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39回国会衆議院1961/11/14

大蔵委員会 第13号

発言数
101
登壇者
14
会派数
3
開催日
1961/11/14

会議録

小川平二自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。金融に関する件について、本日の委員会に商工組合中央金庫副理事長河野通一君に参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  税制及び金融に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最初に河野さんにお伺いをいたしたいと思いますが、御存じのように大へん金融の引き締めで各産業界に著しい影響を来たしておるわけでありますが、特に商工中金についてはなはだしいものがあるように私どもは聞いておるわけであります。質問をするにあたりまして、今商工中金の現状はどうなっておるか、一般論はもうけっこうでございますから、具体的に資金がどのくらいあって、需要がどうなっておって、それに対する対策は政府その他にどういうふうに要望しておるか、端的に数字をあげて御説明を願いたいと思います。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 横山さんの御質問でございますが、こまかいことをいろいろ申し上げることは時間の都合上差し控えたいと思いますが、大要だけ結論的に申し上げます。  当初、私どもの金庫は、本年度の資金計画といたしまして、三百十億円の貸し出しの純増加の計画で出発いたしたのであります。しかるに出初三百十億の純増計画で出発いたしました際にも、その程度では資金の需要に応じ得ないということは大体見通しがついておったのでありますが、残念ながら資金源との関係もありまして、それ以上の計画を組むことができなかったのであります。その後、今年度に入りましてからの資金の需要と申しますか、借り入れの申し込みの状況は、前年度に比べまして著しく増加をいたして参っております。申し込みの状況を金額で申し上げますと、第一、第二・四半期で前年に比べて大体四〇%から五〇%程度の申し込みの増加ということに相なっておるわけであります。従いまして、今申し上げましたような貸し出し計画で進みますならば、申し込みに対して貸し出しに応じ得る——これをわれわれは充足率という言葉で呼んでおりますが、この充足率はどうしても下がらざるを得ないような状況になって参っております。これもやはり昨年の同期に比較いたしまして、いわゆる充足率といわれるものは相当程度低下をいたして参っております。そういったふうな状況で、一方で資金の需要が非常に強くなって参っておって、既存の三百十億計画の貸し出しの計画ではとてもその需要に応じ得ないというような事態がありましたところへ持ってきて、資金の調達の方が、また非常に残念なことでありますが、当初計画をいたしましたところに対しまして、非常なそごを来たして参ったのであります。資金の調達の面で一番工合の悪いのは、何と申しましてもやはり割引債券の消化の不良であります。割引債券は御承知のように、大体証券会社の窓口を通じて売り出していただいておるものと、私どもの店頭において消化をいたしておりますものと両方あるわけでありますが、その前者が非常に売れ行きが悪いわけでありまして、この原因は皆さんよく御承知のような、いろいろな原因があるわけでございますが、その原因につきましてはさておき、現実の成績は、現在の状況を今後続けて参りますと、当初、割引債券の売り出しの消化の見込みは、純増で八十八億という数字、大体九十億でございます。その程度の増加を予定いたしたのでありますが、今のような売れ行きの状況でこの年度間を見通してみますと、純減が約八十億程度になる見込みであります。そういたしますと、計画の純増八十八億に対して純減八十億という数字でありますから、大体百六、七十億の計画に対するそごという状況に相なる次第であります。もちろんこの点につきましては、さらに今後数カ月の間の残りの期間を、できるだけ努力を傾けまして、消化の促進に努めて参りたいと考えておりますけれども、その努力をいかにいたしましても、そう大きな回復ということは、なかなかむずかしいという見通しを持っております。そのほか、政府の関係を除きました私どもの資金調達の大きな面は、利付債券と預金でありますが、この方は、各金融機関その他の御協力も極力得ることにいたしました結果、当初の計画よりも若干程度増加いたす見込みであります。それからさらに特殊のクレジットを、ある程度余裕のある金融機関から得るような努力もいたしまして、差し引きますと、年度間で、当初の資金の調達計画に対して、落ち込みが約二、三十億ということになるかと思います。  以上申し上げましたように、一方で資金の需要が、私どもが当初計画いたしましたところを上回って、非常に大きなものでありますにかかわらず、資金の調達の面におきまして、計画に対して相当な落ち込みを来たすというわけで、差し引き資金の不足ということが非常に大きくなって参ったのであります。幸いにしてこういった事態に対処いたされまして、政府におかれまして、先般百六十五億円の追加投資をお認めいただき、これをいただいたわけでありますが、その資金の投入をいたしました結果、先ほど来申し上げましたような資金の不足を補い、さらにその百六十五億のうちで、本年度中に政府へお返しをいたさなければならぬ資金等を差し引きまして、当初の三百十億純増貸し出し計画に対して、九十五億の増加をいたしまして、年度間四百五億の純増という計画になった次第であります。しかしながら、先ほど御指摘もございましたように、その後の資金の需要は、いわゆる中小企業への金融の引き締めのしわ寄せという問題が強く現われて参っております関係から、ますます資金の需要は旺盛になって参っております。特に石炭の関係等につきましては、御承知のようなことでございますが、繊維の関係、綿、スフ、絹、人絹そういったもの、あるいは毛に至るまで、繊維の関係のいわゆる不況と申しますか、金繰りの非常に窮屈なしわ寄せというようなことから、こういった資金の需要が非常に旺盛になって参っております。そのほか金へん関係でも、一般的に相当な金詰まりということが、ひしひしと私どものところにも感じられるようなわけであります。  私どもの全国約六十カ所の営業店から、最近の状況における資金需要、及びそれに対してどうしても貸し出しに応じなければならぬ数字というようなものをとっておりますが、これはまだ実は集計ができておりませんので、はっきりしたことは数字的に申し上げる段階に至っておりませんが、先ほど申し上げましたような四百五億の貸し出し純増計画をもってしては、とうていその需要に応じ切れないということは、大体間違いないことであろうと思うのであります。そういった状況でありますので、一方で、私どもは、先ほど来申し上げましたように、自己調達の努力をさらに傾けますとともに、それによってもどうしても負い切れない必要なる資金需要に対しては、何とか政府御当局の御援助をいただいて、財政投融資からの資金の投入をできるだけ増加していただきたいということで、かねがねお願いを申し上げておる次第であります。まだこの点については、具体的な御決定をいただいておらないような次第でございまして、今後もできるだけこういった方面への資金の投入の増加について、さらに政府当局に強くお願い申し上げるつもりでいる次第でございます。  概要以上のような次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 金融引締めになってから、中小企業金融対策の一番の焦点は、私は商工中金にあると思うのです。その商工中金へ行った人が私どものところへ来て言うことは、商工中金とは一体銭を貸すところか、借りるところか、どっちですか。妙なことを言いなさんな、それはどういうわけだと言ったら、商工中金へ銭を借りに行ったら、債券を買ってくれ、預金してくれ、こう言う。あんなばかなところはないじゃないか。どのくらい債券を買ってくれと言ったかと言うたら、今まで二割だったが、今三割が常識になってきているとか、これは私どもが聞いても、まことに商工中金はけしからぬところだ、こういう感じがするわけです。けしからぬのは商工中金がけしからぬのか、だれがけしからぬのか、議論はありますけれども、それにしても、ここまで持ってきた理事者の責任は、私は免れることができぬと思う。今あなたの話を聞いていても、みながざわざわしているものだから、その深刻な雰囲気が出てこないけれども、全く商工中金はひどい状況になっていると思うのです。みな中小企業者が商工中金へ行って憤慨している。新たな計画は全部窓口でお断わり、それから今までのものも、去年の実績が一ぱい一ぱいだ。それまでいけばいいところで、それはもう私もお百度参りをしてよう頼んだ、こう言っている。借りた額、さらにそこから債券を買ってくれだの、預金をしてくれだのと言う。それであれは一体民間の機関ですか、政府機関ですか、何でしょうかと言うので、あれは中途半端なものだわいと私も言うたわけですが、こういうような状況を放置しておいて私はよいものじゃないと思うのです。あなたは言葉少なに自己調達の努力を重ねる、政府の財政投融資を求めておるとおっしゃるけれども、一体それはいつまでに確保し、いつまでにやろうとお思いなさるのですか。年末金融が目の前に差しかかって、目の前どころじゃない。それでわいわい言っているときに、国会は今休会状態、来月に入ってそれから話がつくものですか。この年末を一体どういうふうに商工中金としては現状を改善するつもりであるか、その具体的な計画を具体的に聞かしてほしい。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 おしかりを受けてはなはだ申しわけないのでありますが、私は先ほど来申し上げましたように、これははなはだ遺憾なことでございますが、私どもの力が足りませんせいでもありますけれども、自己で調達して参る資金の充実ということは、遺憾ながらこれにはおのずから限度があるわけです。従いまして、私どもはこの点についてはいろいろなことを考えております。その結果自己調達の努力を傾けるがために、その努力がややもすれば行き過ぎるために、今横山さんからおしかりを受けましたように、つい預金をお願いするのが度が過ぎるといったようなことで、またおしかりを受けることがたびたびあるわけであります。こういった点につきましても私どもはできるだけ摩擦のない、しかも一般の民間の金融機関、純民間の金融機関じゃございませんから、その点についてはおのずから節度を十分に考えていかなければならぬというようなことで、自己調達の努力の結果につきましては、遺憾ながらそう多くを実は期待するわけには参りません。従って私どもはそれでどうしても足りないところは、やはり政府御当局にお願い申し上げて、その資金の投入をできるだけ多くしていただきたいということで現在もお願い申し上げておりますし、今後年末までにそういった資金の追加投入をできるだけ多くしていただくように努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。現在の段階では、それ以上のことはちょっとなかなか申し上げられないのでございます。その程度でごかんべんを願いたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 前に進みたし、後に退きたしという自己調達の件は、今みんなが金融で困っておるところから、自己調達をする、債券を買え、それで金を借りにいけばいつもよりもっと債券を買ってくれなければ、預金をしてくれなければだめなんです。今まで一割だったら二割にして下さい。一割なんてありゃせぬけれども、二割を三割にして下さいということにして、割当方式で一生懸命に商工中金の人がやっておる努力は認めるけれども、方向が誤っておると私は思うのであります。この間もある具体的な件でちょっと聞いてみたら、いやそれは行き過ぎまして済みませんでしたと、さっと訂正をしていただいたのですけれども、そういうふうに気のついた人が気のついたことをやればいいけれども、一般的には銭がないから買ってくれなければ貸せないのです、あなた方が金を出してくれなければ貸せないんです、こんなことを商工中金が一生懸命にやられる筋合いのものじゃないと思うのです。ですから自己調達という名前はいいけれども、結局金のない人から、金をほんとうに借りたい人から逆に金を集めるというような自己調達は、もうほどほどにしてもらわなければ何にもならぬ。こんなことを進めるために私どもは仕事をしているわけじゃないのでありますから、これは厳に戒めていただきたいと思います。  それで、政府側にもお伺いしたいのでありますが、こういうような状況を——金融引き締めが大企業からその直下の、すぐ下の中小企業の下請にきておる、その下請から再下請へいっておるのですけれども、私の見るところでやはり今一番苦しんでおるところは直接の下請関係だと思うのであります。そこが商工中金が大体請負っておるところなんでありますが、ずっと統計を調べて見ましても、手形と現金の割合を窯業関係を例に引いて求めますと、今まで現金が八割だったけれども、五分々々になったとか、あるいは商社関係でももう五分々々から八割くらいが手形になったとか、百日が百二十日になったとか、自動車関係でありますが、これではもう百三十日が百四十日になりつつあるとか、まるきり全般的に問題が発展してとどまるところがない状況であります。この一番資金源になっている商工中金が状況かくのごとしでありますが、年末に対してこのまま放置されるのか、具体的に大蔵省としては手を打たれるのか、大臣が来られたらもう一ぺん確かめたいと思うのでありますが、事務的には一体どのようになっているのか伺いたいと思うのです。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 ただいまの中小金融につきましては、金融の引き締め等のしわが中小企業の方に寄った場合にそれを何とかして救済したい、できるだけ中小企業の方に御迷惑をかけないようにしたいという方針で進んでいるわけでございます。商工中金の問題もさることながら、市中銀行、また信用金庫、相互銀行、信用組合、商工中金、中小公庫、国民金融公庫というようないろいろな中小企業関係金融機関、いろいろ動員をいたしまして年末金融等につきまして鋭意努力をしている最中でございます。具体的数字等につきましては銀行局長から御説明いたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、この前附帯決議といいますか、中小企業金融、年末金融についての決議するときにくどく言ったのでありますけれども、そんなもの百も千もいろいろ決議しても、あるいはまた大臣がどういう答弁をしても、結局起こることは必ず起こる。それを強く指摘をしておくと言ったのであります。あなたのおっしゃるような中小企業金融は政府金融機関のみならずすべてのところ、全部であります。ですから抽象論議をするのは私は避けたい。何も商工中金だけではないことは百も承知であります。しかしたとえば商工中金の問題に限って十分に説明ができないようなことで、国民金融公庫や中小企業金融公庫や信用組合、信用金庫の話が出ましたが、私はきょう商工中金の問題だけについて言うのであります。商工中金の問題が年末までに片がつかないで、一体何ができますか。どんな話ができますか。そういう意味できょうは商工中金に限定しております。中金からお話がありましたように、年度当初の計画に対して九十五億の増で総額四百五億だといっても、年度当初の計画が全体間違っているし、それから実際窓口に現われている状況というものは、新規のことは一切だめだ、去年よりも低くしてくれ、債券は買ってくれ、預金はしてくれという状況で、何らの解決がついていないじゃないか、これを時期的にも具体的にどうなさるおつもりかということをお伺いしている。

