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39回国会衆議院1961/10/24

大蔵委員会 第9号

発言数
139
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/10/24

会議録

小川平二自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑はございませんか。――御質疑がないようですから、本案に対する質疑はこれにて終了いたします。     ―――――――――――――

小川平二自由民主党

○小川委員長 なお、引き続き討論に入るのでありますが、本案に対し討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  採決いたします。  本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。     ―――――――――――――

小川平二自由民主党

○小川委員長 次に、本案に対し武藤山治君より各派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者の趣旨説明を求めます。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を上程いたします。  案文の朗読をいたします。    会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議  一、国の行なう売買・貸借、請負その他の契約等本法の運用に当っては、各省各庁は、中小企業者の不利益にならないよう資格要件策定その他について十分に配意すべきである。  二、指名競争入札及び随意契約が拡大される傾向にあるが、これに伴なう談合や不断行為のないよう業者と担当官の関係を十分規制するよう配意すべきである。  以下、簡単に本決議案を上程する趣旨を申し上げたいと存じます。  御承知のように、従来国の契約金額を検討してみますと、約九九%が随意もしくは指名契約になっております。この傾向は、法律に定められた一般競争契約を原則とするという建前から見まするときに、非常に法の原則に違った実態が出ておるようであります。それをさらに今回の改正で実態に合うような改正が行なわれるわけでありますから、一そう指名契約、さらに随意契約が増大をすると見なければなりません。そうなった場合に、どうしても大企業と中小企業との指名や随意の率というものがアンバランスになって、中小企業が圧迫を受ける傾向が出てくるのではないかと心配されるのであります。そこで、特に指名の基準、さらに資力、信用、期日、その他の基準策定に当たっては十分中小企業も契約に入れるような配慮をしなければならない、それが官公需要を中小企業に確保する一つの方法でもあろう、こういう点から、まず決議案を上程した次第であります。  第二には、随意と指名契約というものが増大をして参りますと、担当官と業者との間のなれ合いや不正というものが起こりやすい、そういう傾向が一そう顕著になろうと思うのであります。そこで、担当官と業者との談合やあるいはなれ合いというものをできるだけ防止する配慮が必要ではなかろうか、特に歳出原因契約については、最低価格が入札者が不当な価格と思われた場合には次順位のものを入札者とする、こういう新しい規定が設けられたわけでありますから、これなども乱用のおそれのないように十分配慮をしなければならないのではないか、こういう点から本附帯決議案を上程した次第でございます。  簡単でございますが、附帯決議案に対する趣旨を御説明申し上げた次第でございます。

小川平二自由民主党

○小川委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  お諮りいたします。  武藤君提出の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、武藤君提出の動議のごとく本案は附帯決議を付するに決しました。     ―――――――――――――

