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39回国会衆議院1961/10/25

大蔵委員会 第10号

発言数
79
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/10/25

会議録

小川平二自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案の質問に入ります前に、一つ聞いておきたいことがあるのです。  昭和三十六年度九月末の租税及び印紙収人の調べの資料が手元に入っておるわけですが、ほとんど軒並みに上半期だけで五〇%を全部突破しております。おそらく年度末になりますと一二〇%くらいまでいくような情勢にあろうかと思いますが、大蔵省として大体ことしのこの上半期だけの実績から年度間を推定いたしまして、どのくらいの自然増収が見込まれるのか、その見通しを一つ伺っておきたいと思います。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 自然増収が確定的に大体今年度どのくらい出るかという問題につきましては、実は九月決算が大きなウエートを占めておりまして、九月決算が大体法人税のことしの予算でございますと約五千八百億ございますが、その中の五五%相当額、半分以上が三−九決算の法人の業績にかかっておるわけであります。ところで最近、この四、五月ごろ、一時各経済紙が報じておりました対前期割合の上昇率が約九%とか一一%とかいっております。いろいろな経済新聞によってあるいは雑誌によって違いますが、それがまた最近の報ずるところによると、かなり落ちておるというようなことが報じられております。われわれの方でも早くその実態をつかみたいと思いまして、主税局それから国税庁の応援を得まして相当大規模のものについてサンプル調査を進めておりまして、これが大体集計のつきますのが十一月ちょっとになるだろうと思います。それがつきませんと実際のところ、それだけ大きなウエートを持っているだけに何とも言いにくいという点がございます。  それからもう一つは、ことしの年末賞与がどうなるかという問題でございます。この年末賞与は大きく下期の決算の状況に左右されるというのが従来の実績でありますので、この点もあわせて下期の状況を見ないとわからないという問題。  それからもう一つ。ことし非常に不確定な要素は、御案内のように、法人税は決算終了後二カ月以内に申告いたしまして、その半分は即納するわけでございますが、残りの半分については自後三カ月の分納ができるわけでございます。ただ、その五〇%の分納につきましては、この徴収猶予を百パーセント利用しているかどうかと申しますと、必ずしもそうではなくて、たとえば去年あたりでございますと大体五〇%は延納できるものを三五%ぐらい、ひどいときには三〇%ぐらい、いわば二〇%ぐらいは猶予を放棄しておるわけであります。ところが、最近の金詰まりの状況によりまして、これが非常に法律上許されておる延納額、延納率をほとんどフルに利用しつつある。最近のところによりますと四四、五まで上がっているわけでございます。法人税は御案内のように全体で、今さっき申しましたように五千八百億くらいございますから、一%違っても底は七十とか幾ら違うわけでございます。そういうかなり不安定な要素がありますので、なかなか確実なことは申し上げにくいということで、予算委員会におきましても、ただいま申し述べたような事情を申し上げて、確実な見通しはまだできませんということを実は大蔵大臣から予算委員会において答えておるわけでございます。ただ最近の収入実績、今ちょっと持ってきませんでしたが、九月末までの収入実績はわかっております。それをもとにしていきますと、非常にそれは順調であるということだけは言えるわけでございます。今度の補正予算で九百七十億加えまして、補正後予算額が一兆七千六百四十六億でございますが、それに対しまして九月末までの収入実績はわかっております。九千四百五十八億でございます。その収入歩合は五三・六%と相なっております。それから前年の同期におきます決算額、前年の決算額一兆六千百八十二億に対しまして、前年同期の収入済み額は七千四百五億でございます。その比率は四五・八%でございます。従いまして、五三・六%から四五・八%を引きますと、七・八%の収入歩合において上昇率を示しておるということになります。今後もこれと同じような順調さであったと仮定した場合の自然増収額というものはおのずからわかるわけでございまして、それで計算いたしますと、一兆七千六百四十六億に、これは単純なる計算でございますが、七・八をかけまして、それでその補正後予算額に対する増収額が出るわけです。それにすでに補正予算額で出しました九百七十七億を足すという計算は可能だと思いますが、そう計算いたしますと、二千三百億くらいになるということでございます。ですから、今後の順調さが今までと同じ程度であると仮定すれば、二千三百億にはなりましょう。こういうことは申し上げられますが、最終的に幾らになるかということにつきましては、九月決算の状況等を見た上でさらに申し上げる方が的確であり、またそれを見ないと申し上げかねるということでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その問題は本日の主要議題でございませんから、その程度にしておきますが、租税特別措置法で、今度山林所得の問題、輸出関係の問題、産炭地振興に関する問題と三つ出たわけでありますが、私どもこの前も大蔵大臣にも質問いたしましたように、租税特別措置法というものはどうしても一ぺん徹底的な整理をする、ほとんど廃止と同じような整理をする必要があるんじゃないか、そういう上に立って税制面で特に見なければならない問題、確かに災害の問題であるとか、あるいは石炭政策が危機に瀕した場合の、いろいろな税制面におけるめんどうを見るというような立場でどうしても必要だというものは、そのつど特別な立法をすればいいんじゃないか、そういう形でいかないと、租税の公平、担税力のあるところからやはり税を出してもらうんだ、こういうような正しい基本的な税のあり力という面から言うと、これは非常に件をなしておる。今日の納税者にとって、税金というとどうも身ぶるいするような気持がいまだにあるし、いつも税金の問題では苦情が絶えない。いやいやながら納税をせざるを得ない、仕方なしに納税せざるを得ない、どうも割り切れない気持があるという最大の原因は、やはりこの租税特別措置法がある、こういうことだろうと思うのです。税の公平という点から考えますならば、どうしてもこれを一ぺん大掃除をする、大整理をする、ほとんど廃止状態まで持っていって、真に必要なものだけはそのつど立法を考えていく、こういうような方向に行くべきだと思いますが、そういう点について一体大蔵省としてどういうお考えであるか、この点をお伺いしたいと思います。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 これはたしか昨年の国会におきましても申し上げたと思いますが、政府に設けられております税制調査会の昨年の答申におきましても、基本的な方向としては、今先生がおっしゃったように、この問題は政策的必要に基づいて設けられるものでやむを得ないとはいいながら、結果的には担税力という見地から見ると不公平になるから、できるだけ整備、合理化すべきである、これがまず第一点でございます。その点についてはまさに同じ意見が述べられているわけでございます。しかし、これは政策的の必要、しかも個々の問題ではなくて、国民経済全体がうまく運行するためにやむを得ざる措置としてとられるのであるから、その意味ではその政策使命を果たしたものはどんどん廃止するなり、縮小するなり、また必要なものは起こしていくということで、その新設、改廃について絶えず時宜に応じたような機動性を持たせるべきである、しかし根本方針としては整理、合理化の方向に向かうべきである、こういう答申が述べられておるわけでございます。政府におきましても、もとよりその方針に基づきまして整理をいたしております。特に昭和三十一年以来今日まで整理しました額を見ますと、ことしの予算規模で約千五百億でございます。従いまして、現在残っております租税特別措置による減収額というのは、この前お話し申しましたように、千四百九十五億でございます。従って、あの当時の租税特別措置がそのまま存置しておったとすれば、今日約三千億になるわけでございます。そういう意味で、われわれもそういった方針に基づきましてかなり整理はやっておるわけでございます。特に昨年度におきましては、租税特別措置全般にわたりまして検討を加えて整理いたしました。大体平年度百六十五億に及ぶ整理を去年いたしたわけでございます。そういった意味で、われわれはこの租税特別措置そのものの政策的効果は十分認識しながらも、全般的には先年がおっしゃるような方向で考えたい、かように思っております。  ただ一言だけ申し上げておきたいのは、現在租税特別措置と言われるもののうちにも、その内容にいろいろございます。これはいかにも政策的だという問題と、これは損益理論からいってもある程度是認できる、あるいは現在行なっておるもののうち、この程度までは損益理論に当てはまりそうだが、ここがどうもまだわからないというようなところがございます。なぜそういうことになるかと申しますと、今日の損益理論というのは、御案内のように考え方は絶えず動いているわけでございまして、各国の税法におきましても、会計常会あるいは税法の学会におきましても、絶えず流動的なものでございます。そういう意味で、租税特別措置として千四百九十五億と私は申しましたが、これ全部が全く担税力を無視したものであるというところまで決断を下すには、なお相当の内容分析が要るのじゃないかと思います。たとえば最も典型的な例を言いますと、現在退職給与引当金の制度がございますが、これは現在二百二十五億くらいあると思いますが、ある人の見方によれば、これは損益理論からいって当然だということもございます。ただ伝統的な損益理論に立ちますと、なお若干疑念があるものですから、われわれは絶えず検討を怠らないという意味で、租税特別措置による減収額の中に掲げてある、こういう実態でございます。しかし全般の方向につきましては、われわれも先生と変わりない考え方でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 整理されてきた実績はそのまま認めるわけですけれども、しかし今日まで九千万国民を全体としてとらえて、やれ一千億施策あるいは一千億減税あるいはことしは五百億だとか、そういう形でやってきたのが昭和三十五年度までで大体七千二百億くらいになる。この前もその点質問したわけですけれども、租税特別措置法に基づいて大蔵省で資料を出された額だけでも、昭和三十三年が約八百三十何億、三十四年が九百数十億、三十五年が千三百七十何億かと記憶しますが、ことしが千四百九十五億、こういう工合にして、その以前のやつを加えますと、おそらく全体的な減税とほぼ見合うところの減税がなされてきておるはずであります。これは非常に政策目的を持つというようなことが言われるわけですけれども、その中でたとえば貯蓄に関する利子に対する税の減免ということ、これもなるほど貯蓄増強という政策目的は依然としてあると思います。これは永遠に消えないだろうと思います。貯蓄を増進するということは、国家経済が存立する限り必要なことだと思います。そういう意味では、政策目的というのは永久に変わらない目的を持っておる。しかしながら、貯蓄性向というものをずっと見てみますと、特に利子課税に対する特例の措置を廃止した時期がありましたが、その際にも依然として貯蓄はその特例を設けたときとほとんど同じようなテンポでちゃんと増強されている、こういうようなことも現にあるわけであります。しかも利子の問題などでは、国民貯蓄組合の免税措置というようなものが非常に乱用されていることもあるわけであります。そういった工合に、非常に政策目的ということを言うけれども、租税の中でその政策を達成するということにあまりにもウエートを置き過ぎると、税制という問題からいいますと、全く納得のいかない奇妙な税体系というものができ上がって、何とも国民が割り切れない気持が依然として残るわけです。そういうようなものは真にどうしても国民経済のために、この二年間なら二年間という非常に厳密な制約の中で、時限的にそういうようなことをきちっと切って、この期間に一そう増強しようというような明確な、しかもその政策目が、その措置をとったことによって数字の上ではっきり現われるのだ、こういうような政策効果というものが端的に出てくる。こういうもの以外に、しかもそれが国民経済にとって非常に緊急なものであるというもの以外には、のべつまくなしに、国家が存立する限り、その政策目的というものは、常に属性的に必要なんだというようなものまでをその中に入れておくというようなことは非常に多いわけであります。これは減価償却の特例の問題にいたしましても、あるいはそのほかの積立金に対する減免の問題にいたしましても、そういうものだと思うわけであります。そういうようなものを特別措置の中に入れている体制というものは、どうしてもわれわれとしては納得いかないわけであります。そういうような点で、基本的には主税局長も賛成をされたわけであります。一部確かにわれわれとしても疑問の点もなきにしもあらずであります。まさに今のこの租税特別措置法の小には、みそもくそも一緒になっておる。これは大へん言葉が悪いのですが、そういう印象をぬぐえないわけであります。従って、そういうみその方は、そのつど明確な時限的なものに限定を与えて、そして時期的にもきちっと切って、政策目的というものはその措置によって明確に現われてくるというような形のものだけを特例法として、そのつど立法を考えていけばいいのであって、今のようなものはすみやかに大整理を断行して、その上に新しい角度で租税に対する特例というものは出直すべきだ、こういうふうに思うのですが、そういう点ではいかがでしょう。