大月高大蔵事務官(銀行局長)

○大月説明員 中小金融全体の問題といたしましては、先ほど政務次官からお話がございましたように、やはり中小企業に回ります金の大部分は市中金融に関係することでございますので、全体としてそちらの方に金が回りますように努力の重点を傾けているわけでございます。具体的に申し上げますれば、やはり全体といたしまして市中の銀行から出ます中小企業向けの金は五一%、つまり過半数になるわけであります。それから相互銀行……(横山委員「商工中金のことをお伺いしておる。」と呼ぶ)大体の考え方だけ御説明しておきたいと思います。相互銀行、信用金庫、信用組合、いわゆる中小企業専門の金融機関の占めます割合がおおむね三八%、それから国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、これの占めます割合が大体八%ちょっと九%足らず、こういうことでございます。そういう意味で、実質的に中小企業金融がうまくいくかどうかということは、こういう金が全体としてどの程度ふえるかということの方がポイントであろう、こういうように考えますので、そういう観点で従来から今年の年末金融につきましても大いに努力しているわけでございます。具体的に商工中金の問題につきまして、市中の債券の消化につきまして割引債券の消化が悪いということは、これは一般の割引債券、興銀債あるいは長期信用債券、不動産債券、いずれもよくないわけでございまして、これはある程度努力をいたしましてもその消化が十分にいかないということはやむを得ないと考えております。それで、われわれといたしましては、商工中金の資金源といたしましては、一般の金融機関の消化してくれます長期商工債券、これの消化に重点を置くべきものだと考えておるわけでございまして、ただいまの商工中金の御説明にもありましたように、市中消化の長期の商中債の消化は予定よりはるかに多い、割引債権の減を補ってなおかつ増加する態勢になっておるわけでございます。  それから、第二の問題といたしましては、農林中金その他季節的に資金の豊富になる機関がございますので、それからの借り入れに依存する、こういうことによってただいまお話のございました九十五億の半数、若干の部分は補われておるわけでございますが、何と申しましても、この資金源としまして、やはり政府の財政投融資関係の金が重要性を持っておるということは現実の問題でございます。先般百六十五億の財政投融資の追加を実行いたしましたが、この年末に際しましてどうするかという問題が具体的にございまして、今後この財政投融資の資金源といたしましては、政府の資金運用部系統の資金があるわけでございます。これは三十七年度の予算とも関連いたしまして財政投融資の規模をどのようにするか、それによって商工中金に対してどのくらい財政資金をさき得るかという問題に関連があるわけでございますので、単に商工中金の立場のみからこの問題を年末金融だけにしぼって考えるわけにはいかないというのが現実の問題でございます。そういう意味におきまして、最終的に幾ら財政資金を商中に追加するかという問題につきましては、三十七年度予算との関連をにらみ合わせて決定せざるを得ない、こういうように考えております。ただ、現実の資金繰りといたしまして、年末にどうするかという問題がございますので、これは現在商工中金につけられております資金運用部の第四・四半期分の一部の繰り上げをもって対処すれば、現実には措置できるか、こういうことでございます。具体的にどの程度これを繰り上げるかという問題につきましては、現在中小企業庁その他と検討中でございまして、近いうちにその金額を決定いたしたい、こういうように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がございませんから多く言うわけには参りませんが、具体的な対策だけに限定して言いますと、たとえば、私はこの間名古屋の支店長初め役員の人のいろいろ話を聞いたのですけれども、年末七億円来たけれども、それではとても足らぬから四億五千万円希望した、そうしたら、たった四千万円しか来ないという状況なんです。四億五千万円の要求に対して四千万円しか来ないのだから、どんなにしゃっちょこ立ちしても御要望のようには参りません、こういうのであります。それが現状である。その現状に対して、大月さん初めあなた方は、さらに割引債券の消化をしたい、農林中金の借り入れをしたいの、あるいは財政投融資をしたいのとおっしゃるけれども、現実問題として、それは長期にわたっての問題であるけれども、さしあたりの問題としては何も手がない。ただ、今最後に話があった第四・四半期の繰り上げによって何とかしたいということがさしあたりの現実の問題だと思うのでありますが、その第四・四半期の繰り上げを現実的になさる、それをすぐに年末金融に間に合うようにおやりになるおつもりでございますか。これは御両者のそれぞれの角度からの御意見を伺います。

大月高大蔵事務官(銀行局長)

○大月説明員 当然年末金融の対策といたしましては、そういうふうに決定する予定で今検討中でございます。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 私の方といたしましては、先ほど来申し上げております通り、年末にかけての資金の追加投入について、今後も政府当局にできるだけのことをしていただきたいというお願いをするつもりであります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 春日一幸君。

春日一幸民主社会党

○春日委員 河野さんに伺います。既設的なクレジットのほかに、年間資金計画として活用できるいわゆるクレジット増、たとえば農協その他の金融機関から預託を受けられたとかなんとかいうものがどれだけふえているか……。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 ちょっと春日さんの御質問の趣旨がはっきりいたしませんでしたが、御質問は、政府の資金を含めて長く安定して使える資金がどのくらいあるか……。

春日一幸民主社会党

○春日委員 市中金融機関からそれぞれ供与を受けたという短期償還の貸し出し純増の中に見合う資金量というものはどの程度のものを集められたか……。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 政府の関係を除いて申し上げますと、農林中金から利付債券を含めて約五十億の資金の投入があります。それから、市中金融機関からは——ことにこれは市中銀行が主でありまするが、これは利付債券の消化という形で現在のところでは——大体年度当初の見込みが百二、三億の増加ということで見込んでおりましたのが、現在のところでは農中関係——農中関係の五十億というのは、先ほど申し上げました五十億のうちには利付債券が十五億入っておりますが、その利付債券の農中関係の十五億を除いて約百二十億近くのものが調達できると思います。従いまして、当初の計画に対して約十五億から十七、八億程度の利付債券の増加ということになるかと考えております。

春日一幸民主社会党

○春日委員 そうしますと、これは重要なことだと思うのだが、当初計画では、資金調達の割商の消化の純増純減の関係でもって百七十億のマイナスになっている。百七十億のマイナスになって、それをカバーするものは、結局はそれらのクレジット的性格のものと預金増というものになるのですか。今では当初計画よりも市中金融機関関係のクレジット増というものが十七、八億とすると、そうすると、これを二十億と見たところでかれこれ百五十億程度のものが預金増もしくは割商増ということになるのですか、そういうことになるではないかと思うのです。

河野通一商工組合中央金庫副理事長

○河野参考人 その点は、先ほど実は簡単に申し上げたのでありますが、当初私ども若干の資金の余裕をもって今年度に繰り越したものがございました。これが普通の状況におきましては、大体使わないでずっと繰り越して繰り回し金として使っていくような性質のものでありましたが、こういった非常に資金の計画が窮屈になりましたので、四十億あまりのものをこの資金計画上では吐き出すことになったのであります。それから預金の増加が、大体当初七十億の増加と見込んだのでありますが、これがやはり四十億から四十五億程度の計画よりも増加ということになりますので、それらの資金を合わせますと、先ほど申し上げましたように、割引債券における穴約百六十億から百七十億に対して、それを埋めてなお埋め切らないものが二十億、こういう数字に相なるわけであります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 そうすると、結局は今あなたの方から述べられた計数をいろいろやっていくと、現実には預金増なりあるいは中小企業者が強制的に割り当てられたみたいな割商の消化というものが相当大きな度合いを占めておると思うのですが、私はこの機会に特に天野政務次官に御留意を願いいたいと思うのですけれども、予算委員会でも、本委員会でも、通産委員会でも、かつは各党のあらゆる機関、わけて自民党の総務会が中小企業の金融危機突破に関する緊急対策というので、総務会が決定して政府に申し込みをいたしておりますが、各委員会における質疑応答の中で明らかにされた点は、いろいろと資金梗塞打開のために施策は必要ではあるけれども、特に金融機関の運用を通じて歩積み預金、両建預金という性格のものはこれを厳禁する、これは強く述べられておることであると思うのです。しかるに政府関係の金融機関、あらゆる金融機関の範たるべき立場にあるところの金融機関が、本年度の貸し出しを通じて、みずから資金梗塞の救済の道を、その預金者に対する拘束預金を徴収する方向に求めておるということは、これはあらゆる国会の論議、あらゆる政党の意思決定に対して全然反するやり方だと思うのです。現実に今河野君が述べられたところによっても明らかなように、ともかくそごを来たしたのは百七十億、ところが落ち込みは結局さまざまな方策を講じて二、三十億にとどまっておるのだが、とどめ得たのは中小企業から預金をとったことによるもので、医者が何らかの施策をしようとする輸血の材料に患者の血をとってやるようなもので、こんなことは当を得たものではないことは明らかだと思う。私はこの問題については、あなた方も実際的に何とかしよう、使命を果たそうという形で、若干余裕があろうと思われるそういうような組合や個人から預金の徴収あるいは割商の消化に努力されることはわかりますけれども、総体的にこういうような膨大預金を、あなたのような公的性格を持っておる金融機関が預金増を意欲的にはかられるということは、結局国会の意思、各政党の意志決定と全然反するものと思うのです。このことはただひとり商工中金のみならず、同様銀行その他においても、金融債を今強制的に割当をしておる。天野政務次官、各党の意思決定は別といたしましても、少なくとも自由民主党の総務会が決定をしました項目の中に、特に両建預金、歩積み預金、これを厳禁するとあったのだが、商工中金がそれと同じ中身を持っておる、性格を持っておるこんなばかげた預金増あるいは割商の消化をいたしておるということは、これは業務方法書なりあるいは実際の執行を通じて厳重に戒告を要する問題であると思うのですが、この点についてどう考えておられるか。  それからもう一つは、自民党の総務会が、五百五十億の中小企業に対する政府関係金融機関の融資増の政府決定に対して、一千億の決定をしているはずです。五百五十億では少な過ぎるから一千億出すべきであると総務会が決定をし、これを閣議に申し入れをしておるはずなんです。ですから、民主政治は政党政治、政党の責任において政府がこれを行なっておるのだが、少なくとも自由民主党、与党のいわゆる執行機関、責任機関が一千億の中小企業に対する政府関係融資を行なえと明確にしておるこの問題について、政府の意思決定はどのようになされておるのでありますか。今後の見通し等についても、この際あわせて政府と政党との両方の立場から御答弁をお願いいたしたいと思います。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 歩積み等の問題につきましては、ただいまお話にありましたように、あまり好ましくない現象であるということは言うまでもないところであると思います。しかしながら反面預金をふやしていかなければならぬという面もありますので、あるいはそこにダブって歩積みというような問題が見られるようなことがないとも限らないと思うのでございますが、そういう点は、今後そういう誤解の起こらないように、また歩積み等できるだけやらないようにしていかなければならないと思うのであります。こういう方針で進みたいと思います。  それから一千億の融資の問題につきましては、先ほど銀行局長も答弁申し上げましたように、年末の金融対策につきましては、総合的に考える立場の上に立ちまして、第四・四半期の繰り上げ執行というような手も打っておりますし、また来年度の予算編成ともからみ合いまして、財政投融資の面でいろいろと考えていきたい、こういう方針で進んでおります。できるだけ党の要望にも各委員会の御要望にも沿うような方向で努力をして参りたいと思います。

