P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
39回国会衆議院1961/10/06

大蔵委員会 第2号

発言数
27
登壇者
3
会派数
2
開催日
1961/10/06

会議録

小川平二自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  この際大蔵大臣より発言を求められております。これを許します。水田大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 本国会における大蔵省関係の提出予定法律案は、現在衆議院予算委員会において御審議を願っております昭和三十六年度補正予算関係の法案二件を含めまして六件でありまして、そのうち、本国会中に四件の法律案につきまして当大蔵委員会において御審議を願うことになるものと存じております。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。  先般、私は、本会議における財政演説におきまして、わが国国際収支の悪化の現状と、その原因及びこれに対処し講ずべき諸措置につき申し述べたのでありますが、国際収支の均衡をできる限り早く回復し、わが国経済のつり合いのとれた発展を実現することは当面の急務であると存ずるものであります。このためには、旺盛な内需の抑制をはかるとともに、輸出の一そうの促進を期することが肝要であります。政府としましては、内需の抑制のため、今回講じました財政面、金融面を通ずる一連の対策を強力に実施すると同時に、今後予算、金融その他各般の分野において引き締め方針を堅持して参りたい所存であります。政府のこの方針は当面の事態に対処するためにはやむを得ない緊急な施策でありますので、この際、経済界を初めとして、国民全体の格段の御協力を切にお願いする次第であります。  ただ、その際におきましても、中小企業等経済的に弱い面にそのしわ寄せが起こることのないようにすることが重要であると考えます。この点、政府はかねてから意を用いて参ったのでありますが、今後とも格段の配慮をいたす所存であり、すでに国民金融公庫等に対しまして所要の資金手当を行なうこととし、さらに、市中金融機関の中小企業向け融資促進のため、金融債等の買い入れを行なうことを決定いたしております。  一方、輸出の振興につきましては、従来の施策に加えまして、新たに税制面、金融面、保険面でそれぞれ当面でき得る限りの措置を講ずることといたしており、このうち関係法律の改正を必要とする日本輸出入銀行に対する出資の増加につきましては、すでに所要の法律案が当委員会に付託されております。税制面の措置につきましては、すみやかに成案を得て御審議をお願いすることといたしております。また、輸出金融を特に優遇する措置及び輸出保険の保険料引き下げ措置はすでに実施に移しております。  政府は先般自由化促進計画を決定いたしましたが、貿易・為替の自由化も、つまるところは貿易の総合的な拡大を通じ輸出の増大をはからんとするものでありまして、自由化の促進は経済の体質改善、国際競争力の強化による輸出増進への努力が基本となっておるものと申すべきであります。輸出の増進につきましては、輸入国側の事情等、いろいろの問題が伏在しておるのでありますから、この際、関係業界といわず、政府といわず、輸出マインドを一段と高揚し、国をあげての輸出増大の努力を尽くすことが根本であると考えるものであります。  ただいま申し述べましたいろいろな措置によりまして、国際収支を初めとして、経済の各面の均衡が回復されますならば、私は、日本経済の将来における成長は、その包蔵する発展力にかんがみますとき、期して待つべきものがあると信ずるものであります。昭和二十八、二十九年及び三十二年の例に見られますように、過去において、わが国の経済は、危機を乗り切りました後においては常に飛躍的な発展をなし遂げたのであります。この事実からも、私は、今回の引き締め措置によりまして、今後国民所得倍増計画の所期する目標がいささかの不安もなく達成されるものと確信いたし、今後における財政金融政策もこのような見地に立って運営していきたいものと存じております。  最後に、わが国経済の現状と将来につきましては、種々むずかしい問題がございますので、私もでき得る限り当委員会の御審議や御意見を承り、またいろいろ御協力をお願いしたいと存じておりますが、何しろ、御承知のように、しばらく予算委員会の方に時間をさかなければなりませんので、その間は政務次官及び事務当局が御審議を拝聴して御質疑にお答えすることと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。      ————◇—————

小川平二自由民主党

○小川委員長 税制、金融、証券取引及び外国為替に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ただいま大臣からごあいさつと申しますかお考えを承りましたが、私ども先般来理事会でいろいろと相談いたしました結論をお聞きになったからそういう細部のお話があったと思うのであります。予算委員会ももちろん重要ではございますが、重要法案、また多数の法案がある委員会でございますから、ぜひ万障繰り合わせて当委員会への出席をお願いをいたしたいと思います。  今お話がありました中で、私はあらためて痛感をしたわけでありますが、先般来予算委員会で総理大臣並びに大臣からいろいろと今日の金融引き締めについての原因、それから対策、展望を承りました。私は今輻湊をすることはなるべく避けるつもりでありますし、時間もございませんから、少し飛び飛びになるかもしれません。その意味で、総合的なものの考え方をまず申し上げて、一つそういう角度で御返事を承りたいと思うのです。  今、大臣は、二十八、九年、三十二年の例を引いて、そうしてわが国のこういう問題が解決ができると思うし、またさせなければならぬというお話をされましたが、三十二年と今日と比べて共通の面が非常に多いのですが、違う部面が多々あるのであります。それを私が政治的に考えますと、三十二年のころは、今のような日銀と政府との意見の不統一はなかったと私は承知いたしておるのであります。今回の日銀と政府との意見の相違、それによる波紋というものはまことに見苦しいものでありまして、しかのみならず、政府の中でも閣僚の中に意見の相違があるということは、これはもう周知の事実であります。そこにまず第一の問題があります。第二番目の問題としては、池田総理は、何とかして政策の失敗であるということは言いたくない、また転換だということも言われたくない、そういう弁解が先行して、一番ねらうところの、今日の経済情勢がこういうことであるから国民の皆さん御協力を願いたいという真摯な説得力が欠乏しておるということであります。