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 先ほど一般論につきましては先年と基本的に大体同じ考えを持っていると申し上げたわけですが、今、特殊な問題、たとえば利子についてどういう感触かという問題でございます。この点につきましては、一つは分離一〇%の課税というものと、国民貯蓄組合による非課税、この二つが現在われわれは特別措置的であるというふうに考えているわけであります。分離一〇%の問題につきましては、本来税の建前でいえば、総合するということが当然でございます。それが特別措置という観点で現在分離一〇%になっておりますが、これもだんだん経緯を考えてみますと、一とろ短期も長期も全角にしておったわけでございますが、その後短期は一〇%課税をやる、長期につきましても三十四年三月を機といたしまして、それ以降一〇%というところまで持ち上げてきたわけであります。今問題はそこにストップしておりまして、昨年はこの問題について何らかの回答を出そうということでありましたが、配当に対する課税、これが非常にむずかしい問題でありまして、配当を全部支払い配当側で損金に認めるか、あるいはその一部、たとえば八分なら八分を限度として損金に認めるかという議論がありましたが、去年はそこの間かなり暫定的に、配当分についてだけ法人税を税率一〇%だけ軽減する。なおこの様子を見て、今後国民経済に与える影響を見ながらやるという線が出ましたために、それから同時にまた昨年度におきましては、預金金利引き下げという問題がありました。事のよしあしは別にいたしまして、預金金利は引き下げる、税率は上げるとなりますと、非常に経済界に及ぼす影響も大きいし、それから配当に対する課税の基本的なあり方がわからないから、一年間見送るという決定がなされたわけでございます。いわば本来どうあるべきかということになって、少なくとも去年断定を下すには無理ではなかろうか、そういう意味で一年見送ったわけでございます。この問題はそれぞれの問題、そのときそのときの、いっそういうふうに踏み切っていくかという問題は絶えずあるかと思っております。  それからもう一つ、ただ特別措置という考え方のほかに、税務の実務で言いますと、総合課税をしたときに一体どれくらい実効が上がるかという問題も、実は考えていかなくちゃならぬわけでございます。この点は、今般問題になりましたアメリカの方の改正でも源泉課税方式というものを考えられまして、それが非常に問題になったようでございます。これはちょうど日本とは逆でございますが、これはおそらく総合する場合の総合漏れが非常に多い。そのために税法の精神とは別に、実務上非常な不公平をもたらしてくるということが、おそらく問題になったのではなかろうかということでございます。われわれも基本的にどうあるべきかという問題と、それを実現する方法としてどんな方法がいいか、それから最後の答えを予測しながらこの問題を同時にまた考えていかなくちゃならぬというふうに思っております。  それからもう一点の国民貯蓄組合に対する課税の問題、これは従来しばしば御指摘をいただきましたように乱用が非常に行なわれておる。一人の方で預金を分割されて、方々で例の三十万未満というあれを利用されて、二重にも一重にも免税を受けておるという御指摘がございまして、昨年の国会におきましては、ことし一年をその運用によって何らかこの乱用を防止するということをお約束しているわけでございます。その結果を見まして、さらに制度的に、抜本的に手を講じなくてはならぬものであるならば、あらためて考えたいと思いますということを申し上げたと思いますが、今年度に入りましてから国税庁を中心にいたしまして監査を進めております。その結果を見ますと、やはりかなり従来乱用が多かったというふうにわれわれも考えるわけでございます。むしろ考えようによりますと、現行の制度そのものが乱用を許すような制度になっておると言っても過言ではないと思いますので、この監査の事績等を見まして、さらにこれについてどんな手を加えるべきかということを目下検討中だという段階でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 租税特別措置法全体の基本的な問題として、また機会をあらためてその問題をやりたいと思いますが、今度の措置の中で山林所得に対する特例をさらに強化をして、木材値上がりの価格高騰を防ぐための増伐を促進しよう、こういうことになっているわけですが、どうもこの取り扱い方というものは、何でも政策の失敗は租税特別措置でしりぬぐいをさせられているという印象をぬぐい得ない。山林行政のやはりこれは一つの長い間の失敗が、高度経済成長の中で設備投資を中心にして需要が激増してそういうことになった、こういうような事態を予測することなしに高度経済成長政策をやったという失敗というものもあるだろうし、また総合政策の中における山林行政というようなものが非常に置き去りにされてきたという点も、これはぬぐい得ない現実だと思うのです。木材がベラボウに上がって、小売物価指数、卸売物価指数とも引き上げの最大の原因になっている。こういうような状態にあるわけですけれども、これは林野庁の方と大蔵省と両方から答えていただきたいのですが、ここにこまかい表が出ておりますが、こういう減税をやることによって一体どれくらいの増伐、そして価格の引き下げに値するくらいの政策目的というものが実現するのだろうか。どのくらい増伐がこれによって期待されるという確信を数字的に一つお示しをいただきたい。こういうように思うわけです。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 林野庁側の方から先にお答えを申し上げます。  今回の価格安定緊急対策におきましては、私どもまずこの価格の非常な過熱と申しますか、急騰の原因がどこにあるかということを振り返って見たわけです。これは過去数年間にわたります慢性的な需給のアンバランスと申しますか、需要に対して供給がなかなか追いつかなかった、特に国内的な生産においてなかなか追いつかなかったという点にあるというようなことを感じました。まず私どもといたしましては、需給のバランスをとる、需給を調整するということにおきまして、この価格の過熱を押えて安定させて参りたいということを考えたわけでございます。  この方法といたしましては、まず国内的には国有林を八百万立方メートル増伐をいたします。それから民有林におきまして四百万立方メートル。これはともに今明年両年度にかけまして、三十五年度に対して増伐をいたします。そのほか輸入を、三十五年度の六百三十万石に対しまして、両年度に六百万立方メートルふやす。と同時に、木材利用の面におきまして、廃材チップの利用を倍加して参る、これを五百四十万立方メートルの利用使用に推し進めて参る、こういうことによりまして、この御提出申し上げております表にありますような需給のバランスをとりまして、これによりまして在貨量を一八、九%に持って参りまして、これによって価格を冷やして参るというように考えたのでございます。ちょうどたまたま国内の木材価格と外国の輸入材の木材価格のバランスと申しますか、大体近寄って参りまして、現在ではこの価格の関係では、輸入は比較的やりやすくなって参ったのでございます。この問題には、昨日も御指摘のございました港湾の問題、そういう問題で非常に努力をいたさなければならないことはもちろんでございますが、そういうことによりまして、この需給のバランスをとって参りたいということでございます。  この国有林の方につきましては、すでに予算措置も済み、着手をいたしまして、これは確実に実行をして参ることが計画通りできるのでございますが、民有林におきましては、すでに御指摘もございましたように、私どもといたしましては、この四百万立方メートルの増伐ということは、これは特に山林所有者の協力に待たなければならないということがございます。それにはまず、今御審議をいただいております減税の問題、それから、この増伐によりましていろいろな国土保全あるいは資源の保続という問題もございますので、これを集中的に伐採をして参るということは危険性もございます。そこでさしあたり本年度中に百十七キロの林道を開発林の方へ設置いたしまして、この伐採が容易に、また国土保全その他に危険のないように進めて参られるようにいたしたいということで措置をいたしております。  そのほか跡地の造林等におきましては一年ずつおくれるわけでございますが、翌年度、さらに翌々年度におきまして造林助成あるいは融資の措置を計画いたしておるのでございます。その上に、各府県におきまして、あるいはこの対策に協力をしてもらいますために対策の委員会等を作って進めていただき、あるいはAG等の協力を得まして、この山林所有者に対してそれぞれが持っておられる山林の実態を十分認識してもらうと同時に、この木材の国内における事情を十分認識してもらいまして、増伐に協力をしていただくというような、あらゆる措置を講じまして、との目標を達成いたしたい、かように考えている次第でございます。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 今回提案いたしました山林に関する租税特別措置の内容は二つございまして、一つは、山林所得の計算上、取得原価を財産税調査時期の価額に従来よっておったものを、今度二十八年一月一日現在の時価によるという分であります。これは実は今度の増伐は面接関係はないのでございまして、いわゆる山林所得あるいは譲渡所得の計算上、一々取得価額を財産税の調査時期にさかのぼることにしてやることはなかなか煩にたえないし、いつまでも帳簿を税務署が保存できるわけでもございませんので、いつかはその時点を動かさざるを得ないという情勢にあったわけでありますが、いろいろ税制調査会でも検討いたしまして、すでに二十一年からことしまで十五年たっており、との辺でその時点を動かすべきではなかろうかというので、今度の通常国会で、これは譲渡所得についても提案するつもりだったわけであります。それを今度の特別措置に関連いたしまして、山林所得に関する限りその分は繰り上げ実施するという性質のものでございます。ですから、この点は、直接には今度の分等は触れていない。ただ、今やりませんと、これを通常国会まで持ち越しますと、実はこれでも結果的には減収が出るわけでございまして、もし来年の通常国会に出しますと、三十六年よりは三十七年の方が安くなるという結果になるということがわかりますので、今度の増伐を促進するためにいろいろな施策を講じている、それのかえって妨げになるという観点から繰り上げ実施をいたしているわけであります。これが、全体の減収額を七億分見積もっておりますが、実はそのうち四億はその分でございます。残りの三億分でございますが、これが増伐分に対する今度の平均実効税率を増伐分に関する限り二分の一にするという特例を設けたわけであります。ただいま林野庁長官からお話がありましたように、木材価格の安定施策のために総合的な施策々政府は講じているわけでありますが、その一助として、この程度の臨時措置を設けることは必要でもあろうし、またその程度において妥当なものではなかろうかというわけでございまして、どの程度の軽減のメリットが与えられるかという点は、この資料にありますからこれでおわかりと思いますが、基本的な考え方といたしまして、現行の山林所得の課税は、御承知のように五分五葉をしております。これは累進税率による課税緩和をするということで一律にやっておりますが、こまかく考えますと、いわばそういう中にも変動所得的な部分というものはあり得るわけでございます。ですから、基本の所得税法はそこまではあまりこまかくやっておりませんが、特に例年に比べてふえたという部分については変動所得として調整するという考えも、税制として考えられないわけではございません。ただ、そこまでは、すでに五分五乗をやっておりますから芸をこまかくする必要はないではないかという議論があると思います。今度のはたまたま奨励措置というものを考えてはおりますが、前三カ年の実績をこえる分についてやっておるわけであります。ちょうど今ドイツで臨時増伐分に対してはやはり実効税率の二分の一を軽減するということをやっております。そのかわりドイツの方では五分五乗という制度はないわけであります。ですから、これはものの考え方で、基本的な税法の考え方に全く合わないものだというわけでもないような気がいたします。ただ基本税法はそこまで芸をこまかくしておりませんので、一般の基本税法から見ればまさに形の上では特例だ。しかしその特例の与え方の内容においては必ずしも税制的に見て不合理だとは考えられない。しかもメリットから申しましてこの程度のものである。全体の総合施策の一環としてその潤滑油としてこの程度のものである。特典という考え方を持つ人もございましょうが、かりに特典だと考えてもこの程度のことは必要でもあり、また程度において妥当ではないかというふうに考えておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 林野庁から出た資料だと思いますが、辻原委員から要求した資料の中に、適伐以上の民有林の蓄積状況が約九億五千万立方メートル、既開発林における適伐以上のものだけでも二億六千万立方メートルもある。それをわずか四百万立方切ってもらうためにこのような税制措置をやる。一体今度の木材の値上がりでだれが一番もうけたか、製材業者かあるいは中間の木材ブローカーかということを調べてみますと、最終的に一番利益を得ておるのは山林所有者なんです。いわゆる山持ちであります。木材業者にも私だいぶ当たって、ずいぶんあなたもうけたでしょう、いや原木値上がりでちっともわれわれはだめですよ、これはだれでもそう世間的に言うことかもしれませんけれども、しかし経済原則から考えましても、結局は木材が上がっているということになれば、山持ちは売らぬという態度に出るのは当然です。