春日一幸民主社会党

○春日委員 最後です。私は時間がありませんから、河野さんにも銀行局長にも政務次官にも厳重に御留意を願って処置願いたいと思うのでありますが、ともかく簡単な、預金者に対して預金をせよ、借りる人に預金をせよ、さすれば貸してやるといえば、若干のものは預金しますが、そんな方法によって原資の増大をはからるべき性質のものではないし、その時点にはないわけです。やはりその努力は政府に対してなされるべきである。資金量もふやさなければならないだろうが、それは患者の血を吸ってそれによって輸血を行なうなんというような治療の方法というものはあり得ない。やはりそれは政府からその血を取って、そうしてそれを患者に輸血せなければ治療の効果は上がらない。私はそういう意味で預金の増加——現実に今問わず語りに語られた河野さんのあれによって明らかなように、ともかくも百七十億もマイナスであったのに、落ちは二、三十億にとどまったのだが、それに合うところの百億以上のものがそういう手段によって、いわゆる患者から取られた金であるという点から、これは私は、そういうような方法によって資金の増加をはからなければならぬ筋もあるだろうけれども、そんなことをしなくてもいいように、政府みずからが必要にして欠くべからざる原資については、商工中金からの申し入れを応諾するだけの何らかの努力がなされなければならぬ。わけて、政党政治において、自民党が総務会の決定によって一千億というものを融資せなければならぬ、五百五十億の政府決定では足らない、このことを政府に対して申し入れをして、しかもこれをあまねく天下に宣伝をし、自民党自体が中小企業に対してこれほど心づかいをしておるのだということを天下に知らしておいて、現実に自民党内閣が自民党総務会の決定したことを年末に向かってまだしていない、そんなことがありますか。少なくとも第四・四半期の分を繰り上げ執行するのだということを言ってはおりません。私は自民党総務会の決定を注意深く読みましたけれども、ともかく資金手当一千億というものを新規にやらなければならぬということが書いてあるわけです。にもかかわらず、ああだこうだというような小手先、技術的方法によって問題を糊塗せんとするがごときは、政党政治を冒涜するものであり、責任回避のインチキ手段である。この点については明確に、自民党総務会が言ったように、この年末において各級各機関が資金のほんとうの梗塞を来たしておるのですから、私は決定された通り、新聞に、国民に公約された通り、この一千億というものを十一月、十二月の半ば以前に手当することを強く要望いたします。政務次官の御方針はいかがですか。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 先般の国会で御審議を願いました予算等にありますように、三百五十億の金を政府関係中小企業金融機関を通じまして流しましたし、また二百億の買オペをやったわけでございます。今後につきましては、先ほども申し上げておりますように第四・四半期の金を繰り上げ使用したり、また第四・四半期におきましては、来年度の予算編成ともからみ合いまして、いろいろな問題等も十分考えていきたい、こういう方針で進んでおります。

春日一幸民主社会党

○春日委員 それでは第四・四半期の繰り上げ支給で足らざる四百五十億は、新しき財政投融資なりあるいはまた買オペなりによって、四百五十億を、総務会決定のような原資の措置を行なうというのでありますか。どうでありますか。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 四百五十億と、はっきりそういうことを申し上げるわけには参りませんけれども、できるだけ情勢に応じてやっていきたいということでございます。

春日一幸民主社会党

○春日委員 自民党総務会が一千億ということを決定し、政府に申し入れ、政府もその通り善処すると新聞に発表した。国民はそのことあるべしと期待しておる。今そのことがなされないのはいかがな理由であるか、御答弁願います。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 四百五十億という決定はございましたけれども、政府といたしましてはそういう御意見を最大限に尊重いたしまして情勢に応じて適切にやりたい、こういうことでございます。

春日一幸民主社会党

○春日委員 今横山君からも述べられておりました通り、かつは新聞の社会面、経済面において毎日報道されておりまする通り、今やこの金詰まりが中小企業に対して大きくしわが寄ってきておる。山と谷とが深くして、今その被害は非常なものがある。あるいは黒字倒産が起きるかもしれないと言われておる。こういうようなときに、自民党すらが——自民党すらといっては語弊かあるかもしれませんが、その方々が五百五十億では足りないとみずから言っておられることを、あなた方の政府そのものがあえてそれを執行に移されぬという、そんな無責任なことがあってはなりません。しかし今なるたけそれに沿って善処したいということでありますから、さらにあまねく資料を整えられて——なお時があると思います。しかしおくれてはなりません。従いまして少なくとも十二月の十日、通常国会が召集されるまでに、自民党総務会が決定した、四百五十億の足らざるものはこれを買オペなりあるいは新しき第二次の追加融資なり、こういう形によって必ずこの年末の手当をせられんことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 この際、河野参考人に一言ごあいさつ申し上げます。参考人には御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございます。厚くお礼申し上げます。  この際、天野政務次官より発言を求められております。これを許します。天野政務次官。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野説明員 先般の本委員会におきまして堀委員から酒米の代金等の問題につきまして御質問がございまして、その際、よく研究をして後刻御答弁を申し上げるお約束をしておりましたので、最初に私どもの一応の見解を申し上げさしていただきたいと思います。  本件につきましては、酒税確保のための酒米の売り渡し代金の問題でございますので、食糧管理特別会計の延納措置を講ずる等、財政上の措置を検討することが適当であるとの考え方もありますが、その点の検討を現在いたしております。しかしながら、現在法制上は延納を認めておりませんので、これらの点につきましては、今申し上げたようなむずかしい問題もあるわけでございまして、積極的な結論を今出すことは困難な状況にございます。  従いまして、金融上の問題となるわけでございますが、金融面の問題としては、最近の経済情勢にかんがみまして、国際収支の改善をはかるため金融引き締めの基調はこれを持続する必要がありまして、政府といたしましても、金融機関に対し極力融資の抑制に努めるよう指導しているところでありますので、酒造業界の借り入れ期待額について十分満足のいくように融資に応ずることは困難であろうかと思われるわけであります。しかしながら、酒税収入の確保等の見地もありまして、理解ある態度をもって臨みたいと思っておるわけでございます。  なお、現在の見通しといたしましては、市中銀行の融資額は前年度を若干上回ることとなる見込みでございますし、さらに農林中央金庫の余裕金を活用する等の方法もございますので、十分とはいかないまでも、必要最小限度は要望に応じ得られることとなろうか、こういう見込みでおるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 前回の委員会でお願いをしておりましたことに対する大蔵省側の見解として今承りましたけれども、おっしゃる発言の中にはいろいろと含みがございまして、私どもとして、どの程度までにそれを把握できるかという点について多少の問題がございますので、後刻大臣がお見えになった際に、あらためてこの件につきましては大蔵大臣としての御見解を承ることといたしたいと思います。  食糧庁長官がまだ入っておりませんようですから、その前にちょっと酒税の減税とそれに伴う価格の問題について、少しお伺いをしておきたいと思います。大体税制調査会から発表されております資料によりますと、本年度は、私どもがかねて要望いたしておりました間接税全般について御検討が進んでおるようでありまして、酒税につきましても約一割程度のめどをもって減税がなされるようでございます。そこで、実はこの問題に関連をして私は二、三伺っておきたいと思いますことは、現在酒類には基準価格というものが昨年度以来置かれておるわけでございますけれども、この基準価格というものは上下にある程度の幅を持つところの目安として設けられておるのではないかと思いますが、これは上下を同様にある幅を持っての目安というふうに理解をしてもよろしいのかどうか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 基準価格の性格といたしましては、ただいま御指摘のように、従来の公定価格は最高限度というものでありましたのに比べまして、理論的には上下幅を持ってけっこうなものでございます。しかし、実際問題といたしましては、むしろ下よりも上の方の幅が広いというような形になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 食糧庁長官が入りましたから、今の問題はそこまでにしまして、食糧庁の方に少しお伺いお伺いをいたしたいと思います。  実は、前回の委員会で食糧庁の総務部長に御出席を願いまして、酒米の払い下げ価格の問題について、二、三お伺いをいたしたわけでありますけれども、十分に納得ができる御答弁を得られませんでしたので、本日は長官に御出席を願って、少しはっきりした方針を伺いたいと思います。  まず、最初に伺いますのは、酒米の本年度の価格決定といいますか、払い下げ価格の決定については当面どのような方針でお考えになっておるのか承りたいと思います。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 酒米の価格のお尋ねでございますが、前回農林委員会等に私が出席いたしておりまして、総務部長がかわりに出まして、まことに恐縮でございます。  酒米価格一般の決定、または本年の酒米価格の決定ということになりますが、従来、酒米価格は、昨年までもそうでございますが、米価をまずきめまして、その米価は何用途であるか、何等級であるかを分かちませんで、その平均価格を、いろいろな価格構成要素、たとえばその基準米価のうちで、まず基本は幾ら、時期別格差は幾ら、硬質米格差は幾らとか、いろいろな加算額がございますが、それらを加えました総計の平均を、米価審議会の議を経て、党と相談しまして、政府できめて参ります。それに総出回り量と申しますか、出回り量のうちの政府の取り扱いますところの米、各所からの米、各時期別に出る米、各銘柄、各等級にかかります米の総経費を見まして、それを政府管理費と申しまして、その想定された数量で割りました総平均に当たりますようなものをあらかじめきめる、予算的な単位当たり、一石当たり等の政府管理費をまず出しております。その総平均の米価と総平均の政府管理費を目安にいたしまして、従来の酒米価格の総平均、二つのプラスしたもの、それから酒業者の負担力、あるいは大蔵省の国税庁、主税局、さらに食糧管理特別会計で一応御相談申し上げなければなりませんので主計局、それに買い主の相手方でございます酒の業者、これは団体が中心になりますが、代表者とみんなで相談いたしまして、過去の価格等をしんしゃくしてきめて参りましたのが実情でございます。  本年度は、しからば、どういう考えでおるかということでございますが、本年度は、御承知の通り、最初に申しました米の生産者の政府へ売る売り渡し価格すなわち政府買い入れ価格の総平均、石当たり一万一千五十二円五十銭でございますが、それに第二の想定のブール政府管理費、これは石当たり千二百四十二円でありますが、これを加えまして、同様に酒造組合中央会のお方々とか、それを通じまして業界のお方々の意見を求めまして、さらに国税庁、主計局と協議をいたしまして、従来の酒米と申しますか、酒造用の米の価格はいかにしたらいいだろうか、そういうことで四者一致したところできめたいと思う。もし協議が全く一致しませんときには、関係庁の御意見を十分に尊重しまして、また特に関係業界の意見は十分に尊重しまして勘案する。先般暫定価格で百三十万石の米を酒造業界にお渡しをいたしましたわけで、その暫定価格は今月中旬までに最終価格を決定いたしましょという約束のもとにいたしました。例年は十二月に最終価格をきめておったようでございますが、そういう予定でございます。ただし、この委員会そのものからお聞きをしたわけではございませんが、数カ月前から、あるいは数回前から、酒米価格は、もし可能ならば政府の、各用途に売ります場合の業務用米の値段でございますが、それに逐次近づけていくように、最終は一緒になったら望ましい。しかし、それも一挙には、食管会計あるいは他の米価の要素等、御意見がございましょうから、年々石当たり二百円くらいずつ、過去の米価と、ただいま私が申しました農家の手取り、すなわち政府買い入れ価格の標準的なものと、全体を想定ブールしました政府管理費と、さらにプラスする加算額が従来からあったわけでございますから、それについて二百円くらいずつ下げていって、業務用米と同じ価格くらいまで近づけるという御要望があったそうでございます。これも終始考える要があると思って考えておるわけであります。ただ本年度は、従来ありました政府の買い入れプール価格と想定プール政府管理費、その間に、消費者米価の据え置きというのが四年間続けて行なわれておりまして、一方、本年産の生産者価格は石当たり約六百五十円値上がりしまして、消費者価格は据え置きでございますから、政府の売り渡し価格といたしましては、買い入れ価格の平均より安いという逆ざやと申しますか、逆ざや現象が生じておりますので、この間のことは一そう——以上申しました当委員会に、決定ではないと思いますが、出ました御要望とか、業界の要望とか、関係省の大蔵省の国税庁あるいは主税局、これは一体と思っておりますが、それから主計局との間の協議を待ってと思っております。しかし私は、米を、とにかく国有財産でございますから、渡しますのは、従来のような暫定価格で総量渡しまして、ゆっくり最終価格をきめる方法は適当でない、だから、なるべく早く値段をきめること、こういう方針でおります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ただいまのお話では、本年度については、私よくわかりませんが、いろいろな原価の計算をなさって、平均的原価を積み上げた格好で処理をしたいとおっしゃることが一つと、それから大蔵省主計局、国税庁と協議をして一つ決定をしたい、四者の協議をして決定したいとおっしゃったことが一つと、十一月中旬にこの価格の決定をしたいとおっしゃったことが一つ、要約して三つと私は理解をいたします。  大蔵省の主計局に伺いますが、本年度の産米について、十一月中旬と申しますと、大体きょうあたりから中旬だと思います。十四日、十五日、十六日は中旬だと思いますので、どういう御相談と協議があったか、ちょっとお答えを願います。

相沢英之大蔵事務官(主計官)

○相沢説明員 酒米の価格につきまして従来は暫定価格をとりあえずきめまして、あとでまた協議いたしまして最終的な価格をきめるやり方を常にとってきたわけであります。昨年の例で申しますと、だいぶおくれまして、たしか二月にかかったかと思います。そういうやり方は確かに不適当なんで、また買う酒造業者にいたしましても最終的に酒米の価格がどういうふうになるかということの推定もなくして酒を作るということも問題がございます。そこで、ことしはとりあえずは暫定価格でやるけれども、できるだけ早く最終的な価格をきめようじゃないかということで食糧庁と話し合った。十一月中旬という話があったことはちょっと私記憶がございませんが、できるだけ早くきめようじゃないかということで相談をしておるわけです。中旬と申しましても二十日まででございます。できるだけ早くやりたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや相談はいいのですが、どういう相談なのか伺いたいのです。あなたは、この前私と総務部長がやりましたときにお聞きいただいて、食糧庁側の答弁が必ずしも首尾一貫していないことはお聞きいただいたと思う。その後話があったか、その以前に話があったか知りませんけれども、具体的にどういう格好の話があったのか伺いたいと思います。