それから、第三番目には、あのときと違いまして、今回は政府みずからも言われるのでありますが、回復には長期的な期間が要るということであります。この三つが私は政治的に言って違うと思うのであります。それを、現実の政策の上において、あるいはまた与党と野党の意見の違う中で、国民に一つの方向を示そう、また協力を求めるためには、どうしても私は次の三つのことを政府側に強く要望いたしたいと思うのです。その一つは、勇敢に、今日の経済情勢を、弁解をやめて率直に国民に知らせること、これを最も優先的にすることです。もう一つは、責任の所在を明らかにすることだと思います。なぜこういうことになったのか。おとといも新聞ですら笑っておるのでありますが、国民の責任だ、民間が設備投資をし過ぎたから、あれが悪いのだ、おれはそういうことを指示しなかったというような弁解がましいことがいつまでもあったのでは国民が納得しません。責任を明らかにすることだと思うのです。それから、第三番目には、今までのことの締めくくりでなくして、やはり政府もおっしゃっておるように、経済を前向きの方向にする、そういう体制のもとでこの建て直しをするということでなければならぬと思うのです。  私は、この三つのことは、何も社会党だから言うのではなくして、まさに国民の要望しておるところだと思うのです。この私の意見にお返事をいただこうとは思いません。予算委員会も水かけ論になったのでお返事をいただこうとは思いませんが、こういうつもりで私は次の点を一つただしたいと思うのです。  まず第一に、株が非常に下落をいたしました。池田さんは、私が総理に就任するときよりもまだ高目だと言っていばっておるのでありますが、ああいう話の仕方というものは私は言語道断だと思うのであります。この株の非常な暴落に対して、それと時を同じゅうしていわゆる第二市場が発足をしたのであります。第二市場の今後の問題をあなたにお伺いしたいのでありますが、実は、私どもが考えておりました第二市場を作るべきだという考え方と、今日の問題とは違うような気がするわけです。時間がありませんから簡単に私の思いついておることだけ申しますが、あなたと予算委員会でも質疑応答いたしました最後の締めくくりは、今の証券市場の構造改革の方向に沿ってしようではないか、私は大賛成であるとあなたは答えました。しかし、この四大証券下の中小証券業者の問題は、この問題で何らの解決をされていないと言っても私は言い過ぎではないと思うのです。この第二部ができたから、今後はかくのごとき今日までの青空市場というものが絶対ないということが一体保障ができるであろうかどうかということが第一番目の問題であります。  それから、投資家保護の問題が次にあります。株が非常に暴落をする、それで証券会社は全く困り切っておる。しかも、証券会社は、この春に非常に景気がよかったものですから、思い切って、もう人間であろうが施設であろうが何であろうが手広く広げ過ぎるくらい広げてしまって、今でもすでに経営困難となっておるところがあるというのであります。人員整理をしようというのであります。これが投資家へ影響せざるを得ないのであります。こういうような第二部が発足をする、そのときに株価が大暴落する、ボンド・オープンの売れ行きが不振になる、こういう状況に際して、今後の株式市場に対する大蔵大臣としてのお考えはどういうものがあるか。何か、聞くところによれば、これはもう経済政策のよってもたらしたものであるから、これはここだけで救済するわけにはいかぬからしばらくほうっておくというようなお話があるやに聞き及びました。しかし、これが短期の問題でなくてかなり長期になる。そうすれば、どうしても証券業者、投資家という方向に思いもかけぬ波乱を呼んでいくだろう。あのとき、私どもが、今はいいけれども、一ぺんガラが来たらどうするのかという点についてただしたところ、そういうようなことは想像を今のところする必要はないのではないかというベースでお話がありましたが、まさにその予言通りの状況が来たのであります。この株価の大暴落、第二部の発足と二つからみ合わせて証券市場に関する今後のあなたの対策を、短期的でも長期的でも一つ承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 まず、お答えは要らぬということでございましたが、一番最初の問題の話で、よく、言いっぱなしで政府と日銀当局が意見が合わないとか、どうのこうのということを言われていますが、こういう事実はございません。事公定歩合というようなものに関しましては、世界各国とも、これがどうされるかということは、全国の株式の値段にも響きますし、もしそうなるのならその前日金を借りておけばよかったという人もございますし、国民生活には非常に影響を持つ微妙な金融の一番大きい問題でございますので、こういうものが政府や中央銀行で論議されるというようなことは各国ともあり得ません。経済情勢を見て、するときにはする、しないときにはしないという扱いをするのが普通でございまして、これが外へ一つ漏れたというだけでイギリスの大蔵大臣は辞職をしている例もあるくらいの問題でございます。従って、日銀の責任者も私どもも、これについて論議したり世間でものを言ったことはございません。ただ、一部の人がこれをいろいろ論議して、これが言論界においても議論になっていた、こういう事実は、今回の場合、非常にあり方としてこういうあり方が遺憾であったと私は考えておりますが、政府の責任者と日銀の責任者との間にはいろいろ緊密な連絡もございまして、意思の疎隔があったというような事実がございませんので、このことは申し上げておきたいと思います。  それから、御質問の市場第二部の発足でございますが、これは確かに店頭売買をこういう形で組織化しなければならぬということは、もうかねがねの要望でございまして、これをどういう形でやるか、第二部にするか別個の取引所を作るかというような問題も当然検討すべき問題でございましたが、これも、御承知の通り、証券審議会の答申でも見られますように、とりあえずはこういう形でいくことが適当だという答申に基づいて、私どももまたそれが適当だと認めて第二部という形で発足したわけでございますが、株がちょうど落ちたときにこういうことになったというのですが、これはもう前からの予定で、十月から発足するという予定の準備をやっておりましたので、たまたまこれが時期が重なったというだけでございます。  株の暴落につきましては、これはいろいろ原因がございましょう。先ほど御指摘になりましたように、経済が少し速度が進み過ぎている。この状態に対応した株式市場のあり方もあったわけでございますし、ここで伸び過ぎた経済を少し押えなければならぬという必要が出て、いろいろな緊急措置をとるというときには、やはり市場にも影響のあるものだと思います。