小川平二自由民主党

○小川委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

小川平二自由民主党

○小川委員長 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。藤原豊次郎君。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 木材価格緊急安定策の一環としての立木の伐採を促進するための特別措置法について質問いたしますが、その前に少しお聞きしたいことがあるのです。  それはこの租税特別措置の話が出ましたのは、水田大蔵大臣が、八月十五日の閣議終了の後に山林所得の減税措置について、早ければ臨時国会には提出したいということが新聞に出ておった。これは私たちの方の租税特別措置の法律改正案が提出されましたのは十月十日でありますが、その前にすでに十月の初めごろにこの租税特別措置の問題に対して各都道府県の方へこの内示が出されたという話を承っておりますが、これは実際なのか、それともいつごろ出されたのか、それをちょっとお伺いしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答え申し上げます。  閣議決定前にはさようなことはございません。閣議決定後におきまして、府県から照会のありましたときに、かような事情であるということを説明をいたしてございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 ところが、すでに十月五日の地方紙の中にはもう出ています。私今ここに切り抜きを持ってきているのですが、それによりますと、「木材の増伐に減税、林野庁各府県に指示」としてある。それは十月五日に地方紙に出るのですから、その前に各府県の方に通知が行っているはずなんですが、いつごろお出しになったのか、それをお伺いしたい。出されなければ出されないで、新聞がどうしてこういうような取材をしたのか、それは問題です。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 お答え申し上げます。  今度の特別措置の内容につきましては、普通の例に従いまして次官会議それから閣議を通しまして、今度の決定を見るに至ったわけでございます。次官会議が十月五日にございまして、恒例によりまして、記者会見においてその概要を発表した次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 次官会議が十月五日としますと、そうすると十月五日の午後にはそれはわかっているわけでしょうが、しかし地方紙に出ているのは十月五日の朝刊に出ているのです。そうするとその前に通知が出ていなければならぬことになる。同時に、その内容が次官会議とほぼ同じ、というよりは、実は今度出ているものと同じなんです。お読みしてもいいのですが、切り抜きがありますからあとで見ていただきます。そうすると次官会議の前にすでにこういうふうなことを内示せられたのかということだけお伺いしたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 内示ということはいたしたことはございませんです。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 と申しますのは、この前の三十八国会の三月三十一日のときに、同じような問題が実は林野庁から出ておるのです。と申しますのは、官行造林を森林開発公団に移されるときに、すでに二週間くらい前にその移されることをパンフレットか何かで下部の機関に流して、その問題に対して私の方の社会党の有馬委員から質問しているわけであります。すでに三月には、こういうふうな問題で前の林野庁長官は、これは悪かったということで釈明しておられます。お読みしてもいいのですが、私はここに持ってきておりますが、それによりますと、そういうふうになっておる。議会軽視という問題はこのときにも出ておる。三月にこういうふうな問題がありましたが、このときには一つ了解しなければならぬ問題もあるのです。と申しますのは、もし森林開発公団に官行造林が移されて、植林する場合には時期の問題がございますから、その時期の関係で、これは別に早く発表したわけじゃなくて、下部の方に、もしこういう場合にはということを指示したということなんです。これは少しは了とする点があるでしょう。しかしそれにしましても、まだ国会にもかからない問題を先に発表したということで、林野庁の前の山崎さんに対して、相当強く有馬委員から話があった。ところが今度はまた同じことがこの三月三十一日から半年ほどたつ間に、また同じことが繰り返されておるのです。そうして内容もみな同じです。  もう少し申し上げますと、実はこの問題に対して、こういうふうなことを聞き合わしている人もいるのです。ある山持ちが今度の課税の対象に、たとえば減税になる対象に増伐分を計算するのにこれまでの石数でいくのか、それとも前年度までの金額でいくのかというようなことを聞いています。そうしてもし石数でいくならどんな木でもいいのだというのです。石数だけあればいいからどんな木でも切って出す、こういうことなんです。それでもし金額でいくなら割合にいい木を少量切って出す。だから金額か、あるいは石数でいくのか、これはどっちだという聞き合わせをしておる人もいるのです。すでにそういうふうにしていますから、各府県に流しますと下部の方はもうほとんどきまったようなふうに話をされるだろうと思います。そういう点で私が聞きたいのは、この前のときには時期の関係もございましたが、今度の租税特別措置には、どういうわけでこういうことをしなければならぬ時期の関係があるのかどうか、そういう点もお伺いしたい。どうなのでしょう。それはすでに十月五日より以前にもう発表せられたことなのですか。その内容も全部各府県の方に示達せられたのでしょうか、どうでしょうか。それを御返事いただきたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 林野庁の方からお答えを申し上げます。  閣議決定以前には、この内容について通知をいたしておらないのでございます。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野政府委員 閣議決定以前には通知を出していないことは事実でございます。新聞記者がいろいろとニュースをとりまくって、それをスクープいたしまして記事として出す、そういうことは当然あるかと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 どうも変な言いのがれみたいなことなんですがね。地方新聞がこれを出すのは、少なくもそこの府県へ行って材料をもらってきているんですよ。だからそれはどっかからもらったか、あるいは話されたか、指示ということがはっきりきていると思うのですがね。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野政府委員 地方新聞社ということをおっしゃいますけれども、地方紙には共同通信という中央の記者がおります。それが全部各地方紙に記事を流しておるわけでございます。地方紙独自で取材するということは、ちょっとそういう問題ではないと思います。おそらく共同の記事をやったのではないかと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 どうも政務次官さんと話していると合わなくなるんですがね。しかしそれにしても次官会議が十月五日にあった、新聞は十月五日の朝に出ているんですがね。これはそうすると、どういうふうな関係で取材されたのか。はっきり各府県に指示されたのか。まさかうそを書かれることもないし、次官会議の前にこんなものを発表されるはずはない。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 こういう問題は主税局として府県の方に指示ということはありっこないわけでございますから、当然そういうことはないということは御了解がつくと思います。今どういうわけで地方紙に出たかという原因につきましてはわかりませんが、あるいは今政務次官のおっしゃったようなことかもしれないと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 どうもこれは水かけ論のようですから、この程度でやめておきます。しかしこういうふうなことが、まだ法案も国会に出ない前に各地方に流れ、しかも山林地主の人たちに、立米で出すか金額で出すか、それによっては考えようがあるなんというふうなことまで考えさせること自体に、どっかに手落ちがあるだろうと思うのです。もしこれが正式に林野庁から指示が出ておるものとしますと、もう議会、それから委員会などというものは要らないというような感じがする。何にもしなくて、向こうから流せばそれで実際に効力を発するのだったら、委員会も要らなければ国会も要らないので、官僚の諸君、勝手にものをやるというような結果が出てきますので、そういう点でそれは指示しなかったとおっしゃるのでしたら、あらためて私も県の方を調べてみますが、こういうふうなことが漏れないように一つお願いいたします。というのは、先ほど申しましたように山林地主が、どうしようかというような問題も出ておるのです。  続いて質問したいのは、今度の租税特別措置でどのくらいの金額が減税分として見込まれているのでしょうか、それをちょっとお聞きしたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 今度の措置の内容は、御案内のように、前三年の実績上回る分に対しまして、その平均実効税率の上回る分について二分の一を軽減する、かようなことでございますので、林野庁において現在計画しております三十六年分、三十七年分の民間の伐採量を基準にいたしまして、それぞれ過去三年をとりましてその差額について計算しております。三十六年、三十七年とも、減税額で申し上げますと、約七億円の見込みであります。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 実は、その減税分のことで、今山持ちの話では、これを国の言うように協力して伐採しますと、その跡に造林しなければならぬ、そこで伐採して造林をする経費と、この税金とのかけ合いをやっています。もし切ると跡地の造林をする場合は人手も要りますし、苗木も要る、そういう経費と減税分とがどっちが多くなるか、かけ合いをやっている。こういう計算は大体できていましょうか。もし減税せられても、跡地に稲林する方が――特にみんなで競争して伐採しますと、なかなか苗木もないし、造林にも手が回らない、そうすると相当金がかかる、ですから金がかかるようならこの際伐採しないという人がいるのです。その計算を自分たちでやっている山持ちもいるのですが、一つ単位をとってどれくらいになるか教えてもらいたい。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 造林の方の所要経費等につきましては、林野庁の方からあるいはお答えがあるかと思いますが、減税の方がどれくらいのメリットがあるかという点を申し上げます。これはいろいろな仮定案がございますが、基準伐採量二百五十石で、当該年度における伐採量が一百七十五石、ちょうど五割増しのところを考えております。それから基準伐採量五百石、当該年度の伐採量やはり五割増しの七百五十石、基準伐採量二千五百石、当該年度の伐採量三千七百五十石という場合をとりまして、それぞれ計算いたしますと、その場合素材の価格は一定といたします、その場合、今度の特別措置による減税分と、それから取得価額を財産税価額によらないで、二十八年一月一日現存の価額とした場合の両方が今度の減税の内容でございます。そういたしますと、三百七十五石切りました場合現行法ですと二万八千七百十円、それに対しまして減税額が四千七百八十五円、それから五百石切りました場合ですと現行税額が八万八千五十円、減税額が一万二千七十円、三千七百五十石切りました場合でございますと現行税額八十八万三千七百五十円、減税額が十二万三千七百九十一円、いずれも現行税額に対しまして三割ちょっと上回る程度の減税額になる、かような計算になっておるわけでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そうすると、林野庁の方にお伺いしたいのですが、たとえば百石を中心にして今度減税されるとします。ところが跡地に造林する場合、その経費はどうですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 造林の場所によりまして非常に違うのでございます。大体私ども一ヘクタール当たりの造林の経費というのは、これも地方によって違いますが、四、五万と見ております。大体伐期に達しました杉の造林地が、ヘクタール当たりいいところは千石、悪いところで六、七百石、こういうように考えております。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そうすると、今伺ってみると、せっかくいろいろ特別措置で減税をせられますが、跡地に造林する場合の経費を減税と対照しますと、山持ちの側にとってはそれほど得でないように伺えるのですが……。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 御質問の焦点をあるいはあれいたすかもしれませんが、私どもの考え方と申しますか、伐採をいたしましたところは、造林をするということがどこまでも建前になっておりますし、森林所有者といたしましても、当然伐採の跡地は造林をするということが建前だと思うのでございます。林野庁といたしましては造林に対しては平均四割の補助をいたしております。従って、私どもといたしましては、伐採による減税と造林費との関連というものよりも、むしろ税負担が軽くなるということをねらいにしてお願いをしているわけなんでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 実は山持ちの人の話なんですが、税負担が軽くなるということよりも、跡地に造林するのに人手がないことが一つ、それから相当人件費のかかること、苗木の問題で悪い苗木を使うとせっかくの山が台なしになる、そういうことを考えて、これは切っていいのか悪いのかということを考える。それから民有林ですから、役所の方からそういうように言われましても切りたくなければ切らなくてもいい。と申しますのは、今実際に必要なのは中小径の木材が多いだろうと思う。その中小径の木材というのはうまくできていまして、森林法の伐採制限からいいますと、いろいろな制限がありまして切らないでも済むのです。だから切らなくてもいい。そうするとあまり利益もないものを、ここで来年度になって跡地に造林ができるかできないか、人手がどうなるかという心配をして切る必要はないというのです。そうすると河野農林大臣の言った民有林を四百万立方米とるというようなことが実際にできるかできないか、どうです、実際の見込みはありますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 民有林の伐採につきましては先生の仰せのような心配はございます。労務の関係その他につきまして、非常に窮屈になって参りましたことはその通りでございます。私ども、この伐採と申しますか、増産をいたしますにつきましては、その減税は特にお願いを申し上げておるわけでございますが、そのほかにも林道の開発、あるいは先ほど申し上げました造林の助成の充実、そのほか苗木等につきましては、苗木等の増産の確保、特に労務の不足につきましては、作業の機械化というようなものも取り入れまして、森林組合等に助成を考えておるわけでございます。そういうようなできますあらゆる手段を講じまして、この目標を達成いたしたいというように考えておるのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 私有林の山持ちの人たちは現実にそれでどんどん切っていますか。といいますのは、私の知り合いの人たちは切る気がしないのです。跡地に造林することがとても至難だということ、そしてせっかく租税特別措置でもそう大してありがたくないというので、それなら切らないでもいいという問題が出ている。ですから、四百万立米を切られるという河野農林大臣の意見ですが、四百万立米を切られるのに、実際にそういう動きがあるのかということが一つ。それから三十五年のときに、三十六年の計画で国有林を二百万立米切ることになっておりますが、その経過はどうか。それはもう切って市場に出ておりますか。その点一つ伺いたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答え申し上げます。  第一点でございますが、民有林の増伐につきましては、すでにやはりかなりの機運が向いているところ、特に例を申し上げますと、東京に近い林業地といたしまして天竜の林業地がございますが、最近見て参りました者の報告によりますと、非常に活況を呈して参ってきておる。あの辺の素材の価格が大体一割ぐらい下がってきている。これは局部的のことでございますが、そういう報告を受けております。確かに仰せのような向きもあるかと思います。