が失対事業費に充てられているという状態であります。失業者を振り向ける事業そのものが地域内にはもはや発見できないという訴えも聞かれたのであります。産炭地における失業対策、生活保護対策に要する経費は全額国庫において措置されたいということが各方面での強い要望でありました。  福岡県下の鉱業関係四十五市町村の炭業不振に基因する三十六年度の市町村税の減収は、総計一億円、また生活保護者、失業者、準要保護児童生徒等の増加に伴う特別財政需要、炭鉱離職者緊急就労対策事業に対する地元負担、鉱害に伴う財政需要、人口減少による影響等を推計した額は約十二億円に上るものといわれています。特に鉱産税の減収が大きな打撃であり、町村によっては税収の半ばを占めるものもあり、しかも滞納が続出し、収入ゼロというところもあるということでした。従って、さきごろ税制調査会の答申案で鉱産税の軽減が打ち出されたことについて、関係市町村が大きな不満を抱かれたようであります。事実減税が実施される場合には、当然かわり財源の賦与なり普通交付税の算定方法の改正なりによる恒久的補てん措置を講ずる要がありましょう。  前述のように、各市における共通の要望の一つは、失対事業の全額国庫負担ということでありましたが、ことに緊急就労対策事業の単価が千二十五円ではあまりに低きに失し、これに当てはまる事業個所を見出すことは困難である。少なくとも千六百円程度に引き上げるべきだとの意見が多かったようであります。いずれにしましても、赤字こそ出してはいないが、その反面には年とともに当然高まるべき行政水準が逆に低下の一途をたどっているということ、しかもこの傾向が年々累積されていくという事態は、地方自治と住民福祉とにとってきわめて重大であります。従って県当局の要望中にもありましたように、産炭地における失業対策事業費、生活保護費の基準財政需要額の引き上げ、または算定方法の合理化を行なうとか、鉱害復旧事業費についてこれを全額国庫負担にすることができない場合は、少なくとも公共災害並みの財政措置をとるか、緊急就労対策事業について、その適用地域及び事業量を拡大し、事業単価を引き上げるとか、税の減収補てんを考慮するとかいう、当面の措置がとられるべきことはもとよりでありまするが、さらに一そう根本的に産炭地市町村の振興対策を樹立して、総合的かつ広範な国家投資と統一的な事業遂行を行なって、産業基盤の確立と市町村財政の再建をはからねばならないのであります。  今国会において産炭地振興臨時措置法の制定を見たことは、このような要請にこたえるものとして、地方団体もこれに大きな期待を寄せているのでありますが、その実施については、たとえば地域指定にあたり産炭地域すべてを対象とすること、隣接地域の指定にあたっては、県の意見を十分聴取すること、基本計画及び実施計画を早期に策定すること、産炭地に新規企業の誘致、地元産業の育成のため立地条件の整備をはかること、そのため国の出資による産炭地振興事業団のごときものを設置することについては特に強く要望がありました。  産炭地市町村がいずれも地域振興の一環として地域産業の発展策に苦慮していますことは、さきに申し述べたところでございますが、その方策が最も具体化されている直方市の例を御紹介いたしますると、同市は古い炭鉱地として、炭鉱用機械、器具の生産を業とする中小の機械工業が発達していたのでありますが、炭業の不振に伴い、これら業者は、いち早くその製品を一般産業向けに転換し、北九州工業地帯と近接している関係を利用して、その関連産業として、ここに活路を見出しつつあり、そのため設備の拡張と近代化を必要としていたのであります。市当局は、これら業者とタイ・アップいたしまして、幸い保有いたしておりました市有地に工場団地を造成して、既存工場の集団化を進めているのであります。今後は、重工業地帯との系列化に必要な大企業を誘致するため工場団地を造成して、将来この地に鉄工業生産圏を形成すべく鋭意努力中であると聞いたのでありますが、産炭地市町村の一つの行き方を示す事例といたしまして感銘を受けたのであります。  なお、筑豊地帯と違って、将来性のある鉱山に恵まれた大牟田市においては、かえってそのために臨時措置法の指定から漏れるのではないかと懸念しておりました。ここでもまた将来に備えて、有明臨海工業地帯と中軸としての再開発を目ざして、工業用地の造成、港湾の整備、用水の開発等の計画を進めており、石炭鉱業の安定振興対策や、産炭地専焼火力発電所の建設等の石炭依存の対策のほか、さらに一歩を進めて、新産業基盤の育成をはかることが、地方公共団体としての今後のあり方であるように見て参ったのであります。  市町村も、住民も、炭鉱と運命をともにするということが産炭地市町村の特質であることは申すまでもありませんが、われわれは現地に参りまして、特にこのことを実感として受け取ってきたのであります。  われわれが中間市を訪問した際、特に求められて同市の大正鉱業に立ち寄り、労使双方並びに同行の市長から、その金融面の窮状を訴えられ、この一企業の存亡が、いかに深く市政並びに住民生活とつながっているかを如実に知らされたのであります。そこでわれわれ一行は相諮って、直接の所管のほかではあるが、同鉱山の融質について努力する旨を確約して帰ったのであります。  帰京後、直ちに委員長を初め各党の委員を代表した三名が、大蔵大臣、銀行局長及び通産省石炭局長を歴訪して、福岡銀行の融資促進方の申し入れを行ない、目下のところ事態は円満妥結の軌道に乗ってきているようであります。なお、石炭合理化事業団が所有する廃鉱のボタ山が依然未処理のまま放置されておるため、崩壊等の危険があるのみならず、その取りくずしによって得られる広大な土地が利用されず、また熔鉱炉用耐火れんがの材料としての使用価値も亡失される等不都合な点があるので、この点についても石炭局の善処方を申し入れておきました。  なお、さきに河底の陥没によって坑道が水没し、ために多数の犠牲者を出した田川市におきまして、われわれ一行が訪問した翌日、また炭鉱の爆発事故が発生した旨報道され、われわれはとりあえず電報でお見舞をいたしたのでありますが、同市の重ね重ねの御不幸に対し、関係者御一同に深く同情の意を表します。  以上、委員各位に御報告しておきます。  最後に、大分県下の災害の調査について申し述べます。  本県の災害は去る十月二十五日から二十六日にかけて二十時間にわたる集中豪雨の結果発生したものでありまして、国東半島では六百ミリその他の地域で五百ミリと称せられ、ほとんど中小河川のはんらん、決壊による被害であり、死者六十一名、行方不明八名、家屋の全壊流失二百六、半壊五百二十九という惨状でございまして、農作物の被害だけでも二十七億円といわれております。災害救助法を適用した市町村は三市、五町であり、われわれ一行はそのうち杵築市、安岐町、武蔵町、国東町の惨状を実地に視察したのでありますが、一本の小河川で堤防決壊八十カ所にも及ぶものがあり、大分電鉄国東線の軌道が寸断されていまだに開通の運びに至らない等、まさに何百年に一回という常識を越えた大洪水といわれるのも無理からぬこととうなずかれるものであります。  本県では、県庁において副知事、県警本部長等より災害の概況、警察の災害警備活動等の説明を聴取し、要望を受けたのでありまするが、災害の被害状況等の詳細は資料に譲ることといたしまして、要望事項の要点を御報告することにいたします。  まず本委員会の所管関係では  一、本災害に対してもさきの臨時国会で成立した起債の特例法を適用し、その元利償還金については、全額国庫負担とすること。  二、単独災害復旧事業債については、従前の公共土木査定額に一定率を乗じて算出する方法によらず、発生総額について全額起債を認め、かつ全額元利補給を行なうこと。  三、公共災害に対する国庫補助金及び被害激甚市町村に対するつなぎ資金を早期に交付すること。  四、市町村が支出した被災者見舞金を特別交付税の交付対象とすること。  五、公共、農林関係の国庫補助対象事業について高率補助を行なうこと。  また特に優良な成績を上げていた大南町の有線放送施設の災害復旧に対して起債を認めるよう措置されたいなどの要望がありました。  右のほか、農業関係災害について復旧事業量の年次割を従来の初年三、次年度五、三年度二の割合から五・三・二の割合に改められたいという強い要望がありました。これは公共土木関係についても同様でありますが、特に農地につきましては来年度の植付を六五%程度に持っていきたいので、少なくとも本年度内に五〇%の復旧を実施したいということでありました。公共土木関係につきましても、中小河川の被害が甚大であるので、この際恒久対策として未改修河川の絶滅を期する必要上これが復旧は全部改良復旧の線で行ないたい。また橋梁復旧はすべて永久橋で採択してほしい等の要請があり、特に農耕地関係はすでに査定中であるが、土木関係はいまだに査定が行なわれておらず、県の追加予算策定に間に合わないので困っているということでありました。これは至るところで聞かれる問題ではありまするが、きわめて重大な問題であると思います。この査定遅延が事業の遅延を招き、そのことがさらに災害の痛手を一そう深いものとし、はなはだしきに至っては再度の災害を誘発する原因となるのであります。政府当局の善処方を強く要望してやみません。  なお、かかる視察等に際しては本委員会所管の警察庁第一線機関も進んで視察に協力するとともに、警察本来の任務遂行のため事情説明、陳情等の積極的態度をとられるよう要望いたします。  以上、きわめて不十分かつ粗雑ではありますが、時間の関係もありますので、これをもって報告を終わります。(拍手)

