地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/06
会議録
○園田委員長 これより会議を開きます。 昭和三十六年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。太田一夫君。
○太田委員 今度の単位費用の特例に関する法律案に関しましてお尋ねをいたします。まずこの三税の増収に基づきますところの地方交付税の相当額なのでありますが、これを自治省としましてはどのように見ていらっしゃいますか、これを一つ次官からお答えをいただきたいと思います。
○大上政府委員 お答えいたします。歳出の所要額に見合って、根本的にはこれを算出しております。
○太田委員 これは次官、それでよろしいのでしょうけれども、歳出の所要額に見合って歳入をはかっておるとおっしゃるけれども、それはその通りなんです、原則はそれでいいんでしょう。けれども、このたびは、この補正予算を組むにあたっては、それ相当額の三税の見通しがあるわけですね。これがかりにあなたの方の算出よりも、それ以上にあるという見通しならば、何も二八・五%を引き下げなければならぬ理由はないのですから、歳出に見合って歳入をはかるという原則は、この際適用されないんじゃないですか。
○大上政府委員 これにつきましては、もう少し詳しく一ぺん事務当局からよく御説明させます。
○奥野政府委員 お話は、あるいは国税収入に自然増がある、それがもっと多いのではないかというような意味をも含めてお尋ねになっているんだろうと思います。私ども聞いておりますところでは、今回の歳出予算に見合って増収額を計上したのであって、増収額がこれ以上はないのだというわけのものではない・かように大蔵当局からも話を聞いておるわけでございますが、私たちもそうであろうと考えております。
○太田委員 従って、奥野さん、さらにこれ以上増収の見通しがあるということでございますか。
○奥野政府委員 そのように思っています。
○太田委員 そうしますと、今回は原則として、提案説明によりましても、給与額の引き上げに基づくところの補正、ないしは生活の保護ないしは失対事業等の引き上げというように、大体御説明があったように思うのですが、たとえば災害による、その他大幅に関連する諸費用ないしは生徒急増による教育施設の増強、こういうようないろいろな当面の急務に迫られているものがあるのですが、そういうものはこの次補正をする、もう一回補正をするんだ、こういうことになるんですか。
○奥野政府委員 補正予算を大蔵省がさらにどうするか、こういうことについては私承知しておりませんけれども、当面必要とされております問題は、御指摘のありましたような災害対策の問題と建築費の高騰によりますところの予算補正の問題であろうかと思うのでございます。それともう一つ、今御指摘になりました人事院勧告に基づきます給与改定の問題だと思います。給与改定の問題につきましては、生活保護費の改定を含めまして、地方交付税制度で必要な措置をしていく。災害対策やあるいは建築費高騰に伴う問題については、国の補正予算とあわせまして地方債の増額を行なっていくというようなことにしておるわけでございまして、今回地方債を百十一億円だけ増額したい、こう考えておるわけでございます。こういうことによって一応当面必要とされております地方財政上の問題は解決できるんじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。
○太田委員 そこで先ほどの質問に戻るのですが、次官、今のように、たとえば住宅の施設であるとか、地方市町村などにおきましては、市町村の負担に属する建物、施設の拡充、整備強化というような問題については、原則としてこの場合は起債でやらなければならないという今のお答えでありますけれども、三税がこれ以上伸びる見通しがあるなら、必ずしも二百十億というような金額に限定せずに、もっとふやしてもいいじゃないですか。だから今度の補正予算を組むにあたって、自治省としては歳出が二百十億であるというような、こういう何か結論が出た。その結論を基礎にして、それから収入にさかのぼって逆算をして、これぐらいに実りがあるだろう、これぐらいの交付税の相当額の交付があるであろうという、こういう理論の積み方をされるということは、あまりにも無味乾燥だ。だからこの経過において、もう少し地方の財政の窮迫の度から考えてみるならば、これじゃたまらない、もっと増収があるはずだから、もっと多く見込ましてくれということを主張なさるべきであったと思うのです。二百十億あればよろしいということは、片方に起債を認めているのだから、おかしいじゃないですか。
○大上政府委員 お説の通りの御意見ごもっともと思いますが、基本的には、いわゆる相手方と申しますか、これが限られた団体に対して財源の手当をするという今日の現状から見ますると、どうしてもこれに対してはいわゆる地方債といいますか、この地方債の資金をもって充てることが一番いいのだ、また的確なんだというような建前からもちまして、現在のような方向に持ってきております。
○太田委員 大臣がいらっしゃらないから、次官は一つ大臣のつもりで答えていただきたいのですが、地方財政というのは国家財政にまさるとも劣らない、むしろまさっておるような大きな規模を持つ財政です。そこで今度交付金を計算するにあたって二百十億というその結論を出して、その歳出金額を出して、これだけあればよろしいということをおっしゃったお気持を、そのままあなたが本心から、自治省がまた自治省としてそれをお持ちだったとするならば、地方財政というものは救われない。こんなもので救われるはずはない。これは不十分なのでしょう。これはきのうの質問からも不十分であるという点がしばしば指摘をされておりますが、これで十分じゃない。単位費用の引き上げは十分でないことがわかっているのに、二百十億を結論として、基礎として、ベースとして出された。こんな考え方がもし自治省にあるとするならば、地方団体の財政はいつまでたっても救われない。どうでしょう。自治省全体にみなぎる空気です。これを一つ、別にあなたの責任を問うと言わないから、気持を一つここで言うていただきたい。
○大上政府委員 お説の通り、主税の増収は今回の補正予算に全部計上されていないのでありますが、いわゆる究極的には地方財政の交付税については、地方団体に交付せられることとなっておる建前から、われわれは現在の方向で行くべきが至当である、このように考えております。