そして幾らでも価格をつり上げようとする。こういうように非常に公共性の高いものであり、そういう意味からも国有林制度というものも現にあるわけですが、そういう中で一番もうけた人に——現在でも何千町歩持っているような山地主というものは、いなかの山奥にすばらしい家を建てて、何に使ったらいいか金の使い道に困っているというようなそういう金持に対して、税金をまけてやるから切って下さいよ、こういうようなやり方というものは何ともわれわれとしては納得できかねるわけです。もちろん幾らかでも税金を安くしてやればという考えは一番先に思いつくことでしょうけれども、むしろこんな時期に、自分のものだからといって適伐以上のものを山がたくさんあるにもかかわらず切らぬというような者に対しては、逆にこの二年間に切らなければ三年先には五分五乗の方式なんというものは、それから概算経費控除なんかももっときついものにするぞ、こういうようなかまえを示すくらいのものがあっていいと思う。現実にそういう人たちは非常に利益を得て、富がすばらしく蓄積されて、今金の使い道に困るような人たちが多いのです。私の栃木県なんかもそういう人があって、しかも山林労働者なんかは低賃金で長いこと使ってきて、しかも今日少しばかり、日給が五百円になったということで大騒ぎする人たちが多いわけです。そういう人になおさら税制の面でめんどうを見てやろう、そうしてこれで切っていただこうというような施策というものは、これはやはりこういう非常に公共性の高い、特に治山治水とも非常に関係のある、しかもこういう広大な面積を持っておってそうして荒れ地にしておいて、それも所有権を主張して木も植えない、国では植林に対する相当の補助もやっておるけれども、それすらもサボってこれ以上何も富を蓄積する必要もないというような状態で安住しているというような者に対して、また租税特別措置法でその上にこれをやってやるというようなことは、まさに考え方がさか立ちしているんじゃないかと思うのです。それでもちろんこれは林道の開発とかあるいはいろいろな問題が考えられようと思いますけれども、林野庁としては、将来、こういうような遊ばせて植林もしない、サボって荒れさしておる何千町歩というような山持ちに強制的に分収造林をやらせる、地元の零細な山林労働者あるいは地元の小さな農民、こういうような人たちの協力を得て、そういう荒れさしておいて手をつけないというような者については、そういうことをやらせようというような考えはおありですか、そのことを一つ林野庁にお伺いをしたいわけです。それから大蔵省には、今申し上げたような実情にある、しかもその上にまけてやるんじゃなくて、むしろ考え方としては逆な方向をやってもいいんじゃないか、こういう点についてのお考えを聞かしてもらいたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 林野庁に対する御指摘に対してお答えをいたしたいと思います。大山林所有者のそういった状況は、確かに一部にあるかとも思うのでございますが、山林の所有形態から申しますと、全山林所有者の九六%余りというものが十ヘクタール以下の所有者になっておるのでございます。従いましてそういった面でも、大かたの山林所有者というものは農家であり、かつ十ヘクタール程度の所有者であることが実態でございまして、私どもそういう実態を見ましても、特にこの措置に御協力を願う方法としてはぜひとりたいというように考えておるのでございますが、一面大山林所有者が造林を怠っておるということにつきまして何か措置をすべきであるという、これは全くごもっともでございます。従いまして、私ども来年の特に重点的な施策の事項といたしまして、こういった増伐の施策もいたしますが、同町に最重点を造林に置いておる次第でございます。従いましてかような造林が可能な、しかもそういった可能なところを放置をしているようなところにおきましては、県におきましてこの分収造林をあっせんをしなければならないというように考えまして、特にこの点は分収造林を進めまして、これが実行ができますように努力をして参りたいと考えております。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 ただいま大口の山林業者については、むしろ非常に最近木材の値上がりによってもうかっておるので、これに対して今言ったような増伐分に対して減税すべきでなくて、むしろそれは増税すべきだ、こういうお話でございます。この点につきましては考え方は二つあると思うのでございます。一つは増伐分は増伐分でやはり必要だから、特に大口のものだからといって排除しないという考え方。増伐に対する租税措置は、さっき言ったような観点で全体の国策としてやっておるわけでございますので、それはそれでよいわけであります。ただもうけがある場合には、これは担税力に即応してちょうだいするのがあたりまえだというわけでございます。普通でございますと、地方税を加えますと最高七十に及びます。住民税を加えますと、もっとはるかに高い税率になるわけでございます。その程度の累進度はどうかという問題がございます。ただ山林につきましては五分五乗しておる、これがいいかどうかという問題はあろうかと思います。その場合に、たまに何年かに一回切るものと年々輪伐しておるものについて、同じように五分五乗でいいかという点については、税制上かなり疑問を投げかけまして、この点についてはわれわれも検討せざるを得ないということでございますが、もし税率の設け方が妥当であるなら、その方でもうけた分は全部ちょうだいすることになるだろうと思います。試みに一体どれぐらいか、具体的の実例を申し上げますと、五分五乗の結果どうなるかという問題もございますが、山林所得はかりに五千万といたします。大口でございますのでその辺をとりますと、事業所得者の場合は所得税が二千八百四十六万という税額を納めることになりますが、五分五乗いたしますとその税額は二千六十九万、約二千七十万でございまして、事業所得者に対して四一%ぐらい税金が安いということに、五分五乗の結果はなるわけでございます。この辺をごらんになって、山林の輪伐をしておるものの負担からいってこれが低過ぎるとお考えになるか、あるいはやはり山林は何十年もかかるのだから、この程度でいいんじゃないかとお考えになるか、その辺の感覚の問題でございます。もちろん五千万の人が、おっしゃるようにもうかって参りますと、その分は上積みで八〇近いものがとられておるわけであります。ですから理論的には、先ほど申しましたように年々切るものとそうでないものとの間に、同じ税制で律していいのかどうかという点は今後の研究問題だというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間もありませんので、今度の措置によって減収見込みというのは三つの項目がございますが、この減収見込み額というものをこの際数字で——概算だと思いますが示していただきたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 山林所得につきましては措置が二つございますが、三十六年、三十七年とも七億ぐらいだろうと思います。それから輸出所得控除の方は簡易化という措置でございますが、実質は輸出所得の基準を一本にいたします。これによりまして平年度約四十二億と考えております。初年度はその一割程度の四億程度であろう。それからもう一つ、輸出関係は割増し償却の分がございます。これが平年度十三億程度と考えております。初年度は同じく一億程度であろう。それから産炭地域につきましては、これはまず産炭地域振興法の方がどういうふうになって参りますか、それによりましてかなり違って参るものですから、まだ確実な計算はつきませんが、初年度はほとんど言うに足りないのじゃなかろうかというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そろそろ終わりたいと思いますが、栃木県の鹿沼という税務署で——これは主務局長も国税庁の方もよくおわかりだと思いますが、税務署で汚職事件がございました。その中でやはり山林所得者というものに対する税の手かげんというようなものが汚職の発端に実はなっているわけでございます。そういうようなことで、この山林所得というのは、相当不便な山奥で木を切り出すというような事情もあって、税務署も手かげんというような、また税源を捕捉するという点について税務署で非常な苦労はしていると思うのですが、そういうこともあるわけです。金があるにまかして、相当金を使って山林所得の税金を免れる。こういうこともあって、非常に多くの職員が今検挙をされるというような事態にもなっているわけです。そういう点でこの山林所得に対する課税の問題は、ういう面からも非常に問題のあるところでございますので、どうか一つそういう点も考慮して、将来の問題を十分御検討いただきたいと思うわけであります。  さらに租税特別措置全体にわたって、先ほど主税局長も基本的な整備の方向というものについて賛意を表されているわけですから、やはり税制調査会の検討を待ってということでなしに、大蔵省の主税局、税の最もベテランである村山主税局長あたりが本格的にこの問題と取り組まない限り、そしてその方向を大胆に出して、それをかけていくというような方向をとらない限り、前進はないというように見られますので、どうか一つそういう点で今後御努力をいただきたいと思うわけであります。  以上で質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 藤原豊次郎君。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今の質問に関連して二、三お伺いしたいと思います。先ほどアラスカ・パルプの現状の御報告をいただきましたが、実際フルに操業したらどれくらいかということをお伺いしたい。それからフルに操業したパルプを日本にどれくらい入れられるか。この表ではフルに操業したものでないような感じがするのですが、アラスカ・パルプ会社がほんとうにフルに操業した場合どれくらいで、それは全部日本に入れられるのか、そのうちの何割が入れられるのか、そういうことをお聞きしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答え申し上げます。現在の設備におきましては大体フル操業になっておるそうでございます。将来設備を増設をして参ればこれを上回ってくると思いますが、この資料の将来の計画というところにも、十五ないし十七万トンの化繊あるいは製紙用パルプを供給することになる、こういうことになっております。この生産されましたものは全量日本に持ってくるというように聞いておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 私の聞いたところではそうなっていない。あの当時は、日本の木材関係からフルに操業して、そのパルプを全部日本に持ってくるつもりでお作りになったことはわかる。ところがその後、フルに操業してパルプを全部日本に持ってきますと、日本のパルプ業界の方に大きく響くので、何かそこに一つの工作ができているじゃないかというふうに、私は逆に聞いておるのです。  もう一つお伺いしたいのは、今後アラスカ・パルプが充実しました場合、ほんとうに全部日本に持ってこられるかどうかということでございます。ということは、木材の価格を調整する上において、今、日本の木を、その中にはむろんパルプに適する木もございましょうが、そうでない木もパルプ会社は使っているわけですから、そういう木は使わないで、むしろそういう木は建築用材その他に使われるわけですから、そうすれば木材の問題は少し緩和する。そういう意味で長官のパルプ自由化に対するお考えを少し伺いたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 パルプ材の問題でございますが、すでにこのパルプ材につきましては、一般用材に向きますようなものは極力避けまして、針葉樹は極力制限して、使ってもらわないようにし、燃料等に使っております広葉樹に振りかえるということを奨励をいたしまして、すでにパルプ業界におきましてもそういう方向に向かいまして、設備等を改善をしておるのでございます。  この輸入の自由化の問題でありますが、今直ちにパルプの輸入の自由化をいたしますということにつきましては、やはり国内のパルプ業界の大勢からいきまして、若干むずかしい面もあるようでございます。来年の十月にはおそらくことごとくそういった体制を整えまして、自由化の方向に踏み切れるのじゃないかというように考えておる次第であります。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 それからもう一つお聞きします。国有林を一般競売にしておるようですが、一般競売にしておること自体が、木材の価格をつり上げているようなことがないかということをお伺いいたしたい。というのは、実は木材関係でない人が入札に入っているのです。お金を持っている人が、別に木材関係でない、そして何もしない人が一般入札で買い上げて、それをわざわざ高く売っておる傾向があると思いますが、そういう点で一般入札がどうなっているか、もうちょっと聞きたいと思います。と申しますのは、きのうの質問に対して、入札をする場合には一側を出す、それから伐木をする場合には全額を出さなければならないのだ、ところがそれは延べ払いでできるのだというお話がございましたが、実を申しますと、大きな会社は割合延べ払いになっておるようでございます。ところが普通の業者は延べ払いにならないで、大がいそのときに払っておるような傾向があります。