園田直自由民主党

○園田委員長 次いで第二班の報告を求めます。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、第二班の国政調査の結果の概要を御報告申し上げます。  第二班は、津島文治、小澤太郎、二宮武夫の三委員と私に、調査室からは崎川調査員が参りまして、九月十七日から同二十日まで四日間の日程で兵庫県、大阪府、和歌山県の調査を行なったのであります。かなり盛りだくさんの日程ではございましたが、現地関係者の熱心な御協力によりまして、ほぼ所期の目的を達成することができました。また、兵庫県では当委員会理事の渡海委員がわざわざおいで下さいまして、調査上多大の便宜をお与え下さいました。この際あわせて感謝の意を表したいと存じます。  調査の目的は、主として第二室戸台風等過般風水害を受けました地方公共団体における地方行政の実情についてであります。  私どもは十一月十七日午後三時半大阪駅に到着後、直ちに自動車で尼崎市に向かい、まず尼崎市役所において市当局より同市の高潮対策並びに地盤沈下対策について詳細な報告と要望を受け、次いで小雨の中を尼崎市長洲ポンプ場及び大物川並びに尼崎港防潮堤と同港門を調査いたしました。  翌十一月十八日は、午前九時より兵庫県庁におきまして県当局より第二室戸台風による被害と県における応急措置の概要並びに災害対策に関する要望を聴取し、同十時三十分被災現地の実情を調査するため海路淡路島に向かい、洲本市役所において市当局より被害の状況と応急対策の概要並びに要望を聞き、次いで同島において特に被害のはなはだしかった由良地区におもむき、つぶさに被害の実情を視察し、三時半洲本港を出発して神戸港に帰着、直ちに阪神国道を大阪に向かったのであります。  翌十九日は日曜でありましたけれども、午前中は大阪府並びに市当局より第二室戸台風災害に関する被災の状況と災害対策に関する要望、なかんずく大阪湾高潮対策事業に関する特別措置及び今や焦眉の急となっております地盤沈下対策について詳細な説明を受け、午後は西淀川河口地帯における地盤沈下の状況と高潮災害の実情を調査し、次いで堺、泉大津、岸和田等、泉州海岸における高潮対策の実情を調査しつつ和歌山へ参ったのであります。  同二十日午前は、地域開発の実情を調査するため和歌山市をたちまして、海草郡の初島町へ足を伸ばし、東亜燃料工業の和歌山工場を視察いたしました。午後は地盤沈下、高潮災害の実情を現地に見るため海南港等を調査し、後県庁へ参りまして、県当局より第二室戸台風による被害と応急措置の概要等につき詳細な説明を受けました。  以下順次調査の結果を詳細に申し上げるべきでありますが、時間の関係もありますので、ここでは適宜省略して、その概略を御報告させていただきます。  まず兵庫県から申し上げます。  初めに災害の被害状況でありますが、人的被害は死者十人、負傷者百三十一人、計百四十一人であり、物的被害の総額は百二十五億九百四十五万円であります。このうち建物関係は全壊流失四百九十七戸、半壊千七百五十八戸、床上浸水八千八百一戸床下浸水三万六千三十四戸、計四万七千九十戸、それに非住家四千二百十五件でありまして、被災人員数は二十万四千八十六人であります。  次に物的被害の内訳のあらましを申し上げますと、建設省関係は市町村単独工事分及び国の直轄分を除き、その被害個所数は三千二百九十九ヵ所、被害の見積額は三十二億円、以上であります。  次に、運輸省関係の被害見積額は三億一千九百二十九万八千円、農林省関係は四十九億六千八十万八千円、通商産業省関係は被災企業数が八千七百二十五ヵ所、被害の見積額は十五億七千百七十五万一千円、厚生省関係は三千三十八万四千円、文部省関係は被害校数四百四十校、文化財三十三件、被害の見積額八千三百五万六千円となっております。  さて、第二室戸台風によりまして兵庫県は甚大な被害を受け、公共施設等の災害復旧を初め各種の災害対策事業等に多額の経費の支出を余儀なくされる一方、その歳入面では、地方税等の減免の措置に伴う減収が予想されております。このため県当局といたしましては、第二室戸台風による災害につきまして特別の措置を強く要望しております。その根本的な考え方は、第二室戸台風による災害復旧に対し、伊勢湾台風に際してとられた特別措置と同様な措置を講じられたいというのであります。そしてこれらの要望は、具体的には関係各省にわたるわけでありますけれども、共通の事項といたしましては、第一に復旧については、単なる原形復旧にとどめず、改良復旧を全面的に認めること、第二に淡路、但馬のような災害の常襲地域に対しては防災恒久対策を樹立し、その実現をはかるよう大幅な国の援助措置を行なうことなどであります。  次に各省別に申しますと、まず自治省関係としては、一、補助災害復旧事業費の地方負担額及び単独災害復旧事業費の全額に相当する起債ワクを確保すること、二、農地、農業用施設の小災害に対する起債については満度に認めること、三、起債の特例法による元利補給率は伊勢湾台風よりも低いので、同等以上に引き上げることなどであります。  農林省関係につきましては、一、十月災害に対しても九月災害と同様に特例法を適用すること、二、天災融資法、自作農創設維持資金及び農林漁業金融公庫の取り扱いにかかる災害資金の貸付対象の拡大、貸付限度額の引き上げ、償還期限の延長及び貸付利率の引き下げ等の特別措置を講ずること、三、災害復旧事業の労務費単価を増額すること、特に淡路地区については丙地区を甲地区に引き上げること、四、農業災害補償法による共済金について概算払いの措置を講ずること、五、被害を受けた漁船、漁具については、共同利用によるものはもちろん、個人分についても復旧のため大幅な国庫助成の措置を講ずることなどであります。  厚生省関係といたしましては、一、災害救助法に基づく救助に要した費用の合計額が標準税収入額の千分の二を超過した場合に、超過額の百分の五十が国庫負担金として交付されることになっているが、少なくとも千分の二を千分の一に改正すること、二、応急仮設住宅の坪単価を増額することなどであります。  建設省関係につきましては、一、公共事業の認可、実施設計に用いる労務単価を実情に応じて引き上げること、特に甲、乙、丙の地域区分を是正すること、二、市町村が施行する公共土木施設災害復旧事業における激甚地指定混合方式によれば、当該市町村の被害が標準税収入の二分の一に相当する額をこえ、かつ当該市町村にかかわる災害復旧事業費総額が当該市町村にかかる標準税収入合計額をこえるものの区域となっているが、災害復旧事業費総額が標準税収入合計額をこえる市町村は全災害が激甚であったことを証するのであるから、初めの二分の一以上という規制を除外することなどであります。  文部省関係といたしましては、公共学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正して災害復旧制度を完備すること、特にこのたびの災害においては小災害が非常に多かったので、これが復旧工事についても大幅な国庫負担を認めることなどであります。  次に尼崎市を中心とする高潮対策並びに地盤沈下対策につきまして簡単に述べておきたいと存じます。  あらためて申し上げるまでもなく、尼崎市及び西宮市一帯は、新潟、大阪、東京地区と並びまして地盤沈下がことにはなはだしく、政府におきましても真剣にその対策が検討されていると承知しておりますが、私どもの調査によりましても、市内の排永はその後ますます悪化の一途をたどり、防潮堤におきましては、建設以来すでに一・五メートルの沈下を生じているところもあるような状態でありまして、かりに伊勢湾台風程度の台風が襲来いたしましたならば、南部全域が水没し、河川、港湾はその機能を失い、交通機関は途絶し、工業生産に重大な支障を及ぼすのみならず、市民の生活に深刻な脅威を与えることは火を見るよりも明らかなことであります。  このような実情から兵庫県、尼崎市、西宮市当局は一致して、一、これらの地域では地盤沈下がことにはなはだしく、満潮位以下の区域に工業地帯と人口密集地域があるため、緊急に防御対策を必要とするので、これらについては高潮対策事業の計画を繰り上げ実施して、三ヵ年で完成するように取り計らわれたいこと、二、この地域はわが国でも有数の重工業地帯であり、その消長は国家経済に影響するところ甚大であり、かつ高潮対策事業の、ことき大規模の事業は、地方財政力をもってしてはとうてい負担しがたいので、高潮対策事業の国庫負担率を六割に引き上げるとともに、起債の充当率についても引き上げの措置を講ずることとの切実な要望がありました。  次に大阪府並びに大阪市について申し上げます。  初めに被害の状況から申し上げますと、人的被害は、死者二十五人、負傷者その他千四十二人、計千六十七名であり、物的被害の見込み総額は千二百五億八千五百万円となっております。  その内訳を申しますと、物的被害のうち、まず住居関係につきましては、全壊三千五百八十七戸流失二百二戸、半壊一万二千八十四戸床上浸水六万九千九百三十八戸、床下浸水七万七千六百七十六戸、一部損壊十三万三千九百十八戸、その他五十二万四千百六十二戸でありまして、その被害金額は実に四百十八億二千二百万円となっております。  次に土木関係は、被害金額二十七億五百万円、農林水産業関係八十一億一千四百万円、文教施設関係三十億三千万円、商工業関係五百十七億三千八百万円、公用、公共用施設関係三十一億五千九百万円、電気、運輸及び通信関係五十億一千七百万円、災害救助関係その他が五十億円となっております。  あらためて申し上げるまでもありませんが、この災害によりまして、大阪府・市は財政上甚大な打撃をこうむり、公共施設等の災害復旧を初め各種の災害対策事業等に多額の経費の支出を余儀なくされる一方、歳入面におきましては、地方税等の減免措置に伴う多額の減収が予想されておる実情であります。  このため、大阪府・市は、公共土木、住宅、農林水産業施設、学校等の災害復旧について万全の措置を講ずるのみならず、再災害防止のための抜本的対策として、高潮対策事業、地盤沈下対策事業等を強力に推進するため、所要の立法措置その他の特別措置を強く要望しております。  そのあらましをここに述べますと、防災関係のうち、大阪湾高潮対策事業に関する特別措置につきましては、今次災害による被災の状況にかんがみ、大阪湾に面する海岸及び河川について、高潮、暴風、洪水等による災害を防止するため必要な海岸堤防、河川堤防、防波堤等の施設の新設、改良及び災害復旧に関する事業については、伊勢湾等高潮対策事業におけると同様の特別措置を設け、十分の八以上の国庫補助を行なうとともに、事業の実施に当たっては、治水十ヵ年計画の別ワクとして、その早期完成を期すること、特に再災害防止の見地より緊急を要する大阪市内河川及び淀川、大和川河口高潮対策事業、大阪市港湾地帯高潮対策事業、泉州海岸高潮対策事業等については、昭和三十九年度までに事業の完成を期すること、また大阪市地盤沈下のための地下水のくみ上げ規制等につきましては、地盤沈下による災害を防止するため、冷房用水及び工業用水等の地下水くみ上げを、既設の井戸をも含めて強力に規制するための立法措置を講ずることなどであります。  次に起債関係につきましては、今次災害の特殊性にかんがみ、復旧事業債は大幅に増額すること、また住宅関係におきましては、災害公営住宅の建設について、国庫補助率を現行の三分の二から四分の三に、建設戸数を滅失戸数の現行の三割から五割に引き上げるとともに、その建設に当たっては耐火構造を原則とすること、さらに住宅金融公庫の融資ワクを十二億円増額し、一戸当たり融資限度額を、建設にあっては現行三十二万円を五十万円に、補修にあっては、現行十六万円を二十五万円にそれぞれ引き上げることなどであります。  次に農林関係では、被災農林漁業に対する融資の資金源として、総額二十五億円を措置すること、文教関係では、公立学校施設の災害復旧に要する経費について、国の負担率を四分の三とする特別措置を設け、その適用基準を緩和すること、公立学校の建物で木造であったものを鉄筋作りのものに改良して復旧する場合には、原形復旧とみなすこと、また私立学校施設についても、被害の程度に応じて助成の措置を講ずること、さらに中小企業関係につきましては政府関係中小企業金融機関の府下被災中小企業への融資資金源として百五十億円を措置すること、またその貸付利率については年六分五厘以下の低率とすることなど、以上の諸点が強く要望されておるのであります。  そのほか大阪府財政の問題点として、第一に人口の伸びは全国平均を著しく上回っているにもかかわらず、府財政の伸びは全国平均より低いこと、第二に義務教育費国庫負担金の抑制、起債の抑制等により投資的経費が伸び悩んでいること、たとえば昭和二十九年度から昭和三十四年度までの五ヵ年間における全国の伸びは四九・七%であるのに対し、大阪府は一一・二%しか伸びていないことがあげられ、第三には財源調整問題が取り上げられました。すなわち大阪府は昭和二十九年度から昭和三十五年度の間において財源調整の名のもとに百八十億円を吸い上げられている。もしこのようなことがなければ今述べた一、二の事例も当然緩和されているものと考えられる。しかも財源調整問題は毎年持ち出されるので、財政運営の計画性が持てなくて困惑している。府においては現在人口増加等に伴う重要諸事業が山積しているが、これらの事業はあらためて述べるまでもなく、現在の行政水準を維持するもの、または防災のための府として不可欠の事業であるので、これらの事業を推進するためにも財源調整による財源の抑制は全く不当と言わざるを得ない。  なお、先般の税制調査会の答申によれば、大阪府は平年度において約十三億円の減収となる。しかもこの改正案によれば、全体では減税となりながら、府民が直接納める税金は増額となる事情を十分に勘案していただきたい。また、たばこ消費税の本数割課税方式への改正は反対であるなどの意見が述べられました。  税制調査会の答申に対しほぼ同様な意見は大阪市からも出されております。すなわち同市当局者からは現行税制による税源の配分状況並びに伸長性を見ると、大阪市は大都市として複雑多岐にわたる行政事務をかかえているにもかかわらず、制度上きわめて不利な立場に置かれている。特に今回の税制改正は大都市行政の現状に対する配慮が欠けているとしか考えられない。税制改正案の大阪市に対する影響は初年度十億円、平年度十四億円の大減収が予想されており、膨大な財政需要をかかえている上、災害復旧には多大の経費を要するなど、本市財政は今や危機に瀕している。たとえば富裕団体の名で呼ばれる大阪市の財源超過額は昭和三十三年度の二十二億から、三十四年度十三億円、三十五年度六億円と縮小し、三十六年度において財源超過額はほとんど皆無になるのではないかと予想されている。しかるに目的税である地方道路譲与税は昨年度来ほとんど交付されず、あまつさえ改正案においては、たばこ消費税の従量配分制度が考えられているが、これは本市のとうてい容認しがたいところであるとの意見が述べられました。  最後に和歌山県について申し上げます。  まず、第二室戸台風による被害の概況から申しますと、人的被害は死者十五人、行方不明一人、負傷者三百三十七人、計三百五十三人であり、物的被害の総額は三百三十九億三千八百八十六万三千円であります。罹災家屋及び罹災者につきましては、全壊二千九百四十二戸、流失百五十三戸、半壊九千百十戸、床上浸水九千九百四十九戸、床下浸水一万五千百七十一戸、非住家一万四千六百四十五戸、計五万一千九百七十戸でありまして、その罹災者数は十三万六千百九十五人となっております。物的被害金額の内訳のあらましは、土木関係が被害個所数五千三百五十個所で、その被害金額五十億四千七百五十三万円、農業関係六十九億二千九百七十五万八千円、耕地関係十三億六千七百五十三万円、林業関係二十八億五千九百九万二千円、水産関係二十八億五千二十八万八千円、公共施設関係十一億四千三百十五万二千円、商工業関係六十七億八千八百三十六万円、衛生関係一億三千三百四十二万三千円、住宅関係六十七億一千百二十七万七千円、開拓関係一億八百四十五万三千円となっております。  さて、第二室戸台風が和歌山県財政へ及ぼした影響につきましては、同県がその財政力において貧弱県でありますだけに、兵庫県や大阪府とは別の意味においてきわめて深刻なものがあると考えられるのであります。御承知のように和歌山県は、地理的に台風の常襲コースとなっておりまして、連年その被害があとを断たず、相つぐ台風による災害復旧費が県財政窮乏の大きな原因をなしていると言えるのであります。このため他県にはあるいは例を見ないことかもわかりませんが、県政の最重点目標の一つに、既発生災害の早期復旧と災害未然防止のための恒久的諸施策の整備確立が掲げられており、この基本方針に基づいて次のような要望が行なわれました。  一、災害関連、助成及び災害防除法対策事業費等については高率適用すること。  二、統一的恒久法により災害常襲県における激甚災害については全県下適用とし、財政金融措置についても特別の考慮を払うこと。  三、公共災害として採択されなかった失欠格分については全額小災害として起債を認め、これが元利補給については公共災害並みに措置すること。  四、連年常襲する災害によって小災害個所が増大し、これら単独災害復旧事業に充当した起債の元利償還金は増加の一途をたどっているが、これが元利補給については地方交付税において公共災害並みに措置すること。などであります。  このほか、県政の最重点施策としての道路整備の積極的推進並びに所得倍増計画に即応した経済構造の高度化を目標とする臨海工業地帯の整備と工場誘致の積極化につきましても、県当局より種々の要望がございましたが、あまり長くなりますので省略させていただきます。  以上をもちまして第二班の報告といたす次第であります。(拍手)     —————————————