○太田委員 至当であるかどうかということは議論があるところだけれども、あなたのお気持だから、それで了解しますが、あなたは着任早々の次官ですから、そう無理に、かりに雰囲気というものを語ってくれというても無理かもしれませんから、そういう至当だとおっしゃる可もなければ不可もないようなお話で一応了解しましょう。けれども、そんな気持で地方財政というものを仕組んでいただいたり、考えていただいたら、これは大へんなことだと思うのです。今も百十一億の地方債というのがこのたび措置された、百十一億によって教育施設の増強もやろうという。それは地方にとっては一般交付金はひもつきじゃないのだから、何に使おうと自由なんだが、実は一般財源によって地方の財政が健全にできるような、そんな状態じゃないでしょう。早く言うならば、人件費はきのう議論があったけれども、一般の市町村の役場の吏員の給与というものは非常に低い。たとえば辛うじて本人が食べていくくらいの給料をもらっておる人がたくさんある。こういうものを引き上げようとしても、これを七・一%引き上げるというようなことで、パーセントで全国一律だというようなことでは、とてもとてもおくれるばかりです。高い人はいいでしょうが、低い方はたまらない。そこでこの気の毒な市町村、どんどん仕事をやらなければならない市町村、国政の進歩と所得倍増というかけ声によって、地方の幾多の民衆の気持というものが伸びてきておるでしょう。それにこたえる地方政治をやるのには金が要る。二百十億だけで一応妥当だ、至当であるというような考え方、こういう受け身の気持で自治省がいらっしゃると、将来地方自治団体は気の毒だと思う。奥野さんどうですか。日本の国、大八州のほんとうの政治をやっていらっしゃるあなたでしょう、自治省でしょう。実際住民と直結しておるのは地方団体なんだから、その日本の国の国民に密着して、この最も関心深き地方自治を伸ばすには、今までのような二百十億でよろしいというような気持じゃほんとうは不満だったでしょう。どうです、満足だったですか。
○奥野政府委員 自治省といたしまして、今回の公務員の給与改定の対策等につきましては、決して不満を持っておるわけではございませんで、これだけ地方交付税の増収が得られて非常によかったという気持を持っているわけでございます。他方には経済の過熱の問題がございますので、いろいろと事業を押えていかなければならないというような考え方も出て参っておる際でございますので、この際としては、地方団体個々の問題を考えますと、多々ますます弁ずるかもしれませんけれども、全体を考えました場合には、この程度でよろしいのではないだろうかというように私たちも考えておるわけでございます。
○太田委員 この程度でよろしいとおっしゃれば、この程度で不満のあるのはけしからぬというわけですね。これで困るではけしからぬ、お前のやり方が悪いのだ、こういうことになりますか。そういうことにならぬでしょう。この程度で、これで配分をされた。それでも地方の給与の引き上げ是正はなお十分でない。ないから困った。だから一般行政水準引き上げをしんぼうして、何とか中でやりくりして、少しずつ給与なり待遇の引き上げをしておる場合においては、その自治体はますます水準的にはおくれをとるわけです。そういうものが出てきても、経済の過熱の時代であるからそれは仕方がない、こういうお答えをなさる御所存でございますか。
○奥野政府委員 給与改定につきましては、私たちとしてはこれだけの財源手当をする、よほど特殊な例外でもない限りは、ぜひ国家公務員の給与改定に準じて給与改定をやってもらいたい、またやってもらえるじゃないか、こういうような期待を持っておるわけでございます。またそういう態度で臨んでいきたいという気持でございます。
○太田委員 一般的に概括的に見まして、地方公務員と国家公務員との給料の差があるということを一昨日お認めになっていらっしゃった。従って、準じて引き上げをしなさいという基本的な考え方は、この前三重県にありましたように、準じて引き上げをしようとすると、あなたの方はいかぬとおっしゃるのでしょう。財政規模から見て、地方の自治体が貧弱町村なんだから、そんなに上げる必要はないといって押えたのが前回の三重県の自治体と自治労との争いのもとだったのでしょう。だから今度の場合、全体に低い地方公務員、地方の職員の給与を引き上げてもらいたいという意図は、これは中央官庁としては相当強くお示しになってもいいのですが、その具体的引き上げの御指示というのはあるのですか。
○奥野政府委員 国家公務員のベースよりも低い団体が、国家公務員並みまでベースを持っていくということは、私たちは適当なことだろう、基本的にはそう思っておるわけでございます。三重県の場合には、そういう問題ではございませんで、国家公務員ベースよりも高いとか、あるいは給与制度を特に、たとえば職階制を無視したような給与制度を作ろうとしているとかいうような、いろいろな問題があったわけでございます。そういう点について自治省としての見解を述べ、いろいろと話し合いをいたして参ったようなことでございます。
○太田委員 なるほどそれも一理なんです。その一理はわかりますよ。けれども、実情というものから議論を立てていただかなくちゃならないと思う。職階制の問題にしましても、同じ年度に大学を出て、同じときに地方の自治体に入ったのと中央官庁に入ったのとは、職階が同じように入っても違ってくる。これはこの前三重県の場合に盛んに言われた。こちらで係長になっておるが、向こうでは平の係だ、何々係だ、係長になれない。これを係長にしておいたら、同じようにしたら、係長や課長ばかりになってしまいますからね。そこで、その人の力と仕事はそれだけのことをするものがあるけれども、課長にするわけにいかないから、待遇だけは課長と同じようにしたいという気持が出てくる。そこを職階制と見合わない賃金だとあなたの方できめつけられると、気の毒な、実情に沿わないものが出てくる。これはどうでしょう。
○奥野政府委員 個々の問題につきましてはいろいろ例外もあるかもしれませんけれども、通し号俸みたいな格好になって参りますと、職務に応じて責任を持ってやっていかなければならない程度のいかんにかかわらず、給与というものが同じように勤務年数だけで上昇していくというようなことになってしまうわけでありまして、そういうことはやはり行政運営を考えていきました場合には適当ではないのではないか、こう思っておるわけであります。例外的な措置をとることにつきまして私たちがとやかく申すのではございませんで、制度としてそういうことにしてしまう、これは不穏当ではなかろうか、こういうような考え方を持っておるわけでございます。
○太田委員 これは市町村などにおきましては数が少ないから、みんな課長にしてしまうわけにもいかないことがあるのでしょうね。全部課長にするわけにいかない。課長と係長だけにするわけにいかないというところに地方自治体の悩みがあり、またそこで働く地方公務員の苦しみがあるわけです。それに耳をかしてやることが必要だ。単に職階制という大義名分だけでは割り切れないものがあると私は思うのです。そこでかりに引き上げるには、職階制の給与の建前だから通し号俸ということは不合理だ、こういう建前からいくならば、なるべく多く課長を作りなさいよ、課長さんが窓口で何かおやりになったってけっこうじゃないですか、というような、こういう思想に通じてくると思うのです。かりにそういうことになりましたときには、これはあなたの方は、課長と係長だけで課員のないということはけしからぬということはおっしゃいませんか。
