大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/11/28
会議録
○伊藤小委員長 これより会議を開きます。 金融及び証券に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。細田義安君。
○細田(義)小委員 現在昭和三十七年度の予算の編成の作業に各省とも入っております。特に各省の要求につきまして、大蔵省はこれを査定して政府の予算を作る最中でございますので、現時点を中心にいたしまして、どのように現在の経済を考えておるか、どう昭和三十七年を展望しておるかということを中心にいたしまして伺いたいのであります。そこで責めるとか究明するとかいうようなことではありませんで、率直にお答えを願いたいと思うのであります。 去る十月の五日に、英国におきましては公定歩合の〇・五%の引き下げを実施しております。これについてイングランド銀行は次のような声明を出しております。七%という高い公定歩合は他の信用引き締め政策を補強し本土への圧力を救うために実施されたが、この短期の目的が達成されたので〇・五%の引き下げが可能となった、しかしこれによって英蔵相が七月に発表した長期目的が達成されたと考えてはならないということを申しておるのであります。ことしの七月二十五日に英国は公定歩合を五%から七%に上げましたね。これは日歩五厘でありまするから大幅のものであります。これを断行して以来二カ月余で国際収支に顕著な改善を見たので、今申し述べたように金利水準は次第に正常の状態に戻るでありましょう。経済の行き過ぎを押えるために高金利政策を活用することは最も円滑に目的を達する調整手段でありまして、力づくで引き締める窓口規制よりはるかに合理的だと私どもは考えるのであります。英国のように一時高金利政策をとりましても、目的を達したら早くもとの低い金利水準に戻せば、長く産業の金融負担を増加することにはならないのであります。国際収支悪化に悩むわが国も、このようにあざやかな英国の金融政策を範とする必要があるのではなかろうか、こう思うのであります。わが国では三十六年度の国際収支は経済収支で約十億ドル、総合収支でも六、七億ドルの赤字を免れず、来年三月末までの外貨保有高は十二、三億ドルとなるのではなかろうか。外貨準備の危険線に近づく公算が大きくなっておると私ども考えるのであります。このように国際収支の決定的な赤字傾向の最大原因は、内需の行き過ぎにある、こう思うのであります。設備投資の盛んなことと過剰消費が、輸入の増大と輸出の停滞をもたらしたのでございます。国内需要の強調を反映して、今年九月の卸売物価指数は一〇六・九で、昨年の底である七月の一〇〇・六と比べると六・三%の上昇でありまして、昨年の七月以来十四カ月間継続的の棒上げを続けてきたのであります。経済の均衡的な発展が破れたかどうかは、まず物価に反映すると思うのであります。この明らかなシグナルを一カ年間ながめながら最近まで有効な金融政策をとらなかったところに、国際収支悪化の病状を深くした原因があると私は断じたいのであります。政府は、国際収支の改善の総合対策として、九月十八日に輸入担保率の引き上げを実施しましたが、その後輸出振興策として輸出所得控除制度の改善、輸出企業に対する特別償却制度の創設、輸出金融の優遇強化、輸出保険制度の改善等をきめ、財政面からの施策としては官庁営繕工事の一部繰り延べや財政投融資及び公共事業費の一部繰り延べ等、補正予算もまた極力圧縮したと水田蔵相は九月二十八日の国会演説で述べております。投資面規制の行政指導や消費抑制のための貯蓄奨励、国産品愛用運動などもまた対策としてそれに加えられております。金融面では従来の引き締め基調を一段と強化するために、九月の二十八日に公定歩合を日歩一厘引き上げまして、日銀貸し出し高率適用制度の強化、あるいは預金準備率等の引き上げも同時に実施されることとなりまして、総合対策が一通り出そろったのでございます。 そこで、今後の経済動向を検討するには、私どもは三十二年の引き締め政策と今回の総合政策を比較するとともに、前回の引き締め効果についての経験を顧みる必要があろうと思うのであります。三十二年の外貨危機緊急対策のときは、同年の五月八日に公定歩合の日歩二厘引き上げをきめ、六月の中旬には財政投融資の一五%の繰り延べを発表しました。この金融財政両面よりの施策を中心といたしまして、内需の抑制に努めたのであります。このときは市中銀行は公定歩合引き上げに伴いまして貸し出し金利及び要求払い金利を引き上げたのでございます。金融当局は長期金利については、当初国際収支改善が短期決戦であるとの考え方から引き上げを見送ったのでありますが、結局設備投資の抑制のためには長期金利の引き上げの必要を認めまして、三十二年の七月に至りまして、社債金利が〇・三%から〇・五%引き上げられております。このときに定期預金金利も半年ものを〇・五%引き上げておるのであります。いつも国際収支が悪くなりますと輸出振興策がクローズ・アップされます。今回取り上げられた各施策でも、ほとんどそれが網羅されておるのであります。しかし景気加熱による輸出不振の原因は、内需が盛んで輸出余力がなくなることにあるのでありまするから、内需そのものをある程度押えることに成功しなければ輸出振興策は作ってもただから回りをする、そういう姿でございます。内需抑制に対する政府の具体策はどうであるか、この点を私は明確にお聞きしたいのであります。
○大月説明員 ただいまのお話は、輸出振興のためには内需を押えなければいけないというお話でございます。われわれといたしましても、そういう方向において施策をいたしておるのでございます。ただいまお話にございました方向につきましてその面を拾い上げてみますと、金利の面につきましては公定歩合を七月の下旬に引き上げ、それから九月の末にさらに一厘の引き上げを行なっております。それから設備投資につきましては、行政措置をもちまして産業合理化審議会の答申に基づいて通産省において行政指導を行なっておりますし、われわれもこれに即応いたしまして、同じ方向において金融を詰めるということをいたしておるわけであります。また一般の消費の節約自体を実行運動として呼びかけますと同時に、貯蓄の面におきましても各種の、特に税制面におきまして施策を検討いたしておるわけでございます。預金の金利につきましては、全体の資金コストを引き上げないという配慮のもとに特に引き上げを実行いたしておらないわけでございますけれども、それにかわるものとして、税制面において今各種の施策を考慮いたしておる、こういう実情でございます。
○細田(義)小委員 税制の面において対策を講じておるというのでありますが、内需の一本の柱でありまする設備投資の抑制には、行政指導や金融の量的の引き締め並びに是正、そればかりではだめだ、効果が薄い、前回同様に長期の金利も引き上げるのでなければ円滑な抑制がおくれると私は思うのでありますが、この点はいかがですか。
○大月説明員 昭和三十二年の場合の問題と今般の問題との違いは、設備投資が非常に強いかどうか、むしろそのウエートが在庫にあるかどうかという点にあるというように一般に言われております。もちろん設備だけによってこういう経済の行き過ぎが生じておるわけでもございませんし、三十二年の場合におきましてもやはり設備投資が先行いたしまして、それにスエズ動乱その他の思惑的要素も加わりまして、在庫面の急増が特に大きかった、ウエートが設備よりも在庫にかかっておったというのが三十二年の特色であろうかと思うわけでございます。そういう意味で今回の施策の重点といたしましては、特に設備自体の抑制あるいはむしろ繰り延べということがポイントかと思うわけでございます。三十二年のときには社債の金利も引き上げられたわけでありますが、今回はその引き上げが見送られておるということは、預金金利とのつり合いをとりまして、その引き上げを見送っておるわけでございます。その結果どうであるかということでございますが、御存じのように社債市場は最近どちらかといいますと不振でございまして、企業の側の資金調達という点からいえば、社債の金利を引き上げるよりもむしろ資金調達の面において設備の投資がむずかしくなっておる、こういう意味においてむしろ効果が上がっておるのじゃないか。それから金融は金融として引き締めをやっております。それに対しまして設備投資をやりたい向きにおきましては、増資によって資金を調達しよう、こういう動きがあったわけでありますが、これも先般来の努力によりまして、増資の調整が今進んでおります。そういたしますと、やはり資金調達という点から設備の方にも影響がくる。そのほかに先ほど申し上げました実質面の行政指導、こういう問題も加わりまして、むしろ一般的な社債金利を引き上げるよりも設備投資を押えるという面においては強く働いておるのではなかろうか。もちろん設備投資は相当長期間にわたりかつ自由化を控えておりまして、相当根強いものがございます。単に一片の金利政策だけをもっておさまるべきものでもないと思います。全体の産業界、金融界におかれましても、こういうような国際収支の実態から考えまして、自由化も必要だけれども、むしろ当面国際収支の危機を乗り切るためには設備投資を繰り延べる必要のあるものはできるだけ繰り延べる、こういう態勢をとっていただくということが基本であると思いますので、そういう面で行政指導あるいは一般に対するいろいろなPRあるいは今の社債面、株式面あるいは金融面、各種の方面から設備投資の繰り延べに努力いたしておる、相当その実効は上がっておる。先般十月末で大蔵省において設備投資の特別調査を実行いたしたわけでございますが、これは六月末に実行いたしました契約に比較いたしまして、企業サイドにおいてすでに七・九%ばかり設備繰り延べをやっておる、企業側の計画において繰り延べが行なわれておる。そのほか今申し上げました金融、社債あるいは株式市場、そういうようないろいろな対策も加わりまして、資金調達が相当むずかしいだろう、そういう面から調査対象の百五十社につきましては、さらに繰り延べが強くなるのじゃあるまいかとわれわれは推定いたしておるわけでありまして、当初の設備計画に対しまして、一二、三%程度の繰り延べになるんじゃなかろうかというように見たわけでございます。そういうような情勢はその後も変わっておりませんので、いろいろな今申し上げましたような施策を総合いたしまして、設備投資の抑制には相当実効を上げておる、必ずしも金利だけの問題ではないというように考えております。
○細田(義)小委員 ただいまのお話で、設備投資については相当抑制のきき目が現われておる、こういうことでありまするが、これに対しましては、私どもは貿易の自由化に備えて最もおくれておるところの中小企業までがこれによって抹殺をされるということになりますると、国の政策としてはこれはよほど考えねばならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、これは後ほどに申し述べることといたしまして、今日のこのような事態を招いた基本的な問題として考えられることは、設備投資の行き過ぎと同時に国内の内需の増大と申しまするか、膨張と申しまするか、これでございます。そこで、私どもは消費抑制については、金融の引き締めだけではだめである、直接的な効果が望めない。従って貯蓄の奨励を推進するほかに良策はないと考えておるのであります。政府もこれを取り上げておりまするが、それは今のところは単なるかけ声でございます。そこに何ら効果的なものがもたらされておらぬと私どもは考えておるのでありますが、この際預貯金の金利を引き上げて貯蓄の意欲を具体的に刺激することが正攻法であると私思うのであります。この点について御見解はいかがですか。