園田直自由民主党

○園田委員長 この際委員長から御報告いたします。  本委員会委員山口鶴男君の御尊父が逝去されましたので、諸君を代表して弔電を委員長から打っておきました。  右御報告いたします。     —————————————

園田直自由民主党

○園田委員長 続いてただいまの両班の報告について質疑に入ります。纐纈彌三君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 先ほど九州班の視察の状況を御報告申し上げたわけでございますが、それに関連いたしまして、まず第一に北九州五市合併問題について自治省の御意向を伺いたいと思うわけであります。  この問題は、かねてから地元といたしましては非常に熱意を持って進められており、自治省としてもこれに賛意を表せられておるように承知いたしておったわけでございますが、先ほども申しましたように、いろいろの観点から特に最近またこれに対します熱意が出て参りまして、特別にこうしたことに対するいろいろの会議を持っておられるわけでございますが、この五市合併は、今までの町村合併とはかなり違った意味を持っており、従ってそれに対しまして相当むずかしてような問題もあると思うのでございますが、先ほどもちょっと申しましたように、五市合併に関連いたしまして特に要望されております問題の第一が、いわゆる特別市に指定してもらいたいという意見があるわけでございますが、これに対しましたは自治省はどういうお考えでありますか、大臣がおりませんので一応次官に自治省としての御見解を伺いたいと思います。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 ただいまの件でございますが、もちろんこれを発足するにおきましては、ごらんの通り現行法で円満といいますか、所期の目的を達することができないような面が出ております。たとえば、一例を引きますと、ただいま報告書の中にありましたように、広域にやる場合に現在の議員定数がざっと百二十名、ところが現行法でいわゆる合併後は、これが六十人に定員が減ってしまうというような問題があります。はたしてこれがいい悪い等の問題もありますが、これと、並びにたとえばA市という市が将来やるべき公共事業を現在の議員あるいは理事者側でそれぞれ手をつけております。合併後議席の交代等によってこれが所期の目的を達せないというようなブロック的な問題も出てくるであろう、こういうようなことにどう対処していくか、並びにこれに対する財政法上の問題、あわせてただいまのような特別市云々というような問題がございまして、当然これは現行法では不可能であるという点も見受けられますので、目下鋭意研究中でございます。なお、さらにこれはどの程度まで、最後はどういうふうに持っていくかという点につきましては、現在事務当局で研究さしておりますが、たまたま行政局長が参議院に出ておりますので、いずれ後刻あらためまして詳細に報告をしたい、こういうふうに考えております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 実は自治庁時代にもやはり地方基幹都市の建設に対しましていろいろ検討されており、最近は新産業都市建設特別措置法とかいうふうなものにそれが変わってきているということでございますが、特に北九州の五市合併につきましては、基幹都市育成という意味においては最も有力な候補地になっておるわけでございまして、幸いにあの五市が今積極的にこれの実現に努力をされてきておりますわけでございますので、ぜひとも一つこれが実現するようなことのできるために自治省としても大いに協力していただきたい。従って、そのためにはいろいろ特別措置法を設定する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、それは少なくとも次の通常国会において提案をされるお気持があるのですか、どうですか。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 ただいまの御報告の中を伺ってみましても、いわゆる新産業都市に関連してこれを特別指定市にしてくれというような御意思があったようにうかがわれますが、当然通常国会におきましては、従来の関連から見まして極力提案して御審議願いたい、このような考え方でおります。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 ただ、あそこでは福岡市というのが一つあるわけですね。これも相当大きな都市になっておりまして、これはまだ指定を受けておりません。そういう関係も一つあるわけでございます。五市としては特別市に指定することを非常に希望しておりますが、そういう問題も一つ十分研究していただきたいと思うのですが、それよりも先に、まずこれを推進する上においても、たとえば議員の選挙区についての特例を認めるとか、その他いろいろ特別の措置をやらなければならぬ問題があると思うのですが、そういう問題を一つ早急に検討されまして、地元としてもそうした機運をますます積極的にやり、そうしてその実現を期するためにどうしても自治省から——自治省ばかりではないのですけれども、十分そういうような措置もとっていただきたい。ただ、この前われわれが参りましたときにも、三年ぐらい前でございますか、相当積極的にこの計画が進められておったのですが、何かの関係で一時停頓したというような状態があったように思うわけです。そういうような事例もありますので、今ちょうど盛り上がっておるところであり、われわれもぜひあれは合併さしていただいた方がいいという気持も持っておるわけでありますし、そういう情勢に今日あるわけでありますから、ぜひとも一つ自治省としても責任を持ってこれが実現するために行政的の指導ももっとやらなければならぬと思います。特に積極的にこの実現に対する措置を一つ推進していただきたいということを、この機会にお願い申し上げておきます。こまかい問題については、いろいろそのときにおいて質疑応答等をいたしますが、一応大筋だけをここでお願い申し上げておきます。  次に産炭地の問題でございますが、これも大体各地を回って参りまして、われわれが回っておりましたところは、一応大牟田市はちょっと別でございますが、あとはほとんど石炭業におぶさって地方財政もやっておる。こういうような状態であって、それがだんだん進めば自然それに対しまして税金の減もあり、同時にまた失業者が続出するとかいうようなことで、いわゆる社会保障費的な費用も非常にふえてくる、ほとんどどこでも支出の五〇%以上をこれに使っているというような状態になっておるわけでございます。そこで私どもああいう状態を非常にあれしておりますが、従って石炭対策といたしましても、国会におきましても特別委員会を作って、それに対する措置を講ずることにしておられますが、どうもいわゆるエネルギー源といたしましては、やはり今の情勢では石油に押されておるというふうな状態であり、多少これは斜陽産業として見るべき趨勢にあるような気がします。ただ、もっとも中には有望なものもございますが、どうも筑豊炭鉱など見ますと、ほとんど掘り尽くされて、非常に有望な鉱山というものは必ずしもそうたくさんはないような気がいたします。   〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕 従って、今までのように石炭業だけにおぶさっておるというこでありますと、市町村が財政的に困ってしまう。ことに中間市の大正炭鉱のごときは非常に有望な山で、大手の一つに数えられておるところであって、これは企業家の方でも労働者の方でも一致して大いに今後生産を増強していこうと張り切っておる際に、その必要な融資についてとかく銀行の方でかれこれは文句を言っておっで、私ども行って直接聞いた際には、もう二、三日のうちにそれがきまらなければこれは廃鉱するよりほかないというようなことであります。石炭対策特別委員会などあって、それの振興を非常に政府としても考えておりますにもかかわりませず、そういう大事なものに対して少しの融資をかれこれ言って、有望なものをつぶしてしまうかもしれぬというような危険にさらされること自体が、すでに石炭対策に国がそういうことで力を入れておるのと、どうも私は歩調が一致していない、ほんとうに熱が政府にないのじゃないかというような感じを受けたわけです。従って、ちょっと所管外であったわけですけれども、班長初め皆さんが目下そういう方面に特に要望されて、大体これは一応片づいたようなことでございますが、いずれにいたしましてもそういうことは、なおそれは石炭で地方財政をまかなっていく、おぶさっていくということがあるのですが、結局大事なものを失って石炭の業者、山がつぶれただけでなく、その影響するところは非常に大きいのであります。そういうことで私どもは、何か石炭以外にさらに市町村の財政を助けていくということになりますと、どうしても新しい産業を作っていかなければならぬ。そこで新産業都市建設計画がありますが、これはいろいろ立地条件等ちょっと報告に言っておきましたが、十分でないのでございますが、これにつきましては多少県では、ちょっとそれに対します考え方を伺ったのですが、どうも具体的の問題がない。たまたまただいまの報告にも申し上げましたように、直方につきましては、前から鉱山用の器具、機械の工場が、これは中小企業ですがあったのでございますが、それを今度転換する意味からいたしましても、いわゆる工場団地というものを、たまたま市有地を利用いたしまして計画されまして、これはわが意を得たりとして帰ってきて、特にその問題を御報告げ申し上げたのでございますが、こういうような問題につきましては、通産省の方はお見えかどうかわかりませんが、どうしても石炭——特に山田市のごときは、人口も非常に減ってきてしまって、すでに三万を割って二万台の人口になってしまっているというようなことでございまして、いずれもそういった傾向がはっきり見られておるわけでございますので、これに対しましては、やはり政府といたしましても、ぜひとも一つ地方自治団体を健全に発展せしめ、そして行政水準を上げていくということになりますと、やはりみずからそういう新しい産業の転換をいたしまして、財源を得る道を講じてやらなければならぬじゃないか、そういう意味で石炭対策の事業団というものを非常に強く要望されておるわけでございますが、これにつきましても、最近政府の方針といたしまして、新しい公団であるとか事業団とか、そういうものは作らないようにと——これは絶対的の問題じゃないのですけれども、作らぬようにというような方針が出ているように思っておりまして、そういう意味からいたしましても、私どもは非常に遺憾なことだと思うわけで、もちろん石炭対策産業振興の特別措置として、その方の委員会においても特に推進されるだろうと思うのでありますが、そういう問題を、私は特に行き詰まっております産炭地に対しましてはやっていかなければならぬと思う。それから同時に、総合エネルギー源に対します計画をすることを特別委員会の方でもうたっておりますけれども、そういうものも相当にあれして——結局石油の問題と関連することが石炭には非常に多いようでございまして、そこで価格の問題その他について非常な支障を来たすのじゃないかと思うのです。現にイギリスのごときは、絶対電気を使わないで石炭をエネルギー源として使っているということでありますが、幸いに日本としては、石炭の埋蔵量がまだ相当多いのでございますので、重油のような、ああいう簡易な形でやるということでなく、もう少し、国にあるものをうんと生産せしめて、それを保護するということでないと、この根本的な政策を立てなければ、石炭をいかに特別措置法でやり、また国がある程度の金をあれして、補助あるいは融資でそれを助けてみたって、根本的の問題じゃないと思うのですね。今臨時にそういう措置はできるかもしれませんけれども、そういう意味におきまして、私はこの石炭対策というものは根本的に考えていかなければならぬじゃないかということを、現地を見まして特に強く感じたわけでございます。そこでこれらに対しますいろいろな措置は、要するに国で補助をしてくれとか、あるいは特別になにしてくれということが非常に多いのでありまして、ややともすれば国の施策におぶさっているという、他力本願的な考え方——これは今まで盛んにやっておって、急に斜陽産業になったのですから、そういう気持もわからぬではないのですけれども、一面、やはり積極的に、さらにもっと新しい産業を興し、そしてみずからやはり地方財政をよくするという意欲をわかしていかなければならぬと思うわけでありまして、そういう意味において、一つ地方自治団体を所管されております自治省としても、これに対する行政指導を十分にやっていただきたい。そういう方面について、何らかのいい方法を親切に指図をされまして、それに向かって進むようなことをやっていただく。それにはどうしても県が非常に——私は県の意向を聞きましたが、まだそれに対しての具体的の計画がないのです。ことに福岡県なんか重工業が盛んでございますし、特に北九州などはそういう地帯でありますから、新しい産業を興すということについては、福岡県の連中が、県の執行部がもう少しその気持を強くすれば、私は必ずしも不可能じゃないのじゃないかというように考えてきたわけでありますが、そういう点につきましても、所管省は違うかもしれませんけれども、地方自治団体を育成するという意味合いにおきまして、一つ自治省の方も大いに張り切ってやっていただきたいということを考えるのでございますが、これに対しまして一つ次官のお考えをお伺いしたい。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 御説ごもっともと思います。われわれの面から申し上げますと、このままでは、自然に行政水準がおくれていくということも万々承知しておりますので、あるいは各省とも連絡をとりまして、われわれの省に関する限りは最大の努力を惜しまないということを表明しておきます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 いずれ阪上先生がまた御質疑をされることになっておりますから、私は大きな問題と申しますか、小さい問題かわかりませんが、とにかく根本問題を申し上げて、さらに産炭地の詳しい問題は、阪上先生あるいは門司先生も行かれたのでございますから、そちらの方の御質問にお譲りしたいと思いますが、最後に大分県の災害の問題につきましては、先ほど二班の関西方面につきまして太田先生から御報告がありましたが、大体これと似たり寄ったりでございますが、ただ大分県といたしましては、ああいう集中豪雨、今度のような大きな災害は、どうも最近初めてのようでございます。九州といたしましては、大体鹿児島を中心として宮崎、熊本、長崎が今まで災害常襲地帯になっておりましたが、大分は昔から豊の国で、米が非常にとれておりました。というのは、台風が太平洋の方に行く場合と日本海の方に行く場合、あそこが中間になって、割合にはずれておるということでございまして、比較的災害が少なかったわけでございまして、私もあそこに二年間勤めさしていただきました際にも、大きな災害は割合になかったのでございます。今度の集中豪雨は、現地に行ってみましてまことに悲惨なものがある。安岐町のごときは、まことに目も当てられぬ状況で、まだ災害の爪あとがそのまま残っておる。そこで大分県庁のやり方、あるいはまた災害地の方々はその復旧に対していろいろ一走懸命になっておられますが、どうも何となく災害復旧になれておられない。私どもの地元の岐阜県では五年引き続いて毎年、伊勢湾台風を中心にして、この間七回も大きな災害に見舞われておりまして、最近は災害常襲地のようになっておりますので、多少の経験を持っておりますものですから、それに対する措置というものは岐阜県は割合に順調に進んでおるのでございますが、どうもちょっとおくれておる。ことにあれが十月終わりの災害でございまして、国会におきましても災害対策特別措置法の適用になっておりません。これは当然入れなければならぬし、すみやかに入れられるだろうと思うのでございますが、こういうこともありますし、今度は全国的に災害が起こっておるわけでございますから、所管省としても非常にお忙しいでございましょうが、この報告にも言ったように、建設省の方もおいでのようでありますが、土木関係につきましての災害査定がまだ来ていないということを言っておられたわけでございまして、そういう点もう少し、早急に一つ手続して強く要求しなければだめですよということを私ども申し上げておいたわけでございますが、そういうことでかなりなれておらないという点がある。大分県の災害がほんとうに大きかったので、私どもは大野川の水利の方につきましても視察したいと思ったのですが、時間がありませんので、特にひどかった国東半島を中心にして見て参ったわけでございますけれども、そういう点が特に災害になれてない点がございますので、そういう点は一つお役所の方でも被害者の気持をよくおくみ取りになりまして、できるだけ早く行ってやって、そうして親切に指導していただきたいということを特に考えてみたようなわけでございますが、建設省においてはどうした事情でございますか、一つその事情をお話し願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸説明員 大分地方の十月下旬の災害関係で、建設省所管の公共土木施設の復旧対策につきましては、ただいま非常におくれておるというお話がございましたが、実は災害が起こりました直後から技術的な設計指導を現地においていたしましたり、また査定もよその地方の災害に比べまして決しておそく始めておるわけではございませんので、ただ御承知のように各地方の災害がそれまでに相当ございまして、その査定を順次やっておりました関係で、査定事務の始まりは多少おくれたこともあるかと思います。現在におきましては、査定は大体今月一ぱいで全部終わるということで進んでおります。その間に技術的な指導をいたしておりまして、それによって応急工事はすでに相当始めて施行させております。この応急工事でとりあえず当座を締めていき、査定がきますればそれによって本格的な復旧工事に切りかえていく、こういうふうに進めておる次第でございます。  なお、土木施設の災害復旧国庫負担法の特例法につきましては、当然これを適用の対象にする予定で、目下成案を準備中でございますので、次の国会に提出させていただきたい、こういうふうに考えております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 ただ、大分県が災害対策のいわゆる予算を県会で組むのに困ってしまう、こういうことが一つ問題がある。それからもう一つ農業関係では、報告にも申しておりましたように、やはりあそこなんか主として農業県でございますから、できるだけ、七五%ぐらいは来年の植付に間に合うようにしたい、それはもっともな話でございまして、そういう意味からいたしましても特に急いでいただかなければならぬと思います。  それからもう一つ、私があそこで知事をやった当時から感じておったのですが、大分県では、稲を刈ってはざにかけないで、その水田にそのまま寝かしておいて、そうしてかわかしておるというような風習があるわけであります。これはその当時私はどうもそうこういうことはおかしいのじゃないかということで相当言ったのですが、なかなか昔からやっていることで、そのままにしておいたのですが、私も行って非常に奇異な習慣のように思ったのです。今度も行ってみますと、相変わらずそうなんです。たまたま刈り取ったところに急に災害がきた。それで稲がみなあれしてしまって、橋にぶつかったりとまってしまって、一度刈り取ったものがみなだめになってしまいますから、そのために非常な災害を起こした。ことに安岐町のごときは、そういう意味で非常な災害を受けたというような状態を見てきたわけなんですが、あれはどうなんですか、ああいう方法は米の質や何かの問題にある程度影響するのではないかと思うのですが、農業近代化が叫ばれておる時代にああいった原始的な方法をやっておって、それを農業指導員が黙って見ているということがいいかどうか、これについても一つ御意見を伺っておきたい。