相沢英之大蔵事務官(主計官)

○相沢説明員 この前食糧庁の総務部長の話は、結局一案としましては、昨年の行当たり一万二千三百円に六百五十円という基本米価の上がりの増加額を加えた。それからもう一つの案としましては、昨年の一万二千三百円に四百円か四百五十円くらいを加えたもの、これは食糧庁として考えられるという話がありました。あの当時私どもの方に——これは内部の話になりますけれども、食糧庁の方からいろいろな案が実はございました。私どもの方としましても、また従来のの価格の決定方式との関連もございますものですから、なお検討をするという態度をとっておったわけでございます。で、私どもこの話を国税庁と——同じ大蔵省で、ございますけれども、何と申しますか国税庁の方は、いうなれば酒米の価格に関しまして要求官庁側である。食糧庁が当面の相談相手になる。食糧庁がきめます場合に財政負担の関係もございますので、私どもの方に相談がある、こういうような形になっておるわけであります。従いまして、私どもは国税庁と直接に取引と申しますか、話し合いを進めるということは不穏当な点もございますから、しばしば国税庁と食糧庁との話し合いの模様を見て、そして私の方との御相談を待って協議したい。かように存じております。その後実を申しますとちょっと話が停滞しておりましてあまり進捗を見ていない状態ですが、そういうできるだけ早くきめるという線に沿いましてこの問題を早くきめたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 どうもお話が一つも具体的でなくて抽象的で困りますが、一応そこまでにしてちょっと食糧庁の方にお伺いをしたいのは、中旬までには話をきめたいとおっしゃった。中旬は二十日までだそうです。実はこの二十日というのは酒造業者にとりましては第二期目の米の手当をいたしませんと酒造に非常に差しつかえるという段階にきておるようであります。  そこで、値段の決定をするということについて、私がちょっと伺っておきたいことは、あの価格の決定のメカニズムというものはそうたくさんはない。第一に考えられますのは、今は資本主義社会、自由経済の世の中ですから、そういうような経済の自然現象としての成り行き、需要と供給全体の問題からきまるところの自由価格と申しますか、相対づくできまる性格のものが一つある。その次には政策的ないろいろな要求に基づいて政府がきめられる価格の形がある。  もう一つは、だれでも納得をするような生産原価プラス諸経費というような原価主義に基づく価格の決定の方向があると思う。これまではどうも酒米の価格決定というのは、私は二番目の政策的な価格決定であったというふうに理解しておりますが、政策的な価格決定ということについては、やはりわれわれ国会として納得ができる政策に対する証明といいますか、みんなが納得できる理由がなければ政策的な価格としてわれわれは承認することができない。そこで政策的な部分については、過去の当委員会におきましてそういう部分はほとんど認める必要がないということが大体明らかにされて参った。私は本年度は、昨年も申しましたけれども、一つできるだけ原価主義で、生産原価プラス諸経費という原価主義でものを考えていくことにしたらどうかという提案を実はして参っておるわけであります。毎年こういうことで問題が起きますよりは、実は平均というものの中にはいろいろ要素が入りますから、なかなかシビアな原価というわけにはいかない面がありますけれども、これは大きな総体の問題の中でありますから、そこまで突き詰めた原価を申したいとは思いませんが、しかし大体のところで納得のいく原価主義で一回底をつけば、それからあとは生産者米価の値上がりに応じて来年、生産者米価が三百円上がりますれば三百円足します。その次は二百円上がれば二百円足します。そういうふうにリンクされたような格好で機械的に問題が処理されれば、当委員会で毎年こういう議論をする必要はなくなると思うのですが、食糧庁としては一体どういう部分で本年度はおやりになるのか。政策的な価格決定なのか、原価的なものでおやりになるのか、承っておるところによりますと、本年は一つ業者とできるだけ直接の話をしたいというようなお話をちょっと聞いておるわけです。そうすると直接に話をするということは相対づくの話、自由価格的な傾向になるわけですが、自由価格というのは自由相場が立っての勝負であって、片や米は政府が独占的に握っていて、売り渡しを受ける者は政府以外から米を買うことができないというメカニズムの中で相対づくの話などあり得るものかどうか。そういう点についてちょっとお伺いしておきたいと思います。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 二点お尋ねだと思います。  第一点は、価格がきまる実質内容を言えば三種類くらいあるだろうという御意見であります。中身は原価主義というようなもので、食管管理のもとにありますから、各用途別ともそうでございましょうが、米に各用途がたくさんあるうち、酒米価格の原価できめたらいいじゃないか、こう拝聴いたしました。  第二点は、実際の売買の相手方と話をしたらどうかということは、食管会計上先生は自由価格主義のようになるから適当ではないのではないかということでございます。もしそうでございましたらそのようにお答えを申し上げます。  第一点でございますが、コスト主義に立ちましてきめたいという考えを持っておることは事実であります。ところが、ただコストというものの考え方や何かが先生もシビアにそう考えないというようなこともあわせまして、また食管会計が政府管理費や買入価格はまずは全体のプール価格——米そのものと各用途別に売り買いの全体についてのプール価格を出して、それが食管会計に反映しておるわけでございます。中身になっておるわけでございますので、そのコストとは何か、またコストは全体とある用途別の部分に、どういうふうにしてやるかということとの問題があるから、前会総務部長は少しぼうっとしておったと思います。そうして時期が少し早くお聞き下さいましたので主義といえば主義でございますが、それにいかに適用するかということについて、かねても大蔵委員会の御意見もございまして、それを尊重しながらということもあって、不明確に答えたように思います。私の方は、業者が二十日という点について都合がいいか悪いかという事情も参考に尊重していかなければいかぬと思っておりますが、あわせまして国有財産の販売を、従来のように、関係官庁ではあるけれども、担当官庁ではあるが、国税庁とか食管会計の担当官庁である主計局に相談するだけで値段をきめることは適当ではない、こういう見解を持っておるわけであります。それで相手方との相談で値上げをきめるというのは、多少先生と私と理解が違うかもしれないと思うのです、同じかもしれません。相手方の酒屋さんがどういうような企業状態にあるとか、価格も自由価格になった、最近一升当たり二十円ぐらい上がりまして、中身はメーカーが十四、五円、販売業者が五、六円だったと思いますが、値上げもある。今後の減税の話等もあるようでございますが、これは将来のことで国会の御審議と御決定がございませんときまらない。来年度のことでございましょうから、酒が来年度四月以降に売られましても、そういうことは考慮に入れなくていいじゃないだろうかと思っておるわけであります。従いまして、それを相手方にお聞きしてまだ返事をいただきませんので、はっきり私の方に業界の意見はわかりませんが、幾らの値段がいいかということも含めてもけっこうでございますが、どのくらいの負担力があるかとか、従来の原料米価格と加工賃その他の諸がかり、金利、倉敷、利潤等々を参考資料にいただきまして、原価主義に立ちたいから官庁を必ず通らずに——たとえば酒米以外は何も関係官庁を通さずに売っておりますから、政府が売買するときは赤字があるときに一般会計繰り入れ等の問題がございまして、多少複雑さを加えます。しかし利潤主義に立っておるわけじゃございません。自由価格主義で立っておるわけでございませんが、相手方の事情をよく聞かなくちゃいかぬ。国有財産を売り渡すのに、値段をはっきりせずに荷を先に渡すとか、この場合には保護していただきたい。酒造組合中央会が保証されたら仮り価格でも渡していいじゃないか。そもそもは、主計官もお答えになりましたように値段をきめて渡すべきものである。そういう立場に立ちまして考えておるのであります。従いまして、中身を申しますと、私どもの原案は、政府の米価審議会を経てきめました値段一万一千五十二円五十銭を一つの目安にする。しかし酒用米はそのプール価格の中で一、二等、三等のものである。元米は九十万石である。総造石高は約二百三十万である。希望があれば二百四十万まではいいと思います。そういう数量を考えます。あとは硬質米加算や総平均の米価審議会で決定したものが四等、五等まで入っておりますから、酒米は四等、五等は渡しませんけれども、一、二等、三等についての米価審議会決定価格中に、それは一、二等、三等は平均してどう加味しておるかは少し無理がありますが、とにかく算定をしておるわけであります。それに政府管理費を加える。政府管理費を米についてだけ計算できるかといえば、決算的にはできるかと思うのです。先生がシビアにはいっておらないとおっしゃるのもそういう意味かと思いますが、今のところは米の政府買入量について、一等から五等までの家庭用、主食用、業務用、加工用等を含め、また国内産米だけでなしに外米まで入れまして値段がきまっております。それらの政府管理をいたしておりますから、政府が近くから買っても遠くから買っても、各用途、種類、銘柄別等の等級がありましても、政府管理費の総プールで平均想定政府管理費を定めることにいたしております。これで政府売り渡し価格の基礎となる政府のコスト価格を算定しております。これに各種の消費者価格を定めて実際の政府売り渡し価格を定めております。これが食糧管理特別会計予算の基礎となっております。これは本年度は米だけで約六百億円をこえる同会計の赤字となり、税金等によって一般会計からの損失補償のための繰り入れとなっている状態でありますから、酒米だけの政府管理費の原価をとりまして、それがかりに総平均より安くなるといたしますと、明確でない点もありますが、かりにこれを総平均の単価当たり、石当たりより安くしますと、他のところでふやさなくちゃいかぬわけです。片方は千二百四十二円というのは全体のプール価格であります。そのうちの一部を原価主義にいたしますと、原価主義で、酒用だけで政府管理費が出ましても、それが全体の政府管理費の単位当たり価格より減った場合は、残りの用途分、残りの米の分を全体でプールいたしてありますから、上げなくちやいかぬだろうと思う。しかしそこまでやる要があるかどうかは、総予算のこともあります。だから主計局と協議の上、酒業界の御事情もございましょうし、国税庁が酒の監督指導、保護をしておられる点もございましょう、税金を取られる関係もございましょうし、そこで冒頭に申し上げましたような価格のきめ方をしたい、こう思っておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は今のお話について次にいきたいのですが、大臣が入られて時間が何か制約をされておるようですから、一応私ここで打ち切りまして、大臣の問題が終わりまして引き続きやります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 大蔵大臣にお伺いします。けさほどの新聞の報道によりますと、昨日の政府与党連絡会議で、田中政調会長から国庫余裕金を使いまして政府が金融の調整をはかるべきであるという、そうした提案がなされたと聞きますが、その内容は何であるかをお示しを願いたいのであります。  内容として考えられますことは、まず国庫預託金制度の復活、それに資金運用部資金による買オペ拡充であると思いますが、前者はたしか二十九年の暮れであったか二十八年の暮れであったか、会計検査院の疑義から廃止されて今日に至っておりますし、もしおやりになるとしても会計法、予決令の改正によるか、あるいは単独立法の制定によってこれが行なわれるものと思います。あえて法改正までやって復活せしめなければならないものであるかどうか。また買オペにつきましては、資金運用部資金によるものとしては、これは現在中小企業金融機関向けに限定されておるわけです。これは日銀とか市中銀行の手の届きかねるところの特殊な分野として是認せられておるわけでありまして、この限りにおきましては、私どもの考えとしましても、なおこれを拡充しても好ましいことだと判断いたしております。しかし一般に市中預託ということになりますと問題は大きくなりまして、日銀の政策価値を低下させるとか、あるいは日銀と競合する二元性にまで発展しかねないということで、問題は重大になってくると思うのです。従いまして田中政調会長案の内容をお示しいただいて、それに対する大蔵大臣としての基本的な御見解をお示しいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 きのう、党側から国庫余裕金の活用という方針についての要望がございました。その内容は、きのう一切党と政府の間で論議もされませんでしたし、出ませんでした。これは党側も十分検討したいから政府側も検討してくれということで、検討の必要のある項目でございますから私どもも了承したということでございます。御承知の通り、国庫余裕金の市中預託ということについては、今度の引締め政策を中心にして市中銀行側から政府や党にいろいろ要望のあった事項でございますが、われわれの検討したところでは、これはそういう預託というようなことをすることは困難だという結論を私どもは出しております。しかしその問題はそれといたしましても、余裕金を預金部に入れて、そうして今度のような中小企業のためのオペレーションをやるというようなことはすでにやっておりますので、こういう形の活用というものは十分考えられることでございますので、そういう意味において私ども考えると言ってあるわけでございますが、今市中預託をするというようなことを私どもがきめているということもございませんし、党側でもこの問題の検討はこの秋相当やって、一応政調会においても今後検討はするが、今のところこれはむずかしい問題だということも、すでに前国会中に私どもとの間では結論が出ていることでございますので、党側もそれを察しての言葉ではないかというふうに理解しております。  買オペも、一般的な買オペというようなことについては日銀の金融調整と二元化するとかどうとかいうような問題もこれから検討しなければなりませんし、さしあたり今のようなやり方の買オペならこれは法律を変える必要もございませんし、私どもの手によってやれることでございますので、まあその程度の活用は今後もやっていきたいと考えております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 少しうがち過ぎた質問になるかと思いますけれども、たとえば現在証券対策としまして、証券会社の持っております投資信託に組み入れられておる分のボンド、公社債、この買オペの要求が強い。しかし日銀としてはやるべきではないという線に立っていると思うのです。そういう点で、政府の方として日銀が言うことを聞かなければ政府の方でもやり得るのだというような話では工合が悪いと思うのです。そういうことは一切ないわけですね。要するに、ボンドの買オペというような線として問題が出されているというようなことはないのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 まだそういう問題は全然出ておりません。日銀もやらぬというわけではございませんし、必要によってはいろいろの形の証券金融というものはやれることでございますので、情勢によっては政府も日銀もそういう金融対策は考えますが、今、日銀がやらぬから政府がそれをやるというようなことは考えておりません。