○大月説明員 今わが国の金利の問題におきまして最も基本的な問題は、国際金利に比較いたしまして、わが国の金利水準が高いということにあると思います。これが国際競争力という点におきましてコストに響くというようにいわれておるわけでございます。もちろん金利の作用といたしましては、一つは経済調整の作用を持っておる、一つはコスト面に響くという二面がございますので、経済の調整を必要といたしますときには、やはり金利を引き上げて調整をはかる、経済の伸びを期待いたしますときには、金利はできるだけ下げていくということが必要だと思います。しかし最近の国際経済の中での日本経済を考えてみますと、必ずしもこの金利の問題は国内の経済調整という点だけからは考えられないという面を持っておるわけでございます。これは必ずしもわが国だけの現象じゃなしに、イギリスにおきましても、ドイツにおきましても、あるいはアメリカにおきましても、金利政策は、国際的な面と国内的な面を両方考えて施策をいたしておるわけでございます。先ほどお話のございましたイングランド銀行が七%から〇・五%引き下げたという現象につきましても、これはイギリスの国際収支が非常によくなりまして、もう経済の調整は終わったんだ、従って、さらに経済を伸ばす、設備投資もさらにこれを進めるという意味の引き下げではないわけでございまして、イギリスにおきましては、実質的に経済を再建するためには経済の調整はさらに必要であるという基本的な認識を持っておるようでございます。ただ金利が七%近いということになりますと、国際金利、特にアメリカの金利に比較いたしまして非常に高い。そのために短期の外資がロンドンに集中いたしまして、むしろ金融を引きゆるめる、そういうことになりますると、せっかく経済の調整を行なおうとしてもそれがうまくいかないのでありまして、逆に金利が高いことが金融をゆるめていく原因になる、海外の状況からゆるめていく原因になる、こういうことが一面にある。それからやはりアメリカのドルが流出いたしますので、そういうような問題に対する配慮、両方の面から〇・五%の引き下げを行なったというように考えております。そういう意味で、当時のイングランド銀行ないし大蔵省のこの〇・五%引き下げに対する見解におきましても、経済の調整は終わったのではないんで、さらに調整を必要とする、しかし今申し上げましたような理由から〇・五%下げたんだ、こういうようなことを言っておるわけであります。国内の経済と海外との接触面を含めて考え合わせますと、必ずしも簡単にはいかない。そういう意味で、今の預金金利自体を考えてみますと、仰せの通り短期の金利は二厘方引き上げたわけでございます。預金金利もさらに引き上げた方が、そちらの経済調整という方向からいえばいいんだということは仰せの通りであると思いますけれども、また別に、預金金利が世界的な水準におきまして特に高い。日本の金利水準が高い中でも特に預金金利が高いわけでございまして、これが一般の金利水準を引き下げる一つの障害になっておる。こういう感覚から、できるだけコストを上げない配慮をいたしたい、こういうことで、先般預金金利を含めた一般的な金利水準の引き下げを実行いたしました。そういう意味で、今回の措置におきましても、預金金利を引き上げるという措置によらない、ほかの面において資金の吸収をやっていきたい、これがわれわれの現在の考え方でございます。
○細田(義)小委員 私ども先般同僚の諸君と一緒に数カ国の金利とか金融とかいう関係も見て参ったのでありますが、金利の構成につきましては、どうも日本とその他の諸国とは非常な違いがある。従って貿易の自由化に備える、そのためには、安い金利で金を供給いたしまして近代化を促進するということは、考え方としては正しいのでありますが、しかし日本の現状は、資金を集めるということにつきましては、昔から金利をもらって預金をするという慣習が長く続いております。外国の資金量の大半というものは、金利を払わないで、むしろ預金者の、チェックを出すとか、いろいろな仕事をやる、サービスをやるために、その代償のような形になっておるというようなことのために、日本と金利構成というものは全く違っておるというようなことを私どもは認識して参ったのであります。従って、こういう中において、今必要とされる資金をいかに調達するかということになりますると、この前、社債が利回りがいいというようなことで社債の方に流れていったというようなことは、日本の庶民というものは金利については相当敏感にものを考えておるということでありまして、政府は内需を抑制するには金融を一面において引き締めるが、さらに貯蓄を推進する、こういう手を打ち出しておって、打ち出し方というものは正しいのでありますが、しからば何をやっているかと言えば、だれもそれに答えることはできない、何もやっておらぬ。こういうことでは、なかなか内需を押え消費を抑制する、またその反面においては潤沢な資金を確保するということにはならないのであります。 この間近畿方面を歩いて参りましたが、むしろその預金の量は、芝居に呼んだりいろいろなことに呼んだり、物をくれたりしてやるところの相互銀行、信用金庫、こういうところの預金量というものは漸次ふえておりますが、いわゆる十大銀行とか巨大な銀行は、その割に資金の獲得ができておらないというのが現状であります。これがさらに顕著にいくんじゃないか。政府から保護されたり、政府を通ずる日銀から金を借りたりする機関の方が資金を集めるについてはうまくいっていない。野放しで置かれる方の、監督だけがやかましくいわれる方の信用金庫とか相互銀行とか、こういうものの方が案外活発に資金をととのえておるというのが現状でございます。こういう点で、私は、水田さんが出て参って、金利を引き下げて、しかし片方金利を上げましたが、一般の金利はどうも据え置きで下がったままだということでは、まだまだ大所高所から国民に全部納得せいと言っても無理でございます。こういう点で、私はやはり国民に納得を得るには、片方金利も上げたんだからお前たちの償金の金利も上げてやるという方が率直に言って貯蓄を増強して内需を抑制するというききめもあるのじゃないか、こう考えるのであります。それから三十二年の経験では、五月から引き締めをかけまして、国際収支は十月から黒字に転じました。三十二年は年間で五億二千三百万ドルの赤字を出しましたが、三十三年は五億一千百万ドルの黒字となったのであります。政策転換後約一年半で赤字を取り戻したことになっておるのでございます。また鉱工業出産はその指数において三十二年五月の一五二をピークに低下し始めまして、半年後の十一月には一四一・四、七・五%下降しました。約一年後の三十三年の六月には一三九・八となりまして底をついたのでございます。また三十二年度の経済成長率は七・二%でありましたが、三十三年度は三・六%に落ち込んでおります。三十三年は御承知のようになべ底不況と言われた年であります。三十二年の外貨危機は思惑輸入による在庫投資が中心をなしておりましたから、引き締めにより国際収支は割合早く黒字に転じたのでありますが、今回は急膨張による内需の増大が大きな原因をなしておることと、政策の転換が半年近くおくれておりまするので、回復には前回よりもずっと時間がかかると思うのであります。こういう点について、従来仕事をあずかってきまして、ここで急角度にいろいろ申すことも困難かと思いますが、私は、来年度はどういう見通しを持ち、現時点をどう理解しているか、こういう観点で三十七年度の予算の編成をされ、金融の政策を立てられるか、こういうことでありまするが、率直にお答えを願いたいと思います。
○羽柴説明員 来年度の見通しにつきましては、現在経済企画庁、各省との間で調整中でございまして、まだ結論は得ておりませんが、現在までに大体まとめました考え方をお話し申し上げます。 まず来年度の個人消費でございますが、これにつきましては本年度に引き続いて順調な伸びというものが期待されまして、現在のところでは約八%程度の伸びが推定されておるわけでございますが、これにつきましては消費の抑制等についてはいろいろな政策等もとっておるのでありまするが、なかなか個人消費の抑制ということは相当むずかしい問題をはらんでおるわけでございます。 それから次に設備投資に関しましては、本年度の設備投資は三兆七千五百億ということに推定されておりまして、これは通産省の所管されまする大企業におきましても、一兆六千五百億をさらにしぼる。それからまた大蔵省におきましても各省におきまして相当な引き締めを実行しておられまして、設備投資は大体推定三兆七千五百億程度にとどまるのではなかろうか、そうすれば来年度におきましても全体の基調からいきまして、これ以上の設備投資ということは考えられないのでございまして、大体今年度の横ばい程度の投資というものが行なわれるものと考えられるわけでございます。 それから次に、個人住宅につきましては、これはことしの推定が四千五百億であったのでございまするが、来年度は、先般九月二十六日に見通しましたときには約五千五百億程度の個人住宅ということを考えたのでございますが、現在のところでは木材の値下がり基調というようなことが木材の緊急輸入対策によりまして考えられましたので、約二百億ばかり落としまして五千三百億程度の個人住宅を想定いたしておるわけでございます。 それから問題になりますのは在庫投資でございますが、これは本年度は大体八千五百億の推定をいたしておったのであります。これは前回の九月二十六日の見通しにおきましては七千五百億の推定であったのでございますが、実は本年の四・四半期、一月から三月までが大体一兆四、五千億の在庫投資ということになっておりまして、四—六を見ましても一兆一、二千億でございます。従って、この積み増しが相当減りましても約七千五百億の推定ではちょっと無理だろうということで、約八千五百億、そのかわり来年度の続きといたしましては、これに引き続きまして在庫の食いつぶしとか、いろいろな問題もございまして、来年度は相当これを引き締めまして、最初は七千億の在庫投資というふうに推定しておったのでございますが、現在の推定におきましてはさらにそれの半分程度の約三千五百億程度ではなかろうかというように推定をいたしております。 それから政府支出でございますが、これにつきましては、本年度の推定は三兆一千四百億でございまして、これは来年度の予算と関連してくるわけでございますが、まだこれにつきましては的確な数字を申し上げるわけにはいきませんが、大体来年度の予算におきましては約三兆五千五百億程度を考えておったのでございますが、これは一千億の減税等を含めまして三兆五千五百億程度と踏んでおったのでございますが、さらにたな上げ資金等の問題もいろいろ今問題になっておりまするが、それらが全体として予算に計上されるといたしまして、一応この中でたな上げされるかどうかということは別といたしまして、全体の予算計上の推定といたしまして私の方で推定いたしましたのが三兆六千億ということになっておるわけでございます。 それから、問題は輸出入の関係でございますが、これにつきましてはまだ全般的な結論を得ておらないのでございますが、本年度の輸出は為替ベースにおきまして大体四十二億ドル程度を上回るだろうというような推定がなされておったのでございますが、現在の各国の情勢並びに日本の輸出の現況から見まして四十二億ドルまではやや無理ではなかろうかという推定がなされまして、四十一億ドル台にとどまるのではなかろうかというふうに推定されておるわけでございます。来年度におきましてはこれを引き伸ばしまして、大体二〇%の増、それから一八%、一五%、これらの点を今いろいろ慎重に検討しておるのでございますが、大体現在のところでは伸びといたしましては二〇%は努力目標といたしまして考えてはおるのでございますが、やはり国際情勢並びに国内情勢を勘案いたしますると、ちょっと一八%までも無理ではなかろうかというのが、きのういろいろ各省と打ち合わした結果でございまして、その結果といたしまして、輸出におきましては大体四十八億ドル程度が推定されるのではなかろうか、これが現在の数字でございますが、まだ確定には至っておりません。それから輸入でございますが、輸入が本年度は四十八億ドル台というふうに想定いたしておりました。これは輸入担保率の引き上げその他の効果を見まして、大体四十八億ドル程度に、これは為替ベースでございまするが、おさまるのではないかと思っておったのでございますが、これはあるいは四十九億ドルに上るのではないか。四十八億ドルではちょっと無理ではないかというような現在の推定がなされておりまして、四十九億ドル台ということが一つの考え方として今出ておるわけでございます。来年度におきましてはこの数字をさらにいろいろな要因から分析いたしまして来年度の推定をいたしました結果、大体来年度も四十九億ドル程度ではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。そういたしますと、貿易収支におきましては輸出入の開きが、これは輸出を四十八億ドルと見ますると、赤一億ドルというものが立つわけでございます。それからさらに貿易外収支におきましては、これは本年度の赤字が大体一億五千万ドル程度と見込まれておるのでございまして、来年度におきましても大体それと同じくらいの赤というように考えられますので、全体といたしまして本年度の経常収支の赤字は大体八億ドル程度でございまして、来年度におきましては、先ほど言いましたような貿易収支の赤と貿易外収支の赤を合計いたしまして二億ドルをちょっと上回るのじゃないかと推定をいたしておるわけでございます。 