そういう点につきましては、まだ私どもの努力が足りていない向きもあるかと思いますので、今後こういった施策につきましては、十分PRといいますか、普及をして参りたい、かように考えております。  次に、国有林の増伐の問題でございますが、今回八月十五日の閣議了解事項によりますと、今明年にわたりまして八百万立米の増伐をいたすことになっておりますが、この中にことしの二月に計画をいたしました二百万立米も入れまして実は実施をいたしております。この売り払いにつきましては、すでに閣議決定以後準備を進めまして十一月一ぱいくらいには販売を終わる。これは主として立木処分と私ども申しますが、立木のまま売り払いまして、これを民間の手によって生産をして出していく、こういう計画でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今のは立木のままで、それから二百万立米は八百万立米の中に入っておるとおっしゃるのですね。それは入っておるなら入っておってようございますが、そうすると十一月にはそれは出てくるわけですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 早いものは出て参ります。これは切って出すわけでございますから、十一月に売り払いいたしましたものはおそらく早いところで一カ月、かかるところでは二、三カ月かかる、こういうことになろうかと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 その問題でもう少しお聞きしたいのです。実は立木のままで出しておられる、あるいは立木のままでなしに林野庁で直接やっておられることもあるかもしれません。そのためにおそらく今度の増伐に対する予算が出ておるはずですね。ですから林野庁でもおやりになっておるだろう、立木でも出しておられるだろうと思う。ところが、その立木が林野庁長官の言うように、うまくいっておるかしらんという疑問があるのです。というのは、あなたの方の入札でいきますと、入札のときに先に保証金といいますか、それを一割払う、そうして伐木する前に残りの金全部払わなければならないという問題が出ているわけです。そうすると、今ここへ来まして、非常に金詰まりのためにその金が払えないで困っていて入札ができないという人がおりませんか、そういう傾向があるかどうか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 この立木の代金でございますが、これは延納の制度がございまして、延納の特約をいたしますと、たしか三、四カ月ないし立木の場合広葉樹ですと半年くらいあったと思います、ちょっと確実に覚えておりませんが。従って伐採が済んで出てくるころには金が納められる、こういう例になっております。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 質問をもとへ返したいと思いますが、実は先ほどお伺いしました木材価格安定対策の一環としての租税特別措置については、次官の方も、それから当局の林野庁の方も、それから大蔵省の方も、各府県に通達は出していないというお話でございますが、実は今私がこっちに来る前に電話をして調べてもらった結果が来ておりますから申し上げます。千葉県の農林水産部長あてに書類が出ております。これは林務課で聞きました。それは九月三十日にそういう通達が出ておるというのですが、これはどういうことでございますか。それじゃ委員会は要らないですね、こううそばかりだと。まさか千葉県がこういうふうなうそを言うことはないと思う。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 九月三十日の林野庁林政部森林組合課長から林務主管部長あてに連絡が出ておりますが、これはこの臨時国会に法案が提出される運びとなりました、で、国会を通過した暁には、こういうことになると思います、こういう連絡をいたしております。これは一つには新聞等でやかましくなりまして、いろいろな照会が入っておって、そういった混乱を防ぐために連絡をいたしたものでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 どうも先ほどのお話では、全然こういう通知も何も行っていないということです。それから私が聞きましたことは、十月五日にすでに千葉新聞に出ていて、その時分に私自身も、山持ちの人からこれはどうだということを聞かれた。それは大蔵関係だからというので聞きにこられた。それで私が質問しましたところ、皆さんの方では、こういうような通知も何もしていない、ところが今電話で入ってきましたことによりますと、もう九月三十日に通達が出ている。何だかまじめに質問したり、まじめに会議していることが意味なくなってくるんですがね、こうくるくると変わってくると。私のほしいことは、やはり国会でものをきめられるのですから、きめてからすればいいので、特に租税特別措置は、今言われておるのは、一カ月おくれたからというので木材が出ないという考え方にはならないのですよ。その意味で、この前にも議会の軽視がはなはだしいというので、山崎長官のときにも問題が出ていたのですが、六カ月後にこんなことをせられるようでは、官僚の人たちが何でもものをきめて、皆さんこうして集まっていられるその人たちは何にも解決する必要はない、このようにお前らやれというような結果になりますので、ここに来ていろいろ伺ったり、いろいろ意見を言ったりすることは無意味な気がするのですが、これはどういうふうに御説明をされますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 この連絡でございますが、先ほども申し上げましたように、新聞等でこの問題が非常にやかましくなっておりまして、府県等におきましては非常にこれを心配しておったのでございます。従いまして、中間的に、こういうものがどういうような進行の状態であるかということを、その誤解を防ぐ意味で府県の林務課等に連絡をいたしたのでございまして、決して仰せのような気持でやりましたことではないのでございます。御了承願います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そういうふうの説明ではどうも私は納得のいかぬ点が多いのです。これは一応こういうのが出て、現実に山を持っている人たちが心配して聞きにくる以上、やはり県の方でもこういうふうになるということでいろいろ話しているのじゃないですか。末端機関はもうすでにこういう通知が出れば、あなたの方でできるだけ増伐をしてほしいから、それを勧誘のためには、こうなるから増伐しなさいというふうなことを言うのじゃないですか。そういうことはないのですか。もしそうだとするとちょっと困るのです。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 私どもも、この増伐という大きな仕事を計画しておりまして、非常に真剣に取り組んでおったのでございますが、確かにこの減税というような問題も、考えておられるというようなことは、もちろんやったのでございます。おそらく県におきましても、こういった理解を持ちましても、その具体的な問題につきましては、そういう点については十分慎んだ行動をとっていてくれたものと考えておるのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 どうもこれは何ぼ言っても水かけ論のようになりますが、どうです、農林大臣に出てもらって、こういうふうのことをはっきりけりをつけていただきましょうか。どうもこの前もあり、今度もあり、六カ月の間に、まだ議会にも出ないものがいろいろ通達せられて、そして今度は山持ちにまで問題が出てくるということになると、これはやはり政党政治ですから、農林大臣からでもはっきりこういうことは今後ないとか、こういうことはしないとかいうように弁明でもしていただかないと、これで半年ほどの間に二度ですからね、どうもすっきりしないのです。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 この点につきましては、私どもも特に慎重を期して参ったのでございますが、下部におきまして、私どもの指導の不十分なために、さような御心配をわずらわしましたということにつきましては、まことに責任が重いものだと考えております。今後、こういうようなことのないように特に留意をいたしますので、御了承をお願いします。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 もう一つ重ねてお聞きしたいのです。今の民有林の問題ですが、民有林の四百万立米をおやりになるというのに、今の租税特別措置のやり方でやられて、私には、どうもそれに対して山持ちの人たちがそれほど協力するというふうなことは感じられない。それから、特に今の金融関係で木材を引き取れないような事情も出てきている関係もありますので、幾らか木材の値段は横ばいになっていましょうが、これは多く生産したからという意味のようには考えられないものが一部にある。そこで一つお聞きしたいことは、こういうふうなわざわざ租税特別措置という方法で、しかも山林を持っている人たちによっては、これは跡地の造林なんかのことを考えると容易に応じられないというような、そういうような考え方を持たさない方法として、立木に課税せられるようなお考えがあるかどうか、それをちょっとお聞かせ願いたい。むしろ立木に課税をせられますと、そういう無理をしないで、まじめな林業企業を考えている人たちはどんどん切っていただけるのではないかと思いますが、その点はどうでしょう。そういうふうな立木に将来課税せられるような御意思はございましょうか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 現在地方税といたしまして木材取引税というのが課税されております。これは立木の取引に対する課税でございますが、実際の課税の方法といたしましては、山持ちの支払い代金の中から源泉徴収をする、こういう制度でございます。現在問題になっておりますのは、それにかえて立木課税を起こしてはどうかという問題が出ているやに聞いておりまして、自治省でいろいろ検討の段階でございます。ただこの問題は、政府の税制調査会でもかような考えはどんなものであろうかという話が出ました際に、調査会での議論といたしましては、二つばかり疑点がある。一つは立木課税というものは租税体系上いかなる地位において考えるべきか、固定資産税ということであれば、固定資産ではなかろう、そうなると体系としては全く伐木促進のための臨時立法として考えるのか、この点が一点であります。租税体系上いかなる地位を考えるか。それから第二番目は、課税上の技術ないし多少その問題点がございますが、建築用材料の増伐を促進するというときに、パルプ原料あるいは紙の原料になるものが相当あるが、そういうものもかまわず課税するということはどういう意味を持つのか。それからかりに増伐を期待するといたしましても、適伐以上のものについてだけしか意味がないであろう。その場合適伐には行っているが、林道その他の関係で今切り出せないというものがあるだろう、これまで立木税を課税するという理由はないだろう。その辺事実上伐採のできないものとそうでないものをいかにして区分するか、あるいは製紙、パルプの原料になるものまで課税するのかしないのか、その辺けじめをつけるとすれば課税技術上どんな方法があるのか、こういう点の問題でございます。大体その辺の二点が問題になりまして、なお慎重な検討を要するということでございました。御報告申し上げておきます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今詳細な御報告をしていただいてありがとうございました。立木に課税した方がこういうような措置よりも私はいいんじゃないかという感じは持っております。それから立木に課税しますと、何年も何年も財産のようにして、ちょうどたんすの中に金をしまっているような状態が続かないだろうと思います。だからほんとうにまじめな林業家の人たちは、適齢期になれば切ると思います。木だけは何年置いておっても――くだものですと、あまり長く置いておくと過熟したり腐って落ちてしまいますが、木は何年置いておってもいいから、そうするとなかなか切らないと思うのです。ですから今度の民有林の四百万立米も林野庁の言う通りふえるかどうかということは非常に疑義を持っている。それよりもむしろ、いろいろな技術面で非常に至難だと言われますけれども、立木に課税した方が合理的じゃないか。そうすれば適齢期になれば切ると思うのです。適齢期になってどんどん切っていくということが木材の値上がりをある範囲まで防ぐのじゃないか、むろん切ったあと造林するわけなんですけれども、そういう方向にいかれる方がいいのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、林野庁の方ではどういうふうにお考えですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 仰せのように、四百万立米の増伐ということは、この御措置を願わなければなかなかむずかしいことだと考えております。それと同時に、立木の適伐以上の課税の問題でございます。これには先ほど大蔵省の方からの御説明もありましたように、いろいろな困難性がございます。適当な伐期と申しましても、先ほども仰せのように果樹、その他のように非常に短い期間でございませんで、かなり長い幅も考えられないわけではないだろう。それと同時に、造林によりましてかなり一斉林が多くできているということもあるのでございます。今大体全国を見てみますと、切れる程度の立木が二億七千万立米程度あるかと考えておるのでございます。こういうものに一斉に課税をいたしまして、その税をのがれるというような意味で切られるということになりますと、これは一時に出過ぎまして、これも将来の保続というような面、それから国土保全というような面からもやはり心配が出てくるのでございます。御趣旨はわかるのでございますが、技術的には非常にむずかしい問題ではないかというように考えておるのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 もう少しお聞きしますが、実は山林の所得に対する税というものは非常に恵まれているのです。これは総合課税の対象になっていない。山林所得だけは別個に所得税としてとられますので、今度の場合に、こういうふうなものを勘案していくと、民有林の人はそれほど切らないのじゃないか。その点がどうしても私はまだ納得がいかないのです。立木課税にしますと切りますが、今すぐそれはできないといたしましても、ドイツだとかあるいはアメリカなんかも、そういうふうな立木課税をやっているところはあるのじゃないですか。一つそういうことを勘案して立木に対する考え方をいろいろ研究していただきたいと希望いたします。同時に、今の森林課税の五分五乗方式、この五分五葉方式は大きな山林を持っている人には非常に得ですが、十年目とかあるいは二十年目くらいに一度しか切らないような小山、中山持ちにはちっともいい方法ではないような感じがするのですが、その点はどうでしょう。今後直される気はないのでしょうか。どうも五分五乗は毎年切っている人には非常に利益になる。けれどもときたま、十年に一度とか、たとえば自分のうちの子供が結婚するとかなんとかということがあるときだけ切るという人にはそれほど利益がない。大きな山持ちにはいいですけれども、そういう点は何かお考えになっておられますか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 山林所得の課税の方向につきましては、御案内のように、所得税の税率があらゆる所得を総合して累進税率で課税しております。これは毎年経常的にある所得を前提にして税率が盛られておるわけであります。ところが譲渡所得であるとか、あるいは山林の場合でありますと、杉、ヒノキは普通四十年と申されておりますが、四十年に一回切られるといたしますと、それを単純に普通税率で総合するのは無理だということで、その調整方法をいかにするかという問題でございます。現行法では御案内のように、その所得を五分の一にいたしまして――実は十五万円引いて五分の一にして、その税額に対して五乗しているわけでございます。ただそのときに、毎年切っているものとそれから何年かに一回切ったものと不権衡ではないかという点でございますが、この点はやはり五分五乗いたしますので、その間の不権衡はございません。どちらも軽減になることには間違いございません。ただ五分五乗する意味が、輪伐経営者とそうでない者について税制上同じような意味を持つかという点を考えますと、やや疑点があるということでございます。  なお各国とも山林課税におきましては、それぞれ各国の方式がございまして、通常のやり方とは違っております。たとえば米国でございますと、納税者の選択によりまして、キャピタル・ゲインの課税を選択することができます。この場合は分離二五%の比例税率で課税をすることができる。それから英国の場合でございますと山林所得者、これは山林の素地の所得はスケジュールAの課税でございますが、立木部分につきましてはスケジュールBの課税になります。これは台帳課税でございまして、その台帳価格は通常スケジュールAの賃貸価格の三分の一と法定されてございます。なおその業者の選択によりまして普通の事業所得、スケジュールBの選択はできます。