○奥野政府委員 私が申し上げておりますのは、太田さんのようなやり方をしてもらいたい、こういうことなんであります。例外はあっていいじゃないか。事実、課長待遇にすべき者を課長のポストがないためにそういう扱いができない、それは、そういう人についてはそういう扱いをすればいいじゃないか。どんな人であっても、通し号俸で勤務年数だけで同じ昇給をしていくということは不合理ではないか、こういう考え方を持っておるわけであります。
○太田委員 そういうお考えで安心をいたしました。さすがに奥野さんはりっぱな局長さんだと思います。次官、よろしいですね、自治省の方針としてそれで……。
○大上政府委員 その通りでございまして、けっこうでございます。
○太田委員 そこで、先ほどの二百十億の問題にまた入りますが、現在、地方団体は特別会計を持っておりますね。相当持っております。これに繰り入れたり繰り出したり、いろいろと一般会計と関係のある操作がなされておるのでありますが、特別会計の現状ですね、たとえば上水道、下水道、交通、病院、こういうものは一般会計にどの程度の影響を与えておるか、よい影響ですか、悪い影響ですか。
○奥野政府委員 特別会計は多くは公営企業会計だと思います。公営企業会計が一般会計によい影響を与えているというような問題になりますと、あるいは財源的に公営企業会計から一般会計に繰り入れをするということになるのではないかと思うのであります。しかし、公営企業は公営企業として独立採算をとっていく、相当な収益が上がってくるならむしろ料金を引き下げて住民の福祉の向上をはかっていくということでなければならないと思いますので、財政的にそれが好影響を与えておるかというようなことは、基本的には必ずしもそれで好ましいのだというわけには参らぬだろうと思うのであります。むしろ競輪、競馬、宝くじというような、こういう特別会計は収益自体を目的にしておりますので、一般会計にその収益の全額を繰り入れるわけであります。これはもとよりそういう目的で運営されているわけでありますので、好影響を与えているというよりも、そのためのものだ、こう考えてよろしいと思うのであります。逆に、一般会計がかなり公営企業会計のめんどうを見なければならぬものは何であろうかということに帰着してくるのではないかと思います。率直に申しまして、現在病院事業を独立採算でやっていくということには非常な困難があるようでございます。多くの団体は病院事業のために相当な繰り入れを行なっておるのが現状でございます。その次に公営企業自体がかなり四苦八苦しておるというようなもの、それはどちらかといいますと、たくさんな従業員を心要とする公営企業、この面が一番運営に困難を来たしているようでございまして、その種の事業がすべてそうだとは申しませんけれども、病院事業に次いで困っておりますのが交通事業でございます。交通事業の中には赤字会計に陥っているものが相当数のものに上っているようでございます。たとえば一般公務員の給与改訂が行なわれると、公営企業は独立採算はとっているけれども、同じ団体内の職員でございますので、大体それに準じた給与改定をやっていかなければならない、といって料金をそれに応じて引き上げていくというわけにも参りませんので、非常な困難を来たしておるというのが事実でございます。
○太田委員 今のお話を承りますと、独立会計は従って採算とんとんというのが元来の方針であるから、従って、これが赤字になった場合においては一般会計の負担になる場合が多いのである。特にその中において病院あるいは交通というのは赤字会計になっておるから一般会計の大きな負担だというお話であったと思いますが、そうなりますと、これから医療施設の拡充をやるということになれば赤字はますますふえる。また交通というものは、経済界の加熱と言っては言い過ぎかもしれませんが、経済の健全なる発展をはかるためには交通施設を除外するわけにもいかぬ。こうなれば、両者合わせまして、地方団体は相当の赤字を負担しなければならぬ、こういうことになりますね。そういたしますと、どうですか、これからの地方財政という立場から見まして、三税の二八・五%では何ともならぬというこの見通しが濃いのではないでしょうか。だから、さらに酒税の三割引き下げの運動さえもあるし、こういう点から見まして、地方財政というのはますます窮迫するという見通しの方が濃い、この公営企業の現状から見ましてもそういう感じがするのですが、いかがでございますか。
○奥野政府委員 病院事業や交通事業の中に赤字が多いということを申し上げましたことが、即一般会計からの繰り入れを必要としているということにはならないと思うのであります。やはり赤字のときもあれば黒字のときもある。全体として独立採算でやっていくという建前のものでございますので、公営企業会計が赤字になっているから必ずそれを一般会計で補てんしなければならない、こういうふうには結論を持っていきたくないと思います。ただ、一般会計が貸付金を公営企業会計にしなければならぬというような問題は生じてこようかと思います。交通事業の相当のものが赤字会計になっておりますけれども、私たちは合理化をする等によって、将来は経営をぜひ立て直してもらわなければならない、こういうふうに思っておるわけでございます。 なお、地方財政の現状からして地方交付税の額がこれでは不足するのではないかというようなお話でございましたけれども、幸いにこの数年相当な自然増収が出て参ってきておりますので、地方財政は年々改善されてきているようでございます。そういう意味合いからしまして、今地方交付税の繰り入れ割合を引き上げなければならないというようには私たちは思っていないわけでございます。
○太田委員 今のお話の中で、一般会計の方からは貸付金というもので赤字を何とか救う、こういう方針だとおっしゃった。これはこの前の公営企業金融公庫のときのお話もそういうことでした。またそういう貸付金ということならばよかろうというわけですが、会計は別ですから、そういうことをせざるを得ないと思うのですが、しょせん一般会計の負担になることは事実です。足りないときには貸付金を出さなければならない。それは利子は入らない、無利子です。赤字のところから利子なんというものは入るはずがない。それに相当な赤字でございますし、金を貸すほどのゆとりのある本体じゃない。本体自身が赤字なんだから……。そこで、さらにそれに付随する独立会計の方に何らかの援助をしなければならぬというのは非常な負担だと思うのです。だから、今おっしゃったついでにちょっと聞きますが、病院というのはいかがでございますか。大体収入支出見合っておるという経営、しかも内容は堅実であって、地方自治体が経営しておるにふさわしい高度の技術、治療の内容を持つものとしての病院であって、とんとんだというのは相当ありますか。
○奥野政府委員 もちろんそういう病院もございます。ただ、御承知のように一点単価の問題をめぐりまして大へん激しい争いが繰り返されておるわけでございます。そういうような事情が他面にありながら、公立病院でございますので、施設は特に整備していかなければならない、民間病院よりもいろいろと科学の発展に伴う施設を取り入れていかなければならない。そういうことから、かなり金がかかってくるという面もあったりいたしまして、採算のとれていない病院がかなり多い、こう申し上げておるわけであります。