それから資本収支につきましては、これは特に短期資本におきまして最近の見通しがちょっと悪くなって参りましたのは、これは最初の中間暫定におきまして、資本収支で約三億五千万ドル程度の黒字が期待されておったのでございますが、約一億三千万ドル程度減りまして、今のところでは黒字は二億二千万ドル程度、と申しますのは、輸入引き締めによりまするところの輸入ユーザンスの短期決済の超過、この輸入ユーザンスが減ってくるという問題と、もう一つはユーローダラーが流出をいたしてきた。十月のごときは約四千三百万ドル程度の流出が見られたのでございますが、これは日本の国際収支に対する不信ということではなくして、むしろポンドの地位というものが確立し、安定してきたということによって、ユーローダラーがポンドに振りかえられた結果であるというようにわれわれは考えておるわけでございます。 その資本収支を来年度も大体これと同じように踏みまして試算をいたしてみますると、本年度におきましては総合収支におきまして約六億ドル程度の赤ではなかろうかというように推定されます。そういたしますと、外貨の準備高といたしましては最初十四億四千万ドル程度が三月末の外貨じりというように考えられておったのでございますが、先ほど申しましたように一億三千万ドル程度の資本収支の減というものが見込まれますので、これがさらに一億三千万ドル減りまして、十三億ドルちょっと上回る程度ではないかというように考えられるわけでございます。ただ今月から例のアメリカ民間銀行からの借り入れが二億ドル予想されておるわけでございますが、これが順調に進捗いたしますと、これにさらに二億ドル乗っかりまして、三月のしりは十五億ドルということになるのではなかろうか。しかしながら、この民間銀行からの借り入れの問題につきましては、さらにまだ問題がございまして、予定は十一月から四カ月間、一カ月五千万ドル程度の借り入れということでございましたが、実際問題といたしましては若干のずれがあるのではなかろうかと思います。 そこで、三十七年度の総合収支におきましては、先ほどの輸出入並びに貿易外収支、それから資本収支等から判定いたしますると、上期におきましては若干の赤字、それからまた下期におきましても、今の推定から申しますとぎりぎりのところでございまして、あるいは輸出も今申しましたように伸びが強く期待できない、それからまた輸入も最初の予定よりは抑えにくいとするならば、赤黒とんとんのところへ来るのではなかろうかというように推定されておるわけでございます。 それからもう一つは鉱工業生産でございますが、これはやはり先ほど申しました在庫投資、それからまた輸入等との関連におきまして、本年度の鉱工業生産の伸びは、最初は一八・五%というように踏んでおったのでございまするが、その後実勢を分析いたしまして、現在のところでは一七・七%の伸びということに推定されておりまして、来年度は六%の伸びということに推定されておるわけでございます。 それから、物価でございますが、消費者物価は本年度は四・七九のアップであったのでございますが、来年度は大体一・五%の値上がりというふうに推定をいたしております。それから卸売物価につきましては四・五%の上昇というように本年度は考えられておったのでございますが、最近の木材の弱含みというような点を考えますと、大体三%台におさまるのではなかろうか、それから来年度を引き伸ばしますと、来年度はむしろ弱含みに推移するのではなかろうかというような推定がされるわけでございます。 これらを総合いたしますと、本年度の伸び率といたしましては最初九・七%を見込んでおったのでございますが、これは実質であります。名目にいたしましては一三・六%。これが大体現在のところでは、名目におきまして一四・六%の伸びであり、また実質におきましては一〇・六%の伸びということが推定されておるわけでございます。来年度におきまして今申し上げましたように不確定要因がだいぶあるのでございますが、大体今申し上げました試算の数字から伸び率を算定いたしますと、GNPの名目の伸びは六・一%になり、また実質の伸びは六・四%程度になるわけでありまして、これは実質が伸びるということは、要するに卸売物価の下落ということから名目の方が実質よりも下がっておるわけでございますが、大体六%台程度の伸び率を示すのではなかろうかというように考えられております。 これに対しまして意見といたしましては、この来年度の成長率を極端に押えるということは景気を相当後退させる要因になるので、できれば七%台に乗せるという必要があるのではないだろうかという考え方もあるのでございますが、七%台に乗せますためにはやはり設備投資とかあるいはまた在庫投資、それから鉱工業生産、それからまた輸出入の関係等が相当ふくらんで参りまして、それでいきますと国際収支の均衡ということはまだあと一、二年はどうしても期待できないというような数字が出てくるわけでございまして、総合におきましてもどうしても黒字は出ない、こういうような結果になりますので、私の方といたしまして現在までの試算といたしましては、大体成長率は六%強ということに押えたような次第でございます。ただ、今申しました点は、まだ各省と全体の調整ができておりませんので、あくまで経済企画庁といたしましての試算の段階でございまして、今後さらに関係の方面と折衝をいたしまして、できるだけ早急に固めていきたい、かような考え方を持っておるわけでございます。
○細田(義)小委員 ただいまいろいろ伺いまして私どもも大体同じうよな考え方を持っておるのでございますが、来年度の伸び方につきましても、これはこさいに調べますれば議論のあるところでございます。政府が一年前に考えたことも、今どうやら説明のつかぬような状態でもありますので、これを一つの目安として伺っておるのでありますが、そこで引き締めの効果が発現する場合には必ず順序がございます。第一の段階におきましては赤字の倒産が現われております。私は近畿に参りましたが、あちらの方でも不渡りの手形が出ておる。あるいは倒産したものがございますが、これらはいわゆる黒字倒産ということではなしに、従来とも内容が悪かったというものが出て参ったのでありますが、しかし、現在のような加速度的な引き締めが強行されていきますと、年末には黒字倒産を発生するに至る公算があると思うのであります。この引き締めの加速度の強化は窓口規制の推移に明瞭に現われております。すなわち七月ごろまでは市中銀行の日銀に対する貸し出し増加要請に対しまして大体二〇%の削減が行なわれておった。八、九月は三〇%の削減となりまして、十月には実に六〇数%の削減となっておるのであります。それだけにいよいよ効果浸透の時期に入って参りますと、倒産影響の方もかなり速度を加えて参るというおそれが強いのでございます。黒字倒産がある程度発生するようになりますると、それは場合によりましては、社会不安を醸成し、社会問題ともなるわけであります。また黒字倒産は、黒字で倒産をするのでありまするから、必ずしも経営者の責任にのみ帰するということは酷である、かように考えるのでございます。年末危機は、各種の対策が考えられておりまするから、一応切り抜けることができるのではなかろうかという感じを持って、先般私ども視察を終わって参ったのでありますが、明年に入ってからさらに第二の危機が発生する可能性がある。すでに二月の危機説という声も伝えられております。要するに、二月、三月には再び黒字倒産の発生する可能性が強いと思うのでありまするが、当局はこの点に対するいかなる見通しを持っておるか、この点を伺いたいのであります。
○大月説明員 ただいまの話にございました、この年末にかけての金融の問題及び来年一−三月にかけての金融の問題についてでございますが、ただいま企画庁からいろいろ本年度から来年度にかけましての見通しのお話がございましたが、われわれ金融の当局者といたしましては、やはり現在の金融引き締めの基調はこれを堅持せざるを得ないという基本的な態度を持っております。しかし年末の特殊な事情もございますので、特に社会不安を起こすような事態が生じないようにいろいろな配慮をいたしておるわけでございます。具体的には、政府といたしまして、先般五百五十億の年末対策を実行いたしたわけでございますが、さらに追加といたしまして、二百五十億の資金運用部資金その他政府資金を放出いたすことを決定いたしておりまして、合計八百億が中小企業にいくわけでございます。その他日本銀行の窓口におきましても、先ほどお話がございましたように、十月は純増のベース、大体昨年の半分程度というような査定をいたしておりましたが、十一月に至りましては、それがおおむね三〇%減程度でございます。たまたま第三・四半期は散超期でもございますので、こまかい配慮を持って金融政策をやって参りますれば、特に年末について心配が起こるようなことはないであろうというのがわれわれの見通しでございます。日本銀行及び市中金融機関側の観測もそうでございますし、先般大蔵省におきましても、全国の財務局長会議を開催いたしまして、そういう年末にかけての情勢の報告も聞いたわけでございますが、大体におきまして、年末は無事に越年できるのではないかというのが一致した観測でございます。それから、もちろん不渡り倒産というような問題もないわけじゃございませんが、これは特に現在の情勢におきまして、計数的に非常に顕著なというわけでもございません。また特に黒字倒産というようなことが言われておりますが、最近の金融機関の態度からいたしますれば、収支償う企業が単に金融面の措置のみをもって倒産をするということはあり得ないというように考えております。 それから一−三月の問題でございますが、お話のように、財政の揚げが相当大幅であろうということが見通されておるわけでございます。昨年の財政の揚げが三千二百億円程度でございましたが、本年度におきましては、四千五百億、あるいはさらにそれを上回るかもしれないというような見通しでございます。そういう情勢に対しましては、金融の引き締め基調自体は堅持いたすにいたしましても、不必要な金融上の摩擦を生ぜしめることは本旨ではございませんので、そういう点につきましては、中小企業金融対策として年末に実行いたしましたと同じような方式をもちまして、さらに財政資金の追加を考慮する、さらに情勢によりましては日本銀行による買オペレーションというようなものも考慮する必要があろうというのが、現在の判断でございまして、具体的にはそのときの情勢を見まして、日本銀行において金額とか時期とか、そういうものについては善処されることを期待いたしておりますが、一般の企業家に御心配な気持を生ぜしめないように、十分慎重な配慮をもって実行いたして参りたいと思います。
○細田(義)小委員 ただいまそう心配したことにはならないというお話でございますが、国際収支が総合勘定で黒字に転ずる時期は、ただいまも企画庁からお話がございましたが、明年の下期、後半ではなかなかまだ大変であるということでございます。そこで引き締め後の基調はとうてい変わりがない、年末を過ぎましても、来年になりましても、下期までに引き締めるという基調は、ただいまお話がございましたが、変わりがない。ただここで一つ大きな問題が残っておりまするが、それは三月前後いよいよ外貨の危機がくるということでありましたが、先ほどこれはアメリカから金を借りていくということで、借金でそのつじつまを合わせるわけでございますが、これはやはり大きな見通しの誤まり、運営を誤まった結果このような苦しまぎれの措置を講じなければならぬということになったと言うことができるであろう、そういうふうに思うのであります。従ってIMFから借り入れるにいたしましても、米国の市中銀行から借り入れるにいたしましても、金融引き締め基調をあまり緩和するわけにはいかないでありましょう。この点を考慮に入れる必要があるわけでありますが、IMFから借り入れを行なうにあたって、あらためて金融引き締めを強化する必要はないと見られますから、ともかく三月危機を過ぎた後は引き締めの政策というものは第二段階に入るのではなかろうかと思うのであります。しかし三十二年、三十三年のあの状態を見ましても、この第二段階に入った後において、三十三年の上期に見られたようななべ底の不況になるおそれがある。私どもは、ただいま銀行局長のお話を何っておりますると、何とかいけるであろうということでありますが、先をさように心配して考えておるのでありますが、その点はいかがでありますか。