堀直治農林技官(農地局参事官)

○堀説明員 ただいま大分県の方の災害の査定がおくれておる話と、それから予算を十分につけるというお話と、ただいまの稲のかわかし方の問題、三つあると思いますが、予算の査定の方も極力急いでおりまして、大体十二月の十七日ごろには全部完了するようにいたしております。  それから予算の増額の問題につきましては、来年度予算はちょっとわかりませんけれども、本年度中に、できるだけ、三・五・二の比率にかかわりなく、余裕ある限り出していただきたいというので、財務当局の方とも交渉中であります。  三番目の稲をはざにかけないかわかし方の問題でありますが、御承知のように、大分の方は非常に乾燥地帯というか、排水のいい地帯なものでございますから、はざにかけてかわかすのと、たんぼ自体に置いてかわかすのとの差が例年において比較的少なかった。それが比較的少ないというと、どうしてもはざにかけたりなんかすれば費用がかかるのでございますから、そういうことで従来通りの習慣になっておったのではないかというふうに考えております。この程度の差がどのくらいあるか、費用をかけた方がどのくらいいいのかということは、今後の研究問題でございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 米の質の問題はどうですか。

堀直治農林技官(農地局参事官)

○堀説明員 米の質の問題につきましては、私は専門家でございませんので、はっきりとわかりませんけれども、多少影響のあることは考えられますが、結果的にはそれほどでないものだから、なかなかそういう問題に応じないということではなかろうかと思います。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 災害に対しましては、二班の方の方、大体それに対するあとの措置というものはほとんど同じことだろうと思うのでありますが、ただ大分県は、先ほど申しましたように、あまりなれていないということと、それから臨時国会におきましての特別措置法の適用を受けないという問題があるわけでございまして、そうした不利を一つこうした機会に関係各省において十分御承知の上で、被害者が将来困らないような、これに対しましては特別に早急にそれを推進するという点について、格別の御努力をお願いしたいということをお願いいたしまして、一応私の質問を終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 二宮武夫君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 私は初めて災害並びに地方行政の状況についての視察をしたわけでありますが、ここで私は、報告書をはっきり読まれましたので、これはちょっとテストみたいな格好になりますけれども、大上政務次官に、ただいま報告のありましたものの中で、兵庫、大阪、和歌山について、重要事項として、あなたがお聞きになって、それに対する対策というものは、これは一応ここで繰り返し質問すること自体がおかしいのであって、あなた方の方は本気になってこれを聞くということになれば、聞いた問題については、当然そこで答弁があってしかるべきだと思うのです。マンネリズムに陥って、どうも、地方に出かけて行って、われわれは実は皮膚でもって地方の災害にあった人々の惨状なりあるいはその政治的な解決を要望しておる真剣な気持なりに接してきておる。ところが、実はその報告を聞きながら、自治省なりそのほかの関係各省の方々は、それをまだ、やがて本省に出るだろうということで聞き流したりあるいはそのままにしっぱなしにして済ますという傾向がありはせぬかと思う。これは政治に対する一つの不信感であって、これは私はあとから各省の方に、一応今まで陳情のあった問題についてお聞きしますが、私が問題を申し上げるのではなくて、それぞれの各省の関係のある今までの陳情の中から、重要な問題として、ぜひこれは委員会に対して所信を表明しておく必要があると思われるような項目については、自発的に一つ皆さん方の方から御答弁なり所信の表明なりというものがあってしかるべきだというように考えるのですが、どうですか。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 ただいまの御質問でございますが、二宮委員のおっしゃる通りと思います。ただごらんの通り、将来の問題でなくして、発生した措置をどうするかということについては、それぞれの項目についても対策あるいはこれを処理すべき方針は、それは各省それぞれもう方針がきまっておると思います。従いまして、ただいま報告、近畿班、九州班で、特別な特殊事情としては、ただいま纐纈委員からお話がありました九州の五市の合併の問題ですが、あとはすべてわれわれの省におきましても、いわゆる災害復旧に対する財政措置をどうするかというのが、これが大ワクであろうと思います。従いまして、ただいまいろいろ出ておりました問題につきましては、いろいろ細部的な専門的な問題もあろうと思いますので、私の方におきましては、財政局長から大きく取り上げまして、御説明なり方針を申し上げます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 財政局長には具体的にお尋ねをいたしますが、いわゆるわれわれが考えておった富裕県、富裕都市、不交付団体に対しては、実は今まで現場を見るなり、あるいは現地の方から意見を聞くまでは、やはりお金持ちだ、富裕県だ、不交付団体だ、こういう一般的な概念でもって聞いておったのです。そういうところと貧弱県との間の自治体同士の財政の調整をやらなければならぬというような問題も意見に出たことがあるように聞いておるのですが、大阪府、大阪市というものに対して、それぞれの主張なり陳情なりがあったわけです。いわゆるそういう富裕県と称せられる都道府県あるいは富裕市と称せられるところの市町村における一つの悩みといいますか、あるいは財政的な苦しみといいますか、そういうものがそういうところにはやはりそれなりにあるということを実は聞いてきたわけですが、大阪府の財政的な悩みというものを自治省の財政局では一体どのように把握しておるか、大阪市というような、いわゆるわれわれが金持ちだと考えておるような市における財政事情というものはどういう点に悩みがあるのか、こういうことをどういうように把握されておるかということを一つ財政局長からお聞きしておきたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 富裕団体であるかないかという問題の判断は、地下交付税の計算に置きまして、基準財政収入額が基準財政需要額を上回るかどうか。これによって言われておるようであります。しかしながら、地方交付税の計算は、個人について言いますと、生活保護費を支給するかしないか、生活保護基準のようなものだと考えておるのでございまして、富裕であるか富裕でないかの判定、しかも富裕であれば財源を取り上げられるという意味における富裕であるか富裕でないかの判定を、こういう問題に持ち込まれまして、私たち非常に迷惑しておるというような実態でございます。もしそういうことであるならば、基準財政需要額の算定方法を変えなければならないのじゃないかということにまでなるおそれがあると思っておるのであります。御承知のように経済発展が急速でございまして、個人の生活水準もかなり上がって参ってきておりますので、それなりにそういう地域においては産業関連施設なり、生活関連施設なりを整備していかなければなりません。そういうような問題が富裕といわれておる団体において特に著しい立ちおくれが見られている、こう私たち考えておるわけでございます。  大阪市の問題にいたしましても、たとえば下水道の整備の問題、これは大へんな問題でございます。道路の整備をいたしましても、あとからまた下水道を作っていったのではまた掘り返さなければならないことになるわけでございまして、自動車の発展から道路問題がクローズ・アップしておるわけでございますけれども、その前に下水道を整備すべきでございます。また大阪港の問題を取り上げましても、御承知のように何十隻という船が沖待ちをしておるわけでございまして、埠頭を増設する等の措置も講じていかなければならないわけでございます。また大阪府の問題を取り上げましても、異常な自動車の発展その他から考えまして、道路を思い切って整備しなければならない。たとえば循環道路を作るとかいうような問題もあるわけでございます。同時にまた工場が急発展してきておりますので、高等学校の構造改革をやらなければならない。言いかえれば、工業高等学校を大増設しなければならないわけであります。一般的に高等学校を増設しなければならないばかりでなしに、その内容を工業課程に重点を置いて整備していかなければならない。これも大へんな金のかかる問題でございます。  一、二の例をあげるだけのことでございますけれども、これらの団体から金を取り上げてよろしいというような実態では全くございません。ただ私たちは、財源がふえて参ります場合には、どちらかといいますと、ふえました財源を貧弱団体に優先的に増額交付していきたいという考え方は持っているわけでございますけれども、これらの団体から取り上げて貧弱団体に配ることによって地方財政の運営を円滑ならしめることができるのだというような考え方は毛頭持っておりません。そういう措置は当該団体に対しまして非常な混乱を与える、のみならず日本全体の産業の発展その他に対しましても非常な障害を与えるものだ、こういうような考え方を私たちとしては持っておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 財政の問題は、やはり収入支出のバランスの間にはっきり確立される問題であろうと思うのです。私どもが聞いてびっくりしたのは、全国的な財政の伸びと、いわゆる富裕県と称せられる大阪府の個人当たりの財政の伸びが非常にアンバランスになっている。そういう事態は自治省の方では御確認できますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 おっしゃいますように、現在の経済発展の姿におきましては、いわゆる富裕といわれている団体において特に急角度に発展してきているだろうと思います。しかし、地方財政上の措置といたしましては、やはり全地方団体につきまして均衝化というものをかなり重く考えているわけでございます。言いかえれば、地方交付税が増額になりましても、大阪府や大阪市には一文も交付しない、こういうやり方をとっているわけでございますので、産業発展が特定の地域に急角度に行なわれている、そのようには地方財源はそういう地域には伸びていないということは事実でございます。従いまして、産業発展に関連して、それなりに整えるべき施設に要する財源にかなり苦心しているという実態が、御指摘のようにございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大阪府の言うような、財政調整という名目でもって相当金額のものが中央に吸い上げられる、こういうことが先ほどの報告の中にもございましたが、そういう事態は財政局長の方で御確認できますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 その通りでございまして、数年来いろいろな問題を経ながら、そういう団体に財源があまり増加しないように、むしろその団体の財源を他の団体に振り向けるような措置がいろいろな面で行なわれていることは事実でございます。またある程度そういう措置を講ずることは必要だと思うのでございます。ふえます財源をなるべくなら貧弱な団体に優先的に振り向けていくという気持で、税、財政上の措置はとって参ってきておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 これは大阪市においてもやはり同様の悩みがあると思うのですけれども、全国的に一人当たりの財源が伸びていっておるのに比較しては、こういう大都市、いわゆる人口が集中して参るところの都市における財源は伸びがない、こういうようにいわれておるのですけれども、このパーセンテージ等も先ほど報告書の中で出て参りましたから、私は重複することを避けますけれども、こういう実態を把握しないと、単に一つの方程式によって、それに基づいてやること自体が、財政の収入支出の問題のバランスの中から、私どもがいわゆる富裕県だという考えを持っておったところに、ほんとうは深刻な財政上の困難な問題が出てきておる、こういう状況を見るわけなんです。従って、地方財政というものが私どもが考えるような——自治省が設置された趣旨そのものは、地方自治体の財政あるいは行政を確立するというところの主眼がやはり中心になっておると思うのですけれども、そういう点について、やはり十分な実態把握をやって、富裕県だから云々というような行き方でなくて、十分に考慮を払わなければならぬのじゃないか、こういうように考えるわけでございます。時間も大へん切迫いたしておりますので、こういう問題については、先ほど私が申し上げました陳情書の中に具体的に計数の面が出ておりますので、それに対する措置のとり方をどのようにやるかということを、一つ十分御検討いただきたいと考えるわけであります。  それから、各省にわたりますけれども、一応報告書は報告書で出て参りましたから、その報告書は各省で十分御検討いただいて、それが三十七年度予算なり、あるいはその次の予算に反映いたしますように、あるいはまた災害復旧という問題、応急の問題あるいは恒久の問題に十分に反映をするような方向に、視察した結果というものが生かされるように一つ御努力をいただきたいというように考えるわけです。  農地局の方がお見えでございますから、お尋ねいたしますが、先ほど纐纈委員からお話がございましたが、今度の特別臨時措置法では、農地の災害復旧については非常に単価を引き下げまして、小災害についてもこれを見ていこうという方針になったことはいいことだと思うのです。ところがこの問題について、先ほど大して査定はおくれてないのだと言いましたけれども、実際はあの十四立法の中に含まれたところの都道府県と、十月の二十六日に起こりましたところの集中豪雨に——法律の中には入っておらずに政府自体が差別待遇はしないという言明をした県との間には、やはり皆さん方の立場に立って考えれば、法律に基づいて措置するものと行政的に措置するものとの間にはやはり多少の開きが出てくるんじゃないかということを心配するわけなんです。それは地方の議会の状態を見ますと、たとえば大分県の実態を申し上げますと、八十億に及ぶ被害に対して、県議会は早急に災害対策の議会を開きまして、三日間やりました。ところが、それで充てた財源は幾らかといいますと、二億六千万円であります。これはなぜかというと、もし自分が考えているような査定の結果が出ない場合には、その際に地方の財政に非常に穴をあける結果になるので、やはり査定というものが十分行なわれて、石橋をたたいたその上で確実な財源をもとにして災害復旧をやっていかなければということが考え方の根底にあるように私は考えるのです。ということは、従来やはりそういう点で、言葉は悪いけれども、何としても地方財源が貧弱でございますので、中央に依存をしなければ地方財政というものは立っていけない。そこで中央の財源というものが確定をしないと思い切って今すぐにやりたいと思ってもなかなかお金が出せないというのが地方の財政の実態じゃないか、私はこのように考えるわけなんです。  従って、先ほど申し上げました農地の今度の災害復旧等については、臨時措置として小災害に対してもこれを見てやろうと非常にあたたかい気持が出ておるわけなんですけれども、災害の査定はちっともおくれてないとさっき建設省の方も申しましたけれども、災害の査定そのものについて、政府が言明をした通り、法律の対象になった都道府県と行政措置によって措置すると言明した県との間に差別待遇はないかどうかということは、ほんとにないのかどうかということを、一つこの際農地の問題に限ってお聞きしておきたい。

堀直治農林技官(農地局参事官)

○堀説明員 御承知のように、災害そのものにつきましては、現在の農林業施設の災害復旧の額に対する暫定法に基づきまして査定をやっているわけでございまして、この法律に基づく分につきましては、先ほど申し上げましたような査定の結果になっております。しかし今回の、本年度の災害の特例は、十月上旬までしか実は法律としては入っておりません。従いまして十月下旬の災害に対してこれを適用するかどうかということは、委員会の附帯決議にはなっておりますけれども、通常国会において改正をするということになっておりますので、実はわれわれの方といたしましては、その費用の算定というものは、通常国会で法律が上がりませんと算定ができないわけでございます。一応そういう目的で準備は進めておりますけれども、この村が、特例法になればどれだけの補助率になるという算定は、今度の国会で法律が通りませんとできない、こういうのが実情でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 その堀さんの言うことが間違っておるのですよ。それがいわゆる行政をやっている人の通弊であって、そういうことをやってはならない。あの当時の政治の微妙な問題というのは、これを立法措置として入れるということ自体が会期の問題とからんでできないのであって、政府自体は、法律には入れないけれども、行政措置によって差別待遇はしないということを明確に答弁をしておるのでございますから、たとい法律になかろうとも、そこは行政措置によって、次の通常国会の壁頭にはこの問題を法律化すればよろしいということで、特に農地などというのは植付期の問題がございますから、放置しておいてはならないのです。そういう問題がありますから、法律で規定をされておらないから、多少おくれるのだというような考え方であると、これは政府の責任者が災害対策の委員会その他に対して食言をしたという結果になるのじゃないかと私は考える。当時の陳情した人の気持は、法律には入らなかったけれども、行政措置で同等な扱いをしてくれるのだ、こういうことで安心をして実は帰っておるが実態なんです。そこで、あなたのおっしゃるようなことであれば、法に入っていないのだから、これは法ができてから後にやるのだ、こういう言い方になるので、これは私が考えておるのとは大へん違った考え方になると思うのです。もしそういう点であなたの考え方が間違っておるなら、一つ是正をしておいてもらいたいですが、それは行政をやる人は、法律があって法律に基づいてやることが一番いいことはいいのです。ただし、緊急の場合は、やむを得ない事態があるのですから、そういう場合にはこうやるのだということが、あの第三十九臨時国会の一番最後のどたんばのところの切り口であったというように私は確認しておるのですが、その点はどうですか。

堀直治農林技官(農地局参事官)