ただし選択した場合は自後継続してスケジュールBに付さなければならぬ、こういうことでございます。フランスにおきましても大体台帳の課税の方式によって同じようなことでございます。それからドイツのやり方はやや日本に似ておりまして、これは単純に五分五乗ではございませんで、臨時によけい切った場合、災害があって切った場合、あるいは過去三年間、通常よりも少ないためにその埋め合わせとしてよけい切った場合、そういう場合についてそれぞれ軽減税率を設けてございます。いずれにいたしましても、どこの国でもこういうものは一種のキャピタル・ゲインでございますので、通常の税率をそのまま使うということはいたしてございません。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今の御説明でわかりましたが、どうも森林の方の減税が、山の減税が非常に多いので、それに今度は特別措置をするほどのことはないだろうと思うことと、それから同時に、その特別措置をせられても民有林はその割に出てこないのじゃないかという感じが強いので、それを申し上げておきます。  それから今度はほかの問題で少しお聞きしたい。今度外材を輸入せられるようですが、その外材の輸入に対して、港湾とかそういう方の施設は一体どういうふうになっておるのでしょう。これをお聞きしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 仰せの通り外材の輸入につきましては、港の施設というものがまず第一になるわけでございます。御承知のように港湾はやはり現在におきましては十分でないのでございます。この点につきましては、運輸省の方と協議をいたしまして、運輸省の五カ年計画に特にこの点を盛り込んでいただきまして、早急に貯木施設等の改善につきまして協力を願うようにいたしておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今外材を入れる港は幾つくらいになっておるのか。それから同時に外材を入れられる程度の港湾は幾つくらいまだ残っておるのか。今入れている港湾以外にまだ外材を入れられる港湾が幾つくらいあるかということ、それも伺っておきたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 あるいは若干違うかも存じませんが、四十あまり現存ございます。そのほかに大体二十ぐらいは木材の輸入港として指定の可能のものがあるように私どもは考えております。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 これはまだ指定していないわけですね。そうすると、その二十を指定せられますと、外材がこちらへ入ってきますと、それが全部港へ入れられることになりますが、今現実に見ますと、外材を持ってきましても揚げることができないようですね。そうして沖の方でだいぶ船が係船しているようです。係船していますと係船料をとられます。同時に外の港の方でブイにつないでおる以外に、港につけて外材を陸揚げしましても、それを今度は輸送する方もうまくいかないで、外材が港に相当積まれているような関係もありますが、これに対する措置はどういうふうにせられますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 御指摘のように、外材輸入のための船が港に滞留をしているという事情があるのでございますが、これは港の設備を拡充いたしますと同時に、現在の貯木施設の回転の効率を上げるということが非常に大事なように考えておりまして、私ども最近調査をいたしておるのでございます。かなり長く貯木施設をふさげているというようなものがないでもございません。そういうようなものにつきましては、これは回転率を上げられるような措置をとってもらうように、その港湾の管理当局に対して働きかけまして、協力を願っておる次第でございます。これが改善されて参りますと、この港湾の貯木施設の拡充と同時に、かなりの効果が上がってくるように考えておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 それからもう一つは、実はこの材木を輸入しましても、それが案外市場に出ていないことが現実にある、これは林野庁もお認めになると思います。  それからもう一つは、主税局の方にお聞きしたいのですが、外国から来る材木でカンナをかけないようなものは無税で、一応カンナをかけたものは一五%かの税金をとっておるようです。建築用材がないという場合に、カンナをかけたものに対する一五%というものを削られたらどうかと思うのです。そうすれば木材価格安定の立場から、だいぶ安くなりはせぬかと思うのです。その点はどうでしょうか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 実は税関部長が見えておりませんので、後刻伝えまして御報告申し上げます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 それからもう一つ、先ほどパルプの話が出ましたのですが、今度パルプ材がチップ材になっているわけで、アラスカ・パルプのことでちょっとお聞きしたいのですが、林野庁にアラスカ・パルプの内容、事情はどういうふうになっているか、お聞きしたい。あれは多分日本の出資でできていると思うのですが、それができた当時の事情、それから今どんなふうにアラスカ・パルプが日本に入ってきているのか、その事情をお聞きしたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 後ほど正確に資料をおまとめして御報告をいたしたいと思います。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 その問題はよくお聞きしたいのです。というのは、私が聞くところによりますと、あの会社を作った当時は、日本の木材が足りなくて、木材のために作られたようです。ところが、アラスカもカナダも木材としては出さないで、製品として出すからということで、日本の方で出資をしまして、向こうの労働者を使ってパルプ会社を作ったように伺っておる。ところが、そのパルプが日本に入ってこない。あるいは全然こないのじゃなくて、少しはくるのかもしれませんけれども、割合に入ってきていない。これを入れてもらえると、パルプ材の方に使われる木材だけでも少しは減ってくるのではないか。そうすると、木材の価格助成のためには必要なことだと思いますので、アラスカ・パルプの事情を聞いておるのですが、それは後ほどお調べ願いたい。  重ねてもう一つお聞きしますが、今度の高度経済成長の関係で、どうしても木材がたくさん要るのですが、その木材の需要に対する林野庁の供給の計画を一応お聞きしたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 三十五年度、昨年度の供給でございますが、国内出産におきまして、四千四百四十九万二千立方メートルでございます。輸入が、六百三十七万八千立方メートル、チップの利用が、二百十二万七千立方メートル、このほかに年度当初の在貨が七百七十八万立方メートルございます。これを合計いたしますと、六千七十七万七千立方メートルになりますが、これに対しまして、三十六年度がどういう計画になっておるかと申し上げますと、国内の出産が、四千八面二十八万一千立方メートル、輸入が八百五十万立方メートル、チップを倍増いたしまして、四百五十万立方メートル、本年度の当初の在貨は、七百三十六万二千立方メートル、これを合計いたしますと、六千八百六十四万三千立方メートルになっております。三十六年度の見込みと申しますか、計画はさようになっておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 そうすると、それだけが間に合えば、今度の木材に対する価格騰貴は押えられるという計画でありますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 私どもの木材の価格安定対策におきましては、需給を調整するということによって価格を安定させるというねらいをもって進めて参っておるのでございますが、先ほど申し上げました供給に対しまして、需要は三十五年度におきましては、五千三百四十一万五千立方メートルでございます。三十六年度には、五千八百二十五万四千立方メートルでございまして、この差額の一千三十八万九千立方メートルは在貨として来年へ繰り越す。この在貨は大体年間の所要量の一八%程度ということになるわけでございます。大体一九%から二〇%程度在貨があれば大体落ちつくのではないかというような考えで計画をいたしておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 大体落ちつくということになりますと、今まで需要供給の関係で上がっていた木材の値段も下がるというふうに結論が出てくるのでしょうが、そういうふうないろいろな企画を、紙の上で書いた企画、頭の上で考えられた企画だけではなくて、現実面にそうやっていただきたい。と申しますのは、皆さんの立てられた企画通りにいっておればそんなに上がらないのにかかわらず、木材が現実においては物価値上げのトップを切っておるということは、企画せられたことがその通りいっていないからじゃないかと思う。企画せられた通りにいっておればこんなにならない。と申しますのは、需要供給のバランスがとれるわけですから、そういうことにならぬと思います。ところが現実はそういうふうになっているので、そのなっていないことを、たとえば今港湾の問題もいろいろおやりになろうと言っていますから、それもお願いしておきたい。同時に国有林を山から切る場合に、むろん林道とか索道というような問題もありましょう。それから民有林を切る場合も同様な問題もあると思います。それから抜木のための機械化とか、そういうような問題も出てくるだろうと思いますが、そういうふうな意味で企画はしておられるようですが、それをできるだけ現実に企画通りに、紙にかいたもちにしないようにやっていただきたいと思います。  それから同時にもう一つお願いしたいのですが、ちょうど二十六年ごろ森林法ができました。あの当時森林は、これは簡単に申しますと、むしろ切らないで、造林々々というので山の木をふやす方にいかれたはずです。ところがその後今度は拡大再生産ということを唱えられまして、三十二年ごろから方法がまた変わってきた。これが今度はまた去年ごろからは、林業基本問題の答申では、家族的林業ということを言っておる。林業は、家族的に二十町歩もぽつんぽつん切られた方が林業自体が非常にいいのか、財産寝かしのような状態で置いた方がいいのか、これは別としましても、この結果から見ると、方向が反対の方に行っているように見える。これは二十六年、三十二年、三十五年と、一つの林業計画が絶えず波を打っている。というよりも、右へ行ったり左へ行ったりしておると思うのです。こういうような林業計画、特に林業というのは長い間かかるということを先ほどあなた方はおっしゃっていますが、その長い林業計画で、一つの木が切れるのに四十年前後かかるといわれているその林業を、わずかここ四、五年間に右に行ったり左に行ったりして、それで林業のほんとうの基本政策ができているだろうかということが疑わしくなるのですが、そういうものに対するどういうふうな長期的な計画を立てていられるか、それも伺っておきたい。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 お答え申し上げます。二十六年の森林法によりますと、仰せの通り資源あるいは国土の保全ということが強く打ち出されておる次第でございます。三十二、三年に林力増強計画と申しますか、そういう計画によりまして、森林の年産力を増強するという考え方が出たわけでございます。これはもちろん資源の保続、国土の保全ということの上に立ちまして考えているわけでございます。特に最近の林業基本問題に関する答申におきましても、林業ではそういった点が足りないのではないか、それも同時にやるべきだというような御指摘をいただいておるわけでございまして、私どもといたしましては、もちろんそこには国土の保全あるいは資源の保続ということを十分踏まえていかなければならぬというように考えておる次第でございます。  将来の見通しでございますが、現在増伐をいたしましても、計算をいたしてみますと、将来昭和五十年から五十五年程度のところで針葉樹が若干供給が少なくなります。その時点におきましては、私どもが現在計画をいたしております輸入量が続けられるとすれば、これも補われるということでございまして、その後は大体資源は増加をしていくと申しますか、バランスをとっていく。広葉樹は天然林が減りまして人工林がふえてくる。従いまして生長量が非常に上回って参りますので、将来については今の増産の計画というものはまずまず影響がないというふうに考えておる次第でございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 大体私の聞きたいことはほぼこれで聞きましたが、もう一つお願いをいたしておきます。  それは一九五〇年の総蓄積は大体六十億というようなお話です。それから一九五八年の総蓄積は六十三億三千五百万石くらいだというふうに出ていて、約三億くらいの石積はふえているという表が出ております。これは役所の方で前に出されものだと思います。ところが、民有林を見ますと、民有林は一九五〇年に二十九億で、一九五八年には三十二億四千万石、約三億四千万石くらいふえている。国有林はその間少し減っている。この辺で少し切り過ぎているという点がありますが、これから見るとまだ切り過ぎているという感じはしません。ところが実際においては中小径の丸太は非常に足りない。これはおそらく里山に近い山を早く切りまして、奥山の方が残っている関係があるのだろうという感じがするのです。そうすると今度奥山を切るとなると、林道とか索道とかいろいろな問題が出てきますが、それに対して森林開発公団は、そういう民間の奥山の方にはどういう計画で動いておられるか、ちょっとお聞きいたしたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 伐採の現状につきましては、仰せのように里山地帯に集中して切られているのは確かでございます。まだ開発されておりません森林地帯に蓄積が残っているということでございます。それと同時に蓄積は人工林に変わっておりますので、かなり生長量はふえて参っておるのでございます。私どもといたしましては、国土保全上その他資源の保続上から見ましても、仰せのように里山地帯に集中して伐採をして参るということは、決して好ましいことではございません。従いまして、今回の増伐につきましても、その点を配慮いたしまして、さしあたり百十七キロ程度の民有林の林道を計画いたしまして、今年の間にもそういった集中伐採を避けるように伐採地点を分散させるように計画をいたして実行を始めておるのでございます。これに対しまする森林開発公団の働きでございますが、現在森林開発公団は関連林道と申しまして、国有林と民有林との関連のある林道を国費で行なう。この流域の蓄積が一千立方メートル以上というような制限のあるところで実施をして民有林に協力をいたしておるのでございます。一般の林道におきましては、県なり町村なり森林組合なりに助成をいたしまして、林道の開発をそれらの手によって進めて参っておるのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 林道開発と同時に民有林を四百万立米切る場合の林道との関係はどうなっていますか。うまくいっていますか。民有林を切る場合の林道の関係、輸送関係でありますが、林道関係は企画通りに上手にいっているのでしょうか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 林道計画はそれぞれの山の実情に合うように計画をいたして実行を進めておるのでございます。従いまして、林道のないためにこの増伐の目標が達成できないというようなことのないようにいたしたいと思っております。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 今の木材の価格が高いので、こんなことを考えると悪いことかもしれませんが、奥山とかそういうような、民有林の奥の方にこれから林道を開かなければならぬようなところを多く切って、そして林道計画をもっと十分やられるお考えがあるかどうかお伺いしたいと思います。  それからもう一つ。民有林を切る場合には、今は人手のないときですから機械化した方がいいと思いますが、その跡地の造林とか、そういう問題に対して相当金が要るわけです。そういう融資関係はどういうふうになっていますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 融資関係は造林、林道についてございます。それで本年は二十二億ほど今折衝をしておるところでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 融資関係のワクを相当広くしてあげるような御意思はございますか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 仰せのようにワクを広げたいと存じまして、来年は三十五億程度を希望いたしておるのでございます。