小川平二自由民主党

○小川委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 時間がございませんので一点だけ大臣に伺っておきたいと思います。それは先刻からもいろいろ述べられておりまする年末それから明年一、三月に集中する資金需要に対して、また金融引き締めがその部分にしわ寄せがあるということを想定して、具体的にどういう資金手当をするかという問題と、いま一つは、これは株価の対策とも重大な関連を持つ各基幹産業、特に基幹産業を中心にした例の増資払い込み集中問題についての調整をずっと株価対策という面から特に重要視せられて、今その調整に大蔵省もやっきになっておられるようでありますが、最近伝えられる情報によりますと、どうもその間の話し合いがあまりスムーズにいっておらぬ、こういうことを聞くのでありますが、さしあたって今月を例にとりましても、二十日ごろには、これは主として大企業の部分の増資が相当集中しておるようであります。さらに二月、三月、ここらにも大量の増資が集中される。このことは、考えてみますると企業会社の増資ということと同時に、株式が大型のものであるだけに、一般大衆化された株式保有という面から考えますと、これがひいて金融に対して重大な圧迫を加えるという二面を今回の増質の問題は持っておる、そういう意味で積極的におやりになっておられると思いますが、さしあたって年末までの増資繰り延べ、あるいは増資計画の延長、こういうことについて一体どの辺まで話し合いが進んでおるのか、できれば一つ大蔵大臣から具体的にお聞かせ願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 増資圧迫の問題をなるたけ関係業界において自主的に調整してもらうということがいいと考えまして、今私どもが音頭をとって、この懇談会に入っておることは御承知の通りでございます。そこでいろいろ問題が出ておりますが、すでにこの増資の繰り延べというものに対して、現実に応じてきている企業も相当多うございますが、問題は大型の会社の増資の問題が、全くそのままではほんとうの増資調整の効果は上げられないだろうということで、今その問題についていろいろ関係者と私どもが相談している最中でございます。ある程度の調整はできると思いますが、かりにむずかしい問題が出てきましても、きたとすれば、その増資がどういう形で消化されれば証券圧迫、金融界の圧迫にならないかというような対策は、もう別に持たなければいけない問題でございますので、この増質調整はできるだけ合理的にやりたいと思います。やれない場合はやれない場合の措置をとると今何段がまえの考えを持って私どもは臨んでおりますが、ある程度の増資調整というものは私どもはできると思います。もう繰り延べを承諾してそういうふうに計画しようと申し出ているところも非常に多うございますので、この懇談会の効果はある程度上げられるだろうと思っています。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 今大臣も言われました通り、やはり問題は大型株あるいは大企業の面にあると思います。具体的にいってすでに発表され、払い込み期日その他が決定されておる八幡、富士あるいは東芝、こういった面についてはこれは先刻も申しましたように金額的にいいましても、全体の総投資の半ば以上をこの大型が占めておるわけでありますから、従ってこれらが調整に応じないということでありましたならば、せっかくおやりになっておる増資調整の面からの金融緩和あるいは株価対策、こういう問題はほとんどその実効が上がらないということに帰するのではないかと私は思うのであります。そういう意味で今大臣としては、これがうまくいかなかったならば別の対策を講じるというかなり含みのある御発言があったわけでございますが、問題は当面しておるこれら大型については、一体見通しがあるのかないのか。すでに取締役会で決定いたしました事項について、具体的に事務的にこれらの大型会社は進めておるようであります。そうだとするならば、一体今話し合いをやって、はたしてそれらの事務的に進行している面を変更させられるだけの調整策が生まれるのであるか、こういう点についてわれわれとしても非常に疑問を抱くわけであります。今私が具体的に一例をあげましたそれらのいわゆる大企業については、現在の段階で見通しがあるのかないのか、こういった点について一つもう少し突っ込んでお話しを承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは今われわれが懇談をしている最中の問題でございますから、あるともないともここではっきり言うことはできませんが、なるたけ円満な調整ができるように私どもは今骨を折っております。これができなかったら大へんだというかと申しますと、そうじゃなくて、その場合にはその場合の私どもはこの圧迫がほかに不当に及ばないような措置も考えなければなりませんし、今ここ四、五日の懇談によってこの情勢がはっきりしてくるだろうと思っています。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 先走ったようなことを伺うようでありますが、やらなかった場合に考えている措置というのは、それは従来から言われてきましたいわゆる買オペを意味するのか、ないしはそれらの増資資金の手当についてのいわゆる証券金融を意味するのか、そういった点についての検討はどういうふうにお考えになっておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今いわゆる増資調整をやっておるときでございますので、ほかの方法とかなんとかというのを考えるべきでありません。今当面その問題を中心に努力している最中でありますので、そのように御承知願いたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これで終わりますが、ともかく私は増資調整ということは資本力の小さい、大して大衆に影響を与えないようなそういう企業がいわゆる増資を繰り延べしても、今のような詰まった関係をほぐしていくことはできない。問題はやはり大企業の側がそれについて協力するということが、増資調整の意味もあるところであり、またそれが決定的な効果を持つものであると思うので、そういう点については不可能だろうからというようなことで簡単に極端な言葉を用いれば、大企業の側のいわゆる企業本位のものの考え方に政府として押し切られるということがあっては、おそらく今後こういう各界に協力を求めての金融調整あるいは株価対策ということは成り立たないと思う。そういう面については大臣としては腹をくくってやるべきだ、そういったことを最後に要望いたしまして、この面についてはあと四、五日の問題だということでありますから、これ以上はお尋ねをいたしません。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 もう御承知と思いますが、民間が協力しないというわけではございませんで、問題は対外問題がございまして、たとえば世銀の了解がなければやれぬという問題がございます。そういういろいろな問題を含んでおりますので、そういうこととの関連においていろいろ相談しておるということでありますから、御承知願いたいと思います。

小川平二自由民主党

○小川委員長 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先ほど次官、銀行局長、商工中金から事情の説明を受け、私どもから意見を申し上げたのですが、時間がございませんから端的に申しますと、政府はどうも窓口の実態について把握が足りないのではないか、中小企業金融についての実態把握が足りないのではないか、従って対策が非常におくれておるのではないかということが痛感されてなりません。全国すべてそうでありますけれども、私が一例を東海地方に拾って調べてみましたが、二、三の例をあげますけれども、貿易関係の商社におきましては現金がすべてでありましたが、現金と手形の比率が五対五になりましたし、手形済度の延長も今百二十日から百三十日になっている。製鋼関係の工業ではオール現金が全部手形になった。自動車関係の機械工業におきましては現金と手形が半々でございましたが、現金が三割五分、手形が六割五分になってきて、日にちも百十日から百三十日になった。金属各機械の部品関係では現金四割が一五%になって、八五%が手形になった。車両の機械関係におきましては、オール現金であったのが全部六十日の手形になった。これは一例でございますけれども、これらの状況はしんしん乎としてとどまるところを知らないのでございます。しかも先ほど例にとりました商工中金は、質疑応答で明らかになったわけでありますが、全く商工中金はその効果を果たしておらぬのであります。そのために商工中金は何とかして自分のところで金を作りたいというわけで、所員を督励いたしまして公債と債券の消化に努力している、だから商工中金は金を借りるところか金を貸すところかといって非難も集まっておる。政府がいかぬといっている歩積み両建が政府の足元でどんどん行なわれざるを得ないという状況になっておるわけであります。従いまして、私どもとしては先ほども議論をしたのですが、ぜひともこの際年末金融に間に合うような第二次財政投融資を即刻してもらわなければならぬ。一番の焦点は、私は比較はいろいろございますけれども商工中金が第一だと思う。中小企業金融公庫、国民金融公庫、民間市中金融機関、たくさんございますけれども、この間臨時国会でわれわれがとりました措置というものは焼石に水でどうにもならなくなっている、こういう状況を政府としては把握が足りないのではないかということが私の言いたい第一であります。でありますから結論を先に言ってしまいますけれども、通常国会が開かれてから云々するということではおそいからぜひとも今即刻に第二次財政投融資を、あるいは第一・四半期の繰り上げを、何かの手をとらなければ年末金融には間に合わぬのではないか、この具体策を執拗に先ほどから各委員とも言っておるわけでありますが、大臣の具体的な御意見をお伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 前にも御説明いたしましたように、まず私どもは資金量から申しましたら、何といっても金融機関が供給する中小企業金融の量が一番多いのですから、まず市中の銀行において年末金融二千億増ということをきめてもらいましたし、また二、三日前に信用金庫は千五百億の年末金融の量を増額することをきめましたし、相互銀行も千億円前後のものは貸出増ということをきめると思います。そうしますと民間の金融機関だけで年末四千五百億円以上の金を多く出すという態勢をとっておりますので、これに呼応して、政府はさきに五百五十億円の年末金融をきめたわけでありますが、民間のそういういろいろな協力に対して政府側の協力の幅も少し私は広げたいと思っておりますので、御要望のような三公庫についての投融資増も年末までにしたいと思って、今その原資そのほかの問題で相談中でございますので、一両日の間にきめたいと思っております。それから政府の中小企業向けのオペレーションについても、必要による増額も今考えたいと思っておりますので、そういたしますと、中小企業金融の対策というのも例年に比べて特段の配慮ということになろうと思いますので、何とか支障なくやっていけるのじゃないかと思っております。第四・四半期の繰り上げというよりは、やはり必要な金を年末に出すという方針で今準備しております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣は非常に楽観に過ぎた話だと思うのです。臨時国会で、百六十五億を出すからこれで大体何とかやっていけると言ったのはついきのうのような話でありますが、その百六十五億を政府金融機関に対して出しておいて、これでまあまあ何とかと言ったその直後に、われわれは大蔵委員会で声を大にして言わざるを得ず、大臣はまたここ一両日のうちにきめるから、これで例年に比較してまあまあ何とかやっていけるだろうということが、結局数日を過ぎた直後に、やはりこれではいかぬということになることは火を見るよりも明らかだと思うのです。たとえば百六十五億にしたところで、半分は短期金融である。そして先ほどお話を承ってみなもよく理解をしたのでありますけれども、商工債券の売れ行き純増が九十億あると思ったのが、逆に八十億の売れ行き不振で、百六十億か百七十億、計画が狂ってしまった。こういうことがどうして先にまた出てこないと言えるでありましょうか。ですから、私はもう少し御注意を願いたいのは、量の多きをもってよしとしない、きめのこまかいものをもってよしとすると私は考えたいのであります。現実に窓口の実態というものがどうなっておるか。新規のものは全部だめだ、去年のワク以下にしてくれ、それから手形のワクは少し減らしてくれというのをあらゆる銀行がやっておりますが、これを今大臣のおっしゃるように、一両日にきめたらそんなことは吹き飛んでしまって、全部いいようになるというようなお話が、夢のように私は聞こえてならぬのでありますが、大臣が今最後に結ばれたように、間違いなく例年に比較してよくなるから心配をしてくれるな、こうおっしゃるのでありますから、先ほど来理事同士の話し合いで、きょうは時間もないから十分にお話も聞けなかろう、だから月末にでも金融小委員会を開いてもう少しきめのこまかい具体的な措置をも伺いただしたいというお話が成立をしておるわけでありますが、そのときになってこんなことでなかったというお話がないように、また通常国会を開いてこんなことでなかったというような話がないように、くれぐれも要望したいのであります。今のお話のように安心をしてよろしいとおっしゃるわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 だから前から申しましたように、こういう問題は実情に応じてそのときどきのきめのこまかい措置をとるべきであって、さっき最初に言われました輸出につながる中小企業の金融問題のごときは、今までその信用力があまり十分でなかったというので、日銀の割引ができなかったというような問題もございますので、これは確かに輸出の金融であるというふうに銀行が保証したら、日銀が直接中小企業メーカーにも輸出資金を貸すことができるというような措置も現在とっておりますし、情勢によってだんだん必要な措置をとるというのが、私どもの考え方でございますので、金もあらかじめ大づかみなところはきめておきまして、必要によって対処すると言っておるのですから、私どもはオペも必要になればやりますし、さらに三公庫に財政投融資をもう少し増さなければいかぬだろうという、今言ったような問題が出て参りますれば、そのときに増加するという方針でいきますから、私はそう心配はないと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 もう一つだけ別な角度でお伺いをしたいのであります。こういうような金融情勢になって参りますのに、政府側としてはよかれあしかれ、十分であるかどうかは別として、とにかく金融対策に力を注ぐ。私どもも力を注ぐ。それはいいにいたしましても、一面で今度は税務対策の面がございます。大蔵委員会で先般臨時国会で決議をいたしましたが、年末徴税及び一月から三月にわたる徴税の問題について、国税徴収法百四十八条で徴収猶予のことはきまっています。きまっていますけれども、これらは一般的な状況だけを言っておって、こういう金融引き締めのときの税制については、何ら触れるところがないのであります。手形がおくれる。現金が手形になる。支払いが不十分だ。けれども徴税の面は徴収法百四十八条の規定によって、一日でもおくれたら金利がつく、こういう状況になっておるわけであります。これはいささか考えるべきではないか、こう思うのでありますが、いかがでございましょうか。時間がございませんので十分言い尽くし得ない点がございますけれども、税の徴収面も、こういう金融引き締めについての猶予規定を何らかの形で設ける必要がありはしないか。それは一般的にだれでも待ってやるというわけにいかぬことは百も承知であります。けれども、一つの会社、一つの商店、一つの中小企業が金融に非常に困って、だれが見てもなるほどお宅は手形が延びておる、現金が手形になっておる、それで金融対策が不十分だ、けれども税金はきちんと出してくれ、一日おくれたら金利だというあり方については、具体的な方法をもって何かの改善をすべきではないかと痛感されるのでありますが、いかがでありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それは当然でございまして、金融政策と関係して、年末年始の徴税の問題については、こういう経済情勢のときであるから、特に実態に即して親切な運用をするように、という指示を私どもは国税庁にいたしておりますので、国税庁はただいまそれに関するいろいろな通達の準備をしておるときでございます。ですから、どういう方法でやるかというような問題は国税庁長官からお答えいたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは長官に簡単でけっこうですがお伺いしたいのですが、今おっしゃったようなことは抽象的な文書でお流しになるだけでございますか。国税徴収法なり他の法律に基づいて、この条文はこういうふうに解釈しろ、ないしはこういうふうに改正をしたから、ないしは次の国会で法律を直すからという具体的な措置をおとりになるのですか。それとも単に作文をお流しになるだけですか。どちらでございますか。

