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39回国会衆議院1961/10/17

大蔵委員会 第5号

発言数
155
登壇者
14
会派数
2
開催日
1961/10/17

会議録

小川平二自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  農業近代化助成資金の設置に関する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。石村英雄君。

石村英雄日本社会党

○石村委員 この農業近代化助成資金の設置に関する法律案についてお尋ねします。この資金というものは財政法の四十四条に基づいた資金だと思いますが、そうなんですね。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 さようで、ございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 現在財政法の四十四条に基づいてできておる資金というのは、ほかにどんなものがありますか。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 財政法四十四条に基づきまする資金はその他いろいろございます。たとえば特別会計に所属いたしております資金といたしましては、外為特別会計におきまする外国為替資金、それから資金運用部資金、国債整理基金、そのほか国有財産特殊整理資金、産業投資特別会計の資金、その他いろいろあるわけでございます。  それから一般会計に所属いたしまする資金は、御存じの経済基盤強化資金とか、特別調達資金とか、国税収納整理資金、それから今回お願いいたしております農業近代化助成資金でございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 これはみんな四十四条に基づく資金だということですが、この財政法には資金とはどういうものかという定義がないのです。現在それぞれ置かれておる資金というものから、資金とは何ぞやというものを明らかにするよりほかしょうがないと思いますが、大体この財政法にいう特別資金の性格と申しますか、定義と申しますか、そういうものをちょっと御説明願いたいと思います。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 御指摘の通り、ただいまの財政法四十四条には資金の定義はございません。この条文は明治時代の会計法、あるいは大正時代の会計法そのままを継受いたした法律でございます。従いまして、この資金の性格につきましては、古くからいろいろと説あるいは議論があるところでございますが、一般的に申し上げますると、一会計年度内に消費し尽くすことがない意思をもって保有される金銭であると言われております。また、その性格といたしましては、一般の国庫金と区別して運用する特定の目的を有する、あるいは歳入歳出外として経理されるというような性質をあげられておるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ちょっとわかりにくい資金の内容ですが、大体資金の増減とか、あるいは現在額というようなものが、今度の法律のこの農業近代化資金には第八条で決算の場合これを作れ、こうあるわけです。ほかのいろいろたくさんある資金は必ずしもこういうような規定ができていないように思うのです。全部そうなっているかどうか、これは私よく存じませんが、ちょっと見たところでは必ずしも全部の資金について決算に増減表というものがついていないように思う。これはどういうことなんですか。実際は全部ついているんですか、それともばらばらで、あるものについては資金の増減がはっきりするようになっており、あるものについては全然わけがわからぬというような形で現在法律が作られているものかどうか、御説明を願いたい。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 資金の中にはいろいろと性格の異なったものがございますが、ただいま御指摘になりました点につきましては、農業近代化資金あるいは経済基盤強化資金、これは実質的には今からっぽになっておりますが、そういうものにつきましては資金の増減を早くいたしますことが容易でもございますし、今御指摘のような規定を設けているわけでございますが、資金の性質によりましては、全く歳計外で運用されますようなものもございますので、必ずしも資金残高につきましてこのような明文を設けておらないものもございます。しかし、この決算書その他をごらんいただきますれば、資金残がどの程度あったかということはおわかりいただけるようになっておると考えております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 大蔵省の専門家がごらんになればわかるかと思うのですが、われわれしろうとが見るとさっぱりわからないのであります。せっかく特別の資金として財政法で許されたものが、決算あるいは予算審議のときに、現在額がどのようにあるか、また、特に予算の審議のときには、本年度中にどのような変化をするかということがわからなければ私は困ると思うのです。十分研究しておりませんが、たとえば産業投資特別会計ですね、あれは資金がありますが、これを見ますと、このごろ予算書には増減表が参考のためかどうか知りませんが、最近のものにはついております。ところが決算書にはどうもないように思う。法律を見ましても、産業投資特別会計の法律も、私がちょっと見たところでは、資金の変化について決算で明らかにしろということは出ておりません。ちょうど今度の農業近代化資金のような条文がないように見受けるのです。これは絶対にないとは申しません。私の見落としがあるかもしれませんが、まあそのように見受けます。いろいろ資金を設け、しかも特別資金というものがとかく場合によっては問題になるわけです。その変化というものが予算審議の場合、あるいは決算の場合に明瞭でない、わかりやすく書かれていないということは非常な欠点だと思う。決算を見ましたらわかる、こういうことですが、ちょっと私はわからないと思います。私が今例にあげた産投についても、私はけさちょっと三十四年度の決算書をあけてみました。あさちょっとあわてて見るんですから、これも見落としがないとも言えませんが、ちょっとわかりにくいですね。あの貸借対照表でわかるかしらぬと思って見たのですが、わからない。むしろ三十六年度の予算書についている方がわかりやすい。三十四年度の決算であるいはわかるかもしれませんが、ちょっと見たんじゃさっぱりわからぬ。まあその当時資金はなかったのかもしれませんが、産投の特別会計法ではどうもそういうことが規定していないように思うのですが、これは私の見誤りかどうか、お尋ねいたします。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 御指摘の通り産投資金につきましては、資金残高についての規定を設けておりません。ただ予算書には、私今ちょっと正確に記憶しておりませんが、貸借対照表などには資金がどのくらいあるかというようなことがわかるようになっておったかと思いますが、ただ産投資金につきましては、これを入れますときには、一般会計の歳出といたしまして御審議を経るという格好になっており、またこれを使いまするときには産投会計の歳入に立て、さらに産投会計の歳出として使用するという格好になるわけでございまするので、資金を設置し、あるいは使いまするときには、必ず一般会計なり特別会計の歳入、歳出に立てまして御審議を経て、それを使っていくという建前をとっておるわけでございますし、残高につきましても非常に明確になっておるわけでございます。これは確かに御指摘の通り、最初の作り方その他についていろいろ御議論のあることはよく尊重いたしまして、できるだけわかりやすいものにいたしたいとは思っておりまするが、今申しましたような格好で運営されておるわけでございますので、またもし資金の残高がどれだけあるかというあれがございますれば、いつでもお答え申し上げ、あるいは資料を差し上げるというようなことでお許しをいただいておると思っておるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 なるほど資金の中から一般会計あるいは特別会計に入れるときには、それぞれ幾ら入れるんだ、こういうことになるのは当然のことだと思いますが、その場合に、資金の状況、これがわからないということは困ります。産投については三十六年度予算書には確かに資金の増減表がついております。だが、この産投の特別会計法に決算にこれを明らかにしろということがきめていないのは、これは手落ちじゃないかと思いますが、あるいは産投の特別会計を作った当初は、三条の二というものがあとでできた関係で、そこまで考えがあるいは及ばなかったのかどうか知りませんが、そんな関係であれはないのですか。ほかの分について、造幣資金ですか、貨幣の関係の資金、これについての特別会計法には、決算書に増減表をつけるようにちゃんと出ておる。この産投だけにないのは、これは手落ちかどうか、それとも必要性が全然ないという大蔵省の判断で義務づけていないのか、その点明確にしていただきたい。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 御指摘の補助貨幣の回収準備資金につきましては、資金の内容と申しまするか、資金は大体原則として金銭でございますから、そのほか金銭が変わりました原材料その他も資金の中に入るわけでございまするけれども、補助貨幣回収準備資金につきましては、地金その他いろいろなものが入っております関係で、そこらの関係を明確にいたしまするために、今御指摘のような規定があるものと考えておりますが、産投資金につきましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、きわめて簡単な内容でございまして、その歳入歳出につきましては、すべて一般会計なり特別会計の歳入歳出に立てて御審議を願うという建前になっておるわけでございますので、特にこの資金の表をつけるということをしなかったものであるというふうに考えておるわけでございます。もちろんそう申し上げましても、資金の残高が幾らあるかということがわからなくていいという意味ではないのでございまして、むしろ非常にわかりやすい部数に属しており、また御質問ございますればいつでも御説明申し上げたいというつもりでおるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 聞けば教えてやろうというお話で、ありがたくお言葉をちょうだいしますが、資金がどうなっておるかということは、実は議員の間では絶えず問題になることなんです。あの資金は一体幾らあるんだ、これは今度どうなるんだということが、われわれ予算に関係する場合に、実は絶えず問題になってさっぱりわからないというのがお互いの間の座談的な言葉なんです。やはりぜひ決算にも明確にする、予算でも明確にするという措置を——法律の改正を私はあえて必要としないと思います。法律の改正をするに越したことはないと思いますが、大蔵省のはからいとして、予算の場合——決算書には法律にないとつけにくいかもしれませんが、何らかの形で決算の場合わかるようにする。もし法律の改正をしなければならないような場合には、法律の改正をしていただいて、資金の変化、現在額が常に明瞭になるように一つ措置を講じていただきたい。これを法規課長にお願いしておきます。この点そういうお含みでもありますか、一応お考えを伺いたい。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林政府委員 資金の問題につきましては、なおいろいろ議論があるところでございますし、研究をいたしておるわけでございます。なおかねてから御指摘いただいております予算書の形式、あるいは決算書の形式をもっとわかりやすくしろというお話はごもっともでございまして、私どもいつもそういうつもりで心がけて努力いたしておるわけでございます。御指摘の点につきましては、よく検討いたしまして努力をいたしたいと考えております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 今度は農林省関係に移ります。この資金は現在三十億ですね。この三十億は結局資金運用部に預託せられることになると思いますが、これは資金運用部に何年定期くらいで運用されるお考えですか。

田辺博通大蔵事務官(主計官)

○田辺説明員 これはそのときの資金事情といいますか、そういうことで一がいに申し上げられないと思いますが、大体長期七年間というものが基本になるだろうと思います。もっとも全部が七年というわけには参らないと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、三十億の中を十億とか十五億とかにいろいろ分けて、七年のものもあれば、三年のものもある、五年のものもある、こういうやり方をなさる、こういうお考えなんですね。

田辺博通大蔵事務官(主計官)

○田辺説明員 概括的に申しますと、全部が全部七年のものにはならないだろう、しかし多くのものは七年もの、長期のものとして預けられる、こういう工合に考えております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ことしの予算を見ますと、一億七千万円の一般会計への受け入れがあるようになっております。これは預託金利子の受け入れなんですね。

田辺博通大蔵事務官(主計官)

○田辺説明員 予定はその通りでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 現在の資金運用部資金法の四条を見ますと、七年以上の分は六%、五年から七年が五・五%、三年から五年が五%、こういうようになっておりますが、一億七千万円の利子の収入ということを考えますと、大部分が七年以上ということにならなければ一億七千万円にはならない、そうなんですね。

田辺博通大蔵事務官(主計官)