大きな会社が入札した場合には延べ払いもある範囲までは認めておるようですが、どうもそうでない割合に小さな個人的な中小企業の人たちが全部その場で取り上げて払え、払わなければ切らせないというふうな状態になっておると思いますが、そういうふうなことがあるかどうか、その辺を一つお伺いしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 それではまず第一点の一般競争入札、公売が価格をつり上げるもとになっていないかという御指摘でございますが、それは御指摘のように一般競争入札に付しますと、木材の直接の需要者以外の人もだれでも入れるということになります。従いまして、御指摘のような事例が決してないわけではございません。私どももこれはまことに遺憾だと思っておりますが、制度上これは今のところやはりやむを得ないのでございます。私どもの売り払い方針といたしましては、の需要者に売り払うということが建前でなければなりませんし、やはりこれを建前としてやっておるのでございます。それを防ぐのにはどうしたらいいかということでございますが、これは指名競争入札という方法をとりまして、この指名競争入札によりまして、木材の直接の需要者のみを参加させるということを実施をいたしております。この指名競争入札の方法を改善いたしまして、この木材の供給の正常化と申しますか、御指摘のようらな御趣旨に沿って参りたいということで実施をしておるのでございます。  それから次に延納の問題でございますが、これは業者の大小を問わず認めております。ただ、たしか金額で三十万円以上の契約につきまして延納を認めているということで、実際に相手の意見によって認めたり拒否をしたりということはないのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今指名入札というお話がございましたが、指名入札の大体の基準を説明願いたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 これはそれぞれの営林署、営林局の相手にしております市場の状態によりまして、木材を消費します業態というものが非常に複雑でございます。従いまして、一様にはきめてはおりませんが、希望のある向きについては、契約を履行できるような相手についてはなるべく広く指名をするようにという指導を行なっておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 それでは、この指名入札で二、三申し上げたいことがありますが、実は指名入札を通していろいろな汚職がときどき起こることがありますので、例をあげて申し上げないが、長官の方でそういう点を十分気をつけていただきたいと思います。  それから、もう一つ最後にお聞きしたいのは、今度の増伐に対して林野庁の方は増伐の予算をどれくらい要求せられたのか、そうしてその要求せられた結果、どれくらいのものが認められたか。それから、競売にしないで林野庁が直接にやり、あるいは伐木のためのいろんな経費がそれでまかなえるか、その点お伺いしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答えいたします。国有林につきましては、三十六年度予備費におきまして三十九億を決定をいたしました。それから民有林におきましては、先ほど申し上げました林道の経費、これも三億一千万すでに予備費で決定をいたしました。これによりましてこの措置は、本年度内におきましてはできる見込みでございます。来年度におきましては、経常の予算の中に含めて要求をいたしております。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 林野庁の方に対する質問はこれで終わりますが、一つ国際収支改善の一環としての輸出関係の特別措置について二、三お伺いしたい。一つは在来からの方法でやっております所得の基準を基本にして計算する所得税の控除には二通りあります。そのうちの一つは所得基準、一方は取引基準にしておられますが、輸出業者の人はどっちをよけいとっておられるか。大体のことでけっこうですが、業者はどっちを多く届出をしておるか、それをお聞きしたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 メーカーにつきましては大体今まで取引基準で頭を打っているわけです。取引基準でほとんど頭を打っておるということでございます。商社は大体におきましてその逆である。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そうすると商社の方は取引基準の方が多うございますか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 どちらが多いかといいますと、メーカーの方は金額としては所得基準の方が多い。従って取引基準で現行は頭を打っておる状況でございます。一般的の傾向といたしまして商社はその逆でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そうすると、今度の特別措置では所得基準によれということになっておるのですね、そうすると、今度の所得基準によることを規範として考えていきますと、どうも一般に取引基準によっておる商社にとってはあまりよりよい結果が出てこないのじゃないかと思うのです。むしろ取引基準の方がいいのじゃないかと思うのですが、今度どうしてこれは所得基準にきめられたのですか。今度の特別措置は一本になって所得基準になっていますが、所得基準にせられた理由はどういうところにあるのですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 ただいま御説明しましたように、現行税法は、取引基準または所得基準のどちらか少ない金額を控除いたす、こういうことになっておるわけでございます。現行法の建前から一体どれだけの合理性があるかということでいろいろ議論しますと、これはいわばちょうど西独がやりましたあの制度を、その当時は大体それにならってやったわけでございます。当初の考え方は、従いまして、所得基準、取引基準といっても、大体同じところにくるであろう、こういう目算でやったわけでございますが、実際は利益率が非常に違うために、メーカーにつきましては取引基準で頭打ちになる。それから商社につきましては所得基準で頭打ちになるという現状であったわけです。そこで現行法の建前で限度をきめるのに、取引基準とか所得基準とかどちらかを設けるわけですが、どちらが一体税法として考えられるのかということをすなおに考えてみますと、やはりそこは限度は何も理由があるのではなくて、所得基準というのが本来のことであろう。そこで現在のいずれか低い一方で頭打ちになっているのが公平と考えるかどうかが一つの問題です。ものの考えようによりますれば、同じように限度をきめるときに所得基準一本でいいじゃないかという議論は当然考えられるわけでございます。たまたまこういう国際収支の悪化の際に、今度の特例は輸出のふえたものだけについて適用になるのでございますが、その適用の仕方は、本来の考えられたであろう所得基準一本にする、その結果、なるほど現行から見れば有利不利という問題がありましょうが、基本的に考えてみれば納得できるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今の御説明でわかりました。実は取引高でやるよりも所得基準でやった方が、計算してもらいますと、控除額が大体多くなりそうですから、輸出振興のためにこういうふうな制度を当局としてはそういうふうにとられたのかしらんという感じを持っていたのです。それで今の説明はわかりました。  もう一つ重ねてお伺いしたいのは、今度の特別措置とガット十六条との関係、これはあまり国外的にいいますと少し差しつかえがあるのかないのか、抵触するかどうか、そういう点はどうですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 昨年のガットの総会におきまして、日本は御案内のようにAグループに入らないでBグループに入ったわけでございます。Aグループは現行のいろいろな第二次三品に対する財政上、金融上の国家の補助を廃止するということに同意したグループでございます。しかもAグループにおいてはどういう事柄がそれに該当するかということで、一々ものをあげておるわけでございます。日本といたしましては、直ちに廃止しがたいというので、一九五五年の現状維持宣言を中心といたしますBグループに参加したわけでございます。Bグループにおきましては、個々の何がガット違反であるかということは何ら言っておりません。ただ昨年日本代表は、現行の租税特別措置の輸出所得の控除は三十九年三月で切れることになっておるということでございまして、たまたま現状維持直書の国々におきましても、ちょうどその年まで伸びることになっておるわけであります。従いまして、形式的にはわれわれはBグループに入っておるわけでございますから、別に違反という問題はない。ただ将来Aグループに入ろうとする場合には、これは問題になるであろうということでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 よくわかりました。Aグループに入る場合にはやはり問題になってくると思いますが、しかしこれは二カ年間の問題ですから、そのころからAグループに入るということになりますと、比較的問題にならないと思います。  ただ、ここでもう一つお聞きしたいと思うのは、日本は最近ガット三十五条の問題で英国と交渉しているわけですが、そのガット三十五条の問題と、今度のこういう特別措置ができますと、交渉の上にいろいろな差しつかえが起こりませんか。それを一つお聞きいたしたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 今度の特別措置を提案いたすにつきましては、そういうことも心配いたしまして、外務省あるいは通産省の通商局あたりとも緊密な連絡をとって提案いたしたわけでございます。実際問題として、交渉のときにとういうものが話題に出るかどうか、その辺は実際問題でございますので、断言の限りではございませんが、連絡をとった上提案をしておるということでございますので、御了承をいただきたいと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 それから今の租税特別措置によりますと、商社の方は非常にいいのですが、メーカーの方に——これは輸出する以上、作るのはメーカーですが、メーカーの方にはあまり関係がなくなってくるのです。ただし大きな企業ですと、一方にメーカーがあり、同時に商社もあるというようなことで非常に潤いがあるのです。ところが小さなメーカーは貿易商社を持っていないから、輸出製品を作ってもメーカーの方に潤いがない。これはどういうふうにお考えになりますか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 これは先ほど申しましたように、現行は逆でございまして、メーカーの方は取引基準による金額と、それから所得基準による金額とでは、所得基準による金額の方が大きいわけでございます。それで取引基準で頭を打っているわけでございまして、従いまして所得基準一本にするということは、主としてフェーバーはメーカーの方に及ぶわけでございます。ただその場合に、そんなら商社は不利ではないかということは、この改正ではそう考えるかもしれませんが、基本的に考えて限度というものを計算する立場に立てば、やはり所得基準は同じ率でございますから、その方がかえって公平とも言えるわけだ、こう申し上げているわけでございます。また限度の考え方について、取引基準というものはいかがなものであろうか、こういうことでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今いろいろ伺いましたが、三十五条の問題で英国との交渉がうまくいけば非常にいいと思います。それから同時に関係省との了解のもとにおやりになっているとすれば、あるいはうまくいくかもしれませんが、これがあまりいい結果にならないときは将来問題になると思いますので、その点申し上げておきます。  それから、実は今の基準を所得にするか、取引高にするかという問題でございますが、その点では、私はメーカーの方には今の御説明では潤ってこないような感じがいたしますので、その点申し上げまして、私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 先ほどからいろいろ山林の租税特別措置の今度の取り扱いについていろいろ議論がありましたので、大体私もお尋ねいたしたい点はほとんど尽くされたようでありますが、なおはっきりいたしませんし、この機会にやはり山林の問題について少し意見を申し上げて、それについて承っておいた方がいい、こう判断しますから、最初に林野庁の長官に根本的な問題を一つ伺いたいと思います。  長官初め村山さんの御意見を聞いておりましても、もちろんこれ一つが木材価格安定の方策ではないということを述べられておりますが、しかしそれでは一体他に何をしているのかということを反論をしたいわけなんです。もちろん造林の計画を進めておりまするし、林道その他についてもいろいろやっております、こういうありきたりの答弁しか得られないと思いますが、問題は、なぜ今日のような原木高、場合によると製品安、そして全体としての価格が高騰しており、さらには、需給のアンバランスが生まれたかという根本的な問題に触れて、もう少しメスを入れなければならぬと思うのです。そこで、要するに需給のバランスがくずれたことと原木がどんどん値上がりすることは、簡単に言えば、先ほども言われておりましたが、全体の約九六%のものは十ヘクタール以下の面積しか所有しておらない。そういう実態の中にこれらの山林の需給も価格も、要するに巨大なそういう山林地主の思惑によって動かされておるということです。言いかえてみれば最近もそうでしょう。少し木材の価格が下がってきておりますね。どういう現象が現われているかというと、もう山を切らない。