○羽柴説明員 ただいまの御質問に対しましては、先ほどから申しましたように、三月末の外貨準備高は、借り入れを含めまして、大体十五億ドル程度というように推定をいたしておるのでございまして、外貨の危機につきましては、一応これは三月までには出てこないようにわれわれは考えておるのでございます。 そこで、その後一体どういうふうに景気がなっていくかということでございますが、先ほどからいろいろな指数で推計を申し上げておりまするが、やはり金融引き締めの基調というものは、全般として変わっておらないのでございまして、これは設備投資あるいろ在庫投資それから輸出入の指数等によりましても明らかでありまするように、金融引き締めの基調というものは変化はないわけでございますが、それを予算的にあるいは金融の面から、いろいろな運用によりましてあんばいしていくわけでありますが、経済企画庁といたしましては、とにかく国際収支というものは大体来年の下期に均衡させるというような根本方針にのっとりまして考えておるわけでございまして、これをもし一年国際収支の均衡がおくれるということになりますと、今後、特にアメリカでございますが、アメリカとの国際情勢等におきましてIMFの借り入れその他につきましても、はたしてうまく実現できるかどうかということも相当問題となって参りますので、目下のところは少なくとも来年末までには均衡するというふうに考えまして、国際収支を来年末に均衡させるためには、全般的な鉱工業生産であるとか、あるいはまた設備投資であるとかというようなものにつきましても、先ほど申し上げましたような数字の見通しでいくよりほかはない。ただこれを実行いたしていく上の問題、これは相当いろいろな問題が出てくると思いますが、これは各省におきましてそれぞれ適当に運用、あんばいしていかれるのではなかろうか、かように考えておるわけでございまして、引き締めの基調というものにつきましては、今すぐこれを変えるとか、あるいはまた国際収支を早く均衡に持っていくためにまたぐっとものすごくゆるめるとか、そういうような急激なる変化というものは今考えておらない、これだけを申し上げる次第でございます。
○細田(義)小委員 観点を変えまして、次に、予算の編成に当たって案外軽く扱われがちな財政投融資の問題について若干お尋ねしたいと思うのであります。 三十七年度に見込まれております歳入はかなり大きく、税収の伸びや三十五年度の決算の剰余金の繰り入れその他を合計すると、三十六年度当初予算の見込額を六千億円も上回ると推定されておるのでありますが、このうち減税に一千億やるか一千五百億やるかということが今問題になっておりますが、かりに一千億といたしまして、平年度は千数百億というようなことになりますれば、なお五千億の増加財源がある。このような中において、昭和三十七年度の財政投融資に関する各方面からの要求額は合計でどのくらいになっておるか。またその内訳はどうなっておるか、これを伺いたいのであります。
○吉岡説明員 三十七年度の財政投融資に関しまして、各機関と申しますか、各省の要求がどの程度になっておるかというお尋ねでございますが、ただいまのところ合計いたしまして、御承知のように本年度三十六年度の財政投融資の合計額が七千二百九十二億円でありますが、それに対応いたします三十七年度の要求額は一兆四千四百六十七億円、約一兆五千億に達しておる状況でございます。
○細田(義)小委員 全般的な景気調整政策、金融引き締めの政策、これによって設備投資の抑制を行なう場合においても、将来の産業のあるべき姿を考慮しつつ、所要の重要な部門に対しましては設備資金を重点的に確保する必要があると私どもは考えておるのであります。そしてこの場合における財政投融資の持つ誘導的なあるいは呼び水的な効果や、量的な補完的な機能は大きな意義を持っておる、こう考えるのであります。たとえば政府金融機関の資金を充実し、引き締め下にあるところの市中金融ではまかない切れないところの中小企業等の設備合理化資金、あるいは近代化の資金、こういうものを重点的に供給することによりまして貿易の自由化に対処する必要ありと考えるのであります。来年度の財政投融資に対する各方面あるいは各省の要求には、この意味において十分な配慮を払う必要があろうと思っておるのでありますが、特に将来の経済成長のワクをきめる国際収支改善対策として、輸出入銀行に対するところの資金の確保、しかも預金金利の引き上げを伴わない資金の確保をはかる必要があり、また専用船の建造を中心とする海運対策も一段と強化さるべきであると私どもは考えるのであります。さらにIMFの勧告によるところの自由化の繰り上げに伴いまして石炭の対策、機械工業を中心とする重化学工業の育成対策、これも飛躍的に拡充さるべきであると思うのであります。 最後に、中堅企業及び中小企業の近代化に必要な資金にも十二分の配慮を払う必要がある、こう思うのでありますが、三十七年度予算に対処しての、これに対するかまえはどうであるか。ただ単にカットする、引き締める、首を締めるということだけならこれはだれにもできることでありまして、頭のいい諸君の努力をわずらわす必要はないのであります。この点どういうかまえで臨んでおるかということを伺いたいのであります。
○吉岡説明員 財政投融資の中におきまするいろいろな重要な項目についての御意見を拝聴したのですが、公共投資その他が非常に重要な問題である、また輸出振興あるいは中小企業対策、その他いろいろの重要事項を含んでおりますので、これを重点的に伸ばしていく必要があることは御説の通りであると考えております。ただ三十七年度のいろいろな数字の検討をただいまいたしておりますが、私どもとして非常に困難を感じております点は、先ほど申し上げましたように、三十六年度の財政投融資の規模が約七千三百億であったわけでありますが、原資の面から考えまして、三十七年度になかなかその増加を見込むととが困難な状況にございます。七千三百億を大きく分けますと、産投会計が約四百億、資金運用部資金が約四千三百億、簡保の資金が千四百億、公募債借り入れが千二百億、合計七千三百億という説明であったわけであります。それらの原資面が三十七年度どういうことになるかという検討をいたしておるわけでありますが、資金運用部あるいは簡保を通じまして、おそらく六、七百億の増加しか見込めないであろうという感じがします。一方産投会計自体の方は、ガリオアの協定がもしできまして、国会の御承認を得るというような事態になりますと、ある程度の減少を見ざるを得ない関係になって参ります。従って、ただいまのところ財政投融資全体といたしましては、原資面から見ますと三十六年度のこの間輸出入銀行、中小企業金融公庫等について改定いたしました結果、約七千八百億になっておりますが、せいぜいその辺までしか原資はないというような感じになるわけであります。従って、これを増加いたしますためには、一般会計から相当の支援を得るか、あるいは公募債借入金を三十六年度以上に出しまして、民間資金の活用をはかると申しますか、その方面でどの程度の伸びを見ますか、そういうことに実は財政投融資全体の伸びがかかっておる感じがいたしております。従って、仰せのようないろいろな重要な事項を含んでおりますので、全体の調和をとった財政投融資の計画を組まなければならないわけであります。これからいろいろ検討をいたすわけでありますが、ただいま申し上げましたような、一般会計からどの程度の金を投入するかというような問題は、予算全体の規模なり減税なり、あるいはたな上げ的な資金なり、要するに予算全体を来年どういうかまえでいくかということに実はかかっておるわけでありまして、これから検討いたして参るつもりでございます。
○細田(義)小委員 原資がなかなか思うようにまかせない、一般会計ならあるいは債券によって資金を得るというようなお話でありますが、これは後ほどまた伺います。 次に、電力が不足しておるという騒ぎがときどき起こるわけであります。開銀の電力に対する融資につきましては、近年その額を漸次減らしておるというような傾向であります。これを市中銀行に肩がわりする、しかしこれも思うようにまかせない。三十六年度後半より少なくとも三十七年度一はいまでは民間における調達は証券の市場を通じまして、あるいは社債市場、あるいは金融市場等を見ましても、大幅な増加はあまり期待ができないと思うのであります。電気事業は地域的な独占の反面、申し込みの需要に対しましては完全にこれを供給するという責任を持っておる公共の事業でございます。また料金面その他経理面に対する政府の統制にも服しておる産業でありますので、この意味では道路とか港湾等と同じような役目を持ち、また性格も似たものである、こういうふうに思うのであります。しかも近年における経済の著しい伸びに伴いまして相当大幅な電源の開発を実施しなければならぬという要請が強いのであります。これを現状から見ますと、やはり一つの経済発展の隘路となっておるというふうに思うのであります。現に三十三年前後における投資の停滞が一つの悪要因となりまして、三十六年度、三十七年度の冬場の電力需給は相当逼迫しておるということが伝えられておるのであります。これに対しまして大蔵省はどう対処して資金を持っていくか。ただない、ないと言うだけで、いろいろの産業が興って参りまして電気の需要は増大しておるが間に合わないということでは、これはきわめて貧困であって問題にならないと思うのであります。この点についてはあなたが御答弁できなければ、明日水田さんが来るというから聞いてみますが、あなた方は予算のほんとうの中核をなしてお作りになるわけでありますし、それを盾にとってどうせいとということを責めるわけでありませんから、率直にそういう点をお聞かせを願いたいと思います。
○吉岡説明員 あるいは明日大臣からお答えした方がいいのかもしれませんが、私どもの感じといたしましては、電力資金というものは終戦後非常に財政資金でまかなうウエートが高かったのでございますが、だんだんに自立と申しますか、自分で資金を調達していくという体制になって参りまして、財政資金の比重がだんだん少なくなってきたことはお話の通りでございます。そこで、最近民間設備投資の行き過ぎと申しますか、予想以上の結果、電力の需要の方にもそれが回って参りまして、予定した以上に電力需要が強い。そのために電力資金が予想以上に必要になり、その資金調達面から考えまして、増資なり社債なり、あるいは借り入れというような方面がかなり窮屈になって参ったわけであります。そこで、財政資金との関係を再検討すべきだというような話が通産省の方からもあるわけであります。電力は御承知のように電力開発いたしましても、実際の電力として現われますのは相当な期間かかるわけでありますから、明年度の予算で問題になります電力はずっと先の話ではありますが、来年度の電力資金についてただいま申し上げましたような財政資金の比重がだんだん少なくなってきておるという背景で、一体どういうふうにして調達いたしますか、非常にむずかしい問題でございます。開銀の中のいろいろなお話しのような船の問題その他もあるわけでありますが、全体の問題とやはり関連をさして一緒に考えなければ、電力だけとってどうこうというわけにはなかなかいかぬむずかしい問題だと考えております。
○細田(義)小委員 さらに日本の現在置かれておりまする経済の実情は輸出を伸ばさなければならぬ、輸出の増大に待つ以外にないということを言っても極論ではなかろうと思うのでありますが、これには税制の面、金融の面、あるいは輸出の手続を簡素にしてやるというような方途があるのでありますが、その中において輸出入銀行に関する三十六年度の数字及び三十七年度の要求額並びに出資あるいは融資の内容をお知らせ願いたいと思います。
○吉岡説明員 三十六年度の輸出入銀行の数字を申し上げますと、財政投融資は合計で七百七十億、内訳は出資が二百億、借入金が五百七十億、貸し出しの規模が千百八十億、これが三十六年度の改定後の数字でございます。それから三十七年度の要求は、財政投融資の要求が九百五十三億、内訳は出資が五百二十三億、融資が四百三十億、貸し出しの規模が千三百九十六億でございます。
○細田(義)小委員 その数字では、前年度に対比しましてどれだけの増の要求になっておりますか。
○吉岡説明員 どれだけ増加要求になっておるかというお話でございますが、改定後の数字に比べまして、貸し出しで二百十六億の増の要求でございます。