○田辺説明員 そうでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ところで、一方農林省はこの一億七千万円をそっくり今年度で利子補給としてお出しになる歳出予算があるわけです。これは大体何%ぐらいの利子補給を今年度は考えられておるのか。従ってそのもとの貸付総額はどのくらいを予定しておるか。また%がわかればもとも出てくると思いますが、御説明願いたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通り一応最初に予算を組みまして、この前の通常国会に提案をしたわけでございますが、そのときには本年度の融資総額を大体三百億と予定いたしておりました。それに対しまして国として一分の利子補給をやる、こういうことで計算をいたしますと、大体一億七千万で足りることになりますわけでございます。ただ実際問題といたしまして、今まで法律の実施が延びて参りましたので、そういった関係である程度数字の出入りはございますけれども、大体そういう金利の状態で農林省の予定しております利子補給は間に合うという考え方でございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 三百億の総額で一%というと、これは三億ですね。そうすると一億七千万というのはどういうことになるのですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 その点は、初年度でございまするので、大体実施もある程度ずれまするし、そういう関係で計算を半分に見ておるわけでございます。そういうような関係からいいまして、大体一億七千万円の金があれば間に合う、こういう計算にしております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 つまり今年度中に、計算上期間の関係で、全部一分にはならない、こういう趣旨だと思いますが、そうすると、来年度からは一%というものがまるまる入ってくることになるわけですね。それは間違いはないですね。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 その通りでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、一億七千万円は今年、これは特にまた法律の成立がおくれた関係もございますが、一億七千万円は全部つかえておるわけではないが、来年はつかえている、こういうことになると、新しい貸付に対する利子補給は、やはりこの近代化資金を増額しなければやっていけないと思う。一分の補給というのは一年限りじゃないと思います。おそらく十年とか十五年とか、とにかく長期のものだと思う。ですから、政府の利子補給も一ぺん出したら十年間あるいは十五年間は毎年同じように出ていく。初年度は違うでしょう。一応平年度化すれば毎年出ていく、こう考えなければいけませんが、そうすると追加の貸し出しについては、やはり近代化資金を毎年ふやしていかないとできないんじゃないか。それとも農林省は三百億のものを近代化資金として必要な融資額として考えて、それ以上は必要ないというお考えであるかどうか。またもしそうでないとすれば、来年からはどの程度の近代化資金を追加せられる御意思があるのか、この点御説明願いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 おっしゃる通りでございまして、実は近代化のための資金需要というものは今後ますますふえて参るのでございまして、融資の総額等につきましても、来年度におきましては相当大幅な増加をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。そういうような状況でございまするので、今のこういう資金制度で考えていきます場合におきましては、どうしてもこれは資金増額をやらなければいかぬ、こういうふうにすることを考えておるのでございます。それは来年度予算におきましては資金の増額を要請するということで大蔵省にこの話をしよう、こういうことに実は考えておるのでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 もちろん予算が決定したわけでないから、最終的のものはどうということはないわけですが、概算要求は八月三十一日までということになっておる。農林省として、この近代化資金を来年度どの程度追加する御復案で大蔵省と折衝していらっしゃるか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 貸付のワクにつきましては、相当大幅な増加をしようということで、現在農林省の考えておりまするのは五百億というところで一応の予定を立てまして、大蔵省に折衝しておる段階でございます。それに応じまして利子補給のもとになりますところの資金の増額が必要になりますので、それは本年度の実施の状況等をも十分見まして、必要な資金は大蔵省に要求しよう、こういうことで準備をしておるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 五百億というのは、ことしの一応予定した三百億にプラス五百億なんですか、それともそれを含めての五百億、つまり近代化資金は、現在の農業について、今年、来年については五百億あればいいというお考えでの五百億か、別個の五百億か。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 三百億というのは、本年融資額としては使い切るつもりでございまするので、それにプラスの五百億というつもりでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、本年なんかは平年度化しないから、あるいはその通りの計算上の数字にはならないと思いますが、かりにすぐ平年度化するものと仮定すると、明年度は五百億プラス、三百億は現在のなにで済むわけなので、五百億だけの農業近代化資金を追加すればいい、こういうことになるわけですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 五百億ということは一応の予定でございまして、大蔵省と事務的な折衝の段階でございまするから最終決定ではございませんけれども、かりに五百億ということで融資額をきめまする場合には、そういうことになるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 もちろん確定したなんていうことをお尋ねするわけでなくて、農林省として、農業近代化資金を幾らどうしても見なければならぬお考えかということを聞いておるのです。大蔵省が値切るだろうというようなことで山をかけたような話をしてもらっては困る。五百億なら五百億どうしても必要なら必要で大蔵省へねじ込んでいかれればいいので、減らすかもしれないから山をかけておこうなんて、そんなことのないようにお願いしたいのです。今実施の状況ということをおっしゃったのですが、実施の状況というのは、現在のこの三百億、この分の実施の状況を見て、五百億を強く大蔵省へ要求するかしないか、そのあなた方の腰の強さをきめるのに実施の状況をごらんになるのですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 仰せの通り、五百億ということは、私どもといたしましては、来年度の近代化の仕事を進めていく上におきましての近代化資金の融資額としては、これはぜひとも確保しなければならぬ金額だと思います。従いまして、仰せのようにねじ込むつもりでこれは考えておるつもりでございます。ただその実施の状況を見ましてと申し上げましたのは、五百億のワクの問題ではございませんで、たとえば幾らの資金を準備したらいいかという問題は、本年度の実施の状況と関連する問題だと思いますので、そういうことを申し上げたのでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 実際は、はたして農民が七分五厘のような高い——利子補給を受けても七分五厘ということに大体なるのでしょう。そんなものでやっていけるかいけないかわかりませんが、案外希望はそんなにないかもわかりませんが、実施の状況とおっしゃっても、もう予算をきめるのはすぐなんですから、あんまり実施の状況なんということを言わずに、農林省として必要なら必要ではっきりおやりになった方がよかろう。まあそんなことはよけいなことですが……。  これは府県は幾ら補助する予定になりますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 一応建前といたしましては、最低限一分というつもりでございまするが、実際は今まで県単事業でもいろいろ利子補給等もやっておりますし、県の情勢も一分に加えまして、相当のものを——あるいは二分とか三分とかいうふうなものを一応考えようという県がだいぶあったようでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 本法についてはたくさん聞くこともありますが、大蔵委員会の方は単なる資金設置の法律が主体でありますから、この程度でやめておきます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 関連。農業近代化助成資金設置法に予定しています政府の出資が三十億ですね。ところが系統金融機関の融資総ワク三百億というのろしを上げておりますけれども、三百億貸した場合に、政府において一分を負担するということになれば三百億円要るわけですね。ところが、実際には三十億を資金運用部に預託して、その運用果実一億八千万円を大体予定しているのですからつじつまが合わぬですね。これはどういうことですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 先ほど石村委員の御質問にお答えしたのでございますが、初年度でありますから実施がおくれますし、返済も大体半分に見ておるわけであります。それで一億八千万円もあれば十分だと考えたわけでございます。

足立篤郎自由民主党

○足立委員 関連して。この資金に対しまして、市町村が市町村の独自の立場で利子を補給しようとする動きがあるんですけれども、農民の立場から見れば非常にけっこうだ。しかし考えてみると、隣接町村との間に非常に不均衡が生じてくるわけです。私の知っている範囲でも、相当大幅な利子補給をしようとしている市があります。そうすると、大体農民の実質利子負担は年五分ないし五分五厘程度に下がるという見通しであります。ただいまも石村君から御質問があった通り、七分五厘では、農業については私ども正直に申し上げて無理だと思います。従って、この利子を下げるような工夫を地方自治体が努力をするということは、財政の許される範囲においてまことに歓迎すべきことであると思いますが、何かこれに、少し歩調を合わせるような手はないものか。今申し上げた通り、隣接の町村で、貧乏町村でやろうとしてもできない場面にぶつかるわけであります。しかし町村という区域を限れば、全国で三百億出るにしても数百万円になってしまうわけですから、その一分や二分の利子補給をしようとしても大した金ではありませんから、これは農村であれば町村長及び町村議会の努力によってできないことはないと思うのですが、その間の調整を都道府県あたりにとらせて、なるべく均衡のとれた姿でこれを実施するような手をお考えにならないものかどうか。これは政府としてすぐ即答を求めることは無理だと思いますが、こういう事態があることを一つよく御認識いただいて今後善処をお願いしたいということと、もう一つは、今の単位農協の定期預金の預金金利が下がっております。あまり下げ過ぎますと、これがおかしな格好になりまして悪循環を起こすことにもなりかねない。この近代化資金の方が金利が安いということになりますと、それを借りて定期に預ければ利ざやがもうかるというようなばかなことになって参りますから、それは防がなければならない。そういうことで無計画に行なわれようとする市町村のこうした追加の利子補給に対しまして、何か統制ある形になさったらどうかというふうに思いますので、関連質問の形で一言申し上げて御見解を伺います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 御指摘の通り県でもそうでありますが、また町村でも独自の立場でやるところもあります。ある県におきましては、町村長が全部県内で町村長会としてこういう歩調でやろうじゃないかということで申し合わせといいますか、状況を相談いたしまして、そうしてやっておるという県もあります。そういうようなことで、ただ下がることはけっこうなことでございますが、それについてある程度歩調が合うことが適当だと思います。ただそのためにかえって足を引っぱるようなことになりましては非常に工合が悪いというような問題もございますので、十分慎重に実情を把握して指導して参りたいと思います。      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川委員長 専売事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 最初に総裁に、たばこの専売事業とさらにショウノウの問題についてお尋ねしたいわけでありますが、最初にたばこの問題から一つお答えいただきたいと思います。  御承知のように、今たばこの耕作が年々減っておりまして、昭和二十九年から三十五年までのわずか六年間に十万戸の耕作者が減っております。さらに面積にいたしましても一万ヘクタールからの減反になっております。その原因にはいろいろあるわけでありますが、私ども農民から率直に聞いておる点では、収納価格が低過ぎるということが、かなり大きな減反の原因になっておると思います。そこで公社も今年の九月八日、審議会で異例ともいうべき再度引き上げをやりまして、それで五・二五%の引き上げをやったわけであります。そこで全国の新聞に、今年の耕作者の収納価格は大へん値上がりになったぞということが出て、たとえば第一在来種は九・七四%、第二在来種は二二・七九%、第三在来種は一六・六七%も引き上げになったのだ、百姓は非常にそれを楽しみに実は収納の日まで期待をしておったわけであります。  そこで順次私は、この引き上げによって、ほんとうに農民のふところに直接引き上げた分だけ収入になるかどうかということを中心に、きょうはお尋ねしたいわけでありますが、その前に、九月八日の審議会で五・二五%引き上げた算定の基礎について、これは単なる式ではなくて実数で一つお示しをいただいて、この五・二五%の引き上げがほんとうに妥当性があるかどうか、そういうような点から先にお尋ねしておきたいと思います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 実数と言われる趣旨がちょっとはっきりいたしかねますが、今回の改定の趣旨といたしましては、御承知のように本年の一月に決定いたしました価格に対しまして、その後の経済情勢その他の事情を考慮して引き上げをしたものであります。前回きめました価格に対しまして、その後の他の農産物の価格が上がりました関係がありますので、それの比重をとりまして算定いたしたわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 他の諸物価が上がったから五・二五%引き上げたという理由はわかるのですよ。しかし、公社の出しておる方程式では百姓はわからぬですよ。そこで、たとえば五・二五%になった実数はこれこれこういう式でこうなったのだという、それを一つ明らかにしてもらいたい。それが三十七年度のたばこの価格をきめる上にも大きな参考になりますので、実数でお示しを願いたい。もし実数で示すのがどうしてもできそうもないなら、方程式の中で生産価格ウエートというのがありますが、この生産価格ウエートというのは一体実数はどういうことなのか、何を意味しているのかそれを一つ生産部長から伺いたい。

坂口精日本専売公社理事(生産部長)

○坂口説明員 三十六年の一月にきめまして、それから九月に改定したのでございますが、その間におきます農産物の価格変動をとりまして、その農産物は従来からとっております米、麻、繭、カンショ等でございますが、その価格変動をとりまして、これと葉たばこの価格を均衡させようということで、いわば一月にきめました価格の手直しでございますが、分子の方に三十六年度農産物価格は三十三年から三十五年までの三カ年の農産物価格に対しましての上がった率をとりまして、それから分母の方に三十五年度の農産物価格が三十二年から三十四年の価格に対しての上がり方の歩合をとりまして、これを数字で表わしますと一〇〇・八九分の一〇七・二四になるわけでありますが、これに対しまして前回算定いたしましたときに理論値と実際の引上率との間に開きがございまして、これが九九・八一に当たりまして、この計数をかけまして一〇五・〇五、こういうことになるわけでありまして、五・二五%の引き上げ、こういうことになるわけでございます。御承知のように葉たばこの価格は等級別にきめております関係で、しかもキロ当たりを五円刻みとか、三円刻みにすることができませんので、大体十円刻みにせざるを得ないということがございますので、これを種類別にいろいろ需給関係その他も検討いたしまして、価格改定のテーブルを作ったわけでございますが、その結果といたしまして五・二六%の引き上げ、理論値は五・ ○五%でございますけれども、実施の面では五・二六%の引き上げということになりました次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで、ちょっとよくわからないのは、生産価格ウエートの九九・八一という数字は一体どういうことで出てきておるのか、これは非常に客観性があるのかどうかということをお尋ねしたい。

坂口精日本専売公社理事(生産部長)

○坂口説明員 これは前回一月にきめましたときに、理論値が五・八七と出ましたのを、先ほど申し上げましたように、テーブルの関係で実施の面では六・〇七%の引き上げをいたしましたので、今回その計数の九九・八一というものはその差から出て参ったわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで総裁に再度お尋ねいたします。算定の方式はわかりましたが、これではおそらく耕作者の代表が審議会へ出てきても、また農家に説明するにしても、こういうむずかしい方程式で一体タバコの価格をどうきめるのかということは、なかなか百姓にはぴんとこないと思いますが、その点はさておいて、私が非常に遺憾に思っているのは、たばこの収納価格の算定に、米、麦、繭、カンショ、これは政府が価格支持制度を作っておるから、こういう変動の少ない農作物を基準にとることがよかろうということでとっておるのだとは思いますが、しかし、今の国の方針なりあるいは農業の趨勢というものは、麦なんというものはやめていこう、大麦、裸麦もやめていこうという趨勢にあるわけですね。特に選択的拡大という国の大きな方針からいっても、大麦、裸麦の転換ということを強く叫んでおるわけです。そういう趨勢のときに、非常に生産費は高い、価格は安い、こういう麦類というものを収納価格の基準に入れておるというのは、非常に耕作農民に対して不親切であるか、あるいは反農民的な基礎のとり方だ。もっと現実をよく見詰めて、たとえば果樹とか蔬菜あるいは園芸作物、特用農産物、こういう比較的利益の多い農作物というものを基準に入れるべきだと思うのです。そういうもので公社は積極的に農民の立場を守ってやろう、そうして大いに増反されて専売が盛んになるような、前向きの価格体系を作ろうという努力が全くない。こう言わなければならぬと思う。  そこで、ことしの九月の審議会では、時期的に間に合わなかったとおっしゃるかもしれませんので、来年度の収納価格の算定にあたっては、この四品目だけではなくて、もっと今日の日本の農業の実態というものを加味した算定基準というものを作るべきだと思うのです。そういう点、一体総裁はどうお考えになっておりますか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 今回の価格改訂にあたりまして、他の御指摘のような農産物価格の推移を参考にいたしまして算定いたしたわけでございますが、その趣旨は従来からこういうふうにやっておるわけでございますが、結局他の主要な農産物ではっきりした価格がきまっておるというようなものを基準にとっておるわけでございます。御指摘のその他の……。