○太田委員 今の黒字、とんとん、赤字という比率を大体大ざっぱに申していただけませんか。
○奥野政府委員 今その資料を持ってきておりませんので、後刻その資料をもってお答えをいたしたいと思います。そういう資料は持っておりますが、ここに持ってきておりませんので……。
○太田委員 公営企業の中でさらに赤字の最大なるもの、交通事業につきましては、何か御記憶はありますか。その分類について……。
○奥野政府委員 交通事業につきましては、たとえば東京都の交通事業は相当の赤字を出しているわけであります。別途国鉄に準じて料金改定をしたいということで、都議会の議決を経まして認可の申請を行なっておるわけであります。まだ認可が得られませんので、東京都としては非常に困っております。そういう、どちらかといいますと多数の職員を擁している団体ほど、運営に困難を感じているというのが事実でございます。中都市におきまする交通事業の中には、たとえば鹿児島の交通事業のように非常に困っておるところもございますけれども、割合に健全にやっておるところもあるわけでございます。たとえば長崎県の交通事業などは特にうまくいっておる例ではなかろうか、こう思っております。
○太田委員 今長崎県の交通事業は非常にいいとおっしゃったのですが、それはおそらく県営バスだろうと思うのです。日本全国であそこは健全でまことによろしいということで、今あなたの頭の中にあざやかに残っておるのが長崎県以外にありますか。
○奥野政府委員 率直に申し上げまして、交通事業については健全な経営を行なっておるのが半数、赤字で困っておるのが半数というところであったように記憶いたしております。
○太田委員 そういうように病院にいたしましても、交通機関にいたしましても、あるいはまたその他水道等にいたしましても、それぞれこれから拡充しなければならないものだと思うのでありますが、大ざっぱに見て、健全なるもの、何とかやっていけるものといけないものは半々だ。こう見ましたときに、いかがでございますか、その赤字の会計自体を何とか改善するやり方というのが何かあなたの方に素案としてでもお持ちでございますか、何ともならぬのですか、赤字は宿命でございますか。
○奥野政府委員 私たちは基本的には経営の合理化によって改善をしてもらいたいと思っておる次第であります。しかし、経営の合理化だけではどうにもならない、やはり料金改定に手をつけざるを得ないというような団体もあるわけでございます。たとえば横浜市の交通事業におきましてもそうでございましたし、東京都の交通事業にも同じような問題があると思うのでございます。年令が幾らになってもそれを雇用していかなければならないし、同時に給与も年数を経るに従って引き上げていかなければならないというようなことから老齢職員を多数かかえておる。職場転換についてもなかなか応じてもらえないというような問題が基本的にある、こういうふうに私たちは思っておるわけでございます。もちろんそれだけではございません。経営合理化の面はほかにもございますけれども、やはり人件費の問題から交通事業の中に相当数が今日の経営困難を来たしておるのであって、どちらかといえば食いつぶしておるといいますか、減価償却が十分に行ない得ないというような状態になってきておるところがあるように心得ております。いろいろな面から改善をしていきたいと思っておるわけでございます。
○太田委員 それはそうでしょうね。減価償却が十分にできる程度というような内容であるならば、赤字であるとかいうような問題は起きてこない。だから、それができないというところに、現在地方における公営企業の悩みがあるわけです。それが一般会計に大きな影響を及ぼしておると思いますので、この際抜本的に地方公営企業というものの独立採算制については考えてみる必要がある。たとえば今おっしゃいましたけれども、長崎県では非常に黒字でいいというのですけれども、あそこまで県営というような工合に、県がくまなく独占をするということになっていけば、これは交通機関の国営とよく似ておるのですから、それはいいのでしょう。けれども一地方の、しかも住民の利便というものを中心とした交通機関である限りは、赤字になるのはあたりまえです。これは将来これを指導なさる根本をお考えになりませんと、この赤字というものは永続するものだと私は想像します。これは交通機関ですが、病院とか水道などというものは、しょせん高度な技術ないしは内容を持つ公共団体の経営されるものの方がいいと思うのです。だから、そういうものが赤字になった場合に、それはいけないから民営に移せというわけにはいかぬ、民営に移すわけにはいかない。市民病院が赤字である、仕方がないから民営にしてしまえ、こんなわけにはいかぬでしょう。これを何とかよくするためには、よほど指導方針というものをはっきり立てて、こういう点をただ合理化がいいといっても、合理化とは何ぞやという問題が、具体的には解決の青写真が提示されなければいけないと思うのです。そういう点は十分一つ考えていただけると思っております。 さてここで独立会計で気になることがあるのです。それは先ほどちょっとお話しになりました競馬、競輪、競艇の類です。これは百何十億という繰入金を一般会計にしておるという宣伝がある。宣伝と事実とは同じだと思いますが、これは百何十億も一般会計に繰り入れておるのでございますか。
○奥野政府委員 あるいは数字がちょっと違っておるかもしれませんが、全部合わせますと百四十億前後に上っておったのではないかと思います。
○太田委員 これを繰り入れしていただくことは気持のいいことでございますか。
○奥野政府委員 繰入金が一般会計に寄与するということ自体はけっこうなことだと思います。ただ競輪、競馬を将来そういう目的のために積極的にやっていくということが好ましいか好ましくないかということになりますと、いろいろ是非の論はあろうと思います。さしあたりましては現在行なっております競輪の仕事などにつきましては、これを広げるという方向ではなしに、現状を拡大しない。そしてその収益は、どちらかと言いますと、多くの団体にできる限り均霑させるという方向で持っていこう、こういう考え方でやっているわけでございます。
○太田委員 このたびの単位費用の引き上げには、そういう貧困家庭に対する救済等の措置に対する諸費用が計上されておるわけじゃない。従って競馬、競輪というのはどちらかというと社会悪でありまして、今のところは何とも手がつかないのでありますけれども、これが非常に顕著に現われる弊害は、気の毒な家庭の方がさらに大きな被害をこうむって家庭争議やらあるいは生き死にの問題になっておる。そういうところから百四十億の金が吸い上げられて一般会計に入ってくる。百四十億といえば、今度地方債で教育施設、住宅施設の方面に回すとおっしゃった百十一億よりも三割も多い金でございます。これだけの金が毎年一般会計の財源に奉仕をしておるということについては、われわれとしてはまことにじくじたるものがなくちゃならぬと思う。そのような金を期待せずに、もっと健全なる一般財政運用ができないものか。これを切って捨ててしまったらどうでしょう。その百四十億は要りません、あなたの方だけでいわゆる独立採算経営をやりなさい、従ってそれは配当金をふやしても何をやってもいいから何も一般会計へ繰り入れなくたってよろしいじゃないかということにきぜんたる態度を持つことはできませんか。そうあってほしいと思うのですがね。ここにおんぶしておるという財政の形はまことに残念だと思いますが、御所見はいかがですか。