○細田(義)小委員 この要求に対しましては前段お話がありまして、なかなか原資が足らぬ、うまい方法も今さしあたり見つからぬということであります。 そこで輸銀の資金は従来からプラント輸出の伸び及び経済協力事業の伸展を勘案しまして、ある意味で自動的に手当がされておる、こういうふうにも聞いております。従って、その前年度に対する増額の要求も、量としてはほぼこれを充足する必要があるのじゃなかろうか、現在の時点における輸出の振興というものを強く考えますとそう思うのであります。その方法の一つとして、あなたも先ほど述べましたが、いわゆる輸銀債券の発行の問題がありますが、現在の市場の状況を見ますと、これはなかなか容易でありません。さらに資金を安く貸すということにつきましても、債券の発行においてはその問題を解決するに至らないということでございますから、どういたしましても一般会計からの繰り入れを強く要請いたしましてこれを充足するということでなければならぬと思うのであります。たとえば中小企業の問題を考えましても、あの債券の発行が新聞にもごらんの通り七分何厘にもなる。そこへいろいろの経費を組み入れますから、借りる上にどういたしましても一割以上の金になる。安い金を貸す、近代化してやるということはかけ声でありまして、実際の面においては一般世上の場合における市中の金融の金利よりは高いものを中小企業は借りなければならぬということが現状でございます。それと同様に、この輸出を伸ばすという問題も、金融を考える場合におきましては、出資をふやしてやる、さらに原資については一般会計から相当額を繰り入れて運営してやるということでなければ、他の機関から金を仰ぎましてはどうしても高くつくということで、至上命令であります輸出を振興するということとは背馳することになりはしないか。こういう点で私どもは大蔵当局の特段の努力を、この輸出入銀行の資金を増してやる、金利を下げる方向をとってやるということに注いでいただきたいということを強く要請するのでございます。 また資金を確保するためには、先ほど銀行局長も答弁がありまして、郵便金利を上げるということはただいま考えていない。しかし消費を節約する、勤儉貯蓄を奨励する方途としては何があるかということをお尋ねいたしますと、これに対して特段のお考えはないようであります。先ほど私どもの方の田中政調会長も長岡で語っておりますが、郵便局の金利を上げるように、また総ワクも廃止して預金を確保するように努めたいというようなことを申しております。慎重に検討した結果かどうか、旅先のお話でわかりませんが、私どもは郵便貯金の金利を下げて弱い者をいじめるような、弱い者に対するあたたかい配慮を忘れているようなことは、この際思い切って考え直して、金を集めて、そしてこういう原資をふやしてやる。これはただ一つ、当面私が提示した問題でありますが、そういう一連の配慮を加えて原資も獲得しよう、これによって国の方針も生かして参るということにやってもらいたいと思うのです。こういう点について、どうも一般会計からもむずかしい、原資は少ない、ないないづくしでございましては、あまりこれは脳みその足らない話でありまして、私どもこの段階においてこれでは困ったという感を深くするのであります。 何といたしましても、輸出を伸ばすということは現下の日本の経済にとっては至上命令でございます。ですから政府も、他方においては資金のたな上げでもしようかというような考えもある。そのたな上げは予算の面においてはやらぬといたしましても、そういう財政の余裕が他面においてはあるということですね。思い切ってこういう金をそこへ引っ張り込んで、所要の政策を実現して参るということに大蔵当局は理財局といわず銀行局といわずその他の局といわず総力をあげてやってもらいたい。それはこの危機に対するところの手当が半年おくれまして、一年で済むやつが二年も国民は苦しまなければならぬというこの事態を救うために、今からでもおそくはないから大いに力を出し、知恵を出して対処してもらいたい。これが私の強い要望でございます。 ほかにも質問なさる方がおりますし、君一人で十二時までやっては困るという声もありますから、この辺で私の質問を打ち切っておきます。
○大月説明員 具体的な郵便貯金の問題につきましては、金利の問題は一般市中金利と均衡をとって今定められておりまして、先ほど申し上げましたように、預金金利全体については当面現在の方針で参りたいということでございますから、なかなかむずかしい問題だと思います。 それから限度を撤廃する問題は、いわゆる全体の貯蓄の機構といたしまして、民間の貯蓄機構と政府の貯蓄機構をどのようにあんばい、調整するかという問題でございまして、必ずしも現在の郵便貯金の精神は、民間の金融機関と積極的に競争するという建前でできておるわけではございません。むしろ民間の貯蓄機関の補完機関でございますので、そういう精神をもって運用され、また制度も立てらるべきものだとわれわれ考えております。 輸出金融の促進につきましては、十分財政当局と御相談いたしまして、できるだけの努力を払いたいと存じております。
○毛利小委員 ちょっと関連して。この表についてちょっと説明をお願いしたいのですが、その前に理財局に、今細田委員からお話のあったことと同じことであるから、重複することを避けたいのですが、激励の意味で。輸出入銀行と開銀並びに中小企業、商工中金、その他いずれもこの銀行の持つ性格からいって、金融引き締めという大看板のもとに持つ使命がますます大きくなってきておる。それは、市中銀行に行なえない金融をここにおいて、いわゆる目のこまかい行き届いた施策を行なわなければいかぬという意味からいって、どうしてもこういう特殊な銀行における資金量の増大について、いろいろ困難であろうけれども、思い切ってがんばってもらいたい。特にこの中でも輸出増進という看板のもとに、輸出入銀行と商工中金については、原資を出資して金利を下げるということも並行しての大きな問題である。その意味において、非常に困難なことはわかるけれども、どうしても一般財源から思い切って——われわれ減税をこの二カ月ばかりやっております、いささか矛盾を感ずる点もありますけれども、財源全体からにらめばかなりな数字が回せないともいえないと考えております。その点ついてどうしても一般財源から繰り入れて、こうした輸出に対する輸出入銀行の原資を、量の確保と同時に、金利の引き下げに対する出資を、今申された五百二十三億にもっとプラスしたものを考えてもらいたい。財政投融資ももちろんでありますけれども、商工中金に対しても金利を下げるという意味で原資の出資を一段と考えてもらいたい。全体にはいわゆる輸出入銀行に対する量と質、商工中金に対する量と質、他の開銀については特に先ほど来申された電力、石炭、機械工業、造船、これらについて一段の決意を今にしてしなければ、一年、二年おくれるに従って、ますます日本の状態が困難になってくる。というのは現在見通しの中に、輸出は来年度三十七年度一八%の四十八億ドルの増を見ておりますが、日本のあらゆる総合点数において、輸出に対する伸びが私は甘いと見ております。日本の現状はいろいろな角度から検討すればするほど輸出が弱い。弱い原因と本質を深く認識してかからないと、この四十八億ドルもそう簡単ではない。輸入は大体横ばいと言っておりますが、この次元において輸出入銀行に対し、その他の銀行に対する資金量、それには一般財源さらに公募という問題と、この二つを対象にしておるようでありますが、公募については一段と銀行局との御協力を願いまして、一般財源の繰り入れに——きょうは主計局の御出席はないのでありますが、理財局、銀行局ともに一段の決意をお願いして、私の関連質問を終わります。そしてこの中小企業の問題の説明をちょっとお聞きしたいです。
○大月説明員 ただいまお手元にございます「中小企業金融に関する前年度実績と本年度計画」という表について御説明申し上げます。 右の方が三十五年度の増減実績でございますので、三十五年四月から三十六年三月までの一年間の純増の数字でございます。それによりますと、大体において開銀を入れました一般の金融機関と、それから相互銀行、信用金庫、信用組合、中小の民間金融機関とそれから政府関係の三機関、こういう三つに分類して見て参りますと、一般の金融機関におきましては、三十五年度総貸し出し一兆七千二百七十九億に対しまして中小企業向け貸し出し四千三百十億、このパーセントが二四・九%でございます。それから相互銀行、信用金庫、信用組合あわせまして、これは全部中小貸し出しでございますので四千三百八十七億、それから商工中金、中小公庫、国民公庫あわせまして六百億、これは全部中小貸し出しでございます。これを合計いたしますと、総貸し出し二兆二千二百六十六億に対しまして、中小企業貸し出し九千二百九十七億、この全体のパーセンテージが四一・七%、これが昨年度の実績でございます。それに対しまして左の方は、本年度の四月から十二月まででございます。第一、第二、第三・四半期までのものでございます。また第三・四半期はまだ進行中でございますので見込みが含まれておりますので、この数字は必ずしも正確な数字であるとは申し上げられません。一応の推定としてごらん願いたいと思います。そういたしますと、今申し上げましたような順序で一般の金融機関総貸し出し一兆四千五百四億、それに対して中小向け四千二百二十九億、二九・二%、それから相互銀行、信用金庫、信用組合が五千三百四十三億、これは一〇〇%、それから商工中金、中小公庫、国民公庫あわせまして一千九十一億、一〇〇%、全部締めますと二兆九百三十八億の総貸し出しに対しまして一兆六百六十三億、五〇・九%、こういう数字でございます。ただここの数字として、これは各銀行方面からの推定を入れて表が作ってございますので、私の感じといたしましては、全国銀行の総貸し出しはあるいはもう少し大きくなるのじゃあるまいかと思います。そういたしますと、このBAという中小企業向けのパーセント、五〇%というのは若干高過ぎるんじゃないかと思いますけれども、一応資料として集めましたものをなまのまま申し上げた次第でございます。このうちで第三・四半期につきましては、先般来全国銀行におきまして、中小企業に対しまして少なくとも二千億を確保しよう。それから信用金庫におきましては少なくとも千五百億を確保しよう。相互銀行においては千億、合計四千五百億を確保するということになっております。それから政府関係の三機関においては七百三十五億を予定いたしておりますので、これらを合計いたしますと五千億少しこえる、こういうような数字になる予定になっております。
○毛利小委員 これはちょっと私の記憶違いかもしれませんが、その統計についてお聞きしますが、先般予算委員会においてたしか大体こういう勘定だったと思うんです。総貸し出し十二兆八千九十八億、中小企業に対して五兆三千二百九十五億、四一・六%と銀行局長も前に説明されたが、中小企業に対するいわゆる政府機関が八・六%、いわゆる相互、信用金庫に対して三八%、市中銀行がそのときにおいて約十兆円ばかり一般に貸し出しが出ておる。その中で二兆八千四百三十二億円の貸出額で、集計市中銀行が五三・四%という数字の統計がありますが、あれとこれとの数字の集計、これは四月から十二月までで、一、二、三月が出ていないのですけれども、あの集計とこれとどういう関係になりますか。
○大月説明員 ただいまのお話しの数字は、中小企業向け貸し出しのうちで、一般の金融機関の占める割合と相互銀行、信用金庫、信用組合を含めての中小金融機関の占める割合と、それから商工中金、中小公庫、国民公庫の占める割合、その中小企業向け貸し出しを一〇〇といたしました場合の分布でございます。今仰せのような数字になっておりますが、これは昭和三十六年、つまりことしの八月末の貸し出しの残高を按分比例して出した数字でございまして、今申し上げました数字は本年度の四月から十二月までの純増額の数字でございますから、この残高をこれに加えますと今おっしゃいました数字と平仄が合うということでございます。
○伊藤小委員長 横山君。
○横山小委員 恐縮ですが、時間の関係でそのままずばりでお伺いします。先般米子の百貨店問題の調査に参りました。高島屋百貨店が米子に進出をするに際しまして、米子の市長、商工会議所、米子信用金庫の理事長が発起人になって、そうして米子信用金庫が高島屋百貨店に出資をするという話を聞いたわけです。これは銀行局としては御存じないことであるかどうか、また御存じであるとするならば、それは一体信用金庫の持つ性格その他からいって適当なことであるかどうかお伺いします。
○大月説明員 信用金庫と今の百貨店の関係でございますが、百貨店の資本金その他からあるいは中小企業であるかもしれません。そういたしますと、これは信用金庫の出資者としてメンバーである可能性はあると思います。
○横山小委員 高島屋です。
○大月説明員 高島屋でございますか。高島屋では員外貸し出しということになると思います。員外貸し出しは総貸し出しの二〇%以内という規制があったかと思いますが、一般の貸し出しにつきましては、そういう具体的な数字と金庫との関係を考える必要があると思います。出資をするということにつきましては、金庫といたしまして資金運用の一部として必ずしも法律上は否定されておらないと思いますけれども、大きな百貨店に対する出資自体、かりにこれが市場にございます一般の上場株式というような格好になっておれば、これを取得することは差しつかえない、こういう感じでございまして、具体的な事例につきまして調査してみないと、正確な法律上の解釈は差し控えたいと思います。