小川平二自由民主党

○小川委員長 阪田総裁に御注意を申し上げますが、いま少し高声で御説明を願います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 今のお話のような果樹その他を取り入れるという問題につきましては、お説のこともありますので、検討はしてみたいと思いますが、実際問題といたしまして、そういったような果樹その他のものにつきましては、的確な相場をつかむことがむずかしい、あるいは特別の事由によりまして、需給関係によって非常に価格の変動があるといったような要素がありまして、なかなかそういうものを取り入れていくことはむずかしいのじゃないかというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そういう従来の工業用原料作物やあるいは蔬菜、果樹、園芸を入れるのはむずかしい、確かにむずかしいのです。むずかしいからといって収納価格をできるだけ合理的に直していこう、農民が気持よくたばこ耕作ができるような価格体系を作っていこうという、困難の中にも積極的な意欲を持たなければ、先ほど言った通り増反どころでなくて二十九年から三十五年にすでに十万戸の耕作者がやめておる、一万ヘクタールの減反が行なわれておる。この事実の上に立って、収納価格において積極的に農民的な立場を相当加味したような方式というものをとらなければならぬ。むずかしいけれども、じゃ方法がないか、私はあると思う。たとえば果樹や蔬菜や園芸そのものずばりの価格をみんな入れなくても、何か調整の数値を方程式の中に入れて、そういう点を加味することは可能なんです。そういう点の検討を今後十分すべきだ、私はそういう強い意向を持っておるわけです。  そこで、質問でありますが、公社は昨年度の審議会で増反計画というものをかなり大幅に発表しました。ところが、実際には三十六年度、本年度の増反計画というのは達成されない。計画の七・二%も下回っておる。その原因は一体何か。公社がこれだけの増反をしようというのに七・二%も下回って、耕作者が耕作をしてくれないという、その一番の原因は何だと思いますか。結局たばこの収納価格が安くて、あるいは不合理で、そういう点から農民の不満というのが私はこの計画が達成されないゆえんだと思うのです。それにまた加えて、来年度の増収目標は一一・四%広げております。この一一・四%の増反計画というものを達成するためには、相当公社は思い切った、農民がついてくるような施策をやらぬことにはだめじゃないかと考える。去年の、実績から見てもそう思える。そこで一一・四%の来年度増反目標というのはほんとうに遂行する可能性があるのかどうか、一つ総裁の見通し、自信ですね、あなたが総裁におかわりになって名総裁になれるかどうか、本年はそのスタートの年ですから、そういう点を十分確実な見定めをして計画をしたものと思うのですが、あなたの率直な見通しはいかがでございますか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 本年度の反別につきまして、増反を企てたけれどもできなかった、こういうようなお話でございますが、本年度の反別といたしましては、大体昨年と同様現状維持程度の反別を目標といたしまして計画を立てたわけであります。やはりその後の経済事情の変動その他の関係もございましたと思いますが、公社で予定しておりましただけの目的は、反別は本年度の実際の作付としては確保されなかったのは大へん遺憾なことであると思っておりますが、来年度の一一%程度の増反目標を掲げて今やっておりますが、これにつきましては、現在本年度の収納が行なわれつつありまして、ちょうど耕作者の方でも、来年度の作付をこれからどうするかきめよう、こういう時期になっております。現在各公社の地方の出先あるいは関係の官庁とも連絡をとりまして、耕作者の方ともいろいろと話し合いをいたしておりまして、何とかこの目的を達成できるのじゃないかというような目的で——目標といいますか、ただいまのところは見込みでおりますが、御承知のような現状でございますので、まだはっきりしたことは申し上げかねるわけであります。大体におきましてこの程度の目標はおおむね達成できるのじゃないかというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 総裁は非常に楽観しておって、この一一・四%の引き上げは実現できる、こういう見通しでございますが、私はこの一一・四%が実現するかしないかは、本年の収納価格が、ほんとうに公社が策定をしたような率で収納価格が上がるか上がらぬかということにかかっておると思う。そこで、現在の収納状況というものがどうなっておるかということを少し詳しく御説明を願いたいと思うわけです。まだ収納が全部終わっておりませんから、収納状況や収納金額一切を昨年と比較するということはむずかしいと思いますが、私の聞くところによると、すでに鹿児島県の耕作者は、政府の言うような、公社の言うような引き上げにはならぬではないかといって、たばこ中央会にもう注文がつけられてきておる。栃木県においては、三カ所ばかりの地域で、公社が引き上げをしたけれども、実際の手取りの金はさっぱりふえぬではないか、これではわれわれはぺてんにかかったのじゃないかといって、だいぶ不満であります。そういう各地における収納の際における農民の不満の声というものを総裁はお聞きになっておりますか、全く知りませんか、その点を最初にお尋ねします。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 ちょっと今の武藤君の質問に関連してお尋ねをいたしたいと存じますが、その一点は、先ほど武藤君の質問に対しまして、増反できない理由はどこにあるかという点について、現在価格の問題が取り上げられておりますが、しかし私は、価格の問題とともにほかにもいろいろな問題があろうと思います。そういう点について、谷川さんはこの前暑いところを鹿児島に出向かれまして、乾燥場の中にも入って、実際に体験してこられましたし、耕作者の方々からのいろいろな意向についてもその際聞かれたと思います。そういう点ではっきりとこの際、その増反ができない理由を専売公社としてどのように把握しておられるのか、この点が第一点。  それからいま一つは、前々から各種別によりまして収納価格の差があまりにも大き過ぎる、こういう不平が出ておったことは御承知の通りであります。ところが今回もたとえば達磨葉で一六%、黄色種で一二%という価格の引き上げでありまするが、公社としては各種別の差を縮めていくためにどのような計画で臨んでおられるのか、そして今年度の収納価格の決定においてそれがどのように反映されておるのか、この二点について明確な御答弁をいただきたいと思います。

坂口精日本専売公社理事(生産部長)

○坂口説明員 種類別の価格差を縮めるということでございますが、タバコは嗜好品でございます関係で品質によって商品価値が非常に違っておるわけでございますので、種類別の価格の差はおのずからこの商品価値から参っておるわけでありますが、等級間の格差をなるべく縮めるべきじゃないかという御要望が再々国会等で出ておるわけでございまして、これにつきましては、今回も相当大幅に圧縮したのでございます。結局、中下級品を値上げをいたしまして、等級間の格差を圧縮いたしております。なお等級も、在来種におきましては優等から八等までの九カ等でございましたのを、優等から五等までの六カ等にいたしましたし、黄色種の方は優等から八等までの九カ等級を、優等から六等までの七九等級に圧縮いたしました。自然下級品の価格を上げまして、等級間の格差を縮めて参っております。こういうことであります。  それから増反の非常に困難な理由、また最近反別が減って参っております理由はいろいろございますけれども、公社といたしまして把握いたしておりますのは、やはり農村の構造変化、農業の構造変化と申しますか、急激な労力不足の状態が現われて参りまして、葉たばこ耕作は非常に労働多投を必要といたします関係で、作りたくも作り得なくなった、こういう耕作者がたくさん現われてきておるということが一番大きい原因であろうと思っております。三十六年までは大体在庫の状況も正常在庫でございましたので、大体現状維持の反別ということで、積極的に新しい産地の開拓をいたしておりません。元の産地でできるだけ計画の面積を確保していただこうという計画で参ったわけでございまして、そのために、農業の構造変化による労力不足ということが現われまして減反になっておる、こういうふうに私どもは把握をいたしております。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今の農村の構造変化によるところの労力不足が、増反できないあるいは減反に向かっておる唯一最大の原因みたいにお話しなんですが、問題は、植付から乾燥、調製までおっしゃる通り非常に労力を要する、その労力にふさわしい価格が保証されておるかどうかということが最大の原因なのでありまして、農家は労はいといはしない。また、それぞれの労力にふさわしい価格が保証されれば、増反できる機運というものは十二分に出てくるだろうと思います。それが先ほどからの武藤君の質問の主要点でありまして、そういう意味で、やはり価格問題が第一だということと、それから、戦後の専売公社の耕作反別に対する指導というものが有為転変をしておる、ことしは増反だ、ことした減反だというようなことで見通しがきかない、非常に耕作者に対して不安を与えておるというところにも、また耕作意欲を減退させる大きな原因があることを専売公社の皆さん方はよく御承知の上に、今度増反計画を立てられたならば輸入との関係はどうなるのだ、今後五年間あるいは十年間にこのような程度で買い入れをしていくのだという方向を、ほんとうに耕作者がじかに把握できるような指導というものをぜひやっていっていただきたい、このことを特にこの際お願いいたしておきたいと思います。関連質問を終わります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 総裁、先ほどの鹿児島県さらに栃木県などの収納農民がだいぶ不満を持っておる、これじゃ引き上げになったといっても、実質的にはふところに入る金はふえぬじゃないか、こういう不満が各地に起こっておる。具体的な例をあげろといえば、私もその中身までお話ししますが、そういう話は総裁は耳にしておりますか。しておるとしたら、それに対してあなたはどう対処しようとなさっておるか、その辺の心がまえをお聞かせ願います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 先ほどお話しがありましたように、本年産の葉たばこの収納は、早いところで九月の二十日ごろから始まったと思います。まだ全体といたしましてはごく一部の収納が済みまして、実績がわかったという程度でございますので、現状で、すぐ全体としての本年度の耕作者の収入がどうなるかということを判定するのは困難だと思います。ただ、現在まで各地の状況を伺っておりますところでは、本年は御承知のように、特に災害等のありましたところを除きますと、作柄も大へんいい年でありまして、量あるいは質の面におきましても、いいたばこがとれておる、従いまして、実際の収納にあたりましても、農家の収入金額は昨年に比べて相当増加しておるというふうに一般的には聞いております。お話しのように、一部で昨年よりふえないというようなお話もちょっと耳にしましたので、耳にしましたところの状況等を一応聞いてみましたが、これはやはり事情を聞いてみますと、全部の収納が済んでみないとはっきりした結果はわからないと思うのですが、現状までの収納されたものが、昨年度収納されたものと量なり割合なりが違うというところから、御承知のように葉たばこは下の方の葉からだんだん取りまして乾燥していきまして、早くできたものから早く収納所に持ってくる、こういったような格好になりますので、そういうふうな関係で、同じものを比べますれば昨年に比べて単価が上がっておりましても、今まで持ち込まれたものだけを昨年の第一回に持ち込まれたものと比べてみますと値段が上がらない、こういう結果の出ましたところもあるようでございます。もう少し詳細に調べてみなければならぬと思いまするし、全体の最後の結果を見てみないとはっきりしたことを申し上げられないと思いますが、全体としてはさようなことになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 今の総裁の答弁の中で二つの問題があろうと思いますが、一つはすでに全部収納を完了したところですね、そういうところで一体どうなっているか、そういう点で私ども栃木県の場合の例で申しますと、小山の収納所の場合の騒ぎはどういうことから起こったかといえば、昨年は一反当たり二百十六キロとって七万三千百三十七円の収入があったわけです。ところが、ことしは二百三十四キロで、昨年より収量が多くてしかも金額にしては六万四千円で昨年より一万円も低い、こういう完了した農民がふところに入る額が一万円も低いというので、こんなことでは収納できないというので収納所でごたごたが始まって、当日収納に来た人は持ち帰ってしまった、こういう問題が起こっているわけです。このことはおそらく生産部長に答弁させるならば、それは品種が悪くなったのだとお答えになるでしょう。量が多くて金額が安くなっちゃったのだ、これは品質が落ちたのだ、こう逃げるかもしれない。ところが、農民の受け取り方はそうじゃないのです。やはり達磨葉だったら一割六分も値上げになったのだ。あるいは黄色種でもとにかく八分三厘五毛も値上げになったのだ。だから、去年よりは三%や五%よけい金が入っていいはずだというのが私は農民のすなおな受け取り方だと思う。そういう点でまず小山の黄色種の場合は問題が起こっておる。あるいは田沼管内という、これはほとんど被害がない地域ですが、この田沼の収納所の全体の平均を調べてみたら、やはりこれも昨年と比較してさっぱり金の実入りはふえていない。これじゃ引き上げを何%やりましたといって今度増反せいといってみても、百姓側に言わせれば、これはだまされた結果になる。特に私は、そういう農民の声を聞いただけで実際を見なければ、総裁に質問するのは失礼かと思って、この間一日収納所へ遊びに行って聞いたり見たりしました。その場合、中川地区という、日本でも村では最高にたばこ耕作をして、面積二百町歩を耕作している地域がありますが、ここの三日から七日までの収納した量、金額、それから昨年の三日から七日までの同じ期限の価格、これとの比較をしてみたわけです。そうしてみますと、同じ期間で大体同じところでできたたばこが、本来なら一割六分上がるべきはずの種類が、計算をしてみますと十五部落あるうち九部落が去年よりも単価が安い、従ってふところに入る金が低い、六部落ぐらいが去年よりやや多いという程度であります。全体を平均いたしますと、一キロについて二円去年よりも低いのです。これでは、公社がいやそれは土葉が悪かったのだ、下っ葉が特に台風か水害を受けたのじゃないかといっても、百姓は納得できないのであります。私は実は収納所へ行ったところが、農家の方々にその姿を突きつけられて、一体代議士は国会で何をやっているのだ、一割何分も上がった、上がったと宣伝しているが、おれらのところにはさっぱり入なぬじゃないかといって、しょうちゅうを引っかけてだいぶ不満をぶっつけて、鑑定官に突っかかったり私どもに不満をぶっつけておりました。それが末端の農民の姿なんです。受け取り方なんです。そういう点から私は、今の引き上げ率というものが農民に公平に配分されないのではないか。このまま今の収納状況でいかれたのでは、おそらく完了したときに実際に農民に支払う金というのは、総裁の方で考えている予算に達しないのではないか。かなり下回った金しか収納金額が出ないのではないか、こういう心配をしておるので、そこで、具体的に中川の問題については、昨日生産部長から問い合わせがありましたので、現地に行ってぜひよく調べて来い、その調べた中で確かに不合理があるという点があったら率直にこれを改めて、最終的には一六・六九%の引き上げが、農民に恩恵が与えられたというような形をとらなければならないではないか、こういう注文をしておいたのでありますが、その点について一つ生産部長のお考えをお聞かせ願いたいのです。なぜそう低いのか。