こういう政府の措置によって株式市場にそういう若干の影響がございましても、経済の安定成長というものが確保されるということでしたら、かえってこれによって将来の株価も落ちつくし、大衆投資家も安定を保障されるということになると思いますので、株の高い安いはここで批評するわけには参りませんが、政府が行き過ぎた経済を押えるという措置に伴った一定の落ちつきということは、今後のためにそう私は悪いことにならぬ現象だと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、あなたのお話は、株価の暴落に対して今何にもするつもりはない、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。私が申し上げておるのは例でございますが、一つには証券会社が経営困難になる可能性はある。もうすでに人員整理を始めておるところがある。これは投資家に対してまた非常な不安感をもたらす。他方では増資がまだ一向やまっていない。九月では千五十四億といわれます史上最高の増だ。十月は六百六十四億、十一月は八百億、こういうことが想定されておる。そうだとすれば、ますますこの問題に拍車をかけるおそれがあるのではないか。株価不振に対して、これが短期的だと私は思わないのです。政府の言うように来年度一ぱいであるとするならば、ますます問題が発展する。私の心配をいたしますのは、証券会社の経営困難から投資家に対する保護の手が必要になるのではなかろうか、こういうことを考えるのですが、大臣のお話は、株価の暴落対策は今のところ考えていない、こういうふうに拝承してよろしいですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 暴落対策というのですが、株価のあり方が、どれが正常か不正常かということはなかなかわからないことでございますし、今後の均衡発展、安定成長というものをねらうためには、こういう措置をとらなければならぬという措置に伴った変動ということでございましたら、将来これによって安定した株価が確保されるのじゃないかと私どもは考えておりますし、これを暴落したから特につり上げなければならぬという対策をとったり何かすべきでないだろうと考えております。証券業者については、もうふだんから、資産の信用度の問題、営業状態、そのほかには監査、指導をして参りまして、こういう問題が常に起こらないようにという指導をやっておりますので、その指導からそれておったところにあるいは例外的ないろいろそういうあぶない業者があったという事実が出ないとも限りませんが、そのためにこそふだんから私どもは証券業の指導、監査というものについて十分やっておりますので、今度の事態を契機としてそういう問題が急に起こるというふうには今のところ考えておりません。(「心配ないのか」と呼ぶ者あり)今のところ心配はないと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 今のお話、私が株価をつり上げろと言っているようなおとり方をなさったとすれば、私の言う意味があなたによくわかっていないと思うのです。そういう意味合いでなくして、一般の中小企業対策なり、国民生活を確保すると同じ水準において株価暴落対策の一番底のささえをしなければならぬのではないか、こういうことを私は申し上げているのです。それと、その点のあなたのお答えは非常に不満足であるということを表明しておきます。  それから、もう一つ、先ほど何らのお答えがなかったのですが、この第二部の発足というのは、第二市場を発足させるということの意味の中に、証券市場の構造改革に一歩でも二歩でも足を踏み入れるという大前提を予算委員会であなたに約束願ったと確信しているのでありますが、お忘れになったのですか。これが少しも前進していない。引き続きやはり、第二部といえども、四大証券を初め大証券が参加をして、均衡というものは破られないのみか、四大証券の影響下にほとんど入ろうとしておるということについては、第二部発足についてあなたの頭の中に何にもなかったのであるか。政府は中小証券の育成をして——今の経済は二重構造といわれておりますが、証券市場ほど二重構造のはなはだしきものはないことは御存じの通りであります。この点についてのあなたのお考えはなかったのでありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 考えがなかったわけではございません。ですから、この第二部というのはまだ恒久的なものとは言えないだろうと思っていますが、さしあたりこうして出発することが妥当であるということで出発したわけでございます。従って、現行法律のもとで、現在の一部の会員をここに参加してならぬという方法はとりませんので、これは一応大証券といえども第二部市場に参加できることになっておりますが、しかし、銘柄の性質上株数は少ないのですから、これはよほどの売買管理をやらなければいろいろな事態が生ずることになりますので、それらに対しての配慮を十分加えるつもりでおります。従って、できるだけこれは中小証券業者の舞台にしたい。大証券会社がここに参加して市場操作がいろいろ目につくというようなことでもございましたら、これはやめてもらうというような、こういう指導行政は相当徹底させるつもりで現在考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がございませんから、この問題はあらためてまた本委員会で取り上げることにいたしたいと思います。  次の問題として、私は、今の輸出マインドの問題と、それから輸入の問題との均衡がどうもはっきりしない。輸入の抑制と輸出の促進ということ、しかも、輸入の方は自由化で早く自由な輸入ができるようにしながら、輸入はあまりするなという点について、きわめてあいまいだと思うのです。もしも輸入の抑制をほんとうにするならば、するような措置があると私は思うのです。たとえば、私どもが主張いたしておりますのは幾つかございますが、その中で、輸入の抑制措置について、輸入を促進しておるような税制の特別措置はこの際はずしたらどうかという強い主張を持っておるわけであります。たとえば、合理化機械並びに重要機械等の特別償却については、全部をとは言いませんが、少なくとも大企業の設備投資に関するようなものは、今総額で九十億くらいだと聞いておりますが、そのうちのかなりな数、七十億円くらいを一つ停止をしばらくしたらどうか。あるいはまた、貸し倒れ準備金、価格変動準備金等については最高限度を引き上げて積立率を二分の一くらいにしたらどうか。重要機械類の輸入関税の免税、重要外国技術使用料の課税の特例、これらに関しては、国内技術の研究奨励をして、輸出マインドを強めるということであるならば、これから新たに発生する契約についてはこれをやめたらどうだろうか。また、新規の重要物産免税に関しては、著しく租税公平の原則に前から反しておると思いますから、今後の新設あるいは増設分については停止をしたらどうか。また、直接輸入抑制には関係しないのでありますが、公債課税の特例等についても基準を強化したらどうか。