だから切る切らぬということについての主導権は、これらのわずか四%のほとんどのものを握っておる山林地主の手にあるということです。その人たちが善意を持って、公共性に富んだ考え方で、木材需給のアンバランスをこの際何とかしよう、あるいは価格については高騰させてはいかぬという、そういう私利を離れた考え方に立ってくれさえすれば事はそうむずかしくないのです。そのことをどうしてやらせるかということの手段です。そこで私の個人的な考え方というのは、山をあたかも骨董品のごとくながめているようなそういう人々に対して何らかの、ある場合には強制的な手も打たなければこれはどうにもならぬことです。それだけではありません。山だけをながめておって木材需要の問題が解決するかというとそうでない。そのもとで働くいわゆる労働者の問題がある。山を切らなければ労働事情は悪化いたします。半失業の状態になる。その人たちが山ではあかんからというので、現在農村と同じようにどんどん山の仕事から離れていくという傾向が多いでしょう。従って人が少なくなるから労賃が上がる、これも大きな要因をなしておる。それはなぜか、それは山林という仕事自体が安定しない現況が今日あるからです。そういう一体的な考え方でものを考えないで、ただ出したものについて半分ばかり税金を負けてやるからなんということでは、これはとうてい片のつく問題ではないのです。だから一つの問題は、今の森林法をひもといても、森林法自体が、要するに山林保護、言いかえてみると造林は進めなければならぬ、治山治水の建前をくずしてはならぬ、そういうことに一貫をされておるが、私は前にもそういうことを申し上げたが、一体調整をするという機能はどこにもない。適正伐期齢に達しているものについてどうするかということについては何ら触れられておらない。いろいろ聞くところによりますとむずかしい憲法論等もあって、法律的にどうだこうだということを絶えず議論として蒸し返されておるようでありますけれども、私はそういう場合に憲法を持ち出すものじゃないと思う。可能な方法がある。だからあなたの前任者の長官は、私に、次期通常国会においては森林法等の改正をもあわせ考慮いたしますということを答弁しておるのですが、はたしてどの程度そういう調整機能についての考慮を法律上行なっておるかということをまず第一点に伺いたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答え申し上げます。この緊急対策以外にこういった事情を恒久的に整えていく方法について、森林法の改正等に措置を講ずる準備をしているかどうかということに相なるかと存ずるのでありますが、私どもこの緊急対策におきましては、先ほど来申し上げましたような措置を総合的に講じまして、この過剰な過熱を押えて参りたい、需給のアンバラを調整して参りたいと考えておるのでございますが、一方、御指摘のように現行の森林法におきましては、この山林の保護あるいは国土の保全、生産の保続というようなことが大きく通っておりまして、この点は御指摘の通りでございます。今後もやはりこの点は非常に大切なことだとは存じております。ただそれぞれの山林の所有者の経営の問題につきまして、私どもはやはりこの森林法の改正をいたします中で、法律事項になりますことは、法律を改正いたしまして、その他につきましては山林所有者それぞれの人々に十分自覚をしてもらいまして、この山林の経営を計画的に進めてもらえるような方向に持って参りたいということで検討をいたしておる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 具体的なことに触れられてないのでありますが、ずばり私は聞いておきたいのです。森林法には、国としては森林の実施計画を立てて、それから個人が森林を伐採する場合には、それぞれ所要の条件を付して、これを都道府県知事の許可を得る、こういうことになっておるわけなんですが、それだけを概括的に考えてみれば、森林保護の目的は、かなり法律上は達しておると私は思う。あとは造林あるいは林道等の開さくについて国がいかほど熱意を持って予算をつけ、それを奨励したかという実行上の問題にかかってくる。ところが今問題になっておる適正伐期齢の蓄材林をどういうふうにスムーズに市場に搬出をさせ、価格安定の用に立たせるかという問題は、現行の森林法では私は不十分だと思う。そこで問題は適正伐期齢に達しておる木を——先ほど広瀬委員が触れられておりましたが、極端に言えば、もう相当もうけて、何も今ここで木を切らなくたって、高い税金を取られるからやめておこう、そう言って引っ込む人々には、森林法から見て治山治水、さらに木材需給の安定ということには役立っておらぬ。言いかえてみると、逆に適正伐期齢に達しておる木については所要の計画を添えて計画的にそれを伐採しなければならぬという方向が一体どこにあるのか。だから、適正伐期について法律上もしくは行政上、そういう強制措置を行なうことが、一体法律上憲法上、あなた方の見解はどうか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 確かに現行法におきましては、御指摘の通りそういった強制をする規定はないのでございます。ただ私どもも、その点はただいま森林法の検討をしております過程で、非常に重視をして検討をしておるところでございます。御指摘のように強制をするという点については、まだ私ども十分な結論を持っておりませんが、私どもの現在の考え方といたしましては、やはりこの計画を立てて計画的に山林を経営するということが山林所有者自体にも非常に利益になるのだ、これがその山林については有利なんだということをほんとうに自覚をしてもらうということが私どもの努力でやられなければならぬのじゃないか、そういう考え方を今のところでは持っておるのでございます。従いまして、そういうことが実現できるような方策を考えて参りたいというように考えて検討をしておるところでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、さっき言いました一つの、木材需給の大きな要因をなしておる労働者の問題もその中に包含されてくるわけです。というのは、伐採計画その他については、これは国有林は別として、特に保安林以外の民有林については、要するにそういった人々の経営的な考え方のみによってどこまで切るか、どこまで皆伐をやるか、どこまで間伐をやるかという、こういう計画がその人々の個人的な考え方によってきまる。だから最近の山林の一つのあれというものが奥地の方にどんどん向かっていく状況においては、奥地の労働者を確保するということが現実に行なわれなければ伐採ということはスムーズにいかない。それを求めようとすれば、先ほど言ったようにどんどん労賃を引き上げていかなければならぬ。しかもその労賃すらなかなか上げないものだから、そこで離村という問題が起きる。それを恒常的に非常に安定した賃金と安定した労働力を確保してやっていくためには、その計画が比較的一般にわからなくちゃならぬ、そこに計画性が必要だということがここで言えてくるわけです。ところが現在のところ、そこには何らのあれがないわけですね。そういう計画をやらせるためには、その前提として、いわゆる適齢伐期以上のものについてはいつとういうような輪番の形でやっていくかということをかなり明示をしておく必要がある。そのための前提として、切らなければそれは切らせるのだという何らかの強制力がなければならぬということを申し上げておる。その方法は今検討されておるようですから、深くは言いません。  そこで、私は一つ伺いたいのですけれども、求めた私の資料の中で、民有林の総蓄積量は約九億五千万立方メートル、こういうことになっておるわけですが、その中で今申した適齢伐期になっておる蓄積量というものはどの程度の比率を占めておるか、これを一つ伺いたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 そのあとに書いておきましたのでございますが、既開発林におきましては二億六千万立方メートルでございます。それから増伐の林道開設によって伐採可能になります適伐以上の立木は三百五十万立方メートルになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 私が疑問に思うのは、大体山林の蓄積量などというものはあなた方の統計による以外に何ものもないのでありますけれども、どうも常識的に考えて、第二項に言われている新しく伐採可能、いわゆる林道その他の完成によって伐採可能となる面積がわずか三百五十万立方メートルというようなことは、常識的にその程度しかないのかどうか、ちょっと私は疑いをはさまざるを得ないので、その点御質問しているわけです。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 この増伐林道開設というのは、先ほど申し上げました百十七キロの増伐林道開設によって、この増伐に加えられてくると考えられる蓄積が三百五十万立方メートルでございまして、未開発林分全体の蓄積ではございません。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ないのですわ。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 はい。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 それはどのくらいですか。増伐のみならず蓄積量全体で。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 全体の蓄積量は九億五千万立方メートルでございます。そのうちで既開発林、林道のついているところの適伐以上の蓄積が二億六千万立方メートル、それから今回の措置により伐採可能になる適伐以上の立木蓄積が三百五十万立方メートルでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 今お述べになりましたように、私は、第二の未開発の奥地における伐採量ということについては、いささか長官のお答えは疑問に思います。私も的確な資料は持っておりません。しかしながら常識的に考えて、少し少ないのではないか、こういうふうに考えております。大体こういうことも一般に言われておるのです。木をほんとうに出させるということなら森林の再調査をやれば一番よろしい。ということは、現在の統計による森林面積あるいはそれに基づいて立案をした蓄積量その他の調査というものは、現状に比較して過小ではないかということが一般的に言われている。だから、われわれが奥地へ参って相当の林を見て、それが搬出困難ということで手がついておらない、そういうことを見た場合に、現在搬出可能な地域における適伐量以外の量よりはあるいは大きいのではないかというような印象すら受けておる。従って、そういう点についての調査もこういう機会に的確にやられる必要があるのじゃないか。このことは資料の点でいささか疑問に思いますのでお尋ねをしたわけでありまするが、今申しましたように、これらの蓄材量をどうしてスムーズに出させるかということは、何としても適齢伐期にあるものを温存していくということに対してもう少し立ち入った施策をやらなければ、とうていこれはだめだ。  そこで、時間もありませんので、今度の措置でありますが、先ほどからるる言われておりまするように、これによって今まで切らなかった山が切られるなどというようなことは、私はどうしても考えられない。おそらく木材の実際の伐採量、それによる所得金額と、それから今回の措置によって増伐分に対する半額というこの税額を比較してみても、今申し上げましたように、かなり大きな山林面積を有している人々が主導権をにぎっているのですから、その人々の実際の自分たちの富から見て、その程度のものによって木を出したり出さなかったりするというようなことは、気分的にはあるかもしれないけれども、まず実際的には非常に少ないのじゃないか。だから実質的な問題としては、このような措置では私は木材がスムーズに出ていくとは決して思わない。とするならば、今まで五分五乗でかなり減税をしているこの木材というものに、さしたる効果もないのに、一体なぜこんなことをあえてやるのか、なぜこういう措置をやらなければならぬのか非常に疑問に思うわけです。先ほども主税局長が説明をされておりましたが、私もここに計算の資料を持っておりますが、どんなに考えても、現行税制の上ですでに、特別措置をとらずとも、事業所得に比較し、あるいは給与所得に比較して、はるかに山林所得というものは厚遇されている。その理由は山というものは長くかかるからであるという。なぜ五分五乗を採用しているのか、なぜこういうふうな他の事業所得それから勤労所得に比較して大幅な軽減措置をとっているのかといえば、それは長年月かかるからだという説明が繰り返されておるわけです。それだけではどうも現状の山というものについて納得がいかない。今例をあげてみれば、五十万円の所得に対して、給与所得であれば九千三百八十五円とられる。事業所得であれば一万二千八百七十円とられる。山林所得では四千八百九十円にしかならない。百万円にしましても、給与所得は八万五千四百四十円の税金をとられる。事業所得は九万六千五十三円、それが山林所得になりますと、半額以下になって、四万六千七百七十七円というのが山林所得の税額である。すなわち、現行法において半額以下の厚遇をしておきながら、さらにまた増伐分に対する減税措置ということは、この点についての決定的な効果があれば、それは一つの手段だとは言えましょうが、決定的な効果を持たない段階でこういう措置をとるということは、いたずらなる保護政策ではないかというそしりを私は免れないと思うのです。その点について村山さんからもう一度お答えを聞いておきたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 今のお話のうち、現行の山林所得の通常の課税方式の五分五葉というのは、これが特別措置であるか、あるいは普通その山林所得にふさわしい税制であるかという点が第一点だろうと思うわけでございますが、その点につきましては、大づかみに申しますと、これは特別措置ではないという考えを持っておるわけでございます。