藤原豊次郎日本社会党

○藤原(豊)委員 以上で私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 有馬輝武君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 林野庁長官にお伺いいたしたいと思います。  最初に九月二十日の災害対策協議会におきまして木材の高騰を押えるために、長官の御答弁では五十万石ほどを準備しておるということが一つ。それからいま一つは災害前の価格で供給した場合には、営林局長が主体となってその手当をしておるという二つの御答弁があったわけでありますが、このあとの方の手当をしておるというのは、具体的にはどういうことなのか、その額その他の面についてお聞かせいただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 当時、五十万石を全内地の国有林につきまして準備をしておるということを申し上げますと同時に、この価格を押えるために、台風直前の価格によって売り払いをした向きにつきましては、その補給をするということを申し上げたのでございますが、大体一般の復旧材につきましては支障なく進んでおります。  それから第二点につきましては、大阪府の当局から要請がございまして、大阪に木材センターというのがございます。その木材センターで、大阪の応急復旧材を値上げをせずに売り払いをしたのでございます。それに対する資材供給のために、当時、営林局の方から国有林材を一万石売り払いをいたした次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 先ほど藤原委員の質問に対する林野庁長官それから主税局長のお話を伺っておったのでございますが、この租税特別措置法をいじるについては、少なくとも税制調査会におきましても特別措置法については整理統合をしていくという一つの原則を立てておるわけでございますし、また、大蔵省としてもその方向で鋭意御努力をいただいておるものと私たちは考えております。にもかかわらず、今回このような措置をされるからには、大蔵省並びに農林省としてもそれなりの効果を期待し、また自信を持って進めていらっしゃるものと私たち確信いたしておりますので、そこら辺の見通しについてはっきりお聞かせをいただきたいという意味で、このあとの質問をさせていただきたいと思います。  問題は現在の木材の高騰でありますが、これは日銀調べによりましても、昭和二十七年を一〇〇といたしますと、杉小丸太でことしの七月で二五〇、木材平均で二〇〇くらいになっておる。とにかく二倍から二倍半である。一般卸売物価指数が横ばいの状態を続けておりますのに、木材だけがこのような高騰を続けておりますので、総理もこの前施政方針演説の中で特に木材の問題については触れられたのだろうと思います。またそれを受けて河野農相としても、この対策を打ち出されたのだろうと思うのですが、私がここでお伺いいたしたいと思いますることは、先ほど藤原委員の質問に対しまして、大体昭和三十六年度で六千八百万立方メートルくらいの供給量に対して需要は五千八百万立方メートルだ、これはこまかい数字は省きますけれども、大体千八百万から千九百万立方メートルの在庫をかかえておるから、一応これでもって安定する方向に向かうのじゃないかという長官のお話でございました。問題はその需要供給の関係をどのように把握するかということでありまするけれども、少なくとも現在のこの木材の高騰の原因は、やはりパルプ材の消費が非常に大きくなった。特に包装紙とか段ボールは、もうものすごい需要を持っております。私もきのう買い物に出かけて、ひとり者でありますから、洗たく石けんを買った、ところが、その洗たく石けんを包んでくれる紙は、非常に豪華なものでありまして、それを持って歩いておると、えらい高価なものでも買っておるみたいに見えるくらいに包装紙その他は非常に需要がふえております。さらに第二の点といたしましては、工場の設備投資の増加、いわゆる建築ブーム、こういったものが私は主要因になっておるのではないかと思うのでありますが、問題はこの紙の一人当たりの消費量であります。日本では千人で一年間に一トンしか使ってないのに、西独あたりでは六十一トン、アメリカでは百八十トンも使っておるというような状態でありますから、今でさえ私たちから見ると非常に紙を使っておるようでありますけれども、今後の伸びは、もう目まぐるしいまでに伸びていくのではないか、私はこのように考えております。先ほど林野庁長官は本年度の見通しを六千八百万立方メートルというようなお話でありましたけれども、ここ五年くらいの後にはどの程度になるのか、大体の需要の伸びというものをどの程度に押えられて現在の緊急対策その他の基礎とされておるのか、この点をまず第一にお伺いいたしたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 私どもの方では五年ごとに区切っておりますので、それを申し上げますが、三十五年から三十九年にかけまして、この五年間に二億一千九百万立方メートル、四十年から四十四年にかけまして、この五年間に二億四千五百万立方メートル、こういうように計算をいたしております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 それから一千八百万立方メートルの在庫をかかえておるので、これが一応木材価格の安定のささえになるのじゃないか、こういうようなお話でしたけれども、この点について問題が二つあるだろうと思うのです。一つは、これは林野企業特別会計の建前からいたしまして、やむを得ないことだろうと思いまするけれども、営林局署が売る木材価格がはたして適正な価格であるかどうか、これが一点だろうと思います。この点について民間では、特に営林局署の出す石当たりの単価が非常に高いのじゃないか、こういうふうな声をしばしば聞くわけであります。これについてやはり現在の時点におきまして、卸売物価指数その他から見まして、現在の国が供給する価格というものがはたして妥当なのかどうか、この点についての長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 まことに無責任だという御叱正を受けるかもしれませんが、根本的にと申しますか、原則といたしましては、会計法上時価ということになっておりますので、御指摘のような点が出て参るわけなのでございます。との対策と考え方としても非常に矛盾をするのじゃないかという御指摘になるかと思うのでございますが、この点につきましては販売方法、たとえば一般競争入札、これが原則でございますが、そのほか指名競争入札、随契という方法があるわけでございます。特に不当な競争が行なわれて価格をつり上げられるというような問題は、やはりだれでも入札のできる、たとえば木材業者でなくても、お金さえあれば入札ができるというような場面が一番熱してくるかと思うのでございます。そういう点につきましては配慮をいたしまして、指名競争、これも不正、不当な行為が行なわれないような広い範囲の指名競争、あるいはその地元の木材業界の事情に応じましては随意契約というようなものを取りまぜまして、総合いたしまして十分慎重に売り払いを進めていくように指導をさせておるのでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 実は私たちも、八月でしたか、お宅のお世話によりまして長野の山の中へこもっちゃって林業問題を勉強したのですけれども、その際に、今の価格の問題でいろいろな議論が出ました。ある一人から、大体今まで安過ぎたんだ、今のが普通じゃないかというような議論まで飛び出しまして、それに対してそうでもないのだといろいろ議論沸騰したわけでございますが、問題は、私たちが適正な価格であるかいなかということを検討いたします場合には、先ほど申し上げました卸売物価指数等々とにらみ合わせていくよりほかに手だてがないんじゃないか、非常に常識的な線でありますけれども。そういたしますとこの現在の値上がりというものは、先ほど指摘いたしましたように、他のものに比べまして異常なカーブを描いておりますので、そこで他の物価と均衡させてというようなお話でありましたから、やはり営林局署が売られる場合にはその中をとっていくというようなことが、少なくとも林野特別会計の一つの大きな目的ではなかろうかと思うのでありますが、競争入札その他でとにかく不正が行なわれさえしなければいいのだ、また特別会計について普通いうところの健全な運営がされていけばいいのだというような行き方でもってこの価格安定緊急対策のバック・ボーンにし得るかどうか。私はそういった惰性でもって動いていったのでは、現在の姿というものはなかなか押え切れないのじゃないか、このように考えますが、ここで価格の面について今言ったような角度から、営林局署として格段の御配慮をする考えがあるかどうか、この点についてお考えをいただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 全く仰せの通りでございまして、不正が行なわれなければいいのだ、それから機械的に売り払いをしていけばいいのだというような考えは、まことに今の時宜には適しておらないのであります。従いましてこの対策はもちろんでございますが、木材業界、林業界の健全な発展に資せるような経営を、やはり国有林もして参らなければならぬという考え方からも、そういった機械的な売り払いに流れますような点につきましては十分戒めて参らなければならぬ、かように考えております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 私がお伺いしたいのは、今お話のあったような機械的な操作を改めて、この安定緊急対策に沿うような形で、価格についてここで何らかの手だてをされる考え方がないかどうか、この一点です。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 この緊急対策に伴う販売の方法につきましては、十分その点を検討いたしまして、各局署に対して指導をいたしております。十分なところがなければさらに努力をしてそういった指導をして参らなければならないと考えます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 これは長官に再度追い詰めるみたいで非常に恐縮なんで、あまりいい態度じゃないかもしれませんけれども、私お伺いしたいのは、指導されるとおっしゃるけれども、価格について、先ほど申し上げましたように二倍半にも幾らにもなっておる、こういった状態を是正するために、たとえば石当たり現在の売り渡し価格よりも千円下げるのだとか、もちろん材質によって違いましょうけれども、そういった特段の手だてをやらない限り、現在の値上がりブームというものは押え切れないのじゃないか、そういったあれを指示される含みがあるかどうか。この木材価格安定緊急対策を立てられた――この租税特別措置法でもってこれが達成できるとは河野さんだって考えておられないだろうと思います。大蔵省だって考えてないと思う。やれと言われたからやろうというくらいのことだろうと思うのです、あとでお伺いいたしますけれども。であるとすれば、やはりそういった特別の配慮がなされない限り、私は現在の状態は解決できないと思いますので、そこら辺についてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 私どもといたしましては、やはり法の許す範囲内において努力をいたす――まことに消極的な、無責任な御回答になるかもしれませんが、そういう態度でおるのでございます。従いまして、現在の市況を調査いたしましたことによって出て参りましたそれぞれの営林署におきます基準価格を幾らまで下げるとか、現在のままに押えるとか あるいは過去何年前の価格に押えるとかいう点につきましては、遺憾ながら考え及んでおらない次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 政務次官にお伺いいたします。  今私が長官にお伺いしたような状況ですが、ここで政府としては、この木材の値段を安定させるために、今言いますように、特に考える必要があるんじゃないかと思いますので、これについてこの税制以外に、金融面もありますでしょうが、特に政治的に打つべき手というものは、私は今申し上げたように営林局長においてやはり市場価格の操作をすることが一番先決じゃなかろうかと思うのですが、この点について政務次官のお考えをお伺いいたしたいと思いますし、そのお考えをどのような形で反映させるか、この決意のほどをあわせてお聞かせいただきたいと思います。

天野公義自由民主党大蔵政務次官

○天野政府委員 木材価格がずっと上がっておりまして、まことに遺憾なことでございます。従いまして、ただいま御審議願っております租税特別措置法も、木材価格安定の一つの考え方の現われでございますし、また先ほど林野庁長官の言われましたように林道の問題、またそのほか輸入材の問題、業者に対する金融の問題等、いろいろあろうかと思います。できるだけ現在の制度その他で許される範囲内で努力いたしまして、木材の価格安定に努めたいという方針で進んでいるわけでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 林野庁長官にお伺いいたしますが、先ほどの伐採量の増加についてお話がありましたけれども、それは国有林をどの程度、民間林をどの程度期待しておられるのか、その内訳についてお聞かせいただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 国有林におきまして三十六年度、三十七年度にわたりまして、二年間に八百万立方メートル、それから民有林におきまして、二年間に四百万立方メートル、合わせて千二百万立方メートルでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 その民有林の伐採促進についてどのような指導をされるのですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 まずこの減税をお願いしたいと思うのでございます。そのほか、伐採が里山地帯に集中していくということは、この四百万というものが、全体に比較しましてそれほど大きくないにしましても、やはり考慮をしなければならないというような考えもございまして、林道をさしあたり本年度におきましては百十七キロ増設をいたしまして、これによって増伐の集中化を防ぐ。それから跡地の造林につきましては、来年、さ来年にこの増伐分の造林の助成につきましては、経費を計上いたしまして助成をやる。このほか、この問題につきましてはやはり山林所有者に協力してくれるという気持を持ってもらわなければ十分な効果は期待できないというように考えまして、県の当局あるいは地元に配置されております林業改良普及員、こういう人たちを通じまして、この木材事情あるいはその持っておられる森林の状態というものを十分認識していただきまして、これによって増伐に協力をしていただく――すでに県によりましては対策委員会というようなものを作られまして、営林局、県が協力されまして、この増伐事業の徹底を期して協力をしていただいているところもある次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしたいと思いますのは、先ほどの輸入量を各国別に見ますと、おもな輸入先はどこなのか、大体の石数とあわせてお聞かせいただきたいと思います。計画だけでけっこうです、本年度、来年度の。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 三十六年度の計画を申し上げますと、米材が百六十万立方メートル、それからソ連材が百三十万立方メートル、それからラワン材、これはフィリピンでございますが、五百十万立方メートル、その他ニュージーランド等から五十万立方メートル、総計いたしまして八百五十万立方メートルの輸入の計画になっております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 その他というのはラワン材のことですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 その他はリグナンバイター、チークというようなものでございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 ここで長官にお伺いいたしたいと思いますけれども、少なくとも国内のパルプ材というものはコスト高ということで、ここに貿易自由化の問題が出て参りますし、今みたいに林野庁が輸入を計画されても、製紙業者あたり相当な抵抗を示すんじゃないかと思いますが、そこらについての見通しは大丈夫なのですか。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 製紙会社等におきましては、パルプ材の輸入については反対はないかと思うのであります。パルプの輸入に対して反対があったように聞いておりますが、これは大体来年の十月ごろには自由化されても、国内態勢も整うという見込みになっております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしたいと思いますのは、造林と伐採との関係であります。これはどういう角度からお伺いするかといいますと、私は少なくとも現在の国有林野というものは増伐期に入っているのじゃないか、現在のような計画をもう少し進めて伐採を促進する必要があるのじゃないかという角度からお尋ねをいたすのであります。昭和十五年には造林面相が四十二万ヘクタール、伐採面積が五十七万ヘクタールでありますが、それが戦争末期から戦争後の二、三年まで非常に逆な形がずっと続いております。十六年で造林が五十二、伐採が六十五それからずっと二十年で極端に造林面積が減りまして四十七万ヘクタール、伐採面積が七十九万ヘクタール、こういった状態を改めていくために林野庁としても相当な苦労をされたと思うのでありますが、昭和二十七年ごろから大体造林面積の方がずっとふえて参りまして、その効果というものはやはり今後十年ぐらいに期待するというのが常識的な考え方でしょうけれども、問題は、御承知のように三十三年、三十四年ごろからまたそれがずっと減ってきております。ですから、少なくとも先ほどお話のありました緊急対策の線に沿うためには、この伐採面積というものをいま少し検討する必要があるのではなかろうかと思うのであります。この点について限界はどの程度になるのか、造林との関係の中でどの程度が伐採の限界になるのか、この点についての林野庁長官としてのお考え方を聞かしていただきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○吉村政府委員 過去におきまして植伐と申しますか、造林と伐採の不均衡がありましたのは御指摘の通りでございますが、それが三十一、二年ごろには大体植伐の均衡がとれまして、その後伐採跡地の造林を確実にされているというようになっておるのでございます。  御指摘のもう少し切れるのではないか、伐採できるのではないか、こういう点でございますが、私どもも、この緊急対策を進めますと同時に、恒久的な対策の再検討をいたしております。それで、その検討をただいま進めておる過程でございますが、今後、造林技術、すでにいろいろな研究も実って参っておるのでございます。そういうものを取り入れて造林を進めていく過程におきまして、大体この緊急対策のうちの一部と申しますか、年にしまして三百万立方メートル程度は今後恒常的にふやして参りたいというように、またそれができるのじゃないかというように、ただいま検討をいたしておるわけでございます。その余の百万立方メートル程度は、これは将来あるいは薪炭材、こういうものが用材にかわってくる傾向にあるのではないか。それからそういう事情も勘案いたしまして、何とか緊急対策を一年だけでやめてしまわないで、こういう状態が続けられないかどうかということを検討いたしておる次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今の点につきましては、その伐採量をふやして、今長官のお話では年に三百万立方メートルをふやしていくという御計画のようでありますが、これは文字通り緊急対策なんですから、さらにふやす努力――もちろん造林との関係で限界はありまするけれども、やはり大胆な手を打っていただくということと同時に、やはり植種の転換ということは林業試験場その他において相当研究を積まれておるわけでありますから、これを試験場限りのものにしないで、やはりこういった場合を一つ契機としまして、相当実際面に運用していただくというような点で、格段の御配慮をいただきたいと思うわけであります。  次に、これは時間がないようでありますから、局長に伺いたいと思うのでありますが、先ほど申しましたように、私は今度の租税特別措置でもって現在の需給関係に大きな刺激を与えて所期の効果を期待するということはほとんど不可能じゃなかろうかという結論を持っております。その私の見通しが誤りでありますればそれをお教えいただきたいと思うわけでありますけれども、大体三十二年の統計によりましても全林野の面積二千四百九十九万ヘクタールのうち、個人所有が五八%、国有林が三〇%、その他公有林が一二%くらいでありますが、その私有林面積のうちで五ヘクタール以下のものが九割を占めておる。大山林地主が面積の六割を占めておりまして、しかもその林業所得は昭和二十六年に山林所得が四七%であったものが三十三年には七七%になっておるような状況であります。とにかく、簡単に申し上げると、黙って山の中で自分の山を寝ころがって見ておれば所得がふえていく。このような状態の中で今御提案になりましたような、そうして政務次官が先ほどお話になりましたような、今度の租税特別措置が刺激になって、木材が出てくるのだという考えほど今どき甘い考えはないのじゃなかろうか。むしろその所得の状態を、何といいますか、ガラス張りにすることさえも嫌うような空気の中で、税制面でいじるということが刺激になる、こういう御見解があるのでしたら、その根拠をこの際お聞かせをいただきたいと思うのです。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 どの程度これによって促進されるかというお話でございます。これはなかなか見方によってむずかしい問題だと思いますが、われわれが林野庁からちょうだいいたしました資料によりますと、三十五年度の国内生産が大体四千四百万立方メートル、三十六年度四千八百万立方メートル、約四面万程度の供給増でございますが、そのうち自然増がございまして、計画増といたしましては、民有林におきましては百四十万立方メートルくらいを考えておるわけでございます。従いまして、この百四十万立方メートルの計画増というものは国内生産全体の四千八百万立方メートルに対します割合を考えますと、それほど大きなものではないという感じはわれわれしろうとしていたすわけでございます。ところで今度の措置によります減税額でございますが、先ほどそれぞれ五割増の場合を申し上げましたが、増伐が前三年に比べて五割増の場合には、約三割程度の減税のメリットになりますということを申し上げましたが、なお詳しく申し上げますと、大体一町歩を切った場合で、前年もその通りであったといたしますと、その増伐分に対する減税は及びませんが、今度の取得価額の改訂による減税だけが及びまして、約一九%減税になります。それから一町二反歩を切ったといたしまして、その場合それが二割増伐といたしますと、三二%程度の減税割合になります。一町五反歩を切りましてそれが五割増伐いたしたといたしますと、三四%程度の減税額になります。この辺を見ていただいて、感触として全然メリットのないものであるかどうかというところであろうと思うわけでございます。もちろん、われわれはこの臨時措置によりましてこの計画はそれだけで可能であるとはもちろん考えないわけでございますが、こういう木材価格の総合対策の一環として、民間に増伐について協力を願うという際には、この程度、つまり増伐分に対する平均実効税率を半分にするという程度の臨時措置は潤滑油として必要でもあり、またあまりオーバーにはなっていないものだろうと思います。ちょうどドイツの臨時伐採の軽減税率がこれと同じような平均実効税率の二分の一という点を採用しているわけでございます。そういう点から申しましても、これだけではできないと思いますが、まあ潤滑油という程度のことはこの際必要でもあり、また妥当でもあるのじゃないかというふうに考える次第でございます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 この点については、これはあと半年なり一年なりを見て、局長が言うように刺激になったかどうかということを見なければならぬわけですけれども、少なくとも最初に私が林野庁長官にお話しいたしましたような、そしてまた皆さん方御承知のような木材の高騰の中で、この減税効果の持つ意義というものは、少なくとも、特に大山林地主等については、これは大蔵省と同じように皆さん計算商いですからちゃんとそろばんをはじきますわね。そうなって参りますと、私はやはりその効果というものは期待できないのじゃないか、こういうふうに考えます。そうなりますと、最初に申し上げました租税特別措置法に対する一般の考え方、この流れと逆行するようなことを、大した効果がないのにやるということについては、今までの大蔵省のあり方として、実に突然変異でもないでしょうけれども、少なくとも流れの中でその場当たりのことをやるというような態度については、僕は税制上相当慎重に考えなければいかぬ問題だと思うのです。こういう点については、私たちは、やはり一つのオーソドックスな方法をとっていくという態度があってしかるべきでありまして、そういう点で今度の御提案についてはどうしても納得がいかない。と同時に、林野庁にもお願いをいたしたいと存じますことは、増伐の問題なり何なり根本的な施策を表面に打ち出していくということにやはり御努力いただいて、こそくな手段でもって何かやったのだ、やろうとしたのだというようなことでは、私は政治の方向としてこれは少なくとも避けていかなければならないことであると思いますから、こういう点についてはやはり相当の御戒心をいただきたい、このことを強く要望いたしまして、本日の私の質問を終わりたいと思います。問題は今後にあるのでありまして、やはり基本問題調査会の答申にありました林野特別会計の経営の問題なり、また林業所得の問題なりあるいは林業経営の問題なり、総合的な判断の上に立って、今申し上げました基本対策というものが打ち立てられなければならぬと思いますが、こういう点につきましては日をあらためて林野庁長官のお考えを承りたいと思いますし、その上に立っての政府としてのお考えも承りたいと思いますので、私は先ほどの点だけを要望いたしまして、本日の質問をこれで終わりたいと思います。