○横山小委員 きょうは問題を提起するだけにとどめますから、この次の機会に御報告を受けたいのですが、私が受けました印象は、米子の信用金庫の理事長が発起人になること自体に、信用金庫の性格からして違法でないかもしれぬけれども、適当ではないということが考えられます。第二番目に、零細な中小企業者のお金を扱って、金庫も一つの商売ではあろうと思うが、しかしながら、これだけ資金需要が逼迫をいたしております際に、百貨店に出資をし、金融をつける、しかも、百貨店が米子に進出いたしますには莫大なお金が要ることでございますから、ちょっとおつき合い程度ということには参らぬと思います。そういうことは一体適法であるか、また適法であるとしても適当ではないと私は考えるのでありますが、その点も御調査を願いたい。第三番目に、米子は非常に百貨店問題で紛糾を来たしております。米子信用金庫は中小企業者が圧倒的に利用しておるところなのであります。それで信用金庫がそういうことをやったことについて、非常に中小企業者は憤慨をしたわけであります。憤慨をしたら、今度は何を言うかというと、窓口では、そんなことを言うなら貸さぬ、こういう雰囲気があるといううわさが伝わっておる、これはうわさであります。それなら、そんな信用金庫であるならば国民金融公庫を利用しろ、こう私が言ったのです。そうしたら米子には国民金融公庫がないからその米子の信用金庫の窓口の代理貸ししか利用できないのだ。そうすると米子信用金庫の悪口を言うと、国民金融公庫の利用すら問題があるといううわさが出ておるのである。事ここに至っては何をか言わんやという気がして、まことに私も出所がどうだか知りませんが、憤慨の極に達しておる。百貨店の反対の大会が現地で行なわれました際に、新聞でも大々的に載りましたけれども、暴力団が六十名ぐらいやって参りまして、二時間の大会中、始めから終わりまで二階の一カ所を占領いたしまして、喧騒と怒号の間に百貨店誘致反対の大会が行なわれた。米子では全く火のついているようなありさまです。それでこういうようなうわさがどこから出たか知りませんけれども、しかし出るについては、米子信用金庫のあり方自身に私は問題がある。もしもそういううわさが出たならば、米子信用金庫としては、きぜんとして身を正しくすべきだ。うわさが出たら新聞広告でもして、そのようなことは決してないと言うべきだと私は思う。その点については大月さんの御感想を承りたい。 それからその次には、この米子には国民金融公庫の支所がないから、それで鳥取まで行かなければならぬのであるから非常に困るのだ、こういうことなんです。それならばあそこは人口は十万ぐらいでございますから、国民金融公庫の支所があそこに設置できないものであるかどうか、順位がどういうふうになっておるのであろうか、これは突然のお尋ねでありますから、おわかりにならなければ次の機会でけっこうでありますが、そうでなくても国民金融公庫の設置について、私どもは非常に要求しておる段階でございまして、御意見を承りたいと思います。
○大月説明員 ただいまお話のございました信用金庫の融資の態度につきましては、もし仰せのような事実があるといたしますとやはり適当でないと思うのです。それでさっそく現地に照会いたしまして、実情を調査いたしまして御報告申し上げたいと思います。 それから国民金融公庫の支所の問題は、これは三十七年度の予算にからみましていずれ公庫から具体的な要望があり、それを予算編成の過程において査定し決定していくということになると思いますが、具体的には米子において強い希望があるかどうか、私承知しておりません。よく調査して御報告いたします。
○横山小委員 第二番目の御質問は、労働金庫の年末金融でございます。先般大月さんにちょっとお願いしたところでございますが、労働金庫が年々歳々拡張して参りましたが、今度の中小企業金融公庫の関係で、従前、年末になるたびに大蔵省の方へ、私ども自民党の皆さんの御了解を得て、年々歳々年末金融の財政投融資についてお願いをいたしておるわけであります。一部には労働金庫は金があるからという御意見もあるようではありますけれども、しかし、ことしは特に中小企業者の目が、商工中金もだめだし、政府機関も市中金融機関もだめだから、年末手当を二回に分けて支払われるというのが方々で始まっておることなんでありまして、それでは因るということで、労働組合は、労働金庫に頼んで、年末金融を組合の名前で労働金庫から借りておるという風潮が非常に強いのであります。そういう点から見ますと、年々行なわれております労働金庫に対する財政投融資について格段の御努力を願わなければならぬ年だと思うのであります。どういうふうに思いますか。
○大月説明員 労働金庫につきまして、財政投融資の面において、過去の実績を考えてみますと、昭和三十二年に資金運用部資金を使いまして、希望のある労働金庫に対しまして各都道府県を通じてまた貸ししたという事例がございます。その後毎年御要望はございますが、実行いたさないままに現在に至っておるというのが実情でございます。その理由は、ただいまお話がございましたように、労働金庫全体としての資金繰り——個別の労働金庫にはそれぞれ事情があると思いますが、労働金庫の連合会を含めました全体の資金繰りにおきまして相当余裕がございまして、年末の貸し出しに応ずるのには事欠かないという判断をいたしておるわけでございます。先般横山先生からも財政投融資の面において何らか考慮する必要があるのではないかというお話がございまして、数字的に検討もいたし、労働省とも連絡をとってみたわけでございますが、まだ労働省におきましても具体的にどのくらい必要だというようなところまで行っておらなかったような事情でございまして、われわれといたしましては当面実行いたさずに、労働金庫としては年末金融に対処できるのではあるまいかというように考えております。ただお話もございましたように、情勢は十分注意していきたいと存じております。
○横山小委員 別途の角度でお願い申し上げたいと思いますから、ぜひ御記憶を願いたいと思います。 それから、きょう国税庁長官が通達をされました書類を逐一拝見をいたしました。先般本大蔵委員会では「年末の徴税については、現今の経済情勢を十分しんしゃくし納税者の実情を十分考慮して行なうこと。」という決議をいたしまして、大蔵委員会におきましてその具体的な措置をお伺いいたしましたところ、非常に懇切丁寧な通達を下部に出されたことについては感謝をいたします。しかし内容を拝見し、先ほどちょっとあらましの御説明を別に伺いましたが、これを拝見しますと、特段の措置を今回とったということではなさそうであります。従来の景気が変動いたしました際の措置並びに法律の解釈というものを親切に列挙して、こういう措置があるからこれを利用しなさいということにとどまっておるようなのであります。私がお願いいたしましたのは、特に今回の金融引き締めが長期にわたり、すでに現金が手形になり、手形のサイトが延長されるという、そういう事態に即応した新しい措置を要求したのであります。またもし法律の改正が必要であるならば、その改正に関する当事者としての意見はどうかということをお願いしたのでありますが、まことに私は御親切な措置ではあると思うけれども、内容的には私の意図いたしておりますのとは少し角度が違うようであります。これがはたして実効をもたらすかどうかについても、私は疑念なしとしないのでありますが、その点、これをお出しになった経緯並びに結果をどういうふうに展望せられておるかお伺いいたしたいと思います。
○堀口説明員 お答えいたします。 今回の経済情勢のもとにおいて、税務行政上留意をしなければならない事項につきましては、すでにこういう事情になったころから何かできるだけの手当をしたいという考えでおりまして、たまたま国会の方の決議もありましたので、これを機会にいたしまして、年末におきまする滞納整理の実施についてという通達と、最近の経済情勢のもとにおける税務執行上の留意事項についてという通達を出したわけでございます。内容につきましては横山先生の御指摘がございましたように、特に従来のやり方を変えたということはございません。すでに従来の経験から見て、われわれとしまして相当程度整備されております法の許す範囲の運営につきまして通達をしたわけでございますが、これがどういうふうな実効上の影響をもたらすかというお尋ねでございますけれども、国会の決議も引用いたしまして、丁寧な通達を出し、また法人等にも配るように「所得税及び法人税の特典等の活用のおすすめ」というリーフレットを作っておりますが、これを作りまして、今まで知らなかったような向きに対しても十分利用してもらいたいということを進んでPRしておるわけでございまして、従来の庁のやり方から見ますれば、相当な苦心といいますか、配慮をしたつもりでございまして、税務行政の一線としましては、こういうふうな庁の考え方、問題の取り扱い方に対しまして、非常に従来と変わって、経済情勢に対応する弾力的な合理的な税務執行を行なえるのじゃないかというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
○横山小委員 同時に、この書面の第一ページにございます年末年始における所得調査等の実施について、年末年始は十日間程度はなるべくやめろ、それからどうしてもやらなければならない場合においては、納税者及び来客等の第三者から無用の非難を受けるような言動のないように特に留意しろ、こう書いてあるわけであります。去年のときでしたか、これをお願いいたしまして、同じような通牒を出していただいたあとの感想を聞いたのですが、こういう言い方は恐縮でありますが、年末年始は事務の整理を一生懸命やっておる、さあ松の内が明けた、さあ行こうといって行って、ばたばたと仕事を片づけるというような雰囲気がありまして、十日間程度は遠慮する、十日過ぎたら身内にあふれんばかりの情熱を持っておやりになるという雰囲気が如実に見えたというのでありますが、これなどはまことに通達をりっぱに御履行なさったといいますか、皮肉でありますが、そういうようなことはまことにいかがなものかと思うのでありますが、念のために御意見を伺っておきたいと思います。
○清野説明員 ただいまお話がございました年始十日過ぎたらものすごい勢いで行ったということでございますが、そういったような感触なりあるいはまたそういったようなことのもとをなす考え方といいますか、気持といいますか、そういったようなことの万般ないように、一つ今横山委員からのお話もございますので、特にまた注意いたしたいと思います。せっかく年末年始にこういったような態勢でやっているのでございますが、それが画竜点睛を欠くといいますか、そういうようなことは、われわれとしても残念でございますし、申しわけがないと思いますので、十分に注意してやりたいと思います。
○横山小委員 それでは希望を申し上げておきます。私は率直に申し上げますと、私の意図いたしますのは、こういう金融情勢によって、少なくともわれわれが全力をあげて、中小企業金融の逼迫を緩和しようとして一生懸命にやっておるわけでありますが、なかなかそれは効果をもたらしておりません。それにはそれなりの理由があるわけでありますが、一応それは別といたしましても、一方では税金の方は待ったなしである、そうして親切にはやるけれども、取るまではきらんと従来通りいただきます、一日でも日にちがおくれたら高い利子で加算税等がつきますというふうなしゃくし定木のようなことには、私はどうも賛成ができないような気がいたします。そのためには適当な法律の改正なり、あるいは通達の解釈の幅を広げるなり何らかの手段がとらるべきであると確信をいたすのでありますが、今回このような措置をなさったということでありますから、一応その趣旨を、個々のケースをも含めて私も見てみたいと思うのであります。その結果また別の機会に御質問をいたしたい、こう考えまして、私の質問を終わります。
○伊藤小委員長 石村英雄君。
○石村小委員 ちょっと最近の金融事情についてお尋ねします。米の代金の支払いというものは、金融に非常に関係のあることは言うまでもありませんが、ことしの米穀代金の支払いはどういう状況になっておりますか。それは食糧証券を発行して、払っておると思うのですが、その発行の状況と引き受け状況、どこが引き受けておるかということを……。
○吉岡説明員 おそれ入りますが、今ちょっと正確な数字は持っておりませんから、電話で聞きまして……。
○石村小委員 では、次に大月さんにお尋ねいたしますが、はなはだ迂遠なことを聞くようですが、現在金融引き締め政策がとられておるということは別の人からお伺いいたしました。従って、こう苦しいから引き締めは手直ししてくれという要求も起こってくるわけですが、金融引き締め政策ということが私にはよくわからないのですが、先ほど細田委員からいろいろお尋ねもあったわけですが、一つ現在の金融引き締め政策の具体的な内容をごく簡単に、そして三十二年のときとったのとの相違点、そういうものを大まかでいいのですが、御説明願いたい。