現在の所得税は累進課税でございまして、最高七十にまで及んでおります。地方税を含めますと大体七十のさらに二八%がその上に上積みになるわけでございます。そういうものは毎年毎年繰り返し収入のある所得を対象にしての累進税率として考えられているわけでございまして、何十年に一回たまたま出てくる所得については、明らかにその累進税率は行き過ぎであるということは言えるだろうと思うのです。ただその調整方法として五分五乗という方法がいいのであるかどうかという問題については、もっと適当の方法があるかないか、こういう問題はあると思います。あるいは輪伐経営者とそうでないものに同じ五分五乗方式をとることがどうであろうか。この疑問はあるかと思いますが、これは全体が特別措置であるというふうに考えていないわけでありまして、この問題は恒久税法の建前として別途検討を進めるべきであろう、こう考えておるわけであります。従いまして、問題はそれは系列として今後検討を進める。  それから、今度とりました措置はおっしゃるようにどれだけ効果があるかという点は、実はわれわれもこれのみで増伐が期待できるわけではございませんで、特に木材価格が値上がり傾向に向かうか、あるいは値下がり傾向に向かうか、これが決定的だと思うわけでございますが、総合施策そのものが木材価格を安定させるという目的でやっておるわけでございますので、初めから木材価格は上がるものと前提して、いや効果がないだろうと考えることは、いわば自殺行為にひとしいわけでございまして、少なくともわれわれは価格は大体横ばいの状況だとした場合に、そのメリットがどれくらいか、政策効果がどれくらいであるか。それからそれに対して恩典として不当に大きいものであるかどうか、こういう点で判断せざるを得ないと思うわけでございます。  その点で申しますと、先ほど林野庁の資料でもありますように、来年度の民有林の全体の伐採計画は四千八百万立米でございまして、そのうち今度の計画による計画増の部分は百五十万立米でございます。従いまして全体に対しまして約〇・五%くらいになりますか、それくらいの計画増を見込んでおるようでございます。それに対しましてこちらの租税特別措置の内容は、増伐分に対して平均実効税率の二分の一にするという程度の恩典でございます。そのメリットはお手元に配りました資料によって見ましても、一町歩の人が二割増——従来一町歩切っておった者が一町二反歩を切る、八巨石から九百六十石を切るという場合でございますと、税額におきまして八万五千円納める者が、今度は六万一千円になりまして二万四千円、割合で二八%くらいの軽減になります。もし五割増、一町五反歩切りまして、石数でいいますと千二百石切るといたしますと、十三万二千円の税額であったものが八万七千円でございまして、四万五千円くらいの軽減になります。軽減割合で言うと三割四分くらいになります。この程度でございます。いずれもそれは増伐分に対する実効税率の二分の一でございますので、この程度のメリットでやりますと、やはりかなりいくのじゃなかろうか。しかしもとよりこれのみでいくわけじゃありませんし、全体の計画がうまくいった場合、それをさらに円滑にする上での潤滑油程度くらいのものであろうというのがわれわれの見ておるところでございますが、程度としてこの程度はそう不当に大きな特典とも考えないわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 今、五分三乗の問題も触れられましたが、これには致命的な欠陥のあることも今まで指摘されておりますので、あらためて繰り返しはいたしませんけれども、ただ五分五葉が特別措置でなくて、これは所得税を計算する場合、毎年々々同じような収入があって、それに課税するものと、十年に一ぺんあるいは三十年に一ぺんという場合のあれとは違うという意味において一つの計算方法だ、こういう説明をされておるのですが、それは必ずしも私はにわかに賛成することができない。なぜかといえば最近の山林の中には、全部がそうではないけれども、いわゆる売買によってそれぞれの所有主が変わっておるわけです。そうするならば、もちろんその売買の際にそういった従来投じた資本というものが加算されることはあっても、しかしながら一つの商品化されている場合がある、だからそれを切り出すということは、先祖代々ずっと持っておる持ち山であります場合にも、今、局長が説明されたようなことはあるいはあったのかもしれませんけれども、しかしそれは一つの商品として売買され、他によってそれが製品化されていくというような場合に、これがはたして出てはまるかどうか、こういう疑問が私は出てくると思います。最近山が非常に暴騰するという一因も、次から次へと転売され、それが製品化されていくという過程の中に、木材自体というか、その山自体の価格というものが不当に上がってくる例が多いわけです。そういう意味においても、五分五乗が常にコンスタントにすべてのものに適用してよろしいということにはならぬ。これらの点についてはどういうふうにお考えですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 おっしゃる通りだと思います。山林所得の軽減は、先ほども申しましたようにかなり長期に持つということを前提にしておりますので、山林経営者というものの所得を典型的には考えているわけでございまして、ブローカーの所得を考えておるわけではございません。税法では、現在、山林所得は、当該伐木したものについて一年以上経営しなくてはいかぬ、こういう制限は置いてございます。その一年というのは今のような状況、ブローカーの介在を考えない、普通の状況を考えた過去の立法でございますから、さようになっておりますが、実際は税法は一年でございますが、目ざすところは本来長いこと育ててやったものだということでございます。ただ、どこの山林に対する課税がどういう方法がいいかということをきのうも申しましたが、各国の立法例を全部調べておりますが、なかなかむずかしいようでございまして、たとえばアメリカはキャピタル・ゲインとしまして、納税者のための選択で分離二五%の課税というやり方だけで見たり、それから英国でございますと、これは台帳課税でございまして、所有者については素地について課税する。それは賃貸価格に対して課税しておるわけですが、その立木部分についてはスケジュールBで課税しまして、その賃貸価格を三分の一にして課税しておる。税率はいずれも総合いたしまして三八・七五という普通税率で課税するわけですが、課税標準はそのようにして計算する。フランスも大体同じ方式でございます。ドイツはきのう申しましたように五分五乗という方法ではなくて、臨時に増伐した——基準伐採量というものを置きまして、それに対して割増しがあったら、その分は平均実効税率の二分の一に軽減するとか、あるいは過去三年間非常に不足しておって、埋め合わせのためにふやした場合には、それについてはある程度軽減税率を設けるとか、あるいは災害があったために増伐したような部分についてはまけるとか、どうも各国もなかなか技術的ないい方法が見つからないで、いろいろ苦心しているようでございますが、そういう意味では五分五乗というものが絶対的であるとは考えないわけでございます。実際の負担力に常識的に考えてみて妥当する方法というのはどこにあるかという点を、各国の立法例等も参考にしながらさらに勉強して参りたい、かように考えておるわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 そこで、その各国の例ということでありますが、前に政府の部内でも一応検討されたと聞いておりますが、立木課税の方法はその後どういうことになっておりますか。この点は前に私一度申し上げたことがあると思うのですが、今度のような増伐に対して税金をまけるということよりは、むしろ温存した場合には税法上損をしますぞよ、こういうことの方が直接的ではないかという印象は免れないのです。同時に、今固定資産税その他でまずかからざるものはないと言っていいでしょう。およそそれぞれ資産らしきもの、物件価値を持っているもので、それに対しては課税をされないなんというものは、一般庶民の生活に至って少ないと私は思う。ところが、山に関する限りはその固定資産とは一体何ぞや、山の価値というものは何ぞや、こう考えてみたときに、山とは木がなくても土が盛り上がっておればそれは山なんです。それは財産として、物件として価値があるのか、極端に言うと、現行の税法上ではそういうことになるんじゃないでしょうか。常識的にだれが考えても、山の価値というものは木が生えておって、その木が搬出をされ、製品化されて売買されるところに山の価値があるのであって、山と木というものは、およそこれは分離できないはずなんです。しかし現在において立木については何ら物件価値を認めておらぬということですね。逆にいえば、いわゆる財産的な価値を認めておらぬということです。非常に不合理ではないかと私ども税のしろうとから考えてそういう印象が深いのですけれども、この点については根本的にどう考えられておりますか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 二つ問題を提起されたのでございますが、最初の立木課税の問題について申し上げます。実は世上現在の木材取引税にかえて立木課税、伐期以上の林齢に達したものに対して、一定の税率によって立木税を課税したらどうかというような問題がございます。これは今の木材取引税が地方税である関係上、自治省の方から政府の税制調査会にそれを問題として提起しまして、一体税制上いかように考えるべきかという議論を出したわけでございます。そのときに、税制調査会の方では、二つ問題点がある。一つは、かりに立木税を課税したいというその立法理由、立法理由と申しますか、そういうものが起きたときに、それは税体系の上では何と考えるのか、一種の財産税と考えるのかどうか。これは第二点と関連いたしますが、固定資産でないことは明らかであろう。つまり普通の会社でございますると、普通はたなおろし資産ないしはそれに準ずるものとしてみんな扱っておるのであります。ですから、固定資産でないことはこれは確かなんです。これは一体臨時的な立法になるのか、政策立法になるのかという点が一つ。第二点は、技術上の問題としまして、先ほど言ったように、伐期以上のものといたしましても、先ほど林野庁長官のお話にもございましたように、伐期以上は全体でもって九億何千万石ございます。そのうち現在伐採可能なものは二億六千かなら二億六千万といたしますと、その残りの七億というものまで一体課税するのかしないのか。それからまた、しないとすれば、一体技術上どんなふうにそこをより分けるのか、あるいは伐期以上になっても、たとえば建築用材料に用いられないで、紙とかパルプとかに使われるものについては、一体どういうことになるのか、その辺の課税技術がかなり問題である。ですから、問題としては租税制度としていかに理解すべきか、どうも落ちつきが悪い。はっきり申しますと落ちつきが悪い税制であるということと、それから課税技術上非常なむずかしい問題を含んでいる、この二点がありまして、なお政府において考究すべきであろうというようなことが言われたわけであります。御披露申し上げておきます。  それから第二点の、今の山について一体立木を離れて山の価値があるかどうかという問題であります。もとよりその立木のために山を持っているんだろうと思いますが、これは固定資産にはならないということは、先ほど申し上げましたが、ただその山の価額を評価するときに、収益還元法で還元しますと、今の立木を含めて評価してしまうわけでございます。こういう評価の方法と、そうでなくて、それぞれ立木と素地を離して評価する方法と両方あるだろうと思います。現行の固定資産税はもとより立木は対象になっておりませんので、素地だけを計算しております。その素地の評価の方法は収益還元法にはよっておりません。大体付近のいろいろな原野とか田畑とか、そういうものの取引価額を基準にする評価がございますが、それに比率してきめるという取引価額方式になっております。なお、固定資産税の評価全体の問題につきましては、固定資産評価制度調査会というのがございまして、ことし、たしか春に答申が出まして、三十九年度を目して全面的に評価の評価がえをやりまして、評価上のバランスをとるということになっております。ですからそのときに、一体どのくらいの具体的な水準になってくるかということはあるかと思いますが、今度の調査会でも、たしか収益還元法による評価方式は、これはついに採用にならなかったわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 私の疑問とするところはそこらあたりなんです。なお実態から推して、明らかにそれが資産として譲渡され、資産として継承されているものが、実際の税法上のあれとしては資産的な取り扱いを受けないで、今局長が説明された通り、いわゆる固定資産税の上においては収益還元法すら採用されない、原野と同じような取り扱いによって立木を完全に切り離されておる。こういう取り扱いだから、山というものは幾ら持っておっても損にはならぬ。むしろ切った場合にその税金が、現在まけられてはおるけれども、一時に大量にきて、それを伐採することは非常に累進課税の面において不利な取り扱いを受けるから、いかに需給のバランスがくずれてもちょびちょびしか切らないのだ。そうしてうちにはあの山がある、この山があるということで、適齢伐期どころか何百年の樹齢というのを、ただながめておるというような山が最近ふえておるわけなんです。これが、私は大きな問題だと思う。固定資産ではないという法律論は、それは私にも一応わかりますけれども、しかしながら厳密に言って固定資産の中に入らぬというけれども、実態から推して、しかしそれらしき半分の要素は私は持っておると思う。