原純夫国税庁長官

○原説明員 景気が必ずしもよくない、金詰まりになるという場合は、過去におきましても何回か経験をいたしております。私どもといたしましては、そういう際には課税のもとになります所得の形成自体が困難になって、マイナス要因が出てくる。また課税額がきまりましても、納める方の納付の関係で困難が出るということについて、何回もの経験を通しまして、現行法のもとで認める限りの扱いを通達の形できめてございますし、また法律自体もその間そういう事態を含みまして改正をいたしております。従いまして、今回こういう事態になりましたについては、それらを十分納税者の実情に合うように適用いたしますならば、私どもとしてはまず穏当な結果を得られるのではないかという考えで、これらの納税者の保護のためにあります規定を下部において十分に活用するようにという趣旨を、大臣から伺ったところによって下部に流すというかまえをいたしております。近日中にこれを出したいと思います。これは今お尋ねの筋に乗っけて非常にかわいた言葉で言えば、これは決して、今までの法律はもちろん命令ないし通達を変えようというものは、別段用意いたしておりません。しかしすでに何回かの経験で相当備えはできておりますので、これを個々の場合に親切に運営するということを焦点として通達を出す、それでまず全きを得るのではないかという気持で準備をいたしております。なお準備だけでなく、たとえば十月上旬の全国国税局長会議、二十日前後の直税部長会議その他におきまして、私自身はっきりとこの会議に対する訓辞の中で、こういう事態であるから、所得の形成及び納税両面において十分に納税者の困った事情に対して配慮を加えるようにということを申してある次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この問題について具体的に私は少し論争したいと思いますけれども、時間がございません。ただ大臣のおっしゃった政治的な意味と原長官のおっしゃった意味とは、確かに私はニュアンスが異なると思うのでございます。これらにつきましては、でき得ますならば、何か与党の理事からお話を伺いますと、二十八日ごろに金融小委員会を開きたいという御要望でございますから、二十八日に一つ今の国税徴収法のどの項目に基づいてそういうことができるのか、ないしは通達を流されるとしたならば、その通達の内容を提出されるように希望いたしまして、私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣に三点ばかりお伺いをいたします。  第一番目は、本日の新聞で伝えられておりますけれども、大蔵省はいよいよ明年度予算の作成に取りかかられるようで、その場合における経済成長の見通しについては確定はしていないけれども、大体七%ぐらいをめどにしておやりになるということが伝えられておるわけですが、確定したお答えはけっこうですから、大体はそういう事実があるのかないのか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 成長率については、まだ政府も与党も意見は現在固まっておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 全然固まっていなくて、こういうことが出てくるわけではないと思うのですが、ではそういう成長率等は固まらないにしても、ある程度の幅の中で、大体見積もってやるということなのか、もう固まっていないにもかかわらず、こういう予算の編成に具体的に着手されているのか、いずれでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 こういう措置をとっているときでございますから、やはり効果がどういう形で出ているかというものをはっきりつかめるときでないと、先の見通しというものが困難であろうと考えております。やはり今いろいろな効果は出ておりますが、この分ならというものをはっきりつかめるときは、やはり十一月を過ぎたときでなければ無理ではないか、できるだけ明年度の経済見通しというものをはっきりさせるときは十二月に入ってからにしたいというのが政府の考え方でございまして、今私どものやる作業も最終的にはこの見通しがはっきりしたときにまたいろいろ予算についての調整も加えられると思いますが、しかし、これがわからないからといって作業をしないわけには参りませんので、一応政府、与党の間では安定した成長政策はあくまでとるという立場の上で予算編成をするという大きい原則的なことだけを政府できめたわけでありますが、これが何%の成長率にするとかなんとかいうことは、もう少し先へいってから見きわめがついてからきめようということになっております。ただやはり来年度の予算編成は、何といっても国際収支の回復ということを中心とした経済の安定成長政策でなければなりませんので、そのことを考えて、予算のワクの問題も今後出てきましょうし、それから景気調整というものをこの予算がどういう形で果たすかというやり方についてもいろいろ論議は出ております。これはきのうの与党側の意見は、従来、三十三年度ですか、とったように、この金は使わないといって一切たな上げをしてしまうというようなやり方はできるだけ避けてほしい、景気調整の意味を持つなら、今年度の預金というものをそのまま持ち越すというようなことで相当の効果はあげられるんだから、なるべく補正予算の幅を最小限に縮めるというような構想の上に、それを考慮した来年の予算の編成をするのが至当ではないか、ただし、来年の経済情勢もいろいろむずかしい問題を持っておりますので、経済情勢に応じてはきめた予算の執行においても弾力的な措置がとれるような考えをここで持ってくれないかというような、いろいろなそういう原則問題が出まして、私どもの方でもそういう問題を十分に検討するということについて、これから政府は政府として予算編成方針に大体かかりたいと思っておりますが、まだはっきりきまったものは現在ございません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もう一つ、ちょっとここで伺っておきたいのですが、大体予算案はいつごろに国会にお出しになられる見通しか。今のお話を聞いておりますと、一応はかかっても、まだ経済成長率等は十二月にならなければきまらないから、本格的なものはおくれる、例年よりも作業自体はだいぶおくれるような感じがいたします。しかし、現実には私どもは予算の審議をもっと慎重にやるという建前から、財政法の定めたところに基づいて年内に御提出を願いたい、できれば来年早々には出していただかなければならぬのではないか、こういうように考えておるわけです。一体、今のようなプログラムでそういうことが可能かどうか。一体、いつごろを目標として、これからそういう予算の作業にかかられるのですか伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 経済見通しを確定するのはおそいほどいいと考えておりますが、しかし、どんなにおそくても一月に予算案を出さないわけには参りませんので、一月にどうなろうとも見通しをつけなければならないということでしたら、これは十二月中に——まだかりに自信があってもなくても十二月にはこれをつけなければならぬ、つけても一カ月のところでは同じことだろうと思いますので、私どもは今はもう少し推移を見る、十一月を過ぎて、十二月十日前後までは推移を見ることにするが、そこでもういずれにしろ来年の経済見通しを政府ははっきりつけてしまうということを考えております。それに基づいて大蔵原案はどうしても十二月十五日前後には作りたいと思います。そうすればこの年内に政府予算案を決定するということはできると思いますので、そういう見通しの困難な問題がございましても、ことしは年内編成を終えて、来年国会が再開されると同時に予算を提出したい、こういう考えで今準備に取りかかっておる最中であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は具体的な成長率のことは今はっきりきまっておらないとおっしゃっておりますが、最近僕が感じておりますところでは、特に大蔵大臣を中心としての積極財政論者の皆さんは、どうもだいぶ調子はよくなった、この調子なら少し楽観的ではないかというような雰囲気が流れておるやに伺っておるわけでありますが、実はこの前の引き締めが行なわれたときは、御承知のような在庫調整であったにもかかわらず、その翌年度の財政見通しはたしか三%であったかと思っておるわけであります。ところが結果としては、やはり三・八%か——事実過去の日本の経済成長率なるものは、定められたものと同じとか、以下になった例はなくて、必ずそれ以上になるという性格を持っておるわけでありますから、もしここで七%などというものがきめられれば、これはまた八%くらいになって、本来の皆さんが目的としておられた国際収支の改善は来年度中は不可能ではないかという不安があるわけです。特に私は大臣がこの一カ月、二カ月に少しこだわり過ぎておられるのではなないかという感じがいたすわけであります。経済の問題は、今強い引き締めが行なわれて、なるほど一時的にそれに反応する現象がありましょうが、しかし皆さんの方で、それで十分締まったというふうな楽観的な予想をお立てになれば、その楽観的な予想に基づいてまたふくれ上がってくるというのが私は今の日本の実情ではないかと思いますので、その点については十分慎重な配慮がなされるように一つお願いをしておきたいと思います。  最後に、ちょっと時間がありませんから一つだけ伺っておきますが、実は前会以来、大蔵省の国税庁所管になりますところの酒米の問題と金融の関係について実はお伺いをしてみたわけです。そこで、もう時間がありませんから私から簡単に申し上げますが、最低一割、多くなれば一割五分くらいになるのですが、本年度酒米をたくさん割り当てて生産をふやすという方針を国税庁はおきめになりました。ところが金融が非常に引き締まっておりますために、これらの酒造米の購入の借入金が実は市中銀行から非常に困難だ。地方銀行のあるところはそれほどでもないようでありますが、御承知のような灘を中心とする兵庫県の酒造業界は、兵庫県に地方銀行がございませんために、借り入れで非常に難渋をいたしております。そこで実は本日天野政務次官からこれについての大蔵省側の御見解を承ったわけですが、できるだけ一つ努力してやってあげましょうというようなお答えでございますけれども、実は私としてちょっと大臣に伺いたいことは、国税庁で酒税の税源となる酒類の製造方針なり割当量をおきめになったということは、私は大蔵省として一つの方針だと思う。そういう行政方針が片方にあって、しかしそれが金融等の都合のために実現ができないような結果が起こるということになると、これは大蔵省として責任のある問題ではないか、こういうふうな感じがいたすわけであります。というのは、そういう金融についてのいろいろな指導監督はやはり大蔵省でなすっておるというわけでありますから、私はそういう点で最高責任者である大臣として、国税庁が決定をした一つの酒税を徴収するために必要な酒米割当についての方式を、行政方針として大蔵省は一体として推進されるのか、あるいは、できるだけやるけれどもできないときは仕方がないというような、そういう無責任な行政を認められるのかどうか、その点について大臣から一つ責任のある答弁を承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 将来それについて考える方法はあると思いますが、今回の場合はこれについての考えはもう今のところ間に合いません。たとえば食管において売ったものを金を一定期間待つことができるかという問題も、きょうも農林大臣から話を聞きましたが、これは普通のことではできない、むずかしい問題でございますし、将来そういう点についてどういう措置をとってやるかというようなことは、これから検討されることかもしれませんが、当面の間は間に合いませんので、これは金融でやってもらうよりほか仕方がないと思っております。そこでその金融のやり方でございますが、食管の五十何億円の金が必要になるので、それをどうするというような問題に対して、各銀行の今承諾しているものと、今後まだどれだけこれについてやってもらえるかという各銀行の余裕というようなものを、いろいろ今相談しているところでございまして、私の聞くところによりますと、一部は当然業者が自分で調達することになるべきでありますが、相当部分は何とか金融のあっせん可能だというふうに聞いておりますので、これはまだ済んでいないのでしょうけれども、見通しとしては何とかおさまるだろうという話でございますが、極力この問題は努力したいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 お骨折りいただいてけっこうでございますが、国税庁としておきめになった方針だけは、一つ円滑に大蔵省として御配慮願いたいということをあわせてお願いいたしておきます。大臣に対する質問はこれで終わります。  先ほどの食糧庁関係の質問を続けさしていただきます。今、長官がお答えになった中に、負担力の問題というのがお話に一つ出ておるわけであります。負担力というものを考える場合は、これは原価的にものを考えるということではない、別の角度ではないかと私は思います。やはり一種の政策的な価格決定という形になるのではないかと思うわけです。そこで、ここでいろいろ長い議論をいたしましても、時間も十分ございませんから少し詰めて伺っておきたいのですが、実は酒造業者は何にしても十一月二十日ころには第二期の米を手に入れなければ年産計画が非常に困るようであります。しかしその二十日までにもしいろいろな協議が整わない場合には、皆さんの方ではやはり国有財産の払い下げについてはできるだけきちんとしたことでやりたいとおっしゃることは私は当然だと思いますけれども、しかしあと一週間という中で、業者の希望しておりますことと、あるいは食糧庁でお考えになっておる点が折り合いがつかなかった場合には一体どうなるのか、その点を伺っておきたいと思います。