坂口精日本専売公社理事(生産部長)

○坂口説明員 これにつきまして調査いたしてみたのでございますが、大へんこまかい数字を申し上げまして恐縮でございますけれども、栃木県の現在の収納成績の数字を申し上げてみたいと思います。  ただいまの中川は、収納第一回が終わりまして前年が二百三十五円、本年も二百三十五円、キロ当たりは変わっておりません。栃木県の達磨葉の収納は二回ないし三回に分割収納いたすのでございますが、第一回は大体二割五分ないし三割五分、大体三割前後のものを納めるわけでございます。そういたしますと、土葉の方から先に乾燥いたしますので、葉のしはやはり土葉からいたしまして、全体の三割納めなさい、こういうことでございますと土葉から中葉の下の方、まだ本葉にいかない中葉、下位中葉、この手が入って大体三割程度になるのでございます。それで毎年問題になりますのは、前年と比べてキロ当たりが下がったとか上がったとか、非常に分割収納の場合には問題になるのでございますが、この収める率によりまして二割五分の場合と三割の場合とは非常に違って参ります。何十円と開いて参りますと申しますのは、二割五分納めるときには土葉と下位着葉の中葉だけで納めますけれども、三割となりますと中葉のいいところも相当まざって参ります。こういうことで納める歩合によって非常に違うわけでございます。それでこの中川が、値上げがあったにかかわらず、二百三十五円、前年通りである、これはどうもおかしいじゃないかということでございますが、よく調べてみますと、今年の歩合が二九・八%でございます。前年が三二・六%納めております。それで今年と前年の土葉と中葉の歩合を比較してみますと、今年は土葉が一三・四%、中葉が八六・六%、前年は土葉が一〇・五%、中葉が八九・五%、こういうことでございまして、今年は非常に納める歩合が少ないために土葉歩合が高いわけでございます。それで、土葉と中葉のキロ当たりを今年の実績で当たってみますと、土葉だけの価格は去年が九十九円でございます。今年が百四十二円。四十三円上がっております。四十三%の上がりになりますが、土葉だけを見ますとこんなに上がっておるわけでございます。それから中葉は二百五十一円、今年は二百五十円ということで、大体とんとんでございます。これは去年は歩合が高かったために中葉の上級品まで納めた、今年は中葉の下級品しか納まっておらぬということで、トータルは今年は一見土葉で四十三円も上がっておる、中葉はとんとんだ。トータルで上がりそうなものでございますけれども、土葉歩合が本年は一三・四%、去年は一〇・五%でありますから、値段が安い。土葉歩合が高いために土葉と中葉を合わせましたキロ当たりは一つも上がらないで二百三十五円、こういうことになっておるわけでございます。ですから上級品収納が次回の収納に回された、こういうことでございまして、しさいに検討してみますと、値上げが一つも現われてないということではございません。それで栃木県の他の取扱所の十四日までの成績を調べてみたのでございますが、いずれも前年に比べまして一割ないし二割上がっております。これがさっき申し上げましたように収納歩合が違いますので、非常に上がり方がまちまちでございます。大へんこまかに数字を申し上げて恐縮でございますけれども、読み上げてみますと、中川と同じ茂木支局の管内に須藤という取扱所がありますが、前年百八十三円に対しまして今年は二百十七円であります。納めるパーセントはわずか上がっております。去年が二七・三%、今年が二八・五%、喜連川という取扱所では去年が二八・八%納めた結果百八十一円、今年が三四・二%納めた結果が二百三十円、黒羽が前年二四・八%納めましても百八十五円、今年が二二・〇%でございまして二百十四円、島山が前年三四・四%納めまして二百十七円、今年が三四・一%納めまして二百五十七円、馬頭が前年三三・八%納めまして二百二十五円、今年が二五・六%納めまして二百三十一円、こういうような結果で、大体一割ないし二割は上がっておるようになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 今生産部長は、栃木県の場合にはおそらく全体のパーセントからいけばかなりの引き上げになっておる、こういう数字を出されたわけでありますが、たとえば馬頭なんかはそうでもないですがね。二百二十五円が二百三十一円ですから、これなどはそういう数字が出ておりませんが、とにかくこの間私が調べたときの農民の不満はどういうことかというと、専売公社は鑑定標本を非常に厳重にしたのではないか、それで標本通りにばたばたやられたのでは、ちょっと品種が落ちても一等級下へ落とされてしまう。そこで実際のふところに入る金ががぐっと減ってしまう。こういう鑑定の技術に問題があるのではないか。こういう声が農民の圧倒的な声であります。もちろん全体を収納してみないと一六%の値上がりになったかならぬかということはわからぬはずでありますが、ただ常識的に考えてみても悪い葉ほど引き上げ率が多いわけです。土葉ほど引き上げ率が多くなっておるわけです。だから中川地区においても土葉が昨年よりも単価にしてはかなり上がっていなければならぬわけで、それが同じ価格ということは、やはり頭に入っておる一割六分から見ると、同じ価格というのはどう考えても納得できぬ、こういう感じを持つわけですね。そこで何か標本と現物との間に、非常に無理な厳格な基準でもって収納さしておる、こういう感じがするわけです。  そこで公社にちょっとお尋ねしたいのですが、国全体でどの程度たばこを買うかという総予算があると思うのですが、その総予算で第一がどのくらい、第二、第三、在来種が総額で幾ら、黄色種が種類別に幾らかというワクがある。そういう予算の大ワクというのは公社としては作ってないのですか、その点を一つお尋ねしておきます。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 ただいまの御質問の点でありますが、黄色種、在来種、そういう種類別に幾らの予算をもって、それに合うように買う、そういうことは全然やっておりません。総体の収納価格の予算があるだけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、鑑定官がちょっと手加減をして三等と二等のかすかすのものを二等にどんどんとるような態度の収納をさせた場合と、非常に厳格に、かすかすのものは下の等級の三等なりあるいは四等の方にどんどん入れる。そういう操作で、ちょっとした人間の意思の動き方で、全国の予算額というものがばっと上回る場合もあればぐっと下がる場合もあるという解釈でよろしいですか。もし、割当が鑑定標本だけが唯一のよりどころであるということになるとそういうことがあり得るわけです。実際は全体で一割三分引き上げる予算を用意したけれども、収納してみたところが全体で八分しか上がらなかったということもあり得るわけですね。その解釈してよろしいですか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 予算の問題といたしましては、これは予算編成期に翌年度の耕作反別、収穫見込みあるいは品質の程度を大体予想いたしまして、予算を盛るわけでありますが、実際には御承知のように反別も違って参りますし、その年の作柄もいろいろ違うわけでありますから、予算全体としてはもちろん狂ってくるわけであります。予算が余ったり、あるいは足りなくなりまして、予算費等を使う場合も起こり得るわけであります。ただいまのお話のような、検査検定いたしますときに、いろいろ予算の関係を考えて甘く見るとか、辛く見るとか、そういうようなことは全然考えておらないわけであります。収納につきましては、これは耕作者の利害に一番重大な関係のあるところでありますから、標本に従って公正にやるということで努力いたしておるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると鑑定官の正標本で収納すると、その標本だけが唯一の基準であって、予算のワクとか割当とかを、ことしはこれだけ値上げしたのだからある程度手かげんしてもいいぞ、少しことしはこれくらい上げる予定で最終的な収納総額をきめたいのだ、そうしないと増反に影響するのだと、そういうふうな指示とか、目安とか、あるいは意思の決定の仕方というようなことは、本社としては鑑定官には全然指示しないわけですか、全く標本だけで一つ収納せよ、こういう態度と解釈してよろしいですか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 標本が唯一の基準でありまして、予算によりまして甘くせよとも、辛くせよとも絶対に言っておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 今の最後がよくわからなかったのですが、標本が唯一の基準で、標本通り鑑定官がどんどん収納をさせていく。ところが実際の公社の考えた総予算よりも厳重に検査をしたために支出が少なかったという場合があり得るわけですね。あるいはちょっと意思の持ち方によっては、全国の鑑定官がちょっと手かげんをすれば、予算額よりもばっとオーバーすることもあり得るわけですね。そういうことがあってもいいという立場で、標本だけに一切の根拠を持たしておるのですか。それともある程度ことしは栃木県宇都宮管内はこの程度の収納でやってくれという予想でやっているのか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 標本に従いまして公正にやりました結果、お話のような甘くやったとか、辛くやったとか、そういう意図をまじえませんけれども、予算に対して足りないとか、あるいは余るとか、予算と違ってくることは、当然起こるわけであります。さようなことを考えまして、公社から収納者なりあるいは収納に当たる当事者に対して、こういう予算のワクでやれといったような指示をいたしておるような事実は絶対ありません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、やはり一番問題になるのは標本なんですね。農民から見た場合に一番わからぬのは、作ったその標本とことしとれる作柄との関係、その品質の関係、これがしろうとにはわからぬわけです。そこにやはり百姓の不満とつき上げが出てくると思う。というのは、今公社の出しておる標本葉たばこ設備規程というのがありますが、この中にいろいろ標本の作成の基準というのがあります。これを読んでみると、三月二十日に標本を作ることになっておる。三月二十日というと、ことしのたばこはできてないわけです。去年のたばこを標本にするわけです。そうすると、気候、太陽の工合で、あるいは気温の関係で、かなり農作物に変化がある。そういうものを前の年の作物で三月二十日に標本を作って、この標本で全国地方別にばたばたやらせるわけですね。そうなると、ことしはある特定のかなり広いところに災害があった、あるいは病害があったというようなときには、やはり前の年のいい標本でつきつけられてきて、案外自分で予想したほど金が入らなかった、こういうことも出てくるわけです。そこでその三月二十日に標本を作り上げるという制度では、実際の収納時とマッチするような品物ができるのでしょうか、その点が一つ。  もう一つは、この規程を読んでいくと、各地域別に作ることができるようになっております。この地域というのは、一体どの程度の広さの地域をさしているのかということがやはり問題になるわけです。たとえば栃木県の場合だったら、宇都宮地方局管内は一つの同じ標本でやる、あるいは中川地区、ここは明治時代からもう何十年もやっている、あるいは黒羽、田沼、足利というような場所で、同じ標本で品物の品質を評価するということが農民の立場から見た場合妥当性があるだろうかどうか。それは何でもかまわない、普遍性のあるものでやるのだといえば、それまでですが、局地的な災害が何かあった場合には、一つの標本でやられた場合には、ある程度考慮される余地がなくなってしまう。そこでその標本を作る地域というものは、相当重要な問題だと思うが、その点は不合理でないかどうか。そういう点も一つお尋ねしておきたい。  もう一つ、この規程の中には上等産地、中等産地、下等産地という三つの産地の分類をしてありまして、その上等、中等、下等という三つの標本を作るのには別々なところから持ってくるわけでありましょうが、この場合の選び方、これも私はやはり農民の収納金額には影響を与えるような気がするわけです。あまり一回に全部質問してもわからなくなりますから、今の三つの点をとりあえず具体的にお知らせを願いたいと思います。

坂口精日本専売公社理事(生産部長)