少なくとも今輸入を抑制するというのであるならば、本委員会に輸出促進の税法措置が出ておるのですが、それとあわせて輸入抑制の措置が実際に当然とらるべきであるにもかかわらず、その税制措置をあわせて出さないというのはどういうつもりなのであるか。自由化が優先するのか、輸入の抑制が優先するのか。輸入の抑制というのはいいかげんにしておけというのであるか。その辺の政府の態度がきわめて不鮮明であると思います。これらの特別措置が大企業中心であるから、それが原因をなしておるというのなら、率直に私どもはああそうですかと言わざるを得ないと思うのですが、そうでなかったといたしましたら、この際、輸入抑制の措置をとるならば、輸入抑制の税制措置もあわせてとるべきだと思うのですが、この点大臣のお考えはいかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今度の輸入抑制措置のための一連のこういう緊急政策をとる場合に、当然私どもはそのことを考えました。ところが、これが今日本が直面しておる一つの悩みでございますが、なぜ経済を押えなければならないかという問題。やはり、一番大きいことは国際収支の制約があることでございますので、そういう問題に対する抑制をしなければならないという事情に直面しておるのですが、しかし、一方日本の自由化に備えてどうしても必要な日本の合理化はやらなければなりません。合理化投資をすることは、日本経済の内在的な要請でもございますので、それとの調和をどうするかということが当然に問題になります。機械のごときは、ひとり大企業の機械輸入だけではなくて、御承知のように、エキジム借款によって、日本の中小企業の合理化ということをねらって、機械輸入もさせておるということでございますので、必要な合理化を押えるという問題については、やはり政策的にもいろいろ異議がある。しかも、今入ってくる機械をとめるということはどういうことになるかと申しますと、すでに土地整備ができたり、建物が作られたり、いろいろの設備投資がもう先行しておって、機械は最後のものになっておる。こういう事情もございますし、しかも、その機械の輸入が許可されているというものは、合理化審議会の吟味も通って、当面日本経済においては合理化に必要なものであると認定されている問題でもありますので、そういう点から考慮して、次期国会においてこの特別措置について少しくわれわれはあなたの言われるような考慮をしなければならぬと思いますが、当面の緊急政策においては、市場占拠というものをねらいにした設備投資であったら、これはもう金融措置だけでなくて行政措置でけっこう押え得よう、必要な合理化は、これはそう押えないでも、この際やらさなければならぬという点を、少し分けた対策をすることが実際的であるというような考えから、この国会にそういう問題の停止を求めるというような措置はとらぬという方針にきまったわけでございます。その点については、十分私どももこの抑制措置については審議したつもりでございますが、そういう事情がございますので、なかなかこれは一律にはやれないむずかしい問題だと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、それは一律にやれと言っているのではないのです。方法があるはずだと思う。輸出の方だけはどんどんやれ、輸入の方はまあまあというところにしよう、そういうようなお考えであるならば、国内における設備制限一割繰り延べも、金融筋が言っているように、どこまで徹底するものやら、私はわからぬと思うのであります。もしもあなたが、輸入の方は中小企業の合理化機械があるから押えることはいけない、こうおっしゃるならば、これを中小企業に転嫁をされるというのであるならば、国内の設備制限については、中小企業の設備投資はこれを認める、一割削限は大企業の問題であって中小企業の問題ではない、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。これは私が質問の形で言っておるのでありますが、私どもはそうなければならぬと実は思っておるわけであります。今私が最初に申し上げた前向きの姿勢でこれからの金融の引き締めをやってもらいたいという意味は、将来に臨んで経済の二重構造を解消するというならば、その方向に向かってやるというならば、まさに今こそ、極端に言いますと絶好の機会だ、大企業の設備投資を押えて、中小企業の設備投資を押えないことによって、一歩でも半歩でも二重構造の解消の方向へ向かうことになる。先ほど、あなたがおっしゃったように、輸入の方で中小企業の問題があるからこれは認めざるを得ないというのであるならば、国内においては、中小企業の設備投資は押えない、これこそいい機会だから、そういう経済の二重構造の解消には半歩でも一歩でも向かえるいい機会だから、一つやろうじゃありませんか。その問題と、国内における中小企業の設備投資を押えないというお答えをいただきたいのと、あわせて、政府が、きのうも新聞を見ましたら、御発表になりましたか、銀行局長が各金融機関に対していろいろと、私は内容についてはいい内容だと思ったのでありますけれども、通牒を出されました。その通牒の中に、歩積み、両建については、これは銀行の公共性にかんがみてもう自粛させるように必ずしろ、こう言っておるのでありますが、どういう方法でそれを監督をなさるつもりでございますか。これは私は三十二年の一つの例を引いて大臣に猛省を促したいと思うのであります。今回、自民党の方から、設備制限の措置ではいかぬから、もっとこうやれという提案がされたようでありますが、まことに私はけっこうなことだと思う。けれども、三十二年、与野党一緒になって池田さんと懇談会をやって、あのときは三百億でございますか投げ込んで、与野党とも大蔵委員健在をここで示したといい気になっておったものであります。しかるところ、その年の経済企画庁の統計を見ますと、驚くなかれ、大企業は前年よりも金融措置が激増しております。中小企業は激減をいたしたわけであります。これは明らかにこういうことだけではだめだということを如実に物語っておる。もっと大きなところで締め、小さなところで締めていかなければならない。結局は、何百億政府金融機関にあるいは買いオペを実施しても、系列金融大銀行が大企業の金融を助けるだけに終わってしまったというなまなましい経験をわれわれは持っておるのであります。ですから、繰り返し申しますが、中小企業の設備投資を押えるか押えないか、それから、歩積み、両建についてはどういうふうに監督していくつもりか。それから、総合的に政府金融機関に金をつぎ込むのはいいけれども、大企業をよほど押えておかないと、支払いの手形の問題で結局大企業を助けるだけに終わって、三十二年と同じように大企業にはまたことしも来年も金融が激増し、中小企業には激減をするという結果しか生まれないと痛感するのでありますが、これらの問題についてお答えをいただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 お説、私は三つとも全く同感でございます。