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 先ほど私が申し上げました、手続を最大限度二十日までにとりまして、業界、国税庁、主税局と十分その間に御意見を承りまして、あわせまして、私はっきり申し上げますと、川野芳滿先生とかその他の先生から、本委員会の従前の、私が食糧庁長官になる前の論議の沿革をお聞きいたしました。先般私の代理で総務部長が出ましたが、コストの解釈、適用等の不明確さもございました。きょう私が申しましたように、ぎりぎり意見が合致しない場合には、十分に各方面の最大公約数をとりまして、上司の指揮を受けまして、私どもで決定をいたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 よくわかりました。そうすると、いろいろ御協議になることでしょうから、まだ余裕があると思うのですが、原価に対してあいまいな点があったとおっしゃいますが、一体原価主義という問題について、それではどういうところがあいまいであったか。今あなたのお考えになっておる原価に対するお考え、それは原価主義といいますか、コスト主義というのですか、そういうことの建前に立つのか立たないのか。今のお話を聞いていると、何か立つようなお話ですが、しかし、その表わし方が、どうも不十分であったように伺うわけですが、その点をちょっとはっきり……。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 コスト主義をとるというのは、先生の御意見にも主義ということがございますように、すなわち、原価に政府管理費を加えたものを一応政府の売るコスト、原価主義に立つコスト、こういう意味でございますが、総務部長はコスト主義ということについて、先生との間にはっきりしなかったのじゃないかと、速記録を読んで想像したのであります。  もう一つは、コストそのものでございますが、ただいまの米価は各等級の総平均価格、売り渡す想定数量、売り渡す各等級のもの、こういうものについて、全国的なプールがしてあります。しかも、それは予定によるプールで、決算もなければ、先生御指摘のように、原価も正確には出ないのでございますが、従来とりましたコストというのも、そういうことでやってきたと思います。それを、米全体のうちの個別の米、酒用米というもののコストというのであるか、米全体のコストであるか、こういうことでございますが、そこがやや明瞭を欠いたのじゃないかと私は想像いたします。ただいま私が申しておりますのは、酒用米だけのコストをなるべくとらないように、全体の米のコストをとるのがいいのじゃないかと思う。  さらに、政策価格というお話でございますが、私も全く政策価格ではなかったとは言えないと思います。そこで、負担力を業界から一つ出していただきたい。しかし、それできめるという意味じゃございません。なぜそれを考えの中に入れてお願いをいたしておるかと申しますと、まだ業界は出してこられませんので、それでおくれておるわけですが、ここで大ざっぱに毎年二百円ぐらいずつ石当たり安くして、業務米に近づけるのがいいのじゃないかということも間接にお聞きしたのです。私はそれも一つの御意見だと思います。そして食管会計も、主計局の考えも成り立ち、私どもの考えも成り立ち、業界の要望の相当部分が入り、去年からことしへ一度に飛び越えて、予算はそう立てていないのに、先生のいわゆる非常なシビアな、ただシビアであっても、想定である、予定である、決算的な原価じゃない、こういう意味のコストでありましても、ことしはもうこの委員会の論議でも、そう立たなくてもいいのじゃないか、そういう意味でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、私も別にこだわっているわけじゃないのです。原価にどうしてもしなさいというのじゃなくて、毎年々々この問題を実は委員会でやっているわけです。やっておるのには、どこかはっきりしないところがあるからやるわけですから、私は、一回はっきりさせたらあとは簡単じゃないか、こう思っておるのです。今長官がおっしゃったように、昨年二百円下がりました。今年もそういうルールで二百円下げましょう、来年も下げましょう、そういうことで、だんだん業務米の方に近づけていきましょうということは、一つのルールだと思います。今あなたはそういうふうにおっしゃったが、それならそういうルールでいい。少しもかまわないのですよ。ただルールなくして、行き当たりばったり、ことしはこんなふうで、来年はこんなふうだということになるから、この委員会でこんなことを取り上げなければならないわけです。だからこういうことは、私は行政を円滑にやる上において望ましくないじゃないかと思う。やはり政府としては、一つの既定方針というものを立てられて、その線に沿って問題をやっていただくことが望ましい、こうわれわれとしては考えるのです。そこで私はこういう論議をしている。ただしかし食糧庁長官は、これから五年、十年にわたって長官じゃないから、あなたは毎年二百円ずつ下げましょうと言ったところで、来年ほかの人が来たら、それは違いますというようなことになるのでは、率直に言って困るわけです。なるほど長官はおかわりになっても、食糧庁は依然としてずっとあるわけですから、そこであなたの方が、そういう二百円ずつ下げて業務用米の方に近づけるのだというのは、一つの方針としてわれわれはここではっきり答えたいということなら、私はそういうルールもあると思いますから、それでもいいと思いますが、そこはどうでしょうか。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 その御意見に全く反対でございませんし、委員会の決議、国会の決議になったわけではございませんから、御論議の適用できる範囲の分は、どのくらいで御趣旨も入れ得るかということを考えているわけでございますが、ことしは政府の買い入れ価格と売り渡し価格が逆ざやになっている現象と、生産者価格が一挙に一石当たり六百五十円上がったような事情が、従来の政府買い入れ価格に見られなかったものがあるわけであります。その逆ざやというのは、この前食管法の法律論議もあったそうでありますが、政府の売り渡し価格は、家計費その他経済事情をしんしゃくしてきめるという方針がそのままでございますけれども、業務用米とか、アルコール用その他の、おせんべいなどの加工用の値段というものは、数量が本年度一年間では約三百万石を予定してありますが、酒用米が二百三十万石、あるいはもう少し出してもいいと思いますが、その範囲内で組んでございますので、従前以上に基本の米価が上がったところに一つ問題があるわけでございます。年々二百円下げて業務用にといっても、その業務用も一般大衆食堂のようなところを考えておりまして、外米のくだけ米はアルコール用専門とか、工業用専門とかありますので、やや不明確といえば不明確ですが、私どもの方の計画でいえば、明確な計画があるわけでございます。年計の、予算的な将来にわたる需給計画上の計画は、明瞭に立ててあるわけであります。それをむしろ年々二百円、あるいは業務用というのも、一般食堂と、加工用と、工業用とありますものの予定の中で、判定が要るということが、お聞きになったお方には、やや不明確ということでございますが、私は、その異常な引き上げが生産者価格で実現されましたり、異常ないしは非常な政府負担、あるいは米の政府の買い入れ、売り渡しに逆ざやを生ずるような事態というものは、年々二百円という意見が御論議の中にありましても、百パーセント尊重できるかどうか、ここのところは、行政上の良識と、国会の決議にならない場合でも、よい論議がございましたら、その趣旨の尊重と、それから関係業界の造石高の増とか、あるいは金融事情とか、その他ビールとの競争とか、いろいろありましょうから、やはり年々二百円を必ず下げるのだとか、業務用に計画的に三年間、四年間で下げてしまうのだ、そういうところは少しずつ残り、判定が下ると思います。しかし、プリンシプルといたしましては、異常な要素は異常な要素を加味するようにしまして、しかしその加味する以前のところについてはコスト主義に立つ。コストも将来分け得たら酒用米のコストだけのコストということも考えられますが、ちょうど消費者米価は、いろいろお百姓からすれば買う価格は一等から五等、等外の上までございますのを、平均したものをとったりいたしておりますので、内部では明快であるが、外ではちょっと計算の仕方などだけのことでございますけれども、不明確だと言われる点があろうかと思うのです。だから基礎をコスト主義にとりまして、他の用途に売る値段と比較して極端な政策価格で高くするようなことは逐次なくしまして、それに特殊事情が加わる場合は、それをなるべく業界が負担にたえないようにふっかけないで、たとえば六百五十円基礎米価が上がっても、まあ四百円までは業界と政府との話し合いでいいとか、三百円ならいいとか、いやそうではない、五百円ならいいとか、そういう間のところが行政に人が必要であるし、判断が必要であるというところだと思いますから、そういうルールはルールとして、年々の事情に応じました関係各方面に合わせた判断を加えてやっていきたい。それは私があした転任いたしましたり、やめましても引き次いで参りたい、こう思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大体きわめて常識的な御答弁で、その通りだろうと思います。方針としてはコスト主義を一つの土台にしたい、二百円ずつ下げていくということも諸般の情勢の中で考慮していきたい、いろいろな要素をかみ合わしての判断だとおっしゃることは、その通りだと思いますから、これ以上申しませんが、あともう一つだけ伺っておきたいことは、いろいろ業者に対して一つどういうふうか資料を出してみろということでお話しになっている、こういうことでございます。皆さんの方で御提示になったものも私はこの前食糧庁で拝見をしたわけでありますが、そうすると、皆さんが御提示になったものがあって、業者からいろいろな希望が出たといたします。そうすると業者から何かものをお出しになったということは、皆さんが最初に御提示になったものも動き得るという前提がなければ、これは動かさぬのだというなら、業者から何もとる必要はないのですから、これは動かし得るという前提があるのかないのか、ちょっとそこを伺っておきます。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 私が、酒業組合中央会といいましたか、酒の製造業界の中央会の代表、会長以下三名とお会いいたしましたときに、口頭をもってまずお願いを申し上げましたが、その後なお部下に言いまして、明快に御提出を願いたいと申しておりましたのは、まだ出ておらないのです。出ましたならば十分尊重しまして、大蔵省の監督官庁、しかも酒といえば非常な深入りをしていらっしゃる国税庁がいらっしゃいますから、そこの御意見をその原価についてもお聞きいたしまして、それを尊重しながらきめるつもりでございます。その意味で出てもいない前、あまり出なさ過ぎるから、私の方で案を一つ提示いたしておりますが、提示した案が全く変わらないものならば、時期も早く出すのは適当でありませんし、もう決定してしまえばいいので、変えないのならば案で提示しないで、決定してしまえばいいのですから、十分に弾力的に考えたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国税庁長官がおいでになっておりますから、今酒のことでは一番深入りしている国税庁と相談しなければならぬとおっしゃったが、国税庁のお考えは今年度については一体どうですか。

原純夫国税庁長官

○原説明員 数年前まで食管会計、また一般会計も非常に苦しかったときに、このお米の価格の体系の中でバランスのくずれたと見得るような価格が酒米についてきまりました。当時は当時の事情があったのでございますが、その後食糧庁また主計局方面もいろいろ考えて下さいまして、だんだんそれを他の体系に合わすようにというふうにしてきていただいております。毎年々々御配慮をいただいております。今まだ他の体系とぴちっと合ったというところまで行っていないのではないか。そこに今食糧庁長官の言われた大衆用と比較して統一のとれない点があるのではないかという議論もあるかと思いますが、いずれにしても私どもとしてはまだギャップがあるのではないかと思って、これからもお願いしたいというふうに思っております。一度に体系的なバランスを確定してしまうというのは、私どもとしては最も望むところでありますが、食管も非常にやりくりの苦しいところでおありになりしますので、従来の経緯から考えますと、四段も五段も飛んでやっと体系的なバランスがくるというのは少し長過ぎると思いますけれども、また今回一度にやってしまってくれというのもどうか、その間の適当なところということだろうと私も思っております。そのようなお気持が食管の方にもおありになるのではないかと今伺って拝察をしているわけでございます。そういう気持でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国税庁としてはもう少し低い方がいいのではないかという大体のお考えだろうと思います。そこで時間もだいぶ過ぎましたから、これ以上あまり申しませんが、ただ一つだけ申し上げておきたいことは、今ちょっと私ども気になりましたことは、協議まとまらなければ上司と相談して一方的にきめるということを実は食糧庁長官がおっしゃったわけですが、それではもう協議をする値打ちがないと思うのです。やはり協議をする以上はまとまるところに協議をするのであって、協議ととのわなければ上司と相談して一方的にきめるのだという言い方なら協議しなくても同じことで、誠意がないと思うのです。やはり協議をされる以上は、いろいろ主計局の立場もあり、国税庁の立場もあり、おのおのの立場がありましょうから、食糧庁としても——民主主義というのは話し合いの上でものがきまるというのが原則で、協議がととのわなければ一方的にきめますよというのは私はちょっと穏当でないような気がいたしますが、そういう点についてはやはり関係者に十分一つその協議をお願いいたしておきたい、どうでしょうか食糧庁長官。これだけで私はこの問題はやめます。