○坂口説明員 最初に標本の作成の時期でございますが、大体三月に作りますのは、在来種も黄色種も同じでございますが、黄色種の方は前年産葉で作りまして、なお当年産葉で参考標本というのを作ります。黄色種というものは非常に糖分が多うございまして、水分を吸って色が変わる関係で、当年の産葉で参考標本を作り、前年産葉で正標本を作る、そしてこの当年産業の参考標本を参考にして収納いたすという制度になっております。在来種の方は、当年産葉で作るのには時期的に間に合いません。黄色種は火力乾燥でほし上げる関係で間に合いますが、在来種の方は、もう収納開始のときには天葉などはかわいておりませんし、とうていこの標本を作って査定を受けるということの時間的な余裕がありませんので、在来種は前年産葉の標本だけを使ってやっております。  それから地域的な問題でございますが、できるだけ地域を小分けにして作るのが理想でございますけれども、葉たばこの品質は、大体土質と気候でございまして、同一地方局内でございましたら、大体気候の点は同じであると見ておりますが、土質の点で非常に違って参ります。それでできるだけ小分けにすることにしておりますけれども、現在は大体地方局単位というのが標準になっております。特殊なところは分けて作っております。  それから災害等があったときに、前年の無災害のときの葉たばこを基準にして買うのでは、とても困るじゃないかというお話でございますけれども、災害の場合は、罹災補償制度とか、そういうことで救済するしかございませんので、悪いたばこを、特別の異常天候であったから、目をつぶって高く買うというようなことはできるわけではございません。  それから上中下の三つに産地をわけておる、これは公社としては必ずこういう分け方をしておるということではございませんので、現地で、指導とか、あるいはいろいろ産葉の統一とか、そういった関係で便宜そういった色分けをしておるということでございます。三階級に原則的に分けているということではございません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 どうも生産部長の答弁で満足いかぬですが、たとえば地方区で一つの標本を作るとなると、一つの地方区なら気温状況も土質もそうは変わらないだろうと思うかもしれぬけれども、これは冷害手当を公務員にくれている地域とそうでない地域と、同じ県の中で全く違うところがある。ことに栃木県の場合には、北部が山に囲まれていて、片方は関東平野になって、その山の付近だけがずっとたばこを作っているという形なんです。そういうところの基本状況が田沼、中川、黒羽あたりがやや同一の条件だということは全く考えられない。従って、小口なそういう冷害とかあるいは病虫害とかの災害の対象にならないけれども、かなり収納のときには結果的に災害が明らかになってくる、こういう場合の救済措置がないわけです。そこで三月二十日の前年の標本で、それをぴしゃっと一つの基準でやられたのでは百姓はとても納得いかぬのです。三月二十日に、一応の目安は全国の鑑定官が相談してきめて、さらに収納時に、ことしはこういう地域はこういような被害がちょっとありそうだから、この点は一つこういう数字で手直しをしてやれぬかという形で、収納前に標本を手直しをする必要があると思う。そういうことをしないから去年より量は多かった、しかも国は一割何分引き上げた、もらった金は去年と同じ程度だった、一万円も少なかった、こんなばかくさいたばこなんか作れるかという気持が農民に出てくる、そういう不合理なものをやはり前向きの姿勢で直す態度が必要だと思う。そういうことをしなかったら増反計画なんというものは絶対に成就できませんよ。そういう観点で鑑定標本を作る時期の問題、さらに収納時における参考の標本というものをできるだけ小さい地域に、特殊的な一つ一つの範疇に入れられるような地域に分けて、できるだけこまかにやってやるのが農民に対する親切な専売事業としてのやり方ではなかろうか、こう思うので、その点は今後十分検討して農民の期待に沿えるようにしてもらいたいと思います。しかもたばこ専売法の二十四条には、損害を受けたときは公社はその耕作者に損害の二分の一に相当する金額を払う、こういう規定があるけれども、その損害というのはかなりの損害がなければおそらく国はみてくれない。そこで、そういう損害というものは、事前に立ち木のうちにわからなくても、収納したときに一反歩の収納価格があまりにも低かったというときには何らかの補償をしてやるのが専売事業の性格上から当然ではなかろうかと思います。そういう点、収納代金があまりにも少なかった。もちろんあまりにもというのは一割以上とか何かそういう限定は必要でありますが、そうでないと年々引き上げにはなったが金の方はさっぱり入らぬという現象が起こってくるのでは、農民は気持よく増反をしてくれないということから私はそう申しておるのでありますから、今後栃木県はまだ二月ごろでないと全体のトータルがわかりませんから、今ここで一割六分になるかあるいは一割の引き上げで終わるか、その点を明確に答えよといっても無理でありますから、ただ、私は願わくば第三在来種が全部一割五分程度の値上がりが農民のところに入るような鑑定、さらに収納の配慮というものをすべきだ、してもらいたい、そういう強い要求をして次に移りたいと思いますので、一つ率直にこれから実態を調べて、まだ二月に収納するのですから、今からでも間に合うのですから、十分調査して不合理な点があったら是正をするという態度をとってもらいたいと思う。その点一つ総裁の御意見を承りたいと思います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 今お話のありました収納価格、ことに標本に基づいてどういう査定をやっておるかというようなことにつきましては、お話もございましたので、今後の進捗状況も十分調査いたしまして、状況を見て参りたいと思っております。  なお、標本につきましていろいろお話がございましたが、標本はやはり標本なんでありまして、毎年変わらない基準をきめていくというのが基本的な考えだろうと思います。お話のありましたような災害その他に対する救済の措置というものは、現在災害の補償の制度がありますが、そういったような方向において考えるべきものではないかと私どもは考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私が言っておるのは、災害があったときには当然一定の限度以上の災害があれば救済するのが建前ですから、それが専売事業の特殊性でありますから……。ただ問題は、立ち木の間にこれはもう何割の被害があったという認定ができないような場合があるわけです。たとえば収納したところが、さっぱり金額が上がらなかったというのは何らかの災害ですよ。その目に見えない災害が一反当たり一万円現金収入が減ったとか、あるいはふえるべきはずのものがふえないという数字が出てくるわけです。そういう場合の配慮が必要なんだ。その配慮が端的に標本を直すことであるか、あるいは鑑定官のその鑑定をする際のかつかつのところの手かげん、あるいは意思の持ち方、そういうものによってカバーができるような点というのはかなりあるわけなんです。そういう点を十分今後は心得てほしい、こういう要望なんです。その点、災害をそのまま、国が法律で補償するからいいじゃないかということでは済まされない問題点であると思いますので、その点一つ総裁から承っておきたいと思います。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 ただいまの標本に基づく査定の問題でありますが、標本はやはり一定の基準を示すものでありますから、その基準に従って公正に査定する。甘く見ることも適当でないが、軽く見ることももちろん適当でないと思っております。そういう考えでやっていきたいと思っておるわけであります。ただいまの作柄が悪くて品質が全般的に落ちたというような場合の問題でありますが、これはやはり標本の考え方といたしましては、一定の標準できめてあるわけですから、ただいまはできが悪くて品質が悪かったという場合の例をとってのお話でありますが、逆に品質がいい場合があるわけです。ことしの天候がいい、あるいは栽培者の技術が非常によかったために非常に品質のいいものがとれたという場合に、標本の品質を上げて、また高級の品質に上げるということはおかしなもので、やはり基準というものは一定しておきまして、それに基づいた措置を公平にやっていくというのが私ども筋であると思います。そういった災害の程度にまで達しないようないろいろな損害、そういうものをどう考慮していくべきか、こういうふうな問題として考慮していきたいと考えておるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 総裁、いつまでもそう言うのなら、私は質問を続けますから、一つ了承して聞いていただきたいのですが、私が言うのは、いい場合と言うのは、いいといっても公社が言っておるほどの引き上げになっていないのです。実際の収納は百姓から言わせればよくないのですよ。かりにいい場合が一件や二件あっても、それは全体の耕作者の気持に影響を与えるような大問題ではないのです。問題は低い人の場合の問題なんですよ。特に皆さんが期待しておっただけの引き上げにならないという状態、そういう場合にどういう考慮をするかというと、先ほどは、一番最初のあなたの回答は、これから十分検討をして実情を調査してできるだけ配慮しよう、こういうことを最初育ったわけなんです。ところが二度目に生産部長がちょっと何か耳打ちされたら、今度は違って強気に出て、きて鑑定標本の原則は厳正公平に守るのだというように態度を変えたわけです。そんな総裁では困ると思うのです。やはりみずからが最高責任者であるから、生産部長は命令してよし、そういう実態は調査して、もし不合理があったらそういう不合理は排除して直していこう、この程度の自信を持たなければ総裁としては困るのですよ。(「そうだ、そうだ」と呼ぶ者あり)これは与党の人だってそうだそうだと言っているのですから、あなたもぜひそういう点は考えてもらいたい。もしそういう点を十分考えるという回答がいただければ、次のショウノウの問題に入りたいと思っております。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、今後実情を十分に調査いたしまして公正な査定が行なわれるようにいたして参りたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 たばこの方は十二月の審議会まで日がありますから、ひまのあるたびに総裁にお出をいただいて来年の価格を十分合理的な、科学的な農民の納得のいく価格にしたいという希望を申し述べておいて、次にショウノウの問題をお尋ねしておきたいと思います。これは私が本来質問すべき問題ではないと思いますが、九州地方の国会議員もお見えでありますから、ただ社会党の対策委員長という立場からアウトラインだけお尋ねしておきたいと思うわけであります。  最初にお尋ねするのはショウノウの収納価格というのは一体幾らにきめられておるか、この点から最初にお尋ねしておきます。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 現在の収納価格は粗製ショウノウがキロ当たり二百八十三円、ショウノウ原油がキロ当たり百八十八円、平均いたしまして二百二十六円と相なっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、今のあなたの発表だと、この法規総覧に載っている収納価格の公社告示と違いますが、どういうわけで違うのでしょう。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 それは何年分でございますか。ただいま私が申し上げましたのは三十六年八月一日現在で改定になった現在施行されておる価格を申し上げたわけです。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 この収納価格というのは、私は九州でないからよく実態を知らないのですが、ショウノウを作る場合には生産業者と第二加工会社と二つあるようですね。この場合の収納価格に直接関係のある業者は生産業者なのか、加工会社なのか、どっちですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ただいまのお話のうち生産業者の方でございます。というのは、山元で作っておられる分でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 山元から公社が収納する価格が今の価格で、これを公社が加工会社に売り渡す価格というのは、法律できめなければならぬと書いてあるけれども、一体幾らが売り渡し価格ですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 売り渡しの方はいろいろございます。現在公社が扱っておりますショウノウと申しますのは、ただいま申しましたように、粗製ショウノウとショウノウ原油でございます。これは全部いわば製品ではなしに原料でございます。これをそれぞれ需要各業者に売り渡すわけでございます。まず最初に平均して申しますと、販売価格は二百四十円ということになっております。内訳は少しこまかくなるのでありますが申し上げますと粗製ショウノウの方は三つに分かれておりまして、一般用、これは普通に国内用向けの需要に売られる分でございますが、キロあたり三百三十二円、それから輸出精製ショウノウ原料用、精製ショウノウを輸出するための原料として売り渡す、これが二百五十二円、それから輸出セルロイド原料用、セルロイドを輸出するための原料となる分が二百四十七円、それからショウノウ原油の方でございますが、これは三つに分かれまして、一般に国内向けに売られる需要の原料となる分が二百十八円、それからセルロイド原料になると申しますと、ショウノウ原油からまた再製してショウノウを作るわけですが、その分として、それが輸出用になる場合、これが百八十七円、それから香料の方でございますが、輸出サフロール香料、これが輸出されるものの原料として売られる場合二百十円、それの総平均が二百四十円ということになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、収納価格よりも売り渡し価格の方が安い価格で売り渡しをするわけですね。そこで、この売り渡し価格というのは財政法に基づいて国会の議決を必要とするということになっておるから、今度いつごろの国会でこういう逆ざやを直そうとするのか、それとも直さずにこのまま赤字売り渡しでずっと続けるつもりなのか、この辺の見通しを一つお聞かせ願いたいと思います。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 まず最初に逆ざやという問題でございますが、全体といたしましては逆ざやになっておりません。先ほど申しましたように、公社の収納価格の方は平均いたしまして、キロあたり二百二十六円、それから販売の方は平均いたしまして二百四十円四十銭、このように全部を見ますと逆ざやにはなっていないのであります。なお販売価格の決定は、ショウノウにつきましては国会の議決が要らないことになっておりまして、公社が大蔵大臣の承認を得て決定することになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、この法律はやはり改正になったのですか。しよう脳法の十五条によりますと、財政法第三条によって価格をきめるということになっておるのじゃありませんか。