と申しますのは、今設備投資が四兆億になろうとかどうとかいろいろ言われておりますが、その中には、相当、設備投資意欲と申しますか、合理化意欲というものが日本では大企業から中小企業に移っておるというのが現実でございますので、私どもが主要銀行を通じて百五十社の大企業の設備投資を調査したときでも、これは全体として一兆何千億というものでございますが、そのほかは、農業、水産業、いろいろ中小企業の設備投資になるわけでございます。その部分にも相当設備投資意欲が多いということが問題でございますので、全体としての設備投資を少し押えてもらうというからには、大企業にも中小企業にも同じように若干自制してもらうということには変わりございませんが、その中でも、特に合理化へ入ってきた、ようやくそこまで入ってきた中小企業部門の必要な合理化は、そうここで特に押えたくない。引き締めについても設備削減についても、みな一割というような機械的な指導をやらないという方針で、全体としてことしは三千五、六百億円にとどめる方法をとりたいという方針でやっておりますので、設備投資も、おっしゃられるように、中小企業部門の設備投資の必要なものは、私どもはやはり、この際やり出したものはある程度やらせる。そのためには全体として中小企業へ向かうべき金融の量がやはり問題になります。政府機関は、今のところ大体そういう趣旨にのっとって、運転資金に力を入れてこの際は中小企業をなるたけ見る、中小企業といえども設備投資を延ばせるものは少し延ばしてほしいという一般方針で臨んで、運転資金の確保ということに今重点を置いてはおりますが、問題は、この引き締め政策をやると、何といっても中小企業にしわが寄ってしまう、このことをどう防ぐかということが私どもの金融政策の当面の中心問題になっておることは事実でございます。私どもが公定歩合を引き上げるか上げないかという問題で一番心配した問題はこのことで、突如として金利を上げて、公定歩合を上げて、そのことによってどういう結果が来るか。何らの準備なしにやったら、これは金融を締めるにしきの御旗だというので、銀行側はこれによって中小企業への貸し出しの方を締めて、今あなたがおっしゃられるように、系列のいろいろ大きい企業の方へ金を回す心配がなしとしない。そうなった場合は非常に大きい問題を起こしますので、その点を私どもが一番心配して、事前に相当の準備をしておかなければならぬということを考えましたために、まず設備投資の実情をにぎって、銀行にそういうところへの削減を優先的にするような配慮をして、公定歩合がかりに上がっても、すぐにそちらの方へ資金が流れないようにという配慮は、私どもは十分事前に気を使ってしておったつもりでございます。従って、今回の中小企業に対する貸付比率を落とさないようにという行政指導を十分にしております。これも御承知だと思いますが、中小企業が今どのくらい金融機関から金を融通しているかと申しますと、五兆以上に上っていると思います。その内容を言いますと、市中銀行におんぶしているものが五割四分ぐらい、政府機関に依存しているものが八分程度、相互銀行、信用金庫というようなものに依存しているのは三割八分というくらいの比率で、ほとんど中小企業金融のにない手は市中の金融機関でございますので、政府資金を少し回すというよりも、市中の何兆億の中小企業への金融の貸付比率が少しでも減る場合が中小企業には最も痛いことになりますので、この貸付比率を落とさないという配慮は十分にやっておかなければならぬということで、私どもはその行政指導は今十分にしているつもりです。従って、それはひとり行政指導でやるだけではございませんで、銀行、市中機関については自主的にそれをやってもらおうというために、いろいろな申し合わせをしていただいたり、あるいは懇談会という形で自主的にこれをやってもらいたいという要望をして、それぞれ各金融業界は自主的にそういう措置をとっております。その一つとして、今歩積み、両建の問題も出ておりますが、これも一つ自主的にやってくれというので、申し合わせそのほかによって今やってもらっておりますし、また、従って、政府の銀行局の監査を通じても、この問題は特にわれわれが見て注意をしながら、そういう方向へいかないように考えておりますが、ただ、問題は、従来の一つの慣行でございますので、全くやってはいかぬという禁止ということはむずかしいと思います。ですから、要するに、本人の意思に反した定期の積み方をされるというようなことは、もうこれはやらせないというような方向で十分指導し、こういう機会でございますから、特に監督は厳重にしたいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の要望したい点は究極的にはたった一つであります。これは三十二年のような結果を起こさないということであります。三十二年は、先ほど申しましたように、われわれはあらゆる努力をしたけれども、結局は中小企業金融は激減して、大企業金融は激増した。ああいう結果は起こさないという保証がもらいたいので、そのためには、大臣のおっしゃるような総合的な角度から追い詰めてもらわなければいかぬし、個別的にも追い詰めてもらわなければいかぬ。これは来年の経済企画庁の統計なりあるいは金融の統計を見ればすぐわかることであります。それはどうですか。お約束願えますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 三十二年の引き締めのときにそういう結果が出ましたので、単純に金利繰作によって経済の調整をやったらしわが寄るということを私どもはおそれておりましたからこそ、今回は非常に用心してこういう措置をやったといういきさつもございますので、私どもは、この中小企業への貸付量が特に滅らぬように、それでもなお減ってくるような傾向があれば、これは政府機関が発動する、そのために、政府機関の三機関に対しては、御承知のような金融手当をいたしましたり、さらにここで買いオペレーションの道を開いて、必要に応じて中小企業に金を貸した金融機関に対しては政府がそこの金融債を買ってやる。そして、貸したら買ってやるのじゃなくて、先に買ってやるから貸せという政策をこの十月からとろうと考えておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 来年になれば、水田さんがここで大きなダンビラを振り上げて心配はないと言った結果はすぐわかることであります。その間にもわれわれはいろいろ追及いたしますが、結果は明らかになることでありますから、一つその結果が起こらないように要望したいと思います。  それで、銀行に関連をして、私は埼玉銀行の問題を非常に注視をしておるわけです。時間がございませんから結論だけ申しますが、少なくとも貸し出し順位が低いにもかかわらず巨額の金が貸されておる。