頭から、立木というものをくっつけた山というのは、これは固定資産じゃないのだということは、今実際の、実在しておるものの判定から言うなれば、やや法律論に片寄り過ぎているきらいがあると私は思う。そういうところに問題の解決されない根本原因があるということを言っておるのです。  それからいま一点、後段に言われた徴税上の技術ということなんですが、これは私は長官にも一ぺん伺っておきたいのでありますが、山をにらむということは昔からの慣習です。もちろんそれは寸毫も違わない、一山について一木も木に相違がなかったなんという山の見方はないので、それはむずかしいと思うけれども、しかし大よそ、山をにらんだら山がわかるというのが従来の山の慣習です。稲作を、供出させるについて検見をやる。しかしそれがほとんど寸毫も違わない。一本々々稲をさわってやるわけじゃないでしょう。しかしそれでもおよそ狂わない判定が行なわれている。山の売買だってそうです。熟練した者になれば、そのにらんだ山の立木の数というもの、石数というものは、ほとんど九割九分は違わないというのが一般なんです。そのことを前提に置いて考えれば、この山の木が一体樹齢何ぼであるとか、この山のうち、たとえばどういう種類の木がはたしてどのくらいの石数があるのか、概括的に判定がつかぬなどということは、私はそれは一つの逃げ口上だと思う。真剣に認否をやり、真剣にそれに対して何とかしなければいかぬという頭でもってやれば、私は徴税技術上の問題ではないと思う。不可能ですか、可能ですか、これは一ぺん林野庁長官に私は伺っておきたい。不可能なことをやれというわけにはいかない。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 その点でございますが、もちろん仰せのような熟練者になりますとさようなことがいえるかと思います。しかしさような熟練をいたしますのには、おそらく何十年という経験——何十年と言うと言い過ぎかもしれませんが、少なくとも十年や十五年は経験を経た者でなければ、なかなかその域には達せないと思うのでございます。一例を申しますが、国有林の調査あたりにいたしましても、これも毎木調査で計算をいたしておるのでございます。非常に広い面積にいたしましても、毎木で当たってみなければならないというような規定もございますし、私どももやはりそういうことでやっていかなければならないというように考えておるのでございます。従いまして、仰せのような人もいることはいるのですが、なかなかそういう人は多くもございませんし、むずかしいことではないかというように考えておるのでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 そういうシステムを作れば、山に対してその程度の見方のできる人の養成は私は可能だと思う。やらぬからそれはないのである。だれも、市井の人々の中で初めからそういう訓練を受けて習熟したわけではない。ただ経験を経てその程度の見方ができる。それを計画的にやるということを前提にして、それぞれそういう徴収の公務員なり、あるいは林野庁においてそういう実態調査に熟練する者を養成しようと思えば可能だ。問題は突っ込んだそういう調査をあまり今日までやらない、また関心もあまり持っておらぬというところから、現在においては自信がないから、やはり自信のないことはやめておこうじゃないかというような現状から出しておると私は思う。従ってこの点は不可能な問題である、だから立木管理の問題でも技術的な面からこれは行なえぬという結論を出すなら、われわれは大いに異論があります。また前段にあった、これは単に固定資産ではありません、従って、その中に含めるような財産税的な取り扱いというものは不可能ですということにも異論がある。今検討されているということでありますから、せめてある程度人間の感情の気分の上に立って出していただくようにするためにはどうした方が適切であるのか、またどうした方が税法上において公平であるのか、こういうことを考えたならば、むやみやたらにほったらかしにしておるそういう必要な林材について、これに直接手を差し伸べるということ、直接的な方法でもってやるということ以外にはないのだということを一つ記憶をしていただきたいと思います。  時間がございませんので、最後に一点承っておきたいのは、来年度、三十七年度の計画によっても相当量輸入に依存をいたしておりますが、これも触れられた問題ではありますけれども、ともかく最近の港における外材の積載量というものは異常なものがあります。一般の物資の搬入、搬出にも差しつかえるという状況が相当に生まれている。ただ今までのようなやり方でもってどこでもいい、輸入をすればいいというのではなくて、まだ開放しておらない港も相当あるようでありますが、もっと計画的にそういった港も活用し、一般の商港とのかね合いにおいても考慮すべき点がたくさんある。これは林野庁だけの問題ではないと思うので、各省もっと緊密な連携をとって、一時にたくさん輸入するために他の物資の陸揚げに困るというようなことのないように計画的に進めていただきたい。このことを特に林野庁にも要望いたしておきたいと思うのでありますが、今後の輸入についてはどの程度解決策を考えられておるか、いま一度承っておきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 輸入の問題でございますが、仰せのように輸入は数量だけを計画をいたしましても、港湾等の問題によりましてなかなか思うように参りませんことは事実でございます。従いまして、港湾の関係の運輸省あるいは農林省内におきまして、振興局等と港湾の問題を解決すべく協力方を依頼をいたしまして鋭意折衝いたしております。将来におきまして、仰せのように港湾におきましても、私ども今考えておりますところでも二十港余りも木材港に指定できるような見込みのところがあるのではないかというように考えておりますが、こういった面の措置あるいは現在の指定港の設備の拡充等につきましても、さらに一そうの関係方面との連絡を緊密にいたしまして努力をして参りたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 最後に一点。これはまた私、別の機会に労働省等との関係においてもお尋ねをいたしておきたい問題でありますが、先ほど申しましたように、木材がスムーズに切られ、比較的安定した賃金のもとに森林経営が行なわれるということには、やはり労働者の賃金その他の雇用条件の安定ということが前提でなければならない。ところが現在他の労働者に比較をして労働問題が非常に不安定であります。  その一つは、まず賃金の確定が行なわれておらぬ。御承知のように、民有林においての伐採賃金というものは、主として請負制においてやっておる。請負制によるということは、労働法上いわゆる常時適確な賃金が定められておらないというところから、労働者に対する保護政策がほとんど皆無であります。たとえば失業保険はどうか、労災保険は最近現地による仮賃金の設定によって労災保険が適用されておる地域が若干ふえております。しかしこれは国の努力によって行なわれておるものではない。これはそれぞれ労使の間において努力した結果がようやく労災保険のみが適用されておるような段階である。その他の社会保障というものは、これらの山林に所属する労働者にはほとんどないということ。これが先刻からたびたび申します離村の原因になっておる。そして数が少ない熟練した労働者が少なくなりますから、勢い賃金を引き上げなければならない、こういう悪循環がある。そこでこれを解決する一つの手段としては、今最低賃金法がやかましくいわれておりますが、やはり適正賃金を国が指導するという建前において、労使の間に適正賃金を結ばせる、それを前提にして失業保険あるいは労災保険等の社会保障を行なうことによって、山林に働いておっても、他の工場に働いておると同じように生活の安定が期し得られる、こういう労働者に対する安堵感を与える必要が今差し迫った問題としてある。それらの点について、これは直接林野庁の所管かどうかその辺のところは私もわかりませんが、しかし山に関する限り、経営の問題とこれは切り離せない問題である。だから関係省との間においても十分指導行政を行なう必要があると思いますが、何かそういう点について考えるところがないかどうか、承っておきたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 林業労働の問題につきましては、御承知のように基本問題の答申でも指摘を受けておる次第でございます。ただ林業関係の事業というものがほとんど季節的に行なわれている。造林にいたしましても伐採にいたしましても、季節的な作業が大部分であるということから、ほかの事業と非常に違う面がありまして、私どもも勉強はいたしておりますが、なかなかむずかしい問題があるのでございます。仰せのように林業労働者が安定した雇用条件の中で落ちついて働けるということでなければ、この林業の成果と申しますか、発展もはかられないということはその通りだと思います。従って、この点につきましては、諸外国の例も非常に不十分な資料しかございませんので、そういう点もやはり研究をして参らなければならぬと考えておる次第でございます。  先ほど御指摘の保険の問題でございますが、失業保険におきましては、ことしは北海道で実験的に実施をいたしております。これの成果を見まして、全国的に及ぼすかどうかということになるかと思うのでございますが、私どもといたしましては、こういった点につきましては、どうか一つ全国に適用できるように努力をいたしたいというように考えておる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 その点、私は林野庁がなまけておるということは申しませんけれども、たとえば漁業者の場合、もちろん原則として今お話の失業保険の例を一つ取り上げてみても、これはだんだんなくする方向にはいっておりますけれども、漁業者が漁業という一つの職業を持っておるけれども、季節的に漁業があぶれる場合が多いということを前提にして失業保険を継続している例が相当数あるわけです。それと、そういった山林労働者を比較してみた場合に、山林労働者もある意味においては季節労働者かもしれない。そうして切れる、切れるが、じゃ一体何によって生活をするか。それが先ほど私が申しましたような計画的な輪番制の伐採計画がその地方において行なわれておるなら心配はない、ところが切れる、流れる、また流れていってあぶれる。それが結局だんだん都会地に流出してしまうというか行ってしまう、これが大きな原因になっておるわけです。だから、漁業者にそういうことが行なわれるならば、当然山林労働者といったような事業の形態として、根本的に改めることのできない、しかも絶えず潜在失業がその反面にあるというような場合には、失業保険の特例を認めてもいいじゃないか、そういうことの積極的な指導が今まで足りないんだということを私は申し上げておるわけであります。  それからもう一つは貧血であります。今、労災保険の適用はおそらく北海道における例もそうでありましょう、協定賃金を設けたでありましょう。その場合の協定賃金が問題です。私の知っておる実例から言いますると、大体最近の山林の熟練労働者の賃金というものは千二、三百円から千五、六百円です。ところが協定賃金の四百円——これは一例でありますが、四百円ぐらいの協定賃金によって行なわれておる。ですから他に比較して恩恵が少ないといううらみがあって、これらの問題は労使の間の話だけですからなかなか解決がつかない。言いかえてみると、森林組合といいまするかあるいは森林事業者の組合、個々の労働者との間のいわば対等ならざる協定のもとにおいて行なわれておる一つの賃金協定ですから、どうしても現状から見て不当に低い。ですからあまり恩恵を受けない、こういう点について適正な賃金の指導ということを、私は行政庁においてもできるはずだと思うのです。そういったメスの入れ方が不十分だと言うのです。端的に言って林野行政は国有林が中心である、民有林に対してはどっちかというとあまり手がつけられていない、そういうきらいがあるということを私はこの際特に強調しておきたいと思います。しかし、幸い北海道においてそういう事例ができましたならば、どんどんそれを全国に及ぼして、そしていい雇用条件のもとに比較的安定した賃金状態を設け、その上に山林経営というものが成り立てば少なくとも現在のような不安定な状況じゃないと思うのです。十分留意していただきたいと思います。  他に関連の質問があるようでありますので、私は労働問題についてはまた別の機会に資料も出しまして詳しくお尋ねをいたしたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 関連して。林野庁に一つだけお伺いいたします。  非常に木材が値上がりして租税特別措置法まで出そうというようなところにきているわけですが、民有林、国有林を問わず伐採量をふやしていくということに非常に大きな隘路になっている点がある。今辻原君が最後に触れられたように、山林労働者の絶対的な不足ということと、低賃金の問題あるいは社会保障の面でほとんど忘れ去られたような状態になっているという点が一つ重大なボットル・ネックになっているのじゃないかと思うのです。特に私はこの間国有林の第一線を預かっておるある営林署長さんに会ったのですが、私ども幾ら切れ切れと言われてもお手あげの状態だ、こう言っている。なぜかというと、それは労働者がどうにも集まりません、このことを強く言われました。これは林野庁においても、あるいは国全体の責任においても、もっとそういう山林労働者というものに適正な賃金を与え、社会保障をやるというようなことを本格的にやってもらわぬと、幾ら税金をまけてもらおうと何してもらおうと、とにかく切る人がいなくなる、製材工に雇われる人もいなくなる、こういう現実だということを私言われたわけです。まさにその通りだと思うのですが、それに対する適当な施策が伴わない限り、こんな税金をちょっとまけてやろうということで増伐を期待するなんという政策は、全く税の不合理だけが表面に出て何らの政策効果というものを上げるに至らないのじゃないかということを心配しているわけですが、その点の対策を一つ最後にお聞きいたしたいと思うわけです。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 仰せのように、林業労務というものが減少をして参っているということは確かでございます。ただ現在におきましては、これがどうにもならないネックにあるとまでは考えておらないのであります。しかしながら、私どもといたしましては、現在におきましてやはりその問題はほんとうに慎重に検討をし実施をして参らなければならないというように考えておる次第でございます。  この問題は、御指摘の通り労使の問題でございます。私どもといたしまして、国有林、民有林を通じましての問題だと思いますが、この使用者側と申しますか、事業者のそういった考えに対する指導と申しますか、普及と申しますか、そういうことを徹底して参らなければならないというように考えております。それと同時に、やはり山の労務が今まで重労働と申しますか、そういう労働に大部分が置かれていた、こういう労働条件の向上という意味からも、それからそういった数の減少という意味からも機械化という問題も取り上げまして、国有林はもうすでに経験をして進めておりますが、民有林におきましても、そういった面で私ども来年度の施策というものも考えて予算の方もすでに要求をいたしておる次第でございます。これはまことにむずかしい問題でございますが、御指摘の通り、私どもといたしましては、この林業労働というものが十分に安定をしていく方向に進まなければ、この事業が成果を上げていけないということもしっかり認識をいたしまして進めて参りたいというように考えております。