○奥野政府委員 そういう金は一切要らぬのだと思い切って言えるような状態に地方財政が早くなってもらいたいものだ、こう私も希望いたしておるものでございますが、御承知のような事情から学校建築でありますとか、あるいは公営住宅の建設でありますとか、そういうようなことがかなり大きな財政需要になって現われて参ってきておりますので、地方団体としては、こういう財源を利用しながら整備しておりましたところは一そうそうでありますが、急にこの財源がなくなってしまうと、財政の運営が困難に陥ってしまうという団体も事実相当数に上っているようでございます。
○太田委員 次官、どうですか。新任されて早々よごれなき心にそれを写していただいてどうお考えになりますか。百四十億のよごれたお金は、あなたはいさぎよくそれは地方自治の水準向上のためにお使いなさいと言えますか。
○大上政府委員 お説はよくわかるのです。ごらんの通り競馬、競輪のよってきたところの歳入といいますか、黒字というか、これを日本流に考えて良心的に云々という問題のところまでいかなくても、いわゆる社会悪といいますか、そういう表現も可なりと思いますが、それがいいか悪いかという問題については、それはお説のような考え方も持たぬでもございません。ただここに現実の面として、ただいま奥野局長から御説明申した通り、これを急にとめてしまうということになると、困ってしまう公共団体もあり、なおまた国といたしましても、これをさしあたり急にどこからどういうふうに回してくるということにそこまでまとまっておりませんので、気持はよくわかるのですが、扱い方としては現行法でも万やむを得ぬじゃないか、こういうふうに考えます。
○太田委員 次官、これから自治省におきましては、地方行政水準の向上ということに力点を置かれてやるというのですが、地方水準の向上の原動力、エネルギーは、問題はやはり精神とお金でしょう。竹やり精神だけではできませんから、どうしてもお金が要る。そのお金というものは地方交付税なら交付税あるいは自主財源なら自主財源というものでやっておるから、その構成については十分な配慮をなされなければなりませんね。こうあるべきだというもっときぜんとした方針をお立てになる必要があると思う。ぜひ一つ次官もそういうお気持でやっていただきたいと思います。 そこで局長、具体的な話になりますが、生活保護費の県の場合と市町村の場合の差というのは一体何に基づくのですか。
○奥野政府委員 市町村の居住の地域によって生活保護基準も違うことは御承知の通りでありますけれども、その仕事を府県の責任に帰して行なうか、市の責任に帰して行なうかによって額が変わるということはあり得ないわけであります。ただ府県の単位費用の場合と市町村の単位費用の場合と違っておることでそうお考えになったのではないかと思います。府県の行ないます仕事の範囲と市町村の行ないます仕事の範囲とは違っておりまして、生活保護行政だけをとらえて単位費用をきめていきますならば、それは全く同じでなければならぬはずであります。しかし、そのほかの仕事がいろいろ入ってきておりますので、その結果食い違いが出てくるわけであります。市町村の場合には市町村一本で単位費用をきめておるわけでありまして、そして市の場合は、権能差によって生活保護行政を行なうわけでありますから、補正の割増しのようなことになり、町村の場合には割減のようなことになるということの結果、そういう姿になるわけでございます。それ以外には全然相違ございません。
○太田委員 もうちょっとこの際お聞きしておきたいのです。たとえば都道府県の場合、生活保護費は一人につき今度二百十四円ですね。市町村の場合は一人につき百八十四円。二割ほど違うのじゃないですか。
○松島説明員 私から御説明申し上げます。生活保護のいわゆる生活被保護者に支給されます給付内容につきましては全然同じ基準でもって算定をいたしております。と申しますのは、県がやるか市がやるかという問題は、県の場合は、町村部の人口に対して福祉事務所が実施をするわけであります。市の場合は、全部市内の生活保護者については市が実施をするわけであります。保護者に対する扱いは同じであります。ただ市の場合は人口十万の都市における生活保護ということを前提にいたしまして、それを実施するのに必要な職員数とか、あるいはその職員の出張に要します旅費とか、そういったものを積算して、人口十万で割り返しまして単位費用を決定する。県の場合は人口百七十万の標準団体におきまする町村部の人口と、町村部の生活保護者の保護をいたしますに必要な職員数とか、あるいは旅費の額、あるいは福祉事務所の経費というものを積算した上で、人口百七十万で割り返しまして単位費用を出します。従って生活保護の基準そのものは同じであります。その積算に加わります人件費とか旅費とか、そういったものが違って参りますし、割り返します標準団体の人口が違って参りますので差が出てくるわけでありまして、これは全く技術的な結果出てくるものでありまして、内容的には生活被保護者に対しては同じであります。
○太田委員 私誤解しておりますか、松島さん。ちょっと伺いますが、今度の引き上げは関係者の給与引き上げだけですか。生活保護基準引き上げという給付の内容にも及んでおるのじゃないのですか。
○松島説明員 今度の単位費用の引き上げの中には、一つは生活被保護者に対する扶助、この扶助の中には生活扶助、医療扶助、葬祭扶助、教育扶助とかいろいろな扶助の項目がありますが、そのうち引き上げられましたのは生活扶助であります。これは十月一日から五%引き上げるということで積算をいたしております。そのほかに生活保護を実施をいたしますケース・ワーカーとか、そういう職員の人件費が含まれておりますので、その分につきましては一般公務員並みのベース改定を行なっております。
○太田委員 そこで念のために数字をお尋ねいたします。そういう県に属する職員の数、それから市に属する職員の数というのは、人口一万についてどれくらいの割合になっていますか。
○松島説明員 こまかい積算の内訳をただいま持っておりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げます。