絶対額はべらぼうなものである。それが情実的に貸されておる。土地購入のための資金というものは、これは前から常識的に貸さないということでありながら貸しておる。一体この埼玉銀行の頭取である人がそういう武鉄の発起人になるということが適当であろうかどうか。法律では経済関係罰則の整備に関する法律があるけれども、これを厳密に解釈すれぱ、その秘密を漏らしてはいかぬという、その秘密を持っている一番の最高責任者が貸してもらう方の最高責任者になる。一体これは厳密に解釈すればいかぬことではなかろうか。多くの法律論議を私はここでやる時間がないのでありますが、結論的に私が大臣に要望したいのは、これは行政指導だけではだめだ。あなたが時おり言うておられるのでありますが、また銀行局の話を聞きましても、三十四年の銀行監査のときに、どうも思惑的融資の傾向があると注意指摘をしたとおっしゃる。しかし、指摘をしておきながら、それから一年有余、一体何らの措置もとらなかったのであろうか。銀行監査というものは一年半か二年ほどだ。だから、その間は手がなかったということであるならば、これは人間をふやすということもさりながら、今の銀行に対する一つの基準というものをもう少し明確にする必要がある。私どもはかねて言っておりますが、銀行法を改正して、自己資本の一割をこえるような貸し出しを一会社、一個人に貸してはならぬというような基準ワクをこの際作るべきときではなかろうか。何かそういうものがなければ、埼玉銀行のような問題は枚挙にいとまがない。一割が悪ければそれは御相談もあろうと思うのです。何かそういう水準というものがなければ、先ほどからの話にも関連をいたすのでありますけれども、結局は便利でそして返済問題のおそれのない、資金コストも安くつく系列銀行や大会社、大商社に貸すのがこれは普通の常識になってしまう。もしも銀行の資金が中小企業にかなり流れるようにするとするならば、一商社に対する貸付はその資金量の一定割合を定める必要がこの際あるのではないか。そういうものを定めないからこそ情実におぼれてやってしまう。私は三十五年度の銀行局の年報で地方銀行に対する監査の状況をしさいに調べたわけでありますけれども、その中にも、抽象的ではあるがこういう事例というものを指摘しております。そうだとするならば、そういうことを毎年々々繰り返しておっても、今の銀行局のやり方ではもうこれは信頼ができない。こういう問題の発生を防ぐことができない。従って、この埼玉銀行を契機にして、一会社、一個人に対する貸し出しの制限というもの、あるいは一定量は中小企業に回すということに、今までのあなたの御答弁を帰結すればならなければならないのではないか、この際それをやった方がいいのではないか、こう痛感をするのでありますが、いかがでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今、埼玉銀行の融資順位の問題でございますが、三十四年七月のときに一ぺん調査して、この問題はそのときに出ておった問題でございますが、融資順位という点から申しますと、鉄道に対するいろんな土地買い上げとかいうようなものの融資順位は非常に高い方でありまして、貸したことについての問題というものは当時はなかったのですが、しかし、問題は、武州鉄道が認可になるかならぬかという見込みのついていないときの貸し出しとしては、これはあまり好ましいものではないという注意を大蔵省は監査の書類の中にも書いて警告をしたという事実はございますが、埼玉銀行の貸し出しはその後回収されておりますので、現在におきましては、この問題は武州対埼玉銀行の問題としては今ないという状態になっております。(横山委員「白雲観光に肩がわりしただけじゃないか」と呼ぶ)白雲観光に対する融資については、この始末を今後どうするかという問題は、これから研究してやるべき問題で、ただいまその問題について銀行側でも検討中だそうでございます。  それから、貸し付けの集中を防ぐという問題については、その方向で取り締まっておりますが、問題は、いい企業であっても自己資本が過小のために借り入れ依存度が非常に多いというのが今実情でございますので、銀行としては、できるだけもっと資本を増してこい、資本を大きくしてくるならこの際ここまでは貸そうというような指導は裏では実態的には行なわれておりますが、これを一定の基準をきめて機械的に法律できめるというような措置はどうかと考えますので、そういう点については、今後内部指導の基準というようなものについても私どもは十分検討したいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣はどうも自信のない答弁で、だんだん声が小さくなってしまうので聞き取りがたいのですが、この点はあらためてよくただしたいと思うのでありますが、結論としては、もうそういうことを作らなければ、銀行局の監査ではだめだ。銀行局の監査の実態ということも私は少し調べたのでありますが、必ずしもいい成績ばかりではない。そして、事後監査というものが行き届かない、人が足りない、また方法が悪い、こういう点から考えますと、百尺竿頭一歩を進めるべきだと私は痛感をするわけであります。  最後に、税金の問題を一つだけあなたにただしたいと思います。国税通則法の問題であります。先般私どもの方から政府に対して申し入れをいたしました、国税通則法のものの考え方と全国の中小企業団体なり中小企業者なりの考え方とはベースが違うのだ、だからこの際そのベースを組み入れてもう一ぺん考え直したらどうか、これは本委員会で私どもが一生懸命に春の国会で取り上げた問題ですが、これを少しも考慮に入れておらぬ。事務担当者の言うことを聞けば、アカデミックな検討をしただけで政治的な野心はない、徴税強化の野心はないとおっしゃるけれども、百歩を譲ってそうだとしても、今の納税者の心理から言うと、この国税通則法は見当違いもはなはだしいものだ、もう少し前向きの国税通則法を作るならともかく、この際一応やめたらどうか、もう一ぺん納税者の意見を聞いて再検討したらどうかということを申し入れたわけでございます。今では、中央会、中政連はもとより、あらゆる中小企業団体が、国税通則法は、極端な言い方をするならば税金の政防法だというような言い方までして、通則法について再検討を要望しておるわけです。どうですか。あなたはまだ通則法の内容を十分ごらん願っていないと思うのでありますが、要点は先般私どもが差し上げたものなんです。通則法についてこの際再検討なさるお気持はないか。通常国会に提出の準備でやっておられると思うのでありますが、これがきまればほかの法律の関連も非常に多いのでありますから、今のうちに大臣が政治的判断をなさるべき段階にあると思うのであります。これを強くあなたにお勧めしながら御意見を承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 この問題については、まだ政府が成案を得て発表しているわけではございませんので、誤解が非常に多いのじゃないかと思っております。