小川平二自由民主党

○小川委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小川平二自由民主党

○小川委員長 では速記を始めて。  石村英雄君。

石村英雄日本社会党

○石村委員 租税特別措置法についていろいろお尋ねしたいことがたくさんあるのですが、その前に委員長に、税法に関する審議についての大蔵委員会の運営の仕方ということについて、御注文と申しますか、お願いと申しますか、私の気持を申し上げ、また同時に大蔵省の事務当局にお願いがしたいのであります。  私は長い間大蔵委員をやっております。従って税法については大体わかっておる、こういうふうに自分では考えておったのですが、たまたまことし病気をしまして通常国会はほとんど休みましたが、病床にあっていろいろな税法のことについて天井をにらんで考えたのですが、自分自身としてわかっておると思っておったことは大間違いだということを、痛切に反省させられたのです。私はわかっていない。今まで大蔵委員会へいろいろ税法がかかってくる、かかってくると事務当局の説明なりあるいは専門員室の御説明なりを聞いて、今度の税法の改正案は大体こんなところだな、こういうように受け取って、一般論と申しますか、政治論のみをやってきました。もちろん政治論が不必要だとは申しません。非常に必要なことだと思います。今度の租税特別措置法につきましても、山林所得なんかの問題について先ほどからいろいろ質問が出ておりますが、私もこういう特別措置をしてはたして今の木材の価格を下げるというような効果があるかどうか、非常に疑問だと考えておりますが、こうした一般論も必要ですが、やはり直接個々の条文について議員としては綿密な検討をしなければならぬのじゃないか、こう考えておるのです。それは、税については私も苦い体験があるのですが、その体験も恐縮ですがお聞き願いたいのです。私は議員になる前にしがない町の炭屋をしておりましたが、ちょうど取引高税の問題で税務署から大へんしかられたことがあるのです。まきは当初取引高税の対象になっていなかった。それがある時期において統制がはずされて取引高税の対象になった。その後において私は正直にやはり取引高税をまきについては納めておる、こう考えておったのですが、取引高税がかかるようになって一年か二年か後になって税務署から、お前のところは取引高税を脱税しておる、従って脱税分についてこれこれ納めろ、こういう話があった。莫大な金額なんです。重加算税、そんなものまで計算したんだと思いますが、あまり大きな金額ですからびっくりして税務署へ私は行きました。一体どういうわけだ、自分としては取引高税を脱税はしていないつもりだが、こう言いましたところが、税務署の説明には、お前の方では納めてはおるが、実は取引高税のかからぬときに売ったまきの代金が、取引高税がかかるようになって後において入ったそのものの取引高税を納めていないんだ、従ってこれに対して何年前からのことだからこれこれのなにをかけて、当時三十万円か幾らかだったですが、そんな金額を言い渡された。御承知のようにまきのようなものは大へん利潤の薄いものであります。取引高税がかかるようになってからは取引高税を考えてまき販売価格も作っておる。取引高税のかからぬときには、生活必需物資だというのでやはりそれだけのもうけはない価格で売っておったわけです。それが売ったときは取引高税はかからぬ、その代金が入ったのは取引高税がかかるようになってからだ。大体税務署は、売ればすぐもうけがある、その売ったものが売掛になって金がとれてもとれなくても売り上げ利益として損益計算して税金をとる。それが取引高税のかからぬときに売ったものの入金が、あとになってからきたといって取引高税をかけるというのはあまりにも不当ではないか、こう言ったところが、その税務署のお役人の言うのに、あなたのおっしゃることはもっともです、こういう税法は私も非常に不合理だと思います。ここまではよかった。あとどんなことを言ったかというと、だがこの税法はあなた方がお選びになった議員が国会でお作りになった法律であります、従って文句があるならば選んだ議員に文句を言いなさい、税務署の職員としては法律通りやらざるを得ない、こういう返事だった。私大へんけしからぬ発言だとは思いましたが、法律がそうなっておるとすればしようがない、こう考えたのです。こういうように、おそらくその取引高税の法律を作ったときも、議員はそんなことまでは知らずに作ったのではないかと思います。従ってわれわれがこの税法を審議するときにも、やはり具体的に各条文について綿密な検討を加えなければならぬのじゃないか。一般の政治論はもちろん必要ですが、こうしたものについて具体的な個々の条文について、綿密に議員がこの場で審議する必要があるのではないかということを、こうした体験その他を考えて、病中痛烈に反省したわけでありますが、どうか今後の大蔵委員会において税法を審議される場合は、大蔵委員長としてもそうした点を御考慮になって、税法の小委員会でもけっこうですが、そういうところで一々各条文について逐次検討を加えるような運営をしていただくことをお願いするとともに、大蔵省当局にお願いするのは、この税法の条文はわれわれしろうとが読んだらさっぱりわかりません。これはもちろん正確を期せられるためにこういう文章ができ上がるのだとは思いますが、読んでいくと主語がどこにあったか忘れてしまうのです。一々ノートを書き上げて、この条文の主語はこれだ、そしてこの主語はどこで完結するのだということを書き抜いて、ただし何々、ただし何々ととあとへくっつけていかなければ、この条文は何を言っているのかさっぱりわからない。これをずっと読んだら、皆さんは専門家ですから何のことかわかると思いますが、この条文を読んでもしろうとには何のことかわかりません。そのまま読んだら頭には全然残らない、まるで外国語の本を読んでいるようなものだ、従ってこういう改正をなさる場合には、あるいは新しい税法をお作りになる場合には、お願いすることは、具体例を一々あげて、そうして各条文を適用して、この条文によりてここの例はこうなっていくんだ、今度の租税特別措置にいたしましても、この改正をしない前はこうなる、今度の改正によって、ここはここの条文によってこうなるのだという説明を、めんどうでしょうが全部お作りになって、われわれ委員にお配り願いたい。そうすることによって私たちしろうとがこの条文を審議し、はたして無理な改正でないかどうかということをほんとうに調べることができると思うのです。いつかもこの法律がわからないということを言いましたところが、たしか塩崎君だったと思いますが、私たちにはわかります、こう言う。ところが、そのとき私は、この何々を除くとあるのはどの部分を除くのだと具体的な例をあげて聞いたら、塩崎君は、いやそれはこれですと具体的に指摘はできなかった。ただ何となしに私にはこうのみ込めます。こういうばく然とした改正なんです。おそらく皆さん、大へん失礼ですが、主税局長もこの条文を文法的に分解してこれは何だ、こう聞いたときには簡単には答えられないような条文ができておると思います。もちろん冒頭申しましたように、皆さん方は大へん正確を期せられる結果こうしたものができると思うのですが、それだけにわからないものですから、これはわかるように条文の書き方も考えていただきたいが、われわれが審議するについてもそういう具体例をあげて、一々適用条文を書いて計算をしてお見せいただくならばわれわれにも理解ができる。これをぜひやっていただきたい。あしたに上げるとかなんとかいうことですが、私は今度の問題でもこの租税特別措置法についても一々具体例を示していただきたいということを希望するわけです。これが冒頭にお願いすることで、ぜひ今後そういう大蔵委員会の取り扱いをしていただくこと、そうすべきだと私は考えるわけですが、これは希望として申し上げておきます。  そこで、ちょっとお尋ねしますが、実は昨晩もこれを読んでみましたが、とうとうさじを投げた、どこでさじを投げたかというと、問題になっておる山林所得の課税の特例で、三十条の二があり、そうして三十条の二の三項で私はさじを投げた。これはどういうふうにこの三項というものを解釈すればいいだろうかわからなくなった。三十条はもちろん生きておるのだと思います。この三十条は個人が、昭和二十一年三月三日から引き続き所有している山林を伐採し、または譲渡したときの所得の計算の特例なんです。それが今度三十条の二で、昭和三十六年または昭和三十七年において、昭和二十七年十二月三十一日から引き続き所有していた山林を伐採し、または譲渡した場合においての計算の特例として出ておる。これは考えてみますと、昭和二十七年十二月三十一日から引き続き所有していた山林というのですから、三十条の昭和二十一年三月三日から引き続いて所有していた人も三十条の二の中には当然含まれると思います。この三十条の二があって、三十条の二の三項の「第一項の規定の適用を受ける者については、」――この「第一項の規定」というのは今度の改正の三十条の二の一項だと思いますが、これが「受ける者については、」として、三十条の条文の読み方、解釈といいますか、「同条の規定を適用する。」ということになっておるのですが、この関係で三項と三十条及び三十条の二の関係を御説明願いたい。