○太田委員 それではその問題は後刻承ることにいたしましょう。 それでは局長にお尋ねをいたしますが、先ほどおっしゃった特別会計と一般会計とのけじめの話ですが、一般会計の方は特別会計を置いてもそんなに大きな影響は受けない建前になっておるという、あなたのニュアンスはそういうお話であったのです。ところが、実際はなかなかそんなわけにいけないと思うのですが、もし一般会計が独立性あるいは特別会計の赤字に左右されない力を持つもの、一つ考えてみますならば、その一般会計の内容が確固たるものでなければならぬと思うのです。ところが、市町村の場合あるいは県の場合と分けてみまして、一体浮動的な財源というものは相当パーセントが多いじゃないか。今日はほとんどの市町村におきましても、とても起債か何かにたよらなければやっていけないということばかりをどこでも言う。いわゆる借金政策なんですね。借金政策というのが全国を風廃しておると思うのですが、この起債というものなどにたよらないでもやっていけておるという財政規模を持つ市町村はありますか。
○奥野政府委員 御承知のように地方債は、本来的な財源じゃなしに資金繰りを助けるために使うものだ、こう思っているわけでございます。相当大きな規模の団体になりますと、ある程度重点的に金を使っていく、まとまった金の使い方をするということは可能でございます。しかし規模の小さい団体になりますと、学校建築というような式の金の要る問題が毎年あるわけじゃございませんので、やはりそういう仕事については借金してやらなければならない、こう思うのでございます。そういう団体におきます地方債は、これは毛ぎらいすべきものではないのであって、むしろ地方債を運用して、そういうような経費を長い年度間に割り振った方が妥当な運営だと思います。大きな団体になりますと、今申し上げますように、必ずしも地方債を必要としないというようなことが言えると思うのでございますけれども、何といいましても最近の国民経済の上昇から公共施設の立ちおくれがひどく目につくようになって参っております。道路の整備一つにいたしましても、あるいは下水道の整備一つにいたしましても、莫大な金を要することでございますので、そういう意味で地方債の資金をぜひ大量にほしいというのが実態だと思います。私たちの考え方といたしましては、できる限り府県につきましては地方債のウエートをなお今後も積極的に下げていきたい。そして市町村についてはどちらかといいますと、地方債のウエートを今よりも若干多くした方がいいのじゃないかという、こういうような考え方でおるわけでございます。もとより地方債を充当いたしました場合には、その元利償還額を後年度において一般財源で負担していかなければならない。その負担が可能なような財政措置をあわせてとっていかなければならない、かように考えておるわけであります。
○太田委員 そこで今度の百十一億の起債額というのはかなり圧縮しておる。われわれが見ると、二百億以上なければ今度の要望にこたえられぬじゃないかと思いますが、現在どれくらい出ておりますか。災害を中心としまして、今日の時点におきまして起債の要求というのは。百十一億というものと要求との比率ですね。
○奥野政府委員 まだ災害の査定も進行しておりませんので、地方団体から地方債の要望というような格好での数字は出て参っておりません。私たちは一応これでやっていきたい、こう考えておるわけでございますけれども、もし第二室戸台風の結果、災害査定額が私たちの予想よりももっと大きな金額になるということでありますれば、この地方債計画も弾力をもって修正をはかっていきたい、こういう気持でおるわけであります。今その不足が予測されておるわけではありません。予測されておるわけではありませんが、こういう計画を作ったら、無理にこれを押し込めていくのだ、こういう気持も持っていないという意味で申し上げておるわけでございます。
○太田委員 しかし、百十一億というのは一応の何か目安があるでしょうね。その一応の目安というのをちょっと内容を承りたい。
○奥野政府委員 九月以降の災害に要します地方債の額が実はわからないのであります。一応これを三十億円と弾力的に金額をきめておるわけでございます。これは今後の数字の判明によって増減させるべきである、こういう気持でおるわけであります。あとは一応個別に内容を盛ってあります。
○太田委員 大体大ざっぱに百十一億というふうに勘でおきめになったのではないかと思うのですが、教育施設あるいはいわゆる学校、公民館、それから住宅、市営住宅、町村営住宅、こういうものの被害はかなりなものと思いますが、損害はわかってないのですか。
○奥野政府委員 地方団体から報告して参っております被害額、これはわかっておるわけでございます。まだ査定が進行しておりませんので、どういう数字になるか、これはもう少したちませんとわからないと思います。その数字で申しますと、公共施設の被害額の総額が千五、六百億という数字に上っておるようでございます。
○太田委員 その中で市営住宅、町村営住宅、県営住宅、この住宅関係はわかりませんか。
○奥野政府委員 ちょっとここに、どの中に入っておるのか個別の数字を持っておりませんので、あとで報告させていただきたいと思います。大へん恐縮です。
○太田委員 災害応急住宅の中で先回五坪、十万円というのを伊勢湾台風では建てましたね。あれがこのたび甚大な被害をこうむっておるわけです。あれは五坪、十万円という基準に誤りがあって、その設計そのものも非常に誤りじゃないかと思うのですが、施工に誤りがあった点も認められますが、二年たたないのでありますけれども、あちらこちらで全壊、倒壊あるいは大破という悲惨なる被害をこうむった。しかも、そこに入っておる人たちはみな生活能力の低い方ばかりであります。低い人が先回やられて、またやられて、二重の打撃を受けておるんですね。こういう点につきましても、住宅というのは、地方団体としても間に合わせではいけないということを痛感しておる。災害応急住宅といっておりましたね。応急住宅については、今度は基準が引き上げられるという話があったように聞いておりますが、何か御相談を受けていらっしゃるのでしょうか。
○奥野政府委員 御承知のように、災害救助法に基づきます災害応急住宅、現在は五坪十万円ということになっておるわけであります。たしか伊勢湾台風のときに引き上げられてこうなったのだと記憶いたしております。しかし現状からいいますと、とてもそれでは建てられないということで、地方団体からも非常に強く希望しておりますし、厚生省も大蔵省と話し合いをしておる過程にあるわけでございます。私たちとしては、ぜひ引き上げてもらいたい、こう考えておるわけでございます。なお、別途国有林の払い下げにつきましては、ある程度便宜をはかろうというような措置も講ぜられておるわけでございます。しかし、それだけではなしに、基本的にこの十万円という金額をある程度引き上げてもらいたい、こういうことで希望を私たちとしても表明しておるわけでございます。
○太田委員 それに関連をしまして、第二種公営住宅の昭和三十六年度の建設計画というのは、あれはどんなふうですか。
○奥野政府委員 大へん恐縮ですが、今ここに資料を持たないで来ちゃったものですから、地方財政計画の資料の中に持っておるわけでございますけれども、適当な機会にお答えさしていただきたいと思います。