○堀説明員 ただいま申し上げましたように、特例の率を出すという問題につきましては、やはり法律が固まりましてから、しっかりしたものを出しませんと、これは行政をやる立場から申しますと、正確には出てこないということになると思いますが、災害そのものの復旧工事につきましては、これそういうつもりで査定の準備を進めております。でございますから、高率補助になればどうなる、それから現在のままではどうなるというような、二重の手間でございますけれども、そういうつもりで、復旧事業そのものはやれるように今努力中でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 その辺はあなたをあまり責めることは無理だと思うのですけれども、復旧事業はやっているが、実は実際の査定は法律が通ってからやるのだ、こういうことは、先ほど申し上げましたように、地方の財政というものは、やはりなかなかそういうわけにいかぬのですよ。そこで政府の態度自体が、来年度の植付期までにはこの農地の小災害も復旧して、植付のできるところまでやってやるのだというはっきりした態度を持たないと、これはどうしても地方でもって財政措置をして、借り入れるなりあるいはそのほかつなぎ融資をたのむなりしてやるような具体的な措置というものはできるものじゃないのです。あなたのおっしゃるような、災害の復旧はやっているが財政措置は法律が通ってから後だというのは、それは政府が答弁をし、政府が確約をしたこととは矛盾をしておると思うのですよ。従って、これはあなたにそういう点をあまりたくさん申し上げてもいけないと思いますけれども、その点は私どもはそのように確認をしているし、またそうあるべきだと思う。そうあるということがはっきり確約できておるのだ、このように考えておりまするので、一つ省内においても、特に農地関係においてはひどい災害を受けておりますから、そういう点は一つ考えて、法律が通ってから後でいいじゃないかというような考え方にならないようにお願いをいたしておきたいと思います。  それから宮地さんにちょっとお尋ねいたしますが、私は地方を回ってみまして、緊急な災害が起こりました際に、一体ここの段階は消防がやるのか、ここの段階は警察がやるのか、この段階は自衛隊がやるのかという総合的な災害対策というものが、実際問題としてはばらばらになっておるのじゃないかと思うのです。そこで、警察のやるべき分野、消防がやるべき分野、それからこの際は一つ自衛隊に出動をたのもうじゃないかという分野、こういう問題は、被災者は同じなんですから、そういう点は十分に横の連携がとれてやらなければならない。こういうことが、この前通りました災害対策基本法の問題にからんでくるのだろうと思いますけれども、そういう問題は、もう警察はそっちのけにしてすぐ自衛隊に持っていったり、あるいは消防庁はさっきから出てきておりませんが、消防は抜きにしてしまって自衛隊にいってみたり、そしてその費用については全く地方自治体が負担をしなければならないという状態になったり、せっかくおる警察の機動隊なり、警察の行動ができる範囲というものを全然無視してしまって、そういうチャンポンになった格好が、実は非常に応急の場合でございますので、実際問題としてはあると思うのです。そこで災害対策基本法ができて、これから後に成案ができれば別でございますけれども、もしあすにでも非常事態が起こったという段階における警察並びに消防あるいは自衛隊との連絡というものに対して、行政指導面上どのように取り扱っておられるか、その点一つ承っておきたい。

宮地直邦警視監(警察庁長官官房長)