○大月説明員 金融引き締めの内容を分析してお答え申し上げますと、今度の三十六年度の金融引き締めは、今までに三段階を経てきておると思います。大体年度の当初から七月の初めごろまでの間は、御存じのように財政が非常に掲げておりました。それに対しまして、日本銀行がそれに対する補完の意味の金融をしない、むしろ窓口でそれを出ないように——日本銀行の貸し出しが出ないように締めておったというのが第一段階であったと思います。その段階においては、中心が財政の揚げと窓口規制、こういうことであったと思います。第二の段階が、七月の設備投資の一割繰り延べを実行するという方針をきめまして、金融機関、日本銀行、大蔵省において産業界に呼びかけまして、これを繰り延べを要請して参ったというところ。それからその七月の末に公定歩合の引き上げを行ないまして、これに伴って市中金利の一厘引き上げを行なったというのが第二の段階であったと思います。相変わらず窓口規制は強化して参ったわけであります。第三段階は、九月に入りまして輸入担保率の引き上げ、それから総合国際収支改善対策の決定発表、それから公定歩合の一厘引き上げ、高率適用の強化、準備預金制度の強化、これが第三の段階であったと思います。ただいまその段階におきまして、さらに産業資金合理化審議会におきまして設備投資の繰り延べの強化を今検討いたしておりまして、間もなくさらに繰り延べの強化が決定される見通しでございます。金融の面におきましては、今申し上げました日本銀行の金融政策、これに従来から続けております窓口の規制、これを併用いたしまして、金融引き締めを実行いたしておるというのが大筋であろうと思います。
○石村小委員 三十二年のときとったのとの相違点を……。
○大月説明員 今申し上げました金融引き締めの大体のねらいは、やはり設備投資が非常に急増して参った、これに対する対策が基本であって、これが抑えられるようになれば、在庫の方もあわせて押えられるようになるであろう、消費の方も非常に鎮静していくであろうという感覚でございます。三十二年の場合に実行いたしました政策は、まず三月の末に公定歩合の一厘引き上げを実行いたしました。第二の段階といたしましては、五月の初めに公定歩合を二厘引き上げたわけでございます。窓口規制を強化いたしました。第三の段階は、この公定歩合引き上げに伴ないまして六月末に総合緊急対策を決定いたしまして、この際には市中の貸出金利短期長期をあわせて引き上げたほか、預金金利、社債金利等の引き上げも実行いたしたわけでありますが、この際には特に行政指導的な手段は講じておらない。もっぱら金融措置をもって対処いたしたいという点が違っておると思います。 なおこういう措置をとりましたことと並行いたしまして、あわせてとりました政策について若干ニュアンスが違っておりますのは、今回は中小企業金融対策について前回に比較いたしまして相当大幅な財政措置をとっておる。それから民間の金融機関に対しまして、中小企業金融に対する配慮を、前回の経験にかんがみまして相当強い要請を行なっておる。それから輸出金融という問題につきまして、前回も相当の措置はとったのであります。たとえば輸出貿手の金利の優遇等の措置はとりましたが、今回の措置は格段の措置でございまして、現在の輸出貿手の一銭二厘というような姿は日本銀行の金利体系からいたしますれば非常に破格の問題だと思います。その他輸出入銀行の資金源の充実、一般の輸出金融に対する優遇措置、いろいろきめこまかく実施いたしておる点は、前回に比べまして、経験からきましてある意味では相当進歩をいたしましておる。フリクションを避けながら、政策的に目的を達するためにいろいろな手段を併用しておるというところが特徴であろうと思っております。
○石村小委員 これは言葉の問題かもしれませんが、金融引き締めとこう言いながらも、私たちが例の日銀の帳じりを見ますと、貸出額は現在では一兆をこえております。去年の十一月は三千億台であった。三倍以上日銀の貸し出しがふえておってなお金融引き締めとは、一体これはどういうわけか、こういうことなんです。あるいはそれは財政の引き揚げが多過ぎるということがあるかと思いますが、とにかく一般の金融引き締めだという言葉と現実の姿との違い、これはどういうところに原因があると考えるのか、またどのようにこの現象をわれわれは理解すべきか。ただ金融引き締めだと言えばそれで済むものかどうか、そこを一つ御説明願いたい。
○大月説明員 ただいまのお話にございましたように、日本銀行貸し出しという面におきましては前回よりもさらに大きな貸し出しの数字が残っておるわけでございますので、それでは引き締めたことにならぬのではないかということでございますが、お話にもございましたように、財政の揚げ超が非常に大きいわけでございまして、これは経済の成長に伴ないまして当然現金通貨の需要があれば、これは財政の払い超でまかなうか、あるいは日本銀行貸し出しでまかなうか、あるいはオペレーションでまかなうか、あるいは外貨蓄積によってまかなうか、この四つ、あるいは準備預金制度まで考えますと、準備預金率の引き下げをもってまかなうか、これだけの手段以外はないわけでございます。そういたしますと、今の外貨事情が悪いということでこれは通貨供給源にならない。それから財政は引き続き揚げ超である。高率適用、準備預金制度は強化いたしております。それからオペレーションにつきましては、できるだけ金融緩和の印象を与えないという意味で控え目に実行いたしておる。こういう四つの要素を捨象いたしますと、あとは経済の成長に必要な通貨の供給は日本銀行の貸し出しによらざるを得ない、こういうことになると思います。そういたしますと、その結果生じております日本銀行貸し出しが需要に応じてどの程度の強さでもって締められておるかということでございまして、必ずしも具体的な数字ではなしに、需要に応ずる圧力と引き締めの圧力というところに一つのポイントがあろうかと考えます。それから具体的な計数につきましては、日本銀行券の発行高を対前年で比較いたしますと、七月ころまでは約二六%程度前年同月を上回っておったわけでございますが、引き締めを強化いたして参りまして、二四%、二三%減少し、多分今月のただいまのところでは二一%程度のところへ下がっておるのではあるまいかと思うわけでございます。こういう意味で、経済の成長を押えるということと並行いたしまして、日本銀行券の増発率も次第に鈍化して参っておる、こういうところにも一つの現われがあろうかと思います。それから現在の社債市場は、御存じのように昨年に比べまして相当不振の状況でございまして、これが企業に対する資金調達源として相当の圧力になっておる。それから増資をもってまかなうという点につきましても、現在の増資の調整あるいは株式市場の状況から申しまして、そう大きく期待はできない。こういうことになりますと、企業といたしましても預金を引き下げましてこれをまかなう、あるいは借り入れをもってまかなう、この二つしかない。こういうことになるわけでございまして、預金の全体の伸びが昨年ほどはかばかしくないというのは、むしろ貯蓄性預金の問題ではなしに、そういう意味の企業の預金が引き出されておるということの結果でもございます。そういたしますと、この引き出し余力も次第になくなってくるということになれば、一般の金融機関からの借り入れ依存ということになってくる。これが十分に要望に応じないというような態勢をとっておるということは、即全体の金融について締まっておるということになるわけでございまして、あらゆる面の資金調達源が貸し出しのところにおいて集約されて、これが締められておる。これが全体の金融引き締めの実態であろうかと思うのであります。
○石村小委員 そうすると、たとえて言うならば、手綱を締めるというのは馬の方が先へ走り過ぎるので、別に締めたわけじゃない、馬が自分で締めた、こういうのが現在の金融の引き締めの状況だということになるかと思うのですが、まあ日銀としては、いろいろ窓口規制をしても一兆からの貸し出しになっておる。日銀券も、幾らか下がったとはいえ、前年度よりも二〇%こえた増加率を示しておるということになると、この際金融引き締めをゆるめるといっても——かりにゆるめたいと考えても非常に限度があって、やることとすれば財政の揚超をどうするか、揚げた金を早く出すか、出さぬかということに落ち着くのじゃないか。これも財政の揚げたものを出せば同時に日銀の貸し出しが減っていくということもありましょうが、一応打つ手とすれば、財政の吸い上げられた金をいつ出すか、どの程度出すかということになるわけです。これは、予算の執行面、あるいは資金運用部の金の出し方、こういうことに関係してくると思いますが、それらについてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
○大月説明員 ただいま申し上げましたような格好で金融の引き締めが行なわれておる、本来の目的は、こういうような引き締めを実行いたしております過程において設備投資その他の需要が実体面において減ってくる、繰り延べが実体的に行なわれる、企業のサイドにおいてこれではなかなか設備投資もむずかしいのでこれは繰り延べざるを得ないという心理的変化を起こし、かつこういう経済情勢にかんがみて少し延ばした方がいいんだろうというような空気ができるということが目的でありまして、馬がどんどん走る、それを騎手が手綱を締める一方だ、これが望ましい姿ではないわけでございます。馬も手綱を締められ過ぎたのでは苦しいのでスピードを落とす、そこで初めて手綱もゆるむ、しかしスピードは適当なスピードになる、これがわれわれのねらいでございます。その意味で、財政が、今散超でございますが、問題は第四・四半期にどんどん揚げる、そういうのが金融引き締めのためにはいいのじゃないかという考えもあると思いますが、これは程度の問題でございまして、揚げ過ぎていたずらに企業に迷惑をかけるというのが趣旨ではないわけでございます。全体の経済の伸びが適度にスロー・ダウンするというところにねらいがございますので、必要な金はまかなっていかざるを得ない。財政が揚げ過ぎればそれを金融で調節する、財政がかりに散超になりますれば、さらに日本銀行の貸し出しの方を締めて調節する、こういう考えであろうかと思います。ただ、財政がどんどん散超になるということは、心理的に金融がゆるんだのではあるまいかという印象を与えますので、そういう印象を与えないように注意しながら、そこの調節をはかっていくというのがわれわれの考え方でございます。
○石村小委員 具体的に、新聞なんか見ると、一−三月で一千億の買オペですか、やるとかなんとかいうことが出ておるのですが、そういう方針でおられるわけですか。
○大月説明員 けさの新聞に一千億という数字が出ておりますが、これは全然大蔵省で考えておることではございません。また日本銀行においてもまだそういう数字は決定しておらないと存じます。いずれ一−三月の金融情勢を見まして、日本銀行の政策委員会において時期、金額等は最も情勢に適合した様相で処置されるというように期待いたしております。
○石村小委員 新聞の記事を見ますと、もちろん日銀の政策委員会に関係はあるとは思いますが、資金運用部の金をもって買う。まあそれは窓口としては日銀をお使いになるかもしれませんが、これは大蔵省——政府の仕事のように受け取れたのですが、日銀自体が自分の発行する日銀券でもって買うというのですか、どちらなんですか。
○大月説明員 今、新聞に出ておりますいわゆる日本銀行の買オペといわれている面は、二つの面があるわけでございまして、一般の民間に対する面から申しますと、これは日本銀行がみずから窓口になりまして、一般の金融機関から政府保証債その他のものを買う、こういう行為があるわけでございまして、これが本来の金融調節の面でございます。今のお尋ねの問題は、その次のアクションといたしまして、日本銀行が自分の資産として取得いたしますその有価証券を今度は資金運用部の余裕金をもって買い取るかどうかという問題でございます。この点は、資金運用部にどの程度余裕金があるのか、運用上どの程度必要なのかということによってきまるわけでございまして、金融調節という影響から考えますと、それは日本銀行が買い取りました有価証券を手元に持っておるのか、あるいは資金運用部がそれを持っておるのかという、政府と日本銀行との間の関係が違うだけでございまして、金融政策としては影響は同じである。そういう意味におきまして、これは資金運用部と日本銀行との間でそれぞれのポジションを見ながら、どちらかが持つ、こういうことでございまして、特に金融政策自体とは関係がないわけでございます。