○太田委員 住宅建設の基準の問題は翌年回し、今度の議題に上らないんですね。私は上らないことは不思議だと思うのですよ。現実に地方に行ってみて困るのは、応急住宅に入っているが家が引っくり返って何ともならぬで困っている。どこに収容しましょうかという市町村の悩みです。第二種公営住宅も屋根がはがされた、家がこわされた、これを大幅に修築改善しなければならぬ。もっともっとこれを建て増しして収容する能力をふやさねばならぬというときに、その費用というのは今度の補正の中で見てもらえない。どういうのでしょうね。
○奥野政府委員 それは御指摘のように補正予算の中に計上されておるわけであります。ただ第二室戸台風の分につきましてはまだわかりませんので、災害予備費として一括して計上になっておるわけでございます。従いまして、私たちも、先ほど申し上げましたように、地方債としても三十億円という予備費的な計上の仕方をしておるわけであります。今後内容が具体化するに従いまして、地方債の運用の内容も具体化さしていきたいし、その総額も弾力を持って考えていきたい、こう申し上げておるわけでございます。
○太田委員 本予算の方へ入っておる分はそれはそれとしておきまして、私たちのこの地方自治体の関係する分について申し上げておるわけですが、その辺のところは起債で乗り切りなさいというのも一つの方法ですからそれはいい。しかし非常な住宅の問題でありますから、住宅に関する起債については一〇〇%見る、教育施設については要請があれば起債は一〇〇%見ますよ、これぐらいの意気込みがあるのですか。
○奥野政府委員 災害関係の住宅につきましては、御指摘のような方法をとりたいと思います。ただ一般公営住宅につきましては、ある程度地方団体も一般財源を出してもらいたい。社会政策として一般財源を捻出すべきではなかろうか、こういうような気持を持っておるわけでございますので、地方負担額の四割充当というような地方債の運用の仕方をいたして参っておるのであります。
○太田委員 実際に単価が安いでしょう。かりに査定がありましても、単価が安いために地方団体としては持ち出しになるのですよ。その持ち出し分をどこかで見てやらなければならぬのです。地方財政というのは派手じゃありませんけれども、かゆいところに手が届くということを何か配慮してやらなければならぬと思うのです。できるだけ起債で見るというのも方便ですから、この際やむを得ないでしょうけれども、一つのかまえとしては、こういう災害のあった場合には、私どもの方としては、あなたたちにそういうときに行政水準の低下を来たすようなことはさせません、十分見ますよという意気込みというものがあってほしいと思うのです。そういう気持についてはいいでしょうね。
○奥野政府委員 お話まことにごもっともでありまして、そういう方向で運営をしていきたいと思います。その一つとしては、やはり特別交付税の運用だと思うのでありまして、被災団体に重点的に特別交付税を配分していきたい、こう思っております。不交付団体等につきましては、ある程度地方債の面でめんどうを見る点も多くなるだろうと思いますけれども、今申し上げますような方向で考えて参りたいと思います。
○太田委員 そういうお気持になりますと、本論に戻りまして、地方公務員の給与引き上げにつきましても、地方団体のそれぞれが実情に応じてできるだけ全体の水準に近づけるように引き上げの努力をする必要がある、こういうことになると思うのです。それもまあ先ほどからのお話でそのお気持というのは十分くみ取れますから、一つ御指導なさる場合には、低いところをなるべく引き上げてやっていただく。そうしないと悪いことが幾多行なわれまして、地方自治体の職員の中に、古い形式的な官僚主義的なものが芽ばえて強くなって参りますと、住民と地方団体とは疎隔をいたしますから、この点について十分の御配慮をいただきたいのです。 もう一つ関連してお尋ねしたいのは、地方議会議員の報酬の問題ですが、これは局長、あなたの方はどういう指導をしていらっしゃいますか。何ですか、一カ月、月割りにしまして三千円だとか、その程度のところがたくさんあるんじゃないでしょうかね、わかっていますか。
○奥野政府委員 今おっしゃいました数字は、おそらく町村議会議員の報酬ではなかろうか、こう思います。昨年の二月一日現在で調べました町村議会議員の報酬の平均額は、月額二千五百円になっておったわけでございます。
○太田委員 その報酬月額平均二千五百円というと、以下がある。これは名誉職ですね。名誉職精神というのは、今日の地方自治の精神からいいますと、ちょっと古いものになっているのです。これを極力引き上げていく、引き上げた方がよかろうという気持はありますか、どうですか。
○奥野政府委員 町村の自治団体におきまして、議員が報酬をできる限り押えていく、そうしてその金の使い方についてかなりきびしい態度をとっていくということも、私は一つの行き方だろうと思いますので、町村議会がそういう心がまえで運営されようとしていますときに、これに対しまして反対的な言動をするということは穏当ではなかろう、こう思うのであります。あとう限り町村の行き方につきまして、特別のことのありません限りは、こまかな干渉的態度は避けた方がよろしかろう、こういう気持でおるわけでございます。
○太田委員 そういうお気持も、聖人君子の議会ならばいいと思うのです。どうも聖人君子というと、かすみを食べて生きておる人だそうですから、私はそういう仙人のような人によって地方議会が運営されているとは思わないのですよ。そのために地方議会におきましては、自分の功績をてらう、自分の存在というのを誇示する必要があるがゆえに、予算のぶんどりと不公平な使用というのが起きてくるのでしょう。不足しておるところの財源を、議員個人の立場々々の強化のために使われては、地方議会というものはたまったものではない。地方住民はたまったものではないと思うのですよ。これは衣食足りて礼節を知るという言葉があるでしょう。給料は高いほどよろしいというのが、今生産性本部などの言うておる言葉です。報酬は高い方がよろしい。そうしてりっぱな地方自治の前進のために一つ努力して下さい、こういうふうにならなければうそだと思うのですよ。片方においてPTAの負担が多過ぎるから、村議会の議員がそんな五千円も取るのはけしからぬ、こういう声もそれは出てくると思いますけれども、これはもっと別な意味においてPTA負担というものを軽減すべきだと私は思うのです。大ていそういうことから出てくる。字費が多い。字というところに五十軒あったとすると、その五十軒のところの村民税の平均よりは字費の平均の方が二倍だというところがある。こんなことになるのも、町村の財政的な規模が貧弱なるがゆえにそういうことになるのですから、これを強化してやる必要があると同時に、その貧弱なる財源をさらに食いつぶすというのは、報酬が低い町村会議員が多いがゆえに、それによって地方財政が荒らされておるんだというものの見方があるのです。これはどうでしょう。