○宮地説明員 今までの災害につきまして、とっさの場合の措置につきまして御指摘のような点のあったことはわれわれも反省いたしているところでございますが、これにつきましては、根本的には、今御報告にございましたように、災害基本法の実施の細目においてこれは解決せられることが一番適当とは思いますけれども、われわれの現段階におきます判断といたしましては、災害の規模、内容等におきまして、大きければ県本部長と知事、あるいは署長、こういうふうな各級のところにおきまして、やはり市町村長との連絡という問題が一番大事なものと考えておるわけでございます。こう申しますのも、災害の応急措置をいたしますのは警察でございましても、その措置に続く問題がいろいろございますので、市町村長あるいは知事を中心として各級責任者において緊密な連絡をとって参ることが最も必要なことと存じておる次第でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 実際問題として、自衛隊は実は地方では応募者が少ないという問題があるのです。そこでこの際自衛隊がPRをするのには最高のいいチャンスだというわけで、自衛隊が非常に出たがると言うと悪いけれども、出るのに都合のいいチャンスが災害の場合にあるわけなんですね。ところが実際問題として考えてみると、それは実は警察の機動隊なり警察の者がやってしかるべき問題もあるのじゃないかと私は考えるのです。あなたのおっしゃるように概括的に横の連携をとりながらという言葉では言葉自体は十分わかりますが、実際の場合には、少しその間のアンバランスが出てきておるのじゃないかと思うのです。これは今後災害対策基本法がほんとうにりっぱなものになり、関連法案が出て参れば、この問題は解消しますけれども、この問題が解消するまでの間、やはり警察は切歯掘腕をする場面が実際問題としてあると思う。この際おれが、日ごろ訓練をしておった状態を実は県民の皆さんに知ってもらいたかったというような問題が、実際問題はあるにもかかわらず、県自体は、それは自衛隊に行け、こういう事態が起こってくる可能性があるわけなんです。機械器具を使う場合は別ですよ。機械器具は警察にはございませんから、当然自衛隊の出動を仰がなければならぬけれども、何でもかんでも——何でもかんでもと言うと少し言い過ぎますが、警察はさておいて自衛隊に持っていけという風潮が出てくるし、自衛隊自体は渡りに船だとばかりこれを引き受ける、こういう傾向が地方においてはあるのじゃないかというように私は考えますので、答弁は求めません、これは警察行政の上から十分に一つ指導の面で御検討いただきたいと思います。  それから建設省の方にお尋ねいたしますが、災害復旧の従来の慣例による割合はどうですか。非常に事態がひどいという災害の場合には、この割合の問題についても、地方では初年度に五だけはお願いしたいという声もあるわけですが、こういう問題についてお考えになったことがございますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸説明員 災害復旧事業の進捗の割合につきましては、従来緊要な工事については三ヵ年で三・五・二という割合で実施いたしておりますが、御指摘のように非常に激甚な災害で、その地方におきまして消化能力も相当あるという場合には、実際は三ヵ年の三以上に実施させている例も相当ございます。ただ最近の、特に本年の災害の発生状況等にかんがみまして、私どもは、緊要工事はできれば二ヵ年で、最初の年を四割、二年目を六割の割合で早急にこれを終えるようにしたいという考え方のもとに、来年度は予算の面でも折衝いたしたい、かように考えている次第でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 非常に局地的な問題で鬼丸さんにお尋ねするのは少し当を得てないと思う面もあるのですが、失対の人夫の労賃でございます。実は兵庫県を回ってみてびっくりしたのですが、淡路島の災害復旧に必要な失対労務者を雇おうと思っても——淡路島は、鬼丸官房長さん、グレードは何だとお考えになりますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸説明員 人夫の賃金のレートは、今ちょっと記憶しておりません。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 淡路島は陸から離れておりますから、これは実は丙というグレードなんです。ところが、前には大阪、播磨、神戸の工業地帯をずっと控えておりますから、実際問題としては、そこへ行けば、そんな淡路島の奥の方に行かぬでも人が雇えるわけですけれども、甲、乙、丙と分かれているところの丙の地帯では、人を雇うにも人がないというのがあの地方の実態です。金額は申し上げてもいいのですが、淡路島という地域の一般民間労賃と比較してあのグレードの金額は一応きまっていると思いますけれども、労働力の流動といいますか、動き方がその島自体に固定をしないで高いところにみなついて動いていくわけです。そうなりますと、実際、災害復旧に人夫が足りないという場合に、この地域ではとても人が雇えないというのがその町長さんの非常に切なる陳情の声です。これはあまりしゃくし定規に、丙だから丙地だという金額で考えますと人は雇えないという事態が起こってきて、災害復旧に非常に支障を来たす問題が出て参るわけです。こういうようないわゆる失対人夫の労賃に対する不合理というものをもう少し具体的に検討していかないと、しゃくし定規に考えた考え方自体、机上プランでは、実際の問題には当てはまらないのではないかという心配がありますし、そこの町長さんが、私ども参りましたときに、非常に切実にこの問題を訴えておったわけです。この点について、ああいう特に工業地帯を控えているような離れ島地帯の災害復旧——第二室戸台風でもって非常に大きな災害を受けているわけですが、こういう事態を考えていただかないと、災害復旧の問題については、たとえ実際の問題にワクがきまりましても人が雇えないという事態が起こってくるだろうと思います。この点について一つあなたのお考えを聞かしていただきたい。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸説明員 災害復旧工事の設計を組みます場合の積算の単価でございますが、これは賃金の点ではただいまお話のようにPWによって積算をいたしております。ただ御承知のように、淡路島の場合も特にそうだろうと思いますが、一般的に最近非常に賃金が高騰いたしまして、すでに設計を組んでおりますものは、その設計単価では実際に工事が消化されないという心配もありますので、従来建設省といたしましては、その場合には実情に適するような賃金の単価を見まして設計変更をいたして実施しておる、こういう状況でございます。最近の災害復旧工事につきましても同様な考え方で、今後も新たに設計を組みます場合には、その時点の実態に沿うような単価を設計に織り込んでやっていく、こういう方針をとって実施いたし、また地方事業主体に対しましては指導をいたしておるようなわけでありますが、御指摘の淡路島の場合につきましては、なお具体的に調査さしていただきまして善処いたしたいと考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 今申し上げました金額は、実は淡路島は四百六十五円という金額なんですが、四百六十五円であの工場地帯を控えておるところの人々にぜひ失対の就労をやってもらいたいということは無理なんですね。そこで今あなたのおっしゃったような設計変更やそのほかの方途を考えて、人の集まるような方法を一つ考えてもらいたい。しかもそれはわずかのことだけやったのでは、実際問題として集まらないのですから、少し腹をきめてかからないと災害復旧の問題は進捗いたしません。その点一つ御考慮いただきたいと思います。  これは奥野さんにお尋ねしますが、厚生省に関係のある問題ですからあなたにお尋ねするのは大へん失礼な話なんですけれども、一ぺんお聞きしておきたいのです。普通のところで一世帯五人の人数で、今度みたいに雨でもって家が流されたという場合に、災害救助法が適用されまして、これは税の問題そのほかいろいろな関係がございますが、一体一戸当たりどれくらいもらえるというふうにお考えになりますか、あなた財政に詳しいのですからどのようにお考えになっておられるか。一世帯五人で家が全部流失をしたというときに、災害救助法が発動されて、災害救助法に基づいて一軒が幾らお金がもらえるというようにお考えになりますか。あまり小さいことを聞くようでありますけれども、これは税収入やそのほかの問題と関係がある問題でありまして、自治省に無関係だとは思いません。当然将来の災害対策基本法の中で災害救助法というものは私は是正されなければならぬと思うのですけれども、これは中央のお役人の方はあまり知らぬのじゃないかと思うのですが、あなたが一番財政に詳しいからお尋ねします。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 御承知のように災害救助法では、たき出しを行ないましたり、罹災者の住宅を建てて提供したりするようなことで、金銭を積極的に交付するというようなことを建前にしておりませんので、金額としては私は少ないものだと思います。具体的に幾らであったかということについては、ちょっとお答えしかねます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 纐纈委員や園田委員長も一緒に回っていただいたのですが、非常にまじめな町政をやっている町長さんは、八千万という町財政のワクの中から、あまりにも災害救助法のワクが小さいので——それは基準がいろいろございますけれども、一万四、五千くらいの人口の中で、わずかに一戸当たり三万二千円程度のお金しか出ないのです。従って町長は、それでは相済まないということから、これに対して八千万の町財政の中から約七百万の見舞金というものを支出しなければおれない。死者や流失家屋を持った人、あるいはいろいろな災害にあった人々で分けまして、農業災害等も含めまして、阪上先生も一緒に行かれたのですが、事実を聞いてみますと、もう町財政がどうなろうとも、この惨状を見たならばこの際出さぬではおれないというので、八千万のうちから七百万の見舞金を出したという町が実はあるわけなんですね。これはきょう自治省の方で特別交付税の説明会をやっていると聞いておりますが、おそらくこういう問題については相当の温情のある措置をしていただけるものと考えますけれども、災害救助法なり、あるいは国がきめておるところのこうしたいかにも名前の面では私どもが納得し得るような問題でも、実質は実はスズメの涙ほどしか被災者には行っておらぬという状態があるわけなんでして、これらがほんとうに私どもが被災地を視察してみてじかに皮膚で感ずる実態でございます。従ってこういう問題については、町財政なり、あるいはそれぞれ各省関係の中小企業の立ち上がり資金なり、あるいはそのほかの家屋建設なりについて、ほんとうに真剣に考えていただかないと、全くかわいそうな状況にあるということは、これは現地をごらんになった地方行政の委員の皆さん方が異口同音にやはり言われておることなんでございます。言わないから、あなたが幾らとお考えになっておられたかわかりませんけれども、もっとたくさんに考えておったんじゃなかろうかとこちらは考えますけれども、実に情ない。救助法という法律の名前から考えますと、救助の救の字にも当たらないような法律であるという実態を十分お考えいただいて、やはり災害に対しては少し真剣に取っ組んでいただかなければならぬ。地方財政の確立等についても特別交付税の二月の配付の際に十分一つお考えいただきたいというふうに考えます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは奥野財政局長さんにお尋ねしますが、ずっと回わりまして一番困りましたのは、災害々々で実際投資的な経費というものの伸びが非常に少ないということなんです。どこへ行っても災害予算で一ぱいになってしまって大事なことができないという点で困っている。尼崎市などにおきましては、新庁舎の建設をいたしたい、それから新庁舎の建設のためには起債もお願いしているそうですか、これはぜひ見てもらいたいと思うのですが、新庁舎をやるためには学校の整理をやらなければならぬ。学校の方も恒久建築といたしまして、避難場所もかねるものとしてやりたい、こういうことも言っておる。尼崎市が今度非常に被災が少なかったというのは、高潮対策、排水溝に一生懸命専門に力を入れたということから来ているのです。だから、こういう点で地方財政は災害で手一ぱいでほんとうのことができない。災害と公債費がかさんで一般的な投資的な費用というのが圧縮される。この関連をどこかで解き放していただくために抜本的なものを一つ考えていただきたいのです。これは和歌山県などでもそれが非常に顕著なんです。和歌山県は大体自主財源が三三%くらいなんです。そういうところなどではどこへ行っても困るのだが、あなたはこれからどこに投資的経費を伸ばすというところのめどを求めていらっしゃるか。大きく言って地方財政ですが、大阪府も困っているし、兵庫も困っているし、和歌山も困っている。三県ならば三県とも困っている。あなたはどこに投資的経費を伸ばすというめどを持っていらっしゃるか、このめどというものをちょっと承っておきたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 地方財源を充実しながら、その増加したものを主として投資的経費に向けてもらうというようなことで地方財政を回転していきたい、こういう念願を持っておるわけであります。従来地方財政が非常に窮屈でしたものですから、どうしても支出しなければならないものにもっぱら財源をとられてしまいまして、積極的に施設を充実していくという方向に金が回っていかないわけでございまして、さらに具体的に申し上げますと、人件費や物件費にもっぱら財源がとられてしまう。それにさらに御指摘になりましたような公債費に財源がとられてしまう。従って投資的経費に財源が向かない。従いまして、全体として財源を増額しながらも、あとう限り消費的な経費の増加を押さえてもらって施設の充実をはかってもらいたい、こういう気持を持っておるわけでございます。そういうことから団体に類似するような他の団体の財政構造がどうなっているかというようなことを参考に知らせながら、改善の努力をしてもらうというような期待をいたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 消費的経費をあまり圧縮しますと、地方公務員のベース・アップを押さえるようなことになるでしょう。そんなことをしたら働きませんから、それはそれとして、そのほかの合理的節約をしなければならぬ。その点を特に念を入れておきます。  そこで工業用水、地盤沈下対策なのですが、地盤沈下対策として非常に地方では工業用水の問題ないしは高潮の問題などに金をつぎ込んで四苦八苦しているのですが、自治省として——なかなか建設省が認めぬらしいのですよ。地盤沈下対策として出す費用について、これを災害復旧として認めない、ぜいぜい三〇%か四〇%しか補助を認めておらない、こんな状態なんです。それではあとは起債に頼るよりしようがないが、大阪なんかになると頭打ちになっちゃって全然認めない、規制されている、抑制されているという状態ですが、地盤沈下対策というものは、自治省としては地盤沈下を災害と見ておられないのですか、自治省の見解はどうですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 地盤沈下の問題は、昨年までは新潟地方で大問題でございました。また東京や大阪地区におきましても同じような問題が起こっております。新潟の場合には天然ガスの採掘が原因だというような格好に大体結論がなって、あのような措置がとられて参ったようなわけでございます。