安田善一郎食糧庁長官

○安田説明員 先ほど先生はきまらない場合はどうするかとお尋ねでございましたから、二十日までに十分協議をいたしたい、それは従来数カ月前からのお話でございますから、物をお渡ししなければいいのですけれども、米という貴重なもので、税金によります赤字補てんが本年度も七百億もあるような事情でございますし、物は国有財産でございますから、努力をしても——その努力も先ほど申しましておわかり願えたと思うのでございますが、きまらないのは決定する。決定しなければ物は渡さない。これは普通のことじゃないかと思います。しかし最大限度の努力をして、内容についても最大限度各方面の意見を尊重して聞いてきめるのだということと思います。その裏には当然一石当たり十円だ、五十円だ程度のことは——お百姓さんの米の値段をきめるときはそれでも大問題でございますが、政府の売り値で、酒用で、過去の歴史と沿革その他もございますから、それは趣旨を尊重してきめ得るのだ、そういう含みで申し上げたのであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私はさっき協議がきまらないというのは、実は政府側の内部の問題ではなくて、中央会といいますか、業者との間でもしきまらなかったという場合という意味でございますから、それは今の私の伺ったこととは別途でありますが、一応皆さん方で協議をされることでもありますし、私は、きょうは十四日でありますから、二十日までにはたしてそんなふうにうまくきまるのかどうかもちょっと疑問があります。過去の歴史において暫定価格というものが起きたのは、きまりにくいから暫定価格が起きたというのが沿革なわけです。さっき国税庁長官も、ものを一ぺんにやるのはどうもまずい、徐々にやるのだとお話しになりましたが、私もどうも去年は二月にきまったのを、ことしは十一月二十日にぴしゃっときめなければ売り渡さないということは、少し一ぺんにものを処理しちゃうという感じがして、やはりそこらにもおのずから——できるだけ早くおきめになることに私は賛成ですが、十一月二十日までにもう少しということできまらなければ、何も私それを暫定価格で出しちゃ——それが十二月一日にきまったって、もうすでに最初のお米は暫定価格でお渡しになっておるという建前からするならば、原則は原則としても多少の弾力があってもいいのではないか。そこはもうこれ以上申し上げません。行政的に一つ大蔵省と食糧庁で十分御協議に相なって、酒税の保全のための酒造のことでありますから、そういう点を御考慮に入れてやっていただけばけっこうであります。一応この問題はこれで終わります。  理財局長に伺いますが、実は最近、いろいろな証券対策の一環として今度大型株投信というのですか、そういうものが認められて始まるように新聞紙上で拝見をしたわけです。そこで、ちょっとこれについて。その前に、この一月に公社債投信が発足をいたしまして、最初は大へん人気がよくて大騒ぎだったわけですが、その後だんだんしりつぼみになってきておるようです。その際に、証券業界の方にお越しいただいて、これがずっと円滑にいけばいいけれども、非常に解約が出たときには一体これはどうなりますかということを私は伺っておいたわけです。そういう分については運用部分等にちょっと幅があるからそこで処理をしていくのだというお話だったのですが、公社債投信の最近における解約の状態、そうして運用等の関係について一体どういうふうな現状になっておるか、ちょっと伺っておきたいと思います。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 御指摘の通り、公社債投信は発足当初大へん景気がよろしゅうございましたが、その後だんだんしりつぼみになっております。計数的に申し上げますと、一月の設定額は四百六十億、二月が三百四十億、三月が三百二億七千万、四月が二百七億五千万、五月が二百二十億、六月が百八十七億五千万、七月が百六十七億、八月が百七十五億六千万、九月が百四十六億四千万、十月が百三億三千万でございまして、解約は一月から五月までありません。六月に七十六億、七月に百五億、八月に百五十億、九月に二百四十五億、十月に九十五億というような数字になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そういう形で今後いきますと、公社債投信という問題は、設定額よりは解約がだんだんふえてくるのではないか。設定額と解約が同じで、もともと元本が動かない格好になると思うのです。しかし、事実上は公社債投信というのは毎期々々出ておるわけで、どれが解約されたかは事実わからないわけですから、入ってきたのと出ただけでは、私はものはきまらないと思うのです。現実にそういう設定をされた中で解約になった最高のパーセンテージというのはどのくらいになりますか。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 最もはなはだしいのは九月でございまして、先ほども御説明いたしましたように、百四十六億に対して二百四十五億でありますから、十八割くらいになっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私はそういうふうに伺ったわけではないのです。九月に設定された投信と九月に解約された投信は違うものですね。九月には新しい投信を百何億設定しましたね。しかし、二百億ですか、解約されたのはその前のどこかのやつが解約されて、総計がそういうように出ている。ですから、設定をされたものごとについて、それは各社がありますから月間全体としてくらいでお聞きする以外手がないと思いますが、たとえば五月に設定した二百億か幾らですかありますね。そうすると、そういうものがもし九月に百億解約されていれば五〇%解約ということになりますね。そういう最高の解約の部分というものはどのくらいにいっているかということ。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 はなはだ申しわけございませんが、ただいま資料がございませんので……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は証券金融の小委員会が二十八日にあるそうですからそれまでに一つ御準備を願いたいわけですが、やはり公社債投信というものが発足したときに一番心配だったのは、入ってくるときは比較的問題がない。ところが、御承知のように、公社債は流通過程が非常に不十分でありますから、解約がどんどん出てきたときにどうなるかという点だった。ところが、私の不安が的中して、相当程度の解約が今起きつつある。そうした場合に、一体その解約された公社債はどこが処理することになるのか、そういう点が非常に不明確であります。その点、今の形で率が高くなればなるほどその月の状態としては問題があろうかと思います。それと、一般の新規債、公社債の発行の関係等非常に入り組んだ問題になってくると思いますので伺いたいと思ったのですが、今資料がないそうですからそれは次回にいたしますが、ここでちょっと大型株投信というものとこれを並べて考えてみますと、社債の発行できる会社というのは大きな会社ですね。小さいところは発行できませんから、大きな会社が社債を発行している。その社債の方は今の公社債投信等で非常に景気よく出だしたけれども、実は全体の調子の関係で下がってきた。今度は大型株投信をやる。そうすると、これはやはり今の同じ形のものになると思うのです。投信が今度はインカム・ゲインを目的とするということになってくると、性格が公社債投信ときわめて似た形の投資信託というものになってくる。これはたくさん資金が入ってくればある程度株価も安定してインカム・ゲインというものがなるほど安定すると思うのですが、株式対策を見ておりますと、常に楽観的予想の上に発足するという感じがするわけです。公社債投信をやったらうまくいくんじゃないかということだけで、逆の側の配慮が欠けておったではないかという感じがしておったのが、現実の姿として出てきた。大型株投信というものをやって、資金がどんどん流れてきて大型株投信がふくらんでいくのならば価格が安定してインカム・ゲインが保証される。ところが、過去の今の例のように、実際には資金の総ワクの動きに応じて幾らでも金が流れるわけでないということになりますと、これもそういう予想と違って、あまりふくらまなくなれば、総体的に株価も下がるということになって、インカム・ゲインの格好をとっても、少しでも利率が下がればいよいようまみがなくなると思う。インカム・ゲインが主体になっている格好なのに、その自体の利回りも下がってきたということになると、これはまた公社債投信と同じような格好が起きてくるのじゃないか、こういうような感じがするわけです。その点について大蔵省はどういうお考えでこれを認められたのか、お伺いしたい。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 基幹産業投信を認めましたのは、もともと企業の自己資本充実が必要である。ことに基幹産業の資本の充実が必要である。従いまして電力、ガス、鉄鋼等の基幹産業が増資資金を円滑に調達せしめることが必要である。それと一般の株式投資と違いまして、投信になりますと危険が分散されますので、大衆投資家に長期の比較的安定した貯蓄手段を与えることになるのではないかというような観点から認可をいたしたわけでございます。しかし堀先生御指摘のように、非常に安定しておる反面妙味は少のうございます。公社債投信と競合する面が非常にあるのじゃないかと思いまして、認可にあたりましては、各関係証券会社に対しまして、公社債投信から基幹産業投信に乗り移ることがないように極力申し伝えいたしまして、今後とも公社債投信の募集に努力するということを言っておるわけであります。公社債投信の方は大体利回りが七分七厘くらいで、基幹産業投信の方は若干それより高目で八分七厘くらいに回りますので、多少公社債投信よりも妙味があるのではないか。大きな発展は望み得ないかもしれませんが、大体所期の目的を達するのではないかというような配慮のもとに認可をいたした次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その基幹産業投信ですか、大型株投信の方は今八分七厘とおっしゃったですね。なるほど今の株価で八分七厘でしょうけれども、これは少し先にいって、また全体が上がってくれば株価としては上がるでしょう。しかし利回りは下がるでしょう。しかしその上がり方と利回りの変化というものは他の問題とはちょっと性格が違いますね、他の株の動きとはだいぶ違ってくるわけです。やはり土台は値上がり幅の問題ではなくて、インカム・ゲインの部分で問題が出てくるということになりますと、今は八分七厘でも、これがずっと固定していくものかどうか。なるほど公社債はもうきまっていますけれども、私はいかないと思うのです。そうなると利回りが下がってくる場合——利回りは下がってきて、なるほど少しは評価益はあるでしょう。しかし株の性格として、売買で評価益はふえるようなものではありませんね。固定した格好で利回りだけが中心になる格好になりますと、公社債投信のところにいく、あるいはこれから下がるようになれば全然妙味がなくなるわけですね。ここについての将来の見通しまた解約が猛烈に出てくるという問題については十分対策を考えておられますか。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 御指摘のように八分七厘は固定いたさないと思います。大型株投信の対象になりました株式の価格が上がりますと利回りは低くなります。従いまして、だんだん公社債投信の利回りに近づくだろうと思います。そういう意味においてだんだん妙味がないというようなことも考えられますけれども、大型株の株式騰貴の方は普通の株式よりも騰貴する割合が割合に少ないのではないか、比較的安定しているのではないか。従いまして、八分七厘は必ずしも固定いたしておりませんけれども、大体こういう線でいくのではないか、かように考えているわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今後のことでありますから御検討願えればいいわけですが、結局私は、そういうふうなことで資金のプールは一つでありますから、それが公社債投信にいくなり大型株投信にいくなり、あるいは普通の株式にいくなりいろいろすると思うのです。今のお話だけを聞いていると、基幹産業は非常に優遇していらっしゃるわけで、それもよろしいのですけれども、そこへ資金が集中していけば、結果として見れば今度その他の方にはだんだんいきにくくなるわけですね。そうすると全体のバランスとして見て今度どうなるかという問題がまた次に出てくるのではないかと私は思うのです。そうすると、大きな会社は増資をするにも非常に有利で、下ささえの株価の安定はそういうことでやる、公社債の発行はどんどんできるということになっておるけれども、それ以外のことは今度はまた非常にやりにくいという問題が結果として出てくる。全体のバランスの中でそういう点については一体どう考えておりますか。

宮川新一郎大蔵事務官(理財局長)

○宮川説明員 普通の投信と違いまして、今回の基幹産業投信は募集期間をこの十一月の十日から三十日というふうに非常に限定いたしておりまして、期間が短うございます。金額も百億程度にいたしておりまして、今後ほかの一般の投信の発展を阻害しないように配慮いたしておるわけであります。  なおその他の投信の設定につきましては、弾力的に行なう等によりまして競合を生じないようにやっていきたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 次期までにいろいろと公社債投信の分析の資料を拝見してあとの論議にしたいと思いますが、私は率直に言いますと、政府の証券対策が非常に場当たり主義というか、その場その場の問題が多過ぎて、全体としての一貫した問題に欠けているような感じが非常にするわけです。そういう点については、実は今後十分過去における公社債の分析の上に立って大型株投信というものが始まるのでないと、こういう時点に来てこれをやるならば今の株価の安定にすぐ役に立つとか、そういう現象的な問題でこれをとらえていただくと、私はやはり全体の中ではそごを来たす場合が多いのではないかという感じがしますので、十分御検討を願っておきたいと思うし、その分析等の資料については、一つ次回の金融小委員会のときまでに御提出をいただきたいと思います。これで終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 次会は公報をもって御通知することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十七分散会

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