通則法を作ることがいいかどうかは問題でございませんで、長年の懸案で待望事項でありますので、政府も学識経験者を集めて三年間この問題を検討して、ようやくこの夏に答申が出されたということでございます。従って、税金の民主化とか、あるいは税法の本法から手続法をみんな離して国民にわかりやすくするというような、いろいろな一連の通則法の中に入っている問題については、これは今まで要望されておった事項でありますから、この点についてはもう問題はなかろうと思います。問題は、今ときどき陳情者から指摘されていることを見ますと、質問調査権とか、こういうものが今の刑法規定とどういうことになるのかというような個々の問題については、まだ法律的に相当研究しなければならぬ問題がこの答申の中にあると思います。そういう点につきましては、私ども十分に今後検討して、政府成案にするまでには十分諸方面の意見も聞いてきめたいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 何年御検討されても、うしろ向きの検討と前向きの検討とでは、やればやるほど較差が開くばかりなんです。私があなたにお願いしておることは、学者さんの意見は事務的、技術的、学究的な意見であって、なまの納税者の税務署の窓口における紛争なり、あるいはその取り扱いなり、そういうものから考えた前向きの通則法を作らなければだめだ、こう言っておるわけであります。そう言うと主税局長が開き直ってきそうな雰囲気を示しておりますが、やはり学究的でありますから、だめなんです。私が申し上げるのは、今までのものの考え方ではだめです。かねがね言っておりますように、今の徴税機構が権力行政であるという本質については必ずしも否定しないけれども、戦後の混乱期ならいざ知らず、今日としては、合理的、民主的な方向において徴税制度を変えなければだめだ。そういうやり方が根本精神になければだめだ。あっちの法律こっちの法律とばらばらになっているから、何となくそれを集めて一つの体系を作るのだ、商法も民法もまだきめていないけれども、税法の中ではこれをきちんとしようというようなことだけでは、うしろ向きのことであってだめなんだ、こう言っておるのでありますから、ベースが違うのです。何も私のベースとあなたのベースじゃありませんよ。納税者と大蔵省のベースが違うのです。しかし、それを私は百歩譲ってという立場で申しましたが、あなたの方で、いやそうではないのだ、実は四千五百億の自然増収が来年ある、この際少し権限を強めてやらなければいかぬのだ、こういうお気持があるならば何をか言わんや、こう申し上げたい。しかし、そういうようにとられるさまざまな条項が内部にあるのですから、納税者が、あるいは中小企業団体がそういう主張をするのは当然なことなんです。あなたは個々の問題についてはまだごらんになっていらっしゃらないと思うけれども、これは私はあなたに強くお勧めをいたしたい。妙な言い方をしては失礼でありますが、来年は参議院選挙のある年です。景気も悪いわ、あるいは国税通則法も出るわでは、自民党の皆さんこそえらい迷惑千万だと思う。そういう政治的な配慮をなさって、何も国税通則法は今どうしても出さなければならぬものではないのです。それは万人も首肯しているのです。三年研究したら、四年研究して、五年目に前向きの姿勢に返って六年目に出しなさい。私はそれを切に勧めたいのです。まだあなたと私とべースが違うかもしれませんが、くどく言っておきますが、国税通則法を通常国会にお出しになることはこの際お避けになったらどうか。もう一ぺん勧めますが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 長い間待望されておったことでございますし、先進諸国が持っている法律がまだ日本になかった。皆さん方からも早く作れ作れと昔は激励されておったものでございますので、私どもはできるだけ早くこれは国会に提出したいと思いますが、今おっしゃられたように、内容の点では私どもは十分検討いたします。検討して実際にはできるだけ早く国会に出したい、こう考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 特にこれは院外におけるまさに超党派的な中小企業団体の要望なんですから、お取り上げになった方が政府のためであろう、また与党のためであろうと私は思うのです。またこれは別途内容に触れて後刻質問をいたしたいと思うのです。  もうちょっと時間をいただきまして、この税制で予算委員会でいろいろ言うておられるのですが、その中で一番心外な点は、国民所得と税の負担率の問題です。まさか大臣がこの大蔵委員会の席上で二〇%に拘泥しないということは養える筋合いではないと思うのでありますが、いかがでございますか。最近大幅減税ムードがだんだん薄れていって、まあ二二、三%なんなりに税金をしてしまえ、そうしてこの際景気の引き締めのときだから減税をする必要はないという声が与党の中にもあるそうでありますが、(「ごく一部だ」と呼ぶ者あり)ごく一部だそうでありますが、まことにこれは言語道断だと私は思うのです。もう景気の調整策として減税を云々するということは税金を冒涜するようなものだ。大体、自然増収というものは、まあ市民の言い方によれば取り過ぎなんですから、取り過ぎたものはやはりそれ相当に返すべきだ。これは長期の立場において大幅減税をすべきものなんだ。いわんや、あの二〇%は、本委員会で議論をいたしましたときに、当時の主税局長も、それから塩崎さんも、二〇%ということについては税調の議事録を見て下さい、ちょっとでもこえてはならぬということではない、こういってなるほど説明はされました。けれども、ちょっとでもこえてはいけないですよという点にかりに百歩譲っても、今のごく一部にありますような意見がこの税調の答申を無視したことであることは言うまでもないことであります。大臣みずからもあのときにここでおっしゃったはずです。二〇%という水準を守るということがあなたの政治的な義務だと思うのでありますが、いかがでありますか。国民所得の増大につれて二〇%の水準をもって減税政策をとるべきだと私は確信し、あなたの政治的な良心にお伺いをいたしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今度の施政方針演説でも申しましたように、今の日本の税金は軽いものとは思いません。従って、私どもは合理的な減税を来年度においても行ないたいと思っております。これは変わりございませんが、ただし、二〇%ということは、御承知のように、税制調査会からそういう意見が出てきました。私どもも、あの時点においてはある程度合理的である、なるたけその範囲の負担率にしたいということを申しましたが、しかし、これは、考えてみますと、%にこだわる理由というものはないし、何%でなければならぬという理由はどこにもございません。