○石村小委員 それは、日銀が買うということにきまった後においてはそういうことが言えると思うのです。ところが、日銀が買うか買わないかきまらぬときなら、資金運用部の金で買うという政府の態度というものとは、これは違ったものになる。その点を聞いておるわけです。
○大月説明員 今のお尋ねは、それでは資金運用部が直接市中から買うということはどうか、そういう考えがあるかということだと思いますが、ただいままで実行いたしました中小企業対策としてのいわゆるオペレーションと言われておるもの、これは資金運用部が直接実行いたしておるわけでございます。これはむしろ金融調節という感覚でなしに、中小企業金融対策として実行いたしておりますので、日本銀行の実行いたします金融調節としてのオペレーションと、われわれは理念的に区別いたしておるわけでございます。そういう意味で、かりに一—三月に非常に金融が詰まる、その原因が財政の揚げである、これを金融的に調節しなければいけない、一般的に考えるということになりますれば、これは日本銀行が実行すべきことだ、しかしあわせて中小企業金融対策の必要がさらにあるということでございますれば、それとまた別個の観点におきまして、資金運用部は直接いろいろなオペレーションをやるということも考えられます。しかし一般に言われておりますように、政府が資金運用部を使いましてやりますのは、われわれとしてはオペレーションという言葉はできれば使いたくないわけでありまして、正確には中小企業向けの金融を疎通するために、資金運用部で市中の金融債を買い上げるのだ、こういうように言っておるわけでありまして、そこは出口が違いますと同時に、考え方自体に判然とした理念的な区別をわれわれは持っておるわけでございます。
○石村小委員 つまり政府としては、一般的な金融の主導権は日銀に持たせるべきだ、中小企業の金融の特別な対策という政策的な場合には別だというお考えのように聞いたわけですが、そこで中小企業の金融問題で一点だけお尋ねします。 現在日銀の貸し出しというものは、結果においては大企業向けの資金になっておるわけです。日銀の方へ聞いてみますと、何も日銀とすれば大企業優遇とか何とかいうことを考えているわけではないが、結果においてそうならざるを得ない、それは信用力の問題とかいろいろなことがあって、結果においてそうなるのだということですが、現在こうした情勢のもとで中小企業の金融に対する措置といいましても、政府が中小企業金融機関の金融をふやすとか言っても限度が非常にあるわけであります。そこで、日銀と中小企業とを直接結びつける方法はないか、直接と言っても何もすぐ貸すわけではないのですが、たとえばなるほど日銀の言うように、中小企業なんて小さなものには日銀とすればあぶなくて、そういうものを対象にした普通銀行の貸し出しを見て貸すということは困難だと思います。少なくとも信用保証協会ですか、政府の機関、あれが保証したものについては、政府の保証同様だと考えて、そうしたものを担保として持ってくるものについては日銀としては貸し出しをするというような結びつけの方法はないものか、こう考えるのですが、この点いかがですか。
○大月説明員 中小企業金融のウエートにつきましては、先ほど毛利先先の方からお話がございましたように、市中金融機関から出ておるのが五〇%、それから中小金融の関係専門の民間金融機関から出ておるものが約三八%、残りが政府関係の金融機関でございます。そういう意味で中小企業金融の共通のことを考えます場合には、市中金融機関が相当の配慮をもって、中小企業金融をやってくれるということがポイントでございます。これは日本銀行からひもつきで出すよりもさらに効果があるわけでございまして、みずから集めました預金、日本銀行から借りました資金、そういうものを合わせまして大企業に向けるか中小企業に向けるか、もっぱら銀行の意思にかかってくるわけでございます。そういう意味で今般の国際収支改善対策の中でも民間の金融機関に対しまして、中小企業向け貸し出しの比率を落とさないようにということを特に強く要請しておるわけでございます。一般の銀行のサイドにおきましても、その点を十分配慮しようということを常に申し合わせております。 それで今お話がございました信用保証協会なり保険公庫その他の保証のあるものはその手形を日本銀行で割り引いたらどうかというお話でございますが、そういう数量はまず非常にウエートが低いわけでございまして、全体の中小企業貸し出しの三%にも満たないというのが現在の信用保証協会の保証の金額でございますので、ただそれだけを日本銀行にかりに持ち込みまして、それをもって足れりというわけにはいかない何十%という中小企業金融があるわけであります。また日本銀行のサイドから申しますと、資産としては最も優良なものをやはりとっていくという建前、これは広い意味の中央銀行の性格として避け得ない性格でございますので、やはり最も優良な商業手形その他を中心に資金は供給していく、しかし一たび市中金融機関に入りました金がむしろ中小企業の方にたくさん流れていく、こういう考え方の方がむしろ効率的であろうか、こういうように考えております。
○石村小委員 なるほど現実に保険をした金額というものは少ないと思います。しかし、こういう金融情勢のもとで、市中銀行はどうしても大企業の方に出していかざるを得ないと思うのです。そのままでは日銀から借りてくる、その金を回す、また預金を回すといって、中小企業にも落ちないようにするとはいいましても、詰めてくればそうなってこざるを得ないのではないかと思う。 そこで、政府の保証になっておるようなものについては、特別に考えるぞという方針を打ち出すということは、心理的に中小企業に対して非常に大きな影響を与えるものではないか。なるほど、現在では幾らの金額にもならぬと思います。しかし、日銀と中小企業がそういう形で結びつけられるという道を開くということは、私は大きな意義があるのではないかと思います。三十二年の引き締めのときにも、池田さんが中小企業に対する特別な措置をわれわれも考えておるが、これは下手にやったら結局その金を市中銀行に出すと、大企業にいってしまって意味をなさないんだということを、池田さんはおやめになる前にわれわれに言われたことがある。私はその通りだと思う。だからそういうことのないように、一つの方法として日銀が出す場合に、その対象は一般的な国債が担保であるというのと同様に、担保力におきましては政府機関の保証ですから、国債の保証と同様だ、そうしてしかもその内容は中小企業に向けられておる金だという意味で、その裏づけは日銀でやるんだという方針を打ち出すということは、中小企業金融に対する考え方が非常にはっきりしてくるのではないか、こう考えて言っておるわけです。金額はなるほど現在では幾らの金額にもならないと思う。しかし意味が非常に重要ではないか、こう考えるわけです。
○大月説明員 一つの考え方であろうかと思いますが、やはり日本銀行の考えといたしましては、債務者本人の資力、信用というものが客観的に優良であるということが必要であって、保証人というのはやはり第二義的なものになるわけでございますので、なかなか踏み切れないのではなかろうかと思います。どうも政府の保証と申しましても中小企業金融に対する保証は、要するにみずから金を借りる能力が乏しいがゆえに保証する、こういうことでございますので、日本銀行が優先してとるという精神とはやはり相いれないのではなかろうか。しかし、御意見でございますので、日本銀行には、そういう御意見があるということを十分伝えておきたいと思います。
○細田(義)小委員 私はかつて東京都におる当時ですが、中小企業、中よりは小及び零細ですが、その面で都が金融機関に代位弁済の契約をいたしました。貸し倒れがあったときには都が補償いたします。払います、こういうことで、当初、七、八年前ですが、出発いたしまして、私の在職の当時におきましても、年間二百億以上の中小企業に対する貸し出しをやった。貸し倒れはどうかと申しますと、本質的な絶対的な貸し倒れというものはそれほどでもありませんが、当初は期限を過ぎてもなおかつ弁済ができないというものは〇・五、六%でございました。従って、二百億貸し出しましても一億か一億二、三千万円が貸し倒れになるおそれのあるものである。しかし、そのうちから三年、三年とたつうちに入ってくるものがあるわけです。そういうことで私自身も驚いたのでありますが、政策費としてはそう高価なものではない。だから思い切って配慮をしてやれば、そのかわり貸し倒れをしたやつは次には貸さないということになるわけですが、善良な、商売を一生懸命やっておって、事業それ自体もそう悪くない事業である、めんどうを見てやるべきであるという判定をそれぞれの機関がやった場合には、これは政府が代位弁済をしてやる。銀行ではなしに政府がそういう金融機関と、お前の銀行には損をかけないぞという契約を結ぶことによって、もっと前進すると実は自分の経験から思っておるわけですが、日本全体にそれをするような、私も前に商工委員をやっている当時、中小企業庁なんというようなものがありますけれども、こんなものは率直にいって役に立たない役所だと実は思ったんです。大蔵省に対しても力がないですね。やっていることがとてもみみっちい。それをわれわれはうんと応援して、この事態を野党の諸君もわれわれと同じ考えですから、推し進めていきたいということですから、一つ研究をしてもらいたい。よそでもやってそれほど問題にならずに重宝がられると申しますか、よかったというようなことになっておるようでございます。この点石村委員のそれに付言して私もお願いしておきます。
○大月説明員 ただいまのお話は若干違う面があると思います。それは東京都が一般の金融機関に対し損失補償契約をおやりになる。そういたしますと、市中金融機関は中小企業に貸し出しをやる。この貸し倒れ率が少ないということは私は事実であろうと思います。大体都の損失補償を受けて貸し出すようなところに対しては、銀行も非常に慎重であろうと思いますし、非常な大きな貸し倒れができますと、また都に対する信用を失うということもございますし、また借りる人も誠実な人がむしろ多いのじゃなかろうかと思います。そういう意味で損失自体は少ないと思うわけでございますが、これが今度は日本銀行の窓口を通りまして、日本銀行の貸し出しの担保とかあるいは割引の対象になるといたしますと、日本銀行といたしましては一銭の貸し倒れもできては困るという性格を持っておりまして、貸し倒れが少ないからいいではないかというところではなかなか踏み切れない、そこが中央銀行としてのある意味のつらいところでもあり、かつ日本銀行の存在の価値のあるところかとも存じております。何と申しましても日本銀行券の信頼のもとになるということが必要でございますので、その点はやはり中小企業対策とのかね合いでございますけれども、なかなかむずかしい問題ではなかろうか。しかし十分検討はしてみたいと思います。
○細田(義)小委員 私の言うのは日銀でなくても、日銀から銀行が金を借りますね。その銀行がいま少しおおらかな気持で貸してやっても、倒れた場合にはお前の銀行は損をしないという仕組みが考えられるということを言っておるので、今の銀行局長の答弁はちょっと私のとは違うのです。しかしけっこうです。
○石村小委員 もう時間も一時を過ぎましたからやめたいと思いますが、しかし今のようなお話では、結局日銀というものは問題の中小企業には縁もないものにならざるを得ないと思うのです。銀行とすれば自分の貸したのが、必要があれば日銀の方でまた貸してくれるという態勢にならなければなかなか金は出せない。こういう情勢になればますますそういうことは深まっていって、日銀との関係では中小企業はとうてい救われぬ、こういうことになるので、しゃれや冗談で政府機関が保証するわけじゃないのですから、国債同様に考えて、やはり日銀としても特別な態度をもって臨むということになれば、市中銀行も喜んで保険のつけられるようなものについては、こういう事態においても中小企業に貸し出しをやるということができると思うのです。それができなければ市中銀行に中小企業にも金を出せ出せといってみたところでなかなか困難だと思う。その意味でせっかく保険公庫を作ったわけですから、それを活用するという意味で、一つお考え願いたいということを希望申し上げておきます。 それではさっきの理財局の問題……。
○吉岡説明員 お尋ねのお答えがおくれまして恐縮ですが、食糧証券の発行高、二十二日現在の数字を申し上げますと、千八百九十億円。保有機関別に申し上げますと、そのうち運用部が千百五十三億円持っております。その他のおもなものは、日本銀行が二百七十六億円、簡保が百七十億というようなところがおもなところであります。
○伊藤小委員長 次会は追って御通知することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会