大阪の場合にも、どうやら今お話のありました冷房用水、工業用水のくみ上げが原因だという結論になってきたわけでございます。私は、地盤沈下の問題につきましては、災害復旧でやれば元通りになるけれども、地盤沈下について幾ら防潮堤を築いてみたところで元通りにならない。従ってこういう地域については、災害復旧に対する国の援助以外の援助を講ずべきではなかろうか、こういうことを私は新潟県の場合には言っておったわけでございます。大阪の場合につきましても、大体結論は出てきたようでございますので、早くくみ上げの禁止、またそれを禁止できるような工業用水供給に全力を上げて参らなければならぬと思っております。水をどこから持ってこなければならぬかという大問題がございますけれども、関係機関あげて解決に努力していかなければならない重大な問題だと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省の鬼丸さん、今の問題ですが、地盤沈下によって防潮堤が非常に下がって、オーバーして波が入ってきて、尼崎市も困ったが大阪も困った。あちらこちら全部困ったわけですが、こういうものをあなたの方では、かさ上げというようものは災害復旧なりと認めないんだということで、絶対に今のあなたの方の公共土木施設災害国庫負担法、この公共土木施設の国庫負担法によるところの三分の二の負担をしようと今までなさっていられなかったわけです。兵庫県にいたしましても、大阪にいたしましても、これは大きくいって今の災害ですよ。これが災害でないということは、金がかかるから災害でないというふうに金から逆算されておるので、もっと率直にこれを災害と見て、三分の二補助は最低だ、こんなものは臨時特例でなくったって、これがあるんだからこれでやるんだというのが私は正しいと思うのだが、どうなのですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸説明員 地盤沈下が、大きく言って、あるいは常識的に言って、災害であると考えられるのは、私どももそう思います。思いますが、大阪地区、あの方面の高潮対策事業としてやっております堤防につきましては、地盤沈下による沈下を直ちに国庫負担法上の災害復旧事業と見ることについては、ちょっと当てはまらないというふうに私どもは考えておりまして、そこで大きく言ってというお話でこざいましたが、先生のただいま御指摘の趣旨に沿いまして、私どもとしましては、狭義の災害復旧事業とは別途に高潮対策事業というものを——やかましく言えば、これは改良ということになりまするけれども、これを大きく取り上げまして、来年度からなるべく短年月のうちに完成いたしたいという事業計画を立てて、来年度の予算要求にも力を入れて、これのすみやかな促進をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 もう先ほどから報告について質問をやったと思いますので、きわめて簡単にお伺いいたしますが、答弁も簡単に願いたいと思います。  最初に北九州五市合併問題でございますけれども、これについて自治省の態度を伺いたい。いいと思っているか、悪いと思っているか、いいと思っているならばその理由、これを一つ端的にお伺いいたしたい。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 自治省といたしましては、北九州の合併はいいと思っております。五つの都市が事実上一つの大都市地域を形成いたしております状態になったわけでございまして、その大都市地域の行財政の運営を合理的にやって参りますため、あるいはまた総合的に計画的に進めて参りますためには、合併をした方がより適当ではないかというふうに考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、こういったケースはすべて合併が適当だ、こういうことになるわけですね。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 ただ数個の都市があれば当然合併すべきものだとは考えておりません。考えておりませんが、北九州五市のように、その調査の関係がきわめて緊密な、社会的、経済的に見ますと、事実上一体的と申してもいいくらいな関係になっておりますところについては、合併が適当ではないかと考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そういう議論になってきますと、いろいろとお伺いしなければならぬと思います。しからばなぜ北九州はそういった潜在性を持っており一ということになれば、またいろいろ経済的にもどうだという質問をしなければならない、こう思うのです。しかし時間がないので端的にお伺いしたいのですけれども、建設省には在来から、また最近になりましてから、地域的経済開発の観点について、特に百万都市の建設というようなアドバルーンをあげているわけです。ああいう観点から正しいと、こう見ておられるわけですか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 建設省で考えております。いわゆる広域都市あるいはまた政府部内で一応成案を得ました新産業都市の場合には、現在のいわゆる四大工業地帯以外の地域に、これから新しく開発をしていくための拠点となる都市を建設していこう、こういう考え方でございます。でございますから、どういった都市がその都市に指定されるかはまだ未定ではございますが、おそらくその指定されます都市が、その現状のままですでに開発基幹都市としての役割を果たすわけではございませんで、これからさらにそこに計画的に一つの建設をいたしまして、そしてその地方開発の拠点になる一つの都市地域を作っていくということになろうかと思います。しかし北九州五市の場合には、いわゆる四大工業地帯といわれておりますものの一つにもあげられておるようでございますし、すでにあそこは新産業都市で考えておりますような形態の都市にもうなっておるところだと思うのであります。そこで新産業都市の場合には、おそらく北九州五市はあの法律の対象とするところにはならないのではないか。北九州五市の場合には、もうすでに相当都市化しておるわけでございますが、その五つの都市がそれぞれ別個な自治体として併立しております関係で、行財政の運営上いろいろ工合の悪いところ、不便なところもございますので、これを合併したらよりよいのじゃなかろうか、こういう考え方をいたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 お説の通り、北九州は既成四大工業地帯の中に加わっておるわけでございます。そこで今おっしゃったように、これは非常に問題が重大だと思うのであります。出されるであろう、成立するかしないかはよく知りませんが、新産業都市建設促進法案、これがもしかりに成立した場合における指定地域に入らないだろう、あの法律の趣旨からいいまして、私もそう思うのであります。ところが、現地はああいったものの適用を受けるであろうし、また受けたいという気持の上に立って、この五市合併を最近では進めている、大きなスローガンにしておるわけです。私はここに問題点が出てくるのではなかろうか、かように考えるわけであります。もちろん、百万都市などというようなああいうべらぼうな荒っぽいものの考え方については私は納得できません。青森県が、人口百二十万かそこらだと思うのであります、もう少しあるかもしれません。そこで百万都市を作るなどというばかなことを、ただ何でも無批判に百万都市を作っていこうという考え方については納得できない。けれども北九州の場合は、すでにそういう形が、連檐ができておる、こういうことでありますのでやむを得ないことであろう、こう思うのでありますが、しかし現地の意向をこの前調査いたしましたところ、いわゆる行政経費の節減というような観点に立った在来の町村合併促進というようなものから一歩前進して、産業経済に立脚したいわゆる地域経済開発の受け入れ態勢を整えるためにわれわれやるんだ。ことに最近では既成四大工業地域といわれておるけれども、実態はそうじゃないんだ。大陸貿易が遮断されてしまっている、あるいは石炭産業が不振になっているというような観点から、あるいはまた各地の都市におけるところの基幹産業の誘致というようなことによって、むしろよそに移転しようとしつつある。こういうような状態にあるために、むしろ早く産業都市建設促進法というようなもの、名前はどうであるかわかりませんが、地域経済開発の一環としてそういった情勢に対処して立て直そう、その立て直すための受け入れ態勢として合併したいんだ、こういうような方向に来ているのですから、今おっしゃるように、あるいはどこの主管であるか存じませんけれども、それの適用を受けないということになると、私は地元の合併の大半の目的というものは喪失してしまうんじゃないか、こういうように思うのでありますが、どうでございますか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 新産業都市建設法案につきましては、政府部内でまだ決定をいたしておりません。成案を得ていない段階でございまするので、それを前提にいたしまして、それとの関係につきまして的確なお答えは差し控えたいと思いますが、新産業都市建設促進法で考えております趣旨からいたしますと、おそらく北九州地区は除外されることになるのではなかろうか、かように推察をいたしておるわけでございます。しかし北九州五市につきましても、ただいま御指摘のように、今後の地域発展の基盤を固める意味におきまして、ある部分につきましては新産業都市建設促進法案で考えておりますようなねらいも持っておるということは私も事実であろうと思うわけであります。そこで、合併をいたしますことがそういう趣旨からも適当であろう、そういうことでありますならば、地元からの要望も非常にございまするので、新産業都市の問題とは切り離して、なるべく早く合併を進めることができますような法的な措置を考慮していったらいいのじゃなかろうかということで現在検討いたしておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、新産業都市建設促進法の適用を受けることは、資格に入らない。けれども、何らかの特別立法をすることによってそれをカバーしていくんだ、こういうふうに今受け取れたのであります。  そこでお伺いしますが、この市が合併ができ上がりますと、これは二百五十二条の十九の規定による政令指定都市になるのですか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 これは合併をいたしましたならば、当然に政令指定都市になるということはございません。しかしながら、地方自治法で規定をいたしております政令指定都市の予想しております実体とおそらく非常に近いものになるであろうと存じます。そこで、そういう実体を備えた合併ができましたならば、政令指定都市に指定をするということも十分考えられることだろうと思いまして、その点もあわせて現在検討いたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで、大上次官にお伺いいたしますが、すでにこの点につきましては、小林事務次官より現地において確約されておるというように伺っておるのでありますが、それは事実でありますか。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 事務次官からその当時の模様は大体聴取しましたが、確約の点に至りますまではまだ私は確認しておりません。ただ、ただいま行政局長から申し上げましたような、なお、さらにさいぜんの纐纈委員の場合にお答えしたのですが、これによってくるところの新しい法律あるいは規定等々は十分考慮して、またそれを前提で進めていきたい、このように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今人口五十万以上で、政令都市となる資格を持っておるもので政令都市になっておらない都市はどのくらいございますか、局長から一つ。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 手元に正確な数字を持ち合わせておりませんが、あるいは人口五十万をこしておりますか、それにちょっと達しないか、近くなるかと思われますものには、川崎とか札幌等がございます。しかし地方自治法で政令都市として予定をいたしておりますものは、人口の最低限度は五十万といたしておりますが、そのほかに、自治法を見ますと、政令指定都市になりますと十何項目かの重要な仕事が県から市の事務に委譲されることになるわけでございます。でございますから、そうした事務も十分に処理するだけの能力を持った市でなければ政令都市に指定することは適当ではないのじゃなかろうか、単なる人口要件だけではいけないのではなかろうか、かように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ここに前札幌市長もおられるのですが、そういう希望があるかどうかよく存じませんけれども、札幌の場合は、依然としてやはり該当しない、こういうこと、該当しないというか、まだ資格はないんだということになるんじゃないかと思うのでありますが、この北九州五市の合併の場合は、資格は備えておる、そういった他の資格も十分に備えておる、こういうふうにお考えになっておりますか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 私は、十分可能性があるというふうに考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 次にちょっとお伺いしますが、市議会議員の任期の延長と定数の特例、これについても何か自治省としては現地の要望にこたえる確約をしておると聞いておりますが、この点どうでしょうか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 その点につきましては、現地から要望を伺っております自治省といたしましては、今準備いたしております法案の中では、できるだけ現地の要望をいれて合併が容易にできるようにいたしたいということで検討いたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 もう少し具体的にお話し願いたい。議員の任期の延長についてはどのくらいのものを考えられておるか。それから定数の特例というものはどんなものを考えておられるか。これをちょっとお伺いしたい。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 現在まだ検討中でございますが、従来の町村合併促進法によりますと、一年以内で合併関係町村の定数そのままで延長することが認められておりますが、北九州五市の場合には二年間それを認めていったらどうだろうかという案を今考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 いつもこれが問題になるのでありますが、在来の例から見て全くぶざまな状態がよく出てきておると思うのであります。一体、合併をして二年も三年も議員の任期の延長を考えていく、できるだけ早く一体性を持たして融和させなければいけないのに、そういうような方式を考える、なかなかおさまりがつかぬのでそういうことを要求してくると思うのでありますが、これに対して自治省はもう少しきぜんたる態度をもって、そういったものについては、やはりできるだけ早く一体性の市民の融和をはかる意味において、打ち切っていくべきであると私は思うのであります。こういう点について在来からこれが問題になって、ずるずるべったりにあのぶざまな地方議会の状態を維持させて合併していくということでは、私はいけないのじゃないかと思うのですが、政務次官いかがでしょうか。