谷川宏大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○谷川説明員 お答え申し上げます。  しよう脳専売法の十五条の二項には、今お話のように財政法第三条の規定の準用を妨げるものではない、こういう規定がありまして、一方財政法第三条と申しますのが、特別なもの、すなわち税金とか独占事業における専売価格、料金については、「法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」こうきておるわけです。ただし財政法第三条の特例に関する法律によりますと、当分の間国会の議決を要するものは製造たばこの定価とか郵便料金とか国鉄の運賃、これだけであって、それ以外のものは国会の議決を経なくてもよろしいということになっておりますので、先ほど専売公社がお答えいたしたいようなことになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それは第三条に全然関係がないということをちょっと耳打ちされたのが聞えたので、「妨げない」というのは、かけなくてもよい、全然関係ないような態度では困る、国会軽視になるからその点を一応ついたのであります。  それから第六条の製造予定数量を需給関係によって年々定める。四月一日から翌年三月三十一日までの製造予定数量を公社は定める。これはもちろん定める場合には海外市況の関係や需給関係、いろいろ公社の方の見通しで立てると思うのですが、本年の需給関係の見通しから立てた計画、さらに来年、そこから将来ショウノウというものが、そういう関係を勘案した場合にどういう運命になる商品であるか、そういうような問題もあわせて明快な御回答をいただきたいと思います。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 これはなかなかむずかしい問題でございまして、ショウノウは先ほど申しましたように製品がいろいろございます。そのほかにたくさんの製品がございます。しかもこれが輸出向けが約四割くらいあるいわば国際的な商品であります。ただいま申し上げましたように海外市況という問題、それから一方それぞれ競争品がいろいろ出て参りまして、その辺の関連がどうなるか、たとえて申しますと、セルロイドにつきましては、かつてはショウノウと申しますとほとんどわが国の独占品でありましたセルロイドも、現在では御承知のように新興のプラスチックという大きな競争品がある。それからもう一つの大きな需要でありました防虫、防臭、これがまたナフタリンその他の非常に多くの対抗品といいますか競争品に脅かされておるのでございまして、簡単に将来の見通しを立てることは困難でございますが、大体最近落ちつきましたところでは、両方合わせまして約三千トン余り、かように見ておるわけでございます。なおこれから将来のことにつきましては、十分そういうメーカー、販売業者等と連絡をとり、調査を続けながら見通しを立てていきたい、かように考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、本年の年間の製造予定は大体三千トンと受け取ってよろしいわけですね。そこで、三千トンという受け取り方をしたとして質問を続けますが、現在の生産業者の能力、設備能力、それは一体フルに動かしたらどのくらいあって、さらに原木の入手の状況から見てどのくらいの能力を業者は持っておるのか、公社はそれをどのように把握しておりますか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 これは原木の問題等になりますと、非常に困難がございますが、大体私たちの見ておるところでは、フルに動かして四千トン弱、かように見ております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、遊休設備というような形で、生産業者は一千トン分の生産は現在操業しないでおる。そのために非常に生活が苦しい、あるいは企業経営が苦しい、そういう状態が生まれておるのではないかと思うのですけれども、生産業者のそういう実態というものをどのように把握しておりますか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 能力と実割当と申しますか生産数量との関係は、本年に入りましてそういうことになったのではございませんで、従来から大体生産能力は六千トンぐらいございまして、当、実生産、大体三、四千トンぐらい常に能力の方がオーバーいたしておりました。従いまして、その関係で急に苦しくなった云々のことはなかろうかと思いますけれども、実績で見ますと、三十五年度の生産数量が非常に減って参っておりますが、これはわれわれの見ておるところでは、御承知のように木材一般の市況がよくなったせいもあろうかと思うのでありますが、原木の入手が非常に困難だ。それからショウノウにつきましては、従来から山元の製造は、一般の景気がよくなると製造数量が減り、一般の景気が悪くなるとふえるというようなことが言い伝えられておるわけでありますが、大体三十五年度あたりもそれの影響を受けたかと思うのでありますが、労務者が山をおりるというようなことがございまして、相当生産数量が減って参りました。この辺を考えますと、先ほど申し上げましたように、収納価格を八月一日に約二割上げまして、相当山元の経済もその前に比べますと楽になったかと思いますけれども、まあその程度でございまして、特に楽になったということではなかろうかと思うのであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 現在、全国七百か六百五十ぐらいの生産業者が非常に困憊をしておって、このままではとてもショウノウ粗製製造はやれない状況が来た、収納価格があまりにも安いために、三十三年ごろから年々赤字が続出して、このままではとてもやり切れぬという声が非常に強くなってきておるわけです。そこで、生産業者なんかやめてしまってもいいんだ、第二加工会社が設備の拡張で第一次製品部門まで取り扱うことができるんだ、だから公社としては、資本主義の自由競争だから自然淘汰を待って、転業していくのは勝手にやめていけ、そう言わぬばかりの放置政策を現在とっておる。そういう態度を公社が続けていくという裏には、もうショウノウというのは専売事業からはずしていってもいいんじゃないか、そういう気持があるからじゃないでしょうか。その点の公社のはっきりした見解を一つ聞かせてもらいたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 先ほど申しましたように、本年八月一日に収納価格を改定するまでは、非常に生産数量が落ちて参ってわれわれも憂慮いたしまして、それで本年八月一日に収納価格を改定したわけでございます。その結果生産数量はもとに戻りまして、また山元業者の代表、各県の連合会長あたりも、収納価格の改定非常にけっこうでした、ありがとうございましたというような話もあるのでございまして、その点公社といたしましては、そういう手を打って、できるだけ専売事業の円満な遂行ということを考えて参っておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 まだよくその実を調べてみなければわからないのですが、加工会社にはかなり大きい資本金を持った会社がある。三億円の資本金の会社もあれば一億円の資本金の会社もある。もっとも三千万円ぐらいの会社もあるわけですが、そういう比較的大資本の加工会社は、このショウノウがなくなると困る。しかし生産業者は、非常に低額な収納価格で、生産費を償わないような安い価格で製造を続けなければならぬという非常に公平の原則を欠く今日の制度というものがあるような気がするのであります。そこで、収納価格がまだまだ安いということは、もう私が申し上げるまでもありませんが、八月に引き上げをしたといっても、業者の原価計算によりますと、一キロ当たりの生産費三百四十九円でございまして、全然生産しても赤字になる、こういう状態です。ですから、今度引き上げをいたしまして二百八十三円にいたしましても、まだ六十円も一キロ当たりの収納価格は低いわけです。こういう点、この前村山議員が質問書を提出したときに、おたくの方からの回答は、最近の諸情勢にかんがみて、これが改定に関し目下検討中である、こういう回答をいたしておりますが、この目下検討中というのがこの八月一日の改定の価格なのか、それとも、業者の算出した三百四十九円が至当なりという判断に立って、さらに再検討するのかこの辺のあなたの考えはいかがですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 現在の収納価格は、ただいまおっしゃいましたように、村山委員に前に文書でお答えしました検討の結果改定いたしたわけでございます。なお、ただいま業者からの要求が三百幾らというお話がございましたが、われわれの方がこの改定の問題に取つ組んでおりますときに、業界代表から受けました陳情では三割値上げという陳情を受けておりまして、それを検討した結果、二割引き上げるということにいたしたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、これからさらに検討してもっと引き上げるということは目下のところは、考えておらぬと受け取ってよろしいですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 現在のところはその通りでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第二の論点は、とても生産費を償わないからというので、転廃業しよう、こういう声がかなり出ておるわけです。そういう場合に、今までは、お前たちは生産数量の割当だ、いや死んだときには相続人が二カ月以内に申請をしなさい、やれこういう義務があります、管理人を置きなさいと、専売の仕事でありますからいろいろ製造業者は監督され縛られてやってきたわけですね。いよいよこの辺で、これはとてもやっていけない、もっと公社が本腰を入れてわれわれを守ってくれぬことには、幾ら専売事業でもやれぬという段階がきた、そういう場合に転廃業を希望した場合には、当然公社がその補償をすべきだと思うのです。転廃業資金、あるいは従業員の退職金が払えないその退職金、さらにここ四、五年間の経営の赤字、それの妥当性のあるもの、こういうようなものに対しては、当然私は、公社がここら辺で補償して転廃業を認めてやる。資本主義の自由競争だから、なにお前らやめたいならやめろ、そういう非人情な、血の通わない仕打ちは私はやるべきでないと思うのです。どうも聞くところによると、加工会社がキロ三十円の金を出して、これらの製造業者がやめていくのを助けた、こういうような情勢のようでありますが、本来なら私は、公社が当然やるべきだと思うのですが、なぜやれないのか、やる必要はないのか、そういう点の見解はどうでしょう。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ショウノウ専売につきましては、これも御承知だと思うのでありますが、他の専売とちょっと異にいたしておる趣きがございます。毎年度の生産は、公社が割り当てるいわゆる許可ということでなしに、製造所を持っておる者が毎年、本年度はこれだけやらしてもらいたいということを申し出まして、それに対して公社が、その年度限りこれだけやりなさい、その範囲内で作るものは公社はまるまる買いましょう、こういう制度になっております。従いまして、そのあくる年になって、ことしはもうやめたといえば、それはそれっきりでございまして、やはり毎年々々の勝負と申しますか、そういう行き方になっておりまして、現に今までもそのやめる人が毎年度ございまして、従いましてショウノウ専売の建前といたしましては、割当の要求があって、それをそのままその通り割り当てできなくて、それを三分の三なり四分の三なりに査定して割り当てたという場合、また、おれはことしはやらないからやめたという場合、全部これは何の補償ということも考えない、その業者の自主的な判断でやるという建前になっておりますので、公社といたしましては、そういう場合に補償ということは考える建前になっておりませんので、従いましてこれからやめていくという場合も、今の公社としましてはそういうことは考えていないのが実情でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 あなたの今の考え方は、現実にはそうなっていない。それはわかっているのです。なっていないから、今後われわれはどうするかというゾルレンの問題を言っているわけです。