○奥野政府委員 御指摘になりました点、考えられないでもないと思うのであります。しかし基本的に、国会議員の場合と、府県会議員の場合と、市会議員の場合と、町村議員の場合と、活動の実態は私は違うと思うのでございます。特に町村会議員の場合、常勤的な活動というようなことは少なくとも必要でないと言うと多少言葉が穏当でないかもしれませんが、そこまでの勤務を考慮した報酬にする必要はない、こう私は考えるのであります。もとより町村議会というものをそういう姿にするというのも一つの方法だと思いますし、国によってはそういうところもあろうかと思います。そういう場合には、思い切って議員の数を減らしてしまう。常勤的な活動を議会がやるという場合には、私は今のような議員定数ではあまりにも多過ぎると思うのであります。どちらの行き方をするのがよろしいか、議論はあろうかと思うのでありますが、現在の町村議会の姿から考えまして、常勤的な勤務を頭に置いた報酬を考えていくということは、もとより避けなければなりませんし、太田先生もそこまではおっしゃっていないと思うのでございますけれども、そういういろいろな点から考えますと、現段階においては、町村自身の進め方にその点はゆだねていきたいというような気持でおるわけでございます。
○太田委員 それに間違いがあるとは思いませんけれども、平均が二千五百円だなどという町村議員の報酬というのはあまりにも低過ぎて、これは健全なる地方自治を運営するにはかえって支障になるのではないかということを痛感いたします。最近は地方に工場が盛んに誘致される。工場誘致の風潮が強くなった。そこで、どうして工場誘致が盛んに目の色をかえてなされるかといえば、市町村財政を強化するための方途として、将来への礎石としてこれがなされるわけです。地方の開発のためには工場誘致はけっこうでありましょうけれども、それには相当金をかける。しかもなお誘致条例などを作りまして、直接的に、具体的にいえば各種の免税措置というのを講じておる。補助措置を講じておる。だから、非常に貧乏な町村が金を持っておるところの企業などに奉仕しておるというような実例も出てきておるわけです。そういうところなどにおいても、地方議会の議員というのは町村を愛するという気持が非常に少ないのです。俸給が少ないから、それだけの切実さを感じないのです。だから理事者が一生懸命になってやっておる。理事者の言いなりに条例はできてくるのです。もしもそんな貧弱なところだったら、なぜそんな莫大な投資を必要とするような工場を持ってきて、向こう五年間、十年間も固定資産税を免税するにひとしいようなことを考えますか、誘致条例というのは地方住民の幸福のためには反比例するものですから、否定していかなければならない。誘致条例なんというのは作る必要はない。そこにたくさんの金を使っていくのですが、まあ将来よくなるならよかろうということで、一向に真剣なる討議を町村議員がしないということは、そもそも俸給の少ないことに基因する研究不足だろうと思うのです。そんなようなことも関係いたしますが、地方財政というものは、そういうふうになるべく自主財源を強化する方向に持っていくことはけっこうで、その中の住民の税外負担が少ない、職員も給料がたくさんいただける、衣食足って礼節を知って、りっぱな地方行政が行なわれる、こういうふうになっていきたいものだと思うのです。今の二千五百円平均については、今急にこちらから引き上げるというわけにはいかないでしょうから、奥野局長のおっしゃることでけっこうでしょう。ですが、関連をして、今の誘致条例などは地方財政に大きな影響があるんだから、これはどうですか、そういう内容を持つ条例をあなたの方は見のがしておく御意図でありますか、それともこの際何とか措置をされるおつもりですか。
○奥野政府委員 誘致条例は、その団体だけの問題にとどまりませんで、多くの団体にいろいろな影響を及ぼして参るわけであります。企業といたしましては、あの団体の誘致条例ではここまでの恩典が得られる、だからそこまでの恩典を与えてくれないなら、ほかの団体の方に工場を持っていくということで、企業に乗ぜられている向きも出て参ってきておるようであります。そういう意味から、あまりはげしい、今御指摘になりましたような内容を持つような誘致条例を作っておる団体におきましては、できるだけそれを是正してもらいたい、こういう態度で臨んでおるわけでございます。その結果、誘致条例の内容を改めた団体も相当数に上っております。
○太田委員 非常にけっこうな方針ですね。大いにそれを推進して下さい。これを推進することによって、どれだけ地方財政が強化されるかわからない。破壊を免れる。こんなものがほったらかしになっておったということは、まことに遺憾千万だと思います。しかもそういうことに対して、隣の町村が誘致条例を作って五年間の免除なら、わが町村は七年半だという考え方でやる不当な競争が、どれだけ地方住民の圧迫になっておるかわからない、不幸になっておるかわかりませんから、ぜひともこれは強力なる御指導をしていただきたい。地方においては、通し号俸では給料がよくなるわけでありますけれども、これはあまりいいことじゃない、他とのバランス上よくないという御指導をなさって問題が起きたことがありましたが、こういう地方自治体の金の使い方についても、一つの全国的な統一した基準をお作りになって、あなたの方の断固とした決意は、今のいい方向ならば強力に推進していただきたいと思います。特に地方団体は、工場を持ってくれば、何もしなくても、誘致のために何回か上京したとか、何を折衝したという雑費もかかります上に、そこに水路あるいは道路あるいは需話その他の諸設備、あるいはそのためによる付近の町村に対する幾多の犠牲とかいう問題が派生的に出てきますから、何ら補助するということを書かなくても、やらなければならぬことが出てくる。トラックが通れないところに工場を建てようとすれば、りっぱな道を開かなければならない。この費用だけでも膨大なものであります。その上税金を減らすというようなことを考えていては、固定資産税は地方財政の中枢でありますから、それだけに将来の大きな障害になるだろう、こう思うのです。これはできれば誘致条例などというものは撤廃しまして、そしてもっと大きく国土開発なら国土開発、工場配置法という立場から規制される。自治省もこれを進めるようにしていただきたいものだと思います。 少し脱線いたしましたけれども、以上をもって私の質問を終わります。
○松島説明員 先ほどお尋ねのございました生活保護に従事しております職員の数についてお答え申し上げます。 町村部におきましては、すなわちこれは府県が実施する分でありますが、人口十万につき十六人の割合、それから市、これは市が直接実施いたしますが、この分については、十万につき十二人の割合になっております。県の方が多くなっておりますのは、町村部を取り扱っております関係上、生活被保護者が散在しておる、地域的な広がりを持っているというような関係から人数が若干多くなっております。
○園田委員長 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十分散会