大上司自由民主党自治政務次官

○大上説明員 その点につきましても纐纈委員の場合に少し融れたと思うのですが、お説ごもっともと思います。ただわれわれの方の考えといたしましては、五大市それぞれ公共事業の形態が違う。あるいは継続事業の持ち越し等もあるというような問題——もしも議員が完全に解散なら解散、今の予定の二年を一年にした場合に、メンバーがかわっておる。そうなりますと、自分の市で考えておる地域的な利益代表といいますか、これが交代するというような面が潜在的にありはせぬか、そこでその実情を五大市それぞれの立場を見てよくするには、大体その年限といいますか、そういう各地方の事業の促進というか速度から見ていいんじゃないかというような考え方は持っておりますが、さらに研究をいたします。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 この合併が行なわれるということになれば、当然合併計画事業というものが設定されるわけなんでありますが、これに対して在来とも十分に保障されていかない。ところが地元の要求を聞いてみると、あれもこれもと山ほど要請があります。いかがでしょうか、財政的にそういうことが裏づけできるでしょうか、奥野さん一つ。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 阪上さんにお答えするには恐縮かもしれませんけれども、個々に事業をやりますよりも、一体として事業をやった方が、財源を効率的に使えるということは言えると思います。また同時に、将来の信用力もそれだけふえて参りますので、大きな事業について財源のめんどうを地方債その他で見ます場合においても見やすいということは言えるだろうと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 かなり膨大なものが出てくるだろうと思うのでありますが、裏づけはできますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 もちろん程度の問題だと思いますが、今よりも前進することは事実だと思います。その前進の程度の問題になると思いますが、具体の問題に即して考えていきたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私、これでちょっと気になるのは、県財政との関係なんです。残余の部分に対する配慮というのは、やはりこの際考えておかなければいけないと思う。福岡県の一番いいところばかり一緒になって、あとどうなるだろうか。しかもこの計画を見ますと、当然私の理想なんですけれども、いっそやるならばもう少し拡大して、後背地をかかえた合併、そこまでいったらいいのじゃないかという感じもするのであります。ところが、ほんとうにいいところばかり、よいところ食いをしちゃって、こういう形になってくるのであります。この点について自治省はどういうようにお考えになるか。たとえばこういう支出減については、県全体から、残余の部分から見たら四億七千万ほどの減になる。税の収入がやはり十四億ほどとられる。交付税でもって八億二千万円ほどくれる、残余のものに対して、こういう計算をするようであります。差引一億五千万円ほどが、県財政の他の部門において、残余の部分において足りなくなる、こういうような計算になる。そんなようなことでいいのでしょうか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 実は具体の数字を私よく検討しておりませんけれども、それは御指摘になりましたように、福岡県としては一番有利な地帯が、かりに先ほど来出ていますように政令指定都市ということになって参りますと、福岡県の財政力は若干弱くなってくるということは事実だと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 あとで触れたいと思いますが、時間がありませんので次の機会に譲りたいと思いますが、福岡県の産炭地の問題があるわけです。そこで比較的隆盛をきわめておりますところが合併し、あとのものをかかえていこうというものが出ていない。長い間の歴史的な経過をたどっておりますので、今さらここへきて、この段階においてこれをつぶしてしまうということも、もうどうにもできないというようなことで、県としてもおそらく泣く泣くこの合併を了承するのではないか、こういうふうな気が私はするのであります。そしてやはり残余の部分に対する配慮というものがこの際十二分に検討されない限り、私はおいそれと直ちにこれを持っていくということはどうかと思うのであります。今言いましたような事情で、もうそこまで来てしまっているということでありますので、やむを得ないと思います。思いますが、そこで問題があるのは、地域経済開発という観点からいって、背後地の産業経済の助長、育成あるいは再開発というようなものが同時に考えられる必要があるのじゃないか。それはあと回しにしておいてこれをやるということはいけないと思うのであります。新産業都市建設促進法が出れば、当然残余の部分は適用を受ける地域に入るのじゃないかと思いますけれども、そういったものを並行的に進めることによって、はじめて五市合併というものが了承されるということになるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。その点一つ自治省におかれましても、さらにもう少し周到な指導と助言をお願いいたしたい、かように思います。いずれにしましても地元は非常に大きな期待を持っておりまして、合併すればとんでもないりっぱな市になるものだ、こういうふうに簡単に考えているようでありますが、その点も一つよろしくお願いいたします。  あといろいろと質問がありますが、また別の機会に産炭地の振興について、あるいは産炭地の財政の問題についてお伺いしたいと思いますが、きょうは一点だけ奥野さんに伺っておきたいと思います。各地を回って、すでに質問があったかと思いますけれども、税収の減を来たしております。主として鉱産税であります。そこで地元では鉱産税の  今度税制調査会ですか、それの答申では、鉱産税が減額されるというようなことになっておるけれども、これは反対だ、こういうことを言っております。しかし私どもの調査によりますと、その税収の減というものの占める割合よりもはるかに大きな割合として、義務的経費の支出があるわけなんであります。これはもうすでに御承知だと思いますが、生活保護、それから失対事業というようなもの、あるいはまた、これは財源がないのでほとんどやっておりませんけれども、——それでもなお若干鉱害復旧というようなものも支出が出てきております。そういう支出増が、もう税収の減よりもはるかに大きな額に達しておる。そのことのためにきゅうきゅうとしておる、こういう状態でございます。ひいてはそれが治安維持の方向まで問題を起こしておる、こういうことになっております。で、私は一刻も猶予ならぬ、このまま放置してはならぬ。それだからといって産炭地振興の特別立法でございますか、この基本的な、抜本的な対策を講じることは必要でありますけれども、そんことは、今の段階でそれによって直ちにこの窮状を打開ししてやるといっても、とてもできない問題だと思いますので、当面思い切った財政措置が必要ではないか、援助措置が必要ではないか、こういうふうに思うのであります。また、たとえば赤字の出ないような大きな市等につきましても、やるべき行政を手控えいたしましてやっております関係上、行政水準というものが近年著しく伸びてきました他地域に比べて、そのまま横ばいないし水準の低下をむしろ来たしておる、こういうような状態もありますので、思い切った抜本的な財政援助の措置が必要だと思いますが、これについて一つ決意のほどを伺って事きたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野説明員 産炭地振興の問題は、基本的には経済政策の問題であろうと思います。市町村財政の問題としては、御指摘にありましたように、歳出の増を来たしている問題は、失対事業と生活保護関係の費用、これが大きなものだと思います。歳入につきましては鉱産税の減収だろうと思います。こういう点につきましては十分なめんどうを見ていきたい、こう思っているわけでございまして、失対事業につきましては失対事業に吸収した人員、生活保護費につきましては生活保護費を支給する人員、これを基礎にいたしまして理論的な財政需要額を算定して、普通交付税に算入されている額を控除した差額を特別交付税として交付していきたい。また、基準財政収入額に算入しているよりももっと税収入が減っていく場合には、その差額はやはり特別交付税の基礎に入れていきたいと思っているわけであります。ただ鉱産税の場合には、出炭額が減ったというようなことで現実に課税できないものもございましょう。そうではなしに、滞納になっている部分がずいぶん多いようであります。これはそのまま国税で見ていくということは穏当ではないと思うので、こういうものについては、さしあたり資金繰りについて自治省として心配していくということではなかろうか、こういうような考え方を持っております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後一時十三分散会

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