あなたは、ほかの専売事業とショウノウの事業は異なるんだと最初に申されましたが、どういう点が異なるのでしょうか。専売事業という性格、任務、そういうようなものを一切比較した場合に、専売事業の中でショウノウだけは違うんだというのは、どういう点が補償できないだけの違いがあるのでしょうか、その点を一つ……。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ちょっと申し落としましたが、ショウノウにつきましては、生産につきましては許可ということでなしに、毎年度生産数量を割り当てることになっております。その点がほかの専売法の建前と違うのではないかという意味で申し上げたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 割り当てるんじゃない。塩の場合だって割り当てるのじゃないのですよ。別に生産を、国でもってお前のところは塩をこれだけ作れということを割り当てておりませんよ。やはり申し出ですよ。どのくらいの生産力があるかということを申し出ているわけです。そんなことでは異なるという理由にならぬ。塩の場合は、国の需給計画の見通しの上から塩はこれはとてもやっていけぬ、少し過当競争になるから減らさなければいかぬということで、国が法律を定めて、塩業整備臨時措置法というものを三十四年に作ったのでしょう。それによりますと、ともかく廃止しようとするものに対しては、その施設の残っておる原価、さらに退職金の費用、それから塩田を他に転用する場合の経費、そういうようなものを国家が交付金を出して補償する、こういう法律を作ったわけですよ。ところがショウノウらの場合には性質が違うからといって、どんなに業者が苦しくとも、お前のところの収納価格はこれだけだぞと言って、一たんきめられた価格で営々としてやらざるを得ない。その結果が三年間、五年間赤字が積もって、倒産や、夜逃げや、子供を学校へやれぬわという業者が出てきているわけです。そういうものを公社が見ておって、競争の原則の社会だからといってほっておいていいのかどうかということです。だとしたら、専売をはずしたらいいじゃないかということが出てくるわけです。専売というものをやっておる限りは、私はこれらの業者に対して公社として責任を負う義務があると思う。それはしよう脳専売法の前の方にはっきり書いてありますように、「粗製しよう脳及びしよう脳原油の一手買取、輸入及び一手販売の権能は、国に専属する。」そういう権能を国が一切握っておるのでありますから、その事業をやっておって採算がとれなくてつぶれていくのだったら、当然特別法を作って、たとい七百軒や七百五十軒のわずかな業者であっても、憲法の建前は、法の前に国民は平等でありますから、塩の場合は塩田がうんとあったからそういう法律ができたんだ、ショウノウは数が少ないからできないんだというのでは、理由にならぬような気がするのですが、その点はどうですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 塩との関連がございますから、ちょっと御説明申し上げますと、これは御承知かと思うのでありますが、塩の場合は許可が永年許可になっております。それに基づいて相当な設備資本を固定させてやっております。それからもう一つは、整理後は話し合いで一応限度量を置いてありますけれども、——整理後は法律上の建前はそうですが、できたらできたとき買うということになっております。従ってどんどん生産量がふえて、売れない塩をどんどん買わなければならないという建前になっておりますが、それを調整するために特別な立法をお願いいたした、このようになっております。ショウノウの場合には、先ほど申しましたように、建前は一年度限りの割当、しかも数量はその割当の範囲内に限るという建前のものでございます。なお実際苦しい人があれば、収納価格を上げるとか何とか助けてやったらいいじゃないかというお話、これは全くわれわれ気持としてはわかるのでございますけれども、何分販売価格が上がりますと、また売れなくなる、非常に国際競争なり対抗品が多いものでございますから、販売価格が上がるとそれが売れなくなる。そうすると全体としてショウノウ事業に相当の影響を与えるというようなことがございますので、その辺の制約もあって上げられないという点がございます。従いまして、これらの点につきましては、ショウノウ事業の運営上公社といたしましては、従来常に生産業者、また加工利用業者等々と密接な連絡をとりながらやって参った次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第二次加工会社は、ショウノウを専売にしてもらっているおかげで国から買い受ける業者というのは、一年間にどのくらいの利益を上げていますか。国から売り渡しを受ける会社にはかなり大きい会社もございますが、こういうところの利益はどうですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 公社から直接売り渡しておりまする会社と申しますのは、先ほど資本金何億というようなお話がございましたが、それは神戸にございます再製樟脳株式会社、日本樟脳株式会社、これが一番大きな会社でございます。再製の方は、資本金が二千万円、日本樟脳の方は資本金が六千万円でございます。最近の経営状況を——これは直接私の方から監督する立場にないわけでありますが、業者からとった決算書によりますと、日本樟脳の方は大体五百万円前後の利益を上げておりますが、ただしそのうちほかの仕事を約半分やっております。油関係の仕事がそうでありますが、それを合わせて約五百万円くらいの利益ということになっております。しかし私の方で調べたところでは、それを分析してみますと、三十三年の前期は赤字でございましたが、その以後はショウノウでは大体百万くらいの利益ということになっております。なお再製樟脳でございますが、再製の方は三十四年前期までは赤字経営、それから三十四年の後期から大体二百万前後の利益が出ておるというような数字だと思います。この二つが一番大きな私の方から売り渡しておる加工利用業者でございまして、あとは香料関係が若干ございますが、ショウノウ油の占める割合は微々たるものでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、生産業者がつぶれていくのは、自発的に転廃業をするのだからやむを得ない、こういう理解の仕方になるわけですが、そうなった場合、自由にみんな転廃業していってもいいというんだったら、専売事業からはずしたらいいじゃないですか。そこはどうですか。やめたら困るのですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 私、公社の職員でございますので、ショウノウ専売の円滑なる遂行に当たるのがわれわれの任務と心得ておりますので、できるだけしよう脳専売法に基づいてショウノウ事業全体の安定をはかりたい、かように考えておる次第でございます。従って私たちといたしましては、やめるということを現在考えていないのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それはそうですね。あなたがやめると言えば、あなたは首になるし給料がもらえなくなってしまうんだから、やめてもいいというようなことは言えぬと思う。  そこで総裁にお尋ねしますが、今の問答を聞いておっていただいて、ショウノウというのは野たれ死にするまで生産業者をほうっておくようなことでは困るし、そうかといって収納価格を引き上げて生産費を償うだけの価格にしてやるということがむずかしいということになると、ショウノウ事業というのは一体なぜ専売にしておるのかという理由がわからなくなってくる。一体専売制にしておく方がいいのか、それともこの辺ではずしてしまって自然淘汰の中に飛び込ました方がいいのか、その辺をもうそろそろ再検討する時期が来たような気がしますが、総裁いかに思いますか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 ただいま塩脳部長からお答えしました通りでありまして、専売公社といたしましては、現在の専売制度の円滑な運営をはかっていきたいと考えているわけであります。現状におきましてショウノウ専売事業がありまして、その結果としてショウノウの需給の調整あるいは需要の確保といったような措置がされておりますので、そういう意味でショウノウ専売は御承知のように国の財政収入を上げるという目的には全然入っておりませんけれども、現状におきましてはやはり存続して私どもとしてもやっていくべきものであるというように考えているわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 財政収入にショウノウは全然考えていない。それではショウノウは何のために専売にしておるのですか。専売にしておる主たる目的は何ですか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 これは、御承知のようにショウノウ専売は台湾に専売事業というのがありまして、その当時からこちらでやっておった制度であります。現状におきましてはやはりショウノウの需給の安定、調整をはかっておる、こういう使命を持ってやっておると御了承願いたい。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 需給の調整をはかると言ったって、雑貨とか、自転車とか、自動車とかいろいろあるが、そういう方面の私企業は需給の調整をはかるという資本主義の原則は当てはめられないわけです。しかしこのショウノウの問題は、国家の力によって、買い受けから輸出から売り渡しまで一切の権限を国家が持っているわけです。何のためかというと、単なる需給の調整をはかるために専売にしていると言うが、何かもっと大きな専売にしなければならぬという根本理由がなければならないと思う。それはどうなんですか、ないのですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 それではちょっと私から事務的なことを申し上げます。  ただいまの生産から販売、輸出まで公社でやっているのだろうというお話でございますが、これは先ほど私から申し上げましたように、公社で扱っておりますものは粗製ショウノウ、ショウノウ油でございまして、これを売ったあとの製品にする製造から加工、販売それから輸出、これは全然専売の手を離れておりますので、そこまでは公社の統制力はないのでございます。  それからなお需給調整の問題ですが、現に公社は神戸に倉庫を持っておりまして、ショウノウとショウノウ油の倉庫がございますが、その倉庫に公社の在庫を持っておりまして、三十五年に生産が減りましたが、その前には逆に販売が少なくて生産が普通だ、そのときはストックがたまるが、逆に三十五年度のように生産が減って販売がもとに戻るというようなときには、そういう在庫で操作をして両方の事業ができるだけ安定していけるようにせっかく努力しているということは言えるのじゃなかろうかと思っています。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 だからそういう需給関係の安定ということだけだったら専売事業にそれを入れておく理由にならないのですよ。もっと積極的な理由がなければならぬと思うのです。そういう点でたとえばたばこだったら租税収入を極端に上げるとか、塩だったら人間の生命を維持するためにだれでも必要な塩だから、国家的見地から安く買えるようにしております。そういうねらいがあるわけです。ショウノウの場合そういうものが一体あるのかないのかというと、どうも要領を得ない答弁で、私は全く不満です。しかし時間がありませんから、この点はあらためて追及したいと思いますけれども、とにかく全国の業者が非常に苦しい状態に置かれておるという事実は一つ見て下さい。  それから第二は、加工会社は比較的収納価格の問題に被害を受けないような状態にある。そういう会社が価格を逆算させる基礎になっておってはけしからぬという議論が第二ですね。  第三は、転廃業しようという者に対しては十分何らかの措置を考えなければならぬ。今まで長い間国に協力し、皆さんの希望に沿うような生産を続けてきたのでありますから、弱肉強食のあらしの中で、立ち行けないからお前はやめてもやむを得ないということでは、専売事業として、あなたは責任者として、どうもだれに聞かれても通る話ではなさそうで、この問題も十分今後の検討に値する問題として御検討願いたいと思います。総裁も、たばこだけではなくて、森羅万象専売の問題は一切掌握しているはずでありますから、十分御検討願うことにして、質問を終わりたいと思います。