細見卓大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○細見説明員 三項のところは、先ほど御指摘のように、三十条の「昭和二十一年三月三日から引き続き所有していた山林」となっておるわけでありますので、それをこの特例につきましては二十八年一月一日現在の価格を取得価格として考えるというふうに読みかえをいたしますので、それに必要な調整をしておるわけであります。従いまして、二十八年一月一日となりますので、それがその前日という意味では二十七年十二月三十一日となるわけであります。  それから「「所得税法第十条第二項及び第三項並びに第十条の四第一項」とあるのは」云々、これはその山林所得の計算方法を所得税法の方で書いておるものでありますので、その日取りにかかわらず概算経費はこういうふうにして計算するということにいたしますので、ここに「次条第一項」ということになったわけでございます。  それから、その次にカッコが入っておりますのは、御承知のように相続及び遺贈の場合に、一般のこの期間にわたりまする相続及び遺贈につきましては、例の相続のときに、みなし課税がなされておりますので、その期間が除かれるわけであります。  それから、「昭和二十八年中」以下は、これはこの概算経費の読み方をここにその通り従来の条文を引っぱってきておるわけであります。  それから、「その年において伐採又は譲渡をされた山林」云々は、これはその概算経費の計算をいたしまして、その以後におきまして二十八年一月一日現在の評価額にいたすわけでありますが、それ以後のいわゆる管理費やその他必要な経費を、今までは財産税評価率でやっておったものを、今度は二十八年一月一日における財産税のときに置きかえたわけでありますので、従いまして、それ以後の維持管理費というふうになったわけであります。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 今の説明でありますが、詰めて申しますと、実体規定は前の方に書いてあるわけであります。一項、二項に書いてあります。それが実体規定ですが、それを動かす場合に、ある程度読みかえ規定を置きませんと文理上動かないというものがあるわけであります。そういう意味で形式的な手当をしておるだけであります。言っていることは一項、二項のことをやるためには、ある条文をそういうふうに読みかえないとそこが工合が悪いということでありまして、ここに新しい実体規定は何らの追加もない。一項、二項を置きました関係で、その他の条文を動かさないと読めないというだけのことであります。個々の内容につきましては、ただいま税制一課長が説明した通りであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 三項の内容を私も三十条の中に一々入れてみたわけなんです。そうすると結局この三十条の二の一項、二項と同じものになったわけですね。そうするとこの三項の冒頭に「第一項の規定の適用を受ける者については、」とこうある。「第一項の規定の適用を受ける者」というのは「昭和二十七年十二月三十一日から引き続き所有していた山林を伐採し、又は譲渡した場合」、そしてその者が三十六年または三十七年においてこれを伐採し、または譲渡した場合のことを言っておると思いますが、ところで三十条の方は二十一年三月三日から引き続いて所有していたものだ、こういうようになるわけです。その者が昭和三十六年、三十七年において伐採または譲渡すれば、三十条の二を適用されることは当然のことだと思います。昭和二十七年十二月三十一日から引き続きということは、その前から引き続いているわけなんですから、何も昭和二十七年の十二月三十一日に取得して、そのとき取得しなければこれの適用がないというわけではないと思う。二十七年の十二月三十一日以前から持っているものは三十六年、三十七年に伐採または譲渡すれば三十条の二の適用を当然受けるのだと思う。そうするとなぜ三十条の二の三項によって、そのように読みかえるというか、そういう適用をやらなければならないのか、これがわからないのです。しかも冒頭には「第一項の規定の適用を受ける者については、」「第一項の規定の適用」とは何かといえば、昭和二十一年三月三日以後から持っておりさえすれば、三十条の二の規定の適用は当然受けるはずです。それを三項であらためてそうしなければならぬのはどうだろうか。これはしろうとの私の考えです。もちろん専門家のあなた方の方としては、税法上そういう規定を設けなければならぬという理由があると思うのですが、今までの御説明ではそこがわからない。なぜこんなものをわざわざ置かなければならぬのか。それはもし三十条の二が、昭和三十七年十二月三十一日から引き続き所有していた山林を伐採または譲渡という意味ならそういうことをしなければならぬかもしれません。だがこの「昭和二十七年十二月三十一日から引き続き」というのは、それ以前から持っておったって差しつかえないはずだと思うのです。大正十二年から持っておったってかまわないはずだと思うのです。これはどういうわけなんですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 三十条の二では、いつから引き続き所有しているという条件のほかに、三十六年または三十七年において譲渡したと、こういう条件がついているわけでございます。このものについてだけ特例を認めているわけでございます。それで三十条の方は基本税法でございますので――基本税法と申しますか、これは基本的に、三十六年とか三十七年に譲渡しようがしまいがその規定の適用があるわけでございます。三十条の二で言っておりますのは、三十六年と三十七年の臨時立法でございます、どういうことを言って第一項と第二項にその取得価額ベースの特例を設けているわけでございます。従いまして、今度は概算経費控除というのは全部に通ずるわけでございますので、この適用のあるものだけについてその概算経費の取得価額に関する部分を読みかえねばならぬというわけでございます。向こうを全部殺すわけにいかないわけであります。それを全部手当をいたしますと三項のようなことになります、こういうわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 どうも頭が悪くてわからないのですが、三項の冒頭に、「第一項の規定の適用を受ける者については、」三項でこういうふうに読むと書いてあるでしょう。この3項の、「第一項の規定の適用を受ける者」というのは、三十六年、三十七年に売る者でなければ適用を受けないでしょう。だからこんなものは必要がないのじゃないかという気がどうしてもするのです。これは決して私の言うことは間違いじゃないと言っているのじゃないのです。おそらくあなた方が精密な法律論によってこういうめんどうなことをお書きになったのだろうとは思うが、どうもわからない。これは三項の冒頭に「第一項の規定の適用を受ける者については、」なんて書いてないとまた解釈が変わってくるかと思うのですが、この規定の適用を受ける者といえば、もう三十条の二の者しかいないわけですね。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 同じことでございますが、三十条の概算経費控除の適用を受けるかどうかということは山林所得、いつの年に売ろうともこの三十条の規定の適用があるわけでございます。今度特例を設けますのは、これは三十条には直接何も触れてないわけです。三十条の二の第一項、第二項の規定は、こういうものについて実態的にこういたします、二十八年一月一日ベースでもって取得価額といたします、こう言っているわけです。概算経費控除の一般の論理で言うとそうでなくて、財産税の評価時期でもって取得価額としまして、そこで再評価でもってその間太った分、二十八年一月一日までに山林が太っていきますね。その太った分は荷評価で置きかえてないわけです。単純に二十二年三月一日現在の林齢の分を物価騰貴分だけ伸ばしているわけです。そういうわけでその間の差額は再評価税で調整しているわけです。そこで、物価騰貴分だけ置きましたベースを基礎にしまして、それを事後の管理費とかそういうものを加えまして経費を見るわけです。収入金額は収入金額で普通の立木価額を出しまして、それでその割合が幾らになるかというところで、概算経費率をはじきます。こういう規定の仕方をしておるわけであります。今度やりましたのはそうではなくて、第一項、第二項では二十八年一月一日現在の、そのときの林齢で、そのときの特価をもって取得価額といたします、こう言っておるわけです。ただし、それは三十六年ないし三十七年に売った人にだけしか適用いたしません。こう言っておりますので、その概算経費控除の方を全文改めるわけにいかぬわけです。そういう人についてだけ改めるということに相なっておるわけです。そのことを三十条の二の第三項は書いた、そうせざるを得ぬわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 中身はわかっておるのですが――わかっておるのですがといっては失礼ですが、わかっておるような気がするのですが、三十条の二でそういう特例が三十条に対してきめられておるわけですね。三十条の二というのは三十条に対するまた特例だと思う。その特例をちゃんと書いておいて、元の三十条をあらためて読まなければならぬ必要がどうしてあるのか。常識論からかもしれません、その必要ないじゃないか。なるほどあなたのおっしゃるように、三十条というものは、ずっと特例でなしに、三十六年、三十七年に売らない人、三十九年、四十年に売る人にはこの三十条が適用されるわけです。たまたま三十六年、三十七年に売る人は、この三十条の二の特例は適用される、こう三十条の二で書いておるわけです。特例だとしてあげておるのだと思う。そうしてこの特例の適用を受ける者が、また三十条をあらためて読まなければならぬというのは、二度手間のような気がしてわからなくなってきた。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 だんだんはっきりして参りましたが、こういうことでございます。現行税法の山林所得の計算方法は、基本税法による計算方法が一つございます。それから概算経費率による計算方法、これは簡便法でございます。これは措置法で設けておるわけでございます。そこで基本税法はもう御案内の通りに、収入金額から、今までの原価と譲渡に要する経費を引きまして、それから十五万円引いて五分の一にして出します、五分五乗の方法でやるわけでございます。ただ、そうやりますと、一々取得原価が非常にむずかしいために、それを四十年前の取得原価、これは財産税で打ち切られておりますから、二十一年三月一日現地の時価からずっとスタートするわけです。個々のものについてはこれが非常にむずかしいわけでございます。そうして租税特別措置法三十条でその経費率を法律上概算いたしましょう。そしてそれは毎年大蔵省告示で定めます。その大蔵省の告示で定めた概算経費率を使いたい方はそれをお使い下さい。本来の計算でおやりになりたい方は本来の計算でよろしゅうございます。こう言っておるわけでございます。そこで今度は特例を設けました。ですから、所得税法上はこれでけっこうなんです。ただ概算経費率をお使いになろうという場合には、概算経費率の方も使い得るように調整しておるわけでございます。それが第三項で、今の概算経費率の読み方については、この特例のあるものについてはこう読みますといっておるわけです。この中身は、考え方の基礎はちっとも変わらぬわけでございます。ただそこだけの概算経費率を使う場合の手当だけはしておるのでございます、こういうわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 どうもわからないですね。概算経費率を使う、こういうのですが、三条の二で概算経費率というか、何か今度は概算経費控除という書き方が変わって、山林所得の課税の特例で出ておるわけですが、これで十分なように法律的には思うのですがね。やはり三十条を読みかえないとこの三十条の二は適用できなくなるのですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 これはどう言いますか、この第三項をごらんになりますと、「第一項の規定の適用を受ける者については、前条第一項中「昭和二十一年三月三月」」とあるのは、概算経費率の計算では三月三日以降二十八年一月一日までの管理費がありますね。これも取得原価に入るわけですよ。普通の概算経費率でもっていきますとこれも取得原価に入りますし、その後のものも入るわけです。この特例がない場合の概算経費率を計算する場合の取得原価ですね。これは二十二年三月一日現在の財産税課税時期の林齢のときの財産の評価額がございましょう。これをただ物価ベースに置き直すわけです。そこが取得価額になるわけですね。いわば何といいますか、ちょうど植えたと同じことと考えている。その後の経費として入るものは、三月三日以降の維持管理費は全部経費として入ってくるわけですね、観念的にずっと入ってくる。ですから、財産税評価時期の再評価ベースにおける取得価額プラス二十一年三月三日以降売るときまでの維持管理費プラス譲渡経費、これだけが経費項目の中に入ってくるわけですね。今度の特例ではそうやってはいかぬわけでございましょう。というのは、二十八年一月一日現在の再評価額でいきます、そのときの時価でいきます、こう言いますから、それ以前の経費はその時価の中に含まれているわけでございます。それから太った分がございますね。その間何年間でございますか、二十一年三月三日から二十八年までですから七年ちょっと欠けますが、その分の太ったものがあるわけです。この分も本来でいえばこれは収入金額の方に普通の場合ですと出るわけであります。原価の方はそれだけ低いものでできているわけでございます。それが今度の改正でその太った分を原価として計算いたしましょう、こういうことを言っているわけです。従って、そのベースは、あくまでも取得価額というのは三十条の二十一年三月一日から概算経費を計算してはいかぬのであって、そのときの積み重ねの基礎になるものは二十八年一月一日以降の経費を加算すれば足りるわけでございます。そのことが書いてあるわけです。またそうでなくては困るわけですね。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そういう解釈、そういう説明だとすると、三十条の二の昭和二十七年十二月三十一日というものの以前の者は適用を受けないので、従って三項によって以前の者が適用を初めて受けることになるというようなことにでも説明しなければならないのじゃないのですか。なるほど二十一年三月三日以後の経費というものが概算控除の前の分でいろいろ計算されることに――今では収入金額の十分の一ですか、大蔵大臣告示にあるわけですが、そういう五項の計算方法になっているのでありますが、まあそんな二十七年十二月三十一日以前の者も三十条の二の解釈からいえば、当然三十条の二に含まれる人であります。ただそれが三十六年、三十七年に売るか売らぬかという条件が合致するかどうかできまるのじゃないですか。私の言うことがわからぬのですかね。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 おそれ入りますが、もう一回ちょっと今の疑点をお聞かせ願いたいのです。条文でおっしゃっていただいてもけっこうでございます。二項でございますか。