小川平二自由民主党

○小川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川委員長 続いて討論に入ります。通告がありますのでこれを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行ないたいと思うわけであります。  今日、昭和三十六年度だけでも租税特別措置によって約一千五百億、地方税のはね返りを考えますならば、おそらく二千二、三百億円にはなるであろうと思われる巨額の金が、主として大企業、大法人を中心に——中山税制調査会長の話によりましても、大よそこの金額の八判は大企業に片寄った減税措置であるということがいわれておるわけでありますが、このような現実というものが今まで積もり積もって七千億近い不当な減税になっておるわけであります。このことが今日非常に問題になっております高度経済成長政策、設備投資の過熱、このような問題とも非常に深い関連があり、しかも今日、高度経済成長が大企業と中小企業の格差を解消して健全な日本の経済構造というものを打ち立てていくんだ、二重構造の解消の方向に向かうんだという政策の建前からいっても、このような一面における税制措置によって、非常に傾斜的な税制措置によって、大企業優先ということが現になお行なわれている。逐次整理はしてきたとおっしゃられますけれども、依然として毎年々々その減税額は増大の一途をたどっておるわけであります。こういうことがいよいよ今日の経済成長政策のねらいである二重構造解消に結びつかないばかりか、逆にいよいよ大きな格差を生み出すような方向に作用しているというようなことも言えることでありまして、このような面からも租税特別措置法というものに対して反対せざるを得ないわけであります。  さらに、根本的に税の問題で一番大事なことは、やはり税の公平という原則が確立されなければならないと思うのでありますが、この点で、さらにまに税法は、最も国民に強制力をもってその財産を徴収いたすわけでありますから、国民の納得を得られる、そしてわかりやすい税法というようなことが税の基本原則として要求されるわけでありますけれども、その二つとも全く、この租税特別措置法あるがゆえに、その原則というものが大きくねじ曲げられているという——税制の基本原則に照らしても非常に不合理なものであり、かつ不公平なものであるということはおおいがたいわけであります。国民が、今日税の重きに苦しみ、さらにまた不公平というものによって、納得しないままに、泣き泣き税金を納めるというような現実が大部分の国民の上にあるわけでありますが、大企業にほとんど片寄った、このような大幅な、法律による、当然徴収すべきものを減免してやるというようなやり方に対して、私どもはどうしても賛成をいたすわけに参らないわけであります。あくまで税は担税能力のあるところから取るというような原則というものは厳格に守られなければならないわけでありますが、この公平の原則を踏みにじり、さらにまた税制を非常に複雑な本のにし、難解なものにし、そうして国民が納得できない状態に追い込んでいるものは、この租税特別措置法の現実の姿であろうと思うわけであります。こういうような基本的な立場からこの法律案に反対をいたすわけでありますが、今回の改正案においても、そういった点で私どもが常に要求しております大幅な、徹底的なこの法律の改廃というものを行なうというようなことは何ら認められず、政策目的ということに名をかりて、しかもその政策目的の政策効果と申しますか、こういうものはきわめて不明確になっておるわけであります。今回の改正案は、一つには山林所得に対する特例であります。増伐分に対してさらに二分の一の軽減にするというようなことがあるわけでありますが、先ほどから質問の過程においても現われましたように、このような今日の木材の高騰というような問題が、現実にこれを何とかしなければならないという政策そのものはわかりますけれども、これはこのような形で税制にしわ寄せしていくというものではなしに、もっともっとほかの政策、たとえば山林労働者の適正なる確保というようなことによって、あるいは輸入の問題、こういうような問題を解決することによって、あるいは総合的な山林行政の強化というような形の中でこういう問題を解決すべきであって、政策の失敗——物価がどんどん高騰する、こういうようなものの失敗のしりをぬぐうのは常に税制だ、しかもその税体系をこわしながら、税の基本原則を大きくねじ曲げながらそういうことをやる。しかもその政策目的が、このように大所得がある、非常に大きな利益を得たような人にいよいよもって税金を安くしてやろう——まさに天地が逆転したようなやり方を今日やられておるわけでありますけれども、こういう方向というものは全く税の基本原則を無視したやり方である。その点は輸出所得の特別な控除あるいは輸出産業の特別償却制度の強化というようなことについても言えることでありまして、今日の輸出促進という問題は、このような税制にしお寄せをしてみたところで解決のつく問題ではないと思うのであります。輸出促進をともに達成しようとするならば、そういう大政策、目標を掲げるならば、もっと総合的な立場において日本の貿易構造の変革、特に共産圏等に対してももっともっと市場を開拓するというような努力、こういったものが当然に考えられなければならないにもかかわらず、今日の輸出が伸び悩んでいる、しかも輸入は急速なテンポをもって増大をしておるという場合に、単にこういう税制にしわ寄せしただけで輸出増強という目的が達成されると考えるならば、これはまさに本末転倒の考え方でありまして、今日までこの輸出所得に対するいろいろな優遇措置というものが足りなかったために輸出が今日不振なのではない。そうだとするならば、これを税制の面でさらにめんどうを見る方向をとってみたところで、これがどれだけ輸出振興に結びつくかということは大いに疑問であります。そのような不明確な政策目的を出して、しかも今日までも相当な優遇措置をやった上に、少しばかりの優遇措置をさらに強化していくという立場は、これはまさに山林所得の場合と同じように、大きな利益をあげているものほど税金が安くなる、こういうまことに奇妙な、世にもふしぎな形がこの税制の中に出るのでありまして、このような措置が今回の改正案の内容である以上、私どもはこのようなものに対して断固反対をいたさなければならぬわけであります。  この租税特別措置法の一部を改正する法律案に対して、与党側から附帯決議も出されるようでございますけれども、ここに書いてある文面そのものについて、私ども、とやこう申したくはありません。これがもし税制という立場を離れて、純粋に森林行政の面からこのような附帯決議を、たとえば農林水産委員会等において、森林行政の発展というような面から、そしてここにも書いてあります国土の保全や治山治水というような面からこのような附帯決議を出されるとするならば、これは大へんけっこうであろうと思いますけれども、私ども大蔵委員会としてはこの租税特別措置法に対して根本的に反対をいたさなければならない。このことは、今日の日本の貧しい階層をいよいよ貧しくし、そして富める階層しかも不労所得の階層に対して無常に減税の恩典に浴させ、しかも大企業にはその恩典がきわめて集中的に傾斜的に行なわれ、中小企業には非常に薄い、こういうような立場から租税特別措置法そのものに対して、私どもは根本的に反対をいたす立場に立って、この附帯決議にも賛成をいたしかねるわけであります。どうかこの機会に、今日の最大の問題点である高度経済成長政策の行き過ぎ、失敗、こういうようなものをほんとうに健全な日本の経済の発展、底辺のしっかりした、奇形的な経済の発展じゃなしに、ほんとうに健全な姿の中での経済の発展ということを期するためにも、このようないわば病的な一種の奇形的な租税特別措置法というものに対して根本的に大変革を行なう。そしてほとんどこの大部分を廃棄され、そしてまた真に必要と思われるものは、先ほども申し上げましたように、きわめて厳重に時期を限り、あるいは政策目的のきわめて明確な、その減税によってこれだけの政策メリットが出るのだ、こういうようなものだけに限定をして、これを提案する、独立法案として提案をする、こういうような形にしっかりとした政治というものをなすべき段階にきていると思うのであります。そのような段階に踏み切られるように強く要望いたしまして、私の反対討論にかえる次第でございます。(拍手)

小川平二自由民主党

○小川委員長 これにて討論は終局いたしました。  続いて採決に入ります。  採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川委員長 次に、本案に対しまして、田澤吉郎君外二十六名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際提出者の趣旨説明を求めます。田澤吉郎君

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 ただいま議決せられました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議について、私は自由民主党を代表いたしまして、その提案理由を説明いたします。  まず、案文を朗読いたします。    租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は森林造成の長期性に鑑み、国民生活に重大な関係を有する森林の木材供給力を増大し、国土の保全と治山治水の機能を一層強化し、増伐に伴う跡地造林の万全を期するため造林補助金の増額、低利且つ長期造林融資枠の大幅拡大を計ると共に、森林開発のための林道助成の引き上げ並びに林業の恒久対策としての林業税制の根本的改正並に林業金融制度の拡充につき速かに検討し、其の実現を計るべきである。  次にその理由をごく簡単に御説明申し上げます。  木材の価格の高騰が国民生活に与える影響はきわめて大きいのでありまして、その対策の一つとして今回の法律改正は時宜を得た措置でありますが、それとともに将来に備えて当面造林の必要性もきわめて大きいのであります。将来の供給に備えて、年間全民有林において四十万町歩以上の造林が必要であるにかかわらず、その造林量は昭和二十九年をピークとして下降し、以後伸び悩んでおるのであります。従って、増伐の跡地造林はもちろんのこと、比較的低質森林の多いわが国では一刻も早くそれらの体質改善のための拡大造林、林種転換を積極的に施策しなければならないと存ずるものであります。  しこうして、造林事業助成金は、要求に対して七〇%未満に終始し、私有林では造林意欲が非常に向上しつつあるものの、資金不足の傾向が顕著であるのであります。従って、財政投資とともに造林融資についても、強力な施策が必要と考えられます。  右のごとく、造林の伸展が遅々として進まないことは、災害または治水上にも大きな問題であり、この面からも、造林諸施策の緊急性が痛感されるのであります。  以上が附帯決議を付さんとする提案の理由でございます。何とぞよろしく御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

小川平二自由民主党

○小川委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  田澤君外二十六名提出の動議に賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 起立多数。よって、田澤君外二十六名提出の動議のごとく本案は附帯決議を付するに決しました。     —————————————

小川平二自由民主党

○小川委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は来たる二十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十六分散会

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