小川平二自由民主党

○小川委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 先ほど武藤君からいろいろ質問がございましたので、なるべく重複しないように質問を申し上げたいと思います。  先ほど説明がございましたように、今回収納価格の引き上げがございました。ところがわれわれの審議いたしました昭和三十六年度の日本専売公社の収入支出予算実施計画によりますると、それぞれ損益勘定、事業勘定が出ておるわけでありますが、さきの通常国会で審議いたしました際の政府関係機関予算の内容においては、当時の収納価格を百八十八円という計算で算定されておるのではないかと思うわけです。その算定の基礎になりますところから打ち出して参りますと、この損益計算の中におきましては黒字を上げるようになっておったわけでございますが、今回収納価格が改定されることによりまして、その事業計画がどういうふうになってくるかということについての説明をまず承りたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 何分ショウノウの金額はほかの専売事業に比べて非常に小さいわけでありまして、いずれにしましても収納価格を改定いたしますれば当然影響を及ぼしますが、御承知のようにショウノウ専売は損益とんとんということをねらいとしております。従いまして、先ほど申しましたように、今回同時に販売価格も若干値上げいたしまして、販売数量についてはほとんど変わっておりませんが、片方が上がって片方も上がったということで、結果的にはあまり変わってない。やはり若干黒字が出ている、このようになっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、ショウノウ事業損益勘定におきましては、やはり一千数百万円の黒字が出る、こういうことに受け取ってよろしいわけですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 その通りでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、この内容を見てみますと、役職員の給与の振替費等やあるいは諸手当あるいはその他の共通勘定の経費等がそれぞれ変わりなくて、やはりショウノウはショウノウで独立採算の計画のもとに今後も執行をしていくのだ、こういうことになるかと思いますが、やはりその通りですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 現在のところその通りであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 その点はそれでおいておきますが、収納価格のきめ方に対しまして私が質問書を出しましたときに、生産費とそれから海外市況及び需給状況その他の経済事情を見て価格をきめていくのだ、従って今価格については検討中であるということで、八月一日から収納価格が二割ほど引き上げられたわけでございますが、先ほどの質問を聞いておりますと、第二次加工会社の経理内容について説明があったわけです。私が聞いております第二次加工会社では、日本樟脳と再製樟脳、それに高砂香料が現在の取引関係だというふうに承っているわけですが、先ほどは日本樟脳と再製樟脳の二つについてだけお答えになったようでございます。その内容を見てみますと、いずれもやはり株主に対する配当金もちゃんと払っておりますし、また過去の実績も——もちろん中にはちょっと悪い業績のところもあるようでございますが、再製樟脳は前は配当金がないようでございますけれども、ほかのところはやはり一〇%ないし一五%の株主に対する配当もやって、純益も相当上げている。こういうようなところから見ますと、経営能力というものはこの第二次加工会社の場合は、先ほど話がございましたように、売り渡し価格を引き上げても十分に採算がとれるというふうに見て差しつかえないものだと思いますが、その通り受け取ってよろしいわけですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 会社の内部の詳しいことは、先ほど申しますように、そのものずばりわれわれの方でわかるわけではございませんが、一応決算で調べましたところでは先ほど申し上げました通りでございます。従いまして、日本樟脳の方は事業の約半分が公社の仕事とは関係のないほかの事業による利益が多いということで、昔は八%くらいの配当最近は一〇%の配当ということになっております。これがショウノウだけですとどういうことになりますか、そういう配当は非常に苦しくなるのではなかろうか。先ほど申しますように、大体ショウノウだけの利益は、利益が出るようになってから百万円前後ということになっております。なお再製の方は、先ほど申しましたように三十四年度までは赤字経営、その後黒字になっておりますが、三十五年度の前期までは無配当やっと三十五年度、三十六年度の前期までここに一割の配当を行なっているというのが実情でございまして、これだけを見てすぐに販売価格を上げてもいいじゃないかということにならないかと思います。景気がよくなりましてどんどん売れていけるようですと、販売価格ももちろん上げなければなりませんし、それはもちろん山元まではね返さなければならぬということをわれわれ念願いたしますけれども、これだけの数字ですぐは無理じゃないかというように判断いたしております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 先ほど売り渡し価格を平均二百四十円にした、これは買い入れ価格が二百二十六円になったのに対応して二百四十円に引き上げた額になっているわけですか、それとも前から二百四十円であったわけですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 販売価格はその前は二百二十一円でございました。それを二百四十円四十銭に上げたわけでございます。なおここで敷衍して申しますが、率としては、販売価格の上げ率が、これは計算するとわかりますように低いわけでございますが、そのときも、先ほど申しましたように、業界とも十分相談いたしまして、一挙に販売価格を上げたために、せっかく三十四年以来もとに戻ってきたショウノウ関係の需要がここで頭打ちになっては、ショウノウ業全体のためにならないから、やはり徐々に上げて、様子を見ながら伸ばしていくのが商売のあり方じゃないかということで、一応この程度値上げいたしたわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 販販価格を引き上げて、そうしてそれに見合うだけ、あるいはいろいろ政策的な意味も持ちまして、収納価格をきめていく、こういうことになって参りますと、販売価格は、国際的な市況その他によってきまってくる。会社の収益も見なければならない。こういうことになりますと、生産業者からの買い入れ価格というものは、全然生産費を基準にして考えていくものではなくて、そういうような国際市況の上から、あるいは第二次加工会社の収支決算の上から見て、生産者の買い上げ価格というものはこの程度でよかろう、こういうふうにお考えになっておきめになるように、説明を聞いておりますと、受け取るわけですが、一体生産費は、大体生産原価の上から見て、キロ当たりどれだけの生産費が必要なのか、その点について専売公社としては資料をお持ちなんですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 生産費実績調査はいたしております。従いまして、収納価格をきめるにつきましては、そういう生産費の実態、それからただいまお話のありましたように、ショウノウ関係製品の海外市況、簡単に言えば需給の関係等を勘案しながらきめておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 実態調査の結果は、今回の収納価格によってカバーされるだけの実態であるのか。私がここに資料としてこの前提供を申し上げましたのは、これは一地方公共団体がやっている実際の原簿から、それだけの原価が必要だということで計算をしたものを持ち出して、この前説明を申し上げたわけです。それによりますと、三百四十九円の生産原価がかかるということになる。ところが、専売公社の方では、そんなにかからぬ、今回きめたところの二百二十六円の値段で採算がとれるのだ、こういうような具体的な資料をお持ちなんですか。お持ちであるならば、その資料をお出し願いたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ショウノウの生産は、御承知のように、山元で何十年来の非常に原始的な生産方法をいたしております。従いまして、非常に大きくやっているところと小さくやっているところとでは、その事業によりまして、生産費の幅が相当あろうかと思うのでございます。従いまして、ただいまおっしゃった三百四十九円というのはどこのかちょっと存じ上げませんけれども、われわれの方で生産費調査をいたしておりますのは、前年度の生産費を調査しております。ショウノウについては三十五年度の生産費を調査したものでございまして、それによりますと、三十五年度の平均は、これはネット・コストでございますが、キロ当たり百八十七円ということになっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 その百八十七円という生産原価の内容が問題になると思うのです。それは後ほどお出しを願いたいと思いますが、とにかくショウノウの生産の状況というものは、一番塩脳部長が御承知のように、これはよほど大規模にやらない限り、たとえば中越パルプがやっておりますように、他の生産部門との関係において、蒸気を無料で引っ張ってきて、そしてショウノウを製造する方法をとる以外には、現在、たとい五千キロであろうが二千キロであろうが、その間におけるところの生産原価においては差はないというのが実態です。これは企業能率の上からこれを合理化していくことはよほど大型にしない限り非常に困難である、こういうふうに私たちは実際上から見ているわけですが、そういうような点から言いますと大きな工場、小さな工場、中型の工場というふうに分けましても、生産原価においてはさほど差はない。ただ山元の事情等において原木の購入がうまくいくかどうか、こういうようなところには関係がありましょう。しかし、それも国有林があって、特別に安くしてもらうようなところであれば成り立っていきますが、そうでないところは相当な赤字を出しているということは、お認めになっておると思いますが、おもな産地であります九州方面、特に長い間の赤字によって一番生活が苦しい状態に追い込められて参りましたのは専業者の人たちであります。鹿児島あたりは専業者は少なくて、兼業農家がやっておりますので、一工場当たりの生産規模も五千キロないし一万キロ程度でありますけれども、長崎とかあるいは福岡というようなところは専業者が多い、その専業者の諸君がもう今日においては生活保護の状態まで転落して、そういうようなところから転業資金がほしいんだというのが声として上がってきたわけです。それに対して、実情を調査してもらいたいという声もございましたので、実情調査に行かれただろうと思うのですが、どういうような状況であったのか、その点をお聞かせ願いたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 私の方のしょう脳課長を八月に、収納価格を変えて直後に、主として九州地区に実情を調べてもらうようにやったのであります。その報告では、値上げ直後のことでもあったかと思いますけれども、大体県連あたりでは、これで一息つけるのではなかろうか、こういうような空気であったように報告を聞いております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 塩脳部長は、今収納価格を引き上げたので、それによって一息つけるだろう、こういうような報告なんでしょう。ところが私が今言うているのは、そういうような過去の収納価格が百八十八円という値段で押えられておった、その間に原木はどんどんどんどん上がっていった、労務費も上がった、それによって赤字が出た、従って生活保護まで転落した状態があった、だから、そういうような実情をお調べになって、把握して変えられたかをお尋ねしているわけです。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 その問題につきましては、三十五年度あたりの問題かと思いますが、県連また中央会等々といろいろ意見もございました。と申しますのは、これは御承知かと思うのでありますが、三十三年度非常に販売が落ちまして二千トン台になって、ショウノウ事業はだめになるのではないかという非常などん底まで落ちたのであります。そのときに、これはショウノウ事業全体の大問題であるということで、業界全体が数回大議論をいたしました結果、この際はやはり何といっても売れなければ事業は成り立たない、だから売る努力をみながやらなければならない、もちろん利用、加工の輸出業者等はその先端を承るわけでありますけれども、何と申しましても値段の競争だというので、結局このとき、いわゆるわれわれの方では緊急対策と申しておりますが、三十四年一月一日、業界全部集まって相談したのでありますが、いわば忍びがたきを忍んで、この際収納価格も下げる、それだけ販売価格を下げて需要を伸ばすことに業界あげて協力しようということで、そういう非常手段のようなことで、このときはいわば政策調整とかでなしに一割下げる、そのかわり需要がもとに戻ってくるようになれば、当然収納価格まで反映させるというような話し合いで、三十四年一月一日に収納価格を約一割引き下げたのです。従いまして、先ほども忍びがたきを忍んでと申しましたが、業界はほんとうにそのときはそういう空気で、みながしんぼうして業界の立ち直りにお互いに協力一致したという経過でございます。それがありましても、その間それぞれ業界の方々が苦しかったことは、私としてはもう調べるまでもなくわかっておるつもりでございます。従って、今回販売状況が旧に復してき、しかもそれを反映して生産数量が減って参りましたので、その機会をとらえてまた業界とも話し合いの結果、先ほど申しましたように、収納価格の引き上げを行ないましたような実情でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 説明を聞いているうちに、三十三年に価格を一割下げた、そのめに生産業者が非常に苦しい状態に陥ったということはお認めになったようであります。業者が苦しい状態になったということは、販売面において売れ行きがよくないので協力願いたいということで、専売の力によって業者の人たちにその料金をのましてしまった、こういうことから生まれてきたわけなんです。その点はそういうふうにまっすぐ受け取らないと……。生産業者は専売公社にしか売れないのです。それが、専売公社としては独立採算という立場に立つがゆえに、そういうような制度をとってきた。そのために生活保護にまで転落した人もおる。そして膨大な赤字をかかえて、今日において手のつかないような人たちもおる。こういうような事態が出てきたことは、やはり専売公社が責任を持ってもらわなければならないと思いますが、その点については総裁どうですか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 収納価格の問題につきましては、先ほど来塩脳部長からいろいろ御説明申し上げておる通りの状況でありまして、公社といたしましては、先ほども申し上げましたように、粗製ショウノウあるいはショウノウ油の買い入れ、売り渡しをやりまして、その需給の調整、安定をはかっておる、こういうことで専売業務をいたしておるわけでありますが、価格の点につきましては、先ほど来いろいろお話が出ておりますように、公社としてはショウノウ油あるいは粗製ショウノウを買い入れ、売り渡しておりますが、最終の需要はショウノウ製品として需要があるわけであります。需給の調整と申しましても、最終の需給が結局これに反映して参るわけでありますから、長期間をとってみまして、製品の需要が非常に少ないという場合には、やはり大きな目で見て需給の調整をはかるような価格で買い入れ、売り渡しをやっていかなければ、結局公社で赤字を埋めるといいますか、財政負担によってこの間の差を埋めなければやっていけない、こういう形になるわけであります。先ほど来お話がありましたように、公社のショウノウ事業の関係としては、独立採算と申しますか収支が合うようにやっていく、また全体のショウノウ製品あるいは原料のショウノウ、この需給につきましても、結局最終需要の大勢というものに反した措置はできないわけでありますから、こういうような状態で、先ほど来いろいろお話がありましたように、いろいろとむずかしいところではありましたが、業者の方にもその辺のところを忍んでいただきまして、今日まで切り抜けてやってきた、こういうことになっておると思うわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 財政負担はしないんだ、収支相償う形において、独立採算の形で運営していくところに問題がある、こういうふうに答弁から出てくると思います。ところが、ことしの専売公社の事業の損益の計画を見てみますと、なるほどたばこにおいては千五百二十億円の収益を上げ、ショウノウにおいてはとんとん、一千万円くらいの黒字を上げている。ところが塩においては二億八千五百八十四万四千円の欠損を見込んで全体の計画が立っておる。価格については、たばこの収納価格についてのきめ方と、それから塩についての価格のきめ方、それにショウノウについての価格のきめ方に比べてみますと、たばこ専売法によると「収納の価格は、毎年公社が定めて、あらかじめ公告する。」ということは、これはほかの二つのものと同じであります。しかしながら、たばこの場合は「前項の価格は、生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」こういうふうに規定がございます。ところがショウノウにいたしましても塩にいたしましても「前項の収納の価格は、公社が定めて、あらかじめ公告する。」こういうようなふうにきめられているわけです。片一方、塩においては二億八千万円の赤字を出し、ショウノウは独立会計でやっている。たばこの方は収益専売としてやっていくんだ、こういうふうな、専売においてもそれぞれ立場が違う形をおとりになっているわけです。そうなって参りますと、今度、先ほどからお認めになっていらっしゃいますように、ショウノウ生産業者があくまでも専売公社に売らなければならないわけですから——これは法律によって規定づけられている。値段が下がろうが下がるまいが、一方的にあなた方がきめられた値段によって売らなければならぬ。そして、それによって売った結果、赤字が出て非常に苦しい状態に追い込まれてきた。なるほど専売公社としては、それは国際価格の問題もあるし、第二次加工会社の問題もあるのでそういう値段をきめなければならなかったのだということはわかりましょう。それはわかります。しかしながら、そういうようなみすみす赤字になることを承知しながら、生産業者からそういうような不当な価格で取り上げておった、こういうようなことが一方には言えると思う。それで、専売制度の問題について、専売制度調査会の方で答申が出ましたように、ショウノウについてはもうこの際専売は廃止すべきだ、廃止する以上はそれに伴う補償金を出すべきだ、こういうような答申が出たわけですよ。だから、やはり今後のショウノウの専売の問題は、それは専売公社の総裁としては、そういうような専売制度の上からとっていきたいということはお考えになっているでしょうが、今後国際価格がさらに下落をし、そしてにっちもさっちもやっていけないような生産者の収納価格で押えつけなければならないということになったら、そのときにはまた問題が出てきますよ。そういうような点から考えて、こういうようなものは、国内産業を保護していくのだという立場がない限り、専売制度を続ける意義はないと思う。この点について総裁は、どのような立場から、この専売制度を今後も堅持していくのだという、根本的なものをお持ちになっていらっしゃるのですか、その点をお尋ねいたします。

阪田泰二日本専売公社総裁

○阪田説明員 専売制度につきまして、たばこ専売、塩専売、それからショウノウ専売、それぞれ多少意義といいますか、形の違った点のあることは御承知の通りでありますが、ただショウノウ専売といたしましても、先ほど来申し上げておりますように、粗製ショウノウあるいはショウノウ油の需給の調整、安定をはかっていくというような使命を持っておりまして、現在まだ専売事業の運営にあたっております私どもといたしましては、これをできるだけ円滑に運営して参りたいということを考えておるわけであります。制度の問題としてこの専売事業をどういうふうに直していくかというような問題につきましては、これは私どもの方から申し上げるべきことでないと思いますので、御答弁は差し控えたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 その制度の問題につきましては、この国会において、議院の立法権に基づいて、今後私たち自身においても検討をしていかなければならない問題だと思います。それはまた後の機会に申し上げることにいたしますが、最後にお尋ねをいたしたいのは、第二次加工会社として私たちが承っておりますものは、先ほど申し上げました日本樟脳、再製樟脳、それに高砂香料のほかに、大日本セルロイド、タキロン化学、筒中プラスチックス、太平化学、日本樟脳油販売株式会社あるいは小林脳行、こういうようなものがあるように承っているわけです。そういたしますと、これは専売公社から原料をもらわないで、外国の原料を輸入いたしまして、それによって第二次加工品を作っている会社が、先ほどの三つ以外の会社になると思うのですが、輸入については、専売公社あるいはこれが委託をしたものが原料を輸入することができる、こういうことに法律の上ではなっておるようであります。そういたしますと、大日本セルロイドを初めとするほかのいわゆる第二次加工会社といわれるところは、どういうようにして製品を作っているのか、その実情はどのようになっているかを承りたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ショウノウに関する分を申し上げますと、先ほども触れたかと思うのでありますが、日本樟脳と再製樟脳から、日本セルロイドを初めとする、今申されたそれぞれの会社が原料として買っておるということになっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、専売公社が取引をしているのは日本樟脳と再製樟脳であって、そこで作りました精製ショウノウ等をそのほかの加工会社が買い付けてやっている、こういうように受け取っていいわけですね。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 その通りでございます。  なお先ほど村山委員もおっしゃいましたが、高砂香料その他油関係でわずかずつ使っておるのはなお二、三あるかと思いますが、大きいのはその二つでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 輸入との関係はどうですか。特に関税定率法に示されている原料が、税率において価格が非常に低いようでございますが、輸入をする場合の業者の便宜を考えているのか、その点はどういうことになっておるのですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 天然ショウノウは、御承知のように台湾、日本の特産でございますので、その輸入はございませんが、公社の扱っておりますのは、それぞれ精製ショウノウ並びにショウノウ油でございますので、これの輸入がもしあるとすれば、これは当然公社または公社の委託を受けたものでなければできないことになっております。しかしこれは相手はおそらく台湾——現在では台湾ぐらいなものですから、あとあるとすれば合成ショウノウでございますが、合成ショウノウは、数年前にショウノウ業界が非常によかったときに若干輸入したことはございますが、合成ショウノウはもちろん精製ショウノウでございますので、精製ショウノウの輸入ということになりますと、公社が許可をして業者が輸入をする、こういうように制度上はなっておりますが、現在のところはもう全然ございません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 時間がございませんので、専売制度に対するところの問題並びにその根本的な考え方の問題から発して、途中で転廃業をしなければならなかった、そういうような状態に追い込まれた人たちの補償の問題等につきましては、またあらためて次のときに論じて参りたいと思いますので、保留をさしていただいて、きょうはこれで終わらしていただきます。

小川平二自由民主党

○小川委員長 次会は明十八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時九分散会

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