石村英雄日本社会党

○石村委員 私の言うのは、三十条の二で、もうすでに昭和二十年だろうが昭和十八年だろうがあるいは二十二年だろうが、それから引き続いて所有しておった者が三十六年、三十七年において山林を伐採しまたは譲渡した場合には三十条の二の適用を当然受けるはずだ、それになぜ三項で二十一年三月三日以後のものについて適用を受けるようななにをするか。しかも三項の冒頭に「第一項の規定の適用を受ける者」、もう適用を受ける人はこういう条件の人しか適用を受けないことになるわけですね。三項の冒頭にそう書いてあるから、これ以外の、一項の適用を受けない者について云々とあればあるいはまた別の解釈が生まれるかもしれません。もうこの三項というものは、三十条の二の適用を受ける者しか三項というものは当てはまらぬ人なんですね、それにどうして同じことを害わなければならぬか。別個の人間ならそれは必要があるかもしらぬ。そういうしろうとの考えですが、わかりませんか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 こういうことですね。ずっとどこからどこまでの分を今の二十八年一月一日のベースに置きかえるかと申しますと、二十八年一月一日以降をだれか他人から譲渡によって取得した者がありますと、この人には適用してやったらこれはかえって不利になるわけですね。その後むしろ上がっておりますから……。これはよろしゅうございますね。ですからその第二項も同じことなんです。このときまでは包括遺贈がありますとみなし譲渡の規定があったわけです。だからもはや二十八年でもってみなし譲渡は終わっておったわけですね。今第二項の説明をしておるのです。その関連におきまして、この人はみなし譲渡でもって譲渡者は課税になっておりますので、譲受人はそのときのベースで取得した者といっているわけです。ですからここで特例として二十八年一月一日現在の時価で見てやるといっても、それよりも高い価額ですでに課税を受けておるから、この者をはずそうというのが第二項の規定でございます。  第三項は、先ほど申しました概算経費との関係でございますが、従って二十八年一月一日以前持っておらなければいかぬわけですね。しかもその最後の終期はどこになるかというと、二十一年三月三日が財産税評価時期でございます。概算経費率の規定の仕方は、これはいろいろ技術的に問題はありますが、財産税調査時期から引き続き持っておった者にしか適用にならないものとして概算経費率がきめてあるわけでございます。その者について、今度は二十八年の時価ベースで取得価額を見てやろうというのですから、そういう者についてだけ三十条の読みかえ規定を置かなければならぬ。所得税法の本則でなくて概算経費の方を二十八年、二十九年に売りまして概算経費薬の適用を受けようという者については、どうしても三十条を読みかえてやらないと受けられなくなります。そこを読みかえていこう、こういうわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 三項がないと適用を受けないということですが、三項の中に書いてあることはもう三十条の二と同じことじゃないかと思うのです。三十条の二と事実上は同じことなんです。これは違うのですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 ですから実態は全く同じことであります。ただ同じことを、その適用を受ける人が、所得税法本法で適用を受けるか、措置法の三十条の適用を受けるか、所得計算について、これは本人の任意でございます。そこでこの三十条の二の適用を受ける場合にも、受ける人につきましても、本法で受けようが、それから三十条による概算経費率を選択しようが、どちらでもけっこうでございます。本法についての規定は三十条の二の第一項と第二項で書いておるわけであります。ところが概算経費の適用を受けようというものについては、これではわからないわけであります。あれは計算方式でございますから。そのものについては、受けるものについて、概算経費の適用を受けようとするときには、その場合は三項で書いたように読みかえた率によります、こう言っておるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、こういうことなんですか、この三十条の二は、一項の最後が「必要な経費の金額との合計額とする。」こう確定的に書いてあるのですね。ところが三十条の方は「金額とすることができる。」こう書いてある、このできるということの適用をするために三項があるわけですね。結局そうなんですね。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 さようであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 やっとわかりました。  大体、もう終わりますが、もう一つ、ちょっとこう大へんめんどうくさい規定をよくおやりになる大蔵省の方として、なぜこういう書き方をなさったかわからないところがあるのですが、それは三十条の三の二号のイの「総収入金額から必要な経費を控除した残額」、この「必要な経費」とは何か。なぜ必要な経費は――前の条文なんかにはいろいろ必要な経費のことが書いてあるが、何条々々の必要経費というような具体的な指定がないのか。ただばく然と「必要な経費を控除した」、こういうことになるのですか、この必要な経費は任意でかまわないのですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 これは書き方で見ますと、所得税は「これらの規定にかかわらず、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額による。」、一号で、「その年分の所租税法第十三条第二項に規定する課税山林所得金額につき同条第一項又は同法第十五条第二項の規定により計算した金額」、これは普通の正当税額であります。そして第二号で、「前号に掲げる金額に、ロに掲げる金額がイに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額の二分の一に相当する金額」、これは何といいますか、今の増伐分に対する平均実効税率、税額を出そうというわけであります。「その年分の山林所得に係る総収入金額から必要な経費を控除した残額」ですから、これは所得金額、山林所得のうち所得金額そのもので言っておるわけであります。だから、所得按分で計算いたしますということを言っておるわけでございます。ロは、「イに掲げる残額のうち」云々、これは所得であります。ですから、収入按分によらないで所得按分によってやります。平均実効税率の出し方は所得按分によります。こういうことをうたっておるわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 今私の言っておるのは「収入金額から必要な経費を控除した額、必要とは何をさすか、ほかのところはその他必要な経費と言って、大体必要な経費の内容が限定してあるのですね、ほかの条文には。ここだけは単に必要な経費と言っておる、必要と思いさえすれば何でもいいか、ほかのところは非常に厳密に必要な経費という言葉を使ってあるが、その前に何々、何々その他必要な経費と言って、ある程度必要な経費の内容を限定しておるという解釈になるのです。ここにはそんなものが全然ない、単純に必要な経費と書いてある、これはなぜか。厳密なことをいつもお書きになるお役人の仕事としては、どうも合点がいかない、こういうことです。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 これは所得税法の山林所得の計算方法につきましても、これは「必要な経費」、こう言っておるわけでございます。それを所得税法の用語をそのまま引用しておる、その内容が何であるかということは、おのずから会計学の原則その他でわかりますし、何が必要な経費であるかというのは、必要な限りにしか規定していないわけでございます。あと大分部は会計学にまかしておるわけであります。所得税法のを今ちょっと思い出しますと、書いてあるのは家事関連費のようなものについて規定してございます。こういうものは、収入に対応する経費が何であるかということまでは所得税法あるいは法人税法は一々書いてございません。疑義のあるもの、あるいははっきり普通の会計学と違う方式をとらなければならぬというものについて書いてあるわけであります。従って、ここでは所得税法上の「必要な経費」という文書をそのまま引用してあるということであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 それで済むなら、三十条についても「総収入金額から控除すべき植林費、取得費、管理費、伐採費その他の必要な経費の金額」なんて長たらしいことを書かずに、総収入金額から控除すべき必要な経費、こう書けばいいのではないか。ほかのところはこんな長たらしいことが書いてある、ここだけは書いてないのはどういうわけか、何か特殊な意味があるか、こういうことです。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 山林所得の所得計算を規定しました所得税法の第九条第七号を見ますと、こう書いてあります。「山林の伐採又は譲渡に因る所得は、」こう書いておりまして、「その年中の総収入金額から当該山林の植林費、取得費、管理費、伐採費その他必要な経費を控除し、」こうなってくくってありますのは、「その他必要な経費」とこう書いてございます。ですから、中身はここに書いてあるわけでございまして、これはどうせ本則に対する特則でございますので、こう使えば普通の用語の約束に従いまして、七号にいうところの「必要な経費」であるということになるわけでございます。ここにまた長たらしく書く必要はないのだ、ただ概算経費の問題につきましては、これは計算方式でありますので、はっきりそのことを書く必要がある、こちらは所得税法の本則にそのまま乗っかった規定でございますので、そのように読んでいただく、かような意味で規定してあるわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 九条の七号に「その他必要な経費」の前文句があるわけなんですね。だからここにもなぜそれをお書きにならないか、こういうのです。ただこれだけ見ると、「必要な経費」、任意の判断でよろしい、こういうことなんですが、本則の方ではある程度こういうものを例示してあって、「必要な経費」というものがある程度例示によって制約を受けると思うのです。何でもかんでも「必要な経費」ということにはならない、本人が必要だと思ったらというわけにはいかないと思う。ところが、ほかのところは全部概算のところだろうが、本則のところだろうが、同じ文句が使ってある、このところだけ使っていない、もうめんどうくさくなったから、わかったからやめた、こういう意味ですか。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 何と申しますか、本則の方はこれははっきり書かないとわからないわけですね。ですから、ずっと例示をあげて、「その他必要な経費」というものは、おそらく譲渡に関する経費とか、そういったものを言っておる、いずれにしてもはっきり書かないとわかりません。概算経費というものは、これは技術でございます。その場合の技術計算の場合に、どういうものを引きますかというのは、これもやはりあらためて書く必要がある。この条文は、ここはもう本則に乗っかったというわけでございます。おっしゃるように一々書いてもけっこうなのでございますが、書かなくても、当然これが本則の例外であるということで、この「必要の経費」というのは本則に定める「必要な経費」であるということは読めるだろうということでございます。また法制局も当然そうだろうと思ってこれは整理しておるということだろうと思うわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そういうように簡略にしてわかりよくするというお気持は大へんけっこうですが、ほかの条文もなるべく簡略にしてわかりよく、ときどき思いついたように、めんどうくさくなって削るということをしないで、首尾一貫したやり方をとっていただきたい。そうでないと、何か特殊な意味があるだろうかとわれわれは間違って考えるようになりますから。一つお願いします。

小川平二自由民主党

○小川委員長 次会は明二十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十一分散会      ――――◇―――――

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