ですから、私は、これはまた公約違反と言われるといけないと思いまして、今度の予算委員会でも私はそれは公約した覚えはないので、率にはこだわりませんと言うし、参議院に行っても、あらかじめこれにはこだわらないからよろしくというあいさつまで参議院の大蔵委員会でしてございます。と申しますのは、先進国ほど、社会保障費そのほかの経費が多くなって、国民の負担というものは多くなっているのが通常でございます。たとえば、イギリスで見ましたら、三八%の国民所得に対する税の負担率、今回はそれをさらに大きい増税をするというような事態にもなっておりますし、欧州諸国の率もみな三〇%以上の負担率になっておる。先進国が二一、二%の時代はいつかと申しますと、今からみんな十年前の負担率ということになっております。結局、税を減税しなければならぬというのは、国民生活が困るからでございますが、率から申しますと、一万円とっている人が一割負担するということは、あと九千円しか残らない。これで生活をするということは不可能でございますので、一割でもこれはつらい。しかし、所得十万の人から見ましたら、一割税をとられたらあと九万円残りますから、これは生活するのに楽だということになりますので、問題は国民所得のあり方とその国の財政需要との関係で税負担率というものはきまってくべきものだと私は考えますので、国民所得がだんだんにふえて、そうして社会保障費等必要な経費というものが先進国で経ているような過程で日本も今後いくことが国民生活の水準を上げることだという政治目標を持っています以上は、私どもは国民所得の増大に骨も折りましょうし、従って、税負担率がどういうふうになっていくかということは簡単にはどれが正しいとは言えません。私は、できるならば、日本国民の所得が大きくなって、三割ぐらいの税負担になっても国民生活は困らないというところまで早くいってもらいたいということは考えておりますが、急にそうするわけではございませんで、前国会で三十七年度は二一%ぐらいまでいくんじゃないかというようなことをちょっと申しました記憶はございますが、必要な減税は今後する、した結果が今後何%になるかということは、ここでまだ今のところ見通しがつかないことでございますので、二〇%でなかったら公約違反だなんて言わないように、このことは今から一つお願いしておきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それであなたの心境を率直に語られたとしたならば、私は少し大臣に対する尊敬の念を薄くせざるを得ない。あなたは、ものは言いようでどうにでもなるという角度から見れば笑いごとで済まされる。けれども、あなたの例をとっても、一万円の一割と十万円の一割は違う、それはその通りだ。けれども、あれからまだ半年もたっていないんですよ。あのときにそれは二〇%にこだわらないという点は私も聞きました。聞きましたけれども、多少上がってもそれはこだわってはいけませんよという意味で私どもは聞いたんです。それが、今や、二〇%であろうと二三%であろうと、所得が上がればいいじゃありませんか、こういうお話を持ち出されようとは夢にも思いません。やっぱりそれはあのときのあの条件もあるから二〇%に努力したいと思うけれども、いろいろなことがあったら一つたのむ、ここまでぐらいは言ってしかるべきではないか。それを、あの時点においてはというようなことを言われるのは、税制調査会の諸君にしたところであの時点なら二〇%でいいということを書いた覚えはないと言っていますよ。一つの目安だと言っている。せめて二年か三年でもたったらあなたの言うように変えてもいいだろう。まだ半年たつやたたぬのに、二〇%なんて問題にならぬというような言い方をなさるということは、あなたはきょうはいささかどうかしていらっしゃる。政治的良心を持ってもらわなければいかぬ。こう思うわけです。この点は強くあなたに注意を促したい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは誤解があるといけませんから申し上げますが、ことしは当初予算において二〇・七%ぐらいに縮めることに減税も骨を折りました。それでも二〇%というところにはおさまらないで、当初予算で二〇・七%になりましたが、御承知のようにその後経済が相当伸びておりますために、自然増収が今後また相当見込まれるとしますと、今年度すでに二一%こすかもしれないという情勢でございます。来年度の自然増を見ますと、まだ確実な見通しはつきませんが、いろいろ考えてみますと、相当大きい減税を私どもがやるといたしましても、来年度の必要経費増というようなものの大きさとか、いろいろのものを考えますと、私どもは相当減税をしますが、これは二一%をこすことがあるかもしれない。それに対することを今のうちに率できめるのではなくて、問題は、必要経費をどう見るか、そうして必要減税というものをどう見るか、そこの方が先で、それからやってきた結果が国民所得に対してどう出るかというのが、これはあとからの問題でございますので、率できめてかかるべきものでないということを私は申しているだけでございまして、減税に努めて国民所得に対する国民の税の負担の割合をできるだけ小さく、今まで骨折った線の近所にとどめたいという努力をすることはこれは当然でございまして、それはしないというわけではございません。結果がどういうふうになるかということを今お約束できないと言っただけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間になりましたから私はやめますが、注文をしておきたいと思います。私どもは、個々の納税者なり団体に接触する人間が、この税金を直したらどうだ、ここの税金を直したらどうだと言うことは弊害がございますが、しかし、大臣としては、大どころ、勘どころとして、国民所得の何%くらいが税制であるべきだということはあなたがおっしゃってしかるべきであって、それが目安がきまってそのワクで一つ考えてもらいたいということをあなたならおっしゃるべきところだ、私はそう思うのです。これは意見の相違になるかもしれませんからこれでやめます。  きょうは実は堀委員から御質問を行なうのですが、大臣の答弁も一問一答で終わりませんでしたので、あとの委員がずいぶん残っております。大臣に重ねて要望したいのでありますが、これから参議院の予算委員会となりますと、今国会中に大臣が本委員会に出席をされるということが全く皆無のままになりそうなんであります。私どもは朝も夜も場合によってはいといませんから、大臣も、きょうは例外と思わずに、ここはあなたのベースなんですから、ぜひ万障繰り合わせて本委員会に出席されるように要望をいたしまして、私の質問を終わります。

小川平二自由民主党

○小川委員長 次会は来たる十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